再エネ発電の出力予測技術と電力需給解析モデルへの適用

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1 再エネ発電の出力予測技術と 電力需給解析モデルへの適用 第 23 回 CEE シンポジウム これからの電力需給の解析 評価を考える 216 年 8 月 9 日 ( 火 ) 名古屋大学未来材料 システム研究所教授加藤丈佳

2 内 容 電力需給シミュレーションに必要なデータ 電気学会における需給 周波数シミュレーション標準解析モデル 再エネ発電の出力予測の方法と精度 数時間先予測の精度向上に向けた気象衛星画像の利用

3 電力需給シミュレーションの概要 気象予報値など日射観測値 ( 名大加藤 舟橋研の場合 ) 電力需要 24 時間先予測値 予測モデル 空間平均日射強度予測値 平滑化効果モデル 空間平均日射強度実績値 太陽光発電出力算定モデル 太陽光発電出力 24 時間先予測値 太陽光発電出力実績値 将来の太陽光発電導入量 気象情報等 電力需要実績値データ UC 最適化モデル 短周期変動モデル 気象衛星画像など 予測モデル 発電機起動 停止スケジュール 太陽光発電数時間先予測値 EDC-LFC シミュレーションモデル

4 電力需給シミュレーションの概要 気象予報値など日射観測値 ( 名大加藤 舟橋研の場合 ) 電力需要 24 時間先予測値 予測モデル 空間平均日射強度予測値 平滑化効果モデル 空間平均日射強度実績値 利用可能なデータと課題 太陽光発電出力算定モデル 電力需要 : でんき予報による公表値 周波数解析のためには時間間隔が荒い太陽光発電出力 24 時間先予測値予測値は最大需要のみ 太陽光発電出力実績値 将来の太陽光発電導入量 気象情報等 電力需要実績値データ 気象衛星画像など 太陽光発電出力 ( 日射強度 ) 気象庁の日射量データは 観測地点が少ない UC 最適化モデル短周期変動モデル PV3は 利用者が大学等に制限予測モデル PV3であっても 実際の導入地点数と比較して観測地点数が少ない 風力発電出力発電機起動 停止スケジュール 現状のエリア平均値データが利用可能であるが 将来導入時の出力想定が難しい EDC-LFCシミュレーションモデル 太陽光発電数時間先予測値

5 電力需給シミュレーションの概要 気象予報値など日射観測値 ( 名大加藤 舟橋研の場合 ) 予測モデル 平滑化効果モデル 電力需要 24 時間先予測値 空間平均日射強度予測値 空間平均日射強度実績値 検討対象日の選定 太陽光発電出力算定モデル 太陽光発電出力 24 時間先予測値 太陽光発電出力実績値 将来の太陽光発電導入量 気象情報等 電力需要実績値データ UC 最適化モデル 短周期変動モデル 気象衛星画像など 予測モデル 発電機起動 停止スケジュール 太陽光発電数時間先予測値 EDC-LFC シミュレーションモデル

6 空間平均日射のランプ変動発生日 212 年 5 月 29 日 数百 km 四方の複数の雲が連続して通過 関西エリア 中部エリアの順にランプダウン 中部エリアのランプダウン時に関西エリアはランプアップし その後再びランプダウン PVS power, Tie-line flow [GW] PV-A 関西エリア (real) PV-A (apparent) PV-B 中部エリア (real) PV-B (apparent) Tie-line flow PVS 導入量の想定関西 :9.6 GW 中部:8. GW hour

7 電力需給シミュレーションの概要 気象予報値など日射観測値 ( 名大加藤 舟橋研の場合 ) 電力需要 24 時間先予測値 予測モデル 空間平均日射強度予測値 平滑化効果モデル 空間平均日射強度実績値 太陽光発電出力 24 時間先予測値 UC 最適化モデル 地点 A 日射量 地点 B 日射量 仮想エリア 地点 C 日射量 発電機起動 停止スケジュール地点 A ゾーン面積に応じたローパスフィルタを通過 太陽光発電出力算定モデル ゲイン 1 同期領域 遷移領域 ランダム領域 太陽光発電出力実績値 T X T Y 周波数 * 仮想エリアの PV 合計出力はゾーン A~C の総和によりモデル化 1 N 12 ゾーンA 日射量 1 6 将来の太陽光発電導入量 4 気象情報等 12 電力需要実績値データ 8 6 短周期変動モデル ゾーンB 日射量 8 12 ゾーン 1 C 日射量 2 ゾーン A 地点 A 気象衛星画像など 予測モデル 仮想エリア太陽光発電数時間先予測値 地点 C 地点 B 地点 C 地点 B EDC-LFCゾーンシミュレーションモデル C ゾーン B

8 データの未観測の短周期変動を人工的に付加して補間変動の大きさ : スペクトル解析によって推定 位相 : ランダム 電力需給シミュレーションの概要 気象予報値など 日射観測値 ( 名大加藤 舟橋研の場合 ) 電力需要 24 時間先予測値 予測モデル 空間平均日射強度予測値 平滑化効果モデル 空間平均日射強度実績値 周期 1/1dec 毎にパワースペクトルの太陽光発電出力算定モデル総和の平方根を計算 ( 区間内の周期のみを抽出した変動の標準偏差に対応 ) 太陽光発電出力 24 時間先予測値 太陽光発電出力実績値 将来の太陽光発電導入量 気象情報等 電力需要実績値データ UC 最適化モデル 短周期変動モデル 気象衛星画像など 予測モデル 発電機起動 停止スケジュール 太陽光発電数時間先予測値 EDC-LFC シミュレーションモデル

9 電力需給シミュレーションの概要 目的関数 :1 日の発電コスト最小化 主な制約条件 気象予報値など 日射観測値 平滑化効果モデル 電力需要 揚水機の貯蔵電力量空間平均日射強度予測値 ( 上下限 空間平均日射強度実績値 1 日の収支 ) 24 時間先予測値 需給バランス予測モデル発電機 ( 火力機 揚水機 ) 出力上下限 最低予備力 : 残余負荷の5% 増の供給力を確保最低 LFC 容量 :LFC 調整力 > 変動成分火力機の起動停止太陽光発電出力算定モデル :1 日 1 回まで火力機の最小運転時間 :3 時間気象情報等揚水機の運転状態 : 揚水運転と発電運転を同時にしない 太陽光発電出力 24 時間先予測値 UC 最適化モデル 発電機起動 停止スケジュール 太陽光発電出力実績値 16 将来の太陽光発電導入量 電力需要実績値データ 短周期変動モデル EDC-LFC シミュレーションモデル ( 名大加藤 舟橋研の場合 ) 日射の 1 時間平均値と短周期変動標準偏差との関係 hourly Std of Short cycle fluctuation of spatial average irradiance [W/m 2 ] quasi fine cloudy fine 気象衛星画像など 予測モデル 太陽光発電数時間先予測値 hourly average of spatial average irradiance [W/m 2 ]

10 残余負荷実測値 電力需給シミュレーションの概要 気象予報値など 予測モデル EDC 残余負荷翌日予測値電力需要空間平均日射強度予測値 24 時間先予測値 日射観測値 発電機群合計出力 平滑化効果モデル火力機 GF プラント特性 + + 空間平均日射強度実績値 GF プラント特性 GF プラント特性 ( 名大加藤 舟橋研の場合 ) 伝達関数 EDC: 経済負荷配分制御 LFC 揚水機将来の太陽光発電導入量 LFC: 負荷周波数制御太陽光発電出力算定モデル GF プラント特性周波数偏差気象情報等太陽光発電出力 1 残余負荷の翌日予測を補正して 24 時間先予測値 3 分先を予測し 等増分燃料費法に基づいた太陽光発電出力実績値電力需要実績値データ EDCを実行 2 周波数偏差をにするPI 制御によるLFCを実行気象衛星画像など 3EDC 指令値,LFC 指令値, ガバナフリー指令値 ( 周波数偏差より決定 ) により, UC 最適化モデル短周期変動モデル各発電機で遅れ 制約等を考慮した最終的な出力を決定 - ΔP 4 需給偏差 (= 発電機群合計出力ー残余負荷実測値 ) を算出し, 周波数偏差に変換 Δf 予測モデル 発電機起動 停止スケジュール 太陽光発電数時間先予測値 EDC-LFC シミュレーションモデル

11 内 容 電力需給シミュレーションに必要なデータ 電気学会における需給 周波数シミュレーション標準解析モデル 再エネ発電の出力予測の方法と精度 数時間先予測の精度向上に向けた気象衛星画像の利用

12 電気学会における需給 周波数シミュレーション標準解析モデルの開発 < 背景 > 需給運用 (LFC EDC) は電力システムの根幹 研究者 技術者毎に使用モデルはまちまち 再エネ増加等による需給解析の必要性大 電気学会電力系統技術委員会の下に 電力需給解析モデル標準化調査専門委員会 (H26.4~H28.3) を設置し 需給 周波数シミュレーション標準解析モデル (IEEJ AGC3 モデル ) を開発

13 基本構成 (2 エリアモデル ) 基本構成と入力データ 自エリア ( 発電機 :3 機 ベース電源は含まない ) 発電プラントモデル ( 火力機 揚水機 ) LFC モデル (TBC または FFC) EDC モデル 系統モデル ( 慣性モデルによって周波数偏差を算出 ) 他エリア ( 発電機 :1 機 ) 発電機モデル ( 火力機 ) LFC モデル (TBC または FFC) 主な入力データ 需要 太陽光発電 風力発電の時系列データ 需要 :2 種類 太陽光発電 :5 種類 風力発電 :1 種類の標準データ ( 時間刻み 1 秒 ) を構築 需要 太陽光発電 風力発電の予測データ 標準モデルの対象外 標準的な誤差を提示 など 発電計画は標準モデルの対象外 Excel マクロを用いた簡易モデルを提供

14 主な解析対象とモデル提供方法 主な解析対象 太陽光発電 風力発電が周波数に与える影響 ( 導入量 出力変動パターンの周波数への影響 ) 予測誤差が周波数に与える影響 ( 考案した予測技術が周波数に与える影響 ) 考案した制御方式の検証 ( 周波数制御方式や 蓄電池などの制御方式の効果 ) モデル提供方法 報告書発刊 : 平成 29 年 1 月 ( 予定 ) 提供方法 : 別売 CD-ROM 専門講習会を開催予定 提供内容 : 標準モデル (Matlab/Simulink) 標準データ 標準モデルを使った解析例題 Read Me ファイル

15 内 容 電力需給シミュレーションの概要 電気学会における需給 周波数シミュレーション標準解析モデル 再エネ発電の出力予測の方法と精度 数時間先予測の精度向上に向けた気象衛星画像の利用

16 電力需給シミュレーションの概要 気象予報値など日射観測値 ( 名大加藤 舟橋研の場合 ) 電力需要 24 時間先予測値 予測モデル 空間平均日射強度予測値 平滑化効果モデル 空間平均日射強度実績値 太陽光発電出力算定モデル 太陽光発電出力 24 時間先予測値 太陽光発電出力実績値 将来の太陽光発電導入量 気象情報等 電力需要実績値データ UC 最適化モデル 短周期変動モデル 気象衛星画像など 予測モデル 発電機起動 停止スケジュール 太陽光発電数時間先予測値 EDC-LFC シミュレーションモデル

17 でんき予報

18 最大需要予測誤差 [%] 最大需要予測誤差 [%] 中部エリアにおける日最大需要の予測誤差 予測誤差 = ( 予測値ー実測値 ) 1% 実測値 電力需要 : 中部電力 ( 株 ) でんき予報 期間 :214/1/1~214/12/31 前日予測 -1 1/1 1/31 3/2 4/1 5/1 5/31 6/3 7/3 8/29 9/28 1/28 11/27 12/27 当日予測 -1 1/1 1/31 3/2 4/1 5/1 5/31 6/3 7/3 8/29 9/28 1/28 11/27 12/27 年平均絶対誤差率 [%] 前日予測 当日予測 平日土曜日祝

19 数値気象予報 (NWP) モデル スーパーコンピュータを使った地球の大気シミュレーション 天気予報の元データ 格子点ごとに 気圧 風速 気温 湿度などを予測 全球モデル : 解像度 2km, 264 時間先, 6 時間毎 メソモデル : 解像度 5km, 39 時間先, 3 時間毎 局所モデル : 解像度 2km, 9 時間先, 1 時間毎

20 太陽光発電出力予測の基本構造 入力データ 学習用データ 出力データ 数値予報モデル ( 気象庁 ) 日射観測値 発電観測値 格子点値データ 数値予報モデル ( 民間等 ) 格子点値データ 推定変換モデル 間接予測 日射予測値 推定変換モデル 発電予測値 衛星画像情報 天空画像情報 その他 直接予測 推定変換モデル 産総研大関氏の図を一部修正

21 第 2 回予測コンペ電気学会再エネ出力予測 利用技術調査専門委員会 < 対象地域 項目 > 中部電力管内 12 地点の日射量 (1 時間平均値 ) の地点平均値 北陸電力管内 7 地点の日射量 (1 時間平均値 ) の地点平均値 東北電力管内一部地域のウィンドファーム ( 計約 48 万 kw) の合計発電電力の 1 時間平均値 簡単のため, 以降は中部エリア, 北陸エリア, 東北エリアと表記 <1 時間値の定義 > 予測対象時刻の前 1 時間の平均値 ( 例えば,11:~11:59 については 12 時の予測値とする ) < 対象期間 > 213 年 4 月 1 日 ~214 年 3 月 31 日

22 提供データ 日射予測の場合 予測対象期間中の空間平均日射強度の 1 時間平均値 ( 予測対象の日射強度 ) 予測対象期間中の各観測点日射強度の 1 時間平均値 観測地点の最近棒の GPV(MSM) の格子点の位置 大学から参加者向けの学習用データ (212 年 4 月 1 日 ~214 年 3 月 31 日 (2 年分 ) における中部 61 地点および北陸 2 地点の各観測地点における日射強度 1 時間平均値 ) 風力発電出力予測の場合 212 年 4 月 1 日 ~214 年 3 月 31 日 (2 年分 ) における東北の一部地域におけるウィンドファーム合計発電電力の 1 時間平均値 風車位置データ (1 号機の緯度 経度 ) 平均的なパワーカーブ

23 予測方法と条件 前日予測 定義 : 予測対象日の前日 15 時までに翌日 24 時間の予測を行うこと 予測に用いるデータの制約条件 前日 15 時までに予測結果が得られる情報であること 各手法において計算に要する時間により, 数値気象モデルの起点時刻など, 利用可能な情報が異なるデータの種類等については特に制限なし 評価指標 平均誤差 MEおよび %ME 平均絶対誤差 MAEおよび %MAE 二乗平均平方根誤差 RMSEおよび %RMSE

24 予測手法の概要 予測方法 エリア平均値の算定方法 NWP 起点時刻 クリーニング 直近実測値利用 A 気象庁 MSM 予測値 個別予測値を空間平均 前日 12 時 なし なし B 気象庁 GSM/MSM GSM 前日 9 時 独自気象モデル個別予測値を空間平均 MSM 前日 12 時 MOS 独自気象モデル前日 9 時 予測値 なし なし 気象庁 GPV/NCEP FNL C WRF 重回帰カルマンフィルタ 平均値を直接予測 前々日の15 時 なし あり 予測値 D NCEP GFS NCEP WRF 地点ごと補正 個別予測値を空間平均 前日 9 時 なし あり 平均値補正 予測値 E GPV 気象衛星画像 気象官署日射量 SVM 個別予測値を空間平均 前日 12 時 なし なし 予測値 F 気象庁 MSM JIT 個別予測値を空間平均 前日 12 時 なし なし 予測値 G 気象庁 MSM K-NN タグチのT 法 個別予測値を空間平均 前日 21 時 あり あり 予測値 H 気象庁 MSM ν-svm 個別予測値を空間平均 前日 12 時 あり なし 予測値 I 気象庁 MSM 重回帰モデル 予測値 平均値を直接予測 前日 12 時 なし あり

25 irradiance [W/m 2 ] 中部エリア日射 (213 年 8 月 ) A B C D E F G H I obs 8/1 8/2 8/3 8/4 8/5 8/6 8/7 8/8 irradiance [W/m 2 ] /9 8/1 8/11 8/12 8/13 8/14 8/15 8/16 irradiance [W/m 2 ] /17 8/18 8/19 8/2 8/21 8/22 8/23 8/24 irradiance [W/m 2 ] /25 8/26 8/27 8/28 8/29 8/3 8/31

26 予測精度向上に必要な情報 ( コンペ参加者へのアンケート ) 日射量の空間的に密な観測データ 地点ごとの観測値 気象官署, アメダスでの日射計測や積雪計測の追加 充足 各計測地点における気象情報 ( 気温, 湿度, 全雲量など ) より高精度な数値気象予報値等 PV 発電量のモニタリングデータ ( 複数の代表地点やエリア平均値など ある程度のサンプリングされたデータ等 )

27 予測誤差をゼロにはできない 確率的予測の必要性 誤差範囲が小さい予測信頼性が高い 誤差範囲が大きい予測信頼性が低い 予測値は同じでも信頼性が異なる 両者を区別して予測値を利用する必要あり課題 : 予測の信頼度を考慮した発電計画手法の構築

28 PVS 出力 [GW] 供給不足量 [MW] PVS 予測 電力需給バランスによる予測誤差の評価 PVS 実測 time [h] electricity [GW] PVS 出力の予測誤差 [GW] UC time [h] 不足余剰( 計 6 日 ) 1 2 月 1 日 大外れ 電力需要大 供給不 electricity [GW] EDC time [h] 3 月 25 日 ランプ変動 電力需要大 3 月 18 日 -1 大外れ 電力需要小その他予測

29 予測値更新の効果に関する評価 更新時刻に応じて 需給バランス改善に有効な更新精度を評価 day-ahead forecast updated forecast Reschedule at 3 am actual measurement UC UC rescheduling EDC day-ahead forecast updated forecast Reschedule at 6 am actual measurement UC UC rescheduling EDC day-ahead forecast updated forecast Reschedule at 9 am actual measurement UC UC rescheduling EDC

30 予測誤差のモデル化 どのような予測誤差を想定するか? 予測値の時間変化の傾向に基づき 予測誤差をモデル化 例えば 前日予測では 短時間の出力変化を予測できない場合が多いことを考慮して... 予測値 = 快晴時出力 α

31 内 容 電力需給シミュレーションの概要 電気学会における需給 周波数シミュレーション標準解析モデル 再エネ発電の出力予測の方法と精度 数時間先予測の精度向上に向けた気象衛星画像の利用

32 気象衛星画像による数時間先予測の必要性 数値気象予報 (NWP) モデルを用いた日射強度の前日予測では 極稀に大外れが発生 予測対象時間に近い情報を用いて数時間先の前日予測値の見直し ( 補正 ) が必要 直近 ( 深夜 ) の NWP モデルの予報値を用いても予測精度が改善されない場合がある NWP モデル以外の情報として 気象衛星画像の利用に期待 発電機群が立ち上がる時間帯 ( 早朝 ) の数時間前予測では 赤外画像を利用 空間平均日射強度 [kw/m 2 ] 実測日射強度前日予測日射強度前日予測日射強度当日予測日射強度 time NWP 直近に使用できる画像情報 NWP + 衛星画像 天空画像 予測日射強度 予測日射強度 補正 time 15

33 小領域 MSM-GPV の風速予測値を利用した赤外画像の雲の移動予測手法の例 1h 後 2h 後 風速ベクトル 3h 後 空間平均日射強度 [kw/m 2 ] 空 実測日射強度 NWPのみ 6 8 NWP+ 1 12赤外画像 time time 1. 対象地域に到達の可能性がある 18 個の小領域について 予測実施時刻における平均風速に基づき 1 時間後の移動先を決定 2. 移動先における 1 時間後の風速予測値に基づき 2 時間後の移動先を決定 これを繰り返して小領域が中部エリアに到達する時刻を算定 3. 予測対象時刻に対象エリアに到達する小領域について 予測実施時刻の輝度温度および輝度温度差を上述の予測式に代入して日射の予測値を算定 4. 位置が異なる複数の小領域の赤外画像情報により それぞれ異なる日射予測値を得て それらを降順整列し 各小領域が対象エリアと重なる面積を考慮して 対象時刻における日射予測値の確率分布を算定

34 Hz MW 電力需要 破線 予測値 実線 実測値 2 2 並列発電機容量 残余負荷 1 12 発電機合計出力 5 1 EDC指令値 PVS出力 8 残余負荷 LFC容量.6 6 PVS14GW導入時 4.4 周波数偏差 時直後に周波数が 大きく変動 最大.54Hz LFC指令値 一時的な供給余剰 MW MW 数時間先予測精度の向上効果に関する評価

35 まとめ 電力需給の評価 解析では 適切なデータ利用が重要 様々な視点による評価 解析のため データの公開が必要 一般に利用可能な評価 解析ツールとして電気学会の需給 周波数シミュレーション標準解析モデルが公開 需給 周波数シミュレーションの結果に対し 発電計画が大きく影響 出力予測精度の向上において 需給 周波数シミュレーションの結果のフィードバックが重要

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