とも認められてきている. こうした, 種々の機能を持ったアミノ酸のほとんどの製品形態は結晶である. 従ってアミノ酸を製品として取得する為の晶析操作は, 製品の物性, 純度等を決定する重要操作であり, アミノ酸の種々の性質を考慮した様々な工夫がなされている. アミノ酸の製造工程を簡単に述べると, ほと

Size: px
Start display at page:

Download "とも認められてきている. こうした, 種々の機能を持ったアミノ酸のほとんどの製品形態は結晶である. 従ってアミノ酸を製品として取得する為の晶析操作は, 製品の物性, 純度等を決定する重要操作であり, アミノ酸の種々の性質を考慮した様々な工夫がなされている. アミノ酸の製造工程を簡単に述べると, ほと"

Transcription

1 日本結晶成長学会誌特集 : 食品化学と結晶成長 Vol. 41, No. 4 (2014) 解説 アミノ酸における結晶形状制御 長谷川和宏 1* 佐野千明 Crystal Shape Control for Amino Acids Crystals Kazuhiro Hasegawa 1* and Chiaki Sano 2 2 Amino acid crystal shape is affected by impurities those are included in the fermented broth. To control crystal shape is important for final product properties and purification efficiency. To control crystal shape, it is necessary to know how affect to the crystal shape by impurities. Crystal shape is depending on the crystal growth of each growth surface. To know the effect of impurity effects for crystal growth, relation between crystal structure is important. In this report, we estimated the inhibition mechanisms of crystal shape and crystal growth using L-sodium glutamate and Leucine DMBS complex crystals by studying between crystal structure and crystal growth. 1. はじめに 生体中に存在するタンパク質は 20 種類のアミノ酸から構成されている. それらのアミノ酸の基本骨格は同一であるが, 側鎖の違いにより溶解度, 等電点 (pi) など基本物性に違いがあり,Table 1 に示すように分類されている 1). 現在, これらのアミノ酸は主として発酵法により製造されており, 飼料, 食品, 医薬品等の分野で広く利用されている. アミノ酸の用途として最もよく知られているのは,L- グルタミン酸ナトリウム ( 商品名 味の素 ) の調味料としての利用であり, そのルーツは昆布のうまみの主成分として, 晶析操作により 1908 年に池田菊苗博士 ( 東京大 ) によって単離精製された. 一方, スポーツを愛好する多くの方々にもアミノ酸の働きが理解されるようになり, 幅広く使われるようになっている. アミノ酸は体を動かす筋肉の主成分であるタンパク質の構成成分であり, 運動によりその必要量が高まることが知られている. アミノ酸は摂取してから吸収までの時間が早く, 必要な時にすぐに利用できるというすぐれた特徴から, アミノ酸含有補助食品 ( サプリメント ) として, エネルギー源, 疲労回復 疲労予防源として有効である. また, アミノ酸は医薬品等の医療関連の用途でも用いられている. 手術の前後等で充分な栄養をとることがで きない患者に対して, 必要なアミノ酸をアミノ酸輸液として患者の静脈内に投与して栄養を補給するものである 年に発売されて以来各国で改良が進められ, アミノ酸, 糖質, 電解質などを含んだ高カロリー輸液が定着し, 患者の栄養管理だけでなく, 手術の成功率を高くするこ Table 1 Some physicochemical properties of the primary protein amino acids. MW water solubility (g/100g 25 ) Isoelectric ph 1 Alanine Arginine Asparagine Aspartic acid Cysteine v. sol Glutamic acid Glutamine Glycine Histidine Isoleucine Leucine Lysine v. sol Methionine Phenylalanine Proline Serine Threonine Tryptophane Tyrosine Valine 味の素株式会社イノベーション研究所 神奈川県川崎市川崎区鈴木町 公益財団法人日本農芸化学会 東京都文京区弥生 Institute for innovation, AjinomotoCo., Inc. 1-1 Suzuki-cho, Kawasaki-ku, Kawasaki, Japan 2 Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry, , Yayoi, Bunkyo-ku, Tokyo , Japan * Corresponding author ( kazuhiro_hasegawa@ajinomoto.com) 日本結晶成長学会誌 Vol. 41, No. 4,

2 とも認められてきている. こうした, 種々の機能を持ったアミノ酸のほとんどの製品形態は結晶である. 従ってアミノ酸を製品として取得する為の晶析操作は, 製品の物性, 純度等を決定する重要操作であり, アミノ酸の種々の性質を考慮した様々な工夫がなされている. アミノ酸の製造工程を簡単に述べると, ほとんどのアミノ酸は糖を原料とした発酵法により生産され, アミノ酸を蓄積した発酵液から除菌, 粗製, 精製工程を経て製品化される. 発酵工程では発酵菌や発酵培地組成成分をはじめ, 副生アミノ酸, 有機酸, 蛋白質など多くの成分が夾雑している. これらの夾雑物と, 目的のアミノ酸を分離するためには膜分離, 樹脂操作などの方法も用いられるが, 精製工程では晶析技術に負うところが大きい. また製品として結晶を析出させる場合, 結晶形状や大きさ, 外観, 易溶性の観点も重要になってくる. それら粉体としての特性は晶析工程で決められる部分も大きい. この様に商品価値を決定する製品晶析に際しては, 晶析条件 設備への配慮だけでは不十分であり, 晶析系に持ち込まれる夾雑物量を常に安定に保つこと, 即ち精製系全体の構成も視野に入れることが必須になる. 2. L- グルタミン酸ナトリウム結晶の外観 アミノ酸結晶析出時の結晶形状や大きさ, 光沢等の外観の制御について,L グルタミン酸ナトリウム (Mono Sodium Glutamate, MSG) を例に述べる. Fig. 1 に概略を示したように,L グルタミン酸ナトリウムの代表的な製造方法は, 大きく二つの工程から成る. 先ず天然原料である澱粉を酸糖化又は酵素糖化して得られるブドウ糖, 或いは砂糖を製造する際の副産物である糖蜜を主原料に, 微生物を利用して L グルタミン酸の分子骨格を形成させる発酵工程である. 次にその発酵液から種々の精製手段を駆使し, 最終的に L グルタミン酸ナトリウムを結晶として取り上げ商品化する単離精製 工程がある. この L グルタミン酸ナトリウムの晶析工程では, 種々晶析条件 ( 例えば温度 晶析速度 ) を操作し, 結晶の大きさ 光沢等を制御している. また, 大きな結晶を晶析する場合は, 結晶が破砕しない様に設備仕様も考慮する必要がある. 一方, 結晶の外観, 特に結晶の大きさと形を制御するという意味では晶析系に微量ながら存在するアミノ酸量をコントロールする場合がある. 発酵法による L グルタミン酸ナトリウムの製造に於いては, 微生物の代謝副生物であるアミノ酸が製品晶析系に微量ながら混入してくる場合が多くなる. これらのアミノ酸は晶析の持つ不純物淘汰能により製品晶析過程で除去されるので, 製品純度の観点で問題となることはないが, ごく微量のアミノ酸が結晶の形を変化させる効果により商品価値に影響を及ぼす場合がある. L グルタミン酸ナトリウム結晶の外形に及ぼす夾雑アミノ酸の影響を基礎的に解明した結果を Fig. 2 に示す 2). 各種アミノ酸を共存させた L グルタミン酸ナトリウム溶液の中で L グルタミン酸ナトリウムの結晶を成長させた時に, 得られた結晶の形がどの様に変化するか観察した結果である. 最も良く成長した無添加系の結晶に対し, 例えば L アラニンが共存する場合は長軸方向が相対的に短くなり, ずんぐりとした見かけの結晶になる. これは L アラニンが L グルタミン酸ナトリウム結晶の長軸端に選択的に吸着することで長軸方向の結晶成長を阻害することによる. 一方,L アスパラギン酸が共存する場合は, その形は L アラニンの場合とは大きく異なり殆ど純系の結晶の相似形であるが, 添加物の存在しない系に比べて小さな結晶となる. この現象は L アスパラギン酸が L グルタミン酸に対してメチレン鎖が一つ Fig. 1 Sodium glutamate production scheme (From Ajinomoto Co., Inc. HP). Fig. 2 L-sodium glutamate crystal shape changing by additives 日本結晶成長学会誌 Vol. 41, No. 4, 2014

3 短いだけの非常に類似した結晶構造を持つので, 結晶の各面にほぼ均一に吸着し全体的に結晶成長を阻害するためと考えられる. また D グルタミン酸や有機酸の様な物質はより細長い形状に変化した. これは D グルタミン酸などは単軸方向に吸着し, 成長を阻害した結果と考えられる. 3. L- グルタミン酸ナトリウム結晶の形状と結晶構造との関係 これらの現象からそれぞれの夾雑物は結晶の特定の面に吸着し, その面の成長を阻害しているためと考えられる. 続いて各夾雑物による各成長面への吸着機構について解析する. 結晶成長は構成する分子が成長面へ吸着して構造中に取り込まれてゆく. したがってまず, 成長面の構造について解析する必要がある. そこでまず L グルタミン酸 Fig. 3 Crystal structure of L-Sodium glutamate. Fig. 4 L-sodium glutamane crystal shape and schematic drawing of molecular packing. Fig. 5 Kink site shapes on the L-sodium glutamane crystal grawing surface. ナトリウムの結晶構造を Fig. 3 に示す 3). また結晶外形と結晶構造から推定した分子のパッキング様式を Fig. 4 に示す 2). L グルタミン酸ナトリウムのグルタミン酸分子は 2 種類の配置をしており, それらを GluA,GluB として表記している. これら GluA と GluB は互い違いにある角度を持って 2 分子づつジグザグにつながりながら c 軸方向に重ねあっており, この角度が {121} 面の角度に反映されている. 側面の {110} 面は Na+ イオンが c 軸方向に柱状に連なっている. これらのパッキング様式に従って分子が結晶に取り込まれ, 成長しているが, 分子が取り込まれる場所としてキンクと呼ばれる部分で分子が結合を形成し, 次の分子の吸着により結晶に取り込まれ, 安定化されると考えられる. 従って, これらの結晶構造のデータから各結晶面のキンクにおける分子結合の様式から成長特性が推定でき, 夾雑物による阻害機構も推定できると考える. そこで続いて各キンクサイトにおける夾雑物分子の結合強度について評価を行った. 各キンクにおいて夾雑物が結合するためには本来結合するべきグルタミン酸分子と同様に水素結合と Na+ イオンへの配位による静電的な結合が関与していると考えられる. そのうち水素結合は H-O の距離, 角度等が結合形成のためには制限されるため, 分子認識により関与する. 従って, 夾雑物のキンクサイトへの吸着には水素結合の形成の可否, 水素結合形成の数を評価し, より多くの水素結合を形成するキンクサイトの数が多いほど夾雑物の影響を受けると考えた. また各結晶面におけるキンクサイトは結晶成長面を XY 面とすると, 各成長面でのキンクサイトは Fig. 5 に示すような 4 種類が考えられる.L グルタミン酸ナトリウムの結晶 ( 空間群 P212121) の単位格子中には等価点が 4 個あり, 等価点には 2 分子 (GluA,GluB) が存在する. 従って, 成長面のキンクへの取り込みには 4 種類のキンクサイトへの 8 分子の取り込み, すなわち 32 通りについて評価を行った. グルタミン酸の α アミノ基,γ カルボキシル基と同様に水素結合を 4 つ形成するパターンを各夾雑分子と成長面について評価を行った結果を Table 2 に示す. 日本結晶成長学会誌 Vol. 41, No. 4,

4 Table 2 Impurity adhering site analysis of L-sodium glutamate crystal. Side surface (110) Top surface (121) (1)L-Glu, L-Asp (2) L-Ala, L-Lys 2 8 (3)L-PCA, D-Glu 9 4 (4)γ-ABA 11 6 Fig. 6 Molecular structures of Leucine and 3,4- dimethylbenzene sulfonate. これらの結果から, 本来の L-Glu 分子は先端面に吸着しやすい. この結果は先端面の方で成長速度が高く, その結果形成される結晶形状と一致している.L-Asp も L- Glu と同様に吸着されるため, 結晶形状には影響を与えない. 一方 L-Ala や L-Lys は先端面の方がより吸着しやすく, また L-PCA,D-Glu,γ-ABA は側面の方が吸着しやすい. これらの結果は夾雑物による結晶形状の影響と一致しており, 結晶構造解析から夾雑物による結晶形状の与える影響について予測可能であることが示されたと考えられる. 4. ロイシン複合体結晶の成長阻害機構 筋肉の組織は, アクチンとミオシンというタンパク質でできている. このアクチンとミオシンの主成分はバリン, ロイシン, イソロイシンという 3 種類の必須アミノ酸で, これらは分岐鎖アミノ酸 (BCAA = Branched Chain Amino Acid) と呼ばれている. ロイシンはこの BCAA の一つであり, 食餌により摂取する必要がある必須アミノ酸の一種である. そのため. 先に述べた機能性食品や輸液等に用いられている. ロイシンはタンパク質の加水分解や発酵液から単離 生成される. タンパク質の加水分解物中には同じ BCAA であるイソロイシンやバリンも混在しており, これらを効率的に分離することが工業化プロセスのポイントになる. しかしこの 3 種のアミノ酸の結晶構造はよく似ており 4-6), ロイシン結晶中にはイソロイシンやバリンが取り込まれ精製効率が高くなく, 高度な精製をするためには結晶化を繰り返さなくてはならない. そのような結晶化を繰り返すことなく純度の良いロイシンを得るために, ロイシンと選択的に結合する芳香族スルホン酸の開発はなされ, その中で 3,4 ジメチルベンゼンスルホン酸はロイシンとの親和性が高く, 溶解度が低く, イソロイシンやバリンを高い効率で排除することができる特殊沈殿剤として用いられてきた 7). ロイシンと 3,4 ジメチルベンゼンスルホン酸との複合体は ph2.3 以下になるとロイシンが正に帯電し,3,4 ジメチルベンゼンスルホン酸が有する負電荷と引き合い複合体を形成するようになる.(Fig. 6) またロイシン (Leu) と 3,4 ジメチルベンゼンスルホン酸 (DMBS) との複合体の結晶構造 8) の c 軸投影図を Fig. 7 に示した. Fig. 7 Leu.DMBS crystal packing (projection figure from C-axis)2 unit cells are shown for a-axis Glay; Carbon, Blue: Nitrogen, Red: Oxigen, Yellow: Sulfur, Dotted line shows hydrogen bonds. この結晶では ac 面に沿った方向に水素結合のネットワークが形成されており,b 軸方向ではそのネットワーク同士が van der Waals 力で積層している構造を持っている. このような構造が結晶析出時の分子認識にどのような影響を与え, 精製度, 結晶成長にどのように寄与するかを検討した. まず Leu.DMBS 結晶の他のアミノ酸の排除性 ( 淘汰性 ) について有効分配係数という因子で精製度を評価した結果を Fig. 8 に示す. 有効分配係数は次式であらわされ,keff が 1 より小さければ結晶化を行うことで精製効果を得ることができる 9). k eff = R ic / R il ここで,Ric は結晶中の不純物アミノ酸のモル濃度,RiL は溶液中の不純物アミノ酸のモル濃度である.Leu を単独で結晶化を行うとよく似た構造であるイソロイシンの 日本結晶成長学会誌 Vol. 41, No. 4, 2014

5 Fig. 10 Leu.DMBS crystal and flow direction at the experiment. Fig. 8 Isoleucine rejection by Leu.DMBS crystallization. Ile mole ratio in crystal vs. Ile mole ration in mother liquor. Growth rate (mm/min) mm/sec 0.71mm/sec 0.071mm/sec 0.00mm/sec Fig. 9 Leu DMBS crystal shape and growth faces. 淘汰性は keff であらわすと であるが,Leu.DMBS 結晶を用いることで になり, 効率的にイソロイシンを排除し, 精製できることを示している. このように淘汰性が向上する要因として, 結晶中の分子パッキングの状態が挙げられる.Leu.DMBS 結晶では van der Waals 力で積層している方向で Leu 側鎖が DMBS のベンゼン環及びメチル基と重なり合わないようにパッキングしており, その構造の密さから分子認識でできているものと考えられる. そのような分子認識の高さにおいても若干の Ile の取り込みが認められることから, この取り込みが Leu.DMBS の結晶成長速度にどのように影響するかを検討した. アミノ酸を結晶化する過程においては晶析槽など流れのある中で結晶が成長することが多い. そのため本検討においては, 流れのない静止系での結晶成長速度に加えて, 結晶に対して溶液の流れのある場合の結晶成長速度と, その時の影響について検討を行った.Leu.DMBS の結晶は Fig. 9 の形をしており, そのうち今回は (011) 面の成長速度の測定を行った. 実験系の模式図を Fig. 10 に示す. 図のように (001) 面に対して平行になるように溶液の流れを作り, 成長速度の測定を行った Ile/Leu ratio (%) Fig. 11 Leu.DMBS crystal growth difference by adding Isoleucine. 各流速での成長速度の測定結果を溶液中のイソロイシン濃度に対してプロットした図を Fig. 11 に示す. このグラフから, 流れをかけるに従い, 結晶成長速度が増加していることがわかる. また流れのない場合や流速 1.4mm/sec までの流れのある場合いずれも,Ile/Leu 濃度 3 % 程度までは成長速度の低下はわずかであるが, 3 % を越えると急激に成長速度の低下が見られる. そして, その後一定値になっていることが分かった. 次に成長速度と不純物濃度の関係から不純物の成長速度抑制機構について考察する. 不純物が吸着して成長速度を抑制するサイトはキンク, ステップ, テラスの 3 種類がある. キンクやテラスに不純物が吸着し, それが原因で成長速度が抑制される場合には, 不純物濃度が増すにつれて成長速度が低下するような現象が現れるはずであ 10). しかし, 今回の実験では Ile/Leu が 3 % までは成長速度の抑制がほとんどなく, それ以上で急激に抑制されている. この挙動は特徴的であり, 不純物がステップの掃引を抑制する場合に相当する. この場合, 不純物が完全に成長を止めてしまわない場合には, ステップは不 日本結晶成長学会誌 Vol. 41, No. 4,

6 純物の間をすり抜けるように前進してゆく. このメカニズムでは, 不純物濃度より小さい場合には, 吸着した不純物間隔が大きく, ステップが不純物をすり抜ける時の曲率が大きくても抜けられるので成長速度の抑制はほとんど起こらない. しかし, 一定の濃度を超えると不純物によりステップが曲げられるので, 成長速度が急激に低下する 11). 今回の実験では不純物である Ile が成長面に取り込まれたとき, その次の層のステップが不純物上を掃引するときに Fig. 12 の様な不純物による ピニング 効果を生じ, 成長速度が抑制されていると考えられる. 続いて結晶構造を考えて,Leu.DMBS 結晶中に Ile がどのような場合に入り込み, また, 入り込んだ Ile がどのような機構で成長を阻害するかを検討した. 結晶構造から (011) 面上で Leu.DMBS がどのように入り込むかを調べたところ,Fig. 13 に見られるように 2 種類の入り方が考えられた.Fig. 13 の CaseA の様に Leu の側鎖を結晶側に向けている場合と,CaseB の様に外側を向いている場合とがあげられる. もし,Ile が Leu のサイトに置換して取り込まれる場合, アミノ基やカルボキシル基の部分は Leu,Ile とも共通であるので, 側鎖の違いが取り込みに反映すると考えられる. そのため,Fig. 8 の CaseA の様な場合に Leu サイトを Ile に置換すると,Ile 側鎖の β 位のメチル基が結晶側を向いてしまうので, この部分が結晶側の分子と立体障害を生じると考えられる. 従って,CaseA の様な場合には Leu は Ile に置換することはできない. そのため, さらに積層し, 成長する場合での障害となることはない. しかし Fig. 8 の CaseB の様な場合,β 位にメチル基が存在したとしてもその方向は結晶面とは反対側で,Ile が Leu に置換するにあたっての立体障害は CaseA に比べて小さくなると予想される. したがって,Ile が Leu に変わって置換される可能性が生じる. 一旦置換されてしまうと今度は外側を向いた β 位のメチル基がそれ以上に成長しようとする場合の障害となってしまう. この β 位のメ 不純物がステップに吸着した場合 impurity Steps step advance impurity step advance Ile/Leu 3% 成長速度への影響小 3% Ile/Leu 成長速度急激に低下 Fig. 12 Crystal growth inhibition mechanism by impurities. Case A β γ α crystal surface Leu DMBS (011) Case B チル基は, この位置にさらに Leu や DMBS が接近しようとすると, メチル基との間に立体障害を起こすため, 成長を阻害すると考えられる. 夾雑物としての Ile はこのような機構で成長速度の抑制に寄与していると考えられ, このような考え方は Tailormade additive による成長抑制と分類されている 10,12). Tailor-made additive では今回の Leu と Ile の関係のように, ホスト分子に非常によく似た添加物を加えると, その添加物の結晶への取り込まれ方が面により異なるために, その成長速度の抑制にも違いが現れる. そこで, この添加物の種類を選定することで, 結晶形状の制御への展開が可能にするというものである 13). 5. まとめ 以上の様にアミノ酸の結晶形状は夾雑物によって影響を受ける. その機構としては結晶表面に夾雑物の分子が取り込まれ, 成長を阻害しているためと考えられる. またこれらの機構は結晶構造とも密接な関係を持っていると考えられる. そのため結晶構造と成長速度等の解析を通じて, 夾雑物による成長速度への影響や, その結果生じる形状変化の推定にもつながるものと考える. 参考文献 crystal surface DMBS 1) P. M. Hardy: Chemistry and Biochemistry of the Amino Acids, G. C. Barrett ed., Chaoman and Hall, NY, ) Chiaki Sano, Nobuya Nagashima, Tetsuya Kawakita, and Yoichi Iitaka: Journal of Crystal Growth, 99 (1990) ) Chiaki Sano, Nobuya Nagashima, Tetsuya Kawakita, and Yoichi Iitaka: Analytical Science Feb., 5 (1989) 121 4) M. M. Harding and R. M. Howiesom: Acta Cryst., B32 (1976) 633 5) K. Torii and Y. Iitaka: Acta Cryst., B27 (1971) 2237 α β γ Leu (011) Fig. 13 Molecular steric hindrance difference by molecular direction. CaseA: Ile cannot replace Leu CaseB: Ile can replace Leu 日本結晶成長学会誌 Vol. 41, No. 4, 2014

7 6) K. Torii and Y. Iitaka: Acta Cryst., B26 (1970) ) D. Nagai: Japan patent No., (1965) 8) K. Hasegawa, K. Ishikawa, R. Kawaoka, C. Sano, K. Iitani, H. Komatsu, and N. Nagashima: Acta Cryst., C54 (1998) ) T. Nakai: Shoseki Kogaku, ) I. Weissbuch, L. Addadi, M. Lahav, and L. Leiserowits: Science, 253 (1991) ) R. J. Davey and J. W. Mullin: Journal of Crystal Growth, 26 (1974) 45 12) S. N. Black, R. J. Davey, and M. halcrow: Journal of Crystal Growth, 79 (1986) ) J. L. Wang, Z. Berkovitch-Yellin, and L. Leiserowits: Acta Cryst., B41 (1985) 341 (2014 年 10 月 20 日受理 ) 日本結晶成長学会誌 Vol. 41, No. 4,

スライド 1

スライド 1 タンパク質 ( 生化学 1) 平成 29 年 4 月 20 日病態生化学分野 分子酵素化学分野教授 山縣和也 生化学 1のスケジュール 4 月 20 日 講義開始 6 月 1 日 中間試験 9 月 25 日 生化学 1 試験 講義日程 内容は一部変更があります 講義資料 ( 山縣 吉澤分 ): 熊本大学病態生化学 で検索 ID: Biochem2 パスワード :76TgFD3Xc 生化学 1 の合否判定は

More information

p.1127 Chapter 22 Amino Acids, Peptides, and Proteins p.1128 p.1128 Amino acid Peptide Amino acid p.1132 p.1128 p.1129 p.1129 p.1129 p.1130 p.1130 p.1130 p.1130 p.1130 p.1130 p.1130 p.1130 p.1130 p.1130

More information

本日の内容 HbA1c 測定方法別原理と特徴 HPLC 法 免疫法 酵素法 原理差による測定値の乖離要因

本日の内容 HbA1c 測定方法別原理と特徴 HPLC 法 免疫法 酵素法 原理差による測定値の乖離要因 HbA1c 測定系について ~ 原理と特徴 ~ 一般社団法人日本臨床検査薬協会 技術運営委員会副委員長 安部正義 本日の内容 HbA1c 測定方法別原理と特徴 HPLC 法 免疫法 酵素法 原理差による測定値の乖離要因 HPLC 法 HPLC 法原理 高速液体クロマトグラフィー 混合物の分析法の一つ 固体または液体の固定相 ( 吸着剤 ) 中で 液体または気体の移動相 ( 展開剤 ) に試料を加えて移動させ

More information

スライド 1

スライド 1 生化学への導入 平成 30 年 4 月 12 日 病態生化学分野教授 ( 生化学 2) 山縣和也 生化学とは 細胞の化学的構成成分 およびそれらが示す化学反応と代謝機序を取り扱う学問 ハーパー生化学 生化学 1 生化学 2 生化学 炭水化物 / 糖 脂質 アミノ酸について勉強します 糖 脂質生化学 2 脂質 アミノ酸 核酸 生化学 1 生化学と医学は密接に関係する 炭水化物 脂質 生化学 蛋白質 核酸

More information

ウェブ23Brev2

ウェブ23Brev2 23B 23B.1 23B.1.1 23B.1.2 23B.2 23B.2.1 23B.2.2 a b 23B.3 23B.3.1 23B.3.2 23B.4 23B.4.1 23B.4.2 23B.4.3 23B.5 23B.5.1 23B.5.2 23B.6 23B.6.1 a b c Edman d e 23B.6.2 23B.6.3 23B.7 23B.7.1 a b c 23B.7.2 23B.7.3

More information

ナノの技術をバイオに応用

ナノの技術をバイオに応用 本日まで お試し期間 なので 出席は取りません 現代生物学概論 2 遺伝子 ( プログラム ) と蛋白質 ( ナノマシン ) 先進理工学科 化学生物学研究室 准教授 生体機能システムコース 瀧真清 1 本日の概要 : 蛋白質生合成の全スキーム D から蛋白質への情報の流れ アミノ酸から蛋白質への物質の流れ 転写 D 本日は詳細は省略 アミノアシル tr 合成酵素 (RS) 翻訳 mr コドンーアンチコドンの対合

More information

木村の有機化学小ネタ セルロース系再生繊維 再生繊維セルロースなど天然高分子物質を化学的処理により溶解後, 細孔から押し出し ( 紡糸 という), 再凝固させて繊維としたもの セルロース系の再生繊維には, ビスコースレーヨン, 銅アンモニア

木村の有機化学小ネタ   セルロース系再生繊維 再生繊維セルロースなど天然高分子物質を化学的処理により溶解後, 細孔から押し出し ( 紡糸 という), 再凝固させて繊維としたもの セルロース系の再生繊維には, ビスコースレーヨン, 銅アンモニア セルロース系再生繊維 再生繊維セルロースなど天然高分子物質を化学的処理により溶解後, 細孔から押し出し ( 紡糸 という), 再凝固させて繊維としたもの セルロース系の再生繊維には, ビスコースレーヨン, 銅アンモニアレーヨンがあり, タンパク質系では, カゼイン, 大豆タンパク質, 絹の糸くず, くず繭などからの再生繊維がある これに対し, セルロースなど天然の高分子物質の誘導体を紡糸して繊維としたものを半合成繊維と呼び,

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 酵素 : タンパク質の触媒 タンパク質 Protein 酵素 Enzyme 触媒 Catalyst 触媒 Cataylst: 特定の化学反応の反応速度を速める物質 自身は反応の前後で変化しない 酵素 Enzyme: タンパク質の触媒 触媒作用を持つタンパク質 第 3 回 : タンパク質はアミノ酸からなるポリペプチドである 第 4 回 : タンパク質は様々な立体構造を持つ 第 5 回 : タンパク質の立体構造と酵素活性の関係

More information

東京理科大学 Ⅰ 部化学研究部 2015 年度春輪講書 シクロデキストリンを用いた 包接化合物の生成 水曜班 Ikemura, M.(2C),Ebihara, K.(2C), Kataoka, T.(2K), Shibasaki,K.(2OK),Tsumeda,T.(2C),Naka,A.(2OK)

東京理科大学 Ⅰ 部化学研究部 2015 年度春輪講書 シクロデキストリンを用いた 包接化合物の生成 水曜班 Ikemura, M.(2C),Ebihara, K.(2C), Kataoka, T.(2K), Shibasaki,K.(2OK),Tsumeda,T.(2C),Naka,A.(2OK) 東京理科大学 Ⅰ 部化学研究部 2015 年度春輪講書 シクロデキストリンを用いた 包接化合物の生成 水曜班 Ikemura, M.(2C),Ebihara, K.(2C), Kataoka, T.(2K), Shibasaki,K.(2OK),Tsumeda,T.(2C),Naka,A.(2OK),Murakoshi,R.(2OK), Okawa,T.(2C),Noguchi,A.(2K),Sekiguchi,K.(2K),Hashimoto,Y.(2C)

More information

平成27年度 前期日程 化学 解答例

平成27年度 前期日程 化学 解答例 受験番号 平成 27 年度前期日程 化学 ( その 1) 解答用紙 工学部 応用化学科 志願者は第 1 問 ~ 第 4 問を解答せよ 農学部 生物資源科学科, 森林科学科 志願者は第 1 問と第 2 問を解答せよ 第 1 問 [ 二酸化炭素が発生する反応の化学反応式 ] 点 NaHCO 3 + HCl NaCl + H 2 O + CO 2 CO 2 の物質量を x mol とすると, 気体の状態方程式より,

More information

B. モル濃度 速度定数と化学反応の速さ 1.1 段階反応 ( 単純反応 ): + I HI を例に H ヨウ化水素 HI が生成する速さ は,H と I のモル濃度をそれぞれ [ ], [ I ] [ H ] [ I ] に比例することが, 実験により, わかっている したがって, 比例定数を k

B. モル濃度 速度定数と化学反応の速さ 1.1 段階反応 ( 単純反応 ): + I HI を例に H ヨウ化水素 HI が生成する速さ は,H と I のモル濃度をそれぞれ [ ], [ I ] [ H ] [ I ] に比例することが, 実験により, わかっている したがって, 比例定数を k 反応速度 触媒 速度定数 反応次数について. 化学反応の速さの表し方 速さとは単位時間あたりの変化の大きさである 大きさの値は 0 以上ですから, 速さは 0 以上の値をとる 化学反応の速さは単位時間あたりの物質のモル濃度変化の大きさで表すのが一般的 たとえば, a + bb c (, B, は物質, a, b, c は係数 ) という反応において,, B, それぞれの反応の速さを, B, とし,

More information

<4D F736F F F696E74202D2091E682508FCD E836D8E5F82C6835E E8EBF205B8CDD8AB B83685D>

<4D F736F F F696E74202D2091E682508FCD E836D8E5F82C6835E E8EBF205B8CDD8AB B83685D> 生物有機化学 教科書 : マクマリー 生物有機化学生化学編 rganic and biological chemistrybiochemistry 生物 ( 生命 ) をより深く理解する 分子レベルで = 有機化学的に 地球の凄さ水 + 空気の世界 ( 2, 2 ) 水 : 酵素反応の溶媒 ( 反応の場を提供 ) ものを溶かす ( 物質によって溶解性は違う ) Why? 水 : 酵素反応の溶媒 (

More information

53nenkaiTemplate

53nenkaiTemplate デンドリマー構造を持つアクリルオリゴマー 大阪有機化学工業 ( 株 ) 猿渡欣幸 < はじめに > アクリル材料の開発は 1970 年ごろから UV 硬化システムの確立とともに急速に加速した 現在 UV 硬化システムは電子材料において欠かせないものとなっており その用途はコーティング 接着 封止 パターニングなど多岐にわたっている アクリル材料による UV 硬化システムは下記に示す長所と短所がある

More information

フォルハルト法 NH SCN の標準液または KSCN の標準液を用い,Ag または Hg を直接沈殿滴定する方法 および Cl, Br, I, CN, 試料溶液に Fe SCN, S 2 を指示薬として加える 例 : Cl の逆滴定による定量 などを逆滴定する方法をいう Fe を加えた試料液に硝酸

フォルハルト法 NH SCN の標準液または KSCN の標準液を用い,Ag または Hg を直接沈殿滴定する方法 および Cl, Br, I, CN, 試料溶液に Fe SCN, S 2 を指示薬として加える 例 : Cl の逆滴定による定量 などを逆滴定する方法をいう Fe を加えた試料液に硝酸 沈殿滴定とモール法 沈殿滴定沈殿とは溶液に試薬を加えたり加熱や冷却をしたとき, 溶液から不溶性固体が分離する現象, またはその不溶性固体を沈殿という 不溶性固体は, 液底に沈んでいいても微粒子 ( コロイド ) として液中を浮遊していても沈殿と呼ばれる 沈殿滴定とは沈殿が生成あるいは消失する反応を利用した滴定のことをいう 沈殿が生成し始めた点, 沈殿の生成が完了した点, または沈殿が消失した点が滴定の終点となる

More information

Decomposition and Separation Characteristics of Organic Mud in Kaita Bay by Alkaline and Acid Water TOUCH NARONG Katsuaki KOMAI, Masataka IMAGAWA, Nar

Decomposition and Separation Characteristics of Organic Mud in Kaita Bay by Alkaline and Acid Water TOUCH NARONG Katsuaki KOMAI, Masataka IMAGAWA, Nar Decomposition and Separation Characteristics of Organic Mud in Kaita Bay by Alkaline and Acid Water TOUCH NARONG Katsuaki KOMAI, Masataka IMAGAWA, Narong TOUCH and Tadashi HIBINO Aggravation of water qualities

More information

untitled

untitled インクジェットを利用した微小液滴形成における粘度及び表面張力が与える影響 色染化学チーム 向井俊博 要旨インクジェットとは微小な液滴を吐出し, メディアに対して着滴させる印刷方式の総称である 現在では, 家庭用のプリンターをはじめとした印刷分野以外にも, 多岐にわたる産業分野において使用されている技術である 本報では, 多価アルコールや界面活性剤から成る様々な物性値のインクを吐出し, マイクロ秒オーダーにおける液滴形成を観察することで,

More information

平成 29 年度大学院博士前期課程入学試験問題 生物工学 I 基礎生物化学 生物化学工学から 1 科目選択ただし 内部受験生は生物化学工学を必ず選択すること 解答には 問題ごとに1 枚の解答用紙を使用しなさい 余った解答用紙にも受験番号を記載しなさい 試験終了時に回収します 受験番号

平成 29 年度大学院博士前期課程入学試験問題 生物工学 I 基礎生物化学 生物化学工学から 1 科目選択ただし 内部受験生は生物化学工学を必ず選択すること 解答には 問題ごとに1 枚の解答用紙を使用しなさい 余った解答用紙にも受験番号を記載しなさい 試験終了時に回収します 受験番号 平成 29 年度大学院博士前期課程入学試験問題 生物工学 I から 1 科目選択ただし 内部受験生はを必ず選択すること 解答には 問題ごとに1 枚の解答用紙を使用しなさい 余った解答用紙にも受験番号を記載しなさい 試験終了時に回収します 受験番号 問題 1. ( 配点率 33/100) 生体エネルギーと熱力学に関する以下の問に答えなさい (1) 細胞内の反応における ATP 加水分解時の実際の自由エネルギー変化

More information

(Microsoft Word - \230a\225\266IChO46-Preparatory_Q36_\211\374\202Q_.doc)

(Microsoft Word - \230a\225\266IChO46-Preparatory_Q36_\211\374\202Q_.doc) 問題 36. 鉄 (Ⅲ) イオンとサリチルサリチル酸の錯形成 (20140304 修正 : ピンク色の部分 ) 1. 序論この簡単な実験では 水溶液中での鉄 (Ⅲ) イオンとサリチル酸の錯形成を検討する その錯体の実験式が求められ その安定度定数を見積もることができる 鉄 (Ⅲ) イオンとサリチル酸 H 2 Sal からなる安定な錯体はいくつか知られている それらの構造と組成はpHにより異なる 酸性溶液では紫色の錯体が生成する

More information

Problem P5

Problem P5 問題 P5 メンシュトキン反応 三級アミンとハロゲン化アルキルの間の求核置換反応はメンシュトキン反応として知られている この実験では DABCO(1,4 ジアザビシクロ [2.2.2] オクタン というアミンと臭化ベンジルの間の反応速度式を調べる N N Ph Br N N Br DABCO Ph DABCO 分子に含まれるもう片方の窒素も さらに他の臭化ベンジルと反応する可能性がある しかし この実験では

More information

木村の理論化学小ネタ 理想気体と実在気体 A. 標準状態における気体 1mol の体積 標準状態における気体 1mol の体積は気体の種類に関係なく 22.4L のはずである しかし, 実際には, その体積が 22.4L より明らかに小さい

木村の理論化学小ネタ   理想気体と実在気体 A. 標準状態における気体 1mol の体積 標準状態における気体 1mol の体積は気体の種類に関係なく 22.4L のはずである しかし, 実際には, その体積が 22.4L より明らかに小さい 理想気体と実在気体 A. 標準状態における気体 1mol の体積 標準状態における気体 1mol の体積は気体の種類に関係なく.4L のはずである しかし, 実際には, その体積が.4L より明らかに小さい気体も存在する このような気体には, 気体分子に, 分子量が大きい, 極性が大きいなどの特徴がある そのため, 分子間力が大きく, 体積が.4L より小さくなる.4L とみなせる実在気体 H :.449

More information

技術2本文.indd

技術2本文.indd 35 カチオン交換型ミックスモードゲル TOYOPEARL MX-Trp-650M の性能 バイオサイエンス事業部 開発部セパレーションセンター 久保雄二 中村孝司 1. 背景近年 バイオ医薬品の中でも免疫グロブリン G(IgG) を中心とした抗体医薬に対する需要の増加は特に著しい その抗体医薬品の成功に伴い 生産工程の第一段階である培養工程において 抗体の発現量が増加している その結果 生産工程の第二段階である精製工程においても

More information

スライド 1

スライド 1 酸と塩基 代謝概要 平成 25 年 4 月 15 日 病態生化学分野 ( 生化学 2) 教授 山縣和也 本日の学習の目標 ヘンダーソン ハッセルバルヒの式を理解する アミノ酸の電荷について理解する 自由エネルギーについて理解する 1. 酸と塩基 2. 代謝概要 ( 反応速度について ) 生体内の反応の多くに酸 塩基反応が関わっている またアミノ酸や核酸は酸や塩基の性質を示す 酸 Acid 塩基 Base

More information

Alcian blue染色 Elastica Van Gieson染色

Alcian blue染色 Elastica Van Gieson染色 Alcian blue 染色 平成 19 年度基礎講座 目的 Alcian blue 染色 生体に存在する酸性ムコ物質を検出する方法として広く用いられている 酸性ムコ物質はカルボキシル基を有するヒアルロン酸 硫酸基を有するコンドロイチン硫酸 ムコイチン硫酸 ケラト硫酸 ヘパリンなどの 2 つのグループに分類される Alcian blue 染色液の ph 値を調節することにより その 2 種類の酸性ムコ物質を染め分けることができる

More information

Concept -02-

Concept -02- Concept -02- 理想の体 最高の自分を目指すため 男たちは己を鍛え上げる 自分との闘いに勝ち限界を超え さらなる高みを目指す男たちをサポートしたい 半世紀にわたり食品添加物を作り続けるプロ集団が贈る最強のサプリメント 鍛え抜かれた体のその先へ -03- Item / Protein より純度の高い体を目指す それにはより純度の高いプロテインが必要 老舗だからこその徹底した品質管理と 高品質の原料調達により生み出された最高のプロテイン

More information

Microsoft PowerPoint 説明資料(きのこを活用してGABA富化素材を作る)林産試験場

Microsoft PowerPoint 説明資料(きのこを活用してGABA富化素材を作る)林産試験場 きのこを活用して GABA 富化素材を作る 説明内容 はじめに きのこと GABA のこと 本技術の開発と技術内容 GABA に着目した理由 きのこのGABA 生産能素材の機能性評価素材生産プロセスの効率化 本技術の活用 素材の多様化 用途企業等への期待 課題 展開 施設栽培により生産されているきのこ GABA( ギャバ ) の機能性 血圧上昇抑制精神安定成長ホルモン分泌促進その他記憶学習促進体重低減血中の中性脂肪低減

More information

sample リチウムイオン電池の 電気化学測定の基礎と測定 解析事例 右京良雄著 本書の購入は 下記 URL よりお願い致します 情報機構 sample

sample リチウムイオン電池の 電気化学測定の基礎と測定 解析事例 右京良雄著 本書の購入は 下記 URL よりお願い致します   情報機構 sample sample リチウムイオン電池の 電気化学測定の基礎と測定 解析事例 右京良雄著 本書の購入は 下記 URL よりお願い致します http://www.johokiko.co.jp/ebook/bc140202.php 情報機構 sample はじめに リチウムイオン電池は エネルギー密度や出力密度が大きいことなどから ノートパソコンや携帯電話などの電源として あるいは HV や EV などの自動車用動力源として用いられるようになってきている

More information

報道関係者各位 平成 24 年 4 月 13 日 筑波大学 ナノ材料で Cs( セシウム ) イオンを結晶中に捕獲 研究成果のポイント : 放射性セシウム除染の切り札になりうる成果セシウムイオンを効率的にナノ空間 ナノの檻にぴったり収容して捕獲 除去 国立大学法人筑波大学 学長山田信博 ( 以下 筑

報道関係者各位 平成 24 年 4 月 13 日 筑波大学 ナノ材料で Cs( セシウム ) イオンを結晶中に捕獲 研究成果のポイント : 放射性セシウム除染の切り札になりうる成果セシウムイオンを効率的にナノ空間 ナノの檻にぴったり収容して捕獲 除去 国立大学法人筑波大学 学長山田信博 ( 以下 筑 報道関係者各位 平成 24 年 4 月 13 日 筑波大学 ナノ材料で Cs( セシウム ) イオンを結晶中に捕獲 研究成果のポイント : 放射性セシウム除染の切り札になりうる成果セシウムイオンを効率的にナノ空間 ナノの檻にぴったり収容して捕獲 除去 国立大学法人筑波大学 学長山田信博 ( 以下 筑波大学 という ) 数理物質系 系長三明康郎 守友浩教授は プルシャンブルー類似体を用いて 水溶液中に溶けている

More information

Microsoft Word - 化学構造式集 doc

Microsoft Word - 化学構造式集 doc 酸素官能のアミノ化合物 (xygen-function amino-compounds.) (A) アミノアルコール並びにそのエーテル及びエステル並びにこれらの塩 (Amino-alcohols, their ethers and esters, salts thereof) (1) モノエタノールアミン (Monoethanolamine) (2) ジエタノールアミン (Diethanolamine)

More information

化学 1( 応用生物 生命健康科 現代教育学部 ) ( 解答番号 1 ~ 29 ) Ⅰ 化学結合に関する ⑴~⑶ の文章を読み, 下の問い ( 問 1~5) に答えよ ⑴ 塩化ナトリウム中では, ナトリウムイオン Na + と塩化物イオン Cl - が静電気的な引力で結び ついている このような陽イ

化学 1( 応用生物 生命健康科 現代教育学部 ) ( 解答番号 1 ~ 29 ) Ⅰ 化学結合に関する ⑴~⑶ の文章を読み, 下の問い ( 問 1~5) に答えよ ⑴ 塩化ナトリウム中では, ナトリウムイオン Na + と塩化物イオン Cl - が静電気的な引力で結び ついている このような陽イ 化学 1( 応用生物 生命健康科 現代教育学部 ) ( 解答番号 1 ~ 29 ) Ⅰ 化学結合に関する ⑴~⑶ の文章を読み, 下の問い ( 問 1~5) に答えよ ⑴ 塩化ナトリウム中では, ナトリウムイオン Na + と塩化物イオン Cl - が静電気的な引力で結び ついている このような陽イオンと陰イオンの静電気的な引力による結合を 1 1 という ⑵ 2 個の水素原子は, それぞれ1 個の価電子を出し合い,

More information

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル 60 秒でわかるプレスリリース 2007 年 12 月 17 日 独立行政法人理化学研究所 免疫の要 NF-κB の活性化シグナルを増幅する機構を発見 - リン酸化酵素 IKK が正のフィーッドバックを担当 - 身体に病原菌などの異物 ( 抗原 ) が侵入すると 誰にでも備わっている免疫システムが働いて 異物を認識し 排除するために さまざまな反応を起こします その一つに 免疫細胞である B 細胞が

More information

indd

indd * * * * * * * 要旨 : キーワード : 1. はじめに 2. 融雪 融氷剤による物理 化学的劣化現象の特徴 393 Table 1 Chemical compositions of ordinary Portland cement and crushed andesitic stone(%) * * * * Table 2 Types of alkaline and alkaline

More information

CERT化学2013前期_問題

CERT化学2013前期_問題 [1] から [6] のうち 5 問を選んで解答用紙に解答せよ. いずれも 20 点の配点である.5 問を超えて解答した場合, 正答していれば成績評価に加算する. 有効数字を適切に処理せよ. 断りのない限り大気圧は 1013 hpa とする. 0 C = 273 K,1 cal = 4.184 J,1 atm = 1013 hpa = 760 mmhg, 重力加速度は 9.806 m s 2, 気体

More information

コロイド化学と界面化学

コロイド化学と界面化学 環境表面科学講義 http://res.tagen.tohoku.ac.jp/~liquid/mura/kogi/kaimen/ E-mail: mura@tagen.tohoku.ac.jp 村松淳司 分散と凝集 ( 平衡論的考察! 凝集! van der Waals 力による相互作用! 分散! 静電的反発力 凝集 分散! 粒子表面の電位による反発 分散と凝集 考え方! van der Waals

More information

els05.pdf

els05.pdf Web で学ぶ 平滑表面上に形成された高分子電解質積層膜のゼータ電位 本資料の掲載情報は, 著作権により保護されています 本情報を商業利用を目的として, 販売, 複製または改ざんして利用することはできません 540-0021 1 2 TEL.(06)6910-6522 192-0082 1-6 LK TEL.(042)644-4951 980-0021 TEL.(022)208-9645 460-0008

More information

生理学 1章 生理学の基礎 1-1. 細胞の主要な構成成分はどれか 1 タンパク質 2 ビタミン 3 無機塩類 4 ATP 第5回 按マ指 (1279) 1-2. 細胞膜の構成成分はどれか 1 無機りん酸 2 リボ核酸 3 りん脂質 4 乳酸 第6回 鍼灸 (1734) E L 1-3. 細胞膜につ

生理学 1章 生理学の基礎 1-1. 細胞の主要な構成成分はどれか 1 タンパク質 2 ビタミン 3 無機塩類 4 ATP 第5回 按マ指 (1279) 1-2. 細胞膜の構成成分はどれか 1 無機りん酸 2 リボ核酸 3 りん脂質 4 乳酸 第6回 鍼灸 (1734) E L 1-3. 細胞膜につ の基礎 1-1. 細胞の主要な構成成分はどれか 1 タンパク質 2 ビタミン 3 無機塩類 4 ATP 第5回 (1279) 1-2. 細胞膜の構成成分はどれか 1 無機りん酸 2 リボ核酸 3 りん脂質 4 乳酸 第6回 (1734) 1-3. 細胞膜について正しい記述はどれか 1 糖脂質分子が規則正しく配列している 2 イオンに対して選択的な透過性をもつ 3 タンパク質分子の二重層膜からなる 4

More information

練習問題

練習問題 生物有機化学 練習問題 ( はじめに ) 1 以下の各問題中で 反応機構を書け ということは 電子の流れを曲がった矢印を用いて説明せよ ということである 単純に生成物を書くだけでは正答とはならない 2 で表される結合は 立体異性体の混合物であることを表す 3 反応式を表す矢印 ( ) に書かれている試薬に番号が付いている場合 1. の試薬 を十分に反応させた後に 2. の試薬を加えることを表す 例えば

More information

Microsoft PowerPoint - SDF2007_nakanishi_2.ppt[読み取り専用]

Microsoft PowerPoint - SDF2007_nakanishi_2.ppt[読み取り専用] ばらつきの計測と解析技術 7 年 月 日設計基盤開発部先端回路技術グループ中西甚吾 内容. はじめに. DMA(Device Matrix Array)-TEG. チップ間 チップ内ばらつきの比較. ばらつきの成分分離. 各ばらつき成分の解析. まとめ . はじめに 背景 スケーリングにともない さまざまなばらつきの現象が顕著化しており この先ますます設計困難化が予想される EDA ツール 回路方式

More information

Microsoft PowerPoint マクロ生物学9

Microsoft PowerPoint マクロ生物学9 マクロ生物学 9 生物は様々な化学反応で動いている 大阪大学工学研究科応用生物工学専攻細胞動態学領域 : 福井希一 1 生物の物質的基盤 Deleted based on copyright concern. カープ分子細胞生物学 より 2 8. 生物は様々な化学反応で動い ている 1. 生命の化学的基礎 2. 生命の物理法則 3 1. 生命の化学的基礎 1. 結合 2. 糖 脂質 3. 核酸 4.

More information

TDM研究 Vol.26 No.2

TDM研究 Vol.26 No.2 測定した また Scrは酵素法にて測定し その参考基 r =0.575 p

More information

第6回 糖新生とグリコーゲン分解

第6回 糖新生とグリコーゲン分解 第 6 回糖新生とグリコーゲン分解 日紫喜光良 基礎生化学講義 2018.5.15 1 主な項目 I. 糖新生と解糖系とで異なる酵素 II. 糖新生とグリコーゲン分解の調節 III. アミノ酸代謝と糖新生の関係 IV. 乳酸 脂質代謝と糖新生の関係 2 糖新生とは グルコースを新たに作るプロセス グルコースが栄養源として必要な臓器にグルコースを供給するため 脳 赤血球 腎髄質 レンズ 角膜 精巣 運動時の筋肉

More information

Word Pro - matome_7_酸と塩基.lwp

Word Pro - matome_7_酸と塩基.lwp 酸と 酸と 酸 acid 亜硫酸 pka =.6 pka =.9 酸 acid ( : 酸, すっぱいもの a : 酸の, すっぱい ) 酸性 p( ) 以下 酸っぱい味 ( 酸味 ) を持つ リトマス ( ) BTB( ) 金属と反応して ( ) を発生 ( 例 )Z l Zl リン酸 P pka =.5 pka =. pka =.8 P P P P P P P 酸性のもと 水素イオン 塩化水素

More information

生物学に関する実験例 - 生化学 / 医療に関する実験例 ラジオアッセイ法によるホルモン測定 [ 目的 ] 本実習では, 放射免疫測定 (Radioimmunoassay,RIA) 法による血中インスリンとイムノラジオメトリックアッセイ ( 免疫放射定測定 Immunoradiometric ass

生物学に関する実験例 - 生化学 / 医療に関する実験例 ラジオアッセイ法によるホルモン測定 [ 目的 ] 本実習では, 放射免疫測定 (Radioimmunoassay,RIA) 法による血中インスリンとイムノラジオメトリックアッセイ ( 免疫放射定測定 Immunoradiometric ass 生物学に関する実験例 - 生化学 / 医療に関する実験例 ラジオアッセイ法によるホルモン測定 [ 目的 ] 本実習では, 放射免疫測定 (Radioimmunoassay,RIA) 法による血中インスリンとイムノラジオメトリックアッセイ ( 免疫放射定測定 Immunoradiometric assay, IRMA) 法による血清中のレニンを定量を通して 今日用いられている種々のインビトロ検査法の原理並びに両者の違い等を理解する

More information

untitled

untitled 2000 (1257) 2001 (1504) 2002 (1427) 2003 (1948) 2004 (2872) 2005 (2424) 2006 (1765) Case1A Case1B Case2A Case2B Case3A Case3B or \ \ \ \

More information

血糖値 (mg/dl) 血中インスリン濃度 (μu/ml) パラチノースガイドブック Ver.4. また 2 型糖尿病のボランティア 1 名を対象として 健康なボランティアの場合と同様の試験が行われています その結果 図 5 に示すように 摂取後 6 分までの血糖値および摂取後 9 分までのインスリ

血糖値 (mg/dl) 血中インスリン濃度 (μu/ml) パラチノースガイドブック Ver.4. また 2 型糖尿病のボランティア 1 名を対象として 健康なボランティアの場合と同様の試験が行われています その結果 図 5 に示すように 摂取後 6 分までの血糖値および摂取後 9 分までのインスリ 血糖値 (mg/dl) 血中インスリン濃度 (μu/ml) パラチノースガイドブック Ver.4. 7. 摂取後の血糖値変化 パラチノースは小腸のイソマルターゼにより グルコースとフルクトースに分解され消化吸収されます この酵素反応はゆっくり進むため パラチノースの消化吸収速度は遅く スクロースの約 1/5 とされています 18) パラチノースは摂取した際の血液中へのグルコースの流入が穏やかであり

More information

第6回 糖新生とグリコーゲン分解

第6回 糖新生とグリコーゲン分解 第 6 回糖新生とグリコーゲン分解 日紫喜光良 基礎生化学講義 2014.06.3 1 主な項目 I. 糖新生と解糖系とで異なる酵素 II. 糖新生とグリコーゲン分解の調節 III. アミノ酸代謝と糖新生の関係 IV. 乳酸 脂質代謝と糖新生の関係 2 糖新生とは グルコースを新たに作るプロセス グルコースが栄養源として必要な臓器にグルコースを供給するため 脳 赤血球 腎髄質 レンズ 角膜 精巣 運動時の筋肉

More information

Vol.-ICS-6 No.3 /3/8 Input.8.6 y.4 Fig....5 receptive field x 3 w x y Machband w(x =

Vol.-ICS-6 No.3 /3/8 Input.8.6 y.4 Fig....5 receptive field x 3 w x y Machband w(x = DOG(Difference of two Gaussians 8 A feedback model for the brightness illusion Shoji Nodasaka and Asaki Saito We consider mechanism of the Hermann grid. The mechanism is usually explained by effects of

More information

木村の理論化学小ネタ 熱化学方程式と反応熱の分類発熱反応と吸熱反応化学反応は, 反応の前後の物質のエネルギーが異なるため, エネルギーの出入りを伴い, それが, 熱 光 電気などのエネルギーの形で現れる とくに, 化学変化と熱エネルギーの関

木村の理論化学小ネタ   熱化学方程式と反応熱の分類発熱反応と吸熱反応化学反応は, 反応の前後の物質のエネルギーが異なるため, エネルギーの出入りを伴い, それが, 熱 光 電気などのエネルギーの形で現れる とくに, 化学変化と熱エネルギーの関 熱化学方程式と反応熱の分類発熱反応と吸熱反応化学反応は, 反応の前後の物質のエネルギーが異なるため, エネルギーの出入りを伴い, それが, 熱 光 電気などのエネルギーの形で現れる とくに, 化学変化と熱エネルギーの関係を扱う化学の一部門を熱化学という 発熱反応反応前の物質のエネルギー 大ネルギ熱エネルギーー小エ反応後の物質のエネルギー 吸熱反応 反応後の物質のエネルギー 大ネルギー熱エネルギー小エ反応前の物質のエネルギー

More information

Microsoft PowerPoint - D.酸塩基(2)

Microsoft PowerPoint - D.酸塩基(2) D. 酸塩基 (2) 1. 多塩基酸の ph 2. 塩の濃度と ph 3. 緩衝溶液と ph 4. 溶解度積と ph 5. 酸塩基指示薬 D. 酸塩基 (2) 1. 多塩基酸の ph 1. 多塩基酸の ph (1) 硫酸 H 2 SO 4 ( 濃度 C) 硫酸 H 2 SO 4 は2 段階で電離する K (C) (C) K a1 [H+ ][HSO 4 ] [H 2 SO 4 ] 10 5 第 1

More information

ⅱ カフェイン カテキン混合溶液投与実験方法 1 マウスを茶抽出液 2g 3g 4g 相当分の3つの実験群と対照群にわける 各群のマウスは 6 匹ずつとし 合計 24 匹を使用 2 実験前 8 時間絶食させる 3 各マウスの血糖値の初期値を計測する 4 それぞれ茶抽出液 2g 3g 4g 分のカフェ

ⅱ カフェイン カテキン混合溶液投与実験方法 1 マウスを茶抽出液 2g 3g 4g 相当分の3つの実験群と対照群にわける 各群のマウスは 6 匹ずつとし 合計 24 匹を使用 2 実験前 8 時間絶食させる 3 各マウスの血糖値の初期値を計測する 4 それぞれ茶抽出液 2g 3g 4g 分のカフェ 第 26 回山崎賞 7 マウスにおける茶と血糖値変化の関係第 4 報 カフェイン カテキン混合溶液投与実験 静岡県立清水東高等学校理数科ネズミ班 2 年横道萌井鍋寛伸加藤夕利奈水野春花望月琴美 1. 実験の動機 目的血糖値の変化は私たちの健康と密接な関わりあいを持っている 近年では 糖の過剰摂取による慢性的な高血糖による糖尿病が社会問題になっている また 低血糖は目眩や昏睡を引き起こす 3 年前の先輩たちは血糖値の変化に着目し

More information

<4D F736F F D2095BD90AC E93788D4C88E689C88A778BB389C88BB388E78A778CA48B868C6F94EF95F18D908F912E646F6378>

<4D F736F F D2095BD90AC E93788D4C88E689C88A778BB389C88BB388E78A778CA48B868C6F94EF95F18D908F912E646F6378> 平成 25 年度広域科学教科教育学研究経費報告書 研究課題 過酸化水素分解反応を利用した物理化学的考察に関する基礎検討 研究代表者 : 國仙久雄 研究メンバー : 生尾光 1. 緒言本申請で扱う鉄イオンを触媒とした過酸化水素分解反応速度に関する内容は高等学校 化学 で 発展 に含まれ 必ずしも全ての教科書で取り上げられない内容である しかしながら この化学反応を利用した実験を行うことで 化学を学習する際に重要な化学反応に関する物理化学的実験と思考法の獲得に関するプログラムの開発が可能となる

More information

Fig. 3 Flow diagram of image processing. Black rectangle in the photo indicates the processing area (128 x 32 pixels).

Fig. 3 Flow diagram of image processing. Black rectangle in the photo indicates the processing area (128 x 32 pixels). Fig. 1 The scheme of glottal area as a function of time Fig. 3 Flow diagram of image processing. Black rectangle in the photo indicates the processing area (128 x 32 pixels). Fig, 4 Parametric representation

More information

248 Nippon Shokuhin Kagaku Kogaku Kaishi Vol. /-, No./,,.2,/. (,**0) 12 * * * Microencapsulation of Glutamine with Zein by a Solvent Evaporation Metho

248 Nippon Shokuhin Kagaku Kogaku Kaishi Vol. /-, No./,,.2,/. (,**0) 12 * * * Microencapsulation of Glutamine with Zein by a Solvent Evaporation Metho 248 Nippon Shokuhin Kagaku Kogaku Kaishi Vol. /-, No./,,.2,/. (,**0) 12 * * * Microencapsulation of Glutamine with Zein by a Solvent Evaporation Method in Reverse Multiple Emulsion Masato Tanaka*, Yoshinari

More information

<4D F736F F D CB48D655F94928D95445F90488E9690DB8EE68AEE8F802E646F63>

<4D F736F F D CB48D655F94928D95445F90488E9690DB8EE68AEE8F802E646F63> 日本人の食事摂取基準 ( 概要 )( 抜粋 ) 1 策定の目的食事摂取基準は 健康な個人または集団を対象として 国民の健康の維持 増進 エネルギー 栄養素欠乏症の予防 生活習慣病の予防 過剰摂取による健康障害の予防を目的とし エネルギー及び各栄養素の摂取量の基準を示すものである 2 策定方針 設定指標 食事摂取基準 (Dietary Reference Intakes) として エネルギーについては

More information

( 図 ) IP3 と IRBIT( アービット ) が IP3 受容体に競合して結合する様子

( 図 ) IP3 と IRBIT( アービット ) が IP3 受容体に競合して結合する様子 60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 6 月 23 日 独立行政法人理化学研究所 独立行政法人科学技術振興機構 細胞内のカルシウムチャネルに情報伝達を邪魔する 偽結合体 を発見 - IP3 受容体に IP3 と競合して結合するタンパク質 アービット の機能を解明 - 細胞分裂 細胞死 受精 発生など 私たちの生の営みそのものに関わる情報伝達は 細胞内のカルシウムイオンの放出によって行われています

More information

i ( 23 ) ) SPP Science Partnership Project ( (1) (2) 2010 SSH

i ( 23 ) ) SPP Science Partnership Project ( (1) (2) 2010 SSH i 1982 2012 ( 23 ) 30 1998 ) 2002 2006 2009 1999 2009 10 2004 SPP Science Partnership Project 2004 2005 2009 ( 29 2010 (1) (2) 2010 SSH ii ph 21 2006 10 B5 A5 2014 2 2014 2 iii 21 1962 1969 1987 1992 2005

More information

DiovNT

DiovNT Custom Services Custom Services 332 Custom Services 331 ペプチド合成依頼書 ( 見積依頼書 発注 ) 年月日 ご依頼者 ご住所 - 勤務先 ご所属 フリガナ お名前 T E L - - ( 内線 ) F A X - - E-mail アミノ酸配列 ( アミノ酸配列は1 文字表記 3 文字表記どちらでも結構です ) N 末端 C 末端 1 2 3

More information

有機化合物の反応9(2018)講義用.ppt

有機化合物の反応9(2018)講義用.ppt 有機化合物の反応 ( 第 9 回 ) 創薬分子薬学講座薬化学部門 金光卓也 ハロゲン化アルキルの反応性 l S N 1 と S N 2 の特徴の復習 l S N 1=Unimolecular Nucleophilic Substitution 単分子求核置換反応 l S N 2=Bimolecular Nucleophilic Substitution 二分子求核置換反応 1 反応速度 l S N

More information

(案-1)

(案-1) 薬食審査発 0930 第 1 号 平成 26 年 9 月 30 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省医薬食品局審査管理課長 ( 公印省略 ) 医薬品の一般的名称について 標記については 医薬品の一般的名称の取扱いについて ( 平成 18 年 3 月 31 日薬食発第 0331001 号厚生労働省医薬食品局長通知 ) 等により取り扱っているところであるが 今般 我が国における医薬品一般的名称

More information

木村の有機化学小ネタ 糖の構造 単糖類の鎖状構造と環状構造 1.D と L について D-グルコースとか L-アラニンの D,L の意味について説明する 1953 年右旋性 ( 偏光面を右に曲げる ) をもつグリセルアルデヒドの立体配置が

木村の有機化学小ネタ   糖の構造 単糖類の鎖状構造と環状構造 1.D と L について D-グルコースとか L-アラニンの D,L の意味について説明する 1953 年右旋性 ( 偏光面を右に曲げる ) をもつグリセルアルデヒドの立体配置が 糖の構造 単糖類の鎖状構造と環状構造.D と L について D-グルコースとか L-アラニンの D,L の意味について説明する 9 年右旋性 ( 偏光面を右に曲げる ) をもつグリセルアルデヒドの立体配置が X 線回折実験により決定され, 次の約束に従い, 構造式が示された 最も酸化された基を上端にする 上下の原子または原子団は中心原子より紙面奥に位置する 左右の原子または原子団は中心原子より紙面手前に位置する

More information

シトリン欠損症説明簡単患者用

シトリン欠損症説明簡単患者用 シトリン欠損症の治療 患者さんへの解説 2016-3-11 病因 人は 健康を維持するために食物をとり 特に炭水化物 米 パンなど 蛋白質 肉 魚 豆など 脂肪 動物脂肪 植物油など は重要な栄養素です 栄養は 身体の形 成に また身体機能を維持するエネルギーとして利用されます 図1に 食物からのエ ネルギー産生経路を示していますが いずれも最終的にはクエン酸回路を介してエネル ギー ATP を産生します

More information

犬の糖尿病は治療に一生涯のインスリン投与を必要とする ヒトでは 1 型に分類されている糖尿病である しかし ヒトでは肥満が原因となり 相対的にインスリン作用が不足する 2 型糖尿病が主体であり 犬とヒトとでは糖尿病発症メカニズムが大きく異なっていると考えられている そこで 本研究ではインスリン抵抗性

犬の糖尿病は治療に一生涯のインスリン投与を必要とする ヒトでは 1 型に分類されている糖尿病である しかし ヒトでは肥満が原因となり 相対的にインスリン作用が不足する 2 型糖尿病が主体であり 犬とヒトとでは糖尿病発症メカニズムが大きく異なっていると考えられている そこで 本研究ではインスリン抵抗性 犬におけるインスリン抵抗性と糖尿病発症に関する メタボローム研究 (Metabolome study on canine insulin resistance and diabetes onset) 学位論文の内容の要約 獣医生命科学研究科獣医学専攻博士課程平成 24 年入学 野澤聡司 ( 指導教員 : 田﨑弘之 ) 犬の糖尿病は治療に一生涯のインスリン投与を必要とする ヒトでは 1 型に分類されている糖尿病である

More information

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル 1mg は 1 カプセル中ロペラミド塩酸塩 1 mg を含有し消化管から吸収されて作用を発現する このことから

More information

スライド 1

スライド 1 酸と塩基 代謝概要 平成 31 年 4 月 18 日 病態生化学分野教授 ( 生化学 2) 山縣和也 本日の学習の目標 ヘンダーソン ハッセルバルヒの式を理解する アミノ酸の電荷について理解する 自由エネルギーについて理解する 1. 酸と塩基 ( ヘンダーソン ハッセルバルヒの式 ) 2. 代謝概要 ( 反応速度について ) 生体内の反応の多くに酸 塩基反応が関わっている またアミノ酸や核酸は酸や塩基の性質を示す

More information

2 Vol. 17, No.1, 2009

2 Vol. 17, No.1, 2009 2 Vol. 17, No.1, 2009 ARTIFICIAL BLOOD Vol. 17, No.1, 2009 3 4 Vol. 17, No.1, 2009 ARTIFICIAL BLOOD Vol. 17, No.1, 2009 5 Keitaro Sou (1), Risa Komine (2), Hiromi Sakai (1), Koichi Kobayashi (3), Eishun

More information

Microsoft PowerPoint - protein1.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint - protein1.ppt [互換モード] 生物物理化学 1 セントラルドグマ (central doguma) DA から蛋白質が作られるまでの道筋 フランシス クリックが提唱した 原核生物と真核生物では 若干関与するタンパク質が異なるが 基本的には同じメカニズムで転写 翻訳 タンパク合成が行われる 原核生物 : 核膜が無い ( 構造的に区別出来る核を持たない ) 細胞 ( これを原核細胞という ) から成る生物で 細菌類や藍藻類がこれに属する

More information

院 系の紹介入試の紹介センター試験前期日程後期日程推薦入試AO入試想定問題 過去問題後期日程総合問題 過去問題 生命理工学院 総合問題 90 分 問題 1 以下の英文と合成ポリペプチド X に関する記述ア ~ キを読み, 問 1 ~ 問 6 に答え よ 原子量としては,H = 1.00,C = 12

院 系の紹介入試の紹介センター試験前期日程後期日程推薦入試AO入試想定問題 過去問題後期日程総合問題 過去問題 生命理工学院 総合問題 90 分 問題 1 以下の英文と合成ポリペプチド X に関する記述ア ~ キを読み, 問 1 ~ 問 6 に答え よ 原子量としては,H = 1.00,C = 12 院 系の紹介入試の紹介センター試験前期日程後期日程推薦入試AO入試想定問題 過去問題後期日程総合問題 過去問題 生命理工院 総合問題 90 分 問題 1 以下の英文と合成ポリペプチド X に関する記述ア ~ キを読み, 問 1 ~ 問 6 に答え よ 原子量としては,H = 1.00,C = 12.0,N = 14.0,O = 16.0,S = 32.0 を用いよ Twenty -amino acids

More information

スライド 1

スライド 1 Interaction of terbinafine with β- cyclodextrin polymers:sorption and release studies 雑誌 :J Incl Phenom Macrocycl Chem(2011) 69:469-474 著者 :Maito Uzqueda, Arantza Zornoza, Jose Ramon Isasi, Carmen Martin,

More information

Microsoft PowerPoint - 薬学会2009新技術2シラノール基.ppt

Microsoft PowerPoint - 薬学会2009新技術2シラノール基.ppt シラノール基は塩基性化合物のテーリングの原因 いや違う! クロマニックテクノロジーズ長江徳和 日本薬学会 9 年会 緒言緒言 逆相型固定相中の残存シラノール基は, 吸着やピークテーリング等の原因であるとされている 残存シラノール基に基づく主な相互作用は, 吸着, イオン交換, 水素結合である これらの二次効果相互作用を積極的に利用することで, 極性化合物に対して特異的な保持を示す新規な逆相固定相の創出が可能であると思われる

More information

Res. Org. Geochem. 31, 1 17 (2015) 地球 環境有機分子質量分析マニュアル No.29 技術論文 LC/ESI-MS * ** ** ** はじめに Eksborg and Schill, 1973; Gloor and

Res. Org. Geochem. 31, 1 17 (2015) 地球 環境有機分子質量分析マニュアル No.29 技術論文 LC/ESI-MS * ** ** ** はじめに Eksborg and Schill, 1973; Gloor and Res. rg. Geochem. 31, 1 17 (2015) 地球 環境有機分子質量分析マニュアル No.29 技術論文 LC/ESI-MS * ** ** ** 2014 9 16 2014 12 1 1. はじめに Eksborg and Schill, 1973; Gloor and Johnson, 1977; Chaimbault et al., 2000 Knox and Hartwick,

More information

2. 背景タンパク質を構成するアミノ酸には L-アミノ酸と D-アミノ酸の 2 つの鏡像異性体が存在します ( 図 1) これまで生物は L-アミノ酸のみを選択的に利用していると考えられてきました ところが分析技術の進歩と共に 生物の体内に少量ながらも D-アミノ酸が存在することが分かってきました

2. 背景タンパク質を構成するアミノ酸には L-アミノ酸と D-アミノ酸の 2 つの鏡像異性体が存在します ( 図 1) これまで生物は L-アミノ酸のみを選択的に利用していると考えられてきました ところが分析技術の進歩と共に 生物の体内に少量ながらも D-アミノ酸が存在することが分かってきました 国立研究開発法人海洋研究開発機構 国立大学法人京都大学 深海にひろがる鏡の向こうの微生物世界 D アミノ酸を好む深海微生物を発見 1. 概要国立研究開発法人海洋研究開発機構 ( 理事長平朝彦 以下 JAMSTEC ) 海洋生命理工学研究開発センターは 国立大学法人京都大学と共同で 有人潜水調査船 しんかい 6500 無人探査機 ハイパードルフィン 等により深海から採取した堆積物から D-アミノ酸を好んで食べて増殖する微生物を発見しました

More information

1 EPDM EPDM EPDM 耐塩素水性に優れた EPDM の開発 - 次亜塩素酸による EPDM の劣化と耐塩素水性に優れた EPDM の開発 - Development of EPDM with Excellent Chlorine Water Resistance - EPDM: Degr

1 EPDM EPDM EPDM 耐塩素水性に優れた EPDM の開発 - 次亜塩素酸による EPDM の劣化と耐塩素水性に優れた EPDM の開発 - Development of EPDM with Excellent Chlorine Water Resistance - EPDM: Degr 1 耐塩素水性に優れた の開発 - 次亜塩素酸による の劣化と耐塩素水性に優れた の開発 - Development of with Excellent Chlorine Water Resistance - : Degradation by Hypochlous Acid and Development of Excellent Resistance to Chlorine Water - 機器部品事業部技術開発部

More information

1. 背景血小板上の受容体 CLEC-2 と ある種のがん細胞の表面に発現するタンパク質 ポドプラニン やマムシ毒 ロドサイチン が結合すると 血小板が活性化され 血液が凝固します ( 図 1) ポドプラニンは O- 結合型糖鎖が結合した糖タンパク質であり CLEC-2 受容体との結合にはその糖鎖が

1. 背景血小板上の受容体 CLEC-2 と ある種のがん細胞の表面に発現するタンパク質 ポドプラニン やマムシ毒 ロドサイチン が結合すると 血小板が活性化され 血液が凝固します ( 図 1) ポドプラニンは O- 結合型糖鎖が結合した糖タンパク質であり CLEC-2 受容体との結合にはその糖鎖が 参考資料配布 2014 年 11 月 10 日 独立行政法人理化学研究所 国立大学法人東北大学 血小板上の受容体 CLEC-2 は糖鎖とペプチド鎖の両方を認識 - マムシ毒は糖鎖に依存せず受容体と結合 - 本研究成果のポイント レクチンは糖鎖とのみ結合する というこれまでの考え方を覆す CLEC-2 受容体は同じ領域でマムシ毒とがんに関わる糖タンパク質に結合 糖鎖を模倣したペプチド性薬剤の設計への応用に期待

More information

島津ジーエルシー総合カタログ2017【固相抽出】

島津ジーエルシー総合カタログ2017【固相抽出】 アミノ酸分析キット 固https://solutions.shimadzu.co.jp/glc 241 EZ:faast ( イージーファースト ) LC/MS LC/MS/MS GC/FID GC/MS 分析可能な 60 種以上の脂肪族 芳香族アミノ酸 Chemical Name Abbreviation LOD (nmol/ml) S/N 3:1 FID MS Alanine ALA 1 0.1

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 反応工学 Raction Enginring 講義時間 ( 場所 : 火曜 限 (8-A 木曜 限 (S-A 担当 : 山村 火 限 8-A 期末試験中間試験以降 /7( 木 まで持ち込みなし要電卓 /4( 木 質問受付日講義なし 授業アンケート (li campus の入力をお願いします 晶析 (crystallization ( 教科書 p. 濃度 溶解度曲線 C C s A 安定 液 ( 気

More information

センシンレンのエタノール抽出液による白血病細胞株での抗腫瘍効果の検討

センシンレンのエタノール抽出液による白血病細胞株での抗腫瘍効果の検討 Evaluation of anti-tumor activity with the treatment of ethanol extract from Andrographis Paniculata in leukemic cell lines Hidehiko Akiyama 1), Kazuharu Suzuki 2), Toshiyuki Taniguchi 2) and Itsuro Katsuda

More information

31608 要旨 ルミノール発光 3513 後藤唯花 3612 熊﨑なつみ 3617 新野彩乃 3619 鈴木梨那 私たちは ルミノール反応で起こる化学発光が強い光で長時間続く条件について興味をもち 研究を行った まず触媒の濃度に着目し 1~9% の値で実験を行ったところ触媒濃度が低いほど強い光で長

31608 要旨 ルミノール発光 3513 後藤唯花 3612 熊﨑なつみ 3617 新野彩乃 3619 鈴木梨那 私たちは ルミノール反応で起こる化学発光が強い光で長時間続く条件について興味をもち 研究を行った まず触媒の濃度に着目し 1~9% の値で実験を行ったところ触媒濃度が低いほど強い光で長 31608 要旨 ルミノール発光 3513 後藤唯花 3612 熊﨑なつみ 3617 新野彩乃 3619 鈴木梨那 私たちは ルミノール反応で起こる化学発光が強い光で長時間続く条件について興味をもち 研究を行った まず触媒の濃度に着目し 1~9% の値で実験を行ったところ触媒濃度が低いほど強い光で長時間発光した 次にルミノール溶液の液温に着目し 0 ~60 にて実験を行ったところ 温度が低いほど強く発光した

More information

,...~,.'~ 表 2.6.2.2-26 試験管内 PAE 菌株薬剤 MIC (µg/ml) PAE (h) 1 MIC 4 MIC STFX 0.025 0.92 2.35 S. aureus FDA 209-P LVFX 0.20 0.68 2.68 CPFX 0.20 1.05 1.59 SPFX 0.10 0.35 1.07 STFX 0.025 2.33 1.14 E. coli KL-16

More information

研究目的 1. 電波ばく露による免疫細胞への影響に関する研究 我々の体には 恒常性を保つために 生体内に侵入した異物を生体外に排除する 免疫と呼ばれる防御システムが存在する 免疫力の低下は感染を引き起こしやすくなり 健康を損ないやすくなる そこで 2 10W/kgのSARで電波ばく露を行い 免疫細胞

研究目的 1. 電波ばく露による免疫細胞への影響に関する研究 我々の体には 恒常性を保つために 生体内に侵入した異物を生体外に排除する 免疫と呼ばれる防御システムが存在する 免疫力の低下は感染を引き起こしやすくなり 健康を損ないやすくなる そこで 2 10W/kgのSARで電波ばく露を行い 免疫細胞 資料 - 生電 6-3 免疫細胞及び神経膠細胞を対象としたマイクロ波照射影響に関する実験評価 京都大学首都大学東京 宮越順二 成田英二郎 櫻井智徳多氣昌生 鈴木敏久 日 : 平成 23 年 7 月 22 日 ( 金 ) 場所 : 総務省第 1 特別会議室 研究目的 1. 電波ばく露による免疫細胞への影響に関する研究 我々の体には 恒常性を保つために 生体内に侵入した異物を生体外に排除する 免疫と呼ばれる防御システムが存在する

More information

Hi-level 生物 II( 国公立二次私大対応 ) DNA 1.DNA の構造, 半保存的複製 1.DNA の構造, 半保存的複製 1.DNA の構造 ア.DNA の二重らせんモデル ( ワトソンとクリック,1953 年 ) 塩基 A: アデニン T: チミン G: グアニン C: シトシン U

Hi-level 生物 II( 国公立二次私大対応 ) DNA 1.DNA の構造, 半保存的複製 1.DNA の構造, 半保存的複製 1.DNA の構造 ア.DNA の二重らせんモデル ( ワトソンとクリック,1953 年 ) 塩基 A: アデニン T: チミン G: グアニン C: シトシン U 1.DNA の構造, 半保存的複製 1.DNA の構造 ア.DNA の二重らせんモデル ( ワトソンとクリック,1953 年 ) 塩基 A: アデニン T: チミン G: グアニン C: シトシン U: ウラシル (RNA に含まれている塩基 DNA にはない ) イ. シャルガフの規則 二本鎖の DNA に含まれる A,T,G,C の割合は,A=T,G=C となる 2.DNA の半保存的複製 ア.

More information

04-10†@™⁄‹ä‘Ü”ó‘ÜŸ_Ł¶

04-10†@™⁄‹ä‘Ü”ó‘ÜŸ_Ł¶ ¹ 細管式レオメーターによる加熱熔融特性の把握 と加熱熔融処理 SFP-279固体分散体の担体やワックスマトリック ス基剤を選択した際に 細管式レオメーター Fig. 6 を用いた 熔融物が細管を通過するときの粘性 抵抗を測定する装置であり 1 2gの試料で試験 することが可能である 試料をシリンダに充填し 周囲から熱し熔融させ 上部からピストンによって 一定の圧力を加える 熔融した試料は細いダイを通

More information

( 国内流通製品 ) XMプロテインモリンガ +ホエイプロテインサプリメントシェイクタンパク質は アミノ酸の基本構成から成る複雑な分子です 人間のからだはこのタンパク質を必須アミノ酸に分解し 細胞に吸収させています その後 細胞内でアミノ酸が筋肉の構築や効果的な酵素反応を起こすタンパク質に再構築され

( 国内流通製品 ) XMプロテインモリンガ +ホエイプロテインサプリメントシェイクタンパク質は アミノ酸の基本構成から成る複雑な分子です 人間のからだはこのタンパク質を必須アミノ酸に分解し 細胞に吸収させています その後 細胞内でアミノ酸が筋肉の構築や効果的な酵素反応を起こすタンパク質に再構築され スーパーミックス ( 国内流通製品 ) ジージャのスーパーミックスは水を加えて混ぜるだけのシンプルフォーミュラを採用 モリンガに含まれている検証可能な 90 種類以上の栄養素から 私たちの毎日の健康な体作りに欠かすことができないビタミン ミネラル 必須アミノ酸 タンパク質 オメガ脂肪酸などの大切な栄養素を豊富に得ることができます 今日の私たちの食生活は 人類史上未だかつてない程に過剰なカロリー摂取と極度な栄養不足に陥っています

More information

スライド 1

スライド 1 第 56 回日本透析医学会 2011.06.19 血液ガス分析装置による透析液重炭酸イオン濃度 と総二酸化炭素濃度 ~ その正確性について ~ 五仁会元町 HD クリニック臨床検査部 同臨床工学部 * 同内科 ** 清水康 田中和弘 小松祐子 森上辰哉 * 田中和馬 * 阪口剛至 * 大槻英展 * 吉本秀之 * 田渕篤嗣 * 申曽洙 ** 目的 各社血液ガス分析装置を用いて重炭酸イオン ( ) を

More information

PEC News 2004_3....PDF00

PEC News 2004_3....PDF00 2004 March 3 C O N T E N T S Petroleum Energy Center News 1 13 1 2 3 3 4 3 5 6 3 7 8 3 9 ロ 芳香環の水素化 通常の縮合多環芳香族の水素化には 図17 芳香環の水素化 水素化活性の強化 NiMo系あるいはNiW系触媒が有効であり これらの水素化活性を高めることでメチル 基による反応阻害を緩和し 4,6DMDBT等

More information

スライド 1

スライド 1 Detection of bound phenolic acids: prevention by ascorbic acid and ethylenediaminetetraacetic acid of degradation of phenolic acids during alkaline hydrolysis ( 結合フェノール酸の検出 : アルカリ加水分解中のアスコルビン酸と EDTA によるフェノール酸の劣化防止

More information

木村の理論化学小ネタ 緩衝液 緩衝液とは, 酸や塩基を加えても,pH が変化しにくい性質をもつ溶液のことである A. 共役酸と共役塩基 弱酸 HA の水溶液中での電離平衡と共役酸 共役塩基 弱酸 HA の電離平衡 HA + H 3 A にお

木村の理論化学小ネタ   緩衝液 緩衝液とは, 酸や塩基を加えても,pH が変化しにくい性質をもつ溶液のことである A. 共役酸と共役塩基 弱酸 HA の水溶液中での電離平衡と共役酸 共役塩基 弱酸 HA の電離平衡 HA + H 3 A にお 緩衝液 緩衝液とは, 酸や塩基を加えても,pH が変化しにくい性質をもつ溶液のことである A. 酸と塩基 弱酸 HA の水溶液中での電離平衡と酸 塩基 弱酸 HA の電離平衡 HA H 3 A において, O H O ( HA H A ) HA H O H 3O A の反応に注目すれば, HA が放出した H を H O が受け取るから,HA は酸,H O は塩基である HA H O H 3O A

More information

第62巻 第1号 平成24年4月/石こうを用いた木材ペレット

第62巻 第1号 平成24年4月/石こうを用いた木材ペレット Bulletin of Japan Association for Fire Science and Engineering Vol. 62. No. 1 (2012) Development of Two-Dimensional Simple Simulation Model and Evaluation of Discharge Ability for Water Discharge of Firefighting

More information

Microsoft Word - basic_15.doc

Microsoft Word - basic_15.doc 分析の原理 15 電位差測定装置の原理と応用 概要 電位差測定法は 溶液内の目的成分の濃度 ( 活量 ) を作用電極と参照電極の起電力差から測定し 溶液中のイオン濃度や酸化還元電位の測定に利用されています また 滴定と組み合わせて当量点の決定を電極電位変化より行う電位差滴定法もあり 電気化学測定法の一つとして古くから研究 応用されています 本編では 電位差測定装置の原理を解説し その応用装置である

More information

図 維持管理の流れと診断の位置付け 1) 22 22

図 維持管理の流れと診断の位置付け 1) 22 22 第 2 章. 調査 診断技術 2.1 維持管理における調査 診断の位置付け (1) 土木構造物の維持管理コンクリート部材や鋼部材で構成される土木構造物は 立地環境や作用外力の影響により経年とともに性能が低下する場合が多い このため あらかじめ設定された予定供用年数までは構造物に要求される性能を満足するように適切に維持管理を行うことが必要となる 土木構造物の要求性能とは 構造物の供用目的や重要度等を考慮して設定するものである

More information

0.1 (77 :21-25),,... VSEPR. (1) 2 ( ). (2), ( ). (3),. (4),. (5) 3,. (6),. *1 (7) *2. (8),Li,Be,B. 1:. VSEPR( ). VSEPR. (1),.. (2), >, > (3

0.1 (77 :21-25),,... VSEPR. (1) 2 ( ). (2), ( ). (3),. (4),. (5) 3,. (6),. *1 (7) *2. (8),Li,Be,B. 1:. VSEPR( ). VSEPR. (1),.. (2), >, > (3 0.1 (77 :21-25),,... VSEPR. (1) 2 ( ). (2), ( ). (3),. (4),. (5) 3,. (6),. *1 (7) *2. (8),Li,Be,B. 1:. VSEPR( ). VSEPR. (1),.. (2), >, >. 2 3 4 5 6 (3) 120. *1,,. *2 ( ) = ( ) ( ) 2 ( ) 1 2: 2 ( ).,,..

More information

HACCP 自主点検リスト ( 一般食品 ) 別添 1-2 手順番号 1 HACCP チームの編成 項目 評価 ( ) HACCP チームは編成できましたか ( 従業員が少数の場合 チームは必ずしも複数名である必要はありません また 外部の人材を活用することもできます ) HACCP チームには製品

HACCP 自主点検リスト ( 一般食品 ) 別添 1-2 手順番号 1 HACCP チームの編成 項目 評価 ( ) HACCP チームは編成できましたか ( 従業員が少数の場合 チームは必ずしも複数名である必要はありません また 外部の人材を活用することもできます ) HACCP チームには製品 HACCP 自主点検票 ( 一般食品 ) 別添 1-1 施設名 所在地 対象製品等 手順番号 ( 原則番号 ) 項目 説明 評価 1 HACCP チームの編成 2 製品説明書の作成 3 意図する用途等の確認 4 製造工程一覧図の作成 5 製造工程一覧図の現場確認 6( 原則 1) 危害要因の分析 (HA) 7( 原則 2) 重要管理点 (CCP) の決定 8( 原則 3) 管理基準 (CL) の設定

More information

Studies on the nutritional physiology of rice stem rot fungi, Leptosphaeria salvinii and Helminthosporium sigmoideum var. irregulare (II) On the carbo

Studies on the nutritional physiology of rice stem rot fungi, Leptosphaeria salvinii and Helminthosporium sigmoideum var. irregulare (II) On the carbo 九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository 稲小粒菌核病菌の栄養生理に関する研究 ( 第 2 報 ) : 炭素源及び窒素源について 野中, 福次九州大学農学部植物病理学教室 Nonaka, Fukuji Laboratory of Plant Pathology, Faculty of Agriculture, Kyushu University

More information

論文の内容の要旨

論文の内容の要旨 1. 2. 3. 4. 5. 6. WASP-interacting protein(wip) CR16 7. 8..pdf Adobe Acrobat WINDOWS2000 論文の内容の要旨 論文題目 WASP-interacting protein(wip) ファミリー遺伝子 CR16 の機能解析 氏名坂西義史 序 WASP(Wiskott-Aldrich syndrome protein)

More information

医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では 皮膚から侵入したアレルゲンが 食物アレルギー アトピー性皮膚炎 喘息 アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を引き起こすきっかけになる

医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では 皮膚から侵入したアレルゲンが 食物アレルギー アトピー性皮膚炎 喘息 アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を引き起こすきっかけになる 化粧品用コラーゲンの原料 現在は 魚由来が中心 かつては ウシの皮膚由来がほとんど BSE 等病原体混入の危険 人に感染する病原体をもたない アレルギーの問題は未解決 ( むしろ問題は大きくなったかもしれない ) アレルギーを引き起こす可能性 医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では

More information

キレート滴定2014

キレート滴定2014 キレート滴定 本実験の目的本実験では 水道水や天然水に含まれるミネラル成分の指標である 硬度 を EDTA Na 塩 (EDTA:Ethylene Diamine Tetra Acetic acid) を利用して分析する手法を学ぶ さらに本手法を利用して 水道水および二種類の天然水の総硬度を決定する 調査項目キレート 標準溶液と標定 EDTA の構造ならびに性質 キレート生成定数 ( 安定度定数 )

More information

<4D F736F F D B82C982C282A282C482512E646F63>

<4D F736F F D B82C982C282A282C482512E646F63> サンプル条件および固定化分子の選択 Biacoreの実験ではセンサーチップに固定化する分子をリガンド それに対して結合を測定する分子をアナライトと呼びます いずれの分子をリガンドとし アナライトとするかは 実験系を構築する上で重要です 以下にサンプルに適したリガンド アナライトの設計方法やサンプルの必要条件などをご紹介します アナライト リガンド センサーチップ (1) タンパク質リガンドとしてもアナライトとしても用いることができます

More information

結晶成長学からの提案

結晶成長学からの提案 Vol.No. 2003 1 Abstract µ 1 Vol.No. 2003 1 σ = µ / k B T = ln(c / C e ) µ k B 2 Vol.No. 2003 1 Fig. 1. Protein crystals and their surfaces observed in various size scales. (a) An optical micrograph of

More information

ドリル No.6 Class No. Name 6.1 タンパク質と核酸を構成するおもな元素について述べ, 比較しなさい 6.2 糖質と脂質を構成するおもな元素について, 比較しなさい 6.3 リン (P) の生体内での役割について述べなさい 6.4 生物には, 表 1 に記した微量元素の他に, ど

ドリル No.6 Class No. Name 6.1 タンパク質と核酸を構成するおもな元素について述べ, 比較しなさい 6.2 糖質と脂質を構成するおもな元素について, 比較しなさい 6.3 リン (P) の生体内での役割について述べなさい 6.4 生物には, 表 1 に記した微量元素の他に, ど 1 微視的生物学 生化学 1.1 生物を構成する元素 (element) 生物を構成する主要元素の種類と, おもな微量元素とその役割の概略について説明できる 地球上には 100 種類以上の元素があり, そのうち生体を構成する元素の種類は限られていて, 約 20 種類である 主要元素としては水素 (H), 炭素 (C), 窒素 (N), 酸素 (O) の 4 元素で, これらで, 生体を構成するタンパク質や核酸,

More information