スライド 1

Size: px

Start display at page:

Download "スライド 1"

いちえいこしの
5 years ago
Views:

1 おはようございます ( こんにちは )

2 民法 E( 親族法 ) 第 12 回 2013 年 07 月 02 日 ( 火 )1 時限 06 月 27 日 ( 木 )2 時限講義担当者近畿大学法学部教授小川富之

3 第 4 編親族第 2 章婚姻第 1 章 : 総則 ( 親族 ) 第 2 章 : 婚姻 => 第 3 章親子 => 第 4 章親権 => 第 5 章第 6 章後見保佐補助 => 第 7 章扶養第 5 編相続 3

4 生殖補助医療の問題について VTR をご覧ください

5 旧約聖書創世記

6 創世記 16 章 1 節ハガルの逃亡と出産アブラムの妻サライには子供が生まれなかった彼女にはハガルというエジプト人の女奴隷がいたサライはアブラムに言った主はわたしに子どもを授けてくださいませんどうぞわたしの女奴隷のところに入ってくださいわたしは彼女によって子供を与えられるかもしれませんアブラムはサライの願いを聞き入れた

7 生殖補助医療の進歩精子卵子子宮が無い人よる子の誕生生殖補助医療 : アシスティッドリプロダクティブテクノロジー (Assisted Reproductive Technology, ART)

8 生殖補助医療の進歩日本は江戸時代 1790 年朱子学以外の学問を禁じる寛政異学の禁イギリスでは 1790 年カルテに記録として残っている生殖医療第 1 号男性側に問題がある場合に器具を用いて女性に精子を注入する人工授精がスコットランドで初めて実施

9 生殖補助医療の進歩生殖補助医療は 1978 年にイギリスにおいてロバートエドワードとパトリックステプトーが体外受精を始めたことにより飛躍的に進歩世間では試験管ベイビー生まれた子供はルイーズブラウン現在 30 代 (?) の女性

10 生殖補助医療の進歩顕微授精 1990 年以降実施精子は一個で可能

11 不妊治療生殖補助医療の進歩人工授精体外受精顕微授精クローン? 不妊治療を受けている人 1999 年 28 万 4,800 人 2003 年 46 万 6,900 人 2013 年? 厚生労働科学特別研究生殖補助医療技術に対する国民の意識に関する研究

12 生殖補助医療の進歩不妊治療を受けている人現在検査や治療を受けている過去に検査や治療を受けたことがある ~24 歳 25~29 歳 30~34 歳 35~39 歳 40~44 歳 45~49 歳国立社会保障人口問題研究所出生動向基本調査 (2002 年 ) により作成

13 生殖補助医療の進歩生殖補助医療の要因晩婚化の進展家族の多様化身体的生理的要因授精が可能になるためには 1ml あたりの精子の数が 5000 万個必要 WHO の正常基準では 1ml あたり 2000 万個以上運動性が 50% 以上それ以下の人の場合 ( 乏精子症精子無力症等 ) には妊娠が困難

14 生殖補助医療の進歩生殖補助医療の要因身体的生理的要因顕微授精自然授 ( 受 ) 精数億個数百個 1 個

15 生殖補助医療の進歩精子の大きさを人に例えると東京 ~ 静岡を走ることに相当顕微授精!! 静岡東京数億人走るぞ ~ 数百人 1 人やっと到着

16 生殖補助医療の進歩顕微授精の問題点遺伝的な影響? 不妊の要因は男性体外受精 ( 女性の負担大 ) 日本では特に顕微授精が好まれる家制度のなごり男の子孫が欲しい

17 まとめ? 2005 年アメリカだけで年間 50 万人以上ほかの国々でも数百万人の体外受精ベビー 2010 年子どもの欲しい夫婦や独身者が受精卵プールの中から自分たちの希望する子供を選ぶ同性愛者カップルが二人の遺伝的要素を持った子どもを出産 2050 年生まれてくる子どもの将来の姿がわかる不治の病とされるエイズのような病気に感染しない遺伝子を組み込んだ子どもが生まれるようになる 2350 年遺伝子改良を重ねたジーンリッチと自然に生まれたジーンナチュラルに二極化両者の間には能力等において到底越えることのできない差が生じるようになる

18 日本における生殖補助医療の進展 1949 年 8 月非配偶者間人工授精 (AID) 児誕生 ( 慶應義塾大学 ) 1983 年 8 月減数手術 (4 胎双胎 ) 1983 年 10 月体外受精児誕生 ( 東北大学 ) 1986 年 5 月パーコール法による男女生み分け法の公開 1989 年 12 月凍結受精卵による妊娠出産 ( 東京医科歯科大学市川病院 ) 1991 年 11 月日本人夫婦が渡米し米国人女性に子宮を借り代理出産 1992 年 4 月顕微授精児誕生 ( 宮城県岩沼市 )

19 1992 年 4 月日本人夫妻が米国人の代理母に依頼して出産した子供を夫婦の実子として届け出ていたことが明らかに 1993 年 5 月日本人夫婦が米国人女性から卵子提供を受け妊娠出産 1996 年 8 月民間精子バンク開設 ( 東京都 ) 1997 年 2 月骨髄移植前の受精卵凍結 ( 慶應義塾大学 ) 1998 年 5 月非配偶者間体外受精児誕生 ( 長野県 ) 2001 年 5 月妻の妹による代理出産 ( 長野県 ) 2001 年 5 月産婦人科医が国内での代理出産を公表 2003 年 3 月妻の義姉による代理出産 ( 長野県 )

20 2003 年 4 月厚生労働省の審議会が代理出産を禁止する報告書日本産婦人科学会も会員医師に代理出産への関与を命じる会告 2003 年 11 月日本人夫妻の子どもを米国人の代理母が出産 2006 年 9 月東京高裁が品川区に日本人夫妻が提出した出生届けの不受理を取り消すよう命令 2006 年 10 月産婦人科医が 50 代後半の閉経後の女性が娘夫婦の子を代理出産したと公表 2007 年 1 月日本学術会議の検討委員会が審議開始 2007 年 3 月最高裁が日本人夫妻と代理出産で生まれた子どもとの親子関係を認めないと決定

21 性同一性障害者の性別の取扱 1 特例法の施行平成 15 年 7 月 16 日性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律 ( 法律第 111 号 ) 公布平成 16 年 7 月 16 日から施行

22 性同一性障害者の性別の取扱 2 立法の背景 1. 性同一性障害及び性別適合手術性同一性障害 = 自分の性に強い違和感を持ち生物学的な性とは異なる性への転換を望む発現率は諸外国の統計などからみると概ね男性三万人に一人女性十万人に一人の割合ガイドラインに示された診断治療の方法 1 精神療法 2 ホルモン療法 3 性別適合手術

23 性同一性障害者の性別の取扱 3 立法の背景 2. 名の変更多くの許可判例 3. 性別変更ほとんどが不許可

24 性同一性障害者の性別の取扱 4 法律の概要 1. 性同一性障害者の定義生物学的には性別が明らかであるにも関わらず心理的にはしれとは別の性別であるとの持続的な革新を持ちかつ自分を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意志を有する者

25 性同一性障害者の性別の取扱 5 法律の概要 2. 性別の取扱い変更の審判要件 120 歳以上であること 2 現に婚姻をしていないこと 3 現に子がいないこと 4 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること 5 その身体について他の性別に係る外性器に近似する外観を備えていること

26 性同一性障害者の性別の取扱 6 法律の概要審判の効果等審判を受けた者は民法その他の法令の適用については ( 法律に別段の定めがある場合を除き ) その性別について他の性別に変わったものとみなされる ( 四条一項 ) 婚姻や養子縁組などをすることも可能

27 生殖補助医療と親子関係一般 AIH: 夫の精子を使った人工授精民法 772 条の適用 => 生まれた子は夫の嫡出子 AID: 夫以外の男性の精子を使った人工授精夫の同意がある場合は嫡出否認の訴えを制限母子関係は分娩の事実によって発生する

28 生殖補助医療と戸籍卵の提供を受けて代理出産した事例 ( 父母の年齢が 50 歳以上であるケース ) カリフォルニア州の代理出産業者と契約し中国系アメリカ人の女性の卵子と夫の精子を体外受精し別のアメリカ人女性の子宮に移植して子を出産したカリフォルニア州のでは出生証明書の父母欄に依頼した夫婦の氏名が記載される通達により母親の年齢が 50 歳以上の場合法務局長の指示を求めること ( 通達 ) 先例および判例で母子関係は分娩の事実により生じる ( 大正 5 年 10 月 25 日民 805 号回答昭和 37 年 4 月 27 日最高裁判決民集 16 巻 1247 頁 )

29 法務省は生まれた双子が胎児のうちに日本人である夫が認知したものと看做すことができるとして日本国籍取得を認める子の夫婦がその子と特別養子縁組するという方法が説明された嫡出子としての出生届けが不受理扱いになったことにつきこの夫婦から家庭裁判所に訂正を求める申立てがなされたが家庭裁判所はこの申立てを認めなかった

30 父母の精子および卵子を用い体外受精し代理出産した事例有名人である 40 代の男性と 30 代の女性のケースアメリカ人女性に体外受精型代理出産を依頼平成 15 年 11 月に出生した双子を夫婦の嫡出子として東京都内の区役所に対して出生届け届出の受理が保留され法務局の調査の結果妻の分娩の事実は認められないとして不受理とされたこの女性は以前子宮の摘出手術を受けており代理出産をすることもマスコミ等の報道により一般に知られていたアメリカで代理出産契約出産するケースは 100 例程度存在これらの代理出産により生まれた子は日本人夫婦の嫡出子として届出が受理区役所の不受理処分に対して不服申し立て

31 夫死亡後に夫の凍結精子を用いて出産した子の事例 1998( 平成 10) 年当時夫が無精子症になる可能性の高い放射線治療を受けるのに備えて医療機関で精子を凍結保存した後で 1999( 平成 11) 年に死亡した夫の死後その妻がその凍結精子を用いて体外受精を行い 2001( 平成 13) 年に子どもを出産し死亡した夫との間の嫡出子として出生届けを行ったが夫の死後 300 日以上経過しているとの理由で夫婦の嫡出子とは認められなかった ( 民法 772 条 ) この扱いに対して 2003( 平成 15) 年 6 月に松山地裁に認知の訴え ( 民法 787 条 ) を提起した

32 生殖補助医療と親子関係 1 昭和 36 年の通達出生子の母が 50 歳以上の場合は市町村長はその出生届けの受理について管轄法務局の長の支持を求めること大正民 805 号回答昭和最高裁判決民集 16 巻 1247 頁母子関係は分娩の事実によって発生する

33 生殖補助医療と親子関係 2 米国での代理出産事例日本人夫婦の依頼による米国での代理出産事例 100 例近くあると推定されている死亡した夫の凍結保存していた精子による体外受精西日本に住んでいる 40 歳代の女性が平成 11 年に死亡した夫の凍結保存していた精子による体外受精で平成 13 年に男児を出産したとしてその子を亡夫の子として認知するよう求めた訴訟

34 生殖補助医療と親子関係 3 死亡した夫の凍結保存していた精子による体外受精平成 10 年夫が無精子症になる可能性の高い放射線治療を受けるのに備えて医療機関で精子を凍結保存平成 11 年夫病死夫の死後女性は亡夫の凍結精子で体外受精を試み平成 13 年に男児を出産亡夫との嫡出子として出生届夫の死後 300 日以上経って出生しているため夫婦間の子として認められず ( 民 772 条 ) 平成 14 年 6 月に松山地裁に認知の訴え ( 民 787 条 ) を提起民法は父の死亡の日から 3 年以内であれば死後の認知を求める訴えを提起できる

35 生殖補助医療と親子関係 4 死亡した夫の凍結保存していた精子による体外受精 1 審の松山地裁棄却夫が生前死後の体外受精に同意していたとは認められない死者との間で法律上の親子関係を認めることが子の福祉に適うとは言えない学会などの動向を見ても消極的意見が多い控訴審 1 審判決を取り消し男児を認知自然血縁的な親子関係があり認知を認めない特段の事情もない自然妊娠でない人工授精などによる出産で認知請求が認められるには父の同意が必要本件の場合は死亡した男性は妻の同意が得られれば保存精子を使って子供を作って欲しいと希望していたこと死後の妊娠に同意していたことを認定

36 生殖補助医療と親子関係 5 死亡した夫の凍結保存していた精子による体外受精最高裁認知を認めた二審高松高裁判決を破棄死後生殖について民法は想定していない親子関係を認めるかどうかは立法によって解決されるべき問題立法がない以上父子関係は認められない死後生殖によって生まれた子が認知されることによっていまの民法の下でどのような法的メリットを得られるのかを検討父から扶養を受けることはあり得ず父の相続人にもなり得ない法律上の親子であれば存在するこうした基本的な法律関係がないことを踏まえ立法がない以上死後生殖による父子には法律上の親子関係の形成は認められない

37 記事検索まとめ 1 (2007/11) 海外で卵子提供を受けた高齢者の出産 60 代も妊娠 57 歳の女性が帝王切開で出産 (2007/06) 国民の意識調査子どもをほかの女性に産んでもらう代理出産を社会的に認めてよい % 認められない % 生殖補助医療について厚生労働省が実施した国民の意識調査 (2007/03) 一般国民 (20~69 歳の男女 )5 千人と小児科や産婦人科の医師らを対象

38 45 歳以上の出産数記事検索まとめ 2 75 年 45 歳以上 50 歳以上 319( 人 ) 7( 人 ) 年までは 5 年間おきのデータ厚生労働省人口動態統計から

39 記事検索まとめ 4 代理出産をめぐる世界の状況米国対応 14 州は州法で容認 5 州は認めていない親子関係州によって異なる英国韓国台湾フランス容認営利目的は禁止法制化を検討中法制化を検討中営利非営利を問わず契約仲介は禁止児童養子縁組法に基づく縁組のほか裁判所の決定で決める父子は認知母子は養子縁組未定 ( 検討中 ) 依頼母と子の養子縁組も困難東京大の武藤香織准教授が日本学術会議の検討委員会に提出した資料などから作成

40 規制法制親子法制日本の親子法制度を根本的に見直す必要性以上で私 ( 小川 ) のお話を終わります

41 今日の講義は以上です次回は親子の続きと親権の問題を扱います忘れ物をしないで退出してください

42 URL t-ogawa.sakura.ne.jp/ 小川富之検索

43 MENU で講義ゼミをクリック近畿大学をクリック近畿大学のページから民法 E( 親族 ) を参照

スライド 1

スライド 1 野田さん本当におめでとう 26 日発売の週刊新潮に第三者の卵子で妊娠したとする手記を掲載した自民党の野田聖子元郵政相 (49) が同日自らのブログでも妊娠の報告を掲載した長年ひとりの女性として国を預かる政治家のひとりとして夢であった家族を持ち母親になるために今出産に向け手さぐりながら頑張っているところですと報告これからも体調管理のもとしっかりと国会議員としての仕事を全うしていきます