エマージングウイルスの ワクチン 東京大学医科学研究所 河岡義裕

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1 エマージングウイルスの ワクチン 東京大学医科学研究所 河岡義裕

2 1. 流行 2. 診断 3. ウイルスの性質 4. 対策 Pandemic 2009

3 2009

4 2009 pdm

5 H5N 感度 > > > > >

6 2009 pdm 感度 > > > > 1 2 3

7 2009 pdm ウイルス 患者検体 キット 感度 > > 検体 1 検体 2 検体 3 Sakai-Tagawa et al. J Clin Microbiol, 2010

8 Centers for Disease Control Wisconsin State Laboratory of Hygiene David Warshauer Peter Shult 大阪府公衆衛生研究所高橋和郎滋賀医科大学小笠原一誠伊藤靖北海道大学喜田宏迫田義博岡松正敏神戸大学新矢恭子牧野晶子新潟大学鈴木宏齋藤玲子永寿総合病院三田村敬子けいゆう病院菅谷憲夫富山化学工業株式会社古田要介第一三共株式会社山下誠 Acknowledgements ウイスコンシン大学 Rebecca Brockman-Schneider James Gern M. Suresh 渡辺登喜子八田正人今井正樹渡辺真治八田寧子小澤真 Chengjun Li Gabi Neumann Martha McGregor Rebecca Moritz Krisna Wells Anthony Hanson 東京大学医科学研究所 堀本泰介五藤秀夫下島昌幸田川 - 坂井優子岩附 - 堀本研子木曽真紀野田岳志藤井健村本裕紀子伊藤睦美山田晋也角川学士村上晋今井博貴田村大介坂部沙織高橋慧高野亮

9

10 ウイルス増殖 (Log100 pfu/g)

11 非感染 Ito et al. Nature, 2009

12 鳥インフルエンザ どこにいったのか?

13 高病原性鳥インフルエンザに感染した人 鳥インフルエンザは どこにも いっていないンザは どこにも いっていない

14 インドネシアは H5N1 ウイルス感染者の数が世界中で最も多い Azerbaijan Bangladesh Cambodia Djibouti i Pakistan Nigeria Myanmar Lao PDR Turkey Thailand Iraq インドネシア

15 ブタで新型ウイルスが出来るという仮説 Christoph Scholtissek

16 謝辞 : インドネシアのブタにおける H5N1 ウイルス感染 アイルランガ大学 Chairul A. Nidom Syafril Daulay Didi Aswadi 静岡県立大学鈴木隆中部大学鈴木康夫 神戸大学 新矢恭子 東京大学 高野量山田晋弥坂井優子岩附研子村本裕紀子

17 インドネシアのブタからの H5N1 ウイルスの分離 農場 分離ウイルス 時 郡 屠畜場の数サンプル数 数 ( 分離率 ) 2005 年 1 月 2005 年 2 月 (21%) 2006 年 10 月 2007 年 2 月 ( 7%) 2008 年 11 月 2009 年 4 月 ( 0%) 合計 ( 7.4%)

18 HA 遺伝子の解析 Clade Clade ブタ分離株は3つのグループに分類された. Clade H5N1 ウイルスは 2005 年から 2007 年の間に 少なくとも 3 回ブタに伝播した. Nidom et al., EID, 2010

19 2009 pdm ウイルスは人からブタに 伝播している. H5N1 ウイルスと 2009 pdm ウイルス間 でリアソータントが出来る可能性

20

21 2009 pdm ウイルスは人からブタに 伝播している. H5N1 ウイルスと 2009 pdm ウイルス間 でリアソータントが出来る可能性

22 H5N1 ウイルスと 2009 pdm ウイルス間のリアソータントの作製 M M H5N pdm M2 発現細胞

23 結果 59コのウイルスの中, 32 コが異なる遺伝子型のウイルスであった H5N pdm

24 結果 人で伝播しやすい高病原性鳥 インフルンザウイルスが 生まれる可能性がある H5N1 新型

25 何もしなかった場合 患新型インフルエンザ対策の目指すところ 何もなかた場合 者対策をした場合数対策をした場合 時間

26 インフルエンザ対策

27 インフルエンザ : 抗インフルエンザ薬 リン酸オセルタミビル ( タミフル ) ザナミビル ( リレンザ )

28 ( ) ) pdm (H1N1) (H1N1) (30mg/kg) (8mg/kg) CS-8958 (0.7mg/kg) NA, T-705 (60mg/kg) RNA,

29

30

31 季節性インフルエンザに感染し タミフルで治療を 受けた小児の 18% に タミフルの効かないウイルス Kiso et al. Lancet, 2005

32

33 タミフル耐性 B 型インフルエンザウイルスの 人から人へ伝播 タミフル Hatakeyama et al. JAMA, 2007

34 伝播 タミフル耐性新型ウイルス?

35 伝播 鼻洗浄液中のウイルス量 大阪 タミフル感受性 ベトナム タミフル感受性 ウイルス量 (Log 10 pfu/ /ml) 大阪 タミフル耐性 H275Y ベトナム タミフル耐性 H275Y Kiso et al., PLoS Path (2010)

36 インフルエンザ対策

37 公衆衛生対策の効果 4 月 5 月 6 月 米国ユタ州 489 例 35 入院 2 死亡 日本近畿地方 390 例中入院例なし 5 月 6 月

38 2009 Shiino et al., PLoS One, 2010

39 インフルエンザ対策

40 半生インフルエンザウイルスとは - 増殖に必須なウイルス蛋白質を欠損しているため 細胞に一度だけ感染してウイルス蛋白質を発現するが 新たな感染性粒子は産生しない

41 半生インフルエンザワクチン 不活化ワクチンの長所 ( 安全性 ) と生ワクチンの長所 ( 細胞性ならびに粘膜免疫の誘導 ) を備え持つが 両ワクチンの短所 ( 不活化ワクチン, 免疫原性の弱さ ; 生ワクチン, 病原性復帰の可能性 ) をなくした

42 ウイルス RNA 産生用プラスミド 半生ワクチンの作成 M ウイルス蛋白質産生用プラスミド PNAS 96: , 1999

43 半生ワクチンの作成 M2KO 半生ウイルス X

44 半生ワクチンの作成 この半生ワクチン作製方法 の問題点 -- 作製手技が煩雑 実用化可能な半生ウイルス 産生系の確立

45 半生ワクチンの作成方法 M2KO 半生ウイルス X 親株 M2 発現細胞

46 M2 knock-out インフルエンザウイルスの増殖ンザウイ 親細胞 M2 発現細胞 個々に感染している細胞はあるが プラックは検出できない 5x10 7 /ml 多段階増殖した

47 X 免疫 M2KO 半生ウイルス 攻撃 インフルエンザ OR

48 攻撃後の生残率 M2KO 半生ワクチン群 生残率 (%) コントロール群 攻撃後日数

49 攻撃後の生残率 生残率 (%) ワクチン群 高い感染防御効果を示す半生インフルエンザワクチンの作製は可能 コントロール群 攻撃後日数

50 東京大学医科学研究所 河岡義裕

51 謝辞 National Institute of Allergy and Infectious Diseases Rocky Mountain Laboratories Heinz Feldmann Hideki Ebihara Kawaoka lab Peter Halfmann Gabriele Neumann Shinji Watanabe Takeshi Noda

52 Ebola virus ひも状 遺伝子 : 1 本鎖ネガティブセンス RNA

53 Ebola virus 出血熱 90% の致死率 未だ認可されたワクチン 治療薬はない

54 Ebola virus genomic organization/virion structure

55

56 変異エボラウイルス 特定の細胞でのみ増殖可能なエボラウイルス - 増殖に不可欠な遺伝子を欠損

57 特定の細胞でのみ増殖可能なエボラウイルス - 増殖に不可欠な遺伝子を欠損 - 安全で BSL4 以外で使用可能 No virus

58 特定の細胞でのみ増殖可能なエボラウイルス

59 普通の細胞 VP30 発現細胞

60 Ebola VP30 virus の増殖 Log 10/ml 感染後日数 を欠く変異ボウイは VP30 を欠く変異エボラウイルスは wild-type のエボラウイルスと同様によく増殖する

61 Ebola virus Ebola VP30 virus 2μm

62 National Institute of Allergy and Infectious Diseases Rocky Mountain Laboratories Heinz Feldmann

63

64 免疫 / 攻撃 2 weeks 8 weeks 1 st imm. 2 nd imm. 攻撃 OR ΔVP30 Ebola virus (1x FFU) 1000 MLD 50 Ebola virus

65 ΔVP30 Ebola virus の効果 生残 % 生 感染後日数

66 ΔVP30 Ebola virus の効果 攻撃後のウイルス量 ウイルスス量 (log 10 ) Not detected C1 C2 C3 V1 V2 V3 無免疫 免疫

67 Protects??

68 免疫 / 攻撃 21 days 42days 1 st imm. 2 nd imm. 攻撃 OR x ΔVP30 Ebola virus (1x FFU) 1000 LD 50 Ebola virus

69 ΔVP30 Ebola virus の効果 % 生残 Vaccinated Control 感染後日数

70 まとめ ( 生 ) 半生インフルエンザワクチンの プラットフォームができた 半生エボラワクチンができた

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