6. オーストラリアにおける水産物等の輸入に対する制度水産物等の輸入に対する制度では1 検疫 2 税制と関税 3 食品衛生の概念 4 流通制度等に留意する必要がある以下ではそれらの制度を具体的に取り上げる 1 検疫オーストラリア検疫局による水産物等に対する規制は以下の web site にあるデ

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さあしゃしもね
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1 6. オーストラリアにおける水産物等の輸入に対する制度水産物等の輸入に対する制度では1 検疫 2 税制と関税 3 食品衛生の概念 4 流通制度等に留意する必要がある以下ではそれらの制度を具体的に取り上げる 1 検疫オーストラリア検疫局による水産物等に対する規制は以下の web site にあるデータベースで確認することができるオーストラリアの検疫規制では魚病の観点から特定の魚種等に対して証明書を求めているが平成 21 年 3 月末現在日本 ( 農林水産省 ) はオーストラリアの求める証明書を発行する体制を整備している段階であり証明書の発行は行われていないしかしながら全ての水産物等に対して証明書が求められているわけではないので証明書がなくても通関できる水産物等もある ( 2 税制と関税現状で関税が課せられるのはツナ缶詰とカツオ缶詰の二種類のみであり関税率は 5% であるその他鮮魚および冷凍魚に関してオーストラリアは関税をかけていない 3 食品衛生の概念 1で述べた検疫とここで紹介する食品衛生については全く異なる制度であり検疫はあくまでオーストラリアに特定の水産物等を輸入しようとする際に魚病の観点から検査を受けることを指すのに対して食品衛生とはオーストラリアの国内における食の安全に関する検査であり検疫で問題がなかったとしても食の安全に関する検査において問題が発生することも考えられる以下にはオーストラリアにおける食品衛生の概念を説明する最も広く行なわれている食の安全に関する検査はヒスタミンリステリア E. Coli( 大腸菌 ) サルモネラである中でもオーストラリア食の安全規則(Food Standards Australia New Zealand: FSANZ) は水産物等のヒスタミン含有レベルは 200mg/kg を越えてはならないと規定している 13 さらに FSANZ では様々な報告書でその規制条件の検討過程を公表しており各魚卸売市場ではそれに基づきより厳しい規則を設定している場合があるヒスタミンの場合各魚卸売市場は以下の図表で示すようにヒスタミン含有量が 100mg/kg を越えないというより厳しい規制を設定しているなお日本からの輸出でヒスタミンの規定にかかりやすいのはカツオであるカツオのヒスタミン含有量は季節及び個体によって異なるため 200mg/kg の規制であっても日本からの冷凍カツオの輸出が難しくなっているさらに鰹節も同様にヒスタミンの規定にかかりやすいとのことであるまた食の安全の観点から水産物等の取り扱い時には温度 13 例えばを参照したがって各魚卸売市場を通らずに直接輸入して卸す場合ヒスタミン含有量は 200mg/kg の基準が適用される

2 管理に対する規則がある ( 図表参照 14) 図表 27 刺身用水産物 ( マグロ ) に関する規則対象マグロ種基本的にはキハダメバチミナミマグロビンナガ輸送状態氷の中で-1 から 5 に冷蔵水産物の温度最低 :-1 最高 :5 準備エラと内臓は取り去る血を抜いてあることが望ましい梱包清潔な大箱清潔なプラスティックバッグを内部に敷いた清潔なダンボールか清潔なプラスティックバッグを内部に敷いた清潔な断熱箱ラベル水産物には供給業者名魚種重量 ( ネット ) グレード 15 を特定できるバーコードが付けられること魚種名はオーストラリア水産物ハンドブック (Australian Seafood Handbook) に沿っていること捕獲養殖地域保健局あるいは NSW 漁業局より水質に問題がある ( その結果食用に適さない ) とされた地域で捕獲養殖された水産物は認められない重金属最大含有可能値 ( 食の安全基準による ) 水銀南部ブルーフィン 1.0 ppm ヒ素 ( 無機のみ ) 1.0ppm 化学物質含有量有機化学物質微生物汚染保管消費者用準備影響を受けやすい人口集団 (sensitive population) PCB ヒスタミンリン酸塩アスコルビン酸ホルムアルデヒドアルドリンディルドリン BHC クロルデン DDT HCB ヘプタクロルリンデン一般細菌数 (SPC) 大腸菌ブドウ球菌サルモネラ冷蔵室あるいは氷上で-1 から 5 で保管小売あるいは加工用となっている特になし一般消費が意図されている 0.5mg/kg 以下 100mg/kg を越えない 1.3mg/kg 以下 400mg/kg 以下 50mg/kg 以下 0.1mg/kg 以下 0.01mg/kg 以下 0.05mg/kg 以下 1mg/kg 以下 0.1mg/kg 以下 0.05mg/kg 以下 1mg/kg 以下 10 の 6 乗の微生物数 /g を越えない 10 大腸菌 /g を越えない 500 ブドウ球菌 /g を越えない食物 25g 中に存在しない 14 Sydney Fish Market (2005) Seafood Handling Guidelines ( ) 15 刺身用水産物 ( マグロ ) の場合大きさ匂い魚肉の色新鮮さ傷病気寄生虫汚染の 7 点で Sashimi A Sashimi B 刺身として販売できないものの 3 つのグレードに分類される

3 図表 28 刺身用水産物 ( マグロ除く )( 冷蔵 ) に関する規則対象ヒレのある魚 ( 様々な魚種 ) 甲殻類軟体動物輸送状態氷の中で-1 から 5 に冷蔵水産物の温度最低 :-1 最高 :5 梱包清潔なプラスティック魚用枠大箱清潔なプラスティックバッグを内部に敷いた清潔なダンボールか清潔な断熱箱ラベル水産物には供給業者名魚種重量 ( ネット ) グレード 16 を特定できるバーコードが付けられること魚種名はオーストラリア水産物ハンドブック (Australian Seafood Handbook) に沿っていること捕獲養殖地域保健局あるいは NSW 漁業局より水質に問題がある ( その結果食用に適さない ) とされた地域で捕獲養殖された水産物は認められない認められない魚以下の魚種の販売は認められていない Chinaman Fish( イトヒキフエダイ ) 種 Paddle-tail( ヒメフエダイ ) Morey Eel( ウツボを含む種類 ) Red Bass( バラフエダイ ) Toad Fish( フグを含む種類 ) 重金属最大含有可能値 ( 食の安全基準による ) 水銀 Gemfish, Billfish (Marlin 含む ) バラム化学物質含有量有機化学物質微生物汚染ンディ南部ブルーフィン Ling, Orange Roughy, Ray 及びサメ全種その他すべての魚甲殻類軟体動物カドミウム ( 軟体動物 ) ヒ素 ( 無機のみ ) 亜鉛 ( カキ ) 銅 ( 軟体動物 ) PCB ヒスタミンリン酸塩アスコルビン酸メタ重亜硫酸ナトリウム麻痺性貝毒ドーモイ酸ホルムアルデヒドアルドリンディルドリン BHC クロルデン DDT HCB ヘプタクロルリンデン一般細菌数 (SPC) 大腸菌ブドウ球菌サルモネラ 1.0ppm 0.5ppm 2.0ppm(drege/Bluff オイスタークイーンホタテ ) 1.0 ppm 1,000 ppm 70 ppm 0.5mg/kg ( 魚のみ ) 以下 100mg/kg を越えない 1.3mg/kg 以下 400mg/kg 以下未調理エビ 30ppm 未満 0.8ppm 未満 ( 軟体動物 : 二枚貝 ) 20mg/kg( 軟体動物 ) 未満 50mg/kg 以下 0.1mg/kg 以下 0.01mg/kg 以下 0.05mg/kg 以下 1mg/kg 以下 0.1mg/kg 以下 0.05mg/kg 以下 1mg/kg 以下 10 の 6 乗の微生物数 /g を越えない 10 大腸菌 /g を越えない 500 ブドウ球菌 /g を越えない食物 25g 中に存在しない保管消費者用準備影響を受けやすい人口集団ホタテ以外の二枚貝一般細菌数 (SPC) 大腸菌冷蔵室あるいは氷上で-1 から 5 で保管小売あるいは加工用となっている特になし一般消費が意図されている 10 の 6 乗の微生物数 /g を越えない 2.3 大腸菌 /g を越えない 16 刺身用水産物 ( マグロ除く )( 冷蔵 ) の場合大きさ匂い皮の色 / 鱗の状態エラ内臓新鮮さ傷病気寄生虫汚染の 8 点で Sashimi A Sashimi B 刺身として販売できないものの 3 つのグレードに分類される

4 図表 29 未調理の冷蔵水産物水産加工物に関する規則対象ヒレのある魚甲殻類軟体動物棘皮動物輸送状態氷で冷やす水産物の温度最低 :-1 最高 :5 梱包清潔なプラスティック魚用枠断熱性の発泡スチロールの箱ワックスをした箱あるいはダンボール断熱性箱ラベル水産物には供給業者名魚種重量 ( ネット ) グレード 17 加工方法を特定できるバーコードが付けられること魚種名はオーストラリア水産物ハンドブック (Australian Seafood Handbook) に沿っていること捕獲地域保健局あるいは NSW 漁業局より水質に問題がある ( その結果食用に適さない ) とされた地域で捕獲された水産物は認められない認められない以下の魚種の販売は認められていない Chinaman Fish( イトヒキフエダイ ) 魚種 Paddle-tail( ヒメフエダイ ) Morey Eel( ウツボを含む種類 ) Red Bass( バラフエダイ ) Toad Fish( フグを含む種類 ) 重金属最大含有可能値 ( 食の安全基準による ) 水銀 Gemfish, Billfish (Marlin 含む ) 化学物質含有量有機化学物質微生物汚染保管消費者用準備影響を受けやすい人口集団バラムンディ南部ブルーフィン Ling, Orange Roughy, Ray 及びサメ全種その他すべての魚甲殻類軟体動物カドミウム ( 軟体動物 ) ヒ素 ( 無機のみ ) 亜鉛 ( カキ ) 銅 ( 軟体動物 ) PCB ヒスタミンリン酸塩アスコルビン酸メタ重亜硫酸ナトリウム麻痺性貝毒ドーモイ酸ホルムアルデヒドアルドリンディルドリン BHC クロルデン DDT HCB ヘプタクロルリンデンホタテ以外の二枚貝一般細菌数 (SPC) 大腸菌冷蔵室あるいは氷上で-1 から 5 で保管小売あるいは加工用となっている消費前に調理が必要 ( 調理済甲殻類除く ) 特になし一般消費が意図されている 1.0 ppm 0.5ppm 2.0ppm(drege/Bluff オイスタークイーンホタテ ) 1.0 ppm 1,000 ppm 70 ppm 0.5mg/kg ( 魚のみ ) 以下 100mg/kg を越えない 1.3mg/kg 以下 400mg/kg 以下未調理エビ 30ppm 未満 0.8ppm 未満 ( 軟体動物 : 二枚貝 ) 20mg/kg( 軟体動物 ) 未満 50mg/kg 以下 0.1mg/kg 以下 0.01mg/kg 以下 0.05mg/kg 以下 1mg/kg 以下 0.1mg/kg 以下 0.05mg/kg 以下 1mg/kg 以下 10 の 6 乗の微生物数 /g を越えない 2.3 大腸菌 /g を越えない 17 未調理の冷蔵水産物水産加工物の場合大きさ匂い皮の色 / 鱗の状態エラ内臓新鮮さ病気寄生虫汚染の 8 点で A グレード B+ グレード B グレード C グレード販売できないものの 5 つのグレードに分類される

5 図表 30 調理済冷蔵甲殻類に関する規則対象主にエビカニロブスター輸送状態 -1 から 5 の氷につける水産物の温度最低 :-1 最高:5 梱包清潔なプラスティック魚用枠絶縁性の発泡スチロールの箱ワックスをした箱あるいはダンボール絶縁性箱ラベル水産物には供給業者名魚種重量 ( ネット ) グレード 18 を特定できるバーコードが付けられること魚種名はオーストラリア水産物ハンドブック (Australian Seafood Handbook) に沿っていること捕獲養殖地域保健局あるいは NSW 漁業局より水質に問題がある ( その結果食用に適さない ) とされた地域で捕獲養殖された水産物は認められない重金属最大含有可能値 ( 食の安全基準による ) ヒ素 ( 無機のみ ) 1.0 ppm 水銀 0.5 ppm 化学物質含有量ヒスタミンリン酸塩アスコルビン酸メタ重亜硫酸ナトリウム麻痺性貝毒 100mg/kg を越えない 1.3mg/kg 以下 400mg/kg 以下未調理エビ 30ppm 未満 0.8ppm 未満 ( 軟体動物 : 二枚貝 ) 有機化学物質微生物汚染保管消費者用準備影響を受けやすい人口集団ドーモイ酸ホルムアルデヒドアルドリンディルドリン BHC クロルデン DDT HCB ヘプタクロルリンデン一般細菌数 (SPC) 大腸菌ブドウ球菌サルモネラ冷蔵室あるいは氷上で-1 から 5 で保管小売あるいは加工用となっている特になし一般消費が意図されている 20mg/kg( 軟体動物 ) 未満 50mg/kg 以下 0.1mg/kg 以下 0.01mg/kg 以下 1.3g/kg 以下 1mg/kg 以下 0.1mg/kg 以下 0.05mg/kg 以下 1mg/kg 以下 10 の 6 乗の微生物数 /g を越えない 10 大腸菌 /g を越えない 500 ブドウ球菌 /g を越えない食物 25g 中に存在しない 18 調理済冷蔵甲殻類の場合大きさ匂い皮の色 / 鱗の状態卵脱皮段階甲羅ハサミ足外見病気寄生虫汚染の 11 点で A グレード B+ グレード C グレード販売できないものの 4 つのグレードに分類される

6 図表 31 冷凍水産物水産加工品に関する規則対象ヒレのある魚甲殻類軟体動物輸送状態輸送時の温度最高 -20 水産物の温度受け入れ先及び輸送時の温度倉庫温度最高 -20 最高 -25 梱包清潔なプラスティックバッグを内部に敷き外側は清潔なダンボールか発泡スチロールの箱ラベル冷凍水産物は以下のようにラベルが付けられていなければならない梱包者あるいは生産者の名称住所連絡先 ( 電話 /fax) 製品記載 : 魚種大きさ加工方法重量梱包日及び / または賞味期限魚種名はオーストラリア水産物ハンドブック (Australian Seafood Handbook) に沿っていること梱包日あるいは賞味期限水産物の場合賞味期限が3ヶ月以下の場合梱包から3ヶ月以上たっている場合は認められない捕獲地域保健局あるいは NSW 漁業局より水質に問題がある ( その結果食用に適さない ) とされた地域で捕獲された水産物は認められない認められない魚種以下の魚種の販売は認められていない Chinaman Fish( イトヒキフエダイ ) Paddle-tail( ヒメフエダイ ) Morey Eel( ウツボを含む種類 ) Red Bass( バラフエダイ ) Toad Fish( フグを含む種類 ) 重金属最大含有可能値 ( 食の安全基準による ) 水銀 Gemfish, Billfish (Marlin 含む ) バラムンデ化学物質含有量有機化学物質微生物汚染ィ南部ブルーフィン Ling, Orange Roughy, Ray 及びサメ全種その他すべての魚甲殻類軟体動物カドミウム ( 軟体動物 ) ヒ素 ( 無機のみ ) 亜鉛 ( カキ ) 銅 ( 軟体動物 ) PCB ヒスタミンリン酸塩アスコルビン酸メタ重亜硫酸ナトリウム麻痺性貝毒ドーモイ酸ホルムアルデヒドアルドリンディルドリン BHC クロルデン DDT HCB ヘプタクロルリンデン調理済甲殻類一般細菌数 (SPC) 大腸菌ブドウ球菌サルモネラホタテ以外の二枚貝一般細菌数 (SPC) 大腸菌 1.0 ppm 0.5ppm 保管冷凍庫の温度最高 ppm(drege/Bluff オイスタークイーンホタテ ) 1.0 ppm 1,000 ppm 70 ppm 0.5mg/kg ( 魚のみ ) 以下 100mg/kg を越えない 1.3mg/kg 以下 400mg/kg 以下未調理エビ 30ppm 未満 0.8ppm 未満 ( 軟体動物 : 二枚貝 ) 20mg/kg( 軟体動物 ) 未満 50mg/kg 以下 0.1mg/kg 以下 0.01mg/kg 以下 1.3g/kg 以下 1mg/kg 以下 0.1mg/kg 以下 0.05mg/kg 以下 1mg/kg 以下 10 の 6 乗の微生物数 /g を越えない 10 大腸菌 /g を越えない 500 ブドウ球菌 /g を越えない食物 25g 中に存在しない 10 の 6 乗の微生物数 /g を越えない 2.3 大腸菌 /g を越えない

7 図表 32 水産物の保管冷凍運搬に際して求められている温度の規則製品温度保管鮮魚あるいは乾燥していないもの冷凍 -1 から以下冷凍鮮魚 -25 以下運搬鮮魚あるいは乾燥していないもの冷凍 1 から以下資料 )Sydney Fish Market (2005) Seafood Handling Guidelines 4 流通制度等ア.HACCP HACCP 証明書はオーストラリアにおいて現状では義務とはなっていない 19 しかし小売業者のうち Coles や Woolworth 等の大規模スーパーマーケットは既にすべての食品搬入者に対して HACCP 証明書の提示を求めるようになっているまた水産物等を扱う輸入業者へのインタビューでもオーストラリア人輸入業者の多くは HACCP 証明書を求めると述べているメルボルンの魚卸売市場で水産物などを扱う輸入業者によればメルボルンでは市当局が魚卸売市場に検査員を派遣し HACCP 証明書を求めているという一方日本からの水産物等の多くはホタテ海藻サラダなど輸入が多いものを除けば魚卸売市場には出されず日系輸入業者が直接輸入しているそのため必ずしも HACC P が求められることは現状では多くないものと考えられるが国内的には法制化前に HA CCP の必要性に対する要求が広まりつつあるイ. 追跡可能性 ( トレーサビリティ ) 追跡可能性はオーストラリアにおいて現状では法制化あるいは規制とはなっていないこれは国内の体制が十分に確立していないためであるが一方で企業側はその導入を検討中であるしかしその進捗は必ずしもよくない模様である追跡可能性とは食品をその生産加工流通のあらゆる段階において追跡できるようにするものであり食の安全を確保するという点から消費者サイドの要求により導入されるものである主な小売業者は搬入者に対し追跡可能性を既に求める傾向にある現状では追跡可能性はそれが可能な業者のマーケティング手法となっているその意味では日本の水産物等輸出業者もいち早くそれを導入することで商品の市場価値を高めることが可能である 19 法制化されていないものの 2009 年 2 月中旬の段階で日本製マヨネーズが原料の卵の追跡可能性を証明できないとして輸入を検疫局によって止められている

8 ウ. 輸入及び流通の手続き魚 ( 鮮魚冷凍 ) の流通経路は品目が多岐にわたり販売箇所も多岐に渡るため非常に複雑である単純化すると国産鮮魚の 11% は輸出に回りそれ以外は卸を通じて 51% が小売に 38% が業務用に回る一方国産鮮魚の一部は缶詰等の加工あるいは冷凍されてまた輸入水産物等も必要な場合は加工冷凍されてそのうちの 80% が卸を通じて小売に 20% が業務用に回るなお卸し業者は輸入業者も兼ねている場合が多いさらにオーストラリア農漁林業省の資料 20によれば国内で流通する国産鮮魚は 17% がスーパーマーケット 40% が魚小売店で販売され残り 43% がテイクアウェイ店及びレストランカフェなどの外食で供されているとのことである国産の天然ものは市場を通して水産物等卸業者が直接買い付けているまた天然養殖ともに内臓を取り出す等の一次処理が終わったものを卸業者が買い付けてそれを魚小売店に卸すというケースもあるこれらが最も一般的な流通経路であるこの流通で主なポイントは以下の3 点である鮮魚の流通は卸業者がほとんどの部分を取り扱っている国産天然ものの需要と供給を通して決定された価格が全体の価格を決定する主な要因となっている傾向としては国産天然ものが減少し輸入ものと養殖ものが増加している水産加工品として流通しているものは缶詰冷凍あるいはパッケージされたものである水産加工品は大規模スーパーマーケットが流通の重要な位置を占めており缶詰の約 87%( 重量 ) と 25% の冷凍品 ( パッケージされたもの ) がスーパーマーケットで販売されているそれ以外は加工者あるいは水産物等卸業者から食品販売業者に流通するこの水産加工品の流通で主なポイントは以下の3 点である大規模スーパーマーケットの役割が非常に強い水産加工品がスーパーマーケットや他の食品販売業者において日本のように値引きして販売されることは稀であり卸売業者等が決定した価格で販売されるのが基本である単価のより安い輸入品が伸びている素材としてよりも加工度が高くすぐ食べられる製品への需要が高まっている ( 図表参照 ) 20 Department of Agriculture, Fisheries and Forestry: Foodmap A comparative analysis of Australian food distribution channels, p

図表 33 水産物水産加工品の流通経路とその割合 11 輸出多様な利用鮮魚食料品店 51 小売コンビニ 80% 専門店テイクアウェイ輸入加工 38 20 食品サービス販売レストラン他イベント施設資料 )Department of Agriculture, Fisheries and Forestry: Foodmap A comparative analysis of

9 図表 33 水産物水産加工品の流通経路とその割合 11 輸出多様な利用鮮魚食料品店 51 小売コンビニ 80% 専門店テイクアウェイ輸入加工食品サービス販売レストラン他イベント施設資料 )Department of Agriculture, Fisheries and Forestry: Foodmap A comparative analysis of Australian food distribution channels 図表 34 鮮魚の流通過程天然もの総合スーパーマーケット養殖もの第一次処理冷蔵加工一般小売業者輸入水産卸売業者水産物専門小売業者テイクアウェイ食品サービス販売レストラン他イベントケータリンク施設注釈 ) 太い矢印は最も流通量の多いルートを指している資料 )Department of Agriculture, Fisheries and Forestry: Foodmap A comparative analysis of Australian food distribution channels

図表 35 水産加工品の流通過程天然もの総合スーパーマーケット養殖もの第一次処理冷蔵加工一般小売業者輸入小売用加工水産卸売業者水産物専門小売業者水産物流通販売業食品サービス販売業テイクアウェイレストラン他イベントケータリンク施設注釈 ) 缶詰の大部分は輸入ものでありその多くが総合スーパーマーケットに卸されている太い矢印は最も流通量の多いルートを指している

10 図表 35 水産加工品の流通過程天然もの総合スーパーマーケット養殖もの第一次処理冷蔵加工一般小売業者輸入小売用加工水産卸売業者水産物専門小売業者水産物流通販売業食品サービス販売業テイクアウェイレストラン他イベントケータリンク施設注釈 ) 缶詰の大部分は輸入ものでありその多くが総合スーパーマーケットに卸されている太い矢印は最も流通量の多いルートを指している資料 )Department of Agriculture, Fisheries and Forestry: Foodmap A comparative analysis of Australian food distribution channels エ. 水産物水産加工品販売に関する商習慣オーストラリアでは支払を CNF CIF FOB のいずれで行なうかは交渉で決定される輸入者によっては自ら保険をかけることを好む業者もいるどの通貨を決済として利用するかも交渉で決定されるただしインタビューを行なったオーストラリア人業者のすべてがオーストラリアドルで決済するよう交渉すると述べているなお日本の輸出業者は通常デポジットの振込みを求めないが中国の輸出業者はデポジットを必ず 30% 求めてくる ( 図表 36 参照 )

11 図表 36 水産物等輸入の一連のプロセス輸出業者は輸入業者 ( レストラン小売卸し ) を見つける輸入業者は ( 通常は代理業者とともに行なうが ) 通関のための書類を作成するがそれには関税 GST ( 消費税 ) 通関費空港使用料航空貨物料金等を支払う税関と検疫に電子申請を行なう CIF CNF FOB について交渉し契約する輸入業者が注文を出す輸出業者は - 商業送り状 - 船荷証券 (B/L) - 生産者申告書 (Manufacturer's declaration)/ 政府証明 / 冷凍申告書 (Hard Frozen Declaration) - 梱包明細書を準備する輸入業者は L/C を準備しデポジットを銀行口座に振り込む輸入業者が商品を受け取った段階で輸出業者はその支払い金を受け取る輸出業者は指示されたように商品を梱包するオ. 日本からオーストラリアの販売店までの各段階における運送方法日本からオーストラリアまでの輸送方法は水産物等のほとんどが冷凍品 ( 缶詰ほかを除く ) であるためその多くが船便であるただしインタビューでは航空便による鮮魚の輸出を求める声もあったため航空便についても記述する 1) 船便 - 日本からオーストラリアまでは通常 3 週間ほどかかる - 大量の荷物を載せた大型冷凍船の場合冷凍状態を保持しながら運ぶことができパレット貨物には適しているしかし荷の扱いは決して丁寧とは言えない甲板員はコンテナの上をしばしば歩行するし積み込み時と積み下ろし時には長時間搬入口が明けられていることが多い - 水産物等の多くは大型冷凍船を利用し船便で運ばれておりそのほとんどがリーファーコンテナーを利用しているそのため高い品質を保ったまま輸入されている

12 2) 航空便梱包手続き - 箱が水漏れ防止になっていること ( 粘着テープを使って接続部を厳重に貼る ) - 箱の底部に吸収用パッドを敷く - ポリエチレンの袋でパックして箱に入れるその際ひれなどでポリエチレンの袋が破れないよう注意する - 冷却材を入れる冷却材を置く場所が全体を最も効果的に冷却するような場所に入れること袋から空気を抜きしばってからゴムで止める - 箱を閉じその部分から水漏れが起こらないよう厳重にテープを貼る - ラベルを箱に貼る - 荷物の中心が 4 度以下に維持されるようにすること梱包の際に気をつけること - 箱が記載重量を超えていないように注意すること - 荷物取扱い作業員がわかりやすいようにテープは明るい色を使い箱の上下がわかるようにすること - ブランドを認識させるためには目立ちかつわかりやすいラベルを使うことがマーケッティングの観点から有効 - This way up というラベルを付けると荷物取扱いの際上下を間違えて商品を傷つける危険を減らす ( 図表 37 参照 ) 図表 37 航空便利用する場合の梱包方法容器製品備考魚 ( 丸 ) あるいは切り身軟体動物貝外側をダンボールで包んだ ( あるいは包んでいない ) 発泡スチロール (EPS) 容器ダンボール魚 ( 丸 ) あるいは切り身軟体動物貝軟体動物貝容器それぞれの最大重量 ( グロス ) を守ること最大重量 ( グロス ) は 23kg 硬質プラスチック容器 ( 例えばバケツなど ) 容器は紫外線による損傷に耐えることダンボール魚 ( 丸 )( 例えばマグロなど ) 容器それぞれの最大重量 ( グロス ) を守ることパレット ( 例えば木製 ) は梱包の一部としばしば見なされる

13 7. 日本産水産物の評価オーストラリアで日本産水産物等として広く流通しているのはホタテと海藻である以下ではそれらについて現地調査における生の声を掲載する 1ホタテホタテの中でも北海道産は高い評価を得ている (Big Premium) ホタテには卵つきと卵なしがあるがオーストラリアでは卵つきの需要はさほど大きなものではない一方卵なしは価格も高く需要も大きいオーストラリア政府は HACCP を要求はしていないものの地方政府及び多くの業者が HACCP あるいは高い安全基準に基づく商品の扱いを求めているこれは生ホタテも冷凍ホタテも同様であり証明書のあるもののみを取り扱うようにしているチリ産ホタテも証明書が付いてくるしかしチリ産は小さすぎ今のところは扱っていない当社で海産物を扱う際に考慮することは第一基準が価格次が生産国第三番目に処理方法であるホタテは刺身としては出さず鉄板焼き用にエビとともに出す日本産を使っている ( オーストラリアニュージーランド産よりも安いし火を通すので ) ホタテは日本の冷凍ものを利用している日本の冷凍ものは粒が大きくオーストラリアニュージーランド産と比べ大きさは倍くらいであるなおオーストラリアニュージーランドのものは日本のものに比べ甘みは少なくねっとりしておらずむしろ締まった感じである寿司に使うためには大きくとも小さくとも職人の技術次第で使えるが大きいものを寿司に乗せたほうが手っ取り早いこともあり大型の日本産を利用している当店では北海道のものを利用しているが北海道ものはオーストラリア産の生鮮物に比べて安価であるホタテの種類はペルーチリのものがオーストラリアとほぼ同じサイズであり食感もよく似ているホタテの輸入に関して北海道物と青森物の双方を輸入しているが昨年は 30% が北海道物 70% が青森物であったマージンは他の水産物に比べ低く以前は 5-7% あったものが 3% に落ちてきている日本のホタテの最大の競争相手は中国のホタテであるその他東南アジア ( タイベトナム ) からもホタテは入るがこれらの国のホタテは取り扱いが悪く日本のホタテとの競争にはならないしかし中国のホタテは歯ごたえ甘みなどの点で似通っており現在の中国の食品管理問題の風評が収まれば日本のホタテと競争することになろう日本及び中国のホタテは香り歯ごたえ大きいことの三点でオーストラリア産と異なっている一方タイのホタテはオーストラリアのビクトリア州のものとほぼ同じでありオーストラリア産が冷凍でなく出荷されていることから価格を非常に下げないと競争にはならないペルーチリのものはオーストラリア産のものにどちらかと言えば近い過去に日本から輸出されたホタテの中に水を含ませていた製品があったオース

14 トラリアでよく用いられるホタテの料理法はフライパン等で焼くものであり水を含ませていた製品はフライパンにかけると水が出て大きく縮んでしまうことから日本産のホタテの評判を落とした時期があった 2 海藻日本製の海藻サラダ (Seaweed Salad) は非常に質が良く他国製品に比べて競争力がある海苔海藻は健康食品として受け入れられており寿司バー日本食料理店でも欠かせない水産物関係で人気なのは海藻サラダでありこれはオーストラリア人にも受けている中華わかめを小売販売しているこれは日系の輸入会社による輸入であるわかめの消費量は増えている 3その他既に輸入しているが日本のサンマは大きいため日本食レストランでは需要がある今後輸入されると良いと考えているのはギンダラ ( 味噌漬け ) タラバガニ ( ナホトカ産のものが現状ではベトナム経由で入ってくる大きく身のよく入った足が欲しい ) フグ 21 であるオーストラリアのサバはゴマサバで小さく油がないため焼きサバに適していない焼きサバ用には油ののったノルウェイ産のサバを利用している ( 韓国産のサバを利用している業者もいる ) 日本からサバがもっと輸入されるのであれば変更することも考えられる輸入が可能であれば欲しいのはタラバガニの大きな足マグロのトロ ( オーストラリアものはトロの部分が小さいためもっと分厚いトロが欲しい ) ウニ ( オーストラリアにもあるが小さくミョウバンが強い ) マテ貝高級明太子高級カラスミ日本産の生食用の太ったサバタイ ( オーストラリアものはタイの味がしない ) サンマ ( 日系輸入業者が時々扱っている ) スズキなど何よりも日本のものは現在冷凍でしか入ってこないので空輸で冷蔵物が入ってくるのであれば少量高額であっても扱いたい白人のみならずアジア系の人々も増えておりそれぞれの民族によって好む魚が異なっている日本の水産物としては今後はカツオヒラメカレイなどの扱いを増やしたいと思っているなによりも冷蔵鮮魚を空輸で日本から持ってくることができれば日本の水産物のクオリティの高さを示すことができると思う中でもヒラメアンコウフグなど 21 図表によるとオーストラリアの魚卸売市場はフグやシガテラ毒を有する魚は取り扱わない

15 を入れたいこれらはオーストラリア人にも好まれる味だと考えるさらにオーストラリアは貝が足りないそれも生きた貝が欲しい赤貝ミル貝ホッキ貝 ( ホッキ貝は現在カナダ産が入っている ) などを入れたい

16 Ⅳ. 日本産水産物等の輸出を検討する際の課題オーストラリアの現状を把握することにより課題を抽出することが可能となったがここでは現状について整理した上で課題を抽出すると次のとおりである現状把握 1 検疫証明などの対応が必要となる魚種がある 2 オーストラリア全体での水産物等消費量は増加する傾向にある 3 オーストラリア国内の水産物の生産量は横ばいになっている 4 上記 23から水産物等の輸入が拡大する可能性がある 5 魚を好んで食べるアジア系住民が増加している 6 魚を消費する機会を自宅と外食とで比較すると自宅での機会の方が多いしかし外食で魚を消費する機会の方が自宅で魚を消費する機会よりも増加率が高くなっている 7 メルボルンの例では外食全体の中ではレストランに出かけたり友人宅などで夕食をとるという従来の機会に限定されることなくカフェ等のように気軽に利用できるスタイル及び高所得者層の増加によりホテルでの食事の機会等様々な外食業態での消費が増えているものと考えられる 8 日本食料理店では日本産水産物等を使いたいとの要望がある 9 オーストラリアは所得格差が国際的に見て比較的見られる社会であり高所得者が生じていると考えられるこれらを踏まえると日本産水産物等の輸出可能性について戦略的に検討すると以下のような点が指摘できる課題抽出 1 輸出証明書の発行体制の整備オーストラリア検疫局では多くの水産物等に対して検疫の規制をクリアし日本の公的機関等が発行する輸出証明書の添付がなければ輸入が認められていないものがあることから今後本格的に日本産水産物等の輸出を行っていくためには早期に証明書を発行する体制を整備する必要がある 2 日本食料理店に日本産水産物等を供給する現地の日本食料理店は最も大きな供給先と考えられさらに日本の水産物等ひいては日本全体の食文化のイメージを担っている重要な役割も負っているしかしオーストラリアでは日本産水産物を多く利用する日本食料理店の店舗数が限られていることからそのような日本食料理店を通した供給のみを想定した場合日本産水産物等の輸出は大きく伸びない可能性がある 3 現地食レストラン等に日本産水産物等を供給するオーストラリアにおいて外食産業は自家消費を凌ぐ伸びを見せており今後も伸びることが期待できるが現状では多くの現地食レストランでは日本産水産物等は認知

17 されていないこれは日本の水産物等を取り扱う輸入卸業者が日系に集中し日本産水産物の販売先もほとんど日系の日本食料理店に限定されているのに対して現地食レストラン等は日系の企業ではないものがほとんどでありこれらに対する日本産水産物等の販路が開拓されていないためであるただし現地食レストランの中でも中級以下の現地食レストランは他国から輸入される安価な水産物等や大衆的な国産水産物等との価格競争面において日本産水産物等の進出にとって厳しい分野であることから比較的高級なレストランに対する販路拡大の可能性を検討する必要があるものと考える 4 家庭に日本産水産物等を供給するオーストラリアにおいてアジア系住民は魚小売業者から購入することが多いが魚専門小売業者の取り扱う魚は 96% が国内産 4% が輸入物という情報もある 22 これは魚専門小売業者の多くが冷凍ものを扱っていないことに起因するものと見られるまた多くのオーストラリア人はスーパーマーケットで魚を購入するがスーパーマーケットで取り扱われる魚種が多くない ( そのためにアジア系住民には物足りないものとなっている ) そのためオーストラリア人が家庭内で消費する水産物の種類は限られたものとなっているがこれは多くのオーストラリア人が魚を調理する方法を知らないことや魚は高級品として扱われていることも影響していると考えられる 22 Retail Sale and Consumption of Seafood Melbourne

18 Ⅴ. 課題に対する解決策 4 点の課題が抽出されたので以下にそれぞれの課題に対する解決策を検討した 1. 衛生証明書の発行体制の整備オーストラリアの検疫規制では証明書が求められるため早急に証明書の発行体制を整える必要があるこれにより需要のある生鮮の魚等を供給することが可能となる 2. 日本食料理店に対する供給日本人シェフに対するインタビューでは高品質で高価格な日本産の水産物等を使いたいとする意向が確認できておりまずは日本食料理店との間のネットワークを作り上げる必要があるしかしながら在留邦人数や店舗数からすると日本産水産物等の需要は限定的であると考えられることから客層を在留邦人のみならず魚を食べる習慣のあるアジア系住民やオーストラリア人を含め多くの人に利用してもらえるようメニューや価格設定等の提案を併せて行う等の努力が必要である 3. 現地食の外食産業に対する供給オーストラリアにおいて日本産の水産物を積極的に利用したいと考える現地食のレストランは品質面価格面で一般的に高級店であると考えられる仮にそのようなレストランが考案したメニューがアジア系やオーストラリア人に受け入れられたとしてもその他の多くのレストランで同じ品質の魚を使ったメニューによって日本産の水産物の消費が拡大するのは困難であるそこで外食産業に対する日本産水産物等の販売を促進していくためには 1こうしたレシピを参考により安価である程度の量が確保できる魚種を使ったメニューとレシピを検討すること 2 一般の外食レストランのシェフなど市場に出回らないために通常は日本の水産物等にあまり触れることのない層の人々に対してそれらの魚種とレシピを紹介するような試みを行なう必要があるなお日本食料理店以外の外食産業は水産物等の調達の際日系以外の輸入卸売業者からを調達していることから日本の水産物等が日系以外の輸入卸売業者に取り扱われたり魚卸売市場に出荷されたりする等多くの流通ルートを確保することによって需要拡大に結びつける必要があるさらに持ち帰り寿司に続き回転寿司の開店を検討している日系業者が複数あることからこの機会を活用し回転寿司の機械一式とともにその機械で寿司ネタとして使いやすい形で加工された日本の水産物等をセットで納品するようにすることで日本の水産物等の消費が拡大していくというモデルを検討することも可能であろう 4. 家庭に対する供給オーストラリアにおいて一般家庭で日本の水産物等の消費を考える場合まずは

19 魚を食べる習慣があるアジア系住民をターゲットとすることが考えられるこうしたアジア系住民の需要を見込み魚専門小売業者の中にはミルクフィッシュティラピアライギョマナガツオ (Pomfret) 等を常に店頭に置く業者が出ていることから日本の水産物等を購入してもらうためにはアジア系住民が好む魚種を輸出し魚専門小売業者を通じて販売していく必要があるなおできるだけまとまった量が輸出できることが価格面からも望ましいが過剰供給にならないよう需要を事前に十分に調べておく必要があるまた今回の調査では一般的なオーストラリアの消費者は魚専門小売業者で購入する国産鮮魚の量が多いとの情報も得ていることから質の高い日本産の水産物を広く販売しようとする場合魚専門小売業者を通じた販売の可能性は潜在的に高いと考えられるその際アジア系以外のオーストラリアの一般家庭で日本の水産物等を食べてもらうためには日本の水産物等がオーストラリア産水産物等と同等かそれ以上の品質であり高い安全性を持つという点を理解してもらい水産物等の日本ブランドを確立認知してもらうことが重要である併せて魚料理が一般的に普及していないため調理法についての知識があまりない人が簡単に料理できるよう調理済みの製品やフライパンで焼けば食べられるような加工処理を行った製品を開発したり店頭で実演販売やレシピを配布したりするなど一般の消費者が日本の水産物等を購入しやすい工夫が必要となるさらに冷凍水産物の扱いが多いスーパーマーケットで日本産の魚を取り扱ってもらうことも重要であるただしインタビューによればスーパーマーケットは極めて価格を重視しており日本産水産物等はその点では進出が難しいと考えられるこのためスーパーマーケットを協賛させるような形での日本食フェアを開催し実演販売などによりオーストラリアの一般家庭に日本産水産物等をピーアールしていくことが第一ステップとして考えられる日本産品の輸出に関してはその価格の高さが問題になることが多いがオーストラリアでは魚はどちらかと言えば高級品であるしたがって価格面でアジア諸国に負けないような魚種を高品質高鮮度であるいは加工度を上げて販売することで日本産水産物等の特徴を出すことができる可能性がある上記は本事業における調査において確認された課題に対する解決策であるがこれらの解決策に対して短期長期といった時間軸での取組みとして整理すると次のとおりとなる 1 短期的に実施を検討することオーストラリア国民が水産物等を食するのは現状では依然として自宅での調理の方が外食の機会より多い一方で外食で水産物等を食する機会が自宅での調理よりも大きな伸びを示していることを踏まえると以下の様な点を短期的には検討すべきだろう

20 ア. 日本産の水産物等を高鮮度で供給するためには魚病の観点からオーストラリアが求める一部の水産物等に対する証明書が必要となるがこれに関する情報は以下の水産庁ホームページで公表しており平成 21 年度の早い時期に日本国内の証明書発行体制が確立する見込みである ( イ. 日本食料理店に対しては日本産の水産物等の良さを引き出し在留邦人のみならず多くのオーストラリア在住者に日本産の水産物等を受け入れてもらえるようメニューや価格設定について具体的な提案を行うことが有効であると考えられるそのためには日本の生産者や輸出業者とオーストラリアにある日本食料理店との間のネットワークの構築が求められるウ. 自宅での調理及び対象を絞った外食での日本産水産物等の消費の増加に努めるべきであるそのためには日本からの輸入水産物等の多くを日系輸入業者が取り扱っている状況を改めより多くのオーストラリア系輸入卸売業者が日本の水産物等を扱うことができるよう魚卸売市場で日本の水産物等の取扱量を増大させることが必要となる現在シドニーで民間中心に高まっている日本の農林水産品のフェア開催の機会を積極的に利用して水産物等の卸売業者多様な外食産業に対して日本の水産物等を積極的にアピールすることが有効であると考えられるエ. 一方オーストラリア国民が家庭ではあまり水産物等を調理しないことを踏まえパッケージから出して焼くだけ電子レンジで解凍したら後は切るだけといったできるだけ簡単に調理できる商品の開発が重要であろうまた魚の調理の仕方がわからないという声も多いので魚とともに栄養情報とレシピのカードを添えるなども有効であると考えられるオ. なお日本の水産物等の安全性品質の高さを示すため現状では法制化されていないものの量販店等においては求められている追跡可能性 HACCP といった取組への対応についてすみやかに検討を行なう必要がある 2 長期的に実施を検討すること短期的に実施できることは前述のとおりであるが長期的に取組まなければ解決に向かわない事案もある具体的には以下のようなことであるア. 人々の食の好みは簡単には変わらないものでありオーストラリア人により多くの水産物等を摂取してもらうためには短期的に実施を検討することにも挙げているようなフェア等を持続的に行っていく必要があるしたがって長期的にはオーストラリア側と連携を取り水産物等の消費を進めるためのキャンペーンを継続していくことは有効であろうイ. また日本ブランドの確立も重要であるオーストラリア牛肉が OG ビーフ

21 という名称で日本でもブランドを確立しているオーストラリア国内では例えばタスマニアサーモンといったように水産物等でも地域名のブランドが確立しているが同様に海外にアピールできるような日本ブランド水産物等を確立することで日本水産物全体のイメージアップを図ることにより日本の水産物等全体の消費を引き上げることも可能ではないかと考えられる最後になるが農林水産省では輸出に意欲のある方々が様々な工夫を行いつつ輸出を促進していくことができるよう諸外国での販売に関する情報の収集国内各地や海外の国際見本市での展示商談会の開催等に対する支援措置を講じているところである ( 詳しくはホームページ : 今後オーストラリアを対象として日本の水産物等の輸出を検討する場合にはこうした支援措置の活用についても併せて検討していただきたい

1. 沖縄県における牛肉の輸出動向 2015 年は輸出額が過去最高数量金額 2015 年は数量が 18,424 KG( 前年比 97.0%) 金額が 87 百万円 ( 同 111.8%) となり輸出額が過去最高を記録しました沖縄県の輸出額シェアは 1.1% となっています国別金額シェア

1. 沖縄県における牛肉の輸出動向 2015 年は輸出額が過去最高数量金額 2015 年は数量が 18,424 KG( 前年比 97.0%) 金額が 87 百万円 ( 同 111.8%) となり輸出額が過去最高を記録しました沖縄県の輸出額シェアは 1.1% となっています国別金額シェア沖縄県における食料品の輸出平成 28 年 5 月 23 日沖縄地区税関 ( 牛肉豚肉豚肉調製品砂糖うこんかんしよ ) 近年海外において日本食に対する健康的なイメージが定着し日本の食材の安全性や品質に対する信頼度も高いことから海外での需要が高まっているようです沖縄県のPRにより県産品の認知度も向上しつつあり年々国内外での取り扱いが伸びているようです海外への安定した供給体制を整えることで