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かずきやすもと
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1 管理番号定期点検マニュアルエレベータートラクションマシン (SKE SKE F, SKE F, SKE F,SKE SKE F ) 制定 2011 年 3 月 7 日 1/23

2 目次 1. はじめに 2. 定期点検項目 3. 潤滑油の点検 4. ブレーキの点検 5. ブレーキ装置装置の内部点検 6. シーブの磨耗状態磨耗状態の確認 7. その他の確認 8. ブレーキ調整手順 9. ブレーキ部品部品の分解分解と組立手順 2/23

3 1. はじめにトラクションマシン ( 以下巻上機と略す ) の各部品の強度は十分な耐久性を考慮していますが使用中の磨耗や疲労は避けられるものではありません定期的かつ適切なメンテナンスを行うことによって巻上機は故障等のトラブルやアクシデントを未然に防ぐことができますまた耐用年数を大幅に引き延ばすこともできます下記に巻上機点検の要領を示します巻上機運転中の点検点検は危険危険ですです点検点検はメインスイッチメインスイッチを切るなどのなどの安全安全を確認してからしてから実施実施してくださいしてください 2. 定期点検項目対象機種 : SKE F, 600F, 800F, 850F 定期的に下記項目の点検を実施してください (1) 定期点検番号項目点検事項措置 1 フレーキコイルの動作異常ブレーキ部品の分解と組立手順 1 フレーキコイルの動作及び異音の確認に基づき調整してください 2 開閉が円滑に動作するかを確認 2 フレーキライニンク隙間調整フレーキドラムとライニンクのフレーキ調整手順に基づいて調整競りがないかを確認してください 1 オイル漏れの確認異常が発生した場合は弊社にお問 3 その他 2 異音の確認合せください 3 発熱状態の確認 (2) 1 年点検番号項目点検事項措置 1 フレーキライニンクの磨耗フレーキライニンクの厚さを測定フレーキライニンクの厚さが交換時期の厚さまで磨耗している場合はすぐにフレーキシューの交換を行ってください交換後の調整はフレーキ調整手順に基づいて調整してください 2 フレーキ制動トルク表 1を参照しフレーキ制動トルクフレーキ調整手順に基づいて調整を確認してくださいしてくださいホルトとナットのゆるみが無いかホルトやナットが緩んだ時はスハナで確認してください増し締めしてください 3 その他 1 オイル漏れ確認異常が発生した場合は弊社にお問 2 異常音異常振動の確認合せください 3 発熱状態の確認 4 潤滑油の状態確認 5 シーフの磨耗状態確認 3/23

4 3. 潤滑油の点検 (1) 油量の点検は油面計を確認し定期的に行う必要があります正しく測定するためには運転を停止して行ってくださいなお長期にわたる休止後の点検は無負荷で 2~3 分間の運転を行ってください (2) 交換時期 1 1 回目稼動後約 3ヶ月 2 2 回目以降 1 年に1 回定期的に交換してください (3) 推奨潤滑油の種類潤滑油の選定は表 1 をご参照ください 1 油種 JIS K 2219 ( 2 種 7 号 ) 2 粘度 460 cst (40 ) 3 推奨潤滑油 ( 表 1 参照 ) 潤滑油は極圧添加剤の入っているものを使用してくださいメーカー品名出光興産タフニスーハーキヤオイル #460 昭和シェル石油オマラオイル SP460 日本石油ホンノック SP460 三菱石油ウォームキャルフ 380 表 1 推奨潤滑油 (4) 潤滑油の交換減速機のギヤボックス内が潤滑油タンクになっています潤滑油を抜くときはギヤボックス下部のドレンプラグを外します注油はギヤボックス上部の給油口カバーを外し油面計の範囲で注油してください (5) 油量図 1 : 給廃油口マシン型式 SKE-450F SKE-600F SKE-800F SKE-850F 油量 2.8 l 3 l 3.8 l 8 l 4/23

5 (6) クリスの補給 1) スタンド上部のグリスニップルから 1 年に 1 回少量 (20g 位 ) 注入して下さい ( 出荷時には充填済です ) ( 使用グリス : ダフニーエポネックス SR No.1 出光興産 ) (7) フレーキ可動部の給油 1) 1 年に 1 回又は必要に応じ ( 動作音発生等 ) 給油して下さい ( 使用潤滑剤 : NX512 チェーンクリスタイホーコーサイ ) 1 ブレーキアームピン部 2 ブレーキシューピン部 5/23

6 4. ブレーキの点検 (1) ブレーキライニング磨耗によるトルク調整ブレーキライニングが磨耗しますと開閉レバーが上に押し上げられ鉄心ロットを介して可動鉄芯が押し上げられ可動鉄芯固定鉄芯間の隙間が大きくなりストロークが増大しブレーキ開閉音の増大吸引力の低下等の問題が発生しますのでブレーキ周りの再調整が必要となりますまた保守点検でブレーキライニングを交換した場合など制動スプリングを外しブレーキアームを開放したときもブレーキ周りの再調整が必要となりますブレーキの調整確認方法はブレーキ調整手順をご参照ください (2) ブレーキライニングの点検ブレーキアームを閉じた状態でスケールを使用して図 1 の様に厚みを測定してくださいブレーキライニングの交換時期は [ 表 1 ] を参照してくださいただし残存厚みが [ 表 1 ] 交換時期以前であっても鋳造や加工精度により動作部 ( ブレーキアーム等 ) と固定部が干渉する可能性がある場合はその時点で交換してください図 2 : ブレーキライニング測定箇所マシン型式初期の厚さ重要点検厚さ交換時期の厚さ SKE-450F 8mm 7.5mm 7mm SKE-600F 8mm 7.5mm 7mm SKE-800F 8mm 7.5mm 7mm SKE-850F 8mm 7.5mm 7mm 表 1 : ブレーキライニングの厚さ 5. ブレーキ装置の内部点検 1 年に一度必ずブレーキ内部の清掃及び部品磨耗の点検を行ってくださいブレーキ内部の点検はブレーキ部品の分解と組立手順をご参照ください 6/23

7 6. シーブの磨耗状態の点検巻上機のメインシーブはワイヤーロープとの摩擦により溝は経年的に摩損磨耗します測定により摩損磨耗が基準値を超えた場合シーブの交換が必要となります交換基準値を超えて使用した場合着床段差やロープスリップの原因となり故障もしくは事故の発生につながりますので定期検査の際には内容を良く理解の上検査を実施して下さい次項目に該当する場合シーブの交換が必要です 6-1. アンダーカット溝 (1) ロープ溝が 3mm 以上磨耗した場合 3mm 磨耗時 δ は下記使用始め磨耗限界 φd= 12 h= 3 δ 0 φd= 14 h= 3 δ 0 φd= 16 h= 4 δ 1 (2) 不均等な磨耗によって各ロープの溝に 1mm 以上ばらついた場合 1 (3) 目視でロープの条痕偏磨耗の発生を確認した場合等 6-2.V 溝 (2002 年以前納入又は客先指定 ) (1) V 溝は初期状態であれば摩擦力は高いですが溝磨耗が始まると摩擦力が落ちアンダーカット溝と同等 ( 同等以下 ) の摩擦力になりますロープ溝の摩擦力はアンダーカット角が大きく影響します理論上 105 アンダーカット溝と同等の摩擦力が必要とするならば 14 16mm 用は 2mm 磨耗 12mm 用は 1.5mm 磨耗が限界と思われますしかし V 溝初期時は摩擦力が大きいのでバランスが悪くても ( 積載に対しカゴ自重が軽い等 ) スリップすることなく駆動する事が出来ます V 溝磨耗の限界値はカゴ重りバランス比ロープ接触角加速等を考慮し各顧客様 ( エレベーターメーカー ) で御判断して頂きたいと思います 7/23

8 V 溝寸法及び磨耗時アンダーカット角図 7. その他の確認上記の点検のほかにマシンに異常がないか下記の確認もあわせて実施をしてください 1 触診による振動異常発熱等の点検 2 聴診による異常音の有無の点検 3 オイル漏れが発生していないかの点検 4 ネジの緩みの点検 5 その他の異常 8/23

9 3 主なオイル漏れ点検個所 3-1. オイル漏れ点検個所入力軸スラスト側 3-2. オイル漏れ点検個所入力軸スラストカハー部 3-3. オイル漏れ点検個所入力軸クラント側 9/23

10 8. ブレーキ調整手順 (1) はじめに保守点検などでブレーキライニングを交換した場合など制動スプリングを外しブレーキアームを開放したときは再組立時にブレーキ周りの再調整が必要となります再調整の時必要となる各種クリアランスの調整や作業手順についての詳細を以下に示します (2) ブレーキ概略図及び各部名称 10/23

制動スプリングは巻上機及びモーターの出力によってセット荷重が異なるためナット 1 の締めこみ量でスプリングのたわみ量 ( 写真 1 の A 寸法 ) を調整する必要があるブレーキアームの端が確実に目盛り板の 0

11 (3) ブレーキ調整手順 1) 制動ボルト取り付けブレーキを元に戻す際まず制動ボルトを写真 1 のように取付けるスプリング受け制動スプリング制動ボルトナット (2) ナット (1) ブレーキアーム目盛板 A 制動ボルト締付量写真 1 制動ボルト取付け写真 2) 制動スプリング荷重設定ブレーキ ON ( ブレーキ電源 OFF) であることを確認しブレーキが効いている状態にする制動スプリングは巻上機及びモーターの出力によってセット荷重が異なるためナット 1 の締めこみ量でスプリングのたわみ量 ( 写真 1 の A 寸法 ) を調整する必要があるブレーキアームの端が確実に目盛り板の 0 の位置に来るようナット (1) を締めこむ ( 写真 2 参照 ) 次にナット (2) を締めこみしっかり固定する制動ボルト締付量 ( A 寸法 ) は表 1 を参照してくださいブレーキアームの端目盛り板の 0 写真 2 制動スプリング締めこみ量 11/23

機種 450F 600F 800F 850F 設定値 A mm 制動トルク (N m) 52 59 65 108 70 147 70 196 表 1 : 機種別制動トルク設定値 3) ブレーキライニング隙間調整 1 ブレーキ ON ( ブレーキ電源 OFF) の状態でブレーキシュー固定ボルトを一旦緩める 2 次にブレーキシューに突き当たるまで締めこみ突き当たったら表

12 機種 450F 600F 800F 850F 設定値 A mm 制動トルク (N m) 表 1 : 機種別制動トルク設定値 3) ブレーキライニング隙間調整 1 ブレーキ ON ( ブレーキ電源 OFF) の状態でブレーキシュー固定ボルトを一旦緩める 2 次にブレーキシューに突き当たるまで締めこみ突き当たったら表 2 を目安にボルトを戻しナットを仮締めするブレーキシュー固定ボルト写真 3 ブレーキシュー固定ボルト機種ボルトサイズ突き当てからの戻し量 450F M8 1.25P 600F M8 1.25P 1/24~1/12 回転 800F M10 1.5P 1/16~1/8 回転 850F M10 1.5P 1/16~1/6 回転表 2 : 機種別の固定ボルト戻し量 12/23

13 4) ブレーキアーム調整ボルトの調整 1 ブレーキ OFF ( ブレーキ電源 ON) であることを確認する 2 開閉レバーの遊びがなくなる位置までブレーキアーム調整ボルトを締めこむ 3 そこからさらに表 3 のようにブレーキアーム調整ボルトを締めこむ 4 ブレーキ電源を数回 ON OFF した後ブレーキ OFF( ブレーキ電源 ON) の状態でモーターを回転させブレーキドラムとブレーキライニングの競りが無いか確認する競りがある場合はカップリングの隙間が均一になるようブレーキシュー固定ボルトで調整をおこなう ( 3) の調整をおこなう ) 機種ボルトサイズ突き当てからの締込量 450F M8 1.25P 600F M8 1.25P 1/2~3/4 回転 800F M10 1.5P 1/2~3/4 回転 850F M10 1.5P 1/2~1 回転表 3 : 機種別 13/23

14 9. ブレーキ部品部品の分解分解と組立手順以下にブレーキ部品の分解と組立手順を示す 1) 分解手順 1 ブレーキコイルのリード線を端子から外す 2 取付けボルトを外しカバーを脱着取付けボルトボルト紛失注意 3 鉄芯カバープレート汚れ傷異物混入異物混入を確認確認する 4 カバプレート締付ナット部分を握り上下及び 360 度回転させスムーズに動くか確認するスムーズに動くかくか確認 14/23

15 5 ダブルナットの取外し 6 2 個目のナットを緩めるときは共回りするので 7 鉄芯ロット当り板の穴付きボルト部に六角レンチを差込み共回りを防ぐ 8 六角レンチで固定し 2 個目のナットを取り外す 15/23

16 9 可動鉄芯カバープレートを取り外す 10 可動鉄芯を回しながら上部へ引き上げる可動鉄芯をきれいにをきれいに清掃清掃する 11 可動鉄芯を取り外した状態ガイド部分に傷劣化がないか確認し傷があった場合はサンドペーパーで磨く ( サンドペーパー :#600~1000 推奨 ) ガイド部分部分の傷確認 12 コイルケース上部脱着六角ボルト 4 本取り外す 16/23

17 12 上部コイルケース脱着コイルからの引き出し線が出ているので通し穴から線を抜きながら脱着するコイルからのからの引出引出し線に注意 13 上部コイルケースを取外した状態ブレーキコイルが出現 14 ブレーキコイル脱着ブレーキコイルに傷をつけないよう注意し上部に引き上げるブレーキコイルの内径部内径部に傷が無いことを確認する脱着時落下に注意 15 ブレーキコイルを取外した状態遮磁板の状態 ( 損傷傷等 ) を確認固定鉄芯出現 17/23

18 16 遮磁板を取外す遮磁板と固定鉄芯の接触面を確認する遮磁板に損傷損傷傷伸び等が無いかいか確認しあればあれば交換交換する 17 固定鉄芯固定ネジ取り外し M6 キャップボルト 3 本を緩め固定鉄芯を取外す 18 鉄芯ロッドを持ち上げ固定鉄芯を取外す固定鉄芯 19 固定鉄芯を回転させながら上下にスライドさせスムーズにスライドするか確認するスムーズに動くことをくことを確認 18/23

19 20 鉄芯ロッドの確認固定鉄芯を抜取固定鉄芯との接触面に損傷傷が無いか確認する傷があるときはサンドペーパーで磨く ( サンドペーパー :#600~1000 推奨 ) 固定鉄芯とのとの接触面接触面の傷が無いかいか確認 21 ブレーキ開閉アーム取外しピン片側の E リングを外しピンを引き抜く 22 鉄芯ロッド当り板部分の確認あたり部分部分に傷段差等段差等があるがある場合場合はやすりで修正修正する 19/23

20 1) 組立手順 1 鉄芯ロッドの固定鉄芯との接触面にクロムモリブデンを塗布する 2 固定鉄芯に鉄芯ロッドを挿入しスムーズに動くことを確認するスプリングを入れること 3 コイルケースに固定鉄芯を取り付ける 4 遮磁板取付け 20/23

21 5 遮磁板はセンターにくるように取り付ける 6 ブレーキコイル取り付け 7 コイルケース上部のガイド部分にクロムモリブデンを塗布する 8 指で塗布したクロムモリブデンを均一に伸ばす 21/23

22 9 ブレーキコイル上部ケースを取り付けるブレーキコイルのリード線を挟み込まないように注意する 10 コイルケース上部を固定する M8 六角ボルト 4 本で締付固定する 11 可動鉄芯のコイルケース上部のガイド接触部分 ( 幅約 30mm) にクロムモリブデンを塗布する 12 このガイド部分と接触する部分に塗布する 22/23

23 13 可動鉄芯を挿入する 14 鉄芯カバープレートを装着する 15 SW+ ダブルナットで鉄芯カバープレートを締め付ける鉄芯ロッド先端部を持ち上下 90 度回転させスムーズに動くことを確認する動きがスムーズでない場合は再度調整を行うスムーズに動くことをくことを確認 16 コイルケースカバー取付け 23/23

QTY Engineering Customer Satisfaction Questionnaire

QTY Engineering Customer Satisfaction Questionnaire プランジャー測定対象エレベーターの技術情報プランジャーストローク検査方法及び判定基準要改善ブレーキの対応について改訂日 2017 年 4 月 24 日日本オーチスエレベータ株式会社 Page 1 of 8 1. はじめにこの説明書は日本オーチスエレベータ株式会社 ( 以下日本オーチス ) が当社の設計基準に基づいて昇降機の専門技術者を対象に作成しています所有者の方は管理者ならびにエレベーターの維持保全を委託される専門技術者