究報査, 国際協力研日本呼吸ケアリハビリテーション学会誌 2018 年第 27 巻第 2 号ネパールにおける呼吸リハビリテーションの取り組み女性保健ボランティアの指導要旨カトマンズ盆地における呼吸器疾患患者の早期社会復帰支援に向けての取り組み呼吸リハビリテーションの普及

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きみとししまむね
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1 究報査, 国際協力研日本呼吸ケアリハビリテーション学会誌 2018 年第 27 巻第 2 号ネパールにおける呼吸リハビリテーションの取り組み女性保健ボランティアの指導要旨カトマンズ盆地における呼吸器疾患患者の早期社会復帰支援に向けての取り組み呼吸リハビリテーションの普及は, 本邦より医師理学療法士を 3 年間で10 回ネパールに派遣して実施するシャトル型プロジェクトである. 本研究の目的は, 呼吸リハビリテーションを地域住民に直接指導する女性保健ボランティアに対し, 医療体制, インフラ, 言語, 文化等に適合させ作成した研修プログラムを検証することである. 対象は, モデル地区の女性保健ボランティア 42 名. 方法は, 研修後に研修満足度, 学習到達度, 教育資料研修の適切性についてアンケート調査を行った. 結果, 9 割以上が研修内容を理解し, 呼吸リハビリテーションを指導できると答えた. 多様な課題を抱える開発途上国ネパールにおいて, 本研修プログラムは, ネパールの関係機関と協働し, 現地の実情を踏まえて指導者を育成していくことで, 医療技術は持続発展的に普及していくと考えられる. Key words: ネパール,COPD, 呼吸リハビリテーション, 女性保健ボランティア, 教育資料と指導方法, アンケート調緒言国立研究開発法人国立精神神経医療研究センター ₁),IMS( イムス ) グループ高島平中央総合病院 ₂), 文京学院大学 ₃), 独立行政法人国立病院機構災害医療センター ₄), 独立行政法人国立病院機構村山医療センター ₅), 国立感染症研究所感染症疫学センター ₆), 国立研究開発法人国立国際医療研究センター ₇), 公益財団法人国際 ₈) 医療技術財団寄本恵輔 1) 原歌芳里 2) 加藤太郎 3) 4) 佐藤敦史山下祥平 5) 上村光弘 4) 福住宗久 6) 4) 毛利篤人有本斉仁 7) 林 8) 茂樹慢性閉塞性肺疾患 (Chronic Obstructive Pulmonary Disease, COPD) の患者数は世界で急増し, 国際的な社会問題となっている ₁). 世界保健機関 (World Health Organization, WHO) によると, 世界で約 ₆₅₀₀ 万人が中度から重度の COPD を有し₂₀₃₀ 年には全死因第 ₃ 位になると予測されている ₂). COPD による死者の₉₀% は低中所得国の住民とされ ₂), ネパール連邦民主共和国 ( 以下, ネパール ) においても非感染性疾患による死因で最も割合が高い₄₃% を COPD が占める ₃). その要因として, 青年期からの高い喫煙率, 自動車排気ガスによる大気汚染, 浮遊粉と盆地特有の空気の対流, 木材 ( 薪 ) や木炭を使った家屋内調理による煤煙吸入等が考えられている ₃).COPD による労作時呼吸苦や急性増悪は就労や日常生活に困難をきたすため, 患者個人の問題に留まらずネパール社会全体として取り組むべき大きな問題となっているが, 非感染性慢性疾患である COPD への対策は不十分であり,COPD に対する包括的な対策の一端を担う呼吸リハビリテーションの普及は急務であると考える ₃-₆). このような状況の中, 公益財団法人国際医療技術財団 (Japan International Medical Technology Foundation, JIMTEF) によるカトマンズ盆地における呼吸器疾患患者の早期社会復帰支援に向けての取り組み呼吸リハビリテーションの普及プロジェクト提案が独立行政法人国際協力機構 (Japan International Cooperation Agency, JICA) 草の根技術協力事業 ( パートナー型 ) に採択され, ₂₀₁₅ 年度より活動を開始することになった.JIMTEF により, 本プロジェクト採択以前から国内外でネパールの医療支援をしてきた本邦の各医療機関の医師, 理学療法士が召集され本プロジェクトが開始された. 本プロジェクトは ₃ 年シャトル型プロジェクトであり, 年に ₃ 回程度 ( ₁ 派遣 ₁₀ 日間程度 ) の日本の医師理学療法士 ( 以下, 日本チーム ) 現地派遣と年に ₁ 回程度のネパール人医療従事者本邦研修を行い, 非派遣期間においても現地 2018 The Journal of the Japan Society for Respiratory Care and Rehabilitation 215

生活の質の向上につながる早期社会復帰支援モデルができることを目標としている. 階層的な保健衛生行政制度を持つネパールでは, 医療保健機関に駐在する医療保健スタッフ, 地域に根付くボランティア等が段階的に患者に接することを特徴とする.

2 ネパールにおける呼吸リハビリテーションの普及でネパール人医療従事者による指導ができるようにするものである. 本プロジェクトは, ネパールのモデル地区として, カトマンズ盆地バクタプール郡を選定し, 慢性呼吸器疾患患者家族, 地域住民, 医療保健スタッフ, 呼吸リハビリテーション指導者を対象にバクタプール郡の病院及び地域の診療所で呼吸リハビリテーションが実践され,COPD をはじめとする慢性呼吸器疾患患者とその家族, 地域住民の慢性呼吸器疾患に対する理解や予防意識, 生活の質の向上につながる早期社会復帰支援モデルができることを目標としている. 階層的な保健衛生行政制度を持つネパールでは, 医療保健機関に駐在する医療保健スタッフ, 地域に根付くボランティア等が段階的に患者に接することを特徴とする. 本研究対象の女性保健ボランティア (Female Community Health Volunteers, FCHVs) とは, 市村の本研究の目的は, プロジェクトの一環で FCHVs に対し, 我々が提供した呼吸リハビリテーション指導方法と教育資料の効果を検証することである. 対象と方法 1. 現地調査期間本プロジェクトの第 ₃ 次派遣時 ( 現地活動期間 :₂₀₁₆ 年 ₂ 月 ₆ 日 ~ ₂ 月 ₁₄ 日 ) を調査期間とした. 2. 研究対象 Balkumari,Nagadesh,Lakanthall,Bode,Thimi, Lakanthali の FCHVs ₄₂ 名とした. 3. 研修の実施場所と指導者 Nagadesh と Bode にあるヘルスポストにて実施した ( 図 ₂ ). ヘルスポストとは, 公的保健医療施設の末端に開発委員会内で ₉ 行政区のそれぞれから選抜され採用された女性グループのことであり, 行政や医療機関等と地域住民を繋ぐ要として極めて重要な役割を果たしている. FCHVs は, 全国で約 ₅ 万人, バクタプール郡には₂₂₀~ ₂₂₅ 人おり, これまで専門的教育を受けることで家族計画, 妊産婦新生児子どもの健康,HIV, ビタミン A 配信プログラムなどで活躍し, 合計特殊出生率の減少や, 妊産婦死亡率の目標達成に貢献した経験がある. 本プロジェクトにおいて,FCHVs は地域住民へのファーストコンタクトとして住民宅訪問による患者の抽出, 医療保健機関へ紹介等, 呼吸リハビリテーション普及の要になる役割を果たす ( 図 ₁ ). 図 2 ネパールにあるヘルスポストの様子ネパールは山岳地域が多く, 交通の便が非常に悪い. 患者はヘルスポストに行くにも困難を要する. 図 1 ネパールの階層的な保健衛生行政制度における女性保健ボランティア (FCHVs) の役割 216 The Journal of the Japan Society for Respiratory Care and Rehabilitation

3 位置し,FCHVs の教育やコミュニティレベルで住民に一次保健医療サービスを提供する役目を持つ施設である. 本プロジェクトの研修は COPD と呼吸リハビリテーションについて, 講義と実技指導で行った. 研修の指導者は, 我々日本チームと本プロジェクト過程において第 ₁ ~ ₂ 次派遣時に呼吸リハビリテーション研修 ( トレーナーズトレーナー養成 ) を終えたトリブバン大学教育病院 (Tribhuvan University Teaching Hospital, TUTH) のネパール人医師理学療法士であった. 4. 研修プログラムの概要と資料の作成 ( 表 1 ) 教育資料は, 我々日本チームと TUTH や現地のカウンターパートとして非政府組織 (Non-Governmental organizations, NGO) である Society for Local Integrated Development Nepal( 以下,SOLID Nepal) との協働のもと, The Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease (GOLD) ₇) や COPD 診断と治療のためのガイドライ ₈) ン第 ₄ 版等を基盤とした. また FCHVs の教育資料を作成するにあたり,TUTH のネパール人医師理学療法士教育資料 ( トレーナーズトレーナー養成資料 ) を FCHVs の学習レベルに合わせて作り変えた. 資料は, 不規則な停電や機材不足を考慮し, パーソナルコンピューターとプロジェクターを用いたデジタル媒体に依存しないリーフレット, ポスター, 紙芝居, 劇等, アナログ媒体とした. 英語からネパール語へ翻訳したものを使用し ( 翻訳会社 : 株式会社サンフレア, 株式会社メディア総合研究所 ), 実際の指導においては, ネパール語通訳者を活用し, 可能な限り現地の言語を用いた. 資料の挿絵や写真は, 現地に馴染むように文化的背景や現地の日常生活を取り込んだ内容に工夫した ( 図 ₃ ). 5. アンケート方法 FCHVs 対象研修終了後に質問紙法を用いてアンケートを行った. 質問票は, 日本語で作成したあとネパール語に翻訳したものを使用した. 対象は未就学率が高く識字率が低いといった問題を抱えているネパール人女性であるため文字の読めない対象者が多く, 文字の読めない対象者には言語理解ができる本プロジェクトネパール人スタッフによる聞き取り調査を行った. 研修終了後に対象者に質問票を配布し, その場で各々が記入した後に回収する集合調査法とした. 調査内容は, 研修満足度,COPD 呼吸リハビリテーションについての学習到達度, 教育資料研修の適切性を問う選択式の ₇ 項目と, 改善点, 感想の自由記載 ₂ 項目を含む全 ₉ 項目とした ( 図 ₄ ). 本研究は, 国際医科学団体協議会 (Council for Interna- 表 1 TUTH と FCHVs への指導 TUTH 対象 FCHVs ₄ 日間 ( 計 ₂₀ 時間 ) 講義時間 ₂ 日間 ( 計 ₈ 時間 ) ₁ 日目 COPD 呼吸リハビリテーション総論 ₂ 日目解剖学と生理学的検査間質性肺炎呼吸リハビリテーション実技 ( 胸郭可動域練習 ) ₃ 日目気管支喘息呼吸器感染禁煙呼吸リハビリテーション実技 ( 排痰法 ) ₄ 日目心不全肺がん症候学呼吸リハビリテーション (ADL 指導 ) 講義内容 ₁ 日目 COPD 呼吸リハビリテーション総論胸郭可動域練習呼吸法リラクゼーション ₂ 日目 COPD の鑑別方法筋力トレーニング ADL 指導日本チーム指導者日本チーム +TUTH 医師 PT 日本チーム教材作成者日本チーム +TUTH 医師 PT+SOLID Nepal デジタル媒体パソコンプロジェクターを用いたプレゼンテーション教材内容アナログ媒体リーフレット, ポスター, 紙芝居, 劇英語教材言語ネパール語日本語指導言語日本語, 可能な限りネパール語日本語ネパール語通訳日本語ネパール語 TUTH, Tribhuvan University Teaching Hospital, トリブバン大学教育病院 FCHVs, Female Community Health Volunteers, 女性保健ボランティア SOLID Nepal, Society for Local Integrated Development Nepal Vol.27 No

4 ネパールにおける呼吸リハビリテーションの普及図 3 提案した指導教材ネパールの言語文化環境に適合した教材を作成した. ネパール人医師理学療法士にも同じ講義ができるよう, フィードバックをした. 図 4 研修内容についての質問票 ( 左 : ネパール語右 : 日本語, 英語 ) 日本語と英語で作成した質問票をネパール語に翻訳し, 使用した. 218 The Journal of the Japan Society for Respiratory Care and Rehabilitation

5 tional Organizations of Medical Sciences,CIOMS) の国際倫理指針 ( houki-rinri/pdf/cioms.pdf) に従い, 人格の尊重, 恩恵, 正義の中において, 本研究は十分な説明と同意を得て実施し, 対象個人が特定されることはないよう配慮した. 結果アンケートの回収率, 有効回答率はすべての項目で ₄₂/₄₂ 人 (₁₀₀%) であった.1 研修の満足度について, ₄₂/₄₂ 人 (₁₀₀%) が十分満足したまたは満足したと回答した.2 COPD の症状, 原因, 予防の概要の理解度について,₄₂/₄₂ 人 (₁₀₀%) が十分理解したまたは理解したと回答した.3 COPD の症状, 原因, 予防の概要を他の人に説明できるかについて,₃₆/₄₂ 人 (₈₆%) が十分できるまたはできると回答した. 4 呼吸リハビリテーションの概要の理解度について, ₄₀/₄₂ 人 (₉₅%) が十分理解したまたは理解したと回答した.5 呼吸リハビリテーションの概要を他の人に説明できるかについて,₄₀/₄₂ 人 (₉₅%) が十分できるまたはできると回答した.6 研修プログラムは適切かについて,₄₂/₄₂ 人 (₁₀₀%) が十分適切または適切と回答した.7 教材 ( 紙芝居 ) は適切かについて,₄₂/₄₂ 人 (₁₀₀%) が十分適切または適切と回答した ( 図 ₅ ).8 改善すべき点について, フォローアップ研修があると良い, 研修で使用したポスターを自らの地域の住民にも提供できると良い, 本当の患者から学ぶことができたらもっと良いという回答が得られた.9 感想では, 新しいことを多く学んだため, 次は私たちが他の人に教えたい, 今回の研修で得た COPD の情報を自らの地域に広めていきたい, 研修を終え,COPD 患者の日常生活上の問題に気づくようになった, COPD の予防と管理について地域住民に教えられることを嬉しく思う, COPD について理解を深めることができた, とても良い研修だった, という回答が得られた. 考察ネパールでは,₂₀₀₈ 年 ₅ 月に連邦民主共和制への移行が宣言され₂₄₀ 年近く続いた王制が廃止され, 新たな国づくりが動き出した. しかし, 民主化, 経済自由化, 貧困削減, 地域カースト民族間の格差解消, インフラ整備, 中央地方政府のガバナンス強化等, 問題が山積みであり, いまだ混沌とした状況下にある ₉,₁₀). 保健医療制度の推進遅延や医師不足, 医療機関の中心地への偏りから病院を早期受診できるのはカトマンズ近郊の富裕層に限られ, 多くの地域住民が呼吸困難は COPD という病気によるものであるということを認識しておらず, サービスから隔離されている地方における医療支援は厳しい道をたどっている ₁₁-₁₃).COPD 罹患のリスクである家屋内調理による煤煙吸入は, 女性が特に大きな被害を受けており, 女性の喫煙率も高い. そのような中, 母子保健や衛生教育等の地域の FCHVs の献身的な活動は地域住民から信頼されており, その観点からも本プロジェクトにおいて,FCHVs が呼吸リハビリテーションを学び地域住民に啓発していくことは, ネパールで社会的な問題となっている COPD を撲滅する一役を担うものと考えている. 本研究の調査結果より, 研修を受けた FCHVs の₉₀% 1 研修の満足度 COPD の症状原因予防の理解度他人への COPD の説明呼吸リハビリテーションの理解度他人への呼吸リハビリテーション指導研修プログラムの適切性教材の適切性十分満足十分理解十分できる十分適切満足理解できる適切やや満足やや理解ややできるやや適切図 5 FCHVs 研修終了後のアンケート調査結果 (n=42) [%] Vol.27 No

6 ネパールにおける呼吸リハビリテーションの普及以上が呼吸リハビリテーションの講義内容を理解し, 呼吸リハビリテーションを他人に指導できると回答した. このことは, 我々が提案した研修プログラムや指導方法, 教育資料が適切である可能性を示唆し, 今回の FCHVs 対象研修の有効性を示すと考える. すなわち, 地域住民の COPD に対する理解や予防意識, 生活の質の向上につながる基盤づくりを達成することができたと推察する. 低い識字率やインフラ整備の遅れをはじめとするネパールの混沌とした状況は, 研修プログラムや指導方法, 教育資料に多くの問題をもたらした. しかし,SOLID Nepal や TUTH スタッフと力を合わせ教育資料作成段階から実際の研修に至るまで工夫を加えたことで, 有効性の高い研修を行うことができたと考える. また, トレーナーズトレーニングによりネパール人医療従事者が研修指導をできるようになったことで, 日本チームが不在のときでも絶え間なく呼吸リハビリテーションの啓発活動が行えるようになった. これはシャトル型プロジェクトのデメリットを解消する大きな成果であったと考える. 本研究の限界として, 今回のアンケート調査は, 主観的評価でありながら, 文化や言語が異なる環境下において識字率が低いことにより具体的に何をどう理解したか, 何が理解できていなかったのかを細かく評価するまでは至っていない. 今後は, このアンケートを元に個別的かつ質的な評価を加えていく必要がある. しかし, 本研究は本プロジェクトの経過を把握するための調査研究の一端としての位置づけであり, 本プロジェクトのプロセスを明らかにすることは開発途上国の医療支援の汎用性をもたらす極めて重要な取り組みであるものと考える. 今後は,₂₀₁₇ 年度までにネパールにおける呼吸リハビリテーションの普及とその効果を明らかにしていくために, 本プロジェクトの対象者の実態調査を行っていく. 普及においては, ラジオやテレビでの宣伝による視聴率やその内容理解についての分析, また COPD における呼吸リハビリテーションの市民公開講座でのアンケート調査等を実施している. 本プロジェクトの有効性評価として, ヘルスポストで把握した COPD 患者において集計した台帳より,COPD 患者の呼吸リハビリテーションの実施前と ₆ ヶ月後について, ネパール語に翻訳された COPD Assessment test(catest) や St George's Respiratory Questionnaire(SGRQ), 禁煙率等をアウトカムにし明らかにしていく予定である. ネパールは開発途上国であり, 指導方法や教育資料といった教育方法において多くの問題が存在した. しかしながら, 訪問時のネパール政府保健省,TUTH,JICA ネパール事務所, 日本大使館, ヘルスポスト,FCHVs との各階層に合わせた積極的なミーティング開催や JIMTEF や SOLID が中心となった活動の記録や収集など国を境としない綿密な情報の共有化を行っていることにより本プロジェクトは持続発展的に普及していくものと考える. 本研究により, 現地の実状を踏まえた教育方法の工夫や関係機関との協働作業は,FCHVs のような非医療スタッフ対象研修においても有益な結果をもたらすことが示唆された. また, 本プロジェクトの有効性を示すことは重要であるが, 本研究により本プロジェクトの経過を示せたことはネパールのみならず他の開発途上国における医療知識や技術の伝達等の国際医療協力の実践に役立てるものと推測された. 本研究における資料提供を協力してくれた JIMTEF スタッフ及びアンケート調査や現地での講義等, 本プロジェクトを共同して行っている SOLID Nepal,TUTH スタッフに深謝する. 本論文の要旨は, 第 ₂₆ 回日本呼吸ケアリハビリテーション学会学術集会 (₂₀₁₆ 年 ₁₀ 月, 神奈川 ) で発表し, 座長推薦を受けた. 著者の COI(conflicts of interest) 開示 : 本論文発表内容に関して特に申告すべきものはない. Popularization of Chest Rehabilitation in Nepal Introduction of Instruction Methods with Teaching Materials to Female Community Health Volunteers Keisuke Yorimoto ₁), Kaori Hara ₂), Taro Kato ₃), Atsushi Sato ₄), Shohei Yamashita ₅), Mitsuhiro Kamimura ₄), Munehisa Fukusumi ₆), Atsuto Mouri ₄), Yoshihito Arimoto ₇), Shigeki Hayashi ₈) ₁) National Center of Neurology and Psychiatry, ₂) Takashimadaira Chuo General Hospital, ₃) Bunkyo Gakuin University, ₄) National Hospital Organization Disaster Medical Center, ₅) National Hospital Organization Murayama Medical Center, ₆) Infectious Disease Surveillance Center, National Institute of Infectious Diseases, ₇) National Center for Global Health and Medicine, ₈) Japan International Medical Technology Foundation 文献 ₁)World Health Organization: Chronic Obstructive Pulmonary Disease, Office of Health Communications and Public Relations, Geneva, ₂₀₀₇. ₂)Mathers CD, Loncar D: Projections of Global Mortality and Burden of Disease from ₂₀₀₂ to ₂₀₃₀. PLoS Medicine. ₂₀₀₆ ₂₈; ₂₀₉ ₂₂₄, doi ₁₀.₁₃₇₁/journal.pmed.₀₀₃₀₄₄₂. ₃)Bhandari GP, Angdembe MR, Dhimal M, et al.: State of noncommunicable diseases in Nepal. BMC Public Health ₂₀₁₄, doi ₁₀.₁₁₈₆/₁₄₇₁-₂₄₅₈-₁₄-₂₃. ₄)The Himalayan Times ₂₀₁₆/₃/₂₀:More and more people suffering from COPD, say docs. 220 The Journal of the Japan Society for Respiratory Care and Rehabilitation

7 ₅)The Himalayan Times ₂₀₁₆/₁₂/₂₆:Patients with respiratory problems up. ₆)World Health Organization: Global action plan for the prevention and control of NCDs ₂₀₁₃-₂₀₂₀, ₂₀₁₃, ₈p. ₇)Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease: Global Strategy for the Diagnosis, Management and Prevention of Chronic Obstructive Lung Disease, MCR Vision Inc, Edgewater, NJ, ₂₀₀₆. ₈) 日本呼吸器学会 :COPD( 慢性閉塞性肺疾患 ) 診断と治療のためのガイドライン第 ₄ 版, 一般社団法人日本呼吸器学会, メディカルレビュー社,₂₀₁₄. ₉) 外務省 : ネパールの民主化平和構築プロセス. Accessed: ₁₆ January ₂₀₁₇. ₁₀) 株式会社国際開発センター : 平成 ₂₄ 年度外務省 ODA 評価ネパール国別評価 ( 第三者評価 ) 報告書第 ₃ 章ネパールの概要と開発動向. shiryo/hyouka/kunibetu/gai/nepal/pdfs/kn₁₂_₀₃_₀₁.pdf. Accessed: ₁₆ January ₂₀₁₇. ₁₁) 外務省 : 在外公館医務官情報ネパール. go.jp/mofaj/press/pr/wakaru/topics/vol₄₈/. Accessed: ₁₆ January ₂₀₁₇. ₁₂) 在ネパール日本国大使館 : 海外生活と救急海外医療事情レポート ₂₀ ネパール. Accessed: ₁₆ January ₂₀₁₇. ₁₃) 国際協力事業団医療協力部 : ネパール王国プライマリーヘルスケアプロジェクト事前調査団報告書および実施協議調査団報告書 ₂ - ₁ 協力分野の現状と問題点. jicareport.jica.go.jp/pdf/₁₁₆₇₉₅₀₃_₀₁.pdf. Accessed: ₁₆ January ₂₀₁₇. Vol.27 No

問題 1 ₁ ₃ ₅ ₂ ₄ ₆ 問題 2 ₁ ₂ ₃ 問題 3 ₁ ₂ ₃ ₄ ₅ 2 2

問題 1 ₁ ₃ ₅ ₂ ₄ ₆ 問題 2 ₁ ₂ ₃ 問題 3 ₁ ₂ ₃ ₄ ₅ 2 2 問題 1 ₁ ₃ ₅ ₂ ₄ ₆ 問題 2 ₁ ₂ ₃ 問題 3 ₁ ₂ ₃ ₄ ₅ 1 問題 1 ₁ ₃ ₅ ₂ ₄ ₆ 問題 2 ₁ ₂ ₃ 問題 3 ₁ ₂ ₃ ₄ ₅ 2 2 問題 1 ₁ ₃ ₅ ₂ ₄ ₆ 問題 2 ₁ ₂ ₃ 問題 3 ₁ ₂ ₃ ₄ ₅ 3 問題 1 ₁ ₃ ₅ ₂ ₄ ₆ 問題 2 ₁ ₂ ₃ ₄ 問題 3 ₁ ₂ ₃ ₄ ₅ 4 4 問題