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1 非 臨 床 分 野 のデータ 解 析 に 関 する 新 たな 統 計 教 育 の 実 践 1) 研 究 所 の 統 計 解 析 環 境 の 変 遷 と 最 近 の 教 育 活 動 について 本 田 主 税 小 野 薬 品 工 業 株 式 会 社 要 約 : 小 野 薬 品 研 究 所 では,1990 年 代 後 半 から 統 計 責 任 者 によるコンサルテーションなども 含 め 組 織 の 構 築, 統 計 環 境 の 整 備 を 行 ってきた.2000 年 頃 にこれらの 作 業 が 一 段 落 し, 一 般 研 究 員 による 統 計 作 業 部 会 に 移 行 したが,ソフトウェアの 動 作 環 境 の 維 持,SOP の 見 直 し, 過 去 の 質 問 を Q&A 集 にまとめることで 精 いっぱいで, 解 析 技 術 のキャッチアップや 統 計 教 育 の 実 施 が 困 難 になった.そこ で,2007 年 より 統 計 責 任 者 を 再 配 置 し, 位 置 づけと 業 務 を 明 確 にして 勉 強 支 援 やコンサルテーショ ン 活 動 を 開 始 した.また,2008 年 からは 研 究 員 の 統 計 的 思 考 力 向 上 を 目 指 して, 研 究 部 の 全 体 会 議 を 利 用 した 短 時 間 の 定 期 教 育 を 開 始 するとともに, 教 育 資 料 を 関 係 資 料 と 共 に 一 元 的 に 集 約 し, 容 易 に 検 索 できるようにした. 更 にこれらの 成 果 を 踏 まえ,2014 年 に 分 野 ごとにデータ 解 析 の 勉 強 サークル 活 動 を 立 ちあげ,そのツールとして 2015 年 からデータと 対 話 的 に 解 析 ができる JMP の 本 格 導 入 を 始 めた. 今 後 の 課 題 としては,サークル 活 動 を 通 して 研 究 者 の 中 核 となる JMP スーパーユー ザーを 育 成 するとともに,ガイドや SOP の 整 備 を 進 めることがあげられる. キーワード: 統 計 的 思 考 力, 人 材 育 成,JMP,データ 解 析 サークル, 統 計 検 定,つなぐ つなげる 目 次 1. 本 日 の 発 表 内 容, 動 機 統 計 解 析 環 境 の 変 遷 ( 過 去, ) 統 計 専 任 者 の 業 務 コンサルテーション 定 期 教 育 更 なる 統 計 教 育 活 動 の 展 開 質 疑 応 答

2 第 16 回 定 例 会 会 議 名 など 研 究 所 の 統 計 解 析 環 境 の 変 遷 と 最 近 の 教 育 活 動 について 2015 年 6 月 6 日 小 野 薬 品 工 業 株 式 会 社 研 究 本 部 本 田 主 税 当 社 研 究 所 の 非 臨 床, 特 に 非 GLP の 薬 理 部 門 の 統 計 解 析 環 境 の 変 遷 を 紹 介 し, 最 近 の 統 計 教 育 活 動 について 報 告 する. 2

3 過 去 未 来 本 日 の 発 表 内 容 過 去 の 当 社 研 究 所 の 統 計 環 境 2004 年 から までの 変 遷 薬 効 薬 理 試 験 の 標 準 解 析 環 境 統 計 業 務 専 任 者 の 設 置 いつでもだれでも 気 軽 に 相 談 できるコンサル 窓 口 ボトムアップ 統 計 教 育 目 的 に 沿 った 試 験 計 画 と 解 析 を データ 解 析 サークルの 設 置 運 営 部 門 横 断 的 な 教 育 活 動 へ JMP 年 間 ライセンスの 導 入 今 後 の 課 題 展 望 2/34 発 表 者 の 私 的 な 見 解 を 含 むことをご 了 承 ください 当 社 研 究 所 の 統 計 環 境 の 過 去 からの 流 れを 示 す.なお, 発 表 の 都 合 上, 過 去 未 来 の 時 系 列 が 多 少 前 後 したり, 発 表 者 の 個 人 的 見 解 も 含 んでいる. 3

4 過 去 過 去 の 研 究 所 の 統 計 解 析 環 境 ~2000 年 薬 事 法 信 頼 性 基 準 に 対 応 できる 組 織 の 構 築, 解 析 環 境 (SOP,ソフトウェア 整 備 ) 完 了 統 計 担 当 者 によるコンサルテーションも 実 施 2000 年 ~ 統 計 作 業 部 会 設 置 統 計 専 任 者 は 不 在 となり 研 究 員 が 統 計 解 析 環 境 を 維 持 する 体 制 に 3/34 研 究 所 の 過 去 の 統 計 解 析 環 境 について,2000 年 以 前 と 以 降 に 分 けて 示 す 年 代 後 半 から 2000 年 にかけ,ICH の 安 全 性 ガイドライン,ガイダンスが 整 備 されるタイミング で, 国 内 製 薬 企 業 の 統 計 解 析 環 境 が 整 備 された. 当 社 もこの 頃 専 任 の 統 計 担 当 者 を 設 置 し, 本 格 的 に 見 直 しを 行 った. この 作 業 が 落 ち 着 いた 2000 年 頃, 統 計 環 境 が 整 ったと 解 釈 され, 研 究 本 部 から 統 計 専 任 者 が 不 在 となった. 以 後, 一 般 研 究 員 が 構 築 した 環 境 を 維 持 する 体 制 に 移 行 した. 4

5 過 去 SAS Forumユーザー 会 学 術 総 会 2004 特 別 セッション 前 臨 床 実 験 データの 統 計 解 析 をいかに 検 証 するのか タイトル 資 料 の 内 容 ダウンロード/リンク セッションのねらい 中 外 製 薬 株 式 会 社 高 橋 行 雄 発 表 時 PPT ZIP (21KB) 適 切 な 統 計 解 析 の 普 及 活 動 三 菱 ウェルファーマ 株 式 会 社 橋 本 敏 夫 発 表 時 PPT ZIP (115KB) 安 全 性 試 験 での 取 り 組 み 日 本 化 薬 株 式 会 社 半 田 淳 発 表 時 PPT ZIP (166KB) 薬 理 試 験 におけるSAS 前 臨 床 パッケージの 活 用 大 正 製 薬 株 式 会 社 大 月 浩 発 表 時 PPT ZIP (360KB) 前 臨 床 試 験 における 取 り 組 みとEXSASの 活 用 大 鵬 薬 品 工 業 株 式 会 社 岡 山 佳 弘 発 表 時 PPT ZIP (165KB) JMPの 活 用 : 薬 理 試 験 における 取 り 組 み 第 一 製 薬 株 式 会 社 本 田 小 吉 吉 池 通 晴 発 表 時 PPT ZIP (42KB) 前 臨 床 試 験 データ 統 計 解 析 の 信 頼 性 保 証 三 菱 ウェルファーマ 株 式 会 社 阿 部 いくみ 発 表 時 PPT ZIP (103KB) 適 切 な 統 計 手 法 の 選 択 と 統 計 解 析 結 果 の 信 頼 性 株 式 会 社 アーム 山 本 典 子 発 表 時 PPT ZIP (207KB) 前 臨 床 試 験 におけるデータの 正 確 性 の 確 保 株 式 会 社 タクミ インフォメーション テクノロジー 佐 藤 耕 一 発 表 時 PPT ZIP (38KB) 前 臨 床 実 験 データの 統 計 解 析 をいかに 検 証 するのか - 指 定 討 論 東 京 理 科 大 学 浜 田 知 久 馬 指 定 討 論 PPT ZIP (504KB) 上 記 10ファイル 一 括 ダウンロード ZIP (1717KB) 報 告 集 ご 所 属 等 は 当 時 のもの 4/ 年,SAS Forum 学 術 年 会 の 特 別 セッションの 発 表 タイトルを 示 す.テーマが 前 臨 床 と 実 験 データの 統 計 解 析 はいかに 検 証 するか となっているのは,この 当 時 話 題 の 中 心 が 統 計 解 析 の 検 証 に 移 っていたためである. 安 全 性 試 験 関 係 の 決 定 樹 を 中 心 とした 解 析 手 順 が 定 着 しており, 前 臨 床 分 野 の 統 計 についてまとまった 議 論 を 交 わす 場 が 少 なくなっていた. 5

6 過 去 特 別 セッションの 話 をまとめると SAS Forum ユーザー 会 学 術 総 会 /34 出 典 このセッションを 一 言 でまとめると, 指 定 討 論 者 の 浜 田 知 久 馬 先 生 の 発 表 資 料 一 枚 におさまる.す なわち, 正 しいデータについて,バリデートされたソフトウェアを 用 い, 適 切 な 統 計 手 法 を 適 切 な 手 順 で 解 析 し,その 履 歴 が 示 され, 信 頼 性 保 証 をうけていること. である.これは, 規 制 当 局 に 試 験 の 根 拠 資 料 を 提 示 するための 要 件 であるともいえる. この 後, 浜 田 先 生 から 次 の 問 題 をいくつかの 事 例 で 示 された.つまり,いくらソフトウェアが 正 しく 動 作 しても, 使 い 方 を 間 違 えれば, 誤 った 結 論 解 釈 を 導 く 危 険 があることを 認 識 すべきということであ る. でも 参 考 になるので, 下 記 に 公 表 されている 資 料 を 熟 読 されることをお 勧 めする. 6

7 過 去 次 に 考 えていくべきことは? SAS Forum ユーザー 会 学 術 総 会 /34 出 典 更 に, 研 究 所 に 統 計 学 が 分 かる 人 がいることが 望 ましいが, 生 物 統 計 家 が 不 足 しており, 社 会 人 を 対 象 とした 教 育 コースが 設 置 されていることが 紹 介 された. 誤 った 解 析 を 防 ぐには, 研 究 員 が,い つでも 生 物 統 計 家 と 協 働 できる 体 制 を 作 ることが 理 想 だということであろう. 7

8 過 去 公 開 資 料 を 読 んで 私 が 思 ったこと( 当 時 ) 他 社 の 対 応 と 当 社 の 対 応 に 大 差 はない 浜 田 先 生 のコメントに 共 感 と 危 機 感 研 究 所 にも 一 人 位 は,まともに 統 計 学 がわかる 人 がいないと 不 安 ツールがいくら 素 晴 らしくても 使 い 方 を 誤 れば 大 変 なことになる 実 験 技 術 が 進 歩 するのと 同 様 解 析 技 術 も 進 歩 する 実 験 はプロ 解 析 は 素 人 という 構 図 は 成 り 立 たない 発 表 当 日 は 会 社 で 実 験 してました 7/34 いつまでも 専 任 者 不 在 のままではいられないだろう 本 セッションの 公 開 資 料 から, 当 時 の 他 社 の 対 応 は 当 社 と 大 きく 違 わないが, 浜 田 先 生 の 指 摘 に 共 感 すると 共 に 対 応 することの 大 変 さに 危 機 感 を 覚 えた.というのも, 当 時 の 当 社 では, 解 析 技 術 を 習 得 することが 自 分 の 研 究 にとって 必 要 不 可 欠 と 認 識 している 研 究 者 は 稀 であり, 統 計 解 析 に 指 摘 がつかないよう,その 分 野 で 一 般 に 使 われている 統 計 手 法 で 機 械 的 に 統 計 処 理 することで 十 分 と 考 えていた 研 究 者 の 方 が 多 かったからである. その 後, 計 算 機 性 能 の 向 上 に 伴 い, 昔 は 容 易 にできなかった 解 析 が PC レベルで 可 能 となってき た.また, 臨 床 試 験 などでは 様 々な 事 例 について 最 適 な 統 計 解 析 の 研 究 が 進 んでおり,それらをキ ャッチアップできていないということは, 得 られたデータの 持 つ 実 験 的 意 義 を 十 分 に 引 き 出 せない 解 析 を 知 らず 知 らずのうちに 行 ってしまうリスクが 高 まるといえるであろう.これを 放 置 しておくことは 会 社 にとって 不 利 益 をもたらす 危 機 的 な 状 況 であり, 専 任 者 を 置 くことが 必 要 であると 考 えた. 8

9 過 去 2004 年 研 究 所 の 統 計 解 析 体 制 組 織 = 統 計 作 業 部 会 製 剤 安 全 性 動 態 探 索 部 門 はオブザーバー 役 割 分 担 代 表 一 般 研 究 員 で 構 成 専 任 者 不 在 主 体 部 門 薬 効 薬 理 イメージ 部 会 運 営, 上 位 委 員 会 との 連 絡 8/34 研 究 所 統 計 専 門 家 ソフトウェア 管 理 担 当 事 例 集 積 担 当 統 計 教 育 コンサルテーション イグザス Prism 管 理 SOP 管 理 Q&A 集 の 作 成, 維 持 2004 年 当 時 の 当 研 究 所 の 統 計 解 析 体 制 について 示 す. 以 前 より 統 計 作 業 部 会 が 設 置 されてい たが, 統 計 解 析 の 先 任 者 は 不 在 となってしまったばかりでなく, 薬 効 薬 理 を 主 体 とし, 製 剤 安 全 性 薬 物 動 態 探 索 部 門 はオブザーバーとなっていた. 一 般 研 究 員 のボランティア 活 動 のため,ソフトウ ェアの 動 作 環 境 の 維 持,SOP の 見 直 し, 過 去 の 質 問 を Q&A 集 にまとめることで 精 いっぱいであり, 統 計 教 育 やコンサルテーションは 殆 どなされていなかった. 9

10 過 去 薬 効 薬 理 試 験 の 標 準 解 析 環 境 EXSUS<イグザス> ( 旧 名 EXSAS) バージョンアップ 時 に 数 値 当 てテスト 行 い, 報 告 書 を 作 成 仕 様 改 善 提 案, 代 替 手 段 も 講 じる GraphPad Prism (カーブフィットのみ) 学 会 報 告 によりPrismのフィッティング 性 能 に 問 題 がないことを 確 認 2003 年 度 統 計 関 連 学 会 連 合 大 会 D50 推 定 のためのソフトウエアの 評 価 ( 中 外 製 薬 高 橋 エーザイ 板 東 ) Microsoft EXCEL 四 則 演 算,データ 集 計 二 次 データは 解 析 実 施 者 の 責 任 で 作 成, 固 定 ( 紙 ベース) GLP, 治 験 薬 GMP 等 は 別 システム 9/34 ここで, 薬 効 薬 理 試 験 の 標 準 解 析 環 境 について 示 す.2004 年 当 時 から まで 統 計 解 析 の 標 準 的 ツールとして EXSUS(イグザス; 旧 名 EXSAS,CAC エクシケア) 及 び GraphPad Prism(GraphPad Software, Inc., La Jolla, CA, USA)を 用 途 に 応 じて 使 用 しており, 集 計 や 簡 単 な 四 則 演 算 には Microsoft Excel も 使 用 している. 10

11 過 去 EXSUS<イグザス>( 旧 名 EXSAS) SAS による 解 析 簡 便 な 操 作 性 非 臨 床 試 験 データの 解 析 手 法 が 充 実 ユーザーのニーズが 反 映 され カスタマイズすることなく 使 い 易 いツールとなった 当 社 薬 効 薬 理 の 解 析 環 境 はEXSUSとともに 進 歩 グラフ,カーブフィット 機 能 が 少 ないのは 弱 点 だった 10/34 基 本 となる EXSUS は, 導 入 した 1998 年 頃 はベンチャーメイドのツールであった.2005 年 のユー ザー 会 が 発 足 前 後 から,ユーザーの 改 善 要 望 が 良 く 反 映 されるようになり, 使 い 易 くなるとともにバリ デーション 情 報 の 提 供 などもあり, 信 頼 性 も 向 上 した.グラフ 機 能 が 限 定 されており,カーブフィット 機 能 が 少 ないという 弱 点 もあったが, では 解 消 されてきている. 当 社 の 統 計 解 析 環 境 は EXSUS と ともに 進 歩 したと 言 っても 過 言 ではない.この 環 境 は も 継 続 している. 11

12 過 去 GraphPad Prism 11/34 薬 理 研 究 の 非 線 形 回 帰 の 定 番 柔 軟 なグラフ 機 能 ビルトインモデルが 豊 富 モデル 作 成 が 簡 便 モデル 比 較, 診 断 機 能 充 実 薬 理 研 究 者 が 生 み 出 したソフトのため 細 部 にまでユーザー 指 向 が 貫 かれている 1 度 使 い 出 したら, 手 放 せない EXSUS の 弱 点 を 補 うために 導 入 した GraphPad Prism は, 薬 理 学 者 が 開 発 したユーザー 指 向 の 強 い 解 析 ツールである. 柔 軟 なグラフ 機 能 を 備 え, 様 々な 統 計 モデルが 簡 単 に 適 応 でき,モデル 比 較 や 診 断 機 能 が 充 実 している. 特 に, 非 線 形 回 帰 分 析 の 性 能 が 高 いため, 非 線 形 回 帰 分 析 の 標 準 ソ フトウェアに 設 定 している.この 環 境 は も 継 続 している. 12

13 過 去 2004 年 研 究 所 の 統 計 教 育 体 制 ( 続 ) 12/34 年 1 回 の 教 育 研 修 ( 約 30 分 )のみ スキルアップは 無 理 外 部 講 師 によるセミナーを 検 討 実 現 せず 対 象,レベル, 量, 期 間, 適 任 講 師, 効 果, 費 用? 統 計 学 の 基 礎, 周 辺 知 識 の 習 得 は 自 助 努 力 のみ 統 計 作 業 部 会 員 自 身 のスキルアップも 不 十 分 無 い 無 い 尽 くし 解 析 ツールの 選 定 や 維 持 管 理 は 比 較 的 容 易 であるが, 統 計 教 育,コンサルテーション 体 制 などの 支 援 環 境 を 体 系 化 するには 困 難 が 伴 う. 教 育 研 修 プログラム 立 案 や 外 部 講 師 を 招 いたセミナーを 企 画 した 際,あっさりと 頓 挫 した. 理 由 は, 教 育 コンサルテーションの 対 象 範 囲, 求 められるレベルや 量, 必 要 な 期 間, 誰 がやるのか,どこが 費 用 を 支 出 するのか,これらを 議 論 する 基 盤 がないためであっ た. 13

14 過 去 外 部 環 境 の 変 化 EXSASユーザー 会 の 発 足 (2005 年 10 月 ) アドバイザー 浜 知 久 先 東 京 理 科 学 発 起 / 世 話 : 保 典 帝 ファーマ 橋 本 敏 夫 三 菱 ウェルファーマ 平 篤 由 マルホ 本 吉 第 製 薬 事 務 局 : 本 典 アームシステックス 当 社 は 第 2 回 ユーザー 会 から 参 加 コミュニティの 一 員 となり, 交 流 の 重 要 性 を 実 感 13/34 ご 所 属 等 は 当 時 のもの この 頃, 外 部 環 境 に 少 しずつ 変 化 が 見 られた.いくつかの 前 臨 床 統 計 のコミュニティが 形 成 され, 同 業 他 社 との 情 報 意 見 交 換 により, 自 社 の 長 所, 短 所 が 明 確 になった.2005 年 にはアドバイザー に 東 京 理 科 大 学 の 浜 田 教 授 を 迎 えた EXSAS ユーザー 会 ( 現 :EXSUS ユーザー 会 )が 発 足 し, 当 社 も 第 2 回 から 参 加 している. 14

15 過 去 外 部 環 境 の 変 化 の 発 足 (2007 年 7 月 ) 14/34 巨 大 な 集 会 から お 互 いの 表 情 が 分 かる 距 離 に Give and Take の 関 係 がより 一 層 深 まるだろう また,2007 年 には が 発 足 した. 第 1 期 の 200 人 規 模 で 講 演 中 心 の 定 例 会 から,インターネットを 活 用 し,グループ 活 動 に 重 点 を 置 いた 活 動 を 行 うことがうたわれ, 会 員 同 士 の 距 離 が 縮 まることが 予 想 された. 今 後, 一 方 的 に 情 報 をもらう, 教 えを 乞 う 関 係 ではやっていけなく なるだろうと 考 えた. 15

16 過 去 統 計 業 務 専 任 者 設 置 までの 歩 み 2005 年 各 研 究 グループに 統 計 委 員 設 置 効 果 的 な 活 動 につながらなかった 素 人 が 何 人 集 まっても 素 人 2006 年 部 会 再 編 成 実 施 ( 私 が 代 表 となる) 小 さな 組 織 に 戻 し, 専 任 者 の 設 置 を 促 す 本 部 直 轄 QCユニットによる 計 画 書 レビュー 開 始 部 会 への 統 計 レビュー 依 頼 が 急 増 2007 年 専 任 設 置 を 本 部 提 案 統 計 業 務 専 任 者 設 置 が 実 現 統 計 作 業 部 会 を 解 散 15/ 年 に, 各 研 究 グループに 統 計 委 員 を 設 置 し, 統 計 作 業 部 会 の 活 性 化 を 目 指 しだが, 素 人 集 団 では 実 のある 活 動 ができないことが 分 かった.そこで 2006 年 に 部 会 を 再 編 成 し, 統 計 専 任 者 を 置 くための 活 動 にシフトした.QC ユニットによる 試 験 計 画 書 レビューが 開 始 されるなど, 内 部 環 境 の 変 化 もあり,2007 年, 統 計 業 務 専 任 者 の 設 置 が 実 現 したため, 統 計 作 業 部 会 を 解 散 した. 16

17 統 計 業 務 専 任 者 の 位 置 づけと 業 務 2007 年 8 月 ~ 研 究 本 部 直 轄 薬 効 薬 理 試 験 のQCユニット 内 に 設 置 計 画 書 報 告 書 レビュー ( 最 適 化 以 降 ) ガイドラインの 整 備 データ 解 析 コンサルテーション 定 期 教 育 の 実 施 ソフトウェアの 機 能 充 実 要 望 学 会 研 究 会,セミナー, 研 修 参 加 (キャッチアップ) 2011 年 11 月 ~ 研 究 総 務 部 門 に 業 務 移 管 薬 効 薬 理 試 験 の 縛 りをなくす 16/ 年 以 降 の 統 計 に 関 する 環 境 を 示 す. 薬 効 薬 理 試 験 の QC ユニットに 研 究 本 部 直 轄 の 統 計 業 務 専 任 が 設 置 されたことにより, 外 部 情 報 収 集,データ 解 析 コンサルテーション, 教 育 活 動 を 充 実 さ せることができるようになった. 統 計 業 務 専 任 者 は,より 専 門 性 の 高 い 解 析 技 術 を 学 び, 様 々な 場 面 で 応 用 するため,スキルアップに 努 めた.2011 年, 研 究 総 務 部 門 に 移 管 されたのを 機 に, 段 階 的 に 薬 効 薬 理 試 験 対 象 という 縛 りをなくしてきた. 17

18 17/34 データ 解 析 コンサルテーション 2007 年 8 月 ~ 目 的 :プロジェクトの 背 景 をヒヤリングしながら, 科 学 的 かつ 合 理 的 な 実 験 計 画 の 立 案 を 促 す 漠 然 とした 目 的 意 識 を 整 理 シンプルな 目 的 設 定 と 計 画 に 落 とし 込 む 筋 道 を 与 える いつでも (なんでも) 気 軽 に 相 談 できる 窓 口 適 切 な 実 験 デザインと 解 析 方 法 を 提 案 先 行 研 究 等 の 解 析 に 対 する 疑 問 を 解 消 解 析 手 法 の 特 性 を 理 解 させ, 誤 用 を 防 止 無 駄 な 試 験 を 減 らす 2012 年 より 全 研 究 所 から 相 談 を 受 け 付 ける 体 制 に データ 解 析 コンサルテーションについて 示 した.2007 年 8 月 より,プロジェクトの 背 景 をヒヤリングし ながら 科 学 的 かつ 合 理 的 な 実 験 計 画 の 立 案 を 促 す 目 的 で 開 始 した.これは OJT にもなっている. コンサルテーション 件 数 は 2011 年 位 をピークとし, 年 々 減 少 傾 向 にある. 教 育 活 動 の 成 果 として, 初 歩 的 な 質 問 が 減 った 結 果 であると 考 えている.2011 年 までは 主 に 薬 効 薬 理 分 野 の 相 談 を 行 って きたが,2012 年 より, 分 野 を 問 わずコンサルテーションを 実 施 している. 18

19 定 期 教 育 の 実 施 2008 年 3 月 ~ テーマ; モットー; 狙 い; 対 象 : 薬 効 薬 理 部 門 ( 約 180 名 ) 約 20 分 各 研 究 部 の 全 体 会 議 で 実 施 実 験 計 画,データ 解 析 関 連 飽 きさせない 短 時 間 で 効 果 的 なインプット ベテランにも 若 手 にも 役 立 つ 題 材 解 析 レパートリーを 増 やす 良 くある 質 問 を 平 易 に 解 説, 共 有 リーダー, 管 理 者 への 理 解 18/34 緩 やかなボトムアップを 期 待 定 期 教 育 の 実 施 について 示 した. 薬 効 薬 理 部 門 の 研 究 者 を 対 象 に, 原 則 としてリーダー, 管 理 者 が 出 席 する 各 研 究 部 の 全 体 会 議 で 実 施 する. 教 育 の 必 要 性 についてベテランに 肌 で 感 じてもらう 狙 いがある.また,FAQ は 事 例 集 化 せず,なるべく 一 般 化 して 話 をする. 薬 効 薬 理 試 験 は 非 定 型 的 で あり, 事 例 集 に 掲 載 されている 方 法 がスタンダードになることを 防 止 するためである. 19

20 19/34 ガイドライン, 教 育 内 容 例 ( 社 内 HPより) ガイドラインや 教 育 内 容 の 例 とて 社 内 HP の 目 次 を 示 す. 教 育 資 料 は, 関 係 資 料 と 共 に 一 元 的 に 集 約 し, 容 易 に 検 索 できるようにしている. 20

21 未 来 更 なる 教 育 活 動 の 展 開 データ 解 析 勉 強 サークル 設 置 運 営 (2014 年 ~) 教 育 が 必 要 なのは 薬 理 部 門 だけではない 本 格 的 な 勉 強 がしたいというニーズへの 対 応 サークル 薬 効 安 全 性 CMC メタボロ 薬 理 薬 理 (ものつくり) ミクス 9 人 4 人 5 人 3 人 20/34 ナビゲーター 1 人 CMC : Chemistry Manufacturing Control 2014 年 度 からの 更 なる 教 育 活 動 について 示 す.7 年 にわたり, 主 に 薬 効 薬 理 分 野 にてコンサル テーションや 教 育 活 動 を 行 ってきたが,より 発 展 的 で, 多 分 野 に 渡 る 教 育 活 動 が 必 要 と 考 え 開 始 し た. なお,サークルのナビゲーター= 統 計 専 任 者 である.アシスタントはいない. 21

22 未 来 サークル 設 置 のモチベーション 研 究 員 のデータ 解 析 力 を 上 げたい ボトムアップ 教 育 ( 新 人 など)を 行 いたい コンサルやセミナー 実 施 により,データ 解 析 で 迷 子 になる 機 会 は 減 ったが, 危 機 感 も 減 った 踏 み 込 み 不 足 を 実 感 21/34 勉 強 したい/させたい 声 が 現 場 から 聞 こえてきた 現 場 自 ら 一 歩 前 を 目 指 している 以 前 から, 研 究 員 がデータ 分 析 解 析 力 をつければ 研 究 の 質 や 仕 事 の 効 率 は 上 がると 考 えていた のサークル 活 動 について, 設 置 のモチベーションを 示 す. 定 期 教 育 やコンサルテーションだ けでは 研 究 員 個 人 のレベルアップが 困 難 のため, 別 途 のアクティブラーニングが 必 要 だと 判 断 した. 幸 い, 勉 強 したい/させたいという 声 が 現 場 から 上 がっており,サークルによるボトムアップを 考 えた. 22

23 未 来 こんな 場 面 を 一 つでもなくしたい 先 行 研 究 の 解 析 が 分 からな 面 白 いデータ 出 て 変 な 解 析 結 果 出 た いよ. 変 じゃないか 見 て. るっぽいんだけど んだけど, なぜ? 次 の 実 験 開 始 が 決 まってい 解 析 どうやんの? 僕 がわかるように て 時 間 ないんだよ 考 えてよ 教 えてよ 22/34 共 同 研 究 先 の 解 析 が 妥 当 か 見 て. 実 験 条 件 詳 しく 知 らないんだけど なんとかなるよね その 場 しのぎではダメ 長 い 目 で 見 れば 研 究 効 率 は 上 がらない そのことに, 現 場 が 気 づき 始 めた 場 当 たり 的 な 解 決 は 一 見 効 率 的 なようだが, 長 い 目 で 見 れば 研 究 員 の 解 析 のレベルアップをあま り 促 進 しないか,むしろ 阻 害 していると 思 われる.そのことに 研 究 者 自 ら 気 づき,もっと 各 自 の 解 析 ス キルを 上 げるべきだと 声 を 上 げ 始 めた. 23

24 未 来 勉 強 サークルを 作 ろうと 考 えた 的 確 な 計 画 立 案 & 解 析 能 力 は 研 究 者 が 具 備 すべき 要 件 統 計 学 は 科 学 の 言 語 だが, 簡 単 には 身 につかない 自 分 で 筋 道 をつけられる 程 度 に 勉 強 する 必 要 がある 独 学 は 非 効 率 でモチベーションが 保 てない 座 学 では 考 える 力 がつかない 相 互 に 学 びあう 環 境 があれば, 個 々の 力 が 伸 ばせる 敷 居 を 上 げたくない 23/34 サークルにしよう 一 方 的 な 座 学 だけでは,レベルアップできるだけの 学 習 量 には 到 達 しない. 統 計 学 の 独 学 は 困 難 を 伴 う. 一 緒 に 学 び 合 い, 教 え 合 う 環 境 が 必 要 である.そこで,サークル 活 動 を 発 足 させることにし た. 24

25 未 来 効 果 的 な 教 育 を 行 うための 要 素 宿 題 の 質 と 量 を 確 保 し, 本 物 に 挑 戦 する 国 立 保 健 医 療 科 学 院 専 門 課 程 II II 生 物 統 計 学 丹 後 俊 郎 先 生 2009 年 EXCEL 演 習 で 必 要 な 数 理 知 識 を 積 上 げる 医 薬 品 開 発 のための 統 計 解 析 講 座 芳 賀 敏 郎 先 生 2007 年 目 標 を 持 って 粘 り 強 く 取 り 組 む 中 外 製 薬 における 品 質 管 理 教 育 JMPer s meeting 高 橋 行 雄 氏 2008 年 反 転 授 業 Flipped Classroom で 一 方 通 行 をなくす 事 前 課 題 ( 個 人 グループ 演 習 ) サークル 討 議 で 学 び 合 う Lecture ナビゲーター = 事 務 局 + 教 師 +フォロワー 教 材 受 験 料 は 経 費, 勉 強 は 業 務 稟 議 起 案, 各 部 門 長 への 説 明, 調 整 宿 題 作 成, 採 点, 勉 強 テーマの 共 同 選 定 方 向 付 け, 励 まし, 促 し, 協 働 ( 松 本 一 彦 氏 ) 24/34 効 果 的 な 教 育 を 行 うための 要 素 を 列 挙 すると, 本 物 に 挑 戦 する Excel を 解 析 手 段 として 手 と 頭 を 動 かして 体 得 する 目 標 を 持 って 粘 り 強 く 取 り 組 む アクティブラーニングの 手 法 ( 反 転 授 業 )で 一 方 通 行 をなくす 事 務 局 + 教 師 +フォロワーの 役 割 りを 担 うナビゲーターを 設 置 する これらは, 丹 後 俊 郎 先 生, 芳 賀 敏 郎 先 生 の 教 え, 高 橋 行 雄 氏 の 公 開 する 膨 大 な 学 習 資 料 やノウ ハウ, 松 本 一 彦 氏 のパッションに 影 響 を 受 けている. 教 科 書 を 読 んでいるだけ,トレースするだけの 勉 強 会 は 長 続 きしないし, 力 もつかない. 学 習 者 の 意 欲 をかきたてるには,ナビゲーターの 解 析 素 養,パッションが 重 要 である.それ 相 応 の 準 備 と 工 夫 が 必 要 であった.ナビゲーターはサークル 運 営 に 必 要 な 事 務 作 業 をこなし, 時 に 教 師 となり, 方 向 性 を 見 失 わないために,サークル 全 体 をコントロールする 必 要 もある. 上 から 目 線 にならず,フォロワー の 姿 勢 で 臨 むことも 重 要 である. 25

26 25/34 未 来 全 てのサークルに 共 通 の 教 材 + EXCEL 演 習 学 んだ 知 識 を 応 用 するには 適 切 なツールが 必 要 探 索 的 データ 解 析 にはJMP 知 らないと 時 間 を 浪 費 するであろう データ 解 析 の 基 礎 的 知 識 習 得 には, 全 サークルで 共 通 の 教 材 医 薬 品 開 発 のための 統 計 解 析 芳 賀 敏 郎 著,サイエンティスト 社 を 使 用 することにし, 統 計 ツールとして JMP (SAS Institute Inc., Cary, NC, USA)と Excel を 選 定 した. 以 下, 活 動 中 の 4 つのサークル 活 動 の 概 要 を 紹 介 する. JMP は 強 力 な 解 析 エンジンであることが 知 られているため, 詳 細 は 割 愛 する.JMP を 導 入 する 利 点 は 後 で 述 べる. 26

27 26/34 未 来 内 容 紹 介 1 薬 効 薬 理 解 析 サークル 活 動 期 間 2014 年 6 月 ~ 3 年 3 研 究 部 ( 創 薬 研, 探 索 研,オンコロジー 研 ) 2 拠 点 9 名 統 計 的 思 考 力 を 伴 った 自 考 力 の 向 上 多 様 な 分 野 と 協 働 するための 幅 広 い 学 習 スローガン オリジナリティーの 高 い 医 薬 品 を 生 み 出 すために 解 析 知 識 と 技 術 を 身 に 付 けよう 科 学 的 思 考 力 を 高 め, 創 薬 をリードしていこう できそうなこと 臨 床 論 文 を 読 みこなしてテーマ 提 案 の 力 とする 効 率 よく 実 験 を 組 みたて,テーマをたくさん 回 す Decision makingに 役 立 てる 薬 効 薬 理 解 析 サークルの 活 動 内 容 を 示 す.データ 解 析 の 知 識 をつけることは 統 計 的 思 考 力 の 向 上,さらには 研 究 の 競 争 力 につながると 考 えている. 27

28 27/34 未 来 内 容 紹 介 1 薬 効 薬 理 解 析 サークル 1 年 目 の 学 習 コンテンツ 論 理 的 思 考 データをみる 目 統 計 基 礎 疫 学 概 論 頻 度 の 比 較 交 絡 因 子 の 調 整 ストリーミング 講 義 + プリント 解 析 演 習 例 ポアソン 分 布 に 従 う 事 象 の 推 測 重 回 帰 分 析 Fitness.jmp ロジスティック 回 帰 分 析 Low Birth Weight Study Hosmer and Lemeshow, Applied Logistic Regression 1989 学 習 成 果 の 定 着 2 級 受 験 予 定 (2015 年 6 月 21 日 ) 5 月 実 施 模 試 平 均 76 SD 10 学 習 達 成 度 は 平 均 的 に 高 い 薬 効 薬 理 の 研 究 員 は, 多 様 な 分 野 の 社 員 と 議 論 する 必 要 がある.そのため, 学 習 内 容 は 統 計 学 に 限 定 していない.また,1 年 間 で 学 んだ 統 計 学 的 知 識 の 定 着 を 図 るため, 統 計 検 定 2 級 に 合 格 す ることを 目 標 としている. 模 擬 試 験 の 結 果 は 良 好 で, 学 習 達 成 度 は 平 均 的 に 高 いことがわかる.( 結 果 : 受 験 者 全 員 合 格 2015 年 7 月 ) 28

29 28/34 未 来 内 容 紹 介 2 安 全 性 薬 理 解 析 サークル 活 動 期 間 2014 年 8 月 ~ 1 年 半 1 研 究 部 ( 安 全 研 ) 1 拠 点 4 名 大 動 物 QT/QTc 試 験 の 解 析 の 問 題 が 注 目 され, 精 力 的 に 検 討 する 潮 流 がある 最 新 の 解 析 手 法 を キャッチアップするため, 体 制 を 構 築 しよう 完 了 4 実 施 中 適 宜 使 用 予 定 Design and and Analysis of of Cross Over Trials, 3rd 3rd Ed. Ed. Byron Jones, Michael G. G. Kenward CRC CRC Press 安 全 性 薬 理 解 析 サークルの 内 容 を 示 す. 安 全 性 薬 理 の 勉 強 会 は,テレメトリー 解 析 を 行 うための 基 礎 的 学 習 を 行 う. 29

30 29/34 未 来 内 容 紹 介 3CMC 解 析 サークル 活 動 期 間 2014 年 11 月 ~ 2 年 半 CMC 生 産 本 部 (CMC 企 画, 製 剤 研, 合 成 研, 分 析 研 ) 3 拠 点 5 名 実 験 計 画 をより 合 理 的 に 実 務 に 精 通 した 皆 さんが コンサルタントとなり, 新 たな 文 化 を 創 っていこう 目 指 せQC 検 定 1 級 を 看 板 に 発 展 的 解 析 技 術 を 学 ぶ CMC 研 究 に 新 たな 風 を 吹 かすためTQMに 精 通 しよう TQM : Total Quality Management TQM 学 習 受 験 対 策 応 答 曲 面 品 質 工 学 カスタム 計 画 Response Surface Methodology: Process and Product Optimization Using Designed Experiments, 3rd 3rd Ed. Ed. R H Myers, D C Montgomery et et al. al. Wiley 2009 Optimal Design of of Experiments: A Case Study Approach Peter Goos, Bradley Jones Wiley 2011 CMC 解 析 サークルの 活 動 内 容 を 示 す.CMC 生 産 部 門 については,ICH ガイドライン( 品 質 ) 対 応, 合 理 的 な 実 験 をするための 知 識 を 習 得 し, 社 内 コンサルタントになれるレベルを 目 指 す. 30

31 30/34 未 来 内 容 紹 介 4メタボロミクス 解 析 サークル 活 動 期 間 2014 年 11 月 ~ 1 年 半 2 研 究 部 1 拠 点 ( 探 索 研, 医 化 研 ) 3 名 解 析 技 術 の 引 き 出 しを 広 げ 円 滑 な 業 務 応 用 を 目 指 す 自 分 の 力 でトランスレーショナルサイエンスしよう! 機 器 の 分 析 精 度 が 向 上 し,いろいろな 代 謝 物 が 測 れる ようになった.それに 比 べ, 解 析 技 術 が 追 いついていな い. 研 究 者 の 解 析 素 養 も 上 げる 必 要 がある. 使 用 予 定 完 了 多 変 量 解 析 を 種 々の 方 法 で 学 習 メタボロミクス 解 析 サークルの 活 動 内 容 を 示 す. 自 分 の 力 でトランスレーショナルサイエンスしようと いうキャッチフレーズの 下, 多 変 量 解 析 の 基 礎 を 固 め, 発 展 的 な 手 法 の 習 得 に 繋 げる. 31

32 31/34 未 来 JMP 年 間 ライセンスの 導 入 教 育 とツールは 車 の 両 輪 部 門 共 通 の 統 計 ツールがなかった 2015 年 4 月 ~ 年 間 ライセンス 導 入 決 定 サークルメンバー, 解 析 に 詳 しい 研 究 員 を ユーザーとする ( 費 用 対 効 果 ) ユーザー 管 理, 予 算 管 理 の 観 点 から 統 計 業 務 専 任 者 を ライセンス 管 理 者 とする 教 育 とツールは 車 の 両 輪 のような 関 係 である.どちらが 欠 けても, 良 い 解 析 はできない.Excel は 強 力 な 表 計 算 ツールである. 機 能 を 駆 使 すればかなりのことができるし, 計 算 原 理 をトレースすること に 適 している.しかし, 統 計 解 析 用 に 開 発 されたツールではなく, 必 要 に 応 じて 関 数 を 組 み 合 わせた りして 解 析 手 順 を 設 定 しなければならず, 時 間 を 浪 費 することもしばしば 起 こる.また,その 手 順 を 検 証 するためにバリデーションが 必 要 であり, 解 析 経 過 を 保 証 するための 記 録 保 管 も 大 変 である. そこで,データと 対 話 的 に 解 析 ができる JMP を 導 入 することとした. 高 度 な 解 析 に 限 らず, 手 間 の かかる 表 作 成 等 も JMP を 使 えば 一 瞬 で 終 わることもある. 作 業 に 追 われず, 研 究 者 に 最 も 重 要 な 考 える 時 間 を 確 保 するために,JMP は 一 役 買 ってくれる. 研 究 部 門 間 でデータをシェアするツールに もなる. 費 用 対 効 果 の 関 係 から, 導 入 初 年 度 の JMP ユーザーは,サークルメンバーと 解 析 に 詳 しい 研 究 員 に 限 定 している. 32

33 未 来 今 後 の 課 題 展 望 32/34 体 系 的 な 人 材 育 成 体 制 の 構 築 解 析 教 育 への 継 続 的 長 期 的 視 点 例 ) 電 機 自 動 車 関 連 業 技 術 力 の 根 幹 JMPの 業 務 活 用 EXSUS, GraphPad Prismとの 使 い 分 け JMPユーザーの 拡 大 と 育 成 今 後 の 課 題 としては,まず,サークル 活 動 は 開 始 したばかりで, 体 系 的 になっていないことがあげ られる. 運 営 を 重 ねることでブラッシュアップし,キャリアアッププランに 組 み 込 むことで, 自 動 車 業 界 のような 技 術 面 での 競 争 力 をつけることが 可 能 と 考 えている. 研 究 競 争 力 の 鍵 は, 人 材 育 成 である. 研 究 所 に 複 数 存 在 する 解 析 ツールの 使 い 分 けも 課 題 である. 定 型 的 な 解 析 に 対 しては, 一 貫 性 を 保 つため,ガイドや SOP が 必 要 となる. 33

34 未 来 結 びに スーパーユーザーの 育 成 スーパーユーザー ソフトウェアを 使 いこなすだけでなく, 実 験 計 画, 結 果 の 解 釈 を 含 め, 一 般 研 究 員 に 指 導 できるユーザー 求 められる 姿 勢 積 極 的 にデータ 解 析 を 勉 強 する 機 会 を 作 り, 応 用 的 な 解 析 にチャレンジする サークル 活 動 の 発 展 に 期 待 所 属 研 究 部 に 役 立 つ 研 修 を サークルメンバー 自 ら 作 る メンバーがナビゲーターとなり,2 期 目 のサークルを 作 る つなぐ,つなげる 33/34 今 後 の 展 望 として,データ 解 析 に 詳 しい 研 究 者 JMP のスーパーユーザーという 流 れを 作 りた い. 彼 らを 核 にして, 研 究 者 が 適 切 な 解 析 ツールを 使 って, 自 分 自 身 の 力 で 解 析 し 切 ることができる ように, 全 体 のレベルアップが 望 まれる.そのためには, 普 段 から 応 用 的 な 解 析 にチャレンジする 姿 勢,またその 機 会 を 与 える 環 境 を 維 持 することが 重 要 である. サークル 活 動 を 一 時 的 な 活 動 に 留 めずに, 輪 を 広 めていき, 新 たな 企 業 文 化 を 築 きあげ, 次 世 代 へ つなぐ つなげる 気 持 ちで 取 り 組 んでいきたい. 34

35 謝 辞 34/34 統 計 環 境 整 備 に 必 要 な 諸 事 に 御 教 示 下 さった 方 々に 御 礼 申 し 上 げます 元 東 京 理 科 大 学 芳 賀 敏 郎 先 生 医 学 統 計 学 研 究 センター 丹 後 俊 郎 先 生 東 京 理 科 大 学 浜 田 知 久 馬 先 生 Biostat 研 究 所 株 式 会 社 高 橋 行 雄 さん 田 辺 三 菱 製 薬 株 式 会 社 橋 本 敏 夫 さん 山 崎 亜 紀 子 さん 河 口 裕 さん 中 西 展 大 さん 第 一 三 共 株 式 会 社 本 田 小 吉 さん 吉 池 通 晴 さん キッセイ 薬 品 工 業 株 式 会 社 山 田 雅 之 さん 中 外 製 薬 株 式 会 社 久 力 洋 さん 現 体 制 を 構 築 する 上 で, 社 外 の 多 くの 方 々から 協 力 助 言 情 報 を 頂 いた.ここに 御 礼 申 し 上 げる. 35

36 質 疑 応 答 Q: サークルは 月 1 回 の 開 催 とのことだが, 業 務 で 得 た 生 データをもとしたディスカッショ ンになるのか. A: は 基 礎 力 の 涵 養 を 目 的 に 書 籍 ベースの 勉 強 をしている.ただし, 毎 回 の 課 題 で SOP ではなぜこの 統 計 方 法 を 指 定 しているのかなど,なるべく 実 務 に 絡 んだ 設 問 を 作 成 して いる.さらに, 授 業 間 にもつながりを 持 たせるよう 工 夫 している.1 年 間 で 基 礎 力 の 強 化 はほぼ 終 わったので, 今 後, 実 際 のデータをもとにした 応 用 的 な 題 材 を 取 り 上 げる 予 定 で,プランは 幾 つか 持 っている. Q: わたしのところでも 定 期 的 にセミナーを 開 いているが, 皆, 義 務 的 に 参 加 してはいるも のの,やる 気 がなくポーズだけの 人 が 多 く 見 受 けられる.サークル 参 加 者 の 皆 さんはど のようにしてモチベーションを 維 持 しているのか. A: 義 務 的 でなく, 完 全 立 候 補 制 の 自 主 的 な 活 動 であることが 大 きい. 薬 効 薬 理 のメンバーは, 何 度 も QC セミナーを 受 けるうちに 自 ら 興 味 と 危 機 感 を 覚 え, 自 らで 実 践 する 力 をつけたいとか, 分 からないことが 次 第 に 許 せなくなることが 継 続 の 力 になるのだと 思 う. 安 全 性 薬 理 のメンバーは, 研 究 会 で 議 論 されているテレメトリーの 解 析 方 法 の 最 新 情 報 をキャッチし, 自 らで 実 践 可 能 な 体 制 を 作 るというモチベーションで 始 動 している. CMC については, 合 成 研 や 製 剤 研 の 人 とは, 以 前 から 小 規 模 の 勉 強 会 をしていたが, それを 知 ったリーダーらがまとまった 教 育 機 会 の 提 供 依 頼 があり, 結 成 された. メタボロミクスのメンバーは 解 析 手 法 が 定 まらない 中, 古 典 的 な 多 変 量 解 析 の 原 理 等 について 知 り,モダンな 解 析 手 法 等 と 組 み 合 わせて, 自 分 の 力 で 業 務 応 用 したいと 若 手 が 立 ち 上 がった. 他 のサークルはベテランが 多 い 中, 全 員 が 若 手 である. いずれのサークルもメンバーがそれぞれに 目 的 意 識 を 持 っている. A に 対 するコメント: 分 からないという 事 実 に 対 して 危 機 感 を 覚 えることもモチベーション につながると 理 解 した. 今 後 はその 方 面 から 社 員 を 動 かしたいと 思 う. コメント: 意 欲 的 な 取 り 組 みだと 思 う. 本 格 的 な 教 育 サークル 活 動 をするのは, 一 部 の 企 業 に 限 られると 思 う. 本 発 表 を 聞 いて, 業 界 としての 対 応 を 考 えると,( 研 究 会 の 活 動 と して) 非 臨 床 の 統 計 解 析 教 育 コンテンツを( 各 社 研 究 所 拠 点 が 全 国 に 点 在 していること を 考 慮 して)e-learning 形 式 などで 提 供 し,オープン 化 して 体 系 的 なものとして 普 及 する などして, 業 界 全 体 のレベルアップを 考 えていく 必 要 性 を 感 じた. コメント:( 社 員 への 教 育 に 力 を 入 れている 企 業 例 として)トヨタ 等 では, 技 術 者 全 員 が 統 計 解 析 に 関 する 演 習 を 受 けている. 教 育 が 技 術 力 の 根 幹 であるという 展 望 に 賛 同 する.た だ, 自 動 車 業 界 といっても,ここまでやっているのはまだ 一 部 の 企 業 に 留 まっている. 製 薬 業 界 全 体 での 統 計 教 育 という 点 についてはこれからなので, 今 後, 本 研 究 会 でも 考 えていく 必 要 がある. コメント: 大 学 ではいざ 統 計 が 必 要 になる 時 期 と, 講 義 行 う 時 期 の 間 にラグが 存 在 するため, うまく 統 計 技 術 を 活 用 できていないのだと 思 う. 本 発 表 は, 教 育 の 現 場 からも 参 考 にな る 内 容 なので, 今 後 の( 大 学 教 育 ) 活 動 の 参 考 にしたい. 36