第11回税調

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れんかはかまや
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1 平総説明資料経済活動の ICT 化働き方の多様化等平成 29 年 9 月 26 日 ( 火 ) 財務省

2 1 近年の納税実務等を巡る環境変化についてアダムスミスの4 原則について平成 29 年 6 月 19 日政府税調資料 1. 現状認識近年経済活動における ICT の利用が拡大しそれに伴い経済活動や決済手段の多様化グローバル化も進展しつつあるこれを受け税務行政においても納税者利便の向上適正公平な課税の実現に資するため時々の要請に応じて制度的な対応を行ってきた例えば電子申告の導入税法により保存を求めている書類の電子保存化が進められてきたほか国外の財産を報告する枠組みの整備等が行われてきた 2. 問題意識こうした環境変化は今後も進展していくことが見込まれるため中長期的な対応として専門的技術的見地から検討を行っていく必要があるその検討に当たっては納税者税理士税務当局をはじめとする実務当事者のニーズを的確に踏まえるとともに諸外国の先進的な取組みについても参考とする必要があるのではないか税務手続の ICT 化は道半ばであり納税者利便の向上適正公平な課税の実現の観点からも政府の情報基盤や ICT の活用によって税務関係情報の流れや処理を合理化し税務手続の簡素化及び税務行政の高度化効率化を図ることが考えられるのではないか経済活動が多様化する中適正公平な課税を実現していくためには税務当局が法定調書やそれ以外の方法により必要な情報を収集できるような制度的な対応も必要となってくるのではないか

3 ( 注 ) 記入済申告書 : 雇用者等から集まった情報を課税当局が予め申告書に記入し納税者に提供することで納税者の税務申告を支援するサービスアメリカの段階的課税は給与所得配当所得及び長期キャピタルゲインの順に各所得を一旦合算した総額に応じてまたイギリスの段階的課税は給与所得等利子所得配当所得譲渡所得の順に各所得を一旦合算した総額に応じて各所得に係る税率ブラケットがそれぞれ決まるため勤労所得等の額が金融所得に係る税率に影響するという点では総合課税に近い構造を有する 2 政府税制調査会による海外調査報告 ( 平成 29 年 6 月 19 日 )( 概要 ) 国名 ( 所得税制度 ) エストニア ( 総合課税 ) スウェーデン ( 分離課税 ) 韓国 ( 分離課税 ) アメリカ ( 総合課税 ( 利子 ) 段階的課税 ( 配当 CG)) ( ) カナダ ( 総合課税 ) フランス ( 総合課税 ) イギリス ( 段階的課税 ) ( ) ICT の活用を含めた納税者利便の向上等に向けた取組 ( 例 ) 記入済申告書原則スマホ等で申告が可能記入済申告書原則スマホ等で申告が可能年末調整手続の簡素化控除対象データは控除関係機関から国税庁の税務手続支援システムに集約され従業員雇用主が控除申告書をダウンロード可能確定申告ビジネス ( 申告代行業 ) が発達原則スマホ等で申告が可能 ( 民間の申告代行業が作成するアプリを利用 ) 記入済申告書 ( 未記入事項が比較的多い ) 原則スマホ等で申告が可能記入済申告書 ( 未記入事項が比較的多い ) 原則スマホ等で申告が可能年末調整制度のリアルタイム化雇用主が従業員への毎月の給与支払毎に税額を調整した上で源泉徴収を実施原則スマホ等で申告が可能新しい経済への対応を含めた制度の信頼性向上に向けた取組 ( 例 ) 事業者は付加価値税申告書 ( 毎月 ) に合計 1,000 ユーロ (12 万円 ) 以上の取引相手方に係るインボイス情報を記載 ( 課税当局においてマッチング ) 現金取引を行う事業者は政府が認証したレジを使用 ( 改ざん不可能課税当局のみ読取り可能 ) 控除対象データのほかインボイスクレジットカード利用情報ストック情報支払調書が課税当局に集約 ( 課税当局においてマッチング ) 多様な法定調書を具備ビットコイン取引 600ドル (6.5 万円 ) 以上の役務提供等約 250の取引に情報報告義務 ( 日本は60)) 新しい経済への対応として近年ビットコイン取引所に顧客情報の提供を求めた例あり新しい経済への対応として近年インターネットオークションの運営会社に利用者情報の提供を求めた例ありインターネットを利用した課税逃れ等に対応するため課税当局への情報提供の対象範囲を見直しシェアリングエコノミーのプラットフォーム事業者が利用者間の取引情報を課税当局に報告する仕組みを導入 (2020 年 ~) 納税者と課税当局のコミュニケーション緊密化の一環として 2020 年以降個人事業主や法人が四半期に一度財務会計情報を課税当局に報告国際的な課税逃れ等に対応するため課税当局への情報提供の対象範囲を見直し

4 経済活動における ICT 化の現状 3

5 情報通信端末の世帯保有率の推移 2000 年代に携帯電話とパソコンが普及した後 2010 年代に入ってスマートフォンとタブレット型端末が急速に普及 (%) パソコンスマートフォン携帯電話 ( ) タブレット型端末年 : 携帯電話 (PHS 携帯情報端末 (PDA) スマートフォンなども含む ) 年 : 携帯電話 (PHS 携帯情報端末 (PDA) なども含みスマートフォンは含まない ) 2013 年 ~ : 携帯電話 (PHSを含みスマートフォンは含まない) ( 出典 ) 総務省通信利用動向調査 ( 年 )

6 電子商取引 (EC) の市場規模の推移 BtoB 市場規模の推移 BtoC 市場規模の推移 BtoB: 企業間取引 BtoC: 企業と一般消費者の取引 ( 市場規模 / 兆円 ) ( 出典 ) 経済産業省電子商取引に関する市場調査広義 EC 市場規模 ( 注 1) 狭義 EC 市場規模 ( 注 2) 広義 EC 化率狭義 EC 化率 (EC 化率 /%) ( 注 1) 広義 EC: コンピューターネットワークシステムを介して商取引が行われかつその成約金額が捕捉されるもの ( 注 2) 狭義 EC: インターネット技術を用いたコンピューターネットワークシステムを介して商取引が行われかつその成約金額が捕捉されるもの平成 ( 年 ) ( 市場規模 / 兆円 ) (EC 化率 /%) EC 市場規模 EC 化率平成 ( 年 ) ( 注 )BtoC 市場規模の推計対象は個人消費における全ての財 ( 商品 ) サービスのなかでインターネットを通じて行われた取引の金額でありその内訳は物販系分野サービス系分野デジタル系分野に大別される EC 化率の算出対象はそのうち物販系分野に限定されている

7 インターネット取引の際の決済方法及びクレジットカード等による決済の広がりクレジットカード払いが大きく増加クレジットカード等による決済額の家計最終消費支出に対する割合は足元で 22.7% 代金引換 ( 出典 ) 総務省通信利用動向調査報告書 ( 注 ) 回答は複数回答可とされているもの 38.9 カード払いコンビニでのATMでの支払い65.0 クレジット銀行等の窓口支払い年末 2015 年末 8.8 等(%) インターネット取引の際の主な決済方法ネットバンキング( 兆円 ) クレジットカード等による決済額とそれの 80.0 家計最終消費支出に対する割合の推移 22.7% % % % 19.0% % % 21.0% 18.0% 15.0% 12.0% 9.0% 6.0% 3.0% 0.0% 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年デビットカード電子マネークレジットカード家計最終消費支出 ( 除く持ち家の帰属家賃 ) に対する割合 ( 出典 ) 内閣府国民経済計算日本クレジット協会発表資料日本銀行電子マネー計数日本銀行最近のデビットカードの動向について (2017 年 ) ( 注 ) デビットカードは J-Debit とブランドデビットの決済額を年度ベースで合計したもの 6

8 企業活動における ICT 化の状況 (1) ICT 化は企業活動においても進んでいる財務会計人事給与管理といった間接業務での導入率が高い財人事給与管理務会計販売社内の情報共有在庫管理55.5 企業規模別業務領域別のITの導入状況小規模事業者中規模企業大企業物流購買仕入( 出典 ) 中小企業庁中小企業白書 (2013 年 ) ( 注 ) 小規模事業者 : 従業員 20 人以下の企業 ( 卸売業サービス業小売業は 5 人以下 ) 中規模企業 : 小規模事業者を除く中小企業 ( 従業員 300 人以下の企業 ( 卸売業サービス業は 100 人以下小売業は 50 人以下 )) 大企業 : 中小企業以外の企業 7

9 企業活動における ICT 化の状況 (2) 税務に関係する給与や財務会計では主にパッケージソフトを通じて IT の導入が進んでいる業務領域別の IT の導入方法自社で開発オーダーメイドパッケージソフトクラウドコンピューティング生産生産管理物流購買仕入販売社内の情報共有開発設計人事給与管理財務会計 ( 出典 ) 中小企業庁中小企業白書 (2013 年 ) ( 注 ) 中小企業に係るもの (%) 8

10 最近の働き方の現状について 9

11 雇用者数の推移雇用者数が増加傾向にある中で非正規雇用比率は上昇傾向にある近年の非正規雇用者数の増加のほとんどは 60 歳以上の男女と59 歳以下の女性 ( 万人 ) (%) 雇用者 ( 役員を除く ) ( 左軸 ) 非正規割合 ( 右軸 ) 非正規従業員 ( 左軸 ) 非正規雇用増加の要因分析 ( 年 ) +345 万人 ( 万人 ) 300 男 60 歳以上 (36%) 女 60 歳以上 (43%) 1000 正規従業員 ( 左軸 ) 5 男 15~59 歳 (2%) 女 15~59 歳 (19%) ( 年 ) 0 ( 出所 ) 左図 :2001 年以前は労働力調査特別調査 2002 年以降は労働力調査 ( 詳細集計 ) 右図 : 労働力調査 ( 詳細集計 ) ( 注 1) 労働力調査特別調査は各年 2 月の調査結果であり労働力調査 ( 詳細集計 ) は年平均値である両者は調査方法調査月などが相違することから時系列比較には注意を要する ( 注 2)2011 年の数値は補完推計値を使用している ( 注 3) 非正規従業員について 2008 年以前の数値はパートアルバイト労働者派遣事業所の派遣社員契約社員嘱託及びその他の合計 2009 年以降は新たにこの項目を設けて集計した数値を掲載している 10

働き方の多様化について ~ 職種別自営業主数及び構成比の推移 ~ 基礎控除の見直し案自営業主を職種別でみると農林漁業従事者生産工程従事者小売卸売店主といった伝統的自営業の割合が減少する一方建築技術者 SE 保険代理人外交員などの労働者に近い雇用的自営等の割合が増加している ( 出典 ) 総務省国勢調査 ( 備考 ) 伝統的自営業とは農林漁業製造業小売

12 働き方の多様化について ~ 職種別自営業主数及び構成比の推移 ~ 基礎控除の見直し案自営業主を職種別でみると農林漁業従事者生産工程従事者小売卸売店主といった伝統的自営業の割合が減少する一方建築技術者 SE 保険代理人外交員などの労働者に近い雇用的自営等の割合が増加している ( 出典 ) 総務省国勢調査 ( 備考 ) 伝統的自営業とは農林漁業製造業小売卸売店主など取引先との関係で使用従属性の低い従来型の自営業をいい士業等とは医師弁護士会計士税理士画家芸術家など使用従属性の低い専門的職業をいい雇用的自営等とは建築技術者やSE 保険代理人外交員など使用従属性の高い自営業主が多く含まれる職種をいうこの区分は山田久働き方の変化と税制社会保障制度への含意 ( 平成 27 年 9 月 3 日政府税制調査会資料 ) による 11

サラリーマンによる副業兼業や雇用契約ではなく請負契約に基づく働き方などが増加しつつある

13 12 働き方の多様化について ~ シェアリングエコノミークラウドソーシング ~ 基礎控除の見直し案近年インターネットの発展等を背景として様々な分野でシェアリングエコノミーやクラウドソーシングが進展これによりサラリーマンによる副業兼業や雇用契約ではなく請負契約に基づく働き方などが増加しつつある主なシェアリングエコノミーの分類と事業者クラウドソーシングのイメージ業務内容の例ホームページ作成ロゴのデザイン翻訳ブログ掲載記事の執筆リライトデータ入力 ( テープ起こし名簿入力等 )

14 13 シェアリングエコノミーの市場規模全世界における市場規模は 2025 年には 3,350 億ドルに達するとの試算がある日本国内の市場規模は 2020 年には 600 億円になるとの試算があるシェアリングエコノミーの市場規模の予測 ( 全世界 ) シェアリングエコノミーの国内市場規模推移と予測出所 : 総務省情報通信白書

15 在宅ワーカーの数副業を希望している者在宅ワーカー ( ) の数は約万人 (2013 年度推計 ) 副業を希望している者は増加傾向パソコンやインターネットなどの情報通信技術を活用し請負契約に基づいて在宅で行う仕事をする者在宅ワーカー万人の内訳副業を希望している者 (%) ( 万人 ) 副業ワーカー 34.8 専業ワーカー 91.6 ( 万人 ) 副業希望者就業者全体に占める割合年 1997 年 2002 年 2007 年 2012 年出典 : 三菱 UFJ リサーチ & コンサルティング株式会社平成 25 年度在宅就業調査 ( 厚生労働省委託事業 ) 総務省就業構造基本調査 14

16 在宅ワークを始めた理由 54.6% 40.8% 25.9% 16.8% 16.6% 16.3% 14.9% 14.2% 11.9% 9.0% 8.5% 5.6% 4.6% 4.6% 1.5% 4.5% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 都合のいい時期時間に働けるためスキルや趣味をいかした仕事をしたいため自分がやった分だけ報われ働きがいがあるため自営で働きたかったため興味がある仕事だったから仕事の依頼があった職場の人に勧められたため収入を増やすため家事育児介護等のために外に出て働けないから会社勤めが不向き人間関係が苦手なため通勤が嫌い無駄と思うから体力的に会社で働けない健康上の理由のため外に出て働きたいが良い勤め口がない失業したため事業所に必要なコストを節約するため会社勤めでは能力を発揮できないと思うから家族の転勤や転居によって通勤ができなくなったためその他出典 : 三菱 UFJ リサーチ & コンサルティング株式会社平成 24 年度在宅就業調査 ( 厚生労働省委託事業 ) 最も多いのが都合のいい時期時間に働けるため (54.6%) 次にスキルや趣味をいかした仕事をしたいため (40.8%) このほか家事育児介護等のために外に出て働けないから (14.2%) も一定程度存在複数回答可 15

17 働き方改革実行計画 ( 平成 29 年 3 月 28 日働き方改革実現会議決定 )( 抄 ) 5. 柔軟な働き方がしやすい環境整備テレワークは時間や空間の制約にとらわれることなく働くことができるため子育て介護と仕事の両立の手段となり多様な人材の能力発揮が可能となる副業や兼業は新たな技術の開発オープンイノベーションや起業の手段そして第 2 の人生の準備として有効である我が国の場合テレワークの利用者副業兼業を認めている企業はいまだ極めて少なくその普及を図っていくことは重要である他方これらの普及が長時間労働を招いては本末転倒である労働時間管理をどうしていくかも整理する必要があるガイドラインの制定など実効性のある政策手段を講じて普及を加速させていく (2) 非雇用型テレワークのガイドライン刷新と働き手への支援事業者と雇用契約を結ばずに仕事を請け負い自宅等で働くテレワークを非雇用型テレワークというインターネットを通じた仕事の仲介事業であるクラウドソーシングが急速に拡大し雇用契約によらない働き方による仕事の機会が増加しているこうした非雇用型テレワークの働き手は仕事内容の一方的な変更やそれに伴う過重労働不当に低い報酬やその支払い遅延提案形式で仮納品した著作物の無断転用など発注者や仲介事業者との間で様々なトラブルに直面している非雇用型テレワークを始めとする雇用類似の働き方が拡大している現状に鑑みその実態を把握し政府は有識者会議を設置し法的保護の必要性を中長期的課題として検討する ( 中略 ) (3) 副業兼業の推進に向けたガイドラインや改定版モデル就業規則の策定副業兼業を希望する方は近年増加している一方でこれを認める企業は少ない労働者の健康確保に留意しつつ原則副業兼業を認める方向で副業兼業の普及促進を図る副業兼業のメリットを示すと同時にこれまでの裁判例や学説の議論を参考に就業規則等において本業への労務提供や事業運営会社の信用評価に支障が生じる場合等以外は合理的な理由なく副業兼業を制限できないことをルールとして明確化するとともに長時間労働を招かないよう労働者が自ら確認するためのツールの雛形や企業が副業兼業者の労働時間や健康をどのように管理すべきかを盛り込んだガイドラインを策定し副業兼業を認める方向でモデル就業規則を改定する ( 後略 ) 16

18 ( 参考資料 ) 17

19 18 経済財政運営と改革の基本方針 2017( 平成 29 年 6 月 9 日閣議決定 )( 抄 ) 第 3 章経済財政一体改革の推進 3. 主要分野ごとの改革の取組 (5) 歳入改革資産債務の圧縮 1 歳入改革 ( 税制の構造改革 ) 経済社会の構造が大きく変化する中引き続き税体系全般にわたるオーバーホールを進める個人所得課税や資産課税については政府税制調査会におけるこれまでの議論等を踏まえ経済社会の構造変化を踏まえた税制の構造的な見直しについて検討を行う所得再分配機能の回復を図るためには税制社会保障制度労働政策等の面で総合的な取組を進める必要がある個人所得課税については所得再分配機能の回復や多様な働き方に対応した仕組み等を目指す観点から引き続き丁寧に検討を進める国際協調を通じた BEPS プロジェクトの勧告の着実な実施を通じてグローバルな経済活動の構造変化及び多国籍企業の活動実態に即した国際課税制度の再構築を進めていくあわせて税務当局間の情報交換をより一層推進するグローバル化やICT 化が急速に進展する中で国地方における納税者の利便性を向上させるとともに適正公平な課税を実現し税に対する信頼を確保するため制度及び執行体制の両面からの取組を強化する

削減すること等を内容とする行政手続部会取りまとめに沿って積極的かつ着実に行政手続コストの削減に向けた取組を進めるその際府省間の連携が必要な取組についても積極的に対応するまた行政手続部会は

20 19 規制改革推進に関する第 1 次答申 ( 平成 29 年 5 月 23 日規制改革推進会議 ) ( 電子申告関係部分 ) Ⅱ 行政手続コストの削減に向けて 3. 今後の取組 ( 前略 ) 各府省は行政手続簡素化の 3 原則 ( 行政手続の電子化の徹底同じ情報は一度だけの原則書式様式の統一 ) を踏まえ行政手続コストを 2020 年までに 20% 削減すること等を内容とする行政手続部会取りまとめに沿って積極的かつ着実に行政手続コストの削減に向けた取組を進めるその際府省間の連携が必要な取組についても積極的に対応するまた行政手続部会は行政手続部会取りまとめに沿って各府省の取組についてフォローアップを行い行政手続コストの削減に引き続き取り組む規制改革会議行政手続部会取りまとめ ( 平成 29 年 3 月 29 日規制改革推進会議行政手続部会 )[ 抄 ]

21 e-tax( 国税電子申告納税システム ) e-tax は所得税法人税消費税等の申告や法定調書申請届出の提出といった各種手続をインターネットを通じて行うシステム納税もタイレクト納付 ( 事前に税務署に届出をすることで e-tax による申告書等の提出後指定した預貯金口座からの振替により電子納税を行う仕組み ) やインターネットハンキンク等を通じて行うことが可能 e-tax は納税者の利便性向上行政事務の効率化に資するものであり e-tax の普及に向け利便性向上策を推進 80 ( 単位 :%) 法人税申告 ( 法人税申告のうち大規模法人 ) 所得税申告年度 17 年度 18 年度 19 年度 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度主な利便性向上策電子申告における電子証明書省略 ( 税理士等の代理送信における本人の電子署名省略 )( 平成 19 年 ~) 電子申告における第三者作成書類の添付省略 ( 例 : 源泉徴収票医療費の領収書等 )( 平成 20 年 ~) 添付書類のイメージデータ ( 画像 ) による提出これまで e-tax で申告等を行った場合でも書面による提出が別途必要であった添付書類 ( 契約書出資関係図等 ) についてイメーシテータによる提出を可能とした ( 法人税関係 :28 年 4 月 ~ 所得税関係 :29 年 1 月 ~) e-tax で受付可能なデータ形式への変換機能 ( プログラム ) の提供市販の会計ソフトや自社ソフトで作成された財務諸表や勘定科目内訳明細書について e-tax で受付可能なテータ形式への変換機能を提供し変換後の電子テータによる提出を可能とした ( 平成 28 年 4 月 ~) 20

22 規制改革推進に関する第 1 次答申 ( 平成 29 年 5 月 23 日規制改革推進会議 ) ( 年末調整関係部分 ) Ⅲ 各分野における規制改革の推進 4. 投資等分野 (2) 具体的な規制改革項目 1 税社会保険関係事務のIT 化ワンストップ化ア所得税に係る年末調整手続の電子化の推進平成 29 年度検討結論給与所得に係る源泉徴収制度年末調整制度は所得税の納税者の多数を占める給与所得者 ( 被用者 ) の納税手続を簡便化し社会的なコストを抑制する仕組みとして長年用いられているこうした中源泉徴収義務者 ( 雇用者 ) の事務負担も踏まえ書面により提出することとされている年末調整関係書類 ( 保険料控除証明書住宅ローン残高証明書 ) について電磁的な方法による提出を可能とすべき雇用者を対象とする団体扱特約により払い込んだ生命保険料等に係る保険料控除について手続を簡素化すべきといった指摘もあるしたがって ICTの一層の活用等により被用者雇用者を含めた社会全体のコストを削減する観点から電磁的な方法による年末調整関係書類の提出を原則全て可能とすることについて関係者の意見も踏まえて検討し結論を得るその際被用者が電磁的に交付された控除証明書を活用して簡便に控除申告書を作成し雇用者に提供することができる仕組みの構築についても検討し結論を得るまた年末調整全体のプロセスの更なる合理化を図る観点から雇用者を対象とする団体扱特約により払い込んだ生命保険料等に係る保険料控除の控除申告書等について事業者内における被用者から雇用者への控除申告書の提出手続の簡素化を図るとともに今後マイナポータルと関連事業者や雇用者との間で効率的に情報の連携を行う仕組みの整備及び必要な法制上の措置を前提として保険料控除住宅ローン控除といった各種控除に係る情報をマイナポータルに通知し当該情報を控除の証明書として活用する枠組み等を検討することなどについてその可能性及び方策を関係者の意見も踏まえて検討し結論を得る 21

日本における給与所得者の年末調整事務の流れ年末調整は毎月の源泉徴収税額の累積額と年間を通じた給与所得に係る年税額の差を

(3,100 万人 ) 地震保険料控除 (700 万人 ) 住宅ローン控除 (300 万人 )

還(控月従業員雇用主 (or 控除関係機関 ) 除関係機11 金融機関等が控除証明書を郵送関(~11 月下旬頃 ) )控除申告書

証明書を提出(源泉納付還付年末調整事務の流れ国税庁)2 3 4 5 国税庁 ( 市町村 ) 必要に応じ確定申告 (~3 月

年を通じて勤務した給与所得者 ) 住宅ローン控除は 2 年目以降の年末調整適用者である ( 注 2)

23 日本における給与所得者の年末調整事務の流れ年末調整は毎月の源泉徴収税額の累積額と年間を通じた給与所得に係る年税額の差を 12 月に精算する仕組み年末調整を実施している者は 4,300 万人扶養家族の変更や源泉徴収税額に反映されない生命保険料控除 (3,100 万人 ) 地震保険料控除 (700 万人 ) 住宅ローン控除 (300 万人 ) といった控除を年税額計算に反映させ税額を確定精算従業1 証明書を郵送(員)3年末調(雇用主整4 源泉徴収票源泉徴収還(控月従業員雇用主 (or 控除関係機関 ) 除関係機11 金融機関等が控除証明書を郵送関(~11 月下旬頃 ) )控除申告書証明書 (~12 月上旬頃 ) 12 年末調整 (12 月の給与賞与 ) 1 源泉徴収票 (~1 月末 ) 付)2 控除申告書証明書を提出(源泉納付還付年末調整事務の流れ国税庁) 国税庁 ( 市町村 ) 必要に応じ確定申告 (~3 月 15 日 ) 個人住民税賦課決定通知 (~5 月末 ) ( 注 1) 人数は国税庁 27 年分民間給与実態統計調査 (1 年を通じて勤務した給与所得者 ) 住宅ローン控除は 2 年目以降の年末調整適用者である ( 注 2) 源泉徴収票の税務署への提出は給与 500 万円超の者など一定のものに限る ( 市区町村へは全て提出 ) ( 注 3) 医療費控除や寄附金控除の適用を受けたい者は確定申告を行って精算する必要がある 22

24 被用者の納税に係る事務負担の在り方 ( イメージ ) 源泉徴収年末調整制度は租税原則人口規模課税体系 ( 金融所得の課税上の取扱い等 ) を踏まえ課税の基礎となる給与情報等を直接保有し被用者と密接かつ継続的に関わりのある雇用者において源泉徴収税額の過不足を調整することが効率的と考えられる場合に適しており同様の課税体系等を有する諸外国でも採用継続されている制度被用者の納税事務を取巻く現状申告納税制度の下確定申告義務あり年末調整により多くの者が確定申告が不要納税者 ( 被用者 ) 適正公平な課税金融機関等控除証明書の作成送付源泉徴収義務者 ( 雇用者 ) 年末調整事務様々な証明書の収集年税額の確認等課税当局申告者 (2,200 万件 ) へ対応 ( 申告相談申告税額の確認等 ) 実調率の著しい低下年末調整制度について ICT 等の一層の活用により雇用者の事務負担の軽減も図りつつ多くの納税者の利便性も向上させ被用者雇用者課税当局等の社会全体のコストがネットで削減されるものとする必要 23

第10回税制調査会　海外調査報告（総論）

第10回税制調査会　海外調査報告（総論）平 2 9. 6. 1 9 総 1 0-1 政府税制調査会海外調査報告 ( 総論 ) 2017 年 6 月 19 日近年の納税実務等を巡る環境変化についてアダムスミスの4 原則について 1. 現状認識近年経済活動における ICT の利用が拡大しそれに伴い経済活動や決済手段の多様化グローバル化も進展しつつあるこれを受け税務行政においても納税者利便の向上適正公平な課税の実現に資するため