インドネシア共和国外環漁港整備に係る情報収集 確認調査最終報告書 平成 22 年 10 月 (2010 年 ) 独立行政法人国際協力機構 (JICA) 委託先 インテムコンサルティング株式会社

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1 No. インドネシア共和国外環漁港整備に係る情報収集 確認調査最終報告書 平成 22 年 10 月 (2010 年 ) 独立行政法人国際協力機構 (JICA) 委託先 インテムコンサルティング株式会社 東大 JR

2 インドネシア共和国外環漁港整備に係る情報収集 確認調査最終報告書 平成 22 年 10 月 (2010 年 ) 独立行政法人国際協力機構 (JICA) 委託先 インテムコンサルティング株式会社

3 序文 ( 挿入 )

4 調査位置図 4 ヌヌカン ビトゥン 5 6 テルナテ 2 マカッサル 7 テュアル 1 テルクアワン 3 クパン

5 通貨および換算レート IDR 1 = 円 (2010 年 5 月 JICA 外貨換算レート )

6 目次 序文調査位置図通貨および換算レート略語表 図表リスト要約 第 1 章 調査の概要 1.1 調査の背景 インドネシア国の概要 調査の背景 調査の目的 調査対象地域 3 第 2 章 海面漁業の現状と課題 2.1 水産セクターの現状 水産業の概要 生産面 水産政策 水産セクターへの民間投資 海面漁業の現状 海面漁業の生産の現状 海産魚の流通 消費の動向 水産資源の動向 資源管理方策の実施状況 海面漁業の課題とインドネシア政府の対応策 他ドナーの支援 22

7 第 3 章 漁港整備の現状と課題 3.1 行政の現状 外環漁港整備 外環漁港整備計画マスタープランの概要 外環漁港整備計画ロードマップの概要 外環漁港整備計画の特徴と課題 43 第 4 章 漁港の調査結果 4.1 調査対象漁港選定の経緯 対象漁港の現状 調査対象地域の概況 各漁港の特徴 漁港の調査結果のまとめ 漁港サイトの個別整備計画内容と課題 支援の検討における留意点 漁港整備支援についての考察 132 第 5 章 漁港整備支援に関する検討事項 5.1 外環漁港整備計画の評価 外環漁港整備計画の実施可能性に関する考察 外環漁港施設整備計画を支援する場合の留意点 その他の留意事項 147

8 略語表 ADB Asian Development Bank アジア開発銀行 APBD Anggaran Pendapatan dan Belanja Daerah 地方歳出歳入予算 APBN Anggaran Pendapatan dan Belanja Negara 国家歳出歳入予算 BAPPENAS Bidang Ekonomi, Keuangan, dan Industri dan Kantor Menteri 国家開発企画庁 Negara Perencanaan Pembangunan Nasional /National Development Planning Board CTI Coral Triangle Initiative on coral reefs, fisheries and food - security DAK Dana Alokasi Khusus 特別交付金 DAU Dana Allocasi Umum 一般交付金 DG Directorate General 総局 DGCF Directorate General of Capture Fisheries 漁業総局 DKP Departemen Kelautan dan Perikanan 海洋水産局 EEZ Exclusive economic zone 排他的経済水域 EIA Environmental Impact Assessment 環境影響評価調査 FAD Fish Aggregating Devices 浮集魚装置 FKPPS Forum Koordinasi Pengelolaan dan Pemanfaatan Sumberdaya 漁業資源評価委員会 Ikan FMA Fisheries Management Area 漁業管理水域 GMP Good Manufacturing Practices - IDB Inter-American Development Bank 米州開発銀行 IPTEK Sentra Informasi Ilmu Pengetahuan dan Teknologi 技術情報センター IUU Illegal, Unreported, Unregulated Fishing 違法漁業 KEPMENTAN Keputusan Menteri Pertanian 農業省令 KKMB Konsultan Keuangan Mitra Bank ミトラ銀行融資サービス KKPE Kredit Ketahanan Pangan dan Energi エネルギー 食料確保のための融資 KUB Kelompok Usaha Bersama コミュニティビジネスグループ KUD Koperasi Unit Desa 村落協同組合 KUR Kuredit Usaha Rayat コミュニティビジネス融資 LIPI Lembaga Ilmu Pengetahuan Indonesia/The Indonesian インドネシア科学院 Institute of Sciences LPPMHP Laboratorium Pengujian dan Pengawasan Mutu Hasil Perikanan 漁業品質管理検査研究所

9 MMAF Ministry of Marine Affairs and Fisheries 海洋水産省 MSY Maximum Sustainable Yield 最大持続生産量 NMTDP National Medium Term. Development Planning 国家中期開発戦略 NTB Nusa Tenggara Barat 西ヌサテンガラ NTT Nusa Tenggara Timur 東ヌサテンガラ ORFP-DP Outer Ring Fishing Port Development Project 外環漁港整備計画 PELINDO Pelabuhan Indonesia インドネシア港 PMA Penanaman Modal Asing /Foreign Direct Investment 外国投資会社 PMDN Penanaman Modal Dalam Negeri/Domestic Investment 国内投資会社 PPI Pangkalan Pendaratan Ikan/Fish Landing Place タイプD: 地方の水揚げ拠点 PPN Pelabuhan Perikanan Nusantara/Archipelago Fishing Port タイプB: 国営の主要漁港 PPP Pelabuhan Perikanan Pantai/Coastal Fishing Port タイプC: 沿岸漁業に対応した主要漁港 PPS Pelabuhan Perikanan Samudera/Oceanic Fishing Port タイプA: 遠洋漁業にも対応可能な大型漁港 PRPT Pusat Riset Perikanan Tangkap 漁業研究センター RERUM Perusahaan Umum 漁業公社 RKP Rencana kerja Pemerintah 政府実行計画 RPJM Rencana Pembangunan Jangka Menengah 国家中期開発計画 RPJMN Rencana Pembangunan Jangka Menengah Nasional 国家中期開発計画 RPJP Rencana Pembangunan Jangka Panjang 長期開発計画 SPA Sumbangan Perhitungan Anggaran 特別経済地区 TAC Total Allowable Catch 漁獲可能量 TP Task Assistance - TPS Teknologi Pengelolaan Sumberdaya Perairan 水産資源加工技術 UNCLOS United Nations Convention on the Law of the Sea 国連海洋法条約 UPT Pertemuan Unit Pelaksana Teknis 漁港管理機関 VMS Vessel Monitoring System 船舶監視システム WPP Wilayah Pengelolaan Perikanan 漁業管理区域 (FMA)

10 図表リスト 章 図表番号 図表タイトル 頁 第 1 章 表 イ 国の基礎データ 1 第 2 章 表 漁業生産量 ( ) 漁業者数 ( 海面及び内水面 )( ) 漁船数 ( 海面漁業 )( ) 水産加工業及び流通業従事者数 MMAF 中期計画 における主要目標値 インドネシアが加盟している地域漁業協力機関等 水産分野における民間等の投資状況 主要魚種別の海面漁業生産量 ( ) 海面漁業者数 ( ) 水産加工経営体数及び従事者数 水産加工業認定証明書発行数 各漁業管理区の海面漁業生産量 ( 年 ) イ 国の海面漁獲漁業 MSY の推移 各漁業管理区の MSY TAC 東西漁業管理区の MSY TAC と漁獲量の比較 20 図 水産物の州別一人当り消費量 インドネシア漁業管理区 17 第 3 章 表 海洋水産省職員数 イ 国の漁港タイプ 海洋水産省への予算配分 Budget Allocation of MMAF 海洋水産省非課税収入 PNBP の推移 外環漁港整備マスタープランの漁港別概要 外環漁港整備費用 外環漁港整備の経過 調査対象 7 漁港サイトにおける事業展開 41 図 漁港管理組織 漁港施設の劣化事例 選定された 8 漁港 38 第 4 章 表 調査対象外環漁港リスト ( 東部インドネシアの 7 漁港 ) 調査対象サイトの概況 民間コンプレックス施設事例 (Maritim Timur Jaya テュアル) NTB 州の漁業生産量 西ヌサテンガラ州の漁獲漁業生産量 ( ) 水産資源ポテンシャルの推計 ( 西ヌサテンガラ州 ) 西ヌサテンガラ州及び中央ロンボク県における大きさ別漁船数 (2009) 53

11 表 中央ロンボク県の漁業者数 PPN テルク アワン施設概要 テルク アワン整備事業費 海面漁業生産量と生産金額 ( 年 ) マカッサルの冷凍庫を保有する水産加工場 (2009 年現在 ) ウンティア漁港整備事業費 東ヌサテンガラ州の漁業生産量 ( 年 ) 東ヌサテンガラ州とクパン市の漁業生産量 東ヌサテンガラ海域における水産資源ポテンシャル推計 年の PPP クパン漁港水揚げ量 PPP クパン漁港の利用漁船数 (2007 年 ) クパンにおけるサイズ別漁船数 ( 年 ) クパン漁港主要施設 PPP クパン漁港の収入源 東カリマンタン州の漁業生産量 ヌヌカンにおける規模別漁船数, 年 ヌヌカン県の漁業者数 ( 規模別 ), ヌヌカン漁港整備予算 北スラウェシ州の漁業生産量 ( 年 ) 北スラウェシ州の漁船サイズ別の数 2008 年 ビトゥンの主要魚種別漁業生産量 2009 年 PPS ビトゥン漁港に荷揚げされる魚の量と金額の推移 年 ビトゥン漁港主要施設 PPS ビトゥン港の収入源 年 ビトゥン漁港利用漁船数 (5/19-5/20; 現地調査による ) PPS ビトゥン港の船舶の寄港の頻度 年 ビトゥン漁港必要荷揚げ施設延長の試算 テルナテにおける魚種別漁業生産量 年 テルナテ漁港主要施設一覧 PPN テルナテ漁港施設を利用する漁船の数 年 PPN テルナテ漁港における製氷工場からの氷供給量 年 民間製氷工場によるブロックアイスの供給量 年 PPN テルナテ漁港の収入 年 テルナテ漁港必要荷揚施設延長の試算 テルナテ漁港拡張計画事業費 マルク州における漁業生産量 年 テュアル市を含む東南マルク県の漁船数 テュアル市を含む東南マルク県の漁業者数 テュアル漁港主要施設 漁港サイト整備計画と課題 114

12 サイトの状況一覧表 119 図 Maritim Timur Jaya 社 ( テュアル ) ビトゥン周辺の水産加工場 西ヌサテンガラ (NTB) 州 テルク アワンから域外への水産物の流通 テルク アワンにおける漁業活動 PPN テルク アワン漁港整備計画図 ウンティア漁港の位置 Untia / マカッサルにおける漁業活動 PPN ウンティア漁港整備計画図 PPN ウンティア漁港整備状況 東ヌサテンガラ州地図 水産物の国内流通と輸出ルート クパン漁港周辺地域の漁業活動 クパン漁港現況と拡張計画 東カリマンタン州 ヌヌカンにおける鮮魚流通経路 ヌヌカン周辺の漁業活動 ヌヌカン漁港整備計画図 崩壊した桟橋と現在の施工状況 北スラウエシ州行政地図 ビトゥン漁港及び周辺地域の漁業活動状況 ビトゥン漁港施設概要図 ビトゥン漁港施設現況 ビトゥン漁港の利用状況 ビトゥン漁港拡張計画 PPN テルナテ漁港の位置 テルナテ漁港および周辺地域の漁業活動状況 テルナテ漁港現況 テルナテ漁港拡張計画 PPN テュアル漁港の位置 テュアル漁港周辺の漁業活動概要 テュアル漁港全景 テュアル漁港現況 テュアル漁港拡張計画 113 第 5 章 表 外環漁港整備計画の実施工程 ( 予定表 ) イ 国の外環漁港施設の要件 過去 10 年間の漁港整備数 港湾の開発に関する規定 147

13 要約 1. 調査の概要 1.1 調査の背景インドネシア共和国 ( 以下 イ 国と記す ) は 海洋水産資源に恵まれ 2008 年の漁業従事者数約 274 万人 ( 海面 224 万人 内水面 50 万人 ) 漁獲漁業の生産量約 520 万トン ( 海面 470 万トン 内水面 50 万トン ) の世界有数の漁業大国である 水産物の一人当たりの年間消費量は 2005 年の 23.95kg から 2008 年には 28.00kg と年々増加してきており 水産物は国民の良質なタンパク供給源として重要である 海面漁業においては 西部水域では乱獲によって水産資源が減少しつつある 一方 東部水域では水産資源状況は比較的良好なものの 漁港等基本インフラ 水産物流通システムの整備 改善の遅れが影響し 漁業者の収入は依然低いままである イ 国において 持続的な水産資源の利用を図るには 漁業管理に係る制度 規則の改善に加えて 広大な領土内での地域的に均衡のとれたインフラ整備の実施促進が重要であると考えられる 漁港の基本施設と 漁獲物の保蔵 加工施設などの機能施設整備に対する支援を検討するに当たり イ 国水産セクターの健全な発展を支援するという観点から 漁港施設整備を行う意義 位置付け 水産分野支援における優先順位を確認する必要がある 1.2 調査の目的 イ 国水産業( 水産資源 水産物流通 加工等を含む ) 漁港施設整備の現状と課題について 最新情報を入手するとともに イ 国政府の政策や取組み 他ドナーの動向も踏まえて課題整理を行い イ 国水産セクターの健全な発展を支援するという観点から 漁港施設整備への支援を行う意義 位置づけ 水産分野支援における優先順位を確認し 漁港施設整備にかかる日本の支援枠組みの検討に資する情報を整理することを目的とする 1.3 調査対象地域インドネシア全土 ただし インドネシア政府が外環漁港整備の優先度が高いとしている 7 漁港 ( テルク アワン港 ( 西ヌサテンガラ州 ) マカッサル港( 南スラウエシ州 ) クパン港( 東ヌサテンガラ州 ) ヌヌカン港( 東カリマンタン州 ) ビトゥン港( 北スラウエシ州 ) テルナテ港( 北マルク州 ) テュアル港( マルク州 )) について 現地調査を行った 2. 海面漁業の現状と課題 2.1 水産セクターの現状 イ 国の漁業生産量は漸増傾向にあり 2008 年では 2003 年の 591 万トンが 1.53 倍の 905 万トンに達し 中国 ペルーに次いで 世界第 3 位を占めている 内訳は 漁獲漁業が 520 万トン (57%) 養殖が 385 万トン (43%) である 海面漁獲漁業生産量は 2003 年の 438 万トンから 2008 年の 470 万トンと 7% 微増 内水面漁獲漁業生産量は 2003 年の 30.9 万トンから 2008 年の 49.4 万トンと 62.5% i

14 増加している 一方 海面養殖生産量は 2003 年の 24.9 万トンから 2008 年の 万トンと 7.9 倍であり 汽水養殖生産量の同期比 1.9 倍 内水面養殖生産量の同期比 2 倍と比較して著しい伸張を見せている なお 養殖の総生産量のうち海藻類は 2003 年の 23 万トンが 2008 年には 214 万トンと約 9.3 倍に伸びている 漁業者数は 海面及び内水面を合わせて約 273 万人である うち 内水面従事者数は約 50 万人を占める 水産加工業従事者数は 2005 年 32.9 万人から 2009 年 36.3 万人へと約 10% 増加している 水産物の輸出に関しては 2003 年 85.7 万トンから 2008 年 91.1 万トンへ増加し 金額では同期比 16.4 億米ドルから 26.9 億米ドルへと増加している 水産物の輸入に関しては 2003 年 10.7 万トンから 2008 年 28.0 万トンへ増加し 金額では同期比 0.9 億米ドルから 2.6 億米ドルへと増加している 輸入量で 2.6 倍 金額で 2.9 倍の増加である 年の輸入量の中で最も多いのは冷蔵 冷凍魚類で 8.4 万トンと全体の 30% を占めている 水産物の輸出と輸入を比較すると 輸出超過である状況には変わりないが 輸出の伸びに比べて輸入の伸びが大きい 2.2 海面漁業の現状年間水産物生産量 905 万トン (2008 年 ) のうち 海面漁業によるものが約 470 万トンと全体の 52% を占める 魚種別に見ると 2008 年の 422 万トンのうち 単一魚種として最も多いのがムロアジの約 33 万トンである ムロアジは 2003 年も約 30 万トンとこの 6 年間常に最も漁獲量が多い魚種である 次いでカツオの約 30 万トン クンブン ( 和名なし : アジの類 ) 約 25 万トン アンチョビー約 20 万トンの順となっている 輸出産品として大きなキハダマグロは 2008 年には約 10 万トンと 2003 年から比較すると 5 万トンも少ない 2 エビ類は多少のばらつきはあるものの年間で 20 万トン台半ばを維持している 大型浮魚類は 全体として 2003 年と 2008 年の比で 1.4 倍程度に増えている 2008 年現在 海面漁業従事者数はインドネシア全国で約 224 万人であり 49.6% の海面漁業従事者が専業漁業者である 水産加工分野では インドネシア経済水域外で操業する外国漁船が漁獲した水産物が内陸部の加工場の加工原料として利用されている 加工場はインドネシア企業 外国企業との合弁企業 外国企業のパターンがある 海洋水産省の方針として インドネシア漁船に漁獲させ 外国企業との協力で原料を加工場に供給することを奨励している 3 水産加工品としてはインドネシアの水産統計上の分類として 塩干品 煮魚 発酵食品 ( ベラチャン ペダ 魚ソース ) 燻製品 冷凍品 缶詰 すり身がある 2008 年の生産量のうち 最も多いのは冷凍品で約 46 万トン 次いで塩干品約 45 万トンであり この 2 品目で水産加工品生産量の約 75% を占める 4 MSY( 最大持続生産量 :Maximum Sustainable Yield) は 5 年に一度 LIPI( インドネシア科学院 : The Indonesian Institute of Sciences) 海洋水産省海洋水産研究局 大学 NGO 等から成る作業チームによって生物学的に評価され その 80% を TAC( 許容漁獲量 :Total Allowable Catch) としている MSY との関係では WPP-RI571( マラッカ海峡 アンダマン海 ) 及び WPP-RI714( トロ湾 1 Import Statistics of Fishery Products Capture Fisheries Statistics of Indonesia 海洋水産省水産加工流通総局での聞き取りによる 4 Capture Fishery Statistics of Indonesia 2008 ii

15 バンダ海 ) は MSY を超えた漁獲が行われており 資源が維持不可能な程度までに過剰漁獲となっている TAC の範囲を超えた漁獲が行われているのは上記 2 漁業管理区以外に WPP-RI ( インド洋西スマトラ+インド洋南ジャワ 南部ヌサテンガラ 西チモール ) WPP-RI712( ジャワ海 ) である インドネシア漁業管理区 ( 出典 :2010 年漁業管理区に関する省令 No. Per.01/MEN/2009) イ 国では 2000 年以降の地方分権化の促進に伴って 新たな資源管理制度が導入されている 資源と漁業の管理を管轄する権利を中央 州と県 ( 又は市 ) の 3 つのレベルに分けている 沿岸域 4 浬は県 ( 又は市 ) が管轄権を持ち 4 浬以遠 12 浬までは州が管理する 12 浬以遠の沖合経済水域及び公海等の国際水域等での操業は中央政府の管轄である 漁業管理の一環として 100GT より大きな外国漁船とインドネシア漁船に VMS 搭載の義務があり 60GT-100GT の漁船は政府によってトランスミッターを 60GT 未満漁船はオフライン VMS を供与される 5 海洋水産省によると 年に計 3,500 隻に VMS を搭載済みである ( 全体の 80%) 漁業許可については 中央政府が 30GT 以上の漁船に対して 州が 10-30GT 漁船に対して 県 市が 10GT 未満漁船に対してそれぞれ権限を持っている 6 その他違法漁船の取締 拿捕に関しては 海軍 水上警察 海洋水産省資源管理監督総局の 3 者が権限を持ち 水上警察が イ 国水域内のみの管轄であるのに対し 資源管理監督総局は イ 国水域内と EEZ 内を管轄し 3 者が連携して任務にあたっている 2.3 海面漁業の課題とインドネシア政府の対応策外国漁船等による IUU 漁業が 12 浬以遠において横行しており その監視体制強化を図り 資源を有効に活用することが課題となっている IUU 問題に関し 海洋水産省ではその対策として VMS ( 船舶監視システム :Vessel Monitoring System) を使った IUU( 違法漁業 :Illegal, Unreported, Unregulated Fishing) 漁船の取締り強化対策を実践している 水産物流通 加工のためのインフラ 5 Indonesian Fisheries Book MMAF 官房総局統計情報センター iii

16 施設を整備すること 中小企業を支援し輸出を促進すること 投資促進 コミュニティの中での中小事業体形成支援 漁民等のための金融機関の発展 100 箇所の離島 島嶼部のインフラ開発 加工 流通を担うビジネスを行う組織や会社の能力強化などが国家開発中期計画にあるミナポリタン計画に盛り込まれ 関連事業が進められている 輸出企業に対する支援としては HACCP GMP などの国際品質管理基準認証を企業が取得することを義務付け そのための費用を国家予算で拠出している 資源管理のベースとなる漁獲データ収集の方法が県により統一されておらず 収集データの精度を高めることが求められている 現在 漁獲データは毎月各県から海洋水産省に対してインターネットを介して送付されるシステムが使用されている 各県には 3 名の水産統計職員 ( 養殖 漁業 水産加工担当 ) がおり 原則協同組合中小企業省管轄の KUD( 村落共同組合 :Koperasi Unit Desa) の毎日の取扱い数量からデータを収集することになっているが KUD が存在しない所では県職員が直接魚市場や水揚浜でサンプリング調査を行い かつサンプリングの頻度や方法もまちまちであるため 情報の信頼性については疑問が残る 海洋水産省では年 2 回エヌメレーターに依頼して州及び県のデータをチェックしている 3. 漁港整備の現状と課題 イ 国の漁港は Ministry Decree No.PER16/MEN/2006, No.KEP.10/MEN/2004 に従って次表に示 す 4 タイプに分けられ それぞれ利用漁船の規模 水揚量 漁港施設規模 管理主体が定められて いる イ 国の漁港タイプ 7 漁港タイプ 漁港数と管轄 漁港の規格等 A: 遠洋漁業にも対応可能な大型漁港 (Oceanic Fishing Port) 6 港国 ( 海洋水産省 ) 管理 60GT 以上の船が1 日当たり 100 隻以上入港できる漁港 水深 -3m 以深 300m 以上の接岸施設など イ 国領海 EEZ および外洋で操業する漁船が対象 B: 国営の主要漁港 (Archipelago Fishing Port) C: 沿岸漁業に対応した主要漁港 (Coastal Fishing Port) D: 地方の水揚げ拠点 (Fishing Landing Place) 13 港国 ( 海洋水産省 ) 管理 30GT の漁船が1 日当たり 75 隻入港可能 水深 -3m 以深 150m 以上の接岸施設など インドネシア領海内と EEZ で操業している漁船を対象 2 港が国管理 10GT の漁船が 1 日当たり 30 隻入港できる 44 港が地方政府管理 895 ヶ所地方政府 地方自治体管理 ( 出典 :DG of Capture Fisheries, MMAF, 2009 他 ) 漁港 水深 -2m 以深 100m 以上の接岸施設など 内海 多島海で操業している漁船が対象 内海 多島海 インドネシア領海内で操業している漁船が対象 3GT の漁船が 1 日当たり 20 隻入港できる漁港 水深 -2m 以深 50m 以上の接岸施設など 内海およびインドネシア領海内で操業している漁船が対象 3.1 外環漁港整備計画マスタープランの概要 イ 国における海洋水産資源の利用比率には地域格差が顕著にある この格差は 漁港施設の 整備レベルと関係している 全国で 813 港 (2004 年当時 ) ある漁港のうち 多くは小規模な D タ 7 Indonesian Fishing Ports 2009, DGCF,MMAF,JICA iv

17 イプ漁港 (PPI) が占めると同時に イ 国西部のジャワ スマトラおよび内海部に多く分布し 全体の 7 割以上を占める一方で 東部および外環部には少なく 全体の 2 割強にすぎない 8 この漁港施設の分布は 現在の海洋水産資源状態にも関連する インドネシア領海の外環部にあたる地域 すなわちインド洋 南シナ海 アラフラ海 スラウェシ海などにおいて 水産資源の利用度はまだ高くはなく 未利用の資源が多くあると評価されている しかし 漁港が少ないことにより これら外環部の海域に関して 水産資源と漁獲の十分な調査 モニタリングおよび違法操業に対する監視を行うことは困難な状況である 同時に外環地域は 漁港が少ないだけでなく 産業 経済の開発も遅れている状態にある こうした外環地域の開発の遅れは 地域社会の衰退にもつながりかねない この解決のためには 未利用の状態にある外環地域の海洋水産資源を 水産分野だけでなく地域社会 経済 環境分野の力を動員し 適切な資源管理のもとで有効に活用する必要がある 以上の状況より 以降の漁港整備のために 将来の漁港の配置 立地場所に関する調整と展望 開発方針と開発ステップに関する調査を実施することが必要と判断され 外環漁港整備マスタープラン調査 (Pekerjaan Penyusunan Masterplan Pengembangan Pelabuhan Perikanan di Lingkar Luar Wilayah Indonesia, Developmental Master Plan Composition, Outer Ring Fishing Port of Indonesian Territory (CODE: SU-01), Dec.2004, Final Report ; PT. Perentjana Djaja) が 2004 年に実施された 外環漁港整備マスタープランでは 2004 年当時 813 あった漁港の中から 20 の州における合計 25 の漁港およびサイトを開発対象として選定し 重点的に基盤整備を行うことを決定した 3.2 外環漁港整備計画ロードマップの概要 2010 年 海洋水産省は外環漁港整備計画ロードマップ (ROAD MAP, OUTER RING FISHING PORTS DEVELOPMENT, Pengembangan Pelabuhan Perikanan di Lingkar Luar Wilayah Indonesia, 2010, DIRECTORATE GENERAL OF CAPTURE FISHERIES) を策定し 現時点における外環漁港整備計画の全体概要と進捗状況および段階的な実施計画を示している なお 2010 年時点では マスタープラン策定時の 813 港から 968 港に漁港の数が増大している 外環漁港整備は 以下 3 段階の段階的な実施が計画されている フェーズ 1: インドネシア東部地域および国境地域のサイトを優先する 対象は 8 サイト (Bitung Merauke Pengambengan Nunukan Ternate Teluk Awang Kupang Makassar) に関する開発計画の検討を行い うち 6 箇所について詳細設計 4 箇所について開発に着手する 以上を 5 ヵ年で実施する 予算は 10,800 億 IDR フェーズ 2: フェーズ I のサイトの事業の継続 西部インドネシアについて 9 サイト開発計画検討 10 サイトにおいて詳細設計 9サイトでの開発事業開始 期間は 5 年半で事業費は 10,800 億 IDR フェーズ 3: 外環漁港事業の最終段階 東部地域と同様の事業を西部地域でも開始する 5 年半の期間で事業費は 3,050 億 IDR フェーズ 1 において選定された 8 漁港に関しては 2006 年 BAPPENAS に申請され Blue Book 8 Marine and Fisheries Statistics of Indonesia(DKP, 2007) v

18 に採用された 2004 年以降の外環漁港開発において実施された施策を次表に示す なお 2005 年よりウンティア ( マカッサル ) が外環漁港計画に組み込まれた模様で これ以降外環漁港は 26 サイトとなっている ウンティア漁港の整備事業は 2005 年に詳細設計が実施され 2006 年より漁港建設工事が開始されている 外環漁港整備の経過 Outer Ring Fishing Port Sabang Labuhan Haji Belawan Sibloga Province NAD 準備 FS ; a レウ ュー b; Rehab./Impro v. of Jakarta Fishing Port;d Operational & Rehab./Impro v. of Fishing Port Facilities; e e Detail Design ; a 工事 ; b Operational & Rehab./Imp rov. of Fishing Port Facilities; e e Proposals of Outer Ring Fishing Port to the Blue Book Proposal Detail Design ; a Master Plan & Detail Design ; b Signing Aide Memoire ; c 工事 (TP) ; a 工事 (DAK) ; b 工事 (Deco Funds); c b c; 工事 工事 (TP) ; a 工事 (Deco Funds); c Loan Agreement (IDB) ; d Operational & Rehab./Impro v. of Fishing Port Facilities; e c; 工事 c; 工事 工事 (TP); b 工事 (DAK); c Implementatio n of Development / IDB; d Operational & Rehab./Impro v. of Fishing Port Facilities; e c; 工事 工事 (TP 州 ); b 工事 (TP 県 ); c Operational & Rehab./Impro v. of Fishing Port Facilities; d Institutional Reform and detail design (IDB); e North Sumatra b e e e c c d, e d, e d, e d, e d, e d, e Bungus West Review Master Sumatra b, e e Plan e e d Tarempa Riau Island a, c; 工事 c; 工事 Pulau Baai Bengkulu e e a b, c; 工事 c; 工事 b; 工事 b; 工事 Pemangkat West Kalimantan b, e e e e d Nunukan East Kalimantan a b; 工事 工事 a; 工事 a; 工事 Jakarta Jakarta d;jbic Loan Phase-V, e D/D & Rehab./JICA Rehab & Improv/JICA Rehab & Improv/JICA Rehab & Improv/JICA Pelabuhanra West Java tu e e b e e d Cilacap Central Development Java e e / Improv. e e d Sadeng DI Yogyakarta e Prigi East Java e e e e d Pondokdada p b,c; 工事 c; 工事 b, c; 工事 b; 工事 Pengamben Bali gan e e d Teluk West Nusa b; 工事, 工事 by Deco Awang Tenggara a e Funds for NTB c; 工事 a; 工事 b; 工事 c; 工事 Kupang East Nusa Tenggaara a Bitung North Sulawesi b; 工事 Review Design Kwandang Gorontalo c; 工事 c; 工事 b; 工事 b; 工事 Tual Maluku e e 埋立他 e e d Ternate North Maluku e 用地取得, e e d Merauke Papua a b; 工事工事 by Deco a; 工事 b; 工事 c; 工事 Biak West Papua b, c; 工事 a Funds Solong West Papua b Makassar South Sulawesi a 工事 注 : 表中太字の漁港名及び網掛けの欄は 今回の現地調査サイトを示す vi

19 3.3 外環漁港整備計画の特徴と課題 1 海洋水産資源の合理的な活用 イ 国全体としては 年率で 0.55% の漁獲量拡大 9 をめざしている これは 過剰漁獲の抑制による漁獲減少分に対し 未利用資源量の有効活用および IUU による漁獲の削減効果を期待すると 現実的な目標値であると考えられる 水産資源が適切な管理のもとで活用されるためには 外環漁港において正確な漁獲情報の取得を図るとともに 監視船のパトロール拠点となることが必要である この点では 漁船が漁港施設を利用することを徹底し 同時に漁港整備が資源管理関連施策と適切に連携されることが必要である 2 国際規格に準じた設備氷 水の供給体制は全般的に不足しており 重要度は高い また 衛生的な荷捌き環境を提供することは 水産加工会社からの要請にこたえる品質の原料を提供する上で 今後重要性を増すと考えられる 3 施設整備計画の規模 内容選定された外環漁港の地理的な配分は 漁船の活動をまんべんなく外環地域の海域に展開する点で適切と考えられる ただし すでに開始された事業に予算不足による遅延が見られるように 事業の全体規模は イ 国単独で実施できる範囲を超えていると考えられる 外環漁港整備マスタープランでは 各漁港の受け持つ海域の利用可能な上限の資源量を漁獲量とし これに対応した施設規模を定めるというアプローチととっている 各サイトのポテンシャルや利用者 裨益者について検討されていないため 過大 過剰な設備となる恐れがある この点については 詳細検討において十分な調査と検討が行われ 修正されることが必要である なお 個々の漁港の具体的な整備内容は マスタープランの後に実施される詳細設計 調査に委ねられており 具体的なイメージをマスタープランで見ることはできない 4 漁獲物の域外流通環境水産物の域外への流通のためには 冷凍コンテナ輸送サービスを利用できる環境があること 大型輸送船による輸送が可能 現実的であること 商港や空港への道路アクセスも整備されることが必要である コンテナ輸送に関しては 近年進められてきた港湾施設整備により インドネシア東部地域においても マカッサルを中継拠点としスラバヤを発着港とする定期コンテナサービスが開始されており すでに今回調査サイトから冷凍コンテナを使った水産物の出荷が行われている 4. 漁港の調査結果 漁港サイトの個別整備計画内容と課題本調査において対象とした 7 つのサイトについての調査結果から 以下の 表 7 漁港サイト整備計画と課題 としてまとめた なお 現地調査においては 各サイトの特徴 現状 問題点などを関係者との協議で できるだけ明確にして情報収集 確認を行うことが重要であると考え SWOT 分析を用いた 9 RENCANA STRATEGIS P E M B A N G U N A N KELAUTAN DAN PERIKANAN TAHUN ,DKP,2005 vii

20 7 漁港サイト整備計画と課題サイト利用想定施設拡張規模期待される便益課題 PPN テルク アワン PPN ウンティア ( マカッサル ) PPP (PPN) クパン PPN ヌヌカン PPS ビトゥン PPN テルナテ PPN テュアル 背後集落にある 145 隻の船外機船 ( サンパン ) および東海岸にある 2つの PPIからの転向漁船が想定される 既に 3 隻程度の漁船が新設漁港に係留している ロンボク島内での 30GT 級の新規参入船の見通しは不明 州全体でも 10-20GT 漁船は 145 隻 ただし 漁港への進出を検討している民間水産事業者が複数社あるとのこと 南スラウェシ州全体で 20GT 級以上の漁船は 149 隻 マカッサル近郊の漁船は 10GT 未満 30GT 級漁船の需用は不明 既存の漁船はマカッサルの PPI を利用中であるが 施設不足が顕著 これらを対象利用とするかは不明 既存 PPI との役割分担が未整理 10GT 以上の中 大型漁船の利用が主体 現況で年間利用隻数は 879 隻 月当たりでは盛期で 隻が利用 近隣 PPI とは機能分担が図られている 現況から大幅な漁船増がないとすれば 用地需要は不明 地元漁業者はマレイシアに近いサバティク島に居住し 漁港位置から離れる この漁業者が主対象 現地の漁船は船外機船主体で 動力船は 5GT 未満まで 30GT 級漁船の需用は不明 有力仲買人が政府支援活用にて 30GT 漁船導入を検討中 (1 隻 ) 零細漁船から大型商業漁業船までが利用中 ( 年間 21,000 隻 ) 現時点では 荷揚げと出漁準備の施設が重合し 混雑の一因となっている 施設増強とサービス 利便性向上で 施設利用が促進される可能性高い 既存 PPI との役割分担が未整理 ほぼ同じ活動が PPN と PPI で行われており 主として PPN が利用されている 現況で施設の不足は生じていない 2009 年の利用漁船数が 30 隻のみであり 現在 PPN テュアルに漁獲の陸揚げはない 現在 大型漁船 輸送船は PPN アンボンおよび PPS ビトゥンを利用していると推定される 用地の規模は当初段階での漁港利用には十分の余裕がある 桟橋として 小型漁船用と -3m の 30GT 級用を計画 延長は最大の想定規模となっているが 当初は最低必要延長での整備が可能 -3m 水深確保のため約 600m の沖出し 大規模な防波堤 および浚渫が必要となっている 施設規模は PPN の規定をもとに決定 盛期では桟橋必要規模が現況の 2.5 倍以上となり オーバーフロー状態 この解消として 桟橋拡張計画はほぼ適正規模 休憩泊地の需用大きい PPN として最小規模の桟橋計画 現在の利用隻数をベースに算出した必要バース長に対し 拡張計画によって小型船用施設はほぼ充足される 大型船については出漁準備に滞船が出る可能性があるものの 現況を大きく改善できる 現在の利用隻数をベースに算出した必要バース長 ( 約 160m) に対し 既存施設で丁度均衡がとれている 2007 年以前は大型漁船の利用で賑わっており 施設拡張に見合う需用もあったと考えられる 零細漁業者において 漁船の大型化をはかり エカス湾外での操業を期待している 他の PPI 利用漁船の内 インド洋方面を漁場としている漁船にとって漁場への距離が短縮される ロンボク島南のインド洋における漁業監視船の拠点 PPI での係留施設 荷捌き施設不足解消 荷捌き施設の衛生環境改善 漁獲物の品質向上にて 加工業者の品質要求に対応 流通拠点環境の水産分野における活用促進 盛漁期における混雑と空き待ちの解消 迅速な陸揚げによる漁獲の品質向上 沖での転載解消と漁獲情報および資源管理の強化 漁業監視船の拠点 域外出荷の拠点 氷供給 衛生環境下での荷捌きにて品質向上 漁獲情報の収集と漁獲管理体制の強化 国境海域での操業拠点となり 安定 定常的な漁業活動を支援 漁業監視船の拠点 小型船の空き待ち解消 および大型船の空き待ち解消 私有桟橋の拡大を抑制し 漁獲取扱いの漁港集約を促進 衛生的環境での荷捌きにより 漁獲の品質向上 加工業者の品質要求に対応 2 系統の桟橋のうち 1 基には港湾であふれた船舶も休憩に利用している これを解消すれば 漁船用の施設は現況以上となり 新設の必要性は不明 特になし アクセス道路が未整備 漁港事業と並行して道路整備見通しの確認が必要 電力供給が限定的 利用漁船の需用 動向および関連施策の確認が必要 予算不足による整備事業の遅滞 利用漁船の需用 動向および関連施策の確認が必要 予算不足による整備事業の遅滞 漁港周辺の漂砂影響に注意 桟橋不足のため 洋上で漁獲を転載 桟橋施設の不足解消が喫緊の課題 利用形態を含めた拡張計画の見直しにて より合理的な計画となる可能性がある 利用漁船の需用 動向の確認が必要 サバティック居住漁業者の利用を行政指導する際の実効 劣悪な施工のため 基部の構造安全性に不安 現拡張計画以上の規模拡大は難しい 隣接する国営水産企業との機能分担 既設日よけルーフの機能は良好であり さらなる拡充が計画されても良い これを含めた衛生管理機能の検討が期待される 利用漁船の需用 動向の確認にもとづく施設規模算定が必要 PPI との機能分担の整理が必要 漁獲陸揚げのない状態の解消が重要課題 大型漁船利用に関する PPN アンボン PPS ビトゥンとの競合 viii

21 4.2 7 漁港サイトの漁港整備支援についての考察漁港の整備計画は本来 公的セクターが適正な空間利用計画を作り それを遵守させると共に 利用漁船の大きさや数に見合う漁港を整備すべきである 7 サイトの中で テルク アワン ウンティア ( マカッサル ) ヌヌカンの 3 サイトは新規の漁港建設工事が既にインドネシア政府予算で開始されている イ 国政府は毎年予算確保のための努力を継続中であるが 予算承認に時間を要すること 承認される予算金額が小さく建設工事費用の一部しか支出されないこと等の理由から工事の進捗に長期間を要している また 施工監理体制 技術上の問題もあり イ 国側の期待値には届かないのが実情である 迅速な整備を進めるためにも イ 国側はドナーによる支援に大きな期待を寄せている とくに 漁港 港湾施設整備分野で実績があり 技術的に厳格であり 国際品質基準が確保できる日本の支援を望んでいる さらに 沿岸漁業資源環境に悪影響を与える無制限な沿岸開発 例えばマングローブ林の埋め立て等による漁港の開発整備などは 持続的水産業発展の視点から阻止すべきである 調査対象 7 サイトの中ではヌヌカンがマングローブ低湿地にあること ヌヌカンの建設予定地からは離れているがサンゴ礁保全地域があること テルク アワン漁港の湾口部の一部にゴシキエビの産卵 育成場があること クパン市が沿岸環境保全に力を入れていることなどに十分に配慮していく必要がある いずれのサイトにおいても 支援の前提として 事業における裨益者の把握 施設の使用形態 想定される便益に関する調査 分析と これに基づく施設規模の検討が必要である 特に新設漁港サイトでは 裨益者が全く考慮されていなかったり 近隣の既存 PPI との機能分担 利用対象者の区分けが行われていないので 注意を要する この点では 外環漁港計画に挙げられた各サイトに関し 期待される成果 便益に関する分析と これに基づく計画の見直しを実施することが望ましいと考えられる 5. 漁港整備支援に関する検討事項 5.1 外環漁港整備計画の妥当性 (1) 妥当性外環漁港整備計画は 貧困削減 食料安全 環境と災害管理 低開発地域 遠隔地 紛争後の支援という イ 国社会及び水産セクターのニーズに合致するものである また 漁港整備は 地方分権化に関連した地方における地域産業の育成 新たな経済拠点の構築という政策目標や地域社会のニーズを満たす手段として適切であると考えられる また 年間約 550 万トンと年々増加する国内需要の充足という大きな使命があり これからは世界の漁業大国として水産物の国際需要にも答えて水産セクターの国家経済への貢献度を拡大していくという課題がある イ 国政府はこれらのニーズに的確に答えていかなければならないが 同国の漁業生産量は年間 500 万トン程度であり 国内の海洋水産資源量 (MSY640 万トン TAC512 万トン ) からみてほぼ上限に達しており 海面漁獲漁業分野での今後の総生産量増加は期待できない しかし 国内水域でも漁船群の活動に偏りがあり 資源の利用度が低く開発の可能性がある水域が残っている これら水域は主に イ 国の外環に沿った周縁の遠隔地でありほとんどが低開発の地域である したがって 漁港を整備し 不均等な水産資源の利用状況を是正し適正な漁業生産量を確保していくニーズは高いと考えられる 外環漁港整備は EEZ 内の低利用水域での資源の有効活用を図り EEZ 外の国際水域で操業する漁船に活動拠点を提 ix

22 供することによって イ 国周縁水域での漁業操業の安全確保と水産資源の適正な利用 IUU 漁業の根 絶等に大きく寄与する計画である このため イ 国外環地域において国際基準に見合った新たな漁港を 整備する外環漁港整備計画の開発ニーズは極めて高いと言える (2) 効率性本事業の効率性について アウトプット 期間 事業費の点から検討した MMAF の外環漁港整備計画の実施にあたっては当初から国際機関 海外ドナーからの協力支援を期待しているが その重要性から既に 2004 年にマスタープランを策定し 独自予算 ( 中央 地方 特別予算等 ) を駆使し 外環漁港 26 についてフェーズ 1 からフェーズ 3 までに分けて総事業予算 6 兆 5 千億 IDR( 約 650 億円 ) 実施期間 8.5 年計画で事業を開始している 外国の支援は時間がかかるという理由からであり 独自予算で自立的に事業を本来は行いたいというあらわれであると推察される しかしながら フェーズ 1 の計画工事の実施に際し ヌヌカンでは桟橋建設鋼管杭の荒天による倒壊破損があり テルクアワン及びマカッサルでは事業予算の執行遅れによって建設工事が停滞し 完成時期の先延ばしなど問題が顕在化してきている したがって 現在のところ完成の見通しがたっておらず 本計画の効率性は小さいと判断せざるを得ない この原因は 技術的なこともあるが 海外ドナーの支援がタイムリーに得られていないことも一因となっている (3) 効果の見込み イ 国政府は 外環漁港の整備によって 国境周辺水域の安全操業確保 国内外操業船への支援サービス向上 IUU 等違法操業による損失減少 整備した外環漁港を利用する国内外企業による雇用機会増加 そして外環漁港整備地域の経済成長の新たな拠点形成などの効果発現を期待しているが 漁港整備単体での発現効果は施設の直接雇用などであり これらの効果を発現していくには資源 生産 加工 流通 小売 消費 ( 及び廃棄 ) など他の関連計画と連携した施設の運営管理が不可欠である 効果の見込みについて 工事進捗状況及びその考えられる原因から判断すると 独自の予算でフェーズ 1(9 ヶ所 ) の全サイトの工事を完成に導くことはほぼ不可能である とくに 海外からの資金協力に関する支援が得られない場合は 対象漁港数を絞り込むなどの代替案はあるが 続くフェーズ 2( フェーズ 1 に入らなかった東部地域のソロン ビアク クワンダンの 3 ヶ所 及び西部地域 6 ヶ所の計 9 サイトが対象 ) フェーズ 3( 西部地域の 8 サイト ) も各々 2005 年 2007 年に一部工事を開始しており 外環漁港整備計画全体に影響を及ぼすことになる いずれにしても 外環漁港整備の開発ニーズは大きく IUU 漁業の絶滅など緊急性のある事業計画であり 既に完成している埋め立て護岸工事などが後続工事の資金難からそのまま放置されることのないように 計画の実施促進に向けた解決策を早急に模索していく必要がある 5.2 外環漁港整備計画の実施可能性に関する考察 (1) インドネシア側が漁港整備計画を遂行する可能性 イ 国政府は全国に約 960 の漁港を有し 漁業資源の持続的な利用のために とくに地方における漁港インフラ施設の整備に注力してきている 最近 10 年で約 370 の漁港を整備してきた実績を持っている x

23 外環漁港は 従来のクラス A 又は B に該当し 現在クラス A が 6 ヶ所 クラス B が 13 ヶ所ある これらのことから 漁港整備に関する技術的な力は十分にあるものと判断される しかしながら 本調査の対象である外環漁港整備計画は 国際基準に見合った規模 仕様とする計画であり 現在岸壁の嵩上げ工事を実施中のジャカルタ漁港 ( 西部地域の外環漁港の拠点港としての位置付けにある ) での経験などを踏まえて 着実に実行していく必要がある イ 国の漁港施設は現在 2 つの組織によって運営 管理されている 一つは海洋水産省漁業総局に属する漁港管理機関 (UPT) もう一つは商業施設を対象とする国営企業省管轄の漁業公社 (PERUM) である しかし 工事完成までの責任主体は 海洋水産省漁業総局 ( 担当部署は漁港局 ) であり 各サイトにより年により事業費予算の出所が変わるため 時に地方政府 ( 州又は県 市など ) となることもあるが あくまで全体の実施責任は中央政府にある 外環漁港整備計画は 3 段階のフェーズに分かれ 全国 26 の漁港を国際基準に見合う規模 仕様に仕上げるという大型プロジェクトであり 総額 6 兆 5 千億 IDR( 約 650 億円 ) 実施期間 8.5 年を想定して既に開始されているプロジェクトである したがって プロジェクトの運営維持管理に必要な能力も過去の実績で単純にカバーできるものであると楽観はできない 外環漁港整備は 水産資源の持続的利用を実現することを目標とする計画であり イ 国の開発計画において緊急性の高い事業として認定されている もちろん 実施に当たっては国際機関 海外ドナーからの協力支援を期待していたが その緊急性からすでに 2004 年にマスタープランを策定し 独自予算 ( 中央 地方 特別予算等 ) を駆使し 外環漁港 26 についてステージ 1 からステージ 3 までに分けて総予算 6 兆 5 千億 IDR( 約 650 億円 ) 実施期間 8.5 年計画で事業を開始している 外国からの支援の実現までには時間がかかるという理由からであり 独自予算で自立的に事業を本来は行いたいというあらわれであると推察される しかしながら 計画工事の実施に際し 桟橋建設鋼管杭の荒天による倒壊破損 事業予算の執行遅れによる建設工事の停滞 完成時期の先延ばしなど問題が顕在化してきている フェーズ 1 の新規建設漁港であるテルクアワン ヌヌカン メラウケなどは 2005 年の工事開始以来 毎年予算がついて継続しているが 当初の予定期間内に終えることのできる十分な金額には至っていないのが実情である 今後 必要な事業予算が確保できるか予断を許さない状況にある このように イ 国政府は 本計画の必要性 緊急性から 独自予算と独自の実施組織で工事を始めているが フェーズ 1 の工事進捗状況 工事実施監理状況から判断して工程に大幅な遅延が生じている (2) インドネシア側が計画を遂行するための要点 イ 側が確実に計画を遂行していくには 日本をはじめとする海外からの 次のような技術支援が不可欠である 1 計画の実施主体である海洋水産省の海洋漁業総局漁港局の技術者を含むスタッフへの技術指導 2 技術的な支援の一環として とくにプロジェクトの監理に焦点をあてた技術指導 5.3 外環漁港施設整備計画を支援する場合の留意点 以下に 外環漁港施設整備支援における留意点を挙げる (1) 漁港施設整備支援における留意点 xi

24 1) 施設整備の基本的な考え方施設整備計画における要点は 施設が使われるか どの程度有効に活用されるかということに尽きる ハード施設は 時間の経過で陳腐化するし 維持管理がうまく機能しないとその寿命は半減してしまうこともある したがって 本調査の対象である外環漁港施設整備計画においても 必要な品質 (Q) を維持し 決められた事業コスト (C) 内で 定められた期間内 (D) に建設工事を着実に完成させることがもっとも大事な点である 2) 各サイトにおける需要予測 開発方向性再評価の必要性 3) 外環漁港整備事業の実施主体の明確化 4) 支援産業 ( 水産加工 水産流通 ) 整備計画との一体的実施の必要性 5) 技術的責任範囲の明確化 6) 施工監理の重要性 7) 漁港利用のポテンシャルと運営計画の必要性 (2) 環境社会配慮の留意点 1 水産分野の事業に関する関連規定として エビ 魚類の養殖池の開発は地域及び沿岸の生態系 ( 物質 水質 ) 地形 マングローブ帯の生態系に影響を与えるとして 開発の規模 内容 ( 面積 淡水 海水別 ) に応じた規定が定められている 外環漁港整備に関しても畜養施設などを設置する場合には 担当部署に確認していく必要がある 2 漁港施設については 港湾に関する規定が適用される 漁港整備において EIA の検討対象となるのは埋め立て 浚渫 杭打ち等の建設行為である 防波堤 岸壁 護岸 埋め立て等 施設の種別 規模に応じて EIA の要否 評価委員会の実施レベル ( 省 州 地方 ) などが規定されている 波浪 海流 漂砂 大気などの配慮事項にも言及している 次表に示す項目に該当する行為について 環境影響に関する解析を実施する必要がある ( この規定は新システムのものである ) また 漁港施設の場合 EIA の実施責任は海洋水産省にある 本調査は 既存情報の収集 分析を中心とした調査であるため 対象地域の概要については網羅できているが 詳細については明確にできていない部分が多々ある したがって 今後 外環漁港施設整備に対する支援を検討する際には 必要な詳細情報を事前の調査により収集し プロジェクトの枠組みの中で既設工事に関する責任の所在を明確にするとともに 全体的な品質を確保するための具体的な案件の実施方法について議論を重ねていく必要がある 以上 xii

25 第 1 章調査の概要 1.1 調査の背景 インドネシア国の概要北緯 6 8 ~ 南緯 11 東経 ~141 間の太平洋とインド洋の境界に位置し 約 1 万 7,500 の島々からなる世界最大の島嶼国である その国土面積は約 191 万 km 2 ( 日本の 5.1 倍 ) 自国経済水域の総面積は約 580 万 km 2 ( 世界第 3 位 ) 海岸線の総延長は約 8.1 万 km( 世界第 2 位 ) である その地理的特性から 多種多様な海洋 漁業資源に恵まれている イ 国の基礎データは次の表のとおりである 総人口は 2009 年で 2.31 億人 ( 政府推計 ) 首都ジャカルタの人口は 922 万人である 人口増加率は 1.2% と安定してきているものの貧困人口は 3,496 万人と総人口の 15.1% を占めている ここ数年 連続して大きな自然災害に遭遇したものの GDP 成長率は 6~7% を維持しており マクロ経済全体への影響は軽微にとどまっている 今後とも 持続的な経済成長を維持し 貧困率の低下など国家開発計画上の大きな課題を克服していくためには 各産業分野におけるインフラ整備を含む国内外の投資をさらに促進していく必要がある 表 イ 国の基礎データ 項目内容 地理 気候国土面積 191 万 km 2 熱帯性気候 ( 平均 27 乾季 4-9 月 雨季 10-3 月 ) 人口 231,000 千人 (2009 年政府推計 ) 人口増加率 1.2%( 年平均 ) 首都ジャカルタの人口 922 万人 (2009 年政府推計 ) 貧困人口 3,496 万人 ( 貧困率 15.1% 2008 年 ) 民族 宗教 言語マレー系を主体とする 300 以上の部族 華人は全人口の約 3% 600 万人イスラム教 ( 約 90%) 他にキリスト教 ヒンズー教 仏教等インドネシア語 ( 公用語 ) 他に 250 以上の地方語 GDP 産業構成 5,107 億ドル (2008 年 ) 一人当り 2,239 ドル 実質成長率 6.1%(2008 年 ) 農林水産業 14% 鉱業等 11% 製造業 27% 卸 小売サービス業 20% 等就業人口 失業率農林水産業 44% 鉱業等 1% 製造業 12% 卸 小売サービス業 11% 等 8.46%(2008 年 2 月 )( 高水準で推移 ) 輸出額 1,367 億ドル (2008 年 ) うち対日輸出額 277 億ドル (2008 年 ) 輸入額 1,051 億ドル (2008 年 ) うち対日輸入額 151 億ドル (2008 年 ) ( 出典 :JETRO 国 地域別情報 (J-FILE) インドネシア ) 調査の背景インドネシア共和国 ( 以下 イ 国と記す ) は海洋水産資源に恵まれ 2008 年の漁業従事者数約 274 万人 ( 海面 224 万人 内水面 50 万人 ) 漁獲漁業の生産量約 520 万トン ( 海面 470 万トン 内水面 50 万トン ) の世界有数の漁業大国である さらに 養殖業の発展は著しく 2008 年の養殖業者数約 276 万人 その生産 1

26 量 385 万トンを数える 水産物の一人当たりの年間消費量は 2005 年の 23.95kg から 2008 年には 28.00kg と年々増加してきており 水産物は国民の良質なタンパク供給源として重要である また 2008 年には年間約 91 万トンの水産物を輸出し 27 億米ドル ( 約 2,700 億円 ) の外貨を獲得し 農林水産分野における輸出産品の重要な位置を占めている 海面漁業の漁業管理水域 (FMA:Fisheries Management Area) は 2006 年末にそれまでの全国 9 水域からスマトラ ジャワ バリ ヌサテンガラ沖のインド洋水域がスンダ海峡で二分され 10 水域となった さらに 2009 年に漁業資源の適正かつ持続的な利用を容易にするためスラウエシ海 太平洋水域がハルマヘラ島の北端に位置するモロタイ島付近で二分され全国 11 水域に再編成された ( 政令 No.PER.01/MEN/2009 による ) これら関連法規の改善は 漁業管理水域の変更により漁業活動の管理を強化し 水産資源の適正かつ持続的な利用を図るために必要な措置である 海面漁業においては 西部水域では乱獲によって水産資源が減少しつつある 一方 東部水域では水産資源状況は比較的良好なものの 漁港等基本インフラ 水産物流通システムの整備 改善の遅れが影響し 漁業者の収入は依然低いままである 多様な水産資源の活用 漁獲物の品質向上によって漁業者の収入改善を図っていくには 漁港での水揚げ作業の効率化 セリ等公正な取引システムの導入促進による漁業者の経済的地位向上 保蔵及び加工施設の整備 そして消費地への流通網の確立などが必要となる また 水産資源の有効利用という観点からも漁獲物の衛生的な環境での取扱いによる品質の確保は重要である イ 国において 持続的な水産資源の利用を図るには 漁業管理に係る制度 規則の改善に加えて 広大な領土内での地域的に均衡のとれたインフラ整備の実施促進が重要であると考えられる 漁港の基本施設と 漁獲物の保蔵 加工施設などの機能施設整備に対する支援を検討するに当たり イ 国水産セクターの健全な発展を支援するという観点から 漁港施設整備を行う意義 位置付け 水産分野支援における優先順位を確認する必要がある 以上の状況を踏まえ 本調査では 水産分野の現状 政策をレビューして課題を把握するとともに 海面漁業にかかわるステークホルダー 漁業及び水産物加工に関わる民間企業等の社会経済的状況とニーズ 今後の動向予測と 水産資源の現状と今後の動向予測等を把握し 加えて漁港施設にかかる情報を収集 整理する 1.2 調査の目的 イ 国水産業 ( 水産資源 水産物流通 加工等を含む ) 漁港施設整備の現状と課題について 最新情報を入手するとともに イ 国政府の政策や取組み 他ドナーの動向も踏まえて課題整理を行い イ 国水産セクターの健全な発展を支援するという観点から 漁港施設整備への支援を行う意義 位置づけ 水産分野支援における優先順位を確認し 漁港施設整備にかかる日本の支援枠組みの検討に資する情報を整理することを目的とする 本目的に沿った本調査におけるアウトプットは次のとおりである (1) 水産セクターの現状と課題が整理される (2) 水産セクターの政策的重点課題とそれらに対する対応方針が確認され その関連において 漁港施設整備の位置づけが確認される 加えて 漁港施設整備にかかる中 長期的方針が確認され 当該分野の課題 2

27 が整理される (3) イ 国政府が整備を希望している漁港における海面漁業 水産物加工 水産物流通 漁港施設の現状と課題 それらに対する行政の取組み状況が整理される (4) イ 国東部における漁港施設整備の現状と課題が整理される (5) 漁港施設整備支援の方向性を検討する際の参考資料として 漁港施設整備に関わる全般的な現状 取組み状況 課題 留意点等が整理される 1.3 調査対象地域インドネシア全土 ただし インドネシア政府が外環漁港整備の優先度が高いとしている 7 漁港 ( テルク アワン港 ( 西ヌサテンガラ州 ) マカッサル港 ( 南スラウエシ州 ) クパン港 ( 東ヌサテンガラ州 ) ヌヌカン港 ( 東カリマンタン州 ) ビトゥン港 ( 北スラウエシ州 ) テルナテ港 ( 北マルク州 ) テュアル港 ( マルク州 )) について 現地調査を行った 3

28 第 2 章海面漁業の現状と課題 2.1 水産セクターの現状 水産業の概要 イ 国の漁業生産量は漸増傾向にあり 2008 年では 2003 年の 591 万トンが 1.53 倍の 905 万トンに達し 中国 ペルーに次いで 世界第 3 位を占めている 内訳は 漁獲漁業が 520 万トン (57%) 養殖が 385 万トン (43%) である 近年の生産量の伸びは養殖によるところが大きく 2003 年と 2008 年の比で 3.14 倍となっている 漁獲漁業については 2003 年と 2008 年の比で 1.10 倍と増えているが ほぼ横ばいであると言える 漁獲漁業における海藻類採取量は減少しているが 行政の指導等により沿岸零細漁業者をはじめ沿岸住民が海藻養殖業に参加し生産体制が養殖業にシフトしてきているためである 生産面下表に示すとおり 海面漁獲漁業生産量は 2003 年の 438 万トンから 2008 年の 470 万トンと 7% 微増 内水面漁獲漁業生産量は 2003 年の 30.9 万トンから 2008 年の 49.4 万トンと 62.5% 増加している 一方 海面養殖生産量は 2003 年の 24.9 万トンから 2008 年の 万トンと 7.9 倍であり 汽水養殖生産量の同期比 1.9 倍 内水面養殖生産量の同期比 2 倍と比較して著しい伸張を見せている 海面養殖の著しい増加は海藻養殖によるところが大きく 同期比生産量は 6.4 倍となっている 1 表 漁業生産量 ( ) ( 単位 : トン ) Capture Fisheries 4,691,796 4,651,121 4,705,869 4,806,112 5,044,737 5,196,328 (57%) Marine 4,383,103 4,320,241 4,408,499 4,512,191 4,73,280 4,701,933 (Seaweed) (64,610) (8,677) (9,670) (4,996) (4,643) (2.917) Inland water 308, , , , , ,395 Aquaculture 1,224,192 1,468,610 2,163,674 2,682,597 3,193,565 3,855,200 (43%) Marine 249, , ,074 1,365,918 1,509,528 1,966,002 Brackish water 501, , , , , ,509 Fresh water 472, , , , , ,688 合計 5,915,988 6,119,731 6,869,543 7,488,709 8,238,302 ( 出典 :DG of Capture Fisheries & DG of Aquaculture, MMAF, 2009) 9,051,528 (100%) 水産業の生産部門を担う漁業者数は 海面及び内水面を合わせて約 273 万人である このうち 内水面 の従事者数は約 50 万人でほぼ安定している 専業漁業者が全体の約半分を占めるが 2003 年と 2008 年の比 1 Indonesian Fisheries Statistics Index

29 では 0.67 と減少している 兼業漁業者の数も 4 分の 3 程度に減っており 2003 年に 385 万人いた漁業者が 2008 年には上述のように 273 万人と約 30% の減少を示している 表 漁業者数 ( 海面及び内水面 )( ) ( 単位 : 人 ) 漁業者 専業者 1,935,955 1,400,750 1,346,581 1,468,268 1,289,128 1,295,921 兼業者 ( 漁業が主 ) 1,334,378 1,064, , ,134 1,034,110 1,013,516 兼業者 ( 漁業は副 ) 587, , , , , ,129 合計 3,857,597 2,935,289 2,590,364 2,700,174 2,755,794 2,736,566 ( 出典 :DG of Capture Fisheries & DG of Aquaculture, MMAF, 2009) 海面漁業及び内水面漁業の漁船数を以下に示す 漁業生産部門において漁船の役割は大きく その近代化の進捗が注目される 海面漁業に従事する漁船数は全体で 2003 年に約 52 万隻 2008 年は約 59 万隻と約 12% 増えている 2008 年の無動力船数は約 21 万隻 全体の 30% であり 2003 年の 25 万隻 47% から数 率とも減少しており 漁船の船外機船化が進んでいる (2003 年の 16 万隻が 2008 年には 23 万隻と 1.45 倍に増えている ) 船内機動力船も全体としては増加しているものの 30GT 以上の漁船数が 2003 年の 7,366 隻から 2008 年には 4,048 隻と半減し 代わりに 30GT 未満が 112,471 隻から 150,798 隻へと 1.34 倍 (2003 年と 2008 年比 ) と増加している これは 外国建造の大型漁船の老朽化と採算性悪化が関連していることが原因とみられる より経済性の高い適正船型の小型漁船の導入と耐航性 安全性確保のための イ 国全水域にわたる漁港施設の整備がとくに重要となっている 表 漁船数 ( 海面漁業 )( ) ( 単位 : 隻 ) 漁船分類と大きさ 無動力漁船 250, , , , , ,003 船外機漁船 158, , , , , ,335 <5GT 79,218 90, , , , , GT 24,358 22,917 26,841 29,899 30,617 29, GT 5,764 5,952 6,968 8,190 8,194 7, GT 3,131 3,598 4,553 5,037 5,345 5,200 船内機漁船 30-50GT 2, , GT 2,698 1,740 2,160 1,926 1,832 1, GT 1,731 1,342 1,403 1,381 1,322 1,230 >200GT Sub total 119, , , , , ,846 合計 528, , , , , ,184 ( 出典 :DG of Capture Fisheries & DG of Aquaculture, MMAF, 2009) 5

30 水産加工業及び流通業従事者数を下表に示す 水産加工業従事者数は 2005 年 329,332 人から 2009 年 363,980 人へと 10.5% 増加している 水産流通業従事者数は同期比 2.2 倍に増加している 水産加工従事者数を地域別に見ると ジャワ島が全体の 49% を占めており 次いでスラウェシ島 19% スマトラ島 14.7% の順となっている 2 表 水産加工業及び流通業従事者数 ( 単位 : 人 ) 水産加工業従事者数 329, , , , ,980 水産流通業従事者数 197, , , , ,639 ( 出典 :Marine and Fisheries in Figures 2009, MMAF) 水産物の輸出に関しては 2003 年 857,783 トンから 2008 年 911,674 トンへ増加し 金額では同期比 16 億 4,354 万 2 千米ドルから 26 億 9,968 万 3 千米ドルへと増加している 金額では世界第 11 位である 輸出量で 1.06 倍 金額で 1.64 倍の増加である 年の輸出量ではカツオ マグロ類を除くその他魚類が 424,401 トンと全体の 46.5% を占めている エビ 18.7% その他 ( 海藻含む )18.2% カツオ マグロ類 14.3% となっている 同年の金額ではエビ 11 億 6,529 万 3 千米ドルで全体の 43% を占めている 以下 カツオ マグロ類を除くその他魚類 27% カツオ マグロ類 13% その他 ( 海藻含む )9% となっている エビが国際商品として相変わらず高付加価値であることが分る 同年の水産物を商品形態別に見ると 生鮮魚類 ( 冷凍物含む ) 約 42 万トン 塩干 燻製魚類約 2.8 万トン 甲殻類 軟体類の生鮮 ( 冷凍物含む ) 及び塩干 燻製品約 18.8 万トン 保存容器入り ( 缶詰等 ) 魚類約 5.9 万トン 同甲殻類 軟体類約 5.5 万トンである 年の輸出先としては重量 金額ともに米国が第 1 位で 139,128 トン 9 億 3,722 万米ドル 第 2 位は日本で 117,182 トン 6 億 1,673 万米ドル 第 3 位 EU 79,652 トン 3 億 2,445 万米ドルとなっている 5 品目別に見ると エビは米国約 7.7 万トン ( 第 1 位 ) 日本約 4 万トン ( 第 2 位 ) マグロは日本約 2.9 万トン ( 第 1 位 ) 米国約 2.1 万トン ( 第 2 位 ) である その他魚類は日本約 3.8 万トン ( 第 1 位 ) 米国約 3.2 万トン ( 第 2 位 ) である 水産物の輸入に関しては 2003 年 107,768 トンから 2008 年 280,179 トンへ増加し 金額では同期比 9,080 万 8 千米ドルから 2 億 6,765 万 9 千米ドルへと増加している 輸入量で 2.6 倍 金額で 2.9 倍の増加である 年の輸入量の中で最も多いのは冷蔵 冷凍魚類で 83,984 トンと全体の 30.% を占めている 次いでフィッシュミール 24% その他のすり身 23% の順となっている 同年の輸入金額では冷蔵 冷凍魚類 6,837 億 9 千万米ドル (26%) その他のすり身 (23%) フィッシュミール (17%) である 7 水産物の輸出と輸入を比較すると 輸出超過である状況には変わりないが 輸出の伸びに比べて輸入の伸びが大きい 2 Marine and Fisheries in Figures 2009, MMAF 3 Export Statistics of Fishery Products Export Statistics of Fishery Products Indonesian Fisheries Book Import Statistics of Fishery Products Indonesian Fisheries Book

31 2.1.3 水産政策 (1) 年国家中期開発計画現在の国家中期開発計画 において 漁業 水産分野に関する 6 つの目標が定められている 沿岸島嶼域の零細漁民と養殖漁民のための生態学的 経済的に持続可能な漁業と養殖プログラムを通じたコミュニティー開発とエンパワーメント 海洋 水産セクターにおける気候変動への適応と緩和 マーケティングと中小企業振興による水産物品質向上と零細漁民の所得向上 海洋と漁業資源の基盤整備開発と施設維持管理の改善 海洋 漁業開発と違法漁業の監視 取締体制の改善 海洋 漁業の発展に資する経験と科学技術の集積の調和促進 (2) 海洋水産分野開発に関する中期計画 Strategic Plan この海洋水産省中期計画 は 政府令 No.25,( 国家開発計画システム )2004 および大統領令 No.5 ( 国家中長期開発計画 )2010 に基づいて 2010 年から 5 ヵ年における海洋水産省の政策目標を次の 4 つに定め 6 つの施策分野を通じてその実現を図ることを計画している 4 つの政策目標を以下に示す Pro Poor : 社会 経済分野において 海洋 水産分野の事業者への支援を通じた貧困対策 Pro Job : 未利用の養殖業ポテンシャルを活用した失業対策 資本と保障の支援を通じた企業化機会の拡大 Pro Growth : 各種の基盤施設の整備 産業化および近代化の支援を通じて 零細な経済単位から近代的な事業体への転換をはかることにより 国家経済の柱としての海洋 水産分野の振興 成長を実現する Pro Sustainability : 海洋 沿岸 島嶼地域環境の回復と保護とともに 地球環境問題に対する緩和と適応をはかる 4 つの政策目標に基づく 6 つの施策分野を以下に示す 1 Minapolitan Development 2 Entrepreneurship( 起業家の精神 ) 3 ネットワーキング 4 技術とイノベーション 5 支援 ( 貧困対策 ) 6 コミュニティ グループ制度の強化当該計画の成果目標値を次表に示す 漁獲量に関しては年率 0.55% の伸びを目標とし 2014 年における漁獲目標は 550 万トンとしている これは 2008 年 (520 万トン ) 比では 5.8% の増大に留まる これに対して養殖生産量については 年率 33.19% の増大にて 2014 年には 1,689 万トンを目標に掲げている 8 Strategic Plan of Ministry of Marine Affairs and Fisheries in

32 9 表 MMAF 中期計画 における主要目標値 Details ECONOMIC FUNCTION The Fisheries GDP Contribution to The National GDP Without oil & gas (%) Goals Average increase (%/yr) Fisheries Production (million tones) Capture Fisheries Aquaculture The Export Value of Fishery Products Billion) (USD Fish Consumption (kg/capita/yr) The Number of Fish Processing Units (Units)* Fishermen/Fish Farmers Terms of Trades (FFT) ENVIRONMENTAL FUNCTIONS Area of Marine Conservation Region And Waters (million ha)** The Number of Small Islands Including the Outermost Small Islands that are Managed (Island)*** Percentage of Waters Areas that are Free of IUU Fishing (%) *) The number of fish processing unit (UPI), which become the target for the relevant year **) Target Area of marine conservation Regions and waters for the relevant year ***) The Number of Small Islands Including the Outermost Small Islands which become the target of management for the relevant year 上記の 6 施策分野のなかにあるミナポリタン (Minapolitan) 開発計画 10 では i) 漁業生産および事業生産性の向上と水産品の品質向上 ii) 漁業者 養殖漁業者 水産加工業者の公正 公平な収入向上 iii) Minapilitan 指定地域を 周辺地域の経済発展の中心となるよう発展させること 同時に水産業の中心的な発展地域となって 住民の経済環境向上の原動力となること を目的とし 水産開発のポテンシャルがある地域を水産分野のビジネスを中心とした地域開発拠点とする 9 Strategic Plan , MMAF 10 Strategic Plan MMAF より抜粋 8

33 ミナポリタンを実現することが謳われている ミナポリタン開発のアプローチは 資源利用の効率性を改善し 生産施設と生産工程 加工と流通 環境の管理の必要性を統合させ 一つのシステムとして確立することとし その具体的な方策として : 水産 基盤施設分野において以下の事項を掲げている i) 外環漁港 (ORFP)25 ヶ所に重点を置いて 水産分野および基盤施設の整備を進める ii) 漁船および漁具資材を 5,100 ユニットに増強 iii) 養殖地域 541 ヶ所の整備 ( 淡水養殖 238 地域 海面養殖は 158 地域 汽水養殖 145 地域 ) iv) 697 億尾に達する稚魚需要への対応 v) 33 の州において コールド チェーン システム 加工センター 水産クラスター /Minapolitan 地域などの整備等 加工 流通関連分野における施設 設備の整備を実施 vi) 中小企業を支援し輸出を促進 投資促進 コミュニティの中での中小事業体形成支援 漁民等のための金融機関の発展 vii) 100 箇所の離島 島嶼部のインフラ開発 加工 流通を担うビジネスを行う組織や会社の能力強化 ミナポリタン計画では イ 国全土の計 86 の水産業を核とする地域開発の拠点都市を整備し 地域振興を図るものである 外環漁港整備は このミナポリタン計画に連動 整合するものと位置づけられている (3) 漁業法 2004 年に 下記の 8つの目標を掲げた新しい漁業法が制定された 水産物の輸出による外貨獲得と国家財政への貢献拡大 雇用の促進 食糧としての水産物の供給と消費拡大 水産資源管理の適正化 水産分野の生産性向上 品質向上 付加価値の増大 競争力の強化 水産加工業の振興 水産資源 養殖のための区域 水産資源環境の最適化 養殖に適した水産資源区域の保護管理 (4) 漁獲漁業に関する海洋水産省令 (No:PER.17/MEN/2006) 2006 年 (Marine Affairs and Fisheries Ministerial Decree, No:PER.17/MEN/2006, Concerning Capture Fisheries) が定められた 主な内容を以下に列記する 従来のライセンス システムおよび外国船局の廃止 11 漁業ライセンス発給を インドネシア国民ならびにインドネシア国の法制下で設立された会社に限定 漁獲漁業に投資しようとする外国人 外国企業は 同時にインドネシアに水産加工事業体を設立す 11 外国漁船の イ 国水域での操業禁止政策に伴い 業務が不要となったもの 9

34 ることを義務付ける 漁業への投資制度の改訂を通じて 漁獲漁業事業の振興をはかる (5) 漁業総局のビジョン海洋および水産資源を適切に活用するため 漁業総局 DGCF では 確固たる 自立した 継続的なインドネシアの漁獲漁業 2020 ビジョンを掲げ 以下の目標を提示している 12 水産資源の継続的な活用管理 漁業者の収入増大と福利向上 量と質両面での向上をはかった漁港施設の提供 国内漁船の強化 効果的で競争力のある漁業ビジネスの振興 (6) 地域漁業機関等 インドネシアが加盟している地域漁業機関等については次表に示すとおりである 表 インドネシアが加盟している地域漁業協力機関等 地域漁業機関等名称 主な活動内容 SEAFDEC (South East Asia SEAFDEC は 東南アジアにおける漁業開発の促進に寄与 Fisheries Development Center) することを目的に設立された国際機関であり 加盟国はイ ンドネシアを含むアセアン 10 ケ国とわが国の計 11 ケ国で ある 食糧安全保障 漁獲証明制度 漁港証明法 小規模 漁業 気候変動 養殖証明 漁業分野の補助金 UNCLOS( 国 連海洋法条約 ) の実施 地球規模の経済変化など東南アジア における国際的な水産分野の課題と取り組んでいる ATSEF (Arafura and Timor Seas Experts Forum) アラフラ海 チモール海沿海諸国の地域間協力により 科学研究を推進し 同海域の海洋資源の持続的開発を目指 す専門家フォーラムである メンバー国は豪州 PNG 東 チモール及びインドネシアである NACA (Network on Aquaculture Center in Asia and Pacific) アジア 大洋州地域における養殖業に関するネットワーク機関であり 選抜育種の普及 ホルモン 抗生物質 重 金属などとの関連で食品としての安全性に関する研修 公 正で有益な貿易 メンバー国間の人材交流などの活動を行 っている インドネシアでは海洋水産省養殖総局が中心的 役割を担っている 12 Indonesian Fishing Ports 2009, DGCF, MMAF, JICA, pp-iv 10

35 IOTC ( Indian Ocean Tuna IOTC はインド洋におけるマグロ類の資源保護及び最適 Commission) 利用の確保を目的とする地域漁業機関で 加盟国は 27 ケ国 及び 1 機関 (EU) である インドネシアは 2007 年 6 月に加 盟している 2009 年バリで開催された第 13 回会合では EU と歩調を合わせ メバチマグロ キハダマグロ サワラの 多漁獲を禁止する規則の実施を延期することに同意してい る CCSBT ( Commission for The Conservation of Southern Bluefin Tuna) CCSBT はミナミマグロ資源の保存管理及び最適利用を確保することを目的とする地域漁業機関であり 加盟国は日本 豪州 ニュージーランド 韓国 インドネシアの 5 ケ 国である インドネシアは 2008 年 4 月に加盟している ( 出典 :Indonesian Fisheries Book 2010 他 ) 水産セクターへの民間投資 年に期間において 水産分野の 6 プロジェクトに対して国内資本からの投資 (PMDN: Penanaman Modal Dalam Negeri/Domestic Investment) 82 億 IDR および 22 のプロジェクトに対して外国資本による投資 (PMA:Penanaman Modal Asing /Foreign Direct Investment)7,100 万 USD(6,360 億 IDR) が投資された 13 最も投資額が多くなったのは 自国予算 PMDN では 2005 年 国際資本 PMA では 2006 年であった これら水産分野への投資額は イ国全体と比較すると非常に少ない (1% 以下 ) 状況にある 表 水産分野における民間等の投資状況 Type 水産セクター 国内資本 (billion IDR) 海外資本 (million USD) 件数投資額件数投資額件数投資額件数投資額件数投資額 国全体国内資本 (billion IDR) 海外資本 (million USD) 水産分野への投資額の比率国内資本 (%) 海外資本 (%) 出典 : Investment Coordinating Board (BKPM), 2008 件数 : Number of Fixed business licenses issued 13 水産分野全体についてであり 内水面漁業への投資も含まれる 11

36 投資額 : The realization of investment (PMDN in billion Rupiah, PMA in million US$) イ 国東部における水産分野の民間事業活動では マカッサル ビトゥン アンボン およびテュアルに規模の大きな水産加工産業が展開している マカッサルでは冷凍 缶詰など ビトゥンでは缶詰 鰹節 冷凍など テュアルでは冷凍 缶詰などが生産されている これ以外の地域では 水産加工業は全般的に小規模または零細である しかし一部では 域内 国内消費向けにとどまらず 台湾 オーストラリアへの輸出 活魚輸出なども行われている 2.2 海面漁業の現状 海面漁業の生産の現状 (1) 生産インドネシアの年間水産物生産量 905 万トン (2008 年 ) のうち 海面漁業によるものが約 470 万トンと全体の 52% を占める 但し海面漁業が水産物生産量に占める割合は 1990 年の 75% から漸減傾向にあり 代って海面養殖及び内水面養殖の伸びが著しい 14 生産金額に占める海面漁業の割合は約 60% を占めている (2007 年 ) 魚種別に見ると 2008 年の 422 万トンのうち 単一魚種として最も多いのがムロアジの約 33 万トンである ムロアジは 2003 年も約 30 万トンとこの 6 年間常に最も漁獲量が多い魚種である 次いでカツオの約 30 万トン クンブン ( 和名なし : アジの類 ) 約 25 万トン アンチョビー約 20 万トンの順となっている 輸出産品として大きなキハダマグロは 2008 年には約 10 万トンと 2003 年から比較すると 5 万トンも少ない 15 エビ類は多少のばらつきはあるものの年間で 20 万トン台半ばを維持している 大型浮魚類は 全体として 2003 年と 2008 年の比で 1.4 倍程度に増えている 表 主要魚種別の海面漁業生産量 ( ) ( 単位 : トン ) Major species Tunas 151, , , , , ,173 Skipjack-tunas 208, , , , , ,769 Eastern little tuna 267, , , , , ,905 Other fish 3,157,465 3,112,018 3,246,770 3,293,729 3,340,120 3,308,788 Shrimp 240, , , , , ,922 Seaweed 64,610 8,677 9,670 4,996 4,643 2,917 Others 292, , , , , ,459 合計 4,383,103 4,320,241 4,408,499 4,512,191 4,734,280 4,701,933 ( 出典 :DG of Capture Fisheries & DG of Aquaculture, MMAF, 2009) 14 Indonesian Fisheries Book Capture Fisheries Statistics of Indonesia

37 漁具別の漁獲量を見ると 最も漁獲量が多いのは旋網で約 80 万トンを漁獲している 流刺網約 53 万トン Fish Net 42 万トンと続く これらの漁具は過去 10 年間の経年変化を見ても多い 反対に顕著に減少しているのはエビトロールである 2007 年の主要漁港別漁獲量ではアンボン 46,492 トン ビトゥン 13,123 トン クンダリ 21,865 トン テュアル 145,666 トンとなっている 16 水産物の生産量は鮮魚が最も多く 約 303 万トン 次いで冷凍水産物約 46 万トン 塩干加工品約 45 万トン 煮魚加工品約 14 万トン 燻製品約 6.5 万トンなどとなっている 17 これらの水産物の生産量は統計に記載がある 1999 年からほぼ毎年増加傾向にある (2) 従事者及び民間企業の動向 2008 年現在 海面漁業従事者数はインドネシア全国で約 224 万人であり 49.6% の海面漁業従事者が専業漁業者である 海面漁業従事者数は 2003 年と 2008 年を比較すると 32% 減少している 2003 年から 2008 年までの 6 年間を見ると 専業漁業者が減少しており 兼業漁業者は漁業を主とする者は 2006 年までは減少しているが 2007 年に増加している 漁業を従とする者は 2005 年までは減少したが 2006 年から増加に転じている 表 海面漁業者数 ( ) 海面漁業者 専業者 1,729,671 1,182,604 1,145,653 1,293,530 1,095,399 1,111,069 兼業者 ( 漁業が主 ) 1,112, , , , , ,096 兼業者 ( 漁業は副 ) 469, , , , , ,902 合計 3,311,821 2,346,782 2,057,986 2,203,412 2,231,967 2,240,067 海面漁業に関連する民間企業としては様々の事業体が考えられるが 統計上数字があるものとしては 水産加工従事者 ( 経営体 ) と KUB 18 がある 水産加工経営体数を下表に示す 16 Indonesian Fisheries Statistics Index Capture Fisheries Statistics of Indonesia Kelompok Usaha Bersama の略で 海洋水産省が支援する漁業者等の任意組織 小規模ビジネスの実施主体と定義されて いる 13

38 表 水産加工経営体数及び従事者数 経営体数 従事者数 経営体数 従事者数 スマトラ島 8,342 53,429 バリ ヌサテンガラ 3,076 19,966 N. Aceh Darussalam 1,183 4,559 Bali 439 9,023 North Sumatera 1,164 11,111 West Nusa Tenggara 2,173 8,811 West Sumatera 903 4,751 East Nusa Tenggara 464 2,132 Riau 932 3,148 カリマンタン島 5,548 21,132 Jambi 228 1,169 West Kalimantan 1,980 5,684 South Sumatera 1,954 9,315 Central Kalimantan 1,401 4,276 Bengkulu 423 1,147 South Kalimantan 1,485 3,639 Lampung ,209 East Kalimantan 682 7,533 Bangka Belitung District スラウェシ島 11,970 70,225 Riau District 307 2,082 North Sulawesi 802 9,994 ジャワ島 27, ,839 Central Sulawesi 5,319 32,342 DKI Jakarta 471 2,288 South Sulawesi 1,703 11,065 West Jawa 6,198 52,161 Southeast Sulawesi 3,189 14,677 Central Jawa 3,576 26,594 Gorontalo D.I. Yogyakarta 401 1,663 West Sulawesi 681 1,209 East Jawa 16,288 93,221 マルク パプア 4,543 19,389 Banten 978 3,912 Maluku 3,642 12,474 North Maluku West Papua 405 4,538 Papua 231 1,414 合計 61, ,980 ( 出典 :Marine and Fisheries in Figures 2009) 水産加工経営体はジャワ島及びスラウェシ島に多く 州別では特に東ジャワ州に集中している 2009 年の州別水産加工経営体数は 東ジャワ州が最も多く 16,288 西ジャワ州 6,198 中央スラウェシ州 5,319 マルク州 3,642 の順となっている 19 KUB は 2009 年時点でインドネシア全国に計 3,959 存在し スマトラ島に 1,461 と 37% が集まっている インドネシア経済水域外で操業する外国漁船が漁獲した水産物が内陸部の加工場の加工原料として利用される 加工場はインドネシア企業 外国企業との合弁企業 外国企業のパターンがある 海洋水産省の方針として インドネシア漁船に漁獲させ 外国企業との協力で原料を加工場に供給することを奨励している Marine and Fisheries in Figures 海洋水産省水産加工流通総局での聞き取りによる 14

39 (3) 加工水産加工品としてはインドネシアの水産統計上の分類として 塩干品 煮魚 発酵食品 ( ベラチャン ペダ 魚ソース ) 燻製品 冷凍品 缶詰 すり身がある 2008 年の生産量のうち 最も多いのは冷凍品で約 46 万トン 次いで塩干品約 45 万トンであり この 2 品目で水産加工品生産量の約 75% を占める 21 (4) 支援制度水産加工業者のために海洋水産省では水産加工業者の認定証明書を発行している 年間発行数は次表のとおりである また 海洋水産省ではすべての輸出企業に HACCP や GMP(Good Manufacturing Practice) の認証取得を義務付けている この認証に要する検査費用 指導料 証明書発行手数料などはすべて無料で海洋水産省が負担している 予算額は年間約 25 億 IDR HACCP は段階的に A B C と 3 年間で A を取得できるよう毎年チェックを行っている 22 表 水産加工業認定証明書発行数 ,624 43,732 44,572 48,202 39,432 ( 出典 :Marine and Fisheries in Figures 2009) KUB を対象に海洋水産省では KKMB( ミトラ銀行融資サービス :Konsultan Keuangan Mitra Bank) と呼ばれる小口融資資金を用意している 2009 年の融資実績は計 917 件 38 億 5,450 万 IDR である 23 KKMB 以外に海洋水産省沿岸離島振興総局が KUB に対して KUR(Kredit Usaha Rayat) や KKPE(Kredit Ketahanan Pangan dan Energi: 年利 6% と KUR より低い ) を実施している これらの小口金融は KUB だけではなく 協同組合中小企業振興省が管轄している KUD ( 共同組合 Koperasi Unit Desa) も対象としている 海産魚の流通 消費の動向水産物がインドネシア国内市場に流通する量に関する統計データはない しかしながら 海洋水産省水産加工市場総局国内市場開発局によると 国家統計局が毎年実施している州別の消費者調査において 40 万人のサンプル調査を実施し その結果をとりまとめたデータから州別魚種別の消費傾向が分かる 同局によると水産物全体の 85% は国内で消費されており 15% が輸出されている (2008 年 ) 21 Capture Fishery Statistics of Indonesia 海洋水産省水産加工流通総局での聞き取りによる 23 Marine and Fisheries in Figures

40 図 水産物の州別一人当り消費量 ( 出典 : 海洋水産省水産加工流通総局 ) 2008 年の年間一人当りの水産物消費量は全国平均 28kg である 24 上図のとおり州別に見ると年間一人当りの水産物の消費量には差異が見られる 西ジャワ州を除くジャワ島全域 スマトラ島南部 ( ブンクル州 ランポン州 ) 西ヌサテンガラ州 東ヌサテンガラ州では全国平均より低く 西カリマンタン州を除くカリマンタン各州 スラウェシ島全域 マルク州 北マルク州 パプア州 アチェ特別州 北スマトラ州は平均を上回る 大都市であるジャカルタ首都圏では 17.56kg と低い数値である エビなど魚以外の水産物を除いた魚類だけの消費傾向を見ると 鮮魚の年間一人当り消費量はマルク州で 46.44kg 北マルク州で 40.66kg 加工品の同消費量はマルク州 1.46kg 北マルク州 3.11kg である マルク州 北マルク州は鮮魚嗜好が強いのは明らかである 加工品に関しては 東ヌサテンガラ州 2.64kg 東カリマンタン州 2.91kg 北スラウェシ州 2.94kg と北マルク州よりも消費量が少ない州がある この事実から北マルク州は鮮魚嗜好ではあるが 加工品も他州に比べて消費していることがわかる 加工品の消費量が大きいのは南スラウェシ州の 4.89kg 西ヌサテンガラ州の 4.81kg である 水産資源の動向 海面漁業生産においては自然条件の変化等多様な要素が資源動向に影響を与えることから イ 国政府 は 11 の漁業管理水域 (FMA: Fisheries Management Area) に分けて水域別の漁業生産量をモニタリングして 24 Marine and Fisheries in Figures

41 いる 生物学的に得られた MSY(Maximum Sustainable Yield: 最大持続生産量 ) は年間 640 万トンと定められており その 80% の 512 万トンを イ 国全水域における TAC(Total Allowable Catch: 漁獲可能量 ) としている 25 なお 現在の 11FMA は 2006 年に 9 水域から 10 水域に変更となり 2009 年に再編されたものである MSY との関係では WPP-RI571( マラッカ海峡 アンダマン海 ) 及び WPP-RI714( トロ湾 バンダ海 ) は MSY を超えた漁獲が行われており 資源が維持不可能な程度までに過剰漁獲となっている TAC の範囲を超えた漁獲が行われているのは上記 2 漁業管理区以外に WPP-RI ( インド洋西スマトラ +インド洋南ジャワ 南部ヌサテンガラ 西チモール ) WPP-RI712( ジャワ海 ) である 図 インドネシア漁業管理区 ( 出典 :2010 年漁業管理区に関する省令 No. Per.01/MEN/2009) 表 各漁業管理区の海面漁業生産量 ( 年 ) ( 出典 : 海洋水産省漁業総局 ) 年に資源量推定法が変わり 現在では 4 魚種にのみ絞って試算されている このため 2008 年の MSY は極度に落ち込んでいる また 2006 年の数値もかなり高い水準になっており 海洋水産省としては 2001 年の 640 万トンを現在も MSY として考えている 17

42 表 に 9FMA 及び管理水域再編後の 11FMA の MSY 値の推移の概要を示す 表中 KEPMENTAN は KEPUTUSAN MENTERI PERTANIAN( 海洋水産大臣令 ) PRPT: FKPPS(Forum) は KOMNASJISKAN(National Committee for fish stock assessment; 漁業資源評価委員会 ) の事務局を示す 表 イ 国の海面漁獲漁業 MSY の推移 Unit:1,000 トン MSY (TAC=80%MSY) 9&11 FMA (Code No.) KEPMENTAN 2006KEPMENTAN PRPT:FKPPS2008 MSY MSY MSY MSY MSY 1-9 Total , , , ,016.0 (2008 年漁業生産量比較 ) >4, >4,701.9 >4,701.9 >4,701.9 <4, (WPP571) Malacca Strait & Andaman Sea 2 (WPP711) Kalimata Strait, Natua Sea & S.China , , , , (WPP712) Java Sea , (WPP713) Makassar Sea, Bone, Flores & Bali 5 (WPP714) Tolo Bay & Banda Sea 6 (WPP715) Tomini, Maluku, Halmahera, etc (WPP716&717) , (WPP716) Pacific & Cendrawashi Bay (WPP717) (WPP718) , (WPP572&573) Indian Ocean 9-1 (WPP572) Indian Ocean of W.Sumatera & Sunda , , (WPP573) Indian Ocean of S.Java, S.NT, Sawu & W.Timor ( 出典 :DG of Capture Fisheries, MMAF, 2009 他 ) 18

43 2.2.4 資源管理方策の実施状況 イ 国では 2000 年以降の地方分権化の促進に伴って 新たな資源管理制度が導入されている 資源と漁業の管理を管轄する権利を中央 州と県 ( 又は市 ) の 3 つのレベルに分けている 沿岸域 4 浬は県 ( 又は市 ) が管轄権を持ち 4 浬以遠 12 浬までは州が管理する 12 浬以遠の沖合経済水域及び公海等の国際水域等での操業は中央政府の管轄である 地方分権化により沿岸零細小規模漁業者にとっては沿岸地先の漁業資源について 参加型や共同型の資源管理システムが身近になってきており その持続的利用に向けた取り組みがなされている場所も出てきている 北スラウェシ州リクパン付近では底魚類の産卵場所 稚魚の生育場となっているサンゴ礁域での漁獲を地元の漁業者と管轄県行政当局が協力して禁止しているなどの例がある 海洋水産省資源管理監督総局では インドネシアの外環地域における漁業活動は 沿岸域 4 浬 12 浬以内の海域を除いては活発ではないと見ている これは 漁業技術の普及の不足 漁港等インフラの整備不足 漁船及び漁具 漁法の近代化 安全対策の遅れなどの理由によっており 結果として外国の漁船による違法操業が絶えない現状にある 漁業管理の一環として 100GT より大きな外国漁船とインドネシア漁船に VMS 搭載の義務があり 60GT-100GT の漁船は政府によってトランスミッターを 60GT 未満漁船はオフライン VMS を供与される 26 海洋水産省によると 年に計 3,500 隻に VMS を搭載済みである ( 全体の 80%) 漁業許可については 中央政府が 30GT 以上の漁船に対して 州が 10-30GT 漁船に対して 県 市が 10GT 未満漁船に対してそれぞれ権限を持っている 27 その他違法漁船の取締 拿捕に関しては 海軍 水上警察 海洋水産省資源管理監督総局の 3 者が権限を持ち 水上警察が イ 国水域内のみの管轄であるのに対し 資源管理監督総局は イ 国水域内と EEZ 内を管轄し 3 者が連携して任務にあたっている 漁業監視船は原則各地の漁港に配備しているが 十分配備しきれていない 漁業監督官は全国に 500 名おり 半数が州 県の職員である MSY( 最大持続生産量 :Maximum Sustainable Yield) は 5 年に一度 LIPI( インドネシア科学院 :The Indonesian Institute of Sciences) 海洋水産省海洋水産研究局 大学 NGO 等から成る作業チームによって生物学的に評価され その 80% を TAC( 許容漁獲量 :Total Allowable Catch) としている 各漁業管理区における漁獲量との対比を行った結果を表 に示す 2008 年度の各漁業管理区の漁獲量が公表されていないため 2007 年度の漁獲量をもって比較している 表 各漁業管理区の MSY TAC 漁業管理区 MSY TAC 漁獲量 (2007) 対 MSY 対 TAC WPP-RI 571( 西部 ) 276, , , , ,604 WPP-RI 572( 西部 ) 497,216 1,076, ,520 WPP-RI573( 西 / 東 ) 437, ,686-73, Indonesian Fisheries Book MMAF 官房総局統計情報センター 19

44 WPP-RI711( 西部 ) 1,057, , , , ,075 WPP-RI712( 西部 ) 796, , ,227 18, ,947 WPP-RI713( 東部 ) 929, , , , ,498 WPP-RI714( 東部 ) 278, , , , ,745 WPP-RI715( 東部 ) 590, , , ,030 75,910 WPP-RI716( 東部 ) 175, , ,240 WPP-RI717( 東部 ) 117, , ,730 WPP-RI718( 東部 ) 771, , , , ,937 計 6,409,300 5,127,440 4,734,280 1,675, ,160 ( 出典 : 漁業資源評価委員会 (PRPT FKPPS2008)) この表から 東西に漁業管理区を分けて MSY と漁獲量を比較すると 西部の漁獲量は MSY の 80% を超 えており 東部は MSY の 67.4% と 80% にはまだ 12.6% の余裕があるとの結果が導かれる ここでは 東 部をバリ島及び東カリマンタン島より東を指すと定義し 東西にわたる漁業管理区 WPP573 は暫定的に等 分とした 表 東西漁業管理区の MSY TAC と漁獲量の比較 ( 単位 : トン ) 全体 西部 東部 MSY TAC 漁獲量 MSY TAC 漁獲量 MSY TAC 漁獲量 6,409 (100%) 5,127 (80%) 4,734 (73.8%) [92.3%] 2,937 (45.8%) 2,349 (36.6%) 2,391 (37.3%) [101.8%] 3,472 (54.2%) 2,777 (43.3%) 2,343 (36.5%) [84.4%] 注 : 漁獲量の [**%] 内数値は それぞれの TAC に対する割合を示す ( 出典 : 漁業資源評価委員会 (PRPT FKPPS2008) に拠って調査団作成 ) 上述の通り イ 国の東西を比較した場合 東部は西部に比べて水産資源の利用度は高くない TAC と漁獲量の差は約 40 万トンであり東部に集中していることから 東部における水産資源の利用度は高くないと評価されている TAC( 総漁獲可能量 ) は MSY の科学的根拠が明確であり 魚種ごとの漁獲統計によって資源動向が十分に把握されているという条件下での漁獲可能な量である また 水産資源は自律的な更新資源であるが 海象気象等自然条件や環境の影響で変化することから 総合的な資源評価が必要であり 単純に TAC の比で資源の利用度を論じることはできない 20

45 2.3 海面漁業の課題とインドネシア政府の対応策 (1) 生産面距岸 12 浬以内を除いては漁民の漁業技術等の遅れなどのため それぞれの地域の漁民による漁業活動は 12 浬以内に集中している傾向がある 外国漁船等による IUU 漁業が 12 浬以遠において横行しており その監視体制強化を図り 資源を有効に活用することが課題となっている IUU 問題に関し 海洋水産省ではその対策として VMS を使った IUU( 違法漁業 :Illegal, Unreported, Unregulated Fishing) 漁船の取締り強化対策を実践している 海洋水産省内に漁船監視のためのモニター室を設置し モニター室にリアルタイムで入ってくる情報と監視船が配備されている各拠点との連携により IUU 対策を確実なものとするための整備が進められている そのほか 漁船 1,000 隻建造計画 が検討されている 2010 年からの 5 年間で総額 1 億 5 千万 IDR を投入する計画で 未利用資源の持続的利用のために漁港の整備とともに重要な計画であると位置づけられている 漁船数の増大はその概念に沿い 未利用資源を活用するためにこれまでに漁業者が十分利用できていない水域と 距岸 12 浬以遠での資源の有効利用を図ることを目的としている 操業水域の変化に伴う漁業者の海上における安全を確保していくために 漁船の耐航性 安全性の向上等近代化が求められている (2) 流通 消費面水産物流通 加工のためのインフラ施設を整備すること 中小企業を支援し輸出を促進すること 投資促進 コミュニティの中での中小事業体形成支援 漁民等のための金融機関の発展 100 箇所の離島 島嶼部のインフラ開発 加工 流通を担うビジネスを行う組織や会社の能力強化などが国家開発中期計画にあるミナポリタン計画に盛り込まれ 関連事業が進められている 輸出企業に対する支援としては HACCP GMP などの国際品質管理基準認証を企業が取得することを義務付け そのための費用を国家予算で拠出している (3) 資源管理資源管理のベースとなる漁獲データ収集の方法が県により統一されておらず 収集データの精度を高めることが求められている 現在 漁獲データは毎月各県から海洋水産省に対してインターネットを介して送付されるシステムが使用されている 各県には 3 名の水産統計職員 ( 養殖 漁業 水産加工担当 ) がおり 原則協同組合中小企業省管轄の KUD( 村落共同組合 :Koperasi Unit Desa) の毎日の取扱い数量からデータを収集することになっているが KUD が存在しない所では県職員が直接魚市場や水揚浜でサンプリング調査を行い かつサンプリングの頻度や方法もまちまちであるため 情報の信頼性については疑問が残る 海洋水産省では年 2 回資源管理の専門家に依頼して州及び県のデータをチェックしている 周辺水域における漁業資源の適切な管理と持続的利用は 国連海洋法 (1982UNCLOS) の大きなねらいであり 義務と権利を伴うものである どの国の資源管理政策も 水産業界にとって経済的に現実的なものであり かつ国内外において社会的 政治的に受け入れられるものでなければならない したがって 科学的データを根拠とする資源管理の強化推進がますます重要となっている 21

46 2.4 他ドナーの支援漁港施設等のインフラ整備分野に関する他ドナーの支援は 2000 年に完成した ADB によるケンダリ漁港建設計画がある その他 二国間援助での水産分野への支援国は 中国 インド イラン 日本 ケニア 韓国 ノルウェー PNG フィリピン スウェーデン 米国と多様である 主な分野は 養殖関係 水産加工関係 資源管理関係 水域環境保全などが挙げられる 22

47 第 3 章漁港整備の現状と課題 3.1 行政の現状 (1) 漁港整備部局 1) 海洋水産省現在の海洋水産省 MMAF は 1999 年に農業省から独立して発足した組織である 現在の海洋水産省の任務 機能 組織構成 内閣における位置づけについては 2000 年の大統領令 No.165 に規定され さらに 2005 年の大統領令 No.9 にて海洋水産省の主たる任務が規定されている これらにより 海洋水産省の責務は次のように定義されている 1 海洋 水産分野に関する政策の構築 政策 技術政策の遂行 海洋 水産分野における管理 規制 海洋水産省管轄の国有資産 施設等の運営 海洋水産省の実施する施策 事業の監理 海洋水産省の活動に関する評価 提案 考察の大統領への報告 職務階層別の海洋水産省の人員数を次表に示す 2005 年以降 職員数は毎年増員され 2005 年 から 2009 年にかけて 2,096 人の増員となっている このほかに 地方管理 ( 州 県 市町村 ) の 漁港に管理職員が従事している 表 海洋水産省職員数 年 職位タイプ 合計 7,565 8,152 9, ,661 Echelon I Echelon II EchelonIII EchelonIV Echelon V CERTAIN FUNCTIONAL GENERAL FUNCTIONAL , ,646 5, ,486 6, ,473 6, ,787 6,621 2) 漁業総局 海洋水産省の水産分野を担当する漁業総局 (DGCF : Directorate General of Capture Fisheries) に関 1 海洋水産省 Web サイト ( 月 ): 23

48 しては KEP.07/MEN/2005(on Organization and Working Management of Ministry of Marine Affairs and Fisheries) により その主たる責務は 漁業 水産業における政策および規格を策定し遂行することとして 以下のように定められている 2 漁業に関する海洋産業省の政策の作成 規定に従って漁業に関する政策を遂行 漁業における規格 基準 規定 手順等の作成 漁業における技術的な支援と評価 漁業総局における管理業務の遂行漁業総局では 漁港の運営に関して漁港管理者が行う下記の事業を所掌するとしている 3 漁港の活性化 外環漁港整備 漁港 / 漁獲物の荷揚げ場所の整備 特に東部地域に注力 海洋および漁業情報に関し 漁港における情報収集センター 収集システムの整備 漁港および陸揚げセンターにおける人材育成 (2) 漁港の分類 イ 国の漁港は Ministry Decree No.PER16/MEN/2006, No.KEP.10/MEN/2004 に従って次表に示す 4 タイプに分けられ それぞれ利用漁船の規模 水揚量 漁港施設規模 管理主体が定められている 表 イ 国の漁港タイプ 4 漁港タイプ漁港数と管轄漁港の規格水揚げ等 A: 遠洋漁業にも対応可能な大型漁港 (PPS: Pelabuhan Perikanan Samudera/Oceanic Fishing Port) B: 国営の主要漁港 (PPN: Pelabuhan Perikanan Nusantara /Archipelago Fishing Port) C: 沿岸漁業に対応した主要漁港 (PPP: Pelabuhan Perikanan Pantai /Coastal Fishing Port) 6 港国 ( 海洋水産省 ) 管理 13 港国 ( 海洋水産省 ) 管理 60GT 以上の船が1 日当たり 100 隻以上入港できる漁港 水深 -3m 以深 300m 以上の接岸施設など 30GT の漁船が 1 日当たり 75 隻入港可能 水深 -3m 以深 150m 以上の接岸施設など 2 港が国管理 10GT の漁船が 1 日当たり 30 隻入港できる漁 44 港が地方政府管理 港 水深 -2m 以深 100m 以上の接岸施設など イ 国領海 EEZ および外洋で操業する漁船が対象 年間 18,000 トンから 120,000 トンの水揚げがある インドネシア領海内と EEZ で操業している漁船を対象 年間 7,200~18,000 トンの水揚げがある 内海 多島海で操業している漁船が対象 内海 多島海 インドネシア領海内で操業している漁船が対象 年間 3,000~ 2 Indonesian Fishing Ports 2009, DGCF, MMAF, JICA, pp-iii~iv 3 Indonesian Fishing Ports 2009, DGCF, MMAF, JICA, pp-iii~iv 4 Indonesian Fishing Ports 2009, DGCF,MMAF,JICA 24

49 7,200 トンの水揚げがある D: 地方の水揚げ拠点 (PPI: Pangkalan Pendaratan Ikan /Fishing Landing Place) 895 ヶ所地方政府 地方自治体 ( 出典 :DG of Capture Fisheries, MMAF, 2009 他 ) 3GT の漁船が 1 日当たり 20 隻入港できる漁港 水深 -2m 以深 50m 以上の接岸施設など 内海およびインドネシア領海内で操業している漁船が対象 (3) 漁港整備と予算の動向 2004 年時点までで APBN 予算にて 5 つの PPS(Ocean Fishing Port) 11 の PPN(Archipelago Fishing Port) 16 の PPP(Coastal Fishing Port) および 168 の PPI(Fish Landing Place) の整備を実施してきた また 400 の PPI には APBD 予算より事業費が支出されてきた また ジャワ島北側海岸地域においては 7 つの PPP 38 の PPI が APBN 予算にて 約 160 の PPI は APBD にて整備が進められてきた その後 2010 年時点で イ 国の漁港は 968 港に達し このうち 6 漁港が PPS 13 漁港が PPN 45 漁港が PPP 902 の PPIおよび 2 つの私有漁港となっている うち PPI の整備には APBD Murni TP より事業費が支出され PPP には APBD Provinsi および TP PPN および PPS には APBN,APBD Provinsi TP DAK などから事業費が支出されている これら漁港施設整備に用いられる財源は以下のようになっている APBN : 政府予算による事業費 APBD Murni : 地方予算による事業費 APBD Provinsi: 州予算による事業費 TP :Task Assistance Fund Deco :Deconcentration fund DAK : 財務省予算から支出される事業費 (Special Allocation Fund) Grant : フローレス諸島 ( アマガラパティ ) の事業において実施された このほかに 国際支援 (JICA ADB IDB など ) による整備が実施された実績がある 以下の表に 年における海洋水産省事業費 5 を示す 5 Kelautan dan Perikanan dalamangka 2009, (Marine and Fisheries in Figures 2009), Kementerian Kelautan dan Perikanan, (Ministry of Marine Affairs and Fisheries), pp-8. 25

50 表 海洋水産省への予算配分 Budget Allocation of MMAF 単位 :10 億 IDR 種別 年 年増加率 (%) 海洋水産省予算 2, , , , , Rupiah Murni 1, , , , , ( 自国予算 ) -PHLN ( 国際援助 ; 補助 借款 ) Rupiah Murni Pendamping -PNBP( 税外収入 ) DAK 合計 DAK 海洋水産省 , , , DAK 県 市支給 総計 3, , , , , 表より 海洋水産省予算は 2006 年に前年比 37% の大幅な増額があり 以降 2009 年度までは 3 兆 IDR( 約 300 億円 ) をこえる事業費が続けて投入されている DAK 予算は 2007 年以降 1 兆 5,000 億 IDR 台の予算が割り当てられており これを含めた総額は 4 兆 5,000 億 IDR( 約 450 億円 ) から 5 兆 IDR( 約 500 億円 ) 弱の予算が配分されている このうち 漁港整備に充てられた事業費額の情報に関しては MMAF に依頼したが入手できなかった (4) 漁港の維持 管理に関する活動状況 1) 漁港管理組織各地の漁港管理事務所の基本的な組織構成を次図に示す PPI は規模が小さく人員が限られている場合が多いため 少数で管理 運営されている場合が多い ただし比較的規模の大きな PPI では 下記の組織を有している場合もある PPP PPN PPS においては ほぼ下記の組織構成で漁港を管理 運営している 26

51 KEPALA *** 漁港長 ( *** は漁港名 ) KA BAG TATA USAHA: 管理部長 KA BID PENGEMBANGAN : 漁港施設部長 SEKSI SARANA : 施設課 SEKSI PELAYANAN DAN PENGEMBANGAN: サービスおよび建設課 KA BID TATA OPERATIONAL : 業務部長 SEKSI KESYAHBANDARAN : シャバンダール SEKSI PEMASARAN DAN INFORMASI : マーケティングおよび情報課 Kelompok Jabatan fungsional: 機能グループ 図 漁港管理組織 2) 活動状況主要な漁港にはシャバンダール ( 漁港 ) と呼ばれる職位の職員がおり ( 前図 ) 係船岸使用の指示 許可 入出港漁船の記録 陸揚げ 積出しされる漁獲物データの収集管理などを担当している 漁獲物の陸揚げデータの収集には 特定のスタッフ ( 通常 3~6 人程度 ) があたっている このほかの主要な日常業務として 氷 燃料 水の販売 漁港内の清掃 ゴミ処理 漁港区域の保安 管理などが行われている ただし PPI のうち 小規模の漁港では人員が限られ 管理にあたる常勤職員が 1 名のみという場合もある このような漁港では 適切な漁獲データを収集することは容易ではない 漁港における収入は 氷 燃料 水の販売収入 用地使用料などとなっている 海洋水産省への非課税収入の推移は次表の様になっている 表 海洋水産省非課税収入 PNBP の推移 項 目 年度 単位 :10 億 IDR *) 実 績 SDA( 天然資源 ; 土地 水等 ) Non SDA BMKT( 沈船引き上げ ) *) 2009 年は 9 月までの統計 27

52 3) 施設の維持 管理ほとんどの漁港において 施設の状態を健全に保持するための補修 改修を実施する十分な財源をもたず 多くの施設は 整備された後は放置されていることが多い このため 多くの施設で劣化 老朽化が進行している 特に規模の小さな PPI では この傾向が顕著である 典型的な状況として 岸壁や桟橋舗装の劣化 木造桟橋の倒壊 排水施設の劣化による排水不良と衛生環境劣化 オークション ホール施設劣化による放棄 製氷機の老朽化 故障による放置 などが各所に見られる こうした事例が 今回調査を実施した東部地域において 小規模の PPI の多くで確認された 上左 :PPI タンジュン ルアー 6( 舗装劣化し滞水している ) 上右 :PPI サバティク 7 ( 木造桟橋の倒壊 ) 左 :PPI ラジャワリ 8 ( 汚水の滞留 ウジ虫 ) 図 漁港施設の劣化事例 一方 今回調査を実施した PPP PPN PPS クラスの漁港においては 施設は健全な状態に維持され 本来の機能を発揮することが可能となっていた PPS ビトゥンでは 2000 年には舗装が劣悪で問題のあった衛生環境が エプロン舗装 日よけルーフ オークションホールなどの施設整備によって改善され かつ日常的な清掃によって良好な状態で機能している 西ヌサテンガラ州 東ロンボク県 図 参照 2010 年 4 月 21 日撮影 東カリマンタン州 ヌヌカン県 サバティク島 図 参照 2010 年 5 月 13 日撮影 南スラウェシ州 マカッサル市 図 参照 2010 年 54 月 30 日撮影 28

53 3.2 外環漁港整備 外環漁港整備計画マスタープランの概要 (1) 外環漁港整備マスタープラン策定調査の概要 1) 調査の背景 イ 国経済発展の一部としての水産分野の振興においては 漁業者 養殖漁業者の生活向上が重要な目的の一つである イ 国の海洋水産資源は これを十分に支えるだけの豊かさを有している 一方 漁業生産量の増減にかかわらず イ 国における海洋水産資源の利用比率には地域格差が顕著にある この格差は 漁港施設の整備レベルと無関係ではない 全国で 813 港 (2004 年当時 ) ある漁港のうち 多くは小規模な D タイプ漁港 (PPI) が占めると同時に イ 国西部のジャワ スマトラ及び内海部に多く分布し 全体の 7 割以上を占める一方で 東部および外環部には少なく 全体の 2 割強にすぎない 9 この漁港施設の分布は 現在の海洋水産資源状態にも関連する インドネシア領海の外環部にあたる地域 すなわちインド洋 南シナ海 アラフラ海 スラウェシ海などにおいて 水産資源の利用度は 他国からの多くの違法漁獲が存在する事実を考慮しても まだ高くはなく 未利用の資源が多くあると評価されている しかし 漁港が少ないことにより これら外環部の海域に関して 水産資源と漁獲の十分な調査 モニタリングおよび違法操業に対する監視を行うことは困難な状況である 同時に外環地域は 漁港が少ないだけでなく 産業 経済の開発も遅れている状態にある こうした外環地域の開発の遅れは地域社会の衰退にもつながりかねないと認識する この解決のためには 未利用の状態にある外環地域の海洋水産資源を 水産分野だけでなく地域社会 経済 環境分野の力を動員し 適切な資源管理のもとで有効に活用することが必要である この実現のためには 外環地域において 漁業および水産分野の事業活動の基盤となる漁港施設が不可欠である 外環地域の漁港に対しては 漁業の拠点として機能するとともに 水産業における機能連携および背後地域の経済活動を強化し 小規模漁業者および商業漁業双方の発展を助け 漁業生産センター機能を実現する基盤として期待している また他国との国境 境界に面した地域おいては 安全保障と他国からの違法操業の防止という役割の面においても 外環漁港が果たす役割は大きい 2004 年時点で イ 国では 813 の漁港が整備されているところであるが その状態にも問題を抱えている 漁港の多くを占める PPI では 係船岸などの施設の状態および規模 設備の状態および能力に問題を抱えているサイトが多数ある ただし 個々のサイトによって 水産資源 漁業環境 社会 経済 国境 政治などの環境が大きく異なっているものの 詳しい情報は把握されるには至っていない 以上の状況より 以降の漁港整備のために 将来の漁港の配置 立地場所に関する調整と展望 開発方針と開発ステップに関する調査を実施することが必要と判断され 外環漁港整備マスタープラン調査 (Pekerjaan Penyusunan Masterplan Pengembangan Pelabuhan Perikanan di Lingkar Luar 9 Marine and Fisheries Statistics of Indonesia(DKP, 2007) 29

54 Wilayah Indonesia, Developmental Master Plan Composition, Outer Ring Fishing Port of Indonesian Territory (CODE: SU-01), Dec.2004, Final Report ; PT. Perentjana Djaja) が 2004 年に実施された なお この外環漁港整備マスタープラン調査に先行して海洋水産省は 水産分野の管理地域において開発振興の中心となるべき地域を指定する調査 検討を実施している ここで指定された地域は 当該地域だけでなく より広い地域の漁業振興の牽引役となることを想定し 漁業 水産分野の発展をはかるだけでなく 他の多くの政策や施策からのサポートを求めるとしている この地域指定では 中央政府および州政府から 施設 設備の整備を中心として種々の支援策を受けることが保障されるとともに ステークホルダーからの協力も求められている 外環漁港整備マスタープラン調査は この調査結果をもとに進められた 2) 調査の目的この調査の目的は次のとおりである イ 国外環地域における漁港および陸揚げ施設の状況 機能 妥当性について評価する 水産資源状況 漁業の技術 経済環境 社会環境などに関する検討を通じて 外環漁港として整備するべき PPP/PPI および代替地点を定める 整備される外環漁港と既存の PPP/PPI との機能連携の検討一連の検討を通じて この調査では以下の成果を報告するとしている 漁業 ( 特に漁獲漁業 ) 管理に関する地域別の指針 整備する漁港の位置 タイプ 整備するべき施設 設備などに関する提案 外環漁港整備マスタープランと実施のための計画 3) 調査項目 2004 年の外環漁港整備マスタープランで検討された事項を以下に示す 1 外環地域の調査 : 外環地域の漁港 陸揚げ施設の確認 上記施設の機能 適格性に関する調査 分析 水産資源 漁業者の集積度合い 荷揚げに関する陸上アクセス 海上アクセス 漁獲漁業の事業環境と市場環境 および地域と中央の社会 経済状況と政策などを視点に 外環漁港整備サイトを選定 2 当時 9つに整理されていた WPP 海区別に : WPP 海区の漁獲漁業の概況の整理 水産資源の状況の整理 指定された 25 の外環漁港の地勢 地域の経済 漁港の概要 環境 施設 漁船 漁業者 漁獲動向 漁港における課題の整理 3 外環漁港整備の前提条件 目的 水産資源の有効活用 周辺地域との協働 IUU 被害 損害の低減 成長 国際規格 需用への対応 漁港種別 階層 4 マスタープラン 25 の外環漁港 サイトに関して : 30

55 漁業生産ポテンシャル 整備の目的と計画 外環漁港 25 か所夫々の概況 水産資源状況 短期 長期の整備目標 推定漁獲可能量による外環漁港のランク付け (PPI~PPS) 5 外環漁港整備の優先度 自然条件 サイトのポテンシャル 漁業 水産業のポテンシャル 開発の遅延度 治安 争議のファクター評価にて 25 のサイトを順位付け (2) 外環漁港整備マスタープランの概要 1) 基本目的と主要施策外環漁港整備の基本目的と主要施策は 以下のように提起されている 1 国が保有する海洋水産資源の合理的な活用 : 漁業関連施設の整備およびその管理 運営の強化を通じて EEZ および外海の水産資源の活用などを可能にし 外環地域の成長をはかる 2 周辺地域との連携 : 未利用水産資源の活用において 外環漁港がその集積拠点およびデータのチェックポイントとなり 周辺地域のなかで水産分野の成長センターとなる 3 IUU による損害の低減 : 外環漁港が IUU の操業海域に隣接して活動することにより 漁業活動の管理 監視を通じて毎年 40~60 億 USD と言われる IUU による損害を低減する イ 国では漁獲物の海上での違法な転載が横行している この弊害は 資源管理の不徹底 政府に入るべき税収の減少ばかりでなく 魚価の低下および イ 国の水産業発展の障害にもなっている これには 漁船の積載容量の限界 漁獲の市場流通手段と基盤施設の不足に原因がある 陸揚げ施設 流通基盤 水産加工機能などの不足により 多くの外国船が イ 国周辺海域で操業して他国に陸揚げしている 外環漁港は これら外国船が利用できる基盤を提供する 4 新しい成長 : 外環漁港サイトは外国船の操業する海域に隣接しており 外国漁船が入港 利用することにより 国際的な規格 要求にこたえる新しい雇用 ( 高度な能力者 ) の創出と 低廉な移民労働者の排除が期待される 5 国際規格に準じた設備 : 輸出向けの漁獲物に関する品質の国際規格への適合 国際市場からの要求にこたえる適切な施設を持つことが 国際的な競争力を獲得する上で重要な条件となっている 今日 マグロの輸出には GT 級の輸送船が有力 経済的となっている 外環漁港では こうした船舶の利用に耐える施設が必要である 同時に この容量に合わせた トン規模の冷凍庫が必要であり これによって海上の転載を制限することも期待される 高品質の漁獲を取り扱うためには 現状以上の氷の供給 及びそのための浄水の供給も必要である 以上より 外環漁港においては 以下の施設 設備を整備することが必要である 輸出漁港では 集積した漁獲を輸送する 6,000GT 級の母船またはコンテナ船に対応した施設 フィーダー漁港では 輸出漁港に輸送するために必要な規模の施設 ( GT 船対応 ) 31

56 管理事務所 事務所棟 製氷工場 冷凍庫 冷凍包装施設 クレーン フォークリフト 漁業活動をサポートする商業 購買施設 産業用地および支援インフラ ( 電力 水 情報環境 廃棄物処理等 ) アクセス道路 関連道路 その他施設 輸出関連施設 ( 検疫 品質検査等 ) 6 漁港のネットワーク : 外環漁港のなかでは 輸出漁港とフィーダー漁港との機能分担 およびその他の既存漁港と外環漁港との機能分担と連携をはかり これに応じた施設整備を行う 7 漁港の階層 : 外環漁港は 現行の漁港の階層システム (PPS PPN PPP PPI) に従う 2) 外環漁港整備マスタープラン 25 サイトの選定外環漁港整備マスタープランでは 2004 年当時 813 あった漁港の中から 20 の州における合計 25 の漁港およびサイトを開発対象として選定し 重点的に基盤整備を行うことを決定した 外環漁港整備マスタープラン報告書では 抽出された 25 サイトそれぞれの立地条件 自然環境 現有漁港施設 漁船 漁獲量動向の概要が整理されている 3) 外環漁港の整備概要と優先度評価選定された 25 漁港サイトそれぞれについて 自然条件 サイトのポテンシャル 漁業 水産業のポテンシャル 開発の遅延度 治安 争議のファクター評価にて 25 のサイトの優先度の評価が行われている それぞれのファクターについて下記の事項それぞれを 1 点 ~5 点の点数評価し さらに各事項の重みづけを行って集計し その合計点の高いものほど優先度を高位に評価している 評価結果を次表に示す 自然条件 : 海底地形 海流 潮流 波浪 潮汐 操船スペース セジメンテーション サイトポテンシャル : レイアウトおよび発展性 地域市場へのアクセス 空港アクセス / 輸出関連施設 水産加工業地へのアクセス 観光資源ポテンシャル 漁業 水産業ポテンシャル : 水産資源 漁業者数動向 漁船動向 採算性 開発の遅延度 : 平均収入 地方予算補助金 人口密度 治安 争議 : 地区レベル 地域 国内レベル 国際レベルさらに 前記の優先度評価に加えて 外環漁港整備で重要視している次の 2 項を考慮した結果 マスタープランでは 漁獲余裕が大きいマルク州および北マルク州の優先度を高評価し 北マルク 南東マルク 北スラウェシ パプアの北海岸における漁港ネットワークの整備に最も高い優先度を与えると結論付けている 未利用水産資源の有効活用 ( 資源の利用度の低い主な海域 : セラム海 トミニ海峡 アラフラ海 南シナ海 スラウェシ海 太平洋 インド洋 ) 違法漁業 (IUU) による損害の低減 32

57 表 外環漁港整備マスタープランの漁港別概要 No. Name of fishing port Provinces Type 総合点 順位 平均漁獲量 (t) 漁獲の増減 Status 短期 (5 年 ) コメント 1 Sabang NAD PPI , % フィータ ー氷 冷凍庫 200GT 対応 許容量 1500t を越える水揚げあるが 施設増強なし 2 Bitung North Sulawesi PPS ,452 (2010) % 輸出港 製氷 冷凍庫 漁獲量過大評価 他の PPI を含む Kupang 市全体の漁獲が使われている 3 Nunukan East Kalimantan ,000t/year 想定フィータ ー 200GT 対応 艦船 国境警察船施設 新設サイトにかかわらず 利用者の想定 利用状況が未検討 4 Labuhan Haji PPI ,650?( 個別 data 無 増加傾向 ) フィータ ー 200GT 対応 漁獲の輸送に課題 5 Perigi East Java PPN ,000->40,000 フィータ ー 製氷 冷凍庫岸拡張 推計に問題 6 Tual Maluku PPN ,000 許容量 8,000t を越える水揚げあるが 輸出港製氷 冷凍庫 ~82,672;-4.6% 施設増強なし 7 Bungus West Sumatra PPS , % フィータ ー 氷 冷凍庫 水産加工業 PPS にかかわらず 利用度低い 漁業誘致者の誘引が課題 8 Biak West Papua PPI , t in マク ロ カツオ船の寄港が激減し 取扱量激輸出港製氷 冷凍庫 2003 減 9 Pelabuhan Ratu West Java PPN , % 輸出港 ( 陸送 ) 製氷 冷凍庫 施設に余裕 10 Sibloga North 操業漁船 30GT が漁港を利用できない Sumatra PPN ,403 フィータ ー漁港移設 200GT 対応 % 11 Kupang East Nusa Tenggara PPP , % 輸出港 製氷 冷凍庫 施設不足の実情が把握されていない 12 Tarempa Riau Island PPP , % フィータ ー 200GT 用浚渫 設備増強 13 Teluk Awang West Nusa Tenggara PPI , % 33 輸出港 製氷 冷凍庫 法執行で漁獲低迷 漁船需要低い 新設サイトにかかわらず 利用者の想定 利用状況が未検討 漁港施設が計画されていない

58 14 Merauke Papua PPI ,000 安定輸出港 15 Cilacap Central Java PPS , Ternate North Maluku PPN ,754 (2003) % 輸出港 製氷 冷凍庫 200GT 対応 製氷 冷凍庫 許容量 1,500t 施設不足のため 海上で母船に荷揚げ 減少トレンドの原因分析必要 Jakarta へのフィータ ー港なのに輸出港の定義 増加中輸出港製氷 冷凍庫許容量 8,000t に対し 適正規模 17 Sorong West Papua PPP , % 輸出港製氷 冷凍庫余剰漁獲の活用 水産加工業 18 Kwandang Gorontalo PPI , % フィータ ー製氷 冷凍庫 19 DKI Jakarta Jakarta PPS , % 輸出港 3,050?( 個別 data 20 Pulai Baai Bengkulu PPI フィータ ー 100GT 用浚渫 岸壁拡張セシ メンテーション 無 増加傾向 ) West 21 Pemangkat Kalimantan PPN , % フィータ ー 100GT 用浚渫 22 Sadeng 23 Pengam -bengan 24 Belawan 25 Untia DI Yogyakarta PPI t? ( 個別 data 無 増加傾向 ) Bali PPI , % 輸出港ミスタイフ? 輸出港 ( 航空 ) 製氷 冷凍庫 製氷 冷凍庫他 - 拡張不要 North Sumatra PPS , % 輸出港 新規整備不要 South Sulawesi - 26 Pondok Dadap Master Plan に記載されていない 代わりに PPI Perigi が記載されている 表中グレー塗りつぶし欄は 本件調査対象サイトを示す NAD* はアチェ特別州を指す 許容量 1,500t を越える水揚げあるが 施設増強なし ポテンシャルに疑問 許容量 1,500t を越える水揚げあるが 施設増強なし 34

59 3.2.2 外環漁港整備計画ロードマップの概要 2010 年 海洋水産省は外環漁港整備計画ロードマップ (ROAD MAP, OUTER RING FISHING PORTS DEVELOPMENT, Pengembangan Pelabuhan Perikanan di Lingkar Luar Wilayah Indonesia, 2010, DIRECTORATE GENERAL OF CAPTURE FISHERIES) を策定し 現時点における外環漁港整備計画の全体概要と進捗状況および段階的な実施計画を示している なお 2010 年時点では マスタープラン策定時の 813 港から 968 港に漁港の数が増大している (1) 外環漁港整備の実施計画 ロードマップでは 外環漁港整備プロジェクトの展開プロセスについて次の 1~3 のように記 述している 1 マスタープランの策定 (2004) マスタープランにて 外環漁港が有機的なネットワークを形成し 関係者への便益と漁業者の 繁栄をもたらすよう 外環漁港整備の方向性および 必要な方策を示す 2 漁港サイトの選定 (2004) 入手したマスタープランでは サイト選定のプロセスについては記述されていないが ロードマップによると マスタープランで定めた優先度に従って 以下の基準のもとで選定が実施された 外環漁港は 地域の漁業者および地域社会とのあいだに好ましくない摩擦を生起させないこと 背後に関連産業のポテンシャルのあること 外海で操業する漁船や外国漁船に対して 魅力のある利点および優位性を有すること 生物 自然環境 技術 社会 経済の視点で有理であること 海 陸 航空などによる適切なアクセスがあること 上位の全国計画に準拠していること 3 フィージビリティスタディと詳細設計マスタープランに基き 個別の漁港サイトに関して 技術 環境 経済性 資金 社会的項目の検討を通じて フィージビリティスタディを行う さらに詳細設計によって 工学的な設計および実際の建設のためのガイドラインを提供する (2) 外環漁港の整備効果外環漁港整備によって期待される効果について 以下のように記している 新しい雇用の創出 特に外国資本の漁港への進出を期待 インドネシアへのマクロおよびミクロの経済効果 35

60 IUU および外国への荷揚げによる損失の低減 (1~1.5 百万トンと推定される IUU 漁獲により 30~45 億 IDR の経済損失が生じていると推計 ) 外環漁港からの輸出による外貨獲得と経済効果 外環漁港全体で 100 万トンと推定される漁獲により 30 億 USD を期待 漁船サービスの向上 国土 ( 海域 ) の安全保障 漁業者への安全保障 責任ある漁業のための漁業規範 (Code of Conduct for Responsible Fisheries) の推進 地域の発展 海事および水産分野の発展 (3) 外環漁港整備予算マスタープランにもとづいて検討された 外環漁港整備計画の実施に要する費用予測は次表のように マカッサルを除いた 25 サイト合計で 65,000 億 IDR 10 となっている この費用には建設費のほかに 整備計画の検討 ( サイト選定 FS マスタープラン作成) 詳細設計 国際標準の漁港施設建設および機能施設整備 人材育成 プロジェクトのモニタリングと評価などの事項を含んでいる 事業にはこのように非常に多額の費用を要することから イ国政府では 自国予算のほか 国際援助 ( ローン グラント ) を期待している ただしそのプロセスには時間が必要なため 国費である TP Deconcentration Fund DAK および地方政府予算を適用して 事業の推進を図るとしている 表 外環漁港整備費用 No. Name of fishing port Provinces 1 Sabang Labuhan Haji 2 Belawan Sibloga NAD North Sumatra 36 Type of existing PPI PPI port Proposed PPS PPN type Cost Estimation (IDR Billion) 3 Bungus West Sumatra PPS PPS Tarempa Riau Island PPP PPN Pulai Baai Bengkulu PPI PPN Pemangkat West Kalimantan PPN PPN Nunukan East Kalimantan - PPN 国家開発企画庁 (BAPPENAS) による PROJECT AND TECHNICAL ASSISTANCE PROPOSALS , Volume I, Project Assistance Proposals (pp ) では プロジェクト総額 1 億 3,000 万 USD うち国際支援 (Soft Loan)1 億 USD(9,000 億 IDR) 国家予算 3,000 万 (2,700 億 IDR)USD を計上している PPS PPN PPS PPN

61 8 DKI Jakarta Jakarta PPS PPS Pelabuhan Ratu West Java PPN PPN Cilacap Central Java PPS PPS Sadeng DI Yogyakarta PPI PPN Prigi Pondok Dadap East Java PPN PPP PPS PPN Penganbengan Bali PPI PPN Teluk Awang West Nusa Tenggara - PPN Kupang East Nusa Tenggaara PPP PPN Kwandang Gorontalo PPI PPN Bitung North Sulawesi PPS PPS Tual Maluku PPN PPS Ternate North Maluku PPN PPN Merauke Papua PPI PPS 368 Biak West Papua PPI PPN Sorong West Papua PPP PPN Untia(Makassar) South Sulawesi - PPN Total 25 location 6,500 ( 出典 :ROAD MAP, OUTER RING FISHING PORTS DEVELOPMENT, 2010) (4) 整備シナリオ 外環漁港整備は 以下 3 段階の段階的な実施が計画されている フェーズ 1: フェーズ 2: フェーズ 3: インドネシア東部地域および国境地域のサイトを優先する 対象は8サイト (Bitung Merauke Pengambengan Nunukan Ternate Teluk Awang Kupang) に関する開発計画の検討を行い うち 6 箇所について詳細設計 4 箇所について開発に着手する 以上を 5 ヵ年で実施する 予算は 10,800 億 IDR フェーズ I のサイトの事業の継続 西部インドネシアについて 9サイト開発計画検討 10 サイトにおいて詳細設計 9サイトでの開発事業開始 期間は 5 年半で事業費は 10,800 億 IDR 外環漁港事業の最終段階 東部地域と同様の事業を西部地域でも開始する 5 年半の期間で事業費は 3,050 億 IDR 37

62 図 選定された 8 漁港 ( 出典 : イ 国外環漁港整備計画ロードマップ 2010) フェーズ 1 において選定された 8 漁港に関しては 2006 年 BAPPENAS に申請され Blue Book に採用された 2004 年以降の外環漁港開発において実施された施策を次表以下に示す なお 2005 年よりウンティア ( マカッサル ) が外環漁港計画に組み込まれた模様で これ以降は外観漁港は 26 サイトとなっている ウンティア漁港の整備事業は 2005 年に詳細設計が実施され 2006 年より漁港建設工事が開始されている (5) 外環漁港整備の進捗状況フェーズ-I の期間において 26 外環漁港のうちの 12 漁港において建設事業が開始されている このうちジャカルタ漁港は JICA ローンによる ベラワン漁港およびシブロガ漁港では IDB ローンによる Detail Design が実施されている 本件調査対象漁港の中では 新設漁港であるテルク アワン ヌヌカン ウンティア ( マカッサル ) およびビトゥンの計 4 漁港において建設事業が始まっている テルク アワン漁港整備は 2004 年に Detail Design が行われ 2005 年より建設工事が開始された 現在 用地埋立 小型船桟橋の渡り部分 簡易宿泊所 キオスク棟 燃料施設用管理棟 ゲートなどが完成している ヌヌカン漁港整備は 2004 年に Detail Design が行われ 2005 年より建設工事が開始された 2,450 億 IDR の総事業費のうち 2008 年までに約 138 億 IDR が執行されたことになっているが 工事の不手際があり 現在はその再工事中となっている ウンティア ( マカッサル ) 漁港は 2005 年にレビューと Detail Design が実施され 2006 年より建設工事が開始された 総事業費 3,640 億 IDR のうち 2009 年までの間に約 193 億 IDR が執行され 取り付け道路 ( 埋立 ) および渡り桟橋の約 2/3 が出来あがっている ビトゥン漁港整備は 2002 年に-6m 岸壁 ( 桟橋 ) 2004 年にオークション ホール Sun Shade Roof 38

63 エプロン舗装 階段式護岸等 その後新規埋立地 1ha が整備されて現在の施設となっている 引 き続き 2010 年には渡り桟橋と埋立地外周岸壁 2012 年には桟橋を完成させる計画となっている 表 外環漁港整備の経過 39

64 表 外環漁港整備の経過 Preparation and Detailed Proposals; submitted Proposals of Outer Construction Construction though Proposal of Technical Preparation of proposal for the FS for the Designing of to Blue Book of Ring Fishing Port through Task the Task Assistance Assistants to JICA Blue Book, Bappenas new location (a; Teluk Bappenas (15locations) to the Assistance of of District ; a Construction through the for Outer Ring Awang, Nunukan, Blue Book District ; a Construction through Task Assistance; b Fishing Ports Development Outer Ring Merauke) Study & Detail Proposal Construction Deco Funds; c Construction through the Construction through the Task Fishing Port Review of the Master Design ; a through Special Signing : Loan Special Allocation Assistance of Province; b Plan (b; Belawan, Construction Works of Study & Detail Allocation Fund ; b 着色行は調査対 Province Agreement of Funds; c Construction through the Task Bungus, Pemangkat) New Fishing Port ; b Design ; a Construction Technical Assistance Assistance of District; c 象 7サイトを示 Rehab./Improv. of Operational & Master Plan & Detail through Deco Agreement between Implementation of Operational & Rehab./Improv. す Jakarta Fishing Port;d Rehab./Improv. of Design ; b Funds; c IDB ; d Development / IDB; d of Fishing Port Facilities; d Operational & Fishing Port Facilities; Operational & Operational & Institutional Reform and Rehab./Improv. of e Signing Aide Rehab./Improv. of Rehab./Improv. of detail design through IDB; e Fishing Port Facilities; Memoire ; c Fishing Port Fishing Port Facilities; e Facilities; e e Sabang NAD b c; Construction c;construction Labuhan Haji e e c;construction c; Construction Belawan Sibloga North Sumatra b e e e c c d, e d, e d, e d, e d, e d, e Bungus West Sumatra b, e e Review Master Plan e e d Tarempa Riau Island a, c;construction c; Construction Pulau Baai Bengkulu e e a b, c;construction c; Construction b;construction b;construction Pemangkat West Kalimantan b, e e e e d Nunukan East Kalimantan a b;construction Construction a;construction b;construction Jakarta Jakarta Implementation of d;jbic Loan Phase-V, Implementation of D/D Implementation of Rehab Rehab & e & Rehab./JICA & Improv/JICA Improv/JICA Rehab & Improv/JICA Pelabuhanratu West Java e e b e e d Cilacap Central Java Development e e / Improv. e e d Sadeng DI Yogyakarta e Prigi East Java e e e e d Pondokdadap b, c;construction c; Construction b, c;construction b;construction Pengambengan Bali e e d Teluk Awang West Nusa Construction by Deco a b;construction, e Tenggara Funds for NTB c;construction a;construction b;construction c;construction Kupang East Nusa Tenggaara a Bitung North Sulawesi b;construction Review Design Kwandang Gorontalo c;construction c; Construction b;construction b;construction Tual Maluku e e Reclamation etc. e e d Ternate North Maluku e Land Acquisition, e e d Merauke Papua a b;construction Construction by Deco b, c;construction a;construction b;construction c;construction Biak West Papua a Funds Solong West Papua b Untia/Makassar South Sulawesi a Construction ( 出典 : 調査チーム作成 ) 40

65 表 調査対象 7 漁港サイトにおける事業展開 Bitung 2002 : Jetty(-1m 149m) Review of Design /Deco Review Master Plan and Construction Fund Engineering Detail 2004 : Apron pavement, Design of Jetty Auction Hall, Shade, (APBN/DIPA) Water supply, APBN, Lighting etc. through DAC Kupang 1977:4.7ha, Jetty 2000: 70 Billion IDR for Reclamation, Jetty, Auction Hall etc. 2001: Transferred to the Province ~2005: Jetty (substitute for the development of commercial port) Study & Detail Design FAO: Cool Box 20 Construction (APBN) : Apron Pavement for new reclaimed area (4.5billion). Trestle 185m (14billion) : Jetty 150m (27billion) Makassar Study & Detail Design Transferred to Province Development started Strategic Plan Transferred to Kota Transferred to Province Construction 41

66 Nunukan Preparation & FS/Detail Engineering Design; 448mil IDR/APBD Murn Pile Driving(0.5m 12m, n=61); 863mil IDR, APBD Murni Reclamation of 50*60m ; 2,373 mil IDR, APBN Construction works by Nunukan District : Land acquisition 50ha, Access road 1.5km Reclamation : Deco, APBN 2,438mil IDR Fishermen's Housing 55unit/Ccross sectoral fund Pile driving (n=120);1,349mil IDR, APBD Provinsi Pile driving (n=102) 2,600mil IDR/APBD Provinsi Quay wall; 2,230mil IDR/APBN(TP) Construction works : Pile Driving; n=35etc.,1,463mil IDR, APBD Provinsi Construction works : Quay wall; 2,700mil IDR, DAK, Teluk Awang Preparation & FS/Design Construction works by Dcon. Fund Construction works by Dcon. Fund Construction works Construction works by Task Assistance Construction works by Task Assistance of District Ternate :wooden jetty was renewed to RC Jetty :T-shape Jetty 2003: Expansion of the Jetty Rehabilitation & Improvement : New Jetty Rehabilitation & Improvement Land acquisition Rehabilitation & Improvement Rehabilitation & Improvement Rehabilitation & Improvement Tual Rehabilitation & Improvement Rehabilitation & Improvement Review of Master Plan Detail Design, EIA Rehabilitation & Improvement Rehabilitation & Improvement Rehabilitation & Improvement Rehabilitation & Improvement Land Reclamation ( 出典 : 調査チーム作成 ) 42

67 3.3 外環漁港整備計画の特徴と課題 (1) 外環漁港整備計画の特徴 2004 に報告された外環漁港整備マスタープランは 対象漁港サイト 25 箇所について その現在の概要 漁獲量の将来予測 資源量から予測された漁獲量に応じた漁港クラスの定義 輸出漁港およびフィーダー漁港の仕分け 大まかな整備の方向付けなどを示したものとなっている 輸出拠点漁港では 6,000GT 級大型の輸送母船やコンテナ船の利用を想定している それ以外の フィーダー漁港では 輸出漁港に輸送するための GT 級輸送船に対応した施設の整備を想定している 個々の漁港クラスは 漁港が分担する海域の水産資源量から利用可能資源量を漁獲量として割り当て これに該当する漁港クラスを定めている 各漁港の施設規模 拡張内容は 割り当てられた漁港クラスに規定される条件に合うように定められる このため 全般的に現在の需要を上回るランクの漁港階層と施設の整備規模が与えられている 個々の漁港サイトをどのように整備するかについては マスタープランの後に実施される詳細設計 調査に委ねられており 具体的なイメージをマスタープランで見ることはできない この詳細設計 調査は フェーズ-1 で選定された 8 サイトから実施されている (2) 外環漁港整備計画の課題 1) 外環漁港整備マスタープランの目的 1 海洋水産資源の合理的な活用水産資源量の推計が適切であるならば 依然として外環部海域を中心に未利用資源量には余裕があり その有効活用を 拠点となる漁港の整備を通じて 資源管理および漁業の管理強化とともに進めようとする政策は 有効な成果が期待できると考えられる イ 国全体としては 年率で 0.55% の漁獲量拡大 11 をめざしている これに関し 過剰漁獲の抑制による漁獲減少分に対し 未利用資源量の活用および IUU による漁獲の削減効果を期待すると 現実的な目標値であると考えられる 一方 水産資源量の推計精度には課題があり 漁獲情報や CPUE などの資源調査情報の強化が求められる この点では 外環漁港がその情報センターとなることが計画されている この目的が効果的に達成されるためには 漁船が漁港施設を利用することが徹底されなければならない 漁獲の制御と水産資源の管理は 沿岸から 4 海里まで 4 海里から 12 海里まで 12 海里を超える EEZ 海域の 3 段階の操業海域に対して発給される漁業ライセンスによって実施される形態をとっていると考えられる しかし実際に 漁獲量の実態をライセンスにフィードバックして資源管理を展開するまでには至っていない段階にある より正確な漁獲情報の取得と資源状態のモニタリング体制を整えることが課題である この点では 外環漁港整備が 資源管理関連施策と適切 11 RENCANA STRATEGIS P E M B A N G U N A N KELAUTAN DAN PERIKANAN TAHUN ,DKP,

68 に連携されることが課題である 2 IUU による損害の低減新設される外環漁港によって 監視船の外環部海域のパトロール拠点が強化される しかし これと並行して監視船や監視体制の増強が同時に行われないと IUU に対する抑止効果は十分に発揮されない 3 新しい成長外環漁港マスタープランでは 当該漁港は大型の外国漁船の入港 利用に応えることにより 地域の振興を期待している しかし 選定された多くのサイトでは こうした外国漁船の利用実績はなく 外国漁船からの需要実態については十分に検討されていない 整備の初期段階では 周辺の地元漁船が主たる裨益者になると予想される 詳細計画では 現実的な利用需要を検討することが必要である 4 国際規格に準じた設備輸出拠点漁港と定義された外環漁港においても 大型の輸送母船の漁港利用実績のあるサイトは限られていることから 一律の画一的な計画ではなく 民間資本の動向を見定めながら 実際の整備計画を策定することが必要である コンテナ船については 多くの場合 地域内にある商港が国内コンテナ輸送ネットワークに対応しつつあり これを利用するのが現実的である 一方 GT 級の漁船 輸送船の活動実態は活発であり 実態と動向を見ながら適切に施設を配置することは妥当な施策であると考えられる 多くの地域において 氷 水の供給体制は全般的に不足しており 重要度は高い また 衛生的な荷捌き環境を提供することは 水産加工会社からの要請にこたえる品質の原料を提供する上で 今後重要性を増すと考えられる 2) 対象漁港サイトの選定 ( 漁港の数と分布 ) マスタープランの中では 25 サイトを実際にどのようなプロセスで選定したのかは記されていない しかし選定された結果では 外環地域を適切な距離間隔で埋めるように かつ周辺地域において中心的な地域が選定されている 漁船の活動をまんべんなく外環地域の海域に展開するという視点からは サイト選定の地理的な配分は適切であると考えられる 26 漁港のうち 後から加えられたマカッサル ( ウンティア ) を除いた 25 の対象サイトの総事業費は 6,500 6 兆 5,000 億 IDR( 約 650 億円 ) と計上されている これに対しフェーズ-1 で選定された 8 サイトの事業進捗状況からは 予算の不足による遅延が見られる また国家開発企画庁 BAPPENAS では 海外からの支援として 9,000 億 IDR を期待している このように 事業の全体規模は 適切な期間内に イ 国単独で実施できる範囲を超えていると考えられる 3) 施設整備計画の内容 規模 1 現況の計画内容 44

69 各サイトの計画において 漁獲量実績をもとに将来予測が行われている ここで使われている漁獲量実績データは精度が良くないものが多く 実態を正確に把握できていないおそれがある また その実績から単純に線形的に将来予測を行っている 特に 突発的な事由による大きな変動があった場合が考慮されておらず 注意が必要である この将来推計値は 陸揚げ施設拡張の必要性の判断に用いられている ただしマスタープランでは 個々の漁港の整備方向についてはわずかしか言及しておらず 実際の整備にあたっては詳しい検討が求められる 2 漁港クラスと施設規模漁港クラスの決定方法は 現在の需要にかかわらず 最大限の漁獲量 資源量を配分し それを取り扱うことのできる施設の枠組みを定め 提供するというアプローチによっている マスタープランでは 各サイトのポテンシャル ( 資源 漁獲 漁船 漁業者 市場 水産加工 流通等 ) について詳細な検討は行われておらず このまま整備を進めると 過大 過剰な設備が整備される恐れがある この点については 詳細検討において十分な調査と検討が行われ 修正されることが必要である 3 利用者 裨益者施設計画が基本的には上記のように定められるため 利用者 裨益者が明確に想定 検討されていない 特に新設の漁港において 利用者が具体的に検討されていないため 整備計画の合理性について問題が生じる可能性がある また 同じ地域にある既存 PPI との機能分担についても検討されていないため 整備計画の目指す機能および背後圏 関係者が複合 重複する恐れがある ただしビトゥン漁港では 以前に JICA によって実施された調査に基づいて新しく詳細設計が実施され その中で利用漁船に関する検討が行われ 計画が作成されている 4) 漁獲物の域外流通環境 PPN PPS 漁港における機能は 沖合の漁場における水産資源の利用 漁獲物を冷蔵 冷凍 加工処理等して域外に出荷することにある 域外への流通のためには 冷凍コンテナ輸送サービスを利用できる環境があること 大型輸送船による輸送が可能 現実的であること 航空便による輸送が可能であること などが求められる また これら域外への輸送拠点となる商港 空港への道路アクセスも整備されることが必要である コンテナ輸送に関しては 近年進められてきた港湾施設整備の効果が大きい これによりインドネシア東部地域においても定期コンテナサービスが開始されており すでに今回調査サイトから冷凍コンテナを使った水産物の出荷が行われている また インドネシア国東部のコンテナサービス網は マカッサルを中継拠点とし スラバヤを発着港とするルートが基本となっている 輸出については 主としてスラバヤ 一部マカッサルが起点となり 東南アジアの国際コンテナサービス網のハブであるシンガポール 香港などを経て 日本を含めた世界各地に配送される 近年 インドネシア国内の大消費地 ( ジャカルタ バリなど ) および東南アジア諸国において 高級食材として活魚が流通し始めている これには航空輸送が利用されている 水産物流通にお 45

70 ける航空便の利便性向上が期待されている 5) 予算及び事業実施面における課題予算の不足により 施設整備が停滞している漁港が複数ある 例えば 年度あたりの予算額が少ないため 桟橋などの主要施設の建設に着手できず 小規模の付帯施設の整備のみを実施しているとか 計画規模が大きく現在の状況では完成までに多年を要する状況等に直面しているサイトがある 予算不足からコンサルタントの技術監理を置かずに事業を実施し 工事に重大な手戻りが発生した事例もある また 管理者の度重なる変更によって 事業の進捗に混乱や不徹底が生じる危険性がある 例えば前年度までの工事記録は州にあり 当該年度からは県に移管されたが 以前の建設工事の情報は移管されていないという様な事例がある 予算及び実施面での十分な配慮が必要である 6) 漁港整備による効果 便益外環漁港が適切に機能することによって期待される便益として考えられる事項を以下に記す これら便益が実現されるためには 需要やサイト条件を適切に反映した個別整備計画の策定 関連施策との適切な連携などが不可欠であると考えられる 1 インドネシア東部海域では 域内消費を上回る漁獲があり これを適切な管理のもとで西部の大消費地に供給するための基盤となること 2 新設される漁港サイトにおいては 域外出荷の拠点として 水揚げ 荷捌き 出漁準備 ( 氷 燃料 漁具 ) 冷凍保管などの機能を集約して提供し 地域の漁業の基盤となること また零細漁業者においては 浜で直接仲買人に買い上げられていた流通形態から 漁港で集約的に漁獲を販売することによって 価格形成の片務性が緩和されること 3 衛生環境下での荷捌きにより 品質向上をはかるとともに 加工業者からの品質要求にこたえること 4 海洋水産省において すでにインターネットを通じた漁獲情報の収集 管理システムが構築されている しかし漁獲情報を収集する拠点はまだ十分ではない たとえば 漁港施設が不十分なために 漁獲を海上で集荷船や輸送船に転載していたり 直接仲買人に買い上げられて輸出されたり また零細漁民の場合には浜にて仲買人が直接魚を買い付けるという実態が各地にある この状況を改善し 漁港が漁獲情報を一元的に収集する拠点となり 情報精度の向上をはかること 5 地域の漁獲情報の精度向上により 漁船および漁獲ライセンス発行の調整を通じて資源利用の管理体制の強化が期待される このためには 荷揚げに漁港を使用することを徹底することが求められる 6 国境海域での操業拠点となり 安定 定常的な漁業活動を支援すると同時に 漁業監視船の拠点となる 46

71 第 4 章漁港の調査結果 4.1 調査対象漁港選定の経緯本調査の対象である外環漁港整備計画サイトは 2004 年のマスタープラン調査において イ 国全土 33 州 特区に分布する 968 漁港の中から 21 州にわたる 25 漁港が選定された その後 東部インドネシアにおける外環漁港の拠点として 1 港が加わり合計 26 漁港となった これら 26 漁港のうち 14 漁港が西部インドネシア ( ジャワ島 スマトラ島 及び西カリマンタン等 ) に位置し 残る 12 漁港が東部インドネシア ( 東カリマンタン スラウェシ島 バリ島 東西ヌサテンガラ 南北マルク パプア及び西パプア等 ) に位置する イ 国の人口分布は 2.31 億人の 60% がジャワ島であり とくに東部インドネシアの国境周辺地域 島嶼地域における経済開発が急務であり 後で追加された 1 港を除く 11 港の中からさらに 8 漁港がフェーズ 1 として選定された 本調査では これらフェーズ 1 漁港の中から既に JICA にて調査済みのバリ島の Pemganbang 及びパプア州の Merauke が治安上の理由で今回対象から除外された また 西部インドネシアの 14 漁港の中には Nizam Zachnan(Jakarta) 漁港が含まれており 東部インドネシア地域においても同様にそれぞれの外環漁港の中核となり活動を支援する機能が不可欠なことから 東部第一の都市であり物流の拠点であるウンティア漁港 ( マカッサル ) が加えられた フェーズ 1 対象漁港のうち これらの理由により最終的に東部インドネシアにおける 7 漁港のサイトに おいて現地調査を行った 表 調査対象外環漁港リスト ( 東部インドネシアの 7 漁港 ) No. Name of fishing port Provinces Type of existing port Proposed type Location 1 Teluk Awang West Nusa Tenggara - PPN Yes 2 Makassar South Sulawesi - PPN Yes 3 Kupang East Nusa Tenggaara PPP PPN Yes 4 Nunukan East Kalimantan - PPN Yes 5 Bitung North Sulawesi PPS PPS Yes 6 Ternate North Maluku PPN PPN Yes 7 Tual Maluku PPN PPS Yes ( 出典 : 海洋水産省の資料を元に調査団作成 ) West No. of ORFPs 7 (East ) 7 East 47

72 4.2 対象漁港の現状 調査対象地域の概況 (1) 調査対象地域 (7 漁港 ) 東部インドネシアにおける外環漁港整備計画のフェーズ 1 対象漁港として漁港のうち 今回現地調査を行った 7 漁港の存在する地域の概況を以下の表に示す 表 調査対象サイトの概況 サイト州 / 位置漁港施設 / 設備漁船 漁業者背後圏 1 テルク アワン 2 マカッサル 3 クパン 4 ヌヌカン 5 ビトゥン 6 テルナテ 7 テュアル 西ヌサテンガラ州 ( ロンボク島南東端エカス湾マタラム市街から約 50km) 新設計画 ( 工事中 ) 零細漁民 砂浜に直接漁船を乗り上げて荷揚げテルク アワンがある中央ロンボク県の漁業者は 9,815 人 (2009) 南スラウエシ州 新設計画 ( 工事中 ) パオテレ漁港 ( 沿岸漁港 ) 水産加工会社の活動が盛んである漁業者はマカッサル市の沖合にある 13 の島に約 1,000 人 ポアテレ漁港に近い村に約 420 人 東ヌサテンガラ州 ( クパン市街から 2km 北 ) 東カリマンタン州 ( マレーシアサバ州国境近くのヌヌカン島 ) 北スラウェシ州 (Lembeh 海峡の静穏な海域に面する良港 ) 北マルク州 ( テルナテ島 ) マルク州 ( カイ諸島 ) ( 出典 : 海洋水産省の資料を元に調査団作成 ) 1977 年建設 陸揚げ施無動力船 68 隻 船外機船設延長約 80m オーク 81 隻 船内機船 30GT 未満ション ホール 製氷機 554 隻 30GT 以上 29 隻冷凍庫 ブラスト フリ (2009) クパン市の漁業者ーザー 燃料 管理棟等は 7,237 人新設計画 ( 工事中 ) ヌヌカン島には漁業者は殆どいない 対岸のセバティック島に約 1,000 人 ( ヌヌカン県全体では 1,874 人 2008 年 ) 桟橋 126m および埠頭 115m( 水深 -5m,-1m) 零細漁民も利用多島海での漁業拠点オークション ホール 砕氷機等 桟橋 / ピア形式 水深あり オークション ホール 管理棟 製氷機 30t/day 冷凍庫 ワークショップ等 桟橋 埠頭 水深あり. オークション ホール 管理棟 砕氷機 5t/hr ゲストハウス等 漁業者 5,324 人 (2010 年 ) 漁船 ( ビトゥン ): 無動力船 272 隻 船外機船 1,822 隻 30GT 未満船内機船 154 隻 30GT 以上船内機船 121 隻 (2008 年 ) 漁業者 2,268 人無動力船 4,278 隻 10GT 未満漁船 38 隻 10-30GT 漁船 44 隻 (2008) 小カイ島の西海岸に漁業者が集中 東南マルク県の漁業者 2,323 人 (2008 年 ) 無動力漁船 4,352 隻 船外機船 701 隻 船内機船 48 隻 (2008 年 東南マルク県 ) アワン集落 ( 約 300 世帯 ) のほか マタラム市 プライヤ市 東部第 1 の都市マカッサル商港及びパオテレ港 東ヌサテンガラ州の州都クパン市 人口約 67 万人 ヌヌカン県人口 132,886 人 (2008 年 ) ビトゥン市 273,000 人 (2009 年 ) マナド市 586,000 人 (2009 年 ) 実際上の州都 テルナテの人口 95,000 人 (2010) 約 9 企業が漁港内にて操業 カイ諸島の中心都市 48

73 (2) 民間の漁港施設 1) テュアルテュアルでは 民間資本 (Maritim Timur Jaya 社 ) により 大型漁船に対応した陸揚げ岸壁 加工工場 冷凍庫などが整備され 大規模水産コンプレックスとして稼働している ( 次表および次図 ) 同社は中国系資本により 水産関連事業をテュアルで展開する民間事業者で 140 ヘクタールの用地を有して その総合開発を計画している 表 民間コンプレックス施設事例 (Maritim Timur Jaya テュアル ) 岸壁 330m 13m 水深 6~9m 発電所 4 1,140kwh 燃料タンク 500kl 3 基 冷凍庫 ( ブロック氷用 ) 500ton+700ton(2 室 ) 冷凍庫 1500ton(375ton 4 室 ) 250ton 2 室 製氷工場 200ton/day 水産加工工場 2040m 2 フィレ加工ほか 100ton/day 開発構想図 陸揚げ施設 陸上施設 発電プラント 岸壁および氷の積込み施設 図 Maritim Timur Jaya 社 ( テュアル ) ( 上左 ; 上右 ;Google Earth 下左右 ; 中華人民共和国河南省ミッションへのテュアル市によるプレゼン資料より ) 49

74 2) ビトゥンビトゥンでは 缶詰 鰹節加工 冷凍など多くの水産加工会社が操業している 鰹節生産会社には 日本との合弁会社もある 生産品のうち ツナ缶は米国や日本など 鰹節は日本向けに輸出される 中東向けの缶詰製品も多く生産されている いくつかの事業者は自前の桟橋施設を有し 主として集荷 運搬船より原料である漁獲物を買い上げている 同時に 漁港からも原料を調達している 私有の桟橋は 100~200GT クラスの集荷 運搬船に対応した規模のものが主体で 4 基程度が ビトゥン漁港と同じくススリナ島との間のレンベ海峡に面して設けられている 尚 水産加工目的以外にも 多くの私有桟橋がビトゥン港の西側海岸に設けられている ( 図 3.1-4) ビトゥンでは 水産加工事業者のひとつが 新規工場の建設を進めているところである SINAR PURE FOOD KARABA SAKTI INDO HONG HAJ SARI MALALUGIS ビトゥン港 PPS ビトゥン漁港 INDO FOODS SARI CAKALANG 図 ビトゥン周辺の水産加工場 3) 東部地域における水産分野民間投資の動向中 大規模事業者は マカッサル ビトゥン テュアルなどで活発に活動しており その一部には施設拡張の動きがある ( ビトゥン テュアル ) しかし外国資本からの具体的な新規投資の動きは聞かれない パプア州方面では 日本が資本参加している合弁企業などが操業している これら海外資本の活動状況は 2006 年に制定された海洋水産省令による制限 1 のため 新しい事業展開に支障を感じており 事業環境は外国資本には厳しくなっている 一方 東部の小規模加工業者においては 比較的簡易な桟橋施設を有する事業者があり 原料の買い上げ 陸揚げに用いている ただしこれら事業者は 仲買人や原料の提供業者を介して漁港でも原料調達を行っている 零細加工業者は 多くの場合家内工業レベルの事業規模であり 桟橋などの施設への投資はわずかである 漁港のない地域では 木造の簡易な係船施設程度のものを使用しているのが実態である 1 Ministerial Decree No:PER.17/MEN/2006, Concerning Capture Fisheries 50

75 4.2.2 各漁港の特徴 (1) テルク アワン 1 地域の概況テルクアワン漁港はロンボク島に位置し 行政区画では西ヌサテンガラ州中央ロンボク県プジュー郡に属する 西ヌサテンガラ州はロンボク島 スンバワ島などのほか 282 の小さな島で構成される ( 図 3.6-1) 北はフローレス海 南はインド洋 西はロンボク海峡をはさんでバリ島に面し 東はサペ海峡をはさんで東ヌサテンガラ州と向かい合う 西ヌサテンガラ州の人口は約 436 万人で 毎年 1.66% の割合で増加している このうち東ロンボク県が最も人口が多く (107 万人 ) 中央ロンボク県がそれに次ぐ (84 万人 ) (the National Economic and Social Survey 2008) マタラム テルク アワン 図 西ヌサテンガラ (NTB) 州 ( 調査チーム編集 ) 2 漁業の概況西ヌサテンガラ州 (NTB 州 ) の 2008 年の総漁業生産は 21 万 5,601 トンで このうち 9 万 8,979 トン (45.9%) が漁獲漁業によるものであり 11 万 6,622 トン (54.1%) が養殖業による生産である テルク アワンが属する NTB 州の中央ロンボク県の漁業生産量 (2008 年 ) は 1,173 トンである 2 西ヌサテンガラ州の魚種別漁獲量では イワシ類 サバ類 サワラなどの浮魚が多い 2 Annual Report of Marine Affairs and Fisheries Service of NTB Province,

76 表 NTB 州の漁業生産量 Type of Fisheries Year Capture Fisheries 86, , , , , Marine capture 83, , , , , Inland capture 2, , , , , Aquaculture 53, , , , , Marine aquaculture 40, , , , , Brackish water aquaculture 10, , , , , Freshwater aquaculture 2, , , , , ( 出典 :Annual Report of Marine Affairs and Fisheries Service of NTB Province, 2009) 表 西ヌサテンガラ州の漁獲漁業生産量 ( ) Area West Nusa Tenggara Province (ton) Central Lombok District (ton) Year , , , , , , , , , , , , Contribution (%) 1.29% 1.38% 1.19% 1,27% 1,19% 1,30% ( 出典 :Statistics of Marine Affairs and Fisheries Service of NTB Province, 2010) 3 水産資源の動向海洋水産省 (MMAF) の漁業管理水域 (FMA:Fisheries Management Area) に基づく NTB 州の海域は FMA573(Java Bali 及び NTB 州南部に面するインド洋 ) と FMA713(Flores 海 Bone 湾 及びマカッサル海峡 ) の一部である ヌサテンガラ州の海域が FMA713 と FMA573 のそれぞれ 20% を占め かつ水産資源が均等に分布すると仮定した場合について 水産資源量を試算した結果を次表に示す FMA573 ではすべての魚種で過剰漁獲の状態 FMA713 では小型浮魚が中位のほかは過剰漁獲の状態にあると報告されている 表 水産資源ポテンシャルの推計 ( 西ヌサテンガラ州 ) Fisheries Resources Group Fisheries Resources Potentials (tons/year) Total Estimated Fisheries Resources Potentials FMA 713 FMA % x Total (tons/year) Large pelagic 193, , ,730 77,346 Small pelagic 605, , , ,745 Bottom fishes 333,350 67, ,915 80,183 52

77 Others 43,480 14,465 57,945 11,589 Total 1,175, ,445 1,714, ,863 ( 出典 :National Commission for Stock Assessment) 4 セクター構造最も代表的な NTB 州の漁具は浮集魚装置 (FAD:Fish Aggregating Devices) を用いた手釣り 曳き縄と竿釣り まき網 船巻き すくい網 及び底延縄である 一方 テルク アワンでは手釣り 曳き縄 小型カゴ等である NTB 州全体の漁船数は 19,264 隻で 58% が船外機付き漁船 26% が無動力漁船 16% が 10GT 未満の船内機船である 中央ロンボク県では合計でも 788 隻の漁船であり 76% が船外機付き漁船である 船内機漁船はわずか 7 隻 (1%) 未満と漁船の近代化は遅れている 3 サイトは伝統的な零細漁村地域であり 計 145 隻の漁船のほとんどが小型木製のサンパンタイプの伝統的な形式のものである ごく一部 FRP 船も導入されはじめている 表 西ヌサテンガラ州および中央ロンボク県における大きさ別漁船数 (2009) Non-powered boat Type of Vessel West Nusa Tenggara Central Lombok Total 19, Sub total 4, Jukung 3, Board boat Small 1, Medium Large 51 - Outboard motor boat 11, Inboard motor boat Sub total 3,137 7 Vessel size < 5 GT 2, GT GT GT GT - - ( 出典 :Statistics of Marine Affairs and Fisheries Service of NTB Province, 2010) 3 Statistics of Marine Affairs and Fisheries Service of NTB Province 53

78 5 漁業従事者の概況テルク アワンがあるロンボク島の人口は NTB 州の州都であるマタラム市及びアンペナン市に集中している これらの都市は水産物消費の主要都市である NTB 州の漁業者数は 120,413 人 (2009 年 ) で 中央ロンボク県の漁業者数は 9,815 人 (2009 年 ) となっている 同県の漁業者数は過去 5 年間で 6.8 倍に増加した また 同県の 75% が専業漁業者である 4 表 中央ロンボク県の漁業者数 Year Fisher s Category Full time fisher 1,183 1,183 1,185 2,757 3,046 7,453 Main Part-time fisher ,788 Additional part-time fisher Total 1,435 1,435 1,440 3,350 3,701 9,815 ( 出典 :Statistics of Marine Affairs and Fisheries Service of Central Lombok District, 2010) 6 水産物流通 加工小規模漁業者はテルク アワン ラブアン ロンボック タンジュン ルアールに魚を荷揚げしており 仲買人がマタラム市などの消費地へ水産物を運んでいる 殆どの魚が域内消費に向けられる 市場で見る魚の多くは鮮度落ちしており また 市場の衛生状態も良くない 1 つの水産加工会社がラブアン ロンボック港に揚がる魚 ( キハダマグロ カツオ タコなど ) の 80% を買い付け バリやスラバヤへ出荷している これらは輸出用である この会社は約 4,000 名の漁業者から魚を集めている テルク アワンに揚げられる魚は 1 日 3 トンで これは他の 2 港に揚がる魚の量よりも少ない テルク アワンから域外に向けた水産物流通の概要を次図に示す 図 テルク アワンから域外への水産物の流通 ( 出典 : 調査チーム作成 ) 4 Statistics of Marine Affairs and Fisheries Service of Central Lombok District,

79 仲買人や水産加工会社から漁具などの生産資材 生活資材等の支援を受けている者が多い このため 漁獲物を自由に販売することが困難であり 特定の関係にある仲買人や水産加工会社に販売するケースが多い 漁業者組織は存在するが形骸化している テルク アワン地域には約 300 世帯の小規模漁業者がおり 刺網 手釣などで バラクーダ カツオ マグロ (1 名 ) ハタ ゴシキエビ イカなどを漁獲している 漁場は 沖合 3-8 マイルで 漁獲は浜に水揚げし 仲買人が買上げてマタラム方面に運ぶ 背後の集落への電力は 公共施設にのみ供給されるにとどまっており 整備が遅れている このため 氷は外部から買うしかない 漁獲物をマタラムに持ち込む際には 氷は使われておらず 鮮度落ちが危惧される また水道も整備されていないため 井戸等から飲料水を得ている 水産加工としては テルク アワンの漁村にカツオやイワシなどのピンダン ( 煮魚加工品 ) を家内工業レベルで生産し プライヤなどの市場で販売する女性 ( 漁業者の妻 ) が 50 名程度存在する 5 つのクロンポックで県の指導を受けながら活動しているが 資本がなく より付加価値のつく燻製を生産したいと希望している マタラム市に近い漁村でもムロアジ マグロなどのピンダンを商業生産規模で製造している仲買人がいる 漁港湾口部付近にロブスター ( ゴシキエビ ) の産卵 孵化場があると見られ 稚エビを採集装置を用いて集め 出荷している業者がいる テルク アワン地区およびロンボク島における漁港 加工 輸出活動を総括して次ページ図に示す 55

80 80% of catch from Sulawesi (mainly) & Kalimantan frozen: Skipjack, Tuna etc to Surabaya Java (Banyuwangi?) Bari Tuna(fresh) Airport Waiting for road construction (12.5km) Market in the Mataram City Intl. airport under construction Open Market Electricity PP. Teluk Awang PPP. Labuhan Lombok 200boats (<10GT) 2,900ton/year Fish Processer Buys 80% of catch PPI. Tanjung Luar 100boats(<5GT) 4,000ton/year Road security Block Ice Damaged two bridges shark small pelagic, demarsal PPI. Labuhan Lombok Fishing ground is only within3~ 8 miles offshore (small boats only) Catch from Indian Ocean is expected PPN. Teluk Awang 図 テルク アワンにおける漁業活動 ( 出典 : 調査チーム作成 ) 56

81 7 漁港の整備状況テルク アワンの概要テルク アワン漁港はロンボク島の南東端にあるアワン湾に面しており アワン湾はエカス湾の南部に位置する 州都であるプラヤからは南に約 30km マタラムからは南東に 65km の位置にある 事前の情報では PPI( タイプ D) を PPN( タイプ B) に格上げするという内容であったが 既存の PPI 漁港はなく新規の整備計画である 次表にこれまでに実施された整備内容を示す 今後 陸上施設及び漁船の係留施設工事が予定されている 表 PPN テルク アワン施設概要 No Facilities Size Remarks 2 Reclamation of sea area, and 1 Port Area 60,000 m planned to be 90,000 m 2 2 Trestle 301 m 2 To be built in Tallud/Revetment with rock pile m To be built in PPN Administrator Office 240 m 2 To be built in Fisher s Meeting Room 120 m 2 To be built in Gas Station / Fuel Depot 120 m 2 To be built in Gateway m 2 To be built in Wall Fence m To be built in Guard Post 18 m 2 To be built in Net Storage Place 550 m 2 To be built in 2009 ( 出典 : PPN Teluk Awang Annual Report, 2009) テルク アワン漁港整備計画テルク アワン漁港の整備計画図を次図に示す 当漁港は 2004 年に詳細設計が実施され 2005 年に建設工事に着手 年までは州が実施を担当 その後 2008 年より県に実施を引き継いだ 主な施設は 用地埋立 (6ha) および外周護岸 桟橋 145m+205m( 水深 -3m 以深 ) 燃料 小型専用桟橋 漁民集会所 オークション ホールなどである 建設費は TP( 政府予算 ) から拠出されている 2010 年までに 230 億 IDR が必要となっており これまでにそのうちの 31% が支出された 現時点までで 用地の埋立 簡易宿泊所 漁民集会所 魚市場 燃料 小型専用桟橋の渡り部分などが完成している 2010 年も予算はついているが 桟橋に着手するには予算不足のため 外周護岸の仮設部分の完成などを予定しているとのことである 57

82 図 PPN テルク アワン漁港整備計画図 ( 出典 : 調査チーム作成 ) 58

83 表 テルク アワン整備事業費年度別事業内容 費用 (IDR) 第 1 期 ( ) 総事業費 49,825,478, 年 3,537,000,000 取付道路 埋立護岸 (10,000m 2 ) トレッスルコンサルタント 2006 年 4,000,000,000 埋立 (10,000m 2 ) 埋立護岸 ( 用地 26,250m 2 ) フェンスコンサルタント 2007 年 3,660,000,000 埋立 (26,250m 2 ) 埋立護岸( 用地 6,300m 2 分 ) コンサルタント プロジェクト オーガナイザー 2008 年 3,744,831,000 埋立および埋立護岸 ( 用地 10,800m 2 分 ) 南側用地埋立( 用地 16,259m 2 分 ) 他コンサルタント 2009 年 6,500,000,000 埋立 ( 用地 27,091m 2 分 ) 埋立護岸( 用地 6,650m 2 分 ) 他機能施設の整備 : ゲート 守衛所 フェンス管理事務所 漁業者集会所 漁具等干場 550m2 トレッスルおよび桟橋レビュー デザイン コンサルタント プロジェクト オーガナイザー 2010 年 2,000,000,000 南側部分の埋立護岸および埋立 ( 用地 7,830m 2 分 ) コンサルタント プロジェクト オーガナイザー 2011 年 12,500,000,000 トレッスル上部工 (130m 2 ) 岸壁上部工 (1,062m 2 ) 他 2012 年 13,883,647,000 トレッスル上部工 (130m 2 ) 岸壁上部工 (874m 2 ) 他機能施設の整備 :KIOSK(180 m 2 ) 漁業者休憩所 (300 m 2 ) ワークショップ (80 m 2 ) 燃料施設 製氷施設 冷凍庫 (36 m 2 ) スポーツ用地 (400 m 2 ) 舗装道路 (5, m 2 ) 他第 2 期 ( ) 総事業費 66,760,014, 年 32,339,732,000 矢板打 埋立 (90,000m 2 ) フェンスコンサルタント プロジェクト オーガナイザー 2014 年 34,420,282,000 トレッスル上部工 (120m 2 ) 岸壁 (1,600m 2 ) 機能施設の整備 : 加工場 荷捌き施設 舗装道路 パーキング (8,000 m 2 ) 航行管理事務所 管理事務所 照明灯 運動用地コンサルタント プロジェクト オーガナイザー 59

84 (2) ウンティア ( マカッサル ) 1 地域の概況ウンティア漁港は南スラウェシ州の州都であるマカッサル市の北方 10km に位置する マカッサルはスラバヤより東の地域のなかで最大の都市であり 交通と物流の中心となっている ウンティアはマカッサル市の産業地区であるキマの西方 ネラヤン漁村の前浜に位置する Untia/Makassar 図 ウンティア漁港の位置 ( 調査チーム作成 ) 2 南スラウェシ州の漁業の概況南スラウェシ州の水産業は 海面漁獲漁業が大勢を占めている 最も多く漁獲される魚種は カツオ マグロ類と数種の小型浮魚類である 南スラウェシ州の漁業生産に最も貢献している地域は Bone Bulukumb Sinjai Palopo 及びマカッサルである 一般に 南スラウェシ州で漁獲された魚は地元で消費され 残りが国内向け及び輸出ルートによって流通している マカッサル地域の漁業活動は PPI Paotere および PPI Rajawali の二つの水揚げ市場に集中して行われている しかし 水産加工場の原料魚供給施設としては衛生面では適切とはいえない状態にある 漁獲漁業の対象漁場はマカッサル海峡 (FMA:WPP713) である 2008 年のマカッサル市の漁獲量 ( 水揚量 ) は約 16,000 トンである マカッサル地域での水産加工会社 中小の魚加工業者の増加が顕著である パオテレ漁港はマカッサル市と漁業協同組合が管理しているが この組合は仲買人の利益のために運営されているような組織である 漁業者はマカッサル市の沖合にある 13 の島に約 1,000 人 パオテレ漁港に近い村に約 420 人がおり 刺網 旋網 バガンが中心である また 地域の拠点として国営の鋼船造船所 ( 新造 修理可能 ) があり フェリー 貨物船とともに漁船の建造 修理も可能である 60

85 表 海面漁業生産量と生産金額 ( 年 ) Year Volume( Ton ) Proportion ( % ) Value ( x 1,000IDR. ) Proportion ( % ) , , , , ,5 33,18 30,70 0,71 0, ,51 2,62 34,24 19,04 ( 出典 :Strategic Planning ; Marine, Fisheries, and Husbandry Agency of Makassar) 3 セクター構造漁業者は小規模漁業者が殆どで 直接漁港に陸揚げする漁業者はいない 仲買人からの支援を受けている漁業者が大多数であり 仲買人への依存体質からの脱却が難しい 魚の集荷人に漁獲物の販売を委託している漁業者が多く 幾層にも重なる流通構造のため一般的に漁業者の生活は苦しい 魚の集荷人も船の所有者から借金をしていることが多く ビジネスとしては大きくはない マカッサルへは 一般的に漁労船ではなく Perahu jolor と呼ばれる魚集荷船により他の島々で集魚された魚が運搬されてくる マカッサル地域で使われている代表的漁具は 刺網 延縄 手釣り 及びまき網である これらの漁具は比較的小型の船で使用されており パオテレ漁港での漁業生産量に占める割合は小さい パオテレ漁港の水揚げ量の 80% はジャワ島のまき網漁船の漁獲によるものである パオテレ漁港に水揚げされる魚は 東カリマンタン 南スラウェシ スラバヤ近海で漁獲されるムロアジ 小型マグロ タイ類 ハタ類等が多い 1 日に荷揚げされる魚の量は トンである 揚がったその日に売れ残った水産物は翌日に価格を下げて販売される 最終的に売れ残ったものは養鶏場用の餌として加工され使用されるため 廃棄される魚は無い 4 水産物流通 加工マカッサルには国際空港と国際商港があり インドネシアにおける水産物の一大輸出拠点となっている 特に近年は コンテナ ネットワークが拡大し 東部インドネシアで生産された水産品は主としてコンテナにて スラバヤ ジャカルタに運ばれている 水産物流通は 伝統的な相対取引 ( 仲介業者あり ) である 仲買人主導で 漁業者の立場は弱い マカッサルの水産物流通構造は複雑で 漁業者 ジョロロと呼ばれる魚の集荷人 仲買人 小売業者 水産加工業者と多くの関係者がいる 水産加工会社は定期的に魚の購入価格リストを提示している 品質管理は主に氷の使用で確保している 水産加工業者は 輸出や国内大消費地へ水産物を供給する大規模加工業から 塩干加工品を中心に製造している家内工業的製造者まで幅広い マカッサル市には約 30 の冷凍庫とほぼ同数の輸出業者が存在する しかしながら冷凍庫容量の 50% 程度しか稼動していない状況であり 原料不足が問題となっている 61

86 表 マカッサルの冷凍庫を保有する水産加工場 (2009 年現在 ) No Company Name Capacity Type of Product Market Destination ( Ton ) 1 PT. Citra Arisco Mina 200 Frozen shrimp Japan, Thailand, Taiwan and Netherlands 2 PT. South Suco 750 Frozen shrimp Netherlands, Thailand, USA, Italy, China, Hamburg, Korea, Belgium, Vietnam, Hong Kong. 3 PT. Wahyu Pradana Bina 100 Frozen shrimp Japan, Thailand, Netherlands, Mulia France, Belgium. 4 PT. Multi Monodon 150 Frozen shrimp Japan, France, Taiwan, China. Indonesia 5 PT. Mitra Kartika Sejati 300 Frozen shrimp Japan, USA, Netherlands, Thailand. 6 PT. Sinto Mas Mulia 100 Frozen shrimp Hong Kong 7 PT.Perikanan Samudra 50 Fresh/Frozen Fish Singapore, Taiwan, Korea, Japan. Besar 8 PT. Dataran Bosowa 100 Frozen shrimp Japan 9 PT.Amal Jaya Puskopal 50 Frozen Fish Japan, Korea. 10 PT.Prasadasanya Mukti 50 Frozen Tuna Singapore, Hong Kong, Japan, USA, 11 PT. Sinar Graha 50 Frozen Fish Singapore, Hong Kong. 12 PT.Marina Seafood 40 Fresh/Frozen Fish Australia Prosesor 13 CV. Chen Wood Fishery 50 Fresh/Frozen Korea, Singapore, Japan Fish/Frozen shrimp 14 PT.Bogatama Marinusa 300 Fresh/Frozen Japan Fish/Frozen shrimp 15 PT.Nuansa Cipta Magello 50 Canned Crabs Makassar 16 PT. Mega Pratama Indo 100 Fresh/Frozen Tuna Japan 17 PT.Prima Indo Tuna 100 Fresh/Frozen Tuna Japan 18 PT.Prima Bahari Inti 150 Fresh/Frozen Fish Singapore Lestari 19 PT. Parlevliet Praba Seafood 50 Fresh/Frozen Tuna Japan 20 PT. Hacho Bumi Abadi 200 Frozen shrimp Korea 21 PT. Maju Indah Jaya 100 Frozen shrimp Japan Marine 22 PT. Sea Fresh Internasional 100 Fresh/Frozen Tuna Japan ( 出典 :Strategic Planning ; Marine, Fisheries, and Husbandry Agency of Makassar) 水産加工工場はマカッサル郊外のキマ産業地区に集まっており ウンティアにも近い 魚とエビの加工業者は大規模仲買人を通してパオテレ漁港に揚がった魚を買い 製品を冷凍コンテナでスラバヤかジャカルタへ送る これらの製品は米国 EU 日本などへシンガポール経由で輸出される 輸出を行っている加工会社は HACCP 等の国際衛生基準認証に対応している 活魚を香港へ空輸する業者もいる 生鮮キハダマグロがビトゥンからマカッサルへ空輸されているものもある 塩干加工品についてはパオテレ漁港に陸揚げされてから 3 日程度経過した原料を魚の種類に関わらず同じ値段で安く仕入れ 高付加価値をつけて販売している マカッサルにおける漁業活動を総括して次ページ図に示す 62

87 Carry boat from adjacent islands PPN. Untia Tuna from Bitung by air Kima Industrial area Container to Sby & Jkt From Tual, Bitung Port of Makassar PPI. Paotere USA; Snapper, yellow fin, sepallapot, shrimp EU; sepallapot, shrimp Cultured shrimp From Bitung Rajawari Fish Market Container to Sby & Jkt By air 図 Untia / マカッサルにおける漁業活動 ( 出典 : 調査チーム作成 ) 63

88 5 漁港の整備状況外環漁港の中核として 西部地域ではジャカルタ漁港が指定されている これと同様に ウンティア漁港は 東部地域における外環漁港の拠点機能の重要性から見直しが行われ 外環漁港に追加承認された ウンティア漁港は既存のパオテレ漁港から約 10km 離れたウンティア地区をサイトとする新規の整備計画である 現在 第 1 期としてのアクセス道路の埋め立て護岸工事が終了し 現在杭式のアプローチ桟橋施設の杭打ち工事中である 今後第 2 期 第 3 期のさらなる建設工事が予定されている ただし 現在施工途中のトレッスルにおいて 全ての基礎杭が数 m 高止まりしている 十分な根入れ深さが確保されているかどうか 注意が必要である ウンティア漁港の整備計画図を次図に示す 主な施設は 施設用地 ( 埋立 )300m 250m 沖側取り付け道路 50m 渡り桟橋( トレッスル )200m 道路 460m 防波堤 3,763m 浚渫 26.5 万 m 3 道路 排水施設 給電施設 オークション ホール 冷凍庫 燃料施設 給水施設などである 施設用地は水深を確保するために沖合に計画されており 島式の漁港を約 500m の連絡路 ( トレッスル 沖側 陸側取付け道路 ) で結ぶとともに 浚渫にて泊地をつくり 防波堤で保護するものである PPN Untia 漁港整備の経緯は 2005 年にレビューと詳細設計が行われ 全体で 3,640 億 IDR の整備費が必要と積算された このうち土木関連施設が 3,170 億 IDR を占める 2006 年に管轄が州に移管され 開発が着手された その後 2008 年に一度マカッサル市に管轄が移るが 翌 2009 年に再度州管轄に移行するとともに 建設工事が開始された 年の間に APBN 予算 億 IDR APBD 予算 23 億 IDR が提供され 護岸 埋立 ボックスカルバート 盛土 地盤の圧密 道路工 460m トレッスル( 渡り桟橋 )175m の施工が実施された 2010 年には APBN48.8 億 IDR がトレッスル整備の継続のために予定されている 今後の整備計画の第 1ステージとして RC トレッスルの残り 75m( 着工済み部分を含む ) の完成を図る 計画では 水深が浅いことと 係留施設 泊地はまだ出来ていないため この期間は 漁業者は高潮位時のみ 既存のトレッスルを使用して漁獲の陸揚げが可能である としている 64

89 図 PPN ウンティア漁港整備計画図 ( 出典 : 調査チーム作成 ) 図 PPN ウンティア漁港整備状況 ( 出典 : 調査チーム作成 ) 65

90 表 ウンティア漁港整備事業費 整備内容漁港施設準備工防波堤岸壁渡り桟橋 ( トレッスル ) 浚渫 埋立右側左側基部産業用地岸壁 漁港施設用地 道路排水施設フェンス 設備関係上水冷凍庫製氷工場排水処理施設給水栓発電機室燃料供給施設陸上施設関係オークション ホールゲート 守衛室待機所モスク療養所 クリニック管理事務所試験室郵便局 IPTEK 事務所 KIOSK 商店コーポラシ事務所漁業者ミーティング ホール管理職員用住宅ワークショップ Mess Operator ゲート TPS 事業費 (IDR) 130,363,500 20,606,026,400 13,423,962,600 7,433,042,700 51,821,139,500 4,209,561, ,948, ,576,814,700 19,055,490, ,883,400 15,280,838,800 10,816,876,400 小計 316,983,947, ,369, ,102,000 1,336,589, ,412,000 9,200, ,440, ,787,200 4,281,100, ,953, ,883, ,983,600 2,235,826,000 2,309,034, ,171, ,325, ,953, ,979, ,778,900 1,392,932, ,172, ,103,500 1,571,609, ,180, ,896,100 小計 19,861,786,100 合計 364,102,222,400 ( 出典 :DKP Review Desain Pelabuhan Perikanan Di Sulawesi Seklatan 2005) 66

91 (3) クパン 1 地域の概況 PPP クパン漁港 ) は東ヌサテンガラ州チモール島のクパン市にある 東ヌサテンガラ州には 1 つの PPN と 18 の PPI の計 19 の漁港がある 州には 566 の島々がある 州の北側はフローレス海に面し 南側はインド洋 西側はサペ海峡 東側は東チモールと接している 州の総人口は 4,534,319 人で うち 676, 818 人がクパン市に住んでいる ( 出典 : 2009 年東ヌサテンガラ州統計 国家社会経済調査 ) クパン 図 東ヌサテンガラ州地図 ( 出典 : 調査チーム編集 ) 2 東ヌサテンガラ州の漁業の概況 2008 年の東ヌサテンガラ州 (NTT 州 ) の総漁業生産は 24 万 7,801 トンで このうち 11 万 4,294 トン (46%) が漁獲漁業によるものであり 13 万 3,507 トン (54%) が養殖業による生産である うちクパン市の漁業生産量 ( 漁獲漁業 ) は 1 万 8,154 トンである ( クパン市海洋水産統計 ) 表 東ヌサテンガラ州の漁業生産量 ( 年 ) ( 単位 : トン ) Type of Fisheries Year Capture Fisheries 103, , , , , Aquaculture Fisheries 867, ,062, ,301, ,593, ,951, ( 出典 :2009 年東ヌサテンガラ州海洋水産行政戦略計画 ) 67

92 表 東ヌサテンガラ州とクパン市の漁業生産量 ( 単位 : トン ) Area Year NTT Province 103, , , , , Kupang City 18, , , , , PPP Kupang , ( 出典 :Strategic Planning of Marine Affair and Fisheries Service of NTT Province, 2009 Statistics of Marine Affairs and Fisheries Service of Kupang Municipality, 2010 Annual Report of Kupang Fishing Port, 2009) クパン漁港のすぐ隣にクパン港 (PELINDO-III) があり スラバヤ ジャカルタとの間の貨物輸送 および州内への貨物流通の拠点となっている 2005 年には日本の借款によるコンテナ ヤード拡張が完了し 以来コンテナ貨物の取扱が増大中である クパン漁港で水揚された水産物についても 冷凍コンテナを利用してスラバヤ ジャカルタ方面に運ばれている クパン空港からは 主要都市との間の定期便が運航されている 州内には全部で 8 箇所の PPI があり クパン市内には PPI Oeba( オエバ ) がある 小規模漁業者はオエバ漁港およびその横の浜 ( 浜の方が主体になっている ) およびオエサパ(Oesapa) の浜に水揚し 市内のマーケットに運んで販売される 10GT 以上の漁船は小規模漁業者の魚の陸揚げ地となっているオエバ漁港を利用できない PPP クパン PPI Oeba は州が管理し Oesapa はクパン市が管理している また クパン市街に近い海浜地において PPI を中心に 観光機能 水産加工 マーケットなどの総合的な漁業コンプレックスを指向したエコポートプロジェクトが検討されている エコポートプロジェクトでは 産卵水域となっている周辺水域環境の保護を含めた水産業施設をコアとする地域開発構想を具体化すべく努力している 3 水産資源の動向海洋水産省 (MMAF) の漁業管理水域 (FMA:Fisheries Management Area) に基づく NTT 州の海域は FMA713(Flores 海 Bone 湾 及びマカッサル海峡 ) と FMA573(Java Bali 及び NTT 州南部に面するインド洋 ) の一部である 政府の漁業資源評価委員会 (PRPT FKPPS2008) によると それぞれ 49 万 4,700 トン / 年 (FMA713) と 24 万 2,700 トン / 年 (FMA573) の資源ポテンシャルがあると推定されている もし NTT 州において FMA713 と FMA573 の総水域面積の 20% が利用可能で水産資源が均質に分布していると仮定すると 大まかに NTT 州の海面漁獲漁業のポテンシャルは年間 34 万 2,863 トンと推定される この内訳は 大型浮魚類 7 万 7,346 トン 小型浮魚類 17 万 3,345 トン 底魚類 8 万 183 トン 及びその他 ( リーフフィッシュ ロブスター等 )1 万 1,589 トンとなる 68

93 表 東ヌサテンガラ海域における水産資源ポテンシャル推計 Fisheries Resources Estimated Fisheries Fisheries Resources Potentials(tons/year) Total Resources Potential Group FMA 713 FMA % x Total (tons/year) Large Pelagic Fishes 193, , ,730 77,346 Small Pelagic Fishes 605, , , ,745 Bottom Fishes 333,350 67, ,915 80,183 Others 43,480 Total 1,175,870 ( 出典 : 国家資源評価委員会 ) 14, ,445 1,714,315 57,945 11, ,863 4 クパンの漁業の概況最も代表的な NTT 州の漁具は手釣り 曳き縄 刺網 竿釣り まき網 船巻き すくい網 及び底延縄である 一方 クパンでは手釣り 定置底延縄 船巻き 竿釣り 刺網 及びすくい網が使われている 若干ではあるが 手釣りを除き NTT 州全体におけるクパンの漁業技術は他よりも技術的進歩がある 漁場はチモール島に近いインド洋 ( スナッパー ハタ ) フローレス諸島近海 Laut Sabu Sumba 島 ( 小型マグロ カツオ ) などである PPP クパン漁港に荷揚げされる魚は一般的に輸出用品質の主にマグロとカツオである 2007 年に同漁港に入港した漁船は計 879 隻であり 延縄漁船と手釣り漁船が全体の 58% を占める 5 表 年の PPP クパン漁港水揚げ量 NO MONTH ( 出典 :2007 年 PPP クパン漁港年報 ) snapper, grouper Tuna and Skipjack and other shrimp Total kg kg kg kg 1 January 31, ,704 1, ,138 2 February 12, , ,199 3 March 28, ,868 2, ,998 4 April 11, , ,849 5 May 7, , ,529 6 June 22, , ,559 7 July - 350,859 2, ,475 8 August 6, , ,928 9 September 53, , , October 545, ,820-1,097, November 742, , ,199, December 177, , ,858 Total 1,637,935 4,348,796 9,174 5,995, 年クパン漁港年報 69

94 表 PPP クパン漁港の利用漁船数 (2007 年 ) Boats/Type of Gear Pole MONTH Long Fish Transport Traps & Gillnet Line Trawl Boats Line Carrier Boats Export Boats Hand line Total Visit Frequency Total ( 出典 :2007 年 PPP クパン漁港年報 ) NTT 州地域で使われている漁船は無動力船 船外機船 船内機船の 3 つに大別される 同地域の 2009 年における漁船数は 1 万 9,264 隻であり 無動力船が 1 万 7,899 隻と全体の 68.9% を占めている 一方 クパンでは船内機船 79.6% と漁船の動力化が進んでおり クパンはこの地域の漁業の中心的存在であることが分かる PPP クパン漁港を利用している漁船は 30GT クラス以下が主体である 企業漁業の漁船も木製がほとんどである 漁船の安全性向上のため 漁船の近代化が課題である 漁業の特徴としては PPP 漁港利用の企業漁業活動と地元の零細漁業との活動がうまく役割分担されている 表 クパンにおけるサイズ別漁船数 ( 年 ) Type of Vessel Year Non Powered Boat Outboard Powered Boat Inboard Powered Boat : 3-5 GT GT GT GT GT GT GT Total ( 出典 :2010 年クパン市海洋水産行政統計 ) 70

95 5 漁業従事者の概況クパン市の漁業者数は 7,237 名 漁船の 90% は伝統的木造船である 漁業者の所得は少なく 特定の仲買人から支援を受けるものが多い 彼らは漁獲物を自由に販売することができず 支援を受けている仲買人にのみ販売する 一方 旋網漁業者から成る協同組合 (KUD) があり この KUD 組合員 (310 名 ) は仲買人からの借金はないので 魚を自由に販売することができる 6 水産物流通 加工輸出用の魚としてはマグロ カツオなどがあり バリ スラバヤ マカッサル経由で日本へ輸出されている 輸出水産物の 80% は冷凍品で 20% はカツオブシである 日本は全輸出量 2,339 トンの 77.93% を占める ( 出典 : 2010 年 LPPMHP Kupang ) 中国への輸出産品は乾燥海藻のみであり シンガポールへは活泥ガニが輸出されている PPP クパン港からの国内流通及び輸出ルートは次図に示すとおりである 冷凍マグロは冷凍コンテナでスラバヤへ運ばれる クパンには そのほかサメ漁業 ( サメの鰭がバリ経由で香港へ輸出 ) ハタ生簀養殖 真珠養殖 海藻養殖などがある 図 水産物の国内流通と輸出ルート ( 出典 : 調査チーム作成 ) PPP クパン漁港に直接揚げる漁船は少ない しかしながら 30GT 級の漁船を持ち ハタ アカメ カツオ 小型マグロを獲る仲買人がいて PPP クパン漁港に揚げた魚を他の地域へ輸送船を使って運んでいる オエバ漁港には輸出用のマグロを主に扱う業者がいる またオエバ漁港にはバリ ジャカルタ経由で香港へ活ロブスターを送る業者もいる 小規模漁業者によって漁獲された魚は オエバ漁港やオエサバの浜でボディテパと呼ばれる魚の集荷人によって運ばれ ボディテパは漁港とその近くの市場へ魚を運ぶ 仲買人とボディテパ又は漁業者 ボディテパと漁業者との間に特定の関係があり 流通構造は複雑である PPP クパン漁港に揚がった魚の 10% 未満がクパン市内の市場へ流通している クパンの消費者のための魚の 90% 以上はオエバ漁港とオエサバの浜に揚がったものである 漁獲物の品質管理は氷の使用が主体である 魚水揚げ 取引の場の衛生状態は不良 71

96 である 最も主要な水産加工品はキハダマグロのロインツナである 40kg より大きなマグロはそのまま販売されるが 40kg 未満のものはロインに加工される ロインツナと刺身用のマグロは空輸され バリの輸出会社に販売される もう一つの近代的な水産加工は冷凍水産物である 2 社が冷凍水産物を生産しており 両社ともに PPP クパン港内に加工施設を持っている 生産品は主にスラバヤの加工会社に販売されている 生産量が限られてはいるが ギンガメアジの燻製ジャーキーを製造してジャワへ販売している女性のクロンポックがある クパン漁港周辺地域の漁業活動を総括して次図に示す 72

97 Surabaya, Bari (carry boat): Skip Jack,Snapper,Grouper, Tuna, Baby Tuna Container: Bari ; Tuna Makassar ; shark fin, sea cucumber, seaweed Surabaya ; skipjack, snapper, grouper Bari: tune, Snapper & grouper (live, iced), live lobster airport PPI. Oeba: small scale fishermen the Port of Kupang : In 2009 : 46,600TEU, reefer (40ft) 138 box Eco Port Project (PPI) -> MINAPOLITAN PPP. Kupang : 400t/day, 30GT; hand line Tuna, 20-30GT; hand line/long line, tuna/skipjack 10-30GT; purse seine, ~10GT; gill net, hand line, trolling, mini purse seine Carry boat; ~105GT To Mks, Sby Bari PPI. Tabolong 図 クパン漁港周辺地域の漁業活動 ( 出典 : 調査チーム作成 ) Demarsal, for export, 30GT Fishing boat (30GT) 12, hand line tuna 73

98 7 漁港の整備状況クパン漁港の整備は PPP( タイプ C) を PPN( タイプ B) に格上げするという内容である PPP クパン漁港は 地方分権化の政策により 2001 年に中央政府から州政府へと運営が移管されている PPP 内にカツオブシ 製氷 冷凍会社がある 接岸容量の増加 加工企業誘致のための敷地確保を目的とする拡張計画があるが 敷地東側には PELINDO-III の商港施設が隣接し困難である したがって 西側水域の埋め立てによる拡張計画があるが 漁港利用の季節的な変動があり 施設規模 仕様と事業費 採算性の面から代替案の検討が重要である 表 クパン漁港主要施設施設名 諸元 仕様等 備考 漁港用地 5,220ha 1 桟橋 -1-4m RC 直杭式 2 桟橋 -2-1m RC 直杭式 水深 -1m のため 10GT 以下の漁船が使用 3 護岸 コンクリート張り もたれ式 係留 荷揚げは困難 道路 2,550m 2 泊地 10,500m 2 水深 0~-1m のため 10GT 以下の漁船のみ停泊 4 5 オークションホール 6 元加工工場 ( 休止 ) 7 製氷工場 50t/day 25kg ブロック氷 CV NELAYAN HIDUP MAKMUR 8 冷凍庫 PT TSPN 9 冷凍庫 製氷工場 CV IMMANUEL 10 商店 11 作業棟発電機 200KVA 12 冷凍庫 PT. TSPN 13 漁業者集会所 125m 2 14 カツオブシ加工場 PT.SANANA INDONESIA 15 PPP. 管理事務所 16 給水タンク ( 出典 : クパン漁港 ) 74

99 クパン漁港では 淡水供給をクパン飲用水会社から受けており 毎秒 5.2 リッターの水量が得られる 2 基の掘り抜き井戸を同漁港は所有している 漁船 製氷工場 仲買人 その他が淡水を使用している 日産 50 トンの製氷工場が民間会社により運営されている 2007 年の同漁港の収入源は次表のとおりである 表 PPP クパン漁港の収入源 NO. Source of Income Amount of Income (IDR) 1 Rent on the house officers 4,200,000 2 Rent for fishermen lodge 4,960,000 3 Water service charges 93,733,500 4 Fees for workshops 3,015,000 5 Fees of Building Rent Fees of Land Rent 61,950,000 7 Cost of arrival at the port 7,020,000 8 Mooring fees 6,312,950 9 Levies moored boats 9,962, Levy on ships documents 30,095,000 Total 226,949,000 ( 出典 :2007 年 PPP クパン港年報 ) 8 拡張計画の概要盛漁期における大型輸送船および 30GT 級以上の漁船の錯綜 陸揚げ待ちを解消すること および施設用地不足を解消するため 現漁港南側の水面の埋立により 陸揚げ施設および用地を拡張するとともに 現港北側に斜路 漁船修理施設 ( ヤード ) の整備が計画されている この詳細設計検討 (Detail Design) は クパン漁港が外環漁港整備計画に選定されたことを受けて 2006 年に MMAF にて実施された (PEKERJAAN: STUDI DAN DETAIL DESAIN, PEMBANGUNAN PELABUHAN PERIKANAN KUPANG, NUSA TENGGARA TIMUR, FINAL REPORT) 75

100 The Port of Kupang (PELINDO III a: Main Jetty 拡張 : 斜路 漁船修理施設 ( 埋立 ) c: b: Ice Factory b: a: d: Sub jetty 拡張 : 岸壁 150m d: c: 埋立予定地 ( 現在は海面 ) 図 クパン漁港現況と拡張計画 ( 出典 : 調査チーム作成 ) 76

101 30GT 級漁船が 1 回の帰港から荷揚げ 準備 そして出漁までに要する日数は 10 隻あたりで 5 日間程度となっている 荷揚げと出漁準備 ( 水積み込み 燃料積み込み その他積み込み ) が同じ桟橋で行われるため 10 隻以上の漁船がくると大混雑になる 2005 年以降 盛漁期には多くの漁船は沖合の漁場から漁港に戻らず, 集荷船が漁場で漁獲を集荷 ( 漁船別に専用の船倉を割り当てている ) し, そのまま仕向け地の港湾 ( マカッサル スラバヤ ) まで輸送している 国内市場用および輸出用それぞれ 1 隻ずつ合計 2 隻の集荷船が稼動している 漁獲内容は集荷船が同漁港に報告している 盛漁期以外は 漁船が漁港で荷揚げし 輸送船がこれを積み込んで域外へ輸送する 盛漁期の漁港利用実績 ( 表 月に 143 隻 ) より hand line(8 隻 ) pole&line(26 隻 ) long line(60 隻 ) 漁船を 20-30GT gill net (5 隻 ) を 1~10GT および Trap(11 隻 ) 漁船を 1-5GT 輸送船 (9 隻 ) を 50GT 以上と仮定 ( 現地聞き取り調査による ) する 休止率を 15% とし 岸壁供用可能時間を 85% とする 20GT 以上の漁船は沖側桟橋を使用するものとし その岸壁使用時間を 2 隻同時使用で 5 日間という実績から 1 隻当たり 24hr とする また輸送船 (50GT 以上 ) では 2 日間とする 以上より岸壁所要量を試算する ここに現在の桟橋長を1バースとする 供用日 =30 日 0.85=25.5 日 30GT 級漁船 = =94 隻 30GT 級漁船 : 延べ岸壁必要量 =94 24/24 1/2=47 バース 日輸送船 : 同 =9 2=18 バース 日合計必要バース数 =(47+18) 1/25.5 =2.5 バース すなわち現状では 日による集中を考慮しなくても 現有桟橋施設規模の約 3 倍の需用があると考 えられる 77

102 (4) ヌヌカン 1 地域の概況 PPN ヌヌカン漁港はカリマンタン島北東端に近いヌヌカン島の北東に位置し 行政区画では東カリマンタン州 ヌヌカン県 ヌヌカン郡に属する 東カリマンタン州は北部でマレーシアとの国境に面しており 東はスラウェシ海とマカッサル海峡に面する 東カリマンタン州の人口は 309 万人で 主要都市はサマリンダ (60.3 万人 ) バリクパパン(50.7 万人 ) タラカン(18.4 万人 ) ボンタン(13.4 万人 ) である (Source: Statistics of East Kalimantan Province, 2009) タワオ ( マレーシア ) PPN ヌヌカン サバティク島 図 東カリマンタン州 ( 調査チーム編集 ) 2 東カリマンタン州の漁業の概況東カリマンタン州の 2008 年の総漁業生産量は 18 万 3,898 トンである 内訳は 漁獲漁業が 12 万 8,415 トン (69.8%) 養殖業の生産が 5 万 5,482 トン (30.1%) である 漁業生産量では依然 漁獲漁業が優勢であることを示している 同年のヌヌカン県の漁獲漁業生産量は 4,607 トンである 6 表 東カリマンタン州の漁業生産量 Type of Fisheries Year Capture Fisheries 126, , , , , Marine capture 94, , , , , Inland capture 32, , , ,423.5 Aquaculture 39, , , , , Statistics of East Kalimantan Province,

103 Type of Fisheries Year Marine aquaculture , Brackish water aquaculture 22, , , , ,793,5 - Freshwater aquaculture 16, , , , ,118.3 ( 出典 :Statistics of East Kalimantan Province, 2009) 3 水産資源の動向東カリマンタン州は 2 つの主な海域を持っている 1 つはスラウェシ海であり もう 1 つはマカッサル海峡である 海洋水産省 (MMAF) の漁業管理水域 (FMA:Fisheries Management Area) 設定によると 東カリマンタン州海域は FMA713( マカッサル海峡はこの一部を形成 ) と FMA716 ( スラウェシ海はこの一部を形成 ) の 2 つが該当する 政府の漁業資源評価委員会 (PRPT FKPPS2008) によると それぞれ 49 万 4,700 トン / 年 (FMA713) と 8 万 3,200 トン / 年 (FMA716) の資源ポテンシャルがあると推定されている 4 ヌヌカン周辺の漁業の概況東カリマンタン州で良く使用される漁具は 手釣り 小型カゴ 刺網 すくい網 船巻き 及びまき網などである ヌヌカン地域では 刺網 小型カゴ すくい網 及び手釣りである ヌヌカン地域の漁業者は 比較的簡単な漁具を用いて小規模に漁業を行っている実情である 東カリマンタン州の漁船は 他地区と同様に 無動力船 船外機船 船内機船の 3 つに大別できる 東カリマンタン州の 2008 年における漁船数は 30,221 隻で 船内機船が 21,542 隻と全体の 71.3% を占める ヌヌカン地域では 船外機船が数の上で 88.7% と大勢を占めている 年の期間に漁船数は減少している これは 漁獲漁業者が海藻養殖に転業しているためと考えられる 県水産局の指導で 2008 年から海藻養殖が普及し ヌヌカンには漁業を止めて海藻養殖に切り替えた漁業者が多い 現在も漁業を行っている人は数える程度である 漁場はタラカンからヌヌカンにかけての沿岸一帯である ヌヌカン県には漁業者が 1,874 人おり ( ヌヌカン県統計 ) うちヌヌカンの対岸にあるセバティック島に小規模漁業者約 1,000 人が住んでいる 主な漁法はすくい網 刺網 手釣り 延縄などである また ほとんどの漁船は サバテック島の船大工により造られる小型木製の伝統的タイプのものである 79

104 表 ヌヌカンにおける規模別漁船数, 年 Category of Vessel Year Non powered boat Outboard motor boat 1,256 1,573 1,256 Inboard motor boat < 5 GT GT GT GT Total 2,284 1,772 1,516 ( 出典 :Statistics of Marine Affairs and Fisheries Service of Nunukan District, 2010) 表 ヌヌカン県の漁業者数 ( 規模別 ), Category of Fishing Establishment Year Without boat With non powered boat With outboard motor ,675 With inboard Motor Total 1,346 1,402 1,366 1,882 1,874 ( 出典 :Statistics of Nunukan District, 2009) 5 水産物流通 加工魚の取引は 仲買人主導で行われており 漁業者はその支配下にある タラカンの仲買人から支援を受けている漁業者は漁獲物をタラカンへ陸揚げする 仲買人はそれを自船でタワオへ運ぶ 漁業者の組織活動はヌヌカンもサバテックも活発ではなく サバテック島の PPI も活用されていない 遠浅海岸のため各村落近くに桟橋があることが原因の一つと考えられる ヌヌカンには出漁準備 荷揚げ 流通のためのインフラが無い 冷凍コンテナを扱う商港はある ヌヌカン市内では ジャマカール市場に揚がった魚を仲買人が小売や他市場へ出荷し 販売する ヌヌカンの漁獲物の主要な輸出先はマレーシアのタワオである タワオに輸出される魚はハタ類 ( 活魚 生鮮魚 ) サワラ ホワイト バラムンディ タイ kuro( コノシロ類 ) gulamah( ニベ科の魚 ) エビである 鮮度が良く付加価値が高い魚や活魚をタワオへ出荷する仲買人がいる ( 週 400kg 程度 ) 活魚はタワオから香港 韓国へ輸出される 鮮魚はタワオからシンガポール経由で日本へ行くものもある ヌヌカンでは氷の供給が限られているので タワオで購入する漁業者が多い タワオまでは船で 15 分程度の距離であるので 直接漁船で漁獲物を持ち込む漁業者がいる マレーシアの漁業者がより大きな漁船でヌヌカン周辺の資源を漁獲し タワオへ持ち込む量も多い タワオの市場からヌヌカンのジャマカール市場に逆流してくる魚もある タラカンに集中している 8 社の冷凍輸出業者と大規模仲買人はセバティックの漁業者を支援し 漁 80

105 獲物をタラカンとタワオへ供給している ヌヌカンの外部への移出 流通は ヌヌカンおよびタラカ ンの仲買人を介して行われている 水産物の流通経路を次図に示す 図 ヌヌカンにおける鮮魚流通経路 ( 出典 : 調査チーム作成 ) タラカンは東カリマンタン州の水産物流通拠点となっており バリクパパン経由でシンガポールへ輸出される水産物も多い タラカンの仲買人 70 名はほぼ全員がヌヌカン付近の漁業者から魚を買い タワオへ出荷している 大規模仲買人の一人は毎月 100 トンをタワオへ出荷している またタラカンの冷凍エビの加工場は毎月 トン生産し スラバヤ シンガポール経由で日本などに輸出している タラカン-タワオ間の船による水産物の物流は毎月約 トンである タラカンにある 8 社の冷凍会社から輸出される年間輸出量は 10,800 トンで殆どがエビである ヌヌカン県は 5 郡から成る広大な面積を有するが マングローブ低湿地にあり県内の人的交流 物流は皆無に近い ヌヌカンに 2009 年から普及した海藻養殖の海藻はヌヌカンの仲買人を介して出荷業者に渡され マカッサル スラバヤ経由で輸出される セバティック島にも仲買人がおり セバティックの漁業者に支援して漁獲物をタワオへ直接販売している ヌヌカンには小規模なミルクフィッシュの加工場以外は付加価値化が期待できる加工産業は皆無に近いが サバテック島に小エビと小魚の干物の粉砕加工がある 布袋に入れた小エビの干物を木製の台に打ちつけるシンプルな方法で行われているが 水産物の付加価値が増し貴重な収入源になっている ヌヌカン周辺における漁業活動をまとめて次図に示す 81

106 Malaysian fishing boat (purse seine), mainly IUU Tawau From Jamakar : frozen(iced) fish (snapper, grouper, burrow,,,), kg/week Jamakar Tanjung Port Baru Live grouper, Frozen ;~300kg/week 90% of catch goes to Tawau ; kakap, sunagin, shrimp Airport Mensapa housing 10% of catch Tongkol, Pasar Mamolo PPN. Nunukan Nunukan-Tawau daily, crushed stone(import), etc. Container (20ft) : to Sby, 3 calls/month, (6 calls planned), reefer ; started Bulk Cargo : 4~5 calls/month, Mks/Sby, Cement etc, Tawao ; daily, import(crushed stone) To Tarakan 図 ヌヌカン周辺の漁業活動 ( 出典 : 調査チーム作成 ) 6 漁港の整備状況事前の情報では PPI( タイプ D) を PPN( タイプ B) に格上げするという内容であったが 既存の PPI 漁港はなく新規の整備計画である 現在 第 1 期としてのアクセス道路等マングローブ海岸の埋め立て工事が終了し 渡り桟橋取り付け部の手直し工事を実施中である 外環漁港としての PPN(B) 82

107 整備は 国境地域開発の要として 新たな経済成長の戦略的な拠点整備として位置付けられている しかし ヌヌカン島の漁業は海藻養殖にほとんどが転換しており 隣接するサバテック島民による漁業活動に依存している IUU 漁業の取り締まり強化によって 漁業資源の流出による損失増大を食い止めることが求められている そのために 漁業管理 資源管理のための拠点となる外環漁港の整備が重要な課題となっている ヌヌカン漁港の整備計画図を次図に示す 主な施設と諸元は 桟橋 ;100m 14m 水深-5m 突堤式桟橋 ;110m 渡り桟橋;110m 護岸などである 下の表に示すように 2004 年に詳細設計が行われ 同年から施工が始まった その後 2008 年までの間に 渡り桟橋の施工まで進められた これまでに約 220 億 IDR が支出された 渡り桟橋取付部の施工不良を手直しする工事が 2010 年に実施されているところであり その先の予算配分と事業推進については流動的である 表 ヌヌカン漁港整備予算 年 建設内容 費用 (IDR) 予算 2004 詳細設計 448,112,000 APBD Murni 2004 杭工事 61 本 (φ0.5m 12m) 863,207,400 APBD Murni 2005 用地造成 50m 60m 2,373,769,000 APBN 2006 用地造成 50m 117.5m 2,438,273,000 APBN 2006 杭購入 102 本 1,348,691,000 APBD Provinsi 2007 杭工事 102 本 2,600,000,000 APBD Provinsi 2007 渡り桟橋建設 2,229,776,000 APBN (TP) 2008 渡り桟橋建設 杭工事 (35 本 φ0.5m 9m) 1,462,587,000 APBD Provinsi ( 出典 : ヌヌカン県水産局 ) 83

108 図 ヌヌカン漁港整備計画図 ( 調査チーム編集 ) しかし 渡り桟橋基礎杭の施工不良のため 杭が倒れ 桟橋上部工も崩壊した 現在は 施工者の 責任によって 崩壊した桟橋を撤去し 新たに施工が行われているところである 図 崩壊した桟橋と現在の施工状況 ( 出典 : 調査チーム作成 ) 84

109 (5) ビトゥン 1 地域の概況ビトゥン漁港は北スラウェシ州アエルテンバガ県にある 北スラウェシ州は 北はスラウェシ海 フィリピン 太平洋に面し 東はマルク海に面している 北スラウェシ州は 11 県 4 市 286 の島を包含している 2008 年の同州の人口は 2,208,000 人であり うちビトゥン市に 273,000 人 マナド市に 586,000 人が集まっている ( 国家社会経済調査 2009 年北スラウェシ州統計 ) ビトゥン漁港 図 北スラウェシ州行政地図 ( 調査チーム編集 ) 2 北スラウェシ州の漁業の概況北スラウェシ州の 2009 年の漁業生産量は 23 万 7,506 トンである 内訳は 漁獲漁業が 20 万 8,643 トン (88%) 養殖業の生産が 2 万 8,863 トン (12%) である 北スラウェシ州の水産業は依然 漁獲漁業が優勢である 最近の漁業生産動向として 2006 年から 2009 年にかけての漁業生産量の伸びをみると 2.17% と若干増加している状況である 同年のビトゥン市の漁獲漁業生産量は 13 万 9,029 トンと北スラウェシ州全体の 67% を占めている 7 表 北スラウェシ州の漁業生産量 ( 年 ) Type of Fisheries Year (ton) Capture Fisheries 195, , , , Aquaculture Fisheries 14, , , , TOTAL 210, , , , ( 出典 :2010 年北スラウェシ州海洋水産行政年報 ) 北スラウェシ州には 13 の PPI がある このうち ビトゥン周辺には マナドのカリジェンギ漁港 7 北スラウェシ州海洋水産行政年報 85

110 (PPI Kalijengki) および Tumumpa 漁港 州北端のリクパン漁港 (PPI Likupang) ビトゥンの約 15km 南西のケマ漁港 (PPI Kema) がある 3 水産資源の動向海洋水産省 (MMAF) の漁業管理水域 (FMA:Fisheries Management Area) 設定によると 北スラウェシ州海域は FMA715( セーラム海 マルク海とトミニ湾 ) と FMA716( スラウェシ海 ハルマヘラ海 および太平洋 ) の 2 つが該当する 政府の漁業資源評価委員会 (PRPT FKPPS2008) によると それぞれ 32 万 4,900 トン / 年 (FMA715) と 8 万 3,200 トン / 年 (FMA716) の資源ポテンシャルがあると推定されている 漁獲漁業の対象漁場はトロ湾 バンダ海 (FMA:WPP714) トミニ湾 マルク海等(FMA:WPP715) スラウェシ海等 (FMA:WPP716) 及びチェンドラ湾 太平洋 (FMA:WPP717) と広域にわたる点が特徴である 資源管理の面からは 国内のマルク州 西パプア州と同一資源を共有しており またスラウェシ海ではフィリピンと資源の共有関係にあることから IUU 漁業の取り締まりが課題になっている IUU 漁業は 中央政府の漁業監視船が常駐し 取り締まりを行っているため減少している 市も小型の監視船を保有している 4 ビトゥンの漁業の概況北スラウェシ州の漁業者数は 9 万 8,922 人で その多くはマナド市に住んでいる ビトゥンに住む漁業者の数は 5,324 人と少ない 漁業者組織はあるものの実質的な活動はない 北スラウェシ州で良く使われている漁具は 曳き縄 手釣り 流し刺網 定置刺網 まき網 すくい網 マグロ延縄 流し延縄 定置底延縄 及び竿釣りである ビトゥン地域では 曳き縄 定置刺網 沖縄から伝わったカツオ マグロの一本釣り マグロ延縄 まき網 及び流し刺網が使われている 総合的にみてビトゥン地域の漁業は中規模企業による商業化が進展しており 最新の漁具漁法技術の導入が行われている 漁場は南ハルマヘラ セーラム スラウェシ北部を含む地域である 北スラウェシ州の漁船は 無動力船 船外機船 船内機船の 3 つに大別できる 同地域の 2008 年における漁船数は 23,135 隻 船外機船が 15,484 隻と全体の 66.9% を占める 漁船の規模は 10GT 以下が 99% とほとんどである 中大型漁船は主にビトゥンに見られる また 地元漁船は木製 企業漁船は鋼船である マカッサルに本社のある造船所の支所がビトゥンにあり 漁船の修理が可能である 86

111 表 北スラウェシ州の漁船サイズ別の数 2008 年 Vessel Category North Sulawesi Bitung Non powered boat Total 23,135 2,369 Sub total 6, Jukung 6, Board Vessel Small Medium 0 0 Large 0 0 Outboard Motor Boat 15,484 1,822 Powered boat Sub total Vessel Size < 5 GT GT GT GT GT GT GT GT ( 出典 :2010 年北スラウェシ州海洋水産行政統計 ) マナドの漁業者も同様であるが 漁船を所有する漁業者が多く 特定の仲買人との関係はない 大規模水産加工会社の契約漁業者になっているもの 水産加工会社に魚を供給する船主に雇われている漁業者も多い 漁業者単独で操業する出漁のパターンは少ないようである ケマ漁港には 集魚灯船とのチームワークによる小型巻網漁業者が多い 主としてムロアジを漁獲している ビトゥンの北方 10km にも旋網 バガン漁業者約 4,000 人の漁村があり 主にビトゥンに魚を揚げている 表 ビトゥンの主要魚種別漁業生産量 2009 年 Fish Species No Local Name International Name Genus/Species Production (ton/year) 1 Cakalang Skipjack Katsuwonus pelamis 61, Layang Scad Decapterus spp 22, Tongkol abu-abu Longtail tuna Thunnus tonggol 16, Albakora Albacore tuna Thunnus alalunga 15, Madidihang Yellow fin tuna Thunnus albacares 14,419,3 6 Tuna Mata Besar Big eye tuna Thunnus obesus 12,611.7 ( 出典 :2010 年北スラウェシ州海洋水産行政統計 ) 87

112 ビトゥン漁港の水揚げ量と販売金額は次表に示すとおりである 平均 1 日当り トンが荷揚げ されている 表 NO PPS ビトゥン漁港に荷揚げされる魚の量と金額の推移 年 Year of 2008 Year of 2009 MONTH VOLUME VALUE VOLUME VALUE (Ton) ( Rp ) (Ton) ( Rp ) 1 January ,887,488,000 1, ,179,264,000 2 February 1, ,585,164, ,388,195,000 3 March 1, ,788,335, ,750,932,000 4 April 1, ,873,797,500 1, ,290,281,000 5 May ,062,606,378 1, ,318,746,000 6 June ,507,392,000 1, ,080,871,000 7 July ,755,440,750 1, ,663,206,000 8 August 2, ,157,725,150 1, ,951,833,000 9 September 1, ,934,217,755 1, ,976,602, October 1, ,315,159,320 1, ,394,913, November 1, ,676,121,180 1, ,323,494, Desember ,384,890,000 1, ,042,398,950 Total 15, ,928,337,533 15, ,360,736,739 5 水産物流通 加工ビトゥンからの水産物輸出はジャカルタ スラバヤ マカッサル経由の海上冷凍コンテナが中心である シンガポール経由で各国へ輸出できる フィリピンのジェネラル サントス経由で日本へ流通するものもある ジャカルタなどの大消費地向けの供給も多い ロインと生鮮マグロは空輸でマナドからバリへ出荷されるものもある ビトゥン漁港は PPS であるが 小規模漁業者の漁船も着岸し 荷揚げを行っている 漁業者と仲買人 漁業者と小売人の直接取引が漁港で行われている 一方で特定の水産加工会社に魚を販売する小規模漁業者も多い ビトゥンには 45 の加工業者 (6 つの缶詰工場 3 つの刺身工場 かつおぶし工場 冷凍加工場 ) がある 自社運搬船を所有する加工会社が多い これら民間企業の多くが独自に桟橋を持ち 1 日約 400 トンの荷揚げを行っている 缶詰はインドネシア最大の缶詰工場があり 日産 85 トンのキハダマグロ缶詰を生産 日本へ輸出している 水産物の品質管理は 民間加工各社に浸透している (HACCP 氷の使用 原料魚の凍結保管) 加工場での魚残滓はフィッシュミール工場で加工されており ほぼ 100% 利用されている 魚市場機能が漁港内になく 市内の 6 カ所の消費者市場へビトゥン漁港から運ばれる ビトゥンに水揚げされる産業上重要な魚種ではカツオ ムロアジ マグロ ( キハダマグロが最も多い ) の順に水揚量が多い 8 青魚はビトゥンからマナドにも流通する 底魚はリクパンから供給される 次図に PPS ビトゥン漁港および周辺地域の漁業活動状況をまとめて示す 8 北スラウェシ州海洋水産統計 88

113 Talaud Is. Fishing boat; 30GT, GT Carry boat; GT Airport PPI. Likupang Fishermen lives along the Lembeh strait PPS.Bitung 400t/day, 22,000t/year Bari by air Tuna loin Port of Bitung 46,600TEU(2009) reefer ;138TEU(2009) Project Plan PPI. Kema Container :4 calls/month Sby-Tte-Btg-(Luwuk)- Mks-Sby Tuna, Merauke Bacan Is., Mangole Is., Obi Is., Container Fishing boat; 30GT, GT Carry boat; GT, Fishing Ground Kendari To Mks-Sby Container 図 ビトゥン漁港および周辺地域の漁業活動状況 ( 出典 : 調査チーム作成 ) 89

114 6 ビトゥン漁港の整備状況漁港の現況ビトゥン漁港の沖にはレンベ島があり 天然の良港を形成している 事前の情報では 一部に PPI ( タイプ D) との表現があるが 現在は既に PPS( タイプ A) にランク付けされており 係留施設の不足を解消するための拡張計画がある また PPS 周辺には PELINDO-IV のビトゥン商港や 国営漁業会社 民間加工会社等がそれぞれ桟橋 岸壁を保有し 海岸線一帯を占拠しているため 敷地拡張には制約がある ビトゥン市では このため特別経済地区 (SPA) として新たなサイトに漁港を建設する計画をたてている PPS ビトゥンはその歴史的な経緯から PPI としての地元漁業者への支援 及び PPS としての大型企業漁船への支援サービスの二つを兼ね備えている また ビトゥン漁港は 商業漁業移行への先例となっている これはカツオ竿釣り漁業の普及によるものであり 日本の漁業者により伝えられたものである ビトゥン漁港は PPI の役割を維持しつつ PPS 機能の整備を図ろうとしており イ 国全体でも注目されている 2009 年現在 常勤 契約職員 非常勤職員合せて 79 名の職員を抱えている 同漁港の主要施設は次表に示すとおりである 表 ビトゥン漁港主要施設施設名 諸元 仕様等 備考 漁港区域 1 岸壁 -1( 鋼杭横桟橋 ) 延長 126m 水深-6m 輸送船用埠頭 2 岸壁 -2( 階段式 ) 延長 140m 水深-1m 3 建設中で現在は護岸 m 捨石式 岸壁 ( 階段式 ) の計画 4 オークション ホール 5 ルーフ 6 燃料施設 PT.GETRA MITRA USAHA 7 管理事務所 (PPN) 8 管理事務所 (Kota) 9 給水施設 10 公衆トイレ 11 新規埋立地 拡張計画 12 岸壁 110m -3~-4m PT. PERIKANAN 13 冷凍庫 100t 2 NUSANTARA 14 製氷工場 40t/day, 砕氷機 15 加工施設 16 斜路 修理用地 17 管理事務所 ( 出典 :PPS ビトゥン漁港供出データを元に調査チーム作成 ) ビトゥン漁港の施設平面図を次図以下に示す 90

115 Fish Processing Factory : 45~47 factories Katsuo-bushi; 8, Tuna Sashimi; 3, Canning; 5(tuna, skipjack) Frozen; many(tuna, skipjack, squid, Muroaji, etc) Fish material ; unloading private jetties, or buying form supplier who buys fish at PPS. Transportation : reefer container, container, Pt Perikanan Nusantara The Port of Bitung a: -6m Jetty Slipway and Repair yard a: -6m Jetty Cold storage:100t 2 Slipway and Ice Factory: Repair 40t/day yard Fish Factory: Tuna loin Cold storage:100t 2 Ice Factory: 40t/day Fish Factory: Tuna loin -3m 110m wharf -3m 110m wharf e: PT Perikanan Nusantara b:-1m Stair landing wharf b:-1m Stair landing wharf c: Sun Shade & Auction Hall d c c: Sun Shade & Auction Hall b d d: Reclaimed Land a c b d: Reclaimed Land a e: PT Perikanan Nusantara e: PT Perikanan Nusantara 図 ビトゥン漁港施設概要図 ( 出典 : 調査チーム作成 ) 91

116 図 ビトゥン漁港施設現況 ( 出典 : 調査チーム作成 ) ビトゥン漁港の収入は次表に示すとおりである アイスブロックは漁港外部にある民間会社が運営 する数社の製氷工場から供給されている 2009 年の氷の供給量は 110,374 トンであった 年 PPS ビトゥン港年報 92

117 表 PPN ビトゥン港の収入源 年 NO. Type of Income Income (IDR) Proportion % 1 Cost of fitting into the port 12,387,700 33,963, Land Rental 54,252,176 49,996,242 (7.8) 3 Public Toilet Services 3,275, Kiosk Rental 11,383,000 14,266, Mooring Boats 33,448,150 64,119, Water Services 29,342, Use of Electricity 2,654, Use of the Hall 300, Giro Services 185, Use of Ice Cruser 8,952, Use of Cool Box 3,126, Block Ice Services 6,292, Officer House Rental 2,343, Store services 3,128, Total 111,471, ,945, ( 出典 : 2009 年 PPS ビトゥン港年報 ) 漁港の利用状況ビトゥン漁港は 地元零細沿岸漁民から商業漁業の漁船まで 多様な漁船が利用している 魚の陸揚げは 小規模漁業者が早朝 竿釣り漁船がそのあと 集荷船は時間に関係なく行われている 10GT 未満の漁船は-1m 岸壁を使用しているが 非常に混雑して係船待ちが生じている サンパン漁船は 新たに埋立が完了した用地護岸にて陸揚げをするものが多い 調査時において 漁港を利用していた 10GT 未満と 10GT 以上の漁港利用漁船数は ビトゥンにおける登録漁船構成と比較してみると 概ね同様の比率となっている 93

118 表 ビトゥン漁港利用漁船数 (5/19-5/20; 現地調査による ) 5/19,06:00-06:30 サンパン ~3GT 3~5GT 5~10GT 10~30GT 30GT~ -1m 岸壁 埋立護岸 35-6m 岸壁 4 5 5/20,09:00-09:30 サンパン ~3GT 3~5GT 5~10GT 10~30GT 30GT~ -1m 岸壁 埋立護岸 30-6m 岸壁 日当り平均 59.5 隻 (78%) 17 隻 (22%) 登録漁船数 1,846 隻 (89%) 230 隻 (11%) ( 出典 : 調査チーム作成 :2010/5/19-5/20 の現地調査による ) また 500GT の大型集荷船が月 1 回 約 600t の魚を 4-5 日かけて岸壁を占有して陸揚げする その間 -6m 岸壁を利用する他船は待たなければならず 問題となっている ビトゥンには 45 の加工業者があり これらが利用する船の多くは (80-100GT 級の輸送船など ) 企業私有の桟橋に荷揚げしており その量は 1 日 400t 程度にのぼる ビトゥン漁港は 東部インドネシアにおける漁業管理 監視の中心となることを求められており 海洋水産省漁業管理監督総局の監視艇が常駐配備されている Sun Shade 内 -1m 岸壁 ( 階段式 ) 埋立護岸 ( 新設 ) 図 ビトゥン漁港の利用状況 ( 出典 : 調査チーム作成 ) 表 PPS ビトゥン港の船舶の寄港の頻度 年 NO. MONTH Frequency of Visit (Time) Proportion % Total 22,215 21,432 (3.52) ( 出典 :2009 年 PPS ビトゥン港年報 ) 上表の通り ビトゥン漁港の年間利用漁船数は 21,432 隻 (2009) となっている 利用漁船構成を上表 より 10GT 未満 78% 10GT 以上 22% と想定し 1 日当たりの利用漁船数からバースの必要延長を算 94

119 出して次表に示す 後述する施設拡張計画によって 必要バース長に対し 小型船用施設はほぼ充足 される また大型船については 出漁準備に滞船が出る可能性があるものの 現況を大きく改善でき ると考えられる 表 ビトゥン漁港必要荷揚げ施設延長の試算 1 日当たり 1 隻当たり 種別 年間利施設供用同時隻数基本船必要ハ ース長出漁準備隻数 NO 荷揚げ占有 用隻数 時間 h(hr) n=no*ho/h 長 L(m) (1.15L*n)(m) ハ ース長 (m) (85% 供用 ) 時間 HO(hr) 10GT 未満 17, GT 以上 (30-50GT 主 ) 4, 出漁準備施設は荷揚げの 1/2 規模とする ( 出典 : 調査チーム作成 ) 漁港拡張計画ビトゥン漁港拡張計画は 1998 年に検討された整備計画をもとに 検討 修正が加えられ インドネシア政府の予算によって整備されて現在に至った -6m 岸壁は鋼管杭による直杭横桟橋として 2002 年に整備された オークション ホール Sun Shade エプロン舗装等の整備は 2004 に完成 現在の形になった これらは DAK 予算によって実施された さらに現在 上記計画にもとづいて 用地埋立約 1ha 岸壁 -1m (75m+102m+120m) 桟橋-5m 130 m 渡り桟橋 182m の拡張事業が進行中である 2010 年に 45 億 IDR にて埋立地の護岸とエプロン舗装を完成させるとともに 140 億 IDR にて渡り桟橋 185m の整備が予定されている 2012 年には 270 億 IDR にて桟橋 150m を完成させる計画との説明を受けた 予算は APBN を予定している 95

120 図 ビトゥン漁港拡張計画 ( 出典 :PPS Bitung 提供 ) 96

121 (6) テルナテ 1 地域の概況 PPN テルナテ漁港は 北マルク州ハルマヘラ島の南部にあるテルナテ島の東岸に位置する 北マルク州の州都はソフィフィであるが テルナテは同州における社会経済活動の中心である テルナテ島は南北約 10km 東西 8km ほどの大きさで 人口は 95,000 人である 図 PPN テルナテ漁港の位置 ( 調査チーム編集 ) 2 北マルク州の漁業の概況北マルク州の漁業は海面漁獲漁業が主流である この傾向は地域住民の強い魚食嗜好に支えられている 北マルク州地域で漁獲される代表的魚種は カツオ ムロアジ 小型マグロ ブラックトレバリ等である 量的には その他魚種 ( 小型浮魚類を含む ) が大勢を占める 漁業は小規模商業漁業がカツオ竿釣り漁業の定着によって確立されている 漁船は竿釣り漁船 旋網漁業が主体であり FRP 化も進んでいる ほとんどの漁獲物は 地域の魚食嗜好が強いことから地元消費に回っている 漁獲の荷揚げ地点はテルナテ漁港を含めて3 箇所 (PPN PPI マーケット) あり 明確な使い分けは行われていない ただし荷揚げの主体はテルナテ漁港である また ティドレ島には3 箇所の PPI がある 漁獲漁業の対象漁場はスラウェシ海等 (FMA:WPP716) 及びチェンドラ湾 太平洋 (FMA:WPP717) と広域にわたる点が特徴である 資源管理の面からは 上述のように開発の大きな可能性のある海域の中心に位置することから 域外漁船の操業管理が課題である 3 テルナテの漁業の概況北マルク州全体と同じく テルナテ島でも漁獲漁業が主流である 主な漁獲対象は浮魚類で たとえばマグロ カツオ ムロアジ等であり テルナテ地域全体の漁獲量の 83% を占める 底魚類の代表格はハタ類とタイ類である テルナテ島の漁業で良く使われている漁具は 地引網 まき網 流し 97

122 刺網 及び定置刺網等である 浮魚類はまき網 流し刺網が用いられており その他の漁具は底魚類の漁獲に使われている 主要な水揚げ地は PPN テルナテ漁港である テルナテ漁港への水揚げは ティドレ島など他の島々からも運ばれてくる 表 テルナテにおける魚種別漁業生産量 年 Fish Species Ton / Year Tuna/Skipjack Trevallies Fusilier Fishes Baby Tuna Goldstripe Sardinella Snapper/Grouper Beak Fish Mackerel Squid 3,315 1, , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , Others T o t a l 7,457 9, , , , , ( 出典 : テルナテ市水産局 ) テルナテ漁港への水揚は 15-20GT の集荷船が主体で これに漁船 10GT 漁船 ( 小型巻き網 ) も混じる このほか ババン島からのフェリー ( 所要 5 時間 ) に積んで運ばれる テルナテに魚を運ぶ時 漁業生産者は通常 魚集荷船を利用している したがって 漁船そのものは定期点検や修理目的以外では テルナテに来ることは少ない 魚集荷船は漁業者の所有が一般的であるが 一部は仲買人が所有し独自に運営しているものもある テルナテ漁港に揚がる魚 15 トン / 日とドファドファ漁村に揚がる魚 5 トン / 日でテルナテ市 20 万人の水産物供給を賄っている 魚はテルナテ周辺で漁獲されるものが多いが 同海域においてビトゥンの漁船が漁獲し ビトゥンへ揚げられるものが多い この地域で漁獲される魚はマグロ カツオが多い 特にカツオはバチャン島周辺で多獲される 小型巻き網 (10GT 級漁船主体 ) は バチャン諸島を主漁場とし サバ マグロ幼魚 (15-20cm) 小型イワシ等を漁獲し 主として集荷船でテルナテ漁港に荷揚げする カツオ 1 本釣り (30GT 主体 ) では 多くは集荷船が漁場に来て漁船から漁獲を集め 価格の安定しているビトゥンに運ばれている フィリピンからマグロ手釣り船が来ているが 3 回の操業のうち 2 回はジェネラル サントスに荷揚げしている ( 違法操業 ) 4 水産物流通 加工輸出関連では 1 社がマグロ ロインを冷凍コンテナでジャカルタへ出荷している 冷凍ムロアジをジャカルタへ出荷する加工場もある スラバヤとの間に定期コンテナ航路があり テルナテ港 (PELINDO IV) から水産物が運ばれている 98

123 漁港に揚がった魚の販売は 船主代理人であるプラクサーナに委託され プラクサーナが小売商との間で値決めする 魚の殆どは消費者向けで わずかの量が加工用原料となっている テルナテ地域の人々の水産物に対する嗜好は鮮度の良い生鮮品である 水産物流通は相対取引で 女性の活動が主体である 漁港 魚市場等の衛生状態が悪く改善が必要である とくに排水路設備がネックになっている 漁業者は特定の仲買人との結びつきは弱い 船主に雇われてカツオ漁業 旋網漁業従事者が多い 漁業者組織は存在するが形式的で活発ではない 旋網漁船は時間と労力節約のため集荷船に依頼して荷揚げすることが多い 漁業者が荷揚げする漁港はテルナテかティドレであるが 市場が供給過多になり漁獲物が売れないことも多い その場合は休漁で調整している PPN テルナテ漁港敷地内にムロアジの燻製加工 冷凍加工場があり ジャカルタへ出荷している 但し加工業者や仲買人の数は限られている テルナテ市内には個人やクロンポックでキハダマグロやムロアジを使った魚ソースを製造 販売している人がいる 生産数量が限られているため 市内流通のみである マイタラ島にはカツオの燻製加工者がおりテルナテ市内で販売している 次図に PPN テルナテ漁港および周辺地域の漁業活動状況をまとめて示す 99

124 Tuna / Hand line Demarsal fish Pembut(Phililines) : Lands one third times to Ternate / two times to Philippines illegally Airport PPI.Dufadufa (Kota); 5ton/day, Market Port of Ternate 4,500TEU/month reefer ;20-30TEU/month PPN.Ternate (Bastiong) 5,000t/year boat visit 5000 Container :5~8calls/month Sby-Tte-Btg-(Luwuk)- Mks-Sby Tuna loin, Merauke 24ton/month? From Bacan Is. By Ferry IUU Most of the fishermen live in Tidore Is. Skipjack, Ikan Layang, Squid, Tuna/baby Tuna Ternate PPI. Goto just completed Skipjack PPI. Soasio, Pasar Lama PPI. Tomolou Container 図 テルナテ漁港および周辺地域の漁業活動状況 ( 出典 : 調査チーム作成 ) 100

125 5 漁港の整備状況漁港の概況事前の情報通り PPN( タイプ B) のランクはそのままであるが 今後の水産加工分野での発展を意図し 企業誘致拡大のための拡張計画がある 中央政府の所管である 本サイトはスパイスの世界的な産地として開発されたことから インドネシア東部地域における物流拠点としての実績がある 歴史的な背景が地域開発の遅れを招いてきたが 2000 年の北マルク州設立がインパクトとなり 広大なハルマヘラ島の開発プロジェクトが動きだしている テルナテ漁港は 32 名の常勤職員 1 名の常勤職員候補 1 名の非常勤職員 14 名の日雇職員から成る組織である テルナテ漁港の整備は 1980 年に始まり 1996 年に T 字型の桟橋が完成 2003 年にその桟橋を延長 2005 年に 2 つ目の T 字型桟橋が完成して現在に至っている 主要施設を次表に示す 表 テルナテ漁港主要施設一覧 No Type of Facility Size Condition Remarks A Main Facilities 1 Port Area I M 2 Good 100% 2 Jetty I 64 x 6 M 2 Good 80 % appropriate Trestle I 89,5 x 8 M 2 Good 80 % appropriate 3 Jetty II 49 x 6 M 2 Good 80% appropriate Trestle II 83,38 x 8 M 2 Good 80 % appropriate Berthing Wharf 50,4 x 4 M 2 Good 80 % appropriate 4 Tallud of Sheet Stone 197 M 2 Good 100% appropriate 5 Road in the Port M 2 Good 100 % appropriate 7 Port Pond -5.5 M - - B Functional Facilities 1 Auction Hall /Fish Market 500 M 2 2 Administrator Office 415 M 2 3 Parking Area 544 M 2 Appropriate 4 Fisheries Inspection Office 54 M 2 Appropriate 5 Fuel Tank 50 ton Functional 6 Block Ice Factory 10 ton Functional 7 Bulk Ice Factory 20 ton Bad 20 % Damaged 8 Cold Storage 2 units 80 ton Functional 9 Air Blast Freezer 3 units 10 ton Functional 10 Water Tank 2 units 150 ton From Artesian Well 11 Artesian Well 4 Lt/s Functional 12 Sea Water Tower 10 ton Good 60 % Functional 13 Toilet 54 M 2 Functional 14 Electric Installation 300 KW From PLN 15 Genset 150 KW Functional 16 Mini Plant/ Processing Room 210 M 2 Functional 17 Repair Workshop 200 M 2 Good 70 % Functional 18 Fishermen Meeting Room 100 M 2 Good 70 % Functional 19 Equipment Warehouse 120 M 2 Good 70 % Functional 20 Drying Net Place 500 M 2 Good 70 % Functional C Supporting Facilities 1 Officer House 2 Unit Good 70 % Functional 2 Operator House 8 Unit Good 70 % Functional 101

126 No Type of Facility Size Condition Remarks 3 Mosque/Islamic Praying House 100 M 2 Functional 4 Wall fence 500 M Appropriate 5 Guard house : 2 unit 18 x 2 M 2 Functional 6 Pawnshop 42 M 2 Rental 7 Laboratorium of Fish Quality 200 M 2 Not Efficient 8 Tennis Court 1 unit Functional D Industrial Company in PPN Ternate 1 PT. Mitra Nelayan Mandiri 1. Block Ice Factory 20 ton 2. Refer Container 20ft 2 unit 3. Fishing Vessels 6 GT 50 unit 2 PT. Dwi Poli Perkasa 1. Air Blast Freezer 3 ton 2. Cold Storage 2 unit 100 ton 3. PT. Era Mandiri Cemerlang Tuna Loin Processing 150 M 2 4 CV. Fiberglass Perkasa Shipbuilding yard M 2 5 UD. Hermanto 6 UD. Agus 7 UD. Irwan ( 出典 :PPN テルナテ漁港 ) 漁港利用状況次表のとおり テルナテ漁港を利用する漁船の数は 2009 年 4,363 隻であった 同漁港の製氷工場からの氷の供給量は同年 337 トンであるが 民間の製氷工場からのブロックアイスの供給量は 5,630 トンであった 表 PPN テルナテ漁港施設を利用する漁船の数 年 NO. MONTH Visiting Vessels (Time) Total 5,770 4,363 ( 出典 :2009 年 PPN テルナテ漁港年報 ) 表 PPN テルナテ漁港における製氷工場からの氷の供給量 年 Year of 2008 Year of 2009 NO MONTH VOL (Ton) VALUE (IDR) VOL (Ton) VALUE (IDR) AMOUNT OF ,480, ,287,500 ( 出典 :2009 年 PPN テルナテ漁港年報 ) 表 民間製氷工場によるブロックアイスの供給量 年 VOL (Ton) VALUE (IDR) VOL (Ton) VALUE (IDR) AMOUNT 5,467 1,858,780,000 5,630 1,463,800,000 ( 出典 :2009 年 PPN テルナテ漁港年報 ) 102

127 同漁港の年間の収入を次表に示す 表 PPN テルナテ漁港の収入 年 RECEPTION RECEPTION NO. TYPE OF INCOME ( IDR. ) ( IDR. ) I. GENERAL RECEPTION ,562 8,711, Officer House Rental 3,614,941 3,516, The return of the remaining contract 25,749,621 5,192,500 II. FUNCTIONAL RECEPTION 449,012, ,527, Workshop Services 22,255,000 28,930, Sales of Water 61,514,500 65,168, Sales of Ice 92,480,000 84,287, Cold Storage Rental 54,500,000 58,000, Cool Box Rental 2,760,000 2,300, Parking Charges 20,905,000 23,583, Tank Rental 1,905,000 1,140, Land Rental 4,423,300 11,035, Toilets Rent 14,642,000 14,925, Storage Rental 11,875,000 9,029, Stacking Places Rental 2,384,000 2,023, Mooring Services > 10 GT 69,582,000 72,453, Mooring Services < 10 GT 20,811,000 21,509, Electric Services 62,723,990 59,075, Fish Sales Place Rental 6,252,000 6,069,000 Amount of I + II 478,377, ,235,075 ( 出典 : 2009 年 PPN テルナテ漁港年報 ) また テルナテ漁港の概要を次図に示す 103

128 図 テルナテ漁港現況 ( 出典 : 調査チーム作成 ) 104

129 桟橋必要規模の検討オークション ホールは小売の市場として使われている 港湾施設の不足のため 北側の新桟橋には車両用フェリー船が着岸している 北側桟橋には漁船も係留されているが 主として休憩目的となっている 漁船による年間の利用隻数は 4,363 隻 ( 既出 ) である テルナテにおける漁船の構成は 10Gt 未満 38 隻 10-30GT44 隻 (Indonesian Fishing Port 2009) である この比率を用いて荷揚げ施設の所要延長を試算して次表に示す 現有施設総延長は =163m であり この施設規模で現在利用している漁船数に対して均衡しているものと考えられる 表 テルナテ漁港必要荷揚げ施設延長の試算 ( 調査チーム作成 ) 種別 年間利用隻数 ( 隻 ) 1 日当たり隻数 N 0 (85% 供 1 隻当り荷揚げ占有時間 施設供用時間 h(hr) 同時作業隻数 n= N 0 *H 0 /h 基本船長 L(m) 必要ハ ース長 (1.15L n) (m) 出漁準備バース長 (m) 用 ) H 0 (hr) 10GT 未満 ~30GT 漁港拡張計画テルナテ漁港事務所より提供された施設拡張計画を次図に示す この計画のため 2008 年に拡張用地の取得が行われた ただし拡張予定地の大部分は 現状は海面である 拡張計画における主要施設は T 字型桟橋と斜路 漁船修理施設である 総事業費は 1,116 億 IDR と見積もられている 図 テルナテ漁港拡張計画 ( 出典 : 調査チーム編集 ) 105

130 表 テルナテ漁港拡張計画事業費 年度別事業内容費用 (IDR) 備考 総事業費 111,622,970, 年 43,232,851,350 施設全体の詳細検討 500,000,000 護岸詳細設計 100,000,000 拡張区域の埋立 32,914,385,350 5,206,398,000 護岸整備 1,344,833,000 排水施設整備 冷凍庫ほか修理 2012 年 8,886,749,021 道路工事事務所棟漁港入り口ガードポスト公園 4,083,596,022 3,643,942, ,458, ,752, ,000, 年 6,303,056,009 道路舗装 978,056,009 駐車場 325,000,000 水タンク 425,000, ,000,000 燃料タンク 2,500,000,000 配電 1,200,000,000 燃料施設 2014 年 53,200,313,750 桟橋渡り桟橋 KIOSK オークション ホール倉庫 ( 出典 :PPN テルナテ ) 34,400,000,000 15,750,000, ,000,000 1,272,420,000 1,192,893, ,000m 3 9,028m 2 2 階建 760m 2 42m 2 4,288m 2 800m 2 450m 2 150m 2 320m 2 300m 2 106

131 (7) テュアル 1 地域の概況 PPN テュアル漁港は 632 の島々が広がるマルク州のテュアル市に位置する マルク州は北側を北マルク州と接し 南側を東チモール オーストラリアと 西側を南東スラウェシ 中央スラウェシ州と 東側を西パプア州と接している マルク州には 10 の漁港があり 内訳は 2 つの PPN (Type B) と 8 つの PPI (Type D) である マルク州の総人口は 1,440,014 人で 中央マルク県 (25.62%) アンボン市 (19.53%) セーラム島西岸 (11.04%) に人口が集まっている ( 出典 :2009 年マルク州統計 ) 図 PPN テュアル漁港の位置 ( 調査チーム作成 ) 2 マルク州の漁業の概況マルク州の 2008 年の漁業生産量は 40 万 3,081 トンであり 漁獲漁業が 38 万 4,543 トンとそのほとんど (95.4%) を占めている 養殖業の生産量は 1 万 8,537 トン (4.60%) であり マルク州の水産業は依然 海面における漁獲漁業が主体である 現在 マルク州には 2 つの PPN 漁港と 8 つの PPI がある テュアルは マルク州の州都アンボンから南東に位置するカイ諸島にある マルク州全体での代表的漁具は 船巻き まき網 刺網 すくい網 流し延縄 定置延縄 定置底延縄 曳き縄 手釣りなどである 表 マルク州における漁業生産量 年 Type of Fisheries Year Capture Fisheries 488, , , Marine capture 488, , , Inland capture Aquaculture 3, ,824,2 18, Marine aquaculture 2, , , Brackish water aquaculture ,2 - Freshwater Aquaculture ( 出典 :2009 年マルク州統計 ) 107

132 3 水産資源の動向マルク州の大きな特徴は 島嶼が多くすべての境界が海で囲まれていることである マルク州の周辺は FMA714 のバンダ海 FMA715 のセーラム海 そして FMA718 のアラフラ海の 3 つの海から成っている 政府の漁業資源評価委員会 (PRPT FKPPS2008) によると それぞれ 31 万 1,900 トン / 年 (FMA714) と32 万 4,900 トン (FMA715) 及び 38 万 5,700 トン / 年 (FMA718) の資源ポテンシャルがあると推定されている マルク州の海域の全面積が FMA714 の 100% FMA715 の 20% FMA718 の 30% であり 水産資源が等しく分布すると仮定すると マルク州の水産資源ポテンシャルは年間 627,579 トンと大雑把に推計できる 4 テュアルの漁業の概況テュアル周辺海域は資源状態が良好であり 民間漁業会社の強い関心があることから 大規模な民間漁業コンプレックスが存在すると同時に 地元零細漁業活動が併存しているという特徴がある 一般にテュアルの漁業は小規模なものが多い テュアル市を含む南西マルク県でよく使われている漁具は 手釣り 流し刺網 及び小型のカゴ等である 漁業者は手釣り 旋網 バガン従事者が多い 手釣りは底魚 イカなど バガンはアンチョビーを主な対象としている 小カイ島の西海岸に漁業者が集中しており 約 5,000 人の小規模漁業者がいる 海藻養殖が増えてきたが 漁業活動を止める漁業者はいない 計 14 の漁業者クロンポック 72 の海藻養殖クロンポックがあり テュアル市が物資 技術の支援を行っている 大規模仲買人と契約を結んでいる小規模漁業者がおり 彼らの漁船は 4-5GT である マルク州の漁業者が使っている漁船は 無動力船 船外機船 船内機船 3 つに分かれる テュアルを含む南西マルク州の 2008 年における漁船数は 5,101 隻であるが ほとんどが無動力船である 無動力船の数は 4,352 隻で全体の 85.3% を占める 表 テュアル市を含む東南マルク県の漁船数 Category of Vessel Year With non powered boat 2,093 7,535 5,351 4,352 With outboard motor With inboard Motor ( 出典 :2010 年東南マルク県統計 ) Total 2,330 8,268 6,410 5,101 漁船は地元伝統漁船と企業大型漁船の二極化が進んでいる しかし PPN テュアル漁港の利用漁船数は 2007 年以降激減している 2009 年の同漁港における魚の荷揚げと物資の積卸はわずか 30 隻である これによって同漁港の水揚量も 2007 年 14.5 万トンから 2008 年 5 万トンへと激減した 聞き取り調査によると IUU 漁業取締りのため官憲の施設内への介入があり PPN 利用企業の不安が解消しきれていないためとみられている このほか 漁業監視船が漁港を基地として利用している 108

133 2008 年 マルク州の漁業者数は 38,666 人である 10 テュアル市を含む東南マルク県の漁業者数は同年 8,384 人である 11 表 テュアル市を含む東南マルク県の漁業者数 Year Number of Fishers Number of Fishers Group , , , , ( 出典 :2009 年東南マルク県統計 ) 5 水産物流通 加工小規模漁業者は特定の仲買人との結びつきは無く より有利な価格で買い取ってくれる相手に販売している スラバヤに魚を出荷している仲買人と契約を結んでいる漁業者も多い 輸出は漁船 輸送船を所有し 自社船で直接輸出する大企業 1 社により行われている そのほか 大消費地向けの供給業者 ローカル市場向けの小規模漁業 海藻養殖 真珠養殖がある テュアル島にはテュアル港 ( 運輸省管理 ) があり スラバヤとの間の貨物輸送 および州内への貨物流通の拠点となっている テュアル漁港で水揚された水産物についても 大規模仲買人によって冷凍コンテナを利用して アンボンへは立ち寄らずにスラバヤに運ばれている 彼らは小規模漁業者から魚を買い付けている 2007 年まで漁港を利用していたタイ 韓国 台湾などの外国漁船の利用は無くなった 現在 大型漁船 輸送船はビトゥン漁港 (PPS Bitung) またはアンボン漁港 (PPN Ambon) を利用している ただし 3 ~ 4 ヶ月に 1 回程度 冷凍加工業者がチャーターした輸送船が 漁港で積み込んでスラバヤ 台湾に輸送する テュアル市など域内 ( 中央マルク県 10 万人 テュアル市 6 万人 ) で消費する水産物は小規模漁業者によってオージャン ラングール市場に陸揚げされている 取引は仲買人主導である 加工は フィレー加工 凍結品が主体である バガンで漁獲するアンチョビーは冷凍にして台湾へ 底魚はフィレーでスラバヤへ スラバヤからオーストラリアへ輸出される 漁獲物の品質管理では氷の使用は浸透しており 仲買人の個別管理が主体である 中小の冷凍加工業者は 小規模漁業者から直接漁獲物を買い付けている 荷揚げは各業者私有の桟橋または浜で荷揚げしてトラック輸送する マルク州内の他県 他島からテュアルへの水産物の流入 流出はともに無い 域内市場の供給が過剰になったときは パプア州のティミカに仲買人が出荷する 活魚業者が 2 社活動している 小規模漁業者が生け簀に蓄養している活魚 ( ハタ主体 ) を定期的に輸送船で集めて 毎月スラバヤ バリに運んでいる 活魚業者の輸送船はライセンス取得のために寄港する いずれの会社の輸送船も月 1-3 回寄港する 海藻養殖は乾燥重量で月 トンを生産 出荷している 年マルク州統計 年東南マルク県統計 109

134 ウブ島にサメの肉と鰭の塩干加工品を製造している会社が 1 社ある マカッサル スラバヤ ジャカルタへ出荷している 家内工業レベルの干アンチョビー製造者がテュアル市内に 10 社 数軒の冷凍加工品製造会社がある 次図に テュアル漁港および周辺地域の漁業活動状況を示す Container : 4calls/month, - Fakfak - Timika - Merauke Surabaya Carry Boat : to Surabaya, Taiwang hand line PPN. Tual Port of Tual Lairnagas PPI.Karvik mini purse seine hand line lift net Uhmar 図 テュアル漁港周辺の漁業活動概要 ( 出典 : 調査チーム作成 ) 6 漁港の整備状況 事前の情報通り PPN( タイプ B) を PPS( タイプ A) に格上げするという内容である 運営は中央政府 である PPS へ格上げするための用地は確保済みである 民間航空会社が現在利用している空港は空軍の 110

135 所有であり 新たに民間空港が建設中である また 商港も国営の港湾会社の運営ではなく 中央直轄である 中央直轄による支援体制は 漁港も含めて テュアル地域の一つの特徴となっている テュアル漁港の合計 46 人の職員のうち 26 人は常勤職員 20 人は非常勤職員である 同漁港の主要施設は次図のとおりである 表 テュアル漁港主要施設 施設名 諸元 仕様等 備考 漁港区域 11ha 利用しているのは 5ha 原野地 10ha 1 RC 桟橋 延長 136m 面積 1,056 m 2 水深 6~10m 渡り桟橋 306m 2 2 POS 桟橋道路 9,819m 2 3 燃料施設 5 航行標識 1 基 4,6 燃料施設 PT.GETRA MITRA USAHA 135m 3 7 給水施設 1 基 8,9 燃料施設 PT.NINI GERHANA 10 給水タンク 1 基 11 オークション ホール (TPI) PT.PUSAKA BAHARI 450m 2 12 作業棟 PT.PUSAKA BAHARI 450m 2 13 ワークショップ 34 m 2 14 公衆トイレ 15,16 電力施設 40KVA 108m 2 17 ラボラトリー m 2 18 漁業者集会所 591 m 2 19 管理事務所 550m 2 20 MESS KALEBUH 21 商店 22 住宅 ( 出典 : 調査チーム作成 ) 1 漁業監視船 年に拿捕された韓国漁船 3 事業休止している漁船 図 テュアル漁港全景 ( 出典 : 調査チーム作成 ) 111

136 図 テュアル漁港現況 ( 出典 : 調査チーム作成 ) 112

137 2007 年当時 桟橋不足解消 取扱量拡充のため 拡充計画が作成された 主な内容は 新設桟橋 ;300m 15m 修理用ドック 敷地を 5ha から 10ha に拡大 製氷工場整備などとなっている 図 テュアル漁港拡張計画 ( 出典 :PPN Tual パンフレット ) 4.3 漁港の調査結果のまとめ 漁港サイトの個別整備計画内容と課題 (1) 7 漁港サイトの個別整備計画内容本調査において対象とした 7 つのサイトについての調査結果から 以下に 表 漁港サイト整備計画と利用想定 としてまとめた なお 現地調査においては 各サイトの特徴 現状 問題点などを関係者との協議で できるだけ明確にして情報収集 確認を行うことが重要であると考え SWOT 分析を用いた 一つの調査手法として用いたものであり 内容の記述は省略した この結果は以下のまとめに反映されている 113

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