Cloud OS Tech Day June 2014 クラウド基盤で使うストレージの役割や考慮点 高野勝 Microsoft MVP File System Storage

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1 Cloud OS Tech Day June 2014 クラウド基盤で使うストレージの役割や考慮点 高野勝 Microsoft MVP File System Storage

2 自己紹介 氏名 : 高野勝 ( たかのまさる ) 仕事 : ストレージベンダー SE ら Microsoft 製品との連携機能や検証等も実施 今年は顧客担当がメインの傍 Microsoft MVP File System Storage 2

3 本日のアジェンダ ストレージとは 役割 種類 ストレージ導入のメリット ストレージサイジング 容量 パフォーマンス 既存環境の調査 さらに進んだストレージの使い方や機能 ストレージの仮想化 仮想ディスクの変換 クラウド環境でのストレージデザイン 3

4 ストレージとは 4

5 ストレージの役割 ストレージ 直訳すると 倉庫 データの置き場となるディスクを指すことが多い 5

6 DAS ストレージの種類 ダイレクト アタッチド ストレージ いわゆるローカルディスク SAN 型 ストレージ エリア ネットワーク ファイバチャネルや IP-SAN(iSCSI, FCIP, IFCP など ) で構成 NAS 型 ネットワーク アタッチド ストレージ CIFS や NFS で構成される 6

7 ストレージ導入のメリット ディスク容量の共有化 各サーバー用にストレージを用意すると ストレージの使用率が各システ ムでばらつき非効率になる ディスクをプールからVolumeを切り出して使うことで空き領域を効率的 に使うことができる 空き領域の共有 各サーバーで使用率が異なり調整できない 切り出したVolume毎に拡大/縮小できるので空き領域を共有できる Volume vol1 vol2 vol3 vol4 オンラインで 瞬時に拡張 縮小 ディスクプール 使用率40% 使用率80% 使用率20% 使用率95% 拡張 7

8 ストレージ導入のメリット ディスクIOの共有 各サーバー毎にRAIDを構成するとローカルディスクのIOに引きづられて パフォーマンスが出ない 近年のサーバートレンド Blade化 1Uを並べる方式 はサーバー自身に搭載 できるディスクが少ないので この傾向が顕著 各サーバー個別のIOのしか出せない 全てのVolumeは全Diskを使ったストライプの恩恵を受けられる vol1 vol2 vol3 vol4 ディスクプール SAS SATA SSD SAS ディスク RAID 8

9 ストレージ導入のメリット バックアップ環境の統一 各サーバー用にバックアップ環境を作ると運用が大変 テープ交換 バックアップ リストア手順が環境ごとに違う バックアップメディアがばらばら データの遠隔地保管はどうする データをストレージに置くことで一括でバックアップ 転送ができる 遠隔地へ データ転送 LTO DAT バックアップソ フトでNASへ VSS Snapshot取得 9

10 ストレージサイジング 10

11 容量のサイジング データ格納領域 必要な容量を算出 アプリケーションで必要な容量 データベース容量 ログ容量 容量だけでなく データ特性や IO 性能にも気を配る 11

12 容量のサイジング シンプロビジョニング 容量のオーバーコミット 1 データ書き込み 5GB のデータ 実際に使用している領域 150GB 3 使用量 155GB 見た目のボリュームサイズ 10TB 5GB のスペース 2 必要な容量をプールから自動的に割り当てる ディスクプール 850GB 監視は必須 1TB の物理容量 3 残り容量 845GB 12

13 容量のサイジング 重複排除 重複したデータを排除することでストレージの使用ブロックを開放する ブロック方式 / ファイル方式 固定長 / 可変長などの方式により効果が若干違う 重複排除してもクライアントからの見た目は何も変わらない 仮想化環境では OS 領域に設定すると効果大 映像 画層 音声データにはあまり効果が無い 効果の目安 : ファイルサーバーで 20%~30% ダウン 13

14 容量のサイジング バックアップデータ格納領域 Snapshot の仕組みを理解する Ⅰ Ⅱ Snapshot-1 File.txt Snapshot-1 を作成 File.txt File.txt Ⅲ A B C File.txt Snapshot- 1 File.txt A B C C ファイルを変更 C C A B C Ⅳ File.txt A B B C File.txt Snapshot-1 File.txt C 基本的な考え方は 増分 Snapshot-2 世代数 ではなくて 保持期間に起きる更新データ量 で計算する たくさん取ったほうがお得 ( リストアできる場所が多くなる ) 14

15 パフォーマンスのサイジング ストレージのパフォーマンスを決める要因 ヘッドスピード インターフェーススピード ディスクスピード この 3 つの中で一番遅いものがストレージとしての性能となる 15

16 ディスクスピードを決める要因 ディスクの種類 SATA 安価で大容量 スピードちょっと遅い 信頼性低め 75IOPS/ 本程度 SAS データ置き場としては一般的 145IOPS/ 本程度 SSD 超高速 ただしまだ高い 20,000 IOPS/ 本程度 ディスク本数 ストライプ処理 複数のディスクへ同時に書き込み / 読み込みを並列に行うことで処理性能を上げる それほど大きくない領域に IO が必要な場合は 1 本のディスクサイズをわざと小さいモデルと選択するのも有効 ( 案外 GB 単価は変わらない ) 16

17 ディスクスピードを決める要因 キャッシュの利用 SSDをキャッシュにすることでホットデータをSSDに乗せてしまう技術 特定のIOが集中する事がわかっている時は非常に効果が高い 例 :VDI 朝 PC を一気に起動する場合 キャッシュを刺す場所 ストレージのヘッド サーバー 17

18 その他の考慮点 RAID 方式の決定 RAID5 RAID6 ディスク 1 本までの障害に対応 2 本死んだら終了 ディスク 2 本までの障害に対応 3 本死んだら終了 データロストの多くがディスク障害のリビルド中にもう 1 本障害が発生したことに起因する リビルド時間の目安 SATA 1TBで約 9 時間 SAS 900GBで約 5 時間 SSD 200GBで約 0.3 時間 (18 分 ) 18

19 レイテンシ レイテンシ データ転送において データを要求してから実際に送られてくるまでの待ち時間のこと システムによっては結構重要な要素 VDI 環境でのレイテンシの目安 20ms 快適 50ms 画面がカクカクする場合も 100ms 使い物になりません 19

20 既存環境の調査 Windows Server の場合 Server の IO は Typeperf.exe(Windows 2003 以降で標準搭載 ) 何が取得可能かは typeperf -q または typeperf qx で照会可能 30 秒間隔で 1 日分 typeperf.csv に出力するには typeperf.exe PhysicalDisk(*) * o typeperf.csv si 30 sc 2881 これで 1 日分 30 秒間隔で全ドライブの物理ディスクの情報が取れる 特定のドライブに絞るなら PhysicalDisk(0 C:) のようにドライブ番号とドライブレターを指定できる 20

21 既存環境の調査 Windows Server の場合 サンプリング周期 (-siと-sc) 指定のツボ 長期的な傾向としては30 秒周期でサンプリングする 最低でも1 日 可能なら処理が重い日を狙って取得する 1 日ごとに区切って毎日取得しても負荷はそんなにかからない 短期的な傾向は 1 秒単位でサンプリングする 重い時がわかっていて そこで使えば 能力の限界や Hot spot がわかる 21

22 既存環境の調査 何を見るべき? Current Disk Queue Length と Avg Disk Queue Length ディスクにたまっている未処理の要求数 2 以下が望ましい ( 継続的に 4 を超えている状態は明らかに能力が不足している ) Disk Time (Disk Read Time や Disk Write Time も参考にする ) ディスクの処理時間 DB のバッチ処理などは処理時間に響くのでぐっと短く Disk Read と Disk Write ディスクの I/O 回数 すなわち IOPS だが Windows は 8-32KB 大きくて 100KB ぐらいのサイズで書き込むことが多く ちなみに NetApp の IO は 4KB 単位 22

23 既存環境の調査 何を見るべき? Disk Write Bytes/Sec と Disk Read Bytes/Sec, Disk Bytes/Sec ディスクの転送量 すなわち MB/Sec をみる Read/Write の比にも注意しておくべき %Idle time 逆算して利用率を確かめる 快適に使えるのは利用率 20% ぐらいまでで そこからは要求が衝突しはじめ 急速に混み始める 23

24 既存環境の調査 クライアントの場合 クライアントは OS:12 IOPS + APP : 8 IOPS で 20 IOPS が一応の目安 Typeperf も使用可能なので特殊なアプリケーションを使っている場合は環境をチェック (WindowsXP 以降 ) Unix/Linux の場合 Iostat で IO 情報が取得可能 24

25 さらに進んだストレージの使い方や機能 25

26 ストレージの仮想化 NetApp Clustered ONTAP 仮想化することで物理依存から脱却 新機能盛りだくさん SVM - A SVM - B R R R C A1 Vserver LIF A2 LIF A1 A A2 B A3 LIF LIF A3 B2 B1 LIF C B3 C1 LIF LIF C2 C1 R R C2 B C3 B1 C3 LIF R B2 B3 Vserver A 論理レイヤー 物理レイヤー SVM - C Cluster ストレージ FAS/Vシリーズ のリソースプール 26

27 Transparent volume move オンラインVolume移動 NFS / CIFS / iscsi /FC / FCoE 中断のないアクセス クラスタ内のどの場所でも任意 のアグリゲート間で オンライ ンでボリュームを移動 R A バックグラウンドで 差分コピー トラフィックが少ない タイミングで切り替え 重複排除 圧縮 ミラー関係 Snapshotなどは 変更なし B C C1 LUN LUN A1 A2 A3 B1 B2 HA HA A A3 B C2 C1 C LUN LUN A2 LUN B2 B1 A1 R 27

28 Transparent volume moveの適用シナリオ ストレージの階層化 ストレージの階層化 NFS / CIFS / iscsi / FC / FCoE HA C C1 HA B2 A2 B1 LUN LUN LUN A3 A1 B 高パフォーマンス ストレージ R A 低コスト ストレージ ディスクのコストとパフォーマンスに合 わせたデータ管理 同じ共有リソースプール内で複数の種別 のディスクを管理 Flash Cache/FlashPool 自動インテリ ジェント キャッシング エントリモデルとミッドレンジモデル 異なる世代 他社ストレージなど 様々 なストレージを混在可能 データの"鮮度"に応じて アクセス性能 をダイナミックに変更可能 クライアント側の変更は必要なし 28

29 Transparent volume moveの適用シナリオ 機器リプレースへの対応 手法 A1 B2 A2 B1 C1 LUN LUN A3 B C A R LUN 影響を受けるボリュームと LUNを確認 システムを停止することなく ボリュームを移動 テクノロジ更新の実施 ノードの強化とクラスタの再統合 新しいノードにボリュームを戻す 上記手順を繰り返す 29

30 QoS Quality of Service) QoS 今まで Performance Performance 低負荷 低負荷 高負荷 中負荷 中負荷 中負荷 Vol A Vol B Vol C 高負荷な一部の領域に他の 領域が影響を受ける Vol A Vol B Vol C QoS ポリシー 5000 IOPS上限 上限値(IOPS,MB/sec)を設けることで 均一なリソース利 用が可能 特定のSVM ボリューム LUN ファイルだけ制限を設けるこ とも可能 利用用途 マルチテナント環境における高負荷ユーザの抑制 クラウド環境におけるサービスメニューの提供 モンスターVMへの対処 30

31 ODX ファイルコピー操作 Windows 2012 Windows 2012 ODXの機能 WindowsのCopy Offload機能により ストレー ジにコピー処理をオフロードし コピーを高速 化すると共にホストのリソース利用率を削減 クラスタ内でのボリューム間およびノード間コ ピーに対応 CIFS/LUNに対応 異なるプロトコル間でも使用可能 利用用途 SVM 実際のデータ移動処理 Hyper-V環境での巨大なVHDファイルコピー ビデオファイルなど巨大なファイルのコピー

32 SMB3.0 SMB3.0 ファイルサーバーストレージに仮想マシンファイルを配置 SMB フェイルオーバー構成が可能に Hyper-V Hyper-V Hyper-V ボリュームの運用もストレージにオ フロード ( 拡大 / 縮小 / 追加 / 削除が自由に ) 共有フォルダに格納したVHD を他の Hyper-V から簡単にマウント可能 VSS for SMB の機能により整合点の VHD VHD VHD VHD Snapshot copies VHD VHD VHD VHD VHD VHD Snapshot copies VHD VHD VHD VHD VHD VHD Snapshot copies VHD VHD あるバックアップ作成も容易 リモート VSS でバックアップ Storage Pool

33 仮想ディスクの変換 NetApp Shift スクリプト VmwareのVMDKをHyper-V 形式のVHDXに簡単変換 クローン技術を使っているので元のVMDKもそのまま保持可能 デモ動画も公開中 33

34 クラウド環境のストレージデザイン 要件ベースの考慮点 マルチテナント 必要なケース : セキュリティ IP スペース Windows ドメイン 領域と IO ベースの割り当て 容量と IOPS の組み合わせ バックアップ間隔 遠隔地転送はオプションで 最初から大きすぎるサイジングをしない 増え方の予想は非常に困難 後から変更しやすいようにしておく 34

35 ストレージ業界の今後 35

36 SSD の行方 SSD は SAS ディスクにとって代われるか SAS, SATA 時代から SSD, SATA 時代へ変わる? 36

37 Q & A 37

38 Thank You! 38