Judging System Handbook for Referees and Judges レフェリー ジャッジ用 ハンドブック アイス ダンス 2013 年 7 月 31 日版 ( 日本語訳第 1 版 2013 年 9 月 10 日 )

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1 Judging System Handbook for Referees and Judges レフェリー ジャッジ用 ハンドブック アイス ダンス 2013 年 7 月 31 日版 ( 日本語訳第 1 版 2013 年 9 月 10 日 )

2 目次 ショート ダンス全般の要求事項 3 ショート ダンスの必須要素 6 フリー ダンス全般の要求事項 7 バランスの取れたフリー ダンス プログラム 9 ショート ダンスとフリー ダンスの必須要素に共通する要件 10 必須要素の GOE の採点基準 11 定義 11 GOE の特徴 12 GOE の調整 13 演技構成点の採点基準 14 定義 14 演技構成要素の特徴 17 ショート ダンスの演技構成点の調整 19 フリー ダンスの演技構成点の調整 20 衣装 21 減点 責任者 22 クイックステップの説明, 表, ダイアグラム 23 図表 23 フィンステップの説明, 表, ダイアグラム 25 音楽 30 質問と回答 (Q&A) 30 必須要素 32 衣装と小道具 35 その他 36 日本語訳改訂履歴 2012 年版第 1 版 2012 年 11 月 7 日 2012 年版第 2 版 2012 年 12 月 14 日 2013 年版第 1 版 2013 年 9 月 10 日

3 アイス ダンスショート ダンス全般の要求事項 定義および 2012/13 シーズンに IDTC により第 609 条第 1 項 h に適用された変更 ( 変更箇所に下線 ) a) ショート ダンス は, 毎シーズン, アイス ダンス技術委員会により指定されるリズムあるいはテーマに合ったダンス音楽に合わせて, カップルが創作するダンスである. ショート ダンスは, i) 選ばれたリズムまたはテーマの特徴を反映しなければならない ii) 流れのあるエッジの利いた様々なステップや動作によって技術力を示すことにより, 氷上の演技へと移されていなければならない iii) 音楽のフレージングに合っていなければならないカップルは主としてリズムを刻むビートに合わせて滑走すること. ショート ダンスは, 以下の第 2 項で指定された必須要素のリストの中から, アイス ダンス技術委員会が選んだ要素を含むものとする. リズム ( または複数のリズム ) および / またはテーマ同様, そのガイドラインや, 指定された要素を含むジュニアとシニアのプログラムの必須要素は, アイス ダンス技術委員会により毎年決定され,ISUコミュニケーションで発表される. b) ショート ダンスの演技時間は, 第 614 条で定められている. c) ショート ダンスの音楽は, 指定されたパターン ダンスが要件に入っている場合その音楽も含めて, カップルにより用意される. ボーカル音楽は許される. 音楽は以下の特徴を備えていなければならない. i) 耳に聞こえる, リズミカルなビートのあるダンス音楽のみが使用でき, カップルは主にそのリズミカルなビートに合わせて滑走しなければならない. ii) 音楽は指定されたリズムおよび / またはテーマに沿ったものを選ばなくてはならない. iii) 音楽は指定されたテンポのものを選ばなくてはならない ( 該当する場合 ). 上記指定に従わないショート ダンス音楽は減点により罰せられる ( 第 353 条第 1 項 n) (ii) を参照 ). カップルは, 音楽提出の際に選んだ音楽の名前, タイトルそしてプログラムのリズムやテーマをレフェリーおよびジャッジへの情報として提出しなければならない. d) パターンは常に一定方向に進行しなければならず, またロング アクシスを横切ってよいのはリンクの各エンド ( フェンスから20メートルを超えない範囲 ) で1 回のみである. ループはロング アクシスを横切らない限り, 回転方向によらず許される. しかしながら, 以下の行為は違反要素にしない. 非接触のミッドライン, ダイアゴナル, サーキュラー ステップ シークェンスを行う間にロング アクシスを横切ること 時計回りの非接触サーキュラー ステップ シークェンスを行うこと ジュニアのショート ダンスでクイックステップの2つのパターン ダンス要素をつなぐために, 端から20メートルを超えない範囲でループを1つ行なってロング アクシスを横切ること 出典 Rule 609, 1 Communication 1782 File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja 3 / 37 D ショート ダンス全般の要求事項

4 アイス ダンスショート ダンス全般の要求事項 出典 e) 指定されたリズムと選んだ音楽に合っていれば, いかなるダンス ステップ, ターン, 回転, ポジション変更を用いてもよい. ステップ, ターン, 動作の繰り返しは許される. 難しく独創的で多彩で複雑なフットワークが両パートナーに求められる. f) ダンス ホールド ( とその変形 ) に制限はない. 腕を完全に伸ばしたハンド イン ハンド ホールドは選んだリズムの特徴に合う時のみ許されるが, 過度に使われてはならない. g) 両パートナーは, ホールドの変更, 必須の非接触ステップ シークェンス, 必須のツイズル セット, つなぎの要素としてのツイズルおよびターン, または許されたストップの間以外に離れてはならない. ホールドの変更は音楽の 1 小節以内で行わなければならない. プログラムの最初と最後の分離は 10 秒までなら許され, 距離に制限はない. h) 最初の動きで計時が開始した後は, カップルは 10 秒を超えて一箇所に留まってはならない. ジュニアのショート ダンスでは,2 回までの完全なストップ ( 各最長 5 秒間まで ) または 1 回の完全なストップ ( 最長 10 秒間まで ) のいずれかが許される. シニアのショート ダンスでは, パターン ダンス要素 フィンステップセクション 2 の 34 番から 42 番までの留まるステップを行う際のストップに加えて,1 回の完全なストップ ( 最長 5 秒間まで ) が許される. 選択した音楽にふさわしい振り付けはいかなるものも許される ( 両手間隔を超えない距離での分離を含む ). i) プログラムはスケーティングの技術と質によって表現されなければならない. 片膝をついての滑走やトウ ステップを使うなどの非スケーティング動作で構成されてはならない. 非スケーティング動作を用いるのはそのダンスの特性や選んだ音楽のリズムとニュアンスを反映する場合に限るべきである. 観客の利益のために, プログラムはジャッジ側に集中されるだけでなく, 全方向の観客席に対して演技が向けられるよう構成されるべきである. j) 手 ( 片手 / 両手 ) で氷上に触れることは許されない. k) 氷上に両膝を付くこと, 両膝で滑走すること, および / または氷上に座ることは許されず, テクニカル パネルによって転倒とみなされる. File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja 4 / 37 D ショート ダンス全般の要求事項

5 アイス ダンスショート ダンス全般の要求事項 2013/14 シーズンに IDTC により選ばれたリズム 2013/14 シーズンに IDTC により採用されたガイドライン シニア クイックステップ または クイックステップに加え, 次のリズムから 1~2 つ : フォックストロット, チャールストン, スイング パターン ダンス要素はクイックステップのリズムとクイックステップのスタイルで滑走すること. パターン ダンス要素内を通して音楽のテンポは一定していなければならならず, またパターン ダンス課題のフィンステップのテンポ要件に従わなければならない. すなわち毎分 2 拍子 52 小節 ( 毎分 104 拍 )±2 拍 1. ジュニア クイックステップ または クイックステップに加え, 次のリズムから 1 つ : フォックストロット, チャールストン パターン ダンス要素はクイックステップのリズムとクイックステップのスタイルで滑走すること. パターン ダンス要素内を通して音楽のテンポは一定していなければならならず, またパターン ダンス課題のクイックステップのテンポ要件に従わなければならない. すなわち毎分 2 拍子 56 小節 ( 毎分 112 拍 )±2 拍 2. クイックステップ, フォックストロット, チャールストン, スウィングについては ISU Ice Dance Music Rhythms Booklet 1995 で説明されている ( 注意 : スウィングの説明には異なるリズムもいくつか含まれているがそれらについても許容される ). コンセプトと振り付けはダンスの統一感をもたらさなくてはならない. パターン ダンス要素はショート ダンスのどの部分で滑走してもよいが, ダンス全体と調和していなくてはならず, いかにうまく組み合わせるかを考えずにただリズムをつなげただけと言った印象を持たせてはならない. Communication 1782 Communication 1782 演技時間 2 分 50 秒 ±10 秒 Rule 614, 2 1 ハンドブックの英語原文には 52 measures of two beats or 112 beats per minute とあるが, コミュニケーション 1782 号の記述に合わせた. 2 ハンドブックの英語原文には 56 measures of 4 beats or 104 beats per minute とあるが, コミュニケーション 1782 号の記述に合わせた. File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja 5 / 37 D ショート ダンス全般の要求事項

6 アイス ダンスショート ダンスの必須要素 定義 ショート ダンスの構成に含まれるべき必須要素のリストとこれらの要素に対する詳細な要求事項は毎年の ISU コミュニケーションで発表される. 2013/14 シーズンシニア パターン ダンス要素 ダンス リフト ステップ シークェンス シークェンシャル ツイズル 注記 (Communication 1782 および 1805) フィンステップを 2 セクション セクション 1: ステップの 1 番 ~27 番 セクション 2: ステップの 28 番 ~70 番 セクション 1 の後にセクション 2 を続けて滑走すること. パターンの最初の方がジャッジ側となるように滑走すること. 特記事項 : ジュニア (Communication 1782) 出典 Rule 609, 2 クイックステップを 2 シークェンス, 各シークェンスを続けざまに, もしくは別個に滑走すること. 各シークェンスの 1 番のステップが氷面の異なる側となるように滑走すること. パターン ダンスの記載, 表, ダイアグラムは ISU Handbook Ice Dance 2003 に掲載されている. パターン ダンスのフィンステップの記載, 表, ダイアグラムは ISU Communication 1497 号に掲載されている. 2 ページ, 2. ターン, ツイズル, ストップ部 の 10 行目を次のように変更 : ツイズルの間, 男性の右手は女性の右手をホールドしている と読み替える ダイアグラム中の, 男性のステップ 63 の拍数は表にあるとおり 1+½+½ が正しい. ダイアグラム中の, 男性と女性のステップ 52 と 53 のターンは表にあるとおり H-OpMo が正しい. 最大 1 つのショート リフト 1 つの非接触ミッドラインまたはダイアゴナルまたはサーキュラー ステップ シークェンス 1 つ ダンス スピンは必須要素ではない. ただし, カップルが同じ軸のまわりを片足で ( もしくは両足で ) 滑走するようなスピン動作を行うことは, ホールドと回転数の制限なく許される. カップルはこのような動作を振り付けの一部として用いてよい. テクニカル パネルはこのような動作は無視し, ジャッジはこのような動作を許されたストップの数には入れないものとする. File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja 6 / 37 D ショート ダンスの必須要素

7 定義 アイス ダンスフリー ダンス全般の要求事項 a) フリー ダンスは, 選んだダンス音楽の性格 ( 曲想 )/ リズムを表現しつつ, ダンス ステップや動作を織り交ぜて創造的なダンス プログラムをカップルが滑走するものである. フリー ダンスは, 新しいあるいは既知のダンス ステップおよび必須要素などの動作を含まなければならず, 卓越したスケーティング技術に加えて, 考え方や配置, 表現にこめられた各カップル独自の独創性を示すことができるバランスのとれたひとまとまりとして構成されていなければならない. プログラムは必須要素を含め音楽に合わせ拍子をそろえて滑走しなければならない. カップルは主としてリズミカルなビートに合わせて滑走しなければならず, メロディのみに合わせてはならない. 振り付けは選んだダンス音楽のダンスの性格, アクセント, ニュアンスを明確に反映し, 速さやテンポの変化によってパートナーの深い関係性を明確に表現し, 雰囲気とペースの明確な変化を表現するべきである. プログラムは氷面の全面を使用しなければならない. フリー ダンスはペアまたはショウ プログラムのコンセプトを持ってはならない. b) フリー ダンスの演技時間は第 614 条で定められている. c) フリー ダンスの音楽はボーカルを含んでもよく, スポーツ種目としてのアイス ダンスに適したものでなければならず, 以下の特徴を持たなければならない. i) 音楽は耳に聞こえるリズミカルなビートとメロディ, または耳に聞こえるリズミカルなビートのみを備えていなければならず, メロディのみであってはならない. ボーカルを含んでいてもよい. 音楽はプログラムの開始または終了において 10 秒間まで, さらにプログラム中において 10 秒間まで, 耳に聞こえるリズミカルなビートを含まなくともよい. ii) 音楽は最低 1 回のテンポおよび表現の変化がなければならない. この変化は徐々にでも急激にでもかまわないが, どちらの場合でも明らかでなければならない. iii) クラシック音楽を含め全ての音楽は興味深く, かつ色彩豊かで楽しめる, さまざまな雰囲気や盛り上がりのあるダンス プログラムを作り出すように編集, 編曲されていなければならない. iv) 音楽はカップルのスケーティング スキルと技術的な能力に適していなければならない. これらの要件に従わないフリー ダンスの音楽は減点により罰せられる ( 第 353 条第 1 項 n) ii) を参照 ). d) あらゆるステップとターンが許される. プログラムにはスケーティング技術, 難しさ, 多様さ, 独創性を示し, ダンスのはっきりとした技術的内容を構成するディープ エッジと複雑なフットワークが含まれなければならず, かつ両パートナーによってなされなければならない. 観客席の公衆のため, プログラムは観客席の全方向に対して構成されていなければならず, ジャッジ側のみに焦点が当てられていてはならない. 出典 Rule 610, 1 File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja 7 / 37 D フリー ダンス全般の要求事項

8 アイス ダンスフリー ダンス全般の要求事項 e) 音楽の性格にふさわしく, ウェルバランス プログラムの概念から外れず, かつ第 604 条の定義に沿っているならば, 全ての要素や動作が許される. f) 複雑なフットワークを行うための分離の回数は制限されない. パートナー同士の距離は両手間隔を越えるべきではない. そのような各分離は 5 秒間を超えてはならない. フリー ダンスの最初と最後の分離は 10 秒までなら許され, 距離に制限はない. g) あらゆるホールド チェンジが許される. 多種多様なホールドが含まれることはプログラムの難度を増すことになるので含まれるべきである. フェイス トゥ フェイスでの滑走は, サイド バイ サイドでの滑走, ハンド イン ハンドでの滑走, 離れての滑走, あるいは一方が他方の後ろを滑走することに比べて難しいとみなされる. h) カップルが氷上の一箇所に留まって体を動かしたり, ひねったり, ポーズをとったりなどを行うための完全なストップ (5 秒まで ) は許される. i) プログラムはスケーティングの質によって表現されなければならない. 片膝をついての滑走やトウ ステップを使うなどの非スケーティング動作で構成されてはならない. 非スケーティング動作を用いるのはそのダンスの特性や選んだ音楽のリズムとニュアンスを反映する場合に限るべきである.( 両 ) 手で氷に触れることは許されない. 両膝を付いてひざまずくことや滑ること, または氷上に座ることは許されず, テクニカル パネルによって転倒と見なされる. 演技時間 シニア 4 分 ジュニア 3 分 30 秒 アドバンスト ノービス 3 分 ベーシック ノービス 2 分 30 秒 ±10 秒 Rule 614, 3 および Communication 1760 File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja 8 / 37 D フリー ダンス全般の要求事項

9 アイス ダンスバランスの取れたフリー ダンス プログラム 定義 ノービス, ジュニアおよびシニアのフリー ダンスのウェルバランス プログラムに含まれるべき必須要素およびその要件は, 毎年 ISU コミュニケーションにより発表される. 出典 Rule 610, /14 シーズン 3 シニア ダンス リフト (Communication 1782) - 最大 2 つの異なるタイプのショート リフトおよび最大 1 つのロング リフト または - 少なくとも異なる 3 つのタイプを含む最大 4 つのショート リフト 追加で 1 つのコレオグラフィック ダンス リフト ジュニア (Communication 1782) - 最大 1 つのショート リフトおよび最大 1 つのロング リフト または - 最大 3 つの異なるタイプのショート リフト 追加で 1 つのコレオグラフィック ダンス リフト ダンス スピン 1 つのダンス スピン ( スピンまたはコンビネーション スピン ) が必須. 追加で, トランジショナル ダンス スピンを必須のダンス スピンのあとに任意で 1 つ行ってもよいが,2 つ以上は許されない. アドバンスト ノービス (Communications 1760) 最大 2 つの異なるタイプのショート リフト : 以下のタイプから選ぶこと - ストレート ライン リフト - カーブ リフト - ローテイショナル リフト 追加で 1 つのコレオグラフィック ダンス リフト 最大 1 つのスピン ベーシック ノービス (Communications 1760) 最大 1 つのショート リフト : 以下のタイプから選ぶこと - ストレート ライン リフト - カーブ リフト - ローテイショナル リフト 追加で 1 つのコレオグラフィック ダンス リフト * ステップ シークェンス シンクロナイズド ツイズル セット ホールドを組んで行なうストレート ライン ステップ シークェンス ( ミッドラインまたはダイアゴナル ) を 1 つ ホールドを組んで行なうカーブド ステップ シークェンス ( サーキュラー またはサーペンタイン ) を 1 つ 1 つ グループ A または B からホールドを組んで行なうステップ シークェンスを 1 つ 注記 * 注記 : ベーシック ノービス もしダンス スピンとダンス リフトが組み合わされて行われた場合, これらは 2 つの別々の要素として認定される. ダンス スピンはベーシック ノービスのフリー ダンスの必須要素に含まれていない. ただし, カップルが同じ軸の周りを片足で ( もしくは両足で ) 滑走するようなスピン動作を行うことはホールドと回転数の制限なく許される. カップルはこのような動作を振り付けの一部として用いてよい. テクニカル パネルはこのような動作は無視し, ジャッジはこのような動作を許されたストップの数には入れないものとする. 3 英文では 2011/12 シーズン となっている. File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja 9 / 37 D バランスの取れたフリー ダンス プログラム

10 アイス ダンスショート ダンスとフリー ダンスの必須要素に共通する要件 ショート ダンスとフリー ダンスの必須要素に共通する要件 ステップ シークェンス シークェンシャルまたはシンクロナイズド ツイズル セット ダンス リフト, 半回転を超えるジャンプ, ストップ, ダンス スピン, ピルエット, パターンの逆走, ループ ( すなわち 許されない要素 ) はどの必須のステップ シークェンスにも含まれてはならない. 必須のシークェンシャルまたはシンクロナイズド ツイズル セットは必須のステップ シークェンス以外の部分であればプログラムのどの部分で行ってもよい. 出典 Communication 1782 Communication 1782 File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja 10 / 37 D ショート ダンスとフリー ダンスの必須要素に共通する要件

11 アイス ダンス必須要素の GOE の採点基準 定義 一般事項 採点 すべてのジャッジは, ショート ダンスとフリー ダンスの必須要素ごとに出来栄えの質を採点する. 採点は, 出来栄えのよい点とエラーに応じて,7 段階すなわち +3,+2,+1, 基礎値,-1,-2,-3 で採点する.+ あるいは - の各段階には価値尺度表に示す固有の + あるいは - の点数がある. この点数が要素の基礎値に加点または減点される. 必須要素の採点のガイドラインが ISU コミュニケーションにより発表および改訂される. 必須要素の GOE はグレードを選ぶことで決定され, グレードは GOE の特徴の平均値が適用される. このグレードはその後必要に応じて GOE の調整に従って調整される. 出典 Rule 611, a) (iii) Communication 1677 File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja 11 / 37 Date: D 必須要素の GOE の採点基準

12 アイス ダンス必須要素の GOE の採点基準 GOE の特徴 ( 出典 : パターン ダンス要素については Communication 1677, 他の必須要素については Communication 1522, chapter 6.b) の表の上部分 ) 観点非常に劣る劣る並まずまずよい非常に良い傑出 / 優秀 パターン ダンス要素 パターン ダンス要素全体を通してのエッジ / ステップ / ターンの質と正確さ 基礎値 % 以下のクリーンなエッジ / ステップ / ターン, エラーが多い 50% のクリーンなエッジ / ステップ / ターン, 重大なエラー 2 つ 60% のクリーンなエッジ / ステップ / ターン, 重大なエラー 1 つ 75% のクリーンなエッジ / ステップ / ターン, 重大なエラーなし 80% のクリーンなエッジ / ステップ / ターン, 重大なエラーなし 90% のクリーンなエッジ / ステップ / ターン, 重大なエラーなし 100% のクリーンなエッジ / ステップ / ターン, エッジの深さ非常にフラットだいたいフラットいくらかフラット浅いよいカーブ深い非常に深い 正しいホールド 40% 50% 60% 75% 80% 90% 100% 正しいパターン ( 正しいコース取り, および 2 シークェンス以上滑走する際の正しい再スタートとコース取りの繰り返し ) 40% 50% 60% 75% 80% 90% 100% ダンス スピン 基礎値 入り / 出 ぶざま / ステップアウト ぎこちない / オフバランス ためらい / 不意 制御された スムーズ 滑らか / 楽々滑らか / 継ぎ目無し 片足になる 遅延 遅速 一緒でない 同時 素早い 迅速 / スムース 即時 回転 非常に遅い 低下 幾分安定 安定 持続 楽に速い 高速完璧 以下の場合 : 足換え 二人とも余分のプ 1 人だけ余分のプためらい 制御された 制御され迅速迅速, 楽々 高速継ぎ目無し ッシュ ッシュ 姿勢変更 ぶざま, 非常に拙ぎこちない / 変更骨折った 制御された 両者迅速明確素早くスムース 継ぎ目無し 劣 が遅い ダンス リフト 基礎値 入り / 出 ぐらつく / 落とす 不器用 ためらい / 唐突 確実 / 安定 スムース 流麗 継ぎ目無し 上昇 / 下降 非常に短い もがき 大努力 やや努力 小努力 楽々 軽やか, 楽々 安定性 バランス喪失 不安定 むら有り 安定 確実 確信的 リラックス / 力強い 以下の場合 : 姿勢の変更 ぶざま 非連続的 骨折った 制御された スムーズ 流れ有り 楽々 回転技術 ぶざま / 非常に遅い 不安定, ターンがスクレイプ 非連続, 下手なターン 連続的 スムーズ 流れ有り速い流れ有りかつ非常に速い カーブの変更 両カーブとも非常に浅く, 短すぎる 両カーブとも浅く, 不均等 一方のカーフ が浅い, または短すぎ カーブが均等だが浅い 両カーブは均等でやや深い 両カーブは均等で深い 両カーブは均等で非常に深い セット オフ ツイス ル 基礎値 入り / 終了 ぶざま / オフハ ランスためらい / 制御欠如唐突 確実 / 安定 確実でスムース 楽々 継ぎ目無し つなぎのステップ / フットワーク 全く制御無し やや制御欠如, ワイド ステップ 骨折り / むら有り 確実 / クリーン スムース / きれい非常に良いかつスマート 巧みかつ絶妙 パートナー間の距離全く制御無し 悪くなる 変わる ほぼ一定 一定 一定で近い 一定で極近く ステッフ シークェンス 基礎値 エッジ / 確実性 非常にフラットか 概してフラットか 幾分フラット, 浅いが安定 十分なカーフ, 強い, 確信的 深く静か, 力強い つぐらぐら つ躊躇い 安定度にむら 確実 スピードおよびフロー もがき, 苦労, 無理やり 低下または遅い 一貫せず / むら有り そこそこ 十分なスピード, フローにむら 相当のスピードと一定のフロー かなりのスピードを無理なく流れるように達成 パートナー間のバランス 2 人とも非常に拙劣 2 人とも拙劣 不揃い やや異なる 2 人とも良い 2 人とも非常に良い 2 人とも優秀 フットワーク 2 人とも両足または2 人ともトウフ ッシュ ワイド ステップ, または1 人が両足またはトウフ ッシュ むら有り大体正しい正しいクリーンかつきれいクリーンかつ楽々 ターン 跳ぶ / ぶざま スキッド 無理やり 過半が正しいクリーン クリーンかつきれい クリーンかつ楽々 パートナー間の距離無制御 悪くなる 変わる ほぼ普遍 制御された 一定で近い 一定で非常に近 ( 非接触ステップ ) いのを楽に達成 File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja 12 / 37 D 必須要素の GOE の採点基準

13 アイス ダンス必須要素の GOE の採点基準 GOE の調整 ( 出典 : Communications 1677 および 1738) パターン ダンス要素 下げる 最大 パートナーの一方または両方が必要な拍数の間エッジ / ステップを保てていない 1つのエッジ / ステップからパターン ダンス要素のステップの 10% まで +1 パターン ダンス要素のステップの 10% 超 20% まで 0 パターン ダンス要素のステップの 25% 超で -1 パターン ダンス要素が中断によって要素の 1/4 までが失われた -1 ダンス スピン 下げる 最大 一箇所で回転しない ( 軸の流れ ) コンビネーション スピンの 1 つの部分で, またはスピンのオプション 2 の一方向で スピンのオプション 1 で, またはコンビネーション スピンの両部分で, またはスピンのオプション 2 の両方向で -1 姿勢がぶざま, または美学的に好ましくない ダンス スピンが音楽のフレージングに合ってない -1 回転方向の変更があるダンス スピン ( オプション 2) を除き, 軸を完全に取り直す -1 足換えが同時でない ( コンビネーション スピン ) -1 上げる 両パートナーの身体の線や姿勢がきれいで美学的に好ましい 回転のスピードが維持されるか加速される 入りが予期できない, および / または独創的 ダンス スピンが音楽のフレージングに合っている ダンス リフト 下げる 最大 無様な姿勢, または美しさに欠ける姿勢 ストレートライン / カーブ リフトの最中に半回転を超えた回転 ダンス リフトが選んだダンスの特性を反映していない ダンス リフトが音楽のフレージングに合っていない -1 上げる 両パートナーの身体の線や姿勢がきれいで美学的に好ましい リフト中の回転のスピードが維持されるか加速される リフトするパートナーが特別な動作をしている 入りが予期できない, および / または独創的 ダンス リフトが独創的でプログラムの振り付けを引き立てている ダンス リフトが音楽のフレージングに合っている セット オブ シークェンシャル / シンクロナイズド ツイズル 下げる 最大 同時に行なわれない 1 つのツイズルのみ 2 つのツイズルとも -1 回転が正しくない ( 連続した 3 つのターン, ピルエット ) 1 つのツイズルが正しくない 0 2 つ以上のツイズルが正しくない -1 パートナー同士の距離が概して両手間隔より遠い 上げる 流れのあるエッジでツイズルから出る ( すぐに足をつかない ) セット オブ シークェンシャル / シンクロナイズド ツイズルが選んだダンスの特性を反映している ツイズルの回転が速い ツイズルが猛スピードで行なわれる ステップ シークェンス 下げる 最大 パターン / 配置が正しくない, または完結しない パートナー同士の間隔が概して両手間隔より遠い ( 非接触ステップ シークェンス ) 許されていない要素が含まれる ( 減点は 1 回ごとに ) 2 段階 ホールド変更のためのセパレーションが音楽の 1 小節より長い 腕を完全に伸ばしたハンド イン ハンド ホールドで継続的に滑走 ( ホールドを組んでのステップ シークェンス ) ステップ シークェンスが選んだダンスの特性を反映していない ステップ シークェンスの滑りが音楽のリズム パターンに合っていない -1 流れの欠如 ( 氷面を横切る動作 ) -1 上げる ステップ シークェンスが音楽のリズム パターンに合わせて滑られており, かつ選んだダンスの特性を反映している 2 つ目のステップ シークェンス ( フリー ダンス ) が 1 つ目のステップ シークェンスとははっきりと違う滑りのテンポで行なわれた 十分なスピードと流れのある滑り バランスの喪失, つまずき, 転倒 下げる 最大 1 人がバランスを失う 2 人ともバランスを失う 0 1 人がつまずく 0 2 人ともつまずく -1 1 人が転倒 -2 2 人とも転倒 -3 File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja 13 / 37 D 必須要素の GOE の採点基準

14 アイス ダンス演技構成点の採点基準 定義 概要 技術点に加えて各ジャッジはショート ダンスおよびフリー ダンスにおいて, カップルの演技全体を 5 つの演技構成要素に分けて評価する.( スケーティング技術, トランジション / つなぎのフットワーク / 動作, パフォーマンス / エクセキューション, 構成 / 振り付け, 音楽の解釈 / タイミング ) スケーティング技術定義 : スケーティング全体の質であり, すなわちエッジ コントロールや氷上での流れのことである. これらはスケーティングの諸手段 ( エッジ, ステップ, ターン等 ) を自在に駆使すること, 明確な技術, さらに無駄な力なく加速しスピードを変化させることにより示される. 評価項目 : バランス, リズミカルな膝の動き, 足運びの正確さ 流れと無駄な力のない楽な滑り 深いエッジ, ステップおよびターンの正確さと確実さ 力強さと加減速 あらゆる方向へのスケーティングの熟達 片足でのスケーティングの熟達 ユニゾンによって示される, 両パートナーによる技術の同程度の熟達 トランジション / つなぎのフットワーク / ムーブメント 定義 : 多様かつ / または複雑なフットワーク, ポジション, 動作およびホールドのことで, すべての要素をつなぎ, かつダンスのはっきりとした技術的内容を構成する. 評価項目 : 多様さ 難しさ 複雑さ 質 パートナー間の仕事量のバランス 多様なダンス ホールド ( サイド バイ サイドやハンド イン ハンドが過度でないこと ) 出典 Rule 611, b) (i) Rule 611, b) (i) Rule 611, b) (i) File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja 14 / 37 D 演技構成点の採点基準

15 定義 パフォーマンス / エクセキューション アイス ダンス演技構成点の採点基準 定義 : パフォーマンス ( 演技 )- 音楽と振り付けの意図をカップルが氷上での演技に移し替える際に, 体の動き, 感情の表現, 知性の表出が十分にあること. エグゼキューション ( 実行 )- 動作の質および実行時の正確さ. 動作の調和を含む. 評価項目 : 体の動き, 感情の表現, 知性の表出 身のこなし スタイルおよび個性 / 人格 動作の明確さ 多様さとめりはり 投射 ユニゾンと一体性 パートナー間の演技のバランス パートナー同士の空間的知覚 ( 距離の調整, ホールド変更の手際 ) 構成 / 振り付け定義 : 計画的, 発展的, かつ / または独創的な全動作の構成のことで, 配分, 統一性, 空間, パターン, 構造, フレージングの諸原則に従う. 評価項目 : 目的 ( アイデア, コンセプト, ビジョン ) 配分 ( 各部分の等しい重み付け ) 統一性 ( 全動作の意図的な一貫性 ) 個人的および公的空間の利用 パターンおよび氷面の十分な利用 フレージングと形式 ( 動作および部分が音楽のフレーズに合っていること ) 目的, 動作およびデザインの独創性 目的達成のための負担の共有 パターンとストップの要件への合致 ( ショート ダンスのみ ) 出典 Rule 611, b) (i) Rule 611, b) (i) File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja 15 / 37 D 演技構成点の採点基準

16 定義 アイス ダンス演技構成点の採点基準 音楽の解釈 / タイミング定義 : 個性的かつ創造的に音楽のリズムおよび / または特徴および内容を氷上への演技に移し換えること. 評価項目 : 音楽に合った無駄なく楽でかつ正確な動作 ( タイミング ) 音楽のリズム, 特徴, 内容およびスタイルの表現 音楽のニュアンスを反映するためのフィネスの利用 * 音楽の特徴および内容を反映させたパートナー同士の関係 音楽の適切さ ショート ダンスおよびフリー ダンスでは主としてリズミカルなビートにのって滑走すること, フリー ダンスではビートに合わせた滑走とメロディに合わせた滑走のバランスがよいこと. * フィネスとは, スケーターによるニュアンスの技巧的かつ洗練された取り扱いのことである. ニュアンスとは, 作曲者や奏者が音楽の音の強さやテンポや強弱に繊細な変化をもたらすための個性的で芸術的な手法である. 採点 演技構成点はプログラムの演技終了後,0.25 刻みで 0.25 から 10 までの点数でジャッジにより採点される. ジャッジにより与えられる得点は, 以下に示す演技構成要素の各段階に対応する.1 未満 : 極めて劣る, 1: 非常に劣る,2: 劣る,3: 弱い,4: まあまあ,5: 平均的,6: 平均以上,7: よい,8: 非常によい,9~10: 傑出.0.25 の刻みは, ある特徴は一つの段階にあり, 他の特徴はその上の段階にあるというような演技を評価する際に用いる. 採点基準は ISU コミュニケーションにより発表, 改訂される. プログラム構成要素それぞれの点数は, 満たされたプログラム構成要素の特徴の過半数にしたがって決定される. この点数はその後必要に応じてプログラム構成要素の調整に従って調整される. 出典 Rule 611, b) (i) Rule 611, b) (ii) Communication 1677 File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja 16 / 37 D 演技構成点の採点基準

17 アイス ダンス演技構成点の採点基準 コミュニケーション 1738 号による点数範囲の名称の変更を仮に統合した箇所に下線を付した. 演技構成要素の特徴 ( 出典 : Communications 1677 および 1738) 点の範囲スケーティング技術の特徴繋ぎのフットワーク / 動作の特徴ハ フォーマンス / エクセキューションの特徴振り付け / 構成の特徴音楽の解釈 / タイミングの特徴 - テ ィーフ で静かで確実で努力無し - 両者エッシ / ステッフ / ターン / ホールト が難し - 一体化, 優れた調和 - 広範なステッフ および動き, 必須要素は音 - スケーター / 音楽 / ニュアンスが一体となるに見えるエッシ く複雑で多様な繋がりをなす - 優雅で洗練されたスタイル楽による動機付け卓越 - 心 からの動機付け - 深い / 滑らかな膝の動き - 動作が次々に継ぎ目無く流れる - 上品な身体と手足の線 - 音楽 / 空間 / 対称性の使用, 独創的 - 音楽に触発された様々な動作 / 仕草 優雅で精確なステッフ / ターン - 創造的なハ ターン, ローフ - 精確な身体動作 - 印象的なハイライトが均等に分布 - フ ロク ラム中常に 曲に入り込む 傑出 - 全方向を継ぎ目無く使用 - ハ ターン タ ンス要素と他とのつなぎが創 - 2 人とも魅惑的 - 継ぎ目のないヘ ース / テンホ の変更 - たぐい稀な音楽 / テーマとの一体化 - 苦も無く加速造的 (SD):100% - 稀に見る投射 ( 観客へ, ある - 個人的 公的空間の完全な利用 - 音楽のスタイル, 曲想の表現が秀逸 - 両者極めて広範な技術範囲いは必要なら音楽に 浸りき - 振り付けがタ ンスの統一感をもたらしている - タイミンク :100% 正しいって ) (SD):100% - SD でのリス ムの表現 :100% 正しい 非常によい 良い 普通よりまし 普通 - 強く確実で流れあるエッシ - 微妙な膝の動き - 上品で精確で興味深く綺麗なステッフ / ターン - 難しいステッフ 中も楽に加速 - 常に多方向に滑走 - 両者多方面に広範な技術 - 両者常時エッシ / ステッフ / ターン / ホールト が難しく多様に組み合わされる - 1 つの動きが楽に次に繋がる - 氷面を見事にカハ ー - ハ ターン タ ンス要素と他とのつなぎが創造的 (SD):100% - 巧みな動作 素晴らしい調和 - 非常によい身のこなし, 身体の線 - 難しいホールト 変更を楽々と - 強く投射 - 強く確実で自信のあるエッシ - 強く柔軟な膝の動き - 上品でクリーンなステッフ / ターン - 多方向をよく利用 - 容易く加速する能力 - 2 人ともエッシ / ステッフ / ターン / ホールト が多様で複雑 - 1 つの動きから次へ意図をもって滑らかに繋がる - 対面するホールト を様々に使用 - カッフ ルとして動く 無理なく一体化 - 全てのホールト 変更が楽に行われている - よい身のこなし, 身体の線 - 2 人とも全体の 75% は広い技術 - ハ ターン タ ンス要素と他とのつなぎが創 - 2 人とも殆どの時間投射 造的 (SD):100% - まずまずの, 確実なエッシ - 普通よりましな膝の動き - 普通よりましな程度に多様なステッフ / ターン全演技の 75% で全方向楽々 - スヒ ート を楽に得, また維持 - 2 人とも普通よりましな技術範囲 - どちらかといえば確実なエッシ - 膝の動き, ステッフ, ターンにいくらかの多様さ - 全体にむらの無いスヒ ート とフロー - 2 人とも普通の技術範囲 - 演技の 75 % は 2 人ともエッシ / ステッフ / ターン / ホールト が難しく多様 - クロス カット / ランの使用は最小限 - 連続性が崩れた箇所あり - 対面ホ シ ションでの多様なホールト を使用 - ハ ターン タ ンス要素と他とのつなぎが創造的 (SD):100% - 2 人とも多様なエッシ / ステッフ / ターン / ホールト がある - クロス カット, ランの使用は限られた範囲 - 多くの対面ホ シ ションを普通程度に使用 - ハ ターン タ ンス要素と他とのつなぎが創造的 (SD):100% - 普通よりましなユニソ ン, 75% の時間はカッフ ルとして動く - 普通よりましな身体 / 手足の線, 良い身のこなし - 75% の時間は投射できる - 時にユニソ ンに崩れ - 普通程度の身のこなし / 線, 時に崩れ - 一貫して心地よい身体 / 手足の線 - 投射技術にむらがあるが 2 人とも投射力あり - 秀逸な振付け 明確に理解可能 - テーマを展開する多様な独創的動作 - ヘ ース / テンホ 変更, 楽々 - 音楽 / 空間 / 対称性の利用優秀 - 振り付けがタ ンスの統一感をもたらしている (SD):90% - テーマに導かれた興味ある動き - 音楽 / 空間 / 対称性の利用が良い - 2 人が音楽, 内容を統一的に使用 - リンクの全方向に向けられている - 振り付けがタ ンスの統一感をもたらしている (SD):80% - リス ムを効果的に使った既知のある程度興味深い動作, 創造的動作 - 音に合ったスヒ ート 変化が普通よりまし - ハイライトの分布が普通よりまし - 必須要素の組み込み方が創造的 - 氷面の使い方が普通よりまし - 振り付けがタ ンスの統一感をもたらしている (SD):70% - テーマと音楽に合った動きがよくあるがむら有り - ハイライトは全般にうまく分布しているが時に 1 つのサイドに集中 - 興味ある構成 - ペース変更の使い方が普通 - 氷面の使い方が普通 - 音楽に従ったスヒ ート の変化 - 振り付けがタ ンスの統一感をもたらしている (SD):60% - スケーターと音楽が融合 内的動機付け - 興味深い動作 / 仕草が多岐にわたる - 一体で音楽 / テーマを映す優れた能力 - 音楽のスタイル / 曲想の表現が優れる - タイミンク :100% 正しい - SD でのリス ムの表現 :100% 正しい - スケーティンク と音楽が統合 - 内的動機付けが良い - 75% 以上で 曲に入り込む - ハ ートナー関係が良好 - 音楽のスタイル, 曲想の表現が良い - タイミンク :100% 正しい - SD でのリス ムの表現 :100% 正しい - スケーティンク は音楽に良く合致 - 75% の時間は動作が音楽に合致 - フットワークのタイミンク 良好 - 音楽と遊べる - ハ ートナー関係は 75% の時間良い - 音楽スタイル, 曲想の表現が普通よりまし - タイミンク :90% 正しい - SD でのリス ムの表現 :100% 正しい - 動作の動機付けに軽度の差あり - アクセント / ニュアンスの使用は普通 - リス ム, テーマの表現は普通 - 音楽との情緒的関係が普通 - まずまずのハ ートナー関係 - タイミンク :80% 正しい - SD でのリス ムの表現 :100% 正しい File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja 17 / 37 D 演技構成点の採点基準

18 アイス ダンス演技構成点の採点基準 演技構成要素の特徴 ( 出典 : Communications 1677 および 1738) 点の範囲 スケーティング技術の特徴 繋ぎのフットワーク / 動作の特徴 ハ フォーマンス / エクセキューションの特徴 振り付け / 構成の特徴 音楽の解釈 / タイミングの特徴 - エッシ は浅くその質や膝の動きに - 単純さ, 複雑さの比率同等 - ユニソ ンは時に崩れる - フ ロク ラムは音楽に良く対応 - 滑りが音楽に合致, 軽度の例外 むら - 1 人の仕事量が少ない部分あり - 身のこなし / 線はむらがあるが - 要素は全般にうまく分布しているが時々リ - 幾らかの動機ある動作 - ステッフ / ターンはまあまあの範囲 - 幾つかの対面ホ シ ションをいろいろに概ね好ましい姿勢ンクの1サイドを強調し過ぎる - アクセントとニュアンスの使用は並以下 で, 演技の 50% が多方向使用 - 身体 / 手足の線はそこそこ - 振り付けがタ ンスの統一感をもたらしている - 音楽のスタイルと曲想を正しく表現まあまあ - 技術レベル, 能力は同等 - ハ ターン タ ンス要素と他とのつなぎが創 - 1 人だけ投射または2 人が (SD):50% - 50% の時間はハ ートナー関係 - 50% は一貫したスヒ ート とフロー 造的 (SD):50% 50% の時間だけ投射 - タイミンク :70% 正しい - SD でのリス ムの表現 :90% 正しい 弱 劣る - フラットなエッシ あり - 膝の動きに限界, 概ね硬い - ステッフ / ターンほとんど無し 簡単なターンと幾らかの難しいターンでは全方向滑走 - 両者技術にむら, 時に能力差 - フロー欠如, スヒ ート にやや変化 - 短く劣るステッフ / フラットなエッシ - ハ ワーがほぼない - 75% 以上トウ フ ッシュまたはワイト ステッフ - ステッフ / ターンがほぼない, 簡単なターンのみ両方向へ滑走できる - 技術にむら, 諸所で能力差 - 短く非常に劣るステッフ / エッシ - 遅くフローがほぼない, トウ フ ッシュ - ステッフ / ターンがほぼない, 主に 方向非常に劣る - スヒ ート の変化は最小限 - 基本技術は非常に劣り, 諸所で一方が 運ばれている - 極めて劣るステッフ と不安定なエッシ - 両者ほとんど両足滑走 動作を制御できない極めて劣る - ステッフ / ターンに苦労, 常に1 方向 - 両者基本技術が極めて劣る - スヒ ート を出せない - 幾つかの基本的エッシ / ステッフ - 幾つかの簡単なターン / ホ ース / ホールト - 幾つかの部分で1 人は難しいことをする一方, 他の1 人は両足 - 対面ホ シ ションは殆ど無い - ハ ターン タ ンス要素と他とのつなぎが単 純 (SD) - 多くの部分に基礎的エッシ / ステッフ - 簡単なターン / ホ ース / ホールト - 全体の 75% で一方が難しいことをし他方が両足 - 多くの部分がハント イン ハント かサイト ハ イ サイト, 対面ホ シ ションは最小限 - ハ ターン タ ンス要素と他とのつなぎが単純 (SD) - ユニソ ン, むらあり - 身体 / 手足の線と身のこなし, むらあり - ホールト, 比較的安定 - 1 人だけは 50% の時間投射, または 2 人が時々しか投射せず - ホールト に一貫した安定性無く, ユニソ ン時々崩れる - 身体 / 手足の線, 伸ばしが劣る - 限定的投射技術 2 人とも慎重 - -ストローキンク / 簡単なターン / ホ ース が大半 - ホールト, ユニソ ンで格闘 - 多くの大きな部分がハント イン ハント か - ユニソ ン崩れサイト ハ イ サイト - 調和が非常に劣る - ハ ターン タ ンス要素と他とのつなぎが非常に劣る - 全体を通じて基本的ストローキンク と拙劣なホ ース のみ - 長いエッシ は殆ど無く, ハ ターンは直線で構成 - ホールト はほとんどハント イン ハント かサイト ハ イ サイト - ハ ターン タ ンス要素と他とのつなぎが極めて劣る - 身体 / 手足の線 / 身のこなし / 伸ばしが非常に劣る - 非常に低い投射技術 - 不安定なホールト, 制御ない調和とユニソ ン - 身体 / 手足の線, 身のこなし, 伸ばし, 極めて劣る - 投射技術欠如 2 人とも骨折り - 音楽 / テーマに合った部分が散見 - 難しい要素では音楽が BGM - フ ロク ラムがだいたいシ ャッシ 側を向いて作られている - 氷面上の要素配置はまずまず - 振り付けがタ ンスの統一感をもたらしている (SD):40% - 音楽 / テーマに合わない動作がある, フ ロク ラムと音楽の関係が最小限 - ペース変更がない - フ ロク ラムはシ ャッシ 側を向いている - 振り付けがタ ンスの統一感をもたらしている (SD):30% - 動機ある動作は幾つかあるが, しばしば意味無しに見える - 音楽の使用は適切だが表現は平均的で, 曲想とあったりずれたり - 幾らかのハ ートナー関係 - タイミンク :70% 正しい - SD でのリス ムの表現 :75% 正しい - アクセント, ニュアンスの使用劣る - たまにハ ートナー関係あり - 動機の無い動作 - タイミンク :50% 正しい - SD でのリス ムの表現 :50% 正しい - 動作の多くが音楽に合ってない - 不適切な強弱 - フ ロク ラムと音楽の関係は薄い - 動作がリス ム / 曲想と無関係 - フ ロク ラムは主としてシ ャッシ 側向き - ハ ートナー関係は僅かまたは無し - 動作の配置に一貫性無し - タイミンク :25% 正しい - 単調 - SD でのリス ムの表現 : 正しいのが 50% 未 - 振り付けがタ ンスの統一感をもたらしている満 (SD):20% - 殆どの動きは音楽に合っていない - 全フ ロク ラムがジャッジ サイド向き - 動作の配置は行き当たりばったり - 氷面に不使用領域あり, 頻繁に直線滑走またはフェンスに沿った滑走 - 振り付けがタ ンスの統一感をもたらしている (SD):10% 注 : 音楽の解釈 / タイミングにおいて, 特徴の タイミング とは以下を意味する : - 主としてリズミカルなビートに合わせて滑ること, - プログラムが音楽のフレージングとよく調和していること. もし転倒がその後のプログラムの全体または一部に影響した場合には,1 つのまたは複数のプログラム構成要素の特徴に影響を及ぼしうる. - 強弱欠如 - 音楽 / 曲想 / ニュアンス / アクセントと明らかに無関係な孤立した仕草 - ハ ートナー関係無し ソロ 2 人 - タイミンク : 正しいのが 25% 未満 - SD でのリス ムの表現 : 正しいのが 50% 未満 File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja 18 / 37 D 演技構成点の採点基準

19 アイス ダンス演技構成点の採点基準 ショート ダンスの演技構成点の調整 ( 出典 : Rule 609 および Communications 1677, 1738, 1782, 1805) スケーティング技術 ( 必須要素以外の部分で ) 助走, 最終部を含めいかなる時でも氷上に片 ( 両 ) 手をついて滑走すること : 1 人 -0.5/ 回 2 人とも -1.0/ 回 バランスの喪失または躓き : 1 人 -0.5/ 回 2 人とも -1.0/ 回 振り付け 完全なストップ : 許されない完全なストップごとに 種類 数 時間 プログラムの最初 10 秒以内 プログラムの最中 ( 最後を含む ) ダンス スピンまたはスピン動作パターン : 違反ごとに -0.5 進行方向 ループの位置 ロング アクシスの横切り ジュニア :2 回までシニア :2FS に含まれるストップとは別に 1 回まで 上記の許されたストップとは別に 1 回まで シーズン 2013/14: ジュニア 1 回の場合 :10 秒以内 2 回の場合 : それぞれ 5 秒以内 制限無し シーズン 2013/14 シニア 5 秒以内 プログラム全体で一定, ただし ループ 非接触サーキュラー ステップ シークェンスはどちらの方向でもよい ( 時計回り, 反時計回り ) ロング アクシスを横切ってはならない注 : ジュニアのショート ダンスで 2 つのパターン ダンス要素をつなぐために, 端から 20 メートルを超えない範囲でループを 1 つ行なってロング アクシスを横切ることは許される. リンクの各エンドのフェンスから 20m 以内で1 回ずつを除き許されない注 : 非接触ステップ シークェンスを行う間にロング アクシスを横切ることは許される. セパレーション : 許されないセパレーションごとに 許される目的 時間 パートナー同士の距離 プログラムの最初 10 秒以内 制限無し プログラムの最後 10 秒以内 制限無し ホールド変更のため 音楽の1 小節以内 非接触ステップまたはセット オブ ツイズルの実行のため許されたストップでのセパレーション 許されたストップと同じだけの時間 両手間隔まで 音楽の解釈 / タイミングパターン ダンス要素が要求された拍で開始されない : 要素ごとに -0.5 パターン ダンス要素は クイックステップのパターン ダンス要素のそれぞれ (2 つを別々に滑る場合 ) クイックステップのパターン ダンス要素のうち始めに行う方 (2 つを続けて滑る場合 ) フィンステップのセクション 1 のパターン ダンス要素の最初のステップが 4 拍子の 1 拍目で開始されるように, 音楽に厳密に合わせて滑走しなくてはならない. File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja 19 / 37 D 演技構成点の採点基準

20 アイス ダンス演技構成点の採点基準 フリー ダンスの演技構成点の調整 ( 出典 : Rule 610 および Communications 1677 と 1738) スケーティング技術 ( 必須要素以外で ) 助走, 最終部を含めいかなる時でも氷上に片 ( 両 ) 手をついて滑走すること : 1 人 -0.5/ 回 2 人とも -1.0/ 回 バランスの喪失または躓き : 1 人 -0.5/ 回 2 人とも -1.0/ 回 振り付け完全なストップ : 完全なストップごとに 種類 数 時間 プログラムの最中 ( 最初と最後を含む ) 制限無し 5 秒以内 セパレーション : セパレーションごとに 許される目的 時間 パートナー同士の距離 プログラムの最初 10 秒以内 制限無し プログラムの最後 10 秒以内 制限無し 複雑なフットワークの実行のため 5 秒以内 両手間隔まで プログラム中のストップ 5 秒以内 プログラムにストーリーまたはテーマがあるが, それが観客にはっきりと理解されない場合 :- 1.0 ~ 音楽の解釈 / タイミング音楽が気分の盛り上がる感じではない : -1.0 ~ 注 : 規程第 609 条第 1 項 c で述べられている音楽制限に対する違反は音楽の解釈 / タイミングで罰するのではなく, 特定の減点を行なう. ( 規程第 353 条第 1 項 n) (ii) を参照せよ ) File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja 20 / 37 D 演技構成点の採点基準

21 アイス ダンス衣装 出典 制限アイス ダンス技術委員会から ISU コミュニケーションの形で別の発表がない限り, 下記の制限が課される. ISU 選手権大会および国際競技会においては, 競技者の衣装は節度と品位のあるものでスポーツ競技会に適するものでなければならない. 芝居じみていたり, けばけばしいデザインのものは許されない. しかしながら, 衣装は選んだ音楽の特徴を反映するものであって良い. Rule 612 a) 女性はスカートを着用せねばならない. 女性の衣装は, 競技スポーツにふさわしくないほどの, 過度の露出の印象を与えてはならない. 男性はタイツではなく長ズボンを着用しなければならず, 男性の衣装は袖なしであってはならない. b) アクセサリーや小道具は許されない. c) これらの規定に従わない衣装は減点により罰せられる ( 第 353 条第 1 項 n) (ii) を参照せよ ). 加えて, 衣装の飾りは取り外せてはならない. 衣装の一部または飾りが氷上に落ちた場合, 減点により罰せられる ( 第 353 条第 1 項 n) (ii)). 明確化 女性のスカート 腰回りの全周囲をくるんでいなくてはならない. ただしスリットがスカートの一箇所または両側に腰まで入っていてもよい. 女性の過剰な肌の露出 上半身の半分以上が覆われていなくてはならない. スポーツ競技会に適したもの いずれのパートナーの衣装も身体の線が見えなくなるほどの生地や装飾を付けてはならない. アクセサリーおよび小道具 衣装の一部でダンス リフトの補助に使うものも含む. Communication 1677 File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja Page 21 / 37 D 衣装

22 減点表 アイス ダンス減点 責任者 内容 罰則 責任者 1 演技時間違反 超過または不足した 5 秒ごとに -1.0 点の減点 レフェリー 2 5 秒を越えた演技の中断 6~15 秒 -1.0 点 レフェリー 16~30 秒 -2.0 点 3 許された時間を越えたリフト 6 秒または 10 秒または 12 秒 ( リフトの種類で決まる ) を越えたリフトごとに -1.0 点の減点 レフェリー 4 衣装 / 小道具違反 規程第 612 条および ISU コミュニケーション第 1677 号による 衣装および小道具注 : 小道具違反には衣装の一部をダンス リフトの支持に用いるが含まれる. もし用いた場合, レフェリーとジャッジが減点を行い, テクニカル パネルはコールの仕様にしたがってそのダンス リフトのレベルを認定し衣装違反による引き下げは行なわない 点の減点レフェリーがジャッジパネルと共に衣装 / 小道具違反を決定する. 全ジャッジとレフェリーを含むパネルの多数意見に従ってこの減点を適用する. 意見が 50:50 に割れた際は減点されない. ジャッジとレフェリーはスクリーン上のボタンを押すことでこの減点を適用する. 5 衣装 / 小道具違反 規程第 612 条による 衣装の一部 / 飾りが氷上に落ちた場合 -1.0 点の減点 レフェリー 6 違反要素 / 動作 規程第 609 条および第 610 条 3 項による リフト中の違反動作 / 姿勢 ( 規程 604 条 16 項 ) 1 回転を超えるジャンプ ( またはスロウ ジャンプ ) または両パートナーが同時に行う 1 回転のジャンプ 氷上に横たわる -2.0 点の減点 TSが特定し,TCが認定あるいは訂正し, 減点を行う. どの要素においてもその実行中に違反動作があった場合, 違反動作の減点が適用されかつその要素はレベル1とされる. ただしレベル1 の要件を最低限満たしていない場合はノーレベルとコールされる. ただし,TC による違反動作に関しての訂正要求に両 TS が賛同しない場合は TS と ATS による当初の決定が維持される. 7 音楽 音楽要件違反 - ショート ダンス- 規程第 609 条第 1 項 c の i と ii による i) 聞き取れるリズミカルなビートを伴うダンス音楽のみが使用できる. プログラム開始から 10 秒間までは聞き取れるリズミカルなビートがなくてもよい. ii) 使用音楽は指定されたリズムとテーマから選ばれなくてはならない. - フリー ダンス- 規程第 610 条第 1 項 c による : フリー ダンスの音楽はスポーツ種目としてのアイス ダンスに適したものでなければならず以下の特徴を持たなければならない : i) 音楽は耳に聞こえるリズミカルなビートとメロディー, または耳に聞こえるリズミカルなビートのみを備えていたければならず, ボーカルを含んでいてよい. 音楽はプログラムの開始または終了において 10 秒間まで, プログラム中において 10 秒間まで耳に聞こえるリズミカルなビートを含まなくともよい. ii) 音楽は最低 1 回のテンポと表現の変化がなければならない. この変化は除々にでも急激にでもかまわないが, どちらの場合でも明らかでなければならない. iii) クラシック音楽を含め全ての音楽は, 興味深くかつ色彩豊かで楽しめる, 様々な雰囲気や盛り上がりのあるダンス プログラムを創り出すように編集 / 編曲されていなければならない. iv) 音楽はカップルのスケーティング技術と技術的な能力に適していなければならない. 8 音楽 -テンポ指定違反-ショート ダンス- 規程第 609 条第 1 項 c の iii: 音楽は指定されたテンポのものを選ばなくてはならない ( 該当する場合 ) 9 余分な要素 - 余分な要素を行うごとにショート ダンスの要件に従っていない要素, またはフリー ダンスのウェルバランスに従っていない要素 10 プログラム中の転倒パートナーの一方の転倒ごとに両パートナーの転倒ごとに 氷上に両膝をつくことや両膝をついて滑ること, 氷上に座ることは許されず, テクニカル パネルによって転倒とみなされる ( 規程 609 条第 1 項 k および規程第 610 条第 1 項 h). 転倒とは スケーターがコントロールを失い, その結果, 体重の過半が身体のブレード以外の部分, 例えば片手又は両手, 片膝又は両膝, 片尻又は両尻, 腕の一部, によって氷上に支えられた状態 と定義されている ( 規程第 353 条第 1 項 n の ii) 点の減点レフェリーがジャッジパネルと共に音楽の要件に対する違反を決定する. 全ジャッジとレフェリーを含むパネルの多数意見に従ってこの減点を適用する. 意見が 50:50 に割れた際は減点されない. ジャッジとレフェリーはスクリーン上のボタンを押すことでこの減点を適用する 点の減点レフェリー -1.0 点の減点要素は無価値 -1.0 点の減点 -2.0 点の減点 コンピューターが要素の削除と減点を行う. TCは要素の削除と減点を認定あるいは訂正する. TSが特定し TCが認定あるいは訂正し減点を行う. ただし,TCによる転倒に関しての訂正要求に両 TSが賛同しない場合はTSとATSによる当初の決定が維持される. File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja Page 22 / 37 D 減点 責任者

23 アイス ダンス 図表 クイックステップの説明, 表, ダイアグラム ( 出典 : ISU Handbook Ice Dance 2003, I-14) 音楽テンポ パターン時間 - クイックステップ 2/4 拍子 - 2 拍子 56 小節 / 分 - 毎分 112 拍 - セット - 4 シークェンスで 1 分 00 秒 このダンスは両パートナーとも同じステップを踏み, 全体を通してキリアン ポジションで滑る. 真に良い演技を確実に行うためには, カップルは常にヒップ トゥ ヒップ, すなわち男性の右腰に女性の左腰をつけた状態でいることが不可欠である. クイックステップは, その音楽の速く, また明るいという特色に合わせて踊らなければならない. 正確なエッジで滑るためには, このダンスは氷面の端の中央線上から始めることが不可欠である. このステップのシークェンスはほぼ氷面の長さが必要である. エッジの方向は図形に示された通りにしなければならない. ステップ 10 は 4 ビートの長さであるが, 長辺のフェンスに向かってクロス ビハインドで開始する深いアウトサイド エッジである. もし右足のバックワード アウトサイド エッジがよくコントロールされていれば, ステップ 10 からステップ 11 への移行は楽に出来る. ステップ 13 から 18 は軽やかに, しかし明確に滑り, パターンのカーブを保つように注意を払わなければならない. ステップ 13 から 15 はプログレッシブのシークェンスである. ステップ 16 はクロス ロール, ステップ 17 はクロス ビハインドのインサイドからアウトサイドへのチェンジ エッジである. ステップ 17 のチェンジ エッジは明確に行ない, またステップ 18 のために右足を前に残したまま行う. 考案者初演 - レジナルド J ウィフスキー, ダフネ B ウォリス 年ロンドン, ウェストミンスター アイスリンク ステップ 1 から 2 はシャッセのシークェンス, ステップ 3 から 5 はプログレッシブのシークェンスである. クローズド スイング チョクトーの前半部を構成するステップ 5 は,4 ビートの左足のフォワード アウトサイド エッジである. チョクトーの後半部のエッジは 3 ビートである. フリー フットは最初前方に残し, 次にスケーティング フットのそばに引き下ろしてからスムーズに外側後方へスイングする. これによりチェンジ エッジを行うための膝の動きが容易になるが, フリー レッグの位置はこれに従わなくとも許される. チェンジ エッジははっきりと行い, ローブの形を明確にするべきである. 残りのステップは活気をもって滑るべきで, ステップ 7 から 9 のエッジは出来るだけディープにするべきである. ステップ 7 はクロス ビハインドで始めるが, ステップ 9 はクロス イン フロントである. File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja Page 23 / 37 D 図表

24 アイス ダンス 図表 クイックステップの説明, 表, ダイアグラム ( 出典 : ISU Handbook Ice Dance 2003, I-14) ホールド 番号 ステップ ( 男女共通 ) 音楽の拍数 キリアン 1 LFO 1 2 RFI-Ch 1 3 LFO 1 4 RFI-Pr 1 5 LFO 4 Sw-ClCho 6 RBIO XB-LBI 1 8 RBI 1 9 XF-LBO 1 10 XB-RBO 4 11 LFI 2 12 RFI 2 13 LFO 1 14 RFI-Pr 1 15 LFO 1 16 CR-RFO 1 17 XB-LFIO ½ + ½ 18 XF-RFI 1 File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja Page 24 / 37 D 図表

25 アイス ダンス 図表 フィンステップの説明, 表, ダイアグラム ( 出典 : コミュニケーション第 1497 号および第 1805 号 ) 音楽テンポ パターン時間 - クイックステップ 2/4 拍子 - 2 拍子 52 小節 / 分 - 毎分 104 拍子 - オプショナル - 2 シークェンスで 1 分 16 秒 フィンステップは楽しく速いダンスである. はじけるシャンパン のようだという表現がもっとも的確にこのダンスを表している. 社交ダンスのクイックステップの氷上版であり, やりすぎ なくらいに極めて軽快に踊ることが求められる. 生真面目なダンスではなく, ややコミカルに踊ることさえできる. ポルカなど民族舞踊風に踊ってはならない. 非常に歯切れが良くきちんとしたフットワークとタイミングが求められる. タイミングはこのダンスの最も重要な特徴であり, タイミングや表現に歯切れの良さ, こぎれいさが見られない場合は厳しく減点されるべきである. 強勢 ( アクセント ) は常に拍の頭におかなければならず, 拍のどこかにあれば良いというものではない. 拍の頭でステップを踏むことによって, このダンスに欠かせない軽快さを表現することができる. このダンスではカップルの音楽性が評価される. 十分に直立した, ほとんど硬直した姿勢を保ち, ダンスを通してその姿勢を崩してはならない. 長いステップは強く, 十分に丸い, 深いエッジで滑ることが極めて重要で, それによりいたるところに出てくる短いステップやトウ ステップ, ホップ ( 回転のない小さなジャンプ ) の歯切れ良さ, 軽快さとの違いを引き立たせることができる! ステップをただ滑るだけでは不十分である. 重要なのはステップをどのように行ったか, 技術によって何を 伝えたか, 表現したか であって技術自体ではない. 技術はしっかりとした表現のための道具に過ぎない! 1. プロムナード部 ナード部の最初はオープン ホールドで氷面をまっすぐ横切るように滑るもので, 軽快なホップを直立姿勢で行うところが社交ダンスの典型的なクイックステップと類似している. 女性の 1 回転半のツイズル ( ステップ 12) は素早く行わなくてはならない. このツイズルのあと, ステップ 13~18 はパーシャル アウトサイド ホールド ( ヴィニーズ ワルツの最初の部分と同じ ) で滑り, ステップ 19 でアウトサイド ホールドになる. この部分を通してフリー レッグの動作を上手くきれいに行うことも大切である. ホップ動作 は脚と膝だけを使って, 二人が完璧に揃って行わなくてはならず, 上半身を用いてはならない. ホールドとポジションは優雅に直立し, 揃っていなければならず, 上半身はまっすぐにしっかりと保持していなくてはならない. 2. ターン, ツイズル, ストップ部 このセクションはよくコントロールされた, 深く, 十分なフローのエッジで滑ることが必要で, しかもこのダンスの性質とリズム感を失わずに行わなければならない. ステップ 21 で同時にツイズルを行った後, パートナー同士は向き合って互いの左手をつなぎ, 二人とも右腕を肩より少し高く横方向に伸ばす. ステップ 21 の出のエッジ ( 男性は RBI, 女性は RFO) はよくコントロールされていなければならず, フリーレッグは後ろに伸ばしておく. ステップ 23 ではホールドをオープン ホールドに変える. ステップ 32 のスイング クローズド チョクトウの準備動作では, フリー レッグをスイングする間に女性は男性の左腕の下をくぐって前に出, 腕を曲げたハンド イン ハンド ポジションになる. ステップ 33a では男性が RBI のオープン モホークを行うが, 女性のステップ 33 は RBI で始まってチェンジ オブ エッジを行い, 二回目の同時ツイズル ( 男性はステップ 33c, 女性はずっとステップ 33) を行う. 一時的にワルツ ホールドになり, そのとき女性の左腕が男性の背中にわずかに触れる. ツイズルの間, 男性の右手は女性の右手をホールドしている. このツイズルの回転 ( 男性は 1 回転, 女性は 1 回転半 ) のあと, 二人はエッジを滑らせてキリアン ポジションでストップする. このキリアン ポジションでは, バタフライ ホールドで二人とも手をつないだまま腕を横に伸ばす. フリー レッグは横に伸ばしておく. プロムナード部はこのダンスを特徴づける部分である. ここでは正確で歯切れよいタイミングで弱拍や と (and) を強調することが上手な演技に欠かせない. プロム File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja Page 25 / 37 D 図表

26 アイス ダンス図表 ステップ 34 から 42 は一箇所で行う ( パターンでは 一箇所でのステップ "stationary step" として示してある ). この特徴的なトウ ステップは軽快な脚さばきと歯切れ良いタイミングで行われなくてはならない. フリー レッグは 45 度以上上げ, 十分に綺麗な動きを見せて欲しい. トウ ステップの間にカップルはパーシャル アウトサイド ホールドに変わる. フリー レッグを横から後ろへゆっくりと回すような動きが行われる. ステップ 34, 35, 36 ではフリー レッグを横方向からゆるやかに円錐振子のように動かし後ろクッペ姿勢をとる. フリー レッグは, ステップ 38 では前に伸ばし, ステップ 39 では後ろクッペ, ステップ 40 では前に伸ばし, そしてステップ 41 では再び後ろクッペとなる. ステップ 42 では両脚を揃えてトウで立ち, 静止ステップ部を終える. 3. 交差 入替部 このセクションの躍動感を出すためには加速すること, はっきりと次第に速くなることが必要である. パターンを完成させるための空間を確保して正確な再スタートを行うために, ストップの後にパターンを逆走してもよい. このセクションはステップ 43, 左足で着氷する前方へのホップで始まる. ステップ 46, 47, 48 ではフリー レッグを後ろに 90 度曲げ, 両膝を揃え, 軽く飛び跳ねるようにステップを踏む. 交差部で重要なのは, 女性はステップ 52 と 58, 男性は 51b と 58 でエッジをよく利かせて滑ることで, これにより互いにすれ違うことができる ( よって両者の動きはジグザグになる ). ステップ 54 と 61 でのサイド チェンジは, 二人が膝の動きを上手に揃え, 軽快に行わなければならないが, ポルカや民族舞踊の雰囲気を持ち込んではならない. このセクションにはホールドとポジションの変更が多いが, 無理なく楽々と行わなければならない. ステップ 64 のクロス ビハインド クローズド チョクトウはクリーンで深いエッジで滑らなくてはならず, そうすることで再スタート直前の同時ツイズルを接近して行える. チョクトウとツイズルが拙いと結果として再スタートが難しくなり, 最初の部分の特徴が出せなくなってしまう. まとめ ダンスは表現の一手段である. このダンスの演技を見て観客が何の感情もかき立てられなかったとしたら, いくら技術的に正確であったとしても, その演技は成功したとは言えない. 踊るのと同じくらいに観て楽しめなくてはならない. そうでなければその演技は高評価には値しない. 考案者スザンナ = ラーカモおよびペトリ = コッコ. マルティン = スコットニッキーとともに. 初演ヨーロッパ選手権大会 1995 年ドルトムント ( ドイツ ) コンパルソリーダンス化 w 考案者およびカティ = ヴィンクラー, レネ = ローゼ File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja Page 26 / 37 D 図表

27 アイス ダンス 図表 フィンステップの説明, 表, ダイアグラム ( 出典 : コミュニケーション第 1497 号および第 1805 号 ) ホールド 番号 男性 音楽の拍数 女性 1. プロムナード部 オープン 1 XB-RF 1/2 XB-RF 2 LF 1/2 LF 3 RF 1/2 RF 4 XB-LF 1/2 XB-LF 5 RF-Tp 1/2 RF-Tp 6 LF-Tp Ch 1/2 LF-Tp Ch 7 RF/H 1/2+1/2 RF/H 8 LF/H 1/2+1/2 LF/H 9 RF/H 1/2+1/2 RF/H 10 LFO 1/2 LFO 11 RFI-Pr 1/2 RFI-Pr 12a LFO 1/2 ½ + ½ LFO Tw 1½ パーシャル アウトサイド * 12b RFI-Ch 1/2 13 LFO 1/2 RBO 14 RFI 1/2 LBI-Pr 15 LFO3/H 1/2+1/2 RBO/H 16 RBO 1/2 LFO 17 LBI - Pr 1/2 RFI-Pr 18 RBO/H 1/2+1/2 LFO3/H Wd-RBI3/ RFO/RFOBr アウトサイド 19a LFI 1 ½ + ½ + 19b RFO and /RBI-H 20 XB-LFI 2 1 XB-LBO 2. ターン, ツイズル, ストップ部 ツイズルの後ハ 21 RFO-Sw3 ½ ンド イン ハンド /RBI Tw 1 + ½ ( 本文を参照 ) /RBI ホールドなし 22 LBO3 ½ + ½ 1 LFI XF-RBI /RBI Tw 1½ / RFO ホールド 番号 男性 音楽の拍数 女性 オープン 23 RFO 1 RFO 24 LFI - Pr 1 LFI - Pr 25 RF-Tp ½ RF-Tp 26 LF-Tp Ch ½ LF-Tp Ch 27 RFI 1 RFI 28 LFO ½ LFO 29 RFI - Ch ½ RFI - Ch 30 LFO 1 LFO 31 RFI-Pr 1 RFI-Pr 32 LFO 3 LFO Sw-Cl Cho 本文を参照 33a RBI Op Mo Sw-Cl Cho RBI (left leg moves back) 本文を参照 33b LFI 1 バタフライで止 33c RFI/RFI Tw まる /RFI + 1 (Slide into Stop) ( 本文を参照 ) + 2 /RBO /RBO Tw 1½ /RFI (Slide into Stop) キリアン 一箇所でのステップ Stationary Steps ( 腕は伸ばす ) 34 L-Tp - H 1 L-Tp -H 35 R-Tp 1 R-Tp 36 Lp-Tp ½ L-Tp パーシャル アウトサイド * 37a R-Tp-H ½ R-Tp-H (lady turns on Tp to face man) 37b R-Tp-H ½ R-Tp-H 37c R-Tp-H ½ R- Tp- H 38 XB-L-Tp ½ XB-L-Tp 39 R (flat) ½ R (flat) 40 XB-L Tp ½ XB-L-Tp 41 R (flat) ½ R (flat) 42 R+ L ½ R + L 一箇所でのステップ終わり File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja Page 27 / 37 D 図表

28 アイス ダンス図表 ホールド 番号 男性 音楽の拍数 女性 3. 交差 入替部 オープン 43 L Tp -H ½ L Tp-H 44 RFO ½ RFO 45 LFI-Ch ½ LFI-Ch 46 RFO 1 RFO 47 LFI 1 LFI Op Mo パーシャル 48 RBI ½ RFO アウトサイド 49 LBO ½ LFI 50 RBI ½ RFO オープン 51a LFO ¼ ½ XB-LFI 51b XB-RFI ¼ 52 LFI ½ RFI サイド バイ サイドのハンド イン ハンド HOp Mo 53 RBI (man s left hand up) ½ LBI HOpMo Tp H HOpMo toepick hop hopped open Mohawk 左右交代 54 LFI ½ RFI (stays and hand) ClCho ClCho 55 RBO ½ LBO 56 XF LBI /H ½ + ½ XF-RBI/H 57 RFO ½ LFO 58 XB-LFI ½ XB-RFI 59 RFI ½ LFI HOp Mo HOpMo 60 LBI ½ RBI 左右交代 61 RFI ½ LFI ClCho ClCho 62 LBO ½ RBO 63a XF-RBI 1 + ½ XF-LBI 63b /RBI Br ½ RFO /RFO-H ½ ½ /H キリアン 64 LFI 2 LFI XB-ClCho XB-ClCho 65 RBO RBO3 /RFI Tw 1 ½ + 1 ½ /RFI Tw 1 ½ オープン 66 LFO ¼ LFO 67 RFI -Ch ¼ RFI Ch 68 LFO ½ LFO 69 RFI Pr ½ RFI Pr 70 LFO 1 LFO File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja Page 28 / 37 D 図表

29 アイス ダンス 図表 フィンステップの説明, 表, ダイアグラム ( 出典 : コミュニケーション第 1497 号および第 1805 号 ) 訂正 : 男性のステップ 63 のビートは 1+½+½ が正しい, 男性および女性のステップ 52 と 53 の間のステップは H-OpMo が正しい. File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja Page 29 / 37 D 図表

30 アイス ダンス質問と回答 (Q&A) 質問 ( 音楽 ) 回答備考 耳に聞こえるリズミカルなビート とは何か. ビートはあらゆる音楽にあるが, すべてのビートが聞こえるわけではない. これはビートを聞こえるようにすることもできると言うことである. 音楽のビートを聞こえるようにする方法は様々である. ショート ダンスでは選んだリズムの音楽をいくつ使ってよいか. ドラムなどの打楽器でビートを作ることができる. クラブのあらゆるダンスミュージックでよく使われる. ビートは音楽的な強調で作ることもできる. 音を強くすることだけで生じる強拍と弱拍の連続がこれに当たる. これは 自然な ビートを持つクラシック音楽ではよくある. ビートは 1 種類の楽器または声のみで音楽的な強調を使って作ることもできる. 音楽に耳に聞こえるビートがない場合は打楽器でビートを追加することができる. これが許容されるのは追加されたビートが元の音楽のビートと合っているか補えているときだけである. 時として追加されたビートが自然なビートと合っていないことがあるが, これは問題である. ビートを追加しないで済む方が大抵良い. リズムの数に制限はあるが, 選んだリズムの音楽の数についての制限はない. File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja Page 30 / 37 D 質問と回答 (Q&A)

31 アイス ダンス質問と回答 (Q&A) 質問 ( 音楽 ) 回答備考 レフェリーはどのようにしてパターン ダンス要素中のテンポをチェックすればよいか. レフェリーはそのパターン ダンス要素を行なうのに必要な拍数にかかった時間を各パターン ダンス要素の ( 続けて行なわれる場合は最初のパターン ダンス要素の ) 最初のステップから計る. レフェリーは 1 小節の最初から最後の小節の最後の拍が完全に終わるまでの時間を計るよう注意しなければならない. 疑いのあるときは, レフェリーはビデオ リプレイでパターン ダンス要素の所要時間を使って疑問点を確認する. レフェリーはパターン ダンス要素全体でテンポが一定であったかどうかも検討し, 必要であればテンポの減点を行う. 中断があったときにも確実にテンポを確認するために, パターン ダンス要素そのものの所要時間よりも必要な拍数にかかった時間を計ることが必要である. シーズン 2012/13 では, パターン ダンス要素の拍数と所要時間は次の通り. 1BL と 2BL:36 拍,24.0 秒から 25.1 秒 1YP と 2YP: 合わせて 64 拍,31.4 秒から 32.6 秒 File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja Page 31 / 37 D 質問と回答 (Q&A)

32 アイス ダンス質問と回答 (Q&A) 質問 ( 必須要素 ) 回答備考 音楽が終わったあとでカップルが必須要素を終えた. ジャッジはこの要素をどう採点すればよいか. パターン ダンス要素において, カップルがステップ / エッジを要求された拍数の間保つことができなかった. ジャッジはこのエラーをどう評価すればよいか. パターン ダンス要素において, カップルが独創的なフリー レッグの動作をした場合どうなるか? フィンステップのステップ 33 の説明には 一時的にワルツ ホールドになり, その後, 女性は左腕で男性の背中にちょっと触れる. ツイズルの間, 男性の左手は女性の右手をホールドしている. とある. カップルがここで述べられているホールドを変更して行うことは, ジャッジにとって許されるか. 音楽が始まる前からリフトした状態でプログラムが開始された場合, リフトの時間はどのように計ればよいか. 両パートナーがリフトをしたままプログラムを終えた場合, リフトの時間はどのように計ればよいか テクニカル パネルがその要素をコールしている限り, ジャッジはその要素全体の GOE を出すものとする. そのステップ / エッジがキー ポイントの一部でもそうでなくても, 要求された拍数の間保たれなかった場合は, その割合に応じてパターン ダンス要素の GOE を調整しなくてはならない ( 採点基準を参照のこと ). フリー レッグの独創的な動作がそのパターン ダンスの説明, ステップ表, ダイアグラムに全く影響しないのであれば, ジャッジは GOE に対して何も行なわないものとする. はい. パートナー同士がホールドを組んでいてツイズルの回転が始まるまで離れることがなく, かつ互いの位置関係 ( 向かい合わせ, 背中合わせ ) が満たされている限り, 許される. リフトの時間は両パートナーのうち 1 人が動き出したところから計る. リフトの時間は動きが完全に止まるところまで計る. もしその要素がプログラムの要求された時間 ( プラス 10 秒が許される ) より前に開始されたなら, テクニカル パネルはその要素をコールする. もしその要素がプログラムの要求された時間 ( プラス 10 秒が許される ) より後に開始されたなら, テクニカル パネルはその要素を無視する. テクニカル パネルはそのキー ポイントが正しく実行されなかったとみなす. File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja Page 32 / 37 D 質問と回答 (Q&A)

33 アイス ダンス質問と回答 (Q&A) 質問 ( 必須要素 ) 回答備考 セット オブ ツイズルにおいて, カップルは追加の特徴として 3 つ目のツイズルを行う. もし 3 つ目のツイズルを行なう際にカップルの片方または両者が失敗した場合, この失敗は GOE にどれだけ影響するか. セット オブ ツイズルにおいて, カップルは追加の特徴として 3 つ目のツイズルを行なう. もし 3 つ目のツイズルを行なう際にカップルの片方または両者が転倒した場合, この転倒は GOE にどれだけ影響するか. セット オブ ツイズルにおいて, ツイズルの間でジャンプが行なわれた場合, ジャッジは特別な対応をすべきか. セット オブ ツイズルにおいて, 両パートナーが行なうつなぎのステップが互いに異なっていた. ジャッジは何か行なう必要があるか. 非接触サーキュラー ステップ シークェンスの採点の要件は非接触ミッドライン ステップ シークェンスとは異なるか. ジャッジはこの失敗を出の失敗と見なし, 要求されたツイズルでの失敗とはみなさないものとする. ジャッジが GOE を決める際には, 他の出の失敗と同じように扱い, 入り / 出 の項目で かそれ以上下げるべきである. その結果 GOE が 下がることがあるかもしれない. ジャッジはこの転倒を出の部分で起きたと見なすものとするが, 出の部分も必須要素の一部である. したがってジャッジは転倒に対する採点基準に従って GOE を調整する. すなわち, パートナーの片方が転倒した場合には最大 -2, 両方が転倒した場合には最大 -3 となる. いいえ. セット オブ ツイズルには許されない要素は定められていない. ない. 両パートナーがつなぎのステップを同じく行なわなければならないという要件はない. いいえ. 1 回転を越えるジャンプまたは両パートナーが同時に行なう 1 回転のジャンプが行われた場合, これらは違反要素 / 動作なのでテクニカル パネルが対処する. ジャッジは GOE の特徴の中の つなぎのステップ / フットワーク という観点に注意を払う. File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja Page 33 / 37 D 質問と回答 (Q&A)

34 アイス ダンス質問と回答 (Q&A) 質問 ( 必須要素 ) 回答備考 ショート ダンスにおいて, セット オブ シークェンシャル ツイズルの入りまたは非接触ステップ シークェンスの入りでカップルが音楽の 1 小節より長い間離れて滑った. ジャッジはこの状況をどう判断すべきか. ステップ シークェンスまたはセット オブ ツイズルにおいて, パートナー同士のパターンが交差した, またはパートナー同士が互いに鏡像 ( ミラー ) に滑った. パートナー同士が両手間隔より離れた. ジャッジはこの状況をどう判断すべきか. カップルがパターン ダンス要素でロング アクシスを横切った. ジャッジは GOE と演技構成点の 振り付け の採点でこのことを考慮しなければならないか. パターン ダンス要素が要求されたビートで始まったが, その後部分的にフレーズを外して行われた場合どうなるか? このセパレーションは必須要素の一部ではないため,GOE には影響しない. ステップ シークェンスおよびセット オブ ツイズルの採点基準では, これらが概して両手間隔より離れて行なわれた際にはジャッジは GOE を 下げると定めている. ただし, 交差したり鏡像に滑ったりするためにパートナー同士の距離がわずかに両手間隔より離れた場合は, ジャッジはこの減点を行なわない. これはパターン ダンス要素の要求されたパターンの違反であり, ジャッジは GOE の特徴の中の 正しいパターン の項目にこの違反を反映させるものとする. 同時にショート ダンスのパターンに関する要求事項 ( ロング アクシスを横切ってよいのはリンクの各エンド ( フェンスから 20 メートルを超えない範囲で ) で 1 回のみである ) の違反にもなりうる. しかしこの場合は二重の減点は必要ないので, 演技構成点の振り付けで 0.5 減じる必要は無い. ジャッジは, パターン ダンス要素が要求された拍で始まらない という タイミング / 音楽の解釈 の構成要素の調整を適用しないが, 採点基準の中で タイミング / 音楽の解釈 の構成要素には正しいタイミングの割合が含まれているので, この状況をそこに反映するものとする. ショート ダンスでは, セパレーションはホールド チェンジのためにだけ許され, かつ音楽の 1 小節内に終えなければならない. 必須要素の前のセパレーションがこの制限時間を越えた場合には, ジャッジは演技構成点の 構成 / 振り付け において 1 回ごとに 0.5 減じなければならない. セパレーションが距離または時間で著しい場合にはジャッジは減点を行なうものとする. ジャッジは リンクの大きさ に注意すること.30 メートルからそのリンクの幅を引いた長さ分までは横切っても違反にはならない. パターン ダンス要素において部分的にフレーズを外したという失敗が, 要求された拍数を維持していないステップの割合に応じて GOE に影響することもあり得る. File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja Page 34 / 37 D 質問と回答 (Q&A)

35 アイス ダンス質問と回答 (Q&A) 質問 ( 衣装と小道具 ) 回答備考 女性の上半身の半分以上が肌色の素材で覆われている. これは過度の肌の露出と見なされるか. リフトにおいて, リフトするパートナーが衣装の一部を支持に用いた場合どうなるか. 第 612 条では 女性の衣装は過度に肌が露出した見た目ではならない と述べており, コミュニケーション第 号で 上半身の過半が覆われていること と明確化されている. ジャッジはこれらの基準をどのように評価すればよいか. 見なされる. 第 612 条は実際に肌が露出していることだけでなく, 過度に肌が露出した見た目であることを含む.. 衣装の一部が小道具として使われた場合, ジャッジとレフェリーは衣装 / 小道具違反の減点を適用する. この基準を評価するに当たって, ジャッジは体 ( 前, 後ろ, 横 ) の表面が衣装のバストライン ( ブレストライン / ブラライン ) の最上部 ( 上の水平線 ) から衣装のヒップライン ( 下の水平線 ) の間であるとみなすものとする. 腕はこの表面には含まれない. この表面が少なくとも 50% は覆われていなくてはならない. 覆われている部分が前か後ろか横かや上か下かについては問わない. テクニカル パネルは, 衣装が支持に使われたかどうかとは無関係にレベルを決定する. この説明に合致していても胸部が覆われていない衣装は, 衣装は品位のあるものでなければならない という基準に反するので許されない. 背中が開いていて胸の上部から腰の高さまで前が ( 体の両側まで ) 完全に覆われている衣装は 50% の基準を満たすだろう. ただし, 腰より上でさらに前から切り込みを入れてしまうと ( 肌色の布で覆ったとしても過度に肌が露出した見た目となりうる ),50% の基準は満たさないだろう. トップスにバンドゥやブラしかないような衣装は, その部分の 50% を覆うような幅の広いものでないと 50% の基準を満たさないだろう. File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja Page 35 / 37 D 質問と回答 (Q&A)

36 アイス ダンス質問と回答 (Q&A) 質問 ( その他 ) 回答備考 ショート ダンスではリズムが指定され, かつ 1 つのプログラム中のリズムの数も指定されている. これは厳密にはどういう意味か? 1. 音楽のリズム : 規程第 606 条第 3 項で, リズムとは 音楽にその性格を与える強拍と弱拍のパターンの規則正しい繰り返し とある. もし 選んだ音楽またはその一部について, その リズム ( 上記の定義に基づく ) が指定された複数のリズムのうちの 1 つの ISU アイスダンス音楽ブックレット 1995 での説明内容を満たしていない場合, または 選んだ音楽に含まれている リズム ( 上記定義に基づく ) の数が制限を超えた場合, または パターン ダンス要素の全部または一部の間の リズム ( 上記の定義に基づく ) が指定されたものではない場合, 音楽要件の違反であり, ジャッジは音楽違反のボタンを押す. 2. ダンスのリズム : もしカップルが 明らかに指定されていないリズム スタイルでプログラムの全部または一部を行った場合, または 制限を超えた数のリズムを使ったプログラムを滑走した場合, パターン ダンス要素の全部または一部が指定されたのとは異なるリズム スタイルで演技した場合, リズムの表現が正しくなく, ジャッジは演技構成要素の採点基準に沿って適宜 タイミング / 音楽の解釈 を採点するものとする. 例 : 1. パターン ダンス要素の間, 選んだ音楽の規則正しく繰り返される強拍と弱拍のパターンがその音楽にクイックステップの性格をもたらすものでない. ジャッジは音楽の減点のボタンを押す. 2. ジュニアのショート ダンスで 3 つの音楽が使われた.1 つ目はクイックステップで 2 つ目はフォックストロット.3 つ目は伝統的なクイックステップだが規則正しく繰り返される強拍と弱拍のパターンがその音楽にクイックステップの性格をもたらすものではない. ジャッジは音楽の減点のボタンを押す. 3. ジュニアのショート ダンスにおいて音楽がクイックステップ, フォックストロット, クイックステップの 3 部構成であった. カップルは 1 つ目の部分をクイックステップのスタイルで演技し,2 つ目はフォックストロットのスタイルで演技し,3 つ目はチャールストンのスタイルで演技しプログラム全体の 25% の時間を占めた.3 つ目の部分はリズムの数の制限に反したスタイルでの演技である : ジャッジは 音楽の解釈 / タイミング を 3.75 以下で採点する. 4. 音楽にフォックストロットが含まれている. その中でカップルはプログラム全体の 25% の時間をブルースのスタイルで滑走した. ブルースは指定されたリズムではない : ジャッジは 音楽の解釈 / タイミング を 3.75 以下で採点する. File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja Page 36 / 37 D 質問と回答 (Q&A)

37 アイス ダンス質問と回答 (Q&A) 質問 ( その他 ) 回答備考 許されない要素 / 動作と違反要素 / 動作の違いは何か. ショート ダンスの非接触ミッドライン / サーキュラー ステップ シークェンスの入りまたは出において, ロング アクシスを横切ってよいのはリンクの各エンド ( フェンスから 20 メートルを超えない範囲 ) で 1 回のみである と言う要求事項に違反する形でカップルがロング アクシスを横切った. これは許されるか. シニアのフリー ダンスにおいて, プログラムの所要時間が 3 分 25 秒であった. レフェリーは採点無しの決定を下すべきか. ジュニアのフリー ダンスにおいて, プログラムの所要時間が 3 分 50 秒で, 音楽はプログラムの最後まで演奏された. 3:42 から 3:48 の間に必須要素が 1 つ実行された. レフェリーは何をすべきか. ロング リフトが試みられたが, テクニカル パネルがショート リフトの 1 タイプと認定され +Combo が付された. このリフトは何秒以内であるべきか. 違反要素 / 動作は規程第 609 条第 3 項に並べられているものである ( 例 : 氷上に寝そべる ). これらはテクニカル パネルによりコールされ減点の措置がなされる. さらに必須要素の中で行なわれたものであればレベルはレベル 1 の要件を満たしていればレベル 1 となる. 他の許されない要素 / 動作はテクニカル パネルによってコールされるものではない ( 例 : ステップ シークェンスの逆行 ). これらはジャッジにより採点で考慮される. この必須要素を独創的な振り付けの中で行なうために, 要素の入りまたは出がロング アクシスから十分離れている場合に限り, そのようにすることも許される. いいえ. 規程第 614 条第 5 項により, そのプログラムの所要時間は要求された時間の範囲から 30 秒以内の不足に収まっている. レフェリーは, プログラムの時間が定められた時間の範囲を超えたとして,5 秒 2 つ分の 2.0 の減点を適用する. その必須要素が定められた時間の範囲を過ぎてから開始されたことをテクニカル パネルに伝える. 12 秒. 付けられた +Combo はロング リフトを行う意図があったことを意味し, ロング リフトは 12 秒までである. シニアのフリー ダンスの最小時間は 3 分 50 秒である. この要求された時間の範囲から 30 秒少ないのは 3 分 20 秒である. テクニカル パネルはその必須要素を認定せず,GO E も数えられない. File name: Handbook for Referees and Judges 2013 final Ja Page 37 / 37 D 質問と回答 (Q&A)