水工学論文集

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1 水工学論文集, 第 58 巻,2014 年 2 月 大阪都市部における強雨予測手法の開発 DEVELOPMENT OF EARLY LOCAL HEAVY RAINFALL FORECAST TECNIQUE AT OSAKA CITY 中野俊夫 1 鈴木靖 2 増田有俊 3 Toshio NAKANO, Yasushi SUZUKI and Aritoshi MASUDA 1 正会員工博一般財団法人日本気象協会防災事業部 ( 東京都豊島区東池袋 3-1-1) 2 正会員理博京都大学教授防災研究所 ( 京都府宇治市五ヶ庄 ) 3 学生会員理修京都大学博士課程工学研究科 ( 京都府宇治市五ヶ庄 ) In Japan, flooding damage of urban area caused by local heavy rainfall is increasing in recent years. It is of great importance to improve the precision of forecasting local heavy rainfall. However, present weather forecasting system cannot forecast the local heavy rainfall well in advance since local heavy rainfall has small scale and grow suddenly. In this study, therefore, we develop two early local heavy rainfall forecast techniques at city. One is the weather index technique, and the other is numerical weather forecasting technique by assimilating the X-band multi parameter radar(x-mp Radar). As a result, we can forecast local heavy rainfall earlier by weather index technique, and we can express the movement, strength and detail structure of local heavy rainfall using numerical weather forecasting technique by assimilating X-MP Radar. Key Words : local heavy rainfall, data assimilation, X-band multi parameter radar 1. はじめに 我が国は, 都市化に伴い保水機能が低下しており, 大雨に対する耐性が低下している. 都市では時間 50mm 程度の大雨を想定して下水道を整備しているが, 近年は想定以上の大雨により浸水被害が増加している. 今後, 地球温暖化が進むと激しい降水の頻度はさらに増大すると指摘されており, 浸水対策や降水予測の高度化は喫緊の課題となっている. この問題に対し, 気象庁では目先数時間の降水予測として, 降水ナウキャストや降水短時間予報を提供している. 一方, 国土交通省では X バンドマルチパラメータレーダ ( 以下 X-MP) による降雨観測を行なっており, 高精度 高分解能の雨量分布の推定手法, あるいは雨水量の分布情報を用いた短時間の降水予測モデルの開発を行なっている ( 例えば, 加藤ほか 1) ). また, 中北ほか 2) は, 局地的豪雨に着目して,X-MP を用いた都市域における強雨の早期探知の研究を行っている. これらの努力により, 近年は速やかで高精度な実況降雨の把握と, 短時間降水予測の高度化が行われてきた. しかし, 短時間の降水予測モデルは, 雨域の移動を推定することによって降水を予測する手法で, 地形効果や直前の降水変化による外挿以外に降雨の発達を予測できない という問題がある. そのため, 新たに発生する雨域の位置や風収束域における雨域の急速な発達などを予測できず, 予測時間が長くなるにつれて精度が劣化する傾向があり, 都市などで急速に発達する局地的大雨の予測精度は十分でない. 一方, 短時間の降水予測モデルに対してより長い時間の予測を担っているのが, 気象庁の運用している MSM (Meso Scale Model) など気象モデルを用いた予測手法である. この手法では雨雲の生成から発達過程までを大気力学に基づいて表現することができる. しかし, 気象モデルの予測精度は, 初期時刻の雨域や風の 3 次元分布の再現精度に依存するが, その初期値の分布を作成するための観測値の密度が決して十分ではないという問題が存在する ( 例えば,Kawabata et al. 3) ). したがって, レーダなどの観測を有効に利用し, 初期時刻における雨雲や風の 3 次元分布をできうる限り正確に表現することが重要である. しかし,MSM は気象庁が保有する C バンドレーダは同化しているものの, 国土交通省が整備した X-MP は利用していない. また, 予測には大きな計算資源と計算時間が必要であり速報には適していないという問題も存在する. そこで, 本研究では都市に被害をもたらす局地的大雨を 都市型強雨 として, その予測技術の開発を目的と

2 した. ここでは, 台風や前線活動による集中豪雨を対象とはせず, 都市域で急激に発達する局地的大雨を対象とした. それは, このような局地的大雨は ゲリラ豪雨 と呼ばれるように, 急激に発達して被害をもたらすため, 早期の予測がより重要と考えるためである. 対象地域は, 2011 年に AMeDAS 地点大阪で時間 77.5mm と観測史上 1 位の大雨を記録した大阪府とした. 予測手法は,1 速報性のあるものとして発達する都市型強雨を指標から予測する手法,2 より長期の予測が可能で詳細な分布を得られる気象モデルを用いた手法の 2 手法を開発した. 2. 近年の大阪の都市型強雨 近年の被害が大きな都市型強雨は, 夏場の日中に発生し, 都市部で強い降雨をもたらす. したがって, 対象時刻は夏場の日中の時間帯とした. ただし, 本研究で利用する X-MP が配備されたのは 2010 年以降であることから, 対象期間は 2010~2012 年とした. 場所は大阪の都市部とし, 都市の定義は 3 次メッシュ ( 約 1km 格子 ) で国土地理院の発行している都市域土地利用細分メッシュデータの高層建物および低層建物 ( 密集地 ) の比率が 20% 以上の地点とした ( 図 -1). 都市型降雨の判定は時間 25mm 以上とした. 降水量はレーダを地上雨量で補正した格子間隔約 1km 前 1 時間積算の国土交通省解析雨量 ( 以下国交省解析雨量 ) から求めた. 以上をまとめると, 本研究における大阪の都市型強雨の抽出条件は以下である. (a) 時間 : 日中の 13~17 時 (b) 期間 :2010~2012 年の 7~9 月 (c) 場所 : 大阪の都市部 (d) 都市型強雨の判定 : 都市部で降水量が時間 25mm 以上この定義で大阪の都市型強雨事例を抽出すると,2010 年 3 事例,2011 年 2 事例,2012 年 8 事例の 13 事例が該当した.2012 年に都市型強雨が多く発生していたのは 8 月,9 月に太平洋高気圧の勢力が強く, 大気の状態が不安定になったためと考えられる. この中でもっとも被害が大きかった事例は 2011 年 8 月 27 日で,AMeDAS 地点大阪では観測史上 1 位の時間 77.5mm の大雨を記録し, 床上浸水 97 棟, 床下浸水 1647 棟, 道路冠水 73 箇所の被害が生じた. 3. 大阪の都市型強雨の特徴 大阪の都市型強雨の特徴をもっとも被害が大きかった 2011 年 8 月 27 日を例に概観する. この日は南海上に台風があり, 南から暖湿流が流入していた. 国交省解析雨量の時間変化をみると ( 図 -2),15 時に降り始めた雨が 16 時にかけて急激に発達し, 大阪に非常に強い雨を降らせたことが分かる. また, この後, 降雨は兵庫県で再び強まり 18 時に三木で時間 53.5mm の大雨を降らせている. ここでは図示しないが, この時の大阪の大気の状態を 27 日 9 時の MSM 初期値で概観すると, 下層の 925hPa 面では南から相当温位の高い空気が流入して AMeDAS 地点大阪の近傍の格子点で 342.7K であり, 上層では寒気が流入して 500hPa 面で 339.3K と, 上層より下層の相当温位が高い不安定な状態であった. 不安定度を示す K 指数は 35.1 と非常に高い値であり, 局地的大雨の起こりやすい状況であったと言える. 不安定度指数は多くの指数が提案されているが, 野村 竹見 4) は,MSM の精度を評価した上で MSM から算出する K 指数は, 局地的大雨に対して統計的に有意性が高いと指摘している. したがって, 本研究では不安定度には K 指数を利用した.K 指数は KI (1) で値が大きいほど不安定であり,T は気温, は露点温度, 下付き数字はそれぞれの高度である. 次に都市型強雨発生時の近畿地方の状況を見るため, 気温 気圧 風の分布を図 -3 に示す. ここで, 気温は AMeDAS10 分値の観測値を使用し, 中西 原 5) と同様に, K/m の気温減率で平均海面の高さに補正した上で 六甲 葛城 X-MP 観測サイト 田口 図 -1 大阪の都市部 鷲峰山 都市部 図 年 8 月 27 日の国交省解析雨量分布

3 逐次修正手法を用いて格子間隔 1km に内挿した 気圧 は気象官署の海面更正気圧観測値を用いて気温と同様に 水平内挿し 風は 1/7 乗則を用いて高度 10m に補正し て地点ごとに示す 大阪で都市型強雨の発生した2時間前の14時は 大阪 は32.5度と気温が高く熱的低気圧 ヒートロー が形成 され気圧が周囲より低くなっていた 風は 大阪湾から 西よりの風 伊勢湾からの東よりの風がヒートローの形 成されている大阪市付近を中心に収束していた また この日 近畿地方は台風の縁辺流の影響で暖かく湿った 空気に覆われていたが 雨の降っていた紀伊山地では気 温が下がり 低温部 冷気プール が形成され大阪市と 比較して3 4度 気温が低い状態であった 大阪市で都 市型強雨が発生した16時には 大阪市は23.6度と2時間 で8.9度も気温が下がり 風向は南東風となっていた 冷気プールの東側では東よりの 西側の大阪湾からは西 よりの暖かい風が吹いており 冷気プールと高温域の間 には大きな気温勾配に加え強い収束が生じており この 収束が降水系の降雨強化を促したと考える 発散風は冷 気プール外縁までのプール内にあったことから その外 縁をガストフロントとする冷気外出流であったと考えら れる このような大雨の特徴は他の事例でも見られてお り 大阪の都市型強雨は ①不安定場 ②都市部での高 温 ③冷気外出流による収束強化で発生すると言える この時の気象庁予報値として図-4に気象庁発表の降水 短時間予報値 MSM予報値を示す ただし MSMは約 2時間30分遅れで配信されることから 15時で入手可能 な12時の予測結果を示す この時の気象庁予報値では 降水短時間 MSMともに紀伊山地の雨は予測している ものの 16時の大阪の大雨や18時の兵庫の大雨を予測す ることはできていなかった これは 降水短時間予報は 急激に発達する雨雲を予測できないためである MSM は16時には大阪の強雨を予報しておらず18時に30mm程 度の雨を予測していた これは ①MSMは初期値の精 度が十分でない ②格子間隔が粗くこのような強雨を表 現することが困難であり降雨を過小評価する傾向がある ためと考える 以上から 気象庁発表の資料では本事例 の大雨を予測することは困難であることが分かる した がって このような都市型強雨の予測手法を開発するこ とは重要な課題であると言える 図-3 都市型強雨前後の大阪の気温と気圧 風の分布 上 14時 下 16時 図 年8月27日の予測雨量 上段 降水短時間 下段 MSM I_501

4 4. 都市型強雨の予測技術の開発 (1) 速報性に優れた簡易的な手法速報性に優れた簡易的な手法として, 指標による予測を開発した. ここでは, 近畿地方の都市型強雨の共通項を抽出し, その特徴を代表する指標を考案した. 大阪の都市型強雨は,1 大阪府内都市部の気温が高く不安定, 2 大阪府内都市部で風の収束がある,3 南部 東部に降水域が存在し冷気外出流が流入する, という特徴がある. このような特徴を考慮して都市型強雨が発生した 13 事例で整理すると以下の指標を満たすことが分かった. 条件 1 大阪府内都市部の気温が 29 度以上条件 2 大阪府内都市部の K 指数が 32 以上条件 3 大阪府内都市部の空気流入量 kg/s 以上条件 4 大阪の南部 東部に 10 分間で 2mm 以上の降雨ここで, 大阪府内都市部の気温は AMeDAS 地点大阪と堺の気温の高い方を選択した.K 指数は 9 時発表の MSM の初期時刻を使って求めた. 空気流入量は, 大阪府内都市部に流入する空気の重さを前章の AMeDAS 内挿値から DivAir ρv ds 2 で求めた. ここで ρ は空気密度で は面積素 ds に対する法線ベクトルである. この 4 条件について大阪で都市型強雨が発生した 13 事例について整理した ( 表 -1). 網掛けは大阪市内の AMeDAS 地点 ( 大阪 堺 ) で時間 50mm 以上の雨が観測された事例である. 右列の時間 ( 指標 ) はこの 4 条件を満たした時間と前 1 時間雨量の国交省解析雨量から算出した都市型強雨の最盛期との時間の差であり, 時間 ( 降短 ) は降水短時間が都市型強雨を予測した時刻と都市型強雨の最盛期の時間との差である. 都市型強雨の最盛期については国交省解析雨量 (30 分間隔 ) の最大値の時刻とした. ここで,(-) は事前に大阪の都市部で時間 25mm 以上を予測できなかったことを意味する. 表からすべての事例で都市型強雨が発生する前にこの 4 条件を満たしていたことが分かる. このうち 11 事例は 1 時間以上前に都市型強雨の発生を予測できていた. 気象庁発表の降水短時間予測では 13 事例中 5 事例しか予測できていなかったことを考慮すると, 本指標を利用した予測は有用であると考える. 降水短時間予測が予測できなかったのは, このような空気流入による風の収束の効果や不安定度を考慮できないためである. この指標を 2010~2012 年の 3 年間の夏季すべての日について計算したところ, 都市型強雨の条件に 29 日が該当した. そのうち, 都市型強雨に発展したのは表 -1 に示した 13 事例であることから, スレットスコア 45%, 空振り率 55%, 見逃し率 0% で予測が可能であると言える.50mm 以上の雨が観測された 3 事例 ( 表網掛け ) では, 気温 32 度以上,K 指数 35 以上であり, 大気の状態がより不安定であったことが分かる. 条件を気温 32 度以上,K 指数 35 以上に変更した場合, 条件を満たす事例は 3 年間で 7 事例しか存在せ ず,5 事例は都市型強雨が発生していた. 一方, 本指標で都市型強雨を予想したにもかかわらず強雨が発生していない事例も存在した. このような事例では, 大阪都市部に降雨はあるものの時間 25mm に達していなかった. このような事例については, さらなる調査が必要である. (2) 気象モデルを用いた手法気象モデルの予測精度は, 初期時刻の雨域や風の 3 次元分布の精度に依存する. しかし, 現在の MSM には X- MP は利用されていない. そこで, 本研究では X-MP の反射強度と動径風速,GPS 可降水量を同化することで気象モデルの予測精度向上を図った. メソ気象モデルには WRF を用いた. 計算領域は, 広領域は水平格子間隔 3km で, 狭領域は水平格子間隔 1km の 2 領域を設定し,1waynesting を行なった. 図 -5 に計算領域を示す. 予測は MSM を初期値として 1 時間予報を行い, その予報値に X- MP の反射強度と動径風速,GPS 可降水量を同化してさらに 1 時間予報を行う. このサイクルを繰り返して初期値を作成することで気象モデルの予測精度向上を図った. X-MP の同化は, 図 -5 の観測サイトのデータを用い, 同化時刻の前 5 分間における各仰角の反射強度 動径風速のレーダ観測値を 1km 間隔の格子点値に集計して同化した. これにより気象庁より高密度で詳細な雨水や風の観測値を同化することが可能になる. この際,Xiao et al. 6) と同様に品質管理として,110dbZ 以下のデータ除去, 事例 表 -1 各事例における指標値と予測時間 条件 1 ( 度 ) 条件 2 (-) 条件 3 (10 3 kg/s) : :40-1: : : :30-1: : :10-1: :20-1: : : : :40-2: :50 - 網掛けは時間 50mm 以上の雨が観測された事例 広領域 狭領域 図 -5 計算領域 条件 4 (mm) 六甲 時間 ( 指標 ) 田口 葛城 時間 ( 降短 ) 鷲峰山 鈴鹿 X-MP 観測サイト

5 図 年8月27日の予測雨量 上段 同化なし 下段 同化あり B A 高さ[m] ②標準偏差の大きいデータ除去 ③隣接格子点の反射強 度がすべて10dbZ以下のデータ除去 ③グランドクラッ タデータ除去を行った X-MPの反射強度Zは 偏波間位 相差変化率を用いた降雨減衰補正を施したもので7) 観 測演算子はCバンドレーダでも適用されている 3 Z log を用いた は空気密度 は雨粒の比湿である GPS 可降水量はIwabuchi8)と同様にGEONETデータを解析し たものを用いた 背景誤差共分散行列はNMC National Meteorological Center 法から推定した Parrish et al. 9) 2011年8月27日13時を初期値とした同化なしと同化あ りの計算結果を図-6に示す この時 16時に大阪で時間 73.0mm 18時に兵庫の三木で時間53.5mmの大雨が観測 されていた 図-2 同化なしでは 16時は大阪府の都 市部にほとんど雨が計算されておらず 大阪では時間 4.3mmであった 18時も兵庫県の都市部での雨は過小評 価されており三木で時間7.5mmであった 一方 同化あ りでは 大阪都市部の南北に延びる降水帯を再現してお り16時の大阪で時間43.1mm 18時の三木で時間40.4mm の雨を予測していた これは 初期時刻の風 水分量の 3次元分布の再現精度が向上したためと考える 次に 同化ありの大阪周辺の15時と16時の雨量分布と 15時に おける大阪を通る鉛直断面図を図-7に示す 大阪では 15時はほとんど雨が計算されていないが 南東の雨域か ら風が吹き 大阪湾からの西風と伊勢湾からの東風で収 束が生じていた 大阪を通る鉛直断面図を見ると 南東 から冷気外出流が大阪に向かって流れ込み 大阪付近で 収束して上昇流が生じているのが分かる この後 16時 に大阪で時間43.1mmの雨が計算されており 冷気外出 流と大阪湾からの西風 伊勢湾からの東風の収束により 雨が強化されている状況を再現することができていた このような大阪の状況は 同化を行わなかった場合では 再現できておらず 同化を行うことで再現精度が向上し A B 距離[km] 図-7 都市型強雨前後の雨量分布と鉛直断面図 上 15 16時の雨量分布 下 15時の鉛直断面図 たことが分かる 以上のことから WRFはX-MPやGPS 可降水量を同化することで 大阪で生じていた冷気外出 流による収束の強化が引き起こす局地的大雨のメカニズ ムを再現することができており 本手法は大阪の都市型 強雨の予測が可能であると考える 次に その他の12事例についても同様にWRFにX-MP とGPS可降水量を同化して計算を行い 以下WRF同化あ り 気象庁発表の降水短時間やMSMと比較を行った 各計算の初期時刻は都市型強雨発生の3時間前とした 計算時間は降水短時間と同じ6時間とし 比較は国交省 解析雨量を用い計算期間中の大阪都市部最大の時間降水 量とした 最大の時間降水量としたのは 時間ずれを許 I_503

6 容した上で予測精度を評価するためであり, 大阪都市部最大としたのは, 都市部が集中している大阪平野内の位置ずれは許容した上で予測精度を評価するためである. MSM は配信に 2 時間 30 分かかることを考慮し, 都市型強雨 3 時間前において取得可能な最新の MSM の計算結果を比較対象とした. 各予測手法の最大の時間降水量の比較を図 -8 に示す. 降水短時間は, すべての事例で降雨を過小評価しており, 都市型強雨を予測できていなかった. これは, 降水短時間は新たに発生する雨域や雨域の発達などを表現できないため, 急激に発生 発達する都市型強雨を予測できなかったと考える.MSM は降雨の強かった 2 事例においては過小評価しているものの都市型強雨を予測していたが, その他の事例では強雨をほとんど再現していなかった. 予測できた 2011 年 8 月 27 日事例においても, 図 -4 に示すように時間ずれを起こしていた. これは,1 格子間隔が粗いため都市型強雨を詳細に表現できない,2 初期時刻の精度が十分でないため都市型強雨の発生環境を再現することができていないなどの理由が考えられる. 一方, WRF 同化ありの計算結果は, 降雨の強かった 2 事例では都市型強雨を予測しており MSM よりも観測雨量に近い雨を予測できていた. この 2 事例はピーク時刻についても時間ずれは発生していなかった. その他の事例についても,WRF 同化ありはもっとも観測雨量に近い雨量を予測していた. また, 各事例を平均すると, 降水短時間 MSM は時間 10mm 以下の雨しか予測していなかったが,WRF 同化ありは時間 25.8mm の雨を予測しており, 都市型強雨の予測精度はもっとも高いと考える. これは, 1X-MP を同化することで初期時刻の精度が向上している,2 格子間隔が小さく局地的大雨を表現することができているなどの理由が考えられる. ただし,WRF 同化ありでも数事例で南部 東部の山沿いで降っていた雨が大阪市内に侵入して来ず, 大雨を予測することができていなかった. また, 数事例でピーク時刻が 1~2 時間ずれていた. これは, 初期場における収束場などの風の分布の再現性が十分でなかったためと考える. 5. まとめ 本研究では, 都市部における局地的大雨の予測を目指し,1 速報性に優れた簡易的な手法と,2 気象モデルを用いた手法を開発した. 得られた成果は以下である. (i) 速報性に優れた簡易的な手法では, 大阪における都市型強雨を見逃すことなく,45% の確率で予測できた. また, 特に被害の大きな事例では指標の閾値を変えることで更に精度よく予測できることを示した. (ii) 気象モデルを用いた手法では,WRF に X-MP と GPS 可降水量を同化することで, 降水短時間や MSM よりも高精度で都市型強雨を再現できることを示した. 予想値 [mm/hour] 降水短時間 MSM WRF 同化あり 2012/08/ /08/ 観測値 [mm/hour] 図 -8 各予測手法の最大時間降水量の比較 しかし, 本研究では大阪都市部を対象としており, 現時点では適用は大阪都市部に限定される. また, 気象モデルを用いた手法では, 同化を行っても再現できない事例が存在した. これは, 初期時刻の精度が十分でなかったためと考える. 今後は, 他地域への拡張への取り組みや, 予報の不確実性を考慮するアンサンブル手法, さらに高度な同化手法などについても検討する必要がある. 謝辞 :X-MP の観測値は, 国土交通省水管理 国土保全局の研究コンソーシアム活動の一環として提供して頂きました. 深く御礼申し上げます. 参考文献 1) 加藤敦, 真木雅之, 岩波越, 三隅良平, 前坂剛 : Xバンドマルチパラメータレーダ情報と気象庁レーダ情報を用いた降水ナウキャスト, 水文 水資源学会誌, 第 22 巻,pp , ) 中北英一, 山邊洋之, 山口弘誠 : ゲリラ豪雨の早期探知に関する研究, 水工学論文集, 第 54 巻,pp , ) Kawabata T., T. Kuroda, H. Seko and K. Saito: A cloud-resolving 4D-Var assimilation experiment for a local heavy rainfall event in the Tokyo metropolitan area, Monthly Weather Review, Vol.139, pp , ) 野村昇平, 竹見哲也 : 関東平野において夏季の午後に発生する局地降水の発生環境場に関する研究, 京都大学防災研究所年報, 第 54 号 B,pp , ) 中西幹郎, 原由紀男 : 東京都市部に短時間強雨をもたらした降水系の降雨強化に結びつく局地風の特徴, 天気, 第 50 巻, pp.13-25, ) Xiao Q., E. Lim, X. Zhang, S. Juanzhen and Z. Liu: Doppler Radar Data Assimilation with WRF 3D-Var: IHOP Retrospective Studies, WRF Users Workshop, ) Bringi, V.N. and V.Chandrasekar: Polarimetric Doppler WeatherRadar. Cambridge Univ. Press, pp , ) Iwabuchi T: Ten year comparisons between GPS and radiosonde retrieved precipitable water vapors over the Japanese Islands. Japan Geoscience Union Meeting, Z , ) Parrish,F., C. Derbber: The National Meteorological Center s Spectral Statistical Interpolation analysis system. Monthly Weather Review 120, pp , ( 受付 )

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