Answer 末 尾 動 詞 が を 行 う (A) となっている 場 合 を 行 うことが 強 く 勧 められている と 解 釈 する を 行 う (C) となっている 場 合 を 行 うこと は 考 慮 の 対 象 となる と 解 釈 する (B)

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1 年 月 日 開 催 第 回 産 婦 人 科 診 療 ガイドライン- 婦 人 科 外 来 編 コンセンサスミーティング 用 資 料 資 料 全 体 に 関 する 注 意 点 1. 本 書 の 構 成 この 資 料 には 0 項 目 の Clinical Questions(CQ)が 設 定 され それに 対 する Answer が 示 されている 各 Answer 末 尾 ( ) 内 には 推 奨 レベル(A,B あるいは C)が 記 載 さ れている 解 説 中 には Answer 内 容 にいたった 経 緯 等 が 文 献 番 号 とともに 記 載 され 最 後 にそれら 解 説 の 根 拠 となった 文 献 が 示 されている 各 文 献 末 尾 にはそれら 文 献 のエビデン スレベル(Ⅰ Ⅱ あるいはⅢ)が 示 されている. ガイドラインの 目 的 現 時 点 でコンセンサスが 得 られ 適 正 と 考 えられる 標 準 的 婦 人 科 外 来 での 診 断 治 療 法 を 示 すこと 本 書 の 浸 透 により 以 下 の 点 が 期 待 される 1) いずれの 婦 人 科 医 療 施 設 においても 適 正 な 医 療 水 準 が 確 保 される ) 婦 人 科 医 療 安 全 性 の 向 上 ) 人 的 ならびに 経 済 的 負 担 の 軽 減 ) 医 療 従 事 者 患 者 の 相 互 理 解 助 長. 本 書 の 対 象 日 常 婦 人 科 外 来 診 療 に 従 事 する 医 師 看 護 師 を 対 象 とした 1 次 施 設 次 施 設 次 施 設 別 の 推 奨 は 行 っていない 理 由 は 1 次 施 設 であっても 技 術 的 に 高 度 な 検 査 治 療 が 可 能 な 施 設 が 多 数 存 在 しているからである. 自 施 設 で 対 応 困 難 な 検 査 治 療 等 が 推 奨 さ れている 場 合 の 解 釈 で 記 載 したように 自 施 設 では 実 施 困 難 と 考 えられる 検 査 治 療 が 推 奨 されている 場 合 は それらに 対 応 できる 施 設 に 相 談 紹 介 搬 送 する ことが 推 奨 され ていると 解 釈 する 本 書 はしばしば 患 者 から 受 ける 質 問 に 対 し 適 切 に 答 えられるよう 工 夫 されている また ある 合 併 症 を 想 定 する 時 どのような 事 を 考 慮 すべきかについてわか りやすく 解 説 してあるので 看 護 師 にも 利 用 しやすい 書 となっている. 責 任 の 帰 属 本 書 の 記 述 内 容 に 関 しては 日 本 産 科 婦 人 科 学 会 ならびに 日 本 産 婦 人 科 医 会 が 責 任 を 負 う ものとする しかし 本 書 の 推 奨 を 実 際 に 実 践 するか 否 かの 最 終 判 断 は 利 用 者 が 行 うべき ものである したがって 治 療 結 果 に 対 する 責 任 は 利 用 者 に 帰 属 する. 作 成 の 基 本 方 針 00 年 末 までの 内 外 の 論 文 を 検 討 し 現 時 点 では 患 者 に 及 ぼす 利 益 が 不 利 益 を 相 当 程 度 上 回 り 0% 以 上 の 地 域 で 実 施 可 能 と 判 断 された 検 査 法 治 療 法 を 推 奨 することとした. 推 奨 レベルの 解 釈 Answer 末 尾 の(A,B,C)は 推 奨 レベル( 強 度 )を 示 している これら 推 奨 レベルは 推 奨 さ れている 検 査 法 治 療 法 の 臨 床 的 有 用 性 エビデンス 浸 透 度 医 療 経 済 的 観 点 等 を 総 合 的 に 勘 案 し 作 成 委 員 の 割 以 上 の 賛 成 を 得 て 決 定 されたものであり 必 ずしもエビデンス レベルとは 一 致 していない 推 奨 レベルは 以 下 のように 解 釈 する A:( 実 施 すること 等 を) 強 く 勧 める B:( 実 施 すること 等 が) 勧 められる C:( 実 施 すること 等 が) 考 慮 される( 考 慮 の 対 象 となる という 意 味 ) 1

2 Answer 末 尾 動 詞 が を 行 う (A) となっている 場 合 を 行 うことが 強 く 勧 められている と 解 釈 する を 行 う (C) となっている 場 合 を 行 うこと は 考 慮 の 対 象 となる と 解 釈 する (B)は A と C の 中 間 的 な 強 さで 勧 められていると 解 釈 する. 自 施 設 で 対 応 困 難 な 検 査 治 療 等 が 推 奨 されている 場 合 の 解 釈 Answer の 中 には 自 施 設 では 実 施 困 難 と 考 えられる 検 査 治 療 等 が 勧 められている 場 合 がある その 場 合 には それらに 対 して 対 応 可 能 な 施 設 に 相 談 紹 介 搬 送 する という 意 味 合 いが 含 められている 具 体 的 には 以 下 のような 解 釈 となる A: 自 院 で 対 応 不 能 であれば 可 能 な 施 設 への 相 談 紹 介 又 は 搬 送 を 強 く 勧 める B: 自 院 で 対 応 不 能 であれば 可 能 な 施 設 への 相 談 紹 介 又 は 搬 送 を 勧 める C: 自 院 で 対 応 不 能 であれば 可 能 な 施 設 への 相 談 紹 介 又 は 搬 送 を 考 慮 する 以 下 に 解 釈 例 を 示 す 例 組 織 診 で 確 認 された CIN1( 軽 度 異 形 成 )は か 月 ごとに 細 胞 診 と 必 要 があればコルポス コピーでフォローする (B) 解 釈 :コルポスコピーをおこなうことが 困 難 な 施 設 では 必 要 が 生 じた 際 には 対 応 可 能 な 施 設 への 相 談 紹 介 が 必 要 であり それを 勧 められていると 解 釈 する. 保 険 適 用 がない 薬 剤 等 について 保 険 適 用 がない 薬 剤 等 の 使 用 が 勧 められている 場 合 がある その 薬 剤 は 効 果 的 であり 利 益 が 不 利 益 を 上 回 り かつ 実 践 できるとの 判 断 から その 使 用 が 勧 められている これら 薬 剤 の 使 用 にあたっては informed consent 後 に 行 うことが 望 ましい 学 会 医 会 としては 今 後 これら 薬 剤 の 保 険 適 用 を 求 めていくことになる. 文 献 文 献 検 索 にかける 時 間 を 軽 減 できるように 配 慮 してある 文 献 末 尾 の 数 字 はエビデンスレ ベルを 示 しており 数 字 が 少 ないほどしっかりとした 研 究 に 裏 打 ちされていることを 示 し ている 数 字 の 意 味 するところはおおむね 以 下 のようになっている Ⅰ:よく 検 討 されたランダム 化 比 較 試 験 成 績 Ⅱ: 症 例 対 照 研 究 成 績 あるいは 繰 り 返 して 観 察 されている 事 象 Ⅲ:ⅠⅡ 以 外 多 くは 観 察 記 録 や 臨 床 的 印 象 又 は 権 威 者 の 意 見. 改 訂 今 後 年 ごとに 見 直 し 改 訂 作 業 を 行 う 予 定 である また 本 書 では 会 員 諸 氏 の 期 待 に 十 分 応 えるだけの Clinical Questions(CQ)を 網 羅 できなかった 懸 念 がある 改 訂 時 には CQ の 追 加 と 本 邦 からの 論 文 を 十 分 引 用 したいと 考 えている 必 要 と 思 われる CQ 案 やガイ ドラインに 資 すると 考 えられる 論 文 を 執 筆 された 場 合 あるいはそのような 論 文 を 目 にさ れた 場 合 は 学 会 事 務 局 までご 一 報 いただければ 幸 いである

3 第 回 コンセンサスミーティングで 検 討 される CQ 案 CQ-0 子 宮 腺 筋 症 の 診 断 治 療 CQ-0 粘 膜 下 筋 腫 に 子 宮 鏡 下 手 術 を 行 うのは CQ-0 筋 層 内 漿 膜 下 子 宮 筋 腫 で 保 存 療 法 を 希 望 する 場 合 の 対 応 はどうするか? CQ-1 子 宮 鏡 検 査 はどのような 場 合 ( 疾 患 )に 行 うか? CQ-01 機 能 性 月 経 困 難 症 の 治 療 は? CQ-0(1) 器 質 性 疾 患 のない 過 多 月 経 の 薬 物 療 法 は? CQ-0() 器 質 性 疾 患 のない 過 多 月 経 に 対 する 薬 物 療 法 以 外 の 治 療 は? CQ-0 無 排 卵 性 の 月 経 周 期 異 常 はどう 管 理 するか? CQ-0 月 経 前 症 候 群 の 診 断 管 理 CQ-0(1) 高 プロラクチン 血 症 の 診 断 は? CQ-0() 高 プロラクチン 血 症 の 治 療 は? CQ-01 AIH を 行 う 上 での 留 意 点 CQ-0 治 療 を 始 める 前 に 行 う 不 妊 症 検 査 は? CQ-0 男 性 不 妊 治 療 は? CQ-0 不 育 症 に 関 する 染 色 体 異 常 の 取 り 扱 い CQ-0 子 宮 内 避 妊 用 具 (IUD)( 子 宮 内 避 妊 システム(IUS)を 含 む)を 装 着 する 時 の 説 明 は? CQ-0 性 器 脱 の 外 来 管 理 は? CQ-0(1) 尿 失 禁 の 診 断 は? CQ-0() 尿 失 禁 の 治 療 は? CQ- 過 活 動 膀 胱 の 外 来 管 理 は?

4 CQ-0 子 宮 腺 筋 症 の 診 断 治 療 Answer 1. 症 状 内 診 超 音 波 検 査 により 診 断 するが 子 宮 筋 腫 や 子 宮 肉 腫 との 鑑 別 を 要 する 場 合 には MRI を 行 なう (B). 子 宮 内 膜 症 と 同 様 の 対 症 療 法 やホルモン 療 法 をおこなう (C). 根 治 療 法 としては 子 宮 全 摘 術 を 行 う (B) 解 説 1. 子 宮 腺 筋 症 (adenomyosis)は 子 宮 筋 層 内 に 異 所 性 子 宮 内 膜 組 織 を 認 める 場 合 に 用 いる 疾 患 名 である 従 来 は 骨 盤 内 膜 症 が 外 性 子 宮 内 膜 症 と 呼 ばれていたのに 対 して 腺 筋 症 は 内 性 子 宮 内 膜 症 と 呼 称 されていたが 現 在 では 独 立 した 疾 患 名 として 用 いられている 子 宮 腺 筋 症 は 性 成 熟 期 から 更 年 期 にかけて 好 発 し 子 宮 内 膜 症 に 比 べその 発 症 年 齢 はやや 高 齢 層 に 移 行 している すなわち 腺 筋 症 症 例 は 0 歳 台 にピークがあり 不 妊 症 の 合 併 は 子 宮 内 膜 症 に 比 較 して 少 なく 経 産 婦 に 多 いと 言 われてきた 子 宮 腺 筋 症 の 確 定 診 断 は 組 織 診 断 によるが その 発 生 頻 度 は 病 理 学 的 にどこまで 詳 細 に 検 索 されたかに 左 右 されるため 子 宮 摘 出 標 本 の -0%と 報 告 によって 大 きなばらつきがある 一 般 に 子 宮 内 膜 症 のために 子 宮 摘 出 術 が 行 われた 症 例 に 本 症 は 高 頻 度 に 認 められ 子 宮 内 膜 症 との 合 併 頻 度 は 高 い 子 宮 筋 腫 との 合 併 率 も 高 く 子 宮 筋 腫 症 例 のおよそ 1/ から 1/ は 子 宮 腺 筋 症 を 合 併 するといわ れている このような 背 景 から 子 宮 腺 筋 症 の 診 断 治 療 についてのエビデンスは 極 めて 少 な い 診 断 には 超 音 波 検 査 が 有 用 であり 子 宮 壁 に 境 界 不 鮮 明 なびまん 性 あるいは 腫 瘤 様 の 像 を 呈 するが 時 として 境 界 明 瞭 な 筋 腫 に 類 似 した 限 局 性 腫 瘤 として 見 えることもある 超 音 波 検 査 と MRI の 診 断 精 度 は 感 度 (% vs %) 特 異 度 (% vs %)とも 両 者 で 同 等 であるが MRI は 観 察 者 による 差 が 少 ない 1) 特 に 子 宮 筋 腫 および 子 宮 肉 腫 との 鑑 別 が 必 要 な 場 合 には MRI が 有 用 である また 腫 瘍 マーカーでは CA1 が 有 用 な 場 合 がある. 子 宮 腺 筋 症 は 子 宮 摘 出 時 に 偶 発 的 に 認 められることも 多 く このような 場 合 多 くは 無 症 状 である 病 巣 が 広 範 な 場 合 は 様 々な 自 覚 症 状 を 訴 えるが 月 経 困 難 症 と 過 多 月 経 が 主 症 状 である 子 宮 腺 筋 症 による 月 経 困 難 症 は 月 経 開 始 直 前 から 月 経 期 にかけての 激 しい 骨 盤 痛 であり 発 作 性 で 間 欠 的 であることが 多 い 子 宮 腺 筋 症 は 元 来 不 妊 よりも 多 産 と 関 連 があるものと 考 えられてきた この 知 見 は 子 宮 摘 出 術 症 例 の 病 理 学 的 研 究 から 子 宮 腺 筋 症 の 頻 度 が 多 産 の 症 例 に 多 く 見 られたという 成

5 績 にもとづいている 最 近 では 子 宮 腺 筋 症 の 存 在 と 不 妊 の 関 連 性 が 示 唆 されている しか しながら いまだ 子 宮 腺 筋 症 と 不 妊 を 結 びつける 直 接 的 な 証 拠 が 得 られているわけではなく 薬 物 あるいは 手 術 療 法 後 の 妊 娠 例 が 報 告 されているに 過 ぎない )-) 月 経 困 難 症 下 腹 痛 性 交 痛 などの 疼 痛 過 多 月 経 やこれによる 貧 血 圧 迫 症 状 および 不 妊 などの 症 状 があれば 治 療 の 対 象 とする 妊 娠 の 予 後 に 影 響 を 及 ぼさないことが 多 いが び まん 性 で 広 範 囲 にわたる 病 巣 を 有 する 場 合 は 妊 娠 中 における 子 宮 筋 の 伸 展 を 阻 害 したり 壊 死 を 起 こし 流 早 産 となったり 逆 に 収 縮 を 阻 害 し 産 褥 期 の 子 宮 復 古 不 全 を 起 こす 症 例 などが 報 告 されている ),) 子 宮 腺 筋 症 もエストロゲン 依 存 性 であることから 子 宮 内 膜 症 に 準 じて GnRH アゴニスト ジエノゲスト ダナゾール 低 用 量 OC などによるホルモン 療 法 がおこなわれる GnRH アゴ ニストにより 子 宮 体 積 の 縮 小 と 症 状 の 軽 減 が 得 られ 治 療 中 は 有 効 であるが 効 果 の 持 続 時 間 は 短 く 容 易 に 再 燃 する 本 剤 は 副 作 用 による 投 与 期 間 の 制 限 があるため 治 療 後 早 期 の 妊 娠 を 希 望 する 症 例 や 術 前 投 与 に 限 定 される ) 子 宮 内 膜 症 に 対 する 低 用 量 ピルの 有 用 性 が 示 さ れており 子 宮 腺 筋 症 に 対 しても 周 期 的 あるいは 持 続 投 与 が 試 みられているが 有 用 性 を 示 す 成 績 はいまだ 示 されていない ジエノゲストは 出 血 症 状 の 増 悪 のおそれがあり 添 付 文 書 では 慎 重 投 与 となっている また 黄 体 ホルモン 放 出 子 宮 内 避 妊 システム (levonogestrel-releasing intrauterine system;ミレーナ mg )の 有 用 性 が 検 討 されて いる ) 子 宮 腺 筋 症 において 有 意 な 経 血 量 の 減 少 ) 腺 筋 症 病 巣 の 縮 小 ) および 疼 痛 の 改 善 が 得 られること ) が 示 されている 有 望 な 薬 物 療 法 であるが 本 邦 では 避 妊 用 具 であり 保 険 適 応 はない 子 宮 動 脈 塞 栓 術 について 1 年 から 00 年 までの つの 報 告 を 集 めた 成 績 では 1 例 に 試 みられて 例 (%)に 症 状 の 改 善 がみられている 1) が 結 論 は 得 られていない 今 後 症 例 数 の 集 積 による 詳 細 な 検 討 が 待 たれる. 子 宮 温 存 を 目 的 として 子 宮 腺 筋 症 病 巣 を 切 除 する 手 術 療 法 ( 子 宮 腺 筋 症 病 巣 除 去 術 子 宮 腺 筋 症 核 出 術 などと 称 される)が 試 みられている 1)-1) 症 状 の 改 善 が 得 られ 術 後 妊 娠 例 も 報 告 されているが 手 術 の 有 効 性 と 安 全 性 は 確 立 していない 妊 娠 時 には 子 宮 破 裂 を 起 こ す 可 能 性 もあるため 今 後 早 期 に 臨 床 成 績 を 集 積 することが 必 要 である また この 術 式 に 保 険 適 応 はない 根 治 療 法 としては 子 宮 全 摘 術 が 行 われる 0 1 文 献 1. Dueholm M. Transvaginal ultrasound for diagnosis of adenomyosis: a review. Best Pract Res Clin Obstet Gynecol 0, -, 00.(Ⅰ). Barrier B et al. Adenomyosis in the baboon is associated with primary infertility.

6 Fertil Steril :1-, 00.(Ⅲ). Kunz G et al. Adenomyosis in endometriosis-prevalence and impact on fertility. Evidence from magnetic resonance imaging. Hum Reprod 0:0-1, 00.(Ⅱ). Devlieger R et al. Uterine adenomyosis in the infertility clinic. Hum Reprod Update :1-1, 00.(Ⅲ). 井 上 潤 永 松 あかり 小 石 麻 子 他 : 帝 切 後 子 宮 摘 出 に 至 った 子 宮 腺 筋 症 合 併 妊 娠 の 一 例 日 産 婦 東 京 会 誌 1;;-(Ⅲ). 宇 田 川 秀 雄 皆 川 祐 子 仙 頭 真 有 他 : 子 宮 腺 筋 症 の 感 染 に 併 発 した DIC について 日 産 婦 誌 001;(1);-(Ⅲ). Rabinovici J and Stewart E. New interventional techniques for adenomyosis. Best Pract Res Clin Obstet Gynecol 0, 1-, 00.(Ⅱ). Fedele L et al. Hormonal treatments for adenomyosis. Best Pract Res Clin Obstet Gynecol, -, 00.(Ⅱ). Fedele L et al. Treatment of adenomyosis-associated menorrhagia with a levonogestrel-releasing intrauterine device. Fertil Steril, -, 1.(Ⅱ). Bragheto A et al. Effectiveness of the levonogestrel-releasing intrauterine system in the treatment of adenomyosis diagnosed and monitored by magnetic resonance imaging. Contraception, 1-1, 00.(Ⅱ). Sheng J et al. The LNG-IUS study on adenomyosis: a -year follow-up study on the efficacy and side effects of the use of levonogestrel intrauterine system for the treatment of dysmenorrheal associated with adenomyosis. Contraception, 1-1, 00.(Ⅲ) 1. Levgur M. Therapeutic options for adenomyosis: a review. Arch Gynecol Obstet, 1-1, 00.(Ⅰ) 1. Fujishita A et al. Modified reduction surgery for adenomyosis. Gynecol Obstet Invest, 1-1, 00.(Ⅲ) 1. 西 田 正 人 須 藤 敦 夫 隠 野 理 恵 他 : 新 しい 子 宮 腺 筋 症 核 出 術 日 本 生 殖 外 科 学 会 雑 誌 00;1(1):-,(Ⅲ) 1. Fedele L, Bianchi S, Zanotti F, et al: Fertility after conservative surgery for adenomyosis: Human Reproduction 1;():-1(Ⅱ)

7 CQ-0 粘 膜 下 筋 腫 に 子 宮 鏡 下 手 術 を 行 うのは Answer 1. 対 象 とする 条 件 は 子 宮 筋 腫 径 が0mm 以 下 かつ 子 宮 内 腔 への 突 出 度 が0% 以 上 を 目 安 と するが 特 に 優 れた 術 者 ではこの 限 りではない (B). 挙 児 希 望 がない 場 合 でも 低 侵 襲 治 療 として 行 うことができる (B) 解 説 粘 膜 下 筋 腫 は 過 多 月 経 過 長 月 経 不 正 出 血 重 症 貧 血 などを 伴 い 不 妊 症 や 不 育 症 を 招 く 可 能 性 がある 診 断 は 経 腟 超 音 波 法 Sonohysterography (SHG) 子 宮 鏡 検 査 MRI 子 宮 卵 管 造 影 等 によって 行 われ 子 宮 鏡 下 手 術 の 適 応 を 判 断 する 経 腟 超 音 波 法 や MRI のみで は 筋 層 内 や 漿 膜 下 筋 腫 との 鑑 別 が 困 難 な 症 例 があるため 術 前 の 子 宮 鏡 検 査 は 必 須 である 子 宮 鏡 下 手 術 は 持 続 灌 流 式 レゼクトスコープである 子 宮 鏡 を 使 用 することがほとんどで 灌 流 液 によって 子 宮 内 腔 に 空 間 を 作 り 高 周 波 電 流 発 生 装 置 ( 電 気 メス)からレゼクトスコ ープ 先 端 の 電 極 に 通 電 して 粘 膜 下 筋 腫 の 切 開 と 止 血 を 行 う 切 除 組 織 から 病 理 組 織 学 的 診 断 が 可 能 である 多 彩 な 合 併 症 があり 子 宮 頸 管 の 拡 張 に 起 因 する 出 血 や 低 ナトリウム 血 症 水 中 毒 子 宮 穿 孔 など 術 中 手 技 に 起 因 する 場 合 もあり 留 意 が 必 要 である 1-) 子 宮 鏡 下 粘 膜 下 筋 腫 切 除 術 は 他 疾 患 による 子 宮 鏡 下 手 術 に 比 べて 手 術 時 間 が 長 いために 灌 流 液 の 使 用 量 が 多 い ) 灌 流 液 は 子 宮 内 腔 サイズ 子 宮 腔 内 圧 手 術 時 間 子 宮 筋 腫 と 子 宮 の 血 管 分 布 などさまざまな 要 因 によって 体 内 へ 吸 収 されて ) 過 度 の 吸 収 は 低 Na 血 症 失 明 昏 睡 死 亡 等 を 引 き 起 こす そのため 長 時 間 にわたる 場 合 は 灌 流 液 の in と out のバランスのチェッ クが 必 要 となり,) そ の 差 が 1 リットル 以 上 となった 場 合 には 手 術 の 中 止 を 勧 める,) 1. 粘 膜 下 筋 腫 に 対 する 子 宮 鏡 下 手 術 の 適 応 を 林 )は1 子 宮 の 大 きさが 妊 娠 1 週 程 度 かこれより 小 さく 子 宮 消 息 子 診 で 1cm 以 内 粘 膜 下 筋 腫 最 長 径 が cm 以 下 粘 膜 下 筋 腫 の 子 宮 側 付 着 部 ( 茎 部 )の 直 径 が cm 以 内 漿 膜 筋 腫 間 距 離 ( 漿 膜 と 筋 腫 核 の 最 外 側 との 間 の 距 離 )が mm 以 上 子 宮 に 悪 性 病 変 のないこととしている いわゆる 筋 腫 分 娩 はこの 適 応 には 合 致 しない すべての 粘 膜 下 筋 腫 が 子 宮 鏡 下 手 術 の 対 象 となるわけではなく 手 術 を 行 っても 過 多 月 経 不 正 性 器 出 血 鉄 欠 乏 性 貧 血 不 妊 症 が 改 善 しないこともある また 林 の 基 準 はあくまで 子 宮 鏡 下 粘 膜 下 筋 腫 切 除 術 の 手 術 適 応 の 限 界 を 示 しており 優 れ た 術 者 が 行 う 場 合 には 手 術 適 応 の 拡 大 も 配 慮 されるが 合 併 症 を 招 くことなく 術 後 多 くの 効 果 を 得 るための 子 宮 筋 腫 径 と 子 宮 内 腔 への 突 出 度 は cm 0% 程 度 に 考 慮 する 必 要 がある また 術 者 の 技 量 によっては 開 腹 による 子 宮 筋 腫 核 出 術 や 腹 腔 鏡 下 子 宮 筋 腫 核 出 術 を 選 択 することも 必 要 である 子 宮 内 腔 が 変 形 する 粘 膜 下 筋 腫 の 切 除 は 他 に 不 妊 原 因 のない 患 者 において 体 外 受 精 を 行 う 場 合 に 妊 娠 率 の 改 善 を 示 す ) 挙 児 希 望 がある 場 合 には 不 妊 一 般 検 査 を 行 い 他 に 不 妊 原 因 ないことを 確 認 した 後 に 手 術 を 行 う

8 粘 膜 下 筋 腫 に 対 する 子 宮 鏡 下 手 術 は 腹 腔 鏡 下 筋 腫 核 出 術 や 開 腹 による 筋 腫 核 出 術 と 比 べ て1 入 院 期 間 が 短 く 社 会 復 帰 が 早 い 低 侵 襲 である 再 手 術 が 容 易 である 同 等 の 月 経 随 伴 症 状 の 改 善 を 認 め 患 者 の 満 足 度 も 高 い )ため 保 存 的 外 科 的 治 療 の 第 一 選 択 である ) そ のため 挙 児 希 望 がない 症 例 でも 広 く 行 われている 子 宮 鏡 下 手 術 の 適 応 と 挙 児 希 望 がなく 本 人 が 希 望 する 場 合 には 子 宮 全 摘 術 も 考 慮 する 文 献 1. Jansen FW, Vredevoogd CB, van Ulzen K, Hermans J, Trimbos JB, Trimbos-Kemper TC. Complications of hysteroscopy: a prospective, multicenter study.obstet Gynecol 000 :-0. Ⅲ. Propst AM, Liberman RF, Harlow BL, Ginsburg ES. Complications of Hysteroscopic Surgery: Predicting Patients at Risk.Obstet Gynecol 000 :1-0. Ⅲ. Phillips D. Resectoscopic myomectomy for treatment of menorrhagia. J Am Assoc Gynecol Laparosc 1 1:. Ⅱ. Rosenberg MK. Hyponatremic encephalopathy after rollerball endometrial ablation. Anesth Analg 1 0:-.Ⅲ. 林 保 良, 三 雲 美 穂, 中 田 さくら, 関 賢 一. 子 宮 鏡 子 宮 鏡 手 術 の 合 併 症 分 析 と 予 後. 産 婦 人 科 の 実 際 00 : -. Ⅲ. 日 本 産 科 婦 人 科 内 視 鏡 学 会 編 産 婦 人 科 内 視 鏡 下 手 術 スキルアップ Ⅲ. Giatras K, Noyes N, Licciardi F, Lolis D, Grifo JA. Fertility after hysteroscopic resectionof submucous myomas. J Am Assoc Gynecol Laparosc, 1 :1-1. Ⅲ. Lefebvre G, Vilos G, Allaire C, Jeffrey J, Arneja J, Birch C, et al. Clinical Practice Gynaecology Committee, Society for Obstetricians and Gynaecologists of Canada. The management of uterine leiomyomas. J Obstet Gynaecol Can, 00 :-1. Ⅲ

9 CQ-0 筋 層 内 漿 膜 下 子 宮 筋 腫 で 保 存 療 法 を 希 望 する 場 合 の 対 応 はどうするか? Answer 1. 筋 腫 の 位 置 や 大 きさ 過 多 月 経 や 貧 血 の 有 無 挙 児 希 望 の 有 無 などによって 個 々に 治 療 方 針 が 決 定 されなければならない (A) 解 説 診 断 には 内 診 超 音 波 検 査 が 必 要 である CT MRI も 有 用 であり 特 に 子 宮 腺 筋 症 との 鑑 別 に MRI は 有 効 なことが 多 い 治 療 上 最 も 重 要 な 点 は 肉 腫 との 鑑 別 であり 急 速 に 増 大 する 腫 瘤 内 に 出 血 壊 死 像 を 有 する LDH の 上 昇 を 伴 うなどの 所 見 があれば 肉 腫 を 疑 うが 術 前 診 断 は 難 しい 1. 従 来 子 宮 が 手 拳 大 以 上 の 場 合 はすべて 治 療 の 対 象 とされていたが 近 年 では 診 断 方 法 の 向 上 もあり 単 に 大 きさだけでなく 位 置 や 年 齢 症 状 等 によって 個 別 化 して 考 えるように なった 1)) 筋 腫 は 良 性 腫 瘍 であるため 基 本 的 には 保 存 的 療 法 とする 米 国 産 婦 人 科 学 会 では 子 宮 全 摘 術 を 行 うべき 基 準 ) として 無 症 状 であるが 腹 壁 から 触 知 される 大 きさで 患 者 が 不 安 を 感 じている 子 宮 筋 腫 多 量 の 子 宮 出 血 から 貧 血 となる 子 宮 筋 腫 下 腹 痛 背 部 痛 頻 尿 などの 圧 迫 による 症 状 を 伴 う 子 宮 筋 腫 としているが 子 宮 全 摘 術 に 限 らず 治 療 開 始 の 判 断 基 準 とすることが 妥 当 であろう (1) 挙 児 希 望 がある 場 合 子 宮 筋 腫 は 妊 孕 性 を 障 害 することもあり 核 出 術 による 妊 孕 性 向 上 については 多 くの 報 告 がある とくに 子 宮 頸 管 や 間 質 部 に 近 い 筋 腫 内 膜 に 変 形 をきたしている 筋 層 内 筋 腫 は 核 出 することを 推 奨 する 論 文 を 挙 げると 枚 挙 に 暇 がない しかし 日 本 産 科 婦 人 科 学 会 の 行 なっ た 子 宮 筋 腫 の 妊 娠 成 立 予 後 に 及 ぼす 影 響 と 核 出 術 の 妥 当 性 に 関 する 検 討 ) では 明 確 な 結 果 はでなかった よって 妊 孕 性 改 善 を 唯 一 の 目 的 とした 筋 層 内 あるいは 漿 膜 下 筋 腫 の 核 出 術 は 他 の 不 妊 原 因 を 十 分 に 検 索 した 後 に 十 分 なインフォームドコンセントを 必 要 とする 一 方 妊 娠 分 娩 産 褥 期 においては 1) 変 性 に 伴 う 疼 痛 や 切 迫 流 早 産 ) 胎 位 胎 勢 の 異 常 ) 常 位 胎 盤 早 期 剥 離 ) 産 道 通 過 障 害 ) 微 弱 陣 痛 ) 弛 緩 出 血 ) 産 褥 期 子 宮 復 古 不 全 や 多 量 の 滞 留 悪 露 への 感 染 などを 起 こす 可 能 性 がある 筋 腫 の 位 置 と 胎 盤 付 着 部 が 近 接 しているとこれらの 合 併 症 が 起 こりやすくなる 可 能 性 が 示 されている ) よ って 挙 児 希 望 のある 患 者 において 比 較 的 大 きな 筋 腫 ( 径 がおよそcm 以 上 ) 多 発 性 筋 腫 子 宮 口 に 近 い 筋 腫 などを 認 めた 場 合 は 無 症 状 であっても 妊 娠 前 に 手 術 療 法 などの 治 療 を 勧 めてもよい( 図 1) 筋 腫 の 数 や 位 置 等 によって 開 腹 あるいは 腹 腔 鏡 下 手 術 が 選 択 される 腹 腔 鏡 下 手 術 は 開 腹 術 に 比 べた 場 合 患 者 への 侵 襲 は 有 意 に 少 ないが 妊 孕 性 と 妊 娠 予 後 に 差 はない ) 術 後 ~ヶ 月 の 避 妊 期 間 を 持 つことを 勧 める 分 娩 に 際 しては 筋 腫 核 出 創 が 筋 層 の 全 層 にわたった 場 合 や 多 数 の 筋 腫 を 核 出 した 場 合 筋 層 内 筋 腫 核 出 と 既 往 帝 王 切 開 がともにある 場 合 は 選 択 的 帝 王 切 開 を 行 う しかし 妊 娠 中 の 筋 腫 核 出 術 については 有 茎 性 漿 膜 下 筋 腫 の 茎 捻 転 などごく 限 られた 症 例 に 対 してのみ 考 慮 されるべきである ) また 将 来 筋 腫 が 悪 性 変 化 を 示 す 可 能 性 を 理 由 として 手 術 を 行 なう 必 要 はない

10 () 挙 児 希 望 がない 場 合 自 覚 症 状 がない 場 合 でも ~1 か 月 毎 の 定 期 検 査 を 行 うのが 望 ましい 治 療 方 法 は 薬 物 療 法 手 術 療 法 など 多 岐 にわたる ) 対 症 療 法 : 貧 血 に 対 する 造 血 剤 痛 みに 対 して 鎮 痛 剤 を 投 与 する 漢 方 薬 を 投 与 することも ある 低 用 量 のエストロゲン プロゲスチン 配 合 剤 の 投 与 も 行 われることがあるが エスト ロゲンによる 筋 腫 増 大 などがあり 注 意 する 必 要 がある GnRH アゴニストによる 偽 閉 経 療 法 : 腫 瘤 の 体 積 子 宮 全 体 の 体 積 は 有 意 に 縮 小 するが 投 与 後 卵 巣 機 能 が 回 復 するに 従 い 以 前 の 大 きさに 復 する あくまで 一 時 的 に 縮 小 させるのみの 治 療 である よって 貧 血 改 善 のため 月 経 を 止 めておく 縮 小 や 子 宮 への 血 流 低 下 による 術 中 の 出 血 の 減 少 を 目 的 とする 場 合 や 閉 経 の 近 い 患 者 への 投 与 ( 追 い 込 み 療 法 )などに 用 いる 子 宮 動 脈 塞 栓 術 (UAE): 両 側 の 子 宮 動 脈 に 塞 栓 物 質 を 注 入 し 筋 腫 への 栄 養 血 管 を 閉 塞 させて 血 流 を 遮 断 することで 筋 腫 を 縮 小 させる Katsumori ら ) は 年 での 累 積 症 状 改 善 率 は.% 再 治 療 率 は.%と 報 告 している GnRH アゴニストによる 偽 閉 経 療 法 より 効 果 は 高 く 持 続 も 長 いが 現 在 まだ 健 康 保 険 の 適 応 はない また 妊 孕 性 に 与 える 影 響 についても 結 論 は 出 ていない 集 束 超 音 波 手 術 (FUS): 超 音 波 を 筋 腫 核 に 集 束 させて 変 性 壊 死 させる 方 法 で 子 宮 動 脈 塞 栓 術 よりも 更 に 低 侵 襲 な 治 療 である しかし 治 療 に 時 間 を 要 するために 大 きな 筋 腫 や 多 発 性 の 筋 腫 などには 向 いていない 子 宮 動 脈 塞 栓 術 より 低 侵 襲 であるが 治 療 効 果 と 安 定 性 は 劣 る ) とされ ヶ 月 後 の 症 状 改 善 率 は 1%であったが 腫 瘍 縮 小 率 は 1.%との 報 告 る 現 在 まだ 健 康 保 険 の 適 応 はない 子 宮 内 膜 アブレーション(Endometrial ablation):cq 0() 参 照 筋 腫 核 出 術 : 子 宮 温 存 を 希 望 する 場 合 は 核 出 術 を 行 なう 図 1 ) があ

11 文 献 1. 産 婦 人 科 研 修 の 必 修 知 識 00 子 宮 筋 腫 p0-0 日 本 産 科 婦 人 科 学 会 (Ⅱ). 岩 下 光 利 子 宮 筋 腫 の 取 り 扱 い 日 本 産 科 婦 人 科 学 会 雑 誌 00;(): - (Ⅱ).Uterine leimyomata.number 1-May 1.ACOG technical bulletin.int J Gynaecol Obstet 1;:-(Ⅰ). 平 成 1 年 度 専 門 委 員 会 報 告 生 殖 内 分 泌 報 告 1. 本 邦 における 妊 孕 性 温 存 回 復 をめざした 新 しい 手 術 手 技 の 実 態 調 査 とその 効 果 検 討 小 委 員 会 ) 子 宮 筋 腫 の 妊 娠 成 立 予 後 と 核 出 術 の 妥 当 性 に 関 する 検 討 00;()~(Ⅱ).Exacoustos C, Rosati P:Ultrasound diagnosis of uterine myomas and complications in pregnancy. Obstet Gynecol 1;:-1(Ⅱ)..Seracchioli R,et al.hum Reprod 000;1(1):-(Ⅱ). 平 松 祐 司 クリニカルカンファレンス. 婦 人 科 腫 瘍 合 併 妊 婦 の 取 り 扱 い1) 子 宮 筋 腫 日 本 産 科 婦 人 科 学 会 雑 誌 00;(): N-0) (Ⅱ).EBM を 考 えた 産 婦 人 科 ガイドライン update 改 訂 第 版 武 谷 雄 二 監 修 子 宮 筋 腫 p- メディカルビュー 社 00,.(Ⅱ).Katsumori T. Kasahara T Akazawa K:Long-Term Outcomes of Uterine Artery Embolization Using Gelatin Sponge Particles Alone for Symptomatic Fibroids AJR 00;1:-(Ⅱ). 井 上 滋 夫 : 子 宮 筋 腫 に 対 する 収 束 超 音 波 法 現 状 と 今 後 の 展 望 日 本 産 科 婦 人 科 学 会 雑 誌 00;():N-(Ⅲ).Kim Y Rhim H Choi MJ et al:high-intensity Focused Ultrasound Therapy:an Overview for Radiologists Korean J Radiol 00;():1-0(Ⅱ)

12 CQ-1 子 宮 鏡 検 査 はどのような 場 合 ( 疾 患 )に 行 うか? Answer 1. 以 下 の 疾 患 の 手 術 前 検 査 として 行 う (B) 子 宮 内 膜 ポリープ 粘 膜 下 筋 腫 子 宮 奇 形 - 中 隔 子 宮 弓 状 子 宮 子 宮 腔 癒 着 症 (Asherman s syndrome). 以 下 の 疾 患 の 診 断 のために 行 う (C) 子 宮 内 膜 増 殖 症 子 宮 体 癌 上 記 1. 以 外 の 子 宮 奇 形 流 産 あるいは 奇 胎 娩 出 後 の 遺 残 胎 盤 遺 残 胎 盤 ポリープ 子 宮 内 異 物 (IUD) 解 説 子 宮 鏡 検 査 1) は 経 腟 的 に 子 宮 腔 内 を 直 視 下 に 観 察 診 断 する 内 視 鏡 である 画 像 が 鮮 明 で 明 るいものの 操 作 に 習 熟 が 必 要 な 硬 性 鏡 と 操 作 性 に 優 れるが 画 像 にやや 難 のある 軟 性 鏡 (フ ァイバースコープ)がある 子 宮 腔 内 に 液 体 ( 生 理 食 塩 水 グルコース デキストラン)に よって 子 宮 腔 内 を 拡 張 ) して 観 察 診 断 や 組 織 採 取 を 行 える 検 査 は 月 経 終 了 直 後 に 非 妊 娠 時 の 子 宮 内 膜 が 肥 厚 していない 時 期 に 行 うことが 望 ましい 検 査 後 性 器 出 血 感 染 症 を 引 き 起 こすことがあり 検 査 後 に 抗 生 剤 を 内 服 させる 拡 張 媒 体 である 液 体 の 腹 腔 内 貯 留 に も 留 意 する 必 要 がある 子 宮 体 癌 の 術 前 診 断 に 行 う 子 宮 鏡 検 査 では 悪 性 細 胞 を 経 卵 管 的 に 腹 腔 内 に 散 布 する 可 能 性 は 少 ない ) 1. 検 査 は 良 性 疾 患 である 子 宮 内 膜 ポリープ 粘 膜 下 筋 腫 の 診 断 と 病 変 の 位 置 大 きさ 個 数 の 診 断 と 子 宮 鏡 下 手 術 の 手 術 適 応 の 有 無 を 診 断 する 子 宮 奇 形 では 中 隔 子 宮 弓 状 子 宮 の 補 助 診 断 が 可 能 である 無 月 経 過 少 月 経 を 主 訴 とする 子 宮 腔 癒 着 症 (Asherman s syndrome)の 診 断 に 行 う. 子 宮 内 膜 増 殖 症 や 子 宮 内 膜 組 織 診 で 異 常 所 見 が 認 められた 場 合 ) や 子 宮 体 癌 には 子 宮 内 膜 細 胞 診 子 宮 内 膜 組 織 診 と 子 宮 鏡 を 組 み 合 わせて 診 断 を 行 い 子 宮 内 膜 の 肥 厚 隆 起 異 常 血 管 像 ( 怒 張 蛇 行 ) 潰 瘍 形 成 などを 観 察 する 子 宮 体 癌 では 病 変 の 子 宮 頚 管 への 進 展 の 有 無 を 診 断 して 術 式 の 決 定 の 一 助 となる 中 隔 子 宮 や 弓 状 子 宮 以 外 の 双 角 子 宮 重 複 子 宮 な どの 子 宮 奇 形 の 補 助 診 断 として 行 う 流 産 あるいは 奇 胎 娩 出 後 の 遺 残 や 子 宮 内 異 物 の 検 索 胎 盤 遺 残 胎 盤 ポリープの 診 断 に 行 う 不 妊 症 不 育 症 子 宮 卵 管 造 影 に 異 常 所 見 のある 症 1

13 例 や 臨 床 症 状 で 不 正 子 宮 出 血 ) 過 多 月 経 過 長 月 経 過 少 月 経 無 月 経 重 症 貧 血 などの 症 状 の 原 疾 患 の 検 索 に 行 う 文 献 1. Nagele F, O Connor H, Davies A, Badawy A, Mohamed H, Magos A. 00 Outpatient diagnostic hysteroscopies. Obstet Gynecol 1 :-. Ⅲ. Shank ar M, Davidson A, Taub N, Habiba M. Randomised comparison of distension media for outpatient hysteroscopy. BJOG 00 1:-.Ⅱ. 谷 澤 修 三 宅 侃 杉 本 修. 子 宮 体 癌 術 前 診 断 に 対 する 子 宮 鏡 検 査 の 再 評 価. 日 産 婦 誌 :-. Ⅲ. Tahir MM, Bigrigg MA, Browning JJ, Brookes ST, Smith PA. A randomizedcontrolled trial comparing transvaginal ultrasound, outpatient hysteroscopy and endometrial biopsy with inpatient hysteroscopy and curettage. Br J Obstet gynaecol. 1 :1-1. Ⅱ. van Dongen H, de Kroon CD, Jacobi CE, Trimbod JB, Jansen FW. Diagnostic hysteroscopy in abnormal bleeding: a systematic review and meta-analysis. BJOG 00 :-. Ⅲ 1

14 CQ-01 機 能 性 月 経 困 難 症 の 治 療 は? Answer 1. 鎮 痛 薬 (NSAIDs など)またはエストロゲン プロゲスチン 配 合 薬 を 投 与 する (B). 漢 方 薬 あるいは 鎮 痙 薬 を 投 与 する (C) 解 説 月 経 困 難 症 は 月 経 期 間 中 に 月 経 に 随 伴 して 起 こる 病 的 症 状 をいう 1). 下 腹 痛, 腰 痛, 腹 部 膨 満 感, 嘔 気, 頭 痛, 疲 労 脱 力 感, 食 欲 不 振,いらいら, 下 痢 および 憂 うつの 順 に 多 くみら れる. 無 排 卵 性 月 経 には 通 常 みられない. 器 質 的 な 疾 患 のない 機 能 性 月 経 困 難 症 は, 初 経 後 ~ 年 より 始 まる. 月 経 の 初 日 および 日 目 ころの 出 血 が 多 いときに 強 く, 痛 みの 性 質 は 痙 攣 性, 周 期 性 で, 原 因 は 頸 管 狭 小 やプロスタグランジンなどの 内 因 性 生 理 活 性 物 質 による 子 宮 の 過 収 縮 である. 機 能 性 月 経 困 難 症 の 診 断 は 詳 細 な 問 診 を 行 うとともに 月 経 困 難 症 と 関 連 する 器 質 性 疾 患 を 除 外 する 内 診 経 腟 超 音 波 検 査 末 梢 血 CRP 検 査 細 菌 培 養 クラミジア 抗 原 検 査, 画 像 診 断 などで 異 常 が 無 ければ 機 能 性 月 経 困 難 症 と 診 断 する 器 質 性 月 経 困 難 症 が 否 定 され たら 器 質 性 疾 患 のないことを 患 者 によく 説 明 する 思 春 期 の 患 者 などで 標 準 的 な 婦 人 科 的 診 察 を 主 体 とした 診 断 法 が 適 切 ではない 場 合 には 経 直 腸 的 診 察 あるいは 経 直 腸 超 音 波 検 査 で 代 用 する 若 年 者 の 場 合 は 患 者 の 不 安 を 取 り 除 くために 月 経 困 難 症 は 年 齢 とともに 症 状 は 軽 快 しやすいこと 妊 娠 出 産 によって 症 状 はなくなることなどを 説 明 する(CQ-01A) 1. 月 経 困 難 症 の 発 生 には 分 泌 期 内 膜 で 産 生 されるプロスタグランディン(PG)の 関 与 が 大 き いので まず PG の 合 成 阻 害 剤 である 非 ステロイド 抗 炎 症 薬 (NSAIDs: バファリン, ジクロ フェナクナトリウム メフェナム 酸 イブプロフェン ナプロキセンなど)を 投 与 する ) NSAIDs の 有 害 事 象 を 無 視 できない 場 合 は 低 用 量 エストロゲン プロゲスチン 配 合 薬 を 投 与 する 低 用 量 エストロゲン プロゲスチン 配 合 薬 は 機 能 性 月 経 困 難 症 を 改 善 する 機 能 性 月 経 困 難 症 にたいして 経 口 避 妊 薬 OC は 保 険 適 用 がないが 広 く 用 いられている OC は 中 用 量 低 用 量 いずれも 機 能 性 月 経 困 難 症 を 改 善 し 有 害 事 象 はプラゼボ 群 と 差 を 認 めない ),) 低 用 量 OC の 有 害 事 象 は 中 用 量 OC のそれより 少 ないため 低 用 量 OC が 妥 当 な 選 択 と 考 えられる. 以 上 の 処 方 のほかに 漢 方 薬 により 月 経 困 難 症 を 効 果 的 に 治 療 できる 可 能 性 がある 当 帰 芍 薬 散 加 味 逍 遥 散 桂 枝 茯 苓 丸 桃 核 承 気 湯 当 帰 建 中 湯 などから 漢 方 医 学 的 診 断 に 基 づいて 処 方 する ) 漢 方 薬 治 療 に 即 効 性 はないが ないし 1 週 間 の 投 与 で 症 状 の 改 善 を 期 待 できる なお 芍 薬 甘 草 湯 は 月 経 痛 が 激 しい 場 合 に 頓 服 で 用 いることができる また 子 宮 発 育 不 全 に 伴 う 月 経 痛 と 考 えられる 場 合 には 月 経 困 難 症 に 保 険 適 用 がある 鎮 痙 薬 (ブチル スコポラミン 臭 化 物 :ブスコパン)を 用 いることができる 保 存 的 治 療 の 無 効 例 には 心 理 社 会 的 背 景 が 関 与 している 可 能 性 があるので カウンセリ ングや 心 理 療 法 を 考 慮 してもよい 思 春 期 で 低 年 齢 の 場 合 には 月 経 をネガティブにとらえ 1

15 やすい 不 安 や 緊 張 が 強 く 月 経 に 嫌 悪 感 を 抱 いている 場 合 は 月 経 があることは 妊 孕 性 を 備 えた 健 康 な 成 熟 した 女 性 になった 証 であるという ポジティブな 考 えを 持 つように 指 導 す る ) また 診 断 的 腹 腔 鏡 を 兼 ねて 行 う laparoscopic uterine nerve ablation (LUNA), laparoscopic presacral neurectomy (LPSN)のような 神 経 遮 断 手 術 ),) は, 長 期 的 な 効 果 に ついては 不 明 でありこれらを 行 う 施 設 は 限 定 されている 文 献 1. 日 本 産 科 婦 人 科 学 会 編 産 科 婦 人 科 用 語 集 用 語 解 説 集 00. Marjoribanks J, Proctor ML, Farquhar CM. Nonsteroidal anti-inflammatory drugs for primary dysmenorrhea. Cochrane Database Syst.Rev 00; : CD00 (Ⅰ). Wong CL, Farquhar C, Roberts H, Proctor M. Oral contraceptive pill for primary dysmenorrhoea. Cochrane Database Syst Rev 00;.CD00. Davis AR, Westhoff C, O Connell K, Gallagher N. Oral contraceptives for dysmenorrhea in adolescent girls: a randomized trial. Obstet Gyneco 00;:- (Ⅰ). 大 屋 敦 子 花 輪 壽 彦 竹 下 俊 行. 月 経 困 難 症 の 漢 方 療 法 産 婦 人 科 治 療 00; : 1- (Ⅲ). 安 達 知 子. 月 経 困 難 症. 思 春 期 医 学 新 女 性 医 学 体 系 1 武 谷 雄 二 編 集 東 京 : 中 山 書 店 000; -1. Johnson NP, Farquhar CM, Crossley S, Yu Y, Van Peperstraten AM, Sprecher M. A double-blind randomized controlled trial of laparoscopic uterine nerve ablation for women with pelvic pain. BJOG 00;1: 0- (Ⅰ). Proctor ML, Latte PM, Farquhar CM, Khan KS, Johnson NP. Surgical interruption of pelvic nerve pathways for primary and secondary dysmenorrhea. Cochrane Database Syst Rev 00; : CD001 (Ⅰ) (Ⅲ) (Ⅰ) 1

16 CQ-0(1) 器 質 性 疾 患 のない 過 多 月 経 の 薬 物 療 法 は? Answer 1. エストロゲン プロゲスチン 配 合 薬 を 投 与 する (C). 抗 線 溶 薬 (トラネキサム 酸 トランサミン など)を 投 与 する (C). 薬 物 療 法 が 無 効 または 困 難 な 場 合 には 外 科 的 治 療 などを 考 慮 する (C) 解 説 月 経 出 血 の 持 続 日 数 は ~ 日 出 血 量 は ~ml が 正 常 であり 0ml 以 上 の 月 経 出 血 が あると 0%の 女 性 が 貧 血 となる 1) 産 科 婦 人 科 用 語 解 説 集 第 版 では 過 多 月 経 を 出 血 量 ml 以 上 の 場 合 としている しかし 出 血 量 を 用 いる 定 義 には 臨 床 上 の 実 用 性 は 乏 しい また 血 塊 の 排 出 やパットの 取 替 え 頻 度 なども 必 ずしも 出 血 量 の 測 定 値 を 反 映 しない 臨 床 的 に 利 用 可 能 な 客 観 的 指 標 は 鉄 欠 乏 性 貧 血 の 有 無 である 過 多 月 経 にはおもに つの 原 因,すなわち(1) 骨 盤 内 病 変 () 血 液 凝 固 障 害 () 内 科 疾 患 () 性 ステロイドホルモンの 分 泌 異 常 内 膜 組 織 の 線 溶 系 の 亢 進 などが 関 係 してい る 器 質 性 疾 患 のない 過 多 月 経 の 多 くは()に 原 因 がある 本 態 性 過 多 月 経 である まず(1) 子 宮 筋 腫 子 宮 腺 筋 症 など 過 多 月 経 の 原 因 となる 疾 患 をスクリーニングするとともに 悪 性 骨 盤 内 病 変 妊 娠 の 異 常 など 性 器 出 血 の 原 因 となる 器 質 性 疾 患 を 除 外 する さらに()と()を 除 外 したうえで 上 記 Answer のように 過 多 月 経 を 治 療 する 本 態 性 過 多 月 経 の 原 因 は 十 分 には 解 明 されていない 発 症 には 子 宮 内 膜 局 所 のプロスタグ ランディンその 他 の 血 管 作 動 物 質 も 関 与 していると 推 定 されている 1. エストロゲン プロゲスチン 配 合 薬 と levonorgestrel releasing intrauterine system (LNG-IUS:ミレーナ)は 本 態 性 過 多 月 経 の 出 血 量 を 減 少 させる ) エストロゲン プロゲスチン 配 合 薬 と LNG-IUS は 1 ヶ 月 後 の 評 価 でそれぞれ % % 月 経 出 血 量 を 減 少 させた 経 口 避 妊 薬 (OC)のようなエストロゲン プロゲスチン 配 合 薬 を 投 与 して 排 卵 を 抑 制 し 出 血 量 を 減 少 させる 方 法 は 普 及 している ただし OC に 保 険 適 用 はない. トラネキサム 酸 は 局 所 線 溶 亢 進 を 抑 制 して 出 血 量 を 減 少 させることにより 排 卵 性 の 過 多 月 経 を 改 善 する ) 1, が 選 択 できない 場 合 は levonorgestrel releasing intrauterine system (LNG-IUS: ミレーナ)を 選 択 できる LNG-IUS は 月 経 出 血 量 を 減 少 させる ),) プロゲスチンが 局 所 的 に 投 与 されるため 全 身 的 な 有 害 事 象 は 少 ない 年 程 度 有 効 であるが 保 険 適 用 はない LNG-IUS を 抜 去 することにより 妊 孕 性 は 復 活 する プロゲスチンを 1 日 間 経 口 投 与 する と 月 経 出 血 量 は 有 意 に 減 少 するが NSAIDs と 同 程 度 の 効 果 である ) ダナゾールは 出 血 量 を 減 少 させるが 有 害 事 象 を 無 視 できない ). 薬 物 療 法 が 無 効 もしくは 困 難 な 場 合 には 外 科 的 治 療 などを 考 慮 する しかし 通 常 は 思 春 期 の 無 排 卵 による 急 性 の 大 量 出 血 などは 薬 物 療 法 で 制 御 可 能 である 例 えば 結 合 型 エ ストロゲン.mg(プレマリン 錠 )を 時 間 毎 に 投 与 する 止 血 後 はエストロゲンを 漸 1

17 減 したのちエストロゲン プロゲスチン 配 合 薬 に 変 更 して 一 定 期 間 維 持 したのち 消 退 出 血 させる ) なお 非 ステロイド 抗 炎 症 薬 (NSAIDs)には 子 宮 出 血 量 を 減 少 させる 効 果 がある ) し かし その 効 果 はプラセボより 有 効 であるが 抗 線 溶 薬 よりは 小 さい したがって エストロ ゲン プロゲスチン 配 合 薬 と 併 用 するような 使 用 が 妥 当 である ただし NSAIDs は 過 多 月 経 にたいして 保 険 適 用 はない 過 多 月 経 の 保 険 適 用 はないが 芎 帰 膠 艾 湯 を 月 経 開 始 - 日 前 から 服 用 させることによる 過 多 月 経 の 改 善 が 報 告 されている ) さらに 無 排 卵 の 成 熟 婦 人 で は 排 卵 誘 発 をおこなって 出 血 量 を 正 常 化 させる 選 択 もある 文 献 1. Hallberg L, Högdahl AM, Nilsson L, Rybo G. Menstrual blood loss--a population study. Variation at different ages and attempts to define normality. Acta Obstet Gynecol Scand. 1; ():0-1. Endrikat J, Shapiro H, Lukkari-Lax E, Kunz M, Schmidt W, Fortier M. A Canadian, multicentre study comparing the efficacy of a levonorgestrel-relesasing intrauterine system to an oral contraceptive in women with idiopathic menorrhagia. J Obstet Gynaecol Can 00; : 0- (Ⅱ). Lethaby A, Farquhar C, Cooke I. Antifibrinolytics for heavy menstrual bleeding. Cochrane Database Syst Rev 000,. CD000. (Ⅰ). Milsom I, Andersson K, Andersch B, Ryobo G. A comparison of flurbiprofen, tranexamic acid and a levonorgestrel-releasing intrauterine contraceptive device in the treatment of idiopathic menorrhagia. Am J Obstet Gynecol ; 1: - (Ⅰ). Reid PC, Virtanen-Kari S. Randomised comparative trial of the levonorgestrel intrauterine system and mefenamic acid for the treatment of idiopathic menorrhagia: a multiple analysis using total menstrual fluid loss, menstrual blood loss and pictorial blood loss assessment charts. Br J Obstet Gynaecol 00; : 1-. (Ⅰ). Lethaby A, Irvine G, Cameron I. Cyclical progestogens for heavy menstrual bleeding. Cochrane Database Syst Rev. 00; 1 :CD001. (Ⅰ). Dockeray KJ, Shepperd BC Bonnar J. Comparison between mefenamic acid and danazol in the treatment of established menorrhagia. Br J Obstet Gynaecol 1; : 0- (Ⅱ). Adams Hillard PJ. Benign diseases of the female reproductive tract. In Berek JS, editor. Gynecology 1th ed. Tokyo: Lippencott Williams & Wilkins; 00. p.. (Ⅲ). Lethaby A, Augood C, Duckitt K, Farquhar CM. Non-steroidal anti-inflammatory drugs for heavy menstrual bleeding. Cochrane Database Syst Rev 00; : CD00000 (Ⅰ) 1

18 . 岩 淵 慎 助. 機 能 性 子 宮 出 血 に 対 する 芎 帰 膠 艾 湯 の 止 血 効 果 - 年 間 にわたる 例 の 検 討 結 果 :Science of Kampo Medicine ( 漢 方 医 学 )00; 1: 1-1 (Ⅲ) 1

19 CQ-0() 器 質 性 疾 患 のない 過 多 月 経 に 対 する 薬 物 療 法 以 外 の 治 療 は? Answer 1. 急 性 の 大 量 出 血 には 子 宮 内 膜 掻 把 術 を 行 う (C) 子 宮 温 存 治 療 が 無 効 な 場 合 は 子 宮 摘 出 術 あるいは 子 宮 内 膜 アブレーションを 行 う (C) 解 説 薬 物 療 法 が 無 効 あるいは 困 難 な 場 合 には 子 宮 内 膜 掻 把 術 (D&C) 子 宮 摘 出 術 子 宮 内 膜 ア ブレーション endometrial ablation(ea) 子 宮 動 脈 塞 栓 術 (UAE)のいずれかで 過 多 月 経 を 治 療 できる 器 質 性 疾 患 を 伴 わない 子 宮 であれば D&C と 子 宮 鏡 を 使 用 しない EA は 短 時 間 で 完 了 するため 処 置 室 で 静 脈 麻 酔 下 に 施 行 可 能 である これらは 循 環 動 態 に 影 響 するような 急 性 の 大 量 出 血 を 制 御 する 方 法 でもある しかし これらを 適 用 するまえに 特 に 思 春 期 の 患 者 では 薬 物 療 法 が 無 効 となる 原 因 を 慎 重 に 検 討 する 必 要 がある 1. D&C は 急 性 の 大 量 出 血 を 止 める 最 も 迅 速 な 方 法 である 凝 血 を 子 宮 内 から 除 去 し 子 宮 の 収 縮 を 改 善 させ 止 血 させる ただし D&C のみでは 1~ 周 期 程 度 で 過 多 月 経 が 再 発 する 1) ので 次 の 周 期 では -0(1)に 示 した 薬 物 療 法 を 行 う 必 要 がある 根 治 的 ではないが 妊 孕 性 は 温 存 される 治 療 と 同 時 に 子 宮 内 膜 組 織 を 採 取 し 病 理 組 織 学 的 診 断 に 供 することができる. 子 宮 摘 出 術 は 妊 孕 性 を 犠 牲 にして 過 多 月 経 を 根 治 的 に 治 療 する 方 法 である 子 宮 に 器 質 性 疾 患 がない 場 合 は 子 宮 摘 出 術 を 腹 式 腟 式 腹 腔 鏡 下 のいずれかで 困 難 なく 行 える しかし 子 宮 摘 出 術 はメジャーな 手 術 であり 手 術 合 併 症 が 一 定 の 頻 度 で 発 生 する また 合 併 疾 患 のために 手 術 リスクが 高 い 場 合 もある したがって 適 応 には 患 者 のリスクと 利 益 について 慎 重 な 検 討 が 必 要 である また 子 宮 摘 出 術 の 代 替 治 療 法 とも 比 較 検 討 する 必 要 がある EA は 閉 経 すれば 解 消 する 過 多 月 経 に 対 して 子 宮 摘 出 術 は 過 剰 な 治 療 ではないかという 発 想 から 開 発 された 子 宮 摘 出 術 の 代 替 治 療 法 であり 子 宮 内 膜 の 破 壊 術 である 子 宮 摘 出 術 よりは 低 侵 襲 であり 合 併 症 も 少 ない ),) 子 宮 摘 出 術 の 適 応 はあるが 子 宮 摘 出 には 抵 抗 があ る 患 者 あるいは 薬 物 療 法 が 無 効 あるいは 禁 忌 で 子 宮 摘 出 術 の 手 術 リスクが 高 い 患 者 には 推 奨 できる ただし 妊 孕 性 は 温 存 できない また EA により 不 妊 になる 可 能 性 がある 一 方 偶 発 的 に 成 立 した 妊 娠 の 継 続 や 分 娩 は 危 険 である ) EA は 慢 性 の 過 多 月 経 機 能 性 出 血 の 治 療 法 として 国 外 では 子 宮 鏡 下 内 膜 凝 固 術 あるいはさ まざまなエネルギーによって 子 宮 内 膜 を 破 壊 する EA 専 用 器 械 を 用 いて 年 間 何 万 件 も 行 われ ているほか 急 性 の 子 宮 出 血 を 制 御 する 場 合 にも 使 用 できる ),) しかし 子 宮 鏡 下 内 膜 凝 固 1

20 とマイクロ 波 手 術 器 を 用 いるマイクロ 波 子 宮 内 膜 アブレーション(MEA)のみが 国 内 で 厚 生 労 働 省 が 承 認 済 みの 機 器 で 実 施 できる EA である また EA は 保 険 適 用 がないため 自 費 診 療 と なる 例 外 的 にマイクロ 波 手 術 器 を 用 いる MEA が 先 進 医 療 として 厚 生 労 働 省 から 承 認 されて おり 要 件 を 満 足 する 医 療 機 関 が 地 方 厚 生 局 に 届 出 をおこなえば 混 合 診 療 が 認 められる ) 施 設 が 先 進 医 療 の 届 け 出 を 済 ませている 実 施 の 詳 細 は Microwave Surgery 研 究 会 のホーム ページ(http// 波 子 宮 内 膜 アブレーション 実 施 ガイ ドライン(00 年 1 月 )として 公 開 されている UAE は 循 環 動 態 に 変 動 をきたす 大 量 の 子 宮 出 血 を 止 める 手 術 に 代 わる 有 力 な 治 療 法 である しかし UAE や 手 術 が 器 質 性 疾 患 のない 過 多 月 経 の 治 療 法 として 必 要 になる 場 合 はまれであ る 特 に 思 春 期 の 無 排 卵 性 大 量 出 血 などではこのような 治 療 が 必 要 になることは 少 ない 薬 物 療 法 で 制 御 できない 場 合 は 血 液 凝 固 障 害 などの 背 景 が 潜 んでいることが 多 い ) 文 献 1. Haynes PJ, Hodgson H, Anderson AB, Measurement of menstrual blood loss in patients complaining of menorrhagia. BJOG 1; : - (Ⅲ). Lethaby A, Hickey M, Garry R, Penninx J. Endometrial resection / ablation techniques for heavy menstrual bleeding. Cochrane Database Syst Rev 00,. CD001. (Ⅰ). Lethaby A, Shepperd S, Cooke I, Farquhar C. Endometrial resection and ablation versus hysterectomy for heavy menstrual bleeding. Cochrane Database Syst Rev 000; CD000. (Ⅰ). Laberge PY. Serious and deadly complications from pregnancy after endometrial ablation: two case reports and review of the literature. J Gynecol Obstet Biol Reprod (Paris). 00; : 0-1. (Ⅲ). Nichols CM, Gill EJ. Thermal balloon endometrial ablation for management of acute uterine hemorrhage. Obstet Gynecol 00; 0: -. 中 山 健 太 郎 青 木 昭 和 金 岡 靖 宮 崎 康 二 過 多 月 経 による 出 血 性 ショックに 対 する 緊 急 マイクロ 波 子 宮 内 膜 アブレーションの 使 用 経 験 J Microwave Surg 00; : 1-. 厚 生 労 働 省 告 示 第 五 百 七 十 四 号 改 訂 (00 年 1 月 日 ). Adams Hillard PJ. Benign diseases of the female reproductive tract. In Berek JS, editor. Gynecology 1th ed. Tokyo: Lippencott Williams & Wilkins; 00. p. (Ⅲ) 0

21 CQ-0 無 排 卵 性 の 月 経 周 期 異 常 はどう 管 理 するか Answer 1. 問 診 身 体 所 見 内 分 泌 学 的 検 査 などから 月 経 周 期 異 常 の 原 因 を 検 索 する (B). 挙 児 希 望 がない 場 合 はホルモン 療 法 を 行 う 1) 慢 性 の 無 排 卵 周 期 による 頻 発 月 経 や 希 発 月 経 では 周 期 的 なプロゲスチンの 投 与 (ホルムストルム 療 法 )を 行 う (B) あるいは 経 口 避 妊 薬 (OC)などのエストロゲン プロゲスチン 配 合 剤 の 投 与 を 行 う (C) ) 第 1 度 無 月 経 では 周 期 的 なプロゲスチンの 投 与 (ホルムストルム 療 法 )を 行 う (B) ) 第 度 無 月 経 では 周 期 的 なエストロゲンとプロゲスチンの 投 与 (カウフマン 療 法 )を 行 う (B). 挙 児 の 希 望 がある 場 合 は 排 卵 誘 発 を 行 う (B) 解 説 無 排 卵 性 月 経 は 中 枢 性 あるいは 性 腺 障 害 により 卵 胞 がある 段 階 にまで 成 熟 しエ ストロゲン 分 泌 を 行 うが 排 卵 が 障 害 されるため 成 熟 した 卵 胞 はそのまま 退 縮 し エ ストロゲンレベルが 急 速 に 低 下 することにより 消 退 出 血 を 起 こし 発 症 する 多 くの 場 合 には 月 経 期 間 が 延 長 し 月 経 持 続 期 間 も 短 かったり 長 かったりするが 中 には 正 常 月 経 と 外 見 上 は 同 じものもある 1) 月 経 周 期 日 数 の 正 常 範 囲 は 周 期 日 数 が ~ 日 の 間 にあり その 変 動 が 日 以 内 である 月 経 周 期 が 短 縮 し 日 以 内 で 発 来 した 月 経 を 頻 発 月 経 という 1 日 以 内 の 頻 発 月 経 では 0%が 無 排 卵 である 月 経 周 期 が 延 長 し 日 以 上 で 発 来 した 月 経 を 希 発 月 経 という 1 日 以 上 の 希 発 月 経 の 0%が 無 排 卵 である これまであった 月 経 が ヶ 月 以 上 停 止 したものを 続 発 無 月 経 という ヶ 月 という 期 間 は 単 なる 月 経 発 来 の 遅 延 と 希 発 月 経 との 境 界 を 引 くために 設 定 したものである 1) 無 排 卵 周 期 ( 症 )は 月 経 はあるが 排 卵 を 伴 わないものをいう 1) 月 経 周 期 は 不 順 のことが 多 いが 頻 発 月 経 希 発 月 経 あるいは 正 常 月 経 周 期 の 中 にも 無 排 卵 周 期 の 場 合 があることになる 1. 月 経 周 期 異 常 においては 注 意 深 い 問 診 と 身 体 所 見 の 観 察 内 分 泌 学 的 検 査 (FSH,LH,PRL,E )などを 系 統 だって 行 うことにより 病 態 を 診 断 する ) ))) 甲 状 腺 疾 患 高 プロラクチン 血 症 やPCOSなどの 診 断 を 確 定 しておくことは 重 要 である )) それぞれ 原 因 に 対 応 した 治 療 が 原 則 となるからである ) なお 本 書 CQ-0 高 プロラクチン 血 症 CQ-0PCOSの 項 も 参 照 されたい 1

22 この 領 域 では 経 験 的 な 知 識 の 集 積 から 臨 床 の 実 際 はほぼ 確 立 し ているといってよい このため 治 療 の 優 劣 や 論 点 を 明 らかにするための RCT はほと んど 見 当 たらない 初 経 発 来 後 の 数 年 間 や 閉 経 前 期 では 比 較 的 高 い 頻 度 で 無 排 卵 性 月 経 がみられる )) ので 貧 血 をきたすような 頻 回 の 子 宮 出 血 がない 場 合 には 経 過 観 察 としてもよい )) 若 年 婦 人 や 挙 児 希 望 のない 成 熟 婦 人 では 必 要 に 応 じてホルモン 療 法 を 行 い 一 定 期 間 (- 周 期 ) 周 期 的 な 消 退 出 血 を 起 こした 後 経 過 観 察 を 行 う ホルモン 療 法 とし て 慢 性 の 無 排 卵 周 期 症 では 周 期 的 なプロゲスチンの 投 与 (ホルムストルム 療 法 ) を 行 う ) 慢 性 の 無 排 卵 周 期 症 ) ) あるいは 頻 回 の 子 宮 出 血 で 煩 わしさを 訴 える 場 合 や 偶 発 的 な 妊 娠 を 避 けたいとの 希 望 がある 場 合 ) は 経 口 避 妊 薬 などのエストロゲン プロゲスチン 配 合 剤 の 投 与 を 考 慮 する 第 1 度 無 月 経 では 周 期 的 なプロゲスチンの 投 与 (ホルムストルム 療 法 )を 第 度 無 月 経 では 周 期 的 なエストロゲンとプロゲスチ ンの 併 用 投 与 (カウフマン 療 法 )を 行 う ))) 積 極 的 には 排 卵 誘 発 を 行 わないが 第 1 度 無 月 経 や 希 発 月 経 では 必 要 に 応 じて クロミフェン 投 与 を 一 定 期 間 (- 周 期 ) 行 うことも 選 択 できる )) 長 期 にわたるプロゲステロン 分 泌 を 伴 わないエストロゲンの 子 宮 内 膜 への 作 用 は 子 宮 内 膜 増 殖 症 や 子 宮 内 膜 癌 の 発 生 リスクを 高 めることから このような 症 例 では 子 宮 内 膜 の 評 価 が 必 要 である ) 過 度 のダイエットや 運 動 負 荷 による 月 経 周 期 異 常 では 適 正 な 食 事 や 運 動 のメニュ ーを 指 導 する 運 動 で 消 費 されるエネルギーとバランスをとったカロリー 摂 取 により 月 経 周 期 異 常 の 改 善 が 期 待 できる )) 低 エストロゲン 状 態 が 長 期 に 続 いた 場 合 若 年 女 性 といえども 骨 量 減 少 が 懸 念 される エストロゲンレベルが 低 い 場 合 に 併 せ てエストロゲン 補 充 を 行 うと 更 なる 骨 量 減 少 を 抑 制 することが 指 摘 されている ) ). 挙 児 希 望 のある 成 熟 婦 人 では 排 卵 誘 発 を 行 う )) 無 排 卵 周 期 症 や 第 1 度 無 月 経 では クロミフェン 療 法 が 第 1 選 択 である ))) 第 1 度 無 月 経 のうちクロミフェン 無 効 例 や 第 度 無 月 経 ではゴナドトロピン 療 法 を 行 う )) 文 献 1. 日 本 産 科 婦 人 科 学 会 編 産 科 婦 人 科 用 語 集 用 語 解 説 集 00. 内 分 泌 疾 患 1) 月 経 異 常 産 婦 人 科 研 修 の 必 修 知 識 日 本 産 科 婦 人 科 学 会 (Ⅲ). 研 修 ノート 1 思 春 期 のケア 日 本 母 性 保 護 産 婦 人 科 医 会 1 (Ⅲ). 研 修 ノート 女 性 健 康 外 来 ライフサイクルと 診 療 日 本 産 婦 人 科 医 会 00

23 (Ⅲ). 三 宅 麻 喜 星 和 彦 ; 無 排 卵 症 ( 無 排 卵 性 月 経 ) 日 本 臨 牀 ( 別 冊 ) 内 分 泌 症 候 群 ( 第 版 )Ⅱ - 日 本 臨 牀 社 00 (Ⅲ). ACOG practice bulletin: Management of anovulatory bleeding. Int J Gynaecol Obstet. 001; : -1 (Guideline). Chuong CJ, Brenner PF ; Management of abnormal uterine bleeding. Am J Obstet Gynecol. 1; 1: - (Ⅲ). Mansfield MJ, Emans SJ ; Adolescent menstrual irregularity.j Repro Med. 1; : - (Ⅲ). Burger HG, Robertson DM, Baksheev L. Collins A, Csemiczky G, Landgren BM ; The relationship between the endocrine characteristics and the regularity of menstrual cycles in the approach to menopause. Menopause. 00 ; 1: - (Ⅱ). Stafford DE ; Altered hypothalamic-pituitary-ovarian axis function in young female athletes :implications and recommendations for management.treat Endocrinol. 00; :1-1 (Ⅲ). Warren MP, Periroth NE ; The effects of intense exercise on the female reproductive systems. J Endocrinol. 001; : - (Ⅲ)

24 CQ-0 月 経 前 症 候 群 の 診 断 管 理 Answer 1. 月 経 前 症 候 群 の 診 断 は 発 症 時 期 身 体 的 症 状 精 神 的 症 状 からおこなう (A) 米 国 産 科 婦 人 科 学 会 の 診 断 基 準 1) を 用 いる (C). 精 神 症 状 の 強 いときは 精 神 科 や 心 療 内 科 に 紹 介 する (C). 治 療 にはカウンセリング 生 活 指 導 薬 物 療 法 ( 対 症 療 法 精 神 安 定 剤 利 尿 剤 )を 選 択 する (B). 中 等 症 以 上 の 月 経 前 症 候 群 および 月 経 前 不 快 気 分 障 害 には 選 択 的 セロトニン 再 吸 収 取 り 込 み 阻 害 薬 (SSRI)を 用 いる (C). 身 体 症 状 ( 表 1 参 照 ) 改 善 には 経 口 避 妊 薬 を 用 いる (C) 解 説 1. 月 経 前 症 候 群 (Premenstrual syndrome, PMS)は 日 本 産 科 婦 人 科 学 会 用 語 集 (00 年 改 訂 版 )にて 月 経 前 ~ 日 間 の 黄 体 期 に 続 く 精 神 的 あるいは 身 体 的 症 状 で 月 経 発 来 ととも に 減 弱 あるいは 消 失 するものをいう いらいら のぼせ 下 腹 部 膨 満 感 下 腹 痛 腰 痛 頭 重 感 怒 りっぽくなる 頭 痛 乳 房 痛 落 ち 着 きがない 憂 鬱 の 順 に 多 い としている 米 国 産 婦 人 科 学 会 診 断 基 準 はもう 少 し 具 体 的 で 身 体 症 状 と 精 神 症 状 を 明 確 に 分 けている( 表 1) 1). 精 神 症 状 が 主 体 で 強 い 場 合 は 月 経 前 不 快 気 分 障 害 (Premenstrual Dysphoric Disorder, PMDD) ) と 呼 ぶ. 本 症 の 原 因 は 諸 説 あるが 不 明 である 通 常 ホルモン 異 常 を 伴 わないが GnRH アゴニ ストで 排 卵 を 抑 制 すると 発 症 しないことから 黄 体 ホルモンが 誘 因 であることは 間 違 いない 最 近 の 研 究 ではセロトニン 作 働 性 ニューロン(うつ 状 態 を 誘 導 )の 黄 体 ホルモンに 対 する 感 受 性 が 高 いためにおこるといわれる,) 本 邦 では 生 殖 年 齢 女 性 の 約 0-0%が, 月 経 前 に 何 らかの 症 状 を 伴 うといわれる 欧 米 と 同 じ 基 準 を 用 いたわが 国 での 研 究 では, 社 会 生 活 困 難 を 伴 う 中 等 症 以 上 の PMS は.% 月 経 前 不 快 気 分 障 害 の 頻 度 は 1.%と 報 告 されている( 欧 米 では -%) )) 月 経 前 障 害 あるいは 月 経 前 不 快 気 分 障 害 は 幅 広 い 年 齢 で 発 症 し 年 齢 に よる 偏 り 人 種 差 は 比 較 的 少 ない 生 活 習 慣 や 勤 務 の 有 無 にもほとんど 関 係 しないといわれ る 患 者 の 社 会 生 活 に 影 響 を 与 える 中 等 症 以 上 の 月 経 前 症 候 群 あるいは 月 経 前 不 快 気 分 障 害 が 治 療 対 象 となる ) 治 療 はカウンセリング 生 活 指 導 と 薬 物 療 法 に 分 けられる 生 活 指 導 としては,まず 症 状 日 記 を 付 けさせ 疾 患 の 理 解 と 頻 度 発 症 に 時 期 本 人 に 重 症 度 の 位 置 づけを 認 識 させる( 認 知 療 法 ) また, 規 則 正 しい 生 活 規 則 正 しい 睡 眠 定 期 的 運 動 たばこ コーヒーなどの 制 限 を 指 導 する 重 症 の 場 合 は 仕 事 の 制 限 家 庭 生 活 の 責 任 軽 減 などまで 踏 み 込 んだ 指 導 が 必 要 なこともある 薬 物 療 法 として 軽 症 の 場 合 は 対 症 療 法 としての 精 神 安 定 剤 利 尿 剤 鎮 痛 剤 などを 適 宜 用 いる. 根 本 的 治 療 が 必 要 な 場 合 欧 米 では SSRI(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors: fluoxetine, sertraline, paroxetine など)が 第 一 選 択 である ) 日 本 ではこれら 各 種 薬 剤

25 は 本 邦 では 月 経 前 症 候 群 の 保 険 適 用 がないので 症 状 に 対 応 した 保 険 病 名 で 対 応 することにな る. 低 用 量 ピルは 身 体 症 状 改 善 には 有 効 であるが 精 神 症 状 には 有 効 でないとされている ) な お 最 終 的 にGnRHアゴニストによる 排 卵 抑 制 の 選 択 肢 もある 一 般 に 月 経 前 症 候 群 で 処 方 される 薬 剤 を 示 した( 表 ) 文 献 1.ACOG: Practice Bulletin Premenstrual Syndrome Compendium of Selected Publicatins (Buletin).American Psychiatric Association Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders. Fourth Eddition Text Revision Washington DC American Psychiatric Assiciation 000(ガイドライン).Freeman EW. Premenstrual syndrome and premenstrual dysphoric disorder: definitions and diagnosis. Psychoneuroendocrinology 00 Suppl :-. (Ⅲ).Freeman EW,Sondheimer SJ Premenstrual dysphoric disorder: Recognition and treatment. Prim care conmpanion J Clin Psychatry 00 :0- Ⅲ).Steiner M, Madougall M, Brown E. The premenstrual symptoms screening tools for clinitians. Arch Wemens Mental Health 00 :0-0 (II).Takeda T, Tasaka K, Sakata M, Murata Y. Prevalence of premenstrual syndrome and premenstrual dysphoric disorder in Japanese women. Arch Womens Ment Health. 00 ():0-1.(II).Graham CA, Sherwin BB A prospective treatment study of premenstrual symptoms using a triphasic oral contraceptive. J Psychosom Res. 1 ():-. (II)

26 表 1 月 経 前 症 候 群 診 断 基 準 ( 米 国 産 婦 人 科 学 会 ) 身 体 的 症 状 情 緒 的 症 状 乳 房 痛 腹 部 膨 満 感 頭 痛 手 足 のむくみ 抑 うつ 怒 りの 爆 発 いらだち 不 安 混 乱 社 会 からの 引 きこもり < 診 断 基 準 > 1 過 去 ヶ 月 間 以 上 連 続 して 月 経 前 日 間 に 以 上 の 症 状 のうち 少 なくとも 1 つ 以 上 が 存 在 する こと 月 経 開 始 後 日 以 内 に 症 状 が 解 消 し 1 日 目 ま で 再 発 しない 症 状 が 薬 物 療 法 やアルコール 使 用 によるもので ない 診 療 開 始 も ヵ 月 間 にわたり 症 状 が 起 きたこと が 確 認 できる 社 会 的 または 経 済 的 能 力 に 明 確 な 障 害 が 認 めら れる

27 表. 月 経 前 症 候 群 月 経 前 不 快 気 分 障 害 の 薬 物 療 法 症 状 作 用 商 品 名 用 法 腹 痛 頭 痛 鎮 痛 剤 ロキソニン 錠 0mg 錠 分 ボルタレン mg 錠 分 むくみなど 利 尿 剤 アルダクトン Amg 錠 分 情 緒 不 安 定 不 安 精 神 安 定 剤 コンスタン ソラナックス 錠 分 身 体 症 状 低 用 量 ピル デパス 錠 分 - 錠 分 リーゼ 錠 分 - 錠 分 うつ 状 態 SSRI パキシル -0mg 黄 体 期 夕 食 後 全 周 期 夕 食 後 ジェイゾロフト mg-0mg ルボックス 0mg-0mg 黄 体 期 全 周 期 黄 体 期 全 周 期 症 状 全 般 GnRH アゴニスト リュープリン 1.mg 週 1 回 皮 下 注 ゾラデックスデポー1.mg ナサニール 点 鼻 薬 スプレキュア 点 鼻 薬 週 1 回 皮 下 注 1 回 1 噴 霧 片 側 1 日 回 1 回 1 噴 霧 両 側 1 日 回

28 CQ-0(1) 高 プロラクチン 血 症 の 診 断 は? Answer 1. 月 経 異 常 や 乳 汁 漏 出 がある 場 合 にはプロラクチン(PRL) 測 定 をおこなう (A).プロラクチン 値 が 高 い 場 合 甲 状 腺 機 能 検 査 もおこなう(B). 薬 剤 服 用 ( 精 神 科 内 科 ) 甲 状 腺 疾 患 症 状 の 有 無 頭 痛 視 野 狭 窄 の 有 無 を 問 診 する (B). 乳 汁 漏 出 の 有 無 は 左 右 とも 確 認 する (B). PRL 値 が 0ng/ml を 超 える 場 合 は プロラクチノーマの 可 能 性 を 考 えてMRI 施 行 を 考 慮 し 場 合 により 脳 神 経 外 科 に 紹 介 する (B) 解 説 1. 血 清 プロラクチン 値 が 基 準 値 を 超 え 異 常 高 値 を 示 す 疾 患 を 高 プロラクチン 血 症 という その 頻 度 は 一 般 人 で 0.% 卵 巣 機 能 異 常 の 婦 人 では -1%に 見 られる 患 者 は 多 くの 場 合 月 経 異 常 乳 汁 漏 出 を 主 訴 に 来 院 する 高 プロラクチン 血 症 の 頻 度 は 無 月 経 患 者 の 1.%と いわれる 高 プロラクチン 血 症 の 原 因 についてについて 表 1に 示 した 1) 比 較 的 頻 度 の 高 い 疾 患 としてはプロラクチノーマ(.% ) Argonz-del-Castillo 症 候 群 (1.%) Chiari-Frommel 症 候 群 (1.%) 原 発 性 甲 状 腺 機 能 低 下 症 (,%) Acromegaly に 伴 うも の(.%) 間 脳 腫 瘍 (.%)などがあげられる そのほか 薬 剤 によるものが.% 見 られる 検 査 は LH, FSH, PRL, E, を 測 定 する 血 清 プロラクチン 値 は 変 動 しやすく 夜 間 食 後 および 排 卵 期 周 辺 などで 高 くなるため, 月 経 日 以 内 に 起 床 後 数 時 間 後 で 食 事 前 午 前 時 から 時 ぐらいに 採 血 するのが 望 ましい,) 月 経 異 常 や 乳 汁 分 泌 が 見 られない 場 合 は 再 検 する 必 要 がある また 症 状 がない 高 プロラクチン 血 症 の 場 合 生 物 活 性 と 免 疫 活 性 に 解 離 する 場 合 がある(いわゆるビッグプロラクチン) その 場 合 症 状 がない 限 り 治 療 を 必 要 としない 潜 在 性 高 プロラクチン 血 症 の 検 索 を 含 めて TRH メトクロプラミドそのほかの 負 荷 試 験 をした 時 期 もあったが 最 近 はあまりおこなわれない. 甲 状 腺 機 能 低 下 が 原 因 のことがあるので TSH ft ft などの 甲 状 腺 検 査 もおこなって おく. 問 診 では 月 経 の 状 況 以 外 に, 妊 娠 の 除 外 最 近 の 体 重 変 化 薬 物 服 用 の 有 無 寒 がり 皮 膚 乾 燥 などについて 確 認 する 服 用 薬 剤 で 原 因 となるのは 精 神 科 消 化 器 科 系 薬 剤 が 多 く 中 でもスルピリドによるものが 多 い( 表 ). 乳 汁 分 泌 の 有 無 と 程 度 を 確 認 しておく 乳 汁 漏 出 は 本 人 が 自 覚 する 程 度 から 医 師 が 確 認 して 初 めてわかるものまでさまざまであるが 高 プロラクチン 患 者 の 約 0%に 認 められる.そのほか 甲 状 腺 所 見 乳 汁 分 泌 の 有 無 浮 腫 などに 注 意 する 婦 人 科 診 察 では 超 音 波 検 査 で 卵 巣 や 子 宮 内 膜 厚 を 観 察 する 基 礎 体 温 測 定 も 治 療 効 果 の 参 考 になるので 指 示 する 次 に 黄 体 ホルモン 剤 卵 胞 ホルモン- 黄 体 ホルモンを 投 与 し 無 月 経 の 程 度 を 判 定 する

29 PRL 値 がいくつのときに 画 像 診 断 をおこなうかは 議 論 がある 0ng/ml 以 上 の 時 は プ ロラクチノーマの 可 能 性 を 考 えてMRIを 行 い 脳 外 科 に 紹 介 する あわせて 眼 科 で 視 野 検 索 をおこなう 径 mm 以 下 をミクロアデノーマ 以 上 をマクロアデノーマという 一 般 に 正 常 上 限 から 0 ng/ml 程 度 の 場 合 は 薬 剤 性 や 機 能 的 な 場 合 が 多 いが ミクロアデノーマも 否 定 できない PRLng/ml 以 上 の 患 者 の 大 部 分 はプロラクチノーマ 患 者 である ) マクロア デノーマ 患 者 の 典 型 例 は 0ng/ml 以 上 で 時 に 00ng/ml を 超 える 場 合 もある 文 献 1.Biller BMK, Luciano A Giudelines for the diagnosis and treatment of hyperprolactinemia J Reprod Med (1),1 ガイドライン. 倉 智 敬 一 青 野 敏 博 わが 国 における 高 プロラクチン 血 症 症 例 の 実 態 臨 床 科 学 1: (II). 青 野 敏 博 高 プロラクチン 血 症 図 説 プロラクチン -0 医 歯 薬 出 版 1 Review.Del Pozo E and Jaton AL Prolactin P1 Sandoz, Basel 1 (II).Vekeman M et al. Serum prolactin levels during menstrual cycle J Clin Endoclinol Metab 1 :-(II).Casanueva FF, Molitch ME et al Guidelines of pituitary Society for Diagnosis and Management of Prolactinomas Clinical Endocrinology00 - ガイドライン

30 表 1 高 プロラクチン 血 症 の 原 因 生 理 的 要 因 妊 娠 授 乳 ストレス 睡 眠 乳 房 刺 激 摂 食 薬 剤 によるもの( 表 参 照 ) 病 的 要 因 下 垂 体 腫 瘍 プロラクチノーマ GH,PRL 産 生 腫 瘍 無 機 能 好 酸 性 腫 瘍 で 下 垂 体 茎 圧 迫 を 伴 うもの 視 床 下 部 下 垂 体 茎 疾 患 サルコイドーシス 頭 蓋 髄 膜 腫 放 射 線 照 射 下 垂 体 茎 切 断 トルコ 鞍 空 洞 症 候 群 静 脈 瘤 などの 血 管 奇 形 リンパ 球 性 下 垂 体 炎 転 移 性 腫 瘍 原 発 性 甲 状 腺 機 能 低 下 症 慢 性 腎 不 全 肝 硬 変 胸 壁 疾 患 ( 手 術 帯 状 疱 疹 含 む) てんかん 0

31 表 高 プロラクチン 血 症 を 起 こす 薬 剤 抗 精 神 病 薬 抗 うつ 薬 :ドパミン 受 容 体 拮 抗 薬 メジャートランキライザー フェノチアジン 系 :クロルプロマジン,ベルフェナジン,チオリダジン ブチロノフェノン 系 :ハロペリドール 抗 うつ 薬 三 環 系 剤 :アミトリプチリン,イミプラミン その 他 :スルピリド 抗 潰 瘍 薬 :ドパミン 受 容 体 拮 抗 薬 H ブロッカー:シメチジン 消 化 機 能 調 節 薬 :メトクロプラミド 血 圧 降 下 薬 :ドパミン 合 成 阻 害 薬 レセルピン メチルドーパ ホルモン 剤 : 経 口 避 妊 薬 を 含 むエストロゲン 製 剤 ( 下 垂 体 への 直 接 作 用 ) 1

32 CQ-0() 高 プロラクチン 血 症 の 治 療 は? Answer 1. 視 床 下 部 性 に 対 しては ドーパミン 作 働 薬 による 治 療 を 行 う (B). 薬 剤 性 の 場 合 は 処 方 医 と 相 談 の 上 中 止 減 量 または 処 方 を 変 える (B).プロラクチノーマの 場 合 脳 外 科 医 と 相 談 し 主 としてドーパミン 作 働 薬 による 治 療 を 行 う (B). 下 垂 体 卒 中 視 力 視 野 障 害 をおこす 腫 瘍 薬 剤 抵 抗 例 薬 剤 療 法 不 耐 応 例 などは 外 科 療 法 の 適 応 となり 脳 神 経 外 科 に 紹 介 する (C) 解 説 1. 治 療 対 象 はマクロアデノーマ 全 例 とミクロアデノーマの 一 部 高 プロラクチン 血 症 に 起 因 する 不 妊 症 神 経 障 害 を 有 する 下 垂 体 腺 腫 長 年 の 卵 巣 機 能 不 全 などである そのほか 時 と して 正 常 月 経 周 期 を 有 する 軽 度 高 プロラクチン 血 症 事 例 も 対 象 となりうる 正 常 月 経 周 期 と 容 認 できる 程 度 の 乳 漏 症 を 有 する 閉 経 前 女 性 容 認 できる 程 度 の 乳 漏 症 と 特 発 性 高 プロラク チン 血 症 あるいはミクロアデノーマの 閉 経 後 女 性 は 再 評 価 の 後 積 極 的 治 療 はおこなわない しかし 経 時 的 観 察 は 必 要 である. 治 療 方 針 は 年 齢 挙 児 希 望 の 有 無 によって 異 なる 原 因 を 特 定 した 場 合 はまず 原 疾 患 の 治 療 をおこなう 薬 剤 性 の 場 合 は 中 止 あるいは 減 量 または 処 方 の 変 更 を 依 頼 するが その 際 原 疾 患 との 治 療 優 先 順 位 を 考 慮 する 甲 状 腺 機 能 低 下 症 の 場 合 は 甲 状 腺 ホルモン 補 充 により 卵 巣 機 能 は 回 復 する 視 床 下 部 障 害 の 場 合 はドーパミン 作 働 薬 により PRL は 低 下 し 卵 巣 機 能 は 回 復 する 薬 剤 としてはブロモクリプチン(パーロデル) テルグリド(テルロン) カベ ルゴリン(カバサール)がある ブロモクリプチンは 嘔 気 嘔 吐 などの 有 害 事 象 がでるため.mg 夕 食 後 より 増 量 し PRL 正 常 化 で 維 持 量 とする 寝 る 前 に 服 用 すると 症 状 がやや 緩 和 さ れる テルロンはブロモクリプチンに 比 べ 消 化 器 系 の 症 状 が 軽 度 である 1 日 0.mg より 増 量 する カバサールは 週 1 回 0.mgより 開 始 週 以 上 の 間 隔 で 増 量 し 維 持 量 を 決 める 挙 児 希 望 がある 人 で 排 卵 が 回 復 しない 場 合 は 通 常 不 妊 治 療 に 従 い 排 卵 誘 発 (クロミフェン 療 法 ゴナドトロピン 療 法 )などをおこなう 正 常 月 経 周 期 の 場 合 でも 高 プロラクチン 血 症 の 場 合 は 妊 娠 率 向 上 を 目 指 して 薬 剤 治 療 対 象 とする 考 え 方 もある 多 くの 閉 経 後 婦 人 ではプ ロラクチンは 正 常 化 するので 治 療 の 継 続 については 再 評 価 する 必 要 がある.プロラクチノーマの 場 合 はドーパミン 作 働 薬 を 用 いた 薬 剤 療 法 か 外 科 療 法 の 選 択 となる 基 本 的 にはミクロアデノーマ マクロアデノーマにおいてもドーパミン 作 働 薬 による 治 療 が 主 体 であり 優 先 される プロラクチノーマの 場 合 の 薬 剤 による 治 療 期 間 は 最 低 1 年 必 要 で ある しかしどこまで 続 けるべきかについては 結 論 を 得 ていない 年 の 治 療 後 に PRL 値 が 正 常 化 し 腫 瘍 サイズが 著 明 に 縮 小 した 場 合 は 減 量 あるいは 中 止 に 向 かってよいと 考 えられ ている ( 図 1) 1) 妊 娠 が 判 明 したときは 薬 剤 治 療 を 中 止 する しかし 妊 娠 中 にプロラクチンが 生 理 的 増 加 をはるかに 超 える 場 合 妊 娠 中 に 視 野 狭 窄 など 下 垂 体 腫 瘍 の 増 大 を 示 唆 する 場 合 は 投 与 継 続 もやむをえない( 妊 娠 中 の 増 悪 :microadenoma% 以 下 macroadenoma-%) ) 各 薬 剤 は

33 妊 娠 中 投 与 のカテゴリーは 有 益 時 安 全 性 未 確 立 であるが 妊 娠 中 毒 症 ( 旧 名 )で 禁 忌 とな っている しかし 実 際 にはブロモクリプチンやカベルゴリンの 妊 娠 への 影 響 はほとんどない ともいわれている )) 正 常 妊 娠 中 の PRL 値 は 避 妊 時 に 比 べて 0-00ng/ml 程 度 上 昇 する ) 妊 娠 中 の PRL 値 の 評 価 は 正 常 妊 娠 中 の 変 動 を 勘 案 しておこなう 正 常 分 娩 後 授 乳 中 の PRL 値 は 約 -00ng/ml から 急 激 に 0-0ng/ml 程 度 まで 下 降 し その 後 数 週 間 は 吸 綴 刺 激 で 約 0 ng/ml 程 度 まで 上 昇 する 以 後 授 乳 中 は 0ng/ml 程 度 で 推 移 し 月 経 発 来 に 至 る 授 乳 中 にプロラクチンが 正 常 変 動 を 超 えて 上 昇 したり 症 状 が 悪 化 する 場 合 は 授 乳 を 中 止 し 薬 物 療 法 をおこなう. 外 科 療 法 は 経 蝶 形 骨 洞 下 垂 体 腺 腫 摘 出 術 (Hardy 手 術 )などがおこなわれる 手 術 適 応 は 下 垂 体 卒 中 視 力 視 野 障 害 をおこす 腫 瘍 薬 剤 抵 抗 例 薬 剤 療 法 不 耐 応 例 である Hardy 手 術 は 必 ずしも 完 治 に 結 びつくわけでなく 再 発 例 もしばしば 見 られる ミクロアデノーマの 成 功 率 は 約 % 特 に 血 清 プロラクチン 値 00 ng/ml 以 下 無 月 経 期 間 の 短 い 場 合 成 功 率 が 高 い マクロアデノーマの 場 合 成 功 率 は 低 い 特 に 下 垂 体 外 進 展 の 場 合 手 術 による 完 治 は 難 しい 最 近 先 端 施 設 ではガンマナイフを 用 いた 局 所 放 射 線 療 法 がおこなわれている 治 療 しても 排 卵 周 期 が 回 復 しない 場 合 は 一 般 不 妊 治 療 に 準 じる ただし ゴナドトロピン 療 法 では 内 因 性 エストロゲンの 増 加 によりプロラクチノーマが 増 大 することがあるので 頭 痛 視 野 狭 窄 に 注 意 を 要 する 文 献 1.Casanueva FF, Molitch ME et al Guidelines of pituitary Society for Diagnosis and Management of Prolactinomas (II) Clinical Endocrinology00 - ガ イドライン.Molitch ME pegnancy and the hyperprolactinemic Woman N Eng J Med 1 1:1- (II).Knopka P,Raymond JP, et al. Continuous administrationof bromocriptinein the prevention of neurological complication in pregnant women with prolactinomas.am J obstet. Gynecol 1 1:-(II).Robert E, Musatti L et al. Pregnancy outocome after treatment with ergot derivatives, cabergoline.reproductive Toxicology 1 : -(II).Riggs LA, Lein A, Yen SSC Patterns of increasein circulating prolactin levels during human gestation Am J Obstet Gynecol 1 1:-

34 図 1 プロラクチノーマの 治 療 アルゴリズム ドーパミンアゴニスト コントロール 良 好 経 過 観 察 コントロール 良 好 PRL 値 再 検 視 野 検 査 MRI 減 量 あるいは 中 止 再 燃 治 療 再 開 コントロール 不 良 他 のDAを 投 与 コントロール 不 良 外 科 療 法 コントロール 不 良 放 射 線 療 法 不 耐

35 CQ-01 AIH を 行 う 上 での 留 意 点 Answer 1. 排 卵 少 し 前 から 排 卵 直 後 までに 行 う (B). 洗 浄 濃 縮 処 理 精 子 浮 遊 液 を 用 いる (C). 妊 娠 率 向 上 のために,クロミフェンや hmg による 排 卵 刺 激 を 行 う (C). AIH 施 行 でも 妊 娠 に 至 らない 場 合 には 生 殖 補 助 医 療 を 行 う (C). 有 害 事 象 として 出 血 疼 痛 感 染 がありうることを 説 明 する (B) 解 説 AIH(artificial insemination with husband s sperm: 配 偶 者 間 人 工 授 精 )の 治 療 原 理 は, 受 精 の 場 である 卵 管 膨 大 部 に 到 達 する 精 子 数 が 少 ない 場 合 に 腟 内 より 上 流 に 精 子 を 注 入 することでこれを 増 加 させることである.AIH の 適 応 を 表 1に 示 す 第 1の 適 応 として, 精 子 精 液 の 量 的 質 的 異 常 が 挙 げられる ここに 示 された 精 子 濃 度 精 子 運 動 率, 精 液 量 に 合 致 する 精 液 所 見 不 良 例 に 対 して AIH が 行 われるが AIH が 有 効 と 考 えられる 精 液 所 見 の 範 囲 については 統 一 された 基 準 はない 1.AIH を 施 行 するタイミングを 排 卵 日 に 一 致 させることは 非 常 に 重 要 で 基 礎 体 温 表, 頸 管 粘 液 性 状, 経 腟 超 音 波 断 層 法 による 卵 胞 径 計 測 尿 中 LH 測 定 血 中 E LH 測 定 子 宮 内 膜 の 状 態 などを 参 考 に 排 卵 日 を 推 測 し AIH を 行 う LH サージと 排 卵 の 関 係 に 関 する WHO の 分 析 1) では 自 然 排 卵 は 尿 検 査 による LH サージ 検 出 開 始 から ~ 時 間 後 ( 平 均 時 間 後 ) に 起 こるとされている また 基 礎 体 温 上 の 低 温 最 終 日 を 排 卵 日 として 施 行 した AIH の 後 方 視 的 検 討 ) では 妊 娠 例 のうちで 低 温 最 終 日 の 日 前 から 推 定 排 卵 日 までに 施 行 した AIH に よる 妊 娠 が %であったと 報 告 されている さらに hcg にて 排 卵 を 惹 起 した 場 合 の 卵 胞 破 裂 は hcg 投 与 後 時 間 以 降 とされることから AIH のタイミングを 考 慮 した 検 討 ) では 排 卵 より 少 し 早 目 の 授 精 が 適 当 であると 報 告 されている これらのことから AIH を 行 うタイミ ングは 排 卵 少 し 前 から 排 卵 直 後 までが 最 良 であると 判 断 される 1 周 期 あたりの AIH 施 行 回 数 (1 回 または 回 )に 関 する 検 討 ) では 両 者 に 有 意 な 差 はないが 全 体 的 には 回 施 行 し た 方 が 高 い 妊 娠 率 が 得 られており 今 後 RCT での 検 証 が 必 要 である. 子 宮 内 に 注 入 する 精 子 浮 遊 液 は, 無 処 理 の 液 化 精 液 の 他 に, 洗 浄 遠 心 法 密 度 勾 配 遠 心 法 swim up 法,swim down 法 により 調 整 したものを 用 いる コクランレビュー) や ESHRE Workshop Group ) は 洗 浄 濃 縮 精 子 浮 遊 液 を 用 いるように 推 奨 している 精 液 洗 浄 の 目 的 は 第 一 に 病 原 体 や 精 子 以 外 の 細 胞 成 分 の 除 去, 第 二 に 精 子 の 濃 縮 である AIH の 成 績 向 上 のために は できるだけ 多 くの 良 好 運 動 精 子 を 子 宮 腔 内 に 注 入 することが 必 要 であり 良 好 精 子 を 分 離 回 収 し 濃 縮 することは 男 性 因 子 のある 場 合 に 特 に 有 用 である また, 洗 浄 遠 心 法 密 度 勾 配 遠 心 法 swim up 法 の 各 精 液 調 整 法 別 による 治 療 効 率 に 差 はないとされている ) 精 液 処 理 後 の 総 運 動 精 子 数 からみた AIH の 限 界 に 関 する meta-analysis ) では, 精 子 浮 遊 液 中 の 総 運 動 精 子 数 0.~ 未 満 が AIH の 限 界 と 判 断 され これ 未 満 の 場 合 には 生 殖 補 助 医 療 (Assisted Reproductive Technology:ART)を 考 慮 するのが 妥 当 と 判 断 される

36 自 然 周 期 と 排 卵 誘 発 周 期 の AIH の 成 績 の 比 較 では 軽 度 男 性 不 妊 に 対 してはクロミフェ ンでは 有 意 な 差 は 認 めないが hmg は 妊 娠 率 を 上 昇 させ 機 能 性 不 妊 に 対 しては クロミフ ェン hmg いずれも 妊 娠 率 を 上 昇 させる ) また hmg はクロミフェンに 比 べて 妊 娠 率 が 高 か ったが 異 なる hmg 組 成 の 比 較 では 妊 娠 率 に 差 は 認 められない hmg に GnRH アゴニストやア ンタゴニストを 併 用 することで 妊 娠 率 に 差 はなかったが GnRH アゴニストの 併 用 は 多 胎 妊 娠 率 が 有 意 に 上 昇 する さらに,hMG を 倍 量 投 与 することで 妊 娠 率 は 上 昇 しないが 多 胎 妊 娠 と OHSS の 発 生 率 が 上 昇 する ) AIH の 適 応 を 考 慮 して 排 卵 刺 激 法 を 選 択 する 必 要 があり ま たこれらの 薬 剤 投 与 時 には 多 胎 妊 娠 や OHSS の 発 生 に 注 意 する 必 要 がある,,.AIH の 施 行 回 数 による 限 界 は これまでの 報 告 1) から およそ 回 の 施 行 で 妊 娠 に 至 らない 場 合 には 妊 娠 成 績 が 得 られづらいため ART の 導 入 を 考 慮 するのが 妥 当 である し かしながら AIH の 適 応 によりその 施 行 回 数 は 考 慮 されるべきであり 1) 男 性 不 妊 などの AIH が 第 一 選 択 となる 症 例 では 回 程 度 が 妥 当 であるが 機 能 性 不 妊 ではこれを 超 えても 患 者 の 希 望 に 応 じて AIH の 継 続 を 含 めて 治 療 法 を 検 討 する 必 要 がある また 各 症 例 に 対 して 年 齢 や 他 の 不 妊 因 子 を 念 頭 において AIH の 施 行 回 数 に 幅 を 持 たせながら 柔 軟 に 対 応 すべき ことはいうまでもない. 施 行 後 は ~1 分 間 安 静 にし 経 過 を 観 察 する AIH に 伴 う 副 作 用 として 出 血 疼 痛 感 染 がありうることを 説 明 する 授 精 針 で 頸 管 子 宮 内 膜 を 損 傷 した 場 合 に 異 常 出 血 をきた すことがあり 授 精 針 を 挿 入 する 際 には 慎 重 を 期 する 必 要 がある 異 常 出 血 をきたした 場 合 には 一 般 的 な 止 血 治 療 とともに 十 分 な 感 染 予 防 を 行 う また 原 精 液 を 用 いる 場 合 に 注 入 精 液 量 が 多 すぎたり 注 入 速 度 が 速 すぎると 疼 痛 を 訴 える 場 合 があり 注 入 量 や 注 入 速 度 に は 注 意 を 要 する 十 分 な 安 静 により 症 状 の 改 善 が 得 られるが 疼 痛 が 強 い 場 合 には 鎮 痛 薬 を 用 いることもある さらに 授 精 後 の 感 染 予 防 策 として~ 日 間 の 抗 菌 薬 投 与 を 行 うこと が 望 ましい