土木学会論文集 F3( 土木情報学 ), Vol. 68, No. 2, I_101-I_116, GPS と GLONASS における高精度測位の利用衛星選択効果に関する研究 池田隆博 1 佐田達典 2 1 学生会員日本大学大学院理工学研究科社会交通工学専攻 ( 千葉

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1 GPS と GLONASS における高精度測位の利用衛星選択効果に関する研究 池田隆博 1 佐田達典 1 学生会員日本大学大学院理工学研究科社会交通工学専攻 ( 7-51 千葉県船橋市習志野台 7--1) ikeda.takahiro@trpt.cst.nihon-u.ac.jp 正会員日本大学教授理工学部社会交通工学科 ( 7-51 千葉県船橋市習志野台 7--1) sada@trpt.cst.nihon-u.ac.jp 衛星測位分野では現在 GPS の利用が主流であるが, 近年 GLONASS などの利用可能な衛星が増加しており, 複数衛星系による併用測位が今後一般的になるものと想定される. また, 衛星数が増加することで, マルチパス等の誤差を含む衛星電波を排除しても, 測位に必要な衛星数を確保できるようになったため, 事前に衛星電波の状態を把握し測位に使用する衛星を選択することが求められる. 本研究では, マルチパスの影響を受ける衛星電波を判別するため, 衛星の搬送波の距離変化を使用して判別を行い, それをもとに測位に利用する衛星を選択し測位性能の検証を行った. その結果, 搬送波の距離変化を用いることで, マルチパスの影響を受ける衛星電波の判別が可能であること, 利用衛星を選択することで,Fix 解の取得率が増加し, 解の欠損を生じることなく測位できることが確認された. Key Words : GPS, GLONASS, Interferometric Positioning, Multipath, Carrier, Solution 1. はじめに我が国の衛星測位分野では, 米国が運用するGPS (Global Positioning System) の利用が主流であり, 公共測量等による高精度測位のほか, 携帯電話等による位置情報サービスに使用されている. 今後は, その運用性を高めるため,GPS を含む複数衛星系を併用した測位に加えて, マルチパス等の誤差要因への対処が重要となる. GPS を含む複数衛星系を併用した測位としては, 国産の測位衛星である準天頂衛星システム (QZSS:Quasi- Zenith Satellite System), ロシアが運用するGLONASS (Global Navigation Satellite System) 等の利用が考えられる. 中でもGLONASS については,11 年に全世界をカバーする 衛星での運用が開始されており, さらに,- 公共測量 - 作業規程準則において,GLONASS の利用方法が明記されるなど, 今後 GPS とGLONASS を併用した測位が一般的になるものと想定される 1). GPSと GLONASS を併用し, 観測可能な衛星が増加した場合, 衛星電波の遮蔽されやすい環境でも測位に必要な衛星数が得られ, 高精度測位ができる可能性がある. また, 衛星数が増加することで, マルチパス等の誤差を含む衛星電波を排除しても測位に必要な衛星数を確保できる可能性があり, 公共測量等の高精度を必要とする作 業では, 観測可能な衛星電波の状態を事前に把握し, 測位計算に使用する衛星を選択する手法が求められる. そこで本研究では, マルチパスの影響を受ける衛星電波の判別手法を提案し, 高精度測位における利用衛星の選択効果について検証する. マルチパスの削減および判別手法としては, これまでにいくつかの報告が行われており, 受信機内部の相関関係を用いた手法としては, ナローコリレータ等の受信機の帯域特性を利用した技術が示されている ). また, 相関関係以外の手法としては, 搬送波の位相と搬送波に乗せて送信されるコードの位相との差を用いた手法, 衛星電波の差分処理結果を利用しマルチパスを判別する指標を導く方法等が提案されている 3). しかし, これらの報告は,GPS を対象とした手法が多く,GLONASS についても同様にマルチパスを判別する手法が求められる. 本稿では, 提案したGPS とGLONASS のマルチパス判別手法について記述し, 次に, その手法を用いて,GPS とGLONASS の衛星電波観測データより, マルチパスの影響を受ける衛星電波の判別が可能か調べた. また, 高精度測位における利用衛星選択効果を明らかにするため, 提案手法により得られた結果から使用する衛星を選択し, GPSのみ と GPS+GLONASS の場合で検討したので, その結果を報告する. I_11

2 . 干渉測位の概要測位衛星を用いた公共測量では, 干渉測位方式が用いられる. 干渉測位とは, 既知点と未知点に受信機を設置し, 双方で同時観測された衛星からの受信機までの距離に対して差分処理を行うことで, 点間の基線ベクトルを求める方式である. 差分処理には, 図 -1 に示すように衛星 機, 受信機 機の組合せを基本に行い, 衛星に対する各受信機との行路差により, 衛星 受信機時計の誤差が消去される. また, 未知点座標の算出には, 異なる組合せを 3 個以上つくる必要があり, これには準拠する時系が同一である 機以上の衛星から電波を受信する必要がある. そのため, GPS 測位時に GLONASS を併用する場合, 準拠する時系が異なるため, 少なくとも GLONASS 衛星を 機観測する必要がある. なお, 衛星から受信機までの距離については, 搬送波の波数に波長を乗じることで求められる. しかし, 図 - に示すように, 搬送波の最初の受信時に得られる波数小数部 ( 位相 ) と, 続けて得られる波数変化分 ( 位相積算値 ) は測定できるが, 最初の波数の整数部については不明である. この整数部の値を整数値バイアスと呼び, これを確定することで,5mm~mm の精度であるFix 解が得られ, 確定しない場合,1cm~ 数 mの精度である Float 解となる ). 3. マルチパスによる誤差電波の判別手法 (1) 従来の誤差電波判別手法マルチパス等の誤差電波の判別手法は従来から報告されている. 例えば, 衛星電波の位相差を参考とした手法として, 増成ら () は,GPS 変位計測における基線解析の基礎式から, 上空障害物の影響を表す指標を算出している 3). これは, 基線解析により確定した波数整数部と計測点座標を使用し, 計算で求められた差分処理結果と, 受信機によって測定された差分処理結果との残差を上空障害物の影響を表す指標としている. この指標より, 残差の大きい衛星を特定し, それらの衛星を用いず解析を行うことで, 計測精度の改善に効果があることが報告されている. しかし, 残差の計算に当たっては, 障害物の影響を受けない基準衛星が必要であり, 衛星配置によっては, 適用できない観測時間帯が想定される. また, 衛星 1 機の電波でマルチパスの影響を判別する手法として, 久保ら (3) は, 従来の搬送波位相とコード位相の差を利用して算出したマルチパス変動量と, アンテナと障害物の幾何学的配置から理論的に算出した指標の双方を利用して推定を行っている 5). 信号強度による値の変動と比較し, 双方の手法で算出したマルチパ 衛星 1( 位置は既知 ) 衛星 ( 位置は既知 ) ) 図 -1 干渉測位における差分処理 ) 図 - 干渉測位用受信機における波数測定 スの変動と相関が見られることを確認しており, さらに, その指標を用いてマルチパスとなる衛星電波を推定する ことで,DGPS(Differential GPS) 測位における測位誤差 が減少することを報告しているが, 干渉測位の精度評価 までは行われていない. 本研究では, これらの衛星電波の位相を用いた手法を 参考とし,GPS と GLONASS のマルチパスの影響を受け る衛星電波の判別手法を提案する. () 提案する誤差電波の判別手法 マルチパスの影響を受ける衛星電波の判別手法として, 本研究では, 搬送波の位相遅延量の特性を用いて, 判別 に有効な指標の算出を行う. 搬送波の位相遅延量は, 衛星電波の伝搬経路における 総電子数 (TEC:total electron content) と電波の周波数帯 に依存し,(1) 式のように表される ). = 行路差 受信機 A( 既知点 ) 受信機 B( 未知点 ) 波数整数部 ( 観測不可 ) : 衛星 - 受信機間距離 行路差の差 : 受信機時計誤差を消去 衛星 受信機 : 位相遅延量 (m) : 光速 (m/s) : 位相遅延量 (s) : 総電子数 : 搬送波周波数 (Hz) t = 行路差 : 衛星時計誤差を消去 t = t 1 波数整数部 ( 観測不可 ) 最初の波数小数部 ( 観測可 ) 波数小数部 = 位相 ( 観測可 ) 波数変化分 = 位相積算値 ( 観測可 ) I_1

3 ここで, 伝搬経路内の総電子数は, 衛星が天頂付近の場合において最も少なく, 低仰角衛星ほど多くなる. また,GPS 衛星とGLONASS 衛星ではL1とLの周波数帯の異なる搬送波を送信しており, 低仰角衛星ほど,L1と Lの位相遅延量の差は大きくなるため, 位相変化に差が生じるといえる ( 図 -3). 位相変化については, 位相の差に対して正確な波長を乗じることで衛星と受信機間の距離変化が得られる. 波長は, 正確な光速 (C = m/s) を搬送波周波数で割ることで得られるため,() 式のように書ける 7). 衛星 1(L1,L 送信天頂付近 ) TEC: 総電子数衛星 (L1,L 送信低仰角 ) TEC: 総電子数受信機 図 -3 衛星位置における位相遅延量の概要 = : 距離変化 (m) : 位相積算値 (cycle) : 時刻 (s) 不可視衛星 マルチパス ( 回折波 ) 直接波 マルチパス ( 反射波 ) 直接波 可視衛星 このとき, 周波数帯の異なる搬送波 (1 周波, 周波 ) に対して, それぞれ位相変化に差が生じる場合,() 式で得られる距離変化の差は大きくなるものと推察される. GPS では, 全衛星同一の L1,L 周波数帯 ( = Hz, =17. 1 Hz) の電波を送信するCDMA (Code Division Multiple Access) 方式であるため, 異なる周波数帯の距離変化の差は (3) 式のように求められる 7). 受信機 図 - 反射波と回折波によるマルチパスの概要 衛星 1(L1,L 送信 ) 衛星 (L1,L 送信 ) : 距離変化の差 = 遮蔽物 マルチパス ( 反射波 ) マルチパスあり : : 距離変化の差 (m) :1 周波 : 周波 マルチパスなし : 一方,GLONASS では, 衛星毎に異なる L1,L 周波数帯の電波を送信するFDMA(Frequency Division Multiple Access) 方式であるため, 衛星毎に定められたチャンネル番号より搬送波周波数を算出する必要がある ). よって,() 式,(5) 式より衛星毎の L1,L 周波数帯を求め, 得られた周波数帯を (3) 式に代入することで,GLONASS における異なる周波数帯の距離変化の差が求められる 9). ( ) ( ) : チャンネル番号 (-7~+) 電離層による遅延は, 設置した受信機間の基線長が 1km 以下であればほぼ同一であるため 7), 位相が正確に計測されると,(3) 式で得られる距離変化の差は, 設置した受信機間で類似した結果が得られるものと考えられる. しかし, 一方の受信機が, 図 -に示す遮蔽物からの反射波, または遮蔽物の回折によるマルチパスの干渉を 受信機 A( 遮蔽物あり ) 受信機 B( 遮蔽物なし ) 基線距離 :1km 以下 図 -5 距離変化の差の較差を用いたマルチパス判別受けた場合, 観測された搬送波の位相に誤差が含まれるため, 較差は大きくなるものと考えられる. 本研究では, この較差をマルチパスの影響を表す指標とする ( 図 -5). 較差がマルチパスの判別に有用であるか検証するに当たり, マルチパスの影響を受けない衛星電波と受ける衛星電波が必要となる. そこで, 遮蔽物を含む複数観測点と含まない観測点に受信機を設置し, 得られた双方のデータから距離変化の差を求めて比較し, マルチパスの影響を受ける衛星電波の判別を行った.. 遮蔽環境におけるマルチパス判別実験 (1) 実験目的マルチパスの影響を受ける衛星電波の判別を行うため, 周囲に遮蔽物を含む観測点と含まない観測点で GPSと I_13

4 1m B3: 南遮蔽 B: 北遮蔽 B: 東遮蔽 B5: 西遮蔽 B: 北遮蔽 B3: 南遮蔽 B: 東遮蔽 B: 東西遮蔽 A: 遮蔽なし B7: 斜め遮蔽 図 - 観測点の設置位置 出典 :Google Earth B5: 西遮蔽 B: 東西遮蔽 B7: 斜め遮蔽 図 - 観測点 B~B7 の遮蔽状況 図 -9 実験状況 ( 左 :A 遮蔽物なし右 :B 北遮蔽 ) ことが確認できる. 図 -7 3 次元点群データ ( 日本大学理工学部船橋キャンパス ) GLONASS の衛星電波観測データの収集を同時間帯で実施した. 双方の受信機で得られた観測データより, 本研究で提案するマルチパスの影響を表す指標を算出し, その有用性の検討を行った. () 実験場所 日時実験場所は, 図 -に示す日本大学理工学部船橋キャンパス内に設置した, 周囲の遮蔽環境が異なる観測点 B~B7 の計 箇所と, 遮蔽物を含まない観測点 Aの計 1 箇所である. 実験日時は,11 年 11 月 5 日 ~7 日 1:~13:, 13:3~:3 であり, 遮蔽物を含む観測点と含まない観測点で同時測位を実施した. また, 観測点 B~B7 における遮蔽物の位置を調べるため,1 年 月 3 日に地上型 3Dレーザースキャナを観測点上に設置し, 図 -7に示す日本大学理工学部船橋キャンパス内の3 次元点群データの取得を行った. 図 -に各観測点の遮蔽状況を示す.B~B3 では,1 方向が建物で塞がれており,B~B では, 建物に加え樹木により 1 方向または 方向が塞がれている.B7では, 建物と樹木が他の観測点よりも離れており, 上空視界が比較的開けている (3) 実験方法実験は, 図 -に示す観測点上に設置した三脚に衛星測位用のアンテナを取り付けて行い ( 図 -9),GPS と GLONASS の衛星電波観測データを受信機の内部メモリに記録した. 使用した受信機は, ニコン トリンブル社製 Trimble NetR であり, 記録した観測データは RINEX3. 形式に変換した. 実験方法としては, データ出力間隔を1Hz に設定し, 各観測点で 3 時間測位を実施した. 測位手順としては, 遮蔽物を含まない Aでは常に測位を実施し, 遮蔽物を含むB~B7 では B7: 斜め遮蔽 B: 東西遮蔽 B: 北遮蔽 B5: 西遮蔽 B3: 南遮蔽 B: 東遮蔽 の順に行った. () マルチパスの影響を受ける衛星電波の検討 GPSと GLONASS のマルチパスの影響を受ける衛星電波を判別するため, 衛星番号毎 ( GPS は G, GLONASS は R と示す) にL1とLの距離変化の差を算出し, 遮蔽物を含む場合と含まない場合で同時間帯による算出結果の比較を行った. 傾向の確認については, 1 分間毎 ( データ数 :) に較差の平均値と標準偏差値を求めて行った. また, 得られた較差の傾向に対して, 衛星位置と遮蔽物位置による関係を調べるため,GPS と GLONASS のAlmanac データ ( 衛星軌道情報 ) と図 -7に示 I_

5 L 信号強度の較差平均値 (dbhz) L1 信号強度の較差平均値 (dbhz) L 信号強度の較差平均値 (dbhz) L1 信号強度の較差平均値 (dbhz) G1 G G3 G G5 G G7 G G9 G1 G11 G1 G13 G G15 G G17 G G19 G G1 G G3 G G5 G G7 G G9 G3 G31 G G1 G G3 G G5 G G7 G G9 G1 G11 G1 G13 G G15 G G17 G G19 G G1 G G3 G G5 G G7 G G9 G3 G31 G 図 -1 観測点 B における GPS のマルチパス検討結果 図 -11 観測点 B における GLONASS のマルチパス検討結果 す観測点周辺の遮蔽環境から, 方向角毎の遮蔽物の仰角 を算出し, 各衛星の電波を取得した時間帯の衛星位置を 記入した. R1 R R3 R R5 R R7 R R9 R1 R11 R1 R13 R R15 R R17 R R19 R R1 R R3 R 観測点 B における GPS,GLONASS のマルチパス検討 結果を図 -1, 図 -11 に示す. 較差の平均値については, GPS の G3,GLONASS の R について値が大きくなる傾 向が見られたが, ほとんどの衛星は mm 付近で推移して おり, 大きな変化は見られなかった. 一方, 較差の標準 偏差値については,mm 付近で推移する場合と,1.mm 以上の大きな値を示す場合の 種類の傾向が確認された. 図 -1 観測点 B における GPS の信号強度検討結果 図 -13 観測点 B における GLONASS の信号強度検討結果 標準偏差値が大きくなる際の GPS と GLONASS の衛星位 置を調べると,GPS の G3,GLONASS の R15 を除き, 衛 星仰角が遮蔽物の仰角よりも低く, 本来は不可視である ことが確認できる. 不可視衛星からの衛星電波は, 遮蔽 物からの回折による受信により, マルチパスの影響を強 く受けているものと推察されるため, 標準偏差による傾 向は, その影響によるものと考えられる. なお,GPS の G3,GLONASS の R15 については, 可視 衛星であるため, 遮蔽物からの反射によるマルチパスの 影響を受けているものと考えられる. 衛星と遮蔽物位置 を確認すると, 衛星の飛来位置 ( 方位角 : ~ ) に対して, 仰角値の高い遮蔽物が正対する方向 ( 方向 角 :3 ~ ) に位置しており, その遮蔽物が影響し たものと推察される. 方位角 ( ) R1 R R3 R R5 R R7 R R9 R1 R11 R1 R13 R R15 R R17 R R19 R R1 R R3 R 方位角 ( ) ここで, 検討結果と信号強度との関係について確認を 行う. 遮蔽物を含む観測点で得られた各衛星の信号強度 値に対して, 遮蔽物を含まない観測点で得られた同衛星 の信号強度値を差し引き,1 分間毎 ( データ数 :) に 平均値を求めた結果を GPS,GLONASS 別に図 -1, 図 -13 に示す.GPS と GLONASS の L1,L の信号強度について I_15

6 G1 G G3 G G5 G G7 G G9 G1 G11 G1 G13 G G15 G G17 G G19 G G1 G G3 G G5 G G7 G G9 G3 G31 G G1 G G3 G G5 G G7 G G9 G1 G11 G1 G13 G G15 G G17 G G19 G G1 G G3 G G5 G G7 G G9 G3 G31 G 図 - 観測点 B3 における GPS のマルチパス検討結果 図 - 観測点 B における GPS のマルチパス検討結果 R1 R R3 R R5 R R7 R R9 R1 R11 R1 R13 R R15 R R17 R R19 R R1 R R3 R R1 R R3 R R5 R R7 R R9 R1 R11 R1 R13 R R15 R R17 R R19 R R1 R R3 R 図 -15 観測点 B3 における GLONASS のマルチパス検討結果 図 -17 観測点 B における GLONASS のマルチパス検討結果 は, 不可視衛星の場合, 受信機間の信号強度の差が L1, Lともに大きくなる傾向が見られ, 図 -1, 図 -11における較差の標準偏差の傾向と相関が見られる. また, 反射波の影響を受けていると推察される GPS のG3, GLONASS のR15 の可視衛星についても, 信号強度による差の平均値の分布が大きくなる傾向が見られ, 図 -1, 図 -11による検討結果との相関が見られた. しかし, 衛星の可視条件が変わる際の信号強度の傾向を調べると, GPS のG1,GLONASS のR 等の衛星において, 不可視となる直前に受信機間の信号強度の差が大きくなる傾向 が見られ, またその逆も確認された. これは, 信号強度の差は, 距離変化による較差と比較し, マルチパスの影響を正確に示さない場合があることを表しており, 提案手法を用いることで, より詳細なマルチパス判別が可能であると考えられる. 不可視衛星と較差の標準偏差の値が大きくなる際の方位角が一致する傾向については, 観測点 B3~B7 でも同様の傾向が見られている. また, 観測点 Bで見られた, 遮蔽物からの反射によるマルチパス影響と推察される結果も観測点 B3で見られた. 図 -, 図 -15 より観測点 B3に I_

7 G1 G G3 G G5 G G7 G G9 G1 G11 G1 G13 G G15 G G17 G G19 G G1 G G3 G G5 G G7 G G9 G3 G31 G G1 G G3 G G5 G G7 G G9 G1 G11 G1 G13 G G15 G G17 G G19 G G1 G G3 G G5 G G7 G G9 G3 G31 G 図 - 観測点 B5 における GPS のマルチパス検討結果 図 - 観測点 B における GPS のマルチパス検討結果 R1 R R3 R R5 R R7 R R9 R1 R11 R1 R13 R R15 R R17 R R19 R R1 R R3 R R1 R R3 R R5 R R7 R R9 R1 R11 R1 R13 R R15 R R17 R R19 R R1 R R3 R 図 -19 観測点 B5 における GLONASS のマルチパス検討結果 図 -1 観測点 B における GLONASS のマルチパス検討結果 おけるGPS,GLONASS のマルチパス検討結果を確認すると, 可視衛星の較差の平均値, および標準偏差の値が大きくなる衛星の位置 ( 方位角 : ~3 ) と正対する方向 ( 方向角 :1 ~ ) に遮蔽物が確認できるため, 観測点 Bと同様に遮蔽物からの反射による影響が考えられる. 一方, 観測点 B~B7 の可視衛星については, 平均値, 標準偏差ともに mm 付近で推移する傾向が見られ, 遮蔽物からの反射によるマルチパスの影響と推察される結果は得られなかった. 図 -, 図 -17 より観測点 Bにおける GPS,GLONASS のマルチパス検討結果を確認すると, 可視衛星は較差の平均値, 標準偏差ともに全て mm 付近で推移することがわかる. このとき, 図 -より周囲の遮蔽物の種類を調べると, 方向角 5 ~1 の範囲では, 観測点 B,B3で見られた建物による遮蔽物が確認できるが, 方向角 ~5,1 ~ の範囲では, 樹木による遮蔽物を多く含むことが確認できる. 樹木に対しては, 衛星電波の反射はほとんど起きないため, 樹木の方向角と正対する位置 ( 方位角 : ~3 ) を飛来するGPS とGLONASS の可視衛星の傾向は, その影響に I_17

8 G1 G G3 G G5 G G7 G G9 G1 G11 G1 G13 G G15 G G17 G G19 G G1 G G3 G G5 G G7 G G9 G3 G31 G 図 - 観測点 B7 における GPS のマルチパス検討結果 図 -3 観測点 B7 における GLONASS のマルチパス検討結果 よるものと推察される. R1 R R3 R R5 R R7 R R9 R1 R11 R1 R13 R R15 R R17 R R19 R R1 R R3 R なお, 樹木による遮蔽物は, 図 - より観測点 B5( 方向 角 : ~,3 ~3 ), 観測点 B( 方向角 : 11 ~,19 ~,31 ~3 ), 観測点 B7 ( 方向角 :1 ~7,9 ~1, ~5, ~3 ) においても同様に確認できる. 図 -~ 図 -3 よ り観測点 B5~B7 における GPS,GLONASS のマルチパス検 討結果を確認すると, 可視衛星は平均値, 標準偏差とも に mm 付近で推移することがわかる. 観測点 B と同様, 周囲が樹木による遮蔽物であるため, 反射によるマルチ 表 -1 GPS におけるマルチパス検討結果の傾向 観測点 平均値 (mm) 標準偏差 (mm) 可視衛星 不可視衛星 可視衛星 不可視衛星 B: 北遮蔽 B3: 南遮蔽 B: 東遮蔽 B5: 西遮蔽 B: 東西遮蔽 B7: 斜め遮蔽.... 表 - GLONASS におけるマルチパス検討結果の傾向 観測点 平均値 (mm) 標準偏差 (mm) 可視衛星 不可視衛星 可視衛星 不可視衛星 B: 北遮蔽 B3: 南遮蔽 B: 東遮蔽....7 B5: 西遮蔽....7 B: 東西遮蔽 B7: 斜め遮蔽....5 パスの影響を受けなかったものと考えられる. また, 樹木により不可視となった直後の衛星について, 標準偏差の値がmm 付近で推移する傾向が確認できる. これは, 建物による遮蔽物と比較し, 樹木の間を衛星電波が通過できるため, 遮蔽部分の少ない樹木の上部では, 衛星からの直接波が受信できたものと推察される. これらの検討結果より, 遮蔽物による回折波と考えられる不可視衛星から衛星電波, および反射波の影響を受けていると考えられる衛星電波については, 観測点に関わらず, 較差の平均値, および標準偏差の値が大きくなる傾向が見られた. 表 -1, 表 -より各観測点で得られた GPSと GLONASS の較差の平均値, および標準偏差の値に対して, それぞれ平均値を求めて傾向を確認すると, 較差の平均値については, 可視衛星の場合,GPS, GLONASS ともに周囲の遮蔽物に関わらず約 mm となることがわかる. 一方, 不可視衛星の場合, GPS, GLONASS ともに約.1mm となる観測点が確認されたが, 可視衛星との大きな違いは見られなかった. また, 較差の標準偏差の値については, 可視衛星の場合,GPS, GLONASS で~.1mm となる傾向が見られ, 不可視衛星については, 双方で値が大きくなる傾向が見られた. 不可視衛星からの衛星電波は, 遮蔽物からの回折による受信により, マルチパスの影響を強く受けているものと推察されるため, 今回提案した L1,Lの距離変化の差の較差は, マルチパスを判別する指標として用いることができると考えられる. 5. 利用衛星選択による測位性能の検証 (1) 検証目的高精度測位における利用衛星の選択効果を確認するため, 全観測衛星の電波を使用した場合とマルチパスの影 I_

9 累積度数 (%):GPS 累積度数 (%) 累積度数 (%):GLONASS 累積度数 (%):GPS 累積度数 (%) 累積度数 (%):GLONASS GPS 較差平均値 (mm) 図 観測点. B~B7.5 の可視衛星における 較差標準偏差値較差平均値の分布検討結果 (mm) GPS GLONASS GLONASS 1 較差標準偏差 (mm) 較差標準偏差値 (mm) 図 観測点. B~B7.5 の可視衛星における 較差標準偏差値の分布検討結果 (mm) 響を受けない衛星電波のみを選択した場合とで解析を行 った. 得られた解析結果より, 解析条件別に取得された 各測位解の割合と測位精度を算出し, 衛星選択効果の有 用性の検証を行った. () 衛星選択条件 マルチパスの影響を受けない衛星電波の条件としては, 前章より, 遮蔽物からの反射によるマルチパスの影響を 受けていないと推察される観測点 B~B7 の可視衛星の較 差平均値, および較差標準偏差値の結果を参考とした. 各衛星で得られた平均値, 標準偏差の結果に対して絶対 値を算出し,mm からの分布傾向により選択条件の決定 を行う. 図 -, 図 -5 より較差平均値, 較差標準偏差値 の分布傾向を累積度数により示す. 平均値については, GPS,GLONASS ともに 1.mm 以内となる傾向が確認でき, 標準偏差値については,GPS で 3.mm 以内,GLONASS で 1.mm 以内となる傾向が見られた. よって,GLONASS については, 平均値, 標準偏差ともに 1.mm 以内の衛星 を選択することとする 較差平均値 (mm) 一方,GPS については, 衛星の選択条件を平均値で 1.mm 以内, 標準偏差で 3.mm 以内とした場合, 一部の 不可視衛星も該当する. そこで, 図 -5 の結果の内訳を 調べると, 観測点 B の方位角 5 に飛来する G3, 観測 点 B5 の方位角 9 に飛来する G1,G11 が 1.mm 以上とな る値の多くを占めることが確認された. 衛星の飛来方向 における遮蔽物の仰角値を確認すると, 仰角が とな る等の急激な値の変動が見られるため, 取得した 3 次元 点群データの欠損により, 本来不可視となる衛星を可視 衛星として求めた可能性が考えられる. これらの衛星を 排除して値を確認した場合, 標準偏差は 1.mm 以内とな 1 - る傾向が見られるため,GPS についても, 平均値, 標準 偏差ともに 1.mm 以内の衛星を選択することとする. (3) 検証方法 検証方法としては, 遮蔽物なしの観測点 A を既知点, 遮蔽物を含む観測点 B~B7 を未知点とし, 双方で得られ た RINEX データより, GPS のみ と GPS+GLONASS の条件で使用する衛星を選定し, キネマティック解析を 行った. 評価対象は, 測位率と測位精度であり, 解析に より得られた Fix 解で検討を行った. なお, 既知点座標値については,11 年 月 3 日 11:~13: に同観測点と近傍の電子基準点を含めたスタ ティック測位による処理により得られた結果を使用し, 未知点座標値は,11 年 月 日 1:~13: に既知点とな る観測点を含めたスタティック測位による処理で得られ た結果を基準値とした. また, キネマティック解析には, RTKLIB Version..1 を使用し, 整数値バイアス決定手法 を Instantaneous, 解析に使用する観測データ周波数を L1+L に設定した. 仰角マスク,SNR マスクの設定につ ては, 前章の検討結果により利用衛星の選択を行うため, 受信機の仰角マスク設定と各衛星の SNR 値を確認し, 解 析時に必要なデータを全て含まれる値 ( 仰角マスク 15, SNR マスク 1dBHz) に設定して行った. () 観測点別における測位割合の検証結果 利用衛星選択による効果を検証するため, 全観測衛星 を使用した場合と, マルチパスの影響を受ける衛星を使 用しない場合の測位割合について検討を行った. 観測点別による GPS のみの測位解の割合を表 -3 に示す. 全観測衛星使用時と利用衛星選択時で得られた測位解の 割合を確認すると, 観測点 B を除く計 5 箇所については, Float 解の割合が低下し Fix 解の割合が増加する傾向が見 られた. 一方, 観測点 B では,Fix 解,Float 解の割合が 低下し, 測位不能となる割合が増加する傾向が確認され た. これは, 利用衛星選択により, 解析に必要とする 衛星以上の電波が得られなかった可能性が考えられる. なお,Fix 解の割合が増加した観測点 B5,B についても 測位不能となる割合の増加が確認できるが, 観測点 B と同様, 解析に必要とする衛星数の不足が考えられる. 次に,GPS+GLONASS による観測点別の測位解の割合 を表 - に示す. 双方の測位解の割合を確認すると, 利用 衛星を選択することにより, 全観測点で Float 解の割合が 低下し,Fix 解の割合が増加する傾向が見られた. 図 - より, 解析条件別に得られた Fix 解の割合を比較すると, 全観測衛星使用時では,GPS のみのほうが Fix 解の割合が 大きい観測点を多く確認できる. これは,GLONASS 併 用による衛星数の増加により, マルチパスの影響を受け る衛星電波が増加したためと推察される. また, 利用衛 I_19

10 1: 1:1 1: 1:1 1: 1: 1:3 1:3 1: 1: 1:5 11: 11:1 11:1 11: 11: 11:3 11:3 11: 11: 11:5 11:5 1: 1:1 1: 1: 1:1 1:3 1: 1: 1:3 1:5 1: 13: 1:5 13: 利用衛星数 ( 機 ) 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 11: 11:1 11: 11:3 11: 11:5 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 13: Fix 解の割合 (%) 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 11: 11:1 11: 11:3 11: 11:5 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 13: 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 11: 11:1 11: 11:3 11: 11:5 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 13: 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 11: 11:1 11: 11:3 11: 11:5 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 13: 表 -3 GPS のみによる測位解の割合 ( 単位 :%) 観測点 表 - GPS+GLONASS による測位解の割合 ( 単位 :%) 図 - 解析条件別による Fix 解の取得割合 星選択時では,GLONASS 併用時の Fix 解の割合が大きく なる観測点を多く確認できるが, これは,GPS のみの場 合よりも解析に使用できる衛星数が増加したためと考え られる. 全観測衛星使用 測位不能 Float Fix 測位不能 Float Fix B: 北遮蔽 B3: 南遮蔽 B: 東遮蔽 B5: 西遮蔽 B: 東西遮蔽 B7: 斜め遮蔽 観測点 全観測衛星使用 これらの検証結果より, マルチパスの影響を受ける衛 星を使用しないことで, 取得される Fix 解の割合が増加 し, さらに,GLONASS を併用することで,GPS のみの 場合よりも得られる Fix 解が増加することが確認された. なお, 全観測衛星使用時では,GLONASS 併用により GPS のみよりも取得する Fix 解の割合が低下したため, 併 用測位による衛星数増加の利点を生かすには, 的確に誤 差を含む衛星電波を除去する必要があるといえる. (5) 観測点別における測位精度の検証結果 利用衛星選択 利用衛星選択 測位不能 Float Fix 測位不能 Float Fix B: 北遮蔽 B3: 南遮蔽 B: 東遮蔽 B5: 西遮蔽 B: 東西遮蔽 B7: 斜め遮蔽 B B3 B B5 B B7 観測点 利用衛星選択による測位精度への影響を検証するため, 全観測衛星を使用した場合と, マルチパスの影響を受け る衛星を使用しない場合で得られた Fix 解により検討を 行った. なお, 精度比較については, 得られた Fix 解の 座標値から, スタティック測位で得られた基準座標値と の差を算出し, 観測開始時間から 1 分間毎に平均値を求 めて行った. また, 解析条件別に使用される衛星の数 とその配置についても比較を行うため,1 分間毎に衛星 図 -7 観測点 B における平均 Fix 解の時系列変化 図 - 観測点 B における利用衛星数の時系列変化 数と衛星配置による幾何学的な精度劣化度を示す PDOP (Position dilution of precision: 位置精度劣化係数 ) を求め て記入した. 観測時間 ( 時 : 分 ) 観測時間帯 ( 時 : 分 ) 観測時間帯 (( 時 : : 分 ) ) 観測点 B における平均 Fix 解の時系列変化を方向別に 図 -7 に示す.GPS のみ,GPS+GLONASS ともにマルチパ スの影響を受ける衛星を使用しないことで, 全観測衛星 使用時に Fix 解が得られない時間帯でも Fix 解の取得が確 認できる. また,Fix 解の分布は,GPS のみの場合, 利用 I_11

11 1: 1: 1:1 1:1 1: 1: 1:3 1:3 1: 1: 1:5 11: 11:1 11:1 11: 11: 11:3 11: 11:3 11:5 11: 1: 11:5 1:1 1: 1: 1:1 1:3 1: 1: 1:5 1:3 13: 1: 1:5 13: PDOP 1: 1:1 1: 1:1 1: 1: 1:3 1:3 1: 1: 1:5 11: 11:1 11:1 11: 11: 11:3 11:3 11: 11: 11:5 11:5 1: 1:1 1: 1: 1:1 1:3 1: 1: 1:3 1:5 13: 1: 1:5 13: 利用衛星数 ( 機 ) 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 11: 11:1 11: 11:3 11: 11:5 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 13: 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 11: 11:1 11: 11:3 11: 11:5 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 13: 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 11: 11:1 11: 11:3 11: 11:5 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 13: 1: 1: 1:1 1:1 1: 1: 1:3 1:3 1: 1: 1:5 11: 11:1 11:1 11: 11: 11:3 11: 11:3 11:5 11: 1: 11:5 1:1 1: 1: 1:1 1:3 1: 1: 1:5 1:3 13: 1: 1:5 13: 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 11: 11:1 11: 11:3 11: 11:5 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 13: PDOP 図 -9 観測点 B における PDOP の時系列変化 衛星の選択に関わらず, 南北, 東西方向で mm 以内, 鉛直方向で mm 以内となる傾向が確認でき, 解析に使 用する衛星数が減少しても, 測位精度に大きな影響はな いことがわかる ( 図 -7). 一方,GPS+GLONASS の場 合, 観測開始から 1: までの時間帯では,3 方向ともに GPS のみの Fix 解と同等の分布が確認できる. しかし, 観 測時間帯 1:3 以降では, 利用衛星選択時の Fix 解の分布 が大きくなり,GPS のみの場合よりも分布が大きくなる 傾向が見られた. 図 - より衛星数を確認すると,Fix 解 の分布が安定している 11:~11:3 の時間帯では 7 機 ~9 機 であるのに対し,1:3 以降では 機 ~1 機と多くの衛星を 解析に使用していることがわかる. また, 図 -9 より PDOP を確認した場合,11: では 3. であるのに対し, 1:3 では.1 となった. 衛星の幾何学的配置が良好にな るほど PDOP は低下するため,GLONASS 併用時の Fix 解 の分布について, 衛星数と衛星配置が影響したとは考え にくい. そこで, 解析に使用した GLONASS 衛星 (R, R9,R,R) の位置を調べると,R について, 設 定した衛星選択条件内においても不可視衛星となる場合 が確認できる.GLONASS 衛星において設定した衛星選 択条件では, マルチパスの影響を受ける衛星電波を正確 に除去しきれなかった可能性が考えられる. 利用衛星を選択した場合の Fix 解の分布については, 欠損を生じることなく解が得られる場合,B3~B7 の各観 測点においても B と同様の傾向が見られる. 図 -3 より GPS のみ,GPS+GLONASS の Fix 解の取得割合が大きい観 測点 B3 の分布について確認すると, 一部の時間帯で mm 以上となる解が確認できるが, 多くは時間帯に関 わらず一定の分布を示していることがわかる. 図 -31 よ り利用衛星数を確認すると, 全観測衛星使用では Fix 解 が得られない 1:~1:3 の時間帯の衛星数に対して, 利 用衛星選択時では衛星数が減少する傾向が見られており, GPS のみ,GPS+GLONASS ともにマルチパスの影響を受 ける衛星電波を的確に処理できているものと推察される. また, 図 -3 より同時間帯の PDOP を確認すると, 利用衛 星選択時では PDOP が増加する傾向が見られており,Fix 解の取得については, 衛星の幾何学的な配置条件より も, マルチパスの影響を受ける衛星電波の処理を重視す る必要があるといえる. 観測時間帯 ( ( 時 : : 分 ) ) 観測時間 ( 時 : 分 ) 観測時間帯 ( 時 : 分 ) 図 -3 観測点 B3 における平均 Fix 解の時系列変化 観測時間帯 (( 時 : : 分 ) ) 図 -31 観測点 B3 における利用衛星数の時系列変化 観測時間帯 ( ( 時 : : 分 ) ) 図 -3 観測点 B3 における PDOP の時系列変化 I_111

12 1: 13:3 1:1 13: 1: 13:5 1:3 : 1: :1 : 1:5 :3 11: : 11:1 :5 11: 15: 15:1 11:3 15: 11: 15:3 11:5 15: 1: 15:5 1:1 : :1 1: : 1:3 :3 1: 1:5 13: PDOP 1: 1:1 13:3 13: 1: 13:5 1:3 : 1: :1 1:5 : 11: :3 : 11:1 :5 11: 15: 11:3 15:1 11: 15: 11:5 15:3 15: 1: 15:5 1:1 : 1: :1 1:3 : 1: :3 1:5 13: 利用衛星数 ( 機 ) 13:3 13: 13:5 : :1 : :3 : :5 15: 15:1 15: 15:3 15: 15:5 : :1 : :3 13:3 13: 13:5 : :1 : :3 : :5 15: 15:1 15: 15:3 15: 15:5 : :1 : :3 13:3 13: 13:5 : :1 : :3 : :5 15: 15:1 15: 15:3 15: 15:5 : :1 : :3 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 11: 11:1 11: 11:3 11: 11:5 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 13: 観測時間 ( 時 : 分 ) 観測時間帯 ( 時 : 分 ) 図 -33 観測点 B における平均 Fix 解の時系列変化 観測時間帯 (( 時 : : 分 ) ) 図 -3 観測点 B における利用衛星数の時系列変化 観測時間帯 ( ( 時 : : 分 ) ) 図 -35 観測点 B における PDOP の時系列変化 一方, 図 -33 より Fix 解の取得割合が小さい観測点 B の 分布について確認すると, 利用衛星を選択することで得 られる解の分布は,GPS のみ,GPS+GLONASS ともに 3 方 向で大きくなる傾向が見られる. 図 -3 より利用衛星数 を調べると,GPS のみの場合, 利用衛星選択時において 衛星数が 3 機となる時間帯が確認でき, 解析に必要な衛 星数を満たしていないことがわかる. また, 図 -35 より 利用衛星選択時の PDOP の傾向を調べると,Fix 解が連続 して得られている :~15: の時間帯では,GPS のみの 場合で.~3. の範囲となり, 観測点 B~B3 よりも PDOP が増加する傾向が見られる. これらの結果より,GPS の みにおける Fix 解の測位割合, および分布の傾向は, 解 析に必要とする衛星数の不足と幾何学的な衛星配置が影 響したものと推察される. なお,GPS+GLONASS につい ては, 利用衛星選択時でも測位に必要な衛星数が得られ ており,PDOP についても GPS のみのと比較し常に低い 値で推移することがわかる.Fix 解の分布を確認すると, GPS のみの場合と類似した傾向を示しており,GPS 側の 衛星数, および衛星配置等の観測条件が影響したものと 推察される. これらの観測点 B~B で見られた傾向は, 残りの観測 点 B5~B7 でも同様に確認できる.Fix 解の取得割合が大き い観測点 B5 では, 一部の観測時間帯で特異解が確認さ れるが,13:5~15: の時間帯では,Fix 解の分布と利用衛 星数の推移について, 観測点 B,B3 の結果と同様の傾 向が確認できる ( 図 -3, 図 -37).15: 以降では,GPS のみの場合,Fix 解の分布は大きくなる傾向が見られる が, 図 -3 より PDOP を確認すると, 観測点 B における PDOP の推移と同様に増加する傾向が見られ, 幾何学的 な衛星配置が影響したものと推察される. また,Fix 解 の取得割合が最も小さい観測点 B では, 観測点 B と同 様に Fix 解の分布が 3 方向ともに大きくなる傾向が確認で きる ( 図 -39). 図 -, 図 -1 より衛星数と PDOP を調べ ると,GPS のみによる利用衛星選択時において, 衛星数 が 3 機となる時間帯が確認でき,PDOP についても増加す る傾向が確認できるため, 幾何学的な衛星配置も含めた 衛星の観測条件が影響しているものと推察される. 観測 点 B7 については, 利用衛星選択時の Fix 解の割合が最も 大きく,GPS のみ,GPS+GLONASS について 3 方向ともに 一定の分布となる傾向が見られた ( 図 -). 図 -3, 図 - より衛星数と PDOP を調べると, 利用衛星の選択によ り衛星数が減少しても,GPS のみの場合で 5 機以上とな り,PDOP についても 5. 以下で推移するため, 他の観測 点と比較し, 衛星数, 衛星配置等が全観測時間帯を通し て良好であることが確認できる. これらの検証結果より, 利用衛星を選択することで 解析に使用する衛星数は減少するが, 観測点 B,B3, B5,B7 で確認された Fix 解の分布より, 解の欠損を生じ, I_11

13 1: 1:1 13:3 13: 1: 13:5 1:3 : 1: :1 1:5 : 11: :3 : 11:1 :5 11: 15: 11:3 15:1 11: 15: 11:5 15:3 15: 1: 15:5 1:1 : 1: :1 1:3 : :3 1: 1:5 13: 1: 1:1 13:3 13: 1: 13:5 1:3 : 1: :1 1:5 : 11: :3 : 11:1 :5 11: 15: 11:3 15:1 11: 15: 15:3 11:5 15: 1: 15:5 1:1 : 1: :1 1:3 : :3 1: 1:5 13: PDOP PDOP 1: 1:1 13:3 13: 1: 13:5 1:3 : 1: :1 1:5 : 11: :3 : 11:1 :5 11: 15: 11:3 15:1 11: 15: 11:5 15:3 15: 1: 15:5 1:1 : 1: :1 1:3 : 1: :3 1:5 13: 1: 1:1 13:3 13: 1: 13:5 1:3 : 1: :1 1:5 : 11: :3 : 11:1 :5 11: 15: 11:3 15:1 11: 15: 15:3 11:5 15: 1: 15:5 1:1 : 1: :1 1:3 : :3 1: 1:5 13: 利用衛星数 ( 機 ) 利用衛星数 ( 機 ) 13:3 13: 13:5 : :1 : :3 : :5 15: 15:1 15: 15:3 15: 15:5 : :1 : :3 13:3 13: 13:5 : :1 : :3 : :5 15: 15:1 15: 15:3 15: 15:5 : :1 : :3 13:3 13: 13:5 : :1 : :3 : :5 15: 15:1 15: 15:3 15: 15:5 : :1 : :3 13:3 13: 13:5 : :1 : :3 : :5 15: 15:1 15: 15:3 15: 15:5 : :1 : :3 13:3 13: 13:5 : :1 : :3 : :5 15: 15:1 15: 15:3 15: 15:5 : :1 : :3 13:3 13: 13:5 : :1 : :3 : :5 15: 15:1 15: 15:3 15: 15:5 : :1 : :3 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 11: 11:1 11: 11:3 11: 11:5 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 13: 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 11: 11:1 11: 11:3 11: 11:5 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 13: 観測時間 ( 時 : 分 ) 観測時間 ( 時 : 分 ) 観測時間帯 ( 時 : 分 ) 観測時間帯 ( 時 : 分 ) 図 -3 観測点 B5 における平均 Fix 解の時系列変化 図 -39 観測点 B における平均 Fix 解の時系列変化 観測時間帯 (( 時 : : 分 ) ) 観測時間帯 ( ( 時 : : 分 ) ) 図 -37 観測点 B5 における利用衛星数の時系列変化 図 - 観測点 B における利用衛星数の時系列変化 観測時間帯 ( ( 時 : : 分 ) ) 観測時間帯 ( ( 時 : : 分 ) ) 図 -3 観測点 B5 における PDOP の時系列変化 図 -1 観測点 B における PDOP の時系列変化 I_113

14 1: 1:1 1: 1:1 1: 1: 1:3 1:3 1: 1:5 1:5 11: 11:1 11:1 11: 11: 11:3 11:3 11: 11: 11:5 1: 11:5 1:1 1: 1: 1:1 1:3 1: 1: 1:3 1:5 13: 1: 1:5 13: PDOP 1: 1:1 1: 1:1 1: 1: 1:3 1:3 1: 1:5 11: 11:1 11:1 11: 11: 11:3 11:3 11: 11: 11:5 1: 11:5 1:1 1: 1: 1:1 1:3 1: 1: 1:3 1:5 13: 1: 1:5 13: 利用衛星数 ( 機 ) 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 11: 11:1 11: 11:3 11: 11:5 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 13: 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 11: 11:1 11: 11:3 11: 11:5 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 13: 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 11: 11:1 11: 11:3 11: 11:5 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 13: 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 11: 11:1 11: 11:3 11: 11:5 1: 1:1 1: 1:3 1: 1:5 13: 観測時間 ( 時 : 分 ) 観測時間帯 ( 時 : 分 ) 図 - 観測点 B7 における平均 Fix 解の時系列変化 観測時間帯 ( ( 時 : 分 : 分 ) ) 図 -3 観測点 B7 における利用衛星数の時系列変化 観測時間帯 ( ( 時 : : 分 ) ) 図 - 観測点 B7 における PDOP の時系列変化 表 -5 GPS のみにおける Fix 解の概略精度内となる 観測点 平均値の割合 ( 単位 :%) 全観測衛星使用 南北方向東西方向鉛直方向南北方向東西方向鉛直方向 B: 北遮蔽 B3: 南遮蔽 B: 東遮蔽 B5: 西遮蔽 B: 東西遮蔽 B7: 斜め遮蔽 表 - GPS+GLONASS おける Fix 解の概略精度内となる 観測点 平均値の割合 ( 単位 :%) 全観測衛星使用 利用衛星選択 利用衛星選択 南北方向東西方向鉛直方向南北方向東西方向鉛直方向 B: 北遮蔽 B3: 南遮蔽 B: 東遮蔽 B5: 西遮蔽 B: 東西遮蔽 B7: 斜め遮蔽 ることなく一定の分布範囲で長時間測位できることが確 認された. しかし, 観測点 B,B の測位結果より, 利 用衛星を選択することで Fix 解の分布が大きくなる, ま たは解を得られない場合が確認された. 表 -5, 表 - より 各観測点で得られた全データ数 ( データ数 :) に対 して,GPS のみ,GPS+GLONASS の条件で取得された平 均 Fix 解が,Fix 解の概略精度内である mm 以内となる割 合を方向別に示す.GPS のみ,GPS+GLONASS ともに, 観測点 B,B3,B5,B7 では利用衛星を選択することで, 平均 Fix 解が mm 以内となる割合は 3 方向ともに増加す ることがわかる. また,GPS のみと GPS+GLONASS で比 較した場合, 観測点 B3,B5,B7 で GLONASS 併用時のほ うが, 平均 Fix 解の割合は増加する傾向が見られた. 観 測点 B については,GLONASS を併用することで平均 Fix 解の割合が低下する傾向が確認でき, これは, GLONASS 衛星においてマルチパスの影響を受ける衛星 電波を除去しきれなかった可能性が考えられる. 次に, 観測点 B では,GPS のみの場合, 東西, 鉛直方 向で平均 Fix 解が mm 以内となる割合は低下し, GPS+GLONASS についても, 東西方向で割合は低下する ことがわかる. また, 観測点 B では,GPS のみ, GPS+GLONASS ともに mm 以内となる平均 Fix 解の割合 は増加するものの, 他の観測点と比較して割合は小さい ことが確認できる. 観測点 B,B については, マルチ パスの影響を受ける衛星を使用しないことで, 時間帯に よっては解析に必要な衛星数が得られない場合が確認さ れており, 幾何学的な衛星配置も含めた衛星の観測条件 が影響したものと推察される. マルチパスの影響を受け る衛星を判別し, 測位に利用する衛星を選択するには, 影響を受けない衛星の数および配置を確認し, 場合によ I_1

15 ってはマルチパスの影響を受ける衛星を使用するなど, 測位目的に応じた衛星選択条件の線引きが必要であるといえる.. 結論 (1) 本研究の成果本研究では, マルチパスの影響を受ける衛星電波を判別するため, 衛星から送信される L1,L の距離変化の差の較差を指標とする手法を提案して検討を行い, その結果をもとに利用衛星選択による測位性能の検証を行った. 遮蔽物を含む観測点と含まない観測点で得られた GPS とGLONASS の衛星電波観測データより, 提案したマルチパス判別指標の算出を行った結果, 以下の点が明らかになった. 1 L1とLの距離変化の差の較差について,1 分間 ( データ数 :) 毎に平均値と標準偏差を求めた結果, GPS,GLONASS ともに, 遮蔽物による回折と考えられる不可視衛星の衛星電波, および反射波の影響を受けていると考えられる衛星電波について, 値が大きくなる傾向が見られた. 信号強度を用いたマルチパス判別手法と比較し, 距離変化の差の較差を用いた指標では, 衛星と遮蔽物位置に対するマルチパスの影響が顕著に表れることが確認された. 次に, 算出した指標の結果をもとに利用衛星を選択し, キネマティック処理を行った結果, 以下の点が明らかになった. 1 マルチパスの影響を受ける衛星を使用しないことで取得されるFix 解の割合は増加し,GLONASS を併用することで,GPS のみの場合よりも得られる Fix 解が増加することが確認された. 全観測衛星使用時と利用衛星選択時の Fix 解の分布を比較した結果,GPS のみ,GPS+GLONASS ともに利用衛星を選択することで解析に使用する衛星数の減少に加え,PDOP の増加も確認されるが, 解の欠損を生じることなく一定の分布範囲で長時間測位できることが確認された. 3 GLONASS を併用し, 的確にマルチパスの影響を受ける衛星電波を除去することで,Fix 解の概略精度であるmm 以内となる解の割合が増加する傾向が確認された. 本研究の成果より,GPS とGLONASS のマルチパスの影響を受ける衛星電波の判別については, 衛星から送信されるL1,L の距離変化の差の較差が, 指標として有効であることが示された. また, 指標の結果をもとに, 解析に使用する衛星を選択することで取得できる Fix 解 の割合が増加し, さらに,GLONASS を併用することで得られるFix 解が増加するため, 周囲に遮蔽物がある観測位置でも解の欠損を生じることなく高精度測位ができるものと考えられる. () 今後の課題利用衛星選択時の Fix 解について, 誤差を含む衛星電波を除去したにも関わらず Fix 解の分布が大きくなる, または, 解を得られない場合が確認された. 要因としては, マルチパスの影響を受けない衛星電波の選択が不十分であった可能性に加え, 解析に必要な衛星数の不足, およびGPS とGLONASS の幾何学的な衛星配置が影響しているものと考えられる. 衛星電波の選択については,GPS とGLONASS で選択条件を同一に設定したため, 適切にマルチパスの影響を受ける衛星電波を除去できなかった可能性が考えられる. よって, 今後は双方のサンプル数を増やし,GPS と GLONASS で適切な設定条件の検討を行うこととする. また, 衛星電波の選択により生じる衛星数の不足については, マルチパスの影響を受ける衛星と受けない衛星の位置関係を確認し, 各衛星系の配置も含めた衛星選択手法を今後検討する予定である. 謝辞 : 本研究は平成 3 年度科学研究費助成金 ( 基盤研究 C)353の助成を受けた. ここに記して謝意を申し上げる. 参考文献 1) 日本測量協会 : 公共測量作業規定の準則,pp.1-3,11. ) A. J. Van Dierendonck, P. Fenton and T. Ford:Theory and Performance of Narrow Correlator Spacing in a GPS Receiver, Navigation, J. Institute of Navigation, Vol.39, No.3, Fall 199 3) 増成友宏, 武地美明, 田村尚之, 船津貴弘, 清水則一 : GPS 変位計測における上空障害物の影響とその低減法, 土木学会論文集 F,Vol.,No.,pp.39-,.11. ) 近津博文, 熊谷樹一郎, 佐田達典, 鹿田正明, 淵本正隆 : 空間情報工学概論, 日本測量協会,pp.91-93,5.. 5) 久保信明, 安田明生 : 定点測位におけるコードマルチパス誤差の削減について, 電子情報通信学会論文誌 B,Vol.J- B,No.1,pp.-11,3.1. ) 日本航海学会 GPS 研究会 : 精説 GPS 基本概念 測位原理 信号と受信機,pp.13-15,.1. 7) 土屋淳, 辻宏道 :GNSS 測量の基礎, 日本測量協会,pp.- 19,p.1,pp.3-7,p.1,.3. ) 西修二郎 :GNSS のすべて,pp.9-9,1. 9) Werner Gurtner:RINEX - The Receiver Independent Exchange Format Version 3.1, rinex31.pdf( 入手 1.3.9) I_115

16 ( 受付 ) STUDY ON THE EFFECT OF SATELLITE SELECTION OF HIGH ACCURACY POSITIONING USING GPS AND GLONASS Takahiro IKEDA and Tatsunori SADA As for the satellite based positioning system GPS has been used mainly, but GLONASS has made great progress and has come to be used in recent years. Therefore, improvement of positioning availability is expected in the urban and mountainous areas by using GLONASS satellite as well as GPS satellite. However, the increase of satellite may cause the increase of multipath; it is required to select the satellite to be used in advance check the status of satellite radio. The authors investigated the classification method of satellite radio of multipath using the distance change of the carrier wave L1 and L; then verified the effect of interferometric positioning by satellite selection to be used for positioning. As a result, satellite radio of multipath affected was confirmed by distance change of the carrier wave. In addition, positioning ratio of interferometric positioning has been improved by the satellite selection, and high accuracy solution was confirmed to obtain by continuously. I_1

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