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1 第 64 回研究報告 討論会 2017 年 9 29 わが国 油会社の海外進出の現状と課題 般財団法 本エネルギー経済研究所 化 エネルギー 電 ユニット 油グループ 森川哲男

2 海外進出の意義 出所 : 経済産業省 1

3 元売の主要な事業領域 電力 石炭 探鉱 開発 生産 発電 輸送 トレーディング エネルギー 電力 ガス供給 ガス 精製 石油 上流 販売 海外 国内 製造 石化 非エネルギー 基礎化学 水素供給下高機能化学 流 新規事業としての海外事業をどのように評価すべきか? 2

4 海外進出の現状 20 出 輸 30 : 経済産業省に加筆入出所 40 MT 製品輸出入 重油 軽油輸灯油 ジェット ナフサ ガソリン LPG 出所 : IEA 業態的には潤滑油や上流事業 地域的にはアジア太平洋が中 製油所や販売事業の進出は 較的少ない 製品バランスは輸 ポジションも 軽油を中 に 定量を輸出 3

5 東南アジア 製品輸出 主要な製油所プロジェクト MT 10 Thanlyin 改修 0 Nghi Son 200kbd(2017 年 ) PetroVietnam/KPC/ 10 VanPhong 出光興産 / 三井化学 200kbd(2020 年代 ) 重油出 20 PetroVietnam/JXTG 灯油 (PreaSihanouk) 30 Dawei 軽油 40kbd(2019 年 ) Pulau Muara Besar 100kbd(2020 年代 ) CambodiaPetrochemical/ 160kbd(2022 年 ) Guandong Zhenrong/ 40 ジェット輸CNPC Zhejiang Hengyi MyanmarEconomic Holdings 等ナフサ 50 ガソリン Balikpapan 拡張 入LPG RAPID 150kbd(2020 年 ) 100kbd(2020 年 ) Petronas/Saudi Aramco Pertamina 注 : 域内輸出 含む出所 : IEA 製品輸 はガソリンに牽引されて増加 Cilacap 拡張 52kbd(2022 年 ) Pertamina/Saudi Aramco しかし 新規製油所稼働が順調に進めば域外からの輸 量は減少 込み 4

6 南アジア MT 製品輸出 Bhatinda 44kbd(2017 年 ) 30 重油 HPCL/MITTAL 出灯油 20 軽油ジェット輸 Koyali ナフサ 86kbd(2019 年 ) 10 IOC ガソリン 0 LPG Mahul 輸60kbd(2019 年 ) 入 10 IOC Ambalamugal 主要な製油所プロジェクト Panipat 200kbd(2021 年 ) IOC Bina 36kbd(2019 年 ) BPCL Mumbai 40kbd(2022 年 ) BPCL Mathura 60kbd(2021 年 ) HPCL Barauni 60kbd(2021 年 ) IOC Chittagong 拡張 6kbd(2020 年代 ) EasternRefinery Visakhapatnam 150kbd(2021 年 ) BPCL kbd(2017 年 ) BPCL 注 : 域内輸出 含む出所 : IEA LPGや重油は輸 ポジションも ガソリンや軽油は 輸出拠点 相次ぐ新規製油所運開によりインドからの輸出量は増加 込み 5

7 中東 製品輸出 主要な製油所プロジェクト MT Bazian kbd(2021 ( 年 ) Siraf Karbala Qaiwan 60kbd(2022 年 ) kbd(2022 年 ) NIOC INOC Sitra kbd(2021 年 ) 重油 Bahrain Petroleum PersianGulfStar 80 灯油 Mina Abudulla 344kbd(2019 年 ) 200kbd(2018 年 ) 出NIOC 軽油 KPC 60 ジェット輸 Sohar Al Zour 40 ナフサ 82kbd(2017 年 ) 615kbd(2021 年 ) Oman Refinery ガソリン KPC 20 LPG Duqm Rabigh 2 Jebel Ali 230kbd(2018 年 ) 0 50bd(2017 年 ) 65kbd(2022 年 ) Oman Refinery 輸 Saudi Aramco ENOC 入 注 : 域内輸出 含む出所 : IEA Jizan 400bd(2019 年 ) Saudi Aramco 付加価値化を追求し 新規製油所計画が 押し 製品輸出のみならず輸出先での製油所にも出資 6

8 北東アジア MT 製品輸出 主要な製油所プロジェクト Renqiu 100kbd(2017 年 ) CNPC Huajing 120kbd(2019 年 ) CNGC 60 Jingmen Seosan 出100kbd(2020 年 ) 100kbd(2017 年 ) 重油輸Sinopec Hyndai 40 灯油 Shanghai Gaoqiao 20 軽油 140kbd(2019 年 ) ジェット出Sinopec Lianyungang 0 320kbd(2022 年 ) ナフサ Shenghong Petrochemical 入 注 : 域内輸出 含む 100 出所 : IEA ガソリン 輸LPG Quanzhou 60kbd(2018 ( 年 ) Sinochem Kunming 260kbd(2017 年 ) CNPC 軽油 ジェット ガソリンは既に 量に輸出 Ningbo Zhejiang 120kbd(2020 年 ) Ningbo Daxie Zhanjiang 200kbd(2020 年 ) Sinopec 中国で製油所計画が乱 アジアの製品需給撹乱要因に Jieyang 200kbd(2021 年 ) CNPC Huizhou 200kbd(2017 年 ) CNOOC Zhoushan Island 400kbd(2021 年 ) RongshengPetrochemical Talin 96bd(2017 年 ) CPC 7

9 アジア企業の海外進出 出所 : 本エネルギー経済研究所 アジア企業による海外市場獲得形態は 精製部 への投資 販売部 への参 製品輸出の3 種類 事業展開の背景には 進出主体による企業成 機会の追求 国内での事業に関する危機感 政府による外交的 経済的サポートなどが存在 8

10 燃料品質規制強化 動 船舶 ガソリン 軽油 出所 : Hart Energy 出所 : 国 交通省 動 燃料では多くのアジア諸国でEURO4 以上の導 が進む 船舶 燃料では2020 年から硫 分規制強化 設備対応が進んでいない製油所は不利に 9

11 ピーク需要論? 油需要 通し パワートレインのシェア 2500 Mtoe 年平均伸び率中国インド日本韓国台湾シンガポール % 5.2% -0.6% 3.9% 2.2% 3.7% % 3.8% -1.2% 0.2% 0.4% 0.2% インドネシアマレーシアフィリピン タイ ベトナム 他アジア 3.9% 4.3% 1.1% 4.9% 6.9% 4.1% 3.0% 1.5% 3.1% 1.9% 3.7% 3.0% 中国 インド 日本 韓国台湾インドネシア マレーシアフィリピンタイ ベトナムシンガポール香港 他アジア 技術進展 日本 7% 23% 100% 80% 60% 40% 20% 97% 1% 3% 2% 2% 5% 14% 22% 15% 3% 32% 66% 2% 36% % 14% 39% インド 中国 38% 0% レファァレンス 技術進展 出所 : 本エネルギー経済研究所 油需要は中印の輸送部 が牽引し堅調に増加する 通し しかし バッテリーコスト低下や環境規制強化が EV 等次世代 動 普及を加速させ 2030 年までに 油需要がピークに達するという も 10

12 精製能 通し kb/d 地域別の精製能 増強 (2016 年 2022 年 ) O E C D 米州 O E C D 欧州 アジアオ セアニア O E C D 旧ソ連 中国 他アジア 出所 : IEA 中南米 中東 アフリカ CDU 分解装置 脱硫装置 アジアや中東での精製能 が 幅に増加し 製品供給過剰の可能性も 海外製油所投資を成功させるには相当の競争 確保が必要 11

13 油製品販売事業 冨尾石油ギンガペトロリアムと JV 設立 ミャンマーでSS 事業 アジア オセアニアでの 本企業による 油製品販売事業例 JXTG ペトロリメックスに出資 製油所建設検討の傍ら 石油製品販売 物流で連携 元売だけでなく 中 販売事業者による海外進出例も出現 本流サービスが好評サイサンとの声も 現地企業と LPG 販売 JV 設立 製品輸出や製油所建設のみならず 卸売 売事業進出による需要確保も重要 出光興産フリーダムエナジーを買収 卸売や SS 事業を展開 出所 : 各社資料より作成 JXTG キューブエナジーとJV 設立 輸入ターミナル建設検討 12

14 投資リスクと政府の役割 新興国投資に係るリスク 出所 : Jetro 新興国への進出は 需要増加ポテンシャルの取り込める点では魅 的であるが 参 障壁の さやインフラや規制体系整備程度の低さ等によって投資リスクが い場合が多い 政府は外交や 融 援を通じて投資リスク低減に寄与すべき 13

15 IEEJ:2017 年 9 月掲載 禁無断転載 まとめ 元売の海外進出は 新規収益源確保のみならず 油安定供給にも資する アジアでは製品の純輸 ポジションが拡 するが 製油所計画も 押しで競争は激化 品質規制が強化される中 装置対応が進んだ 本の製油所は有利だが 他国での装置対応も進むためその優位性は持続しない 製品輸出 が増加する状況で トレーディングの重要性が まる 製油所計画が乱 する状況では 海外での新規製油所投資に残された機会は多くない 需要確保の観点からも販売事業への参画は重要 政府は 製品輸出インフラ整備や進出先での投資リスク低減を通じて企業の海外進出を 援すべき 14 お問い合わせ : report@tky.ieej.or