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あまめかなり
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1 資源開発環境調査エルサルバドル共和国 República de El Salvador

2 目次 1. 一般事情 1 2. 政治経済概要 2 3. 鉱業概要 3 4. 鉱業行政 3 5. 鉱業関係機関 5 6. 投資環境 7 7. 地質鉱床概要 7 8. 鉱山概要新規鉱山開発状況探査状況製錬所概要わが国のこれまでの鉱業関係プロジェクト実施状況 17 資料 ( 統計法律文献名 URL 等 ) 17

1. 一般事情 1-1. 面積 21,040 km2 1-2. 人口 664.2 万人 1-3. 首都サンサルバドル 1-4. 人種スペイン系白人と原住民の混血 85% インディオ 5.5% 白人 10% 1-5. 公用語スペイン語 1-6. 宗教伝統的にカトリック 1-7.

3 1. 一般事情 1-1. 面積 21,040 km 人口万人 1-3. 首都サンサルバドル 1-4. 人種スペイン系白人と原住民の混血 85% インディオ 5.5% 白人 10% 1-5. 公用語スペイン語 1-6. 宗教伝統的にカトリック 1-7. 地勢等エルサルバドルは, 中央アメリカの西部にあり, 太平洋に面している西側をグアテマラと, 北と東側をホンジュラスと国境を接しているなお, ニカラグアとはフォンセカ湾を隔てて南東に位置するエルサルバドルでは2 列の山脈が東西に走っている北部地帯の標高は, 凡そ 1,600~ 2,200 m を示す山岳地帯は, かつては森林であったところであるが, 農業活動と激しい自然浸食の結果, 現在では半裸地状態になってしまったそのため, 農業ができなくなり, 人々は山岳地帯を離れて町に移住する状況に至っているエルサルバドルの国土は, この2 列の山脈 ( 北部山脈および海岸山脈 ), その間に挟まれる中央台地, そして太平洋岸の狭い海岸平野に分けられる北部山脈は,5 群総計 20 余の活火山の断続的連なりから構成されているこの山脈の西部グアテマラ寄りは,Izalco と Santa Ana 火山が属している Santa Ana 火山はこの国の最高峰で, 標高 2,365 m に達する成層火山体どうしの間には沖積盆地が分布し, 火山灰が水流によって運ばれて堆積しているこのような山間盆地や山の斜面にコーヒーが栽培されて, 輸出作物の第 1となっている中央台地は, 国土の4 分の1を占めるにすぎないが, 人口の大半が集まる都市が位置している中央台地の幅は僅か 50 km の狭い帯で, その平均標高は 600 m である海岸山脈と太平洋の間には狭い帯状の平野が分布するその幅は1~32 km である ( 東方観光局 HP) エルサルバドル

4 2. 政治経済概要 2-1. 政体共和制 2-2. 元首エリアスアントニオサカゴンザレス大統領 (04 年 6 月 ~09 年 5 月 5 年任期連続再選禁止 ) 2-3. 議会一院制 ( 議員定数 84 名任期 3 年 ) 2-4. 概況クリスティアーニ政権において進められた経済意自由化政策国家復興計画により内戦が終了した 92 年以降建設サービス業を中心に 4~5% の経済成長率を達成カルデロン政権 (94~99 年 ) もクリスティアーニ政権の経済政策を踏襲し 95 年まで 6% 以上の成長率を達成するがメキシコ経済の停滞消費税率の引き上げ内戦復興需要の停滞などの要因から景気が後退し 96 年の成長率は 1.8% まで落ち込んだ 98 年にはハリケーンミッチにより農業セクターが大きな被害を受けた 99 年発足のフローレンス政権は基本的に前政権までの経済政策を引き継ぎ雇用の創出を政策の軸に貧困の改善に積極的に取り組む姿勢を見せた 2-5. 主要産業マキラ ( 保税加工 ) による軽工業 ( 繊維 ) 農業( コーヒー砂糖 ) 2-6. GDP 14,996 百万ドル一人あたり 2,258 ドル (03 年中銀 ) 表 1 GDP 成長率及び構成比単位 GDP 10 億 US トル成長率 %/ 年出典 ;The World Bank Data Profile 2-7. 通貨ドル及びコロン (01 年よりサルバドル化 ) (USD SVC) 2-8. 為替レート 1US$=8.752SVC(2005/02 現在 ) 年末 1999 年 2000 年 2001 年 2002 年 2003 年 1US$= (International Financial Statistics 2004) 2-9. 貿易輸出 3,136 百万ドル : 繊維製品コーヒー砂糖えび輸入 5,763 百万ドル : 石油電気機器自動車対日貿易 (2003 年単位 : 百万円 / 貿易統計 ) 輸出 1,681 : コーヒー衣料輸入 12,644 : 自動車電気製品エルサルバドル

5 3. 鉱業概要 3-1. 概況 1980 年代の内戦と前代未聞の経済状態のため鉱業活動は停止していたが政府と左翼ゲリラ連合組織ファラブンドマルティ民族解放戦線 (FMLN;The Frente Farabundo Marti de Liberacion Nacional) が 1992 年 1 月に停戦に合意しことからそれ以降は古い鉱山の再開発を中心に徐々に鉱業活動が開始されてきたサンサルバドルの東北東約 50km の San Isidro の近くにある歴史のある El Dorado 鉱山や Santa Rosa de Lima の近くにある古くからの San Sebastian 鉱山及びその周辺の地域が鉱業活動の中心地となっているしかし 1999 年を最後に金銀は生産されていない表 2 主要鉱産物の生産動向単位金 oz 3, , 銀 oz 1, 出典 ;JOGMEC Mexico Original Data File 4. 鉱業行政 4-1. 法律エルサルバドルの旧鉱業法 (Ley de Mineri'a) は 1996 年 1 月制定のものであるが, その後 1998 年に環境法 (Ley del Medio Ambiente) が制定され, 鉱業活動の分野で環境影響調査の実施など環境保護面で規制が課されるようになったそのため, 鉱業法を改正して環境法の規制に対応できるようにする必要が生じたまた, 鉱業界から探鉱権の期限を延長することと, 鉱産税法人税の税率を下げるよう要望が出されたこのような状況で, 2001 年 4 月に鉱業法改正案が議会に提出され, これに合わせて, 鉱業法施行規則の改正も検討されたその結果,2001 年 6 月に鉱業法の改正がなり, ロイヤリティーの率が4% から2% に引き下げられ, 探鉱ライセンスの期間も最長 5 年から 8 年に延長された鉱業は 1999 年に鉱業の振興特に鉱業法の改正を要求するために鉱業会議所が設立された 3 年間の探鉱期間で 1 年間延長できる制度を最低でも 5 年以上にしてほしいことと税法で 4% の鉱産税と 25% の法人税があるがこれが鉱業発展の障害になっているので改正してほしいと要望したエルサルバドル共和国の鉱業法 (Ley de Mineri'a) は 1996 年 1 月 24 日に公布されたその後,2001 年 4 月に重要な部分改正が行われている現行鉱業法は全 11 章 76 条からなる (2001 年改正部にはその旨記す ) 第 1 章本法の目的, 所管および管区は, 第 1 条目的, 第 2 条鉱床の所有権, 第 3 条非再生天然資源, 第 4 条所管当局, 第 5 条省の権限, 第 6 条局の権限 (2001 年改正 ), 第 7 条所管を定めている第 2 章鉱業制度は, 第 8 条鉱業権を取得できる者, 第 9 条鉱業権を取得できエルサルバドル

6 る適切性, 第 10 条不動産としての鉱山, 第 11 条付属財産, 第 12 条鉱業活動のフェーズ, 第 13 条鉱業権の許可 (2001 年改正 ), 第 14 条鉱業権を譲渡する権限, 第 15 条コンセッションと両立しない地区, 第 16 条鉱業活動の不法行為, 第 17 条環境の保護 (2001 年改正 ), 第 18 条報告書を提出する義務を定めている第 3 章ライセンスとコンセッションは, 第 19 条探鉱ライセンス (2001 年改正 ), 第 20 条探鉱地区 (2001 年改正 ), 第 21 条許可, 第 22 条探鉱ライセンスの名義人の義務 (2001 年改正 ), 第 23 条鉱山の採掘コンセッション, 第 24 条採掘される地区の確定 (2001 年改正 ), 第 25 条鉱業コンセッション名義人の義務, 第 26 条鉱山操業の中断, 第 27 条ライセンスとコンセッションの終了 (2001 年改正 ), 第 28 条取り消しの理由, 第 29 条採掘コンセッションの終了の効力を定めている第 4 章採石場の採掘は, 第 30~32 条からなる (2001 年部分改正 ) 第 5 章処理と商業化は, 第 33~35 条からなる第 6 章申請書と添付書類の提出のための手順は, 第 36~46 条からなる (2001 年部分改正 ) 第 7 章監督と鉱山登録は, 第 47~52 条からなる (2001 年部分改正 ) 第 8 章用益権は, 第 53~62 条からなる (2001 年部分改正 ) 第 9 章税制は, 第 63 条連邦税および市町村税の義務, 第 64 条ロイヤリティー (2001 年改正 ), 第 65 条適用される比率 (2001 年改正 ), 第 66 条ロイヤリティーの精算 (2001 年改正 ), 第 67 条宣誓された申告書およびロイヤリティーの支払い (2001 年改正 ), 第 68 条執行行為を定めている第 10 章懲罰は, 第 69~71 条からなる (2001 年部分改正 ) 第 11 章最終条項, 廃止条項および有効期限は, 第 72~76 条からなる (2001 年部分改正 ) 以下に, 現行鉱業法の主要内容を纏める 1 鉱業権は探鉱ライセンス (Licencia de Exploracio'n) と採掘コンセッション (Concesion de Explotacio'n) からなる 2 探鉱ライセンスは面積 50 km 2 を限度とし, 当初期間 4 年, 延長は2 年ごとに都合 8 年に達するまで有効である 3 探鉱ライセンス権利料は,1km 2 当たり1 年目 25 米ドル,2 年目 50 米ドル,3 年目 75 米ドル,4~6 年目 100 米ドル,7~8 年目 300 米ドルである 4 採掘コンセッションは, 探鉱ライセンスの範囲内において付与され, 期限は最長を 30 年間とし終掘するまで有効である 5 採掘コンセッションのロイヤリティーは,1km 2 当たり年間 300 米ドルである 6 探鉱ライセンスは裁定によって担当局が公布し, 採掘コンセッションは担当省の承認を得て認可されるエルサルバドル

7 7 鉱区のロイヤリティーは国に対して1%, 市町村に対して1% を超えない範囲の比率を限度とする 8 探鉱, 採掘がその土地の地表で行われる場合は, 土地の所有者の合意が必要である 5. 鉱業関係機関 5-1. 政府機関 1996 年の鉱業法の下で経済省 (Ministerio de Economia) の石油鉱山局 (Direccion de Hidrocarburos y Minas) が所掌する経済省の鉱業関連の職務は次の各項である : 1 鉱業振興と鉱山開発のための政策, 計画, プログラムプロジェクトを策定する 2 鉱業権を付与し, 鉱業権者と該当する契約をかわす 3 鉱業法に定める鉱物資源に関する情報を収集する 4 鉱業法に定めるところに従って, 鉱業活動関連の諸規定, 諸施策を公示するまた, 国際技術協力プログラムによって調査された特別地区において, 経済性のある鉱床が発見された場合には鉱区の入札を行う炭化水素鉱山局の役割, 使命は次のようになっている : 技術的および法的立場に立って, 石油ガス (Subsector Hidrocarburas) と金属非金属鉱業 (Sector Minero) 分野で, 環境の保護保全に配慮しつつ, 国民生活の向上と国家の経済発展に寄与する石油ガスと金属非金属鉱業分野の総合的かつ持続的な発展を維持するために, 石油ガスに関しては消費者の利益を勘案しつつ競争を導入して投資を促進し, また金属非金属鉱業に関しては法的, 技術的, 行政的な政策, 規範および手段を用いて鉱床地帯を開発するための鉱業投資を誘引するように管理するこれらに基づいて, 次の7 項目の業務を行っている (1) 石油ガスと金属非金属鉱業の法的, 技術的, 行政的な規範と手段を精密的かつ現実的なものにする (2) 鉱物資源の探査, 開発, 商業化に必要な規則, 管理, 運営に適当で, 同時にそれらの資源開発に伴う環境を保護する機構を確立する (3) 石油供給とその派生業務に必要な調整機構を確立する (4) 石油ガスの供給と販売を管理監督する (5) 燃料の品質量を管理する (6) 電力と鉱業分野の規範技術基準を精密化し導入する (7) 鉱業統計を精密化する現在, 炭化水素鉱山局は次の3 部から構成されている :1 炭化水素商業化部 (Subdireccion de Comercializacion de Hidrocarburos),2 炭化水素部 (Subdireccion de Hidrocarburos),3 鉱山ユニット (Unidad de Minas) エルサルバドル

8 炭化水素鉱山局の現行組織は以下の通りであるエルサルバドル

9 6. 投資環境エルサルバドルは他の中米諸国に比して環境的に恵まれない小国であるが国民の勤勉性と労働生産性の高さは中米諸国の全てが認めるところであり同国の大きな特徴であるコーヒー栽培を中心とした農産物輸出を軸に経済形成過程で寡頭階級と貧困層という絶対的な貧富の差の構図が出来上がった第二次世界大戦後には労働生産性の高さを活用して工業化を行った結果中米で最も工業化の進んだ国となった 60 年代後半から 70 年代にかけては労働力の質の高さと廉価性を求めて海外から多くの企業が進出したが 70 年代後半に内戦が勃発したことによりこの多くが撤退を余儀なくされた 1992 年 1 月の和平合意成立後同国経済は比較的順調な回復を遂げつつある近年のエルサルバドルの特徴として挙げることができるのは米国との関係の緊密化である同国の歴史は常に米国の多大な影響を受けてきたが 90 年代に入りその関係は新たな展開を迎えている最も特徴的なのは在米エルサルバドル人からの海外送金の大きさでありその額は貿易収支赤字を相殺するレベルにまで達しており同国経済を支える不可欠な要素となっているまたパナマ運河から米軍が撤退したことにより麻薬不法取引監視のための中米での空軍の拠点を探した米国に対し 2000 年国会は米軍のコマラパ国際空港の使用を認めることを決定した 2001 年 1 月には通貨統合法により事実上ドル化が実施された主な開発政策としてはマキラドーラへの外国投資誘致政策があるが進出企業の 95% が繊維縫製業でありこの多様化が求められている投資誘致を目的とした経済省国家投資事務局 (ONI) 投資促進機関 (Comisi6n Nacional para la Promoci6n de Inversiones:PROESA) 等が設立されている経済指標については数字の面から言えば高い経済成長を示しているとは言いがたいが近年毎年のように何らかの自然災害に襲われてきたことを考慮すればブラス成長を維持してきたことは大いに評価されるべきである外資企業アンケートによれば開発政策について政情の安定化 (11 社 ) 経済政策 (10 社 ) を評価する意見が最も多い経済政策ではドル化通貨政策が評価されている次いでインフラ整備を評価する企業が多く回答数は 6 件に達した以上の点から外資誘致政策に対しての一定の評価がされていると判断できるが他方で今後の改善すべき点として人材育成技術開発税制問題を挙げている企業があり一層の努力が望まれている 7. 地質鉱床概要 7-1. 地質エルサルバドル共和国は中米太平洋岸に面し, 地質構造的に大きく2 区分される北西部グアテマラ国境付近の中生界プラットフォームエルサルバドル国土の大半を占める新生界ブロックの中生界プラットフォームは,Chorti's クラトンと呼ばれ, 中生界変堆積岩類からエルサルバドル

10 なるの新生界ブロックは, 新第三紀漸新統 ~ 現世までの主として火山岩, 火山砕屑岩類からなり, 中米における Cocos Caribian プレートの収束境界部に相当する活動帯であるエルサルバドル地質概略図 (JMEC 内部資料 ) エルサルバドル共和国の地質は, 大略次の各地層から構成される : 中生界 ~ 中新統 (Ks), 鮮新統 (Tvt,Tv), 鮮新統 ~ 更新統 (TQv), 更新統 ~ 完新統 (Qvt,Qvc,Qv,Qvp), および完新統 (Qal) 火成岩としては花崗岩類 (Ki) が知られている第 4-1 および 4-2 図にエルサルバドル全土の地質図とその地質凡例を掲げる本地質図は,Mapa Geolo'gico Preliminar de El Salvador, Esc. 1:500,000 (1966) を基にしたものであるなお, エルサルバドル全土の地質図に関しては, 後述の地質図幅 ( 縮尺 10 万分の1) があるが, 本図とは一部異なる中生界 ~ 中新統 (Ks) エルサルバドルで最古の岩類は, 中生界ないし中新統とされる堆積岩類 (Ks) であるこの堆積岩類は, 細流砂岩, 石灰岩, 安山岩質凝灰岩などからなり, 薄い礫岩を挟在する堆積岩類はエルサルバドル北西のグアテマラ国境付近に分布する鮮新統 (Tvt,Tv) 鮮新統は, ラハーを主体とし凝灰岩と溶岩流を伴う鮮新統は, 酸性 ( 流紋岩質 ) の下部層 (Tvt) と上部層 (Tv) に2 分される鮮新統はエルサルバドル全土に広く分布するなお, 本層は後述の地質図幅 ( 縮尺 10 万分の1) によると, 漸新統 ~ 中新統に対比されてエルサルバドル

11 いる鮮新統 ~ 更新統 (TQv) 鮮新統ないし更新統は, 塊状火山岩を主体とする古期火山岩類からなる古期火山岩類は, エルサルバドル国内の3 地域に集中して産出するそれらは,San Francisco Gotera, Suchitoto~Aguilares の間, および Nueva Concepcio'n の西に分布する古期火山岩は, 火山体の開析が進んでいるが, 現在でも海抜 1,000~1,500 mの成層火山体を形成している更新統 ~ 完新統 (Qvt,Qvc,Qv,Qvp) 更新統 ~ 完新統は, 下位から上位に, 凝灰岩類 (Qvt), 玄武岩質安山岩質石英安山岩質溶岩ドーム (Qvc), 塊状火山岩類 (Qv), および凝灰岩火山岩類 (Qvp) からなる最下部の凝灰岩類 (Qvt) は, 分布が局部的であり, サンサルバドール南の太平洋岸に近い所に分布する溶岩ドーム (Qvc) は, サンサルバドール東方の Lago de Ilopango の西岸と北岸に分布する塊状火山岩類 (Qv) は, エルサルバドルの主として南部に東西に広く分布する新期火山岩類であるこの新期火山岩は成層火山体を形成し, 主要なものが4 地域に分布するそれらは,San Miguel 西方の Volcan de San Miguel などの火山群,Zacatecoluca 北方の San Vicente 火山, サンサルバドル西側の San Salvador 火山,Santa Ana 南方の Volcan de Santa Ana( 標高 2,325 m) であるこれらは皆, 標高 1,500~2,300 m の比較的高い火山である最上部の凝灰岩火山岩類 (Qvp) は, 細粒 ~ 粗粒の凝灰岩類からなり, 火山灰, 軽石, スコリア, 溶岩ブロックなどを含む主として石英安山岩質であるこの岩類は, エルサルバドル西部 ~ 中央部にかけて分布が認められる完新統 (Qal) 完新統は, 現世の溶岩流と沖積層などからなる現世溶岩流は, エルサルバドル東部の Volcan de San Miguel 火山の裾野周辺, 西部の San Salvador 火山, および Volcan de Santa Ana 火山に産出する主として安山岩質 ~ 玄武岩質溶岩からなる沖積層の砂礫層は主要河川に沿って分布する花崗岩類 (Ki) エルサルバドルでは, 北西部のグアテマラ国境付近に花崗岩類の産出が認められているこれらの火成岩は, 花崗岩ないし閃緑岩質である花崗岩体には酸性 ( 流紋岩 ~ 石英安山岩 ) 火山岩, 凝灰岩を伴うことがある 7-2. 鉱床区エルサルバドルの鉱床については, 総括的な研究がなく, 鉱床区の定義がまだなされていない鉱山鉱床鉱徴地エルサルバドルの貴金属非鉄金属鉱床に関しては, 既述のように総括的研究がないたエルサルバドル

12 め鉱床区の定義がなされていない従って, 以下にエルサルバドルの主要既知鉱床の地質鉱床データを記述して, 鉱床概要を纏めていく方向で進めるなお, 主要鉱床鉱徴地の位置図を第 4-5 図に示した San Juan Santa Ana 県の Metapa'n 地区にあり, 中生界の堆積岩類を母岩にした中熱水鉛亜鉛鉱床銀を伴う Aldea Zapote Santa Ana 県の Metapa'n 地区にある銀, 鉛亜鉛鉱床である鉱床の周辺には, 褶曲と断層運動を受けた中生界の変堆積岩類 ( 石灰岩, 砕屑岩類 ) と白亜紀のモンゾニ岩, 閃緑岩が分布する Santa Carolina 地区と Cerro Colorado 地区の2つが探鉱対象になっている Santa Carolina 地区の鉱床は, マント型 ( ないしスカルン型 ),Cerro Colorado 地区のものは斑岩岩体に伴う角礫岩中の鉱床とされている Cerro Colorado 地区の鉱床は, 石英安山岩質斑岩岩体に伴う角礫岩中に胚胎し, 鉱染状 ~ストックワーク状鉱床とされる鉱物組み合わせは, 閃亜鉛鉱, 方鉛鉱, 黄鉄鉱を主とし硫銀鉱と, まれに自然金を含有することが知られている脈石は, 石英と重晶石である鉱脈状部の品位では, 最高 Ag 311 g/t,pb+zn 3.97 % が得られているとのことである (Intrepid Minerals 社による ) El Paisnal サンサルバドルの北 30 km の San Salvador 県にある浅熱水性金銀鉱床新第三系の酸性 ~ 中性火山岩 ( 流紋岩, 安山岩など ) を母岩とする含金石英脈である (Dayton Mining 社による ) El Dorado El Dorado 地区は,Caban'as 県にある浅熱水性金銀鉱床である El Dorado 地区には, 旧 El Dorado 金鉱山 (Minita 脈など ) の他,La Coyotera Norte,El Plan,Potonico,San Francisco,Nueva Esperanza などの旧坑が知られている鉱床は, 漸新統 ~ 中新統の Moraza'n 層および Chalatenango 層に属する主として安山岩質溶岩, 角礫岩中に胚胎する浅熱水性石英 - 方解石脈で, 金銀を含有する鉱脈は, 脈幅 1m 以上のものが 30 条余あり, その内経済性のあるものが数条あるとのことである鉱化帯は南北に延び, その規模は幅 2 km 延長 10 数 km に及ぶ鉱床タイプは, 鉱業権者の Pacific Rim Mining 社によると, 氷長石 - 絹雲母型の浅熱水性金鉱床である主要脈である Minita 脈は, 所謂ボナンザ脈の様相を示し, 富鉱部は石英 -カルセドニ- 方解石と硫化鉱物による縞状構造を呈するエルサルバドル

El Dorado 地区地質鉱床図 (Pacific Rim Mining 社のホームページより ) La Calera 本地区は, 上述の El Dorado の西 8 km に位置する鉱床は浅熱水性金銀鉱脈で,El Dorado と同様にボナンザ型とされる鉱脈は, 幅 350 m 延長 1,200 m の範囲に数条ある主要脈の Rosa 脈は, 幅 1 m, 走向延長 500 m

13 El Dorado 地区地質鉱床図 (Pacific Rim Mining 社のホームページより ) La Calera 本地区は, 上述の El Dorado の西 8 km に位置する鉱床は浅熱水性金銀鉱脈で,El Dorado と同様にボナンザ型とされる鉱脈は, 幅 350 m 延長 1,200 m の範囲に数条ある主要脈の Rosa 脈は, 幅 1 m, 走向延長 500 m で, チップサンプリングの結果では, 最高 Au g/t が得られたとのことである (Pacific Rim Mining 社による ) El Potosi 本地区は, サンサルバドルの東約 90 km の San Miguel 県にある本地区内には, 金鉱脈を採掘した旧坑がある記録にある採掘の始まりは 1899 年で, 以来断続的に 1952 年まで稼行された金の生産量は 1945~52 年に 3 万オンスと言われ, それ以前の産出量も加えて, 総計約 6 万オンスと推定されている鉱床は,El Dorado に類似の浅熱水性金銀鉱脈である鉱脈は, 石英 -カルセドニー- 氷長石脈に金銀を含有するもので, 縞状を呈する過去に採掘された鉱脈は, 脈幅 1~3 m, 品位 Au 18~30 g/t 程度のものである鉱脈は, NE~NNE 系のものと NW 系のものがあり, 鉱脈群が南北約 3 km の範囲に分布する地質の詳細は不明だが, 母岩は第三系の中性 ~ 酸性火山岩火山砕屑岩類であるエルサルバドル

El Potosi' 地区地質鉱床図 (Brett Resources 社のホームページより ) San Sebastia'n San Sebastia'n 鉱山は,Commerce Group 社 ( アメリカ資本 ) が操業する金銀鉱山で, La Unio'n 県の Santa Rosa de Lima 市北西 5 km にある鉱山は 1880 年代から断続的に稼働している

14 El Potosi' 地区地質鉱床図 (Brett Resources 社のホームページより ) San Sebastia'n San Sebastia'n 鉱山は,Commerce Group 社 ( アメリカ資本 ) が操業する金銀鉱山で, La Unio'n 県の Santa Rosa de Lima 市北西 5 km にある鉱山は 1880 年代から断続的に稼働している鉱床は新第三系玄武岩, 石英粗面岩, 礫岩などの中に貫入した石英モンゾニ岩質斑岩の中および周辺に胚胎する含金石英脈である金は単独で, また黄鉄鉱に含有されて産出する鉱床母岩は珪化および粘土化変質を受けている San Cristobal 本地区内には,Loma Corozal,Encuentros,El Divisadero,Montecristo,Hormiguero, Barrios,El Gigante,Fortuna,San Antonio,Loma Larga,Flamenco-Pavo'n などの旧坑があり,19 世紀末より 1988 年頃まで断続的に金銀を採掘していた鉱床は, 中新統のエルサルバドル

15 Chalatenango 層の酸性火山岩, 火山砕屑岩, イグニンブライトを母岩とする鉱床は, 陥没カルデラ構造のところに産出する鉱床としては, 次の2タイプのものが知られている (Intrepid Minerals 社による ): a) 石英脈 ; 脈幅 1~3 m, 走向延長 500~700 m, 傾斜 35~70 母岩には, 珪化およびプロピライト化が認められる b) 角礫状鉱染帯 ; 熱水性角礫岩体中の鉱化帯で, 石英ストックワークが発達する幅 50 ~100 m 延長 500~2,000 m 程度のゾーンをなす鉱床は, 石英 - 氷長石の組み合わせの低硫黄型浅熱水性金銀鉱床である鉱石鉱物は, 閃亜鉛鉱, 方鉛鉱, 黄鉄鉱, 黄銅鉱, 硫銀鉱などが報告されている脈石としては, 石英, 氷長石, 重晶石などが産出する El Gaspar La Unio'n 県 San Sebastia'n 鉱山の南東約 5 km にある浅熱水性金銀鉱脈鉱床は氷長石 - 絹雲母型に属し, 縞状石英脈に局所的に高品位の金を含有する主要脈は, 脈幅 1.0 ~2.5 m, 走向延長 200 m で, 南北走向, 急傾斜のものである高品位部は, 最高 Au 24.7 g/t( 採取幅 2.3 m, ピットにおける石英脈 ),Au 11.8 g/t( 採取幅 3.55 m, 真幅 2.51 m, ボーリングによる ) などの分析結果が得られている本地区の鉱化変質帯は新第三系酸性火山岩を母岩として, その規模が延長約 5 km に及ぶとのことである (Brett Resouces 社による ) 付近の鉱化帯(Algo'don-Amatillo,Santa Clara II,Tinta Amarilla など ) とともに Oriente 地区を構成している 3: San Juan,5: El Paisnal,6: El Dorado District(La Coyotera Norte, El Plan, San Francisco, Nueva Esperanza),8: Potosi',9: Oriente District,10: Hormiguero, 11: Monte Mayor,12: San Sebastia'n,13: San Cristobal,14: Divisadero (Montecristo, Barrios, San Carlos) ( 以上は MiningPro File による ) エルサルバドル

16 エルサルバドル共和国主要鉱床鉱徴地位置図以上の鉱床鉱徴地のデータを基にして, エルサルバドル共和国に産出が知られている主要鉱床タイプとその胚胎地域の地質を纏めると次の通りである (1) 浅熱水性金銀鉱床このタイプに属する主要鉱床は,El Dorado 地区の El Dorado,La Calera などの諸鉱床, El Potosi',Oriente District にある San Cristobal,San Sebastia'n などの鉱床などである鉱床は, 低硫黄型の鉱物組み合わせを特徴とし, 石英 - 氷長石 (- 方解石 ) 脈に金銀およびベースメタル鉱物を含むものが主体である鉱脈は, 幅 1~3 m, 走向延長数十 ~ 700 m 程度の規模を有する鉱脈は, その中の富鉱部が過去に採掘対象になっており, ボナンザ部の品位が数十 g/t を呈する鉱床母岩は, 漸新統 ~ 中新統の酸性 ~ 中性の火山岩火山砕屑岩類 (Moraza'n 層,Chalatena'ngo 層 ) であるこのタイプに属すると考えられる San Cristobal 地区では, 鉱脈の他に, 熱水性角礫岩体 ( 角礫岩脈 ) 中の石英ストックワークに金銀が鉱染状に含まれる鉱床が見つかっている陥没カルデラを形成するような火山活動末期の角礫岩脈形成に伴う浅熱水性金銀鉱化作用と解釈されており, 規模が大きければバルク採掘可能と考えられるので非常に興味深いものである El Paisnal,Tinta Amarillo,El Gaspar なども浅熱水性金銀鉱床とされている (2) 熱水性銀, 鉛亜鉛鉱床このタイプに属する主要鉱床は,San Juan,Aldea Sapote などであるこれらは, エルサルバドル共和国北西部の Santa Ana 県の Metapa'n 地区に分布する鉱床は, 主として中生界の変堆積岩類と白亜紀のモンゾニ岩, 閃緑岩を母岩とする鉱床は, 脈状および鉱染エルサルバドル

17 状 ~ストックワーク状をなす鉱石鉱物は, 閃亜鉛鉱, 方鉛鉱, 黄鉄鉱を主体とし, 銀鉱物とまれに自然金を伴う脈石は, 石英と重晶石である鉱化作用の詳細不明であるが, スカルン型および中熱水鉱脈とされている 8. 鉱山概要該当なし 9. 新規鉱山開発状況金銀以外の非鉄金属の情報は見当たらない位置 : 金銀は El Salvador の中央部サンサルバドルの東北東約 50km の San Isidro の近くにある歴史のある El Dorado 鉱山や Santa Rosa de Lima の近くにある古くからの San Sebastian 鉱山及びその周辺の地域が鉱業活動の中心地となっているしかし 1999 年を最後に金銀は生産されていない会社名 ( 権益比率 ):El Dorado 鉱山 Pacific Rim Mining Corp (2002 年 1 月開発準備に入ったとされる ( 財 ) 国際鉱物資源開発協力協会 (2003)) 鉱床埋蔵鉱量品位 :San Sebastian 鉱山 15.4 百万 t 3g/tAu El Dorado 鉱山百万 t 13.7g/tAu, 98g/tAg Coyate 金プロジェクト百万 t 8.44g/tAu 鉱床タイプ :El Dorado 鉱山 ; 浅熱水性金銀鉱床地質概要 :El Dorado 鉱山 ; 漸新世 ~ 中新世の主として安山岩質溶岩角礫岩中に胚胎する浅熱水性石英方解石脈で金銀を含有する 10. 探査状況 Barrios 権益 (Au Ag;Jocoro 郡 San Miguel 村 ) 2003 年 6 月 Intrepid Minerals 社は San Cristobal 村の Alacran 区域で 1 台のボーリング装置で探鉱活動中であると発表した見事な石英脈と貫入鉱化帯に向けた総延長 2,000m 12 孔の第一段階の探鉱を実施しており結果を分析中とのこと 2003 年 9 月 Intrepid Minerals 社は Carolina 立坑と Matilde 立坑のある辺りで地表から深度 100m~ 200m のコアボーリングを 18 孔実施したと発表した分析結果は 2m 間で Au 7.1g/t Ag 459g/t 1.6m 間で Au 4.6g/t Ag 269g/t 0.5m 間で Au 9.59g/t Ag 1,087g/t というものどのボーリング孔も鉱脈を貫通しており脈幅は 6~20m と推定されるという El Dorado 権益 (Au Ag;El Dorado 郡 San Isidro 村 ) 2003 年 9 月 Pacific Rim Mining 社は同権益の Minita 脈で実施しているボーリング調査の分析結果を発表した 3.9m 間で Au 16.3g/t 0.9m 間で Au 50.4g/t 1.8m 間で Au 16.3g/t エルサルバドル

18 というもの追加のボーリングを計画しているという 2003 年 12 月 Pacific Rim 社は同権益の Gonso 区域で鉱脈を確定するために実施しているボーリングで 1.35m 間で Au 11.07g/t Ag 118.1g/t という分析結果が出たと発表した 2004 年 1 月 Pacific Rim 社は Gonso 区域と北側で見つかった新しい区域を探鉱するために 3 機目のボーリング装置を導入したと発表した今後は北部区域でのボーリングを続けるほか中央部での精密調査の準備に入る予定という Gaspar 権益 (Au Ag;El Dorado 郡 Isidro 村 ) 2003 年 8 月 Pacific Rim Mining 社は同権益の La Galera 区域で実施した 9 孔のボーリングの分析結果を入手したと発表した 9.45m 間で Au 6.86g/t 5.75m 間で Au 4.23g/t というもの次期のボーリングではコスト削減の観点から逆循環式ボーリングを採用する予定という 11. 製錬所概要該当なしエルサルバドル

鉱山製錬所位置図 Guatemala Honduras Santa Ana El Zapote San Salvador Nueva El Dorado SanSalvador El Salvador San Sebastian San Miguel Nicaragua 探鉱開発 ~ 操業鉱山 El Dorado 鉱山 ( サンサルバドルの東北東約 50km の San Isidro の近く )

19 鉱山製錬所位置図 Guatemala Honduras Santa Ana El Zapote San Salvador Nueva El Dorado SanSalvador El Salvador San Sebastian San Miguel Nicaragua 探鉱開発 ~ 操業鉱山 El Dorado 鉱山 ( サンサルバドルの東北東約 50km の San Isidro の近く ) El Dorado project: 65 km east of San Salvador and 10 km west of Sensuntepeque [ San Sebastian 鉱山 (Santa Rosa de Lima 5Km) Lat; 13 38' 6N,Long; 87 54' 44W El Zapote [ /propertiesa. html] Lat; 14 16' 60N,Long; 89 22'60W 精錬休廃止無 12. わが国のこれまでの鉱業関係プロジェクト実施状況該当なし資料 JMEC 平成 14 年度資源開発協力基礎調査プロジェクト選定調査報告書エルサルバドル共和国エルサルバドル

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untitled 2.赤川の概要流域および河川の概要 2.1.3 流域の地質上流部の基岩は朝日山系の花崗岩類と月山山系の新第三系および第四紀の安山岩類とに大別されこの上位は月山の火山砕屑岩火山泥流物となっていますなお地質学的にはグリーンタフ地域に属します新第三系は下部中部中新統からなりおおむね安山岩溶岩砂岩泥岩互層泥岩の順で堆積しており酸性の火砕岩流紋岩も分布しています岩質は非常に堅硬で