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こうじいちぬの
7 years ago
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1 分散型コミュニティスペースと誘導システムの構築によるワーカーの行動満足度の変化に関する研究 BECC JAPAN 株式会社竹中工務店技術研究所環境計画部野﨑尚子

2 オフィスの変遷 1985 年頃 1995 年頃 2005 年頃 2015 年頃 1 OA 化対応居住環境の整備エルゴノミクスチェアリフレッシュコーナー快適性ネットワーク化対応オフィスの運用管理ユニバーサルプランフリーアドレス空間づくり ICT コミュニケーション知的生産性創造性セキュリティ BCP 環境配慮 SNS モバイルクラウドソーシングメンテナンス ( 維持管理 ) 社会地域貢献複業労務管理サステナビリティウェルビーイング効率性運用管理創造性経営戦略多様性自己組織化管理オフィス対向島型レイアウト組織マネジメントヒエラルキー効率化オフィス ( メンテナンスフリー ) ユニバーサルレイアウト脱ヒエラルキー効率化オフィス ( 面積削減 ) フリーアドレスモバイルワーク ( 在籍率低下 ) ABW (Activity Based Workplace) ワーカーが働き方や仕事の目的に合わせて最適な場所を主体的に選択して働くワークプレイス岡村製作所オフィス研究所作成資料より

3 環境と行為の概念図 2 SET* 等の許容範囲 ( 仮定値 ) 歩行空間滞在空間 ( 短時間 ) 休憩食事等不快からの解放滞在空間 ( 中長時間 ) 談話読書等屋外空間 30 仕事空間 ( 短時間 ) 気分転換等仕事空間 ( 中長時間 ) 通常ワーク快適からの許容 28 屋内空間空間の利用範囲が拡大することで多様なワークスタイルライフスタイルが生まれる活動に応じた許容範囲の把握最適な場所の主体的な選択を促すしかけが必要

4 ソトコミ 3 一人ひとりの活動と状態の多様性に応じてさまざまなソト ( 自席以外の屋外を含む場所 ) から適切な場所を自ら選択して活動するライフスタイルワークスタイル private 竹中工務店の研究成果オフィス屋上スペース自然のゆらぎが脳を活性化自席社員食堂各階の分散型 CS 時間貸しオフィス close ネットカフェ会員制サロン 1 階低層階の分散型 CS 屋外の分散型 CS open 植物の香りがリラクゼーションを促進図書館カフェ電車公園 public 上原他 : 人にやさしい空間の研究 ( その 1) 研究構想, 日本建築学会大会学術講演梗概集 ( 中国 ), D-1, pp.1-2,

5 本研究の狙い 4 省エネルギー知的生産性パーソナル環境制御システム分散型コミュニティスペース誘導システム分散型コミュニティスペース屋外コミュニティスペース屋内コミュニティスペース

6 設計による省エネルギー行動促進のための調査フロー 5 1) 人が利用する環境条件の把握 2) 人が利用する環境のデザイン環境の把握環境の創出環境への誘導 3) 人を誘導するシステムの導入

7 6 1) 人が利用する環境条件の把握環境の把握環境の創出屋外アメニティ空間と屋外オフィスにおける調査環境への誘導

8 2 種類の屋外空間の調査 7 SET* 等の許容範囲 ( 仮定値 ) 歩行空間滞在空間 ( 短時間 ) 休憩食事等不快からの解放滞在空間 ( 中長時間 ) 談話読書等屋外空間 30 仕事空間 ( 短時間 ) 気分転換等仕事空間 ( 中長時間 ) 通常ワーク快適からの許容 28 屋内空間屋外アメニティ空間 ( 大丸有地区 ) 屋外オフィス ( コクヨエコライブオフィス ) 休憩仕事安藤他 : 大丸有地区の屋外アメニティ空間における温熱環境と利用状況の調査, 第 24 回アーハンインフラテクノロシー推進会議, 番場稲垣他 : 屋外環境情報の提示による屋外オフィス利用の誘発に関する実験 ( その 1)( その 2), 日本建築学会大会学術講演梗概集 ( 東海 ), E, pp ,

9 8 2) 人が利用する環境のデザイン 3) 人を誘導するシステムの導入環境の把握環境の創出環境への誘導

10 環境省 CO2 排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業 9 省エネルギーに繋がる居住者の移動を促すための空間設計と誘導システム構築情報を発信することでワーキングスタイルでの低炭素化を図る技術開発体制株式会社竹中工務店 ( 代表 ) 山中俊夫教授大阪大学大学院工学研究科地球総合工学専攻嘉名光市准教授大阪市立大学大学院工学研究科都市系専攻 < 協力企業 > 株式会社日建設計総合研究所 MID 都市開発株式会社関西電力株式会社事業実施場所クリスタルタワー ( 大阪市中央区城見 ) 事業実施時期平成 25 年度 ~ 平成 27 年度

11 省エネと知的生産性を両立する新たなワークスタイルと空間活用の提案 10

12 実施概要 1. パーソナル環境制御システム実験 4. リフレッシュホール実験屋内コミュニティスペース実験 20 階クリスタルタワー事業所各階リフレッシュホール 3. 屋外コミュニティスペース実験屋内コミュニティスペース 5. 誘導システム実験屋外コミュニティスペースクリスタルタワー断面図

13 12 2) 人が利用する環境のデザイン環境の把握環境の創出分散型コミュニティスペースの構築に関する調査環境への誘導

14 屋内コミュニティスペースの構築 13

15 屋外コミュニティスペースの構築 14

16 分散型コミュニティスペース (1) 知的生産性の評価 15 意識行動体験 (Behavior) 被験者実験で実施したタスク執務者行動の定義国土交通省知的生産性研究委員会より情報処理収束的思考加算テストワークスペースで過半となる Behavior 拡散的思考生産力テスト問い新しい扇風機を考えてくださいリラックス交感 / 副交感神経リフレッシュ会議室 21 階 1 階屋外加算会議室 21 階 1 階屋外加算コミュニケーション活性化フォーマルコミュニケーションインフォーマルコミュニケーション生産力被験者 A のパフォーマンス生産力被験者 B のパフォーマンス屋外コミュニティスペース 1 階コミュニティスペース各階コミュニティスペース会議室

17 分散型コミュニティスペース (2) 収束的思考タスク 16 単純加算記号変換数列単純加算 5 問記号変換 3 問数列 3 問の繰り返し制限時間 10 分紙面 /PC で実施屋外 WS での成績屋外 WS での成績平均値屋内屋外近似式 y=0.9723x (R 2 =0.7187) 特異データ以外平均値屋内屋外特異データ近似式 y=0.9892x (R 2 =0.8434) 階 WSでの成績 ( 紙面 ) 階 WSでの成績 (PC) 平均値屋内屋外近似式 y=0.9632x (R 2 =0.8646) 紙面 > PC 20 階 WS > 屋外 WS 20 階 WS 屋外 WS

18 分散型コミュニティスペース (3) 拡散的思考タスク生産力テスト 3 問俳句作成 1 問を出題 10 分間で何個でも自由に回答どれから回答するかは任意素点 [-] 素点 [-] 平均値平均値度数 [-] 20 階 37.8 屋外 39.0 度数 [-] 20 階 6.4 屋外階屋外平均値紙面 37.6 平均値 PC39.2 紙面 6.1 度数 [-] 度数 [-] 紙面 PC 25 0~10 10~20 20~30 30~40 40~50 50~60 60~70 70~80 80~90 90~ 0~10 10~20 20~30 30~40 40~50 50~60 60~70 70~80 80~90 90~ 生産力テスト PC7.1 0~2 2~4 4~6 6~8 8~10 10~12 12~14 14~16 16~18 18~20 20~22 22~ 0~2 2~4 4~6 6~8 8~10 10~12 12~14 14~16 16~18 18~20 20~22 22~ 素点 [-] 素点 [-] 俳句作成紙面 PC 20 階屋外 17 紙面 < PC 20 階 WS < 屋外 WS 20 階 WS 屋外 WS

19 18 ~H25 年 10 月 H25 年 11 月 ~H26 年 2 月 H26 年 3~9 月 H26 年 10 月 ~H27 年 4 月 H27 年 5 月 ~ 机なし 16 台 /1 種 26 台 /1 種 25 台 /4 種 29 台 /5 種椅子なし 40 脚 /1 種 50 脚 /1 種 50 脚 /3 種 57 脚 /4 種パーティションなしなしなし 14 個 /1 種 24 個 /2 種分散型コミュニティスペース (4) ワーカーを対象とした行動観察屋内 CS a b d c e f g h i j m l k n o p t y q r v u x w z s e a b d c f g j l h i k n m p q v u w a o x y t s 凡例 5[ 人 ] 10[ 人 ] 日積算利用者数 a b d c e f g h i j m l k n o p t y q r v u x w z s 期間 1[9/29-10/10] e a b d c f g j l h i k n m p q v u w a o x y t s r 期間 2[10/31-11/14]

20 19 分散型コミュニティスペース (5) ワーカーを対象としたアンケート屋内 CS 屋外 CS 屋内 CS は WS としての利用が定着しスペースの設置により建物の価値だけでなく仕事のモチベーションが向上する傾向が見られた屋外 CS に求められる環境は屋外特有の物理事象でありこれまで排除してきた自然の変動が受け入れられることが明らかとなった

21 20 3) 人を誘導するシステムの導入環境の把握環境の創出誘導システムの構築に関する調査環境への誘導

22 情報提供による利用者数の変化 21 屋内 CS 時の利用人数は 11.7 人で約 11 人増加 [ 人 ] 5 0 (12-13 時を除く勤務時間を想定した利用 ) 昼休み (12-13 時 ) に利用者数が約 20 人でピーク時間帯別平均利用者数 (9/29-10/10 平均 ) 11.7 約 1.0 平成 26 年度 (2014/9/29-12/5) 平成 25 年度 (2013/11/5-12/27) 9-17 時平均値 (12-13 時除外 ) 屋外 CS

23 ソトワーク指数 22 屋外空間の環境および利用に関してこれまで蓄積してきた様々なデータに基づき屋外空間を仕事に利用する際の推奨度をリアルタイム計測データに従い 5+1 段階で指標化気温湿度放射温度風速これまでの蓄積データワーカーの温冷感 DB 環境測定デジタルサイネージへの表示 GWI 算出利用行動測定個人端末への通知ソトワーク指数は竹中工務店の登録商標ですソトワーク指数の算出ロジックは特許出願済です

24 誘導システム sotocomi アプリ 23 一人ひとりが目的に応じて自由に空間を選択することをサポートするシステムワーカーの好みや位置情報を判断して空間の情報ソトワーク指数を発信期待する主な効果利用率満足度向上コミュニティスペースの活性化 internet workspace workspace.enviroment workspace.table.empty workspace ID=1 通知内容 workspace ID=2 実験建物のシステムネットワーク図

25 センサーからの AD 入力値誘導システムの実験結果空テーブル数の検出試験検出適合率 *= 49/51 = 96% 経過時間 [s] 着座時センサ No. * ひとつのテーブルを 1 人以上が利用しているか誰も利用していないかを検出する確率利用率, % 4% 3% 2% 1% 0% 標準偏差 1 で正側のみエラーバーを付した時刻 9 時前と 12 時台にピークが立つ就業時間外の休憩利用と思われる 24 提供情報とても参考にした参考にしたどちらとも言えないあまり参考にしなかった全く参考にしなかったにぎわい空テーブル数快適性情報なし情報あり 0% 20% 40% 60% 80% 100% 0.0% 0.2% 0.4% 0.6% 0.8% 利用率情報提供の利用率への影響被験者別の利用状況 ( 就業時間内の積算利用時間 ) 被験者 ID 10/6( 月 ) 10/6 10/20 11/3 11/17 10/7( 火 ) 10/8( 水 ) 10/9( 木 ) 10/10( 金 ) 10/14( 火 ) 10/15( 水 ) 10/16( 木 ) 10/17( 金 ) 10/20( 月 ) 10/21( 火 ) 10/22( 水 ) 10/23( 木 ) 10/24( 金 ) 10/27( 月 ) 10/28( 火 ) 10/29( 水 ) 10/30( 木 ) 10/31( 金 ) 11/4( 火 ) 11/5( 水 ) 11/6( 木 ) 11/7( 金 ) 11/10( 月 ) 11/11( 火 ) 11/12( 水 ) 11/13( 木 ) 11/14( 金 ) 11/17( 月 ) 11/18( 火 ) 11/19( 水 ) 11/20( 木 ) 11/21( 金 ) 11/25( 火 ) 11/26( 水 ) 11/27( 木 ) 11/28( 金 ) 積算滞在時間 [ 分 / 日 ] 一部のヘビーユーザーに集中して利用される傾向

26 まとめ 25 個人の好みや活動の状態などを考慮し多様な環境から選択できることが重要である環境を体験し自分の評価軸を意識させることが重要である収束拡散といった思考の違いによりパフォーマンスを発揮できる空間が異なる可能性が示唆されたオフィスにおいても情報により行動が変容することが示唆された人の行動の多様性を考える際には環境側の対応も考慮することが望ましくまた省エネルギーだけではない価値の提示も必要であると考える

27 健築 26 亻建築人と建築が寄り添うことで健康的な環境を実現する 1 歩きたくなるまち運動を促進する建物からだの健康 2 自然を五感で感じられるまち建物こころの健康

28 27

スライド 1

スライド 1 2014 年度空気調和衛生工学会大会知的生産性 Ⅱ 1 オフィスサポート空間の光視環境が自律神経を介して執務者の疲労眠気作業効率に与える影響慶應義塾大学小川聡慶應義塾大学伊香賀俊治大成建設市原真希大成建設張本和芳慶應義塾大学青木世奈背景 : 知識創造向上に向けたオフィスづくりの動向オフィスにおける執務者の知的生産性向上の重要性文 1 アイディア創出の知識創造を高める建築空間が必要文 2