Untitled

Size: px
Start display at page:

Download "Untitled"

Transcription

1 上原記念生命科学財団研究報告集, 24(2010) 144. 新たな心不全治療薬となりうる骨格筋由来のパラクライン因子の同定とその機能解析 泉家康宏 Key words: レジスタンストレーニング, 骨格筋由来分泌因子, 心筋保護 * 熊本大学大学院医学薬学研究部循環器病態学 緒言慢性心不全患者では進行性の骨格筋萎縮が高頻度に発生し, これが死亡の独立した予測因子であることが明らかにされている 1). 一方, 心不全患者の非薬物療法の一つとして心臓リハビリテーションの重要性が再認識されている. 多くの臨床試験から心不全患者であっても運動療法を行うことにより, 運動耐容能や予後が改善することが明らかとなり現在では広く施行されるに至っている 2). 運動療法の内容に関しても従来は有酸素運動が推奨されてきたが, 近年はそれらに加えて骨格筋量の増大を目的としたレジスタンストレーニングも重要な要素の一つとなっている 3). これらの運動トレーニングは運動耐容能と骨格筋萎縮を改善するのみならず心機能も改善することが報告されているがそのメカニズムについてはほとんど不明である. 著者らはこれまで骨格筋肥大が誘導できるトランスジェニックマウスを使って骨格筋の発育 肥大が他の臓器に与える影響について研究を進めてきた. このマウスモデルは高蔗糖 / 高脂肪食により惹起された高血糖, 高インスリン血症, 高レプチン血症などの肥満に伴う代謝異常を著明に改善した 4). その機序として骨格筋自身での糖の取り込みの上昇のみならず, 肝臓での脂肪酸の β 酸化の亢進が考えられた. これらの結果は, 肥大する骨格筋細胞からの分泌因子がパラクライン的に肝細胞, 脂肪細胞に作用し脂肪酸の燃焼を促進し, 結果としてメタボリックパラメーターの改善をもたらした可能性を示唆する. しかしながら現在のところ, それらを仲介する骨格筋由来の分泌因子の同定までには至っていない. 本研究ではマウス心不全モデルおよび骨格筋発育モデルマウスの骨格筋での遺伝子発現を網羅的に解析し, 新たな心不全治療薬となりうる骨格筋から心臓へのパラクライン因子を同定し, さらにその生体における機能解析を行うことを目的とした. 方法 1. 骨格筋量の増大の心筋梗塞後のリモデリングに与える影響の検討レジスタンストレーニングに伴って認められる骨格筋肥大の心機能, 心臓リモデリングに与える影響を検討するために, 野生型 (WT) マウス及び骨格筋特異的 -Akt1 コンディショナルトランスジェニック (TG) マウスに対し, 冠動脈結紮によるマウス心筋梗塞モデルを作製した. 骨格筋細胞の肥大は TG マウスに doxycycline を飲水投与し骨格筋特異的に Akt1 の過剰発現することで再現性を持って誘導することができる 4). 冠動脈結紮直後より doxycycline 飲水投与を開始し, 骨格筋での Akt1 遺伝子の過剰発現を誘導し心エコー, 観血的血行動態測定および組織学的手法を用いて心機能および心リモデリングの評価を行った. 2. 骨格筋由来の新規分泌因子候補の検索とその機能解析上記のマウス心筋梗塞モデルの骨格筋サンプルを採取しそこから total RNA を抽出しマイクロアレイにて遺伝子発現を網羅的に解析した.WT マウスで心筋梗塞により発現が低下し,TG マウスで発現が亢進していた遺伝子の中から, 分泌シグナルを有するものでかつ細胞膜貫通ドメインを持たないものを新規分泌因子の候補とした. 続いて新規分泌因子候補の組み換えアデノウイルスを作製し, その生理的な機能を培養心筋細胞を用いた in vitro の実験系で検討した. 具体的には低酸素, 炎症性サイトカインなどのストレス刺激に対する心筋細胞のバイアビリティに及ぼす新規分泌因子候補の効果について検討した. * 現所属 : 熊本大学大学院生命科学研究部循環器病態学 1

2 3 In vivo における新規分泌因子候補の機能解析 新規分泌因子候補の組み換えアデノウイルスを作製し その生理的な機能をマウス病態モデルで検討した マウス下肢虚血 モデル マウス心筋虚血再灌流モデルを作成し 新規分泌因子候補を発現するアデノウイルスベクターを経静脈的に投与し 梗塞領域と心筋細胞のアポトーシスについても比較検討した. 結 果 1 骨格筋量の増大の心筋梗塞後のリモデリングに与える影響の検討 心筋梗塞モデル作製後 2 日目に行った心エコーでは 心筋梗塞領域は WT マウスと TG マウスで同程度であった 経過中 の死亡率に両群で有意差を認めなかった しかしながら 2 週間後の心エコーでは左室内腔の拡大や健常部位の壁肥厚は TG マウスで有意に抑制された. 2 週間経過後に TG マウスでは骨格筋重量の有意な増加が確認された また肺重量も TG マウス 群で有意に抑制され肺うっ血の軽減が示唆された 組織学的検討にて TG マウスでは梗塞境界領域の毛細血管密度の増加 非梗塞領域での心筋間質の線維化と心筋細胞のアポトーシスの抑制が認められた 以上のデータから Akt1 過剰発現による骨 格筋の肥大は遠隔臓器である心筋のリモデリングを制御する可能性が示唆された. 図 1 骨格筋肥大の心筋梗塞後のリモデリングに与える影響. Akt1 遺伝子の過剰発現による骨格筋の肥大は遠隔臓器である心筋のリモデリングを制御する. 2

3 2. 骨格筋由来の新規分泌因子候補の検索マイクロアレイによるスクリーニングの結果いくつかの新規代謝調節因子の候補をリストアップすることができた. 候補遺伝子のひとつ Follistatin like 1 (Fstl1) のタンパク発現は Akt1 遺伝子の活性化により骨格筋で著明に増加し, それに伴い血中濃度も有意な増加を認めた. アデノウイルスベクター用いて Fstl1 を培養血管内皮細胞で過剰発現すると, 血管内皮細胞の遊走 分化を促進し, 血清除去によるアポトーシスを著明に抑制した. これら Fstl1 の血管内皮細胞保護効果は PI3-kinase 阻害薬 優勢抑制型 Akt1 の過剰発現および NO 合成阻害薬によりブロックされた. 同様にアデノウイルスベクター用いて Fstl1 を培養心筋細胞で過剰発現すると, 低酸素 再酸素化刺激や doxycyclin による細胞傷害を著明に抑制した. また近年代謝調節因子として注目されている Fibroblast growth factor 21 (FGF21) も骨格筋肥大に伴い発現が亢進することが確認された 5). 培養心筋細胞に対する FGF21 の作用を検討したところ,FGF21 のシグナル伝達のコファクターと考えられている βklotho は心筋細胞や内皮細胞では発現が認められなかったが ( 図 2A),FGF21 刺激は βklotho 非依存的に心筋細胞で ERK, Akt シグナルを活性化することが明らかになった ( 図 2B). またアデノウイルスベクターを用いて FGF21 を培養心筋細胞で過剰発現すると, 低酸素 再酸素化刺激や doxycyclin による細胞傷害を著明に抑制したことから,FGF21 はこれらシグナルの活性化を介して低酸素刺激によるアポトーシスの抑制に寄与している可能性が示唆された. 図 2. FGF21 は骨格筋より分泌される心血管保護因子である. (A) (B) FGF21 刺激は βklotho 非依存的に心筋細胞で ERK, Akt シグナルを活性化する.(C) FGF21 の過剰発現 により, 心筋虚血 / 再灌流による梗塞領域の拡大を著明に抑制した. 3.In vivo における新規分泌因子候補の機能解析下肢虚血手術を施行したマウスの骨格筋にアデノウイルスベクター用いて Fstl1 を遺伝子導入することにより, 骨格筋での Akt と enos の活性化を認め, レーザードップラーでの血流改善及び組織学的に CD31 陽性細胞の増加を認めた. さらに Fstl1 による血流改善効果は enos ノックアウトマウスでは認められなかったことから,Fstl1 の血管内皮細胞に対する作用は Akt-eNOS 経路を介していることが示唆された 6). アデノウイルスベクターを経静脈的に投与し Fstl1 を過剰発現させると, 心筋虚血 / 再灌流による梗塞領域や心筋細胞のアポトーシスを著明に抑制した 7). FGF21 に対する中和抗体を骨格筋特異的 Akt1 過剰発現マウスに投与すると, 骨格筋肥大に伴う体重 脂肪量の減少効果が有意に減弱した. 高蔗糖 / 高脂肪食負荷 14 週間後にグルコース負荷試験を行ったところ, 負荷後の血糖値の低下は中和抗 3

4 体投与群で有意に増悪した (図 3A) 骨格筋特異的 Akt1 過剰発現マウスのメタボリックパラメーター改善効果が中和抗体に てブロックされたことから FGF21 は骨格筋肥大に伴い発現 分泌が亢進する機能性の内因性代謝調節因子であることが示唆 された. また臨床サンプルを用いて FGF21 の血中濃度の検討を行ったところ FGF21 の血中濃度は Lean body Mass (除脂 肪体重) と有意な相関があることが明らかとなった (図 3B, 図 3C) アデノウイルスベクターを経静脈的に投与し FGF21 を過 剰発現させると 心筋虚血/再灌流による梗塞領域や心筋細胞のアポトーシスを著明に抑制した (図 2C) 以上の結果から FGF21 は骨格筋より分泌される心血管保護因子である可能性が示唆された. 図 3 FGF21 は骨格筋由来の内因性代謝調節因子である. (A) 骨格筋特異的 Akt1 過剰発現マウスのメタボリックパラメーター改善効果は中和抗体にてブロックされた (B) (C) FGF21 の血中濃度は除脂肪体重と有意な相関を認めた. 考 察 本研究で新規骨格筋由来分泌因子として同定 機能解析を行った Fstl1 や FGF21 のように骨格筋からは種々の分泌因子が様 々な外的刺激により分泌され 心血管系細胞へ作用することが明らかとなってきた これら骨格筋由来の分泌因子を介した骨格 筋と他臓器のコミュニケーションの分子機序を明らかにすることは心疾患患者に対する心臓リハビリテーションやメタボリックシンドロ ーム患者に対する運動療法を行うことの理論的根拠を与えるものとなりうる さらに骨格筋由来分泌因子の作用機序を分子レベ ルで解明することで新たな治療ターゲットの発見へとつながる可能性がある 今後は骨格筋からのパラクライン因子の同定をさら に推し進め それらの心血管保護効果の作用機序解明を行う また心血管疾患患者における血中濃度を測定しさらに薬剤介入 後の変化についてもモニタリングを行いその臨床的意義を検討する予定にしている. 謝辞:本研究を推進するにあたり 多大なご支援を賜りました公益財団法人上原記念生命科学財団に深く感謝いたします. 4

5 文献 1) Anker, S. D., Ponikowski, P., Varney, S., Chua, T. P., Clark, A. L., Webb-Peploe, K. M., Harrington, D., Kox, W. J., Poole-Wilson, P. A. & Coats, A. J. S. : Wasting as independent risk factor for mortality in chronic heart failure. Lancet, 349 : , ) Thompson, P. D., Franklin, B. A., Balady, G. J., Blair, S. N., Corrado, D., Estes, N. A. M. III, Fulton, J. E., Gordon, N. F., Haskell, W. L., Link, M. S., Maron, B. J., Mittleman, M. A., Pelliccia, A., Wenger, N. K., Willich, S. N. & Costa, F. : Exercise and acute cardiovascular events : placing the risks into perspective : a scientific statement from the american heart association council on nutrition, physical activity, and metabolism and the council on clinical cardiology. Circulation, 115 : , ) Williams, M. A., Haskell, W. L., Ades, P. A., Amsterdam, E. A., Bittner, V., Franklin, B. A., Gulanick, M., Laing, S. T. & Stewart, K. J. : Resistance exercise in individuals with and without cardiovascular disease : 2007 update : a scientific statement from the american heart association council on clinical cardiology and council on nutrition, physical activity, and metabolism. Circulation, 116 : , ) Izumiya, Y., Hopkins, T., Morris, C., Sato, K., Zeng, L., Viereck, J., Hamilton, J. A., Ouchi, N., LeBrasseur, N. K. & Walsh, K. : Fast/Glycolytic muscle fiber growth reduces fat mass and improves metabolic parameters in obese mice. Cell Metab., 7 : , ) Izumiya, Y., Bina, H. A., Ouchi, N., Akasaki, Y., Kharitonenkov, A., Walsh, K. : FGF21 is an Aktregulated myokine. FEBS Lett., 582 : , ) Ouchi, N., Oshima, Y., Ohashi, K., Higuchi, A., Ikegami, C., Izumiya, Y. & Walsh, K. : Follistatin-like 1, a secreted muscle protein, promotes endothelial cell function and revascularization in ischemic tissue through a nitric-oxide synthase-dependent mechanism. J. Biol. Chem., 283 : , ) Oshima, Y., Ouchi, N., Sato, K., Izumiya, Y., Pimentel, D. R. & Walsh, K. : Follistatin-like 1 is an Akt-regulated cardioprotective factor that is secreted by the heart. Circulation, 117 : ,

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規 論文の内容の要旨 論文題目アンジオテンシン受容体拮抗薬テルミサルタンの メタボリックシンドロームに対する効果の検討 指導教員門脇孝教授 東京大学大学院医学系研究科 平成 19 年 4 月入学 医学博士課程 内科学専攻 氏名廣瀬理沙 要旨 背景 目的 わが国の死因の第二位と第三位を占める心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患を引き起こす基盤となる病態として 過剰なエネルギー摂取と運動不足などの生活習慣により内臓脂肪が蓄積する内臓脂肪型肥満を中心に

More information

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 教授教授 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 教授 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 教授教授 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 教授 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial ( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial Hyperglycemia-Induced Pathological Changes Induced by Intermittent

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 25 (2011) 86. 線虫 C. elegans およびマウスをモデル動物とした体細胞レベルで生じる性差の解析 井上英樹 Key words: 性差, ストレス応答,DMRT 立命館大学生命科学部生命医科学科 緒言性差は雌雄の性に分かれた動物にみられ, 生殖能力の違いだけでなく形態, 行動などそれぞれの性の間でみられる様々な差異と定義される. 性差は, 形態や行動だけでなく疾患の発症リスクの男女差といった生理的なレベルの差異も含まれる.

More information

( 続紙 1 ) 京都大学 博士 ( 薬学 ) 氏名 大西正俊 論文題目 出血性脳障害におけるミクログリアおよびMAPキナーゼ経路の役割に関する研究 ( 論文内容の要旨 ) 脳内出血は 高血圧などの原因により脳血管が破綻し 脳実質へ出血した病態をいう 漏出する血液中の種々の因子の中でも 血液凝固に関

( 続紙 1 ) 京都大学 博士 ( 薬学 ) 氏名 大西正俊 論文題目 出血性脳障害におけるミクログリアおよびMAPキナーゼ経路の役割に関する研究 ( 論文内容の要旨 ) 脳内出血は 高血圧などの原因により脳血管が破綻し 脳実質へ出血した病態をいう 漏出する血液中の種々の因子の中でも 血液凝固に関 Title 出血性脳障害におけるミクログリアおよびMAPキナーゼ経路の役割に関する研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 大西, 正俊 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date 2010-03-23 URL http://hdl.handle.net/2433/120523 Right Type Thesis or Dissertation

More information

新規遺伝子ARIAによる血管新生調節機構の解明

新規遺伝子ARIAによる血管新生調節機構の解明 [PRESS RELEASE] No.KPUnews290004 2018 年 1 月 24 日神戸薬科大学企画 広報課 脂肪細胞のインスリンシグナルを調節し 糖尿病 メタボリック症候群の発症を予防 する新規分子の発見 日本人男性の約 30% 女性の約 20% は肥満に該当し 肥満はまさに国民病です 内臓脂肪の蓄積はインスリン抵抗性を引き起こし 糖尿病 メタボリック症候群の発症に繋がります 糖尿病

More information

糸球体で濾過されたブドウ糖の約 90% を再吸収するトランスポータである SGLT2 阻害薬は 尿糖排泄を促進し インスリン作用とは独立した血糖降下及び体重減少作用を有する これまでに ストレプトゾトシンによりインスリン分泌能を低下させた糖尿病モデルマウスで SGLT2 阻害薬の脂肪肝改善効果が報告

糸球体で濾過されたブドウ糖の約 90% を再吸収するトランスポータである SGLT2 阻害薬は 尿糖排泄を促進し インスリン作用とは独立した血糖降下及び体重減少作用を有する これまでに ストレプトゾトシンによりインスリン分泌能を低下させた糖尿病モデルマウスで SGLT2 阻害薬の脂肪肝改善効果が報告 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小宮力 論文審査担当者 主査下門顕太郎副査内田信一吉田雅幸 論文題目 Ipragliflozin improves hepatic steatosis in obese mice and liver dysfunction in type 2 diabetic patients irrespective of body weight reduction ( 論文内容の要旨

More information

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ 再発した前立腺癌の増殖を制御する新たな分子メカニズムの発見乳癌治療薬が効果的 発表者筑波大学先端領域学際研究センター教授柳澤純 (junny@agbi.tsukuba.ac.jp TEL: 029-853-7320) ポイント 女性ホルモンが制御する新たな前立腺癌の増殖 細胞死メカニズムを発見 女性ホルモン及び女性ホルモン抑制剤は ERβ 及び KLF5 を通じ FOXO1 の発現量を変化することで前立腺癌の増殖

More information

上原記念生命科学財団研究報告集, 30 (2016)

上原記念生命科学財団研究報告集, 30 (2016) 上原記念生命科学財団研究報告集, 30 (2016) 75. 老化関連疾患における褐色脂肪不全の意義 清水逸平 新潟大学大学院医歯学総合研究科循環器内科学先進老化制御学講座 Key words: 褐色脂肪組織, 褐色アディポカイン, 心不全, 肥満, 非アルコール性脂肪性肝炎 緒言全身の脂肪は大きく 白色 脂肪と 褐色 脂肪に大別することができる 私はこれまで 肥満や心不全時に白色脂肪不全を介して全身の代謝異常が生じ

More information

1. Caov-3 細胞株 A2780 細胞株においてシスプラチン単剤 シスプラチンとトポテカン併用添加での殺細胞効果を MTS assay を用い検討した 2. Caov-3 細胞株においてシスプラチンによって誘導される Akt の活性化に対し トポテカンが影響するか否かを調べるために シスプラチ

1. Caov-3 細胞株 A2780 細胞株においてシスプラチン単剤 シスプラチンとトポテカン併用添加での殺細胞効果を MTS assay を用い検討した 2. Caov-3 細胞株においてシスプラチンによって誘導される Akt の活性化に対し トポテカンが影響するか否かを調べるために シスプラチ ( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 朝日通雄 恒遠啓示 副査副査 瀧内比呂也谷川允彦 副査 勝岡洋治 主論文題名 Topotecan as a molecular targeting agent which blocks the Akt and VEGF cascade in platinum-resistant ovarian cancers ( 白金製剤耐性卵巣癌における

More information

平成14年度研究報告

平成14年度研究報告 平成 14 年度研究報告 研究テーマ 多嚢胞性卵巣発症に関する遺伝性素因の解析 - PCO の解析 - 北海道大学大学院医学研究科 助手菅原照夫 現所属 : 北海道大学大学院医学研究科 医学部連携研究センター サマリー 多嚢胞性卵巣 (PCO) は生殖可能年齢の婦人の 5 10% に発症する内分泌疾患である 臨床症状は 月経不順 多毛 肥満 排卵障害が主な特徴であり 難治性の不妊症の主な原因である

More information

日本標準商品分類番号 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制す

日本標準商品分類番号 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制す 日本標準商品分類番号 872491 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制することが示されたが 血管新生に対するカリジノゲナーゼの影響を評価した報告はない そこで今回 網膜血管新生に対するカリジノゲナーゼの役割を同定するため

More information

犬の糖尿病は治療に一生涯のインスリン投与を必要とする ヒトでは 1 型に分類されている糖尿病である しかし ヒトでは肥満が原因となり 相対的にインスリン作用が不足する 2 型糖尿病が主体であり 犬とヒトとでは糖尿病発症メカニズムが大きく異なっていると考えられている そこで 本研究ではインスリン抵抗性

犬の糖尿病は治療に一生涯のインスリン投与を必要とする ヒトでは 1 型に分類されている糖尿病である しかし ヒトでは肥満が原因となり 相対的にインスリン作用が不足する 2 型糖尿病が主体であり 犬とヒトとでは糖尿病発症メカニズムが大きく異なっていると考えられている そこで 本研究ではインスリン抵抗性 犬におけるインスリン抵抗性と糖尿病発症に関する メタボローム研究 (Metabolome study on canine insulin resistance and diabetes onset) 学位論文の内容の要約 獣医生命科学研究科獣医学専攻博士課程平成 24 年入学 野澤聡司 ( 指導教員 : 田﨑弘之 ) 犬の糖尿病は治療に一生涯のインスリン投与を必要とする ヒトでは 1 型に分類されている糖尿病である

More information

報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効

報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効 60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - がんやウイルスなど身体を蝕む病原体から身を守る物質として インターフェロン が注目されています このインターフェロンのことは ご存知の方も多いと思いますが 私たちが生まれながらに持っている免疫をつかさどる物質です 免疫細胞の情報の交換やウイルス感染に強い防御を示す役割を担っています

More information

Microsoft Word - FHA_13FD0159_Y.doc

Microsoft Word - FHA_13FD0159_Y.doc 1 要約 Pin1 inhibitor PiB prevents tumor progression by inactivating NF-κB in a HCC xenograft mouse model (HCC 皮下移植マウスモデルにおいて Pin1 インヒビターである PiB は NF-κB 活性を低下させることにより腫瘍進展を抑制する ) 千葉大学大学院医学薬学府先端医学薬学専攻 ( 主任

More information

報道関係者各位 平成 26 年 1 月 20 日 国立大学法人筑波大学 動脈硬化の進行を促進するたんぱく質を発見 研究成果のポイント 1. 日本人の死因の第 2 位と第 4 位である心疾患 脳血管疾患のほとんどの原因は動脈硬化である 2. 酸化されたコレステロールを取り込んだマクロファージが大量に血

報道関係者各位 平成 26 年 1 月 20 日 国立大学法人筑波大学 動脈硬化の進行を促進するたんぱく質を発見 研究成果のポイント 1. 日本人の死因の第 2 位と第 4 位である心疾患 脳血管疾患のほとんどの原因は動脈硬化である 2. 酸化されたコレステロールを取り込んだマクロファージが大量に血 報道関係者各位 平成 26 年 1 月 20 日 国立大学法人筑波大学 動脈硬化の進行を促進するたんぱく質を発見 研究成果のポイント 1. 日本人の死因の第 2 位と第 4 位である心疾患 脳血管疾患のほとんどの原因は動脈硬化である 2. 酸化されたコレステロールを取り込んだマクロファージが大量に血管に溜まっていくことが動脈硬化の原因となる 3. マクロファージ内に存在するたんぱく質 MafB は

More information

Peroxisome Proliferator-Activated Receptor a (PPARa)アゴニストの薬理作用メカニズムの解明

Peroxisome Proliferator-Activated Receptor a (PPARa)アゴニストの薬理作用メカニズムの解明 インスリンによる脂肪細胞の数とサイズの制御機構の解明 Clarification of Regulatory Mechanisms for Determining Number and Size of Adipocytes by Insulin 平成 25 年度論文博士申請者 指導教員 伊藤実 (Ito, Minoru) 本島清人 肥満は糖尿病 脂質異常症 高血圧 動脈硬化症などの生活習慣病の基盤となるリスクファクターである

More information

11.【最終版】プレスリリース修正  循環器内科泉家

11.【最終版】プレスリリース修正  循環器内科泉家 国立大学法人熊本大学 平成 28 年 4 月 25 日 報道機関各位 年齢 握力 ふくらはぎの太さから 簡便に心臓病の重症化リスクを診断 熊本大学 - 筋肉量の減少を測る サルコペニアスコア を心臓病患者にも適用 - < 概要説明 > 熊本大学大学院生命科学研究部循環器内科学の尾上喜郎 ( 大学院生 ) 泉家康宏助教らは 筋肉量の減少 ( サルコペニア ) を診断する簡単なテスト が心臓病の重症化リスク評価に有用であることを

More information

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 )

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 ) 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > platelet derived growth factor (PDGF 血小板由来成長因子)-C,

More information

Mincle は死細胞由来の内因性リガンドを認識し 炎症応答を誘導することが報告されているが 非感染性炎症における Mincle の意義は全く不明である 最近 肥満の脂肪組織で生じる線維化により 脂肪組織の脂肪蓄積量が制限され 肝臓などの非脂肪組織に脂肪が沈着し ( 異所性脂肪蓄積 ) 全身のインス

Mincle は死細胞由来の内因性リガンドを認識し 炎症応答を誘導することが報告されているが 非感染性炎症における Mincle の意義は全く不明である 最近 肥満の脂肪組織で生じる線維化により 脂肪組織の脂肪蓄積量が制限され 肝臓などの非脂肪組織に脂肪が沈着し ( 異所性脂肪蓄積 ) 全身のインス 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 池田賢司 論文審査担当者 主査下門顕太郎副査鍔田武志 竹田秀 論文題目 Macrophage-inducible C-type lectin underlies obesity-induced adipose tissue fibrosis ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > 肥満では 脂肪細胞とマクロファージの持続的な相互作用による悪循環が形成され 慢性炎症性の変化を生じており

More information

Microsoft Word - 3.No._別紙.docx

Microsoft Word - 3.No._別紙.docx 膵臓のインスリン産生とインスリン抵抗性の両方を改善する物質を世界で初めて発見 2 型糖尿病の治療法開発に大きな光 < ポイント > l 2 型糖尿病で増加する セレノプロテイン P は 血糖値を下げる インスリン の効果を抑制し ( インスリン抵抗性 ) 糖尿病を悪化する l セレノプロテイン P に結合するタンパク質 ( 抗体 ) を複数作成し その中からセレノプロテイン P の作用を抑制する 中和抗体

More information

能性を示した < 方法 > M-CSF RANKL VEGF-C Ds-Red それぞれの全長 cdnaを レトロウイルスを用いてHeLa 細胞に遺伝子導入した これによりM-CSFとDs-Redを発現するHeLa 細胞 (HeLa-M) RANKLと Ds-Redを発現するHeLa 細胞 (HeL

能性を示した < 方法 > M-CSF RANKL VEGF-C Ds-Red それぞれの全長 cdnaを レトロウイルスを用いてHeLa 細胞に遺伝子導入した これによりM-CSFとDs-Redを発現するHeLa 細胞 (HeLa-M) RANKLと Ds-Redを発現するHeLa 細胞 (HeL 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 秦野雄 論文審査担当者 主査竹田秀副査北川昌伸 山口朗 論文題目 Tumor associated osteoclast-like giant cells promote tumor growth and lymphangiogenesis by secreting vascular endothelial growth factor-c ( 論文内容の要旨 )

More information

ヒト脂肪組織由来幹細胞における外因性脂肪酸結合タンパク (FABP)4 FABP 5 の影響 糖尿病 肥満の病態解明と脂肪幹細胞再生治療への可能性 ポイント 脂肪幹細胞の脂肪分化誘導に伴い FABP4( 脂肪細胞型 ) FABP5( 表皮型 ) が発現亢進し 分泌されることを確認しました トランスク

ヒト脂肪組織由来幹細胞における外因性脂肪酸結合タンパク (FABP)4 FABP 5 の影響 糖尿病 肥満の病態解明と脂肪幹細胞再生治療への可能性 ポイント 脂肪幹細胞の脂肪分化誘導に伴い FABP4( 脂肪細胞型 ) FABP5( 表皮型 ) が発現亢進し 分泌されることを確認しました トランスク 平成 28 年 12 月 19 日 ヒト脂肪組織由来幹細胞における外因性脂肪酸結合タンパク (FABP)4 FABP 5 の影響 糖尿病 肥満の病態解明と脂肪幹細胞再生治療への可能性 名古屋大学大学院医学系研究科 ( 研究科長 髙橋雅英 ) 泌尿器科学分野の山本徳則 ( やまもととくのり ) 准教授 後藤百万 ( ごとうももかず ) 教授と札幌医科大学内分泌内科の古橋眞人 ( ふるはしまさと ) 講師

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 26 (2012) 166. 心筋保護作用における細胞膜特殊構造の新しい役割 堤保夫 Key words: カベオラ, カベオリン, 虚血再潅流障害, 心保護, ポストコンディショニング 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部麻酔 疼痛治療医学分野 緒言近年の食生活の欧米化, 人口の高齢化および生活習慣病の増加は, 本邦における心血管リスクを急激に増加させている.

More information

<4D F736F F D F4390B38CE3816A90528DB88C8B89CA2E646F63>

<4D F736F F D F4390B38CE3816A90528DB88C8B89CA2E646F63> 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 論文題目 主査 荒川真一 御給美沙 副査木下淳博横山三紀 Thrombospondin-1 Production is Enhanced by Porphyromonas gingivalis Lipopolysaccharide in THP-1 Cells ( 論文の内容の要旨 ) < 要旨 > 歯周炎はグラム陰性嫌気性細菌によって引き起こされる慢性炎症性疾患であり

More information

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 大道正英 髙橋優子 副査副査 教授教授 岡 田 仁 克 辻 求 副査 教授 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent trans

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 大道正英 髙橋優子 副査副査 教授教授 岡 田 仁 克 辻 求 副査 教授 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent trans ( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 大道正英 髙橋優子 副査副査 岡 田 仁 克 辻 求 副査 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent transforming growth factor- binding protein-4 is downregulated in breast

More information

の活性化が背景となるヒト悪性腫瘍の治療薬開発につながる 図4 研究である 研究内容 私たちは図3に示すようなyeast two hybrid 法を用いて AKT分子に結合する細胞内分子のスクリーニングを行った この結果 これまで機能の分からなかったプロトオンコジン TCL1がAKTと結合し多量体を形

の活性化が背景となるヒト悪性腫瘍の治療薬開発につながる 図4 研究である 研究内容 私たちは図3に示すようなyeast two hybrid 法を用いて AKT分子に結合する細胞内分子のスクリーニングを行った この結果 これまで機能の分からなかったプロトオンコジン TCL1がAKTと結合し多量体を形 AKT活性を抑制するペプチ ド阻害剤の開発 野口 昌幸 北海道大学遺伝子病制御研究所 教授 広村 信 北海道大学遺伝子病制御研究所 ポスドク 岡田 太 北海道大学遺伝子病制御研究所 助手 柳舘 拓也 株式会社ラボ 研究員 ナーゼAKTに結合するタンパク分子を検索し これまで機能の 分からなかったプロトオンコジンTCL1がAKTと結合し AKT の活性化を促す AKT活性補助因子 であることを見い出し

More information

P002~013 第1部第1章.indd

P002~013 第1部第1章.indd 第1部 心不全の基本的病態 第1部 第 1 章 心不全と神経体液性因子 の関係 心不全の基本的病態 心不全の病態は急性と慢性に分かれるが 慢性心不全の急性増悪化は急性 心不全であり お互いは密接に関連している 急性心不全は 心臓の器質 的 機能的異常により急速に心ポンプ機能が低下し 主要臓器への灌流不全 やうっ血に基づく症状や徴候が急性に出現した状態であり 急性心原性肺水 腫 心原性ショックが代表的な病態である

More information

06. 【送付】プレスリリース原稿 LCZ696

06. 【送付】プレスリリース原稿 LCZ696 報道機関各位 平成 29 年 9 月 1 日 熊本大学国立循環器病研究センター 新薬で急性心筋梗塞後の心破裂を防ぐ! - 抗心不全薬の新たなる可能性 - 熊本大学大学院生命科学研究部循環器内科学 ( 辻田賢一教授 ) の石井正将医師 海北幸一准教授 国立循環器病研究センターの小川久雄理事長らは 1 抗心不全薬として海外で使用されている新薬 LCZ696 に急性心筋梗塞後の心破裂 2 と心不全を防ぐ作用があることを基礎的研究によって明らかにしました

More information

学位論文の要約

学位論文の要約 学位論文内容の要約 愛知学院大学 甲第 678 号論文提出者土屋範果 論文題目 骨芽細胞におけるずり応力誘発性 細胞内 Ca 2+ 濃度上昇へのグルタミン酸の関与 No. 1 愛知学院大学 Ⅰ. 緒言 矯正歯科治療時には機械刺激により骨リモデリングが誘発される 機械 刺激が骨リモデリングや骨量の制御因子の一つであることはよく知られて いるが 骨関連細胞が機械刺激を感受する分子機構は十分に明らかにされ

More information

糖鎖の新しい機能を発見:補体系をコントロールして健康な脳神経を維持する

糖鎖の新しい機能を発見:補体系をコントロールして健康な脳神経を維持する 糖鎖の新しい機能を発見 : 補体系をコントロールして健康な脳神経を維持する ポイント 神経細胞上の糖脂質の糖鎖構造が正常パターンになっていないと 細胞膜の構造や機能が障害されて 外界からのシグナルに対する反応や攻撃に対する防御反応が異常になることが示された 細胞膜のタンパク質や脂質に結合している糖鎖の役割として 補体の活性のコントロールという新規の重要な機能が明らかになった 糖脂質の糖鎖が欠損すると

More information

脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL http

脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL http 脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date 2009-03-23 URL http://hdl.handle.net/2433/124054 Right Type Thesis or

More information

細胞 THE CELL 2011年5月号 (立ち読み)

細胞 THE CELL 2011年5月号 (立ち読み) レニン アンジオテンシン系とメタボリックシンドローム Renin-angiotensin system in metabolic syndrome 大島弘世 1,2) 茂木正樹 1) 檜垣實男 2) 堀内正嗣 1) Kousei Ohshima Masaki Mogi Jitsuo Higaki Masatsugu Horiuchi Key words レニン アンジオテンシン系,ARB, 酸化ストレス,IRS-1,

More information

別紙 < 研究の背景と経緯 > 自閉症は 全人口の約 2% が罹患する非常に頻度の高い神経発達障害です 近年 クロマチンリモデ リング因子 ( 5) である CHD8 が自閉症の原因遺伝子として同定され 大変注目を集めています ( 図 1) 本研究グループは これまでに CHD8 遺伝子変異を持つ

別紙 < 研究の背景と経緯 > 自閉症は 全人口の約 2% が罹患する非常に頻度の高い神経発達障害です 近年 クロマチンリモデ リング因子 ( 5) である CHD8 が自閉症の原因遺伝子として同定され 大変注目を集めています ( 図 1) 本研究グループは これまでに CHD8 遺伝子変異を持つ PRESS RELEASE(2018/05/16) 九州大学広報室 819-0395 福岡市西区元岡 744 TEL:092-802-2130 FAX:092-802-2139 MAIL:koho@jimu.kyushu-u.ac.jp URL:http://www.kyushu-u.ac.jp 九州大学生体防御医学研究所の中山敬一主幹教授と名古屋市立大学薬学研究科の喜多泰之助 教 白根道子教授 金沢大学医薬保健研究域医学系の西山正章教授らの研究グループは

More information

るが AML 細胞における Notch シグナルの正確な役割はまだわかっていない mtor シグナル伝達系も白血病細胞の増殖に関与しており Palomero らのグループが Notch と mtor のクロストークについて報告している その報告によると 活性型 Notch が HES1 の発現を誘導

るが AML 細胞における Notch シグナルの正確な役割はまだわかっていない mtor シグナル伝達系も白血病細胞の増殖に関与しており Palomero らのグループが Notch と mtor のクロストークについて報告している その報告によると 活性型 Notch が HES1 の発現を誘導 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 奥橋佑基 論文審査担当者 主査三浦修副査水谷修紀 清水重臣 論文題目 NOTCH knockdown affects the proliferation and mtor signaling of leukemia cells ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > 目的 : sirna を用いた NOTCH1 と NOTCH2 の遺伝子発現の抑制の 白血病細胞の細胞増殖と下流のシグナル伝達系に対する効果を解析した

More information

エネルギー代謝に関する調査研究

エネルギー代謝に関する調査研究 平成 20 年度独立行政法人国立健康 栄養研究所プログラム / センター報告 プログラム名 臨床栄養プログラム プロジェクト名 メタボリックシンドロームプロジェクト 平成 21 年 3 月 18 日 中期目標 計画における主要事項 数値目標等 1 重点調査研究に関する事項 のア 生活習慣病予防のための運動と食事の併用効果に関する研究 に対応し 運動 身体活動による生活習慣病の一次予防 食事と遺伝的因子の相互作用の解明並びに運動と食事とによるテーラーメード予防法に関して

More information

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 松尾祐介 論文審査担当者 主査淺原弘嗣 副査関矢一郎 金井正美 論文題目 Local fibroblast proliferation but not influx is responsible for synovial hyperplasia in a mur

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 松尾祐介 論文審査担当者 主査淺原弘嗣 副査関矢一郎 金井正美 論文題目 Local fibroblast proliferation but not influx is responsible for synovial hyperplasia in a mur 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 松尾祐介 論文審査担当者 主査淺原弘嗣 副査関矢一郎 金井正美 論文題目 Local fibroblast proliferation but not influx is responsible for synovial hyperplasia in a murine model of rheumatoid arthritis ( 論文内容の要旨 ) < 要旨

More information

ルグリセロールと脂肪酸に分解され吸収される それらは腸上皮細胞に吸収されたのちに再び中性脂肪へと生合成されカイロミクロンとなる DGAT1 は腸管で脂質の再合成 吸収に関与していることから DGAT1 KO マウスで認められているフェノタイプが腸 DGAT1 欠如に由来していることが考えられる 実際

ルグリセロールと脂肪酸に分解され吸収される それらは腸上皮細胞に吸収されたのちに再び中性脂肪へと生合成されカイロミクロンとなる DGAT1 は腸管で脂質の再合成 吸収に関与していることから DGAT1 KO マウスで認められているフェノタイプが腸 DGAT1 欠如に由来していることが考えられる 実際 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 津田直人 論文審査担当者 主査下門顕太郎副査吉田雅幸横関博雄 論文題目 Intestine-Targeted DGAT1 Inhibition Improves Obesity and Insulin Resistance without Skin Aberrations in Mice ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > Diacylglycerol O-acyltransferase

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 22(2008) 113. アテローム動脈硬化に関与する単球 / マクロファージ特異的 microrna 群の同定 深尾太郎 Key words: 動脈硬化,microRNA, マクロファージ, 炎症, マウス * 東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻 緒言動脈硬化は, 先進国における死因群の主たる原因となる重大な疾患である. 加齢や生活習慣がその発症や程度に大きく関わることから,

More information

研究内容 心不全は 心臓の筋肉が障害されることにより心臓のポンプ機能が低下し 肺や全身の臓器に必要な血液量を送り出すことができない病態です 心不全患者の一部において 左心房の血圧の上昇が肺に血液を送り出す動脈 ( 肺動脈系 ) に影響し 肺動脈の収縮や肥厚 ( リモデリング ) が引き起こされ 肺高

研究内容 心不全は 心臓の筋肉が障害されることにより心臓のポンプ機能が低下し 肺や全身の臓器に必要な血液量を送り出すことができない病態です 心不全患者の一部において 左心房の血圧の上昇が肺に血液を送り出す動脈 ( 肺動脈系 ) に影響し 肺動脈の収縮や肥厚 ( リモデリング ) が引き起こされ 肺高 報道機関各位 2018 年 7 月 10 日 東北大学大学院医学系研究科 左心不全に伴う肺高血圧症の発症メカニズムを解明 - 新規の心不全治療薬候補の同定 - 研究のポイント 左心不全に伴う肺高血圧症は 心不全患者の予後 ( 治療とその後の回復 ) に大きく影響するが その発症メカニズムについては未だ不明な点が多い 注 Rho-kinase 1 の遺伝子破壊マウスを用いた解析により 左心不全に伴う肺注高血圧症発症においてタンパク質サイクロフィリン

More information

関係があると報告もされており 卵巣明細胞腺癌において PI3K 経路は非常に重要であると考えられる PI3K 経路が活性化すると mtor ならびに HIF-1αが活性化することが知られている HIF-1αは様々な癌種における薬理学的な標的の一つであるが 卵巣癌においても同様である そこで 本研究で

関係があると報告もされており 卵巣明細胞腺癌において PI3K 経路は非常に重要であると考えられる PI3K 経路が活性化すると mtor ならびに HIF-1αが活性化することが知られている HIF-1αは様々な癌種における薬理学的な標的の一つであるが 卵巣癌においても同様である そこで 本研究で ( 様式甲 5) 氏 名 髙井雅聡 ( ふりがな ) ( たかいまさあき ) 学 位 の 種 類 博士 ( 医学 ) 学位授与番号 甲 第 号 学位審査年月日 平成 27 年 7 月 8 日 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 Crosstalk between PI3K and Ras pathways via 学位論文題名 Protein Phosphatase 2A in human

More information

Microsoft Word - (最終版)170428松坂_脂肪酸バランス.docx

Microsoft Word - (最終版)170428松坂_脂肪酸バランス.docx 報道関係者各位 平成 29 年 5 月 2 日 国立大学法人筑波大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 脂肪酸のバランスの異常が糖尿病を引き起こす 研究成果のポイント 1. 糖尿病の発症には脂肪酸のバランスが関与しており このバランスを制御することで糖尿病の発症が抑制されることを明らかにしました 2. 脂肪酸バランスの変化には脂肪酸伸長酵素 Elovl6 が重要な役割を担っており 糖尿病モデルマウスで

More information

-119-

-119- -119- - 日中医学協会助成事業 - 前立腺がんの造骨性骨転移のメカニズム解明 研究者氏名中国所属機関日本研究機関指導責任者共同研究者 王麗楊中国医科大学大阪大学歯学研究科教授米田俊之相野誠 要旨 近年日本の男性において急増している前立腺がんは死亡率の第 2 位にランクされている 80% 以上の前立腺癌は造骨性の骨転移を示し 患者の QOL および生存期間を著しく低下させる 前立腺がん発生のメカニズムには未だ不明な点が多く

More information

RNA Poly IC D-IPS-1 概要 自然免疫による病原体成分の認識は炎症反応の誘導や 獲得免疫の成立に重要な役割を果たす生体防御機構です 今回 私達はウイルス RNA を模倣する合成二本鎖 RNA アナログの Poly I:C を用いて 自然免疫応答メカニズムの解析を行いました その結果

RNA Poly IC D-IPS-1 概要 自然免疫による病原体成分の認識は炎症反応の誘導や 獲得免疫の成立に重要な役割を果たす生体防御機構です 今回 私達はウイルス RNA を模倣する合成二本鎖 RNA アナログの Poly I:C を用いて 自然免疫応答メカニズムの解析を行いました その結果 RNA Poly IC D-IPS-1 概要 自然免疫による病原体成分の認識は炎症反応の誘導や 獲得免疫の成立に重要な役割を果たす生体防御機構です 今回 私達はウイルス RNA を模倣する合成二本鎖 RNA アナログの Poly I:C を用いて 自然免疫応答メカニズムの解析を行いました その結果 Poly I:C により一部の樹状細胞にネクローシス様の細胞死が誘導されること さらにこの細胞死がシグナル伝達経路の活性化により制御されていることが分かりました

More information

<4D F736F F D EA95948F4390B3817A938C91E F838A838A815B835895B68F F08BD682A082E8816A5F8C6F8CFB939C F

<4D F736F F D EA95948F4390B3817A938C91E F838A838A815B835895B68F F08BD682A082E8816A5F8C6F8CFB939C F [PRESS RELEASE] 2011 年 4 月 26 日東京大学医学部附属病院 経口糖尿病薬の副作用による浮腫発症のメカニズムを同定 経口糖尿病薬として知られるチアゾリジン誘導体は 細胞核内の受容体であるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ (PPAR) に結合し 代謝に関連する遺伝子の転写を調節してインスリン作用を増強させます この働きによってインスリン抵抗性が改善し血糖値も下がるため

More information

<4D F736F F D DC58F4994C5817A C A838A815B83588CB48D F4390B3979A97F082C882B5816A2E646F6378>

<4D F736F F D DC58F4994C5817A C A838A815B83588CB48D F4390B3979A97F082C882B5816A2E646F6378> 肥満における慢性炎症の新規発症メカニズムの解明 1. 発表者 : 門脇孝 ( 東京大学大学院医学系研究科糖尿病 生活習慣病予防講座特任教授 ) 窪田直人 ( 東京大学医学部附属病院糖尿病 代謝内科病態栄養治療部准教授 ) 窪田哲也 ( 東京大学医学部附属病院糖尿病 代謝内科 / 理化学研究所生命医科学研究センター粘膜システム研究チーム上級研究員 ) 2. 発表のポイント : 抗炎症作用を有する M2a

More information

2019 年 3 月 28 日放送 第 67 回日本アレルギー学会 6 シンポジウム 17-3 かゆみのメカニズムと最近のかゆみ研究の進歩 九州大学大学院皮膚科 診療講師中原真希子 はじめにかゆみは かきたいとの衝動を起こす不快な感覚と定義されます 皮膚疾患の多くはかゆみを伴い アトピー性皮膚炎にお

2019 年 3 月 28 日放送 第 67 回日本アレルギー学会 6 シンポジウム 17-3 かゆみのメカニズムと最近のかゆみ研究の進歩 九州大学大学院皮膚科 診療講師中原真希子 はじめにかゆみは かきたいとの衝動を起こす不快な感覚と定義されます 皮膚疾患の多くはかゆみを伴い アトピー性皮膚炎にお 2019 年 3 月 28 日放送 第 67 回日本アレルギー学会 6 シンポジウム 17-3 かゆみのメカニズムと最近のかゆみ研究の進歩 九州大学大学院皮膚科 診療講師中原真希子 はじめにかゆみは かきたいとの衝動を起こす不快な感覚と定義されます 皮膚疾患の多くはかゆみを伴い アトピー性皮膚炎においてはかゆみが診断基準の基本項目にもあげられる重要な要素となっています 執拗なかゆみの持続により 集中力の低下や不眠が生じ日常生活に悪影響を及ぼし

More information

2015 年度 SFC 研究所プロジェクト補助 和食に特徴的な植物性 動物性蛋白質の健康予防効果 研究成果報告書 平成 28 年 2 月 29 日 研究代表者 : 渡辺光博 ( 政策 メディア研究科教授 ) 1

2015 年度 SFC 研究所プロジェクト補助 和食に特徴的な植物性 動物性蛋白質の健康予防効果 研究成果報告書 平成 28 年 2 月 29 日 研究代表者 : 渡辺光博 ( 政策 メディア研究科教授 ) 1 2015 年度 SFC 研究所プロジェクト補助 和食に特徴的な植物性 動物性蛋白質の健康予防効果 研究成果報告書 平成 28 年 2 月 29 日 研究代表者 : 渡辺光博 ( 政策 メディア研究科教授 ) 1 1. 研究概要ユネスコ無形文化遺産に登録された 和食 に特徴的な植物性蛋白質と動物性蛋白質のメタボリックシンドローム予防効果を検討し mrna 解析により分子レベルのメカニズムを明らかにする

More information

血漿エクソソーム由来microRNAを用いたグリオブラストーマ診断バイオマーカーの探索 [全文の要約]

血漿エクソソーム由来microRNAを用いたグリオブラストーマ診断バイオマーカーの探索 [全文の要約] Title 血漿エクソソーム由来 microrna を用いたグリオブラストーマ診断バイオマーカーの探索 [ 全文の要約 ] Author(s) 山口, 響子 Issue Date 2017-03-23 Doc URL http://hdl.handle.net/2115/66158 Type theses (doctoral - abstract of entire text) Note この博士論文全文の閲覧方法については

More information

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer (

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer ( 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > Insulin-like growth factor ( 以下 IGF)

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 23(2009) 175. 破骨細胞阻害因子 (OPG) とリン調節ホルモンの相互作用の解明 大城戸一郎 Key words:fibroblast growth factor 23(FGF-23), 破骨細胞分化阻止因子, リン * 東京慈恵会医科大学医学部内科学 緒言生体内のリン代謝調節は, 腎臓からの排泄 腸管からの吸収 骨との交換 細胞膜における輸送のバランスにより行われているが,

More information

脂肪滴周囲蛋白Perilipin 1の機能解析 [全文の要約]

脂肪滴周囲蛋白Perilipin 1の機能解析 [全文の要約] Title 脂肪滴周囲蛋白 Perilipin 1 の機能解析 [ 全文の要約 ] Author(s) 山本, 浩平 Issue Date 2018-03-22 Doc URL http://hdl.handle.net/2115/70565 Type theses (doctoral - abstract of entire text) Note この博士論文全文の閲覧方法については 以下のサイトをご参照ください

More information

NEXT外部評価書

NEXT外部評価書 課題番号 LS102 最先端 次世代研究開発支援プログラム 事後評価書 研究課題名 研究機関 部局 職名 氏名 筋収縮によって骨格筋から分泌される生理活性因子の探索と運動調節性筋内分泌の概念の確立首都大学東京 人間健康科学研究科 教授藤井宣晴 研究目的 本研究は 運動がもたらす多様な健康効果は 収縮中の筋細胞から分泌される生理活性因子 ( 総称してマイオカインと呼ばれる myo = 筋 kine =

More information

Microsoft Word - 【最終】Sirt7 プレス原稿

Microsoft Word - 【最終】Sirt7 プレス原稿 国立大学法人熊本大学 報道機関各位 平成 26 年 4 月 2 日 熊本大学 脂肪肝 肥満の増悪因子の発見とメカニズムの解明 ~ 生活習慣病抑制への期待 ~ 熊本大学大学院生命科学研究部 ( 医学系 ) の山縣和也教授 吉澤達也講師らは サーチュイン 1 と呼ばれるたんぱく質の 1 種である SIRT7 が肥満 糖尿病や脂肪肝の発症増悪に関与することを発見すると共に SIRT7 による脂肪肝発症のメカニズムを解明することに成功しました

More information

スライド 1

スライド 1 1. 血液の中に存在する脂質 脂質異常症で重要となる物質トリグリセリド ( 中性脂肪 :TG) 動脈硬化に深く関与する 脂質の種類 トリグリセリド :TG ( 中性脂肪 ) リン脂質 遊離脂肪酸 特徴 細胞の構成成分 ホルモンやビタミン 胆汁酸の原料 動脈硬化の原因となる 体や心臓を動かすエネルギーとして利用 皮下脂肪として貯蔵 動脈硬化の原因となる 細胞膜の構成成分 トリグリセリド ( 中性脂肪

More information

cover

cover 旭川医科大学研究フォーラム (2016.3) 16:42-45. 平成 25 26 年度 独創性のある生命科学研究 個別研究課題 24) 脂肪組織由来幹細胞を用いた低浸襲細胞治療に関する研究 岡久美子 24) 脂肪組織由来幹細胞を用いた低侵襲細胞治療に関する研究研究代表者岡久美子 研究目的 細胞治療は骨再建 再生を低侵襲 効率的に行うために有用である 近年 脂肪組織に含まれる体性幹細胞 (Adiposederivedstem

More information

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル 60 秒でわかるプレスリリース 2007 年 12 月 17 日 独立行政法人理化学研究所 免疫の要 NF-κB の活性化シグナルを増幅する機構を発見 - リン酸化酵素 IKK が正のフィーッドバックを担当 - 身体に病原菌などの異物 ( 抗原 ) が侵入すると 誰にでも備わっている免疫システムが働いて 異物を認識し 排除するために さまざまな反応を起こします その一つに 免疫細胞である B 細胞が

More information

第6号-2/8)最前線(大矢)

第6号-2/8)最前線(大矢) 最前線 免疫疾患における創薬標的としてのカリウムチャネル 大矢 進 Susumu OHYA 京都薬科大学薬理学分野教授 異なる経路を辿る 1つは マイトジェンシグナル 1 はじめに を活性化し 細胞増殖が促進されるシグナル伝達経 路 図1A 右 であり もう1つはカスパーゼやエ 神 経 筋 の よ う な 興 奮 性 細 胞 で は カ リ ウ ム ンドヌクレアーゼ活性を上昇させ アポトーシスが K

More information

作成要領・記載例

作成要領・記載例 - 日中医学協会助成事業 - 免疫老化が加齢性疾患に及ぼす影響の解明 研究者氏名 准教授佐野元昭日本所属機関 慶應義塾大学医学部循環器内科中国研究者氏名 教授陆林中国所属機関 上海交通大学医学附属瑞金医院循環器内科 要旨加齢に伴って急速に増加する加齢随伴記憶型 T 細胞集団はsenescence-associated secretory phenotype を持ち 慢性炎症を基盤とした加齢関連疾患の発症に普遍的に関与していると考えられる

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 26 (2012) 75. 哺乳類のゴルジ体ストレス応答の分子機構の解明 吉田秀郎 Key words: ゴルジ体, 小胞体, 転写, ストレス応答, 細胞小器官 兵庫県立大学大学院生命理学研究科生体物質化学 Ⅱ 講座 緒言細胞内には様々な細胞小器官が存在して細胞の機能を分担しているが, その存在量は細胞の需要に応じて厳密に制御されており, 必要な時に必要な細胞小器官が必要な量だけ増強される.

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 26 (2012) 114. 四肢における骨格筋幹細胞制御機構の探求 佐藤貴彦 Key words: 骨格筋, 発生, 筋衛星細胞,Pax3,miRNA 京都大学再生医科学研究所 再生増殖制御学分野 緒言骨格筋は, 皮膚や肝臓などとともに成体において強い再生能力を保持している組織である. それ故に骨格筋幹細胞から骨格筋へと分化する過程が胚発生中のみならず, 骨格筋の再生時にも認められる.

More information

Microsoft Word - 01.doc

Microsoft Word - 01.doc 自然科学研究機構生理学研究所京都大学大学院農学研究科国立研究開発法人国立循環器病研究センター 褐色脂肪細胞においてエネルギー消費を促す新たなメカニズムを発見 からだの熱産生に褐色脂肪細胞の TRPV2 チャネルが関与 今回 自然科学研究機構生理学研究所の富永真琴教授 内田邦敏助教および Sun Wuping 研究員と 京都大学大学院農学研究科河田照雄先生 国立循環器病研究センター岩田裕子先生の研究グループは

More information

ASC は 8 週齢 ICR メスマウスの皮下脂肪組織をコラゲナーゼ処理後 遠心分離で得たペレットとして単離し BMSC は同じマウスの大腿骨からフラッシュアウトにより獲得した 10%FBS 1% 抗生剤を含む DMEM にて それぞれ培養を行った FACS Passage 2 (P2) の ASC

ASC は 8 週齢 ICR メスマウスの皮下脂肪組織をコラゲナーゼ処理後 遠心分離で得たペレットとして単離し BMSC は同じマウスの大腿骨からフラッシュアウトにより獲得した 10%FBS 1% 抗生剤を含む DMEM にて それぞれ培養を行った FACS Passage 2 (P2) の ASC 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 山本麻衣子 論文審査担当者 主査 : 井関祥子副査 : 柴田俊一 青木和広 Osteogenic Potential of Mouse Adipose-Derived Stem Cells Sorted 論文題目 for CD90 and CD105 in Vitro ( 論文の内容の要旨 ) < 緒言 > 脂肪組織は皮下の浅層に存在するため 採取が低侵襲で容易であり

More information

考えられている 一部の痒疹反応は, 長時間持続する蕁麻疹様の反応から始まり, 持続性の丘疹や結節を形成するに至る マウスでは IgE 存在下に抗原を投与すると, 即時型アレルギー反応, 遅発型アレルギー反応に引き続いて, 好塩基球依存性の第 3 相反応 (IgE-CAI: IgE-dependent

考えられている 一部の痒疹反応は, 長時間持続する蕁麻疹様の反応から始まり, 持続性の丘疹や結節を形成するに至る マウスでは IgE 存在下に抗原を投与すると, 即時型アレルギー反応, 遅発型アレルギー反応に引き続いて, 好塩基球依存性の第 3 相反応 (IgE-CAI: IgE-dependent 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 端本宇志 論文審査担当者 主査烏山一 副査三浦修 森尾友宏 論文題目 Protective Role of STAT6 in Basophil-Dependent Prurigo-like Allergic Skin Inflammation ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > 痒疹とは激しい瘙痒を伴った丘疹や結節を主症状とする頻度の高い皮膚疾患であり, 糖尿病や慢性腎不全,

More information

平成 26 年 ₇ 月 15 日発行広島市医師会だより ( 第 579 号付録 ) 2.NT-proBNP の臨床的意義 1 心不全 ( 収縮及び拡張機能障害 ) で早期より測定値が上昇するため 疾患の診断や病状の経過観察さらには予後予測等に活用できます 2NT-proBNP の測定値は疾患の重症度

平成 26 年 ₇ 月 15 日発行広島市医師会だより ( 第 579 号付録 ) 2.NT-proBNP の臨床的意義 1 心不全 ( 収縮及び拡張機能障害 ) で早期より測定値が上昇するため 疾患の診断や病状の経過観察さらには予後予測等に活用できます 2NT-proBNP の測定値は疾患の重症度 平成26 年7 月平成 26 年 ₇ 月 15 日発行広島市医師会だより ( 第 579 号付録 ) 免疫血清部門 尿一般部門病理部門細胞診部門血液一般部門生化学部門先天性代謝異常部門 細菌部門 NT-proBNP ~ 心不全マーカーと生活習慣病との関連性 ~ 検査 ₁ 科自動 生化学係 はじめに心不全診療において心筋バイオマーカーである NT-proBNP や BNP の測定は重要な検査として位置づけられています

More information

Microsoft Word CREST中山(確定版)

Microsoft Word CREST中山(確定版) 平成 22 年 11 月 29 日 科学技術振興機構 (JST) Tel:03-5214-8404( 広報ポータル部 ) 九州大学 Tel:092-642-2106( 広報室 ) 肝臓における脂肪代謝の新たな制御機構を解明 ( メタボリック症候群における脂肪肝に対する治療への応用に期待 ) JST 課題解決型基礎研究の一環として 九州大学生体防御医学研究所の中山敬一教授らは 肝臓における中性脂肪注

More information

解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を

解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を 解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を進展させるしくみを解明 難治がんである悪性黒色腫の新規分子標的治療法の開発に期待 ポイント 難治がんの一つである悪性黒色腫

More information

Wnt3 positively and negatively regu Title differentiation of human periodonta Author(s) 吉澤, 佑世 Journal, (): - URL Rig

Wnt3 positively and negatively regu Title differentiation of human periodonta Author(s) 吉澤, 佑世 Journal, (): - URL   Rig Wnt3 positively and negatively regu Title differentiation of human periodonta Author(s) 吉澤, 佑世 Journal, (): - URL http://hdl.handle.net/10130/3408 Right Posted at the Institutional Resources for Unique

More information

抑制することが知られている 今回はヒト子宮内膜におけるコレステロール硫酸のプロテ アーゼ活性に対する効果を検討することとした コレステロール硫酸の着床期特異的な発現の機序を解明するために 合成酵素であるコ レステロール硫酸基転移酵素 (SULT2B1b) に着目した ヒト子宮内膜は排卵後 脱落膜 化

抑制することが知られている 今回はヒト子宮内膜におけるコレステロール硫酸のプロテ アーゼ活性に対する効果を検討することとした コレステロール硫酸の着床期特異的な発現の機序を解明するために 合成酵素であるコ レステロール硫酸基転移酵素 (SULT2B1b) に着目した ヒト子宮内膜は排卵後 脱落膜 化 論文の内容の要旨 論文題目 着床期ヒト子宮内膜におけるコレステロール硫酸の発現調節機序及び機能の解析 指導教員武谷雄二教授 東京大学大学院医学系研究科 平成 15 年 4 月入学 医学博士課程 生殖 発達 加齢医学専攻 清末美奈子 緒言 着床とは 受精卵が分割し形成された胚盤胞が子宮内膜上皮へ接着 貫通し 子 宮内膜間質を浸潤して絨毛構造を形成するまでの一連の現象をいう 胚盤胞から分化した トロフォブラストが浸潤していく過程で

More information

結果 この CRE サイトには転写因子 c-jun, ATF2 が結合することが明らかになった また これら の転写因子は炎症性サイトカイン TNFα で刺激したヒト正常肝細胞でも活性化し YTHDC2 の転写 に寄与していることが示唆された ( 参考論文 (A), 1; Tanabe et al.

結果 この CRE サイトには転写因子 c-jun, ATF2 が結合することが明らかになった また これら の転写因子は炎症性サイトカイン TNFα で刺激したヒト正常肝細胞でも活性化し YTHDC2 の転写 に寄与していることが示唆された ( 参考論文 (A), 1; Tanabe et al. 氏名 ( 本籍 ) 田辺敦 ( 神奈川県 ) 学位の種類博士 ( 学術 ) 学位記番号学位授与年月日学位授与の要件学位論文題名 甲第 64 号平成 28 年 3 月 15 日学位規則第 3 条第 2 項該当 RNA ヘリカーゼ YTHDC2 の転写制御機構と癌転移における YTHDC2 の 役割についての解析 論文審査委員 ( 主査 ) 佐原弘益 ( 副査 ) 村上賢 滝沢達也 代田欣二 論文内容の要旨

More information

( 様式甲 5) 氏 名 忌部 尚 ( ふりがな ) ( いんべひさし ) 学 位 の 種 類 博士 ( 医学 ) 学位授与番号 甲第 号 学位審査年月日 平成 29 年 1 月 11 日 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 Benifuuki green tea, containin

( 様式甲 5) 氏 名 忌部 尚 ( ふりがな ) ( いんべひさし ) 学 位 の 種 類 博士 ( 医学 ) 学位授与番号 甲第 号 学位審査年月日 平成 29 年 1 月 11 日 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 Benifuuki green tea, containin ( 様式甲 5) 氏 名 忌部 尚 ( ふりがな ) ( いんべひさし ) 学 位 の 種 類 博士 ( 医学 ) 学位授与番号 甲第 号 学位審査年月日 平成 29 年 1 月 11 日 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 Benifuuki green tea, containing O-methylated 学位論文題名 EGCG, reduces serum low-density

More information

32 小野啓, 他 は変化を認めなかった (LacZ: 5.1 ± 0.1% vs. LKB1: 5.1 ± 0.1)( 図 6). また, 糖新生の律速酵素である PEPCK, G6Pase, PGC1 α の mrna 量が LKB1 群で有意に減少しており ( それぞれ 0.5 倍,0.8 倍

32 小野啓, 他 は変化を認めなかった (LacZ: 5.1 ± 0.1% vs. LKB1: 5.1 ± 0.1)( 図 6). また, 糖新生の律速酵素である PEPCK, G6Pase, PGC1 α の mrna 量が LKB1 群で有意に減少しており ( それぞれ 0.5 倍,0.8 倍 埼玉医科大学雑誌第 41 巻第 1 号平成 26 年 8 月 31 学内グラント報告書 平成 25 年度 学内グラント終了時報告書 肝 LKB1 の糖尿病における役割 研究代表者小野啓 ( 大学病院内分泌内科 糖尿病内科 ) 研究分担者住田崇 * *, 鈴木徳子 背 景 LKB1 は Peutz-Jeghers 症候群の原因遺伝子であり, エネルギー欠乏状態で活性化される AMPK(AMP 活性化プロテインキナーゼ

More information

のと期待されます 本研究成果は 2011 年 4 月 5 日 ( 英国時間 ) に英国オンライン科学雑誌 Nature Communications で公開されます また 本研究成果は JST 戦略的創造研究推進事業チーム型研究 (CREST) の研究領域 アレルギー疾患 自己免疫疾患などの発症機構

のと期待されます 本研究成果は 2011 年 4 月 5 日 ( 英国時間 ) に英国オンライン科学雑誌 Nature Communications で公開されます また 本研究成果は JST 戦略的創造研究推進事業チーム型研究 (CREST) の研究領域 アレルギー疾患 自己免疫疾患などの発症機構 プレスリリース 2011 年 4 月 5 日 慶應義塾大学医学部 炎症を抑える新しいたんぱく質を発見 - 花粉症などのアレルギー疾患や 炎症性疾患の新たな治療法開発に期待 - 慶應義塾大学医学部の吉村昭彦教授らの研究グループは リンパ球における新たな免疫調節機構を解明 抑制性 T 細胞を人工的につくり出し 炎症性のT 細胞を抑える機能を持った新しいたんぱく質を発見しました 試験管内でこのたんぱく質を発現させたT

More information

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital 6459 8. その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May. 2017 EGFR 遺伝子変異検査 ( 院内測定 ) c-erbb/egfr [tissues] 基本情報 8C051 c-erbb/egfr JLAC10 診療報酬 分析物 識別材料測定法

More information

( 様式甲 5) 氏 名 渡辺綾子 ( ふりがな ) ( わたなべあやこ ) 学 位 の 種 類 博士 ( 医学 ) 学位授与番号 甲 第 号 学位審査年月日 平成 27 年 7 月 8 日 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 学位論文題名 Fibrates protect again

( 様式甲 5) 氏 名 渡辺綾子 ( ふりがな ) ( わたなべあやこ ) 学 位 の 種 類 博士 ( 医学 ) 学位授与番号 甲 第 号 学位審査年月日 平成 27 年 7 月 8 日 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 学位論文題名 Fibrates protect again ( 様式甲 5) 氏 名 渡辺綾子 ( ふりがな ) ( わたなべあやこ ) 学 位 の 種 類 博士 ( 医学 ) 学位授与番号 甲 第 号 学位審査年月日 平成 27 年 7 月 8 日 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 学位論文題名 Fibrates protect against vascular endothelial dysfunction induced by paclitaxel

More information

論文の内容の要旨

論文の内容の要旨 1. 2. 3. 4. 5. 6. WASP-interacting protein(wip) CR16 7. 8..pdf Adobe Acrobat WINDOWS2000 論文の内容の要旨 論文題目 WASP-interacting protein(wip) ファミリー遺伝子 CR16 の機能解析 氏名坂西義史 序 WASP(Wiskott-Aldrich syndrome protein)

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 23(2009) 149. サルエイズウイルスのヒトへの感染伝播を規定する宿主制御因子の解明 武内寛明 Key words: エイズウイルス, 異種間感染, 感染症, 人畜共通感染症, 新興感染症 東京大学医科学研究所感染症国際研究センター微生物学分野 緒言ヒト後天性免疫不全症候群 ( ヒトエイズ ) は, ヒト免疫不全ウイルス (HIV) によって引き起こされる慢性持続感染症である.

More information

報道関係者各位

報道関係者各位 報道関係者各位 2018 年 10 月 6 日 東京薬科大学理化学研究所兵庫医科大学熊本大学 炎症の回復期に出現し 組織修復を促す新しい免疫細胞を発見 炎症性疾患や組織傷害の新たな治療標的として期待 ポイント 炎症や組織傷害の回復期に骨髄で産生される 新たな単球細胞を発見した この単球細胞は組織傷害部位に集積し 炎症抑制や組織修復を担う この細胞を欠損したマウスでは 腸炎からの回復が有意に遅延する

More information

<4D F736F F D F4390B388C4817A C A838A815B8358>

<4D F736F F D F4390B388C4817A C A838A815B8358> PRESS RELEASE 平成 28 年 9 月 1 日愛媛大学 世界初アレルギー炎症の新規抑制メカニズムを発見 ~ アレルギー疾患の新規治療法の開発に期待 ~ 愛媛大学大学院医学系研究科の山下政克 ( やましたまさかつ ) 教授らの研究グループは 世界で初めて免疫を正常に保つ作用のある転写抑制因子注 1) Bach2( バック2) が アレルギー炎症の発症を抑えるメカニズムを解明しました これまで

More information

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 森脇真一 井上善博 副査副査 教授教授 東 治 人 上 田 晃 一 副査 教授 朝日通雄 主論文題名 Transgene number-dependent, gene expression rate-independe

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 森脇真一 井上善博 副査副査 教授教授 東 治 人 上 田 晃 一 副査 教授 朝日通雄 主論文題名 Transgene number-dependent, gene expression rate-independe ( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 森脇真一 井上善博 副査副査 東 治 人 上 田 晃 一 副査 朝日通雄 主論文題名 Transgene number-dependent, gene expression rate-independent rejection of D d -, K d -, or D d K d -transgened mouse skin

More information

ランゲルハンス細胞の過去まず LC の過去についてお話しします LC は 1868 年に 当時ドイツのベルリン大学の医学生であった Paul Langerhans により発見されました しかしながら 当初は 細胞の形状から神経のように見えたため 神経細胞と勘違いされていました その後 約 100 年

ランゲルハンス細胞の過去まず LC の過去についてお話しします LC は 1868 年に 当時ドイツのベルリン大学の医学生であった Paul Langerhans により発見されました しかしながら 当初は 細胞の形状から神経のように見えたため 神経細胞と勘違いされていました その後 約 100 年 2015 年 10 月 1 日放送 第 64 回日本アレルギー学会 1 教育講演 11 ランゲルハンス細胞 過去 現在 未来 京都大学大学院皮膚科教授椛島健治 はじめに生体は 細菌 ウイルス 真菌といった病原体などの外来異物や刺激に曝露されていますが 主に免疫システムを介して巧妙に防御しています ところが そもそも有害ではない花粉や埃などの外来抗原に対してさえも皮膚が曝露された場合に 過剰な免疫応答を起こすことは

More information

汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について ポイント 厚生労働省の難治性疾患克服事業における臨床調査研究対象疾患 指定難病の 1 つである汎発性膿疱性乾癬のうち 尋常性乾癬を併発しないものはインターロイキン 36 1 受容体拮抗因子欠損症 (

汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について ポイント 厚生労働省の難治性疾患克服事業における臨床調査研究対象疾患 指定難病の 1 つである汎発性膿疱性乾癬のうち 尋常性乾癬を併発しないものはインターロイキン 36 1 受容体拮抗因子欠損症 ( 平成 29 年 3 月 1 日 汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について 名古屋大学大学院医学系研究科 ( 研究科長 髙橋雅英 ) 皮膚科学の秋山真志 ( あきやままさし ) 教授 柴田章貴 ( しばたあきたか ) 客員研究者 ( 岐阜県立多治見病院皮膚科医長 ) 藤田保健衛生大学病院皮膚科の杉浦一充 ( すぎうらかずみつ 前名古屋大学大学院医学系研究科准教授

More information

( 図 ) IP3 と IRBIT( アービット ) が IP3 受容体に競合して結合する様子

( 図 ) IP3 と IRBIT( アービット ) が IP3 受容体に競合して結合する様子 60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 6 月 23 日 独立行政法人理化学研究所 独立行政法人科学技術振興機構 細胞内のカルシウムチャネルに情報伝達を邪魔する 偽結合体 を発見 - IP3 受容体に IP3 と競合して結合するタンパク質 アービット の機能を解明 - 細胞分裂 細胞死 受精 発生など 私たちの生の営みそのものに関わる情報伝達は 細胞内のカルシウムイオンの放出によって行われています

More information

Microsoft Word - Cir_Res_ docx

Microsoft Word - Cir_Res_ docx 令和元年 6 月 24 日 心臓線維化と拡張障害型心不全に関わるタンパク質の発見! 名古屋大学大学院医学系研究科の原昭壽 ( はらあきとし ) 客員研究者 高橋雅英 ( たかはしまさひで ) 教授 室原豊明 ( むろはらとよあき ) 教授 榎本篤 ( えのもとあつし ) 准教授らの研究グループは 国立循環器病センター研究所の齋藤茂芳 ( さいとうしげよし ) 上級研究員 ( 大阪大学医学系研究科助教クロスアポイントメント

More information

平成24年7月x日

平成24年7月x日 < 概要 > 栄養素の過剰摂取が引き金となり発症する生活習慣病 ( 痛風 動脈硬化や2 型糖尿病など ) は 現代社会における重要な健康問題となっています 近年の研究により 生活習慣病の発症には自然免疫機構を介した炎症の誘導が深く関わることが明らかになってきました 自然免疫機構は 病原性微生物を排除するための感染防御機構としてよく知られていますが 過栄養摂取により生じる代謝物にも反応するために 強い炎症を引き起こして生活習慣病の発症要因になってしまいます

More information

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」 2017 年 2 月 1 日 作成者 : 山田さおり 慢性心不全看護エキスパートナース育成コース 1. 目的江南厚生病院に通院あるいは入院している心不全患者に質の高いケアを提供できるようになるために 看護師が慢性心不全看護分野の知識や技術を習得することを目的とする 2. 対象レベルⅡ 以上で各分野の知識と技術習得を希望する者 ( 今年度は院内スタッフを対象にしています ) 期間中 80% 以上参加できる者

More information

グルコースは膵 β 細胞内に糖輸送担体を介して取り込まれて代謝され A T P が産生される その結果 A T P 感受性 K チャンネルの閉鎖 細胞膜の脱分極 電位依存性 Caチャンネルの開口 細胞内 Ca 2+ 濃度の上昇が起こり インスリンが分泌される これをインスリン分泌の惹起経路と呼ぶ イ

グルコースは膵 β 細胞内に糖輸送担体を介して取り込まれて代謝され A T P が産生される その結果 A T P 感受性 K チャンネルの閉鎖 細胞膜の脱分極 電位依存性 Caチャンネルの開口 細胞内 Ca 2+ 濃度の上昇が起こり インスリンが分泌される これをインスリン分泌の惹起経路と呼ぶ イ 薬効薬理 1. 作用機序 アナグリプチンはジペプチジルペプチダーゼ -4(DPP-4) の競合的かつ可逆的な選択的阻害剤である インクレチンであるグルカゴン様ペプチド-1(GL P-1) 及びグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド (GI P) は グルコース依存的なインスリン分泌促進作用やグルカゴン分泌抑制作用等 ( 主にGLP-1の作用 ) を有するが 24) DPP-4により分解されて活性を失う

More information

報道発表資料 2006 年 6 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 アレルギー反応を制御する新たなメカニズムを発見 - 謎の免疫細胞 記憶型 T 細胞 がアレルギー反応に必須 - ポイント アレルギー発症の細胞を可視化する緑色蛍光マウスの開発により解明 分化 発生等で重要なノッチ分子への情報伝達

報道発表資料 2006 年 6 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 アレルギー反応を制御する新たなメカニズムを発見 - 謎の免疫細胞 記憶型 T 細胞 がアレルギー反応に必須 - ポイント アレルギー発症の細胞を可視化する緑色蛍光マウスの開発により解明 分化 発生等で重要なノッチ分子への情報伝達 60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 6 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 アレルギー反応を制御する新たなメカニズムを発見 - 謎の免疫細胞 記憶型 T 細胞 がアレルギー反応に必須 - カビが猛威を振るう梅雨の季節 この時期に限って喘息がでるんですよ というあなたは カビ アレルギー アレルギーを引き起こす原因物質は ハウスダストや食べ物 アクセサリなどとさまざまで この季節だけではない

More information

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小島光暁 論文審査担当者 主査森尾友宏 副査槇田浩史 清水重臣 論文題目 Novel role of group VIB Ca 2+ -independent phospholipase A 2γ in leukocyte-endothelial cell in

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小島光暁 論文審査担当者 主査森尾友宏 副査槇田浩史 清水重臣 論文題目 Novel role of group VIB Ca 2+ -independent phospholipase A 2γ in leukocyte-endothelial cell in 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小島光暁 論文審査担当者 主査森尾友宏 副査槇田浩史 清水重臣 論文題目 Novel role of group VIB Ca 2+ -independent phospholipase A 2γ in leukocyte-endothelial cell interactions: an intravital microscopic study in rat

More information

法医学問題「想定問答」(記者会見後:平成15年  月  日)

法医学問題「想定問答」(記者会見後:平成15年  月  日) 平成 28 年 5 月 26 日 肺がんに対する新たな分子標的治療を発見! 本研究成果のポイント 肺がんのうち 5% 程度を占める KRAS( 1) 遺伝子変異肺がんは, 上皮間葉移行 ( 2) 状態により上皮系と間葉系の 2 種類に分類される KRAS 遺伝子変異を有する肺がんに対し現在臨床試験中の MEK 阻害薬は, 投与後に細胞表面受容体を活性化することにより効果が減弱され, 活性化される細胞表面受容体は上皮間葉移行状態により異なる

More information

複製 転載禁止 The Japan Diabetes Society, 2016 糖尿病診療ガイドライン 2016 CQ ステートメント 推奨グレード一覧 1. 糖尿病診断の指針 CQ なし 2. 糖尿病治療の目標と指針 CQ なし 3. 食事療法 CQ3-2 食事療法の実践にあたっての管理栄養士に

複製 転載禁止 The Japan Diabetes Society, 2016 糖尿病診療ガイドライン 2016 CQ ステートメント 推奨グレード一覧 1. 糖尿病診断の指針 CQ なし 2. 糖尿病治療の目標と指針 CQ なし 3. 食事療法 CQ3-2 食事療法の実践にあたっての管理栄養士に 糖尿病診療ガイドライン 2016 1. 糖尿病診断の指針 2. 糖尿病治療の目標と指針 3. 食事療法 CQ3-2 食事療法の実践にあたっての管理栄養士による指導は有効か? 食事療法の実践にあたって, 管理栄養士による指導が有効である. 4. 運動療法 CQ4-2 2 型糖尿病患者に運動療法は有効か? 有酸素運動が, 血糖コントロール インスリン抵抗性 心肺機能 脂質代謝を改善し, 血圧を低下させる.

More information

研究背景 糖尿病は 現在世界で4 億 2 千万人以上にものぼる患者がいますが その約 90% は 代表的な生活習慣病のひとつでもある 2 型糖尿病です 2 型糖尿病の治療薬の中でも 世界で最もよく処方されている経口投与薬メトホルミン ( 図 1) は 筋肉や脂肪組織への糖 ( グルコース ) の取り

研究背景 糖尿病は 現在世界で4 億 2 千万人以上にものぼる患者がいますが その約 90% は 代表的な生活習慣病のひとつでもある 2 型糖尿病です 2 型糖尿病の治療薬の中でも 世界で最もよく処方されている経口投与薬メトホルミン ( 図 1) は 筋肉や脂肪組織への糖 ( グルコース ) の取り 糖尿病治療薬の作用標的タンパク質を発見 ~ 新薬の開発加速に糸口 ~ 名古屋大学大学院理学研究科 ( 研究科長 : 松本邦弘 ) 脳神経回路研究ユニットのユ ( 注ヨンジェ特任准教授らの日米韓国際共同研究グループは この度 2 型糖尿病 1) の治療薬が作用する新たな標的分子を発見しました この2 型糖尿病は 糖尿病の約 9 割を占めており 代表的生活習慣病のひとつでもあります 2 型糖尿病の治療薬としては

More information

<4D F736F F D DC58F4994C A5F88E38A D91AE F838A838A815B835895B68F FC189BB8AED93E089C82D918189CD A2E646F63>

<4D F736F F D DC58F4994C A5F88E38A D91AE F838A838A815B835895B68F FC189BB8AED93E089C82D918189CD A2E646F63> 神経ストレスが胃がんの進行を加速させるメカニズムを解明 新たな治療標的に 1. 発表者 : 早河翼 ( 東京大学医学部附属病院消化器内科助教 ) 小池和彦 ( 東京大学医学部附属病院消化器内科 / 東京大学大学院医学系研究科内科学専攻消化器内科学教授 ) 2. 発表のポイント : 胃がんが進行する過程で がん細胞が異常な神経細胞を呼び寄せ 集まった神経細胞からのストレス刺激が増えることで ストレスを受けた胃がん細胞がさらに成長するという

More information

わが国における糖尿病と合併症発症の病態と実態糖尿病では 高血糖状態が慢性的に継続するため 細小血管が障害され 腎臓 網膜 神経などの臓器に障害が起こります 糖尿病性の腎症 網膜症 神経障害の3つを 糖尿病の三大合併症といいます 糖尿病腎症は進行すると腎不全に至り 透析を余儀なくされますが 糖尿病腎症

わが国における糖尿病と合併症発症の病態と実態糖尿病では 高血糖状態が慢性的に継続するため 細小血管が障害され 腎臓 網膜 神経などの臓器に障害が起こります 糖尿病性の腎症 網膜症 神経障害の3つを 糖尿病の三大合併症といいます 糖尿病腎症は進行すると腎不全に至り 透析を余儀なくされますが 糖尿病腎症 2009 年 4 月 27 日放送 糖尿病診療における早期からの厳格血糖コントロールの重要性 東京大学大学院医学系研究科糖尿病 代謝内科教授門脇孝先生 平成 19 年糖尿病実態調査わが国では 生活習慣の欧米化により糖尿病患者の数が急増しており 2007 年度の糖尿病実態調査では 糖尿病が強く疑われる方は 890 万人 糖尿病の可能性が否定できない方は 1,320 万人と推定されました 両者を合計すると

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 26 (2012) 143. 間葉系幹細胞を用いた細胞治療法の開発 小澤敬也 Key words: 間葉系幹細胞,GVHD, 免疫制御, 腫瘍集積性, 癌遺伝子治療 自治医科大学医学部内科学講座 ( 血液学部門 ) 緒言骨髄の中には造血幹細胞と間葉系幹細胞 (MSC : mesenchymal stem cell) という二つの体性幹細胞が存在し, 造血システムを維持する上で両者が重要な役割を果たしている.MSC

More information

生活習慣病の増加が懸念される日本において 疾病の一次予防はますます重要性を増し 生理機能調節作用を有する食品への期待や関心が高まっている 日常の食生活を通して 健康の維持および生活習慣病予防に努めることは 医療費抑制の観点からも重要である 種々の食品機能成分の効果について数多くの先行研究がおこなわれ

生活習慣病の増加が懸念される日本において 疾病の一次予防はますます重要性を増し 生理機能調節作用を有する食品への期待や関心が高まっている 日常の食生活を通して 健康の維持および生活習慣病予防に努めることは 医療費抑制の観点からも重要である 種々の食品機能成分の効果について数多くの先行研究がおこなわれ 大豆由来成分による脂質代謝改善効果と その分子作用機構の解明 奈良女子大学研究院生活環境科学系食物栄養学領域 井上裕康 生活習慣病の増加が懸念される日本において 疾病の一次予防はますます重要性を増し 生理機能調節作用を有する食品への期待や関心が高まっている 日常の食生活を通して 健康の維持および生活習慣病予防に努めることは 医療費抑制の観点からも重要である 種々の食品機能成分の効果について数多くの先行研究がおこなわれているが

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 26 (2012) 170. 加齢が早産を誘発する分子機序の解明 廣田泰 Key words: 早産,p53, 細胞老化,mTOR,p21 東京大学医学部産婦人科 緒言近年の社会 教育 経済環境やライフスタイルの変化によって,30 代後半で挙児希望を持つ女性が増加し, 出産年齢の高齢化が進んでいる.35 歳以上の高齢妊娠は早産のハイリスク群である. しかしながら高齢妊娠に伴う早産のメカニズムについてはほとんど判っていない.

More information

Powered by TCPDF ( Title 非アルコール性脂肪肝 (NAFLD) 発症に関わる免疫学的検討 Sub Title The role of immune system to non-alcoholic fatty liver disease Author

Powered by TCPDF (  Title 非アルコール性脂肪肝 (NAFLD) 発症に関わる免疫学的検討 Sub Title The role of immune system to non-alcoholic fatty liver disease Author Powered by TCPDF (www.tcpdf.org) Title 非アルコール性脂肪肝 (NAFLD) 発症に関わる免疫学的検討 Sub Title The role of immune system to non-alcoholic fatty liver disease Author 入江, 潤一郎 (IRIE, JUNICHIRO) Publisher Publication year

More information

様式)

様式) 研究報告書 研究課題名 : 細胞膜脂質による分裂軸方向の制御とがん化に伴う変化 ( 研究領域 : 代謝と機能制御 ) 研究者氏名 : 豊島文子 ( 研究期間 : 2005 年 10 月 1 日 ~ 2009 年 3 月 31 日 ) 研究報告書 1. 研究課題名細胞膜脂質による分裂軸方向の制御とがん化に伴う変化 2. 氏名豊島文子 3. 研究のねらい生物が卵からその固有の形を作っていく過程では 個々の細胞が一定の軸方向に沿って分裂する現象が重要な役割を果たす

More information

研究目的 1. 電波ばく露による免疫細胞への影響に関する研究 我々の体には 恒常性を保つために 生体内に侵入した異物を生体外に排除する 免疫と呼ばれる防御システムが存在する 免疫力の低下は感染を引き起こしやすくなり 健康を損ないやすくなる そこで 2 10W/kgのSARで電波ばく露を行い 免疫細胞

研究目的 1. 電波ばく露による免疫細胞への影響に関する研究 我々の体には 恒常性を保つために 生体内に侵入した異物を生体外に排除する 免疫と呼ばれる防御システムが存在する 免疫力の低下は感染を引き起こしやすくなり 健康を損ないやすくなる そこで 2 10W/kgのSARで電波ばく露を行い 免疫細胞 資料 - 生電 6-3 免疫細胞及び神経膠細胞を対象としたマイクロ波照射影響に関する実験評価 京都大学首都大学東京 宮越順二 成田英二郎 櫻井智徳多氣昌生 鈴木敏久 日 : 平成 23 年 7 月 22 日 ( 金 ) 場所 : 総務省第 1 特別会議室 研究目的 1. 電波ばく露による免疫細胞への影響に関する研究 我々の体には 恒常性を保つために 生体内に侵入した異物を生体外に排除する 免疫と呼ばれる防御システムが存在する

More information

No146三浦.indd

No146三浦.indd 三浦光一秋田大学大学院医学系研究科医学専攻腫瘍制御医学系消化器内科特任講師 非アルコール性脂肪性肝炎 ( 以下 NASH) はメタボリック症候群の肝臓での表現型とされ 肝硬変や肝臓癌へ進展する可能性のある疾患である 近年 NASH 患者数は増加傾向にあり 今後重要な健康問題となると予想されるが いまだ有効な治療法は少ない NASH 発症メカニズムに関して不明な点が多いことから その解明が有効な治療法の開発につながると考えられる

More information