中国市場攻略ヒント－エリア・マーケティング～2008年度ＣＮＲＳ調査データから～

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よしおつなかわ
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1 Video Research Digest 21.2 中国市場攻略ヒントエリアマーケティング ~ 28 年度 CNRS 調査データから ~ 1979 年中国南部の小さな漁村が深圳市に改名され最初の経済特区が誕生してから約 3 年中国の経済は東部の沿岸諸都市が牽引し続けてきましたしかし昨今の世界的金融危機の影響により沿岸部の成長が急激に鈍化していますそこで今までグローバル経済から切り離されてきた内陸部市場を切り拓き内需を拡大して 8% の GDP 成長率を守るとの政府方針の転換により中国の経済構造は東高西低から西高東低へと切り替ろうとしています ( 図表 1 ) こうした大きな変動が起きている中国の市場を攻略するにはもはやエリアマーケティングは無視できないものとなっています本稿では中国のエリアマーケティングをサポートする CNRS (China National Readership Survey) 調査の 28 年度データをご紹介したいと思います CNRS は年間 94,5 サンプルの規模で中国の主要 6 都市 ( 図表 1 のと印 ) で生活者のメディア接触状況と商品利用状況ライフスタイルについて調査しており弊社の ACR に似たマーケティングサービスのデータベースです誌面の都合上今回は東部中部西部と東北部と称される 4 つの経済ブロックから北京深圳鄭州成都瀋陽の 5 都市 ( 図表 1 の印 ) を代表として抽出し各都市における生活者のプロフィールやメディア接触状況の概要を簡単にご紹介します図表 1 中国経済ブロックおよび CNRS 調査エリア経済戦略重心中部瀋陽東北部鄭州北京西部成都東部深圳 1 copyright 21 Video Research Ltd. All Rights Reserved

2 Video Research Digest 都市における生活者プロフィール 1. 人口構成図表 2 が示すように都市によって人口の性年齢構成は大きく異なります 15~ 64 才においては一般的に男性人口が多いですが深圳は女性が過半数を占めていますまた深圳の 25~44 才の人口割合が他の都市に比べて顕著に高いことからも深圳は中国屈指の若い有職者の多い街といえます北京 < 男性 > 図表 2 性年齢別人口構成 < 女性 > 才才才才才才才才才才深圳鄭州成都瀋陽出典 :28 中国国家統計局人口統計 2. 収入と支出中国 36 都市全体の平均月収は 4,31 元 (29 年 12 月現在の為替レートで約 57, 円 ) ですが都市間での格差は大きいものとなっていますまたここで挙げた 5 都市では深圳と瀋陽における世帯月収の差は 4,382 元と東部地区と東部地区以外の開きが大きいことが分かりますとはいえ 26 年の世帯月収と比較すると全ての都市が約 1.5 倍に増え東部地区以外の伸び率も高くなっています一方世帯の月平均支出は少なくおよそ収入の 4~6 割に納まっており収入の少ない都市でも貯蓄や高額商品の購入に回すお金が残っています支出の中で最も高いのは食費で月平均総支出の 4 割を占めます住居関連の費用は通信費や教育費と同レベルで意外と安いものとなっています 4,31 (148%) 2,512 2,576 図表 3 世帯の月収と月平均支出 ( 元 ) 7,353 世帯月収月平均総支出 8 6,115 (148%) (16%) 括弧内 :6 年比 ,3 3,554 (152%) 1,73 3,929 (172%) 2,971 (162%) 2,18 1,629 全体平均北京深圳鄭州成都瀋陽支出内訳 ( 元 ) 食費 1,14 生活用品購入費 158 住居関連費 167 通信費 156 教育費 157 レジャー費 127 その他 372 出典 :28CNRS 調査 2 copyright 21 Video Research Ltd. All Rights Reserved

3 Video Research Digest 商品利用所有率経済水準が比較的低い内陸部の商品利用所有状況が改善しつつあります例えばデジタルカメラとノート型 PC においては所有率は東部中西部東北部の順に低くなっていますが 2 年間の伸び率を見ると中西部と東北部がより高いことが分かります経済重心の転換に従い今後内陸部の需要が更に増え消費がますます活発していくと予想されます図表 4 商品所有率 6 棒グラフ :8 年所有率折れ線グラフ :6 年比北京深圳鄭州成都瀋陽北京深圳鄭州成都瀋陽 <デジタルカメラ> <ノート型 PC> 出典 :28CNRS 調査 5 都市における生活者のメディア接触テレビラジオ新聞雑誌インターネット OOH と全てのメディアにおいて接触状況は都市によって異なっていますここではテレビと急速な普及を遂げているインターネットにフォーカスしてご紹介いたします 1. テレビ中国 36 都市全体平均の 1 日あたりのテレビ到達率は東京 3km 圏と同じ 91.7% ですが都市によって差があります ( 図表 5 ) また 1 日あたりの視聴時間量は東京 3km 圏に比べ約 1 時間少なく特に女性の視聴時間の差が大きくなっています ( 図表 6 ) これは中国女性の有職率が 52.6% で日本 (33.3%) の約 1.5 倍であることが大きな要因のひとつだと思われます図表 5 1 日あたりのテレビ到達率中国全体平均北京深圳鄭州成都瀋陽東京 3km 圏出典 :28CNRS 調査 ( 株 ) ビデオリサーチ28ACR 調査 3 copyright 21 Video Research Ltd. All Rights Reserved

4 Video Research Digest 21.2 図表 6 性年齢別 1 人 1 日あたりのテレビ視聴分数 < 週平均 (6-24 時 ): 全局 > ( 分 ) 中国全体平均関東全体平均男女 4-12 才男女才男性 2-34 才男性才男性 5 才 - 女性 2-34 才女性才女性 5 才 - 出典 :28CSM 視聴率調査 ( 株 ) ビデオリサーチ関東地区 28 年年間平均個人視聴分数北京と日本の関東地区の毎 6 分テレビ視聴率の推移を図表 7 に示しました中国のゴールデンタイムは 17~21 時と定義されているようにこの時間帯の視聴率が最も高く 21 時を過ぎると顕著に低下していきます中国の多数の地上波テレビチャンネルは深夜から早朝にかけて一旦放送を中止するため夜間の視聴率が関東地区を大きく下回りますまた朝は関東地区のような視聴ピークが見られません原因としては朝の番組は前日の再放送が多く編成が充実していないため日本のようにテレビを時計代わりに使う人が少ないのと朝食は外で食べる人が多く家でテレビを見ることができないという 2 点が主な理由だと考えられます一方昼休みを利用して家に戻り昼食を取る人も多いためお昼に関東地区よりやや高い視聴の山が現れています図表 7 毎 6 分テレビ視聴率 < 平日平均 : 全局 > 北京関東 ( 時台 ) 出典 :28CSM 視聴率調査 ( 株 ) ビデオリサーチ関東地区 28 年年間平均世帯視聴率 2. インターネット全体平均のインターネット到達率は東京 3km 圏とほぼ同じですが北京深圳鄭州は既に東京 3km 圏を上回り成都と瀋陽に大差をつけました 2 年間では東部 2 都市よりも他 3 都市の伸び率が高くなっています ( 図表 8 ) 4 copyright 21 Video Research Ltd. All Rights Reserved

5 Video Research Digest 21.2 図表 8 1 日あたりのインターネット到達率年比中国全体平均北京深圳鄭州成都瀋陽東京 3km 圏出典 :28CNRS 調査 ( 株 ) ビデオリサーチ 28ACR 調査図表 9 は時間帯別のテレビとインターネットの利用率です全ての時間帯においてインターネット利用者のテレビ視聴率が非利用者より低く日中は非利用者の半分以下で 19~22 時では最大約 2% の開きがありインターネットの普及はテレビ視聴に影響を及ぼしているとも言えます一方テレビ視聴者のインターネット利用は夜 21~23 時午後と午前の順に 3 つの山があり午前午後と 23 時以降の深夜はテレビを逆転しています午前と午後でのインターネットの利用場所は午前中は勤務先学校 (53%) が最も多いですが午後は自宅内 (53%) が勤務先学校 (4%) を大きく上回りましたまとめ図表 9 テレビインターネット利用者の時間帯別利用率推移テレビ視聴率 / インターネット非利用者テレビ視聴率 / インターネット利用者インターネット利用率 / テレビ視聴者 ( 時 ) 出典 :28CNRS 調査以上 5 都市だけを例に中国生活者のプロフィールとメディア接触について簡単にご紹介しました広大な国土と 13 億の人口を抱え絶えず変化し続ける巨大な中国マーケットは平均値だけでは表せませんまた従来のように北京上海広州の 3 大都市だけで中国を語る時代も過ぎました経済レベル文化気候風土などがそれぞれ異なる地域の生活者を相手に市場を開拓していくためにはエリアマーケティングは必要不可欠な要素になります 5 copyright 21 Video Research Ltd. All Rights Reserved

6 Video Research Digest 21.2 弊社は協力関係にある中国 ctr 社が提供する CNRS データをハンドリングしており日本人目線による特別分析レポートサービスを行っております 28 年度 CNRS 調査概要調査名 China National Readership Survey ( 略称 :CNRS) 実施機関調査開始 ctr 市場研究 (ctr Market Research) 1999 年調査エリア中国主要 36 都市 (29 年より 24 都市新規計 6 都市に拡大 ) 対象者 15~69 才 ( 男女個人 ) 標本数 8,1 人 (29 年より 94,5 人に拡大 ) 標本抽出法調査方法調査サイクル調査内容各都市の人口比率を反映したエリアサンプリング抽出 36 都市は訪問面接法 ( 一部留め置きあり ) 29 年の新規 24 都市は CATI 法年間継続のローリング方式 1 対象者プロフィール性年齢家族構成職業個人家庭月収入など 2 メディア接触状況テレビラジオの接触状況新聞雑誌の閲読状況インターネット利用状況交通機関利用状況外付け液晶テレビの接触状況 3 商品サービス消費状況個人家庭一般消費財耐久消費財の所有利用状況利用頻度購入場所購入予定など 139 カテゴリー 4,856 商品ブランド 4 レジャー消費活動及びライフスタイル外食スーパーマーケットの利用状況クレジット消費状況生活態度意識など 6 copyright 21 Video Research Ltd. All Rights Reserved

スライド 1

スライド 1 ZIP- は 12 才 69 才で個人聴取率シェア ( 株 ) ビデオリサーチが 2018 年 6 月 11 日 ( 月 )17 日 ( 日 ) にかけて行った中京圏ラジオ調査によると ZIP- は 1269 才 ( 有効回答数 2832 人 ) で週平均個人聴取率 (724 時 ) が全局の 5.7% に対して 1.6% を獲得し第 1 位となりました聴取率シェアは全ラジオ局中 28.8%