I 論文題目 日本語とインドネシア語の謝罪行動の対照研究 II 論文構成 ( 目次 ) 第 1 章序論 1.1 研究の背景と目的 1.2 論文の構成 第 2 章謝罪に関する先行研究と問題提起 2.0 はじめに 2.1 謝罪意識に関する研究 2.2 謝罪行動に関する研究 謝罪する側の言語行
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1 学位論文 日本語とインドネシア語の謝罪行動の対照研究 広島大学大学院教育学研究科 文化教育開発専攻 ( 日本語教育学分野 ) NURIA HARISTIANI
2 I 論文題目 日本語とインドネシア語の謝罪行動の対照研究 II 論文構成 ( 目次 ) 第 1 章序論 1.1 研究の背景と目的 1.2 論文の構成 第 2 章謝罪に関する先行研究と問題提起 2.0 はじめに 2.1 謝罪意識に関する研究 2.2 謝罪行動に関する研究 謝罪する側の言語行動に焦点を当てる研究 謝罪する側と謝罪を受ける側の言語行動に焦点を当てる研究 インドネシア語の謝罪行動に関する研究 2.3 フェイス概念に関する研究 Goffman の面目理論 Brown & Levinson のフェイス概念 2.4 先行研究における問題点と本研究の問題提起 第 3 章日本語とインドネシア語における謝罪意識の比較 3.0 はじめに 3.1 研究方法 調査協力者と調査期間 調査における場面設定 調査における対象意識 3.2 結果と考察 金 小 場面における意識の異同 金 大 場面における意識の異同 時 小 場面における意識の異同 時 大 場面における意識の異同 3.3 まとめ 第 4 章日本語とインドネシア語における 謝罪者 と 被謝罪者 の言語行動の比較 4.0 はじめに 4.1 研究方法 2
3 4.1.1 調査協力者と調査期間 調査における場面設定 調査の手続き 4.2 分析方法 4.3 日本語とインドネシア語における 謝罪者 の言語行動 意味公式の定義と使用例 全場面における意味公式の使用比較 明確な謝罪表明 の使用傾向 責任への言及 の使用傾向 過失修復の試み の使用傾向 まとめ 4.4 日本語とインドネシア語における 被謝罪者 の言語行動 意味公式の定義と使用例 全場面における意味公式の使用比較 譲歩 の使用傾向 非難 の使用傾向 問題解決への言及 の使用傾向 まとめ 第 5 章日本語とインドネシア語の謝罪行動における相互行為 5.0 はじめに 5.1 日本語とインドネシア語の謝罪会話の 開始部 におけるの言語行動 日本語とインドネシア語の謝罪会話における挨拶行動 意味公式の分類 意味公式の使用比較 日本語とインドネシア語の謝罪会話における前触れ行動 意味公式の分類 意味公式の使用比較 5.2 日本語とインドネシア語の謝罪会話の 中心部 における言語行動 明確な謝罪表明 と 譲歩 の出現位置 明確な謝罪表明 の出現位置 明確な謝罪表明 の出現位置による使用の比較 譲歩 の出現位置 譲歩 の出現位置による使用の比較 謝罪者 と 被謝罪者 の相互行為 謝罪が明確に成立した会話におけるやりとり 謝罪が明確に成立しなかった会話におけるやりとり 明確な謝罪表明 と 譲歩 に関するやりとり 3
4 明確な謝罪表明 の直前 併用 直後に用いられる意味公式 譲歩 の直前 併用 直後に用いられる意味公式 5.3 日本語とインドネシア語の謝罪会話における 終結部 の言語行動 意味公式の分類 意味公式の使用比較 5.4 まとめ 第 6 章結論 6.0 はじめに 6.1 日本語とインドネシア語の謝罪行動とフェイス概念 6.2 日本語とインドネシア語の謝罪行動と謝罪意識 6.3 日本語教育への示唆 6.4 今後の課題 参考文献 付録資料 4
5 III 論文要旨 第 1 章序論人は相手に損害を与えたり 不快な思いをさせた場合 その状況を適正なものにしようと 修復行動 (remedial work) を行う (Goffman 1971) Barnlund & Yoshioka(1990) は 純粋な謝罪には (a) 他人を身体的 社会的 あるいは精神的に傷つけたと気づき (b) その損失や傷に対して直接的または間接的に責任があると意識し (c) 自覚をすることが義務であるという認識が必要だと述べている (p.194) 要するに これらの意識がなければ謝罪は必要だと思われず 謝罪行動が行われない可能性があるということが考えられる 謝罪に関する従来の研究では 謝罪ストラテジーと謝罪定型表現に関するものがほとんどであり 謝罪意識を取り上げている研究はまだ多いとは言えない しかし 鄭 上原 (2005) は 内面的な謝罪意識は必ず謝罪行動と繋がるとは限らないが 謝罪行動に対して影響を与える可能性があり 謝罪行動の解明には謝罪の意識からの研究視点も重要だと指摘している また 謝罪行動を取り上げる研究では謝罪する側の言語行動のみが対象とされているものが主流であり 謝罪を受ける側の言語行動や謝罪する側と謝罪を受ける側の相互行為に着目する研究はほとんど見当たらない ( ボイクマン 宇佐美 2005) しかし 謝罪行動では 謝罪する側の行動が単独ではなく 謝罪を受ける側の行動により大きく影響される可能性があると考えられる 大谷 (2008) は 謝罪とは 受け手に受け入れられてはじめて達成される行為であり 受け手の反応や 送り手 - 受け手間の相互行為を無視することができないと述べている さらに大谷 (2008) は 送り手がいくら適切に謝罪を行ったつもりでも それが本当に適切であったか否かは受け手の反応を見なければ判断できないと述べ 謝罪を受ける側の言語行動を研究する重要さについて指摘している 謝罪を受ける側の言語行動 および謝罪する側と謝罪を受ける側の双方のやりとりを研究する必要があるという課題は 謝罪研究を概観した研究の中でもしばしば取り上げられる (Olshtain1989 杉本 1997 熊谷 1993 大谷 2008 など ) 以上を踏まえて 本研究では謝罪場面における謝罪する側 ( 以下では 謝罪者 と表記 ) および謝罪を受ける側 ( 以下では 被謝罪者 と表記 ) の言語行動を観察したうえ 双方の言語行動を相互行為の観点から分析し 両言語における謝罪のやりとりに関する類似点 相違点を明らかにしていく 最後に 両言語における謝罪行動をフェイス概念の観点から分析し 両言語の謝罪行動に関する文化的背景及び特徴を明らかにすることを目的とする 第 2 章謝罪に関する先行研究と問題提起 第 2 章では 謝罪に関する研究を整理した 謝罪に関する研究に関して (1) 謝罪意 識の研究 (2) 謝罪行動の研究および (3) フェイス概念に関する研究を概観した 謝 5
6 罪意識の研究では 鄭 上原 (2005) 鄭(2006) 大谷(2004) とナビル (2007) を取り上げる 謝罪意識に関しては 謝る意識 と 罪悪感 は予測的な関係にあるとされる ( 鄭 上原 2005 鄭 2006 など ) 大谷(2004) はそれに加え 日本語話者は 迷惑 が謝罪における心理要因となっているとしている これらの研究では 謝罪者 の意識のみが対照とされている しかし 謝罪者 と 被謝罪者 の意識は同じであるか また 謝罪意識と謝罪行動はどのように関連しているかという課題が残されている 謝罪行動に関しては 日本人の謝罪行動の特徴として 1 謝罪定型表現を多用する 2 説明を行わない 3 単純なストラテジーを用いるということが指摘されている (Barnlund & Yoshioka1990 池田 1993 ボイクマン 宇佐美 2005 大橋 2007 鄭 2011 など ) インドネシア語の謝罪行動については 1 謝罪定型表現を多用する 2 説明を多く行う 3 呼称を多用することが指摘されている ( 橋元 1992 橋元他 1992 高殿 1999) しかし これらの謝罪の研究では 謝罪する側の言語行動のみが対象とされるものが多く 謝罪を受ける側の言語行動について取り上げる研究は多いとは言えない また 謝罪する側と謝罪を受ける側の言語行動を取り上げる研究 ( ボイクマン 宇佐美 2005 鄭 2011) では 双方のやりとりについて指摘されないという課題が残されている これらを踏まえて 本研究では以下の問題提起を行った 1. 日本語とインドネシア語の謝罪意識を明らかにする また 謝罪する側の意識だけでなく 謝罪を受ける側になった場合の意識も探り 双方の意識には相違点があるのか また 謝罪意識と謝罪行動はどのように関連しているのか 2. 日本語とインドネシア語の謝罪行動を明らかにするために 謝罪する側のみならず 謝罪を受ける側の言語行動も分析する 3. 日本語とインドネシア語の謝罪の談話構造を明らかにするために 謝罪する側と謝罪を受ける側のやりとりを考察し 双方の言語行動は関連しているのかを検討する 4. 謝罪はフェイスの問題として考えると 相手のフェイスを尊重すると同時に自分のフェイスを損なうことになる相互作用であることが指摘され (Brown & Levinson 1987) フェイス概念と深く関わっている( 池田 1993) 従って 日本語とインドネシア語では 謝罪する側と謝罪を受ける側はどのようにお互いのフェイス維持を行っているか その類似点 相違点を明らかにする 第 3 章日本語とインドネシア語における謝罪意識の比較第 3 章では 日本語とインドネシア語の謝罪意識の比較を試みた 意識調査では 謝罪意識 罪悪感 迷惑度合い の 3 意識を対象とし さらに 日本人が好まないと先行研究で多く指摘される 説明 の使用意識と先行研究の結果で二通りの結果が指摘される 賠償 の使用意識についても検討した 調査協力者には 自分が 謝罪者 または 被謝罪者 になった場合を想像してもらい 5 つの意識に関して 1~4 段階の評価をつけてもらった (1= 最低値 ~4= 最高値 ) 場面設定では 親しい同性の友人 という人間関係を設定し 謝罪の事柄が異なる 4 場面である :1 借りた 500 円が返せ 6
7 ない 場面 2 借りた 1 万円が返せない 場面 3 15 分遅刻した 場面 4 1 時間遅刻した 場面を取り上げた これらの場面設定を設けた理由は 日常生活で起こり得る状況および保ちたいと思われる人間関係を場面設定に取り入れることが重要とされているからである (Sugimoto2001) 意識調査の結果から 両言語ともに類似した傾向を示している 日本語とインドネシア語ともに全 4 場面を通して 相手に求める意識より自分に対する意識の方が強かった すなわち 日本語とインドネシア語では これらの謝罪場面におかれた場合 自分が深く罪悪を感じ その意識に基づいて謝罪したり 理由を述べたり 代償を申し出たりすることはあるが 相手に対しては必ずしも同様のことを同程度で求める訳ではない インドネシア語では 自分に対する意識と相手に対する意識の差が日本語のそれと比べて低く 自分が持つ意識と同程度の意識および行動を相手にも求めている可能性がある 場面別における謝罪意識を見ると 謝罪の事柄が重くなればなるほど 自分が意識する謝罪の必要性 罪悪感 相手への迷惑度合い 説明する必要性と賠償する必要性が高くなり 相手にも同程度で同様の意識を期待していることが明らかになった また 日本語の結果に関して 説明 の使用意識を見ると 4 場面を通して 謝罪 と同程度に意識されているということが分かった この意識の結果は 日本人はあまり 説明 を行わない という謝罪行動に関する指摘( 池田 1993 阿部 2006 など ) を支持していない傾向を示す また 賠償 の使用意識を見ると 謝罪の事柄が大きい場合の方が小さい場合より使用意識が高く 謝罪の事柄が大きい場合には相手に償う可能性が高いと考えられる 第 4 章日本語とインドネシア語における 謝罪者 と 被謝罪者 の言語行動の比較第 4 章では 日本語とインドネシア語における 謝罪者 と 被謝罪者 の言語行動の実態を把握することを目的とし 日本語母語話者とインドネシア語母語話者を対象に ロールプレイの調査を実施した 調査協力者は各々 日本語母語話者女性 10 組と男性 10 組 ( 計 20 組 ) およびインドネシア語母語話者女性 10 組と男性 9 組 ( 計 19 組 ) であった 本調査では日本語とインドネシア語の謝罪行動を明らかにするために 2 段階の調査 調査 1 ロールプレイと 調査 2 フォロー アップ インタビューを行った ロールプレイでは 意識調査と同様の場面設定を用い 親しい同性の友人同士 の人間関係を設けた さらに 1 借りた 500 円が返せない 場面 2 借りた 1 万円が返せない 場面 3 15 分遅刻した 場面 4 1 時間遅刻した 場面における会話をしてもらった ロールプレイで収集した会話データは意味公式による分類方法を用いて分析を行った 7
8 日本語とインドネシア語の謝罪会話の開始部分から終了部分まで 謝罪者 が行った発話は意味公式方法によって分類した結果 11 種類の意味公式を用いていることが明確になった 全体的な意味公式の使用傾向から 日本語とインドネシア語の 謝罪者 が用いている意味公式の種類は類似している 多用される意味公式も両言語で同様であり 明確な謝罪表明 説明 過失修復の試み と 責任への言及 の 4 種類である しかし その中で最も多く使用される意味公式は日本語では 明確な謝罪表明 であるのに対し インドネシア語では 説明 であり 異なっている また 過失修復の試み は両言語で多かったが 内容には差が見られた 相手の過失を修復するために 日本語では代償を提供する または代償の要求を受け入れることが多用され 謝罪するに当たって有効なストラテジーとみなされるが インドネシア語ではそうではなかった 日本語に関するこの結果は Barnlund & Yoshioka(1990) の結果を支持しており 池田 (1993) の結果と異なる傾向を示している 一方 インドネシア語会話では 日本語会話より多用される意味公式は 相手の攻撃弱化 と 相手配慮 の意味公式である また インドネシア語では謝罪を遂行するに当たって 謝罪者 は様々な謝罪ストラテジーを工夫して戦略的に謝罪行動を行っている姿勢を見せている 本研究の結果から 日本語の 謝罪者 が 明確な謝罪表明 を多く用いている傾向が見られたが この結果は先行研究で指摘されている結果 (Barnlund & Yoshioka1990 池田 1993 ボイクマン 宇佐美 2005 鄭 2011 など ) をさらに補強するものである インドネシア語でも 明確な謝罪表明 が多用されることは先行研究で指摘されたことと一致している ( 橋元 1992 高殿 1999 など ) しかし 本研究の結果で日本語の 謝罪者 が 説明 を多用していることについては先行研究で指摘されている結果 (Barnlund & Yoshioka1990 池田 1993 阿部 2006 など ) と異なる傾向を示している さらに 日本語とインドネシア語の謝罪会話の開始部分から終了部分までの 被謝罪者 が行った発話を意味公式によって分類した結果 9 種類の意味公式を用いていることが分かった 被謝罪者 が用いた意味公式の全体的な使用傾向から見ると 日本語とインドネシア語会話で顕著な差が見られた 日本語では 被謝罪者 が 譲歩 と 確認 を多用するのに対し インドネシア語では 譲歩 情報要求 非難 説明 と 問題解決への言及 の 5 種類を多用している 要するに 日本語の 被謝罪者 は許しを表明することを優先しており さらに 確認 を多用することにより相手の状況を理解しようとする協力的な姿勢を見せている 一方 インドネシア語では相手を許す 譲歩 が主に用いられていながらも相手を非難したり 情報要求も行いつつ自分の状況についても説明したりしている インドネシア語の 被謝罪者 は 問題となっている謝罪の事柄を解決するために様々な方法を使用しつつ 謝罪者 と積極的にやりとりを行っている姿勢を取っている 8
9 本章で 謝罪者 と 被謝罪者 の謝罪場面における言語行動を分析した結果 謝罪者 が用いるストラテジーと 被謝罪者 が用いるストラテジーは相互的な関係にあり 深く関わっていることが明らかになった この結果はボクマン 宇佐美 (2005) の結果と同様であり 謝罪する側が取る方策と 謝罪を受ける側の方策とは互いに密接な関係を持っているという指摘を支持する立場となっている 第 5 章日本語とインドネシア語の謝罪行動における相互行為第 5 章では 謝罪者 と 被謝罪者 が謝罪会話においてどのようなやりとりを行っているかを 開始部 中心部 と 終結部 に分けて分析した その結果 日本語とインドネシア語の謝罪会話における相互行為は以下のような特徴があると考えられる 会話の 開始部 で見られた挨拶行動には両言語で異なっており 日本語では 注意喚起表現 インドネシア語では 呼称 と相手の 行動に関する問答 が挨拶として特に用いられた 会話の 開始部 に含めた前触れのやりとりでは 日本語では主に 謝罪者 が発話を誘導し 被謝罪者 はそれをサポートするように肯定的な返答で応答し ターンを取る行動は選択しない傾向にある 一方 インドネシア語会話の前触れの行動は 謝罪者 が単独で誘導するのではなく 様々な方法を用いて 被謝罪者 を発話に関与させる行動を取っている 被謝罪者 も積極的に発話をし 両者がお互いに情報を共有する体制を作りながら 謝罪会話の中心部分に移る姿勢が見られた 会話の 中心部 では 謝罪者 が多用する 明確な謝罪表明 の意味公式と 被謝罪者 が多用する 譲歩 の使用位置から両言語の謝罪会話におけるやりとりの考察を試みた 両言語ともに会話が開始されてからすぐに 謝罪者 が謝罪表明を行うことは共通している それに応じて 日本語では 被謝罪者 が早速 譲歩 を用いて受諾するのに対し インドネシア語ではすぐに許すことは少なく 会話の最後に 譲歩 が明示される 謝罪会話が成立したかどうかのやりとりに関して 両言語ともに 明示的に成立 と 暗示的に成立 した会話が存在したが インドネシア語ではそれに加えて明示的にも暗示的にも成立しないまま会話が終了したという 保留 のパターンが観察できた 両言語で 明確な謝罪表明 と 譲歩 に導くストラテジーとその後に続くストラテジーが異なっている 日本語会話では 譲歩 明確な謝罪表明 譲歩 また 明確な謝罪表明 譲歩 明確な謝罪表明 が行われるのに対し インドネシア語会話では 非難 明確な謝罪表明 譲歩 また 説明 明確な謝罪表明 譲歩 過失修復の試み のやりとりとなっている 明確な謝罪表明 と 譲歩 が併用しているストラテジーと 明確な謝罪表明 と 譲歩 の直後に来るストラテジーを照合すると インドネシア語会話では特にそのつながりが見られ 謝罪者 と 被謝罪者 が用いるストラテジーは密接に関係していることが再確認できた 9
10 謝罪会話の 終結部 では両言語会話ともに類似した傾向を示している 話題転換で謝罪会話が終了することが最も多く その次に 謝罪者 と 被謝罪者 の間で了解が交わされた時点で会話が終了することが多い また 会話の終了を提案した側は両言語ともに 謝罪者 と 被謝罪者 が同程度であり どちらかが会話を終了する主導権を握っているということはなかった このことは 謝罪会話の 中心部 では謝罪に関する様々なやりとりが交わされ 譲歩 が表明された後には二人の間に生じた不均衡が修復されたと思われる それによって双方が同じ立場にあり どちらかが優位な立場にあるという訳ではないことに理由があると考えられる 第 6 章結論第 6 章では 第 3 章から第 5 章までの結論として 日本語とインドネシア語の謝罪行動ではどのようなフェイス維持が行われているのか 謝罪意識と謝罪行動はどのように関連しているかをまとめた さらに 謝罪行動に関する日本語教育への示唆と今後の課題を述べた 日本語とインドネシア語の 謝罪者 が用いるストラテジーをフェイス概念から考えると 両言語の 謝罪者 はともに相手のネガティブ フェイスとポジティブ フェイスを維持しており ネガティブ ポライトネス ストラテジーとポジティブ ポライトネス ストラテジーをともに用いている 一方 被謝罪者 のフェイス維持は両言語で異なっている 日本語の 被謝罪者 は相手のネガティブ フェイスとポジティブ フェイスを維持している これに対し インドネシア語では主に相手のポジティブ フェイスを重視しているが たまに相手のフェイスを脅かす行動も取っているという戦略的な行動を取っていることが観察できた 第 3 章の意識調査結果と第 4 章で得た 謝罪者 のストラテジーの使用傾向を照合した結果 両者が関連していることが両言語で共通している 謝る必要性と説明する必要性の意識は実際の 明確な謝罪表明 と 説明 の使用と平行し 意識が行動に反映されている しかし 賠償に関する意識は全体的な 賠償 のストラテジーの使用傾向から見ると 意識が行動に反映されている部分と 意識と行動が一致していない部分があった 両言語の 謝罪者 は 明確な謝罪表明 と 説明 を使用する際には意識通りに用いていることが見られるが 賠償 に関してはする必要がない またはする必要があると思っていても 会話の流れややりとりによって実際に行われるかどうかが変更される可能性がある 本研究の結果から 日本語の謝罪会話では 修復行動を協和的に進めることに重点が置かれているのに対し インドネシア語では修復行動を戦略的に行い積極的に問題解決に挑んでいることが重要であることが明確に捉えることができた 日本語教育への示唆として この違いについて インドネシア語を母語とする日本語学習者が日本語でコミュニケーションを取る際に 教師は日本語の謝罪行動とインドネシア語の謝罪行動の違いに注意し誤解を生じさせないように指示する必要がある また 相手との人間関係の修復行動となるはずの謝罪行動は 使用される謝罪ストラテジーまたはやりとりの違い 10
11 によって 逆に誤解や摩擦を生じさせ人間関係を悪化させる可能性があることを指摘し 具体的な場面を例示して教える必要があることを提案した 謝罪行動は 言語行動のみならず 非言語行動においても 異文化による違いが想像でき 興味深い研究対象である 日本語とインドネシア語の謝罪行動の特色をより具体的に把握するために 今後は場面差 男女差 人間関係における力関係と親疎関係の差および非言語行動としての謝罪方法など より広い視点から謝罪行動の分析を試みる必要があると考える 参考文献 阿部加奈子 (2006) 修士論文 謝罪の日中対照研究 広島大学大学院教育学研究科言語文化教育学専攻日本語教育学専修修士論文池田理恵子 (1993) 謝罪の対照研究 日米対照研究 Face という視点からの考察 日本語学 第 12 巻 11 号 pp 生越まり子 (1993) 謝罪の対照研究 日朝対照研究 日本語学 第 12 巻 11 号 pp 宇佐美まゆみ (2003) 異文化接触とポライトネス ディスコース ポライトネスの観点から 国語学 第 54 巻 3 号 pp 大谷麻美 (2004) 謝罪と感謝の日 英対照研究 話し手の心理からの考察 御茶ノ水大学大学院人間文化研究科国際日本学専攻博士論文大谷麻美 (2008) 謝罪研究の概観と今後の課題: 日本語と英語の対照研究を中心とした考察 言語文化と日本語教育 増刊特集号 pp 大橋まりこ (2007) まぢごめん と I m so sorry 謝罪の日豪比較 湘北紀要 第 28 号 pp 熊谷智子 (1993) 研究対象としての謝罪 いくつかの切り口について 日本語学 第 12 巻 11 号 pp クモハマド ナビル (2007) 日本人とマレーシア人の謝罪行為の対照分析 謝罪意識を焦点に 比較社会文化研究 第 21 号 pp 佐藤啓生 (2011) 現代日本語の謝罪言葉に関する研究 岩手大学大学院人文社会科学研究科紀要 第 20 号 pp 杉本なおみ (1997) 謝り方の日米比較研究 問題点と今後の課題 SIETAR 第 1 号 pp 高殿良博 (1999) 日本語とインドネシア語における謝罪の比較 インドネシア言語と文化 第 5 号 pp
12 鄭加禎 上原麻子 (2005) 謝る意識 中国人 日本人と台湾人の対照研究 ヒューマン コミュニケーション研究 第 33 号 pp 鄭加禎 (2006) 謝罪表現義務感 日本と台湾の対照研究 社会言語科学 第 8 巻 2 号 pp 鄭賢児 (2011) 謝罪行動とその反応に関する日韓対照研究 ポライトネス理論の観点から 言語 地域文化研究 第 17 号 pp 直塚玲子 (1980) 欧米人が沈黙するとき 異文化間コミュニケーション 大修館書店中田智子 (1989) 発話行為としての陳謝と感謝 日英比較 日本語教育 第 68 号 pp 清水崇文 (2009) 中間言語語用論概論 第二言語学習者の語用論的能力の使用 習得 教育 スリーエーネットワーク橋元良明 (1992) 間接的発話方略に関する異言語間比較 日本語学 第 11 号 pp 橋元良明 異文化コミュニケーション研究会 91(1992) 婉曲的コミュニケーション方略の異文化間比較 9 言語比較調査 東京大学社会情報研究所調査研究紀要 第 1 巻 pp ボイクマン総子 宇佐美洋 (2005) 友人間での謝罪時に用いられる語用論的方策 日本語母語話者と中国語母語話者の比較 語用論研究 第 7 号 pp 三宅和子 (1993) 詫び 以外で使われる詫び表現 その多用化の実態とウチ ソトの関係 日本語教育 第 82 号 pp Barnlund, D. C., & Yoshioka, M. (1990). Apologies: Japanese and American styles. International Journal of Intercultural Relations. 14. pp Beebe L.M., Takahashi, T. & Uliss-Weltz.(1990). Pragmatic Transfer in ESL Refusals. In R. C. Scarcella, E. S. Anderson, & S. D. Krashen (Eds.). Developing Communicative Competence in A Second Language. New York: Newbury House. pp Blum-Kulka S., & Olshtain, E.(1984). Request and Apologies: A Cross-Cultural Study of Speech Act Realization Patterns (CCSARP). Applied Linguistics. 5 (3). pp Blum-Kulka S., & House J. (1989). Cross-Cultural and Situational Variation in Requesting Behaviour. In S. Blum-Kulka, J. House & G. Kasper (Eds.). Cross-Cultural Pragmatics: Request and Apologies. Norwood, NJ: Ablex. pp Brown P. & Levinson S.C.(1978) Politeness: Some Universals in Language Usage. Cambridge: Cambridge University Press.( ポライトネス 言語使用における ある普遍現象 (2011) 田中典子監訳 東京 : 研究社 ) 12
13 Goffman, E. (1971) Relations in Public: Microstudies of the Public Order. New York: Halt, Rinehart and Winston. Goffman, E. (1972) Interaction Ritual: Essays on Face-to-Face Behavior. Harmondsworth: Penguin.( 儀礼としての相互行為 対面行動の社会学 (2002) 浅野敏夫訳 東京 : 法政大学出版局 ) Olshtain, E., & Cohen, A. D. (1983). Apology: A Speech Act Set. In N. Wolfson & E. Judd (Eds.). Sociolinguistics and language acquisition. Rowley, MA: Newbury House. pp Olshtain, E. (1989) Apologies Across Languages. In S. Blum-Kulka, J. House & G. Kasper (Eds.). Cross-Cultural Pragmatics: Request and Apologies. Norwood, NJ: Ablex. pp Rintell, E., & Mitchell, C. J. (1989). Studying Requests and Apologies: An Inquiry into Method. In S. Blum-Kulka, J. House & G. Kasper (Eds.). Cross-Cultural Pragmatics: Request and Apologies. Norwood, NJ: Ablex. pp Sugimoto, N. (2001). Evaluation of Apology Episodes in Japan and the U.S. Ferris Studies( フェリス女学院大学文学部紀要 ). 36. pp
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相互行為における不同意の会話分析研究 マルチモダリティの視点から 日本語教育学分野 M1 詹暁嫺 1 1. はじめに 日常の会話では しばしば不同意という行為が遂行される しかしながら 次に同意が期待される先行発話に対して不同意を行うのは Brown and Levinson(1987) のポライトネス理論から考えると 相手のポジティブ フェイスを脅かす行為である したがって 不同意を行うには 対人関係に配慮して様々に工夫する必要がある
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甲37号
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博士論文概要 タイトル : 物語談話における文法と談話構造 氏名 : 奥川育子 本論文の目的は自然な日本語の物語談話 (Narrative) とはどのようなものなのかを明らかにすること また 日本語学習者の誤用 中間言語分析を通じて 日本語上級者であっても習得が難しい 一つの構造体としてのまとまりを構成する 談話展開技術がどのようなものか明らかにすることである そのため 日本語母語話者と学習者に言葉のないアニメーションのストーリーを書いてもらった物語談話を認知機能言語学の観点から分析し
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学位請求論文審査報告要旨 2015 年 7 月 8 日 申請者喬曉筠論文題目ビジネス コミュニケーションにおける依頼と断り 日本語母語話者と台湾人日本語学習者との比較から 論文審査委員 石黒圭栁田直美近藤彩 1. 本論文の内容と構成本論文は ビジネス コミュニケーションのなかでも重要な 交渉という場
Title ビジネス コミュニケーションにおける依頼と断り : 日本語母語話者と台湾人日本語学習者との比較から Author(s) 喬, 曉筠 Citation Issue 2015-07-31 Date Type Thesis or Dissertation Text Version none URL http://hdl.handle.net/10086/27394 Right Hitotsubashi
断るという行為の認識の仕方が断り表現の選択に与える影響
1 断るという行為の認識の仕方が断り表現の選択に与える影響 山田恵美子 放送大学新潟学習センター 要旨学習者に語用知識の習得を促すには 語用論的転移が生じることに関与する要因を解明する研究を一層進める必要がある 断りはフェイスを脅かす行為 (FTA)(Brown & Levinson 1987) になり得るので FTA の度合に応じて断り表現が選択されると想定する 選択された表現が異なる時は 表現選択に影響を与えるとされる変数の捉え方が異なると想定されるが
( 続紙 1) 京都大学博士 ( 教育学 ) 氏名田村綾菜 論文題目 児童の謝罪と罪悪感の認知に関する発達的研究 ( 論文内容の要旨 ) 本論文は 児童 ( 小学生 ) の対人葛藤場面における謝罪の認知について 罪悪感との関連を中心に 加害者と被害者という2つの立場から発達的変化を検討した 本論文は
Title 児童の謝罪と罪悪感の認知に関する発達的研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 田村, 綾菜 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date 2011-03-23 URL http://hdl.handle.net/2433/142261 Right Type Thesis or Dissertation Textversion
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[ 博士論文概要 ] 平成 25 年度 金多賢 筑波大学大学院人間総合科学研究科 感性認知脳科学専攻 1. 背景と目的映像メディアは, 情報伝達における効果的なメディアの一つでありながら, 容易に感情喚起が可能な媒体である. 誰でも簡単に映像を配信できるメディア社会への変化にともない, 見る人の状態が配慮されていない映像が氾濫することで見る人の不快な感情を生起させる問題が生じている. したがって,
Graduate Division 1 2 3 博士後期課程 ( 学位 : 博士 ) 博士前期課程 修士課程 ( 学位 : 修士 ) 国際学研究科 国際人文社会科学専攻 国際学研究科 国際学専攻 ( 博士前期課程 ) 国際協力専攻 ( 修士課程 ) 修士課程 ( 学位 : 修士 ) 経営学研究科 経営学専攻 言語教育研究科 日本語教育専攻 英語教育専攻 心理学研究科 臨床心理学専攻 健康心理学専攻
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第 3 章 研究方法 3.1 研究のデザイン本研究では 処理されたデータが数字ではない その上 本研究に処理されることは言葉や物事の実際の状況である そのために使用される研究方法は定性的記述法 (Qualitative Descriptive) である (Sudaryanto, 1992: 62). 記述する方法では研究者がデータ分類によって データに関する特徴を挙げられる それに そのデータの性質的及びほかのデータとの関係に関することを判断する
24 京都教育大学教育実践研究紀要 第17号 内容 発達段階に応じてどのように充実を図るかが重要であるとされ CAN-DOの形で指標形式が示されてい る そこでは ヨーロッパ言語共通参照枠 CEFR の日本版であるCEFR-Jを参考に 系統だった指導と学習 評価 筆記テストのみならず スピーチ イン
京都教育大学教育実践研究紀要 第17号 2017 23 小学校英語における児童の方略的能力育成を目指した指導 泉 惠美子 京都教育大学 Developing students strategic competence in elementary school English classes Emiko IZUMI 2016年11月30日受理 抄録 小学校外国語活動においては 体験的な活動を通してコミュニケーション能力の素地を育成すること
論文 感謝の場面での謝罪の発話 感謝の場面での謝罪の発話 スィリラット サンタヨーパス 要旨日本語で感謝を示すとき ありがとう ではなく すみません などの謝罪の表現を使うことがあるが その社会言語学的な要因について詳細な実態調査されたことは管見の限りではない そこで 今回 日本語母語話者とタイ語母
感謝の場面での謝罪の発話 : 日本語母語話者とタイ語母 Title 語話者の意識と使い分け Author(s) スィリラット, サンタヨーパス Citation 一橋大学国際教育センター紀要, 2: 37-55 Issue 2011-07 Date Type Departmental Bulletin Paper Text Version publisher URL http://doi.org/10.15057/19302
国際交流基金バンコク日本文化センター日本語教育紀要第 11 号 (2014 年 ) タイ 日接触場面における 誘い / 依頼 - 断り 談話における弁明の発話行為の研究 Triktima LEADKITLAX 1. 本稿の背景と目的日本社会もタイ社会もコミュニケーションをするには 言語的 社会言語的
国際交流基金バンコク日本文化センター日本語教育紀要第 11 号 (2014 年 ) タイ 日接触場面における 誘い / 依頼 - 断り 談話における弁明の発話行為の研究 Triktima LEADKITLAX 1. 本稿の背景と目的日本社会もタイ社会もコミュニケーションをするには 言語的 社会言語的 社会文化的 な知識が必要である しかしながら 様々な社会があるのと同様に それぞれの社会に適用されるコミュニケーションの運用能力が存在する
論文題目 大学生のお金に対する信念が家計管理と社会参加に果たす役割 氏名 渡辺伸子 論文概要本論文では, お金に対する態度の中でも認知的な面での個人差を お金に対する信念 と呼び, お金に対する信念が家計管理および社会参加の領域でどのような役割を果たしているか明らかにすることを目指した つまり, お
論文題目 大学生のお金に対する信念が家計管理と社会参加に果たす役割 氏名 渡辺伸子 論文概要本論文では, お金に対する態度の中でも認知的な面での個人差を お金に対する信念 と呼び, お金に対する信念が家計管理および社会参加の領域でどのような役割を果たしているか明らかにすることを目指した つまり, お金に対する信念の構造の把握と関連領域の整理を試みた 第 Ⅰ 部の理論的検討は第 1 章から第 5 章までであった
教職研究科紀要_第9号_06実践報告_田中先生ほか04.indd
9 2017 3 89 実践報告 小学校国語科学習における物語創作の授業開発 単元 とべないほたる第 13 巻を創ろう! の 型を用いる指導技術の分析 田中博之 蛯谷みさ 1. 問題意識 PISA 2006 p10 OECD PISA 1 2005 20 8 2011 p. 20 20 2006 p. 20 2013 p. 33 2011 20132010 2012 90 9 2007 2008 5
238 古川智樹 機能を持っていると思われる そして 3のように単独で発話される場合もあ れば 5の あ なるほどね のように あ の後続に他の形式がつく場合も あり あ は様々な位置 形式で会話の中に現れることがわかる では 話し手の発話を受けて聞き手が発する あ はどのような機能を持つ のであろ
238 古川智樹 機能を持っていると思われる そして 3のように単独で発話される場合もあ れば 5の あ なるほどね のように あ の後続に他の形式がつく場合も あり あ は様々な位置 形式で会話の中に現れることがわかる では 話し手の発話を受けて聞き手が発する あ はどのような機能を持つ のであろうか この あ に関して あいづち研究の中では 主に 理解して いる信号 堀口1 7 として取り上げられているが
2. 先行研究及び本研究の課題 2.1 日本語の敬語について敬語は敬意表現の一種である 文化庁 (2000) によれば敬意表現とは次のようなものである 敬意表現とは, コミュニケーションにおいて, 相互尊重の精神に基づき, 相手や場面に配慮して使い分けている言葉遣いを意味する それらは話し手が相手の
他者の敬語使用に関する意識調査 日本語母語話者を対象として ダイ アンチ 1. はじめに現代の日本社会では 国際化 少子高齢化など様々な変化が見られ そのような社会状況の変化は人々の言語生活にも影響を与えている 特に 近年では日本に在住する外国人が増加している 平成 2 年末時点で 日本国内の在留外国人数は 206 万 6,44 人であり 日本人と外国人が接触する機会はますます増えている そのように外国人が日本人と接触し
博士論文 考え続ける義務感と反復思考の役割に注目した 診断横断的なメタ認知モデルの構築 ( 要約 ) 平成 30 年 3 月 広島大学大学院総合科学研究科 向井秀文
博士論文 考え続ける義務感と反復思考の役割に注目した 診断横断的なメタ認知モデルの構築 ( 要約 ) 平成 30 年 3 月 広島大学大学院総合科学研究科 向井秀文 目次 はじめに第一章診断横断的なメタ認知モデルに関する研究動向 1. 診断横断的な観点から心理的症状のメカニズムを検討する重要性 2 2. 反復思考 (RNT) 研究の歴史的経緯 4 3. RNT の高まりを予測することが期待されるメタ認知モデル
日本のドラマにおける謝罪表現について
日本のドラマにおける謝罪表現について ベトナム語母語話者の観点から A comparative study about apology representation in drama of Japan From Vietnamese native speakers the point of view グエンティーホアミー 1 1 大妻女子大学大学院人間文化研究科 Nguyen Thi Hoa My
白井学習法(1).ppt
a Grammar Translation Method 19 1940~1960 Audiolingual Method - structural linguistics - behaviorism stimulus-response reinforcement habit formation (e.g., Skinner, 1957) 2 - L1 L2 [contrastive analysis]
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修士論文 ( 要旨 ) 2019 年 1 月 対面式タンデム学習がもたらす教室内学習への影響 国際化を目指す大学における活動実践報告から 指導宮副ウォン裕子教授 言語教育研究科日本語教育専攻 217J3001 久米ひかり Master s Thesis(Abstract) January 2019 Influence on Classroom Study by face-to-face Tandem
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18 BS BS 20 21 55 BS 10 10 55 Equivocation Theory Feldman et al. 2015 2 2.1 2.2 2 3 3 3.1 4 5 2.マスメディアの 影 響 力 Lazarsfeld et.al., 1944 Two-Step Flow of
Graduate School of Policy and Management, Doshisha University 17 政 治 討 論 番 組 における 会 話 分 析 概 要 BS 3 1 2 3 1.はじめに 1990, 2007 1990 2001 NHK 1990 18 BS BS 20 21 55 BS 10 10 55 Equivocation Theory Feldman et
tikeya[at]shoin.ac.jp The Function of Quotation Form -tte as Sentence-final Particle Tomoko IKEYA Kobe Shoin Women s University Institute of Linguisti
tikeya[at]shoin.ac.jp The Function of Quotation Form -tte as Sentence-final Particle Tomoko IKEYA Kobe Shoin Women s University Institute of Linguistic Sciences Abstract 1. emphasis 2. Speaker s impressions
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装い としてのダイエットと痩身願望 - 印象管理の視点から - 東洋大学大学院社会学研究科鈴木公啓 要旨 本論文は, 痩身願望とダイエットを装いの中に位置づけたうえで, 印象管理の視点からその心理的メカニズムを検討することを目的とした 全体として, 明らかになったのは以下のとおりである まず, 痩身が装いの一つであること, そして, それは独特の位置づけであり, また, 他の装いの前提条件的な位置づけであることが明らかになった
NO95-1_62173.pdf
1. Krashen 1982 1980 Swain 1985 Swain Muranoi, 2007a 3 1 2010 11 3 51 2. Swain 1985, 1995, 1998, 2005 de Bot 1996 1 4 1 2 Doughty & Williams, 1998 ; Swain, 1998 : 1 2 gap selective attention involvement
広東語母語話者の促音の知覚と生成 ― 広東語の「入声(にっしょう)」による影響を中心に
早稲田大学大学院日本語教育研究科 修士論文概要 論文題目 広東語母語話者の促音の知覚と生成 広東語の 入声 ( にっしょう ) による影響を中心に 張婉明 2 0 1 1 年 9 月 第 1 章序章本研究は 香港の広東語母語話者を対象に促音の知覚と生成に調査を行うことによって 広東語の入声 ( にっしょう ) が促音の習得に与える影響を明らかにするものである 本研究のきっかけとなったのは広東語母語話者による
日本語 日本文化研究 第 25 号 (2015) 日本語での約束をキャンセルするメールの談話構造 カムトーンティップ タワット 1. はじめに社会的規範からすると 謝罪は直接会って伝えるほうがいいと考えられている しかし 相手や自分の都合により直接会えない場合は パソコンや携帯電話の E メール (
Title 日本語での約束をキャンセルするメールの談話構造 Author(s) カムトーンティップ, タワット Citation 日本語 日本文化研究. 25 P.54-P.65 Issue 2015-12-01 Date Text Version publisher URL http://hdl.handle.net/11094/54487 DOI Rights Osaka University
画像類似度測定の初歩的な手法の検証
画像類似度測定の初歩的な手法の検証 島根大学総合理工学部数理 情報システム学科 計算機科学講座田中研究室 S539 森瀧昌志 1 目次 第 1 章序論第 章画像間類似度測定の初歩的な手法について.1 A. 画素値の平均を用いる手法.. 画素値のヒストグラムを用いる手法.3 C. 相関係数を用いる手法.4 D. 解像度を合わせる手法.5 E. 振れ幅のヒストグラムを用いる手法.6 F. 周波数ごとの振れ幅を比較する手法第
日本語「~ておく」の用法について
論文要旨 日本語 ~ ておく の用法について 全体構造及び意味構造を中心に 4D502 徐梓競 第一章はじめに研究背景 目的 方法本論文は 一見単純に見られる ~ておく の用法に関して その複雑な用法とその全体構造 及び意味構造について分析 考察を行ったものである 研究方法としては 各種辞書 文法辞典 参考書 教科書 先行研究として ~ておく の用法についてどのようなもの挙げ どのようにまとめているかをできる得る限り詳細に
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教育実践学研究 23,2018 1 Studies of Educational Psychology for Children (Adults) with Intellectual Disabilities * 鳥海順子 TORIUMI Junko 要約 : 本研究では, の動向を把握するために, 日本特殊教育学会における過去 25 年間の学会発表論文について分析を行った 具体的には, 日本特殊教育学会の1982
習う ということで 教育を受ける側の 意味合いになると思います また 教育者とした場合 その構造は 義 ( 案 ) では この考え方に基づき 教える ことと学ぶことはダイナミックな相互作用 と捉えています 教育する 者 となると思います 看護学教育の定義を これに当てはめると 教授学習過程する者 と
2015 年 11 月 24 日 看護学教育の定義 ( 案 ) に対するパブリックコメントの提出意見と回答 看護学教育制度委員会 2011 年から検討を重ねてきました 看護学教育の定義 について 今年 3 月から 5 月にかけて パブリックコメントを実施し 5 件のご意見を頂きました ご協力いただき ありがとうござい ました 看護学教育制度委員会からの回答と修正した 看護学教育の定義 をお知らせ致します
社会言語学:その仕組み、展望と社会の中での言葉遣いについて
Sociolinguistics: The mechanisms and perspectives of language use within societies. Barry Kavanagh1) Abstract Sociolinguistics is the study of how aspects of society, including its cultural norms, expectations,
Exploring the Art of Vocabulary Learning Strategies: A Closer Look at Japanese EFL University Students A Dissertation Submitted t
Exploring the Art of Vocabulary Learning Strategies: A Closer Look at Japanese EFL University Students MIZUMOTO, Atsushi Graduate School of Foreign Language Education and Research, Kansai University, Osaka,
第 1 問 B 身の回りの事柄に関して平易な英語で話される短い発話を聞き, それに対応するイラストを選ぶことを通じて, 発話内容の概要や要点を把握する力を問う 問 1 5 英語の特徴やきまりに関する知識 技 能 ( 音声, 語, 友人や家族, 学校生活など, 身近な話題に関する平易で短い説明を聞き取
英語 ( リスニング ), 及び等 第 1 問 A 身の回りの事柄に関して平易な英語で話される短い発話の聞き取りを通じて, 情報を把握する力を問う 問 1 1 短い発話を聞いて, 話者の要望を把握する 問 2 2 問 3 3 コミュニケーション英語 Ⅰ (1) ア事物に関する紹介や対話などを聞いて, 情報や考えなどを理解したり, 概要や要点をとらえたりする 英語の特徴やきまりに関する ( 音声, 語,
修士論文 ( 要旨 ) 2014 年 1 月 アニメ好きな学習者へのインタビューから見るビリーフ変容 指導堀口純子教授 言語教育研究科日本語教育専攻 212J3012 山同丹々子
修士論文 ( 要旨 ) 2014 年 1 月 アニメ好きな学習者へのインタビューから見るビリーフ変容 指導堀口純子教授 言語教育研究科日本語教育専攻 212J3012 山同丹々子 目次 第 1 章はじめに 1 1.1 用語の定義 1 1.2 研究の背景 2 1.3 研究の目的 6 第 2 章先行研究 7 2.1 学習リソース 7 2.2 ビリーフ 7 2.3 アニメ授業実践報告 10 第 3 章調査概要
卒業研究発表会 メタバースアバタの属性が パーソナルスペースの形状に及ぼす効果分析
卒業研究発表会 メタバースアバタの属性がパーソナルスペースの形状に及ぼす効果分析 大阪工業大学情報科学部 ヒューマンインタフェース研究室 発表日 2012/02/17 発表者 Q07-044 佐々木理 C07-113 和田幸司 はじめに パーソナルスペースとは 人の体を取り巻く, 目に見えない個人の空間領域 携帯用の縄張り パーソナルスペースの役割 コミュニケーション相手と適切な距離を取ることによって,
<論文>英国貴族階級所帯内労働関係における呼称の検証--20世紀前半を時代背景とする映画を分析して
A. Endearments e.g. dear, sweetie B. Family terms e.g. father, mum C. Familiarizers e.g. girl, mate D. E. Familiarized first names e.g. Jackie, Lizzie First names in full e.g. William, Elizabeth F. G.
Ellis 1970 Oxford (1990) SILL(Strategy Inventory for Language Learning) (Rubin, 1975; Naiman, Fröhlich, Stern, & Todesco, 1978)Rubin(1975) verbal-repo
No.7,689-700 (2006) Second Language Acquisition and Learning Strategies MOTOKI Yoshiko Nihon University, Graduate School of Social and Cultural Studies Recently, in an area of studying a foreign language,
DV問題と向き合う被害女性の心理:彼女たちはなぜ暴力的環境に留まってしまうのか
Nara Women's University Digital I Title Author(s) Citation DV 問題と向き合う被害女性の心理 : 彼女たちはなぜ暴力的環境に留まってしまうのか 宇治, 和子 奈良女子大学博士論文, 博士 ( 学術 ), 博課甲第 577 号, 平成 27 24 日学位授与 Issue Date 2015-03-24 Description URL http://hdl.handle.net/10935/4013
課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください
課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください 課題研究の進め方 Ⅰ 課題研究の進め方 1 課題研究 のねらい日頃の教育実践を通して研究すべき課題を設定し, その究明を図ることにより, 教員としての資質の向上を図る
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修士論文要旨 2011 年 1 月 キャリア アダプタビリティが大学生の就職活動に与える影響 指導種市康太郎准教授 心理学研究科臨床心理学専攻 209J4009 藤原智佳子 目次 Ⅰ. 問題の背景と所在 3 1. 若年労働者のキャリアに関する問題 3 2. 企業が求める人材 3 2-1. 高度成長期以降に望まれた人材像 3 2-2. 今日望まれている人材像 4 3. 若年労働者へのキャリア支援の変遷
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卒研発表会 個人の性格によって変化するパーソナルスペースの形状比較 大阪工業大学情報科学部情報メディア学科ヒューマンインタフェース研究室 2012 年 2 月 16 日 C07-102 村田誠弥 C08-099 森原海里 はじめに パーソナルスペースとは 個人の身体を取り巻く目に見えない空間領域 携帯用の縄張り パーソナルスペースの役割 コミュニケーション相手と適切な距離を取ることによって, やり取りを円滑に行う
論文の内容の要旨
論文の内容の要旨 論文題目 Superposition of macroscopically distinct states in quantum many-body systems ( 量子多体系におけるマクロに異なる状態の重ね合わせ ) 氏名森前智行 本論文では 量子多体系におけるマクロに異なる状態の重ねあわせを研究する 状態の重ね合わせ というのは古典論には無い量子論独特の概念であり 数学的には
コミュニケーションを意識した授業を考えるーJF日本語教育スタンダードを利用してー
国際交流基金日本語国際センター 第 16 回海外日本語教育研究会 Can-do に基づいた授業の組み立て -JF 日本語教育スタンダードを利用して - あなたの授業をあなたの Can-do でー Can-do を利用した学習目標の設定ー 三原龍志国際交流基金日本語国際センター専任講師 本ワークショップの目的 Can-do を使って自分の教育現場にあった学習目標を設定することができる 本ワークショップの流れ
’V‰K2.ren
International Journal of Intercultural Relations, Journal of Personality and Social Psychology, British Journal of Social Psychology Journal of Language and Social Psychology, Asian Journal of Social Psychology,
Taro-小学校第5学年国語科「ゆる
第 5 学年 国語科学習指導案 1 単元名 情報を集めて提案しよう教材 ゆるやかにつながるインターネット ( 光村図書 5 年 ) 2 単元目標 ( は重点目標) インターネットを通じた人と人とのつながりについて考えるために, 複数の本や文章を比べて 読み, 情報を多面的に収集しようとする ( 国語への関心 意欲 態度 ) 意見を述べた文章などに対する自分の考えをもつために, 事実と感想, 意見などとの関係を押
