臨床医・臨床家のための医療情報検索セミナー

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きょういちよせ
4 years ago
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1 1 Minds に何を求めるのか使う立場から ( 財 ) 倉敷中央病院総合診療科福岡敏雄

2 2 アウトライン医療現場で求められる情報現場での判断と医療情報現場で必要な医療情報の種類と要素妥当性関連性信頼性 + 定量的結果医療情報を理解するための 6S モデル情報のヒエラルキー倉敷中央病院での取り組み Minds での検索ネットでの検索

3 3 判断には情報が必要現場に当てはまる情報が必要現場への適用性さらに手軽さコストも気になる情報の信頼性が重要信頼できる情報が定量的情報が必要効く効かないどのような効果がどれくらいあるか

4 あなたは心臓病になりましたその病気で死亡する確率は 3 年後に 5% ですこの病気には有効性が確かめられている薬剤があります 1 錠 1 日 1 回内服していただきますこの効果がどれくらいだったら内服しますか治療効果はリスク比で考えてください 4 4

5 リスク比 risk ratio RR 相対危険度 (relative risk) とも言われますある危険率が治療や要因によって何倍になるかを示しますたとえば 10% の死亡率が 8% になるのはリスク比 0.8 です半分なら 0.5 になります 5 5

6 あなたは心臓病になりましたその病気で死亡する確率は 3 年後に 5% ですこの病気には有効性が確かめられている薬剤があります 1 錠 1 日 1 回内服していただきますこの効果がどれくらいだったら内服しますか治療効果はリスク比で考えてください 6 6

7 続いて質問治療効果以外に内服するかどうか決めるのに知りたいこと気になることはありませんかそれを列挙しておきましょうでは食餌療法 ( カロリー制限と緑黄野菜を主とした食事内容への変更 ) を勧められたとしてどの程度のリスク比であったら受けますか 7 7

8 続いて質問 2 では腸を切除して短くしコレステロール値などを下げる手術が勧められたらあなたはどれくらいのリスク比であったら受けますか最後によく調べるとあなたの病状は重く 3 年後に死亡率は 50% と見積もられましたそこで内服薬を内服するリスク比はどうしますか 8 8

9 9 得られた情報は光るものすべて金ではない

10 10 Evidence の歴史そして人間の BMJ 1998; 317: 情報は多すぎるだからこそ見極める目が必要になっている

11 11 得られた情報を吟味する価値があるか信頼できるか結果はどうかそれに基づいて判断することは妥当か苦労して得た情報であっても自分の都合にあった結果であっても役に立たない信頼できないとなったら捨て去る姿勢が必要になる

12 12 6S モデル Systems Summaries Synopses of Syntheses Syntheses Synopses of Studies Studies DiCenso, A, Bayley, L, Haynes, RB: ACP Journal Club. Editorial: Accessing preappraised evidence: fine-tuning the 5S model into a 6S model. Ann Intern Med 2009; 151: JC3-2, JC3-3.

13 13 6S モデル : 日本語訳 Systems: システム Summaries: まとめ Synopses of Syntheses: 統合概要 Syntheses: 統合 Synopses of Studies: 研究概要 Studies: 研究

14 14 6S モデル : それぞれの例 Systems: システム Summaries: まとめ臨床判断支援システム根拠に基づいた教科書 GL 次世代電子カルテクリティカルパス部署マニュアルなど UpToDate, DynaMed Evidence-based Guideline Synopses of Syntheses: 統合概要 SR の抄録 Evidence-based 抄録誌 SR データベース :DARE, Minds Syntheses: 統合 Synopses of Studies: 研究概要システマティックレビュー (SR) 個々の研究の抄録 Cochrane Library 一部は PubMed などにも Evidence-based 抄録誌 :ACP Journal Club, Evidence-based Medicine など Studies: 研究個々の研究 PubMed, Science Direct, ProQuest, 医学中央雑誌, メディカルオンライン

15 6S モデル :Minds では Systems: システム Summaries: まとめ臨床判断支援システム根拠に基づいた教科書 GL 次世代電子カルテクリティカルパス部署マニュアルなどガイドライン CPG CPG レビュー Synopses of Syntheses: 統合概要

15 15 6S モデル :Minds では Systems: システム Summaries: まとめ臨床判断支援システム根拠に基づいた教科書 GL 次世代電子カルテクリティカルパス部署マニュアルなどガイドライン CPG CPG レビュー Synopses of Syntheses: 統合概要 Syntheses: 統合 SR の抄録システマティックレビュー (SR) コクランアブストラクト Cochrane Library トピックス Synopses of Studies: 研究概要個々の研究の抄録 Minds アブストラクト Studies: 研究個々の研究 PubMed 医学中央雑誌など

16 16 6S モデル : 特徴と傾向 Systems: システム Summaries: まとめ Synopses of Syntheses: 統合概要情報は統合化され一般化される Syntheses: 統合 Synopses of Studies: 研究概要 Studies: 研究個々の情報源の背景質定量的結果まで詳細な情報が得られる

17 17 6S モデルと教育研修への活用 Systems: システム Summaries: まとめ Synopses of Syntheses: 統合概要 Syntheses: 統合 Synopses of Studies: 研究概要 Studies: 研究医療の質の保証安全管理 Data Mining, Practice based Evidencec 知識を統合し汎用性の高い枠組み視点モノサシを身につける個別性の高い判断特殊な状況での判断を行う

18 18 今回の情報検索デモンストレーションの目的診療研修の質を支える医療情報のアクセス技術を高めるこのために皆さんの課題疑問から課題を定式化する検索戦略を立てる検索実行する振り返りという手順を実際に行います

19 19 忙しい臨床家のために汎用性の高い情報は上位にある Systems: システム Summaries: まとめ Synopses of Syntheses: 統合概要 Syntheses: 統合 Synopses of Studies: 研究概要 Studies: 研究上位に情報がなければ下位に進む上位にある情報で不十分と感じたら下位に進む上位の情報は下位へのリンクを含むことが多い検索データベース選択も重要

20 20 基本戦略 : 上位から下位へガイドラインでは参考文献リスト構造化抄録を活用概要が入手できた場合には妥当性適応可能性定量的結果が読み取れるか判断読み取れなければ元情報へ進むリンクがない場合には Pubmed や google でとりあえず著者名題名年代などを入力して検索書誌情報で検索すると案外進められるスマートに進めるには PubMed の Single Citation Matcher を使う

21 21 さらに学びたい人に倉敷中央病院ではハンズオンでの検索実習を年数回実施さらに岡山大学医療情報部と共同での文献検索セミナーを不定期に開催 (CASPfew) 年 2 回参加自由としている参考 URL CASP Japan: 台あるコンピュータ 1 人 1 台で PubMed などの検索が可能

22 22 臨床判断の 4 要素医療チームの経験技術腕前経験価値観患者家族の価値観社会の価値観価値基準ルール根拠資源最も妥当で現場状況に当てはまり結果が明白なもの現場で利用可能な人材機器資金

23 23 妥当な臨床判断をするポイント現場の状況問題点を把握する能力と基礎知識患者対象者チームメイトとのコミュニケーション能力他人の価値観に共感し自分と異なる価値観を容認する態度社会の価値観倫理観を踏まえる姿勢一時的短期的な評価ではなく患者対象者現場に重要な基準で評価する姿勢医療の負の部分 ( 危険性不都合苦痛コストなど ) を踏まえる姿勢現場での判断やその振り返りをチームで共有するシステム自分の経験を振り返り積み重ねる姿勢共に学び共に教えあう雰囲気

24 24 アウトライン医療現場で求められる情報現場での判断と医療情報現場で必要な医療情報の種類と要素妥当性関連性信頼性 + 定量的結果医療情報を理解するための 6S モデル情報のヒエラルキー倉敷中央病院での取り組み Minds での検索ネットでの検索

第8回Mindsセミナー～Mindsの概要説明～

第8回Mindsセミナー～Mindsの概要説明～ Minds( マインズ ) の事業説明日本医療機能評価機構 EBM 医療情報部吉田雅博利用は全て無料インターネットを用いた医療情報提供事業 2004 年 5 月 11 日公開 http://minds.jcqhc.or.jp 厚生労働科学研究費補助金にて運営中ユーザー登録数約 4.4 万人 (2009 年 12 月末 ) ( 増加数 1 万人 / 年 ) 作る伝える 11 5 平成