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1 平成 23 年度 平成 23 年度発電用原子炉等利用環境調査 ( スリーマイル島及びチェルノブイリ 原子力事故等に関する調査 ) 報告書 平成 24 年 3 月 - i -

2 要旨 東京電力福島第一原子力発電所の事故 以下 東電福島事故 という において 事故収束 除染 及び廃炉作業に多くの時間及び費用が費やされることが推察される このような商業用原子力発電所事 故の前例は極めて尐なく 米国スリーマイル島原子力発電所2号機及び旧ソ連 現在のウクライナ チェ ルノブイリ原子力発電所4号機の2例のみである これら事故の進展 原因究明 安全対策等に関する技 術情報は多数見受けられるものの 事故収束 原子力損害賠償 除染及び廃炉等に関する情報が比較 的尐ないのが現状である 以上を踏まえ 東電福島事故の事故収束 原子力損害賠償 除染及び廃炉 等を含めた今後の工程を考えていく上での参考とするため 上記2事例の情報を広く収集 整理すること を目的として下記調査を実施し 下記の結果を得た 1 チェルノブイリ 4 号基事故 事故進展の経緯 事故の影響などを整理した 収束に向けての作業として 旧ソ連時代から 最近までの取り組みを整理した 特に G7+EU の 国 際 協 力 の 枞 組 み で 策 定 さ れ た シ ェ ル タ ー 実 施 計 画 Shelter Implementation Plan SIP について その計画内容及び実施事項を整理した 旧ソ連時代 まず消防隊による火災の鎮火と ヘリからの投下などによる放射性物質の 閉じこめを実施した 火災は当日鎮火 放射性物質の大量発生は約 2 週間で概ね鎮静化 事故後約半年で石棺を建設した 石棺は困難な作業環境で作製したものであり 構造強度 遮蔽性とも十分ではなかった が 旧ソ連の枞組みでは適切な追加対策が取られなかった 1991 年ソ連が崩壊し 事故対忚はウクライナが引き継いだ 1992 年の G7 サミット以降 国際協力の枞組み整備が進められ 1995 年には G7 EU ウクライナの覚え書きが締結された 1997 年 国際協力 G7+EU+ウクライナ の下 SIP が承認された 1998 年 2007 年 石棺の補強工事を行い 崩壊の可能性を低減した 2007 年 新シェルターの工事に着手 現在建設中 これらに要した費用について 旧ソ連政府 ウクライナ政府 チェルノブイリシェルタ ーファンド 原子力安全基金の出資額を整理した 旧ソ連 191 億ドル 補償費用を含む ウクライナ政府 71 億ドル 補償費用を含む CSF 9.6 億ユーロ 石棺の安定化と新シェルターの建設 NSA 3.7 億ユーロ その他原子力安全研究 新シェルターについて その内容 事業者決定の経緯 今後のスケジュールを整理した 新シェルターとは プラント全体をアーチ型に覆う構造である 内部には 50 トンのクレ ーンが 2 基装備されており プラントの解体や燃料取り出しをシェルター内で実施でき -i-

3 る構造になっている シェルターの寿命は 100 年と想定されており その間に 4 号機の廃炉 燃料取り出しを実施する計画となっている 事業者については EBRD の調達ルールに従い フランス建設大手のブイグ (Bouygues) 及びバンシ (Vanci) などが作るコンソーシアムの Novarka が受注 完成は 2015 年 その後プラントを上部から解体することが想定されているが 詳細は未定 (2) スリーマイル島 基本情報として 事故進展の経緯 事故の影響などを整理した 原子力賠償制度の概略を調査するとともに 原子力保険プールが TMI-2 の事故に対して果たした役割を整理した 原子力損害賠償の額は 保険プールで対忚可能な範囲であった 州知事の命令で避難した人には 避難に要した費用と賃金喪失の費用が支払われた その他の人の避難費用 ( 命令されていないのに逃げた人 ) や収入減 ( 風評被害的なものも含む ) については 訴訟によって争われた 和解金は保険プールから支払われた 放射線による健康被害については 原則認められていない ただし 精神的苦痛については 和解が成立し 賠償金は保険プールから支払われた クリーンナップの費用については 上記損害賠償とは枞組みが異なる TMI-2 は財産保険加入しており その上限額である 3 億ドルが保険により支払われた なお 東電福島第一プラントは財産保険には加入していない TMI-2 のクリーンナップについて体制の変遷 主要技術の開発主体 費用と出資者等についての調査を実施した 事故収束に向けた体制づくりは困難を極めたが 事故 1 年後の 1980 年 3 月 GPUN (TMI-2 を所有する電力会社 ) EPRI( 米国電力中央研究所 ) NRC( 米国原子力規制委員会 ) DOE( 米国エネルギー省 ) からなる最終的な実施体制 GEND が合意締結された 事故収束に関わるサイト体制は クリーンナップの主要活動に合わせて変更されていった 燃料取出し技術関連はベクテル関連会社や PCI エネルギーサービス等 燃料臨界評価は ORNL 除染に関わるロボットについては EPRI/ ペンテック社 カーネギーメロン大学 GPUN 燃料取出しキャニスターはバブコックス& ウィルコッスが開発に関わった 費用と出資者については 幾多の紆余曲折を経て 結局 GPUN3.67 億ドル 電気事業者 1.71 億ドル 州政府 0.42 億ドル 保険 3.06 億ドル DOE0.76 億ドルの合計 9.73 億ドルで合意された 日本は TMI-2 に関わる研究開発費用として 0.18 億ドルを DOE に出資するとともに 日本人技術者を派遣することにより 技術情報の取得等を行なった - ii -

4 廃炉 廃炉は TMI-1 と同時期に実施することを想定しており 現在のところ 2034 年と想定されている 廃炉に向けた技術選定や費用見積もりはすでに実施され 適宜見直しが行われている 最新のとりまとめである 2009 年の報告をもとに 物量 費用などを整理した (3) 事故収束関連情報 2012 年 3 月 12 日 ~14 日に開催されたワークショップ及びシンポジウムの内容を中心に事故収束関連情報を整理した シンポジウムにおける東電 JAEA メーカの発表をベースに今後議論すべき課題を整理した パネリストの意見を整理し 技術開発の現状と 参考にすべき知見を整理した 座長の総括などを踏まえ 今後の課題を整理した いずれの分野についても関連する知見は多数あり 今後 協力体制を構築していくことが重要である - iii -

5 要旨 目次 1. はじめに 事業名 事業目的 事業内容 実施方法 実施期間 チェルノブイリ 4 号機事故に関する情報 基本情報 所有者 運転者等 事故進展の概要 事故影響 事故収束に関わる情報 収束に向けての作業工程及びその策定者 主要な作業の概要 主要な作業に要した時間 費用及びその実施者 除染の範囲 方法 原子力損害の内容 新シェルターに関わる情報 チェルノブイリ シェルターファンド (CSF) について 事業者決定までの経緯 今後のスケジュール スリーマイル島原子力発電所 2 号機事故に関する調査 基本情報 所有者 運転者等 事故進展の概要 事故影響 事故収束に関わる情報 原子力損害賠償の内容 出典: , 収束 クリーンナップに関する情報 溶融燃料 デブリの保管状況 DOE の取り組み 廃炉 ( 解体 撤去 ) に関する情報 iv -

6 3.3.1 廃炉に関する情報 ( スケジュール 費用 実施者 ) 廃炉に伴う廃棄物の処分方法 ( 放射能レベル 発生量及びそれにあわせた処分場 処分費用 ) DOE による取り組み その他 東電福島事故の中長期措置に資する調査 事故収束に必要な要素技術のさらなる具体化に資する情報 廃棄物処理 遠隔操作 炉心状況の解析 燃料デブリ性状分析 廃炉 ( 解体 撤去 ) までの詳細計画 作業工程の策定に資する情報 中長期関連情報の整理 まとめ 調査結果のサマリー 今後の課題まとめ 付録 1 チェルノブイリ推奨される行動計画について 付録 2 ワークショップ シンポジウム資料 (1) 会議の概要 (2) 会議の内容 v -

7 1. はじめに 1.1 事業名平成 23 年度発電用原子炉等利用環境調査 ( スリーマイル島及びチェルノブイリ原子力事故等に関する調査 ) 1.2 事業目的東京電力福島第一原子力発電所の事故 ( 以下 東電福島事故 という ) において 事故収束 除染及び廃炉作業に多くの時間及び費用が費やされることが推察される このような商業用原子力発電所事故の前例は極めて尐なく 米国スリーマイル島原子力発電所 2 号機及び旧ソ連 ( 現在のウクライナ ) チェルノブイリ原子力発電所 4 号機の2 例のみである これら事故の進展 原因究明 安全対策等に関する技術情報は多数見受けられるものの 事故収束 原子力損害賠償 除染及び廃炉等に関する情報が比較的尐ないのが現状である 本調査は 東電福島事故の事故収束 原子力損害賠償 除染及び廃炉等を含めた今後の工程を考えていく上での参考とするため 上記 2 事例の情報を広く収集 整理することを目的とする 1.3 事業内容 チェルノブイリ原子力発電所 4 号機事故に関する調査 (1) チェルノブイリ原子力発電所の基本情報所有者 ( 事故当時 現在 ) 運転者 炉型 出力 位置情報 (1~3 号機 5,6 号機の情報含む ) 事故進展の概要 ( レポートが多数出されているので あくまで概要 ) (2) 事故収束に係る情報収束に向けての作業工程及びその策定者上記作業の概要上記作業に要した時間 費用及びその実施者除染の範囲 方法原子力損害の内容 ( 住民避難 周辺国への影響及びその補償 ) (3) 新シェルターに係る情報チェルノブイリシェルターファンド情報 ( 出資者 出資金額及び出資比率 ) 事業者決定までの経緯の概略今後のスケジュール スリーマイル島原子力発電所 2 号機事故に関する調査 (1) スリーマイル島原子力発電所の基本情報所有者 ( 事故当時 現在 ) 運転者 炉型 出力 位置情報 (1 号機の情報含む ) 事故進展の概要 ( レポートが多数出されているので あくまで概要 ) (2) 事故収束に係る情報 - 1 -

8 原子力損害賠償の内容 収束に向けての作業工程及びその策定者 クリーンナップ 燃料取り出し 除染 に関する情報 スケジュール 費用及び出資者 溶融燃料 デブリ等の保管に関する情報 保管者 費用及び出資者 DOE による取組 3 廃炉 解体 撤去 に関する情報 廃炉に関する情報 スケジュール 費用 実施者 廃炉に伴う廃棄物の処分方法 放射能レベル 発生量及びそれに合わせた処分場 処分費用 DOE による取組 その他 東電福島事故の中長期措置に資する調査 1 事故収束に必要な要素技術のさらなる具体化に資する情報 2 廃炉 解体 撤去 までの詳細計画 作業工程の策定に資する情報 3 3 1及び3 2を含む中長期措置関連の情報整理 国際シンポジウム 仮称 の開催 議 題 スリーマイル島及びチェルノブイリ原子力事故等の教訓 福島第一原子力発電所の事故収束に向けた技術開発 など 日 数 3日程度 専門家間の個別テーマ会合2日 全体会合1日 日 程 3月中旬 下旬を想定 参加者 欧州有識者10名程度 国内有識者30名程度 一般聴衆 150名程度 場 所 首都圏内会議室 上記シンポジウムの準備にあたり 想定される主な業務は以下のとおり 参加者との連絡調整 欧州有識者の場合は招聘を含む 同時通訳者の手配 会場手配 設営 運営を含む諸準備 公開会合の告知 各種資料の調製 開催準備にあたる資源エネルギー庁との協議 結果報告書の取りまとめ 1.4 実施方法 調査に当たっては 尐なくとも以下の文献を調査対象文献に含め 上述した項目が整理されるよう 文献調査を行うとともに 資源エネルギー庁と密接に協議を行いながら 東京電力福島第一原子力 発電所の事故収束 除染 廃止措置など の工程を策定する上で有用な情報を 国内外の有識者 等から広く収集すること また 国内外の有識者を集めた国際シンポジウムの開催を通じて 今後の事故収束 除染及び廃炉作業等を行うにあたり有用な知見を取得すること 1 スリーマイル島原子力発電所2号機事故 -2-

9 日本原子力保険プール スリー マイル アイランドの近況報告 除染資金確保と損害賠償 請求訴訟の状況 原子力保険情報 No 年 6 月 Island Unit 2, A Technical History: 1979 to 1990, EPRI NP-6931 Project Final Mile Island Nuclear Station, Unit 2 As of December 31, 2009, TMI , March 29, Mile Island Nuclear Station, Unit 2 As of December 31, 2010, TMI , March 30, 2011 2 チェルノブイリ原子力発電所4号機事故 原子力安全委員会編 原子力安全白書 昭和 61 年 事故調査報告書 昭和 62 年 5 月 28 日 原子力安全委員会 ソ連原子力発電所 日本原子力情報センター 世界の原子力発電所プ ラントデータブッ ク CHERNOBYL ACCIDENT AND THEIR REMEDIATION: TWENTY YEARS OF EXPERIENCE Report of the Chernobyl Forum Expert Group Environment, Twenty years of the Chernobyl Accident, Results and Problems in Eliminating Its Consequences in Russia, Russian National Report, 2006 3 その他 東電福島事故の中長期措置に資する調査 種資料 事業実施に忚じて随時指定 資源エネルギー庁の指定する各 なお 調査結果は事故毎に章立てとし上述した調査 項目毎に整理し成果報告書を取り纏めること 成果報告書を作成する上では 参照した文献 を明確にし 収集した文献等については 資源エネルギー庁と協議のうえ電子媒体で納入す ること 1.5 実施期間 委託契約締結日から平成24年3月30日 -3-

10 2. チェルノブイリ 4 号機事故に関する情報 2.1 基本情報 所有者 運転者等 (1) 発電所の仕組み チェルノブイリ原子力発電所は ソ連(現ウクライナ)のキエフから北北西約120 kmに位置しプリピア チ川河岸にある(図 ) 事故発生時 4基 1号機 4号機 の原子炉が稼働中 2基(5 6号機) が建設中であった (表 )これらの原子炉はソ連特有の黒鉛減速軽水冷却チャンネル型炉 (RBMK)(表 )で 電気出力は100万kW(1000MWe)ある 炉心の冷却には軽水を用いている が 原子炉の構造は軽水炉と異なり 黒鉛のブロックを積み重ね そこに多数の圧力管を通 し その圧力管内に燃料集合体を入れて冷却することで燃料からの熱を除去するという方式 となっている 圧力管内で冷却水が沸騰し蒸気と水の二相流となって気水分離器に送られる そこで分離された蒸気 約284 7MPa は2基のタービンに送られ 水は主循環ポンプ(4台 内 1台予備)で原子炉へ戻される (図 ,3) なお 1号機は1996年11月 2号機は1991年10月 3号機は2000年12月 4号機は1986年4月26 日に閉鎖した a)チェルノブイリ原子力発電所の所在地 b)発電所敷地平面図 図 チェルノブイリ発電所の所在地及び発電所敷地平面図 -4-

11 表 チェルノブイリ発電所の概要 表 RBMK-1000 の仕様概要 図 RBMK 型炉 ( 黒鉛減速軽水冷却チャネル型炉 ) の概念図 ( 日本原子力文化振興財団 : 原子力図面集 ) 図 燃料集合体の構造 (RBMK 型炉 ) - 5 -

12 (2) 4 号機の特徴 1) 反応度フィードバック特性 BWRに限らず我が国の原子炉では全出力領域で負の反応度フィードバック特性 ( 注 1) を持つよう設計されている ところが チェルノブイリ4 号機においては 定格出力運転 (4 号機では熱出力 320 万 kw) では反応度フィードバック特性は負であるが 定格出力の約 20% 以下の低出力時には 正のボイド効果 ( 注 2) の増大及びドップラ効果 ( 注 3) の減尐により 正の反応度フィードバック特性を有するようになる すなわち 4 号機では 中性子の減速は ほとんど黒鉛によって行われるので ボイドが発生しても減速効率が低くなることはない ボイドが発生すると むしろ水による中性子の吸収が減り 核分裂連鎖反応が盛んになるという正のボイド効果を示す傾向がある しかも この正のボイド効果は 低出力時の方が高出力時よりも大きくなる したがって 出力を一定に保つことが難しく 核暴走の危険性もある このため この原子炉の運転規則では熱出力 70 万 kw( 定格出力の約 20%) 以下での長時間運転が禁止されていた 2) 原子炉緊急停止 ( スクラム ) 設備原子炉の緊急停止時にはね 制御棒が全部で211 本のうち187 本が炉心に自動挿入されるが 挿入速度は最大 0.4m/ 秒と遅く 全挿入まで約 18 秒かかる ( 我が国の軽水型原子力発電所では これが2~4 秒となるように設計されている ) また 以上に述べたように 低出力時に正の反応度フィードバック特性を有すること及び制御棒挿入速度が遅いことに対して 運転規則で 反応度操作余裕 について定められていた すなわち 原子炉の緊急停止時において 上述の挿入速度でも十分原子炉の緊急停止が可能になるようにするため その時点において挿入される全制御棒による効果が制御棒の性能が最も効果的に発揮される位置にある制御棒に換算して何本分に相当するかを示す 反応度操作余裕 (RBMK 型炉以外の原子炉にはない概念 ) を30 本相当以上とすることとされていた ( 注 1) 発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針 では 原子炉の炉心及びそれに関連する原子炉冷却系は, すべての運転範囲で急速な回有の負の反応度フィードバック特性を有する設計であること を要求している ( 注 2) 冷却材にボイド ( 蒸気泡 ) が生じることにより中性子の減速効率 ( 高エネルギーから低エネルギー ( 核分裂し易い ) への減速のされ易さ ) が低くなり 核分裂連鎖反応の進行が抑制される効果 ( 負のボイド効果 ) ( 注 3) 核燃料の温度が上昇することによりウラン238による中性子吸収が増加し 核分裂連鎖反応の進行が抑制される効果で すべての原子炉に共通のもの なお このドップラ効果は低出力時の方が高出力時よりも小さくなる - 6 -

13 2.1.2 事故進展の概要 4 号機では 1986 年 4 月 25 日 ( ソ連時間 以下同じ ) 保守のため原子炉の停止が予定されていたが この機会に 外部電源が喪失した場合 タービン発電機の回転慣性エネルギーをどれだけ所内電力需要に使えるかを試す実験を行うこととし そのための準備が行われていた 同様の実験は 1982 年及び1984 年にも同原子力発電所で実施された RBMK 型炉の設計では 外部電源喪失時に非常用発電機から電力供給を受けるまでの間 ECCS( 非常用炉心冷却装置 ) の一部を構成するポンプヘの電力供給は タービンの回転慣性エネルギーによって行われることを期待しており この実験は安全系の性能確認試験的な意味あいがあった この実験計画は具体的な安全対策が十分明記されておらず 承認もされていないばかりか 実験の指導者は原子炉の専門家ではなく電気技術者であるという不備なものであつた 以下に 事故経過の概要を時系列的に述べる 1986 年 4 月 25 日 チェルノブイリ原子力発電所 4 号機は保守のため停止することとなっており 停止前 ( 出力降下中 ) に タービン発電機の回転慣性エネルギーを外部電源喪失時にどれだけ所内電力に使えるかを試す実験を 熱出力が70 万 ( 約 21%)~100 万 kw( 約 31%) の所で行うことになっていた 4 月 25 日午前 1 時に実験計画に従って 定格出力 (320 万 kwt) から出力低下を開始し 13 時 5 分に熱出力が 160 万 kw( 定格の半分 ) になったため 2 基 ( 第 7 8) のタービン発電機のうち 1 基 ( 第 7 タービン発電機 ) を解列し 14 時 実験計画に従い ECCS を待機状態から外した ( 違反 6) 予定では 出力低下を継続し実験開始の熱出力まで下げるはずであったが 電力供給指令所からの要請を受け その後約 9 時間にわたって熱出力 160 万 kw での運転が続けられ この間 ECCS は待機除外のままであった 4 月 25 日 23 時 10 分 熱出力 160 万 kw から出力低下操作を再開したが 制御方式を高出力領域から低出力領域に切り替える際に目標値の設定を忘れたため 予定よりはるかに低い熱出力 3 万 kw( 約 1% 出力 ) まで低下した このため 運転員は手動で制御棒を引き抜き出力の上昇を試みたが 出力の低下に伴って炉内に蓄積されたキセノンにより中性子が吸収されたことにより出力は上昇せず 4 月 26 日午前 1 時に 20 万 kw( 約 6% 出力 ) に戻すのがやっとであった この炉では 70 万 kw( 約 21% 出力 ) 以下での運転継続が禁止されていたが 現場の判断により 20 万 kw で実験を行うことが決定された ( 違反 2) 4 月 26 日午前 1 時 3 分と 7 分 運転中の主循環ポンプ 6 台 ( 各系統 ( ループ )3 台 ) に加え各ループのポンプを 1 台ずつ起動させたため ( 違反 3) 炉心での冷却材流量が規定値を超え その結果 蒸気泡 ( ボイド ) が減尐すると共に気水分離器の蒸気圧力が低下した このままでは気水分離器の水位と圧力の異常により 原子炉が緊急停止してしまうので それを避けるため原子炉保護信号をバイパスして無効にした ( 違反 5) - 7 -

14 運転員は気水分離器の水位を回復させようとして給水流量を増加させたため 低温の水が炉心に流入してボイドが減尐し 炉出力がさらに低下した ( 正の反忚度ボイド係数の効果による ) そこで 出力を維持するために自動で制御棒が上限位置まで引き抜かれたが これだけでは不十分であったため 運転員は手動で制御棒を引き抜いた この結果 反忚度操作余裕が大きく低下した ( 違反 1) 4 月 26 日 1 時 22 分頃 気水分離器の水位が上昇してきたため 運転員は給水流量を急減させた これにより, 原子炉入口での冷却材温度は上昇し 飽和温度に近くなり 炉心全体でボイドが発生しやすい状態になった 1 時 22 分 30 秒 運転規則上 30 本以上なければならない 反忚度操作余裕 が6~8 本になり 炉を緊急停止すべき状態になったが 運転員はこれを無視した 4 月 26 日 1 時 23 分 運転員は 実験が不成功の場合に繰り返し実験を行えるよう原子炉保護信号 (2 台のタービン停止による原子炉停止信号 ) をバイパスした ( 違反 4) 4 月 26 日 1 時 23 分 4 秒 熱出力 20 万 kw( 約 6% 出力 ) の状態で 第 8 タービン発電機への主蒸気止め弁を閉じることで実験が開始され これによりタービン発電機は惰力回転となり この発電機に接続していた 4 台の主循環ポンプの回転数が下がって炉心流量が低下しはじめた これに伴って 冷却材温度が上昇してボイドが増加し原子炉出力が上がりはじめた 4 月 26 日 1 時 23 分 40 秒 運転員は原子炉緊急停止ボタン (AZ-5 ボタン ) を押したが 制御棒の挿入速度は遅く 出力は上昇し続け出力暴走事故となった ( 制御棒挿入に伴って正の反忚度が印加されるという ポジティブスクラム効果 によるものとされている ) ソ連の解析結果によれば 1 時 23 分 44 秒には 出力は定格出力の約 100 倍となった このため 冷却材の激しい沸騰 燃料の過熱 燃料が溶融破損し 急激な圧力上昇により圧力管が破裂して 4 月 26 日 1 時 24 分頃 2 回の爆発が発生し 1 度目の爆発は出力の急激な上昇によって 燃料が溶融飛散して圧力管に当るとともに冷却材の水に接触して水蒸気爆発を起したものと見られ 2 度目の爆発音は水 -ジルコニウム反忚により発生した水素と空気の混合気体の爆発によるものとされている この爆発により 原子炉建屋の上半分が完全に破壊された 図 に破壊された4 号機の原子炉建屋の状況を 図 (a) に事故後の4 号機全体の写真を示す 建屋の外に高温の燃料や黒鉛が放出され 機械室の屋根など原子炉施設内の30か所以上で火災が発生した 4 月 26 日 1 時 30 分 プリピアチ市およびチェルノブイリ市から消防隊が派遣された 消防士達の活躍の結果 火災は同日午前 5 時までに鎮火した その後 原子炉内で黒鉛火災が始まった この黒鉛火災を鎮火し 継続する放射能放出を抑え また 再臨界を防止するため 4 月 27 日よりヘリコプターによって原子炉にホウ酸 40トン 燃焼抑制用の石灰岩 800トン 遮蔽および放出抑制用の鉛 2400トン フィルター効果のため粘土と砂を大量に投下した これらの投下によって 一旦は放射性物質の放出が抑制されたが 閉塞状態のため内部で温度上昇が起こり 再び放射性物質の放出が増大した - 8 -

15 原子炉からの放射能の放出は 4 月 26 日の事故開始当時の大量放出後 一時減尐したが 5 月 2 日から再び増加し始めた 溶融燃料と水の接触を避けるため 5 月 3 日に圧力抑制 ( サプレッション ) プールの水抜き作業を実施した また 5 月 5 日には 溶融燃料の冷却のため 原子炉下部空間へ窒素注入を開始した 放射能の放出は事故から9 日目の5 月 5 日頃急激に減尐し事故は一忚終息した ( 図 ) ( 注 ) 併記した違反は当時のソ連からの報告書による 運転員の6つの規則違反 に基づいている ( 表 ) その後 IAEA で検討評価した報告書 (INSAG-7) では 規則違反の一部は規則違反でなかったとした一方で 安全文化の欠如が重大な問題であると指摘した 表 運転員による 6 つの規則違反 ( 出典 : 原子力ハンドブック ) - 9 -

16 図 号機原子炉建屋内の破壊状況 ( 出典 : 安藤政樹 平野雅司 : 原子力学会誌 Vol44 No.2 p32(2002) N (a) 事故後の 4 号機全体写真 (b) 現在の石棺で覆われた 4 号機 ( 出典 : 石川秀高 : 原子力学会誌 Vol44 No.2 p44(2002) ( 出典 : ウィキペディア ) 図 号機の事故後と現在の写真

17 2.1.3 事故影響 1) 放射性物質の環境への放出量この事故により 4 月 26 日から5 月 6 日まで放射性物質の環境への放出が続いたが その放出量 (1986 年 4 月 26 日時点で崩壊補正 ) は 希ガスが炉内量の100%(Xe133が約 Bq) それ以外ではI131が炉内量の約 50~60% Te132が25~60% Cs134 及びCs137が20~40% その他の主要な核種がそれぞれ2~6% であり 合計で Bqと推定されている ( 表 図 ) 2) 放射性物質の飛散燃料は敷地内に炉内量の0.3~0.5% 20km 以内に1.5~2% 20 km 以遠に1~1.5% が飛散したとされている ソ連国内での放射能汚染状況については 30km 圏内での空間線量率が事故後 10 日間以上にわたり自然放射線 ( 約 0.08~0.12μSv/hr) の1000 倍以上であり また 90km~270km 圏内 ( キエフ ) での空間線量率は50 日間以上も自然放射線の数倍から数十倍のレベルであった ( 図 ) 3) 土壌中の放射性物質濃度土壌中の放射性物質濃度については 5 月 6 日 ~30 日に原子炉から1.5~30 kmの土壌について分析が行われ I131 Ru103 Ru106 Cs134 Cs137 等が検出された 4) 牛乳等摂取制限ソ連各地で 事故後 2~ 3 日で牛乳中のI131 濃度が上昇し 5 月 1 日には濃度 0.1μCi/l(3700 Bq/l) 以上の牛乳の摂取が禁止された 白ロシア ( 現ベラルーシ ) 南部では既にその10 倍程度の放射性ヨウ素が検出されていた ( 図 ) 一方 葉来類 食肉 魚等を含む食品からも I131 Cs134 Cs137 Ce141 Ce144 Ru103 Ru106 等の放射性物質が検出された 5) 住民避難北西約 5kmのプリピアチでは 放射性雲が市街を覆い汚染が進行し 4 月 26 日夜には放射線レベルがソ連における避難レベル ( 全身 75rem(0.75Sv) 以上 ) に達した 翌 27 日に大型バス約 1100 台を用いて約 4 万 5 千人が避難した この他 30km 圏内から事故後数日間に約 9 万人の住民が避難した ( 表 ) 6) 被曝等事故発生時 発電所敷地には444 人の発電所従事者がおり 一部の人々が過度の線量を被ばくした これに加えて 消火活動に携わった消防士等が大量の放射線被ばくを受けた 事故発生から4 時間後に救急班が また 12 時間後には内科 放射線科等の専門班が現地に到着した 事故数日後には 医師 看護婦等が多数動員され 治療救助活動が行われた 急性放射線障害と診断された被災者は初期には203 人とされたが 後に134 人と確定された この事故により 数日あるいは数週間内に30 名の発電所職員と消防士が死亡した ( 放射線被ばくによる死亡者 28 名を含む )

18 Xe-133 ( 注 ) PBq( ぺタ Bq) P=10 15 ( ): 事故から 10 日目 (5 月 6 日 ) では 半減期補正すると 約 5000 万キュリー (= 約 Bq) に相当する 表 チェルノブイリ事故による放射性核種の推定放出量 ( 出典 : 石川秀高 : 原子力学会誌 Vol44 No.2 p27(2002) ( 百万キュリー = Bq) 合計 ( 希ガス除く ( 百万キュリー )5/6 時点換算 =3.7E18Bq) 約 5000 図 放射性物質の 1 日ごとの放出量 ( 出典 : 原子力安全年報 (S61 年 )

19 ミリレントケ ン / 時 (=10μSv/hr@X 線,γ 線 ) 図 地表面の空間線量分布 (5 月 29 日時点 ) ( 出典 : 原子力安全年報 (S61 年 )

20 (1μCi/l=37000 Bq/l) ( 現ハ ラルーシ ) 90km 270km 図 ソ連各地における牛乳中のヨウ 素 131 濃度 表 避難した住民の外部被曝の集団線量 ( 出典 : 原子力安全年報 (S61 年 )

21 2.2 事故収束に関わる情報 収束に向けての作業工程及びその策定者事故当初の対忚は旧ソ連によって行われた 詳細は 節にて後述するが 主要な作業は 火災の鎮火 地域住民の避難 周辺環境への放射性物質飛散の抑制 石棺の設置などである 放射性物質の大量放出は事故の約 2 週間後の 1986 年 5 月 10 日には概ね収束した その後 原子炉の残存物を閉じ込めるためのいわゆる 石棺 が建設され 1986 年 11 月に完成した ただし この措置は困難な条件下で行われたものであり 強度 遮蔽効果とも十分ではなく 追加的な措置が必要な状況にあった また 同型炉である 1~3 号機については 速やかに廃炉 燃料取りだしなどを実施することが求められていた これらの 中長期的な措置については旧ソ連体制においても検討が行われていたが 技術的 経済的困難から実施されることなく 1991 年ソ連の崩壊を迎えることになった 表 に旧ソ連でのチェルノブイリ発電所の経過を示す 日付 事象 1969 年 5 月 旧ソ連のエネルギー省が 1970 年 1 月 1 日までにチェルノブイリ総局 ( 理事会 ) を結 成することを決定 1970 年 5 月 1 号機建設の土木作業開始 1972 年 8 月 1 号機建設のコンンクリート作業開始 1977 年 8 月 1 号機試運転 1978 年 11 月 2 号機試運転 1981 年 12 月 3 号機試運転 1983 年 1 月 4 号機試運転 1986 年 4 月 4 号機の完全な破壊を伴う事故 ( チェルノブイリ 4 号機事故 ) 1986 年 4-8 月 住民の避難と CEZ( チェルノブイリ居住禁止区域の設定 ) 1986 年 10 月 1 号機再起動 スラヴィティチの町建設 (5 月 ~10 月 ) 1986 年 11 月 2 号機再起動 1986 年 11 月 シェルター ( 石棺 ) の完成 1987 年 12 月 3 号機再起動 1991 年 ソ連の崩壊 表 チェルノブイル原子力発電所の経過 ( 旧ソ連での復旧対策 (1991 年まで )) ソ連崩壊後 中長期取り組みはウクライナが引き継ぐことになった ウクライナは当初 Ministry of Chernobyl affair を設立した この組織は後に Ministry of Emergency Situation of Ukraine( 非常事態省 ) に統合された チェルノブイリの事故対忚は このウクライナ非常事態省が管理を行っている チェルノブイリ事故に関わる中長期的な取組は ウクライナ

22 単独での対忚は困難であり 国際的な支援システムを構築する必要があった また EU 諸国にとって 旧ソ連圏の原子力安全の確保は重要な関心事であった このような状況の中 1992 年ミュンヘンでの G7 サミットにより G7 原子力安全作業グループ (G7-NSWG) が結成された この枞組みに基づき欧州復興開発銀行 (EBRD) に原子力安全基金 (NSA) が設立された 1992 年 ウクライナは 4 号機の安定化に向けての提案を募るため 1 万 US$ で国際入札を実施した (Kiev Competition( キエフ競合 )) その結果 400 以上の提案から 8 の会社が落札者となった 1993 年には EU は 4 号機の安定化の実現可能性検討 (EU-TACIS プログラム ) を実施するために約 300 万ユーロを出資した このプログラムは 上記 8 つの落札者 ( 最終的に 7 つの会社がコンソーシアムを組んで実施 ) が共通の解決策を見いだすための活動である この検討は 1995 年までに完了し この結果に基づき 3 号機と4 号機の上にコンクリート製の二重のアーチ型シェルターを 30~40 億ドルで建設する計画が提案され 様々な議論が行われたが 合意に至ることはできなかった 1994 年のナポリ G7 サミットにおいては G7 の諸国はチェルノブイリ事故復旧に向けて ウクライナとの同盟と 技術的 経済的にウクライナを支援することを正式に表明した 1995 年には G7 EU ウクライナの間で 覚え書き ( MOU; Memorandum of Understanding) が署名され この MOU はエネルギーセクターの再構築 旧ソ連時代から建設中のロブノ 4 号機及びフメルニッキー 2 号機の VVER1000 の完成 社会的対策の支援などを含む発電設備への投資の支援の他 特に 環境安全な状態への 4 号機の変換と他のチェルノブイリ 1~3 号機の最終停止とデコミに取り組むのもである 1995 年の MOU に基づき EU は既存の提案の分析と短長期的対策のための検討を開始し (EU-TACIS プログラムにより財政支援 )1997 年後半には検討結果が与えられ ウクライナとの共同事業についての合意が見出された この中で 1996 年に国際専門家チームによる技術検討が行われ 4 号機サイトを安全な環境に変えることを目的とした行動指針の提言が作成された 1997 には この検討に基づき シェルター実行計画 (Shelter Implementation Plan;SIP) が準備された 本実行計画は 1997 年の G7 サミット ( デンバー ) で G7 とウクライナによって合意され 署名された これに基づき G7-NSWG の指揮の下で 欧州復興銀行 (EBRD) は SIP プロジェクトを実施する特別目的基金として チェルノブイリシェルター基金 (CSF) を設立し 国際的な資金援助 ( 寄付金 ) のもと 1998 年より SIP プロジェクトが開始された 表 にウクライナ独立後のチェルノブイリ発電所 (ChNPP) の経過を示す

23 1991 年 ウクライナの独立 2 号機の停止 (10 月 ) 1992 年 G7-NSWG 結成 NSA( 原子力安全基金 ) の設立 1992 年 キエフ競合 (4 号機の安定化に向けた実現可能性検討 :EU 出資 1 万 US$) 年 シェルタースタディの提携 (EU とウクライナ合同取り組み ) 1995 年 G7 EU 及びウクライナの MOU( 覚書 ) 1996 年 1 号機の停止 (11 月 ) 短期及び長期対策(G7 EU とウクライナ合同取り組み ) 1997 年 SIP 合意署名 (G7 ウクライナ) CSF( チェルノブイリ安全基金 ) の設立 1998 年 SIP プロジェクトの開始 2000 年 3 号機の停止 2001 年 4 月 発電所デコミ及び環境的に安全なシステムへのシェルターの変換のための SSE ChNPP( チェルノブイリ原子力発電所の特別国企業 ) の結成 SSE ChNPP は 2001 年 6 月 11 日に正式に登録された 2002 年 キエフ競合 年 スタディ提携 2006 年 短期及び長期スタディ 2007 年 SIP チェルノブイリ シェルター 表 チェルノブイル原子力発電所の経過 ( ウクライナ独立後の事故復旧 (1991 年から )) ([R10], [R11], [R25] から編集 ) 現在 (2012 年 ) においても チェルノブイリ 4 号機については SIP に沿って対策が進められている この枞組みに基づく組織図を図 に示す 全体を統括するのは ウクライナ非常事態省及び原子力安全 セキュリティグループ (NSSG) である SIP に係わる主要な関連組織の役割は以下の通りである :1992 年に G7 サミットの枞組みの下で原子力安全作業部会 (G7NSWG) が設立された 2007 年 6 月の G8 サミットで原子力安全セキュリティグループ (NSSG) になった

24 政策調整及び決定 資金調達 実行関係 図 SIP に関係する主な関係者と相互関係 SSE ChNPP: 事業者 ( 運転者 ) であり 原子力法に基づき責任があり ライセンスを申請する 事業者自身のスタッフ 機器 and/or 契約コンサルタント エンジニアリング組織及び実施会社を使って必要な作業を実施する SIP( シェルター実行計画 ) で重要な契約は SIP-プロジェト管理ユニット (SIP-PMU) 契約であり この契約は EBRD 標準に基づき 監視 調達 契約管理を適切に確保するため CSF 規則に基づき実施される SSE-ChNPP は SIP の国際的支援の正式な受取 ( 受益 ) 組織である SNRCU( ウクライナの原子力規制委員会 ): ウクライナの原子力規制委員会であり その委員会のスタッフと技術支援組織 (TSO) が適用する規則に基づき 必要な全てのライセンスを発行する責任がある この技術支援組織は 国際ライセンシングコンサルタント又は TSSG( ウクライナの TSO) のような組織である TSO との契約は CSF により出資されるか又は共同出資される SNRCU は SIP の国際支援の別の受取 ( 受益 ) 組織でもある GoU( ウクライナ政府 ): ウクライナ政府であり 非常事態省により代表を務めており SSE ChNPP 及び CEZ を

25 監視する GoU は国際支援の基盤の 1995 年の MOU [R24] と SIP [R20] に G7 の 国々と EU とともに署名しており GoU は CSF/EBRD に関して 他の国々と権利と義務 で受け取り国の代表を務める G7: G7/G8 の国々 ( 主に G7 の原子力安全 安全保障作業グループ (G7-NSSG) を通じて活動している 日本も参加しており EU は共同パートナーである ) であり 国際取り組みに関してウクライナのパートナーである CSF( チェルノブイリ シェルター基金 ): チェルノブイリ シェルター基金 (CSF) は NSC( 新安全閉じ込め ) を含む SIP( シェルター実 行プログラム ) プロジェクトのための資金調達の仕組みであり EBRD で実施 管理される EBRD( 欧州復興開発銀行 ): 資金運用提供管理者であり CSF 資金ルール [R28] に従い CSF 資産の適切で透明な使用を確保する SIP や CSF のスコープの中での全ての調達や支払いは SIP-PMU(SIP プロジェクト管理ユニット ) の使用を必要とし SIP-PMU は EBRD の賛成を含む銀行のルールや顧客の代わりにプロジェクトを管理する 調達は EBRD の調達方針とルール (EBRD-PPR)[R28] に従わねばならない この EBRD-PPR 基準は欧州の一般入札 ( 公正な競争 透明性 品質及び価格 ) に使われるものと比較可能な入札手続を構築する IAG( 国際諮問グループ ): EBRD 及び援助資金提供者 ( ドナー ) を支援する 国際諮問グループ (IAG) は特定の課 題の技術レビュー又は議論を活性化する Donors( 援助資金提供者 ): ドナーは CSF に資金提供している国々や EU である これらの国々は CSF の 資金提供者の総会 で行使できる権利を有し 進捗状況 問題点について時々情報提供するため 更に 主な決定 ( 例えば SIP のスケジュール又はスコープ ( 範囲 ) の変更 / 調整 ) に承認を与えるために EBRD により組織される 日本は 他の G7 の国々と EU とともに CSF の重要なドナーである なお 上記の推進体制は 後述する SIP など EBRD が管理しているプロジェクトについてのもの である 二国間協定に基づくものなど その他多くの取り組みついては 統一的な実施主体は存 在しておらず 個別に実施者と資金提供者が存在しているような状況にある

26 CEZ で働く人々の過去からの変化を図 に示す CEZ( チェルノブイリ立入禁止区域 ) 内の人々の大多数がチェルノブイリ発電所の職員であり 過去 15 年にわたり 継続的に減尐しており 2012 年初め時点において全部で 3340 人と報告されている この内訳は 1657 人の作業員 1045 人の専門家 586 人の管理者スタッフ 52 人の作業員である なお 管理職員は CEZ の外側 (Slavutich( スタヴィティチ )) に常時の職場を持つ CEZ で働く人々の過去からの変化を図 に示す ППП НПП ЧАЭС 図 過去からの CEZ 内の作業員数の変化 ( 赤 ( 産業 ) 緑 ( 非産業 ) 青 ( 全 ChNPP 職員 )

27 2.2.2 主要な作業の概要 (1) 旧ソ連による対忚 (1986 年 ~1991 年 ) 前述の通り 事故直後の対忚は旧ソ連体制によって行われた 主要なものは下記の通り 1) 火災の鎮火 爆発が生じた結果 特に高温の黒鉛が飛び散ったため 原子炉施設内の 30 か所以上で火災が発生した 4 月 26 日 1 時 30 分, プリピアチ市及びチェルノブイル市から消防隊が派遣され 消防活動を行った結果 最も火災が激しかったタービン建屋の屋根の部分は 2 時 10 分に 原子炉建屋の屋根の部分は 2 時 30 分に また建物内に発生した火災は午前 5 時までには鎮火した 2) 核反忚及び放射性物質放出の鎮静化事故後初期の段階で 炉心温度を低下させ 黒鉛ブロックの燃焼を防止するために給水ポンプで冷却が試みられたが 効果的ではなかった 4 月 27 日 ~5 月 10 日に ヘリコプターによって原子炉にホウ素 (40 トン 再臨界防止 ) ドロマイト(800 トン 燃焼防止 ) 鉛 (2,400 トン 遮蔽及び放出抑制 ), 粘土及び砂 ( フィルタ効果 ) の総計約 5,000 トンが投下された結果 5 月 6 日までに放射性物質の放出はほとんど停止した その後も投下は続けられ 4~5 月の総計は約 15,000 トンに及んだ ただし これらの物質の大部分は原子炉容器には命中せず 入らなかった その後に放射能の放出量が減ったのは 炉内の状況が自然に変化したためであると考えられる 同様に 5 月 5 日より窒素の注入が試みられた これについても期待した効果は得られなかった 実は 原子炉の横壁が破損しており 注入された窒素は炉心に到達することなく外部に漏れてしまったためであることが後に判明した この結果を受けて 注入は中止された 3) 基礎下プレートの敷設核燃料が溶融し 基礎プレートを貫通し 地下水を汚染するという危険が想定されていた これをさけるため 30m 30m 厚さ約 2.5m の鉄筋コンクリート製水冷却型基礎下プレートを設置した (1986 年 6 月 28 日に完成 ) 4) 炉心状況の分析 評価 1986 年 6~11 月 Bui プログラムが実施された これは ヘリコプターやクレーンにより 観測用の Bui を設置することにて 炉心の現状を分析するプログラムである 6~7 月にかけて 計画が策定され その後 11 月にかけて 温度と熱流束 線量分布 風速が同時測定できる Bui が 15 個設置された これらの Bui からの測定結果を分析することにより 放射線量が一律に低下しているということが示された すなわち 新たな連鎖的核反忚が起こっていないと評価された また 4 号機内の発熱総量から 燃料の 90% 以上が内部にとどまっているということも示された この結果は土壌への放出測定結果とも整合するものである

28 5) 石棺の建設 (1986 年 4~11 月 ) 損壊した 4 号機は放射線量の低減や放射性物質の放出の防止を確実にする暫定的な格納機能を用意するため 石棺と呼ばれる鋼とコンクリート構造体が中間エンジニアリング省 (Ministry of Medium Engineering) の指揮の下 3 段階 ( 準備段階 (5/20-7/15) 建設段階 (7/16-9/15) 建設完了段階(9/16-11/10)) で残存する原子炉建屋に設置され 11 月に建設が完了した この石棺は 苛酷な放射線状態下で成型コンクリートによって部分的に強化できた極端にプレストレスされた建設廃墟の上に鋼製のプレハブ構造体を積んだまま接続されておらず 溶接やボルトで固定されていないので 全体として建物の強靭性や安定性は弱いものであり 予測設計寿命は約 10 年 ~30 年とされていた 図 に 1986 年に建設した石棺の建設段階の写真を示す ( 引用文献 [R13],[R14]) 図 (a) 石棺内部図 (b) 石棺建設中 (1986 年 ) 図 (c) 石棺の建設段階の図 ( 完成時 (1986 年 11 月 )

29 6) 放射能汚染された森林の埋設チェルノブイリ原発から西に約 2 キロにわたる数万ヘクタールの森林が深刻な放射能汚染にさらされた 均衡の松の森林地帯では 松の地上部分が死に絶え レンガ色に変色 ( レッドフォレスト ) した レッドフォレストは除去され 放射性の木材は 1.5~2.0m の塹壕に埋設された (1987 年 11 月埋設完了 ) しかし この結果地下水が汚染されてしまい 環境問題を逆に悪化させることになってしまった 図 にチェルノブイリ発電所周辺のセシウム 137 汚染状況を示す ( 引用文献 [R08]) ChNPP 図 ChNPP 周辺の Cs-137 汚染状況 (1986 年 ) ( ) レッドフォレストとは赤い森 ( ウクライナ語 : Рудий ліс) とは ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所から 10km 圏内にある森を指す 1986 年 4 月 26 日のチェルノブイリ原子力発電所事故により放出された高レベルの放射性物質を取り込んだことにより枯死したマツが赤茶色に見えたので 赤い森 と呼ばれる 事故後の汚染除去作業で 赤い森の木々は伐採され埋め立てられた この場所は現在でも世界で最も汚染された地域の 1 つである 7) 避難地域住民のための新しい町 (Slavutich) の建設スラヴィティチ (Slavutich) はチェルノブイリ事故後 プリピャチからの避難民 発電所の作業員 その家族などが居住するために CEZ(30km 圏内 ) の外側のクリーンエリアに新しく作られた町であり 1986 年 5 月から 10 月にかけて作られた この町は チェルノブイリから 50km キエフから 200km にあり チェルノブイリ発電所の作業員のための特別通勤列車がスラヴィティチと発電所間に設置された また 列車による汚染の拡がりを避けるためのシ

30 ステム ( 着替ロックシステム 汚染制御システム ) を備えている 図 にスラヴィテ イチの位置を示す スラヴィティチ (Slavutich) 図 スラヴィティチの町の位置 8) 中長期的措置石棺は構造強度も遮蔽能力も十分ではなく その対策が検討された 例えば コンクリートなどによって遮蔽を強化することが検討されたが 石棺はすでに傾いており コンクリートの注入などにより重量が増すと 倒壊の危険も増すということで 見送られた また 燃料の取扱についても色々と議論があったが 対策には費用が必要であり 旧ソ連の中での優先順位が低く 対策は見送られた このように 旧ソ連体制においては 中長期的な措置が検討されてはいたが 技術的 経済的な理由から 実施が見送られた状態のまま 1991 年のソ連崩壊を迎えることになった 9) チェルノブイリ 1~3 号機の再起動旧ソ連にとっては 経済的な理由から チェルノブイリ 1~3 号機の再起動が重要課題であった 1~2 号機は 1986 年 10 月 11 月に ( 事故後半年程度 ) 3 号機も 1987 年 12 月には再起動された (2) ソ連崩壊後 (1991 年 ~) 1) 課題と経緯 ソ連崩壊後 1996 年に認識されていた チェルノブイリ原子力発電所の石棺の問題点は下記

31 の通りであった 1 石棺は 建物廃墟の上に鋼製のプレハブ構成体を置いたもので 構成体は積んだまま接続されておらず 溶接やボルト固定されていないので 建物全体として強靭性や安定性が弱い 2 地盤沈下により石棺の躯体が傾くようになった 3 腐食や風化により構造体が务化してきている 4 石棺には気密性がなく ダスト複合抑制システムは働いているが 開口部から環境への放射性のダストの放出や水の浸入が軽減されていない 54 号機と 3 号機との共用の排気筒は大きく破壊し不安定な状態であり 排気筒が石棺に倒れると 石棺の重大な損壊や石棺自体の倒壊の可能性がある さらに チェルノブイリ 4 号機と同じタイプの RBMK 型炉であるチェルノブイリ 1~3 号機が営業運転しているということも EU 諸国の大きな懸念材料であった これらの課題に対する対忚を進めるため 節で述べた国際協力の枞組みの整備や 国際入札の実施 国際的な専門家による議論などが進められてきた 主要な対忚策であるシェルター実行計画 (SIP) が合意されたのは 1997 年 ( ソ連崩壊の約 6 年後 ) であり それ以降 計画に従って 対忚が進められている また SIP と並行して廃棄物保管場所の整備や社会的影響への対忚なども進められている 2) シェルター実行計画概要 SIP は表 示すとおり 次の 5 つの目的に対忚する 22 のタスクで構成されている 11 つめの目的 :( タスク 1~8) からなり 構造物の安定化である 石棺は不安定な構造物であり 崩壊してしまうリスクもあったので 至急の対忚が必要であった 22 つめの目的 :( タスク 9~11) からなり 万一石棺の崩壊が起きた際の被害を最小限に抑えることである 33つ目の目的 :( タスク 12~14) からなり 原子力安全の改善 であり 再臨界の管理 含有水管理及び核燃料を含む物質の性状把握などである 44 つ目の目的 :( タスク 15~18) からなり 作業者や環境の安全確保である 55 つ目の目的 :( タスク 19~22) からなり 環境安全への転換のための中期戦略である これらの合意に至るポイント等については 付録 1 の 推奨される行動計画 に記載して いる

32 1. 目的 - 崩壊 ( 倒壊 ) 確率の減尐 ( 構造物の安定化 ) タスク 1 安定化と遮蔽設計統合及び着手準備 タスク 2 西側部分の安定化と遮蔽 タスク3 巨大ビームと南側部分の安定化と遮蔽 タスク 4 東側及び北側部分の安定化と遮蔽 タスク 5 屋根 屋根支持及び覆いの安定化 タスク 6 構造物調査とモニタリング タスク 7 地質工学的調査 タスク 8 地震学的特徴とモニタリング 2. 目的 - 崩壊事故影響の減尐 タスク 9 緊急時への備え タスク 10 ダスト管理 タスク 11 緊急時ダスト抑制システム 3. 目的 - 原子力安全の改善 タスク 12 臨界性と原子力安全 タスク 13 含有水管理 タスク 14 燃料含有物質 (FCM) の特徴 4. 目的 - 作業員及び環境安全の改善 タスク 15 放射線防護プログラム タスク 16 産業安全 火災防護 インフラ及びアクセス管理 タスク 17 統合的モニタリングシステム タスク 18 統合的データベース ( 構成管理 ) 5. 目的 - 環境安全への転換のための長期戦略とスタディ タスク 19 FCM 除去と廃棄物管理戦略 & スタディ タスク 20 FCM 除去技術開発 タスク 21 安全閉じ込め戦略 タスク 22 取り壊しと FCM 除去を支援するための安全と閉じ込めの実施 表 SIP の主な 22 のタスク ([R20], [R21])

33 3) 主要な SIP 作業工程と成果概要 SIP の作業は PMU( プロジェクト管理ユニット ) の入札と発注で 1998 年に開始した 第 1フェーズ ( 年 ) において 緊急対策 (2 つの構造安定性対策のうちの良好な1つを含む ) やエンジニアリング作業 ( プログラム開発 概念設計 ) の実施を含む 早期入札プロジェクト が完了した その後 詳細な機器設計と調達 支援施設 システムの建設 試運転及び NSC の準備作業としての既存シェルターの構造安定性の完了からなる第 2 フェーズ ( 年 ) が続いた 構造安定性が完了し 2008 年に安全の観点からも重要な段階となった 2007 年には NSC の契約の発注を開始し 部分的取り壊しと FCM( 燃料含有物質 ) 排除を含む NSC( 新安全閉込 ) が 2014 年に完了すると予定である ( 表 ) 年 成 果 フェーズ 1: 早期入札プログラム 1998 年 PMU( プロジェクト管理ユニット ) 作業開始 1998 年 早期入札プロジェクトの調達 1998 年 損傷した 4 号機の空調スタックの修理完了 1999 年 B1&B2 ビームサポートの安定化完了 2000 年 早期入札プロジェクトの完了及び打ち切り フェーズ 2: 新安全閉込 (NSC) の準備作業 年 トレーニングセンターの建設 交換施設 1430 の建設 リハビリセンターの建設 建設ベース(Small Stroibaza) の建設 2001 年 NSC 設計の原則承認 年 (2008 年 ) 主安定化対策 (2008 年に屋根の吊上げ ( ジャッキでの持ち上げ ) 2005 年 NSC の 2 つの入札を受入 2007 年 NSC 契約の発注 (NOVARKA コンソーシアム ) 2008 年 建設エリアの撤去 ( 掃除 ) の開始 2009 年 組立エリア Stroibaza 建設の開始 2010 年 NSC の杭基盤建設開始 2011 年 組立エリアと NSC 基盤のコンクリート作業完了 2011 年 3 号機の新しい小さな空調スタックが完成 表 主要な SIP の成果のまとめ ( 詳細な図は [R04], [R25], [R26], [R27] 参照 )

34 3) 主な長期対策としてのインフラ整備 SIP に係わる長期的な対策としてのインフラの整備として SIP 達成のための 22 のタスクの実施 1-3 号機のプラント停止とデコミッショニングのための検討や準備作業 廃棄物管理のための新たな施設の建設が含まれる 1SIP のタスクの実施 SIP の目的を実現するため CSF( チェルノブイリシェルター基金 ) により財政支援される 22 のタスクが明確にされた これには特に以下のものが含まれる インベントリー特性( 完了 ) 燃料含有物質管理戦略 燃料含有物質回収の技術開発 放射性廃棄物管理戦略 石棺の緊急修理( 例えば 2000 年に完了したスタック ビームサポート ) 既存石棺構築物の安定化(2007/2008 年に完了 ) 統合モニタリングシステム(2011 年完了 ) 新安全閉込(NSC) の建設 ( 実施中 年 ) NSC の下で石棺の不安的部分の取り壊し (2014 年後に計画 ) 新たな支援インフラの設置( 例えば 訓練センター リハビリテーションセンター 着替え施設 (2007 年完了 ) 民間の建設組立エリア(2011 年完了 )) 21-3 号機のプラント停止とデコミッショニング 1-3 号機の停止とデコミッショニングのため 検討や作業が必要であり これらの財源は 特定の支援国との2 国間財源 EU 財源で一部が資金提供されるが 殆どはウクライナの予算からの財源によっている これに関連するプロジェクトは特に以下が含まれる 長期戦略と検討策定 ( 例えば 環境影響評価 ( 実施中 ) の UK 共同出資 EU 共同出資 ウクライナの予算で部分的資金供給 ) ChNPP デコミッショニングのデコミッショニング情報支援システム (DISS) の実施と運転 この管理ツールは EU-TACIS プログラムにより資金提供される プロジェクトは 2009 年に開始し 最初のフェーズ ( 機器及びソフトウエアの配送と試験 ) が完了している 現在 ビジネスプロセスに統合されている 原子炉の停止と冷温状態の達成 ( ウクライナの予算で完了 ) 炉心からの燃料取出( ウクライナの予算で 2010 年に完了 ) 既存中間貯蔵施設(ISF1) の性能向上 ( ウクライナの予算で完了 ) 一時的な ISF1 の使用強化 ( ウクライナの予算で完了 ) 新乾式中間貯蔵(ISF2) への輸送の準備 (NSA 予算で実施中 )

35 ChNPP のデコミッショニング準備及び新しい人工冷却池の場所 ( 地表 22.9km2 工業 用水取り込み 放射性核種で汚染された沈泥堆積物 ) 3 廃棄物管理施設の建設廃棄物管理のため 次の新たな施設が ( 建設を ) 開始された 新乾式燃料貯蔵施設(ISF2) の建設 ( 実施中 2014 年に完了予定 ) 液体放射性廃棄物処理プラント(LRTP) の建設 ( 作業完了 ) 固体放射性管理の産業複合施設(ISCRM) の建設 ( 完了 ) VEKTOR サイトでの工学的浅地中処分施設 (ENSDF) の建設 ( 実施中 ) VEKTOR サイトにおけると放射性ソース閉込貯蔵施設の建設 ( 実施中 ) SSE ChNPP の複合金属ドラム製品 (CPMD) と放射性廃棄物貯蔵用コンクリートコンテナー (CCRWS) 4) その他の作業 4 号機の事故により大量の放射性物質が広範に放出され放射能汚染されたことから 4 号機の影響緩和作業に平行して 高汚染地域からの住民避難と CEZ( チェルノブイル立入禁止区域 ) の設定と管理などが行なわれた 1 高汚染地域と高汚染地域からの住民避難約 37kBq/m2(Cs-137) 以上の汚染があるベラルーシ ウクライナ及びロシアには約 500 万人が住んでおり このうち 約 40 万人が 555 kbq/m2(cs-137) 以上の汚染がある地域に住んでいた この中で約 14 万 5 千人が避難した 避難は数ステップで決定 ( ) され 事故後 36 時間で開始され プリピャチ チェルノブイリの町は1 日以内に CEZ の残りの地域は数日以内に避難した ( )10Km 圏内からの避難は 4 月 27 日開始 30km 圏内からの非難は 5 月 2 日開始 8 月 22 日には4 号機の事故により影響した地域からの追加の非難を許可した 図 にウクライナ中に拡がった Cs-137 による汚染状況を示す 2CEZ の設定と管理 CEZ は事故後 4ケ月以内にウクライナのチェルノブイリ対忚省 ( 組織改定後は非常事態省に責任移行 ) の責任の下で設定され CEZ 管理は CEZ 内のチェルノブイリの町の管理事務所で行なわれている CEZ は約 2600km 2 ( 半径約 30km) の全面積を汚染と制約の 2 つのエリア ( ゾーン 1 2) で区分され セキュリテイ 出入りのみが管理されており CEZ の解除の計画はない CEZ の定義は次の通りであり 詳細な区分は図 の通りである ゾーン1: 内部ゾーン ( 半径 10km ゾーン ) と呼ばれる 高い汚染 (1996 年の Cs-137 の汚染は約 1.5MBq/km2) のため完全に制限されたゾーンであり このエリア内では 約 9 万人の約 76 の自治体があり 事故

36 後避難したプリピャチやチェルノブイリの町を含む ChNPP サイト 冷却池および事故後の大半の放射性廃棄物埋設もこのゾーンにある ゾーン2: 内側ゾーン ( 半径 10km ゾーン ) と半径 30km の外側ゾーンの間のゾーン 汚染はかなり低い (1996 年の Cs-137 の汚染は MBq/km2) が 年間 5mSv の追加被曝をもたらす 約 4 万 5 千人がこのエリアから避難した区域である 外側の制限ラインはセキュリティ管理ラインである 更に CEZ の外側には2つの追加ゾーン ( ゾーン 3 4) が定義されている ゾーン3: 汚染は低いが まだ有意であり (1996 年の CS-137 の汚染は kbq/km2 Sr90 の汚染が 5-100kBq/km2 Pu 汚染が 0.4-4kBq/km2 であった ) 年間約 1mSv の追加被曝をもたらす このゾーンは自主的に避難し 定期的に再モニタリングした ゾーン4: 汚染が検知可能であり 年間約 0.5mSv の追加被曝をもたらすゾーン なお CEZ での主なインフラは次のものがある セキュリティ管理ポイント( 出口の放射能汚染管理を含む ) チェルノブイリ作業員の主なセキュリティゲート(ChNPP サイトの鉄道の駅において ) CEZ 内の道路 鉄道 ChNPP サイト VEKTOR サイト (Buryakovka( 前の放射性廃棄物埋設サイトが設置され チェルノブイリ事故後使用された ) の場所 ) CEZ 管理建屋及び施設及びチェルノブイリ町での一時的な居住地域を含む作業エリア チェルノブイリ 図 (b) ウクライナにおける Cs-137 の汚染 [R12]

37 チェルノブイリ 図 (a) チェルノブイリ事故によるヨーロッパの Cs-137 の汚染状況 [R17] ChNPP 図 ChNPP 廻りの地域マップ ( [R01] より ) 黄線 : ベラルーシの境界 緑線 : 自然防護エリア 黒線 : 内部立入禁止ゾーン (10km ゾーン )-ゾーン1 赤線 : 立入禁止ゾーン (30km ゾーン )-ゾーン2 赤点 : チェックポイント

38 2.2.3 主要な作業に要した時間 費用及びその実施者これまで述べてきた通り チェルノブイリ 4 号機事故の収束に関わる活動は 旧ソ連 ウクライナの非常事態省及び様々な国際協力の枞組みに基づいて実施されてきている 以下主要なものについて その内容 要した時間 費用 実施者などについて概説する 1) 旧ソ連による対忚最初の年の復興対策には 旧ソ連から莫大な資金が投入された また ソ連陸軍を中心に 他の原子力発電所 科学アカデミー ( クルチャトフ研究所が中心 ) などから 60 万人が動員された これらの努力により 事故後半年程度で石棺の建設までの一連の措置が実施された 1986 年には公益事業の PE コンビナート が設立された この組織は 1989 年まで活動を実施した 主要な業務は施設のモニタリングや運転 除染の継続など多岐にわたるが 最も大きな寄与の一つは 新しい処分施設を開設したことである これら旧ソ連システムによる対策の費用については 詳細な知見を得ることは困難である 文献 R10 R11 によると 100 億ルーブル (190 億 US$) という数字が報告されている その内訳を表 に示す 下表のうち 寄与が大きいのが1の住民の社会的保護と 7の再定住化の費用である すなわち 事故によって 住居や職を失った人に対しては 相忚の補償を与えていることになる 2の医療援助とあわせると 住民に対する手当が対策費用の半分以上を占めているということになる No 支出内容 支出 ( ) ( 百万 US$) 1 住民の社会的保護 特別の医療援助 科学的研究と調査 放射線モニタリング 環境復旧 - 6 復旧 ( リハビリテーション ) と廃棄物処分 資本費 汚染された地域に以前住んでいた住民に対する再定住化と適切な状態の構築 立ち入り禁止区域での作業 その他の支出 上記に対忚しないもの (Not addressed) 合計 (USSR ) (191 億 823 万 US$) 表 旧ソ連での事故影響を管理するための費用内訳 (1986 年 ~1991 年 ) [R11]

39 2) ソ連崩壊後による対忚 SIP 新中間使用済燃料乾式施設 廃棄物貯蔵施設に係る費用等は以下のようである 年に SIP( シェルター実行計画 ) が開始され NSC( 新安全閉込 ) を含む殆どのプロジェクトは 2014 年までに完了すると予測されている 部分的な取り壊しは NSC が完了した時に開始できる SIP の全費用は現在 (2011 年時点で )16 億ユーロと予測される この費用は援助国のグループにより供給され及び EBRD により監理される CSF( チェルノブイリシェルター基金 ) により資金供給される [R03 R04 R05] 1995 年の MOU に基づき CSF により各国から表 の資金が供給されている なお チェルノブイリシェルターファンド (Chernobyl Shelter Fund ;CSF) は 2.3 節にて後述する 表 CSF( チェルノブイリシェルター基金 ) による資金供給額 2ISF2 はプロジェクト実施期間中のいくつかの主な変更に関して長い歴史がある ISF2 の全費用は現在 (2011 年時点で )3 億ユーロと予測される この費用は援助国のグループにより供給され及び EBRD により監理される NSA( 原子力安全基金 ) により資金供給される [R03, R04, R05] 原子力安全基金 (Nuclear Safety Account; NSA) は旧ソ連 中 東欧地域に所在する旧ソ連型原子炉の安全性に対する懸念をふまえ 1992 年 サミットの場において旧ソ連 東欧諸

40 国に対する支援の必要性が指摘された ( 原子力安全委員会 2001 年 ) これを踏まえ 同年 欧州復興開発銀行を窓口として 原子力安全基金が設立された この基金は 緊急炉心冷却系 (ECCS) の能力不足等といった基本的な設計面での安全性向上に関する支援などを実施している 各国の負担は表 の通りである なお 日本は 外務省を通して 3,100 万ドルを拠出している ( 外務省 HP) 表 NSA への各国の負担額 3ICSRM 及び VEKTOR プロジェクトは TACIS プログラム (CIS( 独立国コミュニティ )) 国へ の技術支援 ) を通して EU により共同出資される ( )TACIS:CIS 国の技術支援 ソ連崩壊後 チェルノブイリ事故の復旧のためのウクライナが支出額は表 のようで ある ([R11] からの非公式情報 )

41 年支出 ( 百万 US$) 合計 70 億 8684 万 US$ 表 チェルノブイリ事故の復旧のためのウクライナの支出 ([R11] からの非公式情報 ) 除染の範囲 方法除染の作業を実施すると 一般には外部被爆や内部被爆が発生するので 単に除染そのものを目的とするのではなく 実施に先立って 必要性を判断する必要がある 除染が必要となる根拠としては 下記が考えられる 汚染された物質や用地の再使用 ( 例えば 立入禁止区域からの車両の持ち出し 立ち入り禁止区域の縮小 ) 作業員の放射線防護( 例えば 作業区域の除染 ) 廃棄物管理( 例えば 廃棄物区分の異なる汚染のタイプの分離 ) ここで 現行のウクライナの戦略においては CEZ の一部地域の立ち入り禁止を無理に解除するようなことは想定されていない よって CEZ に対する広域的な除染活動は実施されていない しかしながら 主要なな汚染物質である Sr90 及び Cs137 について その挙動を理解するための様々な研究が行われてきたことは注目に値する それらの研究により 汚染そのものを低減または除去するか 汚染物質の移動経路をおさえる事により その影響を低減するような方法が検討されている これらの一部については 2012 年 2 月の ISTC シンポジウム ( 東京 福島 ) において 報告されている (ISTC: 国際科学技術ンターで事務局本部はモスクワ ) 汚染地域で作業を行う場合は 事前の除染が必要である 例えば 原子力発電所の作業スペ

42 ースなどにおいては 本格的な作業実施前に除染が行われる 最近の数年間における主要な除染作業の一つは 新シェルターの建設のための作業空間確保のために実施された 4 号機サイトに隣接するこのエリアは ( 緊急の事故対忚段階期間中に埋設及び置き去にした高レベル廃棄物を含め ) 酷く汚染されていた そのため NSC( 新安全閉込 ) の建設を開始する前に除染が必要になった 廃棄物は廃棄物管理スキームに従い除去されるか 分類分けされるか 管理される 原子力損害の内容旧ソ連においては 原子力賠償保険制度は存在しておらず 保険プールからの支払いは発生していない ただし 最小限の補償は政府によって行われている 節で述べたとおり 詳細な内訳は明らかになっていないものの 事故により住居や職を失った人 及び健康被害が発生した人について その手当がなされたと報告されている ただし 事故の影響による収入減 すなわち 風評被害のようなものに対する被害は一切行われていない また 周辺諸国に対する補償も一切行われていない なお ウクライナ ロシアは ソ連崩壊後原子力保険プール制度を整備しているが これらは現在稼働中の原子力発電所を対象とするものであり 当然のことながらチェルノブイリは対象外である

43 2.3 新シェルターに関わる情報新シェルターは 図 に示すとおり 鋼製の建物で 幅 257m 長さ 164m 高さ 110m 重さ トンで 既存の石棺を含むプラント全体を囲うように設置される 内部には 50 トンのクレーン 2 基や空調等が装備されており 既存の石棺を含むプラントの解体や燃料取出しをシェルター内で実施できる構造になっている 新シェルターは安全対策のため ( 放射能 落下負荷又は既存シェルターの部分的な崩壊の可能性のある事象に対する干渉 ) 既存シェルターとは別に組み立てられる 組立後 既存シェルターより高い場所にスライドされ 水や雪の侵入の防止や放射能の漏れ防止のため完全閉じ込めとなる シェルターの設計寿命は 100 年と想定されており その間に 4 号機の廃炉 燃料取出しを実施する計画となっている 本節においては まず SIP の資金源であるチェルノブイリシェルターファンド (CSF) について概説した上で 事業者決定の経緯や今後の計画について述べる 図 計画している新シェルター概要図 ([R04]) チェルノブイリ シェルターファンド (CSF) についてチェルノブイリシェルターファンド (CSF) は G7 の要求に基づき SIP 実施のための資金調達の仕組みとしてのチェルノブイリ シェルター基金 (CSF) がロンドンの欧州復興開発銀行 (EBRD) に 1997 年に設立された 資金の管理は欧州復興開発銀行 (EBRD) が請け負っている この目的は CSF が支援国により約束された寄付により供給できることである EBRD は利用可能な CSF の仕組み [R28] をつくるため必要な全ての資金ルールと取決めを準備し 最初の国際 ( 誓約 ) 約束会議が CSF を供給するため 1997 年 11 月に開催された その後 いくつかのそれ

44 に続く誓約イベントが行なわれた CSF とお金の適切で透明性のある使用が EBRD で管理されている SIP 対策を実行するための総コストは 16 億 US$ になると予測される この金額は支援国 (EU 日本を含む 23 を超える支援国 ) の寄付 CSF の利子 CSF に対する EBRD の収益の配分より集められる [R04] 1999 年 12 月現在 欧州各国のほか 米 日 などの協力で 約 4 億米ドルの資金が集められた 事業者決定までの経緯 2008 年には第一段階である 安定化 が終了し 次の段階である新シェルターの製作に移行することになった これに向けて 2007 年 9 月フランス建設大手のブイグ (Bouygues) 及びバンシ (Vanci) などが作るコンソーシアムの Novarka はウクライナ政府と 4 億 3200 万ユーロの契約を結んだ この決定に当たっては EBRD の調達方針とルール (EBRD Procurement Policy and Rule;EBRD-PPR)[R28] に従って 一般競争入札が行われた ここで チェルノブイリシェルターファンドなど EBRD が管理しているファンドに関わる調達は 基本的に EBRD の調達方針とルールに従うこととされている この EBRD-PPR は 欧州の一般的な競争入札制度と同等のものである ( 公正な競争 透明性 品質及び価格など ) この入札手続きの主要なステップは以下の通りである 詳細な委嘱事項(ToR) を含む入札文書が準備される この委嘱事項は一般に建設又は設置の入札に予備概念設計又は将来の設計段階の文書を含む 入札者の関心の高さ ( 関心度 ) の要求書 (REoI) が提出され 関心の高さ (EoI) が公開される 提出された関心の高さ(EoI) は事前資格審査に照らして分析され 引用され 事前資格審査が行なわれた入札者のリストが準備される リストは一方で十分な競争を可能にし 他方で 限定したリソースの集中的な入札と入札評価の取り組みを可能にするため 2~6 人の入札者のリストとなる 非常に例外的な場合 1つの入札手続のみが可能である リストした入札者は競売( 入札 ) 価格を提出する 入札価格は採点スキーム ( 一般的に 技術的及び財政的な要素を含む ) に照らして評価される 最高にランクされた入札者と契約発注の調整が行なわれる 今後のスケジュール前述の通り 新シェルターは 100 年の寿命を想定しており その間に内部で石棺の解体や燃料インベントリー取出しなどの作業を実施することを想定している NSC( 新安全閉込 ) 完成後は まず石棺上部を解体することが想定されている これにより 崩壊のリスクを十分に低いレベルにするとともに インベントリーに対して上部からアクセスすることが可能となる このようにすることで ウクライナの全体計画や 推奨される行動方針 によって低減された最終目的である 効率的で安全なインベントリーの回収が可能になると考えられる ただし 現行の SIP でコミットされているのは フェーズ 2.1 までである それ以降の計画

45 についても SIP の一環として実施するための詳細な意志決定が必要であるが まだ完了していない これは 何時 どのようにして インベントリーを回収するかという重要な決定がまだなされていないということを意味する インベントリー回収戦略にはインベントリーの貯蔵及び処分戦略も含まれるが 現時点で現在 シェルターインベントリーに対忚できるような廃棄物施設はない 2004 年の概略見積もりによると 必要な廃棄物施設の建設に約 2 億 US$ 必要とされている [R05] 2 章参考文献 [R01] Tschernobyl und die 30 km Zone, Krämer et al., atw 56, 02/2011 Electronic File: [R01] TschernobylundDie30KmZone-ATW pdf [R02] Der Unfall von Tschernobyl 1986, Kerner et al., atw 56, 02/2011 Electronic File: [R02] DerUnfallVonTschernobyl-ATW pdf [R03] Entwicklung des nuklearen Sicherheitsregimes und Unterstützungsprogramme für Tschernobyl, Pretzsch et al., atw 56, 02/2011 Electronic File: [R03] TschernobylSicherheitsregimeUndSupportPrograme-ATW pdf [R04] Chernobyl 25 years on: New Safe Confinement and Spent Fuel Storage Facility, EBRD, 2012 Electronic File: [R04] EBRDchernobyl25.pdf [R5] [R6] KKW Tschernobyl - Stand der Stabilisierung des Sarkophags und des darüber hinausgehenden geplanten sogenannten sicheren Einschlusses, BMU, 03/2011 Electronic File: [R05] BMU-Bericht-BT-Tschernobyl_Sarkophag_ pdf Industrial Complex for Solid Radwaste Management (ICSRM) at Chernobyl NPP functionality of the facilities factors of success, Eichhorn, atw 56, 02/2011 Electronic File: [R06] ATWICSRM-2011.pdf [R7] Chernobyl: 20 Years On health Effects of the Chernobyl Accident, ECRR 2006 No 1, Busby et al., 2006 Electronic File: [R07] chernobylebook_ecrr20years.pdf [R8] IRSN, Chernobyl 25 years on, IRSN 04/2011 Electronic File: [R08] IRSN_booklet_chernobyl_2011.pdf [R9] Tschernobyl 20 Jahre danach, Bundesamt für Strahlenschutz, Salzgitter,

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48 3. スリーマイル島原子力発電所 2 号機事故に関する調査 3.1 基本情報 所有者 運転者等スリーマイル島原子力発電所 2 号機 (TMI-2 号機 ) は アメリカペンシルベニア州ハリスバーグの南東 20 kmのサスケハナ川中州 ( 周囲が3マイルあるのでスリーマイル島と ) 呼ばれる ) に設置されており ( 図 ) バブコックアンドウィルコックス社設計の電気出力 95.9 万 kw の加圧水型原子炉 (PWR) である ( 表 図 ) この原子炉は 事故の1 年前の 1978 年 3 月 28 日に臨界になり 同年 12 月 30 日に営業運転を開始したところであった 図 スリーマイルアイランド原子力発電所の所在地 表 スリーマイルアイランド原子力発電所の概要

49 表 TMI-2 の炉心仕様概要 図 TMI-2 の全体概要図 (PWR2 ループ )

50 3.1.2 事故進展の概要 (1) 事故の経過 1979 年 3 月 28 日未明 ( 午前 4 時過ぎ ) 定格の約 97% 出力で運転中 2 次系の保守作業で制御用空気系に水が混入したことにより 2 次系の弁 ( 脱塩塔出入口弁 ) が閉じ 主給水ポンプが停止しタービンがトリップ ( 午前 4 時 0 分 37 秒 ) した これにより 2 次冷却水の水供給が行なわれず 除熱できなくなり 1 次系温度と圧力が上昇したため加圧器逃がし弁 (PORV:Power Operated Relief Valve) が開き, その 8 秒後には原子炉がスクラム 主給水ポンプの停止後直ぐに補助給水ポンプ(AFWP) が自動起動したが ポンプ出口弁が2 個とも閉じていたため蒸気発生器 (SG) の2 次側は数分間で空の状態となった (AFWP 自動起動の )8 分後に運転員がこれに気付き出口弁を開いたため その後はSGによる除熱が可能な状態になった しかし PORVが故障して開固着の状態 ( 圧力が下がってもなお開固着 ) となり 1 次冷却材の流出が続き冷却材喪夫事故 (LOCA) となったため 原子炉圧力が低下し約 2 分後に非常用炉心冷却系 (ECCS) が自動起動した PORVの開固着により1 次冷却材が加圧器に流れ込み加圧器水位が上昇した ( 加圧器水位は通常運転時に冷却材の保有量を示すが このときは圧力の低下により局所的に沸騰し 加圧器水位により冷却材保有量を判断できない状態になっていた ) 一方 1 次系の圧力と温度 PORV 出口温度 格納容器内圧 サンプ水位等の指示計はPORV からの1 次冷却材の流出とそれによる1 次系内保有量の減尐を示していたが PORVの状態表示が 閉 を示していたため 運転員はPORVが開固着していることに気付かず 加圧器水位の表示により保有量が十分であると判断し さらに 加圧器を満水にしてはいけないと教育されていたこともあって ECCSポンプ1 台を停止しもう1 台の流量も絞って事実上完全に停止させた こうしてECCSなしのLOCAが進行していった 原子炉圧力の低下に伴い1 次冷却材中に多量の蒸気が発生し 1 次冷却材ポンプが激しく振動しはじめた 事故発生から1 時間 10 分で 運転員はBループのポンプを また その30 分後にAループのポンプを停止した これにより それまで循環していた水と蒸気の混合流が停滞し蒸気が抜けたため炉心の水位が低下し炉心の上部が露出した その結果 燃料温度が上昇し 被覆管のジルコニウムと水が反忚して大量の水素が発生した 事故発生から2 時間 18 分経過した時点で 運転員は ( 発電所に出勤してきた次の運転直長が PORVの故障を指摘したため )PORVの開固着に気付き元弁を閉じたため冷却材の流出は止まったが 炉心の上部は露出したまま (PORVから500トン冷却材が流出し 炉心上部約 2/3が蒸気中にむき出しになった ) であった 事故発生から約 3 時間半後 運転員はECCSを再起動し炉心は再冠水したが 既に炉心は重大な損傷を受けており 炉心を構成する物質の約 45%(62t) が溶融し20tが原子炉容器底部に落

51 下したといわれている ( 図 ) 炉心の損傷は事故発生後約 4 時間で止まったが 1 次系には大量の水素と蒸気があり炉心の冷却を制御することが難しかった 事故発生から16 時間後に冷却材ポンプの起動に成功し事故は終息に向かった PORVが開固着していた間( 事故発生から約 2 時間 20 分 ) そこから流出した冷却材により加圧器逃がしタンク (PORVからの放出蒸気を凝縮するためのタンク) のラブチャディスクが吹き 格納容器内に1 次冷却材が大量に放出 -これと共に 水素や燃料から放出された放射性気体も格納容器内に放出 - 冷却材は 格納容器サンプに入リポンプにより補助建屋に移送され これに伴って放射性気体も補助建屋に運ばれた ヨウ素のほとんどは補助建屋のフィルタにより除去されたが 放射性希ガスは大気中に放出された - 事故の終息過程で 格納容器内に放出された水素の燃焼が起こったが 運転員はそれが何であるか理解できなかった 3 月 29 日深夜 アメリカ原子力規制委員会 (NRC) の技術者が水素燃焼を示唆する運転記録を見つけ 炉心が重大な損傷を受けたことが確認された ( 図 ) 図 TMI-2 の全体概要図 (PWR2 ループ )

52 図 TMI-2 事故終息後の原子炉容器内の最終状態推定図 (2) 事故原因 米国での検討によれば ほぼ100% 出力運転中 主給水ポンプが停止するトラブルが発生したが 運転員が補助給水ポンプ出口弁閉に気が付かず補助給水注水が遅れた また加圧器逃し弁が開固着しているのに気が付かなかったので 長時間一次冷却水の喪失が続いた 次いで 誤判断して非常用炉心冷却装置(ECCS) を中断してしまった さらに一次冷却水ポンプも止めてしまった この結果 炉心損傷が起こり また格納容器が隔離されなかったので 放射性物質を含んだ一次冷却水が格納容器の外に洩れ出て そこから環境に洩れ出た ( その後の確認では 希ガスの漏洩は一次冷却水を処理するため 充填 抽出系を働かしたときに起こったとされている ) このように この事故は機器の故障 運転員の判断ミス 設計上および非常用手順書の不備などが重なって起きたものである

53 1) 保守点検の不備および運転員のミス 1 加圧器逃し弁に従来から漏洩があったのをそのままにしておいた 2 運転する前に補助給水ポンプ出口弁開の確認を怠った 3 運転中補助給水ポンプ出口弁が閉じていたことに運転員が (8 分間 ) 気が付かなかった ( 蒸気発生器による炉心の除熱能力低下 ) 4 加圧器逃し弁開固着に長時間 (2 時間以上 ) 気が付かなかった ( 小 LOCA 発生 ) 5 一次冷却水圧力低下に気が付かず また炉心水位があると誤判断し ECCS ( 高圧注水系 ) を停止したり流量を絞ったりしてしまった ( 非常用手順書では ECCS 手動停止は加圧器水位と原子炉圧力の確認を要す ) 6 自然循環を確認せず 一次冷却水ポンプを停止した ( 冷却能力喪失により炉心の大規模な損傷が起こった ) 7 給水喪失や一次冷却水圧力低下等に関する非常用手順書を参照しなかった 2) 設計上の不備 1 高圧注水系絞り弁の開閉表示は制御パネル全面にあるが その流量表示は制御パネル裏面にあるというように 非常用系統の制御装置表示と状態表示が秩序立って配列されていなかった 2 加圧器逃し弁開閉の直接的表示が制御パネルになかった 3タービントリップ 主給水喪失 蒸気発生器水位低下などの二次系異常事象に対するスクラム信号がなかった 4 事故時原子炉格納容器隔離が格納容器内圧高信号によってのみであり ECCS 起動信号でも隔離なされるようになっていなかった 5 原子炉容器 蒸気発生器 一次冷却水ポンプ 配管などが自然循環がしにくい配置になっていた 3) 操作手順書および運転管理上の不備 1 加圧器逃し弁の適切な作動確認を指示していなかった 2 加圧器の満水を避ける手順では 炉心内気泡発生による加圧器水位上昇を予想していなかった 小 LOCA では 加圧器水位が低下することになっていた 3 急激な水素発生に対する対忚手順が明示されていなかった 4 炉心冠水のような基本的安全性確保よりは機器の損傷防止に重点がおかれていた 5 事故時の運転員操作猶予時間を 10 分以上とっていなかった 6 手順書は原子炉の起動 停止のように通常時対忚が中心的に書かれていて 事故時対忚が尐なかった 7 緊急時の技術支援体制が不十分であった (3) その後の計画事故直後としての検討評価は 1980 年でほぼ終了した 得られた教訓は 我が国でも 指針等

54 を通じて原子力発電所の安全性向上に反映されている 米国では 1981 年からは DOE( エネルギー省 ) を中心とした 4 機関による TMI-2 号機をめぐる R&D 計画 が発足し 炉容器内観察および燃料取り出し 事故シナリオの検討などを含む調査共同研究が始まった 我が国もこの共同研究に参加している 事故影響 (1) 環境への放出放射能環境に放出された放射性物質の大部分は気体状の放射性物質で 主として放射性希ガスと放射性よう素である これらの放射性物質が環境に放出された経路はいくつか考えられいるが 最も大きいものは 放射性物質を含んだ1 次冷却材が抽出され 補助建屋内の抽出 充填系で脱気される際に出てきた放射性ガスが配管や機器の漏洩箇所から外へ出たもので 補助建屋の換気系によって 排気筒から環境に放出されたものである また 後には 抽出 充填系のタンクの逃し弁などから放出されたこともあった 希ガス(Xe133が大半でセシウム放出なし): 約 250 万 Ci( Bq) 希ガスの炉内内蔵量の約 1% ヨウ素 131: 約 15 Ci( l Bq) 炉内内蔵量の10-4 % 以下 (2) 避難勧告 事故から約 3 時間後の 4 月 28 日午前 7 時ごろ 1 次冷却材の放射能濃度が急上昇し 燃料破損が明らかになったため 運転直長は所内緊急事態 (Site Emergency) を発令した さらにその後も 格納容器内を始め各所の放射線線量率は上昇し続けたので 7 時 30 分ごろ 一般緊急事態 (General Emergency) が発令された 連邦政府 州などの各機関の緊急時対忚チームがモニタリング活動を開始した 原子炉は 事故発生約 16 時間後に ほぼ制御可能な状態になったが 環境への放射性物質の放出はまだ続いていた さらに 原子炉の状況の把握や その評価について現地と米国原子力規制委員会 (NRC) 本部との情報伝達がうまく行かず 正確な事態の認識がなかなか得られない状況であった NRC 緊急対策準備室は 対策責任者チームの状況誤認 ( ヘリコプターによる上空の線量モニタリングに基づく敷地境界線量予測の誤認 ) に基づく勧告を受けて ペンシルバニア州の緊急時管理庁に対し 3 月 30 日午前 原子炉から 10 マイル (16km) 以内の住民の避難 を勧告した その結果州知事は 3 月 30 日 11 時 40 分ごろ 発電所から 8km 以内の妊婦と学齢前の乳幼児の避難 を勧告し 同時にこの地域のすべての学校の閉鎖を命じた これを聞いて 妊婦 乳幼児にとどまらず かなりの数の住民が避難を行った 周辺 20 mile( 約 32km) の住民の約半数が避難したが 知事による勧告以前に避難をした人も相当あった なお 避難勧告は4 月 8 日に撤回された

55 (3) 被曝 周辺公衆の被ばく量 -10mile(16km) 以内に住む住民の平均被曝量 : 8mrem(=0.08msv) - 個人最大 :100mrem(=1mSv)( 年間米国平均自然放射線量の1/3) (1mSv) 以下で健康への影響は無視できる程度 発電所から半径 50 mile( 約 80km) 以内の住民約 216 万人に対する集団線量は2000 人 rem(20 人 Sv) 程度と推定 ( 個人の被曝線量は平均 1mrem(=0.01mSv)) であった 内部被爆環境試料測定値からよう素 131の吸入又は摂取による甲状腺被ばく線量の最大値は 作業従事者の約 54ミリレム (0.54mSv) と算定されている なお 周辺公衆 760 人について全身測定を行った結果 有意な体内汚染は検出されなかった これらの被ばくによる健康への影響は外部被ばくより尐ないと考えられている 作業従事者の集団線量 3 月から6 月末までで 約 1,000 人 レム (10 人 Sv) であった 事故直後に全身被ばく線量が 3レム (30 msv) を超えた者は3 名で 最大は約 4.2レム (42 msv) であった その後 9 月末までに3レムを超えたものは7 名となっているが 年間の線量限界 (5レム(50mSv)) を超えて被ばくした者はない これらの被ばくによって生じ得る健康への影響 ( 発ガンなどの身体的影響と遺伝的影響 ) は これらの被ばくがなかった場合に比べて 無視し得る程度であった

56 3.2 事故収束に関わる情報 原子力損害賠償の内容 出典 , TMIの事故は 多くの人々が避難するなど社会的な影響は小さくなかったが その一方 周辺公衆 の被曝量はそれほど大きいものではなかった 周辺公衆の被害は 避難に要した費用 経済的影響 風評被害を含む 身体障害 精神的苦痛などである これらについては 原子力賠償制度の枠組 みにより 原子力保険プールによって支払われた また 事故収束や燃料取り出しに関わる費用の 一部は 財産保険によって支払われた 本節では まず原子力賠償制度を概説し その後TMIにお ける支払い実績を説明することとする (1) 原子力賠償制度の概要 1)原子力賠償制度の概要 原子力損害賠償制度は 被害者の保護を図ること及び原子力事業の健全な発達に資することを 目的としている すなわち 万一の事故の際に被害者に対して賠償するための資金を確保しておく ことと 参画する事業者 メーカなどが過大な経営リスクを負わないようにするということを目的として いる 日本の場合 原子力損害の賠償に関する法律 と 原子力損害賠償補償契約に関する法律 の二法により原子炉の運転等により原子力損害が生じた場合における損害賠償に関する基本的制 度を定めている その主な内容は以下の通りである ①賠償責任の厳格化 原子力事業者は過失がなくても損害賠償責任を負うため 被害者は損害賠償請求権の行使が容 易となる 我が国では 故意 過失がなくても 原子炉の運転等 に起因して発生した原子力損害に対しては 原子力事業者が損害賠償責任を負うという無過失責任を採用している ②原子力事業者への責任集中 原子力損害については 本来責任を負うべき者が他にあったとしても原子力事業者だけが賠償責 任を負い その他の者は一切責任を負わない すなわち 原子力事故の責任を原子力事業者に集中することにより 被害者の賠償請求先を明確 にするとともに 原子力事業者の求償権行使も制限することにより 原子力事業者と取引関係するメ ーカやサプライヤーなどは 損害賠償責任を回避できる これによって 多くの企業が原子力事業に 参画しやすくなる また 免責事由は 異常に巨大な天災地変又は社会的動乱 に限定されている ③損害賠償措置の強制 我が国においては 損害賠償責任保険に加え 原子力損害賠償補償契約の締結を強制し 賠償 のための資金をあらかじめ措置することで 事業者は偶発的な事故による賠償負担を経常的支出に 転化し 経営の安定化を図ることができると共に 被害者は賠償を確実化することができる 損害賠 償措置額は 原賠法改正により 平成22年1月1日から1200億円に引き上げられている ④賠償責任金額の限度

57 原子力事業者の賠償負担金額を限定することにより 万一のことを考えても事業者は財務的な見通しが立てられるようになり 原子力事業の健全な経営に資することとなる しかしながら 我が国においては諸外国の法制と異なり ドイツ スイスと同様に 原子力事業者の責任額に制限を設けておらず 無限責任となっている 但し 我が国においては 事業者が賠償責任を果たせないような財務状況に至った場合に 次に述べるような国による援助 措置が用意されている 5 国家補償原子力事業者が損害賠償措置額を超えた損害に対する賠償責任を果たせないような場合 あるいは原子力事業者の責任範囲外であるため損害賠償措置で補えない損害 ( 我が国においては社会的動乱 異常に巨大な天災地変 ) については 国が原賠法上の援助 措置を行なうことにより 被害者への補償を確約することで 被害者は確実な賠償または補償を得られる 図 原子力賠償制度の概要 2) 原子力保険プール原子力保険は 多数の原子力発電所 核燃料製造所 使用済燃料再処理施設等の原子力施設を契約対象としており その保険引受金額が巨額となるため 各国では損害保険会社が原子力保険プールを設立して 共同で保険引受を行っている さらに 各国の保険プールとの間で再保険契約を結ぶことによって 巨額な引受リスクの分散と引受能力の増大を図っている

58 ( ) プール組織としている理由は 原子力保険の対象となる施設はその数が限られ いわゆる 大数の法則( 注 ) がはたらかない 引受額が巨額にのぼることから国内外の保険業界の引受能力を最大限に活用することが必要となるためである なお 世界的な損害賠償措置額は 改正パリ条約等により7 億ユーロという高額な水準となってきており 世界中の保険会社の引受能力を結集して これの引受に当たっている ( 注 ) 大数の法則 個々の偶然な事象について それを多数観察すればその事象の発生確率が一定値に近づく すなわち 個々の場合には偶然であっても全体の集合については一定の規則性が見られる これを 大数の法則 と言う 日本及び各国のプール組織の体制の内訳は 以下のとおりである 1 日本のプール組織日本原子力保険プールは 1960 年に国内損害保険会社 20 社により設立され 現在の会員保険会社は 23 社で 保険業法に基づき金融庁から独禁法の適用除外の認可を得て 原子力保険事業に関する共同行為を行っている 各会員の最高保有額の合計が日本プールの保有額となり これに各国プールの引受額 ( 再保険 ) を加えた額が日本プールの引受能力となっている 日本プールでは 世界 21 プールと再保険取引を行い 巨額の原子力保険の引き受けを可能としている 2 各国の原子力保険プール一覧原子力保険を プール組織によって引受けることは各国に共通しており 巨額の原子力保険の引き受けを可能としている 原子力保険に関わる国際的なプール組織の体制は 図 のとおりとなっている 各国の原子力保険プール各国プール会長会議 ( 全プール代表者会議として 3 年毎に開催 ) ニュークリアプールズフォーラム ( 全プール事務局代表者会議として毎年開催 ) ワーキング パーティー ( 各種の専門的な事項を検討する部会 ) ゼネラル パーパ ス コ ミッテ ィー 主要プールの事務局代表による委員会 図 原子力保険に関わる国際的なプール組織

59 このうち 日本 米国 ロシア ウクライナのプール組織の詳細を比較すると 表 のとおりとなる 日本プール 米国プール ロシアプール ウクライナプール American Nuclear Insurers (ANI) 設立年 会員保険会社数 主要会員保険会社 東京海上日動 ACE American Ingosstrakh Ukuranian Fire & ( シェアー順 ) 三井住友海上 Insurance RESO Garantiya Insurance 損保ジャパン Commerce Insurance SOGAZ LEMMA あいおいニッセ Federal Insurance Allianz ORANTA Inc イ同和 Everest Reinsurance INGO Ukraine 日本興亜 Swiss Reinsurance PROVIDNA America プール運営形態委員会形式委員会形式委員会形式委員会形式 賠償責任保険 1200 億円 US$ 375 million US$ 140 million SDR 25 million 最大引受額 表 日本 米国 ロシア ウクライナのプール組織 また 日本プールとの再保険取引先となる各国の原子力保険プールは 以下となっている Nuclear Risk Insurers Limited( 英国プール ) ASSURATOME ( フランス プール ) Deutsche Kernreaktor Versicherungsgemeinschaft ( ドイツ プール ) Schweizer Pool für die Versicherung von Nuklearrisiken ( スイス プール ) Nordic Nuclear Insurers ( ノルディック プール ( スウェーデン+フィンランド )) B.V. Bureau van de Nederlandse Pool voor Verzekering van Atoomrisico s ( オランダ プール ) Syndicat Belge d Assurances Nucleaires ( ベルギー プール ) Aseguradores de Riesgos Nucleares, a.i.e. ( スペイン プール ) The Korea Atomic Energy Insurance Pool ( 韓国プール ) American Nuclear Insurers ( 米国プール ) Nuclear Insurance Association of Canada ( カナダ プール )

60 Instituto de Resseguros do Brasil ( ブラジル プール ) The South African Insurance Association ( 南アフリカ プール ) Croatian Nuclear Pool, Ltd. ( クロアチア プール ) Nuclear and Reinsurance Pool, Ljubljana ( スロベニア プール ) Nuclear Energy Insurance Pool of the Republic of China ( 台湾プール ) China Nuclear Insurance Pool ( 中国プール ) Czech Nuclear Insurance Pool ( チェコ プール ) Slovak Nuclear Insurance Pool ( スロバキア プール ) Romania Atomic Insurance Pool ( ルーマニア プール ) Ukrainian Nuclear Insurance Pool ( ウクライナ プール ) (21 プール )

61 3) 原子力損害賠償制度の国際比較原子力施設を有する多くの国では 特別法としての原子力損害賠償法を制定しており その目的には被害者保護と原子力産業の健全な発展が掲げられている 各国の国内法として定められている原子力損害賠償制度や 原子力損害賠償制度に関する国際条約は 賠償制度の基本的原則として 主に 責任の厳格化 責任の集中 賠償措置の強制 賠償金額の制限 国家補償の五つの要素を備えている これらの内で 責任額の制限や賠償措置額については 国により大きな差異がある また 原子力事故による越境損害を生じた場合などに際しては 国際間の原子力損害賠償に関わる国際条約 ( パリ条約 ウィーン条約など ) がある 1 賠償責任額の制限および賠償措置額原子力事業者の責任ついては 有限と無限の国に分かれており 日本 ドイツ スイスは責任額の制限をしていないが 多くの国は有限責任を採っている また 賠償措置額は各国の事情に基づき様々な状況にあり 米国の約 億ドル ( 約 1 兆円 ) を筆頭に ドイツ25 億ユーロ ( 約 3200 億円 ) スイス11 億スイスフラン ( 約 920 億円 ) スウェーデン3 億 SDR( 約 435 億円 ) 英国 1.4 億ポンド ( 約 200 億円 ) フランス6 億フラン ( 約 116 億円 ) 韓国 500 億ウォン ( 約 36 億円 ) 中国 3 億 RBM( 約 43 億円 ) および日本 1200 億円となっている 現在 改正パリ条約の加盟国においては 条約の内容に沿って国内法の改正を検討中であるが 賠償措置額は最低 7 億ユーロ ( 約 888 億円 ) になる予定である 円換算は平成 21 年 4 月 21 日の為替レートによる 2 特異な原子力損害賠償制度多くの国が 損害賠償措置として民間の原子力損害賠償責任保険を採用しているが 米国およびドイツにおいては 責任保険に加え 独自の原子力事業者の共済制度を取り入れるなど 他と大きく違うものとなっている a. 米国の原子力損害賠償制度米国では 原子力施設の被許可者 ( 運営者 ) は 1 次損害賠償措置額として3 億ドルの損害賠償責任保険の締結が義務付けられ この保険の保険金額を超える損害が発生したときには 2 次賠償措置として事業者間相互扶助制度が設けられている その超過額を遡及保険料として 1 原子炉あたり9580 万ドルを限度に運営者に割り当てられ 1 次措置額 3 億ドルと2 次措置額約 99.6 億ドル ( 現在 104 基 ) の合計 億ドルの損害賠償措置額を責任制限額とする有限責任を採用している なお この2 次措置額を超えて 被害者への補償が不十分な場合には 政府が資金を拠出することとなっている

62 b. ドイツの原子力損害賠償制度ドイツでは第 1 層損害賠償措置として2.56 億ユーロを責任保険で措置し さらに第 2 層損害賠償措置として原子力発電所運営会社による自家保険により22.44 億ユーロを措置する 第 1 層と第 2 層を合計した25 億ユーロが損害賠償措置額となるが これを越える部分も事業者の責任であり 無限責任を採用している ただし この賠償措置制度が機能しない場合には 政府が補償することとなっている c. ロシアの原子力損害賠償制度旧ソ連時代には 原子力開発において安全規制関連の法令 基準 規則類はなく 1970 年代に入ってから基準 規則類が整備され始められた チェルノブイリの事故時点でも法律の整備はなく ロシアになった後にようやく行われた 1995 年に 原子力エネルギーの利用に関する連邦法 1996 年に 住民の放射線安全関する連邦法 が制定されており 原賠制度は 原子力エネルギーの利用に関する連邦法 の第 XII 節に 被曝により法人および個人ならびに健康が被った損失および損害に対する賠償責任 として定められた また ロシアは 2005 年にウィーン条約に加盟したが 1997 年採択 2003 年発効の改正ウィーン条約には加盟していないため 条約上における賠償の範囲や賠償額などについては 必ずしも 現在の国際的水準から見れば十分なものと言えない 原賠制度を規定する連邦法の第 XII 節は 第 53 条 被曝による個人 法人の損害に関わる賠償責任 第 54 条 被ばくによる損害に関わる民事責任の根拠 第 55 条 被ばくによる損害の賠償責任の種類と責任限度 第 56 条 被ばくによる損害に関する資金的措置 第 57 条 被ばくによる損害の補償への国の参画 第 58 条 被ばくによる損害の賠償期限 第 59 条 放射線による環境損害に対する賠償 第 60 条 施設における作業従事者の放射線損害に関わる補償 から構成されている 具体的には 原子力施設運転者に対する責任集中 無過失責任 賠償責任限度額 賠償措置などが規定されている他に 運転者の責任限度額を超える賠償責任は国が補償する 損害賠償請求期限は 3 年とする 運転者は本法律及びその他の法律に基づく環境損害の責任を負う 施設における従事者の身体障害は連邦法により補償するとされており 原賠制度の基本的原則がほぼ網羅されている ロシアでは賠償責任の上限は ロシア連邦の国際協定によって定められた額を超えてはならない と規定されているので ロシアが加盟しているウィーン条約で定められている 500 万ドルが運転者の賠償責任の上限となり この金額までの賠償措置が義務付けられている 賠償措置額は中国や韓国と同レベルではあるが 我が国の 1200 億円と比べて 30 分の 1 程度となっている ただし 運転者の責任限度額を上回る場合は 政府が運転者に必要額を提供することにより 賠償請求に対処する仕組みとなっている なお ウィーン条約以外の国際枞組みとしては 原子力安全条約 使用済み燃料安全管

63 理 放射性廃棄物安全管理合同条約 原子力事故早期通報条約 原子力事故または放射線緊急事態における援助条約 核不拡散条約 (NPT) 包括的核実験禁止条約(CTBT) 核物質防護条約改定条約に加盟しており IAEA 保障措置協定 ( 自発的協定 ) 追加議定書も締結している (* 平成 22 年 10 月 18 日現在のレートによる ) 4) 原子力損害賠償に関する国際条約原子炉の運転等に関わる事故により大量の放射性物質が放出された場合 特に欧州のように隣国と陸続きの地域では 国境に関係なく原子力損害が広がる 国境を越えた原子力損害の処理において国際間の取り決めがない場合 責任の所在が定まらないため被害者は損害賠償の請求先が分からず また 複数の国で多数の裁判が行われることで被告にも多大な負荷がかかるとともに 同様の被害に対して様々な結果が出ることとなり 適切な救済が行われない可能性もある この問題に対処するために 事業者への責任集中や裁判管轄権の設定など 原子力損害賠償制度の国際的な共通ルールを定めたものが国際条約である 原子力損害賠償に関する国際条約には パリ条約 (1968 年発効 ) ウィーン条約(1977 年発効 ) 原子力損害の補完的補償に関する条約(CSC:Convention on Supplementary Compensation for Nuclear Damage 1997 年採択 未発効 ) の3 系統があり 付随してパリ条約とウィーン条約を連結して保護を拡大するジョイントプロトコール (1992 年発効 ) やパリ条約に関連して責任限度額を超える損害に対して資金を提供するブラッセル条約 (2004 年採択 未発効 ) がある パリ条約 ウィーン条約については現在それぞれ改正議定書が採択されている この3 系統の国際条約は以下の内容を共通に備えている 原子力損害の範囲 原子力事業者の無過失責任及び責任集中 賠償責任限度額の設定 損害賠償措置 ( 保険等 ) の強制 専属裁判管轄の設定と判決の承認 執行の義務これらの取り決めによって 条約加盟国の中では原子力損害賠償制度が国際的に有効になり また賠償の手続きが迅速かつ適切に行われることが期待されている なお 日本は現在 原子力損害賠償に関するいずれの国際条約にも加盟していない

64 表 各条約の加盟国数 エリア (2) TMI に対する賠償実績本節の冒頭でも述べたとおり TMI 事故の主な被害は 避難に要した費用 経済的影響 ( 風評被害を含む ) 身体障害 精神的苦痛などであり 原子力賠償保険による支払いが行われた 損害賠償請求訴訟については 1985 年 2 月には51 件の賠償請求めうち35 件 280 人との和解が成立し総額 1425 万ドルで決着しているがまだ訴訟が残っている状況である 米国プールは1986 年現在 約 4566 万ドルの保険金支払いを完了しており 最終的には6000 万ドル程度となると推定している 事故収束や燃料取り出しに関わる費用の一部は 財産保険によって支払われた 1) 財産損害額の評価状況除染 清浄化費用については GPU 社のコンサルタントとしてベクテル社は1981 年 7 月に1034 百万ドルと見積り 1983 年 2 月にはそれを975 百万ドルに修正したものが公表されている 従って ここではベクテル社のものについてまとめて報告する

65 1ベクテル社の第 1 回見積り (1981 年 7 月発表 ) < 今後必要な費用 > 除染費用 $ 169M 炉心取外し工事費 $ 261M 廃棄物処理費用 $ 141M プラント維持費用 $ 99M 小計 $ 670M 1982~ までのインフレ分 $ 179M < 既支出費用 (1979~ 1980)> $ 185M 合計 $1034M 2ベクテル社の第 2 回見積り (1983 年 2 月発表 ) < 今後必要な費用 > 除染費用 $217M 炉心取外し工事費 $l19m 廃棄物処理費用 $104M プラント維持費用 $ 84M 小計 $524M 1984~ までのインフレ分 $l12m < 既支出費用 (1979~1982)> $339M 合計 $975M 3 財産保険の付保状況 < 保険条件 > 保険価額 ( 時価 1 2 号合計 ) 725 百万ドル (172,333 百万円 円 / ドル てん補限度額 自己負担額 300 百万ドル (71,310 百万円 ) 10 万ドル (23 百万円 ) 事故当時の TMI 原発の財産保険の保険金額は 1 2 号合計 (1 号 :819MW PWR 2 号 :880MW PWR) で 725 百万ドル ( 約 1720 億円 ) であった 米国の財産保険はオールパート Ⅰ 方式のためゾーン区分

66 はされていないが 300 百万ドルのてん補限度額は概ね 我が国でいう PWR のパート Ⅰ 部分の 時価は満たしていたと考えられる 2) 推定損害額に基づく保険金支払い米国原子力保険プール損害査定により 第 1 回ベクテル社の見積りを参考にして 尐なく見積っても復旧費 ( 除染費用 ) は440 百万ドブレは下らないと判断し 300 百万ドルの保険金が支払われている (1979 年 5 月に除染費用に対する保険金の支払いを開始し 1984 年 5 月には全ての保険金支払いが完了 ) 3) 損害賠償請求訴訟の進展状況 TMI 事故の損害賠償金の支払いに関しては次の5 区分に大別されるが 未だ係争中のものもある 1 事故直後のソーンバーグ知事の命令により緊急避難した発電所周辺 5マイル ( 約 8 km) 圏内の住民に対し支払われた避難費用及び賃金喪失費用 2クラス アクションI Ⅱ( 発電所周辺 25マイル圏内の経済的損失に対する集団訴訟 ) に対し支払われた法廷内和解金 3 身体障害 精神的苦痛の訴訟に関し支払われた法廷外和解金 (280 人の原告から成る35 件の訴訟 ) 4 発電所周辺 25マイル圏外の住民や会社からの経済的損害訴訟 ( クラスアクンョンⅢ)4 件 5 上記 3で和解に至らなかった22 人の原告から成る12 件の身体障害 精神的苦痛の訴訟 a. 緊急避難費用及び賃金喪失費用 ペンシルバニア州のソーンバーグ知事は 事故 2 日後の3 月 30 日 12 時 30 分に発電所周辺 5マイ ル ( 約 8 km) 圏内の妊婦及び子供に対し緊急避難勧告を出した 原子力保険プールは同日午前 9 時には仮事務所を開設し 避難費用の支払いに備える体制をとっていた その結果 支払った総額は次の額に至った 緊急避難費用 $l,215,934 3,166 件 賃金喪失費用 $92, 件 総支払額 $1,308,037 ( 備考 ) 米国プールでは上記諸費用はプライス アンダーソン法第 170 条 m 項の規定に定める The Commission and other indemnitors may make payments to or for the aid of,claimant s for the purpose of providing immediate assistance following a nuclear incident に従い支払いを行なったとしている 又それらの費用は補償者の責任を認めるものでないことを前提としている

67 b. 経済的損失に対するクラスアクション (a) TMI 事故で提起された集団訴訟の概要 TMI 事故に関し ペンシルバニア州 ニューヨーク州連邦地裁等に対し各々の損害賠償請求訴訟が出されたが 裁判所の要請により発電所周辺 25マイル圏内に居住する個人と事業所の経済的損失に関する損害賠償請求訴訟については集団訴訟 ( クラスアクンョン ) としてペンシルバニア連邦地方裁判所において一括審議された 被告としてはTMIの所有者であるメトロポリタン エジソン社 親会社であるジェネラルパブリックユーティリティー社 ジャージーセントラル電力会社およびペンシルバニア電力会社ならびにメーカであるパブコック & ウィルコックス社等である (b) 和解の概要このクラスアクションで原告 被告双方が協議を重ねて作成した和解案が1981 年 2 月 20 日ペンシルバニア州連邦地方裁判所 Sylvia Rambo 判事によりTMI 事故に係る集団訴訟和解として了解が与えられた 了解された和解はTMIサイトより半径 25マイル (1マイル = km) 以内 ( 約 2000 平方マイルの区域 ) に所在の企業 ( クラスI) および個人 ( クラスⅡ) よりなされたものでありその内容は事故により被った金銭的損失に対してである ( 注 ) クラスアクションはクラス Ⅰ~ クラス Ⅲ に区分された 発電所周辺 25 マイル圏外の個 人および事業所は一括してクラス Ⅲ とされ和解には含まれなかった 身体的障害 又は 精神的苦痛については集団訴訟として認められず 個別の訴訟とされた 2 月 20 日に公表された和解内容によれば金銭的損失については2000 万ドルの資金を又 Public Health Fund と称して調査費用 500 万ドルを認めた 前者は個人についてはTMI 事故時に政府の勧告により避難した際に生じた賃金喪失 運賃 食費ならびに避難費 (Shelter) を 又企業については事故に起因した営業損失又は類似の損失を主に支払請求の対象とした 後者についてはTMI 事故に関する長期的な健康の調査又はTMI 周辺の放射線モニタリングの改善の基金とされた ( 注 ) TMI 周辺 20 マイル半径内に関する州の調査によれば 当該地域に居住していた 682,400 人中 150,000 人が事故の為 避難したといわれている 又この個人には会社が閉鎖又は家の移転により職を失った者も合まれる (c) 和解の通知

68 約 2 ケ月間で上記に関係する個人ならびに企業に対し 裁判所の監督下で和解の通知が 正式になされた ( 注 ) 集団訴訟であるから TMI サイト半径 25 マイルに居住する者で事故により金銭的に損失を 被った者は全て参加することができた 従って当該地域における事故時の在住の個人又は企業はすべて可能性ある請求者であるが ( 裁判所筋によれば ) 正式書類は1980 年国勢調査からの世帯主にのみなされ これらの費用は和解額から支出された 更に TMI 地域の新聞には請求しようとする者が請求書類を請求できるような クーポン券 が掲載され 地域のラジオ テレビによる報道もなされた これらは地域の個人もしくは企業が本集団訴訟に参加するか あるいは各個人又は企業が独自の訴訟を提起することを望むか そのいずれかを決定することができるようにする為に行なわれた もし集団訴訟に参加受諾すれば 被告に対して今後訴訟を提起できないものとされた 上記の段取により可能性のある当事者の損失に対する対処が定められ 集団訴訟に参加する請求者が決定された (d) 米国プールの保険金支払いこの和解に従い 米国原子力保険プールは 被告側が和解金として支払う2500 万ドル ( 経済的損失基金 として2000 万ドル 公衆健康基金 に対し500 万ドル ) を原子力施設賠償責任保険の保険金として支払った なお 事故直後支払われた緊急避難費用 賃金喪失費用はこの和解の枞外とされ 総和解金との相殺はされなかった 最終的には1981 年 2 月末までに2500 万ドル全ての支払が完了している c. 身体障害 精神的苦痛訴訟ジェネラルパブリックユーティリティー社 (GPU 社 ) と米国プールは1985 年 2 月 事故による障害を訴えていた280 人と法廷外の和解を行なった 和解総額は35 件 1425 万ドルとなっているが ペンシルバニア州郡裁判所では公表しなかった GPU 社のスポークスマンによれば 今回の和解は忚訴費用の増大を避けるための 経済的判断 によるもので 現実にひとりでも事故によって障害を受けた者がいると認めるものではなく 事故によるものは一時的な精神的苦痛以外健康への影響は何もなかったと主張している 米国原子力保険プールの弁護士によれば 訴訟のほとんどが事故又は放射能の放出から受ける精神的ストレスを申し立てたものであった 原告はすべて事故当時発電所付近に住んでいた人々である 今回の和解について個々にみ

69 ると最も高額となったのは事故後 1 年以内に生まれ 5 才になるダウン症候群の子供 1 人に対す る l09 万 5000 ドル ( 約 2 億 8500 万円 ) である 事故後脳性小児マヒを伴って誕生した幼児 1 人には 85 万 5000 ドル ( 約 2 億 2200 万円 ) の裁定額となった 和解は 事故に由来する健康上の訴えに対しGPU 社に代って法廷外で行なわれた 健康状態に関しGPU 社に対抗する審理や法律上の事実認定は全く無かったにもかかわらず 和解のいくつかについては裁判所の事後承認を必要とした これは子供達や事故以来死亡した人々の遺産が今回の訴訟に含まれていたからである 今回の和解にはGPU 社または他の会社側が賠償責任を認めることをその要件としなかったとGPU 社は説明している 弁護士によれば 和解は原告側を代理する3グループの弁護士団との間で成立した 生来の障害を持つ2 人の子供に対する和解金を含め 各人への和解金の分配については 裁判所ではなくこれらの弁護士によって決定された 原告側は放射線被曝が各々の障害の原因となったことを支持する事実の挙証が難しいことを認めた趣旨の示談書 (papers in the settlement ) を提出した ペンシルバニア州当局のスポークスマンによれば 州としてはここ数年間事故の健康に与えた影響について調査してきたが誕生時の障害 (birth defects) とTMI 事故の因果関係を示唆する どんな信頼すべき証拠 も発見されなかったとのことである 他の要素同様事故の間の放射線モニターの問題のため 発電所から放出された放射線の総線量が論争の対象であった スリーマイル島公共健康基金による昨年の調査では 当局の見積線量と他の情報とはしばしば矛盾しており事故からもたらされた健康上への考えられ得る影響は不明確と見なさざるを得ないものであった 5 百万ドルの公共健康基金は 発電所周辺 25 マイル圏内の住民訴訟のクラスアクションにおける和解のひとつとして1981 年に設立されたものである 当該地域住民のための科学的調査と公共の健康に関する教育を提供するというその和解は住民が障害の訴えを提出できるという可能性を開いたものだとしている 302 人の訴えが受理されていたが 今回の280 人の和解に基づくペンシルバニア郡裁判所への和解調書の提出は1 月下旪であった ( 注 ) TMI 事故による身体障害訴訟の和解について米国原子力保険プールの説明この訴訟については放射能放出事故と原告が訴える身体障害の間の因果関係を裁判所が認めたために訴訟が妥結したのではない 今回の和解の特徴に関して米国原子力保険プールは次の説明をしている 1 TMI 発電所の1979 年 3 月 28 日の事故との因果関係が明らかになり それに基づいて決着した損害賠償請求訴訟は1 件もない 2 被告側は どの原告に対しても彼らの障害がTMI 事故によるものとは一切認めていない 3 原告側が申し立てた彼らの身体障害に対し 被告側は今までも支払った見舞金 補償金はない

70 従って過去に生じた事実及び被告側が合意した事は次のとおりである 302 人から成る47 件の訴訟につき 米国原子力保険プールがすでに保険金の一部として支払った忚訴費用保険金は極めて多額である 連邦第一審公判 5 年を経たが 連邦控訴裁判所 ( 第 2 審 ) は最近 今回の各訴訟案件に対して管轄しない旨判断した 従って今後各訴訟はペンシルバニア州の州裁判所によって争わなければならなくなった 各州裁判所でのTMI 事故訴訟となると 今後各州ごとに弁護士を雇う必要があり今後益々忚訴費用がかかることになる 302 人の原告のうち280 人の原告に係わる弁護人については上記を勘案し訴訟を妥結したい旨意志表示があった 上記の状況を考慮し米国原子力保険プール(ANI MAELU) としては ひとつの和解額の尺度として将来必要と見積られる忚訴費用に相当する額を提示するとともに 更に事故と障害との因果関係の追求を棚上げすることを和解条件とする考え方を示し原告 被告ともそれを受諾した 以上により米国原子力保険プールは280 人の原告に対する合計 1425 万ドルの和解金を支払った 各人に対する配分については 今後彼らの弁護人によって行なわれる 未成年者への配分については裁判所の承認を得て行なわれるが それについても事故と障害の因果関係の挙証は不要とされた d. その他和解金が判明している訴訟発電所周辺 25マイル圏外の個人および事業所は一括してクラスⅢとされ上記和解には含まれなかった また 身体的障害 又は精神的苦痛については集団訴訟として認められず 個別の訴訟とされた その中で和解金が判明している訴訟としては 電気料金の値上げに対する集団訴訟 ペンシルバニア州に対する訴訟 地方自治体に対する訴訟がある 和解金として 電力料金値上げへのクラスアクションに62 万 5000ドル ペンシルバニア州に対する訴訟に25 万ドル 地方自治体に対する訴訟に22 万 5000ドルが支払われている 至近での TMI 事故の損害賠償金の支払推計をまとめると 表 のとおりとなる

71 種目 費目 損害額 保険金支払額 US$ 円 US$ 円 物損 77,800,000 約 74 億円 77,800,000 約 74 億円 財産 安定化 除染費用 975,000,000 約 926 億円 222,000,000 約 210 億円 その他 DOE 負担金 ( 燃料埋設など ) - - 合計 1,052,800,000 約 1,000 億円 300,000,000 約 285 億円 賠償責任 41,657, 約 40 億円 41,657, 約 40 億円 争訟費用 29,398, 約 28 億円 29,398, 約 28 億円 責任 合計 71,056, 約 68 億円 71,056, 約 68 億円 表 TMI 保険金支払推計 (US$=95 円 ) * 上記合計額にインフレ率等を加味した現在価額は 財産で約 US$3,100m(2,945 億円 ) 責任で約 US$153m( 約 145 億円 ) となる 財産保険のインフレ率は 1979 年から現在 責任保険は支払い期間が長期化したため 1985 年から現在のものを使用している ( いずれも ANI 試算 ) * 財産物損額 (US$77,800,000) の内訳は以下の通り 燃料への損害約 US$68m(65 億円 ) 1 次系システムへの損害約 US$9m(8.6 億円 ) * 賠償責任額 (US$41,657,828.24) の内訳は 以下の通り 避難費用 US$1,307,828.24(1.24 億円 ) 和解金 ( 原告 281 名 人身障害 精神的苦痛 ) US$14,250,000.00(13.5 億円 ) 和解金 ( 経済損のクラスアクション ) US$20,000,000.00(19 億円 ) 和解金 ( 電力料金値上げへのクラスアクション )US$625,000.00(0.59 億円 )

72 和解金 ( 対ペンシルバニア州 ) US$250,000.00(0.24 億円 ) 和解金 ( 対地方自治体 ) US$225,000.00(0.21 億円 ) 健康 医療調査等へのファンド US$5,000,000.00(4.75 億円 ) 節参考文献 : 日本原子力保険プール : スリー マイル アイランドの近況報告 ( 除染資金確保と損害賠償請求訴訟の状況 ), 原子力保険情報 No.11,1986 年 6 月 :USGAO: EMD : Greater Commitment Needed To Solve Continuing Problems AT Three Mile Island, August 26, 費用の手当の経緯と内訳 ( 保険情報 EMD )

73 3.2.2 収束 クリーンナップに関する情報 (1) 全体工程 出典 : TMI-2 Clean-up プログラムは 原子炉内の状況に関する知見 適用できる技術 法規制 資金状況により逐次改善された 1979 年 4 月 ~7 月に検討されたプログラム (Bechtel Power Corp.) さらに 1980 年 (Bechtel Power Corp) 1982 年 (Bechtel Northen Corp.) の段階でのプログラムは プラントを通常レベルまでに除染し 燃料取り出し 商業運転を再認可するというものであった その後 損傷程度が明らかになり また限られた資金状況 適用技術を考慮して 商業運転再開は困難なものとした最終的な Clean-up プログラムが 1984 年にまとめられた ( 図 ) 事故収束 クリーンナップの作業は3つの工程 安定化 燃料取り出し クリーナップ からなり その後プラントを監視保管するというものであった 安定化 は 原子炉の冷温停止を達成するとともに 原子炉建屋内の放射性ガスのパージ 除染作業等を実施し 原子炉建屋内へのアクセスを可能とすることである 燃料取り出し は損傷炉心燃料の状況把握 取り出し技術 輸送技術を開発し 炉心解体 燃料取り出し 廃棄物処理を行うことである クリーンナップ は 更なる除染を行うとともに 廃棄物の処理処分を行い 環境への影響がないような安全なシステム 設備を確立することであった 全体の工程を図 に示す 1979 年から 安定化 に取り組み 原子炉建屋内のクリプトンベント後の 1980 年 7 月に原子炉建屋内への最初の立入を実施した 除染作業は まず燃料取扱補助建屋から始まり 原子炉建屋内の線量低減は 1983 年から開始した 1984 年 7 月には原子炉容器上蓋の開放を行い 1985 年 10 月から燃料取り出しを開始し 1990 年 1 月で終了している 取り出した燃料はアイダホ国立原子力研究所に輸送され保管されている TMI-2 プラントは監視保管状態であり 現状廃炉は TMI-1 と同時に行う計画である 除染に関わる詳細工程を図 に示す 除染作業については その目的 機能 通常の除染方法で十分か 新しい除染技術 方法が必要か等種々検討された プラント安定化後 燃料取り出し作業ができるようにすること また プラントを長期間安定して保管できる状態にすることを目的に進められた 除染作業はほとんど手作業で行われ 一部自動化機器を活用した 燃料取扱補助建屋の除染は 通常のフラッシング 手拭き等で行なったが 高濃度に汚染された床等の除染はうまくいかなかった コンクリート表面のエポキシコーティング内に汚染物質が入り込んでいたためである 1983 年 3 月よりコーティングを剥離する除染法を開始した その後 ケーブルトレイや複雑な表面を有している部位に対してはスティームバキューム法とフラッシング 手拭きを併用する方法が有効であることがわかり 1985 年以降標準の方法として活用された 一方 原子炉建屋運転階では 1980 年 7 月に放射性ガス / クリプトンのベンドを実施し 線量測定を行うことから開始した 1982 年より大規模フラッシング試験を 5 ヶ月間実施後 1982 年末よりポーラークレーンのアクセスなど燃料取り出しに関わる線量低減に重点をお

74 いて活動を実施し 1985 年に完了させた 原子炉建屋地階では 事故後 2 年以上たった 1982 年に高汚染水 2.5ML の取り出しを完了させた しかしながら コンクリート床 壁の表面に汚染が浸透したため 作業者が立ち入ることができない環境であった さらに 地階には汚染水が 15~50cm 高さほど残り 底には 2.5cm 高さ程度の沈殿物が残っている状態であった このため ロボット除染技術を開発するまで 運転階を焦点とした除染と上部階の遮蔽を実施していくことにした 1986 年からロボットによる除染を開始し 1988 年に完了させた 各段階での線量は以下の状況であった 事故後の燃料取扱補助建屋では 50mR/h~ 5R/h(6mSv/h~600mSv/h) の範囲であったが アクセスエリアのなかには 125R/h(15Sv/h) に達するホットスポットもあった 1980 年に初めて原子炉建屋に入域したが その時の入口階 (El.305) では 425~450mR/h(51~54mSv/h) 燃料取替階(El.347) では 225~250mR/h(27 ~30mSv/h) の範囲であった 地下階の汚染水上 1.5m で 45R/h(5.4Sv/h) であった 原子炉冷却材ドレンタンク室では 1000R/h(120Sv/h) を超えていた 除染による最終的な目標値を設定し除染作業を実施していった ( 表 ) また 1985 年 10 月の燃料取り出し開始時点では 原子炉建屋燃料運転階の除染作業を完了させていたことに加え ダクト等の周辺機器の遮蔽など徹底した線量低減対策を実施したにより 燃料取り出し作業エリアの線量を 50~ 70mR/h(6~8.4 msv/h) から 10mR/h(1.2 msv/h) 以下まで低減させた なお テレビカメラ 超音波ソナーによる検査時段階での燃料取替階 (El.347) 線量は 平均で 150mR/h(18mSv/h) であった 原子炉建屋の各フロアーの位置関係は図 に示す 燃料取り出しの詳細工程を図 に示す 燃料取り出し方法 設備の完成までに 5 年 取り出し作業期間として 5 年間を要したが 炉内状況の把握 ポーラークレーンの再生 燃料取り出し前の除染が必要であった 炉心燃料の損傷が甚大であったこと その状況がよくわかっていなかったことがネックとなっていた 1979 年から燃料取り出し計画が策定されていたが どのような方法でいつから実施するかについては なかなか決定せず 最終的な決定は 1984 年になってからとなった 初期の燃料取り出しは長尺の工具を使い燃料デブリをつまみ上げ キャニスターにいれる方法で実施された 燃料取り出しの準備として 燃料取り出し工具の検討に加え 水による遮蔽方法 燃料取り出し時の臨界抑制 移送方法を検討した また 並行して テレビカメラによる炉心状況把握 超音波ソナーによる炉内上部の空洞分布の把握を実施した さらに キャニスターへのデブリ装荷量 移送用のキャスク アイダホへの輸送方法 30 年間の貯蔵等の検討を行い 1984 年再生した燃料取扱設備の燃料プールへ移送を開始した 燃料取り出し概要を図 に示す 炉心内の燃料デブリの破砕方法 取り出し工具を次々に開発しながら 作業を進めていった 破砕方法としては油圧式ドリル プラズマアークによる破砕等 取り出し工具としては長尺の工具及びエアリフト装置を開発し 燃料取り出しを加速させていった 初期には 工程通りなかなか進まなかったが 1985 年には上部の炉心構造物の取り出し完了し 1987 年から炉心コア部 1989 年からは炉心下部の取り出しを開始し 1990 年に取り出しを完了させた アイダホへの輸送はキャスク輸送のテストを実施した後 1986 年の 7 月から開始し

75 1990 年の春に完了した 上記の技術開発にあたっては 種々のメーカ 研究所等が対忚している ) 燃料取り出し技術関係は ベクテル関連会社や PCI エネルギーサービス他種々のメーカが対忚している 燃料取り出し時の認可のための臨界解析評価は ORNL 燃料取り出しキャニスターはバブコックス & ウィルコックスが対忚している 除染に関わるロボットについては EPRI/ ペンテック社 / カーネギーメロン大学 /GPUN 社合同で基本設計から検討し RRV 型装置 (ROVER) LOUIE 型装置 RWV 型装置を開発した 装置の設計と組立はカーネギーメロン大学のロボット研究所が対忚した なお 除染に関するロボットについては 1982 年後半より EPRI が参画したこと ベンジャミン フランクリン基金を通して追加資金を確保したことにより 加速された 原子炉建屋地階に適用されたのは 1986 年の後半である 放射性廃棄物の処理処分関係はベクテル関連会社が対忚した ( 表 を参照 ) 燃料取り出し完了時の要求条件としては 原子炉圧力容器及び原子炉冷却システムから実行可能なレベルまで燃料を取り出すこと及び臨界の可能性をなくすことであった 燃料取扱補助建屋 原子炉建屋 原子炉冷却系システムについては 各部屋 タンク類 浄化装置等の残留燃料 (UO2 の量 ) を調査分析し 評価した 原子炉内については 上部炉心構造物領域 下部炉心構造物領域等に残留している微細な燃料デブリ等を採取分析し 残留燃料を評価した その結果 事故後の燃料インベントリーとしは 総量で約 Kg であったが 燃料取出し後は約 1% の 1125Kg であった ( 図 ) ) 原子炉圧力容器内に残留している燃料の臨界評価についてはオークリッジ国立研究所が実施したが 臨界は起きないと評価された

76 図 TMI-2 Cleanup プログラム 出典 :

77 図 TMI-2 Cleanup プログラム全体工程 出典 :

78 図 TMI-2 Cleanup プログラム除染工程 出典 :

79 表 除染による目標値 出典 : 図 TMI-2 原子炉建屋の各フロワーの位置関係 出典 :

80 図 TMI-2 Cleanup プログラム燃料取出し工程 (1979 年 ~1984 年 ) 出典 :

81 図 TMI-2 Cleanup プログラム燃料取出し工程 (1985 年 ~1990 年 ) 出典 :

82 図 TMI-2 燃料取出し概要 出典 :

83 表 各技術開発を実施したメーカ 研究所他 対象技術 開発項目 開発関連会社 関連文献 実物大モックアップ装置 炉心デブリ Westinghouse Electric NUCLEAR TECHNOLOGY 取り出し工具 Corporation Vol.87 PP587 (Nov.1989) 自動切断装置のシステム設計 Bechtel National,Inc. NUCLEAR TECHNOLOGY Vol.87 PP641 (Nov.1989) 下部炉心構造物プラズマ自動切断 PCI Energy NUCLEAR TECHNOLOGY 装置 ( 自動切断装置マニピュレータとプラズマシステムによりバッフル板の垂直切断に使用された ) Services(Westinghous Vol.87 PP648 (Nov.1989) e Electric Corporation の子会社 ) 燃料取り出し技術 燃料取り出し作業の認可のための臨 Oak Ridgi National NUCLEAR TECHNOLOGY 界解析評価 Laboratory,ORNL Vol.87 PP660 (Nov.1989) コアボア マシン ( デブリベットと溶融固化炉心を解体し砕くための工具 硬い固化層の穴あけに利用 ) Bechtel Power Corporation, EG&G Idaho,Inc. NUCLEAR TECHNOLOGY Vol.87 PP932 (Nov.1989) 除染技術 燃料取り出しキャニスター RRV 型装置 :RB 地階のビデオ観察 放射線サーベイ スラッジの収集 コンクリート コア ボアの収集 高圧水による洗浄 スラッジ堆積物の除去 壁のはつりに使用 LOUIE 型装置 : 主に燃料取扱補助建屋で使用された 脱塩装置からの放射線レベルの測定 シール インジェクション バルブ室のデブリの採取 床のはつり作業 Babcox & Wilcox Company EPRI/ ペンテック社 カーネギー メロン大学 GPUN 社 (GPU/ ベクテル社 ) 同上 RWV 型装置 :RB 地下用として RRV 同上の教訓を反映して開発 7m 以上伸ばせる伸縮自在のブームを備え 除染と機器撤去の目的に制作されたが 地階の除染に関する要求が後ろになったため 使用されなかった NUCLEAR TECHNOLOGY Vol.87 PP1134 (Nov.1989) NUCLEAR TECHNOLOGY Vol.87 PP (Nov.1989) 同上 同上 RB 内部のコンクリート表面の放射性 Bechtel Construction 核種評価 : 多量の放射能が表面コー Company ティングに吸収されれていたことを分析評価 表面コーティング及びコンクリート表層 1mmをはつり除去し 線量低減した NUCLEAR TECHNOLOGY Vol.87 PP (Nov.1989) 放射性廃棄物処理 処分 事故シナリオ関連 既設の使用済樹脂貯蔵タンク Bechtel National,Inc. (SRST) を改造し沈降分離 固化処 Bechtel Power 分用容器への移送 : 燃料取扱補助 Corporation, 建家内の放射性沈殿物及び補給水浄化系脱塩装置樹脂に適用された 蒸発法 : 事故及びその後の洗浄作 Bechtel National,Inc. 業で発生した放射性汚染水 ( 約 870 6m3) の処分に適用された 残渣物はペレット化後ドラム缶詰 炉心構造材料 燃料棒及び冷却材の間の反応を明らかにし 炉心溶融の進展を評価 放射性核種の分布評価 炉心溶融デブリと原子炉圧力容器内構造物の熱的な相互作用 原子炉容器底部破断に対する安全裕度を予測する簡易法を検討 Idaho National Engineering Laboratory,EG&G Idaho,Inc Idaho National Engineering Laboratory,EG&G Idaho,Inc ESA Inc. EG&G Idaho,Inc Idaho National Engineering Laboratory,EG&G Idaho,Inc NUCLEAR TECHNOLOGY Vol.87 PP (Dec.1989) NUCLEAR TECHNOLOGY Vol.87 PP (Dec.1989) NUCLEAR TECHNOLOGY Vol.87 PP57-94 (Aug.1989) NUCLEAR TECHNOLOGY Vol.87 PP (Aug.1989) NUCLEAR TECHNOLOGY Vol.87 PP (Aug.1989) NUCLEAR TECHNOLOGY Vol.87 PP (Dec.1989) TMI-2 事故について各国のシビアア INEL 他 12 機関 JAERI ー M クシデント解析コードで評価 TMI-VIP: 原子炉圧力容器の損傷状 OECDが主催 米国 JAERI ー M 況を調査することにより 圧力容器の NRC 含め11カ国が参 損傷状況 圧力容器に加わった温度加 ANL,INEL 他が試 及び圧力負荷 圧力容器破損まで 験分析実施 の余裕を明らかにする

84 Quantity of Fuel by Area Auxiliary and Fuel Handling Buildings :< 17 kg Reactor Building (excluding the RCS) :< 75 kg Reactor Coolant System (excluding the RV) :<133 kg Reactor Vessel :<900 kg Total :<1125kg Quantity of Fuel in Reactor Vessel LOCATION RESIDUAL FUEL (kg of U02) Work Platform and Suspended Equipment :< 31 Downcomer Region :<179 Internals Indexing Fixture Region :< 5 Core Support Shield Region :< 11 UCSA Region :< 86 LCSA Region :<429 Bottom Head Region :<152 Surface Coatings :< 3 Total :<900 図 燃料取出し後の残留量評価結果 出典 :

85 (2) 推進体制 出典 : )GEND の参加者と役割分担事故収束に向けた体制づくりは困難を極め 事故収束活動の進展にともない変更されていった 事故 1 年後の 1980 年 3 月に最終的な実施体制 GEND が合意締結された GEND は GPUN(TMI-2 を所有する電力会社 ) EPRI( 米国電力中央研究所 ) NRC( 米国原子力規制委員会 ) DOE( 米国エネルギー省 ) の頭文字をとったものであり それぞれが 以下分担にて実施していくことにした GPUN: 全体計画策定 現場作業 データ収集等 EPRI: 除染技術 線量低減技術 事故解析評価 自動化に関わる研究開発プロジェクトのサポート この結果として開発された技術を産業界へ技術移管を実施 特に 燃料取り出しに必要なポーラークレーン再生のための機器構造評価 化学除染及び非化学除染技術の開発 自動化技術 原子炉建屋内作業者用クールスーツ開発 事故シナリオの解析評価に貢献した なお 1984 年の中頃からは クリーンナップ技術及び事故シナリオ解析技術を中心に電力会社への情報公開 ワークショップ開催を実施していくことに変更した NRC:GPUN からのシステム変更 技術評価 安全評価報告書のレビュー 及び安全解析影響評価をし 必要な変更の認可を実施 また NRC 諮問委員会を 7 回 / 年開催 メンバーは地元住民 地元政治家 技術者で構成され 最新状況の報告や意見交換を実施した DOE: 事故に伴って発生した放射性廃棄物の放出 処理処分 輸送等に関する課題の解決及び DOE 所管の研究所 (INEL) でしかできない放射性廃棄物の調査研究の実施 特に 炉心から取り出された燃料デブリを研究開発用とするだけでなく 中間貯蔵場所として INEL に引き取ったことが 燃料デブリの取扱に関する行き詰まりを解決し 事故収束を円滑に進めることに貢献した 2) 体制の変遷事故収束に関わるサイト体制は クリーンナップの主要活動に合わせて変更された 事故収束の安定化 廃棄物処理 除染 燃料取り出し 輸送 貯蔵準備に対忚して行われた 1 初期の体制 (1979 年 ~1980 年 ) 事故直後は原子炉の制御と放射性ガス 廃液の放出を最小限にする対忚に全勢力を傾けられた 1979 年 4 月 4 日に GPUSC(GPU Service Corporation) 社長が図 に示す体制を確立し 緊急の対忚を実施した 10 組織 約 30 名の技術者 科学者から成る IAG(Industry Advisory Group) をサイトで組織し 原子炉冷温停止に向けた対忚を中心に実施した また Metropolitan Edison GPUSC Babcock& Wilcox( 原子炉システムサプライヤー ) Burn&Roe( プラント土建 エンジニア ) EPRI 他からなる TWG(Technical Working Group) を組織化し プラント運転 廃棄物処理などの各部門にまたがる課題を解決していった 2 第 2 フェース (1980 年 ~1981 年 ) 第 2 フェースの体制を図 に示す GPUN の Mr.G.Hovey を TMI-2 の取りまとめ

86 者とするとともに ベクテルに事故収束に関する作業を請け負わせた 第 2 フェースの体制としての特徴は以下 2 点である ひとつは 作業員の被爆を極力尐なくするために 被爆管理部門を社長直属の組織としたことである 二つ目は 放射性廃液及び廃棄物に関する部門を中心に事故収束計画部門とし 権限を与えたことである この事故収束部門はベクテルの作業スコープを包含し 除染 炉心解体 燃料取り出しを中心に対忚させた 3 第 3 フェース (1982 年 ~1985 年 ) 事故収束に関わる要求事項の複雑化することにより 効率よく進める体制が必要になった 特に クリーナップ作業に関わる手順の変更等の書類認可対忚や TMI-1 の再スタートに関わる作業等がプロジェクトを遅延させていた このため GPU はベクテルなどの請負者を取り込んだ体制に変更することにし ベクテルパワーの副社長を本体制の取り纏め者とした ( 図 ) 計画部門を集められたスタッフとともに再編成し 廃棄物処理 除染 燃料取り出しの計画書を提出することにした さらに 各種データの一元化も範囲とした 4 第 4 フェース (1986 年 ~1989 年 ) 燃料取り出しを開始する段階では 手に負えない状況にあったので 燃料取り出し部門に人材投入をし 体制を変更した ( 図 ) 燃料取り出しは全体工程期限を守るためのクリティカルパスであり すべての他部門が協力して支援し タスクを完了させた

87 図 TMI-2 サイト体制 ( 初期 1979 年 ~1980 年 ) 出典 :

88 図 TMI-2 サイト体制 ( 第 2 フェース 1980 年 ~1981 年 ) 出典 :

89 図 TMI-2 サイト体制 ( 第 3 フェース 1982 年 ~1985 年 ) 出典 :

90 図 TMI-2 サイト体制 ( 第 3 フェース 1986 年 ~1989 年 ) 出典 :

91 (3) 費用と出資者事故収束後 GPUNは1981 年 12 月までに約 3 億 $ の損害保険金から1.8 億 $ を費やして除染活動を行ったが 原子炉格納容器の除染には取り掛かっていなかった 他方で 1980 年からDOE は GPUN 及びNRC EPRIと事故に関する情報収集を共同して行っていた また 1982 年予算に 1) 原子炉容器から燃料デブリを検査する装置と工法を開発すること 2) 燃料デブリを取り出し 検査すること 3) 放射性廃液を浄化して回収される放射性廃棄物を固化する実験を行うことを主な内容とする研究開発計画を提案した この計画では燃料デブリを取り出してクリーンアップを完了するためには 今後尐なくとも 6 億 $ を要すると推定されたが GPUNがこれに向ける資金を確保できず放置すると破産すると予想されたことから この資金確保が重大問題になった そして 発電事業が公益事業であることから GPUNの破産は同社を含めて当該地域の電力会社の再編することを意味することになるが それは結局様々な取組を遅らせ 電気料金の支払い者の負担が増大する結果をもたらすとの意見が有力だった それ以外の方法でこれの資金を確保する道が以下の案を含めて議論された 1) 連邦政府がウラン濃縮手数料を値上げして得た収入の増分をこの資金に充当する方法 2) 原子力損害保険料の再評価を行って増額した保険料支払いをもとに保険金支払い額を増大させる方法 3) 供給地域 つまりペンシルバニア州およびニュージャージー州の電気料金をあげ さらに 同社の株主への配当を減額する方法 4) 連邦政府が原子力発電を民間に奨励したこと 及び 国として適切な研究開発を行うことで この事故から原子炉運転や高レベル放射性廃棄物の処分に関する知見が得られ クリーンアップ活動を加速し さらには将来の原子力発電の安全性 信頼性の向上をもたらして原子力発電コストの低減に寄与できることから 国が研究開発を通じて支援する方法 5) 事故の影響を最も受けた電力会社群が今後とも原子力発電を継続していくことに確信を持っていることを明らかにする観点から 協力してこの取組に出資し さらに人員面でも協力する方法 1981 年 7 月になって 当時のペンシルバニア州のソーンバーグ知事が この議論の行き詰まりを打開するために 残りの費用を連邦政府 二つの州政府 電気事業者 GPUN 及び電気料金支払い者で分担する提案を行った そしてこの提案を受けて 上記諸方策をミックスした形の支援スキームが固まった 1 ソーンバーグ知事提案の概要 1981 年の中頃ペンシルバニア州のソーンバーグ知事が残りの作業に必要な資金の分担計画

92 を提案した 1981 年以降の作業で7 億 6000 万ドルの費用がかかるが ソーンバーグ知事はその半分を全国的財源から 半分を地方的財源により負担することを提案した 全国負担分の3 億 8000 万ドルについて 知事はこの計画が研究 開発の機会を与えることから 半額の1 億 9000 万ドルを連邦政府から また同額を原子力産業から支出するよう提案した 地方的財源については健康と安全に対する潜在的懸念の除去の確認を目的とする利害関係と一致することから 2 億 4500 万ドルをGPU 社 4500 万ドルをペンシルバニア州とニュージャージー州から そして残りの9000 万ドルを保険から拠出するよう提案した これを図示すると次のように大別される プールの財産保険 1981 まで 2.4 億ドル保険金 2.1 億ドル 10 億ドル GPU 社負担 0.3 億ドル プールの財産保険保険金 0.9 億ドル 1981~ 1988 まで 7.6 億ドル DOE 1.9 電力業界 1 9 GPU 社 2.45 ヘ ンシルハ ニア ニューシ ャーシ ー州 資金調達状況 前述のソーンバーグ知事提案に沿ったかたちで除染資金確保のキャンペーンが行なわれた が. 幾多の紆余曲折を経て1985 年には下表のとおり10 億ドルの目標額を達成している プールの財産保険保検金 300 百万ドル エジソン電気協会募集拠出金 150 百万ドル 連邦政府(DO]) 特別会計 132 百万ドル ペンシルバニア州及びニュージャージー州の公庫 50 百万ドル 日本の電力会社からの研究協力金 18 百万ドル GPUU 社の電気料金による回収他 350 百万ドル 合計 1,0000 百万ドル

93 最終的な分担は GPUN が3.67 億ドル 産業界が1.71 億ドル 州政府が0.42 億ドル 保険が3.06 億ドル DOE が0.76 億ドルとなり クリーンアップ活動 に要した費用は総額で9.73 億ドルとなっている 日本は この クリーンアップ活動 に対して 電力会社 原子力発電プラントメーカ4 社が中心となって日米 WR 研究委員会を発足し DOE と契約を締結した上で 要員派遣や参加費用負担 (0.18 億ドル ) を行っている なお TMI-2 の廃止措置費用の評価額は 2011 年 5 月 NRC より約 8.37 億ドルと報告されている ( 約 6.6 億円 / 万 kwe) (4) 主要な要素技術 1) 除染技術 出典 : , 原子炉建屋 燃料取扱補助建屋は汚染水により高度に汚染された 汚染はコンクリート表面のコーティング内まで入り込んでいたため 通常のフラッシングや手拭き等では除染できなかった この対策として コーティングを剥離する方法を活用した また ケーブルトレイや複雑な表面形状を有している部位に対しては スティームバキュウーム法を開発し適用した 原子炉建屋地階は高汚染水の取り出しを完全にできなかったこと等から 作業者が立ち入ることができなかったため ロボット除染技術を開発し対忚していくことにした 一次系冷却系配管等の除染に対しては 化学除染を検討し EPRI を中心に各種試験を実施したが 化学除染により発生する化学廃液の処理 処分の観点から 適用されなかった 以下適用された主要な除染方法を紹介する 1 スティームバキューム法 ( 図 ) 加熱蒸気を対象物面に吹き付け洗浄を行うとともに 凝縮水及び洗浄物の回収を行う装置である 1985 年以降 標準の仕上げ除染法として活用された 2 ロボット技術 /RRV( 図 ) 原子炉建屋地階の点検 線量測定 堆積物及びボーリングサンプル採取 壁フラッシング 沈殿物除去 コンクリートはつりに使用された カーネギー メロン大学 GPUN,EPRI,DOE にて開発され 1984 年 2 月にサイトに導入された 3 ロボット技術 /SISI 燃料取扱補助建家補給水脱塩塔の放射線サーベイに使用された 4 ロボット技術 /LOUIE-1,2( 図 ) LOUIE-1 は放射線サーベイ ビデオ撮影を使用された 1984 年 DOE より提供され サイトのロボットチームで改良したもの LOUIE2 はコンクリートはつり 除去に使用された

94 5 ロボット技術 /FRED 燃料補助建家内の高圧ジェット洗浄作業に使用された 図 スティームバキューム法 ( ケリーバックマック装置 ) 出典 : 図 RRV with Sediment Pickup Device 出典 :

95 図 LOUIE-2 出典: ) 炉心解析他 出典 : 事故シナリオ関連ではアイダホ国立工学研究所が主体的に対忚している シビアアクシデント解析コードの比較評価 (TMI-2 標準問題プロジェクト ) や原子炉圧力容器の損傷調査 破損までの余裕評価 (TMI-VIP) などは各国の研究所が協力して実施している 国際協力関係の概要を以下に示す 1 TMI-2 標準問題プロジェクト目的は TMI-2 の事故を解析するために 各国のシビアアクシデント解析コードを相互比較することである OECD NEA( 経済開発協力機構 原子力エネルギー機関 ) の CSNI( 原子力施設安全委員会 ) が 8 カ国 13 機関と協同して実施した 参加機関は米国 (USNRC/BCD EPRI/FAI DOE/FAI DOE/INEL USNRC/SNL) 日本( 原研 原工試 ) ドイツ(GRS) フィンランド (VTT) フランス(CEA) イタリア(ENEA) オランダ(ECN) イギリス (UKAEA) である 1986 年より 4 年間続けられた 2 TMI-VIP(Three Mile Island Vessel Investigation Project) プロジェクト目的は 原子炉圧力容器下部ヘッドを調べることにより 圧力容器の損傷状況 圧力容器に加わった温度 圧力負荷 圧力容器破損までの余裕を評価することである OECD NEA が主催し 11 カ国が参加して実施された 参加機関は米国 (NRC) 日本( 原研 ) ベルギー (FANC) ドイツ(GRS) フィンランド(STUK) フランス(CEA) イタリア(ENEA) スペイン (CSN) スウェーデン(SKI) スイス(BFE) イギリス(UKAEA) である プロジェクトは 1988 年から 5 年間にわたって実施された

96 (5) 国際協力体制 出典 : ) 日米 WR 協定の経緯 DOE は 1980 年始めより TMI-2 事故収束 クリーンナップ活動における事故シナリオ分析や燃料取り出し等の研究開発プログラムを推進していた DOE は本研究開発プラグラムへの日本の参画を希望していたが 1983 年 3 月の DOE 代表者の来日を契機として 電力会社が中心となって参加することになった 1983 年 10 月に日米 WR 委員会を発足させた 本委員会には電力会社 ( 北海道 東北 東京 中部 北陸 関西 中国 四国 九州 日本原子力発電 ) 原子力プラントメーカ( 東芝 日立 三菱重工業 ) エンジニアリング会社( 日揮 東洋エンジニアリング ) 法人( 原子力工学試験センター 日本原子力研究所 ) の合計 17 当事者が参加した なお WR は DOE 研究開発プログラムの Waste Immobilization Program と Reactor Evaluation Program の頭文字をとったものである 2) 協力の内容 ( 資金及び人的貢献 ) 1984 年 4 月 16 日 日米 WR 委員会は DOE と スリーマイルアイランド 2 号機をめぐる研究 開発への参加に関する日本側当事者と米国エネルギーとの間の協定 を契約した この契約期間は 1984 年 4 月 16 日から 1989 年 5 月 31 日である 本契約の主要な内容は以下の通りである 1 研究 開発から得られる全ての情報は日本側が取得する 2 年間 最大 22 名の日本人技術者が直接参加する 3 日本側は本協定に基づく発明の日本における実施権を有する 4 年 1 回 日本もしくは米国において 日米間で合同検討委員会を開催する 5 日本側は TMI-2 号機に関する研究 開発費用として DOE に対して 1800 万ドルを支払う日本人技術者は TMI サイトと INEL( アイダホ国立工学研究所 ) に派遣した TMI サイト派遣者は 炉心状況調査 燃料取り出し技術 除染技術 廃棄物処理 処分技術をテーマとした また INEL 派遣者は事故解析 炉心サンプル分析評価 データ解析及び事故シナリオの構築をテーマとして 技術情報の取得 技術修得を行なった 各当事者から 5 年間に 43 名派遣された 引用文献 :The Cleanup of Three Mile Island Unit 2, A Technical History: 1979 to 1990, EPRI NP-6931 Project Final Report, September :TMI-2 の事故調査 復旧に関する成果と教訓 JAERI-M :GPU NUCLEAR THREE MILE ISLAND NUCLEAR STATION UNIT2 DEFUELING COMPLETION REPORT : 佐々木貞明 : スリーマイルアイランド原子力発電所 (TMI) 事故とその後の処理について 第 3 回廃止措置技術セミナー 原子力発電所事故後の汚染除去と修復 エネルギー総合工学研究所他 2011 年 7 月 19 日

97 3.2.3 溶融燃料 デブリの保管状況溶融燃料 デブリ等の回収と全体状況に関しては 文献 1) に整理されている 保管に関する情報に関しては U.S.NRC が TMI-2(Three Mile Island Unit 2) の現状をまとめている 2) 輸送に関しては GAO 3) による報告書が最も詳しい 輸送機器のさらに詳しい情報は Reno ら 4) によるレポートがある ここでは GAO のレポートを中心にして輸送から保管に至るまでを整理した (1) 概観本節に関連した部分のみを箇条書きに整理する : 免許保持者 ( 電力会社 ) は 圧力容器からの燃料除去 施設除染を実施した 1990 年 4 月 : 燃料の除去が完了した ただし 原子炉冷却システムに多尐デブリが残されている 除去された燃料は アイダホ国立研究所で貯蔵されている この燃料の権利は U.S.DOE が持っている 1993 年 :TMI-2 は 燃料が除去され 除染された結果 長期管理のために安全で本質的に安定な状態になっている ( この長期管理状態を post-defueling monitored storage と呼んでいる ) プラントの状況 : TMI-2 の装置の一部は 現在稼働中の TMI-1(AmerGen[ 現 Exelon] に売却されている ) と共有されている GPU Nuclear は TMI-2 の免許の保持者であり FirstEnergy Corp に所有されている GPU は Exelon と契約し メンテナンスと検査活動を実施 廃止措置コストの現行推定値 :8 億 3690 万ドル 廃止措置信託基金の現在値 :5 億 7680 万ドル ( 現在 ) 2036 年 12 月 31 日 : 閉鎖予定日 (TMI-1 の廃止措置と合わせて ) (2) 全体工程とのつながりスリーマイルアイランド原子力発電所 (TMI-2) 事故 ( 発生 ) が収束後の炉心状態推定は 図 に示されている この図は 燃料デブリがコアフォーマ部内と圧力容器下部 ( 下部デブリ層 ) とにあり 中心や周辺には固化した溶融炉心材料があることを示している このデブリを取出し 安全な容器に移し替えるために TMI-2 活動計画が立てられた その工程は図 に示す この図には 燃料 デブリの輸送についても記入した 図 は TMI-2 復旧に関する工程を示している

98 活動計画 事故 フェーズ1 安定化 フェーズ2 燃料取出 フェーズ3 クリーンアップ 初期除染 汚染水処理 他 原子炉開放 燃料回収 他 追加除染 廃棄物処理 他 エンドポイント プラント 監視保管 プラント の処置 サーベイランス 保守 1985秋 燃料取出開始 燃料取出完了 アイダホ国立研究所 ドライキャスク29個 現在保管中 燃料輸送開始 燃料輸送完了 図 TMI-2 活動計画 文献 図 )をもとに作成 TMI-2 復旧に関する工程 1) TMI-2 復旧の中で 燃料取出は事故後 7 年目の 1985 年 10 から開始され 1990 年 1 月に終了した

99 ( 全体時系列の中で 燃料取出は 1979 年から 1990 年にわたって実施された ) この前後の主要なイベントを列挙する 1), 2) (1980.7) クリプトン ( Bq-43,000Ci) ベント (1980.7) 原子炉建屋入域 ( ) TMI-2 の除染に関するアト ハ イサ リーハ ネル開始 (1984.7) 原子炉容器上蓋除去 ( ) 燃料取出し開始 (1986.7) 燃料輸送開始 (1988.8) GPU TMI-2 ライセンス変更 ( 所有のみ ) 申請 (1990.1) 燃料取出し終了 (1991.1) 事故処理水蒸発開始 (1993.8) 事故処理水処理終了 (1993.9) TMI-2 ライセンス変更認可 (1993.9) TMI-2 の除染に関するアト ハ イサ リーハ ネル終了 ( ) PDMS( 燃料搬出後監視保管 :Post-Defueling Monitored Storage) 開始 ( ) TMI-1 運転延長認可 ( ) 原子炉圧力容器内部の破損燃料を取り出すための主要作業は次の4 作業であった 作業エリアの線量率低下 これには 2~4 年を要した 圧力容器内の冷却材の透明度確保 微生物や藻が発生したため 燃料取出し装置の開発 ハードクラストの破砕 下部炉心構造物の解体これらを個別に見ると 内部観察 水中テレビカメラ ファイバースコープ 超音波ソナー装置 サンプル採取及び燃料取出し 長尺工具を使用したピック アンド プレイス ( デブリ ) 真空吸引システム, エアリフトシステム ( 小粒径デブリ ) 炉心ボーリング装置 ( クラスト層の破砕 ) 燃料集合体引抜装置 下部炉心構造物解体 底部燃料取出しのため実施 炉心ボーリング装置, プラズマアーク装置

100 DWCS( 燃料取出し用水浄化設備 ) 燃料取出し時 1 次冷却材の透明度確保及び被曝低減化を目的 フィルタ ( 焼結金属 ) と脱塩塔 ( ゼオライト ) で構成するDWCSを開発 キャニスター 損傷燃料 ( デブリ, 集合体 ) を収納できるステンレス鋼製の円筒状容器 ( キャニスタ ) を開発 内部に中性子吸収材及び再結合用触媒 ( 水素, 酸素 ) を装備 落下試験により燃料の未臨界性維持を確認 輸送用キャスク 輸送用キャスクとしてNuPac125-B 型を開発 (7 体キャニスタ収納 ) 外径約 1.6m, 長さ約 5.3mのステンレス鋼製 2 重容器 ( 円筒容器と外筒容器 ) 両端に緩衝材を装備 TMIよりINEL(Idaho National Engineering Laboratory) へ鉄道輸送 (49 基 )(134トン) INEL 水ピット内 30 年貯蔵後最終処分 (3) デブリ輸送デブリは TMI サイトからアイダホ国立研究所 (INL) へと輸送された この輸送は 1986 年 6 月から始まり 1990 年 5 月に終了している TMI-2 炉心デブリが INL に搬送された理由は2つある : 1. 広範囲の分析がホットセルで可能 2. INL の水貯蔵プールは炉心デブリと使用済燃料の 344 個のコンテナーを収納できるほど十分に大きい 3) デブリ輸送に関する全体像を GAO による報告書にしたがって整理する これが発行された日付は 1987 年 8 月であり デブリの輸送が順調に進行中の時点であった 1) デブリ輸送の概観 事故約 150 トンの高放射性炉心デブリ ( 崩壊堆積物 ) 溶けた燃料が含まれるプラントから大気中への放射線がわずかに放出された 調整合意 :DOE EPRI GPU NRC NRC による環境評価書 (environmental statement) TMI は損傷燃料の長期保管には不向き電力会社が損傷炉心のクリーンアップと炉心デブリの処分をする努力を援助する連邦政府の戦略のアウトライン NRC と DOE とは覚書 (MOU) を署名 :TMI サイトから炉心デブリを除去 処分 DOE: 損傷炉心デブリの研究の統合に責任を持つ そのために 事故評価プログラムの指揮 この中に含まれるものとして 炉心デブリを TMI から INEL へと輸送し 最終処分場に移されるまで一時保管

101 輸送のコスト :1700 万ドルを超えると予想 輸送の期間 :2 年半を超える 輸送回数 : 炉心デブリを全て移動させるのに 20~40 回 (2つの特別にデザインされた輸送キャスクが別々にまたは同じ列車で送られるかに依存 ) 炉心デブリの構成 : ほぼ 150t の放射性燃料と炉心内部の部品が 事故の部分的メルトダウンの最中に 混合したもの 炉心デブリを原子炉容器から取り出す 取り出したデブリをキャニスターに収納 ( デブリのサイズにより3タイプ ) キャニスターを輸送キャスク ( 再利用可能 ) に収納 輸送キャスクは平坦な架台の鉄道車両の上に置く 鉄道車両は他の貨物は運ばない ( 理由は キャスクのサイズと重量のため ) 各キャスクには 7つの強化チューブがあり その中に7つのキャニスターが納まる プログラムでは 約 250 個のキャニスターを要求 ( キャニスターは再利用せず ) 輸送キャスクと鉄道車両とは このプログラムのために特別に設計 製造された そのコストは 400 万ドル 各キャスクの重量 : 約 80 トン ( 空 ); 約 90 トン ( 損傷燃料装荷時 ) 2) 損傷燃料を輸送する理由事故後まもなく 施設のクリーンアップ運転に関連して いくつかの研究協定が開始された 以下は これらの協定のもとで認められた活動をまとめている 1 4 者連携協定 (DOE NRC GPU 及び EPRI) 協定の目的 プラントの安全性 信頼性及び運転を改良するであろう情報の作成 各施設に関するより効果的な規制を開発するためのガイダンスを提供 事故から得られたデータを統合して他の進行中の原子炉研究開発プログラムとする 集約されたデータは 追加研究が必要な技術的分野を確認する それに含まれるものとしては 損傷核燃料の除去 梱包 輸送 貯蔵 及び処分である 2 NRC の環境声明 (Environmental Statement) NRC は環境声明を発行し 損傷炉心の浄化戦略と炉心デブリの処分の概要を示した NRC は以下の重要因子を同定した これは 浄化プログラムでの DOE の役割につながり また TMI から炉心デブリを移動する意思決定に至った : TMI は 事故及び浄化作業により生じる放射性廃棄物の長期保管と処分のためには 地質学的には適していない 廃棄物を取り扱い処理するための特別な施設と装置とが必要であるが TMI はこの装置を持たない DOE の INEL には既にこのような施設があるので DOE は浄化プログラムのためにこの装置を購入する必要はない

102 放射性廃棄物は 梱包し一時保管のために連邦施設へ輸送される 処分場での永久処分のためには 再梱包することができる 技術情報の回収 開発は最大化すべきである その理由は 原子力産業と科学者団体は これまでこのような規模のコンシケンスの事故を経験したことがないからである TMI から集められた情報は 1 原子炉の運転と安全性の理解を増やす 2 原子力施設を統治するより良い規制の開発を助ける 3 原子炉ハードウェアを改良する 4 他の過酷事故イベントにおける回復手続きを確立する トラックによる運搬に比べたとき 鉄道輸送は運搬回数を減らし 公衆に対する事故リスクを減らす 3 覚書 (Memorandum of Understanding) : NRC と DOE とは NRC の環境声明で概説された廃棄物処分手続きを実施する事に関して合意に達した この合意を遂行するために DOE は事故評価プログラムを開発した DOE は 以下に責任がある : (1) 炉心デブリを研究のために INEL へ輸送すること (2) INEL 施設での炉心デブリに関する研究の調整 (3) 廃棄物が再梱包され 永久処分場に納められるまでの一時貯蔵の提供 NRC は これらの活動の規制的な監視を提供すべく DOE と密接に働くことで合意した 以下は 事故評価プログラムの目的をまとめたものである : 事故の理解増進この研究結果を過酷事故に関連する一般的な問題解決に応用し 事故の結果と人口への影響をもっと学ぶ研究プログラムの遂行に際しては 核産業の参加と協調を確実にする 4 放射性廃棄物を TMI から INEL へと輸送するための DOE 意思決定 DOE のクリーンアップ役割は 2 つの主要活動から成り立つ : 研究の指揮一時的な廃棄物材の貯蔵場所の提供 INEL の施設はこれらの役割を実施するために最適だと決定した その理由は (1) 核廃棄物を取り扱い貯蔵するために必要な独特の遮蔽施設 すなわちホットセルが 核廃棄物の取り扱いと貯蔵のために必要 (2) 核燃料研究を遂行するために要求される専門知識を持つスタッフ 以下では INEL で実施される活動を記述する :

103 研究 INEL にある 52 基の研究開発炉のいくつかを この事故のために試験してきた その結果 INEL は以下を開発した : TMI で起きたことに似ている冷却材喪失事象の間の核燃料の振る舞いに関する専門的知識比較解析に価値がある これらの冷却材喪失実験から得られた損傷燃料のサンプルのライブラリー定常及び異常時の事象の間の原子炉の振る舞いを予測する計算プログラムこれらの事実に基づいて DOE は INEL で利用できる施設は 炉心デブリを研究し かつ一時貯蔵するには 国民にとり最適であると結論した 貯蔵 NRC は 核物質を永久に貯蔵するには TMI は地質学的には不適切であると結論した 従って DOE の結論は TMI から出た 150 トンの損傷燃料と関連する放射性廃棄物は 永久処分場ができるまでは INEL 自身の施設の一つに貯蔵すべきである 3) 輸送コンテナーの開発炉心デブリを輸送するために用いられる輸送コンテナーは NRC 基準に基づいて 特に TMI 廃棄物用にデザインされ 製造された コンテナー開発において 2 大重要点は コンテナーが過酷事故に耐えられること 及び公衆を放射線被曝から防護することである 再利用可能な輸送キャスクは 8インチのステンレス スティールと鉛遮蔽とからなる二重壁容器バリヤーを持っている キャスクの内部は 補強したステンレス スティール管から出来ており その中に炉心デブリを格納したキャニスターが挿入される コンテナーの特性は 核反応を防止する すなわち 何らかの事故が発生するときに 放射性物質の放出を防止することである NRC の規格基準は 輸送コンテナーの製造におけるガイダンスとして用いられた NRC の認可プロセスには キャスクとキャニスターとが過酷な衝撃や火災に遭ったときに 放射能の漏洩を防護すべく試験と解析を行うことが含まれている NRC は キャスクとキャニスターの製造時に検査を行った 何らかの問題が発見されたとしても NRC は装置が規制基準に合っており 放射能の漏洩に対して公衆を防護することを確保するような手段を執った 損傷燃料を収容するために設計された輸送コンテナー事故による損傷結果として 多くの燃料はもはや被覆管内には収まってはいない 事故時に生成されたデブリの構成は 大きな破片となった燃料部品 それより小さな砂利状の放射性物質 及び炉内冷却水中に浮遊している粉末状の微小粒子 である 損傷燃料が独特の条件にあるために 輸送プログラムの計画段階初期では EG&G Idaho が決定したことは 既存の使用済燃料輸送キャスクの修正と再免許をしないで 新キャスクをデザインし 製造し NRC

104 の認証を受けるべきであることだった EG&G Idaho はまた 鉄道輸送も決定したが それはトラック輸送に 比べて 以下の優位点があるからであった : 鉄道輸送 トラック輸送 キャニスター数 / キャスク 7 1 輸送回数 20~40 ~250 事故の確率 輸送頻度が尐ないほど小さい 効率とコスト より効率的でコスト尐 炉心デブリの列車輸送 Nuclear Packaging, Incorporated (NUPAC) 125-B rail cask( 再利用可能 ) の開発 3タイプのキャニスターの開発 原子炉から除去された多様な形状のデブリに対応 デブリの詰まった 7 キャニスターをキャスクに挿入 全パッケージが一体ユニットとしてデザインされた コンテナー設計のために使用された NRC 基準輸送コンテナーが放射性廃棄物の輸送免許を与えられる前に NRC は 輸送コンテナーが満たすべき基準を制定した この基準は正常時と事故時の両方の条件下で コンテナーの満たす条件を要求している : 放射性内容物の喪失または散乱を防止する 適切な遮蔽と熱発散とを提供する 核反応 すなわち臨界を防止する 正常な輸送条件下では キャスクが耐えるべき試験は 高温 低温環境 圧力差 振動 水の噴霧 及び衝撃 パンク 圧縮である 事故時の条件では キャスクは 火災 さらに過酷な衝撃とパンク条件及び浸水に耐えなければならない NRC は 極めて過酷な事故時に 現行基準により防護できるという評価をした研究報告書を発 行 輸送コンテナーの設計に影響する因子 DOE によれば TMI の燃料の条件のために いくつかの独特の性質がキャスク デザインに組み込まれるべきことが要求される : NRC が要求した2つの格納バリヤーは キャスク デザインに組み込まれた その理由は 損傷燃料は被覆されていないからである キャスクは二重壁構造なので この要求はキャスクによって達成される 従ってまた NRC 要求を超える追加的なバリヤーは このキャニスターにより提供される

105 一連の過酷な衝撃または火災の後でさえも 放射性粒子の漏洩を防止する 漏れないデザイン がキャスクに採用された しかし キャスクは漏れないわけではないので 1 年間に ピンポン球大のサイズの小さなガスバブルは漏れる可能性はある キャニスター内に生成される水素ガスと酸素ガスとを制御するシステムをキャニスターデザインに含め 可燃性ガスの混合物が出来ないようにした 核反応を制御する物質をキャニスターとキャスクとに組み込むことにより 損傷燃料が いかなる条件下でも 核反応を開始しないようにした キャニスタ断面図を次ぎに示す 図 キャニスタ断面図 1) 下部触媒は水素対策のために必要である キャスク デザイン図 に示すように 再利用可能な輸送キャスクは 放射能を閉じ込めるように設計された内部及び外部容器 ( ベッセル ) により構成されている 内部格納容器は ステンレス スティール製 hub-and-spoke 構造を使用しており その構造はキャスクの両端で鍛造部に溶接されている DOE によれば この構造は7つのキャニスターとその支持部が過酷な衝撃の際に 相互に押しつぶすことを防止するようにデザインされている 炉心デブリを収納するキャニスターは 厚い板に溶接されたステンレス スティール管の中に挿入される 放射線格納容器境界は キャスクに溶接した鍛造材 及びその鍛造材にボルト付された蓋により完結される 2つのO-リング充填材 ( ガスケット ) 蓋の周辺にシールを形成するように

106 装着される これらのシールは 各輸送の開始の前に検査 試験される キャニスター管を隔てるステンレス スティールのスポークに加えて 1インチ厚のステンレス スティール板が 内部ベッセルに溶接される これらの板は 構造的な剛性を与え キャニスター管の間に空間を形成する この空間はコンクリートの様に固体化された中性子吸収材で充填されている DOE によれば この材料と板の強度が管を衝撃から防護し キャニスターに納められているデブリが核反応を開始しないよう確実にする 追加された安全性として impact limiters( 衝撃制約材 ) と呼ばれるエネルギー吸収材が キャニスター管の両端に配置されて 衝撃のショックを吸収し キャニスターが衝突することを防護する 外部格納ベッセルは 金属が3 層になった複合体であり またこのデザインに組み込まれた多くの安全機能を持っている 2つのステンレス スティール外殻構造 ( シェル ) は それぞれ厚さ2インチと1インチであるが ほぼ4インチのギャップを付けて 一方を他の内側に置く 溶融鉛をこのギャップに注ぎ込む 鉛は冷えて固化し デブリからの放射線を遮蔽するために使用される一次材となる 鉛遮蔽の効果的なことは空間がないことを確認することでチェックされた 容器シェルは 底部ベース プレートと上部スティール鍛造材とに溶接される 厚さ 7.5 インチのステンレス スティール蓋は 32 本のボルトを用いてボルトで固定される 蓋とシェルとの間のシールは 蓋のエッジの周囲に装着された2つのO-リングガスケットにより構成される これらのシールは 各輸送の前に 検査され リークを試験される 外部シェルに付着して トラニオン (trunion) と呼ばれる短いステンレス スティール シリンダーがある これは 装荷の最中にキャスクを持ち上げ 輸送の最中にそれを押さえるために使用される トラニオンは装荷されたキャスクの重量を数回支えるために 設計され試験される また シェルの外部に付着して シア ブロック (shear block) がある これは 輸送中にキャスクを前後に動かす可能性のある運動を吸収するようにデザインされている

107 図 輸送キャスクとキャニスター シア ブロックは 輸送の際に遭遇するかもしれない高慣性負荷からトラニオンを防護する キャスクは 熱遮蔽でカバーされている これは DOE 担当者によれば NRC の規制要求を超える火災 関連の安全性のマージンを追加する この熱遮蔽は キャスクの外部表面を取り巻くワイヤーから出来て いる 空気は熱エネルギーの伝導が悪いから この熱低減が起きる パッケージを完成させるために overpack オーバーパックと呼ばれる大きなエネルギー吸収体を キャ スクの両端に付ける 各オーバーパックは 薄いステンレス スティールのプレートで泡で充填されたもの からなる オーバーパックは潰れて 衝撃のエネルギーを吸収し それによりキャスクを防護するようにデ ザインされている これらのオーバーパックにより 図 に示すように キャスクはダンベル型の形状 をとる

108 図 B 鉄道キャスクを採用した荷姿 キャニスターのデザイン 3タイプの再利用できないキャニスターが 原子炉デブリを保持するために使用されている 各タイプのキャニスターは 直径 14 インチ 長さ 150 インチであり ステンレス スティールでできており 似た外観をしている 次の3タイプのキャニスターは デブリの多様な形に対応するように使用される : 燃料キャニスター (fuel canister): 損傷燃料集合体を受け入れることが出来るように 取り外しできる上蓋を持つ このキャニスターは 大きな燃料デブリ破片の運搬に使用される ノックアウト キャニスター (knockout canister): 水力バキュウム システムと連結して使用される 水と小さめの破片デブリは 損傷炉心からバキュウムされ キャニスターにポンプでくみ上げる 大きな直径のキャニスターの中では水の速度が減尐するので デブリ破片が水から沈殿する 水と残った微小破片デブリは したがって 第三のタイプのキャニスターに入る フィルター キャニスター (filter canister): ひだのあるステンレス スティール フィルターの上に粉末状デブリを捉える 各タイプのキャニスターには 核反応を防止するために 中性子吸収材が組み込まれている これに加えて キャニスターの両端には 触媒物質が組み込まれており 起きるかも知れない水素と酸素ガスの再結合を防止する

109 キャニスター設計に影響する安全性問題 DOE 担当官によれば TMI からの早期の廃棄物輸送から得た経験は キャニスターのデザインの中に因子分解された 事故の余波の中で 格納建屋からの汚染水を除去する努力の一部として 以下を防止するために特別な手段が必要とされることを決定した :(1) 空気中での自然発火によるデブリ (2) 放射線分解による水素と酸素の発生 及び (3) 事故火災の間にキャニスター内での蒸気の発生 DOE と EG&G Idaho は これらの安全問題を解決するために Rockwell Hanford Operations (Rockwell) 及び GPU Nuclear からの応援を要請した に発行したレポートでは Rockwell はこれらの問題の取り扱い方に関する提案をいくつか出した EG&G Idaho の TMI プロジェクト マネジャーによれば NRC によるリビューと承認にしたがって 輸送コンテナーと炉心デブリの収納方法に対して 推奨されたデザイン変更が組み込まれた コンテナーの免許のための NRC 認可プロセス ~1985.3:NRC と DOE の間で 損傷燃料の輸送キャスクのデザインに関して 7 回にわたりミーティング : キャスク製造業者 NUPAC は DOE に代行して Model 125-B 輸送コンテナーの使用免許の要求申請を NRC に出した NRC と NUPAC との間で 申請の多様な技術的観点を明らかにするために 6 回にわたりミーティング公式には要求されていなかったが NRC は数理解析に加えてスケール-モデル試験を推奨した NRC 担当者によれば スケール-モデル試験は数理モデル解析を確証した 技術リビューの結論として NRC は Model 125-B キャスクが適用される要求を満たしているという安全評価レポートを発行した : 合格証 (certificate of compliance) が DOE に対して発行された合格証は 引き続いて DOE が出した変更に基づいて改訂され NRC はそれをリビューし承認した ( 変更点は7 個ある 省略 ) NRC の品質保証プログラムで判明した問題 NRC の承認プロセスは 承認したデザイン仕様に合わせて 装置が製造されていることを確認する手続きを持つことを申請者に要求している 通常時には NRC が製造業者に要求していることは (1) 装置が NRC 承認のデザイン仕様に従って製造されたことを保証すること また (2) 製造期間中に進行中の品質保証プログラムを指揮することである NRC の規制は 製造業者の品質保証プログラムを NRC が承認することを要求するだけである しかし TMI プログラムの場合には NRC は いくつかの品質保証検査を指揮した それは 例えば 製造業者のプラントでの溶接検査である これらの検査に基づいて NRC が疑問としたことは (1) 再利用可能キャスクの一つに関する溶接の完全性 integrity 及び(2) キャニスターの製造のために使用される材料のための文書である 溶接の完全性問題に関しては NRC は専門家パネルを招集し データをリビューし 適用される製造基準が満たされているかを決定した 別の例では 廃棄物コンテナーを製造するために用いられる材料のソースを記録す

110 ることが出来なくなった後で コンテナーの製造契約が業者により取り下げられた 輸送 ルートの開発と輸送検査プログラムの実施 入手可能な鉄道車両により制約されるルート 次の表は Oak Ridge が評価した鉄道輸送ルートである 表 輸送ルート Oak Ridge が評価した鉄道輸送ルート 距離(miles) 交換の回数 人口 a 主案 2,383 2 b 1,179,583 代案1 2, ,690,988 代案2 2, ,591,208 Short Line 2,286 6 c 1,591,126 Hot Potato 2,389 4 c 783,338 a) ルートの1キロメートル以内に居住している人口 b) Missouri Pacific と Union Pacific との間の交換は フル交換とは見なしていない それは鉄道 が同じ会社の一部分だからである c) 最終の鉄道での輸送を含む 炉心デブリ輸送のために選定した鉄道ルートを次の表に示した また TMI から INEL への輸送ルート を図 に示した 表 鉄道 デブリ輸送のために選定した輸送ルート から/まで マイル数 Conrail TMI/East St. Louis, Illinois 880 Missouri Pacific East St. Louis/Kansas City, Kansas 278 Union Pacific Kansas City/INEL 1225 合計 2,

111 図 輸送ルート図 輸送ルート沿いの緊急対忚準備もしも脱線のような事故が起きるならば 輸送会社及び影響を受けた州と地方政府とは 真っ先に回収作業の開始と監視をする責任がある これらの回収行動は広範囲の連邦プログラムにより補完される 緊急時対応計画における訓練と補助が 州機関のいくつかにより 州及び地方政府に提供された これらの行動は とくに TMI 輸送に対しては INEL により設立された緊急時対応チームにより補強された 連邦及び州の緊急時対応イニシャティブに加えて TMI デブリは この貨物専用の列車で輸送される 速度を落とすなどの他の制約は 列車とその乗組員に対してもまた策定された 輸送プログラムの進行状況炉心デブリの最初の輸送は に出発し び INEL に到着した これは 7つのキャニスターを内蔵した一個のキャスクである TMI 貨物専用の列車が輸送に利用された 詰まって汚染されたキャニスターのような 一連の操作上の問題のために の第二回輸送の後で まで 輸送が一時的に中断された 輸送は再開されたが 全体のプログラムは これらの予期せぬ問題により 当初計画よりも長くかかると予想される DOE 及び他の連邦職員は 放射性物質の輸送のために専用の列車を使用することが必要だとは思わない しかし DOE によれば より高いコストを掛けて専用列車を使用した理由は Conrail が提案した代案が DOE により受け入れられなかったためである

112 輸送スケジュールに影響する操作上の問題 損傷核燃料を原子炉から除去し キャニスターにデブリを入れるという操作は 以下のような色々な操作 上の問題で遅くなってしまった (1) フィルターキャニスターの詰まり (2) キャニスターからの十分な水の除去 (3) キャニスター表面の汚染 その結果として 解決方法を開発している間 輸送が一時的に中断された DOE は 以前は3週間毎に 1キャスクを輸送し 約2年半の間にプログラムを完了する計画であった しかし 2キャスクからなる第二 の輸送は に INEL に到着した 1986 年9月 10月及び11月の間は それ以上の輸送はなかっ た に プログラムは再開され 両方のキャスクが Idaho へ輸送された これに追加する輸送が と とに行われた GPU 職員の推定では 時点で 約 25 トン すなわち 損傷 燃料の約 17%が INEL へ輸送された 以下は その操作上の問題をまとめたものである キャニスターの状態 時点で 230 体の空キャニスターが TMI に搬送され 190 体が検査され 炉心デブリを装荷する ために受け入れられた このキャニスターの状態を表 に示す 表 デブリ収納のために入手できるキャニスターの状況 現在 キャニスターの現状 数 Idaho へ輸送された 21 収納は開始していない 103 収納され 輸送待ち 8 現在収納中だが まだ輸送できない 合計 以上は GAO の報告書の要点であるが INL の中心地域までは鉄道にて輸送したが そこから 27 マイ ル離れた Test Area North まではトラックにて輸送したとの報告がある 下図 図 デブリのトラック輸送 )

113 Reno らエラー! 参照元が見つかりません によれば 鉄道で INEL の中央施設エリア CFA (Central Facilities Area) まで運ばれたキャスクは INEL の中を約 30 マイル陸上輸送されて TAN-607(Test Area North Building 607) に受け入れられる これが 前図である (4) デブリ保管湿式保管デブリ保管に関する詳細は Reno ら 4) の文献にある ただし この状態は INEL のホット ショップである TAN-607 における Water Pit( 水プール ) の中に沈められた湿式である 6 体のデブリキャニスターを一つの貯蔵モジュール ( 図 ) としている 図 貯蔵モジュールの模式図 6 体の TMI デブリキャニスターと取り外し可能な中性子吸収体が示されている このモジュールは 最終的には図 の TAN-607 のプールの中に沈められる

114 図 デブリの保管状況輸送車の出入台から INEL の TAN-607 の貯蔵プールへの搬送には キャニスターの入った搬送モジュ ールを使う キャニスターは 6 体まとめて 1 つの貯蔵モジュールとなっている 乾式保管 7) デブリの保管に関する最新状況の外観写真が 読売新聞に公開された 同記事によれば デブリなどは 長さ約 5m の円筒形ドライキャスク 29 個に収納され コンクリート製の保管庫の中に寝かせてあるという 保管庫には 防護服なしに近づくことも可能とある この詳細は 湿式貯蔵から乾式貯蔵への移送の状況も含めて DOE 8) から既に報告されている アイダホ国立研究所の INTEC (Idaho Nuclear Technology and Engineering Center) には TMI 用の独立使用済燃料貯蔵施設 ISFSI (Independent Spent Fuel Storage Installation) がある 2000 年に 82 トンの TMI デブリが 29 体の水平貯蔵モジュールに装填された このモジュールへの装填状況は図 に示されている貯蔵施設の全体図は図 にある この施設の免許は 2019 年までには更新する必要があるこの免許によって サーベイランスとモニタリングが行われている

115 図 TMI デブリの乾式貯蔵施設への移送の状況 8) 図 TMI デブリが収納された乾式貯蔵施設 8) 節参考文献 1) 佐々木貞明 : スリーマイルアイランド原子力発電所 (TMI) 事故とその後の処理について 第 3 回廃止措置技術セミナー 原子力発電所事故後の汚染除去と修復 エネルギー総合工学研究所 21 世紀における原子力発電廃止措置のあり方に関する調査検討委員会資料廃委セ 年 7 月 19 日 2) U.S.NRC, Three Mile Island Unit

116 3) GAO/RCED : United States General Accounting Office Report to Congressional Requesters, Nuclear Waste Shipping Damaged Fuel From Three Mile Island to Idaho, August full-report.pdf 4) H.W. Reno, R.C. Schmitt, G.J. Quinn, A.L. Ayers, Jr., B.J. Lilburn, Jr., D.L. Uhl, Preparations to Load, Transport, Receive, and Store the Dammaged TMI-2 Reactor Core 5) U.S.NRC BACKGROUNDER: Three Mile Island Accident, August ) John Walsh, INL Communications & Public Affairs, Three Mile Island accident: A brief history of INL support 7) 読売新聞 ) Katheleen Hain: Idaho Site Spent Nuclear Fuel Management, Nuclear Waste Technical Review Board, June DOE の取り組み DOE は TMI-2 の事故収束 クリーナップ活動に欠かせない存在であった ひとつは政治的 役割であるが 放射性ガスの放出や放射性廃棄物の輸送 処分など 地域や州政府単独の権 限を超える問題を解決に導いたことである 二つ目は技術的側面であるが DOE 所管の研究 所 INEL は放射性廃棄物の開発研究に秀でていたこと また放射性廃棄物取扱設備を有し ていたことである DOE は 1979 年から 1980 年初頭にかけて 緊急対忚チームへ参画し 技術アドバイス デ ータ収集 環境放射能測定に関わる技術支援を実施した 1980 年 1 月から TMI Information and Examination Program を正式に開始し 原子力工業界や NRC にとっても重要な R&D を推進した これらの動きが 1980 年 3 月の GEND 契約の締結に発展した TMI-2 サイト には 48 名のエンジニアとサポートスタッフ INEL には 25 名が専任して対忚した 1981 年 初め クリーンナップ計画のための膨大な作業を完遂させるための資金確保を検討する委員 会が立ち上げられた この資金確保は電力を救済するではなく 国益のためであった DOE はデータ収集と解析及び高レベル廃棄物の安定化と輸送に関わる開発研究に重点を おき対忚した 前者は議会でオーソライズされた本来業務であるとともに Kemeny 委員会 から強く推奨されていた 後者の内容としては 炉心へのアクセス 燃料取り出し 輸送 溶融炉心 損傷炉心構造 原子炉の構造解析 事故のシナリオ分析であった 特に重要な点は 燃料デブリを研究用及び中間貯蔵場所として受け入れたことが クリーン ナップ活動の進展に大きく寄与した

117 3.3 廃炉 ( 解体 撤去 ) に関する情報 廃炉に関する情報 ( スケジュール 費用 実施者 ) TMI-2 の損傷原子炉システムのクリーンアップはほぼ 12 年と約 9 億 7 千 3 百万ドル ( 約 900 億円 ) を要した プラントの表面は除染され 使用した汚染水は処理され 約百トンの損傷ウラン燃料は原子炉容器から取り出されている 千名以上の熟練作業員による低レベル放射性廃棄物のリッチランドへの搬送が 1979 年 8 月に始まり 炉内の接近不能箇所の測定 (1991 年 ) までの 12 年間のクリーンアップである 約 1% の燃料とデブリが炉内にまだ残っている状況ではあるが 公式には 1993 年 12 月に PDMS( 燃料搬出後監視保管 ) に入ったとする NRC の認可でもってクリーンアップは終了している クリーンアップの初期に TMI-2 は隣接の原子力発電所である TMI-1 との接続は完全に切ってあり 換気並び雤水システムが監視されているほか プラントを長期に安全の保つ装置は活きている クリーンアップでは 6 年の準備作業の後 1985 年 10 月から水中の燃料のキャニスターへの取り出し作業が始まり 計 342 体のキャニスターのアイダホへの搬出は 1990 年 4 月に終了した アイダホではコンクリート容器でドライ貯蔵されている クリーンアップで 1 万 kl 以上の汚染水が発生したが 処理され最終的には蒸発させた 発電機は 2010 年 FirstEnergy から Progress Energy に売却され そのノースカロライナのハリス原子力発電所の出力増強に使用されている TMI-1 は TMI-2 事故時 燃料交換中で 事故後の再開認可が下りたのは 1985 年である その後の運転記録は輝かしいもので 1997 年には 全米の火力発電所を含む最長不倒連続運転記録 616 日 23 時間を達成した 1998 年には 1.3% の出力上昇 2009 年には 20 年の寿命延長が許可されており 停止は 2034 年に計画されていて 現在ネットの電気出力は 78 万 6 千 kw で運転中である 1999 年 GPU は TMI-1 を AmerGen Energy Exelon と BE( ブリティッシュエナジー ) のジョイベンに売却したが BE は持ち分を 2003 年に Exelon に売却し AmerGen は解消している TMI-2 の所有権は GPU に残っていたが FirstEnergy に吸収されていて 廃炉の資金的な責任を引き継いでいる プラント内 オフサイトの監視は廃炉まで続けられ その間 NRC ペンシルバニア州並びに公衆への報告が定期的に行われている TMI-1 と 2 は TMI-1 が運転を停止した後 一緒に廃炉されることになっている したがって 2034 年以前に廃炉にかかることはない ( 以上 WNA および NEI の Web 記事より )

118 廃炉シナリオ現在のところ次の三つのシナリオが想定され 必要となるコストも試算されている いずれも TMI-1 の停止 2034 年からスタートする 1. Delayed DECON; TMI-1 の使用済み燃料プールからの搬出終了の 2048 年から TMI-1 の廃炉に取り掛かり その終了時 2053 年に TMI-2 の廃炉 NSSS 圧力容器搬出 原子炉建屋撤去を終え 2055 年のサイト復旧とする 約 8 億 4 千 5 百万ドル (2008 年 US ドル )TMI-2 としては 2043 年から準備に入り 2054 年のサイト復旧完了の 11 年間ということになる ( 図 及び 2 を参照 ) 2. Custodial SAFSTOR; 炉停止から廃炉終了までの 60 年 ( これは規制要求の期限 ) を TMI-1 についてたっぷり使って冷やすというシナリオで 1 号機の廃炉は 2089 年開始 2 号機は 2085 年開始で 廃炉終了は 2094 年 ( ) としているケース TMI-2 の廃炉は Delayed DECON と同じく 9 年かけている ( 準備とサイト復旧期間を除く ) 約 9 億 2 千 3 百万ドル ( 図 を参照 ) 3. Hardened SAFSTOR; TMI-1 と TMI-2 の原子炉建屋以外は 1 号炉停止 (2034 年 ) 後速やかに廃炉に入るが TMI-2 の原子炉建屋は養生して 百年後 (2134 年 ) のサイト解放に向け 2129 年に炉建屋解体に入る できるだけ TMI-2 の放射性物質を抑えようとするものだが 規制の変更が必要で 約 11 億 5 千 4 百万ドル ( 図 を参照 )

119 工程表 作業名 TMI 2 号機 1 号機停止 ( 休眠 ) ( 休眠 ) サイト再生 2 号機再生廃止措置準備 Deloyed DECON 準備 2 号機大型機器撤去炉建屋下層除染炉建屋上層除染配管撤去 NSSS 機器除染 A-SG 撤去保温材撤去作業台設置支持及びC/Hリフティングラグ設置上部チャンネルヘッド切断 撤去 SG 配管切断 撤去 SG 配管輸送容器内搬入支持板 シュラウド撤去 2 次側洗浄 シェル壁切断 撤去下部チャンネル ヘッド撤去 B-SG 撤去保温材撤去作業台設置支持及びC/Hリフティングラグ設置上部チャンネルヘッド切断 撤去 SG 配管切断 撤去 SG 配管輸送容器内搬入 支持板 シュラウド撤去 2 次側洗浄 シェル壁切断 撤去下部チャンネル ヘッド撤去炉容器撤去準備炉容器撤去炉建屋除染 D- リング生体遮蔽撤去炉建屋ライナー撤去炉建屋及びベースマット取り壊し地下配管及び土壌復旧認可停止最終状況調査 NRC 検証及び評価パート 50 認可停止サイト復旧残存建物撤去廃止措置完了 図 廃炉工程表 (Delayed DECON) c c

120 TMI-1 (2034 年 4 月 19 日停止 ) DECOMMISSIONING TIMELINE DELAYED DECON (not to scale) 使用済燃料貯蔵 第 1 期間第 2 期間第 3 期間第 4 期間第 5 期間 輸送と準備休眠準備廃止措置サイト復旧 04/ / / / / /2055 貯蔵プールから 12/2048 TMI-2 第 1 期間 第 4 期間 第 5 期間 輸送と準備 廃止措置 サイト復旧 05/ / /2044 原子炉蒸気供給系 (NSSS) 撤去 11/2047 炉圧力容器撤去 04/2049 原子炉建屋撤去 07/ /2054 図 廃炉タイムライン Delayed DECON

121 TMI-1 (2034 年 4 月 19 日停止 ) DECOMMISSIONING TIMELINE CUSTODIAL SAFSTOR (not to scale) 使用済み燃料貯蔵 第 1 期間第 2 期間第 3 期間第 4 期間第 5 期間 輸送と準備休眠準備廃止措置サイト復旧 04/ / / / / /2096 貯蔵プールから 12/2048 ISFSI Empty 12/2048 TMI-2 第 3 期間第 4 期間第 5 期間 輸送と準備廃止措置サイト復旧 05/ / / / /2095 RX Bldg Removal 図 廃炉タイムライン Custodial SASTOR

122 TMI-1 (2034 年 4 月 19 日停止 ) DECOMMISSIONING TIMELINE HARDENED SAFSTOR (not to scale) Pool and ISFSI Operations ISFSI Operations 第 1 期間 第 2 期間 第 3 期間 ISFSI 輸送と準備 廃止措置 サイト復旧 Operation ISFSI D&D 04/ / / / / /2049 貯蔵プールから 11/2039 TMI-2 第 2 期間第 3 期間第 4 期間第 5 期間休眠廃止措置 Interism Site 輸送と準備 (excuding Reactor Building) 04/ / / / /2042 第 7 期間第 8 期間第 9 期間 Reactivate Site 廃止措置 (Reactor Building) サイト復旧 02/ / /2129 Reactor Building Removal 04/ /2134 図 廃炉タイムライン Hardened SASTOR

123 Delayed DECON Custodial SAFSTOR Hardened SAFSTOR 除染 31,577 31,532 32,560 除去 149, , ,304 梱包 17,232 17,476 17,312 輸送 20,609 20,807 21,039 廃棄物処分 173, , ,045 オフサイト廃棄物処理 10,217 10,363 11,393 計画管理 ( エンジニアリング 保全込 ) 371, , ,931 保険 規制費用 17,868 40,727 65,915 エネルギー 13,769 24,931 39,412 特性 認可調査 12,996 12,996 13,528 雑多設備 23,169 30,133 34,950 サイト保全管理 2,929 2,936 4,598 オフサイト監視 保全サービス 46,406 合計 844, ,772 1,154,392 表 廃炉シナリオとコスト ( 単位は 2008 年 US1,000 ドル ) GPU は 10CFR50.75 に基づき 2011 年 3 月 30 日に NRC に対して TMI-2 廃炉資金状況報告 を提出している これによると 2009 年 1 月段階での費用見積もりを 2010 年米ドルで表示すると 総合計で $893,033,610( 約 800 億円 上表では 2008 年米ドル表示 ) としている これに対して 2010 年末の外部積立資金は $639,299,477( 約 600 億円 ) あり 2054 年までの資金分担計画も存在する 節参考文献 1) DECOMMISSIONING COST ANALYSIS for THREE MILE ISLAND UNIT 2, Document F , Rev. 0, TLG Services, Inc., January

124 3.3.2 廃炉に伴う廃棄物の処分方法 ( 放射能レベル 発生量及びそれにあわせた処分場 処分費用 ) 使用済み燃料はクリーンアップ段階で 1990 年 1 月までに炉から取り出され 搬出されており 所有権は DOE に移管されている 約 1% の燃料は 1 次系に分散しており廃炉廃棄物として処理されることになる TMI-2 廃棄物の中には浅地中処分には適さず したがってバーウェルや EnergySolutions には持ち込めないものがあるが DOE の民間放射性廃棄物管理オフィス (OCRWM) のプロジェクト決定予定表によると 2020 年までに高レベル放射性廃物処分ないしは中間貯蔵サイトが決定されることになっており ここでの推定の前提としている 炉内インターナル機器の大部分は 80 年代の復旧時に取り出されていて 現在炉建屋におかれている 予定では廃炉工程の主要炉容器撤去に合わせて 分断して輸送容器に格納されることになっている 炉圧力容器と残存インターナル機器 ( コア バレル コア フォーマー 熱シールド フロー ディストリビューター ) は同様に分断して輸送容器に格納する インターナル機器は燃料装荷キャナル内で溶断するが 炉容器はその場で溶断する 運転時間が短かったおかげで放射化の程度はさほどではなく すべて 10CFR61 に適合すると考えられている しかし核分裂生成物質や超ウラン元素が付着していると 特に炉心頂部より下のインターナルはクラス C を超えるものと想定している 炉容器並びに上部のインターナル機器は除染後クラス A に適合すると考えている クラス C 越え (GTCC) は高レベル放射性廃棄物ではないが 浅地中処分に適さず将来決まるであろう高レベル処分ないし貯蔵所で受け入れると DOE は表明している 原子炉容器とインターナル機器をまとめて処分できると コストと作業員被ばく低減の観点から好ましいが ポートランド ジェネラル エレクトリックのトロージャン炉の場合と異なり TMI-2 の場合は最終処分場候補などの問題があり 溶断して処理することとしている 蒸気発生器 (SG) も一体として搬出するのではなく 現場で解体することになっている SG チューブはまとめてクラス B として埋設 チューブ支持板 シュラウド シェル板は除染してクラス A として埋設できるとしている 除染時のフィルター類は高レベルとして DOE へ搬出する 加圧器と炉心フラッドタンクはその場で超高圧水で除染し 分断してクラス A として埋設 ホットレグ配管はコア バレルに穴をあけて接近し 水中遠隔操作で燃料や FP を取り除く これらの配管と接続器具は外して燃料輸送プールに移し除染する 除染後はクラス A として埋設処分するが フィルターや脱塩器で回収した廃棄物は GTCC として DOE サイトへ搬出する 原子炉冷却ポンプのモーターはそのまま撤去してクラス A として埋設する 原子炉冷却ポンプは解体して燃料輸送プールに移し除染する その後はクラス A として埋

125 設 フィルターで回収した廃棄物は GTCC となる 燃料輸送プール水はセシウム / ストロンチウム選択カチオン脱塩器で処理し 樹脂はクラス C として埋設される 原子炉建屋下部は相当汚染しており コンクリートブロック壁 4 フィート厚みの D リング壁とコンクリートの床は放射性物質を吸収してしまっている 初期除染は遠隔操作で実施し 表面材の大部分は平均としてはクラス B として埋設されることになる 格納容器スチールライナーの上部とクレーンは通常の放射性施設解体法で処理する 炉建屋の構造材は現場で検査するがコンクリートの約 9 割は埋め立て材として利用可能と考えていて 余剰が出ればサイト外で使用する おもな廃炉廃棄物を以下に示す 表 廃棄物流サマリー廃棄物の分類クラス C 以上 (GTCC) ($25,000/CF) 炉圧力容器インターナルの一部および冷却系除染中に出てくるフィルター一次廃棄物 クラス C ($7.02/LB) 冷却系除染中に出てくる脱塩樹脂 ベー ( バーンウェル非アトランティック コスマット線量減からのブロックウォーンパクト料金 )+ 管理コスト ミリキュルーリー超過料金 線量率倍率一次廃棄物 クラス B ($7.02/LB) 炉建屋内のシステム ベースマット線量 ( バーンウェル非アトランティック コ減からのコンクリートとライナー 分断ンパクト料金 )+ 管理コスト ミリキュ SG 配管 液体廃棄物処理物ーリー超過料金 線量率倍率一次廃棄物 クラス A ($2.51/LB) 他のすべてのシステム機器コンテナー詰め (EnergySolutions) 二次廃棄物 クラス A ($2.51/LB) 使用済み燃料ラック タービン 復水器 コンテナー詰め (EnergySolutions) 足場 羽目板 屋根 クレーン及び構造鋼材三次廃棄物 クラス A ($0.54/LB) 汚染土壌 コンクリート剥離 瓦礫 ブテネシーで処理のため搬出ロック ( 炉建屋の地下は除く ) 三次廃棄物 DAW ($2.24/LB) 乾燥汚染廃棄物 (DAW) すべて処理廃棄物 ( オフサイト ) ($2.26/LB) リサイクル用のシステムテネシー送り建設廃材 ($12.00/CY) 埋め立てに使えない原子炉 補助 燃料取扱建屋外装コンクリート及び構造鋼材 ( コンクリート剥離 破片は含まない ) 注 1) CF= 立方フィート 約 28 リットル LB= ポンド 約 0.45kg 注 2) 米国における低レベル放射性廃棄物の区分は核種の濃度により クラス A B C 及

126 びそれ以上 (GTCC) に分けられ クラス A から C はトレンチ並びにコンクリート ピット処分が実施されている TMI-2 の廃炉で発生する廃棄物量の推定を以下の表に示す 以下の表は Delayed DECON シナリオに基づくが 他のシナリオでも物量そのものにはそう大きな違いはない 使用済み燃料等価としている廃棄物 GTCC でおよそ 80 トン クラス C で約 130 トンで 総量の 3 万 5 千トンと比べると微量である 大部分は低レベルのクラス A 廃棄物である 表 廃炉廃物量サマリー (Delayed DECON) 廃棄物 コストベース クラス 容量 ( 立方フィート ) 重量 ( ポンド ) 地層処分 使用済み燃料等 GTCC 1, ,010 価 一次廃棄物 バーンウェル C 3, ,715 バーンウェル B 24,592 1,973,477 EnergySolutions A 60,582 5,714,532 二次廃棄物 EnergySolutions A 96,658 7,995,398 三次廃棄物コンクリー EnergySolutions A 409,295 48,472,479 ト 土壌 EnergySolutions A 48,992 3,723,414 DAW EnergySolutions A 18, ,508 検査及び解放処理廃棄物 ( オフサイト ) 3,704,137 リサイクル 76,325 6,584,431 合計 739,246 (20,930m3) 78,966,101 (35,820ton)

127 3.3.2 節参考文献 1) DECOMMISSIONING COST ANALYSIS for THREE MILE ISLAND UNIT 2, Document F , Rev. 0, TLG Services, Inc., January DOE による取り組み TMI-2 の廃炉作業そのものとの関係は尐ないようであるが アイダホ原子力技術エンジニアリングセンターにある NRC 認可の 独立使用済み燃料貯蔵施設 (ISFSI) で TMI-2 の炉心燃料は保管されてきている また 廃炉実施中に発生するクラス C 以上の GTCC 廃棄物は DOE が引き取ることになっている

128 4. その他 東電福島事故の中長期措置に資する調査東電福島事故については 平成 23 年 12 月 16 日にステップ2の終了宣言が出され 中長期的な措置に移行する段階にある その対忚に関連し 平成 23 年 12 月 21 日 原子力災害対策本部及び政府 東京電力中長期対策会議から 東京電力福島第一原子力発電所 1~4 号機の廃止措置に向けた中長期ロードマップ が発表された 本ロードマップは図 4-1 に示すとおり下記の 3 期からなる 第 1 期はすでに開始しており 関連する研究開発も一部進行中である これらのうち 重要なものについて 海外有識者との意見交換を行うための国際シンポジウムが開催された 詳細は付録 2に示すが 主要な議題は 廃棄物処理 遠隔操作 シビアアクシデント解析コード デブリの性状把握である 本章においては 国際シンポジウムの講演内容 及びパネルディスカッションにおける指摘事項などを整理するとともに 2 章 3 章で述べたチェルノブイリ TMIの調査結果を整理することにより 東電福島事故の中長期措置に資する情報ををまとめる 4.1 節では ワークショップ シンポジウムの指摘事項のうち 技術開発に関わるものについて整理し 4.2 節ではプロジェクト運営に関わるものを整理する 図 4-1 福島第一原子力発電所中長期措置概要

129 4.1 事故収束に必要な要素技術のさらなる具体化に資する情報以下 ワークショップのセッション順 ( 廃棄物処理 遠隔操作 炉心状況の解析 燃料デブリ性状分析 ) の順に1 技術開発の現状と課題 2 課題に対する国際的な開発状況 3 今後の開発の留意点などを整理する 廃棄物処理 (1) 検討の現状と課題福島第一原子力発電所において想定される主要な放射性廃棄物は 水素爆発により発生した高線量のがれき 及び汚染水処理によって発生している廃ゼオライトやスラッジなどの二次的な廃棄物である これらの廃棄物は 単に量が多いだけではなく 海水注入 ホウ酸注入 水素爆発 炉心溶融などの影響により 通常のものとは性状が異なることが想定される 従って その性状を的確に把握し 長期保管 処理 処分に向けた技術開発を推進していくことが必要である これらの推進にあたっては 政府 東京電力中長期対策会議のもとに設置された研究開発推進本部にて計画立案 進捗管理を JAEAにて分析 研究開発を実施することとされており 現在 性状把握や保管方法の妥当性評価が進められている 特に 汚染水の浄化処理に伴い発生する廃ゼオライト ( セシウム吸着容器 ) は 水素発生 ( 水の放射線分解 ) 容器腐食( 海水原子炉注入時の塩分 ) 発熱( 放射性物質の崩壊 ) 高線量( 容器表面約数十 msv/h) の問題があり その安全な保管に関わる研究が進められてきている これまで検討により ゼオライトの熱伝導率 ( 容器内ゼオライトの温度評価に必要 ) がTMIのケースと同等であること 水素発生 (G 値 ) は海水の方が真水より大きいこと よって 吸着容器の保管には 洗浄脱塩と脱水操作が必要であることなどが示されてきている 今後は2010 年代半ばに想定されているホールドポイントまでに 上記を含む既存処分概念の適用性を評価し その後実用化のための検討を経て 処分の実施に移行することとしている 当面の課題は下記の通りである 1 ガレキと伐採木のサンプリンググルーピングの考え方 必要なサンプリングの数サンプルの代表性 2 塩分の影響 対策塩分を除去しても 塩分自体にも放射性物質塩分の合理的処分方法 3 セシウム吸着塔内のメディアサンプリング構造 高線量により取り出し困難 専用設備が必要 4 重要核種の選定

130 原子炉やサイクル廃棄物で検討されている核種以外に今回特に検討すべき重要核種があるか 5 処理 処分の体系化 優先順位多種 多様な廃棄物を体系化し 優先順位をつける (2) 関連する技術開発ワークショップやシンポジウムにおいては 米国の民間会社 ( ベクテル URS s.a.technology) 及び英国大使館から廃棄物処理に関する主要な先例である TMI( 米 ) サバンナリバー ( 米 ) セラフィールド( 英 ) などに関連した経験が紹介された ここで ベクテルはTMIのクリーンナップの主契約社であり URS 及びs.a.technologyは米国のエンジニアリング会社である また OECD NEAやIAEAから廃棄物の管理に関する知見が紹介された さらに フランスCEAやドイツの民間会社であるBrenkから除染技術や廃棄物管理に関する知見が紹介された ここでは主要な指摘事項を箇条書きにて示す ( 詳細は付録 2) < 具体的な技術について> URS では TMI のクリーンナップ サバナリバーのプラント 地下水の処理とか ガラス固化とかなどの経験を積んできている 英国のセラフィールドサイトには 廃炉に係わったサイロとか プールあるいは 燃料の廃棄物などが保存されており 様々な廃棄物を処理した経験がある ドイツの Brenk では大型の廃棄物のサイト内貯蔵やガレキの分類などについての知見がある 加えて 放射性廃棄物の溶融処理や コンピュータ支援型の緊急支援ツールの開発実績もあり 福島に貢献できると考えている CEA では土壌 気体 液体 固体など それぞれの廃棄物について 効率的かつ二次的な廃棄物を最小化するような除染技術の開発が進められている < 管理 処理の考え方について> 廃棄物処理の機器の選定にあたっては 廃棄物のレベル 容器の大きさ 水素発生の有無などにも配慮する必要がある (s.a.technology) 明確に最終的な状態を定義し その理想像を掲げてそこに向かっていくということが必要 (URS) 廃棄物処理の機器には 様々な状況に対忚できるような柔軟な設計が必要 (s.a.technology) 確立された 証明された technology を使うということが重要 最適な技術をその場で開発しようとすると それがうまくいかなかった時すべてやり直しになる (URS) 廃棄物管理では最終状態を考える必要がある そこに到達する上では 原則 Reduce Reuse Recycle Recover Dispose が重要 (NEA) 廃棄物には様々な形があるので その流れ (Waste Stream) について考えることで 全

131 体を最適化していく必要がある ( 計画プラニング ) そのような活動を支援するため IAEA では様々なテクニカルレポートという文献を出している また 共同研究プロジェクトの CRP というものもある 国際的な WS セミナー シンポジウムなど 例えば 今回などのようなイベントに係わったりするということもある (IAEA) (3) 議論のまとめと今後の課題福島の廃棄物については 放射性核種がどのような所に どのくらい分布しているかさえもまだ分からないような状況であり これから計画を 2 年くらいかけて計画を立てるという段階である ワークショップのパネルディスカッションにおいては 具体的な要素技術についてよりはむしろ 計画を検討するに当たっての留意点を中心に議論が行われた その中で 特性評価の重要性 及び収集した状態の管理の重要性などが指摘された シンポジウムのパネルディスカッションにおいては ゼオライトの性状分析が容易ではなく TMI の時は実施しなかったという情報提供があり それを踏まえて 分析の手法や処分の方法についての議論があった さらに 種々の放射性廃棄物の分類整理についてや 水素の取扱についても議論があった ワークショップ シンポジウムを通しての座長の総括は下記の通りである 1) きちんとした計画 全体としてのエンドポイントを考えながら 計画が常にうまく柔軟に新しい状況に対忚できるようにしながら進めること そのためには 得られているデータをきちんとデータベースにして 全員が共有して実施することが非常に大事 これから この2 年位くらいをかけて全体計画を立てるが その全体計画を立てるときにまず必要なことは データベースをきちんと揃えて どういう所にどれだけの廃棄物があるかということを考えながらエンドポイントをどういうふうにするかを合わせて考えていくことが必要 2) 廃棄体化するときに最終的な処分としてどういう形があるのか 分類はどうなるのか 規制はどうなるのか 社会の受け入れはどうなるのかを考えながら進めること 廃棄物の処理処分は当面抱えている問題をどのようにしていくかということと これを最終的な処分までもっていくときにどのようにするかの両方を考えながら色々なことをやっていかねばならないという意味では インフラや規制やロードマップやホールドポイントなどを考えながらやっていくことが大変大事 3) 技術の中でも 海水で汚染された水で しかも塩分の濃度が非常に高いような汚染物が非常に沢山あるのは 初めて直面するような問題で 非常に難しいという気持ちでいたが 今日は色々ヒントになる技術を沢山紹介していただいたと言う意味で 我々は世界で孤立していないし 助けが得られるということが期待される 4) 福島第一の状況は 廃棄物の正確な量を言えるほど状況が確定していないので これから色々なことを考えていかねばならない 非常に難しいけれども 努力して行きく必要がある

132 4.1.2 遠隔操作燃料デブリの取出しを水中で実施するためには 高線量下にある原子炉建屋内で行われること等から各種の遠隔操作技術の開発が必須となっている これらの開発については国内外の叡智を結集して進めていくことにしており 今回国際シンポジウムを開催し 燃料デブリの取出しに関わる技術課題の説明を行うとともに 適用可能な技術シーズの公募を実施した 東京電力からは燃料デブリ取出しに関わる作業ステップとそれに関わる主要な技術課題の説明 プラントメーカからはこれら技術課題開発のために求められる技術の具体的内容の説明が行われた 説明後のパネルディスカッションの内容を含めて以下に纏めた (1) 燃料デブリ取出しに関わる作業ステップと主要技術課題 : 東京電力燃料デブリ取出しの準備を完了するまでの作業ステップとしては 1 原子炉建屋内除染 2 格納容器漏洩箇所調査 / 格納容器外部からの調査 3 原子炉建屋止水 / 格納容器下部補修 4 格納容器部分水張り5 格納容器内部調査 サンプリング6 格納容器上部補修である 各作業ステップにおける主要な技術課題は以下である 1 原子炉建屋内除染原子炉建屋内は高線量箇所 ( 数 100~1000mSv/h レベル ) の存在及びガレキの散乱によるアクセスが制限されていることから 遠隔除染技術の確立が必要である 2 格納容器漏洩箇所調査 / 格納容器外部からの調査漏洩箇所が高線量エリア 汚染水中 狭隘部などにあることから 遠隔で当該部へアクセスする技術や 漏洩を検知する技術が必要である 3 原子炉建屋止水 / 格納容器下部補修炉心循環冷却のため注水を継続しながら 高線量下 流水状態で止水するための補修技術等が必要である 4 格納容器内部調査 サンプリング高線量によるアクセス性の制約 かつ内部の汚染水が濁水である環境下であることを踏まえた遠隔調査技術等が必要である (2) 技術課題開発のために求められる技術内容 : プラントメーカ 1 原子炉建屋内の遠隔除染技術原子炉建屋内の汚染は 水素爆発時に飛散した汚染 滞留水に浸漬された汚染及び汚染蒸気に暴露された汚染等が考えられている これらの除染技術として 表面の堆積物を回収あるいは除去する技術 表面の固着物を除去する技術 塗膜あるいはコンクリートに浸透した汚染を除去する技術 コンクリートに浸透した汚染をコンクリートごと除去する技術が必要である また 除染で発生する二次廃棄物は容器に回収し保管場所まで移送する必要があるが 容器は高線量率になるため着脱性などの取扱が容易である必要がある

133 遠隔除染技術としては 上記除染技術や二次廃棄物の回収技術等を遠隔操作装置に搭載し 除染作業が可能なものが必要である たとえば 高圧ジェット洗浄を遠隔操作装置に搭載する遠隔除染技術の場合 高圧水供給可能な装置 可動する噴射ノズル 除去した放射性汚染物を吸引できる装置等が必要である 2 格納容器漏洩箇所特定技術高線量 狭隘 水中環境下等における以下の点検調査技術が必要である 水中移動等により干渉物を回避してアクセスする移動機構 濁水中で微小な水の漏洩を検知し 漏洩箇所を特定する計測技術 気中状態で微量なガスの漏洩を検知し 貫通部の漏洩箇所を特定する計測技術 3 格納容器補修技術高線量環境下で 20 年程度の耐久性を有する以下の止水技術が必要である 複雑な形状の対象物や約 3m 径の大口径フランジから水の漏洩を止水する技術 遠隔で 狭隘箇所での止水作業が可能な技術 濁水中で 遠隔操作で水の漏洩を止め 補修する技術また サプレッションチェンバ トーラス室にアクセスするための穴あけロボットも必要である 具体的には以下 コンクリート床( 約 t500) 鋼板( 約 t20) を遠隔で穿孔可能な技術 配管 架台等の多数存在する空間で 遠隔で穿孔可能な技術 4 格納容器内部調査技術燃料デブリ取出しのため デブリの位置 状況及び圧力容器を支持するペデスタルの状況確認が必要である 具体的には以下 原子炉格納容器内への貫通口に装置をアクセスさせ ペデスタル外側/ 内側の状況調査可能な技術 原子炉格納容器内の状況が可視化でき 燃料デブリの位置/ 状態が調査可能な技術 (3) シンポジウム等での主要なコメント内容 ロボット等の遠隔操作技術はモックアップ設備( 福島の使用できる現場を活用等 ) で実証したあとに現場に適用していくことが重要 格納容器漏洩箇所の補修についてはどの程度の漏洩量まで補修するか検討が必要 補修の目的は燃料デブリ取出し時に冠水させて遮蔽することですが その冠水を維持しておくという目的を忘れずに効率的に進めることが必要 超音波技術( ソナー ) を使って形状を把握し 3 次元モデルを作成する等デジタルエンジニアリングを活用して内部調査技術の計画等のシミュレーションを活用することも必要 遠隔除染装置等のメンテナンス 故障 除染を考えた場合 モジュール化することで使いやすいものとする お金と時間をかけて複雑なシステムを作っても使えないということがないように シンプ

134 ルイズベストということも考慮必要 また バックアップシステムも考えながら進めていく ことが必要 炉心状況の解析 (1) 検討の現状と課題解析コードにより炉内状況を予測することは 事故の分析や 燃料デブリの取り出しの円滑化に有用である 東京電力においては 5 月に MAAP 解析を公表し その後もプラントパラメータや機器の動作状況を更新して再解析を行ってきている これまでの解析により 実機の短期的挙動は再現できたが 消防車による注水開始以降については 十分に再現できていない これは炉心への注水流量や機器の作動状況の不確かさ等に起因する 今後も デブリの位置情報と炉内状況の正確な把握を目的として研究活動を進めていく方針である 対象とするコードは MAAP と SAMPSON の 2 つとし それらに福島解析に必要となる改良を加える コードの改良 検証実験等はパート (PIRT) を活用して優先順位を決める 解析の境界条件に不確かさが大きいので 感度解析が必須となる 福島の入力データ及び境界条件を纏め 国際ベンチマーク問題として提供し 国際協力を得て進めていく これらの検討を進めるに当たっての課題として 下記が提示された 1 解析コードを活用した炉内燃料デブリ状況把握のメソドロジー 2 SA 解析コードの高度化 ( ア ) MAAP と SAMPSON の組み合わせについての留意点 ( イ ) その他解析コードとの比較 ( ウ ) 他の解析コードの優れている面の活用 ( エ ) 国際ベンチマークの組織化についての留意点 3 SA 模擬実験 ( ア ) SA 模擬実験をどの程度実施すべきか ( イ ) 米国や欧州で実施された実験のうち 特に参考とすべきものは何か ( ウ ) SA 模擬実験に関心を持っている研究機関多いか 研究テーマとして望ましい内容はどのようなものか (2) 関連する技術開発の動向シビアアクシデント解析については 世界に様々な知見がある 今回のパネリストの経歴 知見は以下の通りである SOSNY( ロシア ): 使用済み燃料の挙動 ジルコニウム材料の Kinetics などについて 実験とコードとの比較検討を行ってきている KIT( ドイツ ): TMI-2 事故以来 30 年間にわたって シビアアクシデントの研究を実施し

135 コード開発にも協力してきた PWR を対象としたものが多いが BWR 対象の実験も実施してきた GRS( ドイツ ):ASTEC コードをフランス IRSN( フランス放射線防護原子力安全研究所 ) の協力を得て開発した 福島事故の教訓をドイツ国内のプラントに反映できるか といった検討も進めている EPRI( 米 ): 福島事故に関連し 1MAAP 解析 2 格納容器解析 ( 水素を含む ) 3 使用済み燃料プール等の検討を進めてきた (3) 議論のまとめと今後の課題パネルディスカッションにおいては まず 境界条件の明確化とベンチマークの重要性について議論された すなわち 炉内注水量など不確かさが大きいパラメータについては 当時の状況を再現して計測するなどしてパラメータの精度を上げる必要があること 注水量をパラメータとして多くのコードでベンチマークを行うことも必要であると指摘された コードの高度化については 重要性は認められる一方で TMI では結局あまり役に立たなかったとの経験も紹介された それに対し TMI は事故解析に重点が置かれデブリの挙動はあまり着目されていなかったこと 福島の場合は3つのケース (1 号機 ~3 号機 ) の実例がありベンチマークとしても有望であることから やはり解析は大事であるという主旨の意見も出された 他のコードとの関連という観点では ヨーロッパの Severe Accident Research Network でも優先度を検討した結果 ( リスト ) があるので参考にすべきとの意見があった デブリの性状そのものに関連しては コリウムと原子炉容器の反忚や コア-コンクリート反忚 デブリの飛散状況などを考慮すべきであるという指摘もあった これらのついては 世界中種々の実験が行われているが いずれも小規模なものであり スケースアップに関わる不確定性も大きい 最後に座長からパネル討論を下記のように総括した データベース ( 境界条件 初期条件 炉心の規模をふくむ ) の構築が重要 このデータベースを基にベンチマークテストが必要で ここで国際協力が可能となる 感度解析 (Sensitivity study) による不確かさの幅を狭める努力が必要 炉内で何が起こっているかを予測すること これは非線形現象であり 温度履歴が同じでもどんなシナリオが考えられるかを検討する必要がある その上でデータベースの適用によりシミュレーションの結果の検証を行うことが必要で それによって定量的 定性的物理的説明をしてゆく これを福島に適用してより理解を深めることが重要 パートを活用し 国際協力のもとで福島の課題を解決してゆく

136 4.1.4 燃料デブリ性状分析 (1) 検討の現状と課題本テーマの当面の検討目標は 福島原発の炉内破損状況から燃料デブリの特性を把握することにより 廃炉に向けた各種作業へ貢献することである すなわち 模擬実験及び実デブリのサンプリングなどを通してデブリの性状を把握することで 臨界安全性 計量管理 デブリ処理方策などの検討を進めていく ここで 福島第一と TMI を比較すると 炉心タイプの違い (PWR と BWR) 炉心損傷挙動の違い 海水の影響などがあり デブリの性状は大きく異なることが想定される 実デブリのサンプリングには長期間要するため まず SA 解析などにより炉内状況を推定しつつ 模擬デブリによる試験を実施していく必要がある スケジュールとしては 2011 年より模擬の燃料デブリの作成に着手しており 2012 年から 2015 年にかけてその分析を行い TMI のデブリと比較検討を実施することとしている 実デブリのサンプリングは 2017 年 デブリの除去開始は 2020 年頃を想定している 模擬燃料については いろいろな性状特性を把握するため 多種尐量の模擬物を準備する必要があり デブリマッピングと称し 電中研などの研究機関との連携を図っている 処理法として 長期貯蔵 湿式 乾式処理 処分の 3 方法を想定し検討する これらは 研究開発の初期段階であり 海外研究機関とも協力しながら進めていく必要がある これらの研究開発に関連して 国内外の有識者から協力を求めたい点として 下記の 3 点が提示された 1 模擬デブリを用いた特性の把握 ( ア ) 模擬デブリと実デブリの近似性を追求するために重点を置くべき特性 ( イ ) 考慮すべき不確実性の幅と区切り方 ( ウ ) 特に多様性の大きい MCCI 生成物に対して模擬試験を実施すべきポイント 2 取り出したデブリの処理方策の検討 ( ア ) デブリ処理方策に関わる TMI チェルノブイリ以外の経験はあるか ( イ ) 本格的な取り出し前に行うべきサンプリングの対象 分析内容 目的 ( ウ ) 湿式 乾式以外の有効な処理方策は 3 国際協力 ( ア ) 国際プロジェクトとして進める上での関心事項 分野 (2) 関連する技術開発の動向使用済み燃料の再処理や高レベル廃棄物のガラス固化については 多くの実績がある また シビアアクシデント解析 損傷燃料の取り出し 輸送についても色々な知見がある フランスの CEA からは これまでのバックエンド関係の研究成果を踏まえつつ 福島のデブリ取り出しについての課題出しが行われた S.a.technology からは 取り出しに必要となるであろう遠隔操作機器についての紹介があった SOSNY から ハンガリーの Paks 原子炉からの損傷燃料の取り出しなど 関連する知見が紹介された ドイツのカールスルーエ研究

137 所 (KIT) からは シビアアクシデント解析 実験に関わる知見が紹介された (3) 議論のまとめと今後の課題パネルディスカッションにおいては 下記 1)~3) に示すような議論があった それらを踏まえ 座長から 4) に示す総括が行われた 1) 燃料デブリの特性評価 サンプリングについて 特性評価については コンクリート影響評価 モデル化試験等々の実績は豊富に存在しており データ共有し 意見交換すること可能である サンプリングの目的を明確にし どういうデータ必要になるかを実際の作業にあたる機関と共有しながら研究開発する必要ある サンプリングはデブリの一部の情報でしかなく 詳細なデータは全部取り出さなければわからない状況であるが 最初から完全性を求めると 全体の工程が遅れてしまうことになる順次サンプリングをしながら 徐々に全体の計画をよくしていくという考えが必要である 技術開発は 将来の最終的な処分法についても考慮しつつ行う必要がある これについては 問題が複雑であり 総合的に検討を進める必要がある 2) 遠隔操作について 取り出しの技術については TMI でも様々な開発が行われてきた どの工具を採用するかによって 全体システムも変わってくる可能性があるので まず デブリの特性を早く把握して 取り出し技術の開発を早急に実施する必要がある 取り出しを開始するまでに技術がそろっていることが重要ではあるが 取り出し適用器具については マニピュレータのように早くから開発を進めるべきものと 先端の器具などそれほど時間がかからないものもある 状況に忚じて開発を進める必要がある 3) 取りだしの際に考慮すべき安全関連事項について 座長から 安全上考慮するべきことは 臨界 水素 発熱があると考えているが これ以外に考慮する事項はあるか という問いかけがなされた それに対し 作業中の再臨界を考慮すると 10 以上のクライテリアが必要となること TMI でも様々な検討が行われ ホウ酸を追加して再臨界を防ぐなどの対忚が行われたことが紹介された また 機器開発 規制者 ( クライテリア作成者 ) 技術採用者がフレキシブルに対忚できるようなフィードバックループの必要性も指摘された 4) パネルディスカッションのまとめ 1. 特性把握模擬デブリを使用したデータの蓄積があるとの報告があった それらを可能な限り活用すれば 日本における特性把握は短期に信頼性ある解析が可能 2. 回収

138 しっかりした戦略を立てて開発を進める必要があるとの指摘があった 回収しつつもその先の最終的な姿を想定し目の前の作業にあたることが重要 3. 観察と評価実際のサンプルにアクセスすることの必要性 それをみつつ 観察と評価を繰り返す次のアプローチが必要 4. 取り出し技術遠隔技術については 基本技術を固めれば 工具などは明らかになる実際の状況に合わせて最適なものを準備していくことが適切 準備しつつ現実に対忚していく姿 5. 処分戦略を見据えたアプローチ処分サイトに合わせた廃棄物をよりそれに適した処理を行うアプローチも重要 今から幅広く検討しておくことが重要 6. 安全のアプローチさまざまな安全上のクライテリアを作成して開発にあたる セーフティアプローチのトータルデザインを早く構築して進めることが大切

139 4.2 廃炉 ( 解体 撤去 ) までの詳細計画 作業工程の策定に資する情報廃炉 ( 解体 撤去 ) までの工程には 世界的に見ても経験のない難しい課題が多数あり 今後 研究開発の追加や工程の見直しが発生してくる可能性が高い したがって 運営体制や研究開発の推進体制を整備していく必要がある 本節においては ワークショップやシンポジウムにおける議論及び文献調査の中で抽出された詳細計画 作業工程の策定に資する情報についてまとめて紹介する (1) データ管理の重要性について (WS-1-panel における指摘事項 ) 計画立案及び研究開発に先立って 特性評価を実施することは非常に重要である その場合 単にデータを取得するだけではなく データを適切に管理し 必要な時にきちんとそれが使えるようにしておくことが非常に重要である TMI の時にも 当初 2 年ほどかけてデータを収集したが きちんと整理できておらず 最終的には データ収集 & 管理という組織を作って管理を進めることとした (2) 多様性の確保について (WS-1-panel における指摘事項 ) 事故対忚には様々な不測の事態が起こりえる よって 最適なものを選択するということではなく 下記のように多様な対忚をすべきである 11つのベストツール ベスト機器 ベストロボットというものにいきついて 問題を解決しようとするのは過ちである 色々不測の事態がありえるのだということを念頭において 能力として非常に広範なものを確保する必要がある 2 事業者の選定に当たっても ベストのものを選ぶという考えは誤りである 色々な場所にある 色々な能力を持った色々な組織があるのでその中から色々な組み合わせを選択すべきである 3 研究開発の目的は 最適化 システムの最適化ではなく 満足のいく 信頼性の高い 解決策を見つけて それを使って前に進むということである これとあれを較べたらあっちの方が良いとか こっちの方がもっと良いなぁなどということをやるのではなく これでならば十分だろうと まぁまぁだろうと Good enough で満足すべきである (3) 情報共有の重要性 (WS-1-panel における指摘事項 ) 廃棄物に関して言えば 除染によって発生する廃棄物の量や性状は 除染計画の内容に大きく依存する できるだけ きちんとした情報を集めながら みんながそれを共有して計画を立てることが非常に大事である (4) 標準化の重要性 (WS-2-panel における指摘事項 ) 遠隔装置は どのようなものでも操作パネルがあると思うが できるだけ同じインターフェースにした方が ヒューマンファクターの観点からもいいのではないかとの指摘があり それに対して ISO や米軍の取り組みが紹介された インターフェースの標準化はまだ十分には進んでいない

140 (5) 解析データの共有について (WS-3-panel における指摘事項 ) 解析の入力データ作成には機密情報も必要である 40 年前の情報であることも考慮していただいて もっとオープンになって 産業界のために必要なものであるから提供してほしい 多くの機関が解析しようとしているが 同じデータを使って解析することが前提となる データを共有できれば より良い成果が期待できる また不確かさの問題については 境界条件の不確かさの方がモデリングの問題よりも大きいのではないかと思っている したがって 境界条件の不確かさを減らす努力が重要である (6) 解析コードと原子力安全規制との関係 (WS-3-panel における指摘事項 ) 深層防護のコンセプトとしてさらに何が必要なのかを考えるときに 福島単独に終る話ではなくて 世界には多くの原発があるのだから 福島の結果がそれら多くの原発に影響してくることも十分理解しておく必要がある 4.3 中長期関連情報の整理福島原発の廃炉に向けた取り組みは まだ始まったばかりである 本ワークショップ シンポジウムを通して 関連する国際的な経験はの存在が明らかになったので 今後 しかるべき協力体制を構築していくべきであると考えられる また 体制構築やデータの取扱についてなど 経験を踏まえた示唆が得られており 今後の体制構築に向けて参考にしていくべきであると考えられる

141 5. まとめ 5.1 調査結果のサマリー (1) チェルノブイリ 基本情報として 事故進展の経緯 事故の影響などを整理した 収束に向けての作業として 旧ソ連時代から 最近までの取り組みを整理した 特に G7+EU の国際協力の枞組みで策定されたシェルター実施計画 ( Shelter Implementation Plan;SIP) について その計画内容及び実施事項を整理した 旧ソ連時代 まず消防隊による火災の鎮火と ヘリからの投下などによる放射性物質の閉じこめを実施 火災は当日鎮火 放射性物質の大量発生は約 2 週間で概ね鎮静化 事故後約半年で石棺を建設した 石棺は困難な作業環境で作製したものであり 構造強度 遮蔽性とも十分ではなかったが 旧ソ連の枞組みでは適切な追加対策が取られなかった 1991 年ソ連が崩壊し 事故対忚はウクライナが引き継いだ 1997 年 国際協力 (G7+EU+ ウクライナ ) の下 SIP が承認された 1998 年 ~2007 年石棺の補強工事を行い 崩壊の可能性を低減した 2007 年 ~ 新シェルターの工事に着手 これらに要した費用について 旧ソ連政府 ウクライナ政府 チェルノブイリシェルターファンド 原子力安全基金の出資額を整理した 旧ソ連 :191 億ドル (1986~1991; 補償費用を含む ) ウクライナ政府 :71 億ドル (1992~2005; 補償費用を含む ) CSF:9.6 億ユーロ ( 石棺の安定化と新シェルターの建設 ) NSA:3.7 億ユーロ ( その他原子力安全研究 ) 新シェルターについて その内容 事業者決定の経緯 今後のスケジュールを整理した 新シェルターとは プラント全体をアーチ型に覆う構造である 内部には 50 トンのクレーンが 2 基装備されており プラントの解体や燃料取り出しをシェルター内で実施できる構造になっている シェルターの寿命は 100 年と想定されており その間に 4 号機の廃炉 燃料取り出しを実施する計画となっている 事業者については EBRD の調達ルールに従い フランス建設大手のブイグ (Bouygues) 及びバンシ (Vanci) などが作るコンソーシアムの Novarka が受注 完成は 2015 年 その後プラントを上部から解体することが想定されているが 詳細は未定 (2) スリーマイル島 基本情報として 事故進展の経緯 事故の影響などを整理した 原子力賠償制度の概略を調査するとともに 原子力保険プールが TMI-2 の事故に対して果たした役割を整理した

142 原子力損害賠償については 保険プールで全てカバーされた 州知事の命令で避難した人には 避難に要した費用と賃金喪失の費用が支払われた その他の人の避難費用や収入減については 訴訟によって争われた 和解金は保険プールから支払われた 放射線による健康被害については 原則認められていない ただし 精神的苦痛については 和解が成立し 保険プールから支払われた クリーンナップについては 財産保険に基づき 上限額である 3 億ドルまで支払われた TMI-2 のクリーンナップについて体制の変遷 主要技術の開発主体 費用と出資者等についての調査を実施した 事故収束に向けた体制づくりは困難を極めたが 事故 1 年後の 1980 年 3 月 GPUN (TMI-2 を所有する電力会社 ) EPRI( 米国電力中央研究所 ) NRC( 米国原子力規制委員会 ) DOE( 米国エネルギー省 ) からなる最終的な実施体制 GEND が合意締結された 事故収束に関わるサイト体制は クリーンナップの主要活動に合わせて変更されていった 燃料取出し技術関連はベクテル関連会社や PCI エネルギーサービス等 燃料臨界評価は ORNL 除染に関わるロボットについては EPRI/ ペンテック社 カーネギーメロン大学 GPUN 燃料取出しキャニスターはバブコックス& ウィルコッスが開発に関わった 費用と出資者については 幾多の紆余曲折を経て 結局 GPUN3.67 億ドル 電気事業者 1.71 億ドル 州政府 0.42 億ドル 保険 3.06 億ドル DOE0.76 億ドルの合計 9.73 億ドルで合意された 日本は TMI-2 に関わる研究開発費用として 0.18 億ドルを DOE に出資するとともに 日本人技術者を派遣することにより 技術情報の取得等を行なった 廃炉 廃炉は TMI-1 と同時期に実施することを想定しており 現在のところ 2034 年と想定されている 廃炉に向けた技術選定や費用見積もりはすでに実施され 適宜見直しが行われている 最新のとりまとめである 2009 年の報告をもとに 物量 費用などを整理した (3) 事故収束関連情報 2012 年 3 月 12 日 ~14 日に開催されたワークショップ及びシンポジウムの内容を中心に事故収束関連情報を整理した 東電 JAEA メーカの発表をベースに今後議論すべき課題を整理した パネリストの意見を整理し 技術開発の現状と 参考にすべき知見を整理した 座長の総括を踏まえ 今後の課題を整理した

143 5.2 今後の課題まとめ以上の検討を通して 福島の廃止措置に向けた主要な課題は下記のように整理されると認識している (1) クリーンナップ費用の確保原子力事故のクリーンナップは 原則事業者が責任を負うものである TMI の場合は保険で約 1/3(3 億ドル ) がカバーされたが 福島の場合 東京電力は財産保険をかけていなかったので 保険プールからの支払いはない 従って 原則として事業者が全ての費用を負担することになるが 事業者は 損害賠償の負担もあり 単独での対忚は相当に困難であることが想定される ここで TMI においては GPU と保険により全体の約 2/3 にあたる 6.5 億ドルが集められ 不足した約 3 億ドルについて 下記のように資金が集められた 早期のクリーンナップを望む人: 州政府など 研究開発の成果の受益者:DOE 電気事業者 メーカ 日本などチェルノブイリの場合は 越境被害の可能性のある EU 諸国を中心に下記の動機があり 国債ファンドが設立された 4 号機の早期の安定化 1~3 号機の早期停止福島についても 上記を参考にしつつ 単なる事業者支援ではなく 合理的に費用を調達していく必要がある また 損害賠償及びクリーンナップを円滑に進める上で 事業者の電気事業収入を確保していくことも重要な課題である (2) 廃棄物の保管 処分 TMI の場合 取り出した燃料をアイダホ国立研究所に輸送できたことが非常に重要であった チェルノブイリについては まだ取り出しを実施できるような状況ではなく クレーンなどを内部に備えた新シェルターを建設し シェルターの設計寿命である 100 年の間に対忚することとしている 福島における燃料デブリの取り出しはまだ先ではあるが 国内の諸事情を鑑みると 取り出し燃料の保管 処分は容易ではないと想定される ワークショップ シンポジウムで指摘されたとおり 全体計画を考える上では 最終的なゴールを見据えていくことが重要であり 取り出し燃料の保管 処分についても早期に見通しを立てていくことが必要である (3) 国際協力の枞組みの構築ワークショップ シンポジウムでも指摘されたとおり 国際的には福島事故収束に関連する知見は存在しており これらを結集して取り組むことが重要である すでに 国際的に多様な技術が存在すると考えられる遠隔操作技術については 適用可能な技術シーズの公募を実施している 他の分野についても適切な枞組みで国際協力を進めていく必要がある

144 付録 1 チェルノブイリ推奨される行動計画について チェルノブイリの中長期措置については 1995 年に締結された MOU に基づき 1996 年に国際専門家チームによる技術検討が行われた その結果 1996 年推奨される行動計画が報告され SIP の元となった 以下 推奨される行動計画の内容について簡単に紹介する チェルノブイリ中長期措置の目標は 人々と環境を防護すること であるということは 専門家の共通認識であった ここで 人々の防護とは公衆や作業員の被爆を避けることであり 環境の防護とは放射性物質を安全に閉じ込めることである 特に後者を実現する方法について 専門化間で様々な議論があったが チェルノブイル4 号機を修理して最終貯蔵することはできないというのが結論であった すなわち インベントリーの除去が最終的に課題となる その実施にあたっては図 A1-1 のように段階的に実施されるべきであると考えられた すなわち まず石棺の倒壊リスクなど危急の課題を解決し その後 新シェルターの設置などにより安全な状況を実現し その上である程度時間をかけて放射性物質をサイトから取り除くというプロセスである 図 A1-1 4 号機安定化に向けた全体工程概略 これらの整理をふまえた意志決定のツリーを図 A1-2 に示す 最初の意志決定は 緊急性の高くかつ実行可能な項目に対する 資金の確保である 資金が確保され次第 早急に実施する必要がある 続いて意志決定の2は 放射性物質の取り出しが可能かどうかである しかし すでにチェルノブイリ 4 号機を修復して放射性物質を安定に閉じ込めることは困難であるという共通認識があるので not possible という選択は当面ない 意志決定 3は中長期対忚に要する時間である 比較的早期に対忚可能であれば そこそこの遮蔽を施した上で 迅速に取り出し作業を実施すればよい 一方 対忚に長期間要するのであれば 強固な閉じ込め設備を建設し 時間をかけて対策を施していく必要がある

145 図 A1-2 4 号機廃止に向けた意志決定ツリー この考え方に基づき 各種対策の必要性 緊急性 実現性 資金手当の可否などの分類整理が行われた その結果を図 A-3 に示す 緊急性が高いと整理されたのは下記の項目である 1) 倒壊リスクの低減 ( 安定化 ) 西側の壁 スタックなど不安定な部分の補強 建物の構造解析 地盤 地震の解析 2) 放射性物質の不慮の放出リスク低減 ダストの低減 遮蔽強化 3) 燃料デブリや放射性物質の管理 再臨界の回避のためのモニタリング 汚染水の管理

146 性状把握と制御 4) 安全な状態への移行 シェルターの設置など シェルターの構造についても様々な議論が行われた 図 A1-4 にシナリオ案を示す 早期の取り出しを想定した簡易なものから 長期的な対忚を想定したものまで 幅の広い検討が行われた この選択については その後もさまざまな検討が実施され 最終的には 2005 年に現在建設中の新シェルターが選択された

147 図 A1-4 シェルターの想定シナリオ 参考文献 Chernobyl Unit 4 Short and Long Term Measures, TACIS, 1996 Electronic File: [R19] Sh&LTM-FinalReport-2006.PDF 国際チェルノブイリプロジェクト : チェルノブイリ原子力発電所 4 号炉の環境上安全状態へ の改造, RANDEC Decommissioning Seminar, 10/2011 Electronic File: [R27] Chernobyl-Projects(Pres27Oct2011) JAPANESE-Final.pdf

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