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1 第 1 回燃料電池先端科学研究 プロジェクト評価 ( 中間評価 ) 検討会資料 6 評価用資料 燃料電池先端科学研究事業 平成 19 年 12 月 28 日 独立行政法人産業技術総合研究所 固体高分子形燃料電池先端基盤研究センター

2 目次 1. 事業の目的 政策的位置付け 事業に対する国の関与 事業目的 政策的位置付け 1 (1) 事業目的 1 (2) 事業目的の妥当性 1 (3) 事業の政策的位置付け等 2 2. 研究開発等の目標 実施計画 平成 17 年度実施計画書 平成 18 年度実施計画書 5 3. 成果 目標の達成度 研究開発成果 目標の達成度 重点研究課題毎の成果 成果の事業化 波及効果 事業共通の成果 32 (1) 研究基盤整備 32 (2) 人材育成 33 (3) 研究活動 33 (4) セミナー ワークショップ等 研究成果の波及効果及び事業化に向けた取組 研究マネージメント 体制 委託事業費 研究開発計画 研究開発実施者の実施体制 運営 40 (1) 事業体制 40 (2)FC-Cubic の研究組織 41 (3) 運営 資金配分 費用対効果 情勢変化への対応 45 別紙 46 報告書 46 学会発表 論文投稿 特許申請等 46

3 1. 事業の目的 政策的位置付け 1-1 事業に対する国の関与燃料電池技術は 地球環境 エネルギーセキュリティ 経済の持続的成長という 3つのE を同時に達成する上で最も期待がかかる重要技術であり 我が国のみならず 世界各国が熱心に国際競争を展開している こうした中で ものづくり面でのシステム統合能力に勝る日本企業は 実用化に向けて世界に一歩先んじているものの 本格的導入普及への道のりは険しく コストダウン 耐久性向上 性能向上が不可欠とされている これらを解決するためには多くの技術革新が必要である なお 固体高分子形燃料電池の重要なアプリケーションである燃料電池自動車や定置用燃料電池コジェネレーションシステムにおいては 技術開発に加えて 非常に厳しいコスト要求に直面しており 単にエンジニアリング手法にのみ頼るのではなく 電気化学や材料科学の基礎に立ち戻った研究の充実が望まれている 本事業では このような状況を踏まえて 燃料電池のコストダウン 耐久性向上 性能向上を満たす革新的な技術開発が行われるために 高精度な機器を活用して固体高分子形燃料電池の基本的反応メカニズムの根本的な現象解明を行い 革新的な技術開発に繋がるように研究成果を蓄積して 企業等が燃料電池の技術開発を行うための指針を示すものである また 本事業は 国内外の大学及び企業等から燃料電池研究等に成果を挙げている研究者を任期付きで招聘する 企業 大学等との連携を図りながら個々の企業では馴染みにくい研究を行うことからも 民間だけでの実施は非常に困難である事業である このため 国が積極的に関与する必要がある 1-2 事業目的 政策的位置付け (1) 事業目的本事業は 燃料電池のコストダウン 耐久性向上 性能向上を満たす革新的な技術開発が行われるために 高精度な機器を活用して固体高分子形燃料電池の基本的反応メカニズムの根本的な現象解明を行い 革新的な技術開発に繋がるように研究成果を蓄積して 企業等が燃料電池の技術開発を行うための指針を提示するものである (2) 事業目的の妥当性燃料電池の実用化は 我が国のエネルギー供給の安定化 効率化 地球温暖化問題 (CO 2 ) 地域環境問題(NOx ばいじん等) の解決 新規産業 雇用の創出 水素エネルギー社会の実現する上で不可欠なものである 一方 固体高分子形燃料電池の実用化 普及を図るためには 抜本的低コスト化や耐久性 性能の更なる向上が大きな課題となっている 具体的には 触媒として使用されている白金が高価であることから白金使用量の低減又は白金代替触媒の開発 水素イオン透過度は高くその他の物質を透過しない電解質膜の開発などである 固体高分子形燃 1

4 料電池の構成要素はそれぞれ複雑で多岐に絡み合っていることから 技術革新のためには 極めて広範囲なイノベーション マネージメントが必要不可欠である このような状況下では 従来のエンジニアリグ的手法に頼るだけでなく サイエンスの基本に立ち戻り 固体高分子形燃料電池に関する種々の現象を解析し 基本的反応メカニズムについての根本的な理解を深め 物理的限界を打破するための知見を蓄積して 抜本的な技術革新を行っていくことが急務となっている (3) 事業の政策的位置付け等水素 燃料電池技術は エネルギー基本計画 (2007 年 3 月 ) において 重点的に研究開発のための施策を講ずべきエネルギーに関する技術及びその施策のうち 新エネルギーに関する技術における重点的施策の一つとして位置づけられている また 新国家エネルギー戦略 (2006 年 5 月 ) においては 新エネルギーイノベーション計画のうち 革新的なエネルギー高度利用の促進等として位置づけられ その中で 燃料電池の重要なアプリケーションの一つである燃料電池自動車が クリーンエネルギーである水素を使い 走行することから 次世代自動車 と位置づけられ 二次電池の高性能化に加え 燃料電池の抜本的低コスト化や耐久性 効率の更なる向上 安全 簡便 効率的かつ低コストな水素貯蔵技術の確立といった課題解決に向けた技術開発 実証研究を引き続き推進することが記載されている これは 燃料電池の技術課題を克服すべく革新的な技術開発に繋がる サイエンスの基本に立ち戻った燃料電池の基本的反応メカニズムの現象解明を行う本事業が極めて重要なものであることを意味している なお 本事業が 2050 年で温暖化ガスを世界全体で半減する クールアース50 の革新的技術開発として位置づけられ 第 3 期科学技術基本計画の分野別推進戦略における重要研究開発課題 燃料電池システムと安全な革新的水素貯蔵 輸送技術 に位置づけからも 政策的に極めて重要な事業であると言える 2

5 2. 研究開発等の目標 2-1 実施計画平成 17 年度 平成 18 年度の実施計画書を下記に示す 平成 17 年度実施計画書 1. 事業名平成 17 年度燃料電池先端科学研究 2. 事業目的燃料電池の実用化は 我が国のエネルギー供給の安定化 効率化 地球温暖化問題 (CO2) 地域環境問題(NOx ばいじん等) の解決 新規産業 雇用の創出 水素エネルギー社会を実現する上で不可欠なものである しかしながら 燃料電池の実用化さらに普及に関しては コスト削減及び耐久性や性能の向上などの多様な課題を抱え 技術開発における壁に当たっている状況にある 燃料電池 特に固体高分子形燃料電池の各構成要素はそれぞれ複雑で多岐に絡み合っていることから 技術革新 ( ブレイクスルー ) のためには極めて広範囲なイノベーション マネージメントが必要不可欠である そこで 本事業では 固体高分子形燃料電池 ( 以下 燃料電池 という ) に関する高度な科学的知見を要する現象を解析するとともに 研究体制を整備し 燃料電池の基本的反応メカニズムについての根本的な理解を深め 物理限界を突破する観点に鑑み 技術開発における壁を打破するための知見の蓄積を行う その結果として 燃料電池が抱える多様な課題の解決を図る また 燃料電池の実用化には中長期的な視点に立ち 革新的な技術開発を行える人材を育成する必要があるため 様々な分野の研究人材を国内外の大学 研究所等から広く求めるとともに ポスドク等の活用により 燃料電池技術に関する次世代人材の育成に努める この事業において得られた人材を継続する人材交流の仕組みの構築を試み さらに得られた科学的知見を製品化に向けた革新的技術に支援する 3. 事業内容燃料電池の要素技術は 機械 化学などの様々な分野が複雑に絡み合っており 技術革新 ( ブレイクスルー ) には極めて広範囲なイノベーション マネージメントが必要であるとともに 単独分野での取り組みには限界があり 探索的イノベーションを行うための分野間の横断的 垂直的な連携が重要となってくる 本事業においては 燃料電池が抱える多様な課題を解決するため 機械 化学などの様々な分野の先端技術等を有機的に結合させ 技術開発の壁を打破するための手法を探索できる仕組みを構築する また 機械 化学などの様々な分野の研究人材を国内外の大学 研究所等から広く求め 異分野間の連携を図れる仕組みを構築する 本事業は 独立行政法人産業技術総合研究所の臨海副都心センター及びつくば西事業所に新たに設置された固体高分子形燃料電池先端基盤研究センター (FC-Cubic) 3

6 において 研究開発に必要な設備及び研究体制を構築し 以下に示す固体高分子形燃料電池の3つの基本構成部材の基礎基盤的研究を実施する (1) 設備 研究体制の構築平成 17 年度において 産業技術総合研究所つくば西事業所 ( 茨城県つくば市小野川 ) 及び臨海副都心センター ( 東京都江東区青海 ) に研究開発に必要な設備及び研究体制の構築を行う (2) 研究内容 a) セル構成要素と界面物質移動との相互作用 概要 多相界面を経ての水素イオン( プロトン ) 及び水関連物質の移動現象を解明する 新規材料及び新しいコンセプトのシステムを導入できる評価手法を構築して実際に評価する 平成 17 年度計画 セル及びセルスタックの革新的性能向上を図るために 多相界面を経てのプロトン及び水関連物質の移動現象 ( 液相と気相の競合拡散現象 ) を詳細に解明する その基礎データとして ガス拡散層に使用される炭素材料表面のガス吸着による物理的性質及び親水性 疎水性などの化学的性質を正確に評価する また バイポーラープレートについては 実際に使用する温度でも材料力学的特性 特に破壊じん性の基礎データ収集を行う b) 燃料電池の基幹要素材料である電極触媒の革新的性能向上とコストポテンシャル向上 概要 電極触媒上での電気化学反応の速度論を究明する さらに 物理限界を把握する 平成 17 年度計画 電極触媒上での電気化学反応の速度論について 超高速分光学的手法などを用いた独創的な手法で探索する 具体的には 水溶液系の電気化学反応の白金触媒表面観察を行うための基礎データ取得のための予備実験を行うとともに 評価装置である超高速分光学装置の組み立てを行う c) 燃料電池の基幹要素材料である電解質膜の革新的性能向上とコストポテンシャル向上 概要 電解質膜内の電荷物質移動現象を解明し 物理限界の把握を行う 平成 17 年度計画 電解質膜の革新的性能向上を図るため 電解質内のプロトンおよび電荷をもった水関連物質の移動現象を詳細に解明する 高分子電解質内の移動現象における環境の依存性を調べ データ取得のための予備実験を行うとともに 評価装置である移動現象評価装置の組み立てを行う (3) セミナーの開催平成 17 年 12 月 当該センターの研究ミッション ターゲット 目標を紹介するとともに 研究に対する意見交換を行うため 国内産業界の固体高分子形燃料電池の関係者を対象としたセミナーを開催 平成 18 年 2 月 国内外の燃料電池関連基礎研究者との研究交流 研究動向の把握等を行うため 国内外の燃料電池関連基礎研究者を招聘し 講演及び研究成果を発表するセミナー ( ワークショップ ) を開催 4

7 2-1-2 平成 18 年度実施計画書 1. 事業名平成 18 年度燃料電池先端科学研究 2. 事業目的燃料電池の実用化は 我が国のエネルギー供給の安定化 効率化 地球温暖化問題 (CO 2 ) 地域環境問題(NOx ばいじん等) の解決 新規産業 雇用の創出 水素エネルギー社会を実現する上で不可欠なものである しかしながら 燃料電池の実用化更に普及に関しては コスト削減および耐久性や性能の向上等の多様な課題を抱え 技術開発における壁に当たっている状況にある 燃料電池 特に固体高分子形燃料電池の各構成要素はそれぞれ複雑で多岐に絡み合っていることから 技術革新 ( ブレイクスルー ) のためには きわめて広範囲なイノベーション マネージメントが必要不可欠である そこで 本事業では 燃料電池に関する高度な科学的知見を要する現象を解析するとともに 研究体制を整備し 燃料電池の基本的反応メカニズムについての根本的な理解を深め 物理限界を突破する観点にかんがみ 技術開発における壁を打破するための知見の蓄積をおこなう その結果として 燃料電池が抱える多様な課題 たとえば性能向上 コスト低減等の解決を図る また 燃料電池の実用化には中長期的な視点に立ち 革新的な技術開発をおこなえる人材を育成する必要があるため 様々な分野の研究人材を国内外の大学 研究所等から広く求めるとともに ポスドク等の活用により 燃料電池技術に関する次世代人材の育成に努める この事業において得られた人材を継続する人材交流の仕組みの構築を試み さらに得られた科学的知見を製品化に向けた革新的技術に支援する 3. 事業内容燃料電池の要素技術は 機械 化学等の様々な分野が複雑に絡み合っており 技術革新 ( ブレイクスルー ) にはきわめて広範囲なイノベーション マネージメントが必要であるとともに 単独分野での取組には限界があり 探索的イノベーションをおこなうための分野間の横断的 垂直的な連携が重要となってくる 本事業においては 燃料電池が抱える多様な課題を解決するため 機械 化学等の様々な分野の先端技術等を有機的に結合させ 技術開発の壁を打破するための手法を探索できる仕組みを構築する また 機械 化学等の様々な分野の研究人材を国内外の大学 研究所等から広く求め 異分野間の産学連携を図れる仕組みを構築する 本事業は 独立行政法人産業技術総合研究所の臨海副都心センター及び つくば西事業所に設置された固体高分子形燃料電池先端基盤研究センター (FC-Cubic) において 研究開発に必要な設備および研究体制を構築し 以下に示す固体高分子形燃料電池の 3 つの基本構成部材の基礎基盤的研究を実施する (1) 設備 研究体制の構築平成 18 年度において 独立行政法人産業技術総合研究所臨海副都心センター ( 東京都江東区青海 ) 及び つくば西事業所 ( 茨城県つくば市小野川 ) に研究開発に必 5

8 要な設備および研究体制の構築をおこなう (2) 研究内容 a) セル構成要素と界面物質移動との相互作用 概要 多相界面を経ての水素イオン( プロトン ) および水関連物質の移動現象を解明する 新規材料および新しいコンセプトのシステムを導入できる評価手法を構築して実際に評価する 平成 18 年度計画 セルおよびセルスタックの革新的性能向上を図るために 多相界面を経てのプロトンおよび水関連物質の移動現象 ( 液相と気相の競合拡散現象 ) を詳細に解明する その基礎データとして ガス拡散層に使用される炭素材料表面の吸着特性および細孔構造による物理的性質と親水性 疎水性等の化学的性質を正確に評価する これら得られた材料の特性と模擬競合拡散現象における物質移動を詳細に評価し 電池による実発電性能の相関性を見出す また バイポーラープレートについては 民間企業と協力して実際に使用する温度 環境下での材料力学的特性 特に環境強度や破壊じん性を調査して 耐久性向上に関する開発の指針を得る b) 燃料電池の基幹要素材料である電極触媒の革新的性能向上とコストポテンシャル向上 概要 電極触媒上での電気化学反応の速度論を究明する さらに 物理限界を把握する 平成 18 年度計画 電極触媒上での電気化学反応の速度論について 昨年度組み立てた超高速分光学的手法および高感度界面振動分光法等を駆使して水溶液系におけるモデル白金触媒表面での電気化学反応 ( 酸素還元反応 ) と水の挙動を独創的な手法で探索する モデル白金触媒の調製については 国内大学との共同研究を利用する また 自らモデル試験材料を新規調製する c) 燃料電池の基幹要素材料である電解質膜の革新的性能向上とコストポテンシャル向上 概要 電解質膜内の電荷物質移動現象を解明し 物理限界の把握をおこなう 平成 18 年度計画 電解質膜の革新的性能向上を図るため 電解質内における各種化学種の移動現象を詳細に解明する 特にプロトンおよびガス種の移動現象について解明予定である また 国内大学との共同研究として調製したモデルポリマー並びに民間企業から提供されたトップクラスの材料についてデータ取得をおこなう (3) セミナーおよびワークショップの開催平成 19 年 2 月 国内外 特に海外の燃料電池関連基礎研究者との研究交流 研究動向の把握等をおこなうため 国内外の燃料電池関連基礎研究者を招聘し 講演および研究成果を発表し 議論をするワークショップ ( 約 100 名 ) を開催 平成 19 年 3 月 当該センターの研究成果を紹介するとともに 研究に対する意見交換をおこなうため 国内産業界の固体高分子形燃料電池の関係者 ( 約 50 名 ) を対象としたセミナーを開催 6

9 3. 成果 目標の達成度 3-1 研究開発成果 目標の達成度重点研究課題毎の成果及び目標の達成度を表 a ~ c にまとめた 表 a 個別要素技術 電極触媒の革新的性能向上とコストポテンシャル向上 目標 目標の細目 成果達成度の指標 成果 達成度 1 触媒表面電気化学反応の探索手法の確立 1-1 時間分解振動分光法を用いた酸素還元触媒反応の反応素過程追跡技術の開発 1-2 和周波発生分光装置の構築と性能評価および電気化学反応解析への応用 表面増強ラマン散乱分光 表面増強赤外吸収分光 異常赤外分光を利用した電極触媒表面における反応素過程解析の可能性明確化 SFG を用いた水の配向や動的挙動の評価 表面増強赤外吸収分光システムを立上げ 単分子レベルの検出感度を確認 表面増強ラマン散乱分光システムを立上げ 基板の絞込みを実施 異常赤外分光システムの技術開発を実施 ツールとしての単一触媒粒子担持用カーボン探針を作製 反応素過程解析への可能性を確認 SFG システムの構築完了 標準試料 (ODT/Au/Ti 薄膜 ) を作製し 単分子層吸着状態でのスペクトル観察に成功 電気化学反応における表面分子の情報取得の可能性を確認 空気中の水の妨害除去対策で検討遅れ 研究者人員投入で回復計画 水の動的挙動解析に関する Spring-8 との共同研究をスタート H19 年度に継続予定 達成 一部達成 2 電極触媒構造と電気化学反応との関連性解明 2-1 メソポーラスカーボンを担体に用いた電極触媒の作製 メソポーラスカーボン担体合成と触媒担持 電気化学評価 三相界面の理想場のモデルとしてメソポーラスカーボン選定 直接合成法を開発し 所望の細孔径を有する多孔体の合成に成功 細孔内部への白金触媒担持に成功 電気化学評価を実施し 酸素の拡散が律速で無いことを観察 白金当りのターンオーバー数が高い事を確認 達成 2-2 新規カソード触媒の開発 アイデア検証 触媒の形状 / 構造の制御による高活性化として超低アスペクト比触媒を試作 不純物除去対応で遅れ メーカーとの共研強化で回復計画 助触媒による高活性化を目指し 酸化チタンの添加を検討するも 機能確認に至らず 白金に替わる触媒材料として金ナノ粒子の可能性を調査 一部達成 7

10 表 b 個別要素技術 セル構成要素と界面物質移動の相互作用 目標 目標の細目 成果達成度の指標 成果 達成度 1 速度論的測定手法の確立 1-1 荷重負荷水蒸気透過速度計測技術の開発 サンプルに荷重を掛けた状態での水蒸気透過速度を計測する装置の開発 試料の測定環境として温度 / 湿度に加えて 面圧を制御出来る装置の設計を企業との連携で実施 設備の開発導入を完了 達成 2-1 水蒸気吸着技術を用いた GDL の解析 ガス拡散層の細孔構造評価 水蒸気吸着挙動の評価 上市サンプルの細孔径分布に関する評価を完了 MPL 材を有するものは 0.1μm サイズの細孔が特徴である事を見出した 高温での水蒸気吸着実験とその解析から 細孔中の水蒸気は液体水として吸着していることが判明 達成 2 移動現象の解明 2-2 材料表面における水挙動観察法の確立 接触角測定技術の開発 接触角の水滴径依存性を調査し 1mm 以上の粒径の場合には粒径の影響を受けないことが判明 1mm 未満の粒径の場合 粒径依存性が現われること また GDL 上の接触角測定では粒径減少に伴い接触角が低下 ( 親水化 ) する事を見出した 温度制御機能の組込みのため遅れ 研究者投入で回復計画 一部達成 2-3 ゼータ電位による固体表面評価法の確立 ゼータ電位法による評価技術の確立 測定上のばらつきが極めて大きい該法のばらつき原因を究明 ばらつき対応として統計的処理を導入 酸性領域での測定が困難であることから燃料電池関連技術への展開を断念 達成 2-4 MEGA 内の歪と物質移動現象の解明 歪評価手法の開発 電解質膜 GDL に関する機械的性質の測定を加湿 / 加温環境で実現 歪量測定に難航 センサー変更で解決 研究者投入で回復計画 一部達成 2-5 カーボン樹脂モールドセパレータ材の機械的特性劣化の解析 曲げ試験に及ぼす試験温度の影響評価 曲げ強度のワイブル統計実施 曲げ試験に及ぼす試験温度の影響を測定し試験温度の影響が著しいことが判明 クロスヘッドスピードの影響を定量化 破壊靭性改良が課題であることを解析 達成 8

11 表 c 個別要素技術 電解質材料の革新的性能向上とコストポテンシャル向上 目標 目標の細目 成果達成度の指標 成果 達成度 1-1 電解質構造観察技術の確立 AFM を用いた構造観察技術の確立 加湿 / 加温環境下で 電解質膜の高次構造観察に成功 電解質膜のプロセス由来を因とする表裏構造の差異を観察 温度変化に応じての表面構造変化の観察から 高次構造変化の解析に成功 達成 1 電解質構造と物質移動測定手法の確立 1-2 電解質材料のガス相互拡散競合拡散挙動の解明 環境湿度の影響評価 燃料電池作動環境に対応して 水素酸素 / 窒素の膜透過率を同時に評価する装置の開発導入を完了 加湿下での測定を実施し 水蒸気がガス透過を助長する効果を定量化 達成 1-3 電解質材料の化学的反応 耐久性の解析 耐久性評価技術の開発 フェントン試験を用いて 各種フッ素系ポリマーの化学的安定性を解析 カルボン酸末端基の安定化処理の影響を確認 フェントン試験の課題を明確化 対策検討に難航し遅れ 気相法を導入し工数増で回復計画 一部達成 2 電解質構造と物質移動現象の関連性解明 2-1 NMR による高分子膜中の水 / プロトン挙動の解析 設備導入 水の運動性評価 試料の温度 / 湿度 / 電場勾配を制御出来る装置の導入を完了 電解質膜中の水挙動解析の可能性調査を実施し 拡散係数測定および緩和時間測定が有用であることを判断 達成 一部達成の項目については 5 年計画の中でキャッチアップ可能であり 全体計画に影響を及ぼすものではない 9

12 3-2 重点研究課題毎の成果 a) 電極触媒の革新的性能向上とコストポテンシャル向上 燃料電池の基幹材料である電極触媒では 水素の酸化反応に用いられるアノード触媒よりも 酸素の還元反応に用いられるカソード触媒の開発が滞っている その原因は カソード反応が反応種の吸着を伴う多電子移動過程であり 反応機構が複雑であるためである 実際 何故白金でなければならないのか? 白金量を極限まで低減することは可能なのか? 白金の溶解劣化現象を止めるためには何がポイントか? など 科学のメスを入れるべき課題が山積している 1 触媒表面電気化学反応探索手法の確立 課題の中心である 金属電極表面における酸素還元反応 (Oxygen Reduction Reaction 以下 ORR という ) の機構 は 数十年の研究が継続されているにもかかわらず 未だ解明されていない 燃料電池反応に関わる原子種は酸素 水素の二種であり また最終生成物は酸素原子と水素原子が結合した水分子であり極めてシンプルであるものの 反応に関わる化学種の情報が系全体に多量に存在している水分子と干渉し反応追跡を困難にしている したがって 本事業では 現在の最高レベルの手法 装置を用いて 共存する水分子の干渉を取り除き ORR の in situ 測定技術の確立を目指す 1-1. 時間分解振動分光法を用いた ORR の反応素過程追跡技術の開発 ORRに関する素反応解析は現在まで 分光学的手法を用いても数多くの研究がなされてきた しかしながら その何れの場合も, 電極表面において触媒反応が進行している定常的な状態での測定であり 電極との相互作用が低く さらに寿命も非常に短いと考えられている反応中間体の検出 特定には不適であった 本事業では マイクロ流体システムと時間分解表面増強顕微ラマン分光系を組み合わせることを計画した この場合 電極反応を同一の時間軸の元で進行させ, 電極表面の振動スペクトルをスナップショットで取得することにより 反応素過程を分子レベルで追跡することが可能となる 一方 PEFC 用電極触媒の活性は その表面の電子構造における d バンド中心位置 に大きく依存していると提唱されているが これを裏付ける振動分光学的解析は現在まであまりなされていない 本研究では この d バンド中心位置を段階的に変化させたモデル触媒として 単原子層 ~ 数原子層の白金を金基板電極上に析出させたモデル触媒 A と直径数 ~ 数十 nm の白金単粒子をカーボン探針上に析出させたモデル触媒 B を調製し 時間分解能に優れた赤外吸収分光法により反応追跡を行う計画とした 電極反応をより高速に時間分割してその場計測することで d バンド中心位置変化に応じて反応素過程にも変化が観測されると考えられる 10

13 平成 18 年度までは 当該測定で必須の要素技術である表面増強赤外吸収分光法の導入と技術確立を行い またモデル触媒 2 の土台となるカーボン探針作製を実施する 表面増強赤外吸収分光法すでに北大の研究グループによって 金属表面での電気化学反応の追跡に表面増強赤外吸収分光法 (Surface Enhanced Infrared Absorption Spectroscopy 以下 SEIRAS という ) が有用であることが提唱されており 装置を導入 ( 図 2-1) するとともに 検証実験を実施した ポイントとなる測定セルの概要 ( 図 2-2) とモデル系として金電極触媒での硫酸の反応測定結果を図 2-3 に示す これより明らかなように 電気化学反応の素過程に生じる化学種の単分子レベルでの検出可能性が確認された 本研究では 単原子層 ~ 数原子層までの白金を金基板電極上に析出させたモデル触媒の調製技術も重要な要素技術である ウィバーらの報告にあるピンホール フリー白金膜の調製法を応用し SEIRAS 測定に利用する金膜電極上に白金原子層を形成する実験も着手 平成 20 年度前半までの技術確立を目指す -log(i/i 0 ) 図 2-1 SEIRAS 測定に用いた 赤外吸収分光光度計 ν s (SO) of sulfate anion on the electrode +0.2V vs. MSE +0.1V +0.1V +0.2V 0V +0.3V +0.4V -0.1V +0.5V -0.2V +0.4V -0.3V -0.2V -0.1V 0V +0.3V +0.2V +0.1V Wavenumber (cm -1 ) 図 モル硫酸溶液中 Si フ リス ム上に無電解メッキした金薄膜 図 2-2 測定セル 電極での 電位走査に伴う IR スヘ クトル 表面増強ラマン散乱分光法上記 SEIRASは 時間分解能に優れるものの プリズム材料の光学的理由から酸素が絡む化学種の検出に制約が生じるため 導入が必須である表面増強ラマン散乱分光法 (Surface Enhanced Raman Spectroscopy 以下 SERS という ) 用 ( 図 2-4) の測定基板作製技術を検討した 図 2-4 SERS に用いたラマン顕微鏡 11

14 その結果 従来の表面粗面化を行った金属基板よりも シリコン表面に逆ピラミッド構造を形成したものが再現性と検出特性に優れていることを見出した 今後は逆ピラミッド構造の理論的最適化を図り 平成 19 年度内での技術確立を目指す 異常赤外吸収分光技術の検討本研究で必須の要素技術の一つとして クーセナックらの報告にある 直径数 ~ 数十 nm の白金単粒子を先端に担持したカーボン探針の製作技術に取り組んだ 図 2-5 カーボン探針の FE-SEM 像単一触媒粒子のみの情報を取り出したい X370( 左 ) X50,000( 右上 ) こと ならびに異常増強効果を期待してのアプローチである カーボンファイバーをアルカリ中で電気化学エッチングし 図 2-5 に示す通り先端の曲率半径が 100nm 以下の探針の作製に成功している 現在は電着絶縁皮膜によって この探針先端の半径 10nm 以下の部分を残し被覆する技術の確立に取り組んでおり 平成 19 年度末までの技術確立を目指す 1-2 和周波発生分光装置の構築と性能評価および電気化学反応解析への応用 和周波発生分光装置の構築電極反応下における触媒表面での水の配向や動的挙動の変化についての知見は重要であることはいうまでも無く その測定手法として和周波発生 (Sum Frequency Generation 以下 SFG という ) 分光法に着目した 過去に 検討事例はあるものの 電位を印加したときの水分子の配向については 十分な議論がなされていない そこで 本研究では SFG システムを活用して 電極触媒 / 溶液界面における水の配向や動的挙動を系統的に評価するため SFG システムの構築と性能評価を行った 本システムの特徴は 赤外光のみならず 可視光の波長も可変であり 例えば 界面水のスペクトルを種々の可視光波長で測定することにより 電子状態に関連する情報が得られることである 構築した SFG システムを図 2-6 に示す システムはフェムト秒レーザー再生増幅器励起の可視光可変レーザー ( nm) 赤外光可変レーザー ( nm) 図 2-6a SFG システム ( レーサ ー部 ) 図 2-6b SFG システム ( 光学部 ) 図 2-7 溶液セル試作品 12

15 偏光子 レンズ 試料ホルダー 分光器 CCD の構成となっている電気化学反応下で白金表面上の水を観測するために 設計した溶液セルを図 2-7 に示す 構成は 半円筒プリズムとダイフロン製セルを用いた SFG システムの表面感度システムの感度を評価するために 標準試 CH3 bend overtone 料であるオクタデカンチオール 600 CH3 asymmetric stretch 500 (Octadecanethiol ODT)/Au/Ti 薄膜をガラス 400 基板上に作製し SFG スペクトルを観測した 300 CH3 symmetric stretch 図 2-8 は 600nm と 3448nm の光を ODT/Au/Ti 200 に照射時に観測された SFG スペクトルである 金自身の非線形感受率が高いため 金からの Wavenumber (cm バックグランド信号が大きいが アルキル鎖の -1 ) 図 2-8 ODT/Au/Ti の SFG スペクトルメチル末端からのシグナルが干渉し ネガティブなピークが三つ観測されている 低波数側から それぞれ CH 3 asymmetric stretch CH 3 bend overtone CH 3 symmetric stretch の各振動モードに帰属される ODT は チオール末端と金の強固な化学結合とアルキル鎖間の疎水性相互作用により図 2-8 の内挿図に示されるような安定な自己組織化膜 (Self-Assembled Monolayer: SAM) を形成することがよく知られている したがって ODT の被覆率は最大でも単分子層量であり 一回反射で微量な分子のスペクトルを得られることから SFG の感度が非常に優れていることがわかる また SFG スペクトルにはメチレン基 (-CH 2 -) の振動モードが観測されていないが これは 分子がオールトランスで配向しているために局所的には反転対称性が成り立ち メチレン基の C-H 伸縮振動同士がキャンセルした結果 配向性の良い膜であることを意味している 以上のことから 構築した SFG 計測システムは十分に表面感度があり 電気化学反応下においての表面 界面の分子構造の知見を得るには有用であると考えられる しかしながら 水分子に係わる情報検出についての予備実験を行ったところ 空気中に存在する水の妨害を受けることが明らかとなった そのため 研究を停止する状況に至ったが その後の検討で この課題は測定系を乾燥窒素雰囲気とすることにより解決する見通しとなり 実験者の増員で業務遅れの回復を図る予定としている 平成 19 年度は プリズムに白金を蒸着し 電位を印加した状態で白金 / 水溶液界面に存在する水分子からの SF 光を観測し 配向を決定する予定である また 軟 X 線分光による相補的な実験のために SPring-8 理研との共同研究をスタートさせ 電極触媒 / 溶液界面に存在する水の動的挙動の系統的な評価を平成 19 年度に本格化させる計画である SF intensity (counts / 10 s) 13

16 参考文献 : Z. D. Schultz et al., J. Am. Chem. Soc., Vol. 127, pp , 2005 S. Nihonyanagi et al., Surf. Sci., Vol. 573, pp , 電極触媒構造と電気化学反応との関連性解明 電極触媒の革新的性能向上にあたっては電極触媒の構造 ( 触媒自身の構造 担体の構造 および触媒 / 担体の構造 ) ならびに触媒層の構造が重要な因子となっている 従来技術は 2~3nm の白金微粒子をサブミクロンサイズの炭素粒子表面に担持した状態で最適化されている 一般には これらの粒子が凝集したメソポア構造が 水素 ならびに酸素の拡散を有効に制御していると考えられる しかし このメソポア構造は触媒層の製造プロセスにより大幅な変化を生じ またサイズ的な分布を有する等 科学的検討には不適切である そこで モデル触媒として 均一なメソポアサイズの粒子内細孔構造を有する炭素担体 ( メソポーラスカーボン ) を新たに調製するとともに その構造と電極触媒層としての性能との関連を詳細に検討することを目指した 一方 触媒の電子構造は担体との相互作用の影響を受けるとともに その化学的性能 ( 耐久性 ) もまた担体の特性と切り離せないことから モデル触媒として各種の触媒 / 担体を検討した 2-1. メソポーラスカーボンを担体に用いた電極触媒の作製触媒表面の反応場であるいわゆる三相界面における各種の速度論や化学的な挙動を精緻に解析する目的で メソ細孔を持つカーボン材料を担体に用いることを考えた メソ細孔内では触媒金属粒子とイオノマーが充分に接触出来 更に触媒粒子と担体間の相互作用も通常カーボン表面粒子よりは高いことが期待出来る メソポーラスシリカを鋳型として合成する従来の方法を用いずに 界面活性剤とカーボン前駆体の自己組織化を利用した直接合成法を用いることで比較的大きなメソ細孔を持つカーボン担体を合成し 触媒粒子とイオノマーが細孔内で三相界面を形成する制御された理想的な反応場 ( 図 2-9) を提供することを目的とした mesopore O 2 Catalyst Ionomer Mesoporous Carbon Surface 図 2-9 理想的な三相界面のイメージ O 2 14

17 2-1-1 メソポーラスカーボン担体の開発界面活性剤とカーボン前駆体 (Resorcinol, Formaldehyde, Triethyl orthoacetate) の混合物を加熱 焼成炭化する極めてシンプルなプロセスで粉末状メソポーラスカーボン担体を合成することに成功した この合成品の構造解析を SEM TEM 窒素吸着測定法を用いて行った結果 合成品は0.1~1μm 程度の粒子の凝集体で その粒子表面には平均細孔径が7~8nm 細孔が確認できた 比表面積は600 m 2 /g 程度であった (a) (b) TEM 観察の結果 10nm 弱の細孔が 100 nm ヘキサゴナル構造を取り整然と 配列しているドメイン構造を有することが判った ( 図 2-10) 図 2-10 メソポーラスカーボンの (a)se 像 (b)tem 像 白金 / メソポーラスカーボン担体触媒の特性 [Pt(NH 3 ) 4 ](NO 3 ) 2 を前駆体として用いて白金触媒を担体メソ細孔内部に担持し 電極触媒とした 30% 白金担持サンプルの電気化学測定結果を図 2-11に示す なお 比較品として田中貴金属製 50% 白金担持カーボンブラックを用いた 白金量は14μg/cm 2 に固定した アルゴン雰囲気下 酸素雰囲気下でのサイクリックボルタモグラムにおいて 比較品である 50% 白金担持カーボンブラックでは 0~0.2V 辺りに水素の吸脱着波と 0.45V 付近には酸化物の生成を示唆するピークが 見られるのに対し 30% 白金担持メソポーラス Current (A) 2.0x x %Pt-MC x %Pt-CB -2.0x x Potential (V vs Ag/AgCl) 図 2-11 CV カーブ カーボンでは それらの明確なピークが見られなかった 一方酸素還元反応においては 30% 白金担持メソポーラスカーボンは活性を示し 50% 白金担持カーボンブラックに比べ 白金あたりのターンオーバー数が高いことや拡散限界電流が見られないことなど大変特徴を持った電極触媒特性が見出された 平成 19 年度は 細孔内の物質移動を解明し さらに細孔サイズの影響検討を行うことで 触媒まわりの現象解明に繋げる計画としている 参考文献 : Tanaka et al.chem Commun, 2005,

18 2-2. 新規カソード触媒の開発白金系触媒において 革新的な白金量低減あるいは脱白金系触媒の開発が望まれる中 下記三種の検討にアプローチした 1) 新規な Pt 担持手法により形状 構造を制御して Pt 触媒の高活性化を検討する 2)ORR の助触媒となるような物質を Pt 触媒と組み合わせて高性能化を検討する 3)Pt 以外の金属に適用し Pt 代替触媒の可能性を検討する いずれも 電子構造や形状的な特異性を担体との相互作用の影響を明確にすることが狙いである 新担持法を用いた超低アスペクト比触媒の検討 A 社との共同研究であり機密保持契約を締結しているため 担持手法の詳細は割愛するが 担体は高配向性黒鉛 (HOPG) または鏡面研磨グラッシーカーボン (GC) を用いた 本手法のメリットとして 担持される Pt のサイズ分布が狭いこと 従来法よりも Pt と基板との結合力が強いため得られた触媒の安定性が高いことが挙げられる サイズ分布の狭さは ORR 活性の Pt サイズ依存性の解明に有効であると期待される A 社のデータで 2 nm サイズでは非常にサイズ分布が狭いことが確認されていたことを受けて より大きいサイズに適した作製条件での担持を試みた AFM による観察では Pt サイズが約 10 nm の場合でも狭いサイズ分布が実現できて図 2-12 試作品の AFM 像いることが確認できた ( 図 2-12) Pt サイズが 2nm になる条件の 10 倍以上の Pt 量で作製した場合には Pt は膜になり基板をほぼ完全に被覆するという結果が水素吸脱着反応の測定結果より得られた 過塩素酸中における水素吸脱着および ORR 測定の結果から Pt 量の増加とともに表面積の増加と ORR 活性の向上が確認された ORR 測定において 電位掃引サイクル数の増加とともに ORR 活性が向上する結果が得られた Pt 表面の清浄化だけでは説明できない性能向上であり 担持された Pt が構造変化を起こしている可能性が示唆される 問題点として 目的とするナノサイズ Pt と同時に粒径が数十 nm の Pt 粒子が生成すること 担持後の GC 基板が酸化することなどが挙げられ 検討に遅れを来した 平成 19 年度は A 社との共同研究を強化し 装置改良を待ち 大粒径 Pt 粒子の影響を除外して ORR 活性のサイズ依存性を測定し 微粒子効果について解明する計画 16

19 2-2-2 金属酸化物複合 Pt 触媒今回試作した酸化チタン被覆 GC に Pt 担持した触媒は 酸化チタンを被覆しないものよりわずかに劣っていた 酸化チタン層が絶縁層的に寄与して表面の電子移動を抑制していること および助触媒的効果が発現していないためと考えられる 平成 19 年度は新たな系の探索を計画している Auナノ粒子 / 金属酸化物複合触媒二種類の担体と二種類の金属酸化物を検討したが 担体が GC 電極の場合の結果を図 2-13 に示す GC 金属酸化物被覆 GC Au ナノ粒子被覆 GC 金属酸化物 Au ナノ粒子複合 GC 電極の ORR 電流の立ち上がりはそれぞれ <0.10 V, <0.10 V, 0.30 V, 0.60 V ( すべて RHE 換算 ) であった 担体が金の場合は 金属酸化物被覆したもののみが ORR 電流の立ち上がり電位が 0.30 V であり 一方 Au および Au ナノ粒子を担持したものでは 0.35 V であり ORR 活性の劇的な向上は観察されなかった 担体の違いによる ORR 活性の差異から Au ナノ粒子 金属酸化物 カーボンの三相界面またはナノサイズのサンドイッチ構造が ORR 高活性の必要条件であることが示唆された ORR 測定において アノード側の折り返し電位がポジティブであるほど ORR 活性が高か Current / μa Potential / V vs. RHE 図 2-13 試作品の CV った ( 図 2-14) -40 また 電位掃引サイクル数の増加に伴う -80 ORR 活性の向上が観察された Au ナノ粒子の清浄化だけでなく 金属酸化物を含めて -120 Au ナノ粒子の構造が ORR 活性を向上させる 方向に変化している可能性が考えられる Potential / V vs. RHE ORR 活性に顕著な個体差が存在したため 図 2-14 試作品の CV XPS による解析を試みた Au 4f, C 1s, 金属のコアスペクトルには顕著な差異はなかったが O 1s コアスペクトルでは ORR 高活性なサンプルで低エネルギー側のピークが大きいという差異が認められた この結果は作製の段階で金属酸化物の化学状態が ORR 活性に影響していることを示唆している 平成 19 年度は 金属酸化物の導入条件や Au ナノ粒子サイズの最適化を行い より ORR 高活性な触媒の開発を目指す また Au ナノ粒子を他の金属に置き換えた場合の ORR 活性についても検討していく計画である

20 b) セル構成要素と界面物質移動の相互作用 燃料電池を構成する膜電極ガス拡散層成形体 (Membrane Electrode and Gas Diffusion Layer Assembly MEGA) に於ける物質移動現象とりわけ水と酸素ガスの移動現象は 燃料電池の革新的性能向上に必須である 燃料電池反応で生成した水は水蒸気の状態なのか? 液体水は何処で生じるか? 酸素ガスの移動経路はどこか? など 燃料電池の水管理と酸素ガス供給に関わる諸課題を科学的に明らかにする目的で 燃料電池各構成要素の物性 熱移動 物質移動とくに水の状態とその移動速度とに注目し検討を実施する 1 速度論的測定手法の確立 MEGAは 形状や材料それ自身が異なる多層から構成されており プロトン 電子 ガス種 水等が各層内を移動する速度論 また各層間に存在するマクロ界面の抵抗に関する定量化に関して その正確な測定技術の開発は これまでも大きな課題であった また 電極触媒近傍には 触媒金属 触媒担体 アイオノマーなどが存在し所謂三相界面と呼ばれる電気化学的反応場が形成されている 反応場へのプロトン 電子 水 ガス種がミクロ場としての各媒体内を移動する速度論 またそれぞれの対象物質の移動に対するミクロ界面の抵抗の定量化は大きな課題であり 燃料電池の革新的な性能向上のためには技術確立が急務である しかしながら シミュレーション技術が急進する一方で 測定手法の時間分解能と空間分解能は大幅に向上しているものの目標レベルとの乖離も大きく抜本的なアプローチが必要とされている 本事業では ミクロ界面と 水および熱の移動現象に最も注目し 測定手法の検討にチャレンジする 1-1. 荷重負荷水蒸気透過速度計測技術の開発 GDLやMEAにおける水蒸気をはじめとする各種ガスの透過速度は 構成材料の構造 物性の影響は当然のことながら 温度や湿度の様な測定環境条件にも左右される 燃料電池作動環境を最適に模するためには これらのパラメーターに加えて 対象部材にかかっている荷重負荷を取り上げる必要がある 実際の燃料電池では各種の接触抵抗を最小とするため一定の面圧が掛けられているケースが多く 荷重を変化させての測定にチャレンジした 18

21 B 社との共同研究により開発した計測装置の外観を図 2-15 にまた構成図を図 2-16 に示す 本装置は平成 19 年度から本格稼動を計画している 図 2-15 装置外観 図 2-16 装置構成図 恒温層 T1 T2 試料 2 移動現象の解明燃料電池の性能を律する移動現象の対象としては プロトン 電子 ガス種 ( 水素 酸素 窒素 ) 水 および熱が挙げられる 一方でこれらが移動する媒体は形状や材料物性が様々である上 温度 湿度などの環境条件も広範囲であり 移動現象の正確な解明のためには ミクロ / マクロ両面での媒体の形状や物性をより精緻に計測する手段が必要とされている 本事業では前述の移動速度計測技術と合わせて 構成材料の形状 / 物性を in situ 測定することにチャレンジする 2-1. ガス拡散層 (GDL) 中の水挙動解明と表面物性測定技術確立 水蒸気吸着技術を用いた GDL の解析ガス拡散層と水蒸気の相互作用についてその表面幾何構造の影響及び水蒸気吸着という 水分子 をプローブとするミクロな視点からの検討を行った 試料として PAN 系炭素繊維をベースとした 2 種類の未処理 GDL 用 non-woven Carbon Paper を用いた それぞれ GDL-1 と GDL-2 とする さらに GDL-2 に対し PTFE を重量比 5wt% で分散し 撥水処理したもの (GDL-2P),GDL-2P の片面に MPL を塗布したもの 19

22 (GDL-2PM) を用いた 77K における窒素吸着測定と水銀ポロシメトリ (CE Instruments Pascal140, 240) を併用して 10nm~100μm の細孔径分布測定を行った その結果を図 2-17 に示す 図より全ての GDL でその細孔径の最大頻度分布は 50μm 以上であることがわかる また GDL-2PM では 0.1μm 以下に小さなピークが認められる これは前述の窒素吸着から解析した細孔分布の最大ピーク値と一致する すなわちこの領域は MPL の細孔分布を表している さらに GDL-2 については約 1μm 付近に顕著なピークが認めら図 2-17 細孔分布れる このピークは小さいものの GDL-2P,GDL-2PM でも存在することが確かめられた ( 図 2-17 内拡大図 ) しかし GDL-1 ではこの付近にピークは認められず GDL-2 シリーズに特有のものであることがわかった 次に GDL Carbon Paper と水蒸気の相互作用を検討するために 333K [60 ] での水蒸気吸着量を測定した ( 日本ベル 社製 BELSORP18 Plus) また 一部の試料については 323K [50 ] での水蒸気吸着測定を行い 333K における結果と併せて Clausius-Clapayron 式による等量吸着熱解析を試みた 図 2-18 に本試験で用いた GDL に対する 60 での水蒸気吸着等温線を示す GDL-1 では飽和蒸気圧付近まで水蒸気が吸着せず 飽和蒸気圧付近での最大吸着量も少ない ( 縦軸右 ) 一方 GDL-2 シリーズはいずれの試料も P/P 0 =0.4 付近から水蒸気が吸着し始め 蒸気圧圧力を低下させて測定する脱着曲線は吸着曲線と異なるヒステリシスを示す このヒステリシス現象については現在検討中であり詳細な議論は出来ないが PTFE 図 2-18 水蒸気等温吸着曲線や MPL の有無に関わらず生じていることから GDL の構造そのものを反映していると考えられる 炭素系材料への水蒸気吸着は一般に表面含酸素官能基への吸着と考えられているが本研究で用いた GDL-1,GDL-2 のいずれも EDX で観察すると O1s Kαに由来するスペクトルが得られ SEM 画像にマッピングを行うと GDL 表面全体に酸素元素の存在が確認される したがってこの表面酸素へ水蒸気が吸着しているのではないと結論できる 言い換えると GLD-2 シリーズの水蒸気吸着はその表面構造によるものと考えられる これについて水銀ポロシメトリの細孔径分布と併せて検討すると GDL-2 シリーズにはいずれの試料も 1μm 付近に特有のピークが存在している すなわちこの 2 つの結果より 1μm 付近の細孔が水蒸気吸着に関与していることが示唆される 20

23 GDL-1 及びGDL-2の水蒸気吸着等温線の最大吸着量と水銀ポロシメトリより得られたそれぞれの細孔容量を下表に示す 標準状態の 水蒸気 吸着量は水銀ポロシメトリから得られた細孔容量より大きくこれより 蒸気 としては各 GDL の細孔内に存在できないことがわかる したがって GDL 表面に吸着した H 2 Oは蒸気ではなく 液体 として存在することが推察される このことをさらに検討するために GDL-2 に対し 323K [50 ] での水蒸気吸着を実施し, 等量吸着熱を算出して検討を行った 図 2-19 にその結果を示す 図 2-19 吸着熱の吸着量依存性吸着熱の算出値は概ね 40kJ/mol であり 水の蒸発熱 40.6kJ/mol(100 1atm) に近く この結果からも吸着した水蒸気は液体として挙動することが判明した 材料表面における水挙動観察法の確立材料表面での親疎水性の定量的評価は 一般に接触角測定によりなされている 測定は一般に ミリメートルオーダーの比較的マクロなサイズの領域 (1mm 程度 ) でなされているが 接触角は物質によって決まる化学的性質だけでなく物理的 ( 形状的 ) 因子の影響を大きく受ける 例えば GDL(gas diffusion layer) 用のカーボンペーパーでは カーボンファイバーが 微小構造を形成しておりその細孔径は最大 100 μ m 程度である GDL 中の F 原子 (PTFE) の分布には偏りがあるなど マクロな液滴で測定された接触角は 移動する液体の挙動を評価する指標としては完全であるとは言い難い 本研究は 上記の問題をふまえ 燃料電池セル中の水の挙動を定性的 定量的両面からの評価を試みた 本年度は 対象を GDL 用カーボンペーパーに絞り 共焦点レーザー顕微鏡法および微小領域の接触角測定の二つの実験手法を検討したここでは接触角測定を説明する 接触角測定は 静的液滴法 (sessile drop 法 ) により測定した 測定には Kruss 製 DSA100 自動接触角計を使用した 液滴の作成には マイクロシリンジを使用した また 微小領域の接触角測定では ピエゾ素子を利用して試料表面に直接液滴を形成させた 測定に使用した液滴のサイズは マイクロシリンジではμl ピエゾ素子では 数 100plオーダーであった 本報告中での実験では T 社製カーボンペーパーを使用した 21

24 図 2-20 に 接触角の液滴サイズ依存性を示す 図の横軸は体積および液滴と GDL の接触長さを示している 図に示すように カーボンファイバーの構造 (~100 µm) より十分に大きな液滴の場合には 液滴のサイズ依存性は実質的に見られなかった ピエゾ素子を利用した微小領域の接触角測定の結果を図 2-21 に示す 液滴は (I) 430, (II) 260, 図 2-20 接触角の液滴サイズ依存性 (III) 190, および (IV) 165 μm で変化させた 図に示したように 接触角に液滴のサイズ依存性が見られた 個々の測定のばらつきは小さいことから 依存性自体は有意であると考えられる その理由として 構造の影響が大きくなったのか 材料本来の特性に近づいたのか 現状では判断できない また 極めて微小な液滴の場合 蒸発や図 2-21 接触角の液滴サイズ依存性 2 カーボンペーパー内部への浸透により体積が減少するので 測定される接触角は動的接触角 ( 後退角 ) になる可能性がある ( 例えば III や IV) 以上より 改善の余地はあるものの カーボンペーパーを構成するファイバー径もしくは孔径と同程度のサイズの液滴で接触角を測定することにより 材料の微小構造の評価に利用できる可能性が示された 本測定系に 環境温度 湿度制御機能の折込を図ったが難航し計画の遅れをきたした 平成 19 年度は研究工数を増し より微小な領域の接触角測定やセル運転環境に近いと考えられる表面に水 ( 分子 ) が吸着している条件下での接触角の測定を予定している 参考文献 : (1)Satija et al. Journal of Power Sources 2004, 129, (2)Tsushima et al.,electrochemical and Solid State Letters 2004, 7, A269-A272. (3)Sinha, P. K.; Halleck, P.; Wang, C. Y. Electrochemical and Solid State Letters 2006, 9, A344-A ゼータ電位による固体表面評価法の確立固体高分子形燃料電池 (PEFC) の界面物質移動現象を明らかにするためには 濡れた状態の固体表面を詳細に評価する必要がある ゼータ電位は濡れた表面を評価することができる数少ない評価法の一つであるが これまで報告されている測定精度は低く詳細な評価に用いることはできなかった 今回 データのバラツキの原因 22

25 を明らかにするとともに測定方法を詳細に検討し 測定精度を一桁以上向上させることに成功した そして確立した方法を用い 水溶液中での固体表面評価法の検討をおこなった 図 に 1mmol の HCl と NaOH 水溶液で ph 調整したアルミナのゼータ電位と 1mmol の H 2 SO 4 と NaOH 水溶液で ph 調整したアルミナのゼータ電位を示す 図から 硫酸を用いた場合 ph が低くなるに従って ( 硫酸イオンが多くなるに従って ) 塩酸に比してゼータ電位が小さくなっている 図 2-22 アルミナのゼータ電位 (ph 依存性 ) これは 硫酸イオンがアルミナ表面に吸着したためであり ゼータ電位測定により イオンの吸着を調べることが可能であることが分かる 次いで 炭素材料の検討を行った 炭素材料のゼータ電位は表面に存在する酸性官能基がアルカリ側で解離することにより生ずるとされている 従って 一般に酸性側でゼロでアルカリ側で負の値を示す 実際の測定結果も酸性水溶液中では大きな変化が認められなかった 以上のことより 本技術は燃料電池関連技術への展開は困難と判断し 検討を断念することとした MEGA 内の歪と物質移動現象の解明電解質膜と GDL に関する機械的性質の測定を通じて MEA 内における歪みの評価方法を見出すべく研究を行った これは内部の体積変化による歪みの発生で物質移動にどのような影響が及ぶか その相関性の解明するものである 更に将来的にはシミュレーションを用いた3 次元モデルで視覚化を行う足がかりと考えている 図 2-23 に電解質膜に関する測定事例を示す 電解質膜は温度上昇に対して殆ど膨張せずそれに対して 80%RH, 80 の安定条件下では約 30 分間連続して伸長し 湿度だけ落とすとすぐに伸長は Load / N, Displacement / mm time/s 止まった 最大変位は 22 mm(28%) であり 熱膨張の寄与は湿度伸長より大きく下回ることがわかった. 一方 歪量の測定に難航し 評価実験を中断し対応策の検討を進めた結果 セン Load / N Displacement / mm Relative Humidity Load Relative Humidity / %RH Temp. inside of Vessel / ÞC 120 Displacement Temp. inside of Vessel 図 2-23 歪量測定結果の一例 Relative Himidity / %RH, Temp inside of bessel / ÞC 23

26 サーの変更で解決する見通しとなった 平成 19 年度は研究者投入で回復計画 カーボン樹脂モールドセパレータ材の機械的特性劣化の解析 固体高分子形燃料電池 (PEFC) の基幹部品であるセパレータには プロトン (H + ) 導伝型の固体高分子膜の場合 セル内の雰囲気は 非常に強い酸性となっているため セパレータとして使用される材料は耐酸性のある材料に制限される PEFC 用セパレータ材料としては サブミクロンからミクロンオーダーのカーボン ( 黒鉛 ) 粉末と樹脂の複合材料をプレス成型あるいは射出成型によって作製するカーボン樹脂モールドセパレータが生産されている このタイプは 加工速度を速めて 生産性を高めて 大幅なコストダウンを狙えるところまで結果の整理方法の検討と統計的解析を行い 発電作動環境がセパレータ材の機械的強度に及ぼす影響から材料の耐久性を評価するための検討を行った さらに 発電作動環境における破壊靭性値の測定を行い 破壊メカニズムの解明および強度劣化の加速試験としての妥当性評価 を試みた 曲げ試験に及ぼす試験温度の影響図 2-24 に異なったクロスヘッドスピードで試験したセパレータ材の曲げ試験における応力 - 歪曲線の試験温度依存性を示す 供試材の室温における曲げ強度の平均値は約 50 MPa 弾性率は 16 GPa であった クロスヘッドスピードが 0.2 mm/min のとき 曲げ強度および弾性率は 試験温度の上昇とともに低下する傾向が観察された (a) 他方 クロスヘッドスピードが mm/min のときもまた 曲げ強度は測定温度が高くなるにつれて減少するが 応力 - 歪曲線の初期勾配は測定温度の上昇ともに大きくなり 非線形な変形が観察された (b) 変形速度が遅いとき 測定温度の上昇とともに初期勾配が大きくなる現象は 高分子材料 Stress (MPa) Stress (MPa) Crosshead speed: 0.2 mm/min 60 RT 50 a 90 C C Strain x 10 3 (-) Crosshead speed: mm/min RT 90 C 120 C Strain x 10 3 (-) 図 2-24 S-S 特性図 の変形で見られるエントロピー弾性が生じていると考えられたが 供試材に起因するだけでなく試験装置にも依存する可能性があることがわかった b 24

27 曲げ強度の Weibull 統計図 2-25 には 試験温度が室温および 120 ときの強度分布の Weibull 統計プロットを示す 室温で 0.2mm/min のクロス 2 ヘッドスピードの Weibull 係数 (modulus) o mm/min であり このような黒鉛粉末と熱硬化 1 mm/min modulus = 14 性樹脂の複合材料においては比較的高い modulus 0 = 17 数値を示していると感じた -1 そして 室温の試験ではクロスヘッドスピードを mm/min と遅くしても mm/min modulus = 16 強度分布には影響が無いことが示されて -3 いる ln (σ) 図 2-25 ワイブルプロット 0.2 mm/min modulus = まとめカーボン樹脂モールドセパレータ材の機械強度における発電作動環境の劣化を調べるために 試験温度を室温 90 および 120 で クロスヘッドスピードを変化させた曲げ試験を行った その結果 セパレータ材の曲げ強度は 試験温度が高くなると低下するだけでなく 曲げ試験のクロスヘッドスピードが遅くなるとさらに低下した この強度低下は 試験時間が長時間に及ぶので腐食環境下に暴露している時間が長く そしてさらに材料にストレスが負荷されているために腐食が加速したために引き起こされたと考えられる ln(ln (1/(1-F))) c) 電解質材料の革新的性能向上とコストポテンシャル向上 燃料電池の基幹材料である電解質 ( 電解質膜 触媒層電解質 ) においては廉価でパフォーマンスの高い材料開発が急務であるにも関わらず 現状では高コストの電解質材料であっても 実用化のための条件を満たしているとは言い難い すなわち電解質材料は 耐久性はもちろんのこと 高プロトン伝導とガス透過 / 遮断性を幅広い温度域 (-40 ~100 ) かつ低湿度で実現することが要求されている 高温用炭化水素系電解質材料はどこまで性能が上がるのか? 電解質ポリマの高次構造はどのようになっているのか? 直接見えるのか? プロトンやガスはどこを通るのか? など 革新的性能向上に向けてこの難題を解決するために プロトン 水 各種ガス ( 水素 酸素 窒素等 ) 更には触媒層で生成する反応物等の移動速度を実作動環境に即した雰囲気で正確に計測し 電解質材料の構造 ( 化学構造 界面構造 高次構造 ) との関係を明らかにすることに挑戦する 25

28 1 電解質構造と物質移動測定手法の確立 ナノメートルスケールの高次構造観察は燃料電池界での長年の課題であり 電子顕微鏡がこれまで用いられたために in situ 測定は困難であった 本事業では 新たに改造を加えた環境制御型原子間力顕微鏡を駆使して 実作動環境を想定した温度および湿度環境に対する電解質材料の表面構造の変化をナノメートルスケールで精緻に解析する 1-1. 電解質構造観察技術の確立キャラクタリゼーションの一手法として原子間力顕微鏡 (AFM) による表面観察を試みた AFM は温度や湿度といった測定環境を変化させながらその場で観察することができ 電解質膜表面の熱 湿度環境への応答を知る上で有用な観察手法であると考えられる AFM 観察には日本電子株式会社製の走査プローブ顕微鏡 JSPM-5400 を用い nanosensors 製カンチレバータッピングモードでの観察を行った 本装置には加熱用ステージと湿度調整用の外部加湿装置ならびに加湿セルを装着し 試料温度 20~80 露点温度-20~65 図 2-26 AFM 装置での観察を可能としている 電解質膜は市販の NafionNRE212(DuPont 社製 ) をそのまま使用した なお NRE212 はポリマー分散液からキャストされた膜 (dispersion casting membrane) である また比較用として Nafion の 20% 分散液 (DE2021 DuPont 社製 ) を PET フィルム上に流延し 1hr 風乾後に 100 で 10min 加熱乾燥しキャスト膜を作製した 図 2-26 に NafionNRE212 膜の表面 AFM 像を示す 像はいずれも表面形状像 ( 高さ像 ) で 明るい部分が高い領域である NRE212 膜は一種の溶液製膜品であるため その表面形態は表裏で異なると予想されたが AFM 像からは両表面の違いが明確に観察された 図中 (a)( 以下 表面 A) が比較的平滑で細かな粒子状の構造がはっきりと確認できるのに対して (b)( 以下 表面 B) では大きな溝状の凹凸が存在し 表面の粒子も表面 A より大きく不定形であった (a) (b) 図 2-27 ナフィオン AFM 像 (a) 表面 (b) 裏面 26

29 次いで NafionNRE212 膜を乾燥雰囲気下で 30 から 80 まで昇温し その後常温まで冷却した際の表面形状の変化を観察した ( 表面 B のみ ) 60 まではほとんど表面構造の変化は確認できないが 70 から表面の粒子状の構造が微細化していくことがわかった またこの形状変化は不可逆的であり 80 までの昇温後に 30 まで徐冷しても完全には元の構造に戻らず 微細化した構造が保持されることが確認された こうした表面の挙動から Nafion 表面では 70 程度からポリマー鎖の分子運動が活発化していることがうかがえる 一般にのガラス転移温度 Tg は 90 程度といわれているが 表面ではそれよりさらに低い温度領域に Tg が存在しているものと考えられる 次いで 湿度変化に対する表面挙動を検討した AC モード AFM の位相像は観察対象の表面における 硬さ の違いを反映するものとして活用されている 特に PEM の研究では表面におけるイオンクラスターの観察に興味がもたれている 図 2-28 は 20 50%RH の環境から徐々に乾燥雰囲気に変えていった際の NRE212 膜表面 ( 表面 A) の位相像の変化を追ったものである 図中の暗い部分が位相遅れの大きな領域であり一般的には柔らかさを反映している 50%RH 25%RH 5%RH 図 2-28 ナフィオン AFM 像図から明らかなように 50%RH では表面の大部分を暗い領域が覆っていたものが 乾燥とともに暗部は減少していき 5%RH まで乾燥させるとほとんど消失した また それぞれの位相像と対応する表面形状像を比較すると 暗部は表面の粒子状の構造の間隙を埋めるように存在していた すなわち この膜表面において粒子状の構造はパーフルオロカーボン骨格由来の疎水領域であり 粒子間に挟まれるように親水部が偏在しているのではないかと考えられる 一方 表面 B に関しては表面 A のような特徴は認められず 表面の親水疎水領域分布を明確に特徴づけるには至っていない 以上の様に AFM を用いた市販 Nafion 膜の表面観察を行い プロセス由来の表面構造の違いを明らかにした また熱 湿度による表面状態の変化を追跡可能であることを確認した 平成 19 年度は 他の電解質膜についても観察をおこない 表面形態に関する情報とガス 水といった物質移動特性や機械物性との関連を解明していく計画 27

30 参考文献 : 1)Product information sheets available on DuPont s web site ( 2)McLean, R. S.; Doyle, M.; Sauer, B. B. Macromolecules 2000, 33, 電解質材料のガス相互拡散競合拡散挙動の解明 電解質材料の吸水率や伝導度 ガス透過率は電池運転におけるきわめて重要な特性であるため 正確かつ実作動環境に即した測定によって評価することが必須となる 燃料電池ではアノード側から水素 カソード側から空気 ( 酸素 ) が供給され これに加えて 水や副生成物が生成するために 複雑な相互拡散や競合拡散によって物質は電解質材料内を移動する 物質移動の中でもガス ( 燃料 ) の移動は 反応場である触媒層電解質とアノードとカソードを隔てている電解質膜では相反する特性が求められる すなわち触媒層電解質においては反応の効率化のために高い透過性 ( 拡散性 ) が要求され 一方 プロトン伝導を担う電解質膜においてはクロスリークを防ぐためにガスの遮断性が要求される 電解質材料のガス透過率は種々の方法によって測定されており 燃料電池の研究においては電気化学的手法によって酸素の拡散定数を見積もる方法が広く利用されている 本件急では 実存状態を模擬できる系でのガス透過率を測定するためにガスクロマトグラフィ法を用いて検討することとした 特に ガスの相互拡散 競合拡散性を評価するために 電解質材料の両面から透過してきたガスをガスクロマトグラフィによって検出できるようにし さらに一定の温度 (-30~80 o C) 下での乾燥ガスあるいは加湿ガスの透過挙動から相互拡散 競合拡散性を評価することを試みた 図 2-32 に模式図を示す Our system Test gas A Carrier gas [A] Test gas A [B] [C] [A] Test gas B Test gas C Temperature(20~80 o C) Humidity(~95%RH) Temperature( 20~80 o C) Humidity(~95%RH) 図 2-31 ガス透過率測定装置 図 2-32 測定概念図 温度を 80 一定にし 水素 窒素ガス側をそれぞれ加湿した場合の透過係数の変化を図 2-33 に示す 片面加湿測定の結果から 加湿側ガスの透過率は湿度の上昇とともに増加傾向にあるが 一方の片側の未加湿 ( 乾燥 ) ガスは 加湿の影響を受けずにある湿度で ( 加湿側ガスの湿度基準 ) ほぼ一定と 28

31 なることが分かった これは 加湿側ガスの溶解度の上昇が透過率の増加につながったものと考えられる 一方同時に検出している未加湿側 ( 乾燥 ) のガスが ほぼ一定となっているのは 片側 ( 加湿側 ) の水蒸気透過による対向ガスの拡散の阻害が原因ではないかと推察する 電解質膜内のガスが透過できる空孔を水 ( 加湿による水分 ) が占有し 対向ガスの透過率が減少したものと考えられる 温度を-20 o Cから80 o C まで変化させた時の水素 酸素ガスの透過係数の変化 ( 乾燥状態 ) を アレニウスプロットしたものを図 2-34 に示す 水素および酸素ガスの透過係数の対数は絶対温度の逆数に対して直線的に変化している すなわちガスの透過に対する活性化エネルギーが一定であることを示している これは乾燥状態において 互いのガスが相互作用することなく電解質膜を透過しており 熱拡散が支配的であることを示している また この温度範囲では 1.0 x x 10-9 H 2 H 2 (humidified)-n 2 (dry) N 2 H 2 (dry)-n 2 (humidified) 1.0 x Relative humidity (%) 電解質膜の構造変化に伴う膜内の空孔サイズ サイズ分布には大きな変化がないと考えられる 以上の検討から 相互に透過してきたガスをガスクロマトグラフィによって検出できることが分かった 特に水素 酸素 ( 空気 ) ガスの透過率を温度 湿度を制御した雰囲気下で同時計測することは燃料電池の動作環境を想定する上で重要であり この環境下での相互拡散 競合拡散を電解質膜の構造変化と対応させて考察することが今後の課題である 温度 湿度の影響に加えて圧力も考慮すべきパラメーターである 今回はフッ素系電解質膜の透過率測定について報告を行ったが 炭化水素系電解質膜でも同様の調査を行っていく必要がある また電解質膜だけでなく 触媒層電解質でのガス拡散挙動は反応場の空間 反応効率を考察する上で重要であり 本手法を用いて触媒層電解質の透過率を測定する技術を開発することも平成 19 年度の重要な課題である Permeability coefficient (cc.cm/cm. cm/cm 2.sec.cmHg) 2. cmhg) Permeability coefficient (cc.cm/cm 2. sec.cmhg) E-08 x E-09 x E-10 x E-11 x 図 2-33 加湿時の透過率変化 H 2 O 2 R 2 =0.994 R 2 = R 2 =0.999 R 2 = E-12 x T -1 (K) 図 2-34 透過率の温度依存性 参考文献 : 1)Shyam S. Kocha, J. Deliang Yang, Jung S. Yi. AIChE Journal 2006, 52, )Yeo RS, McBreen J. J Electrochem Soc. 1979,126, )Sakai T, Takenaka H, Torikai E. G. J Electrochem Soc. 1986, 133, ) Broka K, Ekdunge P. J Appl Electrochem. 1997, 27,

32 1-3. 電解質材料の化学的反応 耐久性の解析 高分子電解質材料の化学的 / 機械的耐久性は燃料電池の運転時間 ( 寿命 ) を左右する重要な因子である 電解質材料は燃料電池の発電時に生成する副生成物である過酸化水素およびそのラジカル種によって化学的に劣化してゆくことがこれまでの研究で報告されている しかしながら その副生成物生成の起源および劣化のメカニズムは明らかとなっていない このため ラジカル等の攻撃種と電解質材料の素反応から化学構造 分子量の変化を速度論的に追跡し 実作動状態の耐久性が予測できるような信頼できる化学的耐久性の評価法確立が求められており 本研究ではこの化学的耐久性の評価法を確立することにトライした 電解質材料の耐久性を評価する方法として 金属イオン存在下での過酸化水素溶液中におけるフェントン試験が簡便なために広く利用されている 2) 本研究では最初のステップとして フェントン試験による末端処理されたフッ素系電解質膜および未処理のフッ素系電解質膜の化学的耐久性の調査 末端基の異なる低分子系脂肪族フッ素化合物のフェントン試験による化学的耐久性の比較を通じて フェントン試験の電解質材料に対する耐久性評価試験の妥当性を検討した Fluoride ion from N117(mg) N Fluoride ion from N117-CS(mg) Tme(hour) 図 2-35 フェントン試験の時間依存性 ナフィオン 117( 以下 N117) とナフィオン 117-CS( 以下 N117-CS) のフェントン耐久試験のテ ータを図 2-35 に示した N117 のテ ータは同時に耐久試験を行った 3 枚の膜の平均値を表したものだが FeCl 2 水溶液への浸漬を 1 日から 1 週間に変更し 溶液中にも微量の FeCl 2 水溶液を添加しても膜によるフッ化物イオンの解析結果にはばらつきが見られた N117-CS においては N117 と比較すると分解速度が非常に遅いことから N117 に比べてより安定な構造であることが確認された 未処理のナフィオンにはカルボン酸末端基を持つものが含まれていることが報告されており安定化処理されたものはカルボン酸末端がフッ素ガスで処理され-COF あるいは-CF 3 に変換されているためにラジカル種の攻撃に対して安定で化学的耐久性にこのような違いが見られたと考えられる フェントン試験ではカルボン酸基との反応性が高いことが分かったが 実際の電池 30

33 運転においてはスルホン酸基も分解してゆくことが考えられ フェントン試験のみからでは 実際の化学的反応性を再現できないと考えられる また 過酸化水素と鉄イオンをベースにしたフェントン反応はヒドロキシラジカル (. OH) 等のラジカル種を生成させることはできるが 反応が多岐に渡っており 寿命の短いラジカル種の生成量の制御は困難である フェントン反応によらないラジカル種の生成法と生成量 ( 濃度 ) の制御法を検討する必要があり ラジカル種のターゲットを限定し その素反応を基に化学構造変化と分子量変化を追跡していく系の構築が今後の課題である 予備検討の結果 気相法の適用が良好であったことから 平成 19 年度は気相法を適用し 評価を促進する計画 2 電解質構造と物質移動現象の関連性の解明高いコストポテンシャルとまた高性能を目指しての 産業界における新規電解質開発に対して 革新的な開発指針を提示するためには 電解質の持つ高次構造と物質移動現象との関連性を精緻に解明する必要がある 本研究は各種の物理的 化学的手法を駆使して 本質に迫ろうと挑戦するものである 2-1. NMR による高分子膜中の水 プロトン挙動の解析 本研究では 固体高分子膜を通過するプロトンおよび水の挙動について調べる目的で 核磁気共鳴 (NMR) 装置を用いた検討を行う 平成 18 年度は情報調査と それに基づく装置仕様の検討 装置導入に注力した 図 2-36 に導入した NMR 装置を示した 以下に調査結果をまとめる 図 2-36 NMR 装置 1) 拡散係数測定 NMR は非破壊 非侵食で材料の分析が可能なため さまざまな分野に適用されている優れた分析手法である 試料の形態や手法はさまざまであるが ここでは磁場勾配のオプションを使用した 拡散係数の見積もりを行うこととした 固体高分子膜中に存在する水分およびプロトンを対象とし 高分子材料もしくは環境 ( 温度 湿度 電場 ) が変化した場合の応答について詳しく調べる予定である 拡散係数測定の原理を以下に記す 通常 NMR 測定を行う場合は均一な強磁場中に試料を置く このとき 例えばスピン量子数 =1/2( 状態数が 2) の原子核のエネルギー準位は 2 つに分裂し このエネルギー差に相当するラジオ波の照射を行うことにより 原子核の共鳴現象が生起する この応答を観測するのが通常の NMR 31

34 測定である これに加えて勾配磁場を用いることにより 通常の励起 - 緩和過程の観測から得られる以外の情報が得られる すなわち 意図的な勾配磁場中での核スピンの挙動を調べることにより 位置情報を得る 拡散係数測定では 分子の動きをピーク強度の減衰として観測することによって 拡散係数を導出する 2) 緩和時間測定強磁場中に置かれた物質中の核はエネルギーを受けて共鳴 ( 励起 ) されたあと 緩和する この緩和はさまざまなプロセスを経て進行し 多くの要因が関与するが 観測する緩和挙動を適切に選択することによって 観測している原子核を含む分子の運動性に関する情報を得ることができる 本研究では プロトン核 炭素核の緩和挙動の検討により 膜中に存在する水の運動性評価 ならびに高分子鎖の変化について詳細に分析する予定である 緩和挙動の観測の中でも緩和時間測定が良く用いられる手法であり 1 H( プロトン )NMR におけるスピン-スピン格子緩和の測定によって 運動を制限された水分子 ( 低温の場合 凍った状態 ) と 自由に運動する水分子 とを区別することが可能である こういったデータは示差熱分析 (DSC) など 他の手法で得られる情報と比較検討することができ 高分子膜における水挙動の解析にも適用されている 平成 19 年度は 多様な燃料電池動作条件 ( 低温もしくは高温高湿 ) における測定や 過渡的測定の課題に取り組む予定である 4. 成果の事業化 波及効果 4-1 事業共通の成果 (1) 研究基盤整備研究テーマに合致したスキルとレベルを有する研究者を 公募 人脈を利した探索等の工夫を重ね 計画に少し足りないものの 優秀な研究者ならびに研究補助者を随時採用することが出来た 表 1 スタッフ数 項目 運営スタッフ チーム長 & 研究員 研究補助者 顧問 & 協力研究員 実習生 事務アシスタント 平成 17 年度 平成 18 年度 総計 各研究チーム長は 具体的な研究計画にのっとり 研究用主要装置の仕様固め研究装置の導入を進めた 既存技術の延長では要求仕様を満足出来ないものが大半であるため装置メーカーとの協議をし とりわけ想定仕様と現状性能との乖離が大きい装置に関しては 共同研究契約あるいは機密保持契約を踏まえての連携開発作業を進めた また 平成 17 年 7 月以降 FC-Cubic に不足している研究領域のカバーを目的とし 32

35 て 大学の有力研究室ならびに研究機関 ( 企業研究所含む ) を訪問し 共同研究の提案を行った 平成 18 年度末時点に於ける 共同研究契約等及び秘密保持契約は以下のとおり 共同研究等 1 非線形光学効果の触媒反応解析への適用技術北海道大学大学院理学研究院化学部門教授魚崎浩平 2 結晶形状を制御したナノ粒子作製技術北陸先端科学技術大学院マテリアルサイエンス研究科教授三宅幹夫 3 任意の重合形態を有する電解質ポリマーの合成上智大学理工学部物質生命理工学科教授陸川正弘 4 ロスアラモス国立研究所および新エネルギー 産業技術総合開発機構燃料電池 水素技術開発部との覚書締結 Los Alamos National Laboratory, Institute for Hydrogen and Fuel Cell Research 新エネルギー 産業技術総合開発機構燃料電池 水素技術開発部 5 固体高分子形燃料電池の炭素部材に関わる共同研究 企業 A 社 7 固体高分子形燃料電池の電解質膜の基盤要素技術に関する研究 企業 B 社 8 企業 C 社 ( 秘密保持契約により情報の掲載不可 ) 秘密保持契約 企業 9 社 (2) 人材育成学会中心の活動であった研究員を FC-Cubic の活動の特徴でもある産業界との連携を生かし 日常の研究活動において企業技術者との交流や産業界への成果展開 ニーズ課題の優先度をどの様に処理するのかなど まさに 産業界とサイエンスの橋渡しをする人材の育成を On the Job Training で行っている FC-Cubicの研究員は増加の一途ではあるが このような中 平成 18 年度に特別研究員 ( ポスドク ) を佐賀県に送り出すことが出来た 佐賀県において 産業界のニーズを組み入れながら科学研究に活躍を期待している状況である (3) 研究活動本研究事業はゼロベースからのスタートであり 研究を実施するための環境整備等が平成 17 年度 ~ 平成 18 年度前半までの活動の中心であった 平成 18 年度後半か 33

36 らは徐々に成果を生み出している 表 2 共通成果指標の一覧 項目 報告書 学会発表 論文数 特許 招待講演 平成 17 年度 平成 18 年度 詳細は別紙リスト参照 (4) セミナー ワークショップ等 FC-Cubicは随時自主的なセミナー ワークショップを主催し 本事業の研究成果の速報的発信に努めている また 産業界 学界との情報共有を図るためのセミナーやワークショップを主催し 最新情報の共有化と普及とを行なっている セミナー 平成 17 年度 1 第 1 回イブニングセミナー 10 月 17 日 ( 内部講師のみ ) 参加者 :33 名 10 社 1 機関 2 第 2 回イブニングセミナー 11 月 22 日 ( 内部講師のみ ) 参加者 :29 名 11 社 2 機関 3 第 1 回 FC-Cubicセミナー 12 月 2 日 ( 含む外部講師 ) 参加者 :17 名 9 社 2 機関 4 第 3 回イブニングセミナー 1 月 26 日 ( 内部講師のみ ) 参加者 :31 名 11 社 2 機関 平成 18 年度 5 第 4 回イブニングセミナー 5 月 31 日 ( 内部講師のみ ) 参加者 :39 名 13 社 1 機関 6 第 5 回イブニングセミナー 8 月 8 日 ( 内部講師のみ ) 参加者 :48 名 16 社 2 機関 7 第 6 回イブニングセミナー 10 月 5 日 ( 内部講師のみ ) 参加者 :46 名 16 社 1 機関 8 第 7 回イブニングセミナー 1 月 17 日 ( 内部講師のみ ) 参加者 :45 名 10 社 3 機関 9 第 2 回 FC-Cubicセミナー 3 月 13 日 ( 含む外部講師 ) 参加者 :54 名 20 社 4 機関 ワークショップ 平成 17 年度 1 第 1 回 FC-Cubicワークショップ 3 月 2 日参加者 :93 名 46 社 8 機関 34

37 平成 18 年度 2 第 2 回 FC-Cubicワークショップ 2 月 6 日参加者 :103 名 57 社 18 機関 技術交流 平成 17 年度 1PEFC Workshop, International Partnership for Hydrogen Economy 6 月 1 日 ~3 日 於ベルギー国モル 2ドイツ国調査団 9 月 12 日 於 AIST 臨海副都心センター 3アメリカ合衆国ロスアラモス国立研究所 1 月 24 日 於 AIST 臨海副都心センター 4アメリカ合衆国オークリッジ国立研究所 1 月 24 日 於 AIST 臨海副都心センター 平成 18 年度 5アメリカ合衆国ロスアラモス国立研究所 ~FC-Cubic ワークショップ 8 月 27 日 ~31 日 於アメリカ合衆国サンタフェ 6イタリア国ローマ大学 12 月 5 日 於 AIST 臨海副都心センター 7イギリス国インペリアル大学 12 月 6 日 於 AIST 臨海副都心センター 8アメリカ合衆国ロスアラモス国立研究所 2 月 6 日 於 AIST 臨海副都心センター 9フランス国国立研究機構 3 月 1 日 於 AIST 臨海副都心センター 4-2 研究成果の波及効果及び事業化に向けた取組み本事業は製品開発を見据えた基盤研究であり 研究成果は固体高分子形燃料電池の性能を飛躍的に向上させるための 革新的技術発展を推進する指針 として企業の製品開発の礎となる 更に 企業における研究課題の設定及び基盤的技術に対するニーズは社会的情勢や実用化研究の進捗により変化するため 産業界との密接な連携が必要 このため 産業界とりまとめ役である FCCJ や関連する研究開発事業との連携を強化することが重要である 具体的には a) 電極触媒の革新的性能向上とコストポテンシャル向上 何故白金でなければならないのか? 反応はどの様に進むのか? 触媒はどの様に振舞うのか? 担体の役割は? 白金の溶解はどうすれば抑制できるか? などの疑問を紐解くところの本研究成果は 触媒メーカーや触媒研究機関の研究あるいは先行開発 35

38 の最前線に展開され その後の製品化 実用化を経て 自動車用システムについてはトータル数グラムの白金使用量実現 理想的には脱白金化による革新的な低コスト化と 合わせて触媒の性能 耐久性向上を満足する革新的技術開発に繋がり 延いては固体高分子形燃料電池の高性能化 耐久性向上 コストダウンを実現するものである b) セル構成要素と界面物質移動の相互作用 生成した水は水蒸気か? 液体水は何処で生じるのか? 酸素の移動経路はどこか? などを科学的に解明する本研究成果は 燃料電池システムメーカーあるいは関連部材メーカーの基礎先行開発に展開され 電極触媒層及びガス拡散層の水管理ならびに熱管理に関する革新的技術の開発さらには関連構成材料の性能向上に繋がり 最終的には 燃料電池の高温 (100 以上 ) 運転性や大幅な小型化などを実現するものである c) 電解質膜の革新的性能向上とコストポテンシャル向上 含水状態の電解質ポリマーの構造はどうなっているのか? プロトンやガスは何処を通っているのか? 高温用炭化水素系電解質材料はどこまで性能が上がるのか? など 革新的性能向上に向けての難解課題にアプローチする本研究成果は 電解質材料メーカーあるいは材料研究機関の基盤的研究や先行開発に結び付き その後の製品化 実用化を経て 自動車用システムについては 1,000 円 /m2 をしたまわる大幅な低コスト化と合わせて性能 耐久性向上を満足する革新的技術開発に繋がり 燃料電池システムの高温作動性向上 低温始動性能向上 耐久性向上 及びコストダウンを実現するものである 今後も引き続きセミナー ワークショップ等を中心とした研究成果の情報発信に努めるとともに 民間企業や大学 研究機関との共同研究等を積極的に推進していくことにより 早期の革新的技術の実用化を目指す 図 1に 本研究成果の波及効果の概念図を示す 燃料電池先端科学研究 ( プロジェクト ) プロジェクトの成果目標 目標達成までのシナリオ 1 電極触媒の革新的性能向上とコストポテンシャル向上 2 セル構成要素と界面物質移動の相互作用 3 電解質材料の革新的性能向上とコストポテンシャル向上 触媒表面電気化学反応探索手法の確立電極触媒構造と電気化学反応との関連性解明限界把握と打破指針の提案速度論的測定手法の確立移動現象の解明限界把握と打破指針の提案電解質構造と物質移動測定手法の確立電極質構造と物質移動現象との関連性解明限界把握と打破指針の提案 直接アウトカム ( 直接カスタマー ) 革新的触媒実用化 ( 触媒メーカー ) 電極触媒電解質テ ーターヘ ース ( 公開 ) 革新的スタック技術開発 ( 燃料電池メーカー ) 構成要素テ ーターヘ ース ( 公開 ) 革新的電解質材料実用化 ( 化学メーカー ) 間接アウトカム燃料電池自動車本格的普及固体高分子形燃料電池商品化定置形分散電源本格的普及 プロジェクトの目的 1 固体高分子形燃料電池アプリケーションの本格的普及 定置型 200K/kW 自動車 10k/kW 2 燃料電池技術次世代人材の育成将来像 環境問題 エネルキ セキュリティー 経済の持続的発展の同時成立 図 1 本研究成果の波及効果の概念 36

39 5. 研究マネージメント 体制 委託事業費 5-1 研究開発計画本事業は 設立時に定めた計画に大枠として沿いながら かつ経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー 新エネルギー部政策課燃料電池推進室の強力な指導と 産業界の窓口としての FCCJ ならびに主要企業との連携による計画の随時見直しを加え 推進している 図 2 は研究展開シナリオを示したものである 図 2 研究展開シナリオ 本事業では 事業全体を独立行政法人産業技術総合研究所固体高分子形燃料電池先端基盤研究センター ( 以下 FC-Cubic という ) が受託しており FC-Cubic の発足と同時に 研究センター長 副研究センター長 事務マネージャ 研究チーム長の所謂 運営コアーメンバー を外部からの招聘雇用 AIST 内の異動により確保し本事業を開始した 平成 17 年度は 運営コアメンバーを中心に活動を展開し AIST 臨海副都心センター本館内に約 1,000 平方メートルの実験室と居室とを新たに設置するとともに 平成 17 年度 ~ 平成 18 年度に掛けて 計測装置を中心とする各種の装置導入と 平成 18 年度に於いて 研究者の新規雇用等体制整備を図ってきた 研究体制整備と並行して 上記全体計画の見直しと合わせ 確保した研究者による具体的研究実施計画の肉付けが行なわれ その計画に基づき研究作業が進められている 図 3~6 に 全体ならびに各重点課題に関する研究実施シナリオを示す 37

40 図 3 全体の研究実施シナリオ 図 4 重点課題 燃料電池の基幹材料である電極触媒の革新的性能向上とコストポテンシャル向上 に関する研究実施シナリオ 38

41 図 5 重点課題 多層 ( 相 ) 界面を経ての物質移動現象の解明 に関する研究実施シナリオ 図 6 重点課題 燃料電池の基幹材料である電解質材料の革新的性能向上とコストポテンシャル向上 に関する研究実施シナリオ 39

42 5-2 研究開発実施者の実施体制 運営 (1) 事業体制図 7は 本事業の研究体制の概略を示したものである 同図に示す様に 本事業は 経済産業省の委託事業費を受けて FC-Cubic が実施しているものである 経済産業省 委託事業費 産業技術総合研究所 運営費交付金 固体高分子形燃料電池先端基盤研究センター FC-Cubic 助言 協力機関 北海道大学 北陸先端科学技術大学 上智大学 LANL,NEDO 燃料電池実用化推進協議会 企業 3 社 図 7 研究体制の概略 なお 研究を効率的に進めるために 研究組織を精鋭化するとともに 外力を活用する研究体制としている すなわち 計測装置開発やモデルサンプル合成は先端技術を保有する企業群と またモデルサンプル作成や特殊計測技術については 国内外大学 研究機関との共同研究もしくは連携により推進している 共同研究先は 慎重な協議を踏まえ選定し 実効をあげている また 大学や既存の研究グループでの研究体制は 電極触媒や電解質材料 さらには物質移動などの研究が各分野個別に行なわれている現状であるが FC-Cubic においては これらの各研究チームが大部屋に集合し ナレッジの融合が行なわれる仕組みづくりが取り入れられており 広範囲なイノベーションマネージメントが図られている 40

43 (2)FC-Cubic の研究組織図 8~9 に研究組織体制を示す 平成 17 年度は基盤を整えるための最少人員で立ち上がり 平成 18 年度に研究員の増員を図った 平成 17 年度 図 8 研究組織図 ( 平成 17 年度 ) 平成 18 年度 図 9 研究組織図 ( 平成 18 年度 ) 41

44 (3) 運営 a) 運営上の工夫 構成 コアメンバーの配置と担当を以下としている 研究センター長 : 研究センター運営の総括責任者副研究センター長 : 研究センター長の補佐研究スペース 安全 機密保持産総研内部との連携国内外連携 情報発信 収集事務マネージャ : 研究センター内マネージメントの事務案件遂行を担当 研究チームの配置を以下としている 触媒研究チーム界面物質移動研究チーム電解質研究チーム研究チーム長は これらの研究チームの運営と人材育成を担当しつつ 該当分野における国内外連携の実務責任者の役割を担っている 運営 研究センター長 副研究センター長 研究チーム長 研究員 事務マネージャは 居室を供にし 常に組織情報を共有することとしている 特に コアメンバーは机を接し 研究戦略をはじめとする研究センターマネージメントに関する迅速な意志決定を行っている ミッションの共有化基本的には 定例会議 ( コアメンバーと研究チーム長および事務 安全担当職員 ) での討論を通じてミッションの共有化を図っている AIST 内他研究ユニットとの連携明示的なプロジェクトから研究者個人レベルの研究協力まで 多くの連携を実施している 主なものは以下の通り ユビキタスエネルギー研究部門 計算科学研究部門 エネルギー技術研究部門 計測標準研究部門 ナノテクノロジー研究部門 b) 予算運営の工夫 努力本研究センターでは 予算は重点課題ごとに配分することはせずに 一括して管理している 予算使用に当たっては 研究計画にしたがって行っているが 研究センター長 副研究センター長 事務マネージャ 研究チーム長 事務スタッフが集まる週一回の定例会議で 研究方針 進捗状況 予算管理について討議を行いながら 予算執行を行っている 実験機器類の購入は原則的には研究チーム毎で行うが 研究チーム間共通で使えるよう この定例会議で調整を図りながら進めている 42

45 c) リスク管理 1 安全に関するリスク管理安全を全てに優先させる そのために 本研究センター独自の安全ハンドブックを作成し 研究員全員に常に携行し遵守させるよう 徹底 浸透を図っている 以下にこの中に記し 本研究センター独自に行っている安全対策のいくつかを記す 実験室ゾーンおよび各実験室に入室するときはカードで入室し 居室に対応する電子表示板を設け どこに誰がいるか確認できるようするとともに 個人センサーも持たせ 火災等危険時に逃げ遅れがいないかなど 常時監視している すべての実験室には酸素 水素 紫外線センサーを設置している 新規の装置には リスクアセスメント アクシデントテストを行った後 誰でも安全につかえるよう作業手順書を作成している 無人運転時は届出許可を受けてから行うこととし 実験室入り口に必要事項( 機種名 位置 遮断方法 緊急連絡先等 ) を記入した 実験機器無人運転中 の連絡表を貼っている 2 情報に関するリスク管理熾烈な開発競争の最中にある産業界から信頼されうる情報管理レベルを確立する そのために 主に下記各項を実施している 情報共有と機密情報管理を目的として構築した電子情報管理システムの運用と更なる定着化を図っている 実験室セキュリティーシステムの運用 保守を徹底するとともに 安全面に於いて更なる強化を図っている 産学との連携は 基本的には 機密保持契約 研究連携契約 の締結を原則としている 研究センター内で使用するパソコン等は全て研究センター備品を使用し 個人所有物の持込を禁止している また USB 等によるデータの持込 持出しは原則禁止し 必要に応じて研究センター長の許可を得れば可とすることとしている 3 予算の執行に関するリスク管理調達の不正手続き 研究費の目的外使用等 不適切な予算執行を完全に排除している そのためには 事務マネージャ経由で責任部署に確認を取ることを義務付けている 4ミスコンダクト防止研究者倫理の徹底を図るために 主に下記を実施している 研究成果は大小 成否を問わず 生データあるいは電子情報として研究センター内部に保存している 研究ノートを義務とし 全研究者に配布している 契約職員は週毎に研究チーム長への報告 討議を義務としている 職員( 研究者 ) は少なくとも月毎に研究チーム長への報告 討議を義務付けている 当研究センターは 全員が研究月報を作成している また研究センター月報を作成し関係者に配布している 43

46 d) 人材育成の取り組み本事業では 燃料電池の基幹要素技術である 電極触媒 電解質材料 多相界面を経ての物質移動現象 に関して より基本的な反応メカニズムの解明とそれに基づく革新的技術の創製に取り組むが これらの活動を通じて 燃料電池技術者の育成に貢献するため 大学 企業から研究者を招聘するとともにポスドク等を受け入れ 先端科学でのナレッジを現実の産業に移転する知識 経験を持つ人材育成に努めている 平成 18 年度には 1 名のポスドクを燃料電池関連で公的研究機関に送り込んできた 5-3 資金配分本事業における資金配分は 平成 17 年度 872 百万円 ( うち 一般管理費 10 8 百万円 ) 平成 18 年度 1149 百万円 ( うち 一般管理費 135 百万円 ) である 一般管理費を除く事業費の内訳は表 1のとおり 事業の実施にあたっては 前述の図 8 及び図 9 にあるように 研究センター長 副研究センター長が プロジェクトリーダー サブリーダーが行っている研究を全て一元管理しており 事業費についても同様に一元管理している FC-Cubic 内の三つの研究チームは 導入設備の共通使用 サンプルや薬品の相互利用等を行なうことにより 推定 8% に及ぶ節約効果を生じている 表 1 事業全体のスケジュールと事業費 ( 一般管理費を除く ) 項目 平成 17 年度平成 18 年度平成 19 年度平成 20 年度平成 21 年度 事業費計 1. 研究体制整備 (1) 研究員確保 (2) 研究設備導入 新規導入 改造など ( 人件費 ) ( 設備費 ) 42 百万円 557 百万円 112 百万円 715 百万円 166 百万円 224 百万円 250 百万円 325 百万円 210 百万円 150 百万円 ( 見込額 ) ( 予算申請額 ) ( 予定額 ) 795 百万円 2029 百万円 ( 予定額 ) 2. 研究 (1) 電極触媒 (2) 物質移動 (3) 電解質 計測技術 現象解析 限界把握 指針 計測技術 現象解析 限界把握 指針 計測技術 現象解析 限界把握 指針 ( 事業費 外注費 ) 124 百万円 132 百万円 359 百万円 404 百万円 450 百万円 ( 見込額 ) ( 予算申請額 ) ( 予定額 ) 1481 百万円 ( 予定額 ) 実績額 723 百万円 959 百万円 850 百万円 838 百万円 850 百万円 ( 見込額 ) ( 予算申請額 ) ( 予定額 ) 4305 百万円 ( 予定額 ) 44

47 5-4 費用対効果本事業は これまでに委託事業費として 2 年間の累計額 2,069 百万円を投じている 現在 燃料電池自動車の価格は 1~2 億円 / 台と言われているが 価格の約 60% がスタックにかかるコストと分析されている このため 燃料電池自動車の普及を図るためには スタックの低コスト化が緊急の課題であり 本事業の成果を活用した実用化研究の促進が必要 自動車用燃料電池におけるコストの目標は 電解質膜は約 3 千円 / m2 電極触媒は約 1 千円 /kw であり 電解質膜については現状コストの 1/50 以上 触媒については現状コストの 1/8 以上となっており 革新的な技術開発が必要 なお 燃料電池自動車及び定置用燃料電池の普及が進んだ場合においては 市場規模が 2020 年に約 8 兆円との予測もあり 本事業により燃料電池の低コスト化が実現されれば その効果は非常に大きい なお FC-Cubic は集中型の研究実施体制で行われており 既存の各基礎研究機関にそれぞれ個別の研究課題を設定したり コンソーシアム型での研究プロジェクトを推進する場合などと比較して 研究場所の集中による設備の重複防止や事業費の節約など 費用対効果の向上が更に見込まれる 5-5 情勢変化への対応レアメタルの資源的枯渇 価格高騰などが顕在化しており 貴金属を大量に使用する現状技術では 燃料電池製品の本格的普及を阻害する恐れがあるが 本研究成果の 革新的技術への指針 を活かし 電極触媒用貴金属量の大幅低減が実現すれば 上記の課題を克服することが可能となり 燃料電池製品の優位性が高まるなど 本研究への期待は大きい 45

48 別紙 報告書本事業の成果は 年度毎に 実施報告書 として取り纏められ 関係企業 機関 大学等に配布している 報告書 平成 17 年度燃料電池先端科学研究委託事業実施報告書 平成 18 年度燃料電池先端科学研究委託事業実施報告書 学会発表 論文投稿 特許申請等本事業の成果は 研究成果の創出時に随時学会発表等を行い 一般への成果の普及に努めている 学会発表 平成 17 年度 1 岩下哲雄, Introduction of FC-Cubic, IEA & IPHE PEMFC Workshop, ベルギー国モル,2005/06/03 2 長谷川弘, 燃料電池基礎研究へのチャレンジ,FC-EXPO セミナー, 大阪,2005/11/29 3 岩下哲雄, 石井千明, 長谷川弘, バイポーラーセルによるセパレーター材料の耐久性試験と評価, 炭素材料学会, 上田,2005/11/29 4 長谷川弘, 岩下哲雄, FC-Cubic における PEFC の先端基盤研究, 日本化学会, 船橋,2005/11/29 平成 18 年度 5 八木一三, 三上健介, 蝦名幸次郎, 魚崎浩平, Dynamic Behaviors of CdS Nanoclusters Monitored by Time-resolved Visible-pump/IR-probe Spectroscopy, 46th IUVSTA Workshop on Ultrafast Surface Dynamics, 網走,2006/05/22 6 八木一三, 千葉正樹, 魚崎浩平, Optical Recognition of Naturally Chiral Metal Surfaces by Optical Second Harmonic Generation,232nd ACS National Meeting, アメリカ合衆国サンフランシスコ,2006/09/11 7 八木一三, 千葉正樹, 魚崎浩平, 金属単結晶キラル表面構造の分光学的評価, 分子構造総合討論会 2006, 静岡,2006/09/20 8 林灯, 野津英男, 君島堅一, 八木一三, 新規メソポーラスカーボンを担体に用いた電極触媒の酸素還元特性, 電気化学会第 74 回大会, 東京, 2007/03/30 9 宮本淳一 石井千明 岩下哲雄 長谷川弘, 水蒸気吸着法による PEFC 用ガス拡散層の撥水性の効果, 第 33 回炭素材料学会年会,2006 年 12 月 6-8 日, 札幌 10 西澤節 君島堅一 石井千明, 炭素材料のゼータ電位の精密測定(1) 測定法の 46

49 確立, 第 33 回炭素材料学会年会,2006 年 12 月 6-8 日, 札幌 11 西澤節 君島堅一 石井千明, 炭素材料のゼータ電位の精密測定(2) 炭素材料への適用例, 第 33 回炭素材料学会年会,2006 年 12 月 6-8 日, 札幌 12 岩下哲雄 石井千明 長谷川弘, カーボンモールドセパレータ材の環境強度試験による耐久性評価, 第 13 回燃料電池シンポジウム,2006 年 5 月 17 日, 東京 13Norio Iwashita, Chiaki Ishi, Hiroshi Hasegawa, Evaluation of durability by effect of in-service factor on mechanical strength of carbon molded bipolar plate, 国際エネルギー機関先端燃料電池専門委員会第 16 分科会, 8 th June 2006, Energy Research Center the Netherland, Petten, オランダ国 論文発表 平成 17 年度 1 岩下哲雄, カーボン樹脂モールドセパレータの強度に及ぼす環境の影響, 炭素,218, (2005) 2 岩下哲雄, 長谷川弘, 燃料電池, 5(1), (2005) 平成 18 年度 3 八木一三, 三上健介, 蝦名幸次郎, 岡村昌幸, 魚崎浩平, Size-Dependent Carrier Dynamics in CdS Nanoparticles by Femtosecond Visible-Pump/IR-Probe Measurements, J. Phys. Chem. B, 110(29), (2006), IF: 田口実, 八木一三, 中川勝, 彌田智一, 栄長泰明, Photo-controlled Magnetization of CdS-Modified Prussian Blue Nanoparticles, J. Am. Chem. Soc., 128 (33), (2006), IF: 特許申請 平成 18 年度 1 特願 , 燃料電池用電極触媒およびこれを用いた燃料電池, 林灯, 八木一三, 君島堅一,

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社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加 私たちの社会的責任 宣言 ~ 協働の力 で新しい公共を実現する~ 平成 22 年 5 月 12 日社会的責任に関する円卓会議 社会的責任に関する円卓会議 ( 以下 本円卓会議 という ) は 経済 社会 文化 生活など 様々な分野における多様な担い手が対等 平等に意見交換し 政府だけでは解決できない諸課題を 協働の力 で解決するための道筋を見出していく会議体として 平成 21 年 3 月に設立されました

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