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1 Ⅱ 農業の体質強化と攻めの視点に立った生産の展開 1 関東農業の全国に占める位置と農業生産等の動向 (1) 関東農業の全国に占める位置 1 主要農業指標と全国におけるシェア 販売農家数 農業産出額で全国の 4 分の 1 を占める一大食料供給基地 管内の農業指標についてみると 耕地面積は84 万 3 千 ha( 平成 18 年 7 月 15 日現在 ) で全国の18.0% 販売農家数は46 万 3 千戸 (17 年 2 月 1 日現在 ) で同 23.6% 農業産出額は2 兆 1,888 億円 (17 年 ) で同 24.9% を占め 我が国の一大食料供給基地となっている ( 表 Ⅱ- 1-1 図 Ⅱ-1-1) 表 Ⅱ-1-1 管内の主要農業指標と全国におけるシェア 管 内 全 国 管内シェア (%) 耕地面積 (H18) 843 千 ha 4,671 千 ha 18.0 販売農家数 (H17) 463 千戸 1,963 千戸 23.6 農業就業人口 (H17) 841 千人 3,353 千人 25.1 農業産出額 (H17) 21,888 億円 88,067 億円 24.9 資料 : 農林水産省 耕地及び作付面積統計 2005 年農林業センサス 生産農業所得統計 ( 市町村別推計 ) 図 Ⅱ-1-1 管内の主要農業指標の推移 耕地面積 販売農家数 千 ha 千戸 1, , ,103 販売農家数 557 ( セ ) , 耕地面積 864 農業産出額 ( 右目盛 ) 22, ,374 22, ,000 平成 11 年 , ( セ ) 億円 26,000 24,000 22,000 農業産出額 資料 : 農林水産省 耕地及び作付面積統計 生産農業所得統計 ( 市町村別推計 ) 農業構造動態調査 農林業センサス 注 :( セ ) はセンサス年 2 農業産出額の全国シェアと順位 全国シェアは 野菜 36% 果実 28% 花き 28% 豚 28% 鶏卵 27% 加工農産物 43% 管内各都県の農業産出額 (17 年 ) を全国順位でみると 3 位茨城県 4 位千葉県 10 位栃木県と3 県が10 位内に入り また 主要作目別にみても管内各県が上位に位置しており 管内の農業は全国的に重要な地位にある ( 表 Ⅱ-1-2)

2 表 Ⅱ-1-2 管内各都県の農業産出額の全国順位 ( 平成 17 年 ) ( 単位 :%) 農業工芸加工米麦類豆類いも類野菜果実花き生乳豚鶏卵産出額農作物農産物 管内の全国シェア 位 北海道 新潟 北海道北海道北海道 千葉 青森 愛知 北海道北海道鹿児島 茨城 静岡 2 位 鹿児島北海道 佐賀 千葉 鹿児島北海道和歌山 千葉 静岡 栃木 宮崎 千葉 鹿児島 3 位 茨城 秋田 福岡 福岡 千葉 茨城 長野 福岡 鹿児島 千葉 茨城 愛知 茨城 全 4 位 千葉 福島 栃木 佐賀 茨城 愛知 山梨 静岡 沖縄 熊本 千葉 鹿児島 熊本 国 5 位 愛知 山形 群馬 宮城 長崎 熊本 山形 長野 熊本 群馬 群馬 北海道 京都 順 6 位宮崎茨城埼玉茨城宮崎埼玉愛媛鹿児島宮崎岩手北海道広島宮崎位 7 位熊本宮城茨城兵庫徳島群馬熊本埼玉群馬愛知青森岡山三重 8 位 新潟 栃木 熊本 秋田 熊本 栃木 静岡 北海道 岩手 茨城 岩手 宮城 長野 9 位 青森 千葉 愛知 栃木 静岡 福岡 福島 沖縄 三重 宮城 愛知 新潟 福岡 10 位 栃木 岩手 滋賀 新潟 福島 静岡 福岡 茨城 青森 兵庫 栃木 青森 和歌山 資料 : 農林水産省 生産農業所得統計 ( 市町村別推計 ) 注 : 加工農産物とは かんぴょう 切干かんしょ 荒茶などである (2) 農業生産の動向 1 部門別農業生産の推移 野菜の割合は 30% 台で安定 管内の農業産出額 (17 年 ) の部門別構成割合をみると 野菜が34% 畜産 24% 米 18% 果実 9% となっている これを全国と比較すると 野菜は ( 全国は23%)11ポイント高い一方 畜産は ( 同 31%)7 ポイント 米は ( 同 23%)5 ポイントそれぞれ低くなっている 近年の構成割合の推移を見ると 米は年々構成割合が低下しており 17 年は生産量が減少したことなどから 前年に比べ1ポイント低下した また 野菜についても価格が低下したことなどから 前年に比べ1ポイント低下した ( 図 Ⅱ-1-2) 図 Ⅱ-1-2 管内農業産出額の構成割合の推移 全国平成 17 年 米 23 野菜 23 畜産 31 果実 8 5 その他 10 花き 管内 昭和 60 年 % 資料 : 農林水産省 生産農業所得統計 注 : 養蚕はその他に含め集計していたが 平成 13 年からは畜産に含め集計している

3 2 各都県の主要農業部門割合 多様で特徴的な農業生産が展開 管内各都県の農業産出額 (17 年 ) の部門別構成割合をみると 7 都県において野菜が部門別の第 1 位を占めており 管内が野菜の主産地域であることがうかがえる また 山梨県では果実が第 1 位で6 割を占め 静岡県では茶を含む工芸農作物が第 2 位で2 割を占めている 管内の農作物作付面積 (17 年 ) の部門別割合をみると 稲が43.1% 野菜が21.0% 果樹が7.9% 飼肥料作物が7.0% 麦類が5.9% となっている これを全国と比較すると 稲は ( 全国は38.9%)4.2ポイント 野菜は ( 同 12.8%)8.2ポイント 果樹は ( 同 6.1%) 1.8ポイント それぞれ高い一方 飼肥料作物は ( 同 23.5%)16.5ポイント低くなっている 都県別では 多くの都県において稲や野菜が上位を占めている また 山梨県では果樹が第 1 位 (47.2%) 静岡県では工芸農作物が第 1 位 (29.7%) を占めており 立地 自然条件等を活かした多様な農業生産が展開されている ( 表 Ⅱ-1-3) 表 Ⅱ-1-3 各都県における主要農業部門の割合 ( 平成 17 年 ) 農業 農業産出額 耕地 作付 農作物作付面積部門別割合 産出額 部門別割合 (%) 面積 延べ面積 ( 作付延べ面積に対する割合 (%)) ( 億円 ) 1 位 2 位 3 位 ( 千 ha) ( 千 ha) 1 位 2 位 3 位 4 位 5 位 茨城県 4,162 野菜畜産米稲野菜麦類飼肥料作物果樹 栃木県 2,741 畜産米野菜稲麦類飼肥料作物野菜豆類 畜産野菜米野菜稲飼肥料作物麦類工芸農作物群馬県 2, 埼玉県 1,933 野菜米畜産稲野菜麦類飼肥料作物果樹 千葉県 4,161 野菜畜産米稲野菜豆類かんしょ飼肥料作物 東京都 287 野菜花き果実野菜果樹工芸農作物飼肥料作物稲 神奈川県 755 野菜畜産果実野菜果樹稲飼肥料作物かんしょ 山梨県 836 果実野菜畜産果樹稲野菜飼肥料作物豆類 長野県 2,296 野菜米果実稲野菜果樹飼肥料作物豆類 野菜工芸農作物畜産工芸農作物稲野菜果樹飼肥料作物静岡県 2, 管内 21,888 野菜畜産米稲野菜果樹飼肥料作物麦類 全国 88,067 畜産米野菜稲飼肥料作物野菜麦類果樹 4,692 4, 資料 : 農林水産省 生産農業所得統計 ( 市町村別推計 ) 耕地及び作付面積統計 注 : ラウンドにより 計と内訳が一致しない場合がある

4 (3) 農業構造の動向 ( 関東 東山 ) 1 農業経営体数及び販売農家数 農業経営体数は 41 万 3 千戸 18 年 2 月 1 日現在の関東 東山 ( 静岡県は 東海 に含まれ範囲外 以下同じ ) の農業経営体数は41 万 3 千戸 販売農家は40 万戸となっており 農業経営体 販売農家ともに前年に比べ 減少した ( 表 Ⅱ-1-4) 参考: 管内 ( 静岡県を含む ) の農業経営体数は47 万 3 千戸 販売農家は46 万 3 千戸 (2005 年農林業センサス ) 表 Ⅱ-1-4 農業経営体数及び販売農家 ( 関東 東山 ) ( 単位 : 千戸 %) 区分農業経営体販売農家 平成 18 年 増減率 18/ 資料 : 農林水産省 平成 17 年値は 2005 年農林業センサス 平成 18 年値は 平成 18 年農業構造動態調査 注 :1) 関東 東山 = 関東 ( 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 ) 東山( 山梨 県 長野県 ) 2) 平成 18 年農業構造動態調査 については 県別の推計を取りやめ 全国農業地域別の推計となっ たことから関東農政局管内 ( 静岡県を含む ) 計の数値は無い 3) 農業経営体とは 農産物の生産を行うか又は委託を受けて農作業を行い 生産又は作業に係る面 積 頭数が 次の規定のいずれかに該当する事業を行う者をいう (1) 経営耕地面積が30a 以上の規模の農業 (2) 農作物の作付面積又は栽培面積 家畜の飼養頭羽数又は出荷羽数 その他の事業の規模が次の 農業経営体の外形基準以上の農業 1 露地野菜作付面積 15 a 2 施設野菜栽培面積 350 m2 3 果樹栽培面積 10 a 4 露地花き栽培面積 10 a 5 施設花き栽培面積 250 m2 6 搾乳牛飼養頭数 1 頭 7 肥育牛飼養頭数 1 頭 8 豚飼養頭数 15 頭 9 採卵鶏飼養羽数 150 羽 10ブロイラー年間出荷羽数 1,000 羽 11その他 調査期日前 1 年間における農業生産物の総販売額 50 万円に相当する事業の規模 (3) 農作業の受託の事業 4) 販売農家とは 経営耕地面積が30a 以上又は調査期日前 1 年間における農産物販売金額が50 万円 以上の農家をいう

5 2 主副業別農家数の構成割合 ( 販売農家 ) 販売農家数 40 万戸のうち主業農家は 2 割 18 年 2 月 1 日現在の関東 東山の販売農家数は40 万戸で これを主副業別に構成割合をみると 主業農家が9 万戸 準主業農家及び副業的農家が31 万戸となっており 主業農家の構成割合は22% となっている ( 図 Ⅱ-1-3) 参考: 管内の主業農家は11 万 2 千戸 準主業農家は10 万 7 千戸 副業的農家は24 万 4 千戸 (2005 年農林業センサス ) 図 Ⅱ-1-3 主副業別農家数の構成割合 ( 販売農家 ) 平成 18 年 主業農家 22% 9 万戸 準主業農家及び副業的農家 78% 31 万戸 17 24% 9 万 8 千戸 準主業農家 23% 9 万 6 千戸 副業的農家 53% 22 万 3 千戸 % 資料 : 農林水産省平成 17 年値は 2005 年農林業センサス 平成 18 年値は 平成 18 年農業構造動態調査 注 :1) 主業農家 は 農業所得が主( 農家所得の50% 以上が農業所得 ) で65 歳未満の自営農業従事 60 日以上の世帯員がいる農家をいう 2) 準主業農家 は 農外所得が主( 農家所得の50% 未満が農業所得 ) で 65 歳未満の自営農業従事 60 日以上の世帯員がいる農家をいう 3) 副業的農家 は 65 歳未満の自営農業従事 60 日以上の世帯員がいない農家をいう 4) 平成 18 年は準主業農家及び副業的農家の合計値での公表である

6 3 農家人口 ( 販売農家 ) 販売農家の農家人口は 171 万 8 千人 18 年 2 月 1 日現在の関東 東山の販売農家の農家人口は171 万 8 千人で 前年に比べて 9 万 8 千人 (5.4%) 減少した ( 表 Ⅱ-1-5 図 Ⅱ-1-4) 参考 : 管内の農家人口は 203 万 1 千人 (2005 年農林業センサス ) 表 Ⅱ-1-5 農家人口 ( 販売農家 ) のうち農業就業人口 ( 単位 : 千人 %) 区分農家人口農業従事者基幹的農業従事者 平成 18 年 1,718 1, ,816 1, 増減率 18/ 資料 : 農林水産省 平成 17 年値は 2005 年農林業センサス 平成 18 年値は 平成 18 年農業構造動態調査 4 農業従事者数 ( 販売農家 ) 基幹的農業従事者は 47 万 1 千人 18 年 2 月 1 日現在の関東 東山の販売農家における農業従事者は111 万 2 千人となっており 前年に比べて6 万 5 千人 (5.5%) 減少した また 農業従事者のうち基幹的農業従事者は47 万 1 千人で 前年に比べて7 万人 (12.9%) 減少した 参考: 管内の基幹的農業従事者は61 万 9 千人 (2005 年農林業センサス ) 図 Ⅱ-1-4 農家人口 農業従事者 ( 販売農家 ) 万人 農家人口 農業従事者 基幹的農業従事者 平成 17 年 資料 : 農林水産省 平成 17 年値は 2005 農林業センサス 平成 18 年値は 平成 18 年農業構造動態調査 注 :1) 農家人口 は 原則として住居と生計を共にしている者をいう 出稼ぎにでている人は含むが 通学や就職のためよそに住んでいる子弟は除く また 住み込みの雇人も除く 2) 農業従事者 は 15 歳以上の世帯員のうち 調査期日前 1 年間に自営農業に従事した者をいう 3) 基幹的農業従事者 は 農業に主として従事した世帯員のうち ふだんの主な状態が 主に仕事 に該当した者をいう

7 2 農業の構造改革の加速化に向けた取組 (1) 担い手の確保 育成 1 認定農業者の現状と課題ア認定農業者制度の推進状況 平成 19 年 3 月末現在で 47,293 経営体が認定 平成 5 年 8 月に施行された農業経営基盤強化促進法は 効率的かつ安定的な農業経営を育成し これらの農業経営が農業生産の相当部分を担うような農業構造を確立することにより 農業の健全な発展に寄与することを目的としている 同法では 地域の状況に応じた育成すべき農業経営の指標やこれらの経営への農用地の利用集積等の基本的な目標 方針を 都道府県段階では 基本方針 として 市町村段階では 基本構想 としてそれぞれ策定することとしており 基本構想 に描かれた 効率的かつ安定的な農業経営 への発展を目指して自らの農業経営の改善を図ろうとする農業者の提出した農業経営改善計画を認定するとともに この農業者の経営改善の支援を行うこととしている 管内における農業経営改善計画の認定状況をみると 19 年 3 月末現在 423 市町村において47,293 経営体が認定されており このうち法人経営は全体の4.6% に当たる2,184 法人が認定されている 各都県の主な認定状況をみると 茨城県が7,696 経営体 栃木県が 7,352 経営体 長野県が6,747 経営体などとなっている ( 表 Ⅱ-2-1) 都県名 表 Ⅱ-2-1 農業経営改善計画の認定状況 ( 平成 19 年 3 月末現在 ) 基本構想策定市町村数 認定市町村数 ( 実数 ) 農業経営改善計画認定数 ( 実数 ) 3 のうち法人 4 のうち特定農業法人 3 のうち共同申請 茨城県 , 栃木県 , 群馬県 , 埼玉県 , 千葉県 , 東京都 神奈川県 , 山梨県 , 長野県 , 静岡県 , 管 内 ,293 2, 全 国 1,716 1, ,538 10, ,446 資料 : 関東農政局調べ 注 :1) 認定市町村数とは 農業経営改善計画の認定を行った市町村である 2) 共同申請とは 同一世帯の農業の共同経営者による農業経営改善計画の認定申請である 3) 全国値は暫定値である

8 営農類型別の認定状況については 19 年 3 月末現在 単一経営が25,584 経営体 ( 構成比 54.1%) 準単一複合経営は18,779 経営体 ( 同 39.7%) 複合経営が2,930 経営体 ( 同 6.2%) となっている 稲作経営については 稲作単一経営及び稲作準単一複合経営の計で13,006 経営体 ( 同 27.5%) となっている 管内の上位 3 位の営農類型は 単一経営露地野菜 単一経営施設野菜 単一経営果樹類 となっており この3 部門で13,977 経営体と全体の 29.6% を占めている ( 表 Ⅱ-2-2) 表 Ⅱ-2-2 管内における営農類型別認定状況 ( 平成 19 年 3 月末 ) 農業経営改善計画認定数 1 のうち法人 2 のうち特定農業法人 1 のうち新規就農者 1 のうち女性 1 のうち共同申請 6 のうち夫婦によるもの 6 のうち複数世代によるもの 営農類型 稲作 1, 麦類作 単雑穀 いも類 豆類 工芸農作物 2, 露地野菜 5, 施設野菜 4, 一果樹類 3, 露地花き 花木 施設花き 花木 2, その他の作物 経酪農 2, 肉用牛 養豚 養鶏 営その他の畜産 養蚕 小計 25,584 1, 稲作 + 麦類作 2, 雑穀 いも類 豆類 準 工芸農作物 露地野菜 2, 施設野菜 3, 果樹類 単 露地花き 花木 施設花き 花木 その他の作物 酪農 一 肉用牛 養豚 養鶏 その他の畜産 複 養蚕 小計 11, 露地野菜 + その他 2, 施設野菜 + その他 2, 合果樹類 + その他 1, 露地花き 花木 + その他 施設花き 花木 + その他 酪農 + その他 経肉用牛 + その他 養豚 + その他 養鶏 + その他 その他の畜産 + その他 営養蚕 + その他 その他 小計 18, 複 合 経 営 2, 総 計 47,293 2, 資料 : 関東農政局調べ 注 : 各経営は, 農産物販売金額第 1 位部門の販売金額の農産物総販売金額に対する割合により 以下のとおり定義されている (A) 単一経営 :80% 以上 (B) 準単一複合経営 :60% 以上 80% 未満 ( 例えば 稲作 + 施設野菜 とあるのは 稲作 が農産物販売金額第 1 位でその割合 が60% 以上 80% 未満 施設野菜 が同第 2 位の部門であることを示す ) (C) 複合経営 :60% 未満

9 イ 認定農業者支援のための取組 担い手育成総合支援協議会が認定農業者を支援 担い手育成総合支援協議会は 17 年度から 市町村 都道府県 全国の各段階において関係機関 ( 行政 農協系統 農業委員会系統 普及組織 土地改良組織等 ) を構成員として設けられ 認定農業者や農業経営改善計画の認定を志向する農業者に対し 農業経営の規模拡大 生産方式 経営管理の合理化 農業従事の態様の改善等について支援 相談活動を実施している 18 年度は 19 年度産からの品目横断的経営安定対策の導入に対応して 当該対策の対象者となる認定農業者や特定農業団体等の確保 育成に向けた様々な啓発 普及活動を実施するとともに これら担い手のニーズに即応して 中小企業診断士等のスペシャリストによる相談会の開催や 農業経営改善計画達成のためのフォローアップ活動等の支援活動を重点的に実施している ウ 課題と今後の方向 認定農業者の確保及び再認定の推進等と各種支援が必要 管内においては 食料 農業 農村基本法 同基本計画等の趣旨を踏まえて 今後 主として次のような点に留意し 効率的かつ安定的な農業経営が地域の農業生産の相当部分を担うような農業構造の実現に向け 認定農業者等に対する支援を推進していくこととしている ( ア ) 認定農業者の確保と経営改善計画期間満了者の再認定の推進今後も 各市町村で 将来の担い手を明確化した認定農業者候補者リストを作成し戸別訪問を実施するとともに 各種補助事業の実施を契機として受益者が認定農業者となり得るよう普及 指導に努めるなどして 農業経営改善計画の認定を引き続き促進する また 終期 ( 認定から5 年後 ) 到来認定農業者が12 年度から本格的に発生 (18 年度において9,355 経営体 ) していることから 当該認定農業者の今後の経営意向を確認しつつ 農業経営改善の実践結果の点検を行い 新たな農業経営改善計画の作成について支援していく なお 認定農業者の経営改善に関する支援事例等を紹介するなど 認定農業者制度の PR 活動に一層努める ( イ ) 認定農業者等の経営改善の取組に対する支援の強化関東農政局では 農業経営改善計画の達成を図るために これまで 税制 金融をはじめとする各種支援措置や都県 市町村における支援措置等について 認定農業者等へ情報提供を行うとともに その積極的な活用促進に努めてきた 19 年度からは 担い手アクションサポート事業 ( 担い手向けに あらゆるサポート活動

10 を担い手育成総合支援協議会で一元的に実施 ) 農業経営基盤強化資金( スーパー L 資金 ) 等の無利子化措置 地域担い手経営基盤強化総合対策実験事業 ( 担い手が主として融資を活用して行う農業用機械施設等の導入に際して融資残の自己負担分について補助 ) 等や農地集積等の各種支援措置が創設され その活用促進に努めていくこととしている ( ウ ) 認定農業者に対する経営指導体制の整備担い手育成総合支援協議会は 認定農業者に対するアンケート調査や戸別訪問の実施等を通じ 計画達成に向けての問題点や今後の要望等の把握に努めるとともに 普及組織を中心とした関連機関 団体と連携し 各種の支援策が目にみえる形で効果が現れるようきめ細かい指導を実施する

11 エ 農業経営体代表者との意見交換会の開催 農業経営体代表者と農業経営の現状 課題等に関する意見交換会を実施 農林水産省では 新たな基本計画の策定を受け 省をあげて基本計画に基づく施策の推進に取り組んでいるところであり 関東農政局においても 関係者等との意見交換等を通じ 現場の実態把握を積極的に行っていくこととしている このことを踏まえ 16 年 3 月から18 年 12 月にかけて 農政局幹部が直接現地に赴き 農業経営の現状 課題等についての実態を把握し 新基本計画の重要検討課題 ( 経営体支援の体系的整備等 ) に関する今後の施策検討に活用することを目的に 関東管内で活躍する農業法人等との意見交換会を実施した ( 表 Ⅱ-2-3) 出席者からは 担い手の育成や環境の保全など 日頃の農業経営を通じて感じていることや 国の農業施策に関する様々な意見や要望が出された ( 表 Ⅱ-2-4) これらの意見や要望については 農林水産本省に伝達するなどにより今後の施策への反映を図った また 意見交換会の概要をホームページ ( kikaku/keieitai/index.html) で公表し 国民の農業理解の醸成に供した 表 Ⅱ-2-3 平成 18 年度農業経営体代表者との意見交換会の実施状況 開催状況品目市町村経営体名開催状況品目市町村経営体名前橋市 ( 有 ) 三輪農園立川市梅田園野菜米中之条町 ( 有 ) たけやま立川市須崎農園板倉町 ( 農 ) 大荷場麦作組合東京都府中市大森畜産 ( 有 ) 群馬県花き野菜前橋市岡庭英樹氏 10 月 11 日中野区 ( 有 ) 東京篠園芸 6 月 27 日工芸稲城市松乃園富岡市戸塚正行氏果樹作物日野市福島ブルーベリー園養豚桐生市 ( 株 ) 林牧場茨城町斉藤正氏芳賀町黒崎宣芳氏米稲敷市黒田久夫氏米日光市小林地区生産振興組合板東市 ( 有 ) ソメノグリーンファーム茨城県栃木県佐野市 ( 有 ) 篠原ファーム友米家小麦 大豆笠間市友部地域集落営農組合 12 月 14 日 8 月 8 日野菜栃木市サンファーム オオヤマ ( 有 ) 常陸太田市 ( 有 ) 栗原農園野菜果樹二宮町国府田厚志氏水戸市宮田静氏酪農那須塩原市小針牧場養豚下妻市斉藤孝夫氏 項目食の安全 健全な食生活 表 Ⅱ-2-4 農業経営体代表者から出された主な意見 主な意見食育に関心を持ち 近隣の小 中学校の見学の受入れや農業高校 農業大学校等の研修を受け入れている 18 年 5 月から施行されたポジティブリスト制度について 生産者団体の講習会などはほとんどこの制度の説明に終始した感がある 都市農業の宿命で 畑周辺に住宅が多いため近隣に対して神経を使って仕事をしている 食の安全の観点での消費者のニーズが高くなっているなか 非化学農薬による栽培技術を完成させていく必要があり 国等の行政機関や業界においても推進に向けて努力されたい 日本に伝染病とかウイルスが入ってきて 生産を妨げる状況にある この疾病問題 ワクチンの生産と開発の問題に国はもう少し力を注いでほしい

12 項目担い手育成 就農支援農地 水 環境保全品目横断的経営安定対策 主な意見新規学卒者等の若い人が就農できる環境づくりを願う 新規就農者の中には他産業に従事後就農するケース 非農家からの新規参入するケース等色々ある 新規就農者に対して 収入を得ながら学べるシステムや職業訓練校的な研修施設の充実を望む 農地 水 環境保全向上対策は品目横断的経営安定対策と 車の両輪 と言うが 生産調整が 100% 達成されなくても対象になる 生産調整と連動すべきである 集落営農の育成により営農の継続を図ろうとしているが 下からの積み上げでない施策では 5 年 10 年後に多くが破綻することを危惧する 品目横断的経営安定対策に関して 集落営農への移行にあたり構成員個々の収入等が分かる等 経理の一元化が困難である そのため 既存の生産組合を活用できず解体したのは残念である 対策には認定農業者が個々に加入する 輸 出 WTO 関税関係 品目横断的経営安定対策の申請は 細かい数字の羅列が多くわかりづらいので 簡単な方法を考えてほしい また 地主との作業受託契約を添付しなければならないが 出荷実績で代替できないか 日本の農業が守りから 海外に向けて日本の良質なものを輸出するという攻めの方向へ転換がなされていると聞いている 私もイチゴを輸出をしているが まだデモンストレーション的なものである 国をあげて海外に誇りうる日本の農産物を競合できるように 輸出の支援について整備する必要がある WTO に関して 関税が引き下げられた場合の協定の扱い等に関心があるので メールマガジン等による情報の提供をお願いする WTO 農業交渉関係で 乳製品等は高率関税で保護されている 今回の交渉で税率が下がれば日本の酪農にはダメージが大きいので 是非頑張って欲しい 農産物価格の安定都市農業農地流動化補助支援 制度 農産物価格の安定と将来展望がもてるような価格政策等を要望する 東京の農業は日本農業の縮図であり 国の農業振興 都市農業の振興に力を入れて欲しい 職業として成り立つようサラリーマン並みの所得が得られる農業を実現するために 価格保障 所得保障 直接支払い等の支援を願いたい 親の土地を相続するときに 相続税を納めるのに農地を売却しなければならず 自分の土地なのに 実は土地を借りていたのかと思うほど 相続税の負担が重い 都市農業を存続させるために大幅な税制改正を望む 遊休農地 耕作放棄地の対策として耕地を復田させるための補助事業があるが 10 万 20 万円程度の補助では焼け石に水である 遊休農地は相続放棄等の訳有りの土地であり その辺を改善していかないと解消できない 市街地近郊の条件の良い農地ほど転用され易く 利用集積を断念せざる得ない状況にある また 集積のための農地の交換も 所有者の同意を得ることが難しい 農道事業で道路改良を行い 草刈等の作業が大変楽になり生産性も向上した 今後とも農道事業による整備を推進してほしい 燃料代や資材費等が高騰しているが 生産物の価格は変動がないため 何らかの対策を要望する 消費者への PR 理解浸透 農地を確保するのに パソコン等で遊休農地の検索はできるが 借り方が分からない 個人で借りられるような登録制度をつくって欲しい 規模拡大のため 新設より 遊休ハウスの移設またはその地域での経営を考えている 遊休ハウスにかかわる情報とそれをうまく活用できる方法を教えて欲しい 農林水産省は食育基本法のアピールを 消費者団体や生協に対しては宣伝しているが 年齢層が 50 代を中心とした中年齢以上である 子ども達に影響のある保護者等の少し若い人をターゲットにアピールをしてはどうか

13 2 農業経営の法人化の現状と課題 農業生産法人は管内で1,348 法人 農業生産法人以外の一般企業等の農業参入は43 法人 ア農業生産法人の現状農業経営の法人化は それだけで経営が改善されるわけではないが 農業者や法人自らが経営体としての意識改革を進め主体性をもって経営改善に取り組んでいくことにより農業経営の発展の可能性が拡大するとともに 農業経営の継続性が確保されることから 推進している 管内の農業生産法人は 19 年 1 月 1 日現在で1,348 法人となり 前年 (1,177 法人 ) に比べて171 法人増加した ( 図 Ⅱ-2-1) 組織形態別では 特例有限会社が926 法人と最も多く 総数の7 割を占めており 次いで農事組合法人が310 法人 株式会社が100 法人 合資会社等が12 法人の順となっている 業種別では そ菜が338 法人 (25.1%) 米麦作が312 法人 (23.1%) が多くなっており 次いで畜産 204 法人 (15.1%) となっている ( 表 Ⅱ-2-5 表 Ⅱ-2-6) ( 単位 : 法人 ) 図 Ⅱ-2-1 農業生産法人数の推移 ( 関東農政局管内平成 13 年 ~19 年 ) 1,600 1,348 1,400 1,136 1,177 1,200 1, , 特例有限会社 株式会社 平成 13 平成 14 平成 15 平成 16 平成 17 平成 18 平成 19 合資会社等 12 農事組合法人 310 表 Ⅱ-2-5 全国の農業生産法人数 ( 平成 19 年 1 月 1 日現在 ) 特例有限会社 農事組合法人 株式会社 合資会社等 合 計 6,818 2, ,466 資料 : 経営局構造改善課調べ

14 表 Ⅱ-2-6 業種別農業生産法人数 ( 平成 19 年 1 月 1 日現在 ) 米麦作果 樹畜 産そ 菜工 芸花 きその他合 計 特例有限会社 農事組合法人 株式会社 合資会社等 合 計 ,348 資料 : 関東農政局生産経営流通部構造改善課調べ イ特定農業法人 特定農業団体の設立の状況 特定農業法人 または 特定農業団体 ( 注 1) とは 担い手不足が見込まれる地域において 農用地の利用関係の改善を推進する 農用地利用改善事業 ( 注 2) の準則となる 農用地利用規程 に基づき 地区内の土地所有者等からなる 認定団体 ( 注 3) の構成員の所有農用地の利用集積を行う農業生産法人または団体のことである ( 図 Ⅱ-2-2) 特定農業法人は 管内では 茨城県稲敷市の ( 有 ) 南太田営農組合 埼玉県深谷市の ちょうなんまち とうのしょうまち 麦わら帽子 千葉県長南町の ( 農 ) 長南町東部営農組合 東庄町の ( 農 ) 新 宿営農組合 長野県大町市の ( 有 ) ライスファーム野口 ( 有 ) 美麻ライスファーム しなのまち 長野県松本市の ( 農 ) 小赤営農 ( 有 ) 芳川営農 信濃町の ( 農 ) 富士里ファーム の9 法人が設立されている (19 年 3 月末現在 全国 558 法人 )( 表 Ⅱ-2-7) また 特定農業団体は 管内では 5 県 19 市に64 団体が設立されている (19 年 3 月末現在 全国 1,323 団体 ) 図 Ⅱ-2-2 特定農用地利用規程 ( 特定農業法人 特定農業団体 ) の認定手続き 農用地利用改善団体 農業生産法人 1 農用地の利用調整に関する話合い 合意形成 同意 ( 特定農業法人 ) 2 特定農用地利用規程の策定 ( 地区内の農用地 または の利用集積を行う農業生産法人または団体をそ 団 体 の同意を得て位置付け ) ( 特定農業団体 ) 3 認定申請 5 認定 市町村 4 意見聴取農業委員会 6 公告農協 ( 注 1) 特定農業法人 : 農用地利用改善団体の構成員の所有農用地の利用集積 ( 利用権の設定等または農作業の受託 ) を行う農業生産法人 ( 農業経営基盤強化促進法第 23 条第 4 項 ) 特定農業団体 : 農用地利用改善団体の構成員の所有農用地の利用集積 ( 農作業の受託 ) を行う 一定の要件を備えた団体 要件としては 農業生産法人となることが確実と見込まれること 構成員全員で 費用の共同負担 ( 資材の一括購入等 ) と利益分配 ( 組織名で出荷 販売し 利益を分配 ) を行う一元的な経理を実施すること等がある ( 同法第 23 条第 4 項 同法施行令第 5 条 ) ( 注 2) 農用地利用改善事業 : 農用地に関し権利を有する者の組織する団体が農用地の利用に関する規程で定めるところに従い 農用地の効率的 総合的な利用を図るための作付地の集団化 農作

15 業の効率化その他の措置及び農用地の利用関係の改善に関する措置を推進する事業 ( 同法第 4 条第 3 項第 3 号 ) ( 注 3) 農用地利用改善団体 : 地区内の農用地の土地所有者または使用収益権者の 3 分の 2 以上が構成員となっていて 一定の要件を備えた農事組合法人その他の団体は 農用地利用改善事業 の準則となる 農用地利用規程 を定め これを同意市町村に提出して 当該規程が適当である旨の認定を受けることができる ( 同法第 23 条第 1~3 項 ) 認定を受けた団体を 農用地利用改善団体 という ( 同法施行通知第 9 の 3) また 農用地利用改善団体 の構成員の所有農用地の利用集積を行おうとする農業生産法人または団体を その同意を得て農用地利用規程に定めることができ 定めた場合の規程を 特定農用地利用規程 という ( 同法第 23 条第 4~7 項 ) 表 Ⅱ-2-7 認定農業者 特定農業法人 特定農業団体の認定状況 認定農業者 特定農業法人 特定農業団体 農業経営改善計画認定数 ( 実数 ) 法人数 団体数 A B B-A C D D-C E F F-E 18 年 3 月末 19 年 3 月末増加数 18 年 3 月末 19 年 3 月末増加数 18 年 3 月末 19 年 3 月末増加数 茨城県 6,634 7,696 1, 栃木県 6,150 7,352 1, 群馬県 4,179 4, 埼玉県 4,155 4, 千葉県 4,035 5,509 1, 東京都 神奈川県 1,887 1, 山梨県 1,968 1, 長野県 6,012 6, 静岡県 6,036 6, 管内 41,758 47,293 5, 全国 200, ,538 27, ,323 1,110 資料 : 関東農政局調べ注 :19 年 3 月末の全国の数値は 暫定値である ウ法人化の支援のための取組現在 農業経営の法人化については 都県段階では 農業会議 JA 中央会 普及支援センター 市町村段階では 市町村役場 農業委員会 JA 等に相談窓口を設置するなどの推進活動を展開している エ課題と今後の方向法人化のメリットが享受できると考えられる家族農業経営及び集落営農組織を明確化し 農業法人の育成を広範かつ円滑に進めていくうえでの組織体制づくりや経営管理能力の向上 自己資本の充実といった法人組織としての主体的な取組を促進するとともに 法人の経営発展に向けて 組織力を活かした事業の多角化や異業種との交流 連携等 関係機関が一体となった運動を展開する

16 オ農業生産法人以外の一般企業等の農業参入の状況農業生産法人以外の一般企業等が 構造改革特区及び17 年 9 月 1 日から構造改革特区を全国展開した特定法人貸付事業を活用し 農地を借り受け農業経営に参入する件数が増加しており 19 年 3 月 1 日現在 管内 43 法人となっている ( 図 Ⅱ-2-3 表 Ⅱ-2-8) 管内で これらの法人を組織形態別にみると株式会社が21 法人と最も多く 次いでNP O 法人等 特例有限会社となっている また その業種は ワイン醸造会社 惣菜製造販売会社等の食品関連業が15 法人と最も多く 建設業からも7 法人が参入している ( 表 Ⅱ- 2-9) 図 Ⅱ-2-3 農業生産法人以外の法人への農地等の貸付 協定の締結 事業の適正かつ円 滑な実施を確保する 株式会社等農業生産法人 市町村 ための協定 以外の法人 農地保有合理化法人 業務執行役員のう 使用貸借による権利 ち1 人以上の者が 買入れ又は 又は賃借権 ( リース ) 耕作又は養畜の事 借入れ の設定 業に常時従事 農地所有者 農地法第 3 条許可 ( 特例的に許可 ) 農業経営基盤強化促進法第 18 条 : 農用地利用集積計画 表 Ⅱ-2-8 農業生産法人以外の一般企業等の農業参入法人の内訳 ( 関東農政局管内 ) 参入法人数 組織形態別業種別 株式会社特例有限会社 NPO 法人等建設業食品関連業その他 43 法人 21 法人 9 法人 13 法人 7 法人 15 法人 21 法人 資料 : 関東農政局生産経営流通部構造改善課調べ注 : 食品関連業には 農産物生産 販売 ワイン醸造 漬物製造 販売等の業種が含まれている 表 Ⅱ-2-9 農業生産法人以外の一般企業等の農業参入法人の経営面積 参入法人数 参入法人の経営面積 ( 市町村等からの借受面積 ) 全国 206 法人 595.9ha 関東農政局管内 43 法人 69.4ha 資料 : 経営局構造改善課調べ ( 平成 19 年 3 月 1 日現在 )

17 3 農業経営の高度化に対する支援 ( 経営構造対策等の推進 ) 農業生産を核として加工 流通等に取り組むアグリビジネスを推進 担い手育成 確保のための経営構造対策とアグリビジネスの推進に向けたアグリ チャレンジャー支援を実施している 経営構造対策は 地域農業の担い手となるべき農業経営の育成 確保を支援するため 生産 加工 流通施設等の整備を図る事業である 18 年度は 6 県 11 地区で新たに事業計画が認定され 継続地区を含めた17 地区において認定農業者の育成や担い手への農地の利用集積等の目標達成に向け着実な推進が図られている ( 表 Ⅱ-2-10) アグリ チャレンジャー支援は 農業生産を核として加工 流通 交流等に取り組むアグリビジネス経営体を育成 支援するため 農畜産物処理加工施設等の整備を図る事業である 18 年度は 4 県 9 地区で実施され 農業生産だけでなく加工 流通 販売などと組み合わせた創造的高付加価値農業に取り組む法人等の育成が図られた ( 表 Ⅱ-2-11) 表 Ⅱ-2-10 目標達成状況 ( 平成 12~18 年度 ) 認定 目標 計画 達成 目標 達成率 目標項目 年度 地区数 年度 時点 状況 (%) 12 年度 年度 , 認定農業者の育成 ,885 2,182 ( 人 ) , 年度 ,826 3,902 3, ,906 5,087 4, 担い手への農地の利用集積 ,622 8,209 (ha) ,308 2, ,565 3, ,077 1, ,041 3,644 注 : 達成状況については 目標年度の次年度に報告とされているため 年度認定のみ記載 達成率 (%)( 小数点以下第 2 位を切り捨て )=( 達成状況 - 計画時点 )/( 目標 - 計画時点 ) 100 表 Ⅱ-2-11 経営構造対策等認定地区数及び予算額の推移 ( 平成 12~18 年度 ) 単位 : 百万円 地区数 事業名 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 経営構造対策 1,897 2,005 3,112 1,927 2,233 1, 新規認定地区数 アグリチャレンジャー支援 - - 1, 新規認定地区数 注 :1)17 年度から実施の 強い農業づくり交付金 は 交付金として一括交付しているため 18 年度の金額は概算値となる

18 事例 : 地産地消型アグリビジネスによる地域の活性化 あさばちよう 有限会社どんどこあさば ( 静岡県袋井市 ( 旧浅羽町 )) ( ホームページ : 有限会社どんどこあさば のある袋井市浅岡地区は 県有数の水田地帯でありながら住宅や企業等も混在した地域である 法人の母体は 町の活性化の一環として 地場産大豆の加工開発に取り組んだ 浅羽町まちおこし協会 である おからを出さない特殊製法の豆腐を町の特産品として加工販売するにあたり 農家を中心とした有志 19 名の出資による法人を平成 13 年 11 月に設立し 大豆加工販売開始したが 当時の施設は小規模のものであり 素材の販売のみであった しかし16 年度アグリチャレンジャー支援事業によって 農場レストラン ( 地域食材供給施設 ) の整備と併せて農産物直売 ( ファーマーズマーケット ) の面積拡大を行ったことにより消費者の需要に対応できる規模と品揃えに加え 調理品の販売が可能となった また大豆を中心とした地産地消メニュー ( おからを出さない 大豆まるごと豆腐 ) の開発や地元産の野菜を使った料理を提供し 地域食材の理解が促進されている それに加え 新たに米を原料とした団子や切り餅などの加工品を導入したことにより 米の利用拡大を進めるとともに付加価値を高め 生産物単価を向上させている さらに地産地消に基づく全国消費者向け直販の拡大により 売上額増加及び農業所得の向上につなげるなど地産地消型アグリビジネスを展開し より一層の地域活性化に役立っている 農場レストラン内観

19 4 新規就農の現状と課題ア新規就農の現状 ( ア ) 都県別新規就農者の状況 17 年度の新規就農者は前年とほぼ同じ 管内の17 年度における新規就農者数は 合計で1,544 人となっており その内訳は 新規学卒就農者 476 人 ( 新規就農者の30.8%) Uターン就農者 830 人 ( 同 53.8%) 新規参入者数 221 人 ( 同 14.3%) で 16 年度と比べ合計で91 名増加した 内訳では Uターン就農者及び新規参入者数が16 年度より増加している ( 表 Ⅱ-2-12) 表 Ⅱ-2-12 新規就農者数 ( 平成 年度 ) ( 単位 : 人 ) 16 年 度 17 年 度 対前年比 合計 新規学卒 Uターン新規参入 合 計 新規学卒 Uターン新規参入増減 ( ) (A) 就 農就 農 (B) 就 農 就 農 (B)-(A) 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 山梨県 長野県 静岡県 管 内 1, , 割合 (%) 資料 : 各都県調べ 群馬県 長野県は40 歳以上の就農については調べていない 注 :1) 静岡県の17 年度新規就農者数は 前職等不明者 17 名が含まれる 2) 計の下段は 合計に占める割合である ( イ ) 農業地域類型別の新規就農者の状況 新規就農者の 8 割は都市的地域及び平地農業地域で就農 17 年度の管内の農業地域類型別の新規就農者の状況は 都市的地域が最も多く738 人 ( 全体の47.8%) 続いて平地農業地域 540 人 ( 同 35.0%) 中 山間農業地域 266 人 ( 同 17.2%) であった ( 表 Ⅱ-2-13)

20 表 Ⅱ-2-13 平成 17 年度の新規就農者数 ( 農業地域類型別 ) ( 単位 : 人 ) 農業地域類型別就農者数 合計 都市的平地農業中 山間地域地域農業地域 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 山梨県 長野県 静岡県 管内 1, 割合 (%) 資料 : 各都県調べ 注 : 計の下段は 合計に占める割合である ( ウ ) 作目別の新規就農者の状況 野菜への就農者が全体のほぼ半数 17 年度の管内の作目別の新規就農者の状況は 露地野菜が413 人 ( 全体の26.7%) と最も多く 次いで施設野菜が347 人 ( 同 22.5%) 露地果樹 186 人 ( 同 12.0%) となった これを農業地域類型別にみると 都市的地域の露地野菜 192 人 ( 全体の12.4%) 次いで都市的地域の施設野菜 191 人 ( 同 12.4%) 平地農業地域の露地野菜 139 人 ( 同 9.0%) であった 16 年度に引き続き野菜作への就農が全体の半数の49.2% を占めており そのうち 露地は施設のほぼ1.2 倍となった ( 表 Ⅱ-2-14) 表 Ⅱ-2-14 平成 17 年度の新規就農者数 ( 作目別 ) ( 単位 : 人 ) 稲 作畜 産 野 菜 果 樹 花 き 工芸作物その他合計 露地 施設 露地 施設 露地 施設 管 内 ,544 都市的地域 平地農業地域 中 山間農業地域 資料 : 各都県調べ

21 ( エ ) 農村青少年クラブの状況 新たに 5 つのクラブが組織化 17 年度末の管内の農村青少年クラブの数は 合計で254クラブとなっており 17 年度においては新たに5クラブが組織されている ( 表 Ⅱ-2-15) 農村青少年クラブ (4Hクラブ) は 農業及び農家生活に関する技術知識の体得とともに地域の農業 農家生活の改善を目的とした自主的な集団的実践活動をしている また 地域住民との交流会の開催や地元イベントへの参画 協力などの地域活動を行なっているクラブもある 表 Ⅱ-2-15 農村青少年クラブ数 ( 平成 15~17 年度 ) 区 分 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都神奈川県山梨県 長野県 静岡県 計 総クラブ数 年 度 当該年度新設クラフ 数 総クラブ員数 ,064 総クラブ数 年 度 当該年度新設クラフ 数 総クラブ員数 ,912 総クラブ数 年 度 当該年度新設クラフ 数 総クラブ員数 ,894 資料 : 各都県調べ 埼玉県は 9 月 1 日現在 そのほかは年度末時点における数である また 管内では各都県の農村青少年クラブ組織から構成される 関東ブロック農村青少年クラブ連絡協議会 が設置 ( 昭和 44 年 3 月 ) されており 毎年 活動の成果発表会が行われるなど 県域を越えた活動も活発である ( オ ) 指導農業士 青年農業士の状況 新たに 250 人の農業士が認定 指導農業士 青年農業士は 新たに就農しようとする者の研修先となるほか 地域農業を支える先進的農家であり 新規就農者を確保するうえでも大きな役割を担っている 平成 17 年度の管内の指導農業士 青年農業士の数は 合計で3,913 人で 新たに250 人が認定されている ( 表 Ⅱ-2-16)

22 イ 表 Ⅱ-2-16 指導農業士 青年農業士数 ( 平成 15~17 年度 ) ( 単位 : 人 ) 区 分 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都神奈川県山梨県 長野県 静岡県 計 認定開始年度 S49 S47 S49 S53 S52 - S46 S52 S58 S44 延べ認定者数 ,133 指導農業士現役活動者数 ,473 当該年度認定者数 認定開始年度 H 元 - S49 S56 S S52 S42 S53 延べ認定者数 814-1,364 1, , , 年度 青年農業士現役活動者数 ,569 当該年度認定者数 延べ認定者数 1, ,607 1,758 1, ,946 1,245 10,966 合計 現役活動者数 ,042 当該年度認定者数 延べ認定者数 , ,611 指導農業士現役活動者数 ,474 当該年度認定者数 延べ認定者数 835-1,391 1,375 1, , , 年度 青年農業士現役活動者数 ,463 当該年度認定者数 延べ認定者数 1, ,008 1,781 1, ,961 1,278 12,558 合計 現役活動者数 ,937 当該年度認定者数 延べ認定者数 ,360 指導農業士現役活動者数 ,493 当該年度認定者数 延べ認定者数 856-1,423 1,392 1, , , 年度 青年農業士現役活動者数 ,420 当該年度認定者数 延べ認定者数 1, ,685 1,814 1, ,990 1,320 11,445 合計 現役活動者数 ,913 当該年度認定者数 資料 : 各県調べ 認定時点は県により異なる 課題と今後の方向 新規就農に関する情報提供や研修機会の提供の充実 農業従事者の減少 高齢化が進むなかで農業 農村の持続的発展を図っていくためには 意欲と実行力のある若者をはじめとして定年帰農者まで幅広い年代層 経験分野から積極的に人材を農業に迎え入れる必要がある 一方 農業に対する社会的関心についてみると 農業を題材とした もやしもん ( コミック誌 ) の連載やテレビの農業紹介番組等により 若者の農業への関心が高まりつつある事例がみられる 管内の17 年度における新規就農者数 1,544 人のうち半数はUターン就農者で 仕事の傍ら就農の情報や勉強の機会を求める者が増えている これらのことから 土曜日や日曜日などの休日における就農相談や 研修教育の実施などの充実がより一層求められている さらに 近年では若者が早期に離職する 問題( 中卒 高卒 大卒の3 年以内の離職割合 ) が生じ 大半が定年後も就労意欲をもつ団塊世代が退職期を迎えるなかで これらの者のうちの就農希望者に経験がなくても農業に就けるよう きめ細かな支援が必要となっている このため 関東農政局では インターネットでの就農情報提供の充実 ( kanto.maff.go.jp/shuunou/index.htm) や 関係団体による通信教育の受講 就農相談フェアへの参加等を推進するなど 時間に左右されない情報提供手段の一層の活用推進を行っている 民間企業でも人材派遣会社の パソナ が 19 年 4 月に農業ビジネススクールとして 経営学の基礎から農業経営のケーススタディ 農作業実習までを6か月間で学ぶ 農援隊 を開講するなど 就農情報提供サービスで定年帰農を支える新たな動きがみられる

23 5 農村における女性の社会参画の状況 女性は農業生産の主要な担い手であるとともに地域の活性化に貢献 ア農村における女性の活動管内の農業労働力に占める女性の割合は 農業就業人口の5 割となっており 農業生産の担い手として重要な役割を果たしている ( 表 Ⅱ-2-17) 表 Ⅱ-2-17 都県別農業労働力に占める女性の割合 ( 平成 17 年 販売農家 ) ( 単位 : 千人 %) 農業就業人口 基幹的農業従事者数 男女計 男 女 女性の割合 男女計 男 女 女性の割合 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 山梨県 長野県 静岡県 管 内 全 国 3,353 1,564 1, ,241 1,214 1, 資料 : 農林水産省 2005 年農林業センサス 注 :1) 構成比は実数で計算している 2) ラウンドにより 計と内訳が一致しない場合がある 農村漁村において男女共同参画社会を形成していくためには 女性農業者の農業経営 地域社会への参画を促進し 農村女性が住みやすく活動しやすい環境づくりを行っていく必要があり 具体的には 1 農村女性の起業活動の推進 2 家族経営協定の締結の推進 3 認定農業者や農業委員 農業協同組合の役員に占める女性の割合の向上等に努めていく必要がある 農村女性の起業活動は 女性の経営参画 経済的自立に加えて 地域活性化に結び付くことから推進を図っている 19 年 1 月 1 日現在の管内の起業数は1,676 件で 地域農産物等を利用した食品加工や朝市などの直売が多数を占めるが 売上金額で見ると300 万円未満が6 割を占めている一方で 1,000 万以上の売り上げる起業も1 割以上存在している ( 図 Ⅱ-2-4)

24 図 Ⅱ-2-4 農村女性の起業活動実態調査結果 ( 過去 1 年間の売上げ実績 平成 19 年 1 月 1 日現在 ) 3,000~ 5,000 万円未満 2% 1,000~ 3,000 万円未満 10% 500~ 1,000 万円未満 13% 5,000 万円以上 2% 100 万円未満 31% 300~500 万円未満 13% 100~300 万円未満 29% 資料 : 関東農政局調べ注 : 起業活動数 1,676 件中の不明 52 件分を除く 家族経営協定は 家族で営農を行っている農業経営において 家族間の話合いをもとに経営計画や各世帯員の役割 就業条件等を文書にして取り決めたものである 家族経営協定は 経営に携わる女性や後継者の地位向上及び役割の明確化 意欲と能力を十分に発揮できる環境づくりのため締結が推進されており 協定を締結した女性農業者に対しては 認定農業者への夫婦等による共同申請が認められるほか 農業者年金 農業改良資金等の制度でもメリット措置が講じられている 管内の書面による家族経営協定の締結状況を見ると 18 年 3 月 31 日現在で 販売農家全体の2.2% にあたる10,043 戸の農家が書面で締結している ( 図 Ⅱ-2-5) 図 Ⅱ-2-5 管内の書面による家族経営協定締結数の推移 ( 平成 8~18 年度 ) 締結数 ( 戸 ) 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2, , ,225 8, , ,512 3,535 4, ,263 1,257 1,636 2, 年 9 年 10 年 11 年 12 年 13 年 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年調査年度関東販売農家数に占める締結数 % 資料 : 関東農政局調べ注 : 平成 18 年の販売農家数は 2005 年農林業センサスの数値

25 一方 管内の農村における女性の社会参画状況を見ると 認定農業者や農業委員 農業協同組合の役員に占める女性の割合は 依然として低い水準となっている ( 表 Ⅱ-2-18) 表 Ⅱ-2-18 管内の農村における女性の社会参画状況 ( 単位 : 人 ) 平成 14 年 15 年 16 年 17 年 全国 認定農業者 36,583 37,992 39,631 40, ,842 うち女性 ( 注 ) ,896 割合 1.5% 1.5% 1.6% 1.5% 2.4% 農業委員数 13,763 13,564 13,270 11,498 45,379 うち女性 ,869 割合 4.6% 4.8% 5.2% 4.7% 4.1% 農協役員数 ,799 うち女性 割合 0.6% 0.7% 1.0% 1.5% 1.9% 資料 : 農業会議所 農業委員数 ( 実数 ) 等調査結果 農林水産省 農業経営改善計画の営農類型別認定状況 農林水産省 総合農協統計表 注 : 平成 年は女性による単独申請数 16 年からは女性による単独申請数と夫婦による共同申請数の合計である 事例 : カントリーウォークで地域に風を おぶせまち 小布施町風の会 ( 長野県上高井郡 小布施町の北東部 ( 六川 押羽 羽場 )) 平成 18 年度農山漁村女性チャレンジ活動表彰 優秀賞 ( 経営局長賞 ) 受賞 小布施町は 歴史と文化を生かした町並みで知られ 北斎と栗と花の町 として年間約 120 万人が訪れる観光の町である 一方 町の北東部は 観光施設がある中心部から離れた田園風景が続く純農村地域で 昼夜 年間の寒暖差が大きい内陸性気候を生かした果樹栽培 ( りんご ぶどう もも 栗 なし等 ) が行われている 平成 8 年 2 月に農業改良センターの主催する農村婦人学校を修了した6 人が集まり 地域の活性化を図る風を起こそうと 風の会 を結成した 結成当初は りんごの農産加工等に取り組んだが 加工作業と農繁期の農作業との両立がうまくいかず新しい活動を模索していた そのとき 全国紙 レタスクラブ から取材を受け 煮りんご すりおろしりんご等の加工料理が掲載されたことをきっかけに読者への農産物販売と手紙による交流が始まった この交流をとおし 消費者に農業本来の姿を伝えることが大切だ と教えられ 信州大学の桂瑛一教授より英国のカントリーウォーク ( 五感を使って農村の自然や文化に触れ 心の豊かさをはぐくむ農村散策 ) の話を聞いたことをきっかけに 私たちにできるのはこれだ! という思いに至った そこで 13 年 4 月からカントリーウォーク 春うらら! フラワーウォーキングin 小布施 (14 年から10 月にも 秋きらり! フルーツ Saturday ) を開催し 毎回多くの消費者との交流活動を行っている

26 カントリーウォークでは 農作業体験 ( ももとりんごの花摘み アスパラガスの収穫体験等 ) の他に地域の伝統芸能 ( 神楽 獅子舞 ) の鑑賞を取り入れることにより地域のもつ魅力について参加者をはじめ住民にも再発見させるなどの効果を生んでいる また 会の活動を支援する地域住民等の応援隊ができるなど 地域全体に影響を与え 活性化にもつながっている さらに 消費者との交流をとおして農業者自身の農業に対する意識も変わり 女性認定農業者の増加 家族経営協定の締結 養子縁組など女性のカントリーウォークの様子地位向上にも貢献している 今後も 消費者との交流をとおし農業 農村への理解を深めてもらうため カントリーウォークや減農薬栽培による農業体験などを行っていきたいと考えている イ行政の取組関東農政局では 農林水産省が11 年 11 月に定めた 農山漁村男女共同参画推進指針 を踏まえ 関東農政局男女共同参画推進本部 及びその下部組織として 関東農政局男女共同参画推進部会 を設け 男女共同参画社会の形成に向けた取組の円滑な推進に努めている 具体的には18 年 9 月に埼玉県で 起業活動の技術 経営管理等の資質向上を図るため 農山漁村のリーダーとなるべき女性農業者を対象に 先進的女性農業者研究交換会 ( 関東ブロック女性起業フォーラム ) ( 参加者 :160 名 ) を開催した 19 年 2 月には埼玉県で 女性農業者の経営参画の促進を図るため 普及事業関係者 農業委員等を対象に 関東ブロック活き活き女性交流会 ( 参加者 :24 名 ) を開催した この交流会では 家族経営協定の締結推進の鍵となる世帯員の相互理解 合意形成を促進する手法 ( ファシリテーション ) 等についてワークショップ ( 体験講座 ) を行うなど実践的な内容を取り入れて行った 各都県では 政策 方針の決定過程への参画や経済的地位の向上等を推進するため 女性の各種委員会への登用促進や女性起業グループの育成 家族経営協定の推進等 パートナーシップに関する指標 目標を策定している また 8 県で農村生活や農業生産等の幅広い分野でリーダーとして活躍する農村女性の認定制度が発足している ( 表 Ⅱ-2-19)

27 表 Ⅱ-2-19 農村女性の認定制度の概要 都県名 呼 称 発足年月日 任 期 活 動 内 容 茨城県 女性農業士 H 農村生活や農業及び地域の農業振興に対する提言 (H17 年度末現在認定者 244 名 ) (60 歳まで ) 2 先進的農家経営の実践と成果の発表 3 後継者グループ, 農村女性グループ活動等への助言 4 研修生の受入れ指導 5 地域振興に関わる推進協力 (ex むらづくりetc) 栃木県 女性農業士 H 農村女性ビジョンの推進 (H17 年度末現在認定者 95 名 ) 2 農村女性組織等の育成指導 3 地域農業の振興や農村地域の活性化の推進 4 豊かで生きがいのある農家生活の実践と普及 群馬県 農村生活アドバイザー H 農村女性の社会参画並びに組織活動推進 (H17 年度末現在認定者 139 名 ) (65 歳まで ) 2 農産物付加価値化のための活動推進 3 都市の農村との交流促進 4 快適に生活するための家族間のルールづくりの推進 埼玉県 さいたま農村女性アドバイザー H 女性農業者組織等の研修会等における講師 (H17 年度末現在認定者 280 名 ) 2 地域農家の農家経営 生活経営に関する助言 3 女性農業者の社会参画に関する指導助言 4 地域農業の推進や 農村における女性農業者の役割など 女性農業者の方針決定参画に関する指導助言 5 消費者との交流活動に関する指導助言 6 若い農業女性の育成と組織づくり 7 持っている能力の地域への供与 ふるさとの味伝承士 H 女性農業者組織等の研修会等における講師 (H17 年度末現在認定者 184 名 ) 2 消費者との交流活動に関する指導助言 3 農産物加工等 農産物の付加価値を高めるための指導助言 4 農村のくらしに対する指導助言 5 地域の活性化推進 神奈川県 ふるさとの生活技術指導士 H 農家 農村に伝わる生活技術の保持と伝承 (H17 年度末現在認定者 237 名 ) 2 生活技術の伝承を通して県民との交流 地域農産物の この他に 男性認定者 9 名有 消費啓発及び農業理解を深めるための指導助言 3 農村の暮らしに対する指導助言 4 地域の活性化推進 農業経営士 S 農業の担い手の育成指導 (H17 年度末現在認定者 39 名 ) (H9から女性の 2 地域農業振興や農村の活性化に関する情報 提言及び この他に 男性認定者 695 名農業経営士の認 活動の実践 有 定を働きかけた ) 山梨県 農村女性アドバイザー H 年間 1やまなし農村女性活動推進プランの推進 (H17 年度末現在認定者 86 名 ) 2 女性リーダーとして培った技術と知識の普及 農業生産 経営部門 3 地域農業 農村の振興への積極的な参画 農家生活部門 地域社会部門 長野県 農村生活マイスター H 望ましい農家生活の実践と地域への波及 (H17 年度末現在認定者 708 名 ) 2 地域農業振興に関する活動への積極的な参画 3 農業やくらしをささえる地域活動の推進 4 農業後継者の育成指導 5 農村女性団体等の活動及び連携の促進 6 農村女性の社会参画に関する活動の促進 7 家族経営協定の推進 8 地産地消活動の実践と推進 9 伝承活動及び交流活動の実践と推進 静岡県 農山漁村ときめき女性 H 年間 1 地域の特性に根ざした暮らしの演出とその波及 わざあり分野 [ 活動延長有 ] 2 地域農林水産業振興に関する活動への積極的な参画 むらおこし分野 (65 歳まで ) 3 農山漁村の生活環境むらおこし活動等の積極的参画 ひとづくり分野 4 農山漁村の生活文化の伝承と創出 (H17 年度末現在認定者 251 名 ) 5 農林水産業と農山漁村の担い手の育成指導 計 17 年度末女性認定者 2,263 名 資料 : 関東農政局調べ

28 ウ課題と今後の方向管内の農業労働力に占める女性の割合は 農業就業人口の5 割と農業生産の担い手として重要な役割を果たしているものの 販売農家全体に占める家族経営協定の締結数の割合や女性の認定農業者の割合をはじめとして 女性農業者の農業経営への参画は十分なものとはなっていない また 女性農業委員 JAの女性理事などの登用が進められているがその数はいまだ少く 女性が地域社会において十分な力を発揮するためには 農山漁村における男女共同参画社会の形成に向けた取組の連携が課題となっている そこで 女性の農業経営者としての地位の明確化 経営能力の向上により その農業経営 地域社会へ参画を一層推進するために 農山漁村のリーダーとなるべき女性農業者等を対象に研修や意見交換の場を提供し資質の向上を図るとともに 女性農業者の自主的な情報交換に資する広域的なネットワークの構築を推進する また 農政局ホームページ等を利用し管内の農山漁村女性の状況等について情報提供を行い 農山漁村における男女共同参画社会の形成に向けた意識の醸成を図る さらに 農林水産業 農山漁村におけるパートナーシップの確立について ( 平成 17 年 6 月農林水産省経営局長通知 ) に基づき 市町村段階における男女の共同参画に関する目標設定状況についての調査を行うとともに目標設定が進んでいない都県等には設定されるよう働きかけを行う 6 農村における高齢者の現状と課題 高齢者の熟達技術で地域農業 社会の振興に貢献 ア農村における高齢者の活動管内の販売農家のうち基幹的農業従事者で65 歳以上の高齢者の割合は5 割を超えており 長年培ってきた経験や技術によって地域農業 社会の振興に貢献している ( 表 Ⅱ-2-20) 表 Ⅱ-2-20 年齢別農業従事者数 ( 平成 17 年 販売農家 ) ( 単位 : 千人 %) 15~39 歳 40~64 歳 65 歳 ~ 計 管 内 (15.3) (45.6) (39.1) (100.0) ,313 うち (4.7) (37.1) (58.1) (100.0) 基幹的農業従事者 全 国 (16.4) (45.9) (37.8) (100.0) 910 2,553 2,100 5,562 うち (4.9) (37.6) (57.4) (100.0) 基幹的農業従事者 ,287 2,241 資料 : 農林水産省 2005 年農林業センサス 注 :1) 欄上段は 年齢別割合で 実数で計算している 2) 計と内訳が一致しない場合があるのは ラウンドのためである

29 事例 : らくらくももづくりを目指して らくらく農業推進委員会 ( 山梨県甲州市 塩山大藤地区 ) 平成 18 年度農山漁村いきいきシニア活動表彰農村地域部門農林水産大臣賞受賞 塩山大藤地区は 甲府盆地の東部山間地に位置し 急峻で狭小な棚田の地で昭和 30 年代末から米 麦から収益性の高い果樹への転換が進められ 特にももの栽培が盛んになり 大藤のもも として産地が形成されてきた しかし 急傾斜で狭小な元棚田の樹園地は作業性が悪く 農業者の高齢化 後継者不足等により遊休農地が増加するようになった こうしたなか これまで築いてきた産地を維持するには生産基盤の整備が不可欠と考える11 人 ( 平均年齢 67.9 歳 専業 4 戸 兼業 7 戸 ) で 基盤整備による作業の効率化 経営の安定化等による " らくらくももづくり " を目指し らくらく農業推進委員会 を発足させた 同委員会では 山梨県下で初めて既存樹園地の基盤整備 ( 国の 中山間地域総合整備事業 を活用 ) を行い 200 筆あった狭小ほ場を境界障害物のない一区画 3.5ha( 最大傾斜度 10.5%) にまとめ 同委員会構成員等に農地を集積した 成木を伐採して苗を植える既存樹園地の基盤整備の際は 整備後収穫量が回復するまでの5~6 年間の収益の減少期間を短縮するため 遊休農地を サポート園 として活用して 移植用の大苗 (3 年生 ) を事前に用意した また 脚立を使うももの管理作業において 樹高を極力低く ( 樹高 2メートル ) した仕立て方を導入して 作業性の向上及び高齢者による登り降りの危険の回避を図った 最大傾斜度を抑えた境界障害物のない広大な一面ほ場の整備により 防除 草刈り 堆肥施用等について大型機械の共同利用が可能になり 病害虫防除 除草作業等の省力化 効率化が図られ 他の栽培管理 ( 摘蕾 摘花 袋かけ等 ) に専念できることからももの高品質化を実現している また 堆肥施用や共同防除は 土壌流亡防止のための草生栽培 ( イタリアンライグラス ) や害虫に対する生態的防除の導入とあわせて環境保全型農業の取組にもつながり 構成員全員がエコファーマーの認定を受けている こうした委員会の取組は 地域に刺激を与え 園地整備を行う栽培者を増やし 果樹産地形成のモデルケースとして 多くの視察者を集めている 委員会では 共同 受託作業により技術の高位平準化を図るとともに ほ場整備を続けももの栽培面積の拡大 所得の向上を目指している 今後は 産地の維持と夢のある果樹生産を展開し 後継者確保による集落営農の推進や段階的な基盤整備を進めらくらく農業推進委員会のみなさんたいと考えている

30 イ行政の取組 農山漁村の高齢者に関する中長期ビジョン懇談会 が7 年に発表した 農山漁村高齢者ビジョン を踏まえ 管内では 東京都 神奈川県を除く8 県で農山漁村高齢者ビジョンが策定されている ウ課題と今後の方向農業従事者の過半が高齢者で 今後の高齢化率の加速が見込まれる一方 若年層は減少しており 集落営農の組織化を図るには 高齢者の理解と協力が重要になっている このため 長年にわたり蓄積されてきた高齢者の技術 経験 知識 調整能力を積極的に活用し 担い手の育成や集落営農における補完的役割に活用できるよう 推進体制等の整備を一層進めていくこととしている

31 7 農協組織の現状と活動状況ア農協組織の現状 総合農協数は 195 組合で前年度に比べ 2 組合の減少 管内農協組織においては 各都県の農協大会において 自ら計画した農協合併の構想実現に向け取り組んでいるところであり 19 年 4 月 1 日現在の管内の総合農協数は 195 組合で前年度より2 組合減少した ( 表 Ⅱ-2-21) 表 Ⅱ-2-21 総合農協数の推移 ( 平成 年 ) ( 単位 : 組合 ) 都県 茨 栃 群 埼 千 東 神 山 長 静 管 全 城 木 馬 玉 葉 京 奈 梨 野 岡 県 県 県 県 県 都 川 県 県 県 内 国 項目 県 18 年 4 月 年 4 月 前年増減数 資料 : 農協数 は全国農業協同組合中央会調べ ( 各年 4 月 1 日現在 ) イ 主要事業の動向 営農指導員の未設置農協は12 組合 信用事業は昨年に引き続き 貯金が増加し 貸出金が減少 経済事業は購買 販売ともに減少 当期利益は事業総利益が減少したものの 事業管理費の削減等により前事業年度並み ( ア ) 営農指導事業 17 事業年度の管内の206 総合農協のうち営農指導員を設置していない農協は12 組合となり 設置農協比率は94.2% となった ( 表 Ⅱ-2-22) 表 Ⅱ-2-22 営農指導員設置の動向 ( 平成 事業年度 ) ( 単位 : 組合 %) 管 内 全 国 16 事業年度 17 事業年度 増減 ( ) 16 事業年度 17 事業年度 増減 ( ) 総合農協数 未設置農協数 設置農協比率 資料 : 農林水産省 総合農協統計表 注 : 総合農協数 には 当該年度中に合併した農協で 合併前の農協についても計上可能な組合については組合数に含む

32 ( イ ) 信用事業 17 事業年度の管内農協における信用事業の動向は 昨年と同様に 前事業年度より 貯金は増加 (1.8ポイント増) したものの 貸出金は減少 (1.1ポイント減) となった ( 表 Ⅱ -2-23) 表 Ⅱ-2-23 総合農協の信用事業の動向 ( 平成 事業年度 ) ( 単位 : 億円 %) 区 分 管 内 全 国 16 事業年度 17 事業年度 増減 ( ) 率 16 事業年度 17 事業年度 増減 ( ) 率 貯 金 246, , , , 要求払 74,172 79, , , 定期性 171, , , , 貸出金 76,066 75, , , 資料 : 農林水産省 総合農協統計表 ( ウ ) 経済事業管内の農協における購買 販売取扱高とも 減少傾向で推移しており 17 事業年度の購買取扱高は0.2ポイント 販売取扱高は2.1ポイントそれぞれ前事業年度より減少となった ( 表 Ⅱ-2-24) 表 Ⅱ-2-24 総合農協の経済事業の動向 ( 平成 事業年度 ) ( 単位 : 億円 %) 区 分 管 内 全 国 16 事業年度 17 事業年度 増減 ( ) 率 16 事業年度 17 事業年度 増減 ( ) 率 購買取扱高 7,303 7, ,253 34, 販売取扱高 9,455 9, ,030 45, 資料 : 農林水産省 総合農協統計表 注 : 購買取扱高とは生産資材 ( 飼肥料 農薬等 ) 及び生活物資 ( 食料品 耐久消費財等 ) の取扱高である 販売取扱高とは米 米以外の農産物 畜産物 林産物等の取扱高である ( エ ) 事業収支 17 事業年度の管内の農協の事業収支については 信用 共済 経済の各事業で前事業年度より事業総利益が減少したものの 事業管理費の削減により当期利益は前事業年度並みとなった ( 表 Ⅱ-2-25) 表 Ⅱ-2-25 総合農協の主な事業総利益及び前事業年度比動向 ( 平成 17 事業年度 ) ( 単位 : 億円 %) 区 分 信用事業 共済事業 経済事業 事業管理費 当期利益 管 内 2,371 1,495 1,167 4, 全 国 7,318 5,484 5,506 18,363 1, 資料 : 農林水産省 総合農協統計表

33 ウ農協組織の課題 ( ア ) 農協の経営動向等農協の経営状況は 業務内容の見直しや人員削減等により 経費削減を図っているものの 黒字の大部分を占める信用 共済事業が金融 保険をめぐる競争の激化等を背景に事業収益が減少しており その収益の改善が課題となっている 一方 我が国の会計制度は 18 年 3 月期決算期から適用の固定資産減損会計 19 年 3 月期決算から導入の 新しい自己資本比率規制 ( バーゼルⅡ) ( 注 ) 等 大きく変更されたところであり その対応も課題となっている 関東農政局では このような状況を踏まえ 農協業務の健全性と適切性の確保の観点から財務 業務等の状況について検査 モニタリングを実施するとともにヒアリング等を通じて指導を行った 注 : 自己資本比率規制 とは 日本を含む主要国の中央銀行等が構成するバーゼル銀行監視委員会が定めた国際的なルール (BIS 規制 ) で 国際的な活動を行う銀行には 8% 以上 国内のみで活動を行う銀行には 4% 以上の自己資本比率の維持を義務付けている 新しい自己資本比率規制 ( バーゼル Ⅱ) とは これまで規制を見直し 3 つの柱 :1 最低所要自己資本比率 ( これまでの自己資本比率維持の義務付けに変更はないものの 計測を精緻化 ) 2 金融機関の自己管理と監督上の検証 ( 金融機関による統合的なリスク管理と行政当局によるモニタリング ) 3 市場規律 ( 情報開示を通じて市場規律の実効性を高める ) から構成され 我が国では 19 年 3 月末から適用されている ( イ ) 農協合併構想の実現農協合併構想は 各都県の農協大会において自ら構想数を決議し その実現に向けて都県中央会を中心に取組が進められているところである しかしながら 合併目標期日が先送りになる等の事例が発生するなど 合併構想の早期実現に向けた取組強化策の検討 実践が求められるところである 関東農政局では このような状況を踏まえ ヒアリング等を通じて合併構想実現に向けた指導等を行った

34 8 農業制度金融の動向農業制度金融は 農業者の自主性と創意工夫を尊重しつつ 経営の改善を図るための有効な手段として 重要な役割を果たしている ア 農業近代化資金 農業近代化資金の利子補給承認額は 前年度比 18.8% 減の 86 億 5,300 万円 農業近代化資金は 16 年度における国及び地方公共団体を通じた財政改革 ( 三位一体改革 ) のための国の補助金等の整理及び合理化等に伴い 都道府県が行う利子補給にかかる政府の助成を廃止 税源移譲し 法律名が 農業近代化資金助成法 から 農業近代化資金融通法 に改正された ( 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う農業近代化資金助成法等の一部を改正する等の法律 ( 平成 17 年法律第 16 号 )) このため 17 年度から都道府県は 国が示す 農業近代化資金の円滑な融通のためのガイドライン ( 平成 17 年 4 月 1 日付け 16 経営第 8870 号農林水産省経営局長通知 ) を参考として 都道府県の責任において事業実施することになった 表 Ⅱ-2-26 関東管内の農業近代化資金の利子補給承認状況 ( 平成 年度 ) ( 単位 : 件 百万円 %) 16 年度 17 年度 前年度比 件数 金額 件数 金額 件数 金額 個人施設 1,483 9,107 1,250 7, 共同利用施設 161 1, , 総 計 1,644 19,651 1,347 8, 資料 : 関東農政局調べ

35 イ 農林漁業金融公庫資金 管内の農林漁業金融公庫の農業 加工関係資金は 全体で前年度比 5.9% 減の 518 億 8,165 万円 農林漁業金融公庫は 昭和 28 年に設立された政府系金融機関で 平成 17 年度では26 種類の資金を設けている 17 年度の管内の農林漁業金融公庫支店 ( 関東 東京 長野支店 ) の農業 加工関係資金の貸付額は 農業基盤整備資金 農業経営基盤強化資金 ( スーパー L 資金 ) 加工関係資金を中心として 全体で518 億 8,165 万円となった ( 表 Ⅱ-2-27) なお 19 年 5 月 18 日 株式会社日本政策金融公庫法 が成立したことにより 20 年 10 月 1 日に 国民生活金融公庫 農林漁業金融公庫 中小企業金融公庫及び国際協力銀行 ( 国際金融等業務 ) は統合し 株式会社日本政策金融公庫 となる 統合後は 各機関 ( 国民生活金融公庫 農林漁業金融公庫 中小企業金融公庫及び国際協力銀行 ( 国際金融等業務 )) の一切の権利義務は 国が承継する資産を除き 新公庫が承継することとなっている 表 Ⅱ-2-27 農林漁業金融公庫資金 ( 農業 加工関係 ) の貸付け実行状況 ( 平成 年度 ) ( 単位 : 件 百万円 %) 農業基盤農業経営特定農産中山間地域基盤強化資金その他合計整備資金スーパー L 加工資金活性化資金 件数金額件数金額件数金額件数金額件数金額件数金額 17 年度 406 4, , , , , , 年度 522 6, , , , ,998 1,204 55,136 前年度比 資料 : 農林漁業金融公庫 業務統計年報 注 :1) その他は 振興山村 過疎地域経営改善 ( 農業分 ) 農林漁業施設 ( 農業分 ) 畜産経営環境調和推進 食品産業品質管理高度化促進 食品流通改善 食品安定供給施設整備 経営体育成強化資金 農業経営維持安定資金 塩業及び乳業施設の各資金の合計額である 2) 農業基盤整備資金には 担い手育成農地集積資金を含む

36 ウ 農業改良資金 農業改良資金の貸付額は 前年度比 94% の 3 億 5,300 万円 農業改良資金は 農業の担い手が農業経営の改善を目的として 新たな農業経営部門への進出や 新たな技術に取り組む際に貸付ける無利子の資金である 17 年度の管内の同資金の貸付額は 近年の農産物価格の低迷による農業者の投資意欲の低下等により 前年度よりやや減少し 3 億 5,300 万円となった ( 表 Ⅱ-2-28) 表 Ⅱ-2-28 農業改良資金の貸付実績 ( 平成 15~17 年度 ) 15 年度 16 年度 17 年度 ( 単位 : 件 百万円 %) 前年度比 件数 金額 件数 金額 件数 金額 件数 金額 管 内 全 国 356 3, , , 管内シェア 資料 : 関東農政局調べ エ 就農支援資金 就農支援資金の貸付額は 前年度比 113% の 7 億 1,800 万円 就農支援資金は 就農希望者を資金面から支援するため 知事の認定により認定就農者となった者に対し貸付ける無利子の資金である 当資金は 担保 保証人が確保しにくい新規就農者等を支援するため 農協等が貸し付ける際には 農業信用保証保険制度の対象となっている 17 年度の管内の貸付額は 前年度比 1 割増の7 億 1,800 万円となった ( 表 Ⅱ-2-29) 表 Ⅱ-2-29 就農支援資金の貸付実績 ( 平成 15~17 年度 ) ( 単位 : 件 百万円 %) 15 年度 16 年度 17 年度前年度比 件数 金額 件数 金額 件数 金額 件数 金額 管 内 全 国 1,445 3,794 1,269 3,636 1,162 3, 管内シェア 資料 : 関東農政局調べ

37 (2) 経営所得安定対策等大綱の実現に向けた取組 17 年 10 月 27 日 経営所得安定対策等大綱が農林水産省において決定された 本大綱は 新たな食料 農業 農村基本計画の最重要課題であった 品目横断的経営安定対策 の創設 また これと表裏一体の関係にある 米の生産調整支援策の見直し さらに 品目横断的経営安定対策と車の両輪をなす新たな地域振興政策である 農地 水などの資源や環境の保全向上を図るための対策 の創設 という三本柱で構成されている 今回の政策改革は 生産現場に大きな影響を及ぼすものであり 生産者の関心も高いことから 19 年産からの政策転換に向けて 昨年度に引き続き これら対策の内容について 生産現場にさらなる周知 徹底を図る必要があった このため 19 年 1 月から2 月にかけて 関東ブロック全体から各県段階に至るまで 多くの関係者を対象に 説明 意見交換会を積極的に開催した 1 品目横断的経営安定対策の実施に向けた取組 19 年産からの対策開始に向け 担い手の育成 確保と加入申請受付を開始 ア品目横断的経営安定対策の実施に向けた取組農業従事者の減少 高齢化 耕作放棄地の増大等 農業の生産構造のぜい弱化が進むなかで 効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を構築することが 重要な課題となっている このため 農業の構造改革を加速化するとともに WTOにおける国際規律にも対応し得るよう これまですべての農業者を対象として 個々の品目ごとに講じられてきた対策を見直し 意欲と能力のある担い手に対象を限定し その経営の安定を図る 品目横断的経営安定対策 に転換することとし 19 年産の対象農産物 ( 米 麦 大豆等 ) から同対策が導入されることとなった この対策については 17 年 10 月 27 日に決定された 経営所得安定対策等大綱 においてその概要が示され 18 年 6 月 21 日に公布された 農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律 及び関係政省令等により制度的な枠組みが整備された 同対策の支援内容として 1 生産条件不利補正対策 ( 諸外国との生産条件格差から生じる不利を補正するための補てん ) と 2 収入減少影響緩和対策 ( 収入の減少の影響を緩和するための補てん ) の2 種類の補てんがある 関東農政局としては 都県等と一体となって 担い手 として 認定農業者 特定農業法人 ( 注 1) 特定農業団体等( 注 2) の育成 確保を図るとともに 品目横断的経営安定対策への加入を推進した ( 注 1) 特定農業法人 : 担い手不足が見込まれる地域において 農用地の利用関係の改善を推進する 農用地利用改善事業 の準則となる 農用地利用規程 に基づき 地区内の土地所有者等からなる 農用地利用改善団体 の構成員の所有農用地の利用集積 ( 利用権の設定等または農作業の受託 ) を行う農業生産法人 ( 注 2) 特定農業団体 : 農用地利用改善団体の構成員の所有農用地の利用集積 ( 農作業の受託 ) を行う 一定の要件を備えた団体 要件としては 農業生産法人となることが確実と見込

38 まれること 構成員全員で 費用の共同負担 ( 資材の一括購入等 ) と利益分配 ( 組織名で出荷 販売し 利益を分配 ) を行う一元的な経理を実施すること等がある ( 以上の注について 農業経営基盤強化促進法第 4 条第 3 項第 3 号 第 23 条参照 ) 特定農業団体等 の 等 の組織 : 品目横断的経営安定対策の対象となる集落営農組織のうち 特定農業団体と同様の要件を満たす任意組織 担い手の育成 確保については 1 農政局本局において 都県別の担当者を決めて 都県の状況に応じて的確な助言等が行える体制とし 担当幹部や都県別チームによる都県及び関係機関 団体への担い手育成の働きかけや19 年度担い手関係予算等の説明会等 2 農政事務所等を中心に 市町村 農協等を対象とした地域の課題の聞き取り活動 担い手リスト整備の働きかけや 都県 市町村 農協等関係機関 団体と連携して 品目横断的経営安定対策の説明会 集落営農の組織化課題検討会 集落リーダーとの意見交換会 集落座談会への参加等 3 集落リーダーによる集落の現状把握活動 集落営農戦略ビジョン の策定等を支援する 集落営農育成 確保緊急支援事業 等の担い手関連事業等を実施した また 品目横断的経営安定対策への加入推進については 1 農政局本局に経営安定対策事務推進室を設置するとともに 農政事務所においても事務推進チームと加入申請相談窓口を設置して 体制の整備 2 品目横断的経営安定対策関係のパンフレットやビラの作成と農業者への配布 農政局 ( 農政事務所のホームページ メールマガジン 情報誌への関係情報の掲載 3 品目横断的経営安定対策の加入申請受付に当たっては 市町村 農協等の協力を得ながら 農家の方々への加入受付事前説明会の開催 出張受付等を実施した 以上のような取組の結果 認定農業者 ( 特定農業法人を含む ) や特定農業団体等の担い手が増加するとともに 19 年産の秋まき麦作付者で収入減少影響緩和対策に加入する方の加入申請 (18 年 9 月から11 月まで ) は 4,092 経営体 4 麦 ( 小麦 二条大麦 六条大麦 裸麦 ) 合計の作付計画面積で3 万 haとなった ( 表 Ⅱ-2-30) なお 19 年 4 月から新たに受け付ける米の収入減少影響緩和対策等に向けて 引き続き担い手の育成 確保及び同対策への加入推進に努めているところである

39 表 Ⅱ-2-30 経営体数 品目横断的経営安定対策 (19 年産麦 ) 加入申請受付状況 認定農業者集落営農組織合計 4 麦計作付計画面積 経営体数 4 麦計作付計画面積 経営体数 4 麦計作付計画面積 ( 経営体 ) (ha) ( 経営体 ) (ha) ( 経営体 ) (ha) 茨城県 763 6, , ,016 栃木県 1,801 7, ,704 1,912 9,171 群馬県 520 3, , ,162 埼玉県 278 1, ,947 千葉県 東京都 神奈川県 山梨県 長野県 196 1, ,897 静岡県 管 内 3,731 21, ,963 4,092 29,682 資料 : 関東農政局調べ注 :1) 作付計画面積 とは 品目横断的経営安定対策加入申請書 ( 別紙様式第 5 号 ) における作付予定面積である 2) 計と内訳が一致しない場合があるのは ラウンドのためである イ集落営農の組織化の状況 ( ア ) 集落営農の組織化管内の集落営農数は 19 年 2 月 1 日現在 782( 全国 12,095) 集落営農 長野県 (215) が最も多く 次いで茨城県 (162) 栃木県(138) 群馬県(128) の順になっている ( 表 Ⅱ-2-31) 表 Ⅱ-2-31 集落営農数 ( 単位 : 集落営農 ) 平成 18 年解散 廃止新規平成 19 年 (5 月 1 日現在 ) ( 統合による ( 統合 分割に (2 月 1 日現在 ) 増加数 A 減少を含む ) よる増加を含む ) B B-A 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 山梨県 長野県 静岡県 管内 全国 10, ,392 12,095 1,614 資料 : 農林水産省 集落営農実態調査 注 : 本調査における集落営農とは 集落 を単位として 農業生産過程における一部または全部についての共同化 統一化に関する合意の下に実施される営農をいう ( 農業用機械の所有のみを共同で行う取組を行うもの及び栽培協定または用排水の管理の合意のみの取組を行うものを除く )

40 ( イ ) 集落営農リーダーの育成集落営農の組織化 法人化にあたり 現場において最大の課題とされている 集落リーダーが不在で組織化の体制が整っていない ( 表 Ⅱ-2-32) ことに対する支援を緊急的に実施し 地域の取組を軌道に乗せることが重要であるとの観点から 18 年度において集落リーダーの登用を図るとともに 集落リーダーの活動により集落営農組織の設立または再編を目的とする 集落営農育成 確保緊急支援事業 を実施したところである 管内では 茨城 栃木 群馬 埼玉 山梨 長野の6 県において同事業の活用により 435 名の集落リーダーが登用 (422 地区 ) され 集落営農組織の設立に向けた活動が実施されている (19 年 3 月末現在 )( 表 Ⅱ-2-33) 表 Ⅱ-2-32 集落営農の組織化 法人化にあたっての問題点 ( 複数回答 ) 区分回答者数計 集落リーダーが不在で組織化の体制が整っていないこと 高齢者が集落営農に参加したがらないこと 集落営農に係る行政及び農業団体の取組方針や支援措置がないこと 個々の農家で所有している機械等の処分への抵抗感 一元経理を行うと 自分の収入が他人にわかってしまうことへの不安感 集落営農に取り組むと法人税等が課税されること 女性は集落営農に参加させてもらえないのではないかという不安感 ( 単位 :%) その他特にない無回答 人 関東 全国 1, 資料 : 農林水産省 平成 17 年度食料 農林水産業 農山漁村に関する意向調査望に関する意向調査 ( 平成 17 年 6 月 ) 注 : 集落営農がない集落の代表者に対する調査分から抜粋 集落の農業の将来展 表 Ⅱ-2-33 集落営農育成 確保緊急支援事業実施地区数 集落リーダー数 ( 単位 : 地区 人 ) 地区数 集落リーダー数 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 山梨県 2 2 長野県 管内 資料 : 関東農政局調べ

41 品目横断的経営安定対策に対応した集落営農組織の育成事例 : ちくせいし 1 特定農業団体となった集落営農組織 ( 茨城県筑西市 ( 旧下館市 )) 集落の概要 集落営農の概要 農業集落名 : 町田 野田 町田集落営農組合 農家数 :22 戸 設立年月日 : 平成 18 年 1 月 非農家数 :11 戸 構成集落数 :2 集落 田面積 :46ha 構成農家数 :22 戸 畑 ( 樹園地含む ) 面積 :2ha うち認定農業者数 :1 人 田のほ場整備事業完了年 : 昭和 50 年 ( 平均区画面積 :30a) 筑西市の町田 野田集落では 特定農業団体として 18 年 1 月 町田集落営農組合 を設立した 同組合は JA 北つくばとJA 茨城県中央会が地域水田農業の担い手確保と経営安定のため 品目横断的経営安定対策に対応できる組織を設立させようと 同市や同市田谷川土地改良区などと一体となって組合設立に向けて準備を進め実現した 同土地改良区は 15 年に県の集落営農推進モデル水稲の収穫風景地区 ( 農地保有合理化事業 ) に指定され 21 集落 水田面積 497haでブロックローテーションを行い 麦 大豆の転作を各集落の認定農業者等による作業受託や個人対応により毎年 150ha 実施してきた その後 土地利用型大規模経営の担い手確保や品質 生産性の向上 ( 消費者ニーズに合ったブランド米 田谷川米 の生産 ) をさらに推進していくため 集落営農の確立が求められていた このようななかで 地域の合意形成を図るため 集落の現状を把握するためのアンケートを実施して 現状の把握と問題点の洗い出しを行い ( 後継者の有無 年齢構成 農機具の保有状況など ) 先進地視察 座談会を開催した また 集落単位でいる土地改良区役員が 地域に密着した世話役リーダーとなって 集落営農推進活動を行い 各農家の意識高揚に努めた その結果 同集落の農家 22 戸 ( 水田面積 50ha) で17 年 10 月説明座談会の様子に特定農業団体設立の合意に至り 同組合が誕生した 営農規模は 組合員からの作業受託の水稲 30ha 麦 16ha 大豆 16haで 売れる農産物の生産 加工品の開発などを行うとともに アンケートや座談会により出された担い手不足及び慣れない経理事務などの問題点は 関係機関の支援のもとに集落営農の担い手や経理事務担当者を育成していくことにより解決を図っていくこととした また 設立に当たって課題となった組合員への利益配分については 組合のために使用する組合員所有の農業

42 用機械や作業時間等の相違などの問題はあるものの 農地面積など組合員の持ち分に応じて支払うこととし 各組合員所有の農業用機械 施設については当面組合の規約に基づき維持管理 ( 共有化 ) していくこととした 同組合設立により農業資材の共同購入や 技術的ノウハウを一体化させ ブランド米等品質向上に向けた生産が可能となり また 共同出荷による生産物の有利販売 経理の一元化による事務処理の合理化も期待できると考えている はすだし 2 法人化した集落営農組織 ( 埼玉県蓮田市 ) 集落の概要集落営農の概要農業集落名 : 駒崎 ( 東部 中部 駒崎転作組合西部 ) 設立年月日 : 平成 18 年 4 月農家数 :60 戸構成集落数 :3 集落非農家数 :255 戸構成農家数 :60 戸田面積 :56ha うち認定農業者数 :14 人畑 ( 樹園地含む ) 面積 :24ha 田のほ場整備事業完了年 : 昭和 61 年 ( 平均区画面積 :10a) 蓮田市 駒崎地区では集落内の農地利用集積及び米の生産調整の取組のために 昭和 56 年に設立した 駒崎転作組合 ( 任意組合 ) が活動していたが 19 年から導入される 品目横断的経営安定対策 に対応して経営安定を図るため 18 年 4 月に 農事組合法人駒崎転作組合 を設立した 設立に当たっては 関係機関 ( 農林振興センター 農協 市等 ) との勉強会や意見交換等を重ね また 収穫機械 ( 汎用型コンバイン ) 先進事例の視察等も経て 全組合員の賛同を得て農事組合法人化を決定した 同組合では 設立当初から機械の共同利用 小麦 大豆のブロックローテーションに取り組んでおり オペレーターは少人数 管理作業は全員で実施している 法人化後も基本的にこの従来のとうしゅう運営方針を踏襲することで合意が得られている 営農規模は 組合員からの小麦全作業受託 6ha 大豆全作設立総会の様子業受託 6haとなっている 設立に当たって課題となった利益分配は 各組合員の生産意欲の維持 向上のため 品質等に応じた分配を行うこととほ場の様子 ( 小麦 )

43 した 農地は組合が土地利用調整を行い 水稲作付時にはあぜ塗りを行うなど組合が管理することとした 将来的には水稲の作業受託を検討するとともに 効率的作業を実現するために あぜの除去や農地の均平化等を考えている 2 米政策改革の着実な推進に向けた取組 需要に応じた米づくりを通じ 水田農業経営の安定と発展を図る ア米政策改革の趣旨 概要農林水産省では 米の需要と供給が乖離している状況のもと 昭和 46 年から生産調整や水田農業に関する各種の施策を行い 需給と価格の安定について一定の成果をあげてきた しかし 米の需要の減少 生産調整の拡大による限界感等まさに閉塞という状況となっていった そこで 米や水田農業に関する施策の抜本的な見直しと再構築を行う 米政策改革大綱 を14 年 12 月に決定した 同大綱では 22 年度までに 1 生産の大宗を占める 効率的かつ安定的な経営体 により安定的な供給が行われること 2この経営体が 消費者 市場重視の考え方に立って 多様な消費者ニーズ 需要ごとの価格条件等の需要動向を敏感に感じ取り 需要に応じた米づくりを行う等の 米づくりの本来あるべき姿 の実現を目標に掲げている その実現に向け 第 1ステージの16~18 年度の3 年間において 需給調整対策 流通制度改革とこれらの関連施策を整合性をもって実行してきた 具体的な関連施策としては 以下の4 項目の対策を実施してきた ( 表 Ⅱ-2-34) 表 Ⅱ-2-34 関連施策の内容 対策名 内 容 目的 : 需要に応じた作物生産及び水田農業の構造改革の推進 産地づくり 手段 : 地域で 作物の販売戦略 水田の利活用 担い手の育成といった将来方向を明 対策 確にした 地域水田農業ビジョン を作成 ビジョンの実現に向けて 産地づ くり交付金 の使途を定めた 産地づくり計画 を策定 なお ビジョンは地 域における合意形成の状況や改革の進捗等を踏まえ 定期的に地域で点検 見 直しを実施 目的 : 米の生産調整のメリット対策を講じることにより 米の生産調整の的確な実施 稲作所得 の確保及び稲作所得の基盤の確保 基盤確保対策 手段 : 生産者の拠出と国からの交付金によって造成した積立金を用いて 米価の下落 の度合いに応じ一定額を補てん 担い手経営 目的 : 担い手稲作農家の経営安定 安定対策 手段 : 米価下落による稲作収入の減少が大きい担い手を対象に 稲作所得基盤確保対 策に上乗せして補てん 目的 : 豊作による過剰米について 無利子短期融資の仕組みを活用して 出来秋以降 集荷円滑化 主食用米等と区分して保管 ( 区分保管 ) を促し処理することによって 国内主 対策 食用米等の需給への影響を回避 手段 : 本対策を実施した生産者に 生産者の拠出と国からの貸付金によって造成した 過剰米対策基金を用いて 区分保管数量に応じて無利子短期融資を実施

44 さらに 経営所得安定対策等実施要綱 ( 平成 18 年 7 月農林水産省決定 ) において 19 年産から農業者 農業者団体の主体的な需給調整システムへの移行が決定されるなど 19 年産から 改革の第 2ステージ へ移行することとなった ( 図 Ⅱ-2-6) 図 Ⅱ-2-6 米政策改革関連施策の見直しの概要 16~18 年度 見直し後 産地づくり対策新たな産地づくり対策 ( 平成 19 年度 ~21 年度 ) 産地づくり交付金及び稲作構造改革促進交付金 産地づくり交付金メニュー メニュー 米価下落対策の基本的な仕組み 米の生産調整の推進 ( 稲作構造改革促進交付金 ) 米の生産調整の推進 面積による定額払いとし 水田を活用した作物 生産者拠出金を廃止 価格 の産地づくり 水田を活用した作物 変動方式ではなく固定方式 の産地づくり を基本とした支払 ( ただし 水田農業構造改革の 経営安定対策による補てん 推進 ( 担い手の育成 ) 水田農業構造改革の の範囲内 ) 推進 ( 担い手の育成 ) 特別調整促進加算 交付金単価について 担い ( 超過達成等 ) 米の価格下落等に応 手への集積に取り組む場合 じた支払い ( 品目横 の加算を設けた二階建て 麦 大豆品質向上対策 断的経営安定対策加入者を除く ) 交付面積は 担い手の育成 耕畜連携推進対策 増加の見通し等を踏まえて 新需給調整システム 期間中に漸減するようあら 畑地化推進対策 定着交付金 ( 特別調 かじめセットし 経営安定 整促進加算を見直し ) 対策への移行を誘導 稲作所得基盤確保対策 注 ) 水田の利活用対策として 産地づくり対策とは別途に 耕畜連携水田活用対策 米価下落の一部を補てん 担い手経営革新促進事業を実施 担い手経営安定対策 品目横断的経営安定対策へ移行 一定の要件を満たす担い手を対象にした稲得の上乗せ 集荷円滑化対策 その実効性を確保し 実施 豊作による過剰米を区分出荷 保管

45 イ管内における取組 ( ア ) 産地における取組の現状と課題関東農政局管内においては 米政策改革大綱等に基づき 各県に水田農業推進協議会 ( 県協議会 ) が 市町村段階に470(18 年 5 月末現在 ) の地域水田農業推進協議会 ( 以下 地域協議会 という ) が設立されている 地域協議会では 地域水田農業ビジョン を策定し 需要に応じた米づくりを通じ地域の水田農業経営の安定と発展に向けた取組を推進している 18 年度は米政策改革の3 年目に当たり 地域協議会においては 地域の創意工夫を活かし 産地づくり交付金を有効に活用した取組が見られるようになってきた しかし 管内では ビジョンの見直しを行った地域協議会が全体の5 割にとどまることから 改革の第 2ステージへの移行に向け 地域で十分な議論を行ったうえで 地域における生産 販売戦略を再構築する 地域の担い手リストを抜本的に見直すなど ビジョンを改訂するとともに その実現に向けた産地づくり交付金の的確な使途を決定することが課題となっている また 管内における米価下落時の稲作農家への補てん対策に対する加入状況は 稲作所得基盤確保対策が118,945 人 担い手経営安定対策が3,131 件となっている ( 表 Ⅱ-2-35) 集荷円滑化対策の加入率は前年より2ポイント上げて生産確定数量の43% となったものの 全国平均の69% を大きく下回っており 同対策の加入促進が喫緊の課題となっている 表 Ⅱ-2-35 管内における米政策改革関連施策の推進 加入状況 (18 年度 ) 施策名 区分 推進 加入状況 産地づくり 管内 県段階 : 水田農業推進協議会 9 対策 市町村段階 : 地域水田農業推進協議会 470(18 年 5 月末現在 ) 地域協議会 ごとに 地域水田農業ビジョン を策定 ビジョンの見直しを行った地域協議会 全体の5 割 稲作所得 契約者数 ( 人 ) 契約数量 (t) 基盤確保対策 管内 118, ,291 全国 923,829 4,040,650 担い手経営 加入件数 ( 件 ) 加入面積 (ha) 安定対策 管内 3,131 13,817 全国 35, ,286 加入生産者の ( 加入率 ) 18 年産 集荷円滑化 生産確定数量 (A)/(B) 生産確定数量 対策 (t) (A) (t) (B) 管内 651,434(43%) 1,532,654 全国 5,743,742(69%) 8,330,984 資料 : 関東農政局調べ 注 : 生産確定数量 とは 米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針 ( 平成 17 年 11 月農林水産省 決定 ) における生産目標数量を地域間等の調整及び17 年産における豊作による過剰米処理等により 補正を行った数量で 実際に生産された数量とは異なる 米の需給調整については 19 年産米以降も需給の安定を図るため 引き続き過剰作付けの是正に向けた取組が必要である 18 年産米については 過剰作付けのもとで全国の作況指数が96となったため ほぼ需給が均衡したが 平年作 ( 作況指数 100) であった場合には 大量の過剰米が発生していたとみられる 管内の中でも茨城県 埼玉県 千葉県の

46 県の過剰作付けが全国の4 割という状況となっていることから 需給調整の実効性確保に向けその是正が課題となっている ( イ ) 農政局の取組関東農政局では 前述の課題と19 年産からの改革の第 2ステージへの移行を踏まえ 関東農政局米政策改革推進行動計画 ( 平成 16 年 11 月策定 ) に基づき 地域協議会単位での意見交換を実施し 新たな産地づくり対策の趣旨 仕組みを説明するなど 地域協議会段階でのビジョンの改訂作業を支援した また 19 年産から農業者 農業者団体の主体的な需給調整システムへ円滑に移行させるために 国の支援策 新たな需給調整システムの具体的仕組み 農業者団体や行政の役割等について 県及び地域段階での説明会や意見交換会を管内各地で積極的に開催し需要に応じた生産の促進に努めた

47 (3) 耕作放棄地の動向と農地流動化の促進 1 農業振興地域の現状ア農振法と都市計画法の区域区分面積 管内土地面積の 51.5% が農業振興地域に指定 農業振興地域の整備に関する法律 ( 以下 農振法 という ) 及び都市計画法による線引き ( 区域区分 ) の状況をみると 管内における平成 18 年の農業振興地域の面積は293 万 ha 都市計画区域の面積は282 万 haである 18 年の農業振興地域内の農用地の面積は93 万 haで うち農用地区域に69 万 ha 農用地区域外に24 万 haがあり 農用地区域設定率 ( 農業振興地域内の現況農用地のうち農用地区域内農用地の占める比率 ) は74.6% である 一方 市街化区域内における農地の面積は4 万 haで 農地面積比率は7.2% である ( 図 Ⅱ-2-7) 図 Ⅱ-2-7 農振法と都市計画法の区域区分面積 ( 管内 ) ( 単位 : 千 ha) 農業振興地域面積 2,927 管内総土地面積 5,687 耕地面積 843 農用地区域面積 714 農用地区域外面積 2,213 田 450 畑 392 農用地 692 農用地 236 田 388 田 74 畑 196 畑 124 樹園地 95 樹園地 35 採草放牧地 13 採草放牧地 3 農業用施設用地 4 農業用施設用地 1 混牧林地 6 混牧林地 3 山林原野 11 山林原野 1,244 その他 1 その他 728 都市計画区域面積 2,816 市街化調整区域面積 1,122 市街化区域面積 511 農地 37 線引き都市計画区域面積 1,633 ( うち生産緑地 地区面積 8) 非線引き都市計画区域面積 1,183 資料 : 管内総土地面積は 国土地理院 全国都道府県市区町村別面積調査 ( 平成 18 年 10 月 1 日現在 ) 耕地面積は 農林水産省 耕地及び作付面積統計 ( 平成 18 年 7 月 15 日現在 ) 農業振興地域関係の面積は 関東農政局 農業振興地域整備計画管理状況調査 ( 平成 18 年 3 月 31 日現在 ) 都市計画関係の面積は ( 財 ) 都市計画協会 都市計画年報 ( 平成 17 年 3 月 31 日現在 ) 生産緑地地区面積を除く市街化区域内の農地面積は 総務省 固定資産の価格等概要調書 ( 平成 17 年 1 月 1 日現在 ) 注 :1) 四捨五入の関係で 計と内訳が合わない場合がある 2) 農業振興地域 とは 一体として農業の振興を図ることが必要であると認められる地域 3) 農用地区域 とは 農業振興地域 のうち農用地等として利用すべき土地の区域 4) 都市計画区域 とは 一体の都市として総合的に整備し 開発し 及び保全する必要がある区域 5) 市街化区域 とは すでに市街地を形成している区域及びおおむね10 年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域 6) 市街化調整区域 とは 市街化を抑制すべき区域 7) 線引き都市計画区域 とは 市街化区域 と 市街化調整区域 の区域区分が定められた都市計画区域 8) 非線引き都市計画区域 とは 市街化区域 と 市街化調整区域 の区域区分が定められていない都市計画区域 9) 生産緑地地区 とは 良好な都市環境の形成を図るため 市街化区域内にある一団の農地等のうち一定の要件を満たしている地区

48 2 耕地の利用状況 耕地利用率は 0.6 ポイント低下 管内の耕地利用率は 17 年が91.7% で 前年に比べ0.6ポイント低下した 平成 10 年以降全国値を下回って推移している ( 図 Ⅱ-2-8) % 図 Ⅱ-2-8 耕地利用率の推移 管内 全国 平成 8 年 資料 : 農林水産省 耕地及び作付面積統計 注 : 耕地利用率とは 耕地面積 ( けい畔を含む ) を100とした作付 ( 栽培 ) 延べ面積の割合で 作付( 栽培 ) 延べ面積 耕地面積 100(%) により算出した ( 参考 ) 農地制度の見直しの動き農業の構造改革を促進し 意欲ある担い手の育成 確保 国内農業の食料供給力の向上を図るうえで 農業の基礎的資源である農地のあり方は最重要施策の一つである 特に 担い手の減少 高齢化が進むなかで 優良な農地の確保と担い手への集積 耕作放棄地の発生防止と利用率の向上等が直面する課題として対応が求められている こうしたなか これらの課題の抜本的解決に向けて 農林水産省では19 年 1 月から各界の有識者を構成員とする 農地政策に関する有識者会議 を設け 農地政策の再構築に向けた検証 検討が進められており 19 年秋を目途にその基本的な方向等について取りまとめがなされる予定である なお 検討に当たっては 法令 予算 税制等 農地にかかる政策全般が検討対象とされている ( 注 ) 同有識者会議の議事概要等は 以下の農林水産省ホームページに掲載されている

49 3 耕作放棄地の現状と解消に向けた取組 管内の耕作放棄地は増加 18 年の発生面積は前年に比べ減少 ア耕作放棄地の現状 2005 年農林業センサス による管内の耕作放棄地面積は11 万 1 千 haで 都県別では茨城県 2 万 ha 長野県及び千葉県 1 万 7 千 ha 群馬県 1 万 4 千 haの順であった 平均耕作放棄地率は15% で 全国平均の10% と比べて高い数値となっている 都県別では山梨県 23% 群馬県 21% 静岡県 19% 長野県 18% の順であった このうち 農家の所有する耕作放棄地面積は6 万 5 千 haで 都県別では茨城県 1 万 3 千 ha 長野県 1 万 1 千 ha 千葉県 9,600ha 群馬県 7,700haの順であった また 土地持ち非農家の所有する耕作放棄地面積は4 万 6 千 haで 都県別では千葉県 7,500ha 茨城県 7 千 ha 埼玉県 6,200ha 群馬県 6,100ha 長野県 6 千 haの順であった また 12 年から17 年の耕作放棄地の増加率は全国同様 13% で 都県別では栃木県 27% 茨城県 26% 千葉県 15% の順であった このうち 農家の耕作放棄地の増加率は7% で 都県別では栃木県 19% 茨城県 11% 神奈川県 11% の順であった また 土地持ち非農家の所有する耕作放棄地の増加率は23% で 農家に比べて4 倍近くに達しており 都県別では茨城県 69% 栃木県 41% 千葉県 41% の順であった ( 表 Ⅱ-2-36) 表 Ⅱ-2-36 耕作放棄地の現状 ( 平成 17 年 ) ( 単位 :ha %) 都県名 耕作放棄地面積耕作放棄地増加率 ( 対 12 年比 ) 耕作放棄土地持ち農家地率土地持ち農家非農家非農家 茨 城 県 20,357 13,370 6, 栃 木 県 8,609 5,219 3, 群 馬 県 13,779 7,670 6, 埼 玉 県 12,314 6,138 6, 千 葉 県 17,058 9,592 7, 東 京 都 1, 神奈川県 2,565 1, 山 梨 県 5,786 3,252 2, 長 野 県 17,094 11,065 6, 静 岡 県 11,882 6,161 5, 管 内 110,540 64,504 46, 全 国 385, , , 資料 : 農林水産省 2005 年農林業センサス 注 :1) 耕作放棄地 とは 所有している耕地のうち 過去 1 年以上作付けせず しかも この数年の間に再び作付けする考えのない耕地をいう 転作のため休耕している耕地で 今後作付けする考えのある耕地は含まない 2) 農家 とは 経営耕地面積が10a 以上又は販売金額が15 万円以上の世帯をいい 土地持ち非農家 とは 農家以外で耕地及び耕作放棄地を合わせて5a 以上所有している世帯をいう 3) 耕作放棄地率 = 耕作放棄地面積 ( 経営耕地面積 + 耕作放棄地面積 ) 100(%) 小数第 2 位を四捨五入 耕作放棄地面積 は 農家及び土地持ち非農家の耕作放棄地面積の計である 経営耕地面積 には 土地持ち非農家の耕地は含まれていない 4) 耕作放棄地増加率 =(H17/H12) 100(%)-100(%) 5) 平成 17 年には東京都三宅村が含まれていない

50 農業地域類型別の耕作放棄地面積は 都市的地域と平地農業地域で全体の7 割を占めている また 耕作放棄地率は山間農業地域 中間農業地域で高くなっており 都県別では 山間農業地域は千葉県 62% 東京都 57% 埼玉県 55% 中間農業地域は埼玉県 62% 神奈川県 54% 東京都 49% の順であった 12 年から17 年の耕作放棄地の増加率は平地農業地域 都市的地域で高くなっており 都県別では 平地農業地域は山梨県 48% 栃木 27% 茨城県 24% 都市的地域は栃木県 37% 茨城県 28% 東京 20% の順であった ( 表 Ⅱ-2-37) 表 Ⅱ-2-37 農業地域類別耕作放棄地状況 ( 平成 17 年 ) ( 単位 :ha %) 都 市 的 地 域 管内 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都神奈川県山梨県 長野県 静岡県 耕作放棄地面積 45,118 7,202 3,001 4,023 8,560 7, , ,699 7,549 耕作放棄地率 耕作放棄地の増加率 平 地 農 業 地 域 管内 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都神奈川県山梨県 長野県 静岡県 耕作放棄地面積 27,962 8,957 2,072 3,353 2,144 7, ,583 1,630 耕作放棄地率 耕作放棄地の増加率 中 間 農 業 地 域 管内 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都神奈川県山梨県 長野県 静岡県 耕作放棄地面積 27,992 4,198 3,117 4,731 1,129 2, ,202 6,048 1,788 耕作放棄地率 耕作放棄地の増加率 山 間 農 業 地 域 管内 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都神奈川県山梨県 長野県 静岡県 耕作放棄地面積 9, , ,784 3, 耕作放棄地率 耕作放棄地の増加率 資料 : 農林水産省 2005 年農林業センサス ( 関東農政局農村計画部農村振興課において再集計した値である ) 注 :1) 耕作放棄地率 = 地域類型別の耕作放棄地面積 ( 地域類型別の経営耕地面積 + 地域類型別の耕作放棄地面積 ) 100(%) 小数第 2 位を四捨五入 耕作放棄地面積 は 農家及び土地持ち非農家の耕作放棄地面積の計である 経営耕地面積 には 土地持ち非農家の耕地は含まれていない 2) 耕作放棄地の増加率 =(H17/H12) (%) H12の数値は H17の市町村別地域区分に再整理した もので 農家以外の農業事業体 ( 経営耕地面積が10a 以上の世帯 ( 農家 ) 以外等 ) の保有する耕作 放棄地が含まれている 3)17 年には東京都三宅島村が含まれていない 4) 端数処理のため 内訳の和が計と一致しない場合がある 一方 耕地及び作付面積統計 による管内の毎年の耕作放棄の発生面積は3,200ha(14 年 ) 2,140ha(15 年 ) 2,400ha(16 年 ) 2,040ha(17 年 ) 1,950ha(18 年 ) で16 年を除いて減少傾向にあり 18 年は過去 5 年間で最も少ないものとなっている 管内都県別の過去 5 年間に発生した耕作放棄地累計面積は千葉県 3,028ha 群馬県 2,286ha 長野県 1,872ha 茨城県 1,858haの順であったが 18 年の発生面積は千葉県 723ha 静岡県 297ha 長野県 254ha 茨城県 233haの順であった ( 表 Ⅱ-2-38)

51 表 Ⅱ 過去 5 年間の耕作放棄の発生面積 ( 平成 1 4 ~ 1 8 年 ) ( 単位 : h a ) 都県名 平成 1 4 年 平成 1 5 年 平成 1 6 年 平成 1 7 年 平成 1 8 年 合 計 茨城県 ,858 栃木県 群馬県 ,286 埼玉県 千葉県 ,028 東京都 神奈川県 山梨県 長野県 ,872 静岡県 ,322 管 内 3,200 2,140 2,400 2,040 1,950 11,724 全 国 17,000 14,300 11,400 11,100 11,400 65,240 資料 : 農林水産省 耕地及び作付面積統計 注 : 1 ) 耕作放棄 とは耕作の用に供されていたが 耕作し得ない 状態 ( 荒地 ) になったことが確認された土地をいう 2 ) 端数処理のため 内訳の和が計と一致しない場合がある イ耕作放棄地の解消に向けた取組平成 17 年の農業経営基盤強化促進法の改正により 市町村基本構想に遊休農地等の所在を明確化するとともに体系的な遊休農地対策が整備され 市町村等の地域が主体的に耕作放棄地解消に向けて取り組むこととされている 遊休農地対策の体系としては 農業委員会から遊休農地等の所有者等に対し 遊休農地等の農業上の利用の増進を図るための指導 市町村長から遊休農地等の所有者等への 特定遊休農地 の通知 市町村長から特定遊休農地の所有者等に対する勧告 農地保有合理化法人等による利用権設定等の協議等を行い 遊休農地等の所有者等がこれらの指導 勧告 利用権設定等の協議等に応じない場合 最終的には都道府県知事の裁定による当該特定遊休農地について利用権の設定を可能とし また 市町村長は特定遊休農地の管理に関し その周辺農地の営農条件への著しい支障 ( 病害虫の発生等 ) の除去または発生の防止が必要な場合には 当該特定遊休農地の所有者等に対し 草刈り等の措置を講ずべきことを命ずることができるなどとなっている ( 図 Ⅱ-2-9) 本法に基づく遊休農地等の所有者等に対する農業委員会の指導件数 面積は 近年増加傾向にある ( 表 Ⅱ-2-39)

52 図 Ⅱ-2-9 遊休農地の農業上の利用増進に関する措置の概要 ( 農業経営基盤強化促進法 ) 遊休農地の農業上の利用の増進を図るための措置 1 農業上の利用の増進を図るための指導 ( 農業委員会 遊休農地等の所有者等 ) 2 耕作されない場合には 農業委員会から市町村長に対して 遊休農地等の所有者等への 特定遊休農地 である旨の通知を要請 3 特定遊休農地 の通知 4 農地の利用計画の届出 ( 市町村長 遊休農地等の所有者等 ) ( 特定遊休農地の所有者等 市町村長 ) 利用計画に農地の利用権設定等についてあっせんを受けたい旨の記載がある場合 農業委員会による利用調整利用計画が基本構想の達成に支障が生じるおそれがある場合 5 必要な措置を勧告 ( 市町村長 特定遊休農地の所有者等 ) 勧告に従わない場合 6 利用権設定等の協議 ( 農地保有合理化法人 市町村又は特定農業法人を対象として利用権設定等の協議を行う ) 市町村長が協議を行う旨を通知協議が不調等の場合に 7 利用権設定等の調停知事が調停 8 特定利用権の設定 ( 裁定 ) 調停案が受諾されない場合に 知事が裁定 周辺農地の営農条件への著しい支障の除去または発生防止にかかる措置命令特定遊休農地の管理特定遊休農地において病害虫の発生等により その周辺農地の営農条件への著しい支障の除去または発生の防止が必要な場合 特定遊休農地の所有者等に対する措置命令 ( 草刈り等 ) 所有者等不明の場合は 市町村が自ら実施 注 : 所有者等 とは 遊休農地等の所有者及び所有権以外の権原に基づき使用または収益を有する者をいう この所有者等が 市町村長から 特定遊休農地 である旨の通知を受けた場合は 特定遊休農地 の所有者等となる 表 Ⅱ-2-39 農業経営基盤強化促進法第 27 条の実績 ( 関東農政局管内 ) ( 単位 : 件 ha) 年度事項 13 年 14 年 15 年 16 年 17 年 1 農業委員会から遊休農地等の所有者 1,977 2,477 2,378 3,602 3,716 等への 農業上の利用増進を図るた め必要な指導の件数 面積 資料 : 関東農政局調べ注 : 事項欄の事項 1 は 上図 遊休農地の農業上の利用増進に関する措置の概要 の 1 の手続にあたる

53 関東農政局では 遊休農地活用に関し地方公共団体を支援するため 16 年度に局内に設けた 遊休農地活用検討会 を 17 年度に 遊休農地活用支援チーム に改組し 18 年度においては 特に 新規 拡充された遊休農地関連施策の考え方や具体的内容が直接かつ速やかに浸透するよう 都県及び市町村に対し 助言 情報提供等を行った ( 表 Ⅱ-2-40) 表 Ⅱ-2-40 遊休農地活用支援チームにおける現地支援活動支援市町村茨城県 常陸大宮市 ( 中間農業地域 ) 耕作放棄地面積 :1,253ha 経営耕地面積 2,695ha 耕作放棄地率 :32% 耕作放棄地増加率(17 年対 12 年比 ):26% 遊休農地の発生理由中山間地域であるため 土地条件が悪い 農家の農地に対する資産保有意識が強く貸さない 農業者の兼業化 高齢化 後継者不足 相続による 土地持ち非農家の農地所有の増加 米と比べて作業の機械化の対応が遅れている畑作物では 担い手に農地を集積しにくい 遊休農地解消への取組内容今後の対策 中山間地域等直接支払制度事業を行っている 特定法人貸付事業 ( 注 ) を 市単独で流動化借り手助成金事業を行っている 基本構想に位置付けて事業導入を図りたい ( 注 ) 特定法人貸付事業 とは 市町村または農地保有合理化法人が特定法人( 農業生産法人以外の法人であって 一定の要件を満たすもの ) に対し 農地の貸付けを行う事業をいう ( 農業経営基盤強化促進法第 4 条第 4 項 第 27 条の13) P.118 参照 栃木県 芳賀町 ( 平地農業地域 ) 耕作放棄地面積 :139ha 経営耕地面積 3,479ha 耕作放棄地率 :3% 耕作放棄地増加率(17 年対 12 年比 ):33% 遊休農地の発生理由農業従事者の高齢化 労働力不足 農産物価格の低迷などから 農業への意欲の衰退遊休農地解消への取組内容今後の対策 農地パトロールを実施した結果として 遊休農地地図を作成農家意向アンケートを実施し 解消に活用している して 農地貸借環境の把握に 国の遊休農地再生活動緊急支援事業 県の優良農地確保支援努める 事業及び町の農地流動化奨励金を活用して 遊休農地解消に取り組んでいる 農地台帳を更新して 解消活動の基礎資料とするためのシステム開発に取り組む 千葉県 印西市 ( 平地農業地域 ) 耕作放棄地面積 :287ha 経営耕地面積 1,159ha 耕作放棄地率 :20% 耕作放棄地増加率(17 年対 12 年比 ):23% 遊休農地の発生理由谷津田等 条件不利地域が多い 農業者の高齢化遊休農地解消への取組内容今後の対策 農業委員による農地パトロール 耕作者アンケートを実施し遊休農地の現状把握 家のて 遊休農地地図を作成している 営農意向調査の実施 国の遊休農地再生活動緊急支援事業を実施して 実態把握に農業版ハローワークを設立取り組んでいる して 農家の労働力不足を支援する ( 援農ボランティア )

54 優良事例市町村山梨県 北杜市 ( 中間農業地域 ) 耕作放棄地面積 :1,028ha 経営耕地面積 3,362ha 耕作放棄地率 :23% 耕作放棄地増加率(17 年対 12 年比 ):-6% 遊休農地解消への取組内容今後の対策 取組時期: 平成 8 年 ~ 解消面積 :39ha( 明野地区 ) 地域農業の再編に向け 国の畑地帯総合整備事業( 担い手育成型 ) により解消た新たな具体的な地域農 同事業では 営農目的別に団地計画を策定している( 専業自立経業の展開が必要なので 営農家団地 観光農園団地 兼業農家経営団地 ) その検討をする 長野県 川上村 ( 山間農業地域 ) 耕作放棄地面積 :30.6ha 経営耕地面積 1,725ha 耕作放棄地率 :2% 耕作放棄地増加率(17 年対 12 年比 ):-15% 遊休農地解消への取組内容 その経緯 問題点今後の対策 解消面積:5.3ha 遊休農地も活用したレ 担い手等への農用地の利用集積により解消タスの生産振興を推進す レタスの連作障害回避のため 新しい農地を求める傾向がある る 輸入農産物の増加による野菜価格の低迷等により生産意欲が停滞気味資料 : 関東農政局調べ注 :1) データは調査時点のものである 2) 耕作放棄地面積 経営耕地面積は2005 年農林業センサスの概数値による 3) 耕作放棄地 とは 所有している耕地のうち 過去 1 年以上作付けせず しかもこの数年の間に再び作付けする考えのない耕地をいう 転作のため休耕している耕地で 今後作付けする考えのある耕地は含まない 4) 農家 とは 経営耕地面積が10a 以上または販売金額が15 万円以上の世帯をいい 土地持ち非農家 とは 農家以外で耕地及び耕作放棄地を合わせて5a 以上所有している世帯をいう 5) 耕作放棄地率 = 耕作放棄地面積 ( 経営耕地面積 + 耕作放棄地面積 ) 100(%) 小数第 1 位を四捨五入 耕作放棄地面積 は 農家及び土地持ち非農家の耕作放棄地面積の計である 経営耕地面積 は 土地持ち非農家の耕地は含まれていない 6) 耕作放棄地増加率 =(H17/H12) 100(%)-100 (%)

55 4 鳥獣害対策の推進 17 年度の被害面積は 1 万 8 千 ha 被害金額 32 億円 管内における17 年度の野生鳥獣による農作物被害面積は1 万 8 千 ha 被害金額は32 億円となっており 前年度より減少したものの依然として深刻な問題となっている ( 表 Ⅱ-2-41) 表 Ⅱ-2-41 管内における野生鳥獣による農作物被害状況 ( 平成 13~17 年度 ) ( 単位 : 千 ha 百万円 %) 13 年 14 年 15 年 16 年 17 年 区分対前年比対前年比対前年比対前年比対前年比 鳥被害面積 類被害金額 1, , , , , 獣被害面積 類被害金額 1, , , , , 管被害面積 内被害金額 3, , , , , 全被害面積 国被害金額 21, , , , , 資料 : 関東農政局調べ注 :1) 都道府県からの報告による 2) 少数点以下を四捨五入しているため 計が一致しない場合がある 鳥獣害対策の情報の提供や共有化を推進 ア関東地域野生鳥獣対策連絡会議の開催関東農政局では 18 年 10 月 管内各都県の環境 林野 農政の各部局 有識者 関係省庁等の関係機関で組織する 関東地域野生鳥獣対策連絡会議 (16 年 5 月設立 ) を開催し 鳥獣害対策についての意見交換 情報提供及び情報の共有化を図るとともに さらなる連携強化を推進した イホームページによる鳥獣害対策に関する情報提供 17 年 6 月より 関東農政局ホームページに 鳥獣害対策情報 ( go.jp//seisan_bu/nousan_ka/chojyu/chojyutop.htm) を掲載し 鳥獣害対策に関する各種情報の提供 共有化に努めた

56 ウ関東 東北地区鳥獣害防止対策フォーラムの開催関東農政局では19 年 1 月 関東 東北地区鳥獣害防止対策フォーラム を開催し 関東 東北農政局管内での取組等についての事例報告 意見交換を行い ブロックを越えた連携を強化し 鳥獣害の防止対策を推進した 本フォーラムの概要を 鳥獣害の背景 ( 生息調査を含む ) 実態 対策別に整理すると 表 Ⅱ-2-42のとおりとなる 鳥獣害防止対策フォーラム被害対策としては 1 個体数調整 ( 駆除及び捕獲 ) のための捕獲技術の向上 捕獲後の処理技術及び有効利用の開発 2 被害防除 ( 柵 忌避剤 ) のための柵の改良や工夫 恒久柵と一時柵 ( 小型電気柵等 ) の使い分け 3 農地や集落の環境整備 :[ 未利用果樹や廃棄野菜等の除去 人と野生動物を隔てる緩衝地帯の創設 ( 草刈 不要木伐採等 ) 森林の改変や利用 ( 広葉樹林化 間伐 林間放牧等の林地利用 )] 等に取り組む必要がある 表 Ⅱ-2-42 鳥獣害の背景 実態 対策 ( 関東 東北地区鳥獣害防止対策フォーラム ) 英大文字は 発表内容 講演者 ( 表下の凡例参照 ) A: 山奥のカラマツ造林地化 ( 生息域の減少 ) 里山の放置による生息地となる広葉二次林の成熟 遊休農地の増加による里山からの侵入経路の増加により クマが人里に降りる傾向が増加 ( 長野県 ) B: イノシシの繁殖能力は高く 2 歳で性成熟して 毎年 2 頭程の子どもを残す 全国的にみて 関東地域では平地に生息分布を広げつつある C: 糞粒法 ( 糞粒を数えその密度からシカの生息密度を算出する方法 ) によりシカの生息密度分布図を作成し 生息密被度の変化を把握 ( 対象範囲 : 害東京都奥多摩町と檜原村の全の域 青梅市西部 あきる野市背と日の出町の一部 ) 低密度景分布だった多摩川の南側の地 域が高密度化しており 緊急生にシカの被害対策が必要 ( 右息図 ) 調査白色 :0 頭水色 :2 頭未満黄色 :2 頭以上 10 頭未満ピンク色 :10 頭以上 D:18 年のツキノワグマの大量出没の原因 : 秋季のブナ科堅果とマメザクラ等の液果 多摩川の北側 多摩川の南側 多摩川の北側 多摩川の南側 シカ生息密度分布の変化 シカ生息密度分布の変化 1 メッシュの面積は 1km 2 の不作に加え 集落内の放棄桑園 放棄果樹や人家と隣接した生ごみ ( 廃棄果樹等 ) 投棄地の存在がツキノワグマを住宅地まで誘引した可能性 ( 山梨県 ) E: 野生生物の保護管理計画の策定 実施のため 生態調査 ( ツキノワグマ ニホンジカ アメリカミンク ) 捕獲固体のサンプル収集及び分析 ( ツキノワグマ ニホンジカ ニホンカモシカ ) 被害対策の普及啓発を実践 ( 長野県 ) : 0 頭 : 2 頭未満 : 2 頭以上 10 頭未満 : 10 頭以上 : 0 頭 : 2 頭未満 : 2 頭以上 10 頭未満 : 10 頭以上 図糞粒法によるシカ生息密度の分布 (2004 年 ) 1 メッシュの面積は 1 km 2 シカ生息数調査結果 図糞粒法によるシカ生息密度の分布 (2005 年 ) 2 積 2004 年 km 2005 年 km シカの糞

57 A: ツキノワグマによる獣害 : 年々増加 ( 長野県 ) B: 特に関東 東北地区でイノシシによる被害が拡大傾向被 ( 右図 ) 害実 D: 近年 野生動物 特にツキノワグマやニホンザルの出態没被害が深刻化 ( 山梨県 ) 被害面積の変化 (H14 15 年度間の比較 ) 増加 50% 以上濃い赤 50% まで赤 25% まで橙 10% までピンク減少 -10% まで薄い青 -25% まで青 -25% 以上濃い青 西日本で被害面積が激減被害対策の効果か 耕作地の減少か? 分布周辺地域で急増関東で増加 今後 東北が懸念 動物 A 地域ごとの個体群の生息状況を把握して捕獲上限を設定の 生息地を確保 管理するために 強度間伐により林内に日光を取り込みナラ類の個体育成を誘導することにより 広葉樹を含む多様な森林の整備を図る 数対管理 B: 個体数調整 ( 駆除及び捕獲 ) のための捕獲技術の向上 捕獲後の処理技術及び有効利用の開発 A 学習放獣の実施 ( 捕獲したクマに人間の怖さ ( 犬による吠いかく策えと追いかけ スプレー 花火 人の声等による威嚇 ) を被害学習させたうえで山奥に放す ( 右写真 ) 防止 緩衝帯の環境整備( 農地と里山の間の原野の草刈り 立木伐採 ごみ処理によるクマの隠れ家の除去 ) 電気柵の設置 剥皮( はくひ ) 被害の防止のため造林木にテープ巻き付け ベアドック( クマ対策犬として育成したカレリアン ベアドッグ ) による通学路等でのパトロール ( 右写真 ) 県民への普及啓発活動 ( 地元学校でのクマについてのレクチャー チラシ パンフレットの作成 地元広報誌 ホームページ等を活用して 保護管理の考え方 追い払いの告 ( 写真提供 : 知 生ごみ等の誘引物管理 最新のクマ情報等を提供 ) NPO 法人ピッキオ ) B: 西日本では多くの場合 試験研究機関の活動を基に行政 研究者 狩猟者 柵 ネット 罠等のメーカー 農家等の各主体間の連携を図り 3 つの被害対策 (1 個体数調整 2 柵等の被害防除設備の整備 3 農地や集落の環境整備 ) の確立に向けた活動が発展しており 関東地域においても試験研究機関 ( 特に農業試験場 ) の活躍が期待される F: 電気柵によるクマの牛舎への侵入防止 : 効果あり ( 柵設置によるクマの出没状況の変化を赤外線センサーカメラにより調査 ) 人間の活動から生じる餌( 飼料 生ごみ等 ) への執着には個体差があるため 学習放獣と電気柵のような物理的防除を併用して 執着の強い個体を選択的に殺処分にすれば 被害を防ぐと同時に個体群へ過度に捕獲圧も避けられると予想凡例 : 発表内容 講演者 A: ツキノワグマ対策の現状と課題 - 長野県内の事例を基に- NPO 法人ピッキオ ( 田中純平保護管理部ディレクター B: イノシシ対策の現状と課題 - 分布拡大に対応するには- ( 独 ) 中央農業総合研究センター鳥獣害研究サブチーム仲谷淳上席研究員 C: 東京都におけるシカ生息密度分布図の変化東京都農林総合センター都市環境課新井一司研究員 D: ツキノワグマの食物環境と栄養状態に関する研究山梨県環境科学研究所吉田洋研究員 E: 野生生物の生態と保護管理に係るモニタリングに関する調査研究長野県環境保全研究所自然環境チーム岸元良輔動植物生態ユニットリーダー F: ツキノワグマの被害対策としての電気柵設置の効果栃木県県民の森管理事務所鳥獣課松田奈帆子技師

58 エ鳥獣害防止技術の普及 啓発関東農政局では 茨城県つくば市 ( 独 ) 農業 食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センターリサーチギャラリー において 18 年度農作物鳥獣害防止対策技術検討会 を開催し 農作物被害防止効果の高い防止技術の習得と地域への普及を図った ハクビシン防除機材の設置実演と説明埼玉県農林総合研究センター古谷益朗主任研究員ハクビシンによる被害は人の出入りが多い観光果樹園等において多く発生している ハクビシンは 河川や側溝等の水周辺から侵入することが多く 垂直方向のジャンプ力は前足が110cmまでとどき 足が引っかかる物なら何でも登る また 防風ネットの隙間を広げるのは得意で ちょっとした隙間から侵入することができる 乾電池式電気柵と防風ネットを組み合わせたハクビシンの防除技術 ( 右図 ) は 金属のブドウ棚全体をマイナスとし 侵入するときに必ず通過する棚上部にプ防除機材の略図 ( 提供 : 古谷益朗研究員 ) ラスのワイヤーを1 本設置する 本防除機材のメリット 効果 労力がかかる点 課題として次のことが挙げられる メリット 効果労力がかかる点 課題設置や移動が簡単ブドウの枝の成長による漏電や侵入を試みた最初の個体の接草による漏電の心配がな触によるワイヤーのずれにより漏電が想定されるため 設置中い は毎日 点検する必要がある 電気柵と比べ安価な設置棚を利用する作物であれば 上述の設置方法が可能と考えらが可能 ( ホームセンター販れるが 棚を利用しない作物やミカン等の斜面を利用して栽培売材料 ( 結束バンド等 ) やされている作物については新たに方法を考える必要 ( 現在 パ廃材の利用が可能 ) イプハウスの骨材の直管パイプと防風ネットを組み合わせた電気柵を試験中 ) モンキードッグ事業( イヌを用いたニホンザルの被害防止対策 ) の概要について群馬県利根沼田県民局農業振興課地域生産グループ宮内誠氏群馬県では 犬 ( モンキードック ) を使ったサルの追い払い事業を実施している 本事業のメリット 効果 労力がかかる点 課題として次のことが挙げられる メリット 効果労力がかかる点 課題サルの被害をほぼ無くすことが可効果が極めて小さな地域に限定される 能 ( 電気牧柵や網では不可能 ) 実証追い上げを行う時は吠えないでサルを追うため では サルの群を発見するとモンキどこに犬がいるか不明となる 犬の回収は短くて1 ードッグはサルを追いかけ サルの時間 長いと2 時間以上かかる場合があるため 犬群は山の上側や横側に逃げ 追い上に鈴やテレメトリー ( 発信機 ) を付けることを検討げの効果も確認できた する必要電気牧柵等の対策費用から考える不定期に多発するサルの出現の連絡に対し すべと低コスト ( 農家の飼い犬の訓練費て出動する事は不可能であり 出動態勢の再検討が用が中型犬 1 頭で 25 万円前後 他に必要餌代として年間約 3 万円 )

59 鳥獣プロ研究成果報告農林水産技術会議では 主管事業として農林水産プロジェクト研究 野生鳥獣による農林業被害軽減のための農林生態系管理技術の開発 ( 鳥獣プロ )( 平成 13~17 年度実施 ) を実施した 鳥害 :( 独 ) 農業 食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター鳥獣害研究サブチーム百瀬浩チーム長鳥害研究として ヒヨドリの渡来数予察システムの開発 を実施している トウネズミモチ ( モクセイ科の植物 ) の液果の豊凶から農地へのヒヨドリの渡来数の予測を行うことにより 農作物被害対策の有無や実施の程度の早期決定を目指している 獣害 :( 独 ) 森林総合研究所野生動物研究領域鳥獣生態研究室小泉透室長個体数管理の技術検証 ( シカ ) 被害発生要因 予察及び軽減方法の開発( サル イノシシ ) の研究成果として 野生動物の農林業被害にいかに対処するか 野生動物との共存に向けて- - 農林業における野生獣類の被害対策基礎知識 -シカ サル そしてイノシシ- を作成し配布した( index.htmで閲覧可能 ) オ農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー 18 年 7 月より地域における被害防止対策の実施に際し 助言等を行うことができる専門家を 農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー として農林水産省に登録し 地域の要請に応じて紹介する制度がスタートし 18 年度は関東管内 16 地域に専門家を派遣し指導に努めている (19 年 3 月末現在 : 全国の登録者数 99 名のうち関東農政局推薦分 27 名 ) カ課題及び今後の取組 ( ア ) 情報の提供及び共有化被害防止対策の推進には 関係者のさらなる連携強化 情報の共有化が必要であることから 引き続き 関東地域野生鳥獣対策連絡会議及び鳥獣害防止対策フォーラムを開催するほか ホームページ ( chojyutop.htm) による情報発信についても充実を図っていくこととしている ( イ ) 技術指導等にかかわる人材育成関東地域においては 今後 野生獣の生息域の拡大に伴う農作物被害の増加に対応するため 総合的な被害防止体制の確立が必要であり そのためには防止技術等を含めた正しい情報の提供のみでなく 各段階において対策の核となる人材が必要とされている 関東農政局としては 技術指導及び人材育成の観点から鳥獣に関する知識や防止技術の習得のための研修を引き続き開催することとする

60 5 農地流動化の現状と課題 今後の方向ア農地流動化の現状 ( ア ) 農地流動化面積 農地流動化面積は緩やかな増加傾向 管内における農地流動化面積 ( フロー値 ) は緩やかな増加傾向にあり 17 年は16,400ha と前年に比べ約 650ha 増加した ( 表 Ⅱ-2-43) 表 Ⅱ-2-43 管内の農地流動化面積の年次別推移 ( フロー )( 平成 8~17 年 ) ( 単位 :ha) 8 年 9 年 10 年 11 年 12 年 13 年 14 年 15 年 16 年 17 年 農地法による 有償所有権 1, , , , , , , , , ,975.1 移転 届出 基盤強化法に よる有償 所有権移転 農地法による 賃借権設定 基盤強化法に よる利用権設 7, , , , , , , , , ,888.8 定 ( 賃借権 + 使用貸借権 ) 管内 10, , , , , , , , , ,410.9 全国 109, , , , , , , , , ,699.8 資料 : 農林水産省 土地管理情報収集分析調査 注 :1) 農業経営基盤強化促進法 は 基盤強化法 と略記している 2) ラウンドにより 計と内訳が一致しない場合がある ( イ ) 利用権設定面積 17 年度末の利用権設定率は 8.5% 管内の18 年 3 月末現在の利用権設定面積 ( ストック値 ) は前年に比べ7,029ha 増加し 73,195haとなった ( 図 Ⅱ-2-10)

61 図 Ⅱ-2-10 利用権設定面積 ( ストック値 ) の推移 ( 平成 7~17 年 ) 80,000 ha 73,195 70,000 60,000 50,000 44,395 45,543 46,682 48,490 50,160 53,736 58,069 60,292 63,650 66,166 40,000 30,000 20,000 10, 年 8 年 9 年 10 年 11 年 12 年 13 年 14 年 15 年 16 年 17 年 資料 : 関東農政局調べ注 : 平成 6 年から 11 年までは 12 月末現在 12 年以降は翌年 3 月末現在の数値 また 18 年 3 月末現在における 農業経営基盤強化促進法に基づく農用地利用集積計画を作成した市町村内の農用地面積に占める 利用権設定面積 ( ストック値 ) の割合 ( 利用権設定率 ) は 管内で8.5% となっており 都県別には長野県 12.9% 栃木県 12.7% 千葉県 8.0% 群馬県 7.6% の順となっている ( 図 Ⅱ-2-11) 図 Ⅱ-2-11 利用権設定率 ( 平成 18 年 3 月末現在 ) % 茨城栃木群馬埼玉千葉東京神奈川山梨長野静岡管内 資料 : 関東農政局調べ

62 イ 農地保有合理化事業の実施 農地売買等事業実績 (16 17 年度末比較 ) は 都県農業公社での新規貸付面積が増加 市町村段階の農地保有合理化法人での新規貸付面積は微減 農地保有合理化事業は 農地保有合理化法人が離農したり規模を縮小する農家等から農用地を取得し 一定期間保有した後 規模拡大を図る農家等に再配分する事業である 管内における農地売買等事業実績を16 17 年度末で比較すると 都県農業公社の農地売買事業では 買入面積は7.2ha 減少 売渡面積は9.4ha 減少 また 貸借事業では 新規借入面積は105.0ha 新規貸付面積は61.2haそれぞれ増加した( 表 Ⅱ-2-44) 市町村段階の農地保有合理化法人の貸借事業では 新規借入面積は44.7ha 増加 新規貸付面積は0.3ha 減少した また 農地売買事業では 17 年度は管内の実績はなかった 表 Ⅱ-2-44 平成 17 年度農地保有合理化事業の農地売買等事業実績 ア 都県農業公社 ( 単位 : 件 10a) 売買事業 貸借事業 都 県 名 買 入 売 渡 新規借入 新規貸付 件数 面積 件数 面積 件数 面積 件数 面積 茨 城 県 栃 木 県 277 1, , 群 馬 県 埼 玉 県 千 葉 県 東 京 都 神 奈 川 県 山 梨 県 長 野 県 静 岡 県 管 内 807 2, , , ,058 平成 16 年度 797 2, , 資料 : 関東農政局調べ イ 市町村段階の合理化法人 ( 単位 : 法人 件 10a) 市町村段階の合理化法人数 貸借事業 都県名市町村新規借入新規貸付農協市町村合計農業公社件数面積件数面積 茨 城 県 , ,357 栃 木 県 ,124 6,038 1,124 6,038 群 馬 県 , 埼 玉 県 千 葉 県 東 京 都 神 奈 川 県 山 梨 県 長 野 県 ,813 4,981 2,849 5,084 静 岡 県 , ,665 管 内 ,614 17,218 6,355 17,380 平成 16 年度 ,330 16,271 5,509 17,383 資料 : 関東農政局調べ

63 農地保有合理化担い手育成地域推進事業は 地域水田農業ビジョンの目標を実現するために 農地保有合理化法人が水田農業地帯において農用地の利用計画を策定し 利用調整に対する支援やハード面の整備を行うことにより担い手に対する利用集積を促進する事業で 管内では5 地区で取り組まれている ( 表 Ⅱ-2-45) 表 Ⅱ-2-45 平成 17 年度農地保有合理化担い手育成地域推進事業実績 県 ( 単位 :ha) 利用集積の地区内の名市町村名農地保有合理化法人名実施地区名新規 継続面積 (17 年度末 ) 農用地面積うち担い手分 茨 城 ( 財 ) 茨城県農林振興公社 64 県龍ヶ崎市龍ヶ崎南東部継続 ( 財 ) 龍ヶ崎市農業公社 (H12 年度末現在 ) 羽 生 市 ( 社 ) 埼玉県農林公社 羽 生継続 2,222 (H15 年度末現在 ) 埼玉県鴻 巣 市 川 里継続 1,030 (H15 年度末現在 ) 加 須 市 加 須新規 2,068 (H16 年度末現在 ) 1, 静 岡 県藤 枝 市大井川農業協同組合 大 洲新規 1,660 (H12 年度末現在 ) 管 内 5 地 区 7,044 2,779 1,430 資料 : 関東農政局調べ ウ 農地流動化の課題 今後の方向 各種補助事業の積極的活用 我が国の農業は 近年の農業を取り巻く社会的 経済的諸条件の変化に伴い 農業従事者の兼業化 高齢化の進行とこれに伴う担い手の減少 耕作放棄地の増加等の構造的な諸問題に加え 農産物輸入の増加等の国際化が急激に進展している このような情勢のなか 食料 農業 農村基本法の基本理念である1 食料の安定供給の確保 2 農業の持続的な発展 3 農業の多面的機能の発揮 4 農村の振興等の実現を図るためには 効率的かつ安定的な農業経営の育成及びそれらの農業経営に対する農地の利用集積の促進により それら農業経営が地域の農業生産の相当部分を担う農業構造を確立することが喫緊の課題となっている 具体的には 17 年 3 月に閣議決定された新たな 食料 農業 農村基本計画 とともに 農林水産省が効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う望ましい農業構造の姿を明らかにし これを 農業構造の展望 として示した この 農業構造の展望 を実現するためには 農業経営基盤強化促進法に基づいて市町村が策定した 市町村基本構想 において示した農用地の利用集積に関する目標を達成することが重要である このため17 年度に創設された担い手農地情報活用集積促進事業等の補助事業を活用し 農地流動化を取り巻く課題を解決して農地の利用集積を図ることとしている

64 農地利用集積対策等の積極的な活用 農業構造の展望 の着実な達成に向けて 流動化関連機関の連携及び流動化関連事業の総合的な実施等に向けた体制整備を図っている 今後はこれらの活動が定着してきたことを踏まえ 市町村の自主的な取組を一層推進する必要がある また 農地利用集積対策等については 農政局 管内各都県及び都県農業団体が連携して市町村への巡回指導等を行うことにより推進を図ってきたところである 今後はこれまでの成果を踏まえ さらに本対策の活用に向けた取組の推進を図ることが必要となっている このため 次のような方向で農地の利用集積を推進している ( ア ) 担い手農地情報活用集積促進事業の活用インターネット等により農地情報を収集 公開し 地域外から広範に農地の引き受け希望者を募集できる仕組み ( 農地情報集積の場 を活用した農地取引) を構築することにより 担い手への農地の利用集積を広域的 集団的に促進する また 地域農業者の合意のもとに担い手への農地の面的集積を促進するとともに 認定農業者の経営の規模拡大に伴う経費の負担軽減を図る ( イ ) 認定農業者農地等利用調整促進支援 ( 担い手総合緊急支援事業 ) の活用認定農業者から利用権の設定を受けたい旨の申し出があった場合に その申出の内容を勘案して集落営農の組織化に向けた取組との調整を図りつつ 認定農業者への農地の利用集積を促進するための活動を行う ( ウ ) 水田農業経営構造確立緊急対策 ( 強い農業づくり交付金のうちハード交付金 ) の活用担い手への農地集積に関するより高い目標を立てた地域が 目標を実現するために必要とする機械 施設整備や土地基盤整備等の支援を行う

65 6 農地転用の現状 管内の農地転用面積は前年より増加 管内における平成元年以降の農地転用面積 ( 農業経営基盤強化促進法による農業用施設用地のための農地の転用を除く 以下同じ ) は 3 年の1 万 243haをピークとして以後減少を続けていた 15 年は前年より210ha 増加し 16 年は前年より88ha 減少し 17 年は5,496 haと 前年より217ha 増加した ( 図 Ⅱ-2-12) 図 Ⅱ-2-12 農地転用面積の推移 ( 平成 3 年 ~17 年 ) ha 40,000 35,000 30,000 25,000 20,000 15,000 10,000 5, 年 4 年 5 年 6 年 7 年 8 年 9 年 10 年 11 年 12 年 13 年 14 年 15 年 16 年 17 年 全国 35,781 34,581 31,347 29,292 28,969 28,544 26,251 24,206 22,411 21,658 19,720 18,183 17,966 17,634 16,954 全国許可 20,840 18,698 16,847 15,252 15,144 14,839 13,880 13,246 11,873 11,385 10,325 9,419 9,339 9,452 9,058 全国大臣許可 3,127 2,709 2,580 1,860 1,953 1,286 1,088 1, 管内 10,243 9,989 9,066 8,692 8,309 7,745 7,098 6,789 6,543 6,035 5,572 5,157 5,367 5,279 5,496 管内許可 5,646 5,123 4,576 4,352 4,204 3,962 3,722 3,524 3,213 3,034 2,799 2,570 2,619 2,541 2,678 管内大臣許可 資料 : 農林水産省 農地の移動と転用 注 :1) 農業経営基盤強化促進法による農業用施設用地のための農地の転用を除く 2) 平成 10 年 11 月の農地法の一部改正により 農林水産大臣による農地転用許可の対象が 農地転用面積 2ha 超から 4ha 超に改められた 全国における元年以降の農地転用面積も3 年の約 3 万 6 千 haを最高に17 年は 約 1 万 7 千 haとなっており バブル経済崩壊以降の景気低迷等を反映し 農地転用面積は減少している 管内における17 年の農地転用面積を都県別にみると 埼玉県の973ha 千葉県の878ha 茨城県の756haの順となっている 管内で最も少ないのは山梨県の197haである ( 表 Ⅱ-2-46)

66 表 Ⅱ-2-46 管内各都県別農地転用面積の推移 ( 平成 8 年 ~17 年 ) ( 単位 :ha %) 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 山梨県 長野県 静岡県 管内 全国 年 % % % % % % % % % % % % 8 年 , , , , 年 , , , , 年 , , , , 年 , , , 年 , , 年 , , 年 , , 年 , , 年 , , 年 , , 資料 : 農林水産省 農地の移動と転用 注 :1) % は 前年比であり 端数処理のため一致しない場合がある 2) 農業経営基盤強化促進法による農業用施設用地のための農地の転用を除く 農地転用面積を用途別にみると 工鉱業 商業サービス等用地が2,477haで全体の45.1% を占め 次いで住宅用地が2,135haで全体の38.9% となっており この2つの用途で全体の84.0% を占めている ( 表 Ⅱ-2-47) 表 Ⅱ-2-47 管内用途別農地転用面積 ( 平成 8 年 ~17 年 ) ( 単位 :ha %) 住宅用地 工鉱業 商業 学校用地 公園 道水路 植林 その他 計 サービス等 運動場用地 鉄道用地 年 % % % % % % % % 8 年 2, , , 年 2, , , 年 2, , , 年 2, , , 年 2, , , 年 2, , , 年 1, , , 年 1, , , 年 1, , , 年 2, , , 全国 (17 年 ) 5, , , , , 資料 : 農林水産省 農地の移動と転用 注 :1) % は 構成比であり 端数処理のため一致しない場合がある 2) 農業経営基盤強化促進法による農業用施設用地のための農地の転用を除く 3) 工鉱業 商業サービス等用地 には 駐車場 資材置場 農林漁業用施設 官公署 病院 ゴルフ場等の用地を含む 4) 平成 10 年の農地法の一部改正を機に調査項目の全体の見直しが行われたため 11 年以降の用途別区分の項目は10 年以前の区分と必ずしも一致しない

67 3 攻めの視点に立った多様な取組と農業の持続的な発展 (1) 農林水産物 食品輸出の一層の促進 1 農林水産物 食品輸出をめぐる現状我が国の農林水産物 食品 ( 以下 農林水産物等 という ) の18 年の総輸出額は3,739 億円 ( 前年比 13% 増 ) で 農林水産物等の輸入額 7 兆 4,195 億円の約 20 分の1となっている ( いずれも たばこ アルコール飲料 真珠を除く 各種調製食料品 ( 即席麺 チョコレート菓子 米菓等 ) を含む 以下同じ ) この総輸出額 3,739 億円のうち 農産物は1,946 億円 ( 前年比 8.8% 増 構成比 52%) 水産物は1,703 億円 ( 同 16.7% 増 同 46%) 林産物は 90 億円 ( 同 1.6% 減 同 2%) となっている 主な農産物の輸出額は 果実類 108 億円 野菜類 65 億円で 品目別ではりんご57 億円 なし5 億円 緑茶 31 億円 ながいも18 億円となっている また 農林水産物等の国 地域別輸出額の順位は 第 1 位が米国 ( 構成比 18%) 次いで香港 中国 韓国 台湾 EU 諸国 (25か国) タイ シンガポールの順で これらのうちアジア諸国 地域のウェイトが高くなっている ( いずれも財務省 貿易統計 による ) アジア諸国への輸出額の割合が増加している要因は 世界的な日本食ブームや高品質な日本の農林水産物等に対する評価が高まるなかで これらの国の経済発展に伴う所得向上により 購買力が高い顧客層が増えてきたことがあげられる このような状況のなかで 管内各都県における農林水産物等の商業ベースでの主な輸出品目をみると 表 Ⅱ-3-1のとおりで意欲的な輸出の取組がみられる 表 Ⅱ-3-1 管内における農林水産物等の主な輸出品目 (18 年度 商業ベース ) 都県名 主な輸出品目 主な輸出先 茨城県 さば類 : 中国 東南アジア各国 栃木県 さつき盆栽 庭園樹 : ヨーロッパ各国 群馬県 醤油 : ヨーロッパ各国 きのこ加工食品 : 台湾 うどん : 中国 香港 埼玉県 盆栽 植木 : ヨーロッパ各国 千葉県 野菜 ( 野菜等詰合わせ ): 香港等在留邦人向け 醤油 : 世界各国 植木 : ヨーロッパ各国 中国 東京都 観葉植物 ( 八丈島のフェニックス ロベレニー ): ヨーロッパ各国 神奈川県温州みかん : カナダ 山梨県 もも : 台湾 長野県 りんご もも : 台湾 なし : 台湾 香港 えのきたけ : 香港 米国 レタス : 台湾 静岡県 茶 : 米国 オーストラリア ドイツ 台湾 香港 温州みかん : 米国 カナダ ビンナガマグロ カツオ : タイ 水産加工品 : 米国 カナダ 資料 : 各都県から聞き取り 注 : 他に 数県で日本酒の輸出実績がある 2 農林水産物等の輸出に向けた取組の概要 経営発展に向けた多様な取組の1つとして 高品質な国産農林水産物等の輸出を促進ア全国段階での取組農林水産省では 攻めの農政 を掲げ 食料 農業 農村基本計画 (17 年 3 月閣議決定 ) で 輸出促進に向けた総合的な取組の推進 を盛り込み 農林水産物等の輸出振興を図っている そして 同計画工程表 (17 年 3 月農林水産省省議決定 ) では 16 年の農林

68 水産物等の総輸出額約 3,000 億円を5 年後の21 年に倍増する目標を 安部内閣総理大臣所信表明演説 (18 年 9 月 第 165 国会 ) では 25 年までに1 兆円規模にする目標を立てている 17 年 4 月に官民の幅広い関係者からなる 農林水産物等輸出促進全国協議会 が設立され 19 年 5 月に行われた総会において 我が国農林水産物 食品の総合的な輸出戦略 が了承され 輸出環境の整備 重点個別品目 重点国の設定と工程表の策定による戦略的な取組等について 強力に推進している 全国協議会制定輸出促進ロゴマーク イ農政局における取組 ( ア ) 輸出支援のコンセプト農林水産物等の輸出は 1 少子高齢化で国内市場が成熟するなかでの海外販路の開拓 2 経営 産地における知的資産 ( 海外マーケティング 情報受発信能力や輸出ノウハウ 国内外のバイヤーや関係機関 団体との人脈等 ) の形成 3 輸出報道による国内外市場を通した産地 品目の認知度の向上 ブランド化 4EUREPGAP( 注 ) をはじめとした農林水産物等の国際標準への対応と国際競争力の強化 5 海外顧客の観光誘致による国内市場と地域の振興 文化交流等 経営 産地 地域の長期的発展に向けた多様な意義を有する 関東農政局管内は 身近な販路として首都圏の大消費地をかかえ 輸出に意欲的な生産者 産地 団体が増加しつつあるものの 管内の販売者のなかで輸出取組者は限定的な傾向にある しかし 成田空港や港湾等 世界に通じる運輸施設や情報通信機能を活用して 首都圏のすぐ向こうに世界市場がある との認識で前述の輸出の意義から 関東農政局では関係機関と連携して輸出取組の進展に応じた5 段階の支援に取り組んでいる ( 図 Ⅱ- 3-1) ( 注 ) 欧州小売業組合が定めた 出荷生産者に対する農業生産工程の管理手法についての認証制度 図 Ⅱ-3-1 輸出拡大に向けてのステップアップの支援 平成 25 年 (2013 年 ): 輸出 1 兆円規模 ( 全国 ) 21 年 (2009 年 ): 輸出倍増目標 ( 全国 ) 輸出拡大の取組輸出取組者のテスト輸出の増加 ( 輸出取組者数 取組契機となる促進 ( 新規取組者への輸出額の増大 ) 大消費地をかかえるなかで 輸出取組者数の増加を図る 輸出気運の場の設定 ( 展示 商談会支援 ) 第 5 段階醸成 ( セミナー 検討等への出展他 ) 第 4 段階 ( パンフレット会の実施 ) 第 3 段階 等によるPR) 第 1 段階 第 2 段階 かな輸出取組者のニーズに適った支援を行う ( イ ) 輸出取組者のニーズに適った輸出支援かな輸出取組者のニーズに適った輸出支援を行うために 輸出やその支援に取り組もうとす る市町村 JAが どのような品目 輸出相手国等に関心があり どういう支援を求めているかを把握する必要がある そこで 農政局では 16 年度 ( 管内の全市町村 JA902 客体 ) 17 年度 ( 前年度のアンケートにおいて 輸出に関心がある と回答した市町村 JA155 客体 ) にアンケートを実施した そして このアンケートでの 輸出する上で必要な支援措置 の要望に応じて 輸出促進のための支援活動を行っている ( 表 Ⅱ-3-2)

69 表 Ⅱ-3-2 輸出する上で必要な支援措置 の要望と農政局の主な対応(18 年度 ) 市町村 JAの主な要望主な対応 1 海外市場の動向 消費者ニーズ等 農林水産物等輸出促進担当者会議 (18 年 10 月 ) 農産物に関する情報提供 ( 果実 ) 輸出促進検討会 (19 年 1 月 山梨県 ) 農林水産 2 相手国の流通 販売経路について物等輸出促進セミナー (19 年 3 月 千葉県 ) の開催など の情報提供輸出取組者 有識者 関係機関と連携した会議 セミナーの開催による情報提供 メール会員への配信 3 輸入制度 通関手続き 食品衛生 全国協議会 HP 等の関連画面に容易にアクセスできるよ食品安全制度の紹介う 農政局 HPの輸出情報画面をニーズ別に整理 関係機関と連携して 輸出相談に対応 4 相手国に対する植物検疫制度 通要望内容を踏まえ 本省に検討を依頼関手続き 輸入制度 ( 関税 輸入制依頼例 ( 千葉県での植木輸出 ):1 輸出相手国で行われる限等 ) 食品衛生 安全制度の改善検疫検査が日本国内で実施できる体制の整備 2 輸出相手国 要望品目ごとの一層詳細な検疫情報の収集 公開 3 産地での高い栽培技術 高度な検疫体制を有することについて 輸出相手国の理解向上のPR 4 日本国内の植物防疫所での農産物輸出にかかる検疫体制の拡充 5 国内の輸出業者 相手国内の輸入ジェトロ等での業者紹介 市場調査サービス等をPR 管業者 ( パートナー ) の紹介 斡旋内のジェトロ認定貿易アドバイザーの中で 農林水産物 食品が得意な方を紹介 6テスト輸出に対する助成国の 農林水産物等海外販路創出 拡大事業 による展示 商 7 現地における販売促進 宣伝活動談会への出展や海外常設店舗への出品 (4 県 ) に対する助成 8 展示会 見本市等の紹介 斡旋 展示会 見本市等の開催予定を農政局 HP メール等で情出展に対する助成報提供 9 輸出ロットの集約 品揃え 供給輸出に向けコンテナ混載のための全国産地間の情報共有シ数量の安定確保での国内連携ステム化 冷蔵温度帯が異なるためドライコンテナと異なり混載便がない冷蔵コンテナについて 仕切り等による混載コンテナの研究開発を本省に提言 10 統一ブランド 統一販売促進 宣国内連携の方法について本省に提言伝活動での国内連携資料 : 平成 17 年度国内産農産物 食品等の輸出の取組に関するアンケート結果 関東農政局 ウ各県における取組管内の輸出協議会等の組織は7 県で設置され これら組織やジェトロの活動に 農政局も参画している 国の 農林水産物等海外販路創出 拡大事業 による展示 商談会への出展や海外常設店舗への出品に4 県が 国の WASHOKU-Try Japan's Good Food 事業 ( 在外公館で 各国のオピニオンリーダー等に日本産の高品質な食材を用いた日本食等を提供して 日本食文化の普及 日本産農林水産物 食品の輸出振興を支援 ) に5 県が取り組んだ ( 表 Ⅱ ) また 各県輸出促進事業等に6 県が取り組んだ ( 表 Ⅱ-3-5) 結果 農水産物 食品で成約が出るなど一定の成果をあげている 栃木県 WASHOKU-Try Japan's Good Food 事業 で ハワイ ホノルル総領事館 ( 写真左 ) インド大使館 ( 写真右 ) に なし にっこり を出品 ホノルルでの感想 : なしは 甘い 美味しい 歯ごたえが違う 暑いハワイに合うさっぱり味である 色が自然で綺麗 大きい インドでの感想 : にっこり を招待客へ土産として手交し 形の整った大きななしは招待客の好評を得た

70 表 Ⅱ-3-3 管内県の 農林水産物等海外販路創出 拡大事業 への参加状況 (18 年度 ) 県名 展示 商談会 高級百貨店での常設店舗 展示 商談会名 主な出展品目 店舗名 主な出品品目 栃木県 GULFOOD 2007 なし にっこり 伊勢丹スコッツ店 ぶどう 巨峰 白美人 ( アラブ首長国連邦 いちご とちおとめ ( シンガポール ) ねぎ たまねぎ アスパ ドバイ ) ラガス ひめきゅうり なす とうもろこし 埼玉県 - - 伊勢丹スコッツ店 やまといも ねぎ ( シンガポール ) (JA 埼玉ひびきの ) 伊勢丹 KLCC 店 ( マレーシア クアラルンプール ) 千葉県 FHC China 2006 やまといも ( 冷凍真空ハ ック ) - - ( 中国 上海 ) チョコレート うどん 日本酒 SIAL 2006 米 落花生 さつまいも ( フランス ハ リ ) しそ International 米 チョコレート 和菓子 Restaurant & Foodservice of New York( 米国 ニューヨーク ) 静岡県 FHC China 2006 茶 伊勢丹スコッツ店 高糖度トマト わさび ( 中国 上海 ) ( シンガポール ) 温室メロン いちご 紅 International ほっぺ Restaurant & Foodservice of New 伊勢丹 KLCC 店 温室メロン York( 米国 ニューヨーク ) ( マレーシア クアラルンプール ) 資料 : 関東農政局調べ 表 Ⅱ-3-4 管内における WASHOKU-Try Japan's Good Food 事業 への出品状況 (18 年度 ) 都県名 出品品目 大使館 領事館名 栃木県 なし にっこり (JAはが野) 在フィンランド大使館 在アラブ首長国連邦大使館 在ホノルル総領事館 在インド大使館 なす ( 商品名 : 温泉なす ) ねぎ( 商在インド日本国大使館 標登録名 : 白美人ねぎ ) きゅうり 千葉県 さつまいも 在クロアチア大使館 山梨県 ぶどう 在フィンランド大使館 長野県 なし 在メキシコ大使館 静岡県 温室メロン ( 静岡県温室農業協同組合 ) 在フィンランド大使館 在クロアチア大使館 在ペナン総領事館 在エジプト大使館 みかん 在スロバキア大使館 在クロアチア大使館 日本茶 在クロアチア大使館 在ドバイ総領事館 資料 : 外務省ホームページ 注 : 出品品目が特定産地のJAの取組による場合は JA 名を記載している 栃木県 ( 写真提供 ) シンガポール伊勢丹スコッツ店において 18 年 7 月に約 1 週間 第 1 回栃木県農産物フェア を開催 あわせてシンガポール伊勢丹バイヤーと県産農産物についての情報交換を実施 埼玉県 ( 写真提供 ) 常設店舗 ( シンガポール伊勢丹スコッツ店 ): 現地ではなじみのない やまといも (J A 埼玉ひびきの ) を使った鍋やバター炒めの試食販売を行った (18 年 12 月 ) ( 写真左 中央 : 農林水産物等海外販路創出 拡大事業 ) 埼玉県 ( 写真提供 ) 台湾の百貨店 : 騎西町産なしのキャンペーン販売 (18 年 9 月 ) ( 写真右 : 県輸出促進事業 )

71 表 Ⅱ-3-5 管内県 輸出促進協議会等の組織での輸出促進事業の実施状況 (18 年度 ) 県 名 事業実施主体 実施品目 実施国 主な事業内容 太字は輸出協議会等の組織 都市名 栃木県 ( 社 ) とちぎ農産米 いちご なし ぶどう 中国 ( 香港 ) バイヤー招へい 商 物マーケティン野菜類 (11 種類 ) ヨーグル台湾 ( 台北 ) 談会開催 販売促進 グ協会 ト タイ ( バンコク ) イベント 荷傷み防 シンガポール 止のためのパッケー ジの工夫 海外における商標登録等 群馬県 群馬県農畜産物いちご やよいひめ タイ ( バンコク ) テスト輸出 等輸出推進機構 (JA 館林市 ) 販売促進さい埼玉県埼玉農産物輸出やまといも ねぎ 県産米 彩台湾 ( 台北 ) FOOD TAIPEI 2006( 第 促進協議会 のかがやき 狭山茶 16 回台北国際食品見本市 )( 台湾 ) 出展 なし 販売促進イベント 県産農産物 香港 バイヤー招へい 千葉県 千葉ブランド 野菜類 ( サツマイモ ニンジ中国 ( 香港 ) 千葉野菜フェアの開 農水産物 食品ン やまといも ホウレンソ 催 輸出協議会 ウ等 ) なし 新高 千葉県 農林水産物 植木 ドイツ ( デュッ県産農林水産物 植 セルドルフ ) 木の展示 贈呈 植木 中国 浙江省林業庁 農業庁との協議 交流 千葉県 アラブ首長国 県産植木の販売促進 八日市場植木 連邦 ( ドバイ ) 活動 輸出組合 長野県 信州ブランドりんご サンふじ 他 シ ュース 台湾 ( 高雄 台販売促進イベント を海外へ 推進シ ャム 漬物 そば 味噌 菓北 台中 ) マスコミ ハ イヤー招へい 実行委員会等 子等の加工食品 酒類 静岡県 静岡県 いちご 紅ほっぺ 温室メロ中国 ( 香港 ) 商談会 ( 推進母体 : ン みかん 青島温州 寿太台湾 ( 台北 ) テスト輸出 しずおか農水産郎温州 高糖度トマト わさシンガポール 販売促進イベント 物海外市場開拓び わさび加工品 水産加工品 ( 商品の魅力紹介セ 研究会 ) ( 練り製品 佃煮等 ) 日本酒 ミナー ) 菓子 バイヤー招へい 静岡県温室農業温室メロン 中国 ( 香港 ) 販売促進イベント 協同組合 台湾 ( 台北 ) シンガポール 静岡県経済農業茶 米国 ( ハワイ ) 販売促進イベント 協同組合連合会 台湾 ( 台北 ) FOOD TAIPEI 2006( 第 16 回台北国際食品見本市 )( 台湾 ) 出展 資料 : 関東農政局調べ 注 :1) 主な出展 出品品目が特定産地のJAの取組による場合は JA 名を記載している 2) 主な事業内容 欄で 海外市場調査は記載を省略している 3) 管内の輸出協議会等の組織としては 事業実施主体 欄太字表記の組織以外に 県産果実販路開拓研究会 ( 山梨県 19 年 7 月に 山梨県果実輸出促進協議会 に 改編 ) 静岡茶輸出研究会 ( 静岡県 18 年 8 月設立 ) がある

72 3 管内各県における農林水産物等の輸出マーケティングの実践 管内各県とも創意工夫を凝らしたマーケティングを展開 製品と情報をセットにした試食実演販売 成約獲得に向けた提案型セールス活動が要 かなめ あたっての基本理念 (concept) を基に 戦略立案の起点 (TPC) として セグメント 1target の選定 [ 標的とする輸出先購買層 ( 市場 segment)( 注 ) の確定 ] ポジジョニング 2 製品 positioning( 輸出先国の市場での他製品を意識した販売製品の位置付け ) 農林水産物等の輸出では 輸出仕様の梱包作成コスト 輸送 貯蔵 輸出相手国での通関 検疫コスト ( 検疫は動植物の場合 輸送 貯蔵 検疫時のロス分のコスト換算を含む ) 現地販売代理店への手数料等の積み上げにより 輸出先国で採算のとれる販売価格は 日本国内販売価格の1.5~3 倍になる場合が多く 日本産の農林水産物等は 一般に現地 他外国産との価格競争力に乏しい また 現地産日本食 ( 日本米の現地生産や現地米によるお寿司等 ) が普及しつつある国 地域もあることから それらとの一層の製品差別化も必要となっている このような状況において 長期 安定的に輸出額を伸ばしていくためには 輸出促進に 3 製品 concept( 標的とする輸出先購買層 ( 市場 segment) に適った 他製品と差別化した製品の趣旨 概念づくり ) を定める必要がある ( 表 Ⅱ-3-6) そして このTPCを基に 輸出に向けて産地 企業での供給体制を整備し マーケティング戦略の4つの手段 (4P): 1 製品 (Product) 2 価格 (Price) 3 販売経路 (Place) 4 販売促進 (Promotion) を適切に組み合わせて駆使していくことが 販路確立上有効となる 管内各県の取組においても これらマーケティングで創意工夫が凝らされている ( 表 Ⅱ-3-7) これらマーケティングに加えて 取引慣行の違いなどによる取引 決済リスクの軽減 回避 知的財産の保護対策も 長期 安定的な輸出にとって欠かせない 管内での輸出促進事業にかかる決済は 国内貿易会社等や日系スーパーとの円決済が多い しかし 販路開拓に伴い増える可能性がある現地貿易会社等のバイヤーとの外貨取引では 為替リスク対策が必要となってくる また 現地貿易会社等のバイヤーが円決済に応じる場合であっても 相手方が為替リスクや九州と比べて遠隔な関東からの輸送に伴う荷痛み等のリスクを負うことを意識して 産地 企業として一層 魅力ある商品づくりやバイヤーとの信頼関係の構築が必要となる セグメント ( 注 ) 市場 segment: セグメント とは 全体をいくつかに切った場合の断片のこと 市場セグメント とは 標的とする購買層を明確にして効果的なマーケティングを行うために 販売先市場の消費者をその様々な属性を切り口にして 類似の購買行動をもった集団の断片に細分化すること この切り口としては 居住国 地域 年齢 性別 所得水準 嗜好 購買動機 消費行動等がある ( 右図参照 ) 市場セグメントの例所得水準高級高所得贈答品手頃価格中所得の贈答品 低所得日常利用贈答用祭事用購買動機

73 表 Ⅱ-3-6 管内各県での農林水産物等の輸出の戦略立案の起点 (TPC) 例 輸出促進にあたっての基本理念 (concept) ( 静岡県 各県とも趣旨共通 ) 国内市場が少子高齢化で成熟していくなかで 農水産業の発展に向けた きっかけづくり 見本となる先進的な輸出取組事例を創出し 先導役となる生産者 団体 企業を育成 " 自慢の逸品 " を海外市場で評価を得るマーケティング能力の向上により 国内市場でのマーケティング能力の向上を図る ( 一般論 ) 贈答用等の高規格 高品質品の輸出が多い 場合によっては出荷調整 ( 国内市場価格維持 ) も意図した輸出 高品質でも形状等で国内規格外品の輸出もある 戦略立案の起点 (TPC) target: 輸出先購買層 ( 市場 segment) の確定 製品 positioning 製品 concept ( 栃木県 静岡県 ): 中国 香港の高所得者層 ( 群馬県 ) ( 千葉県 ) 高率な関税や不透明な検疫制度などの障壁がない 品質の良さ 中国産や他 東アジア地域の華僑文化 物流の拠点都市であり 減農薬 環境に県産とはっき 以後の販路拡大 ブランド化を進めるための発信優しい商品を り差別化する 基地の意義がある PR ために 千 日本食事情や内外価格差等を考慮のうえ 高所得者 葉県産 をア 層を中心に 産品別に市場セグメントを設定 ( 静岡 ( 静岡県 ) ピール 安全 県 ): ただし 日本食レストランの種類別セグメン 高品質 高付加性 利便性の トまでは手が回らない 価値な産品である高い商品 ことを前面に展開 ( 千葉県 ): 中国 上海の高所得者層 する一方で 一部 ( 静岡県 ) 在留邦人数が多く 富裕層では 来日経験のあ産品については価 高品質 高付 る中国人が多い 格競争も視野に入加価値型産品 れている ( 現地商類似商品はな ( 群馬県 長野県 ): 台湾の高所得者層 社からの価格要請い特徴的な産 親日層が多く 安い中国産農産物との競合がなに受けて立つ業者品 い WTO 加盟による関税引き下げ 東南アジアもいる ) の中で輸送時間が短い 輸出に向けての産地 企業での供給体制の整備 ( 栃木県 なし にっこり ) ブランド化の効果が期待できる上位等級品を 贈答時期等にタイムリーに供給でき るよう産地生産 選果体制を整備 ( 群馬県 嬬恋キャベツ ) 現地生産の端境期 ( 台風シーズンの台湾 ) に 現地での収穫状況を勘案して タイミングよく輸出 (16~17 年度 ) ( 千葉県 ) 売れ残りのリスク分散のため 賞味期限を考慮した小ロットでのテスト輸出 冷蔵コンテナ ( 船便 ) での野菜の混載 カステラ等は冷凍コンテナで輸出し 賞味期限の長い冷凍品で販売 ( 静岡県 ) 輸出向けの生産体制が構築されることが望ましいが 当面は現状の体制で その一部を輸出に仕向ける状況が続く 資料 : 輸出戦略会議 (17 年 6 月関東農政局開催 ) 会議資料を基に作成

74 表 Ⅱ-3-7 管内各県におけるマーケティング戦略と課題 ( 平成 16~18 年度 ) 4P 取組での工夫点主な課題 製品 [ 品質保持の工夫 ] [ 大消費地の首都圏をかかえるなかでの (Product) 栽培検討会 輸出取組者の増加 ] 目揃い会 バ 輸出にかかわる検疫対策 輸送費等諸経費 イヤー 生産 の負担に加えて 大消費地の首都圏をかか 者との意見交 えていることもあり 輸出に意欲的な生産 換会の開催や 者 団体が増加しつつあるものの 管内の 産地生産 選 販売者のなかで輸出取組者は限定的 ( 各都 果体制の整備 県 ) ( 栃木県 [ 検疫対策での技術開発 生産者の組織 なし にっこり ) 化 ] 収穫時間の指定 予冷の徹底 ( 栃木県 植物検疫における病害虫( 特にセンチュウ いちご とちおとめ ) 類 ) 対策に苦労しているため 病害虫防除 [ 戦略的な輸出時期の設定 ] や土に代わる資材を用いた根巻き技術の開 現地生産の端境期 ( 台風シーズンの台湾 ) を 発が必要 また 大口需要 樹種数のニー 狙って輸出 ( 群馬県 嬬恋キャベツ ) ズに対応できるよう 生産者の育成支援 現地贈答シーズンに合わせた輸出 地域レベルに加えて県レベルでの植木団体 ( 各県 輸出品目全般 ) の組織化が必要 ( 千葉県 植木 ) [ 荷痛み防止のための輸送用段ボール及びパ [ 食文化の違いによる輸出の困難さ ] ッケージの工夫 ] " 台湾で水代わりに食べている " すいかは 海外への輸送中の荷痛みを減らすため 輸 現地産との価格差の克服が困難 ( 群馬県 送用段ボールや衝撃吸収資材を使用するな すいか 小玉すいか ) どのパッケージの工夫を施し 品質低下を [ 流通業者の品質に対する理解の促進 ] 解消 ( 栃木県 いちご ぶどう ) 現地小売との成約はあったが 現地卸会社 [ 台湾向けもも産地での植物防疫体制の の開拓が不十分 ( 高価格なので 商品の良 整備 ]( 後述事例参照 ) さをよく理解してもらわないと 中間流通 台湾向けもものモモシンクイガ検疫措置の 業者が手を出しにくい )( 千葉県 ) 強化に対応して 選果施設を事前登録 選 [ 劣等品輸出によるブランド劣化 ] 果マニュアルを作成して 情報の共有と確 全国的にみて 一部 品質が劣る農産物 実な選果体制を整備 ( 山梨県 もも ) 食品輸出による 日本産ブランドイメー [ 知的財産の保護対策 ] ジ の低下 香港で なし にっこり いちご とち [ 季節物 +α 年間を通じて輸出できる品 おとめ のロゴデザインや とちぎの農産目の発掘 ] 物の統一ロゴマーク を いちご なし ぶどう以外の輸出品目の発 商標登録 ( 栃木県 なし 掘 ( 栃木県 いちご以外 : 群馬県 ) にっこり ) 価格 [ 品質に応じた価格設定 差別化 ] [ 商業ベースでの価格と採算の採れる価 (Price) 各県ともコストを積み上げて価格設定 現格との相克 ] 地販売価格は おおむね日本国内販売価格 商業ベースに乗せるためには流通コスト削 の1.5~3 倍 現地 他外国産とは価格競 減等の努力が必要な一方 植物検疫 輸送 争力に乏しいなか 品質の違いを前面に展 ロス率を考慮してその分を上乗せした価格 開 ( 各県 輸出 品目全般 ) 設定をする必要がある ( 茨城県 なし ) [ 買いやすさの演出 ] [ 現地 他外国産 国内産地間での価格 値頃感を出すために 少量に再包装 ( リパ競争の懸念 ] ック )( 静岡県 いちご 紅ほっぺ ) 現地産日本食の普及( 中国現地生産米によ るお寿司の百貨店食品売り場での販売等 ) 現地高級百貨店の限られた面積の売り場で 国内産地間の競合の懸念 国内各産地から中国代理店に引き合いが多 く 価格交渉が難航 ( 茨城県 なし ) 植物検疫でのロス分をコストアップしたい が 中国代理店との価格交渉が難航 ( 長野 県 りんご )

75 4P 取組での工夫点 主な課題 販売 [ 輸出品目に応じた鮮度保持や低コスト [ 輸送に強い梱包 統一パレットの普及 ] 経路 化の販売経路を開拓 ] 船揺れがある高湿度の冷蔵コンテナ内で耐 (Place) 朝採りいちごを航空便で鮮度よく届ける 水性のある強化段ボールによる梱包 パレ ( 通関 輸送を経て香港百貨店店頭に収穫 ットの統一 選果場等でのプラットフォー 後 3 日目の夕方に並ぶ )( 栃木県 いちご ) ムの整備による フォークリフトでの効率 日系高級スーパーの現地仕向コンテナ便による流通 ( 栃木県 千葉県の輸出品目全般 ) 船便は 航空便と比べてコストは安いが より輸送時間を要するため 保冷庫の活用により品質管理を徹底 ( 群馬県 キャベツ ) 長時間の船舶輸送 (7 日間 ) 空輸(4 時間 ) に耐えられる強化段ボール クッションの開発 ( 長野県 台湾向けりんご ) 国内商社経由や現地卸との直接取引など形態は様々 ( 静岡県 輸出品目全般 ) 的な荷扱いや積載効率の向上 はっすい非撥水仕様 強度不足で 下積の箱がつぶれた例 ( 千葉県 香港向け野菜の輸出 ) 写真提供 : 千葉ブランド農水産物 食品輸出協議会 [ 展示 商談会での成約獲得に向けた実践的な商談対応 ] [ 流通 販路の確保 拡大 ] 展示 商談会に先立ち 国内で雇用した外 日系スーパーでのイベント販売から常備品 国語大学生による現地バイヤーへの電話プ へ さらに日系スーパー以外の現地卸 ス ロモーション攻勢 レセプション開催 ( 千 ーパー等との販路の確保 拡大 葉県 レセプション開催 : 各県 ) 農産物の輸出業者が加工品と比べて限定的 英語 中国語版輸出カタロ [ 輸出先国流通 店頭での鮮度 品質保 グ Natural and Healthy 持の管理が一部不十分 ] Foods of Chiba の作成) 輸出先国の物流が未整備 荷扱いが悪い 試食も必要だが一般消費者 店頭の温度管理 鮮度低下品の棚からの除 主体でその対応に追われて 去等が不十分な例がある しまうため 商談テーブル [ 契約トラブルの予防 ] を展示ブース内に確保し なしの船便による輸出で 中国側輸入業者 商談者にサンプルを持ち帰って社内で検討 が 不良品混入 のクレームを出して 代金 してもらう 商談主体の展示コンセプトに 全額未払いの例 ( 不良品混入の許容率を 変更 契約書で取り決めておく必要 ) 流通 展示場面の写真にコメントを付けた [ 出荷における産地間連携 輸出に向け 詳細な 展示商談会報告書 で 取組結果た技術開発 ] を検証し 次回に活かす ( 上記 3つ : 千葉 輸送コスト削減のために 全国的な混載 ブランド農水産物 食品輸出協議会 ) 便 合同商談会 産地間リレー出荷等 各 展示 商談会後の引き合いに対して メー 産地間の連携を図る情報共有のシステムづ ル等で確実にフォローアップして成約獲得 くり ( 各県 輸出品目全般 ) 鮮度保持技術 冷蔵コンテナ混載便の開発 販売 [ 創意工夫を凝らしたフ ロモーション活動 ] [ 輸出先国の食文化を汲み取った上での 促進 高級百貨店でのキャベツの重さ当てクイズ日本食材活用の提案 ] Promotion の実施 ( 群馬県 キャベツ ) 落花生が薬膳料理として活用されている中 レストラン備え付けのフリーペーパーや若 国においては 日本特有の生食用の良さに 者向けファッション情報誌で県産品をPR ついての理解が不足 ( 千葉県 落花生 ) ( 千葉県 ) 現地で未知の味覚の部分もある日本食材活 県内のレストランと提携して レシピ提案 用の啓発 提案 ( 静岡県 ) と試食を伴った現地商談会を開催し " 味 [ 海外での各都県 関東の知名度の向上 で説得力のある商談 " を展開 ( 静岡県 ) 関東各都県産のブランド認知度の向上 ] 辛味中心の粉わさび等が利用されている香 海外での静岡県の知名度は 北海道 福岡 港で 風味に特徴がある生わさびを わさに比べて劣る 富士山 や 伊豆の踊子 び田を模した水槽を設け宣伝 販売 ( 静岡は知られていても 静岡の山や文学である県 ) ことは知られていない ( 静岡県他各都県 ) ミニ火入れ器 を用いて お茶の香りを引き立たせた 香りで魅せる 売り場づくり ( 静岡県 ) 県 HPに 英語 中国語で県産農産物を紹介するコーナーを開設し アドレス入りのチラシを配布して現地消費者に紹介 ( 静岡県 ) 資料 : 関東農政局 年度調べ

76 この4Pのうち 特に 販売促進 (Promotion) において 製品情報 ( 美味しさ 旬等の製品価値 食べ方 調理 保存方法 産地の固有の風土 日本の食文化 栽培方法等 ) の伝達 ( 試食実演販売や食文化セミナー等による ) を伴わず 現地バイヤー 消費者にその製品価値や現地 他外国産等との違いを認識されないまま購入されると 輸出に失敗する場合がある 例えば 四季のない熱帯地方の国に 日本から産地間リレー出荷で果物を輸出した際 旬の産地ごとの出荷であることについて説明不足だったため 産地による品物の違いからクレームが発生した例がある また 単に価格比較だけされて購入が振るわなくなる場合も生じてくる そこで 販売促進 (Promotion) においては 製品にその情報 価値を結び付けて現地バイヤー 消費者に伝える必要がある さらに 現地購買層のニーズを汲み取った上で現地食文化に日本食材の活用や日本の食文化を提案する コミュニケーション 提案型のマーケティング により 顧客満足を伴った販売 ( 固定客の確保 ) と海外市場の開拓 創造を行っていく必要がある 製品にその情報 価値を結び付けて現地バイヤー 消費者に伝える工夫をしている事例 太平洋崇光百貨店 ( 台湾 台北 ) 全国の輸出の取組として 商品 1 つ 1 つに 百分百日本 100% 日本産 ) を表示 写真提供 : 農林水産物等海外販路創出 拡大事業 受託者 :( 株 ) ジェイコム 写真 : 農林水産物 食品等の輸出促進に係る講演会 ( 関東農政局 18 年 3 月開催 ): 日本名門酒会 岡永 講演資料アメリカ向け銘酒 1 本ごとに出自 飲み味の説明ラベルを付ける

77 提案型販売の事例 : 1: 常設店舗事業 ( 台湾 台北 ) 埼玉県 太平洋崇光百貨店 ( 台湾 台北 ) に 深谷ねぎ 大和芋 を出品 国委託事業受託者において ホテル総料理長による高所得者層向けに料理講習会を開催したり 料理レシピ ( 深谷ねぎ の猪肉炒め ) を配布 他県産との鍋物食材としての利用提案など セット販売を企画 (17 年度 ) 写真提供 : 国委託事業受託者 :( 株 ) ジェイコム 2: ( 株 ) 生産者連合デコポン ( 千葉県 ) 香港ケーブルテレビで 日本流 + 香港流 料理番組を放送同社では 平成 6 年から 子どもに日本の味を覚えておいてもらいたい との在留邦人のニーズに応えて 宅配野菜の輸出 ( 成田空港経由 ) に取り組んでいる 成田空港貨物集積所香港宅配香港会員宅到着 そして 18 年から香港の人にも販路拡大を図るため 地元ケーブルテレビで日本食材を使った料理番組 ( クッキングスクールと提携 ) を開封放送して 食育 + 食べ方とともに日本産のPRを行っている 料理は 日本流 + 香港流 の2 通り ( 大根三昧 ( 写真 ) 里芋 コンニャク がんもの煮物 しゃぶしゃぶの水菜和え など) で 日本産としての差別化 + 用途的に消費拡大 を図っている 同社の輸出担当者は 香港のデパートで大学イモを試食販売した際 調理方法の少しの違いで食感が変わることに気付き 日本食の繊細さを再認識したと語っている 写真 : 国の 農林水産物貿易円滑化推進事業 による 農林水産物 食品輸出促進セミナー (18 年 11 月 中国四国農政局開催 ): 生産者連合デコポン 講演資料

78 " 日本食で世界にチャレンジ! 首都圏のすぐ向こうに世界の市場がある " 管内各県 輸出促進協議会等の輸出促進事業での取組場面 群馬県 : タイ バンコクの量販店 いちご やよいひめ をテスト輸出 (19 年 3 月 ) やよい ( 弥生 ) の名のとおり 年末から 5~6 月まで出荷でき 日本国内の他産地との競合を緩和できる強みがある フェア開催に先立ち 現地新聞に折り込みチラシを入れ やよいひめ の 甘くて粒が大きい などの特徴を PR し 販売促進を図る 産地収穫から店頭に並ぶまでの期間 ( 航空便 ) を 1 日短縮し 保冷剤を入れるなど品質保持に努めた 輸送時の揺れ等による荷傷みが全くないとは言えないため 次年度以降 平積みパックでの出荷を検討する 千葉県 : 香港の量販店千葉野菜フェアを開催 (18 年 11 ~12 月 ): 加工品や果実主体の物産展が多いなかで 旬の県産野菜類 ( 約 20 品目 ) 等の輸出拡大を図る 葉物野菜は 成田空港から空輸 根物野菜は船便で輸送 千葉県 : 中国向けマキ類の積み込み県内の植木生産者の卓越した造形技術によって仕立てられた植木 ( キャラボク キンメツゲ ゴヨウマツ マキ ソテツ等 ) が EU や中国を中心に高い人気を博し 輸出 のみならず 日本文化 の浸透としても注目される 県では 植木の輸出拡大に向けて 土に代わる代替資材 ( ピートモス類 ) による根巻き 植物防疫の検討会や 現地視察等を実施 千葉県 : 香港商談テーブルを展示ブース内に確保し 商談者にサンプルを持ち帰って社内で検討してもらう 商談主体の展示コンセプト しょうかけん長野県 : 台湾台中市 彰化県 信州ブランドを海外へ 推進実行委員会等が主催の信州フェア (18 年 11 月から12 月 ) りんご等の物産 観光をPR そば打ちや工芸品 ( 下駄 ) 等の職人による実演も行い 売上額約 1 千万円 来場者数約 2 万人を数える盛況ぶりだった 静岡県経済農業協同組合連合会 : 台湾 ミニ火入れ器 ( 演台手前 ) を用いて お茶の香りを引き立たせた 香りで魅せる 売り場づくり ( 香港 ) 静岡県経済農業協同組合連合会 : ホノルル国旗を重んじるアメリカ人を意識した配色のパンフ 日系 3~5 世の方に お茶の淹れ方教室 を開催 静岡県 : 香港 シンガポール生わさびのおろし方や魅力を PR 香港のスーパーではわさび田を模した水槽を設置した売り場づくり 写真提供 : 輸出促進事業実施県 千葉ブランド農水産物 食品輸出協議会

79 事例 : 植物検疫の対応をした 台湾向けもも輸出の取組 JAフルーツ山梨 JAふえふき ( 山梨県 山梨市 笛吹市 甲州市 ) 1 取組の経緯山梨県は 全国生産量の35%(17 年産 ) と日本一の生産量を誇るももの産地で ハウス栽培 (4 月末 ~6 月末 ) から露地栽培 (6 月末 ~8 月末 ) まで 大きさ 糖度 食感など多様なももが生産され 光センサー選果により 甘い高品質品が出荷されている そして 従来から 国内市場向けに出荷された果実 ( もも ぶどう 干し柿 ) が 市場経由で仲卸 輸出業者を通じて 台湾 香港 シンガポールに向けて輸出されている 18 年 2 月 台湾は 害虫 ( モモシンクイガ ) の侵入を防ぐため もも すももなど10 品目を対象に生果実検疫措置を強化し 台湾に輸出するためには選果施設の事前登録が必要となった そして 取引先の市場 仲卸業者などが産地 JAに対し 登録取得の要望があり 対応可能な産地で登録の取組を行うこととなった 18 年 4 月に JAフルーツ山梨 JAふえふき で13 共選所を登録し (18 年 4 月現在 全国で59 施設登録 ) もも( ハウス 露地栽培 ) が 市場経由で台湾にほぼ空輸で輸出されている (18 年の台湾向けもも輸出量 : ハウス12トン 露地 197トン 計 209トンで 全国 367トンの57%) 台湾では 贈答用等の高価格帯商品として 日系百貨店や台湾の市場経由で引き合いのある個別青果店で取引され 特に13~15 玉クラスが多い注文に応えるため 国内同様に大玉で糖度が高いモモの出荷に努めている 2 植物検疫対応台湾側でモモシンクイガの混入が見つかると 1 回目で県内全域 2 回目で日本全国の輸出が停止されるため 確実な選果は絶対条件である しかし 従来の目視のみによる選 果では 果実を食害する幼虫の最大長が 14mm 内外のモモシンクイガの発見は困難である そこで個々に作業するのではなく 3~4 人一組で 1 果梗部の軸を除去 2 キャップをは ずして全体を確認 3ハケ エアーガンで洗浄といった流れ作業を組み 作業効率の向上や不合格品の発生の抑制を図っている 特に7 月下旬 ~8 月上旬の露地ももの出荷ピーク時には 専属の選果補助員 ( できれば3 名以上 ) の配置と2 段階の選果が有効である かこう 3 経営の体質強化への貢献 地域 国内市場に与えたプラスの影響など 1 国内価格に与えた影響ハウス栽培のももは生産総量が少ない分 特に13~15 玉の大玉なももが輸出に回されたことで相対的に国内相場を押し上げることとなった 一方 露地栽培では輸出割合が小さいため 相場への影響は少なかった ( 輸出量 209トン /18 年県産もも生産量 51,600トン= 0.4%) 2 新規販路の開拓選果施設の登録を進め輸出体制を整えることで 特に台湾向けももについては 市場から 輸出向け として注文が入ることから 従来 取引がなかった市場 仲卸業者とも取引関係が生まれ 販路の拡大につなげることができている また 県内遅場産地は 長野 福島産とも競合するため不利な条件にあるが 輸出向け販路が開かれることで 輸出に適

80 した大玉で日持ちのしやすい晩生種の出荷がしやすくなる また 市場経由の国内決済での輸出のため 輸出で最も懸念される代金決済面のリスクを最小限に抑えることができている 3 地域の活性化市場 仲卸業者を経由して台湾側バイヤーと連携がとれるようになれば 今後 果樹王国やまなし として観光面でのPRも期待できる 4 課題と今後の対応 今後 輸出を県産果実の販路の1つとして捉え拡大していくには 各課題に対応した以 下の取組が必要である 課 題 今後の対応策 1 確実な選果体制の整備 県産果実販路開拓研究会 選果ノウハウなど情報の共有化が必要 で 各施設 JAへの選果方 2 輸出検疫対応等のリスクに伴うコスト増に見合った価格での輸出 法の聞き取りや出荷検討会を 取組初年度で市場経由での出荷ということもあり 特にチラシを入れ開催し それに基づき選果マ る 専用の箱を作るといった取組までは至らなかった 国内向けと同じニュアルを作成して 情報の 商材のままでは 国内相場の維持については好影響が考えられるものの 共有と確実な選果体制を整備 輸出による農家所得への反映は限定的 する 一方で 輸出検疫対応等のリスクに伴うコスト増 ( 選果を厳しくする 交渉を有利に進めるために ことで処分する果実が増加 ) を補うだけの 国内相場 +αの取引価格 現地情報の収集と それに基 で 価格交渉 コスト計算をする必要 また 各 JA 合同での資材調達づく産品リスト 出荷計画等 によるコスト削減が必要 を作成し 産地側から主体的 な提案 交渉を行う必要 3 はねだした果実の処理方法の検討 国内 輸出向けと2 段階で選果を繰り返すと傷みが出て 国内販売が 難しく また 大量に出るはね出した果実の処理が難しい 4 輸出向け梱包資材の準備 12の対応 防虫のための密閉できる箱ではなく 果実流通で一般に使用されてい 事前に取引業者と十分に打 る折り返し蓋のない箱しか調達できず 出荷を断念した施設があったち合わせをして 選果員の応 ( 光センサー選果ライン整備時に整函機をはずしたため 箱が作れな援やその費用負担を求めるこ い ) とを検討 箱の穴を塞ぐテープ止め等の手間で人員が取られる 表示シール貼り忘れ 国内向け資材誤使用による検疫不合格の恐れ 5 流通体制の整備 梱包形態 パレット 資材の 市場経由での出荷のため 積載するコンテナ パレット 梱包形態に共通化 ついての仲介業者の要望がバラバラで その都度積み方を工夫する必要 に迫られた 数量の多い共選所で取引業者も限られていれば 輸出コン テナ パレットを準備していただいた ( 航空便用のコンテナを持ち込ん で直接積み込む 荷崩れを防ぐように4 角にポールがあるパレットを用 意するなど ) しかし 複数の市場や業者が入る施設だと 資材を用意 していただいても種類が増えかえって作業手順がわかりにくくなってし まう 関西市場からの注文も多かったが 検疫や飛行機の運行時刻の制 約上 午前中には出荷を済ませる必要あり 日量 100~200 箱が限界 6 販路拡大 輸出先での販促活動を行い 台湾での現地需要の拡大 山梨産 の指名注文を増大させる 輸出先国や輸出品目の拡大 テスト輸出による事前調査 の実施

81 選果作業に 4 名の専属作業員を配置している 国内向け選果ラインを通ったももの箱 共選所搬出口近くで明るいところに作業台を設置している 1 選果ラインを通過した箱を開封 せん定ばさみで もも果梗部の軸を抜き 周辺に食害痕等の被害がないか確認してから ハケを使ってゴミを除去する 2 軸を抜いたところを中心にエアコンプレッサーを吹きかけ ゴミ等を吹き飛ばす ( この時点でももの毛が飛び散るので 作業員はマスクを装着する ) 3 エアで吹いたももを再確認 この段階ではキャップを外して全周をくまなく確認するとともにハケ せん定ばさみを使って再度ゴミを取る 4 ラインを通過した箱に再度詰め直しガムテープで再こん包 箱の通気口を塞ぎ To Taiwan 表示シールを貼り付けパレットに並べる 選果の過程ではねられたもも 国内向け選果の過程でも十分注意して選果されているが その上で さらに疑わしい果実はすべて除外する 写真提供 : 山梨県

82 (2) バイオマス利活用の推進 1 バイオマス利活用の意義と戦略アバイオマス利活用の意義 バイオマス(biomass) とは バイオ(bio= 生物資源 ) と マス(mass= 量 ) からなる言葉で 再生可能な 生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの とされており 具体的には 家畜排せつ物や食品廃棄物等の 廃棄物系バイオマス 稲わらや間伐材等の 未利用バイオマス 食用ではなく工業原料やエネルギー原料として栽培される 資源作物 に分類できる バイオマスは 地球に降り注ぐ太陽エネルギーを使って 無機物である水と二酸化炭素から 生物が光合成によって生成した有機物であり 石油などの化石資源と異なり適正に利用すれば枯渇することがないこと また 燃焼させても大気中の二酸化炭素の量を増加させない カーボンニュートラル の特性を有しており 地球温暖化防止や循環型社会を形成するうえでその有効利用が注目されている イバイオマス利活用の戦略 14 年 12 月にバイオマス利活用の推進を図るための国の基本方針を示した バイオマス ニッポン総合戦略 が閣議決定され これまで取組が進められてきた その後 17 年 2 月に 気候変動に関する国際連合枠組条約 の京都議定書の発効など バイオマスを取り巻く状況に変化があったことから この見直しが行われ 18 年 3 月に新たな バイオマス ニッポン総合戦略 ( 以下 総合戦略 という ) が閣議決定された 総合戦略では 市町村が中心となって広く地域の関係者の連携のもと 総合的なバイオマス利活用システムを構築する バイオマスタウン構想 ( 以下 構想 という ) の取組を広げ22 年度までに全国で300タウンの実現を目標としており 19 年 3 月末時点で全国 90 市町村で構想が策定 公表されている 総合戦略により輸送用バイオ燃料の利用促進が明確化され 18 年 11 月に安部総理より国産バイオ燃料の大幅な生産拡大に向けた検討の指示を受けたことから 農林水産省を含めた関係 7 府省で 国産バイオ燃料の大幅な生産拡大のための工程表 ( 以下 工程表 という ) をとりまとめ 19 年 2 月に総理に報告した 工程表では 当面は規格外農産物等の安価な原料を用いて 23 年度までに国産バイオ燃料を5 万キロリットル生産することを目標としている 中長期的には 食料自給率の低い我が国においては 食料供給と競合しない稲わら 間伐材等のセルロース系原料や資源作物を活用して 国産バイオ燃料の大幅な生産拡大を図ることとしている 2 管内バイオマス利活用の現状アバイオマスタウン構想の策定 公表状況関東地域は 首都圏という大消費地をかかえるとともに 我が国の一大食料供給基地でもあり 生ごみや家畜排せつ物 稲わら 間伐材等のバイオマスが多く存在し バイオマス利活用の取組を行う地域が増えてきている これまでに関東管内では 16の市町村で構想が策定 公表されている ( 表 Ⅱ-3-8) 構想の策定 公表市町村については 今後 農林水産省の 地域バイオマス利活用交付金 事業等の採択や予算措置 事務手続きが優先され バイオマス利活用のための推進 ( ソフト ) 事業や施設整備 ( ハード ) 事業等の具

83 体的な取組が進められることとなっている 表 Ⅱ-3-8 バイオマスタウン構想 策定 公表市町村の取組概要 目 標 策定市町村 取 組 概 要 廃棄物系 未利用 (%) (%) 茂木町 木質バイオマスの利用 廃食用油のエネルギー化等 栃 H 木 那須町 生ごみ等のガス化 家畜排せつ物のたい肥化 廃食 県 H19.3 用油のBDF( バイオディーゼル燃料 :bio diesel fuel) 化等 群 川場村 生ごみ 製材残材等の熱エネルギー利用 おからの 馬 H18.5 飼料化等 100 県 太田市 生ごみ等の飼料化 家畜排せつ物のたい肥化 油脂 H19.3 資源の燃料化等 山武町 木質バイオマス 食品廃棄物等のエネルギー利用 ( 現山武市 ) たい肥 土壌改良材への利用 H17.11 千 白井市 生ごみ等のたい肥化 なしの剪定枝の炭化 工業団 葉 H17.12 地等で発生する可燃ごみのガス化発電等 県 旭市 食品残さ等の飼料化 廃食用油のBDF 化等 H 大多喜町 家畜排せつ物のたい肥化 廃食用油のBDF 化等 H 東 あきる野市 林地残材の製品化 その端材等を利用したボイラー 京 H17.11 による乾燥 スターリングエンジン ( 注 ) によるバ 都 イオマス発電 60 神奈 三浦市 水産加工残さ 下水汚泥 農作物残さのガス化発電 川県 H17.3 及び二次加工製品化 山 早川町 間伐材 果樹剪定枝 漂流木等を利用し 熱利用中 梨 H17.6 心型のエネルギー供給システムの構築 40 県 山梨市 間伐材 果樹剪定枝等を利用し熱利用 廃食用油の H18.5 BDF 化等 三郷村 生ごみ 稲わら 家畜排せつ物等のたい肥化 バイ ( 現安曇野市 ) オガス化 リンゴ剪定枝 間伐材 トマトのツル等 長 H17.6 のガス化発電 水素ガス化の利用 野 千曲市 生ごみ 家畜排せつ物 剪定枝等のたい肥化 廃食 県 H17.9 用油のBDF 化等 長谷村 微粉化された間伐材 木くずから機能性食品原料 ( 現伊那市 ) 発酵製品等の生産等 85 H17.9 静 湖西市 家畜排せつ物 し尿 生ごみ等のエネルギー利用及 岡 H19.3 びたい肥化等 県 資料 : 各市町村策定のバイオマスタウン構想より 注 :1) 表頭の 目標 とは 各市町村のバイオマス賦存量に対する利活用割合の目標 (%) である このうち 廃棄物系 とは 家畜排せつ物 食品廃棄物 建設発生木材 下 水汚泥等をいう また 未利用 とは 稲わら 麦わら もみがら 林地残材等をいう 2) 策定市町村欄の下段はバイオマスタウン構想の公表年月を示す 3) 東京都あきるの市の 取組概要 にある スターリングエンジン とは 多種多様な 熱源に対応でき 原理的に非常に高い熱効率を達成できる外燃機関の1つのことである

84 イ利活用における地域の取組関東管内では環境保全や地域資源有効利用の意識の高まりから 家畜排せつ物や家庭生ごみの堆肥化 林地残材 家庭可燃ごみ 廃食用油のエネルギー利用などバイオマスの利活用の取組事例が増えている 事例 : ごみの資源化利用 いたくらまち 板倉町資源化センター ( 群馬県板倉町 ) ~ 生ごみの堆肥化と可燃ごみの固形燃料化 ~ 群馬県板倉町は人口は約 1 万 6 千人で 平坦な地勢 渡良瀬川と利根川の二河川による豊富な水 さらに県下一の温暖な気候を利用した農業の町である 同町では平成 9 年 4 月から資源化センターを稼働させ ごみの減量化による地域環境の保全とバイオマスエネルギーの利用による資源循環型社会の構築を目指している 板倉町資源化センター 資源化センターは 高速堆肥化施設とごみ固形燃料化施設からなっており 町全域から分別収集した生ごみと可燃ごみの資源化処理を行っている 高速堆肥化施設では 生ごみに発酵菌を混ぜて発酵 熟成させることで堆肥を製造している 分別収集には町指定の生分解性プラスチック製ごみ袋を用いており 生ごみとごみ袋を同時に堆肥化することで処理の効率化を図っている ごみ袋は10リットルのもので一枚 30 円 20リットルで40 円 30リットルで60 円 45リットル ( 事業者用 ) で90 円である 導入当初は強度不足による破れと製品劣化が問題となり 住民からの苦情も多かったが 現在では袋の厚みを増したり 原料の製造過程での工夫によって改善されている 処理能力は3トン /6 時間で 2~3 か月かけて堆肥を製造している 18 年度は49トンが町民や公共施設に無償で配付され 主に農家や小中学校の花壇 街路樹の肥料として利用されている 市販肥料と町製造肥料との比較栽培試験では 前者よりも農作物の食味がよい 腐りにくい 病気が少ないなどの結果が得られており 農家からの評判も非常に良いものとなっている 今後の課題として 生ごみ用指定袋の低コスト化があり 生分解性プラスチックの全国的な普及と需要増加が期待されている 生分解性プラスチック製生ごみ袋分解の様子と製造堆肥 固形燃料 また ごみ固形燃料化施設では 可燃ごみを破砕 乾燥 選別 成形工程を経て 約 30 分間でクレヨン状の固形燃料を製造している 7 時間で20トンの可燃ごみを処理し10トンの固形燃料を製造しており 製造された固形燃料は石炭とほぼ同等の4~5 千 kcalの熱量

85 をもっている 18 年度は1,049トンが有償で提供され おもに民間会社のボイラー燃料として利用されている これらの取組には住民の協力が不可欠であり 新規転入者や地元大学生に対しての説明やパンフレットの配布などを行い 分別の徹底や生ごみの水切りなどについて 周知と理解を求める積極的な活動を行っている ウ食品廃棄物の利活用の状況食品廃棄物は 食品関連事業者の事業活動のみならず 国民の日常生活からも大量に発生している 食品廃棄物の発生を抑制していくためには 消費者 事業者 国 地方公共団体等食品廃棄物にかかわる関係者が一体となって その発生の抑制 再生利用及び減量化に努めていくことが必要である 近年 食品廃棄物の有効利用は 石油の代替エネルギー 地球温暖化防止等の観点から注目されている また 農業者側においても 食品残さ等を肥飼料原料やたい肥に利用するなどの取組を推進することが重要な課題となっている このような状況に対応して 関東管内においても地方公共団体 食品関連事業者等が積極的に食品廃棄物の利活用に取り組む事例が増えている 18 年度においては 千葉県佐倉市 旭市 神奈川県藤沢市において バイオマスの環づくり交付金を利用し 食品リサイクル施設の整備を行った 同施設では コンビニから排出される食品残さ 食品製造業者から排出される食品加工残さ等を乾燥化 液状化処理等を行い 飼料製品を生産し 近隣の養鶏及び養豚業者等へ供給している

86 エ家畜排せつ物の利活用の状況 ( ア ) 家畜排せつ物の管理の適正化関東農政局管内においては 家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律 に基づく 管理基準 が適用となる対象農家のうち 99.8% が適正な管理が行われている状況にある 今後は ビニールシート等を利用した 簡易な家畜排せつ物処理施設での対応から 持続的で環境保全効果の高い処理施設への計画的な移行が必要となっている ( 図 Ⅱ-3-2) 基準不適合 (24 戸 ) 0.2% 図 Ⅱ-3-2 その他対応 (868 戸 ) 8.0% 関東管内の家畜排せつ物法に基づく管理基準の遵守状況 ( 平成 18 年 12 月 1 日現在 ) 簡易対応 (1,035 戸 ) 9.5% 管理基準対象農家 (10,856 戸 ) 75.9% 施設整備 (8,929 戸 ) 82.2% 全畜産農家 (14,305 戸 ) 管理基準対象外農家 (3,449 戸 ) 24.1% 資料 : 関東農政局調べ注 :1) 管理基準対象農家 とは 畜産業を営む者 のうち 2) の小規模農家を除くものをいう 2) 管理基準対象外農家 とは 畜産業を営むが家畜飼養頭数が一定規模以下 ( 牛 馬 :10 頭未満 豚 :100 頭未満 鶏 :2,000 羽未満 ) である者をいう 3) 簡易対応 とは 遮水性のあるシート等を用いるなど一時的に対応するものをいう 4) その他対応 とは 畜舎からほ場への直接散布 周年放牧 廃棄物処理としての委託処分 下水道利用等が含まれる ( イ ) 家畜排せつ物の利用の促進現在 家畜排せつ物の利用は たい肥化し農地に還元する取組がほとんどであるが 最近 農地面積あたりの家畜排せつ物の発生量が過剰になっているなど 農地への還元が困難な地域が生じてきている そこで このような地域では 水分が少なくカロリーの高い鶏糞について 燃焼させて鶏糞の減量化を図るほか 燃焼の際に発生する熱エネルギーを再利用する取組が増えつつある ( 表 Ⅱ-3-9) 表 Ⅱ-3-9 関東管内の鶏糞の熱エネルギーを利用した燃焼施設 ( 平成 18 年 12 月 1 日現在 ) 区分 鶏舎の暖房 熱利用の形態 鶏糞の乾燥 関東農政局管内 8 件 2 件 資料 : 関東農政局調べ 家畜排せつ物のメタン発酵等によるエネルギー利用については 1たい肥利用等の処理技術と比較して経済性で劣る場合があること 2 発酵後の廃液の処理が別途必要になるなどエネルギー利用だけでは処理は完結しないこと 3 既に地域で家畜排せつ物のたい肥へ

87 の利用が進展していること等により 生産者段階における管内の取組事例は 1 事例にとどまっている 一方 試験研究段階においてメタンガス発生施設を導入した事例は増えており 得られたメタンガスを自動車燃料等に用いる試験を行っている事例もある 事例 : 家畜排せつ物由来のメタンガスの自動車燃料として利用研究 ( 千葉県香取市 ) 千葉県香取市 ( 旧山田町 ) では バイオマス研究開発組合 (6 社 ) 独立行政法人農業 食品産業技術総合研究機構 千葉県農業総合研究センター 東京大学生産技術研究所等の産 官 学と共同して 研究施設に隣接する酪農家で飼養する乳牛 100 頭から排出される家畜排せつ物等を原料としてメタン発酵 メタン吸着貯蔵 炭化 堆肥化による多段階利 用システムの構築に向けた研究を実施している ( 平成 16~18 年度 ) しゃだん メタン発酵では牛糞尿等を密閉したタンク ( メタン発酵槽 ) に入れて 酸素を遮断し暖 めると 微生物の働きでメタンを含むバイオガスと消化液が生成される ここでは 1 日あたり5トンの牛糞等を投入し 温度 37 程度 滞留時間 27 日間程度の発酵を行う このバイオガスを98% 以上のメタンに精製し 吸着剤を充填したガスタンクに高濃度で貯蔵する このプラントでは 1 日あたり5トンのバイオマス資源から98% 以上の精製メタンガスが65m3できる設計としている このメタンガスを自動車やバイクの燃料としての利用に向けた研究を行うとともに ( メタン自動車は1m3あたり約 20km 走行可能と予測 ( 試験中 )) メタン発酵過程で精製された消化液 ( 肥効成分が豊富 ) の液肥化 生成されたメタンガスを燃料として牛糞等を炭化して製造する固体燃料 ( 炭 ) の研究も行っている メタンガスを車輌に充填するためのユニット メタンで疾走するバイクと自動車 ( ウ ) 耕畜連携の推進管内各県では 家畜の排せつ物の利活用を促進するために 畜産農家と耕種農家との間で 県内で生産されるたい肥の流通促進にかかる情報交換を円滑化する協議会を設置している また 関東農政局では 家畜排せつ物由来のたい肥の利活用を促進するため 耕種農家と畜産農家が連携して有機質資源循環を図っている事例を紹介した 耕畜連

88 携優良事例集 の作成 配布 関東ブロックたい肥需給リスト( 生産 消費 流通 成分分析 ) の作成 配布 耕畜連携にかかわる優良事例の検討と普及を図るための 関東ブロック耕畜連携シンポジウム の開催等の取組を実施した しもいなぐんあちむら事例 : 地域で耕畜連携を推進する優良事例 ( 長野県 下伊那郡阿智村 ) 平成 18 年度関東ブロック耕畜連携シンポジウムでの発表優良事例 長野県下伊那郡阿智村では 良質な完熟堆肥を必要としていた耕種農家 440 戸と 堆肥センターの整備を必要としていた畜産農家 10 戸が 平成 15 年 5 月に 阿智村有機活用農業振興会 を設立し 村全体で有機の里づくりを推進している 具体的には 村が16 年度に整備した堆肥センターで 畜産農家から提供された牛糞等から良質な 完熟堆肥 あち有機いきいき を製造し 耕種農家に供給 農業改良センター 阿智村 阿智村営農支援センター JAみなみ信州を構成員とした 有機活用農業プロジェクト を組織し 土づくりを推進するために 1 施肥基準 栽培歴の作成 配布 2 研修会の開催 3 土壌分析による施肥設計等を総合的に支援 村が同振興会を側面的に支援するため 17 年 2 月に有機活用農業推進条例を制定し 資源循環型農業とともに 安全 安心な農作物に対する村独自の認証制度を推進し 耕種農家は同完熟堆肥等を利用して この認証制度に基づいた農作物を消費者に提供等に取り組んでいる 阿智村農産物認定シール 阿智村たい肥センター

89 オエネルギー利用等の動き管内におけるバイオマス利活用の状況として たい肥や飼料としての利用の他にも エネルギー利用 ( 間伐材から木質ペレット ナタネ 廃食用油からバイオディーゼル燃料 生ごみ等からバイオガス ) やバイオマスプラスチック製品の利用 食品の製造など 様々な用途への利用の動きが見られる 農林水産省では より一層のバイオマス利活用の加速化や 地域の特性 利活用方法に応じた多様な展開を図る自治体等の育成を目的とした バイオマス利活用優良表彰事業 を16 年度から実施している 18 年度 関東管内では 株式会社モスフードサービスモスバーガーチェーンと社会福祉法人光明会が運営する障害者支援施設 就職するなら明朗塾 が農林水産省農村振興局長賞を受賞したところである 事例 : バイオマスプラスチック 株式会社モスフードサービスモスバーガーチェーン 平成 18 年度 バイオマス利活用優良表彰事業 農林水産省農村振興局長受賞の取組の一部モスバーガーでは お持ち帰り用コールドドリンク用容器として 透明プラスチック ( ポリスチレン ) 容器を利用していたが 2005 年 6 月より 愛知万博と並行して サテライト会場及び一部店舗 ( 愛知県内の3 店舗 ) にて バイオマスプラスチックカップ ( バイオマス100% 透明) をテスト導入し カップに 植物でんぷん由来 と表示して 来店客や付近の利用客に提供し バイオマスプラスチックを普及した 愛知万博期間終了後も 地域での啓発を継続し 2006 年 7 月よりモスバーガー全店舗においてお持ち帰り用コールドドリンクカップをバイオマスプラスチックに変更した これは国内初の取組であり バイオマスプラスチックの需要拡大に資するとともに 多くのバイオマスプラスチックの普及 認知度向上に貢献している 今後 年間延べ約 500 万人がバイオマスプラスチックカップを利用し 121トンのバイオマスプラスチックが年間利用されることとなる見込みである ( 平成 18 年度持ち帰りコールドドリンク売り上げ見込みより試算 )

90 もっとも 1 事業者の取組では量的 コスト的に限界があることから 当社では 今後 容器生産 加工 物流 消費 処理 処分等について異業種間で連携する社会インフラの仕組づくりや 構造改革特区による規制の特例措置 関連法の整備により 特定の地域で事業者 公共施設等が協力して容器利用にかかる環境負荷の低下 コスト低減を図る取組を広げていく必要があると考えている 3 バイオマス連絡協議会の取組バイオマス利活用の地域間連携 広域的取組を進めていくにあたっては バイオマス ニッポン総合戦略 に基づき 国民各層の理解の醸成と関係者の役割分担 協調が重要となる そこで 現在 国内の各ブロックにおいて 国の各地方支分部局 都道府県 試験研究機関からなる バイオマス ニッポン総合戦略地域連絡協議会 が設けられている 関東管内においては 15 年 6 月に各省地方支分部局及び試験研究機関 都県を構成員とした バイオマス ニッポン総合戦略関東地域連絡協議会 ( 事務局 : 関東農政局 ) を設け バイオマス利活用を推進するための役割分担 協調体制の整備を図るとともに バイオマスの利活用に関する状況把握を行っている また バイオマスに関する施策等の情報発信のためのホームページ ( ページアドレス index.htm) の運営や関東管内でのバイオマス利活用事例の紹介 パンフレット シンポジウムを通じた普及啓発活動を行っているところである 18 年度の活動としては 19 年 1 月に協議会を開催し各機関の情報の共有を図るとともに 19 年 3 月には 社団法人日本有機資源協会との共催で バイオマス利活用の今後の展開 と題したシンポジウムを埼玉県さいたま市で開催した シンポジウムは 関東管内でのより一層のバイオマス利活用推進に寄与することを目的としており 18 年度バイオマス利活用優良表彰受賞者の取組の紹介と有識者による講演 パネルディスカッションが行われた ( ページアドレス htm)

91 (3) 付加価値の向上や知的財産の創造 保護 活用の取組 1 新たな技術の開発 普及状況関東東海北陸地域の各都県及び独立行政法人の農業試験研究機関では 毎年 関東東海北陸農業試験研究推進会議 を開催し 生産現場において実用的に利用され得る技術や科学的な新知見 政策や事業実施の場で使われ得る知見などを選定し 公表している ここでは それらの中から関東農政局管内のいくつかの主要研究成果をピックアップし その概要を紹介する なお 詳細は ( 独 ) 農業 食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター ( 以下 中央農研 という ) のホームページ ( go.jp/) 研究成果情報 欄に掲載することとしている また 17 年度より関東農政局と の連携協力のもとで開始された 高生産性地域輪作システム構築事業に関わる技術開発 ちくせいし (17~18 年度 ) では 茨城県筑西市を中心に現地実証試験を実施するとともに 先端技術 を活用した農林水産研究高度化事業 の 地方領域設定型研究 では 東京都 神奈川県 埼玉県及び千葉県を対象に 新資材を活用した都市軟弱野菜の省農薬 高付加価値生産技術の確立 (18~20 年度 ) のための現場密着型の技術開発を進めている ア新たな技術の開発状況 ( ア ) 土地利用型農業の新技術 品目横断的経営安定対策に対応した経営意思決定支援システム担い手の育成や認定農業者の経営改善に向けた支援が重要な課題となるなかで 19 年産から品目横断的経営安定対策が施行される 本成果は そうした農業者の経営改善や同対策の利用の経営意思決定を支援するシステムで 損益計算書 貸借対照表 機械施設装備 労働時間等のデータ さらに作付面積 単収 単価などの計画値を入力すれば 自動的に品目横断的経営安定対策下での経営収支 ( 表 Ⅱ-3-10 表 Ⅱ-3-11) 月別キャッシュフロー 財務内容 財務指標の推計値 ( 表 Ⅱ-3-12) が計算 表示される また 収益を最大にするうえで最適な経営計画を簡易に計算できる 営農計画モデル活用支援プログラム (BFM:Buider of Farm Model) も組み込まれており 計画初年度と最終年度の最適な作物別作付面積と それらに対応した同対策実施下での経営収支の把握が行える ( 中央農研 ) 表 Ⅱ-3-10 経営意志決定支援システムにおけるシート一覧 シ ー ト名 シ ー ト名 経 営 改 善 資 金 計 画 入 力 分 析 シ ナ リオ 概 要 生 産 実 績 入 力 シ ー ト 面 積 単 収 単 価 整 理 シ ー ト 財 務 損 益 入 力 シ ー ト 販 売 管 理 シ ナ リオ 整 理 シ ー ト 生 産 及 び 投 資 計 画 入 力 シ ー ト 収 支 等 推 計 収 支 計 画 入 力 シ ー ト 品 目 横 断 対 策 収 支 推 計 シ ー ト 対 象 事 例 の 財 務 諸 表 入 力 作 業 可 能 性 検 討 シ ー ト 賃 借 対 照 表 入 力 シ ー ト 年 次 別 損 益 推 計 シ ー ト 修 正 賃 借 対 照 表 入 力 シ ー ト 損 益 計 算 書 推 計 シ ー ト 部 門 別 損 益 計 算 書 入 力 シ ー ト キャシュフロー推 計 部 門 別 生 産 原 価 報 告 書 入 力 シ ー ト 月 別 キャシュフロー推 計 ( 実 績 ) 月 別 生 産 原 価 報 告 書 入 力 シ ー ト 月 別 キャシュフロー推 計 ( 年 ) 経 営 概 要 等 入 力 財 務 分 析 結 果 推 計 機 械 施 設 装 備 入 力 シ ー ト 貸 借 対 照 表 推 計 シ ー ト 損 益 計 算 書 の 月 別 推 移 入 力 シ ー ト 財 務 指 標 計 算 シ ー ト 時 期 別 労 働 時 間 の 入 力 シ ー ト 経 営 計 画 ( B F M ) 対 象 事 例 の 作 物 別 単 収 整 理 シ ー ト 経 営 指 標 入 力 シ ー ト 品 目 横 断 対 策 試 算 用 入 力 シ ー ト 営 農 条 件 入 力 シ ー ト 損 益 デ ー タ 整 理 試 算 結 果 の 要 約 損 益 計 算 要 約 版 作 成 シ ー ト 計 算 結 果 表 1 0 a 当 た り生 産 原 価 算 出 シ ー ト 線 形 計 画 法 単 体 表 部 門 別 月 別 生 産 原 価 シ ー ト 線 形 計 画 法 用 モ デ ル

92 表 Ⅱ-3-11 品目横断的経営安定対策の経営収支への影響評価試算表 品目横断対策収支推計シート 経営地の転作水稲計大麦小麦大豆作付面積 ( a ) 1, ,800 4,600 前対象経営収量 (kg / 1 0 a ) 提緑ゲタ面積単価 ( 円 / 1 0 a ) - 21,584 28,955 19,632 - 販売収入 1, ,334 対過去実績 策政策的支援額毎年の量 品質 効 ( ゲタ ) 新ゲタ合計 ,199 果制収入合計 1, ,518 整度経営費 ,944 理(品目別所得 ,574 万産地作り交付金 産地作り交付金込み所得 ,204 円)対策に加入しない場合の収入 1, ,334 対策に加入しない場合の所得 注 :1) 品目横断的経営安定対策施行 2 年目 (2008 年 ) における経営収支を試算するシートの一部を掲載したものである 裸麦 二条大麦は大麦にまとめている 2) 同対策の2 種類の補てん支援 (1 生産条件不利補正対策と2 収入減少影響緩和対策 ) のうち 2 収入減少影響緩和対策は本システムでは省略している 1 生産条件不利補正対策 ( 政策支援額( ゲタ ) 欄) には ( ア ) 過去の生産実績に基づく支払い ( 過去実績 欄)( 緑ゲタ ) と ( イ ) 当該年の生産量 品質に基づく支払い ( 毎年の量 品質 欄) がある 3 ) 本システム上における試算結果の比較は 1 対策に加入していない場合の所得 欄と2 新制度 欄のうち 品目別所得 欄 ( 産地作り交付金を交付されている場合は 産地作り交付金込み所得 欄 ) で行う 表 Ⅱ-3-12 財務指標計算シート ( 一部 ) 区分比率実績 2007 年 2008 年 2009 年 2010 年 2011 年単位計算式 収益性 総資本経常利益率 % 経常利益 資産合計売上高経常利益率 % 経常利益 売上高 資本回転 総資本回転率 % 売上高 資産合計 流動比率 % 流動資産計 流動負債計 当座比率 % 当座資産計 流動負債計 安全性 固定長期適合率 % 固定資産計 ( 資本合計 + 固定負債計 ) 自己資本比率 % 資本合計 資産合計 売上高支払利息率 % 支払利息 割引料 売上高 キャッシュフ キャッシュフロー 百万円 税引後当期利益 + 減価償却費 - 役員賞与 ロー 売上高キャッシュフロー比率 % キャッシュフロー 売上高 成長性 売上高増加率 % ( 当年度 - 前年度 ) 前年度 従業員 1 人当り売上高 百万円売上高 従業員数生産性労働分配率 % ( 労務費 + 人件費 ) 付加価値注 : 本表は 推計した損益計算書と貸借対照表から作成される財務指標を整理するシートの一部を抜粋して掲載したものである 大豆のコンバイン収穫における収穫損失および汚粒低減技術 コンバインによる大豆収穫作業では 収穫損失と汚粒が問題となっている 収穫損失の うち脱穀 選別損失の割合は低く 9 割近くは頭部損失である また 排塵弁の開度調節 により汚粒は低減するが 脱穀部での滞留時間が短くなるため 脱穀 選別損失が増加するという問題がある そこで 刈刃の刃先角度が20 ( 標準 35 ) と小さく 受刃ピッチの狭い (50.8mm 標準 76.2mm) 狭ピッチ切断部にすることによって 切断による茎の飛び出しが低減され 頭部損失が半減した また こぎ胴回転軸と平行に配置されたコンケーブロッドの間隙を34mm( 標準 22mm) の幅広にすることによって 脱穀部から選別部への子実の落下性が改善され 汚粒及び脱穀 選別損失の低減が可能となった ( 中央農研 ) はいじん

93 ナイフヘッド フィンガバー 刈刃 受刃 支柱 間隙 34 mm コンケーブロッド 100mm 50mm mm 脱穀部入口 とうざん 小粒 良質で納豆加工適性に優れる新品種候補系統だいず 東山 204 号 東山 204 号 は 平成 6 年に長野県中信農業試験場 ( 農林水産省大豆育種指定試験 ) において 納豆小粒 を母 東山系 U455 を父とした人工交配から育成した系統で すずこまち コスズ より晩熟な小粒系統である 子実が すずこまち より小さく球形で外観品質に優れ 納豆加工に適する ダイズモザイクウイルス病と紫斑病に抵抗性を有し 病害粒の発生が少ない このように 東山 204 号 は 小粒で納豆加工適性に優れ障害粒が少ない商品性の高い系統で 関東 東山 北陸地域が栽培適地である なお ダイズシストセンチュウ抵抗性がないので 連作を避け 発生したことのあるほ場へは作付けしないことに留意する必要がある ( 長野県中信農業試験場 ) ラッカセイにおけるヒョウタンゾウムシ類の防除対策トビイロヒョウタンゾウムシ及びサビヒョウタンゾウムシは 多くの野菜及び畑作物を加害し 特にラッカセイ ニンジン ゴボウ ネギなどを好む しかし両種の生態は十分に解明されておらず また登録農薬は極めて少ないことから 防除対策の検討が遅れている そこで ラッカセイを対象とした現地調査 薬剤防除試験などから 1ヒョウタンゾウムシ類成虫がラッカセイほ場に侵入した場合には プロチオホス粉粒剤 ( 有機リン系農薬 ) の株元散布により効果的な防除が可能となり また 2 前年に被害が発生したほ場では ラッカセイの播種を遅らせて6 月上旬までは作付けず 雑草管理を徹底することによって 越冬した幼虫による被害を回避できることが解明された ( 千葉県農業総合研究センター )

94 ( イ ) 野菜 果樹 花の新技術 フェンロー型温室における細霧冷房による温室メロンの品質向上技術 メロン温室は 熱帯性植物であるメロンの生育を促進するため 室内に均等に十分な日照が得られるよう スリークォータ型温室 ( 光透過率を高めるために南側の屋根面積を大きく取った温室 ) が利用されてきた 一方 フェンロー型温室 ( オランダで開発され 換気効率を高めるために軒高が高 図 Ⅱ-3-3 スリークォータ型及びフェンロー型温室の形状南向きスリークォータ型フェンロー型 く 小さい屋根がいくつも連なっているガラス温室 ) は 梁間 3.2 メートル ( または 4.0 メ ートル ) の小さい屋根がいくつも連なった温室で スリークォータ型温室に比べて 屋根が小さく骨材を細く軽量にできることから 建設費が安く大規模化が可能でメロン生産において普及しつつある ( 図 Ⅱ-3-3) しかし フェンロー型はスリークォータ型に比べて 高温乾燥状態になりやすいため メロンの生育 品質への影響が大きい そこで フェンロー型温室に 細かい霧を気化させて周囲の空気を直接冷やす細霧冷房を導入することによって 高温乾燥条件が改善され ( 図 Ⅱ-3-4) 生育旺盛で 上位葉の葉面積や株全体の乾物重も大きくなることから 収穫後の茎からの出液量も多く根の活力が高くなる ( 静岡県農業試験場 ) はりま 図 Ⅱ-3-4 フェンロー型温室における細霧冷房使用による気温及び湿度の日変化の例 ( / 晴 ) 温室内の温度 ( ) 細霧冷房無処理 6:00 7:00 8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19: :00 7:00 8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00 温室内の湿度 ( ) 細霧冷房無処理 時刻 時刻 注 : 細霧放出によって温室の湿度は上昇するが 水の蒸発冷却によって気温が低下する これをかんけつ間歇的に実施することによって温室内の湿 温度が小刻みに変動する

95 雨よけ栽培導入によるブドウ晩腐病防除のための殺菌剤散布削減ブドウ晩腐病は 黒とう病 べと病などとともにブドウの主要病害であり 近年の多発生傾向に対する迅速な防除対策が求められている そこで耕種的防除法として 4 月中 下旬 ~7 月末 8 月上旬の期間に雨よけ栽培 ( ビニール被覆は4 月下旬 除去は8 月上旬頃 ) を導入することによって 雨によるブドウ晩腐病菌の分散を抑え 1 展葉 2~3 枚期 2 開花終期 3 果粒小豆粒大期 ~ 大豆粒大期の3 回の殺菌剤の散布を省略しても 十分な防除効果が得られた ( 表 Ⅱ-3-13) 雨よけ栽培によって現行の殺菌剤の散布回数を約 30% 削減できる防除体系が確立された ( 茨城県農業総合センター ) 表 Ⅱ-3-13 試験区 雨よけ栽培の導入と殺菌剤削減によるブドウ晩腐病に対する防除効果発病果房率 (%) 発病度防除価平成 16 年平成 17 年平成 16 年平成 17 年平成 16 年平成 17 年 雨よけ栽培 殺菌剤削減区 露地 県防除暦殺菌剤散布区 露地 無処理区 注 :1) 品種は 巨峰 で 露地区の満開日は 16 年が 6 月 3 日 17 年が 6 月 12 日である 2) 棚上のビニール被覆 :16 年は 4 月 19 日 17 年は 4 月 26 日 ビニール除去 :16 年は 7 月 27 日 17 年は 8 月 5 日 3)16 年は 7 月 26 日に 17 年は 8 月 2 日に袋かけをし 収穫時まで継続した 4)16 年は 8 月 30 日に 17 年は 9 月 8 日に一斉収穫し 発病度を算出した 発病度 ={Σ ( 発病指数 発病指数別果房数 ) /( 最大発病指数 調査果房数 )} 100 発病指数 ;0:1 果房当たり発病果粒数が 0 個 1:1~2 個 2:3~4 個 3:5~6 個 4:7 個以上 5) 防除価 =100-[{( 各区の発病度 )/( 無処理区の発病度 )} 100] 防除価が高いほど ( 発病なしの場合 100) 防除効果が高い 気象予報を用いたニホンナシの生育予測プログラム近年の異常気象は ニホンナシ ( 幸水 豊水 にっこり 等) の開花期 収穫期 果実肥大を平年より極端に変動させ 樹体生育に大きな影響を及ぼしている そこで 異常気象でも高精 度に生育を予測できるプログラムの必要性が高まっている 本プログラムは ( 図 Ⅱ-3-5 参 ほ 照 ) 生育診断圃 10 か所において 過去 10 年間の生育状況と気象データ ( アメダス値 ) を もとに作成されたもので 予測日までのアメダスデータ及び気象予報を入力することで ニホンナシの生育を予測できるプログラムである ( 栃木県農業試験場 )

96 図 Ⅱ-3-5 気象予報を用いたニホンナシの生育予測プログラム ナシの生育予測プログラム ver.1 ナシの開花期予測 (3 月 3 日現在 ) このプログラムは 栃木県内のナシの発育を予測するものであり 県組織 ( 試験場 ) でのみ使用できるものとします 他者及び外部組織への譲渡 利用は厳禁とします また プログラムの複製 改良を行う場合には必ず制作者に連絡することを厳守して下さい 制作 : 栃木県農業試験場担当 : 大谷義夫 (Tel ) 協力 :( 独 ) 農業 生物系特定産業技術研究機構本部杉浦俊彦 (Tel ) 予測年 2006 予報 入力方法 予測日 3/3 発表日 303 予報発表日 1ヶ月予報 1 週目 1 301~307を入力 2 週目 0 予報内容 ( 気温 ) 3 4 週目 0 高い 1 3ヶ月予報 4 月 0 平年並 0 5 月 1 低い -1 農業試験場 本年の自発休眠覚醒時期 12/31 ( 平年 12/30) 自発休眠覚醒 ~2/ 末までの気温 2.9 ( 平年 3.0 ) DVI1 DVI12 DVI 平年値 2006 年 0.0 9/1 10/1 時期 ( 月 / 日 ) 図ナシ ( 幸水 ) の生育指数 (DVI): 農試 幸水 2/ 末までの DVI 2.38 ( 平年値 2.36) 豊水 2/ 末までの DVI 2.38 ( 平年値 2.38) にっこり 2/ 末までの DVI 2.38 ( 平年値 2.38) 地点 開花始開花盛開花始開花盛開花始開花盛地点地点本年準平年差昨年差本年準平年差昨年差本年準平年差昨年差本年準平年差昨年差本年準平年差昨年差本年準平年差昨年差 湯津上 4/24 2 日 -2 日 4/28 3 日 -2 日 湯津上 4/21 1 日 -3 日 4/24 2 日 -3 日 農試 4/17 1 日 -2 日 4/20 2 日 -2 日 高根沢 4/22 2 日 -2 日 4/25 3 日 -2 日 高根沢 4/20 3 日 -2 日 4/22 3 日 -3 日 南那須 4/25 4 日 -1 日 4/28 4 日 0 日 南那須 4/22 3 日 -1 日 4/24 3 日 -1 日 河内 4/23 1 日 -3 日 4/26 2 日 -2 日 河内 4/20 1 日 -3 日 4/22 0 日 -3 日 農業試験場の準平年値 農試 4/22 1 日 -3 日 4/25 1 日 -3 日 農試 4/19 1 日 -3 日 4/21 0 日 -4 日 鹿沼 4/24 4 日 -2 日 4/27 5 日 0 日 鹿沼 4/21 4 日 -2 日 4/24 4 日 -1 日 開花始 開花盛 芳賀 4/24 3 日 -2 日 4/27 4 日 -1 日 芳賀 4/21 3 日 -1 日 4/24 3 日 -1 日 幸水 4/21 4/24 岩舟 4/19 3 日 -2 日 4/22 3 日 -2 日 岩舟 4/16 2 日 -2 日 4/18 2 日 -2 日 豊水 4/18 4/21 佐野 4/16 0 日 -3 日 4/19 1 日 -4 日 佐野 4/14 1 日 -2 日 4/17 1 日 -2 日 にっこり 4/16 4/18 小山 4/20 2 日 -2 日 4/22 2 日 -3 日 小山 4/16 1 日 -3 日 4/18 1 日 -4 日 平均値 4/22 2 日 -3 日 4/25 2 日 -2 日 平均値 4/19 2 日 -3 日 4/22 2 日 -2 日 準平年差 昨年差が- は早まることを +は遅れることを示す 入力方法と出力結果 : 開花期予測の場合 アメダスデータより前年 9 月 1 日以降の毎時の気温及び季節予報 (1 か月と 3 か月予報 ) を入力することによって 例えば 3 月 3 日現在の小山での開花予測は 過去 10 年平均の開花日より 2 日遅く 昨年よりは 2 日早いという結果となる 注 :1)DVI(Development Index): 発育ステージを表す指標で 便宜的に自発休眠覚醒 開花 展葉の各ステージを の数値として定義し その間を連続的に変動する 2) 準平年差 : 過去 10 年間の平均値

97 空気膜ハウスの暖房燃料削減効果とトルコギキョウの生育への影響 地球温暖化防止や原油価格高騰などを背景とし 図 Ⅱ-3-6 被覆方法と暖房燃料使用量 て 施設園芸生産では近年 化石燃料の効率的な利用が強く求められている そこで パイプハウスへフィルムを2 枚重ねて展帳し その間に空気を送り被覆を複層化することによって 初春季の暖房燃料使用量を30% 削減することが可能となり ( 図 Ⅱ-3-6) 1 月定 暖房燃料使用量 ( リットル ) /25~31 3/20~29 3/19~24 3/25~31 3/20~29 3/19~24 3/13~19 3/8~18 3/13~19 3/8~18 3/9~12 3/9~12 空気膜対照空気膜対照 2005 年 2006 年 植 6 月開花のトルコギキョウの生育及び切り花品質にも変わりないことが解明された ( 長野県野菜花き試験場 ) 千葉県施肥設計支援システム エコFIT 本システムは 施肥設計値 ( 目標とする肥料成分量 ) 施用を予定している各種資材( 堆肥 有機質肥料 化学肥料 ) の成分含量 ちばエコ 基準 ( 化学肥料窒素の上限量 ) 等を入力すれば 施用を予定している各種資材の組合せの範囲内で 目標とする肥料成分量を過不足なく満たす各種資材の施用量が算出される ( 図 Ⅱ-3-7)( 千葉県農業総合研究センター ) 図 Ⅱ-3-7 千葉県施肥設計支援システム エコ FIT の操作画面の一部 手順 ( マウスを文字部分へ ) 千葉県施肥設計支援システム表示切り替え野菜施肥基準参照タイトルに戻る Step1 設計値入力 Step2 堆肥の窒素代率作物名 作型成分量 (kg/10a) ちばエコ基準 Step3 エコ基準入力窒素化学りん酸加里石灰苦土全データクリアーキャベツ ( 秋冬どり栽培 ) Step4 堆肥の入力 N 窒素 P 2 O 5 K 2 O CaO MgO 窒素で最適化計算 Step5 堆肥肥効率設定施肥設計値 (kg/10a) この画面の印刷基基肥のみ追肥のみ Step6 有機質肥料入力肥料 + 堆肥の有効成分量 (kg/10a) Step7 化学肥料入力肥設計値との過不足 (%) 基肥 + 追肥結果の印刷 Step8 追肥の入力施肥設計値 (kg/10a) 追 Step9 施用量計算肥料の有効成分量 (kg/10a) 肥 3 成分で最適化計算家畜ふん堆肥の利 Step10 印刷設計値との過不足 (%) 用について基肥のみ追肥のみ堆肥の窒素代替率 (%) 基追施肥設計値 (kg/10a) 目標 30 以下 + 肥肥肥料 + 堆肥の有効成分量 (kg/10a) 基肥 + 追肥肥効率について計算値 3 設計値との過不足 (%) 成分含量 (%) 施用量設定肥効率 (%) 施用量資材名窒素化学りん酸加里石灰苦土 (kg/10a) 窒素りん酸加里石灰苦土 (kg/10a) N 窒素 P 2 O 5 K 2 O CaO MgO 下限値上限値 N P 2 O 5 K 2 O CaO MgO 堆肥 1 牛基肥堆肥飯田牧場 ( 牛ふん ; 鴨川市 堆肥 2 堆肥 3 有機質肥料 1 有機質肥料 2 有機質肥料 3 エコ FIT 有機質味好 1 号

98 ( ウ ) 畜産の新技術 新子宮内注入器による豚胚の非外科的移植養豚において 優れた遺伝形質の豚の繁殖を図る手段として 子宮内での人工授精や 子宮外で人工授精させて分割を始めた受精卵 ( 胚 ) の子宮への移植がある このうち 前者については 精子の病気保持をスクリーニングする手段がない一方 後者については 胚の病気保持をスクリーニングする手段があり また優れた遺伝形質が発現する繁殖が期待できる そこで 養豚業の生産現場では 外科的手法による胚移植が行われているが 外科的手法においては多様な器具や施設が必要となるなど コストや設備面で問題点が多く 非外科的移植手法の開発が要請されている そこで 胚を移植するための内管と 内 管を子宮内へ誘導するための外管の二重構造をもつ子宮内注入器が開発された 外管は子 けいかん 宮頚管を容易に通過できるように人工授精用精液注入器に比べて細く 内管は長く蛇行し ている子宮角へ押し進められるように長さ1.5メートル 外径 3mm 内径 0.8mmとし 適度な弾力性があり 胚を容易に子宮深部 ( 子宮角 ) に注入することが可能になった なお 本器を使って胚を注入する際の移植液量について検討した結果 1mlの移植液が高受胎率につながることも判明した ( 神奈川県畜産技術センター ミサワ医科工業株式会社 ) 開発した子宮内注入器 ( 内管と外管を組み合わせて用いる ) ゆうしゆん 硝酸態窒素 カリウム含量が低いイタリアンライグラス新品種 優春 近年 家畜ふん尿が過剰に還元される飼料畑で栽培された飼料作物には 高濃度の硝酸態窒素 (NO3-N) やカリウム (K) が蓄積されることがあり 牛に対して高濃度の硝酸塩が酸素欠乏を引き起こすことによる硝酸塩中毒や 低カルシウム血症 ( またはグラステタニー ( 注 )) の発生が懸念されている 優春 は茨城県畜産センターで選抜した低 NO3-N 系統及び畜産草地研究所で幼苗検定により選抜した低 NO3-N 集団から育成された早生の2 倍体品種であり 出穂始日は タチワセ と同程度 4 月 20 日頃 収量は ワセアオバ よりやや低いが ( 乾物収量 1,330kg/10アール ) 耐倒伏性は タチワセ より優れている 東北南部から九州地域までの積雪の少ない地域での利用が期待される ( 茨城県畜産センター ) ( 注 ) グラステタニー : 血液中のマグネシウム (Mg) の濃度が低下することにより 牛の上肢前腕 指 下肢屈曲筋などで特有な痙攣 ( けいれん ) 発作 ( テタニー ) が起きる症状を呈し 重症例では起立不能から死亡に至る病気 土壌中の Mg が欠乏した放牧地で春先に多発する

99 あんきょ全面有孔の暗渠管を利用した切り返しをしない簡易な堆肥化技術 家畜排せつ物の資源利用や環境汚染防止の要請が高まるに伴い 簡易でしかも省力的 低コストで家畜排せつ物を処理できる技術が強く望まれている そこで 管壁が網目状で通気性が高く 軽量で安価な全面有孔の暗渠管 ( 写真参照 ) を利用した簡易な堆肥化技術が開発された この暗渠管は内径 63mm で 高密度ポリエチレン製のため軽量で取り扱いやすく 価格も1 本 4メートルで約 1,500 円と安価で 何度も再利用が可能である これを水分調整された肉牛ふんに埋設するだけで 切り返しや送風を行わなくとも 暗渠管開口部から盛んに水蒸気が上がり 堆積物中心部の通気性が確保され 堆積物内部まで堆肥化が進行する ( 神奈川県畜産技術センター )

100 イ研究成果の普及に向けた取組 ( ア ) 研究成果の普及状況中央農研では 研究成果を確実かつ迅速に移転 普及させるために 16 年 4 月より 出前技術指導 を実施している ( 申込先 : /demae5.html 参照 ) これは 当センターで開発した新技術について 研究担当者が直接現地に赴いて 先進的農業者に対して説明会や試作機の実演 指導を行うもので こうした活動を通じて新技術の農家への理解と普及を促進させるとともに 営農現場の生の声をもとに新技術のさらなる改善 改良を目指している 18 年度の全国における出前技術指導 の対象と実績は 1 ロングマット水耕苗移植技術 :22 件 (9ha) 2 大豆 麦不耕起狭畦栽 こううん 培技術 :9 件 (44ha) 3 耕耘畝立て同時播種技術 :31 件 (136ha) 4 小明渠作溝同時浅耕 播種技術 :3 件となっている ( 表 Ⅱ-3-14) なお このうちロングマット水耕苗移植技術については 18 年 12 月に農家を主体とした全国組織 日本ロングマット水稲苗推進協議会 ( 事務局 : 中央農研 ) が発足し 当該技術導入農家間の情報交換及び他農家への普及拡大に取り組む体制が整備された 19 年度からは 上記 4つの技術に加えて 大豆のコンバイン収穫における収穫損失 汚粒低減技術が新たに追加された 独立行政法人の当センターが円滑に出前技術指導を行うには 都県の試験研究機関 普及センター JA 等との密接な連携と協力が不可欠であり 今後ともそうした現地機関との役割分担を明確にしながら一層の進展を期待している 表 Ⅱ-3-14 出前技術指導の概要等出前技術指導内容概要メリット等指導実績 ( 全国 ) ロングマット水耕不織布を苗床とする水耕苗をロー田植えの省力化と苗運びの 22 件苗移植技術ル状に巻き 改造田植機で移植軽減 (9ha) めいきょ 大豆 麦不耕起降雨直後でも播種が可能で 狭畦適期播種が可能で 中耕も 9 件 きょうけい 狭畦栽培技術なので抑草効果もあり省略 (44ha) こううん 耕耘畝立てアップカットロータリー耕耘軸を湿害の軽減による生産の安 31 件 同時播種技術改造し 耕耘と同時に畝立て可能定化 (136ha) めいきよ 小明渠作溝小明渠による表面排水と浅耕によ小麦 大豆の苗立ちの安定 3 件 同時浅耕播種技術るクラスト ( 土壌表面に形成され化る透水性の悪い薄層 ) 抑制また 中央農研を含む13の研究所から成る農業 食品産業技術総合研究機 ( 以下 農研機構 という ) では 研究成果の事業化や技術移転を促進するために 第 3 回アグリビジネス創出フェア ( 日時 :18 年 10 月 25~26 日 場所 : 東京国際ファーラム 一般来場者数 :3,018 名 ) に積極的に参加 出展し 研究成果を生かしたビジネスチャンス拡大に努めた

101 ( イ ) 技術の知的財産としての保護 活用民間企業等が研究成果を活用して新製品を開発しようとする場合 その中核となる技術が簡単に他社に模倣されてしまうようでは 安心して投資できない したがって 研究成果の権利化は研究成果を社会的に活用するための第 1 歩となる 農研機構で開発された技術 品種やプログラム等の知的財産権については 独立行政法人農業 食品産業技術総合研究機構知的財産権実施規程 (13 規程第 42 号 平成 13 年 4 月 1 日 ) に基づいて取り扱われており その概要は次のとおりとなっている 1) 特許権等の実施の許諾は 不特定多数の者が利用できる 通常実施権 ( 特許法第 78 条 ) について行っており 民間事業者への実施許諾契約は 農林水産省 TLO(Technology Licensing Organization: 技術移転機関 ) 認定団体である 社団法人農林水産技術情報協会 ( で行っている 2) 育成者権 ( 種苗法第 19 条 ) の利用の許諾も 不特定多数の者が利用できる 通常利用権 について行っており 一般栽培するための種苗を生産するには あらかじめ農研機構と利用しようとする団体との間で利用許諾契約を結んでもらっている 利用許諾の対象者は 個人農家以外で 種子の生産販売を業として行う団体 ( 種子生産組合 研究会 民間企業等 ) としている また 利用料については 農林水産研究基本計画 (17 年 3 月農林水産省決定 ) において 国費の投入により得られた育成者権については 食料の安定供給や農林水産業の持続的発展から重要で公益性の高いものにあっては 実施者の負担軽減と幅広い事業者の利用を最も重視した活用方針を堅持する 旨の考え方にしたがって 原則として 業として得た対価に相当する額の0.16~5% の範囲内で 実施希望者と協議により決定している なお 特別用途食品の原材料となるような極めて特殊性を有する品種の場合は 農家での自家増殖禁止等の条件を定めて 品質管理を徹底することとしている

102 2 地域ブランド化に向けた取組 知的財産権を活用した地域ブランド化への積極的な取組が必要 ア全国段階での取組知的財産基本法 (15 年 3 月 1 日施行 ) は 新たに創造した知的財産で付加価値を効果的に創出して 国際競争力のある活力ある経済社会を実現するため 知的財産の創造 保護 活用に関して 基本理念とその実現を図るために基本事項や推進計画を定めることとしている 同法に基づき 知的財産の創造 保護 活用に関して集中的かつ計画的な施策を推進するため15 年 3 月に内閣に設置された知的財産戦略本部では 同法律に定める推進計画として 18 年 6 月に 知的財産推進計画 2006 を決定した 農林水産省においては 知的財産の積極的 戦略的な活用は 農林水産業の国際競争力の強化や収益性の向上等 攻めの農林水産業 の展開に向けた重要な政策課題であると位置付け 18 年 2 月に農林水産省知的財産戦略本部を設け 同本部で18 年 6 月に 農林水産省における知的財産戦略の対応方向 をとりまとめ さらに19 年 3 月に 知的財産 に関する総合的な戦略として 農林水産省知的財産戦略 を決定した 農林水産省における知的財産戦略の対応方向 では 植物新品種の育成者権の保護 活用に関する検討方向を示すとともに 知的財産推進計画 2006 においても植物新品種の保護の強化等の項目について盛り込まれたところである 18 年 7 月から12 月にかけて省内で有識者による 植物新品種の保護の強化及び活用の促進に関する検討会 が5 回開催され 1 育成者権の取得促進 2 育成者権侵害対策の強化 3 育成者権の積極的活用 4 海外における権利取得及び権利行使に向けた支援等を重点課題として 今後必要と考えられる施策を幅広く検討し 同年 12 月に 植物新品種の保護の強化及び活用の促進に関する総合戦略 を策定したところである また 農林水産省知的財産戦略 では 地域ブランドの発掘 創造 植物新品種の保護強化等について推進することとしている イ農政局における取組関東農政局では 知的財産の利活用や地域ブランド化への取組を促すため 19 年 2 月に 知的財産の利活用と地域産品ブランド化セミナー 2007 を開催し 食品と特許 東アジアにおける知的財産対策の留意点についての講演 地域団体商標制度 ( 注 ) の紹介 ブ ランド化の取組を行っている団体の事例報告を受け 意見交換を行った しおやまち また 栃木県塩谷町では 知的財権等の専門家をアドバイザーとして派遣する 立ち 上がる農山漁村 推進調査委託事業 ( 知的財産権を活用した農山漁村活性化調査事業 ) を活用し アドバイザーの助言を受けながら 1 地域住民と共同した地域農産物等の地域資源の発掘 2 地域資源を活かした知的財産の取得 地域ブランド等の確立のための計画策定に取り組んでいる

103 ウ都県での取組各都道府県では 自県産業にかかる知的財産の創造 保護 活用を図る指針として 19 年 3 月末現在 全国 26 都府県 ( うち管内 8 都県 ) で知的財産戦略を定め 栃木県と福岡県では農産物にかかる知的財産戦略を定めている ( 表 Ⅱ-3-15) 栃木県農産物知的財産戦略 (18 年 12 月栃木県農務部策定 ) では 知的財産の1 創出の推進 2 取得と侵害対策の強化 3 積極的活用を柱に 県及び農業者の戦略実現に向けた取組を示している 表 Ⅱ-3-15 都道府県における知財戦略策定状況 (19 年 3 月末現在 ) 策定時期都道府県名 平成 15 年島根県 福岡県 ( 福岡県農産物知的財産戦略 を策定 ) 東京都 16 年大阪府 愛知県 北海道 17 年福島県 茨城県 栃木県 ( とちぎ知的財産活性化推進方策 を策定 ) 群馬県 埼玉県 福井県 長崎県 18 年石川県 山梨県 大分県 三重県 滋賀県 鳥取県 青森県 宮城県 秋田県 千葉県 神奈川県 徳島県 栃木県 ( 栃木県農産物知的財産戦略 を策定 ) 19 年鹿児島県資料 : 農林水産省大臣官房企画評価課調べ 18 年 4 月から施行された地域団体商標制度 ( 注 ) への出願は 19 年 5 月 31 日現在 全国で722 件 関東農政局管内で109 件 ( 全国の15.1%) となっている うち農水産一次産品及び加工食品 ( 菓子 麺類 酒類を含む ) は全国で503 件 管内で54 件 ( 全国の10.7%) となっている 農水産一次産品及び加工食品で管内で出願が多いのは 静岡県の15 件となっている また 農水産一次産品及び加工食品で出願されたもののうち 19 年 5 月 31 日現在 全国で76 件 関東で19 件が登録査定 ( 商標登録すべき旨の特許庁審査官の査定 ) されている ( 表 Ⅱ-3-16) 注 : 地域団体商標制度 : 地域の特産品に産地の地域名を付けた商標を登録することによって 地域ブランドを適切の保護するために 地域の名称及び商品 ( 役務 ) の名称等 からなる商標について一定の範囲で周知となった場合には 事業協同組合や農業協同組合等の団体が地域団体商標として登録することを認める制度 (17 年改正商標法 (18 年 4 月施行 ) 第 7 条の2)

104 表 Ⅱ-3-16 地域団体商標の登録査定一覧 (19 年 6 月 26 日現在 ) 都県名 商 標 ( よみがな ) 出 願 人 群馬県 上州牛 ( じょうしゅうぎゅう ) 全国農業協同組合連合会 埼玉県 草加せんべい ( そうかせんべい ) 草加煎餅協同組合草加地区手焼煎餅協同組合 千葉県 房州びわ ( ぼうしゅうびわ ) JA 安房 八街産落花生 ( やちまたさんらっかせい ) 八街落花生商工協同組合 東京都 稲城の梨 ( いなぎのなし ) JA 東京南 江戸甘味噌 ( えどあまみそ ) 東京都味噌工業協同組合 神奈川県 小田原かまぼこ ( おだわらかまぼこ ) 小田原蒲鉾水産加工業協同組合 小田原蒲鉾 ( おだわらかまぼこ ) 小田原蒲鉾水産加工業協同組合 松輪サバ ( まつわさば ) 足柄茶 ( あしがらちゃ ) みうら漁業協同組合 JAかながわ西湘 JA 厚木市 JA 秦野市 JA 津久井郡 山梨県 やはたいも ( やはたいも ) JA 中巨摩東部 長野県 市田柿 ( いちだかき ) JAみなみ信州 JA 下伊那園芸 静岡県 駿河湾桜えび ( するがわんさくらえび ) 蒲原町桜海老商業協同組合由比町桜海老商工業協同組合大井川町桜海老商業協同組合 由比桜えび ( ゆいさくらえび ) 焼津鰹節 ( やいづかつおぶし ) 丹那牛乳 ( たんなぎゅうにゅう ) 三ヶ日みかん ( みっかびみかん ) 川根茶 ( かわねちゃ ) 静岡茶 ( しずおかちゃ ) 由比港漁業協同組合由比町桜海老商工業協同組合焼津鰹節水産加工業協同組合 JA 函南東部 JA 三ヶ日川根茶業協同組合 JA 静岡経済連静岡県茶商工業協同組合 資料 : 特許庁ホームページ 地域団体商標制度の部屋 ( cgi?url=/torikumi/t_torikumi/t_dantai_syouhyou.htm)

105 (4) 環境保全型農業の推進 1 環境保全型農業の推進近年 食の安全 安心や環境に対する国民の関心が高まり 農業生産活動に伴う環境負荷の軽減や 農業を通じた環境の維持 向上が求められている このようななかで 農業のもつ循環機能を活かし 生産性との調和などに留意しつつ 土づくり等を通じて化学肥料 農薬の使用の低減や合理的作付け体系など基本技術を基礎とした持続的な農業の推進への期待が高まっている 食料 農業 農村基本計画 においても 農業生産のあり方を環境保全を重視したものに転換し農業生産活動に伴う環境への負荷低減を図ることとされており この基本計画に基づく 環境と調和のとれた農業生産活動規範 ( 農業環境規範 ) の営農活動の記帳 自己点検等を農業者自らが実践していくことが強く求められている また 18 年 12 月施行の 有機農業の推進に関する法律 に基づき策定された 有機農業の推進に関する基本的な方針 (19 年 4 月 27 日農林水産省公表 ) では 生産 流通 消費の側面から有機農業を推進する 国及び地方公共団体の施策の基本事項を定めており この基本的な方針に基づく有機農業の推進を都県 市町村 農業関係者 消費者等が一体となって推進 普及していく必要がある エコファーマーの認定件数は 全国の 25% を占める 31,752 件 環境と調和のとれた持続的な農業生産を推進するため 持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律 ( 平成 11 年 10 月施行 ) に基づき 都県知事による 持続性の高い農業生産方式の導入計画 の認定が進められている ( 認定を受けた農業者の愛称をエコファーマーという ) 19 年 3 月末日現在の管内のエコファーマーの認定件数は 山梨県 (6,615 件 ) 栃木県(6,570 件 ) をはじめとして 全国の25% を占エコファーマーマークめる31,752 件となっており その数は着実に増加している ( 表 Ⅱ-3-17) これは 食の安全 安心に対する消費者の関心の高まり等から 減農薬 減化学肥料等で生産する取組が活発化しているものと伺える また エコファーマーの認定も個人より組織ぐるみで申請するケースやエコファーマーの組織化の取組が見られる

106 表 Ⅱ-3-17 管内都県別のエコファーマーの認定件数の推移 ( 単位 : 件 ) 年度 11 年 12 年 13 年 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 都県名 茨城県 ,120 2,191 3,722 4,612 5,308 5,952 栃木県 ,039 3,924 4,928 5,578 5,895 6,570 群馬県 ,013 1,495 1,896 1,949 2,013 埼玉県 ,152 3,803 4,282 千葉県 ,062 1,572 東京都 神奈川県 山梨県 ,425 2,080 2,404 6,513 6,615 長野県 ,297 1,949 静岡県 ,015 1,509 2,076 2,388 管内 ,135 9,539 14,914 20,803 28,192 31,752 資料 : 農林水産省生産局環境保全型農業対策室調べ注 : 各年度とも 3 月末現在の件数である 事例 : 家族経営での環境保全型農業の展開 ながしま農園 ( 神奈川県横須賀市 ) ながしま農園は 約 80 品目の野菜 (495a) と水稲 (10a) すべてについて 家族経営で環境保全型農業を展開している ぎゅうふんもみがらこめぬか生産資材は 自然環境 地域資源のリサイクルを考慮し 地域の牛糞 籾殻 米糠を たいひ 混合したぼかし堆肥を生産し施用しているほか 生分解性マルチの利用 木材チップを敷 き詰めることによる雑草抑制や保温 通いコンテナや使用済み段ボールを再利用することによる排出ゴミの減量等の工夫を凝らしている また 生物農薬 ( 天敵昆虫 ) による化学合成農薬の使用低減や IT 機器等 ( 気象観測システム PDA( 携帯情報端末 )) の活用による気象条件に合わせた栽培管理 農薬散布の記帳等を行っている 同農園では 百貨店のキッズサークル等の催し物 生協組合員との交流会や中学 高校 PDAのほ場での利用生の総合学習の際に農園見学等を行い消費者との交流等を図ることにより 環境保全型農業の理解促進に努めているほか 国内外から消費者との交流の研修生を積極的に受けている このような取組が評価され 同農園で生産される農産物は 直売店 レストラン 百貨店等からも引き合いが強まり 消費者に理解される環境保全型農業の展開で収益性の高い農業経営を実現させている

107 2 畜産環境問題の動向 畜産経営に起因する苦情は 悪臭が多い 食料 農業 農村基本計画 (17 年 3 月閣議決定 ) では 27 年度における生産努力目標として 積極的に取り組むべき課題として家畜排せつ物の適正な管理及び有効利用が掲げられている しかしながら 関東管内においては 家畜排せつ物の適正な管理が行われているものの 混住化の進展などから 畜産経営に起因する苦情の発生件数が依然として多く 全国の3 割を占めている 18 年の畜種別苦情発生件数を見ると 乳用牛が369 件 ( 管内シェア44.3%) 豚が252 件 ( 同 30.3%) 鶏が131 件 ( 同 15.7%) の順となっており 苦情内容は 悪臭関連が629 件 ( 同 75.5%) 水質汚濁関連が175 件 ( 同 21.0%) 害虫発生が66 件 ( 同 7.9%) であった ( 図 Ⅱ-3-8 表 Ⅱ-3-18) 1,200 戸数 図 Ⅱ-3-8 年度別畜種別畜産環境問題発生戸数の推移 1, 年 62 年 63 年元年 2 年 3 年 4 年 5 年 6 年 7 年 8 年 9 年 10 年 11 年 12 年 13 年 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 肉用牛 乳用牛 鶏 豚 注 : 戸数は 当該年の 7 月 1 日までの 1 年間に住民から地方公共団体へ届けられたものである 表 畜種別 内容別の苦情発生件数 (18 年度 ) ( 単位 : 戸 ) 区分悪臭関連水質汚濁関連害虫発生その他計畜種別 1, ,582 全国の割合 (9 7.2 ) ( ) (9 9.4 ) (8 9.7 ) (9 9.2 ) 管 内 (90.2) (80.6) (81.5) (66.2) (90.1) 100.0% 構成比 75.5% 21.0% 7.9% 5.4% 100.0% 豚 % 鶏 % 乳用牛 % 肉用牛 % その他 % 資料 : 農林水産省生産局調べ 注 :1) 発生件数は 苦情内容が重複している場合も含む 2) その他 は 家畜排せつ物の流出 騒音等である

108 4 作物別にみた生産 流通の実態 (1) 土地利用型作物 1 米 ( 生産 流通 価格の動向 ) ア生産 ( ア ) 生産動向 18 年産の水稲の作付面積は 32 万 7 千 500ha 作況指数は 96 管内における平成 18 年産の水稲の作付面積は 前年産より2 千 900ha 減少し 32 万 7 千 500haとなった 管内の作柄について 全もみ数は 長野県及び山梨県では 平年並み その他の都県では やや少ない ないし 少ない となり 登熟は 茨城県 群馬県 千葉県 東京都及び静岡県で やや良 のほかは 平年並み ないし やや不良 となったことから作況指数は96となった 都県別の作況指数は94から100であった 収穫量は前年産に比べ11 万 5 千トン減少し 167 万 4 千トン ( 前年産比 94%) となった ( 表 Ⅱ-4-1) 表 Ⅱ-4-1 平成 18 年産水稲の生産状況 管 内 の 10a 当たり 前年産増減 都 県 名作付面積作付面積 収 穫 量作況指数作付面積収 穫 量 シ ェ ア収 量 千 ha % kg 千 t 千 ha 千 t 茨 城 県 栃 木 県 群 馬 県 埼 玉 県 千 葉 県 東 京 都 神奈川県 山 梨 県 長 野 県 静 岡 県 管 内 , 全国に占める管内の割合 (19.4%) - - (19.6%) 全 国 1, , 資料 : 農林水産省 作物統計 注 :1) 作況指数とは 10a 当たり平年収量に対する本年の10a 当たり収量の比率であ る 2) 表中の記号は以下の通りである : 減少したもの 3) 計と内訳が一致しない場合があるのは ラウンドのためである

109 新品種に作付拡大の動き 管内の18 年産品種別作付面積の割合は 前年産と比べてほとんど変化がなく 1 位が コシヒカリ で水稲作付面積の68% を占め 次いで あきたこまち キヌヒカリ の順となっている 特徴的な変化として 近年品種登録された 埼玉県の 彩のかがやき 及び神奈川県の さとじまん がそれぞれ大幅に作付面積シェアを拡大し 当該県において2 位となった 一方で 栃木県 東京都 長野県及び静岡県においては 1 位品種である コシヒカリ の作付シェアがさらに上昇しており 同品種の根強い人気も伺える ( 表 Ⅱ-4-2) 表 Ⅱ-4-2 水稲うるち米品種別作付状況 ( 都県別上位 3 品種 ) ( 単位 :%) 1 位 2 位 3 位 都県名品種名 作付面積シェア 品種名 作付面積シェア 品種名 作付面積シェア 17 年産 18 年産 17 年産 18 年産 17 年産 18 年産 茨城県コシヒカリ あきたこまち ゆめひたち 3 3 栃木県コシヒカリ あさひの夢 10 9 ひとめぼれ 3 2 群馬県ゴロピカリ あさひの夢 コシヒカリ 埼玉県コシヒカリ 彩のかがやき キヌヒカリ 千葉県コシヒカリ ふ さお とめ あきたこまち 9 6 東京都コシヒカリ キ ヌ ヒ カ リ アキニシキ 神奈川県キヌヒカリ さ と じ ま ん 2 14 コシヒカリ 8 7 山梨県コシヒカリ あさひの夢 8 10 ひとめぼれ 8 8 長野県コシヒカリ あきたこまち ひとめぼれ 2 2 静岡県コシヒカリ あいちのかおり キヌヒカリ 管 内コシヒカリ あきたこまち 6 5 キヌヒカリ 4 4 資料 : 食糧部計画課 米穀の品種別作付状況 注 : 作付面積シェアは 各都県の水稲うるち米 ( 醸造用を含む ) 作付面積に対する当該品種の作付面積の 割合 ( イ ) 米の収益性関東農政局管内における17 年産米の10アール当たり粗収益は 11 万 8 千円で 前年産米に比べ 3.0% 減少した ( 表 Ⅱ-4-3) このため 所得は3 万 8 千円 家族労働報酬は1 万 6 千円 1 日当たり家族労働報酬は 4 千円で それぞれ前年産に比べ 14.0% 26.2% 22.9% 減少した 表 Ⅱ-4-3 米の収益性 (10a 当たり ) 区 分 ( 単位 : 円 % ) 管内全国 16 年 17 年対前年増減率 16 年 17 年対前年増減率 粗 収 益 121, , , , 所 得 44,712 38, ,629 32, 家族労働報酬 21,262 15, ,876 9, 日当たり家族労働報酬 5,271 4, ,959 2, 資料 : 農林水産省 農業経営統計調査 ( 米生産費 )

110 ( ウ ) 今後の課題 収益性の高い水田農業経営の展開 管内の稲作については 収益性の高い水田農業経営の展開を図ることが課題となっている このため 現在の需給事情を踏まえた計画的な生産を基本としながら 担い手への一層の農地利用集積を通じた規模拡大や 集落営農等生産の組織化の促進 農業機械や施設の効率的利用を図るとともに 水稲直播栽培等の省力 低コスト栽培技術の普及を推進しつつ 麦 大豆 飼料作物等の土地利用型作物と組み合わせた輪作体系を確立する必要がある また 近年 登熟期の高温等による白未熟粒及び胴割粒の発生が顕在化するなど 気象変動による品質の不安定化が問題となっており 気象条件に影響を受けにくい技術の確立が急務となっている このため 気象変動と米の作柄及び品質の関係について検証を進めつつ 品種 作期 栽培方法等を適切に見直し リスク分散を図る必要がある 省力 低コスト栽培技術の普及 定着 省力化や労働ピークの平準化 作期分散 経営規模の拡大 複合部門の充実等を図る観点から 水稲直播栽培 ロングマット苗移植 不耕起又は部分耕起移植等の新技術について積極的に導入を図る必要がある 特に水稲直播栽培については 近年横ばいないしはやや減少傾向で推移しており 一層の普及推進を図る必要がある ( 表 Ⅱ-4-4) 表 Ⅱ-4-4 最近の水稲直播普及面積の推移 ( 平成 13~18 年産 ) 13 年産 14 年産 15 年産 16 年産 17 年産 18 年産 直播普及面積 (ha) 資料 : 関東農政局調べ ちくせい事例 : 水田輪作における省力化 低コスト化に向けた取組 ( 茨城県筑西市 つくば市 ) 農政局管内では 平成 17 年度より3 年間 水田地帯で麦及び大豆の輪作を中心に営農を展開している茨城県筑西市 つくば市 2 地区において 水田輪作における省力化 低コスト化に向けた直播栽培や不耕起栽培などの新技術の実証を内容とした 高生産性地域輪作 システム実証事業 に取り組んでいる た やがわ 筑西市の田谷川土地改良地区内においては 担い手農家が中心となった協業組合が主体 となり 農地の合理的活用 農業機械の効率的利用といった地域の課題解決のため 水稲 きようけい 乾田不耕起直播栽培 麦不耕起栽培 大豆不耕起狭畦栽培といった新技術を導入した水 田輪作システムの構築に向け 18 年度は4か所のほ場 計 280アールで実証試験等を行った

111 また つくば市の筑波地区においては 農協が主体となり 転作大豆のより一層の品質向上 安定生産技術及び省力化による経営の安定促進を図るため 大豆不耕起狭畦栽培について 18 年度は2か所のほ場 計 111アールで技術の実証試験等を行った 19 年 3 月には 各地区 指導機関の ( 独 ) 農業 食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター 茨城県及び農政局の事業関係者が参集し 18 年度高生産性地域輪作システム確立 普及協議会が開催され 18 年度における事業内容や 不耕起栽培における効果的な雑草防除や適切な播種量及び播種期などの19 年度に向けた取組 課題等について意見交換を行った

112 イ 流通 価格の動向 18 年産米の集荷実績は 47 万 3 千トン 18 年産米の管内の収穫量は167 万 4 千トン ( 前年比 6.4% 減 ) となり 18 年産米の全国出荷団体 ( 全農 全集連 ) の管内の集荷実績は47 万 3 千トンとなった 備蓄運営については 米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針 (18 年 11 月農林水産省公表 ) に基づき 需給がほぼ均衡している状況のもとで 政府備蓄米の年産構成の適正化を図り 販売分に応じて新米を買い入れるという回転備蓄方式を基本として円滑に進めることとしている このため 18 年産米の政府買入予定数量は 前年比 75% の30 万トンと設定されたが 18 年産米の全国平均の作況指数が96となったことなどを背景に 全国の買入数量は当初の計画数量を4 万 6 千トン下回る25 万 4 千トンにとどまり 管内からは2 万 6 千トンを買入れた ( 表 Ⅱ-4-5) 18 年産米のコメ価格形成センター入札取引は 新たなルールのもとで実施され 入札価 格は 前年同月期と比較して 1~3% 程度下回っているが安定して推移している 銘柄に よっては買い手の値頃とする価格と売り手の指し値との間に乖離があること等から 低調 な取引となっている ( 表 Ⅱ-4-6) 卸売 小売価格は 各月とも大きな変動もなく推移しているが 産地品種ごとのバラツキがみられ 前年同時期と比較すると0~3% 程度下回る水準となっている ( 表 Ⅱ-4-7 表 Ⅱ-4-8) かいり 表 Ⅱ-4-5 米穀の集荷及び買入実績 ( 単位 : トン ) 産 地 全国出荷団体の集荷実績 政府米の買入数量 ( 都県名 ) 17 年産 18 年産 17 年産 18 年産 茨 城 110,872 95,144 13,501 5,200 栃 木 178, ,960 23,000 10,000 群 馬 17,814 13,866 4,802 0 埼 玉 25,741 22,508 2,407 0 千 葉 91,691 82,004 4,800 4,600 東 京 神奈川 2,334 1, 山 梨 長 野 97,733 90,224 8,902 6,000 静 岡 13,009 12, 管 内 538, ,319 57,412 25,800 全 国 3,830,899 3,516, , ,380 資料 : 農林水産省総合食料局食糧部調べ 注 :1)17 年産及び18 年産実績は 最終の集荷 買入実績である 2) ラウンドの関係で計と内訳が一致しない場合がある 3) うるち米の値である

113 表 Ⅱ-4-6 民間流通米の主な銘柄の入札価格 ( 単位 : 水稲うるち玄米 : 円 /60kg) 産地品種名 17 年産平均 18 年産 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 ( 1.1%) ( 1.3%) ( 1.3%) ( 1.2%) 茨城コシヒカリ 15,835 15,704 落札なし 15,704 15,705 15,723 ( 1.3%) ( 1.3%) ( 1.3%) ( 1.3%) ( 1.3%) 栃木コシヒカリ 15,915 15,705 15,705 15,705 15,714 15,704 ( 1.3%) ( 1.5%) ( 1.4%) 千葉コシヒカリ 15,975 15,704 落札なし 落札なし 15,709 15,705 ( 3.3%) ( 3.3%) ( 3.3%) ( 3.3%) ( 3.3%) 長野コシヒカリ 16,438 15,903 15,904 15,903 15,903 15,903 資料 :( 財 ) 全国米穀取引 価格形成センター調べ 注 :1) 上段 ( ) 書きは前年同月比である 2) 価格は 18 年産から包装代 ( 紙袋 ) 拠出金 消費税を含めた価格となっている このため 17 年 産平均価格についても 包装代 ( 紙袋 ) 拠出金 消費税を含めた価格とし 前年同月比はこれらを 含めた価格を基に算出している 3)18 年産の価格は 通年取引 期別取引及び定期注文取引の月平均価格である 4)4 産地品種とも 確認米 ( 品種銘柄が確認できた種子により生産され かつ栽培履歴記帳が確認 された米穀 ) である 表 Ⅱ-4-7 米穀の主な銘柄の卸売価格 ( 全国平均 ) ( 単位 : 水稲うるち精米 : 円 / 包装 消費税込み10kg) 産地品種名 17 年産平均 18 年産 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 ( 0.8%) ( 1.8%) ( 1.9%) ( 1.1%) ( 1.0%) 茨城コシヒカリ 3,556 3,556 3,532 3,513 3,521 3,515 ( 1.2%) ( 1.6%) ( 1.3%) ( 1.1%) ( 1.1%) 栃木コシヒカリ 3,520 3,503 3,495 3,494 3,485 3,482 ( 1.7%) ( 2.1%) ( 1.1%) ( 1.0%) ( 1.7%) 千葉コシヒカリ 3,620 3,574 3,571 3,570 3,565 3,577 (0.4%) ( 0.9%) ( 0.2%) (0.1%) (0.0%) 長野コシヒカリ 3,725 3,725 3,708 3,732 3,732 3,728 資料 : 農林水産省総合食料局食糧部調べ 注 :1) 上段 ( ) 書きは前年同月比である 2)17 年産平均は17 年 10 月から18 年 9 月の単純平均である 表 Ⅱ-4-8 米穀の主な銘柄の小売価格 ( 全国平均 ) ( 単位 : 水稲うるち精米 : 円 / 包装 消費税込み10kg) 産地品種名 17 年産平均 18 年産 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 ( 0.3%) ( 2.3%) ( 2.5%) ( 1.6%) ( 0.5%) 茨城コシヒカリ 4,209 4,228 4,169 4,153 4,201 4,198 (0.5%) ( 0.2%) ( 0.9%) ( 0.6%) ( 0.6%) 栃木コシヒカリ 4,338 4,355 4,290 4,275 4,319 4,344 ( 3.2%) ( 3.2%) ( 1.7%) ( 1.3%) ( 0.7%) 千葉コシヒカリ 4,385 4,214 4,266 4,345 4,304 4,345 ( 0.9%) ( 0.3%) ( 1.0%) ( 0.2%) ( 0.7%) 長野コシヒカリ 4,984 4,925 5,011 4,950 4,981 5,028 資料 : 農林水産省総合食料局食糧部調べ 注 :1) 上段 ( ) 書きは前年同月比である 2)17 年産平均は 17 年 10 月から 18 年 9 月の単純平均である

114 2 麦 ( 生産 流通 価格の動向 ) ア生産 ( ア ) 生産動向 作付面積は 3% 減 収穫量は 12% 減 管内における18 年産の4 麦 ( 小麦 二条大麦 六条大麦 裸麦 ) 合計の作付面積 ( 子実用 ) は 生産者の労力事情等により 4 万 4,900haと減少 ( 前年産比 97%) した また 収穫量は 15 万 3,200トンと前年産比 88% と減少した ( 表 Ⅱ-4-9) これは は種 出芽期の低温 乾燥 登熟期の日照不足 18 年 5 月 20 日の突風 雷雨による倒伏等により 茨城 栃木を中心に作柄が悪く前年産よりも10アール当たり収量が減少したためである 表 Ⅱ 年産麦の生産状況 18 年産 前年産比 (%) 作付面積 (ha) 収穫量 (t) 作付面積 収穫量 小麦 26,700 94, 二条大麦 12,600 43, 管 内 六条大麦 5,600 15, 裸麦 麦計 44, , 小麦 218, , 二条大麦 34, , 全 国 六条大麦 15,300 42, 裸麦 4,420 13, 麦計 272,100 1,012, 資料 : 農林水産省 作物統計 注 :4 麦計と内訳が一致しないのは ラウンドのためである ( イ ) 小麦の収益性関東農政局管内における17 年産小麦の10アール当たり粗収益は 4 万 9 千円で 天候に恵まれ 収量が増加したこと等から前年産に比べ31.3% 増加した このため 所得及び家族労働報酬も前年に比べ大幅に増加した ( 表 Ⅱ-4-10) 表 Ⅱ-4-10 小麦の収益性 (10a 当たり ) 区 分 ( 単位 : 円 %) 管内全国 16 年 17 年対前年増減率 16 年 17 年対前年増減率 粗 収 益 37,155 48, ,271 60, 所 得 1,322 11,011-15,822 15, 家 族労 働 報酬 9,649 2,967-6,547 6, 日当たり家族労働報酬 - 2,697-9,370 9, 資料 : 農林水産省 農業経営統計調査 ( 小麦生産費 )

115 ( ウ ) 今後の課題 良品質麦の生産確保に向けた栽培技術の確立 定着を引き続き推進 管内の麦作は 産地ごとに品質にばらつきがみられるなどの問題をかかえており 実需者ニーズに即した製粉適性 加工適性の高い良品質麦の生産確保が緊急の課題となっている 関東農政局では 実需者ニーズに即した加工適性に優れた品種を早急に育成することとし 実需者による品質評価を行う 関東地域麦新品種等品質評価協議会 ( 平成 11 年 4 月設立 ) を毎年開催し 新品種の品質評価 普及推進を行っている また 麦 大豆産地改革の推進について ( 平成 17 年 5 月 31 日付け17 生産第 1222 号生産局長通知 ) に基づき産地自らが課題解決のための取組を具体化し 定期的に点検 評価する産地強化計画は 関東管内では JA 等生産者団体が主体となり組織した66の主要麦産地協議会において策定されている 事例 : 地粉うどんで地元産小麦の消費拡大を推進 ( 埼玉県熊谷市 ) 熊谷市では 地元産小麦の消費拡大を図るため 市内うどん店や製粉業者とともに行政等が試食会や協議を重ね 地粉取扱の参加店を募った結果 19 年 3 月末現在 市内 19 店舗で 地粉うどん を提供している 地粉うどん には 地域で生産される小麦 農林 61 号 と あやひかり が使用され 前者は 小麦独特のかおり が 後者は のどごしの良さ が際立っている 参加店では製粉業者からそれぞれの地粉を仕入れ 配合を工夫することにより 各店舗独自の かおり と のどごし を楽しめるうどんに仕上げている また 参加店では 目印としてのぼり旗を立てPRを行い 同市では 熊谷市小麦のヒミツ の冊子 (1 万部 ) を作成し 市内主要場所等に配布 紹介するとともに 熊谷市のホームページの農業振興課のコーナーで 地粉うどん を食べられるお店のリストを公開している ( ngyo/nougyoshinkou/oshirase/nogyoshinko2/files/udonten_ itiran.pdf) さらに うどんや地域の食材を使った料理などの研究 普及に取り組んでいる農家女性グループ 奈良加工研究会コスモス のメンバーが講師となり 地粉うどんづくり講習会 (15 年度 3 回で 62 名 16 年度 2 回で35 名 17 年度 2 回で39 名 18 年度 2 回で36 名 ) を開催し 一層の地元産小麦の消費拡大に努めている 16 年に開催された国体秋季大会には メイン会場で地粉うどん4 千食と地粉を使用したすいとん2 千食がPR 販売され 県内外から訪れた選手や観客から好評を得た

116 3 豆類ア大豆 ( ア ) 生産動向 作付面積 作付面積は 15,600ha で減少 前年比 95% 管内の大豆の作付面積は 昭和 63 年産の23,500haをピークに その後減少傾向が続き 平成 6 年の転作緩和などにより 7 年産では10,700haとなった しかし 生産調整規模の拡大により作付面積は増加に転じ さらに 11 年 10 月に策定された 水田を中心とした土地利用型農業活性化対策大綱 に基づき 12 年産から大豆の本格的生産の定着 拡大が図られたことから 15 年産では19,200haに回復した しかしながら 16 年産は栃木県 茨城県 長野県 静岡県等で 水稲等収益性の高い作物への作付転換により作付面積が減少し 9 年ぶりに前年産を下回った 18 年産は特に茨城県 栃木県等において 気象的要因や労働力不足 他作物への転換により作付面積が減少し 15,600ha( 全国の11%) と前年を900ha( 前年比 95%) 下回った ( 図 Ⅱ-4-1) 収穫量 収穫量は 26,100 トンで前年比 96% 18 年産大豆の管内の収穫量は 前年比 96% の26,100トン ( 全国の11%) で 前年産に比べ1,100トン減少した ( 図 Ⅱ-4-1) これは 播種期に降雨が続いたことにより 播種が遅れたこと または播種を行えなかったことなどから作付面積は前年産に比べ減少したが 収穫量は播種期以降の気温が高かったことや日照が回復したことから登熟が順調であったため 前年産に比べて10アール当たり収量が167kgと前年産を2kg(1%) 上回ったためである 図 Ⅱ-4-1 関東農政局管内の大豆の生産状況 作付面積千 ha 収穫量千 t 収穫量 ( 右目盛 ) 田作 11 作付面積 畑作 0 昭資料 : 農林水産省 作物統計 平元 年産

117 ( イ ) 消費者 実需者の需要の動向国産大豆は 消費者の国産志向が根強いなかで 近年の生産量の急増や激減と これに伴う価格の乱高下により 実需者からは供給と価格の安定が強く求められ 一部の実需者においては 輸入大豆へシフトする動きが見られる このような状況から 生産者 実需者 試験研究 行政等の各関係者が定期的に情報交換を図り連携を構築する場として 17 年 11 月に 関東地域大豆振興協議会 が設けられた 18 年 2 月 22 日には 同協議会と関東農政局等との共催により 平成 17 年度関東大豆フォーラム が生産者 実需者 行政等大豆関係者約 120 名の参加を得て開催された フォーラムでは 国産大豆の安定供給に向けて- 今後における生産振興と実需の連携を考える をテーマに 高橋正郎女子栄養大学客員教授の講演や 生産者 実需者 行政関係者等による総合討議が行われ 国産大豆の安定供給に向けて生産と実需の連携の必要性についての認識が深められた ( ウ ) 品質向上 低コスト安定生産への取組管内では これまで品質向上への取組として 茨城県 栃木県 長野県の管内主産地を中心に12 地区の重点指導産地を設定し 適期防除 適期収穫による紫斑粒 汚粒の防止等を重点指導項目として 農産物検査の上位等級比率の向上に向けた取組を続けている また 17 年度からは 食料 農業 農村基本計画 で示された27 年の生産努力目標 ( 注 ) の達成に向けて 実効性のある施策を推進するため 産地のJA 等が中心となって組織した産地協議会において 各産地の実現可能な目標や課題解決に向けた具体策を 産地強化計画 として策定し この計画に基づいて 毎年度 産地自らが実施状況を評価しながら目標達成に向けて取り組むことを推進している 関東地域においては 51の産地協議会において自らが作成した産地強化計画に基づき 担い手への利用集積 需要に即した計画的な生産 品質の向上 生産性の向上 需要拡大等についての取組が行われている このような状況から 生産者 実需者 試験研究 行政等の各関係者が定期的に情報交換を図り連携を構築する場として 17 年 11 月に 関東地域大豆振興協議会 が設けられた 19 年 2 月 14 日には 同協議会と関東農政局等との共催により 平成 18 年度国産大豆フォーラム が生産者 実需者 行政等大豆関係者約 280 名の参加を得て開催された フォーラ ムでは 新たな政策に対応した新栽培技術の普及に向けて をテーマに 不耕起播種栽培 こううんどうじうねたて しょうめいきょさっこうどうじせんこう 技術 耕うん同時畝立栽培技術 小明渠作溝同時浅耕播種技術の 3 種の新技術の実演を行 ったほか 生産者 研究者等による総合討議が行われ これらの3 種の新技術について 播種作業の省力などの有効な点や 技術によりほ場適性があることなどについて認識が深められた ( 注 )27 年の大豆の生産努力目標生産量 :27 万トン ( うち食用 27 万トン ) 10 アール当たり収量 :197kg 農業者その他の関係者が積極的にとりくむべき課題 : 気象条件 土壌条件に応じた耕起 は種技術の確立等による湿害の軽減 契約栽培取引の改善等により 実需者の求める品種 品質の大豆を安定的に生産 供給担い手の生産規模の拡大 機械化適性の高い品種の育成 普及等により 生産コストを 3 割程度低減

118 事例 : 新栽培技術を利用し大豆の高品質多収生産に取り組む有限会社山善農園 ( 茨城県筑西市 ) 第 34 回 ( 平成 17 年度 ) 全国豆類経営改善共励会 農林水産大臣賞受賞 全国豆類経営改善共励会主催の 第 34 回 ( 平成 17 年度 ) 全国豆類経営改善共励会 の 大豆農家の部 で 全国から91 点の出品が有る中から 技術面と経営面 販売 消費拡大面について審査が行われた結果 茨城県筑西市の有限会社山善農園 ( 杉山善司氏 ) が農林水産大臣賞受賞となり 平成 18 年 6 月 20 日に表彰式が行われた 杉山氏の経営は 大豆 ( 主に納豆小粒 ) の作付面積が平成 17 年産は40haで 他に麦 稲を栽培しているが その合計した経営面積は県内でも有数の大規模経営となっている また 杉山氏は省力化 新技術への関心も高く 平成 17 年には 大豆の栽培に普及の少ない不耕起播種機を導入し 作業時間の大幅減 良品質大豆の生産に重要な適期播種 適期収穫が可能になったこと 収穫時の土の混入による汚粒が減少等が可能となった これらの様な 技術 品質向上の努力などの取り組みが審査にあたり評価され 経営的 技術的に優秀と認められ 農林水産大臣賞を受賞した イ落花生 ( ア ) 生産動向 18 年産の管内主産県 ( 管内で落花生主産県協議会に参加している茨城県 栃木県 千葉県 神奈川県 静岡県 ) の作付面積は7,716haで 全国の9 割を占め 特に千葉県だけで全国の7 割以上を占めている しかし 近年 労働力不足等により作付面積は減少傾向にある ( 表 Ⅱ-4-11) 18 年産の管内主産県における収穫量は18,697トンで 前年産に比べ1,309トン減少した これは 作付面積の減少のほか 作柄が良かった前年産に比べ10アール当たり収量が5kg (2%) 下回ったためである 表 Ⅱ-4-11 落花生の生産状況 ( 平成 17~18 年 ) ( 単位 :ha トン %) 17 年 18 年 作付面積収穫量 前年比 作付面積収穫量 前年比 茨城県 1,000 2, , 栃木県 千葉県 6,510 16, ,300 15, 神奈川県 静岡県 管 内 8,014 20, ,716 18, 全 国 8,990 21, ,600 20, 管内 / 全国 資料 : 農林水産省 作物統計 日本豆類基金協会資料注 :1) 管内は管内主産県積み上げ値 2) 収穫量は土ざやである

119 ( イ ) 価格 消費等の動向落花生は タンパク質 脂肪 ビタミン類等を豊富に含む食品として 古くから親しまれてきた 最近の消費の傾向としては バターピーナッツ その他煎豆で消費が増加しているものの 炒りざやでは減少しており国内需要 ( 消費 ) 量全体としては 約 11 万トン ( むきみ換算 バターピー等の輸入調整品を含む ) と横ばい傾向である また 供給量に輸入調整品を含めると 国産の供給割合は1 割程度となっている 18 年度 (17 年 10 月 ~18 年 9 月 ) の国産落花生の価格は 農家庭先 ( 土ざや ) で28,655 円 /60 kg( 農林水産省 農業物価指数 より算出 ) であった

120 (2) 園芸作物 1 野菜ア主要野菜の生産動向 17 年産野菜の作付面積は微減 作柄は良好 管内の17 年産主要野菜 (28 品目 ) の作付面積は126 千 ha( 前年比 99%) で 都市化の進展や生産者の高齢化等に伴い 近年 減少傾向にあるものの 依然として全国の3 割以上を占めている ( 表 Ⅱ-4-12) 収穫量は 4,045 千トン ( 前年比 101%) で前年に比べ52 千トン増加し また 出荷量は 3,425 千トン ( 前年比 101%) で前年に比べ19 千トン増加した これは 作付面積がわずかに減少したものの 台風の影響を受けた16 年産に比べて生育が順調であったことによるものである また 都県別の作付面積は 千葉県が管内の23% 茨城県が21% 群馬県及び長野県がそれぞれ14% を占め この上位 4 県で管内の7 割を占めている ( 表 Ⅱ-4-13) なお 管内の野菜指定産地 ( 野菜生産出荷安定法第 4 条に基づいて指定される産地 ) は 市町村合併等により11 産地が隣接する産地に統合され 共販等率 ( 総出荷量のうち共同出荷組織等から出荷される割合 ) の低下から1 産地が指定解除されており 17 年度末で251 産地 ( 前年 263 産地 ) となっている 表 Ⅱ-4-12 管内主要野菜 28 品目の作付面積 収穫量及び出荷量 ( 平成 17 年産 ) 作付面積収穫量出荷量前年比 (%) (ha) 全国シェア (t) (t) 作付面積収穫量出荷量 根菜類 30, , , 葉茎菜類 60, ,988,000 1,700, 果菜類 26, , , 果実的野菜 7, , , 管内 125, ,045,000 3,425, 資料 : 農林水産省 平成 17 年産野菜生産出荷統計 をもとに集計注 :1) 内訳と計が一致しないのは ラウンドのためである 2)28 品目の内訳根菜類 : だいこん かぶ にんじん ごぼう れんこん さといも やまのいも葉茎菜類 : はくさい キャベツ ほうれんそう セルリー カリフラワー ブロッコリー レタス ねぎ たまねぎ果菜類 : きゅうり かぼちゃ なす トマト ピーマン スイートコーン さやいんげん さやえんどう えだまめ果実的野菜 : いちご メロン すいか 3) 前年比欄は 16 年産 ( 全国調査年 ) 公表値のうち主産都県 品目のみを集計した値に対する比率である

121 表 Ⅱ-4-13 管内都県別主要野菜 28 品目の作付面積の推移 ( 単位 :ha %) 都県名 5 年産 10 年産 15 年産 16 年産 17 年産 16 年産比面積シェア 茨城県 32,000 29,100 27,000 26,100 25, 栃木県 9,420 6,630 6,160 6,120 6, 群馬県 21,000 19,700 18,100 17,600 17, 埼玉県 18,100 14,100 11,600 11,200 10, 千葉県 34,500 32,200 29,700 29,100 28, 東京都 4,240 2,790 2,660 2,590 2, 神奈川県 9,900 8,480 7,900 7,750 7, 山梨県 4,060 3,020 2,640 2,550 2, 長野県 21,200 18,600 18,100 18,000 17, 静岡県 11,000 7,560 6,650 6,410 6, 管内 165, , , , , 全国 506, , , , , 管内シェア 資料 : 農林水産省 野菜生産出荷統計 をもとに集計注 :1) 内訳と計が一致しないのは ラウンドのためである 2)16 年産の数値は 15 年産の公表対象都県 品目に鑑みて主産都県 品目のみを集計した値である 3) 年により公表対象品目が異なる場合があるため 厳密には連続しない イ 主要野菜の流通 価格の動向 入荷量は前年並みで 価格は前年をやや上回る 18 年の管内における野菜 ( 果実的野菜を除く ) の需給状況を東京都中央卸売市場の入荷量及び卸売価格 (1kg 当たり ) でみると 野菜の総入荷量は前年比 99% の155 万 9 千トン 卸売価格は前年比 106% の219 円であった このうち 主要野菜 ( 指定野菜 14 品目 ) についてみると 入荷量は前年比 99% の114 万 7 千トン 卸売価格は前年比 107% の158 円で 時期別の動向は次のとおりである ( ア ) 冬春野菜 (1 月 ~3 月 ) 冬春野菜の入荷量は 1 月は寒波と干ばつの影響により生育が停滞したため 長雨等の被害で少なかった前年並みの入荷であった 2 月 3 月は気温が平年を上回って推移したことから生育は回復し 両月の入荷は前年並みであったため 当期間では前年比 100% の 26 万 7 千トンであった 冬春野菜の価格は 1 月は入荷の少なかったレタス きゅうりの価格が前年の5 割高となったことから 当月は前年の2 割高であった 2 月は入荷が回復してきたため前年並み

122 の価格となった 3 月は入荷量の増加したキャベツやレタスが前年の3~4 割安となったことから 当月は前年の1 割安となったため 当期間では前年比 101% の178 円であった ( イ ) 春野菜 (4 月 ~6 月 ) 春野菜の入荷量は 4 月は曇雨天の日が多く 気温もやや低めで 生育遅延により果菜類や葉菜類の入荷が少なかったことから前年をやや下回る入荷であった 5 月 6 月は日照不足が続いたものの 気温は平年並みとなり遅れていた生育も回復し 両月とも前年並みの入荷であったため 当期間では前年比 99% の30 万トンであった 春野菜の価格は 4 月は果菜類が入荷減から前年の4 割高となったことから 当月は前年をやや上回る価格であった 5 月は前年安値であった果菜類が3 割高となったことから 当月は前年の1 割高であった 6 月は前年が平成年代の同月の最安値 (115 円 ) を記録した年 ( 生育の遅れていた関東平坦地ものと 生育が前進化した関東の準高冷地ものや東北ものの出荷が重なったため 産地廃棄を実施 ) であったことから前年の5 割高 ~ 倍値となった品目が多かったため 当月は前年の4 割高となり 当期間では前年比 116% の165 円であった ( ウ ) 夏秋野菜 (7 月 ~9 月 ) 夏秋野菜の入荷量は 7 月は曇雨天の日が多く 7 月中旬に長野県 群馬県の山間部で集中豪雨があり 一部に被害がでたものの 前年並みの入荷となった 8 月は集中豪雨の影響による生育不良から はくさい レタスがそれぞれ前年の2 割減 1 割減となったほか 東北ものの生育遅れにより果菜類が1 割減となり 前年をやや下回る入荷となった 9 月は生育も回復し 前年並みの入荷となり 当期間では前年比 97% の27 万 9 千トンであった 夏秋野菜の価格は 7 月は前年安値 ( 産地廃棄を実施 ) であったはくさい レタスが5 割高 平年に比べて入荷の少なかった果菜類の価格が1 割高となったことなどから 当月は前年の2 割高であった 8 月は集中豪雨による入荷減や前年が安値であったこともあり 葉菜類や果菜類が5 割高 ~ 倍値となったため 当月は前年の4 割高となった 9 月は一部品目に引き続き4~5 割高のものもあったが 入荷量の回復に伴い多くの品目が値下がりしたため 当月は前年の1 割高にとどまったことから 当期間では前年比 123% の168 円であった ( エ ) 秋冬野菜 (10 月 ~12 月 ) 秋冬野菜の入荷量は 10 月は台風の被害も少なく 前年並みの入荷であった 11 月 12 月は暖冬傾向で推移し生育が良好であったことに加えて 鍋需要が低調であったため 供給過剰基調から価格が低迷し 11 月下旬 ( はくさい だいこん )~12 月上旬 ( キャベツ だいこん ) にかけて全国生産出荷団体による需給調整が実施され 約 2 万 2 千トンが産地廃棄された このため 両月とも前年並みの入荷となり 当期間では前年比 101% の30 万 1 千トンであった 秋冬野菜の価格は 10 月は一部に安値の品目もあったが前年並みの価格であった 11 月 12 月は安定した入荷が見込まれたことから 11 月は葉菜類や果菜類などが前年の3~5 割安となり 12 月は重量野菜などが前年の3~6 割安となった このため 両月とも前年の 2 割安の価格となったことから 当期間では前年比 88% の124 円であった なお 主要野菜の卸売価格の推移は 表 Ⅱ-4-14 図 Ⅱ-4-2のとおりである

123 表 Ⅱ-4-14 主要野菜の卸売価格の推移 ( 平成 18 年 ) ( 単位 : 円 / kg %) 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 年平均 前年比 指定野菜 キャベツ レタス きゅうり トマト 資料 : 東京青果物情報センター 東京都中央卸売市場青果物流通年報 注 :1) 指定野菜とは だいこん にんじん はくさい キャベツ ほうれんそう ねぎ レタス きゅうり なす トマト ピーマン さといも ばれいしょ たまねぎの14 品目をいう ( 野菜生産出荷安定法施行令第 1 条 ) 2) 本表の指定野菜の卸売価格は 14 品目の入荷量の加重平均であり ねぎは青ねぎを除き レタスはリーフ レタスを含み なすは長なすを含み トマトはミニトマトを除き ピーマンはジャンボピーマンを除いてい る また 各品目の年平均の卸売価格も入荷量の加重平均である 図 Ⅱ-4-2 主要野菜の卸売価格の推移 ( 平成 18 年 ) 円 / kg 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 指定野菜キャベツレタスきゅうりトマト ウ 野菜生産の構造改革の推進 構造改革を推進する中核となる産地強化計画の策定推進 輸入野菜の増加に対応し 関東地域が今後とも国産野菜の安定的な供給基地としての役割を維持 発揮していくためには 消費者や実需者に選好される品質 価格の国産野菜を供給できるよう 生産 流通両面にわたる構造改革を推進することが緊急の課題となっている このため 野菜の構造改革対策として 野菜の産地強化計画の策定について ( 平成

124 年 11 月 16 日付け13 生産第 6379 号生産局長通知 ) に基づき 担い手を中心とする産地の体質強化と 加工 業務用需要における国産野菜のシェア奪還を図る観点から 各産地ごとに例えば 生産コストを % 削減する 契約取引割合を % 増加する 等の明確な数値目標と その実現のための具体的な方策を定める 産地強化計画 について 都県と連携し その策定推進を図っている 管内における18 年度末の策定済産地数 ( 協議中を含む ) は564となっており 計画策定産地を中心として 産地構造改革推進のための取組に対し各種支援を行っている 事例 : 機械化一貫体系の確立によるねぎの低コスト生産 JA 岩井 ( 茨城県岩井市 ) 岩井市は 茨城県の南西部に位置し 地形はおおむね平坦で南北に広大な畑地帯が広がっており 昭和 40 年代以降 レタスやねぎなどの露地野菜が農家経営の中心品目として栽培されてきた また 東京から50km 圏内にあり 首都圏等への生鮮野菜の供給基地としての役割を担ってきた しかしながら 平成 12 年頃から安価な中国産ねぎの輸入が増加し 農家経営の柱として位置付けられてきたねぎの価格が暴落したことで産地の危機感が強まり 輸入ねぎに負けない産地づくりを進めるため 生産コストの3 割削減 等を目標として産地構造改革に取り組んでいる 具体的には 農家アンケートを実施し 機械化一貫作業体系の確立による省力化及びコスト低減を図りたいとする生産農家の意向に沿い 15 年度に国の輸入急増農産物対応特別対策事業を活用してねぎの移植機や高性能収穫機を導入した この結果 ねぎの10アール当たり労働時間は431から376 時間へと13% 縮減され 1 戸当たり作付面積は57から68アールへと規模拡大が図られている このほか 市場経由での契約取引 ( 予約相対 シーズン値決め ) を 0から1,306トンに拡大し 産地として安定販売を推進している ( いずれも13 15 年度の比較 ) 移植機の導入による労働時間の短縮 夏場における収穫作業の省力化

125 エ 施設園芸における燃油価格高騰への対応 燃油価格の高騰に対応するため 高効率暖房機の導入を支援 野菜 花き及び果樹の生産において 施設園芸は重要な地位を占めているが 近年の原油価格の高騰は A 重油を用いる施設園芸農家の経営に大きな影響を及ぼしている このような状況のなかで管内施設園芸農家を支援するため 前年度に引き続き NED O( 独立行政法人新エネルギー 産業技術総合開発機構 ) の エネルギー使用合理化事業者支援事業 により 高効率暖房機の導入に対して支援を行った 当事業では 事業実施主体からNEDOへの補助金交付申請に先立ち 農林水産省から高効率暖房機導入計画の認定を受けることとされており 管内 6 県の15 団体が導入予定の高効率暖房機 ( 計 198 台 補助金交付申請予定額 62 百万円 ) の導入計画について 省エネルギー効果の認定を行った オ 野菜の消費拡大への取組 野菜の消費拡大を図るため 健康食生活推進セミナー 等を開催 野菜の消費量は長期減少傾向が続いており 最近の15 年間で1 割減少している また 成人 1 人当たりの1 日の消費量は 健康のために必要とされる摂取目標量の350g 以上 ( 健康日本 21 厚生労働省) に対し 平均で267g( 平成 16 年国民栄養調査結果 ) と目標を大きく下回っており 消費拡大が課題となっている このため 有識者 行政機関及び農業団体等からなる 関東地域野菜 果物健康食生活推進協議会 において 野菜の消費拡大に向けた取組方針等について協議するとともに 一般消費者等を対象として 18 年 8 月に栃木県大田原市内において収穫体験や直売所見学等を行う消費者交流会を また 18 年 11 月には きちんとやさい くだものをとって健康生活 をテーマに健康食生活推進セミナーを開催し 野菜がもつ健康維持 増進機能 生活習慣病予防効果等の啓発活動を行った アスパラガス栽培について説明 アスパラガスの収穫体験風景

126 カ 野菜の加工 業務用需要への対応推進 加工 業務用需要対応方策検討会 及び 現地交流会 等を開催 食の外部化の進展により 野菜の需要は加工 業務用の割合が高まるとともに こうした用途を標的として輸入野菜が増加する傾向が続いていることから 食品産業の業種や業態ごとのきめ細かいニーズに的確に対応できるよう 国産野菜の生産 流通体制を整備し 加工 業務用への供給を拡大していくことが不可欠となっている このため 実需者が加工 業務用野菜に求める規格や品質 野菜産地が加工 業務用需要に対応していく上でのポイント等をまとめた 品目別 用途別ガイドライン ( トマト レタス及びほうれんそう ) について 18 年 5 月 JAや行政機関等の担当者を参集してブロック説明会を開催するとともに 当局管内が夏秋レタスの主産地であることに鑑み 18 年 11 月には 生産者 実需者 流通業者 種苗業者及び行政機関等の関係者を参集して レタスの加工 業務用需要への対応方策検討会 を開催した また 関東地域における加工 業務用野菜の生産 供給体制の確立に資するため 19 年 1 月に 加工 業務用野菜関東地域課題検討セミナー を開催した セミナーでは 1 有識者から 実需者と生産者の連携強化のためにJAやJA 県本部等の役割が重要 2 外食業者から JAと連携して地元産野菜を使うなどの戦略的な経営展開が必要 3 流通業界から 加工 業務用に対応する新たな産地の育成が必要 4 生産者から 販売農家としてプロ意識をもって契約履行及び安定供給に努めることにより 販売先との信頼関係を築くことが重要であり 農業経営の安定にもつながる 等の提言があり 意見交換では 加工 業務用への対応を牽引するリーダーの役割とその指導力の重要性について 活発な討論が行われた さらに 生産者と実需者との相互理解の促進を図るため 18 年 11 月 実需者を対象として JAおやまレタス生産部会との現地交流会を開催する一方 19 年 2 月には カット用に供される野菜の品種 品質 規格及び出荷形態等に関する具体的な実需者ニーズについて産地側の理解促進を図るため 横浜丸中青果 ( 株 ) の協力を得て 管内野菜産地関係者を対象とした 加工 業務用野菜に係る現地研修会 を開催し カット野菜工場における処理加工状況 横浜フレッシュセンター等における流通 販売状況を現地研修し あわせて意見交換を行った キ 今後の課題 担い手の育成 確保 加工 業務用需要への対応強化と消費拡大対策の推進 高齢化の進展や担い手の減少等を背景として 近年 野菜の作付面積及び生産量は減少傾向で推移しており 産地の生産 出荷体制の弱体化が危惧されていることから 担い手を中心とする産地体制の確立 強化を図ることが急務となっている また 加工 業務用を中心に輸入野菜が増加していることを踏まえ カット 皮剥き等一次加工機能の確保や産地間連携によるリレー出荷体制の整備等により 加工 業務用需

127 要に的確に対応し得る野菜産地を育成していくことが重要である さらに 野菜のもつ健康維持 増進機能 生活習慣病予防効果等を広くアピールするなど 国産野菜の需要拡大のための取組を一層強化する必要がある

128 2 果樹ア主要果樹の生産動向 ( ア ) 栽培面積 栽培面積は 61,500ha で全国シェア 23.2% 17 年産の管内における果樹の栽培面積は 近年の価格の低迷や労働力不足による生産意欲の減退等により 前年産と比べわずかに減少し61,500ha( 前年産比 99.2%) となった ( 表 Ⅱ-4-15) 管内の果樹は その立地条件を活かし 常緑果樹から落葉果樹まで多品目にわたって栽培されており 地域別では山梨県 長野県及び静岡県の3 県で管内の栽培面積の6 割を占めている また うんしゅうみかん ( 静岡県 ) りんご( 長野県 ) 日本なし( 千葉県 茨城県 ) ぶどう もも すもも( 山梨県 長野県 ) うめ( 群馬県 ) くり( 茨城県 ) 等 多数の品目において全国でも高いシェアを占めている ( イ ) 収穫量 表 Ⅱ-4-15 平成 17 年産主要果樹品目別栽培状況等 ( 単位 :ha t) 品目 全国 管内 管内 / 全国 (%) 管内の主な主産県の全国に占める 栽培面積 収穫量 栽培面積 収穫量 栽培面積 収穫量 栽培面積シェア (%) うんしゅうみかん 54,800 1,132,000 8, , 静岡県 (11.8) 神奈川県(2.7) りんご 43, ,900 9, , 長野県 (19.8) ぶどう 20, ,900 8,050 93, 山梨県 (21.6) 長野県(12.3) 日本なし 15, ,400 6, , 千葉県 (10.9) 茨城県(9.8) 長野県(6.3) もも 11, ,000 5,000 84, 山梨県 (31.1) 長野県(11.5) うめ 18, ,000 5,380 10, 群馬県 (7.2) 長野県(3.8) くり 24,800 21,800 8,610 10, 茨城県 (16.9) すもも 3,360 26,800 1,610 12, 山梨県 (29.1) 長野県(12.7) キウイフルーツ 2,620 36, , 静岡県 (6.3) 神奈川県(6.1) その他 70,620-7, 合計 265,400-61, 資料 : 栽培面積については農林水産省 耕地及び作物面積統計, 収穫量については農林水産省 果樹生産出荷統計 注 : 平成 17 年産管内収穫量は主産県の計である りんご ぶどう 日本なしの収穫量は前年産に比べ増加 17 年産の管内主要果実の収穫量は 全般的に栽培面積がやや減少傾向にあるなかで うんしゅうみかんは 前年をやや下回ったものの りんご ぶどうについては 相次ぐ台風の影響で減産となった16 年産を大幅に上回る収穫量となり 日本なしについても 前年産を上回る収穫量となった ( 表 Ⅱ-4-16) うんしゅうみかんは 主産県の静岡県において 結果数は多かったものの 結果樹面積の減少と少雨により肥大が抑制され小玉傾向となったため 前年産に比べやや減産となったことから 管内全体では 前年産比 3.5% 減の171,300トンとなった りんごは 主産県の長野県において 開花期の天候に恵まれ受精 結実が良好で 玉伸びも良好だったため 台風の被害を受けた前年産に比べ大幅に増加となったことから 管内全体では 前年産比 23.7% 増の194,900トンとなった ぶどうについては 主産県の山梨県において 開花期の天候に恵まれ 着房数 着粒数

129 が多かったこと等から 管内全体では 前年産比 8.2% 増の93,200トンとなった 日本なしは 主力である幸水 豊水が天候に恵まれ順調に生育し 結果数が多かったこと等から 管内全体では 前年産比 6.4% 増の163,200トンとなった 表 Ⅱ-4-16 主要果実の収穫量の動向 ( 管内 ) ( 単位 :t %) 平成 13 年産 対前年産比 (17/16) うんしゅうみかん 181, , , , , りんご 200, , , , , ぶどう 90,900 97,300 94,400 86,100 93, 日本なし 144, , , , , 資料 : 農林水産省 果樹生産出荷統計 注 : 数値は 主産県の計である ( ウ ) 品種動向 消費者ニーズを反映して高品質系品種の割合が大きく 品種は偏重傾向 管内においては 消費者ニーズを反映し 高品質系品種の割合が高くなっている 主要果実について品種別面積割合をみると うんしゅうみかんは 食味が良く貯蔵性の高い 青島温州 の割合が高く りんごについては ふじ つがる で8 割を占め 依然としてふじの割合は増加傾向にある ぶどうは 小粒系のデラウェアが減少傾向にあるなかで 大粒系の 巨峰 ピオーネ の割合が高まっており 特に 巨峰 については 全体の半分を占める割合となっている 日本なしについては 各産地において新たな品種の栽培がされてきているものの 引き続き 幸水 豊水 で全体の8 割を占める状況となっている ( 図 Ⅱ-4-3) このようななか さらなる消費者ニーズに対応するため各地で新品種の開発がされている 主なものとして りんごについては 長野県の シナノドルチェ シナノピッコロ かんきつ類については 神奈川県の 湘南ゴールド ぶどうについては 長野県の ナ さいぎょく ガノパープル 日本なしについては 栃木県の にっこり きらり 埼玉県の 彩玉 べにばんか 神奈川県の あけみず ももについては 山梨県の 夢しずく 長野県の 紅晩夏 かみね くりについては 茨城県の 神峰 すももについては 山梨県の 貴陽 サマーエンジ ェル サマービュート 長野県の サマークリスタル おうとう ( さくらんぼ ) については 山梨県の 冨士あかね 等がある きよう

130 図 Ⅱ-4-3 主要果樹の品種別結果樹面積構成比の推移 ( 管内 ) りんご 平成 2 年産 ふじ 7 年産 12 年産 つがる王林ジョナゴールド 17 年産 その他 0% 20% 40% 60% 80% 100% 平成 2 年産 7 年産 ぶどう 巨峰 ピオーネ デラウェア 12 年産 甲州 17 年産 マスカットベリー A その他 0% 20% 40% 60% 80% 100% 日本なし 平成 2 年産 7 年産 12 年産 幸水豊水二十世紀新高その他 17 年産 % 20% 40% 60% 80% 100% 資料 : 農林水産省 果樹生産出荷統計 注 : うんしゅうみかんについては 品種別の統計調査はない イ 主要果実の価格 流通の動向 入荷量は多め 価格は安値基調 ( ア )17 年の価格 流通の動向東京都中央卸売市場における主要果実の年間入荷量は 大きな台風被害もなく全般的に多めで前年比 105% で 平均価格は 入荷量が多めであったこととあわせ 春先の天候不順により ぶどうやなしなどの夏果実の出荷が遅れたため りんごやみかんなどの秋果実と競合し 全体として安値傾向で推移した ( 表 Ⅱ-4-17) 管内の主産県主要果実の入荷量及び価格は次のとおりである うんしゅうみかんは 小玉傾向に加え 他の品目との競合もあり 静岡県産は204 円 /kg

131 ( 前年比 84.6%) となった りんごは 食味は良好であったものの 流通量が多く小玉傾向であり 他の品目と競合したため 長野県産は280 円 /kg( 前年比 92.7%) となった なしは 食味は良好であったものの 産地からの出荷が集中し 果実全般の安値基調もあり 茨城県産が214 円 /kg( 前年比 87.7%) 千葉県産が219 円 /kg( 前年比 86.6%) 栃木県産が207 円 /kg( 前年比 86.6%) となった ぶどうは 食味は良好であったものの 果実全般の安値基調を受け 山梨県産は626 円 / kg( 前年比 94.7%) 長野県産は645 円 /kg( 前年比 81.6%) となった 表 Ⅱ-4-17 管内主要果実の入荷量と卸売価格 ( 単位 :t 円 / kg %) 平成 14 年 15 年 16 年 17 年 県 名 入荷量 単価前年比 入荷量 単価前年比 入荷量 単価前年比 入荷量 単価前年比 うんしゅうみかん静 岡 17, , , , 神奈川 1, , 総 数 139, , , , りんご 長 野 6, , , , 総 数 68, , , , なし 茨 城 7, , , , ( 西洋なしも含む ) 千 葉 5, , , , 栃 木 6, , , , 総 数 39, , , , ぶどう 山 梨 7, , , , 長 野 3, , , , 総 数 15, , , , 資料 : 東京都中央卸売市場 青果物流年報 ( 果実編 ) ( 東京青果物情報センター ) 注 :1) なし ぶどうは 暦年 (1 月 ~12 月 ) により集計した 2) うんしゅうみかんは 5 月 ~ 翌年 4 月により集計した 3) りんごは 8 月 ~ 翌年 7 月により集計した 4) 前年比は 単価に対する割合である ( イ ) 輸出の動向 国産果実の輸出の動向について生鮮果実の輸出は 昭和 57 年をピークに5 万トンを超える水準まで拡大したが その後は 円高の進展や他国産果実との競合の激化等の要因により減少傾向となった このような状況のなか 平成 14 年に台湾がWTOに加盟したこと等により りんごを中心に積極的な輸出の取組が行われたことから 近年 増加傾向で推移している 18 年の輸出数量は24,770トン ( 前年比 94.7%) で品目別でみると りんごが全体の76% を占め 次いでみかん11% なし5% となっている 輸出国先別では 台湾が全体の 77% を占め カナダ9% 香港 5% となっている ( 図 Ⅱ-4-4) 関東農政局管内において りんごでは長野県が台湾向け うんしゅうみかんでは神奈川県及び静岡県が北米向け なしでは栃木県が台湾 香港向け 千葉県が香港向けの輸出に取り組んでいる

132 ぶどう 1% もも 2% かき 2% その他 3% 図 Ⅱ-4-4 生鮮果実の輸出状況 米国 2% タイ 2% 中国その他 4% 1% みかん 11% なし 5% 生鮮果実の品目別輸出数量 24,770 トン (18 年 ) 香港 5% カナダ 9% 生鮮果実の国別輸出数量 24,770 トン (18 年 ) りんご 76% 台湾 77% 資料 : 財務省 貿易統計 資料 : 財務省 貿易統計 ウ今後の課題 ( ア ) 生産関係 果樹産地の構造改革の推進と新品種の開発 普及 拡大が重要 近年 価格の低迷や後継者不足 高齢化等による労働力不足等により 栽培面積の減少が依然として進んでいる 今後の果樹農業の維持 発展のためには 優良品種への改植等による高品質化を推進するとともに 園地整備等により生産基盤の改善を行い 産地の構造改革を推進することが重要となっている また みかん りんごをはじめ なし もも等については 従来の外観重視の選果方式から 光センサー式選果機の導入による糖度 酸度等の測定による内部品質保証による品質重視の果実の出荷体制へ移行しており 同方式の選果施設の導入が進んでいる これに関し 先進的な産地においては 同選果機を活用して得られる品質データをもとに 個々の生産者 樹園地に対するきめ細かな営農指導による産地全体の高品質化への取組が進められており これらの取組の普及が期待されるところである なお 国産果実の消費拡大を推進するためには 優良品種生産の普及 拡大を図るとともに より一層の消費者ニーズにこたえた品種の開発が期待される

133 ( イ ) 果樹産地構造改革計画の策定 果樹主要産地において 産地の目指すべき姿とそれを実現するための戦略を内容とする 果樹産地構造改革計画 を策定 果実は 国民に豊かでうるおいのある食生活をもたらすとともに 健康の維持 増進という面でも重要な役割を担っている しかし 近年 我が国の果樹産地は 後継者不足やぜいじゃくか高齢化の進展 基盤整備や担い手の規模拡大の遅れ等により その脆弱化が進展している 状況にある このようななか 17 年 3 月 25 日に 27 年度を目標とする新しい 果樹農業振興基本方針 ( 農林水産省 ) が策定され 当基本方針において 果樹農業が産地ごとに特色をもった取組が行われていることを踏まえ 今後 果樹産地の継続 維持を図るためには 産地自らが 目指すべき産地の姿とそれを実現するための戦略を内容とする 果樹産地構造改革計画 ( 以下 産地計画 という ) を策定し 本産地計画に基づく取組を推進することにより 果樹産地の構造改革を推進することが必要であるとされたところである このため 関東農政局においては 様々な機会を捉えて農業団体や生産者等農業関係者に対して当産地計画策定 実行の必要性 重要性について説明を行い 当該産地計画の策定推進への取組を行ったところであり 管内の果樹主要産地において 産地協議会の設立 産地計画の策定がなされた ( 表 Ⅱ-4-18) なお 農林水産省は 新しい基本方針の考え方を踏まえ 19 年度から 新たな果樹対策である 果樹経営支援対策 を実施することとしたところであり 当産地計画に基づき 担い手や産地が行う目指すべき産地の実現に向けた前向きな取組 ( 優良品目 品種への転換 園地整備 労働力調整システムの構築等 ) に対して積極的に支援を行うこととしている 表 Ⅱ-4-18 産地協議会の設立及び産地計画の策定状況 (19 年 3 月末現在 ) 都県名 産地協議会設置数 産地計画策定数 主要対象品目 茨城県 1 0 なし 栃木県 9 9 なし もも 群馬県 6 4 なし うめ ブルーベリー りんご 埼玉県 9 9 くり なし ぶどう かき いちじく 千葉県 3 3 なし びわ 東京都 神奈川県 6 6 うんしゅうみかん その他柑橘 山梨県 9 9 ぶどう もも すもも おうとう かき 長野県 りんご なし もも ぶどう うめ かき 静岡県 うんしゅうみかん その他柑橘 管内 資料 : 関東農政局調べ

134 ふじさんすいえん事例 : 完熟富士梨の園地直販に懸ける農事組合法人富士三水園 ( 静岡県富士市 川尻東 ) 1 地域の概要富士梨は 明治元年ころより富士郡加島村 ( 現在の富士市水戸島地区 ) を中心に栽培が始まったと伝えられている 当地は 富士川の沖積層による砂質土壌で排水が良く 品質の良い果実が収穫できたため 大正末期から昭和初期にかけて栽培が盛んに行われ300haもの大産地となったが 第二次大戦により産地は壊滅的な状況となった 戦後再び植栽され 現在は栽培面積で40ha 800トン程度生産されるに至っており 主な産地は水戸島 鷹岡 浮島地区で 幸水 豊水などの品種を中心に農家が個別に直売 宅配している 直売の様子 2 経営の概要農事組合法人 富士三水園 は 茶 みかんの経営形態から脱皮して新たな農業経営を行うため 昭和 55 年に土地改良事業で整備されたほ場を利用して 富士市で明治以来の歴史をもつ 富士梨 の栽培に取り組んでいる 昭和 53 年に須津梨団地生産組合を26 名で設立 昭和 56 年に同法人を設立し 機械化による省力化 剪定作業の簡素化 収穫したなし果実をその日のうちに園地に隣接する直売所で販売することを方針に生産から販売までの一貫した役員の方々協業経営をスタートさせた 同法人の経営規模は4.5ha 組合員 10 名 パート従業員 ( 常時 20 名 登録者 32 名 ) となっている 3 経営の特徴 (1) 組織及び運営組合の組織は 総務 生産 販売 管理 の4 部門で 組合員はそのいずれかの部門に属し 各部門は部門担当理事が統括し その下に担当主任を配置し 作業労働力の調整は労務調達員が行っている 運営は理事会や部門会議 労務調達委員会からの提案を処理する全員協議会等で行い 利益の配分は借地料と労働時間に応じた配当という形で行っている (2) 栽培体系なしの植栽間隔はスピードスプレーヤーによる省力防除体系を前提に10アール当り42 本とし 仕立ては防除機械の走行と雇用労働者による栽培管理を前提に 樹形の単純な 2 本主枝の波状仕立て方式により剪定作業の簡素化を図るなど 省力化を重点に置いた栽培体系としている 剪定作業の様子

135 (3) 販売の状況等主要品種は消費者ニーズの高い幸水 豊水の2 品種に絞って生産し園地に隣接した直売所ですべて販売しており 販売の内訳は贈答用 80%( うち宅配 50%) 購買者の自家用 20% となっている 樹上で完熟させ収穫した日に販売するため 美味しいなし として消費者から高い評価を得るとともに 来園者の口コミで購買者が増加している また 販売促進として 直売所での接客マナーの徹底 オリジナル包装資材 容器の開発 新聞 テレビ等のマスコミとのタイアップ等のほか新聞の折込チラシを年間 4~5 回実施している 4 今後の展望生産部門の強化とともに顧客管理の徹底と直販力の強化を図り 今後は株式会社化への検討を進め永続的な経営体として体質の強化を図っていくこととしている ( 事例記事協力 : 静岡県富士農林事務所 ) ( ウ ) 消費関係 単なるし好品から毎日の食生活に欠かせない果実へ 近年 国際化の進展や食料消費の多様化が進むなかで 国産果実に対する消費者ニーズも多様化している また 外国産果実等の輸入量の増加等により国産果実を取り巻く環境は 年々厳しい状況となっている このようななかで 果物の摂取と健康との関わり が重視されるようになり 果物が 健康日本 21 食生活指針 において 健康的な食生活のために必要不可欠な品目としての位置付けがなされている また 13 年度から 果物のある食生活推進全国協議会 では 果実を毎日の健全な食生活に定着させるために 毎日くだもの200グラム運動 を全国的に展開し 15 年度からは 県段階における取組として 消費者への正確な情報提供や学校給食への地場産果実の利用促進等を図る 県版毎日くだもの200グラム運動 を展開している さらに 食事バランスガイド ( 平成 17 年 6 月厚生労働省 農林水産省決定 ) においては 果物は毎日適量 (2SV: サービング ) を欠かさず摂るものとして位置付けられている 関東農政局では 関東地域野菜 果物健康食生活推進協議会 を設け 果物の消費拡大のための講演会等を開催している なお 国産果実の消費拡大のためには 生鮮果実の原産地表示及び果実加工品の原料原産地表示の適正な実施が重要となっている ( 参考 ) 健康日本 21 (21 世紀における国民健康づくり運動 ) 各論 がん - 食生活の改善 1 日の食事において 果物類を摂取している者の増加目標値 :60% 以上基準値 :29.3%( 平成 9 年国民栄養調査 ) ( 注 ) 新鮮な野菜 緑黄色野菜を毎日摂取し 果物類を毎日摂取することが望ましい

136 食生活指針 野菜 果物 牛乳 乳製品 豆類 魚なども組み合わせて 食生活指針の実践たっぷり野菜と毎日の果物で ビタミン ミネラル 食物繊維をとりましょう 食事バランスガイド 果物の望ましい摂取量を 1 つ (SV: サービング ) を 100 グラムとして 1 日 2 つとした ( みかんだったら 2 個程度 と例示 ) 毎日くだもの 200 グラム運動 Ⅰ 果物の食品としての特性 機能について正しい知識を広める Ⅱ 果物の摂取目標量についての知識を広める Ⅲ 果物の選び方 食べ方 料理方法についての知識を広げる

137 3 花きア生産動向 作付面積は 14,158ha 全国シェア 37.3% 管内では 首都圏という大消費地をかかえ 高冷地から温暖地といった立地条件を活かし 様々な花き類が栽培されており 全国的にみても主要な産地となっている 17 年産では 管内は全国の作付面積の37% 産出額の31% を占める ( 表 Ⅱ-4-19) 表 Ⅱ-4-19 管内花きの生産動向 ( 平成 13~17 年 ) 13 年 14 年 15 年 16 年 17 年全国シェア (%) 作付面積 (ha) 16,808 16,342 16,211 15,052 14,158 37, 産出額 ( 億円 ) 1,948 1,879 1,772 1,639 1,538 4, 資料 : 農林水産省統計部 花き生産出荷統計 生産農業所得統計 農林水産省生産局 花木等生産状況調査 注 : 花き生産出荷統計調査 は平成 17 年産から主産県調査となった 関東管内における主産県は次のとおりである 切り花類 : 山梨県を除く各都県 球根類 : 茨城県及び千葉県 鉢もの類 : 全都県 花壇用苗もの類 : 山梨県を除く各都県 全国における都道府県別の作付面積をみると 花き全体では 茨城県が1 位 千葉県が 5 位となっている 切り花類では 静岡県が3 位 鉢ものについては 埼玉県が2 位となっている また 花壇用苗ものは 埼玉県が1 位 千葉県が3 位 花木類は 千葉県が2 位 埼玉県が5 位 芝は 茨城県が1 位 静岡県が3 位 地被植物類は 東京都が1 位 千葉県が3 位となっている ( 表 Ⅱ-4-20) 表 Ⅱ-4-20 平成 17 年産花きの作付面積順位 ( 単位 :ha) 区 分 1 位 2 位 3 位 4 位 5 位 全国 備 考 茨城県 愛知県 鹿児島県 福岡県 千葉県 6 静岡県 1,879 7 埼玉県 1,388 花 き 全 体 4,766 3,030 2,259 2,139 1,920 37, 東京都 1, % 8.0% 6.0% 5.6% 5.1% 愛知県 沖縄県 静岡県 鹿児島県 和歌山県 6 長野県 千葉県 830 切 り 花 類 1,895 1, , 茨城県 % 6.3% 5.3% 5.1% 4.9% 愛知県 埼玉県 鹿児島県 新潟県 福岡県 6 千葉県 93 7 茨城県 86 鉢 も の ,145 9 静岡県 栃木県 % 10.4% 5.3% 4.8% 4.5% 埼玉県 愛知県 千葉県 兵庫県 宮崎県 6 神奈川県 65 7 茨城県 60 花壇用苗もの ,728 9 東京都 % 7.6% 7.5% 3.9% 3.9% 福岡県 千葉県 三重県 鹿児島県 埼玉県 7 東京都 神奈川県 535 花 木 類 1, ,472 9 栃木県 群馬県 % 9.8% 9.2% 8.4% 7.7% 新潟県 富山県 鹿児島県 宮崎県 茨城県 6 千葉県 10 球 根 類 % 25.6% 12.9% 5.7% 4.2% 茨城県 鳥取県 静岡県 鹿児島県 宮崎県 9 神奈川県 48 芝 3, , % 10.9% 10.5% 6.2% 5.0% 東京都 愛知県 千葉県 兵庫県 宮崎県 7 埼玉県 9 地被植物類 栃木県 % 10.6% 10.6% 9.2% 7.1% 資料 : 農林水産省統計部 花き生産出荷統計 農林水産省生産局 花木等生産状況調査 注 :1) 下段は全国に占める割合 2) 文章及び表 Ⅱ-4-19 中の管内 14,158ha 全国 37,934ha 及び表 Ⅱ-4-20 中の花き全体の値は 花き生産出荷統計 ( 主産県のみ ) と 花木等生産状況調査 の合計値である

138 次に 産出額をみると 花き全体では 愛知県 福岡県に続いて千葉県が3 位 埼玉県が4 位 静岡県が5 位となっている また 種類別で見ると 切り花類は 千葉県が2 位 長野県が4 位 静岡県が5 位 鉢ものは 埼玉県が2 位 静岡県が3 位 花壇用苗ものは 埼玉県が2 位 千葉県が3 位 花木類は 千葉県が2 位 埼玉県が4 位 球根類は 千葉県が5 位 芝は 茨城県が1 位 地被植物類は 東京都が1 位 埼玉県が4 位 千葉県が 5 位となっている ( 表 Ⅱ-4-21) このようなことから 関東地域は全国的な花きの供給地となっていることがわかる 表 Ⅱ-4-21 平成 17 年産花きの産出額順位 ( 単位 : 億円 ) 区 分 1 位 2 位 3 位 4 位 5 位 全 国 備 考 愛知県 福岡県 千葉県 埼玉県 静岡県 7 長野県 184 花き全体 , % 7.2% 6.9% 5.4% 4.7% 愛知県 千葉県 福岡県 長野県 静岡県 切 り 花 類 , % 5.9% 5.8% 5.6% 4.9% 愛知県 埼玉県 静岡県 福岡県 岐阜県 9 長野県 千葉県 32 鉢 も の , % 7.6% 5.5% 4.9% 4.6% 愛知県 埼玉県 千葉県 兵庫県 宮崎県 9 茨城県 静岡県 11 花壇用苗もの % 8.6% 8.1% 5.4% 3.2% 福岡県 千葉県 愛知県 埼玉県 三重県 6 東京都 52 7 栃木県 47 花 木 類 静岡県 % 14.8% 10.9% 9.6% 8.7% 新潟県 富山県 鹿児島県 北海道 千葉県 6 茨城県 1 9 静岡県 1 球 根 類 % 17.2% 10.3% 6.9% 3.4% 茨城県 鳥取県 北海道 鹿児島県 宮崎県 6 静岡県 4 8 神奈川県 1 芝 % 15.0% 11.3% 10.0% 8.8% 東京都 宮崎県 愛知県 埼玉県 千葉県 地被植物類 % 20.3% 13.6% 11.9% 10.2% 資料 : 農林水産省統計部 生産農業所得統計 農林水産省生産局 花木等生産状況調査 注 : 下段は全国に占める割合 輸入切り花の状況をみると 過去 10 年の東京都中央卸売市場における輸入切り花の取扱数量 取扱高はともに増加しており シェアも伸びている ( 図 Ⅱ-4-4 表 Ⅱ-4-22) これは 従来から取扱数量の多かった東南アジア ( ラン類 キク類 ) 韓国( バラ ) コロンビア ( カーネーション ) 等からの輸入だけでなく これまで取扱数量の少なかったケニア等のアフリカ地域 ( バラ ) や中国 ( きく カーネーション ) からの輸入が増加しているためである 一方 花きの輸出は 鉢もの 盆栽等を中心に全体として増加傾向となっており それらは主に EUへ輸出されている

139 図 Ⅱ-4-5 東京中央卸売市場における輸入切り花の取扱数量のシェア % 平成 9 年 10 年 11 年 12 年 13 年 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 資料 : 東京都 東京都中央卸売市場年報 花き編 表 Ⅱ-4-22 東京中央卸売市場における切り花取扱数量及び取扱高 平成 9 年平成 10 年平成 11 年平成 12 年平成 13 年平成 14 年平成 15 年平成 16 年平成 17 年平成 18 年国産 778, , , , , , , , , ,573 取扱数量輸入 44,185 50,915 57,274 56,811 57,167 64,407 71,521 90,912 95,488 99,358 ( 千本 ) 総数 822, , , , ,261 1,014,812 1,022,441 1,022,284 1,010,037 1,026,931 取扱高国産 49,931,151 52,092,621 47,430,807 45,749,457 51,577,683 55,882,497 55,979,009 56,180,555 55,066,210 56,545,807 ( 千円 ) 輸入 2,909,119 3,284,160 3,276,827 3,211,086 3,267,878 3,563,145 3,833,805 4,800,741 5,117,226 5,474,074 総数 52,840,270 55,376,781 50,707,634 48,960,543 54,845,561 59,445,642 59,812,813 60,981,296 60,183,436 62,019,881 資料 : 東京都 東京都中央卸売市場年報 花き編 いろはもみじ 図 Ⅱ-4-6 日本からの国別 品目別輸出動向 さつきつつじ 千鉢 千鉢 H 年スペインイタリアイギリスその他 0 H 年韓国オランダイギリスその他 フェニックス属 千鉢 9 まつ属 千鉢 H 年 ベルギー 0 H オランダ台湾イタリアその他 年 資料 : 農林水産省植物防疫所 輸出植物検疫検査統計情報

140 イ 今後の課題 幼児 児童期の子どもたちに花と緑に親しみ 育てる機会を提供 近年 花きの国内総需要量は横ばいないし微減傾向にある このようななかで 国内の花き産業の多彩な振興を図るためには 消費者ニーズに的確に対応するとともに 輸入品に対抗するため低コストで高品質な花きの供給を推進することが必要である このため マーケット調査を踏まえた花きの新品種の開発 消費者への新品種情報の提供による普及等が重要である また 花きを教育 地域活動等に取り入れる取組 ( 花育 ) を通じて幼児 児童期の子どもたちに花と緑に親しみ 育てる機会を提供することは 花きを暮らしに取り込む活動の方策の1つとして重要であり 今後の花き購買層の拡大につながることが期待されるところである 事例 : 芳香シクラメンの品種育成埼玉県農林総合研究センター園芸研究所 ( 埼玉県久喜市 ) 埼玉県農林総合研究センター園芸研究所では 消費者に全く新たな花きを提供しようと 昭和 63 年からバイオ技術を利用した世界で初めての野生種の芳香をもつシクラメンの品種育成に取り組んでおり 孤高の香り 麗しの香り ( 品種登録出願中 ) 香りの舞い ( 品種登録出願中 ) の3 品種が育成されている これらのシクラメンはバラとヒヤシンスを合わせたような良い香りがあり 埼玉県では県内生産者に限定して種苗供給するとともに 生産者や流通関係者などと芳香シクラメンの普及推進について意見を交換し 県の農産物ブランド候補品目として販売拡大に努めている 消費者から香りについて良好な評価があるものの 3 品種以外の多様な品種の要望もあり 同研究所ではさらに新たな育成に取り組んでいる

141 (3) 特産農作物 1 茶 茶生産の効率化と国内外の需要拡大 管内の18 年産の茶の生産は 栽培面積 22,900ha( 前年比 99%) 荒茶生産量 41,100トン ( 前年産比 90%) と それぞれ全国の4 割以上を占めており そのうち静岡県は管内の9 割を占めている全国第 1 位の生産県である ( 表 Ⅱ-4-23) しかし 産地においては やぶきた 単一品種への集中化により生産 荒茶加工が一時期に集中するなど 労働力の平準化が課題となっており 今後 品種の適正な組合せの推進等による摘採ピークの緩和や優良品種の開発 普及による生産の効率化が望まれる 更に 産地においては 高齢化や後継者不足等による生産構造の変化等から零細茶園を中心に摘採延べ面積等は減少傾向で推移しており 今後 茶業の安定のためには 乗用型摘採機等の導入 荒茶処理加工施設の整備 生産基盤の整備と機械化一貫体系による省力化を推進し 担い手を確保していくことが必要である 一方 消費面では 簡便な缶 ペットボトル茶は増加傾向 リーフ茶は微増傾向にある また 近年 カテキン等の茶に含まれる成分がもたらす機能が注目され様々な商品が登場するなど新たな需要の開発が行われている なお 緑茶の輸出は 近年の緑茶ブームを背景に アメリカ等に向けた輸出が増加している 表 Ⅱ-4-23 茶の生産状況栽培面積 (ha) 荒茶生産量 (t) 16 年産 17 年産 18 年産 16 年産 17 年産 18 年産うち やぶきた 管内 23,200 23,100 20,829 22,900 45,800 45,600 41,100 茨城県 埼玉県 1,190 1, , , 静岡県 20,300 20,200 18,724 20,100 44,200 44,100 40,000 全国 49,100 48,700 37,449 48, , ,000 91,800 管内 / 全国 47% 47% 56% 47% 45% 46% 45% 資料 : 農林水産省 作物統計 やぶきた は農林水産省特産振興課調べ注 :17 及び 18 年産 荒茶生産量 は主産 16 府県の調査 うち管内は茨城県 埼玉県 静岡県の合計 その他は全都県調査である 事例 : 荒茶加工施設の再編で茶園管理を徹底かみやしろ 有限会社丸東製茶 ( 静岡県島田市 神谷城地区 ) 1 地区の概要島田市は 農用地面積 1,170haのうち910haを占める茶が文字通り看板作物となっている このうち神谷城地区 ( 旧金谷町 ) は 牧ノ原台地の北東部に位置し 農用地 86.7haのうち 71.3haを茶が占め ほとんどが茶の専作経営となっている

142 2 取組の背景当地区では 茶生産者の高齢化による労力不足や茶園管理の不徹底 荒茶加工施設の老朽化が著しく 生産意欲の低下や後継者不足が深刻な問題となっていた こうした状況を打破するためには 将来に向かって安定経営が図られる法人組織の育成と その法人を核として地域の農用地の管理を行うシステムづくりが必要であった 3 取組内容地区内で今後の茶業のあり方について検討を重ねた結果 荒茶加工施設の再編合併を行うため 平成 14 年度に国の農業生産振興対策条件整備事業により新たな荒茶加工施設を導入した 導入した施設では 経営感覚の優れた者がリーダーシップを発揮して経営に専念できるよう 牧之原地域では初の有限会社形態による再編を行い 14 年 1 月に 有限会社丸東製茶 を設立した 会社組織ではあるが単なる営利追求ではなく 耕作者の高齢化や後継ぎ不在による耕作不能茶園を同法人が引き受け 将来にわたってこれを維持管理していくことで 地区のみならず旧金谷町全体の茶業の発展を目指すこととしている また 施設についても 最新式の機械設備を導入して製造工程の自動化 大型化を進め 生産性を向上させるだけでなく 近代的な設備及び外観を採用し 徹底した衛生管理を図ることとした なお 同法人は茶園面積の増加に対応するため 独自で乗用型摘採機 2 台を導入している 4 成果法人化により地域農業の担い手となる体制を整備するとともに 施設整備により労働力の削減と労働負担の低減 生産効率の向上を実現し 衛生管理の水準も大幅に向上させた また 施設運営と生葉生産を分離し 茶園管理指導を強化した結果 品質が向上し 再編後の操業開始以来 業績は好調である そして 好調な業績が評判を呼び 当工場に出荷する農家が増加した (14 年 59haから丸東製茶の荒茶加工施設 18 年 4 月現在約 70ha) さらに 清潔な設備と衛生管理の徹底により 顧客の信用が向上したほか モデル事例として知名度も高まりつつある

143 2 養蚕 ブランド化による養蚕産地の育成 しゅうけんりょう管内の養蚕は18 年において全国の収繭量の7 割を占め なかでも群馬県は管内の61% 全国の45% を占めている全国第 1 位の生産県である ( 表 Ⅱ-4-24) まゆしかし 管内の収繭量は 養蚕従事者の高齢化 後継者不足等により減少しており 繭 ぜいじやくか 生産基盤の脆弱化が進行している このため 養蚕農家及び製糸業者の経営安定と国産優良繭の生産を促すために18 生糸年度 (6 月 ~ 翌年 5 月 ) の繭価格については 取引指導繭価 ( 養蚕農家の手取り繭価について国が定めるもの 1,518 円 / 生繭 kg) を据え置くとともに 優良繭生産の拡大を通じ経営改善に取り組む養蚕農家の手取り向上と繭の品質に応じた補給金を交付すること等を事業内容とした 蚕糸業経営安定対策事業 が実施され 養蚕農家の一定額以上の手取りが確保された 今後は 需要に応じた付加価値製品の提供や少量多品目生産体制を確立するとともに高品質で特徴ある繭を用いた絹製品のブランド化を進める必要がある 表 Ⅱ-4-24 収繭量の推移 ( 単位 :t) 15 年 16 年 17 年 18 年 管内 群馬県 全国 管内 / 全国 72% 71% 73% 74% 資料 : 農林水産省生産局特産振興課調べ 3 こんにゃくいも 産地の体質強化と消費拡大 管内主産県 ( 栃木県 群馬県 ) のこんにゃくいもの生産は年々減少しており 18 年産の栽培面積は3,970ha( 前年産比 95%) 収穫量は64,900トン( 前年産比 97%) であった ( 表 Ⅱ-4-25) このうち 18 年産の収穫量は 群馬県が管内の92% 全国の90% を占める全国第 1 位の生産県である こんにゃくいもは気象災害に弱く 収穫まで複数年を要することから生産が不安定であるため 価格が大きく変動する したがって 管内においても需要に応じた計画的生産と出荷調整対策が重要となっている 多くの産地が中山間地域に位置し 高齢化等による生産基盤の脆弱化が見られること また国際化への対応のため産地の体質強化を図るための取組を一層加速させる必要がある

144 さらに こんにゃく製品の消費が減少傾向にあることから 新製品の開発等により消費拡大を図ることも重要となっている 表 Ⅱ-4-25 こんにゃくいもの栽培面積 収穫量の推移栽培面積 (ha) 収穫量 (t) 16 年産 17 年産 18 年産 16 年産 17 年産 18 年産管内 4, 260 4, 160 4, , , , 100 群馬県 4, 010 3, 930 3, , , , 900 栃木県 , 770 3, 620 2, 960 全国 4, 890 4, 770 4, , , , 900 管内 / 全国 87% 87% 90% 95% 95% 97% 資料 :16 及び 17 年産の栽培面積及び収穫量の全国値はこんにゃく需給安定協議会調べ その他は農林水産省 作物統計 注 :1) 栽培面積の 18 年産は全国調査 16 年及び 17 年は主産県 ( 栃木県 群馬県 ) のみの調査 2)16 及び 17 年産の管内は群馬県 栃木県の合計

145 (4) 畜産 飼料作物 1 生産動向 肉用繁殖雌牛を除き 各畜種とも飼養戸数 飼養頭羽数が減少 ア乳用牛 18 年 2 月 1 日現在の管内の乳用牛飼養戸数 飼養頭数は 6,010 戸 ( 前年比 4.9% 減 ) 26 万 5 千頭 ( 同 2.4% 減 ) と全国 26,600 戸 163 万 6 千頭の22.6% 16.2% を占めている 1 戸当たり飼養頭数は44.1 頭 ( 全国 61.5 頭の71.7%) とわずかに規模が拡大した ( 表 Ⅱ- 4-26) 18 年の生乳生産量は 153 万 3 千トン ( 前年比 0.8% 減 ) と全国 813 万 8 千トンの18.8% であるが 生乳処理量は189 万 7 千トン ( 同 0.9% 減 ) 牛乳等向けは171 万トンと 管内は移入地域となっている ( 表 Ⅱ-4-27) 18 年 (17 年 4 月 ~18 年 3 月 ) の搾乳牛 1 頭当たり粗収益は78 万 6 千円 ( 同 0.4% 減 ) で 1 日当たり家族労働報酬は1 万 4 千円 ( 同 5.9% 減 ) となっている ( 表 Ⅱ-4-28) 表 Ⅱ-4-26 乳用牛の飼養戸数と飼養頭数 ( 平成 14~18 年 ) ( 単位 : 戸 千頭 頭 %) 対前年増減 区 分 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 ( ) 率 管内 (A) 7,240 6,950 6,620 6,320 6, 飼養戸数全国 (B) 31,000 29,800 28,800 27,700 26, (A)/(B) 管内 (A) 飼養頭数全国 (B) 1,726 1,719 1,690 1,655 1, (A)/(B) 戸当たり管内 (A) 飼養頭数全国 (B) (A)/(B) 資料 : 農林水産省 畜産統計 及び 家畜の飼養動向

146 表 Ⅱ-4-27 生乳生産の動向 ( 平成 14~18 年 ) ( 単位 : 千トン %) 対前年増減 区 分 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 ( ) 率 管内 (A) 1,624 1,593 1,585 1,545 1, 生産量 全国 (B) 8,385 8,400 8,329 8,285 8, (A)/ (B) 管内生乳処理量 (C) 1,997 1,991 1,968 1,914 1, 牛乳等向け (D) 1,832 1,806 1,816 1,750 1, 乳製品向け その他 (D)/ (C) 資料 : 農林水産省 牛乳乳製品統計 注 :1)15 年 4 月分調査から用語の定義の変更及び調査項目を追加した このため 処理量の内訳 ( 牛乳 等向け 乳製品向け ) に定義の変更があり 16 年以降と15 年以前のデータとでは比較できない 2) 対前年増減率はトン単位で算出 表 Ⅱ-4-28 搾乳牛 1 頭当たりの収益性 ( 平成 18 年 ) ( 単位 : 円 %) 区 分 管内全国対前年増減対前年増減 実数 ( ) 率 実数 ( ) 率 粗 収 益 785, , 所 得 226, , 家族労働報酬 199, , 日当たり家族労働報酬 13, , 資料 : 農林水産省 農業経営統計調査 ( 畜産物生産費 ) イ肉用牛 18 年 2 月 1 日現在の管内の肉用牛飼養戸数 飼養頭数は 5,490 戸 ( 前年比 4.9% 減 ) 35 万 5 千頭 ( 前年同 ) と全国 8 万 5,600 戸 275 万 5 千頭の6.4% 12.9% を占めている 1 戸当たり飼養頭数は64.6 頭 ( 前年比 5.0% 増 ) と全国 (32.2 頭 ) の約 2 倍となっている ( 表 Ⅱ-4-29) 18 年の子牛価格 ( 和子牛 ) は51 万 4 千円と全国の50 万 7 千円を上回って推移し 前年をやや上回った ( 表 Ⅱ-4-30) 18 年 (17 年 4 月 ~18 年 3 月 ) の去勢若齢肥育牛の1 頭当たり粗収益は97 万 9 千円 ( 前年比 6.0% 増 ) 1 日当たり家族労働報酬は2 万 6 千円であった 乳用おす肥育牛の1 頭当たり粗収益は38 万 1 千円 ( 同 5.9% 増 ) で 1 日当たり家族労働報酬は3 万 5 千円 交雑種肥育牛の1 頭当たり粗収益は64 万 4 千円 ( 同 9.6% 増 ) 1 日当たり家族労働報酬は3 万円であった ( 表 Ⅱ-4-31) なお 肥育牛の粗収益及び所得には 肉用牛肥育経営安定対策 ( マルキン ) 助成金等の奨励補助金は含まれていない 特に肥育用素牛供給を行う繁殖雌牛経営については 近年 減少傾向で推移しており 一戸当たり飼養頭数は前年比 3.9% 減とその生産基盤は弱い状況にある ( 表 Ⅱ-4-32) このため 行政 生産者団体等関係者で組織した 関東地域肉用牛増頭協議会 により 肉用繁殖雌牛の増頭を推進するため 放牧を活用した増頭についての現地検討会や 新たに和牛繁殖経営を取り入れた酪農経営等の優良事例調査を行うとともに 肉用牛増頭に向けた普及 啓発のための取組を実施した

147 表 Ⅱ-4-29 肉用牛の飼養戸数と飼養頭数 ( 平成 14~18 年 ) ( 単位 : 戸 千頭 頭 %) 対前年増減 区 分 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 ( ) 率 管内 (A) 6,870 6,410 6,000 5,770 5, 飼養戸数 全国 (B) 104,200 98,100 93,900 89,600 85, (A)/(B) 管内 (A) 飼養頭数 全国 (B) 2,838 2,805 2,788 2,747 2, (A)/(B) 戸当たり管内 (A) 飼養頭数 全国 (B) (A)/(B) 資料 : 農林水産省 畜産統計 及び 家畜の飼養動向 表 Ⅱ-4-30 主要家畜市場における肉用子牛価格 ( 和子牛 平成 14~18 年 ) ( 単位 : 円 / 頭 %) 対前年増減 区 分 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 ( ) 率 管 内 378, , , , , 全 国 347, , , , , 資料 :( 独 ) 農畜産業振興機構調べ 表 Ⅱ-4-31 肥育牛 1 頭当たりの収益性 ( 平成 18 年 ) ( 単位 : 円 %) 管 内 全 国 対前年増減 対前年増減 区 分 実数 ( ) 率 実数 ( ) 率 粗収益 979, , 肥育牛 ( 去勢若齢 ) 所得 175, , 家族労働報酬 156, , 日当たり家族労働報酬 26, , 粗収益 381, , 肥育牛 ( 乳用おす ) 所 得 77, , 家族労働報酬 69, , 日当たり家族労働報酬 34, , 粗収益 644, , 肥育牛 ( 交雑種 ) 所得 139, , 家族労働報酬 124, , 日当たり家族労働報酬 30, , 資料 : 農林水産省 農業経営統計調査 ( 畜産物生産費 )

148 表 Ⅱ-4-32 管内における繁殖雌牛の飼養戸数と飼養頭数 ( 平成 14~18 年 ) ( 単位 : 戸 頭 %) 対前年増減 区 分 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 ( ) 率 飼養戸数 3,620 3,350 3,190 2,820 3, 飼養頭数 27,700 28,200 29,200 29,100 30, 戸当たり飼養頭数 資料 : 農林水産省 畜産統計 及び 家畜の飼養動向 ウ豚 18 年 2 月 1 日現在 (17 年は未調査 ) の管内の豚飼養戸数 飼養頭数は 2,300 戸 (16 年比 13.2% 減 ) で263 万 5 千頭 ( 同 0.3% 減 ) と全国の7,800 戸 962 万頭の29.5% 27.4% を占めている 1 戸当たり飼養頭数は16 年より149 頭増加し1,146 頭 ( 全国 1,233 頭の92.9%) と年々規模が拡大している ( 表 Ⅱ-4-33) 18 年 (17 年 4 月 ~18 年 3 月 ) の肥育豚 1 頭当たり粗収益は3 万 1 千円 ( 前年比 3.7% 増 ) で 1 日当たり家族労働報酬はかなり増加し 2 万 6 千円 ( 同 11.0% 増 ) となった ( 表 Ⅱ -4-34) 表 Ⅱ-4-33 豚の飼養戸数と飼養頭数 ( 平成 13~18 年 ) ( 単位 : 戸 千頭 頭 %) 対 16 年増減 区 分 13 年 14 年 15 年 16 年 18 年 ( ) 率 管内 (A) 3,250 3,010 2,840 2,650 2, 飼養戸数 全国 (B) 10,800 10,000 9,430 8,880 7, (A)/(B) 管内 (A) 2,703 2,672 2,728 2,643 2, 飼養頭数 全国 (B) 9,788 9,612 9,725 9,724 9, (A)/(B) 戸当たり 管内 (A) , 飼養頭数 全国 (B) ,031 1,095 1, (A)/(B) 資料 : 農林水産省 畜産統計 及び 家畜の飼養動向 注 :17 年は未調査 表 Ⅱ-4-34 肥育豚 1 頭当たりの収益性 ( 平成 18 年 ) ( 単位 : 円 %) 区 分 管内全国対前年増減対前年増減 実数 ( ) 率 実数 ( ) 率 粗収益 31, , 所得 8, , 家族労働報酬 7, , 日当たり家族労働報酬 25, , 資料 : 農林水産省 農業経営統計調査 ( 畜産物生産費 )

149 エ鶏 18 年 2 月 1 日現在 (17 年は未調査 ) の管内の採卵鶏飼養戸数 成鶏めす飼養羽数は 964 戸 (16 年比 13.2% 減 ) で3,344 万羽 ( 同 6.7% 減 ) と全国 3,600 戸 1 億 3,689 万 4 千羽の26.8% 24.4% を占めている 1 戸当たり成鶏めす飼養羽数は前年より7.4% 増加し 3 万 4,700 羽 ( 全国 3 万 8 千羽の91.3%) となっている ( 表 Ⅱ-4-35) 18 年 2 月 1 日現在の管内のブロイラー飼養戸数 飼養羽数は 245 戸 ( 前年比 3.9% 減 ) 618 万 7 千羽 ( 同 1.3% 減 ) と全国 2,590 戸 1 億 368 万 7 千羽の9.5% 6.0% を占めている 1 戸当たり飼養羽数は前年より2.8% 増加し 2 万 5,300 羽 ( 全国 4 万羽の63.3%) となっている ( 表 Ⅱ-4-36) 表 Ⅱ-4-35 採卵鶏の飼養戸数と飼養羽数 ( 成鶏めす 平成 13~18 年 ) ( 単位 : 戸 千羽 %) 対 16 年増減 区 分 13 年 14 年 15 年 16 年 18 年 ( ) 率 管内 (A) 1,280 1,230 1,180 1, 飼養戸数 全国 (B) 4,720 4,530 4,340 4,090 3, ( 種鶏のみを除く ) (A)/(B) 飼養羽数 管内 (A) 34,557 33,654 34,275 35,848 33, ( 成鶏めす 全国 (B) 139, , , , , か月以上 ) (A)/(B) 戸当たり 管内 (A) 成鶏めす 全国 (B) 飼養羽数 (A)/(B) 資料 : 農林水産省 畜産統計 及び 家畜の飼養動向 注 : 1,000 羽未満 の飼養者は除く 17 年は未調査 表 Ⅱ-4-36 ブロイラーの飼養戸数と飼養羽数 ( 平成 14~18 年 ) ( 単位 : 戸 千羽 %) 対前年増減 区 分 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 ( ) 率 管内 (A) 飼養戸数 全国 (B) 2,900 2,839 2,778 2,652 2, (A)/(B) 管内 (A) 7,023 7,042 6,777 6,270 6, 飼養羽数 全国 (B) 105, , , , , (A)/(B) 戸当たり管内 (A) 飼養羽数 全国 (B) (A)/(B) 資料 : 農林水産省 畜産物流通統計

150 オ飼料作物 18 年の管内の飼料作物作付面積は 前年より2.0% 減の4 万 4 千 ha 混播牧草の10アール当たり収穫量は 前年より3.1% 減の4,650kgとなった ( 表 Ⅱ-4-37 表 Ⅱ-4-38) 17 年に閣議決定された 食料 農業 農村基本計画 のなかで 食料自給率の向上 が重要な政策課題として位置付けられたところであり 飼料自給率 については 15 年度現在の23% から27 年度には35% まで引き上げることとし このうち 粗飼料については 完全自給 (100%) を目標としている この目標の達成に向け 17 年 7 月に国 都県 関係団体等を構成員とする 関東地域飼料増産行動会議 を設け 関東地域としての行動計画を策定し 重点取組事項についての工程管理の徹底に努めるとともに 耕畜連携等による飼料作物の生産拡大 耕作放棄地の積極的な利用 国産稲わらの飼料利用等の各種取組を国 都県 農業団体等が一体となって強力に推進しているところである 18 年度の取組については 関東地域の飼料増産の数値目標として 1 飼料増産重点地区 ホール クロップ サイレージ ( 注 1) 数の増加 2 稲発酵粗飼料 (WCS:whole crop silage) の作付面積の拡大 3 国産稲わらの完全自給 4 肉用繁殖雌牛放牧の増頭の目標を行動計画に掲げ 取組を推進してきたところである その結果 これらの目標についてはほぼ達成された 特に 1 飼料増産重点地区数は 17 年の20 地区から43 地区へと倍増 2 稲発酵粗飼料用稲の作付面積は 806haと前年に比べ115haの生産拡大が図られ ( 表 Ⅱ-4-39) 3 国産稲わらの完全自給の取組は 前年に引き続き目標を達成した また 管内の都県が行う飼料増産運動にかかる情報の収集 提供として 増産行動だより を四半期ごとに発行するとともに 都県と連携して 細断型ロールべーラ収穫 調製及びTMR( 注 2) の普及のための実演会 9 月 20 日栃木県那須町 那須塩原市 ) 飼料増産推進モデル地域現地研修会 ( 中山間地域での総合コントラクター育成を進めよう ) (10 月 18 日山梨県北杜市 ) 及び 飼料増産推進モデル地域現地研修会 ( 搾乳牛への稲発酵粗飼料の給与を増やしていこう ) (11 月 1 日千葉県佐倉市 印旛村 ) を開催した 注 :1) 飼料増産重点地区 : 耕作放棄地の活用や稲発酵粗飼料の作付拡大等により自給飼料の 増産が可能な地域で 重点指導を行うこととしている地区 トータル ミックスド レイション 2) TMR : 完全混合飼料 (total mixed ration) 表 Ⅱ-4-37 飼料作物作付面積 ( 平成 14~18 年 ) 区 分 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 対前年増減 ( ) 率 管 内 (A) 全 国 (B) (A)/(B) 管内牧草 青刈とうもろこし 資料 :14 年は農林水産省生産局調べ 15~18 年は 耕地及び作付面積統計

151 表 Ⅱ-4-38 飼料作物 10a 当たり収穫量 ( 平成 14~18 年 ) ( 単位 :kg %) 対前年増減区分 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 ( ) 率管内混播牧草 5,010 4,730 4,990 4,800 4, 青刈とうもろこし 5,930 5,590 6,030 5,940 5, 全国混播牧草 3,600 3,400 3,740 3,630 3, 青刈とうもろこし 5,330 5,060 5,330 5,440 5, 資料 : 農林水産省 作物統計 18 年は 平成 18 年産飼料作物の作付 ( 栽培 ) 面積及び収穫量 ( 平成 18 年 12 月 26 日官房統計部公表 ) 及び 平成 18 年産かんしょ 豆類 ( 乾燥子実 ) そば及び飼料作物の収穫量 ( 平成 18 年 3 月 9 日関東農政局統計部発表 ) 注 :17 18 年の数値は 主産県 ( 東京都を除く ) の値を用いて 関東農政局で計算したものである 表 Ⅱ-4-39 稲発酵粗飼料用稲作付面積 ( 平成 14~18 年 ) ( 単位 :ha %) 区 分 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 対前年増減 ( ) 率 茨城 管内栃木 群馬 計 全国 3,308 5,214 4,375 4,594 5, 資料 : 農林水産省生産局及び関東農政局畜産課調べ 注 :1) 管内は作付面積上位 3 県と管内の計の数値 2)18 年の作付面積は見込み数値 事例 : 畜産にかかる農作業受託組織 ( コントラクター ) の育成 財団法人群馬県農業公社 ( 群馬県前橋市 ) 財団法人群馬県農業公社 ( 以下 公社 ) では 平成 14 年度の国の 耕種作物活用型飼料増産対策事業 による自走式ホールクロップ収穫機等の導入を契機に 公社内に農作業受託部門 ( コントラクター ) を設立し 群馬県内で飼料用イネの収穫 調製の作業受託を開始した 17 年度からは トウモロコシ エン麦及びソルゴー等の収穫 調製の作業受託も実施している 公社の収穫 調製 ( 適期刈取 梱包等 ) における品質重視の作業は 委託農家から高く評価されており 収穫調製作業の受託面積は年々増加してきている 作業受託面積の推移 単位 :ha 飼料作物名 H14 H15 H16 H17 H18 見込 飼料用イネ デントコーン エン麦等 合 計

152 また 公社は畜産コントラクターのモデルに県から指定されるとともに 前橋市での活動は飼料増産重点地区として登録されている なお 公社は県内唯一の畜産コントラクター組織であることから 今後 飼料自給率を引き上げるためには 公社と連携し飼料作物の収穫 調製作業等を請け負う畜産コントラクターの育成 普及が急務である このため 県では 18 年度に建設業者 農業機械化集団等に参加いただき畜産コントラクター収穫 調製作業実演会を開催するとともに 参入希望者に対しては 公社が独自で本格的な収穫 調製操作講習を行うなど畜産コントラクターの育成 普及に努めている 公社による飼料用イネの収穫作業左 : ラッピングマシン右 : 自走式ホールクロップ収穫機 機械操作講習会風景 カ食品残さ等の飼料化 ( エコフィード ) の推進 17 年度に閣議決定された 食料 農業 農村基本計画 の中で 食料自給率の向上 が重要な政策課題として位置付けられたところであり 飼料自給率 については 15 年度 23% から27 年度には35% まで引き上げることを目標としている この目標達成に向けて飼料作物の増産とともに 濃厚飼料の自給率向上が重要であり 特に 食品残さ等の飼料化 ( エコフィード ) を推進するために 農林水産省 都道府県 農業関係団体 食品産業団体 消費者関係団体等を構成員とする全国段階の 全国食品残さ飼料化 ( エコフィード ) 行動会議 ( 平成 17 年 6 月 ) の設置を受け 関東農政局では 農林水産省 ( 関東農政局 ) 都県 農業関係団体 食品産業関係団体等を構成員とする 関東地域食品残さ飼料化 ( エコフィード ) 行動会議 ( 平成 17 年 7 月 ) を設置している 平成 18 年度は 5 月に策定した行動計画に沿って取組を推進してきたところであり 食品残さ等利用飼料の安全性確保のためのガイドライン ( 平成 18 年 8 月 ) の周知に努めるとともに 東日本シンポジウム ( 食品残さ飼料化行動会議 ) ( 千葉県 11 月 15 日 ) エコフィード利用推進現地検討会 ( 関東地域食品残さ飼料化行動会議 ) ( 神奈川県 1 月 19 日 ) をはじめとする各種広報活動や 食品残さ飼料利用可能量調査 の実施などに取組んだ

唐津市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 2 9 年 11 月 8 日 唐津市農業委員会 第 1 基本的な考え方農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 といいます ) の改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地

唐津市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 2 9 年 11 月 8 日 唐津市農業委員会 第 1 基本的な考え方農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 といいます ) の改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地 唐津市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 2 9 年 11 月 8 日 唐津市農業委員会 第 1 基本的な考え方農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 といいます ) の改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地等の利用の最適化の推進 が最も重要な必須業務として 明確に位置づけられました 唐津市においては 平坦地と中山間地域が混在しており

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4 農林業 経営耕地面積割合 ( 農家数 ) ( 平成 27 年 ) 畑 63.4% (171 戸 ) 田 11.3% (53 戸 ) 樹園地 25.3% (102 戸 ) 4 農林業 経営耕地面積割合 ( 農家数 ) ( 平成 7 年 ) 畑 6.4% (7 戸 ) 田.% (5 戸 ) 樹園地 5.% (0 戸 ) 49 5 農家数及び経営耕地面積 各年 月 日現在 農家数 ( 戸 ) 年 次 総農家数 自給的農家 販売農家 専業 兼業 経営耕地面積 (ha) 田 畑 ( 樹園地を除く ) 樹園地 H 77 54 66 47 80 48 H7 696 5 85 74

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