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1 上原記念生命科学財団研究報告集, 26 (2012) 116. 海馬における時期特異的細胞分化の制御 杉森道也 Key words: 海馬, オリゴデンドロサイト, アストロサイト, serine racemase,d-serine 富山大学大学院医学薬学研究部 ( 医学 ) 統合神経科学 緒言海馬は, 神経可塑性 シナプス可塑性などを神経基盤として, 比較的短期の記憶や学習に関わっている. これら海馬の機能発現において, オリゴデンドロサイト アストロサイトなどのグリアは, 神経伝導, シナプス伝達制御や代謝補助など, ニューロンと協調的な役割を果たしている. このように協調的に作動する海馬神経回路を構築する上で, 特異性を有したニューロンとグリアが時期 領域特異的に必要かつ充分な細胞数で発生することは, 極めて重要である. しかしながら, 海馬におけるニューロンとグリアの分化を制御する分子メカニズムは未解明である. 本研究では, 海馬発生におけるニューロン グリアの分化メカニズム, とりわけニューロンからオリゴデンドロサイト アストロサイトへの分化切り替わり時期に着目し解析を進めた. 神経可塑性に関わる NMDA(N-methyl-D-aspartate) 受容体の活性を調節するアミノ酸である D-serine とその合成酵素である serine racemase のオリゴデンドロサイト アストロサイト運命決定と成熟における役割を明らかにする事を試みた. 方法神経前駆細胞からニューロン グリアへの分化を制御するには, 幾つかの重要な制御ステップが存在するが, まず我々は, " 分化スイッチの本体である神経前駆細胞からニューロン オリゴデンドロサイト アストロサイトへの運命決定 ( 振り分け ) の制御 " に注目した. 特に, serine racemase ノックアウト (serine racemase -/- :SRKO) マウスの神経前駆細胞が運命決定のステップでバイアス ( 偏り ) をかけられているかを検討した. serine racemase は, 生後 7-8 日に脳において発現を開始する 1). そこで我々は, 生後 8 日目の野生型 (Wild type:wt) および serine racemase ノックアウトマウス (SRKO) の海馬由来の神経前駆細胞を増殖因子存在下に, 浮遊培養系である neurosphere 系を用いて濃縮を試みた 2). 野生型および SRKO マウス由来の神経前駆細胞はそれぞれ neurosphere を形成した. 形成した neurosphere 由来の神経前駆細胞を増殖因子非存在下の分化条件にて接着培養させると, ニューロン オリゴデンドロサイト アストロサイトへと分化した. 本実験系を用いて, 神経前駆細胞の運命決定バイアス 成熟の検討を行った. また, in vivo の解析は, 生後 13 日目と 21 日目から脳切片を作製し免疫染色にて検討を行った. 結果 1.SRKO マウス由来神経前駆細胞における細胞運命 SRKO マウス由来神経前駆細胞では, ニューロン (TuJ1 陽性細胞 ) とオリゴデンドロサイト (O4 陽性細胞 ) が増加し, GFAP(Glial fibrillary acidic protein) 陽性アストロサイトが減少していた. すなわち, SRKO マウス由来神経前駆細胞においてニューロンとオリゴデンドロサイトへの分化が増強され, アストロサイトへの分化が抑制されているバイアスを示した ( 図 1). 本実験により, serine racemase が, D-serine を介して神経前駆細胞の運命決定を調節している可能性が示唆された. 1

2 図 1. serine racemase ノックアウトマウス (serine racemase -/- :SRKO) 由来神経前駆細胞における分化バイアス. 生後 8 日 (P8) 海馬由来の神経前駆細胞を neurosphere 系を用いて培養した. Neurosphere を形成した神経前駆細胞の分化を, TuJ1 ( 神経細胞マーカー ), O4( オリゴデンドロサイトマーカー ), GFAP(Glial fibrillary acidic protein: アストロサイトマーカー ) を指標に, 分化 4 日目 (DAP4) に解析した. 全細胞中のマーカー陽性細胞の割合を示した. 野生型 (wt) に比較して, SRKO 由来神経前駆細胞は, 神経細胞とオリゴデンドロサイトにバイアスがかかっている. *P<0.05, **P<0.01 vs wt. 2.SRKO マウスにおけるオリゴデンドロサイト分化続いて, オリゴデンドロサイトの分化が, SRKO マウスにおいて促進されているかを検討した. 生後 13 日目の SRKO マウス海馬の脳室周囲の細胞群において, オリゴデンドロサイトのマーカーである Olig2 (Oligodendrocyte transcription factor 2) と O4 共陽性細胞の増加を認めた ( 図 2). 野生型マウスの海馬においては, オリゴデンドロサイトが生後 8 日目以降に出現する事から, Olig2 O4 共陽性オリゴデンドロサイトの増加は, 運命決定バイアスによるだけでなく, 早期のオリゴデンドロサイト分化の可能性を示唆した. 今後, 生後 8 日周辺における同様の実験と Thymidine アナログである EdU を用いた birth dating study( 生後 8 日目周辺のマウスに EdU を投与し, 投与直後 S 期を経て EdU を取り込み分化した細胞を同定し, 時期特異的な細胞分化パターンを見出す実験 ) を行い,serine racemase がオリゴデンドロサイトの分化時期を調節しているかを検討する予定である. 2

3 図 2 SRKO マウスにおけるオリゴデンドロサイトの分化促進. 生後 13 日 P13 脳切片を抗 Olig2 抗体, 抗 O4 抗体にて染色した. 海馬周辺の脳室周囲細胞 ppv と上昇層 Stratum Oriens において Olig2 と O4 の共発現細胞の増加を認める. *P<0.05, **P<0.01 vs wt, scale bar: 100μm. 3 SRKO マウス由来神経前駆細胞におけるオリゴデンドロサイトの成熟と D-serine のオリゴデンドロサイト分化制御活性 オリゴデンドロサイトは, 厳密なタイミングにより成熟が進む事が知られている. そこで我々は, SRKO マウス由来の神経前駆細 胞からオリゴデンドロサイトの成熟が促進されるかを検討した. SRKO マウス由来の神経前駆細胞を分化条件下 4 日目, 9-10 日目に, 異なる成熟段階にあるオリゴデンドロサイトのマーカーである NG2 cspg4 コンドロイチン硫酸プロテオグリカン 未成 熟段階), O4 未成熟から成熟までの途上段階), MBP Myelin basic protein ミエリン塩基性蛋白 成熟段階 を用いて 検討した. SRKO マウス由来の神経前駆細胞においては, NG2, O4, MBP いずれの陽性細胞も増加した 図 3 上段と中段). これは, オリゴデンドロサイトの成熟促進, もしくはオリゴデンドロサイト系譜の細胞集団の拡大を示唆した この両者が D-serine により調節され得るかを検討するために 神経前駆細胞の運命決定とオリゴデンドロサイト成熟における D-serine の効果を検討 した. Nuerosphere を形成する浮遊増殖条件下において D-serine (100μM) を添加された際には, NG2 O4 MBP 陽性細 胞は減少した. これは D-serine が, 神経前駆細胞からオリゴデンドロサイトへの運命決定において負に調節している事を示して いる 図 3 下段, 赤とオレンジ棒 図 4). また, D-serine 存在下での分化条件では, 成熟オリゴデンドロサイト MBP 陽性細 胞 の減少傾向を認めた 図 3 下段, 青棒). これは D-serine が, オリゴデンドロサイトの成熟を負に調節している事を示して いる. 3

4 図 3. SRKO マウス由来神経前駆細胞からオリゴデンドロサイトの成熟過程における D-serine の活性. 生後 8 日 (P8) 海馬由来の神経前駆細胞を neurosphere 系を用いて培養した. ( 上段, 中段 ) 神経前駆細胞の分化を NG2( 未成熟 ), O4( 中間成熟 ), MBP(Myelin basic protein; 成熟 ) を用いて分化条件 4 日目 (DAP4), 9-10 日目 (DAP9-10) に解析した. 全細胞中のマーカー陽性細胞の割合を示した. SRKO 由来の神経前駆細胞において, オリゴデンドロサイトの運命決定および成熟が促進されている. *P<0.05, **P<0.01, vs wt. ( 下段 ) オリゴデンドロサイト成熟における D-serine の効果. Neurosphere 形成過程及び, 分化過程において D-serine 0μM( 非存在下 ) もしくは 100μM を加え, オリゴデンドロサイトの成熟を分化条件 9-10 日目 (DAP9-10) に解析した. D-serine は, オリゴデンドロサイトの運命決定を負に制御し, オリゴデンドロサイトの成熟を抑制できる. *P<0.05, **P<0.01, vs D-serine 非存在下実験 (Neurosphere 形成過程 0μM, 分化過程 0μM). 4

5 図 4 SRKO マウス由来神経前駆細胞からオリゴデンドロサイトへの成熟. オ リ ゴ デ ン ド ロ サ イ ト の 成 熟 段 階 マ ー カ ー で あ る NG2 未 成 熟 ), MBP 成 熟 ), MAG (Myelin associated glycoprotein ミエリン関連糖タンパク 成熟) 抗体による免疫染色. Scale bar 50μm. 4 SRKO マウスにおけるオリゴデンドロサイトの成熟 続いて, オリゴデンドロサイトの成熟が, SRKO マウスにおいて促進されているかを検討した. 生後 21 日目野生型海馬の脳室 周囲細胞には成熟オリゴデンドロサイトはほとんど認められない. 生後 21 日目の SRKO マウス海馬の脳室周囲の細胞群におい て, Olig2 と成熟オリゴデンドロサイトマーカーの一つである MAG Myelin associated glycoprotein ミエリン関連糖タンパ ク 共陽性細胞の増加を認めた 図 5). 培養条件下における D-serine の活性と合わせると, serine racemase は D-serine の活性を介して, オリゴデンドロサイトの成熟を負に調節していると考えられた. 5

6 図 5 SRKO マウスにおけるオリゴデンドロサイトの成熟促進. 生後 21 日 P21 脳切片を抗 Olig2 抗体, 抗 MAG 抗体にて染色した. 海馬周辺の脳室周囲細胞の Olig2 陽性細胞 において MAG 発現細胞の増加と Olig2 陽性細胞中の MAG 陽性成熟オリゴデンドロサイトの増加を認める. *P<0.05 vs wt, scale bar 100μm. 5 SRKO マウスにおけるアストロサイトの産生 最後に, アストロサイトの分化が, SRKO マウスにおいて抑制されているかを検討した. 生後 13 日目の SRKO マウス海馬裂 周囲の細胞群において, アストロサイトのマーカーである GS Glutamine synthase グルタミン合成酵素 陽性細胞の減少 を認めた 図 6). このように, SRKO マウスにおいてはアストロサイトの産生が抑制されている事が見出された. 今後, アストロサ イトの成熟における serine racemase と D-serine の役割を明らかにする予定である. 6

7 図 6. SRKO マウスにおけるアストロサイト分化の欠損. 生後 13 日 (P13) 海馬を抗グルタミン酸合成酵素 (Glutamine synthase:gs) 抗体にて染色した. 海馬歯状回周 辺における GS 陽性細胞の著しい減少を認める. Scale bar:100μm. 考察 本研究により, serine racemase と D-serine が海馬におけるオリゴデンドロサイトとアストロサイトの分化制御に関わっている 事が明らかとなった. 特に serine racemase と D-serine は, 未分化神経前駆細胞からオリゴデンドロサイトの運命決定とオリゴ デンドロサイト系譜における成熟過程を負に制御し, アストロサイト分化を正に制御する事が明らかになってきた. しかしながら, こ れらの D-serine と serine racemase は, 海馬におけるオリゴデンドロサイト - アストロサイトの分化スイッチのメカニズムに組み込 まれているとしても, それは分化時期を調節しているのであろうか. 今後, Thymidine アナログである EdU やレトロウイルス感染 を用いた時期 領域特異的な細胞系譜追跡などにより, オリゴデンドロサイトとアストロサイトの分化時期と領域を特定し, SRKO マウスにおいて認められた表現型を, より詳細に検討する必要が有ると考えられた. また, D-serine は NMDA 受容体の補基質 であるが, 本研究において認められた表現型が NMDA 受容体の活性や神経活動を介しているのかを検討する必要が有ると考 えられた 3). 共同研究者 本研究の共同研究者は, 富山大学大学院医学薬学研究部 ( 医学 ) の森寿, 井上蘭, 小座野紘子および田村了以である. 文献 1) Miya, K., Inoue, R., Takata, Y., Abe, M., Natsume, R., Sakimura, K., Hongou, K., Miyawaki, T. & Mori, H.:Serine racemase is predominantly localized in neurons in mouse brain. J. Comp. Neurol., 510: , ) Sugimori, M., Nagao, M., Bertrand, N., Parras, C. M., Guillemot, F. & Nakafuku, M.:Combinatorial actions of patterning and HLH transcription factors in the spatiotemporal control of neurogenesis and gliogenesis in the developing spinal cord. Development, 134: , ) Huang, X., Kong, H., Tang, M., Lu, M., Ding, J. H. & Hu, G.:D-Serine regulates proliferation and neuronal differentiation of neural stem cells from postnatal mouse forebrain. CNS Neuroscience & Therapeutics, 18:4-13,

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第一章自然免疫活性化物質による T 細胞機能の修飾に関する検討自然免疫は 感染の初期段階において重要な防御機構である 自然免疫を担当する細胞は パターン認識受容体 (Pattern Recognition Receptors:PRRs) を介して PAMPs の特異的な構造を検知する 機能性食品は さとう わたる 氏名 ( 本籍 ) 佐藤亘 ( 静岡県 ) 学位の種類 博士 ( 薬学 ) 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 博第 270 号 平成 28 年 3 月 18 日 学位規則第 4 条第 1 項該当 学位論文題目 自然免疫活性化物質による T 細胞ならびに NK 細胞機能の調節作用に関する研究 論文審査委員 ( 主査 ) 教授大野尚仁 教授新槇幸彦 教授平野俊彦 論文内容の要旨

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1. Caov-3 細胞株 A2780 細胞株においてシスプラチン単剤 シスプラチンとトポテカン併用添加での殺細胞効果を MTS assay を用い検討した 2. Caov-3 細胞株においてシスプラチンによって誘導される Akt の活性化に対し トポテカンが影響するか否かを調べるために シスプラチ ( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 朝日通雄 恒遠啓示 副査副査 瀧内比呂也谷川允彦 副査 勝岡洋治 主論文題名 Topotecan as a molecular targeting agent which blocks the Akt and VEGF cascade in platinum-resistant ovarian cancers ( 白金製剤耐性卵巣癌における

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