国税当局が集める資料と調査への展開

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1 56 はじめに国税当局の持っている資料収集力について述べてきたが 最終回となる今回は海外にある情報の収集について説明する これまでの連載で説明してきた実地調査資料や資料収集担当者による収集資料は 日本国内で質問検査権の枠内で(あるいは任意の協力を得て)行われていたものである では 調査官の手が直接は届かない海外にある情報は どのようにして入手しているのであろうか 以下 その態様ごとに説明する 国外送金等調書これは法定資料の回で記載したが 100万円を超える国外への送金や国外からの受金について 取扱銀行が提出することを義務づけられているものである 準備調査の際に活用されていることはすでに述べた 国外財産調書平成26 年から施行されている制度であり その年の12 月31 日現在で価額の合計額が5 000万円を超える国外財産を保有している者は 翌 第 4 回 完 租税条約等に基づく情報交換と新しい情報収集制度デロイトトーマツ税理士法人税理士 公認不正検査士有安寛次年の3月15 日までに その国外財産の種類 数量 価額などを記載した調書を税務署へ提出することを義務づけたものである これは納税者に自ら国外財産を開示するよう命ずるものであり 国外財産に関する非違が調査で明らかになった場合には 開示をした納税者には加算税の軽減措置が設けられている一方で 不開示となっていた国外財産に非違があった場合には加算税の加重規定も設けられている 租税条約等に基づく情報交換制度国税当局では従前から租税条約に情報交換規定を定めており 相手国税務当局との間で情報提供に係る協力体制を作ってきている 近年では いわゆるタックスヘイブン国との間においても情報交換協定を締結するなど そのネットワークは平成29 年12 月1日現在で70 条約等 123 カ国 地域に及んでいる(図表1参照) ちなみに情報交換協定が締結されている国 地域は マカオ サモア ガーンジー ジャージー マン島 リヒテンシュタイン ケイマン諸島 英領バージン諸島 パナマ バハマ バミューダの11 カ国 地域である 連載スケジュール テーマ掲載号 第 1 回 法定資料 2017 年 11 月 1 日号 (No.1494) 第 2 回 実地調査資料 2017 年 11 月 20 日号 (No.1496) 第 3 回 資料収集担当者による収集資料 2017 年 12 月 10 日号 (No.1498) 第 4 回 租税条約等に基づく情報交換と新しい情報収集制度 2018 年 1 月 1 日号 (No.1500) 国税当局にはさまざまな資料情報が集積されており それが調査対象選定を含む税務調査における強力な武器となっている 本連載では 国税当局の情報収集力とその活用方法について その資料態様ごとに 具体的な事例を挙げて説明する 最終回となる今回は 租税条約等に基づく情報交換と新しい情報収集制度を取り上げる

2 ( 図表 1) 租税条約ネットワーク 欧州 (42) アイルランドハンガリーイギリスフィンランドイタリアフランスオーストリアブルガリアオランダベルギースイスポルトガルスウェーデンポーランドスペインラトビアスロバキアルクセンブルクスロベニアルーマニアチェコガーンジー ( ) デンマークジャージー ( ) ドイツマン島 ( ) ノルウェーリヒテンシュタイン ( ) アイスランドアルバニアアンドラエストニアキプロスギリシャグリーンランド エジプトザンビア ウガンダガーナカメルーンセーシェル 我が国の租税条約ネットワーク アフリカ (11) クロアチアサンマリノジブラルタルフェロー諸島マルタモナコリトアニア 南アフリカ セネガルチュニジアナイジェリアモーリシャス 中東 ( 8 ) アセ ルハ イシ ャンアルメニアウクライナ アラブ首長国連邦クウェートイスラエルサウジアラビアオマーントルコカタール レバノン ロシア NIS 諸国 (12) ウス ヘ キスタン ジョージア カザフスタン タジキスタン キルギス トルクメニスタン ト情場約た規る域事確納等交2 一方的に情報提供ワ報合をめ定 の実認税に国税庁外国税務当局ー交に締 にこ税関が者おク換は結取基の務係十かい1 調査 ( 外国における課税を規依し引づ要当の分らて上の問題の把握 ) 拡定頼て先い請局確にの 大をでい居てはに認で説納す有きな住な租をき明依税3 自動的情報交換るすない国さ税取なだ頼者意るい国 れ条引いけすの2 大量一括の情報提供義租 地る約先場で国税庁外国税務当局 る有は税そ地域もの居合はもす 条の域がの情住にそ1 法定調書からのる税約たで租で報国 の情報収集で資ネあ税あ交 そ事ッめる条る換あ地の実料( 出所 ) 国税庁 国際戦略トータルプラン ( 平成 28 年 10 月 25 日 ) 57 自動的情報交換 と⑴ 要請に基づく情報交換 参照) 呼ばれている(図表2発的情報交換 および基づく情報交換制度があり 要請にきく分けて3種類のく情報交換には 大 務当租税条約等に基づ( 出所 ) 財務省 租税条約に関する資料 要請に基づく情報ベラルーシモルドバロシア アジア 大洋州 (24) 北米 中南米 (26) アメリカカナダチリブラジルメキシコケイマン諸島 ( ) 英領ハ ーシ ン諸島 ( ) パナマ ( ) バハマ ( ) バミューダ ( ) アルゼンチンアルバアンギラウルグアイキュラソーグアテマラコスタリカコロンビアセントクリストファー ネーウ ィスセントヒ ンセント及びク レナテ ィーン諸島セントマーティンセントルシアターコス カイコス諸島バルバトスベリーズモンセラット インド 韓国 タイ パキスタン フィリピン 香港 マカオ ( ) インドネシア シンガポール中国 ハ ンク ラテ シュ ブルネイ マレーシア 台湾 ( 注 3) オーストラリアスリランカ ニューシ ーラント フィジー ベトナム サモア ( ) クック諸島 ナウル ニウエ マーシャル諸島 ( 注 1) 税務行政執行共助条約が多数国間条約であること 及び 旧ソ連 旧チェコスロバキアとの条約が複数国へ承継されていることから 条約等の数と国 地域数が一致しない ( 注 2) 条約等の数及び国 地域数の内訳は以下のとおり 租税条約 ( 二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止を主たる内容とする条約 ):57 本 68 か国 地域 情報交換協定 ( 租税に関する情報交換を主たる内容とする条約 ):11 本 11 か国 地域 ( 図中 ( ) で表示 ) 税務行政執行共助条約 : 締約国は我が国を除いて 84 か国 ( 図中 国名に下線 ) 適用拡張により 99 か国 地域に適用 ( 図中 適用拡張地域名に点線 ) このうち我が国と二国間条約を締結していない国 地域は 43 か国 地域 日台民間租税取決め :1 本 1 地域 ( 注 3) 台湾については 公益財団法人交流協会 ( 日本側 ) と亜東関係協会 ( 台湾側 ) との間の民間租税取決め及びその内容を日本国内で実施するための法令によって 全体として租税条約に相当する枠組みを構築 ( 現在 両協会は 公益財団法人日本台湾交流協会 ( 日本側 ) 及び台湾日本関係協会 ( 台湾側 ) にそれぞれ改称されている ) ( 図表 2) 税務当局間の情報交換のイメージ 自1 要請に基づく情報交換 国税庁 1 調査 ( 課税上の問題の把握 ) 2 自発的情報交換 2 情報交換要請 4 関連情報の提供 外国税務当局 3 調査 ( 情報収集 ) 財務省 70 条約等 123 か国 地域適用 / 平成 29 年 12 月 1 日現在 ( 注 1)( 注 2) 換 は 海外取引に係る税務調査

3 58 局にとっては非常に大きいといえよう 要請に基づく情報交換 は いわば外国税務当局に反面調査を依頼するものであり 取引先の登記情報のような公開データだけでなく 申告書 決算書等の税務当局が有している情報の提供や 必要な場合には取引先に直接出向いて事実確認を実施して得た情報の提供を行うものである わが国においては 相手国から情報交換要請があった場合には 情報収集先を所管する国税局の国際税務専門官等が実際に納税者を訪問して情報収集を行い 相手国税務当局へ情報提供を行っているようである 情報収集に際しては調査官は質問検査権を行使することになるが この根拠規定は租税条約実施特例法(正式には 租税条約等の実施に伴う所得税法 法人税法及び地方税法の特例等に関する法律 )9条( 相手国等から情報の提供要請があった場合の当該職員の質問検査権 の規定)であり この規定の定める権限に基づいて行われている 平成28 事務年度における 要請に係る情報交換 の件数は 国税庁から外国税務当局に発した要請が473件 外国税務当局から国税庁に寄せられた要請が415件となっており 件数としては決して多くはないが それぞれが個別の税務調査の要請に基づくものであろうことを考えると相当な件数であるとも考えられる⑴ 国税庁が公表している 要請に基づく情報交換 の活用事例として 次のようなものがある 1事例1内国法人の法人税調査において その製品輸出先であるA国の居住者Bに対して支払ったとする手数料に不審点が見受けられたため A国税務当局に対して 当該手数料の会計上の処理の確認を要請した A国税務当局はBに接触し確認した結果 内国法人が支払ったとする金額とBが実際に受領した金額に大きな差があり 内国法人の計上する支払手数料が架空のものであることを把握した(国税庁 平成28 事務年度における租税条約等に基づく情報交換事績の概要 による) 2事例2法人税調査において 内国法人が A国法人からの輸入取引に関してA国個人Bに手数料を支払っていたが その役務提供の事実が確認できないことから A国税務当局に対して その個人Bに支払った手数料に係る事実関係の確認を要請した その結果 内国法人が手数料として支払った金員は 架空手数料であることが判明した(国税庁 平成26 事務年度における租税条約等に基づく情報交換事績の概要 (平成27 年11 月)) 3事例3(図表3)調査法人は 機械の製造および販売を営む法人である 調査法人は Y国の取引先A社に対し 正規の金額で機械販売をしたにもかかわらず 納品した機械に欠陥があり 売上値引きをしたと仮装することにより 所得金額を圧縮していた 調査において 売上値引き処理について不審点が見受けられたため 真実の取引実態を把握するために Y国税務当局に対し A社の経理処理等について租税条約に基づく情報提供の要請を行った Y国税務当局がA社に接触し 取引実態を確認した結果 機械の購入に関して調査法人の主張する値引きの事実はなく 調査法人が架空の売( 図表 3) 事例 3 Y 国日本情報交換制度の活用代表者 3 回答 1 情報交換要請 A 社調査法人国税庁 Y 国税務当局売上 値引 本当は値引きしていないけれど 外国企業との取引だから税務署には分からないだろう 架空の売上値引き 2 要請に基づき調査値引きの事実はありません 売上値引き売上 A 社と調査法人の取引実態について情報提供してください ( 出所 ) 国税庁 国際戦略トータルプラン

4 59 上値引きを計上していた事実を把握した(国税庁 国際戦略トータルプラン ) 4実務への示唆実際の調査において 特定の海外取引について提出された資料や納税者からの説明では十分な解明ができず 調査担当者がさらに確認が必要であると判断した場合には まずは国税当局が契約している信用調査会社のデータベースで 取引先情報の入手を行っているようである しかし 特定の取引の解明等は民間会社のデータベースではできないため 外国税務当局に情報収集を依頼することとなる この場合は その他の部分の調査終了後 相手国税務当局からの情報入手まで事実上調査がペンディングになり 情報入手後再開されることとなる模様である 相手国税務当局からの情報の入手には数カ月以上の相当な日数を要することから 事務年度を挟んで調査担当者が異動となり 担当者が代わってしまうこともあるようである いずれにせよ 海外のことは調査官が自分で調べられないからわからないだろう という安易な発想は危険であることを認識しておく必要がある ⑴件数はいずれも国税庁 平成28 事務年度における租税条約等に基づく情報交換事績の概要 (平成29 年11 月)による ⑵ 自発的情報交換 自発的情報交換 とは 自国の納税者に対する調査等の際に入手した情報で外国税務当局にとって有益と認められる情報を自発的に提供する制度であり 平成28 事務年度において国税庁から外国税務当局に提供した 自発的情報交換 の件数は272件 外国税務当局から国税庁に提供された件数は549件となっている⑵ 国税庁が公表している 自発的情報交換 の活用事例として 次のようなものがある 1事例4(国税庁から外国税務当局に情報提供をした例)内国法人は C国に所在する法人Dから製品を輸入しているが その代金はC国以外の第三国に所在する法人E名義の口座に送金されており 法人DがC国において申告すべき売上を除外していると想定されため C国の税務当局に対し 送金や取引に関する資料を提供した(国税庁 平成28 事務年度における租税条約等に基づく情報交換事績の概要 ) 2事例5(国税庁から外国税務当局に情報提供をした例)内国法人の代表者が C国に所在する法人Dから輸入した商品の仕入代金の一部を C国に出張した際に現金で支払っており 法人Dにおいて現金支払分の売上の計上漏れが想定されたことから 事実をC国の税務当局に提供した(国税庁 平成27 事務年度における租税条約等に基づく情報交換事績の概要 (平成28 年11 月)) 3事例6(外国税務当局から国税庁に対して自発的に情報提供された例)E国法人Fが内国法人に対して支払った外注費に関し その支払が現金で行われるなどの理由により 内国法人において売上の計上漏れが想定される取引に係る情報を E国の税務当局から受領した(国税庁 平成26 事務年度における租税条約等に基づく情報交換事績の概要 ) ⑵件数はいずれも国税庁 平成28 事務年度における租税条約等に基づく情報交換事績の概要 による ⑶ 自動的情報交換 自動的情報交換 は法定調書等から把握した非居住者等への支払等(配当 不動産所得 無形資産の使用料 給与 報酬 キャピタルゲイン等)に関する情報を 支払国の税務当局から受領国の税務当局へ一括して送付する制度であり 平成28 事務年度において国税庁から外国税務当局に提供した 自動的情報交換 の件数は約53 万1千件 外国税務当局から国税庁に提供された件数は約20 万5千件となっている⑶ 後述するCRS(共通報告基準) 多国籍企業の報告制度もこの制度に含まれるものであり 今後 自動的情報交換の件数は大幅に増加するものと見込まれている 国税庁が公表している 自動的情報交換 の活用事例として 次のようなものがある 事例7日本の居住者Fが海外金融機関(G銀行)から受け取った利子に関する資料を E国の税務当局から入手し これとFの申告内容を照合したところ E国のG銀行に預け入れた預金に係る受取利子が申告されていなかったことを把握した(国税庁 平成28 事務年度における租税条約等に基づく情報交換事績の概要 ) ⑶件数はいずれも国税庁 平成28 事務年度における租税条約等に基づく情報交換事績の概要 による CRS(共通報告基準)による金融口座情報の自動交換制度平成26 年 外国の金融機関等を利用した国際的な脱税および租税回避に対処するため OECDにおいて 非居住者に係る金融口座情報を

5 60 税務当局間で自動的に交換するための国際基準である CRS(Common Reporting Standard )(共通報告基準) が公表された この基準に基づき 各国の税務当局は 自国に所在する金融機関等から非居住者が保有する金融口座情報の報告を受け 租税条約等の情報交換規定に基づき その非居住者の居住地国の税務当局に対しその情報を提供することとなっている わが国においても 平成27 年度税制改正において 国内に所在する金融機関が口座保有者(非居住者)の氏名 住所 居住地国 外国の納税者番号 口座残高 利子 配当等の年間受取総額等の情報を所轄税務署長に報告する制度が導入された この制度は平成29 年1月1日から施行され 国内に所在する金融機関は 平成30 年以後 毎年4月30 日までに前年の非居住者の金融口座情報を所轄税務署長に報告し 報告された金融口座情報は 租税条約等の情報交換規定に基づき 各外国税務当局に提供されることとなる また 国税庁は 外国の税務当局から 日本の居住者がその国の金融機関に保有する金融口座の情報について提供を受けることとなる 今後は 日本法人 個人の海外に有する金融口座については その情報がことごとく国税当局の知るところとなると認識しておく必要がある 平成29 年11 月現在 日本を含めて102カ国 地域が 平成30 年までにCRSに従って自動的情報交換を開始することを表明しており 現状64 カ国 地域と情報の交換が可能となっている(国税庁 平成28 事務年度における租税条約等に基づく情報交換事績の概要 ) 多国籍企業情報の報告制度平成27 年11 月にOECDより公表されたBEPSプロジェクト⑷の勧告を踏まえ 平成28 年度税制改正において 多国籍企業グループの国ごとの事業活動状況に関する情報( 国別報告事項 ) 多国籍企業グループのグローバルな事業活動の全体像に関する情報( 事業概況報告事項(マスターファイル) ) および関連者との取引における独立企業間価格を算定するための詳細な情報( ローカルファイル )を 所轄税務署長に提供(または作成 保存)することが義務づけられた 国別報告事項およびマスターファイルについては 直前の会計年度の総収入金額が1 000億円以上で有安寛次 ( ありやす かんじ ) デロイトトーマツ税理士法人税理士 公認不正検査士国税当局に二十余年勤務ののち 2005 年 8 月より税理士法人トーマツ ( 現デロイトトーマツ税理士法人 ) に移り 現在ビジネスタックスサービスユニットの一員として 内外の企業に対して国税の実務経験を踏まえた幅広いアドバイスを行っている 主な著書に 税務調査のすべて Q&A ( 共著 清文社 ) があるほか 本誌に 税務調査の基礎のキソ を 26 回にわたって 業種別税務調査の対策ポイント を 7 回にわたって連載 その他寄稿記事が多数ある ある多国籍企業グループの最終親会社等が 会計年度の終了の日の翌日から1年以内に 電子申告による提出を義務づけられている(平成28 年4月1日以後に開始する会計年度から適用) このうち 国別報告事項は 租税条約等の自動的情報交換に基づき 多国籍企業グループの構成会社等の居住地国の税務当局に情報提供されることとなり 国税当局では 平成30 年9月までに 外国の税務当局への情報提供を開始するとともに 諸外国から国別報告事項に相当する情報を受領することとなっている 従前から法人税申告書別表17⑷(国外関連者に関する明細書)において 国外関連者の営業収入等の記載欄はあるものの その記載がない申告書も見受けられるようであった 今後はそのような納税者の国外関連者の状況についてもすべて明らかになるため この情報は 特に移転価格課税の分野において 調査選定等の場面で国税当局の非常に強力な武器となり得るものと考えられる ⑷BEPSプロジェクトとは 各国間の税制の違い等を利用した多国籍企業の国際的租税回避が世界的な問題として取り上げられたことを契機として その問題にいかに対処するかを検討するために平成24 年(2012年)にOECDにおいて立ち上げられたプロジェクトをいう BEPSとはBase Erosion and Profit Shifting の略でわが国では 税源浸食と利益移転 と訳されている さいごに以上4回にわたり 国税当局の情報収集力とその調査における活用について述べてきたが 国税当局の情報収集は非常に広範な範囲にわたっており 特に今回述べた新しいCRSや多国籍企業情報の報告制度の導入により これまで得られなかった情報も自動的に入手できることとなり さらに大きな武器を持つことになる 国内外を問わず 何らかの経済活動を行うと 必ず足跡を残すことになり それは国税当局が情報として知り得る可能性があることを認識しておくべきであろう

1. 要請に基づく情報交換 要請に基づく情報交換 は 個別の納税者に対する調査において 国内で入手できる情報だけでは事実関係を十分に解明できない場合に 必要な情報の収集 提供を外国税務当局に要請するものです 国際的な取引の実態や海外資産の保有 運用の状況を解明する有効な手段となっています 具体的には

1. 要請に基づく情報交換 要請に基づく情報交換 は 個別の納税者に対する調査において 国内で入手できる情報だけでは事実関係を十分に解明できない場合に 必要な情報の収集 提供を外国税務当局に要請するものです 国際的な取引の実態や海外資産の保有 運用の状況を解明する有効な手段となっています 具体的には 平成 3 年 1 月 国税庁 平成 29 事務年度における租税条約等に基づく情報交換事績の概要 情報交換に関する国際的な動向経済のグローバル化の進展に伴い 個人 企業による海外取引や海外資産の保有 運用が複雑 多様化しています さらに いわゆる パナマ文書 や BEPS(Base Erosion and Profit Shifting: 税源侵食と利益移転 ) についての報道等により 富裕層による海外資産隠しや多国籍企業による国際的な所得移転に対する国民の関心が高まっています

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租税条約等に基づく情報交換には 要請に基づく情報交換 自発的情報交換 及び 自動的情報交換 の 3 つの類型があり 情報交換事績もこれらの類型に分けています 我が国の情報交換ネットワークの現状については p.13 をご参照ください 2 平成 29 年 11 月 国税庁 平成 28 事務年度における租税条約等に基づく情報交換事績の概要 情報交換に関する国際的な動向経済のグローバル化の進展に伴い 個人 企業による海外取引や海外資産の保有 運用が複雑 多様化しています さらに いわゆる パナマ文書 や BEPS(Base Erosion and Profit Shifting: 税源侵食と利益移転 ) についての報道等により 富裕層による海外資産隠しや多国籍企業による国際的な租税回避行為に対する国民の関心が高まっています

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て 次に掲げる要件が定められているものに限る 以下この条において 特定新株予約権等 という ) を当該契約に従つて行使することにより当該特定新株予約権等に係る株式の取得をした場合には 当該株式の取得に係る経済的利益については 所得税を課さない ただし 当該取締役等又は権利承継相続人 ( 以下この項及 租税特別措置法 ( 昭和三十二年三月三十一日法律第二十六号 ) 抜粋 ( 特定の取締役等が受ける新株予約権等の行使による株式の取得に係る経済的利益の非課税等 ) 第二十九条の二会社法 ( 平成十七年法律第八十六号 ) 第二百三十八条第二項若しくは会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律 ( 平成十七年法律第八十七号 ) 第六十四条の規定による改正前の商法 ( 明治三十二年法律第四十八号 以下この項において

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