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3 はじめに レジオネラ症はレジオネラ属菌 ( 主に Legionella pneumophilla) による感染症で その病型には肺炎型と感冒様のポンティアック熱型があります レジオネラ属菌は本来水中や湿った土壌などの自然環境に普通に存在している細菌で 15 ~ 43 で繁殖します 特に 循環式浴槽のろ材表面や循環配管の内壁 空調設備の冷却水管内部などに生じた生物膜に生息するアメーバなどの原虫の細胞内で増殖し これらの水から発生した飛まつを吸入することにより レジオネラ属菌の感染が起こります レジオネラ症は 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 ( 以下 感染症法 という ) に基づく 4 類感染症で 感染症発生動向調査において医師に全数届出が義務付けられています 2004 年までの全国の報告数は年間 150 件前後であったのが 尿中抗原検査法の普及により 2005 年以降は 500 ~ 800 件と顕著に増加しています 一方 感染源となる浴槽水等におけるレジオネラ属菌の有無の検査は 現在培養法で行われており 結果判定まで概ね 2 週間を要します このことは 行政による現場での迅速な行政指導だけでなく 営業施設が自主管理を行っていく上で レジオネラ属菌対策の効果確認を困難なものとし 対策の徹底を妨げる大きな要因となり今日に至っております 従って レジオネラ属菌による汚染の可能性を迅速に判断する手法の確立は 長きにわたりレジオネラ発生防止対策上の課題となってまいりました 近年 食品衛生の分野を中心に 現場での迅速検査が可能な ATP 値を細菌汚染の指標として評価する方法が普及しつつあります 本研究では 浴槽水の ATP 値とレジオネラ属菌生息数との関係を調査することにより ATP 値によるレジオネラ属菌汚染リスクの評価方法を確立することを目的として取り組みました 本事業が 全国の保健所における入浴施設のレジオネラ対策を実施する上での効果的な監視指導の手法となるよう また 営業者にとっても効果的な自主管理方法の一つとなることを祈念しております 平成 23 年 3 月吉日 東京都多摩立川保健所長上木隆人

4 目次 はじめに Ⅰ 本研究の目的 3 Ⅱ 組織 8 Ⅲ 研究内容及び方法 9 Ⅳ 結果及び考察 13 Ⅴ まとめ 35 Ⅵ 参考文献 40

5 Ⅰ 本研究の目的 現在 浴槽水など環境水中のレジオネラ属菌検査は 培養法で行われているが 現行の検査方法は結果判定までに概ね 2 週間を要する 営業施設への監視指導は的確性 迅速性が常に求められるところであるが ことにレジオネラ属菌の有無に関しては 現場での迅速な対応が現行の検査方法では困難となっており 環境衛生の分野では大きな課題となっている ATP 検査法は主に食品衛生の分野において 調理器具等への食物残渣の残留や細菌汚染の程度を評価する手法 ( 拭き取り検査 ) として利用されており 計測が約 10 秒程度でできるという利点がある 近年 監視現場において迅速検査が可能な ATP 測定器を用いて 浴槽水のレジオネラ属菌との関連を検証する試みが報告されるようになってきている 1) 当研究班では この ATP 測定を公衆浴場等における監視手法の 1 つとして導入し 培養法では対応不可能であった現場での簡易迅速検査法として位置づけることを本事業の主たる目的とした 本目的達成のために ATP 値とレジオネラ属菌数との量反応関係を明確にすることを最優先事項としたが 同時に 実際の現場活用を視野において 行政検査手法への導入及び自主管理手法としての有効性についても検討を行った 下に 本事業において検討を行った事項を具体的に示す 本事業において検討を行った事項 1 浴槽水等の簡易迅速な検査法の実用化に関する検証 1 ATP 値とレジオネラ属菌数との量反応関係の明確化 2カットオフポイントの設定 3レジオネラ属菌の有無を判断できる ATP 指標値 ( マーカーポイント ) の提示 2 効率的な監視手法に関する検討 1 日常の衛生管理手法の検討 (ATP 値による消毒の効果 清掃 消毒等の維持管理の効果判定など ) 2 改善指導時の手法の検討 (ATP 値による消毒及び洗浄の効果判定など ) 3 自主管理の推進に関する検討 1 ATP 測定法を用いた公衆浴場等における管理マニュアルの作成 1 浴槽水等の簡易迅速な検査法の実用化に関する検証 杉山ら 2) による 平成 16 ~ 18 年度厚生労働科学研究費補助金地域健康危機管理研究事 業資料編 循環式浴槽におけるバイオフィルム形成とその対策 (2007) によると 循環式 3

6 浴槽水中では まず蓄積されたヒトの有機物等を栄養源とする細菌の増殖が起き その後 それらの細菌をエサとするアメーバの急激な繁殖があり ほぼ同時期に アメーバ内増殖性のあるレジオネラの爆発的な増加が認められたと報告されている また 倉ら 3) による平成 20 年度厚生労働科学研究 ATP 測定による入浴施設の汚染度のモニタリングに関する研究 による報告では ( 浴槽水の ATP は細菌のみならず 入浴者から放出された ATP や浴槽が木製であれば木に由来する ATP さらに浴槽外からの様々な混入物に由来する ATP を測定してしまうことから ) 浴槽水の管理においては 上記の全 ATP を測定することで 細菌類の増殖状況と種々の汚れを総合的に監視することになる レジオネラ属菌の防除のための衛生管理では 細菌類の監視は重要であるが 種々の汚れは細菌類の栄養源となるものであり これを監視対象とすることも細菌類の増殖を抑制するために重要であるとしている また 同報告では 実際の現場の浴槽において測定した ATP 量と従属栄養細菌数およびレジオネラ属菌の検出の関係から ATP 測定値が 50RLU( 常用対数値 =1.7) を超えればレジオネラ属菌が検出される危険性が高くなるため 50RLU を超えない浴槽の管理が必要であることが提言された その他 実際の入浴施設を対象にして ATP 測定を実施した調査としては 東京都多摩立川保健所 4) が平成 20 年度に 管内の入浴施設等 (116 検体 ) を対象に 浴槽水のレジオネラ属菌数と ATP 値 一般細菌数 過マンガン酸カリウム消費量との関連について調査を行ったところ 一般細菌数及び過マンガン酸カリウム消費量とレジオネラ属菌との間では 特段の関連が見られなかったのに対し ATP 値とレジオネラ属菌数の間には ATP 値があるレベル以下の場合 レジオネラ属菌が検出されなくなるポイント ( カットオフポイント ) の存在が示唆された また ATP 値の増加に対応してレジオネラ属菌の検出率が増加することから ATP 値を使用したレジオネラ属菌検出率の指標 (ATP 指標値 : マーカーポイント ) が提示できることが示唆された 以上のような報告を踏まえ 本調査により更に検証を重ね ATP 値とレジオネラ属菌数の量反応関係 ( カットオフポイント及びマーカーポイント ) を設定する 2 効率的な監視手法に関する検討浴槽水の水質基準は 各都道府県等で条例により規定されている 参考までに東京都では 循環式浴槽に対する基準として 過マンガン酸カリウム消費量 (25mg/L 以下 ) 濁度 (5 度以下 ) 大腸菌群 (1 個 /ml 以下 ) レジオネラ属菌 ( 検出限界未満 ) 遊離残留塩素 (0.4mg/ L 以上 ) の 5 項目を基準として定めている このうち 遊離残留塩素以外の項目については 現場で採水後に検査機関等に搬入し検査を実施するため 結果判明までに時間を要する 特に培養から判定までに約 2 週間を要するレジオネラ属菌の場合 2 週間後の結果を確認してからの改善指導となるため 監視現場の状況を踏まえた即時的な指導の実施が困難であることが問題とされてきた 監視指導に ATP 測定法を導入し 浴槽水のレジオネラ属菌による汚染の可能性を確認し 同時に現場の管理状況も確認することにより 効果的かつ適切な監視指導の実施が図れるとともに 不適施設に対する改善措置指導を迅速に行うことが可能となる 4

7 3 自主管理の推進に関する検討レジオネラ症は毎年 500 ~ 800 件の報告があり 尿中抗原検査法の普及により近年報告数が増加している 東京都においても 2006 年以降報告数が増加しており 2007 及び 2009 年は 53 件 2008 年は 80 件の報告があった 一方 感染源については 東京都感染症情報センターの報告によると 半数以上が不明となっているが 推定される感染源としては浴槽水 冷却塔 温泉などの人為的水系が挙げられている これらの施設のほとんどは条例等で定められる維持管理基準に基づき衛生管理が行われている状況ではあるが レジオネラ属菌の発生がないことを日常的に確認するための効果的な方法が現在のところないことは 2 で述べたとおりである 平成 22 年度に東京都多摩立川保健所が行った 営業施設管理者への聞き取り調査に基づき 配管消毒の頻度とレジオネラ属菌検出の関係を表したのが図 1である (n=132) 東京都では 配管消毒を 1 週間に1 回以上実施することが義務付けられており 102 件 (77.3 %) が規定に従い配管消毒を実施していた しかしそのうちの 10 件 (10%) で レジオネラ属菌が 1CFU/100mL 以上検出されたことから 営業施設では配管消毒実施の際 効果を確認しないまま実施に及んでいる実態が窺えた このような事態が生じている理由として 現状では配管消毒の効果を確認するための最も一般的な方法はレジオネラ属菌検査であるが 検査機関に委託した場合の検査費用は高額であり また 判定に約 2 週間を要するため 措置毎に効果判定を行うことが困難であることが推測された また 利用者数の変動に応じて配管の汚れの蓄積状況も変化するので 本来 配管消毒の方法は一律ではなく汚れの量に応じた条件で実施される必要があるにもかかわらず 現場で迅速に確認する方法がないため 営業施設の管理者が適切な消毒条件を見出せないでいることが推測された このことは ATP 測定法を入浴施設の自主管理に導入することの有効性を示す一つであると考えられる 図 1 配管消毒の頻度とレジオネラ属菌発生の関係 4 東京都における浴槽水等のレジオネラ属菌検出時の対応について ( 参考 ) 東京都では 公衆浴場一斉監視等による水質検査でレジオネラ属菌が検出された場合について 通知により統一的な対応を定めている 図 2にその概略を模式図で示す 5

8 現行の対応の中で レジオネラ属菌による汚染の有無を現場で確認するための手法がないために 次のような問題が生じている ⑴ 改善指導 2. により講じた浴槽 ろ過器及び配管等の設備の洗浄 消毒等を実施した後の改善効果が不明な状態で 当該系統の浴槽使用が再開されること ⑵ 特に 改善措置が良好に行われていても 措置後の水質検査結果の判定を待たなければ 気泡発生装置を使用できないため 完全な形での営業再開とはならないこと 本法が確立され 各営業施設等が自主管理の中に ATP 測定を取り入れることにより 当該施設を感染源とするレジオネラ症発生防止対策を大きく前進させることが期待される より具体的に述べると ATP 指標値を提示することにより 指標値によって管理者が浴槽水の汚れの蓄積状況やレジオネラ属菌による汚染リスクを迅速に把握し 設備系統の洗浄 換水 配管消毒等の対策を速やかに行うことが可能となる また 毎回の配管消毒実施前後に効果を確認することにより レジオネラ属菌発生防止対策を確実なものとすることが可能となる このことは 営業施設の衛生管理にさらなる実効性を担保するとともに 入浴施設だけでなく冷却塔や給湯設備などの人工水系を感染源とするレジオネラ症発生の未然防止に繋がることが期待される 6

9 図 2 東京都における浴槽水等のレジオネラ属菌検出時の対応 7

10 Ⅱ 組織 本事業の分担事業者及び協力事業者は 下表のとおり 役 名 氏 名 所 属 分担事業者 上木隆人 東京都多摩立川保健所長 協力事業者 土居 浩 長崎県県南保健所長 赤穂 保 東京都南多摩保健所長 浦山京子 江東区保健所長 中村清純 台東保健所長 矢野公一 札幌市保健所長 加治正行 静岡市保健所長 中瀨克己 岡山市保健所長 南部由美子 福岡市東保健所長 池田 誠 東京都福祉保健局健康安全部環境衛生課長 保坂三継 東京都健康安全研究センター環境保健部環境衛生研究科長 井口 厚 東京都多摩立川保健所生活環境安全課課長補佐 金盛竜朗 札幌市保健所環境衛生課環境衛生係 阿部 明 台東保健所生活衛生課環境衛生 澤井 茂 江東区保健所生活衛生課環境衛生担当 和田俊和 東京都南多摩保健所生活環境安全課環境衛生係長 坂田啓幸 岡山市保健所衛生課環境衛生係 松田澄子 東京都多摩立川保健所生活環境安全課環境衛生係 猪又明子 東京都健康安全研究センター環境保健部環境衛生研究科 阿部圭美 東京都福祉保健局健康安全部環境衛生課指導係 森 大介 長崎県県南保健所衛生環境課食品薬務班 小野英樹 福岡市東区保健福祉センター衛生課長 渡邊由佳 静岡市保健所生活衛生課生活衛生担当 富田敦子 静岡市環境保健研究所微生物学担当 神田 隆 静岡県環境衛生科学研究所微生物部細菌班長 助言者 三川麻衣 厚生労働省健康局生活衛生課課長補佐 上原里程 自治医科大学公衆衛生学准教授 杉山寛治 静岡県環境衛生科学研究所微生物部長 補助事業者 古田賢二 東京都多摩立川保健所生活環境安全課長 佐藤恭子 東京都多摩立川保健所生活環境安全課環境衛生係 8

11 Ⅲ 研究内容及び方法 本研究は ATP 値とレジオネラ属菌との量反応関係の検証が主たる目的であるが 将来的に本法が公衆浴場等営業施設の自主管理手法としての普及が期待されることから ATP 値と施設の維持管理状況との関連についても調査を実施した 1 浴槽水等の簡易迅速な検査法の実用化に関する検証に係る調査 本調査は ATP 値とレジオネラ属菌との量反応関係及び ATP 値と浴槽水水質検査値との関連性を検討するため 各保健所の年間行政計画に合わせて実施した ⑴ 調査対象施設保健所では 管内の公衆浴場 プール及び付帯するジャグジー等に対して 条例等に定める基準に基づく水質検査を実施している また 循環式浴槽 ( ろ過器がなく加温装置のみによる循環も含む ) 温泉 及び加温式プール等について レジオネラ属菌の検査を実施している 本調査は 平成 22 年度の各保健所における上記施設の一斉検査の際 通常の行政検査の採水に加えて本目的のための検体を採水し ⑵に示す項目について検査を実施し 結果を集計したものである なお 東京都多摩立川保健所は 平成 20 年度より本事業を同じ方法で行っており データの蓄積があるため 本事業の集計に加えて取扱うこととした 3 年間で調査した検体数は 対象業種全て含め 936 検体である 検体種類別件数 保健所名 白湯 温泉 プール水 合計 東京都多摩立川保健所 ( 平成 20,21 年度分 ) 東京都南多摩保健所 台東保健所 江東区保健所 札幌市保健所 岡山市保健所 静岡市保健所 福岡市東保健所 長崎県県南保健所 合計

12 ⑵ 検査項目 ATP 値及びレジオネラ属菌以外に ATP 値との関連性の比較のために 浴槽水等の汚染指標となる大腸菌 過マンガン酸カリウム消費量 一般細菌及び遊離残留塩素濃度について検査を実施した ⑶ 検査方法 a. 理化学検査 1については採水現場にて 23については保健所検査室にて測定した 1 遊離残留塩素濃度 DPD 法により測定した 2 過マンガン酸カリウム消費量滴定法により測定した 3 ATP 値ルシパックペン ( キッコーマン食品 製 ) の試薬入り反応部に検水をマイクロピペットを用いて 200 μ L 分注し ルミテスター PD-20( 同社製 ) を使用して計測した b. 微生物検査 1については採水した検体を保健所検査室もしくは地方衛生研究所にて 2についてはそれぞれの地方衛生研究所に依頼し検査を実施した 1 一般細菌上水試験法に準拠し 標準寒天培地で培養 (37 24 時間 ) し 集落数を計測した 2レジオネラ属菌新版レジオネラ症防止指針に準拠した方法により検査を実施した ⑷ 実施時期平成 22 年度夏季 (6 ~ 9 月 ) 及び冬季 (1 ~ 2 月 ) 2 効率的な監視手法に関する検討に係る調査 ( 多摩立川保健所及び南多摩保健所で実施 ) 保健所では レジオネラ属菌が基準値以上検出された施設 ( 行政処分施設 ) に対し 配管消毒等の改善措置を講じるよう指導している これら行政処分施設に対し 改善措置後の ATP 値についても調査を行った ⑴ 調査対象施設 1で行政検査を実施した結果 レジオネラ属菌について不適が判明した施設 ⑵ 検査項目理化学検査及び微生物検査については1と同 その他 改善措置方法について管理者に聞き取り ⑶ 検査方法レジオネラ属菌 ATP 値 ⑷ 実施時期平成 20 年 6 月 ~ 平成 22 年 11 月 10

13 3 自主管理の推進に関する検討に係る調査 ( 多摩立川保健所及び岡山市保健所で実施 ) ATP 値はろ過装置の汚れの蓄積に比例して経日的に増加することが推定されることから 配管消毒 ( 東京都 ) 及び換水 ( 岡山市 ) 実施日から次回の実施日までの期間中 経日的に ATP 測定及び水質検査を実施し ATP 値と維持管理状況の関連性について検証を行った ⑴ 調査対象施設 1 多摩立川保健所実施分 1 施設 2 浴槽 2 岡山市保健所実施分 3 施設 6 浴槽 ( プールジャグジー含む ) ⑵ 検査項目理化学検査及び微生物検査については1と同 加えて 以下の項目について施設管理者に聞き取り調査を実施した 1 利用者数 ( 一日の浴室利用者数 ) 2 浴槽水原水の補給状況 3 塩素剤の補給状況 4 条例上の維持管理項目 ( 換水 配管消毒の実施状況及び実施方法 ろ過器逆洗浄の実施状況及び実施方法 集毛器清掃 ) ⑶ 検査方法理化学検査及び微生物検査については1と同 ⑷ 実施時期平成 21 年度から平成 22 年度 4 ATP 測定方法について ATP 測定は キッコーマン食品 製ルミテスター PD-20 を使用して行った 本機種は食品衛生営業施設における拭き取り検査用に開発されたものであるので 水中 ATP 測定を実施するために本来の使用方法に若干の変更を加えている 本研究で行った測定方法について次頁に示す 11

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15 Ⅳ 結果及び考察 1 浴槽水等の簡易迅速な検査法の実用化に関する検証に係る調査結果 ( 白湯 ) 遊離残留塩素 過マンガン酸カリウム消費量 一般細菌及び ATP 値とレジオネラ属菌検出との関係について調査した なお 調査を進めるうち 温泉水は泉質により理化学検査等の結果に異常値が示される場合があることが判明したので 集計を白湯 ( 水道水もしくは井戸水 ) と温泉水に分けて行った ⑴ 遊離残留塩素濃度とレジオネラ属菌検出率の関係東京都では 循環式浴槽における遊離残留塩素濃度の基準を条例で 0.4mg/L 以上とし 上限は設けていないが 1.0mg/L を超えないことが望ましいと指導している ( 東京都以外では 平成 15 年 7 月の厚生労働省告示に基づき 浴槽水の遊離残留塩素濃度を 0.2 ~ 0.4 mg/ L 程度としている場合が多い ) 図 3は 都の基準に基づき遊離残留塩素濃度を 0.4mg/L 未満 0.4mg/L 以上 1.0mg/L 未満 ( 基準値 ) 1.0 ~ 1.5mg/L( やや高濃度 ) 1.5mg/L 以上 ( 高濃度 ) と区分し それぞれの濃度におけるレジオネラ属菌検出率 (10CFU/100 m L 以上 ) を集計した結果をグラフに表したものである これによると 残留塩素濃度が高くなるにつれて検出率の減少が見られるものの いずれの濃度でもレジオネラ属菌が検出された 図 3 遊離残留塩素濃度とレジオネラ属菌の関係 (n=851) 杉山ら 4) による モデル浴槽での塩素管理下の入浴実験では 浴槽水への塩素注入は殺菌法としては有効であるが 残留塩素濃度が 0.5 mg/l 程度では ろ過材 パッキン等で既に形成されてしまったバイオフィルム中のレジオネラ殺菌が困難であることが報告されている 本調査結果からも 遊離残留塩素濃度は入浴設備のレジオネラ属菌の発生状況を推測するための有効な指標にはならないことが確認されたため この報告を裏付けるものとなった 13

16 ⑵ 過マンガン酸カリウム消費量及び一般細菌数とレジオネラ属菌検出率の関係図 4は過マンガン酸カリウム消費量とレジオネラ属菌検出率 図 5は一般細菌数とレジオネラ属菌検出率との関係を示したものである いずれの指標も遊離残留塩素の場合と同様に 各濃度及び菌数範囲の間で検出率に多少の差はあるが どの範囲でもレジオネラ属菌が検出されており 特段の法則性が見られないことから 両指標はレジオネラ属菌検出を推測するための有効な指標とはならないことが確認された 図 4 過マンガン酸カリウム消費量とレジオネラ属菌の関係 (n=799) 図 5 一般細菌数とレジオネラ属菌の関係 (n=829) 14

17 前述の杉山らによる循環式モデル浴槽を使用した研究では 入浴により持ち込まれた皮脂や垢などの有機物等がろ過材や集毛器 配管内部などに付着し蓄積されることにより それを栄養源とする従属栄養細菌と一般細菌の増殖が起き その後それらの細菌をエサにするアメーバが増殖し 同時にアメーバ内増殖性のあるレジオネラ属菌も増殖することが報告されている この研究は 無殺菌状況下で浴槽水を循環させて行われたため 有機物と細菌 アメーバ及びレジオネラ属菌が関連した発生機序が明らかとなり 有機物及び細菌の増加がレジオネラ属菌増殖の前段階となっていることが示された 理論上 レジオネラ属菌の発生は一般細菌の増加と対応しているため 両者に相関があって当然と思われるが 実際の浴槽水は塩素消毒が行われているため 消毒が適切に行われている浴槽水においては一般細菌の繁殖が抑制されている 従って浴槽水中の一般細菌数はレジオネラ属菌の指標値にはなりにくいと考えられた また 皮脂や垢などの有機物も循環ろ過により集毛器やろ過器に捕捉されて浴槽水からは除去されるため 浴槽水の過マンガン酸カリウム消費量から有機物等のろ過器内部における蓄積状況を推察することは困難であり 従って過マンガン酸カリウム消費量もまたレジオネラ属菌の指標値とはならないと考えられた ⑶ ATP 値とレジオネラ属菌検出率の関係図 6は ATP 値とレジオネラ属菌検出率との関係を示したものである これによると ATP 値が 25RLU 未満の検体からレジオネラ属菌の検出はほとんどなく (307 検体中 1 検体 ) 25 ~ 50RLU 未満で 3.7% 50 ~ 100RLU 未満で 11.7% 100RLU 以上で 21.5% と ATP 値の上昇に伴いレジオネラ属菌検出率が高くなるという関係が見られた 図 6 ATP 値とレジオネラ属菌の関係 (n=860) 15

18 レジオネラ属菌は入浴設備においては循環系統内部に形成された生物膜が温床となっていることから 系統内に存在する生物膜量とレジオネラ属菌の検出率には関連性があることが推察された さらに 浴槽水中に検出される ATP 値は レジオネラ属菌を含めて系統内に存在する生物膜に由来すると考えられることから 浴槽水の ATP 値は他の指標値と比較してより直接的にレジオネラ属菌発生の指標になりうると考えられた なお 白湯 860 検体中 65 件でレジオネラ属菌が検出されたが このうち 1 件のみが ATP 値 25RLU 未満であった ( このときのレジオネラ属菌数は 10CFU ATP 値は 6.5 であった ) 本検体は原水が井戸水で 入浴剤が使用されていたことから 入浴剤の成分が ATP 測定反応に妨害作用をもたらしていることが推定された ⑷ ATP 値とレジオネラ属菌数との関係白湯を使用した浴槽水等の ATP 測定値 (RLU) は 最小値が 0 最大値は 3,042 であった 平均値は 95.2 最頻値は 16 であった このうちレジオネラ属菌陰性検体の最大値は 3,042 最小値 0 平均値は 86 であった 一方 陽性検体の最大値は 2,357 最小値 7 平均値 216 であった レジオネラ属菌が検出された検体は 860 件中 65 件で 検出率は 7.6% であった 検出数の最大値は 22,000CFU 検出数の平均値は 464CFU 最頻値は 10CFU であった ATP 値とレジオネラ属菌の関係を散布図で表したのが図 7である ただし レジオネラ属菌数の検出範囲が広いので 散布図を見やすくするために Y 軸の上限を 1000CFU としている ちなみにここに表示できない検体の ATP 値 / 菌数は (86/1,490) (32/1,544)(138/22,000) である ATP 値から見た場合 1レジオネラ属菌がほとんど検出されない領域 2ATP 値の上昇にともない菌数も増える領域 3 ATP 値が大きくても菌の検出が少ない領域が存在した 図 7 ATP 値とレジオネラ属菌数の関係 ( 散布図 ) 各プロットを残留塩素濃度別に示したものが図 8である 1 及び3の領域では 残留塩素濃度 0 ~ 2.0 以上までが混在していたが 2の領域における検体の多くは 残留塩素濃度が基準値未満であった 16

19 図 8 ATP 値とレジオネラ属菌数の関係 ( 散布図 ) ATP 値とレジオネラ属菌検出の関係を詳細に見るため 検出が集中している 0-800RLU の範囲を拡大し 図 8 同様に残留塩素濃度別にプロットしたものが図 9である なお この図では Y 軸が対数表示であるので 不検出の検体はプロットされていない これによると 100RLU 前後にレジオネラ属菌検出数の多い (100CFU 以上 ) 検体が集中しており それ以降 ATP 値が上昇しても検出数は横ばいで ATP 値とレジオネラ属菌検出数の間に相関は見られなかった 残留塩素濃度とレジオネラ属菌検出の関係は 残留塩素濃度が高い検体ほど ATP 値及びレジオネラ属菌の検出数は低い傾向にあったが 一部は高い ATP 値を示した 図 9 ATP 値とレジオネラ属菌数の関係 ( 散布図 ) 17

20 以上の結果から ATP 値とレジオネラ属菌の関係において次のことが推測された a. 1のレジオネラ属菌がほとんど検出されない領域は 残留塩素が検出されている検体が多く ATP 値も低い (25RLU 未満 ) ことから 系統内部に生物膜の発生がなく 入浴者等に由来する細菌も塩素により殺菌された状態と思われる b. 2の ATP 値の上昇にともない菌数も増えている領域は 残留塩素が検出されない検体が多いことから 前述の杉山らによる報告に示されたような 従属栄養細菌 一般細菌の増殖に対応してレジオネラ属菌の増殖が起きている状態と思われる c. 3の ATP 値が大きくても菌の検出が少ない領域には 全陽性検体の 78.5% が属していた ATP 値とレジオネラ属菌数が必ずしも相関していないのは 塩素消毒の影響と思われる 倉ら 5) による平成 20 年度厚生労働科学研究費補助金事業 ATP 測定による入浴施設の汚染度のモニタリングに関する研究 より 塩素消毒した浴槽水をフィルターろ過した場合 ろ過水に含まれる ATP の原水 ATP に対する比率が 塩素消毒をしない場合に比べて著しく高い (100% を超える場合もあり ) ことが報告されており このことから 塩素消毒が行われている施設では 細菌の細胞崩壊による ATP の放出により 見かけの ATP 量が増大しているものと考えられる 特に ATP 値が 100RLU を超える高い値であるにもかかわらず レジオネラ属菌が検出されない現象が 水質検査前日に高濃度塩素による配管消毒を実施した浴槽に多く見られた このことから 配管中に形成された生物膜が高濃度塩素消毒により破壊され 浴槽水に放出された死菌の ATP 値が測定された可能性が推察された ⑸ ATP 値とレジオネラ属菌検出率の関係 ( 詳細 ) 測定により得られた ATP 値の範囲において レジオネラ属菌検出率の分布をより詳細に解析するために ATP 値を 150RLU 未満までは 10RLU ごと それ以上は 100RLU の範囲で区切 り それぞれの範囲におけるレジオネラ属菌検出率を求めた その結果を図 10に示す 図 10 ATP 値とレジオネラ属菌検出率の関係 ( 詳細 :n=860) 18

21 これによると ATP 値 25RLU 未満の領域でレジオネラ属菌はほとんど検出されず 25RLU 以降に徐々に上昇することは⑶で既に示したとおりであるが 80 RLU 以降の若干の検出率の上昇と RLU 周辺に検出のピークが存在することが窺えた 一方 130RLU 以降は ATP 値の上昇に対応した検出率の上昇は見られず おおむね検出率 20% のレベルで横ばいとなった ⑹カットオフポイントの検証図 10により 25RLU がレジオネラ属菌検出の閾値 80RLU が検出率上昇の閾値と考えられたことから 前者をカットオフポイント1 後者をカットオフポイント2( いずれも暫定 ) とし それぞれの閾値としての妥当性を検証するために レジオネラ属菌検出 (+) 不検出 (-) ごとの ATP 値を累積度数分布で示したのが図 11である 図 11 レジオネラ属菌検出 (+) 不検出 ( ) ごとの ATP 値の累積度数分布 これによると 不検出率の勾配は 25RLU 以降に緩やかになっていった 一方 検出率の勾配は 80RLU 付近で若干の上昇はあるものの 全体をとおしてほぼ均一であった このことから カットオフポイント1は 検出の閾値としては適当であると推測された 19

22 カットオフポイント2については累積度数分布図による判断は困難であったため 次に ROC 曲線による解析を行った ( 図 12) 図 12 カットオフポイント2 検証のための ROC 曲線 ( 自治医科大学公衆衛生学准教授上原里程氏提供 ) これは Youden Index を用いた方法で 各データの 感度 ( 検査が陽性を正しく判定する確率 ) + 特異度 ( 検査が陰性を正しく判定する確率 )-1 を計算し その最大値となるポイントをカットオフポイントとする方法である 860 検体中の Youden index のうち最大は 51RLU(0.527) 以下 61RLU(0.523) 80RLU(0.503) の順であった 従って 理論上の最適なカットオフポイントはこの 3 点の中にあると考えられ また 51RLU は 平成 20 年度の倉らによる報告で提示された管理目標値と一致した しかし この Youden index を用いた検証により 最大値となった 51RLU は 当初我々が予想していた暫定カットオフポイントである 80RLU とあまり差がないことも判明した 次に ATP 値が 及び 90RLU における感度 特異度及び陽性反応的中度を求めたのが表 3である 感度とは レジオネラ属菌陽性件数のうち ATP 値がある値以上となる割合 特異度は レジオネラ属菌陰性件数のうち ATP 値がある値未満となる割合を示す また 陽性反応的中度とは ATP 値がある値以上の件数のうち レジオネラ属菌陽性の割合を示す Youden Index から導かれた 3 ポイントは いずれも感度 特異度ともに高いため ATP 測定法はレジオネラ属菌の検出を推定する検査法として有効と思われる 続いて 3つのポイントの活用について検討を行った これらのうち 51RLU の感度が最も高 20

23 く それを 25RLU まで上げると更に感度は高くなった 一方 特異度は 80RLU が一番高いが 90RLU まで上げてもあまり変化がなかった このことにより 感度の高い 25RLU と特異度の高い 80RLU の 2 つのポイント設定が考えられた 感度 特異度の求め方 検査疾患有 ( 検出 ) 疾患無 ( 不検出 ) ( 合計 ) 陽性 (RLU) A B A+B 陰性 (RLU) C D C+D ( 合計 ) A+C B+D 感度 =A/(A+C) 特異度 =D/(B+D) 陽性反応的中度 =A/(A+B) 25RLU 51RLU 61RLU 80RLU 90RLU 感度 特異度 陽性反応的中度 表 RLU における感度 特異度等 カットオフポイントは本来感度 特異度が最大となるポイントを採用する ( 本件の場合 51RLU) ため通常複数とはならないが 本件は陽性反応的中度が低いことから 51RLU を超えた施設すべてを指導対象とするのではレジオネラ陰性の検体の割合が高く 現場指導での活用には困難が予想された 従って ATP 値はあくまでもレジオネラ属菌発生を推定する浴槽の清潔度を見るための指標であることから 汚染の程度に応じた現場指導の実施が現実的であると判断し カットオフポイントに 25 及び 80RLU の二つを設定して 管理指標 ( マーカーポイント ) に活用するものとした ⑺ ATP 値による管理指標の検討以上のような結果を踏まえ ATP 値の範囲に対応するレジオネラ属菌検出率から表 4のとおり管理区分を設定してみた ATP 値 レジオネラ属菌検出率 (%) ( 管理水準 ) 管理区分 25RLU 未満 0.3% ( 良好 ) 管理目標値 25 ~ 80RLU 3-13% ( やや不良 ) 要注意 80RLU 以上 22% ( 不良 ) 要改善 表 4 ATP 値を指標としたレジオネラ属菌検出率と管理区分 21

24 ATP 値が 25RLU 未満におけるレジオネラ属菌検出率は 0.3% と非常に低いため この範囲内であれば施設の管理が良好であると判断されるので 25RLU 未満を管理目標値とした また 25 ~ 80RLU の領域は 系統内部で基準値に満たない程度のレジオネラ属菌発生が疑われる若干の生物膜の存在が推定されることから 要注意 とした さらに 80RLU 以上は レジオネラ属菌の検出率が高く 基準値を超えるレベルのレジオネラ菌を発生させる量の生物膜の存在が推定されることから 要改善 の指標と考えてみた 以上の ATP 値による管理指標をイメージとして図 13に示す 図 13 ATP 値による管理指標 ( イメージ ) 22

25 ⑻ 温泉の ATP 値とレジオネラ属菌検出率の関係今回調査した浴槽中 温泉は 72 件であった 温泉について⑸と同様の手法で ATP 値とレジオネラ属菌検出率の関係について解析を試みた結果を図 14に示す 図 14 ATP 値とレジオネラ属菌検出率の関係 ( 温泉 ) レジオネラ属菌が検出されたのは 72 件中 24 件で 不適率は白湯の 4 倍を超える 33.3% であった レジオネラ属菌検出数の最大値は 3800CFU/100mL 平均値は 112CFU であった 一方 ATP 値の最大値は RLU 平均値は 194.9RLU であった 温泉の ATP と検出率の関係パターンは 白湯の場合と明らかに異なり 10-80RLU と RLU 以上の2 範囲に検出のピークが現れた 白湯では 25RLU 未満でのレジオネラ属菌検出がほとんど見られなかったのに対し 温泉では 10RLU 以上の各範囲 ( 検体が少ない RLU を除く ) で高い検出率を示した 温泉におけるレジオネラ属菌検出率が白湯に比べて高い理由としては 一般的に管理上の問題として 塩素消毒が効きにくい泉質であることや 浴槽が清掃しにくい岩風呂を使用していることなどが考えられた 一方 ATP 測定法の観点からは 検出率が白湯に比べ ATP 値の低い側にシフトしていることから 温泉成分によって ATP 測定試薬の反応が妨害され ATP 値が実際よりも低い値となった可能性も考えられた 23

26 2 効率的な監視手法に関する検討に係る調査結果 ⑴ ATP 測定による改善効果の判定多摩立川保健所及び南多摩保健所において 平成 年度の行政検査で不適があった施設のうち 15 施設について 改善措置前後の ATP 値及びレジオネラ属菌検査を行い ATP 測定による改善効果確認の有効性を検討した その結果を表 5に示す これによると 1 施設を除いて改善措置後にレジオネラ属菌は不検出となり 3 施設を除いて ATP 値もまた大幅に減少していた 以上 ATP 測定は 改善措置後の効果判定にも有効であることが示された 表 5 不適施設における改善措置前後の ATP 値の比較 なお I J Nの施設で改善措置後も ATP 値が高い値となっているのは 配管消毒の後の洗い流しが不十分であったため 浴槽内に生物膜などの汚れが残り ATP 値を上昇させたものと推定される また Oの施設は改善措置後も ATP 値が十分に低下せず レジオネラ属菌再検査の結果も不適となった 後の調査でろ過器のろ材に多孔質のセラミックが使用されており 高濃度塩素による消毒の効果が不十分であったことが判明した このように ATP 測定の実施により水質の異常事態を現場で迅速に把握することも可能となることが示された 24

27 3 自主管理の推進に関する検討に係る調査結果 3-1 多摩立川保健所が実施した調査 ⑴ 調査施設概要今回 調査の対象となった施設は 多摩立川保健所管内にあるヘルスセンター形式の公衆浴場であり 平成元年に営業を開始し 現在は廃止している 過去の行政検査でレジオネラ属菌について何度か不適があり 当所の指導により維持管理上の改善を重ねてきた 浴槽数は男女合わせて 12 個あり それぞれが個別の循環系統を持つ 原水は水道水を使用している 東京都の公衆浴場条例では 循環式 かけ流し式如何にかかわらず浴槽水の毎日換水を義務付けているが 当該施設は条例改正前に建てられたもので ボイラーの能力が低いために換水頻度は各浴槽ともに月 1 回が限度であり 廃止に至るまで 換水以外の項目 ( 塩素による浴槽水の消毒 毎日のろ過器の逆洗 ) を徹底させることにより衛生確保を図ってきた経緯がある 今回調査では 2 浴槽 ( 浴槽 A 浴槽 B) について経日調査を実施した ⑵ 維持管理状況の調査維持管理の実施状況は 表 6のとおりである 浴槽水原水の補給は 逆洗時の補充分が主であることから 毎日ほぼ定量行われていた また 換水 配管消毒 集毛器清掃は 1 ヶ月に 1 回 ろ過器逆洗は毎日行われていた 項目実施頻度等条例等の規定 浴槽水原水の補給 浴槽の水位によって自動で補給されるが ろ過器逆洗時 ( 毎日実施 ) の排水補充分が主 - ( 補給量は浴槽容量の概ね 1/4 浴槽 A: 約 ( 常に満杯を保つこと ) 10 m3 浴槽 B: 約 9 m3 ) 塩素剤の補給 循環系等のバイパス配管に固形塩素剤を毎日補給 塩素濃度の変動に応じバイパス配管のバルブ開度を調節 循環式浴槽について 0.4mg/L 以上 条例に規定されている維持管理項目 換水 1 ヶ月に 1 回浴槽 A:12 月 10 日 1 月 7 日浴槽 B:12 月 8 日 1 月 5 日 毎日 配管消毒 1 ヶ月に 1 回 換水に合わせて実施 1 週間以内ごとに 1 回 ろ過器逆洗毎日 1 週間以内ごとに 1 回 集毛器清掃 1 ヶ月に 1 回 換水に合わせて実施毎日 表 6 維持管理の実施状況 ⑶ ATP 値と過マンガン酸カリウム消費量 一般細菌との関係 ATP 値と過マンガン酸カリウム消費量 一般細菌の関係を図 15( 浴槽 A) および図 16( 浴槽 B) に示す 遊離残留塩素濃度は 浴槽 A B のいずれも 現場における計測値は 2.0mg/ L 以上であった レジオネラ属菌は浴槽 B で二度検出されたが いずれも基準値未満であった 25

28 図 15 ATP 値と過マンガン酸カリウム消費量 一般細菌の関係 (A 浴槽 ) 図 16 ATP 値と過マンガン酸カリウム消費量 一般細菌の関係 (B 浴槽 ) ATP 値と維持管理状況との関連を見ると 換水 配管洗浄 集毛器清掃により ATP 値お よび過マンガン酸カリウム消費量が低下している 1 月 5 日に浴槽 B において換水等の実施後 過マンガン酸カリウム消費量は大幅に低下したにもかかわらず ATP 値は上昇している この ことについて 施設管理担当者への聞き取り調査によれば その日の配管洗浄は 通常使用し ている薬剤に次亜塩素酸ナトリウム ( 洗浄時濃度 3ppm 以上 ) を追加したとのことにより 通 常よりも強めの条件で実施したことによるものであった 水質検査項目と ATP 値との比較では浴槽 A 浴槽 B いずれの浴槽においても ATP 値と 有機物汚染の指標である過マンガン酸カリウム消費量 細菌汚染の指標である一般細菌との挙 動に関連性が見られた 26

29 ⑷ ATP 値と利用者の関係 ATP 値と利用者数の関係を図 17( 浴槽 A) 図 18( 浴槽 B) に示す 浴槽 A B いずれの浴槽においても ATP 値は利用者数の増減と連動した挙動を示していた ATP 値の量変化に影響を及ぼす要因として 利用者数 換水 浴槽水原水の補給等の維持管理状況及び生菌数が考えられるが 当該施設では浴槽水原水の補給が毎日ほぼ一定量であること 遊離残留塩素濃度が確保されていること 生菌数が低く抑えられていることから換水 配管消毒頻度 利用者数と連動していると考えられる 図 17 ATP 値と利用者の関係 (A 浴槽 ) 図 18 ATP 値と利用者の関係 (B 浴槽 ) 27

30 3-2 岡山市保健所が実施した調査 ⑴ 調査方法詳細 ATP 値と維持管理状況の関連性 日常の衛生管理手法を検討するため 浴槽水の換水実施後 次の実施日 (1 週間後 ) までの状況を調査した 1 対象施設及び検体数循環式浴槽を有する公衆浴場 6 施設 30 検体 2 調査期日 1 週間 ( 月曜日から金曜日まで ) 平成 22 年 8 月 30 日から 9 月 3 日まで 3 検体の種類浴槽水またはプールジャグジー水 4 検査項目 a. 理化学検査及び細菌検査 ATP 値 ( 浴槽水等 ) レジオネラ属菌 大腸菌群( 浴槽水 温泉水 プールジャグジー ) 一般細菌 温度 p H 過マンガン酸カリウム消費量 遊離残留塩素濃度 濁度 色度 b. 管理状況調査利用者数 残留塩素濃度 逆洗浄時間等の毎日の管理状況を別紙調査票により聞取調査した 5 検査方法 ATP 測定はキッコーマン の取扱仕様書に準拠し ルミテスター (PD-20) による ATP 測定法 ( 別紙 ) を用いた それ以外の項目は水道法及び上水試験法等に準拠 6 検査機関岡山市保健所衛生課または同所検査課 ⑵ 検査結果結果は 図 19から図 24までのとおりであった 図 19 ジャグジープール A 施設における ATP 値 ( 拭取 浴槽水 ) の経日変化 28

31 当該施設のこの期間の利用客数は 1 日あたり 10 ~ 25 名程度であった 8 月 31 日の採水検査前に営業者により清掃の上 換水を実施した 換水前後の ATP 値 ( 拭取 浴槽水 ) を比較すると ATP 値 ( 浴槽水 ) について大幅な減少を確認した 図 20 ホテル B 施設 ( 女浴槽 ) における ATP 値 ( 拭取 浴槽水 ) の経日変化 図 21 ホテル B 施設 ( 男浴槽 ) における ATP 値 ( 拭取 浴槽水 ) の経日変化 29

32 上記 2 浴槽は 別循環系統で 利用客数は 1 日あたり女浴槽 ( 図 20) が 50 ~ 150 名に対し 男浴槽 ( 図 21) が 50 ~ 300 名であった 換水は 女浴槽が 8 月 30 日 男浴槽が 8 月 31 日の採水前に実施した 当該浴槽は ヒノキ製木枠の浴槽 1 及び2とも ATP 値 ( 拭き取り ) は高値を示した ATP 値 ( 浴槽水 ) について換水後日ごとに増加する挙動は示さなかった また 換水直後にもかかわらず 8 月 30 日の女浴槽の採水結果からレジオネラ属菌を検出した その時の ATP 値 ( 浴槽水 ) は 144 であった 男浴槽でも と高い数値を示したが レジオネラ属菌は検出されなかった 図 22 C 施設 ( 内湯入浴剤入 ) における ATP 値 ( 拭取 浴槽水 ) の経日変化 図 23 C 施設 ( ジェットバス ) における ATP 値 ( 拭取 浴槽水 ) の経日変化 30

33 図 24 C 施設 ( 露天岩風呂 ) における ATP 値 ( 拭取 浴槽水 ) の経日変化 上記 3 浴槽は 別循環系統で 利用客数は 1 日あたり男女あわせて 650 ~ 850 名であった露天岩風呂 ( 図 24) については 8 月 30 日から 9 月 3 日まですべてレジオネラ属菌を検出した 当該浴槽の ATP 値 ( 拭き取り ) が 比較的低値であったのは 岩風呂のため拭き取り綿棒が削れてしまい正確な数値が出なかったことが予想された ATP 値 ( 浴槽水 ) については 146 ~ 417 と高値を示した ⑶ 改善指導レジオネラ属菌が基準値を超えた施設 ( 行政処分施設 )14 施設に対し 改善指導を行い 自主検査によるレジオネラ属菌の陰性確認を行った また 上記 Ⅲの経日変化検査にてレジオネラ属菌で確認した 3 施設において改善措置後の ATP 値等を検査の上 指導を行った 1 対象施設及び検体数 3 施設 ( 上記 A,B,C 施設 ) 15 検体 a. 循環式浴槽を有する公衆浴場 1 施設 ( 上記 C 施設 ) 5 検体 b. 循環式浴槽を有する旅館 1 施設 ( 上記 B 施設 ) 5 検体 c. 加温式プールジャグジー 1 施設 ( 上記 A 施設 ) 5 検体 2 検査期日平成 22 年 10 月 18 日及び 11 月 17 日 3その他検体の種類 検査項目 検査方法 検査機関等については (1) に同じ ⑷ 指導結果 1A 施設利用者は平均して 1 日あたり 10 名程度であり 浴槽水位も低いためオーバーフロー量は少ないと推測された 31

34 施設側においてオーバーフロー補給水量と補給時期について把握しておらず ミキシングバルブから浴槽にかけても配管内で給湯水が滞留している可能性があると思われた 浴槽のバブリングは 客が浴槽壁にあるスイッチを押して始めて作動するため ジェットポンプから浴槽までの配管内で滞留している状態と思われた また ジェット配管の清掃は過去において未実施であった 滞留しやすいポイント等汚染原因として考えられる箇所の以下 1~5(1 浴槽水 2 水位計 ( 上部から採取 ) 3ジェット配管 ( ヘアキャッチャーから採取 ) 4 循環配管 ( ヘアキャッチャーから採取 ) 5 補給水配管 ( ある程度浴槽水を落として壁面から採取 )) を 10 月 18 日に清掃 配管洗浄前後で採水検査したところ結果は 図 25のとおりであった 清掃後の箇所からは レジオネラ属菌は検出されなかったものの清掃前の各循環系統で検出したことから換水から数日経過した水質状況を認識させ これまで管理してこなかった循環系統の箇所について管理ポイントを指導した 図 25 A 施設における不備確認及び改善内容 2B 施設男浴槽と女浴槽は 循環系統が別系統であるもののろ過等の設備及び管理内容については全く同じであったが 利用者数については 男浴槽の方が 2 倍多い状況であった ATP 拭取の結果から管理ポイントとしている浴槽木枠については 3 年前にぬめりの箇所も含め全体を削っていたが 木枠が 浴槽水に浸かることでぬめりを生じる可能性があることから数年前から水位を 2, 3cm 下げた経緯があった また 浴槽水が 滞留しやすい水位計までの配管については 改修しており 他にはミキシングバルブから浴槽まで 3 mほどの長さの箇所が滞留するポイントとして考えられた 32

35 補給水の供給時期及び水量等については 把握できていなかった 水質等について男女浴槽で比較検討した結果 女浴槽については 以下 a ~ c が汚染要因として考えられた a. 浴槽内水位が低く 利用者が少ないためオーバーフロー量が十分でなく 補給水量も十分でないこと b. 週に 1 度の換水日の前日に採水しているため条件が男浴槽と比較して悪かったこと c. 塩素濃度が若干低く調整していたこと ( 施設側の管理基準値は 0.65ppm 測定値はその前後であったが 保健所測定値が 0.2 ~ 0.3ppm と低かったため ) よって 以下の事項を営業者に指導した a. 毎日営業前にオーバーフローを 5 分程度行うこと b. ATP 拭取測定の結果から供給口 浴槽内の木製枠の四隅等 清掃しづらい箇所の汚れが目立つため 清掃を更に徹底すること c. 保健所における塩素濃度測定の結果営業前において若干低めであるため濃度を少しあげた上 塩素管理を行うこと また 10 月 18 日に保健所による採水検査でレジオネラ属菌陰性を確認した ATP 値 ( 浴槽水 ) は 95 であった 3C 施設経日変化の確認検査において岩風呂で連日レジオネラ属菌を検出確認したことから当該施設のハード及びソフト面について検証したところ 同一循環系統は 露天風呂 5 浴槽があり オープン当初から各種浴槽の水位レベルを確保するため循環配管においてバルブを常時閉めている箇所があり 死水域になっている可能性が高いことが判明した そこで 営業者による循環系統バルブの開放及び配管の詰まり抜きに加え 浴槽清掃の徹底及び配管洗浄を実施させた ろ過機の圧力変動記録の検証をもとに配管洗浄の時期を検討するよう指示した 交換したろ材についてレジオネラ属菌の検査を実施したところ 1.5cfu/100ml であったためろ過ドレインの排水を週 1 回から日 1 回に回数を上げることとした また アルカリ泉質入浴剤の使用によりpHが約 9 に維持され 塩素系薬品の消毒効果が低くなっていることが予想されたため 入浴剤使用の検討を行わせた結果 使用を継続する代わりに塩素系薬品から臭酸系薬品に切り替えることとし 逆洗時には 臭酸系薬品の濃度をあげて 循環系統の消毒を実施するよう指導した 以上の改善策を実施の上 後日 自主検査によりレジオネラ属菌の陰性を確認した また ATP( 浴槽水 ) についても改善前の 1,139RLU から 112RLU まで減少したことを当所により確認した C 施設に対する指導及び改善措置の経過を表 7に示す 33

36 表 7 C 施設に対する対する指導及び改善措置の経過 34

37 Ⅴ まとめ 1 レジオネラ属菌検出率と ATP 値 遊離残留塩素濃度等との量反応関係レジオネラ属菌と ATP 値 (RLU) 遊離残留塩素濃度 (mg/l) 過マンガン酸カリウム消費量 ( 有機物等 mg/l) 一般細菌(CFU/mL) との量反応関係を調査したところ ATP 値以外の項目では それぞれの数値の高低と レジオネラ属菌の検出率との関係に明確な関連性は見られなかった 一方 ATP 値とレジオネラ属菌検出率との関係は 図 6のとおり ATP 値の上昇とともにレジオネラ属菌検出率も上昇し 25RLU 未満で 0.3% 25 ~ 50RLU 未満で 3.7% 50 ~ 100RLU 未満で 11.7% 100RLU 以上で 21.5% となった このことから両者に量反応関係の存在が窺えた また ATP 値 25RLU 未満の検体からはレジオネラ属菌はほとんど検出しないことが明らかになった これらのことから 他の水質検査項目では表すことができなかったレジオネラ属菌汚染の可能性を ATP 値を用いることにより数値化して間接的に表すことができると考えられる 2 カットオフポイント ATP 値とレジオネラ属菌との量反応関係は関連性が認められ また 25RLU 未満の検体からはほとんどレジオネラ属菌は検出されないことから ATP 値を段階区分し検討した結果を前述したが 25RLU を検出の閾値 ( カットオフポイント1) とすることについては 図 11の累積度数分布を使った検証によりほぼ妥当と思われる 一方 図 10の ATP 値を 10RLU ごとに段階区分したデータを組み直し 25 未満 25 ~ 80 未満 80 ~ 140 未満 140 以上に区分した場合 それぞれの範囲に対応するレジオネラ属菌検出率は 0.3% 5.2% 24.7% 19.8% となり 各検出率の差が顕著になった ( 図 26) このことから 80RLU を超えた部分に検出曲線の若干の立ち上がりがあり 80 ~ 140 未満の部分に検出のピークの存在が窺われた これにより レジオネラ属菌検出率増加の境目となる ATP 値を 維持管理上の安全域から危険域への閾値 ( カットオフポイント2) として設定できるとし 現時点でのカットオフポイント2を ATP 値 80RLU として提案した 図 26 ATP 値とレジオネラ属菌検出率の関係 35

38 このカットオフポイント2を Youden Index を用いた ROC 曲線により検証したところ 最適なカットオフポイントは 51RLU( 感度 + 特異度 -1=0.527) であり 以下 61RLU( 同 =0.523) 80RLU( 同 =0.503) の順となった 計算上の最適値である 51RLU は 倉らによる平成 20 年度厚生労働科学研究報告で ATP 値の管理目標値として示された 50RLU と一致した この結果を受けて当研究班でどのカットオフポイントを採用するかについて検討した結果 51 及び 61RLU でのレジオネラ属菌検出率が 10% 前後と低いことから これにより現場で改善指導を行うには厳しいと判断された 一方 80RLU におけるレジオネラ属菌検出率は 20% 以上であり 監視指導の現場においてはより現実的な指標であると判断し 80RLU を採用した 3 ATP 値によるレジオネラ属菌の管理指標値 ATP 値の測定範囲を2つのカットオフポイントで区切り 25RLU 未満を管理目標値 25 ~ 80RLU 未満を要注意 80RLU 以上を要改善とする管理区分を設定した ( 表 4 参照 ) 即ち この管理区分から浴槽水中のレジオネラ属菌の発生状況を推定することで 浴槽水の清浄度をコントロールすることが可能となるため 自主管理の現場における本測定法の導入が期待される 図 13に ATP 値による管理指標のイメージ図を示した 管理区分を要注意 要改善 ( イメージ図では 危険域 としている ) と表現したことについて 実際のレジオネラ属菌検出率と照合して厳しいと評価する向きもあると思われるが これについては東京都の測定データが裏づけとなっている 東京都の検査機関である健康安全研究センターでは レジオネラ属菌検査を 1CFU/100mL 以上の精度で行っており 多摩立川保健所による平成 20 年度から 22 年度までのデータでは 1 ~ 9CFU/100 m L の領域を含めた検出率が 25RLU 未満で 0.6% 25 ~ 80RLU 未満で 14.5% 80RLU 以上で 43.2% となった このことは 要注意域では 14.5% の施設において不適 (10CFU/100 m L 以上 ) もしくは不適に満たないレジオネラ属菌を供給する量の生物膜が系統内に存在しており 要改善 ( 危険 ) 域ではその割合が 43.2%( 半数弱 ) にのぼることを示している 従って この管理区分は単にレジオネラ属菌検出率のみを評価しているのではなく 検出の予備軍 ( 今後の利用状況や維持管理状況等により 検出に転じる可能性の高い施設 ) も含めた評価であるとご理解願いたい 4 ATP 検査法を用いた自主管理の一層の推進多摩立川保健所と岡山市保健所で実施した 同一公衆浴場の経日的調査により 換水 配管消毒等の維持管理 及び利用者数が ATP 値の変動に関与していることが示された このことから 経日的に浴槽水の ATP 値を測定して水質の状況を把握し 利用者数や維持管理状況と照合することにより 施設の利用状況に応じた適切な管理方法 (ATP 値が 安全域 を保持できる管理方法 ) の構築が可能となると考えられる ATP 測定を取り入れた自主管理を営業施設に対して普及するため ATP 測定法を用いた公衆浴場等における管理マニュアル を作成した その中で ATP 値による浴槽水の状態把握 ( イメージ : 図 27) と ATP を取り入れた日常管理方法 ( 図 28) について提言している 36

39 5 レジオネラ症発生の未然防止への貢献入浴施設の集団感染事例は 平成 12 年 3 月に静岡県の温泉入浴施設で患者 23 名死者 2 名 平成 12 年 6 月に茨城県の福祉センターの入浴施設で患者 45 名死者 3 名 平成 14 年 8 月に宮崎県の温泉入浴施設で患者 295 名死亡 7 名などがある また 感染症法に基づくレジオネラ症年間届出数の推移は 2004 年から 2008 年までの 5 年間に 5 倍へと増加している このような中 レジオネラ症の患者発生は全国いつどこで起きてもおかしくない状況にあり レジオネラ対策は緊喫な課題である 公衆浴場施設等でレジオネラ症患者が発生した場合 保健所は感染症法の規定による積極的疫学調査 また 公衆浴場法に基づく立入検査を実施し その立入等の結果によって 施設の営業停止等による感染拡大防止措置を講ずるなどの対応を実施する 一旦 公衆浴場等でレジオネラ症の患者が発生すると 営業者の経済的負担 精神的苦痛 社会的信用の失墜等 被害は計り知れないものが考えられる こうした中 保健所のレジオネラ対策で ATP 検査法をこれまでの検査法に補完する検査方法として取り入れ 監視指導等役立てていくことが重要である さらに 事業者の自主管理で活用していくことは 日常の衛生管理において各自治体による衛生措置基準にそって適正に管理が行われているかどうかなどを目に見える形で表すことになり 迅速な対応や管理への自信 さらには 利用者の安心 安全の確保につながると考えられる ひいては 全国の公衆浴場等の衛生管理面での技術向上 事業者の意識変化をもたらすものであると確信する 6 今後の課題今回の調査では詳細な解析はできなかったが 白湯と温泉水では ATP 値による管理指標が異なることが示唆された また 入浴剤が ATP 測定反応に影響を与えることも示唆された 今後は温泉に対しても泉質別に ATP 指標値の関係を検証していく必要がある また 浴槽水以外のレジオネラ属菌の対策が必要な水系施設 ( 冷却塔など ) についても同様に ATP 値による管理指標の提示が可能と思われる 37

40 図 27 ATP 値による浴槽水の状態把握 ( イメージ ) 38

41 図 28 ATP 測定を取り入れた日常管理方法 ( 例 ) 39

42 Ⅵ 参考文献 1) 田栗利紹 他 (2005): ATP 法を用いた循環式浴槽水の清浄度評価 長崎県衛生公害研究所報 51, ) 杉山寛治 他 : 循環式浴槽におけるバイオフィルム形成とその対策 厚生労働科学研究費補助金地域健康危機管理研究事業 循環式浴槽における浴槽水の浄化 消毒方法の最適化に関する研究 資料編, ) 厚生労働科学研究費補助金健康安全 危機管理対策総合研究事業 迅速 簡便な検査によるレジオネラ対策に係る公衆浴場等の衛生管理手法に関する研究 平成 20 年度総括 分担研究報告書 ) 東京都多摩立川保健所 : ATP 測定法による浴槽水 ジャグジー中のレジオネラ属菌検出ゼロに向けた管理手法の検討 ) 平成 14 年度厚生労働科学研究費補助金厚生労働科学特別研究事業 循環式浴槽システムにおける微生物管理手法に関する研究 研究報告書 ) 厚生労働科学研究費補助金地域健康危機管理研究事業 循環式浴槽における浴槽水の浄化 消毒方法の最適化に関する研究 平成 16 ~ 18 年度総合研究報告書 ) 倉文明 他 : ATP 測定による入浴施設の汚染度のモニタリングに関する研究 平成 21 年度厚生労働科学研究費補助金健康安全 危機管理対策総合研究事業 迅速 簡便な検査によるレジオネラ対策に係る公衆浴場等の衛生管理手法に関する研究 分担研究報告書,

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45 ATP 測定法を用いた公衆浴場等における管理マニュアル 目次 Ⅰ レジオネラ症について 1 レジオネラ症とは 2 レジオネラ属菌発生の仕組み 3 循環式浴槽とレジオネラ属菌の関係 Ⅱ ATP 測定法とは 1 ATP 測定法の特徴 2 ATP 測定法の原理 3 浴槽水の ATP 値とレジオネラ属菌の関係 4 ATP 測定器と測定方法 Ⅲ ATP 測定を取り入れた入浴施設の管理 ATP 測定を取り入れた日常管理方法 ( 例 ) 付録 残留塩素等測定記録票 ( 平成 22 年度 地域保健総合推進事業 ) 財団法人 日本公衆衛生協会 分担事業者 東京都多摩立川保健所 所長 上木隆人

46 はじめに 平成 22 年度地域保健総合推進事業 保健所のレジオネラ対策における簡易迅速な検査方法の実用化と自主管理の推進に関する研究 結果から 公衆浴場等における浴槽水中のレジオネラ属菌と ATP 値との間に一定の関係 すなわち ATP 値の上昇とともにレジオネラ属菌検出率も上昇する 傾向が明らかとなりました 浴槽水のレジオネラ属菌の検査にはおおむね 2 週間を要し このことは 営業施設が自主管理をしていく上で レジオネラ属菌対策の効果確認ができにくい要因となっております こうした状況を改善するための一方策として 前述の研究結果を踏まえ 浴槽水の ATP 値を現場で簡易迅速に測定し それを指標としてレジオネラ属菌による汚染を間接的に推測することで 衛生管理指導の速やかな徹底が可能となり レジオネラ症の発症予防も効率的にできると考える次第です 本マニュアルでは ATP 測定法とそれを指標とした入浴施設の自主管理方法を中心に説明していますが 大切なことは ATP 値からレジオネラ属菌の検出率を推測する ことではなく ATP 測定により浴槽の清浄な状態を日常的に把握するとともに ATP 値を常に安全ゾーン (25RU 未満 ) に維持管理する ことです 本マニュアルが全国の公衆浴場の日常的な衛生管理に役立つとともに 入浴施設のレジオネラ症発生防止につながることを念願する次第です 平成 23 年 3 月吉日東京都多摩立川保健所長上木隆人 2

47 Ⅰ レジオネラ症について 1 レジオネラ症とは レジオネラ属菌に汚染された飛まつの吸引により感染する 年間 500 ~ 800 件の発生報告がある レジオネラ肺炎になると 意識障害などの症状が重症化しやすく 致死率も高まる レジオネラ症は レジオネラ属菌を含んだエアロゾルを吸入することにより感染する四類感染症で 重篤なレジオネラ肺炎と 自然治癒型のポンティアック熱の 2 つの病型があります レジオネラ肺炎は 2~ 10 日の潜伏期を経て発病し 病勢の進行が早く 有効な治療が間に合わないと致死率 60 ~ 70% にも達する恐ろしい病気です 健常者もり患しますが 糖尿病患者 慢性呼吸器疾患者 高齢者 大酒家 多量喫煙者が発症しやすい傾向にあります ただし 接触や空気感染などによる 人から人への感染はありません レジオネラ属菌 レジオネラ属菌は 自然界の土壌や淡水に普通に生息する細菌で アメーバなどの原生動物に寄生して増殖します 一般に 20 ~ 45 で生育し 36 前後が最適温度といわれています 循環式浴槽やジャグジー 空調施設の冷却塔 加湿器などの人工的な温水中でレジオネラ属菌が増殖し 人が菌により汚染された飛まつを吸込むことによりレジオネラ症に感染します 3

48 2 レジオネラ属菌発生の仕組み レジオネラ属菌の発生しやすい環境 循環配管などの内部にできる生物膜( バイオフィルム ) が問題となる 汚れたお湯ほど生物膜はできやすい 生物膜はレジオネラ属菌が寄生しその体内で増殖するアメーバ繁殖の温床 1 生物膜 ( バイオフィルム ) の形成清掃したての浴槽や 消毒したばかりの配管内部は 最初のうちは清潔ですが 人が入浴するうちに配管素材の静電気力により内壁に垢や皮膚片などの有機物 ( 汚れ ) が付着します 付着した有機物を足がかりに 浴槽水を浮遊する細菌類が配管内や浴槽内壁などに定着します その後 細菌は細胞の外に粘着性ポリマー ( スライム ) を放出します このスライムが 配管や浴槽の いわゆる ぬるぬる です ( 図 1) 一旦スライムが形成されると 他の種類の細菌も取り込んで 生物膜は成長していきます 生物膜は水中の有機物など 細菌の栄養になるものは捕捉するとともに 消毒用の塩素剤による細菌本体への攻撃をブロックするので 生物膜はさらに成長し やがてアメーバなどの原生動物が内部に住み着きます ( 図 2 ) 生物膜はいわば細菌の塊なので 細菌の栄養になる汚れ ( 有機物 ) が多く 消毒剤 ( 塩素 ) のない環境ほど形成されやすくなります 図 1 バイオフィルムができるまで (1) 図 2 バイオフィルムができるまで (2) 清掃 消毒した後の浴槽 配管でも その後浴槽の清掃や浴槽水の消毒をしないでいると 約 3 日 ~1 週間で生物膜が復活し レジオネラ属菌が発生することが確かめられています 4

49 2 アメーバとレジオネラ属菌アメーバは 栄養分が豊富な生物膜内で 塩素剤や紫外線などの消毒から保護されて生息します ( 図 3) 生物膜は微生物が繁殖するのに非常に適した環境といえます しかし一旦レジオネラ属菌がアメーバに寄生すると レジオネラ属菌はアメーバの体内で増殖し やがてアメーバの細胞を破壊して水中に放出され 次の宿主に入り再び増殖します ( 図 4) 人の肺にはマクロファージという アメーバに似た性質の細胞があります この細胞は普段は体内に侵入した異物や病原体を取り込んで消化する役割を担っていますが 肺に入ったレジオネラ属菌をマクロファージが取り込んでしまうと アメーバ同様に消化できずに寄生されてしまい その結果 菌が増加しレジオネラ症が発症してしまうことが知られています 栄養分 アメーバ 図 3 生物膜内のアメーバとレジオネラ属菌 生物膜 図 4 アメーバとレジオネラ属菌の関係 消毒薬 アメーバに寄生して増殖するレジオネラ レジオネラ属菌 5

50 3 循環式浴槽とレジオネラ属菌の関係 公衆浴場や温泉などの入浴施設では 人が入ることで常時細菌類の栄養分になる汚れ ( 有機物 ) が浴槽水に持ち込まれています これらの汚れは浴槽内壁や配管の内側などに付着し そこに細菌が定着して生物膜を形成します 図 5は一般的な循環式浴槽の系統図です 浴槽水は 循環戻り口から集毛器に入って髪の毛などの大きいごみが除かれ 消毒のための塩素が注入された後に ろ過装置を経由して垢などの細かい有機物が除かれます さらに加温して浴槽に戻ります この経路の中で オレンジ色で示している部分は浴槽水に接しているので生物膜が形成されやすい場所です 通常の浴槽水は塩素消毒を行っているため 浴槽水中では細菌の繁殖が抑えられますが 2で説明したとおり 生物膜の内側にいる細菌には通常の消毒は効きません また 循環系統には含まれませんが 貯湯槽もまた外部からの汚染や不適切な温度管理などによりレジオネラ属菌が繁殖することがあります 図 5 循環式浴槽の系統図 ( 例 ) 6

51 徴Ⅱ ATP 測定法とは 1 ATP 測定法の特徴 従来 食品衛生分野などで 手指や調理器具等の洗浄後に残った汚れの確認などに用いて 自主的な衛生管理などに使われている 生物由来の汚れや細菌汚染等の評価指標になる 計測結果が数十秒でわかる 浴槽水の汚れの状態を 現場で簡易 迅速に把握することができる ATP 測定法は 主に食品衛生分野での拭き取り検査に使われ 手や調理器具等を洗った後に 汚れが残っていないかどうかの確認などに用いられている 現場簡易検査方法です ATPとはアデノシン三リン酸のことで 動植物の細胞に存在し 筋肉をうごかすエネルギーや 細胞内でさまざまな生体反応が起こるときのエネルギー源となっている物質です 細菌を含むすべての生物の細胞には一定量のATPが存在するので 細菌を含めた生物由来の汚れとATP 濃度の間には相関関係があります 従って ATPを測定することにより 細菌による汚染の度合いを指標値 ( めやす ) として把握することができます 従来は 拭き取り検査には培養法が用いられてきましたが 細菌等の持つATP 量を測定する技術が開発されたことにより 時間と手間のかかる培養しなくても 細菌汚染の可能性が推定できる 汚れの量 を現場で迅速にすることが可能となったのです ATP 測定法の特徴は 培養法と比較するとわかりやすくなります ( 表 1) 表 1 培養法と ATP 測定法の比較 培養法 A T P 測定 一定量の検体中の菌数( コロニー :CFU) 法特を評価する 操作に技術と専用の設備を要する 培養に 24 時間以上の時間を要する 検査室までの検体搬入が必要 生物由来の汚れの量 が測定されるため 細菌汚染の指標となる 測定器があれば特段の技術を要しない 結果判明まで数十秒 現場でも測定できる 評価 基準(CFU/mL 以下 など ) に対する評価ができる ATP 値は菌数そのものを示す指標ではない 7

52 2 ATP 測定法の原理 この測定は ホタル腹部の発光器の中で起きている酵素反応を利用しています ( 図 6) ATPは 発光物質ルシフェリンと酸素の存在下で ルシフェラーゼ ( 酵素 ) を反応させることによりAMPに変化します その際 光エネルギーが放出されます ( 発光 ) この酵素反応は 生物発光と呼ばれています その発光量を測定することによりATPの量を知ることができます また A TP 量と発光量は 相関関係にあります ( 図 7) 図 6 ホタル発光器の酵素反応 ( キッコーマン食品 ホームページより ) 図 7 ATP 量と発光量の相関 ( 出典は同左 ) 3 浴槽水の ATP 値とレジオネラ属菌の関係 平成 22 年度地域保健総合推進事業で 浴槽水のATP 値とレジオネラ属菌の関係を調査したところ 両者の間に図 8のグラフに示される関係があることが判明しました ( ただしこの調査結果では 温泉を使用している施設のデータは除いています ) この調査結果から ATP 値が 25RLU 未満である場合 レジオネラ属菌検出率は 0.3% と非常に低く またATP 値が上昇するに従い検出率も上昇し 80RLU 以上 140RLU 未満では 24.7% と 全体の約 4 分の 1 がレジオネラ属菌不適になっていることがわかります つまりこのことは 次のことを意味しています 図 8 ATP 値とレジオネラ属菌の関係 ( 白湯 ) n=860 ( キッコーマン食品 製ルミテスター PD-20 による測定結果 ) 8

53 浴槽水のATP 値をそれぞれの入浴施設で日常的に測定することにより その浴槽水の レジオネラ属菌汚染の可能性 を知ることが可能です ただし ここで重要なのは 仮にあなたが管理する施設の浴槽の ATP 値が 60RLU だったとき これは検出率 5.4% だからまだまだ安心だ と考えてしまわないことです なぜなら ( あくまでも白湯の場合ですが ) 生物膜の発生がなく清浄な状態の浴槽水の ATP 値は 25RLU 未満なので 25 60RLU への上昇は 系統内部に生物膜が発生もしくは残っていることを示しているからです 東京都多摩立川保健所が過去に行った調査では 最も発生率の高い 未満の領域で基準値 (10CFU/100 m L) 未満も含めてレジオネラ属菌が発生している確率は 70% 以上でした レジオネラ属菌は 高齢者や体力が弱っている人に対しては 基準値未満でもレジオネラ症を発症させることがあることも報告されています このような理由から 日頃から ATP 値の測定を行い ATP 値が高くならないよう管理していくことは レジオネラ症対策のために重要なことです 図 9は ATP 値による浴槽水の状態をイメージで示したものです 図 9 ATP 値による浴槽水の状態の把握 ( イメージ ) 9

54 4 ATP 測定器と測定方法 ATP の測定には 検出器本体と 消耗品である検査キット ( 試薬 ) が必要になります 検査キットには 食品衛生の拭き取り検査用と 水中 ATP 測定用の 2 種類が開発されています 拭き取り検査用は検体採取部分が綿棒になっており 人の手指や調理器具の表面の汚れが採取しやすいようになっています 一方 水中 ATP 測定用は 検体採取部分の先端が細かい溝になっており 溝の部分に検水を付着させる構造になっています また 検出器は拭き取り用 水中用のどちらのキットでも使用できます 表 2に 現在国内で販売されている ATP 測定器の機種及びメーカーを一部参考までに掲載します 浴槽水の ATP 値を測定する場合は 水中 ATP 測定キットの使用を推奨しますが 拭き取り検査用キットを使用する場合は 検体採取の際 付属の綿棒を使用するよりも マイクロピペットを使用して 200 μ L の検水を検査用キットに注入し 測定するとより安定した結果が得られます ATP 測定器の例 ( キッコーマン食品 製 ) 水中 ATP 測定器の例 ( スリーエムヘルスケア 製 ) 表 2 ATP 測定器の機種及びメーカー ( 出典 : 月刊 食品と開発 2011 年 1 月号, 鶏卵肉情報センター ) 取扱い会社名 エア ブラウン キッコーマン食品 スリーエムヘルスケア ニッタ 検出器 AccuPoint クリーントレースルミテスター System ルミノメータ PD-20 SURE Plus UNG3 製造元 ネオジェン キッコーマン食品 スリーエム Hygiene 寸法 (mm) 重量 (g) 測定範囲 感度 (mol ATP) 測定時間 ( 秒 ) データメモリー数 試薬 キット 表面用 水用 UXL100 アクセスサンプラールシパック Pen AQT100 Ultrasnap ( 拭き取り用 ) AQUAsnap( 水用 ) 10

55 Ⅲ ATP 測定を取り入れた入浴施設の管理 浴槽水のレジオネラ対策については 各都道府県等が地域の実情に応じて条例で基準を定めています 営業者が普段実施している入浴施設の管理に ATP 測定を導入することにより 次に示すようなメリットが発生し より効果的な管理の実現が期待されます ATP 測定を日常の管理に取り入れることのメリット 1. 浴槽の使用開始前に ATP 値を測定することにより ろ過系統内部の生物膜の発生状況を推測できる 2. 日常的に ATP 値を測定することにより 利用者数等に関連した浴槽水の汚れの状況や維持管理の効果などが把握できる 3. 配管消毒実施前及び実施後の ATP 値を測定することにより 配管消毒の効果を確認できる 4. レジオネラ症発生予防が期待できる 1. 浴槽の使用開始前に ATP 値を測定することにより ろ過系統内部の生物膜の発生状況を推測できる 浴槽水中の ATP は 入浴者が持ち込むさまざまな汚れに由来するものと ろ過系統内部に発生している生物膜に由来するものの両方が含まれます このうち レジオネラ属菌の発生の推測に寄与する ATP 値は後者となります 9 ページの ATP 値による浴槽水の状態の把握 ( イメージ図 ) では 25RLU までを 安全ゾーン としていますが この領域は 生物膜の発生がほとんどない状態 25 ~ 80RLU は 基準値に満たない程度のレジオネラ属菌が発生しているおそれのある量の生物膜が存在する状態 と推定されるため 要注意ゾーン 80RLU 以上は 基準値を超えるレジオネラ属菌が発生しているおそれのある量の生物膜が存在する状態 と推定されるため 危険ゾーン として区分しています 従って 浴槽の生物膜発生状況を推測するため 入浴者による利用が開始される前の状態で ATP 値を測定することが重要です 2. 日常的に ATP 値を測定することにより 利用者数等に関連した浴槽水の汚れの状況や維持管理の効果などが把握できる ある施設で 利用者の急増により汚染負荷が増大したにもかかわらず 補給水量や配管消毒の方法を変えなかったためにレジオネラ属菌が発生した例があります 利用者が増えて浴槽水のATP 値が高くなったことが判明した時点で 補給水量を多くして汚染負 11

56 荷を低減するとともに 残留塩素による消毒を徹底し 配管消毒を通常よりも強めに行うという対応をとれば レジオネラ属菌の発生を防ぐことができたと思われます ATP 測定を日常的に実施することにより その施設の使用時における正常 ( 清浄 ) な状態の ATP 値を把握することができます また その正常値との比較により 異常が発生していることを迅速に把握し対応することが可能です ATP 測定を日常管理に導入する意義は 管理する施設の浴槽水のATP 値が要注意もしくは危険ゾーンであったときの判断をどうするかよりも この領域に至る事のないよう 安全ゾーンが使用開始の基本となるよう管理していくことです そのためには 毎日の利用者数とATP 値 補給水量等のデータを記録し 分析することにより 利用者数に応じた衛生確保が図れる管理方法を構築していくことが重要です 15 ページの付録 残留塩素等測定記録票 ( 例 ) を参考に 管理記録を作成し 適切な管理方法の構築のためにご活用ください 3. 配管消毒実施前後の ATP 値を測定することにより 配管消毒の効果を確認できる ある地域の入浴施設 132 件を調査したところ 78% の施設が都道府県の条例に基づき週 1 回の配管消毒を実施していましたが そのうちの 10% からレジオネラ属菌が検出されました このことは 浴槽の汚染負荷に対して適切な方法で配管消毒が行われていない施設が多いことを示しています より具体的に言うと レジオネラ属菌が発生した施設は 配管消毒のための塩素濃度や循環時間が不足していたために 配管やろ過器に蓄積した汚れを十分に取り除くことができなかったということです ATP 測定により配管消毒など日常管理の効果の確認を行うことで より効果的な措置をとることが可能となります 4. レジオネラ症発生予防が期待できる 日常的に ATP 値を測定し 安全ゾーン を保持することにより 利用者が当該施設を原因とするレジオネラ症感染を未然に防止することができます また 何らかの原因により 要注意 危険 となってしまった場合 対応策を迅速に講じることが可能となります 12

57 ATP 測定を取り入れた日常管理方法 ( 例 ) 13

58 解説 1 浴槽水の ATP 値が 25RLU 未満の場合は レジオネラ属菌の検出率が極めて低い (0.3%) の で 現行の管理を継続してください ( 現行の管理は適切です ) 2 浴槽水の ATP 値が 25 ~ 80RLU 未満の場合は レジオネラ属菌の検出率がやや高く ( 平均 5.2%) なっています 週 1 回の配管消毒の時間と塩素濃度を増やすなどの対策を講じ その後 ATP 値を測定して低くなっていることを確認してください (25RLU 未満であれば良好 ) 3 80RLU 以上の場合は レジオネラ属菌が発生している可能性が高くなります (20 25%) 早急に改善措置を講じてください できれば 自主的にレジオネラ属菌検査を行うことをお勧めします 参考 多孔質の自然石や人造石 ( セラミックボールなど ) を使ったろ材について ろ材に麦飯石などの自然石を使った入浴施設で しばしばレジオネラ感染が発生しています 多孔質の自然石やセラミックボールなどの人造石は 右図のように微細な孔 ( 穴 ) が多数あります この孔に細菌が入り込むと 塩素剤などの効果が孔内部に及ばないために 生物膜が形成され レジオネラ属菌の温床になります 近年体に良いといわれて人気の炭も同様で なおかつ炭は塩素を分解して消毒効果を失わせます これらは 入浴施設のろ材としては不適当と思われます 細菌 ( 生物膜 ) 多孔質の自然石のろ材と生物膜の関係 自然石のろ材 細菌 孔 ( 微細な穴 ) 14

59 残留塩素等測定記録票 ( 例 ) 浴槽名 実施月年月分 日 曜日 開始中間終了 時間塩素 ATP 値時間塩素 ATP 値時間塩素 1 : : : 2 : : : 3 : : : 4 : : : 5 : : : 6 : : : 7 : : : 8 : : : 9 : : : 10 : : : 11 : : : 12 : : : 13 : : : 14 : : : 15 : : : 16 : : : 17 : : : 18 : : : 19 : : : 20 : : : 21 : : : 22 : : : 23 : : : 24 : : : 25 : : : 26 : : : 27 : : : 28 : : : 29 : : : 30 : : : 31 : : : 備考 担当 15

60 おわりに ( ご利用に当たっての注意 ) このマニュアルは 公衆浴場等の管理者が各都道府県の条例に基づき衛生管理 を行っていく中で ATP 測定を取り入れることにより レジオネラ症発生防止対 策の強化を中心に さらに質の高い自主管理の実現を目的に作成されています 従って はじめに でも書きましたが ATP 値を常に安全ゾーン (25RU 未満 ) に維持管理すること に留意していただき このマニュアルを活用した自主管理 を広めていただきますよう心より念願する次第です ATP 測定法を用いた公衆浴場等における管理マニュアル 平成 23 年 3 月発行 編集 発行東京都多摩立川保健所 ( 責任者 ) 所長上木隆人 東京都立川市柴崎町二丁目 21 番 19 号電話 印 刷 社会福祉法人あかつきコロニー印刷電話

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