写真 11 写真 12 写真 13 写真 14 幼穂 第二次枝梗始原体分化後期 穎花始原体分化始期 穎花始原体分化初期 穎花始原体分化中期 発育 株全体の幼穂形成期 日数 ~+8 +8 写真 11~14 幼穂形成期前後の幼穂 ウ穂首分化期と幼穂形成期の葉齢による推定主茎の葉齢から穂首

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1 6 生育診断と予測 (1) 生育ステージの診断ア穂首分化期の診断 穂首分化期の判定は 茎の根元を切って顕微鏡で直接確認するのが最も確実である 生育 中庸な数株から主茎を 10~15 本抜き取り 1 本の茎から 4~5 枚の切片を作り 100 倍程度 の倍率で検鏡する 主茎と分げつ茎では幼穂の分化 発育に差があるので 主茎が穂首分化期に達した写真 4 では株全体の穂首分化期とは判定せず 主茎の幼穂発育が写真 6 のようにコブが 3 つ 長さ が約 0.2 mm程度になった時点で株全体を穂首分化期と判定する なお 圃場全体の穂首分化 期の判定は 調査した茎の 80% 以上が写真 6 に達した時点となる 写真 4 写真 5 写真 6 写真 7 幼穂 穂首分化期 苞始原体増加期 第一次枝梗始原体分化初期 第一次枝梗始原体分化中期 発育 主茎の穂首分化期 株全体の穂首分化期 日数 -2-1 ±0 +1 写真 4~7 穂首分化期前後の幼穂 ( 松島省三 稲作の理論と技術 より複写 以下写真 8~14についても同様 ) 注 ) 表中の日数は 第一次枝梗始原体分化初期 ( 株全体の穂首分化期 ) を起点としたときの経過 日数の目安 以下写真 8~14についても同様 ) 写真 8 写真 9 写真 10 幼穂 第一次枝梗始原体分化後期 第二次枝梗始原体分化初期 第二次枝梗始原体分化初期 日数 写真 8~10 穂首分化期後 ~ 幼穂形成期前の幼穂 イ幼穂形成期の診断幼穂形成期の判定は 生育中庸な数株から主茎を10 本程度抜き取り その茎の根元を切り 幼穂が写真 13のような穂先端の頴花が頴花始原体分化初期 幼穂長が約 1.5mm程度になったら 株全体の幼穂形成期と判定する なお 圃場全体の幼穂形成期の判定は 穂首分化期と同様に調査した茎の80% 以上が写真 13に達した時点となる この時期の幼穂は 穂首分化期と異なり肉眼でも確認可能であり 白い毛のような苞毛も見ることができる

2 写真 11 写真 12 写真 13 写真 14 幼穂 第二次枝梗始原体分化後期 穎花始原体分化始期 穎花始原体分化初期 穎花始原体分化中期 発育 株全体の幼穂形成期 日数 ~+8 +8 写真 11~14 幼穂形成期前後の幼穂 ウ穂首分化期と幼穂形成期の葉齢による推定主茎の葉齢から穂首分化期 幼穂形成期を推定することができる 青森県産業技術センター農林総合研究所作況田の つがるロマン ( 平成 8 年 ~21 年 黒石 ) における穂首分化期の葉齢は 平均 9.9 枚 ( 葉齢指数 76~77) まっしぐら ( 平成 17~21 年 藤坂 ) では 9.2 枚 ( 葉齢指数 76~77) 幼穂形成期の葉齢は つがるロマン では平均 10.8 枚 ( 葉齢指数 83~84) まっしぐら では10.0 枚 ( 葉齢指数 83) である しかし 葉齢は品種 年次 栽培条件などによって異なるので あくまで目安として用い 顕微鏡で幼穂発育を確認して判断することが必要である (2) 幼穂長 葉耳間長と出穂前日数ア幼穂長と出穂前日数 ( ア ) 幼穂長と出穂前日数との間には図 20 のような関係がみられ 幼穂長を測定することに よって おおよその出穂期や冷害危険期を推定できる ( イ ) 図から幼穂の発育経過を大まかに 3 区分することができる 第 1 期 : 幼穂形成期から幼穂長 2 cmまで ( 出穂前 25~16 日 ) 第 2 期 : 幼穂長 3 cm ~15 cmまで ( 出穂前 15~10 日 ) 第 3 期 : 幼穂長 16 cm ~ 出穂期まで ( 出穂前 9~0 日 ) ( ウ ) 第 1 期は 1 日当たりの幼穂伸長量が0.1~0.2cmで伸長は緩慢である 幼穂長の僅かな差でも出穂予測に大きく影響するので 測定には注意を要する ( エ ) 第 2 期は 1 日当たり幼穂伸長量が2~3cmで伸長最盛期にあたる 出穂前日数からみると障害不稔発生の最危険期に相当する ( オ ) 第 3 期は 1 日当たりの伸長量が少なく 幼穂発育の終止期に相当する この時期における出穂予測は 幼穂長よりも次項で述べる葉耳間長を用いた方が正確である ( カ ) 以上の結果は 幼穂発育期間の平均気温が22.4~24.5 ( 平年値 23 前後 ) で得られたもので この温度より低い場合は予測誤差が大きくなる ( キ ) 調査株数は生育中庸な5~6 株とし 1 株の主茎 3~4 本について調査を行う

3 幼穂長 (cm) 出穂前日数 ( 日 ) 図 20 主稈幼穂長と出穂前日数との関係 ( 昭和 56~57 年青森農試 ) イ葉耳間長と出穂前日数 ( ア ) 図 21に示すように 葉耳間長とは止葉 (n) の葉耳 ( 葉身と葉鞘の境目にある鈎状の小片で 表面に長い毛が生えている ) と次葉 (n-1) の葉耳との間隔を言う ( イ ) 止葉の葉耳が次葉の葉鞘内にある期間を - 止葉の葉耳と次葉の葉耳とが合致している時を 葉耳間長 0 期 止葉の葉耳が次葉の葉鞘から抽出している場合を + で表す ( ウ ) 葉耳間長は 水田に稲が生育したままで測定 ( 生育ステージの推定 ) でき 障害不稔発生の危険期を推定するには最も確実な方法であると同時に 出穂期の推定にも役立つ ( エ ) 表 50~51は 葉耳間長と出穂前日数との関係を示したものである 調査時の葉耳間長が ±0cmで以降の日平均気温が平年並み (22~23 ) とすると つがるロマン が出穂 9 日前頃 まっしぐら が出穂 11~12 日前頃と推定される ( オ ) 止葉の葉耳が次葉の葉鞘内にある時は 肉眼で止葉の葉耳を確認できないので 葉鞘を手でこすって感触で確認する 図 21 葉耳間長の見方 ( 松島省三による )

4 表 50 調査時の葉耳間長 表 51 つがるロマン における葉耳間長と出穂前日数との関係 ( 平成 15 18~19 20 年青森農林総研 ) 出穂前日数 ( 日 ) 調査日以降の平均気温 cm cm cm cm まっしぐら における葉耳間長と出穂前日数との関係 ( 平成 18~20 年青森農林総研 ) 出穂前日数 ( 日 ) 調査時の調査日以降の平均気温葉耳間長 cm cm cm cm (3) 葉耳間長を用いた障害不稔発生危険期の診断 水稲の障害型冷害の軽減 防止には 障害不稔発生危険期の的確な診断に基づく深水管理が基本となる 図 22は むつほまれ の主茎の葉耳間長 (1 株数本の平均値 ) と危険期穎花率との関係を表している 図 22から推定される障害不稔発生危険期は 主茎の葉耳間長 (1 株数本の平均値 ) が- 12cm~+4cmの範囲となり 概ね出穂前 15~7 日前 (8 日間 ) となる この期間が低温に経過する場合は 水深 15~20cmの深水管理を実施し 幼穂を保温する 1 株全茎の危険期穎花率 % ( ) 株主茎の平均葉耳間長 cm 図 22 むつほまれ 主茎の葉耳間長 ( 株平均値 ) と危険期頴花率 ( 平成 10 年青森農試 )

5 7 雑草の効率的な防除 (1) 除草剤の種類と効果ア水田除草剤は 平成 22 年度農作物病害虫防除指針には98 種類が記載されており それぞれ特性が異なる このため 除草剤の選択に当たっては 雑草の種類や発生量 土壌条件 苗質及び気象条件 作業条件 ( 面積 労働時間 ) 等を考慮する必要がある イ 3kg粒剤から1kg粒剤へと薬剤の軽量化が進み 散布労力が軽減され 大区画圃場においても省力的な除草剤散布が可能となった ウフロアブル剤の開発により散布器具を必要としない雑草防除が可能となった また 水口一括施用 無人ヘリコプターによる散布及び田植機に農薬散布機を取り付けて散布を行う田植同時処理など省力的な散布等で 大幅な作業時間の短縮が可能である エ軽量で拡散性の高いジャンボ剤や粒剤が開発され 散布労力の更なる軽減が可能となった ジャンボ剤は タブレット型に加え拡散性の高い粒剤を水溶性フィルムで包装したものが実用化され 軽量で面積当たりの投下量も少なく 散布の均一性や散布器具が不要なため 畦畔からの投げ込み散布が可能である また 粒剤の中にも 特に拡散性を高めた除草剤 ( 浮遊粒剤 ) が実用化されており 圃場に入ることなく畦畔から散布することが可能である (2) 的確な除草体系の選定 ア基本事項 ( ア ) 各除草剤とも雑草の種類により効果の発現程度が異なるため 薬剤の選定は圃場に発生する草種に合わせて行う また 雑草の生育段階 ( 葉齢 ) で除草効果は大きく異なるので 雑草の生育に合わせた適期散布を行う ( イ ) 除草剤の含有成分には それぞれ使用回数に制限が定められている また 体系処理により複数種の除草剤を使用する際は 各成分の総使用回数を越えないように注意する ( ウ ) 田面の高低差が大きいと 深水による薬害が発生したり 田面の露出部での防除効果の低下がみられる場合があるので 代かきを丁寧に行い均平化を図る ( エ ) 湛水処理する除草剤は 減水深の大きな圃場や掛け流し条件では 防除効果が低下したり薬害が発生しやすくなるので注意する 散布は 止め水 湛水状態で均一に行い 3~4 日間は通常の湛水状態 ( 水深 3~5cm ) を保ち 散布後 7 日間は落水や掛け流しを行わない また 落水後に処理をする除草剤においても 水尻を止め 散布後 7 日間は降雨があっても落水しない ( オ ) 初期除草剤を移植前に処理した場合は 散布後 4 日以上経過してから田植えを行うが 代かき時の湛水深を最低限とし 田植時に圃場外への落水量を出来るだけ少なくなるようにし 除草剤の流出がないよう心がける ( カ ) 一発処理剤の散布後 25 日以内の中耕及び中干しは行わない ( キ ) フロアブル剤 ジャンボ剤及び浮遊粒剤は 散布後に有効成分が水中を拡散し その後 土壌に吸着され処理層を形成するという過程を経て効果を発揮するため 散布時には十分な湛水深 (5~6cm) を必要とし 水管理には万全を期する必要がある ( ク ) アメリカアゼナ を始めとするアゼナ類 ホタルイ 及び コナギ 等の中のスルフォニルウレア系 (SU) 除草剤抵抗性雑草に対しては 初期剤 + 中後期剤 ( ベンタゾン剤及びMCPB 剤 ) の体系処理が効果の安定性及び持続性のいずれの点でも優れているが 一発剤の中でも効果の確認されている成分を含む薬剤での防除も可能である しかし 新たな抵抗性草種の出現や 抵抗性ではないが タウコギ 及び イボクサ の様な特定草種の残草や多発を防ぐためには 同一有効成分が連年施用されることを避けるとともに これらに効果がある初期剤 + 中後期剤の体系処理も組み入れることが必要である

6 イ除草体系の選定 ( ア ) 一発処理剤による除草体系田植後を基本とし 各薬剤について田植後日数を処理早限とし 処理晩限はノビエの葉齢で決定されている そのため ノビエの葉齢を確認することは重要である ノビエの葉齢を確認できない場合は処理早限で使用するように心がける ( イ ) 体系処理による除草体系 a 初期除草剤で一発処理剤を補完する体系代かきから田植までの期間が10 日以上と長く ノビエの発生が多い水田では 田植前に初期除草剤の補正散布を行い 一発処理剤の除草効果を高める b 初期除草剤と中 後期除草剤による体系圃場に発生する雑草の種類を考慮しながら 初期除草剤を選択し 処理後の雑草の発生を見ながら中期剤を選択する ただし 中期剤にも殺草葉齢限界 ( その除草剤が防除できる特定草種における最高葉齢のこと ) があるので 処理適期に散布すること c 難防除雑草 ( オモダカ クログワイ シズイ ) 多発田向きの体系オモダカ及びクログワイは SU 剤やベンフレセートを含む一発剤処理剤に対して一定の防除効果が得られるが 多発圃場では有効な中後期剤との体系処理とする シズイは ベンスルフロンメチル剤及びハロスルフロンメチル剤を含む一発処理剤では シズイの草丈 2~3cm 葉齢 1~2 枚頃の処理で一定の防除効果が得られるが 多発圃場では有効な中後期剤との体系処理とする なお シズイ防除にベンタゾン剤を使用する場合は 草丈 葉齢を確認して適期に散布する また ベンタゾン剤による徹底防除を連年行うことによって 圃場の発生密度を著しく低下させることができる ( ウ ) 近年問題となっている雑草の防除法 a タウコギの防除法 (a) 一発処理剤を使用する場合は 有効成分にピラゾスルフロンエチル及びピリブチカルブを含む薬剤を選定する (b) 初期剤 + 中期剤の体系処理では 中期剤にはMCPBまたはベンタゾンを含有する除草剤を使用する (c) 上記の除草体系で残草が目立つ場合は ベンタゾンを含有する粒剤または液剤を使用する (d) 類似の草種にアメリカセンダングサが挙げられるが タウコギと同様にベンタゾン剤の効果が高い b SU 系除草剤抵抗性雑草 ( アゼナ類 ) の防除法 (a) 初期剤とMCPB 又はベンタゾンを含有する中期剤の体系処理が 効果の安定性と抑草期間からみて非常に有効である さらに初期剤に (b) に示す効果の高い成分のいずれかを含む剤を使用することで効果は高まる (b) 一発処理剤のうち プレチラクロール ペントキサゾン ベンゾフェナップ及びクロメプロップを含有している剤は効果に期待ができ カフェンストロール テニルクロール ピリブチカルブ及びフェントラザミドを含有している剤は効果が期待できるが 効果が不十分になることもある 処理時期は アゼナ類の発生前とし かつ各薬剤の処理晩限頃とすることにより効果が高まる (c) 体系処理や一発除草剤の単用処理後も残草が目立つ場合は ベンタゾンを含む粒剤または液剤を使用する c SU 系除草剤抵抗性雑草 ( ホタルイ ) の防除法 (a) 初期剤とMCPB 又はベンタゾンを含有する中期剤の体系処理が 効果の安定性と抑草期間からみて非常に有効である さらに初期剤に (b) に示す成分のいずれかを含む剤を使用することで効果は高まる

7 (b) 一発処理剤のうち ブロモブチド ベンゾビシクロン及びクロメプロップを成分に含有するものは同等の効果が期待できる 処理時期は ホタルイの発生前とする (c) 体系処理や一発処理剤の単用後も残草が目立つ場合は ベンタゾンを含む粒剤または液剤を使用する ( エ ) 除草剤処理後 残草がみられた場合の除草体系 a 主にノビエの残草が多い圃場ではクリンチャー 1キロ粒剤 ヒエクリーン1キロ粒剤 ワンステージ1キロ粒剤及びクリンチャー EWのいずれかを使用する b ノビエの他に多年生雑草の残草が多い場合には クリンチャーバスME 液剤及びワイドアタックSCを散布する c 主に多年生雑草の残草が多い場合には バサグラン粒剤及びバサグラン液剤を散布する (3) 薬害防止と使用上の注意点 ア薬害防止 ( ア ) 初期除草剤を田植前に散布した場合は 散布後 4 日以上の間隔を置いて田植を行う ( イ ) 初期除草剤による移植前処理を除き 除草剤を散布した後は補植を行わないこと 補植苗だけでなく補植した株や補植時の足跡により薬害部分が広がる可能性が高い ( ウ ) MCPBを含む中期除草剤は 稲の葉齢が5 葉以上に達してから使用する ( エ ) 一発処理剤は 極端な浅植えや浮苗の多い水田では薬害が発生しやすいので使用は避ける ( オ ) フロアブル剤やジャンボ剤 浮遊粒剤は 大区画水田などで水深が深い場合に強風による吹き寄せで 薬害が助長される場合があるので注意する ( カ ) ベンタゾン剤及びベンタゾン混合剤は 幼穂形成期以降は使用しない ( キ ) 中期剤及び後期剤で薬害の発生しやすい条件と 除草剤は次のとおりである a 低温 ( 平均気温 16 以下 ) で薬害の発生しやすい除草剤 : マメットSM クミリ-ド SM 等の各 SM 粒剤 モゲブロン グラスジンMの各粒剤 b 高温 ( 最高気温 30 以上 ) で薬害の発生しやすい除草剤 : 各 SM 粒剤 イ使用上の注意点 ( ア ) 散布方法等 a 雑草の発生状態を観察し 殺草が可能な葉齢以内に散布する b 処理後に大雨が予想される場合は 田面水のオーバーフローによる有効成分の河川等への流出が懸念されるため 除草剤の使用は避ける c 粒剤の散布 (a) 散布に当たっては 剤型 (250g 剤 500g 剤 1kg剤 3kg剤 ) に合わせて散布器具の調整を十分に行う (b) 基本的に均一散布を心掛けるが 1kg粒剤は3kg粒剤に比べ拡散性に優れているため 多少の散布ムラがあっても除草効果に大きな影響を与えないので 追加散布の必要はない (c) 極端な不均一散布にならないように 風速 5m/ 秒以上の強風下での散布は避ける d フロアブル剤 顆粒水和剤の散布 (a) 湛水深 3~5cmを厳守する (b) 顆粒水和剤の調製は散布当日に行う 希釈する水は用水を使わず 水道水などの土が混濁していない水を使用する (c) 手振り散布で使用する (d) 水口一括処理ができるシーゼットフロアブルでは 5~6 時間で速やかに入水を終了できる水田に限り使用可能である 水尻を閉じ 水深 1~2cmの状態から入水し

8 流入水とともに原液を一括施用する 施用量は水口の数で均等に配分し 湛水深が通常の状態になれば水口を閉じる なお 田面水の横漏れがないよう十分に注意する e ジャンボ剤の散布 ( パック入り ) (a) 処理時の湛水深 5~6cmを厳守する (b) 散布器具は不要で 畦畔から投げ込むだけであるが 藻類 表層剥離の発生等により拡散が不十分になると予想される場合は使用を避ける (c) 投入するパックは定められた数量を守り 水田に均等に投げ入れる (d) パックに使用しているフィルムは水溶性なので 濡れた手で作業したり 降雨で破袋しないよう注意する f 浮遊粒剤 ( クラッシュ1キロ粒剤 ) の散布 (a) 処理時の湛水深 5~6cmを厳守する (b) 通常の散布方法の他 畦畔から水田周縁部に沿って帯状に散布することができるが 藻類 表層剥離の発生等により拡散が不十分になると予想される場合は避ける (c) 1ha 以下の圃場であれば 動力散粒機を用いて畦畔から散布することが可能である g ベンタゾン剤 ベンタゾン混合剤の散布 (a) 散布直前に落水し 粒剤は1~2cmの浅水 液剤は落水状態で散布し 散布後 7 日間はそのままの状態を保つ このとき入水したり 水尻を開けておくと系外へ流出するおそれがあるので注意する (b) 落水状態から散布までの期間が長かった場合 土壌が強い乾燥条件のもとでは効果が減退することが考えられるので 土壌が乾燥しすぎないように注意する (c) 十分な防除効果を発揮させるため 散布後晴天が3 日間程度続くような日を選んで散布する (d) 落水することの出来ない圃場では 漏水の少ない水田に限りできるだけ浅水 ( 雑草が水面上に出る程度 ) 状態にして散布し 7 日間は入水 落水 かけ流しを行わない なお 降雨があっても落水しない ( イ ) 他作物等への危害防止 a シメトリン含有剤シメトリン含有剤は 気象条件等により散布後に田面水から有効成分が気化し滞留した場合や 散布時の飛散により きゅうり トマト 大豆畑などに薬害が生ずる恐れがあるので これらの隣接水田で使用する場合は十分に注意する b シハロホップブチル含有剤シハロホップブチル含有剤は とうもろこし 食用ヒエ ソルガム等のイネ科作物及びキャベツに飛散しないようにする また 散布後の水田水をこれら作物にかん水しない c モリネート含有剤モリネート含有剤及びモゲトンジャンボは 水産動物に比較的強い影響を及ぼすので 養殖鯉等を目的とした湖 沼 池 河川地帯での使用は避ける また そのほかの地帯でも処理後 10 日間は止水とし 魚毒事故防止に努める

9 8 病害虫の効率的な防除 (1) 主要病害虫 障害診断のポイント 稲の障害には 病害虫の被害 除草剤等の薬害 生理的な障害等が含まれている 障害を診断するためには 症状だけでは不十分な場合が多い また 症状は発生時期 発生経過日数等により大きく異なる したがって 症状ばかりでなく 耕種概要等を把握し 総合的に診断する必要がある ア 稲の障害検索表 ( ア ) 苗の障害 障害の症状等 障害の原因 ( 病害虫名等 ) 1 発芽不良である 2へ 2 a. 床土面が白いカビで覆われている リゾープス属菌による苗立枯病 b. 種籾のまわりや床土面に青緑色のカビがある トリコデルマ属菌による苗立枯病 c. 根や芽が水浸状になっている 3へ d. 床土面に肥料分が析出している 肥料ヤケ e. 上記のような症状が見られない 異常高温 水分過多 土壌水分 の不均一 3 a. 白いカビがあり 根の先端が肥大している リゾープス属菌による苗立枯病 b. カビが見えない 4へ 4 a. 芽が湾曲して発芽している もみ枯細菌病菌による苗腐敗症 b. 芽が湾曲していない ピシウム属菌による苗立枯病 5 生育不良で枯死苗がある 6へ 6 a. 地際が褐変し 籾や根のまわりに白色 ~ 淡紅色のカフザリウム属菌による苗立枯病 ビが蔓延している b. 籾や根のまわりに青緑色のカビが蔓延している トリコデルマ属菌による苗立枯病 c. 地際や根が水浸状に褐変している ピシウム属菌による苗立枯病 d. 地際葉鞘から褐変し 葉身にも褐変部分が見られるごま葉枯病 ( 苗焼け ) e. 葉身基部が白色に退色している 7へ 7 a. 新 ( 芯 ) 葉が枯死腐敗し 引き抜くと容易に抜けるもみ枯細菌病菌による苗腐敗症 b. 枯死した新葉を引っ張っても抜けない 苗立枯細菌病 8 生育不良であるが上記のような症状が見られない 肥料ヤケ 肥料不足 土壌酸度 が高い 9 2 葉期頃に葉が急激に萎ちょう枯死する ピシウム菌による苗立枯病 ( ム レ苗 ) 10 移植近くになってから下葉や葉鞘が灰緑色となり 苗のリゾクトニア菌による苗立枯病 間にくもの巣状の菌糸が見える 11 茎が細く 葉色が淡くて徒長している ばか苗病

10 ( イ ) 葉の障害 障害の症状等 障害の原因 ( 病害虫名等 ) 12 葉の縁が波状に白く枯れている 白葉枯病 13 葉の先が枯れる 14へ 14 a. 葉の先端または先端に近い部分が黄白色に脱色し イネカラバエ 脱色した部分には細長い傷がある 葉の先端はねじれ ることが多い b. 葉肉が食害され 袋状となっている 15へ 15 a. 食害痕は上位葉に多く葉の先端から付け根に向かっイネハモグリバエ て広がり 中には ウジ がいる 被害が進むと葉の 先端は袋状となり はじめは白いが後に褐変する 葉 上には緑 ~ 黒色の蛹が見られる b. 食害痕は下位葉に多く 不規則な線状で 中には イネヒメハモグリバエ ウジ か褐色 紡錘形の蛹がいる 16 葉に白い食害痕が認められる 17へ 17 a. 食害痕の幅が比較的広く 不規則で カスリ 状でイネドロオイムシ ある 泥のようなものを背負った幼虫がいる b. 食害痕は細長い 18へ 18 a. 食害痕は細長く直線的で 後に裂けることが多い イネドロオイムシ ( 成虫 ) b. 食害痕は小さく 点線状で葉の先端に多い イネハモグリバエ ( 産卵痕 舐食痕 ) c. 食害痕は カスリ 状で浅く 輪郭が不鮮明であ フタオビコヤガ ( 若齢幼虫 ) る 葉の付け根などをよく調べると 黄緑色で細長い 幼虫がいる d. 食害痕の幅は約 1.0mm 短冊状で 薄く表皮が残っ イネミズゾウムシ ( 成虫 ) ている 19 葉に斑点がある 20へ 20 a. 斑点は褐色である 21へ b. 斑点は白色である 22へ c. 斑点は黒色で短い線状である 黒しゅ病 21 a. 斑点は短い線状である すじ葉枯病 b. 斑点は楕円形で輪紋がある 壊死線 ( 病斑の両端のごま葉枯病 葉脈に沿った褐変部 ) がない c. 斑点は紡錘形で壊死線がある 斑点の外側に黄色の葉いもち ( 慢性型 ) 中毒部がある d. 赤褐色長楕円形の斑点で中央部分は黒褐色である 褐色葉枯病 e. 中心褐条 褐点 周囲には黄色のハロー ( かさ ) がかさ枯病 ある f. 楕円または不規則な斑点 にせいもち病 g. 斑点は極めて小さく 数が多い 赤枯病 ( 生理病 )

11 障害の症状等障害の原因 ( 病害虫名等 ) 22 a. 斑点は カスリ 状になっている 葉は黄色で幅が黄化萎縮病広い b. 円形のはっきりした白斑点葉いもち ( 白斑型 ) 23 葉が葉縁から食害されている 24へ 24 a. 緑色で細長いシャクトリムシがいる 食害が著しいフタオビコヤガ場合でも葉の中肋が残っている b. 頭が橙黄色 体には縦に縞模様のある灰緑色 ~ 黒褐アワヨトウ色の幼虫がいる 食害が著しい場合には葉の中肋も残さず食害され 茎だけとなる c. 淡褐色の頭に1 対の ツノ のような突起を持ったヒメジャノメ淡黄緑色の幼虫がいる d. フタオビコヤガの食害痕によく似ているが よく見コバネイナゴるとやや粗く ササクレ 状である 25 葉が縦に巻かれ 内側から カスリ 状に食害されていコブノメイガる 26 数枚の葉が縦に綴り合わされ 葉縁から食害されているイチモンジセセリ 27 葉に 横に並んだ丸目の孔が開けられたり その部分かイネゾウムシ ( 成虫 ) らちぎれた葉が浮いている 28 葉がすすけたように汚くなり よく見るとセミを小さくセジロウンカ ヒメトビウンカしたような虫が多数認められる 29 葉が筒状を呈し 食害や幼虫は見られない 平均気温 16 フェノキシ系除草剤の薬害 以下の低温が続いた後に抽出してくる葉に見られる 30 葉の一部あるいは全体がアコーディオン状に縮んでいフェノキシ系除草剤の薬害る 平均気温 16 以下の低温が続いた後に抽出してくる葉に見られる 31 葉が褐色に枯れ上がる 特に下葉に多く見られる 最高トリアジン系除草剤の薬害気温が32 以上に上昇した後に見られる 32 生育初期の流れ葉 葉鞘の水際付近に褐変が見られ そジフェニルエーテル系除草剤のの部分から折れて水面に垂れている薬害 ( ウ ) 茎の障害 障害の症状等 障害の原因 ( 病害虫名等 ) 33 生育初期に水際付近の葉鞘背部が褐変するが 上部葉鞘ジフェニルエーテル系除草剤の は健全である 薬害 34 葉鞘に褐色の斑紋がある 35へ 35 a. 周縁のはっきりした雲形の斑紋 36へ b. 止葉葉鞘に暗褐色不整形 周縁不明瞭な斑点 37へ

12 障害の症状等 障害の原因 ( 病害虫名等 ) 35 c. 止葉葉鞘に虎斑状 周縁鮮明 楕円形の病斑 葉鞘腐敗病 d. 病斑の中心部に褐色の条線 褐色菌核病 36 a. 褐色の菌核を病斑部や周辺の外面に形成 紋枯病 b. 鮭肉色の菌核を組織内に形成 赤色菌核病 37 a. 低温時に発生 籾全体が一様に黒褐色 ~ 灰褐色にな葉鞘褐変病 っている b. 高温時に発生 灰白色 ~ 灰褐色の籾がある 籾枯細菌病 38 茎の下部が軟弱になり 茎中に黒色の小さな菌核がある小粒菌核病 39 葉鞘が水浸状に黄色くなっている 葉鞘の内部には淡褐ニカメイガ 色で5 本の縞のある小さな幼虫が多数食入している 幼 虫が茎内にまで食入している場合は芯枯茎となっている こともある 40 葉鞘が褐色 ~ 黄色く枯れ いわゆる芯枯茎となっている 41へ 41 a. 葉鞘の隙間や葉鞘を食い破った穴から糞が出てい イネヨトウ る 茎の中には淡紅色で縞のない幼虫がいる 被害は 畦畔際に多い b. 葉鞘が水浸状に黄色くなっているが 外観上食入痕ニカメイガ や虫糞は見られない c. 地際部に ササラ 状の食害痕が認められる 被害ケラ は畦畔部に多い d. 地際部が軟化腐敗し 悪臭を放つ 症状が軽い場合株腐細菌病 は地際が黒褐変している 42 株が枯死し 枯死茎上に白い粉状物が見られる ばか苗病 ( エ ) 穂の症状 障害の症状等 障害の原因 ( 病害虫名等 ) 43 熟色が汚い 44へ 44 a. 穂首部が黒褐色 ~ 褐色となる 穂いもち b. 熟色が汚く 出すくみ穂や白穂が認められる 被害ニカメイガ 穂は坪状にかたまって見られ 茎を裂いてみると内側 から食害され 中に淡褐色で5 本の縦縞のある幼虫が 認められる このような茎は容易に引き抜ける c. 籾が褐変している 45へ d. 穂だけでなく 葉も煤けたように黒くなり セミをセジロウンカ ヒメトビウンカ 小さくしたような小さな虫が多数認められる 45 a. 籾全体あるいは片面が一様に黒褐色 ~ 灰褐色とな葉鞘褐変病 る 低温時に発生する

13 障害の症状等 障害の原因 ( 病害虫名等 ) 45 b. 灰白色 ~ 灰褐色の籾がある 高温時に発生する もみ枯細菌病 c. 周縁不鮮明な小さな病斑多数 46へ d. 主に内頴部分だけが褐変 ~ 黒褐変する 内頴褐変病 46 a. 葉に中央部黒褐色で周縁不鮮明な褐色の長楕円形の褐色葉枯病菌による穂枯れ 病斑がある b. 葉に輪紋のある楕円形の斑点がある ごま葉枯病菌による穂枯れ 47 白く退化した籾や褐変した籾が認められる 48へ 48 a. 被害症状の見られる籾には必ず傷がついている イネカラバエ b. 籾に傷が認められない 障害不稔 49 純白できれいな白穂が見られ 葉鞘をみると ササラ ヒメクサキリ ササキリ類状に食害されている 50 奇形穂となる黄化萎縮病 51 穂の所々に直径 1cm 前後の黒色粉状の構造物を生じる稲こうじ病 52 籾から長さ数 mm の角状の突起物を生じる墨黒穂病 ( オ ) 全体的な被害 障害の症状等 障害の原因 ( 病害虫名等 ) 53 坪状に枯れ上がり 倒伏することもある 54へ 54 a. よく見るとおびただしい数のセミに似た小さな虫がセジロウンカ ヒメトビウンカ いる b. 茎の下部が軟らかくなり 茎の中に黒色の小さな菌小粒菌核病 核がある 55 草丈の伸長 分げつが抑制され 生育が劣る 56へ 56 a. 葉に幅 0.5~1.0mmの細長い短冊状の食害が見られ イネミズゾウムシ る 下部を土ごと抜き取り水洗すると細長い2~8mm の幼虫や長径 5mm 前後の土繭が認められる b. 葉には食害痕が認められず 株を引き抜くと根にアイネネクイハムシ ズキ粒大の幼虫や土繭が多数見られる c. 葉色が淡く 葉に カスリ 状の白い斑点がある 黄化萎縮病 d. 上記のような目立った特徴が見られない カーバメイト系除草剤の薬害 57 草丈が伸長し 分げつが少ないばか苗病 58 全体的に葉色が淡いが 生育は普通である酸アミド系除草剤の薬害

14 (2) 主要病害の効率的防除法アいもち病 60 ( ア ) これまでの発生状況 青森県では平成 7 年 (1995 年 ) の大発生以降 多発傾向となっている さらに平成 12 年 から ゆめあかり が県南地域を中心に作付され いもち病抵抗性が 中 であること 気象条件などが重なり多発が続いた この間 県南地域では茎葉散布剤による防除体系か ら 箱施用剤などの予防体系に移行した 平成 19 年からはいもち病に強い まっしぐら に替わったため それ以降は県南地域でのいもち病の発生は少ない 一方 主に津軽地域 で作付されている つがるロマン ( いもち病抵抗性 やや強 ) は気象条件などにより 一部地域で多発がみられ ここ数年は西北地域での発生が目立っている 発生面積率 % 穂いもち発生面積率 (%) 葉いもち発生面積率 (%) S50 S51 S52 S53 S54 S55 S56 S57 S58 S59 S60 S61 S62 S63 H 1 H 2 H 3 H 4 H 5 H 6 H 7 H 8 H 9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 平年 図 23 葉 穂いもちの年次別発生面積率 ( 平年は平 12~21 の平均値 ) つがるロマン まっしぐら ゆめあかり むつほまれ つがるおとめ むつかおり その他 H20 H19 H18 H17 H16 H15 H14 H13 H12 H11 H10 H9 H8 つがるロマン 0% 20% 40% 60% 80% 100% 図 24 むつほまれ ゆめあかり まっしぐら 近年の品種構成の推移 表 52 品種名 主な品種のいもち病抵抗性 いもち病抵抗性 葉いもち穂いもち まっしぐら強強 Pia,i つがるロマンやや強やや強 Pia,i むつほまれやや強やや強 Pia つがるおとめ強中 ~ やや強 Pia,i,k むつかおり中中 Pia,k ゆめあかり中中 Pia,i ユメコガネ中中 Pia,k,ta かけはし中中 Pii あかりもち強強 Pia,i アネコモチやや強中 Pia,i 華吹雪中中 Pia 華想い弱弱 Pia 真性抵抗性遺伝子型

15 また県内に分布しているいもち病菌のレース ( 菌型 ) は つがるロマン や ゆめあ かり まっしぐら などの真性抵抗性遺伝子 Pii を持つ品種が続けて作付されているこ とから レース 007 が優占していると考えられる 表 53 過去の青森県におけるいもち病菌レース ( 菌型 ) の割合 ( 東北農研セ ) 採集年次調査分離レース数 ( 菌株数 ) 菌株数 備 考 平成 6 年 津軽 12 地点 平成 8 年 南部 59 地点 平成 13 年 津軽 29 南部 21 地点 注 ) レース ( 菌型 )007はPia,Pii を冒すことができるが Pik を持つ品種を冒すことはできない 7/26 ( イ ) 葉いもちの防除方法 a いもち病抵抗性が 中 以下の品種や常発地箱施用剤や側条施用剤 水面施用剤などの予防剤により葉いもち防除体系を組む 葉いもち予防剤としての水面施用剤は 6 月 20 日前後から6 月末までに施用する なお オリブライト剤 ( オリブライト1キロ粒剤 同パック剤 同 250G) は初発時施用でも防除が可能だが 初発前施用の方が安定して高い防除効果が期待できる 予防散布を行った圃場でも 葉いもちの発生が見られた場合は 4~5 日毎に成分の異なる茎葉散布剤により追加防除を行い 穂いもちの伝染源となる上位葉での葉いもちを抑えるように努める 7/21 7/16 7/11 7/6 7/1 6/26 6/21 6/16 S40 S41 S42 S43 S44 S45 S46 S47 S48 S49 S50 S51 S52 S53 S54 S55 S56 S57 S58 S59 S60 S61 S62 S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 平年 図 25 県内における葉いもち初発確認日 ( 県内最早日 ) b いもち病抵抗性が やや強 以上の品種感染に好適な日が出現した7~10 日後頃から早期発見に努め 発生を認めたら直ちに茎葉散布剤により防除を行う 感染好適日は 発生予察情報やBLASTAM( 東北農業研究センター水稲冷害研究チームホームページ参照 生育 作柄情報 葉いもち予察情報 ( 社 ) 日本植物防疫協会のJPP-NET) などを活用する また つがるロマン であっても 葉いもち予防剤を施用すると葉いもちを抑制し

16 かつ穂いもちの発病を間接的に抑制できるので 予防剤の活用を検討してもよい ( ウ ) 穂いもちの防除方法 a 茎葉散布剤による防除体系穂いもちは防除適期を失しないように注意する 穂いもちは出穂直前 穂揃期の2 回散布を基本防除とする 出穂直前とは走り穂が見えたとき 穂揃期は圃場の穂の8 割が出穂した時期をいう 上位葉に葉いもちが多数みられる場合や 出穂期に降雨が続くなど 穂いもちの多発が予想される場合には 穂揃期 5~7 日後にも追加散布する また 低温などにより出穂期間が長引いた場合は 穂揃期に達していなくても出穂直前散布 7 日後頃に薬剤を散布し 散布間隔を空けないようにする その後 穂揃期に達した時点で再散布する なお 近接散布の場合は成分の異なる薬剤を散布する b 水面施用剤による防除体系葉いもちを多発させないように葉いもち予防体系と組み合わせて用いるのがよい 施用時期が剤により異なるので注意する 葉いもちの発生が多い場合は 穂いもち予防粒剤だけでは防除効果が不足するため 穂揃期などに茎葉散布剤で追加散布を行う ( エ ) その他 : 薬剤耐性菌が出現しないようにする薬剤耐性菌の出現による効力低下は大きな問題である 膨大な年月と労力 コストをかけて開発された薬剤が耐性菌の出現により使用が制限されることは 農薬メーカー 生産者 そして消費者にとっても大きな損失である それらを防ぐためには 正確な情報を把握し 的確かつ最少の薬剤の使用により 必要十分な効果が得られるよう注意をする必要がある 平成 11 年にキタジンP 剤を対象に県内で採集したいもち病菌について検定した結果では 著しく問題になるほどの耐性菌は検出されなかったが キタジンP 剤 ヒノザン剤 フジワン剤は相互に交差耐性が認められているので これら3 剤は同一系統薬剤とみなし 連用を避ける また効力の低下が懸念される場合は これらと異なる化合物系統の薬剤を選択する また 平成 13 年に西日本でカルプロパミド剤 ( ウィン剤 ) に耐性菌 ( または低感受性菌 ) が確認され その後東北各県でも確認されており 防除効果の低下が見られている 青森県では現時点 ( 平 22) では確認されていないが 耐性菌の発達を未然に防ぐ必要がある よって 以下の系統の剤 ( 成分を含む剤 ) は年 1 回の使用にとどめ 異なる系統の薬剤を1~3 年ごとに計画的にローテーション使用すること MBI-D 系薬剤 ( シタロン脱水酵素阻害型メラニン合成阻害剤 ): カルプロパミド剤 ( ウィン剤 ) ジクロシメット剤( デラウス剤 ) フェノキサニル剤 ( アチーブ剤 ) は同一とみなす ストロビルリン系薬剤: オリサストロビン剤 ( 嵐剤 ) メトミノストロビン剤( オリブライト剤 イモチミン剤 ) アゾキシストビン剤( アミスター剤 ) は同一とみなす さらに殺菌剤耐性菌研究会 ( 日本植物病理学会 ) のガイドラインでは 採種圃場で耐性菌リスクの高いMBI-D 剤やストロビルリン系薬剤を使わないのはもちろんであるが その周辺の一般圃場も含めて広域一斉防除をするのが理想としている

17 イ紋枯病主に葉鞘を株元から枯死させ 稲株が倒伏しやすくなることが被害として最も大きい 高温年には止葉葉鞘や止葉も枯死させるので 減収にもつながる病害である 伝染源は前年に罹病株から脱落した 菌核 ( 球状 楕円状 ) である 代かき後に水面を漂い 移植後の株に付着 侵入する 病斑は灰白色の雲形病斑を形成する 隣接の葉鞘や株へ気中菌糸を伸ばし発病株が増加し ( 水平進展 ) また上位の葉鞘へと病斑を広げる( 垂直進展 ) 高温 多湿を好む菌なので 青森県では出穂期以降の高温 多雨により発病が増加する また 株が込み入って繁茂していると株間の湿度が高まり発病が多くなる 窒素質肥料の多施用は発病を助長する 防除は 茎葉散布剤では出穂直前に散布すると最も効果が高い ただし 前年に発生が見られなかった圃場では防除は不要である 一方 減農薬栽培などにより防除圧が減少し 発生が増加している圃場もみられる 発生状況に応じて防除し 多発が予想される場合には追加防除も実施する ウ稲こうじ病本病は籾にのみ発病する 籾が濃緑色の粉 ( 厚膜胞子 ) に覆われ 圃場でも非常に目立つ病害である 罹病粒が玄米に混入すると異物混入として 規格外 となる また 罹病粒は脱穀作業などで砕け 玄米に付着 着色し 品質を大きく低下させる また 発病穂では登熟歩合や玄米千粒重が低下し 乳白米 青米および死米などが増加するなど 収量 品質に影響する 発生生態 伝染環など詳細は不明であるが 発生は気象条件に大きく左右され 穂ばらみ期の低温 日照不足 多雨で発生が多くなる 発生がみられた圃場では翌年も発生することが多いことから 罹病粒上に形成される菌核 ( 大きさ1~8ミリ程度 ネズミの糞状 ) あるいは厚膜胞子 ( 罹病粒の暗緑色粉状の部分 ) が圃場に落ちて翌年の伝染源になると考えられている また 転換畑から復田した圃場では発生が少ないとの報告がある 窒素質肥料の多施用は発病を助長する 感受性には品種間差があり つがるロマン ゆめあかり むつほまれ まっしぐら で比較した場合 むつほまれ は弱く 次いで まっしぐら でやや弱く つがるロマン ゆめあかり は比較してやや強い~ 強いであった ( 図 26) 防除は 多発しやすい気象条件であり かつ前年発生が見られた圃場では必ず実施する 薬剤は銅剤の効果が高い 銅剤の防除適期は出穂 20 日前から10 日前なので ( 図 27) 適期に散布する また 銅剤は薬害 ( 葉が紫褐変し汚れたようになる ) を生じやすいので 散布量 散布時期に注意する むつほまれゆめあかりまっしぐらつがるロマンむつかおり 株当たり罹病籾数 ( 個 ) 場所 : 農林総研藤坂施肥 :N7+3 調査方法 : 平成 15 年 10 月 24~27 日に各区 24~ 50 株を調査 平成 15 年は冷害により不稔が生じたので 以下の式により補正した 株当罹病籾数株当たり罹病籾数 = 株当総籾数株当稔実籾数 図 26 主要品種における株当たり罹病籾数 ( 平成 15 年青森農林総研 )

18 12 m2中の発病粒数 発病穂数 出穂 27 日前出穂 20 日前 発病穂数病粒数 出穂 14 日前出穂 10 日前 出穂 5 日前 出穂期 出穂 5 日後 無処理 病粒数発病穂数 図 27 散布時期と防除効果 ( 平成 8 年青森農試 ) 試験場所 : 北津軽郡鶴田町品種 : むつほまれ供試薬剤 :Z ボルドー粉剤 DL(4 kg /10a) エごま葉枯病の防除ごま葉枯病は 耕種的防除法 が有効にはたらく病害である 深耕 堆肥の増施 客土などにより地力の増進を図るとともに ケイ酸質肥料を施用し 硫酸根肥料 ( 硫安等 ) の施用を避け 生育後期に肥料切れしないような合理的施肥を行うことによって かなりの程度発病を軽減できる 例年多発する地域や圃場では 出穂直前及び穂揃期の穂いもち防除の際に 本病にも適用のある剤を施用し 穂いもちとの同時防除を行う なお オリブライト剤の効果は高く 施用した場合は 出穂直前 穂揃期のごま葉枯病に対する防除は不要となる

19 (3) 主要害虫の効率的防除法ア本田初期害虫 ( ア ) イネミズゾウムシの防除法 イネミズゾウムシの発生が例年見られる圃場では 予防的に育苗箱施用剤を処理するか ペースト肥料に混和をし 移植時に処理を行う 薬剤については 県防除指針 を参照の こと 予防を行わないで 発生程度に応じて防除するには 移植後の 5 月第 6 半旬または 6 月 第 1~2 半旬に 1 筆圃場 2 か所の 50 株以上について 下記の基準により食害程度を調査 し 食害度を算出する 判断基準値が下表の値を超えた場合には水面施用剤を散布する 食害程度基準 ( 成虫による食害 ) A: ほぼ全葉に激しい食害痕が認められる B: ほぼ全葉に中程度の食害痕が認められる C:1/2~ ほぼ全葉に軽い食害痕が認められる D:1/2 以下の葉に軽い食害痕が認められる 食害度 =(4A+3B+2C+D) ( 調査株数 4) 100 表 54 イネミズゾウムシの要防除水準 調査時期食害株率食害度 5 月第 6 半旬 62% 以上 18 以上 6 月上旬 82% 以上 25 以上 注 ) 調査時期については 黒石での研究結果によっているため より気温の低い地域では判定時期を 1 半旬程度遅くする ( イ ) イネドロオイムシの防除法イネドロオイムシについては イネミズゾウムシと同様に例年発生がみられる圃場では 予防的に育苗箱施用剤を処理するか ペースト肥料に混和をし 移植時に処理を行うか 孵化最盛期である6 月第 4 半旬 ~ 第 5 半旬に水面施用剤または茎葉散布剤を処理する 薬剤については 県防除指針 を参照のこと また 5 月第 6 半旬 ~6 月上旬にイネミズゾウムシを対象とした防除を実施した場合は省略できる しかし 低温等で幼虫の発生が遅れた場合には6 月下旬以降に発生状況をみて追加防除を行う必要がある 特に要防除水準は策定されていないが 本田発生初期に葉身の30% 以上が幼虫に食害されている株が目立つ時には 水面施用剤や茎葉散布剤を散布する 近年 カーバメイト剤 有機りん剤に対して抵抗性の発現が認められる地域もあるので 前年まで使用して防除効果が低下していると思われる場合には使用薬剤を替える その際は 同一系統の薬剤間 並びにカーバメイト剤と有機りん剤の間では それぞれ交差抵抗性を示すおそれがあるので 使用薬剤の系統に注意する また 感受性の低下を防ぐために同一薬剤の連用を避けて数年ごとに異なった系統の殺虫剤をローテーション使用する ( ウ ) ハモグリバエ類の防除法本県ではイネハモグリバエとイネヒメハモグリバエ ( イネミギワバエ ) が発生している 発生は両種とも津軽地方で多くなっているが 実害はほとんどないと思われる 近年 ハモグリバエ類に対する防除圧が低下したため 発生が目立つ圃場もあるので注意が必要である

20 防除は 播種前から移植時にかけてイネミズゾウムシやイネドロオイムシを対象とした育苗箱施用剤で同時防除が可能である しかし 育苗箱施用剤でもハモグリバエ類に効果が低い薬剤もあるので 処理を行っても発生がみられる場合もある このような時や予防を行っていない場合には本田内の防除を行う 防除は 幼虫発生初期に水面施用剤による湛水散布や液剤 粉剤の茎葉散布を行う 薬剤については 県防除指針 を参照のこと イウンカ類の防除法本県ではセジロウンカとヒメトビウンカが発生している セジロウンカは飛来性で ヒメトビウンカは本田周辺のイネ科雑草が優占している雑草地やコムギ畑等で越冬している 防除は 孵化最盛期 ( 例年は7 月下旬 ~8 月上旬または8 月中旬 ~ 下旬頃 ) に茎葉散布を行う 薬剤については 県防除指針 を参照のこと ヒメトビウンカが混発している場合は スミチオン剤及びマラソン剤では効果が劣るので他の薬剤を使用する また 移植当日のイネミズゾウムシやイネドロオイムシを対象としたアドマイヤー剤 プリンス剤及びデジタルメガフレア箱粒剤で同時防除が可能である しかし 育苗箱施用剤の残効が切れる8 月以降にセジロウンカが大量に飛来した場合には 茎葉散布による追加防除が必要となる ウコバネイナゴの防除法薬剤防除は 毎年発生の多い水田では 予防的にプリンス剤を含んでいる育苗箱施用剤を処理する 予防を行わないで 発生量が多い場合は 孵化終期 ( 例年 7 月第 3 半旬 ~ 第 5 半旬 ) の防除効果が高いので 畦畔 ( 農道 水路の雑草地含む ) 及び水田の畦畔際 2~3mに散布するだけで十分である 発生量が少ない場合は 他の害虫防除と兼ねて 出穂期の前後に圃場全体に散布する 本虫は移動 分散が激しく 狭い範囲の防除では移入が起こり 防除効果が上がらないので 広域一斉防除が望ましい 近年 本虫に対してバッサ剤 トレボン剤 MR. ジョーカー剤の効果が減退している地域が認められ これらの剤に対するイナゴの感受性を検定した結果では 感受性が低下している傾向が認められた したがって 前年までの使用で防除効果に疑問があった場合には 異なる剤の使用が望ましい エカメムシ類の防除カメムシ類は斑点米の原因となる害虫で 平成 11 年には県内全域で大発生し 部分着色粒の混入により品質低下の大きな問題を引き起こした その後も特に高温年を中心に発生の多い状況が続いている ( ア ) カメムシの種類県内で部分着色粒の原因となる可能性のあるカメムシは5 科 20 種以上であり このなかで主要な種は県内全域に発生しているアカヒゲホソミドリカスミカメと 県南地域や津軽地域の海岸沿いの地域で発生しているアカスジカスミカメである カスミカメムシ類以外ではカメムシ科のオオトゲシラホシカメムシやナガカメムシ科のコバネヒョウタンナガカメムシ等が発生している また 日本海沿岸は温暖であるため ホソハリカメムシやクロアシホソナガカメムシなど 県内の他の地域では発生していない種類もみられる ( イ ) カメムシの発生生態部分着色粒の主要な原因種である アカヒゲホソミドリカスミカメとアカスジカスミカメは ともに畦畔雑草などに産み付けられた卵で越冬する 前種の発生回数は年 4 回 後種は3 回で ともに2 回目の発生となる第 1 世代の発生が最も多い

21 アカヒゲホソミドリカスミカメの越冬卵は 前年に休耕田や本田周辺のイネ科植物の葉 鞘内に産み付けられ 翌年の 5 月中旬頃から孵化し始める 越冬世代幼虫はイネ科植物の 茎葉及び穂を吸汁し 5 齢を経て成虫となる 第 1 回目成虫は 5 月第 6 半旬頃からみられ 6 月第 2 半旬頃最盛期となる この頃は本田内にほとんど侵入せず コムギ畑やイネ科植 物が優占している雑草地等に生息している 産卵はイネ科植物で行い 雑草管理が行き届 いていない所は本虫の発生源となる 第 2 回目成虫は 6 月第 6 半旬頃からみられ 休耕田 や畦畔等の雑草地で は 7 月第 4 半旬頃に 最盛期となり それ から 1 半旬遅れて本 田内で最盛期とな る この時期は稲の 出穂前で侵入数は少 ない この世代から は雑草地ほどではな いが 本田内でも増 殖がみられ 幼虫に よる加害も生じる 7 月下旬頃には第 2 回目成虫が産下した図 28 卵から第 3 回目幼虫 アカヒゲホソミドリカスミカメの発生消長の模式図 が孵化し始め 8 月第 1 半旬には最盛期となり 8 月第 3 半旬には第 3 回目成虫が最盛期 となる 第 3 回目成虫は 本田内で稲が出穂を始めると畦畔等から継続して侵入し 稲へ の加害が始まる また 本田内でも増殖し 幼虫による加害も認められる 第 4 回目成虫 は 9 月中旬頃に最盛期となる 第 2 回目成虫と第 3 回目成虫の一部と第 4 回目成虫が産む 卵が越冬卵となる アカスジカスミカメは 休耕田や本田周辺のイネ科植物の頴花内に産み付けられた卵で 越冬して 翌年の 6 月中旬頃から孵化し始め 5 齢を経て成虫となる 第 1 回目成虫は 6 月第 4 半旬からみられ 6 月第 6 半旬頃に最盛期となる この頃は本田内には侵入せず 雑草地等に生息している 第 2 回目成虫は 7 月第 6 半旬頃よりみられ 8 月第 2 半旬に最 盛期となる この頃 は稲の出穂期である ために 本田内でも 発生の最盛期とな り 稲への加害が始 まる 第 3 回目成虫 は 9 月第 1 半旬から みられ 9 月第 3 半 旬に最盛期となる 第 2 回目成虫の一部 と第 3 回目成虫の産 む卵が越冬卵とな 本 本 田 雑草地 葉鞘内越冬卵 5 月 田 雑草地 イネ科雑草穎花内越冬卵 5 月 移植 移植 第 1 回目世代 第 2 回目世代 6 月 7 月 8 月 9 月 第 1 回目世代 第 2 回目世代 ( 一部 ) 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 る なお これら 2 図 29 アカスジカスミカメの発生消長の模式図 種の発生時期は 気象条件等でずれることもあるので注意する これら 2 種は 飛翔が移動 分散の主要手段であり 水田内の畦畔際から中央まで平均 出穂 侵入 第 3 回目世代 ( 一部 ) 出穂 侵入 第 4 回目世代 第 3 回目世代 収穫 イネ科雑草葉鞘内休眠卵 10 月 収穫 イネ科雑草穎花内休眠卵

22 的に斑点米を発生させる アカヒゲホソミドリカスミカメの自発的な飛翔は 夏季には主に夜間に行われるが 気温が低いと抑制される 春や秋には昼間の活動性が高まる アカヒゲホソミドリカスミカメでは 気温が高いと成育期間が短くなるだけではなく 産卵数が増加し 短期間で集中的に産卵する ( 表 55) ので発生量が多くなる 表 55 アカヒゲホソミドリカスミカメの発育期間及び産卵数と温度の関係 ( 平成 13~15 青森農試 ) 温度 ( ) 卵期間 ( 日 ) 幼虫期間 ( 日 ) 産卵前期間 ( 日 ) 1 雌当たりの産卵数 ( 個 ) カスミカメムシ類による被害は籾からの直接の吸汁害が大きい 吸汁は開花直後から行われるが 初期の被害粒はしいなや不完全粒となるか 玄米の頂部が黒褐色となる この時期に加害された玄米は屑米になるものが多い その後 米粒の大きさが決まり 硬化する前の 乳熟期が被害の中心となる 吸汁された部分に雑菌が繁殖し 変色することから部分着色粒となる カスミカメムシ類は籾を貫通して吸汁する力は弱いので 登熟初期にできる玄米頂部の隙間や 登熟後期に発生する割籾の隙間 ( 鉤合部 ) から加害することが多い このため被害もその部分に限られる 側部が褐変して斑紋ができたり また 米粒全体が斑紋となっている斑点米は このカスミカメムシ類以外の大型のカメムシによるものと考えられる ( ウ ) カメムシの防除法 a 休耕田及び畦畔での防除法斑点米カメムシ類の生息地である畦畔や休耕田等の雑草地 特にイネ科植物が優占している雑草地では密度が高くなっているので 雑草の刈取りや耕起等で生息密度を低下させることが重要となる 草刈りの時期としては 6 月下旬から7 月中旬にかけてイネ科雑草が開花 結実しないうちに行い 遅くとも稲の出穂 2 週間前までには終え 出穂 3 週間後までは草刈しないようにする 稲の出穂間近の草刈りは 逆にカメムシを本田内に追い立てることになるので注意する 稲の出穂期以降に雑草を刈り取る必要がある場合は 薬剤を散布した後に刈取りを行う カメムシ類の越冬卵密度を低下させるために 秋の収穫後及び春の移植前に除草 耕起を行う また 斑点米カメムシ類の生息地である畦畔や休耕田等の雑草地での密度を低下させるために 雑草地への薬剤散布も有効である 散布時期は 第 2 回幼虫 成虫の発生が多くなる7 月第 3 半旬から第 3 回幼虫 成虫が多くなる8 月中旬にかけて行う 薬剤は 1 年生雑草等が優占する休耕田及び畦畔では 本田でカメムシ類に登録されている薬剤を使用し ヨシ オギ ススキ セイタカアワダチソウ等の多年生雑草が優占している休耕田では この使用目的に登録されている薬剤を散布する なお 薬剤については 県防除指針 を参照のこと また 畦畔での散布は 本田での防除回数として算入されるので注意する 特に 本田に隣接している休耕田で防除を行っていないと 散布後 本田内の密度は減少するが 隣接している休耕田から侵入するため 薬剤散布後も本田内で継続的にすくいとられ 斑点米の被害が多かった ( 図 31) 一方 休耕田にも同時に散布を行った場合は 散布後に本田内の密度は減少し 加害の多くなる出穂 20~10 日後の時期にも著

23 しく少なく 斑点米の被害も少なかった ( 図 30) 従って 本田に防除を行う際は 休 耕田も含めた散布を行うことにより防除効果が高まる 50 回振りすくいとり数 多発生地域 : 適期に本田, 休耕田散布 本 休 穂揃期 ( 本田 休耕田 )+ 乳熟期 ( 本田 ) 散布 出穂期 :8/3 斑点米率 :0.061% 本 休耕田 本田 薬剤散布 休 : 休耕田本 : 本田 多発生地域 : 適期を逸して本田, 休耕田散布 乳熟期 ( 本田 休耕田 ) 散布 出穂期 :8/3 斑点米率 :0.370% 20 本 休 月 ( 月日 ) 図 30 本田と休耕田を防除した地域におけるカスミカメムシ類のすくいとり推移 50 回振りすくいとり数 多発生地域 : 適期に本田散布 穂揃期( 本田 ) 散布 出穂期 :8/2~4 本 斑点米率 :0.363% 少発生地域 : 適期に本田散布 穂揃期( 本田 ) 散布 本 出穂期 :7/30~31 斑点米率 :0.082% 月 ( 月日 ) 図 31 本田のみ防除した地域におけるカスミカメムシ類のすくいとり推移 b 本田での防除法 (a) 雑草の防除ノビエの発生水田では ノビエの出穂が稲よりも早く 稲の出穂前からカスミカメムシ類が誘引される このため 斑点米の発生率が著しく高まるので ノビエの防除を徹底する また アカスジカスミカメはホタルイ シズイが発生源となる これら雑草が多発生している圃場では斑点米率が高くなる事例がみられるので アカスジカスミカメ発生地帯ではノビエの他 ホタルイ シズイの防除を徹底する

24 (b) 薬剤防除 本田での薬剤防除は 残効性の高い 1 回散布剤を基本とし 穂揃期 ~ 穂揃 2 週間後 までに散布す る フェニルピ ラゾール系のキ ラップ剤 ネオ ニコチノイド系 のジノテフラン 剤 ( 商品名スタ ークル アルバ リン ) ダント ツ剤は 1 回散布 で防除効果が高 く 広域一斉散 布で実施すると 効果が安定す る キラップ剤 の防除最適期は図 32 ダントツ水溶剤の散布時期別斑点米防止効果 穂揃期であり ( 平成 16~18 年試験の平均 ) 穂揃 1 週間後ま 斑点米発生量(対無処理 比)20 0 穂揃期 5 日後 7 日後 10 日後 15 日後 20 日後 散布時期 ( 穂揃後日数 ) で実用的な防除効果があるが それ以降では効果が低くなる ネオニコチノイド剤で は穂揃 1~2 週間後散布での防除効果が高い ( 図 32) 合成ピレスロイド剤や有機りん剤は カメムシに対する残効性が低いことから も し使用する場合には穂揃期とその 7~10 日後の 2 回の散布を徹底する 粒剤の水面施用は効果が安定しないことが多く 製品価格が割高でもあるが ドリ フトの恐れが極めて低いというメリットがある 省力 同時防除が可能な薬剤として 移植当日の箱施用で いもち病 初期害虫か ら斑点米カメムシまで防除できるデジタルメガフレア箱粒剤が登録されている これ までの試験で 本田での追加防除なしで 斑点米の発生を抑制できることが確認され ている ( 図 33) 高温年であった平成 22 年には 有効成分の溶出が早かったのか 防 除効果がやや劣ったものの 殺菌剤 1 成分 殺虫剤 1 成分で主要な病害虫を箱施用の みで予防できるので 減農薬栽培等への利用は可能である 斑点米率 無処理 メガフレア 0 18 年 19 年 20 年 21 年 22 年 試験年次 図 33 デジタルメガフレア箱粒剤による斑点米防止効果 ( 平成 18~22 年 )

25 c フェロモントラップによるアカヒゲホソミドリカスミカメのモニタリング法アカヒゲホソミドリカスミカメの発生推移やある程度の発生量はフェロモントラップでモニターできる 発生予察用の粘着板 2 枚を 粘着面が外側になるよう背中合わせに 2 枚重ねてダブルクリップで留める 水田内にカラー管などの支柱を2 本立て これに粘着板を垂直に立てて設置する 支柱への固定は 支柱にダブルクリップで留めた枠を使ってもよいし ( 写真 15) あるいはダブルクリップのハンドル部分を一旦外して2 個組み合わせたものを作り その一方で粘着板を挟み 残る一方で支柱を留めてもよい いずれの場合も粘着板の四隅か 少なくとも3 点を固定する フェロモンはゴムキャップに吸着させたものが市販されているので ダブルクリップのハンドルに絡めた針金などで固定し 粘着板の上辺中央に取り付ける ( 写真 15) 粘着板 フェロモンとも ( 社 ) 日本植物防疫協会から購入できる トラップは出穂直前位から穂揃 3 週間程度まで設置する 開封後のフェロモンの有効期間が1か月なので 設置開始時期を決める目安とする トラップの設置場所は畦畔際でかまわないが 農道や広い雑草地に面しているところは避け また畦畔の草刈り等の邪魔にならないようにする 誘殺されたアカヒゲホソミドリカスミカメ数の調査は1 週間間隔程度で行う 時間がたつと誘殺虫が変色することがあるので 注意して計数する また 調査対象外の虫が大量に付着することがあるので 粘着板は調査のたびに交換する 写真 15 フェロモントラップの設置状況最も誘殺が多くなる穂揃期の誘殺数で防除要否の判定をすることはできないが 薬剤散布後の誘殺数と比較することによって 防除が適正に行われたかのおよその判定が可能である

26 9 収穫乾燥調製 (1) 刈取適期の判定ア刈取時期の早晩と品質 刈取時期が早すぎると 玄米の充実が不十分なために青未熟粒や死米の混入が多く 収 量 品質ともに劣る また 籾水分も高いことから乾燥に時間がかかる 一方 刈取時期 が遅くなると青未熟粒が減少する反面 逆に胴割粒 茶米粒 奇形粒等の被害粒が増加す る 検査等級からみた刈取始期の目安は 青未熟粒の混入割合が 10% 程度まで減少した時期 となる 青未熟粒は出穂後積算気温 500~600 頃から急速に減少し 1,200 に達すると 極めて少なくなるが ( 図 34) 青未熟粒の減少傾向は登熟期間の気象条件やm2当たり籾数 倒伏程度 不稔粒の発生など圃場条件によって異なる また 収穫後の乾燥法の違いでも青未熟粒の混入割合は異なり バインダーで刈取りし 自然乾燥したものとコンバインで収穫し乾燥機により人工乾燥したものを比較すると 収 穫適期の 1,000 頃の同一日に刈取りした場合でも コンバイン + 人工乾燥の青未熟粒混 入割合はバインダー + 自然乾燥よりも 4~5% 多くなる 刈取晩限は被害粒や乳白粒 腹白粒などの白未熟粒の発生程度によって左右される 白 未熟粒は登熟初 中期間の高温の影響等により発生し m2当たり籾数の増加や刈り遅れに よって精玄米への混入割合は増加する 図 35 は出穂後積算気温と茶米粒歩合の関係を示し たものであるが 茶米粒歩合も白未熟粒と同様 出穂後積算気温とともに増加する傾向が ある これらのことから 刈り遅れることで白未熟粒や被害粒の混入割合は明らかに増加する 傾向があるため 高品質米を確保するためには各圃場に応じた刈取時期を見極め 適期内 に収穫作業を終える必要がある 30 合(青m2当たり籾数 4.2~4.4 万粒未 ~3.0 万粒茶熟米 粒 20 粒 10 歩 歩 15 合(重 10 重 5 量量 %) 出穂後積算気温 ( ) %) 出穂後積算気温 ( ) 図 34 出穂後積算気温と青未熟粒歩合の関係 図 35 出穂後積算気温と茶米粒割合の関係 ( 平成 14 年青森農試 ) ( 平成 15 年青森農試 ) ( 注 ) 1 品種つがるロマン 2 m2当たり籾数 30,400~38,500 粒 3 不稔歩合 4.9~16.4%

27 乳白粒歩合(重量 % ) 図 36 ゆめあかり つがるロマン 出穂後積算気温 ( ) 出穂後積算気温と乳白粒歩合 ( 平成 11 年青森農試 ) イ刈取時期の早晩と食味刈取時期は食味とも密接な関係がある 刈り遅れた米は食味要素として重要である炊飯米の 粘り や 粘着性 が低下することが認められている また 食味と関係が深い玄米のタンパク質含有率を比較すると 出穂後の積算気温とともに高くなる傾向が見られ 刈り遅れは食味を低下させる原因になる むつほまれ では出穂後積算気温が1,100 まではタンパク質含有率も微増する程度であるが 1,200 を超えると品質の劣化が始まり タンパク質含有率の増加傾向がはっきりみられる 一方 つがるロマン では 出穂後積算気温とともに被害粒 ( 主として茶米 ) の発生が増加傾向となるが 白未熟粒 ( 乳白粒 腹白粒 ) の増加は むつほまれ に比べて明らかに少なく また タンパク質含有率の増加傾向も明確にはみられない 表 56 刈取時期別の品質と理化学性特性 ( むつほまれ平成 6 年青森農試 ) 出穂後積算 整粒歩合 白未熟粒 白米タンパク アミロース 気温 % 歩合 % 含有率 % 含有率 % , , , 表 57 刈取時期別の品質と理化学特性 ( つがるロマン平成 6 年青森農試 ) 出穂後積算整粒歩合白未熟粒被害粒歩合玄米タンパク気温 % 歩合 % % 含有率 % 検査等級 下 1, 中 1, 下 1, 上

28 ウ 刈取時期の早晩と籾水分 籾水分は刈取り開始判断の重要な要素となる 図 37 は出穂後積算気温と籾水分との関係 を示したものである 出穂期が早く 登熟気温が高めに経過した高温年では 出穂後積算 気温が 950~1,000 になると籾水分は 25~26% 程度に減少する 刈取り時の籾水分がこの 程度まで減少すると 乾燥作業はほぼ 12 時間程度で終了する しかし 出穂が遅れ 登熟期が低温で経過した年では 籾水分が 25~26% まで低下する ためには出穂後積算気温で 1,100 程度が必要となる 分(%)籾 30 水 昭和 58 年アキヒカリ 15 昭和 59 年むつかおり昭和 60 年むつかおり 出穂後積算気温 ( ) 図 37 出穂後積算気温と籾水分の推移 ( 昭和 年青森農試 ) エ刈取時期の目安水稲の開花 受精は出穂後に順次行われ 次第に登熟は進むが 登熟は1 穂 1 粒ごとに遅速があって一様ではない そのため 圃場全体の刈取適期を的確に判定するには籾の黄化程度を目安とし 部分刈りをして青未熟粒の混入割合を調査することが最も良い方法である また 補助的な目安として出穂後日数 出穂後積算気温 枝梗の黄化程度 籾水分等を考慮し 総合的に判断することが大切である ( ア ) 籾の黄化程度籾の黄化程度で判断する場合は 圃場全体の籾が90% 程度黄化した時期を刈取適期の目安とするが 出穂後が低温少照で登熟が遅れている圃場では 70~80% 程度の黄化程度とする ( イ ) 青未熟粒の混入割合精玄米中 (1.9mm 選別 ) に占める青未熟粒歩合 ( 死米を含む重量比 ) が10% 程度まで減少した時期を刈取適期の目安とする ( ウ ) 出穂後日数極早生品種の ユメコガネ は出穂後 40~45 日頃 早生品種の かけはし は出穂後 43~49 日頃である 中生品種は出穂後 45~50 日で刈取適期に達するが 出穂後が低温少照で登熟が遅れている場合は 幾分遅らせて刈取る ( エ ) 出穂後積算気温出穂後積算気温は 早生品種の かけはし では 900 中生品種の つがるロマン まっしぐら では960 を刈取適期の目安とする ( オ ) 枝梗別黄化程度枝梗の2/3 程度が黄化した時期を刈取適期の目安とするが 低温年では1/2~2/3 程度

29 が黄化した時期を適期刈取りの目安とする ( カ ) 籾水分平年の生育では 出穂後積算気温が960~1,000 になれば籾水分は25~26% 程度まで減少するため 乾燥機による作業の問題はない しかし 不順天候等で登熟が遅れた場合には これまで述べた方法では刈取時期が判断しにくい場合があるので 籾水分が25~26% 程度まで減少した時期を刈取り開始の目安とすることが 乾燥作業上の面から必要である 米の仕上がりは 年次 土壌 栽培管理 圃場等の様々な条件によって異なるので これまで述べてきた単一要素で機械的に判断するのではなく 当年の登熟の進み具合を十分に見極めながら複数の要素から総合的に判断し 食味 品質に優れた米を安定生産できるよう計画的な収穫を行い 適期内に刈取ることが重要である ( キ ) 電子レンジを使った水稲の刈取適期判定法部分刈りにより青未熟粒の混入割合を調査するには 籾を乾燥させてから籾ずりを行うが これには通風乾燥機等の装置が必要で 乾燥にも長時間を要する難点がある しかし 家庭用電子レンジを利用することで 籾水分を7~18% 除去し 迅速に青未熟粒歩合を判定するための試料を得ることができる 電子レンジによる迅速乾燥法は以下の手順で行う a 電子レンジ ( 定格高周波出力 500W) に200g 程度の生籾を入れ2~3 分加熱する b 電子レンジから取り出し 30 分程度放冷しながら水分を蒸発させる 加熱中に籾がはぜることがあるので この場合には 直ちに加熱を止める また 電子レンジ乾燥では玄米の透明感が増し 死米と判定される粒が減少するので注意する 20 レンジ 通風青 15 未熟粒歩 10 合(%)5 0 9 月 24 日 9 月 30 日 10 月 6 日 10 月 14 日 採取月日 図 38 採取時期ごとの青未熟粒判定結果 ( 平成 15 年青森農林総研 ) ( 注 )1 試料水稲の出穂期は8 月 11~12 日 2 品質判定方法は穀粒判別器ケット社 RN-300( カラースキャナーとノートパソコン及び専用ソフトによる判別システム ) による オ刈取適期期間刈取適期幅を1 等米に格付けされる期間とすると 早限は青未熟粒の混入割合が10~15 % 程度の時期 晩限は被害粒が検査基準の上限である12% 以内の時期となり その期間は高温年では10~12 日間程度 低温年では13~15 日間程度である つがるロマン まっしぐら の刈取適期は品質 登熟からみて 概ね出穂後積算気温 960~1,200 出穂後日数 45~60 日頃である

30 1 等中 1 等下 2 等上 2 等中 2 等下青未熟粒充実不足 3 等 1 等米規格外 出穂後積算気温 ( ) 1 等中 1 等下 2 等上 2 等中 2 等下 3 等規格外 出穂後積算気温 ( ) 図 39 つがるロマン の出穂後積算気温と図 40 まっしぐら の出穂後積算気温と検査 検査等級 ( 平成 16 年青森農林総研 ) 等級 ( 平成 17 年指導拠点ほ 改訂版より ) (2) 乾燥方法ア火力乾燥 ( ア ) 高水分籾の変質防止 高水分の籾を堆積しておくと短時間のう ちに変質してしまう危険がある コンバイ ンで刈取った籾はできるだけ早く乾燥機に 投入し 乾燥機が満杯になるまでは常温通 風で循環しておく 図 41 は実内貯留におけ る堆積時間と変質米の発生率を見たもので あるが 籾水分が 27~30% 高水分では 4 時 間で変質米が発生し始めている ( イ ) 適正な乾燥速度 適正な乾燥とは 乾燥作業時間を通して 1 時間当たり乾減率が 0.8% になるような乾 燥方法である 乾燥速度は乾燥水分が高い 時ほど速く 水分が低くなるに従って遅くな図 41 堆積貯留時間と変質米の発生率 る性質がある ( 平 8 年 富山県農技セ 農試 ) このため 籾水分が 20% 程度までは 1 時間注 ) 品種 ハナエチゼン 籾水分 27~30% 当たり乾減率は 1.0% 20% 以下になったら 0.6 % の乾減率を目安にする 乾燥機が正常に運転されていればほぼこの通りとなるが 乾燥の進みとともに定期 的な水分チェックで確認する必要がある また 籾の張り込み量が少ない状態で乾燥 を行うと 1 時間当たりの乾減率が適正な範囲を超えることになり 胴割粒が増加す るなどの危険性が増すので 乾燥機に投入する籾の量は最低張り込み量を確保する ( ウ ) 籾及び玄米の水分特性 通常 籾水分は玄米水分より 0.5~0.8% 低く この差は籾の乾燥状態により異なり 乾燥途中では 0.4~1.4% と大きくなる これは 籾殻が玄米より水分が低く 乾きや すいという理由によるもので 乾燥速度が速いほどその差が大きくなる傾向がある 変質米発生率 (%) 堆積貯留時間 ( 時間 )

31 ( エ ) 乾燥後の水分変化乾燥終了後の玄米水分は 乾燥機の停止後も若干減少するが 乾燥条件や貯留条件 未熟粒の混入割合等によってその程度は異なる 図 42は 玄米水分と籾水分の差と乾燥後 12~20 時間の粗玄米水分の減少量を示したものである 籾と玄米の水分差が大きくなるに従って粗玄米水分の減少量は大きくなるが その減少量は屑米の混入が少ないほど大きくなる 乾燥終了後の水分変化は 余熱による水分減少の他 水分差のある玄米と籾殻及び整粒と未熟粒の間で水分移行があるため起こるが この2つの変化は同時に平衡状態になるまで行われ 5~8 時間後にはほぼ安定する このため 未熟粒の混入が多い場合には 水分移行によって整粒の玄米水分が増加する いわゆる もどり現象 を起こすことがある ( オ ) 乾燥機利用上の留意点乾燥中の籾水分測定は 乾燥機内の籾の組成や乾燥条件に影響されるので難しい面がある このため 自動水分計を使っても必ずしも設定通りの水分に仕上がらない場合があり 例えば 未熟粒が多いと自動水分計の指示値が高めになることが多く 過乾燥になりやすい このような条件では 水分設定を目標より0.5~1.0% 高めにし 自動停止後 5~8 時間経過した後に手持ちの水分計で測定し 乾燥が不十分な場合は再度乾燥する このようなときは 玄米から籾殻に水分が移行しやすく 乾燥しやすい状態にあるので 送風温度を低めにしてゆっくり行う必要がある また 再乾燥時には15~30 分間隔のきめ細やかな水分測定を行う なお 最近の乾燥機は水分計の精度が著しく向上しており 乾燥終了後の水分変化を予測して運転を自動補正するものもある 自分の乾燥機の特性を知り 適正に使用することが大事である 図 42 玄米と籾の水分差と粗玄米水分の減少 ( 富山農試機械化農業昭和 57 年 8 月号 )

32 イ自然乾燥法自然乾燥法には架掛法 棒掛法 島立法 三角乳穂法等があり それぞれ特徴がある ( ア ) 架掛法は乾燥効率が高く 品質も良好に仕上がるが 乾燥しやすいので収納時期に留意する ( イ ) 棒掛法は水分ムラが少なくなるよう途中での掛け替えが必要である ( ウ ) 島立法は乾燥効率が劣り 乾燥ムラも起きやすいので 乾燥機による仕上げ乾燥を行う必要がある ( エ ) 三角乳穂法は 穂が直接天日や降雨にさらされることがないので水分 品質ともに良好に仕上がる しかし 笠の部分は過乾燥で胴割粒が発生しやすくなるので 脱穀作業では別扱いする いずれにしても 自然乾燥では乾燥期間の天候によって乾燥効率 品質が影響を受けやすく 乾燥期間に降雨が続くような場合は 胴割粒の発生や光沢不良粒等による品質低下を招くこともあるので このような場合は乾燥機による仕上乾燥を行うことが必要である ウ過乾燥の防止過乾燥を防止するためには 以下の点に注意し 適正な乾燥機の運転と平行してきめ細やかな水分測定 更には玄米水分の特性等を考慮した乾燥機の利用が必要である ( ア ) 過乾燥の原因は表 58に示したとおりであるが このうち最も大きな原因として考えられるのは水分測定の粗雑さと乾燥後期にタイマー任せにしていることである 水分測定は1 回に5 点以上の反復測定が必要であり 乾燥終期には15 分間隔の測定を行う ( イ ) 乾燥後期に乾燥機から離れる場合は 直前に必ず水分測定を行い 必要に応じてタイマーの修正を行う 仕上がり予定時刻が夜半や未明になる場合は 就寝直前に水分測定を行い 設定水分を目標よりも若干高めにセットし 乾燥停止後に再度 水分測定を行う 表 58 過乾燥の原因と対策 ( 昭和 60 年機械化農業 9 月号 ) 原因 影響要因 理 由 対 策 水分測定精度青米の混入 青米は測定値を高めとする 屑米 青未熟粒を除いて測る 玄米温度 玄米温度が高いと高めになる 5 分間放冷し 加圧して10 秒後に測る 水分計の異常指示値が不安定となる 定期点検を受ける 測定回数 測定回数が少ないと精度が劣る 5 回以上反復測定 乾燥後期は15 分間隔 時刻 夜間の水分測定が煩わしい 自動水分計の利用 乾燥後の水分未熟粒の混入混入が少ないと水分減少が大きい屑米率から玄米水分変化量を推定 減少 乾燥速度 乾減率が高いと水分減少が大きい毎時乾減率を0.8% 程度にする もどり現象の未熟籾 粗玄屑米 青未熟粒が多いと精玄米水屑米が8% 以上になると精玄米水分が増加 予測 米と精玄米の分が増加する するが粗玄米水分はほとんど変化しない 水分差 粗玄米水分は増加しない 自動水分計の未熟粒の混入混入が多いと指示値が高めになる停止水分設定値を高めにする 精度 再乾燥時の異一次貯留した籾では高めに現れる 18% 以下での再乾燥には使わない 常 再乾燥技術 送風温度 再乾燥時は通常より速く乾く 温度を下げてゆっくり乾かす

33 エ良質米乾燥法 ( ア ) 籾水分 乾燥条件と食味生産米の良食味 高品質を維持しつつ乾燥するためには 低温で迅速に乾燥することが理想である 火力乾燥した米の食味は 乾燥温度と籾の初期水分に大きな影響を受けることが明らかにされており 初期水分が30% 程度の高水分籾や未熟粒の多い籾を高温乾燥すると食味が低下することが知られている このような場合は 乾燥前半の送風温度をできるだけ低くし 籾水分が20% 程度以下になってから所定の温度に上げる 籾水分が25% 以下の籾を循環型乾燥機で乾燥した場合の食味は 自然乾燥と差のないことから 食味を低下させないためには 初期の送風温度を必要以上に上げないことが大切である 一方 自然乾燥においては 降雨等の影響により胴割粒等の発生で品質 食味が劣化する事例があり 安定性に欠けるという弱点がある いずれにしても 適正な方法により15.0% 前後の適正水分に仕上げることが重要であり 基本技術を守っていれば火力乾燥でも品質 食味の劣化を心配する必要はない また 最近の乾燥機は良食味を意識した様々な機能を搭載しており 自然乾燥より安全で安定的な低温乾燥法も開発されている 図 43 循環式乾燥機における乾燥条件と仕上がり米の食味との関係 ( 基準米 : 通常通風乾燥米昭和 63 年富山農試 ) ( イ ) 二段乾燥法高品質を維持する乾燥法として 二段乾燥法がある これは籾水分が18% 程度に低下したときに一旦乾燥を中止し 1 日以上の一時貯留し 粒間あるいは粒内の水分移動を行わせ 水分を平衡にさせてから仕上げ乾燥を行う方法である 青未熟粒の混入が多いときなど水分差が大きな場合に有効な乾燥法であり 食味向上にも効果がある 表 59は 二段乾燥法の例である 初期の籾水分が26% であったものを18% まで乾燥した後に 約 24 時間一時貯蔵し 二段階の乾燥処理を行うことで 食味が自然乾燥より優る結果となった また この方法は作業を一時休止するため 従来の連続乾燥より全体の作業時間は長くなるが 乾燥機の実乾燥時間は短縮されるので灯油消費量が少なく エネルギー効率が良いという長所がある 作業時間に余裕があるか 一時貯蔵の手段がある場合には 積極的に行うべき方法である

34 表 59 乾燥方法と食味 ( 昭和 62 年山形農試庄内支場 ) 区名 食味項目外観香り味粘り硬さ総合 二段乾燥 * 0.25* 0.67* 0.50* 連続乾燥 * * -0.42* 注 ) 品種 : ササニシキ 基準 : 自然乾燥米 表 60 乾燥方法と乾燥特性 ( 昭和 63 年山形農試庄内支場 ) 区分 年次 初期水分乾減率実乾燥時間灯油消費量胴割粒率 (%) 籾 % %/hr hr kg 軽胴割重胴割合計 昭 (100) (100) 二段乾燥 昭 (100) (100) 昭 (100) (100) 昭 (109) (117) 連続乾燥 昭 (118) (128) 昭 (115) (123) 注 ) 品種 : ササニシキ ( ) 内は二段乾燥比 ( ウ ) 除湿乾燥法最近 良食味米に仕上げる乾燥法として注目されているのが除湿乾燥法である この乾燥方法は 低湿度の空気を常温送風するもので 火力を使用しないことから異臭や過乾燥の心配がなく 火災に対する安全性も高い特徴がある 欠点としては 外気の気象条件にもよるが乾燥速度が遅いこと ( 毎時乾減率 0.1~0.2 % 程度 ) 乾燥経費が割高なことである 特に 北東北地域は収穫時以降の気温が低いため 乾燥効率の低いことが問題になる この対策として若干の加温を行って送風する方法があり 25~30 の加温送風が品質と乾燥効率の面から有利であるという報告がある 除湿乾燥法に対する評価は 従来の火力乾燥法に比べて胴割粒が少なく 食味 品質が同等以上であるとする報告が多く 越夏後の食味低下が少ないという結果もある ( 表 61) 表 61 乾燥方法と越夏後の食味 ( 昭和 63 年秋田農試 ) 区名 循環乾燥 除湿乾燥 評価値 食味項目外観香り味粘り硬さ総合 平均値 判定 差なし 差なし 差なし 差なし 差なし 差なし 平均値 判定 差なし 良 良 差なし 差なし 良 注 ) 品種 : あきたこまち 基準 : 自然乾燥米 試験 : 昭和 63 年 9 月 貯蔵方法 : 籾のまま無暖房室内のプラスチック箱内に貯蔵

35 (3) 籾ずり 調整ア穀温と肌ずれ米の発生 籾を火力乾燥した場合 乾燥終了直後の穀温は 30~35 になるが 穀温が高いほど籾ず り時に肌ずれ米の発生が多くなる 肌ずれ米の発生防止には 穀温を籾ずり前に常温まで 低下させておく必要がある 穀温は 火力乾燥終了後も籾を積み置きしておくだけではなかなか低下しないが 穀温 調整機を利用すると短時間で常温に下げることができる 肌ずれ米 の 発 30 生 20 ロール間隙 0.5mm mm 0.9mm 穀温 ( ) 図 44 穀温及びロール間隙と肌ずれ米の発生状況 図 45 穀温降下法 イ籾ずり籾ずり機を運転する前に必ずゴムロールの摩耗状況を点検し 必要に応じて削りによる修正または交換を行う ゴムロールの間隙は 籾の厚さの1/2を基準に 0.5~1.2mmの範囲に調整し 試しずりを行い 脱ぷ率が80~85% となるよう再調整を行った後 本格的な作業を行う 万石は傾斜型及び振動式とも十分に調整を行い 仕上げ玄米へ籾が混入しないようにする また 再度 脱ぷ部に戻る 返り籾 には できるだけ玄米の混入が少なくなるよう調整する ゴムロール式のうち 同型のロール式では高速回転のロールの方が摩耗しやすいので 時々 低速回転ロールと入れ替えし できるだけ両方のロールが均等に摩耗するように使用する

36 ウ選別選別 調製は 米の商品として仕上げる最後の作業である 各米選機の選別性能を最大限に発揮させるためには 機種の特性 性能を十分理解して適正な選別を行う ( ア ) 粒厚選別機回転式が普及しているが その篩目の大きさは品質向上を目的に 本県の奨励品種では1.9mmを使用する 回転式の選別機は 角度が4 度前後 回転数が毎分 70 回転 流量は1 本当たり900~ 1,000kg/ 時間の基準を守り稼働させる 選別機の選別性能は 屑米の多少により大きく影響を受けるので 調製を念入りに行うことが品質を高める上で重要である 未熟粒の混入が多い場合は 玄米流量を基準より20% 程度減らすと 屑米の除去率が高まり 選別精度が向上する ( イ ) 色彩選別機平成 11 年に斑点米カメムシの被害による着色粒が大発生して以来 玄米色彩選別機の導入が進んでいる 着色粒の混入は精米の外観を著しく損なうことから 他の被害粒とは別に規格数値が定められており 玄米の検査規格における着色粒の最高限度は1 等が 0.1% 2 等が0.3% 3 等が0.7% となっている 粒厚選別機により着色粒の除去が困難な場合は 色彩選別機による調製を行い 品質の向上に努める 選別後の屑米率(% ) 選別前の屑米率 3.6% 7.5% 11.5% 回 2 回 3 回 図 46 回転式米選機の選別性能 ( 昭和 59 年青森農試 )

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3. 播種前処理 ( 播種前に雑草防除を要する場合 ) 4. 播種後出芽前茎葉処理 2017 年 8 月 1 日現在 除草剤名 成分 (%) 除草剤名 成分 (%) ( 登載年 ) ( 登載年 ) プリグロックスL ジクワット 7.0 プリグロックスL ジクワット 7.0 マイゼット パラコート 5 麦類除草剤一覧 1 使用上の注意事項 (1) 使用上の注意ア粒剤 細粒剤 ( ア ) 土壌が極端に乾燥している場合は効果が劣るので 適当な土壌水分の時に処理する ( イ ) 散布ムラが生じやすいので 朝夕の無風時に処理するなど均一散布に努める ( ウ ) 排水不良田や降雨 ( 特に大雨 ) の前後には薬害のおそれがあるため使用しない イ乳剤 水和剤 ( ア ) 土壌が極端に乾燥している場合は効果が劣るので

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