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ゆうりゅうのじま
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1 地盤工学会北海道支部技術報告集第 5 号平成 3 年月於苫小牧市積雪寒冷地にある現地斜面の計測結果とその評価室蘭工業大学大学院学生会員五十嵐はるか室蘭工業大学大学院国際会員川村志麻室蘭工業大学大学院学生会員照井秀幸北海道大学大学院国際会員三浦清一. はじめに近年, 地球温暖化に起因すると考えられるゲリラ豪雨や台風などの異常気象によって, 土石流, 斜面崩壊に代表される土砂災害が急増している. 元来, 台風等の被害の少ない北海道においても,3 年や年の台風号によって土砂災害が多発している例えば ). 特に, 急峻な地形を有する我が国においては斜面崩壊に対する精緻な対策法の提案が急務になると言えよう. このような斜面災害に対する対策のつとして, 災害発生を未然に防ぐ予知予測法が多く提案されている )~). 例えば, 時間雨量や累計雨量などの雨量指数を用いた広域危険度評価手法もそのつである. しかしながら, 広域危険度評価では地域特性や降雨特性が異なることから, その適用には上述の特性を考慮する必要があることが指摘されている例えば 7). 一方, 個々の斜面の危険度評価では, 実際に計測機器を設置し, 各種データをモニタリングすることによって, 斜面の変状や危険度を把握することができる. 現在では, 計測機器技術の向上によって, より精度の高いデータの収集が可能となってきている. しかしながら, 崩壊時の計測データを収集することの困難さにより, 崩壊を予知する方法の確立例えば ) とその妥当性の評価はかなり立ち遅れていると言える. また, 北海道のような積雪寒冷地では, 冬期から春期に起こる凍上凍結融解によって斜面構造の力学的劣化が指摘されており, 春期以降の降雨に起因する崩壊が高まることが指摘されている. それゆえ, 積雪寒冷地にある斜面の危険度評価を行う上では, 凍上凍結融解履歴の影響評価が温暖地域の斜面と比べて極めて重要になる. 本研究では, 凍結融解作用を受けている実斜面に,, テンシオメータ, などの計測機器を設置し, 長期間, データを収集し, 斜面内で生じている変形, 土壌水分の変化, 間隙圧の変化の特徴を把握した. また, 得られたデータに基づいて, 危険度評価を行う上での手法について詳細な検討を行ったので, それを報告する.. 計測斜面の状況と気象地形の特徴. 計測斜面の状況計測地点は, 伊達市南黄金町にある国道 37 号線沿いの高さ 3m, 斜面勾配程度の法面である. 対策工として高さ.~.m のコンクリート擁壁と軽量のり枠が既設されている 9),). 計測斜面の位置と様子を図 - に示す. 計測機器の種類は, ( 本 ), 傾斜計 ( 本 ), 誘電率型の ( 本 ), テンシオメータ ( 本 ), 温度計 (3 本 ), 降雨計 ( 個 ), 積雪深計 ( 個 ) であり, それらの配置平面図を図 -, 計測機器の断面図を図 -3 に示す. なお, 図中の付記した数値は設置深さを示している.. 気象地形の特徴計測は, 年月日から継続して行っている. この斜面は, 表層 ( 深さ cm 程度まで ) は客土で, それ以深はシルト混じり角礫 ( 強風化土 ) 凝灰角礫岩から構成されている. なお, 計測期間中の豪雨や冬期中の積雪凍上融解の影響によって表層部の客土が流動し, 下部のシルト混じり角礫が露出している箇所が多く確認されている. Evaluation of slope stability for cold region based on field monitoring : Haruka Igarashi, Shima Kawamura, Hideyuki Terui (Graduate School of Engineering, Muroran Institute of Technology) and Seiichi Miura (Graduate School of Engineering, Hokkaido University)

札幌伊達函館 5 3 9 7 cm 75 cm 5 cm 3 cm 傾斜計テンシオメタテンシオメタ cm cm 温度計地表温度計 7 5 3 排水パイプ 3 排水パイプ積雪深計降雨計風向風速計至伊達市至室蘭市図 - 計測位置図 - 計測機器配置平面図斜面表層から採取した試料と土壌水分計設置点における深さ方向の試料の示標特性を表 - に示す.

特に年は, 夏期の記録的な豪雨により最大集水量が 3ml/min になった. なお, この斜面から排出された湧水表面水により計測機器設置点下部の小段は, 年を通して泥濘状態となっていることを現地調査で確認している. また, 融雪期における集水量は, 年度が 9 年度よりヵ月ほど遅れて減水している.

2 札幌伊達函館 cm 75 cm 5 cm 3 cm 傾斜計テンシオメタテンシオメタ cm cm 温度計地表温度計排水パイプ 3 排水パイプ積雪深計降雨計風向風速計至伊達市至室蘭市図 - 計測位置図 - 計測機器配置平面図斜面表層から採取した試料と土壌水分計設置点における深さ方向の試料の示標特性を表 - に示す. 表より, 常時においても自然含水比 w n は液性限界 w L にかなり近い値であることがわかる. このことは, この斜面が年を通して表面水ならびに地下水の影響が大であることを示している. 図 - は最大集水地点 ( 図 -5 参照 ) での最大集水量の 9 年月からの経時変化を示している.9 年, 年の両年とも降雨後は集水量が増加する傾向にある. 特に年は, 夏期の記録的な豪雨により最大集水量が 3ml/min になった. なお, この斜面から排出された湧水表面水により計測機器設置点下部の小段は, 年を通して泥濘状態となっていることを現地調査で確認している. また, 融雪期における集水量は, 年度が 9 年度よりヵ月ほど遅れて減水している. これは, 年度が比較的厳冬であり, 融雪期になっても気温が上がらず, 雪や地中の凍った土壌の融解が遅かったことに起因していると考えられる. この原因を地形的に考察してみた. 図 - は計測斜面の天端部の地形を 3 次元表記したものである. この図は測量データをもとに Kriging 法 ), ) によって推定し地下水位線設置深度 5cm (No.3) 設置深度 cm (No.9) 設置深度 3cm 設置深度 75cm (No.) (No.) 設置点における深さ方向の試料裏込め土シルト混じり角礫 ( 強風化土 ) 凝灰角礫岩現地採取土テンシオメーター設置深度 cm (No.) (No.3...7) たものである. また, 図中には現地調査においても確認された水道とその流出方向も示している. 図より, 計測斜面天端部は室蘭岳方面において地盤が急激に高くなっており, またその周辺も同じように高くなっている. すなわち, 窪地のような地形を有していることがわかる. また, 確認された水道については測量結果ならびに現地調査の結果から, 大部分が計測斜面の方向へ流出浸透していることが明らかにされた. 天端塩ビ管テンシオメーター設置深度 cm (No.5) 図 -3 計測機器配置断面図表層沈下計表層 3 表層表層深さ (cm) 自然含水比 wn(%) 液性限界 wl(%) 傾斜計 (No.) 塑性限界 wp(%) wn (%) ρ s (g/cm 3 ) ρ dmax (g/cm 3 ) 珪砂 ρ dmin (g/cm 3 ) 温度計 (No.7) センサ D 5 (mm) カオリンセメント充填材表 - 示標特性 Uc -cm -cm -3cm -cm -5cm -cm -cm -cm -cm 深さ

5 Amount of surface water (ml/min) 5 5-5 - 9 Amount of rainfall (mm/min) 軽量のり枠 -5 / / 5/ 5/ 5/3 /5 /3 7/5 7/3 / /9 9/3 9/ /3 / / /7 図 - 最大湧水量の経時変化最大集水地点部も計測箇所と同様に, シルト混じり角礫 ( 強風化土 )

特に,9 年度では以下の凍結期間が 9 日間と長く, 深さ cm 地点の地温においても以下になっており, より厳しい気象条件であった. 写真 - に, 冬期間中の斜面状況を示す. 写真から分かるように, この影響 ( 凍結凍上, 融解 ) によって表層部分の隆起流動が激しいことが確認されよう.

3 5 Amount of surface water (ml/min) Amount of rainfall (mm/min) 軽量のり枠 -5 / / 5/ 5/ 5/3 /5 /3 7/5 7/3 / /9 9/3 9/ /3 / / /7 図 - 最大湧水量の経時変化最大集水地点部も計測箇所と同様に, シルト混じり角礫 ( 強風化土 ) で構成されていると考えられるため, 降雨融雪水が直接水道を通り, 最終的に斜面内に浸透していると推測される. いずれにしても, このような地形特性が本計測斜面の湧水表面水に影響を及ぼしているようである. 当該斜面の気温 (TA) 地温(TG) の変化を図 -7 に示す. 年月から 9 年 3 月では凍結融解履歴は回,9 年月から月 3 月では, それは回となっている. 特に,9 年度では以下の凍結期間が 9 日間と長く, 深さ cm 地点の地温においても以下になっており, より厳しい気象条件であった. 写真 - に, 冬期間中の斜面状況を示す. 写真から分かるように, この影響 ( 凍結凍上, 融解 ) によって表層部分の隆起流動が激しいことが確認されよう. 対象外斜面 ( 至伊達 ) 方向図 -5 集水域と最大集水地点 ( 平面図 ) 計測斜面 ( 国道側 ) 方向室蘭岳方向図 - 計測斜面天端部の地形図国道 37 号線斜面天端部計測箇所至伊達至室蘭斜面全景図 35 TA T A +.m Temperature, T ( ) // 9// 9// 9// 9// 9// 9// // // // // // // TG T G cm TG T G -cm TG T G -cm TG T G -3cm TG T G -cm TG T G -cm TG T G -cm TG T G -cm 図 -7 気温地温の変化写真 - 計測斜面の冬期間の状況

4 3. 計測結果と一考察 3. 計測結果はじめに長期計測を行った各データの経時変化について述べる. テンシオメータによる斜面内の間隙圧の変化を示す ( 図 - 参照 ). 図より, 間隙圧は地温と連動していることがわかる. 深さ cm 地点では負圧から程度の値を示し, 深さ cm 地点の値は常に正圧を示している. このことからも, 計測斜面は常に飽和に近い状態であり, 斜面表層部分において変状を起こす可能性が高いことがわかる. 図 -9(a)~(d) はコンシステンシー指数 I C と降雨との関係を示したものである. コンシステンシー指数はの計測値から含水比を算出し, 表 - の w L と w P から求めている. 図より, すべてのにおいて, 深さ ~3cm 地点のコンシステンシー指数がに近い値を示していることがわかる. このことからも表層から深さ ~3cm 程度では, 降雨によって, より不安定化に向かう可能性があることが指摘される. 図 -(a) と (b) は, 気温変動にともなう沈下量の変化を示したものである. 沈下量は, 正が斜面垂直下方向に沈下し, 負が斜面垂直上方向に浮き上がることを意味する. 図より, 計測期間中, 沈下量の変化はあまりみられないが, 深さ cm 地点の値が年月日から斜面下部方向へ大きく変動していることがわかる. Pore Pressure (kpa) Potential -cm Potential -cm - T G -cm - T G -cm - Consistency index, I C (a) I C -cm I C -cm I C -3cm Amount of rainfall (mm/min) Amount of rainfall (mm/min) Consistency index, I C (b) I C -cm I C -cm I C -3cm Amount of rainfall (mm/min) Amount of rainfall (mm/min) // 9// 9// 9// 9// 9// 9// // // Consistency index, I C // // // // // 9// 9// 9/3/ 9// 9/5/ 9// 9/7/ 9// 9/9/ 9// 9// 9// // // (c) I C -cm I C -cm Amount of rainfall (mm/min) - // 9// 9// 9/3/ 9// 9/5/ 9// 9/7/ 9// 9/9/ 9// 9// 9// // // /3/ I C -3cm Amount of rainfall (mm/min) /7/7 //7 /9/7 //7 //7 // 9// 9// 9// 9// 9// 9// // // // // // // 図 - 間隙圧と地温の関係 5 3 Temperature, T ( ) Consistency index, I C (d) I C -cm I C -cm I C -3cm Amount of rainfall (mm/min) Amount of rainfall (mm/min) 図 -9 コンシステンシー指数 I C と降雨の関係 (a) (b) (c) 3 (d)

5 Settlement S (mm) (a) 7 S -5cm S -75cm S -cm S -5cm // 9// 9// 9// 9// 9// 9// // // // // // // Temprature, T ( ) S -cm S -75cm S -5cm S -5cm TA A +.m TG G -cm TG G -5cm TG G -7cm TTG G -cm -cm Settlement S (mm) (b) // //3 S -5cm S -75cm // //3 S -cm S -5cm // //3 // Temprature, T ( ) S -cm S -75cm S -5cm S -5cm TA A +.m TG G -cm TG G -5cm TG G -7cm TG G -cm 年月日 ~ 年月日までの詳細図 ( 図 (b) 参照 ) から確認すると, それは気温と同様の変動を示している. このように気温変動が何らかの影響を与えていると考えられるものの, 現在のところ, その原因については不明であり, 検討中である. 図 - は, 年間で生じた斜面断面方向の変位を示したものである. 傾斜計の変位量は, 負が斜面上方向の変位, 正が斜面下方向の変位を示す. 図より, 変化量としては小さいものの, 確実に斜面下方図 - 沈下量と気温の関係 (a) 年間の経時変化 (b) 年月日 ~ 年月日までの詳細図 Depth (cm) - - に変位していることがわかる. 特に, 深さ ~3cm 地点の変位量が大きい. また, 冬期 ( 月から 3 月 ) と夏期 ( 月から月 ) の比較では, 年度,9 年度ともに約 7 倍大きい. このことから, 冬期間に起こる斜面の力学的劣化は無視できないと言えよう. 斜面上方向冬期変位量年度夏期変位量冬期変位量 9 年度 Displacement (mm) 図 - 傾斜計による斜面断面方向の変位量 // 9// 9// 9/3/ 9// 9// 9// 9// // // /3/ /7/ // /9/ // 次に, 計測斜面の測量結果を示す. 斜面平面の変位図を図 -, 各断面の変位図をそれぞれ図 -3, 図 -, 断面断面断面 3 軽量のり枠斜面上方向斜面上方向 cm cm 至伊達傾斜計テンシオメータ温度計至室蘭斜面側国道側図 - 測量による斜面平面の変位量図 -3 測量による断面の変位量

6 斜面上方向斜面側国道側斜面側国道側図 - 測量による断面の変位量図 -5 測量による断面 3 の変位量図 -5 に示す. 平面における変位量を見ると, 全体的に約 cm と微小あるが斜面右方向に変位していることがわかる. 断面における変位量をみると, 冬期間中 (9 年月 5 日 ) の測量では初回 ( 年月 9 日 ) の測量から, すべてのにおいて ~cm の浮き上がりが測定された. その後, 融雪期後 (9 年 5 月 3 日 ) の測量では初期の位置に戻り, 斜面下部への流動が併せて確認された. このことからも冬期における凍上凍結が, 表面部分の隆起流動に影響を及ぼしていることが明らかである. また, 断面 3 のでは 3 回とも国道側に変位していることがわかる. 断面のでは, 回目の冬期間中に斜面前方に浮き上がった後, 斜面平面の変位と同じように当初の位置に戻っている. このことから, 冬期間中の凍結融解現象がシーズンの間に起こっていることが定性的に示された. 前述した傾斜計による斜面断面方向の変位量 ( 図 -) と測量による斜面断面方向の変位量 ( 図 -5) の比較においても, 両者ともにに傾斜し, 同様な動きをしていることが明らかである. いずれにしても, この斜面は凍結融解履歴の影響や豪雨による降雨特性の影響は無視できないことが示されたと言える. 3. 土壌水分量を用いた安定性評価筆者らは, 一連の降雨模型実験において, 崩壊時の含水比 w f と初期含水比 w の間には一義的な関係があることを提案している. すなわち, 以下のような式で表現される. 3),) w f =βw γ () ここで,βとγは斜面構成材料に依存する形状係数である. この式によれば, はじめに斜面の初期含水比を把握し, などによって含水比の変化を把握すれば, 崩壊予測を行うことができるようになる. 以下では, 現地計測結果の土壌水分量の変化に着目して, さらなる考察を行った. 図 - と図 -7 は, 夏期 (9 年月 5 日から 9 年 9 月日 ) と冬期 ( 年月日から年月 3 日 ) における気温降雨の変化にともなう土壌水分の変化の代表例を示している. なお, 土壌水分は体積含水率として整理している. 図より, 夏期では降雨時に土壌水分が上昇後, 深さ cm までは急激に減少し, 深さ 3cm 以降はゆるやかに減少する傾向が見られる. このような排水特性は砂を対象とした模型実験結果からも示されており ), 本実測値は既往の研究成果と同様の傾向を示しているようである. 一方, 冬期ではバラツキはあるものの, 夏期と同様, 深さ 3cm までの値は気温の変化にともない敏感に反応している. 凍結にともなう計器の誘電率低下の影響も含まれていると考えられるが, 土壌水分の増加 - 減少パターンは夏期のものと基本的に同じであると推察される.

7 また, 図中には増加 - 減少過程で斜面内変位が生じた時点を印で示している. 図より, それぞれ排水 ( 減少 ) 過程で変位が進行するようである. これは, 崩壊現象がどの過程において生じるかを示すものであり, 崩壊を予知する上では有用な情報である. さらに, 夏期冬期に関わらず, 各変位は体積含水率が 3%( 含水比では %) 程度のときに発生している. 得られた変位量は数 mm 程度とかなり小さい値ではあるが, その後の変位量は増加傾向にある ( 図 -7 参照 ). 崩壊がひずみの蓄積によって進行することを考慮すれば, 変位と体積含水率 ( 含水比 ) に一義的な関係が存在することは非常に興味深い. 以上のことを総合すると, 本研究の範囲内では, 模型実験等で得られる () 式のような関係にもとづいて, 崩壊時の含水比 ( 量 ) を把握し, 現地計測において土壌水分の変化をモニターすることによって, その値に対応した排水 ( 減少 ) 過程のポイントを規定すれば, 簡易的に崩壊を予知することができることになる. しかしながら, これらの事実は, 土質材料等によっても変化することから, 今後更なる情報の収集は必要である. いずれにしても, 冬期夏期における土壌水分の評価は斜面の安定性を評価する上では極めて重要であることが示唆された. Water content by volume, W (%) Amount of rainfall (mm/min) 5 3 9//5 W -3cm W -cm 9// W -cm 9//5 W -cm W -cm Amount rain fall (mm/min) 9//3 W -cm 9/9/ W -cm 9/9/9 9/9/ Settlement (mm) Settlement (mm) Water content by volume W (%) Temperature ( ) // W -3cm W -cm W -cm W -cm W -cm Temperature ( ) // W -cm // Amount of tilt (mm) // // // W -cm //3 - Displacement (Multiple inclination transducer, mm) 図 - 夏期における体積含水率と降雨強度の関係図 -7 冬期における体積含水率と気温の関係. まとめ現地計測を通して, 気象の変化にともなう土壌水分, 間隙圧の変化を確認するとともに, 土壌水分と斜面の不安定性を定量的に提示した. 特に, 斜面が受けている自然外力の個々の評価は, 対象となる斜面によって種々変化することから, 現地計測の重要性が改めて示された. 得られた結果は以下のようである. () 計測斜面は, 冬期春期における凍上凍結融解履歴を受け, 斜面内構造の劣化を引き起こしている. () 積雪寒冷地にある斜面の体積含水率の変化は, 夏期は降雨と地下水, 冬期は気温の変化を含む凍結融解に影響を受けている. (3) 斜面の変位の進行は, 斜面内の土壌水分量の増加 - 減少過程の減少 ( 排水 ) 過程において顕著になる. また, その時の体積含水率 ( 本斜面の場合, 体積含水率 3% 程度 ) はほぼ定値を示す. 謝辞本研究を進めるにあたり, 国土交通省道路局新道路技術会議道路政策の質の向上に資する技術研究開発 ( 平成 9 年度採択 No.9-: 代表三浦清一 ) から研究補助が与えられた. また, 現地の斜面管理に関して ( 財 ) 北海道道路管理技術センターから協力を得た. さらに, 実験及びデータ整理に室蘭工業大学年生蛸星優君の協力を得た. 末筆ながら記して謝意を表します. 参考文献 () 長谷川和義他名 : 平成 5 年台風号北海道豪雨災害調査団報告書, 土木学会水工学委員会,pp.-,.

8 () 豪雨時における斜面崩壊のメカニズムおよび危険度予測, 地盤工学会,pp.-,. (3) 岡田憲治 : 土壌雨量指数, 天気,Vol.,No.5,pp.39-35,. () 鈴木修, 山村啓一, 島村誠 : 実効雨量指数を用いた降雨時運転規制に関する研究,Technical review,jr East, Vol.,pp.-9,7. (5) 里見知昭, 酒匂一成, 安川郁夫, 深川良一 : 主成分分析を用いた降雨に対する重要文化財後背面のリアルタイム崩壊危険度評価, 土木学会論文集 C, Vol.5, No, pp.5-57,9. () 酒匂一成, 里見知昭, 深川良一, 安川郁夫, 石田優子 : 現地計測結果に基づく降雨による危険度指数と土中の間隙水圧の関係について, 降雨と地震に対する斜面崩壊機構と安定評価に関するシンポジウム発表論文集,pp.9-9,9. (7) 大久保佳美, 善功企, 陳光斉, 笠間清伸 : 北九州を対象にした土壌雨量指数と実効雨量の土砂災害危険度, 降雨と地震に対する斜面崩壊機構と安定評価に関するシンポジウム発表論文集,pp.7-9,9. () 田中良平, 内村太郎, 山田卓 : 降雨時のモニタリングデータを用いた斜面の排水特性評価, 第 5 回地盤工学研究発表会,pp.77-7,. (9) 三浦清一 : 凍結融解作用を受ける斜面の崩壊予知災害危険度評価システムの確立, 国土技術政策総合研究所平成 9 年度受託研究報告書,. () 玉置和美, 安達譲二 : 斜面現地計測に基づく降雨時の土壌水分の変化と排水パイプの影響, 第 5 回地盤工学研究発表会発表講演集,pp.3-,. () Cressie,N.A.C:Statistics for Spatial Date,John Wiley and Sons,Inc,pp.9,99. () Journel,A.G,and Huijbregts,C:Mining Geostatistics,Academic Press,pp.,97. (3) S. Kawamura, S. Miura and S. Yokohama: Rainfall-induced failure of volcanic slope with crushable particles subjected to freeze-thaw action,advances in Geotechnical Engineering, GeoFrontiers, Geotechnical Special Publications, ASCE, CD-ROM,. (in press) () 奥田健太, 川村志麻, 三浦清一, 芦原真志 : 凍結融解履歴を有する破砕性火山灰質土斜面の崩壊機構に関する模型実験, 第 5 回年次技術報告集, 地盤工学会北海道支部,. ( 印刷中 )

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<4D F736F F D2091E E8FDB C588ECE926E816A2E646F63> 第 13 地象 (1 傾斜地 ) 1 調査の手法 (1) 調査すべき情報ア土地利用の状況傾斜地の崩壊により影響を受ける地域の住宅等の分布状況その他の土地利用の状況 ( 将来の土地利用も含む ) イ傾斜地の崩壊が危惧される土地の分布及び崩壊防止対策等の状況既に傾斜地の崩壊に係る危険性が認知危惧されている土地の分布当該傾斜地の崩壊防止対策等の状況ウ降水量の状況当該地域の降雨特性の把握に必要な対象事業の実施区域等の降水量の状況エ地下水及び湧水の状況傾斜地の安定性に影響を与える地下水の水位及び湧水の分布