Size: px
Start display at page:

Download ""

Transcription

1 ( 案 ) 添付 日本原子力発電株式会社 東海第二発電所の 発電用原子炉設置変更許可申請書 ( 発電用原子炉施設の変更 ) に関する審査書 ( 核原料物質 核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第 43 条の 3 の 6 第 1 項第 2 号 ( 技術的能力に係るもの ) 第 3 号及び第 4 号関連 ) 平成 30 年 7 月 4 日 原子力規制委員会

2

3 目次 Ⅰ はじめに... 1 Ⅱ 発電用原子炉の設置及び運転のための技術的能力... 4 Ⅲ 設計基準対象施設 Ⅲ-1 地震による損傷の防止 ( 第 4 条関係 ) Ⅲ-1.1 基準地震動 Ⅲ-1.2 周辺斜面の安定性 Ⅲ-1.3 耐震設計方針 Ⅲ-2 設計基準対象施設の地盤 ( 第 3 条関係 ) Ⅲ-3 津波による損傷の防止 ( 第 5 条関係 ) Ⅲ-3.1 基準津波 Ⅲ-3.2 耐津波設計方針 Ⅲ-4 外部からの衝撃による損傷の防止 ( 第 6 条関係 ) Ⅲ-4.1 外部事象の抽出 Ⅲ-4.2 外部事象に対する設計方針 Ⅲ 竜巻に対する設計方針 Ⅲ 火山の影響に対する設計方針 Ⅲ 外部火災に対する設計方針 Ⅲ その他自然現象に対する設計方針 Ⅲ その他人為事象に対する設計方針 Ⅲ-4.3 自然現象の組合せ Ⅲ-4.4 大きな影響を及ぼすおそれがあると想定される自然現象に対する重要安全施設への考慮 Ⅲ-5 発電用原子炉施設への人の不法な侵入等の防止 ( 第 7 条関係 ) Ⅲ-6 火災による損傷の防止 ( 第 8 条関係 ) Ⅲ-7 溢水による損傷の防止等 ( 第 9 条関係 ) Ⅲ-8 誤操作の防止 ( 操作の容易性 )( 第 10 条関係 ) Ⅲ-9 安全避難通路等 ( 第 11 条関係 ) Ⅲ-10 安全施設 ( 第 12 条関係 ) Ⅲ-11 全交流動力電源喪失対策設備 ( 第 14 条関係 ) Ⅲ-12 燃料体等の取扱施設及び貯蔵施設 ( 第 16 条関係 ) Ⅲ-13 原子炉冷却材圧力バウンダリ ( 第 17 条関係 ) Ⅲ-14 安全保護回路 ( 第 24 条関係 ) Ⅲ-15 放射性廃棄物の処理施設 ( 第 27 条関係 ) Ⅲ-16 保安電源設備 ( 第 33 条関係 ) i

4 Ⅲ-17 敷地境界 周辺監視区域等の変更 Ⅳ 重大事故等対処施設及び重大事故等対処に係る技術的能力 Ⅳ-1 重大事故等の拡大の防止等 ( 第 37 条関係 ) Ⅳ-1.1 事故の想定 Ⅳ-1.2 有効性評価の結果 Ⅳ 炉心損傷防止対策 Ⅳ 高圧 低圧注水機能喪失 Ⅳ 高圧注水 減圧機能喪失 Ⅳ 全交流動力電源喪失 Ⅳ 崩壊熱除去機能喪失 Ⅳ 原子炉停止機能喪失 Ⅳ LOCA 時注水機能喪失 Ⅳ 格納容器バイパス ( インターフェイスシステム LOCA) 208 Ⅳ 津波浸水による最終ヒートシンク喪失 Ⅳ 格納容器破損防止対策 Ⅳ 雰囲気圧力 温度による静的負荷 ( 格納容器過圧 過温破損 ) Ⅳ 高圧溶融物放出 / 格納容器雰囲気直接加熱 Ⅳ 原子炉圧力容器外の溶融燃料 - 冷却材相互作用 Ⅳ 水素燃焼 Ⅳ 溶融炉心 コンクリート相互作用 Ⅳ 使用済燃料貯蔵槽における燃料損傷防止対策 Ⅳ 想定事故 Ⅳ 想定事故 Ⅳ 運転停止中の原子炉の燃料損傷防止対策 Ⅳ 崩壊熱除去機能喪失 Ⅳ 全交流動力電源喪失 Ⅳ 原子炉冷却材の流出 Ⅳ 反応度の誤投入 Ⅳ 有効性評価に用いた解析コード Ⅳ-2 重大事故等に対処するための手順等に対する共通の要求事項 ( 重大事故等防止技術的能力基準 1.0 関係 ) Ⅳ-3 重大事故等対処施設に対する共通の要求事項 ( 第 38 条 ~ 第 41 条及び第 43 条関係 ) Ⅳ-3.1 重大事故等対処施設の地盤 ( 第 38 条関係 ) Ⅳ-3.2 地震による損傷の防止 ( 第 39 条関係 ) ii

5 Ⅳ-3.3 津波による損傷の防止 ( 第 40 条関係 ) Ⅳ-3.4 火災による損傷の防止 ( 第 41 条関係 ) Ⅳ-3.5 重大事故等対処設備 ( 第 43 条関係 ) Ⅳ-4 重大事故等対処設備及び手順等 Ⅳ-4.1 緊急停止失敗時に発電用原子炉を未臨界にするための設備及び手順等 ( 第 44 条及び重大事故等防止技術的能力基準 1.1 関係 ) Ⅳ-4.2 原子炉冷却材圧力バウンダリ高圧時に発電用原子炉を冷却するための設備及び手順等 ( 第 45 条及び重大事故等防止技術的能力基準 1.2 関係 ) Ⅳ-4.3 原子炉冷却材圧力バウンダリを減圧するための設備及び手順等 ( 第 46 条及び重大事故等防止技術的能力基準 1.3 関係 ) Ⅳ-4.4 原子炉冷却材圧力バウンダリ低圧時に発電用原子炉を冷却するための設備及び手順等 ( 第 47 条及び重大事故等防止技術的能力基準 1.4 関係 ) Ⅳ-4.5 最終ヒートシンクへ熱を輸送するための設備及び手順等 ( 第 48 条及び重大事故等防止技術的能力基準 1.5 関係 ) Ⅳ-4.6 原子炉格納容器内の冷却等のための設備及び手順等 ( 第 49 条及び重大事故等防止技術的能力基準 1.6 関係 ) Ⅳ-4.7 原子炉格納容器の過圧破損を防止するための設備及び手順等 ( 第 50 条及び重大事故等防止技術的能力基準 1.7 関係 ) Ⅳ-4.8 原子炉格納容器下部の溶融炉心を冷却するための設備及び手順等 ( 第 5 1 条及び重大事故等防止技術的能力基準 1.8 関係 ) Ⅳ-4.9 水素爆発による原子炉格納容器の破損を防止するための設備及び手順等 ( 第 52 条及び重大事故等防止技術的能力基準 1.9 関係 ) Ⅳ-4.10 水素爆発による原子炉建屋等の損傷を防止するための設備及び手順等 ( 第 53 条及び重大事故等防止技術的能力基準 1.10 関係 ) Ⅳ-4.11 使用済燃料貯蔵槽の冷却等のための設備及び手順等 ( 第 54 条及び重大事故等防止技術的能力基準 1.11 関係 ) Ⅳ-4.12 発電所外への放射性物質の拡散を抑制するための設備及び手順等 ( 第 55 条及び重大事故等防止技術的能力基準 1.12 関係 ) Ⅳ-4.13 重大事故等の収束に必要となる水の供給設備及び手順等 ( 第 56 条及び重大事故等防止技術的能力基準 1.13 関係 ) Ⅳ-4.14 電源設備及び電源の確保に関する手順等 ( 第 57 条及び重大事故等防止技術的能力基準 1.14 関係 ) Ⅳ-4.15 計装設備及びその手順等 ( 第 58 条及び重大事故等防止技術的能力基準 1.15 関係 ) iii

6 Ⅳ-4.16 原子炉制御室及びその居住性等に関する手順等 ( 第 26 条 第 59 条及び重大事故等防止技術的能力基準 1.16 関係 ) Ⅳ-4.17 監視測定設備及び監視測定等に関する手順等 ( 第 31 条 第 60 条及び重大事故等防止技術的能力基準 1.17 関係 ) Ⅳ-4.18 緊急時対策所及びその居住性等に関する手順等 ( 第 34 条 第 61 条及び重大事故等防止技術的能力基準 1.18 関係 ) Ⅳ-4.19 通信連絡を行うために必要な設備及び通信連絡に関する手順等 ( 第 3 5 条 第 62 条及び重大事故等防止技術的能力基準 1.19 関係 ) 473 Ⅴ 大規模な自然災害又は故意による大型航空機の衝突その他のテロリズムへの対応 ( 重大事故等防止技術的能力基準 2.1 関係 ) Ⅵ 審査結果 略語等 iv

7 Ⅰ はじめに 1. 本審査書の位置付け本審査書は 核原料物質 核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律 ( 昭和 32 年法律第 166 号 以下 原子炉等規制法 という ) 第 43 条の3の8 第 1 項の規定に基づいて 日本原子力発電株式会社 ( 以下 申請者 という ) が原子力規制委員会 ( 以下 規制委員会 という ) に提出した 東海第二発電所発電用原子炉設置変更許可申請書 ( 発電用原子炉施設の変更 ) ( 平成 26 年 5 月 20 日申請 平成 29 年 11 月 8 日 平成 30 年 5 月 31 日 平成 30 年 6 月 21 日及び平成 30 年 6 月 27 日補正 以下 本申請 という ) の内容が 以下の規定に適合しているかどうかを審査した結果を取りまとめたものである (1) 原子炉等規制法第 43 条の3の8 第 2 項の規定により準用する同法第 43 条の3の6 第 1 項第 2 号の規定 ( 発電用原子炉を設置するために必要な技術的能力及び経理的基礎があること ) のうち 技術的能力に係る規定 (2) 同項第 3 号の規定 ( 重大事故の発生及び拡大の防止に必要な措置を実施するために必要な技術的能力その他の発電用原子炉の運転を適確に遂行するに足りる技術的能力があること ) (3) 同項第 4 号の規定 ( 発電用原子炉施設の位置 構造及び設備が核燃料物質若しくは核燃料物質によって汚染された物又は発電用原子炉による災害の防止上支障がないものとして原子力規制委員会規則で定める基準に適合するものであること ) なお 原子炉等規制法第 43 条の 3 の 6 第 1 項第 1 号の規定 ( 発電用原子炉が 平和の目的以外に利用されるおそれがないこと ) 及び同項第 2 号の規定のうち 経理的基礎に係る規定に関する審査結果は 別途取りまとめる 2. 判断基準及び審査方針本審査では 以下の基準等に適合しているかどうかを確認した (1) 原子炉等規制法第 43 条の3の6 第 1 項第 2 号の規定のうち 技術的能力に係る規定に関する審査においては 原子力事業者の技術的能力に関する審査指針 ( 平成 16 年 5 月 27 日原子力安全委員会決定 以下 技術的能力指針 という ) (2) 同項第 3 号の規定に関する審査においては 技術的能力指針及び実用発電用原子炉に係る発電用原子炉設置者の重大事故の発生及び拡大の防止に必要な措置を実施するために必要な技術的能力に係る審査基準 ( 原規技発第 号 ( 平成 25 年 6 月 19 日原子力規制委員会決定 ) 以下 重大事故等防止技術的能力基準 という ) 1

8 (3) 同項第 4 号の規定に関する審査においては 実用発電用原子炉及びその附属施設の位置 構造及び設備の基準に関する規則 ( 平成 25 年 6 月 28 日原子力規制委員会規則第 5 号 以下 設置許可基準規則 という ) 実用発電用原子炉及びその附属施設の位置 構造及び設備の基準に関する規則の解釈 ( 原規技発第 号 ( 平成 25 年 6 月 19 日原子力規制委員会決定 ) 以下 設置許可基準規則解釈 という ) 及び実用発電用原子炉及びその附属施設の火災防護に係る審査基準 ( 原規技発第 号 ( 平成 25 年 6 月 19 日原子力規制委員会決定 ) 以下 火災防護基準 という ) また 本審査においては 規制委員会が定めた以下のガイド等を参照するとともに その他法令で定める基準 学協会規格等も参照した (1) 原子力発電所の火山影響評価ガイド ( 原規技発第 号 ( 平成 25 年 6 月 19 日原子力規制委員会決定 ) 以下 火山ガイド という ) (2) 原子力発電所の竜巻影響評価ガイド ( 原規技発第 号 ( 平成 25 年 6 月 19 日原子力規制委員会決定 ) 以下 竜巻ガイド という ) (3) 原子力発電所の外部火災影響評価ガイド ( 原規技発第 号 ( 平成 25 年 6 月 19 日原子力規制委員会決定 ) 以下 外部火災ガイド という ) (4) 原子力発電所の内部溢水影響評価ガイド ( 原規技発第 号 ( 平成 25 年 6 月 19 日原子力規制委員会決定 ) 以下 溢水ガイド という ) (5) 原子力発電所の内部火災影響評価ガイド ( 原規技発第 号 ( 平成 25 年 6 月 19 日原子力規制委員会決定 ) ) (6) 実用発電用原子炉に係る炉心損傷防止対策及び格納容器破損防止対策の有効性評価に関する審査ガイド ( 原規技発第 号 ( 平成 25 年 6 月 19 日原子力規制委員会決定 ) 以下 有効性評価ガイド という ) (7) 実用発電用原子炉に係る使用済燃料貯蔵槽における燃料損傷防止対策の有効性評価に関する審査ガイド ( 原規技発第 号 ( 平成 25 年 6 月 19 日原子力規制委員会決定 ) 以下 SFP 評価ガイド という ) (8) 実用発電用原子炉に係る運転停止中原子炉における燃料損傷防止対策の有効性評価に関する審査ガイド ( 原規技発第 号 ( 平成 25 年 6 月 19 日原子力規制委員会決定 ) 以下 停止中評価ガイド という ) (9) 実用発電用原子炉に係る重大事故時の制御室及び緊急時対策所の居住性に係る被ばく評価に関する審査ガイド ( 原規技発第 号 ( 平成 25 年 6 月 19 日原子力規制委員会決定 ) ) 2

9 (10) 敷地内及び敷地周辺の地質 地質構造調査に係る審査ガイド ( 原管地発第 号 ( 平成 25 年 6 月 19 日原子力規制委員会決定 ) 以下 地質ガイド という ) (11) 基準地震動及び耐震設計方針に係る審査ガイド ( 原管地発第 号 ( 平成 25 年 6 月 19 日原子力規制委員会決定 ) 以下 地震ガイド という ) (12) 基準津波及び耐津波設計方針に係る審査ガイド ( 原管地発第 号 ( 平成 25 年 6 月 19 日原子力規制委員会決定 ) 以下 津波ガイド という ) (13) 基礎地盤及び周辺斜面の安定性評価に係る審査ガイド ( 原管地発第 号 ( 平成 25 年 6 月 19 日原子力規制委員会決定 ) 以下 地盤ガイド という ) なお 本審査は 東海第二発電所と敷地を共有する東海発電所は廃止措置中 であり 全ての燃料は敷地外に搬出済みであることを前提としている 3. 本審査書の構成 Ⅱ 発電用原子炉の設置及び運転のための技術的能力 には 技術的能力指針への適合性に関する審査内容を示した Ⅲ 設計基準対象施設 には 設置許可基準規則のうち設計基準対象施設に適用される規定への適合性に関する審査内容を示した Ⅳ 重大事故等対処施設及び重大事故等対処に係る技術的能力 には 設置許可基準規則のうち重大事故等対処施設に適用される規定及び重大事故等防止技術的能力基準への適合性に関する審査内容を示した Ⅴ 大規模な自然災害又は故意による大型航空機の衝突その他のテロリズムへの対応 ( 重大事故等防止技術的能力基準 2.1 関係 ) には 重大事故等防止技術的能力基準のうち 2.1 可搬型設備等による対応 への適合性に関する審査内容を示した Ⅵ 審査結果 には 規制委員会としての結論を示した なお 設計基準対象施設及び重大事故等対処施設の双方の機能を有する施設のうち 原子炉制御室等 監視設備 緊急時対策所及び通信連絡設備に関する審査内容については Ⅳ 重大事故等対処施設及び重大事故等対処に係る技術的能力 において 設計基準対象施設としての基準適合性に関する審査内容と併せて示した 3

10 本審査書においては 法令の規定等や申請書の内容について 必要に応じ 文 章の要約 言い換え等を行っている 本審査書で用いる条番号は 断りのない限り設置許可基準規則のものである Ⅱ 発電用原子炉の設置及び運転のための技術的能力原子炉等規制法第 43 条の3の6 第 1 項第 2 号 ( 技術的能力に係る部分に限る ) は 発電用原子炉設置者に発電用原子炉を設置するために必要な技術的能力があることを要求している また 同項第 3 号は 発電用原子炉設置者に重大事故の発生及び拡大の防止に必要な措置を実施するために必要な技術的能力その他の発電用原子炉の運転を適確に遂行するに足りる技術的能力があることを要求している 本章においては 原子炉を設置するために必要な技術的能力及び原子炉の運転を適確に遂行するに足りる技術的能力についての審査結果を記載する なお 福島第一原子力発電所事故を踏まえて新たに要求された重大事故の発生及び拡大の防止に必要な措置を実施するために必要な技術的能力についての審査結果は Ⅳ-2 Ⅳ-4 及びⅤで記載する 規制委員会は 申請者の当該技術的能力を技術的能力指針に沿って審査した 具体的には 本申請が既に運転実績を有する原子炉に関するものであることに鑑み 技術的能力指針の項目を以下の項目に整理して審査を行った 1. 組織 2. 技術者の確保 3. 経験 4. 品質保証活動体制 5. 技術者に対する教育 訓練 6. 発電用原子炉主任技術者等の選任 配置 規制委員会は これらの項目について 以下のとおり本申請の内容を確認した結 果 技術的能力指針に適合するものと判断した 各項目についての審査内容は以下のとおり 1. 組織技術的能力指針は 原子炉施設の設計及び工事並びに運転及び保守を実施するために 役割分担が明確化された組織を構築すること又は構築する方針を示すことを要求している 4

11 申請者は 以下のとおりとしている (1) 設計及び工事並びに運転及び保守の業務は 東海第二発電所原子炉施設保安規定 ( 以下 保安規定 という ) 等で定めた業務所掌に基づき実施する (2) 設計及び工事の業務は 本店の発電管理室及び開発計画室並びに発電所の担当グループそれぞれにおいて実施する なお 設計及び工事の業務のうち 現地における管理は発電所の担当グループにおいて実施する (3) 運転及び保守の業務は 本店の発電管理室並びに発電所の担当グループ及び発電直 ( 以下 担当グループ等 という ) において実施する なお 自然災害及び重大事故等の非常事態に際しては 発電所に設置する原子力防災組織により 運転及び保守の業務を実施する また これらの組織は 本店に設置する原子力防災組織とも連携する (4) 保安規定等の法令上の手続きを要するものについては 本店の原子炉施設保安委員会において審議し 発電所で使用する手順については 発電所の原子炉施設保安運営委員会において審議する 規制委員会は 設計及び工事並びに運転及び保守の業務を実施する本店の発電管理室及び開発計画室並びに発電所の担当グループ等並びに本店の原子炉施設保安委員会及び発電所の原子炉施設保安運営委員会については 保安規定等で定めた業務所掌に基づき本店と発電所の役割分担を明確化した上で業務を実施するとしており 更に自然災害及び重大事故等の非常事態に対応するための組織として 原子力防災組織を設置し 対応するとしていることなど 申請者の組織の構築については適切なものであることを確認した 2. 技術者の確保技術的能力指針は 設計及び工事並びに運転及び保守を行うための専門知識 技術及び技能を有する技術者を確保すること又は確保する方針を示すことを要求している 申請者は 以下のとおりとしている (1) 本店及び発電所においては 設計及び工事並びに運転及び保守に必要な技術者の人数を確保するとともに 原子炉主任技術者 放射線取扱主任者 ボイラー タービン主任技術者等の資格を有する技術者を確保する さらに 発電所では 自然災害及び重大事故等の対応に必要な大型自動車等を運転する資格を有する技術者を確保する (2) 設計及び工事に必要な技術者は 業務の各工程において必要な人数を配置する また 運転及び保守に必要な技術者及び有資格者である技術者についても 業務を実施するために必要な人数を配置する 5

12 (3) さらに 必要な技術者については 採用 教育及び訓練を行うことにより 今後とも継続的に確保する方針とする 規制委員会は 本店及び発電所における 技術者数の推移 採用実績 教育及び訓練実績により 設計及び工事並びに運転及び保守に必要な技術者及び有資格者である技術者を確保していること 今後とも計画的かつ継続的に採用 教育及び訓練を実施するとしていることなど 申請者における技術者の確保については適切なものであることを確認した 3. 経験技術的能力指針は 設計及び工事並びに運転及び保守に必要な経験として 本申請と同等又は類似の施設の経験を有していること又は経験を蓄積する方針を示すことを要求している 申請者は 以下のとおりとしている (1) 本発電所 1 基 東海発電所 1 基及び敦賀発電所 2 基の建設及び改造を通じた設計及び工事の経験に加えて 約 50 年にわたる運転及び保守の経験を有する (2) また 東京電力福島第一原子力発電所事故以前に自主的なアクシデントマネジメント対策として再循環ポンプトリップ 代替制御棒挿入 原子炉又は格納容器への代替注水 原子炉自動減圧 耐圧強化ベント及び高圧炉心スプレイ系ディーゼル発電機から非常用直流母線への予備充電器を介した電源融通を可能とするための設備改造を実施した経験を有していることに加えて 経済産業大臣の指示に基づき実施した緊急安全対策である高圧電源車 消防ポンプ等の配備を通じた設計及び工事並びに運転及び保守の経験を有する (3) さらに 国内外の関連施設への技術者の派遣並びにトラブル対応に関する情報の収集及び活用により 設計及び工事並びに運転及び保守の経験を蓄積する 規制委員会は 緊急安全対策も含めたこれまでの設計及び工事並びに運転及び保守の経験に加えて 国内外の関連施設への技術者派遣実績並びにトラブル対応情報の収集及び活用の実績があること また 今後ともこれらを適切に継続する方針であることなど 申請者の設計及び工事並びに運転及び保守の経験並びに経験を蓄積する方針については適切なものであることを確認した 4. 品質保証活動体制 6

13 技術的能力指針は 設計及び工事並びに運転及び保守を遂行するために必要な品質保証活動を行う体制を構築すること又は構築する方針を示すことを要求している 申請者は 以下のとおりとしている (1) 社内の体制 1 品質保証活動の実施に当たっては 原子力発電所の安全を達成 維持及び向上することを目的として 安全文化を醸成するための活動並びに関係法令及び保安規定の遵守に対する意識の向上を図るための活動を含めた品質マネジメントシステムを構築するため 原子力発電所における安全のための品質保証規程 (JEAC ) 及び 実用発電用原子炉に係る発電用原子炉設置者の設計及び工事に係る品質管理の方法及びその検査のための組織の技術基準に関する規則 ( 以下 品質管理基準規則 という ) に基づいて原子力発電の安全に係る品質保証規程 ( 以下 品質マニュアル という ) を定める 2 本店の各業務を主管する実施部門及び発電所並びに監査部門である本店の考査 品質監査室においては 品質マニュアルに基づき 手順及び記録に関する文書体系を定める 3 社長は 品質マニュアルに基づく品質方針を定め 原子力安全の重要性を組織内に周知する また 実施部門の管理責任者である安全室を担当する取締役の下 本店の各業務を主管する組織の長及び発電所長は 同方針に基づき各実施部門における品質保証活動に関する計画を策定 実施 評価及び改善する 4 監査部門の管理責任者である考査 品質監査室長は 実施部門とは独立した立場で監査を実施する 5 社長は 管理責任者から品質保証活動に関する報告を受け その実施状況を踏まえた改善の必要性についてマネジメントレビューを行う 6 さらに 品質マネジメントシステムの有効性を維持あるいは向上させるために 実施部門に共通する活動については本店の品質保証委員会において審議し また 本発電所において実施する活動は本発電所の品質保証運営委員会において審議し それぞれの審議結果を業務へ反映する (2) 設計及び工事並びに運転及び保守の品質保証活動 1 設計及び工事は 各業務を主管する組織の長が 品質マニュアルに従い その重要度に応じて実施する 調達する場合には 供給者に対して要求事項を明確にするとともに 重要度に応じて管理を行い 試験及び検査等により調達する製品等が要求事項を満足していることを確認する 7

14 2 運転及び保守は 各業務を主管する組織の長が 品質マニュアルに従って 個々の業務を計画し 実施する 調達する場合には 設計及び工事と同様に管理 確認する 3 設計及び工事並びに運転及び保守において不適合が発生した場合 各業務を主管する組織の長は 不適合を除去し 原因を特定した上で是正処置を実施する 調達においては これらを供給者に行わせ 各業務を主管する組織が確認する 規制委員会は 設計及び工事並びに運転及び保守を遂行するために必要な品質保証活動体制については 品質管理基準規則等に基づいて品質マニュアルを定めた上で その品質マニュアル等の下で調達管理を含めた品質保証活動に関する計画 実施 評価 改善を実施する仕組み及び役割を明確化した体制を構築していることなど 申請者の設計及び工事並びに運転及び保守を遂行するために必要な品質保証活動体制の構築が適切なものであることを確認した 5. 技術者に対する教育 訓練技術的能力指針は 技術者に対して 専門知識 技術及び技能を維持及び向上させるための教育及び訓練を行う方針を示すことを要求している 申請者は 以下のとおりとしている (1) 新たに配属された技術者に対しては 原子力発電の基礎知識の習得を図るため 基礎教育及び訓練を実施する (2) 設計及び工事並びに運転及び保守に従事する技術者に対しては 専門知識 技術及び技能の習得を図るため 東海総合研修センター及び敦賀総合研修センターに加え 株式会社 BWR 運転訓練センター等の国内の原子力関係機関において能力に応じた机上教育及び実技訓練を実施する (3) 教育 訓練は 専門知識 技術及び技能の習得状況に応じて対象者 内容及び時間等に関する実施計画を策定し実施する (4) 自然災害及び重大事故等に対応する技術者 事務系社員及び協力会社社員に対しては 各役割に応じて必要な教育及び訓練を実施する 規制委員会は 技術者に対しては専門知識 技術及び技能を維持及び向上させるため 教育 訓練に係る実施計画を策定した上で必要な教育及び訓練を実施すること 更に事務系職員及び協力会社社員に対しても 自然災害対応等の役割に応じて 教育及び訓練を実施することなど 申請者の技術者等に対する教育及び訓練の方針は適切なものであることを確認した 8

15 6. 発電用原子炉主任技術者等の選任 配置技術的能力指針は 発電用原子炉主任技術者及び運転責任者をその職務が適切に遂行できるよう配置していること又は配置する方針を示すことを要求している 申請者は 以下のとおりとしている (1) 発電用原子炉主任技術者は 原子炉主任技術者の免状を有し 実務経験を有する者から 原子炉ごとに選任する (2) 発電用原子炉主任技術者は 発電用原子炉施設の運転に関し保安の監督を誠実かつ最優先に行うこととし 発電用原子炉施設の運転に関して必要な指示ができるよう 職務の独立性を確保するために社長が選任し配置する (3) 発電用原子炉主任技術者の代行者は 発電用原子炉主任技術者の要件を有する管理職の職位の者から選任する (4) 運転責任者は 規制委員会が定める基準に適合した者の中から選任し 当直の責任者である発電長の職位として配置する 規制委員会は 発電用原子炉主任技術者については 必要な要件を踏まえた上で選任し 独立性を確保した職位として配置すること 運転責任者については 基準に適合した者の中から選任し 発電長の職位として配置することなど 申請者の有資格者等の選任及び配置の方針については適切なものであることを確認した 9

16 Ⅲ 設計基準対象施設 本章においては 設計基準対象施設を含む発電用原子炉施設に関して変更申請が なされた内容について審査した結果を 設置許可基準規則の条項ごとに示した Ⅲ-1 地震による損傷の防止 ( 第 4 条関係 ) 第 4 条は 設計基準対象施設について 地震により発生するおそれがある安全機能の喪失による影響及びそれに続く公衆への放射線による影響の相対的な程度 ( 以下 耐震重要度 という ) の区分に応じた地震力に十分に耐えることができる設計とすることを要求している また 耐震重要施設については 基準地震動による地震力及び基準地震動によって生ずるおそれがある斜面の崩壊に対してその安全機能が損なわれるおそれがない設計とすることを要求している このため 規制委員会は 以下の項目について審査を行った Ⅲ-1.1 基準地震動 1. 敷地における地震波の伝播特性 2. 敷地ごとに震源を特定して策定する地震動 3. 震源を特定せず策定する地震動 4. 基準地震動の策定 Ⅲ-1.2 周辺斜面の安定性 Ⅲ-1.3 耐震設計方針 1. 耐震重要度分類の方針 2. 弾性設計用地震動の設定方針 3. 地震応答解析による地震力及び静的地震力の算定方針 4. 荷重の組合せと許容限界の設定方針 5. 波及的影響に係る設計方針 規制委員会は これらの項目について 以下のとおり本申請の内容を確認した結 果 設置許可基準規則に適合するものと判断した 各項目についての審査内容は以下のとおり Ⅲ-1.1 基準地震動設置許可基準規則解釈別記 2( 以下 解釈別記 2 という ) は 基準地震動について 最新の科学的 技術的知見を踏まえ 敷地及び敷地周辺の地質 地質構造 地盤構造並びに地震活動性等の地震学及び地震工学的見地から想定することが適 10

17 切なものを策定することを要求している また 敷地ごとに震源を特定して策定する地震動 及び 震源を特定せず策定する地震動 について 敷地の解放基盤表面における水平方向及び鉛直方向の地震動としてそれぞれ策定することを要求している 規制委員会は 申請者が行った地震動評価の内容について審査した結果 本申請における基準地震動は 最新の科学的 技術的知見を踏まえ 各種の不確かさを十分に考慮して 敷地及び敷地周辺の地質 地質構造 地盤構造並びに地震活動性等の地震学及び地震工学的見地から適切に策定されていることから 解釈別記 2の規定に適合していることを確認した 1. 敷地における地震波の伝播特性 (1) 解放基盤表面の設定解釈別記 2は 解放基盤表面について 著しい高低差がなく ほぼ水平で相当な拡がりを持って想定される自由表面であり せん断波速度 ( 以下 S 波速度 という ) がおおむね 700m/s 以上の硬質地盤であって 著しい風化を受けていないことを要求している 申請者は 解放基盤表面の設定に関する評価について 以下のとおりとしている 1 本発電所敷地内で実施した地表地質調査結果 ボーリング調査結果及び PS 検層結果より 敷地では新第三系鮮新統 ~ 第四系下部更新統の久米層 がほぼ水平で相当な拡がりを有し 標高 ( 以下 EL. という )-400m 付近まで分布することを確認した また EL.-370m 以深ではS 波速度が 0.7km/s 以上で著しい風化がみられないことを確認した 以上のことから 原子炉建屋設置位置付近の久米層中のEL.-370mの位置に解放基盤表面を設定した くめ 規制委員会は 本申請における解放基盤表面は 必要な特性を有し 要求さ れる S 波速度を持つ硬質地盤の表面に設定されていることから 解釈別記 2 の 規定に適合していることを確認した (2) 地震波の伝播特性の評価解釈別記 2は 地震動評価においては 適用する評価手法に必要となる特性データに留意の上 地震波の伝播特性に係る以下の項目を考慮することを要求している 1 敷地及び敷地周辺の調査については 地域特性及び既往文献の調査 既 11

18 存データの収集 分析 地震観測記録の分析 地質調査 ボーリング調査並びに二次元又は三次元の物理探査等を適切な手順と組合せで実施すること 2 敷地及び敷地周辺の地下構造 ( 深部 浅部地盤構造 ) が地震波の伝播特性に与える影響を検討するため 敷地及び敷地周辺における地層の傾斜 断層及び褶曲構造等の地質構造を評価するとともに 地震基盤の位置及び形状 岩相 岩質の不均一性並びに地震波速度構造等の地下構造及び地盤の減衰特性を評価すること 申請者は 地震波の伝播特性の評価について 敷地及び敷地周辺における地質調査及び地震観測記録の分析等に基づき以下のとおりとしている 1 ボーリングの深度が最大約 1,000m である敷地内全域にわたるボーリング調査結果及び地表地質調査結果等から 敷地及び敷地近傍は下位より先 ひたちこせい なかみなと 白亜系の日立古生層 ( 日立変成岩類 ) 白亜系の那珂湊層群 新第三系鮮新 統 ~ 第四系下部更新統の久米層等 第四系更新統の段丘堆積物等 第四系完新統の沖積層及び砂丘砂層で構成されている 2 本発電所敷地内で得られた地震観測記録を 地震波の到来方向ごとに応答スペクトル比を比較した結果 到来方向による大きな違いは見られず ばらつきも小さいことを確認した 3 重力異常分布等によると 敷地西側及び南側には船底状に基盤が深さ 4km 程度に達する不整形地盤が存在する これらの不整形地盤が, 敷地の地震動に与える影響について 敷地及び敷地周辺で実施した屈折法地震探査 微動アレイ探査結果等に基づき作成した二次元地盤モデルを用いて, 敷地の解放基盤表面における地震動について検討した 二次元地盤モデルを用いた解析結果では, 敷地周辺において特異な増幅を示す傾向は見られず, 敷地直下の地盤構造に基づく成層モデルによる解析結果を下回ることを確認した なお 解析結果には後続波が励起される特徴が見られ 本発電所敷地内で得られた複数の地震観測記録にも同様の特徴が見られており 解析結果と観測記録が整合的であることを確認した 規制委員会は 審査の過程において 本発電所敷地及び敷地近傍の傾斜する地盤構造及びそれらを含む敷地の西側及び南側に存在する不整形地盤が 敷地の地震動に与える影響に関する評価について その妥当性を確認するとともに 敷地内及び近傍における傾斜する地盤構造による解放基盤表面における地震波への影響について追加検討し その評価結果を示すよう求めた これに対して 申請者は 地震動シミュレーションにおける設定条件を確認し 敷地の西側及び南側に見られる深い基盤形状による地震波伝播による影響 12

19 について評価するとともに 敷地及び敷地近傍の傾斜する地盤構造による解放 基盤表面における地震波への影響を確認した 規制委員会は 申請者が実施した本発電所敷地及び敷地周辺の地震波の伝播特性の評価については 調査の手法が 地質ガイドを踏まえた適切なものであり 調査結果に基づき敷地における到来方向別の複数の地震観測記録を分析し 地震波の到来方向別の伝播特性の影響を適切に評価していること また 調査結果に基づき敷地及び敷地周辺の地下構造を評価し 基盤の形状による地震波の伝播特性の影響を適切に評価していることから 解釈別記 2の規定に適合していることを確認した 2. 敷地ごとに震源を特定して策定する地震動解釈別記 2は 敷地ごとに震源を特定して策定する地震動 は 内陸地殻内地震 プレート間地震及び海洋プレート内地震について 敷地に大きな影響を与えると予想される地震 ( 以下 検討用地震 という ) を複数選定し 選定した検討用地震ごとに 不確かさを考慮して応答スペクトルに基づく地震動評価及び断層モデルを用いた手法による地震動評価を 解放基盤表面までの地震波の伝播特性を反映して策定することを要求している 規制委員会は 申請者が実施した 敷地ごとに震源を特定して策定する地震動 の評価については 適切に選定された複数の検討用地震ごとに 各種の不確かさを十分に考慮して応答スペクトルに基づく地震動評価及び断層モデルを用いた手法による地震動評価を適切な手法で行っていることから 解釈別記 2の規定に適合していることを確認した (1) 震源として考慮する活断層解釈別記 2は 内陸地殻内地震に関し 震源として考慮する活断層の評価に当たっては 調査地域の地形及び地質条件に応じ 既存文献の調査 変動地形学的調査 地質調査 地球物理学的調査等の特性を活かし これらを適切に組み合わせた調査を実施した上で その結果を総合的に評価し活断層の位置 形状 活動性等を明らかにすることを要求している 申請者は 調査内容 調査結果及びその評価について 以下のとおりとしている 1 敷地周辺の地質及び地質構造を把握するため 陸域については 文献調査 変動地形学的調査 地球物理学的調査 地表地質調査等を実施した 海域については 文献調査のほか 海上音波探査及び他機関によって実施 13

20 された海上音波探査記録の再解析を行い 地質 地質構造の検討を実施し た たなくらせいえんたなくら 2 敷地周辺では 調査結果に基づき 棚倉破砕帯西縁断層 ~ 棚倉破砕帯とうえんせきぐちよねひらたつわれさん東縁付近の推定活断層 関口 - 米平リニアメント 竪破山リニアメント みやたちょうほっぽうりくいき宮田町リニアメント F1 断層 ~ 北方陸域の断層 ~ 塩ノしおのひら平地震断層 F3 せきや ふかや 断層 ~F4 断層 F8 断層 F16 断層 A-1 背斜 関谷断層 深谷断 あやせがわ 層帯 綾瀬川断層 F11 断層を震源として考慮する活断層として抽出し 活断層の位置 形状等を評価した 3 敷地近傍及び敷地においては 文献調査 変動地形学的調査 地球物理 地質構造の検討を実施した 敷地近傍及び敷地では リニアメント等は認 められず 敷地に広く分布する新第三系鮮新統 ~ 第四系下部更新統の久米 層と久米層を不整合に覆う M1 面及び M2 面の段丘堆積物は ほぼ水平に 学的調査 地表地質調査 ボーリング調査 海上音波探査等を行い 地質 分布していることから 断層を示唆する系統的な不連続や累積的な変位 変形は認められず 敷地近傍及び敷地には 震源として考慮する活断層は 認められないと評価した 規制委員会は 審査の過程において 申請者が当初 F1 断層 北方陸域の断層及び塩ノ平地震断層の連動については 福島県浜通りの地震に伴い出現した塩ノ平地震断層の範囲は応力が解放されていると評価して F1 断層及び北方陸域の断層 ( 長さ約 44km) と塩ノ平地震断層 ( 長さ約 14km) とは連動しないと評価していたことから F1 断層及び北方陸域の断層が 塩ノ平地震断層との同時活動性を応力が解放されていることのみで否定することはできず 断層の走向 傾斜の類似性等を調査し 改めて塩ノ平地震断層の取り扱いについて検討するよう求めた これに対して 申請者は F1 断層及び北方陸域の断層と塩ノ平地震断層との同時活動については 断層の走向 傾斜の類似性等を勘案し これらの断層の同時活動を考慮して F1 断層南端から塩ノ平地震断層北端までの約 58km を 震源として考慮する活断層と評価を見直した 規制委員会は 申請者が実施した震源として考慮する活断層の評価については 調査地域の地形 地質条件に応じて適切な手法 範囲及び密度で調査を実施した上で その結果を総合的に評価し 活断層の位置 形状 活動性等を明らかにしていることから 解釈別記 2の規定に適合していることを確認した (2) 検討用地震の選定 14

21 解釈別記 2は 内陸地殻内地震 プレート間地震及び海洋プレート内地震について 活断層の性質や地震発生状況を精査し 中 小 微小地震の分布 応力場及び地震発生様式 ( プレートの形状 運動 相互作用を含む ) に関する既往の研究成果等を総合的に検討し 検討用地震を複数選定することを要求している また 内陸地殻内地震に関しては 震源モデルの形状及び震源特性パラメータ等の評価に当たっては 孤立した短い活断層の扱いに留意するとともに 複数の活断層の連動を考慮することを プレート間地震及び海洋プレート内地震に関しては 国内のみならず世界で起きた大規模な地震を踏まえ 地震の発生機構及びテクトニクス的背景の類似性を考慮した上で震源領域の設定を行うことを要求している 申請者は 検討用地震の選定について 以下のとおりとしている 1 内陸地殻内地震内陸地殻内地震については 気象庁震度階級関連解説表の記載によると 地震によって建物等に被害が発生するのは震度 5 弱 (1996 年以前は震度 Ⅴ) 程度以上であると考えられることから 過去の地震及び活断層による地震から 敷地に影響を及ぼすものを抽出した このように抽出した敷地に影響を及ぼす地震について Noda et al.(2002) の方法により求めた応答スペクトルの比較を行った結果 敷地で想定される震度が最も大きく 敷地への影響が大きいF1 断層 ~ 北方陸域の断層 ~ 塩ノ平地震断層による地震を検討用地震として選定した 2 プレート間地震プレート間地震については 過去の地震及び知見から敷地の震度が 5 弱 (1996 年以前は震度 V) 程度以上であったと推定される地震並びに中央防災会議 (2013) 及び地震調査研究推進本部 (2012) で想定されている地震を抽出した このように抽出した敷地に影響を及ぼす地震について 2011 年東北地方太平洋沖地震の本震及び同日 15 時 15 分に発生した余震については敷地での地震観測記録より求めた解放基盤波による応答スペクトル それら以外の地震については Noda et al.(2002) の方法により求めた応答スペクトルによる比較を行った その結果 2011 年東北地方太平洋沖地震の本震 ( 以下 2011 年東北地方太平洋沖型地震 という ) を検討用地震として選定した 3 海洋プレート内地震 15

22 海洋プレート内地震については 過去の地震から敷地の震度が5 弱 (1996 年以前は震度 V) 程度以上であったと推定される地震並びに中央防災会議 (2004) 及び地震調査研究推進本部 (2009) で想定されている地震を抽出した また 最新知見である中央防災会議 (2013) で想定されている地震を抽出した このように抽出した敷地に影響を及ぼす地震について Noda et al.(2006) の方法により求めた応答スペクトルの比較を行った結果 中央防災会議 (2004) 及び同 (2013) の茨城県南部の海洋プレート内地震 ( 以下 茨城県南部の地震 という ) を検討用地震として選定した 規制委員会は 申請者が実施した検討用地震の選定に係る評価については 活断層の性質や地震発生状況を精査し 既往の研究成果等を総合的に検討することにより複数の検討用地震を適切に選定しているとともに 評価に当たっては複数の活断層の連動も考慮していることから 解釈別記 2の規定に適合していることを確認した (3) 地震動評価解釈別記 2は 敷地ごとに震源を特定して策定する地震動 について 検討用地震ごとに 敷地における地震観測記録を踏まえて 地震発生様式及び地震波の伝播経路等に応じた諸特性を十分に考慮して 応答スペクトルに基づく地震動評価及び断層モデルを用いた手法による地震動評価を実施して策定することを要求している また 基準地震動の策定過程に伴う各種の不確かさについては 敷地における地震動評価に大きな影響を与えると考えられる支配的なパラメータについて分析した上で 必要に応じて不確かさを組み合わせるなど適切な手法を用いて考慮することを要求している 申請者は 検討用地震として選定したF1 断層 ~ 北方陸域の断層 ~ 塩ノ平地震断層による地震 2011 年東北地方太平洋沖型地震 茨城県南部の地震について 震源モデル及び震源特性パラメータの設定並びに地震動評価の内容を以下のとおりとしている 1 F1 断層 ~ 北方陸域の断層 ~ 塩ノ平地震断層による地震 a. 基本震源モデルは 地質調査結果及び 震源断層を特定した地震の強震動予測手法 (2017)( レシピ ) ( 以下 レシピ という ) に基づき 震源モデル及び震源特性パラメータを設定した b. 基本震源モデルにおける主なパラメータとして 福島県と茨城県の県境付近の断層に対する微小地震の発生状況や 2011 年福島県浜通り 16

23 の地震に関する解析結果から 断層上端深さを 3km 断層下端深さを 18km と設定した また 調査結果に基づき 断層長さを 58km とし F1 断層に対応する南部と北方陸域の断層から塩ノ平地震断層に対応する北部に区分し 傾斜角を西傾斜 60 正断層と設定した アスペリティは南部と北部とのセグメントそれぞれに敷地に近い断層上端で 断層端部との間に背景領域を挟んだ位置に配置した 破壊開始点はアスペリティ下端及び断層下端のうち 敷地への影響の大きい位置に複数設定した c. 基本震源モデルに対して 地震動評価に影響が大きいと考えられるパラメータの不確かさを考慮したケースとして 短周期の地震動レベルを基本震源モデルの1.5 倍としたケース 2011 年福島県浜通り地震における余震分布の形状を考慮した傾斜角を 45 としたケース並びに南部及び北部それぞれのアスペリティを敷地に近い断層端部に配置したケースについても設定した d. 応答スペクトルに基づく地震動評価は 解放基盤表面における水平方向及び鉛直方向の地震動の応答スペクトルを評価することができる Noda et al.(2002) の方法を用いた 地震動評価に当たって使用するマグニチュード ( 以下 M という ) は 断層長さから松田 (1975) により求めた また 敷地での観測記録を基にした補正係数を適用した e. 断層モデルを用いた手法による地震動評価では 茨城県北部で発生した地震 (2011 年 4 月 14 日 M5.1) の敷地での観測記録を想定する地震の震源域で発生した同じ地震発生様式の地震の敷地での観測記録で 震源特性 伝播経路特性及び敷地地盤の振動特性を適切に反映した要素地震として適切なものと評価した上で 経験的グリーン関数法により評価した 震源特性パラメータのうち 地震モーメントは入倉 三宅 (2001) により断層面積から設定し 平均応力降下量はFujii and Matsu ura(2000) により 3.1MPa とし アスペリティの面積は Somerville et al.(1999) の知見を参考に断層面積の22% とし アスペリティの応力降下量は 平均応力降下量及びアスペリティ面積比から設定した 年東北地方太平洋沖型地震 a. 諸井ほか (2013) によりレシピの適用性が確認されていることから 基本震源モデルは レシピに基づき 震源特性パラメータを設定した 地震規模は 2011 年東北地方太平洋沖地震を踏まえ モーメントマグ 17

24 ニチュード ( 以下 Mw という )9.0 とした 断層面は 三陸沖中部から茨城県沖にかけて設定した b. 基本震源モデルにおける主なパラメータとして 強震動生成域 ( 以下 SMGA という ) の位置及び数は 地震調査研究推進本部の領域区分に対応するよう 5 領域に各 1 個の計 5 個を設定した なお 茨城県沖の SMGA については 2011 年東北地方太平洋沖地震の本震の敷地での観測記録を再現できる位置に配置した SMGA の短周期レベルは 諸井ほか (2013) で検討されている宮城県沖, 福島県沖, 茨城県沖で発生した地震の平均的な短周期レベルを設定した それに従い SMGAの面積比は0.125とした 破壊開始点については 破壊が敷地に向かう位置となる2011 年東北地方太平洋沖地震の本震の破壊開始点とする c. 基本震源モデルに対して 地震動評価に影響が大きいと考えられるパラメータの不確かさを考慮したケースとして 茨城県沖の SMGA 位置を敷地に最も近づけたケース 短周期レベルを基本震源モデルで設定した値の 1.5 倍ケースについても設定した SMGA 位置は確定的に設定することが難しいことから 茨城県沖の SMGA 位置を敷地に最も近づけ かつ 短周期レベルを基本震源モデルで設定した値の 1.5 倍にした重畳ケースについても設定した d. 応答スペクトルに基づく地震動評価は 複雑な震源過程から生成される強震動を短周期から長周期にわたり精度よく評価できる距離減衰式はないと考えられるため 敷地での地震観測記録より求めた解放基盤波を包絡した応答スペクトルを用いた e. 断層モデルを用いた手法による地震動評価では 想定する地震の震源域で発生した同じ地震発生様式の地震の敷地での観測記録で 震源特性 伝播経路特性及び敷地地盤の振動特性を適切に反映した記録を要素地震として適切なものと評価した上で 経験的グリーン関数法により評価した 要素地震としては 断層面の北半分に対して 2011 年 3 月 10 日の地震 (M6.8) 断層面の南半分に対して 2009 年 2 月 1 日の地震 (M5.8) それぞれの敷地における観測記録を用いた 震源特性パラメータについては 地震モーメントは地震規模から Hanks & Kanamori(1979) により 断層面積は地震規模から佐藤 (1989) により設定し 次に地震モーメント及び断層面積から円形クラックの式より平均応力降下量を設定し 諸井ほか (2013) による SMGA 面積比 を用いて 各 SMGAの応力降下量と短周期レベルを設定した 3 茨城県南部の地震 18

25 a. 基本震源モデルの断層面は中央防災会議 (2013) による フィリピン海プレート内地震を想定する領域 のうち敷地に近い位置に配置した 地震規模は中央防災会議 (2013) に基づきMw7.3 と設定した 震源モデル及び震源特性パラメータは 中央防災会議 (2013) や長谷川ほか (2013) 等に基づき設定した b. 基本震源モデルにおける主なパラメータとして 断層傾斜角やずれは, 長谷川ほか (2013) による知見を踏まえ90 度の右横ずれ断層として設定した アスペリティの応力降下量は 中央防災会議 (2013) に基づき 62MPaとした アスペリティは 海洋性マントルの最上部に配置し 破壊開始点は アスペリティ下端に複数設定した c. 基本震源モデルに対して 地震動評価に影響が大きいと考えられるパラメータの不確かさを考慮したケースとして 断層傾斜角を敷地に向けたケース アスペリティ位置を敷地に近くなるよう海洋性地殻内の上端に配置したケース 応力降下量を笹谷ほか (2006) のスケーリング則に基づきパラメータ設定したケース及び南海トラフで発生したフィリピン海プレート内地震である 2004 年紀伊半島南東沖地震の規模を参考に Mw7.4にしたケースについても設定した d. 応答スペクトルに基づく地震動評価は 解放基盤表面における水平方向及び鉛直方向の地震動の応答スペクトルを評価することができる Noda et al.(2002) の方法を用いた また 敷地での観測記録を基にした補正係数を適用した e. 断層モデルを用いた手法による地震動評価では 茨城県南部で発生した地震 (2014 年 11 月 12 日 M4.8) の敷地での観測記録を想定する地震の震源域で発生した同じ地震発生様式の地震で 震源特性 伝播経路特性及び敷地地盤の振動特性を適切に反映した要素地震として適切なものと評価した上で 経験的グリーン関数法により評価した 震源特性パラメータについては 中央防災会議 (2013) に基づき 地震モーメントは Mw から設定し 次に地震モーメントと断層面積より求めた平均応力降下量とアスペリティ面積比からアスペリティの応力降下量を設定した 規制委員会は 審査の過程において 内陸地殻内地震においては 各セグメントにおけるアスペリティ位置を断層端から離して設定していたため アスペリティ位置の不確かさについて検討するよう求めた また プレート間地震において 茨城県沖の SMGA については 敷地での観測記録の再現性及び過去に地震が発生している位置を考慮して設定していたが 確定的に SMGA の位置を 19

26 決めることは難しいので 不確かさについてさらなる検討を求めた これに対して 申請者は 内陸地殻内地震については文献調査結果からすべり分布の断層端部におけるばらつきを考慮して 南部及び北部それぞれのアスペリティを敷地に近い断層端部に配置するケースを不確かさケースとして地震動評価を行った プレート間地震については SMGAの位置を確定的に設定することは難しいことから 茨城県沖のSMGA の位置を敷地に最も近づけ かつ 短周期レベルを基本震源モデルでの設定値の1.5 倍にした重畳した場合を不確かさケースとして地震動評価を行った 規制委員会は 申請者が実施した 敷地ごとに震源を特定して策定する地震動 の評価は 検討用地震ごとに 各種の不確かさを十分に考慮して 応答スペクトルに基づく地震動評価 及び 断層モデルを用いた手法による地震動評価 に基づき適切に行われていることから 解釈別記 2の規定に適合していることを確認した 3. 震源を特定せず策定する地震動解釈別記 2は 震源を特定せず策定する地震動 について 震源と活断層を関連づけることが困難な過去の内陸地殻内の地震について得られた震源近傍における観測記録を収集し これらを基に 各種の不確かさを考慮して敷地の地盤物性に応じた応答スペクトルを設定して策定することを要求している 申請者は 地震ガイドに例示された収集対象となる内陸地殻内地震の評価について 以下のとおりとしている (1) 地震規模が Mw6.5 以上の地震については 2008 年岩手 宮城内陸地震及び 2000 年鳥取県西部地震を検討対象とした (2)2008 年岩手 宮城内陸地震については 震源域近傍は 主に中新統から鮮新統の堆積岩 火山岩等 第四系の火山岩類が分布し 顕著な摺曲又は撓曲構造が発達し カルデラが密集する また 震源域近傍は変動地形等の認識が難しい地域である さらに 震源域は火山フロントに近接しひずみ集中帯と指摘され 東西圧縮型の逆断層が卓越する 一方 本発電所敷地近傍は 地質が類似する点があるが 敷地近傍に広く分布する新第三系鮮新統 ~ 第四系下部更新統の久米層及び久米層を不整合に覆う上部更新統はほぼ水平に分布しており 地質構造は異なり 敷地近傍にカルデラも分布しない また 敷地近傍陸域は 変動地形等が認識しやすい地域である さらに 東海第二発電所は火山フロントの遠方に位置し 敷地周辺の茨城県北部では南西 - 北東引張の正断層が卓越する 以上のことから 2008 年岩手 宮城内陸地震の震源域は 本発電所敷地近傍 20

27 とは地域の特徴が異なることから 観測記録収集対象外とした (3)2000 年鳥取県西部地震の震源域近傍は 主に古第三系の花崗岩及び中新統の安山岩 ~ 玄武岩の岩脈が分布する また 第四紀中期以降に新たに断層面を形成して 断層が発達しつつあり 活断層の発達過程としては初期ないし未成熟な段階にあることから変動地形等の認識が難しい地域である さらに 震源域は火山フロントに近接し 東西圧縮の横ずれ断層型が卓越する 以上のことから 2000 年鳥取県西部地震の震源域は 本発電所敷地近傍とは地域の特徴が異なることから 観測記録収集対象外とした (4) また Mw6.5 未満の地震については 収集した観測記録を 加藤ほか (2004) に基づき設定した応答スペクトルと対比させ その結果から敷地に及ぼす影響 るもい の大きいものとして 5 地震 (2004 年北海道留萌支庁南部地震 2011 年茨城県 北部地震 2013 年栃木県北部地震 2011 年和歌山県北部地震 2011 年長野県北部地震 ) を抽出した このうち 2004 年北海道留萌支庁南部地震による震源近傍の K-NET 港町観測点における地震観測記録については 佐藤ほか (2013) でボーリング調査等による精度の高い地盤情報を基に基盤地震動が推定されており これに不確かさを考慮した地震動を 震源を特定せず策定する地震動 として採用した なお その際には 地盤物性のうちS 波速度がK-NET 港町観測点で基盤地震動を推定した位置では敷地の解放基盤表面の値よりも速いことから その影響を考慮した また 加藤ほか (2004) に基づき設定した応答スペクトルについても 震源を特定せず策定する地震動 として採用した 規制委員会は 審査の過程において 震源を特定せず策定する地震動 の評価で収集対象となる内陸地殻内の地震の例として地震ガイドに示しているすべての地震について観測記録等を収集し 検討することを求めた これに対して 申請者は 2004 年北海道留萌支庁南部地震については 佐藤ほか (2013) で推定された基盤地震動に不確かさを考慮した地震動も 震源を特定せず策定する地震動 として採用した 規制委員会は 申請者が評価した 震源を特定せず策定する地震動 は 過去の内陸地殻内の地震について得られた震源近傍における観測記録を精査し 各種の不確かさ及び敷地の地盤物性を十分に考慮して適切に策定されていることから 解釈別記 2の規定に適合していることを確認した 4. 基準地震動の策定 解釈別記 2 は 基準地震動は 敷地ごとに震源を特定して策定する地震動 及 び 震源を特定せず策定する地震動 について 解放基盤表面における水平方向 21

28 (1) 敷地ごとに震源を特定して策定する地震動 1 基準地震動 Ss-D1( 最大加速度 : 水平方向 870cm/s 2 鉛直方向 560cm/s 2 ) 応答スペクトルに基づく地震動評価結果を包絡させて策定した地震動 2 基準地震動 Ss-11 から Ss-14( 最大加速度 : 水平方向 903cm/s 2 鉛直方向 602m/s 2 ) 内陸地殻内地震の断層モデルを用いた手法による地震動評価結果のうち一部の周期帯で基準地震動 Ss-D1の応答スペクトルを上回る4ケースの地震動 3 基準地震動 Ss-21 及び Ss-22( 最大加速度 : 水平方向 1009cm/s 2 鉛直方向 736cm/s 2 ) プレート間地震の断層モデルを用いた手法による地震動評価結果のうち一部の周期帯で基準地震動 Ss-D1の応答スペクトルを上回る2ケースの地震動 (2) 震源を特定せず策定する地震動 1 基準地震動 Ss-31( 最大加速度 : 水平方向 610cm/s 2 鉛直方向 280cm/s 2 ) 一部の周期帯で基準地震動 Ss-D1 の応答スペクトルを上回る 2004 年北海道留萌支庁南部地震を考慮した地震動 及び鉛直方向の地震動としてそれぞれ策定することを要求している 申請者は 施設の耐震設計に用いる基準地震動について 敷地の解放基盤表面における水平方向及び鉛直方向の地震動として基準地震動 Ss-D1 Ss-11から Ss- 14 Ss-21 Ss-22 及びSs-31を以下のとおり策定している 規制委員会は 本申請における基準地震動は 敷地ごとに震源を特定して策定する地震動 及び 震源を特定せず策定する地震動 に関し 最新の科学的 技術的知見を踏まえ 各種の不確かさを十分に考慮して 敷地の解放基盤表面における水平方向及び鉛直方向の地震動として適切に策定されていることから 解釈別記 2の規定に適合していることを確認した なお 申請者は 敷地ごとに震源を特定して策定する地震動 のうち Ss-D1 の年超過確率は 10-4 ~10-5 程度 Ss-11 から Ss-14 並びに Ss-21 及び Ss-22 の年超過確率は 10-4 ~10-6 程度であり 震源を特定せず策定する地震動 の年超過確率は10-4 ~10-6 程度としている 22

29 Ⅲ-1.2 周辺斜面の安定性解釈別記 2は 耐震重要施設の周辺斜面について 基準地震動による地震力を作用させた安定解析を行い 崩壊のおそれがないことを確認するとともに 崩壊のおそれがある場合には 崩壊によって耐震重要施設に影響を及ぼすことがないようにすることを要求している 申請者は 耐震重要施設の周辺斜面の評価について 以下のとおりとしている 1. 安定性評価の対象となる斜面は 耐震重要施設と周辺斜面との離隔距離を考慮して 使用済燃料乾式貯蔵建屋周辺斜面を選定した 2. すべり安全率の評価は これらの斜面の高さ 勾配 人工改変範囲を考慮して解析対象断面を選定し 基準地震動による地震力を作用させた二次元有限要素法を用いた動的解析により行った 3. 動的解析に用いる地盤パラメータについては 各種の調査結果を基に設定した 解析に当たっては せん断強度のばらつき 地下水位観測結果 入力地震動の位相の反転についても考慮した 4. 動的解析の結果から得られた最小すべり安全率は 1.2 を上回る 規制委員会は 耐震重要施設の周辺斜面については 申請者が基準地震動による地震力を作用させた適切な動的解析を行い 崩壊のおそれがないことを確認していることから 解釈別記 2の規定に適合していること及び地盤ガイドを踏まえていることを確認した Ⅲ-1.3 耐震設計方針 1. 耐震重要度分類の方針解釈別記 2は 耐震重要度に応じて Sクラス Bクラス Cクラスに設計基準対象施設を分類すること ( 以下 耐震重要度分類 という ) を要求している 申請者は 以下のとおり 耐震重要度分類を適用する方針としている (1) 施設の分類設計基準対象施設については 地震により発生するおそれがある安全機能の喪失による影響及び公衆への放射線による影響を踏まえ Sクラス Bクラス Cクラスに分類する また 津波による安全機能の喪失を防止するために必要となる施設もSクラスとする (2) 設備の区分 設計基準対象施設を構成する設備については その施設に要求される安全機 23

30 能の役割に応じて 主要設備 補助設備 直接支持構造物 間接支持構造物及 び波及的影響を評価すべき施設に区分する (3) 検討用地震動の設定間接支持構造物及び波及的影響を評価すべき施設については それぞれに関連する主要設備 補助設備及び直接支持構造物の耐震設計に適用する地震力を踏まえ 検討用地震動 ( 当該施設を支持する構造物の支持機能が維持されることを確認する地震動及び当該施設に波及的影響を及ぼさないことを確認する地震動 ) を設定する 規制委員会は 申請者が 耐震重要度分類の適用について 津波による安全機能の喪失を防止するために必要となる施設をはじめとする設計基準対象施設を 耐震重要度に応じて Sクラス Bクラス Cクラスに分類する方針としていること さらに 分類した施設を 安全機能の役割に応じた設備に区分する方針とし 安全機能に間接的な役割を担う設備については それに関連する設備に適用する地震力を踏まえ検討用地震動を設定する方針としていることから これらの方針が解釈別記 2の規定に適合していること及び地震ガイドを踏まえていることを確認した 2. 弾性設計用地震動の設定方針解釈別記 2は 工学的判断に基づき 基準地震動との応答スペクトルの比率が目安として 0.5 を下回らないように弾性設計用地震動を設定することを要求している 申請者は 以下のとおり 弾性設計用地震動を設定する方針としている (1) 地震動設定の条件弾性設計用地震動と基準地震動との応答スペクトルの比率については 工学的判断として以下を考慮し 0.5 と設定する 1 弾性設計用地震動と基準地震動との応答スペクトルの比率は 弾性限界と安全機能限界それぞれに対する入力荷重の比率に対応し その値は 0.5 程度である 2 弾性設計用地震動は 発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針 ( 昭和 56 年 7 月 20 日原子力安全委員会決定 平成 13 年 3 月 29 日一部改訂 ) における基準地震動 S 1 が耐震設計上果たしてきた役割を一部担うものであることを踏まえ その応答スペクトルは 基準地震動 S 1 の応答スペクトルをおおむね下回らないようにする 24

31 (2) 弾性設計用地震動前項の条件で設定する弾性設計用地震動は 最大加速度がSd-D1については水平方向 435cm/s 2 及び鉛直方向 280cm/s 2 Sd-11 については水平方向 NS:359cm/s 2 EW:309cm/s 2 及び鉛直方向 290cm/s 2 Sd-12 については水平方向 NS:435cm/s 2 EW:313cm/s 2 及び鉛直方向 301cm/s 2 Sd-13 については水平方向 NS:452cm/s 2 EW:309cm/s 2 及び鉛直方向 300cm/s 2 Sd-14 については水平方向 NS:293cm/s 2 EW:241cm/s 2 及び鉛直方向 226cm/s 2 Sd-21 については水平方向 NS:451cm/s 2 EW:443cm/s 2 及び鉛直方向 310cm/s 2 Sd-22 については水平方向 NS:505cm/s 2 EW:437cm/s 2 及び鉛直方向 368cm/s 2 Sd-31 については水平方向 305cm/s 2 及び鉛直方向 140cm/s 2 である 規制委員会は 申請者が 弾性限界と安全機能限界に対する入力荷重の比率を考慮すること及び基準地震動 S 1 の応答スペクトルをおおむね下回らないように考慮すること これらの工学的判断に基づき 基準地震動との応答スペクトルの比率を 0.5 として弾性設計用地震動を適切に設定する方針としていることから この方針が解釈別記 2の規定に適合していること及び地震ガイドを踏まえていることを確認した なお 申請者は 弾性設計用地震動の年超過確率は 10-3 ~10-5 程度としている 3. 地震応答解析による地震力及び静的地震力の算定方針 (1) 地震応答解析による地震力解釈別記 2は 基準地震動又は弾性設計用地震動を用いて 水平 2 方向及び鉛直方向について適切に組み合わせたものとして 地震応答解析による地震力を算定することを要求している 申請者は 以下のとおり 地震応答解析による地震力を算定する方針としている 1 Sクラスの施設の地震力の算定方針基準地震動及び弾性設計用地震動から定まる入力地震動を用いて 建物 構築物の三次元応答性状及びそれによる機器 配管系への影響を考慮し 水平 2 方向及び鉛直方向について適切に組み合わせ 地震応答解析による地震力を算定する なお 地震応答解析には 建物 構築物と地盤との相互作用 地盤等の非線形性を考慮する 25

32 2 Bクラスの施設の地震力の算定方針 Bクラスの施設のうち共振のおそれのある施設については 弾性設計用地震動に2 分の1 を乗じたものから定まる入力地震動 ( 以下 共振影響検討用の地震動 という ) を用いることとし 加えてSクラスと同様に 水平 2 方向及び鉛直方向について適切に組み合わせ 地震力を算定する 3 入力地震動の設定方針建物 構築物の地震応答解析における入力地震動については 対象建物 構築物の地盤条件を考慮し 必要に応じて二次元有限要素法又は一次元波動理論を用いて設定する この際 地盤条件については 敷地全体の地下構造との関係に留意し 地盤の非線形応答に関する動的変形特性を考慮する また 必要に応じて敷地における観測記録による検証や最新の科学的 技術的知見を踏まえる 4 地震応答解析方法対象施設の形状 構造特性 振動特性等を踏まえ 解析手法の適用性 適用限界等を考慮のうえ 地震応答解析方法を選定するとともに 十分な調査に基づく解析条件を設定する また 対象とする施設の形状 構造特性等を踏まえたモデル化を行う なお 審査の過程において 申請者は 当該敷地の地盤条件として 敷地全域にわたって新第三系鮮新統 ~ 第四系下部更新統の久米層が分布し その上位に第四系の段丘堆積物 沖積層及び砂丘砂層が分布しているという特徴があることから 耐震重要施設及びその間接支持構造物の設計にあたって地震時の液状化の可能性を検討したところ その可能性はほぼないとの見通しを得たとした これに対して規制委員会は 1 液状化試験データの数が少なく採取位置も限られていることによる当該データの信頼性 ( 代表性 網羅性 ) 2 既往のボーリングデータに基づく液状化強度特性のばらつきを設計に考慮する考え方について説明を求めた これに対し申請者は 方針として 1 今後 追加ボーリング調査を行い 試験データを拡充して データの信頼性を高めること 2 耐震重要施設及びその間接支持構造物の設計において 地震時の地盤の液状化現象を適切に評価できる有効応力解析を実施する際 各地層の液状化強度特性を用いた評価に加え 特に液状化の発生が懸念される地層に対しては 原地盤より液状化しやすいと 26

33 考えられる豊浦標準砂の液状化強度特性を仮定した評価も行い 液状化強度特 性のばらつきを設計に考慮することを示した 規制委員会は 申請者が 施設 地盤等の構造特性 振動等の施設の応答特性 施設と地盤との相互作用及び地盤等の非線形性を適切に考慮し 水平 2 方向及び鉛直方向を適切に組み合わせたものとして地震応答解析による地震力を算定する方針としていることから この方針が解釈別記 2の規定に適合していること及び地震ガイドを踏まえていることを確認した (2) 静的地震力解釈別記 2は 耐震重要度分類に応じて水平方向及び鉛直方向の静的地震力を算定することを要求している 申請者は 以下のとおり 静的地震力を算定する方針としている 1 建物 構築物の水平地震力水平地震力については 地震層せん断力係数に 施設の耐震重要度分類に応じた係数 (Sクラスは 3.0 Bクラスは 1.5 及びCクラスは 1.0) を乗じ さらに当該層以上の重量を乗じて算定する ここで 地震層せん断力係数は 標準せん断力係数を0.2 以上とし 建物 構築物の振動特性 地盤の種類等を考慮して求められる値とする 2 建物 構築物の保有水平耐力保有水平耐力については 必要保有水平耐力を上回るものとし 必要保有水平耐力については 地震層せん断力係数に乗じる係数を 1.0 標準せん断力係数を 1.0 以上として算定する 3 建物 構築物の鉛直地震力鉛直地震力については 震度 0.3 以上を基準とし 建物 構築物の振動特性及び地盤の種類等を考慮し 高さ方向に一定として求めた鉛直震度より算定する 4 機器 配管系の地震力機器 配管系の地震力については 建物 構築物で算定した地震層せん断力係数に施設の耐震重要度に応じた係数を乗じたものを水平震度と見なし その水平震度と建物 構築物の鉛直震度をそれぞれ 20% 増しとして算定する 27

34 5 水平地震力と鉛直地震力の組合せ S クラスの施設については 水平地震力と鉛直地震力が同時に不利な方 向の組合せで作用するものとする 6 標準せん断力係数等の割増し係数 標準せん断力係数等の割増し係数については 耐震性向上の観点から 一般産業施設及び公共施設等の耐震基準との関係を考慮して設定する 規制委員会は 申請者が 施設の振動特性等を考慮し 算定に用いる係数等の割増しをして求めた水平震度及び鉛直震度より静的地震力を算定する方針としていることから この方針が解釈別記 2の規定に適合していること及び地震ガイドを踏まえていることを確認した 4. 荷重の組合せと許容限界の設定方針 (1) 建物 構築物解釈別記 2は 設計基準対象施設のうちの建物 構築物についての荷重の組合せと許容限界の考え方に対し 以下を満たすことを要求している 1 Sクラスの建物 構築物については 常時作用している荷重及び運転時に作用する荷重と基準地震動による地震力との組合せに対する評価において 構造物全体としての変形が終局耐力時の変形に対して十分な余裕を有し 部材 部位ごとの応力 ひずみ等が終局耐力時の応力 ひずみ等に対して妥当な安全余裕を有していること 2 Sクラス Bクラス及びCクラスの建物 構築物については 常時作用している荷重及び運転時に作用する荷重と 弾性設計用地震動 (Bクラスは共振影響検討用の地震動 Cクラスは考慮せず ) による地震力又は静的地震力を組み合わせ その結果発生する応力に対して 建築基準法等の安全上適切と認められる規格及び基準による許容応力度を許容限界とすること 申請者は 以下のとおり 建物 構築物の荷重の組合せ及び許容限界を設定する方針としている 1 荷重の組合せ Sクラスの建物 構築物について 基準地震動による地震力 弾性設計用地震動による地震力又は静的地震力と組み合わせる荷重は 常時作用している荷重 ( 固定荷重 積載荷重 土圧 水圧及び通常の気象条件による 28

35 荷重 ) 運転時に作用する荷重( 通常運転時に作用する荷重及び運転時の異常な過渡変化時に生じる荷重 ) 設計基準事故時に生じる荷重( 設計基準事故が発生し長時間継続する事象による荷重 ) 及び設計用自然条件 ( 積雪 風荷重等 ) とする Bクラス及びCクラスの建物 構築物について 共振影響検討用の地震動による地震力又は静的地震力と組み合わせる荷重は 常時作用している荷重 運転時に作用する荷重及び設計用自然条件 ( 積雪 風荷重等 ) とする なお 運転時及び設計基準事故時の荷重には 機器 配管系から作用する荷重が含まれるものとし 地震力には 地震時土圧 機器 配管系からの反力 スロッシング等による荷重が含まれるものとする 2 許容限界 Sクラスの建物 構築物について 4.(1)1 荷重の組合せ における荷重と基準地震動による地震力との組合せに対する評価において 構造物全体としての変形 ( 耐震壁のせん断ひずみ等 ) が終局耐力時の変形に対して十分な余裕を有し 部材 部位ごとの応力 ひずみ等が終局耐力時の応力 ひずみ等に対して妥当な安全余裕を有することとする なお 終局耐力は 構造物又は部材 部位に荷重が作用し その変形が著しく増加して破壊に至る過程での最大の荷重とし 既往の実験式等に基づき定めるものとする Sクラス Bクラス及びCクラスの建物 構築物については 4.(1) 1 荷重の組合せ における荷重と弾性設計用若しくは共振影響検討用の地震動による地震力又は静的地震力との組合せに対する評価において 建築基準法等の安全上適切と認められる規格及び基準による許容応力度を許容限界とする 規制委員会は 申請者が 荷重の組合せについて 耐震重要度分類に応じて常時作用している荷重及び運転時に作用する荷重を地震力と適切に組み合わせる方針としており 荷重の組合せに対する許容限界については 基準地震動による地震力との組合せの場合は 構造物全体としての変形が終局耐力時の変形に対して十分な余裕を有し 部材 部位ごとの応力 ひずみ等が終局耐力時の応力 ひずみ等に対して妥当な安全余裕を有する方針としており また その他の地震力との組合せの場合は 安全上適切と認められる規格及び基準による許容応力度を許容限界とする方針としていることから これらの方針が解釈別記 2の規定に適合していること及び地震ガイドを踏まえていること これらに加え 設計基準事故時に生じる荷重及び自然事象による荷重についても適切 29

36 に考慮する方針としていることを確認した (2) 機器 配管系解釈別記 2は 設計基準対象施設のうちの機器 配管系について 荷重の組合せと許容限界の考え方に対し 以下を満たすことを要求している 1 Sクラスの機器 配管系については 通常運転時に作用する荷重 運転時の異常な過渡変化時に生じる荷重又は設計基準事故時に生じる荷重と基準地震動による地震力との組合せに対する評価において その施設に要求される機能を保持すること 組合せ荷重により塑性域に達するひずみが生じる場合であっても その量が小さなレベルにとどまって破断延性限界のひずみに対して十分な余裕を有し その施設に要求される機能に影響を及ぼさないこと 2 Sクラス Bクラス及びCクラスの機器 配管系については 通常運転時に作用する荷重 運転時の異常な過渡変化時に生じる荷重又は設計基準事故時に生じる荷重と 弾性設計用地震動 (Bクラスは共振影響検討用の地震動 Cクラスは考慮せず ) による地震力又は静的地震力を組み合わせた荷重条件に対して 応答が全体的におおむね弾性状態にとどまること 3 運転時の異常な過渡変化時及び設計基準事故時に生じる荷重については 次の荷重を考慮すること a. 地震によって引き起こされるおそれのある事象により生じる荷重 b. 地震によって引き起こされるおそれのない事象であっても 事象の発生頻度 継続時間及び地震動の年超過確率との関係を踏まえ長時間継続する荷重申請者は 以下のとおり 機器 配管系の荷重の組合せ及び許容限界を設定する方針としている 1 荷重の組合せ Sクラスの機器 配管系について 基準地震動による地震力 弾性設計用地震動による地震力又は静的地震力と組み合わせる荷重は 通常運転時に作用する荷重 運転時の異常な過渡変化時に生じる荷重 設計基準事故時に生じる荷重及び設計用自然条件 ( 積雪 風荷重等 ) とする Bクラス及びCクラスの機器 配管系について 共振影響検討用の地震動による地震力又は静的地震力と組み合わせる荷重は 通常運転時に作用する荷重 運転時の異常な過渡変化時に生じる荷重及び設計用自然条件 ( 積雪 風荷重等 ) とする なお 運転時の異常な過渡変化時及び設計基準事故時に生じる荷重は 30

37 地震によって引き起こされるおそれのある事象による荷重及び地震によ って引き起こされるおそれはないが 事象の発生頻度 継続時間及び地震 動の年超過確率との関係を踏まえ長時間継続する事象による荷重とする 2 許容限界 Sクラスの機器 配管系について 4.(2)1 荷重の組合せ における荷重と基準地震動による地震力との組合せに対する評価において 塑性域に達するひずみが生じる場合であっても その量が小さなレベルにとどまって破断延性限界のひずみに対して十分な余裕を有し その施設の機能に影響を及ぼすことがない限度に応力 荷重等を制限する値を許容限界とする なお 地震時又は地震後の機器等の動的機能要求については 実証試験等により確認されている機能維持加速度等を許容限界とする Sクラス Bクラス及びCクラスの機器 配管系については 4.(2) 1 荷重の組合せ における荷重と弾性設計用若しくは共振影響検討用の地震動による地震力又は静的地震力との組合せに対する評価において 応答が全体的におおむね弾性状態にとどまることを許容限界とする 規制委員会は 申請者が 荷重の組合せについて 耐震重要度分類に応じて運転状態の荷重を地震力と適切に組み合わせる方針としており 荷重の組合せに対する許容限界については 基準地震動による地震力との組合せの場合は 破断延性限界のひずみに対して十分な余裕を有し その施設の機能に影響を及ぼすことがないように また その他の地震力との組合せの場合は 応答全体がおおむね弾性状態にとどまるように 適切に設定する方針としていることから これらの方針が解釈別記 2の規定に適合していること及び地震ガイドを踏まえていること これらに加え 自然事象による荷重についても適切に考慮する方針としていることを確認した (3) 津波防護施設 浸水防止設備等解釈別記 2は 津波防護施設及び浸水防止設備が設置された建物 構築物並びに浸水防止設備及び津波監視設備についての荷重の組合せと許容限界の考え方に対し 以下を満たすことを要求している 1 常時作用している荷重及び運転時に作用する荷重と基準地震動による地震力の組合せに対して その施設 設備に要求される機能 ( 津波防護機能 浸水防止機能及び津波監視機能 ) を保持すること 2 これらの荷重の組合せに関しては 地震と津波が同時に作用する可能性について検討し 必要に応じて基準地震動による地震力と津波による荷重 31

38 の組合せを考慮すること 申請者は 以下のとおり 津波防護施設 浸水防止設備等の荷重の組合せ及 び許容限界を設定する方針としている 1 荷重の組合せ基準地震動による地震力と組み合わせる荷重は 津波防護施設及び浸水防止設備が設置された建物 構築物については 常時作用している荷重 ( 固定荷重 積載荷重 土圧 水圧及び通常の気象条件による荷重 ) 運転時に作用する荷重 ( 通常運転時に作用する荷重及び運転時の異常な過渡変化時に生じる荷重 ) 及び設計用自然条件 ( 積雪 風荷重等 ) とする 浸水防止設備及び津波監視設備については 通常運転時に作用する荷重 運転時の異常な過渡変化時に生じる荷重 設計用自然条件 ( 積雪 風荷重等 ) 及び設計基準事故時に生じる荷重とする また 必要に応じて津波による荷重の組合せを考慮する なお 津波以外の地震力に組み合わせる荷重は (1) 又は (2) の荷重の組合せの荷重に準じるものとする 2 許容限界津波防護施設及び浸水防止設備が設置された建物 構築物の許容限界は 構造物全体としての変形が終局耐力時の変形に対して十分な余裕を有するとともに その施設に要求される津波防護機能及び浸水防止機能を保持できることとする また 浸水防止設備及び津波監視設備について 常時作用している荷重及び運転時に作用する荷重等と基準地震動による地震力の組合せに対して 要求される浸水防止機能及び津波監視機能が保持できることを許容限界とする 規制委員会は 申請者が 津波防護施設 浸水防止設備等の荷重の組合せと許容限界について Sクラスの建物 構築物又は機器 配管系に準じて設定する方針とすること また 基準地震動による地震力には必要に応じて津波による荷重を組み合わせる方針としていることから これらの方針が解釈別記 2の規定に適合していること及び地震ガイドを踏まえていることを確認した 5. 波及的影響に係る設計方針 解釈別記 2 は 耐震重要度分類の下位のクラスに属する施設の波及的影響によ って 耐震重要施設の安全機能を損なわないように設計することを要求している 32

39 申請者は 以下のとおり 波及的影響の評価に係る事象選定及び影響評価を行う方針としている (1) 敷地全体を俯瞰した調査 検討の内容等を含めて 以下に示す4つの影響 ( 視点 ) について 波及的影響の評価に係る事象選定を行う 1 設置地盤及び地震応答性状の相違等に起因する相対変位又は不等沈下による影響 2 耐震重要施設と下位のクラスの施設との接続部における相互影響 3 建屋内における下位のクラスの施設の損傷 転倒 落下等による耐震重要施設への影響 4 建屋外における下位のクラスの施設の損傷 転倒 落下等による耐震重要施設への影響 (2) これら 4つの影響 ( 視点 ) 以外に追加すべきものがないかを 原子力発電所の地震被害情報を基に確認し 新たな検討事象が抽出された場合には その影響 ( 視点 ) を追加する (3) 各影響 ( 視点 ) より選定した事象に対して波及的影響の評価を行い 波及的影響を考慮すべき施設を摘出する (4) 波及的影響の評価に当たっては 耐震重要施設の設計に用いる地震動又は地震力を適用する また 水平 2 方向及び鉛直方向の地震力が同時に作用する場合の影響も考慮して評価する (5) 波及的影響の評価においては 溢水防護及び火災防護の観点からの波及的影響についても確認する 規制委員会は 申請者が 波及的影響の評価に係る事象選定及び影響評価について 以下のとおりの方針としており これらの方針が解釈別記 2の規定に適合していること及び地震ガイドを踏まえていることを確認した (1) 波及的影響の評価に係る事象選定については 敷地全体を俯瞰した調査 検討の内容等を含めて波及的影響の評価に係る事象選定を行う方針としていることに加え 原子力発電所の地震被害情報についても併せて検討する方針としていること (2) 影響評価については 選定された事象による波及的影響を評価した上で影響を考慮すべき施設を摘出する方針としていることに加え 溢水防護及び火災防護の観点も踏まえて影響を考慮すべき施設を摘出する方針としていること 6. 津波防護施設 ( 防潮堤 ) の審査の経緯 33

40 審査の過程において 申請者は 津波防護施設 ( 防潮堤 ) の設置場所として 低レベル放射性廃棄物埋設事業所を含む敷地全体を取り囲むこととし 第四系の層が厚い箇所ではセメント固化盛土形式の防潮堤 ( 以下 盛土防潮堤 という ) を採用するとしていたが その後 耐震裕度向上の観点から 盛土防潮堤を鋼管杭鉄筋コンクリート防潮壁に構造 仕様を変更した また 申請者は 第四系の層が厚い箇所では大半の杭について 杭先端を新第三系鮮新統 ~ 第四系下部更新統の岩盤で支持する形式 ( 支持杭形式 ) とせず 第四系の層内で止めて杭周面の摩擦力で構造体を支持する形式 ( 摩擦杭形式 ) とした これに対して規制委員会は 鋼管杭鉄筋コンクリート防潮壁について 1 杭周面の摩擦力を支持力として期待している第四系の層の一部の砂質土層等において液状化の可能性が否定できないことから これらの地層の液状化による影響を考慮しても摩擦杭形式で十分な支持力が得られることの実現性 2 地盤の液状化現象を適切に評価するための地盤データが限られていることを踏まえた地震時の構造成立性及び設計方針について説明を求めた これに対し申請者は 1 杭の支持形式について 摩擦杭形式に代えて 全ての鋼管杭鉄筋コンクリート防潮壁の杭先端を新第三系鮮新統 ~ 第四系下部更新統の岩盤まで到達させる支持杭形式に変更して十分な支持力を得ること 2 各地層の液状化強度特性を用いた評価に加え 代表性及び網羅性を踏まえた上で液状化強度特性のばらつきを保守的に考慮した評価 ( 液状化検討対象層に原地盤より液状化しやすいと考えられる豊浦標準砂の液状化強度特性を仮定した評価 ) も行って地震時の構造成立性を示した上で これらの液状化強度特性を設計に考慮する方針であることを示した また 申請者は 杭の支持形式の変更及び防潮堤近傍の表層地盤の地盤改良等による地下水の流況に及ぼす影響を考慮して 低レベル放射性廃棄物埋設事業所周辺を避けるように防潮堤のルートを変更する計画を示した 以上のことから 規制委員会は 申請者が 鋼管杭鉄筋コンクリート防潮壁について 杭先端を新第三系鮮新統 ~ 第四系下部更新統の岩盤まで到達させる支持杭形式とすること 代表性及び網羅性を踏まえた上で液状化強度特性のばらつきを保守的に考慮した評価を行って 適切に液状化強度特性を設計に考慮する方針であることを確認した Ⅲ-2 設計基準対象施設の地盤 ( 第 3 条関係 ) 第 3 条は 設計基準対象施設は 当該設計基準対象施設を十分に支持することが できる地盤に設けなければならないこと並びに耐震重要施設は 変形した場合にお 34

41 いてもその安全機能が損なわれるおそれがない地盤に設けなければならないこと及び変位が生ずるおそれがない地盤に設けなければならないことを要求している このため 規制委員会は 以下の項目について審査を行った 1. 地盤の変位 2. 地盤の支持 3. 地盤の変形 規制委員会は これらの項目について 以下のとおり本申請の内容を確認した結 果 設置許可基準規則に適合するものと判断した 各項目についての審査内容は以下のとおり 1. 地盤の変位設置許可基準規則解釈別記 1( 以下 解釈別記 1 という ) は 耐震重要施設を将来活動する可能性のある断層等の露頭が無いことを確認した地盤に設置することを要求している 申請者は 耐震重要施設を設置する地盤における断層の活動性評価について 敷地における文献調査 変動地形学的調査及び地表地質調査の結果のほか 地球物理学的調査 ボーリング調査 火山灰分析 微化石分析等に基づく検討結果から 評価結果を以下のとおりとしている (1) ボーリング調査の結果 敷地の直下に広がる新第三系鮮新統 ~ 第四系下部更新統の久米層中には地層をずらす面構造は認められるが 粘土状破砕部は認められない この面構造は 癒着して固結しており 特定の層準や位置に集中する傾向は認められず 走向 傾斜に系統性は認められない (2) 敷地直下の久米層には 概ね水平な鍵層が複数分布しているが 久米層堆積期に形成された侵食谷によるユニット境界により 侵食を受けているため 敷地全域に連続するものではない しかし その上位又は下位のユニットの鍵層が お互いを補完しながら側方に広がっていることから 久米層は敷地全域にわたって 水平性を有していると判断される (3) 敷地で確認された鍵層について 隣接する国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の敷地で確認された鍵層と対比した結果 3 層の鍵層が概ね水平に連続して分布していることを確認した (4) 敷地には 文献調査及び空中写真判読の結果から 地すべり地形 リニアメントは認められない (5) 以上のことから 敷地には 断層を示唆する系統的な不連続や累積的な変位 変形は認められず 耐震重要施設を設置する地盤には 将来活動する可能性の 35

42 ある断層等は認められないと評価した 規制委員会は 耐震重要施設を設置する地盤の変位については 申請者が実施した調査及び評価手法が適切であり その結果 活動性評価の必要な断層等は認められないことを確認していることから 解釈別記 1の規定に適合していること及び地質ガイドを踏まえていることを確認した 2. 地盤の支持解釈別記 1は 設計基準対象施設について 耐震重要度分類の各クラスに応じて算定する地震力 ( 耐震重要施設にあっては 基準地震動による地震力を含む ) が作用した場合においても 接地圧に対する十分な支持力を有する地盤に設けなければならないこと さらに 耐震重要施設については 基準地震動による地震力が作用することによって弱面上のずれ等が発生しないことを含め 基準地震動による地震力に対する支持性能が確保されていることを確認することを要求している 申請者は 解析モデルの設定 動的解析等の内容を以下のとおりとしている (1) 設計基準対象施設については 耐震重要度分類の各クラスに応じて算定した地震力が作用した場合においても 接地圧に対する十分な支持力を有する地盤に設置する (2) 耐震重要施設は 直接または杭を介して十分な支持性能を有する岩盤に支持されるよう設計する方針としている また 杭基礎構造部は その周辺地盤を強制的に液状化させることを仮定した場合においても 支持機能及び構造成立性が確保されるよう設計する方針としている (3) 耐震重要施設については原子炉建屋 防潮堤 ( 鉄筋コンクリート防潮壁 )[ 北側 ] 及び取水構造物を対象に 基礎地盤の支持力 基礎地盤のすべり及び基礎底面の傾斜に対する安全性を評価した (4) 基準地震動による地震力を作用させた動的解析は 評価の対象となる耐震重要施設の配置 施設周辺の地形 地質 基礎形状等を考慮し 原子炉建屋の炉心で直交する 2 断面 防潮堤 ( 鉄筋コンクリート防潮壁 )[ 北側 ] の汀線直交断面及び取水構造物の汀線平行断面を対象に二次元有限要素法により行った (5) 動的解析に用いる地盤パラメータについては 各種の調査結果を基に設定した 解析に当たっては せん断強度のばらつき 地下水位観測結果 入力地震動の位相の反転についても考慮した また 設計方針を踏まえた基礎地盤のすべり評価として 基礎底面及び杭先端以深の基礎岩盤を通る仮想すべり面を対象とした安定性を評価した 杭基礎構造を有する耐震重要施設について 強制的に液状化させることを仮定した場合は 第四系の杭周面摩擦力を支持力とし 36

43 て考慮せず 杭先端の支持岩盤への最大鉛直力度 ( 接地圧 ) に対する支持力を評価した (6) 動的解析の結果から得られた基礎底面における最大接地圧は 原子炉建屋で 1.64N/mm 2 防潮堤( 鉄筋コンクリート防潮壁 )[ 北側 ] で2.09N/mm 2 取水構造物で 1.31N/mm 2 であり 基礎地盤の極限支持力は原子炉建屋で 4.5N/mm 2 防潮堤 ( 鉄筋コンクリート防潮壁 )[ 北側 ] で 7.7N/mm 2 取水構造物で 6.4N/mm 2 であることから いずれの施設も最大接地圧は基礎地盤の極限支持力を下回る なお 杭を介して岩盤で支持する施設における極限支持力度の算定においては 杭周面摩擦力を支持力として考慮していない (7) 動的解析の結果から得られた原子炉建屋 防潮堤 ( 鉄筋コンクリート防潮壁 ) [ 北側 ] 及び取水構造物の基礎地盤の最小すべり安全率は 1.5を上回る (8) 動的解析の結果から得られた原子炉建屋及び取水構造物の基礎底面の最大傾斜は 1/2,000を下回る また 防潮堤 ( 鉄筋コンクリート防潮壁 )[ 北側 ] については地震時の傾斜が問題となる S クラスの設備を間接支持していないため 傾斜が安全機能上問題となる構造物ではないと評価した 規制委員会は 設計基準対象施設を設置する地盤の支持については 申請者が実施した動的解析の手法 地盤パラメータの設定方法等が適切であり 当該施設を十分に支持することができる地盤に設けるとしていることから 解釈別記 1の規定に適合していること及び地盤ガイドを踏まえていることを確認した 3. 地盤の変形解釈別記 1は 耐震重要施設について 地震発生に伴う地殻変動によって生じる支持地盤の傾斜及び撓み並びに地震発生に伴う建物 構築物間の不等沈下 液状化及び揺すり込み沈下等の周辺地盤の変状が生じた場合においてもその安全機能が損なわれるおそれがない地盤に設けなければならないことを要求している 申請者は 耐震重要施設の支持地盤に係る設計方針 地殻変動による傾斜に関する評価を以下のとおりとしている (1) 耐震重要施設は 地盤変状が生じた場合においても その安全機能が損なわれないよう 適切な対策を講ずる設計とする (2) 耐震重要施設の支持地盤の傾斜については 本発電所敷地内及び敷地近傍に震源として考慮する活断層が分布していないことを確認していることから 敷地において地殻の広域的な変形による著しい地盤の傾斜が生じることはないが 基準地震動として採用した震源モデル及び基準津波として採用した波源モデルによる地盤の傾斜について評価した 施設の規模を考慮して 原子炉建屋 37

44 を評価対象として それぞれのモデルの断層活動に伴い生じる地盤の傾斜につ いて Okada(1992) の手法により評価した結果 1/2,000 を下回る 規制委員会は 耐震重要施設を設置する地盤の変形については 申請者による当該施設の支持地盤の変形に係る設計方針及び地殻変動による傾斜に関する評価が適切であること並びに変形した場合においてもその安全機能が損なわれるおそれがない地盤に当該施設を設けるとしていることから 解釈別記 1の規定に適合していること及び地盤ガイドを踏まえていることを確認した Ⅲ-3 津波による損傷の防止 ( 第 5 条関係 ) 第 5 条は 設計基準対象施設について 基準津波に対して安全機能が損なわれるおそれがない設計とすることを要求している このため 規制委員会は 以下の項目について審査を行った Ⅲ-3.1 基準津波 1. 地震に伴う津波 2. 地震以外の要因による津波 3. 地震に伴う津波と地震以外の要因による津波の組合せ 4. 基準津波の策定等 Ⅲ-3.2 耐津波設計方針 1. 防護対象とする施設の選定方針 2. 基本事項 3. 津波防護の方針 4. 施設又は設備の設計方針 規制委員会は これらの項目について 以下のとおり本申請の内容を確認した結 果 設置許可基準規則に適合するものと判断した 各項目についての審査内容は以下のとおり Ⅲ-3.1 基準津波設置許可基準規則解釈別記 3( 以下 解釈別記 3 という ) は 基準津波について 最新の科学的 技術的知見を踏まえ 波源海域から敷地周辺までの海底地形 地質構造及び地震活動性等の地震学的見地から想定することが適切なものを策定することを要求している また 津波の発生要因として 地震のほか 地すべり 38

45 斜面崩壊その他の地震以外の要因 及びこれらの組合せによるものを複数選定し 不確かさを考慮して数値解析を実施し 策定することを要求している 規制委員会は 申請者が実施した津波評価の内容について審査した結果 本申請における基準津波は 津波の発生要因として 地震のほか 地すべり 斜面崩壊その他の地震以外の要因 及びこれらの組合せについて検討した上で 敷地に大きな影響を及ぼす地震による津波を複数選定し 各種の不確かさを十分に考慮して適切に策定されていることから 解釈別記 3の規定に適合していることを確認した 1. 地震に伴う津波解釈別記 3は 地震に伴う津波について プレート間地震 海洋プレート内地震及び海域の活断層による地殻内地震に伴う津波を考慮し 津波の発生要因に係る調査及び波源モデルの設定に必要な調査 敷地周辺に襲来した可能性のある津波に係る調査及び津波の伝播経路に係る調査を行うことを要求している また 基準津波の策定に当たっては 適切な規模の津波波源を考慮するとともに 不確かさの考慮に当たっては 基準津波の策定に及ぼす影響が大きいと考えられる波源特性の不確かさの要因及びその大きさの程度並びにそれらに係る考え方及び解釈の違いによる不確かさを十分踏まえた上で 適切な手法を用いることを要求している 申請者は 地震に伴う津波評価について 以下のとおりとしている (1) 敷地周辺の既往津波及び痕跡高等についての文献調査の結果 敷地周辺に影 えんぽうぼうそうおき 響を与えたと考えられる津波には 1677 年延宝房総沖地震津波及び 2011 年東 北地方太平洋沖地震津波がある また 茨城県日立市及び千葉県銚子市で津波堆積物が確認されており 文献記録と対比できるのは 1677 年延宝房総沖地震津波のみである (2) 海域の活断層による地殻内地震に起因する津波については 文献調査 海上音波探査及び他機関によって実施された海上音波探査記録の再解析結果を踏まえ 震源として考慮する活断層から津波波源として抽出した活断層について 阿部 (1989) の簡易予測式により推定津波高を評価した結果 最も高くなるのはF1 断層 ~ 北方陸域の断層 ~ 塩ノ平地震断層による津波と評価した (3) 海洋プレート内地震に起因する津波については 文献調査の結果を踏まえて 1933 年昭和三陸沖地震津波を基本とし 津波波源を設定した 波源モデルは土木学会 (2016) に基づき Mw8.6 にスケーリングしたモデルとし 発生領域は三陸沖北部から房総沖までと設定した 位置 走向及び傾斜について 三陸沖北部から房総沖までの範囲で変動させて 敷地への津波水位の影響が最も大きくなる波源モデルを確認した 39

46 (4) プレート間地震に起因する津波については 文献調査の結果を踏まえ 2011 年東北地方太平洋沖地震を踏まえた東北地方太平洋沖型の津波波源 (Mw9.1) と1677 年延宝房総沖地震を踏まえた茨城県沖に想定する津波波源 (Mw8.5) との2つの津波波源を設定した なお 遠地津波 ( チリ地震等 ) 並びに近地津波のうち千島海溝沿い及び伊豆 小笠原海溝沿いの領域については 既往津波の記録, 波源の位置と伝播の指向性を考慮すると 敷地への影響が小さいため 影響の大きい敷地前面の波源を対象とした それぞれの津波波源について 大すべり域及び超大すべり域の位置及び形状に関する概略パラメータスタディを実施した (5) 東北地方太平洋沖型の津波波源については 三陸沖中部から福島県沖及びその沖合の海溝軸付近の領域とした特性化波源モデルを設定した 断層面積は杉野ほか (2014) を参考に設定した 平均応力降下量を 3.0MPa とし 平均すべり量は 地震の規模に関するスケーリング則及び地震モーメントの定義式から算定した すべり量の不均質性については 杉野ほか (2014) を参考に 超大すべり域 大すべり域及び背景領域のすべり量をそれぞれ平均すべり量の 3 倍 1.4 倍 0.33 倍に 面積をそれぞれ全体の面積の 15% 25% 60% となるように設定した 超大すべり域 大すべり域の位置については 海溝軸付近に配置し 三陸沖中部から福島県沖の範囲で敷地への津波水位の影響が大きくなる位置に設定した また 立ち上がり時間は 30 秒とした (6) 茨城県沖に想定する津波波源は 断層面積及びすべり量に関する保守性を考慮した Mw8.7の津波波源を設定した 北限を福島県沖の一部まで拡張し 北米プレートとフィリピン海プレートの境界を越えて南限を房総沖まで拡張した 茨城県沖から房総沖までの領域とした特性化波源モデルを設定した ( 以下 茨城県沖から房総沖に想定する津波波源 という ) 平均応力降下量を3.0MPa とし 平均すべり量は 地震の規模に関するスケーリング則及び地震モーメントの定義式から算定した すべり域については 杉野ほか (2014) よりも保守的になるよう超大すべり域 大すべり域を設定した すべり量の不均質性については 超大すべり域 大すべり域及び背景領域のすべり量をそれぞれ平均すべり量の 4 倍 2 倍 0.62 倍に 面積をそれぞれ全体の面積の 5% 15% 80% となるように設定した 超大すべり域 大すべり域の位置については 海溝軸付近に配置し 茨城県沖から房総沖の範囲で敷地への津波水位の影響が最も大きくなる位置に設定した (7) 津波に伴う水位変動の評価は 非線形長波理論に基づき 差分法による平面二次元モデルによる津波シミュレーションプログラムを用いて実施した (8) 津波シミュレーションに用いる数値計算モデルについては 北海道から千葉房総付近の太平洋の東西約 800km 南北約 1,300km を計算領域とし 計算格子 40

47 間隔は 最大 4,320mから最小 5mまで徐々に細かい格子サイズを設定した (9) 上記の概略パラメータスタディによる検討結果から 地震に起因する津波のうち 敷地に最も影響を与える津波波源は 茨城県沖から房総沖に想定する津波波源を検討対象波源として選定した 茨城県沖から房総沖に想定する津波波源に対して パラメータの不確かさについて 破壊開始点 破壊伝播速度及び立ち上がり時間を合理的と考えられる範囲で詳細パラメータスタディを実施した なお 詳細パラメータスタディにおいては 潮位条件の影響を含めた検討を実施した 規制委員会は 申請者が実施した地震に伴う津波の評価については 波源モデルの設定等に必要な調査を実施しているとともに 敷地に大きな影響を与えると予想される要因を複数選定し 各種の不確かさを十分に考慮して波源の特性や位置等から考えられる適切な規模の津波波源を設定して適切な手法で評価を行っていることから 解釈別記 3の規定に適合していることを確認した 2. 地震以外の要因による津波解釈別記 3は 地震以外の要因による津波について 地すべり 斜面崩壊その他の地震以外の要因を考慮し 津波の発生要因に係る調査及び波源モデルの設定に必要な調査 敷地周辺に襲来した可能性のある津波に係る調査及び津波の伝播経路に係る調査を行うことを要求している また 基準津波の策定に当たっては 適切な規模の津波波源を考慮するとともに 不確かさの考慮に当たっては 基準津波の策定に及ぼす影響が大きいと考えられる波源特性の不確かさの要因及びその大きさの程度並びにそれらに係る考え方及び解釈の違いによる不確かさを十分踏まえた上で 適切な手法を用いることを要求している 申請者は 地震以外の要因による津波評価について 以下のとおりとしている (1) 文献調査の結果 敷地周辺において 陸域及び海底での地すべり 斜面崩壊並びに火山現象による歴史津波の記録は認められなかった (2) 防災科学研究所 (2004) により示された地すべり地形について 空中写真及び国土地理院 5mDEMによる地形判読の結果 敷地に影響を及ぼす津波を引き起こす可能性のある陸上地すべり及び斜面崩壊の地形は認められない (3) 海底地すべりについては 文献調査に加え 敷地前面の海底地形判読の結果 海底地すべりの可能性のある地形は認められない また ハワイ付近に認められる海底地すべりによる津波についても 敷地への影響が小さいことを確認した (4) 火山現象に起因する津波については 文献調査の結果 沈み込む太平洋プレート上で存在が示されている海底火山 ( プチスポット ) も含めて 敷地への影 41

48 響は小さいことを確認した (5) 以上の検討から 地震以外に起因する津波は 地震に起因する津波と比較し て敷地への影響は十分に小さいと評価した 規制委員会は 申請者が実施した地震以外の要因による津波の評価については 波源モデルの設定等に必要な調査を実施し 敷地への影響を評価しており その結果 地震に伴う津波のうち 各種の不確かさを十分に考慮した茨城県沖から房総沖に想定する津波波源と比較し 敷地への影響は十分に小さいとしていることは妥当であると判断した 3. 地震に伴う津波と地震以外の要因による津波の組合せ解釈別記 3は 津波発生要因に係る敷地の地学的背景及び津波発生要因の関連性を踏まえ 地震及び地すべり又は斜面崩壊等の組合せについて考慮することを要求している 申請者は 地震による津波と地震以外の要因による津波の組合せについて 地震以外を要因とする津波については 地震に起因する津波と比較して敷地に及ぼす影響が十分に小さいと考えられるため これらの津波の組合せの必要はないと評価している 規制委員会は 申請者が実施した地震に伴う津波と地震以外の要因による津波の組合せについては 地震以外を要因とする津波が敷地に及ぼす影響は十分に小さいと考えられるため 組合せは考慮しないと評価していることから 妥当であると判断した 4. 基準津波の策定等解釈別記 3は 基準津波の時刻歴波形について 敷地前面海域の海底地形の特徴を踏まえ 時刻歴波形に対して施設からの反射波の影響が微少となるよう 施設から離れた沿岸域における津波を用いることを要求している また 基準津波による遡上津波は 敷地周辺における津波堆積物等の地質学的証拠及び歴史記録等から推定される津波高及び浸水域を上回っていること 行政機関により敷地又はその周辺の津波が評価されている場合には 波源設定の考え方及び解析条件の相違点に着目した上で 安全側の評価を実施するとの観点から必要な科学的 技術的知見を基準津波の策定に反映することを要求している さらに 砂移動の評価に必要な調査を行い 基準津波による水位変動に伴う砂の移動 堆積に対して取水口及び取水路の通水性が確保できることを要求している 申請者は 基準津波の策定の内容を以下のとおりとしている 42

49 (1) 基準津波は 時刻歴波形に対して施設からの反射波の影響が微少となるよう 敷地前面の沖合い約 19km の水深 100m 地点で定義した なお 基準津波策定位置から敷地前面までの津波の伝播特性について次のとおり検討した 基準津波策定位置及び取水口前面における プレート間地震 津波地震及び海洋プレート内地震による津波の各波源による水位の時刻歴波形 フーリエスペクトル等を比較 評価した結果 基準津波策定位置から敷地前面までの津波が伝播することで 短周期では減衰し 長周期では増幅する傾向が見られる 特に 海洋プレート内地震による津波は基準津波策定位置で他の波源に比べて短周期が卓越しており 最大波の周期も短く 取水口前面で大きく減衰している (2) 津波シミュレーションによる計算の結果から 水位上昇側で敷地に最も影響のある波源モデルは 茨城県沖から房総沖に想定するプレート間地震による津波 ( 大すべり域を波源モデルの北端から南へ 20km 移動 破壊開始点を大すべり域の南端中央に配置 破壊伝播速度 3.0km/s 立ち上がり時間 30 秒 ) であり 水位下降側で敷地に最も影響のある波源モデルは 茨城県沖から房総沖に想定するプレート間地震による津波 ( 大すべり域を波源モデルの北端から南へ 40km 移動 破壊開始点を大すべり域の中央に配置 破壊伝播速度 1.0km/s 立ち上がり時間 30 秒 ) である (3) 基準津波定義位置における上昇側の最高水位はT.P.+7.1m 下降側の最低水位は T.P.-3.3mである (4) 基準津波の規模が敷地周辺における津波堆積物等から推定される津波の規模を超えていることを確認するため 基準津波と同規模の津波波源による遡上域を茨城県日立市及び千葉県銚子市での津波堆積物調査結果である遡上域と比較した結果 基準津波と同規模の津波波源による遡上域が上回ることを確認した (5) 行政機関による既往評価との比較として 敷地及び敷地近傍において茨城県の評価との比較を行い 茨城県が評価した津波高さを基準津波による津波高さが上回る結果となっていることを確認した (6) 基準津波に伴う砂移動の数値計算では 茨城県 (2005) を参考に砂の粒径及び密度を設定し 藤井ほか (1998) 及び高橋ほか (1999) の方法を用いて砂の堆積厚を評価し 非常用海水ポンプの取水に支障が生じないことを確認した 規制委員会は 本申請による基準津波は 最新の科学的 技術的知見を踏まえ 各種の不確かさを十分に考慮して 適切な位置で適切に時刻歴波形として策定されていること 基準津波による津波高さは 敷地周辺の津波堆積物調査結果及び行政機関が行った津波評価を上回っていること また 基準津波による水位変動に伴う砂移動の評価が適切に行われていることから 解釈別記 3の規定に適合し 43

50 ていることを確認した なお 申請者は 基準津波定義位置における基準津波の年超過確率は最高水位 及び最低水位ともに 10-3 ~10-4 程度としている Ⅲ-3.2 耐津波設計方針 1. 防護対象とする施設の選定方針解釈別記 3は 設計基準対象施設に対して基準津波によって安全機能が損なわれるおそれがないことを要求している また 津波ガイドでは 重要な安全機能を有する施設は 基準津波に対して その安全機能を損なわない設計であることを基本方針として示している 申請者は 設計基準対象施設のうち 耐震重要度分類におけるSクラスの施設を防護対象とする施設として選定する方針としている これに加えて 発電用軽水型原子炉施設の安全機能の重要度分類に関する審査指針 ( 平成 2 年 8 月 30 日原子力安全委員会決定 ) に示された 安全機能を有する構築物 系統及び機器に対する設計上の考慮 ( 自然現象に対する設計上の考慮 ) を参考にして 安全重要度分類におけるクラス1 及びクラス2に属する構築物 系統及び機器に加え 安全評価上その機能を期待するクラス3に属する構築物 系統及び機器についても防護対象とする施設として選定する方針としている また 上記以外のクラス 3に属する構築物 系統及び機器は代替設備によって必要な機能を確保する等の対応を行うよう設計するとしている 規制委員会は 防護対象とする施設の選定について 申請者が 設計基準対象施設のうち耐震重要度分類におけるSクラスの施設及び重要な安全機能を有する施設を選定することに加え 安全評価上その機能を期待する施設にも着目して選定することとしており これらの方針が解釈別記 3の規定に適合していること及び津波ガイドを踏まえていることを確認した 2. 基本事項 (1) 敷地及び敷地周辺における地形と施設の配置津波ガイドでは 耐津波設計の前提条件に関する基本事項として 敷地及び敷地周辺における地形 施設の配置等について 以下の事項についてそれぞれを網羅的に示すこととしている これらの事項は 遡上域及び浸水域の評価並びに漂流物の評価において必要な情報である 1 敷地及び敷地周辺における地形 標高並びに敷地周辺における河川の存 44

51 在 2 敷地における施設の位置 形状等 3 敷地周辺における人工構造物等の位置 形状等 申請者は 敷地及び敷地周辺の地形 施設の配置等について 図面等を用い て以下のように示している とうかい 1 敷地は茨城県の東海村の太平洋に面した海岸沿いに位置しており 敷地 くじがわしんかわの北方約 2kmのところに久慈川 南方約 3km のところに新川がある 2 施設 設備が設置される敷地の高さは 主に T.P.+3m T.P.+8m T.P. +11m T.P.+23m 及び T.P.+25m に分かれている 3 防護対象とする施設を内包する建屋及び区画として 原子炉建屋 ター ビン建屋及び使用済燃料乾式貯蔵建屋を T.P.+8m の敷地に 常設代替高 圧電源装置用カルバートを T.P.+8m の敷地地下部に 常設代替高圧電源 装置置場を T.P.+11m の敷地に設置する 屋外設備として 残留熱除去系 海水系ポンプ 非常用ディーゼル発電機用海水ポンプ及び高圧炉心スプレ イ系ディーゼル発電機用海水ポンプ ( 以下 非常用海水ポンプ という ) を T.P.+0.8m の海水ポンプ室の床面に 排気筒を T.P.+8m の敷地に 非 常用海水系配管を海水ポンプ室の T.P.+3m の敷地地下部から原子炉建屋 の T.P.+8m の敷地地下部にかけて設置する 4 津波防護施設として防護対象とする施設が設置された敷地を取り囲む よう T.P.+20m 及び T.P.+18m を天端とする防潮堤及び防潮扉を設置す る また T.P.+3.5m の敷地に放水路ゲートを T.P.+3m T.P.+4.5m T.P.+6.5m 及び T.P.+8m の敷地に構内排水路逆流防止設備を 取水口前 面の海中に貯留堰を設置する 5 津波監視設備として原子炉建屋の屋上 T.P.+64m 並びに防潮堤の上部 T.P.+18m 及び T.P.+20m の位置に津波 構内監視カメラを 取水ピット 上版の T.P.+3m に下降側の津波高さを計測するための取水ピット水位計 を 取水路内の T.P.-5m の位置に上昇側の津波高さを計測するための潮 位計を設置する 6 敷地内の遡上域 ( 防潮堤外側 ) の建物 構築物等として T.P.+3m の敷 地に海水電解装置建屋 メンテナンスセンター 燃料輸送本部等があり T.P.+8m の敷地に廃棄物埋設施設 ( 第二種廃棄物埋設事業許可申請中 ) 固体廃棄物保管庫等がある また 海岸側 ( 東側 ) を除く防潮堤の外側に は防砂林がある 7 敷地内の港湾施設として物揚岸壁 防波堤がある いばらきこう 8 敷地外の港湾施設として茨城港日立港区 ひたちこうくひたち 茨城港常陸 那珂港区 それぞれの港湾施設には防波堤がある また 久慈漁港がある なかこうくがあり 45

52 9 敷地外の海上設置物として久慈漁港に漁船がある 10 敷地周辺には民家 商業施設 工業施設等がある また 敷地南方には原子力の研究施設がある 11 海上交通として本発電所沖合約 15kmに航路がある 規制委員会は 耐津波設計の前提条件における必要な事項として 申請者が 敷地及び敷地周辺の地形 施設の配置等について図面等を用いて網羅的に示し ており これらの事項が津波ガイドを踏まえていることを確認した (2) 基準津波による敷地周辺の遡上域及び浸水域解釈別記 3は 遡上域及び浸水域の評価に当たって 敷地及び敷地周辺の地形及びその標高 河川等の存在 沿岸域の海底地形 津波の侵入角度及び伝播経路上の人工構造物等を考慮した遡上解析を実施して 遡上波の回り込みを含め敷地への遡上の可能性を検討することを要求している また 地震時の変状 ( 地盤の液状化 ) 又は津波襲来時の洗掘と堆積を起因とする地形及び河川流路の変化が考えられる場合は 敷地への遡上経路に及ぼす影響を検討することを要求している 申請者は 以下のとおり遡上解析を実施するとしている 1 モデル a. 敷地及び敷地周辺の地形とその標高について 解析上影響を及ぼす斜面 道路等を考慮してモデル化する b. 津波の伝播経路上の人工構造物について 図面を基に解析上影響を及ぼす構造物の設置状況を考慮してモデル化する c. 敷地沿岸域及び海域については 一般財団法人日本水路協会及び深浅測量等による地形データを使用する また 陸域については茨城県による津波解析用地形データ等を使用し 取水路及び放水路等の諸元 敷地標高については本発電所の竣工図等を使用する 2 考慮事項 a. 敷地前面 側面及びその周辺における津波の流向 流速及びそれらの経時変化を把握する b. 敷地の地形 標高の局所的な変化等による遡上波の敷地への回り込みについて 敷地周辺の遡上域における津波の流向及び流速に留意した上で考慮する c. 地震による液状化 流動化 すべり 標高変化を考慮する d. 敷地の周辺斜面が 遡上波の敷地への到達に対して障壁となってい 46

質問 4 過去において発生応力と応力状態 VIAs の基準値を 2.5 倍もの差があるケースは見たことがない 基準地震動を超える程度で重大な損傷を受ける可能性があり これで 工事計画 が認可される理由が分からない 何故認可したのかを明らかにして欲しい 回答 申請者は 本申請において原子力発電所耐震設

質問 4 過去において発生応力と応力状態 VIAs の基準値を 2.5 倍もの差があるケースは見たことがない 基準地震動を超える程度で重大な損傷を受ける可能性があり これで 工事計画 が認可される理由が分からない 何故認可したのかを明らかにして欲しい 回答 申請者は 本申請において原子力発電所耐震設 衆議院議員大河原まさこ議員 秘書野村様 平成 30 年 11 月 6 日 平素よりお世話になっております 依頼頂いた質問について 下記のとおり回答致します Ⅰについて質問 1 東海第二は 基準地震動程度を約 20% 超える地震または基準地震動程度の地震に二度遭遇した場合 スタビライザの耐震強を超える応力がかかるため 格納容器との取付部が破損することは 工学的に避けられないことを認めるか 回答 原子炉圧力容器スタビライザは

More information

図 東北地方太平洋沖地震以降の震源分布図 ( 福島第一 第二原子力発電所周辺 ) 図 3 東北地方太平洋沖地震前後の主ひずみ分布図 ( 福島第一 第二原子力発電所周辺 )

図 東北地方太平洋沖地震以降の震源分布図 ( 福島第一 第二原子力発電所周辺 ) 図 3 東北地方太平洋沖地震前後の主ひずみ分布図 ( 福島第一 第二原子力発電所周辺 ) 平成 3 年 8 月 30 日東京電力株式会社 平成 3 年東北地方太平洋沖地震を踏まえた新耐震指針に照らした既設発電用原子炉施設等の耐震安全性の評価結果の報告に係る 原子力安全 保安院における検討に際しての意見の追加への対応について ( 追加指示 ) に基づく報告 概要版 当社は 平成 3 年 3 月 日に発生した東北地方太平洋沖地震 (M9.0) 以降の地震の発生状況及び地殻変動 ( 地盤の動き

More information

Microsoft Word - 概要版(案)_ docx

Microsoft Word - 概要版(案)_ docx 第 2 編地震による自然現象の予測 1 調査の条件 1.1 想定地震 1.1.1 想定地震の設定方針本調査は 沖縄県の陸地部および周辺海域で想定される大規模地震により予想される物的 人的被害の状況を総合的に把握し 災害対策の基礎資料とするものであり 解析のための想定地震は 以下の点を考慮して設定した 過去の調査と整合を保つため 過去の調査 ( 平成 21 年度沖縄県地震被害想定調査 平成 23 24

More information

「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」の改訂に伴う島根原子力発電所3号機の耐震安全性評価結果中間報告書の提出について

「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」の改訂に伴う島根原子力発電所3号機の耐震安全性評価結果中間報告書の提出について 平成 年 9 月 日中国電力株式会社 発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針 の改訂に伴う島根原子力発電所 号機の耐震安全性評価結果中間報告書の提出について 当社は本日, 発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針 の改訂に伴う島根原子力発電所 号機の耐震安全性評価結果中間報告書を経済産業省原子力安全 保安院に提出しました また, 原子力安全 保安院の指示に基づく島根原子力発電所 号機原子炉建物の弾性設計用地震動

More information

表紙 NRA 新規制基準概要

表紙 NRA 新規制基準概要 JASMiRT 第 1 回ワークショップセッション (3) NRA 新規制基準概要 2016.10.21 JASMiRT 事務局 ( 代表幹事 ) 安部 浩 - 目次 - 1 福島第一原発事故における教訓 2 新規制基準の基本的な考え方 3 従来の規制基準と新規制基準との比較 - 全体構成 - 津波対策 - 地震対策 - 共通要因故障への対策 ( 自然現象以外 ) 4 新規制基準への適合を求める時期

More information

新潟県中越沖地震を踏まえた地下構造特性調査結果および駿河湾の地震で敷地内の揺れに違いが生じた要因の分析状況について

新潟県中越沖地震を踏まえた地下構造特性調査結果および駿河湾の地震で敷地内の揺れに違いが生じた要因の分析状況について < 別紙 > 新潟県中越沖地震を踏まえた地下構造特性調査結果 および 駿河湾の地震で敷地内の揺れに違いが生じた要因の分析状況について 新潟県中越沖地震を踏まえた地下構造特性調査 地下構造特性にかかわる既往の調査結果の信頼性を確認するとともに 知見をより一層充実させるため 敷地および敷地周辺の地下構造特性の調査を実施しました 調査項目 1 微動アレイ観測 調査箇所 調査内容 敷地内および敷地周辺 :147

More information

目 次 1. 想定する巨大地震 強震断層モデルと震度分布... 2 (1) 推計の考え方... 2 (2) 震度分布の推計結果 津波断層モデルと津波高 浸水域等... 8 (1) 推計の考え方... 8 (2) 津波高等の推計結果 時間差を持って地震が

目 次 1. 想定する巨大地震 強震断層モデルと震度分布... 2 (1) 推計の考え方... 2 (2) 震度分布の推計結果 津波断層モデルと津波高 浸水域等... 8 (1) 推計の考え方... 8 (2) 津波高等の推計結果 時間差を持って地震が 別添資料 1 南海トラフ巨大地震対策について ( 最終報告 ) ~ 南海トラフ巨大地震の地震像 ~ 平成 25 年 5 月 中央防災会議 防災対策推進検討会議 南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ 目 次 1. 想定する巨大地震... 1 2. 強震断層モデルと震度分布... 2 (1) 推計の考え方... 2 (2) 震度分布の推計結果... 2 3. 津波断層モデルと津波高 浸水域等...

More information

バックチェック計画書

バックチェック計画書 ( 別紙 1 ) 既設再処理施設の 耐震安全性評価実施計画書の見直しについて 平成 19 年 8 月 20 日日本原燃株式会社 目 次 1. 概要 1 2. 実施状況 1 3. 見直し工程 2 1. 概要平成 18 年 9 月 19 日付けで原子力安全委員会により 発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針 等の耐震安全性に係る安全審査指針類 ( 以下 耐震指針 という ) が改訂された これに伴い

More information

<4D F736F F F696E74202D208E9197BF A957A8E9197BF816A205B8CDD8AB B83685D>

<4D F736F F F696E74202D208E9197BF A957A8E9197BF816A205B8CDD8AB B83685D> 資料 2 内閣府における 長周期地震動の検討 ( 内閣府検討結果の概要 ) 1 平成 27 年 12 月 17 日 内閣府の公表資料一覧 (1) 南海トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動に関する報告 (2) 南海トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動に関する報告図表集 (3) 別冊 1-1 南海トラフ沿いの過去地震の強震断層モデル及び津波断層モデル (4) 別冊 1-2 南海トラフ沿いの過去地震の強震断層モデル

More information

<4D F736F F D CF906B88C AB8CFC8FE BB82CC A E646F63>

<4D F736F F D CF906B88C AB8CFC8FE BB82CC A E646F63> 4. 耐震安全性向上のための取り組み状況 4.1 基準地震動の設定と耐震安全性の見直し ( バックチェック ) 既設の原子力発電所は従来の耐震設計審査指針 ( 旧指針 ) によって設計されていたが 平成 18 年 9 月 19 日に 発電用原子炉施設に関わる耐震設計審査指針 が 28 年ぶり改訂されたことに伴い 同 9 月 20 日に原子力安全 保安院 ( 以下 NISA) 指示が出され 各事業者では基準地震動

More information

「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」の改訂に伴う島根原子力発電所3号機の耐震安全性評価結果報告書の提出について

「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」の改訂に伴う島根原子力発電所3号機の耐震安全性評価結果報告書の提出について 発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針 の改訂に伴う島根原子力発電所 3 号機の耐震安全性評価結果報告書の提出について 平成 3 年 月 日中国電力株式会社 当社は, 経済産業省原子力安全 保安院の指示 ( 平成 8 年 9 月 0 日 ) に基づき, 島根原子力発電所の耐震安全性評価を行ってきましたが, 本日, 島根原子力発電所 3 号機の耐震安全性評価結果を取りまとめ, 原子力安全 保安院に報告書を提出しました

More information

資料 1 南海トラフの巨大地震モデル検討会 第 6 回会合 深部地盤モデルの作成の考え方 平成 23 年 12 月 12 日 1. 震度分布の推計方法 中央防災会議 (2003) 1 は 強震波形計算によって求められた地表の震度と経験的手法によって求められた地表の震度を比較検討し 強震波形計算による結果を主に それにより表現できていないところについては 経験的手法による結果も加えて 最終的な震度分布を求めている

More information

 

  資料名 : 地質 地質構造について ( 陸域, 海域, 近傍, 敷地 ) 章 / 項番号 : 資料 4 前提条件変更による修正 記載の拡充, 適正化 2 4 資料 2. 資料 資料 資料 2,0 4 48 資料 4 2, 他 7 8 資料 4..2 資料 4..2 資料 4..2 9 資料 4 0 資料 4.2..2 資料 4 4. 2 24 2 0,,4, 8,9,7, 00 44,4,,7 地質構造名として,FB

More information

泊発電所「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」の改訂に伴う耐震安全性評価結果 中間報告書の概要

泊発電所「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」の改訂に伴う耐震安全性評価結果 中間報告書の概要 泊発電所 発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針 の改訂に伴う耐震安全性評価結果中間報告書の概要. はじめに平成 8 年 9 月 日付けで原子力安全 保安院より, 改訂された 発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針 ( 以下, 新耐震指針 という ) に照らした耐震安全性の評価を実施するように求める文書が出され, 当社は, 泊発電所の耐震安全性評価を行ってきました その後, 平成 9 年 7 月に新潟県中越沖地震が発生したことを踏まえ,

More information

<4D F736F F F696E74202D AD482C682E882DC82C682DF90E096BE8E9197BF C C C816A2E B93C782DD8EE682E890EA97705D>

<4D F736F F F696E74202D AD482C682E882DC82C682DF90E096BE8E9197BF C C C816A2E B93C782DD8EE682E890EA97705D> 南海トラフの巨大地震モデル検討会中間とりまとめポイント はじめに Ⅰ 章 中間とりまとめの位置づけ 南海トラフの巨大地震モデルの想定震源域 想定津波波源域の設定の考え方や最終とりまとめに向けた検討内容等をとりまとめたもの 南海トラフの最大クラスの巨大な地震 津波に関する検討スタンス Ⅱ 章 これまでの対象地震 津波の考え方 過去数百年間に発生した地震の記録 (1707 年宝永地震以降の 5 地震 )

More information

 

  資料 1 参考 1 原子力規制委員会によるパブリックコメント 関係資料 新規制基準の全体像 < 新規制基準 > 平成 25 年 2 月 6 日第 27 回原子力規制委員会資料から作成 耐震 対津波機能 ( 強化される主な事項のみ記載 ) 重大事故を起こさないために設計で担保すべき機能 ( 設計基準 ) ( 強化される主な事項のみ記載 ) 重大事故等に対処するために必要な機能 ( 全て新規要求 ) 新たに要求する機能

More information

泊発電所1号機及び2号機「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」の改訂に伴う耐震安全性評価結果 報告書の概要

泊発電所1号機及び2号機「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」の改訂に伴う耐震安全性評価結果 報告書の概要 平成 21 年 3 月 30 日北海道電力株式会社 泊発電所 1 号機及び 2 号機 発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針 の改訂に伴う耐震安全性評価結果報告書の概要 1. はじめに平成 18 年 9 月 20 日付けで原子力安全 保安院より, 改訂された 発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針 ( 以下, 新耐震指針 という ) に照らした耐震安全性の評価を実施するように求める文書が出され,

More information

<4D F736F F D E9197BF31817A975C91AA907D C4816A82C982C282A282C491CE8FDB926E906B82CC90E096BE2E646F63>

<4D F736F F D E9197BF31817A975C91AA907D C4816A82C982C282A282C491CE8FDB926E906B82CC90E096BE2E646F63> 資料 1 < 新たな津波浸水予測図 ( 素案 ) について > 今後の津波対策を構築するにあたっては 二つのレベルの津波を想定する 最大クラスの津波 : 住民避難を柱とした総合的防災対策を構築する上で設定する津波であり 発生頻度は極めて低いものの 発生すれば甚大な被害をもたらす最大クラスの津波 頻度の高い津波 : 防潮堤など構造物によって津波の内陸への侵入を防ぐ海岸保全施設等の整備を行う上で想定する津波

More information

スライド 1

スライド 1 P.1 NUMO の確率論的評価手法の開発 原子力学会バックエンド部会第 30 回 バックエンド 夏期セミナー 2014 年 8 月 7 日 ( 木 ) ビッグパレットふくしま 原子力発電環境整備機構技術部後藤淳一 確率論的アプローチの検討の背景 P.2 プレート運動の安定性を前提に, 過去 ~ 現在の自然現象の変動傾向を将来に外挿し, 地層の著しい変動を回避 ( 決定論的アプローチ ) 回避してもなお残る不確実性が存在

More information

目的 2 汚染水処理対策委員会のサブグループ 1 地下水 雨水等の挙動等の把握 可視化 が実施している地下水流動解析モデルの妥当性を確認すること ( 汚染水処理対策委員会事務局からの依頼事項 )

目的 2 汚染水処理対策委員会のサブグループ 1 地下水 雨水等の挙動等の把握 可視化 が実施している地下水流動解析モデルの妥当性を確認すること ( 汚染水処理対策委員会事務局からの依頼事項 ) 資料 1-3 1 福島第 1 原子力発電所を対象とした地下水流動解析 平成 25 年 12 月 10 日 日本原子力研究開発機構 目的 2 汚染水処理対策委員会のサブグループ 1 地下水 雨水等の挙動等の把握 可視化 が実施している地下水流動解析モデルの妥当性を確認すること ( 汚染水処理対策委員会事務局からの依頼事項 ) 実施内容 3 解析領域設定 地質構造モデルの構築 水理地質構造モデル ( 解析メッシュに水理特性を設定したモデル

More information

1. 東京電力福島第一原子力発電所事故以前の安全規制への指摘 外部事象も考慮したシビアアクシデント対策が十分な検討を経ないまま 事業者の自主性に任されてきた ( 国会事故調 ) 設置許可された原発に対してさかのぼって適用する ( バックフィット といわれる ) 法的仕組みは何もなかった ( 国会事故

1. 東京電力福島第一原子力発電所事故以前の安全規制への指摘 外部事象も考慮したシビアアクシデント対策が十分な検討を経ないまま 事業者の自主性に任されてきた ( 国会事故調 ) 設置許可された原発に対してさかのぼって適用する ( バックフィット といわれる ) 法的仕組みは何もなかった ( 国会事故 資料 No.4 発電用軽水型原子炉施設に係る 新安全基準骨子案について - 概要 - 平成 25 年 2 月 6 日 本資料は平成 25 年 1 月末時点までの 原子力規制委員会検討チームにおける検討状況をまとめたもの 1. 東京電力福島第一原子力発電所事故以前の安全規制への指摘 外部事象も考慮したシビアアクシデント対策が十分な検討を経ないまま 事業者の自主性に任されてきた ( 国会事故調 ) 設置許可された原発に対してさかのぼって適用する

More information

<4D F736F F D2091E E8FDB C588ECE926E816A2E646F63>

<4D F736F F D2091E E8FDB C588ECE926E816A2E646F63> 第 13 地象 (1 傾斜地 ) 1 調査の手法 (1) 調査すべき情報ア土地利用の状況傾斜地の崩壊により影響を受ける地域の住宅等の分布状況 その他の土地利用の状況 ( 将来の土地利用も含む ) イ傾斜地の崩壊が危惧される土地の分布及び崩壊防止対策等の状況既に傾斜地の崩壊に係る危険性が認知 危惧されている土地の分布当該傾斜地の崩壊防止対策等の状況ウ降水量の状況当該地域の降雨特性の把握に必要な対象事業の実施区域等の降水量の状況エ地下水及び湧水の状況傾斜地の安定性に影響を与える地下水の水位及び湧水の分布

More information

実用発電用原子炉の設置 運転等に関する規則 ( 抜粋 ) ( 昭和 53 年 最終改正 : 平成 25 年 )( 通商産業省令 ) ( 工場又は事業所において行われる廃棄 ) 第九十条法第四十三条の三の二十二第一項の規定により 発電用原子炉設置者は 発電用原子炉施設を設置した工場又は事業所において行

実用発電用原子炉の設置 運転等に関する規則 ( 抜粋 ) ( 昭和 53 年 最終改正 : 平成 25 年 )( 通商産業省令 ) ( 工場又は事業所において行われる廃棄 ) 第九十条法第四十三条の三の二十二第一項の規定により 発電用原子炉設置者は 発電用原子炉施設を設置した工場又は事業所において行 資料 6 トリチウムに係る規制基準 平成 26 年 1 月 15 日 トリチウム水タスクフォース事務局 1. 関係法令について 核原料物質 核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律 ( 抜粋 ) ( 昭和 32 年 最終改正 : 平成 25 年 ) ( 保安及び特定核燃料物質の防護のために講ずべき措置 ) 第四十三条の三の二十二発電用原子炉設置者は 次の事項について 原子力規制委員会規則で定めるところにより

More information

安全防災特別シンポ「原子力発電所の新規制基準と背景」r1

安全防災特別シンポ「原子力発電所の新規制基準と背景」r1 ( 公社 ) 大阪技術振興協会安全 防災特別シンポジウム 安全 防災課題の現状と今後の展望 原子力発電所の新規制基準と背景 平成 25 年 10 月 27 日 松永健一 技術士 ( 機械 原子力 放射線 総合技術監理部門 )/ 労働安全コンサルタント 目次 1. 原子力発電所の新規制基準適合性確認申請 (1) 東日本大震災と現状 (2) 新規制基準の策定経緯 (3) 新規制基準の概要 (4) 確認申請の進捗状況

More information

平成 29 年 12 月 27 日中部電力株式会社 浜岡原子力発電所原子炉施設保安規定の変更について 1. はじめに平成 28 年 4 月より導入したカンパニー制の自律的な事業運営をこれまで以上に促進するため, 各カンパニーへのさらなる機能移管をはじめ, 本店組織について, 戦略機能の強化と共通サー

平成 29 年 12 月 27 日中部電力株式会社 浜岡原子力発電所原子炉施設保安規定の変更について 1. はじめに平成 28 年 4 月より導入したカンパニー制の自律的な事業運営をこれまで以上に促進するため, 各カンパニーへのさらなる機能移管をはじめ, 本店組織について, 戦略機能の強化と共通サー 平成 29 年 12 月 27 日中部電力株式会社 浜岡原子力発電所原子炉施設保安規定の変更について 1. はじめに平成 28 年 4 月より導入したカンパニー制の自律的な事業運営をこれまで以上に促進するため, 各カンパニーへのさらなる機能移管をはじめ, 本店組織について, 戦略機能の強化と共通サービス機能の効率化 高品質化の促進を目的とした全社的な組織の再編を平成 30 年 4 月 1 日付で実施する予定である

More information

 

  資料 1 平成 30 年 8 月 3 日 電気事業連合会 保安のための措置に係る運用ガイド ( 案 ) に対する事業者意見 1. はじめに H30.4.16 に提示いただいた 実用発電用原子炉施設に係る施行規則のイメージ 保安のための措置に係る運用ガイドのイメージ のうち 発電用原子炉施設の施設管理 ( 第 81 条 ) に関連する記載については 事業者の活動を限定するような記載が見受けられる 実際の活動内容については

More information

福島県原子力発電所安全確保技術連絡会資料(200907)

福島県原子力発電所安全確保技術連絡会資料(200907) 参考資料 3 福島第一原子力発電所及び 福島第二原子力発電所の 耐震安全性について 平成 21 年 7 月 原子力安全 保安院 目 次 1. 耐震設計の基本的考え方と 耐震バックチェックについて 2. 原子力安全 保安院の評価結果 2 1. 耐震設計の基本的考え方と 耐震バックチェックについて 3 原子力発電所の耐震設計の基本的考え方 原子力発電所の耐震設計は 原子力安全委員会が定めた 発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針

More information

既存の高越ガス設備の耐震性向上対策について

既存の高越ガス設備の耐震性向上対策について 経済産業省 20140519 商局第 1 号 平成 26 年 5 月 21 日 各都道府県知事殿 経済産業省大臣官房商務流通保安審議官 既存の高圧ガス設備の耐震性向上対策について 高圧ガス設備については 高圧ガス保安法及び液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律 ( 以下 高圧ガス保安法 という ) に基づき 耐震設計を義務付けているところです こうした中で 平成 23 年東北地方太平洋沖地震の災害

More information

Microsoft Word - 【施行②】第50条解釈適用指針Rev4.doc

Microsoft Word - 【施行②】第50条解釈適用指針Rev4.doc 経済産業省 平成 19 07 31 原院第 17 号平成 19 年 8 月 9 日 電気事業法施行規則第 50 条の解釈適用に当たっての考え方 経済産業省原子力安全 保安院 N I S A - 2 3 4 a - 0 7-5 電気事業法施行規則の一部を改正する省令 ( 平成 19 年経済産業省令第 56 号 ) の公布に伴い 改 正後の電気事業法施行規則 ( 平成 7 年通商産業省令第 77 号 以下

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 設備小委 43-2 5 号機スプリングハンガーおよびコンスタントハンガーの指示値に関する質問回答について 平成 22 年 8 月 11 日 スプリングハンガーおよびコンスタントハンガーについて スプリングハンガーおよびコンスタントハンガーは 配管を上部支持構造物より吊ることで 配管の重量を支持することを目的として設置されている 地震荷重は受け持たず 自重のみを支持するものであり 熱による配管変位を拘束しない構造となっている

More information

泊発電所3号機 耐震設計に係る基本方針について

泊発電所3号機 耐震設計に係る基本方針について 泊発電所 3 号機 耐震設計に係る基本方針について 平成 26 年 1 月 14 日北海道電力株式会社 はじめに 今回の新たな規制により下記の規則が制定された 実用発電用原子炉及びその附属施設の位置 構造及び設備の基準に関する規則 実用発電用原子炉及びその附属施設の技術基準に関する規則 今回の規制において, 新たな要求や記載の充実が図られたものとして, 以下のような事項がある 津波防護施設, 浸水防止設備,

More information

国土技術政策総合研究所 研究資料

国土技術政策総合研究所 研究資料 3. 解析モデルの作成汎用ソフトFEMAP(Ver.9.0) を用いて, ダムおよび基礎岩盤の有限要素メッシュを8 節点要素により作成した また, 貯水池の基本寸法および分割数を規定し,UNIVERSE 2) により差分メッシュを作成した 3.1 メッシュサイズと時間刻みの設定基準解析結果の精度を確保するために, 堤体 基礎岩盤 貯水池を有限要素でモデル化する際に, 要素メッシュの最大サイズならびに解析時間刻みは,

More information

H19年度

H19年度 Ⅲ-6. 津波高及び津波浸水の分布 1. 元禄型関東地震の津波数値シミュレーション ( 東京湾 ) 1.1 津波数値シミュレーションの計算条件 津波の影響も考慮すべき地震として採用した元禄型関東地震行谷ほか (2011) モデルについて 以下の計算条件で津波遡上の数値シミュレーションを実施した 使用した断層モデル ( 波源モデル ) 元禄型関東地震行谷ほか (2011) モデル計算条件 メッシュサイズ

More information

 

  資料 1-1-1 柏崎刈羽原子力発電所 6 号及び 7 号炉 重大事故等対処施設の耐震設計における重大事故と地震の組合せの概要 平成 28 年 2 月 東京電力株式会社 無断複製 転載禁止東京電力株式会社 1 目次 1. はじめに 3 2. 基準の規定内容 5 2.1 設置許可基準規則第 4 条 第 39 条の規定内容 2.2 設置許可基準規則の解釈別記 2 の規定内容 2.3 JEAG4601 の規定内容

More information

日本海地震・津波調査プロジェクト

日本海地震・津波調査プロジェクト 17/9/29 (2-5-3) 構成岩 モデルの構築 1. 構成岩 モデルを推定 2. 地震発 層下限の推定 震源断層モデル構築へ貢献 28-1-2-5-3 29-1-2-5-3 横浜国 学 川正弘 l 然地震データ解析 地殻構成岩 と断層下限の推定 u 捕獲岩の弾性波速度と地震波速度構造を 較することで地殻構成岩 を推定 秋 県 ノ 潟産捕獲岩の弾性波速度と東北地 の地震波速度構造を 較 (Nishimoto

More information

Microsoft Word - 表紙(資料編).docx

Microsoft Word - 表紙(資料編).docx 中間報告 ( 資料編 ) 平成 23 年 12 月 26 日 東京電力福島原子力発電所における事故調査 検証委員会 目 次 第 Ⅱ 章資料 資料 Ⅱ-1 福島第一原子力発電所設備 1 資料 Ⅱ-2 沸騰水型原子炉 (BWR) を使用した発電の仕組み 2 資料 Ⅱ-3 福島第一原子力発電所配置図 3 資料 Ⅱ-4 福島第一原子力発電所 1 号機から 4 号機配置図 4 資料 Ⅱ-4 福島第一原子力発電所

More information

目次 Ⅰ. 監視測定設備 3 Ⅱ. 監視測定等に関する手順 9

目次 Ⅰ. 監視測定設備 3 Ⅱ. 監視測定等に関する手順 9 資料 1-- 東海第二発電所 監視測定設備について 平成 9 年 9 月 5 日日本原子力発電株式会社 本資料のうち, は商業機密又は核物質防護上の観点から公開できません 1 目次 Ⅰ. 監視測定設備 3 Ⅱ. 監視測定等に関する手順 9 Ⅰ. 監視測定設備 3 設置許可基準規則適合方針第設置許可基準規則適合方針第三十一条解釈1. モニタリング ポスト モニタリングポストの電源 三十一条解釈5 第

More information

別添資料 地下階の耐震安全性確保の検討方法 大地震動に対する地下階の耐震安全性の検討手法は 以下のとおりとする BQ U > I BQ UN I : 重要度係数で構造体の耐震安全性の分類 Ⅰ 類の場合は.50 Ⅱ 類の場合は.25 Ⅲ 類の場合は.00 とする BQ U : 地下階の保有

別添資料 地下階の耐震安全性確保の検討方法 大地震動に対する地下階の耐震安全性の検討手法は 以下のとおりとする BQ U > I BQ UN I : 重要度係数で構造体の耐震安全性の分類 Ⅰ 類の場合は.50 Ⅱ 類の場合は.25 Ⅲ 類の場合は.00 とする BQ U : 地下階の保有 別添資料 4-4- 大地震動時の層間変形角の検討方法 大地震動時の層間変形角の算定方法は 次のとおりとする 保有水平耐力計算により構造設計を行う場合には 構造体の変形能力を考慮し 一次設計時の層間変形角より推定する 推定の方法としては 下式に示すエネルギー一定則に基づく方法を原則とする なお 変位一定則に基づく方法による場合は 適用の妥当性を検証すること δ D δ δp: 大地震動時における建築物の最大水平変形

More information

Microsoft PowerPoint - 【提出用】161021_北海道資料.pptx

Microsoft PowerPoint - 【提出用】161021_北海道資料.pptx 泊発電所 3 号機 新規制基準への対応について 平成 28 年 10 月 21 日 北海道電力株式会社 目 次 1. 泊発電所 3 号機新規制基準適合性審査の状況 2. 新規制基準の概要 3. 泊発電所 3 号機における主な設備対策 (1) 設計基準対象施設 (2) 重大事故等対処施設 ( 特定重大事故等対処施設を除く ) (3) 特定重大事故等対処施設 ( テロ対策 ) 1 1. 泊発電所 3 号機新規制基準適合性審査の状況

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション ( 案 :2018/7/18 時点 ) 自然事象に対する 原子力規制のアプローチ 平成 30 年 7 月 28 日原子力規制庁櫻田道夫 おことわり この講演の内容は 筆者の個人的見解に基づくものであり 原子力規制委員会または原子力規制庁の見解を意味するものではありません 1 目次 2 Ⅰ. 新規制基準の策定 Ⅱ. 最新知見の取り入れの仕組み Ⅲ. 最新知見を踏まえた規制の継続的改善 Ⅳ. 新規制基準の運用の積み重ね

More information

研究炉班 : 審査会合 (28 回実施 ) ヒアリング (111 回実施 ) 地震津波班 : 審査会合 (33 回実施 ) ヒアリング (73 回実施 ) 新規制基準対応の想定スケジュール (HTTR) 設置変更許可申請 : 平成 26 年 11 月 26 日 第 1 回 : 平成 28 年 10

研究炉班 : 審査会合 (28 回実施 ) ヒアリング (111 回実施 ) 地震津波班 : 審査会合 (33 回実施 ) ヒアリング (73 回実施 ) 新規制基準対応の想定スケジュール (HTTR) 設置変更許可申請 : 平成 26 年 11 月 26 日 第 1 回 : 平成 28 年 10 研究炉班 : 審査会合 (27 回実施 ) ヒアリング(98 回実施 ) 地震津波班 : 審査会合 (25 回実施 ) ヒアリング(62 回実施 ) 新規制基準対応の想定スケジュール (JRR-3) 設置変更許可申請 : 平成 26 26 日 第 1 回 ( 地盤安定性 ): 平成 27 年 8 月 31 日 第 2 回 ( 安全確保の考え方 ): 平成 28 年 8 月 24 日 第 3 回 (

More information

Microsoft Word - セッション1(表紙)

Microsoft Word - セッション1(表紙) 2014 年 3 月 27 日於東京都市大学 地震 PRA 実施基準の改訂について 機器 建屋フラジリティ評価 標準委員会セッションリスク専門部会フラジリティ作業会主査 大阪大学 山口彰 1 x R フラジリティ評価とは 発電用原子炉施設において地震リスクの観点で影響を及ぼしうるものとして選定された機器 建物 構築物等を対象とする 地震時の現実的な応答と現実的な耐力を評価する 両者の関係をもとに任意の地震動強さに対する機器

More information

津波警報等の留意事項津波警報等の利用にあたっては 以下の点に留意する必要があります 沿岸に近い海域で大きな地震が発生した場合 津波警報等の発表が津波の襲来に間に合わない場合があります 沿岸部で大きな揺れを感じた場合は 津波警報等の発表を待たず 直ちに避難行動を起こす必要があります 津波警報等は 最新

津波警報等の留意事項津波警報等の利用にあたっては 以下の点に留意する必要があります 沿岸に近い海域で大きな地震が発生した場合 津波警報等の発表が津波の襲来に間に合わない場合があります 沿岸部で大きな揺れを感じた場合は 津波警報等の発表を待たず 直ちに避難行動を起こす必要があります 津波警報等は 最新 2.3 津波に関する防災気象情報 (1) 大津波警報 津波警報 津波注意報 津波による災害の発生が予想される場合には 地震が発生してから約 3 分を目標に大津波警報 津波警報または津波注意報を発表 地震が発生した時は地震の規模や位置を即時に推定し これらをもとに沿岸で予想 される津波の高さを求め 津波による災害の発生が予想される場合には 地震が発生 してから約 3 分を目標に津波予報区ごとに大津波警報

More information

<4D F736F F D DC58F4994C5817A836F E E8C7689E68F DC48F88979D816A E32322E646F63>

<4D F736F F D DC58F4994C5817A836F E E8C7689E68F DC48F88979D816A E32322E646F63> 既設再処理施設の 耐震安全性評価実施計画書 平成 18 年 10 月 18 日日本原燃株式会社 目 次 1. 概要 1 2. 評価対象施設 1 3. 耐震安全性評価項目および実施工程 1 4. 評価手順 2 5. その他 3 表 -1 再処理施設における評価対象施設等 4 図 -1 耐震安全性評価全体検討フロー 5 表 -2 耐震安全性評価実施工程 ( 予定 ) 6 表 -3 耐震安全性評価実施体制表

More information

泊発電所 地盤(敷地の地質・地質構造)に関するコメント回答方針

泊発電所 地盤(敷地の地質・地質構造)に関するコメント回答方針 1 1 無断複製 転載等禁止 ( 力 ) 資 泊発電所地盤 ( 敷地の地質 地質構造地質構造 ) に関するコメント回答方針 平成 28 年 5 月 13 日北海道電力株式会社 2 ヒアリング 審査会合における指摘事項 No 指摘事項指摘時期 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 敷地近傍に位置する図幅に記載されている断層について 見解を整理すること 敷地近傍における海成段丘の分布高度のグラフに

More information

新旧対照表

新旧対照表 - 1 - 原子力規制委員会設置法の一部を改正する法律案新旧対照表 原子力規制委員会設置法(平成二十四年法律第四十七号)(抄)(傍線部分は改正部分)改正案現行(目的)第一条この法律は 平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故を契機に明らかとなった原子力の研究 開発及び利用(以下 原子力利用 という )に関する政策に係る縦割り行政の弊害を除去し

More information

<4D F736F F F696E74202D2091EA924A8D6888EA88C995FB825288D98B63905C82B597A782C492C28F712E B8CDD8AB B83685D>

<4D F736F F F696E74202D2091EA924A8D6888EA88C995FB825288D98B63905C82B597A782C492C28F712E B8CDD8AB B83685D> 伊方原発 3 号機の設置変更の許可処分に関する行政不服審査法に基づく異議申立口頭意見陳述会 2015 年 11 月 30 日 重大事故発生時の対処において水素爆轟の危険がある 滝谷紘一 1 要旨 規制委員会は 重大事故等対策の有効性評価における水素爆轟の防止に関して ジルコニウムー水反応と溶融炉心 コンクリート相互作用により発生する格納容器内の水素濃度は 解析の不確かさを考慮しても判断基準を満足するとした事業者の評価を承認した

More information

原子力規制委員会 東通原子力発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合 でのご意見を踏まえた地質調査の概要 ( プレスレク資料 ) 平成 25 年 2 月 18 日 東北電力株式会社 東北電力株式会社 All rights Reserved. Copyrights 2012, Tohoku Elec

原子力規制委員会 東通原子力発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合 でのご意見を踏まえた地質調査の概要 ( プレスレク資料 ) 平成 25 年 2 月 18 日 東北電力株式会社 東北電力株式会社 All rights Reserved. Copyrights 2012, Tohoku Elec 原子力規制委員会 東通原子力発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合 でのご意見を踏まえた地質調査の概要 ( プレスレク資料 ) 平成 25 年 2 月 18 日 東北電力株式会社 東北電力株式会社 All rights Reserved. Copyrights 2012, Tohoku Electric Power Co., Inc. 1 本日の説明内容 1. はじめに 2. これまでの審査および調査の経過

More information

untitled

untitled 新しい規制基準で求められた主な対策 イメージ ③ 電源 外部電源は独立した異なる 2 以上の変電所又 は開閉所に接続する 2 回線から供給 非常用ディーゼル発電機の連続運転 7日間 ⑭ 緊急時対策所 免震重要棟 代替緊急時対策所 設計基準の見直し 強化 ① 活断層 ② 基準津波 ③ 電源 ④ 火災 ⑤ 自然現象 ⑥ 溢水 新設 ⑤ 自然現象 地震 津波以外に竜巻 火山 森林火災などの影響 により安全性を損なわないこと

More information

Microsoft PowerPoint - 発表II-3原稿r02.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint - 発表II-3原稿r02.ppt [互換モード] 地震時の原子力発電所燃料プールからの溢水量解析プログラム 地球工学研究所田中伸和豊田幸宏 Central Research Institute of Electric Power Industry 1 1. はじめに ( その 1) 2003 年十勝沖地震では 震源から離れた苫小牧地区の石油タンクに スロッシング ( 液面揺動 ) による火災被害が生じた 2007 年中越沖地震では 原子力発電所内の燃料プールからの溢水があり

More information

<4D F736F F F696E74202D C A E955D89BF5F92C394678E968CCC B D89BF82CC8

<4D F736F F F696E74202D C A E955D89BF5F92C394678E968CCC B D89BF82CC8 日本原子力学会標準 原子力発電所に対する津波を起因とした確率論的リスク評価に関する実施基準 津波事故シーケンス評価の概要 2016 年 10 月 21 日 日本原子力学会標準委員会津波 PRA 作業会 原子力エンジニアリング (NEL) 倉本孝弘 設計基準を超える地震随伴事象に対するリスク評価に関するワークショップ 1 プラント構成 特性及びサイト状況の調査 事故シナリオの同定 津波 PRA 事故シーケンス評価

More information

国土技術政策総合研究所資料

国土技術政策総合研究所資料 5. 鉄筋コンクリート橋脚の耐震補強設計における考え方 5.1 平成 24 年の道路橋示方書における鉄筋コンクリート橋脚に関する規定の改定のねらい H24 道示 Ⅴの改定においては, 橋の耐震性能と部材に求められる限界状態の関係をより明確にすることによる耐震設計の説明性の向上を図るとともに, 次の2 点に対応するために, 耐震性能に応じた限界状態に相当する変位を直接的に算出する方法に見直した 1)

More information

<4D F736F F F696E74202D E9197BF C A8B9091E5926E906B82D682CC91CE899E82CC95FB8CFC90AB2E B8CDD8AB B83685D>

<4D F736F F F696E74202D E9197BF C A8B9091E5926E906B82D682CC91CE899E82CC95FB8CFC90AB2E B8CDD8AB B83685D> 資料 3-3 地震を巡る最近の動きと 今後の対応について 平成 25 年 3 月経済産業省商務流通保安グループ 目次 ページ 1 産業保安各法令で求める耐震基準 2~3 2 地域係数のマップの比較 4 3 地震動予測の変化 5 4 想定する頻度による地震動の違い 6 5 東日本大震災を踏まえた耐震基準の検討結果 7 6 南海トラフ巨大地震 首都直下地震等の想定 8 7 地震を巡る今後の対応を検討するに当たり考慮すべき事項

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 大間原子力発電所における 新規制基準への対応について 平成 6 年 11 月 1 日 電源開発株式会社 1. 大間原子力発電所の概要 主要経緯 大間原子力発電所の概要 所在地青森県下北郡大間町 敷地面積約 130 万 m 原子炉型式改良型沸騰水型軽水炉 (ABWR) 燃 料 濃縮ウラン ウラン プルトニウム混合酸化物 (MOX) 電気出力 1,383MW 主要経緯平成 16 年 3 月 原子炉設置許可申請

More information

Microsoft PowerPoint - 平成23年度ANET取組2

Microsoft PowerPoint - 平成23年度ANET取組2 第 3 回緊急地震速報利用者懇談会 ANET 平成 23 年度の取り組みと 今後の展望 平成 24 年 7 月 12 日 ( 株 )ANET ANET の主な事業内容 防災情報 ( 緊急地震速報など ) の配信 防災システムの構築 保守 防災コンサルティング ( 調査 解析など ) 計測機器の製造 販売 発表内容 1. 緊急地震速報 ( 平成 23 年 ) の概況 2. 東日本大震災への取り組み 3.

More information

177 箇所名 那珂市 -1 都道府県茨城県 市区町村那珂市 地区 瓜連, 鹿島 2/6 発生面積 中 地形分類自然堤防 氾濫平野 液状化発生履歴 なし 土地改変履歴 大正 4 年測量の地形図では 那珂川右岸の支流が直線化された以外は ほぼ現在の地形となっている 被害概要 瓜連では気象庁震度 6 強

177 箇所名 那珂市 -1 都道府県茨城県 市区町村那珂市 地区 瓜連, 鹿島 2/6 発生面積 中 地形分類自然堤防 氾濫平野 液状化発生履歴 なし 土地改変履歴 大正 4 年測量の地形図では 那珂川右岸の支流が直線化された以外は ほぼ現在の地形となっている 被害概要 瓜連では気象庁震度 6 強 177 箇所名 那珂市 -1 都道府県茨城県 市区町村那珂市 地区 瓜連, 鹿島 1/6 発生面積 中 地形分類自然堤防 氾濫平野 液状化発生履歴 なし 土地改変履歴 大正 4 年測量の地形図では 那珂川右岸の支流が直線化された以外は ほぼ現在の地形となっている 被害概要 瓜連では気象庁震度 6 強を記録し 地震動が強い マンホールの浮上または周辺地盤の沈下 液状化によるものかどうかは明瞭でないが

More information

Microsoft PowerPoint - H24 aragane.pptx

Microsoft PowerPoint - H24 aragane.pptx 海上人工島の経年品質変化 研究背景 目的 解析条件 ( 境界条件 構成モデル 施工履歴 材料パラメータ ) 実測値と解析値の比較 ( 沈下量 ) 将来の不等沈下予測 ケーススタディー ( 埋土施工前に地盤改良を行う : 一面に海上 SD を打設 ) 研究背景 目的 解析条件 ( 境界条件 構成モデル 施工履歴 材料パラメータ ) 実測値と解析値の比較 ( 沈下量 ) 将来の不等沈下予測 ケーススタディー

More information

<4D F736F F D C835895B6817A F91CF906B88C AB82CC955D89BF8C8B89CA82CC95F18D9082C98C5782E995DB88C C982A882AF82E98C9F93A282C98DDB82B582C482CC88D38CA982CC92C789C182D682CC91CE899E816982E082F

<4D F736F F D C835895B6817A F91CF906B88C AB82CC955D89BF8C8B89CA82CC95F18D9082C98C5782E995DB88C C982A882AF82E98C9F93A282C98DDB82B582C482CC88D38CA982CC92C789C182D682CC91CE899E816982E082F 平成 23 年 8 月 3 日独立行政法人日本原子力研究開発機構 平成 23 年東北地方太平洋沖地震を踏まえた新耐震指針に照らした既設発電用原子炉施設等の耐震安全性の評価結果の報告に係る原子力安全 保安院における検討に際しての意見の追加への対応について ( 報告 ) ( お知らせ ) 平成 23 年 6 月 6 日付けで経済産業省原子力安全 保安院より独立行政法人日本原子力研究開発機構に対し 平成

More information

新安全基準の骨子

新安全基準の骨子 資料 1 原子力規制庁資料 実用発電用原子炉に係る 新規制基準 ( 案 ) について - 概要 - 平成 25 年 5 月 1. 東京電力福島第一原子力発電所事故以前の安全規制への指摘 外部事象も考慮したシビアアクシデント対策が十分な検討を経ないまま 事業者の自主性に任されてきた ( 国会事故調 ) 設置許可された原発に対してさかのぼって適用する ( バックフィット といわれる ) 法的仕組みは何もなかった

More information

中部電力グループ アニュアルレポート2012

中部電力グループ アニュアルレポート2012 20 5 CSR 202 7 30-2 7 8 2 3 25m 特 集1 浜 岡原子力発 電 所の安 全 性をより一層高めるための取り組み - 2 地震に対する備え 中部電力が考慮している地震 - 3 防災対策の強化 原子力防災体制の見直し 強化 国 自治体などとの連携強化 地震による揺れの強さは 震源の位置 震源域の広さ 震源か 防波壁の設置などのハード面の対策に加え ソフト面の対策 自治体の地域防災計画改正に積極的に協力していきます

More information

新規文書1

新規文書1 第 257 回審査会合 5. 地下構造モデルの策定 ( まとめ ) 資料再掲 調査結果に基づき策定した地下構造モデルについて 速度構造を以下に示す S 波速度 (km/s) 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 0 0 P 波速度 (km/s) 3 3.5 4 4.5 5 5.5 6 6.5 1 1 2 2 3 4 調査結果に基づき策定した地下構造モデル 45 深さ (km) 深さ (km) 3

More information

9 箇所名 江戸川区 -1 都道府県東京都 市区町村江戸川区 地区 清新町, 臨海町 2/6 発生面積 中 地形分類 盛土地 液状化発生履歴 近傍では1855 安政江戸地震 1894 東京湾北部地震 1923 大正関東地震の際に履歴あり 土地改変履歴 国道 367 号より北側は昭和 46~5 年 南

9 箇所名 江戸川区 -1 都道府県東京都 市区町村江戸川区 地区 清新町, 臨海町 2/6 発生面積 中 地形分類 盛土地 液状化発生履歴 近傍では1855 安政江戸地震 1894 東京湾北部地震 1923 大正関東地震の際に履歴あり 土地改変履歴 国道 367 号より北側は昭和 46~5 年 南 9 箇所名 江戸川区 -1 都道府県 東京都 市区町村 江戸川区 地区 清新町, 臨海町 1/6 発生面積 中 地形分類盛土地 液状化発生履歴 近傍では1855 安政江戸地震 1894 東京湾北部地震 1923 大正関東地震の際に履歴あり 土地改変履歴 国道 367 号より北側は昭和 46~5 年 南側は昭和 51~6 年の埋立 被害概要 住宅の傾斜 沈下 道路の亀裂 噴砂の状況 多い 地盤の変形量

More information

バリデーション基準 1. 医薬品 医薬部外品 GMP 省令に規定するバリデーションについては 品質リスクを考慮し 以下の バリデーション基準 に基づいて実施すること 2. バリデーション基準 (1) バリデーションの目的バリデーションは 製造所の構造設備並びに手順 工程その他の製造管理及び品質管理の

バリデーション基準 1. 医薬品 医薬部外品 GMP 省令に規定するバリデーションについては 品質リスクを考慮し 以下の バリデーション基準 に基づいて実施すること 2. バリデーション基準 (1) バリデーションの目的バリデーションは 製造所の構造設備並びに手順 工程その他の製造管理及び品質管理の バリデーション基準 1. 医薬品 医薬部外品 GMP 省令に規定するバリデーションについては 品質リスクを考慮し 以下の バリデーション基準 に基づいて実施すること 2. バリデーション基準 (1) バリデーションの目的バリデーションは 製造所の構造設備並びに手順 工程その他の製造管理及び品質管理の方法 ( 以下この基準において 製造手順等 という ) が期待される結果を与えることを検証し これを文書とすることによって

More information

1 想定地震の概要南海トラフで発生する地震は 多様な地震発生のパターンが考えられることから 次の地震の震源域の広がりを正確に予測することは 現時点の科学的知見では困難です そのため 本市では 南海トラフで発生する地震として 次の2つの地震を想定して被害予測調査を行いました (1) 過去の地震を考慮し

1 想定地震の概要南海トラフで発生する地震は 多様な地震発生のパターンが考えられることから 次の地震の震源域の広がりを正確に予測することは 現時点の科学的知見では困難です そのため 本市では 南海トラフで発生する地震として 次の2つの地震を想定して被害予測調査を行いました (1) 過去の地震を考慮し 1 想定地震の概要南海トラフで発生する地震は 多様な地震発生のパターンが考えられることから 次の地震の震源域の広がりを正確に予測することは 現時点の科学的知見では困難です そのため 本市では 南海トラフで発生する地震として 次の2つの地震を想定して被害予測調査を行いました 南海トラフ沿いでは 宝永地震 (1707) 安政東海 安政南海地震(1854) 昭 和東南海 (1944) 昭和南海地震(1946)

More information

設計小委第 号 国内 BWR プラントの非常用電源設備の配置について 平成 23 年 8 月 23 日電気事業連合会 国内 BWR プラントの非常用電源設備の構成例 及び非常用 DG 等の電源設備の配置設計の変遷を東京電力のプラントを例に示す 1. 非常用電源設備の構成図 1~2に 所内

設計小委第 号 国内 BWR プラントの非常用電源設備の配置について 平成 23 年 8 月 23 日電気事業連合会 国内 BWR プラントの非常用電源設備の構成例 及び非常用 DG 等の電源設備の配置設計の変遷を東京電力のプラントを例に示す 1. 非常用電源設備の構成図 1~2に 所内 設計小委第 3-1-1 号 国内 BWR プラントの非常用電源設備の配置について 平成 23 年 8 月 23 日電気事業連合会 国内 BWR プラントの非常用電源設備の構成例 及び非常用 DG 等の電源設備の配置設計の変遷を東京電力のプラントを例に示す 1. 非常用電源設備の構成図 1~2に 所内電源の構成の例を示す 通常運転時には 所内電力は主として発電機から所内変圧器を通して受電するが 送電線より起動変圧器を通しても受電することができる

More information

福島県原子力発電所安全確保技術連絡会資料(200907)

福島県原子力発電所安全確保技術連絡会資料(200907) 資料 1-1 福島第一原子力発電所 3 号機の 耐震安全性評価結果について ( 主要な施設の耐震安全性評価 ) 平成 22 年 8 月 原子力安全 保安院 目 次 1. 耐震設計の基本的考え方と 耐震バックチェックについて 2. 原子力安全 保安院の評価結果 2 3 1. 耐震設計の基本的考え方と耐震バックチェックについて 原子力発電所の耐震設計の基本的考え方 原子力発電所の耐震設計は 原子力安全委員会が定めた

More information

自然地理学概説

自然地理学概説 世界と日本の大地形 プレートテクトニクスと世界の大地形 (8.1) 世界の火山と日本の火山 (8.4) 日本列島の成立 日本の山地形成 (8.3) 世界の地震の分布 世界的な火山の分布 世界的な火山の分布を見ると, 太平洋の周りに集中 = 環太平洋火山帯 それ以外の地域も帯状に分布するところがある プレート (p76 図 8.1) 地球の表面はプレートと呼ばれる薄い ( 厚さ約 100~ 150km)

More information

本ワーキンググループにおけるこれまでの検討事項

本ワーキンググループにおけるこれまでの検討事項 本ワーキンググループにおけるこれまでの検討事項 資料 1 本ワーキンググループの検討内容 第 3 回資料 1 を一部修正 地震発生予測について ( 予測可能性調査部会において検討 ) 〇現状の地震発生予測の可能性 確度 予測可能性に関する科学的知見を整理 社会が混乱するおそれがある 4 つのケースについて検討 〇南海トラフにおけるリアルタイムモニタリング 南海トラフで発生している現象を分析 評価し

More information

<4D F736F F D F8CA48B CF906B42438C7689E68F9192F18F6F C835895B65F8E518D6C8E9197BF325F4A4D54522E646F63>

<4D F736F F D F8CA48B CF906B42438C7689E68F9192F18F6F C835895B65F8E518D6C8E9197BF325F4A4D54522E646F63> 参考資料 2 JMTR 原子炉施設の 耐震安全性評価実施計画書 目 次 1. 概要 1 2. JMTR 原子炉施設の概要 1 3. 評価対象施設 1 4. 耐震安全性評価項目及び実施工程 2 5. 評価手順 2 6. その他 3 1. 概要平成 18 年 9 月 19 日 原子力安全委員会において 発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針 ( 以下 新耐震指針 という ) が改訂された これに伴い

More information

<4D F736F F F696E74202D E77906A82D682CC91CE899E82C982C282A282C DE895D28F5794C5816A7638>

<4D F736F F F696E74202D E77906A82D682CC91CE899E82C982C282A282C DE895D28F5794C5816A7638> 柏崎刈羽原子力発電所の透明性を確保する地域の会第 41 回定例会説明資料 耐震指針改訂に伴う原子力安全 保安院の対応 平成 18 年 11 月 1 日原子力安全 保安院柏崎刈羽原子力保安検査官事務所原子力安全地域広報官金城慎司 目 次 1. 耐震指針改訂までの経過 2. 新耐震指針の改訂内容 2.1 改訂の目的 2.2 改訂の概要 3. 新耐震指針への対応 1 1 1. 耐震指針改訂までの経過 (

More information

報告書

報告書 3. 想定起震断層 震源モデル 3.1 想定起震断層海溝から遠い内陸の群馬県において地震被害想定を実施するにあたり 震源となる起震断層の候補は 後述 (3.2) の理由により以下の2 点を条件とした a) 群馬県内に十分な長さを有する活断層 b) より長い ( 県内の ) 活断層が近傍に無いもの表 2.2-1 の群馬県及びその周辺の活断層のうち 平井 - 櫛挽断層帯 ( 長さ 23km) は関東平野北西縁断層帯として評価されており

More information

鹿嶋市都市計画法の規定による市街化調整区域における

鹿嶋市都市計画法の規定による市街化調整区域における 鹿嶋市市街化調整区域における開発行為の許可等の基準に関する条例施 行規則 ( 趣旨 ) 第 1 条この規則は, 鹿嶋市市街化調整区域における開発行為の許可等の基準に関する条例 ( 平成 20 年条例第 3 号 以下 条例 という ) の施行に関し必要な事項を定めるものとする ( 条例第 3 条の規則で定める場合 ) 第 2 条条例第 3 条の規則で定める場合は, 条例第 4 条第 1 項及び条例第

More information

技術基準改訂による付着検討・付着割裂破壊検討の取り扱いについてわかりやすく解説

技術基準改訂による付着検討・付着割裂破壊検討の取り扱いについてわかりやすく解説 技術基準改訂による付着検討 付着割裂破壊検討の取り扱いについてわかりやすく解説 2016 年 6 月 株式会社構造ソフト はじめに 2015 年に 建築物の構造関係技術基準解説書 ( 以下 技術基準と表記 ) が2007 年版から改訂されて 付着検討および付着割裂破壊検討に関して 2007 年版と2015 年版では記載に差がみられ お客様から様々な質問が寄せられています ここでは 付着検討や付着割裂破壊検討に関して

More information

層等のうち 同年 3 月 11 日以降に発生した地震によって 実際に地表に断層が出現した事例が 1 件ありました このため 原子力事業者が耐震設計上考慮しないと評価している各々の断層等に応じて必要な距離の範囲内において 同年 3 月 11 日以降に発生した地震に伴って生じた地殻変動量及び地震の発生状

層等のうち 同年 3 月 11 日以降に発生した地震によって 実際に地表に断層が出現した事例が 1 件ありました このため 原子力事業者が耐震設計上考慮しないと評価している各々の断層等に応じて必要な距離の範囲内において 同年 3 月 11 日以降に発生した地震に伴って生じた地殻変動量及び地震の発生状 平成 23 年 8 月 30 日日本原子力発電株式会社 東海第二発電所および敦賀発電所における新耐震指針に照らした既設発電用原子炉施設等の耐震安全性の評価結果の報告に係る報告書の提出について 当社は 平成 23 年 6 月 6 日付け 原子力安全 保安院からの 平成 23 年東北地方太平洋沖地震を踏まえた新耐震指針に照らした既設発電用原子炉施設等の耐震安全性の評価結果の報告に係る原子力安全 保安院における検討に際しての意見の追加への対応

More information

<4D F736F F F696E74202D208FBC8D5D8E7395D78BAD89EF288A988D5D947A957A8E9197BF816A2E707074>

<4D F736F F F696E74202D208FBC8D5D8E7395D78BAD89EF288A988D5D947A957A8E9197BF816A2E707074> 新耐震指針による基準地震動の策定について - 地震動評価手法の概要 - 京都大学原子炉実験所附属安全原子力システム研究センター釜江克宏 ( 原子力安全委員会専門委員 ) 内容 新耐震指針の改訂の背景 地震学 地震工学などに関する新たな知見の蓄積など 1995 年兵庫県南部地震の経験 新指針の改訂のポイント旧指針の何がどのように変わったのか? 地震動評価手法の高度化 敷地直下地震の考慮の仕方 島根原子力発電所の中間評価について

More information

Microsoft PowerPoint - 資料4-1.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint - 資料4-1.ppt [互換モード] 資料 4-1 南海トラフの巨大地震モデル検討会第 1 回会合 東海地震に関する専門調査会 及び 東南海 南海地震等に関する専門調査会 における検討 東海地震に関する専門調査会における検討 想定震源域 基本的な考え : 昭和東南海地震の未破壊領域を震源域とする 1 北側の境界当該地域の最近の震源分布からみて両プレートの存在が明瞭である領域までとする 2 北西側の境界深さ約 30km より浅い領域とする

More information

<4D F736F F D208C46967B926E906B82CC96C6906B8C9A95A8899E939A89F090CD>

<4D F736F F D208C46967B926E906B82CC96C6906B8C9A95A8899E939A89F090CD> 平成 29 年 9 月 1 日 観測記録に基づく免震住宅の地震応答解析 - 216 年熊本地震 - 1. はじめに 216 年 4 月 16 日 1 時 25 分に発生した熊本地震は マグニチュード 7.3 最大震度 7 と発表されています 防災科学技術研究所では 強震観測網 (K-NET KiK-net) により観測されたデータを公開データしています この観測地震動を用いて 免震住宅の地震応答解析を実施しました

More information

道路橋の耐震設計における鉄筋コンクリート橋脚の水平力 - 水平変位関係の計算例 (H24 版対応 ) ( 社 ) 日本道路協会 橋梁委員会 耐震設計小委員会 平成 24 年 5 月

道路橋の耐震設計における鉄筋コンクリート橋脚の水平力 - 水平変位関係の計算例 (H24 版対応 ) ( 社 ) 日本道路協会 橋梁委員会 耐震設計小委員会 平成 24 年 5 月 道路橋の耐震設計における鉄筋コンクリート橋脚の水平力 - 水平変位関係の計算例 (H24 版対応 ) ( 社 ) 日本道路協会 橋梁委員会 耐震設計小委員会 平成 24 年 5 月 目次 本資料の利用にあたって 1 矩形断面の橋軸方向の水平耐力及び水平変位の計算例 2 矩形断面 (D51 SD490 使用 ) 橋軸方向の水平耐力及び水平変位の計算例 8 矩形断面の橋軸直角方向の水平耐力及び水平変位の計算例

More information

検討の背景 10Hz を超える地震動成分の扱いに関する日 - 米の相違 米国 OBE (SSE ) EXCEEDANCE CRITERIA 観測された地震動が設計基準地震動を超えたか否かの判定振動数範囲 : 1Hz - 10Hz (10Hz 以上は評価対象外 ) 地震ハザードのスクリーニング (Ne

検討の背景 10Hz を超える地震動成分の扱いに関する日 - 米の相違 米国 OBE (SSE ) EXCEEDANCE CRITERIA 観測された地震動が設計基準地震動を超えたか否かの判定振動数範囲 : 1Hz - 10Hz (10Hz 以上は評価対象外 ) 地震ハザードのスクリーニング (Ne 第 14 回日本地震工学シンポジウム G011-Fri-6 10Hz を超える地震動成分と機械設備の健全性 に関する考察 2014 年 12 月 5 日 落合兼寛 ( 一般社団法人 ) 原子力安全推進協会 Copyright 2012 by. All Rights Reserved. 検討の背景 10Hz を超える地震動成分の扱いに関する日 - 米の相違 米国 OBE (SSE ) EXCEEDANCE

More information

監査に関する品質管理基準の設定に係る意見書

監査に関する品質管理基準の設定に係る意見書 監査に関する品質管理基準の設定に係る意見書 監査に関する品質管理基準の設定について 平成 17 年 10 月 28 日企業会計審議会 一経緯 当審議会は 平成 17 年 1 月の総会において 監査の品質管理の具体化 厳格化に関する審議を開始することを決定し 平成 17 年 3 月から監査部会において審議を進めてきた これは 監査法人の審査体制や内部管理体制等の監査の品質管理に関連する非違事例が発生したことに対応し

More information

<4D F736F F D2081A E682568FCD926E94D592B28DB E94D589FC97C78C7689E62E646F63>

<4D F736F F D2081A E682568FCD926E94D592B28DB E94D589FC97C78C7689E62E646F63> 第 7 章 地盤調査 地盤改良計画 第 1 節地盤調査 1 地盤調査擁壁の構造計算や大規模盛土造成地の斜面安定計算等に用いる土質定数を求める場合は 平成 13 年 7 月 2 日国土交通省告示第 1113 号地盤の許容応力度及び基礎ぐいの許容支持力を求めるための地盤調査の方法並びにその結果に基づき地盤の許容応力度及び基礎ぐいの許容支持力を定める方法等を定める件 ( 以下 この章において 告示 という

More information

咲洲地区における 地震動作成方法

咲洲地区における 地震動作成方法 資料 1 咲洲地区における地震動 1 前回ミーティングでのご意見 (1) 意見 1 地表 / 地中のフーリエスペクトル比が観測記録と整合しているか? 意見 2 N319E 成分と N229E 成分の卓越周期の違いが観測記録にもみられるか? 2 前回ミーティングでのご意見 (2) 意見 1 地表 / 地中のフーリエスペクトル比が観測記録と整合しているか? N319E( 長辺方向 ) N229E( 短辺方向

More information

目次 4. 組織 4.1 組織及びその状況の理解 利害関係者のニーズ 適用範囲 環境活動の仕組み 3 5. リーダーシップ 5.1 経営者の責務 環境方針 役割 責任及び権限 5 6. 計画 6.1 リスクへの取り組み 環境目標

目次 4. 組織 4.1 組織及びその状況の理解 利害関係者のニーズ 適用範囲 環境活動の仕組み 3 5. リーダーシップ 5.1 経営者の責務 環境方針 役割 責任及び権限 5 6. 計画 6.1 リスクへの取り組み 環境目標 版名 管理番号 4 版 原本 環境マニュアル 環境企業株式会社 目次 4. 組織 4.1 組織及びその状況の理解 2 4.2 利害関係者のニーズ 2 4.3 適用範囲 2 4.4 環境活動の仕組み 3 5. リーダーシップ 5.1 経営者の責務 4 5.2 環境方針 4 5.3 役割 責任及び権限 5 6. 計画 6.1 リスクへの取り組み 7 6.2 環境目標及び計画 8 6.3 変更の計画 9

More information

浜岡準備書面J#2#4!K!!CO_LA[Dj$N__GT

浜岡準備書面J#2#4!K!!CO_LA[Dj$N__GT 平成 19 年 ( ネ ) 第 5721 号浜岡原子力発電所運転差止請求控訴事件控訴人長野栄一外被控訴人中部電力株式会社 準備書面 (24) 2014 年 ( 平成 26 年 )3 月 20 日 東京高等裁判所第 11 民事部御中 控訴人ら訴訟代理人 弁護士河合 弘之 同海渡雄一 同内山成樹 同青木秀樹 同栗山知 同望月賢司 同只野靖 - 1 - 本書面は 被控訴人が平成 26 年 2 月 14 日に行った新規制基準への適合性確認審査申請における地震想定の問題点を指摘する前提として

More information

新安全基準の骨子

新安全基準の骨子 資料 2 実用発電用原子炉に係る 新規制基準について - 概要 - 原子力規制委員会 平成 30 年 1 月 23 日第 2 回原子力専門有識者会合 1 東京電力福島第一原子力発電所事故の反省を踏まえ 規制と利用の分離を徹底し 独立した 原子力規制委員会 を設置 (2012 年 9 月発足 ) 原子力規制委員会 原子力規制庁 ( 事務局 ) 規制 と 利用 の分離 規制 の一元化 透明性の高い情報公開

More information

Microsoft Word doc

Microsoft Word doc トップリングによる変状箇所の特徴と機構について 基礎設計室岡淳一 1. はじめに交差点部で約 40m の切土を行ったところ トップリングが発生した 地山は硬質な花崗岩で 受盤の亀裂面の連続性が良く 亀裂には軟らかい粘土シームが介在していた トップリングは交差点方向に転倒しており 付近の亀裂からは粘土シームが押し出されていた 地下水位が高く 降雨時は亀裂内に水圧が作用する状態であった 対策は 岩塊が交差点方向へ転倒していたことから

More information

施設・構造1-5b 京都大学原子炉実験所研究用原子炉(KUR)新耐震指針に照らした耐震安全性評価(中間報告)(原子炉建屋の耐震安全性評価) (その2)

施設・構造1-5b 京都大学原子炉実験所研究用原子炉(KUR)新耐震指針に照らした耐震安全性評価(中間報告)(原子炉建屋の耐震安全性評価) (その2) 原子炉建屋屋根版の水平地震応答解析モデル 境界条件 : 周辺固定 原子炉建屋屋根版の水平方向地震応答解析モデル 屋根版は有限要素 ( 板要素 ) を用い 建屋地震応答解析による最上階の応答波形を屋根版応答解析の入力とする 応答解析は弾性応答解析とする 原子炉建屋屋根版の上下地震応答解析モデル 7.E+7 6.E+7 実部虚部固有振動数 上下地盤ばね [kn/m] 5.E+7 4.E+7 3.E+7

More information

平成19年(ネ)第5721号浜岡原子力発電所運転差止請求控訴事件

平成19年(ネ)第5721号浜岡原子力発電所運転差止請求控訴事件 平成 24 年 ( 行ウ ) 第 15 号東海第二原子力発電所運転差止等請求事件 原告 大石光伸外 265 名 被告国外 1 名 準備書面 (11) ( 地震動想定手法には根本的な欠陥がある ) 水戸地方裁判所民事第 2 部御中 2014 年 ( 平成 26 年 )5 月 15 日 ( 次回期日 5 月 15 日 ) 原告ら訴訟代理人 弁護士河合 弘之 外 原発の耐震安全性は基準地震動の適切な策定にかかっているところ

More information

<8BA68B6389EF8E9197BF2E786477>

<8BA68B6389EF8E9197BF2E786477> 液状化発生予測の検討結果に関する資料 ( 建設部 ) 1. 検討概要 (1) 液状化発生予測の検討作業フローデ収集整理ータ地盤モデル作成液状化危険度の検討微地形区分 PDC による地盤データの補完 工学的基盤の地震波形 ( 内閣府より入手 ) 地表の地震動 ( 応答計算 ) (2) 想定地震本検討で用いる想定地震を以下に示す ボーリングデータ ( 地質 土質区分 地下水位 ) 3 次元地盤モデル作成

More information

富士見市都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例

富士見市都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例 改正案 都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例 ( 趣旨 ) 第 1 条この条例は 都市計画法 ( 昭和 43 年法律第 100 号 以下 法 という ) 第 3 章第 1 節の規定に基づき 開発許可等の基準に関し必要な事項を定めるものとする ( 法第 33 条第 4 項の規定による最低敷地面積 ) 第 2 条市街化区域 ( 法第 12 条の5 第 2 項の規定により地区整備計画が定められている区域を除く

More information

原子炉物理学 第一週

原子炉物理学 第一週 核燃料施設等の新規制基準の 概要 1 対象となる施設 核燃料加工施設 (7) 使用済燃料貯蔵施設 (1) 使用済燃料再処理施設 (2) 廃棄物埋設施設 (2) 廃棄物管理施設 (2) 核燃料物質使用施設 ( 大型施設 15) 試験研究用原子炉施設 (22) 核燃料施設 等 ( ) 内は 国内事業所数 2 対象となる施設 http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/data/0033_01.pdf

More information

原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合における指摘事項に対する回答一覧表

原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合における指摘事項に対する回答一覧表 平成 25 年 10 月 8 日 北海道電力株式会社 原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合における指摘事項に対する回答一覧表 ( 本日回答 ) 第 7 回審査会合 (8 月 13 日 ) における指摘事項 0813-01 ディーゼル発電機および直流電源設備の負荷と電源設備の容量策定の考え方について資料を作成して説明すること 平成 25 年 10 月 8 日資料 1-6 P. 1-1~1-6

More information

地震の概要 検知時刻 : 1 月 3 日 18 時分 10 発生時刻 : 1 月 3 日 18 時 10 分 マグニチュード: 5.1( 暫定値 ; 速報値 5.0から更新 ) 場所および深さ: 熊本県熊本地方 深さ10km( 暫定値 ) 発震機構 : 南北方向に張力軸を持つ横ずれ断層型 ( 速報

地震の概要 検知時刻 : 1 月 3 日 18 時分 10 発生時刻 : 1 月 3 日 18 時 10 分 マグニチュード: 5.1( 暫定値 ; 速報値 5.0から更新 ) 場所および深さ: 熊本県熊本地方 深さ10km( 暫定値 ) 発震機構 : 南北方向に張力軸を持つ横ずれ断層型 ( 速報 地震の概要 検知時刻 : 1 月 3 日 18 時分 10 発生時刻 : 1 月 3 日 18 時 10 分 マグニチュード: 5.1( 暫定値 ; 速報値 5.0から更新 ) 場所および深さ: 熊本県熊本地方 深さ10km( 暫定値 ) 発震機構 : 南北方向に張力軸を持つ横ずれ断層型 ( 速報 ) 報道発表地震解説資料第 1 号 平成 31 年 1 月 3 日 21 時 30 分福岡管区気象台平成

More information

伊方発電所において 原子炉容器や原子炉の運転を制御する制御棒などの原子炉を 止める 機能や燃料を 冷やす 機能 放射性物質を 閉じ込める 機能などの安全上重要な機能をもつ施設については 想定される最大の揺れの地震である 基準地震動 650 ガルにも耐えられるよう 必要な個所には耐震性向上工事を実施し

伊方発電所において 原子炉容器や原子炉の運転を制御する制御棒などの原子炉を 止める 機能や燃料を 冷やす 機能 放射性物質を 閉じ込める 機能などの安全上重要な機能をもつ施設については 想定される最大の揺れの地震である 基準地震動 650 ガルにも耐えられるよう 必要な個所には耐震性向上工事を実施し 地震対策 に関する回答要旨 原子力発電所の耐震設計において基準とする地震の揺れを 基準地震動 といいます 地震による揺れの大きさは 震源からの距離 震源域の広さ 震源の位置 地盤の固さなどによって決まるため 基準地震動 を算定する際には 立地する敷地に大きな影響を与える様々な地震をリストアップした上で 地震断層の長さや断層面の傾斜角度などに関し 揺れが大きくなる厳しい条件を想定して発電所における地盤の揺れを評価し

More information

Microsoft PowerPoint - (四国電力)JASMiRT CV構造評価_r2.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint - (四国電力)JASMiRT CV構造評価_r2.ppt [互換モード] 伊方発電所 3 号機 SA 時の原子炉格納容器構造健全性に関する評価 平成 28 年 10 月 21 日四国電力株式会社 納容器内雰囲気温子炉格納容器圧1. 評価の概要 < 伊方 3 号機再稼働審査 > 新規制基準要求として 重大事故等時においても 原子炉格納容器 (CV) の放射性物質の閉じ込め機能が確保できることを確認する必要がある 伊方 3 号機の重大事故等時の CV 雰囲気温度 / 圧力の最高値は約

More information

文書管理番号

文書管理番号 プライバシーマーク付与適格性審査実施規程 1. 一般 1.1 適用範囲この規程は プライバシーマーク付与の適格性に関する審査 ( 以下 付与適格性審査 という ) を行うプライバシーマーク指定審査機関 ( 以下 審査機関 という ) が その審査業務を遂行する際に遵守すべき事項を定める 1.2 用語この基準で用いる用語は 特段の定めがない限り プライバシーマーク制度基本綱領 プライバシーマーク指定審査機関指定基準

More information

特定個人情報の取扱いの対応について

特定個人情報の取扱いの対応について 平成 27 年 5 月 19 日平成 28 年 2 月 12 日一部改正平成 30 年 9 月 12 日改正 一般財団法人日本情報経済社会推進協会 (JIPDEC) プライバシーマーク推進センター 特定個人情報の取扱いの対応について 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律 ( 以下 番号法 という )( 平成 25 年 5 月 31 日公布 ) に基づく社会保障 税番号制度により

More information

Microsoft PowerPoint - 知財報告会H20kobayakawa.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint - 知財報告会H20kobayakawa.ppt [互換モード] 亀裂の変形特性を考慮した数値解析による岩盤物性評価法 地球工学研究所地圏科学領域小早川博亮 1 岩盤構造物の安定性評価 ( 斜面の例 ) 代表要素 代表要素の応力ひずみ関係 変形: 弾性体の場合 :E,ν 強度: モールクーロン破壊規準 :c,φ Rock Mech. Rock Engng. (2007) 40 (4), 363 382 原位置試験 せん断試験, 平板載荷試験 原位置三軸試験 室内試験

More information

残存耐力有無の閾値となる変形率に対象施設の桟橋高さを乗じることにより, 残留水平 変位に関する残存耐力評価指標を予め算出する. 算出した残存耐力評価指標と被災後の外 観調査で得られる施設天端の残留水平変位と比較することにより, 速やかに鋼部材の応力 状態の概要を把握することができる. dir = 残

残存耐力有無の閾値となる変形率に対象施設の桟橋高さを乗じることにより, 残留水平 変位に関する残存耐力評価指標を予め算出する. 算出した残存耐力評価指標と被災後の外 観調査で得られる施設天端の残留水平変位と比較することにより, 速やかに鋼部材の応力 状態の概要を把握することができる. dir = 残 参考資料 2 係留施設の残存耐力評価指標について 1. 概要港湾施設は大規模地震発生直後の緊急物資輸送や復旧工事の拠点として重要な役割を担っているため, 地震発生後速やかに施設の健全度を判断し暫定供用の可否を判断することが求められている. しかし, 桟橋式岸壁および矢板式岸壁は鋼部材を含む施設であり, 外観調査等から速やかに鋼部材のを把握することは困難である. そこで, 外観調査で得られる施設天端の残留水平変位から速やかに鋼部材のを判断する残存耐力評価指標を作成した.

More information

横浜市のマンション 耐震化補助制度について

横浜市のマンション 耐震化補助制度について 資料 4 マンションの 耐震設計の手法について 平成 28 年 10 月 31 日作成 ( 注 ) 耐震化補助制度の内容は 作成時点のものとなります 1 設計手法 地震の原因とプレートの配置 地震の原因 地球の表面は何枚かの岩盤 ( プレート ) にて構成されている それぞれのプレートが運動することで境界部にひずみが生じる 蓄積したひずみが限界に達し それが解放されたものが地震となる プレートテクトニクス理論

More information