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あゆみふじた
5 years ago
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1 本 143 講堂改修工事事前調査概要報告書 3 遠景北 ~ 2015 年 1 月 23 日東京大学埋蔵文化財調査室

2 本 143 東京大学講堂改修工事に伴う事前調査概要報告書所在地東京都文京区本郷台遺跡群 (NO.47) 遺跡番号略号本 143 HKO13 調査期間 2013 年 9 月 26 日 10 月 21~25 日 11 月 5 11 日 12 月 12~13 16 日 2014 年 5 月 27~29 6 月 2 日 11 月 11 13~ 月日調査面積 539 m2調査担当原祐一図 1 調査地点 1. 調査の経緯と経過東京大学は安田講堂の改修工事を予定していた工事予定地は周知の遺跡本郷台遺跡群 (NO.47) 内に位置し周辺の研究棟では加賀藩の遺跡が確認されている安田講堂は登録有形文化財 ( 建造物 ) に指定されていることから東京都文京区と協議した結果事前調査を行うことになった調査は工事の進捗に合わせて遺跡の存否確認を行った 2

3 2. 調査結果セ-1~3 遺跡なし 1 2 遺跡なし 3 江戸時代安田講堂関連遺構 4 関東ローム層の自然堆積層安田講堂以前の盛土 5 6 遺跡なし以下各調査地点について報告する 1 1 階建屋内耐震改修基礎新設に伴う掘削調査日 :2013 年 10 月 21~24 日 1-1-1~12 で遺跡の存否確認を行った調査の結果掘削部分は安田講堂建設の際に掘削されて基礎と基礎の間に盛り土が行われていた掘削深度では関東ローム層の検出深度まで達しなかった図 2 講堂改修工事全体図 1 1 1~12 の配置 3

4 図図図図図図図図

5 図全景図堆積状況 5

6 2 1 階建屋内エレベーターピット新設に伴う掘削調査日 :2013 年 11 月 5 日調査結果掘削深度は 1 階床面から 3m で遺構の検出の可能性があったが安田講堂の図面から基礎工事が行われ撹乱されている事が判明している調査の結果基礎による撹乱を確認した 2 図 14 講堂改修工事全体図 2 の配置図 15 2 東壁図 16 2 全景 6

7 3 外構空調室外機置場セ -3 外構空調室外機置場調査日 :2013 年 12 月 12~13 16 日調査結果調査の結果加賀藩に関する遺構遺物安田講堂関連遺構と講堂建設以降に造成された道路と関連遺構を検出した検出遺構と関東ローム層の堆積状況江戸時代の絵図と明治時代以降の地図からから台地の削平を確認できた 3 図 13 講堂改修工事全体図 3 の配置 1 面現在のアスファルト舗装下層に破砕礫を敷きその上にアスファルト舗装している 2 面 3 面に直接アスファルトを舗装し表面にコンクリートを薄く塗り道路面にしている 3 面コンクリートを砕いた栗石の上にコンクリートを流し込み上層にコンクリート舗装 SB4 SB5 はコンクリート基礎の上に柱状の基礎を配置 SB4 と SB5 を配置してから舗装を行っている SB4 の西側壁面に残る帯は SB4 を補強した金具の跡と考えられる SB4 SB5 上部は柱状で SB5 近くに電線が埋設されていることから電灯の可能性がある 7

8 4 面 3 面では安田講堂の図面にある路面の排水溝半月土管と路面の傾斜は確認できないため 3 面の道路造成時に 4 面の旧舗装は半月土管と共に撤去されたと考えられる SB2 は第四号の番号が付けられた排水桝第三号の排水桝と接続する土管四寸土管を確認した土管は図面通り南側に傾斜している SB2 は桝の掘方幅の溝を南北に掘削し溝に桝と土管を配置している SB3 は擁壁終結親柱 3 面の SB5 基礎に隠れて SB5 の基礎部分は確認できなかった 5 面関東ローム層検出面安田講堂建設時の排水桝はこのレベルまで削平されている 3 面造成時に削平されたと考えられる江戸時代の遺構 SU1 も同じ面で検出 SU1 は平面形が長方形の地下室東側は共同溝の工事によって削平されている北側に崩落した天井部が残る SU1 の深さは 0.6m を測る関東ローム層の観察から使用時地下室の天井は検出した状況より高かったと考えられる地下室の深さから江戸時代の生活面は削平されていると考えられる削平されたのは 3 面造成時に行われたほか安田講堂の図面から安田講堂建設時に行われたと考えられる SU1 から収納箱 3 箱の遺物が出土した碗皿貧乏徳利燈明具植木鉢などの日常雑器が出土しているアワビハマグリ魚骨などの動物遺体も出土当地点は加賀藩の長屋跡で旧居住者の生活を反映したものと考えられる調査地点図 14 調査地点 8

9 図 15 平面図 9

10 図 16 SU1 trech1 西壁 sec1 北壁 sec 10

11 図 17 西壁 sec2 11

12 SB2 排水桝 SB2 排水桝土管第四号路面の排水溝 ( 半月土管 ) 路面の排水溝断面半月土管図 18 SB2 排水桝路面の排水溝図面 SB2 排水桝第四号第三号 SB2 排水桝第四号第三号図 19 SB2 排水桝路面の排水溝図面 12

13 図 20 調査前図 21 作業風景図 22 SU1 図 23 SU1 東西 SEC 図 24 SU1 出土遺物 ( 陶磁器 ) 図 25 SU1 出土遺物 ( 動物遺体 ) 図 26 SB4 及び 2 面図 27 SB4 及び 3 面 13

14 図 28 BS5 図 29 SU1 SB2 SB3 SB5 図 30 SB4 図 31 SB3 擁壁終結親柱 BS5 図 32 SB2 第四号東 ~ 図 33 SB2 第四号北 ~ 14

15 図 34 南側全景北 ~ 図 35 北側全景南 ~ 図 36 西壁 SEC1( 南側 ) 図 37 西壁 SEC2( 北側 ) 図 38 北壁 SEC 西壁 SEC2( 北側 ) 図 39 北壁 SEC アスファルト舗装は 1 面図 40 基本層序図 41 調査地点遠景 15

16 4 外構及び 1 階建屋内設備トレンチ新設に伴う掘削調査日 :2013 年 10 月日 11 月 11 日調査結果 4-3 西 1 でローム層の堆積を確認したローム層はやや明るい茶褐色土と粘性が強い暗褐色土が堆積堆積は東に傾斜している堆積状況からローム層の上層は削平されている事を確認した 4-3 西 1 南壁で地下室を思わせる垂直の立ち上がりを確認覆土は暗褐色土でローム土を含むレンガを含んでいるため明治時代以降の堆積土と判断したこの覆土は東で確認した 4-3 西は講堂建設による撹乱のためローム層と 4-3 西 1 等で確認された覆土の堆積は確認できなかった東 4-3 西西図 42 講堂改修工事全体図 4 1~5 の配置 16

17 図北壁図西奥全景図西 1 北壁ローム層堆積の傾斜図西 1 南壁図西 1 全景図西 2 全景図東北壁図東全景 17

18 図全景コンクリート砕石レンガ片ローム層図西土層模式図掘削深度 1.5m 18

19 5 仮設事務所排水管埋没に伴う掘削調査日 :2013 年 9 月 26 日調査結果工事掘削深度では遺跡を検出できなかった 5-1 道路基礎上から石製タイルコンクリート砂利の順で堆積掘削深度で土の堆積確認できず 5-2~4( 植え込み内 ) 堆積状況は同じで 0.2m 表土 ( 黒色土 ) 表土以下は灰褐色土で締りあり砂利割れレンガ含む図 53 講堂改修工事全体図 19

20 図 54 設計変更部分本報告では図面差し替え図全景図断面図全景図断面 20

21 図全景図断面図全景図断面 21

22 6 仮設電柱設置に伴う掘削調査日 :2013 年 10 月 21 日調査結果工事掘削深度では遺跡を検出できなかった明治 16 年陸軍参謀本部測量原図 ( 国土交通省国土地理院所蔵 2011 参謀本部陸軍測量局五千分一東京図測量原図財団法人日本地図センター ) によれば調査地点近くに三四郎池の排水溝が通るこの排水の両脇に 16m の等高線がある現在の標高は 16.96m 電柱 1 2 の掘削深度は 1.6m で江戸時代の地表面標高と考えられる標高 16m の地表面の検出が予想されたが確認できなかった標高 16m よりも低い部分排水溝部分に該当するかこの測量原図以降に掘削が行われたため地表面が確認できなかったかのどちらかと考えられる電柱 1 直径 0.6m 掘削深度 1.6m 掘削深度は遺跡の検出面まで達せず暗褐色土褐色土等が水平に堆積堆積土には締りがある電柱 2 直径 0.6m 掘削深度 1.6m 掘削深度は遺跡の検出面まで達せず掘削深度は遺跡の検出面まで達せず隣接する共同溝に撹乱の可能性も考えられるが電柱 1 の堆積状況と類似しているため撹乱の可能性は考えられない暗褐色土褐色土等が水平に堆積堆積土には締りがある出土遺物は近代以降の遺物で安田講堂の外壁に使用されているスクラッチタイルと磁器碗断面が円形の鎹が出土電柱 2 打ち込みアンカー 1 2 直径 0.75m 工事掘削深度 0.7m 遺跡の検出面まで達せず直径 0.75m 工事掘削深度 0.7m 遺跡の検出面まで達せず 22

23 掘削中止電柱 1 電柱 2 アンカー 1 電柱 2 電柱 2 アンカー 2 図 63 講堂改修工事全体図電柱 1 2 図 64 電柱 1 図 65 電柱 1 遠景図 66 電柱 2 図 67 電柱 2 アンカー 1 23

24 図 68 電柱 2 アンカー 2 図 69 電柱 2 遠景図 70 電柱 2 出土遺物 24

25 セ -2 生活排水用管路のための掘削セ -3 空調排水用管路のための掘削調査日 :2014 年 11 月 11 日 ~12 月 17 日調査結果工事掘削深度では遺跡を検出できなかったセ -3-2 セ -3-1 セ -3-4 セ -2-3 セ -2-1 セ -3-3 セ -2-2 図 71 調査地点セ -2 セ -3 図 72 セ -2 東側に直行部調査日 :11 月 14 日撹乱図 73 セ -2 共同溝西側調査日 :11 月 19 日撹乱 25

26 図 74 セ -2 共同溝東側調査日 :11 月 27 日図 75 セ -2 調査日 :11 月 28 日撹乱図 76 セ -2-3 調査日 :12 月 9 日共同溝による撹乱図 77 セ -3-1 調査日 :11 月 13 日撹乱図 78 セ -3-1 外壁接続部分南側調査日 :2014 年 11 月 11 日撹乱図 79 セ -3-2 調査日 :11 月 15 日撹乱 26

27 図 80 セ -3-2 外壁接続部分東側調査日 :11 月 18 日撹乱図 81 セ -3-2 外壁接続部分東側延長部調査日 :12 月 5 日撹乱図 82 セ -3-2 セ -3-3 接続部調査日 :12 月 17 日撹乱図 83 セ -3-4 東から接続調査日 :12 月 13 日撹乱ガラのみ図 84 セ -3-4 安田講堂外周部調査日 :12 月 11 日撹乱図 85 セ -3-4 西から接続調査日 :12 月 15 日撹乱 27

28 まとめ調査の結果 3では江戸時代安田講堂関連遺構現在までの 5 枚の生活面を確認した 4では関東ローム層の自然堆積層明治時代以降安田講堂以前の盛土を検出した安田講堂が建設されている崖部分は検出した遺構関東ローム層の堆積状況江戸時代の絵図明治時代の建築予定図面から江戸時代に削平され安田講堂建設までに現在の状態に造成された事が明らかになった明治時代以降 3 では安田講堂の排水施設と講堂建設以降の道路を検出講堂建設当時の道路は削平されて失われていることが確認された 4-3 では検出状況から安田講堂建設以前と考えられる盛土を検出した調査地点が位置する崖下で安田講堂が建設されるまでの間に建設された建物は南側に明治 31~32 年 (1898~1899 年 ) に建設された法科学大学教室 ( 以降名称の変更あり ) 明治 37~38 年 (1904~1905 年 ) に建設された精神物理学教室である安田講堂が完成するまでこの場所にあった建物は以上の 2 棟で 4-3 西 1 で確認した堆積土は位置関係から精神物理学教室に関連する盛土と考えられる ( 明治時代以降の安田講堂周辺の変遷参照 ) 江戸時代 3 では江戸時代の地下室を検出した江戸時代の調査地点は小松愛子の調査によれば江戸御上屋敷絵図 ( 年頃 ) によれば与力町が東西に 2 筋ある東側の御貸小屋には庭がある ( 清水文庫特金沢市立玉川図書館近世史料館所蔵 ) これ以降の絵図江戸屋敷総図 (1863 年以降幕末期 ) では与力町 1 番御貸小屋同 2 番御貸小屋園田八十射住居が取り壊され新角場が新設されている ( 加越能文庫特 ( デジタル ) 金沢市立玉川図書館近世史料館所蔵 ) 新角場は北側の通称又兵衛坂と南側の育德園に沿っている切通坂の間の長方形の施設である明治 16 年陸軍参謀本部測量原図 ( 国土交通省国土地理院所蔵 2011 参謀本部陸軍測量局五千分一東京図測量原図財団法人日本地図センター ) によれば通称又兵衛坂と切通坂は構内の道路として使用されている新角場の東側は新設の道路によって削平長方形の区域として残っている 3 出検出した地下室は新角場造成以前の遺構の可能性がある新角場は幕末の社会状況から建設されたと考えられる 3 の地下室は新角場の建設に伴う建屋の撤去に伴い廃棄された可能性がある今後遺物の年代等で遺構の廃棄年代を明らかにし当地点の土地利用状況の変遷を明らかにしたい

29 通称又兵衛坂三四郎池排水新角場跡切通し坂図 86 江戸時代の坂新角場の痕跡明治 16 年陸軍参謀本部測量原図 ( 国土交通省国土地理院所蔵 2011 参謀本部陸軍測量局五千分一東京図測量原図財団法人日本地図センターより作成 ) 29

台地上標高は 22m 崖下標高は 16m 標高差 6m 台地下は三四郎池の排水路へ向かってなだらかに傾斜

30 明治時代以降の安田講堂周辺の変遷図 87 明治 16 年 (1883 年 ) 国土交通省国土地理院所蔵 2011 参謀本部陸軍測量局五千分一東京図測量原図財団法人日本地図センター発行三四郎池の排水路あり台地上標高は 22m 崖下標高は 16m 標高差 6m 台地下は三四郎池の排水路へ向かってなだらかに傾斜測量原図に現在の建物配置図を重ねた図 88 明治 19 年 (1886 年 ) 明治 16 年 (1883 年 ) 30

31 図 89 明治 31~32 年 (1898~1899 年 ) 崖南側を削平し法科大学教室建設図 90 明治 32~33 年 (1899~1900 年 ) 三四郎池の排水路の暗渠化 31

32 図 91 明治 37~38 年 (1904~1905 年 ) 崖に通路造成崖下北側に精神物理学教室建設南側建物は法科大学列品室に法科大学列品室の西側崖際に建物建設図 92 明治 38~39 年 (1905~1906 年 ) 32

33 図 93 明治 42~43 年 (1909~1910 年 ) 崖南側に道路造成図 94 明治 43~44 年 (1910~1911 年 ) 明治 37~38 年 (1904~1905 年 ) の通路が無くなる崖北側に新たな通路造成 33

34 図 95 大正 2~3 年 (1913~1914 年 ) 法科大学暇教室西側を削平建物と崖の間にスペースができる道路の位置変更精神物理学実験室側の道路直線に変更図 96 大正 7~8 年 (1918~1919 年 ) 精神物理学実験室増築 34

35 図 97 大正 12 年 (1923 年 ) 安田講堂建設崖削平し崖線を直線に変更図 98 大正 15~ 昭和 2 年 (1926~1927 年 ) 安田講堂完成 35

す遺跡の標高は約 250 ｍ前後で標高 510 ｍを測る竜王山の南側にひろがります千提寺クルス山遺跡では舌状に高速自動車国道近畿自動車道名古屋神戸線新名神高速道路建設事業に伴い平成 24 年１月より公益財団法人大張り出した丘陵の頂部を中心とした阪府文化財センターが当地域で発掘調査

す遺跡の標高は約 250 ｍ前後で標高 510 ｍを測る竜王山の南側にひろがります千提寺クルス山遺跡では舌状に高速自動車国道近畿自動車道名古屋神戸線新名神高速道路建設事業に伴い平成 24 年１月より公益財団法人大張り出した丘陵の頂部を中心とした阪府文化財センターが当地域で発掘調査高速自動車国道近畿自動車道名古屋神戸線建設事業に伴う埋蔵文化財発掘調査 ( 茨木市域 )その5 現地説明会資料千提寺西遺跡の調査平成 25 年 3 月 23 日公益財団法人大阪府文化財センターす遺跡の標高は約 250 ｍ前後で標高 510 ｍを測る竜王山の南側にひろがります