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1 平成 28 年 12 月 16 日 高知地方気象台 高知愛児園

2 地震の強い揺れから身を守るためには 家屋の耐震化 家具の固定等の事前の備えに加えて 緊急地震速報を活用した適切な対応行動が極めて有効である このため 高知地方気象台では本年 6 月に市民各層の方々と 高知県における緊急地震速報を見聞きした際の対応行動事例 を取りまとめ 広く県民に普及 啓発しているところである 一方 保育園や幼稚園 ( 以下 保育園等 という ) においては 園児自らが強い揺れから身を守り 揺れがおさまったあと津波から避難するという行動をとることは極めて困難であり 保育士の適切な指示と行動が園児の命を守ることになる このため 当台では高知愛児園と連携し 保育園等での生活場面に応じた緊急地震速報を見聞きした際の保育士の対応行動について取りまとめた

3 園名 : 社会福祉法人和光会高知愛児園 所在地 : 高知市竹島町 28の2 園児数 : 定員 90 名 クラス数 :6クラス 職員数 :25 名 ( パート含む )

4 2 歳児クラス 1 歳児クラス 0 歳児クラス 3 歳児クラス 4 歳児クラス 5 歳児クラス 0~3 歳児クラス :2 階 地震 津波防災訓練の様子 4 5 歳児クラス :1 階

5 園児が登園してから降園するまでの 園内外の生活場面や場所での保育士の対応行動として以下のとおりまとめた この他の場面や場所での対応行動については これらの行動を参考にしたうえで対応する 保育室内食事 おやつお昼寝 トイレ廊下園庭 プール 園外

6 園児の年齢等によりとるべき対応行動が異なることから 保育士の指示に対する理解 援助状況を考慮して以下のとおり分類した なお 同じ年齢でも行動等に違いがあることから 保育士はその点を考慮して対応行動を指示 援助する 0~1 歳児 保育士の指示に対する理解や状況把握 自ら行動することができないため 保育士の援助が不可欠である 2~3 歳児 保育士の指示を聞き取ることができ 一定程度 行動することが可能であるものの 保育士の援助が必要である 4~5 歳児 保育士の指示を聞きとり 状況把握して 行動によっては自ら対応することも可能である 気象庁イメージキャラクターはれるん

7 緊急地震速報は 強い揺れから身を守り 津波から避難するための合図であることを認識しておく 緊急地震速報が鳴動してから強い揺れが来るまでに 30 秒程度 ( ) の時間があるものとして とるべき行動 行動範囲をあらかじめ想定しておく ただし 見聞きした場合には直ちに行動するものとする 強い揺れがおさまった後も揺れが続くことを想定しておく 強い揺れの経験のない園児にとっては 訓練を実施していても突然の行動指示や強い揺れによりパニックに陥り 行動に支障をきたすことを想定しておく 発災後は放送施設が使えないことを想定しておく 高知県内は 過去 100 年間余り 内陸直下の規模の大きい地震の発生はなく 震度 4 以上の揺れをもたらした地震の多くは県内周辺の海溝型の地震によるものである 想定される南海トラフ地震や日向灘等の地震を想定した場合 高知市内では強い揺れが到達するまでに数十秒見込まれることから とるべき行動の時間的目安を 30 秒に設定した

8 園内で緊急地震速報を見聞きできる環境を整備しておく また 園外においても緊急地震速報や津波警報等を入手できるよう 常に携帯電話 スマートフォンを身につけておく 携帯電話 スマートフォンは ポシェット ( 別紙参照 ) を用意し 津波避難場所等と一緒に入れておき常に携帯する テレビ ラジオ 携帯電話の緊急地震速報の音の違いを確認しておく 園内には 原則 落ちてくる物 倒れてくる物 移動してくる物を置かない 保育室内には 背の高い重い器具等は置かない ( 重い器具等は下に置く あるいは固定しておく ) 常に避難経路を確保した環境を整える ( 昼寝時の布団の位置 送迎時の荷物置き等 ) 園庭やプールに出る場合は 保育士は防災頭巾 ( 子供用 + 職員用 ) と救急バック ( 救急セット 引渡しカード等 ) を持参するようにする

9 園長は非常持ち出し袋( 手回しラジオ 引渡しカード等 ) を常に身近な場所に置いておく 保育園等や園外保育ルート周辺の落下物や倒壊物等の状況を確認しておく また 地震後の状況についてもイメージしておく 園外保育の事前準備として下見 コース選択を行っておく 園外保育の場合には 必ずトランシーバー 防災頭巾 ( 子供用 + 職員用 ) レジャーシート( クッション性のあるものが良い ) 等を携帯する 防災頭巾 救急バックは 担当者が代わっても分かるように所定の位置 ( 保育室入り口 ) に掛ける 毎月の避難訓練では 緊急地震速報 を活用し 日頃から職員や園児がその音に対して理解 判断 即行動ができるように身につけておく 年齢別に色分けした防災頭巾

10 携帯電話 スマートフォン メモ用紙 ボールペン 笛 津波想定及び避難場所 園児氏名等 ポシェット 園外保育時における津波避難場所 防水カバー

11 緊急地震速報を見聞きしたら 園内放送等を待たずに 直ちに 行動する 緊急地震速報を見聞きしたら 直ちに園児に大きな声で行動を指示し 行動を援助する 呼びかけ例 : みんな! だんごむしポーズ! みんな! おさるさんポーズ! みんな! わんわんポーズ! 園児を強い揺れから守るための行動を最優先する また 保育士自身も率先して強い揺れから身を守る行動をとる 年齢別クラスに相応しい適切な行動をとらせる 行動開始後は 常に園児を安心させるよう声をかける 呼びかけ例 : 大丈夫! 大丈夫! もうおさまるよ! 原則 クラス内の全ての園児を一緒の場所で行動させる 緊急地震速報を見聞きしてから 少なくとも 3 分程度は強い揺れから身を守る行動をとる 強い揺れまでに数十秒 マグニチュード 8 クラスの地震では強い揺れは約 1 分 1 分以上揺れたら東日本大震災級のマグニチュード 9 クラスを想定

12

13 0 歳,1 歳児用 1 2 園児を抱きかかえ 窓ガラスや机 椅子 ( 以下 窓ガラス 机等 という ) から離れた場所に集まり 揺れで倒れないよう身を低くする 布団 毛布 カーペット等 ( 以下 布団等 という ) を集まった園児に被せる 3 ドアを開ける 4 カーテンを閉める ( 飛散防止フィルムがない場合 ) 5 園児と一緒に布団等を被り 園児に声を掛けながら 園児の身体を抱きかかえる 揺れがおさまったら 園児に防災頭巾を被せる 自らヘルメットを装着する 園庭に集合する

14 0 歳,1 歳児用 1 園児を抱きかかえ 窓ガラス 机等から離れた場所に集まり 揺れで倒れないよう身を低くする 2 布団等を集まった園児に被せる 3 ドアを開ける 4 カーテンを閉める ( 飛散防止フィルムがない場合 ) 5 園児と一緒に布団等を被り 園児に声を掛けながら 園児の身体を抱きかかえる 揺れがおさまったら 園児に防災頭巾を被せる 自らヘルメットを装着する 園庭に集合する

15 0 歳,1 歳児用 1 寝ている園児を抱きかかえ 窓ガラス 机等から離れた場所に集まり 揺れで倒れないよう身を低くする ( ベビーベッドに寝ている場合も同様 ) 2 使用していた布団等を集まった園児に被せる 3 ドアを開ける 4 園児と一緒に布団等を被り 園児に声を掛けながら 園児の身体を抱きかかえる 揺れがおさまったら 園児に防災頭巾を被せる 自らヘルメットを装着する 園庭に集合する

16 0 歳,1 歳児用 1 車など周囲の状況に注意しつつ 散歩車 ( 避難車 ) を近くの駐車場や広場 グラウンド等の安全な場所に移動させる 2 3 散歩車 ( 避難車 ) の中で腰を下ろすよう促すとともに ブレーキをかけ 動かないようしっかり固定する 園児にレジャーシート等を被せ 散歩車 ( 避難車 ) をしっかり押さえる 備考 地震時の携帯電話の通信不通等に備えてトランシーバー 防災頭巾 ( 子供用 + 職員用 ) レジャーシート等を必ず携帯する

17

18 2 歳,3 歳児用 園児に 大きな声で窓ガラス 机等から離れた場所に集まるよ 1 う指示する 2 だんごむしのポーズ をさせる 3 布団等を集まった園児に被せる 4 ドアを開ける 5 カーテンを閉める ( 飛散防止フィルムがない場合 ) 6 園児に声を掛けながら 布団等の上から園児の身体に寄り添う 揺れがおさまったら 避難靴 上履き等 ( 長靴有効 ) をはかせる 園児に防災頭巾を被せる 自らヘルメットを装着する 園庭に集合する だんごむしのポーズ 頭を守って身を低くする姿勢 膝と肘を床につけて体を丸くし 手で頭を守る

19 2 歳,3 歳児用 1 園児に 大きな声で窓ガラス 机等から離れた場所に集まるよう指示する ( 机の下に入ると椅子が揺れて危険な場合があるので できるだけ机や椅子から離れる ) 2 だんごむしのポーズ をさせる 3 布団等を集まった園児に被せる 4 ドアを開ける 5 カーテンを閉める ( 飛散防止フィルムがない場合 ) 6 園児に声を掛けながら 布団等の上から園児の身体に寄り添う 揺れがおさまったら 避難靴 上履き等 ( 長靴有効 ) をはかせる 園児に防災頭巾を被せる 自らヘルメットを装着する 園庭に集合する

20 2 歳,3 歳児用 寝ている園児を起こし 大きな声で窓ガラス 机等から離 1 れた場所に移動するよう指示する 2 だんごむしのポーズ をさせる 3 使用していた布団等を集まった園児に被せる 4 ドアを開ける 5 園児に声を掛けながら 布団等の上から園児の身体に寄り添う 揺れがおさまったら 避難靴 上履き等 ( 長靴有効 ) をはかせる 園児に防災頭巾を被せる 自らヘルメットを装着する 園庭に集合する

21 2 歳,3 歳児用 1 トイレにいる園児に大きな声で身を低くするよう指示し 保育士が援助する 2 他の園児については 保育室にいた場合と同様の行動とする 揺れがおさまったら 避難靴 上履き等 ( 長靴有効 ) をはかせる 園児に防災頭巾を被せる 自らヘルメットを装着する 園庭に集合する

22 2 歳,3 歳児用 1 廊下にいる園児を大きな声で呼び寄せ 他の園児とともに窓ガラス 机等から離れた場所に集める 2 だんごむしのポーズ をさせる 3 園児に声を掛けながら 布団等の上から園児の身体に寄り添う 揺れがおさまったら 避難靴 上履き等 ( 長靴有効 ) をはかせる 園児に防災頭巾を被せる 自らヘルメットを装着する 園庭に集合する

23 2 歳,3 歳児用 1 園庭にいる園児達に 大きな声で集合するよう指示する 2 対応の遅い園児をすぐに援助する 3 わんわんのポーズ をさせる 4 園児に声を掛けながら 自らも身を低くし園児の身体に寄り添う 揺れがおさまったら 園児に防災頭巾を被せる 自らヘルメットを装着する わんわんのポーズ 身を低くし強い揺れで倒れない姿勢 膝と手を床につける

24 2 歳,3 歳児用 1 プールにいる園児に対して 大きな声でプールから出て 園庭に集合するよう指示する 2 園児の行動をすぐに援助する 3 園庭で わんわんのポーズ をさせる 4 園児に声を掛けながら 自らも身を低くし園児の身体に寄り添う 揺れがおさまったら プールサイドに置いてあった洋服を着せる 靴をはかせる 園児に防災頭巾を被せる 自らヘルメットを装着する

25 2 歳,3 歳児用 1 車など周囲の状況に注意しつつ 園児に大きな声で強い揺れが来る旨を伝えて 近くの駐車場や広場 グラウンド等の安全な場所へ誘導する 2 誘導後 散歩車 ( 避難車 ) の場合は 散歩車 ( 避難車 ) の中で腰を下ろすよう促すとともに ブレーキをかけ 動かないようしっかり固定する 園児にレジャーシート等を被せ 散歩車 ( 避難車 ) をしっかり押さえる 3 散歩車 ( 避難車 ) 以外の園児については 行動をすぐに援助し わんわんのポーズ をさせる 4 園児に声を掛けながら 自らも身を低くし園児の身体に寄り添う 備考 地震時の携帯電話の通信不通等に備えてトランシーバー 防災頭巾 ( 子供用 + 職員用 ) レジャーシート等を必ず携帯する

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27 4 歳,5 歳児用 園児に 大きな声で靴を持って園庭に集合するよう指示す 1 る 2 わんわんのポーズ をさせる 3 園児に声を掛けながら 自らも身を低くし園児の身体に寄り添う 雨天の場合は 2~3 歳児と同様の行動をする 揺れがおさまったら 靴をはかせる 園児に防災頭巾を被せる 自らヘルメットを装着する

28 4 歳,5 歳児用 1 園児に 大きな声で靴を持って園庭に集合するよう指示する 2 わんわんのポーズ をさせる 3 園児に声を掛けながら 自らも身を低くし園児の身体に寄り添う 雨天の場合は 2~3 歳児と同様の行動をする 揺れがおさまったら 靴をはかせる 園児に防災頭巾を被せる 自らヘルメットを装着する

29 4 歳,5 歳児用 1 寝ている園児を起こし 大きな声で窓ガラス 机等から離れた場所に移動するよう指示する 2 だんごむしのポーズ をさせる 3 使用していた布団等を集まった園児に被せる 4 ドアを開ける 5 園児に声を掛けながら 布団等の上から園児の身体に寄り添う 揺れがおさまったら 園児に防災頭巾を被せる 自らヘルメットを装着する 靴をはかせる 園庭に集合する

30 4 歳,5 歳児用 1 トイレにいる園児に大きな声で身を低くするよう指示し 保育士が援助する 他の園児については 保育室にいた場合と同様の行動とする 揺れがおさまったら 園児に防災頭巾を被せる 自らヘルメットを装着する 靴をはかせる 園庭に集合する

31 4 歳,5 歳児用 1 園児に 大きな声で靴を持って園庭に集合するよう指示する 2 わんわんのポーズ をさせる 3 園児に声を掛けながら 自らも身を低くし園児の身体に寄り添う 雨天の場合は 2~3 歳児と同様の行動をする 揺れがおさまったら 靴をはかせる 園児に防災頭巾を被せる 自らヘルメットを装着する

32 4 歳,5 歳児用 1 園庭にいる園児達に 大きな声で集合するよう指示する 2 わんわんのポーズ をさせる 3 園児に声を掛けながら 自らも身を低くし園児の身体に寄り添う 揺れがおさまったら 園児に防災頭巾を被せる 自らヘルメットを装着する

33 4 歳,5 歳児用 1 プールにいる園児に対して 大きな声でプールから出て 園庭に集合するよう指示する 2 園児の行動をすぐに援助する 3 園庭で わんわんのポーズ をさせる 4 園児に声を掛けながら 自らも身を低くし園児の身体に寄り添う 揺れがおさまったら プールサイドに置いてあった洋服を着せる 靴をはかせる 園児に防災頭巾を被せる 自らヘルメットを装着する

34 4 歳,5 歳児用 1 車など周囲の状況に注意しつつ 園児に大きな声で強い揺れが来る旨を伝えて 近くの駐車場や広場 グラウンド等の安全な場所へ誘導する 2 誘導後 わんわんのポーズ をさせる 3 園児に声を掛けながら 自らも身を低くし園児の身体に寄り添う 備考 地震時の携帯電話の通信不通等に備えてトランシーバー 防災頭巾 ( 子供用 + 職員用 ) レジャーシート等を必ず携帯する

35 園内外で緊急速報メールや園内放送 緊急連絡により津波警報等の発表を知った場合には 直ちに津波から避難するための行動をとる 園内にいて大津波警報が発表された場合には 直ちにあらかじめ決められた津波避難場所へ避難する 津波警報の場合には 直ちに園内 2 階に避難する 園外にいて大津波警報や津波警報の発表を知った場合には 直ちにあらかじめ決められた津波避難場所へ避難する 強い揺れがあったものの津波警報が発表されなかった場合には その場で待機し トランシーバー等により園からの指示を待つ 園からの指示がなかったり 連絡が取れない場合には あらかじめ決められた津波避難場所へ避難する なお その場が危険な場合には 安全な場所へ移動する

36 高知愛児園津波浸水予測時間 40~50 分程度 出典 : 高知市津波避難マップ

37 資料の中の園児のイラストは イラストレーターのわたなべふみさんの了解のもと使用しています

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