Article ID: NVSI-050080JP Created: 2005/02/04 Revised: - 仮想テープ ライブラリを使用した D2D バックアップのパフォーマンス検証
目次 1. 検証目的... 3 2. 検証環境... 3 2.1 構成図... 3 2.2 ハードウェア構成... 3 2.3 ソフトウェア構成... 4 2.4 ディスク構成... 4 3. 結果概要および結果... 5 3.1 検証方法... 5 3.2 考察... 6 3.3 まとめ... 11 以下は詳細資料です 概要だけを確認したい場合には 項目 3 までをご参照ください 4. 検証環境詳細... 12 4.1 バックアップ対象データ... 12 4.2 ターゲットデバイス... 13 4.3 パフォーマンス チューニング... 16 5. 検証結果詳細... 17 5.1 Linux ローカルバックアップ検証結果... 17 5.2 リモート バックアップ検証結果... 19 5.3 パラレル バックアップ検証結果... 21 5.4 Windows バックアップ サーバ検証結果... 23 5.5 CPU 負荷率に関する調査... 26 Page(s): 2/26
1. 検証目的 NetVault の特徴的な機能の一つである仮想テープ ライブラリ ( 以下 VTL) は ディスク装置をあたかもテープ ライブラリのように認識させる機能であり 一般的なテープ ライブラリ装置よりもパフォーマンスに優れています 本検証では デル株式会社が取り扱っている 安価な SATA ドライブで FC 接続可能な DELL EMC AX100 と 従来の SCSI ドライブを使用した SCSI 接続の DELL PowerVault 220S および テープ装置として DELL PowerVault 122T LTO2 を使用し バックアップ リストア パフォーマンスを様々な観点から確認しました 2. 検証環境 2.1 構成図 NetVault Server DELL PowerEdge2800 DELL PowerConnect 2508 DELL PowerVault 220S DELL PowerVault 122T LTO2 DELL EMC AX100 FC DELL PowerEdge2650 NetVault Client 2.2 ハードウェア構成 サーバ 表 2-1 ハードウェア構成 [pe2800rhel3up2] メーカー DELL 機種 PowerEdge2800 CPU Intel Xeon 2.8GHz(HT) メモリ 512MB 内蔵ディスク容量 SCSI 36GB Disk x3 台 SCSI RAID Card DELL PERC 4e/Di DELL PERC 4/DC SCSI Card Adaptec 3960D Driver:6.2.36 FC Card QLogic QLA200 Firm:3.03.06 Driver:v2.10.1.1 表 2-2 ハードウェア構成 [pe2650] メーカー DELL 機種 PowerEdge2650 CPU Intel Xeon 2.4GHz メモリ 3.75GB 内蔵ディスク容量 SCSI 36GB Disk x4 台 SCSI RAID Card DELL PERC 3/Di SCSI Card Adaptec 3960D Driver:6.2.36 FC Card QLogic QLA200 Firm:3.03.06 Driver:v2.10.1.1 ディスク 表 2-3 ハードウェア構成 ( ディスク ) メーカー DELL EMC 機種 AX100 I/F FC 搭載ディスク SATA 160GB 7200rpm Disk x12 台 Page(s): 3/26
表 2-4 ハードウェア構成 ( ディスク ) メーカー DELL 機種 PowerVault220S I/F SCSI 搭載ディスク SCSI 72GB Disk x5 台 テープ 表 2-5 ハードウェア構成 ( テープ装置 ) [LTO2] メーカー DELL 機種 PowerVault 122T LTO2 Firm:3AYD K17r I/F SCSI ネットワークスイッチ 表 2-6 ハードウェア構成 メーカー DELL 機種 PowerConnect 2508 I/F Gigabit Ethernet 2.3 ソフトウェア構成 表 2-7 ソフトウェア構成ホスト OS Backup Software 表 2-8 ソフトウェア構成ホスト OS Backup Software pe2800rhel3up2 Red Hat Enterprise Linux AS3 Update2 Windows Server 2003 Standard Edition NetVault 7.1.1 R2004OCT27-CHIEF EMC PowerPath v3.0.6 for Linux pe2650 Windows Server 2003 Standard Edition NetVault 7.1.1 R2004OCT27-CHIEF EMC PowerPath v4.1.1 for Windows 2.4 ディスク構成 表 2-9 パーティション構成 /etc/fstab の内容 LABEL=/ / ext3 defaults 1 1 LABEL=/boot /boot ext3 defaults 1 2 none /dev/pts devpts gid=5,mode=620 0 0 none /proc proc defaults 0 0 none /dev/shm tmpfs defaults 0 0 /dev/sda3 swap swap defaults 0 0 /dev/cdrom /mnt/cdrom udf,iso9660 noauto,owner,kudzu,ro 0 0 /dev/cdrom1 /mnt/cdrom1 udf,iso9660 noauto,owner,kudzu,ro 0 0 /dev/hde /mnt/ls120.0 auto noauto,owner,kudzu 0 0 /dev/fd0 /mnt/floppy auto noauto,owner,kudzu 0 0 /dev/emcpowera1 /ax100 ext3 defaults 1 1 /dev/sda4 /data ext3 defaults 1 1 Page(s): 4/26
3. 結果概要および結果 3.1 検証方法 下記の異なるパターンでバックアップを行い 項目毎のパフォーマンス傾向について確認しました また 行ったすべてのパターンにおいて バックアップ / リストアが正常に稼動することを確認しました なお パフォーマンスについてはバックアップに主点を置いて計測しています 表 3-1 検証方法対象データ [test1] 平均ファイルサイズ 200KB 詳細は [4.1] 参照 [test2] 平均ファイルサイズ 10KB [test3] 平均ファイルサイズ 200MB ターゲットデバイス DELL EMC AX100 上に作成した仮想テープ ライブラリ 詳細は [4.2] 参照 DELL PowerVault 220S 上に作成した仮想テープ ライブラリ DELL PowerVault 122T LTO2 メディア ブロック サイズ 32KB 詳細は [4.3] 参照 256KB 1024KB 共有メモリ サイズ 257KB 詳細は [4.3] 参照 8193KB 32769KB サーバ クライアント NetVault サーバ Linux Windows NetVault クライアント Linux バックアップ形態ローカル バックアップリモート バックアップ Page(s): 5/26
3.2 考察 1 項目 [5.1 Linux ローカル バックアップ ] の検証結果から小さなファイルが多い場合には システムからのファイル取得がボトルネックになり あまり速度に差は見られませんが 平均ファイルサイズが大きく圧縮が効かないファイルの場合 仮想テープ ライブラリは速度面で大きな優位性があることがわかります グラフ 3-1 ローカル バックアップの速度比較から抜粋 8193-256 データ PV122T PV220 AX100 Shared Memory(kb) Block Size(kb) 8193-256 0 10000 20000 30000 40000 50000 60000 70000 80000 90000 表 3-1 ローカル バックアップの詳細データから抜粋 Block Size Shared Memory Test Data Average (KB/s) Peak (KB/s) Time Compression Ratio AX100 256 8193 test3 60245 84648 3:08 3:05 1:1 PV220 256 8193 test3 59988 67270 3:07 3:06 1:1 PV122T 256 8193 test3 32935 56575 5:42 5:39 0.799:1 Page(s): 6/26
2 項目 [5.1 Linux ローカル バックアップ ] の検証結果から 平均ファイルサイズが大きいファイルのバックアップを行う場合で 特に仮想テープ ライブラリを使用している場合 ブロック サイズや共有メモリの設定を変更することでパフォーマンスの向上がされることがわかります また 必ずしもブロック サイズを最大限に大きくすることが良いという訳ではなく 適切な値を設定する必要があります グラフ 3-2 ローカル バックアップの速度比較から抜粋 データ AX100 Shared Memory(kb) Block Size(kb) 32769-1024 8193-256 257-32 0 10000 20000 30000 40000 50000 60000 70000 80000 90000 表 3-2 ローカル バックアップの詳細データから抜粋 Block Size Shared Memory Test Data Average (KB/s) Peak (KB/s) Time AX100 32 257 test3 45262 60026 4:07 4:06 1:1 AX100 256 8193 test3 60245 84648 3:08 3:05 1:1 AX100 1024 32769 test3 47697 70364 3:55 3:53 1:1 Compression Ratio Page(s): 7/26
3 項目 [5.2 リモート バックアップ ] の検証結果では 同じテストデータを使用した場合でも ネットワーク経由でのバックアップの場合 Gigabit Ethernet を使用していても 50MB/s 程度が最大転送レートになっています ネットワークがボトルネックになっていると考えられますが サーバ集約型のバックアップ システムを Gigabit Ethernet を使用して構築した場合 十分実用的な速度であることが確認できました グラフ 3-3 リモートおよびローカル バックアップの速度比較から抜粋 256-8193 最大転送レート Server - Client データ Linux サーバ - Windows クライアント Linux サーバ AX100 AX100 平均転送レート 最大転送レート 平均転送レート Block Size(kb) Shared Memory(kb) 256-8193 0 10000 20000 30000 40000 50000 60000 70000 80000 90000 表 3-3 リモートおよびローカル バックアップの詳細データから抜粋 Server - Client Block Size Shared Memory Test Data Average (KB/s) Peak (KB/s) Elapse d Time Linux サーバ AX100 256 8193 test3 60245 84648 3:08 3:05 1:1 Linux サーバ - Windows クライアント AX100 256 8193 test3 48545 54016 3:50 3:49 1:1 Compress ion Ratio Page(s): 8/26
4 項目 [5.3 パラレル バックアップ検証 ] で ローカルディスクのバックアップについて検証したところ 1 台の仮想ドライブを使用した速度 (60245KB/s) の方が 2 台の仮想ドライブに分散して書き込みを行った場合 (14016+14177=28283KB/s) よりも早いことがわかります データの転送元が一箇所で シーケンシャルな転送が予想されるようなデータの場合 あえて分散しない方が良い場合もあることが確認できます 別途の検証レポートでは 複数の仮想ドライブは 複数クライアントからのパラレル バックアップに有効であることが確認されています グラフ 3-4 パラレル バックアップの速度比較から抜粋 256-8193 最大転送レート (KB/s) データ AX100 D1D2 合計値 AX100 平均転送レート (KB/s) 最大転送レート (KB/s) 平均転送レート (KB/s) Block Size(kb) Shared Memory(kb) 256-8193 0 10000 20000 30000 40000 50000 60000 70000 80000 90000 表 3-4 パラレル バックアップの詳細データから抜粋 Block Size (kb) Shared Memory (kb) Test Data Average Peak Time AX100 256 8193 test3 60245 84648 3:08 3:05 1:1 AX100 D1 D2 合計値 256 8193 test3 28283 41913 3:08 3:05 1:1 AX100 D1 単独値 256 8193 test3 14106 22969 6:36 6:36 1:1 AX100 D2 単独値 256 8193 test3 14177 18944 6:34 6:34 1:1 Compression Ratio Page(s): 9/26
項目 [5.4 Windows バックアップ サーバ検証結果 ] においては Linux で行ったバックアップのテストをバックアップ サーバを Windows に置き換えて確認しています [test3] のテストデータのみについて確認しましたが [5.1 Linux ローカル バックアップ ] の場合と同じもしくはそれ以上の性能が出ていることがわかりました グラフ 3-5 Linux および Windows のローカル バックアップの速度比較 Server データ PV122T PV220 AX100 Windows Linux Windows Linux Windows Linux 最大転送レート 平均転送レート 最大転送レート 平均転送レート 最大転送レート 平均転送レート 最大転送レート 平均転送レート 最大転送レート 平均転送レート 最大転送レート 平均転送レート Block Size(kb) Shared Memory(kb) 256-8193 32-8193 0 20000 40000 60000 80000 100000 120000 表 3-5 Linux および Windows のローカル バックアップの速度比較 Block Shared Average Peak Test Server Size Memory Data (kb) (KB/s) (KB/s) Time Linux AX100 256 8193 test3 60245 84648 3:08 3:05 Windows AX100 256 8193 test3 54913 96512 3:29 3:23 Linux PV220 256 8193 test3 59988 67270 3:07 3:06 Windows PV220 256 8193 test3 71454 99072 2:42 2:36 Linux PV122T 256 8193 test3 32935 56575 5:42 5:39 Windows PV122T 32 8193 test3 33783 69841 5:40 5:30 Windows 環境で PV122T を使用する場合 仕様により 256KB のブロック サイズは使用できないため 32KB を指定しています 5 項目 [5.5 CPU 負荷率の調査 ] では 項目 [5.4 Windows バックアップ サーバ検証結果 ] で実施した各バックアップの際の CPU 使用率の履歴グラフについてスクリーンショットが取得されており それによるとテープ装置使用時と比較すると 5~10% 程度仮想テープ ライブラリの方が負荷の高いことがわかりますが これはディスク I/O が発生した事に伴う負荷の上昇とも考えられます Page(s): 10/26
3.3 まとめ 1 2 3 4 5 6 VTL を活用することで 一般的なテープ ライブラリよりも高いパフォーマンスが期待できます 平均ファイル サイズが大きい場合 ブロック サイズおよび共有メモリをチューニングすることでパフォーマンスの向上が可能です Linux と Windows において OS の違いによる大きなパフォーマンスの差はありません NetVault は両方の OS に柔軟に対応しているため あらゆるソリューションでお使いいただけます Gigabit Ethernet 環境を使用することで VTL やテープ ライブラリの性能を最大限に生かしながら バックアップ サーバによる集約型のシステム構築が可能です 単一のデータソースを複数のジョブに分割してバックアップすることは 必ずしもパフォーマンスの向上をもたらすとは限らないことがわかりました VTL の複数の仮想ドライブは 複数のクライアントからのパラレル バックアップの際に もっとも効率よく動作します 詳細は 弊社ホームページ上に技術文書として公開されている 仮想テープ ライブラリのパフォーマンス検証 を参考にしてください VTL を使用することによるシステムの CPU 負荷は 主に Disk I/O の増加に伴うものであり Tape 使用時と比べて 5~10% くらいであることがわかりました バックアップ サーバによる運用時 およりアプリケーション サーバ自身でのバックアップ時にも あまり影響がないことが確認できました 本資料のデータは 検証環境でのデータであり 環境によってはパフォーマンス等の値が異なる場合があります Page(s): 11/26
以下は検証データの詳細になります 検証の概要については [3.3 まとめ ] までの項目でご確認ください 4. 検証環境詳細 4.1 バックアップ対象データ データのファイルサイズによるバックアップ速度の違いを確認するために 種類の異なるデータを用意しました バックアップ対象となるデータは それぞれのマシンの内蔵ディスクに格納され 外部ストレージはあくまでバックアップ用途で使用した場合のパフォーマンスについて確認を行いました 対象データは それぞれ Backup Selection Set として保存し 各検証の際にロードして選択しました 図 4-1 Backup Selection Set の指定 表 4-1 対象データ [test1] 概要項目ディレクトリデータ容量アイテムカウント ( ファイル数とディレクトリ数の合計 ) 平均ファイルサイズデータ作成方法データ容量詳細表 4-2 対象データ [test2] 概要項目ディレクトリデータ容量アイテムカウント ( ファイル数とディレクトリ数の合計 ) 平均ファイルサイズデータ作成方法データ容量詳細 内容 /data/test1 合計約 22GB 105005 200KB 1ディレクトリ 110MB 490 ファイルの WAV ファイルを配置 それを合計 200 ディレクトリに拡張 [root@pe2800rhel3up2 data]# du -s -m./test1 22923./test1 内容 /data/test2 合計約 10GB 1000103 10KB 1ディレクトリ 118MB 10000 ファイルのテキストファイルを配置 それを合計 100 ディレクトリに拡張 [root@pe2800rhel3up2 data]# du -s -m./test2 11743./test2 Page(s): 12/26
表 4-3 対象データ [test3] 概要項目ディレクトリデータ容量アイテムカウント ( ファイル数とディレクトリ数の合計 ) 平均ファイルサイズデータ作成方法データ容量詳細 内容 /data/test3 合計約 10GB 63 200MB 1ディレクトリ 990MB 5 ファイルの wmv ファイルを配置 それを合計 10 ディレクトリに拡張 [root@pe2800rhel3up2 data]# du -s -m./test3 10924./test3 4.2 ターゲットデバイス バックアップのパフォーマンスを比較するために 2 種類のディスク ストレージと 1 種類のテープ ライブラリを用意し 検証に使用しました ディスク ストレージを使用する場合にも NetVault の優れた機能の一つである VTL により テープ ライブラリと同様の手順にて検証を実施することが可能になっています 図 4-2 VTL( 仮想テープ ライブラリ ) Page(s): 13/26
4.2.1 DELL EMC AX100 Web ブラウザ経由で使用できる Navisphere Express を使用し Virtual Disk を定義し NetVault Server に対して割り当てを行います 図 4-3 Navisphere Express からの Virtual Disk の作成 Linux のシステムから認識後 /dev/emcpowera と認識されたデバイスにパーティションを作成し ext3 にてファイルシステムを作成しました /etc/fstab に登録後 mount を確認します [root@pe2800rhel3up2 etc]# fdisk -l Disk /dev/emcpowera: 536.8 GB, 536870912000 bytes 64 heads, 32 sectors/track, 512000 cylinders Units = シリンダ数 of 2048 * 512 = 1048576 bytes デバイスブート始点 終点ブロック ID システム /dev/emcpowera1 1 512000 524287984 83 Linux /ax100 としてマウントされたボリュームを使用し NetVault から 400GB 程度の VTL を作成しました 図 4-4 AX100 ボリュームへの VTL の作成 合計 4 台のバーチャル ドライブを使用可能な状態に設定しました Page(s): 14/26
4.2.2 DELL PowerVault220S PowerVault220S の場合には /dev/sdb として認識されたデバイスにパーティションを作成し ext3 にてファイルシステムを作成しました /etc/fstab に登録後 mount を確認します /pv220 としてマウントされたボリュームを使用し NetVault から 200GB 程度の VTL を作成しました 図 4-5 PowerVault220S ボリュームへの VTL の作成 合計 2 台のバーチャル ドライブを使用可能な状態に設定しました 4.2.3 DELL PowerVault 122T LTO2 Management よりライブラリとドライブの登録を行います 図 4-6 PowerVault 122T LTO2 の登録 Page(s): 15/26
4.3 パフォーマンス チューニング NetVault では 各ドライブに対して [Media block size] によるメディア ブロック サイズの指定と [Amount of memory to assign to transfer buffers] による共有メモリ使用に関する設定が可能です パフォーマンス オプションの使用にあたっては事前に NetVault7.1.x アドミニストレーターズ ガイド を参照するようにしてください 本検証では 各チューニング項目を変更した際のパフォーマンスについて確認を行いました 図 4-7 メディア ブロック サイズの変更 図 4-8 共有メモリ サイズの変更 Page(s): 16/26
5. 検証結果詳細 5.1 Linux ローカル バックアップ検証結果 最初は バックアップ サーバ自身のローカルにあるデータのバックアップについて検証を実施しました DELL PowerVault 220S DELL PowerEdge2800 NetVault Server DELL PowerVault 122T LTO2 DELL EMC AX100 FC 3 種類のデバイスを使用し それぞれブロック サイズや共有メモリの値を変更しながら 3 パターンのテストデータに関するバックアップ速度を計測しています 計測は Job Management から各ジョブの Job Monitor を参照することにより バックアップ終了後の数値を記録しました 図 5-1 Job Monitor からの確認 グラフ 5-1 ローカル バックアップの速度比較 データ PV122T PV220 AX100 Test Data Block Size(kb) Shared Memory(kb) test1-32 - 257 test1-256 - 8193 test1-1024 - 32769 test2-32 - 257 test2-256 - 8193 test2-1024 - 32769 test3-32 - 257 test3-256 - 8193 test3-1024 - 32769 0 10000 20000 30000 40000 50000 60000 70000 80000 90000 Page(s): 17/26
表 5-1 ローカル バックアップの詳細データ Block Size Shared Memory Test Data Average (KB/s) Peak (KB/s) Time Compression Ratio AX100 32 257 test1 22806 31440 16:44 16:22 1:1 AX100 256 8193 test1 30317 38161 12:35 12:34 1:1 AX100 1024 32769 test1 29827 37888 12:47 12:46 1:1 AX100 32 257 test2 21969 28544 7:42 7:41 1:1 AX100 256 8193 test2 26461 31457 6:23 6:23 1:1 AX100 1024 32769 test2 25133 31583 6:43 6:43 1:1 AX100 32 257 test3 45262 60026 4:07 4:06 1:1 AX100 256 8193 test3 60245 84648 3:08 3:05 1:1 AX100 1024 32769 test3 47697 70364 3:55 3:53 1:1 PV220 32 257 test1 26800 34016 14:11 14:10 1:1 PV220 256 8193 test1 29591 36352 12:51 21:49 1:1 PV220 1024 32769 test1 33235 38912 11:26 11:25 1:1 PV220 32 257 test2 22767 28219 7:25 7:25 1:1 PV220 256 8193 test2 24710 29440 6:50 6:50 1:1 PV220 1024 32769 test2 23266 29184 7:16 7:15 1:1 PV220 32 257 test3 55655 64727 3:21 3:20 1:1 PV220 256 8193 test3 59988 67270 3:07 3:06 1:1 PV220 1024 32769 test3 51842 72963 3:36 3:35 1:1 PV122T 32 257 test1 29500 37500 12:56 12:52 1.115:1 PV122T 256 8193 test1 24796 38272 15:27 15:18 1.107:1 PV122T 1024 32769 test1 27113 40273 14:09 14:00 1.108:1 PV122T 32 257 test2 24216 31296 7:02 6:58 5.261:1 PV122T 256 8193 test2 22823 29440 7:28 7:24 6.314:1 PV122T 1024 32769 test2 25353 31744 6:44 6:40 6.239:1 PV122T 32 257 test3 32449 80771 5:48 5:44 1.007:1 PV122T 256 8193 test3 32935 56575 5:42 5:39 0.799:1 PV122T 1024 32769 test3 33243 40960 5:39 5:36 0.800:1 テストデータの種類に関する詳細は [4.1] を参照してください Page(s): 18/26
5.2 リモート バックアップ検証結果 Windows クライアント上に 同様にテストデータの作成を行いましたが 対象データ 1 および対象データ 2 については データ規模を十分の一にしたものを使用しました 対象データ 3 についてはまったく同一です また テストはブロック サイズが 32KB または 256KB での結果になっています NetVault Server DELL PowerEdge2800 DELL PowerConnect 2508 DELL PowerVault 220S DELL PowerVault 122T LTO2 DELL EMC AX100 FC DELL PowerEdge2650 NetVault Client 表 5-2 対象データ [test1s] 概要項目ディレクトリデータ容量アイテムカウント ( ファイル数とディレクトリ数の合計 ) 平均ファイルサイズデータ作成方法 内容 F:\test1 合計約 2.2GB 10502 200KB 1ディレクトリ 110MB 490 ファイルの WAV ファイルを配置 それを合計 20 ディレクトリに拡張 表 5-3 対象データ [test2s] 概要項目ディレクトリデータ容量アイテムカウント ( ファイル数とディレクトリ数の合計 ) 平均ファイルサイズデータ作成方法 内容 F:\test2 合計約 1GB 100012 10KB 1ディレクトリ 118MB 10000 ファイルのテキストファイルを配置 それを合計 10 ディレクトリに拡張 表 5-4 対象データ [test3] 概要項目ディレクトリデータ容量アイテムカウント ( ファイル数とディレクトリ数の合計 ) 平均ファイルサイズデータ作成方法 内容 F:\test3 合計約 10GB 63 200MB 1ディレクトリ 990MB 5 ファイルの wmv ファイルを配置 それを合計 10 ディレクトリに拡張 Page(s): 19/26
グラフ 5-2 リモート バックアップの速度比較 データ PV122T PV220 AX100 Test Data Block Size(kb) Shared Memory(kb) test1s - 32-257 test1s - 256-8193 test2s - 32-257 test2s - 256-8193 test3-32 - 257 test3-256 - 8193 表 5-5 リモート バックアップの詳細データ Block Size Shared Memory 0 10000 20000 30000 40000 50000 60000 Test Data Average (KB/s) Peak (KB/s) Time Compression Ratio AX100 32 8193 test1s 24474 27200 1:33 1:32 1:1 AX100 256 8193 test1s 26116 28672 1:27 1:27 1:1 AX100 32 257 test2s 7746 8944 2:21 2:21 1:1 AX100 256 8193 test2s 6665 9728 2:45 2:44 1:1 AX100 32 257 test3 49957 54560 3:44 3:43 1:1 AX100 256 8193 test3 48545 54016 3:50 3:49 1:1 PV220 32 257 test1s 22524 26624 1:41 1:41 1:1 PV220 256 8193 test1s 25897 28672 1:28 1:27 1:1 PV220 32 257 test2s 3245 6000 5:38 5:38 1:1 PV220 256 8193 test2s 9103 9984 2:00 2:00 1:1 PV220 32 257 test3 45234 55200 4:07 4:07 1:1 PV220 256 8193 test3 48371 52992 3:50 3:50 1:1 PV122T 32 257 test1s 24696 28352 1:43 1:32 1.049:1 PV122T 256 8193 test1s 21772 28256 1:53 1:44 0.437:1 PV122T 32 257 test2s 7024 8364 2:39 2:36 N/A PV122T 256 8193 test2s 3734 6400 4:56 4:53 N/A PV122T 32 257 test3 33221 47355 5:45 5:36 0.738:1 PV122T 256 8193 test3 28890 55424 6:30 6:26 1.008:1 Page(s): 20/26
5.3 パラレル バックアップ検証結果 仮想テープ ライブラリを使用した場合には 複数の仮想ドライブによりパラレル バックアップが可能です NetVault Server DELL PowerEdge2800 DELL PowerConnect 2508 DELL PowerVault 220S DELL EMC AX100 FC DELL PowerEdge2650 NetVault Client Linux のバックアップ サーバ上の 2 台のドライブを使用し 対象データを 2 分割に選択することによって トータルでの速度の向上が可能か確認しました データは test3 を使用し Backup Selection Set にてディレクトリを選択し ジョブを分けて実行しました 図 5-2 バックアップジョブを分割して作成 表 5-6 対象データ [test3] 概要項目ディレクトリデータ容量アイテムカウント ( ファイル数とディレクトリ数の合計 ) 平均ファイルサイズデータ作成方法データ容量詳細 内容 /data/test3 合計約 10GB 63 200MB 1ディレクトリ 990MB 5 ファイルの wmv ファイルを配置 それを合計 10 ディレクトリに拡張 [root@pe2800rhel3up2 data]# du -s -m./test3 10924./test3 Page(s): 21/26
グラフ 5-3 ローカル パラレル バックアップの速度比較 test3-256 - 8193 データ PV220 D2 PV220 D1 AX100 D2 AX100 D1 Test Data Block Size(kb) Shared Memory(kb) test3-256 - 8193 0 5000 10000 15000 20000 25000 表 5-7 ローカルのパラレル バックアップの詳細データ AX100 D1 AX100 D2 PV220 D1 PV220 D2 Block Size Shared Memory Test Data Average (KB/s) Peak (KB/s) Elapse d Time 256 8193 test3 14106 22969 6:36 6:36 1:1 256 8193 test3 14177 18944 6:34 6:34 1:1 256 8193 test3 14255 18560 6:32 6:31 1:1 256 8193 test3 14226 19456 6:32 6:32 1:1 また Windows クライアントの test3 データについても同様に確認しました Compression Ratio 表 5-8 対象データ 3 [test3] 概要項目ディレクトリデータ容量アイテムカウント ( ファイル数とディレクトリ数の合計 ) 平均ファイルサイズデータ作成方法 内容 F:\test3 合計約 10GB 63 200MB 1ディレクトリ 990MB 5 ファイルの wmv ファイルを配置 それを合計 10 ディレクトリに拡張 Page(s): 22/26
グラフ 5-4 リモート パラレル バックアップの速度比較 test3-256 - 8193 データ AX100 D2 AX100 D1 Test Data Block Size(kb) Shared Memory(kb) test3-256 - 8193 0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000 40000 45000 50000 表 5-9 リモートのパラレル バックアップの詳細データ AX100 D1 AX100 D2 Block Size Shared Memory Test Data Average (KB/s) Peak (KB/s) Time 256 8193 test3 21386 44800 4:20 4:20 1:1 256 8193 test3 21847 28928 4:15 4:15 1:1 Compression Ratio 5.4 Windows バックアップ サーバ検証結果 バックアップ サーバの OS が Linux である場合と Windows である場合のパフォーマンスの違いを確認するために Linux で行った検証の中から対象データを [test3] に絞って 検証を実施しました Linux と変わらないか それ以上の性能が確認できます 表 5-10 対象データ [test3] 概要項目ディレクトリデータ容量アイテムカウント ( ファイル数とディレクトリ数の合計 ) 平均ファイルサイズデータ作成方法 内容 F:\test3 合計約 10GB 63 200MB 1ディレクトリ 990MB 5 ファイルの wmv ファイルを配置 それを合計 10 ディレクトリに拡張 最初に Windows のバックアップ サーバのローカルのバックアップについて確認しました Page(s): 23/26
グラフ 5-5 Windows バックアップ サーバのローカル バックアップの速度比較 データ PV122T PV220 AX100 Test Data Block Size(kb) Shared Memory(kb) test3-256 - 8193 test3-32 - 8193 0 20000 40000 60000 80000 100000 120000 表 5-11 Windows バックアップ サーバのローカル バックアップの詳細データ Block Size Shared Memory Test Data Average (KB/s) Peak (KB/s) Time Compression Ratio AX100 256 8193 test3 54913 96512 3:29 3:23 1:1 PV220 256 8193 test3 71454 99072 2:42 2:36 1:1 PV122T 32 8193 test3 33783 69841 5:40 5:30 1.144:1 Windows 環境で PV122T を使用する場合 仕様により 256KB のブロック サイズは使用できないため 32KB を指定しています 次に 同様に Windows クライアントを Windows のバックアップ サーバからバックアップします Page(s): 24/26
グラフ 5-6 Windows バックアップ サーバからリモートの Windows クライアントをバックアップした速度比較 データ PV122T PV220 AX100 Test Data Block Size(kb) Shared Memory(kb) test3-256 - 8193 test3-32 - 8193 0 10000 20000 30000 40000 50000 60000 表 5-12 Windows バックアップ サーバからリモートの Windows クライアントをバックアップの詳細データ Block Size Shared Memory Test Data Average (KB/s) Peak (KB/s) Time Compression Ratio AX100 256 8193 test3 51124 56064 3:55 3:38 1:1 PV220 256 8193 test3 48961 55808 4:02 3:47 1:1 PV122T 32 8193 test3 32741 49696 5:50 5:41 1.035:1 Windows 環境で PV122T を使用する場合 仕様により 256KB のブロック サイズは使用できないため 32KB を指定しています Page(s): 25/26
5.5 CPU 負荷率に関する調査 [5.4] の Windows に関するバックアップの際に 合わせてバックアップ サーバ上でタスクマネージャ上のパフォーマンスタブから CPU 使用率に関するグラフを確認しました 仮想テープ ライブラリを使用した際には ディスクに対する I/O が発生しテープの場合よりも 10% 程度増加する傾向にありますが 全体の CPU 使用率からはそれほど高いレベルでないことがわかります 図 5-3 AX100 でローカル バックアップ 図 5-4 AX100 でリモートの Windows をバックアップ 図 5-5 PV220 でローカル バックアップ 図 5-6 PV220 でリモートの Windows をバックアップ 図 5-7 PV122 でローカル バックアップ 図 5-8 PV122 でリモートの Windows をバックアップ 検証の概要および解説については [3.3 まとめ ] までの項目でご確認ください Page(s): 26/26