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1 再履修線形代数 分解定理を主軸に整理整頓レッスン 特異値分解 レッスン 特異値分解 レッスン の主題は m 行列 の特異値分解 U {,,, } V dag ここに, ak, > ( ), U U V V である これは または のシ ュール分解をいくらか変形したものと見なせる そして の最大特異値 は の - 演算子ノルムに等しい が 次可逆行列なら を中心とする半径 の開球は可逆行列のみを含む また は の - 演算子ノルムに等しい 特異値分解の用途は 階数分析 行列方程式の 誤差解析 最小自乗法 次節の主題 CS 分解など 多彩である. 実行列の特異値分解 (I) 定義与えられた m 実行列 は適当な m 次実直交行列 U ( U U ) および 次実 直交行列 V ( V V ) をとれば () U V Udag{,,, } V UΣV の形に分解できる ここに > を の特異値 sgula value m + といい () を の特異値分解 sgula value decomposto, SVD という ここに ak( ) m m m, } { そして Σ を特異値分解の標準形 caocal fom という 証明は後述 する () を受け入れると V ( ) V Σ Σ dag{,,, }: U ( ) UΣΣ dag{,,, }: m m が従う ゆえに の各特異値は または の大きい方から m 個の固有値の平方根に等しい これより 特異値と標準形 Σ は によって一意的に定まることがわかる また と B PQ( ただし は任意の直交行列 ) は同一の標準形をもつことがわかる この関 PQ, 係を ~ Bによって表せば 関係 ~ は回帰性 対称性 推移性を満たすので 同値関係を 表す また 直前の 式より U の各列は の固有ベクトル V の各列は の固有ベ Copyght 再履修線形代数研究会

2 再履修線形代数 分解定理を主軸に整理整頓レッスン 特異値分解 クトルを表すこともわかる U の各列を の左特異ベクトル left sgula vecto V の各列 を右特異ベクトル ght sgula vecto という m ' R R 内に直交座標変換 x V x y Uy ' ' ' を導入すれば y x は y UVxΣx となる すなわち Σ は今導入した新座標系か ら見た の姿を表すものと解釈できる 証明 次実対称行列 のシュール分解 ( レッスン 7) を () V ( ) V D dag{ d,, d} dag{ d,,d, } ( ak( ) ) とする ここに V は適当な 次直交行列を表し d d にとるものとする ' ( Ve ) ( Ve ) (Ve ) ( )( Ve ) ( Ve ) ( VDV )(Ve ) e De d ここには第 単位ベクトルを表す (,, ) そこで, と書き () を e d ( V) V ( V ) ( V ) D dag{,, } ( > ) と書き直し [ p p ] V p, : m と書けば 直前の式は ( p / ) ( p j / j ) δ j (, j,, ), p j ( < j ) は意味する すなわち { u p /,, u p / } は正規直交系をなす これを R + 規直交基底 { u, u,, u } m に拡張し これらを列とする行列,, : m m, u, U u um UU I を定義すると U はを満たし u u m [ p p ] UV u dag{,,, } [ ] ( ) となる これはの特異値分解形に他ならない のシュール分解 UU: m mか ら出発しても 同様の手続きを踏めば やはり の特異値分解を導出できる () において U [ u u ] V [ v ] m, v と書けば 次の関係従う : m の正 () V UΣ すなわち v j u ( j,, ) j j Copyght 再履修線形代数研究会

3 再履修線形代数 分解定理を主軸に整理整頓レッスン 特異値分解 (3) [ ] v m v UΣ V u u u v + + u v ()(3) もときに有用な式である 例, によって与えられる UΣV は の特異値分解を表す 特異値は 例 a a a α α a a UΣ V ( ただし α a + a > ) は の特 a ( ) [] 異値分解を表す 特異値は α の 個のみである 例 3 a ( α a + + am > ) の特異値は a + + a m : の固 a m 有値の平方根 すなわち α によって与えられる 特異値分解を考えると a [] a の場合は ± I a としてよく a + + a > の場合は H αe を満 たす反射行列 H I ww / w w ( w αe ) をとれば この式自体が特異値分解を表す 反射行列についてはレッスン 7 7. 節参照 例 4 D dag{ d,, d } R d,, d を絶対値の減少する順に並べかえたものを dα, dβ,, dγ sg( dα ) α sg( dβ) β sg( dγ) γ P e e e ( [ ] sg( a) ( a ), ( a< ) sg( a) a a ) Q eα eβ eγ e, とすれば PP QQ I PDQ dag{ d, d,, d } α β γ は D の特異値分解を与えている. 複素行列の特異値分解 m 与えられた m m C は適当なユニタリ行列, に対して () ( U C V C ( U U, V V ) U dag{,,, } V U ΣV ak( ), > ) Copyght 再履修線形代数研究会 3

4 再履修線形代数 分解定理を主軸に整理整頓レッスン 特異値分解 の形に分解できる これを複素行列 のを多少変更すればよい の特異値分解という 証明法は前節の実行列に対するも.3 ベクトル - ノルム この節では C 型複素行列の -ノルム -om( 以下 単にベクトルノルムまたはノルム という ) に関する基本的事項を学ぶ これを拡張した C m 型行列の - ノルムは次節の話題とす る 行列計算においては 行列の大きさ を評価する必要性が常に起る この目的にはノルムの使われることが多い [ ],, x x x C のノルム (- ノルム ) とは負でない実数 () x + + x x x x x をいう この定義から次の事実が従う : () x x (3) cx c x ( c は任意の複素数 ) (4) Q Q, x C なら Qx x ( : m : m ( m), Q I Qx x : に注意 ) 以上の証明は練習問題とする (5) コーシー シュワルツ不等式 Cauchy- Schuwaz equalty: 任意の 対して x, y C に x y x y が成立する xy の場合 等号成立の必要十分条件は x, y の一方が 他方の複素数倍であることである x, y, x y 証明 (4) の場合のみ考えれば十分である この場合は とおけば λ x y / x y x y x y x y x λ ( λ ) ( λ ) ( x y x y x y x y y ) x y これより x y x y が出る ここで 等号の成立は明らかに λ x y これは x, y の一方が他方の複素数倍でることと同値である ( 確かめて下さい ) と同値である 別証 行列 [ x y ]( x, y C ) を考えると xx xy : yx yy Copyght 再履修線形代数研究会 4

5 再履修線形代数 分解定理を主軸に整理整頓レッスン 特異値分解 の特異値を とすれば の固有値は, だから det( ) xx yy ( x y)( y x) x y x y 次に x y x y は det( ) と同値 これは ak( ) ak( ) る 階数 + 零空間の次元 列数 ゆえ これは すなわち [ 複素数, ] α α x y β が非零解 もつこと すなわち β を x λy か y μ λ μ が存在すること と同値である (5) 三角不等式 tagula equalty x + y x + y と同値であ の零空間の次元は 以上であること x を満たす 等号が成立するための必要十分条件は x, y の一方が他方の負でない実数倍であることである 証明 x y の場合だけを考えておけば十分である x + y ( x + y) ( x + y) x + Re( x y) + y ( Re( ) の実部 ) x + x y + y x + x y + y ( コーシー シュワルツ不等式 ) ( + x ) y ( 前半の証明了 ) 等号が成立するための必要十分条件は Re( x y) x y x y であるが 最初の相等関係は xy と同値である 後半の相等関係はコーシー シュワルツ不等式により y cx( c は適当な複素数 ) と同値である この二つの条件は c (6) 三角不等式の別形 x y x y y cx かつ と同値である これは ノルムの連続性 ( ベクトル間の差が小さければ ノルム値間の差も小さい ) を示す 証明 x ( x y) + y のノルムをとると 三角不等式より x x y + y が出る 同様にし て y y x + x も出る この両者から (6) が出る ( x y y x ).4 ノルム空間 前節において定義したベクトル -ノルムはC から負でない実数全体への写像を表し 次 の 3 性質を満たす : 任意の x, y C 任意の複素数 c に対して Copyght 再履修線形代数研究会 5

6 再履修線形代数 分解定理を主軸に整理整頓レッスン 特異値分解 (a) x x (b) cx c x (c) x + y x + y このような構造は線形代数ではよく現れる そこで一般に 与えられた複素ベクトル空間 X から負でない実数への写像 が上の 3 性質を満たすとき を X 上のノルム om X を ノルム空間 omed space という 有限次元ノルム空間の詳しい話をレッスン 4 で行う 与えられたノルム空間 X 内の任意の x, y に対して x, y 間の距離を d ( x, y) x y によって定義すれば ノルムの性質から 任意の xyz,, X (d) d( x, y) ; d( x, y) x y (e) d( x, y) d( y, x ) (f) d( x, y) + d( y, z) d( x, z )(3 角不等式 ) に対して が成り立つ 一般に 任意の集合 X 上にこのような性質を満たす写像 d(,) が定義された空間 を距離空間 metc space といい d (, ) を距離 metc という また 任意の集合 X に対して d ( x, y) x y; d ( x, y) x y とおけば X は距離空間となるので ( 確かめて下 さい ) 距離空間に何らの構造的特徴はないことがわかる このコンテンツで現れる距離空間は ノルム空間のみである ノルム空間の話をする場合 よく現れるのが 与えられたベクトル a を中心とする半径 ρ > の開球 ope shee{ x X : x a < ρ} である その表面 suface{ x X : x a ρ} との合併集合を a を中心とする半径 ρ > の閉球 closed shee いう.5 行列ノルム ( 演算子 - ノルム ) (I) 定義 与えられた m a j C の特異値分解 (. 節 ) を UΣV U {,,, } V dag >, U U, V V ) () ( ) とすれば () Σ Σ Σ x x U V x x V U U V Σy ( [ y ] y y V x ) y m ym + + いま x C が x を満たすすべての値をとるとき y は y V x x を満 たすすべての値をとる ゆえに () より x は y e とき すなわち x Ve のとき 最大 Copyght 再履修線形代数研究会 6

7 再履修線形代数 分解定理を主軸に整理整頓レッスン 特異値分解 をとる すなわち max x Ve この量 max 値 x x x をベクトル - ノルムに 対応する の演算子 - ノルム opeato -om coespodg to the vecto -om といい ( 以 下単に演算子ノルム ) 記号 で表す : (3) max x ( Ve ) x, x C すなわち 演算子ノルム とは x が 値を表し その値は の最大特異値 に等しい C の単位球表面を自由に動いたときの x の最大 (II) 任意の m C 任意の x C に対して x x 証明 x としてよい すると / x x x ゆえ (3) より x (III) m R なら max x, x R x max x, x C x ゆえに 実行列の演算子ノルムを このどちらの式によって定義しても 混乱は生じない 証明 : max α x, x R x β max x, x C x とおけば 明らかにα β が成り立つから β α を示せば十分である そこで 任意の z ( x + y) x + y x + y (,, z x+ y C ( x, y R, ) をとれば xy は実行列 ) α( x + ( y ) α x + y α z z C は全く任意であったからこの式は β α 別証 : れば R m を示す に対しては 実行列の特異値分解 (. 節 ) を使い x を実ベクトルに制限す max ( ) x, x R x Ve がいえる 例 演算子ノルムの定義 (4) から a a 例 a [ ] C の演算子ノルムとベクトルノルムの値は一致する 実際 前者を a op と書くと (3) により a op a a a ( ベクトルノルム ) ゆえに両者に同じ記 Copyght 再履修線形代数研究会 7

8 再履修線形代数 分解定理を主軸に整理整頓レッスン 特異値分解 号を使っても混乱は起きない.6 演算子ノルムの性質 以下とくに断らない限り m C は与えられた行列とする (I) すべての x C に対して x x ( 前節から再掲 ) (II) の最小性 : 与えられた実定数 α に対して x α x がすべての x C に対し て成立するなら α が成り立つ 証明 x を満たす x C ( x ) をとれば x α x α (III) 証明 なら すべての x に対して x ( / x ) ゆえに すべての x に対し て x すなわち x これは を意味する 逆は明らかに真 m (IV) 任意の複素数 c 任意の C に対して c c 証明行列ノルムの定義から直ちに出る m (V) 三角不等式 : 任意の B, C に対して + B + B 証明任意の x C に対して ( + B) x x+ Bx x + Bx ( ベクトルに対する三角不等式 ) x + B x ((I) による ) ( + B ) x (II) により + B + B (III)(IV)(V) により 演算子ノルムは C m (VI) ( 演算子ノルムの連続性 ) 任意の, 証明練習問題とする.3 節 (6) 参照 上のノルムを表す m B R に対して B B m p (VII) 積のノルムに関する不等式 C, B C なら B B Copyght 再履修線形代数研究会 8

9 再履修線形代数 分解定理を主軸に整理整頓レッスン 特異値分解 証明 (I) により すべての x C p に対して ( B) x ( Bx) Bx B x が 成り立つ これに (II) を適用する l (VIII) m P C ( l m) が を満たせば 列の演算子ノルムは に等しい PP I P m が成り立つ ゆえに ユニタリ行 証明任意の m y C に対して m Py y PPy y I y y (IX) 証明とは全く同一の特異値を共有することから明らか (X) 任意の m C 任意の 次ユニタリ行列 ( Q Q ) Q PP I を満たす任意の m l m P C ( l m) に対して PQ が成り立つ 証明 (VII)(VIII) により PQ P Q が成り立つ 次に x を満たす x C ( x ) をとり y Qx とおけば y ( Q のユ ニタリ性による ) そして PQy Qy ( 前項による ) Q Q x x これより PQ が出る (XI) 任意の行列 B, に対して B B ( max{, B }) B 略証 : m C, B C p q とし X B とおけば 任意の q x C y C に対して x x X x + By ( B )( x + y y By ) ( )( x B y と なる これより X B 他方 u ( u ) Bv B ( v ) を満 q たす u C v C とれば X u X v u v B( ) Copyght 再履修線形代数研究会 9

10 再履修線形代数 分解定理を主軸に整理整頓レッスン 特異値分解 ゆえに X B 他の相等関係も同様の手続きで証明できる (XII) C の任意の固有値 λ に対して λ が成立する 証明固有値 固有ベクトル間の関係式 λ x x( x ) のノルムをとればよい.6 階数分析への応用この節では便宜上実行列を扱う m R ( ) (I) 与えられた行列の階数をとし > またはそれ以下の特定の階数をもつ 行列までの最短距離を求める問題を考える 特異値分解を使えば実に明快な答えが出ることを示す 実際 の特異値分解を v () UΣV [ u um] dag{,,, } u v ( v ak( )) Σ { k,,, } U V Udag V u v とし k k k ( k < ) とすれば m + ( ) m ak ( X) k ak ( X) k X X ( ak( ) k に注意!) () k k すなわち から階数 k 以下の行列までの最短距離は ( ) k + 列 k によって実現される いいかえれば を中心とする半径 ( k + ) k k k に等しく これは階数 k の行 の開球は階数が少 なくとも またはそれ以上の行列のみを含み その表面上に階数の行列が存在する ( k+ ( ) > + k に注意 ) とくに 次可逆行列 から非可逆行列までの最短距離は に等しく ( > ) それは階数 を中心とする半径 の開球は可逆行列のみを含む 証明まず の形から ak( ) k k k の行列 uv によって実現され は明らかである そして U( Σ Σ ) V ( Σ Σ) ( UV, は直交行列ゆえ 前節 (X) を適用 ) k k k dag{,,,,} (. 節例 4) k+ k + 次に ak( ) k と書けば dm X なら X k + が成立することを示す 実際 X の零空間を N( X ) N( ) ak( ) に次元公式を適用し X X k ゆえ S N( ) dm ( S ) dm S+ dm dm( S+ ) k+ k+ X spa { v,, vk + } Copyght 再履修線形代数研究会

11 再履修線形代数 分解定理を主軸に整理整頓レッスン 特異値分解 が出る ゆえに x を満たす x S が存在する すると X ( X ) x Xx x x ( x N( B) ) y y V ( x V, :( k + ) y x spa v k + {,, v }) y y U V V ( x ゆえ y ) Σ Σ k 例 6 6 ( U U U UU I) は の特異 値分解 ( かつシュール分解 ) を表し 特異値は えに 3 ak ( X) 9, 6, 3 によって与えられる ゆ 3 3 m X, Udag{9,6,} U 6 m X, Udag{9,,} U ak ( X) 9 m X, Udag{,,} U ak ( X) を中心とする半径 それぞれ 3,, の開球を S 3, S, Sと呼べば S 3 は階数 3 の行列 ( 可逆行列 ) のみ S は階数 以上のもの S は階数 以上のもの ( 非零行列 ) のみを含む ただ の非零実数倍はやはり可逆行列であるから S 外にも可逆行列が存在することは明ら かである m R X の厳値分解となっていることが知られている ここに 例 与えられた行列の特異値分解を数値計算によって求めると 得られた特異値分 + 密な特異 X は計算誤 解は c 差を表す行列である ak( ) ρ とする もし X < ρ ( ) が保証されれは を c c ば c 中心 とする半径 ( ) ρ の開球内に存在することになり ( X < ρ ( ) c c c ) そ の階数は ρ またはそれ以上であることが保証される 反対に X > ρ ( ) なら は問題 の 開球の外側にあるため ak( ) ρ の保証はない c Copyght 再履修線形代数研究会

12 再履修線形代数 分解定理を主軸に整理整頓レッスン 特異値分解.7 行列方程式への応用この節では特異値分解の応用として 行列方程式の解摂動問題 すなわち データの変動 に解がどう反応するか を考える そこで R を可逆行列とし その特異値分解を () v UΣV [ uu ] uv ( > ) v b R とすれば 方程式 x b ( は既知 ) の解は次式によって与えられる : () ( ) x b VΣ U b V U v u b 特異値分解は LDU 分解に比べて計算量が大きいから この式を使って () を解くことは通 常行われないが この式から の変動に解がどう反応するかについての定性的な性質を見るこ とができる すなわち () 式を見ると 解は 小さな特異値の変動に より敏感に反応するこ とが読み取れる ( y / xの原点付近の挙動を考えればよい ) 定量的な解析を示そう そこで 行列方程式 x b( ) にデータの変動 + b b+ b を与えたとき 解の変動 x x+ x をどう評価できるか について考える 次の 結果が成り立つ : x b ( + )( x+ x) b+ b < とすれば ( + ) が存在し (3) x cod( ) b ( + ) x ( / ) b ここに cod は の条件数 ( ) codto umbe と呼ばれる この式 を見ると / なら データ b, の相対変動率の和がほぼ条件数倍されて解の相対 変動率に伝播しうる ことがわかる 証明与えられた条件 < は + が を中心とする半径 の開球内にあることを ( + ) 示す ゆえに が存在する ( 前節参照 ) すると 与えられた 方程式から x + x+ b I+ x+ b ( ) ( ) ( ) ( ) I+ ( + ) ここに ゆえ 左辺の逆行列は確かに存在する ノルムをとり x で割ると Copyght 再履修線形代数研究会

13 再履修線形代数 分解定理を主軸に整理整頓レッスン 特異値分解 x b () ( I+ ) ( + ) x x ここで Y とおけば Y < また ( I+ Y)( I+ Y) I より ( I+ Y) I Y( I+ Y) だから ノルムをとれば ( ) I+ Y ( Y ) ( Y < ) また x b のノルムをとれば / x / b 以上を() に使うと (3) が出る (3) について追加説明を行う 条件数の逆数 は から非可逆行列 ( ) / までの最短距離を で割った商に等しい を c 倍すれば 特異値は c 倍されるから / は から非可逆行列までの正規化された最短距離 を表すと考えてよい ゆえに 条件数が 大きい ( 悪条件である ll-codtoed) ほど その行列は非可逆行列に近い と考えてよい 従って が悪条件なら x b は 解きにくい ことが予想される (3) 式はこのことを定量的に示すものと解釈できる が直交行列なら だから 直交行列の条件数はに等しい 条件数が過度に大でない を良条件である well-codtoed という x b をよい算法を使って数値的に解き 解 x c が得られたとすれば x c は小さな Δ, Δb に対して ( +Δ ) x c b+δbの厳密解になっていることが知られているが が悪条件なら たとえ, b が小さくても わけである x は (3) 式の意味で原方程式の解 x と大きく違っていることがあり得る c.8 最小自乗法への応用最小自乗法 ( あるいは最小自乗問題 ) とは何か 一般論の前に例による説明を行う (I) 例ある物理量 ( 例 : 温度の変化量 ) に正比例する他の物理量 ( 例 : 均質な細い棒の伸縮量 ) という理論模型を考える 実験を行い データの組 ( l, t ),,( l, t ) m m が得られたとしよう 模 型が正しく 実験誤差がなければ l αt,,, m, のすべてを満たす比例定数 α が定まる はずだが 実際にはそうはならない 誤差が一定の統計的分布 ( 正規分布 ) に従うとすれば 最も確からしいα の値は () ( l αt) + + ( lm αtm) f( α) 最小 となるようなα α であることが知られている 問題 () を最小自乗法または最小自乗問題 least squae method o poblem という 左辺はα の 次式であり t > を仮定すれば Copyght 再履修線形代数研究会 3

14 再履修線形代数 分解定理を主軸に整理整頓レッスン 特異値分解 B B f( α) l ( lt ) α + ( t ) α C Bα + α C α ) + ( と変形できるから の値と f ( α ) α は次式によって与えられる : () α B lt t f ( ) C B l t ( lt ) t α いま l [ l,, l ], t [ t,, t ] (3) [ ] m m とおけば ()() は簡潔に次のように書ける : ( ) t α l f α l t l t 最小 ( t ) α lt ( ) t t [ ] t α lは先ほどいったように 一般に可解ではないが 左から t を乗た正規方程式 方程式じ omal equato tt[ α ] tlは常に可解であり これを満たすα がα に他ならないことは 注目に値する (II) 最小自乗法問題一般に m 実行列方程式 (4) x m b ( R, b R m を最小自乗法の意味で解くとは は既知 x R は未知 ) x R を自由に変えて (5) x b 最小 ( x b 最小 x x m となるを求める問題である 応用上は の場合が多い そして ( x) x b は残差 esdual と呼ばれることが多い 幾何学的にいえば 最小自乗法とは与えられた点 b R 引く問題に他ならない 垂線の足を y と書けば m から R m の値域へ垂線を x y を満たす解 x R が最小自乗法 の解 距離 x b が残差の最小値を与えることになる なる このレッスンの主題である特異値分解を応用すれば最小自乗法問題の解法は以下のように の特異値分解を (6) UΣV U {,,, } V dag とする 以下場合に分けて考える Copyght 再履修線形代数研究会 4

15 再履修線形代数 分解定理を主軸に整理整頓レッスン 特異値分解 (a) ak( ) 特異値分解は の場合この場合は必然的に かつ m > が満たされ (7) UΣV Udag{,,, } V Σ U V Σ dag{,, }) ( の形をとる 最小化すべき式にこれを使って変形していくと x b UΣV x b U( ΣV x U b) ΣV x U b ( U U ) Σy c ( y Vxc, Ub) Σ c Σy c y Σy c + c c c これより x b 最小の解は一意的に (8) x x V( Σ c ) Vdag{,, } U b ( U [ U U ], U : m) x b c U b b U b ) < ak( ) (b < の場合 解は (a) の場合と同様の計算を行えば出てくるが 解は一意ではない 実際 この場合の の特異値分解は (9) UΣV Σ V ( U Σ dag{,, }) の形をとるから x b Σ V x U b + U b U U U, V V V, U : m, V : ) ( [ ] [ ] となる ここに V x U b は 行列方程式である その特解の一つは明らかに Σ x VΣ U b であり 同次方程式 V x の一般解は x V c ( c:( ) ) だから Σ ( ( : x Vy y ) と書けばわかる ) 結局 V x Σ U b の一般解 ( すなわち x ) は Copyght 再履修線形代数研究会 5

16 再履修線形代数 分解定理を主軸に整理整頓レッスン 特異値分解 () Σ Ub Σ Ub x VΣ U b+ Vc [ V V] V c c によって与えられる このうちで最小のノルムをもつもの れる : () x は明らかに次式によって与えら () () Σ Ub x V VΣ Ub 例 (II) で得られた一般的結果を例 (I) に適用してみよう 最小自乗問題は [ ] l l m [ ] t t m t b l x [ α ]: x b 最小 である t の特異値は tt( t ) > のみであるから 一般論 (a) の場合になる t の特異値分解の形は t t x x [] ( t x x UΣ V U U, V [] ) t m tm x x でなければならないから (8) 式より Σ [] t tm tl l m x V U b U [ ] t t m ( Σ : ) l tl tt x tl lltt tl b b U b l l ( ) l t t l tt t によって与えられる 以上は (I) で得られた結果と当然一致する 最小自乗法に関する話題はまだまだあるが 続きの話は腕試し問題に回すことにする 最後にひとこと : 上で見たように 特異値分解は理論解析用にも実務計算用にも価値の高い 分解である ( 実 ) m 行列の特異値分解とは のシュール分解をいくらか変形した ものであることを忘れないこと Copyght 再履修線形代数研究会 6

17 再履修線形代数 分解定理を主軸に整理整頓レッスン 特異値分解 腕試し問題 問題. D の特異値分解と特異値を求めよ ( 略解 :. 節例 4 参照 特異値分解例,, によって与えられる ) 特異値は 3 問題. ( 特異値分解計算の簡略化 ) まず レッスン 7 からの既知事実をのべる : a,, am ( a + + am > ),,,, m a b a a R, () [ ] ここに cc H I ( c a b) cc H Ha b は 反射行列 または ハウスホルダー行列 と呼ばれ から 実対称直交行列を表す H H, H I を満たす m を与えられた行列とすれば 適当な m 次反射行列または単位 aj R, m 行列 U,, Um V,, V をとれば ( Um U) ( VV ) を 重対角行列形 x x B に変形できることを示せ これにより B の特異値分解がわかれば の x x x 特異値分解も計算できることになる x x x x x x x ( 略解 : x x x U UV ( 以下同様 ) ) x x x x x 問題.3 x y x y において等号が成立するための必要十分条件は何か ただし はC 上で定義された -ノルムを表す Copyght 再履修線形代数研究会 7

18 再履修線形代数 分解定理を主軸に整理整頓レッスン 特異値分解 ( 略解 : 場合わけの後.3 節 3 角不等式における等号成立条件を応用すればよい 答 :x, y の 一方が他方の負でない実数倍であること ) 問題.4 ( 最小自乗法 ) 最小自乗問題 () m m x b 最小 ( R, b R は既知 x R は未知 ) を考える 正規方程式 () x b は常に可解であり ( a k( ) x なら は可逆行列となる ) ()() の解は一致すること を示せ また 任意解に対応する残差は次式によって与えられることを示せ: (3) ( b ) x b b x b x 注意 () は すべての w R に対して ( w) ( b x) と同値である この条件は b xが の値域と直交する に他ならないから 最小自乗問題 () とはb から の値域へ垂線を下す問題に他ならず (3) はピタゴラスの定理 ( 三平方の定理 ) を表す また 誤差解析上の理由から 正規方程式を解くことはお奨めできない ) ( 略証正規方程式は常に可解であることを示す 可解性の必要十分条件は y y b ( ) y R であるが これは満たされている : y y y ( y) y y y り x x + y とおけば 次に () の任意解 x をと x b y + b ( b x) y + b x b x x b が成り立つ この式よりの解と最小自乗問題の解は一致することがわかる ) 問題.5( 最小自乗法と QR 分解 ) 最小自乗問題 () x b 最小 ( R m, b R m は既知 x R は未知 ) を QR 分解 ( レッスン 7) を使って解け ただし の QR 分解を () R QR Q [ Q Q] ( : m, : m ( m ), Q Q Q Q ) とし かつ,, > とする Copyght 再履修線形代数研究会 8

19 再履修線形代数 分解定理を主軸に整理整頓レッスン 特異値分解 ( 略解 : R Q b ( ) ) Q b x b Q Rx Q b x R x Q b + Q b だから 解は x R Qb 残差は x b Q b によって与えられる ) λ,, λ 問題.6 ( 特異値と固有値の関係 ) 複素次正方行列の固有値を ( ) m max とすれば m m λ max λ max とし 特異値を が成り立つことを示せ λ ( 略証 : のシュール分解をQQ とすれば と の特異値は等しいか λ ら max max x e j λj λj ( j,, e j 第 x j 単位ベクトル ) つぎに m m を示す m の場合は除外してよいから m > とすれば の存在 λ が保証される の特異値 固有値は それぞれ の特異値 固有値の逆数だから これ に上の結果を適用すれば ( j,, ) が得られる ) / m / λ j Copyght 再履修線形代数研究会 9

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