平成23年度新潟薬科大学薬学部卒業研究Ⅱ

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1 平成 23 年度新潟薬科大学薬学部卒業研究 Ⅱ 論文題目 肥満マウスにおける桑葉の効果 Effect of mulberry leaf in the obesity mouse 臨床薬理学研究室 6 年 06P025 風間美緒 ( 指導教員 : 渡辺賢一 )

2 要旨 日本肥満学会において 肥満とは脂肪組織の過剰な蓄積状態と定義され Body Mass Index(BMI)(kg/m 2 ) 25 が肥満と規定されている 近年 生活習慣の変化から BMI25 以上の肥満が増加傾向にある 糖尿病や高血圧 脂質異常症などの様々な生活習慣病は 肥満に起因し 心筋梗塞や脳梗塞など命に係わる病気を引き起こす要因ともなる 桑とは クワ科クワ属の総称で 葉は蚕の飼料として使われている 近年 桑葉 (Murbelly: MB) はペルオキシソーム増殖剤活性化受容体 (peroxisome proliferator-activated receptor: PPAR) シグナル経路に作用し 肥満に対する効果があると報告されている PPAR はステロイドホルモン受容体スーパーファミリーに属する核内受容体の一種であり の 3 種類のサブタイプが存在する PPAR は 様々な組織での脂質代謝に深く関与している そこで今回の研究では 肥満マウスを用いて % と % における肥満に対する効果の検討を行った 方法として 各群 6 匹のマウスに高脂質餌 (Hight Fad Diet32: 32) を与えたのち MB を食べさせ 体重 血糖値 中性脂肪 総コレステロールを測定し 肝臓の Hematoxilin-eosin (HE) 染色と蛋白の発現を行った 結果としては MB 投与群では肝臓における PPAR PPAR retinoid X receptor (RXR) の活性化を介して 脂肪酸代謝と脂肪細胞の分化を促進し 肥満を改善した 特に 群では 体重の大きな減少や PPAR と RXR の発現が有意な上昇を見せていることから 桑葉の濃度は 25% より 2.5% の方がより肥満の効果が高いと考えられた さらに 中性脂肪や血糖値も改善したことから肥満だけでなく 糖尿病やメタボリックシンドロームも改善させる効果があるのではないかと推定された

3 キーワード 1. 肥満 2. Body Mass Index (BMI) 3. 桑葉 (Murbelly: MB) 4. peroxisome proliferator-activated receptor (PPAR) 5. retinoid X receptor (RXR) 6. MF 餌 7. Hight Fad Diet () 8. Western Blotting 法 9. 血糖値 10. 中性脂肪 11. 総コレステロール 12.Hematoxilin-eosin(HE) 染色 13. LiverWeight (LW)/ Body Weight (BW) 14. 脂肪酸の 酸化 15. 脂肪細胞の分化

4 目次 1. はじめに 1 2. 方法 1 3. 結果 3 4. おわりに 6 謝辞 7 引用文献 8

5 論文 1. はじめに日本肥満学会において 肥満とは脂肪組織の過剰な蓄積状態と定義され Body Mass Index(BMI)(kg/m 2 ) 25 が肥満と規定されている 1) 近年 食生活など生活習慣の変化から BMI25 以上の肥満が増加傾向にあり 特に男性では約 30% を占め 過去 30 年間で 2 倍に増えている 2) 肥満は 糖尿病や高血圧 高脂血症などの様々な生活習慣病を招き また心筋梗塞や脳梗塞など命に係わる病気を引き起こす要因となる 3) ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体 (peroxisome proliferator-activated receptor: PPAR) はステロイドホルモン受容体スーパーファミリーに属する核内受容体の一種であり の 3 種類のサブタイプが存在する PPAR は 脂質代謝において重要な役割を担っている 特に PPAR は肝臓に多く存在し 脂肪酸の 酸化を促進しトリグリセリド合成を低下させると報告されている 4) 桑とは クワ科クワ属の総称で 葉は蚕の飼料として用いられ 糖尿病の予防や治療に生薬として用いられてきた 5) 最近の研究で桑葉は 動脈硬化や高血圧 肥満を予防する効果があると報告され 機能性食品として期待されている 6) 特に肥満における効果では PPAR 経路に作用し 肥満を改善させると報告されている 7) 本研究では マウスを用いて 桑葉の肥満に対する効果を検討した 2. 方法 2-1. 動物 体重 血糖値 Crlj:CD1(ICR) 雄マウス 7 週齢を 24 匹用いた マウスを 6 匹ずつ 4 群に分けた それぞれの群の詳細は表 1 に記す 各群において 週 1 回体重を量り 血糖値は初日と桑葉投与前と投与後に測った 1

6 表 1 正常 () 群非治療 () 群桑葉 2.5% () 群桑葉 25% () 群 普通の餌 (MF) 12 週間高脂質餌 (Hight Fad Diet32: 32) 8 週間 MF 4 週間 32 8 週間 桑葉 (MB)2.5% 4 週間 32 8 週間 桑葉 (MB)25% 4 週間 2-2. 血中脂質の測定エーテル麻酔下にて マウスの血液を取り出した 血液は 4 度で 3000 回転で遠心し 上清を取り 総コレステロール 中性脂肪を測った 2-3. Western Blotting 法による蛋白の発現取り出した肝臓を Lysis Buffer (50mM Tris HCl ph7.4, 200mM acl, 20mM af, 1mM a3vo4,2-mercaptoethnol, Protease inhibitor) 1mL にそれぞれの 0.1g の組織を砕いて入れ ホモジナイズした 4 度で 10 分 3000 回転で遠心し 上清を取り原液とした 原液と 2 Sample Buffer を 1:1 で混和し 95 度で 5 分間熱処理し サンプルとした 10(w/v)% Sodium dodecyl sulfate - polyaclylamide gel electrophoresis(sds-page) ゲルを用い 電気泳動を行い ニトロセルロース膜に転写した その後 1 TBS Tween20(20nM Tris, 137nM acl, 0.5% Tween-20) で メンブレンを洗浄し 5%Blocking スキンミルクを用い Blocking を行った ECLplas( アマシャム RP-2132) を調整し 蛋白を検出した 1 次抗体は PPAR 抗体 1:500, PPAR 抗体 1:500, retinoid X receptor(rxr) 抗体 : 1:500. である また glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase(gapdh) 1:1000 をコントロールとした 1 次抗体は全て santa cruz 社の物である 2-4. 組織染色 (Hematoxilin-eosin:HE 染色 ) 肝臓を切り出し 10% ホルマリンで固定し パラフィン包埋切片を脱パラフィン処理し HE 染色を行った 2-5. 統計処理数値は平均値 ± 標準誤差で表し 統計学的検討には one-way AOVA tukey 法 unpaired t-test 法を用い p < 0.05 を有意とした 2

7 3. 結果 3-1. 体重 血糖値 群では 12 週間徐々に体重が増加した MB 投与群では 治療開始前の 8 週間は体重の増加が見られたが 桑葉を投与開始後の 8 週目以後体重の減少が見られた また 群でも 8 週間体重が増加し 8 週目から体重の減少が見られた これは 群では 8 週目から 餌を MF に変えたためだと考えられる ( 図 1-A) 血糖値の結果は 群では初日に比べ 12 週間後血糖値が低下した 群と 群 群では 8 週目まで血糖値の上昇が見られたが 8 週目以降は降下が見られた ( 図 1-B) A B 体重 45 (g) 血 160 糖値 140 (mg /dl) (wk) (wk) 図 1. マウスの体重と血糖値の推移 A: 体重縦軸 :g 横軸 : 週 (wk) B: 血糖値縦 軸 :mg/dl. 横軸 : 週 (wk) :MF 12 週間 : 8 週間 MF 4 週間 : 8 週間 4 週間 : 8 週間 4 週間 3-2. 肝臓と体重比 (LW/BW) 群と 群を比較すると 群で有意に LW/BW 値は増加した (*p<0.05 vs..) しかし 今回の研究において MB 投与群では 群と比較して LW/BW 値の変化は見られなかった ( 図 2) 3

8 Triacylglycerol(mg/dL) Total Cholesterol (mg/dl) LW/BW 0.06 * * p<0.05 vs. 図 2. マウスの体重における肝臓の重さの比較 LW/BW: Liver Weight/ Body Weight. *p<0.05 vs 中性脂肪 総コレステロール中性脂肪では 群に比べ 群で高値を示したが ( * p<0.05 vs..) MB 投与群では 群と比べ低い値となった 特に 群では有意に減少した ( # p<0.05 vs..) ( 図 3-A) 総コレステロールは 今回の研究においてどの群においても差は見られなかった ( 図 3-B) A B 150 * # * p<0.05 vs. ; # p<0.05 vs. 0 図 3. A: Triacylglycerol(mg/dL) B: Total Cholesterol(mg/dL) * p<0.05 vs. ; # p<0.05 vs 蛋白の発現 PPAR と RXR の発現量において 群と比較して 群では有意な減少が見ら れ ( * p<0.05 vs..) 群では 群より 有意に発現量が増加した ( # p<0.05 4

9 Liver RXR /GAPDH Liver PPAR /GAPDH Liver PPAR /GAPDH vs..) また RXR では 群においても 群と比較し発現量の有意な増加を示した (# p<0.05 vs..) ( 図 4-A.C) PPAR では 発現量が 群に比べ 群で低下した MB 投与群では 群と比較し発現量が増加した ( 図 4-B) A B PPARα PPARγ GAPDH GAPDH 25 # * * p<0.05 vs. ; # p<0.05 vs. 0 C RXRα GAPDH 80 # 60 # 40 * 20 0 * p<0.05 vs. ; # p<0.05 vs. 図 4. 肝臓での PPAR GAPDH(A) PPAR /GAPDH(B) RXR /GAPDH(C) の発現量 * p<0.05 vs. ; # p<0.05 vs HE 染色 群では 群と比べ 細胞の形が乱れ細胞中に空洞 ( 脂肪沈着 ) が多く見られる また MB 投与群では 群と比べ細胞の形の乱れや脂肪沈着が改善したことが見られた ( 図 5) 5

10 100X 200X 図 5. マウスの肝細胞の脂肪沈着度の比較 100 は 100 倍 200 は 200 倍 4. おわりに PPAR はステロイドホルモン受容体スーパーファミリーに属する核内受容体の一種であり の 3 種類のサブタイプが存在する PPAR は RXR とヘテロダイマーを形成し 標的遺伝子のペルオキシソーム増殖剤応答領域 (peroxisome proliferator response element: PPRE) に結合して転写活性を制御している PPAR は おもに心臓や肝臓など脂肪酸酸化が盛んな臓器に多く存在し ミトコンドリアでの脂肪酸の 酸化に関与している 8) 9 ) PPAR は 体内組織の広範囲に発現しているが骨格筋における 酸化や脂肪組織での脂質代謝に関与している 10) PPAR は脂肪組織に多く存在し 脂肪細胞の分化を促進し 血中トリグリセリドの低下をもたらす 11) 桑とは クワ科クワ属の総称で 葉は古くから中国で糖尿病の予防や治療に生薬として用いられていた 5) 最近の研究によると 高脂肪食を与えたラットに桑葉を投与すると PPAR シグナル経路の発現や脂肪酸の 酸化の促進や脂肪形成が抑制されるという報告があり 7) また桑葉に含まれる 1-デオキシノジリマイシンという -グルコシダーゼ阻害作用を持ち抗糖尿病効果がある成分が ラットの肝臓において 酸化を活性化させ 脂肪蓄積を抑制したと報告されている 12) 今回の研究において 桑葉は肝臓における PPAR とそのヘテロダイマーである RXR PPAR を活性化し 脂肪酸代謝と脂肪細胞の分化を促進し 肥満を改善することが判明した 特に PPAR RXR の発現量で有意な上昇を示したことから 肝臓で桑 6

11 葉はより PPAR に作用を示すのではないかと考えられる 桑葉の濃度を比較した結果では 群で 体重の大きな減少や PPAR と RXR の発現が有意な上昇を見られていることから 桑葉の濃度は 25% より 2.5% の方がより肥満の効果が高いと考えられる さらに 中性脂肪や血糖値も改善したことから肥満だけでなく 生活習慣病である糖尿病やメタボリックシンドロームも改善させる効果があるのではないかと推定された 謝辞 実験 論文作成についてご指導を賜りました新潟薬科大学臨床薬理学研究室の渡辺賢 一教授 張馬梅蕾助手にお礼を申し上げます 7

12 引用文献 1. 大原毅. メタボリックシンドロームの病態と診断 肥満/ 脂肪肝. 内科. 99, 31-34(2007). 2. 村上義孝, 三浦克之, 上島弘. 我が国における肥満の動向. 日本臨床. 67, (2009). 3. 細田公則, 井田みどり, 平田雅一, 中尾一和. 肥満の概念と分類. 日本臨床. 67, (2009) 4. 福井智康, 平野勉. Ⅱ-3 高脂血症 PPARs と脂質代謝. 生活習慣病と PPARs (2007). 5. 松浦寿喜, 吉川友佳子, 升井洋至, 佐野満昭. 各種健康茶のラットにおける糖質吸収抑制作用. 薬学雑誌. 124, (2004). 6. 横出正之. 6. 脂質代謝と抗加齢医学. 日本老年医学雑誌. 45, (2008). 7.Kobayashi Y., Miyazawa M., Kamei A., Abe K., Kojima T.,Ameliprative Effects of Mulberry (Morus alba L.) Leaves on Hyperlipidemia in Rats Fed a High-Fat Diet: Induction of Fatty Acid Oxidation, Inhibition of Lipogenesis, and Suppression of Oxidative Stress. Biosci.Biotechnol. Biochem, 74, (2010). 8. 田中直樹, 杉山栄子, 青山俊文, Peroxisome proliferator-activated receptor(ppar). 日本臨床. 59, (2001). 9. 田中直樹, 青山俊文. 型ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体 (PPAR ): 脂肪肝疾患との関連. 信州医誌. 56, (2008). 10. 田中十志也. PPAR とメタボリックシンドローム. 日薬理誌. 128, (2006) 11. 島野仁. PPAR,, によるエネルギー代謝調節と脂肪蓄積. 現代医療. 36, (2004). 12. Tsuduki T., akamura Y., Honma T., akagawa K., Kimura T., Ikeda I., Miyazawa T., Intake of 1-deoxynojirimycin suppresses lipid accumulation through activation of the beta-oxidation system in rat liver. J Agric Food Chem, 25, (2009). 8

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