【資料20-1-1】 宇宙探査技術の分析案_ b_set72

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1 資料 19-5 資料 科学技術 学術審議会研究計画 評価分科会宇宙開発利用部会 ISS 国際宇宙探査小委員会 ( 第 20 回 ) H JAXA の国際宇宙探査シナリオ検討と宇宙探査における技術開発の取組みについて 平成 29 年 6 月 28 日 国際宇宙探査推進チーム

2 1. JAXA の国際宇宙探査シナリオ検討体制 今後進展が予想される国際宇宙探査の宇宙機関間協議や ISEF2 に ALL JAXA として取り組むため 部門間横断的な組織として国際宇宙探査推進チームを設置 (2015 年 6 月 ) 検討体制 チーム長 : 遠藤副理事長チーム長代理 : 山本理事 伊東執行役 アドバイザー浜崎有人宇宙技術部門長常田宇宙科学研究所長今井研究開発部門長 戦略サブチーム 各国の活動状況の情報収集各府省庁との調整方針の検討国際機関等との調整方針の検討 シナリオ 技術検討サブチーム 機構としてのシナリオの検討シナリオに伴う技術の検討 チームメンバー 経営推進部 (3 人 ) 有人宇宙技術部門 (3 人 ) ISAS(1 人 ) 宇宙探査イノベーションハブ (1 人 ) ISEF2 準備室 (1 人 ) 調査国際部 (2 人 ) チームメンバー 有人宇宙技術部門 (11 人 ) ISAS(9 人 ) 研究開発部門 (5 人 ) 宇宙探査イノベーションハブ (5 人 ) ミッション企画部 (1 人 ) 1

3 2. 国際協力に対する考え方 国際協力の必要性 有人宇宙探査には様々な宇宙システム要素 が必要であり いずれの国も一国のみで開発 運用することは 経済負担が大きすぎて非現実的 従って 国際協力による分担が必須 月近傍 ~ 月面の探査を進める場合 : 大型 ( 有人 ) ロケット 有人宇宙船 月近傍有人拠点 ( 深宇宙居住モジュール 電力 推進モジュール 深宇宙補給船等 ) 月面離着陸機 ( 無人着陸船 有人月離着陸船 ) 月面探査システム ( 表面探査ロボット 月面与圧ローバ等 ) 等 我が国としての主体的な計画と 国際協働で行う計画とを効率的 効果的に組み合わせて取り組むことが重要 国際協力の意義 全人類のためのフロンティア開拓 知的探求の活動に 科学技術創造立国を標榜する日本が 国際的な枠組みの中で相応の役割を果たすことは 国の存在感を顕示するという観点で 大きな意義をもつ 中 露等が積極的に探査に取り組むなかで 米国が主導している宇宙探査計画に参加し 米国の計画を補完することは 日米同盟の強化の観点と 宇宙利用の国際的なガバナンスの確保の観点で 広義の安全保障上の大きな意義をもつ 2

4 3. 国際宇宙探査の全体シナリオ (1) ISECG で検討中の国際宇宙探査全体像 ( 下記は GER2(2013 年 ) の抜粋 ) 地球低軌道 国際宇宙ステーション (ISS) 試験飛行 民間宇宙基地もしくは公共宇宙基地 無人ミッション 有人ミッション 貨物補給ミッション Rosett a Hayabusa-2 (Sample Return) 地球近傍小惑星 OSIRIS-Rex (Sample Return) 小惑星捕獲 / 移動 Apophis 月近傍有人拠点への有人長期滞在ミッション 有人小惑星探査ミッション 民間利用機会 月面探査への中継基地 LADEE 月 Luna 25 Luna Luna Chandrayaan-2 RESO LVE SELENE -2 Luna 28/29 有人支援サンプル (Sample Return) リターン 有人月探査ミッション 民間月面利用ミッション MAVEN ISRO 火星 ExoMar s 2016 Insight ExoMa rs 2018 MARS JAXA 2020 Mars Precursor 火星サンプルリターンミッション大型再突入 / 着陸実証ミッション 持続的な有人火星探査ミッション 必要なシステム 深宇宙補給船 無人月面与圧ローハ ー着陸船 Orion & NASA SLS ロシア探査宇宙船 & ロケット 電力 推進モジュール 深宇宙居住モジュール Orion& NASA SLS ( 発展型 ) 有人月離着陸船 Orion& NASA SLS 3 ( 発展型 ) 3

5 (2) 月近傍有人拠点 (1/2) - 米国が検討中の月近傍有人拠点 - 1. 検討状況サマリ宇宙飛行士の滞在は 4 名 滞在期間は 15~90 日程度 ( 順次増加 ) を想定 ( フェーズ 2 では数 100 日まで増加予定 ) 月近傍有人拠点の軌道は楕円極軌道 ( 近月点 4000km 遠月点 75000km) 図 -1 月近傍有人拠点外観 ( フェーズ 1)(~2027) 図 -2 月近傍有人拠点軌道の概要 ロホ ットアーム HLEPP(*1) 着陸船 ( 月面に直接着陸 ) 地球 月の公転方向 電力 推進モシ ュール 共通モジュール 1 HLEPP 離陸船 エアロック EML1 月 EML2 Orion 有人宇宙船 (4 人 ) 月近傍補給船 ロシア有人宇宙船 (4 人 ) 共通モジュール 2 拠点の軌道 本軌道の利点 : 地上局常時可視性 月南極の準常時可視性 軌道の安定性 (*1) Human Lunar Exploration Precursor Program 有人月面探査デモンストレーションミッション 4

6 (2) 月近傍有人拠点 (2/2) - 意義 - 大項目中項目拠点が有る場合のメリット拠点が無い場合のデメリット 月探査ミッショ 月面ローバ等の遠隔操作 宇宙飛行士が数 sec 程度の時間遅れで 地上から遠隔操作する場合は 10sec 程度の ンへの貢献 月面上のローバ等の遠隔操作すること 時間遅れとなり 効率が悪くなる が可能となり より効率的な月面探査が 可能となる 航法情報提供と通信中継 測位情報の提供や 特に地球との直接 左記サービスのためには 別途周回衛星を 通信が難しい月裏側や極域探査に対し 打ち上げる必要がある て通信中継が可能となる 有人ミッション での安全性 有人離陸船 ( 再使用型 ) への支援 有人離陸船 ( 再使用型 ) の係留地として有人離陸船 ( 再使用型 ) が単独で待機するた 電力供給や軌道維持などの支援が可能めに機能追加 ( 電力発生や軌道維持等 ) が必 となる 要となり 有人離陸船を搭載する有人着陸船 にも質量インパクトが出てくる (SLSで輸送できなくなる可能性有 ) 緊急退避地 (Safe Haven) 緊急時に拠点への避難が可能となる 緊急時に拠点に頼らない安全化対策が必要 となる 有人火星探査 実証環境 ( 深宇宙環境 & 微小重力 ) 有人火星探査に向けた深宇宙 および 深宇宙 および微小重力というリアルな複合 に向けた貢献 の提供 微小重力というリアルな複合環境での 環境での有人長期滞在実証や機器実証は不 有人長期滞在実証 (300~1000 日間 ) や 可能となり 有人火星探査へのリスクとなる 機器実証が可能となる 有人火星探査に向けた中継拠点 月面での水資源を推薬として利用する 推薬供給等の軌道上サービスは不可能であ 構想が実現した場合 推薬供給等の軌 る 道上サービス拠点となりえる 5

7 地球 大型有人ロケット ( 米国 NASA 露 ) 地球 ~ 月近傍間往復 有人宇宙船 ( 米国 NASA 露 ) 月近傍有人拠点 電力 推進モジュール ( 米国 NASA) 更に遠くへ ( 火星 小惑星等 ) (2035~) 深宇宙居住モジュール (JAXA 他 ) 深宇宙補給船 (JAXA 他 ) 月面離着陸機 (JAXA 他 ) 月近傍 ~ 月面間往復 月面 ~ 月面間移動 月面拠点 ( 推薬補給 ) 水 ( 推薬 ) 探査ミッション (2022)(JAXA 他 ) 月極域 推薬生成プラント建設 (2030~ 開始 ) 有人月面着陸 (2030)(JAXA 他 ) 月面科学探査 ( 複数地点 ) 月面与圧ローバ (JAXA 他 ) 6

8 (3) JAXA シナリオの検討状況 (2/2) 具体的なシナリオ ( 案 ) 2010 SELENE 1 SELENE の観測成果をもとに 国際協働で月南極域の水氷探査を行い 燃料利用の可能性を判断 その中で 日本は国際的に 強み のある役割を担う 2 併行して 米国の 月近傍拠点 計画に参画し 深宇宙での有人宇宙飛行の機会を獲得 年頃から準備が始まる国際協働での有人月面探査にキー技術で参画し 日本人宇宙飛行士の月面到達権利を得る 4 国際協働で ロボティクスと飛行士を使って 月南極域に推薬生成プラントや月面 ~ 月近傍拠点間の再使用型輸送システムを構築し 月近傍拠点 を推薬補給拠点として稼働 5 一連の有人月面探査や推薬生成プラント構築作業の機会を活用して 南極周辺の科学探査を実施 推薬生成プラント構築後は その探査範囲を拡大 観測成果 科学的知見 SLIM 水資源探査 3 遠隔操作 サンフ ル 有人月面探査デモ ( 無人 ) 遠隔操作 推薬生成デモ 水資源利用技術 月近傍拠点構築 運用 与圧ローバ輸送 ( 無人 ) 離着陸船 5 離陸船 有人月面探査 ( 科学探査 ) 有人能力の活用 大型貨物着陸 走行 エネルギ 燃料補給拠点として稼働 5 本格的な有人月面探査 ( 科学 資源探査 旅行 ) 推薬 推薬 離再着使陸用船 推薬生成プラント 再使用型輸送システム構築 運用 4 4 7

9 4. 技術開発の取り組み方針 (JAXA 提案 ) 開発 運用費用が膨大となる 大型 ( 有人 ) ロケット および 有人宇宙船 は自ら開発せず 米国の 月近傍拠点 計画へ参画することで 米国の能力を活用する 全ての探査システムを一国でとりそろえることは不可能ななか 日米欧が協働で主導して 月離着陸 月面探査 など必要なシステムを構築できるよう計画を進める また これらの開発を効率的に進めるため 米 欧だけでなく それ以外の国との国際協力による分担も検討する 米国 月近傍拠点 計画への参画や 国際協力による 月離着陸 など必要な探査システムの構築において それぞれの要素にとってキーとなる技術 ( 環境制御技術 高精度航法 水探査技術 ロボット技術 ランデブ ドッキングセンサ ドッキング機構など ) を我が国が分担できるよう それら技術の研究開発 実証を進め 技術成熟度の向上に取り組む ( 国際的プレゼンスの観点 産業の技術的競争力向上の観点 ) 技術開発の進め方 (JAXA 提案 ) を別添に示す 宇宙探査イノベーションハブにおける活動を通じ 日本の優れた非宇宙分野の地上技術を探査に取り込む 民間において宇宙探査への事業意欲が芽生えつつあることを踏まえ 低リスクな技術は民間の能力を有効活用し JAXA は高リスク 大規模な技術等を中心に主体的に取り組む方針とする 8

10 技術開発の進め方 (JAXA 提案 ) 別添 エレメント想定時期進め方 ( 案 ) ISSでの技術実証機会開発経費重要技術国内宇宙技術との関連非宇宙分野との糾合 地上技術への波及 1 大型有人ロケット 2020 頃 EX 実現に係るコストが莫大 米が開発中 露も開発計画あり 当面は米国等との国際協力を活用 2 有人宇宙船 2020 頃 EX 月近傍有人拠点 3 3a 電力 推進モジュール 2020 頃 M 3b 小型居住モジュール ( ノード機能付き ) 2025 頃 M ( 技術的発展 ) 環境制御 : 有人の根幹的 共通的技術高再生率化は運用コスト削減の鍵 放射線防護 : 宇宙探査において飛行士の安全上クリティカルな技術 JEM HTV 環境制御技術 ( 地上 ) 環境浄化技術 骨 筋減少 免疫低下等への対策技術 放射線防護 遠隔医療 ( 地上 ) 高齢者医療 国民の健康向上 福祉 介護問題解決など 拠点全ての実現はコストが大 国際協力を前提とした構築 電力 推進モジュールは 米が開発検討中 ( 小惑星捕獲ミッション (ARM) 向けを利活用 ) 地上の環境浄化技術等を発展させ 高再生効率の ECLSS を日本の強みとする まずは小型居住モジュール搭載を目標 再生型環境制御の ISS 軌道上実証 ( 計画中 ) ISS における飛行士の生理的対策の研究 データ取得 ( 継続中 ) 3c 大型居住モジュール (Deep Space Transport) 2030 頃 L 4 深宇宙補給船 2025 頃 M ランデブ ドッキング (RVD): 探査アーキテクチャで必須の共通技術 HTV HTV-X RVD 画像センサ技術 ( 地上 ) 自動運転車 自動建設機械 ドローンなど HTV の実績が強み HTV-X の開発を通じ深宇宙における RVD 技術の開発 実証に取り組む ランデブセンサの HTV-X 搭載等による実証 ( 計画中 ) ドッキングシステムの HTV-X1 での軌道上実証 ( 計画中 ) 月面探査 5 5a 表面探査ロボット 2025 頃 M ( 技術的発展 ) 5b 月面与圧ローバ 2030 頃 L ( 重力天体探査に必須の技術 ) 表面状態把握 表面掘削 その場分析技術 月面移動技術 + 環境制御 + 放射線防護 JEM 表面掘削 ( 地上 ) 土木 建設機械の自動走行 自動操作技術 自律型ロボット 遠隔型ロボット その場分析 ( 地上 ) 質量分析計等 月面走行 ( 地上 ) 自動車の路面把握 障害物検知 自動運転 悪路 未舗装道路走行技術 日本の優れた非宇宙分野の技術 をベースに 宇宙探査の先進技術として進化させる研究を 探査イノベ ハブ で推進中 世界をリードする建設技術 ロボット技術 センシング技術 自動運転技術 資源抽出技術など 探査イノベ ハブ の要素研究成果を使い 独自性のある探査システムを開発し 日本の新たな強みとする まずは 月極域水探査を行う表面探査システムの研究開発を進める 5c 推薬生成プラント 2030 頃 L 水検知技術 水抽出技術 電気分解技術 低温推薬貯蔵技術 水検知技術 ( 地上 ) センサー技術 水抽出技術 ( 地上 ) フリーズドライ技術 電気分解技術 ( 地上 ) 水素等のガス製造 低温推薬貯蔵技術 ( 地上 ) 液化プラント 6 月面離着陸 6a 無人月着陸船 ( 技術的発展 ) 2020~ 25 頃 6b 無人月離着陸船 ( サンプル回収 ) 2025 頃 M~L ( 技術的発展 ) 6c 有人月離着陸船 2030 頃 L M ( 重力天体探査に必須の技術 ) 高精度航法 : 重力天体の特定地点への着陸に必須 + エンジン再使用 + 低温推薬貯蔵 + 環境制御 + 放射線防護 地形照合航法技術 ( はやぶさ ) SLIM 液酸 液水エンジン ( もしくはメタンエンジン ) JEM HTV 高精度航法 ( 地上 ) 自動車の危険物検知 回避技術 着地技術 ( 地上 ) 自動車 航空機などの衝撃吸収技術 低温推薬貯蔵 ( 地上 ) 断熱技術 冷凍機技術等 EX: 兆円オーダー : 状況整理 L: 千億円オーダー : 進め方 M: 百億オーダー 特に特定位置へのピンポイント着陸技術は 競争性の高い領域への着陸に必須 SLIM で実証するピンポイント着陸技術を発展させ 様々な照明条件下で着陸可能な航法 障害物回避制御の研究開発を進める