第 1 章 初めてのプログラミング 本章では カウントアップというボタンを押すと表示されている値が1ずつ増加し カウントダウンというボタンを押すと表示されている値が1ずつ減少する簡単な機能のプログラムを作り これを通して Visual Basic.NET によるプログラム開発の概要を学んでいきます 1.1 起動とプロジェクトの新規作成 Visual Studio.NET の起動とプロジェクトの新規作成の方法を Visual Studio.NET Version 2003 で説明します なお バージョンが異なる場合は 操作方法が若干違いますので 本節の起動とプロジェクトの新規作成の部分については それぞれのバージョンのマニュアルまたはヘルプをお読みください 1[ スタート ] ボタンをクリックします 2[ すべてのプログラム ] をポイントします 3[Microsoft Visual Studio.NET 2003] をポイントします 4[Microsoft Visual Studio.NET 2003] をクリックします 1 クリック 2 ポイント 3 ポイント 4 クリック 1
Visual Studio.NET が起動し 以下のようなスタートページが表示されます プログラム開発環境の設定を行ないます 5スタートページ上部の [ マイプロフィール ] タブをクリックします 6[ プロフィール ] ボックスの横の三角をクリックし 表示された一覧で [Visual Basic 開発者 ] をクリックし選択します 5 クリック 6 クリック [ Visual Basic 開発者 ] を選択 2
プロジェクトを作成します プロジェクトとは Visual Basic.NET におけるプログラム開発の単位です 1つのプロジェクトで1つのアプリケーションプログラムを作成します 7スタートページ上部の [ プロジェクト ] タブをクリックします 8[ 新しいプロジェクト ] をクリックします 7 クリック 8 クリック 下のような [ 新しいプロジェクト ] ダイアログボックスが表示されます 3
プロジェクトの種類 名前 保存場所などを指定します 9プロジェクトの種類の中で [ Visual Basic プロジェクト ] をクリックします 10テンプレート中の [Windows アプリケーション ] をクリックします 11[ プロジェクト名 ] ボックスにプロジェクト名を入力します ここでは 例題 1 という名前にしたいと思いますので 例題 1 と入力して下さいさい 12[OK] をクリックします 9 クリック 10 クリック 11プロジェクト名の入力 12クリック 保存場所を指定した い場合はクリック プロジェクトの作成場所を指定したい場合は 作成場所のフォルダ名を直接入力してもいいのですが [ 参照 ] ボタンをクリックすると 保存場所指定のダイアログボックスが表示されますのでクリックにより指定することができます 今回のようにプロジェクトの作成場所を指定しない場合は 作成場所の初期値であるマイドキュメント内の Visual Studio Projects という名前のフォルダにプロジェクトが作成されます 4
1.2 プログラム作成 Visual Basic.NET でのプログラム開発は 次の3つのステップで行ないます Ⅰ. コントロールの配置コントロールとは プログラムを作り上げるために用意されている色々な部品です プログラム開発の第 1ステップでは ツールボックスからコントロールを選択して フォームに配置していきます この操作で フォームに配置されたコントロールをオブジェクトといいます Ⅱ. プロパティの変更オブジェクト ( フォームに配置された部品 ) には 様々な性質があります 色 大きさ 位置 表示されている文字などがそうです この性質のことをプロパティといいます プログラム開発の第 2ステップでは オブジェクトのプロパティを変更します プロパティの変更は プロパティウィンドウで行ないます Ⅲ. プログラムコードの入力オブジェクトに刺激 ( イベント ) が発生した場合に実行されるプログラムコードを イベントプロシージャといいます プログラム開発の第 3ステップでは 1 個以上のオブジェクトに対してイベントプロシージャを記述します プログラムコードの入力は コードウィンドウで行ないます ツールボックス フォーム プロパティウィンドウ 5
(1) コントロールの配置 1ツールボックスの Button コントロールをクリックします 1 クリック 2フォーム上の Button を配置したい場所でクリックします この Button は最初に配置した Button なので Button1 というオブジェクト名が付けられます 配置したオブジェクトの場所は ドラッグ ( マウスの左ボタンを押した状態で移動 ) により変更できます また オブジェクトの大きさは ハンドル ( 配置したオブジェクトの周りに表示されている8 個の四角 ) をドラッグすることにより変更できます 2 クリック 6
3 ツールボックスの Label コントロールをクリックします 3 クリック 4フォーム上の Label を配置したい場所でクリックします この Label は最初に配置した Label なので Label1 というオブジェクト名が付けられます 4 クリック 7
(2) プロパティの変更 1フォーム上の Button1 をクリックして選択します プロパティウィンドウに 選択したオブジェクトのプロパティ名と設定値が表示されます 2 Button1 の Text プロパティの初期値は Button1 になっています これを カウントアップ に変更してください Text プロパティを変更したことで Button1 とうオブジェクトに表示される文字は Button1 から カウントアップ に変わります 1 クリック 2 Text プロパティの変更 3フォーム上の Label1 をクリックして選択します 4 Label1 の Text プロパティを 0 に変更してください 3 クリック 4 Text プロパティの変更 8
(3) プログラムコードの入力 1フォーム上の Button1 をダブルクリックします 1 ダブルクリック 中央にコードウィンドウが表示されます コードウィンドウには 現在のフォームに関するプログラムコードが既に入力されています また Button1 をダブルクリックしたことにより 次のようなプログラムコードが自動的に作成されています Private Sub Button1_Click( 省略 ) Handles Button1.Click End Sub 9
2プログラムコードの記述 Private Sub Button1_Click と End Sub の間に下のように網掛けの行を入力してください Private Sub Button1_Click( 省略 ) Handles Button1.Click Label1.Text = Val(Label1.Text) + 1 End Sub 自動生成された1 行目の後ろの部分が Handles Button1.Click になっていることを確認してください これは Button1 を Click( クリック ) したという刺激 ( イベント ) によって Private Sub から End Sub までの間に記述したプログラムコードが実行されることを表しています 記述したプログラムコード中の Label1.Text というのは Lavel1 の Text プロパティの値を表します このように あるオブジェクトのプロパティの値を指定する場合 オブジェクト名の後ろにドットを打ちプロパティ名を記述します Val というのは文字列を数値に変換する関数です また = は等しいという意味ではなく 右辺の値を左辺に代入するという動作を表します このプログラムは Button1 をクリックすると Lavel1 の Text プロパティの値に 1を加えて それを新たな Lavel1 の Text プロパティの値にしなさいということを表しています これにより Button1 をクリックする度に Label1 に表示されている値が1ずつ増加します 2 プログラムコードの記述 10
先ほどは フォーム上の Button1 をダブルクリックすることによりプログラムコードを入力する画面 ( コードウィンドウ ) に自動的に切り替わりました フォームを設計するための画面 ( フォームデザイナ ) に戻るには Form1.vb[ デザイン ] というタブをクリックします また Form1.vb というタブをクリックすると再びコードウィンドウに切り替ります フォームデザイナーの画面 クリック コードウィンドウの画面 クリック 11
(4) 実行 1ツールバーの開始ボタンをクリックします 1 クリック 下のようなウィンドウが表示されます プログラムにエラーがある場合 下のようなウィンドウが表示されるので [ いいえ ] のボタンをクリックの後 プログラムを修正します 2カウントアップのボタンをクリックして動作を確認してください 3 右上の閉じるボタンをクリックするとプログラムが終了します 3 クリック 2 クリック 12
(5) 保存と終了 1 作成したプロジェクトを保存するには メニューバーの [ ファイル ] をクリックして表示されたプルダウンメニュー内の [ すべてを保存 ] をクリックします 保存場所とファイル名は プロジェクトを作成したときに付けているので ここでは入力する必要はありません 1 クリック 2 Visual Basic.NET の終了は メニューバーの [ ファイル ] をクリックして表示されたプルダウンメニュー内の [ 終了 ] をクリックします 2 クリック 13
1.3 プロジェクトの呼出と修正 前節で作成したプログラムは ボタンを押すとカウントアップする機能のプログラムでした ここでは ボタンをもう1つ追加してカウントダウンの機能を付け加えてみましょう (1) プロジェクトを開く Visual Basic.NET を起動後に表示されるスタートページの画面に 開きたいプロジェクトの名前が表示されていれば クリックするだけでそのプロジェクトを開くことができす しかし 今回は一般的な方法でプロジェクトを開いてみましょう 1 Visual Basic.NET を起動した後 メニューバーの [ ファイル ] をクリックします 1 クリック ここに表示されている場合は クリックするだけで開くことができます 2 表示されるプルダウンメニュー内の [ ソリューションを開く ] をクリックします 2 クリック 14
3プロジェクトの作成時に指定した場所にプロジェクト名と同じ 例題 1 という名前のフォルダがありますのでダブルクリックします 3 クリック 4 例題 1のフォルダの中身が表示されますので その中の 例題 1.sln というファイルをダブルクリックしてください 4 ダブルクリック 15
(2) コントロールの追加とプロパティの設定 1 Button1( カウントアップと表示されているボタン ) をドラッグして左に移動します 1 ドラッグ ( 左に移動 ) 2 ツールボックスの Button コントロールをクリックします 2 クリック 16
3フォーム上の Button を配置したい場所でクリックします 配置した Button は2 番目に配置した Button なので Button2 というオブジェクト名が付けられます 3 クリック 4 Button2 の Text プロパティの初期値は Button2 になっています これを カウントダウン に変更してください 5 Button2 に カウントダウン という文字が全て表示できない場合は ドラッグによりボタンの大きさを変更してください 5 ドラッグ (Button2 を大きくする ) 4 Text プロパティの変更 17
(3) プログラムコードの入力 1フォーム上の Button2 をダブルクリックします 1 ダブルクリック コードウィンドウに切り替ります また Button2 をダブルクリックしたことにより 次のようなプログラムコードが自動的に作成されています Private Sub Button2_Click( 省略 ) Handles Button2.Click End Sub 18
2プログラムコードの記述 Private Sub Button2_Click と End Sub の間に下のように網掛けの行を入力してください Private Sub Button2_Click( 省略 ) Handles Button2.Click Label1.Text = Val(Label1.Text) 1 End Sub 今回自動生成されたプログラムコードの1 行目の後ろの部分が Handles Button2.Click になっていることを確認してください これは Button2 を Click( クリック ) したという刺激 ( イベント ) によって Private Sub から End Sub までの間に記述したプログラムコードが実行されることを表しています このプログラムは Button2 をクリックすると Lavel1 の Text プロパティの値から1を減じて それを新たな Lavel1 の Text プロパティの値にしなさいということを表しています これにより Button2 をクリックする度に Label1 に表示されている値が1ずつ減少します 2 プログラムコードの記述 19
(4) 実行 1ツールバーの開始ボタンをクリックします 1 クリック 下のようなウィンドウが表示されます 2カウントアップとカウントダウンのボタンをクリックして動作を確認してください 3 右上の閉じるボタンをクリックするとプログラムが終了します 3 クリック 2 クリック 20
(5) 保存と終了 1メニューバーの [ ファイル ] をクリックして表示されたプルダウンメニュー内の [ すべてを保存 ] をクリックし 修正したプログラムを上書き保存します 1 クリック 2メニューバーの [ ファイル ] をクリックして表示されたプルダウンメニュー内の [ 終了 ] をクリックし Visual Basic.NET を終了します 2 クリック 後は 私の著書ゼロから始める Visual Basic.NET 入門基礎からゲーム作成までの第 2 章から読んでください 21