高齢者の安眠への援助 特別養護老人ホーム大原ホーム研究者 栗生光史小田大悟
概要 特別養護老人ホーム大原ホーム 社会福祉法人行風会 平成 9 年開設 長期入所 :100 床 短期入所 : 20 床 併設大原ホーム老人デイサービスセンター大原地域包括支援センター 隣接京都大原記念病院
利用者 ( 長期入所 ) 男女比率 1:9 平均年齢 89.2 歳 平均在所日数 4 年 7 か月 平均要介護度 4.1 年間看取り数 約 30 人
はじめに 利用者の中には睡眠障害により 夜間の事故に繋がるケースがある 夜間の睡眠 日中の傾眠の改善を援助することがQOLの向上に繋がると考え 本研究に取り組んだ内容を報告する
研究方法 1. 利用者の睡眠状態の把握 2. 対象者の選定 3. 選定者の睡眠状況を調査睡眠障害因子の明確化 4. 睡眠障害因子に焦点を当てたケアの実施
倫理的配慮 対象者が特定できないように個人データの守秘 プライバシーの保護に配慮する 研究結果を個別ケアプランに反映する場合はその旨を家族 ( 本人 ) に説明し同意を得る 本研究については 当グループ職員教育委員会の承認を得ている
日本睡眠学会 不眠の定義 寝つくのに2 時間以上かかる ( 入眠障害 ) 睡眠中に2 回以上目が覚める ( 中間覚醒 ) 普段よりも2 時間以上早く目が醒める ( 早朝覚醒 )
睡眠状況の把握 夜間睡眠状況 ( 夜間夜勤者 CW) 居室 名前 18 時 19 時 20 時 21 時 22 時 23 時 24 時 0 時 1 時 2 時 3 時 4 時 5 時 6 時 7 時 212 A 氏 B 氏 不眠症状 睡眠チェック表 C 氏 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 2 1 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 6 6 6 6 6 2 2 2 2 6 6 6 2 6 6 6 6 6 6 6 3 6 6 6 3 6 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 6 6 6 6 6 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 6 6 6 2 2 2 2 2 5 1 1 2 2 5 5 2 2 D 氏 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 6 6 6 6 6 1 起きて 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 6 6 2 2 3 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 6 6 6 6 6 1 巡視表の要領で入眠 1 時間ごとにチェックをお願いします いる傾眠 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 6 6 6 6 6 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 6 6 2 2 3 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 6 6 6 6 6 1 起きている又は 起きて来られた場合は正の字で記入して下さい 入眠されている時間帯は何も記入なし A 氏 B 氏 C 氏 1 1 1 3 1 1 1 1 1 1 1 1 6 6 6 6 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 6 2 2 2 6 6 3 6 6 6 2 1 1 1 D 氏 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 6 6 6 6 6 6 6 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 6 6 6 6 6 6 3 1 1 35 名中 6 名に E 氏 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 6 6 6 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 1 1 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 3 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 6 6 6 2 2 2 2 2 1 1 1 1 1 2 3 3 F 氏 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 6 2 2 2 2 2 6 6 6 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 6 6 2 3 2 2 2 2 2 6 6 2 2 2 2 2 2 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 入眠 2 起きている ( 時開眼されている ) 3トイレ誘導 4 痒み 5 不安感 6 傾眠 7 その他
研究対象者 研究対象者 A 氏 傾眠傾向入眠障害中間覚醒 B 氏 入眠障害早朝覚醒 D 氏 傾眠傾向入眠障害中間覚醒早朝覚醒 研究対象外 C 氏 この方に合った生活リズムであった E 氏 状態低下 F 氏 状態低下
睡眠障害因子 : 不安感 昼夜逆転 A 氏 前 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 ( 時間 ) 1 日目 2 日目 3 日目 傾眠 空腹 尿意 ( 不快感 ) 体動覚醒 興奮 入眠障害 中途覚醒 早朝覚醒
エプロンや清拭畳み等の職員の手伝い 折り紙や貼り絵のテーブルレク 後 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 ( 時間 ) 1 日目 2 日目 3 日目 傾眠 空腹 尿意 ( 不快感 ) 体動覚醒 興奮 入眠障害 中途覚醒 早朝覚醒
B 氏 睡眠障害因子 : 周辺症状の悪化 空腹感 前 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 ( 時間 ) 1 日目 2 日目 起 床 3 日目 起 床 傾眠 空腹 尿意 ( 不快感 ) 体動覚醒 興奮 入眠障害 中途覚醒 早朝覚醒
ホットミルク クッキーなどのお菓子 後 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 ( 時間 ) 1 日目 2 日目 3 日目 傾眠 空腹 尿意 ( 不快感 ) 体動覚醒 興奮 入眠障害 中途覚醒 早朝覚醒
睡眠障害因子 : 昼夜逆転 生活リズムの把握 D 氏 前 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 ( 時間 ) 1 日目 起 2 日目床 3 日目 傾眠 空腹 尿意 ( 不快感 ) 体動覚醒 興奮 入眠障害 中途覚醒 早朝覚醒
のタイミングを統一 後 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 ( 時間 ) 1 日目 2 日目 3 日目 傾眠 空腹 尿意 ( 不快感 ) 体動覚醒 興奮 入眠障害 中途覚醒 早朝覚醒
結果 多角的に抽出した因子に焦点を 当てた取り組み 睡眠障害の減少に繋がり 夜間の睡眠と日中の傾眠に 対して改善がみられた
まとめ 睡眠障害の特徴を理解した上で 個人に 合ったケアを実施すること 活動性個別ケア QOL
最後に 不眠因子調査表氏名 ( ) 年齢 ( 歳 ) 実施日 : 平成年月日 ( ) 日中 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 QOLの維持 向上 1 身体 2 医療 3 心理 アセスメントツールの作成 ( 備考 ) 4 環境 枠内は下記より選択し1~4の番号別にアルファベットを記入 1 身体面 A 傾眠 B レク参加 ( 職員の手伝い含む ) C コミュニケーション ( 利用者 職員 家族 ) D インシデント アクシデント発生 2 医療面 E バイタル異常 ( 発熱 血圧 血糖値の変動 ) F 下剤服用 G 痛み 痒み H 風邪症状 ( 咳 鼻汁 ) 転倒防止にむけた取り組み 3 心理面 I 不安 J 空腹 K 尿意 便意 L 怒り 興奮 4 環境面 M フロア 室温の温度 ( 暑い 寒い ) N 照明 ( 明るい 暗い ) O 騒音 P 車椅子 ポータブルトイレの位置 Q 寝具夜間 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 ( 備考 ) 1 身体 2 医療 3 心理 4 環境 枠内は下記より選択し 1~4 の番号別にアルファベットを記入 1 身体面 A 傾眠 B レク参加 ( 職員の手伝い含む ) C コミュニケーション ( 利用者 職員 家族 ) D インシデント アクシデント発生 2 医療面 E バイタル異常 ( 発熱 血圧 血糖値の変動 ) F 下剤服用 G 痛み 痒み H 風邪症状 ( 咳 鼻汁 ) 3 心理面 I 不安 J 空腹 K 尿意 便意 L 怒り 興奮 4 環境面 M フロア 室温の温度 ( 暑い 寒い ) N 照明 ( 明るい 暗い ) O 騒音 P 車椅子 ポータブルトイレの位置 Q 寝具 疾患 内服薬
現在 見守り支援システム眠り SCAN
於 : 三千院 ご清聴ありがとうございました!