要約 本号では 品質が高い乳 豊かな栄養をもち安全で持続可能な乳および乳製品を支える IDF 活動をいくつか取り上げる 薬剤耐性およびコーデックス栄養 特殊用途食品部会の技術的な支援の分野における IDF の貢献を取り扱う 地域の組織が自己の組織を超えて影響を及ぼすような事例があり IDF としては

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1 今号の特集記事 IDF 事務総長のメッセージ 要約 第 38 回コーデックス栄養 特殊用途食品部会に出席した IDF 薬剤耐性に関するコーデックス活動に IDF が貢献 地域で活動地球規模の影響を与える :EFS A の事例 生産性向上の道具として性能を記録 - プエルト バラスの ICAR 今後の IDF 行事 IDF 刊行物 IDF ニュースブリーフ 112 号 IDF 事務総長のメッセージ 昨年は国民投票と国政選挙について世界があっと驚く事態を目撃し 政治が大きく動きました 最終的な影響は数年経てば見えてきますが まずは貿易に悪影響が出そうです これは悪い知らせでしょう 世界の多くの地域で食糧保障を確保するには 貿易が不可欠です また貿易は貧困を減らし 持続可能な経済成長を進め 生活水準を高めるとともに消費者に商品の多様性をもたらします 1903 年の創立以来 IDF は貿易の促進に尽くしてきました 世界の酪農乳業界で お互いが理解を深め信頼を寄せ合う上で不可欠な乳および乳製品の安全性 品質および組成のスタンダード ( 規格 ) を IDF は定めました これらのスタンダード ( 規格 ) は IDF 国内委員会と IDF の実行組織が合同で開発したものです FAO コーデックス食品規格委員会 OIE および I SO などの国際機関と IDF との協働作業により これらのスタンダード ( 規格 ) は IDF 会員でない国々においても地球規模の影響力を発揮しています 皆様の力を結集し 開放的で透明なルールに基づいた上で 市場差別を撤廃する風土を醸成し 活気ある食糧システムを創生するとともに 食糧と栄養確保の促進と持続可能で皆の成長を可能とする責任ある商業者に報いるような貿易政策の価値に立脚すること こうした認識の構築に努めましょう 2017 年が皆様ならびに皆様のご家族と友人のご多幸を祈念して IDF 事務総長ニコ ヴァン ベルゼン 1

2 要約 本号では 品質が高い乳 豊かな栄養をもち安全で持続可能な乳および乳製品を支える IDF 活動をいくつか取り上げる 薬剤耐性およびコーデックス栄養 特殊用途食品部会の技術的な支援の分野における IDF の貢献を取り扱う 地域の組織が自己の組織を超えて影響を及ぼすような事例があり IDF としては欧州食品安全局の活動に科学事実に基づく情報を提供してゆきたい 新しい刊行物には 未殺菌乳チーズ 乳および乳製品中のバチルス セレウス および チーズ製造の指標としての大腸菌 Escherichia coli に関するファクトシートもある 第 38 回コーデックス栄養 特殊用途食品部会に出席した IDF コーデックス栄養 特殊用途食品部会は フォローアップ フォーミュラに関するコーデックス規格を見直した 12 から 36 月齢の乳児用フォローアップ フォーミュラでは 主な栄養素の適正量を乳から摂るべきであり それにより この年齢集団に栄養供給する乳の重要な役割を認めてもらうことに IDF は貢献した IDF はこの活動への関与を今後も続け コーデックス会員国に科学技術上の指針を提供する予定である 窒素たんぱく質換算係数 NCF に関して 当部会は大豆に特異的な NCF5.71 を取りはずし 一般的な換算係数である 6.25 を参照することを決めた しかしながら 当部会は乳および乳製品に関する他のコーデックススタンダード ( 規格 ) に用いられた数字と同様 乳の NCF である を維持した IDF の NCF 特別作業部会は たんぱく質含量を算定するために別のシナリオを検討している 全脂肪酸組成 ミオイノシトール ビタミン B 12 およびビタミン E の AOAC/ISO/IDF 合同測定法は合目的性があり コーデックス STAN に示された新しいタイプ Ⅱ の紛争解決手法にすべきことが合意された さらに コーデックス分析 サンプリング法部会に コーデックス STAN に示されたレビュー タイピング 承認およびタイプ Ⅱ 紛争解決手法への採用を求めて クロミウム セレン モリブデンの AOAC/ISO/IDF 合同測定法案を またビタミン C の AOAC/ISO 法を検討することを求めた このような成功事例は コーデックス規格で実現したインファントフォーミュラ分析の最新鋭の手法を開発するために IDF が AOAC と ISO を緊密に協働して取り組むことの価値を増した トランス脂肪酸 TFA を フリー ( 含まない ) 表示の論文 コーデックス栄養 特殊用途食品部会 CCNFSDU は この表示を裏付けるための適正な分析法に関してコーデックス分析 サンプリング法部会 CCMAS からガイダンスを求めた これらの分析法の一部は IDF/ISO 法であることから IDF はトランス脂肪酸 TFA を測定する手法について CCMAS に対してガイダンスを準備する予定である CCNFSDU はすぐに食べられる治療用食品のガイドライン原案について より多くの研究が必要と結論付けた 科学事実に基づき世界的にハーモニゼーションされた見解がこの最も脆弱な集団を消費者の対象とするこれらの食品の適切性を支えるという信念をもって IDF はこの活動に関与してゆく所存である 科学事実に基づくコメントを積極的に発信することにより IDF は CCNFSDU において乳および乳製品を代表して各界から信頼される声を発してゆく 今年の IDF 派遣団は H van den Bijgaart ( オランダ ) L Candido ( 英国 ) D Whitsett-Morrow( 米国 ) および L Rycken ( 派遣主席 IDF 所属 ) から成る 薬剤耐性に関するコーデックス活動に IDF が貢献 2

3 昨年 12 月 ロンドンで開催されたコーデックス薬剤耐性 AMR 作業部会に IDF は参加した 当作業部会の議長国は英国 副議長国は豪州と米国であった 世界保健機構 WHO 国連食糧農業機関 FAO 国際獣疫事務局 OIE 国際植物防疫条約 IPPC の代表者が薬剤耐性について意見交換した 国のリスク管理戦略を策定し 貿易政策を検討するなかで抗菌剤の消費量および薬剤耐性に関するデータを収集することが重要である 科学が継続的に発展してゆく姿を認めつつ予防薬としての抗菌剤の処方の定義を明らかにすることがこの作業の役目である この手法は ワン ヘルス の概念を用いて公衆の健康に焦点を当てる予定である この作業部会は 薬剤耐性特別作業部会が活動上で使用する重要な文書をいくつか見直しと改訂を行う予定である IDF の派遣団は J Jonker( 米国 派遣団主席 ) および M Sánchez Mainar(IDF) であった 地域で活動地球規模の影響を与える :EFSA の事例 欧州食品安全局 (EFSA) は フードチェーンに関連するリスクの科学的な助言とコミュニケーションの拠点とすべく 欧州連合 EU によって 2002 年に設立された EFSA の公式な付託権限は EU 域内に留まるが その実質的な影響力は欧州域外にも及ぶことになった EFSA は EU のために EU の派遣団が使う支援文書を準備するなど コーデックス関連活動の中で科学技術的な貢献をする EFSA は FAO および WHO OIE IPPC および経済協力開発機構 OECD の合同専門家委員会と協働する EFSA の科学的な協力事業は国際的に科学的な証拠の収集と評価について 調和のとれたリスク評価手法の開発と実践 リスクコミュニケーションの一貫性を醸成する EFSA の助言は EU 会員国や多国籍機関を通して 貿易に必要な条件に採用されることが多い また世界中の食品安全局のホームページに頻繁に引用されている 2016 年 12 月 EFSA は IDF を公式にステークホールダー ( 利害関係者 ) と認めた この認可によって IDF は EFSA の関連会議に出席できるようになり 世界の酪農乳業という観点から EFSA の活動に科学事実ベースの協力を続ける予定である また後の段階になって グローバルな話題となるかもしれない欧州の情勢を IDF 会員にタイムリーに情報提供する 生産性向上の道具として性能を記録 - プエルト バラスの ICAR 牛群管理 乳牛の健康と栄養 遺伝子的な評価を改善するために農場で収集する情報の最適化手法は?ICAR が主催した最近の講演会で この話題の考え方が提示された ICAR と IDF は 乳分析のセッションで体細胞数の計数に関する参照システムプロジェクトをプレゼンテーションし 乳のパラメーターを決めるための様々なテクニックを討議した 異なるテクニックを用いて得られた結果の同等性は ICAR 熟練試験計画の中で検討された 乳牛個体の情報を基に これらのデータを評価するための標準化計画を適用することで 将来の生産者に 近代的 持続可能で高い利潤を確保できる農業の最適な解決法を提供できるかもしれない 家畜の同定 家畜生産性の成績に関する記録と評価の状況と改善について学習することの興味は? 2017 年 6 月 日 エディンバラで開かれる次回 ICAR 会議に出席して他の酪農乳業関係者と合流しては? 3

4 今後の IDF 行事 IDF ワールドデーリーサミット 2017 アメリカの酪農地で開催される IDF/ISO 分析ウィーク 2017 にご参加を IDF 米国国内員会は ウィスコンシン州マディソン市で 5 月 8-12 日に開催予定の IDF/I SO 分析ウィーク 2017 にご招待する 今年のシンポジウムのテーマ 安全 品質および性能の三角関係 を掲げて 酪農乳業界の外から招いた講師の講演を聞くことにより新しいアイデアが刺激される 食品安全に関連するチャレンジとオポチューニティを訴え 安全 品質および性能の三角関係を均衡する最先端の技術を強調する Covance Laboratories 法務部長で 米国薬局方 USP の会員で AOAC インターナショナルの理事を務める基調講演者の Mr. Darryl Sullivan 氏は 今日の業界が直面するチャレンジと技術的な好機について最高の概要をプレゼンテーションされる予定である 5 月 10 日のシンポジウムの後 Covance Inc 社へのテクニカルツアーが企画されている このツアーは屋外の中庭テラスとビールで有名な小規模ビール工場でウィスコンシン ブリュアリー ( ビール製造 ) の夕べをもって解散となる 4

5 IDF 刊行物 IDF ファクトシート : 未殺菌チーズ 未殺菌チーズは 好ましい香味を持ち腸内細菌に良好な影響を与える 未殺菌チーズの食品安全性は酪農場 製造工場および消費者教育で管理されている 詳細は 本件に関する新しいファクトシートを参照されたし IDF ファクトシート : 乳および乳製品のバチルス セレウス Bacillus cereus 菌は 生乳を汚染して食中毒の原因となる可能性がある 製造前に食品の汚染を最小化する方法を採用することが危険なレベルに達する増殖を避ける最善の方法となる 詳細は 本件に関する新しいファクトシートを参照されたし IDF ファクトシート : チーズ製造における指標菌としての Escherichia coli 大腸菌 大腸菌群は環境中に見出すことができるが その他の病原菌が存在しているかどうかの指標に用いることができる このファクトシートでは チーズ製造における衛生指標として Escherichia col 大腸菌を利用することが説明されている 詳細は 本件に関する新しいファクトシートを参照されたし 仮訳 :JIDF 事務局 事務局注 : 仮訳の正確性 完全性 有用性等についてはいかなる保証をするものではありません 参考資 料として扱い 内容に疑義が生じた場合は英文の原文をご確認ください 5