Sustainability Data Book 2017

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1 Sustainability Data Book 2017 サステイナビリティデータブック 2017

2 Sustainability Data Book 2017 編集方針 Sustainability Data Book ( 旧 Sustainability Report ) は トヨタのCSRマネジメントや各取り組みについて 年度ごとの活動を中心にお伝えするデータブックです CSRの各取り組みは 社会への取り組み 環境への取り組み ガバナンス などの章に分けて紹介しています Sustainability Data Book 2017 から 環境への取り組み を抜き出した 環境報告書 2017 トヨタ環境チャレンジ 2050に向けて は 環境の専門冊子としてもご覧いただけます また Annual Report では 中長期的な視点で包括的に トヨタが事業を通じてどのように社会 地球の持続可能な発展に貢献していくか ステークホルダーの皆様にお伝えしています Annual Report 有価証券報告書 米国 SEC 提出書類 決算報告 Sustainability Data Book 環境報告書 2017 ートヨタ環境チャレンジ 2050 に向けてー コーポレートガバナンス報告書 トヨタ公式企業サイトでは 上記年次報告書以外の取り組みの情報も掲載しています CSR 環境 社会貢献 環境への取り組み 社会貢献活動 対象期間 2016 年度 (2016 年 4 月 2017 年 3 月 ) 一部 2017 年度の事項も記載 報告範囲 トヨタ自動車株式会社 (TMC) および国内外の連結子会社などでの取り組みと活動事例 第三者保証 環境への取り組み に掲載している Third Party Assurance を付したデータは 第三者保証を受けています 海外事業体報告書 海外連結子会社などの報告書は 日本を合わせ16カ国 / 地域で発行これにより全世界の販売台数の約 88% をカバー グローバルでの情報開示を行っています アルゼンチン オーストラリア ブラジル 中国 欧州 インド インドネシア マレーシア UMWホールディングレポートに包含して発行 ニュージーランド 北米南アフリカフィリピン台湾 (KUOZUI) 台湾 (HOTAI) タイベトナム 1 Sustainability Data Book 2017

3 目次 トヨタ自動車の概要 3 企業理念 5 CSR 推進体制 8 社会への取り組み 安全への取り組み 11 お客様第一 品質第一への取り組み 18 豊かな社会づくり 25 社会貢献活動 40 人権の尊重 46 ビジネスパートナーとともに 51 従業員とともに 58 ステークホルダー エンゲージメント 74 環境への取り組み トヨタ環境チャレンジ 第 6 次 トヨタ環境取組プラン 2016 年度レビュー 79 Challenge1 新車 CO₂ゼロチャレンジ 85 Challenge2 ライフサイクル CO₂ ゼロチャレンジ 90 Challenge3 工場 CO₂ゼロチャレンジ 94 Challenge4 水環境インパクト最小化チャレンジ 99 Challenge5 循環型社会 システム構築チャレンジ 103 Challenge6 人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ 108 環境マネジメント 115 環境データ 123 ガバナンス コーポレートガバナンス 130 リスクマネジメント 133 コンプライアンス 138 CSR の実績データ集 140 ISO 対照表 Sustainability Data Book 2017

4 トヨタ自動車の概要 会社概要 自動車以外の事業 会社名 代表者名 所在地 創立 本社東京本社名古屋オフィス トヨタ自動車株式会社 (TOYOTA MOTOR CORPORATION) 豊田章男 愛知県豊田市トヨタ町 1 番地東京都文京区後楽 1 丁目 4 番 18 号愛知県名古屋市中村区名駅 4 丁目 7 番 1 号 1937 年 ( 昭和 12 年 )8 月 28 日 資本金 6,354 億円 (2017 年 3 月末時点 ) 主な事業内容 自動車の生産 販売 従業員数 ( 連結 ) 364,445 人 (2017 年 3 月末時点 ) 連結子会社数 597 社 (2017 年 3 月末時点 ) 持分法適用会社数 54 社 (2017 年 3 月末時点 ) 金融事業 日本を含めた世界 30 以上の国と地域で自動車ローンやリースを中心とした金融サービスを展開しています 住宅事業トヨタグループの力を結集して お客様により広い住宅関連サービスを提供しています 情報技術関連事業 e-toyota 事業 ITS 関連事業など IT を活用したさまざまな つながる サービスに取り組んでいます その他の事業 マリン事業 バイオ 緑化事業などに取り組んでいます グローバル展開 地域別データ 欧州 アジア日本を除く 日本 16-5 北米 その他 生産拠点 製造事業体数 (2017 年 2 月末時点 ) ディストリビューター数 (2016 年 12 月末時点 ) 研究開発拠点数 (2017 年 3 月末時点 ) いずれもトヨタ レクサスブランドの拠点数 従業員数 364,445 人 生産台数 8,975,509 台 販売台数 8,970,860 台 (2017 年 3 月末時点 ) (2016 年度 ) (2016 年度 ) 日本 58% 46% 25% 北米 13% 23% 32% 欧州 5% 7% 10% アジア 17% 19% 18% その他 6% 5% 15% 3 Sustainability Data Book 2017

5 主な財務実績の推移 ( 連結決算 ) 売上高営業利益当期純利益 ( 億円 ) 300, , , , , , , ,971 ( 億円 ) 30,000 20,000 10,000 13,208 22,921 27,505 28,539 19,943 ( 億円 ) 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 9,621 18,231 21,733 23,126 18, ( 年 ) ( 年 ) ( 年 ) 当社株主に帰属する当期純利益 を表示 研究開発費 設備投資額 ( 億円 ) 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 8,074 9,105 10,045 10,556 10,375 ( 億円 ) 15,000 12,000 9,000 6,000 3,000 8,527 10,007 12,925 11,774 12, ( 年 ) ( 年 ) 設備投資額はリース用車両を除く 4 Sustainability Data Book 2017

6 企業理念 企業理念 トヨタはあらゆる事業活動を通じて 豊かな社会づくりに貢献し すべてのステークホルダーから信頼される良き企業市民を目指しています その礎となる企業理念をはじめ その実現を支える価値観 心構えを紹介します トヨタ基本理念 創業以来今日まで トヨタグループの創始者 豊田佐吉の考え方をまとめた 豊田綱領 (1935 年 10 月発表 ) を経営の 核 として受け継いできました 1992 年には 社会情勢や事業構造の変化を受け 企業を取り巻く環境が大きく変化しているときこそ 確固とした理念を持って進むべき道を見極めていくことが重要 との認識に立ち トヨタ基本理念 を策定 (1997 年 4 月改正 ) し 企業としてのあるべき姿を明確にしました トヨタ基本理念 のもと 2011 年には トヨタグローバルビジョン を策定 その実現に向けた中長期経営計画などを立案し 達成すべき目標を定め 実現に努めています 日常業務を実践する上で 大きな支えとなるのが トヨタウェイ2001 と トヨタ行動指針 です トヨタウェイ 2001 は 全世界のトヨタで働く人々が共有すべき価値観や手法を示したもので トヨタ行動指針 は 実際に会社 社会生活を送る上で ルールを守り誠意ある行動を取るための基本的な心構えです トヨタ基本理念 豊田綱領 1. 内外の法およびその精神を遵守し オープンでフェアな企業活動を通じて 国際社会から信頼される企業市民をめざす 2. 各国 各地域の文化 慣習を尊重し 地域に根ざした企業活動を通じて 経済 社会の発展に貢献する 3. クリーンで安全な商品の提供を使命とし あらゆる企業活動を通じて 住みよい地球と豊かな社会づくりに取り組む 4. 様々な分野での最先端技術の研究と開発に努め 世界中のお客様のご要望にお応えする魅力あふれる商品 サービスを提供する 5. 労使相互信頼 責任を基本に 個人の創造力とチームワークの強みを最大限に高める企業風土をつくる 6. グローバルで革新的な経営により 社会との調和ある成長をめざす 7. 開かれた取引関係を基本に 互いに研究と創造に努め 長期安定的な成長と共存共栄を実現する 一 上下一致 至誠業務に服し 産業報国の実を挙ぐべし一 研究と創造に心を致し 常に時流に先んずべし一 華美を戒め 質実剛健たるべし一 温情友愛の精神を発揮し 家庭的美風を作興すべし一 神仏を尊崇し 報恩感謝の生活を為すべし 理念 方針 日常業務の関係 トヨタウェイ200トヨタ基本理念 CSR 方針 社会 地球の持続可能な発展への貢献 トヨタグローバルビジョン中長期経営計画年度方針 : グローバル会社方針 1日常業務 トヨタ行動指針5 Sustainability Data Book 2017

7 企業理念 トヨタグローバルビジョン 2011 年 3 月に発表した トヨタグローバルビジョン は 2008 年のリーマンショックによる赤字転落や2010 年の一連のリコール問題への反省を通じ トヨタはどのような企業でありたいのか どのような価値観を大切にしていくのか を全社で共有し 社会やお客様にも明らかにしたものです 豊田綱領 トヨタ基本理念 トヨタウェイ2001 を企業活動の根底にある価値観としています そしてお客様の期待を超える もっといいクルマ づくり いい町 いい社会 づくりへの貢献により お客様 社会の笑顔をいただき それを 安定した経営基盤 につなげることで良い循環を回し 社会と共に持続的な成長を目指します 果実 もっといいクルマお客様の期待を超えるクルマづくり 果実 いい町 いい社会豊かな地域社会づくりへの貢献新たなモビリティ社会への貢献 笑顔のために 期待を超えて Rewarded with a smile by exceeding your expectations 人々を安全 安心に運び 心までも動かす そして 世界中の生活を 社会を 豊かにしていく それが 未来のモビリティ社会をリードする 私たちの想いです 一人ひとりが高い品質を造りこむこと 常に時代の一歩先のイノベーションを追い求めること 地球環境に寄り添う意識を持ち続けること その先に 期待を常に超え お客様そして地域の笑顔と幸せにつながるトヨタがあると信じています 今よりもっとよい方法がある その改善の精神とともに トヨタを支えてくださる皆様の声に真摯に耳を傾け 常に自らを改革しながら 高い目標を実現していきます 持続的成長木の幹安定した経営基盤木の根トヨタ共通の価値観豊田綱領トヨタ基本理念トヨタウェイ トヨタグローバルビジョン Web トヨタウェイ 2001 トヨタウェイ2001 は 全世界のトヨタで働く人々が トヨタ基本理念 を実践する上で 共有すべき価値観や手法を示したもので 2001 年 4 月に策定されました 事業の広がりにより多様な価値観を持つ人がトヨタの業務に関わるようになり 暗黙知としてそれまで伝えられてきた価値観 手法を2001 年に明文化しました トヨタウェイの二つの柱は 知恵と改善 と 人間性尊重 です 知恵と改善 は 常に現状に満足することなく より高い付加価値を求めて知恵を絞り続けること 人間性尊重 は あらゆるステークホルダーを尊重し 従業員の成長を会社の成果に結び付けることを意味しています トヨタ行動指針 チャレンジ 夢の実現に向けて ビジョンを掲げ 勇気と創造力をもって挑戦する 改善 常に進化 革新を追求し 絶え間なく改善に取り組む 現地現物 現地現物で本質を見極め 素早く合意 決断し 全力で実行する Respect for People 人間性尊重 Continuous Improvement 知恵と改善 リスペクト 他を尊重し 誠実に相互理解に努め お互いの責任を果たす チームワーク 人材を育成し 個の力を結集する トヨタ行動指針 は トヨタで働く人々が会社 社会生活において行動する際に規範 羅針盤とすべき基本的な心構えと具体的な留意点をまとめたものです 社員一人ひとりが トヨタ基本理念 を実践し 社会的責任を果たしていく上で 大きな支えとなるものとして トヨタウェイ2001 と共に位置付けられています トヨタ行動指針 Web 6 Sustainability Data Book 2017

8 企業理念 CSR 方針 トヨタのCSR 方針は トヨタ基本理念 をステークホルダーとの関係を念頭にまとめたものです (2005 年 1 月策定 2008 年 8 月改定 ) これをすべての従業員が共有 実践し 社会に愛され 信頼される企業を目指します その方針を連結子会社と共有し 共に行動するとともに 取引先に対してもCSR 方針の趣旨の支持とそれに基づく行動を期待します また トヨタは 日本の代表的な企業によって構成される一般社団法人日本経済団体連合会の 企業行動憲章 の策定にも参画しており その内容を尊重しています CSR 方針 社会 地球の持続可能な発展への貢献 全文 前文 私たち ( トヨタ自動車株式会社およびその子会社 ) は トヨタ基本理念 に基づき グローバル企業として 各国 各地域でのあらゆる事業活動を通じて 社会 地球の調和のとれた持続可能な発展に率先して貢献します 私たちは国内外 国際的な法令並びにそれらの精神を遵守し 誠意を尽くし誠実な事業活動を行います 私たちは 持続可能な発展のために 以下のとおり全てのステークホルダーを重視した経営を行い オープンで公正なコミュニケーションを通じて ステークホルダーとの健全な関係の維持 発展に努めます 私たちは 取引先がこの方針の趣旨を支持し それに基づいて行動することを期待します お客様 私たちは お客様第一主義 という信念に基づき 世界中の人々の生活を豊かにするために お客様の様々な期待に応える革新的 安全かつ卓越した高品質な製品とサービスを開発 提供します ( 基本理念 3,4) 私たちは各国の法およびその精神を遵守し お客様をはじめ事業活動に関わる全ての人々の個人情報保護の徹底に努めます ( 基本理念 1) 従業員 私たちは 事業活動の成功は従業員一人一人の創造力と優れたチームワークによってこそ達成される との信念のもと 従業員を尊重し 個々人の成長を支援します ( 基本理念 5) 私たちは 均等な雇用機会を提供するとともに 従業員の多様性 一体感の確保に努力します また 従業員に対する差別を行いません ( 基本理念 5) 私たちは 全従業員に対し公正な労働条件を提供し 安全かつ健康的な労働環境を維持 向上するよう努めます ( 基本理念 5) 私たちは 事業活動に関わる全ての人々の人権を尊重し いかなる形であれ強制労働 児童労働は行いません ( 基本理念 5) 私たちは 従業員との誠実な対話と協議を通じ 相互信頼 相互責任 の価値観を構築し共に分かち合います そして 従業員と会社がお互いに繁栄するよう共に努力します 私たちは 従業員が自由に結社する権利または結社しない権利を 事業活動を行う国の法令に基づいて認めます ( 基本理念 5) 私たちは 経営トップの率先垂範のもと 倫理的な行動を促す企業文化を育て それを実践していきます ( 基本理念 1,5) 取引先 私たちは サプライヤー 販売店などの取引先を尊重し 長期的な視野に立って相互信頼に基づく共存共栄の実現に取り組みます ( 基本理念 7) 私たちは 取引先の決定にあたっては 全ての候補に対しその国籍または規模に関わらず門戸を開き その総合的な強みに基づき判断します ( 基本理念 7) 私たちは 各国の競争法の規定と精神を遵守し 公正かつ自由な取引を維持します ( 基本理念 1,7) 株主 私たちは 株主の利益のために 長期安定的な成長を通じ企業価値の向上を目指します ( 基本理念 6) 私たちは 株主および投資家に対して 事業 財務状況と成果の適時かつ適正な開示を行います ( 基本理念 1,6) 地域社会 グローバル社会環境 私たちは あらゆる事業活動を通じ環境保全に努め 環境と経済を両立する技術の開発と普及に取り組むとともに 社会の幅広い層との連携を図り 地球温暖化防止 生物多様性の保全等 環境との調和ある成長を目指します ( 基本理念 3) 社会 私たちは 各国の文化 慣習 歴史および法令を尊重し 人間性尊重 の経営を実践します ( 基本理念 2) 私たちは 社会が求めるサステイナブル モビリティの実現に向けて 安全でクリーンかつ社会のニーズを満たす優れた技術を常に追求します ( 基本理念 3,4) 私たちは政府や取引先による贈収賄を許さず 行政府諸機関と誠実かつ公正な関係を維持します ( 基本理念 1) 社会貢献 私たちは 事業活動を行うあらゆる地域において 独自にまたはパートナーと協力して コミュニティの成長と豊かな社会づくりを目指し 社会貢献活動を積極的に推進します ( 基本理念 2) 7 Sustainability Data Book 2017

9 CSR 推進体制 CSR 推進体制 トヨタの CSR トヨタは 創業以来 時代をリードする革新的かつ高品質な製品とサービスの提供により 社会の持続可能な発展への貢献に努めてきました クルマは 人々に移動の自由をもたらすと同時に 環境や社会に対してさまざまな影響を与えています 私たちはそのことを常に念頭に置き お客様 地域社会の皆様の声に耳を傾けながら 人 社会 地球環境との調和を図り モノづくりを通して持続可能な社会の実現を目指しています 推進体制 仕組み トヨタは事業活動を通じて 安全 安心 環境 感動 ( ワクドキ ) といった価値を社会に提供することで 持続的成長を目指します その推進体制として コーポレート企画会議 および コーポレートガバナンス会議 を設置し 長期的かつ全社的な視点から活動を推進しています 株主総会および取締役会のもと コーポレート企画会議 においては さまざまな社会課題を踏まえて成長戦略 事業戦略を検討します また 業務執行の監督としての コーポレートガバナンス会議 において それらの戦略を実現するガバナンス体制を審議します CSR( 企業価値向上 ) 推進体制 コーポレート企画会議議長 : 寺師副社長 社会 地球の持続可能な発展への貢献に向けた会社の基本的考え方 企業価値向上のための持続的成長戦略 社会貢献や環境課題 その他の社会課題とその対応 株主総会 取締役会 コーポレートガバナンス会議議長 : 寺師副社長 企業倫理 コンプライアンスおよびガバナンス全般 リスク管理に関する重要課題とその対応 CSR 活動の企画 推進 グローバル社会と協調した取り組み トヨタはグローバル社会と協調し あらゆる事業活動を通じて社会 地球の持続可能な発展に貢献する取り組みを進めています 環境については 経営の最重要課題の一つと位置付け国際社会で関心の高い 気候変動 水不足 資源枯渇 生物多様性の劣化 といった地球環境問題の解決への貢献を目指し トヨタ環境チャレンジ2050 を掲げて取り組みを推進 その中で CO₂ 排出ゼロを目指して パリ協定で合意された2 未満シナリオ *1 の実現に貢献するだけでなく 環境へのプラスとなることにチャレンジしています 2016 年 1 月に発効した国連の 持続可能な開発目標 (SDGs *2 ) についても 気候変動への対応 ( 目標 13) はもとより 交通死傷者低減 ( 目標 3) 持続可能な街づくりやモビリティ向上 ( 目標 11) などについても トヨタの強みを生かしたグローバルな社会課題の解決に貢献していきます またトヨタは 持続可能な発展のための世界経済人会議 (WBCSD *3 ) の創立以来のメンバーです 2016 年には トヨタもバンコクで参加した SMP (Sustainable Mobility Project) の成果が欧州委員会に採択され 今後域内 50 都市でのモビリティ計画に使われる予定です *1 パリで開催された国連気候変動枠組条約第 21 回締約国会議 (COP21) では 産業革命前に比べ世界の平均気温の上昇を 2 未満に抑制することを長期目標とし 今世紀後半にCO₂などの排出を実質的にゼロにすることを目的に取り組みを進めることなどが パリ協定として2015 年 12 月に合意された *2 SDGs(Sustainable Development Goals):2015 年 9 月に150を超える首脳が参加した 国連持続可能な開発サミット で採択された2030 年までの新たな 持続可能な開発目標 で 17の目標と169のターゲットから構成 *3 WBCSD(World business council for sustainable development) : 持続可能な発展に向け グローバルな視点で経済成長 環境保全 社会開発に関する調査 提言活動を行っている 本部はジュネーブ 世界各国の広範囲な産業界から約 200 社が参加している 1992 年のリオ サミットを契機に発足して以来 環境マネジメントシステム ISO14000 や経済と環境の効率 エコ エフィシエンシー の発案 SDGsへの取り組み支援などを行っている 8 Sustainability Data Book 2017

10 CSR 推進体制 トヨタグローバルビジョン 実現に向けた取り組みと目標 トヨタグローバルビジョン 実現に向けて それぞれのステークホルダーにとって トヨタはどういう会社でありたいか を明文化したものが ステークホルダーの笑顔のために です さらに各項目の目標とその進捗を図る重点 KPIを 社内各主管部署と議論しながら 社外有識者との対話結果も織り込み CSR 委員会 ( 当時 ) で策定しました 目標と重点 KPIに ついては 各主管部署が自主評価 PDCAを回すことにより CSR 活動の強化を図っています 各項目の年次の取り組み 実績については 本レポート内の関連パートで掲載しています また 重点 KPIを含む CSR の実績データ集 は P140に掲載しています ステークホルダーの笑顔のために 目標 関連するステークホルダー 本レポート内の関連パート もっといいクルマ 1. 安全で 誰もが安心して乗ることができ お客様の心ときめくクルマを お求めやすい価格で提供する 安全 / 品質 / 感動のお客様評価において 競合トップクラスを獲得します お客様安全への取り組み (P11 ~) 2. お客様の声に真摯に向き合い 十分な情報開示と対話を通じ 自らを改革し続ける 相談対応へのお客様満足度を向上させます お客様 お客様第一 品質第一への取り組み (P18 ~) いい町 いい社会 3. 仕入先 販売店をオープンに迎え 共存共栄による持続的成長を通じて 地域の経済発展に貢献する 仕入先 : グローバルに現地調達の推進を図ります販売店 : 一緒に笑顔を届ける販売網を築きます 取引先人権の尊重 (P46 ~) ビジネスパートナーとともに (P51 ~) 4. 環境チャレンジ 2050 に取り組み 持続可能な社会の実現に貢献する 第 6 次 トヨタ環境取組プラン (2016 ~ 2020) を着実に推進します 地域社会 グローバル社会 環境への取り組み (P77 ~) 5. クルマをつくることの責任を自覚し 事故や渋滞のない新たなモビリティ社会づくりに貢献する 新たなモビリティ社会づくりのための先行 / 先端研究に取り組むとともに 実用化 普及を促進します 地域社会 グローバル社会 安全への取り組み (P11 ~) 豊かな社会づくり (P25 ~) 6. よき企業市民として 各国 地域の文化 慣習 歴史を尊重し 地域社会の発展に貢献する よき企業市民として 相応なレベルの社会貢献活動を安定的に継続します 地域社会 グローバル社会 豊かな社会づくり (P25 ~) 社会貢献活動 (P40 ~) 安定した経営基盤 7. 多様な人々が 安心 誇り 愛着を持って 持てる能力を十二分に発揮して働くことを通じ 自らも成長する 仕事にやりがいを感じる従業員の割合を向上させます 従業員人権の尊重 (P46 ~) 従業員とともに (P58 ~) 8. もっといいクルマ いい町 いい社会 安定した経営基盤 の良い循環を回し 持続的に成長する 安定した経営基盤を確立します 株主 コーポレートガバナンス (P130 ~) リスクマネジメント (P133 ~) コンプライアンス (P138 ~) 各ステークホルダーとのコミュニケーションについては ステークホルダー エンゲージメント (P74 ~) をご覧ください 9 Sustainability Data Book 2017

11 社会への取り組み 安全への取り組み 11 お客様第一 品質第一への取り組み 18 豊かな社会づくり 25 社会貢献活動 40 人権の尊重 46 ビジネスパートナーとともに 51 従業員とともに 58 ステークホルダー エンゲージメント 74

12 社会への取り組み安全への取り組み 安全への取り組み 基本的な考え方 WHO( 世界保健機関 ) の調査結果 によると 交通事故による全世界の死亡者数は125 万人で 死亡原因の9 位となっています 日本 米国 欧州では少しずつ減少傾向にありますが 特に新興国ではクルマの増加に教育や交通環境が対応できず 増加傾向にあります 世界規模では確実に増え続け このまま対策を講じないでいると2030 年には死亡原因の7 位になるといわれています トヨタの究極の願いである 交通死傷者ゼロ に向けて 安全なクルマの開発が必要なことはもちろんですが 並行して ドライバーや歩行者という 人 に対する啓発活動 信号設置や道路整備など 交通環境 整備への働きかけも欠かせません トヨタでは安全なモビリティ社会の実現に向け 人 クルマ 交通環境の 三位一体の取り組み を推進するとともに 事故に学び 商品開発に生かす 実安全の追求 が重要と考えています また 交通死傷者ゼロに向けた安全技術の基本的な考え方として 統合安全コンセプト を掲げ 技術開発を推進しています WHO Global Status Report on Road Safety 2015 より 人 講習会などを通じ交通安全への意識を高める 事故の調査 解析 実際の事故を調査 解析 三位一体の取り組み 実安全の追求 クルマ 事故の回避や衝突時の乗員保護支援の技術開発 交通環境 渋滞情報や信号 道路などの整備 運営 開発 評価 実際の車両を評価し 安全な車両を追求対策技術を実車に織り込み シミュレーション 事故を再現し 事故への対策を検討 統合安全コンセプト クルマに搭載されるさまざまな安全システムを個別に考えるのではなく 連携を図り安全性を高めていく こと そして 従来は事故の前後にフォーカスされていた対応領域を 駐車から通常運転 衝突直前 衝突後 事故の際の救助ま で すべての運転ステージで最適なドライバー支援を行う こと これらにより より安全なクルマを目指すのが 統合安全コンセプト の考え方です 個々の技術 システムの連携イメージ 事故を未然に防ぐ 衝突 事故の被害を軽減する 駐車予防安全プリクラッシュセーフティ衝突安全救助 パノラミックビューモニター レーダークルーズコントロール ブラインドスポットモニター プリクラッシュセーフティ GOA ヘルプネット バックガイドモニター インテリジェントパーキングアシスト インテリジェントクリアランスソナー レーンキーピングアシスト インテリジェント AFS ロードサインアシスト レーンディパーチャーアラート アダプティブハイビームシステム オートマチックハイビーム 車両 VDIM ブレーキアシスト ABS トラクションコントロール 基本機能 警報 プリクラッシュブレーキアシスト プリクラッシュブレーキ 種類 追突回避支援 PCS 衝突安全ボデー構造シートベルトエアバッグシートポップアップフード D-Call Net ドライブスタートコントロール ナビ協調システム インフラ協調型安全支援システム VSC 歩行者衝突回避支援 PCS 11 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

13 社会への取り組み安全への取り組み 安全技術開発の普及促進 交通死傷者ゼロ社会の実現には 市場で効果の高い安全運転システムを より早く開発し より多くのクルマに普及させていくことが必要です そのためには 先進安全技術の開発 と そこで培ったノウハウを普及技術の開発に生かすこと の二つの開発を並行して進めていく必要があります 先進安全技術 普及技術 高度運転支援技術 自動運転技術 レクサス LS 新型レクサス LS 次世代 Step Up Step Up Toyota Safety Sense 統合化 小型化 低コスト化 Step Up 次世代 Step Up 次々世代 交通事故死傷者ゼロ社会 過年度実績および本年度の主な取り組み 2016 年度の主な取り組み ( 実績 ) 2017 年度の主な取り組み 新型レクサス LS の アクティブ操舵回避支援プリクラッシュセーフティ フロントクロストラフィックアラート (FCTA) 大型ヘッドアップディスプレイ Lexus CoDrive 4 点ポップアップフードシステム などの先進安全技術を公表 TNGA に基づく 進化型 GOA を C-HR プリウス PHV に適用 インテリジェントクリアランスソナーの事故低減効果を発表 Toyota Safety Sense の事故低減効果を発表 インテリジェンスクリアランスソナーの販売店頭での試乗と安全啓発活動を サポトヨ の一環で開始 CSRC の次期取り組みを公表 交通事故の実態とトヨタの安全技術 2016 年の国内の交通事故による死者数は3,904 人です 1949 年以来 67 年ぶりに4,000 人を下回ったものの 2016 年 3 月に発表された政府の 第 10 次交通安全基本計画 では 2020 年までに2,500 人以下に減らす目標が掲げられており いまだ大きな隔たりがあります 一方 歩行者や65 歳以上の高齢者の死亡事故の割合は高く ( 下記グラフ参照 ) 交通死傷者ゼロ に向けた取り組みにおいては 依然として大きな課題となっています 交通事故は 不注意や操作ミス 歩行者の飛び出し 視界の悪い夜間走行時など さまざまなシーンで起こります 各運転シーンに最適な支援を行い 個々のシステムを連携することで より安全なクルマにしていくことが 統合安全コンセプト に基づくクルマづくりです また 近年は駐車場でのブレーキとアクセルの踏み間違い事故が問題となっています 運転に必要な 認知 判断 操作 の能力は 加齢とともに低下します 高齢化の進む現代社会では 危険の検知 警告や 衝突を回避支援する安全技術が連携して働くことがますます必要となっています こうした背景のもと 高度な運転支援技術の集合体である自動運転技術は ドライバーのミスの補完や運転負荷の低減を通じ 事故予防を支援し 交通死傷者の低減に大きな貢献をすることが期待されています トヨタは すべての人が安全 スムース 自由に移動できる社会の実現を目指し 安全を最優先に自動運転技術の開発にも積極的に取り組んでいきます 状態別死者数 ( 人 ) 2,000 高齢者 (65 歳以上 ) の死者数 ( 人 ) 4,000 歩行者乗用車 1,361 高齢者 (65 歳以上 ) 65 歳未満 2,138 1,000 自転車バイク原付 2, ( 年 ) 出典 :2016 年警察庁交通事故統計 ( 年 ) 出典 :2016 年警察庁交通事故統計 12 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

14 社会への取り組み安全への取り組み 予防安全 人とクルマを事故の危険に近づかせない予防安全システムの技術開発を推進しています 複数の安全システムをパッケージ化 車両に搭載されるさまざまな安全システムは 連携することで より高度な安全性を追求することができます この考え方のもと トヨタ車には Toyota Safety Sense レクサス車には Lexus Safety System + と呼ばれる 複数の運転支援装置を連携させて事故に備える予防安全パッケージを用意しています 2017 年秋に発売するレクサス LS では 最先端の予防安全パッケージ Lexus Safety System + A を初搭載 プリクラッシュセーフティ (PCS: 歩行者注意喚起 アクティブ操舵回避支援 ) は 警報 ブレーキアシスト 自動ブレーキで衝突回避支援および被害軽減を支援する従来のPCSに加え 世界初となる ブレーキ制御に加え自動で操舵を制御する アクティブ操舵回避支援を装備 アクティブ操舵回避支援は 自車線内の歩行者やガードレールのような連続した構造物と衝突する可能性が高く ブレーキ制御だけでは衝突回避が困難かつ 操舵制御によって回避できるとシステムが判断した場合 警報とブレーキ制御に加え 自動で操舵制御を行うことで 衝突回避あるいは衝突被害の軽減を支援します また 自動運転につながる高度運転支援技術 Lexus CoDrive を採用 レーダークルーズコントロール レーントレーシングアシストの基本機能に レーンチェンジアシストを加えた3 機能を連携させ 高速道路や自動車専用道においてドライバーの運転負荷低減に寄与します Lexus Safety System + A のプリクラッシュセーフティシステム Lexus Safety System + の歩行者対応プリクラッシュセーフティ Lexus Safety System + 歩行者検知機能付きPCS レーダークルーズコントロール レーンディパーチャーアラート (LDA) / レーンキーピングアシスト (LKA) オートマチックハイビーム (AHB) Lexus Safety System + A アクティブ操舵回避支援歩行者注意喚起 Lexus CoDrive ( レーダークルーズコントロール /LTA/LCA) レーンディパーチャーアラート (LDA) 道路逸脱対応ドライバー異常時停車支援システム上下 2 段式アダプティブハイビームシステム (AHS) フロントクロストラフィックアラート (FCTA) ロードサインアシスト 地域により仕様は異なる 危険感知 歩行者注意喚起 衝突の可能性がある 警報 衝突の可能性が高い プリクラッシュブレーキアシスト ブレーキだけでは衝突の可能性が高い かつ 操舵制御によって衝突を回避できるとシステムが判断した場合作動 衝突の可能性が非常に高い プリクラッシュブレーキ ( 自動ブレーキ ) アクティブ操舵回避支援 協調型運転支援システム ITS Connect 2015 年秋 路車間 車車間通信を活用した協調型運転支援システム ITS Connect の実用化を開始 本システムは 車載センサーでは捉えきれない見通し外のクルマや歩行者の存在 信号などの情報を取得し ドライバーに知らせることで 発生件数の多い交差点事故の低減に貢献します また 通信利用型レーダークルーズコントロール は クルマ同士の通信で取得した先行車の加減速情報を活用し スムースな追従走行が可能となります 2017 年 6 月時点 クラウン プリウス プリウスPHV レクサス RX の新型車に搭載しており 対応車種の拡充を進めています 今後は ITS 技術と制御技術を連携させることで すべてのドライバーが安全 スムース 自由に移動できる 自動運転の実現を目指していきます 例えば 交差点右折待ち停車時にドライバーが対向車や歩行者を見落としている可能性がある場合 表示とブザー音で注意喚起 13 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

15 社会への取り組み安全への取り組み 衝突安全 衝突安全は 衝突時に乗員をしっかり守りつつ 衝突エネルギーを吸収するボデー構造と 乗員を効率的に保護する装置を組み合わせ 衝突の被害を最小限に抑えることを目的としています 衝突試験としては 1995 年 世界トップレベルの安全性を追求するため GOA(Global Outstanding Assessment) という衝突安全性能に関するトヨタ独自の厳しい社内目標を 設定し 衝突安全ボデーを開発 以後 トップレベルを維持するために 性能目標を常に進化させ 多様な事故における実安全性を高めています また 人体の傷害メカニズムを解明するため ダミー人形では計測不能な人体への影響をシミュレートするバーチャル人体モデル THUMS(Total Human Model for Safety) を開発し 人体各部の傷害予測に役立てています 衝撃吸収ボデーと高強度キャビン 衝突事故の際 乗員の傷害低減には ドアや車外物などのキャビンへの侵入を抑えることと衝撃を吸収することが有効です 衝撃吸収ボデーと高強度キャビンからなる 最新の衝突安全ボデーは 重量 車高の異なるクルマ同士の衝突時における共存を追求する コンパティビリティの概念を採り入れています さらに 次世代プラットフォーム戦略 TNGA によるクルマづくりにおいて 前面 側面 後面衝突および新しく開発された斜め前面衝突試験にも対応した最新のGOAに基づく 優れた衝突安全ボデーを開発 2015 年発売の プリウス 2016 年発売の C-HR 2017 年発売の プリウス PHV カムリ に採用しました バーチャル人体モデル THUMS THUMS Version 4に 10 歳 ( 身長 138cm 相当 ) 6 歳 ( 身長 118cm 相当 ) 3 歳 ( 身長 94cm 相当 ) の子どもモデルを追加しました これまで発売してきた 大柄男性モデル 成人男性モデル 小柄女性モデル と同様 乗員と歩行者の姿勢を模擬した2タイプ ( 計 6タイプ ) を揃えています ラインナップの充実により 年齢や体格差による影響まで考慮した より幅広い傷害解析が可能となりました トヨタは2007 年以降 THUMSを一般の車両だけでなく モータースポーツにおける事故の傷害解析にも応用しており 2017 年 3 月 モータースポーツの安全研究を統括する Global Institute と THUMSを用いた4 年間の共同研究契約を締結しました この研究では レースドライバーの傷害メカニズムを解明し 負荷を軽減するための方策を検討していく予定です 安全に関する外部評価 JNCAP *1 予防安全性能評価 ASV++ ( 最高評価 ) クラウンマジェスタ / ロイヤル / アスリート プリウス プリウス PHV レクサス RX GS / GS F JNCAP 衝突安全性能評価 5 ( ファイブスター賞 ) ( 最高評価 ) アルファード / ヴェルファイア パッソ プリウス プリウス PHV 米国 IIHS( 米国道路安全保険協会 ) の自動車アセスメント TSP+ ( 最高評価 ) Avalon Camry Corolla Highlander Prius Prius v RAV 4 Scion ia Lexus CT ES NX RC RX 米国 NCAP *2 5 ( 最高評価 ) 86 Avalon Camry Corolla Highlander Prius RAV 4 Sienna Yaris ia Lexus ES IS NX RX AWD 欧州 Euro NCAP *2 5 ( 最高評価 ) C-HR Prius Hilux (Safety Pack) 豪州 ANCAP *2 5 ( 最高評価 ) Corolla HB Landcruiser Prius RAV 4 Lexus IS RX アセアン ASEAN NCAP *2 5 ( 最高評価 ) Innova Sienta 韓国 KNCAP *2 グレード 1 ( 最高評価 ) RAV 4 *1 JNCAP(Japan New Car Assessment Program): 安全な自動車の普及のために 国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構が公表している自動車の安全情報 *2 NCAP(New Car Assessment Program): 各国 各地域で行っている自動車アセスメント 期間日本 :2016/4 ~ 2017/3 米国 NCAP:2017MY 米国 IIHS:2015/12 ~ 2016/11 その他 :2016/1 ~ Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

16 社会への取り組み安全への取り組み 救助 事故や急病の際は 一刻も早い対応が求められます トヨタは 2000 年より情報ネットワークG-BOOK( 現 T-Connect) G-Linkを活用し 緊急通報システム ヘルプネット サービスを開始しています ヘルプネット の会員数は 2017 年 6 月時点で100 万人を超えています 事故など緊急の場合 オペレーターが応答し 状況確認や警察 消防に接続するサービスを提供しています 救急自動通報システム (D-Call Net) 万が一事故が起こった場合 先進の通信技術を用いた テレマティクス による事故自動通報システム (ACN *1 ) が有効です 一刻を争う事態において クルマから自動でコールセンターに事故を知らせ 救急車を呼ぶことができます 2015 年 11 月には NPO 法人救急ヘリ病院ネットワーク (HEM-Net) 本田技研工業株式会社 株式会社日本緊急通報サービスと共同で ACNシステムを使った救急自動通報システム D-Call Net(AACN *2 ) の試験運用を開始しま した これは 交通事故発生時 過去の事故データのビッグデータ解析により 衝突の方向や衝撃の大きさ シートベルト着用の有無などの情報がクルマから送信され それをもとにドクターヘリの早期出動判断を行うシステムです 救命開始時間の短縮は 交通事故死者数の低減や傷害程度の軽減に寄与するとともに 二次災害の防止や渋滞の緩和につながります *1 ACN(Automatic Collision Notification): 日本では ヘルプネット サービス *2 AACN(Advanced Automatic Collision Notification) 豊かな社会づくり P27 ドライバー異常時停車支援システム レーントレーシングアシスト操舵制御中に ドライバーの無操作状態が継続している場合 ドライバーに操作を促すほか ハザードとホーンで車外に異常を報知しながら車線内に減速停車し 自損 加害事故の回避 事故被害低減に寄与します ハザードランプを点滅させて停車後は ドア開錠や ヘルプネット への自動接続による救命要請も行い 早期のドライバー救命 救護に寄与します 2017 年秋に発売するレクサス LS に設定します ドライバー異常発生減速 停車 報知ドア解錠 救命要請 駐車支援 交通事故全体の約 3 割が 駐車場で発生 * しているといわれています 周囲の安全確認や繰り返しのステアリング操作は ドライバーの負担になりやすく また ペダルの操作ミスも しばしば大きな事故につながります トヨタは駐車時の視認性向上や運転操作をサポートする技術を開発 事故予防や被害の低減を目指しています * 日本損害保険協会発行 駐車場事故の実態 より ( 東北 6 県の統計 ) 15 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

17 社会への取り組み安全への取り組み インテリジェントクリアランスソナー (ICS) の事故低減効果 駐車場内での衝突事故被害軽減に寄与するICSを搭載している アルファード ヴェルファイア プリウス の 3 車種について 2015 年 1 月から2016 年 6 月までの18カ月間 駐車場で発生した事故を調査した結果 ブレーキとアクセルの踏み間違い事故件数は約 7 割 後退時事故件数については約 4 割減少という結果を得ることができました 3 車種に搭載されたICSは センサーの増設と検出距離の延伸による検出範囲拡大とともに制御ソフト改良により 従来のペダル踏み間違いによる衝突被害の軽減だけでなく 駐車場内の低速での移動や車庫入れ時も 隣接車両や障害物との衝突回避や被害軽減を支援しています 2017 年 3 月には トヨタ販売店を対象としたICS ライセンス研修会を実施しました 販売店スタッフが安全 安心技術に 関する知識を習得し 今後 ICS 体感イベントを開催するな どして お客様に ICSの安全効果や安全システムの正しい使 い方を訴求します システム動作イメージ ドライバー 1 警報とエンジン出力制御 障害物 検出 2ブレーキ制御 ブレーキ! 障害物 ペダル踏み間違い 停止 パーキングサポートブレーキ 後退して出庫する際 自車後側方から接近する車両の存在を知らせる リアクロストラフィックオートブレーキ 自車後方の歩行者の存在を知らせる 世界初 (2017 年 6 月時点 レクサス調べ ) となる 対後方歩行者サポートブレーキ ICSを加えてパッケージ化した パーキングサポートブレーキ を 2017 年秋に発売するレクサス LS に設定します 自動運転 交通事故死傷者ゼロ への貢献のため 1990 年代から自動運転技術の研究開発に取り組んでいます あるときは見守り あるときは助け合う 気持ちが通った仲間の関係を築くというトヨタ独自の自動運転の考え方 Mobility Teammate Concept のもと 自動運転技術により 高齢者や体の不自由な人を含むすべての人が安全 スムース 自由に移動できる社会を目指しています 自動運転に向けた体制と開発状況 2016 年 1 月 自動運転に不可欠な人工知能 AI 技術の研究 開発を加速するため Toyota Research Institute, Inc.(TRI) を設立しました 5 年で10 億ドルを出資します TRIは 2016 年 8 月には 人工知能研究の加速に向けミシガン大学と連携することを発表 同年 9 月には ロボティクスや自動運転の研究で 米国の非営利団体 Open Source Robotics Foundationと連携することを発表しました 2017 年 3 月には さらに総額 3,500 万ドルを投じて材料開発 探索で外部の研究機関 大学 企業などと協力することとしました 自動運転技術の開発体制は この TRIと 2016 年 4 月に Microsoft Corporation と共同で設立した新会社 Toyota Connected North America の二つの拠点で研究を進めています こうした研究施設で開発された自動運転に盛り込まれる先進技術は 実証実験の段階にあるものから 高度運転支援技術として市販車に搭載されたものも出てきています 2015 年度には 自動車専用道路自動運転システム Highway Teammate を使い 高速道路での合流 車線維持 レーンチェンジ 分流を自動運転で行うデモ走行を実施しました 2016 年度は 一般道路専用自動運転システム Urban Teammate を第 42 回先進国首脳会議 (G7) に提供しました 16 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

18 社会への取り組み安全への取り組み 米国 先進安全技術研究センター (CSRC * ) の取り組み支援 2011 年 1 月 より安全で信頼できる交通手段の確立を目指し 米国ミシガン州の TTC(Toyota Technical Center) 内にCSRCを設立しました 2017 年 3 月には 第 1 期のプロジェクトが完了 5 年間で 23の大学および研究機関と44 の研究プロジェクトを立ち上げ 完了し 200 以上の論文を発行 また 車両安全 交通安全の開発に携わるすべての方々のお役に立てるよう さまざまな車両安全関連の会議で の発表などを通じて研究成果を公にしてきました 2017 年からは新たに第 2 期プロジェクト CSRC ネクスト を開始 これは 進化する車両技術に対して 人間がどう対応していくのかを理解することが大切であるという トヨタのスタンスを反映したものです 3,500 万ドルを新規投資して 5 年間にわたり 自動運転や つながるクルマ の課題や可能性について集中的に研究を行います * CSRC(Collaborative Safety Research Center) 人の取り組み 交通事故未然防止のためには 人 への啓発活動も重要と考え 1960 年代に全国のトヨタ販売店と協同で 全国の新入園児に交通安全絵本 紙芝居を贈呈する トヨタ交通安全キャンペーン を開始 以降 幼児向け交通安全教室 トヨタセーフティスクール の開催 2005 年には 富士スピードウェイ内に設立した トヨタ交通安全センターモビリタ などでドライバー向け安全運転実技講習会 トヨタドライバー コミュニケーション を定常的に実施しています 海外では各事業体が 各国 各地域の交通状況や事故の状況 交通安全に対する意識などを踏まえ 教育や啓発 運転技術向上などに取り組んでいます また トヨタ自動車の長年の交通安全活動のノウハウを生かし タイやベトナムでの安全運転インストラクター養成など 現地事業体の活動を支援しています 交通安全啓発活動の新たな取り組み ( 日本 ) 交通事故死傷者ゼロの社会を目指して かねてより安全運転講習会や交通安全教室などの啓発活動に取り組んでいます 2016 年は 48 年目の トヨタ交通安全キャンペーン を拡充し 新たな交通安全啓発活動 マチホタル計画 を全国のトヨタ販売店と共に実施しました ドライバーにはより遠くを照らす ハイビーム運転 を 歩行者にはドライバーに自分の存在を知らせることができる 反射材着用 を推奨する より実効性の高い取り組みです 2016 年秋より 交通事故死亡者数が13 年連続全国ワーストとなった愛知県では 在名メディア10 社が中心となった AICHI 脱ワースト プロジェクトに参画し マチホタル計画 を中心とした取り組みを実施 チラシや小冊子 反射材などのツール配布を通じ 有効性を広く訴求しました また 社会的な問題となっている運転中の携帯電話使用防止に取り組むため トヨタ コメダ珈琲店 KDDIの3 社が共同で ながらスマホ運転 事故防止プロジェクトを実施 愛知県内を対象に 運転中にスマホを触らせない習慣を付けさせるアプリケーション Driving BARISTA を無料配布するなど 誰もが参加しやすい形の事故低減につながる啓発活動に取り組みました マチホタル計画 イメージキャラクターの反射材 ( ステッカー ) 17 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

19 社会への取り組みお客様第一 品質第一への取り組み お客様第一 品質第一への取り組み 基本的な考え方 トヨタの お客様第一 品質第一 の理念の原点は 豊田佐吉の考え方をまとめた 豊田綱領 豊田喜一郎の監査改良の精神にあります 創業以来 お客様の笑顔のため品質にこだわり 現地現物で改善を続ける企業風土を創ってきました トヨタグローバルビジョン に 一人ひとりが高い品質を造りこむこと とあるように 各分野の一人ひとりが常に高い問題意識を持ち 自分事として捉えて日々改善に努め 各分野が緊密に連携しながらお客様の安全 安心と満足度向上に努めています 過年度実績および本年度の主な取り組み 2016 年度の主な取り組み ( 実績 ) 2017 年度の主な取り組み 品質 組織改編 ( カンパニー制の導入 ) にともなう さらなる迅速な品質改善 CQO を中心とした地域主導による品質改善活動の継続強化 お客様の立場に立って業務推進できる人材の育成を目的とした品質学習施設の拡充 過去に起こした品質問題の徹底的な再発防止活動の定着 新技術の導入とそれを支える品質保証体制の整備 お客様第一 品質第一の心を学ぶ品質学習施設のグローバルでの拡充 お客様 お客様の声から自らの行動につながる施策として お客様の声 と 仕事の質向上 をテーマとしたお客様月間展示会の実施 お客様へのプロアクティブな情報提供の仕組み再構築 お客様の声体験研修 トヨタ消費生活アドバイザーの会による取り組み実施 お客様の期待と比べ なにか違う なにか足りない ことへの気付きを提供するお客様の声展示会の実施 お客様の声を検索できるシステムをイントラネットで展開 既存の活動の継続推進 品質への取り組み トヨタの考える品質は 製品 の質 営業 サービス の質 それを支える基盤として従業員一人ひとりの 仕事 の質 この三つが一体となったものです そして 開発 設計 調達 生産 販売 アフターサービス活動などの すべてのプロセスに従事する従業員一人ひとりの品質の作り込みと 各プロセスが互いに連携し 品質保証のサイクルを回すことによって初めて お客様の信頼に応え得る 製品 サービスになると考えています また 品質の原点は 監査改良 の精神にあり 常に改善 というPDCA * を回し続けることで品質の向上を図る これをトヨタの不変的なモノづくりとしています * PDCA:Plan( 計画 ) Do( 実行 ) Check( 評価 ) Action( 改善 ) を繰り返すことによって 業務を継続的に改善するサイクル トヨタにおける品質の考え方 品質保証のサイクル お客様の笑顔 販売 / サービス 商品企画 / 生産企画 製品の質 営業 サービスの質 物流 品質保証 設計 仕事の質 仕事の基本を守る 検査 調達 生産準備 生産 18 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

20 社会への取り組みお客様第一 品質第一への取り組み 推進体制 仕組み グローバル会社方針をもとに 毎年度 品質機能方針を策定しています 2017 年度は お客様のために仕事の基本を守った全員参加の品質づくり をテーマとし 重点活動を定めて諸課題に取り組んでいます 進め方の基本となるのは 機能別管理 と 方針管理 です 機能別管理 は 品質という機能で全社方針を策定し 各部門が横断的に活動を進めることです 方針管理 は 全社方針のもと 各部門が目標達成に向けた実施計画を立案 実行するというもので 実行段階においては品質機能会議などを通じて進捗 結果を報告し 適宜 対応を図ります また 地域主導の品質改善活動を強化するために 日本をはじめとした世界各地域に品質責任者である チーフクオリティオフィサー (CQO:Chief Quality Officer) を配置 地域ごとの課題に取り組むとともに グローバルな連携を図っています 社内においては 2012 年に カスタマー ファースト推進本部 ( 以下 CF 推進本部 ) を設置し お客様目線での 品質のトヨタ を目指し 品質向上に向けた社内体制づくりの強化などに取り組んでいます 方針と品質会議体のグローバル推進体系 グローバル 地域 方針 品質機能方針 グローバル課題への対応策 連携 ( 取り組み項目の調整 ) 各地域の品質機能方針 地域課題への対応策 方針管理 方針管理 品質会議体 品質機能会議 議長 :CF 推進本部長出席者 : 各本部長など 連携 ( 相互参画 進捗共有 ) 各地域の品質機能会議 議長 : 各地域の CQO 出席者 : 各事業体 機能代表者など CQO を中心とした地域主導による品質改善活動の強化 地域のお客様の現状や 地域ごとに取り組んでいる品質活動のグローバルな共有を目的に 2013 年より各地域の品質責任者 (CQO) が一堂に会する グローバル CQO 会議 を開催しています 2016 年度は これまでTMC 役員で構成されていた品質機能方針の審議 決定会議にCQOが参画することで グロー バル品質課題 方向性の認識を統一 各 CQOが担当地域の品質機能方針に反映し 各地域一人ひとりの仕事への課題の落とし込みを狙いとしています このように CQOが一堂に会することにより 本社と地域との連携を緊密にして グローバルで一体となった品質活動推進の一層の強化を図っています 重大な品質不具合への対応 一人ひとりが お客様第一 で品質の向上に向けて取り組んでいる一方 万が一に備え 迅速に対応する体制を整えています 法令遵守はもとより お客様目線の安全 安心の観点から品質不具合を捉え リコールを決定しています 決定にあたっては お客様に一番近い地域の代表者も加わり 地域のお客様の声が確実に反映されるようにしています リコール決定後は 販売店を通じお客様へご連絡するとともに ウェブサイトに情報を掲載し 迅速な修理に結び付けています お客様が 安全 安心にお車にお乗りいただけるよう 今後も改善を続けていきます 国内のリコール情報などを掲載したトヨタウェブサイトのページ 19 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

21 社会への取り組みお客様第一 品質第一への取り組み 一連のリコール問題を風化させない 語り部活動 2010 年の一連のリコール問題の際に 米国公聴会に豊田社長が出席した2 月 24 日を トヨタ再出発の日 と定め 当時の出来事からの学びを風化させない仕組みづくり 啓発活動に取り組んでいます 2017 年は 豊田社長のメッセージや当時の出来事の振り返りとともに 全社施策として新たに 語り部活動 を開始しました 当時を経験した従業員が 一連のリコール問題の事実と教訓 について 語り部 となって自分の職場内に伝承する活動です 2010 年以降 1 万人以上の新人が入社し 各部内にも人員の異動があるなかで 当時の経験者は年々減少しています 永続的にリコール問題の経験と学びを継承していくために は 各職場に伝承を担う人材が不可欠です 語り部が トヨタ再出発の日 以降も 所属の職場の中で経験や学びを語り伝え 次世代の語り部を育成することで リコール問題からの学びの風化防止につなげます 語り部活動 の様子 品質に対する当事者意識を高める 品質月間 の取り組み 毎年 11 月を 品質月間 とし お客様の笑顔のために お客様第一 品質第一の重要性を一人ひとりが真剣に考え 仕事の質を向上させる ことを狙いに 毎年テーマを設定 品質に対する当事者意識を高め 行動に結び付けるための取り組みを展開しています 2016 年度は お客様のよろこびのために 仕事の質を高めよう をテーマに トヨタ品質の現状を知り 一人ひとりの仕事の質の向上へとつなげる全社活動を行いました 毎年実施している職場品質ディスカッションは 職場ごとに当事者意識を持って品質を見直す 良い機会となっています 今回は 誰もが経験のある思い込みや勘違い 失敗の不安を抱える作業などで経験したミスを各自が振り返り 職場全体のミス撲滅に向けて話し合いを行いました お客様の迷惑につながるミスを職場で共有し お客様のために具体的な取り組みを考えることで 仕事の質向上につなげています 実施後の声では 日頃の不安を本音で話せた 自分事として捉えやすいテーマ など 身近な課題が好評でした ほかにも 本社 各工場で 品質展示会 を開催し トヨタの品質の現状について全従業員が学び お客様第一 品質第一 の考え方の再確認を行っています 品質月間ポスター 20 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

22 社会への取り組みお客様第一 品質第一への取り組み お客様第一への取り組み お客様第一 の原点は お客様に喜んでいただける製品やサービスの提供にあります この想いを原点とし 環境 安全 品質性能に優れ しかも走行性能などクルマ本来の魅力にあふれた商品を お客様に買っていただける価格で提供し たいと考えています そして もっといいクルマづくり を実践するため 販売店からの情報やお客様相談センターに寄せられたお客様の声を積極的に活用しています 推進体制 仕組み お客様からのご相談やご意見 ご要望にお応えするために お客様と最も近い販売店の声を吸い上げるとともに お客様 相談窓口を設けて いただいた声をより良い製品 サービスづくりにつなげる活動に取り組んでいます お客様の声のフィードバックの仕組み ( 日本 ) 販売店 国内サービス部 品質保証部 & お客様品質部 設計 製造 品質 商品面 お客様相談センター お客様 国内販売事業本部 販売店 販売面 お客様相談窓口の活動 トヨタブランドの お客様相談センター およびレクサスブランドの レクサスインフォメーションデスク は 365 日受付 フリーダイヤル 24 時間カタログ受付など お客様の利便性に配慮した体制のもとに活動しています お客様第一 の原点に立った迅速 的確 親身な応対を基本に お客様からのご相談やご意見 ご要望にお応えするとともに お客様の声をより良い製品 サービスづくりにつなげ る活動に取り組んでいます また 販売店における お客様第一 の応対をサポートするため 販売店営業スタッフの相談窓口 営業スタッフサポートデスク も設置しています さらに お電話をいただいたお客様に自動音声による電話応対アンケートを実施し 改善に取り組んでいます 2016 年お客様相談窓口実績 入電件数 37.0 万件 ( グローバル ) 入電内容の内訳 ( 日本 ) 相談内容の内訳 ( 日本 ) ご意見 ご要望 10% ナビ オーディオ 21% 営業スタッフサポート 11% カタログ請求 4% その他 ( 納期など ) 18% 相談 79% 車両本体関連 57% 21 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

23 社会への取り組みお客様第一 品質第一への取り組み 世界各国 各地域からのお客様の声 トヨタでは お客様第一 を原点に製品やサービスを提供するため 日本国内だけでなく 米国 欧州 アジアのほか 世界各国のディストリビューターがお客様相談窓口を設け ています ここでは お客様からお寄せいただいた声をいくつか紹介します トヨタにお寄せいただいたお客様の声 [ お褒めの声 ] 米国 2008 年に購入した ヤリス が 走行距離約 50 万 kmのところでエンジンが壊れて廃車となった 記録的な距離ではないかもしれないが 毎日約 160kmの通勤道を走ってくれた 何より 38 の暑い日も マイナス 12 の雪の日もとても頼りになるクルマだった 良いクルマを作ってくれてありがとう イギリス 昔 クルマについて勉強していたので 技術の進歩やエンジニアリングの素晴らしさを実感しながら運転している まさか プリウス のような技術が出てくるとは想像すらしなかった 革新性と先見の明が並外れている 最高のクルマを作ってくれたエンジニアとデザイナーに感謝せずにいられない 今後 30 年 40 年先の未来のクルマが楽しみだ 私が 8 歳の誕生日に 父が カリーナ E を購入 ポーランド 欧州のさまざまな国をこのクルマで走ってきた 10 年後 私が大学生になり実家を出る際 父からこのクルマを譲り受けた とても頑丈なクルマだし 家族との思い出もたくさん詰まっているのでとても嬉しかった この 20 年間 このクルマとの思い出がたくさんある もし機会があれば 新婚旅行で訪れた日本のトヨタの工場を もう一度訪れてみたい 日本 帰宅中にトヨタ自動車の事業所付近の交差点でクルマが動かなくなってしまい 途方に暮れていたところ 数名のトヨタ従業員の方が声をかけてくださり クルマを安全な場所へ牽引し どのような故障か調べいろいろとアドバイスをいただきました トヨタ従業員の心温まる対応に感激するとともに 行き届いた教育に感銘しました [ 苦情 相談の声 ] 日本 パンク応急修理キットの使い方が分かりにくい! スマートキーが電池切れを起こしたときのエンジンのかけ方が分からない! 日本 米国 ハイブリッド車の修理で インバーターの全交換が必要となったが 修理費用が高すぎる 壊れた部分だけを修理できないのか? というお客様の声が多数 一方 お客様相談センターや 販売店でも 電話越しで対応方法を説明することが難しく 結果的にお客様をお待たせしてしまうことに 対応 対応 改善に向けた取り組み よくあるご質問 を動画で配信 こうした声を受けて よりスムーズな対応を行うため ウェブサイトの お問い合わせ よくあるご質問 に これらの事案の対処方法を説明した動画の掲載を開始しました トヨタでは お客様のお困りごとの解決のスピードアップに向けた取り組みを進めています 改善に向けた取り組み ハイブリッド車部品の分解修理 再生への取り組み推進 一部のハイブリッド車の部品については 修理費を低減するため 構成部品を細分化して補給 交換することによる分解修理を行っています また 回収した不具合品を再生し安価に補給する リビルト / リユース技術 の確立にも取り組んでおり 今後も対応車種を拡大していきます 制御基盤 QR コードからスマートフォンサイトへアクセス 緊急時の対処法 7 項目を掲載 対応事例 : プリウス パワーコントロールユニットについて 内部の制御基板や変圧器部品を交換可能とし 全交換より安価に修理ができるようになりました 変圧器 22 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

24 社会への取り組みお客様第一 品質第一への取り組み お客様第一 社内啓発活動を推進 トヨタは国が定めた 消費者月間 に合わせて毎年 5 月を お客様月間 とし お客様第一 の意識の浸透に向けたさまざまな活動に取り組んでいます 活動の一つ お客様の声展示会 は 国内だけでなくグローバルのお客様の声や お客様目線での取り組み事例を紹介 従業員一人ひとりが お客様の声 に耳を傾ける大切さを再認識する場となっています 2017 年 5 月開催の展示会は 従来 販売 サービス 商品 ステークホルダー別にパネル展示していたお客様の声を お客様の怒り お客様の困惑 お客様の喜び 海外の独自事情による声 というお客様の感情のリアリティに沿った分類に変更 映像なども多用し お客様の気持ちを追体験できるような展示としました ほかにも 異業種企業の お客様第一 の活動を学ぶセミナーなども開催し お客様を考えた考動 を謙虚に学んでいます 年間を通じては コールセンターである お客様相談セン ター を見学 体感する お客様の声体験研修 を実施 また 有資格者からなる トヨタ消費生活アドバイザーの会 によるお客様目線での施設評価 車両評価なども行っています また 2017 年 5 月より毎月 お客様からの旬な声をまとめた お客様の声かわら版 を社内イントラネットで展開し 全従業員にお客様の関心事について気付きを与えています お客様の声 展示会展示映像 アフターサービスの取り組み いいサービス は いいクルマ と両輪をなします お客様にクルマをお使いいただいている間には 定期点検 車検 故障や事故による修理などが発生しますが その間 トヨタやレクサスのブランドを支え続けるのがアフターサービスです 特に最近は クルマの使用年数が長く 2000 年以降は2 ~ 3 割長期化しています (2016 年度の軽自動車を除く国内 乗用車の平均使用年数 :12.8 年 ) こうしたことから アフターサービスの役割はますます大きくなっています お客様が笑顔でクルマをお使いになれるよう 3S 精神 ( 正確 + 親切 = 信頼 ) のもと もっといいサービス の提供に取り組んでいます 推進体制 仕組み いいサービス とは メンテナンスや故障した際の修理を 安全 正確 迅速 安価 に提供できることであり それを実現するために すぐに直せるクルマのサービス性や補給部品の入手性の向上 サービスエンジニアの育成などに取り組んでいます アフターサービスはクルマの開発段階から始まる という考えのもと サービス性もクルマの性能の一つと捉え 市場の声や修理実態をもとに作成されたサービス性の改善方針を車両開発に織り込んでいます 修理などをより早く進めるために 世界各国で必要とされる部品を迅速に供給する体制を確立し 販売店の現場にもトヨタ生産方式の考え方を応用することで 部品在庫や点検作業の効率化などを実現しています サービス作業をサポートするツールに関しては クルマに乗ったままでの通信による診断など IT 技術の進歩に合わせ変革しています 直し方に関しては サービス 技術 販売な ど各部門が連携をとり 直しやすいクルマづくり や 知りたいことがすぐ分かる 手早く迷わずに修理ができる修理情報の提供 などの取り組みを展開しています また 現在 国内外で約 18 万人のスタッフがアフターサービスに関わっており 各地域に教育システム 教育施設を設置するとともに 岐阜県の 多治見サービスセンター をその核として 世界のサービススタッフの知識 技術の向上に取り組んでいます いいサービス とそれを支える要素 いいサービス ( メンテナンス 故障修理 ) 安全正確迅速安価 クルマ ( サービス性 ) 部品供給 サービスエンジニア ツール 設備直し方 ( 情報 ) 23 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

25 社会への取り組みお客様第一 品質第一への取り組み サービス技術スタッフをグローバルで育成するトレーニングセンター トヨタのトレーニングセンターは グローバル研修施設の 多治見サービスセンター のほか 欧州 アフリカ 中近東 オセアニア 中南米 カリブにあり 多治見サービスセンターは北米とアジアを担当しながら 世界全地域の研修センターのマザーセンターの役割も担います 多治見サービスセンターは 2013 年 7 月に開設し 18.7 万m2の広大な敷地内に研修棟やさまざまな路面の走行確認路などを完備しています 販売するクルマの最新技術にも対応する最新サービス技術も集結し グローバルな研修拠点として 研修に訪れたスタッフが知識と技術の向上を図ります 2016 年度は 国内外 27 拠点から1,894 人を受け入れ 開設以来の受け入れ人数は6,654 人となりました 2017 年 1 月にはBP 棟 ( 板金修理の研究開発研修施設 ) が稼働し サービス技術に関するグローバルな競争力強化の基盤を築いています 多治見サービスセンター トヨタのトレーニングセンター地域代理店販売店 治見サービスセンタ多治見サービスセンターで実施受講インストラクターが各地で実施多ーサービス技術の流れ 海外トレーニングセンター アジア 北米 アジア 北米地域以外 日本 アジア地域 北米地域 アジア 北米地域以外 お客様の声 に直接耳を傾けるトヨタ自動車販売店協会との取り組み お客様に直接サービスを提供しているのは販売店であるため もっといいクルマ もっといいサービス のために 販売店とメーカーが一体となった活動を推進しています 国内では トヨタ自動車販売店協会とアフターサービスのための専門部会で議論を進めています 1977 年以来継続して 技術専門部会 を開催し お客様目線での品質課題 サービス性を検討 1990 年からは 販売店のサービス現場での諸課題を検討する サービス研究会 を実施するなどして それぞれ改善に役立てています 24 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

26 社会への取り組み豊かな社会づくり 豊かな社会づくり 基本的な考え方 未来のモビリティ社会と豊かなライフスタイルの実現を目指して トヨタはクルマづくりを超えたさまざまな取り組みを行っています 人々がより自由につながり 環境にも優しいコミュニティづくり 暮らしをサポートするロボットの開発 オリンピック パラリンピックの東京 2020 大会をはじめとしたスポーツの支援など その活動は多岐にわたります これからも行政や地域社会 他企業 学術界と協力し合いながら すべての人が笑顔になれるサステイナブルな社会の実現に向けて貢献していきます 過年度実績および本年度の主な取り組み 2016 年度の主な取り組み ( 実績 ) 2017 年度の主な取り組み スマートモビリティ社会 つながる商品 / サービス コネクティッドカンパニー設立による組織体制 機能強化と戦略発表 トヨタコネクティッド ( 米国 ) の設立 ビッグデータ活用の研究 開発推進 プリウスPHV の発売とつながるサービス eケア の提供 TCスマホナビ ( アプリケーション ) サービス開始 異業種事業者 ( シェアリング 通信 保険など ) との連携 実証実験の開始新たなモビリティ社会 豊田市 Ha:mo( ハーモ ) 実証実験の観光活用/ 地域活性化策の展開 さらなる運営 システム改善による事業化推進 グルノーブル Ha:mo 実証実験の基盤強化と運営改善 東京地区実証実験の円滑な立ち上げと本格運用 沖縄 Ha:mo 実証実験の着実な推進と現地での事業運営体制の構築 つながる商品 / サービス 車載通信機 (DCM) の搭載拡大によるクルマのコネクティッド化のさらなる推進 もっといいクルマづくり に向けたビッグデータの研究 活用の推進 モビリティサービスプラットフォーム (MSPF) を核とした異業種連携の推進と商品化 新たなモビリティ社会 東京地区実証実験の本格運用継続推進 豊田市 沖縄事業の安定化 タイ 岡山プロジェクトの着実な立ち上げ 推進 新規導入先の開拓推進 システムの機能向上 改善 低コスト化の推進 福祉車両 ハイエース レジアスエース を一部改良 車いす収納装置をモデルチェンジ ( ポルテ スペイド ) 助手席回転チルトシートを設定 ( プリウス PHV ) サイドリフトアップチルトシートを新規設定 ( ヴォクシー ノア エスクァイア ) パートナーロボット リハビリテーション用パートナーロボット 医薬品 医療機器などの法対応と臨床研究からのフィードバックによる品質 利便性の確保生活支援ロボット (HSR:Human Support Robot) HSR 開発プラットフォームを研究機関へ着実に展開 拡大開発コミュニティによる機能開発加速および社会実装を開始し有効性を検証 リハビリテーション用パートナーロボット 脳卒中などによる下肢麻痺のリハビリテーション支援を目的としたロボット ウェルウォーク WW-1000 のレンタルを2017 秋より開始生活支援ロボット (HSR:Human Support Robot) HSRが ロボカップ世界大会において家庭内の環境でさまざまな作業を実 する競技 ホーム のスタンダードプラットフォームに採用 HSR 開発プラットフォームを研究機関へ着実に展開 拡大開発コミュニティと連携しながら実用化を促進 バイオ 緑化事業 農業 IT 管理ツール 豊作計画 農林水産省 先端モデル農業確立実証プロジェクト の実証を終了 現場改善を通じた人材育成手法の基礎を構築 JA グループ愛知 石川県に加え 北海道 長野県とも連携を発表 農業 IT 管理ツール 豊作計画 自治体や JA などとの連携を強化 拡大し 農業法人の生産性の向上や 農業の生産現場における改善 人材の育成を継続推進 豊作計画 を軸とした取り組みをさらに進化させ 未来の先端農業の実現に向けた取り組みを推進 25 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

27 社会への取り組み豊かな社会づくり スマートモビリティ社会 将来のスマートモビリティ社会として 最先端のIoT 技術も活用し クルマと人とコミュニティを相互につなげることで クルマの移動から生活シーンまで 誰もが自由で 安心 便利な心ときめく社会 の実現を目指しています 人とつながる クルマ 道路とつながる 社会 町とつながる の 3つの領域を主とした取り組みを通じ グローバルビジョンで掲げている いい町 いい社会 の実現に貢献します 推進体制 仕組み スマートモビリティ社会の実現に向け また本格的なコネクティッドカー時代を迎えるにあたり 2016 年 4 月にコネクティッドカンパニーを設立 戦略企画 製品企画 車載機 センター開発などの組織を集約して意思決定の迅速化を図り 当カンパニーが中核となって社内関連組織と連携し コネクティッド化に向けての取り組みを推進しています 次世代テレマティクス - 人とつながる - トヨタのコネクティッド戦略 2002 年に車載情報サービスG-BOOK の提供を開始して以来 ナビ機能の向上 セキュリティサービスなど 安全 安心を基軸とした つながる機能 の充実を図ってきました トヨタのテレマティクスサービスを搭載したクルマを通じて収集される位置や速度 走行状況などをビッグテータとして蓄積し 交通情報や統計データなどに活用しています 蓄積されたビッグデータは 新たなサービスやビジネスを創出する可能性があり その情報インフラを含む つながるプラットフォーム は 今後 自動車メーカーの重要なビジネス基盤になると考えています つながる ことで クルマの新しい魅力や価値を創造する それも お客様の期待を超えるスピードとフットワークで生み出し バリューチェーンを拡大し モビリティ社会の発展に 寄与する それがコネクティッドに対する考え方です そして 新たなる創業と自動車ビジネスの変革を目指しています その戦略は 第一に すべてのクルマのコネクティッド化 と 情報基盤である つながるプラットフォーム の完成 第二にこのプラットフォームを基盤に ビッグデータの活用推進によるお客様や社会への貢献と トヨタ自身のビジネス変革 の推進 第三にこのプラットフォームを基盤に あらゆる異業種 IT 企業と連携して 新たなモビリティサービス を創出すること この3つを ほぼ同時に推進することにあります 3 つの戦略 全車のコネクティッド化 新価値創造とビジネス変革 新たなモビリティサービスの創出 現在のコネクティッドサービス 快適 便利サービス 位置情報速度情報エンジン情報センサー情報制御系情報 DCM * サービス提供 緊急通報サービス盗難追跡サービス地図データ自動更新 トヨタスマートセンター 安心 安全サービス オペレーターサービス コネクティッドカー T プローブ交通情報 先読み情報サービス 車両 DB ( ビッグデータ ) * DCM(Data Communication Module): テレマティクスサービス専用に開発された車載タイプのインテリジェント通信モジュール 26 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

28 社会への取り組み豊かな社会づくり 全車のコネクティッド化 2019 年までにDCMをグローバルで共通化し 2020 年までに日米でほぼすべての乗用車に標準搭載 その他の主要市場へも順次拡大していく予定です これに先立ち クルマの位置情報から国 地域ごとに選定した通信業者へ自動接続し 通信状態を統合管理 監視する グローバル通信プラットフォーム の構築をKDDI 株式会社と共同で進めています また マイクロソフト社と共同で クルマから収集されるビッグデータの集約と活用を図るための新会社 トヨタコネク ティッド を米国に設立しました トヨタビッグデータセンター の運用とビッグデータ活用のための研究開発を行います 2017 年 6 月には トヨタのテレマティクスをはじめとしたサービスを展開しているトヨタメディアサービス株式会社の社名をトヨタコネクティッド株式会社に変更し これまで培ってきたクルマとITの最先端の技術 ノウハウを用いて コネクティッド戦略をグローバルに進める中核企業としての役割を担います トヨタメディアサービス株式会社の社名変更にともない トヨタコネクティッドノースアメリカに社名変更 新価値創造とビジネス変革 トヨタは ビッグデータから日本全国をカバーするリアルタイムの交通情報サービスを提供しています さらに そのビッグデータを社内や販売店まで拡大して活用していきます 社内では 設計や品質管理部署への走行データのフィードバックや市場不具合の早期発見 早期対応の促進などに活用し もっといいクルマづくり に役立てています また 販売店での活用としては クルマから発信される情報から故障やメンテナンスの必要性を通知し 販売店への入庫 を促すなどのサービス eケア も開始しました 将来的な新価値創造では 車線ごとの混雑状況 障害物の有無などを含むダイナミックマップを生成し より高度な運転支援サービスに向けた研究を進めています また 人工知能を活用して より安全で快適なドライブをサポートするために ドライバーを十分に理解して常に寄り添うエージェント開発に取り組んでいます 新たなモビリティサービスの創出 トヨタ レクサスのコネクティッドカーはすべて トヨタスマートセンターにつながり 安全 安心 運転支援のサービスが提供されています 一方でトヨタスマートセンターは データを蓄積するビッグデータセンターを有し その最上位に 新しい魅力的なモビリティサービスの創出に向けて モビリティサービス プラットフォーム (MSPF) を構築 MSPFを介してあらゆる企業 サービスと連携し 新たなモビリティ社会の創造に貢献していきます 2016 年 4 月設立の トヨタインシュランスマネジメントソリューションズ USA(TIMS) は その第一歩です また ライドシェア レンタカー タクシー事業者などと提携するとともに 実証実験に取り組み 新たな商品やサービスの開発 事業化を推進しています モビリティサービス プラットフォームの構築 ライドシェア事業者 TFS 金融 決済センター カーシェア事業者 モビリティサービス プラットフォーム API *1 をオープン化して さまざまなモビリティサービスと連携 Smart Key Box /TransLog 車載ソフトの OTA *2 更新 保険会社 フレキシブルリース 個人 / 機器認証 テレマティクス保険 レンタカー事業者 交通情報データ フリート向け / 車両データ活用 車両管理 トヨタスマートセンター テレマ基本サービスビッグデータ活用 ( 地図更新 エージェントなど ) (CRM 品質管理) グローバル通信プラットフォーム DCM DCM DCM タクシー事業者 Ha:mo Kirobo その他 API ビッグデータ (TBDC) DCM 官公庁オリパラなど 販売店 高頻度のメンテナンス *1 API(Application Program Interface): プログラミングの際に使用できる関数 それらの関数を呼び出すだけで機能を利用できる *2 OTA(Over The Air): 無線通信を経由して ソフトウェアの更新を行うこと 27 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

29 社会への取り組み豊かな社会づくり さまざまな業種との連携 TIMS の設立 ライドシェア事業者との提携 カーシェア事業者との提携 トヨタビッグデータに収集された車両データから契約者の運転挙動をスコア化 提携保険会社に提供する新会社を設立 お客様にクルマをリースし ライドシェアのドライバーとして得た収入からリース料金を回収する新プログラムを開発 持ち去りリスク 車両の改造が必要など キーの受け渡し の課題に取り組み 安全で便利なカーシェアの実現を図る スマートキーボックス (SKB) の開発安全かつ無改造でキーの受け渡しができる 利用者のスマートフォンへ暗号キーを送信してキー操作を可能にする SKB を開発 Getaround 社 ( 北米 ) との提携 2017 年 1 月より共同で SKB を適用したカーシェアパイロットサービスを開始 あわせて 同社へリースプログラムも提供 コネクティッド戦略の先陣を切る プリウス PHV コネクティッドサービス 2017 年 2 月発売の プリウスPHV は トヨタコネクティッド戦略 のフラッグシップカーとして発売されました トヨタ初の11.6インチ T-Connect SDナビゲーションシステム と DCMを装備し 安全 安心 便利をサポートする多彩な通信サービス T-Connect DCMパッケージ を提供しています 例えば スマートフォンでクルマの充電状態の確認 エアコン操作 充電ステーションの検索などの遠隔操作が可能になります また クルマから発信される情報をもとにお客様をサポートする eケア は 走行時に警告灯が点灯すると トヨタスマートセンターが車両データをもとに直ちに異常要因の推定と走行継続の可否判断を行い 適切なアドバイスを生成します 診断情報は担当販売店やセンター オペレーターに共有され 迅速的確にお客様をサポートすることができます 左 :2 画面表示 右 : 充電スケジュール 28 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

30 社会への取り組み豊かな社会づくり 次世代交通システム - 街 社会とつながる - トヨタは誰もが快適に移動できる社会の実現を目指し パーソナルな乗り物と公共交通を適切に組み合わせてつなぐ新しい交通システム Ha:mo( ハーモ ) の実用化に取り組んでいます 使用する乗り物は 環境に優しく 小回りの利く超小型電気自動車 (EV) 駅などの公共交通機関の最寄りにステー ションをつくり 電車や自家用車から乗り継いでの短距離の移動をはじめ 会員制のカーシェアリングへの活用 交通機関の少ない観光地や山間部 離島などでの活用など 移動手段の新しい選択肢を提供しています 2016 年度より 実証実験を重ねてきたプロジェクトの一部が事業化されました シェアリング レンタルサービス事業がスタート 愛知県豊田市では 2013 年 10 月より街中での短距離移動に適した超小型 EVのシェアリングサービスのプロジェクトを開始 2017 年 3 月には実証実験段階を完了し 2017 年 4 月より事業会社のユーピーアール株式会社に事業を移管し サービスを開始しています 沖縄本部半島では 環境負荷を最小限に抑えて 地域の観光振興に貢献 を目的に 2016 年 1 月より Ha:mo による観光サービス実証実験 ちゅらまーいHa:mo を開始 2017 年 4 月からは沖縄 6 市町村が支援する スマートリゾート沖縄やんばる推進協会 へ事業移管し 観光客へのサービスを開始しています また 2017 年 4 月より さらに多様化するニーズに対応するため 美ら島財団と連携し沖縄県の海洋博公園において実証実験に取り組みます またタイでは 培ったスキームを活用し タイの製造事業体 TMTとチュラロンコン大学との共同プロジェクトを開始 CU Toyota Ha:mo の名称で キャンパス内の追加移動手段として2017 年 12 月よりシェアリングサービスを開始します Ha:mo RIDE で活躍する COMS ( 左 ) と ちゅらまーい Ha:mo プロジェクト ( 右 ) 公共交通連携実験 ( 岡山県岡山市 ) 地方都市が抱えるモビリティの課題として挙げられる 鉄道駅 バス停から目的地までのラストワンマイルを結ぶ手段としての利用の可能性 および 公共交通との連携効果 を検証するため 2017 年 10 月より岡山市において 公共交通連携 ( シェアリング ) 実験 を COMS 10 台を使ったワンウェイ方式 ( 乗り捨て方式 ) で実施 効果検証を行い 次年度以降の取り組みにつなげていく予定です 超小型 EV シェアリング実証プロジェクト ( フランスグルノーブル ) 環境規制が厳しいフランス グルノーブル市で 2014 年 10 月よりカーシェアリングの実証実験を行っています このプロジェクトは 行政や電力会社など 将来の都市モビリティへの共通のビジョンを持つパートナーの集合体によるもので 3 年間の実証期間を設けています フランス グルノーブル 29 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

31 社会への取り組み豊かな社会づくり パーソナルモビリティ シェアリングサービス 実証実験 ( 東京都 ) 大都市での交通課題を解決するため 2015 年 4 月には パーク24 株式会社が運営するカーシェアリングサービス タイムズカープラス と Ha:mo によるシェアリングシステムを組み合わせたサービスの実証実験 Times Car PLUS x Ha:mo を 東京都心部を中心に始めています 投入車両は100 台で 中央区 江東区を中心に約 100カ所あるステーションのどこでも乗れて どこでも返却できる新しい移動手段です エネルギーマネジメント 家庭やコンビニ 学校などの地域社会 クルマや交通インフラ 工場などをつなぎ 電力の需給バランスを調整することで 街 地域全体のエネルギー利用の最適化に取り組んでい ます また 化石燃料の枯渇という課題の解決策の一つとなる 水素社会 の構築に向けた取り組みも開始しています バーチャルパワープラントプロジェクト 開始 ( 愛知県豊田市 ) 2017 年 6 月 中部電力株式会社 株式会社デンソー トヨタ自動車株式会社および株式会社トヨタタービンアンドシステムの4 社は 環境モデル都市である愛知県豊田市と共に ICTを活用した革新的な次世代エネルギーマネジメントシ ステム バーチャルパワープラント を構築するプロジェクトを開始しました このプロジェクトは豊田市の再生可能エネルギーの地産地消を目的としており 2017 年 6 月から 2020 年 3 月までの期間で行います 地域と工場がエネルギーを支え合う F- グリッド ( 宮城県黒川郡大衡村 ) 東日本大震災を契機とするエネルギー課題の解決および東北支援のために 工場を中心とするスマートコミュニティの構築に取り組んでいます F-グリッド は 低炭素で低コスト かつ災害対応ができるインフラづくりを目指し 工業団地内のエネルギーを総合的にマネジメントするシステムです 大型ガスエンジンや太陽光パネルで作り出した電力 熱を F-グリッドセンターが最適なバランスで周辺の参画企業へ配電 配熱します また エネルギー消費の見える化や平準化を行うことで 地域全体での安定的 効率的なエネルギー利用を図ります 第二仙台北部中核工業団地内 ( 宮城県黒川郡大衡村 ) に設立した F-グリッド宮城 大衡有限責任事業組合 (LLP) が F- グリッドセンターの運用 管理を担当し 2013 年 4 月より7 社の需要家へのエネルギー供給を順次開始しました 2015 年 10 月には 災害などの非常時に電力会社を通じて周辺地域に電力を供給する 非常時対策の支援機能も完成しました 水素社会に向けた取り組み トヨタは水素社会の実現に向けて 水素利用の拡大や水素サプライチェーンの研究 開発にも取り組んでいます 環境への取り組み P97 協調型 ITS - クルマ 道路とつながる - トヨタの究極の願い 交通事故ゼロ に向けて ITS 技術でクルマとクルマ クルマと歩行者 クルマと道路をつなげ 安全な交通社会の実現に貢献していきます 安全への取り組み P13 30 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

32 社会への取り組み豊かな社会づくり 福祉車両 超高齢社会に突入した日本において 国の施策は医療 介護共に在宅にシフトしています それとともに高まっているのが 家庭で利用しやすい福祉車両のニーズです トヨタはお客様の幸せな暮らしのお役に立てることを願い 福祉車両を ウェルキャブ と命名しました 体の不自由な方にも高齢の方にも 移動する自由 を身近に感じていただくとともに 介助する方の想いにも応える一台になるよう 快適で安全 かつ 簡単で使いやすい クルマづくりを大切にしています 推進体制 仕組み 乗り降りがしやすい 快適な乗り心地 介助者/ 運転者が操作しやすい 車内でのコミュニケーションがしやすい リーズナブルな価格 の 5つの開発視点とともに 市場のニーズを徹底的に追求しながら ウェルキャブの企画 開発に取り組んでいます 販売店に設けた ウェルキャブステーション とウェルキャブ総合展示場 ハートフルプラザ ではウェルキャブを体感いただけるとともに 専門スタッフがクルマ選びをお手伝いしています 2017 年 5 月時点 国内の ウェルキャブステーション は 236 店舗 ハートフルプラザ は 10カ所設置されています ウェルキャブステーション トヨタハートフルプラザ 普通のクルマ化 を推進 ウェルキャブを検討したが購入をやめた理由に 高価格 必要なくなった いつまで必要か分からない という声が多くありました こうしたお客様心理を踏まえ 機能 コストの両面で 普通のクルマ化 を推進しています 車いす仕様車に2 列目シートの後付けオプションやスロープ前倒れ機能を追加するとともに 標準車と同じ生産ラインで 架装することでコストダウンを図っています 2016 年 5 月時点で 26 車種 47タイプにウェルキャブを設定しています また 身体の不自由さが中 軽度の高齢者の方には 外出を応援するアイテムとして 乗降時や乗車中の姿勢保持などをサポートする フレンドリー用品 を設定しています 新タイプの 車いす収納装置 を開発 増え続ける老老介護や 実際に介護に携わることの多い女性への対応として 省力化 操作が簡単な電動スライド式の 車いす収納装置 を開発しました 車いすの収納は 力が必要で時間のかかる作業になりがちです トヨタ初となる今回の車いす収納装置は 車いすのセット 向きを変える 固定するという簡単な操作で 力も要りません ほとんどスイッチのみの操作で収納が完了します 操作時間は従来の約半分に短縮 車いす重量も35kg( 従来は30kg) まで搭載可能です 2016 年 6 月より ポルテ スペイド に設定しています ポルテ に設定された新タイプ車いす収納装置 ( 電動スライド式 ) 31 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

33 社会への取り組み豊かな社会づくり 高齢者への 外出支援ガイドブック づくりを支援 高齢者の方々の日常的な外出は 認知症や閉じこもりの予防 心身の健康を保つ上で大切な習慣です 一般社団法人日本保健情報コンソシウムは 外出の意義やさまざまな効果を広く伝える目的から 高齢者のQOL 向上のための外出支援ガイドブック を発行 トヨタはこれに協賛し 高齢者の外出を支援する福祉車両の事例紹介 初めての車両選びガイド 安全な利用などについて情報を提供しました 外出支援ガイドブック 32 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

34 社会への取り組み 豊かな社会づくり パートナーロボット モノづくりを通して豊かな社会づくりに貢献する という パートナーロボット開発の考え方 創業以来の企業理念のもと 人と共生し 人の生活をサポー トヨタグローバルビジョン トするパートナーロボットの開発を通じて さまざまな社会 笑顔のために 期待を超えて ニーズに対して 人に寄り添うロボット で応えていく開発 いいクルマづくり いい町 いい社会 クルマづくり 産業用ロボット技術 人共生領域へ展開 パートナーロボット に取り組んでいます Mobility for ALL すべての人に移動の自由を そして自ら できる喜びを を開発コンセプトに シニアライフ 医療 自立した生活 介護 の 4 つの領域の支援をビジョンに掲 げ パートナーロボットの実用化を進めています 少子高齢 さまざまな社会ニーズに対し 人と共生するパートナーロボットで応える 化の未来社会に対応できる開発を軸に 高齢者や障がいのあ る方の自立促進 支える人々の負担軽減を図るロボットを提 供することで サステイナブルな社会とすべての人にとって 快適な生活の実現に貢献していきます 実用化に向けたスケジュールと開発状況 2017 歩行練習アシスト 対話ロボット 立ち乗りパーソナル モビリティ バランス練習アシスト 生活支援 HSR 移乗ケアアシスト 対象領域 2020頃 2016年11月に医療機器として承認取得 リハビリテーション支援ロボット ウェルウォーク WW-1000 を今秋からレンタル開始 シニアライフの支援 医療の支援 国立長寿医療研究センター 愛知県大府市 にて認知症発症予防や進行抑制を目指し実証中 早期実用化を目指しています 医療の支援 介護の支援 商業施設や公道などの走行体験イベントにより実証実験を重ねています 今後も警察 行政の協力を得て利用場所を拡大予定 全国21の医療機関へ臨床研究用として導入 医師や理学療法士の方々の声を聞きながら 現地現物による実用化を進めています オープンイノベーションで開発コミュニティを形成するなどして 実用化に向けた技術開発や実証を加速させています 実証 33 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み 医療の支援 自立した生活の支援 介護の支援 使いやすい機器を目指して実証評価を推進中 開発と実証のサイクルを回しながら実用化に取り組んでいます 開発 シニアライフの支援 実用化 有償

35 社会への取り組み豊かな社会づくり リハビリテーション支援ロボット ウェルウォーク WW-1000 のレンタル開始 脳卒中などによる下肢麻痺者の歩行訓練などのリハビリテーション支援を目的としたロボット ウェルウォーク WW-1000 のレンタルを 2017 年秋より開始します ウェルウォーク WW-1000 は 患者さんに合わせた歩行訓練に関する難易度の調整や歩 状態のフィードバック機能など 運動学習理論に基づいたさまざまなリハビリテーション支援機能を備えています また 簡単装着 タッチパネルによる一括操作など シンプルな構造と機能によって 臨床現場での使いやすさを実現しました 2007 年末から藤田保健衛 大学 ( 愛知県豊明市 ) と共同でリハビリテーション支援ロボットの開発を進め 2011 年より医療現場での実証実験を ってきました 2014 年からは歩 練習アシストロボットを全国 23の医療機関 (2017 年 3 末時点 ) で臨床的研究に活用いただいています これまでの臨床的研究を通じて患者さんや医療関係者からいただいた意 も踏まえ 下肢の機能回復への寄与が期待できると判断し 今回医療機器の承認を取得しました 医療機関向けに100 台を目標に ウェルウォーク WW-1000 としてレンタルを行う計画です ウェルウォーク WW-1000 パーソナルモビリティ Winglet 人の移動を助け 活をもっと便利にするパーソナルモビリティ Winglet( ウィングレット ) を開発しています 商業施設などの屋内から屋外までシームレスに 可能なモビリティです 東京 臨海副都 にあるクルマのテーマ施設 MEGA WEB ( メガウェブ ) やイベント 公道などで 高齢の も含めて広くご利用いただきながら と共存できるモビリティを目指して実証を拡大しています HSR(Human Support Robot) のプラットフォーム供給 HSR は 介助 自 活 の幅広いサポートを目指す 活支援ロボットです 物を拾う 運ぶなどの基本的な支援から 介護予防や健康管理への応用も視野に開発に取り組み 高齢者施設や障がいのある のお宅で実証を重ねています 一 HSRが役立つシーンを増やしていくためには さらに技術開発や実証が必要です そのため HSRを大学や研究機関にプラットフォームとして供給 開発コミュニティを形成して 成果を共有しながら実用化を進めており これまでに 13の機関へHSRを供給しました また 2017 年 7 名古屋開催のロボカップ世界大会において ホーム のスタンダードプラットフォームに採用されています HSR 対話ロボット ポコビィ の開発 精神的な負担の大きな介護の 援に向けて 介護する側も元気に という位置付けから 対話ロボットの開発に取り組んでいます ポコビィ は 今後の認知症患者の増加と生産年齢 の減少を 据えて 認知症の発症予防 進 防 認知症介護負担の軽減への寄与を開発の目的とした対話ロボットです 利 者の 葉や表情を認識し 目と体を動かしながら対話ができるポコビィは 利 者が対話を通じて不安やストレスを 軽減し 信を取り戻すことを狙いとしています 2016 年から認知症に対する効果の検証などの実証を進め 早期実 化を目指しています ポコビィ 34 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

36 社会への取り組み豊かな社会づくり バイオ 緑化 地球温暖化 エネルギー問題 食糧問題 などの地球規模の問題解決に貢献するためには 自動車事業に加え 新規事業分野においても 環境貢献型事業 に取り組んでいくことが必要と考えます そこで 1998 年よりその研究開発 事業化の体制を整え さまざまな分野に取り組むとともに バイオマス利活用 農畜産業貢献 環境緑化 の 3 領域で 研究開発と新規事業の育成を推進しています バイオマス利活用 クルマからのCO₂ 排出量削減に貢献する再生可能エネルギーとして 多種多様なバイオマス資源から エタノールなどのバイオ燃料を高効率 低コストで作る技術開発を推進しています トヨタが独自に開発したエタノール高生産酵母について 現在 東南アジアを中心に 実用化を目指した実証試験を実施 しています また バイオマス資源の開発として 耕作条件の悪い土地でも旺盛に育つイネ科の多年草であるネピアグラスに着目し インドネシアにて安価な原料の生産 調達システムを確立 さらに サトウキビのDNAマーカーによる高生産品種の育種にも取り組んでいます 環境緑化 都市のヒートアイランド現象の緩和を目指し 緑化事業を展開しています トヨタが開発した緑化商品の販売会社であるトヨタルーフガーデン株式会社では 屋上 壁面 駐車場の特殊緑化施工 および資材販売 省管理型コウライシバ TM9 の販売 年間潅水コントローラシステムの販売 を中心に 事業展開をしています 農畜産業貢献 自動車事業で培った生産管理手法や工程改善ノウハウを農業分野に応用し 農業の生産性向上に貢献することを目的に 農業 IT 管理ツール 豊作計画 を開発し 2014 年より米生産農業法人への提供を開始 2014 年 4 月からは 農林水産省主催の 先端モデル農業確立実証事業 に参画し 愛知県と石川県の米生産農業法人 9 社および石川県と共同でコンソーシアム 米づくりカイゼンネットワーク を立ち上げ 豊作計画 の提供と併せて さらなる効率化と品質向上に向けた実証実験を推進し 現場改善を通じた人材育成手法の基礎を構築しました 2017 年 4 月には 北海道 長野県とも連携を発表 2017 年 5 月時点で 導入法人は33 社となり 今後も導入法人を拡大 しながら 米づくりのさらなる効率化と品質向上に貢献するための取り組みを推進していきます 豊作計画のシステム概要 作業 委託 農業法人 農家 A 計画 作業 委託 経営管理指標 実績 農家 B 土地 貸付 日報 地主 C 約 800 農家 * 圃場 ( ほじょう ): 田や畑の総称 基準リードタイム 耕起 耕起 耕起 乾燥 代かき 田植 稲刈 1 回目 2 回目 3 回目 精米 90 日 40 日 5 日 7 日 140 日 芽だし 種まき 消毒 浸種 25 日 90 日 40 日 5 日 農業 IT 管理クラウド 圃場 * データベース 作業データベース 水田位置 面積 受託条件 作業者 工数 /a 農期など 実績 計画 作業者 1 作業者 2 作業者 3 スマート フォン 代かき 田植え 肥料散布 B C A A B C A B C C A B C B A B C 水田約 2,000 枚 35 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

37 社会への取り組み豊かな社会づくり 農業 IT 管理ツール 豊作計画 で経済産業大臣賞受賞 ( 日本 ) 2016 年 10 月 経済産業省 総務省 文部科学省 国土交通省が主催する平成 28 年度情報化月間記念式典において 豊作計画 が経済産業大臣賞を受賞しました 豊作計画 が組織開発とモチベーション向上を図り 農業法人の産業組織化と生産性向上を実現していること ITを使った農業の継続 成長に新しいアプローチを創出して IT 利活用の促進に貢献していることを評価されました 授賞式 ( 友山茂樹専務役員が出席 ) 36 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

38 社会への取り組み豊かな社会づくり オリンピック パラリンピック スペシャルオリンピックス 基本的な考え方 スポーツは人々に 勇気 と 感動 をもたらします なかでも オリンピック パラリンピックには スポーツを中心とした多彩な活動を通じて 人や社会をさらに豊かに変えていく 力 があります そうしたオリンピック パラリンピックの目指す姿や理念に強く共感し トヨタは2015 年に 国際オリンピック委員会 (IOC) の オフィシャル ワールド オリンピック パートナー 国際パラリンピック委員会 (IPC) の オフィシャル ワールドワイド パラリンピック パートナー に就任しました さまざまな活動と持続可能なモビリティの提供を通じ より良い世界 平和で平等な社会の実現 に貢献していきたいと考えています また 2016 年 1 月には 公益財団法人スペシャルオリンピックス日本 (SON) と ナショナルパートナー 契約を締結し 知的障がいのある方たちのスポーツ参加を支援するSONの活動および国内大会をサポートしています オリンピック パラリンピックの取り組み パートナーとしてトヨタの目指す姿 IOCおよびIPCとの契約期間は 東京 2020 大会を含む 2024 年までで トヨタはモビリティ領域のパートナーとして参画します オリンピック パラリンピックを通じて Ever Better MOBILITY FOR ALL Ever Better SOCIETY Ever Better TOYOTA を目指します 誰もが参加 挑戦できる社会の実現に向けて モビリティ スポーツ 社会課題 の 3つの領域で取り組みます Ever Better MOBILITY FOR ALL すべての人に移動の自由を Ever Better SOCIETY 持続可能な社会の実現へ Ever Better TOYOTA もっといいトヨタへ モビリティ 領域の取り組み モビリティ については 大会に来られるすべての人に笑顔になっていただけるような大会車両を提供します 具体的には 2020 年時点のトヨタの最新 最高の技術を実装したクルマを提供 ( 大会には4,100 台の車両を供給 ) し あわせて未来の社会 交通システムを提示します また 障がいのある方や海外から来られる方たちを含むすべての人に 安心 安全 快適な移動 を提供します モビリティ の取り組み 環境 世界最高水準の環境性能を満たすモビリティの提供 水素普及に向けた実用化技術の発信燃料電池自動車 燃料電池バスを提供水素ステーションの整備 促進を進め 未来社会を提示 安心 安全 UD タクシー ウェルキャブ 世界最高水準の安心 安全な交通を提供するため 人工知能 自動運転の ITS コネクティッドの最新技術を導入 快適 トヨタの物流ノウハウを活用した大会車両システムを導入し 遅延のない大会運営に貢献 バリアフリー 障がいのある方 高齢者や子ども連れの方などすべてに 自由な移動をしていただくために UD タクシーの本格的市場導入 大会車両としてウェルキャブを提供 多彩なモビリティ 会場内や会場間でのワクドキや移動の楽しさを提供するため 小型モビリティやロボットを提供 37 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

39 社会への取り組み豊かな社会づくり スポーツ 領域の取り組み 社会課題 領域の取り組み アスリート支援 応援 については 健常者スポーツは既存の強化運動部を中心とした 中長期的 多面的な支援を今後も継続します 障がい者スポーツについては パラリンピックのパートナー就任を機に重点的な支援を決定 支援内容については健常者スポーツと同様 従業員としての雇用に加え モノづくりの強みを生かした用具の支援を行います また 障がい者スポーツの競技団体のうち ボッチャ と 車いすバスケットボール を重点的に支援しています 支援の対象となったアスリートや競技団体を中心に ボランティア 応援に従業員が取り組むことで 全員参加でオリンピック パラリンピックのムーブメント作りに貢献します トヨタは創業時から社会貢献を重んじてきました オリンピック パラリンピックへの参画を機に 世界各地の 社会課題 と 世界中の事業体 地域の本部や工場の単位で より一層向き合っていく体制を整えました またIPC では トヨタの協賛金を活用し 各国のパラリンピックの組織力アップと裾野拡大を目的とした NPC(National Paralympic Committee) デベロップメントプログラム を開始しました トヨタは 世界規模の障がい者スポーツ振興のため 全 NPC(178カ国 ) を支援します 日本ボッチャ協会ゴールドパートナー および 日本車いすバスケットボール連盟オフィシャルスポンサー に就任 障がい者スポーツ競技の認知向上や普及への貢献を目的に 両団体に協賛しています ボッチャは 脳性麻痺などの重い障がいのある方も参加でき 性別 年齢 障がいの有無を超えて一緒に楽しむことができます 車いすバスケットボールは 障がい者スポーツの中でも競技人口が多く 健常者リーグや大学連盟も存在するなど 裾野の広いスポーツです いずれも障がいのある方 健常者の枠を超えて さまざまな人にスポーツの楽しさや感動を広げることができる競技です 今回の協賛を機に 従業員による応援や運営ボランティア 販売店での競技の普及活動に取り組むほか 大会時の選手の移動支援などもしていきます ボッチャ ( 上 ) 車いすバスケットボール ( 下 ) スペシャルオリンピックスの取り組み スペシャルオリンピックス (SO) とは 知的障がいのある方たちに さまざまなスポーツトレーニングの機会と 成果発表の場である大会 競技会を提供している国際的なスポーツ組織です その使命は 参加したアスリートが健康を増進し 勇気をふるい喜びを感じ 家族や他のアスリートそして地域の人々と 才能や技能 友情を分かち合う機会を継続的に提供することです トヨタはこれに賛同し 各国 各地域で車両の提供やボランティアの派遣などさまざまな支援をしています 2016 年 10 月からは オリンピック パラリンピックのロゴに加え SOのロゴを全従業員の名刺に掲載し SOの認知向上に取り組んでいます 同月 東京で開催された スペシャルオリンピックス第 6 回エールラン に協力 トヨタのMEGA WEBの試乗用コースで キッズラン 親子ラン 3 時間リレー 3 時間リレーユニファイド ( 障がいのある方と健常者混合チーム ) が実施され 大会の収益金は 2017 年スペシャルオリンピックス冬季世界大会 オーストリア への日本選手団派遣費などの活動資金として提供されました このイベントにはボランティア150 人を含む 1,600 人超が参加 トヨタからは応援団 吹奏楽団 20 人のほか 従業員 27 人がボランティア ランナーとして参加しました MEGA WEB で開催された スペシャルオリンピックス第 6 回エールラン の様子 WOW ACTION Web 38 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

40 社会への取り組み豊かな社会づくり 企業スポーツから子ども向けの教室まで さまざまなスポーツを応援 トヨタはさまざまなスポーツの振興に取り組み 豊かな地域社会づくりへの貢献を目指しています 特に1937 年の会社創立以来 力を入れてきたのが企業スポーツです 選手がプレイする姿は 挑戦 チームワーク 諦めない心など トヨタが大切にしてきた精神そのものであり 職場の仲間が懸命に頑張っている姿は 労働意欲の高まりや職場の活性化につながっています 現在は35の運動部があり 選手たちは業務と両立しながら 数々の優れた成績を挙げています また 日ごろトヨタを支えていただいている皆様へ恩返しをしたいという思いから 地域貢献活動を行っています 豊田市内小学校での 夢の教室 へのアスリート派遣 トヨタ販売店のスポーツ教室への参加 自治体が開催するスポーツイベントへの協力など 2016 年は100 件を超える活動を行いました 2016 年度の主なスポーツ活動実績 リオオリンピック パラリンピック ( トヨタ自動車から参加した代表選手たち ) オリンピックオリンピックオリンピックパラリンピックパラリンピック 7 人制ラグビー女子バスケットボール棒高跳陸上 100M 4 車いすテニス 彦坂匡克 ( ベスト 4 位 ) 栗原三佳 近藤楓 ( ベスト 8 位 ) 山本聖途出場佐藤圭太 芦田創 ( 銅メダル ) 三木拓也 ( ダブルス 4 位 ) パラリンピック砲丸投 Tyrone Pillay( 銅メダル ) Toyota South Africa Motors(TSAM) 所属 硬式野球部 第 87 回都市対抗野球大会において 豊田市代表のトヨタ自動車硬式野球部が 1947 年創部以来の初優勝 2016 年度の主な地域貢献活動 2016 年都市対抗野球大会において初優勝を飾った硬式野球部 少年野球クリニック ラグビー体験会 東京 MY チャレンジ JFA こころのプロジェクト 夢の教室 JFA 豊田市 中京大学 トヨタ自動車が連携し 豊田市の小学校へ所属アスリートを派遣し夢の教室を実施 2016 年度は全 93 教室中 37 教室をトヨタ自動車が担当 トヨタ自動車販売店協会による活動 ランニング教室 ( ネッツトヨタ北見 ) ラグビー体験会 ( トヨタカローラ徳島 ) バスケふれあい体験会 ( ネッツトヨタ東海 女子バスケットボール部 OG) 車いす体験 ( トヨタ西東京カローラ 三木拓也選手 ) などを実施 自治体と連携した活動 運動部の本拠点 遠征場所を中心に 自治体からの要請に基づきクリニックなどを実施 実施例 : 小中学校ソフトボールクリニック ( 岩手県 ) ラグビー選手とのふれあい ( モリコロパーク ) 地域ランニング教室 ( 愛知県田原市 ) バスケット体験会 ( 東京都府中市 ) 少年野球チームへの野球クリニック ( 東京都文京区 ) 東京 MY チャレンジ FUN TO CLEAN. 東京都内の約 5km の道のりを トヨタアスリートとトヨタグループ数社 ( 東京地区 ) 販売店 従業員家族が一緒に ウォーキング と ゴミ拾い を実施 復興のシンボル 2016 希望郷いわて国体 希望郷いわて大会 を応援 震災から5 年 スポーツの力で被災地を盛り上げたい という想いに共鳴し 岩手県の皆様と一緒に両大会を応援しました 事前の広報 盛り上げのサポートとして 東京都内でのPRイベントをはじめ ボストンレッドソックス上原浩治投手を招いた県内小学生対象の野球教室 被災地小学校での スポーツ笑顔の教室 トヨタ自動車ヴェルブリッツと釜石シーウェイブスとのラグビー交流戦などを開催 また 大会期間中は従業員ボランティアを派遣し 運営面での支援も行いました 両大会で 愛知県内のグループ企業を含め延べ93 人 トヨタ自動車東日本岩手工場から延べ176 人のほか 岩手県内のトヨタ販売店の従業員も参加し トヨタ関係者が一体となり 運営ボランティアとして活動しました 盛り上がりを見せた両大会 39 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

41 社会への取り組み社会貢献活動 社会貢献活動 基本的な考え方 トヨタは クルマづくりを通じて社会に貢献する という理念を創業の原点とし 社会の持続的発展に寄与できるように努めてきました 活動の取り組み分野としては 本業を通じた社会貢献に加え 環境 交通安全 人材育成 をグローバル重点 3 分野としています それに各国 各地域の社会ニーズに応じて 社会 文化 などの分野を加え トヨタの持つ技術やノウハウといったリソーセスを活用しながら 積極的に活動を進めています さらに ボランティア活動支援 自動車文化 モノづくり文化の継承 へも力を注いでいます 2011 年 3 月に発表した トヨタグローバルビジョン では いい町 いい社会 を もっといいクルマ と共に事業の目的そのものに位置付け 豊かな地域社会づくりの貢献 に向けて 地域の皆様に感謝の気持ちを持って取り組んでいます 社会貢献活動の取り組み分野 社会課題 社会 文化 環 境 交通安全 人材育成 国際交流 スポーツなど 地域 ( 各国 ) ニーズ グローバル重点 3 分野 地域 ( 各国 ) ニーズ 自主プログラム * ボランティア寄付 協賛文化 展示施設の運営財団を通じた助成 * 企業自らが 企画 立案し 場合によっては実施までを行う社会貢献活動 トヨタの社会貢献活動の手法 社会貢献活動の基本理念 (1995 年制定 ) 目的取り組み姿勢社員の参加情報開示グローバル展開 トヨタ自動車株式会社と関連子会社 ( 以下トヨタ ) は 豊かな社会の実現と その持続的発展のため 積極的に社会貢献活動を推進します トヨタは 社会の幅広い層と力を合わせ 持てる資源を有効に活用しながら 次の世代を担う人材の育成と社会的課題の解決に向けた社会貢献活動に取り組みます トヨタは 社員が一市民として主体的に行う社会貢献活動を支援します トヨタは 社会貢献活動の成果を開示し 広く社会と共有し 社会の発展に寄与することを目指します トヨタは 社会貢献活動基本理念をグローバルに共有し 各国 各地域の実情に合わせた社会貢献活動を展開します 過年度実績および本年度の主な取り組み 2016 年度の主な取り組み ( 実績 ) 2017 年度の主な取り組み 社会貢献 ( 東日本大震災復興支援を除く ) 環境 交通安全 人材育成 社会 文化 など さまざまな分野で活動を推進 スペシャルオリンピックス日本の活動への 従業員ボランティアや トヨタ運動部アスリートの参加による支援 応援 グローバルでのトヨタのノウハウを生かした活動の普及 拡大を目指した連携強化 左記活動の継続実施 多様性を受け入れ 誰でも幸せに生きられる 共生社会 の実現に向け スペシャルオリンピックスへの支援 応援の強化など 活動を拡大 左記活動の継続実施 東日本大震災復興支援 被災地での自主プログラムの開催や従業員ボランティア派遣を通じた 復興支援活動の継続実施 左記活動の継続実施 40 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

42 社会への取り組み社会貢献活動 推進体制 仕組み 日本では 社会貢献活動の専門部署である 社会貢献推進部 が中心となって活動を展開しています 2015 年 4 月より コーポレート企画会議 において さまざまな社会課題を踏まえて成長戦略 事業戦略を検討しています 社会貢献活動への取り組みは 同会議において 事業戦 略とともに議論を行います 海外では 米国 - 欧州 -アジア- 中国の地域統括会社とトヨタ本社を結ぶネットワークを構築し その強化を進めています 地域統括会社を核に トヨタ本社と連携をとりつつ 地域方針 活動計画を審議します 推進体制 ( 日本 ) 推進体制 ( 海外 ) 取締役会 米国 エグゼクティブコミッティー下の社会貢献委員会にて社会貢献活動の戦略 その他必要事項を決定 コーポレート企画会議 欧州 TFfE *1 役員会にて 社会貢献活動の方向性決定や個別プロジェクトを審議 社会貢献活動 アジア TMAP *2 を事務局に 各国事業体が参加する社会貢献会議で活動の横展開や方向性を検討 [ 社会貢献推進部 ] 社会貢献自主プログラム活動 ( 環境 交通安全 人材育成 社会 文化 ) 従業員ボランティア活動の推進 ( トヨタボランティアセンター ) NPO NGO などへの活動支援 ( 寄付 協賛など ) 自動車文化 企業文化の理解活動 中国 TMCI *3 が関連事業体と連携し 現地ニーズに応じた活動を推進 *1 TFfE:TOYOTA FUND for Europe *2 TMAP:TOYOTA MOTOR ASIA PACIFIC *3 TMCI:TOYOTA MOTOR (CHINA) INVESTMENT [ 関連推進部署 ] 環境部 環境分野の助成 教育活動 総務部 地域渉外対応 東京総務部 日本自動車工業会関係 2016 年度社会貢献活動費 環境 [ 関連法人 ] トヨタグループ各社 トヨタ販売店 トヨタ財団 豊田工業大学 トヨタ モビリティ基金 [ 関連施設 ] 環境 トヨタの森 トヨタ白川郷自然學校 トヨタ三重宮川山林 交通安全 トヨタ交通安全センターモビリタ 文化施設 トヨタ博物館 トヨタ産業技術記念館 豊田佐吉記念館 トヨタ鞍ヶ池記念館 トヨタ会館 MEGA WEB 交通安全人材育成社会 文化その他 トヨタ単体と主要子会社の連結ベース海外事業体の実績は 2016 年度平均為替レートで円換算 約 292 億円 人々の幸福を願う豊田佐吉の 想い を原点とするトヨタの社会貢献活動 トヨタの社会貢献活動の原点は トヨタ創業者豊田喜一郎の父 豊田佐吉にさかのぼります 1925 年 佐吉は 人々の生活を豊かにする発明を支援したい との想いから 画期的な 蓄電装置 の発明を促すため 帝国発明協会に当時の金額で百万円の寄付を約束しました 結局 佐吉が願ったような蓄電装置の発明は大変困難であり 今も完成していませんが その後のこの分野の進歩は 産業や人々の暮らしに大きな影響を与えました そして こうした人々の幸福を願う佐吉の想いがトヨタの 社会貢献活動 の原点となり 佐吉の死後 自動車産業を興した喜一郎らにより 産業報国 報恩感謝 という言葉で受け継がれ その後 豊田綱領 や トヨタ基本理念 トヨタグローバルビジョン に織り込まれ 現在も脈々と受け継がれています 豊田佐吉 豊田綱領 41 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

43 社会への取り組み社会貢献活動 環境 環境学習 環境活動助成 環境緑化などを積極的に推進しています 特に森林は持続可能な社会の基盤であることから 社有林を適切な管理のもと 継続的に保有 保全しています さらに 国内外で社会や地域との連携を重視した活動を進めているほか 従業員もボランティア活動を通して地域環境の保全に取り組んでいます 国内事例 トヨタの森 は 豊田市近郊の社有林を里山のモデルとして整備したもので 地域の児童を中心とした幅広い層に向けて 環境学習の場を提供しています 2016 年 7 月には 地元寿恵野小学校のビオトープ部より 学校のビオトープ整備の参考に 池の深さや草の残し方を学びたい という要望があり 整備ノウハウやビオトープの生き物について学ぶプログラムを実施 参加した児童を中心に 学んだ整備方法を学校のビオトープで実践しました 今後も地域の皆様の要望に沿った環境学習に取り組んでいきます 海外事例トヨタ自動車 (TMC) は2001 年より 中国科学院などと共同で 河北省豊寧県シャオパーズ地区において砂漠化防止に向けた取り組みを実施 さらに 砂漠化の原因対策や地域住民の生活向上につながる植林を実施するとともに 支援終了後も住民によって活動が持続する仕組みを設け 持続可能な植林 モデルを構築しました 2011 年からは TMCI に活動主体を移管 2017 年 6 月には従業員ボランティアやメディア 100 人が植林活動へ参加 その際 17 年間の環境変化や地道な工夫などをパネル展示で紹介しました ヨシ抜き作業 その他の取り組み トヨタ白川郷自然學校 豊森 トヨタ三重宮川山林プロジェクト トヨタ環境活動助成プログラム AQUA SOCIAL FES!! など 2015 年のシャオパーズ地区 その他の国での取り組み スマート エコ ドライブ ( 韓国 ) ストップ グローバル ウォーミング ( タイ ) トヨタ エコユース ( インドネシア マレーシア ) など 交通安全 交通事故死傷者ゼロ を目指し 人 クルマ 交通環境 の三位一体による交通安全の取り組みを進めています このうち ドライバー 歩行者などの 人 に対する交通安全意識向 上に向けた啓発活動は 1960 年代から推進し 幅広い層に向けたさまざまな活動を継続して実施 昨今では海外事業体でも展開しています 国内事例 2016 年度は 交通安全活動の一環として ハイビームの有効活用 反射材の着用 を啓発する マチホタル計画 を全国のトヨタ販売店と協同で展開しました トヨタ販売店に対しては 交通安全啓発ツールの貸し出しに加え モビリタの元チーフインストラクターの経験を持つ講師を派遣して 安全運転インストラクター養成講習を実施 トヨタカローラ徳島では 安全運転の心構えや運転技術の訓練を行い 現在では教わった社員がお客様にレクチャーするなどして 安全運転を普及しています 海外事例タイトヨタは 1988 年より 交通安全キャンペーン ホワイトロード( タイ語に翻訳すると 安全な道 の意味 ) を展開しています これまでに 子どもたちが交通安全について実践的に学べる ホワイトロード交通公園 の開園や 交通安全啓発プログラム トヨタディーラーと協働で若年層や運転初心者などを対象にした交通安全キャンペーンなどを実施 これらの活動は タイの教育省 警察 運輸省などの協力のもとに行われており 政府からはその継続的な取り組みを高く評価されています 交通安全教室 ( トヨタカローラ徳島 ) その他の取り組み トヨタ交通安全キャンペーン トヨタセーフティスクール 体験型安全イベント トヨタドライバーコミュニケーションなど ホワイトロード交通公園にて その他の国での取り組み ディーラーと連携したドライビングスクール ( インド ) 児童対象の交通安全教育 ( ベトナム カンボジア アルゼンチン ) 高校生向け交通安全教育 ( アメリカ オーストラリア ) など 42 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

44 社会への取り組み社会貢献活動 人材育成 トヨタの理念である モノづくりは人づくりから の考え方を踏まえ 次世代を担う人材の育成に向けて グローバルに支援 各国 各地域の文化 慣習を尊重し 地域に根ざした 企業活動を通じて 豊かな社会の実現を目指すとともに その持続的な発展に向けて 就労 就学面での支援や モノづくりの大切さを伝える活動を推進しています 国内事例未来を担う青少年に対し 燃料電池自動車をテーマに先端技術に触れる体験を提供し 環境や科学 モノづくりに対する興味を喚起することを目的に 2016 年 9 月 福島県いわき市で高学年の小学生を対象に燃料電池教室を開催 TMCの電池 FC 生技部のメンバーが講師となり モノづくり体験を通した幅広い体験ができる企画です 参加した小学生からは 水素はすごいと思った 環境問題の仕事に就きたい などの感想が寄せられ これから迎える水素社会に向けた導入教育の一助となりました 海外事例中国の優秀な学生が 経済的な理由で大学進学 進級を諦めることのないように TMC はTMCI 中国宋慶齢基金会と共同で 中国宋慶齢基金会トヨタ助学金プログラム を立ち上げ 学生を支援 2016 年には10 年目を迎え 累計学生数は約 2,600 人を数えます 金銭的な支援に加えて 学生の自立 能力向上を促すサマーキャンプや学生自主活動などの啓発活動 視野を広げる日本への招聘などを実施 さらに人脈づくりの機会を提供するため 学生 卒業生 基金会 トヨタを含めたオンラインコミュニティを開設しています 従業員が講師となった工作教室 その他の取り組み 職業体験プログラム 科学のびっくり箱! なぜなにレクチャー 聾学校児童のトヨタ見学会 トヨタ原体験プログラムなど 2016 年サマーキャンプ その他の国での取り組み トヨタ親子学習プログラム ( アメリカ ) トヨタ ティーチ ( 南アフリカ ) など 社会 文化 芸術 文化分野においては 地域文化振興 若手育成 裾野拡大 を重点にした音楽や舞踊などの活動を 社会分野においては さまざまな人々が互いに尊重して支え合う社会 づくりを目指し 地域とのコミュニケーション 地域社会との共生を目指し メセナ 福祉 自立促進支援などの活動を行っています 国内事例 トヨタコレオグラフィーアワード は次代を担う振付家の発掘と育成を目的に トヨタと世田谷パブリックシアターの提携事業として2001 年に創設しました 国内の舞踊の振興 振付家の活動を支援し これまでに約 1,951 件の応募の中から70 組のファイナリストを輩出して 現在 多方面で活躍されています 本プログラムは第 10 回をもって一区切りとし 最終の受賞者公演を2017 年に実施します 海外事例 トヨタ生産方式(TPS) を活用した北米の製造業などへの支援 を使命の一つとして 1992 年にTSSC( トヨタプロダクションシステム サポートセンター ) を設立 自動車関連以外の 運営改善や顧客へのよりよいサービス提供を希望する企業や非営利団体 政府機関に対し支援を行っています 医療分野では 救急処置室での待ち時間短縮や 薬品や医療備品のタイムリーな供給と在庫低減支援を実施 フードバンク 災害支援 教育などの非営利団体への支援も拡充 これまでに 300 以上の団体に個別工程改善活動を実施しています 2016 年次代を担う振付家賞 オーディエンス賞受賞平原慎太郎氏 cbozzo その他の取り組み トヨタコミュニティコンサート トヨタロビーコンサート トヨタ マスター プレイヤーズ, ウィーン ネットTAM など 医療備品の在庫低減支援活動 その他の国での取り組み 医療奉仕プログラム ( フィリピン ) 無料手術プロジェクトへの支援 ( ベネズエラ ) など 43 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

45 社会への取り組み社会貢献活動 ボランティア活動 従業員が自発的に取り組むボランティア活動を支援し 支え合える地域づくりを目指しています 日本では 環境 災害 福祉 スポーツ を重点分野として 地域を取り巻くさま ざまな課題の解決につながるようなプログラムを 関係先の協力のもとで企画 実施するとともに 社外から寄せられるボランティア情報を社内に紹介しています 国内事例 2020 年の東京オリンピック パラリンピック開催を契機に 従業員一人ひとりが 心のバリアフリー を身に付ける支援策として トヨタバリアフリー講座 を 2016 年から開催しています さまざまな障がいについて学びや実践の機会を提供し 意識や行動の変化を促すことで ボランティアの輪を広げます 2016 年度は7 回開催し 延べ342 人の従業員とその家族らが参加 地域や職場などで互いに支え合い 助け合える社会の実現に向けて 自ら行動する意識の醸成に努めます 海外事例トヨタモーターヨーロッパ (TME) では ベルギーを拠点に難民や社会的弱者を支援するNGO Serve the City と連携し 2013 年から従業員チャリティー活動を実施しています 2015 年は新車の プロエース ( バン ) を同 NGOへ寄贈しました 2016 年は 各従業員の趣味や特技 ( ヨガレッスンや手作りお菓子 写真撮影など ) の対価で 移動キッチンカーの購入費用を同 NGOへ寄付 ブリュッセルの路上で温かい食事の提供が可能になりました また TME 本社ロビーに展示された プロエース に各従業員が家庭から食料品や衛生品を持ち寄る活動を通して 荷室 2 台分相当の支援品が集まり 同 NGOへ寄贈しました トヨタバリアフリー講座 その他の取り組み TABLE FOR TWO アカウミガメの産卵地保全ボランティア活動 人工林での森林整備 ( 間伐 ) ボランティアなど チャリティー活動 ( 手作りお菓子販売 ) その他の国での取り組み チーム トヨタによるボランティア活動 ( アメリカ ) ホームレス支援 ( アメリカ 韓国 ) スペシャルオリンピックスへのボランティア支援 ( 日本 アメリカ ) など 44 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

46 社会への取り組み社会貢献活動 文化 展示施設 トヨタは 先人たちの熱い思い モノづくりを通じた社会への貢献 時流に先んじた研究と創造 の精神を受け継いでいます その精神や理念を 自動車文化 モノづくり文化として 継承し 人とクルマの豊かな未来を皆様と共に考える場として 文化 展示施設を管理運営しています 文化 展示施設 施設名と概要 トヨタ鞍ヶ池記念館 ( 愛知県豊田市 ) 創業者喜一郎とその仲間たちの夢と情熱の日々を 創業期の歩みとともに映像などで紹介 Web kuragaike/ 施設名と概要 トヨタ会館 ( 愛知県豊田市 ) ビジョンや最新技術の情報発信と工場見学の受け入れ拠点 Web jp/ about_toyota/facility/ toyota_ kaikan/index.html 豊田佐吉記念館 ( 静岡県湖西市 ) グループ創始者である佐吉の生涯を生誕の地で展示紹介 Web about_toyota/facility/sakichi/ トヨタ博物館 ( 愛知県長久手市 ) 自動車の歴史を 各時代を代表する国内外の約 160 台の車両により紹介 Web Museum/ トヨタ産業技術記念館 ( 愛知県名古屋市 ) 繊維機械事業を基盤にクルマづくりの世界へ進出したトヨタグループの歴史を 実演を交えて展示紹介 MEGA WEB( 東京都江東区 ) 東京 臨海副都心にある 見て 乗って 感じる クルマとトヨタの情報受発信拠点 Web Web 財団 トヨタ財団 助成財団として1974 年に設立 世界的な視野に立ち 長期的かつ幅広く社会活動に寄与するため 生活 自然環境 社会福祉 教育文化などの領域での課題についての研究 事業に対して 助成を行っています 具体的には 研究助成プログラム 国際助成プログラム 国内助成プログラム 社会コミュニケーションプログラム イニシアティブプログラム などの助成事業を行っています Web トヨタ モビリティ基金 豊かなモビリティ社会の実現とモビリティ格差の解消を目指し2014 年 8 月に設立 トヨタのノウハウを生かしつつ 世界各地の優れたビジョンや経験を持つNPOや研究機関などと共に移動の課題を解決し より良いモビリティ社会づくりに向けて取り組んでいます 助成プロジェクト事例 地域 プロジェクト名 タイ バンコク 渋滞緩和プロジェクト (2017 年 3 月終了 ) ベトナム ダナン 岡山県美作市 愛知県豊田市 交通手段多様化促進プロジェクト 中山間地域における移動の不自由を解消する仕組みづくりプロジェクト Web インド ベンガルール 米国 地下鉄へのアクセス向上に関するアイデアコンテスト モビリティの課題解決アイデアコンテスト 次世代モビリティチャレンジ 45 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

47 社会への取り組み人権の尊重 人権の尊重 基本的な考え方 トヨタ基本理念 やそれを実践するための基本的心構えをまとめた トヨタ行動指針 CSR 方針 社会 地球の持続可能な発展への貢献 において すべての人々の人権およびその他の権利を尊重することを定めています また トヨタウェイ の二本柱である 知恵と改善 人間性尊重 のうち 人間性尊重 は あらゆるステークホルダーを尊重するとともに 従業員を個人としてその個性 能力を尊重することであり また従業員の成長が会社の成果に結びつくことにより自己実現が達成できるようにすることです 従って トヨタウェイ の実現こそが 人権の尊重そのものであると考えています トヨタウェイ を精神的基盤に全世界の事業体で同じ価値観を共有し そして 従業員が安心していきいきと働くことができるように さまざまな施策を推進しています また こうした考え方が 子会社やサプライヤーなども含めたグローバルな事業活動全般にしっかりと反映され 実践されるように努めています トヨタウェイの 2 本の柱と 5 つのキーワード トヨタ基本理念 チャレンジ CSR 方針 改善 現地現物 Continuous Improvement 知恵と改善 人権の尊重 Respect for People トヨタウェイ トヨタ行動指針 人間性尊重 リスペクト チームワーク 2016 年度の主な取り組み 社内 トヨタでは 人権尊重の考え方に沿って業務が遂行されているかをチェックするために 毎年 連結コンプライアンス自主点検活動を実施し 各機能を点検 フォローしています 国内 海外子会社 国内子会社に対しては毎年 海外子会社については 2 年に 1 度 連結コンプライアンス自主点検活動を展開しています その中で 人権 労働分野については その結果に基づき改善策の立案 実施の依頼を 2012 年より実施しています 2015 年は 国内子会社 195 社 海外子会社 216 社に対し 自主点検活動を展開し 2016 年に回答を回収した子会社のうち 改善が必要とされる子会社に対して改善依頼を行いました サプライヤー 2009 年に 仕入先 CSR ガイドライン を策定し 展開しました その中に 人権尊重のトヨタの方針と仕入先に対する期待を明記するとともに 仕入先各社には ガイドラインに基づき 自主点検をお願いしています また 2012 年末に 仕入先 CSR ガイドライン を改定するとともに 重要点検項目として人権 労働分野に関しては 新たに設けた 質問表 を隔年で仕入先に展開 回収することを通じ 取り組み状況の確認と 必要に応じた改善依頼や改善活動のモニタリングを行っています 2015 年も 国内および海外各地域の仕入先 ( 約 3,000 社 ) に質問票を展開し 2016 年に回答を回収した仕入先のうち 改善が必要とされる仕入先に対して改善依頼を行いました 販売店 国内では トヨタ販売店が加入するトヨタ自動車販売店協会 ( 以下 ト販協 ) が 2005 年に自主的に トヨタ販売店 CSR ガイドライン を策定 発行 その中にコンプライアンスのトヨタの方針と販売店に対するあるべき姿を明記しています 具体的な取り組みとしては 各販売店が CSR チェックリスト の中で人権 労働に関する点検を実施して PDCA を回し 毎年度の活動結果をト販協に報告し 改善活動を行っています 46 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

48 社会への取り組み人権の尊重 推進体制 仕組み トヨタでは 人権に関する社会的要請の高まりなど環境の変化に対応し 会社施策の強化 見直しを常に実施しています 例えば デュー デリジェンスの概念が強化され その考え方に基づいた国際規範が導入 改訂されるのにともない 2011 年に 総合企画 ( 現 経営支援 ) 海外渉外 監査 法務 経理 人事 調達などの各機能からなる人権ワーキンググループを組織し 各種国際規範の研究やあるべき施策の 検討を行ってきました それに基づき 人権 労働に関する各種施策の強化 見直しを提案し 実行に移しています 2015 年 4 月より 業務執行の監督としての コーポレートガバナンス会議 において さまざまな社会課題を踏まえた成長戦略 事業戦略を実現するガバナンス体制を審議しています 人権 労働については 同会議において議論を行います 体制図 取締役会 人権に関する方針の共有と取り組み トヨタ子会社サプライヤー販売店 コーポレートガバナンス会議 CSR 方針 社会 地球の持続可能な発展への貢献 仕入先 CSR ガイドライン 販売店 CSR ガイドライン ( 日本 ) 人権ワーキンググループ 連結コンプライアンス活動 質問表による改善依頼 改善活動確認 [ メンバー ] 人材開発部 グローバル監査室 経理部 法務部 調達企画部 海外渉外部 経営支援室 CSR 重点 KPI 教 育 自主点検活動 47 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

49 社会への取り組み人権の尊重 トヨタの紛争鉱物問題に対する取り組み トヨタでは人権の尊重の実現に向け さまざまな施策を推進しています 現在 世界の一部地域において武装勢力による一般市民の虐殺や略奪 誘拐 児童兵の徴用などの非人道的行為が行われており 国際社会の批判が高まっています 特に アフリカ大陸中央部に位置するコンゴ民主共和国 (DRC: Democratic Republic of the Congo) では 豊富な鉱物資源の違法採掘 密輸が武装勢力の資金源になっているといわれています トヨタは こうした紛争地域における人権侵害や環境破壊 不正採掘などの問題 さらにはこれらを通じて武装勢力の資金源となる紛争鉱物問題が サプライチェーンにおける重大な社会問題の一つであるとの認識のもと 事業活動に取り組んでいます 紛争鉱物の使用状況や製錬所情報の本格的な調査については 2013 年 5 月から開始しています 2016 年 1 ~ 12 月の紛争鉱物の使用状況などに関する調査結果については 報告書 ( Form SD および 紛争鉱物報告書 ) に取りまとめ 米国証券取引委員会に2017 年 5 月 31 日に提出しました 今後も トヨタはコンゴ民主共和国および周辺国 ( 以下 コンゴ周辺諸国 ) 産の人権侵害などの不正に関わる紛争鉱物を原材料として使用しないコンフリクトフリーを目指し サプライヤー 業界団体 各種参加団体と共に取り組んでいきます 2016 年 Form SD および 紛争鉱物報告書 Web library/sec/pdf/form_sd_201705_final.pdf 紛争鉱物に関するトヨタの方針 トヨタは 紛争鉱物問題への取り組みに関する指針として 紛争鉱物対応方針 を定め 当該方針に基づき対応を進めています また サプライヤーへの CSR 活動に関する要請事項を 取りまとめた 仕入先 CSRガイドライン を 2012 年に改定し 責任ある資源 原材料の調達 活動を要請しています 紛争鉱物対応方針私たち ( トヨタ自動車株式会社およびその子会社 ) は 人権 環境等の社会問題を引き起こす原因となりうる原材料の使用 による地域社会への影響を考慮した調達活動を推進しています コンゴ周辺諸国産の紛争鉱物問題は サプライチェーンにおける重大な社会問題の一つと認識しています 私たちは コンゴ周辺諸国産の人権侵害等の不正とかかわる紛争鉱物を原材料として使用しないコンフリクトフリーを目指します そのために 紛争鉱物の使用状況について グローバルにサプライチェーンを遡って調査を実施し 社会問題を引き起こす あるいは 武装勢力の資金源になっている懸念のある場合には 使用回避に向け取り組みを実施します 取引先には 相互信頼に基づく共存共栄の理念のもと 私たちの考えを理解いただくとともに 責任ある資源 原材料の調達活動に取り組んでいただくよう要請していきます 仕入先 CSRガイドライン 責任ある資源 原材料の調達 人権 環境などの社会問題を引き起こす原因となりうる原材料 ( 例 : コンゴ産紛争鉱物など * ) の使用による地域社会への影響を考慮した調達活動を行うこととし 懸念のある場合には 使用回避に向けた施策を行う * コンゴ産紛争鉱物など : コンゴ民主共和国およびその周辺諸国から産出される鉱物で かつ同地域の武装勢力の活動資金となっている鉱物 仕入先 CSR ガイドライン 仕入先 CSR ガイドライン Web partners/supplier_csr_jp.pdf 48 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

50 社会への取り組み人権の尊重 取り組みに向けた社内体制 業界連携および官民連携アライアンスへの参加 2011 年に総合企画 ( 現 経営支援 ) 調達 経理 広報 渉外 法務 材料技術など 社内の複数の部署から構成される組織横断的なタスクフォースを立ち上げ コンゴ産紛争鉱物への対応の検討を開始しました 2011 年には JAPIA *1 と紛争鉱物問題に関するワーキンググループを設置し 日本国内の自動車業界全体で取り組みに向けて検討を進めてきました 2012 年には JAPIA 加盟企業と協力しトライアル調査を実施するなど 本格的な調査開始に向けた準備に着手しました 2013 年には 自動車各社およびJEITA *2 加盟企業を中心にコンフリクトフリー ソーシング ワーキンググループを結成し その後も製錬業者の素性調査や製錬業者団体へ訪問 コンフリクトフリー認証取得の働きかけなどを継続して行っています 業界連携の取り組みは日本国内だけでなく 米国でAIAG *3 のコンゴ産紛争鉱物ワーキンググループへの参加 コンフリクトフリー ソーシング ワーキンググループ および AIAG のワーキンググループの活動を通じたCFSI *4 との協力など グローバルで実施しています 米国子会社においても AIAGのSmelter Engagement Teamの共同リーダー (Co-Leader) として 2016 年 1 月から12 月までに93 社 さらに CFSIのGlobal Smelter Engagement Team のチームリーダー (Team-Lead) として4 社の製錬業者にコンタクトを行い 製錬業者の素性調査や製錬業者団体への訪問 コンフリクトフリー認証取得の働きかけなどの活動を実施しました また トヨタは 業界団体 米国政府 市民団体などによる 責任ある鉱物取引のための官民連携(PPA *5 ) に参画しています PPAはコンゴ周辺諸国における紛争と関わりのない責任ある鉱物の取り引きを促進しており その実現に向けて各種取り組みを実施しています トヨタはPPAの趣旨に賛同し 人権侵害との関わりの有無にかかわらずコンゴ周辺諸国産の紛争鉱物の不使用をサプライヤーに求めることは コンゴ周辺諸国における合法な鉱物 資源の取り引きの委縮につながる恐れがあり 問題の解決につながるわけではないと認識しています そうした認識のもと サプライチェーン上流の製錬業者において人権侵害などにかかわる紛争鉱物を使用しないコンフリクトフリーの取り組みの進展が 人権侵害などの問題解決に向けた道のりの一つであると考えて 業界横断的な活動に取り組んでいます このような国内外での業界連携の取り組みによって製錬業者のコンフリクトフリー認証に関する理解が進み 2016 年 11 月時点 *6 では 世界で241 社の製錬業者がコンフリクトフリー認証を取得しています そのうち 237 社がトヨタの 2016 年調査の結果に含まれています *1 JAPIA(Japan Auto Parts Industries Association): 日本自動車部品工業会 ( *2 JEITA(Japan Electronics and Information Technology Industries Association): 電子情報技術産業協会 ( *3 AIAG(Automotive Industry Action Group): 米国の自動車業界の行動規範を定める団体 ( *4 CFSI(Conflict-Free Sourcing Initiative): コンフリクトフリー ソーシング イニシアティブ 紛争鉱物問題に取り組む米国の組織 ( *5 PPA(The Public-Private Alliance for Responsible Minerals Trade): 紛争に関わらない鉱山の特定をはじめとする責任ある調達の実現に向けた取り組みを推進しており 政府機関や業界団体 民間企業 NGO などが加盟 ( *6 トヨタが 2016 年調査結果の分析 評価を開始した時点 業界横断的な取り組みの全体像 米国 AIAG CFSI 日本 自動車各社トヨタなど コンフリクトフリー ソーシング ワーキンググループ JEITA 加盟企業 自動車業界 JAPIA 紛争鉱物規制対応ワーキンググループ 金 錫 タングステン タンタルの関係団体など 電機業界 49 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

51 社会への取り組み人権の尊重 紛争鉱物の使用状況の把握 (2016 年度に実施した調査および結果 ) トヨタは 2013 年 5 月から 紛争鉱物の使用状況について本格的な調査を開始し 2016 年も同様に 自動車やマリンなどの事業を対象に 国内外の第一次サプライヤーに対し グローバルにサプライチェーンをさかのぼって調査を実施しました 未提出のサプライヤーに対しては 督促を行い 最終的には 6,000 社以上からの回答を得ました また 受領した回答内容については内容の確認を行い 回答不備や記入漏れが含まれる場合は再提出を依頼するなど 紛争鉱物に関する取り組みを より実効性のあるものにするために活動しています 調査開始に当たっては 効率的かつ効果的な調査の実施を目指し第一次サプライヤーを対象とした説明会の開催 調査帳票の記入マニュアルや調査結果を集計するためのツールの作成 JAPIAおよびJEITAが共催する説明会へのサポートなどを行いました 調査開始以降もサプライヤーとの強固かつ緊密な関係に基づくコミュニケーションを通じ 連携を図っています また第一次サプライヤーからのフィードバック内容を踏まえた調査マニュアル FAQ 集計ツールなどの改訂を行い それらの調査支援ツールを無償で公開しています トヨタは 紛争鉱物報告書の報告対象である紛争鉱物がコンゴ周辺諸国を原産国とするものか また これらの地域における武装勢力の資金源となっているものかを確認するため 紛争鉱物の調達や加工 流通過程管理に関するデュー デリジェンスを進めています デュー デリジェンスの手続きは OECD 紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー デリジェンスガイダンス で定められた基準に従って 取り組んでいます 紛争鉱物調査に関するリスクについては 経営陣との議論を実施の上 その評価結果および対応策についてリスク管理計画書に取りまとめており それらをもとにリスク低減に向け た活動を行っていきます 社内で策定した基準および手順に基づき 自動車事業 ( トヨタ車 レクサス車 ) の国内および海外の第一次サプライヤーの中から リスク低減に向けたフォローアップを優先的に行うサプライヤーを選定しています 2016 年度の調査結果およびトヨタの取り組みにつきましては Form SD および 紛争鉱物報告書 に取りまとめ 米国証券取引委員会に提出しました 自動車のサプライチェーンは広範かつ複雑なことから 2016 年の調査では サプライチェーンの上流で製錬業者や鉱山の特定に至らなかったケースが多数ありました 調査結果の詳細につきましては 下記をご確認ください 開示内容に関連する社外からの問い合わせ対応の体制としては 情報がすべてタスクフォースに集約され タスクフォースにて対応を議論する仕組みを整備しています 2016 年調査の結果 原産国 2016 年 Form SD および 紛争鉱物報告書 Web library/sec/pdf/form_sd_201705_final.pdf 製錬所 ( 精錬所 ) および紛争鉱物の原産国に関する十分な情報をサプライヤーより入手することができなかったため 当社製品が DRC コンフリクトフリーであるか否か判定することはできませんでした 製錬 ( 精錬 ) 施設 調査を通じ 一部の製錬 ( 精錬 ) 業者に関する情報については取得することができ その中にはコンゴ周辺諸国を原産国とする鉱物を使用している業者が含まれていることが確認されました しかし それらが武装勢力の資金源となっているか否かを判断するために 十分な情報は入手することができませんでした 今後の取り組みトヨタは コンゴ周辺諸国産の人権侵害などの不正にかかわる紛争鉱物を原材料として使用しないコンフリクトフリーを目指し 第一次サプライヤーの皆様とともに 取り組んでいきます 製錬業者情報の収集や製錬業者団体への働きかけなど 調査 およびデュー デリジェンスの実施に向けた環境の整備も重要であると考え 業界団体 各種参加団体との連携も推進していきます 今後の取り組み内容 原産国調査およびデュー デリジェンスの改善 主要な第一次サプライヤーからのフィードバック内容を踏まえた 調査手法の改善 紛争鉱物調査に関する説明資料などの提供 JAPIAとの定期的な会合の開催 直接取引のあるサプライヤーとの継続的なコミュニケーション及び意見交換の実施など サプライヤーに対する認知度向上に向けた取り組みの実施 AIAG JAPIAなどの業界団体を通じた 製錬業者に対するコンフリクトフリー認証取得のはたらきかけ AIAGを通じたCFSIへの貢献 PPAへの参画など 業界横断的な取り組みの継続 仕入先 CSRガイドラインに記載の要請事項に含まれる 責任ある資源 原材料の調達 に関し 改善の余地のある場合 サプライヤーへのはたらきかけを実施 50 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

52 社会への取り組みビジネスパートナーとともに ビジネスパートナーとともに 基本的な考え方 クルマづくり モノづくりを通じた社会への貢献 お客様第一 を達成するためには ビジネスパートナー ( サプライヤーや販売店などの取引先 ) と理念を共有し 手を携え 一体となって さまざまな活動に取り組むことが必要です トヨタはオープンでフェアな企業活動を推進し CSRに対する取り組みを着実に推進すると同時に 安全 安心に関する品質向上のために ビジネスパートナーとさらなる一体化を図り 高いレベルのお客様満足度の実現に取り組みます CSR 方針 社会 地球の持続可能な発展への貢献 抜粋 安全 安心 豊かな生活 私たちは サプライヤー 販売店などの取引先を尊重し 長期的な視野に立って相互信頼に基づく共存共栄の実現に取り組みます 私たちは 取引先の決定にあたっては 全ての候補に対しその国籍または規模に関わらず門戸を開き その総合的な強みに基づき判断します 私たちは 各国の競争法の規定と精神を遵守し 公正かつ自由な取引を維持します サプライヤー お客様 トヨタ 販売店代理店 相互信頼 共存共栄 相互信頼 共存共栄 より良いものをより安くタイムリーに 過年度実績および本年度の主な取り組み 2016 年度の主な取り組み ( 実績 ) 2017 年度の主な取り組み サプライヤー サプライチェーンに対する CSR 推進活動の継続的な働きかけ 紛争鉱物 ( コンフリクト ミネラル ) 問題など サプライチェーンにおける人権問題への取り組み サプライチェーンに対する左記活動の継続と強化 販売店 CSR ウェブサイトによる販売店への情報提供 地域視点での貢献活動の提案 推進 J-ReBORN 計画 の推進 販売店と一体となり 左記活動に継続して取り組み 51 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

53 社会への取り組みビジネスパートナーとともに サプライヤーとともに トヨタは創業以来 サプライヤーと一体となってモノづくりを追求してきました 好調なときも苦境のときも ともに手を携え 励まし合いながら乗り越えてきたという歴史があります 相互信頼に基づく相互繁栄 の精神のもと サプライヤーと強固で緊密な関係を築いてきました 事業活動がグローバル化する今日において 新たなパートナーとの関係も含め こうした緊密な関係を大切にし 共にお客様第一を推進します トヨタは サプライヤーと互いに尊重し合い 対等な立場で取り引きを行い 固い信頼を築き 共に成長 発展する関係づくりこそ 調達の最重要課題と認識しています また あらゆる国 地域のサプライヤーと共にコンプライアンスの遵守 人権尊重 地域 グローバル社会への貢献に取り組み 社会 地球の持続可能な発展に貢献していくことが重要です トヨタでは次の3 点を 調達の基本方針 とし 緊密な連携に基づく調達活動をグローバルに展開しています トヨタの調達基本方針 1. オープンドアポリシーに基づく公正な競争トヨタとの取引を希望される国内外のサプライヤーに対して 国籍 企業規模 取引実績の有無を問わず オープンで公正かつ公平な参入機会を提供しています サプライヤーの選定にあたっては 品質 原価 技術 納期などの能力に加え 継続的な改善に取り組む経営姿勢 体制 および環境問題などの社会的責任に対する取り組み などを総合的に勘案しています 2. 相互信頼に基づく相互繁栄トヨタは 長期的なビジョンの中で 相互繁栄を図ることができる取引関係の確立を目指しています その基礎となる相互の信頼関係を築くため サプライヤーとの双方向かつ密接なコミュニケーションの促進を図っています 3. 良き企業市民を目指した現地化の推進トヨタは 世界各地での車の需要に応えて現地生産を積極的に進めています 現地生産にあたっては 車の生産に必要な部品 資材 型 設備等を 現地のサプライヤーから積極的に調達することにより 地域社会に貢献し 良き企業市民となることを目指しています 仕入先 CSR ガイドライン の展開 トヨタでは サプライヤーと共に連携して取り組むことが重要と考え 2009 年 2 月に 仕入先 CSRガイドライン を策定しました サプライヤーに対して 本ガイドラインに基づいて自らCSRを実践していただくことに加え 各社のサプライヤーへも同様に 各社のCSR 方針 ガイドラインを展開するようにお願いしています さらに 2012 年 12 月にサプライチェーンに対する人権対応 ( モニタリング 是正対応の強化 / コンフリクト ミネラル問題への対応 ) をより明確にするため改定版を策定し 一層の CSR 取り組みの充実 強化をお願いしています 仕入先 CSRガイドライン Web supplier_csr_jp.pdf サプライチェーンにおける人権尊重 トヨタは 仕入先 CSRガイドライン を策定し その中に人権尊重のトヨタの方針とサプライヤーに対する期待を明記し サプライヤーへ展開しています さらに人権 労働に関しては 取り組み強化の一環として 質問表 を設け 状況を確認するとともに 必要に応じて改善依頼や改善活動の確認を行っています サプライチェーンにおける環境活動の推進 トヨタは環境取り組みをサプライヤーと共に連携して行うことが重要と考え TOYOTAグリーン調達ガイドライン を作成しています 2016 年 1 月には トヨタ環境チャレンジ2050 を踏まえ 改定版を発行しました 主な改定ポイントとして 温室効果 ガス 生物多様性などの取り組み内容の拡充と ライフサイクル視点の強化 サプライチェーン マネジメント強化を織り込みました 環境への取り組み P Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

54 社会への取り組みビジネスパートナーとともに 紛争鉱物 ( コンフリクト ミネラル ) 紛争鉱物対応方針 に基づき 人権侵害などに関わる紛争鉱物を原材料として使用しないコンフリクトフリーを目指し グローバルにサプライチェーンをさかのぼって調査を実施し ています 武装勢力の資金源になっているなどの懸念があった場合は 使用回避に向けた取り組みを進めます 人権の尊重 P46 サプライチェーンにおける贈収賄防止 事業活動のグローバル化や社会的要請の高まりを受け 贈収賄防止の徹底のため 2012 年に 贈収賄防止に関するガイドライン を策定しました ビジネスパートナーにも周知を 図ることで 贈収賄に対する一層の防止体制強化 未然防止に取り組んでいます 贈収賄防止に関するガイドライン ( ビジネスパートナー用 ) Web サプライヤーの CSR 推進活動の支援 サプライヤー自らにCSR 実践をお願いするとともに CSR 推進活動を支援するため トヨタ主催で毎年 CSR 勉強会 を実施しています CSR 全般の知識はもちろん なぜ CSRを推進するのか なぜサプライチェーン全体まで展開するのか など 問題意識を高める理解活動にも努めています 2016 年度 国内においては サプライヤー 300 社 (500 人 ) を対象に 法務案件として サプライチェーン全体での適正取引推進に向けて 環境関連として トヨタ自動車の環境への取り組みと仕入先様にお願いしたいこと をテーマにCSR 勉強会を実施しました 海外では AIAG * のサプライヤー CSR 教育プログラムにトヨタも参加し 海外サプライヤーのCSR 推進活動を後押ししています 過年度において 新しい教育ツールとして AIAGウェブサイトからサプライヤーが研修できるeラーニング Supplier Responsibility Training Project の整備にも参画 今後のサプライチェーンでのCSR 意識向上への貢献を目指しています * AIAG(Automotive Industry Action Group): 米国の自動車業界の行動規範を定める団体 ( サプライヤーの CSR 推進活動 CSRを推進するため サプライヤーも自主的な活動として CSR 講演会 CSR 研鑽会 ボランティア活動 に取り組んでいます CSR 講演会 は トヨタの協力会である協豊会 栄豊会が共催で毎年開催しており 各会員会社がCSRの理解 意識向上を図り CSR 推進に取り組むことを目的に行っています 2016 年 7 月 環境経営は何を目指すのか と題し 具体的な事例を交えた講演をしていただきました CSR 研鑽会 は 栄豊会がCSR 講演会や勉強会の後に 小グ ループに分かれて各テーマの意見交換を行うもので これらの活動を通じて各社の取り組みを研究し サプライヤー全体でのCSR 取り組みのレベルアップを図っています ボランティア活動 については 協豊会 栄豊会がCSR 活動推進の一環として 合同で東日本大震災被災地支援活動のための物品収集ボランティア活動 ( 不要携帯電話 書き損じはがき 未使用切手などの収集 ) を展開し 収集物品による収益を支援先である被災地自治体 ( 岩手県 ) に寄贈しています CSR 講演会 CSR 研鑽会 ボランティア福祉協議会 53 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

55 社会への取り組みビジネスパートナーとともに 販売ネットワークとともに 販売店は トヨタの お客様第一 の理念が問われる最前線です トヨタと販売店は 製品 サービスの価値を共有し 固い信頼関係で結ばれた一心同体のパートナーとして 常にお 客様満足の向上を目指して 双方向の緊密なコミュニケーションのもと 取り組みを展開しています 国内販売店 トヨタの国内販売ネットワークは 281 社 約 5,500 店舗 (U-car 含む 2017 年 6 月時点 ) からなります トヨタは お客様第一 の理念を掲げ 1にユーザー 2にディーラー 3にメーカー の考えのもと 販売店をサポートし 一体となってお客様の期待に応え お客様満足度を高めていくことにより 販売店の発展 =トヨタの発展 が実現すると考えています 推進体制 仕組み 国内トヨタ販売店が加入するトヨタ自動車販売店協会 ( ト販協 ) は 2005 年 CSR 特別研究会を設置し トヨタ販売店 CSRガイドライン を策定 発行しました 2006 年には トヨタ販売店 CSR 宣言 を公表し トヨタ全販売店が一丸となったCSR 活動を推進しています トヨタ販売店 CSRガイドライン は コンプライアンス 環境対応 社会貢献 が三本柱です 販売店がお客様およびステークホルダーの満足度を高める活動を推進するとともに オールトヨタが一体となって 地球 地域社会から愛される存在 を目指すCSR 活動に主体的に取り組んでいます 各販売店では 第一線でお客様と接する立場から CSR 基本方針を定めて取り組みを推進 400 項目近い自主管理ツール CSRチェックリスト を活用しながらPDCAを回し 毎年度の結果をト販協に報告しています トヨタはチェックリストシステムをはじめ 監査方法 テキスト作成などのノウハウ提供を通じて 販売店のCSR 活動をサポートしています トヨタの販売店活動へのトヨタのサポート概要 ト販協の トヨタ販売店 CSR 宣言 を受け トヨタは販売店が自主的に行うCSR 活動をサポートしています 2006 年には情報共有に役立つ CSR 支援 Webサイト を開設 CSRやコンプライアンスに関する教育 啓発ツールや取り組み事例集の作成 配付 ト販協が開催する研究会 講演会への情報提供なども行っています また 法令改正などにともない CSRチェックリスト の改訂をサポートしています ト販協の主な CSR に関する取り組み CSR チェックリスト および 評価結果フィードバックシート の展開 トヨタ販売店 ヘルプライン 運営 ヘルプライン報告ダイジェスト や各種ツール 配付物の展開 CSR 研究会の開催 CSR 講演会の開催 54 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

56 社会への取り組みビジネスパートナーとともに 販売店とともに日本を元気にすることを目指す J-ReBORN 計画 人口減 高齢化 市場の縮小 技術進化など 日本の自動車市場が急激に変化するなかで 国内販売事業の新たな施策 J-ReBORN 計画 を推進しています 全国に広がるトヨタのネットワークを生かし 日本を元気にしていきたい という思いのもと お客様を含むすべての 生活者の方々に愛されるための活動を通じて トヨタと販売店が一体となり もっといいお店づくり を推進 より多くの方にクルマファンになっていただくことにチャレンジしていきます J-ReBORN 計画 の概要 J-ReBORN 計画 で取り組む 4 項目 トヨタ もっといいクルマづくり 販売店 もっといいお店づくり 2020 年代の自動車ビジネス活性化にチャレンジ クルマファン トヨタファン 販売店ファンづくり 1CS * 生産性を圧倒的なレベルまで高める 2 新しいお客様を含むすべての生活者に愛され続ける *CS:Customer Satisfaction( お客様満足 ) (1) クルマ 事業軸 から お客様軸 への働き方の ReBORN 1 若者 ( 心 行動の若さ ) を獲得するマーケティング活動 2 圧倒的な生産性の向上によりお客様との絆を深める (2) 地域における町いちばん企業への ReBORN 3 地域での存在感を高めるオールトヨタ~ オールジャパンの活動へ 4 将来課題を先取りした販売店モデルケースづくり JFA Youth & Development Programme で 販売店スタッフがサッカー巡回指導活動へ ( 日本 ) 2017 年 5 月 トヨタは公益財団法人日本サッカー協会 (JFA) と JFA Youth & Development Programme(JYD) パートナーシップ契約を締結しました トヨタはJYDオフィシャルサポーターとして 全国の未就学児童を対象とした サッカー巡回指導 の支援 活動に関わります JYDとは2016 年 1 月からJFAが展開している 継続的な日本サッカーの発展と さらなる普及や次世代選手の育成促進を目的としたプロジェクトです トヨタの具体的な活動として 全国各販売店 共販店 レンタリース店のスタッフが中心となり JFA 公認キッズリーダー のライセンスを取得し 各都道府県のサッカー協会と連携しながら 地域の幼稚園 保育園などに対してサッカーならびに体を動かすことの楽しさを伝える授業を 参加希望販売店が2017 年 7 月から順次実施します この活動を通して 未来を担う子どもたちが心身ともに健やかな成長ができるよう貢献していきます 2017 年 5 月の契約締結 55 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

57 社会への取り組みビジネスパートナーとともに トヨタ原体験プログラム トヨタ原体験プログラム は バーチャル時代 の子どもたちへ クルマを題材に 五感で感じるリアルな体験の機会 世界の環境や経済を身近に感じる機会 を提供することで 未来のクルマファンを育成していく取り組みです 地域に根ざして活動する販売店と協働し 地元の小学校に 出張授業 を行っています 授業は 体感しながら楽しく学ぶ をテーマとし 4 年生向けには理科の 空気の性質 から クルマのパワーとコントロール を模型や本物のクルマを使い学ぶ クルマ原体験教室 5 年生向けには社会科授業の 自動車をつくる工業 の一環として クルマと環境 経済との関わり をクイズやゲームで理解してもらう クルマまるわかり教室 を実施しています 2016 年度は クルマ原体験教室 を 102 校 クルマまるわかり教室 を 342 校 合計 444 校で実施し 2008 年のスタート以来 2814 校 約 14 万人の子どもたちへ授業を実施しました クルマの重さを体験 AQUA SOCIAL FES!!(ASF) ASFは ハイブリッドカー アクア のブランディングの一環として2012 年に始まった 水 がテーマの地域環境保護 保全活動です 北海道から沖縄まで47 都道府県で 多様なアクションプログラムが展開されています ASFの全体の企画 告知 実施はトヨタが担当し 具体的なアクションプログラムの開発 運営は地域 NPOや地方新聞社が担います 最近は ASFをきっかけに地元自治体が環境回復費を予算化したり 地元企業が社員研修の一環として ASFを活用したりと 社会的な波及効果も生まれるようになりました また 販売店が運営スタッフとして参加し 受付業務や駐車場の誘導などを行うことで 地域の人々との交流も深まっています ASFの理念に共感した販売店が単独で ASFを開催している事例も見られます 毎年度 1 万人を超える参加者を獲得し 6 年目を迎えた 2017 年 6 月には 累計参加者数が6 万人を突破しました 参加者の平均年齢は27 歳と若く その内容は 川 湖 海などの水辺の清掃や外来種の駆除 植樹 棚田や里山再生を目的にした活動など 多彩です アンケート調査では 地域への関心が高まった また参加したい との回答が約 9 割を占め 参加者からも支持をいただいています 棚田保全プロジェクト ( 佐賀 ) 小松海外クリーンプロジェクト ( 徳島 ) 海外トヨタ販売店の訪問受け入れ 日本のトヨタから CS( お客様満足 ) 活動を学びたい という 世界中のトヨタ販売店からの訪問を 毎年 全国各地の販売店で受け入れています 新車販売のみならず サービス 保険 U-Car クレジットなどバリューチェーン全体でお客様満足を高め 固定客化していく日本の販売店の活動を現地現物で学び 帰国後に自社店舗での取り組みに生かしています 文化の違う販売店同士が積極的にコミュニケーションをとり合うことで 双方に新しい気付き 学びがあり お互いの研鑽に役立っています 訪問の様子 56 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

58 社会への取り組みビジネスパートナーとともに 海外代理店 世界各地のお客様に もっといいクルマ を提供し続けるために重要な鍵となるのが トヨタの大切なパートナーである海外代理店です 海外には約 170の代理店と約 1 万の販売店があり 地域に根差した活動をしながら トヨタファンづくりを推進しています 推進体制 仕組み 世界を 北米 欧州 中国 アジア 中東 北アフリカ 東アジア オセアニア アフリカ 中南米の7つの地域に分け ( 除く日本 ) 各地域の市場特性に応じて 最適なクルマ サービスを提供する販売体制を敷いています また クルマの使用環境 求められる機能やサービスは 各国 各地域によって大きく異なるため お客様の声やご要望を 海外代理店を通してお聞きし もっといいクルマ の実現を目指しています そうした現地の声に より一層適切にきめ細かく対応した商品企画や販売戦略 現地販促活動のサポートなどを実行するため 2013 年には各地域本部を クルマ市場が成熟し代替需要の促進や先進的技術を織り込んだ商品開発が求められる先進国を主に担当する 第 1トヨタ と 急拡大する市場ニーズにマッチした商品の迅速な投入と新規のお客様の獲得が課題となる新興国を担当する 第 2トヨタ の二つのビジネスユニットに編成しました その後 各国で環境規制の強化やビジネス環境の変化が進むなか 2017 年 4 月より 地域軸一丸となって 車両カンパニーとの連携を密に取り 迅速かつ効率的な対応をしていくことを狙いに 第 1トヨタ 第 2トヨタ を 事業 販売ビ ジネスユニット に統合 再編し これまで以上に 地域 お客様 と向き合う体制を強化しています こうした体制のもと 各地域 国単位で代理店と連携し 各地のお客様のニーズに合った もっといいクルマ を提供しています 1984 年からは4 年ごとに海外代理店とトヨタ全経営陣が一堂に集う 世界大会 を開催 トヨタの方針 戦略を共有するとともに お客様満足度の向上に向けた海外代理店による日頃の尽力に感謝を伝えています 欧州中国北米アジア 中東 北アフリカ日本アフリカ東アジア オセアニア中南米各地域本部 国内外の販売店 代理店とともに実践する環境への取り組み トヨタは国内外の販売店 代理店と連携し 環境に優しい店づくり 人づくり 販売活動における環境リスクの低減など に取り組んでいます 環境への取り組み P Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

59 社会への取り組み従業員とともに 従業員とともに 基本的な考え方 トヨタの 安定した経営基盤 を支える従業員に対する考え方は 人事労務トヨタウェイ として体系的に整理されています 人事労務トヨタウェイ は 人間性尊重経営の具現化 すなわち 従業員に対して仕事を通じた社会貢献や自己実現の場を提供し 一人ひとりの考える力 創造力 実行力を発揮してもらうことを目的としています その目的を実現するためには 会社は従業員の雇用の安定を最大限に考慮し かつ進んで労働条件の改善に努め 従業員は会社の繁栄のために最大限の協力をするという 労使の 相互信頼 相互責任 * 関係が原則となります このような考え方は全世界のトヨタの事業体に共有され 経営 諸施策に反映 展開されています トヨタは このような取り組みが人間性尊重経営の具現化のみならず お客様の満足と社会への貢献につながるものと考えています 従業員の働きやすい環境構築に資する 人事労務トヨタウェイ の概念 人事労務トヨタウェイ 目的 原則 人間性尊重経営の具現化労使相互信頼 相互責任関係の確立 会社を信頼して働ける環境づくり 恒常的 自発的な知恵 改善を促進する仕組みづくり 徹底的な人材育成 個々人の役割遂行と全体最適を目指したチームワークの醸成 * 相互信頼 相互責任に基づく労使関係 トヨタは1950 年代の経営危機により 労働争議と人員整理を経験しました この辛い経験を教訓に 1962 年に 労使宣言 を締結し 従業員は生産性の向上に積極的に協力し 会社は労働条件の維持 向上に努める という理解を労使で共有し また危機感も共有することにより お互いが会社の繁栄に向けそれぞれの役割や責任を遂行する 労使相互信頼 相互責任 という関係を培ってきました この考えは当社の労使関係の基盤であり 労使宣言締結から 50 年を経た現在 労使の絆をより一層強固にしていくよう取り組んでいます 過年度実績および本年度の主な取り組み 2016 年度の主な取り組み ( 実績 ) 2017 年度の主な取り組み 安全健康 相互啓発型安全文化の定着 [ 人 ][ 作業 ][ 場 ]3 本柱活動の継続 健康づくり活動 (BMI 禁煙 いきいき健康プログラム定着 ) の推進結果 :BMI25.0 以上率 20.8%( 昨年度比 0.4% 増 ) 喫煙率 27.8%( 昨年度比 0.9% 減 ) メンタルの気付きの充実と予防活動の推進結果 : 新規休務 ( 前年度比 ±0%) 再発休務 ( 前年度比 0.06% 減 ) 相互啓発型安全文化の定着 [ 人 ][ 作業 ][ 場 ]3 本柱活動の継続 健康づくり活動 ( 健康チャレンジ 8 いきいき健康プログラム定着 ) の推進 メンタルの気付きの充実と予防活動の推進 人材育成 トヨタグループ新任役員研修 の企画 立ち上げ 幹部人材の早期育成の仕組み構築 幹部人材の早期育成の仕組み構築継続 心構え しつけ の強化 ダイバーシティ推進 女性の活躍促進策の早期実現に向けた取り組み強化 定年後 65 歳まで技能を向上し 発揮し続けるための制度の展開 多様な人材が活躍できる職場環境づくりの推進 左記活動の継続実施 58 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

60 社会への取り組み従業員とともに 推進体制 仕組み トヨタでは毎年 本社を含む世界中の主要な事業体の人事マネジャーが一堂に会し いかに従業員が会社を信頼して働け トヨタ本社人事 ( 日本 ) る環境をつくるか 恒常的 自発的な改善を促進する仕組み づくりや人材育成 チームワークの醸成に取り組むのかを議論しています 北米地域統括人事 欧州地域統括人事 アジア地域統括人事 中国地域統括人事 その他地域人事 その内容は 翌年の各事業体の方針策定に反映させて 着実な 人事労務トヨタウェイ の実現に取り組んでいます 各事業体人事 各事業体人事 各事業体人事 各事業体人事 従業員満足度調査結果 トヨタは従業員に対して仕事を通じた社会貢献や自己実現の場を提供することで 一人ひとりの考える力 創造力 実行力を発揮してもらうことを目指しています 隔年で実施している 従業員満足度調査 は その達成状況を測る一つの指標と考えており その分析結果を従業員が安心して働けるための施策の企画 実行に役立てています 2015 年度に行った 技能職を対象とした調査結果では 71.9% が満足していると答えました その理由は2013 年度 ( 前回調査 ) と同様 給与水準 が最も多く 次いで 職場の 人間関係 仕事の質 レベル が挙げられました 2016 年度に行った 事務 技術職を対象とした従業員満足度調査では 78.0% が満足していると答えました その理由としては 仕事の質 レベル が最も多く 次いで 給与水準 職場の人間関係 が挙げられました 海外については 隔年で実施している同様の調査によると 2016 年度は 事務 技術職の肯定回答率が74%( 前回比 2% 減 ) 技能職は72%( 前回 ±0%) でした 従業員満足度調査結果 ( 日本 ) 成長を実感できた従業員の割合 ( 日本 ) 年度 (%) 事務 技術職 技能職 年度 (%) 事務 技術職 技能職 年度事務 技術職の肯定回答理由 ( 日本 ) 従業員満足度調査結果 ( 海外 ) 会社生活の満足度について最も多い理由 仕事の質 レベル 年度 (%) 2 番目に多い理由給与水準 ( 賃金 賞与 ) 3 番目に多い理由職場の人間関係 事務 技術職 技能職 年度技能職の肯定回答理由 ( 日本 ) 会社生活の満足度について 最も多い理由 給与水準 ( 賃金 賞与 ) 2 番目に多い理由 職場の人間関係 3 番目に多い理由 仕事の質 レベル 59 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

61 社会への取り組み従業員とともに 安全 健康 従業員の安全 健康の確保は 企業活動で最も大切なものの一つで 時代に左右されない普遍的な取り組みです 1957 年 当時の専務取締役 豊田英二が会社代表安全管理者に就任した際 安全衛生に関する基本的な考え方として 安全な作業は 作業の入口である わたしたちは まずしっかりとこの入口を通りましょう とのメッセージを示しました この言葉は今日のトヨタにおける 安全の基本理念 として永く受け継がれ 従業員には 決して労働災害に遭ってほしくない との強い思いが込められています 安全については この基本理念を常に念頭におき 労使協調し 心身ともに健全で活力ある職場環境づくりに継続的な取り組みを実施しています 健康については 生産性向上に寄与できる結果 KPIとして傷病による休務日数低減を掲げながら 健診結果などを通じて心身の健康施策を毎年振り返り 会社安全衛生総括管理者を 筆頭にした重点方針をPDCA * サイクルで改善推進を図っています また その結果を健康保険組合や労働組合と産業保健スタッフ ( 人事 安全衛生 ) が年 2 回協議しながら 円滑な職場運営のために生活習慣病対策 メンタルヘルス対策 長時間勤務者の健康チェックや 熱中症予防 インフルエンザ対策などを推進し 医療費低減や各種健康支援策につなげています * PDCA:Plan( 計画 ) Do( 実行 ) Check( 評価 ) Action( 改善 ) を繰り返すことによって 業務を継続的に改善するサイクル 安全衛生基本理念 安全な作業確実な作業熟練した作業安全な作業は 作業の入口である わたしたちは まずしっかりと この入口を通りましょう 安全 3 本柱活動の推進 グローバル会社方針のもとに 相互啓発型安全文化の定着 を掲げ 安全を 風土 文化 へと高めるための活動を推進しています 職場の一人ひとりが自らのリスクに気付き 自立的に未然防止の行動が実践できるよう トップの率先垂範と全員参加による基本ルールの遵守活動に取り組んでいます 2016 年度 グローバルの休業度数率は0.60( 前年度比 0.15 減 ) でした 今後も いつかは全災害ゼロ そしてゼロの継続 を各職場の合言葉に活動を展開し 安全の3 本柱 人づくり ( 教育 OJTを通じた一人ひとりの危険予知能力向上 全員参加の活動 ) リスク管理( 安全マネジメントシステムの推進 ) 環境 設備の整備 ( 安全な機械 快適な職場環境の提供 ) の一層の深化を図ります 労働災害発生頻度 ( 休業度数率 : グローバル ) 年度 ( 率 ) 休業災害度数率 労働災害発生頻度 ( 休業度数率 :TMC) 年度 ( 率 ) 全産業 製造業 自動車製造業 トヨタ データ出典 : 全産業 製造業 自動車製造業 ( 厚生労働省平成 28 年労働災害動向調査の結果 ) 60 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

62 社会への取り組み従業員とともに グローバルでの安全の取り組み 海外の各地域にある統括会社を中心に 安全衛生の取り組みを推進しています 現在 各地域と協力し 安全マネジメントシステム (OSHMS * ) のグローバル展開を進めており 地域特有の要求事項とともに グローバル共通の要求事項を織り込んだマネジメントシステムの構築に取り組んでいます また これに基づく現地現物確認を行うことで弱点を把握し 安全管理レベルの向上を図っています さらに 毎年各地域の安全衛生担当マネジャーによるグローバル安全会議を行い 共通課題への対応策の検討 各地域の こだわり活動や好事例の共有化を行うことで 安全衛生活動のレベルアップを図っています * OSHMS (Occupational Safety and Health Management System): 労働安全衛生マネジメントシステム グローバル情報共有 連携体制 TME( ベルギー ) TDEM( タイ ) TTCC( 中国 ) TMC TMNA( 米国 ) TDV ( ベネズエラ ) TSAM( 南アフリカ ) 地域統括会社生産事業体各地域内での情報の広がり TDB ( ブラジル ) TASA( アルゼンチン ) グローバル安全会議 (2016 年ブラジルにて ) トヨタでは 地域統括会社 生産事業体と連携をとり 各種情報の共有を行うことで グローバルで安全健康に関する取り組みレベルの向上を図っています 海外現地現物確認活動 トヨタの本社機能は 各地域の統括会社と協力し 安全マネジメントシステムに基づき 海外事業体の安全活動状況を現地現物で確認しています これにより課題を明確にすることで 安全活動の改善を推進しています 例えば 他の事業体で発生した災害の対策事項が実施され 未然防止が図られているか それらが継続した取り組みになる仕組みづくりができているかなどを確認しています さらに 的確な対策や活動については ほかの事業体へも好事例として展開し 活用しています 北米 車両災害防止活動の確認 中国 災害発生現場の確認 構内仕入先 ( 工事 請負 委託 納品など ) の方々の安全な作業環境づくり ( 日本 ) 外部業者の方が構内で安全に作業できるよう コミュニケーションの場を設け 困りごとを吸い上げることで 作業環境の改善を進めています 例えば 設備の定期清掃や点検作業をする場合 作業場が暗い 足場が滑りやすいなどの困りごとに対し 照明の追加や滑 り止めの設置などの作業環境改善を実施しています 実際の作業者でないと分からない困りごとを吸い上げて改善する活動を グローバルでも定着できるよう 今後も引き続き取り組んでいきます 61 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

63 社会への取り組み従業員とともに 健康づくり活動 ( 日本 ) 心身ともに健康な人づくり 職場づくり を全社方針に掲げ 2017 年度より 健康チャレンジ8( エイト ) を推進 展開しています 健康チャレンジ8 とは 1 適正体重 (BMI) 2 朝食 3 飲酒 4 間食 5 運動 6 禁煙 7 睡眠 8ストレスの8つの健康習慣改善にチャレンジし 心身の健康を保持増進する活動です 従業員一人ひとりが 現状よりも 一つ でも多く あるいは今実践できている健康習慣の もっといい健康づくり に向けた意識と実践により 心身共に健康な人づくりを目指しています 具体的な活動としては 個々の健康診断の結果に合わせて 8つの健康習慣 の実践状況を記載した 個人結果 帳票を提供し 健康チャレンジ8 実践シート ( 健康行動目標の設定 週 1 回の実践状況確認 ) を活用することで 各個人の健康づくりの意識 行動を継続するきっかけづくりを行っています また 職場に対しても 組織分析結果 をフィードバックすることで 実践数の低い項目を見える化し 体操指導や健康講話など 職場に出向いた支援を行いながら 職場主体の健康づくり活動を通じた健康文化 風土づくりを推進しています 加えて 会社食堂では低カロリーで栄養バランスがとれたメニューの提供などによる食習慣の改善や 受動喫煙防止に向けた環境整備にも取り組んでいます 従業員個々の健康に関する自己管理 自助努力支援ツールとして トヨタ健康ハンドブック を展開し 健診データの保管や健康づくりの記録など 自己健康管理に役立ててもらうなどの諸活動を展開しています 健康チャレンジ8 適正体重 (BMI25 未満 ) 禁煙 ( 禁煙している ) 朝食 ( 毎日食べる ) 運動 (1 日 30 分以上の運動を週 1 日以上 ) 飲酒 ( 飲まないか 1 日 1 合まで ) 睡眠 ( 熟睡できている ) 間食 ( 夕食後 寝るまでの間食は週 2 日以下 ) ストレス ( 多い方ではない ) BMI25.0 以上の従業員比率 年度 (%) BMI25.0 以上の従業員比率 * 目標値は20.0% 以下 喫煙率の推移 年度 (%) 喫煙率 * 目標値は28.0% 以下 メンタルヘルス活動 ( 日本 ) 積極的な心の健康増進を図るため 2016 年度は メンタルヘルス不調の未然防止 再発予防 を目的とした セルフケア研修 ラインケア研修 を行いました セルフケア研修 では 新入社員 若年層を対象に 不調のサインへの気付き ストレスへの対処法を習得するための教育を実施 ラインケア研修 では 管理者を対象とした心理学的研修 事例検討を中心とした 新任部長研修 を実施 加えて 直接部下を見る監督者に向けた リスナー研修 を行い 職場での 面倒見 についてアドバイスするとともに 産業保健スタッフとの連携を図れるようにしています 産業保健スタッフが行う 不調者への健康相談 については社内ガイドラインを定め 2012 年より相談内容 対応の標準化 システム化などにも取り組んでいます さらに 人事機能と連携して 休務 復職支援体制の見直しを行い 2017 年 1 月には 職場復帰支援ガイドライン を全社展開し 円滑な職場復帰や復帰後の日常支援をするための取り組みの充実化を図りました 海外勤務者の健康管理 海外勤務者は 勤務地によって医療機関の差があるため 国内の勤務者と比べて健康支援状況が異なります 2016 年度は 海外勤務者の健診受診と健康フォローメールでの産業医 保健師からのアドバイスの提供を実施しました 現地窓口担当者との定期的な情報交換の実施や産業医などによる医療巡回により 現地の医療状況を把握するとともに 現地勤務者に対してはインターネットを活用した医療情報などを提供しています 62 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

64 トヨタ行動指針社会への取り組み従業員とともに 人材育成 モノづくりは人づくり トヨタは常にこの理念を持って 人材育成に取り組んでいます 持続的に成長するためには 人を中心としたモノづくりを志向し 人の知恵によって日々の改善を重ねていくことが重要です また 事業のグローバル化に対応し さまざまな文化や慣習が存在するなかで もっといいクルマづくり と お客様第一 の 実現に向けて 全従業員が価値観を共有する必要があります そこでトヨタは優れたモノづくりの発展と継承に欠かせない OJT *1 を基本に トヨタウェイ の実践を基軸とした教育プログラムをグローバルに実施し 持続的成長に向けた人材育成を進めています *1 OJT(On the Job Training): 職場での教育 トヨタウェイ 5 つの価値観 チャレンジ Challenge 改善 Kaizen 現地現物 Genchi Genbutsu リスペクト Respect チームワーク Teamwork 企業理念 P6 トヨタウェイの実践 世界中で働くトヨタの従業員が 共通の価値観 考え方である トヨタウェイ を理解し実践できるように 仕事の型 手法として体系立てて整理したものを グローバルコンテンツ と呼んでいます グローバルコンテンツ は国内外を問わず 研修や職場での OJTを通じてトヨタの従業員が実践しています 働き方の共通言語があることが トヨタの強みであり 一丸となって より効果的に仕事する土台となっています グローバルコンテンツ一覧 技能職方針管理 全社規模の改善を実現するための活動 組織のアウトプット最大化のための仕組み事務 技術職管OJD *2 日常業務実践と指導を通じた人材育成推進に向けた 4ステップからなる方法論トヨタ流マネジメント トヨタのマネジメントの役割全体像 効果的な職場マネジメントのための実施事項問題解決 問題を特定し解決するための 8ステップからなる方法論 ( トヨタウェイを実践する ) 仕事の仕方一自工程完結般それぞれのプロセス ( 工程 ) において品質を作り込むための 3ステップからなる方法論 理者管理 監督のスキルと役割 管理 監督者として 標準作業を徹底するためのスキル 異常管理を通じた組 チームの運営の知識など 問題解決 仕事のあるべき姿を実現するために 現状を改善していくための手法 製造技能 異常判断や作業のポイントに関する知識 異常処置能力 トヨタウェイ トヨタの価値観 すべての仕事の基本 基本技能ライン作業に最低限必要な技能 *2 OJD(On the Job Development) 理念 方針と連動した各従業員への評価とフィードバック トヨタの従業員の日常業務 ( テーマ 役割 ) は 基本理念からつながる年度方針から落とし込まれています 評価とフィードバックは 部下と上司との密接なコミュニケーションを基本に 人材育成につながる仕組みとしています 具体的には 年度初めにテーマ 役割を決定し 定期的に上司との面談を持ちます 面談では各従業員の自己評価に対し上司が評価をし それをフィードバックします このサイクルを回して人材育成につなげています なお 半期の成果は賞与に 過去 1 年間の発揮能力は昇給に反映させています 理念 方針 日常業務の関係 トヨタウェイ200トヨタ基本理念 CSR 方針 社会 地球の持続可能な発展への貢献 トヨタグローバルビジョン中長期経営計画年度方針 : グローバル会社方針 1日常業務 63 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

65 社会への取り組み従業員とともに グローバルでの人材育成体制 グローバル本社が取り組む グローバル幹部人材 育成 トヨタ自動車 (TMC) で取り組む TMC 人材 育成 各地域 事業体で取り組む 海外事業体人材 育成で グローバルでのトヨタウェイの価値観の共有を目指す教育を展開しています ローカル人材 TMC グローバル人材 Global Toyota Executives ローカル人材地域 グローバル幹部の人材育成 グローバル幹部人材育成のための GLOBAL21 プログラムは 全世界の優秀な人材が グローバルトヨタの幹部にふさわしい能力 見識を獲得し 各担当職務で個人の強みを最大限に発揮するための枠組みです 次の3つを柱に プログラムを構成しています 1. 経営哲学 幹部への期待の明示トヨタウェイおよびグローバルビジョンを展開し グローバル人事評価制度や各種教育へ織り込んでいます 2. 人事管理評価基準およびプロセスをグローバルで統一し 公平性 一貫性を担保しています 評価の大項目は 課題創造力 課題遂行力 組織マネジメント力 人材活用力 人望 の5 点です 異動 配置では 国 地域をまたぎ 地域 機能を問わないグローバル配置を実施しています 3. 育成配置 教育プログラムの展開グローバルでの配置や幹部教育を展開しています 海外事業体人材の育成は 地域の事業体ごとの教育を基本に トヨタらしい仕事の仕方の習得に向けたTMCでのOJT も実施しています TMC 人材の育成では GLOBAL21 に対応するプログラムをTMC 教育体系の中に整備しています 管理職の人材育成 ( 日本 ) 部長級 次長 室長級 課長級それぞれの昇格者全員に 資格別の研修を1 年間実施 過去のトヨタの振り返りから会社方針を学ぶ 集合研修 や 少人数でディスカッションを行う ゼミ活動 を基本とし 講師は役員 部長級が務めることで 教え / 教えられる風土 の再強化を図っています 経営人材候補の育成のために 管理職の中からの選抜者に対 する研修も実施しています トップ役員の秘書業務 海外ビジネススクールへの短期派遣 経営課題への取り組み業務 国内経営幹部向けリーダーシッププログラムへの派遣などを通じ 経営トップによる直接の見極め機会を創出するとともに 役員候補者の心構えの醸成を図っています 64 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

66 社会への取り組み従業員とともに 事務職 技術職の人材育成 ( 日本 ) 人材育成の根幹は トヨタウェイ の実践であり 現地現物を重視したOJTを基本として OFF-JT * においても上司や先輩の指導を受けながら成長する機会を設けています 例えば 問題解決の研修では まず集合研修により問題解決のステップを学び その後 実際の業務において取り組むことを 全世界共通のプログラムとしています 2015 年の人材育成体系の見直しでは 新入社員 若手 中堅社員に対する全社教育のOJT OFF-JTの充実も図りました 新入社員は 入社後 1 年間は 各分野の基礎知識を徹底的に習得します 3 年目および6 8 年目の若手 中堅社員には特別研修や グローバルビジョンに沿ったOJTの5 本柱を もとに構成した 集団研修を実施しています * OFF-JT(Off the-job Training) 若手 中堅従業員を対象としたOJTの5 本柱具体的な取り組み仕事の仕方問題解決 トヨタ生産方式などもっといいクルマづくり新型車 競合車乗り比べなどいい町 いい社会づくりボランティア活動への参加などお客様第一コールセンターでお客様の生の声を知るなど会社の歴史創業の精神 失敗の歴史からの学び 若手社員対象の 修行派遣プログラム ( 日本 ) 2014 年から国内若手社員の海外への派遣規模を拡大し 若手社員の早期育成 さらなる能力向上を目的として 修行派遣プログラム に取り組んでいます 入社 4 年目以降の社員を 海外現地法人 海外大学院 (MBA 含む ) 国内関連会社などに1 2 年間研修派遣し 実務や異文化の理解を深めることに加え ビジネスの場で通用する語学力の習得などを研修ミッションとして課します 2017 年度は 新たに347 人を派遣しました 技能職の人材育成 ( 日本 ) 人材育成を進める上では 目標の明確化 育成計画の立案 育成 配置 評価 フィードバック というサイクルを回していくことに重点をおき 上司 先輩による職場でのOJTを行っています 資格ごとの階層別研修 管理監督者向け研修などのOFF-JTや OJT とOFF-JTを組み合わせて知識 技術を体系的に修得する専門技能修得制度も実施しています 現在 少子高齢化 就業人口の減少 職場メンバーの多様化など取り巻く環境が変化するなか トヨタの強みである生産体制を維持していくためには 職場メンバーが一つにまとまり 組織としての成果を最大化していくことが必要です 特に 60 歳の定年以降も65 歳まで再雇用制度で働く従業員や 女性技能職の増加への対応に取り組んでいます また 新技術や生産体制の変化に柔軟に対応できる人材を育成するため 技術評価については要素技術まで掘り下げた単位で評価する仕組みを用意するとともに 異動者支援策の一環として スタートアップセミナー を実施するなど 効率的 効果的な職能要件の修得を支援しています アドバイザー トレーナーについても 社内で先輩にあたる人材が後進を育成するなど 教え / 教えられる風土 のなかで人材育成を進めています 海外事業体人材の育成 海外事業体の自立化推進を目的として 海外事業体の従業員がトヨタ本社に出向し OJT により人材育成を図る制度を実施しています 半年から3 年の任期で スキル ノウハウや トヨタウェイ の習得を目指します また 幹部の従業員については これらに加え 主にトヨタ本社の部長 室長として トヨタの意思決定プロセスの習得や人脈の構築を図っています 2017 年 6 月時点で30カ国 55 事業体から539 人の出向者が在籍しています 65 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

67 社会への取り組み従業員とともに ダイバーシティ & インクルージョン トヨタでは ダイバーシティ & インクルージョンの推進を重要な経営戦略の一つとして位置付け 多様な才能や価値観を持つ人材が活躍し 一人ひとりにとって魅力的な自己実現の場となる環境づくりを推進しています また 多様な視点により生まれる 新たな発想 や 課題の発見 をさらなる競争力につなげることで もっといいクルマづくり の実現につなげていきたいと考えています ダイバーシティ & インクルージョンの推進 性別国籍育児 介護者高年齢者障がい者 LGBT 在宅勤務制度 もっといいクルマづくり を実現 在宅勤務制度 ( 日本 ) トヨタでの 働き方変革 は 生産性向上と育児 介護と仕事の両立支援を図っていくものです 2016 年 10 月から 従来の在宅勤務制度をさらに拡充した FTL(Free Time & Location) 制度を導入しました 柔軟な働き方への変革を通じて 一人ひとりが能力を最大限に発揮し 成果の最大化を目指します 従来の在宅勤務は 育児 介護従事者のみが対象でしたが FTLはそれ以外でも一定の適用条件を満たせ ば 本人発意 上司の承認のもとに利用可能です 2016 年度末時点で 有資格者約 1 万 3,000 人のうち 合計 2,300 人が制度を適用しています 今後 2 年間で 有資格者に対して 在宅で勤務可能な専用 PC を配付する予定です 利用者からは 時間を意識した効率的な働き方になっている 家族と一緒にいる時間が増えた など 制度を支持する声が多く上がっています 働き方変革 (FTL 制度活用者の声 ) TMA-Japan 価格グループ富田久美子通勤に時間がかかるため 終日在宅勤務にトライしました 在宅勤務実施前に具体的なスケジュールを立てることで 在宅勤務のイメージを描きました 主な業務は資料づくりで 必要に応じてウェブカメラを利用して会議にも参加しました また 海外事業体との会議は時差対応で朝早くに実施しますが 自宅から参加することで 渋滞を考慮して朝早く出勤していたころより身体への負担が減りました 在宅勤務では上司と取り決めた細かいスケジュールがあるため この時間にこれをやりきる という時間を意識した働き方ができ 結果 生産性向上につながったと思います MS 製品企画部森真也私のチームでは全員がFTL 制度を活用しており 他部署で妻も利用しています 私の活用方法は 早めに帰宅し 育児が一段落した後に在宅勤務を始めるというものです FTLの利点である 時間を有効に活用して生産性を高める ためには チームで成果を出すという考え方が大切です そのためにも いつ 誰が どこで見ても進捗が分かるように チームで仕事の進め方を共有することが必要だと思いました FTLのおかげで 仕事のアウトプットを維持しながら 家族と一緒に過ごす時間が増えたことが大きなプラスです 66 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

68 社会への取り組み従業員とともに ダイバーシティマネジメントの取り組み ( 日本 ) 多様な人材が生き生きと活躍できる職場環境を実現するため 管理職によるダイバーシティマネジメントの取り組みを行っています トヨタでは ダイバーシティマネジメントのできる上司 =イクボス と定義付け 部下の価値観やキャリ アを理解 応援しつつ 柔軟な意識 姿勢でマネジメントを行うことで 組織の成果は出しつつ 自身や部下の私生活の充実も考えられる上司の育成を行っています 人材が多様化する時代に求められる イクボス の取り組み ( 日本 ) トヨタでは 女性や高年齢者 介護従事者など 多様な人材が生き生きと活躍できる職場環境づくりを推進するため イクボス への取り組みを実施しています 部下のキャリアと大切にしている人生感を理解 応援しつつ 柔軟な意識 姿勢でマネジメントができる上司 (=イクボス) を育成するため 200 人の管理職が在宅勤務を体験する イクボストライアル を実施しました これにより 参加者の9 割以上が在宅勤務を有意義だとし 生産性向上を実感 在宅勤務制度を利用する風土醸成にもつながっています そのほか イントラネット そだててねっと を活用し 管理職 500 人による イクボス宣言 を掲載 各職場での取り組みや 部下へのメッセージを宣言し順次掲載することで 多様なメンバーの活躍を応援し合う風土づくりを進めています イントラネット そだててねっと イクボス宣言 67 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

69 KP女性活躍推進の取り組み ( 日本 ) 女性活躍推進においては 働きながら安心して子どもを産み育てたくなる会社 の実現に向けて キャリア形成支援や早期復職支援をはじめとする柔軟な働き方の実現や 育児環境整備などの両立支援に積極的に取り組んでいます また トヨタグループ各社とも連携し グループ社員相互の女性社員交流会の開催や 各社託児所の相互利用などにも取り組んでいます 社会への取り組み従業員とともに推移女性が活躍できる雇用環境の整備を行うため 次のように行動計画を策定 1. 計画期間平成 28 年 4 月 1 日 ~ 平成 30 年 3 月 31 日 2. 当社の課題課題 1: 社員に占める女性の人数が少なく 女性技術者においては 勤続年数が男性に比べて短い課題 2: 管理職に占める女性の割合が低い 3. 目標 1 新卒採用時の女性比率 - 事務系 40% 技術系 10%- 2 女性管理職数 - 登用目標を定めた2014 年時点に対し 2020 年に3 倍 2030 年に5 倍 - 4. 取り組み内容取り組み1 新卒採用時の女性の一定比率採用 ( 事務系 40% 技術系 10%) 活動の継続 女性比率向上に向けた以下採用活動の継続 [2015 年 4 月 ~] ( 女性管理職 若手等 多様なロールモデルと応募者との接点機会を拡大 全社横断的な女性社員チームによる広報活動 ) トヨタ女性技術者育成基金 への継続参画[2014 年 12 月 ~] 取り組み2 育児と仕事の両立支援と 育児休職からの早期復職支援に向けた 環境整備と風土の醸成 活動の継続 拡充 < 両立支援 > 子育てサポート施策の継続と拡充 [2007 年 4 月 ~]( 在宅勤務制度の更なる利用拡大 託児施設等の提供 ) 女性活躍推進のための職場風土醸成 [2016 年 4 月 ~]( 上司 男性社員向けパンフレットの作成 展開等 ) 男性社員の育児参画促進 [2016 年 10 月 ~] < 早期復職支援 > 産休前セミナーを通じた本人 上司 配偶者の意識喚起 [2015 年 7 月 ~] 終日在宅勤務制度や保育費用補助制度の利用促進 [2016 年 4 月 ~] 取り組み3 女性管理職登用に向け 早期からのキャリア意識の形成と計画的な人材育成 活動の継続 拡充 <キャリア意識の形成 > 本人の意識高揚とそれを後押しする支援策の推進 [2015 年 6 月 ~] ( 女性向け座談会の開催 SNSを利用した女性事技職ネットワークの形成支援 ロールモデルの紹介 ) < 計画的な人材育成 > 一人ひとりのライフイベントを踏まえた個別育成計画書の作成 [2009 年 4 月 ~] 管理職向け研修プログラムの拡充 [2016 年 4 月 ~] 女性活躍推進の取り組み全体像 ( 事務 技術職 ) 施策フェーズ 1 制度拡充 2002 年 女性の定着 活躍のための 制度整備 時短導入 育休拡大 託児所設立 (70 人受け入れ ) 在宅勤務導入 再雇用制度導入 フェーズ 2 定着に重点フェーズ 3 定着 + 活躍 2007 年定着を進めるための制度拡充 拡充 ( 小 4 まで可 ) ( 140 人受け入れ ) 個別育成計画作成 2012 年育児者保護から 意欲 やる気を後押しできる環境整備 改定 ( 残業可 ) 両立支援セミナー導入 2014 年活躍の取り組みを拡充 早期復職支援 送迎保育導入 家族手当導入 在宅勤務拡大 2002 年 2007 年 2012 年 2016 年 女性管理職 (7 人 ) (20 人 ) (76 人 ) (155 人 ) 女性主任職 (67 人 ) (142 人 ) (297 人 ) (580 人 ) 退職率 (5.8%) (4.2%) (2.4%) (1.3%) 2016 年働き方変革 68 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

70 社会への取り組み従業員とともに 女性活躍推進の取り組み全体像 ( 技能職 ) 移施策KPており 理系の仕事に就く女性の活躍を知ることができます 推I退職率 9.1% 女性技能職 900 人フェーズ 1 制度拡充 2002 年 女性の定着 活躍のための 制度整備 時短 深夜労働免除導入 育休拡大 託児所設立 生産職場のみ 2003 年 ( うち職制 ) *2 (EX 級 2 人 ) トヨタ女性技術者育成基金 ( 日本 ) 2011 年定着を進めるための制度拡充 国内製造業界の女性活躍促進に貢献するため 2014 年 12 月 グループ会社 9 社と共に 一般財団法人トヨタ女性技術者育成基金 を設立しました 理系志望の女子学生数の拡大と モノづくりの世界で活躍できる女性技術者の育成を目指しており 高校生に向けた理系キャリア紹介事業として 女性技術者が愛知県内の高校で出前講座を実施 理工系の女子大学生への奨学支援事業として キャリア構築支援のための育成プログラム 経済的支援を行う奨学給付プログラムを提供しています 育成プログラムの一つ リケジョの未来 CAMP では 将来女性エンジニアとしての活躍を目指す奨学生に 大学在学中から主体的な能力向上を図ってもらうための気付きの場を提供しています 1 年生は 学生相互の交流やグループ討議によって将来への漠然とした不安を払拭し モノづくりの最先端で活躍する女性エンジニアによるパネルディスカッション フェーズ 2 定着に重点フェーズ 3 定着 + 活躍 新人の重点配置 ( 組立ライン以外 ) 交替勤務対応 ( 最大 2:30 まで預入可 ) *1 常 1 直勤務制度 : 育児両立者向けに工場での交替勤務職場で常に昼勤務を可能とする制度 *2 EX(Expert) *3 SX(Senior Expert) 2011 年 7.7% 2013 年意欲 やる気を後押し 活躍できる環境整備 常 1 直勤務制度導入 *1 両立支援面談開始 常 2 直勤務制度導入 2016 年 2.8% 1,550 人 *3 (EX 級 106 人 SX 級 6 人 ) や座談会 施設 職場見学などを通じてモノづくりの仕事の理解を深めてもらいます 2 年生は実際の業務に近いグループワークを経験し より具体的にエンジニアとしての将来のキャリアイメージを描き 大学生活で専門性を高めるための目標を考えるきっかけづくりを行っています 2017 年 2 月に開催された リケジョの未来 CAMP には 1 年生 105 人 2 年生 118 人の奨学生がトヨタ自動車本社に集まりました 参加者からは 技術者になる自分が少しだけイメージできた 2 日間で いつもとは違う広い視野から 将来を考えられるようになった といった声が聞かれました ウェブサイトでは こうした リケジョの未来 CAMP の報告をはじめ 活動紹介パンフレット やトヨタグループの女性エンジニアを紹介した Rikejo News Paper モノづくりの仕事を紹介した お仕事 MAP などの資料がアップされ 69 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

71 社会への取り組み従業員とともに 両立支援への取り組み ( 日本 ) 社会の少子高齢化が進むなか 女性活躍の推進においても 働き方や育児負担の軽減に向けて 男性を巻き込んだ両立支援に取り組むなど 子どもを産み育てたくなる会社 の実現を目指しています 2015 年度からは 産休前セミナー を導入しています トヨタに夫婦で勤務する従業員に対しては 家事 育児は夫婦で分担 の観点から 出産を控えた女性従業員だけでなく 夫と双方の上司が参加し 夫婦での効率的な育児休暇の取り方 家事の分担方法 互いのスケジュールのオープン化など チームとしてどのように支援していくかを話し合います 2017 年度は 託児所の大幅な拡充に取り組み 通園バスを本社 工場地区に巡らせる送迎保育を一部で開始しました 送迎保育導入により 送迎の負担軽減に加え 幼児の集団保育を実現しています また グループ会社 6 社と連携して 各社の託児所が相互に利用できる制度を導入しました さらに2018 年には 本社近くのトヨタ記念病院敷地内に病児保育も可能な300 人規模の託児所を増設予定です 病児保育は地域住民の皆様にも開放していく予定です 送迎保育園庭 あいち女性輝きカンパニー 優良企業表彰を受賞 トヨタ自動車は 愛知県が女性の活躍促進に向けて積極的に取り組む企業として認証する あいち女性輝きカンパニー の優良企業として選出されました あいち女性輝きカンパニー は 2015 年から愛知県が手がけている認証制度で 優良企業の選出は今回が初めてです トヨタは 2002 年からの女性の活躍に向けた制度の創設や拡充をはじめ 近年でも常 1 直勤務制度 * の導入 産後休暇 育児休職からの早期復職支援 また在宅勤務制度の拡大を行うなど 従業員個々人の価値観や状況に合わせた働き方の選択肢を多く備えている として評価され 表彰いただきました * 常 1 直勤務制度 : 育児両立者向けに 工場での交替勤務職場で常に昼勤務を可能とする制度 あいち女性輝きカンパニー 表彰式 70 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

72 社会への取り組み従業員とともに 介護施策の主な取り組み ( 日本 ) 介護を取り巻く社会情勢が変化するなか 介護に対する従業員の不安 負担を軽減し 安心して仕事に従事できる環境を整備するため 2009 年より介護に関する会社施策の拡充を図り 現在まで継続して取り組みを進めています 一例では 情報提供の充実の一環として 2009 年から専門知識を持った社会福祉士 介護福祉士などの社外講師による介護講演会を毎年開催しています 2016 年度は 介護を知る 介護に備える 仕事と介護の両立 の 3つのテーマを2 回ずつ計 6 回開催し 従業員とその家族を含む約 530 人が参加しました 育児介護休職制度利用状況 ( 日本 ) 年度 ( 人 ) 男性 女性 柔軟な勤務時間制度利用状況 ( 日本 ) 年度 ( 人 ) 男性 女性 ,140 1,322 1, 年度までの数値は 育児 介護事由による 時短勤務 在宅勤務 利用者の合計数 2016 年度の数値は育児 介護事由による 時短勤務 と 育児 介護事由によらず取得可となった 在宅勤務 の合計数 主な介護施策の取り組み 両立支援情報提供介護サービス経済的支援 介護休職 勤務時間の短縮措置 勤務時間制度の柔軟性向上 1 勤務時間短縮などの申請単位変更 2 在宅勤務時間設定の変更 トヨタ健康保険組合に介護相談窓口設置 介護パンフレット発行 介護講演会開催 体験型介護セミナー開催 介護積立 導入 大手介護事業者との提携 介護事業者の拡大 ホームヘルプの導入 介護保障 導入 両親介護保障 新設 介護融資制度導入 3 各種両立支援制度の適応期間拡大 4 介護休職制度の新設 60 歳以降の就労制度 ( 日本 ) 1991 年の技能職定年退職者を対象とした社内再雇用制度の導入に続き 2001 年には社外就労希望者に関係会社などの就労先の情報を提供する 選択式再就労システム を導入し 社内就労と社外就労の両面から60 歳以降の働き方を支援する仕組みをつくってきました 2006 年度および2013 年度には改正高齢者雇用安定法施行 に合わせて より多くの従業員が再雇用される制度へと見直しを行いました また 技能職では 2016 年度からは 実質 65 歳定年 を目指し 65 歳まで意欲高く活躍し続けることを後押しするために 現役のときと同じ職位 待遇を維持する 上級スキルド パートナー制度 を新設しました 71 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

73 社会への取り組み従業員とともに 期間従業員の雇用 ( 日本 ) 期間従業員の雇用に当たっては 適切な採用 契約更新などを行っており 雇用の安定や就業能力の向上にも最大限努めています 社員登用制度により 期間従業員として1 年以上勤務した方を対象に 本人が希望し職場推薦のある方に受験機会を設け 意欲 活力向上につなげています また 3 年目にもあらためてチャレンジの機会を設けています 今後も 持続的な成長に向け 強い技能系職場の堅持が必要であり 期間従業員からの社員登用を積極的に実施していきます 社員登用者実績と計画 ( 日本 ) 年度 ( 人 ) 社員雇用者数 障がいのある方の雇用 ( 日本 ) 障がいのある方の社会的自立を考え 健常者と一緒に働くことを基本とし 障がいのある方もさまざまな職場で各種業務に従事しています 2017 年 4 月時点の雇用者数は1,785 人 雇用率は 2.173% ( 特例子会社含む ) で法定雇用率 (2.0%) を上回っています 定着支援として 社内で手話講習会を開催したり あらゆる面からサポートする相談員の配置 各職場の好事例を水平展開するなど 働きやすい職場環境づくりに努めています トヨタループス株式会社は 2009 年 4 月より28 人の障がいのある方々と共に事業を開始し 同年 10 月にはトヨタ自動車の特例子会社として厚生労働大臣の認可を受けました 2017 年 6 月 1 日時点で 障がいのある方 215 人が就労しています 主な業務は トヨタからの委託業務である 社内印刷やメールサービス カタログ封入作業を中心に 社外者証 通門証や資産ラベルの発行 シュレッダー業務の代行 使用しないパソコンのデータ消去 トヨタ記念病院の看護助手補助業務などを行っています また 従業員が抱えている健康や就労についての不安を解消 軽減するため 雇用の拡大とともに支援スタッフも増員 しています さらに 相談窓口の開設 産業医面談 臨床心理 士や精神科医によるカウンセリングなどのサポート体制を強 化するとともに 行政 地域社会や福祉機関との積極的な情 報交換によって 従業員一人ひとりが安心して就労できる職 場環境づくりに努めています 2015 年 12 月に開催されたアビリンピック ( 障がいのある 方の技能競技大会 ) 愛知県大会に トヨタループスから10 人が参加 製品パッキング 部門 オフィスアシスタント 部門 パソコンデータ入力 部門 ワード プロセッサ 部 門で各 1 人ずつ 合計 4 人が金賞を受賞しました さらに 銀賞 1 人 銅賞 2 人と 過去最多となる7 人が受賞しました 障がいのある方の在籍推移 年度 ( 人 ) 精神 知的 身体 出向者ほか LGBT に関する取り組み ( 日本 ) LGBT( 性的マイノリティ ) の方々を適切に理解し その存在を認識 受容する事のできる職場の実現に向けた取り組みを開始しています 新卒採用活動におけるエントリーシートから性別記入欄を廃止し 新卒入社者を対象に人権啓発研修を実施しています 新任管理職向け研修では ダイバーシティ & インクルージョン推進の一環でLGBTに対する理解活動を行っています また 社内外にハラスメント相談窓口を開設し 本社 名古屋オフィスの一部に専用トイレ設置など 施設面からも対応を進めています 今後も取り組みを継続していきます 72 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

74 社会への取り組み従業員とともに 海外事業体マネジメントの現地化 従来より中長期的な視点に立って海外事業体マネジメントの現地化を進めており 本社が 何をやるか を決め 現地で いかにやるか を決めるという役割分担を明確にしています また 地域本部長をはじめ 地域本部担当役員は 原則現地駐在とし 現場に根差した経営を実践できる体制を整えています 現地人材の登用も積極的に進めており 現在 8 地域本部のうち 3 地域本部において日本人以外の人材が本部長を務めており TMCにおける外国人役員数は7 人 ( うち1 人は社外取締役 ) です (2017 年 7 月時点 ) 今後も適材適所の観点から 現地人材の育成 登用を積極的に進め 意思決定 オペレーションの現地化ならびにマネジメントポストの現地化を進めていきます これにより各地域のお客様や現場の声を迅速に把握し 経営判断につなげていきます 海外幹部に占める現地従業員の割合年度 (%) 現地従業員 日本人以外の地域本部担当役員 地域 役員名 北米本部 James E. Lentz 専務役員 欧州本部 Johan van Zyl 専務役員 中南米本部 Steve St. Angelo 専務役員 従業員が笑顔で働ける環境づくり トヨタの成長を支える人材基盤をより強固にするため 従業員が生き生きと安心して働ける環境づくりを整えています コミュニケーションと互いの切磋琢磨から育つチームワーク の土壌を築き上げ 会社 職場 仲間への 誇りと愛着 の醸成を図ります WE LOVE TOYOTA 活動 ( 日本 ) トヨタ社内の一体感を醸成し 愛社精神を深めることを目的に 2009 年度より WE LOVE TOYOTA 活動 を実施しています その活動の一環として 2016 年は4 月と6 月に WE LOVE TOYOTAセミナー を開催しました 役員を含めて約 400 人が参加しましたが 初めて会うメンバー同士でチームを編成し 社内プリウスカップ を通じてクルマの楽しさを語り合い 参加者のチームワークと絆を深めました また 2016 年 12 月に開催された第 70 回 社内駅伝大会 は 海外事業体からの参加も含め 各部代表の約 550チーム 約 4,400 人の従業員が選手として走り 3 万人を超える 来場者が熱い声援を送ることで トヨタとしての一体感を高めることにつながっています WE LOVE TOYOTAセミナー第 70 回 社内駅伝大会 73 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

75 社会への取り組みステークホルダー エンゲージメント ステークホルダー エンゲージメント 基本的な考え方 トヨタは CSR 方針 の前文で 持続可能な発展のために すべてのステークホルダーを重視した経営を行う こと オープンで公正なコミュニケーションを通じて ステークホルダーとの健全な関係の維持 発展に努める ことを宣言しています 具体的には主要ステークホルダーに対し トヨタの関連部署 あるいは世界各地の事業所が窓口となって対話を実施 トヨタの考えをお伝えするとともに相互理解を深めています このほかにも サステイナビリティに関する取り組みの方向性検討などのため 社外有識者とのコミュニケーションを図っています トヨタはステークホルダーとの対話を一層深め 社会の期待や課題と真摯に向き合い 今後の取り組みに生かしていきます ステークホルダー エンゲージメントの実施状況 ステークホルダーコミュニケーション方法頻度内容企業活動への反映 お客様 お客様第一主義という信念に基づき お客様の声を よりよい製品 サービスに反映する活動の推進 お客様相談窓口 公式ウェブサイト 商品ウェブサイト 随時 随時 電話およびメールフォームでのご意見対応 会社情報事業内容の発信 FAQ の設置など CS 活動の向上 CS 活動の向上 各種 SNS での発信随時会社情報事業内容の発信 お客様にとってニーズの高い情報の発信 従業員 労使相互信頼 相互責任の関係を原則とする チームワークや一体感の醸成に向けた双方向コミュニケーション 労使懇談会 / 労使協議会 従業員意識調査 年数回 1 2 回 /2 年 労使間の課題についての協議 交渉 意見交換 相互理解 従業員に対する職場風土や会社生活などに関する調査 労使関係の強化 職場風土の改善や労務 人事諸施策の評価 立案 取引先 相互信頼に基づく共存共栄に向けた緊密なコミュニケーション 販売店 販売店との各種会議 研修会 イベントの開催 サプライヤー 仕入先総会 協力会との各種会議 研修会 イベントの開催 随時 随時 企業方針の共有 調達方針の共有 相互研鑽 パートナーシップの強化 相互信頼に基づく共存共栄に向けた緊密な関係構築 株主 株主 投資家に対する事業 財務状況と成果の適時かつ適正な開示 および持続的な成長 企業価値向上に向けた建設的な対話 株主総会 決算説明会 個別説明会 年 1 回 年 4 回 随時 事業報告 連結計算書類 計算書類 監査結果の報告および決議事項の審議および決議 当社の決算概況 取り組みなどにつき 記者会見 電話会議を開催 機関投資家 個人投資家に対し 当社の決算概況 地域事業 技術 商品などにつき説明 意見交換 建設的な対話を通じた経営の質の向上 投資家情報ウェブサイトなど 随時 決算情報 事業内容などを発信 社長メッセージを集めた専用サイト T-ROAD も開設 地域社会 グローバル社会 地域社会との良好な関係の構築やグローバルな社会 環境課題の解決に向けた多様なステークホルダーとの対話 地域住民との懇談会 当社イベントへの招待 地域イベントへの参加 年数回 随時 各工場単位で地域の代表者に対する当社の取組紹介および意見交換 地域住民との交流 相互理解を図り 安定した地域社会を形成 官民共同プロジェクトへの参画 随時 実証実験など先進的な取り組みへの協力 先進技術の向上 社会的課題の認識 解決 経済 業界団体への参加 随時 各団体施策の企画立案 実施に参画 国 業界全体の活力向上のための施策導入 NGO NPO との協働活動参加 随時 世界各地域における社会貢献活動 各地域ごとの社会ニーズの把握 74 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

76 社会への取り組みステークホルダー エンゲージメント TOYOTA Stakeholders Meeting 2016 を開催 2016 年 11 月に2 日間にわたり TOYOTA Stakeholders Meeting 2016 を 本社地区 ( 愛知県豊田市 ) で開催しました 創業の精神を受け継ぎ 未来を切り拓いて挑戦していくトヨタの想いを 幅広いステークホルダーの方々に直接お伝えすることが目的で 投資家 地域 行政 学生 仕入先や販売店の皆様 約 2,500 人にご参加いただきました 豊田社長をはじめ TRI(Toyota Research Institute) のギル プラット CEO や役員が もっといいクルマづくり 未来への価値づくり AI が切り開く未来社会 トヨタ生産方式を後世につなげる想い などをプレゼンテーション 来場者も参加のセッションや さまざまなクルマの試乗会などを通じ お客様にトヨタの取り組みを体感していただきました TOYOTA Stakeholders Meeting 2016 でプレゼンテーションするギル プラット氏 個人投資家の皆様との対話促進 株主 個人投資家の皆様との対話を促進し 長期的視点で投資していただくため 持続的成長に向けたトップの思いや会社の取り組みについて 直接投資家の皆様に説明し ご意見をいただく活動に取り組んでいます 2016 年度は 個人投資家向けIR 説明会を11 回実施 約 1,800 人にご参加いただきました 事業の説明のほか i-road などの車両展示や技術員による解説も実施 体験 対話型のコミュニケーションにより 投資家の皆様にトヨタの事業活動をより深くご理解いただき 長期的な投資でトヨタを応援していただきたいと考えています また 証券取引所が主催するIRイベントにも出展するなど 対話の場を広げるよう努めています なお コミュニケーションを深めるための手段として 株主 個人投資家の皆様に向けたトップメッセージや トヨタの取り組みを紹介する専用サイト T-ROAD による情報発信にも取り組んでいます T-ROAD T-ROAD Web 75 Sustainability Data Book 2017 社会への取り組み

77 環境への取り組み トヨタ環境チャレンジ 第 6 次 トヨタ環境取組プラン 2016 年度レビュー 79 Challenge1 新車 CO₂ゼロチャレンジ 85 Challenge2 ライフサイクル CO₂ ゼロチャレンジ 90 Challenge3 工場 CO₂ゼロチャレンジ 94 Challenge4 水環境インパクト最小化チャレンジ 99 Challenge5 循環型社会 システム構築チャレンジ 103 Challenge6 人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ 108 環境マネジメント 115 環境データ 123

78 環境への取り組みトヨタ環境チャレンジ 2050 トヨタ環境チャレンジ 2050 トヨタは 温室効果ガスに起因する異常気象 開発による生物多様性の喪失 人口増加にともなう水不足など 深刻化する地球環境の諸問題に対し これまでも幅広い取り組みを推進してきました 2015 年 10 月に トヨタ環境チャレンジ2050 を公表 今後もクルマの環境負荷をゼロに近づけるとともに 地球 社会にプラスとなる取り組みを通じて 持続可能な社会の実現に貢献するためのチャレンジを実施していきます 新車 CO₂ゼロチャレンジ 2050 年グローバル新車平均走行時 CO₂ 排出量の90% 低減 (2010 年比 ) を目指す 水環境インパクト最小化チャレンジ各国地域事情に応じた水使用量の最小化と排水の管理 取り組み 省エネルギー と 燃料多様化への対応 の観点から次世代車普及のさらなる加速を図る ハイブリッド車 プラグインハイブリッド車のグローバルでの普及を加速 燃料電池自動車 電気自動車などのゼロエミッション *1 ビークルの普及を加速 *1 ゼロエミッション : 有害な排気ガス成分をゼロにすることで 特に近年の自動車では CO₂ を全く排出しない EV や FCV のこと 環境では 最終的に焼却廃棄物や埋立廃棄物をゼロにしようとするもの 取り組み ライフサイクル CO₂ ゼロチャレンジ ライフサイクル全体での CO₂ 排出ゼロを目指す 素材製造から部品 車両製造 走行 廃棄までのライフサイクル全体でCO₂を削減 低 CO₂ 材料の開発 使用拡大など 材料製造時のCO₂ 削減 リサイクル材料の使用拡大など 環境配慮を推進 取り組み 生産工程内での水使用量削減はもとより 雨水利用による工業用水使用量の削減や水の再利用率向上を推進 厳しい水質基準で排水の水質を管理し 自然にとって良い水質で地域に還すことで 地域環境に貢献 取り組み 循環型社会 システム構築チャレンジ日本で培った 適正処理 やリサイクルの技術 システムのグローバル展開を目指す エコな素材を使う 部品を長く使う リサイクル技術の開発 廃車されるクルマからクルマをつくる の 4 本柱で 循環型社会の実現を目指す 2016 年から 世界展開に向けた2つのプロジェクトを開始 Toyota Global 100 Dismantlers *2 Project Toyota Global Car-to-Car Recycle Project *2 Dismantlers( ディスマントラーズ ): クルマなどの解体業者 取り組み 工場 CO₂ゼロチャレンジ 2050 年グローバル工場 CO₂ 排出ゼロを目指す 生産工場で 低 CO₂ 技術の開発 導入と日常改善 と 再生可能エネルギー活用と水素利用 を推進 工程のシンプル スリム化 革新的な省エネを進め エネルギー使用量を3 分の1 以下に抑える 2020 年ごろを目指して田原工場に風力発電を設置するなど 再エネを利活用 取り組み 人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ自然保全活動の輪を地域 世界とつなぎ そして未来へつなぐ 自然共生活動 環境活動助成 環境教育 の 3つの柱の自然保全活動の充実を図る 2016 年から3つの つなぐ プロジェクトを展開 地域をつなぐ Toyota Green Wave Project 世界とつなぐ Toyota Today for Tomorrow Project 未来へつなぐ Toyota ESD *3 Project *3 ESD(Education for Sustainable Development): 持続可能な開発のための教育 77 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

79 環境への取り組みトヨタ環境チャレンジ 2050 環境の重要課題 ( マテリアリティ ) としての 6 つのチャレンジを特定 実行するプロセス 環境課題は 事業活動におけるリスクとなる反面 事業機会の創出にもつながるため 長期ビジョンの策定においては この視点に立った重要課題の特定が不可欠です トヨタは策定に当たり 将来を見据えたリスクと事業機会の可能性を把握すべく 情報収集に努めるとともに ステークホルダーにとっての重要度と自社事業における重要度の両面から 環境課題の評価 特定を行いました 実行においては トヨタ環境チャレンジ2050 の 6つのチャレンジを具現化するためのアクションプランである第 6 次 トヨタ環境取組プラン を全社一丸となって着実に実施していきます STEP 1 情報収集 分析情報収集 分析においては 2050 年の環境に関する科学的予測をはじめ 国際的な枠組み 政策動向 新興国の動き 外部格付け機関の主要指標 G7サミットでの環境問題に対する各国首脳の発言などのグローバルトレンドを踏まえ マクロ経済トレンドや留意すべき社会の要請などから リスクと機会を把握しました STEP 2 重要課題 ( マテリアリティ ) の抽出重要課題 ( マテリアリティ ) の抽出に当たっては ESG 投資家や調査機関の主要指標や国際機関 NGO 消費者などのステークホルダーとのコミュニケーションによって得られた外部環境分析と トヨタ基本理念 や トヨタ地球環境憲章 や社内関連部署からのヒアリングなどを通じて得られた内部環境分析をもとに 課題を抽出しました STEP 3 重要課題 ( マテリアリティ ) の特定重要課題 ( マテリアリティ ) の特定においては 洗い出した課題をステークホルダーに対する影響度とトヨタの事業活動に与えるインパクト 事業機会創出の可能性の両面から2 軸でマッピングし 重要度の優先付けを行いました STEP 4 トヨタ環境チャレンジ2050 の策定 定期的な見直しと情報開示ステークホルダーとトヨタにおける優先重要度がともに高い課題を トヨタ環境チャレンジ2050 (6つのチャレンジ) として策定し 会社の中長期戦略を決定する コーポレート企画会議 の承認を得ました 着実な実行のためには 経営層が環境取り組みを事業機会と捉え 的確な環境戦略投資を図ることに加え グループ企業も巻き込み 取引先との連携も強めていくことが大切です また レビュー評価を定期的に行い アクションプランの見直しを行っていきます 第 6 次 トヨタ環境取組プラン -6 つのチャレンジを具現化するためのアクションプラン - トヨタ環境取組プラン は トヨタ地球環境憲章 をより具体的に企業活動に反映させ 着実に推進するために取りまとめられたアクションプランです 1993 年に第 1 次 トヨタ環境取組プラン を策定し 以降 5 年ごとに目標を見直し 実行してきました 第 6 次 トヨタ環境取組プラン は トヨタ環境チャレンジ2050 で掲げた6つのチャレンジを具現化するため 2016 ~ 2020 年度に実施すべき活動を明確にしたものです 地球環境と調和したモノづくり クルマづくりと商品およびサービスの提供を通じて 持続可能な発展に貢献していきます 78 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

80 環境への取り組み第 6 次 トヨタ環境取組プラン 2016 年度レビュー 第 6 次 トヨタ環境取組プラン 2016 年度レビュー 分野 取り組みの総括 低炭素 ( 気候変動 CO₂) チャレンジ1 グローバル新車平均 CO₂は 環境性能の向上とラインナップの拡充により 目標達成に向けて取り組みを推進しています 次世代車は ハイブリッド車 (HV) の販売が順調に推移するとともに 2 代目 プリウスPHV を販売開始し プラグインハイブリッド車 (PHV) の開発 普及を加速させました さらに電気自動車 (EV) については 早期に商品を投入すべく開発体制を整備しました チャレンジ 2 製品開発分野では 国内 8 車種について Eco-VAS *1 によるライフサイクル 評価を実施し プリウスPHV は従来モデル比でCO₂ 排出量を5% 低減しました 物流分野では CO₂ 排出低減に資する改善活動を推進しました *1 Eco-VAS(Eco-Vehicle Assessment System): 車両の全開発プロセスを通じて 自動車の生産 使用 廃棄に至る LCA の考え方を踏まえた総合的な環境評価を実施することで 車両開発責任者によるマネジメント強化が目的 チャレンジ3 生産によるCO₂ 排出量は 国内外で技術開発とその着実な導入 改善事例を円滑に展開するためのショップ軸活動を通じて 順調に低減しました プリウスの生産ラインに採用した新塗装ラインなど 各工程で開発されたシンプル スリム化技術を ラインの切り替え 更新に合わせて導入を進めています 工場の省エネを支援する活動 (ESCO) も 積極的に推進しました 循環 ( 資源 水 ) チャレンジ4 水使用量においては 国内外で削減技術の導入と日頃の節水活動などの取り組みを推進しました 水は地域により取り組むべき課題などが異なるなかで 共通の考え方として トヨタ水環境方針 を策定しました この方針に基づき 水量や水質 その他さまざまな観点で水環境へのインパクトを評価 チャレンジ優先工場 を設定し 対策導入を進めています チャレンジ5 生産分野では 鋳物集塵ダストの低減や汚泥減容化を進め 物流分野では スリム化 リターナブル化 *2 により 廃棄物発生量および梱包 包装材使用量を着実に抑制しました 資源循環分野では 自動車リサイクル法制化対応ガイダンスや適正処理マニュアルを作成し ベトナムとタイでは廃車の適正処理システム構築に着手しました また電池の国内回収 リサイクル能力を増強するとともに 定置用などへのリビルト リユースを着実に推進しました *2 リターナブル化 : 物流に使用した梱包資材を 出荷元に戻し 再利用すること 自然共生 チャレンジ6 Toyota Green Wave Project では グループ会社などと オールトヨタ自然共生ワーキンググループ を立ち上げ 統一イベント開催などを実施しました Toyota Today for Tomorrow Project では IUCN *3 やWWF *4 などの国際機関 NGO とのパートナーシップを公表し ポジティブな評価を受けました Toyota ESD Project では トヨタ白川郷自然學校の累計来場者数が19 万人を達成し 未来を担う子ども育成プログラムを強化しました *3 IUCN(International Union for Conservation of Nature): 国際自然保護連合 1948 年に世界的な協力関係のもと設立された 国家 政府機関 非政府機関等で構成される国際的な自然保護ネットワーク *4 WWF(World Wide Fund for Nature): 世界自然保護基金 マネジメント 環境マネジメント環境マネジメントでは 軽微なものの環境異常 苦情が発生したため 未然防止活動を強化し 過去異常対策のやりきりと標準化を実施しました サプライヤーとの取り組みでは グローバルで調達ガイドライン改定を完了し 販売 サービス分野では 各地域で環境ガイドラインの策定などを推進しました 情報開示の改善を進め 環境報告書 2016 が第 20 回環境コミュニケーション大賞 地球温暖化対策報告優秀賞 を受賞しました 79 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

81 炭素(気候変動 CO²17% 減低環境への取り組み第 6 次 トヨタ環境取組プラン 2016 年度レビュー : 順調に進捗 : 課題はあるものの 2020 年度には目標達成見込み - :2020 年度に目標未達見込み 取り組み項目具体的な実施項目 目標など 1 新車 CO₂ゼロチャレンジ )2. HV : 一層の高性能化およびラインアップの拡充などによる 年グローバル新車平均 CO₂ 低減率は トップクラスの 2010 年比 22% 以上を目指す 燃費性能を目指す開発 ー TNGA 取り組みによる高性能な パワートレーンを開発し 順次導入 ー HVの一層の性能向上と導入拡大 電気エネルギーを利用した HVの一層の普及拡大を図り 次世代車の開発推進と 2020 年までに年間 HV 販売台数 150 万台 それぞれの特徴を活かした 累計販売 1,500 万台を目指す 普及推進 PHV : 燃料多様化に向けた電気利用車の柱として さらに高性能な車両を開発し 普及拡大を図る EV : 近距離用途として低炭素交通システムと組み合わせて 技術開発を推進する FCV : 将来有力なエネルギーである水素を有効に利用できるよう さらなる低コスト化 小型化 耐久性の向上など 商品力強化に向けた取り組みを進める 2ライフサイクル CO₂ゼロチャレンジ 3. 開発段階での車両環境アセスメントシステム (Eco-VAS) による 製品開発における 環境目標管理の着実な推進 環境マネジメントの推進 ーモデルチェンジ車 新型車共に前モデルと比較して (Eco-VAS) ライフサイクル環境負荷の低減を推進 ー評価結果をウェブサイト カタログなどで お客様への適切な情報開示を推進 4. CO₂ 水 太陽光エネルギーからの人工光合成技術開発の推進 触媒技術による CO₂ 吸収 ー 2020 年に世界トップクラスの光合成効率による CO₂ 吸収 新資源創出の実用化研究 1 次原料 ( 素材 燃料など ) 創出の基礎実証を完了する ( 人工光合成など ) 5. 輸送効率の一層の改善による CO₂ 低減活動の推進 物流活動における ( 徹底した総走行距離の低減 モーダルシフトのさらなる推進 ) 輸送効率の追求と CO₂ 排出量の低減 地域 項目 基準年 目標 (2020 年度 ) 国内 排出量 1990 年度 25% 減 輸送量当たり排出量 2006 年度 14% 減 ( 毎年 1% 減 ) 海外 実績を把握 2016 年度の取り組み結果 グローバル新車平均 CO₂ 低減率 ( 日本 米国 欧州 中国 ) 2016 年度実績は 2010 年度比較 11.9% 低減 TNGA 取り組みによるエンジン トランスミッションの低 CO₂ 化開発と展開 HV のさらなる環境性能の向上とラインナップ拡充により 2020 年目標達成に向けて取り組み推進 HV : さらなる環境性能の向上とラインナップの拡充により 目標台数に向けて順調に推移 (2016 年度 国内では新たにハイブリッドモデルを 3 車種拡充 : ヴィッツ CH-R レクサス LC500h ) トヨタの販売車両に占める HV の割合は 国内 43% グローバル 15% 地域項目基準年 2020 年度目標 2016 年度実績グローバル HV 単年 150 万台 140 万台販売台数累計 1,500 万台 994 万台 PHV :2017 年 2 月 2 代目となる プリウス PHV を市場へ投入 走行時の低 CO₂ 化に加え EV 走行の拡大など商品力が大幅に向上 HV に次ぐ次世代環境車の柱と位置付け 普及に向けて開発を加速させる EV FCV: 再生可能エネルギーや CO₂ フリー水素などの利用によるゼロエミッションに向けての選択肢として 適時 適地 適車 の考え方のもと FCV だけではなく EV についても早期に商品を投入すべく開発体制を整備 国内においては 新型車 モデルチェンジ車 8 車種について Eco-VAS によるライフサイクルアセスメントを実施対象全車種について 比較車両に対してライフサイクルでの CO₂ 排出量を低減 (2 代目 プリウス PHV においては 2012 年モデルに対して CO₂ 排出量を 5% 削減 ) CO₂ 水 太陽光エネルギーのみからのギ酸の合成において 世界トップクラスの光合成効率を達成 改善活動推進により目標達成 地域 項目 基準年 2016 年度実績 国内海外 排出量輸送量当たり排出量 1990 年度 2006 年度実績を把握 36% 減 評価 6. 地域グリッドエネルギーマネジメント技術の展開による地域社会への貢献 7. 道路交通セクターにおける統合的な CO₂ 低減取り組みの推進 マイクログリッド (F-grid) 地域最適エネルギーマネジメント技術の確立と国内外展開の推進ー東北大衡村プロジェクト 豊田市元町工場プロジェクトの実証確認ー国内他工場 アジアなどへの国内外への展開 IT ITS 技術などによる スマートモビリティ社会への貢献ー超小型 EV を使用した次世代交通システム Ha:mo の日仏での実証結果を踏まえ 東京 2020 オリンピック パラリンピックも視野に入れた各地域への展開と事業モデルの構築を目指す 低炭素モビリティ社会構築に向けた統合的交通流対策プロジェクトへの積極的参画ー WBCSD SMP 2.0 サートン モデル確立とバンコク展開ロードマップ策定 グローバルでのエコドライブ普及推進ーグローバルで お客様 従業員へのエコドライブ普及を推進 各プロジェクトとも予定どおり推進ー東北大衡村 : 省エネ性導入前比 24% 減 環境性導入前比 31% 減ー豊田市元町工場 :NEDO 実証 ( 年 ) を計画ー国内他工場 アジア : 情報収集 ( 導入環境 法規制など ) 持続的な事業運営モデルの構築に向け 各地実証実験 ( ユースケース ) での収益改善やシステム改良 機能開発を実施 ( 豊田市 フランス グルノーブル 沖縄 東京 岡山市 ) 特に豊田市 沖縄では 地元主体 行政施策と連動した Ha:mo の活用と事業化を推進 2016 年 6 月 サートン道路にて 24 の交通需要コントロールと交通流マネジメントの施策を実施 交通マネジメントの渋滞改善効果を実証 ( 交通流率 :12.6% 向上 信号待ち渋滞長 :1km 減 ) また 2017 年 2 月 サートン道路での取り組みをバンコク全域に展開するロードマップを タイ国家交通マネジメント委員会 ( 議長 : ソムキット副首相 ) へ提案し 承認済み 以下のとおり推進 : ー販売店を通じたエコドライブアドバイス レンタリース店を通じたエコドライブサポートなど お客様への啓発活動を継続して推進ー 2016 年 10 月 TDEM が傘下の販売代理店 事業体に お客様や従業員へのエコドライブ啓発に活用するためのパンフレットを作成し 配付 80 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

82 具体的な実施項目 目標など低炭素(気候変動 CO²環(資源 水20% 減循環境への取り組み第 6 次 トヨタ環境取組プラン 2016 年度レビュー 3 工場 CO₂ ゼロチャレンジ 8. 生産活動における CO₂ 排出量の低減 低 CO₂ 生産技術の開発 導入と日常改善活動による CO₂ 低減活動の推進ー生産性向上の追求 オフィスなども含めた活動の展開 各国 各地域の特性を考慮したクリーンエネルギーの活用ー 2020 年に向けた段階的な導入推進 エネルギー起源以外の温室効果ガスの管理 2020 年目標達成に向けた開発推進 および開発済み技術の着実な導入を実施 ショップ軸活動による 日常改善活動を加速 取り組み項目 2016 年度の取り組み結果 評価 )地域項目基準年目標 (2020 年度 ) グローバル 1 TMC 台当たり排出量台当たり排出量 2001 年度 2001 年度 39% 減 48% 減 排出量 1990 年 28% 減 海外 地域 No.1の低減活動推進 1 TMC+ 国内外連結子会社 ( 製造系 ) 地域項目基準年 2016 年度実績 グローバル TMC 海外 台当たり排出量 2001 年度 台当たり排出量 2001 年度 排出量 1990 年 34% 減 46% 減 45% 減 地域に適した低減シナリオ実践 4 水環境インパクト最小化チャレンジ 9. 各国 各地域の水環境事情を考慮し 生産活動における 継続的な水使用量低減活動を推進 水使用量の低減 ー新工場 ライン改装計画と連動した画期的な取り組み ー日常改善など各種取り組みによる水使用量低減 地域 項目 基準年 目標 (2020 年度 ) TMC( 車両工場 ) 台当たり使用量 2001 年度 12% 減 海外 地域 No.1の低減活動推進 国内外各社において 水使用量低減技術の導入および日頃の節水活動を推進 地域項目基準年 2016 年度実績 TMC( 車両工場 ) 台当たり使用量 2001 年度海外地域水環境事情に即した活動推進 5 循環型社会 システム構築チャレンジ ) 再生可能資源 リサイクル材活用による枯渇天然資源の使用量低減 資源回収しやすい 易解体性トップレベル の実現 12. 日本で培った廃車適正処理による国際貢献 13. 廃車資源に対するオリジナルリサイクルシステムの海外展開 石油由来の樹脂の使用量低減ー品質 性能要件を満たすリサイクル樹脂 エコプラスティックの技術開発ー使用済み樹脂の回収システム構築 希少資源 / リサイクル材の再利用推進ー CFRP リサイクル技術の開発ー希土類の使用量削減技術とリサイクル技術の開発 易解体性トップレベルの維持 向上ー次世代車 (EV FCV) スマートモビリティをはじめとした各モデルへの確実な易解体設計の織り込みー新技術 新材料部品の易解体構造の開発 織り込み 各国 各地域の実情に合わせた 廃車適正処理技術 の海外展開ー各国リサイクル法規に対応した確実な廃車適正処理と 今後法規導入が想定される国 地域においては トヨタ自動車が作成したガイダンスに基づき各国 各地域での取り組みを強化ー解体リサイクルモデル工場 (100 拠点 ) に向けた事業展開 (2020 年時点に 7 拠点 ) 外部環境の変化と選定基準の見直しにより 拠点数を 10 7 に変更 トヨタ独自の リサイクル技術 の高度化と海外支援ーニッケル水素電池のリビルト リサイクルの技術向上 ( コスト低減 ) と海外支援ーリチウムイオン電池のリビルト リサイクル技術確立と海外支援ー国内ワイヤーハーネスリサイクルの実用化 ( 規模拡大 ) ー国内磁石リサイクルの実用化 ( 規模拡大 ) ー HV ユニットを活用した創電 蓄電技術開発ー海外主要地域でのバンパー回収 リサイクル技術の検討とめど付け 石油由来樹脂ー中部地区の解体事業者数社と連携し 年 3 回にわたる廃車由来樹脂の回収トライを実施ートヨタ販売店で修理交換された使用済みバンパーの回収 リサイクルを継続 希少資源ー廃 CFRP のマテリアルリサイクルに向けた技術開発に着手ーハイブリッド系部品に使用されるレアアースの使用量削減に継続して取り組み プリウス PHV レクサス LC (TNGA 継承車 ) などの新規開発車両においても 易解体設計を継続して織り込み実施 以下の通り推進 : ー 自動車リサイクル法制化対応ガイダンス を発行ー十分な解体設備のない国 地域を想定し 廃車処理に関する 適正処理マニュアル ( 基礎編 ) を作成ー法規制導入に向けた廃車の適正処理インフラ構築に着手 ( ベトナム ) ー既存施設を活用した廃車の適正処理システム構築に着手 ( タイ ) 以下の通り推進 : ー 1997 年度以降 累計 7 万 3,000 台の電池を回収 リサイクルする一方で 今後の電池リサイクルのグローバル化 ( 量拡大 ) に備え 日本でのリサイクル処理能力を増強ー定置用を含む電池のリビルト ( 検査 再組み立て ) リユース活動を継続して推進中ー精錬レス 純度 99.96% の再生銅リサイクル技術の開発を完了 新たな処理技術の検討に着手ー市中回収した磁石からレアアースを抽出 磁石原料などに再利用するリサイクルを 2012 年度から継続して取り組み 累計 28 トンの磁石を回収 リサイクルー定置用蓄電池システムへの適用検討を継続ー米国物流部門 (NAPO) にて バンパーをプラスチックペレットに再生するリサイクル実証活動を実施 81 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

83 具体的な実施項目 目標など循環(資源 水)5 循環型社会 システム構築チャレンジ自然共環境への取り組み第 6 次 トヨタ環境取組プラン 2016 年度レビュー 生産活動における排出物の低減と資源の有効利用 15. 物流活動における梱包包装資材の低減と資源の有効利用 生14. 6 人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ 16. 各事業所 各地域の活動を 地域をつなぐ 自然保全活動の推進 排出物低減生産技術の開発 導入と日常改善活動による排出物低減活動の推進ー歩留まり向上などの発生源対策による排出物低減と資源の有効利用促進ー有価物 廃棄物の発生量低減など 資源ロス低減活動の推進 金属屑など発生量低減活動およびオールトヨタ内有効活用の推進 排出物 対象地域項目基準年 有価物 廃棄物 1 国内 2 国内 TMC 発生量 台当たり発生量 台当たり発生量 2001 年度 2001 年度 埋立廃棄物ゼロ 3 海外地域 No.1の低減活動推進 リターナブル化 包装材の軽量化を中心に改善を推進 国内 従来並みの改善を継続 (2006 年度比 14% 減 ) 海外 事例を把握 目標 (2020 年度 ) 金属屑など発生量低減活動およびオールトヨタ内有効活用の推進 35% 減 63% 減 1 逆有償リサイクル 焼却廃棄物 埋立廃棄物 2 TMC+ 国内外連結子会社 ( 製造系 ) 3 ゼロ定義 = 直接埋め立てられる廃棄物を 1995 年度比 1% 未満 オールトヨタ グローバル事業体で進めてきたさまざまな自然保全の活動を地域とつなぐ ~Toyota Green Wave Project~ ーこれまでのサステイナブル プラント活動をやりきると同時に グループ オールトヨタのさまざまな活動を 海外 関連会社や地域へ拡げる ステークホルダーとの連携で活動の輪を拡げる リサイクル率向上による鋳物集じんダストの低減 および汚泥の減容化を継続実施 排出物 対象地域項目基準年 有価物 廃棄物 国内 国内 TMC 発生量 台当たり発生量 台当たり発生量 2001 年度 2001 年度 埋立廃棄物ゼロ海外再利用化など活動推進 包装仕様のスリム化 リターナブル化を推進 国内 従来並みの改善を継続 (2006 年度比 28% 減 ) 海外 改善事例を把握 2016 年度実績 歩留まり向上推進および端材の確実な回収 39% 減 59% 減 オールトヨタ自然共生ワーキンググループ (WG) をグループ会社他 (23 社 ) で立ち上げ 活動開始 活動をつなぐ ーオールトヨタ個社活動を合計 116 件実施し 自然共生活動を拡大ー統一イベントを年 2 回実施 グループ連携強化 (2016 年 5 月 : 植樹祭 同年 10 月 : 生態系保全 ) 認知度向上 ーグリーンウェーブプロジェクト活動を冊子にまとめ 2016 年 6 月に WG 各社で従業員へ配付 ウェブサイトへ展開実施生物多様性と各社活動認知のため 情報発信を充実 自然と共生する工場 企画策定ーこれまでのサステイナブル プラント活動に 新研究開発施設プロジェクトでの生物多様性保全で得られた知見を生かし 自然共生活動のレベル向上を図るー 2017 年 3 月 国内モデル工場を選定し 活動開始 取り組み項目 2016 年度の取り組み結果 評価 17. 自然 生物多様性保全を 世界とつなぐ 環境活動への助成の強化 環境活動助成を通じて 環境保全 生物多様性保全の活動を世界とつなぐ ~Toyota Today for Tomorrow Project~ ー社会貢献活動の重点である環境分野において 環境課題の解決に寄与するプロジェクトの助成を強化 グローバル各団体 ステークホルダーとの協働による新しい価値を提供し 世界に活動の輪を拡げる 国際機関 NGO とのパートナーシップを公表ー IUCN レッドリストプロジェクト 記者発表 (2016 年 5 月 スイス ) ー WWF 生きているアジアの森プロジェクト 記者発表 (2016 年 7 月 東京 名古屋 ) ー第 6 回世界自然保護会議にてトヨタの取り組みを発信 (2016 年 9 月 米国 ) ー国連 生物多様性条約第 13 回締約国会議 (CBD COP13) にて IUCN バードライフ インターナショナル コンサベーション インターナショナルと共にトヨタとして初めてサイドイベントを実施 (2016 年 12 月 メキシコ ) ー上記諸活動により 国際機関 NGO との協力関係を構築し 政府関係者 専門家 NGO などを中心にポジティブな評価を獲得 上記に加え NGO NPO などへの助成として トヨタ環境活動助成プログラム を 2000 年度より継続実施 82 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

84 環境への取り組み第 6 次 トヨタ環境取組プラン 2016 年度レビュー 然共生取り組み項目具体的な実施項目 目標など自6 人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ 18. 各地域の事業所やフィールドを活用した環境教育を強化し 環境活動を 環境保全活動を未来へつなぐ 未来へつなぐ ~Toyota ESD Project~ 環境教育貢献の強化 ー工場の森 事業所の緑 ビオトープなどを活用した 地域住民 子ども教育をグローバルに拡大していく ー社有地フィールド ( 白川郷 トヨタの森 三重宮川山林など ) の 特色を生かした教育プログラムの開発を進め 未来へつなぐ 人材育成を進める 2016 年度の取り組み結果 以下のとおり推進 : グローバル ートヨタタイランドで 学習センターを一般向けに開設 従業員教育 ー No.25 に同じ トヨタの森 ー近隣小学校を対象とした自然ふれあい体験学習を実施 (2016 年度 6,050 名 ) ー 2017 年 3 月末に 累計来場者数 16 万人を達成ー森林資源の活用と里山の森林管理を楽しく学ぶ講座 里山とくらし などを 2 回実施 トヨタ白川郷自然學校 ー 2016 年度宿泊者数 1 万 6,529 人 2017 年 3 月末に累計来場者数 19 万人達成ー未来を担う子ども育成プログラムを強化 こどもキャンプ 夏冬合わせ 6 種類 計 15 回開催し 全国から 243 人が参加 ( 前年度 101 人前年度比 240%) トヨタ三重宮川山林 ー地元の NPO や高校と協働で林業や木材の利用を学ぶ森林体験学習を 計 4 回実施 新研究開発施設 ー環境学習の取り組みとして 地元中学校とクロスズメバチ類調査実施従業員向けの環境学習として カヤネズミ調査実施 評価 19. バイオ緑化事業 自動車周辺技術 森林保全活動による環境貢献の推進 バイオ技術による環境課題への対応ー酵母菌のさらなる発酵能力向上によるセルロースエタノールの研究開発推進ー畜産バイオマス事業 農業分野への応用による資源 自然資本創出貢献 バイオマス 農業分野の取り組み推進ー海外セルロースエタノールパイロットプラントでの実証試験を開始ー畜産向け堆肥化促進 消臭資材 レスキュー 45 シリーズの普及拡大 ー 豊作計画 ( 農業 IT 管理ツール + 現場改善 ) を農業法人に展開拡大に向け自治体とも協定締結 緑化分野の取り組み推進ー特殊緑化資材 SGP ( スマートグリーンパーキング ) SGW ( スマートグリーンウォール ) の普及推進 連結子会社の トヨタルーフガーデン より販売 都市緑化事業やグループ保有技術を通じた 温暖化 気候変動 適応 貢献 トヨタ三重宮川山林における資源活用モデルの構築 計画中の新研究開発施設において 自然と共存し 地域と調和したサステイナブル テクニカルセンターを具現化ーヒートアイランド対応マ トヨタ三重宮川山林ー持続可能な林業の再生を目指し 整備の低コスト化に向けた取り組みを実施ー自社施設や関連商業施設に産地木材を活用 新研究開発施設ー開発地での着実な環境保全 調査を継続し 環境監視委員会 ( 年 2 回 ) で報告ー有識者と三河地域で減少している野鳥保全活動を継続実施設置した巣箱で フクロウや 地域的に繁殖事例が少ないブッポウソウの繁殖を確認ー環境レポート (4 回 ) や学会発表 (2 回 ) などで 保全活動で得た知見を公開 ネマネジメントジメン20. ト連結環境マネジメントの強化推進 国内外における各種環境委員会活動の充実による各国 各地域での全事業活動に関わるトップレベルの環境パフォーマンス (CO₂ 水など ) 確保に向けた活動の強化 以下のとおり推進 : ー国内オールトヨタ生産環境会議 連絡会 ( 役員会議 ) を定期開催 (1 回 / 年 ) ーグローバル環境表彰の開催 ( 海外事業体の改善活動を促進 ) ー 2016 年 11 月 第 6 回グローバル環境会議を開催し 各地域の担当者と トヨタ環境チャレンジ 2050 などについて議論 各国 各地域の環境法令遵守と環境リスクの未然防止活動の徹底強化 各国 各地域の法規動向を踏まえた 製品化学物質管理の充実 以下のとおり推進 : ー国内各社の環境取り組み実務担当者を対象に研修会などを実施 ( 重点ポイントの展開および潜在リスク洗い出しと対策 ) ー環境異常 6 件 (TMC1 件 国内 5 件 海外 0 件 ) 苦情 1 件 ( 国内 1 件 ) いずれも軽微な異常 苦情であり 対策 横展はすべて完了 各国 各地域の法規動向を踏まえた 製品化学物質管理の充実 化学物質管理体制のグローバル展開ー IMDS への化学物質データ入力徹底ーサプライヤーの工程監査 調査による化学物質管理体制評価 21. 各国 各地域の都市大気環境改善に資する排ガス低減 各国 各地域の都市環境改善に資する低排出ガス車を着実に導入 トヨタは 各国の研究機関との 大気環境研究協力 を通し 大気環境改善に貢献する 各国 各地域において 都市環境改善に資する排気ガス規制の強化が進むなか これに適合した車両を着実に導入 83 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

85 具体的な実施項目 目標などマネジメン環境への取り組み第 6 次 トヨタ環境取組プラン 2016 年度レビュー マネジメント 22. 生産活動における VOC の低減 塗装工程における塗料 シンナーの低減など VOC 低減技術の開発と展開ー塗装設備改装計画と連動した取り組みと日常改善による VOC 低減を継続的に推進 洗浄シンナーの使用量低減および回収率向上の取り組み継続バンパー塗装においては 設備改装に合わせ 水性塗料への切り替え推進 取り組み項目 2016 年度の取り組み結果 評価 対象地域項目目標 ( 2020 年度 ) ボデー塗装 バンパー塗装 その他塗装 国内 1 TMC 海外 TMC 国内 海外 塗装面積当たり排出量 塗装面積当たり排出量 地域 No.1 の低減活動推進 塗装面積当たり排出量 26g/m 2 以下 ( 全ライン平均 ) 19g/m 2 以下 ( 全ライン平均 ) 310g/m 2 以下 ( 全ライン平均 ) VOC 排出量低減活動推進 対象地域項目 2016 年度実績 ボデー塗装 バンパー塗装 その他塗装 国内 TMC 海外 TMC 国内 海外 塗装面積当たり排出量 21.5g/m 2 塗装面積当たり 14.6g/m 排出量 2 塗着効率向上活動など推進塗装面積当たり 193g/m 排出量 2 塗装条件最適化など推進 1 TMC+ 国内連結子会社 ( 製造系 ) ト ビジネスパートナーと連携した環境活動の推進 ( サプライヤー ) ビジネスパートナーと連携した環境活動の推進 ( 販売店 販売代理店 ) 25. グローバル社員教育 啓発活動の一層の強化 26. 環境情報の積極的開示とコミュニケーションの充実 サプライヤーとの連携を一層強化し グローバルで共に環境を良くする活動を推進ー各国法規 規制への確実な対応 化学物質管理の着実な推進ー CO₂ 低減 資源循環 水インパクト低減 自然共生社会の構築など 幅広い環境取り組みを連携して推進 販売店および販売代理店と連携した環境マネジメントの推進 国内 ートヨタ販売店 CSRチェックリストの徹底による環境取り組みの推進と 環境管理充実による CO₂ 低減などの推進 海外 ー各地域統括会社 各国代理店が主導する環境取り組みの推進と強化 (CO₂ 低減など ) ー販売店環境リスク監査 (DERAP) 推進と強化 グローバルで 従業員への環境教育を通じた環境保全意識の啓発推進ー連結事業体と連携した環境教育の体系化ー各国 各地域の実情に合わせた環境教育の実施 環境の情報開示の一層の充実ー環境情報の収集対象とする事業体の拡大とその仕組みづくりー環境報告書のさらなる内容充実 グローバルおよび各国 各地域での環境のコミュニケーション活動の一層の充実 以下のとおり推進 : ー国内で改定した TOYOTA グリーン調達ガイドライン (2016 年 1 月 ) をもとに グローバル (15 カ国 36 事業体 ) での調達ガイドライン改定を完了ー化学物質管理の徹底に向けて国内のサプライヤーに対して自主点検を依頼し その結果をもとに 今後の取り組みに生かす活動の実施ー CDP サプライチェーンプログラム ( 気候変動 水 ) を継続して実施ー CSR 勉強会などを通じた相互研鑽の実施 以下のとおり推進 : 国内 ートヨタ販売店 CSR チェックリストについては 内容の最新化による環境取り組みの推進と環境外部認証制度の利用促進により 販売店の環境管理充実による CO₂ 低減などを推進 海外 ー各地域で販売 サービス分野の環境ガイドラインを作成中環境取り組みの推進と強化 (CO₂ 低減など ) を図るー DERAP については 世界 80 ヵ国 83 代理店 4,233 販売店が参加し 5 項目達成の販売店は 参加全体の 91%( 前年度比 2% 増 ) 以下のとおり推進 : ー本年で 45 年目となるトヨタ地球環境月間 ( グローバルに実施 ) およびトヨタインスティチュートと連携した基幹職 新入社員への環境教育を継続実施加えて トヨタ環境チャレンジ 2050 の社内への確実な浸透や従業員のより一層の環境意識の向上を目指し 2016 年 1 月より年間を通じたさまざまな施策を企画展開ー各国 各地域で 第 6 次 トヨタ環境取組プラン に即した社内環境教育を計画を立案 以下のとおり推進 : ー生産環境委員会で 環境情報開示の充実のための 3カ年計画の了承を得て 新規の開示情報について 入手や第三者検証の仕組みづくりに着手ー 環境報告書 2016 において トヨタ環境チャレンジ 2050 第 6 次 トヨタ環境取組プラン に沿った進捗状況を効果的に掲載第 20 回環境コミュニケーション大賞の 地球温暖化対策報告優秀賞 を受賞ー トヨタ環境チャレンジ 2050 に向けて取り組む社員を効果的に訴求する動画を制作 公開 2020 年までシリーズ化して制作 海外事業体の環境トピックスを TMCのウェブサイトで紹介する取り組みを定着化一層の仕組み化を図るため 海外事業体との情報共有システムを構築予定 84 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

86 環境への取り組み Challenge 1 新車 CO₂ ゼロチャレンジ Challenge 1 新車 CO₂ ゼロチャレンジ 基本的な考え方 地球温暖化 を実証するかのように 世界中で異常気象による被害が相次いでいます 現状のまま温室効果ガスの抑制策が追加されないと 2100 年には世界の平均気温が産業革命以前より3.7 ~ 4.8 上昇する可能性があり これを 2 未満にするためには CO₂の排出をゼロにするだけでなく マイナスにしなくてはならない という報告 があります この2 未満のシナリオの実現に向けて世界が動こうとするなか トヨタは 新車 CO₂ゼロチャレンジ として 2050 年までに2010 年比 90% 低減 に挑戦します このため 従来型エンジン車に加え 走行中のCO₂ 排出量をより少なく あるいはゼロにすることを目指した次世代環境車 ( ハイブリッド車 (HV) プラグインハイブリッド車(PHV) 電気自動車(EV) 燃料電池自動車 (FCV)) のさらなる進化と普及促進を加速させます エコカーは普及してこそ社会への貢献となります EVや FCVが普及するためのインフラ整備についても ステークホルダーの皆様と連携して進めていきます IPCC 第 3 作業部会第 5 次評価報告書 2014 トップクラスの燃費性能を目指す開発 新車 CO₂ ゼロチャレンジを着実に進めるために 2020 年の グローバル新車平均 CO₂ 排出量 は 2010 年度比 22% 以 上低減することを目標に掲げています そのために 次世代プラットフォーム戦略 TNGA * に基づく環境性能の高いパワートレーンを開発 導入していくとともに HVの一層の性能向上と普及拡大を図ります 2016 年度 国内では新型ハイブリッドモデルである C-HR の投入や ヴィッツ に新たにハイブリッドモデルを設定するなど ハイブリッドシステム搭載車種の拡大とともに 従来型エンジン車の効率向上を図るなど 2020 年目標に向けた開発を着実に進めています * TNGA(Toyota New Global Architecture): トヨタが全社を挙げて取り組む クルマづくりの構造改革 パワートレーンユニットやプラットフォームなどを一新し 一体的に新開発することにより クルマの基本性能や商品力を飛躍的に向上させることを目指す グローバル新車平均 CO₂( 日本 米国 欧州 中国 ) 2010 年度比低減率 (%) Third Party Assurance 2020 年度目標値 -22% ( 年度 ) 各国当局の認証を受けた燃費値 (CO₂ 排出量 ) をもとに 各年度の新車の平均 CO₂ 排出量 (g/km) を算出環境データ P126-R 11.9% 2016 年度グローバル平均 CO₂ 2010 年度低減率 85 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

87 環境への取り組み Challenge 1 新車 CO₂ ゼロチャレンジ 2016 年度主要新型車 ( 国内 ) 新旧モデルの燃費比較 2016 年度新設ハイブリッドモデル ( 国内 ) の燃費 プリウス PHV 従来車 31.6(73) 新型車 37.2(62) ヴィッツ 従来車 21.2(110) 新型車 ( ハイブリッドモデル ) 34.4(67) 燃費 (km/l) 30.2km/L(77) C-HR G グレード (2WD) 燃費値は JC08 モード ( 国土交通省審査値 ) ( ) の数値は CO₂ 排出量 (g/km) 15.8km/L(147) レクサス LC500h TNGA によりエンジン トランスミッションなどを一新 環境性能を大幅に進化 新開発のパワートレーンは 高効率化 小型化 軽量化などの基本性能を徹底的に見直しました 新開発 2.5Lガソリン車用エンジン HV 用エンジンは それぞれ世界トップレベルの最大熱効率 40% 41% を達成しています 新型 8 速 10 速オートマチックトランスミッションは 徹底した損失低減により 世界トップレベルの伝達効率を達成 さらに 多段化や小型軽量化により CO₂ 低減に寄与しています ハイブリッドシステムは 4 代目プリウス に採用した小型 軽量 低損失化技術を展開し 2.5Lエンジン用ハイブリッドシステムを一新するとともに FR 用の高性能マルチステージTHSⅡを新開発しました これら新型パワートレーンは 2017 年から2021 年までの5 年間で エンジン 9 機種 17 バリエーション トランスミッション 4 機種 10 バリエーション ハイブリッドシステム6 機種 10バリエーションを市場へ投入 販売台数の 60%( 日本 米国 欧州 中国 ) まで拡大させることで CO₂ 排出量 15% 以上の低減を目指します 直列 4 気筒 2.5L 直噴ガソリンエンジン FR 用 10 速オートマチックトランスミッション 86 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

88 環境への取り組み Challenge 1 新車 CO₂ ゼロチャレンジ 電気エネルギーを利用した次世代車の開発推進とそれぞれの特徴を活かした普及推進 エコカーは普及してこそ環境への貢献 の考えのもと HV PHV EV FCVのラインナップを拡充し さらなる普及促進を図ります HVについては 2020 年に年間 150 万台 累計 1,500 万台の販売を目指します 2016 年には ハイブリッドモデル アクア の国内累計販売台数が100 万台 レクサスブランドのハイブリッドモデルのグローバル累計販売台数も100 万台を達成 こうした積み重ねにより 2017 年 1 月には HVグローバル累計販売台数が1,000 万台を達成するなど トヨタがグローバルで販売するクルマの15%( 国内では43%) をHVが占めるまでになりました 1997 年に初代プリウスを発売してから約 20 年の歳月をかけての達成となります PHVについては 走行時の低 CO₂に加え 燃料の多様化にも対応することで さらなるCO₂ 低減の可能性を有する次世代環境車の柱として速やかに普及を図っていきます そして 2017 年 2 月には プリウスPHVが2 代目として大きな進化を遂げました 走行中にCO₂を排出しないFCV EVについては 再生可能エネルギーやCO₂フリー水素の利用によって 大幅なCO₂ 低減の可能性を持つ将来のエコカーと捉えています それぞれの特徴を活かしながら 国や地域ごとのエネルギー課題やインフラ整備の状況 さらには用途に応じた棲み分けを図り 普及に取り組んでいきます 2016 年度には EVの早期商品投入が可能となる体制を整えました HV 単年販売台数と累計販売台数 ( グローバル ) 年目標値単年 150 万台 累計 1,500 万台 140 国内海外累計 単位 : 万台 ( 折れ線グラフは右目盛り ) 累計 1,034 万台 100 万台達成アクアハイブリッドモデル国内累計販売台数 (2016.2) Third Party Assurance 1,600 1,400 1,200 1, (1~3 月 ) 万台達成レクサスハイブリッドモデルグローバル累計販売台数 (2016.4) 環境データ P123-A トヨタブランドの燃料電池バスを東京都へ販売 ( 日本 ) 2017 年 3 月 東京都交通局へ納車した燃料電池バス (FCバス)2 台が 市販車では日本で初めて 路線バスとして営業運行を開始しました FC バスは 燃料電池自動車 MIRAI 向けに開発した トヨタフューエルセルシステム を採用しており ガソリンやディーゼルといった内燃機関に比べてエネルギー効率が高く 走行時にCO₂や環境負荷物質を排出しない 優れた環境性能が大きな特長です 2020 年の東京オリンピック パラリンピックに向けて 東京を中心に100 台以上のFCバス導入を予定しています FC バス 87 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

89 環境への取り組み Challenge 1 新車 CO₂ ゼロチャレンジ エコカーは普及してこそ環境への貢献 ーハイブリッド車のグローバル累計販売台数が 1,000 万台を突破ー トヨタは環境への対応を経営の最重要課題の一つと位置付け エコカーは普及してこそ環境への貢献 との考えのもと ハイブリッド車の普及に取り組んできました 1997 年 8 月に日本で コースターハイブリッドEV を発売 同年 12 月に世界初の量産ハイブリッド乗用車 プリウス を発売して以来 多くのお客様に支えられ 2017 年 1 月に累計販売台数 1,000 万台を達成しました トヨタがハイブリッド車を投入して20 年 エコカーを取り巻く環境は大きく変化してきました プリウスの普及とともに 環境性能でクルマを選ぶ というお客様の新しい基準ができ ハイブリッド車を開発 導入する会社が増えたことで ハイブリッド車 という新しいジャンルが定着しました さらに 世界中のお客様にハイブリッド車や他の低燃費車が選ばれるようになったことで 自動車業界全体として地球環境問題への貢献を進めることができました トヨタは1,000 万台を通過点として これからもお客様に選んでいただける もっといいクルマづくり を進めていきます CO₂ 排出量抑制に寄与し続けてきたハイブリッド車 2017 年 1 月末までに販売したハイブリッド車 1,000 万台のCO₂ 排出抑制効果は 車両サイズおよび動力性能が同等クラスのガソリンエンジン車のCO₂ 排出量と比 較し 約 7,700 万トン ガソリン消費抑制量は 同等クラスのガソリンエンジン車のガソリン消費量と比較し 約 2,900 万 klの効果があったと試算しています ハイブリッド車によるCO₂ 排出抑制効果 ( トヨタ試算 ) 1,400 CO₂ 抑制量累計 CO₂ 抑制量単位 : 万トン ( 折れ線グラフは右目盛り ) 1,200 8,000 7,000 木の CO₂ 吸収量換算 世界の CO₂ 排出抑制量約 7,700 万トン 1, ハイブリッド車 1,000 万台の CO₂ 排出抑制効果 約 7,700 万トン 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 約 , (1 月 ) 東京都の面積約 40 倍 ( 約 875 万 ha) の森林 に相当 40 年生前後のスギ人工林 1ha(1,000 本 ) が 1 年間に吸収する CO₂ の量約 8.8 トン ( 林野庁ウェブサイト参照 ) から換算 88 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

90 環境への取り組み Challenge 1 新車 CO₂ ゼロチャレンジ やるべきことをやる との志で挑んだ初代プリウスの開発 温室効果ガスの排出量削減が世界的な課題となるなか 21 世紀に直面する資源 環境問題に トヨタとしての答えを出そう と始まった 初代プリウスの開発 開発陣は どのような結果になろうともハイブリッド車を開 発することは必ず将来の役に立つ できることをやるのではなく やるべきことをやる との志をもってプロジェクトに臨み 世界初の量産ハイブリッド乗用車を世の中に送り出しました 普通のクルマ になるまで普及したハイブリッド車 - 初代プリウスの開発責任者取締役会長内山田竹志 初代プリウス の発売当時 ハイブリッド という言葉は世間に全く馴染みもなく 乗っている人は オタク だともいわれました しかし そのような未知のクルマに期待を寄せ お乗りいただいた多くのお客様に支えられて ハイブリッド車は1,000 万台という節目を迎え いまでは 普通のクルマ になるまで普及することができました ハイブリッド車をここまで育ててくださったすべてのお客様に心から感謝を申し上げるとともに これからもお客様と一緒に地球環境問題の解決に貢献できるよう 挑戦を続けていきたいと思います 新型 プリウス PHV 記者発表会 (2017 年 2 月 ) 次世代環境車の柱として 現在最も環境に貢献できる プリウス PHV トヨタは さらなるCO₂ 排出量削減に向けて 限りある化石燃料を節約して使用する 省エネルギー化 を進めながら 化石燃料以外の水素や電気を使う 燃料多様化への対応 を加速しています そのなかで ハイブリッド車が 省エネルギー化 を 燃料電池自動車 (FCV) や電気自動車 (EV) が 燃料多様化への対応 を担う環境技術であり プラグインハイブリッド車 (PHV) は ハイブリッド車とEVのいいとこ取りをした 現在最も環境に貢献できるクルマです 2017 年 2 月には ハイブリッド車に次ぐ 次世代環境車の柱 と位置付ける プリウスPHV が 2 代目として大きな進化を遂げました バッテリーを大型化してEV 走行距離を68.2kmとし ガソリン走行時の燃費性能も 4 代目プリウスと同じJC08モード * 37.2km/L を達成しています これによって 通勤や買い物などの日常の 近距離移動ならほとんどの領域をEVとして走ることができます また 量産車世界初となるソーラー充電システムを採用し 最大約 6.1km/ 日の走行分を太陽光発電で賄うことができます プリウスPHV 開発責任者の金子將一は ハイブリッド車がここまでご支持いただけたのは お客様目線で普及を図ってきた経緯があります 2 代目となったプリウス PHVも 多くのお客様の声に耳を傾け 開発に取り組んできました ハイブリッド車がそうであったように いずれプリウスPHVも 当たり前のクルマとして社会に受け入れられ エコカーの主役になる日が来るのではないでしょうか と語りました *JC08 モード : 国土交通省審査値の燃費値で 1L の燃料でどのくらい ( 何 km) 走行できるかを いくつかの走行パターンで測定する方法 A グレードを除く 2 代目プリウス PHV ソーラー充電システム プリウス PHV 開発責任者金子將一 89 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

91 環境への取り組み Challenge 2 ライフサイクル CO₂ ゼロチャレンジ Challenge 2 ライフサイクル CO₂ ゼロチャレンジ 基本的な考え方 クルマが走行しているときに排出する CO₂ だけではなく 材料製造 部品製造 車両組み立て 廃棄処理やリサイクルの各段階を含めて CO₂ 排出量ゼロを目指すのが ライフサイクルCO₂ゼロチャレンジ です 例えば 次世代環境車を構成する部品の中には 材料や部品製造時のCO₂を増やしてしまうものがあります そのため 製造時のCO₂ 排出量が少ない材料の開発や使用拡大 使用量の低減や部品数の削減を進めます また 廃棄 リサイクル段階の CO₂ 排出量を低減するために リサイクル材などの使用拡大やクルマの解体を容易にする設計など 環境に配慮した設計の取り組みを今後さらに加速し もっといいクルマ を追求していきます 製品開発における環境マネジメントの推進 (Eco-VAS) 環境目標管理の着実な推進 プリウス PHV の LCA 評価 クルマの環境影響を低減するために 開発段階より車両開発責任者の指示のもとで ライフサイクルCO₂ やリサイクル性などの環境目標を設定し 達成を図るためのマネジメントシステムEco-VAS(Eco-Vehicle Assessment System) を導入しています このなかで クルマのライフサイクル ( 材料製造 部品製造 車両組み立て 走行 メンテナンス 廃棄 ) すべての段階での環境への影響を評価するLCA * を実施しています 2016 年度は 新型車 モデルチェンジ車 7 車種 についてLCA を実施しました 2017 年 2 月発売の2 代目 プリウスPHV は EV 走行距離の拡大 (68.2km) を図るために バッテリー総電力量を約 2 倍としましたが 製造時のCO₂ 排出量を抑えることで ライフサイクル全体で排出するCO₂ を 2012 年モデルに比べて5% 低減しています また 再生可能エネルギー由来の電力で充電すると さらなるCO₂ 低減が可能です * LCA(Life Cycle Assessment): 資源採取から廃棄 リサイクルまでの各段階で クルマが環境に与える要因を定量化し 総合評価する手法 パッソ オーリスハイブリッドモデル ルーミー / タンク C-HR ピクシスジョイ ヴィッツハイブリッドモデル プリウス PHV レクサス LC 2012 年モデルプリウス PHV 2017 年モデルプリウス PHV 2015 年モデルプリウス CO₂ 5% 36% (CO₂ 指数 ) 材料製造部品製造 車両組み立てガソリン走行電力走行 メンテナンス 廃棄 再生エネルギー由来の電力で充電すると さらなる削減が可能 クルマの生涯走行距離 10 万 km( トヨタ推計 ) を JC08 モード ( 国土交通省審査値 ) で走行した場合の結果 LCA 評価結果は指数で示しています トヨタが乗用車を対象に実施している LCA の手法は ドイツの第三者認証機関テュフラインランドによる ISO14040/14044 規格に基づく審査 認証を受けました 90 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

92 環境への取り組み Challenge 2 ライフサイクル CO₂ ゼロチャレンジ Scope3 への対応 Scope3 は 自社および連結会社の企業活動によるCO₂ 排出量 (Scope1 2) だけではなく 調達する材料や部品 輸送 従業員の出張 通勤 お客様によるクルマの走行 メンテナンス 廃棄など さまざまな段階でのCO₂ 排出量を把握し 今後の低減につなげるために設けられた算定基準です 2016 年度の算定結果は Scope3 全体でCO₂ 排出量が 40,175 万トン-CO₂となりました 内訳を見ると カテゴリー 1 と カテゴリー 11 の合計がScope3 全体の 約 97.1% で大半を占めています カテゴリー 1 はクルマを構成する材料や部品が製造されるまでの段階 カテゴリー 11 はお客様によるクルマの使用段階に当たり 部品の軽量化や材料選定 燃費向上技術や次世代環境車の開発などが CO₂ 排出量削減に通じる重要な方策となります 今後もScope3を把握し 技術開発などの対策につなげていきます Scope3 で定められた 15 カテゴリーの排出量および排出量比率 (2016 年度グローバル ) Third Party Assurance カテゴリー排出量 ( 万トン -CO₂) 排出量比率 (%) 1 購入した製品 サービス 6, 資本財 Scope1 2 に含まれない燃料およびエネルギー関連活動 輸送 配送 ( 上流 ) 事業から出る廃棄物 出張 雇用者の通勤 リース資産 ( 上流 ) カテゴリー排出量 ( 万トン -CO₂) 排出量比率 (%) 9 輸送 配送 ( 下流 ) 販売した製品の加工 販売した製品の使用 32, 販売した製品の廃棄 リース資産 ( 下流 ) 14 フランチャイズ 15 投資 カテゴリー 1 15 合計 40, 算出範囲は 主として財務連結における自動車事業 販売した製品の使用 による CO₂ 排出量は 日本 米国 欧州 中国における平均的な燃費値と自動車の一生涯での推定走行距離 2016 年度の連結自動車販売台数 CO₂ 換算係数より算出 リース資産 ( 上流 下流 ) は他カテゴリーで計上 フランチャイズ は対象外 物流活動における輸送効率の追求と CO₂ 排出量の低減 環境データ P127-S 物流活動におけるCO₂ 排出量を低減するため トヨタ自動車 (TMC) では 生産 交換のための部品や完成したクルマの輸送効率の改善に取り組んでいます 2016 年度は 積載効率向上活動をはじめとした燃費向上活動を継続し 仕事量 ( 輸送量 ) 当たりのCO₂ 排出量は 105.2g-CO₂/ トン km( 前年度比 3.0% 減 ) となりました 物流部門のCO₂ 排出量は 国内向け完成車輸送の増加などの影響もあり 28.2 万トン ( 前年度比 2.5% 増 ) となりました グローバルでは 2007 年度より各国 各地域でのCO₂ 排出量把握を始め 2013 年度からグローバル目標ガイドラインを明示 各国 各地域では このガイドラインをベースに目標を設定し 低減活動に取り組んでおり 2016 年度のグローバルCO₂ 排出量は210 万トンとなりました 今後も さらなる輸送効率の改善を図ることで 輸送量当たりの排出量低減を目指します TMC 物流 CO₂ 排出量と仕事量 ( 輸送量 ) 当たりの物流 CO₂ 排出量の推移 ( 国内 ) 年度 ( 万トン ) 物流部門の CO₂ 排出量 (g-co₂/ トン km) 仕事量当たりの CO₂ 排出量 CO₂ 換算係数 : ロジスティクス分野におけるCO₂ 排出量算定方法共同ガイドライン ver3.0 ( 経済産業省 国土交通省 ) などを使用環境データ P127-T グローバル物流 CO₂ 排出量 年度 2016 ( 万トン ) Third Party Assurance 物流部門の CO₂ 排出量 210 各地域 ( 北米 欧州 中国 東南アジア 南アフリカ 南米 日本の計 7 地域 ) で物流を統括する事業体が管理している生産部品 補給部品 完成車の輸送により発生した CO₂ 排出量の合計値 地域間 ( 日本 北米など ) の輸送は 算定対象外 北米 中国 東南アジアの生産 販売事業体 ( 物流を統括する事業体とは異なる ) が直接手配する輸送など 一部の物流は算定対象外 CO₂ 排出量は 事業体ごとに定めた計算方法により算出 91 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

93 環境への取り組み Challenge 2 ライフサイクル CO₂ ゼロチャレンジ 物流での CO₂ 把握範囲 [ 日本国内 ] TMC CO₂ 排出量低減の改善取り組み結果 ( 国内 ) Third Party Assurance サプライヤー生産部品直送品ボデーメーカー内製工場部品センター ( 組み立てユニット ) お客様 完成車 国内販売店 完成車 国内共販店 補給部品 物流センター ( 梱包工場 ) 生産部品輸入品 港 改善の切り口商品主な改善内容低減量 ( 千トン ) 総輸送距離の低減 完成車 生産部品 海上航路見直し 積載車積み台数向上など 鉄道利用の拡大 積載率向上など 補給部品配車ルート見直しなど 0.7 合計 6.5 取り組み状況管理範囲 ( 国内 ) 管理体制充実化を推進中 管理範囲 ( 海外 ) [ 海外域内 ] お客様 海外販売代理店 サプライヤー 港 物流センタ - 工場 常滑倉庫利用停止による輸送距離の低減 ( 日本 ) 愛知県にある上郷物流センターでは これまで補充用部品を 65km 離れた常滑倉庫に保管し 必要に応じて部品を取り寄せていました しかし 輸送距離によるCO₂ 排出量が課題であったため 輸送効率の見直しを図りました 2016 年 8 月より 上郷物流センターから11km 離れた明知工場で保管していた一括生産品を他の工場に移動し 空いたスペースに常滑倉庫の補充用部品を移管 これにより 月当たり4,562kgのCO₂ 排出量を低減させました さらに2016 年末には 常滑倉庫の補充用備品すべてを明知工場に移管して常滑倉庫の利用を取りやめ 月当たり4,561kg のCO₂ 排出量を低減 併せて 9,123kg/ 月の低減効果を得ました 改善前改善後 上郷物流センター 常滑倉庫 輸送距離 : 往復 22km CO₂ 排出量 :2,472kg/ 月 輸送距離 : 往復 130km CO₂ 排出量 :11,595kg/ 月 明知工場 輸送用コンテナの再利用率向上による CO₂ の低減 ( タイ ) タイのバンポー工場では 輸入部品を港から工場まで運ぶコンテナの復路を 部品の輸出に再利用していました しかし 再利用するコンテナは全体の 2 割程度で 残りのコンテナは空状態で港近くのヤード ( 保管庫 ) まで移動していました こうしたムダをなくすため 残りのコンテナはバンポー工場に近いバンパコン工場を経由し そこで輸出用部品を積み込むことで コンテナの再利用率を 9 割以上としました その結果 部品の輸出入に必要なトラック走行距離を 390kmから233km に減らし コンテナ当たりの CO₂ 排出量は 0.16トン 年間で約 88トンの低減効果を得ました 改善前改善後 バンポー工場 ヤード 輸出港 輸送距離 :180km CO₂ 排出量 :100 トン / 年 輸送距離 :233km CO₂ 排出量 :130 トン / 年 バンパコン工場 輸送距離 :210km CO₂ 排出量 :117 トン / 年 92 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

94 環境への取り組み Challenge 2 ライフサイクル CO₂ ゼロチャレンジ 道路交通セクターにおける統合的な CO₂ 低減取り組みの推進 バンコク市における渋滞改善プロジェクト サートンモデル グローバルでのエコドライブ普及促進 世界各地で都市化が進行するなか 低炭素化とスムーズな人の移動を実現するためには クルマと社会システムが調和した都市交通政策 システムが必要であり トヨタは低炭素モビリティ社会構築に向けた統合的交通マネジメント プロジェクトへ積極的に参画しています WBCSD *1 は 経済成長 環境保全 社会開発の3つの柱からなる持続可能な発展を目指し 提言活動を行っています トヨタが参画しているWBCSDのプロジェクトの一つ Sustainable Mobility Project 2.0 では WBCSDに参画する企業らの最新テクノロジーや交通マネジメント手法を用いて 世界中の都市において持続可能なモビリティによる新しい社会システム構築を目的としており 6 都市で実証プロジェクトが推進されています 実証都市の一つバンコクでは トヨタがリーダーとなり トヨタモビリティ基金の助成を受け バンコク市内で渋滞が最も激しいサートン道路をモデルに交通マネジメントによる渋滞軽減実証に取り組んできました 2016 年 6 月の第 3 社会実験では パーク & ライド *2 シャトルバス フレックスタイムなどの交通需要コントロールと 交通ボトルネック改善 信号の効果的な操作などの交通流マネジメントにより ラッシュ時の移動にかかる時間を27% 改善 官民連携による交通マネジメントの効果を実証しました 2017 年 2 月には サートンモデル をバンコク全域に展開するロードマップを 国家交通マネジメント委員会 ( 議長 : ソムキット副首相 ) へ提案 交通省が主導し 官官 官民連携によるロードマップの実行が承認され 同年 4 月には サートンモデルプロジェクトクロージングセレモニー Road to Deploy Sathorn Model to Bangkok が行われました これにより トヨタなどの民間主導の実証フェーズから タイ国主導によるバンコク全域での実行へ移行します いまだ推進体制の整備 能力構築などの課題がありますが トヨタは引き続き取り組み推進へ貢献していきます 走行時のCO₂ 排出量を低減するための道路交通セクターにおける統合的対策の一つとして グローバルでお客様 従業員へのエコドライブ普及活動を推進しています エコドライブで アクセルを穏やかに踏む発進や 車間距離をあけて加速 減速の少ない運転などを心がけることにより 燃費向上とCO₂ 排出量の抑制ができます さらにエコドライブの実践は 安全運転にもつながります 2016 年 10 月 TDEM(Toyota Daihatsu Engineering & Manufacturing) が エコドライブの認知度を高めることを目的に 傘下のアジア地域の海外事業体および販売店に AP Eco-Driving Guideline を配付しました このガイドラインでは ガソリン車およびハイブリッド車のそれぞれについて最適なエコドライブのポイントが記されています また 必要に応じてリーフレットの作成や エコドライブによる燃費を競い合うイベントなどの開催も呼びかけています 今後 アジア地域ではこのガイドラインを使った従業員教育やお客様への啓発を進めていきます ガソリン車のエコドライブのポイント ハイブリッド車のエコドライブのポイント *1 WBCSD(The World Business Council for Sustainable Development): 持続可能な開発を目指すグローバル企業約 200 社の CEO などで構成される持続可能な発展のための世界経済人会議 *2 パーク & ライド : 都市部や観光地の交通渋滞緩和のため 出発地からは自動車を利用し 途中で電車やバスなどに乗り換えて目的地まで移動する方式 タイ交通大臣のアーコム氏 ( 写真左から 3 番目 ) が参加したサートンモデルプロジェクトクロージングセレモニー 93 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

95 環境への取り組み Challenge 3 工場 CO₂ ゼロチャレンジ Challenge 3 工場 CO₂ ゼロチャレンジ 基本的な考え方 クルマの製造時にも CO₂ が排出されます そのため 気候変動を抑えるための CO₂ 抑制は クルマを製造する工場のチャレンジ目標にもなります 工場の CO₂ 排出ゼロは 製造技術の改善と使用エネルギー変更の 2 本柱で取り組みます 製造技術としては 製造工程のシンプル化 スリム化により工程や時間を短縮し CO₂を低減します また エネルギーの利用効率を向上させることでも低減効果を得られます さらに エネルギーを使わない からくり を導入するなど ありとあらゆる手段でCO₂ 排出量を抑制します 使用エネルギーの取り組みとしては 太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーや水素エネルギーを有効活用していきます 生産活動における CO₂ 排出量の低減 生産活動における CO₂ 排出量の低減活動 生産活動におけるCO₂ 排出量の低減に向けて 低 CO₂ 生産技術の開発 導入および日々の低減活動に取り組んでいます 2016 年度 トヨタ自動車 (TMC) では着実な省エネ活動を推進し CO₂ 排出量の多い塗装工程や鋳造工程を優先的に取り組みました 塗装工程では 水性プレヒート炉やブース空調機のガスバーナー化を実施 鋳造工程では 送気ロスの大きい工場圧縮エアーの使用量低減を目的としたパルスブロー化などのエアレス活動を推進しました また 工程共通の省エネ活動としては 非稼働時間の確実な電源停止による電力 エアー使用量の低減や LED 照明の利用拡大に向けた取り組みを推進 その結果 生産台数当たりのCO₂ 排出量は0.398トン / 台 ( 前年度比 2.5% 減 ) CO₂ 排出量は116 万トン ( 前年度比 0.7% 増 ) となりました グローバルでは 新ライン立ち上げ時の革新技術の導入や 再生可能エネルギーを積極的に導入しました また 工場の省エネ活動を支援する活動 (ESCO) による蒸気レス エアレス LED 化など 29の汎用事例を横展 * するなど 現地現物での活動を加速し グローバルでのエネルギー消費量低減につなげました しかし 生産台数の増加にともない CO₂ 排出量は787 万トン ( 前年度比 4.1% 増 ) となりました 生産台数当たりのCO₂ 排出量は 一部の事業体でのモデル打ち切りや ライン切り替えによる生産性の低下により 0.747トン / 台 ( 前年度比 0.5% 増 ) となりました 今後も 生産活動におけるCO₂ 低減に向けて 革新技術のさらなる導入とともに 蒸気レス活動の推進 日々の低減活動を積み上げるなどして 省エネ活動を加速させていきます * 横展 : 改善事例やノウハウ 違反などの情報をグループ内で共有化すること 94 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

96 環境への取り組み Challenge 3 工場 CO₂ ゼロチャレンジ TMC CO₂ 排出量 ( エネルギー起源 固定発生源 ) と生産台数当たりの CO₂ 排出量の推移 グローバル CO₂ 排出量 ( エネルギー起源 固定発生源 ) と生産台数当たりの CO₂ 排出量の推移 Third Party Assurance Third Party Assurance 年度 ( 万トン ) CO₂ 排出量 ( トン / 台 ) 生産台数当たりの CO₂ 排出量 対象範囲 : 生産部門 非生産部門 ( 福利厚生施設を除く ) 換算係数 :1990 年の経団連係数を使用 環境データ P127-U 年度 CO₂ 総量 ( 万トン ) TMC 日本 ( 除くTMC) 北米 中国 欧州 アジア 豪州 中近東 南アフリカ 中南米 合計 ( 万トン ) Scope Scope ( トン / 台 ) 生産台数当たりのCO₂ 排出量 対象範囲 :TMCおよび国内外連結会社など計 121 社 換算係数 :GHGプロトコルを使用 環境データ P126-Q 環境データ P127-V 環境への負荷低減を実現した新塗装ラインを開発し 第 63 回 大河内記念生産賞 を受賞 ( 日本 ) 2017 年 3 月 第 63 回大河内賞において 大河内記念生産賞 を受賞しました 大河内賞は 公益財団法人大河内記念会が毎年 生産工学 生産技術 生産システムの研究開発ならびに実施などに関する顕著な業績を表彰する 伝統と権威ある賞の一つで トヨタとしては16 年ぶり 11 回目の受賞となりました 受賞対象となったのは クルマが完成するまでのさまざまな工程のなかでも CO₂ 排出量が最も多いとされる塗装ラインを対象とした 容積とCO₂ 排出量を大幅に削減した新塗装ライン ( 堤工場 / プリウス生産ライン ) の取り組みでした 今回 新たな塗装技術を開発 導入し さらに塗装工程すべてのプロセスを徹底的に改善することで高い品質を確保しつつ 塗装ライン設備の容積を40% ラインから排出するCO₂ 量を32% 削減しました 本技術のポイントは 工程の長さの短縮 設備の高さの低減 付帯設備の小型化 を実現した生産技術の開発であり 特にライン容積削減に最も貢献したのは ブースアンダーセクションの低床化です ボデーに付かなかった塗料を 遠心力を使いながら集塵する方法を新たに開発し 装置の小型化 圧力の低損失化によりCO₂ 排出量の削減に寄与しています 現在 本技術を採用した塗装ラインは プリウスの生産ラインに採用されており 今後も国内外の工場への展開を予定しています 第 63 回大河内賞受賞式 従来 新ライン 小型で圧力の低損失化を実現した集塵装置を開発アンダーセクション ( ボデーに付かなかった塗料を回収する部屋 ) 塗装ブース ( 断面視 ) 95 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

97 環境への取り組み Challenge 3 工場 CO₂ ゼロチャレンジ 再生可能エネルギーの利用促進 生産現場におけるCO₂ 低減は 低 CO₂ 生産技術の開発 導入および日常改善活動により引き下げていますが 各国 各地域の特性を考慮した再生可能エネルギーの活用も行い 地域 No.1のCO₂ 低減活動に取り組んでいます TMCでは 2008 年にプリウスを生産する堤工場に 一般家庭約 500 軒分の電力に相当する定格出力 2,000kW の太陽光発電システムを導入しています 2016 年度は 1,981MWhの電力を発電しました また2016 年には TMC 本社工場や海外工場のTMMK( 米国 ) やTSAM( 南アフリカ ) でも太陽光パネルを設置し 再生可能エネルギーを導入しました 今後も 再生可能エネルギー導入については 環境性 地域性 経済性のバランスを見ながら積極的な導入を図ります 定置式純水素燃料電池を活用したゼロエネルギービルを建設 ( 日本 ) 本社工場敷地内に2016 年 8 月に竣工したエネルギー管理棟に 定置式の純水素燃料電池を導入し 省エネ対策と再生可能エネルギーおよび水素を活用することで CO₂ 排出量ゼロを目指しています 具体的な取り組みとして 空調や照明のスイッチの オン オフ を一人ひとりでできるようにして節電をするとともに 自然光や自然換気を利用した省エネ対策により エネルギー消費量のミニマム化を図っています また 導入した定置式の純水素燃料電池の定格出力は3.5kWで これに太陽光発電 プリウスの使用済みバッテリーを再利用した蓄電池を組み合わせたエネルギーマネジメントシステムを導入しています このシステムでは エネルギー需要予測に従って 主にエネルギー効率の高い燃料電池を運転し 太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで 効率的なエネルギー供給を実現しています 今回導入した純水素燃料電池は 小規模オフィス向けに新たに開発されたもので 商用運用は初めてとなります 今回の純水素燃料電池導入後の実証結果などを踏まえ 今後は工場内建物での効率的な水素活用技術の開発と導入を進めていきます 太陽光発電 発電 余剰電力充電 水素供給 燃料電池システム 蓄電池充電放電 電力需給制御システム 発電 H₂ エネルギー管理棟 エネルギー管理棟におけるエネルギーマネジメントシステムイメージ TDB 工場の CO₂ 低減活動 ( ブラジル ) ブラジルの車両販売 生産会社であるTDBは ラインの稼働状況に合わせて設備をコントロールすることで CO₂ 低減活動に取り組んでいます 活動は主に3つの柱からなります まず 塗装工程では試行錯誤を繰り返し 乾燥炉からの臭いを熱分解するRTO* の運転時間を最適化することにより 生産台数当たりのCO₂ 排出量を1.65kg 低減しました 原動力センターでは コンプレッサーの配置換えと新しい制御システムの開発により 必要なときだけコンプレッサーが稼働するようにしました その結果 200kWのコンプレッサー 1 台が不要となり 生産台数当たりのCO₂ 排出量を0.11kg 低減しました 溶接工程では それまで手動で行っていた冷却塔の電源スイッチの オン オフ を自動化し 非稼働時に冷却塔を停止することで 生産台数当たりの CO₂ 排出量を0.04kg 低減しました ON OFF 改善前 改善後 配置換えと新しい制御システムの開発によりコンプレッサー 1 台を不要に AUTO 冷却塔の電源スイッチの自動化により非稼働時に冷却塔を停止 * RTO(Regenerative Thermal Oxidizer): 蓄熱燃焼式脱臭装置 96 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

98 環境への取り組み Challenge 3 工場 CO₂ ゼロチャレンジ つくりたいのは もっといい社会 トヨタの次のチャレンジです 2050 年に目指したい低炭素社会 パリ協定により 今世紀末までに世界レベルでCO₂ 排出量をネット ( 正味 ) ゼロにする 脱炭素化 が進められています 自然エネルギー由来の再生可能エネルギー電力が主力になってくるとともに それらを有効に使うため 変動 余剰の吸収や化石燃料に代わるエネルギーの貯蔵 輸送手段として 水素に大きな期待が寄せられています エネルギーが多様化するなか クルマや工場のCO₂ 低減のみならず トヨタはさまざまな地域社会の皆様と低炭素社会の実現に向けた取り組みに貢献していきます CO₂ マイナス 80% を想定したエネルギーフローイメージ (2050 年 ) [ 国内 ] 自然エネルギーなど 再エネ電力 家庭 業務 風力 太陽光 水力 地熱など 変動余剰吸収 水素発電 街 オフィス CO₂ フリー水素 運輸 [ 海外 ] 海外再生可能エネルギー海外未利用資源など 運べる 貯められる そのままエネルギーとして使える 産業 EV/PHV FCV HV 化石燃料 天然ガス 石油 石炭 ガス 石油 石炭 発電 工場 鉄鋼 セメント 石油化学原料 EV: 電気自動車 PHV: プラグインハイブリッド車 FCV: 燃料電池自動車 HV: ハイブリッド車 活動の方向性とステップ トヨタの当面のミッション 水素社会の実現に向けては インフラやエネルギーとしての普及にまだまだ課題があります トヨタはFCVの普及のみならず 国のロードマップと連動して地域社会 産業界とともに将来につながる水素利用の仲間づくりを積極的に行い 水素エネルギーの利用拡大 経済的自立化を目指していきます 1 2 FCV の普及を通じて水素社会の実現を目指す国 地域 エネルギー業界と連携し 仕組みづくりや実証実験に積極的に貢献 国の施策に呼応したトヨタの活動の方向性とステップ 日本の水素 FC 戦略ロードマップ フェーズ 1 FCV エネファームによる水素利用の飛躍的拡大 フェーズ 2 水素発電の本格導入 / 大規模な水素供給システムの確立 フェーズ 3 CO₂ フリー水素本格化 トヨタの基本的な取り組み方 水素利用拡大 の仲間づくりを推進 実証モデルで将来のイメージ共有 東京オリンピック パラリンピック FCモビリティ * 拡大 地域 産業界水素利用 将来につながる水素活用事例拡大 経済的自立化支援 ステーションインフラの自立化 CO₂ フリー水素コスト低減 水素社会本格普及 * FC モビリティ : 燃料電池を利用した交通環境や移動 97 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

99 環境への取り組み Challenge 3 工場 CO₂ ゼロチャレンジ 水素社会実現に向けトヨタが関与する国内地域連携プロジェクト 2020 年ごろのFCV 販売目標は グローバルで少なくとも年間 3 万台以上 国内では少なくとも年間 1 万数千台程度を目指します 福島新エネ社会構想実現会議 創エネ (2016 年 3 月発足経済産業省 ) ( 福島県 ) [ トヨタの役割 ] FCバス FCリフトなどモビリティ提供 2020 年に工場 MIRAI 生産ラインにおいて CO₂ゼロ+ 水素利用実証開始 ( 愛知県 ) [ トヨタの役割 ] 2050 年工場 CO₂ゼロ を目指し 水素利用技術を含めた将来の工場実証にトライ ( 元町工場でハイブリッド発電システムの実証開始 2017 年 4 月 ) コミュ東京オリンピック パラリンピックニティ次世代モビリティ社会 クリーンな水素社会モデルを世界に提示 ( 東京都 ) [ トヨタの役割 ] IOCトップスポンサーとしてサポートするとともに FCVやFCバスなどのモビリティの提供と次世代モビリティ社会の構想支援 愛知県低炭素水素サプライチェーン * 構築 工場愛知 大学 産業界で検討開始 ( 愛知県 ) [ トヨタの役割 ] 業界のリーダーとして愛知県と連携するとともに モノづくり地域での水素利用をグループ各社と共に検討開始 東京都へFCバスを納車し 都営バスとして運行開始 (2017 年 3 月 ) 2020 年の東京オリンピック パラリンピックに向けて 100 台以上を導入予定 地産地消型グリーン水素ネットワーク 工場福岡県主導で産官学連携活動推進 ( 福岡県 ) 太陽光発電で製造した CO₂フリー水素を燃料電池フォークリフトで活用開始 (2017 年 3 月 ) [ トヨタの役割 ] トヨタ自動車九州が 産業モデルの代表として工場水素利用の実証に参加 コミュ関西国際空港 KIXプロジェクト ニティ水素グリッド空港モデル実証 ( 大規模集中型 ) ( 大阪府 ) [ トヨタの役割 ] トヨタ 豊田自動織機 豊田通商など各社が持っている水素の知見や FC 技術で 関西国際空港主催の KIX 水素グリッド委員会をサポート 京浜臨海部 京浜プロジェクト 創エネ再生エネルギー水素製造 ~ 利用サプライチェーン * 実証 ( 中小規模密集型事業所モデル ) ( 神奈川県 ) [ トヨタの役割 ] トヨタは 水素を利活用する立場で事業代表者として取りまとめ * サプライチェーン : 製造業における原材料調達から 生産管理 物流 販売まで製品の全体的な流れ 主な海外プロジェクト (FCV の普及 水素利用に向けた連携 ) 地域 プロジェクト名 オーストラリア MIRAI 試験導入 (2016 年 7 月 ) UAE 中国 水素社会実現に向けた共同研究に参加 (2017 年 1 月 ) MIRAI を試験導入し走行実験開始 (2017 年 1 月 ) Hydrogen Council 設立 2017 年 1 月 世界初の水素に関するグローバル イニシアチブとして Hydrogen Council( 水素協議会 ) がスイス ダボスで設立されました これは 13の国際的企業のリーダーが 気候変動の目標達成に向け 水素利用を推進する新しい活動体で トヨタも参加しています 多くの主要ステークホルダーと協働しながら 水素利用の推奨策を示し 共同の目標を達成していくことを目指しています カナダ アメリカ アメリカ MIRAI を試験導入し走行実験開始 (2017 年 2 月 ) シェルとトヨタ カリフォルニア州で水素ステーション網拡充協力 (2017 年 2 月 ) ロサンゼルス港で FC 大型トラック実証実験開始 (2017 年 4 月 ) 98 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

100 環境への取り組み Challenge 4 水環境インパクト最小化チャレンジ Challenge 4 水環境インパクト最小化チャレンジ 基本的な考え方 2050 年 世界の総人口は91 億人 水の需要は現在より55% 増加 その影響で水不足に悩まされる人は全人口の40% にも達する といわれています クルマの製造では 塗装工程などで水を使用します そのため 水環境へのインパクトを少しでも減らさなくてはなりません 対策としては 使用量を徹底的に削減 と 徹底的に水をきれいにして還す の二つがあります これまでトヨタでは 雨水貯留による工業用水利用量削減 ろ過装置による水の再利用率向上 排水リサイクルによる水の再利用と 高い水質で地域に還すことを推進してきました 水環境の特性は 地域によって大きな違いがあります 今後は地域の要請に合った水環境への対応を世界に広げていきます トヨタ調べ 生産活動における水使用量の低減 生産活動における水使用量の低減に向けて 新ライン改装計画と連動した革新技術の導入や 日々の低減活動に取り組んでいます 2016 年度 トヨタ自動車 (TMC) では 生産工程における蒸気使用量の低減活動などにより 水使用量は10.7 百万 m³ ( 前年度比 1.9% 減 ) 生産台数当たりの水使用量は4.3m³/ 台 ( 前年度比 8.0% 減 ) となりました グローバルでは 各国 各地域の水環境事情に応じた地道な節水活動に取り組むとともに 水資源の乏しい地域では 水 リサイクルを促進しています 特に 水使用量の多い塗装前処理工程においては ボデーの搬送姿勢を工夫して 付着した水が持ち出される量を低減するようにしています しかし 生産台数の増加にともない 水使用量は31.3 百万 m³ ( 前年度比 7.0% 増 ) となりました 生産台数当たりの水使用量は 一部の事業体でのライン切り替えによる生産性の低下により 3.0 m³/ 台 ( 前年度比 1.4% 増 ) となりました 今後も 節水活動や水リサイクルの促進などで 水環境インパクトの最小化に向けた取り組みを進めていきます 99 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

101 環境への取り組み Challenge 4 水環境インパクト最小化チャレンジ TMC 水使用量と生産台数当たりの水使用量の推移 Third Party Assurance グローバル水使用量と生産台数当たりの水使用量の推移 Third Party Assurance 年度 ( 百万 m³) 水の総使用量 ( 全社 ) (m³/ 台 ) 生産台数当たりの水使用量 対象範囲 : 生産部門 非生産部門 ( 福利厚生施設を除く ) 生産台数当たり水使用量は 車両組み立て工場の生産台数当たり原単位を示す 年度 ( 百万 m³) TMC 日本 ( 除くTMC) 北米 中国 欧州 アジア 豪州 中近東 南アフリカ 中南米 合計 (m³/ 台 ) 生産台数当たりの水使用量 対象範囲 :TMC および国内外連結会社など計 38 社の車両組み立て工場 2013 年度より対象会社を追加 過去のデータに誤りがあったため修正 各国 各地域の水使用量低減の取り組み ( 南アフリカ 米国 アルゼンチン ) トヨタの世界各地にある工場では 生産活動における水使用量を低減すべく 各国 各地域の水環境事情に応じた地道な日々の低減活動に取り組んでいます ここでは3 地域の取り組み事例を紹介します 冷却水の改質による水使用量低減南アフリカの水質はマグネシウムとカルシウムが比較的多く含まれている硬水のため 南アフリカの製造事業体 TSAMでは これまで成形用や冷却水系統の機器が詰まりやすく 頻繁な水の入れ替えを行ってきました この問題を改善するため 前処理としてアルカリ性側に改質した水を冷却水に使用して詰まりを解消 年間水使用量を48m3低減しました 硬水のカルシウムが付着した排水管 ( 左 ) とアルカリ性側に改質した冷却水 ( 右 )(TSAM) スプレーノズルの変更 噴霧のタイミングなどによる水使用量低減米国の製造事業体 TMMMSの塗装工程では 生産数の変動により 前処理および電着工程段階において スプレーの噴霧後 アワ ( バブル ) が発生したり ドレン ( 排水装置 ) 不良による汚れや不具合が目立ったりしていました この問題を改善するため スプレーノズルの種類を変更し スプレーのタイミングや噴霧量を最適制御することにより 年間水使用量を11m3低減しました 水使用量の見える化と周辺装置の最適制御化による水使用量低減アルゼンチンの製造事業体 TASAでは 2004 年以降 生産現場の能力増強を繰り返し実施してきたため 当時の4 倍以上の生産能力を持つ現場となりました 一方 こうした設備拡張が当初のエネルギー利用の考え方と整合しなくなった生産ラインも出てきたため 仕様の再確認に取り組んでいます 塗装工程では 上塗りブースの帯電防止用に使用しているコンベヤーレール水の使用量を見える化すると同時に 周辺装置の最適化制御により 年間水使用量を約 1 万 4,000m3低減しました スプレーノズルの改善前 ( 左 ) と改善後 ( 右 )(TMMMS) 100 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

102 環境への取り組み Challenge 4 水環境インパクト最小化チャレンジ 地域で一番の工場を目指して 社会と連携するトヨタの水環境チャレンジ 水は地球上を循環している資源です その循環の途中で私たちは水を使い 排水しています 水はローカルな資源でもあり 誰かが水を使いすぎると その地域に住むほかの方の利用可能性を奪うことになりかねません また 使ったあとの水が汚いままだと それは水を失ったに等しいといえます さらに 近年は気候変動の影響により水資源の偏在が深刻化し より地域性を考慮した取り組みが必要となってきました クルマづくりにはたくさんの水を必要とします そのためトヨタは 使用量を徹底的に削減する IN と 使った水を徹底的にきれいにして還す OUT の 2つの側面から 水環境へのインパクトの最小化を進めています 地域によって異なる水事情を踏まえ 量 と 質 の取り組みをグローバルで展開し 社会全体の豊かさにつながる 地域で一番の工場 を目指します トヨタ水環境方針の策定 地域によって取り組むべき課題や対策が異なるなかで トヨタが水環境チャレンジをグローバルで達成するには 共通の考え方のもと取り組んでいく必要があります そこで トヨタ水環境方針を取りまとめました 水環境方針は 基本となる考え方 水環境インパクト最小化チャレンジ 取り組みの 3つの方向性 ( 技術の追求 地域に根ざした操業 社会との連携 ) から構成され この方針に沿って水環境の豊かな社会を目指していきます グローバルの水環境 世界の人口約 91 億人 世界の水需要億人まで増加倍約 40% 1.55 倍 2000 年 2050 年 トヨタ水環境方針 世界の人口の 40% が水ストレス * もしくは水不足 * 水ストレス : 年間一人当たりの最大利用可能水資源量で 1,700m³ が最低基準とされており これを下回る場合は 水ストレス下にある とされています トヨタは水の持続可能性への配慮に努め 将来にわたって健全な水環境を共有できる豊かな社会を目指します 水環境インパクトの最小化チャレンジ 水使用量の徹底的な削減 各工場で水の取水量を最小化し さらに雨水を活用することで地域の水資源への影響を最小化 社会全体の豊かさにつながる 地域で一番の工場 徹底的にきれいにして還す きれいな水を地域に還すことで 環境にプラスのインパクトを与える IN OUT 技術の追求技術の可能性を追求し 水資源の徹底的な効率利用を推進します 取り組みの 3 つの方向性 地域に根ざした操業水を地域の財産であると認識し より良い水環境のために継続的な対策に努めます 社会との連携ステークホルダーとの連携 協働を推進するため 積極的なコミュニケーションと情報開示に取り組みます 101 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

103 環境への取り組み Challenge 4 水環境インパクト最小化チャレンジ 水環境インパクト最小化を実行する 4 つのプロセス トヨタは 4 つのプロセスに沿って チャレンジを進めていきます 1 水環境の現状把握とチャレンジ優先工場の決定 3 チャレンジ優先工場でのインパクト最小化の実現 4 グローバルトヨタ全体での水環境インパクト最小化 2 水を徹底的に使い切る技術の開発 チャレンジ優先工場の決定 一滴にこだわった 水の徹底的な効率利用 各国 各工場の水環境の現状を把握するため 各種データベースや評価ツールにより さまざまな情報を収集しました さらに 工場操業のデータを加え 水量や水質 その他さまざまな観点で水環境へのインパクトの大きさを評価 特にチャレンジを推進する工場として チャレンジ優先工場 を設定しています 例えば 水量ではグローバルの4 拠点で優先的な対策導入を開始し 開発した技術や対策は グローバルでの共有を進めています また 水環境の調査と評価は 各国 各地域の環境の変化へ対応させるため アップデートを重ねていきます チャレンジ優先工場 (2016 年時点 ) トヨタは 従来より水資源の効率的な利用を目指し 日常の改善や排水リサイクル 雨水の利用などを推進してきました 水量低減のため水使用量の多い塗装工程にて 従来は当たり前と捉えていた条件の見直しを実施しました 例えば ボデー洗浄の水質と品質の関係を一から調査し 水質の管理項目を追加することで 今まで必要だと思われていた約半分の水量で十分な洗浄ができるようになりました また センサーを取り付け 車両が通るときのみにスプレーを動かすことで水を流し 水使用量の低減につなげました トヨタでは徹底的な改善活動と革新技術の開発を継続しており 培った技術やノウハウの展開を進めています 欧州 センサーの導入 センサーがあると 中国 日本 北米 南ア 豪亜 南米 クルマがないときも水が出る クルマがないときは水が止まる 地域社会とのコミュニケーション 情報開示 トヨタは ステークホルダーとの連携と情報開示に積極的に取り組んできました 地域社会とは 協議会や工場見学会などを実施し 双方向のコミュニケーションを充実させています また 環境報告書やウェブサイトを通じて 幅広いステークホルダーとのコミュニケーションも図っています 情報開示では CDPが公表した水管理の格付け CDP ウォーター で 2 年連続最高ランクのA 評価を獲得し マネジメントや環境開示が評価されています 今後も地域一番の工場を目指し コミュニケーション 情報開示に努めていきます 102 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

104 環境への取り組み Challenge 5 循環型社会 システム構築チャレンジ Challenge 5 循環型社会 システム構築チャレンジ 基本的な考え方 世界的に人口が増加し 経済発展や利便性追求により 資源消費のスピードが上がっています このまま大量採掘が続けば資源は枯渇し 大量消費によって廃棄物が増えれば 適正な処理が追いつかず環境汚染につながります そのため 環境負荷を抑えて廃車を処理する社会システムの構築を目指す Toyota Global 100 Dismantlers Project を立ち上げ 推進していきます 理想的な資源循環社会を実現するためには 資源効率向上のため エコな素材を使う 部品を長く使う リサイクル技術の開発 廃車されるクルマからクルマを作る の 4 本柱で取り組む必要があります 究極の循環型社会の実現を目指し 世界各地で使用済み自動車 ( 廃車 ) の資源が再びクルマを製造する際の資源として活用できるよう Toyota Global Car-to-Car Recycle Project(TCCR) を推進していきます 再生可能資源 リサイクル材活用による枯渇天然資源の使用量低減 石油由来の樹脂の使用量低減 希少資源 / リサイクル材の再利用推進 石油由来の樹脂の使用量を低減し 今後のグローバルな経済発展を持続可能なものとするため 90 年代初頭から トヨタ販売店で修理交換されたバンパーを回収 リサイクルしています 廃車から回収される樹脂部品は 中古部品として再利用される以外は 熱源としてエネルギー利用されるか 機械分別の工程を経て 自動車用途以外の樹脂にリサイクルされていました このような状況のなか 2016 年度は中部地区の解体事業者や再生樹脂メーカーと連携し 廃車から発生する使用済み樹脂を回収 リサイクルする仕組み構築に向けた事前検討の一環として 延べ 3 回にわたる廃車由来樹脂の回収 リサイクルのトライを実施しました 樹脂リサイクルの一層の促進が求められるなか 今後も引き続き 廃車由来樹脂の回収 リサイクルの技術検討を進めていく予定です ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車 燃料電池自動車などの次世代環境車には 従来のガソリン車に比べ 多くの希少資源が用いられています これらの資源の中には 資源枯渇や地域偏在などのリスクを有するものも少なくありません そこで こうした希少資源やリサイクル材の再利用を推進するため 関係協力会社と共同で ハイブリッドバッテリー ハイブリッドモーターなどの部品や 生産で使用する超硬工具などを 回収 リサイクルする仕組みを立ち上げています 例えば ハイブリッド車に使用されるバッテリーには ニッケルやコバルトなどの希少金属が含まれています そのため 1997 年に 初代プリウス を発売以降は 独自の回収ネットワークを構築して使用済みバッテリーのリサイクルに取り組んでおり 2017 年 3 月時点の累計回収台数は 7 万 3,300 台となりました 環境データ P125-J L M 103 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

105 環境への取り組み Challenge 5 循環型社会 システム構築チャレンジ 回収したバッテリーは 検査した上で再利用可能なものは再組み立てし 定置用の蓄電池や車両用の交換電池として再利用しています 再利用に適さないものは金属素材リサイクルしています ハイブリットモーターの磁石リサイクルでは 2012 年の取り組み開始以降 2017 年 3 月時点で累計 28トンを回収し レアアースをリサイクルしています 超硬工具に使用されるタングステン *1 も同様に 2010 年にリサイクルシステムを確立しています 2017 年 3 月時点の超硬工具の累計回収量は約 154トンで全量リサイクルしています また 今後軽量化のために使用が拡大すると考えられる CFRP *2 の適正処理としてサーマルリサイクル *3 のめど付けを進めており 同時に 2016 年度にはマテリアルリサイクルに向け 炭素繊維の分離 回収の技術 の開発にも着手しました 次世代環境車の普及がより一層進むことで バッテリーやモーターなど希少資源を含む廃部品は増加すると想定されています 今後も 廃部品やCFRPのマテリアルリサイクル活動を継続していきます 28 トンハイブリッドモーターの磁石累計リサイクル量 7 万 3,300 台使用済みバッテリーの累計回収台数 *1 タングステン : 全量輸入の資源で 超硬工具の刃先部の 8 割に使用されており 代替可能性が少ない資源 *2 CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics): 炭素繊維強化樹脂 *3 サーマルリサイクル : 廃棄物の焼却の際に発生する熱エネルギーを回収 利用すること 資源回収しやすい 易解体性トップレベル の実現 廃車の資源循環を推進するため 国内外の解体事業者を実際に訪問して実情を調査した上で 解体しやすく分別しやすい構造を 2003 年発売の ラウム 以降 新型車両に積極的に採用しています 2016 年度発売の プリウスPHV やレクサス LC には トヨタの新しいクルマづくりのコンセプト TNGA *1 が採用され 優れた操縦安定性 振動やふらつきの少ない快適な乗り心地などが追求されています そのため低重心化 低フード化により エンジンルームは狭くなっていますが スペー ス上相反するワイヤーハーネスの引き剥がしなどの解体作業が安全かつ短時間で行えるよう 易解体設計を織り込みました 今後も 新構造 新材料部品など 新たな技術の採用が必要な場合も 易解体設計 を織り込むことで 車両解体性の維持 向上に努めます *1 TNGA(Toyota New Global Architecture): トヨタが全社を挙げて取り組む クルマづくりの構造改革 パワートレーンユニットやプラットフォームなどを一新し 一体的に新開発することにより クルマの基本性能や商品力を飛躍的に向上させることを目指す 解体しやすい車両構造 ハイブリッド車用バッテリーの重量部品の取り外し プリウス からさらに部品の取り外し時間を削減 新たに解体性向上マークを付け 重い部品をバランスよく吊り出せるようにしました ドアトリム *2 の引き剥がし従来より引き剥がし荷重を30% 低減できるポイントを割り出し 解体性向上マークを付けました *2 ドアトリム : ドアの内張りパネル ワイヤーハーネス *3 プルタブ式アース端子部採用 組み付け状態 解体時 引き剥がし方向 ワイヤーハーネス配置の工夫ワイヤーハーネスを 他部品に干渉することなく引き剥がすことができます 薄肉部より分離 *3 ワイヤーハーネス : クルマ内の隅々に張り巡らされ 電源供給や信号通信に用いられる複数の電線を束にした集合部品 インストルメントパネルの取り外し 解体性向上マーク の採用解体作業のきっかけとなるポイントに 解体性向上マーク を付けました V 字ミゾの設置によりインパネ部分を強く引っ張ると容易に取り外せるようにしています 104 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

106 環境への取り組み Challenge 5 循環型社会 システム構築チャレンジ 日本で培った廃車適正処理による国際貢献 廃車が不適切に放置されたり解体されると 地域の環境に影響を及ぼしたり 地域住民の健康や安全を脅かす恐れがあります こうした事態を未然に防ぐため 世界各地で環境に負荷をかけず 廃車を適正に処理する社会システムの構築を目指す TOYOTA Global 100 Dismantlers Project を推進 これまで蓄積してきた廃車処理の技術やノウハウを生かして 社会システム構築の実現に貢献しています 2016 年度は 十分な解体設備や工具のない国や地域のことも想定し 身近に手に入る工具を用いて解体作業を行う 廃車の適正処理マニュアル ( 基礎編 ) の作成に取り組みました 引き続き廃車の流通実態を調査し 各国 各地域のインフラ事情に見合った処理レベルを設定し 現地事業体とも連携して 廃車の適正処理に向けた活動を進めています 世界には 廃車が大量に発生する可能性が高い地域がい くつか存在しています こうした地域も含め TOYOTA Global 100 Dimantlers Project の取り組みを段階的に拡大することによって 廃車を適切に処理し 効率的な資源回収もできる循環型社会の構築を目指していきます 環境データ P125-I 廃車の適正処理のイメージフロンガスの回収廃油 廃液の回収 廃車資源に対するオリジナルリサイクルシステムの海外展開 究極の循環型社会を実現するために リデュース リユース リサイクルの考えに基づき 資源リスクや地球温暖化への対応を軸に進めている TOYOTA Global Car-to-Car Recycle Project(TCCR) を推進しています 2016 年度 グローバルな循環型社会の構築に向けて 日本でのモデルケース構想から着手し 雛形として確立していきます 2030 年をマイルストーンに設定した上で あるべき社会システムを描き 課題抽出と対策立案を検討しています 一方 ハイブリッドバッテリーについては 今後も海外で増えていくと予想されています 2016 年度 バッテリーリサイクル体制のグローバル化に向けて 日本のリサイクル処理能力を増強し 回収 リサイクルの仕組みをステップアップさせる検討を始めました このプロジェクトが目指す究極の目標は クルマの部品や材料を同一部材に再利用する水平リサイクルです クルマ の部品や素材をクルマの原材料に戻す 再資源化 と 再生した原材料をクルマの部材として使いこなす 再生材の活用 の両方のフェーズで 段階的にレベルアップを図ることで Car-to-Car リサイクル を推進していきます Car-to-Car リサイクル の推進イメージ ベクルマレルアップ 再資源化 再生材の活用 製品 Car-to-Car リサイクル ( 水平 ) Car-to-Car リサイクル ( 他部品 ) Car to 他産業 レベルアップ他産業 to Car 他産業 105 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

107 環境への取り組み Challenge 5 循環型社会 システム構築チャレンジ 生産活動における排出物の低減と資源の有効利用 生産活動における廃棄物の低減に向けて 発生源対策 廃棄物発生量 資源ロス コスト低減などの観点から 生産技術の開発 導入および継続した日々の低減活動に取り組んでいます 2016 年度 トヨタ自動車 (TMC) では 汚泥の減容化など廃棄物低減対策に継続して取り組み 廃棄物量は33.8 千トン ( 前年度比 4.1% 減 ) 生産台数当たりの廃棄物量は 11.6kg/ 台 ( 前年度比 7.2% 減 ) となりました グローバルでは 廃棄物低減対策の継続 コスト低減につながる活動に取り組み 生産台数当たりの廃棄物量は45.0kg/ 台 ( 前年度比 0.7% 減 ) となりました しかし 一部の事業体で 集計の管理対象となる廃棄物が増えたことにより 廃棄物量は474 千トン ( 前年度比 2.9% 増 ) となりました TMC 廃棄物量と生産台数当たり廃棄物量の推移 ( 国内 ) グローバル廃棄物量と生産台数当たりの廃棄物量の推移 Third Party Assurance Third Party Assurance 年度 ( 千トン ) 廃棄物量 (kg/ 台 ) 生産台数当たり廃棄物量 対象範囲 : 生産部門 非生産部門 ( 福利厚生施設を除く ) 生産部門における廃棄物の集計対象 : 生産活動にともなうもの 廃棄物量 : 逆有償リサイクル * + 焼却廃棄物 + 埋立廃棄物 * 逆有償リサイクル : 費用を支払いリサイクルするもの 過去のデータに誤りがあったため修正 年度 廃棄物量 ( 千トン ) TMC 日本 ( 除くTMC) 北米 中国 欧州 アジア 豪州 中近東 南アフリカ 中南米 合計 (kg/ 台 ) 生産台数当たりの廃棄物量 対象範囲 :TMCおよび国内外連結会社など計 121 社 環境データ P126-Q 廃棄物量 : 逆有償リサイクル + 焼却廃棄物 + 埋立廃棄物 ミミズを利用したバイオ汚泥の堆肥化によって埋め立て量ゼロを実現 ( インド ) インドの製造事業体 TKMでは 製造工程から発生した廃液 廃水を生物処理によって浄化し きれいな水に戻した後 散水に利用したり池に戻したりしています 一方 排水処理場で水に含まれる有機物を微生物 ( バクテリア ) に分解させる生物処理では 増殖したバクテリアの死骸をバイオ汚泥として廃棄物処理をする必要があり 2009 ~ 2015 年まではこれを埋め立て処理していました しかし 埋め立て処理は分解まで数カ月の時間を要することや 埋め立て処理場にはバンガロール周辺から毎日トラック500 台分のバイオ汚泥が持ち込まれていたため 処理方法を再検討し ミミズを利用した堆肥化の取り組みを推進することとしました ミミズを利用した場合 堆肥になるまでの全工程は35 日間で完了します この取り組みの結果 バイオ汚泥の埋め立て量はゼロとなりました また 得られた堆肥は 肥料や土壌改良剤として優れたバイオマス資源となり 工場内の植樹や地域の農場の肥料として有効活用するとともに ミミズを投入したバイオ汚泥に細かくカットしたガーデン廃材 ( 木材など ) を加えると分解反応が促進されるため 最適な投入量を現在調査しています 処理前の養生状態 ( 左 ) 処理後の養生状態 ( 右 ) 106 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

108 環境への取り組み Challenge 5 循環型社会 システム構築チャレンジ 物流活動における梱包 包装資材の低減と資源の有効利用 物流にともなう梱包 包装資材を低減するため トヨタ自動車 (TMC) では部品充填率の向上 使い捨ての梱包 包装資材を減らすためのリターナブル化 * 梱包 包装資材のスリム化 軽量化などに取り組んでいます 2016 年度は 梱包 包装資材のスリム化および出荷容器のリターナブル化などに継続して取り組み 出荷容積当たりの梱包 包装資材使用量は6.87kg/m³( 前年度比 6.7% 減 ) となりました 梱包 包装資材使用量は 物量変動などの影響もあり 年間総使用量は51.4 千トン ( 前年度比 1.0% 増 ) となりました グローバルについては 使用量の把握とともに 好事例の収集に努めています 2008 年度より各国 各地域で使用量把握を始め 北米以外はほぼ実施済みです 北米は 仕入先使用分の把握が難しく 把握方法を調整中です 今後も 輸送時の省資源化を進め 梱包 包装資材使用量の低減に取り組みます * リターナブル化 : 物流に使用した梱包資材を 出荷元に戻し 再利用すること TMC 梱包 包装資材使用量の推移 ( 国内 ) と出荷容積当たりの梱包 包装資材使用量の推移 ( 国内 ) Third Party Assurance TMC 梱包 包装資材使用量低減の改善取り組み結果 (2016 年度国内 ) Third Party Assurance 年度 ( 千トン ) 梱包 包装資材使用量 (kg/m³) 出荷容積当たりの梱包 包装資材使用量 改善テーマ商品主な改善内容低減量 ( 千トン ) スリム化など生産部品生産改善 リユースなど 0.37 補給部品包装仕様スリム化 0.20 補給部品 リターナブル化補給部品 収容数向上 梱包仕様の簡素化など リターナブル容器の適用拡大 ( 品目拡大 ) 合計 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

109 環境への取り組み Challenge 6 人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ Challenge 6 人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ 基本的な考え方 人と自然が共生していくためには 各地域の豊かな森や自然を守っていかなくてはなりません しかし 世界では森林の減少が進み 多様な生きものの生息域が分断され 生物多様性の損失が進んでいます トヨタでは 地域ごとの いい町 いい社会 を実現するために 工場の森づくり 環境保全活動 環境教育を進めてきました 今後はさらに 国内外各地で活動の輪を広げる3つの つなぐ プロジェクトを立ち上げ 活動を推進していきます また これまでの知見をグループ 地域 団体の活動につなぎ 人と自然が共生する未来を目指します Toyota Green Wave Project 地域をつなぐ Toyota Today for Tomorrow Project 世界とつなぐ Toyota ESD Project 未来へつなぐ 各事業所 各地域の活動を 地域をつなぐ 自然保全活動の推進 Toyota Green Wave Project トヨタやグループ各社は これまでも単独で工場の森づくり 周辺の環境保全などを進めてきました こうしたさまざまな自然共生活動を つなぐ 取り組みが Toyota Green Wave Project です トヨタグループの自然共生活動の輪を国内外各地で広げ その結果として生息域が広がり 生物多様性に寄与するサステイナブルな社会づくりを目指します オールトヨタ自然共生ワーキンググループ活動 オールトヨタ自然共生ワーキンググループ個社活動実績 ( 国内 116 件 ) Toyota Green Wave Project 活動の受け皿として 2015 年 5 月に オールトヨタ自然共生ワーキンググループ を 23 社で立ち上げ トヨタグループの自然共生の取り組み拡大や情報発信の充実 グループの連携強化などに取り組んでいます 2016 年度の国内実績は オールトヨタ個社活動の合計 116 件で 企画時より 17% 増となるなど 着実に活動が進展しています また 参加会社同士のつながりが実を結び 中部エリアを中心に日本全国へと広がっています さらに オールトヨタ統一活動として 春に続き2 回目となる つなぐ 活動を実施 2016 年 10 月 ラムサール条約の登録地である藤前干潟清掃活動 藤前干潟クリーン大作戦 ( 名古屋市 ) へ 15 社 21 人で団結して参加しました 森林保全 里山整備希少動物 生態系保全工場の森づくり水 ( 水域保全 流域水質改善 ) ビオトープ * でつなぐ活動 その他 34.5% 18.6% 15.9% 15.0% 8.0% 8.0% * ビオトープ : 自然の生態系を身近に感じられ 動物や植物が恒常的に生活できるように造成または復元された小規模な生息空間 生態系モニタリング 外来種対策 海辺の生態系保全 オールトヨタ第 2 回統一活動 108 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

110 環境への取り組み Challenge 6 人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ オールトヨタグリーンウェーブプロジェクト 冊子 (vol.2) 発行 2016 年 6 月には Green Wave Project の意義や生物多様性の大切さ グループ各社の取り組み事例を紹介した冊子 (vol.1) を従業員に配付しました 2017 年 6 月には 国内に広がり始めたオールトヨタの2016 年度の取り組みを盛り込んだ冊子 (vol.2) を発行し 従業員の活動への参加意識向上や横断的な協力の重要性を 継続して啓発しています 冊子中面 (2016 年度チャレンジMAP) トヨタ環境グリーンウェーブ 検索 サステイナブル プラント活動 プリウス を生産する堤工場をモデル工場として 2007 年より サステイナブル プラント活動 に取り組んでいます 活動のコンセプトは 自然を活用し 自然と調和する工場づくり で エネルギー低減 エネルギー転換 地域交流 生態系の保全に取り組んでいます こうした活動のなか 世界各地の従業員 家族 地域の皆様で進めてきた工場の森づくりは 2016 年に国内外の拠点での植樹本数が累計 118 万本となり 多様な生物が生息するなど 自然や生きものを育む拠点となっています 元町工場にある環境センター * では 生きものの生育環境の整備として工場敷地内で植樹を進め 従業員のエコマインド向上を図ってきました 2016 年には植樹エリアにビオトープを整備しました 同エリアでは植樹した樹木が成長したことや 水辺を創出した ことで生育環境の多様化が一層促進されました 従業員による生物調査によって カワセミ キマダラセセリ ギンヤンマなどが確認され トンボを指標とした調査では ビオトープ整備前に6 種だったトンボの種数が整備後には 14 種に増え 生育環境の整備効果が確認されています 今後も生育環境の整備をさらに進め 人と自然が共生する工場づくりを進めていきます * 環境センター : トヨタの工場などで発生する可燃性の廃棄物から得られるエネルギーを 元町工場で活用するプラント 中では低炭素 資源循環 自然共生に関するさまざまな実験的取り組みが行われています 従業員調査により確認された生きもの コゲラ カワセミ ビオトープ アサマイチモンジチョウキマダラセセリハグロトンボギンヤンマ キセキレイ 109 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

111 環境への取り組み Challenge 6 人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ 新研究開発施設の 自然 地域との共生 に向けた取り組み 愛知県豊田市と岡崎市にまたがる地域に 持続可能な次世代モビリティ開発のため 新しい研究開発施設の建設を進めています この事業では 自然と共存し地域と調和するテクニカルセンター をコンセプトに 事業予定地の約 6 割を保全エリアとして残し 地域の皆様と共に 森林 谷津田の再生やその管理を行っています また その取り組み状況や得られた新しい知見などを 積極的に情報公開しています これまで谷津田の水路やため池に棲む希少種のホトケドジョウを守るため 谷津田での農薬 化学肥料の使用の抑制 放棄水田の復元を進めてきました 2016 年度はそれに加え ホトケドジョウが自由に移動しやすいよう 流れの速いU 字 溝を石張りの水路にして穏やかな流れをつくる水路のネットワーク化を進め その工事が終了しました これらの取り組みの効果については 魚体に標識を付け 水路をどのように移動しているか確認しています 工事前の水路 ( 左 ) と工事後の石張りの水路 ( 右 ) ホトケドジョウ アカウミガメ産卵地保全活動 ( 日本 ) アカウミガメの産卵地として知られる愛知県渥美半島の表浜海岸で 養浜活動を展開しているNPO 法人 表浜ネットワーク あかばね塾 の取り組みに賛同し 2011 年から従業員と家族が保全活動を行っています これまでも 海岸清掃や 砂の堆積を促す 堆砂垣 2016 年度からは葦を活用した 草方格 * づくりに取り組んできました 2017 年 3 月には 海岸に近い田原工場と本社地区の従業員と家族 190 人が参加し 5 月から産卵に訪れるアカウミガメを迎える準備を整えました * 草方格 ( そうほうかく ): 枯草や枝を碁盤の目状に地中に差し込むことで 地表面の風速を低減させて砂の移動を止める技術 表浜海岸アカウミガメ産卵地保全活動 CO₂ 削減に向け国立公園の森林再生に協力 ( インド ) 2016 年 7 月 インドの製造事業体 TKMは バナルガタ国立公園において植樹会を実施し 500 本の苗木を植えました このイベントには600 人の従業員が家族とともに参加し 南バンガロールのデリー公立学校から生徒 150 人 カルナタカ森林局からも100 人が参加しました 植林による森林再生は CO₂ 削減に最も有効な手段といわれています 成長した木は年間 20kgのCO₂を吸収し 約 118kgの酸素を生み出します TKMは2009 年に大規模な植林事業を開始し これまでに26 万 5,000 本の苗木を植樹しました TKM のラジュ ケットコール副社長は トヨタの文化には 環境保護の考えが根付いています 環境汚染に対抗するには 環境に対する意識を高めるだけではなく 地域と協力して対策を進める必要があります そのため 従業員には植林活動や環境月間の活動に参加してもらうようにしています と語りました 植林活動に参加した子どもたち 110 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

112 環境への取り組み Challenge 6 人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ 自然 生物多様性保全を 世界とつなぐ 環境活動への助成の強化 Toyota Today for Tomorrow Project これまで トヨタ環境活動助成プログラム や中国 フィリピンにおける植林活動など 国内外の環境 NGOとの活動を行ってきました 今後は 長年継続してきた環境活動助成を Toyota Today for Tomorrow Project としてグローバ ルに強化し 世界で自然保全活動をしている団体と協働で 自然共生 生物多様性分野の課題解決につながるようなプロジェクトを立ち上げ 社会に貢献していくことを目指します WWFと 生きているアジアの森プロジェクト で 5 年間のパートナーシップ開始 2016 年 7 月 持続可能な社会の実現に向けて WWF * と5 年間のパートナーシップを開始しました これは 自動車業界として世界初 日本企業初の WWFグローバル コーポレート パートナーシップ です 生物多様性保全の取り組みとして トヨタは2016 年に100 万米ドルを 生きているアジアの森プロジェクト Living Asian Forest Project に助成し 支援を始めています このプロジェクトは WWFが東南アジアの熱帯林と野生生物を守るために実施してきた活動を強化し また新たな保全活動へと展開するものです 活動場所は WWFが世界の優先保全地域に指定しているインドネシアのボルネオ島 ( カリマンタン ) とスマトラ島に加え 将来はメコン地域へも広げていく予定です 特に今回は 森林生態系を保全するためには 天然ゴムの持続可能な生産と利用が重要であると考え これを普及する活動に注力します 自動車用タイヤの主要原料である天然ゴムは 今後需要が一層拡大することが見込まれており 産業界 他のステークホルダーとも協力して WWFが推進する天然ゴムの持続可能性に関する取り組みに積極的に貢献していくことを目指しています * WWF(World Wide Fund for Nature): 世界自然保護基金 トヨタ環境活動助成プログラム トヨタは 1999 年国連環境計画 (UNEP) から グローバル 500 賞 を受賞しました この受賞を記念し 2000 年度より社会貢献活動の一環としてNPOなどの環境活動を支援するため 助成プログラムを実施しています 助成対象テーマは 生物多様性 気候変動 で 助成枠は 海外プロジェクト支援 ( 上限 700 万円 ) と 国内プロジェクト支援 ( 上限 300 万円 100 万円 ) を設けています プログラム開始以来 17 年間で 世界 53の国と地域で332 件を支援しています 332 件トヨタ環境活動助成プログラム累積支援件数 環境データ P125-N 国内プロジェクト支援 の一つ 山口県の 宇部市地球温暖化対策ネットワーク では 夏休みハイブリッドミニソーラーカー工作教室 に取り組みました この工作教室では 小学生を対象に エネルギー 気候変動について分かりやすく教えながら ソーラーパネルで電気をつくり バッテリーに充電するまでの過程を学べます 子どもたちに太陽光発電などの再生可能エネルギーの素晴らしさを伝え 気候変動への意識を育てることを目的としながら モノづくりの楽しさ 科学への興味を引き出します 現在 この活動は県内の他地域にも広がりを見せています ハイブリッドミニソーラーカー工作教室の様子 111 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

113 環境への取り組み Challenge 6 人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ 海外プロジェクト支援 の一つ 公益社団法人日本環境教育フォーラムでは バングラデシュの小学生とその保護者を対象とした生物多様性保全の教材普及実証事業 に取り組みました 世界遺産に登録されているバングラデシュのスンダルバンス地域では 生態系の悪化が懸念されています そこで 全国 82の公立小学校を対象に 学習教材 教育プログラムなどを開発しました 完成した教材は スンダルバンス国立公園について学ぶすごろくゲーム 同地域の自然や人間活動のつながりについて学ぶカードゲーム 保護者を対象に同地域の自然をテーマとしたDVDなど どれも楽しみながら学べるものです 現在 開発された教材が政府の補助教材として認可されるよう 活動を進めています 教材普及実証校にてバングラデシュ最終版教材 IUCN と協働し 世界各地で環境 NGO などとイベント開催 ( 米国 メキシコ 南アフリカ ) 生物多様性の危機に関する知見を拡充するため 2016 年 5 月 IUCN *1 と5 年間のパートナーシップを開始 約 120 万米ドルを助成し IUCN 絶滅のおそれのある生物多様性のレッドリスト *2 の支援を始めています この支援により IUCN は今後アセスメントが必要な8 万種の生物種のうち35% に相当する2 万 8,000 種以上のアセスメントが可能となり 地球上の生物多様性の保全状況をより包括的に把握する という目標に向けて大きく前進します 同年 9 月には 4 年に1 度行われる第 6 回 IUCN 世界自然保護会議 が米国ハワイにおいて開催され 世界中から約 1 万人が参加し 今後 4 年間の生物多様性や自然保護に関する方向性 問題点などについて議論されました この会議では IUCN と共催で 生物多様性分野への企業参画に関するパネルディスカッションと レッドリストのパートナーシップを祝うレセプションを実施しました また同年 12 月には メキシコのカンクンで開催された国連の 生物多様性条約第 13 回締約国会議 (CBD *3 COP *4 13) において IUCNおよび環境 NGO のバードライフ インターナショナル コンサベーション インターナショナルとともに COPの会場においてトヨタとして初めてとなるサイドイベントを開催しました バードライフとコンサベーションはレッドリストの現地調査を実施し 希少種が生息する地域の保全活動を行っています トヨタは レッドリストを支える重要な活動を支援するため 両団体に対して車両を提供し COPの場で贈呈セレモニーを行いました 車両はメキシコと南アフリカに贈られています イベントには国連生物多様性条約事務局長のブラウリオ フェレイラ デ スーザ ディアス氏も参加され NGOと企業が協力して環境保全活動に取り組んでいく重要性について強調されました 第 6 回 IUCN 世界自然保護会議 COP13 で開催された車両の贈呈セレモニー *1 IUCN(International Union for Conservation of Nature): 国際自然保護連合 1948 年に世界的な協力関係のもと設立された 国家 政府機関 非政府機関などで構成される 国際的な自然保護ネットワーク *2 レッドリスト (The IUCN Red List of Threatened Species): 国際機関 IUCN がまとめている絶滅のおそれのある生物種のリスト *3 CBD(Convention on Biological Diversity): 生物の多様性に関する条約 *4 COP(Conference of the Parties): 締約国会議 条約を批准した国 ( 締約国 ) がその条約について話し合う会議 112 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

114 環境への取り組み Challenge 6 人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ 環境活動を 未来へつなぐ 環境教育貢献の強化 Toyota ESD Project 環境保全活動を 未来へつなぐ ためには 人づくり が重要です そのため Toyota ESD * Project では 地域に適したサステイナブル人材育成を促進 する活動を進めています 環境人材を育て 業務に生かす ための従業員教育だけでなく 次世代のために 事業地や社有地フィールドの特色を 生かし 持続可能な社会を担う子どもたちの環境教育に力を入れています * ESD(Education for Sustainable Development): 持続可能な開発のための教育 トヨタ白川郷自然學校 トヨタの森 トヨタ白川郷自然學校 は 自然の叡智を大切に 地域に根ざした環境教育を広く展開することを目的に 世界遺産に指定された白川郷に 2005 年に開校しました 白山麓の豊かな自然のもと 白川郷を訪れる多くの方々や子どもたちに自然体験プログラムを提供するとともに 野生生物の生態系調査や森林保全活動に取り組んでいます 2015 年 開校 10 年を機に 大人はトレイルを歩こう こどもは森でたくましくなろう をキャッチフレーズに 自然体験プログラムを拡充しました 共生 に向けて 共に育ち 育て合う 共育 を新たなテーマとし 自ら理解し行動できる人材の育成を目指しています 特に 子どもたちの環境意識や自立心 行動力を育む こどもキャンプ に力を入れています 2016 年度は 6 種類の こどもキャンプ を計 15 回開催しました 前年度は101 人だった参加者も243 人に増えるなど 関心の高さがうかがえます 自然學校の2016 年度の延べ宿泊者数は1 万 6,529 人 プログラム参加者数は延べ1 万 2,336 人となり 2005 年の開校からの延べ来校者数は19 万人を超えました これからも新しい自然体験プログラムを開発し より多くの大人や子どもたちに 自然との共生 意識を持っていただけるように努めていきます 豊田市にある トヨタの森 では 市街地近郊にある社有林を かつて人々の暮らしと共にあった 里山 の環境に整備し 動植物が生息しやすい森づくりをしています 1997 年より一般の方々にも公開しました 森の中を自由に散策していただけるほか 里山の暮らし体験や五感を使った自然体験ができるイベントを開催しています 2001 年からは地域の小学生向けの体験学習を行っており 2016 年は6,050 人の小学生に来ていただきました 2016 年度は大人向けのスペシャルプログラムとして ホッとな火暮らし講座 ( 全 2 回 ) を新たに開催しました 講座では かつて人類が火と出会い さまざまな道具を作り出した歴史や かつての里山では薪や炭を取るために持続的に森を使ってきたことなどを学びました また 実際に自分で火おこしに挑戦し その火を使って調理をしたり 薪をとるための森林整備を行ったりしました 参加者からは 火の魅力を再発見した 森づくりの知恵を次の世代へ伝えていきたい などの声が寄せられました トヨタの森では これからも里山の魅力や暮らしを見つめ直すきっかけづくりになるプログラムを開催します ひもぎり式の火おこし 薪割り こどもキャンプ に参加した子どもたち 113 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

115 環境への取り組み Challenge 6 人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ トヨタ三重宮川山林 トヨタが所有する三重県多気郡大台町の山林では 森林管理にクルマづくりのノウハウを導入して整備を行い 森林の持つ水源涵養などの公益的機能を発揮できる森づくりを進めています 古くからの林業地帯である森林の特徴を生かし 一般を対象とした森林と人とのつながりや林業について学ぶ森林体験プログラムや 2015 年からは木工を学ぶ地元の高校生を対象に 職人から道具の使い方などを学んだりする講座を行っています また 育てる 伐る 使う の循環による森林保全と循環型資源の活用促進を目的に 自社施設に当地の木材を採用しています 地元の高校生を対象とした森林体験学習 トヨタ博物館での三重宮川山林産の木材利用 ( ブックカフェの床材 ) バンポー工場に生物多様性について学べる学習センターを開校 ( タイ ) 2007 年に操業を開始したタイの製造事業体 TMT バンポー工場は 環境対応でもグローバルNo.1を目指し 2008 年には エコフォレスト という植林プロジェクトを開始し 翌年にはビオトーププロジェクトを始めています 2016 年 6 月 タイのマハ チャクリーシリントーン王女殿下出席のもと 工場内に設立された学習センター Cheewa Panavet が開校しました Cheewa Panavet は タイ語の Cheewa( 生命 ) Pana( 森 ) Vet( 生息地 ) を合わせた造語です 学習センターは エコフォレスト トヨタビオトープ 王立記念展示館 3つのセクションで構成 現在 エコフォレスト には43 種の植物が育ち 9 万 6,000m² の トヨタビオトープ には218 種以上の生物が生息しています 王立記念展示館 は 環境に関するプロジェクトと 地上と地下の生態系 展示室で構成されています トヨタはタイの持続可能な開発と人材育成に貢献してきました 今回 学習センターがオープンしたことで 自然保全と知識普及の活動は新たな段階に入りました 学習センター Cheewa Panavet ビオトープ 114 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

116 環境への取り組み環境マネジメント 環境マネジメント 基本的な考え方 環境についての理念と方針は 1992 年に制定された トヨタ基本理念 (1997 年改訂 ) のもと 環境に対する取り組み方針を トヨタ地球環境憲章 (1992 年制定 2000 年改訂 ) として定め 全世界の連結環境マネジメントシステム ( 連結 EMS) の対象会社 661 社 で共有しています 2011 年に発表した トヨタグローバルビジョン の中で 環境については 地球環境に寄り添う意識を持ち続けること としています こうした理念 方針に基づき 2015 年度には トヨタとして初めての環境取り組み長期ビジョン トヨタ環境チャレンジ2050 を策定しました 2016 年度より第 6 次 トヨタ環境取組プラン (2016 ~ 2020) を開始し 2050 年に向けて社会と共に持続的に発展できるよう取り組んでいます 2016 年度より 従来の形式基準子会社などに加え 実質基準子会社を追加 トヨタ環境取り組みの体系 トヨタ基本理念 1992 年制定 1997 年改訂 トヨタ地球環境憲章 ( 環境の基本方針 ) 1992 年制定 2000 年改訂 トヨタグローバルビジョン 各種環境政策 指針トヨタ環境チャレンジ 2050 トヨタ環境取組プラン (5 カ年 ) 2016~2020 年度 第 6 次プラン 年度方針 計画 トヨタ地球環境憲章 Ⅰ. 基本方針 Ⅱ. 行動指針 1. 豊かな 21 世紀社会への貢献 豊かな 21 世紀社会へ貢献するため 環境との調和ある成長を目指し 事業活動の全ての領域を通じて ゼロエミッションに挑戦します 2. 環境技術の追求環境技術のあらゆる可能性を追求し 環境と経済の両立を実現する新技術の開発と定着に取り組みます 3. 自主的な取り組み未然防止の徹底と法基準の遵守に努めることはもとより 地球規模 及び各国 各地域の環境課題を踏まえた自主的な改善計画を策定し 継続的な取り組みを推進していきます 4. 社会との連携 協力関係会社や関連産業との協力はもとより 政府 自治体を始め 環境保全に関わる社会の幅広い層との連携 協力関係を構築していきます 1. いつも環境に配慮して 生産 使用 廃棄の全ての段階でゼロエミッションに挑戦 (1) トップレベルの環境性能を有する製品の開発 提供 (2) 排出物を出さない生産活動の追求 (3) 未然防止の徹底 (4) 環境改善に寄与する事業の推進 2. 事業活動の仲間は環境づくりの仲間 関係会社との協力 3. 社会の一員として 社会的な取り組みへの積極的な参画 (1) 循環型社会づくりへの参画 (2) 環境政策への協力 (3) 事業活動以外でも貢献 4. よりよい理解に向けて 積極的な情報開示 啓発活動 Ⅲ. 体制 経営トップ層で構成するコーポレート企画会議による推進 115 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

117 環境への取り組み環境マネジメント 推進体制 仕組み 連結対象範囲 トヨタ自動車 (TMC) では 2015 年 4 月より コーポレート企画会議 において さまざまな社会課題を踏まえて成長戦略 事業戦略を検討しています 環境への取り組みは 同会議において 事業戦略とともに議論を行っています 製品環境委員会 生産環境委員会 資源循環委員会 の 3つの委員会では 各分野の課題や対応方針を検討するとともに 関係するすべての部署が連携し 全社的な取り組みを推進しています また連結 EMS として 海外事業体における確実な環境取り組み推進と グローバルでの取り組み体制充実のために トヨタが事業を展開する世界 6 地域 ( 欧州 中国 南ア 豪亜 北米 南米 ) に環境委員会を設置しています 国内では オールトヨタ生産環境会議 オールトヨタ生産環境連絡会 オールトヨタ物流環境会議 を設置するなどして 取り組みを推進しています 財務会計上の全連結子会社 および 財務上は非連結であっても環境マネジメント上重要であると判断した会社を対象としています 661の連結 EMS 対象会社は TMCが直接管理する会社 242 社 ( 生販一体会社 13 社 生産会社 80 社 非生産会社 149 社 ) および TMCが連結子会社を通じて管理する会社 419 社 です 2016 年度より 従来の形式基準子会社などに加え 実質基準子会社を追加 取り組み内容 1. トヨタ地球環境憲章 を共有し 自社の環境方針を立案 2. 生産分野では数値目標を立ててフォロー 3. 販売分野では環境マネジメントシステムの構築 環境コミュニケーションなどに取り組み 4. 各国 各地域の状況を踏まえたトップレベルの環境対応 財務上非連結会社への要請事項は 地域 業態によって異なる場合があります 組織 体制図 (2017 年 6 月末時点 ) 海外の連結 EMS の対象範囲 (2017 年 3 月末時点 ) トヨタ環境取組プラン (5 カ年 ) 取締役会 コーポレート企画会議 承認 欧州地域 連結 EMS 対象子会社 34 社欧州環境委員会 (2002~) 中国地域連結 EMS 対象子会社 14 社中国環境委員会 (2007~) 北米地域連結 EMS 対象子会社 17 社北米環境委員会 (2004~) 製品環境委員会 (1973 年設置 ) 地域別環境委員会 ( 欧州 北米 南米 中国 豪亜 南ア ) 生産環境委員会 (1963 年設置 ) 資源循環委員会 (2008 年設置 ) オールトヨタ生産環境会議オールトヨタ生産環境連絡会オールトヨタ物流環境会議 個別年度方針 計画 (PDCA * ) 審議 展開 南アフリカ地域連結 EMS 対象子会社 1 社南ア環境委員会 (2008~) アジア 中東 北アフリカ地域および東アジア オセアニア地域連結 EMS 対象子会社 26 社豪亜環境委員会 (2007~) 中南米地域連結 EMS 対象子会社 3 社南米環境委員会 (2006~) *PDCA:Plan( 計画 ) Do( 実行 ) Check( 評価 ) Action( 改善 ) を繰り返すことによって 業務を継続的に改善するサイクル 連結 EMS の国内の主な対象会社 (50 音順 ) 生産会社 物流会社 (2017 年 3 月末時点 ) 販売会社 1 グループ 連結子会社 自動車製造業など TMC の派生会社 2 グループ 財務会計上は非連結 主要部品生産会社 ボデーメーカーなど 3 グループ 連結子会社 部品生産会社 4 グループ 連結子会社 各種製品生産会社 5 グループ 財務会計上は非連結 部品生産会社 連結子会社 完成車物流 部品他物流 静岡トヨタ自動車福岡トヨペットトヨタカローラ愛知など計 31 社 岐阜車体工業ダイハツ工業トヨタ自動車九州トヨタ自動車東日本トヨタ自動車北海道トヨタ車体日野自動車 愛三工業アイシン エィ ダブリュアイシン エーアイアイシン精機アイシン高丘愛知製鋼ジェイテクトデンソー東海理化豊田合成豊田自動織機豊田通商トヨタ紡織 オールトヨタ生産環境会議メンバー キャタラー協豊製作所中央精機トヨタホームプライムアース EV エナジー豊精密工業 アドマテックスシンテックホズミトヨタタービンアンドシステム日本ケミカル工業 オールトヨタ生産環境連絡会メンバー FTS 共和レザー小糸製作所大豊工業中央紙器工業中央発條津田工業豊田鉄工トリニティ工業ファインシンターフタバ産業 愛知陸運飛島物流サービストヨタ輸送トヨフジ海運 オールトヨタ物流環境会議メンバー その他業種 タクティートヨタエンタプライズ豊田中央研究所トヨタテクノクラフトトヨタモデリスタインターナショナルなど計 45 社 財務会計上非連結の 1 法人含む 116 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

118 環境への取り組み環境マネジメント 連結環境マネジメントの強化推進 各国 各地域における環境パフォーマンス 各国 各地域での全事業活動に関わるトップレベルの環境パフォーマンスの確保に向け 各社年度方針を策定し 活動に当たっています 2016 年度は 生産 販売分野共 各社で年度プランを策定し 年度目標の確実な達成に向けた取り組みを推進しました 2016 年度連結環境マネジメント (EMS) の主要会社の取り組み方針と結果 全体 取り組み方針目標活動結果 各地域との連携を強化した環境マネジメントの推進 各分野の目標達成 連結環境マネジメント強化 国内外環境会議の実施 グローバル環境表彰の実施 第 6 次 トヨタ環境取組プラン の推進 生産 (83 社 ) 国内 (40 社 ) 海外 (43 社 ) 販売 (107 社 ) 国内 (55 社 ) 海外 (52 社 ) 各社 2016 年度目標達成に向けた取り組みの推進 各社異常 苦情の再発防止に向けた未然防止活動の強化 環境マネジメントシステムの維持 改善 トヨタ販売店 CSR チェックリストの徹底による環境取り組みの推進と環境管理充実による CO₂ 低減などの推進および第三者認証取得推進の支援 各地域統括会社 各国代理店が主導する環境取り組みの推進と強化 (CO₂ 低減など ) 販売店環境リスク監査 (DERAP *2 ) 推進と強化 国内 / 各地域の目標達成 異常 苦情ゼロ ISO 認承取得の更新 EMS 認証取得店数の拡大 地域ごとに環境取り組みの仕組みを構築 目標達成販売店数比率 :80% 以上 各社において計画的に対策を実施し おおむね目標達成 重大な漏出はなし しかし 軽微な異常が6 件発生 ( 異常 :TMCを除く国内 5 件 苦情 :1 件 ) ISO 取得率国内外とも 100% エコアクション 21 *1 取得販売店 :7 社 各地域とも 予定どおり 環境取り組みの 仕組み構築中 目標達成販売店数比率 :91% 達成 *1 エコアクション 21: 自主的に 環境への関わりに気づき 目標を持ち 行動することができる 簡易な方法を提供する目的で環境省が策定したガイドラインで 環境マネジメントシステム 環境パフォーマンス評価および環境報告を一つに統合したもの *2 DERAP(Dealer Environmental Risk Audit Program): 海外販売店のワークショップにおける環境リスクを軽減するための監査プログラム 生販一体の 12 社はどちらにも含む 国内外その他の会社 (65 社 ): 各社自主的な活動を推進 エコ ファクトリー活動 環境対策を確実に織り込み その地域で一番の工場を目指すことを目的に エコ ファクトリー活動を推進しています これは 新工場の建設や大規模な改装 生産能力の増強などのプロジェクトを対象に 企画 設備計画 操業の各段階で 環境対応を確実に織り込む仕組みを構築 展開する活動です 環境配慮は 現地現物 でチェックし 不具合がある場合に は是正し 環境対策を確実に織り込みます 2016 年は メキシコ 中国 ブラジル インドネシア マレーシアの8 工場で実施しました 今後もエコ ファクトリー活動を通して 各地域の環境保全に貢献していきます エコ ファクトリー活動 地域 事業所 工場名 企画 メキシコ TMMGT TMCAP GTE 中国 GTMC 第 3 工場 TFTM 新工場 ブラジル TDB 新エンジン工場 インドネシア TMMIN 新エンジン工場 マレーシア ASSB 第 2 工場 設備仕様監査 現物監査 ( 建屋 ) 現物監査 ( 設備 ) コンプライアンスリスク評価 パフォーマンス評価 生産能力増強工場 (2013 年度以降 ) 数字は 2016 年度実施および今後の実施予定年度 : 実施済み 117 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

119 環境への取り組み環境マネジメント グローバル環境表彰 海外事業体の改善活動の促進と 優秀な改善事例の横展 *1 を目的に グローバル環境表彰を実施しています 2016 年度は 世界 6 地域で選抜された19チーム中 上位 6 チームによる発表会を日本で開催し 継続的なCO₂ 低減活動 について発表したブラジルのTDB チームが最優秀賞を獲得しました 優秀賞を獲得したほか5チームも 各事業体にとって重要なテーマについて発表し 大きな成果を上げた事例でした *1 横展 : 改善事例やノウハウ 違反などの情報をグループ内で共有化すること 表彰の結果表彰の種類 改善チーム表彰 事業体表彰 分野 生産 生産事業体 ( 工場 ) 生産事業体 ( 工場 ) 物流 統括 生産 物流事業体 最優秀賞 TDB( ブラジル ) Challege 3 P96 TMMK( 米国 ) TMMI( 米国 ) TMMMS( 米国 ) FTCE( 中国 ) 優秀賞 TMMC( カナダ ) TSAM( 南アフリカ ) GTMC( 中国 ) TMCAP( 中国 ) TMT( タイ ) Challege 4 P100 Challege 2 P92 優良賞 TMMWV( 米国 ) TMMMS( 米国 ) Challege 4 P100 Toyota Logistics Services, Inc.( 米国 ) TMMP( ポーランド ) TMMF( フランス ) Toyota Logistics Services Deutschland GmbH( ドイツ ) TSAM( 南アフリカ ) TFTM( 中国 ) GTE( 中国 ) TKM( インド ) Challege 5 P106 TMT バンポー工場 ( タイ ) TMT ゲートウェイ工場 ( タイ ) TASA( アルゼンチン ) Challege 4 P100 最優秀賞を獲得した TDB メンバーと牟田専務役員 ( 当時 ) 遵法活動 生産活動における地域への環境リスクをゼロにするため 異常 苦情の未然防止を基本に据え 放置すると異常につながる恐れのある現象を異常ヒヤリと位置付け すべての異常ヒヤリについて真因追求を行い 個別に再発防止を行っています 特に影響が大きいと思われる事例については 再発防止対策を 全社環境事務局会議を通じて横展しています また オゾン層破壊物質 (ODS) の使用についても 全廃に向けて取り組んでいます 2016 年度は 大気や水に関する重大な漏出 罰金 制裁金の支払いはありませんでした しかし 本社工場において設備冷却水のホースが接続部から外れ 漏れた冷却水が設備周辺の油汚れを巻き込み 雨水側溝を通じて河川に流出し油膜が発生しました 直ちに行政へ報告するとともに油膜を回収し 再発防止対策として 発生源側ではホース接続方法などの改善を行い 流出側では最終の雨水貯槽に油膜検知器を設置するなどの早期発見の仕組みを全工場に横展しています PCB *2 廃棄物の届け出と保管については PCB 廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法 に基づき 2005 年度より高濃度 PCB 廃棄物の社外委託処理を始めています これまでに5,243 台の処理を済ませており 未処理の変圧器 コンデンサー 4 台については 引き続き委託処理を継続します 低濃度 PCB 含有機器も計画的に更新を進め 処理を推進しています 生産 6 工場における地下水の流出防止対策は 1997 年に完了しており 引き続き 浄化完了に向けて揚水曝気浄化を行い 基準値以下で処理しています トリクロロエチレンの測定結果は行政に報告するとともに 地域の方にも 地域協議会 の場で説明を行っています *2 PCB(Polychlorinated Biphenyl): ポリ塩化ビフェニル 環境データ P126-O P 118 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

120 環境への取り組み環境マネジメント 各国 各地域の都市大気環境改善に資する排ガス低減 大気汚染改善に向け排出ガスをクリーン化するため 触媒の浄化性能を高める研究 開発に取り組んでいます 2016 年度は 排出ガス浄化触媒の基材において 中心部と周辺部で断面積が異なるセルを一体成形した 世界初となる FLAD 基材を用いた触媒を商品化しました FLAD 基材は株式会社デンソーとの共同開発品で セルの密度を中心部と周辺部で最適化することで 触媒内部の排出ガス流れを均一化させることができます 結果 従来型と同等の排出ガス浄化性能を維持しながら 触媒貴金属の使用量約 20% 低減と触媒容量約 20% の小型化を実現しています 2017 年 3 月に発売したレクサス LC を皮切りに 新型車両に順次搭載していきます 今後も より少ない貴金属使用量で よりクリーンな排出ガス の実現に向け グループ会社 関係取引先と共同で 触媒の技術開発に積極的に取り組んでいきます 従来型触媒 セラミックス壁 排出ガス流路 触媒断面の拡大 セル 触媒材料塗布層 高セル密度部 低セル密度部 新型触媒 生産活動における VOC の低減 VOC * は 光化学スモッグを発生させる光化学オキシダント原因物質の一つであるため 塗装工程で排出されるVOC 低減の取り組みを進めています 具体的には塗料 シンナーを低減するとともに 塗装設備改装計画と連動した取り組みと日々の低減活動を継続的に推進しています 2016 年度も日々の低減活動による継続的なVOC 低減活動により TMCのボデー塗装 ( 全ライン平均 ) における面積当たりのVOC 排出量は14.6g/m²( 前年度比 8% 減 ) TMCおよび国内連結会社などのVOC 排出量は21.5g/m²( 前年度比 1.5% 減 ) となりました また TMCのバンパー塗装 ( 全ライン平均 ) におけるVOC 排出量は 193g/m²( 前年度比 24% 減 ) となりました * VOC(Volatile Organic Compounds): 塗料や接着剤等に含まれる 揮発性有機化合物 の総称で 常温常圧で大気中に容易に揮発するため 大気汚染や土壌汚染の原因となる物質が多く 人体への影響が懸念される TMC ボデー塗装の VOC 排出量 ( 全ライン平均 ) 推移 ( 国内 ) Third Party Assurance 年度 (g/m²) 塗装面積当たりのVOC 排出量 国内連結会社などのボデー塗装のVOC 排出量推移 年度 (g/m²) 塗装面積当たりのVOC 排出量 TMCおよび国内連結会社など計 8 社の車両組み立て工場 TMCバンパー塗装のVOC 排出量 ( 全ライン平均 ) 推移 ( 国内 ) 年度 (g/m²) 塗装面積当たりの VOC 排出量 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

121 環境への取り組み環境マネジメント ビジネスパートナーと連携した環境活動の推進 ( サプライヤー ) トヨタでは 多くのサプライヤーからさまざまな分野にわたる材料 部品 設備などを調達しており これまでも グリーン調達 *1 ガイドライン や各種勉強会などを通じて 共に環境取り組みを進めてきました 各国法規 規制への確実な対応 環境負荷物質管理の向上はもちろんのこと トヨタ環境チャレンジ2050 を受けて2016 年 1 月に改定した TOYOTAグリーン調達ガイドライン では GHG ( 温室効果ガス ) の削減 生態系への配慮など チャレンジの理念に沿った より幅広い環境取り組みの推進をお願いしており サプライヤーとの一層の連携を図りながら 取り組みを推進しています *1 グリーン調達 : 製品を製造するための部品 原材料 設備 その他のサービスの提供において 環境負荷の少ないものを優先的に調達すること グリーン調達ガイドライン のグローバルでの改定完了 サプライチェーンの気候変動 水環境に関するリスク 機会の把握 トヨタでは日本だけでなく 海外拠点においても調達を実施しており 各拠点で グリーン調達ガイドライン を発行しています 日本での TOYOTA グリーン調達ガイドライン 改定 (2016 年 1 月 ) を受け 海外拠点においてもガイドラインの改定を進め 2016 年度には15カ国 36 事業体で改定を完了しました 改定後は各国で説明会を実施するなど 普及活動を実施しています サプライヤーとの環境取り組みを継続的に実施 改善するため 2015 年度より CDPサプライチェーンプログラム を導入しています プログラムを通じ サプライチェーン *2 の環境関連のリスク 機会の状況について把握しています 対象のサプライヤーと説明会などのコミュニケーションを通じて 活動を深めています *2 サプライチェーン : 製造業における原材料調達から 生産管理 物流 販売まで製品の全体的な流れ REACH 規制など 世界の化学物質規制への確実な対応 左から TME( 欧州 ) TDEM( タイ ) 國瑞汽車 ( 台湾 ) の グリーン調達ガイドライン 環境に関する相互研鑽の実施 トヨタ主催で毎年 CSR 勉強会 を開催し 多くのサプライヤーに参加いただいています 2016 年度は トヨタ環境チャレンジ2050 をテーマに講演を行いました その他 環境訴求のため 本社地区に展示コーナーを設置し 6つのチャレンジを説明するとともに 動画やパンフレットによる情報発信をしています 化学物質の製造 使用による人への健康と環境への重大な悪影響の最小化のため 日本の化審法 欧州のELV 指令 *3 REACH 規制 *4 など 世界各国で化学物質への規制が強化されています トヨタではこれらの規制に対応するため サプライヤーと協力の上 化学物質管理の仕組みを構築し 運営しています 2016 年度は 国内のサプライヤーに自主点検を依頼し その結果をもとに 今後の取り組みに生かす活動を行いました *3 ELV 指令 (End of Life Vehicles): 欧州連合 (EU) において発効された 使用済み自動車が環境に与える負荷を低減するための廃自動車指令 *4 REACH 規制 (Registraion, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals): 欧州連合 (EU) において発効された 人の健康や環境の保護のために化学物質を管理する規則 120 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

122 環境への取り組み環境マネジメント ビジネスパートナーと連携した環境活動の推進 ( 販売店 販売代理店 ) トヨタと販売店 販売代理店は 製品 サービスの価値を共有し 固い信頼関係で結ばれています 環境活動においても 従来から連携した取り組みを進めてきました しかし お客様との接点である販売店での環境活動が急務と判断し 国内においてはトヨタ販売店 CSRチェックリスト の徹底 環境管理充実によるCO₂ 低減などに取り組んでいます 海外においては 各地域統括会社 各国代理店が主導する環境活動やDERAPを継続実施するなどして 環境マネジメントの強化推進を図っています 国内販売店における環境取り組みの推進 DERAP 達成販売店数比率の向上 トヨタ自動車販売店協会では 2005 年に制定した トヨタ販売店 CSR ガイドライン をもとに 全販売店が一丸となり 自主的な取り組みを推進しています さらに取り組みを進めるため 第三者による環境マネジメントシステム認証の取得を推奨し 環境に優しいお店 人づくりを加速し お客様からの信頼をより強固なものにしていくことを目指しています 2016 年度は 既存のトヨタ販売店 CSR チェックリストを利用したチェックの徹底をお願いするとともに エコアクション 21 取得を推奨しました 新たにエコアクション21 を取得した販売店は7 店舗です 今後も 連携して環境パフォーマンスを向上させるため トヨタ発信の新しい活動を計画するなどして 環境取り組みの底上げを図ります 海外販売店のワークショップにおける環境リスクを軽減するため DERAPを継続実施しています この監査プログラムの目標は 廃棄物や排水処理など環境基礎 5 項目についての体制確立です 2016 年度は世界 80カ国の83 代理店 4,233 販売店 ( 前年度比代理店 :12 増 販売店 :253 増 ) が参加しました そのうち 5 項目達成の販売店は参加全体の91% となりました ( 前年度比 2% 増 ) 世界レベルで見ると 参加していない代理店 販売店も多くあるため 今後も引き続きDERAP 参加の拡充と参加会社の活動推進を支援するとともに 販売店 販売代理店に対してのグローバルな環境取り組み指針に基づいた海外各地域の指針作成 運営進捗フォローに当たります TDB & ABRABIT 合同主催でエコディーラーを表彰 ( ブラジル ) ブラジルトヨタ販売店協会 ABRADIT は 販売店をまとめる役割として 1975 年に設立されました 以来 ブラジルの車両販売 生産会社 TDBと協力してさまざまな活動を実施し 各販売店に貢献しています 2014 年にブラジル国内で全国的な水不足問題が発生したことをきっかけに 環境意識向上を目的に 2015 年よりTDBとABRADIT 合同主催によるエコディーラー表彰を開始しました 2 年目となる2016 年度は 省エネルギー をテーマに設定し 応募 13 プロジェクト中 LED 照明採用およびエアコン省電力を実現した Kurumá Veiculosチーム が最優秀賞を受賞しました 表彰候補のチームメンバーと TDB のトップ 121 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

123 環境への取り組み環境マネジメント グローバル環境教育 啓発活動の一層の強化 国の施策に合わせ 1973 年より毎年 6 月を 環境月間 と定め 長年にわたり従業員の環境に対する意識 行動の向上のための取り組みを実施しています 1991 年からは トヨタ地球環境月間 として 活動をグローバルに広げています 期間中は世界共通のポスターを掲示 社長の環境への想いを伝える 社長メッセージ を海外事業体がおのおのの言語で展開 全工場を含む社内各所に設置されたモニターやイントラネットを使ってイベントを告知するなど 従業員への周知を図っています また 環境月間のより一層の認知度向上に向けて 社内のエコキャラクター エコバ君 が通勤時の工場正門や昼食時の食堂などで挨拶活動を実施しました 環境講演会 に講師としてお招きした宇宙飛行士の山崎直子氏は 地球温暖化や近年問題となっている宇宙ゴミなどについて話されるとともに トヨタが トヨタ環境チャレンジ 2050 を発表し 自主的に諸課題に取り組んでいることを評価されました 講演会は同時中継され 1,100 人以上の参加者が貴重なお話に聞き入りました さらに2017 年より 環境部長による社内向け環境セミナーの実施や 東京商工会議所が主催する 環境社会検定試験 ( エコ検定 ) 合格者への受験料補助など 年間を通した取り組みを加速しています 挨拶活動する エコバ君 宇宙飛行士山崎直子氏による講演 環境情報の積極的開示とコミュニケーションの充実 TMC は 年次の環境報告書やウェブサイト イベント出展などを通じて 環境情報の積極的な開示とコミュニケーションの充実に努めています 2017 年 2 月には 環境報告書 2016 が 環境省などが主催する第 20 回環境コミュニケーション大賞 地球温暖化対策報告優秀賞 を受賞しました 3 月には トヨタ環境チャレンジ2050 の達成に向けて 環境活動を行う従業員を紹介する動画コンテンツ econohito( エコノヒト ) をウェブサイトで公開しました また 海外連結子会社では 各国 各地域のニーズに沿って 幅広いステークホルダーと環境コミュニケーションを図っています 環境コミュニケーション大賞表彰式の様子 動画コンテンツ econohito トヨタ環境 econohito 検索 122 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

124 環境への取り組み環境データ 環境データ Challenge 1 新車 CO₂ ゼロチャレンジ A クリーンエネルギー車販売台数 ( グローバル ) Third Party Assurance 年 ( 千台 ) ハイブリッド車 プラグインハイブリッド車 1, ,400.6 燃料電池自動車 合計 1, ,402.6 Challenge 2 ライフサイクル CO₂ ゼロチャレンジ B TMC 自動車生産 10 工場 物流工程における資源投入量と排出量 (2016 年度国内 ) 大気への排出 大気への排出 インプット 生産工程 温室効果ガス排出量 [ 93.4 万トン C O ₂] CO₂ 排出量 [28.2 万トン C O ₂] プレス 溶接 塗装 物流工程 総エネルギー消費量 [ ⁶GJ] 水使用量 [ 949 万 m³] エンジン 鋳造 鍛造機械加工トランスミッションなど組立水域などへの排出 総排水量 [1,160 万 m³] 熱量換算係数 : 地球温暖化対策の推進に関する法律 ( 平成 28 年 4 月 ) を使用 排出物 廃棄物などの総排出量 [ 28.6 万トン ] インプット 梱包 包装資材使用量 [ 5.14 万トン ] 工場 事業所の環境データ Challenge 3 工場 CO₂ ゼロチャレンジ C TMC エネルギー別熱量構成比率 (2016 年度国内 ) Third Party Assurance D グローバル CO₂ 実排出量 ( エネルギー起源 固定発生源 ) Third Party Assurance 電力都市ガスその他 68% 30% 2% 年度 CO₂ 総量 ( 万トン ) TMC 日本 ( 除くTMC) 北米 中国 欧州 アジア 豪州 中近東 南アフリカ 中南米 総量合計 ( トン / 台 ) 生産台数当たりのCO₂ 実排出量 対象範囲 :TMCおよび国内外連結会社など計 121 社 換算係数 :GHGプロトコルを使用環境データ P126-Q 環境データ P127-W 123 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

125 環境への取り組み環境データ E グローバルエネルギー消費量 ( 固定発生源 ) Third Party Assurance 年度 地域別 (PJ *1 ) TMC 日本 ( 除く TMC) 北米 中国 欧州 アジア 豪州 中近東 南アフリカ 中南米 合計 (GJ *2 / 台 ) 生産台数当たりのエネルギー消費量 *1 PJ( ペタジュール ):P( ペタ ) は 10 の 15 乗倍 J( ジュール ) はエネルギー量の単位 *2 GJ( ギガジュール ):G( ギガ ) は 10 の 9 乗倍 J( ジュール ) はエネルギー量の単位 対象範囲 :TMC および国内外連結会社など計 121 社 環境データ P126-Q 換算係数 :GHG プロトコルを使用 環境データ P127-X 年度 種類別 (PJ) 電力 都市ガス 天然ガス LPG LNG コークス 石炭 A 重油 軽油 灯油 蒸気 温水 その他 再生可能エネルギー 合計 Challenge 4 水環境インパクト最小化チャレンジ F グローバル水源別取水量 年度 2016 ( 百万 m³) 市水 46.0 地下水 9.0 雨水 0.2 他組織からの排水 2.1 対象範囲 :TMCおよび国内外連結会社など計 104 社 G グローバル排出先別排出量 年度 2016 ( 百万 m³) 河川 / 湖沼 23.2 地表半塩水 / 海 2.6 下水道 8.9 他の組織 0.6 対象範囲 :TMCおよび国内外連結会社など計 69 社 H グローバル排水リサイクルした水の総量年度 2016 ( 百万 m³) 排水リサイクルした水量 1.4 対象範囲 :TMCおよび国内外連結会社など計 15 社 124 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

126 環境への取り組み環境データ Challenge 5 循環型社会 システム構築チャレンジ I TMC のリサイクル実効率および ASR *1 再資源化率の推移 ( 国内 ) Third Party Assurance L TMC 修理交換済みパーツの回収 リサイクルの実績 (2016 年度国内 ) 年度 (%) リサイクル実効率 *2 ( 車両換算値 ) *3 ASR 再資源化率 *1 ASR(Automobile Shredder Residue): 使用済み自動車の破砕処理後に出る廃棄物 *2 リサイクル実効率 : 解体 シュレッダー工程までで再資源化される比率約 83%(2003/4 合同会議報告書より引用 ) に 残りの ASR 比率 17% ASR 再資源化率 98% を合算して算出 *3 ASR 再資源化率 : 再資源化量 / 引き取り量 バンパー 77.0 万本 ( 回収率 67.4%) 鉛バランスウェイト * トン *5 タンクローリー車によるバルク方式給油量部品共販店販売量の64.4% *4 鉛バランスウエイト : ホイールとタイヤが組み合わさったときの回転バランスをとるための重り *5 バルク方式 : 敷地内に設置された容量の大きな貯槽やタンクなどに 直接充填したり給油したりする方式 M TMC 中古部品 リビルト部品の供給実績 (2016 年度国内 ) J TMC 修理交換済みバンパーの回収量の推移 ( 国内 ) 年度 ( 万本 ) 回収量 (%) 回収率 部品名称 リビルト部品 供給点数 中古部品 リビルト部品新品 ( 参考 ) A/T トランスミッション 1, パワーステアリングギア 3,723 1,814 トルクコンバーター 1,293 8,052 中古部品 35,379 K 使用原材料質量および使用原材料におけるリサイクル材の割合 ( グローバル ) 年度 2016 ( 万トン ) 使用原材料質量 1,390 (%) 使用原材料におけるリサイクル材の割合 24 Challenge 6 人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ N トヨタ環境活動助成プログラム助成実績 ( グローバル ) 年度 累計 活動対象地域 ( 件数 ) アジア 太平洋 北米 中南米 アフリカ 欧州 日本 合計 ~ 2016 年度 ( 助成テーマ : 生物多様性 地球温暖化 ) 125 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

127 環境への取り組み環境データ 環境マネジメント O TMC 環境関連異常 苦情 ( 国内 ) P TMC トリクロロエチレン測定 (2016 年度国内 ) Third Party Assurance 年度 ( 件 ) 工場 (mg/l)( 環境基準値 :0.01) 浄化前地下水測定データ 異常 苦情 地球環境に寄り添って - トヨタの環境取り組み の P24 参照 2 地球環境に寄り添って - トヨタの環境取り組み の P15 参照 異常 苦情の数は社内基準によるものです 1 2 本社 未満 0.93 元町 未満 0.12 上郷 未満 0.10 高岡 未満 0.18 三好 未満 0.10 堤 未満 0.27 上記 生産 6 工場における地下水の流出防止策は 1997 年に完了浄化完了に向けて引き続き揚水曝気浄化を行い 基準値以下で処理していますトリクロロエチレンの測定結果は行政に報告また地域の方にも 地域協議会 の場で説明を実施 トヨタ自動車 (TMC) の全工場で測定 記載工場以外では検出していません 測定ポイントは各工場に複数あるため 測定値に幅があります Q 掲載データの対象範囲 (TMC および国内外の連結会社など計 121 社 ) Third Party Assurance TMC:1 社 国内 : 連結 EMS の国内の主な対象会社 (P44) のうち 39 社およびその子会社を含む計 77 社 1 グループ 2 グループ 3 グループ 4 グループ 5 グループ 岐阜車体工業ダイハツ工業トヨタ自動車九州トヨタ自動車東日本トヨタ自動車北海道トヨタ車体日野自動車 愛三工業アイシン エィ ダブリュアイシン エーアイアイシン精機アイシン高丘愛知製鋼ジェイテクトデンソー東海理化豊田合成豊田自動織機トヨタ紡織 キャタラー協豊製作所中央精機トヨタホームプライムアース EV エナジー豊精密工業 アドマテックスシンテックホズミトヨタタービンアンドシステム日本ケミカル工業 FTS 共和レザー小糸製作所大豊工業中央紙器工業中央発條津田工業豊田鉄工トリニティ工業ファインシンター 海外 : 生産および生販一体会社 43 社 北米 中国 欧州 アジア 豪州 中近東 南アフリカ 中南米 TMMK( 米国 ) TMMI( 米国 ) TMMWV( 米国 ) TMMAL( 米国 ) TMMTX( 米国 ) TMMMS( 米国 ) BODINE( 米国 ) TABC( 米国 ) TMMC( カナダ ) CAPTIN( カナダ ) TMMBC( メキシコ ) TFTM TFTD TTFC TFAP TFTE FTCE SFTM GTMC GTE TMCAP TMR( ロシア ) TMMP( ポーランド ) TMMF( フランス ) TMUK( 英国 ) TMMT( トルコ ) TPCA( チェコ ) TSAM( 南アフリカ ) TKM( インド ) TKAP( インド ) IMC( パキスタン ) TMMIN( インドネシア ) TMT( タイ ) STM( タイ ) ASSB( マレーシア ) TMP( フィリピン ) TAP( フィリピン ) TMV( ベトナム ) kouzui( 台湾 ) TMCA( オーストラリア ) TASA( アルゼンチン ) TDB( ブラジル ) TDV( ベネズエラ ) R グローバル新車平均 CO₂( 日本 米国 欧州 中国 ) 2010 年度比低減率に用いた換算係数 ガソリン 軽油 2.32kg-CO₂/L 2.58kg-CO₂/L 地球温暖化対策の推進に関する法律 温室効果ガス排出量算定 報告マニュアル Ver Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

128 環境への取り組み環境データ S Scope3 の 15 カテゴリーの排出量および排出量比率算出に用いた換算係数 カテゴリー 換算係数 カテゴリー 1( 購入した製品 サービス ) 環境省 サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース Ver2.4 カテゴリー 2( 資本財 ) 産業環境管理協会 カーボンフットプリントコミュニケーションプログラム基本データベース Ver1.01 カテゴリー 3(Scope1 2 に含まれない燃料およびエネルギー関連活動 ) 地球温暖化対策の推進に関する法律 温室効果ガス排出量算定 報告マニュアル Ver4.3 カテゴリー 5( 事業活動から出る廃棄物 ) カテゴリー 6( 出張 ) 環境省 サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース Ver2.4 カテゴリー 7( 雇用者の通勤 ) 環境省 サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース Ver2.4 産業環境管理協会 カーボンフットプリントコミュニケーションプログラム基本データベース Ver1.01 ガソリン 軽油 2.66kg-CO₂/L 2.74kg-CO₂/L カテゴリー 9( 輸送 配送 ( 下流 )) 地球温暖化対策の推進に関する法律 温室効果ガス排出量算定 報告マニュアル Ver4.3 カテゴリー 11( 販売した製品の使用 ) 産業環境管理協会 カーボンフットプリントコミュニケーションプログラム基本データベース Ver1.01 ガソリン 軽油 2.66kg-CO₂/L 2.74kg-CO₂/L 地球温暖化対策の推進に関する法律 温室効果ガス排出量算定 報告マニュアル Ver4.3 ガソリン 軽油 2.32kg-CO₂/L 2.58kg-CO₂/L T TMC 物流 CO₂ 排出量の推移 ( 国内 ) に用いた換算係数 鉄道 船舶 ガソリン 軽油 C 重油 22.0g-CO₂/ トン km 39.0g-CO₂/ トン km 2.32kg-CO₂/L 2.62kg-CO₂/L 2.98kg-CO₂/L ロジスティック分野における CO₂ 排出量算定方法共同ガイドライン Ver.3.0 ( 経済産業省 国土交通省 ) などを使用 V グローバル CO₂ 排出量 ( エネルギー起源 固定発生源 ) と生産台数当たりの CO₂ 排出量の推移に用いた換算係数 GHG プロトコルを使用して算定 電力 :CO₂Emissions from Fuel Combustion, 2007 edition, IEA, Paris, France の 2001 年の換算係数を使用 電力以外 : 2006 IPCC Guidelines for National Greenhouse Gas Inventories, Prepared by the National Greenhouse Gas Inventories Programme, Eggleston H.S., Buendia L., Miwa K., Ngara T. and Tanabe K. (eds). Published: IGES, Japan. 都市ガス 蒸気 温水 冷水 コークス炉ガス : 地球温暖化対策の推進に関する法律 ( 平成 28 年 4 月 ) を使用 U TMC CO₂ 排出量 ( エネルギー起源 固定発生源 ) と生産台数当たりの CO₂ 排出量の推移に用いた換算係数 電力 A 重油 C 重油灯油 LPG kg-CO₂/kWh kg-CO₂/L kg-CO₂/L kg-CO₂/L kg-CO₂/kg W グローバル CO₂ 実排出量に用いた換算係数 ( エネルギー起源 固定発生源 ) GHG プロトコルを使用して算定 電力 :CO₂Emissions from Fuel Combustion, 2016 edition, IEA, Paris, France の 2014 年の換算係数を使用 電力以外 : 2006 IPCC Guidelines for National Greenhouse Gas Inventories, Prepared by the National Greenhouse Gas Inventories Programme, Eggleston H.S., Buendia L., Miwa K., Ngara T. and Tanabe K. (eds). Published: IGES, Japan. 都市ガス 蒸気 温水 冷水 コークス炉ガス : 地球温暖化対策の推進に関する法律 ( 平成 28 年 4 月 ) を使用 都市ガスコークス石炭温水冷水蒸気 kg-CO₂/Nm³ kg-CO₂/kg kg-CO₂/kg kg-CO₂/MJ * kg-CO₂/MJ kg-CO₂/MJ X グローバルエネルギー消費量 ( 固定発生源 ) に用いた換算係数 電力 : 熱量換算係数は 3.6(GJ/MWh) を使用 その他の熱量換算係数 : 地球温暖化対策の推進に関する法律 ( 平成 28 年 4 月 ) を使用 *MJ( メガジュール ):M( メガ ) は 10 の 6 乗倍 J( ジュール ) はエネルギー量の単位 1990 年経団連係数を使用して算定 127 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

129 環境への取り組み環境データ 環境会計 環境コスト集計範囲 : トヨタ自動車 環境省フォーマットによる 年度実績 Third Party Assurance ( 億円 ) 分類 事業エリア内コスト 上 下流コスト 管理活動コスト 研究開発コスト社会活動コスト環境損傷対応コスト合計 1 公害防止コスト 2 地球環境保全コスト 3 資源循環コストリサイクル関連費用 業界団体分担金環境広告 環境報告書発行費用 環境専任スタッフ費用など環境負荷低減のための研究開発費用環境保全団体への寄付など土壌 地下水汚染の修復のための費用など トヨタボデーメーカー 5 社 投資 費用 投資 費用 投資 費用 投資 費用 , , , , ,416 4, ボデーメーカー 5 社 ( 上記表および下記実質的効果の表 ): トヨタ自動車東日本 ダイハツ工業 トヨタ車体 日野自動車 トヨタ自動車九州 ( 各社採用基準に基づき集計 ) 経済効果環境効率 ( 売上高 / 環境負荷 ) 実質的効果 Third Party Assurance 自動車生産による CO₂ 指標 10 工場のみ Third Party Assurance 1 ボデーメーカー 5 社年度 ( 億円 ) 省エネによるエネルギー費低減 廃棄物処理費用の低減 リサイクル品売上 その他 ( 環境関係技術収入ほか ) 合計 年度 指数 ( 百億円 ) 売上高 976 1,104 1,121 1,159 1,148 売上高 /CO₂ 排出量を指標とし 1990 年度を100とした指数を表示 顧客効果ハイブリッド車への代替による石油消費量節約 Third Party Assurance 自動車生産による廃棄物指標 Third Party Assurance 年度 ( 億円 ) 1997 年 12 月 ( 初代プリウス 発売 ) 累計 日本 2,158 2,268 14,098 世界 5,956 6,195 42,376 顧客効果 算定方法 ( 日本の場合 ) 年度 指数 ( 百億円 ) 売上高 976 1,104 1,121 1,159 1,148 売上高 / 廃棄物発生量を指標とし 1990 年度を100とした指数を表示 算定方法 :( 平均燃費差 2 保有台数 3 平均年間走行距離 4 ) 各年度の平均ガソリン単価 5 2 その年度に走行している HV とそれに相当するガソリン車の燃費の差 3 毎年販売された HV 台数から 平均車齢を考慮してトヨタで推計したお客様の保有台数 4 トヨタ推計 5 財団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センター調査による各年度全国平均ガソリン単価 128 Sustainability Data Book 2017 環境への取り組み

130 ガバナンス コーポレートガバナンス 130 リスクマネジメント 133 コンプライアンス 138 CSR の実績データ集 140 ISO 対照表 142

131 コネクティッドカンパニーパワートレーンカンパニー新興国小型車カンパニーGAZOO Racing Company ガバナンスコーポレートガバナンス コーポレートガバナンス 基本的な考え方 トヨタは 持続的な成長と長期安定的な企業価値の向上を経営の重要課題としています その実現のためには 株主やお客様をはじめ 取引先 地域社会 従業員などの各ステークホルダーと良好な関係を築くとともに お客様に満足していただける商品を提供し続けることが重要と考え コーポレートガバナンスの充実に取り組んでいます なお トヨタは2015 年 6 月に適用されたコーポレートガバナンス コードの各原則についてすべてを実施しており その内容についてはコーポレートガバナンス会議において審議した上で 取締役会に報告しています 2011 年 3 月には 当時の経営環境を踏まえ トヨタ基本理念 をもとに トヨタグローバルビジョン を発表し トヨタはお客様に選ばれる企業でありたい そして トヨタをお選びいただいたお客様に 笑顔になっていただける企業でありたい という想いのもと 企業の目指すべき方向性を明らかにしています 過年度実績および本年度の主な取り組み 2016 年度の主な取り組み ( 実績 ) 2017 年度の主な取り組み プレジデントへの責任 権限の集約による 意思決定の迅速化を狙いとしたカンパニー制への移行 取締役会における意思決定や執行監督を有効に行う仕組みのさらなる強化 サステイナブルマネジメントレポート ( アニュアルレポート ) の発行による 財務情報や非財務情報の統合的で一貫性のある発信とステークホルダーとの建設的な対話の促進 意思決定と業務執行のスピードをさらに上げるため 執行役員制度を導入 取締役 = 意思決定 監督 と 執行役員 = 業務執行 の位置付けを一層明確化 従来の地域軸ビジネスユニットを 事業 販売ビジネスユニット に再編 地域軸一丸となって製品軸カンパニーと連携 推進体制 仕組み 業務執行 監督 トヨタグローバルビジョン の実現に向けた業務執行体制として 今までにないスピードで激しく変化する外部環境に迅速に対応するための取り組みを続けており 2011 年の 地域主体経営 2013 年の ビジネスユニット制 に続き 2016 年には カンパニー制 を導入しました カンパニー 制では 製品軸カンパニーが開発から製造までを一括して担当するオペレーションを実施し 事業 販売ビジネスユニット (2017 年 4 月に従来の地域別ビジネスユニットを再編 ) と連携することにより お客様目線の もっといいクルマづくり を推進しています カンパニー制のイメージ図 ヘッドオフィス ビジネスユニット 未来創生センター 直轄部署 EV 事業企画室 コーポレート戦略部 経営支援室など 各本部事業開発 海外 広報 総務 人事 情報システム 経理 販売金融事業 調達 カスタマーファースト推進 生産企画 地域軸 事業 販売先進技術開発カンパニーToyota Compact Car Company Mid-size Vehicle Company CV Company 製品軸 Lexus International Co. 130 Sustainability Data Book 2017 ガバナンス

132 ガバナンスコーポレートガバナンス さらに 2017 年 4 月には 意思決定と業務執行のスピードをさらに上げるため 取締役 = 意思決定 監督 と 執行役員 = 業務執行 の位置付けを一層明確にしました 取締役会のもと コーポレート企画会議 でさまざまな社会課題に対してトヨタが提供する価値を織り込んだ成長戦略を検討し 経営と一体としてのCSR 企業価値向上を全社で推進します また 業務執行の監督として コーポレートガバナンス会議 において それらの戦略を実現するガバナンス体制を審議します また インターナショナル アドバイザリー ボード を設置し 随時海外各地域の有識者からグローバルな視点で さまざまな経営課題に関するアドバイスを受けています その他 労使協議会 労使懇談会 などの各種協議会を通じて さまざまなステークホルダーの視点から 経営や企業行動の在り方について審議 モニタリングを行っています 取締役会および体制 当社の取締役会は 取締役 9 人 ( うち社外取締役 3 人 ) で構成されています 取締役体制については 的確かつ迅速な意思決定と適材適所の観点より総合的に検討しています トヨタが重視する もっといいクルマづくり 現地現物 の精神を理解 実践し 将来にわたる持続的成長に向けた意思決定に貢献できる人材を中心とすることが必要だと考えています 取締役の選任については 社外取締役が半数を占める 役員人事案策定会議 にて取締役会に上程する案を検討しています またトヨタは 経営の意思決定に社外の声を十分に反映するため 社外取締役 3 人を選任し 全員を独立役員として金融商品取引所に届け出をしています 独立役員である社外取締役の選任に当たっては 会社法に定める社外取締役の要件および金融商品取引所が定める独立性基準に従って検討しています 社外取締役からは トヨタの経営判断 意思決定の過程で 業務執行から独立した立場で専門分野を含めた幅広い経験 見識に基づいた助言をいただいています 監査役制度 トヨタは 監査役制度を採用しており 監査役 6 人 ( 社外監査役 3 人を含む ) は 監査役会が定めた監査の方針および実施計画に従って監査活動を実施し コーポレートガバナンスの一翼を担っています 監査役の選任については 専門分野を中心とした幅広い経験 見識があり 業務執行状況の監査に加え 公正 中立的な立場で経営に対する意見 助言をいただける人材が必要だと考えており 社外取締役が半数を占め る 役員人事案策定会議 にて監査役会に提案する内容を検討しています また 3 人の社外監査役を選任しており 全員を独立役員として金融商品取引所に届出をしています 社外監査役選任に当たっては 会社法に定める社外監査役の要件および金融商品取引所が定める独立性基準に従って検討しています 取締役 監査役の報酬 取締役の報酬および賞与は 会社業績との連動性を確保し 職責や成果を反映した報酬体系としており 出身国の報酬水準も踏まえて支給額および支給方法を定めています 賞与は 毎年の連結営業利益を踏まえて 配当 従業員の賞与水準 他社の動向 および中長期業績や過去の支給実績などを総合的に勘案の上 支給しています また 社外取締役の報酬については 独立した立場から経営の監視 監督機能を担う役割に鑑み 賞与の支給はありません 取締役の報酬およ び賞与については 社外取締役が半数を占める 報酬案策定会議 にて 取締役会への上程案を作成し 取締役会にて決定します また 監査役の報酬は 基本報酬のみとし 賞与の支給はありません 会社業績に左右されにくい報酬体系とすることで 経営に対する独立性を担保しています 監査役の報酬については 株主総会の決議によって定められた報酬枠の範囲内において監査役の協議によって決定しています 131 Sustainability Data Book 2017 ガバナンス

133 ガバナンスコーポレートガバナンス 取締役会の実効性の分析 評価 取締役会議長の指示に基づき 取締役会事務局が 実施状況に関する定量的な分析を行った後 取締役会メンバー ( 取締役および監査役 ) に対して 執行やその監督などの状況に関するアンケートを実施しています また アンケート結果に基づき 社外取締役と社外監査役を含む取締役会メンバーに個別インタビューも実施しました これらを取締役会事務局 が取りまとめ 取締役会議長に説明の上 その結果を取締役会にて報告 議論しています 2016 年度については今回の評価の結果 実効性が担保されていることが確認されました さらなる実効性向上に向けて 評価の過程で得られた 情報共有 や 運営 などに関する意見に基づき 2017 年度中に改善を進めます コーポレートガバナンス体制 ( 現場重視 + 多方面からのモニタリング ) 選任 株主総会 選任 監査役会 ( 半数以上の社外監査役 ) 監査 取締役会 ( 社外取締役を含む ) 意思決定 監督 提案 役員人事案策定会議 報酬案策定会議 外部監査人 付議 報告 執行役員 業務執行 監督 助言 インターナショナル アドバイザリー ボード 会計監査 内部統制監査 監査 ヘッドオフィス ビジネスユニットカンパニー 対話 労使協議会 労使懇談会 監督 コーポレートガバナンス会議 ガバナンス リスクマネジメント 監査 報告 情報開示委員会 開示統制 内部監査部門 内部統制 内部統制システムに関する基本的な考え方およびその整備状況 業務の適正を確保するための体制に関する基本認識 業務の適正を確保するための体制とその運用状況の概要 トヨタ基本理念 および トヨタ行動指針 に基づき 子会社を含めて健全な企業風土を醸成しています 実際の業務執行の場においては 業務執行プロセスの中に問題発見と改善の仕組みを組み込むとともに それを実践する人材の育成に不断の努力を払っています 内部統制の整備に関する基本方針 に基づき 企業集団としての業務の適正を確保するための体制整備とその適切な運用に努めています また 毎事業年度 内部統制の整備 運用状況の点検を行い 内部統制の運用実施部署における活動が自律的に実施され 必要に応じ強化が図られていることを確認するとともに その内容をコーポレートガバナンス会議および取締役会で確認しています 内部統制システムに関する基本的な考え方およびその整備状況の詳細は コーポレートガバナンス報告書 IV 内部統制システム等に関する事項 をご覧ください コーポレートガバナンス報告書 Web Sustainability Data Book 2017 ガバナンス

134 ガバナンスリスクマネジメント リスクマネジメント 基本的な考え方 2010 年の一連のリコール問題を踏まえ トヨタはリスクマネジメント体制の強化を図ってきました 同年 6 月に リスクマネジメント委員会 ( 現 コーポレートガバナンス会議 ) を設置し グローバルならびに各セクションにリスク責任者を任命するなど 事業活動において発生するリスクを予防 軽減するための活動にグローバルで取り組んでいます 推進体制 仕組み グローバルリスクマネジメントの責任者として グローバル CRO( チーフリスクオフィサー ) を設置し 日常のリスク監視を行う体制を整備したことにより 有事の際の迅速な対応を可能にしています グローバルCRO の下には 各地域を統括する 地域 CRO を配置し 地域ごとのリスクマネジメント体制を構築しています また 社内のヘッドオフィスでは機能別リスク担当として各本部長 各部門リスク責任者を 各カンパニーでは製品別のリスク担当として各プレジデント 各カンパニーリスク責任者を任命し 各地域本部と連携 サポートしあえる体制をとっています さらに 2015 年 4 月より 業務執行の監督としての コーポレートガバナンス会議 において さまざまな社会課題を踏まえた成長戦略 事業戦略を実現するガバナンス体制を審議しています 同会議のうち年 2 回は 各地域 CRO 全本部長 全カンパニープレジデントが委員として参加し リスク予防のアクションにつなげるという目的で 事業活動を妨げるリスクを徹底的に洗い出し 現状直面する重要リスク項目の確認 報告 地域別リスクマネジメント体制の改善 強化状況の確認を行います また グローバルに影響が及ぶ至近リスク 重要リスクについての取り組み状況報告などを行い リスクの管理 予防に努めています さらに近年 企業においてリスクが増大している 情報セキュリティ BCM( 事業継続マネジメント ) については 特段の取り組みを進めています トヨタの事業などのリスクについては 投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある 市場および事業に関するリスク 金融 経済のリスク 政治 規制 法的手続 災害などに関するイベント性のリスク などの事項を有価証券報告書に記載しています 有価証券報告書 Web 推進体制 取締役会 コーポレートガバナンス会議 リスクマネジメント議長 : グローバル CRO 寺師副社長 各地域本部 ヘッドオフィス各本部 各カンパニー 地域 CRO 連携 各本部長 連携 各プレジデント 地域各機能 各部門リスク責任者 各カンパニーリスク責任者 連携 133 Sustainability Data Book 2017 ガバナンス

135 ガバナンスリスクマネジメント 情報セキュリティの取り組み 近年 サイバー攻撃が巧妙 複雑化しています 会社の情報や情報システムのほか ネットワークでつながる工場設備や自動車などの制御に関するシステムも サイバー攻撃のターゲットとなりつつあり トヨタにおける情報セキュリティの重要性は高まっています トヨタは このようなサイバー攻撃などの脅威から お客様の安全 安心を確保するとともに 個人情報などのお客様の財産を守ることを社会的責務として捉え ガバナンスおよびリスクマネジメントの観点から 情報セキュリティ強化に向けてさまざまな活動に取り組んでいます 2016 年 6 月には 情報セキュリティの基本的な考え方や取 り組み姿勢を明確にし トヨタおよびトヨタの連結子会社が一体となって情報セキュリティに取り組むことを目的として 情報セキュリティ基本方針 を定めました トヨタの基本的な姿勢 1 法令順守 2 安定した経営基盤の維持 3 安全な商品 サービスの提供 4 安全なサイバー空間づくりへの貢献 5 情報セキュリティマネジメント 情報セキュリティ基本方針 Web 推進体制 仕組み 情報セキュリティ統括責任者のもと セキュリティ分野ごとに責任者を配置し 活動を推進しています また 各セキュリティ分野の活動内容や全体の共通課題に ついては 情報セキュリティ推進会議で共有 検討し トヨタ全体の情報セキュリティの向上を図っています 取締役会 コーポレートガバナンス会議 情報セキュリティ推進会議 セキュリティ分野 ( トヨタにおける情報セキュリティリスクに応じて設定 ) 議長 : 情報セキュリティ統括責任者 (CISO: Chief Information Security Officer) 友山専務役員 機密情報管理個人情報管理 情報システムコネクティッドカー設備制御システム販売金融 社内各部 施策展開 推進 トヨタ子会社 施策展開 サポート 134 Sustainability Data Book 2017 ガバナンス

136 ガバナンスリスクマネジメント 情報管理の取り組み トヨタは 内部からの情報の漏洩防止や近年増加するサイバー攻撃などに対応する仕組みとして トヨタおよびトヨタの子会社 関連会社を対象とした オールトヨタセキュリティガイドライン (ATSG) を定め 情報セキュリティの徹底に取り組んでいます ATSG では 取り組むべき対策として 組織的管理策 人的管理策 技術的管理策 物理的管理策のほか 事件 事故発生時の対応体制の整備を定めており さまざまな観点からの情報セキュリティ確保につなげています なお ATSG による各社の情報セキュリティの取り組み状況の点検を年 1 回実施することにより 各社の情報セキュリティの継続的な維持 向上に努めています オールトヨタセキュリティガイドライン (ATSG) 1 組織的管理策 ( 体制 ルールの整備など ) 2 人的管理策 ( 従業員への教育など ) 3 技術的管理策 ( ネットワーク対策など ) 4 物理的管理策 ( 入退室管理など ) 5 事件 事故発生時の対応体制の整備 子会社 関連会社への ATSG 推進の仕組み トヨタ本社 1ATSG 展開 点検要請 3 点検結果報告 4 改善アドバイス サポート 子会社関連会社 2 自主点検実施 5 改善取り組み実施 トヨタ流事業継続マネジメント (BCM) 東日本大震災 やタイの洪水などの大規模災害においては トヨタは自社が直接的な被災をしていないにも関わらず 生産が長期間にわたり継続できない事態に陥り 販売 サービスの両面でお客様にご迷惑をおかけしました 昨今は 南海トラフ巨大地震 の発生が危惧されていますが その被災想定エリアにトヨタグループの主要機能が集中しており 大規模地震が起きた場合は生産や物流などに甚大な影響が生じると予想されます そうした万一の場合に備え トヨタが策定しているのが 限られたリソーセスで事業の早期復旧を実現するための 事業継続計画 (BCP * ) です トヨタは いい町 いい社会 づくりへの貢献という目的のもと 災害時は下記行動規範にのっとって復旧に取り組むこととし 2016 年 4 月に発生した 熊本地震 でも この BCP に基づき対応に当たりました * BCP(Business Continuity Plan) トヨタの行動規範 ( 災害時の優先順位 ) 1 人道支援 ( 人命第一 救援 ) 2 被災地 ( 地域 ) の早期復旧 3 自社の業務 生産復旧 トヨタの BCM 活動 トヨタのBCPは 訓練などによりPDCA *1 を回して改善を行うことで その実効性を高め続けています この活動を 事業継続マネジメント (BCM *2 ) と位置付け 従業員 家族 トヨタグループ 仕入先 トヨタ が 三位一体 となった活動として推進しています こうしたBCPの策定 見直しの過程を通じて有事に強い人材を育成し 平時から危機に強い組織 職場 個人づくりを BCPを策定 改定有事の行動計画 1 体制表 2 業務フロー 3 業務手順書 P A 課題のつぶし込み BCM D C 訓練などの実施 課題の洗い出し 目指しています *1 PDCA:Plan( 計画 ) Do( 実行 ) Check( 評価 ) Action( 改善 ) を繰り返すことによって 業務を継続的に改善するサイクル *2 BCM:Business Continuity Management 従業員 家族 トヨタ トヨタグループ 仕入先 三位一体で活動 135 Sustainability Data Book 2017 ガバナンス

137 ガバナンスリスクマネジメント 人道支援 被災地 ( 地域 ) の早期復旧 災害時は 行動規範にのっとった地域復旧を優先させる という活動の実行性を高め 災害に強いまちづくりに貢献するため トヨタは行政との包括的な災害支援協定を締結しています (2013 年 10 月 : 豊田市 2014 年 2 月 : みよし市 2015 年 3 月 : 田原市 2015 年 8 月 : 裾野市 ) その中で 人道支援 地域復旧支援は行政との相互協力のもとで実施することとし あらかじめBCPの中に織り込んで実施体制を整備するとともに 行政との合同訓練を実施するなど 平時からの備えを進めています 主な支援内容は右記のとおりです その他 指定避難場所用施設の提供など 行政ごとに締結している内容もあります 支援の具体的内容 1 災害発生時の救援 救護活動 2 大規模震災時における一時避難場所の提供 ( 被災した地域住民の受け入れ ) 3 食料 飲料水 生活物資などの行政 ( 市民 ) への提供 4 市設置の救援物資など受け入れ施設における荷役支援 5 地域インフラ ( 上下水道 道路など ) 復旧工事などに必要な用地の提供 6 社員の地域復旧活動への参画 サプライヤーと一体となった災害に強いサプライチェーンの構築 これまでトヨタは 1. 人道支援 2. 被災地の早期復旧 3. 自社の業務 生産復旧 の優先順位の考え方に基づき 復旧支援をしてきました 特に東日本大震災以降は さらなる初動迅速化 復旧早期化を目指し 各国 各地域でサプライヤーと一体となった 災害に強いサプライチェーンの構築 に努め 平時からの サプライチェーン情報の見える化 と 災害に備えた対策 を推進してきました 日本における サプライチェーン情報の見える化 では 日本のモノづくりを守る という思いのもと 非常に機密性の高い情報をサプライヤーからご提供いただき データベース (RESCUE *3 システム ) を構築しました トヨタは 各社の情報について守秘義務を厳守しつつ 災害時に有効活用するための定期訓練をサプライヤーとともに実施 2016 年 4 月に発生した熊本地震の際も活用されました 本システムは汎用化され 活動事例を含めて日本自動車工業会を通じて他社へも展開しており 災害に強いサプライチェーン基盤構築の一助となっています 海外でも各国 各地域で サプライヤーと一体となった同様の取り組みが進められています *3 RESCUE:REinforce Supply Chain Under Emergency サプライチェーン情報を保有する RESCUE の仕組み トヨタ自動車 RESCUE サプライヤー TOYOTA 一次仕入先二次仕入先三次仕入先 サプライチェーン情報データベース リスク分析 サプライチェーン情報共有 サプライチェーン情報登録 136 Sustainability Data Book 2017 ガバナンス

138 ガバナンスリスクマネジメント 災害時における地域連携 支援を強化 南海トラフ巨大地震の発生時には甚大な被害も想定されるなか 愛知県田原市に国内最大規模の田原工場を持つトヨタは 2015 年 3 月 田原市と 災害時における支援協力に関する協定 を締結しました 協定締結後には 実務運用の強化を図るために合同訓練を重ねています 2016 年 8 月には 田原市総合防災訓練時に救援物資受け入れ施設における荷役作業のリフト操作を行うなど 地域の関係者の方々と共に現地運用方法を確認しました また 行政 周辺企業で構成される田原臨海企業懇話会において トヨタ田原工場は各社の被害情報の収集 市の災害対策本部と情報交換を行う役割の一部を担っているほか 津波 地震防災通信訓練を実施するなど 地域一体となって対策を講じています これらのパートナーシップを通じて 企業体としてできることを進め 地域の防災力向上を共に推進しています トヨタは 事業所が立地する他の地域においても自治体との連携に関して 最適な方法を引き続き協議 検討していきます 田原市総合防災訓練にて救援物資の荷役作業訓練 ( リフト操作 ) を行うトヨタ従業員 従業員による自主的な被災地復旧支援の推奨 ( 災害ボランティアコーディネーターの養成 ) トヨタは 大規模災害発生時の行動規範として 被災地の早期復旧 を掲げており 会社として地域復旧活動へ参画することを予定しています また 従業員による自主的な活動を推奨するために 2015 年から豊田市社会福祉協議会主催の災害ボランティアコーディネーター養成講座を本社内で開講しています トヨタ本社地区内で300 人の養成を目指しており 2017 年 3 月時点で72 人となりました 2016 年 4 月に発生した熊本地震では 現地のニーズに沿った取り組みとして 11 人の社内災害ボランティアコーディネーターを熊本市災害ボランティアセンターへ派遣し 被災者ニーズとボランティアとのマッチングのほか 仮設住宅への引っ越し作業のサポートも実施しました 今回の熊本地震における 災害ボランティアコーディネーターに特化したボランティアの派遣は初めての試みですが 被災地復旧支援とともに現地現物での社員の人材育成にもつながる貴重な機会となりました 熊本市災害ボランティアセンターでコーディネーターとして活動するトヨタ従業員 137 Sustainability Data Book 2017 ガバナンス

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