目 次 : 凡 例 :...4 序 論 :...5 第 一 部 : アルセスト 上 演 まで...15 第 一 章 コルネイユと プシシェ 第 一 節 プシシェ の 内 容...16 第 二 節 コルネイユの 驚 くべきもの の 考 えと 当 時 の 宮 廷 での 古 代 神 話

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1 東 京 藝 術 大 学 大 学 院 音 楽 研 究 科 博 士 論 文 驚 くべきもの le merveilleux の 概 念 から 見 たフランス オペラの 成 立 リュリ/キノーのオペラを 巡 るペローとラシーヌの アルセスト 論 争 を 中 心 に 平 成 二 十 五 年 度 村 山 則 子 0

2 目 次 : 凡 例 :...4 序 論 :...5 第 一 部 : アルセスト 上 演 まで...15 第 一 章 コルネイユと プシシェ 第 一 節 プシシェ の 内 容...16 第 二 節 コルネイユの 驚 くべきもの の 考 えと 当 時 の 宮 廷 での 古 代 神 話 の 流 行...18 第 三 節 コルネイユのオペラ 成 立 に 与 えた 影 響 と 問 題 点...21 第 二 章 ペランとカンベールの ポモーヌ...23 第 一 節 ペランの 手 紙 と リリック 技 法...23 第 二 節 ポモーヌ について...26 第 三 節 フランス オペラ 成 立 におけるペランの 役 割...28 第 三 章 王 立 音 楽 アカデミー 設 立 とリュリ...30 第 一 節 リュリの 経 歴 とモリエールとのコメディ=バレエ...30 第 二 節 トラジェディ アン ミュジックの 確 立 とレシタティフ...32 第 三 節 その 他 の 音 楽 形 式...35 第 一 項 エールについて...35 第 二 項 ディヴェルティスマンと 合 唱 について...36 第 三 項 リュリの 器 楽 曲 について...37 第 四 節 リュリによるトラジェディ アン ミュジックの 成 立...37 第 四 章 キノーについて...39 第 一 節 キノーの 経 歴...39 第 二 節 劇 作 家 とオペラ 戯 曲 家 としてのキノー...40 第 三 節 キノーのオペラ 作 品 の 構 造...42 第 四 節 キノーのオペラの 作 風...43 第 五 節 キノーのトラジェディ アン ミュジック 成 立 における 役 割...45 第 二 部 : アルセスト 論 争 1 ペローによる アルセスト 批 評

3 第 一 章 アルセスト の 作 品 分 析...46 第 一 節 キノーがエウリピデスを 題 材 とした 理 由...46 第 二 節 アルセスト の 戯 曲 構 造 古 典 悲 劇 との 比 較...48 第 三 節 アルセスト におけるリュリの 音 楽...49 第 四 節 エウリピデス アルケスティス の 梗 概...51 第 五 節 アルセスト 作 品 分 析...54 第 二 章 アルセスト 批 評 1- アルセスト 上 演 を 取 り 巻 く 状 況...69 第 一 節 シャルル ペローと 小 アカデミー の 役 割...69 第 二 節 アルセスト 上 演 における 反 応...73 第 三 節 アルセスト 批 評 導 入 部 と アルセスト 上 演 時 の 陰 謀...76 第 四 節 当 時 の アルセスト 上 演 を 取 り 巻 く 状 況...80 第 三 章 アルセスト 批 評 2- 本 論 の 展 開...82 第 一 節 アルセスト 批 評 前 半 筋 の 展 開 からエウリピデスとキノーの 比 較...83 第 二 節 アルセスト 批 評 後 半 驚 くべきもの について...95 第 三 節 アルセスト 批 評 に 賭 けられていたもの 第 三 部 : アルセスト 論 争 2 ラシーヌの 批 判 とペローの 反 駁 第 一 章 イフィジェニー 上 演 第 一 節 ラシーヌとオペラ 第 二 節 イフィジェニー 上 演 とオペラの 影 響 第 三 節 イフィジェニー の 梗 概 第 一 項 エウリピデス アウリスのイピゲネイア 梗 概 第 二 項 ラシーヌの イフィジェニー 梗 概 第 二 章 イフィジェニー 序 におけるラシーヌのオペラ 批 判 第 一 節 ラシーヌと 驚 くべきもの の 概 念 第 一 項 超 自 然 的 な 驚 くべきもの 第 二 項 筋 の 展 開 からの 驚 くべきもの 第 三 項 ラシーヌによるエウリピデスの 変 更 第 二 節 ラシーヌによる アルセスト 批 評 の 批 判 第 三 節 ラシーヌの イフィジェニー 序 の 問 題 点 第 三 章 ペローの 反 駁 と アルセスト 論 争 の 纏 め

4 第 一 節 ペローの 反 駁 第 二 節 古 典 悲 劇 の 変 容 第 三 節 当 時 のオペラの 人 気 第 四 節 アルセスト 論 争 の 纏 めと 問 題 点 第 四 章 ペローとラシーヌ/ボワローとの 新 旧 論 争 および アルミード 第 一 節 アルセスト 論 争 後 のラシーヌのオペラの 試 み エステル と アタリー 第 二 節 ボワローのキノー 批 判 とヴォルテールによるキノー 擁 護 第 三 節 アティス と アルミード について 第 一 項 テゼー と アティス 第 二 項 アルミード について 第 四 節 ペローによる 新 旧 論 争 とそのオペラ 美 学 の 完 成 第 五 節 その 後 のキノー 結 論 参 考 文 献 表 参 考 図 版

5 凡 例 作 品 名 書 名 雑 誌 名 著 者 引 用 による 原 典 における 引 用 符 音 楽 作 品 名 譜 例 楽 曲 名 図 例 原 文 中 の 大 文 字 表 記 和 文 引 用 文 原 典 における 引 用 符 筆 者 による 強 調 語 句 [ ] 中 略 ( ) 固 有 名 詞 の 原 名 [=] 著 者 による 補 足 名 詞 の 並 列. 欧 米 単 語 の 省 略 傍 点 原 典 本 文 でイタリック 字 体 により 記 された 語 句 譜 例 の 楽 譜 はすべて 以 下 を 参 照 した Jean-Baptiste Lully, Alceste, Chefs-d œuvre classiques de l opéra français. New York: Broude Brothers, 原 題 名 及 び 脚 注 に 付 け 加 えた 世 紀 の 主 な 原 典 の 引 用 文 は アクサン 記 号 や 綴 りの 差 異 を 含 めて すべて 原 文 通 り 記 載 した 4

6 序 論 フランス オペラはそれまでの 宮 廷 バレエ パストラル 劇 古 典 劇 イタリア オペラ 機 械 仕 掛 け 劇 などの 影 響 下 に 17 世 紀 後 半 ルイ 14 世 治 世 時 代 に 成 立 を 見 た その 際 オ ペラは 常 に 当 時 の 古 典 悲 劇 との 比 較 において 論 じられ 評 価 されてきた それにはオペラ の 形 式 を 確 立 したとされるキノー (Philippe Quinault) /リュリ (Jean-Baptiste Lully) の 作 品 が 悲 劇 tragédie あるいは トラジェディ アン ミュジック tragédie en musique と 銘 打 っており 古 典 悲 劇 に 対 抗 して 古 代 ギリシア 悲 劇 の 復 活 を 目 指 していたこと また 当 時 の 人 々にとってオペラはそれまでの 演 劇 の 新 しい 一 分 野 と 考 えられたという 事 情 があ る このオペラという 新 しい 舞 台 作 品 は 古 典 劇 以 上 に 聴 衆 の 人 気 を 博 したために 古 典 劇 側 にとって 看 過 できない 状 況 となった よって 自 らの 立 場 を 堅 持 しようと 古 典 劇 側 からのオ ペラに 対 する 批 判 や 攻 撃 が 起 こり フランス オペラ 成 立 にはまずこれらの 批 判 攻 撃 を 乗 り 越 え 新 しい 美 学 を 構 築 する 必 要 があった そのオペラ 側 と 古 典 劇 側 との 間 で 最 初 に 展 開 された 論 争 が 本 論 で 取 り 上 げる アルセスト 論 争 である 古 典 劇 側 からのオペラ 批 判 はキノーの 戯 曲 台 本 に 集 中 した よって アルセスト 論 争 は 文 学 論 争 の 様 相 を 呈 するが 同 時 にそれは 当 時 の 社 会 構 造 や 人 々の 趣 味 趣 向 など 社 会 全 体 の 動 向 にまで 触 れる 論 争 であったと 思 われる 本 論 では アルセスト 論 争 を 経 て オペラが 成 立 していく 過 程 を これら 当 時 の 社 会 状 況 への 考 察 を 見 据 えながら 主 に 驚 くべきもの le merveilleux の 概 念 から 考 察 することとする この 序 論 ではまず 17 世 紀 オペラ 成 立 時 には 驚 くべきもの には 二 つの 概 念 があった ことを 確 認 しておきたい 第 一 に 超 自 然 的 な 舞 台 上 の 表 象 を 意 味 する 驚 くべきもの の 概 念 である これまでフランス オペラ 理 論 においては 機 械 仕 掛 けを 用 い 古 代 神 話 の 神 々 が 登 場 するいわゆる デウス エクス マーキナーdeus ex machina や 魔 術 的 なもの 奇 跡 的 なもの 天 変 地 異 などの 超 自 然 的 なものの 表 象 が 驚 くべきもの と 見 なされてき た その 概 念 は 18 世 紀 に 芸 術 論 を 書 いたバトゥー 師 (abbé Charles Batteux) や 戯 曲 家 でありダンスの 専 門 家 であったカユザック (Louis de Cahusac) 等 のオペラに 関 する 理 論 によって 規 定 され 以 来 今 日 においても 音 楽 学 者 カンツレル 1 やアンソニー2などによって 超 自 然 的 な 意 味 に 限 定 して 使 用 されている バトゥー 師 は 1746 年 その 著 作 でこう 述 べる 二 種 類 の 悲 劇 がありうる 一 方 は 英 雄 的 な 種 類 でそれは 単 に 悲 劇 と 呼 ばれる 他 方 は 驚 くべきものでそれは 音 楽 劇 あるいは オペラ と 名 付 けられた 驚 くべ きもの le merveilleux は 第 一 の 舞 台 からは 除 外 される なぜならそこでは 人 間 が 人 間 と して 振 舞 うからである それに 引 き 換 え 第 二 の 舞 台 では 神 は 神 として 超 自 然 的 な 1 カンツレルのオペラに 関 する 研 究 には 以 下 の 著 作 などがある Catherine Kantzler, Jean-Philippe Rameau, splendeur et naufrage de l esthétique du plaisir à l âge classique (Paris: Minerve, 1988). Poétique de l opéra français de Corneille à Rousseau (Paris: Minerve, 1991). Théâtre et opéra à l âge classique (Paris: Fayard, 2004). 2 James R. Anthony, French Baroque Music from Beaujoyeulx to Rameau (Portland: Amadeus Press, 1997). 5

7 すべての 力 を 持 った 姿 で 行 動 する 3 以 上 が 18 世 紀 バトゥー 師 により 定 義 されたオペラについての 超 自 然 的 な 驚 くべきもの の 概 念 である 17 世 紀 トラジェディ アン ミュジックが 復 活 を 目 指 した 古 代 ギリシア 悲 劇 において アリストテレス (Aristotelēs) は 機 械 仕 掛 けの 神 々が 登 場 する 超 自 然 的 な 驚 くべきもの ついて 次 のように 述 べる [...] 筋 の 解 決 もまた 筋 そのものから 生 じなければならないことは 明 らかである [...] しかし 機 械 仕 掛 けを 用 いる 必 要 があるとすれば それは 劇 の 外 のことがら すなわち 人 間 が 知 ることのできない 過 去 の 出 来 事 か あるいは 予 言 や 報 告 を 必 要 とする 未 来 の 出 来 事 についてである というのは 神 々が 全 知 全 能 であることをわたしたちは 認 め るからである 4 以 上 見 るように アリストテレスは 機 械 仕 掛 けを 用 いることを 進 んでは 推 奨 しなかった が 古 代 ギリシア 悲 劇 には 機 械 仕 掛 けが 使 われたこと それはギリシア 神 話 の 神 々の 介 入 に 用 いられたことに 言 及 しているといえよう 古 代 ギリシアの 悲 劇 詩 人 エウリピデス (Eurīpidēs) は 機 械 仕 掛 けを 好 んだといわれている 5 その 慣 習 をトラジェディ アン ミュ ジックが 引 き 継 ぎ ジュピテル アポロン ディアーヌなどさまざまな 神 々の 登 場 に 機 械 仕 掛 けを 用 いた また ドラポルト (Victor Delaporte) は 1891 年 の 著 作 において ルイ 14 世 治 世 当 時 驚 くべきもの の 概 念 が 宮 廷 社 会 のみならず 演 劇 叙 事 詩 古 代 神 話 寓 話 などあらゆ る 文 学 領 野 に 渡 って 用 いられ 流 行 をもたらしたことを 検 証 している 彼 は 17 世 紀 におけ る 驚 くべきもの の 概 念 の 定 義 を 同 世 紀 のイエズス 会 の 学 者 ラパン (René Rapin) の 著 作 6 から 取 り 上 げ すべての 超 自 然 的 なもの 7 とする 古 典 悲 劇 が 次 第 に 機 械 仕 掛 けの 使 用 を 禁 じたのに 対 し トラジェディ アン ミュジッ クにおいては 機 械 仕 掛 けを 多 用 した この 超 自 然 的 な 驚 くべきもの は 古 典 悲 劇 の 側 からは その 筋 書 きは 子 供 っぽく 荒 唐 無 稽 であり 真 実 らしさ la vraisemblance に 背 3 Charles Batteux, Les Beaux Arts réduits à un même principe, 1 ère éd. Paris, 1746 (Genève: Slatkine Reprint, 1969), p «[...]il peut y avoir aussi deux especes de Tragédie, l une héroïque, qu on appelle simplement Tragédie, l autre merveilleuse, qu on a nommée Spectacle lyrique, ou Opera. Le merveilleux est exclus de la premiere espece, parce que ce sont des hommes qui agissent en hommes; au lieu que dans la seconde, les Dieux agissant en dieux, avec tout l appareil d une puissance surnaturelle,[...]» 4 アリストテレース 詩 学 松 本 仁 助 岡 道 男 訳 東 京 : 岩 波 文 庫 1997 年 15 章 60 頁 5 同 上 頁 註 (12) 6 René Rapin, Les Réflexions sur la poétique et sur les ouvrages des poètes anciens et modernes, 1 ère éd. Paris, 1684 (Paris: Champion Classiques, 2011), p ちなみにドラポルトが 引 用 したラパンの 原 文 は 次 の 通 りである «Le merveilleux est tout ce qui est contre le cours ordinaire de la nature.» このラパンの 定 義 はよく 用 いられる が 彼 は 超 自 然 的 surnaturel という 用 語 は 用 いていない 1951 年 ルネ ブレは 同 じ 箇 所 を 彼 の 論 の 驚 く べきもの の 定 義 に 用 いるが そこではもう 一 つの 基 本 的 普 遍 的 な 驚 くべきもの の 定 義 として 用 い ている René Bray, La Formation de la doctrine classique en France, 1 ère éd. Paris, 1927 (Paris: Nizet, 1966), p Victor Delaporte, Du merveilleux dans la littérature française sous le règne de Louis XIV (Paris: Retaux-Bray, 1891), p. 8. 6

8 くとして 常 に 批 判 に 晒 されてきた サン=テヴルモン (Saint-Évremond) はフーケ 事 件 8 の あおりでイギリスに 自 主 的 に 亡 命 したが 古 典 悲 劇 擁 護 の 視 点 から 機 械 仕 掛 けの 神 々を 多 用 するオペラを 偽 の 驚 くべきもの faux merveilleux 9 として 非 難 している われわれの オペラ の 構 成 は 真 実 らしさと 驚 くべきものの 概 念 の 良 い 趣 味 を 持 った 者 には 全 く 常 軌 を 逸 していると 思 われるに 違 いない 10 こう 彼 が 非 難 するということは 逆 説 的 には 正 しい 驚 くべきもの の 概 念 が 当 時 はあっ たということを 示 唆 しているであろう 機 械 仕 掛 けを 用 い 超 自 然 的 なもの として 用 い られた 驚 くべきもの に 対 して 17 世 紀 オペラ 成 立 時 にはもう 一 つの 普 遍 的 な 驚 くべ きもの の 概 念 があった これが 第 二 の 驚 くべきもの の 概 念 である それはアリストテレス 以 来 の 筋 の 展 開 からもたらされる 驚 き/ 称 賛 という 悲 劇 の 基 本 要 素 としての 概 念 であった 17 世 紀 前 半 の 古 典 主 義 の 推 進 者 シャプラン (Jean Chapelain) は 次 のように 述 べる 叙 事 詩 と 同 様 に 劇 詩 は 人 間 的 行 為 の 模 倣 を 目 的 とし その 必 須 条 件 として 真 実 らしさ かつ 完 璧 な 劇 作 のために 驚 くべきものを 持 つ / 真 実 らしさと 驚 くべきもの le merveilleux を 技 巧 的 に 集 合 させたものから この 種 の 作 品 において 最 高 の 美 が 生 ま れる 11 シャプランはアリストテレスと 共 にイタリアの 詩 人 マリーノ (Giambattista Marino) から 影 響 を 受 けている 1623 年 マリーノの アドニス Adonis に 序 文 をつけイタリア 語 源 の la maraviglia から 驚 くべきもの を 論 じている 12 彼 は アドニス の 序 で 次 のように 言 う 外 部 から 強 いられず 要 請 も 受 けない 要 因 からの 筋 のつながりで その 結 果 事 件 が 起.. こり それが 観 客 の 期 待 と 異 なり あるいは 尋 常 なものでない 時 に その 主 題 の 資 質 年 当 時 の 財 務 卿 フーケ (Nicolas Fouquet) は 自 分 の 城 館 ヴォー=ル=ヴィコントで 若 きルイ 14 世 を 招 き 大 祝 宴 を 開 いたが その 豪 奢 さはかえって 王 の 嫉 妬 を 買 い マザラン 亡 き 後 のコルベールとの 権 力 闘 争 も 影 響 して 彼 は 同 年 9 月 に 国 費 乱 用 の 罪 で 逮 捕 され 獄 中 で 世 を 去 った なおこの 祝 宴 でモリエールは ボーシャン (Pierre Beauchamps) の 音 楽 でコメディ=バレエの 嚆 矢 とされる うるさがた Les Fâcheux を 初 演 した 9 Saint-Évremond, «Sur les Opéra à Monsieur le duc de Bouquinquant» dans L Œuvres en prose, 1 ère éd. Paris, 1684 (Paris: Marcel Didier, 1966), t. 3, p Ibid., p «[...] la constitution de nos Opera doit paroistre bien extravagante à ceux qui ont le bon goust du vray-semblable & du merveilleux;» 11 Jean Chapelain, «Discours de la poésie représentative» dans Opuscules critiques, éd. Alfred C. Hunter (Genève: Droz, 1936), p «La poésie représentative, aussi bien que la narrative, a pour objet l imitation des actions humaines, pour condition nécessaire la vraisemblance, et pour sa perfection la merveille. / De l artificiel assemblement du vraisemblable et du merveilleux naît la dernière beauté des ouvrages de ce genre;» 12 Georges Forestier, Essai de Génétique Théâtrale (Genève: Droz, 2004), p

9 が 驚 くべきもの le merveilleux を 作 り 出 す 13 シャプランは 有 名 な ル シッド 論 争 においてコルネイユを 批 判 したが 1637 年 悲 喜 劇 ル シッド に 関 するアカデミー フランセーズによる 意 見 Les Sentiments de l Académie Française sur la tragi-comédie du Cid において アカデミーを 代 表 して 次 のよう に 意 見 を 述 べる ビ ア ン セ ア ン ス これらの 規 則 [= 真 実 らしさや 適 切 さ= 節 度 ]をかくも 正 確 に 遵 守 すべく 望 まれることは 驚 くべきもの le Merveilleux を 生 み 出 すためにはなんら 別 の 手 段 はないということ である この 驚 くべきもの は 魂 を 驚 きと 快 楽 とで 魅 了 するものであり かつまた 優 れた 詩 が 有 用 性 のために 供 される 完 璧 な 方 法 である 14 現 代 において 古 典 劇 研 究 家 フォレスティエは 上 記 シャプランの 定 義 を 引 用 し その 驚... くべきもの は 並 外 れた 真 実 らしさ le vraisemblable extraordinaire から 創 り 出 され かつ 大 団 円 へと 導 き 筋 書 きを 一 気 に 解 決 する 急 転 回 la péripétie の 成 果 であるとする その 急 転 回 は 予 期 せぬやり 方 で 観 客 を 驚 かせるが その 後 には 理 性 的 に 説 明 の 付 くよ うな 方 法 によって 結 末 がもたらされる 15 フォレスティエより 早 く 1927 年 古 典 主 義 研 究 家 ルネ ブレは 17 世 紀 全 般 に 渡 って シャプランが 定 義 した 魂 を 驚 きと 快 楽 とで 魅 了 する という 概 念 が 支 配 したとする こ の 概 念 は 前 述 したように ル シッド 論 争 においてシャプランが 用 いたが その 文 脈 か らブレは 驚 くべきもの がなければ 好 奇 心 も 称 賛 も 引 き 起 こさないと 述 べる 16 彼 によ ると 驚 くべきもの の 概 念 は 17 世 紀 において 真 実 らしさ と 共 に 重 要 な 概 念 だった と その 重 要 性 を 強 調 する 叙 事 詩 や 悲 劇 での 神 々の 介 入 だけではなく 喜 劇 において 従 僕 による 急 転 回 オード における 豊 かなイメージが 驚 くべきものである この 驚 くべきもの le merveilleux は 驚 き la surprise によって 称 賛 l admiration を 引 き 起 こすすべてのものである 17 ブレによれば 喜 劇 においても 驚 くべきもの は 作 り 出 されるとする そして 17 世 紀 は 叙 事 詩 と 同 じように 悲 劇 にも 驚 くべきもの を 作 り 出 す 必 要 性 で 合 意 がなされてい たと 述 べる Jean Chapelain, «Préface de l Adonis» dans Opuscules critiques 1 ère éd. Paris, 1623, op. cit., p «[...]la nature de sujet produit le merveilleux lorsque par un enchaînement de causes non forcées ni appelées de dehors, on voit résulter des événements ou contre l attente ou contre l ordinaire;» 14 Jean-Marc Civardi, La querelle du Cid ( ) (Paris: Champion, 2004), p «Ce qui fait desirer une si exacte observation de ces loix est qu il n y a point d autre voye pour produire le Merveilleux, qui ravit l ame d estonnement & de plaisir, & qui est le parfait moyen dont la bonne Poësie se sert pour estre utile.» 15 Georges Forestier, Essai de Génétique Théâtrale, op. cit., p René Bray, La Formation de la doctrine classique en France 1 ère éd. Paris, 1927 (Paris: Nizet, 1966), p Ibid., p Ibid., p

10 やはり 現 代 の 古 典 主 義 研 究 家 ジャック シェレルやクリスティアン ビエは 驚 くべき もの の 概 念 は 古 典 悲 劇 において 真 実 らしさ の 概 念 を 持 たねばならないとする 19 シェレルはその 著 作 において 18 世 紀 に 書 かれた 驚 くべきものについての 定 義 を 引 用 する それによると 真 実 らしさが 驚 くべきものと 結 びつくと 卓 越 したものになる 反 対 に 驚 くべきものは 真 実 らしさがないと 馬 鹿 げたものになるか 何 も 生 み 出 さない ほんとうら しくないものに 感 激 させられることができようか と 規 定 している ピエール パスキエはシャプランの 驚 くべきもの の 概 念 はその 根 拠 としてアリスト テレス 詩 学 のタウマストン thaumaston に 拠 っているゆえ 17 世 紀 においてはその 正 統 性 を 請 合 われ 古 典 主 義 の 中 に 位 置 を 占 めるに 至 ったと 述 べる 20 フォレスティエもシャ プランの 定 義 がアリストテレスのタウマストンから 来 ていることを 知 らせる 21 それではシャプランが 論 拠 としたアリストテレスの 詩 学 では 驚 くべきもの はど のように 述 べられているのであろうか パスキエはアリストテレスにおけるタウマストン という 用 語 がフランス 語 に 翻 訳 される 時 の 問 題 点 を 次 のように 述 べる 実 を 言 うと フランス 語 の 実 詞 は 驚 き surprise と 称 賛 admiration という 二 重 の 意 味 を 持 つギリシア 語 [=タウマストン]の 豊 かさを 計 算 にいれない 詩 学 においてタウマ ストン thaumaston が 用 いられているとみられる 時 単 に 驚 きの 意 味 le sens de surprenant に 限 って 用 いている さらにしばしばもう 一 つ 別 の 概 念 茫 然 自 失 の 驚 き le frappant (ekplektikon) の 意 味 と 結 び 付 けて 使 ったりする 22 パスキエはこう 注 釈 する そして わが 国 の 詩 学 の 翻 訳 においてもタウマストンは 単 に 驚 き と 訳 されている アリストテレスはその 詩 学 の 中 で 悲 劇 において 最 も 重 要 なものは 出 来 事 の 組 み 立 ミ ュ ー ト ス てであり 筋 書 き は 悲 劇 の 原 理 であり いわば 魂 である 23 と 劇 作 上 の 筋 の 重 要 性 を 述 べる そして 筋 を 展 開 する 上 で 悲 劇 詩 人 にとって 大 事 なのは タウマストンの 効 果 を 作 り 出 すことと 明 示 する 作 者 たちは 急 転 回 péripétie を 用 いるときも 単 一 の( 急 転 回 を 欠 く) 出 来 事 にも とづく 時 も 彼 らが 欲 するもの すなわち 驚 き 24 を 狙 う なぜなら 驚 きは 悲 劇 的 で 19 Jacques Scherer, La dramaturgie classique en France 1 ère éd. Paris, 1950 (Paris: Nizet, 2001), p Christian Biet, La tragédie (Paris: Arman Colin, 2010), p Pierre Pasquier, «Le merveilleux peut-il être merveilleux?» dans Histoire de la France littéraire: Classicismes XVII e -XVIII e siècle, dir. Jean-Charles Darmon et Michel Delon (Paris: Presses Universitaires de France, 2006), p Georges Forestier, Essai de Génétique Théâtrale, op. cit., p Pierre Pasquier, op. cit., p アリストテレース 前 掲 書 6 章 37 頁 24 この 訳 文 中 の 驚 き という 用 語 には thaumastōn と 読 む という 訳 者 の 註 がある 同 上 197 頁 註 19 9

11 あって 人 情 に 訴 えるものだからである 25 このアリストテレスの 論 点 からは 17 世 紀 の 哲 学 者 デカルト (René Descartes) の 情 念 論 Les traitées des passions de l âme が 思 い 起 こされるであろう デカルトは 人 間 の 普 遍 的 かつ 基 本 的 な 情 念 の 第 一 位 に 驚 き を 与 え 次 のように 言 う 驚 き/ 称 賛 26 がすべての 情 念 のうちで 一 番 と 考 える [...] われわれはそれ 自 体 に おいて 何 も 驚 きを 与 えないものには 少 しも 感 動 しないし そこに 情 念 はないとみな すであろう 27 本 論 で 取 り 上 げるシャルル ペロー (Charles Perrault) は 上 述 したシャプランらが 企 画 し た アカデミー フランセーズ の 一 大 事 業 アカデミー フランセーズ 辞 典 Dictionnaire de l Académie françoise [= 以 後 辞 典 と 略 する]の 編 纂 を 助 け 1694 年 第 一 版 の 巻 頭 に アカデミーを 代 表 して 王 への 献 辞 を 書 いた その 第 一 版 の 辞 典 によると 形 容 詞 とし ての merveilleux は 称 賛 すべき admirable 予 想 だにしない surprenant 驚 くべき étonnant となっており 驚 くべきもの le merveilleux としては 名 詞 化 され 詩 において 驚 き / 称 賛 admiration を 引 き 起 こす 神 話 の 部 分 と 定 義 し その 例 文 として 驚 くべきものは 真 実 らしさと 結 びつかねばならない 28 とある ここにはシャプランの 本 質 的 な 驚 くべ きもの についての 定 義 があると 思 われる 以 上 検 討 したように 17 世 紀 オペラ 成 立 時 には 驚 くべきもの は 18 世 紀 以 降 使 用 さ れる 超 自 然 的 なもの に 限 定 されておらず 辞 典 が 説 明 するように 真 実 らしさ と 共 に 悲 劇 の 基 本 要 素 としての 驚 き/ 称 賛 という 定 義 があった 本 論 では 驚 くべき もの の 定 義 として この 二 つの 概 念 があることを 確 認 して 論 を 進 めたい 以 上 の 二 つの 驚 くべきもの の 概 念 についての 確 認 をした 上 で 本 論 ではキノー/リュ リのトラジェディ アン ミュジック アルセストあるいはアルシードの 勝 利 Alceste, ou le Triomphe d Alcide [= 以 後 アルセスト と 略 する] 上 演 およびその 上 演 を 巡 って 繰 り 広 げられたペローとラシーヌ (Jean Racine) との アルセスト 論 争 を 中 心 に 検 討 する ア 25 アリストテレース 前 掲 書 18 章 頁 なお 訳 文 は péripétie を 逆 転 としているが 文 脈 によっ て 急 転 回 と 改 めた Aristote, Poétique, trad. Michel Magnien (Paris: Le Libre poche classique, 1990), p デカルトは l Admiration という 用 語 を 用 いる われわれは 次 ページの 1694 年 アカデミー フランセー ズ 辞 典 により 17 世 紀 l admiration は le merveilleux と 同 意 語 であることを 確 認 するであろう また 以 下 の 翻 訳 書 においては 驚 き と 訳 してある ルネ デカルト 方 法 序 説 情 念 論 野 田 又 夫 訳 東 京 : 中 公 文 庫 1974 年 140 頁 ただ 次 章 でみるコルネイユの l admiration は 千 川 などにより 驚 嘆 と 訳 さ れている 27 René Descartes, Les traitées des passions de l âme (Paris: H. Legras, 1649), art. 53. p. 83. «[...]il me semble que l Admiration est la premiere de toutes les passions. [...] si l objet qui se presente n a rien en soy qui nous surprene, nous n en sommes aucunement émeus, & nous le considerons sans passion.» 28 «Le merveilleux doit estre joint au vray semblable.» ちなみに 1798 年 第 5 版 で 詩 や 叙 事 詩 劇 作 におけ る 神 々の 介 入 を 意 味 する という 超 自 然 的 な 概 念 が 加 味 される なおアカデミーより 先 に 辞 書 を 出 版 したとして 会 員 から 追 放 されたフュルティエールの 1690 年 出 版 の 辞 書 では le merveilleux としては 賞 賛 すべき admirable 優 れた excellent 稀 有 な rare 予 想 だにしない surprenant となっており 例 文 とし て 良 い 戯 曲 には 驚 くべきものと 予 想 だにしないものがなくてはならない とある «Une bonne pièce de Théâtre doit avoir du merveilleux & du surprenant.» 10

12 ルセスト 上 演 後 古 典 劇 側 からキノーの 戯 曲 台 本 に 対 して 批 判 が 集 中 した そのキノー 批 判 に 応 えてペローが アルセスト を 擁 護 するために 出 版 した 論 評 が オぺラ 批 評 もし くは アルセストあるいはアルシードの 勝 利 という 題 の 悲 劇 検 討 Critique d Opéra, ou Examen de la tragédie intitulée Alceste, ou le Triomphe d Alcide [= 以 後 アルセスト 批 評 と 略 する]であり アルセスト 論 争 はここに 始 まる このように アルセスト 論 争 はキ ノーの 戯 曲 に 関 するトラジェディ アン ミュジックと 古 典 悲 劇 との 間 の 論 争 であるが ボーサンも 述 べるように 世 紀 の 文 学 と 共 に 当 時 の 趣 味 や 社 会 的 位 置 関 係 が 良 く 分 か る 論 争 だったといえよう 本 論 ではこの 論 争 が 置 かれた 当 時 の 社 会 文 化 的 状 況 を 加 味 し ながら 二 つの 驚 くべきもの から アルセスト 論 争 を 考 察 していきたい ペローの アルセスト 批 評 についてはこれまであまり 論 じられてきていないが そこ におけるペローの 位 置 取 りを 見 ると 彼 は 二 つの 驚 くべきもの からキノーの 戯 曲 を 弁 護 していることが 分 かる 第 一 にトラジェディ アン ミュジックが 古 代 悲 劇 の 復 活 を 目 指 し 悲 劇 と 銘 打 たれていた 以 上 シャプランが 定 義 した 悲 劇 の 基 本 要 素 としての 驚 くべきもの の 概 念 について ペローは 検 討 を 加 えている そしてこれもあまり 言 及 され ていないが アカデミー フランセーズ や 小 アカデミー において 長 年 シャプラン とペローとの 間 には 緊 密 な 信 頼 関 係 があった ペローが 自 ら 編 集 に 深 く 関 わった 辞 典 の 定 義 が 示 しすように ペローはシャプランの 驚 くべきもの の 定 義 を 継 承 していると 考 えられるであろう 第 二 に 超 自 然 的 な 機 械 仕 掛 け による 驚 くべきもの の 概 念 か らペローはオペラ 擁 護 をしている そこにはオリンポスの 神 々に 擬 されたルイ 14 世 の 神 話 的 象 徴 性 を 主 導 する 小 アカデミー の 一 員 としての ペローの 政 治 的 役 割 が 見 られるで あろう このようにペローの アルセスト 批 評 については 以 上 見 たように 二 つの 驚 くべき もの の 概 念 からオペラ 戯 曲 について 検 討 が 加 えられた 最 初 の 貴 重 な 理 論 書 と 考 えられ るといえよう アルセスト 論 争 に 関 する 論 考 を 纏 めたブルックス ノーマン ザルッ チの 三 人 の 編 者 はペローをフランス オペラ 理 論 の 確 立 者 とする 30 それに 対 して 古 典 劇 の 側 からは アルセスト に 対 抗 して 上 演 されたラシーヌの イ フィジェニー と アルセスト 批 評 に 対 する 彼 の 批 判 を 考 察 し 続 いてボワロー (Nicolas Boileau-Despréaux) のキノー 批 判 に 言 及 する ボワローのキノーに 対 する 侮 蔑 そして 自 ら 主 唱 したラシーヌ 中 心 主 義 により キノーはフランス 文 学 史 上 しばらく 忘 れさられるこ とになった 本 論 ではその 地 位 を 低 められているキノーの 再 評 価 も 同 時 に 試 みたい 本 論 は 以 下 の 構 成 で 論 を 進 める 第 一 部 は アルセスト 上 演 に 至 るまで オペラ 成 立 に 影 響 を 与 えたと 思 われる 1671 年 初 演 の 二 つの 音 楽 劇 作 品 を 考 察 する 一 つはコルネイユが 主 に 戯 曲 を 担 当 した 機 械 仕 掛 け 音 楽 劇 プシシェ であり もう 一 つは オペラ アカデミー 杮 落 しとして 上 演 された ペランのパストラル ポモーヌ である 次 にペランの 跡 を 継 いで 王 立 音 楽 アカデミー を 開 設 し アルセスト を 上 演 した リュリとキノーそれぞれの 経 歴 作 風 を 述 べる 29 Philippe Beaussant, Lully ou le musicien du soleil (Paris: Gallimard, Théâtre des Champs-Élysées, 1992), p William Brooks, Buford Norman et Jeanne Morgan Zarucchi éd. «Introduction» dans Alceste suivi de La Querelle d Alceste, (Genève: Droz, 1994), p. xiii. 11

13 第 二 部 アルセスト 論 争 1 においては まず アルセスト の 作 品 を 分 析 する 続 い て アルセスト 上 演 とシャルル ペローによる アルセスト 批 評 を 中 心 に 彼 がシャ プランと 共 に 属 した 小 アカデミー の 役 割 や 当 時 のオペラを 取 り 巻 く 社 会 状 況 を 加 味 し ながら ペローの 驚 くべきもの の 論 点 を 検 証 する そして 彼 が 二 つの 驚 くべきもの の 概 念 を 用 いてキノーの 戯 曲 を 擁 護 し 新 しいオペラ 美 学 の 確 立 を 目 指 したことを 検 討 し たい 第 三 部 アルセスト 論 争 2 においては アルセスト に 対 抗 して 上 演 されたラシー ヌの 古 典 悲 劇 イフィジェニー における 二 つの 驚 くべきもの の 使 われ 方 を 検 討 する 続 いてラシーヌの アルセスト 批 評 に 対 する 反 論 とそれに 応 えたペローの 反 駁 を 論 考 する この 時 点 で アルセスト 論 争 は 一 応 の 決 着 を 見 るが 論 争 自 体 は 近 代 派 の 領 袖 ペ ローと 古 代 派 ラシーヌ/ボワローとの 間 で 新 旧 論 争 として 継 続 される 最 終 章 ではキ ノー/リュリの アルセスト 以 降 のトラジェディ アン ミュジックにおいて アティ ス アルミード を 中 心 に 検 討 しながら これらの 作 品 において 二 つの 驚 くべきも の の 概 念 が 融 合 され 新 しい 境 地 が 開 かれたことで ペローが 目 指 した 革 新 的 なオペラ 美 学 がその 到 達 地 点 を 迎 えたことを 見 る 結 論 においては 全 体 の 論 を 再 考 察 し キノーの アルミード 上 演 により ペローが 二 つの 驚 くべきもの の 概 念 を 融 合 させ 従 来 の 古 典 主 義 の 枠 組 みを 超 えたオペラの 美 学 理 論 を 確 立 したことを 見 ると 共 に キノーの 再 評 価 を 行 う これまでの 先 行 研 究 は 以 下 の 通 りである 従 来 17 世 紀 文 学 史 に 関 しては 1949 年 から 1956 年 にかけて 書 かれたアダンの 5 巻 に 及 ぶ 17 世 紀 フランス 文 学 史 31 においても 見 られるように コルネイユからラシーヌを 中 心 に 論 じられ キノーやオペラについては 低 い 評 価 でわずかに 触 れられているだけであ る 古 典 主 義 研 究 家 の 間 では 1896 年 のブリュヌティエール 32 から 1950 年 ナイト 33 同 年 シェレル 34 そして 上 述 した 現 代 のフォレスティエやフュマロリ 35 に 至 るまで 17 世 紀 に 全 盛 を 誇 ったコルネイユやラシーヌに 代 表 される 古 典 悲 劇 を 中 心 に 捉 える 古 典 主 義 が 考 察 されている 彼 らにとってオペラは 古 典 主 義 理 論 から 逸 脱 した 周 縁 的 な 位 置 づけがなされ 古 典 劇 の 影 に 隠 されてその 価 値 を 十 分 に 評 価 されてこなかったと 思 われる そういう 中 で エティエンヌ グロが 1926 年 キノー 論 を 世 に 問 い 古 典 劇 側 より 等 閑 視 されてきたキノー のオペラ 戯 曲 を 擁 護 したことは 画 期 的 なことであった 36 また 1927 年 ブレは 従 来 の 古 典 主 義 に 対 して 独 自 の 論 説 を 展 開 した 37 それに 対 して 音 楽 理 論 の 側 からは 1980 年 代 後 半 以 降 カンツレルが オペラも 古 典 主 義 の 枠 内 で 捉 える 論 考 を 展 開 している カンツレルの 論 証 は 実 例 を 挙 げながら 綿 密 詳 細 なも 31 Antoine Adam, Histoire de la littérature française au XVII e siècle, vol ère éd (Paris: Editions Mondiales, ). 32 Ferdinand Brunetière, Les Époques du Théâtre français ( ) (Paris: Hachette, 1896). 33 Roy. C. Knight, Racine et la Grèce (Paris: Boivin, 1950). 34 Jacques Scherer, La dramaturgie classique en France 1 ère éd. Paris, 1950 (Paris: Nizet, 2001). 35 Marc Fumaroli, «Les abeilles et les araignées» dans La Querelle des Anciens et des Modernes, éd. Anne-Marie Lecoq (Paris: Gallimard, 2001). 36 Étienne Gros, Philippe Quinault: sa vie et son œuvre (Paris/Aix-en-Provence: Champion/Feu, 1926). 37 René Bray, La Formation de la doctrine classique en France 1 ère éd. Paris, 1927 (Paris: Nizet, 1966). 12

14 ので 17 世 紀 の 古 典 劇 とフランス 初 期 オペラを 分 離 しながらも 関 連 づけ オペラ 理 論 は 驚 くべきもの の 概 念 共 々 古 典 主 義 の 枠 組 みの 中 に 入 れられるとする 新 しい 視 点 を 提 示 して いる しかしカンツレルの 驚 くべきもの は 18 世 紀 バトゥー 師 やカユザック 以 来 の 超 自 然 的 なもの に 限 定 され シャプランが 述 べる 悲 劇 の 基 本 要 素 としての 驚 くべきもの には 言 及 されていないと 思 われる 一 方 で 現 代 21 世 紀 において 音 楽 学 者 ノーマンは 古 典 主 義 について 今 日 考 えられるよう な 限 定 され 凝 縮 された 規 範 に 則 した 概 念 であっただけではなく 当 時 は 現 実 には 多 様 性 を 持 った 様 式 が 混 在 していたとする 38 彼 に 従 えば 17 世 紀 において 多 様 な 様 式 が 見 られる 古 典 主 義 の 中 で オペラは 周 縁 的 な 芸 術 ではなく 一 つの 中 心 をなしていたと 考 えることが 可 能 であろう そしてそこには 機 械 仕 掛 けによる 超 自 然 的 な 驚 くべきもの だけではな く 劇 作 上 の 本 質 的 な 驚 くべきもの がない 限 り デカルトが 言 うように 観 客 は 感 動 し ないし 情 感 に 訴 えることは 不 可 能 と 思 われる ノーマンは 同 じ 文 脈 に 立 つ 同 世 代 のコル ニック 39 やトーマス 40 ブルックス 41 とともにさらに 進 んで オペラは 古 典 主 義 理 論 を 超 え て 独 自 の 美 学 の 確 立 を 目 指 したとする 上 記 に 述 べた 論 に 加 えてオペラ 美 学 としてはジルレトーヌ 42 アンソニー43 リュリにつ いてはラ ゴルス 44 ボーサン 45 デュロン 46 クヴルール 47 などの 論 考 を 参 照 し わが 国 のラシーヌ 研 究 家 のなかでも 戸 張 智 雄 小 倉 博 孝 両 氏 の 論 考 から 多 くの 教 示 を 受 けた 筆 者 はこれらの 先 行 研 究 を 下 に 次 のような 論 点 を 立 ててみた オペラで 用 いられる 驚 くべきもの には 一 方 で 超 自 然 的 な サン=テヴルモンの 言 葉 に 従 えば 真 実 らしさ に 背 く 偽 の 驚 くべきもの があり そして 他 方 でシャプランが 定 義 した 筋 の 展 開 からも たらされ 魂 を 驚 きと 称 賛 で 満 たすという 本 質 的 な 驚 くべきもの という 二 つの 概 念 があり それら 二 つの 驚 くべきもの が 混 在 しているからこそ 観 客 を 魅 惑 し 感 動 を 与 える それがオペラの 本 質 ではないだろうか その 常 軌 を 逸 した 魅 力 古 典 劇 の 作 劇 法 に も 従 い しかも 超 自 然 的 な 要 素 も 加 味 した 驚 くべきもの の 表 現 は 見 るものにある 種 の 怪 物 性 を 醸 し 出 し それがオペラの 人 々を 引 き 付 けて 止 まない 魔 力 となった そしてそ の 問 題 に 最 初 に 立 ち 向 かったのがこれから 論 じるペローの アルセスト 批 評 であり 彼 38 Buford Norman, Quinault, Librettiste de Lully: Le poète des Grâces (Paris: Mardaga, 2001), pp Sylvain Cornic, L enchanteur désenchanté, Quinault et la naissance de l opéra français (Paris: Presses de l université Paris-Sorbonne, 2011). 40 Downing A. Thomas, Aethetics of opera in Ancien Régime, ( ) (Cambridge: Cambridge University Press, 2002). 41 William Brooks, Philippe Quinault, Dramatist (Berne, Peter Lang, 2008). 42 Cuthbert Girdlestone, La tragédie en musique ( ) considérée comme genre littéraire (Genève: Droz, 1972). 43 James R Anthony, French Baroque Music from Beaujoyeulx to Rameau (Portland: Amadeus Press, 1997). 44 Jérôme de La Gorce. Jean-Baptiste Lully (Paris: Fayard, 2002). 45 Philippe Beaussant, Lully ou le musicien du soleil, op. cit. 46 Jean Duron, «L instinct de M. de Lully» dans La tragédie lyrique (Paris: Cicero, 1991). 47 Manuel Couvreur, Jean-Baptiste Lully, musique et dramaturgie au service du prince (Bruxelles: Marc Vokar Éditeur, coll, «la musique et son temps», 1996). 48 戸 張 智 雄 ラシーヌとギリシア 悲 劇 東 京 : 東 京 大 学 出 版 会 1967 年 49 小 倉 博 孝 アルセスト 論 争 とラシーヌの イフィジェニー 頁 上 智 大 学 仏 語 仏 文 学 論 集 (47) 東 京 : 上 智 大 学 仏 文 学 科 2013 年 13

15 はキノーのオペラ 戯 曲 に 二 つの 驚 くべきもの の 概 念 を 見 出 し そこに 従 来 の 古 典 主 義 の 枠 を 超 えた 新 しいオペラ 美 学 の 確 立 を 目 指 したのであり ペローが 理 想 としたオペラ 美 学 はリュリとキノーの 最 後 の 共 作 アルミード で 完 成 を 見 たといえるのではないであろ うか 以 上 のような 論 点 の 下 に 検 討 を 進 めていきたいと 考 える オペラには 劇 のあらすじの 展 開 や 人 物 像 から 生 み 出 される 基 本 的 な 作 劇 上 の 驚 くべき もの の 概 念 に 機 械 仕 掛 けという 視 覚 的 な 驚 くべきもの の 概 念 が 加 味 され それに バレエや 音 楽 という 視 覚 的 にも 聴 覚 的 にも 観 客 を 驚 嘆 させ 楽 しませる 要 素 があった 古 典 悲 劇 がそれらの 要 素 を 切 り 捨 て 純 化 されていく 過 程 で オペラに 取 り 込 まれた 上 記 の 要 素 は サン=テヴルモンには 常 軌 を 逸 した 構 成 に 見 え 古 典 劇 にとって 危 険 な 魅 惑 に 思 えたであろう ラシーヌの 古 典 劇 もリュリとキノーのオペラも 同 時 代 に 成 立 し 同 じ 観 客 に 向 かって 楽 しませ 感 動 を 与 えるという 使 命 を 持 っていた そして 古 典 悲 劇 側 からの 批 判 を 裏 切 るように 当 時 のオペラの 人 気 は 演 劇 を 上 回 っていたという 事 実 がある ペロー は 古 典 劇 側 からの 批 判 に 反 駁 してキノーの 戯 曲 台 本 を 擁 護 し 観 客 の 人 気 に 応 えるべく 新 しいオペラ 美 学 を 確 立 する 必 要 性 を 感 じていたと 思 われる ペローの アルセスト 批 評 を 中 心 に トラジェディ アン ミュジックが 内 包 してい た 驚 くべきもの の 概 念 を 検 討 し それが 従 来 の 古 典 主 義 の 枠 を 超 えた 新 しい 美 学 を 目 指 していたこと そしてトラジェディ アン ミュジックを 確 立 したキノーの 戯 曲 の 再 評 価 をこれから 考 察 していきたいと 考 える 14

16 第 一 部 アルセスト 上 演 まで 第 一 部 においては 1674 年 アルセスト 上 演 までのオペラの 試 みを 考 察 し 続 いてリュ リとキノーのそれまでの 経 緯 その 作 風 を 検 討 する 第 一 第 二 章 で トラジェディ アン ミュジック 成 立 に 大 きな 影 響 を 与 えた 二 作 プシシェ Psyché と ポモーヌ Pomone を 見 てみたい 二 作 とも 1671 年 の 初 演 で プシシェ は 1 月 17 日 テュイルリー 宮 殿 の 機 械 仕 掛 け 劇 場 で 初 演 され モリエール コルネイユ リュリ キノー 四 人 の 共 作 で 悲 喜 劇 とバレエ tragi-comédie et ballet と 銘 打 っていた 一 方 ポモーヌ は 3 月 3 日 ブテイ ユ 掌 球 場 において 詩 人 ペラン (Pierre Perrin) と 作 曲 者 カンベール (Robert Cambert) の オ ペラ アカデミーAcadémie d opéra 杮 落 しとして 上 演 され パストラルであった フランス オペラは 宰 相 マザラン (Jules Mazarin) が 推 奨 したイタリア オペラの 影 響 を 受 け フランス 独 自 のオペラを 創 設 するという 機 運 のもとに 生 まれた 特 に 1647 年 に 上 演 された 台 本 ブーティ 師 (abbé Buti) 作 曲 ロッシ (Luigi Rossi) のイタリア オペラ オルフェ オ Orfeo によって フランスは 羨 望 と 反 感 とが 相 対 立 する 大 きな 衝 撃 を 受 ける その 結 果 フランスにおける 独 自 の 音 楽 劇 に 対 する 要 請 は 自 然 と 高 まった このような 状 況 の 下 コルネイユもその 影 響 を 受 け 1650 年 アンドロメード Andromède という 機 械 仕 掛 けの 神 々が 登 場 する 音 楽 入 りの 作 品 を 創 作 上 演 した 一 方 でペランは 1659 年 フランスで 上 演 された 初 めてのフランス 音 楽 劇 と 自 ら 誇 る イッシーのパストラル Pastorale d Issy を 上 演 し 1669 年 にはルイ 14 世 よりフランスで 初 めてとなる オペラ アカデミー 設 立 の 許 可 を 得 た このコルネイユが 関 わった プシシェ とペランの ポモーヌ について リュリとキ ノーのトラジェディ アン ミュジック 成 立 に 与 えた 影 響 から 検 討 する 第 一 章 コルネイユと プシシェ コルネイユは ル シッド Le Cid シンナ Cinna などの 語 られる 古 典 悲 劇 の 形 式 を 確 立 した 一 方 1650 年 上 述 した アンドロメード 1660 年 金 の 羊 毛 La Toison d Or と 古 代 神 話 に 題 材 を 採 り 機 械 仕 掛 けの 音 楽 劇 を 創 作 してきた 一 方 で 彼 は 1660 年 戯 曲 に 関 する 三 篇 の 理 論 書 三 劇 詩 論 Les trois discours sur le poème dramatique において 驚 く べきもの について 言 及 し その 理 論 は 演 劇 のみならず オペラ 成 立 においても 多 大 な 影 響 を 与 えた ここではまず モリエール リュリ キノーとの 共 作 になるコルネイユ 三 作 目 の 機 械 仕 掛 け 音 楽 劇 となる プシシェ 1 の 内 容 から 見 てみることにする コルネイユ 以 外 の 三 人 の うちモリエールとリュリは 1664 年 以 来 町 人 貴 族 Le Bourgeois gentilhomme に 代 表 され る 芝 居 に 音 楽 やバレエ 歌 を 組 み 込 んだコメディ=バレエ (comédie-ballet) を 作 ってきた そしてキノーは 1653 年 より 喜 劇 悲 喜 劇 悲 劇 の 作 者 として オテル ド ブルゴーニュ 座 での 人 気 劇 作 家 であった コルネイユに 加 えて 以 上 の 三 人 が 共 作 したことで 2 年 後 の 1 なおこの 台 本 を 下 に 1678 年 にトマ コルネイユとリュリはトラジェディ アン ミュジック プシシェ を 上 演 した キノーは イジス 事 件 で 失 脚 中 であった 本 論 143 頁 参 照 15

17 リュリとキノーのトラジェディ アン ミュジックの 成 立 に 大 きな 影 響 を 与 えたと 考 えら れる 第 一 節 プシシェ の 内 容 プシシェ は 悲 喜 劇 とバレエ として 作 られた もともとコメディ=バレエを 得 意 としたモリエールが 手 がけたもので 彼 の 依 頼 によりコルネイユは 15 日 間 で 戯 曲 の 1200 行 を 韻 文 化 し それは 全 体 の 四 分 の 三 にわたる プロローグと 第 一 幕 全 体 第 二 第 三 幕 それぞれの 第 一 場 はモリエールが 書 いた 2 原 作 は 古 代 ローマ 時 代 125 年 頃 から 180 年 頃 生 存 した 北 アフリカ 生 まれのアプレイウ ス (Lucius Apuleius) の 金 のロバ L Âne d Or に 採 られた 神 話 に 基 づいている 1671 年 のカーニヴァルのためにルイ 14 世 がモリエールに 命 じ 同 年 1 月 17 日 テュイルリー 宮 殿 の 機 械 仕 掛 け 劇 場 で 初 演 が 行 われ 大 成 功 を 収 めた この 戯 曲 では 機 械 仕 掛 けによる 超 自 然 的 な 驚 くべきもの の 要 素 は 多 くの 場 面 で 豪 奢 に 用 いられている プロローグでヴェニュスがアムールと 共 に 空 から 降 りてくるのを 始 めとして 最 後 にはジュピテルにより 不 死 の 身 になったプシシェがアムールやヴェニュス とともに 空 に 昇 って 行 く また 場 面 転 換 の 装 置 で 冥 界 の 場 面 が 第 四 幕 間 劇 から 第 五 幕 に わたって 舞 台 に 掛 けられた 3 この 冥 界 の 場 面 は 機 械 仕 掛 けによらない 超 自 然 的 な 驚 くべ きもの の 要 素 であり 通 常 の 演 劇 では 舞 台 の 外 に 置 かれた 4 アルセスト でも 第 四 幕 にアルシードの 冥 界 下 りが 舞 台 で 見 せられるであろう 地 上 で 演 じる 主 役 たちに 眼 を 移 すと そこには 叙 情 的 で 若 々しい 二 人 の 恋 愛 が 描 かれて いる コルネイユ 全 集 を 編 集 したラットはこの 戯 曲 での コルネイユの 詩 句 はその 自 然 さ 率 直 さ 優 しさ 若 々しさで 間 違 いなく 彼 の 傑 作 のひとつであり ル シッド と 双 璧 をなすものである と 絶 賛 している 5 ヒロイン プシシェの 逆 境 にあってもアムールへ の 一 途 な 哀 切 に 満 ちた 愛 の 表 現 アムールが 母 ヴェニュスにプシシェを 許 し 二 人 の 結 婚 を 認 めてくれるよう 哀 訴 する 場 面 など 瑞 々しい 叙 情 と 細 やかな 思 いやりに 溢 れた 人 物 像 や 状 況 が 筋 の 展 開 によって 作 り 出 されている 機 械 仕 掛 けによる 超 自 然 的 な 驚 くべきも の と 共 に ここには 悲 劇 の 要 素 としての 驚 き/ 称 賛 に 値 する 驚 くべきもの の 要 素 がコルネイユの 巧 みな 劇 作 術 による 筋 の 運 びからもたらされている この 作 品 ではそれまでのコルネイユの 機 械 仕 掛 け 劇 アンドロメード 金 の 羊 毛 と 比 べると 音 楽 の 比 重 は 高 まり 各 幕 の 間 には 音 楽 付 のバレエと 歌 からなる 四 つの 長 大 な 幕 間 劇 がある また 最 終 場 では 壮 大 な 歌 と 合 唱 そしてバレエで 幕 が 降 りる リュリが 2 Pierre Corneille, «Notice de Psyché par Maurice Rat» dans Théâtre complet, texte établi sur l édition de 1682, éd. Maurice Rat (Paris: Éditions Garnier Frères, 1962), t. 3, p 後 述 するラ グランジュ=シャンセルの 証 言 によれば もともとこの プシシェ の 企 画 はテュイルリー 宮 殿 の 家 具 倉 庫 に 仕 舞 われていた 1662 年 恋 するエルコレ で 使 われたヴィガラーニ 作 の 冥 界 の 装 置 を 活 用 するために 王 が 命 じたものであった 本 論 文 108 頁 を 参 照 4 通 常 の 演 劇 では 人 間 のみが 舞 台 に 登 り 超 自 然 的 な 神 々や 冥 界 の 場 面 などは 舞 台 外 に 置 かれ 登 場 人 物 の 台 詞 による 描 写 である 活 写 法 (l hypotypose)により 表 現 される 5 Pierre Corneille, «Notice de Psyché par Maurice Rat», op. cit., p

18 イタリア 語 で 書 いた イタリア 女 の 歎 き 6 を 除 き 歌 詞 の 部 分 はキノーが 書 き リュリが 作 曲 した またバレエの 場 面 はそれまでのコルネイユの アンドロメード 金 の 羊 毛 二 作 の 機 械 仕 掛 け 劇 にはなかったものだった バレエは 宮 廷 バレエとしてのフランス 独 自 の 伝 統 があり このイタリア 起 源 のダンスは カトリーヌ ド メディシスと 共 にフランスに 紹 介 されたが 1581 年 ボージョワイユー (Beaujoyeulx) 等 を 中 心 とした 王 妃 のバレエ コミック Ballet comique de la Reine 上 演 によって 初 めて 詩 と 音 楽 ダンス 舞 台 装 置 が 結 び 合 わされて 始 められた 7 その 後 歴 代 の 王 は 祝 祭 において 自 ら 踊 り よってバレエ 音 楽 も 多 く 作 曲 された リュリは 宮 廷 バレエ の 作 曲 家 として 活 躍 を 始 めた イタリア オペラと 比 べてフランス オペラ 成 立 に 特 徴 的 な 点 は このフランス 独 自 の 伝 統 である 宮 廷 バレエの 影 響 が 大 きいと 思 われる やがて 成 立 するトラジェディ アン ミュジックにおいては 古 典 悲 劇 では 演 奏 されなくなったバ レエを 要 素 として 取 り 入 れていくであろう またこの プシシェ で それまで 格 子 に 隠 れた 席 に 着 いて 観 客 の 前 に 出 たがらなかっ た 歌 手 たちが 俳 優 のように 初 めて 舞 台 に 登 って 素 顔 を 見 せた 8 プロローグでのバレエと 歌 またそれぞれ 四 つの 幕 間 劇 での 同 じく 歌 とバレエ そして 大 団 円 では 観 客 の 目 を 奪 ったであろう 豪 華 で 長 大 な 祝 祭 の 一 大 絵 巻 が 繰 り 広 げられ 舞 台 は 締 めくくられる しかしながら この プシシェ において コルネイユは 音 楽 の 言 葉 には 関 与 していな い 彼 の 担 当 した 箇 所 の 登 場 人 物 主 役 たちにはいずれも 歌 は 付 されていない コルネイユは 1650 年 の 機 械 仕 掛 け 劇 第 一 作 アンドロメード において この 戯 曲 初 版 に 付 けた 梗 概 で 音 楽 の 役 割 についてこう 述 べる 歌 われる 言 葉 での 会 話 は 聞 き 取 りにくいので 私 は 劇 の 理 解 のためには 全 く 歌 わ せないように 心 がけた なぜなら 一 般 に 歌 って 交 わされる 会 話 は 同 時 にさまざまな 声 で 発 せられるので 混 乱 をもたらし 観 客 には 聞 き 取 りにくく 作 品 全 体 に 曖 昧 さを 多 く 与 えることになったであろう 9 ここからも 分 かるようにコルネイユは 歌 を 劇 の 進 行 を 妨 げるものと 考 えていた 彼 の アンドロメード の 梗 概 に 機 械 仕 掛 けを 使 うトレッリ (Giacomo Torelli) の 名 はあっ ても 作 曲 者 ダスーシー (Charles Coypeau d Assoucy) の 名 は 記 されていない コルネイユ のこの 音 楽 に 対 する 考 えは 21 年 経 った プシシェ においても 変 わっていないように 見 え る 20 世 紀 初 頭 音 楽 学 者 エコルシュヴィルはそのことを 次 のように 注 釈 する 6 Ibid., p James R. Anthony, French Baroque Music from Beaujoyeulx to Rameau, op. cit., p Arthur Pougin, Les vrais créateurs de l opéra français, Perrin et Cambert (Paris: Charavary, 1881), p Pierre Corneille, Argument d Andromède, éd. Christian Delmas (Marcel Didier: Paris, 1974), pp «[...]je me suis bien gardé de faire rien chanter qui fût nécessaire à l intelligence de la Pièce, parce que communément les paroles qui se chantent étant mal entendues des auditeurs, pour la confusion qu y apporte la diversité des voix qui les prononcent ensemble, elles auraient fait une grande obscurité dans le corps de l ouvrage, [...]» 17

19 コルネイユにとって 音 楽 の 響 きは 専 制 的 なものとして 映 った 音 楽 の 前 では 詩 人 の 霊 感 は 隷 属 させられてしまう [...] 音 楽 にはわれわれの 精 神 を 不 安 にする 夢 や 幻 想 や 愚 かしいことが 出 現 する それは 悪 夢 であり 理 性 を 重 んじるコルネイユにとって 用 心 深 く 遠 ざかるべき 魂 の 牢 獄 と 思 えたのだ 10 エコルシュヴィルがこのように 述 べるように コルネイユは 言 葉 に 置 き 換 えられない 音 楽 の 専 制 的 な 力 を 怖 れるゆえに 台 詞 には 音 楽 を 付 けなかった オペラとなるには すべてが 台 詞 で 歌 われるレシタティフの 確 立 が 何 よりも 必 要 とされ るであろう この プシシェ ではキノーとリュリという 二 人 が 歌 詞 と 音 楽 を 担 当 した ということが 重 要 である そして プロローグ 付 き 五 幕 構 成 はやがて 成 立 するトラジェ ディ アン ミュジックに 引 き 継 がれていく 第 二 節 コルネイユの 驚 くべきもの の 考 えと 当 時 の 宮 廷 での 古 代 神 話 の 流 行 ラシーヌは 1685 年 コルネイユの 跡 を 継 いだ 弟 トマ (Thomas Corneille) の アカデミー フランセーズ 入 会 の 際 に 演 説 し 亡 き 兄 のコルネイユについて 次 のように 述 べている あなたの 偉 大 な 兄 上 はしばらくの 間 正 しい 道 を 探 され 時 代 の 悪 趣 味 と 敢 えて 言 わせ てもらいますが それに 対 抗 して 闘 争 された 後 で ついに 並 外 れた 才 能 に 霊 感 を 受 け 古 代 劇 の 読 破 の 助 けを 持 って 舞 台 の 上 に 理 性 を 登 場 させたのです しかし その 理 性 は 完 璧 な 荘 重 さを 備 え われわれの 言 語 が 可 能 なすべての 装 飾 を 持 ち 幸 いにも 真 実 らしさと 驚 くべきもの le merveilleux が 調 和 したものでした 11 この アカデミー フランセーズ におけるラシーヌの 演 説 は 前 述 したシャプランの 劇 作 の 必 須 条 件 として 真 実 らしさ 完 璧 な 劇 作 として 驚 くべきもの が 必 要 だと 考 12 えるという 定 義 を 思 い 起 こさせるであろう ここで コルネイユが 1660 年 三 劇 詩 論 で 驚 くべきもの について 言 及 した 箇 所 を 見 てみたい その 時 までに 彼 は 1650 年 機 械 仕 掛 け 劇 の アンドロメード を 創 作 し 1660 年 11 月 には 機 械 仕 掛 け 劇 第 2 作 金 の 羊 毛 を 上 演 することになっていた この 三 劇 詩 論 においてコルネイユは 驚 くべきもの le merveilleux を 超 自 然 的 な 意 味 に 限 定 して 用 い 悲 劇 における 基 本 要 素 である 驚 くべきもの には 驚 き/ 称 賛 l admiration 10 Jules Ecorcheville, Corneille et la musique (Paris: Impressions Artistiques L. -Marcel Fortin et C ie, 1906), p Jean Racine, «Discours prononcé à l Académie française à la réception de MM. de Corneille et de Bergeret» dans Œuvres complètes, éd. Raymond Picard (Paris: Bibliothèque de la Pléiade, Gallimard, 1950), t. 2, p «[...]votre illustre frère, après avoir quelque temps cherché le bon chemin, et lutté, si j ose ainsi dire, contre le mauvais goût de son siècle; enfin, inspiré d un génie extraordinaire et aidé de la lecture des anciens, fit voir sur la scène la raison, mais la raison accompagnée de toute la pompe, de tous les ornements dont notre langue est capable, accorda heureusement le vraisemblable et le merveilleux, [...]» 12 本 論 8 頁 参 照 Jean Chapelain, «Les discours de la poésie représentative» dans Opuscules critiques, op. cit., pp

20 という 用 語 で 使 い 分 けていることが 分 かる そしてこの 驚 き/ 称 賛 は 前 述 したように 辞 典 では 驚 くべきもの の 同 意 語 となっており そこで 用 いられる 驚 くべきもの はアリストテレス 詩 学 のタウマストンであることは 序 論 で 確 認 した 13 コルネイユが 本 質 的 な 劇 作 上 の 驚 くべきもの に le merveilleux という 用 語 を 敢 えて 用 いず l admiration とし le merveilleux を 神 話 や 伝 説 の 超 自 然 的 な 概 念 に 限 定 して 用 いた のには 上 述 したようにシャプランによる ル シッド 論 争 において シャプランが le Merveilleux という 用 語 を 用 いてコルネイユを 批 判 したことも 影 響 があるのではないかと 考 える 14 コルネイユはこの 三 劇 詩 論 の 中 の 第 二 の 悲 劇 論 で アンドロメード で 用 い た 神 話 伝 説 を 次 のように 述 べる 神 話 伝 説 がわれわれに 伝 える 神 々や 彼 らの 変 身 はすべて 不 可 能 なことであるが そ れでもそれが 語 られるのを 聞 くのに 慣 れ 親 しんできたというわれわれ 共 通 の 認 識 お よび 伝 説 の 理 解 によって ほんとうと 信 じられるといわざるを 得 ない われわれには この 古 代 のモデルに 従 って 創 作 し 古 代 の 誤 謬 がもたらす 出 来 事 に 同 様 の 不 可 能 な 事 件 を 付 け 加 える 権 利 がある その 劇 詩 の 題 名 によって 前 もって 実 際 には 不 可 能 なこと しか 上 演 しないということを 知 らされていれば 聴 衆 は 期 待 を 裏 切 られることはない 聴 衆 はすべてを 信 じ その 劇 には 神 々がいて 彼 らは 人 間 に 興 味 を 持 って 介 入 すると いうことを 初 めに 想 定 した 聴 衆 は すでに 準 備 ができており その 他 すべてを 容 易 に 信 じ 込 むのだ 15 彼 はまた 同 じ 悲 劇 論 において 超 自 然 的 な 驚 くべきもの という 概 念 に cette merveille という 用 語 を 当 てはめ 次 のように 述 べる ヴェニュスやエオール[=ネプテューヌの 子 で 風 の 神 ]の 出 現 は アンドロメード にお いては 相 応 しい 魅 力 を 持 ちえた しかし もしニコメードと 父 を 仲 直 りさせるために [=1651 年 ニコメード ]ジュピテルを あるいはオ-ギュストにシンナの 陰 謀 を 明 らかにするために[=1642 年 シンナ ]メルキュールを 空 から 降 りるようにしたと したら 全 く 私 の 聴 衆 に 背 くことになったであろう そしてその 驚 くべきもの cette merveille は 残 りの 筋 書 きが 獲 得 するはずの 信 憑 性 をすべて 壊 してしまったであろう 13 本 論 9-10 頁 参 照 千 川 はコルネイユの l admiration はアリストテレースのタウマストンであると 注 釈 す る 千 川 哲 生 論 争 家 コルネイユ フランス 古 典 悲 劇 と 演 劇 理 論 東 京 : 早 稲 田 大 学 出 版 部 2009 年 60 頁 14 本 論 文 8 頁 註 13 参 照 15 Pierre Corneille, «Discours de la tragédie» dans Œuvres complètes, éd. Georges Couton (Paris: Gallimard, 1984), t. 3, p «Tout ce que la fable nous dit de ses dieux, et de ses métamorphoses, est encore impossible, et ne laisse pas d être croyable par l opinion commune, et par cette vieille traditive qui nous a accoutumés à en ouïr parler. Nous avons droit d inventer même sur ce modèle, et de joindre des incidents également impossibles à ceux que ces anciennes erreurs nous prêtent. L auditeur n est point trompé de son attente, quand le titre du poème le prépare à n y voir rien que d impossible en effet; il y trouve tout croyable, et cette première supposition faite qu il est des dieux, et qu ils prennent intérêt et font commerce avec les hommes, à quoi il vient tout résolu, il n a aucune difficulté à se persuader du reste.» 19

21 この 機 械 仕 掛 けに 乗 った 神 々による 終 幕 の 解 決 はギリシア 人 たちにおいては 史 実 に よるとみられる あるいはほとんどそれに 近 い 真 実 らしさを 持 った 悲 劇 で 多 く 見 ら れた アリストテレスもそのような 機 械 仕 掛 けの 演 劇 を 全 く 否 定 しているわけではな く それが 主 題 から 好 ましいということであれば 良 しとすることで 満 足 している 16 続 いてコルネイユは 機 械 仕 掛 けの 神 々の 出 現 はアテネ 人 たちには 信 じられていたが 当 時 の 許 容 によって 判 断 して われわれが 模 倣 することは 危 険 であると 述 べる 彼 は 続 け る しかしまた 少 なくともわれわれが 天 使 や 聖 人 の 出 現 を 信 じるように 古 代 の 人 々 はアポロンやメルキュールの 出 現 を 信 じていたと 言 えよう 17 コルネイユにとっては 古 代 神 話 伝 説 は それが 語 られるのを 聞 くのに 慣 れ 親 しんで きたというわれわれ 共 通 の 認 識 および 伝 説 の 理 解 によって 信 じられるのであり 機 械 仕 掛 けによる 神 々の 登 場 を 否 定 してはいない しかしながら その 使 用 は 人 間 のみが 登 場 する ニコメード Nicomède や シンナ では 禁 じられる そして 彼 はここで 驚 くべき もの le merveilleux という 用 語 をこれら 古 代 神 話 や 伝 説 に 登 場 する 神 々 すなわち 超 自 然 的 なものに 限 定 して 用 いていることがわかる 1891 年 ドラポルトはその 著 作 で ルイ 14 世 時 代 の 驚 くべきもの の 流 行 を 述 べる 18 当 時 宮 廷 においては 異 教 の 神 々は 宮 殿 や 庭 園 のあらゆる 装 飾 を 絵 画 彫 刻 織 物 などで 飾 った しかし その 神 話 伝 説 超 自 然 的 な 魔 力 は 古 代 人 のようにそのまま 信 じられて いたわけではない それはスタール 夫 人 (Madame de Staël) が 百 年 後 に 言 うように まさ しく 祝 祭 の 装 い であった 19 ギリシア ローマ 神 話 は 人 文 主 義 以 来 培 われ 宮 廷 人 と して 要 請 された 古 代 への 文 学 的 素 養 であり また その 神 話 を 信 じるのではなく それを 楽 しむこと 20 であり ひとつの 装 飾 であった ドラポルトはルイ 14 世 治 世 末 期 時 代 を 経 験 したサン=シモン (Saint-Simon) の 回 想 録 を 引 いて ルイ 14 世 が 二 人 の 自 分 がいると 告 白 したのはもっともなことだ と 述 べる 控 えの 間 庭 公 苑 ではオリンピアの 神 々が 支 配 しているが 個 人 的 な 部 屋 では 敬 虔 なキ リスト 教 の 多 くの 聖 像 十 字 架 像 が 溢 れていた 21 ルイ 14 世 のみならず 宮 廷 生 活 において 個 人 の 日 常 の 場 ではキリスト 教 が 支 配 し 社 交 の 場 祝 祭 の 場 ではギリシア ローマの 異 教 の 神 々が 独 占 していた その 流 行 が トラジェディ アン ミュジックにおいて 機 械 仕 掛 けの 神 々が 使 用 されることに 観 客 がそれほど 違 和 感 を 覚 えなかった 一 因 と 思 われる 16 Ibid., p «Les apparitions de Vénus et d Éole ont eu bonne grâce dans Andromède; mais si j avais fait descendre Jupiter pour réconcilier Nicomède avec son père, ou Mercure pour révéler à Auguste la conspiration de Cinna, j aurais fait révolter tout mon auditoire, et cette merveille aurait détruit toute la croyance que le reste de l action aurait obtenue. Ces dénouements par des dieux de machine sont fort fréquents chez les Grecs, dans des tragédies qui paraissent historiques, et qui sont vraisemblables à cela près. Aussi Aristote ne les condamne pas tout à fait, et se contente de leur préférer ceux qui viennent du sujet.» 17 Ibid., p «[...]: mais aussi doit-on m accorder que nous avons du moins autant de foi pour l apparition des anges et des saints, que les Anciens en avaient pour celles de leur Apollon et de leur Mercure.» 18 彼 が 用 いる 驚 くべきもの は 上 述 したように 超 自 然 的 な 驚 くべきもの に 限 って 使 用 している 本 論 文 6 頁 参 照 19 Victor Delaporte, Du merveilleux dans la littérature française sous le règne de Louis XIV, op. cit., p Ibid., p Ibid., p

22 まさにコルネイユが 指 摘 するように 神 話 の 神 々の 介 入 を すでに 想 定 した 聴 衆 は 準 備 ができており その 他 すべてを 容 易 に 信 じ 込 む と 言 えよう 第 三 節 コルネイユのオペラ 成 立 に 与 えた 影 響 と 問 題 点 これまで 見 てきたように コルネイユは 古 代 神 話 伝 説 を 主 題 として 扱 う 音 楽 劇 におい て その 機 械 仕 掛 けを それが 語 られるのを 聞 くのに 慣 れ 親 しんできたというわれわれ 共 通 の 認 識 および 伝 説 の 理 解 によって という 留 保 付 きながら その 真 実 らしさ を 保 証 したといえるであろう やがて 成 立 するキノー/リュリのトラジェディ アン ミュジッ クにおいては 同 じく 機 械 仕 掛 けを 用 いる 古 代 神 話 伝 説 が 主 題 として 取 り 上 げられる そこで 用 いられる 機 械 仕 掛 けという 超 自 然 的 な 驚 くべきもの の 真 実 らしさ に 理 論 的 保 証 を 与 えたという 功 績 は 認 められるであろう また 悲 喜 劇 と 銘 打 った プシシェ において 二 つの 驚 くべきもの の 概 念 の うち もう 一 つの 筋 の 展 開 による 劇 作 上 の 本 質 的 な 驚 くべきもの の 概 念 が 見 られるこ とを 確 認 した しかしながら コルネイユは ニコメード や シンナ など 従 来 の 語 られる 古 典 悲 劇 においては 神 々による 超 自 然 的 な 介 入 を 認 めなかった そのことから 2006 年 の 著 作 で カンツレルは 次 のようにコルネイユによるこの 超 自 然 的 な 驚 くべきもの の 定 義 が やがてオペラと 古 典 悲 劇 二 つの 演 劇 を 分 ける 重 要 な 要 素 となっていくと 述 べる 歴 史 的 なものと 神 話 的 なものの 先 端 を 辿 った 体 系 的 な 区 別 によって 明 確 に 二 つの 舞 台 を 分 かつというフランス 演 劇 において 特 徴 的 な 性 格 の 一 つが 現 われた それぞれに おいて 支 配 する 演 劇 の 規 則 は 相 似 であると 同 時 に 対 立 するというものである この 分 担 はコルネイユの 死 後 ほどなくして 輝 かしい 一 つの 成 果 を 得 ることになった そ れはすなわち 音 楽 劇 であり フランス オペラの 創 設 によって 音 楽 劇 は 驚 くべきも の le merveilleux の 領 野 を 掴 み 取 り そのすべての 規 則 性 の 中 で 詳 細 な 技 量 を 用 い 驚 くべきものの 領 野 を 展 開 して 行 く 22 カンツレルは 以 上 のように 論 じる 歴 史 的 なものは 古 典 悲 劇 が 担 い そこでは 確 かに 超 自 然 的 な 驚 くべきもの の 表 象 の 代 表 的 手 段 である 機 械 仕 掛 けは 次 第 に 古 典 悲 劇 の 舞 台 か ら 姿 を 消 していく このカンツレルの 定 義 は 先 に 述 べた 18 世 紀 のバトゥー 師 のオペラ 理 論 に 依 っている 繰 り 返 すなら バトゥー 師 はこう 述 べる 二 種 類 の 悲 劇 がありうる 一 方 は 英 雄 的 な 種 類 でそれは 単 に 悲 劇 と 呼 ばれる 他 方 は 驚 くべきものでそれは 音 楽 劇 あるいは オペラ と 名 付 けられた 驚 くべき もの le merveilleux は 第 一 の 舞 台 からは 除 外 される なぜならそこでは 人 間 が 人 間 とし て 振 舞 うからである それに 引 き 換 え 第 二 の 舞 台 では 神 は 神 として 超 自 然 的 なす 22 Catherine Kintzler, Poétique de l opéra français de Corneille à Rousseau (Paris: Minerve, 2006), p

23 べての 力 を 持 った 姿 で 行 動 する 23 以 上 のようにカンツレルはバトゥー 師 の 論 を 援 用 しながら 古 典 劇 と 音 楽 劇 を 驚 くべき もの で 区 別 するが しかしながらこの 区 別 こそが 17 世 紀 後 半 の 1674 年 に 起 きた ア ルセスト 論 争 において 揺 らぎ 始 めたのではないかと 筆 者 は 考 える 第 一 にカンツレルや 18 世 紀 のバトゥー 師 は 驚 くべきもの の 概 念 を 17 世 紀 トラジェ ディ アン ミュジック 成 立 時 に 主 張 された シャプラン 等 の 劇 作 の 理 念 としての 本 質 的 な 驚 くべきもの の 視 点 ではなく 超 自 然 的 な 驚 くべきもの に 限 定 して 見 ていると 思 われる 17 世 紀 シャプランに 基 づいてわれわれが 定 義 したもう 一 つの 普 遍 的 な 作 劇 上 の 観 客 を 驚 かせ 称 賛 させる という 驚 くべきもの の 本 質 は 当 時 はトラジェディ アン ミュジックにも 古 典 劇 にも 悲 劇 の 最 大 の 楽 しみとして 要 請 されていたのではないだ ろうか 第 二 にコルネイユの 三 劇 詩 論 が 書 かれた 1660 年 を 過 ぎて 本 論 で 取 り 上 げる 1674 年 キノー/リュリのオペラ アルセスト に 対 抗 して 書 かれた ラシーヌの 同 じく 1674 年 古 典 悲 劇 イフィジェニー には 機 械 仕 掛 けこそ 用 いられていないが 超 自 然 的 な 驚 くべきもの が 劇 全 体 を 動 かす 原 動 力 の 一 つとなっている このラシーヌの 主 題 の 選 択 に はコルネイユの 時 代 にはいまだ 成 立 していなかったトラジェディ アン ミュジックの 存 在 が 影 響 を 与 えていると 思 われる コルネイユの 時 代 と 異 なり ラシーヌとキノー/リュ リは 同 じ 観 客 に 向 かって 競 合 して 創 作 を 行 った よってラシーヌにとって オペラの 劇 作 法 がその 作 風 に 少 しも 影 響 を 与 えなかったとは 考 えにくい オペラの 出 現 によって 超 自 然 的 な 驚 くべきもの は 古 典 劇 側 に 影 響 を 与 え そして 翻 ってオペラにおいては 古 典 劇 側 からの 機 械 仕 掛 けを 用 いることへの 批 判 に 応 えて 次 第 にそこに 悲 劇 における 本 質 的 な 驚 くべきもの の 概 念 を 融 合 していった 1660 年 にコルネイユは 確 かに 超 自 然 的 な 驚 くべ きもの で 機 械 仕 掛 けの 音 楽 劇 と 古 典 劇 を 区 別 したが 1673 年 にトラジェディ アン ミュ ジックが 成 立 し むしろその 境 界 が 曖 昧 になっていった そのことが アルセスト 論 争 で 明 らかになったのではないかと 筆 者 は 考 える こうして 見 てくると コルネイユにおいてトラジェディ アン ミュジック 成 立 に 与 え た 影 響 としては まずその 機 械 仕 掛 けの 音 楽 劇 で 古 代 神 話 伝 説 を 主 題 とし 超 自 然 的 な 驚 くべきもの の 概 念 を 用 いて 機 械 仕 掛 けの 真 実 らしさ を 留 保 つきながら 保 証 した こと そして 音 楽 劇 においても 演 劇 としての 最 大 の 楽 しみである 観 客 を 驚 かせ 称 賛 させ る という 本 質 的 な 驚 くべきもの の 劇 作 法 を 用 いたことであろう しかしながら これら 機 械 仕 掛 けの 音 楽 劇 はオペラではなかった オペラとなるにはす べての 台 詞 筋 の 展 開 が 音 楽 でつながれることが 必 要 であった コルネイユにとって 言 葉 を 聞 き 取 るためには 音 楽 は 障 害 物 でしかなかった よって フランス オペラの 理 論 形 成 に 重 要 な 基 盤 を 固 めたことは 否 めないが その 創 始 者 とみなすことはできないと 思 われる ここで オペラとなるのに 不 可 欠 なレシタティフによって フランス 語 の 台 詞 と 音 楽 を 結 び 付 けようと 努 力 した 最 初 の 詩 人 が 次 にみるペランである 23 本 論 文 5 6 頁 参 照 22

24 第 二 章 ペランとカンベールの ポモーヌ 前 章 で 見 た プシシェ 初 演 のわずか 2 ヶ 月 足 らず 後 の 1671 年 3 月 3 日 に オペラ ア カデミー の 杮 落 しとしてブテイユ 掌 球 場 において 上 演 されたのが 台 本 ペラン(Pierre Perrin)/ 作 曲 カンベール(Robert Cambert) によるパストラル ポモーヌ Pomone である ペランによると 公 演 は 大 成 功 のうちに 7 ヶ 月 続 き 146 回 の 上 演 回 数 を 誇 った 1 ウェルギリウス (Virgile) の アエネイス L Énéide の 膨 大 な 翻 訳 書 などで 名 を 挙 げた 詩 人 ペランは 1659 年 イッシーのパストラル La Pastorale d Issy をパリより 1 リュウ[= 約 4 キロメートル] 離 れたイッシーにある 金 銀 細 工 商 の 貴 族 ラ エ 氏 (René de La Haye) の 館 で 8 回 ないしは 10 回 上 演 した しかしながらフランス オペラはこの イッシーのパ ストラル 以 来 1671 年 ポモーヌ まで 12 年 間 も 上 演 されなかった 一 方 でイタリア オペラは 作 曲 家 カヴァッリ (Francesco Cavalli) と 装 置 家 ヴィガラーニ 親 子 (Gaspare, Carlo et Lodovico Vigarani) で 1660 年 台 本 ミナート (Niccolo Minato) の セルセ(クセルクセ ス)Xerse 1662 年 には 台 本 ブーティ 師 (abbé Francesco Buti) で 恋 するエルコレ(ヘラ クレス)Ercole amante 2 が ピレネー 条 約 の 締 結 及 びルイ 14 世 とマリー=テレーズ (Marie-Thérèse)の 祝 婚 のために 上 演 された リュリは 各 オペラにルイ 14 世 の 好 みに 応 じ バレエ 音 楽 を 挿 入 した しかしそれぞれ 8 時 間 6 時 間 もの 上 演 時 間 を 要 し 莫 大 な 費 用 が 掛 かり 主 導 したマザランが 没 した 後 コルベール (Jean-Baptiste Colbert) の 時 代 になる とオペラの 上 演 は 省 みられなくなった その 間 フランス 宮 廷 で 人 気 を 博 したのがモリエー ル/リュリによるコメディ=バレエであった 3 そのような 状 況 において ペランは 1669 年 6 月 28 日 ルイ 14 世 に 願 い 出 て フランス 語 によるオペラ 上 演 のための オペラ アカデミーAcadémie d opéra 設 立 の 許 可 を 得 た 4 そして 上 演 されたのが ポモーヌ である 第 一 節 ペランの 手 紙 と リリック 技 法 5 ペランは 第 一 作 イッシーのパストラル 成 功 の 後 1659 年 サヴォイ 公 のフランス 大 使 であったトリノ 大 司 教 ラ ルエール 師 (abbé de la Rouёre, archevêque de Turin) 宛 てに イ タリア オペラを 批 判 し 自 作 を 弁 護 する 長 大 な 手 紙 を 送 った プガン (Arthur Pougin) に 1 James R. Anthony, French Baroque Music from Beaujoyeulx to Rameau, op. cit., p 年 成 婚 のために 発 注 されたが 1662 年 テュイルリー 宮 殿 の 機 械 仕 掛 け 劇 場 完 成 まで 上 演 が 待 たれ た この 機 械 仕 掛 け 劇 場 は 4000 とも 6000 とも 言 われる 座 席 数 を 誇 り その 巨 大 な 空 間 のため 音 響 は 良 く なかった 3 Jérôme de La Gorce, L opéra à Paris au temps de Louis XIV (Paris: Édition Desjonquères, 1992), pp ちなみに 現 在 のガルニエのパリ オペラ 座 の 緞 帳 にはペランがルイ 14 世 より 創 設 の 認 可 を 得 た 日 付 1669 年 6 月 28 日 が 創 設 日 として 記 されている 竹 原 正 三 パリ オペラ 座 フランス 音 楽 史 を 飾 る 栄 光 と 変 遷 東 京 : 芸 術 現 代 社 1995 年 23 頁 5 ペランの 手 紙 と リリック 技 法 の 詳 細 については 以 下 の 拙 論 にある 村 山 則 子 フランス 初 期 オ ペラにおける 創 始 者 としてのピエール ペランの 役 割 彼 の 論 考 から 見 た 詩 と 音 楽 との 関 係 音 楽 文 化 論 集 第 1 号 頁 東 京 : 東 京 藝 術 大 学 大 学 院 音 楽 研 究 科 2011 年 23

25 よると この ラ エール 師 への 手 紙 Lettre à l abbé de la Rouёre はフランスにおいて 初 め て 出 版 された 音 楽 上 の 論 説 文 であるにもかかわらず 1881 年 の 自 著 まで 200 年 以 上 誰 にも 顧 みられることはなかったと 言 う 6 その 手 紙 の 中 で ペランはイタリア オペラに 対 して 長 大 すぎる イタリア 語 の ため 理 解 できない 観 客 が 多 すぎるなどと 9 点 の 論 点 で 批 判 し フランスで 上 演 された 初 めてのフランス 語 による 音 楽 劇 と 自 ら 誇 る 自 作 の 独 自 性 を 論 じた ペランの 上 記 のよ うなイタリア 批 判 に 対 してロマン ロランは イタリアの 諸 傑 作 にたいするこのような 無 知 ないしは 無 関 心 は 奇 妙 なことで これはフランスにおける 音 楽 精 神 の 凡 庸 さを 証 明 し ている 7 と 非 難 する また ラ ローランシーも ペランの 勝 利 は イタリア 芸 術 の 移 入 に 反 駁 するフランスのショーヴィニスムの 圧 力 と 合 致 したからである 8 とし フランス オペラはイタリアによって 霊 感 を 与 えられた 勝 利 であるということを 忘 れてはならない 9 と 結 論 づける デュロンは 2004 年 の 著 作 において ペランの 言 及 したこの 9 点 のうちに 彼 のフランス オペラに 対 する 指 向 が 読 み 取 れるとする イタリア オペラはフランス 聴 衆 の 熱 望 を 満 足 させられない なぜなら フランス 独 自 の 趣 味 楽 器 の 音 色 ダンス 合 唱 変 化 への 指 向 上 演 構 成 効 果 や 情 熱 を 測 る 尺 度 それらがイタリアとは 絶 対 的 に 異 なるからだ ま た 言 葉 がよく 理 解 されるためには 少 ない 聴 衆 の 前 に 多 くの 出 演 者 をというペランの 要 請 は 世 紀 フランス 音 楽 の 一 つの 問 題 点 であり 収 益 性 経 済 性 と 矛 盾 している そ のためペランは 生 涯 経 済 的 な 欠 乏 を 招 いていたとデュロンは 述 べる 10 しかしなんと 言 ってもペランの 業 績 において 注 目 すべきは これまであまり 検 討 されて こなかった リリック 技 法 L Art lyrique と 題 する 考 察 で フランス 語 と 音 楽 の 問 題 を 考 えたことであろう ペランが 1666 年 コルベールに 献 呈 した 音 楽 詩 歌 選 集 Recueil de paroles de musique の 冒 頭 に 載 せる 心 積 もりで 音 楽 と 言 葉 に 関 する 考 察 を 纏 めたのが リリッ ク 技 法 である その 手 稿 は 残 念 ながら 散 逸 し 断 片 のみが 残 っているが オールドは 1986 年 に リリック 技 法 に 関 する 詳 細 な 研 究 書 を 出 版 している 11 デュロンはオールドの 論 考 を 参 照 しながら リリック 技 法 の 断 片 からは ペランの 音 楽 と 言 葉 にたいする 深 い 認 識 が 読 み 取 れるとしている 12 その 中 で 何 点 か 挙 げると ペランは 音 楽 戯 曲 の 一 般 的 構 造 6 Arthur Pougin, Les vrais créateurs de l opéra français, Perrin et Cambert, op. cit., pp Daniela Dalla Valle, «Le succès du premier opéra en français: La première comédie française en musique. Pastorale de Pierre Perrin et Albert (sic) Cambert» dans L âge de la représentation: L art du spectacle au XVII e siècle, éd. Rainer Zaiser (Tübingen: GunterNarr Verlag, 2007), pp Catherine Kintzler, Poétique de l opéra français de Corneille à Rousseau, op. cit., pp なお ペランの 一 次 資 料 は 以 下 であるが 日 本 での 入 手 が 困 難 なため 参 照 されていない Pierre Perrin, Les Œuvres de poésie (Paris: Loyson, 1661). この 手 紙 に 関 してカンツレルは プガンより 引 用 し ヴァッレは 上 記 ペランの 原 作 より 引 用 している 7 ロマン ロラン 近 代 音 楽 劇 の 起 源 リュリおよびスカルラッティ 以 前 のヨーロッパにおけるオペラの 歴 史 ロマン ロラン 全 集 20 戸 口 幸 策 訳 東 京 : みすず 書 房 1982 年 258 頁 8 Lionel de la Laurencie, Les Créateurs de l opéra françias (Paris: Alcan, 1921), p Ibid., p Jean Duron, «Pierre Perrin un Virgile françias?» dans Poésie & calligraphie imprimée à Paris au XVII e siècle, dir. I. de Conihout et F. Gabriel (Paris: Bibliothèque Mazarine, Les Éditions Comp Act, 2004), p Louis E. Auld, The Lyric Art of Pierre Perrin, Founder of the French Opera (Henryville: Institute of Medieval Music, 1986) 12 Jean Duron, «Pierre Perrin un Virgile françias?», op. cit., pp

26 として クープレ (couplet) とエール (air) に 分 け クープレでは 2 行 詩 4 行 詩 5 行 詩 6 行 詩 を 用 い 不 必 要 な 語 句 を 切 り 詰 め 短 い 不 規 則 な 詩 行 を 勧 める エールにおいて は 自 由 で 荘 重 な 拍 子 や 動 きで 進 む (marche à mesure et à mouvement libres et graves) ので 4 行 詩 5 行 詩 6 行 詩 を 推 奨 する またフランス 語 独 特 の 無 音 の e の 処 理 が 詩 人 にとって 問 題 になることを 指 摘 し 句 切 れ ではリエゾンやエリジヨンのために 歌 い 手 の 息 継 ぎができなくなるので 無 音 の e を 使 うことを 終 始 一 貫 して 避 けるよう 彼 は 提 唱 する 脚 韻 は 特 に 音 楽 的 詩 句 では 必 要 とされる そこで 歌 い 手 は 息 継 ぎが 可 能 になるし カデン ツを 強 調 できる 彼 はこの 脚 韻 のうち[= 語 尾 が 無 音 の e である] 女 性 韻 について 語 尾 から 一 つ 前 の 音 節 がカデンツのために 長 く 目 立 つ 保 持 音 を 要 求 するので 不 安 定 さに 気 を 配 る よう 忠 告 する 彼 は 緩 慢 で 長 い 音 節 では 女 性 韻 を 軽 快 で 短 い 音 節 では 男 性 韻 を 使 うこと を 勧 める こうして 語 そのものが そのリズムによって 音 楽 となる また 脚 韻 が 作 りだす 言 葉 は その 語 尾 が 音 で 模 倣 されることによって 全 ての 美 が 作 り 出 される このことにつ いてデュロンは ペランはすでに 1650 年 代 はじめには 脚 韻 と 結 びついた 音 声 的 なカデン ツの 構 造 的 重 要 性 を 認 識 していた 13 と 述 べる このようなペランの 音 楽 と 言 葉 についての 具 体 的 で 詳 細 な 考 察 は それまで 誰 も 行 って いないとデュロンは 言 う 14 筆 者 はこの リリック 技 法 の 考 察 が 1660 年 代 半 ばだという ことを 勘 案 すれば 首 肯 できると 考 える 実 作 においてもペランはランベール (Michel Lambert) が 音 楽 を 付 けた 三 人 の 羊 飼 いの 男 女 が 歌 で 対 話 する 小 品 を 創 っていた 15 また 彼 は イッシーのパストラル でパストラ ルとして 初 めてフランス 語 のレシタティフを 用 いた 16 そして 同 時 代 のメネストリエ (père Ménestrier) 17 も 注 釈 するように 当 時 古 典 悲 劇 の 12 音 節 アレクサンドラン (alexandrin) による 朗 誦 が 全 盛 だった 時 に 彼 はアレクサンドラン によらない 歌 う 声 に 適 した 自 由 な 韻 文 詩 を 創 りだす そのことを 上 記 手 紙 の 中 で ペ ランはこう 述 べる 自 作 [= 音 楽 劇 の 台 本 ]に 加 えたのは アレクサンドランではありません なぜなら 短 く 句 切 れや 脚 韻 の 多 い 詩 句 の 方 が 歌 うのにはもっと 適 していて その 方 がより 頻 繁 に 気 楽 に 息 継 ぎができるから 声 には 便 利 なのです 18 ここから 見 るとペランは 詩 句 において なによりも 声 に 適 した 自 由 な 韻 律 詩 を 創 りだす 13 Ibid., p Ibid., p Arthur Pougin, op. cit., pp Claude-François Ménestrier, Des représentations en musique anciennes et modernes, 1 ère éd (Genève: Minkoff reprint, 1972), p H. Schneider, art. «pastorale» dans Dictionnaire de la musique en France aux XVII e et XVIII e siècles, dir. M. Benoit (Paris: Fayard, 1992), p Claude François Ménestrier ( ) 歴 史 学 者 で 音 楽 愛 好 家 宮 廷 バレエに 関 する 著 作 で 有 名 Arthur Pougin, op. cit., p Ibid., p. 66. «Ce que j ay ajousté du mien, est que j ay composé la pièce de vers lyriques et non pas alexandrins, parce que les vers courts et remplis de césures et de rimes sont plus propres au chant et plus commodes à la voix qui reprend son haleine plus souvent et plus aisément.» 25

27 ことに 苦 心 したと 言 えよう メネストリエは 1681 年 その 著 古 代 及 び 現 代 の 音 楽 による 上 演 Des représentations en musique anciennes et modernes の 中 でペランの 業 績 を わが 国 の 優 れた 作 曲 家 の 大 家 達 が 彼 の 言 葉 にエールを 作 曲 し われわれの 言 語 [=フラン ス 語 ]がもっとも 美 しい 情 熱 や 優 しい 感 情 を 表 現 できると 認 識 していた と 述 べている 19 ペランの 手 紙 の 論 点 は 確 かにショーヴィニスム 過 ぎる 傾 向 も 見 られ 一 種 の 揶 揄 を 持 って 引 用 されることも 多 い しかし リリック 技 法 において 至 っては 彼 が 手 紙 で 示 した 論 点 が 具 体 的 に 真 摯 に 深 められ 考 察 されていることが 分 かる 特 に 彼 が 脚 韻 と 結 びついた 音 声 的 カデンツの 構 造 を 認 識 したことは 音 楽 と 言 葉 との 関 係 に 重 要 な 視 点 を 導 入 したと 考 えられよう 第 二 節 ポモーヌ について 前 節 で 見 たように 音 楽 と 詩 句 について 考 察 したペランだが 彼 の 台 本 自 体 はこれまであ まり 評 価 されていない 当 時 において 彼 はサン=テヴルモンにその 詩 句 は 平 凡 だと 評 さ れ 古 典 劇 の 擁 護 者 であるボワローからもその 風 刺 詩 サティール 9 SatireIX の 中 でキノー 等 共 々 彼 は 宮 廷 中 を 退 屈 させる 駄 作 詩 人 として 執 拗 な 攻 撃 を 受 け その 詩 を 削 除 するよう 仮 借 なく 糾 弾 される 20 しかし 彼 は 音 楽 に 適 した 言 葉 を 書 いたという 点 では 評 価 されな ければならないと 考 える それにこの 作 品 は 悲 劇 ではなくパストラルであった 演 劇 としてのパストラルは 16 世 紀 半 ばよりイタリア スペインの 田 園 劇 のフランス 語 翻 訳 が 始 まり フランスの 田 園 劇 (pastorale dramatique) としては 1607 年 デュルフェ (Honoré d Urfé) の アストレ L Astrée が 出 版 され 大 流 行 をした 宮 廷 人 たちは 16 世 紀 半 ばから 始 まった 宗 教 戦 争 などの 陰 惨 な 現 実 の 世 相 から 逃 避 し 架 空 の 愛 の 世 界 に 遊 ぼ うとした 21 そこでは 舞 台 を 田 園 に 限 り 時 場 所 筋 の 三 単 一 は 限 定 を 広 げながらも 守 られ ギャラントな 恋 愛 が 主 筋 であり 神 話 上 の 神 々が 登 場 し 超 自 然 的 な 驚 くべきも の が 要 素 として 用 いられ また 夢 や 眠 りの 場 面 が 取 り 入 れられた 22 この 演 劇 としての パストラルは 1650 代 には 次 第 に 姿 を 消 し 代 わって 1659 年 ペランの イッシーのパスト ラル から 始 まる 音 楽 付 きのパストラル (pastorale lyrique) の 流 行 を 見 る この 演 劇 としてのパストラルには 要 素 として 超 自 然 的 な 驚 くべきもの のエピソード が 多 く 含 まれていた その 伝 統 を 音 楽 付 きのパストラルでも 引 き 継 いだ しかし 悲 劇 でな い 以 上 過 酷 な 運 命 を 前 にした 気 高 い 人 物 像 予 想 しない 筋 の 急 転 回 による 解 決 とい う 悲 劇 作 劇 上 の 驚 くべきもの の 要 素 は 要 求 されていない 19 Claude-François Ménestrier, Des représentations en musique anciennes et modernes, op. cit., p Arthur Pougin, op. cit., p. 51. «[...]le Sieur Perrin [ ] ayant fait souvent des paroles pour les airs que nos meilleurs Maîtres de Musique composoient, s apperçut que nôtre langue étoit capable d exprimer les passions les plus belles, & les sentiments les plus tendres,[...]» 20 Nicolas Boileau-Despréaux, «Satire IX» dans Satires, Épîtres, Art poétique, éd. J. -P. Collinet (Paris: Gallimard, Poésie, 1985), v «Ils ont bien ennuyé le roi, toute la cour,/ Sans que le moindre édit ait, pour punir leur crime,/ Retranché les auteurs, ou supprimé la rime.» 21 伊 東 洋 十 六 世 紀 末 の 演 劇 ( 年 ) フランス 文 学 講 座 4 演 劇 東 京 : 大 修 館 書 店 1977 年 63 頁 22 Catherine Kintzler, Jean Philippe Rameau, splendeur et naufrage de l esthétique du plaisir à l age classique (Paris: Minerve, 1988), pp

28 ポモーヌ の 舞 台 は 果 実 の 女 神 であるポモーヌの 果 樹 園 とその 庭 園 樫 の 庭 園 で 繰 り 広 げられ ポモーヌとヴェルテュヌ (Vertumne) の 恋 愛 の 成 就 で 幕 を 閉 じる プロロー グおよび 五 幕 からなるパストラルである この 劇 では イッシーのパストラル と 比 較 す ると 登 場 人 物 も 増 え 彼 らの 様 々な 変 身 シーンがあり 場 面 の 転 換 や 構 成 はより 複 雑 になっ ている プガンによると 前 作 イッシーのパストラル は パリ 郊 外 の 一 貴 族 の 館 で 上 演 されただけに 簡 素 なもので ダンスの 場 面 や 機 械 仕 掛 けはなかった 23 ペランの オペラ アカデミー において 機 械 仕 掛 けは 金 の 羊 毛 でコルネイユと 共 作 したスルデアック 侯 爵 (marquis de Sourdéac) が 担 ったが 結 局 ペランは 彼 に 裏 切 られ 借 金 を 一 人 で 担 わされ 投 獄 の 憂 き 目 に 会 う その 権 利 が 後 にリュリによって 買 い 取 られ 王 立 音 楽 アカデミー Académie royale de musique となって 独 占 されるにいたることは よく 知 られている 24 フランス オペラ 成 立 に 重 要 な 役 割 を 果 したペランだが 不 幸 な 結 末 に 終 わった 詩 人 といえよう ここで 作 曲 者 カンベールの 音 楽 について 見 てみよう 17 世 紀 においてすでにサン=テヴルモンはこの ポモーヌ について 詩 句 は 全 く 取 る に 足 らないが 音 楽 は 素 晴 らしいと 賞 賛 し そのレシタティフはリュリより 優 れていると 評 している 25 またプガンも 前 述 した 1891 年 の 著 作 で カンベールの 序 曲 でのオーケストラ の 配 置 や 和 声 のつけ 方 はリュリの 初 期 のオペラより 勝 っているとしている そして この ポモーヌ はそのレシタティフの 扱 い 方 や 和 声 の 自 然 さなどで カンベールが 非 常 に 熟 練 した 作 曲 家 だったと 分 かるとする 26 現 代 においてもアンソニーはカンベールの 記 譜 は リュリのそれより 進 んでいると 述 べる 27 ポモーヌ の 楽 譜 は 王 立 音 楽 アカデミー における 公 式 出 版 を 担 っていたバラール (Christophe Ballard) より 1671 年 に 出 版 されているが プロローグから 第 一 幕 および 第 二 幕 の 始 めまで 合 計 40 ページしか 残 されていない そのことについてプガンはリュリが 1672 年 には 新 たに 王 立 音 楽 アカデミー の 権 利 を 獲 得 し カンベールの 締 め 出 しを 図 ったこ とと 関 連 するとしている また 結 果 的 にイギリスに 亡 命 を 余 儀 なくされたカンベールが ポモーヌ の 楽 譜 を 持 ち 出 したとも 推 定 されると 述 べている 28 この 作 品 には 王 への 賛 辞 を 捧 げる プロローグ がオペラとして 初 めて 取 り 入 れられて いる プガンは この プロローグ をキノーの 創 設 とするのは 間 違 いであると 述 べる 29 確 かに イッシーのパストラル 終 幕 でのディアーヌによる 王 への 賛 辞 が ポモーヌ で 初 めて 独 立 した プロローグ として 設 定 されている 30 このプロローグ 付 き 五 幕 構 成 は リュリを 経 てラモー (Jean-Philippe Rameau) にも 引 き 継 がれる 23 Arthur Pougin, op. cit., p この 辺 りの 事 情 は Charles Nuitter et Louis Étienne Thoinan, Les origines de l opéra français (Paris: Plon, Nourrit et C ie, 1886), pp に 詳 細 な 記 述 がある 25 Lionel de la Laurencie, Les Créateurs de l opéra français, op. cit., p Arthur Pougin, op. cit., pp James R. Anthony, op. cit., p Arthur Pougin, op. cit., p Ibid., p この 王 を 讃 えるプロローグ 付 き 5 幕 構 成 は 1650 年 コルネイユの アンドロメード より 用 いられ 1671 年 プシシェ でも 同 じ 構 成 である しかしそれらは 機 械 仕 掛 け 劇 であり オペラではなかった 27

29 第 一 幕 冒 頭 でのポモーヌとニンフたちとが 歌 うエールは 4 音 節 の 繰 り 返 しが 用 いられ 古 典 劇 の 典 型 であるアレクサンドランは 用 いられていない 続 いてリトルネルの 後 にポ モーヌが 歌 うエールはプガンが 全 曲 を 引 用 し それは 優 雅 に 満 ちたカンティレーヌ[= 叙 情 的 で 簡 素 な 旋 律 ]であり カンベールの 音 楽 的 美 質 の 証 拠 であるとしているが この 音 節 は 5 音 節 で 成 り 立 っている ペランが 自 ら 述 べているように 音 楽 に 合 わせて 響 きの 良 い 言 葉 を 選 び 息 継 ぎが 楽 な ように 短 い 音 節 の 自 由 韻 律 の 詩 を 書 いた 現 われであろう ペランがカンベールと 共 に イッ シーのパストラル に 続 いて フランス 語 のレシタティフを 試 みたことはあきらかである 特 に 難 点 とされていた 無 音 の e および 語 尾 前 の 音 節 の 保 持 音 について ペランとカンベー ルは 注 意 深 く 言 葉 と 旋 律 を 考 えている 1672 年 リュリが 王 立 音 楽 アカデミー の 独 占 権 を 得 たことで カンベールはフランス での 音 楽 活 動 が 禁 じられ 1674 年 ロンドンに 渡 りチャールズ 二 世 の 音 楽 監 督 官 となり 同 年 ポモーヌ の 上 演 音 楽 喜 劇 アリアーヌまたはバッカスの 結 婚 Ariane ou Le Mariage de Bacchus 31 の 初 演 を 行 ったが 1677 年 不 可 解 な 死 を 遂 げた それはリュリの 指 示 による 暗 殺 だったという 説 もある 32 第 三 節 フランス オペラ 成 立 におけるペランの 役 割 ここまで 見 てきたように ペランがやがて 成 立 するトラジェディ アン ミュジックに 与 えた 影 響 は 以 下 に 要 約 されると 思 われる 第 一 に 彼 はそのオペラ 作 品 において 初 めてフランス 語 によるレシタティフを 用 い 自 由 韻 律 詩 を 創 り 出 し 王 を 賛 辞 する プロローグ を 設 けた 第 二 にその 理 論 に 関 して 手 紙 と リリック 技 法 という 二 つの 論 考 によって その 後 のフランス オペラ 理 論 の 基 本 を 創 った 手 紙 に 関 して イタリア 音 楽 とフランス 音 楽 との 優 劣 という 問 題 点 については 18 世 紀 初 頭 のラグネ 師 (abbé Raguenet) 33 を 始 め 様 々 な 芸 術 家 や 論 者 が 取 り 上 げたテーマであり やがて 1752 年 からの ブフォン 論 争 を 導 く ことになるであろう また リリック 技 法 では それまで 誰 も 論 じなかった 音 楽 と 言 葉 との 関 係 を 具 体 的 に 詳 細 に 検 討 した 第 三 にペランの 業 績 としては 何 よりも 1659 年 イッシーのパストラル 以 来 のフランス オペラ 上 演 の 空 白 を 乗 り 越 えて 1669 年 オペラ アカデミー の 設 立 を 実 現 し 1671 年 の ポモーヌ 上 演 を 果 したことであろう オペラ アカデミー はリュリに 買 い 取 られ ペラン 自 身 は 共 作 者 カンベールと 共 に 不 運 な 結 末 を 迎 えた しかし オペラ アカデミー の 創 設 があったからこそ リュリの 王 立 音 楽 アカデミー にフランス オペラの 設 立 が 引 き 継 がれていったといえよう 31 ペランとカンベールにより 1659 年 イッシーのパストラル 後 創 作 されたが 1661 年 マザラン 卿 の 死 により リハーサルのみで 終 わっていた 32 Lionel de la Laurencie, op. cit., p François Raguenet, Parallèle des Italiens et des François en ce qui regarde la musique et les opéra (Paris: Jean Moreau, 1702). 28

30 こうして 見 てくると ペランをフランス オペラの 創 始 者 と 呼 ぶことは 妥 当 であると 思 われる しかしながら 彼 が 上 演 した 二 つのオペラはパストラルであり トラジェディ アン ミュジックではなかった それはコルネイユの 機 械 仕 掛 け 劇 のように 古 代 神 話 や 伝 説 を 主 題 にしたものではなく また 悲 劇 でもなかった よって 超 自 然 的 な 驚 くべきもの は 舞 台 上 に 現 われるが 悲 劇 作 劇 上 の 観 客 の 驚 きと 称 賛 を 目 指 す 本 質 的 な 驚 くべきも の の 概 念 は 考 慮 されていないといえるであろう 29

31 第 三 章 王 立 音 楽 アカデミー 設 立 とリュリ 前 述 したように ペランの 権 利 を 買 い 取 ったリュリにより 1672 年 3 月 王 立 音 楽 アカデ ミーAcadémie royale de musique が 設 立 される 杮 落 しの 作 品 は 1672 年 11 月 のパストラ ル 愛 の 神 アムールとバッカスの 祭 典 Les Fêtes de l Amour et de Bacchus 1 であったが 翌 年 の 1673 年 4 月 キノーの 台 本 で 第 一 作 目 のトラジェディ アン ミュジック カドミュス とエルミオーヌ Cadmus et Hermione [= 以 後 カドミュス と 略 する]が 初 演 され 稀 に 見 る 成 功 を 収 めた トラジェディ アン ミュジックの 成 立 はこの 作 に 帰 されることが 一 般 的 である 2 カドミュス の 成 功 後 すぐにルイ 14 世 により 次 作 への 要 望 が 出 され リュリ とキノーは 早 速 創 作 にかかった それが 本 論 で 取 り 上 げるトラジェディ アン ミュジッ ク 第 二 作 アルセスト である 二 人 はこの 作 で カドミュス と 同 様 にそれまでのパス トラルから 縁 を 切 り さらに 意 欲 的 に 悲 劇 詩 人 エウリピデスの 原 作 を 用 い 古 代 ギリシア 悲 劇 の 再 興 をめざした この 試 みはフィレンツェのカメラータと 同 様 フランスでも 人 文 主 義 演 劇 以 来 の 100 年 に 渡 る 願 望 であった 古 代 ギリシア 悲 劇 のアイスキュロス ソポクレ ス エウリピデスの 悲 劇 は 言 葉 と 共 に 音 楽 やダンスが 挿 入 されていたが 当 時 は 勿 論 現 代 まで 音 楽 やダンスの 資 料 は 失 われたままである 3 本 章 ではまずリュリの 経 歴 作 風 について 見 ておきたい 第 一 節 リュリの 経 歴 とモリエールとのコメディ=バレエ リュリ (Jean-Baptiste Lully) はフィレンツェ 出 身 で 後 にフランス 国 籍 を 取 得 しルイ 14 世 の 宮 廷 で 活 躍 した 1646 年 14 歳 でフランスに 渡 り 1652 年 までルイ 13 世 王 弟 ガストン オルレアン 公 の 一 人 娘 モンパンシエ 公 女 (duchesse de Montpensier)の 館 に 仕 えた 1653 年 夜 のバレエ Ballet de la Nuit で 踊 り 手 として 宮 廷 にデヴューし 舞 踏 を 好 んだルイ 14 世 に 好 まれた やがて 宮 廷 バレエ (ballet de cour) の 音 楽 を 任 されるようになり,1658 年 から は 主 に 詩 人 バンスラード (Isaac de Benserade) と 共 作 し そのバレエ 作 品 は 次 第 に 演 劇 的 統 一 性 を 強 めるに 至 った 1661 年 王 の 宮 廷 音 楽 監 督 官 および 作 曲 家 (Surintendant et Compositeur de la musique de la chambre du roi) に 任 命 され フランスに 帰 化 し 翌 年 作 曲 家 ランベールの 娘 と 結 婚 した 1664 年 フォンテーヌブローにおける 祝 祭 で 再 演 されたコルネ 1 リュリは 王 立 音 楽 アカデミー の 開 場 を 急 ぎ モリエールと 共 作 したコメディ=バレエ 田 園 喜 劇 ジョルジュ ダンダン 気 前 のよい 恋 人 たち 町 人 貴 族 などの 中 から 引 用 合 成 してキノーの 台 本 を 付 け 加 え このパストラルを 作 った 2 トラジェディ アン ミュジックの 第 1 作 として カンツレルやアンソニーはペラン/ボエセの アド ニスの 死 La Mort d Adonis を 挙 げる 成 立 年 代 については カンツレルは 年 を 推 定 し アン ソニーは 台 本 は 1666 年 以 前 に 書 かれたとするが 楽 譜 は 散 逸 した Catherine Kintzler, Poétique de l opéra français de Corneille à Rousseau, op. cit., p James R. Anthony, French Baroque Music from Beaujoyeulx to Rameau, op. cit., p Philippe Beaussant, Lully ou le musicien du soleil, op. cit., p

32 イユ エディップ Œdipe では 王 の 要 請 で 序 曲 と 幕 間 でのバレエ 音 楽 を 書 いた 年 5 月 3 日 間 に 渡 って 繰 り 広 げられたヴェルサイユ 宮 殿 の 祝 祭 魔 法 の 島 の 悦 び Les Plaisirs de l Isle enchantée はアリオスト (Ludovico Ariosto) の オルランド 狂 乱 Orlando furioso を 下 に 構 成 され リュリも 参 画 した 初 日 は 王 や 貴 族 たちの 騎 乗 行 進 アポロン の 戦 車 宮 廷 バレエ 四 季 Ballet des Saisons のテーマからバレエのアントレ 5 が 繰 り 広 げ られた 2 日 目 ではモリエールの エリード 姫 La Princesse d Élide がリュリの 音 楽 とバレ エを 交 えて 上 演 され 3 日 目 には アルシーヌの 宮 殿 のバレエ Ballet du Palais d Alcine が 上 演 された デュロンは この 祝 祭 の 催 しはリュリの 後 のトラジェディ アン ミュジック の 形 成 に 大 きな 影 響 を 与 えたと 述 べる すなわち 初 日 での 行 進 やアポロンの 出 現 はプロ ローグに 当 たり 2 日 目 からが 本 体 の 劇 になり 歌 や 踊 りのディヴェルティスマンが 挿 入 されるという 構 成 である 6 コメディ=バレエは 1661 年 フーケ (Nicolas Fouquet) のヴォー=ル=ヴィコント 城 での 祝 祭 でモリエールがボーシャン (Pierre Beauchamps) の 音 楽 で 喜 劇 うるさがた Les Fâcheux を 初 演 した 時 が 始 まりとされる この 時 リュリは 短 い 曲 を 付 けただけであったが 1664 年 無 理 強 いの 結 婚 Le Mariage forcé よりモリエールと 組 んでコメディ=バレエを 作 り 始 め ヴェルサイユを 中 心 にさまざまな 祝 宴 を 飾 った 1664 年 上 記 の エリード 姫 1665 年 恋 は 医 者 L Amour médecin 1667 年 田 園 喜 劇 La Pastorale comique 1667 年 シシリー 人 Le Sicilien 1668 年 ジョルジュ ダンダン George Dandin 1669 年 プールソニャッ ク 氏 Monsieur de Pourceaugnac 1670 年 気 前 のよい 恋 人 たち Les Amants magnifiques 1670 年 町 人 貴 族 Le Bourgeois gentilhomme など 多 くの 作 品 を 送 り 出 した 後 のトラジェ ディ アン ミュジックが 主 題 を 古 代 の 神 話 や 英 雄 物 語 に 求 めたのに 対 し コメディ=バレ エでは 同 時 代 の 日 常 生 活 が 喜 劇 的 に 風 刺 を 交 えて 描 かれた よって 悲 劇 的 な 概 念 の 驚 く べきもの は 考 慮 されていないといえよう 1671 年 にはすでに 見 たようにモリエールとリュリはコルネイユとキノーを 加 えて 台 詞 歌 バレエ 機 械 仕 掛 けを 用 いた 悲 喜 劇 とバレエ プシシェ を 作 り これは 古 代 神 話 を 主 題 にし 後 のトラジェディ アン ミュジックを 導 いた プシシェ の 共 作 の 後 モリエールとの 関 係 は 悪 化 し リュリは 次 第 にオペラへと 関 心 を 向 けるようになる リュリは 当 初 フランス 語 はオペラには 向 かないと 思 っていた フ ランス オペラは 1659 年 のペランの イッシーのパストラル 以 後 は 1671 年 ポモーヌ まで 12 年 間 上 演 されなかった その 間 フランス 宮 廷 で 人 気 を 博 したのが このモリエール /リュリによるコメディ=バレエであった しかし 上 述 したように 1669 年 にペランにより オペラ アカデミー が 創 設 され 1671 年 3 月 にはブテイユ 掌 球 場 で ポモーヌ が 上 演 され 大 好 評 を 博 した 続 いてペランとカンベールに 協 力 して 1671 年 11 月 にはヴェル 4 ラ ゴルスによれば やはり 宮 廷 での 祝 祭 における 再 演 に 際 して リュリは 1669 年 コルネイユ ニコ メード で 間 奏 曲 を 1670 年 ラシーヌの ブリタニキュス でも 同 様 にバレエ 付 きの 間 奏 曲 を 作 曲 して いる Jérôme de La Gorce, Jean-Baptiste Lully (Paris: Fayard, 2002), p. 138, pp , p フランスの 宮 廷 バレエにおいては, 仮 面 や 扮 装 を 施 した 登 場 人 物 が 音 楽 に 伴 われて 登 場 し, 歌 や 踊 りを 披 露 する 場 面 を 指 した またこの 用 語 はディヴェルティスマンの 始 まりを 告 げる 行 進 曲 風 の 音 楽 にも 用 い られた 6 Jean Duron, «L instinct de M. de Lully» dans La tragédie lyrique, op. cit., p

33 サイユでギシャール (Henry Guichard) 台 本 /サブリエール (Jean de Granouilhet Sablières) 作 曲 のパストラル ディアーヌとアンディミオンの 愛 Les Amours de Diane et d Endymion が 初 演 された そして オペラ アカデミー では 1672 年 1 月 より パストラル 愛 の 神 アムールの 悩 みと 悦 び Les Peines et les Plaisirs de l Amour がジルベール(Gabriel Gilbert) 台 本 /カンベール 作 曲 により 好 評 の 中 に 上 演 を 重 ねていた 7 最 初 リュリはペラン/カンベールの 二 つのオペラを 問 題 にしていなかったが 次 第 にその 成 功 や 利 益 を 見 て 野 心 を 燃 やすようになった 年 リュリはペランより オペラ ア カデミー の 権 利 を 買 い 取 り 3 月 ルイ 14 世 より 王 立 音 楽 アカデミー として 独 占 権 を 得 て 図 例 1 オペラ 創 作 活 動 を 開 始 する 9 パストラル 愛 の 神 アムールの 悩 みと 悦 び は 急 遽 上 演 中 止 された 現 在 この 楽 譜 は ポモーヌ と 同 じくプロローグと 第 一 幕 しか 残 されていない 年 4 月 28 日 には 後 述 するようにコルベールやペローの 支 援 を 受 け モリエール 一 座 が 占 有 していたパレ=ロワイヤル 劇 場 をモリエール 亡 き 後 自 分 の 専 用 劇 場 とする 11 また 1673 年 4 月 30 日 には 王 令 を 得 て それ 以 後 リュリが 関 わらない 音 楽 上 演 において 歌 手 2 声 およびヴァイオリン 6 本 以 上 そしてダンサーを 使 用 することは 禁 止 されるように なる 12 以 上 のように 王 の 愛 顧 を 下 に リュリは 次 々に 自 らの 特 権 の 取 得 を 重 ねていき その 結 果 敵 対 者 が 増 えていったことは 自 然 の 成 り 行 きであった このことが 後 に 見 るパレ =ロワイヤル 劇 場 での アルセスト 初 演 時 における 不 評 と 陰 謀 の 一 因 ともなったと 考 え られる 第 二 節 トラジェディ アン ミュジックの 確 立 とレシタティフ リュリは 1671 年 プシシェ で 作 曲 と 一 部 歌 詞 を 担 当 し 1672 年 王 立 音 楽 アカデミー の 杮 落 しとして 愛 の 神 アムールとバッカスの 祭 典 を 上 演 したが まだ 完 成 されたレシ タティフは 書 いていなかった 一 方 で 詩 人 ペランは 1669 年 頃 までに トラジェディ アン ミュジックの 第 一 作 として ボエセ (Jean-Baptiste Boesset) と アドニスの 死 La Mort d Adonis を 書 いたが 作 品 は 失 わ れてしまった 1673 年 カドミュス において トラジェディ アン ミュジックの 最 初 の 形 式 が 確 立 さ 7 Jérôme de La Gorce, Jean-Baptiste Lully, op. cit., p Charles Perrault, Mémoires de ma vie, éd. Paul Bonnefon (Avignon: Renouard, 1909), p «Lulli, qui s étoit moqué jusques-là de leur musique, voyant le grand gain qu ils faisoient, demanda au Roi qu il lui fit don du droit de faire seul des opéras et d en avoir tout le profit.» 9 王 立 音 楽 アカデミー の 許 可 状 が 発 布 された 日 付 については 諸 説 があり 1672 年 3 月 11 日 -18 日 の 間 とされている Jérôme de La Gorce, Jean-Baptiste Lully, op. cit., p art. «Les Peins et les Plaisirs de l Amour» dans Dictionnaire de la musique en France aux XVII e et XVIII e siècles, dir. M. Benoit (Paris: Fayard, 1992), p Jérôme de La Gorce, Jean-Baptiste Lully, op. cit., p Emmanuel Haymann, Lully (Paris: Flammarion, 1991), p Jérôme de La Gorce, Jean-Baptiste Lully, op. cit., p Lionel de la Laurencie, Lully (Paris: Félix Alcan, 1919), p

34 れる それには プシシェ が 最 も 参 考 にされた 13 デュロンの 解 説 によると リュリは これまでのフランス オペラ ポモーヌ 愛 の 神 アムールの 悩 みと 悦 び で 使 われたパ ストラルを 回 避 し あくまで 古 代 悲 劇 の 復 元 を 目 指 し 音 楽 と 詩 を 完 全 に 結 び 付 けようと した 14 こうして 成 立 したトラジェディ アン ミュジックは 宮 廷 バレエからの 伝 統 を 引 き 継 ぎ 同 時 代 の 古 典 悲 劇 を 対 立 項 として 成 立 した 主 題 は 古 代 神 話 や 英 雄 物 語 から 引 か れ 機 械 仕 掛 けを 用 いた 華 麗 なスペクタクルで 観 衆 を 魅 了 した 戯 曲 は 主 にルイ 14 世 を 讃 えるプロローグと 五 幕 から 成 り 楽 曲 的 にはレシタティフとエール 合 唱 バレエ 器 楽 か ら 構 成 され ほとんどすべての 幕 に 合 唱 とダンスが 組 み 合 わさった 将 来 ディヴェルティ スマン 15 と 呼 ばれる 要 素 が 取 り 入 れられた プロローグと 五 幕 構 成 はペランやジルベー ルの 形 式 を 引 き 継 いでいるが リュリはレシタティフを 考 案 し すべての 台 詞 が 歌 で 繋 が れるようになった 2002 年 のリュリに 関 する 著 作 でラ ゴルスが 述 べるように トラジェ ディ アン ミュジックは 心 と 聴 覚 視 覚 を 同 時 に 楽 しませるという 野 心 的 な 出 し 物 で あった 16 と 言 えよう リュリはキノーにレシタティフによって 筋 を 進 められる 柔 軟 な 共 作 者 を 見 出 した グ ロは 1926 年 の フィリップ キノー その 生 涯 と 作 品 において 言 葉 はキノーが 先 に 書 いてリュリが 音 楽 を 付 け ディヴェルティスマンのエールはリュリが 先 に 音 楽 を 書 き キノーが 言 葉 をつけた 17 と 伝 える エールはそれまでの 宮 廷 エール (air de cour) から 引 き 継 がれたが レシタティフは 演 劇 の 朗 誦 法 を 手 本 にしたと 言 われている 今 日 ナンシー は 声 楽 的 見 地 からは 超 絶 的 技 巧 を 見 せる 場 面 はほとんどなく テクストの 理 解 が 優 先 された 18 と 分 析 する 前 に 見 たようにペランはレシタティフについてある 程 度 考 慮 した しかしコルニックは ペランのレシタティフは 完 全 ではなかった 19 と 述 べる ペランはまだ 最 低 限 しか 用 い なかった トラジェディ アン ミュジックとなるにはレシタティフで 劇 を 続 けることが 必 要 であった それまでにもフランスでは 宮 廷 バレエにおけるレシ[= 劇 中 の 朗 読 ]の 伝 統 が あり その 伝 統 をリュリは 宮 廷 バレエ モリエールと 共 作 したコメディ=バレエなどで 少 しずつ 発 展 させていった 20 聴 衆 はレシタティフを 韻 律 で 区 分 された 通 奏 低 音 に 伴 われた メロペ[= 古 代 ギリシア 劇 での 叙 唱 部 分 ]の 一 種 として 聞 いた しかし 悲 劇 を 進 行 させるレ シタティフはリュリのトラジェディ アン ミュジックで 確 立 された リュリとイタリアのレチタティーヴォとの 違 いで 何 よりも 顕 著 なのは イタリアでのレ チタティーヴォ セッコとアリアという 明 確 な 区 別 はフランスにはなく その 境 界 は 曖 昧 なことである レシタティフはエールの 抑 制 されパターン 化 された 旋 律 によって 助 長 され 13 Jérôme de La Gorce, Jean-Baptiste Lully, op. cit., p Jean Duron, «L instinct de M. de Lully» dans La tragédie lyrique, op. cit., p アンソニーによるとこの 名 称 は 18 世 紀 の 作 曲 家 カンプラ 以 前 には 使 用 されなかった James R. Anthony, op. cit., p Jérôme de La Gorce, Jean-Baptiste Lully, op. cit., p Étienne Gros, Philippe Quinault: sa vie et son œuvre, op. cit., p Sarah Nancy, «Les règles et le plaisir de la voix dans la tragédie en musique» dans Revue de dix-septième siècle, n o 223 (Paris: Presses Universitaires de France, 2004), p Sylvain Cornic, L enchanteur désenchanté, Quinault et la naissance de l opéra français, op. cit., pp Ibid., p Jérôme de La Gorce, Jean-Baptiste Lully, op. cit., pp , p. 515, p. 534, p

35 エールはレシタティフの 朗 唱 する 傾 向 を 完 全 に 放 棄 しない 年 の 著 作 でルセール (Lecerf de la Viéville) が 伝 えるところによると リュリは 歌 手 たちに 少 しも 装 飾 はつけないように 私 の レシタティフ はただ 話 すためにあって 全 くむらがないようにして 欲 しい 22 と 指 示 した そのレシタティフは 今 日 アンソニーが 説 明 するように 18 世 紀 に 見 られるような 幾 分 装 飾 音 を 加 えたものではなく 簡 潔 明 瞭 なものだった 23 またイタリアのレチタティーヴォは 拍 子 が 決 まっているが リュリには 三 種 類 のレシタ ティフの 形 式 がある 一 つは 単 純 叙 唱 (récitatif simple ou ordinaire) と 呼 ばれ 最 も 多 く 用 いられ 筋 書 きを 迅 速 に 進 めるために 短 い 対 話 のエールと 共 に 使 われる 決 まったリズ ムや 拍 子 がなく 会 話 のテクスト 理 解 のために 唯 一 の 通 奏 低 音 楽 器 に 伴 われる アルミー ド 第 二 幕 第 五 場 におけるアルミードのモノローグは 最 良 の 例 である 第 二 にレシタティフの 表 現 を 強 調 したい 時 には 拍 節 はやはり 変 化 するが 通 奏 低 音 の 伴 奏 だけではなく オーケストラが 付 けられる それが 伴 奏 付 き 叙 唱 (récitatif accompagné) と 呼 ばれ 24 ロラン 第 四 幕 第 二 場 アルミード 第 二 幕 第 三 場 にその 例 がある 特 に アルミード では アルミードの 魔 法 によって 出 現 した 麗 しい 庭 園 を 見 てルノーが 感 嘆 する 時 の 叙 唱 にオーケストラが 伴 奏 し 場 面 の 調 子 を 決 めるのに 重 要 な 役 割 を 果 してい る 25 第 三 に 規 則 的 な 拍 節 を 持 った 拍 節 叙 唱 (récitatif mesuré) である 1768 年 ルソー (Jean-Jacques Rousseau)がその 著 音 楽 辞 典 Dictionnaire de musique の レシタティフ の 項 目 でこの 用 語 を 使 い 説 明 している 通 常 の 単 純 叙 唱 が 通 奏 低 音 に 伴 われ 詩 句 の 韻 律 に 対 応 して 拍 節 を 変 えるのに 対 し 拍 節 叙 唱 においては 規 則 正 しい 拍 節 で 歌 われ 詩 句 によ る 拍 節 変 化 を 伴 わない 通 常 の 叙 唱 が 突 然 歌 の 旋 律 に 変 化 して 聴 衆 の 驚 きを 引 き 起 こす 効 果 のために 用 いられ ア テンポ (à tempo) と 記 譜 された 拍 節 叙 唱 は 通 常 の 叙 唱 より 詠 唱 に 近 く より 叙 情 的 で 喜 びや 悲 しみ 怒 りなどの 感 情 を 表 わす しかし 本 来 の 詩 句 の 持 つリズムを 重 視 すれば それに 応 じて 拍 節 は 変 化 するのが 自 然 であり ルソーは 拍 節 と 叙 唱 という 二 つの 語 は 矛 盾 を 伴 うと 述 べる 26 アティス 第 一 幕 第 四 場 サンガリード の 腹 心 ドリスのレシタティフに 拍 節 叙 唱 の 実 例 がある 27 イタリアではアリオーゾに 匹 敵 する 28 ルセールはまた リュリはラシーヌ 役 者 のシャンメレ (Marie Desmares Champmeslé) の 21 James R. Anthony, op. cit., p Lecerf de la Viéville, Comparaison de la musique italienne et de la musique françoise (Bruxelles: F. Foppens, 1704), t. 2, p «[...]point de broderie; mon Récitatif n est fait que pour parler, je veux qu il soit tout uni.» 23 James R. Anthony, op. cit., p Paul-Marie Masson, L opéra de Rameau (Paris: Henri Laurens, Rpt. New York: Da Capo Press, 1972), p James R. Anthony, op. cit., p Jean-Jacques Rousseau, art. «Récitatif» dans Dictionnaire de musique, 1 ère éd. Paris, 1768 (Arles: Actes Sud, 2008), p «Ces deux mots sont contradictoires. Tout Récitatif où l on sent quelqu autre Mesure que celles des vers n est plus du Récitatif.» 27 Rémi Castonguay, «Meter Fluctuation in Lully s Recitative» in Independent Study in Music History (NewYork: Hunter College, City University of New Yok, 2006), p James R. Anthony, op. cit., p

36 朗 誦 を 手 本 とした 29 と 記 す シャンメレはオテル ド ブルゴーニュ 座 の 女 優 でその 朗 誦 の 音 楽 性 をラシーヌに 高 く 評 価 されていた 当 時 歌 は 朗 誦 の 一 種 とされていた このリュ リがシャンメレの 朗 誦 を 手 本 にしたというルセールの 言 説 は 今 日 まで 定 説 となっている が それについてはラ ゴルスは 疑 問 を 呈 する リュリは 宮 廷 では 演 劇 を 観 劇 したと 思 われ るが その 頃 リュリが 得 た 上 演 の 独 占 権 に 対 して 反 目 するオテル ド ブルゴーニュ 座 の 主 役 が 演 じる 舞 台 をパリ 市 中 に オペラで 有 名 なリュリが 聞 きに 行 ったかどうかは 分 からな いとラ ゴルスは 述 べる 30 またクヴルールはルセールの 著 作 は 注 意 深 く 読 むようにと 勧 める 31 なぜなら イタリ アの 作 曲 家 がリュリより 優 れているとした 1702 年 ラグネ 師 (abbé François Raguenet) の 著 音 楽 とオペラに 関 するイタリアとフランスとの 比 較 Parallèle des Italiens et des François en ce qui regarde la musique et les opéra に 対 する 反 論 として 書 かれたので リュリを 無 条 件 に 賛 美 し 一 方 キノーをただその 台 本 作 家 としか 見 ていないと 述 べる その 真 偽 のほどは 確 かではないが 筆 者 としてはラ ゴルスの 述 べるように ラシーヌ などの 古 典 悲 劇 を 凌 駕 しようという 野 心 的 試 みをもってトラジェディ アン ミュジック の 創 作 に 当 たり しかも 宮 廷 音 楽 家 としてルイ 14 世 の 愛 顧 を 受 け 王 立 音 楽 アカデミー の 権 利 を 独 占 していたリュリが 今 や 自 分 の 独 占 権 のために 敵 対 する 市 井 のオテル ド ブルゴーニュ 座 の 女 優 の 朗 誦 を 聞 きにわざわざ 行 ったかは 分 からない 古 典 劇 の 朗 誦 に 適 ったレシタティフの 詩 句 を 書 く 役 目 は むしろ 当 のオテル ド ブルゴーニュ 座 におい て 長 年 多 岐 にわたる 演 劇 戯 曲 を 書 いて 来 たキノーが 担 っていたのではないか なぜなら リュリはキノーの 力 量 に 信 頼 を 置 いていたと 考 えられるからである 第 三 節 その 他 の 音 楽 形 式 第 一 項 エールについて イタリア オペラと 比 べて エールとレシタティフの 差 異 がない 点 について アンソニー は 1787 年 初 めて 王 立 音 楽 アカデミー でフランス オペラを 観 劇 したイタリアの 劇 作 家 かつオペラ 台 本 作 家 ゴルドーニ (Carlo Goldoni) の 言 葉 を 伝 えている 私 はアリアを 待 った [...] 踊 り 手 が 現 われた その 幕 はアリアなしで 終 わったと 思 った 私 が 隣 席 の 人 にそう 言 うと その 人 は 私 を 嘲 笑 して たった 今 聞 いた 数 場 面 の 中 に 六 つのアリアがあったと 請 合 った どうしてそんなことが 私 は 聾 じゃない!と 叫 んだ 器 楽 合 奏 がいつも 声 に 伴 奏 していた[...]しかし それは 全 部 レチタティーヴォと 思 った Lecerf de la Viéville, Comparaison de la musique italienne et de la musique françoise, op. cit., t. 2, p «Il écoutoit déclamer la Chanmélé, retenoit ses tons, puis leur donnoit la grace, l harmonie & le degré de force qu ils devoient avoir dans la bouche d un Chanteur, pour convenir à la Musique à laquelle il les approprioit de cette maniere.» Jérôme de La Gorce, Jean-Baptiste Lully, op. cit., p Jérôme de La Gorce, Jean-Baptiste Lully, op. cit., p Manuel Couvreur, Jean-Baptiste Lully, musique et dramaturgie au service du prince (Bruxelles: Marc Vokar Éditeur, coll, «la musique et son temps», 1996), pp James R. Anthony, op. cit., p

37 ゴルドーニが 勘 違 いしたようにイタリア オペラのアリアと 比 べて フランスのエール は 際 立 った 明 確 な 形 体 を 持 たない それはエール ド クール 33 の 伝 統 を 受 け 継 いでいて リュリはエール ド クールを 多 く 作 曲 した 義 父 のランベールからこのフランス 独 自 の 形 式 を 習 った 1972 年 のマッソンの 研 究 を 下 に 1997 年 アンソニーは トラジェディ アン ミュジック のエールを 四 種 類 に 分 ける 34 第 一 に 対 話 のエールは 短 いエールで レシタティフで 間 を 埋 めながらあらすじを 前 に 進 めるために 使 われた 第 二 にモノローグのエールで 俳 優 が 一 人 で 深 い 感 情 を 自 分 自 身 に 語 りかける 時 に 用 いられた 第 三 の 格 言 のエールは 主 に 腹 心 や 侍 女 など 脇 役 のエールに 使 われ 恋 愛 の 遊 戯 的 傾 向 を 持 つ この 第 三 のエールについては 17 世 紀 のリュリやキノーと 同 時 代 人 ボワローによって その 音 楽 と 詩 句 は 道 徳 的 に 淫 奔 だ と 弾 劾 された 35 第 四 にダンスの 歌 でディヴェルティスマンの 中 に 組 み 入 れられる 17 世 紀 前 半 のエール ド クールにその 源 が 見 出 せるが リュリはそれをコメディ=バレエで 発 展 させた そしてアンソニーの 分 析 によると リュリのトラジェディ アン ミュジックのエールに は 二 部 形 式 が 432 ロンド 形 式 が 83 三 部 形 式 が 55 ある 36 第 二 項 ディヴェルティスマンと 合 唱 について レシタティフとエールに 続 いてトラジェディ アン ミュジックで 大 切 な 音 楽 的 要 素 は ディヴェルティスマンである それは 世 紀 のフランス オペラにおいて 幕 中 幕 間 あるいは 劇 の 終 わりに 置 かれたバレエ 歌 器 楽 伴 奏 が 一 体 になった 演 目 を 指 した 宮 廷 バレエを 起 源 とし 劇 の 筋 書 きや 主 題 とは 離 れて 自 由 に 台 本 作 家 や 作 曲 家 の 裁 量 が 許 され ていた 箇 所 である 主 役 の 俳 優 たちは 自 分 の 存 在 を 提 示 する 必 要 がある 時 以 外 は 参 加 せず 見 物 する 側 に 廻 り 脇 役 たちや 踊 り 手 合 唱 などで 演 じられる また 合 唱 はダンスと 同 様 フランス オペラの 重 要 な 要 素 である それまでにも 宮 廷 バレ エでのプロローグやコメディ=バレエなどの 終 幕 の 出 し 物 として 使 われていた トラジェ ディ アン ミュジックにおいて 合 唱 はディヴェルティスマンの 装 飾 的 な 役 割 のみならず あらすじにおいても 受 身 ではあるが 劇 の 進 行 の 注 釈 者 として 活 動 する 17 世 紀 のオペラ 33 エール ド クール air de cour 宮 廷 歌 謡 の 意 である 16 世 紀 末 から 17 世 紀 前 半 アンリ 4 世 からルイ 13 世 の 時 代 にフランスの 宮 廷 や 貴 族 のサロンで 演 奏 された 世 俗 的 歌 謡 の 1 種 である 1571 年 A. ル ロアによって 最 初 の 曲 集 が 出 版 さ れた リュート 伴 奏 付 きの 独 唱 曲 と 4 声 ないし 5 声 の 重 唱 曲 の 2 種 類 があり 一 般 的 には 同 じ 旋 律 に 異 なっ た 詩 節 がつけられた 典 雅 な 歌 曲 である 宮 廷 バレエに 用 いられるようになると 対 比 の 付 いたより 劇 的 要 素 が 加 味 されていった 主 な 作 曲 家 として P. ゲドロン G. バタイユ A. ボエセ M. ランベールなどが いる ルイ 13 世 の 死 後 エール ド クールの 新 しい 曲 集 の 出 版 は 稀 になり 急 速 に 衰 えて 行 ったが 宮 廷 バレエを 経 て リュリが 曲 を 付 けたコメディ=バレエに 引 き 継 がれ トラジェディ アン ミュジックの エールとなり その 成 立 に 影 響 を 与 えた 34 Paul-Marie Masson, L opéra de Rameau, op. cit., pp James R. Anthony, op. cit., p Nicolas Boileau-Despréaux, «Satire X» dans Satires, Épîtres, Art poétique, op. cit., v «Et tous ces lieux communs de morale lubrique/ Que Lulli réchauffa des sons de sa musique?» 36 James R. Anthony, op. cit., p

38 台 本 には 出 演 者 全 員 のリストは 印 刷 されていないので 合 唱 の 人 数 は 分 からないが ペラン のオペラ アカデミーでは 15 名 であった 1778 年 には 50 人 になったと 推 定 されている 37 第 三 項 リュリの 器 楽 曲 について 王 立 音 楽 アカデミー のオーケストラについては 1704 年 に 公 式 記 録 があるが リュリ の 時 代 の 記 録 は 残 されていない しかし 大 きな 変 化 はなかったと 思 われる 大 合 奏 と 小 合 奏 に 分 かれ 大 合 奏 では 10 本 のヴァイオリン 8 本 のヴィオラ 8 本 の 低 音 部 を 受 け 持 つ ヴァイオリン (basse de violon 38 ) 計 26 本 の 弦 楽 器 と 8 本 の 管 楽 器 (オーボエ フルート 通 常 リコーダー バスーン) 1 組 のティンパニーで 構 成 され 序 曲 や 舞 曲 合 唱 の 伴 奏 を 担 当 した 小 合 奏 は 優 れた 演 奏 家 たちで 構 成 され ヴァイオリン 2 バス 2 バス ド ヴィ オル 2 クラヴサン 1 テオルボ 2 指 揮 者 1 で 構 成 され おもにソロや 重 唱 を 伴 奏 したり 時 には 独 奏 もあり また 大 合 奏 とともに 演 奏 したりした 39 器 楽 曲 は 三 つに 分 かれる 第 一 に 序 曲 は 世 紀 のオペラ オラトリオ 組 曲 の 冒 頭 に 置 かれた 器 楽 曲 による 一 様 式 を 指 すが 1658 年 アルシディアーヌのバレエ Ballet d Alcidiane でリュリにより 初 めてフランス 風 序 曲 が 用 いられた 40 フランス 風 序 曲 は 堂 々 とした 付 点 付 き 2 拍 子 系 の 開 始 の 緩 徐 部 分 フーガ 形 式 の 急 速 部 分 再 現 の 付 点 付 き 2 拍 子 系 緩 徐 部 分 の 三 部 で 構 成 される リュリはイタリア 風 序 曲 [=シンフォニア 形 式 の 導 入 曲 で 急 緩 楽 章 の 構 成 ]をフランス 風 に 変 えてこの 序 曲 の 形 式 を 確 立 した 1730 年 ごろまでは フランス 風 序 曲 は 聴 衆 を 静 かにさせ 舞 台 に 集 中 させるために 用 いられたが デュロンは 音 楽 的 な 見 地 から それは 聴 衆 の 耳 を 音 楽 に 馴 れさせ 次 に 入 る 悲 劇 への 準 備 を 導 くとい う 目 的 があった 41 と 述 べる 第 二 にドラマ 的 器 楽 曲 としてプレリュードとリトルネルが 場 面 転 換 や 人 物 の 登 場 を 導 き またエールやアンサンブルを 挿 入 するために 用 いられた 第 三 にダンス 曲 がある アンソニーはリュリのトラジェディ アン ミュジックに 取 り 入 れられたダンス 曲 数 を 調 べ 上 げている 42 2 拍 子 4 拍 子 系 のダンス 曲 としてルール Loure (2) ブーレ Bourrée (8) ガヴォット Gavotte (17) リゴドン Rigaudon (2) ジーグ Gigue (10) カ ナリー Canarie (5) また 3 拍 子 系 としてサラバンド Sarabande (4) パッサカイユ Passacaille (4) シャコンヌ Chaconne (8) メニュエット Menuet (47) パスピエ Passepied (2) そして 行 進 曲 はリュリには 2 拍 子 3 拍 子 系 両 方 見 られる 37 Ibid., p このバス ド ヴィオロンと 呼 ばれる 楽 器 については 明 らかではなく 4 弦 5 弦 など 諸 説 がある 関 根 敏 子 項 目 リュリのオーケストラ オディール デュスッド/ 伊 藤 洋 監 修 フランス 17 世 紀 演 劇 辞 典 東 京 : 中 央 公 論 社 2011 年 591 頁 39 James R. Anthony, op. cit., p 関 根 敏 子 項 目 リュリのオーケストラ 前 掲 書 頁 40 Henry Prunières, La vie illustre et libertine de Jean-Baptiste Lully (Paris: Libraire Plon, 1929), p Jean Duron, «Introduction» dans Atys (Paris: Avant Scène d Opéra, 2011), p James R. Anthony, op. cit., p

39 第 四 節 リュリによるトラジェディ アン ミュジックの 成 立 以 上 見 たように トラジェディ アン ミュジックが 成 立 するために 音 楽 的 に 多 岐 に 渡 る 要 素 をリュリは 創 作 し 結 びつけた 第 一 にフランス 語 によるレシタティフを 考 案 し 言 葉 の 韻 律 に 忠 実 に 音 楽 を 付 した 第 二 にエールはエール ド クールの 伝 統 を 引 き 継 ぎ 歌 手 の 技 巧 的 見 せ 場 はなく むし ろ 自 然 なレシタティフの 拡 大 された 形 式 を 採 り レシタティフとの 際 立 った 明 確 な 差 異 の 形 体 を 持 たない 第 三 にディヴェルティスマンというフランス 独 自 の 演 目 が 幕 中 幕 間 あるいは 劇 の 終 わりに 置 かれる それは 宮 廷 バレエを 起 源 とし バレエ 歌 器 楽 伴 奏 が 一 体 になり 劇 の 筋 書 きや 主 題 とは 離 れて 自 由 に 台 本 作 家 や 作 曲 家 の 裁 量 が 許 されていた 箇 所 である また それまでフランスにおいて 好 まれてきた 合 唱 はトラジェディ アン ミュジック においてさらに 大 きな 役 割 を 果 した 第 四 に 器 楽 曲 として リュリはフランス 風 序 曲 を 作 り また 場 面 や 登 場 人 物 の 導 入 にプ レリュードやリトルネルを 書 いた そしてトラジェディ アン ミュジックにおいて 宮 廷 バレエの 伝 統 を 受 け 継 ぐダンス 音 楽 が 多 く 挿 入 された こうしてみると リュリのトラジェディ アン ミュジックにおいては 新 しくフラン ス 語 のレシタティフが 考 案 されたと 同 時 に これまでのフランスの 音 楽 舞 台 の 伝 統 が 集 大 成 された 仕 事 でもあったといえよう 38

40 第 四 章 キノーについて リュリは 宮 廷 バレエやモリエールと 共 作 したコメディ=バレエなどで 20 年 近 いキャリア を 積 んできたが いまだ 長 いレシタティフをもった 文 学 的 な 劇 作 上 のテクストには 巡 り 合 っていなかった その 文 学 的 テクストを 書 いたのがキノー (Philippe Quinault) である 今 日 われわれは リュリのオペラ と 呼 ぶが 当 時 の 人 々は キノーのオペラ とも 呼 ん でいた 1 また 今 日 われわれが 用 いるオペラの 台 本 (livret) 及 び 台 本 作 家 (livrettiste) と いう 用 語 は 17 世 紀 にはなく キノーはあくまで 戯 曲 詩 人 と 呼 ばれた 2 それでは 戯 曲 を 担 当 したキノーについて 見 てみよう 彼 はわずか 18 歳 でデヴューした 早 熟 な 劇 作 家 であった 3 第 一 節 キノーの 経 歴 キノーは 1635 年 パリのパン 屋 に 生 まれ 4 19 世 紀 の 歴 史 家 ボシュロン(Boscheron)によれ ば 当 時 有 名 な 劇 作 家 トリスタン レルミット (Tristan l Hermite) の 家 に 従 僕 として 仕 え やがてギーズ 公 (duc de Guise) の 館 で 働 いたとされ これまでの 通 説 となっていた その ことに 関 してコルニックは 近 年 の 研 究 から 当 時 のキノーの 出 自 としては 珍 しいことであ るが 彼 はコレージュで 高 等 教 育 を 受 け 古 代 ラテン 語 や 古 代 演 劇 を 学 び 法 律 の 勉 学 にも 励 んだとしている 5 しかし いずれにしてもトリスタン レルミットやギーズ 公 の 庇 護 を 受 けたことは 確 かである 1653 年 18 歳 にして 喜 劇 恋 敵 Les Rivales より 劇 作 を 始 め 1671 年 までの 足 掛 け 19 年 間 で 喜 劇 5 作 悲 劇 4 作 悲 喜 劇 8 作 パストラル 1 作 宮 廷 バレエ 挿 入 の 喜 劇 1 作 音 楽 田 園 劇 1 作 合 計 20 作 を 書 いた そのうち 3 作 を 除 きオテル ド ブルゴーニュ 座 で 上 演 した なかでも 8 作 の 悲 喜 劇 は 1654 年 から 1662 年 にかけて 書 かれ キノーの 最 も 得 意 とする 分 野 であった 時 の 宰 相 マザランやフーケに 気 に 入 られるようになり 1661 年 に は 王 の 日 常 居 室 の 従 僕 の 地 位 を 得 また 1664 年 よりコルベールの 依 頼 を 受 けてシャプラン が 作 成 した 王 の 年 金 リストに 加 えられ 1670 年 10 月 35 歳 で アカデミー フランセー ズ 会 員 となる 当 時 は 古 典 劇 で 音 楽 が 挿 入 されていたが 1654 年 悲 喜 劇 寛 大 な 恩 知 らず La Généreuse Ingratitude では 二 人 の 恋 敵 が 同 じ 女 にセレナードを 歌 う 場 面 があった 6 また 1655 年 喜 1 Buford Norman, Quinault, Librettiste de Lully: Le poète des Grâces, op. cit., p フランスでは 1884 年 ゴーチエ (Théophile Gautier) により イタリア 語 の libretto より 初 めてオペラ 台 本 に livret という 語 が 用 いられるようになった Sylvain Cornic, op. cit., p コルニックは シャルル ペローによる キノーが 15 歳 の 時 大 変 楽 しい 喜 劇 を 書 いた とする 説 を 紹 介 しているが 現 在 までそれを 証 拠 付 ける 資 料 は 見 つかっていない Sylvain Cornic, op. cit., p. 41. not. 1. Charles Perrault, Les Hommes illustres qui ont paru en France pendant ce siècle avec leur portrait au naturel (Paris: Antoine Dezailler, ) t. 1, p フュルティエールはキノーの 卑 しい 出 自 を 揶 揄 する フュルティエールが 許 可 なく 辞 書 を 刊 行 した 理 由 で アカデミー フランセーズ からの 除 籍 にキノーが 票 を 投 じたため Sylvain Cornic, op. cit., p キノーが 学 んだのは 当 時 名 高 い ルモワーヌ 枢 機 卿 コレージュ le collège du Cardinal- Lemoine とされ ている Sylvain Cornic, op. cit., p Philippe Quinault, La Génereuse Ingratitude, tragi-comédie pastorale (Paris: T. Quinet, 1656). 39

41 劇 のない 喜 劇 La Comédie sans comédie は 唯 一 マレー 座 で 機 械 仕 掛 けを 使 って 上 演 され その 第 五 幕 には 後 にリュリの 義 父 になるランベールが 作 曲 したトリトンとセイレンの 2 重 唱 が 挿 入 された 年 2 月 13 日 には 宮 廷 バレエ 仮 装 した 愛 の 神 アムールのバレエ Ballet des Amours déguisés に 加 わったとされている 特 に 1664 年 12 月 末 あるいは 1665 年 1 月 始 め 初 演 の 悲 劇 アストラート ティールの 王 Astrate, roi de Tyr はコルネイユ モリエー ル ラシーヌに 匹 敵 するほどの 成 功 を 収 めた 8 こうして 1672 年 オペラに 転 身 する 前 に 戯 曲 作 家 として 20 年 近 くのキャリアを 誇 った リュリとの 合 作 の 時 期 は 早 く 1660 年 頃 から 宮 廷 バレエで 顔 を 合 わせているとされる しかし 2011 年 のキノーに 関 する 著 作 でコルニックは 1660 年 代 初 期 に 関 しては 現 在 はっ きりした 資 料 はないと 述 べる 1666 年 マスカレード インドにおけるバッカスの 勝 利 Le Triomphe de Bacchus dans les Indes 1666 年 宮 廷 バレエ ミューズのバレエ Ballet des Muses その 他 カーニヴァルでも 音 楽 のための 言 葉 を 書 いたとコルニックは 推 測 している 年 音 楽 田 園 劇 (églogue en musique) ヴェルサイユの 洞 窟 La Grotte de Versailles が 公 式 に 記 録 されたリュリとの 最 初 の 共 作 である 当 時 の 音 楽 劇 の 公 式 出 版 を 担 っていたバラール (Robert Ballard) 編 集 の 台 本 によると この 中 で 王 はディヴェルティスマンとしてニンフ の 一 人 を 踊 ったとされている 10 続 いて プシシェ において モリエール コルネイユ と 共 に 二 人 が 共 作 したことはすでに 触 れた 一 方 でキノーは 1671 年 パリの 会 計 院 (Chambre des Comptes) の 監 査 官 (auditeur) の 地 位 を 買 い 終 生 任 務 に 努 めたという 経 歴 も 持 つ 1672 年 11 月 王 立 音 楽 アカデミー の 杮 落 しとして ベレール 掌 球 場 (Jeu de paume du Bel-Air) でパストラル 愛 の 神 アムールとバッカスの 祭 典 が 上 演 され 続 いて 1673 年 4 月 キノー/リュリのトラジェディ アン ミュジックの 第 一 作 カドミュス が 同 じくベ レール 掌 球 場 劇 場 において 王 の 御 前 で 上 演 され 大 好 評 を 博 した この 作 品 でキノーは 原 作 としてオウィディウス(Ovidius)の 変 身 物 語 Les Métamorphoses から 主 題 を 採 った それ は 戯 曲 に 宮 廷 バレエを 付 け 加 え ヴィガラーニ (Carlo Vigarani) の 機 械 仕 掛 けと 舞 台 装 置 を 用 い 豪 華 で 華 美 なスペクタクルの 要 素 を 加 味 した 舞 台 であった 台 本 の 表 紙 には 悲 劇 と 銘 打 ってあり そこにキノーの 従 来 の 古 典 悲 劇 を 超 え 新 しい 悲 劇 を 創 出 するとい う 意 欲 が 読 み 取 れる この カドミュス の 人 気 は 絶 大 なもので 当 時 の 言 論 人 であった ロビネ ( Charles Robinet) は 1673 年 6 月 3 日 付 けの 韻 文 の 手 紙 で この 偉 大 な 出 し 物 では すべてが 満 たされている と 絶 賛 している 11 第 二 節 劇 作 家 とオペラ 戯 曲 家 としてのキノー 劇 作 家 としてのキノーは 自 由 さをなによりも 望 んだため いろいろな 形 式 の 戯 曲 を 書 い 7 Philippe Quinault, La comédie sans comédie (Paris: G. de Luyne, 1660), p. 91. Sylvain Cornic, op. cit., p Sylvain Cornic, op. cit., p Ibid., p not Philippe Quinault, La Grotte de Versailles, églogue en musique (Paris:Impr. de R. Ballard, 1668), p. 9. Jérôme de La Gorce, Jean-Baptiste Lully, op. cit., p Jérôme de La Gorce, Jean-Baptiste Lully, op. cit., p

42 た 12 しかしなんと 言 っても 悲 喜 劇 が 一 番 オペラ 成 立 に 影 響 を 与 えているだろう コルニッ クはキノーの 作 風 において 悲 喜 劇 より 十 数 年 先 のオペラにその 反 響 を 見 ている 13 具 体 的 には 彼 は 1660 年 悲 喜 劇 ストラトニス Stratonice とトラジェディ アン ミュジック 1674 年 アルセスト 1675 年 テゼーThésée 1676 年 アティス Atys との 間 テク スト 性 を 見 る 世 紀 の 演 劇 の 傾 向 を 概 観 すると 悲 喜 劇 は 古 典 主 義 第 一 期 あるいは リシュリュー 古 典 主 義 の 年 頃 に 全 盛 期 を 迎 える 悲 喜 劇 は 当 時 のロマネスクな 教 養 で 形 成 され 教 義 規 則 論 争 には 無 関 心 で 舞 台 に 筋 書 きの 快 楽 と 状 況 の 急 転 回 を 発 見 したい と 欲 した 運 命 に 打 ち 砕 かれた 主 人 公 が 偉 大 な 情 熱 との 葛 藤 を 乗 り 越 えようとする 筋 書 き が 多 い しかし 1634 年 ロトルー (Jean de Rotrou)の 死 にゆくエルキュール[=ヘラクレス] Hercule mourant 以 来 規 則 だった 悲 劇 への 回 帰 が 見 られ コルネイユは 1637 年 悲 喜 劇 ル シッド を 1648 年 には 悲 劇 と 表 題 を 変 更 した 1650 年 代 悲 喜 劇 と 悲 劇 の 創 作 が 停 滞 していた 頃 モリエールなどの 喜 劇 が 起 きる その 後 悲 喜 劇 は 復 活 し キノーは 第 二 世 代 だがそこには 第 一 世 代 の 遺 産 が 見 られる それは 劇 の 終 末 の 出 来 事 が 急 テンポになり 真 実 らしさ に 比 較 的 無 関 心 であり 急 転 回 に 雪 崩 打 つまで 筋 を 宙 吊 りにするなどに 見 られる そして 計 算 された 筋 の 多 様 さも 17 世 紀 前 半 の 遺 産 と 言 えよう またキノーはトマ コルネイユなどと 共 に 特 に 社 交 界 の 婦 人 たちの 間 で 大 流 行 した 恋 愛 中 心 のギャラントリー15 を 劇 の 中 に 組 み 込 んだ 1665 年 のラシーヌ アレクサンドル 大 王 も 同 じ 趣 向 で 書 かれている しかし 1660 年 三 劇 詩 論 を 書 いたコルネイユはギャラント な 演 劇 を 失 墜 させる 悲 劇 概 念 を 説 き 次 第 に 新 しい 演 劇 概 念 が 生 まれてくる そこでは 国 家 の 偉 大 な 関 心 事 あるいは 恋 愛 よりも 一 層 高 貴 でより 男 性 的 な 情 熱 すなわち 野 望 や 復 讐 のような 16 情 念 が 良 しとされた そしてコルネイユの 悲 劇 論 ではギャラントな 悲 劇 は 除 外 され 真 実 らしさが 一 番 要 請 される 17 ようになり かつて 隆 盛 を 誇 った 恋 愛 や ロマネスクな 題 材 は 廃 れていく 1666 年 よりオテル ド ブルゴーニュ 座 では 悲 喜 劇 の 上 演 が 無 くなった そしてルイ 14 世 時 代 の 第 二 古 典 主 義 時 代 には 単 純 な 悲 劇 統 一 され 規 則 正 しく 心 理 的 内 省 に 集 中 した 悲 劇 が 誕 生 し 1667 年 ラシーヌ アンドロマック を 見 る キノーの 演 劇 における 創 作 傾 向 とオペラに 転 向 してからの 初 期 作 品 との 関 連 性 で 一 番 特 徴 的 な 点 は 彼 が 持 っていた 悲 喜 劇 を 得 意 とした 作 風 であろう 戯 曲 作 家 としての 彼 は 始 め 喜 劇 を 書 き 悲 喜 劇 悲 劇 と 進 んでいく こうしてキノーは 悲 喜 劇 より 悲 劇 に 向 かい 次 第 に 筋 を 単 純 化 し 凝 縮 させようとした しかしその 悲 劇 には 1654 年 から 1662 年 に 12 Sylvain Cornic, op. cit., p Ibid., p Ibid., p la galanterie : 17 世 紀 貴 族 夫 人 のサロンを 後 ろ 盾 に 流 行 した 中 世 の 武 勲 詩 などの 騎 士 道 精 神 を 準 拠 と し 女 性 に 対 する 献 身 服 従 などの 礼 儀 を 重 んじる 美 学 様 式 本 論 ではその 様 式 を 用 いた 作 風 を ギャラン ト として 用 いる 16 Pierre Corneille, «Discours de l utilité et des parties du poème dramatique» dans Œuvres complètes, éd. Georges Couton (Paris: Galllimard, 1987), t. 3, p «Sa dignité demande quelque grand intérêt d État, ou quelque passion plus noble et plus mâle que l amour, telles que sont l ambition ou la vengeance;» 17 Sylvain Cornic, op. cit., p

43 かけて 8 作 書 かれた 彼 の 悲 喜 劇 のロマネスクでギャラントな 指 向 が 残 っている 彼 の 悲 喜 劇 を 得 意 とする 傾 向 は オペラ 戯 曲 においても アルセスト を 含 め 彼 の 初 期 のトラジェ ディ アン ミュジックに 強 く 見 られる その 傾 向 とは 第 一 に 悲 劇 において 遵 守 すべしとされた 場 所 時 間 筋 書 きの 三 単 一 の 原 則 からは 悲 喜 劇 もトラジェディ アン ミュジックも 共 に 逸 脱 していることである 悲 喜 劇 においては 場 面 は 次 々とめまぐるしく 変 化 するため 場 所 の 単 一 は 守 られていない むしろ 悲 喜 劇 では 場 面 の 多 様 さと 場 所 の 転 換 18 が 求 められた その 場 所 の 転 換 という 悲 喜 劇 の 要 素 は トラジェディ アン ミュジックにおいては 機 械 仕 掛 けや 装 置 の 転 換 に よって 世 紀 の 文 学 者 ヌガレ(Pierre-Jean-Baptiste Nougaret) の 言 葉 によれば 驚 きの 楽 しみ le plaisir de la surprise 19 の 効 果 を 狙 って 一 段 と 華 麗 に 取 り 入 れられ 見 せ 場 の 一 つ となっていくであろう 第 二 に 悲 劇 と 喜 劇 を 同 時 に 並 べ 暴 力 とロマネスクな 素 材 を 共 に 嵌 めこむのも 悲 喜 劇 の 特 徴 であった 初 期 のトラジェディ アン ミュジックにおいても 悲 劇 的 筋 と 共 に 副 筋 的 なコミックなエピソードが 挿 入 された またラシーヌなど 古 典 悲 劇 では 舞 台 の 外 とさ れた 戦 闘 流 血 死 の 場 面 が 舞 台 に 乗 せられる そして 悲 喜 劇 で 主 筋 とされたギャラン トな 恋 愛 は トラジェディ アン ミュジックでも 用 いられる 第 三 に 悲 喜 劇 では 結 末 はハッピー エンドで 終 わったが 初 期 のトラジェディ アン ミュ ジックにおいてもその 傾 向 を 引 き 継 いだ 悲 喜 劇 を 得 意 とするキノーの 劇 作 術 の 特 徴 としてコルニックは キノーが 規 則 論 争 理 性 よりも 技 巧 によって 感 覚 想 像 力 快 楽 に 訴 えることに 惹 かれていたと 述 べる 20 悲 喜 劇 の 美 学 で 育 てられたキノーの 傾 向 はオペラにも 引 き 継 がれていく トラジェディ アン ミュジックが 悲 劇 と 銘 打 っている 以 上 当 時 支 配 したアリストテレスの 詩 学 以 来 の 伝 統 をキノーは 考 慮 しながらも 自 然 とその 規 則 を 逸 脱 する 傾 向 を 持 っていた そして そこにオペラにおいて 従 来 の 悲 劇 を 乞 えて 新 しい 形 式 を 生 み 出 そうという 前 衛 的 な 試 みが 展 開 していく 素 地 があったといえよう 第 三 節 キノーのオペラ 作 品 の 構 造 キノーのトラジェディ アン ミュジックはプロローグと 五 幕 から 構 成 されている 一 作 品 において 平 均 して 1039 詩 行 6121 語 の 言 葉 があり このうち 97 詩 行 がプロローグに 用 いられた 一 方 で ラシーヌ 劇 では 平 均 1653 詩 行 で 語 の 言 葉 が 使 われる 21 レシタティフ 会 話 独 白 などは 前 もってキノーが 詩 句 を 書 き それにリュリが 音 楽 を つけた 一 方 ディヴェルティスマンはリュリが 音 楽 を 書 き それにキノーが 詩 句 をつけた 22 ボワローにキノーはその 詩 の 凡 庸 さを 誹 謗 されたが オペラの 詩 句 は 歌 われるので 歌 18 Antoine Adam, Histoire de la littérature française au XVII e siècle, 1 ère éd (Paris: Editions Mondiales, 1958), t. 1, p Jérôme de La Gorce, Jean-Baptiste Lully, op. cit., p Sylvain Cornic, op. cit., p Buford Norman, Quinault, Librettiste de Lully: Le poète des Grâces, op. cit., p. 28. not Ibid., p

44 の 中 で 一 つの 音 節 が 聞 こえなくても 言 葉 の 意 味 が 判 ること いくつかの 言 葉 が 聞 こえなく てもその 詩 句 全 体 が 判 ることが 義 務 付 けられ そのために 自 然 でよく 知 られ よく 使 われ る 言 葉 使 いがなされる 23 と ノーマンはペローの 言 説 を 引 用 して 弁 護 する その 引 用 さ れたペローの 言 説 は アルセスト 論 争 後 の 1692 年 に 書 かれた 古 代 人 と 近 代 人 の 比 較 Parallèle des Anciens et des Modernes 第 3 巻 の 中 にある 24 キノーはその 経 歴 から 見 る 通 り オテル ド ブルゴーニュ 座 での 俳 優 たちの 朗 誦 法 に 通 じていた 詩 を 作 る 技 法 にも 優 れていた 彼 は 1675 年 1677 年 と 王 の 祝 勝 記 念 讃 歌 を ア カデミー フランセーズ を 代 表 して 捧 げた 25 トラジェディ アン ミュジックのリハーサルではキノーは 重 要 な 役 割 を 果 し 俳 優 に 詩 句 の 叙 唱 法 を 教 えた 1678 年 には カドミュス 再 演 で 俳 優 たちに 指 導 を 行 った 功 績 に 対 して 王 はコルベールを 通 じて 3000 リーヴルの 下 賜 金 を 与 えた 26 また 1681 年 1 月 初 演 されたバレエ 愛 の 神 アムールの 勝 利 Le Triomphe de l Amour のリハーサルで 歌 手 指 導 のランベール 振 付 師 のボーシャンの 傍 らで 監 督 の 役 割 も 果 した 27 ここから 見 られるよ うに キノーの 仕 事 は 台 本 を 書 くのみならずリハーサルまで 続 いた リュリはオテル ド ブルゴーニュ 座 で 長 らく 戯 曲 を 書 き 俳 優 たちの 朗 誦 法 に 精 通 していたキノーの 資 質 を 十 分 評 価 して 共 作 者 に 選 んだであろう よって リュリがシャンメレの 朗 誦 を 聞 きにオテル ド ブルゴーニュ 座 へ 行 ったというルセールの 説 の 信 憑 性 は ここでもラ ゴルスが 述 べ るように 疑 問 符 がつくことになろう 第 四 節 キノーのオペラの 作 風 キノーはそれまでの 劇 詩 人 として 悲 劇 の 形 式 を 熟 知 していた よって 悲 劇 の 作 劇 要 素 である 驚 くべきもの の 概 念 は 当 然 念 頭 にあった そこに 超 自 然 的 な 驚 くべきもの をバネとして 効 果 的 に 結 びつけた 1926 年 にキノー 論 を 書 いたグロは 次 のように 評 価 する キノーはコルネイユの 理 論 をできるだけ 合 わせようと 努 力 した 筋 書 きに 機 械 仕 掛 け やダンスをうまく 結 びつけ 驚 くべきもの [=この 場 合 は 超 自 然 的 なもの]を 作 品 に 同 化 させようとした 28 またコルニックは 2011 年 の 著 作 で オペラの 超 自 然 的 な 驚 くべきもの はキノーによっ て 真 実 らしさ を 正 当 化 されたと 述 べる 29 少 し 長 くなるが 彼 の 説 明 を 要 約 して 引 用 し てみよう 23 Ibid., pp Charles Perrault, Parallèle des Anciens et des Modernes, t. 3 (Paris : Jean-Baptiste Coignard, 1692), pp Étienne Gros, op. cit., pp Sylvain Cornic, op. cit., p Paris, BNF, Manuscrits, Mélanges Colbert 301, fol, 216v o. 27 Jérôme de La Gorce, Jean-Baptiste Lully, op. cit., p Étienne Gros, op. cit., p Sylvain Cornic, op. cit., p

45 驚 くべきもの [=ここでは 超 自 然 的 なものに 限 ってコルニックは 使 用 する]はパストラ ルと 機 械 仕 掛 け 劇 からの 遺 産 である しかしフランス オペラに 適 用 する 際 の 矛 盾 は 同 様 に 大 変 注 目 に 値 する コルネイユとモリエールの 後 世 への 貢 献 は 決 定 的 であるが 彼 らはこの 実 際 に 演 じられているが 理 論 的 でないオペラへの 試 みには 敵 意 を 抱 いてい た 音 楽 付 きの 朗 誦 は 彼 らにとって 命 あるものではなかった モリエールはコルネイ ユほど 厳 格 ではなかったが この 音 楽 付 きの 朗 誦 の 場 面 は 劇 の 本 筋 からは 切 り 離 すか ごく 小 さいパストラルに 限 った ペランはたしかに ポモーヌ という 最 初 のオペラ の 詩 句 を 作 ったが 劇 詩 人 としての 才 能 はなかった キノーはここまで プシシェ でしかその 才 能 を 発 揮 する 場 を 与 えられていない しかしあらゆるジャンルの 演 劇 の 形 態 を 熟 知 していた リュリは 才 能 はあるが 作 曲 家 でダンサーでしかなかった 劇 詩 人 でも 文 学 者 でもなかった このことで フランス 音 楽 劇 の 成 立 にキノーがいかに 寄 与 したかが 分 かる 30 以 上 のようにグロとコルニックは キノーが 従 来 の 悲 劇 の 筋 書 きに 超 自 然 的 な 驚 くべ きもの を 結 び 付 けたと 評 価 する そしてペランは 超 自 然 的 な 驚 くべきもの をただの 装 飾 としたが キノーは 基 本 的 要 素 とした 31 キノーは 超 自 然 的 な 驚 くべきもの に 悲 劇 の 本 質 的 な 驚 くべきもの をうまく 結 び 付 けようとした そのことがキノーのオペ ラの 劇 作 術 において 基 本 的 な 構 造 を 担 っているといえるであろう また キノーは 当 時 の 社 交 界 の 婦 人 たちのサロンで 文 学 的 教 養 を 育 てたということも そのオペラのギャラントな 性 向 に 大 きい 影 響 を 持 っている ラ ゴルスはこう 述 べる キノーは その 詩 句 がサロンで 語 り 聞 かされることで 評 価 を 得 たという 経 歴 を 持 ち ゆえに 音 楽 性 に 優 れていた そして 繊 細 な 感 情 を 描 き 出 すすべを 心 得 ていた よって 最 もすぐれた 音 楽 劇 の 作 者 となった 32 このようなキノーの 繊 細 でギャラントな 傾 向 については 1674 年 アルセスト 上 演 の 年 に 没 したシャプランも 言 及 している 彼 は キノーは 深 さや 技 巧 がない 詩 人 だが 性 格 が 良 く 恋 愛 の 優 美 さで 感 動 させる 33 と 述 べている またコルニックはキノーの 特 徴 として 人 目 を 引 く 急 転 回 (péripéties spectaculaires) の 豊 富 さ 騎 士 道 精 神 34 を 指 摘 する キノーの 舞 台 の 主 人 公 たちは 絶 望 に 陥 っても 反 抗 せず 苦 難 にしっかりと 耐 え 復 讐 に は 訴 えない 英 雄 的 な 悲 劇 性 とギャラントな 倫 理 感 が 共 存 し ギャラントな 悲 劇 の 作 風 を 持 つと 言 えよう 30 Ibid., p Ibid., p Jérôme de La Gorce, Jean-Baptiste Lully, op. cit., p William Brooks, Philippe Quinault, Dramatist, op. cit., p Sylvain Cornic, op. cit., p

46 第 五 節 キノーのトラジェディ アン ミュジック 成 立 における 役 割 以 上 見 てきたように トラジェディ アン ミュジックの 成 立 にはキノーの 劇 作 家 とし ての 役 割 が 大 きかったと 思 われる 第 一 に 音 楽 を 付 けるのに 適 した 自 然 でよく 知 られ よく 使 われる 言 葉 使 いがなされる そこではアレクサンドランに 限 定 されず 後 に 見 るように 音 節 など 多 様 な 韻 律 の 詩 行 が 使 われた 第 二 にその 劇 作 法 において 長 年 の 戯 曲 作 家 としての 経 歴 から 劇 作 の 基 本 理 念 である 筋 の 展 開 により 観 客 の 驚 き/ 称 賛 を 得 て 感 動 させるというその 驚 くべきもの は 当 然 考 慮 されている そこに 超 自 然 的 な 驚 くべきもの を 単 なる 装 飾 ではなく 必 然 的 な 要 素 として 結 びつけるように 考 慮 がなされた しかしながらこの 考 慮 は 次 に 見 るように 1674 年 のトラジェディ アン ミュジック 第 二 作 アルセスト においてはいまだ 探 求 の 途 中 であり その 完 成 は 1686 年 アルミード などの 後 の 作 品 に 見 られるであろう 第 三 にその 作 風 には 当 時 の 恋 愛 中 心 のギャラントで 優 美 な 騎 士 道 精 神 が 見 られる 第 四 にその 喜 劇 悲 喜 劇 悲 劇 という 多 岐 に 渡 る 劇 作 家 としての 経 歴 から キノーには 悲 劇 の 必 須 条 件 とされたその 演 劇 規 則 に 縛 られず それを 超 えようとする 柔 軟 性 前 衛 性 があった 以 上 のような 柔 軟 で 逸 脱 性 を 備 えたギャラントな 作 風 により キノーはトラジェディ アン ミュジックの 成 立 を 導 いたといえよう 35 本 論 文 48 頁 参 照 45

47 第 二 部 アルセスト 論 争 1 ペローによる アルセスト 批 評 こうしていよいよ 1674 年 1 月 本 論 で 取 り 扱 う アルセスト が 上 演 される カドミュ ス の 成 功 でルイ 14 世 始 め 宮 廷 中 はリュリとキノーの 次 作 アルセスト の 初 演 に 大 き な 期 待 を 寄 せた この 間 1673 年 4 月 に 王 はリュリに 2 月 に 亡 くなったモリエールが 一 座 の 占 有 劇 場 としていたパレ=ロワイヤル 劇 場 を 王 立 音 楽 アカデミー として 使 用 とす る 許 可 を 与 えていた 初 演 は 1674 年 1 月 11 日 新 装 なったパレ=ロワイヤル 劇 場 で 行 わ れた 舞 台 装 置 や 機 械 仕 掛 けはヴィガラーニが 受 け 持 った( 図 例 2) セヴィニエ 夫 人 (Madame de Sévigné) が 8 日 月 曜 日 に オペラは 木 曜 日 に 上 演 される と 書 いている 一 方 で 当 時 のパリの 情 報 誌 ガゼット Gazette の 記 事 から 18 日 か 19 日 という 説 もある 1 この 時 王 はオランダ 戦 役 のため 不 在 で 初 演 には 臨 席 できなかった 宮 廷 でのリハーサルは 大 評 判 を 取 ったが 1674 年 1 月 パレ=ロワイヤル 劇 場 での 初 演 は 半 ば 失 敗 に 終 わり 陰 謀 も 取 りざたされた リュリの 音 楽 については 皆 が 認 めたが 不 評 の 矛 先 は 台 本 作 家 キノー 一 人 に 向 けられた その 理 由 は 古 代 ギリシアのエウリピデス ア ルケスティス を キノーは 改 竄 して 台 無 しにしてしまったというものであった それで はここでそのエウリピデス アルケスティス と キノーの アルセスト をその 梗 概 か ら 比 較 し どのようにキノーが 原 作 を 変 更 したかを 見 てみたい 第 一 章 アルセスト の 作 品 分 析 まず どうしてキノーはエウリピデスを 題 材 としたのであろうか それにはどんな 意 図 があったのか その 点 から 検 討 を 進 めていきたい 第 一 節 キノーがエウリピデスを 題 材 とした 理 由 リュリとキノーは アルセスト において 王 立 音 楽 アカデミー 杮 落 しの 1672 年 パストラル 愛 の 神 アムールとバッカスの 祭 典 でもなく またトラジェディ アン ミュ ジック 第 一 作 1673 年 カドミュス でのオウィディウス 変 身 物 語 からでもなく 古 代 ギリシアの 悲 劇 詩 人 エウリピデスを 原 作 とした 古 代 ギリシア 悲 劇 には 機 械 仕 掛 けによる 超 自 然 的 な 驚 くべきもの の 介 入 音 楽 や 合 唱 ダンスの 場 面 などトラジェディ アン ミュジックと 共 通 の 要 素 が 存 在 した しかしな がらグロによると その 共 通 の 要 素 はギリシア 古 代 悲 劇 とトラジェディ アン ミュジック では いろいろな 点 で 異 なっていたという 前 者 ではダンスは 控 えめで 神 々は 見 えない か 通 常 大 団 円 にしか 現 われない そして 機 械 仕 掛 けは 初 歩 的 なもので プロローグは 本 劇 と 一 体 化 され 歌 の 分 担 はほとんど 合 唱 に 限 定 される 2 この 点 についてラシーヌ 研 究 者 戸 張 は リュリとキノーは 単 にギリシアの 神 話 伝 説 から 人 物 を 借 り 悲 劇 に 合 唱 隊 を 導 入 し 歌 と 踊 りの 要 素 を 加 えればギリシア 的 なものとみなした とし しかし これは 1 Buford Norman, Quinault, librettiste de Lully: Le poète des Grâces, op. cit., p. 96, note Étienne Gros, op. cit., p

48 似 非 ヘレニズムでありラシーヌと 対 立 するものだ 3 と 批 判 を 加 える グロが 指 摘 するように 古 代 悲 劇 とトラジェディ アン ミュジックとではその 構 造 や 規 模 において 差 異 があったことは 確 かであろう 当 時 の 宮 廷 バレエ コメディ=バレエ 機 械 仕 掛 け 劇 の 祝 祭 的 絢 爛 豪 華 な 伝 統 の 下 に 成 立 したトラジェディ アン ミュジックは そ の 舞 台 装 置 機 械 仕 掛 け 合 唱 やダンス 登 場 人 物 の 多 彩 さなどで 古 代 ギリシア 悲 劇 の 簡 潔 さとは 異 質 なものであった しかしながら 古 典 悲 劇 がその 純 度 を 保 つために 機 械 仕 掛 けによる 驚 くべきもの の 介 入 音 楽 や 合 唱 ダンスの 場 面 などを 次 第 に 排 除 して いくのに 対 して トラジェディ アン ミュジックにおいては 構 造 的 規 模 的 差 異 は 別 とし てそれらの 要 素 がすべて 取 り 入 れられた キノーがエウリピデスを 原 作 とした 理 由 については 今 日 さまざまな 論 者 が 解 説 を 加 え ている ジルレトーヌは トラジェディ アン ミュジックが 古 代 悲 劇 の 領 野 に 属 している 主 題 を 攻 略 することが 可 能 で それに 値 することを 証 明 するため 4 と 説 明 している グロ もリュリがパストラルではなく 悲 劇 を 作 りたいという 願 望 にキノーが 答 えたとする リュ リとキノーは 古 代 悲 劇 を 復 元 し 悲 劇 であるということを 立 証 したかった 5 またデュロン によると リュリは オペラを 演 劇 よりももっと 古 代 の 理 想 に 近 づいた 高 貴 なジャンル として 提 示 したかったとする 6 フォレスティエは リュリとキノーの 側 としては 合 唱 やダンスや 機 械 仕 掛 けを 持 った トラジェディ アン ミュジックは 古 代 ギリシア 悲 劇 の 正 統 な 後 継 者 であり かつ 伝 統 的 な 悲 劇 や 喜 劇 の 上 演 においては 未 知 の 新 しいジャンルであると 示 したかった 7 と 述 べる このラシーヌ 研 究 者 フォレスティエの 解 釈 が 古 典 劇 のラシーヌたちと 対 立 して アルセ スト 批 評 を 書 いたペローと 似 通 った 意 見 であることは 興 味 深 い 古 代 ギリシアの 後 継 者 を 自 認 するラシーヌが リュリとキノーの 意 図 を 察 して 反 撃 に 出 ないわけはなかった フォ レスティエは これは 語 られる 悲 劇 に 対 する 闘 争 宣 言 だった 8 とする ラシーヌは 次 に 見 るように アルセスト を 擁 護 するペローの アルセスト 批 評 に 痛 烈 な 批 判 を 加 える それ 以 上 に 1951 年 の 研 究 でヴァニュクセンは ラシーヌ 自 身 も アルセスト を 上 演 した い 希 望 を 持 っていたと 伝 える 9 むしろラシーヌのその 兆 候 を 察 してリュリとキノーが 先 を 越 したことも 考 えられるであろう そこから 見 えてくるリュリとキノーの 意 図 は 二 人 には 古 代 悲 劇 の 復 活 を 目 指 すと 共 に 当 時 のラシーヌたち 古 典 悲 劇 を 凌 駕 したいという 野 心 があったことは 否 めないと 思 われる 当 時 17 世 紀 古 典 主 義 時 代 には アリストテレスの 詩 学 は 古 典 悲 劇 の 規 則 において 準 拠 すべき 規 範 とされた 悲 劇 と 銘 打 ったトラジェディ アン ミュジックは アリストテ レス 詩 学 においても 言 及 されるエウリピデスの 古 代 ギリシア 悲 劇 を 拠 り 所 とし しか 3 戸 張 智 雄 ラシーヌとギリシア 悲 劇 前 掲 書 108 頁 4 Cuthbert Girdlestone, La tragédie en musique ( ) considérée comme genre littéraire, op. cit., p Étienne Gros, op. cit., pp Jean Duron, «L instinct de M. de Lully» dans La tragédie lyrique, op. cit., p Georges Forestier, Jean Racine (Paris: Gallimard, 2006), p Ibid., p Jacques Vanuxem, «Racine, les machines et les Fêtes» dans Revue d Histoire littéraire de la France, 54 e n o 1, (Paris: Armand Colin, 1954), pp

49 も 古 典 悲 劇 の 規 則 の 枠 内 には 収 まりきれない 新 しい 舞 台 芸 術 を 目 指 していたといえるので はないだろうか そこに キノーがエウリピデスのあらすじ 構 成 に 大 幅 な 変 更 を 加 えた 一 因 が 見 られると 思 われる 第 二 節 アルセスト の 戯 曲 構 造 古 典 悲 劇 との 比 較 それではキノーの アルセスト の 戯 曲 構 造 はどうであろうか キノーのテクストは 当 時 から 悲 劇 として 独 立 して 読 まれ 彼 の 作 品 集 に 収 録 されている しかし 従 来 の 古 典 悲 劇 からは 明 らかに 逸 脱 した 構 造 が 見 える 第 一 に ラシーヌの 古 典 悲 劇 は 12 音 節 のみの 平 韻 10 で 組 み 立 てられているが キノーは さまざまな 音 節 の 詩 句 を 用 いた アルセスト に 関 する 論 考 を 纏 めた 三 人 の 編 者 はその 序 で 詩 句 の 点 から アルセスト の 構 造 を 詳 細 に 分 析 している 彼 らによると 全 1035 行 のうち 3 から 12 音 節 の 多 様 な 詩 行 が 用 いられている 詩 行 で 最 も 多 いのは 8 音 節 (octosyllabe) で 401 アレクサンドランは 252 脚 韻 形 式 は 様 々である 11 8 音 節 はこの 時 代 軽 い 音 楽 劇 で 用 いられた キノーは 12 音 節 ばかりのモノトーンや 重 い 調 子 を 避 け 8 音 節 を 多 用 したと 思 われる 3 行 以 上 のアレクサンドランが 続 くのは 稀 である アレクサン ドランは 多 くは 身 分 ある 主 役 たちのレシタティフに 使 われている 短 い 詩 行 はエールや 叙 情 的 なパッセージ 合 唱 などに 使 われた これら 詩 行 の 変 化 多 様 性 が 耳 に 心 地 よいリズ ムを 作 り 出 している ノーマンは キノーはアリストテレスデカルト 的 なミメーシス (mimēsis) を 用 いて 頭 脳 の 理 性 的 能 力 を 働 かせることにはあまり 関 心 がなく 直 接 的 に 感 覚 に 訴 えようとした 12 と 述 べる ラシーヌのように 精 巧 に 組 み 立 てられ 選 び 抜 かれた 詩 句 の 見 事 さというよりも キノーにおいてはペローが 後 にその 著 古 代 人 と 近 代 人 との 比 較 において 擁 護 するように 日 常 的 で 平 易 な 言 葉 で 直 接 耳 に 喜 びを 与 えることが 重 視 された といえよう それは 音 楽 を 通 して 聞 く 観 客 に 台 詞 を 理 解 しやすくするためになされた 自 然 の 配 慮 であろう 第 二 に アルセスト では 古 典 劇 の 三 単 一 の 原 則 において 時 間 場 所 の 単 一 は 守 ら れていない 第 一 幕 のスキロス 島 から 第 四 幕 の 冥 界 までを 一 日 で 巡 り 第 五 幕 で 戻 ってくる のはとても 無 理 な 行 程 である またヴィガラーニの 機 械 仕 掛 けによる 場 所 の 転 換 はトラ ジェディ アン ミュジックの 見 世 物 の 一 つであった ゆえに 場 所 の 単 一 も 守 られていない 第 三 に 第 一 幕 の 終 わりから 第 三 幕 始 めにかけて 誘 拐 嵐 町 の 包 囲 アドメートの 負 傷 アルセストの 自 死 と 多 くの 暴 力 場 面 や 流 血 事 件 が 展 開 する ラシーヌ 等 古 典 悲 劇 では それら 暴 力 や 流 血 死 の 場 面 は 舞 台 の 外 とする 規 則 があり 舞 台 上 には 乗 せられなかっ た 第 四 に 古 典 悲 劇 と 異 なり 喜 劇 の 要 素 もエピソードとして 加 えられている そこにボー サンは 17 世 紀 前 半 アストレ 以 来 のパストラルの 影 響 を 見 ている 彼 によると 忠 実 な 10 男 性 韻 と 女 性 韻 が 2 行 ずつ 交 互 に 置 かれる 脚 韻 形 式 11 William Brooks, Buford Norman et Jeanne Morgan Zarucchi éd. «Introduction» dans Alceste suivi de La Querelle d Alceste, op. cit., p. xxii. not Buford Norman, «Ancients and Moderns, Tragedy and Opera: The Quarrel over Alceste» in French Musical Thought , éd. Georgia Cowart (Ann Arbor: UMI Research Press, 1989), p

50 愛 と 心 変 わりする 不 実 な 愛 との 対 比 はパストラルの 基 本 的 テーマ 系 である キノーは 登 場 人 物 に 不 実 な 愛 と 忠 実 な 愛 との 様 々なヴァリエーションを 描 き 出 していると 述 べる 13 永 井 は 侍 女 セフィーズを 中 心 にバロック 美 学 から アルセスト を 論 じ 彼 女 の 心 変 わりに トラジェディ アン ミュジックにおいて 使 われる 機 械 仕 掛 けによる 場 所 の 転 換 との 関 係 性 を 見 ている 14 それらの 観 点 も 加 味 した 上 で 筆 者 はやはりキノーのそれまでの 戯 曲 作 家 としての 経 歴 においてコルニックも 説 くように 悲 喜 劇 の 作 者 だったことが 悲 劇 と 喜 劇 の 混 在 する 様 式 に 一 番 影 響 を 与 えているのではないかと 考 える セフィーズや 冥 界 への 渡 し 舟 を 操 るカロンのエールを 聞 くと その 味 わいは 17 世 紀 のリュリとキノーにしか 出 せな い 美 点 ではないかと 思 われる そして 悲 喜 劇 の 前 例 に 倣 い 結 末 がハッピー エンドに 終 わっていることも 悲 劇 と 銘 打 ちながらも 古 典 悲 劇 との 差 が 明 確 な 点 であろう 第 五 に 古 典 悲 劇 では 次 第 に 使 われなくなった 機 械 仕 掛 けが 多 用 され その 超 自 然 的 な 驚 くべきもの は 空 から 到 来 するアポロンやディアーヌ 海 の 女 神 テティス 風 の 神 エ オール 冥 界 のプリュトンやプロゼルピーヌなどの 表 象 の 形 で 舞 台 に 出 現 する その 神 々 には 後 の アルミード などの 戯 曲 と 比 較 すると いまだ 複 雑 な 心 理 的 葛 藤 は 与 えられ ず 装 飾 的 に 類 型 的 に 使 用 されていると 思 われる 第 六 に 以 上 の 超 自 然 的 な 驚 くべきもの だけではなく キノーは 観 客 の 予 期 せぬ 筋 の 急 転 回 からもたらされるアルセスト アドメート アルシード 三 人 の 主 人 公 たちの 格 調 高 い 人 物 像 を 造 型 し 悲 劇 の 基 本 要 素 である 驚 くべきもの の 効 果 を 上 げている 以 上 から 言 えることは キノーのトラジェディ アン ミュジックは 古 典 主 義 の 規 則 を 守 りながらも それを 逸 脱 する 多 様 性 の 中 に 新 しい 美 学 を 求 めていたと 思 われる よって 規 則 に 厳 格 で 統 一 性 を 尊 ぶ 古 典 劇 側 からの 攻 撃 は 激 しかった しかしながら 多 様 な 要 素 を 結 びつけ 観 客 を 悲 劇 として 感 動 させ 驚 き/ 称 賛 を 勝 ち 得 るには 高 度 な 構 築 力 と 技 巧 とが 必 要 とされたと 考 えられる トラジェディ アン ミュジックでは 悲 劇 の 驚 くべきもの の 規 則 に 従 いながらも その 規 則 を 逸 脱 した 超 自 然 的 な 驚 くべきもの の 介 入 によって 変 化 を 導 き 音 楽 とバレエのディヴェルティスマン で 観 客 の 目 や 耳 を 楽 しませることが 要 請 された しかもキノーの 歌 われる 台 詞 には 聞 き 取 りやすい 平 易 な 言 葉 が 用 いられたため 古 典 演 劇 の 長 台 詞 による 朗 誦 の 豊 かさ 複 雑 な 言 葉 のニュアンスはその 使 用 が 制 約 される またリュリの 音 楽 は 言 葉 の 理 解 を 妨 げないよう に 旋 律 を 抑 え 控 えめに 用 いられ 派 手 な 装 飾 は 取 り 去 られていた これらの 要 素 を 結 びつ けるには やはり 戯 曲 家 としてのキノーが 並 々ならぬ 技 量 を 持 っていたことが 理 解 される と 思 われる 第 三 節 アルセスト におけるリュリの 音 楽 ここで アルセスト で 用 いられたリュリの 音 楽 について 述 べておきたい まず 声 楽 的 には この 作 品 で 用 いられたレシタティフの 特 徴 は 決 まったリズムや 拍 子 13 Philippe Beaussant, Lully ou le musicien du soleil, op. cit., p 永 井 典 克 アルセスト : 十 七 世 紀 フランス オペラの 軽 さ もしくは 心 変 わり 教 養 論 集 (17) 頁 東 京 : 成 城 大 学 2003 年 49

51 がなく 会 話 のテクスト 理 解 のために 唯 一 の 通 奏 低 音 楽 器 に 伴 われる 単 純 なレシタティフ (récitatif simple ou ordinaire) が 多 く 用 いられている 筋 書 きを 迅 速 に 進 めるために 短 い 対 話 のエールと 共 に 使 われる 規 則 的 な 拍 節 を 持 ったレシタティフ (récitatif mesuré) の 様 式 はまだ 確 立 されていない 15 またエールは 対 話 の 短 いエールが 多 く レシタティフで 間 を 埋 めながらあらすじを 前 に 進 めるために 使 われた エールは 主 にストラトン セフィーズ カロンなど 腹 心 や 侍 女 な どの 脇 役 のエールに 使 われ 恋 愛 の 遊 戯 的 傾 向 と 滑 稽 味 を 受 け 持 つ セフィーズのエール は 巷 で 大 流 行 し ヴォードヴィルでは 盛 んに 替 え 歌 が 歌 われた そしてリュリのエールは レシタティフとの 差 異 がイタリア オペラほど 目 立 たない 合 唱 の 役 割 は アルセスト では 大 きくなり それは 重 層 化 し 多 様 化 した リュリは 古 代 ギリシア 悲 劇 のコロスの 役 割 を 合 唱 に 与 えている ラ ゴルスはイギリス 人 アディソン (Joseph Addison) の 1714 年 著 フランス オペラ 観 劇 記 を 伝 えているが その 中 でアディソン は 合 唱 隊 は 何 度 も 舞 台 に 現 われ 平 土 間 の 観 客 たちはしばしばその 声 と 唱 和 した 舞 台 上 の 俳 優 たちと 一 緒 に 歌 いたいという 願 望 はフランスでは 大 変 支 配 的 である 16 と 述 べて いる このフランスで 伝 統 的 に 人 気 のあった 合 唱 に リュリは 大 きな 比 重 を 掛 けている 第 五 幕 第 五 場 での アルシードは 冥 界 の 勝 利 者 だ という 合 唱 の 箇 所 は 年 当 時 の 戦 果 に 即 して トゥレーヌは 戦 争 に 勝 った と 歌 詞 を 変 えられて 流 行 した 17 器 楽 曲 では 開 幕 でフランス 風 序 曲 を 使 用 している ここでのフランス 風 序 曲 は 堂 々とし た 付 点 付 き 2 拍 子 系 の 開 始 の 緩 徐 部 分 フーガ 形 式 の 急 速 部 分 再 現 の 付 点 付 き 2 拍 子 系 緩 徐 部 分 の 三 部 で 構 成 されている 場 面 や 筋 書 きに 応 じて エールやアンサンブルを 導 入 するためにはプレリュードとリト ルネルが 演 奏 された リュリは 登 場 人 物 のヒエラルキーや 事 件 の 重 大 さによって 導 入 曲 を 変 えている アポロン ディアーヌなど 機 械 仕 掛 けで 登 場 する 驚 くべきもの の 告 知 には ロンド 形 式 の 器 楽 合 奏 によるエールや 全 合 奏 のリトルネルが 長 い 小 節 を 使 って 奏 で られる また 第 一 幕 第 七 場 アルセストがリコメードに 連 れ 去 られる 場 面 ではプレリュード が 2 回 演 奏 される 第 三 幕 第 五 場 での 葬 祭 の 合 唱 は 壮 大 なオーケストラのプレリュードで 導 かれる 第 四 幕 冥 界 の 王 プリュトンはプレリュードに 導 かれて 登 場 し 第 五 幕 でのアル シードたちをアドメートが 迎 える 場 面 アドメートとアルセストの 再 会 アポロンの 登 場 も 壮 麗 で 典 雅 なプレリュードが 用 いられる 一 方 でセフィーズとストラトンの 対 話 やカ ロンの 登 場 の 前 には 軽 妙 なリトルネルが 挿 入 される また 第 三 幕 の 第 三 場 と 第 四 場 は 犠 牲 になったのはアルセストだと 皆 に 知 れる 急 転 回 の 場 面 で その 筋 の 展 開 からの 驚 くべきもの を 効 果 的 に 表 わすために 導 入 曲 はなく いきなりアドメートの 驚 愕 の 台 詞 で 始 まる 次 に 器 楽 曲 としてダンス 曲 があるが その 頃 メヌエットが 流 行 し 多 く 用 いられている 15 カストンゲイは récitatif mesuré の 完 成 を 1676 年 アティス に 見 ているが アンソニーは 1685 年 ロ ラン から 例 を 引 き ラモーの 時 代 に 確 立 されたとする Rémi Castonguay, «Meter Fluctuation in Lully s Recitative» in Independent Study in Music History (New York: Hunter College, City University of New Yok, 2006), pp James R. Anthony, op. cit., p Jérôme de La Gorce, Jean-Baptiste Lully, op. cit., p Ibid., p

52 特 に 序 幕 と 最 終 幕 すなわち 最 も 豪 華 で 輝 かしい 場 面 に 用 いられる 第 一 幕 最 終 場 にはガ ヴォットが 入 れられ 第 三 幕 葬 祭 の 場 面 でのシャコンヌが 注 目 を 引 く バレエ 歌 器 楽 伴 奏 が 一 体 になったディヴェルティスマンは 各 幕 に 置 かれ 舞 台 を 華 麗 に 彩 る 主 役 の 俳 優 たちは 自 分 の 存 在 を 提 示 する 必 要 がある 時 以 外 は 参 加 せず 見 物 する 側 に 廻 り 脇 役 たちや 踊 り 手 合 唱 などで 演 じられる プロローグでは 川 や 森 のニンフた ち ナイアードたちが 王 の 帰 還 を 祝 い 第 一 幕 では 船 上 での 結 婚 の 祝 祭 が 繰 り 広 げられ 第 二 幕 はスキロス 攻 防 の 戦 闘 場 面 第 三 幕 においてはアルセストの 葬 儀 第 四 幕 の 冥 界 の 祝 祭 そして 最 後 の 第 五 幕 ではアルシードの 勝 利 およびアドメートとアルセストの 結 婚 を 祝 って 盛 大 なフィナーレとなる 以 上 が アルセスト におけるリュリの 音 楽 の 概 要 で ある それでは 次 に エウリピデスの 原 作 をキノーがどのように 変 更 したのか エウリピデス の 原 作 の 梗 概 と 続 いてキノーの アルセスト の 梗 概 をリュリの 音 楽 共 々 見 ていきたい 第 四 節 エウリピデス アルケスティス の 梗 概 アルケスティス は 現 存 するエウリピデスの 作 品 のうちで 執 筆 年 代 のもっとも 古 い 作 品 とされ 紀 元 前 438 年 に 上 演 された 梗 概 は 次 のようになっている 場 所 はテッサリアの 一 市 ペライの 宮 殿 の 門 前 である 序 としてまずアポロンと 死 の 神 が 登 場 して 応 答 する かねてよりアポロンが 賜 り 物 としてペライの 王 アドメトスに 彼 に 死 が 迫 った 時 代 わりに 死 ぬ 者 がいれば 寿 命 を 延 ばすと 約 束 していた それで 今 妃 の アルケスティスが 身 代 わりを 申 し 出 た 死 の 神 はアポロンが 冥 界 の 秩 序 を 乱 すとこぼす それに 対 してアポロンは いまに 大 した 人 物 が 現 われ アドメトスの 饗 応 を 受 け 力 ずく でアルケスティスを 君 から 奪 い 取 るだろうと 予 言 していなくなる 死 の 神 はアルケスティ スの 命 を 貰 いに 宮 殿 に 入 っていく 宮 殿 から 出 てきた 一 人 の 侍 女 がコロスに 死 の 準 備 をしているアルケスティスの 様 子 を 涙 ながらに 知 らせる 特 にアルケスティスが 臥 所 に 身 を 投 げかけ 新 婚 の 夜 を 思 い 出 して 号 泣 した 有 様 に 皆 が 貰 い 泣 きしたと 伝 える 侍 女 が 退 場 すると 9 人 のコロスは 順 次 この 悲 痛 な 事 件 を 歌 い また 二 部 に 分 かれて 応 唱 し 最 後 に 合 唱 する アルケスティスが 侍 女 に 助 けられて 登 場 し 後 ろにアドメトスと 二 人 の 子 供 が 従 う ア ルケスティスは 冥 界 への 川 を 渡 す 船 頭 カロンがもう 自 分 を 呼 んでいると 怯 え アドメトス は 悲 嘆 にくれる アルケスティスはまだ 若 い 自 分 は 命 を 惜 しまなかったのに アドメトス の 両 親 はもう 死 んでもいい 年 頃 なのに 身 代 わりになろうとしなかったと 恨 む しかしこう なったのも 神 様 の 計 らいだと 諦 めるが 子 供 たちに 継 母 は 持 たせてくれるなと 懇 願 する アドメトスは 約 束 し 今 後 は 琴 や 笛 歌 の 楽 しみも 断 念 し アルケスティスの 像 を 作 らせ 自 分 たちの 閨 に 一 緒 に 休 むように 置 いておくと 誓 う 自 分 にオルペウスの 歌 と 音 楽 の 技 が あったら アルケスティスを 冥 界 から 連 れ 出 せるのにと 歎 く 傍 に 控 えるコロスたちがア ドメトスの 誓 いの 証 人 になると 答 える やがてアルケスティスに 死 が 訪 れ 残 された 息 子 のエウメロスが 一 緒 に 老 後 を 迎 えら れないとは 父 上 も 甲 斐 のない 結 婚 をされたものだ と 歎 く アドメトスはコロスに 葬 儀 の 51

53 ために 歌 のこだまを 上 げ 返 す よう 命 じて 亡 骸 と 共 に 宮 殿 に 戻 る アルケスティスの 死 を 悼 んでコロスの 弔 歌 と 旋 舞 が 繰 り 広 げられる そこへ 12 の 功 業 の 一 つを 終 えたところで 諸 国 巡 業 中 のヘラクレスが 通 りかかり 旧 知 の アドメトスに 迎 え 入 れられる アドメトスは 近 縁 の 女 が 亡 くなったところだとアルケス ティスのことは 内 密 にして 城 の 奥 まった 部 屋 で 休 むようにヘラクレスを 饗 応 する 葬 儀 の 準 備 をしている 所 へ 父 親 のペレスが 弔 意 を 表 わしにやってくる アドメトスは コロスが 止 めるにもかかわらず 父 や 母 が 自 分 の 身 代 わりにならなかったことを 強 い 口 調 で 非 難 し 葬 儀 への 参 列 を 拒 否 する ペレスも 負 けずにお 前 にこの 王 国 を 譲 ってやった 自 分 たちに 悪 態 つくと 息 子 を 責 め 腰 抜 けのお 前 は 自 分 の 女 房 を 死 なせたと 罵 倒 する こう して 親 子 は 果 てしない 悪 態 の 限 りを 尽 くし アドメトスは もう 子 なしのまま 年 取 って 行 け とペレスを 追 い 出 す ヘラクレスをもてなしていた 従 僕 が ヘラクレスの 無 作 法 に 憤 る 飲 食 の 態 度 が 乱 暴 で 大 酒 を 飲 み 大 声 で 歌 をがなり 立 てる 性 の 悪 い 盗 人 とも 追 いはぎともいった 客 人 だ と 歎 く そこにヘラクレスが 出 てきて 従 僕 の 不 機 嫌 を 咎 めるので 従 僕 はアルケスティス の 死 を 教 える ヘラクレスは 驚 いて 快 く 饗 応 してくれたアドメトスへの 恩 義 のためにも 冥 界 へ 降 りてアルケスティスを 取 り 返 してくると 宣 言 する アドメトスはコロスたちに 慰 められながら 葬 儀 から 戻 ってくる アドメトスはこれから 妻 の 思 い 出 に 苦 しめられるだけでなく テッサリア 中 の 人 々が 自 分 のことを 妻 を 身 代 わ りにし 生 みの 親 を 罵 倒 したくせに 生 き 恥 を 晒 す 男 だ と 噂 するだろうと 気 に 病 む そこにヘラクレスがヴェールを 頭 より 被 った 女 の 手 を 取 り 登 場 する この 女 はある 試 合 で 貰 った 商 品 で ぜひ 世 話 をしてくれるようアドメトスに 申 し 入 れる アドメトスは 他 へ 連 れて 行 ってくれるように 言 うが しかし 女 が 若 いことに 興 味 を 示 し もし 置 いておくな ら 何 処 へ 置 けばいいか 戸 惑 い また 女 の 姿 形 がアルケスティスにそっくりなので 涙 が 迸 る ヘラクレスがアドメトスの 心 を 試 すように この 女 と 新 しい 結 婚 をすればいいと 言 うと アドメトスは 断 る ヘラクレスは 女 のヴェールを 挙 げてアルケスティスを 見 せる 驚 くア ドメトスにアルケスティスを 託 し ヘラクレスはまた 旅 立 っていく アドメトスは 一 同 に めでたい 喜 びのために 歌 舞 の 団 を 設 けさせ 祭 壇 に 犠 牲 の 牛 を 捧 げることを 命 じて 幕 とな る 以 上 がエウリピデス アルケスティス の 梗 概 である エウリピデスでは 全 幕 通 して 演 じられる コロスは 歌 い 踊 るように 指 示 され 合 唱 が 多 く 取 り 入 れられているが その 楽 曲 やダンスの 資 料 は 現 存 していない 当 時 悲 劇 喜 劇 作 者 は 単 に 台 本 を 書 いたのみならず 上 演 の 際 の 音 楽 を 作 り 演 出 をし 元 来 は 自 分 も 役 者 と なって 役 を 演 じた 18 ギリシア 古 代 劇 の 中 では 語 られる 台 詞 の 他 に 独 唱 合 唱 という 歌 唱 があり 歌 は 笛 (アウロス)の 伴 奏 を 伴 った また 踊 りもあった 19 コロスは 一 つの 劇 の 中 で 4 5 度 役 者 を 排 してコロスだけで 歌 い かつ 踊 る 場 面 (スタシモン stasimon) を 必 ずあてがわれ 登 場 の 際 にも 歌 いながら 登 場 する(パロドス parodos)のが 原 則 である 18 逸 身 喜 一 郎 ギリシャ ローマ 文 学 韻 文 の 系 譜 東 京 : 放 送 大 学 教 育 振 興 会 2000 年 260 頁 19 同 上 262 頁 52

54 20 こうしてみると グロが 指 摘 するように 規 模 の 差 異 はあるにしても 形 式 的 にはオペラ は 語 られる 演 劇 よりも ギリシア 古 代 悲 劇 に 近 いと 思 われる この 劇 では 舞 台 上 に 現 われ る 超 自 然 的 な 神 々はアポロンと 死 の 神 だけである ボーサンは エウリピデスの アルケ スティス は 大 変 簡 潔 で 大 変 地 味 ほとんど 単 調 であり ドラマ 的 というよりも 叙 情 的 であり 躍 動 的 というより 平 板 である 21 と 評 する 内 容 を 一 見 すると 悲 劇 というよりも 人 間 の 身 勝 手 な 利 己 主 義 ひとりよがり 気 ま ぐれ 矛 盾 などが 風 刺 の 効 いた 台 詞 と 共 に 描 かれているように 思 われる 戸 張 は この 悲 劇 は 身 代 わりに 貞 淑 な 妻 アルケーエスティスを 死 なせる 夫 アドメートスの 自 己 中 心 的 な 態 度 を 批 判 し むしろサテュロス 劇 22 の 趣 向 がある 23 とする またエウリピデスの 戯 曲 を 翻 訳 解 説 した 呉 は 悲 劇 とはいえ これは 幸 福 と 喜 びに 終 わるもので 大 多 数 の 学 者 に よって 恐 らくサテュロス 劇 の 代 わりに 上 演 されたと 考 えられ 内 容 的 にもそうした 気 配 が 濃 厚 に 窺 われる 24 としている ラシーヌは 後 に 見 るようにエウリピデスの 悲 劇 のなかで アルケスティスの 悲 劇 性 に 最 も 心 打 たれたとされる しかし 筆 者 には 戸 張 や 呉 が 指 摘 するように 悲 劇 性 よりもサテュ ロス 劇 の 傾 向 の 方 が 強 く 感 じられる 自 己 中 心 的 なアドメトスの 態 度 には 倫 理 的 に 現 代 でも 肯 定 しかねる 点 があると 思 われる 次 に 見 るようにギャラントな 傾 向 を 持 つキノーは 筋 を 変 えた ラシーヌが 扱 えば どうしたのか 興 味 深 い 点 である また 夫 の 身 代 わりに 妻 が 死 ぬという 主 題 や 試 合 の 商 品 に 女 を 提 供 するという 趣 向 か ら 見 て 古 代 ギリシア 時 代 観 客 は 男 性 だけだったせいもあるのではないか 25 と 思 われる 17 世 紀 においては 宮 廷 中 がこぞってオペラを 観 劇 した 特 に 宮 廷 の 女 性 の 影 響 力 は 強 かっ たので その 女 性 客 の 視 線 を 意 識 してキノーはエウリピデスを 改 作 したと 思 われる この アルケスティス と 同 じく エウリピデスでは タウリケのイピゲネイア や イ オーン のようにハッピー エンドの 悲 劇 が 作 られている このこともトラジェディ アン ミュジックが 悲 劇 と 銘 打 ちながらもハッピー エンドに 終 わる カドミュス アルセ スト などとの 関 連 が 見 られる 次 にキノーの アルセスト をリュリの 音 楽 共 々 検 討 してみよう 20 スタシモン パロドスはアリストテレース 詩 学 が 初 出 である 同 上 266 頁 21 Philippe Beaussant, Lully ou le musicien du soleil, op. cit., p 三 月 ないし 四 月 の 五 日 間 のディオニューシア 祭 において 三 日 間 悲 劇 の 上 演 が 行 われ 一 日 当 たり 悲 劇 が 三 篇 と サテュロス 劇 といわれる 一 種 の 滑 稽 な ただし 喜 劇 とは 違 ったジャンルであると 考 えられて いた 芝 居 が 一 篇 の 計 四 篇 が 同 じ 作 者 によって 作 られ 上 演 された 逸 身 喜 一 郎 前 掲 書 260 頁 23 戸 張 智 雄 ラシーヌとギリシア 悲 劇 前 掲 書 106 頁 24 ギリシア 悲 劇 III エウリピデス ( 上 ) 呉 茂 一 訳 東 京 :ちくま 文 庫 1986 年 7 頁 25 逸 身 はこの 説 を 採 るが 一 部 女 性 にも 観 劇 が 許 されたという 説 を 採 る 研 究 者 もいる 逸 身 喜 一 郎 ギ リシャ ローマ 文 学 韻 文 の 系 譜 前 掲 書 頁 53

55 第 五 節 アルセスト 作 品 分 析 プロローグ: 登 場 人 物 名 セーヌ 川 のニンフ テュイルリーのニンフ 栄 光 の 女 神 マルヌ 川 のニンフ 河 の 神 々たち 喜 びの 神 々 川 や 森 のニンフたち ナイアードたち 住 民 たち 声 種 ソプラノ ソプラノ ソプラノ ソプラノ 悲 劇 : 登 場 人 物 名 役 柄 声 種 アルセスト ヨルコスの 王 女 ソプラノ セフィーズ アルセスト 腹 心 の 侍 女 ソプラノ アドメート テッサリアの 王 オート コントル 26 クレアント アドメートの 近 習 テノール アルシード ヘラクレスの 別 名 バス ターユ 27 リュカス アルシードの 腹 心 オート コントル リコメード スキロスの 王 バス ストラトン リコメードの 腹 心 バス フェレス アドメートの 父 テノール テティス 海 の 女 神 リコメードの 姉 ソプラノ アポロン オート コントル ディアーヌ ソプラノ プリュトン 冥 界 の 王 バス プロゼルピーヌ プリュトンの 妃 ソプラノ メルキュール 黙 役 エオール 風 の 神 バス ターユ カロン 冥 界 への 渡 し 舟 の 船 頭 バス ターユ アレクトン 復 讐 の 3 女 神 の 1 人 オート コントル その 他 水 夫 羊 飼 い テッサリアの 人 々 世 紀 後 半 より 18 世 紀 末 にかけて,フランス オペラで 用 いられた 最 高 音 部 を 受 け 持 つテノールを 指 す 世 紀 後 半 より 18 世 紀 末 にかけてフランス オペラで 用 いられた 今 日 ではバリトンの 声 域 を 指 す 54

56 プロローグ 喜 びの 帰 還 と 題 されている 開 幕 のフランス 風 序 曲 は 堂 々とした 付 点 付 き 2 拍 子 の 開 始 の 緩 徐 部 分 とフーガ 形 式 の 急 速 部 分 そして 再 現 の 緩 徐 部 分 の 3 部 で 構 成 されてい る 場 面 の 装 置 はテュイルリー 宮 殿 と 庭 を 表 わしている ノーマンは 舞 台 がどんなに 豪 華 で 祝 祭 的 であろうとヴェルサイユの 庭 や 宮 殿 などの 表 象 形 式 は 統 一 されていると 述 べる 28 そこに 舞 台 装 置 のみならず 舞 台 衣 装 などにも 後 述 するペローが 属 した 小 アカデミー による 統 一 様 式 があったことが 連 想 される ルイ 14 世 の 戦 場 からの 帰 りを 待 ちわびるセーヌ 川 のニンフの 歎 きで 幕 が 開 く ボーサン によれば ルイ 14 世 は 若 い 時 より 戦 場 を 好 んだ 前 年 の 1673 年 だけに 限 っても 1673 年 の 春 から 秋 の 始 まりまで 166 日 間 フランドルに 滞 在 し 騎 乗 したり 戦 場 の 野 営 テントにい た 29 その 時 太 鼓 とトランペットの 軍 隊 行 進 曲 が 鳴 り 響 き 雲 に 乗 って 栄 光 の 女 神 が 降 りて くる もう 王 は 遠 くなくお 戻 りだ と 女 神 が 述 べると 一 同 は 歓 喜 して 王 の 帰 還 を 祝 い 歌 や 踊 りのディヴェルティスマンが 繰 り 広 げられる 特 にテュイルリーのニンフのエー ル 芸 術 の 神 よ 自 然 の 神 と 調 和 して L Art, d accod avec la Nature は 当 時 人 気 を 博 した このプロローグはそれまでの 宮 廷 バレエと 同 じ 形 式 を 踏 襲 している ボーサンはプロ ローグには 次 に 始 まるオペラの 主 題 が 表 現 されていて その 隠 喩 を 解 読 するように 観 客 を 仕 向 けるとする 彼 によればその 隠 喩 とは 次 に 始 まる アルセスト の 本 体 においても 語 られることの 中 心 に 太 陽 王 [=ルイ 14 世 ]の 人 物 像 がある 30 ということである 再 び 開 幕 の 序 曲 が 繰 り 返 されて プロローグは 終 わる 第 一 幕 舞 台 は 海 港 を 表 わす 何 艘 かの 戦 闘 用 の 船 に 交 じり 祭 典 のために 装 飾 された 雅 びな 大 きな 船 が 見 える ボーサンはここに ルイ 14 世 が 1668 年 よりヴェルサイユに 作 らせ 完 成 したばかりの 大 運 河 le Grand Canal に 船 を 浮 かべさせ 貴 婦 人 たちと 行 楽 する 情 景 を 重 ねる 31 ジルレトーヌも アルセスト 上 演 の 近 年 に ヴェルサイユの 大 運 河 に 進 水 した 小 船 団 を 想 起 する 32 第 一 第 二 場 :アルセストとアドメートの 結 婚 の 祝 宴 で 幕 が 開 く アルセストを 秘 かに 恋 するアルシードは 嫉 妬 するが 諦 めている 当 時 のヴェルサイユの 祭 典 の 状 況 が 髣 髴 とされ る 華 麗 な 婚 礼 の 場 では 合 唱 が 祝 婚 歌 を 奏 し 対 照 的 に 悲 嘆 にくれるアルシードのレシタ ティフが 続 く アルシードが 溜 息 をつく 開 幕 の 場 面 はまさに 悲 劇 における 陳 述 のようであ る たった 7 行 で 愛 と 嫉 妬 というアルシードの 内 面 の 葛 藤 に 観 客 を 導 く この 場 でのアル シードとリュカスのレシタティフは 高 貴 な 感 情 が 表 現 される 12 音 節 アレクサンドランで 28 Buford Norman, Quinault, Librettiste de Lully: Le poète des Grâces, op. cit., p Philippe Beaussant, Lully ou le musicien du soleil, op. cit., p Ibid., p Ibid., p Cuthbert Girdlestone, op. cit., p

57 ある 華 麗 な 祝 祭 の 場 面 を 背 景 に そこに 繰 り 広 げられる 悲 劇 的 な 恋 愛 が 第 一 のテーマで あるということが 開 幕 で 知 れる 第 三 第 四 場 :リコメードの 腹 心 ストラトンが 現 われ アルセストの 侍 女 セフィーズを 巡 っ てリュカスとのやりとりが 続 く この 2 場 に 渡 るコミックな 副 筋 的 エピソードの 展 開 につ いては 後 世 のキノー 支 持 者 の 間 においても 18 世 紀 のヴォルテール 始 め 評 判 はよくなかっ た また 第 四 場 セフィーズのエール 少 し 不 実 になってみたら Essaye un peu de l inconstance は 市 中 いたるところで 流 行 したが ボワローからその 歌 詞 が 道 徳 的 に 淫 奔 だと 批 判 された 譜 例 1 Séphise : Essaye un peu de l inconstance: C est toi qui le premier m appris à m engager; セフィーズ: 少 し 不 実 になってみたら そうするように 最 初 に 教 えてくれたのはあなたなんだから 第 五 第 七 場 :そこへスキロス 王 リコメードが 現 われ セフィーズに 自 分 が 今 日 望 みをす べて 失 うと 話 しかける リコメードはかつてアルセストに 結 婚 を 断 られた 経 緯 があった ストラトンが 祝 宴 の 始 まりを 告 げ フェレスが 結 婚 する 二 人 を 祝 福 し 水 上 のディヴェ ルティスマンが 繰 り 広 げられる この 場 ではバレエ エール 合 唱 器 楽 合 奏 と それま での 宮 廷 バレエの 伝 統 を 引 き 継 いだ 華 麗 で 豪 奢 な 祝 祭 の 絵 巻 が 繰 り 広 げられる 水 夫 たち の 踊 り トリトンの 二 重 唱 海 のニンフの 衣 装 を 着 けたセフィーズがもう 一 人 のニンフと 共 にエールを 歌 い それを 水 夫 たちが 合 唱 で 続 ける セフィーズと 海 のニンフの 二 重 唱 は ガヴォットで 書 かれているが 当 時 メニュエットと 共 に 流 行 した Jérôme de La Gorce, Jean-Baptiste Lully, op. cit., p

58 第 七 場 後 半 :リコメードは 婚 礼 を 祝 う 新 しいディヴェルティスマンを 見 せるとアルセス トを 自 分 の 船 に 招 き ストラトンもセフィーズを 乗 り 込 ませる プレリュードが 始 まり ディヴェルティスマンの 終 わりと 新 たな 展 開 を 予 期 させる ここで 突 然 の 急 転 回 la péripétie 34 作 劇 上 の 筋 の 展 開 による 驚 くべきもの が 起 きる アドメートとアルシー ドが 続 いて 乗 船 しようとすると ブリッジが 落 ちるのだ リコメードの 船 はアルセストと セフィーズを 乗 せたまま 逃 走 し アドメートとアルシードはテッサリア 人 たちと 共 にすぐ に 追 走 する 第 八 場 :リコメードの 姉 海 の 女 神 テティス[=テティスとリコメードの 姉 弟 関 係 には 根 拠 はな い]が 現 われ 北 風 の 神 アキロンに 嵐 を 起 こさせる アドメートたちの 船 は 航 行 を 妨 げら れる この 嵐 を 起 こす 場 面 で リュリは 何 小 節 にも 渡 る 器 楽 曲 を 挿 入 し 超 自 然 的 な 驚 くべきもの をうまく 表 現 している ボーサンによるとリュリは 風 の 神 の 主 題 を セヴィ ニエ 夫 人 が 呼 んだように 名 人 芸 で 雄 弁 な 筆 致 で 作 り 上 げた そしてボーサンは 印. 象 主 義 的 概 念 も 交 響 詩 もいまだ 存 在 しない 17 世 紀 におけるリュリの 技 巧 を それは 描.... 写 でも 模 倣 でもなく 風 というレトリック 的 な 概 念 の 音 楽 的 表 明 である と 称 賛 している 35 確 かに 器 楽 合 奏 による 16 音 符 の 切 迫 したパッセージの 繰 り 返 しは リュリが 嵐 という 超 自 然 的 な 驚 くべきもの をレトリック 的 に 表 現 し 舞 台 を 盛 り 上 げようとする 熱 意 が 感 じ 取 れると 思 われる 第 九 場 :やがてネプテューヌが 送 った 風 の 神 エオールによって アキロンはそよ 風 のゼ フィールに 代 わり 嵐 は 鎮 められる ここにも 超 自 然 的 な 驚 くべきもの がある エオー ルには ヴァイオリンの 伴 奏 でバリトンが 歌 う 三 拍 子 の 軽 いエールが 使 われており それ はヴェネチアやローマのオペラ 以 来 の 伝 統 で リュリはその 規 則 を 守 っている 36 第 二 幕 スキロス 島 の 市 街 地 とその 首 都 を 表 わす 舞 台 裏 に 合 唱 が 控 える 第 一 場 :セフィーズはストラトンを 説 き 伏 せて 自 由 になろうとするが 無 駄 に 終 わる 第 二 場 : 自 分 を 略 奪 したリコメードに アルセストがアドメートへの 変 わらぬ 愛 を 歌 う 小 さなエール アルセストの 一 途 な 愛 が 表 現 される この 場 面 もアルセストの 高 貴 な 気 持 ち を 表 わすために 12 音 節 アレクサンドランになっている そして 音 節 に 合 わせて 4 拍 子 と 3 拍 子 が 交 じり 合 っている 譜 例 2 34 Philippe Beaussant, Lully ou le musicien du soleil, op. cit., p Étienne Gros, op. cit., p Philippe Beaussant, Lully ou le musicien du soleil, op. cit., pp Ibid., p

59 譜 例 2 Nousǀ neǀ conǀnaisǀsionsǀ pasǀǀ l aǀmourǀ nyǀ saǀ puisǀsanceǀ ǀǀ 句 切 れ 6 12 音 節 Lorsǀqueǀ d unǀ nœudǀ faǀtal ǀǀ ilǀ veutǀ nouǀs enǀchaîǀnerǀ: ǀǀ 句 切 れ 6 12 音 節 まだ 二 人 とも 愛 について そしてその 力 にも 気 付 きませんでした 37 一 つの 運 命 の 糸 が 二 人 を 結 びつけるまでは 第 三 場 : 行 進 曲 が 鳴 り 響 き アドメートとアルシードが 攻 めて 来 る 第 四 場 :スキロス 包 囲 で アドメートたちとリコメードが 対 峙 し 戦 う 場 面 である テッサ リア 軍 とスキロス 軍 は 突 撃 武 器 を と 叫 び 互 いにぶつかる 合 唱 が 用 いられる リュリは 戦 闘 の 場 面 を 両 軍 に 分 かれたディヴェルティスマンの 様 式 で 表 わす この 場 面 をキノーが 付 け 加 えたのには ボーサンの 指 摘 する ルイ 14 世 の 軍 隊 中 心 の 生 活 王 が 新 しい 町 を 征 服 することを 望 んだこと しかし 戦 闘 そのものではなく オペラに 似 通 った 見 事 な 陣 営 の 有 様 を 好 んだこと 38 からも 影 響 を 受 けていると 思 われる 一 方 で 古 典 悲 劇 では 戦 闘 場 面 は 舞 台 に 乗 せることは 禁 じられていた アルセストはアルシードに 助 けられるが 瀕 死 のリコメードはアドメートに 致 命 傷 を 与 える 第 五 六 場 :フェレスが 皆 を 勇 気 付 ける 戦 闘 が 収 まりアルセストはアルシードに 感 謝 す る どうしてすぐに 行 ってしまおうとなさるのですか と 訊 ねるアルセストに アルシー ドは 私 を 引 き 止 めるのはご 用 心 ください 私 に 魔 法 をかける 魅 力 からどうか 逃 がしてく 37 楽 譜 では connaissons とあるが 正 しくはキノーの 原 文 や 他 の 楽 譜 から connaissions であると 思 われる 38 Philippe Beaussant, Lully ou le musicien du soleil, op. cit., p

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