はじめに長野県北安曇地方には多様な気候土壌条件のもと長野県内で生産されるほとんど全ての樹種が生育し長野県森林づくり指針が目指す100 年後の姿を先取りしたかのような広葉樹と針葉樹が入り混じった多様な森林が成立し地域内だけで住宅のすべての部材から家具用材までまかなえる資源が生育しているしか

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ふじよしやぶき
5 years ago
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1 ビニールハウス乾燥ビニールハウス乾燥実施マニュアル実施マニュアル低コストでコストでエコロジカルなエコロジカルな木材乾燥技術の木材乾燥技術の普及に普及に向けてけてＶer.1.0 er.1.0(h ).0(h ) 制作企画山仕事創造舎山仕事創造舎北安曇地方事務所北安曇地方事務所県林業総合センター県林業総合センター

2 はじめに長野県北安曇地方には多様な気候土壌条件のもと長野県内で生産されるほとんど全ての樹種が生育し長野県森林づくり指針が目指す100 年後の姿を先取りしたかのような広葉樹と針葉樹が入り混じった多様な森林が成立し地域内だけで住宅のすべての部材から家具用材までまかなえる資源が生育しているしかし現実の森林状況としては間伐等の手入れが行き届かず林業生産は低迷し木材産業も衰退の一途をたどっている一方で最近では環境志向や地産地消の考え方が広まり地域で育った木材で家を建てたいという需要は当地域でも増大しているがせっかくの豊かな地域資源を活用しようと思っても地域産木材はほとんど流通していないのが実情である住宅の引き渡し後 10 年間は瑕疵担保責任が法律で義務づけられることになるなど住宅用材として流通させるためには乾燥材であることはいまや必須用件となっているが当地には商業的な木材乾燥施設は存在しないこのことが地域産木材を活用するうえで大きな障害となっていると思われるこのような状況のなかで地域産材を地元で使っていくために手軽に取り組める木材乾燥技術として農業用ビニールハウスを応用した太陽熱による木材乾燥に着目し過去 2 年間にわたって実地試験を重ねてきたその結果得られた基本的な知見を整理し今度の応用や技術改良に生かすことを願ってまとめたのが本マニュアルである平成 23 年 2 月 28 日企業組合山仕事創造舎代表理事香山由人このマニュアル開発途上の成果品であり日々改良を加えていきます最新版は企業組合山仕事創造舎のホームページで公開してまいすこの事業は平成 22 年度長野県地域発元気づくり支援金事業の助成をうけて実施しました

3 目次 1 ビニールハウス ( 以下 VH) 乾燥実施マニュアル 1 目的 1 概要 1 VH 乾燥の特徴 1 VH 乾燥の手順 2 本マニュアルの使用にあたって 4 終わりに 4 制作企画 4 お問い合わせ先 4 2 ビニールハウスの構造図面 5 3 実証調査事例 1 ビニールハウスを活用した乾燥方法の取り組み 8 4 実証調査事例 2 高齢級カラマツの乾燥調査等について 11 5 施工例松川村立松川南保育園での事例 13

4 ビニールハウス乾燥乾燥実施実施マニュアルマニュアルVer.1 er.1.0.0(h ) 目的人工乾燥施設がない大北地域において地域材の利用を推進するため環境に配慮した低コストである木材乾燥技術を普及し地域林業の発展に資する概要既存の農業用ハウスに若干の改造を加えた木材乾燥用ビニールハウスを使い熱源としては太陽熱のみを用いる天然乾燥だけでは達成できない含水率 10% 以下を目標として通風による乾燥と密閉による太陽熱での加温を組み合わせた化石燃料を使わない木材乾燥技術である比較的低い温度で時間をかけて乾燥を行うので木材の性質が変化しにくいなお本マニュアルは板材を中心とした乾燥方法を取りまとめたもので一定の検証結果に基づいたものでるが実際に適応するにあたっては各種の現場条件に応じた工夫が必要であるビニールハウス乾燥乾燥の特徴品質の高い乾燥材を安定して生産するためには大規模な乾燥施設での高温短時間乾燥が一般的である一方天然乾燥に近いビニールハウスを活用した乾燥は敷地と簡単な設備そして期間をかければ環境負荷が少なく低コストで木材の性質を変えることなく乾燥することができる表 1 ビニールハウス乾燥の特徴メリット 1 施設整備のコストが安いデメリット 1 注文にすぐ対応ができない 2 燃料費等のコストがかからない 2 一定期間在庫を抱えなければならない 3 自然の色合いがきれいで香りがそのまま残りやすい 3 板類の乾燥が主であり利用する木材量が伸びない 4 木材の強度低下が少ない 4 含水率の低減に限界がある 5 自然エネルギー利用で環境負荷が低い 5 長期にわたり施設の湿温度管理が必要である - 1 -

ビニールハウス乾燥乾燥の手順導入時の事前検討ビニールハウスは安価だが耐久性に乏しいので既存施設の利用将来の更新経費等を踏まえた施設の活用を検討多雪地帯は冬季の日照と維持管理に課題がある年間を通じて日照時間を最大限得られる立地を検討使用する部材にあわせた規模構造の検討実施方法ビニールハウスの構造別図 (P5~7) に示すとおり ( 作成例 ) 概観 ( 留意事項 )

5 ビニールハウス乾燥乾燥の手順導入時の事前検討ビニールハウスは安価だが耐久性に乏しいので既存施設の利用将来の更新経費等を踏まえた施設の活用を検討多雪地帯は冬季の日照と維持管理に課題がある年間を通じて日照時間を最大限得られる立地を検討使用する部材にあわせた規模構造の検討実施方法ビニールハウスの構造別図 (P5~7) に示すとおり ( 作成例 ) 概観 ( 留意事項 ) ビニールハウスは二重構造とし密閉性の高い構造とする ( 保温性蓄熱性を高めるため ) 内側のビニールは開閉可能にするため側面下部は固定せず垂らしてある外側のビニールは前後左右開閉可能にする ( 巻き上げ式にすると開閉が容易 ) 基礎は安定性が求められるとともに湿気の進入を防ぐためコンクリート製が望ましい排水対策として周辺部から浸水のないよう配慮した構造とする ( 外側のビニールがコンクリートに接する箇所に雨水よけの設置側溝の作設基礎部を周辺より高くするなど ) 材の出し入れのためフォークリフトが出入りできる高さ幅スロープの設置天窓を 2 箇所設置し内部の空気が排気できるようにする桟積みのため高さ 500mm 程度の移動可能な土台を準備乾燥するする材板材または構造材いずれでも可能であるが板材の方が乾燥は速い製材直後の生材でも良いハウスの構造にあわせた寸法の材を用意する蒸煮処理( ヤニ処理 ) 高温セット ( ドライングセット ) 後の乾燥や仕上げ時の乾燥にも適する桟積方法桟木を用いて別紙(P7) のとおり空気が流れるように桟積高さ500mm 程度の土台の上に積む ( 空気が対流しやすくなる ) 天井との間に空間を取ること ( 空気が対流しやすくなる ) 桟積み - 2 -

送風機の設置ビニールハウス内の空気の対流を促し均一な乾燥材に仕上げるため送風機を用意するなお電源は化石燃料に頼らない太陽電池による方が望ましい太陽電池パネル送風機目標含水率板材内装材( 壁板フローリング等

乾燥初期は蒸発散蒸発散が旺盛旺盛なためなためビニールハウスビニールハウスの前後左右前後左右天窓天窓は開放開放状態状態にし表 2 の含水率に到達した時点で完全密閉しハウス内で送風機を稼動させ乾燥促進を図る表 2

含水率の低下が鈍ってきたら天窓や側面のビニールを開けるなどして VH 内の湿度の低減を図る * 湿度計によりハウス内の湿度桟積内湿度を参考にしながら対処する 3 乾燥期間は表 3 の期間を参考に最終的には含水率が

6 送風機の設置ビニールハウス内の空気の対流を促し均一な乾燥材に仕上げるため送風機を用意するなお電源は化石燃料に頼らない太陽電池による方が望ましい太陽電池パネル送風機目標含水率板材内装材( 壁板フローリング等 ):10%±3% * 信州木材認証製品の認証基準に順ずる乾燥材の大きさ初期含水率実施時期 ( 季節 ) 等により乾燥期間は異なってくる乾燥方法 1 乾燥初期は蒸発散蒸発散が旺盛旺盛なためなためビニールハウスビニールハウスの前後左右前後左右天窓天窓は開放開放状態状態にし表 2 の含水率に到達した時点で完全密閉しハウス内で送風機を稼動させ乾燥促進を図る表 2 ビニールハウスを密閉させる際の含水率等の目安密閉時含水率 (%) 種類春季夏季冬季注 )35mm 程度の板の場合備考板材 ( ) 内は乾燥開始から密閉までのの (21 日 ) (35 日 ) 経過日数の目安 2 含水率の低下が鈍ってきたら天窓や側面のビニールを開けるなどして VH 内の湿度の低減を図る * 湿度計によりハウス内の湿度桟積内湿度を参考にしながら対処する 3 乾燥期間は表 3 の期間を参考に最終的には含水率が平衡状態に達した時点 ( 含水率が上がり下がりを繰り返す状態 ) で終了とする乾燥初期の開放表 3 VH 乾燥の終了期間の目安注 )35mm 程度の板の場合乾燥期間 ( 日 ) 種類備考春季夏季冬季板材左記の季節はスタート時の季節モニタリング含水率低減状況を見ながらビニールハウスの閉鎖のタイミングを見極めるために乾 - 3 -

燥スタート時から1 週間毎 (1 ヶ月を経過後は 2 週間毎 ) に高周波含水率計で含水率を調査し記録するモニタリング調査するテストピースはあらかじめ決めておく * 樹種毎寸法毎に心材部の多い材辺材部の多い材をそれぞれ 1 枚以上テストピースとして決めておくまた比較調査として天燃乾燥による含水率調査を同時に行うと良い (1 週間毎 (1 ヶ月を経過後は 2 週間毎 ) なお

7 燥スタート時から1 週間毎 (1 ヶ月を経過後は 2 週間毎 ) に高周波含水率計で含水率を調査し記録するモニタリング調査するテストピースはあらかじめ決めておく * 樹種毎寸法毎に心材部の多い材辺材部の多い材をそれぞれ 1 枚以上テストピースとして決めておくまた比較調査として天燃乾燥による含水率調査を同時に行うと良い (1 週間毎 (1 ヶ月を経過後は 2 週間毎 ) なおこの調査は雨や直射日光の当たらない野外で行いビニールハウス乾燥材と同質の材を計測含水率測定上記の計測により表 2の目安目安とともにとともにビニールハウスビニールハウス内の材の含水率含水率が天然乾燥天然乾燥材の含水率を下回下回ったった段階段階も閉鎖閉鎖の目安目安となるとなるビニールハウス閉鎖以後も 2 週間毎に高周波含水率計で含水率を調査し記録する乾燥後の留意事項乾燥後は雨水や直射日光等の当たらない場所に保管し乾燥終了時の品質を維持する本マニュアルマニュアルの使用使用にあたって本マニュアルは平成 21 年度から 22 年度にかけて実証調査試験を通じて得た知見並びに長野県林業総合センターの監修の下に作成したものであり完全なものではない利用者のノウハウを加味しより実効性の高いものにバージョンアップしていただくことを願うなお本マニュアルは長野県地域発元気づくり支援金を活用して作成したもので著作権等の設定はされてない善良な利用の下ビニールハウスによる木材乾燥を実行していただける方が現れることを期待するおわりに現在のところ日本で生産される製材品のうち乾燥材の比率は 10% 前後に過ぎないと言われている特に国産材の代表であるスギ材は乾燥に時間がかかりコストも高くつくことから生産量が少ないのが実状だ住宅メーカーの多くは新しい時代に対応していくための材料として集成材を選択する方向に進んでいるのが実状である住宅性能化のニーズに対応するためにも国産材県産材における乾燥材の比率がもっと上昇するよう早急に望むところであるまたこの技術の普及を通じて大北地域の森林林業木材関連産業が活性化し住みよい豊かな郷土になることに期待する制作企画企業組合山仕事創造舎県北安曇地方事務所県林業総合センターお問い合わせわせ先企業組合山仕事創造舎 (TEL ) 県北安曇地方事務所 (TEL ) - 4 -

8 ビニールハウス構造図面正面図単位はmm 天窓 2 箇所 5400 ビニールハウス内側のフレームからビニールを吊る空間をあける桟木 25 mm 乾燥材 ( 板材 ) 内側のビニールは横の開閉部に付けるか垂らす土台コンクリート基礎ハウスの側面は雨水が入らないよう防波堤等を作設内外のビニールは前後左右を巻き上げて開閉可能にさせる 5400 側面図室内に雨水の侵入を防ぐため段差をつけるか進入防止策を講じる 6000 ビニールハウス妻面内側ビニール左右に分かれるスロープを付けて出し入れしやすくする土台土台コンクリート基礎土台

9 ビニールハウス平面図内側ビニール天窓 5400 前後左右全て巻き上げ式で換気可能 6000 桟積み方法 or33 桟木板材の場合の例 18 mm or33 mm 150 mm 4m 空気が流れるようにするため平行に積む -6-

10 ビニールハウス内での空気の流れ天窓温湿度計によるモニタリング ( 桟積内 ) 温湿度計によるモニタリング ( 室内 ) 土台空気の流れ送風機 -7-

実証調査事例 1 ビニールハウスを活用した乾燥方法の取組み 1 実施主体等 (1) 実施主体 : 企業組合山仕事創造舎 ( 元気づくり支援金活用 ) (2) 協力企業 : 高橋林業株式会社 (3) 技術協力 : 長野県林業総合センター木材部北安曇地方事務所林務課 ( 調査テータ解析研究成果検討等支援 ) 2 実施内容 VH による板材の乾燥の現地適応技術の開発

0m VH の内部 3 取組みの経過 (1) 平成 21 年度の取り組み取組事項 VH 施設の構造検討及び設置データ収集調査方法 VH 内の温度湿度及び試験材の含水率の調査期間 :H21 年 10 月 22 日 ~H22 年 1 月 21 日 ( 92 日間 ) 調査に供した材 : 厚さ 18(33)mm 長さ 2200mm 幅 120mm( アカマツ

11 実証調査事例 1 ビニールハウスを活用した乾燥方法の取組み 1 実施主体等 (1) 実施主体 : 企業組合山仕事創造舎 ( 元気づくり支援金活用 ) (2) 協力企業 : 高橋林業株式会社 (3) 技術協力 : 長野県林業総合センター木材部北安曇地方事務所林務課 ( 調査テータ解析研究成果検討等支援 ) 2 実施内容 VH による板材の乾燥の現地適応技術の開発 (1) 木材乾燥に適したハウス構造の検討 (2) 板材の含水率の低下測定 ( 目標 : 含水率 10% 以下 ) (3) 空気の流動の検証調査に使用した VH 施設 ( 松川村 ) 構造 : 長さ 6.0m 幅 5.4m 高さ 3.0m VH の内部 3 取組みの経過 (1) 平成 21 年度の取り組み取組事項 VH 施設の構造検討及び設置データ収集調査方法 VH 内の温度湿度及び試験材の含水率の調査期間 :H21 年 10 月 22 日 ~H22 年 1 月 21 日 ( 92 日間 ) 調査に供した材 : 厚さ 18(33)mm 長さ 2200mm 幅 120mm( アカマツスギカラマツヒノキ ) 取組結果 3 ヶ月の乾燥期間で含水率 10% 以下に届かなかった VH の乾燥初期に締め切ってしまったため湿度が下がらなかった乾燥時期空気の流動桟積方法ハウスの構造等の課題が明らかになった (2) 平成 22 年度の取り組み取組事項平成 21 年度の課題を踏まえて以下の 2 項目に絞って調査を実施した 1 調査時期を暑い時期とその他の時期で乾燥スケジュールの動向調査 2 空気の流動の促進にための最適化調査桟積方法の検討 ( 平積 / チドリ積 ) - 8 -

送風機の導入効果の検証調査方法 VH 内の温度湿度及び試験材の含水率の調査期間夏季 : H22 年 7 月 14 日 ~H22 年 9 月 14 日 (62 日間 ) 冬季 : H22 年 12 月 9 日 ~ 現在調査中調査に供した材 : 厚さ 35mm 長さ 2200mm 幅 120mm ( スギアカマツカラマツヒノキ ) VH 乾燥初期の状況 ( 天乾に近い ) 4

12 送風機の導入効果の検証調査方法 VH 内の温度湿度及び試験材の含水率の調査期間夏季 : H22 年 7 月 14 日 ~H22 年 9 月 14 日 (62 日間 ) 冬季 : H22 年 12 月 9 日 ~ 現在調査中調査に供した材 : 厚さ 35mm 長さ 2200mm 幅 120mm ( スギアカマツカラマツヒノキ ) VH 乾燥初期の状況 ( 天乾に近い ) 4 二年間の調査結果 H22 夏季の調査では記録的な猛暑ということもあったが約 2 ヶ月で 4 樹種のほとんどが含水率 10% 前後で平衡状態となった ( 県認証製品並 ( 内装材 ) の含水率 (10%±3%) を確保 ) 含水率は乾燥初期は天然乾燥の方が VH 乾燥を上回ったがある一定期間経過すると VH 乾燥が天然乾燥を上回った桟積方法は平積チドリ積の際立った違いは見られなかった送風機による空気の流動への効果ははっきりと認められなかった昨年度乾燥した板材を加工し内装材 ( 腰板 ) に使用することとした ( 平成 22 年度木育推進事業を松川南保育園で実施 ) 含水率 (%) 樹種別の含水率含水率の変化変化 (H22 夏季調査による ) VH アカマツ VH ヒノキ天乾アカマツ天乾ヒノキ VH スギ VH カラマツ天乾スギ天乾カラマツ 7 月 14 日 7 月 22 日 7 月 29 日 8 月 5 日 8 月 12 日 8 月 18 日 9 月 1 日 9 月 15 日天燃乾燥アカマツ 15.6% スキ 16.4% ヒノキ 16.1% カラマツ 14.8% VH 乾燥アカマツ 9.7% スキ 10.1% ヒノキ 10.5% カラマツ 9.6% VH を閉鎖 5 考察及び今後の課題乾燥初期は天然乾燥でその後 VH 乾燥に移行する組み合せが有効であることがわかった VH 乾燥に適したハウス構造のさらなる検討データ蓄積による細部の基準化 VH 乾燥の手引書を作成し地域への技術普及 VH 乾燥材による製品の普及による地域材利用の促進 - 9 -

13 ( 参考資料 ) ビニールハウス乾燥の温湿度の変化 ( 平成 22 年 7 月 14 日 ~9 月 15 日 ) * 湿度変化の推移 120 平行中チドリ中室内 /07/ /07/ /07/ /07/ /07/ /07/ /07/ /07/ /07/ /07/ /07/ /07/ /07/ /07/ /07/ /08/ /08/ /08/ /08/ /08/ /08/ /08/ /08/ /08/ /08/ /08/ /08/ /08/ /08/ /08/ /08/ /08/ /08/ /08/ /08/ /08/ /08/ /08/ /08/ /08/ /08/ /08/ /09/ /09/ /09/ /09/ /09/ /09/ /09/ /09/ /09/ /09/ /09/ /09/ /09/15 VH を閉鎖送風機稼動 * 温度変化の推移平行中チドリ中室内 /07/14 16:36' /07/15 20:36' /07/17 00:36' /07/18 04:36' /07/19 08:36' /07/20 12:36' /07/21 16:36' /07/22 20:36' /07/24 00:36' /07/25 04:36' /07/26 08:36' /07/27 12:36' /07/28 16:36' /07/29 20:36' /07/31 00:36' /08/01 04:36' /08/02 08:36' /08/03 12:36' /08/04 16:36' /08/05 20:36' /08/07 00:36' /08/08 04:36' /08/09 08:36' /08/10 12:36' /08/11 16:36' /08/12 20:36' /08/14 00:36' /08/15 04:36' /08/16 08:36' /08/17 12:36' /08/18 16:36' /08/19 20:36' /08/21 00:36' /08/22 04:36' /08/23 08:36' /08/24 12:36' /08/25 16:36' /08/26 20:36' /08/28 00:36' /08/29 04:36' /08/30 08:36' /08/31 12:36' /09/01 16:36' /09/02 20:36' /09/04 00:36' /09/05 04:36' /09/06 08:36' /09/07 12:36' /09/08 16:36' /09/09 20:36' /09/11 00:36' /09/12 04:36' /09/13 08:36' /09/14 12:36' /09/15 16:36'00 注 ) 平行中 : 平行積みした山の中心部チドリ中 : チドリ積した山の中心部室内 :VH 室内での計測データ

14 実証調査事例２高齢級カラマツの乾燥調査等について１趣旨高齢級カラマツ材の利活用を促進するため乾燥段階での未解明技術の明確化を図るため乾燥スケジュールねじれ含水率等の調査を通じて製品化に向けた最適な部材の調整方法の検証を行う２実施主体等実施主体荒山林業協力北安曇地方事務所林務課県林業総合センター木材部高橋林業３調査項目人工乾燥に頼らない乾燥方法の確立１含水率調査板材角材２ねじれ内部割れ目周りの発生動態の検証角材のみ４調査期間 VH 乾燥県林業総合センター平成２２年７月２７日平成２３年２月７日１９６日５調査方法１調査部材大町市産カラマツ 92 年生 DBH３４３６ｃｍ板材 2ｍ 36mm 角材 3.5 4ｍ 14cm 14cm 天然乾燥県林業総合センター２調査パターン Ⅰ 蒸煮天然乾燥６カ月角材２枚板材２枚 Ⅱ 蒸煮ビニールハウス乾燥６か月角材２枚板材２枚 Ⅲ 無処理天然乾燥６カ月 Ⅳ 無処理ビニールハウス乾燥６カ月角材２枚板材２枚角材２枚板材２枚３調査事項テストピースにより下記の調査を行った ①含水率板材含水率計による計測最初と最後に絶乾法により計測 VH 乾燥した角材角材含水率計による計測最初と最後に絶乾法により計測 ②ねじれ割れ内部割れ発生状況の観察 ③温湿度温湿度計により計測４測定期間 ①は絶乾法による計測の他蒸煮前乾燥終了後なお高周波 VH 乾燥した板材のカビ除去含水率計により２ヶ月おきに測定 ②は蒸煮前蒸煮後 VH 乾燥後天然乾燥後の状態を観察 ③は調査期間中常時計測データローガー式計測機による６調査結果板材の VH 乾燥は全種類で含水率 10 以下角材の VH 乾燥も全種類で含水率 15 以下となった VH 乾燥の方が天燃乾燥の約１２に含水率が落ちた年生の高齢級カラマツ林大町市平

15 蒸煮と無処理では大きな差が認められなかった乾燥初期の段階で密閉された VH 内にあったため表面にカビが発生 ( 特に辺材部 ) 角材は全般的に材面割れが発生した板材は一部を除いて材面割れは無かった 7 考察と今後の課題 VH 乾燥では板材角材それぞれ県産材認証基準である 10% 15% をクリアしており高齢級カラマツの乾燥でも有効である構造材はいずれの乾燥でも材面割れが発生高温セットなど前処理が必要と思われる VH 乾燥では蒸煮の有無に関わらず密閉状態で乾燥であったためカビが発生した初期乾燥時の高湿度が原因と思われるよって初期乾燥時の VH の開放が必要と思われる割れねじれの調査は外見的な調査しかできなかったので今後は定量的な調査が必要である含水率 % 高齢級カラマツカラマツ含水率変化 ( 蒸煮後天然乾燥 VH 乾燥 ) 1 蒸煮 + 天然乾燥 ( 板材 ) 2 蒸煮 + 天然乾燥 ( 板材 ) 3 蒸煮 +VH 乾燥 ( 板材 ) 4 蒸煮 +VH 乾燥 ( 板材 ) 9 蒸煮 + 天然乾燥 ( 角材 ) 10 蒸煮 + 天然乾燥 ( 角材 ) 11 蒸煮 +VH 乾燥 ( 角材 ) 12 蒸煮 +VH 乾燥 ( 角材 ) 天然乾燥 1 板材 20.5% 2 板材 21.5% 9 角材 19.5% 10 角材 18.0% 含水率 % 月 27 日 7 月 29 日 10 月 5 日 12 月 9 日 2 月 7 日高齢級カラマツカラマツ含水率調査 ( 無処理天燃乾燥 VH 乾燥 ) 5 無処理 + 天然乾燥 ( 板材 ) 6 無処理 + 天然乾燥 ( 板材 ) 7 無処理 +VH 乾燥 ( 板材 ) 8 無処理 +VH 乾燥 ( 板材 ) 13 無処理 + 天然乾燥 ( 角材 ) 14 無処理 + 天然乾燥 ( 角材 ) 15 無処理 +VH 乾燥 ( 角材 ) 16 無処理 +VH 乾燥 ( 角材 ) 7 月 27 日 10 月 5 日 12 月 9 日 2 月 7 日 VH 乾燥 3 板材 9.0% 4 板材 9.6% 11 角材 11.0% 12 角材 9.0% 天然乾燥 5 板材 17.5% 6 板材 18.0% 13 角材 17.5% 14 角材 19.5% VH 乾燥 7 板材 6.0% 8 板材 9.5% 15 角材 9.0% 16 角材 15.0%

16 施工例松川村立松川南保育園 ( 改築 ) のプレイルームプレイルームでのでの施工例松川村産アカマツのビニールハウス乾燥材使用天然に近い乾燥で柔らかい木目が美しい壁板へ使用で明るい室内地元産アカマツで艶のある色合い白っぽい飽きの来ないアカマツの天然色 H23.3 月完成予定松川南保育園 ( 松川村東細野 )

CLT による木造建築物の設計法の開発 ( その 3)~ 防耐火性能の評価 ~ 平成 26 年度建築研究所講演会 CLTによる木造建築物の設計法の開発 ( その 3) ~ 防耐火性能の評価 ~ 建築防火研究グループ上席研究員成瀬友宏 1 CLT による木造建築物の設計法の開発 ( その 3)~ 防耐

CLT による木造建築物の設計法の開発 ( その 3)~ 防耐火性能の評価 ~ 平成 26 年度建築研究所講演会 CLTによる木造建築物の設計法の開発 ( その 3) ~ 防耐火性能の評価 ~ 建築防火研究グループ上席研究員成瀬友宏 1 CLT による木造建築物の設計法の開発 ( その 3)~ 防耐 CLTによる木造建築物の設計法の開発 ( その 3) ~ 防耐火性能の評価 ~ 建築防火研究グループ上席研究員成瀬友宏 1 内容 Ⅰ はじめに 1) 木材製材集成材 CLT の特徴テキスト p.45~5050 と燃えしろの燃えしろを検討するにあたっての課題 1)CLT の燃えしろに関する実験的検討壁パネルの非損傷性に関する実験的検討等の防耐火性能に関する建築研究所のその他の取り組み Ⅳ