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1 提出日 2010 年 7 月 19 日 ( 月 ) サイバー法 ( 火曜 4 限 ) 夏井高人先生 Winny 開発者控訴審無罪判決の検討 T.I. 1

2 Winny 開発者控訴審無罪判決の検討 目次 1 本稿の目的 2 Winny 開発者控訴審無罪判決の概要 (1) 事実の概要 (2) 判旨 3 検討 (1) ファイル共有ソフトと著作権法侵害罪との関係 (2) ファイル共有ソフトの提供と幇助犯との関係 (3)Winny 控訴審無罪判決の妥当性 4 結語 1 本稿の目的ファイル共有ソフト Winny の開発者に対する著作権法違反幇助被告事件において, 第 2 審の大阪高判平成 21 年 10 月 8 日季刊刑事弁護 61 号 182 頁 ( 以下, 2 審 という ) は 開発者の刑事責任を肯定した京都地判平成 18 年 12 月 13 日判タ 1229 号 105 頁 ( 以下, 1 審 という ) を覆し, 被告人を無罪とした 本稿の目的は, いわゆる中立的行為による幇助の成否という点について,2 審の判断の妥当性を検討することにある 2 Winny 開発者控訴審無罪判決の概要 (1) 事実の概要被告人は,P2P 技術 ( 不特定多数のユーザのシステムが相互に接続され, 直接にファイル等の情報を送受信する通信形式 ) を用いたファイル共有ソフトである Winny を製作し その改良を重ねながら, 自己のウェブサイト上で公開 配布していた そして, 同人が,Winny の最新版を自己のウェブサイト上に公開して不特定多数者が入手できる状態にしたところ, このソフトをそれぞれダウンロードした A 及び B が, これを用いて, 法定の除外事由なく, かつ, 著作権者による利用許諾を得ることなく, 著作物であるテレビゲームのプログラムや映画コンテンツを, インターネット上でアクセスしてきた不特定多数の利用者に対し自動公衆送信可能にし, 上記著作物の公衆送信権を侵害して, もって著作権法違反の犯行を行った そこで, 被告人は,A 及び B による著作権侵害罪を幇助したとして起訴された 1 審は Winny の技術自体の価値は中立的だが, 被告人は,Winny を含むファイル共有ソ 2

3 フトが著作権を侵害する態様で広く利用されていた等の現実の利用状況の下, そうした状況を認識し認容しながら Winny の最新版を不特定多数の者に対して公開したとして, 著作権侵害罪の幇助の成立を認めた これに対し, 被告人は諸々の点を主張して控訴したが, そのうち法令適用の誤りについての主張は大要以下のとおりである すなわち,1 著作権法 120 条の 2 第 1 号に規定される違法性の高い行為を除いては, 公衆に対する機器提供型の著作権侵害の幇助犯は成立しない また,2 幇助犯が成立するためには, 幇助の行為, 幇助の故意, 幇助の因果性が必要であるから, 不特定多数者に提供された技術が著作権侵害に利用された場合には, 不特定多数者に向けられた幇助を一般的に認めることは許されない そしてまた,3 価値中立的な技術の公衆への提供については, 原則として幇助犯は成立せず, その技術を誰かが悪用する可能性 蓋然性を認識し, 認容しているだけでは, 幇助犯を認めることはできない これらのうち, 上記 3の点が, 本件における中心的な争点に関する主張であり, 本稿の検討対象であるから, 以下では, 主として3の点について述べる (2) 判旨 2 審は, まず, 上記 12の点について, 著作権法 120 条の 2 第 1 号で規定されている以外の間接的な著作権侵害行為については, その幇助行為が不可罰であり, また, 不特定多数者に対する幇助行為が不可罰であると解することはできない とした 次いで, 上記 3の点について検討を加え, 一般に, 中立行為による幇助犯の成立につき,, 助力提供者が, 正犯がいかにその助力行為を運用するのかを知らない場合, 又はその助力行為が犯罪に利用される可能性があると認識しているだけの場合には, その助力行為は, なお刑法に規定する幇助犯であると評価することはできないというべきであ るとした上で, 幇助犯が成立するためには, ソフトの提供者が不特定多数の者のうちには違法行為をする者が出る可能性 蓋然性があると認識し, 認容しているだけで足りず, それ以上に, ソフトを違法行為の用途のみに又はこれを主要な用途として使用させるようにインターネット上で勧めてソフトを提供する場合に幇助犯が成立すると解すべきであ るとした ( 下線部筆者 ) そして, 本件被告人についてみると, 本件 Winny をインターネット上で公開, 提供した際, 著作権侵害をする者が出る可能性 蓋然性があることを認識し, それを認容していたことは認められるが, それ以上に, 著作権侵害の用途のみに又はこれを主要な用途として使用させるようにインターネット上で勧めて本件 Winny を提供していたとは認められないから, 被告人に幇助犯の成立を認めることはできない との判断を下した 3 検討 3

4 (1) ファイル共有ソフトと著作権法侵害罪との関係ファイル交換とは, ユーザXのシステムにあるファイルのコピーを, 他のユーザYのシステムに作成することである XとYとに意思疎通の有無は必ずしも必要ではなく, この場合のXとYとが不特定多数である場合には, ファイル共有と呼ばれる このようなファイル共有は, 各ユーザが共通のファイル共有ソフトを使用することで可能となり, この共有されるファイル共有ソフトによって, ネットワーク上に存在する複数のシステム間で, ファイルへの相互アクセスが可能となる 共有されるファイルは個々のシステムの中にあり, ネットワーク上のどこかに集められて一元的に管理されているわけではない 1 P2P 技術は, このようなファイル共有を可能にする技術であるが, これには, ハイブリッド P2P とピュア P2P とがある ハイブリッド P2P とは, センター サーバを利用することにより, 各ユーザのシステム中にあるファイルを検索可能にした上で, ユーザ間でファイルのコピーを行う型の P2P 技術である これに対して, インデックス サーバを利用することなく, 各ユーザのシステム中にあるファイルを検索可能にした上で, ユーザ間でファイルのコピーを行う型の P2P 技術をピュア P2P という 本件で問題とされた Winny も, ピュア P2P の技術を用いたファイル共有ソフトである ところで, 著作権法は, 著作権者に対して, 著作物に関する独占権を付与するとともに, 一定の著作物利用行為を権利の侵害であると定めている ( 著作権法 17 条,21 条以下等 ) 同法に照らすと,P2P 技術を用いて著作物であるファイルをシステム間でコピー可能な状態に置く行為は, 同ファイルを 自動公衆送信 ( 著作権法 2 条 1 項 9 号の 4) し得るようにすることであり, 送信可能化 ( 同法 2 条 1 項 9 号の 5) にあたるため, 著作権者の公衆送信権 ( 同法 23 条 1 項 ) を侵害することになり, これは刑事罰の対象とされている (119 条 1 項 ) したがって,Winny のようなファイル共有ソフトを用いて著作物であるファイルをシステム間でコピー可能な状態に置く行為は, 著作権侵害罪にあたる そして, 本件では, このような行為を行った A 及び B に対して, 不特定多数の者が入手できるようにすることによって Winny を提供した被告人の行為が 上記著作権侵害罪の幇助 ( 刑法 62 条 1 項, 旧著作権法 119 条 1 号,23 条 1 項 ) に当たるか否かが問題となったのである (2) ファイル共有ソフトと幇助犯との関係 幇助 ( 刑法 62 条 1 項 ) とは, 正犯者でない者が, 正犯の実行を援助し, 容易ならしめることをいう その方法については何らの制限がなく, 物質的 有形的援助 ( 金銭の貸与, 実行に供する凶器の提供, 犯行現場への案内等 ) でも精神的 無形的援助 1 園田寿 Winnyの開発 提供に関する刑法的考察 [ 再論 ] ウイニー控訴審無罪判決の意義と課題 刑事法ジャーナル 22 号 41 頁 4

5 ( 助言, 奨励等 ) でもよいと考えられている 2 そうだとすれば, 事後的に見た場合, Winnyのようなファイル共有ソフトを不特定多数の者に提供する行為は, 被提供者による著作権侵害行為の実行を有形的に援助し, 容易ならしめる行為であるといえる また, 開発者がファイル共有ソフトに匿名でファイルを交換する機能を付与する行為は, 実名を公開する場合に比して違法なファイル交換を行う際の心理的抵抗感を減少させるという点で, 違法なファイル交換を無形的に援助し, 容易ならしめる行為であるといえる したがって, 匿名でファイルを交換する機能を付与したファイル共有ソフトを不特定多数の者に提供する行為は, 形式的には有形的かつ無形的な幇助という側面を持つため, 幇助犯の客観的構成要件を充たすとも思える しかし, 価値中立的な行為については, その行為自体の社会的評価によって価値中立性が決定されるとすると, 故意以前の行為の客観的な社会的評価を問題とすべきである 3 から, なお客観的構成要件の問題として捉えることが可能である 他方で, 仮に客観的構成要件を充たすと考えた場合には, 主観的構成要件が充たされるか否かが問題となる すなわち, 不特定多数の者に対するソフトの提供行為をする者は, 一般に, 提供を受けた者が著作権侵害行為に出ることを確定的に認識し認容しているとまではいえないため, 幇助の故意がいかなる場合に認められるのかが問題となるのである 幇助の故意については, 共犯従属性説の立場から, これが認められるためには,1 幇助行為によって, 被幇助者による犯罪の実行が容易になること, 及び2 被幇助者によって実行行為が行われることについて認識し, 認容していることが必要であると考えられている 4 また, 未遂の幇助の問題を巡って争いがあるものの, 3 被幇助者が構成要件を実現するところまで故意が及んでいなければならない, と考える見解もある 5 また, 構成要件該当性が認められたとしても, 行為自体が価値中立的であること等を理由として,1 審のように 違法性が阻却されるとする余地もあるものと考えられる (3)Winny 控訴審無罪判決の妥当性ア 1 審との対比以上のような理論的状況下において,1 審は幇助の成立を肯定し,2 審は幇助の成立を否定した そこでまず, 両者を対比することによって,2 審による判断の特徴を明らかにしたい 1 審と 2 審とに共通するのは,Winnyの技術自体を価値中立的であると評価している点である すなわち,2 審の表現を借りれば, Winnyは価値中立のソフト, すな 2 裁判所職員総合研修所 刑法総論講義案 三訂版 ( 司法協会, 平成 16 年 )353 頁, 井田良 講義刑法学 総論 ( 有斐閣,2008 年 )490 頁等 3 松宮孝明 中立的行為と共犯 Winny 事件控訴審判決 法学セミナー 663 号 123 頁 4 前掲注 2 井田 490 頁 489 頁, 前掲注 2 総合研修所 350 頁 ( 但し, 教唆犯について ) 5 前掲注 2 井田 490 頁 489 頁 5

6 わち, 多様な情報の交換を通信の秘密を保持しつつ効率的に可能にする有用性があるとともに, 著作権の侵害にも用い得るというソフト なのである そこで, 本問はいわゆる中立的行為による幇助の問題として論じられることになる 中立的行為とは, 日常的で, 少なくとも外形上は中立的な, つまり犯罪的な意味を持たない ( ように見える ) 行為をいう 6 中立的行為を行う者が相手方の犯罪実行の意図を知らない場合には, 当該行為者には犯罪実行を幇助する故意が認められないため, 幇助犯が成立する余地はない もっとも, 相手方の犯罪実行の意図を少なくとも未必的に知っていた場合には, 幇助犯の成否を議論する余地がある これが, 中立的行為による幇助の問題である 1 審は, この問題を Winny の外部提供行為自体の幇助行為としての違法性の問題として捉えたのに対し,2 審は構成要件の問題として論じているようである すなわち,1 審は,Winny の価値中立的な側面を, 幇助犯の成立範囲を限定する根拠として示し, 違法性の判断基準として ⅰその技術の社会における現実の利用状況や,ⅱそれに対する認識,ⅲ さらに提供する際の主観的態様如何による とした上で, Winny を含むファイル共有ソフトが著作権を侵害する態様で広く利用されて いる現実の利用状況の下, 被告人は とりわけ Winny の現実の利用状況等を認識し Winny が 著作権を侵害する態様で利用されることを認容しながら, 公開したとして幇助犯の成立を肯定した これに対して,2 審は, まず,1 審の示した判断基準によると どのヴァージョンの Winny の提供から幇助犯が成立するに至ることになるのか が判然としない等として,1 審の判断基準を否定した上で, 議論の出発点として, 罪刑法定主義の見地から慎重に検討すべきことを述べる 続いて, 被提供者が不特定多数の者であり, 被告人においては, それらの者による使用方法や意図を把握することはできないことを強調し, また, 幇助犯の成立範囲を限定しないと, ソフトの提供者は, 刑事上の責任を時期を問わず無限に問われることとなるとした上で,Winny が価値中立的技術であり, したがって, その提供行為もまた価値中立的行為であるとする そして, 幇助犯が成立するためには 被提供者のうちから 違法行為をする者が出る可能性 蓋然性があると認識し, 認容しているだけでは足りず, それ以上に, ソフトを違法行為の用途のみに又はこれを主要な用途として使用させるようにインターネット上で勧めてソフトを提供する ことが必要であるとし, 被告人による幇助犯の成立を否定した 以上の対比からすると,2 審による判断の特徴は, 中立的行為による幇助犯の成立範囲を限定する 1 審の判断を肯認しつつも, 成立範囲の限定がなお不十分であるとして, 積極的に犯罪を助長する態度までを要求した点にあるといえる そこで, 以下では, このような中立的行為について,1 幇助犯の成立範囲を限定する方向性の適否, 及び2 幇助犯の成立範囲を限定する程度の適否についてそれぞれ検討する 6 豊田兼彦 Winny 事件と中立的行為 刑事法ジャーナル 22 号 51 頁 6

7 イ幇助犯の成立範囲を限定する方向性の適否この方向性が適当であることについては, 特に異論はないようである 7 その論拠としては,1 なされた援助行為が客観的に通常の業務活動の枠内にとどまっている場合, 自己の行為が犯罪に役立つ場合があるかもしれないという不確かな認識は, 通常の業務活動に伴う 許された危険 の主観的反映に他ならず, それを故意とは呼べないこと,2そのような不確かな認識を処罰にとって十分だとすると, 社会的に有用な合法的活動に対する大きな委縮効果が予想され, 基本的人権に対する過度の制約になる可能性があること,3 故意を主観的違法要素として位置づけた場合, なされた行為が客観的に通常の日常的な行為の枠内にとどまっている限り, 事後にその行為が正犯結果に役立ったとしても, 正犯の犯罪に関する不確かな認識によって導かれた行為が, 事前に正犯の危険性を増大させたとはいえないこと等が指摘されている 8 考えるに, たとえば, 包丁を販売する者が, 自己の販売する包丁が殺人に用いられうることを一般的に認識していたからといって, 包丁の販売行為に幇助犯が成立すると考えるのは, いかにも不合理である それは, 包丁自体がいわゆる用法上の凶器であって, 包丁をどのような行為に用いるか否かは利用者に極めて大きく依存している上, このような行為についてまで幇助犯の成立を肯定すると, 社会生活が委縮し, 立ち行かなくなってしまうことに裏付けられているように思われる そして, このような観点からすると,Winny のような中立的な知識 技術の提供行為についても, 用法上の凶器の提供行為と同様に考えるべきである そうすると, 被提供者が提供された物を利用して犯罪を実行した場合には, その行為の危険性は専ら被提供者の選択に依存するのであるから, 行為から生じた結果は原則として被提供者に帰責されるべきである したがって, このような場合には, 提供者が幇助犯に問われるのは例外的なことと考えるべきである 以上のことから, 中立的な知識 技術の提供行為は, それが犯罪に利用可能な知識 技術であり, 現実に犯罪に利用されたとしても, 犯罪利用の一般的可能性及びその認識のみをもって幇助犯の成立を認めるべきではない その意味で,2 審が幇助犯の成立範囲を限定する方向性で議論を進めたことについては賛成することができる 7 もっとも, 佐久間修 Winny 事件にみる著作権侵害と幇助罪 ビジネス法務 2004 年 9 月号 65 頁以下は, 漠然とした認識にとどまる場合はもちろん, 匿名の相手方に対しても, 従犯は成立しうるのである としており, これが, 幇助の故意も正犯の故意と同様に考えられ, 未必的認識のみならず, 概括的な故意も幇助の故意として十分であるとするものであるとすれば, 少なくとも故意の有無という段階において幇助犯の成立範囲を限定することには否定的であると考えられる 8 前掲注 1 園田 45 頁, 岡村久道 Winny 開発者事件控訴審判決が残したもの 大阪高判平成 NBL916 号 1 頁等 松宮孝明 中立的行為と共犯 Winny 事件控訴審判決 法学セミナー 663 号 123 頁は, 幇助犯の成立範囲を限定する方向性は, すでに刑事司法実務でも常識になりつつあるといってよいであろう とする 7

8 ウ幇助犯の成立範囲を限定する程度の適否それでは, 積極的に犯罪を助長する態度までを要求した点の適否についてはどのように考えることができるだろうか たしかに,1 審の示したような漠然として判断基準により幇助犯の成否が決せられるとすれば, 同様の新規技術の提供行為に萎縮効果が及ぶことになる 9 ため,2 審の示した成立範囲の厳格な限定は方向性としては賛成することができる また, 本件のような インターネット上におけるソフトの提供行為で成立する幇助犯 (2 審判示 ) というものは, これまでにない新しい類型の幇助犯であるから, 罪刑法定主義 ( 憲法 31 条 ) の見地から慎重な検討が必要である点についても反対する理由はない もっとも,2 審が,Winny のネットワーク上にあるファイルのうち約 40% 程度が著作権の対象となり, かつ, 著作権者の許諾が得られていないと推定されるとした上で, ソフトを違法行為の用途のみに又はこれを主要な用途として使用させるようにインターネット上で勧めてソフトを提供する という極めて厳格な基準を採用した点については検討の余地があるように思われる このような 2 審の判断基準は, 類似事案であるGrokster 事件における米国連邦最高裁判決 (Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. v Grokster,LTD.,525US 2005 ) が適用した誘因論 ( 直接侵害に対する積極的奨励行為による責任 ) に似ているとの指摘がある 10 同事件は,Winnyと同様のピュアP2Pソフトの頒布行為についての事案であり, 著作権侵害のために機器を使用することを促す目的を持って機器を頒布する者は, 第三者による侵害行為の結果に対して責任を負う ( 下線部筆者 ) として頒布者の民事責任を認める判決を下しており, 頒布者の目的を決定的な要素としている この判示と 2 審とを対比すると,2 審は, この判示を念頭に置きつつ, 本件が刑事事件であることをも考慮して, 目的のみならず, 違法行為の用途のみに又はこれを主要な用途として使用させるようにインターネット上で勧めて 提供する行為までをも要求したものとも考えられる 上述のように, このような事案において帰責されるべきは, 本来被提供者であることからすると, 罪刑法定主義の見地からも, 例外的に幇助犯が成立する範囲を厳格に限定すること自体は妥当である しかし,2 審の示したように, ソフトを違法行為の用途のみに又はこれを主要な用途として使用させるようにインターネット上で勧めてソフトを提供する 行為とはいえなくとも, なお幇助犯の成立を認めるべき場合はあるように思われる すなわち, 中立行為による幇助犯の成立範囲が限定されるべき根拠は, 主として, 社会的に有用な行為への委縮効果の懸念にあると考えられる そうだとすれば, 社会的に有用であるとしても, 委縮効果からの保護に値しない行為については, 幇助犯の成立を否定す 9 前掲注 8 岡村 1 頁 10 前掲注 8 岡村 1 頁 8

9 べきであるとはいえないのではないか そして, 保護の必要性が社会的有用性によって基礎づけられていることからすれば, 委縮効果からの保護に値するか否かは, 行為自体が社会的正当性を有するか否かによって決すべきであるから, 必ずしも社会的有用性のみを理由として幇助犯の成立を否定することはできないと考える そこで,2 審の示したように積極的犯罪助長態度が認められない場合であっても, 行為者が果たすべき社会的責任を十分に果たしているか, 提供されたものが違法行為に用いられることがどの程度確実であるか等を総合的に考慮して, 提供行為が社会的正当性を欠くと認められる場合には, 幇助犯の成立を肯定すべきである その意味で, Winny の現実の利用状況を正面から考慮することなく, 被告人の積極的犯罪助長態度のみを重視している 2 審の判断は, 厳格に過ぎると考える なお, このように考えると, 違法行為に用いられることがどの程度確実であれば, 社会的正当性を欠くと認められるのかという困難な問題が新たに生じることになる この点については, 違法行為に用いられることが絶対に確実であれば, 幇助犯の成立を肯定すべきであることには異論がないと思われる そうかといって, 不特定多数の者に対して提供行為が行われる場合には, そのうちの一部が確実に違法行為に及ぶことのみを以て幇助犯の成立を肯定するとすれば, 不当に処罰範囲が拡大することになり, 委縮効果からの保護を十分に図ることはできない そこで, 不特定多数の者に対する提供行為については, 抽象的には, 相当程度の割合の者が違法行為に用いるであろう場合には, 幇助犯の成立を肯定すべきであるといえる ここにいう 相当程度 が何を意味するのかは, 具体的事案を離れて一般的な基準を立てることは困難であると言わざるをえないが, 敢えて言えば, 憲法が保障する基本的人権の範囲内にとどまる行為に不当な制限を加えない限度での確実さを要求すべきであると考える もっとも, 著作権は権利の発生, 帰属主体, 権利範囲が判断としないことが多く, また, 著作権侵害罪には窃盗と同じ法定刑が規定されており, これは著作権侵害に対する刑罰としては世界的に見ても極めて重い罪である 11 ことからすると, 幇助犯の罪責を問うことについては, より一層謙抑的でなければならない こうした点をも考慮すると, 本件においては,2 審が認定した 著作物で, かつ, 著作権者の許諾が得られていないと推測されるもの が 40% 程度であるという現実の利用状況の下では, 被告人の行為には, 刑罰によって罰するほどの可罰的違法性があるとまでは考えにくい したがって, 本件において幇助犯の成立を否定した 2 審の判断は妥当であると考える ただし, 民事的な責任は別論であるから,Winnyによる無断のファイル共有が, 当該ファイル共有から対価を徴収していないという意味で, 著作権者等に経済的な不利益を与えていることは確かである以上, 本件の被告人のような行為をした者に対す 11 中山信弘 著作権法 ( 有斐閣,2007 年 )518 頁注 2 9

10 る民事上の責任が肯定されるか否かは別途検討されるべきである 12 4 結語サイバー犯罪に対する我が国の法的規制は, 違法情報が蔵置されるサーバの地理的な所在地が国内であることを前提に, その管理者であるプロバイダに対する法的規制を基礎に組み立てられている 13 しかし, 近年のデジタル技術の発展とそれに伴う通信技術の発展により, これまでとは異なる法的規制の必要性が生じている たとえば, 本件で問題となったWinnyのようないわゆるピュアP2Pの技術は, 各システム間に上下関係を付けず, 対等な関係で直接個々人のシステム同士でファイル共有や分散情報処理を実現することを可能にするものであり, 今後も従来の法的規制で対応することが困難な問題が多数生じることは想像に難くない デジタル技術の発展は, 我々に対し, 情報化社会のインフラとしての法的規制はどうあるべきかという点について不断の検討を迫っているように思う 以上 12 たしかに,Winny による無断のファイル共有が, 著作権者が対価の回収を予定している CD 等の売り上げ等による収入を積極的に減らしているのかということに関しては, 両論ありうるところである なぜなら, そのようなファイル共有行為と CD 等の購入行為がそもそも代替関係にない場合もあり, また, ファイル共有行為により宣伝効果が生じる場合もあるため, 一律に決することはできないからである もっとも, 仮に積極的収入減少効果が認められないとしても, ただちに, ファイル共有行為が著作権侵害にあたらないということはできない なぜなら, 著作権侵害にあたり違法であるとされていること自体が 遵法意識を誘うために, ファイル共有が抑止されている可能性があり, また, 環境が変わった場合には, ファイル共有行為と CD 等の購入行為との代替関係がより密になることも考えられるからである さらにまた, 著作権者による経済的収入確保のための既存のシステムに対する積極的な収入減少効果がないとしても, そのような既存のシステムとは別に たとえば,2 審が認定した被告人のスレッド上での発言に現れているような コンテンツに課金可能なシステム ( ファイル落とした各自から確実にお金を取れるシステム ) による収益機会を著作権者に対して与えることが望ましい場合もあり得るからである ( 田村善之 法教育と著作権法 政策形成過程のバイアス矯正としての放任との相剋 ジュリスト 1404 号 41 頁注 31 等参照 ) 13 園田寿 ネットワーク犯罪 刑法の争点 ( ジュリスト増刊,2007 年 )242 頁 10

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