家庭教育支援の推進に関する検討委員会第3回　配布資料その3

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しげじろうあいきょう
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1 スクールソーシャルワークとは 35

2 ソーシャルワークとはソーシャルワーク専門職は人間の福利 ( ウェルビーイング ) の増進を目指して社会の変革を進め人間関係における問題解決を図り人びとのエンパワーメントと解放を促していくソーシャルワークは人間の行動と社会システムに関する理論を利用して人びとがその環境と相互に影響し合う接点に介入する人権と社会正義の原理はソーシャルワークの拠り所とする基盤である ( 国際ソーシャルワーカー連盟 (IFSW) の定義 ) ミクロメゾマクロのそれぞれのシステムサイズに働きかけるソーシャルワークは価値理論および実践が相互に関連しあうシステムである

3 スクールソーシャルワーク (SSW( SSW) ) とは学校をベースに子どもの最善の利益福祉の価値の元にソーシャルワークを展開する社会システム理論やエコロジカルアプローチ岡村理論がベースにありストレングスモデルエンパワーメントモデルなどを活用して展開するその際具体にはサービスや資源を用いて実践するさまざまなシステムレベルに変革を起こす専門職問題を抱えた児童生徒に対し当該児童生徒が置かれた環境へ働き掛けたり関係機関等とのネットワークを活用したりするなど多様な支援方法を用いて課題解決への対応を図っていくこと ( 文 37 部科学省 2008)

4 SSW の実態 1986 年 ~1998~ 年所沢市名称は SSW ではない 2000 年 ~ 赤穂市 2000 年 ~ 茨城県結城市 2001 年 ~ 香川県別事業 2005 年 ~ 大阪府 SSW 事業 2006 年 ~ 兵庫県滋賀県 2007 年 ~ 茨木市 2007 年 ~ 文科省 SSN 事業の後継に例示群馬熊本ほか開始 2008 年 ~ 文科省 15 億予算化研究事業として全国展開 2009 年 ~ 文科省億予算化 3 分の 1 補助事業 38

5 SSW の実態 39

6 SSW の役割学校に福祉の視点を導入するアセスメント ( 見立て ) プランニング( 手だて ) モニタリング ( 見直し ) をシステム化混沌とした教員の話どうしようもないように見える問題を整理し社会資源や校内チームを作って現実的対応の世界へ持って行く学校内が機能するように働きかける機関調整 : 学校福祉機関の代弁通訳をしていく教育委員会にイメージを持ってもらい SSWが市として機能するように働きかける SVの必要性

7 具体例 (SSW の動き ) 窓ガラスすべて割れている学校アセスメントから地域の児童委員も視野に入れてプラン二ングを行う地域の人が学校の前に立ち 2 人 3 人 ( 教師生徒生徒 PTA など ) と増える学校が落ち着く給食費未納不登校ネグレクト母親の真のニーズを探り主体性に主体性に焦点をあてた支援 ( 地域の機関人につなぎ母自身がボランティアに参加 ) 関係性に着目し親と子ども親と学校親と機関地域をつなぐ 41

9 SSW: ミクロメゾマクロ実践 ( 山野,2006) ミクロ個別事例へのアプローチ子ども家族への面談訪問教師への支援資源活用教師子ども友人家族地域資源メゾ校内体制作りへのアプローチ校内ケース会議の開催研修会の開催生指外部支援者担任管理職バックアップ養教外部支援者マクロ市子ども家庭相談体制作りへのアプローチ連携ケース会議の開催市ネットワーク会議へ参加市相談体制作りへの関与福祉その他学校児相幼稚園病院バックアップ

10 ミクロ教員へアウトリーチ (2005 年度大阪府 SSW とSC の比較 ) スクールカウンセラー教員, 2033, 48% 本人, 984, 23% 保護者, 1247, 29% 本人保護者教員活動数の 40.0% が他機関と連携 44 スクールソーシャルワーカーその他, 162, 7% 教員, 1871, 75% 本人, 184, 8% 保護者, 233, 10% 本人保護者教員その他

11 子どもの福祉課題に対する政策の限界身近な生活圏ではない児童相談所措置を中心にした施策展開児相児童相談所は担当エリアが広域児童福祉司の配置割合は人口 5~8 万人に 1 人子どもや家族学校にとって福祉は特別な対象であり身近ではない 45

12 子どもの福祉課題に対する政策の限界市町村市町村においての児童相談を法律に明記されたのが 2004 年の法改正相談に携わる職員の実態は法規定はなく児童福祉司と同様の資格を有するもの 9.9% 社会福祉士 3.5% % 職員の 62.4% が兼務 ( 厚生労働省 2010). 複数配置されていない SV がいない実態 46

13 メゾ校内システム作り ( 大阪府教委, 校内ケース会議回数とケース数 ( 月別 ) ( 大阪府教委,2006) 合計 194 回 (16( 回 / 月 ) 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月会議回数ケース件数

14 SSW の効果 ( 山野 2007) 児童相談所市の児童福祉機関との違いミクロ外部機関が学校から受ける相談 ( 全国 )% 対象の地域年度相談率 (%) 福祉児相 A 市小学校 1991 年 ( 外部機関合計 ) SSW 配置小学校 1996 年倍に 2004 年年 9.32 未発表未発表 48

15 マクロ市町村の子ども家庭相談体制作り教育と福祉をつなぐシステムやチーム作り市の要保護児童対策地域協議会への参画個別ケース会議に生活保護ワーカーや保健師ヘルパー NPO のメンバーなどを学校に導入学外メンバー含むチームで動く市の相談体制に SSW の認知と福祉としてのバックアップをもらう 49

16 A.. 事業担当者の各自治体にあった構想 ( 意図的に活用を作る学校へお任せしない ) 1 活用目的や位置づけの明確化とその公開例 ) 児童虐待防止学力向上を目的子どもの権利条例を策定そこに位置づけて配置 2 定期的な枠組みを作成 ( 身近であることを保障 ) 例 ) 連絡会等で学校のニーズを聞き取る SSW と市教委や学校の交流の場を確保する 3 活用メニューを市教委や学校に提示例 ) 個別相談グループワーク (SST など ) ケース会議校内研修模擬ケース会議 ( 研修 )

17 B.. 協働のシステム化による事業の確立 1 1) 既存の教育委員会内の他の制度とリンク 1 スクールカウンセラーとの協働 2 支援人材との協働 3 非行のサポートチームのなかでの位置づけ 4 特別支援巡回指導チームのなかでの位置づけ 5 家庭教育支援チームのなかでの位置づけ

18 B.. 協働のシステム化による事業の確立 2 2) 他機関との協働 1 市町村子ども家庭相談部門との協働 ( 要保護児童対策地域協議会での位置づけ ) 2 児童相談所との協働 3 教育センターとの協働

19 マクロ連携システムの課題 : 学校から切れる仕組み作り ( ヨコとタテ ) 定例でこのタテのメンバーで検討会議が開かれている所が多いしかし学校へ行くと

20 ミクロメゾの効果 ( 山野 2008) SSWは有効である 86.9% どのようなことにSSWは有効だと思うかミクロ事例に対して有効である 62.2% 校内体制作りに対して有効である 25.5% その他 8.3% メゾ

21 ある市における配置の効果 1 教育目標の達成を全教職員で共有 ( 学校組織 ) H19 H20 H21 ssw 配置校 ssw 未配置校 ( 加藤拓作成学校 SW 学会発表資料より (2010)

22 ある市における配置の効果 3 正答率の前年度比 1.5% 1.0% 0.5% 0.0% -0.5% -1.0% -1.5% -2.0% -2.5% -3.0% 未配置校 1.2% -2.7% SSW 配置校 -1.3% -1.3% ( 加藤拓作成学校 SW 学会発表資料より (2010)

23 マクロマクロ実践 ( 教育行政との協働や相談体制への位置づけ ) の効果 2005 年度から 3 年間の実践のあとの国事業今回の国予算と別に大阪府内 41 市町村の半数の市町村において SSW 独自予算 2007~3 2008~ 年 ~20~ 市町村上記 23 市と大阪府大阪市堺市での国事業合わせて合計述べ 100 人 (2007( 年度は述べ 13 人 ) 全国から注目! 57

24 SSW の課題問題解決型に偏っていて地域全体のシステム作りになかなかならない政策化にならない国からの支援が減ると撤退するところが生まれている人材不足全国には学校の単なる支援人材に終わっているところもある政策 (= 教育委員会等 ) との連動が課題マクロ実践の必要性 ( 仕組みづくり )

25 ネットワークを機能させる仕組みづくり

26 さまざまな団体機関とのチーム体制を作る広域専門機関児童相談所福祉事務所家庭裁判所教育事務所など A 校内のチーム体制生活レベル公的機関幼稚園学校病院など C 要保護児童対策地域協議会の活用生活レベル地域個人セルフヘルプ民生委員児童委員保護司 PTA など子育てサークルなど B ボラ等の生活レベルのメンバーとチーム

27 開放性主体性ネットワーク : 新しい社会づくりに関して国民を結びつけ活動希望理念のわかちあいを可能にするリンク ( リップナック & スタンプス ) ネットワーキング : ネットワークを可能ならしめる他人とのつながりを形成するプロセス ( リップナック & スタンプス ) 全体調和柔軟性多様性対等性相互補完性

28 重要なポイント 1 半数から 3 分の 1 の孤立等課題を抱える状態全数への対応の必要 = 学校拠点の意義学習講座型ひろば支援型の有効性学校や地域が困っているのは支援を拒否学校拠点のソーシャルワークの意義チームによるアウトリーチ型支援の有効性 62

29 重要なポイント 2 それぞれの取り組みに当事者を主人公に主体性や意見を取り入れる工夫体験型の学びを工夫する専門職の人数的限界もあり地域の人とのチームを組むことで機能的になる 63

30 引用参考文献原田正文山野則子ほか (2004( 2004) ) 児童虐待発生要因の構造分析と地域における効果的予防法の開発平成 155 年度厚生労働科学研究 ( 子ども家庭総合研究所保護事業 ) 報告書. 山野則子ほか (1998( 1998) ) 生活保護家庭における児童問題へのアプローチ - 問題発見の指標作りをめざして - 大阪市立大学生活科学部児童家族相談所紀要第 14 号, 山野則子 (2007( 2007) ) 茨木市子育て支援システム策定のための研究事業報告書梅花女子大学山野研究室山野則子 (2007( 2007) ) 日本におけるスクールソーシャルワーク構築の課題 - 実証的データから福祉の固有性の探索学校ソーシャルワーク研究創刊号, 日本学校ソーシャルワーク学会,67, 山野則子峯本耕治編 (2007( 2007) ) スクールソーシャルワークの可能性ミネルヴァ書房. 山野則子 (2008( 2008) ) 日本におけるスクールソーシャルワークの実証的研究 ~ 福祉の固有性の探究平成 19 年度文部省科学研究. 全国社会福祉協議会 (2008( 2008) ) 保育所と地域が協働した子育て支援活動研究事業. 山野則子 (2009( 2009) ) 子ども虐待を防ぐ市町村児童虐待防止ネットワークとソーシャルワーク明石書店. 山野則子 (2010( 2010) ) スクールソーシャルワークの役割と課題社会福祉研究弟 109 号鉄道弘済会. 64 山野則子 (2011( 2011) ) SSW ハンドブック大阪府立大学人間社会学部山野則子研究室.

資料3-1.山野則子氏配布資料（後半）

資料3-1.山野則子氏配布資料（後半）スクールソーシャルワークとは 32 ソーシャルワークとはソーシャルワーク専門職は人間の福利 ( ウェルビーイング ) の増進を目指して社会の変革を進め人間関係における問題解決を図り人びとのエンパワーメントと解放を促していくソーシャルワークは人間の行動と社会システムに関する理論を利用して人びとがその環境と相互に影響し合う接点に介入する人権と社会正義の原理はソーシャルワークの拠り所とする基盤である

家庭教育支援の推進に関する検討委員会 第3回 配布資料その3

家庭教育支援の推進に関する検討委員会第3回　配布資料その3