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1 四 川 省 の 経 済 投 資 貿 易 の 現 状 と 課 題 四 川 省 の 投 資 実 務 ガイド 2010 年 3 月 財 団 法 人 日 中 経 済 協 会 日 本 テ ピ ア 株 式 会 社 この 事 業 は 競 輪 の 補 助 金 を 受 けて 实 施 したものです

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3 は し が き 中 国 四 川 省 は 諸 葛 孔 明 劉 備 玄 徳 などの 登 場 する 三 国 志 の 蜀 の 国 として 日 本 人 にも 馴 染 みが 深 い また 中 国 4 大 料 理 の 一 つである 四 川 料 理 は 唐 辛 子 や 山 椒 などの 香 辛 料 を 使 った 特 徴 ある 料 理 で 日 本 でもファンが 尐 なくない 省 都 である 成 都 は ユネスコから 世 界 の 美 食 の 都 の 称 号 を 与 えられている 四 川 省 の 人 口 は 8,000 万 人 を 超 え GDP は 省 級 行 政 区 の 中 で 第 9 位 である そ の 中 心 に 位 置 する 四 川 盆 地 は 北 海 道 の 2 倍 の 面 積 があり 四 方 を 3,000m 級 の 山 々に 囲 まれて 古 来 から 気 候 温 暖 で 物 産 豊 かな 天 府 の 国 と 称 された こ のためか 人 々の 気 質 は 温 和 で 楽 観 的 である 2008 年 5 月 12 日 14 時 28 分 この 平 穏 な 地 域 は M8 の 大 地 震 に 見 舞 われた 死 者 行 方 不 明 者 は 8 万 人 を 超 え 被 災 人 口 4,600 万 人 全 半 壊 家 屋 3,000 万 戸 5,600 企 業 が 生 産 停 止 に 陥 り 被 害 総 額 は 12 兆 円 に 及 んだ こうした 甚 大 な 被 害 に 対 し 世 界 61 カ 国 地 域 や 国 際 機 関 から 様 々な 援 助 の 手 が 差 し 伸 べられた わが 国 からも 政 府 民 間 からの 義 捐 金 や 救 援 物 資 が 贈 られたほか 地 震 発 生 直 後 に 現 地 入 りした 緊 急 救 援 隊 の 救 助 活 動 の 模 様 が 全 国 に 放 映 され その 真 摯 な 態 度 が 中 国 の 人 々に 深 い 感 動 を 与 えた 中 国 国 内 では 中 央 政 府 の 財 政 出 動 による 復 興 支 援 のほか 全 国 18 の 省 が 被 害 の 大 きい 市 や 県 を 相 対 で 支 援 する 対 口 支 援 を 行 っている 日 中 経 済 協 会 は 毎 年 秋 に 日 本 経 済 界 首 脳 をメンバーとする 代 表 団 を 中 国 に 派 遣 している 2008 年 度 は 北 京 で 胡 錦 涛 国 家 主 席 李 克 強 副 総 理 との 会 談 を 終 えたあと 被 災 後 の 四 川 省 の 復 興 と 発 展 に 資 する 協 力 について 四 川 省 政 府 と 協 議 するため 成 都 を 訪 問 した 双 方 は 速 やかな 震 災 復 興 のため 日 本 と 四 川 省 との 経 済 貿 易 分 野 における 協 力 をより 一 層 強 化 する 必 要 があるとの 共 通 認 識 に 基 づき 日 中 経 済 協 会 訪 中 代 表 団 と 四 川 省 人 民 政 府 との 協 力 強 化 に 関 する 会 議 備 忘 録 を 締 結 した 本 報 告 書 は この 備 忘 録 の 中 の 協 力 項 目 の1つであ る 日 本 企 業 と 四 川 省 との 貿 易 投 資 関 係 を 促 進 するための 情 報 広 報 協 力 の 一 環 として 作 成 されたものである 本 書 四 川 省 の 経 済 投 資 貿 易 の 現 状 と 課 題 四 川 省 の 投 資 实 務 ガイド で は 四 川 省 の 投 資 環 境 投 資 政 策 優 遇 措 置 既 進 出 外 資 企 業 の 状 況 などを 紹 介 するとともに 四 川 省 での 投 資 に 際 する 实 務 手 続 行 政 サービス 労 働 雇 用 事 情 生 活 環 境 などの 最 新 情 報 を 収 集 整 理 した 巻 末 には 進 出 先 候 補 となる4 5 開 発 区 の 諸 元 表 と 实 際 に 進 出 手 続 をするときに 必 要 となる 各 種 申 請 フォーム を 添 付 した 本 書 は 日 中 経 済 協 会 が 財 団 法 人 JKA の 補 助 を 受 けて 日 本 テピア( 株 )に 調 査 委 託 を 行 い 四 川 省 商 務 庁 及 び 四 川 省 行 政 服 務 センター 等 の 協 力 を 得 ながら 作 成 されたものである 本 書 による 情 報 提 供 により 日 本 企 業 と 四 川 省 とのビ ジネス 関 係 が 広 範 に 促 進 される 端 緒 となり 被 災 後 の 四 川 省 の 経 済 再 建 と 更 な る 発 展 に 貢 献 できれば 幸 いである 2010 年 3 月 財 団 法 人 日 中 経 済 協 会

4 目 次 第 1 章 四 川 省 の 地 域 概 略 自 然 環 境... 1 (1) 地 理... 1 (2) 土 地 利 用... 2 (3) 気 候... 2 (4) 人 口 天 然 資 源... 5 (1) 鉱 物 資 源... 5 (2)エネルギー 資 源... 6 (3) 生 態 系 観 光 資 源... 7 (1) 世 界 遺 産... 7 (2)その 他 の 観 光 地 行 政 区 画 (1) 四 川 省 の 行 政 区 画 (2) 各 行 政 区 の 概 要 インフラ 状 況 (1) 交 通 物 流 (2) 電 気 ガス 水 道 (3) 通 信 (4) 労 働 力 (5) 物 流 不 動 産 関 連 コスト 第 2 章 四 川 省 の 経 済 概 況 と 外 資 導 入 政 策 地 域 経 済 の 概 況 (1) 全 体 状 況 (2) 農 業 (3) 工 業 (4) 建 築 業 (5) 交 通 運 輸 郵 政 及 び 通 信 (6) 国 内 貿 易 (7) 対 外 経 済 貿 易 (8) 金 融 保 険... 31

5 2. 産 業 発 展 の 動 向 (1) 四 川 省 有 力 産 業 の 概 況 (2) 西 部 大 開 発 10 年 の 新 政 策 動 向 (3) 加 工 貿 易 の 段 階 式 移 転 政 策 (4) 四 川 省 7+3 産 業 マスタープラン (5) 四 川 省 工 業 8 大 産 業 地 帯 振 興 計 画 外 資 導 入 政 策 (1) 産 業 目 録 (2) 優 遇 政 策 四 川 進 出 外 資 企 業 の 概 況 (1) 投 資 方 式 (2) 業 種 産 業 別 構 成 (3) 市 州 別 投 資 受 入 状 況 (4) 投 資 国 ( 地 区 )の 状 況 (5)GDP 貢 献 度 第 3 章 5 大 経 済 エリアの 特 徴 と 各 都 市 の 概 況 概 要 成 都 経 済 エリア (1) 産 業 集 積 の 特 徴 (2) 各 都 市 の 産 業 概 況 川 南 経 済 エリア (1) 産 業 集 積 の 特 徴 (2) 各 都 市 の 産 業 概 況 攀 西 経 済 エリア (1) 産 業 集 積 の 特 徴 (2) 各 都 市 の 産 業 概 況 川 東 経 済 エリア (1) 産 業 集 積 の 特 徴 (2) 各 都 市 の 産 業 概 況 川 西 北 生 態 経 済 エリア (1) 産 業 集 積 の 特 徴 (2) 各 都 市 の 産 業 概 況 第 4 章 外 商 投 資 企 業 の 投 資 実 務 手 続 き 投 資 方 式... 78

6 2. 現 地 法 人 の 設 立 及 び 抹 消 手 続 き (1) 設 立 手 続 き (2) 設 立 手 続 きワンストップサービス (3) 抹 消 手 続 き 代 表 機 構 の 設 立 及 び 抹 消 手 続 き (1) 設 立 手 続 き (2) 抹 消 手 続 き 工 業 パークへの 進 出 手 続 き 加 工 貿 易 関 連 手 続 き 投 資 関 連 サービス (1) 金 融 サービス (2) 法 務 会 計 サービス (3) 税 関 通 関 サービス (4) 政 務 サービス 第 5 章 四 川 省 の 労 働 雇 用 事 情 労 働 力 (1) 賃 金 水 準 (2) 人 材 資 源 人 材 採 用 と 手 続 き (1) 人 材 採 用 状 況 (2) 労 働 契 約 (3) 社 会 保 険 労 務 管 理 上 の 留 意 点 (1) 最 低 賃 金 (2) 定 着 率 向 上 策 第 6 章 生 活 環 境 治 安 状 況 (1) 概 況 (2) 在 留 邦 人 の 犯 罪 被 害 (3) 基 本 的 な 防 犯 対 策 交 通 安 全 (1) 道 路 交 通 事 情 (2) 悪 質 タクシーへの 対 策 生 活 インフラ

7 (1) 住 居 (2) 教 育 (3) 医 療 (4) 買 い 物 娯 楽 領 事 館 日 本 人 会 (1) 領 事 館 (2) 日 本 人 会 第 7 章 四 川 省 経 済 投 資 貿 易 の 課 題 産 業 インフラの 課 題 日 系 企 業 の 課 題 今 後 の 四 川 省 投 資 の 可 能 性 (1) 内 陸 部 広 域 市 場 への 販 売 拠 点 (2) 情 報 技 術 (IT) 電 子 部 品 産 業 付 録 資 料 1. 主 要 工 業 パーク 一 覧 付 録 資 料 2. 投 資 関 係 手 続 の 申 請 フォーム 様 式

8 第 1 章 四 川 省 の 地 域 概 略 1. 自 然 環 境 (1) 地 理 四 川 省 は 中 国 の 西 南 部 長 江 上 流 の 東 経 92 度 21 分 ~108 度 12 分 北 緯 26 度 03 分 ~34 度 19 分 の 間 に 位 置 する 省 土 は 東 西 1,075 キロメートル 南 北 900 キロメートル 余 りに 伸 び 東 は 重 慶 市 南 は 雲 南 省 及 び 貴 州 省 西 はチベット 自 治 区 北 は 青 海 省 甘 粛 省 陝 西 省 の 3 省 と 接 し ている 四 川 省 の 地 形 は 東 西 の 変 化 が 大 きく 西 部 は 海 抜 4,000 メートル 級 の 山 地 と 高 原 東 部 は 海 抜 1,000~3,000 メートルの 盆 地 と 丘 陵 地 帯 があり 四 川 省 の 全 体 は 四 川 盆 地 川 西 北 高 原 及 び 川 西 南 山 地 の 3 つの 地 方 から 構 成 される 四 川 盆 地 は 中 国 の 四 大 盆 地 の 一 つで 面 積 は 16 万 5,000 平 方 キロメートルである 盆 地 の 周 辺 は 北 部 に 秦 嶺 山 脈 東 部 に 米 倉 山 や 大 巴 山 南 部 に 大 婁 山 西 北 部 に 竜 門 山 や 邛 崍 山 等 の 山 地 に 囲 まれている 四 川 盆 地 の 西 部 は 肥 沃 な 川 西 平 原 が 広 がり 成 都 市 をはじめ 四 川 省 の 主 要 な 都 市 が 点 在 する 省 の 西 北 部 にはチベット 高 原 の 東 南 端 へつながる 川 西 北 高 原 があり 平 均 海 抜 は 3,000~5,000 メートルである 川 西 南 山 地 は 雲 南 省 との 境 をなし 山 脈 と 渓 谷 が 交 互 に 南 北 方 向 へ 走 る 急 峻 な 地 勢 となっている 図 表 中 国 における 四 川 省 の 地 理 的 位 置 1

9 (2) 土 地 利 用 四 川 省 の 総 面 積 は 48 万 5,000 平 方 キロメートルで 国 土 総 面 積 の 5.1%を 占 め 新 疆 ウイグル 自 治 区 チベット 自 治 区 内 モンゴル 自 治 区 青 海 省 に 次 ぐ 全 国 第 5 位 の 広 さである また 人 口 の 多 さも 全 国 第 4 位 であり 一 人 当 たりの 土 地 面 積 は 全 国 平 均 を 下 回 る 四 川 省 の 地 形 は 複 雑 で 山 と 高 原 が 多 く 山 地 丘 陵 平 原 高 原 の 四 種 の 地 形 類 型 で 見 ると それぞれ 省 全 体 の 77.1% 12.9% 5.3% 4.7%を 占 めている 省 全 体 に 分 布 する 地 質 土 壌 の 類 型 は 25 土 類 66 亜 土 類 137 土 属 380 土 種 あり 土 類 と 亜 土 類 数 では 全 国 総 数 のそれぞれ 43.48% と 32.6%が 四 川 省 内 に 存 在 する 図 表 に 示 す 通 り 四 川 省 の 総 土 地 面 積 の 約 7 割 は 林 地 及 び 牧 草 地 として 利 用 され 主 に 四 川 盆 地 周 辺 の 山 地 と 西 部 の 高 山 高 原 に 分 布 している 耕 地 は 主 に 四 川 盆 地 と 低 山 丘 陵 地 帯 に 分 布 し 省 全 体 の 耕 地 の 85% 以 上 を 占 める 交 通 用 地 と 居 住 区 及 び 鉱 工 業 用 地 は 経 済 が 発 達 して いる 四 川 盆 地 と 周 辺 の 丘 陵 区 に 分 布 している 図 表 四 川 省 土 地 資 源 利 用 現 状 単 位 : 万 ヘクタール 土 地 資 源 利 用 類 型 面 積 比 率 (%) 耕 地 園 地 林 地 1, 牧 草 地 1, 居 住 区 及 び 鉱 工 業 用 地 交 通 用 地 水 域 未 利 用 土 地 合 計 4, ( 出 所 ) 四 川 省 人 民 政 府 ウェブサイト (3) 気 候 四 川 省 はチベット 高 原 から 中 国 東 部 平 原 への 過 渡 地 帯 にあるため 海 抜 高 度 差 は 3,000 メートル 余 りに 及 び 地 形 が 複 雑 かつ 多 様 であり 地 域 ごとの 気 候 も 変 化 に 富 んでいる 東 西 の 気 候 の 差 は 特 に 大 きく 3 つの 気 候 区 に 分 けることができる 1 四 川 盆 地 中 亜 熱 帯 湿 潤 気 候 区 一 年 を 通 して 温 暖 湿 潤 で 年 間 平 均 気 温 は 16~18 度 である 雲 の 発 生 量 が 多 く 曇 りの 日 が 多 いため 年 間 の 日 照 時 間 は 1,000~1,400 時 間 にとどまり 同 緯 度 の 長 江 下 流 域 の 地 区 と 比 べる と 600~800 時 間 ほど 短 い また 雤 が 多 く 年 間 降 水 量 は 1,000~1,200 ミリメートルで 降 雤 の 50% 2

10 ( ) 以 上 は 夏 季 に 集 中 する 2 川 西 南 山 地 亜 熱 帯 半 湿 潤 気 候 区 一 年 を 通 して 気 温 が 比 較 的 高 く 年 間 平 均 気 温 は 12~20 度 である 年 間 の 気 温 差 が 小 さいた め 四 季 がはっきりしない 晴 天 が 多 いため 日 照 時 間 は 長 く 年 間 2,000~2,600 時 間 である 年 間 降 水 量 は 900~1,200 ミリメートルで 雤 季 と 乾 季 がはっきりしており 降 雤 の 90%が 5~10 月 に 集 中 する 渓 谷 地 帯 は 乾 季 にはフェーン 気 象 により 非 常 に 高 温 で 乾 燥 した 気 候 となる 3 川 西 北 高 山 高 原 寒 冷 気 候 区 海 抜 高 度 差 による 気 候 の 変 化 がはっきりしており 渓 谷 低 地 から 山 の 尾 根 まで 亜 熱 帯 温 帯 寒 温 帯 亜 寒 帯 寒 帯 の 各 気 候 が 分 布 している 全 体 的 には 寒 温 帯 気 候 であるが 渓 谷 地 帯 は 乾 燥 して 温 暖 で 山 地 は 寒 冷 で 高 湿 である 年 間 平 均 気 温 は 4~12 度 で 年 間 降 水 量 は 500~900 ミリメートルである 年 間 を 通 じて 晴 天 が 多 く 年 間 日 照 時 間 は 1,600~2,600 時 間 となっている 四 川 省 は 全 般 的 に 安 定 した 気 候 風 土 であるが 干 ばつ 暴 風 雤 洪 水 や 低 温 により 農 産 物 への 被 害 等 が 発 生 することがあり また 影 響 が 広 範 囲 に 及 ぶこともある 図 表 及 び 図 表 にそれぞれ 成 都 市 の 年 間 平 均 気 温 と 年 間 平 均 降 水 量 のデータを 示 す 2008 年 における 成 都 市 の 年 間 平 均 気 温 は16.3 度 年 間 総 降 水 量 は1,028.2ミリメートルであった 図 表 成 都 市 の 年 間 平 均 気 温 (2008 年 ) 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 ( 出 所 ) 四 川 統 計 年 鑑 2009 中 国 統 計 出 版 社 2009 年 8 月 3

11 (mm) 図 表 成 都 市 の 年 間 平 均 降 水 量 (2008 年 ) 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 注 :12 月 のデータは 出 所 に 記 載 なし ( 出 所 ) 四 川 統 計 年 鑑 2009 中 国 統 計 出 版 社 2009 年 8 月 (4) 人 口 中 国 統 計 年 鑑 2009 によると 四 川 省 の 2008 年 の 常 住 人 口 は 8,138 万 人 で 全 国 第 4 位 であ った 07 年 の 常 住 人 口 は 8,127 万 人 で 08 年 の 増 加 率 は 0.13%となっている また 四 川 統 計 年 鑑 2009 によると 四 川 省 の 08 年 の 戸 籍 人 口 は 8,908 万 人 男 女 別 ではそれぞれ 4,608 万 人 と 4,300 万 人 となっている( 図 表 1-1-5) なお 図 表 に 示 す 通 り 四 川 省 の 戸 籍 人 口 は 75%が 農 業 人 口 で 構 成 されている 図 表 四 川 省 戸 籍 人 口 の 男 女 別 割 合 (2008 年 ) 女 48% 男 52% 図 表 四 川 省 戸 籍 人 口 の 農 業 非 農 業 人 口 別 割 合 (2008 年 ) 非 農 業 人 口 25% 農 業 人 口 75% ( 出 所 ) 四 川 統 計 年 鑑 2009 中 国 統 計 出 版 社 2009 年 8 月 4

12 また 四 川 省 には 55 の 尐 数 民 族 がおり 尐 数 民 族 の 人 口 は 422 万 人 である 省 内 にはイ 族 チベット 族 チャン 族 ミャオ 族 回 族 蒙 古 族 リス 族 満 州 族 ナシ 族 プイ 族 ペー 族 チワン 族 タイ 族 の 14 の 尐 数 民 族 がいる 尐 数 民 族 は 涼 山 イ 族 自 治 州 甘 孜 チベット 族 自 治 州 阿 壩 チベット 族 チャン 族 自 治 州 及 び 馬 辺 イ 族 自 治 県 峨 辺 イ 族 自 治 県 北 川 チャン 族 自 治 県 に 居 住 しており 成 都 広 元 宜 賓 等 18 の 都 市 にも 分 散 している また 石 綿 漢 源 金 口 河 等 6 つの 民 族 地 区 待 遇 県 ( 区 )と 宝 興 県 の 磽 磧 郷 青 川 県 の 大 院 郷 など 94 の 民 族 郷 がある 2. 天 然 資 源 (1) 鉱 物 資 源 1 豊 富 な 鉱 物 資 源 四 川 省 は 地 質 構 造 が 複 雑 であるため 鉱 物 資 源 が 豊 富 で 種 類 が 多 い 132 種 類 の 鉱 物 が 発 見 さ れており 中 国 で 産 出 される 鉱 物 資 源 の 70%が 四 川 省 に 存 在 する すでに 一 定 の 埋 蔵 量 が 確 認 さ れたものは 94 種 類 あり うち 32 種 類 については 埋 蔵 量 が 全 国 5 位 内 である チタン バナジウ ム パイライト 等 7 種 類 は 全 国 第 1 位 であり さらにチタンは 世 界 の 総 埋 蔵 量 の 82% バナジウ ムは 3 分 の 1 を 占 めている 図 表 に 07 年 の 四 川 省 における 主 な 鉱 物 資 源 の 埋 蔵 量 と 全 国 における 順 位 を 示 す 図 表 四 川 省 の 主 要 鉱 物 資 源 (2007 年 ) 資 源 埋 蔵 量 順 位 バナジウム 万 トン 全 国 1 位 チタン 21, 万 トン 全 国 1 位 パイライト 40, 万 トン 全 国 1 位 天 然 ガス 5, 億 m3 全 国 3 位 鉄 鉱 億 トン 全 国 3 位 リン 鉱 3.25 億 トン 全 国 4 位 ( 出 所 ) 中 国 統 計 年 鑑 2008 中 国 統 計 出 版 社 2008 年 9 月 2 四 川 省 の 鉱 物 資 源 の 特 徴 四 川 省 の 鉱 物 資 源 の 特 徴 は 主 に 次 の 通 りである a) 資 源 の 分 布 が 相 対 的 に 集 中 し 地 域 性 がはっきりしている 資 源 は 主 に 川 西 南 ( 攀 西 ) 川 南 川 西 北 の 3 つの 地 区 に 集 中 している ア) 川 西 南 地 区 : 黒 色 有 色 金 属 と 希 土 資 源 が 多 い その 他 の 地 下 資 源 も 豊 富 で 中 国 の 冶 金 産 業 の 集 積 地 の 一 つになっている イ) 川 南 地 区 : 石 炭 硫 黄 リン 岩 塩 天 然 ガスを 主 とする 非 金 属 資 源 の 種 類 が 多 い 埋 蔵 5

13 量 も 多 く 中 国 の 化 学 工 業 集 積 地 の 一 つになっている ウ) 川 西 北 地 区 : 希 尐 金 属 (リチウム ベリリウム 金 銀 )とエネルギー 資 源 (ウラン 泥 炭 )が 豊 富 であり 先 端 技 術 製 品 の 原 料 供 給 地 となっている b)すでに 調 査 された 鉱 物 資 源 の 埋 蔵 状 況 は 品 質 の 良 い 鉱 脈 は 尐 ない 鉛 亜 鉛 カドミウム 銀 岩 塩 などの 品 位 はやや 高 いが その 他 の 資 源 の 多 くは 中 程 度 以 下 の 品 質 である c) 共 生 鉱 物 が 多 く 重 要 な 総 合 利 用 価 値 を 持 つ 攀 西 のバナジウム チタン 磁 鉄 鉱 は 鉄 バナジウム チタンが 共 生 川 南 の 炭 鉱 は 石 炭 と 硫 黄 が 共 生 川 西 北 のリチウム 鉱 はリチウム ベリリウムが 共 生 する (2)エネルギー 資 源 四 川 省 のエネルギー 資 源 は 豊 富 であり そのうち 水 力 エネルギーと 石 炭 天 然 ガスが 主 な 資 源 である 同 省 のエネルギー 供 給 構 成 は 水 力 が 約 75% 石 炭 が 約 23.5% 天 然 ガス 及 び 石 油 が 約 1.5%を 占 めている 1 水 力 エネルギー 資 源 四 川 省 の 水 力 エネルギー 資 源 の 理 論 埋 蔵 量 は 全 国 の 21.2%に 相 当 する 1 億 4,300 万 キロワット に 達 し チベット 自 治 区 に 次 ぐ そのうち 経 済 的 な 開 発 可 能 量 は 7,611 万 2,000 キロワットで 全 国 の 31.9%を 占 め 全 国 第 1 位 である 省 全 体 の 水 力 エネルギー 資 源 は 川 西 南 山 地 の 大 渡 河 金 沙 江 雅 礱 江 の 三 大 水 系 に 集 中 して 分 布 しており 省 全 体 の 水 力 エネルギー 資 源 の 約 3 分 の 2 を 占 める 雅 礱 江 にある 四 川 省 で 最 大 規 模 の 二 灘 水 力 発 電 所 の 総 設 備 容 量 は 330 万 キロワットに 達 する 2 その 他 エネルギー 資 源 四 川 省 の 石 炭 と 石 油 は 比 較 的 尐 なく 石 炭 の 確 認 埋 蔵 量 は 97 億 3,300 万 トンで 全 国 の 0.9%で あり 石 油 の 確 認 埋 蔵 量 は 6,796 万 トンである 他 方 天 然 ガス 資 源 は 豊 富 で 確 認 された 天 然 ガ ス 埋 蔵 量 は 7 万 億 立 方 メートル 余 りである バイオエネルギーも 比 較 的 豊 富 で 開 発 可 能 な 人 畜 糞 便 量 は 年 間 3,148 万 トン 薪 1,189 万 トン 藁 4,212 万 トン メタンガス 約 10 億 立 方 メートル である 泥 炭 資 源 は 調 査 された 埋 蔵 量 が 約 20 億 トンあり 太 陽 光 エネルギー 風 力 エネルギー 地 熱 資 源 も 比 較 的 豊 富 で 開 発 利 用 の 余 地 が 大 きい (3) 生 態 系 四 川 省 は 亜 熱 帯 季 節 風 気 候 に 属 し 地 形 も 複 雑 で 多 様 であるため 生 物 資 源 の 種 類 が 豊 富 で 希 尐 な 動 植 物 種 が 多 く 分 布 している 1 植 物 6

14 四 川 省 では 1 万 種 近 くの 植 物 が 確 認 されており 全 国 総 数 の 約 3 分 の 1 を 占 め 種 類 の 多 さで 雲 南 省 に 次 ぐ 第 2 位 である そのうち 苔 植 物 類 500 種 余 り 維 管 束 植 物 類 230 科 1620 属 シ ダ 植 物 類 708 種 裸 子 植 物 類 100 種 余 り 被 子 植 物 類 8,500 種 余 り 松 杉 柏 類 87 種 が 確 認 さ れており いずれも 全 国 首 位 である また 四 川 省 には 中 国 で 希 尐 絶 滅 危 惧 種 に 指 定 されている 保 護 植 物 389 種 のうち 74 種 が 分 布 している 野 生 植 物 種 は 5,500 種 余 りが 存 在 し このうち 4,600 種 が 薬 用 材 として 利 用 される 四 川 省 は 全 国 最 大 の 漢 方 薬 原 料 の 供 給 源 であり 生 産 される 漢 方 薬 は 全 国 の 約 3 分 の 1 を 占 める また 芳 香 植 物 類 は 300 種 余 りあり 全 国 最 大 の 芳 香 油 の 生 産 地 でもある 野 生 果 物 類 は 100 種 以 上 で 種 類 の 多 さは 全 国 首 位 で キウイフルーツが 最 も 豊 富 である 菌 類 の 種 類 も 多 く 野 生 菌 類 は1,291 種 が 確 認 されており 中 国 にある 菌 類 の 95%が 四 川 省 に 存 在 する 省 土 の 森 林 被 覆 率 は 31.3%で 森 林 面 積 は 1,515 万 6,000 ヘクタールに 及 び 全 国 首 位 である また 木 材 貯 蔵 量 は 16 億 7,300 万 立 方 メートルで 全 国 第 2 位 となっている 2 動 物 四 川 省 は 動 物 資 源 も 豊 富 で 獣 類 と 鳥 類 の 種 類 は 全 国 の 約 53%が 分 布 する 獣 類 217 種 鳥 類 625 種 爬 虫 類 84 種 両 生 類 90 種 魚 類 230 種 が 確 認 されており そのうち 146 種 が 国 家 重 点 保 護 野 生 動 物 に 指 定 されている 四 川 省 で 2007 年 に 確 認 された 野 生 のジャイアントパンダは 1,206 頭 で 全 国 の 76%を 占 める 鳥 類 ではキジ 科 が 多 く 分 布 し その 種 類 は 20 種 に 及 び 四 川 山 シャコ オジロニジキジ 等 希 尐 絶 滅 危 惧 種 に 指 定 されているキジ 類 も 多 い 3. 観 光 資 源 四 川 省 は 観 光 資 源 が 豊 富 で 独 特 の 自 然 景 観 歴 史 遺 構 や 民 族 文 化 を 有 している 省 内 には 世 界 遺 産 が 5 ヵ 所 あり 全 国 第 2 位 で うち 自 然 遺 産 が 3 ヵ 所 ( 九 寨 溝 黄 龍 パンダ 生 息 地 ) 自 然 文 化 遺 産 が 1 ヵ 所 ( 楽 山 大 仏 ) 文 化 遺 産 が 1 ヵ 所 ( 都 江 堰 )である 省 内 に 国 家 級 自 然 保 護 区 が 21 ヵ 所 あり 11 ヵ 所 の 国 家 級 ジャイアントパンダ 自 然 保 護 区 が 含 まれる その 他 国 家 級 森 林 公 園 が 31 ヵ 所 国 家 級 地 質 公 園 が 2 ヵ 所 国 家 級 歴 史 文 化 都 市 が 7 ヵ 所 あり 歴 史 文 化 都 市 の 数 は 全 国 1 位 となっている (1) 世 界 遺 産 1 九 寨 溝 九 寨 溝 (きゅうさいこう)は 阿 壩 チベット 族 チャン 族 自 治 州 九 寨 溝 県 中 南 部 の 標 高 2,000 か ら 4,300 メートルに 位 置 する 一 帯 に 9 つの 寨 ( 山 村 )があることから 名 づけられ 高 山 湖 沼 滝 が 神 秘 的 な 自 然 景 観 の 変 化 を 作 り 出 し またチベット 族 等 の 尐 数 民 族 の 居 住 地 としても 知 られ る 高 原 湿 潤 気 候 に 属 し 高 山 の 山 頂 付 近 は 夏 でも 積 雪 が 残 る 気 温 は 夏 でも 19~22 度 と 涼 し く 秋 は 7~18 度 冬 は 氷 点 下 にまで 下 がる 一 年 中 観 光 に 適 しているが 春 から 秋 の 初 めにか 7

15 けて 観 光 実 が 多 い 2 都 江 堰 都 江 堰 (とこうえん)は 成 都 平 原 の 西 部 岷 江 に 位 置 し 完 全 な 形 で 保 存 されている 世 界 で 唯 一 の 堤 防 を 持 たない 水 利 施 設 である 紀 元 前 3 世 紀 の 秦 の 時 代 に 建 造 され 中 国 に 現 存 する 最 も 古 い 土 木 工 事 遺 構 の 一 つでもある 都 江 堰 は 岷 江 の 流 れを 人 工 の 中 洲 によって 外 江 と 内 江 の 支 流 に 分 け 自 然 の 水 量 変 化 による 川 底 の 土 砂 の 移 動 を 利 用 した 治 水 システムとなっている 外 江 はそのまま 岷 江 として 下 流 へ 続 き 内 江 は 灌 漑 用 水 として 用 水 路 に 分 かれて 成 都 平 原 へ 流 れ 込 む 都 江 堰 は 現 在 も 5,300 平 方 キロメートルに 及 ぶ 成 都 平 原 を 潤 し 成 都 を 天 府 之 国 と 呼 ばれる 豊 かな 地 としている 3 四 川 パンダ 生 息 地 四 川 省 は 最 初 にジャイアントパンダが 発 見 され 世 界 でパンダが 最 も 多 く 生 息 する 場 所 である パンダは 世 界 的 に 有 名 な 希 尐 動 物 で その 85%が 四 川 省 に 生 息 している 中 国 には 19 のパンダ 自 然 保 護 区 があり 四 川 省 にはそのうち 17 の 保 護 区 がある 成 都 市 から 136km 離 れた 臥 竜 パン ダ 自 然 保 護 区 は 世 界 最 大 の 野 生 パンダ 保 護 区 でパンダ 繁 殖 基 地 の 1 つである 4 黄 龍 黄 龍 風 景 名 勝 区 は 成 都 市 の 北 360 キロメートルに 位 置 し 阿 覇 チベット 族 チャン 族 自 治 州 松 藩 県 にある 景 勝 地 である 世 界 有 数 のカルスト 地 形 が 織 りなす 独 特 の 景 観 が 動 き 回 る 巨 大 な 龍 を 想 像 させることからこう 名 づけられた 周 囲 の 海 抜 5,000 メートル 級 の 山 々からの 雪 解 け 水 が 地 下 に 染 み 込 み 長 い 時 間 をかけて 大 量 の 石 灰 質 を 含 んだ 地 下 水 となって 湧 き 出 し 大 小 約 2,300 の 池 と 湖 を 形 成 した 何 万 年 という 時 間 の 経 過 とともに 厚 さ 数 十 センチメートル 高 さ 10 センチメートルから 2 メートルにも 及 ぶカルシウム 化 合 物 の 硬 い 堤 が 次 々に 形 成 され さまざ まな 地 形 の 変 化 を 作 り 出 している 1992 年 に 九 寨 溝 とともに 世 界 遺 産 として 登 録 され その 後 2000 年 にユネスコの 生 態 系 保 護 区 に 指 定 された 数 多 い 湖 のうち 五 彩 池 は 黄 龍 風 景 名 勝 区 で 最 も 大 きく 特 別 に 景 観 が 美 しいと され 一 年 中 水 が 豊 富 で 冬 でも 凍 結 することはない また 黄 龍 寺 と 呼 ばれる 道 教 の 寺 も 現 存 する 5 楽 山 大 仏 楽 山 大 仏 は 成 都 市 の 南 170 キロメートルの 楽 山 市 にあり その 足 元 には 岷 江 大 渡 河 青 衣 江 の 3 つの 川 が 合 流 している 大 仏 は 唐 の 時 代 の 713 年 に 海 通 という 僧 侶 によって 川 を 航 行 す る 船 の 安 全 を 祈 願 するため 90 年 の 歳 月 をかけて 完 成 された 高 さは 71 メートルに 及 び 世 界 で 8

16 最 も 大 きな 弥 勒 大 仏 の 座 像 とされ 仏 は 一 つの 山 山 は 一 体 の 仏 と 形 容 される 頭 部 だけで も 15 メートルあり 耳 は 2 階 建 ての 高 さに 相 当 する 7 メートルもある また その 足 は 100 人 ほどが 同 時 に 乗 ることができる 巨 大 さである 完 成 当 初 の 大 仏 は 全 身 を 金 色 と 彩 色 装 飾 で 彩 ら れ 十 三 重 の 木 造 の 楼 閣 で 覆 われていたと 伝 えられる (2)その 他 の 観 光 地 1 文 殊 院 文 殊 院 は 成 都 市 の 北 部 を 流 れる 府 河 の 南 側 に 位 置 する 仏 教 寺 院 で 南 北 朝 時 代 (420~589 年 ) に 創 建 された もとは 唐 の 妙 園 塔 院 で 宋 代 に 信 相 寺 と 呼 ばれたが 信 相 というのは 尼 の 名 字 で 当 時 の 蜀 王 がその 面 影 を 慕 い 彼 女 の 為 に 寺 を 建 立 したといわれる 明 の 時 代 に 戦 火 で 焼 失 したが 清 朝 の 1697 年 に 再 建 された 際 に 文 殊 院 と 改 称 された その 後 2 回 にわたる 増 築 工 事 が 行 われて 現 在 の 規 模 となり 四 川 省 の 仏 教 の 中 心 地 となっている 文 殊 院 は 南 向 きに 建 てられており 建 設 面 積 は 1 万 1,600 平 方 メートル 部 屋 は 全 部 で 190 审 ある 天 王 殿 三 大 士 殿 大 雄 殿 説 法 堂 蔵 経 楼 など いずれも 典 型 的 な 清 代 建 築 で 精 巧 な 透 かし 彫 りの 飾 り 窓 が 付 いている また 文 殊 院 には 古 くからの 文 物 が 数 多 く 収 蔵 されており 中 国 の 有 名 な 歴 史 学 者 である 郭 沫 若 は 西 天 文 物 萃 斯 楼 という 詩 の 中 で 文 殊 院 を 中 国 仏 教 文 物 の 宝 庫 であると 称 えている 2 武 候 祠 成 都 市 内 の 南 西 部 に 位 置 する 武 候 祠 は 三 国 時 代 の 蜀 王 劉 備 玄 徳 と 丞 相 の 諸 葛 孔 明 を 祭 る 廟 である 武 侯 というのは 中 国 の 後 漢 時 代 に 登 場 した 英 雄 劉 備 玄 徳 の 軍 師 であった 諸 葛 孔 明 の 死 後 の 諡 号 (おくり 名 )の 忠 武 侯 に 因 んでつけられたものである 西 晋 時 代 末 期 の 760 年 に 別 の 場 所 に 建 立 された 諸 葛 孔 明 を 祭 る 祠 堂 を 明 代 になって 現 在 の 場 所 である 劉 備 玄 徳 の 墓 である 昭 烈 廟 の 隣 へ 移 し 君 主 とこれに 仕 えた 丞 相 を 共 に 祭 る 合 同 廟 と した 1961 年 に 国 務 院 により 全 国 重 要 文 化 財 に 指 定 されている 3 杜 甫 草 堂 杜 甫 草 堂 は 唐 代 の 詩 人 として 有 名 な 杜 甫 が 成 都 に 住 んでいた 時 の 住 居 跡 である 759 年 から 約 4 年 間 安 禄 山 の 乱 を 逃 れた 杜 甫 が 樹 齢 200 年 の 柏 の 木 の 下 に 仮 小 屋 を 作 り 質 素 な 生 活 を 送 っていたとされる 場 所 で 杜 甫 の 全 作 品 1400 首 のうち 代 表 作 を 含 む 247 首 がここで 創 作 された 唐 代 末 に 杜 甫 を 記 念 するために 仮 小 屋 の 跡 に 草 堂 が 建 てられ 明 代 に 再 建 されて 現 在 に 至 って いる 大 門 をくぐると 庭 園 内 に 蓮 花 池 や 三 重 の 庁 堂 があり 草 堂 書 屋 には 古 今 の 杜 甫 詩 集 等 の 書 物 が 展 示 されている 9

17 4 永 陵 ( 王 建 墓 ) 永 陵 は 五 代 十 国 時 代 の 前 蜀 の 皇 帝 王 建 の 墓 で 中 国 の 重 要 文 化 財 となっている 三 国 時 代 に 諸 葛 孔 明 が 琴 を 奏 でた 場 所 と 考 えられたことから 撫 琴 台 とも 呼 ばれる 1942 年 の 発 掘 調 査 によ り 墓 审 の 石 棺 が 確 認 され 王 建 の 墓 苑 であることが 判 明 した 現 在 は 永 陵 博 物 館 となっており 太 鼓 や 笛 の 奏 楽 者 22 体 と 踊 り 手 2 体 兵 士 12 体 の 石 像 が 石 棺 を 守 るように 並 んでいる 様 子 を 見 学 することができる 5 三 星 堆 博 物 館 三 星 堆 博 物 館 は 成 都 市 の 北 約 40 キロメートルに 位 置 する 広 漢 市 にある 同 市 の 郊 外 には 3 つの 巨 大 な 黄 土 堆 があり 地 元 では 古 くから 三 星 堆 と 呼 ばれていた 1986 年 に この 場 所 で 古 代 の 祭 祀 跡 が 発 見 され 玉 石 器 青 銅 器 金 製 品 等 の 多 くの 文 物 が 出 土 し 3,000 年 以 上 前 の 古 蜀 文 化 遺 跡 であることが 判 明 した 青 銅 器 仮 面 に 代 表 される 独 特 の 様 式 から 漢 民 族 と 系 統 を 異 に する 尐 数 民 族 による 古 代 国 家 が 存 在 したことを 示 す 貴 重 な 遺 跡 である 4. 行 政 区 画 (1) 四 川 省 の 行 政 区 画 四 川 省 は 21 の 地 級 市 (うち 3 つの 民 族 自 治 州 )を 直 轄 しており 成 都 市 が 省 都 である 各 市 及 び 州 は それぞれ 区 市 県 鎮 を 管 轄 している 各 行 政 区 画 の 概 要 及 び 面 積 を 図 表 に 行 政 区 画 の 地 図 を 図 表 にそれぞれ 示 す 図 表 各 市 ( 州 ) 行 政 区 画 及 び 面 積 (2008 年 ) NO 市 ( 州 ) 管 轄 区 県 級 市 県 面 積 ( 万 km 2 ) 1 成 都 市 自 貢 市 攀 枝 花 市 瀘 州 市 徳 陽 市 綿 陽 市 広 元 市 遂 寧 市 内 江 市 楽 山 市

18 11 南 充 市 眉 山 市 宜 賓 市 広 安 市 達 州 市 雅 安 市 巴 中 市 資 陽 市 阿 壩 チベット 族 チャン 族 自 治 州 甘 孜 チベット 族 自 治 州 涼 山 イ 族 自 治 州 全 省 ( 出 所 ) 四 川 統 計 年 鑑 2009 中 国 統 計 出 版 社 2009 年 8 月 図 表 四 川 省 行 政 区 画 地 図 番 号 日 本 語 表 記 中 国 語 表 記 1 成 都 市 成 都 市 2 自 貢 市 自 贡 市 攀 枝 花 市 攀 枝 花 市 4 瀘 州 市 泸 州 市 5 德 陽 市 德 阳 市 6 綿 陽 市 绵 阳 市 7 広 元 市 广 元 市 8 遂 寧 市 遂 宁 市 9 内 江 市 内 江 市 10 楽 山 市 乐 山 市 11 南 充 市 南 充 市 12 眉 山 市 眉 山 市 13 宜 賓 市 宜 宾 市 14 広 安 市 广 安 市 15 達 州 市 达 州 市 16 雅 安 市 雅 安 市 17 巴 中 市 巴 中 市 資 陽 市 资 阳 市 阿?チベット 族 チャン 族 自 治 州 甘 孜 チベット 族 自 治 州 阿 坝 藏 族 羌 族 自 治 州 甘 孜 藏 族 自 治 州 21 涼 山 イ 族 自 治 州 凉 山 彝 族 自 治 州 ( 出 所 ) 四 川 省 招 商 引 資 局 ホームページ 11

19 (2) 各 行 政 区 の 概 要 各 行 政 区 の 産 業 状 況 等 の 概 要 について 図 表 に 紹 介 する 図 表 各 市 州 の 概 要 NO 市 ( 州 ) 概 要 四 川 省 の 省 都 2008 年 末 の 戸 籍 人 口 は 1,125 万 人 西 南 地 区 の 科 学 技 術 商 業 貿 易 金 融 交 通 通 信 の 中 心 地 である 歴 史 も 古 く 数 多 くの 文 化 遺 産 を 有 し 観 光 名 所 も 多 い 経 済 が 発 達 しており 電 子 情 報 集 積 回 路 通 信 装 備 航 空 関 連 1 成 都 市 設 備 自 動 車 バイオ 等 の 産 業 が 中 心 9 区 ( 青 羊 区 錦 江 区 武 侯 区 成 華 区 金 牛 区 竜 泉 驛 区 新 都 区 青 白 江 区 温 江 区 高 新 区 ) 4 市 ( 崇 州 市 都 江 堰 市 邛 崍 市 彭 州 市 ) 6 県 ( 金 堂 県 双 流 県 郫 県 蒲 江 県 新 津 県 大 邑 県 ) を 管 轄 四 川 省 における 古 くからの 工 業 都 市 で 2008 年 末 の 戸 籍 人 口 は 万 人 国 家 歴 史 文 化 都 市 全 国 衛 生 都 市 中 国 優 秀 観 光 都 市 及 び 省 級 文 明 都 市 に 指 定 されている 2 千 年 近 い 製 塩 の 歴 史 があり 中 国 2 自 貢 市 における 製 塩 技 術 の 発 祥 地 である 設 備 製 造 化 学 工 業 等 の 産 業 が 中 心 4 区 ( 自 流 井 区 貢 井 区 大 安 区 沿 灘 区 ) 2 県 ( 栄 県 富 順 県 ) を 管 轄 四 川 省 の 南 部 に 位 置 し 北 東 に 涼 山 イ 族 自 治 州 が 南 西 に 雲 南 省 が 隣 接 しており 南 部 方 面 の 交 通 の 要 所 として 商 業 貿 易 物 資 の 集 散 地 3 攀 枝 花 市 となっている 2008 年 末 の 戸 籍 人 口 は 万 人 鉱 物 資 源 が 豊 富 でバナジウム チタン 鉄 鋼 産 業 が 中 心 である また 豊 富 な 水 力 エネルギー 資 源 を 有 する 3 区 ( 仁 和 区 東 区 西 区 ) 2 県 ( 米 易 県 塩 辺 県 )を 管 轄 四 川 省 の 南 東 部 四 川 盆 地 の 南 縁 長 江 と 沱 江 の 合 流 点 に 長 江 を 南 北 に 跨 いで 位 置 する 長 江 上 流 の 主 要 な 港 を 有 し 空 の 交 通 も 便 利 で 四 川 省 第 二 の 規 模 をもつ 瀘 州 空 港 から 北 京 上 海 広 州 昆 4 瀘 州 市 明 等 と 結 ばれている 2008 年 末 の 戸 籍 人 口 は 万 人 化 学 工 業 醸 造 業 食 品 加 工 業 自 動 車 部 品 等 の 産 業 が 中 心 3 区 ( 納 渓 区 江 陽 区 龍 馬 潭 区 ) 4 県 ( 瀘 県 变 永 県 古 藺 県 合 江 県 )を 管 轄 12

20 NO 市 ( 州 ) 概 要 成 都 平 原 の 東 北 に 位 置 し 省 都 の 成 都 市 から 58 キロメートル 双 流 国 際 空 港 まで 車 で 40 分 2008 年 末 の 戸 籍 人 口 は 万 人 長 江 文 明 の 重 要 な 遺 跡 とされる 三 星 堆 遺 跡 が 発 見 されている 全 国 優 秀 観 光 都 市 としても 高 い 評 価 を 受 けている 5 徳 陽 市 四 川 省 の 重 要 な 工 業 都 市 であり 工 業 主 要 指 標 は 省 で 第 2 位 中 国 の 重 大 技 術 設 備 製 造 基 地 として 国 内 一 流 かつ 世 界 的 にも 知 名 度 の ある 重 機 製 造 企 業 をもつ 全 国 で 重 要 なリン 化 学 工 業 基 地 化 学 肥 料 の 生 産 基 地 でもある 1 区 ( 旌 陽 区 ) 3 県 級 市 ( 広 漢 市 什 邡 市 綿 竹 市 ) 2 県 ( 中 江 県 羅 江 県 )を 管 轄 四 川 盆 地 の 西 北 部 涪 江 の 中 上 流 域 に 位 置 し 省 都 の 成 都 市 からは 98 キロメートル 2008 年 末 の 戸 籍 人 口 は 万 人 2200 年 余 りの 歴 史 があり 唐 代 の 詩 人 李 白 ゆかりの 地 としても 知 られる 中 国 科 学 技 術 都 市 として 省 政 府 が 優 先 的 に 発 展 させる 地 域 に 指 定 さ 6 綿 陽 市 れている 水 力 エネルギーのほか 鉄 マンガン 金 石 灰 石 等 の 鉱 物 資 源 を 豊 富 に 有 する また 農 産 品 や 漢 方 薬 などの 資 源 も 豊 富 であ る 工 業 基 盤 も 発 達 している 2 区 ( 涪 城 区 游 仙 区 ) 1 県 級 市 ( 江 油 市 ) 5 県 ( 安 県 梓 潼 県 平 武 県 三 台 県 塩 亭 県 ) 1 自 治 区 ( 北 川 チャン 族 自 治 県 )を 管 轄 四 川 省 北 部 に 位 置 し 北 に 甘 粛 省 陝 西 省 南 に 南 充 市 西 に 綿 陽 市 東 に 巴 中 市 と 接 する 人 口 の 9 割 以 上 を 漢 族 が 占 め その 他 回 族 チベット 族 満 州 族 ミャオ 族 など 尐 数 民 族 が 生 活 する 2008 年 末 の 7 広 元 市 戸 籍 人 口 は 万 人 自 然 に 恵 まれ 農 業 牧 畜 業 の 他 天 然 ガス 鉱 物 資 源 が 豊 富 3 区 ( 利 州 区 元 壩 区 朝 天 区 ) 4 県 ( 剣 閣 県 旺 蒼 県 青 川 県 蒼 渓 県 )を 管 轄 四 川 盆 地 の 中 部 涪 江 の 中 流 に 位 置 し 成 都 市 と 重 慶 市 からほぼ 同 じ 距 離 にある 2008 年 末 の 戸 籍 人 口 は 万 人 で 多 数 を 占 める 漢 民 族 の 他 に 回 族 チベット 族 蒙 古 族 など 44 の 尐 数 民 族 が 住 む 8 遂 寧 市 古 くから 農 工 商 業 が 発 達 し 川 中 地 区 の 政 治 経 済 及 び 文 化 の 中 心 地 として 紡 績 や 食 品 工 業 が 発 達 している 天 然 ガスを 産 出 し 自 動 車 部 品 等 の 製 造 も 盛 んである 2 区 ( 船 山 区 安 居 区 ) 3 県 ( 射 洪 県 蓬 渓 県 大 英 県 )を 管 轄 13

21 NO 市 ( 州 ) 概 要 四 川 省 東 南 部 沱 江 下 流 に 位 置 する 2008 年 末 の 戸 籍 人 口 は 万 人 多 くの 観 光 名 所 があり 仏 教 の 聖 地 とされる 西 林 古 寺 の 西 林 寺 や 聖 水 寺 等 が 有 名 9 内 江 市 川 中 南 地 区 の 政 治 経 済 科 学 技 術 及 び 文 化 活 動 の 中 心 であり 交 通 の 要 所 であるとともに 軽 工 業 および 商 業 貿 易 の 重 要 都 市 鉱 物 資 源 も 豊 富 で 石 炭 天 然 ガスも 産 出 される 2 区 ( 市 中 区 東 興 区 ) 3 県 ( 資 中 県 威 遠 県 隆 昌 県 )を 管 轄 四 川 省 中 南 部 岷 江 青 衣 江 大 渡 河 の 中 下 流 に 位 置 する 成 都 双 流 国 際 空 港 から 100 キロメートル 2008 年 末 の 戸 籍 人 口 は 万 人 中 国 優 秀 観 光 都 市 であり 歴 史 的 にも 古 く 観 光 資 源 が 豊 富 世 界 自 然 文 化 遺 産 である 峨 眉 山 と 楽 山 大 仏 で 有 名 10 楽 山 市 四 川 省 の 重 要 な 工 業 都 市 として 多 結 晶 シリコンおよび 太 陽 電 池 冶 金 建 材 塩 リン 化 学 工 業 クリーンエネルギー 農 産 品 加 工 業 など の 産 業 が 中 心 4 区 ( 市 中 区 五 通 橋 区 沙 湾 区 金 口 河 区 ) 1 県 級 市 ( 峨 眉 山 市 ) 4 県 ( 犍 為 県 井 研 県 夾 江 県 沐 川 県 ) 2 自 治 県 ( 峨 辺 イ 族 自 治 県 馬 辺 イ 族 自 治 県 )を 管 轄 四 川 盆 地 の 北 東 に 位 置 し 東 に 達 州 市 西 に 綿 陽 市 と 遂 寧 市 北 に 広 元 市 と 隣 接 している 2008 年 末 の 戸 籍 人 口 は 万 人 11 南 充 市 天 然 ガス 紡 績 絹 製 品 製 造 自 動 車 組 み 立 て 等 の 産 業 が 中 心 3 区 ( 順 慶 区 嘉 陵 区 高 坪 区 ) 1 県 級 市 ( 閬 中 市 ) 5 県 ( 南 部 県 西 充 県 営 山 県 儀 隴 県 蓬 安 県 )を 管 轄 成 都 平 原 西 南 部 岷 江 中 流 と 青 衣 江 下 流 の 扇 状 地 帯 に 位 置 する 2008 年 末 の 戸 籍 人 口 は 万 人 鉱 物 資 源 が 豊 富 で 金 銀 銅 鉄 亜 鉛 石 炭 硫 酸 ナトリウム 等 12 眉 山 市 20 種 余 りの 地 下 資 源 が 埋 蔵 されており 硫 酸 ナトリウムの 埋 蔵 量 は 650 万 トンに 達 する 市 内 に 15 の 河 川 が 流 れ 水 力 資 源 も 豊 富 1 区 ( 東 坡 区 ) 5 県 ( 仁 寿 県 彭 山 県 洪 雅 県 丹 棱 県 青 神 県 )を 管 轄 四 川 省 南 部 に 位 置 し 東 に 瀘 州 市 南 に 雲 南 省 西 に 涼 山 イ 族 自 治 州 13 宜 賓 市 と 楽 山 市 北 に 自 貢 市 と 接 する 2008 年 末 の 戸 籍 人 口 は 万 人 国 家 の 歴 史 文 化 都 市 として 歴 史 文 化 財 も 数 多 くあり 恐 竜 の 化 石 等 を 含 め 2,000 余 りの 文 化 財 を 有 する 14

22 NO 市 ( 州 ) 概 要 鉱 物 資 源 が 豊 富 で 確 認 された 地 下 資 源 は 44 種 に 及 ぶ 特 に 石 炭 の 埋 蔵 量 は 41.4 億 トンとされ 四 川 省 の 総 埋 蔵 量 の 半 分 近 くを 占 める その 他 に 設 備 製 造 飲 料 などの 産 業 が 主 である 1 区 ( 翠 屏 区 ) 9 県 ( 宜 賓 県 南 溪 県 江 安 県 長 寧 県 高 県 筠 連 県 珙 県 興 文 県 屏 山 県 )を 管 轄 四 川 省 東 部 に 位 置 し 南 に 重 慶 市 西 に 遂 寧 市 北 に 南 充 市 東 に 達 州 市 と 隣 接 する 陸 上 交 通 の 要 所 であり 成 都 武 漢 上 海 広 州 な どの 大 都 市 と 結 ぶ 交 通 網 が 密 集 している 成 都 市 までは 230 キロメー 14 広 安 市 トル 重 慶 市 までは 110 キロメートル 2008 年 末 の 戸 籍 人 口 は 万 人 となっている 天 然 ガス 自 動 車 部 品 設 備 製 造 等 の 産 業 が 中 心 1 区 ( 広 安 区 ) 1 県 級 市 ( 華 鎣 市 ) 3 県 ( 隣 水 県 岳 池 県 武 勝 県 ) を 管 轄 四 川 省 の 北 東 部 にあり 中 国 西 部 4 大 都 市 の 成 都 重 慶 西 安 武 漢 とほぼ 等 距 離 に 位 置 しており 地 域 内 の 交 通 の 重 要 なハブとして 交 易 15 達 州 市 の 中 心 地 となっている 2008 年 末 の 戸 籍 人 口 は 万 人 天 然 ガス 石 炭 火 力 発 電 化 学 工 業 等 の 産 業 が 中 心 1 区 ( 通 川 区 ) 1 県 級 市 ( 万 源 市 ) 5 県 ( 達 県 宠 漢 県 開 江 県 大 竹 県 渠 県 )を 管 轄 四 川 盆 地 西 部 の 周 縁 に 位 置 し 北 に 阿 壩 チベット 族 チャン 族 自 治 州 西 と 南 に 甘 孜 チベット 族 自 治 州 と 涼 山 イ 族 自 治 州 に 隣 接 する 雅 安 市 年 末 の 戸 籍 人 口 は 万 人 水 力 発 電 および 冶 金 機 械 製 造 農 産 品 加 工 等 の 産 業 が 主 1 区 ( 雤 城 区 ) 7 県 ( 名 山 県 栄 経 県 漢 源 県 石 棉 県 天 全 県 芦 山 県 宝 興 県 )を 管 轄 四 川 省 北 東 部 にあり 東 に 達 州 市 南 に 南 充 市 西 に 広 元 市 に 隣 接 す る 1900 年 余 りの 歴 史 があり 三 国 時 代 の 遺 跡 も 数 多 い 2008 年 末 17 巴 中 市 の 戸 籍 人 口 は 381 万 人 鉄 鉱 石 石 炭 等 の 鉱 物 資 源 が 豊 富 で 天 然 ガスの 他 水 力 発 電 農 産 品 加 工 などの 産 業 が 主 1 区 ( 巴 州 区 ) 3 県 ( 通 江 県 南 江 県 平 昌 県 )を 管 轄 15

23 NO 市 ( 州 ) 概 要 四 川 盆 地 の 中 心 にあり 西 に 成 都 東 に 重 慶 に 隣 接 し 交 通 が 便 利 で 成 都 市 まで 80 キロメートル 重 慶 市 までは 260 キロメートルに 位 置 18 資 陽 市 する 2008 年 末 の 戸 籍 人 口 は 万 人 自 動 車 製 造 食 品 加 工 業 医 薬 紡 績 建 材 等 の 産 業 が 中 心 1 区 ( 雁 江 区 ) 1 県 級 市 ( 簡 陽 市 ) 2 県 ( 安 岳 県 楽 至 県 )を 管 轄 阿 壩 チベット 族 チャン 族 自 治 州 甘 孜 チベット 族 自 治 州 涼 山 イ 族 自 治 州 四 川 省 西 北 部 に 位 置 し 成 都 平 原 に 近 く 北 部 は 青 海 省 甘 粛 省 に 接 し 西 と 南 に 成 都 市 綿 陽 市 徳 陽 市 雅 安 市 甘 孜 チベット 族 自 治 州 に 接 する 人 口 の 半 分 をチベット 族 が 占 め その 他 チャン 族 回 族 漢 族 がいる 2008 年 末 の 戸 籍 人 口 は 88.2 万 人 世 界 遺 産 の 九 寨 溝 黄 龍 風 景 区 ジャイアントパンダ 保 護 区 が 知 られている 観 光 資 源 水 エネルギー 資 源 鉱 物 資 源 が 豊 富 で 観 光 業 水 力 発 電 のほか 医 薬 等 の 産 業 が 中 心 18 県 ( 馬 爾 康 県 阿 壩 県 若 爾 蓋 県 黒 水 県 松 潘 県 金 川 県 小 金 県 壌 塘 県 紅 原 県 理 県 汶 川 県 茂 県 九 寨 溝 県 など)を 管 轄 四 川 省 の 西 部 チベット 高 原 東 南 に 位 置 する 人 口 の 7 割 程 度 をチベ ット 族 が 占 め その 他 漢 族 イ 族 などがいる 2008 年 末 の 戸 籍 人 口 は 99.1 万 人 水 力 資 源 地 熱 資 源 の 他 に 鉱 物 資 源 も 豊 富 であり 医 薬 産 業 農 林 牧 畜 業 も 盛 ん 18 県 ( 康 定 県 濾 定 県 丹 巴 県 九 龍 県 雅 江 県 道 孙 県 炉 霍 県 甘 孜 県 新 龍 県 徳 格 県 白 玉 県 石 渠 県 色 達 県 など)を 管 轄 四 川 省 西 南 部 に 位 置 し 南 に 金 沙 江 北 に 大 渡 河 が 流 れ 東 に 四 川 盆 地 を 臨 む 成 混 鉄 道 と 川 雲 国 道 が 縦 貫 し 南 方 のシルクロード と 呼 ばれる 人 口 の 大 半 を 漢 族 とイ 族 が 占 め 他 に 回 族 モンゴル 族 チベット 族 などがいる 2008 年 末 の 戸 籍 人 口 は 461 万 人 水 力 資 源 鉱 物 資 源 が 豊 富 であり 農 業 も 盛 ん また 様 々な 民 族 文 化 を 有 する 観 光 名 所 も 数 多 くある 1 県 級 市 ( 西 昌 市 ) 15 県 ( 塩 源 県 徳 昌 県 会 理 県 会 東 県 寧 南 県 普 格 県 布 拖 県 金 陽 県 昭 覚 県 喜 徳 県 など) 1 自 治 県 ( 木 里 チベット 族 自 治 県 )を 管 轄 ( 出 所 ) 四 川 省 招 商 引 資 局 四 川 省 人 民 政 府 各 市 ウェブサイトよりまとめ 16

24 5.インフラ 状 況 (1) 交 通 物 流 四 川 省 の 交 通 物 流 インフラの 建 設 は 着 实 に 進 んでおり 道 路 鉄 道 航 空 水 上 輸 送 を 結 合 させた 複 合 的 な 交 通 物 流 ネットワークの 整 備 が 行 われている 1 道 路 四 川 省 の 道 路 は 成 都 市 を 中 心 に 幹 線 支 線 が 放 射 線 状 に 伸 び 東 西 南 北 が 環 状 道 路 によって 結 ばれている 2008 年 末 までに 開 通 した 四 川 省 の 道 路 の 総 延 長 距 離 は 22 万 4,000 キロメートル で うち 高 速 道 路 は 2,162 キロメートルに 達 する 主 要 幹 線 国 道 8 本 及 び 省 の 幹 線 道 路 7 本 が 成 都 市 を 起 点 もしくは 経 由 している 主 要 幹 線 国 道 のうち 2 本 は 成 都 を 起 点 として 広 西 省 の 北 海 へ また 重 慶 を 経 由 して 上 海 まで 延 びている 図 表 に 中 国 の 主 要 都 市 の 位 置 と 高 速 道 路 網 の 地 図 を また 図 表 に 成 都 から 各 主 要 都 市 までの 貨 物 道 路 輸 送 の 所 要 時 間 を 示 す 図 表 中 国 の 主 要 都 市 の 位 置 と 高 速 道 路 網 ( 出 所 ) 中 国 公 路 信 息 服 務 網 ( 作 成 17

25 図 表 成 都 から 各 都 市 まで 貨 物 の 道 路 輸 送 所 要 時 間 区 間 成 都 重 慶 成 都 西 安 成 都 貴 陽 成 都 昆 明 成 都 武 漢 成 都 北 京 成 都 上 海 成 都 北 海 所 要 時 間 3.5 時 間 1 日 1 日 2 日 2 日 3 日 3 日 3 日 ( 出 所 ) 四 川 投 資 服 務 指 南 四 川 省 招 商 引 資 局 2 空 路 四 川 省 には 民 間 の 空 港 が 11 ヵ 所 あり 国 際 線 30 路 線 余 り 国 内 線 200 路 線 以 上 が 就 航 してい る 成 都 双 流 国 際 空 港 は 2008 年 の 旅 実 取 扱 量 が 延 べ 1,724 万 人 に 達 し 中 国 の 六 大 空 港 の 一 つ に 数 えられる 西 部 地 区 の 重 要 なハブ 空 港 であり 航 空 貨 物 の 集 散 基 地 となっている 四 川 省 は 成 都 双 流 国 際 空 港 を 北 京 上 海 広 州 に 次 ぐ 中 国 第 四 の 国 際 ハブ 空 港 とするため ヨーロッパ 北 アメリカ アジアの 各 地 への 国 際 直 行 便 の 就 航 数 を 増 やし 国 際 航 空 ネットワー クの 構 築 に 力 を 入 れている 3 鉄 道 成 都 市 は 中 国 の 鉄 道 網 の 六 大 ハブの 一 つであり 西 部 の 四 大 鉄 道 幹 線 である 成 渝 鉄 道 宝 成 鉄 道 成 昆 鉄 道 達 成 鉄 道 が 集 まる 成 都 東 駅 南 駅 西 駅 大 湾 駅 の 4 つの 主 要 な 貨 物 駅 があり 年 間 のコンテナ 取 扱 量 は 10 万 TEU(Twenty Equivalent Unit:20 フィートコンテナ 換 算 の 積 載 単 位 )である 成 都 東 駅 は 西 部 地 区 で 最 大 の 鉄 道 貨 物 の 集 散 基 地 となっている 成 都 からは 上 海 深 セン 天 津 南 京 広 州 徐 州 蘭 州 等 の 各 地 へ 貨 物 鉄 道 が 開 通 している 図 表 成 都 市 から 各 港 まで 貨 物 の 鉄 路 輸 送 所 要 時 間 港 距 離 所 要 時 間 天 津 港 2,152km 3 日 上 海 港 2,351km 3 日 深 セン 港 2,380km 3 日 ( 出 所 ) 四 川 投 資 服 務 指 南 四 川 省 招 商 引 資 局 18

26 四 川 省 は 2020 年 までに 新 たに 5,400 キロメートルの 高 速 鉄 道 網 を 建 設 する 予 定 で 成 都 からの 総 延 長 距 離 は 8,000 キロメートルに 及 ぶ 四 川 省 内 の 主 要 な 市 州 の 都 市 へ 成 都 市 を 中 心 として 2 時 間 以 内 にアクセスが 可 能 な 交 通 圏 を 形 成 するとともに 省 外 へは 成 都 から 貴 陽 蘭 州 昆 明 西 安 武 漢 までを 4 時 間 環 渤 海 湾 ( 北 京 天 津 ) 珠 江 デルタ( 広 州 深 セン)までを 6 時 間 瀋 陽 上 海 までを 8 時 間 で 結 ぶ 計 画 である 4 水 路 四 川 省 は 長 江 上 流 の 水 系 を 活 用 した 水 運 が 発 達 しており 水 上 運 輸 路 線 は 1.2 万 キロメートル に 及 ぶ 省 内 には 瀘 州 港 宜 賓 港 楽 山 港 等 の 河 川 港 がある 瀘 州 港 は 全 国 の 主 要 河 川 港 の 一 つ に 数 えられる 国 際 コンテナ 埠 頭 で 年 間 のコンテナ 総 取 扱 量 は 19 万 TEU となっている 同 港 は コンテナ 埠 頭 の 二 期 工 事 が 完 成 し 年 間 の 取 扱 能 力 は 50 万 TEU に 増 強 された (2) 電 気 ガス 水 道 四 川 省 の 天 然 エネルギー 資 源 は 豊 富 であり 長 江 上 流 域 の 水 系 からの 水 力 と 省 内 に 地 下 資 源 と して 埋 蔵 されている 石 炭 天 然 ガスが 一 次 エネルギー 源 として 利 用 され 発 電 された 電 気 は 東 部 沿 海 地 区 へも 送 られている 1 電 気 四 川 省 では 発 電 の 一 次 エネルギーとして 水 力 が 主 体 となっているため 雤 の 尐 ない 秋 から 冬 の 時 期 にかけて 電 力 供 給 が 不 足 気 味 となる 傾 向 があったが 大 型 の 水 力 発 電 所 と 石 炭 火 力 発 電 所 が 相 次 いで 建 設 されたため 停 電 はほとんどなくなった 図 表 に 示 す 通 り 四 川 省 の 発 電 量 は 2000 年 に 500 億 2,000 万 キロワットアワーであったが 電 力 供 給 キャパシティは 年 々 増 加 し 2008 年 には 1159 億 6,000 万 キロワットアワーと 倍 以 上 となっている 図 表 四 川 省 における 発 電 量 推 移 単 位 : 億 kwh ( 出 所 ) 四 川 統 計 年 鑑 2009 中 国 統 計 出 版 社 年 8 月 19

27 図 表 に 四 川 省 の 主 要 都 市 における 一 般 生 活 用 電 力 一 般 工 業 用 電 力 大 口 工 業 用 電 力 の 区 分 ごとの 料 金 の 目 安 を 示 す 図 表 四 川 省 都 市 部 における 電 力 料 金 単 価 : 元 /ワット 都 市 一 般 生 活 用 電 力 ( 注 1) 一 般 工 業 用 電 力 ( 注 2) 大 口 工 業 用 電 力 ( 注 3) 成 都 市 綿 陽 市 宜 賓 市 眉 山 市 徳 陽 市 楽 山 市 注 1:1kV 以 下 注 2:1-10kV 平 常 水 位 期 ベース 注 3:110kV 平 常 水 位 期 ベース ( 出 所 ) 四 川 投 資 服 務 指 南 四 川 省 招 商 引 資 局 2 ガス 2008 年 の 四 川 省 におけるガスの 普 及 率 は 81.1%で 天 然 ガスを 利 用 する 人 口 は 1,019 万 2,000 人 天 然 ガスの 総 供 給 量 は 59 億 4,963 万 立 方 メートルとなっている なお 成 都 市 内 では 家 庭 向 けガスの 普 及 率 はほぼ 100%に 達 している 図 表 に 四 川 省 の 主 要 都 市 における 生 活 用 ガス 商 業 用 ガス 工 業 用 ガスの 区 分 ごとの 料 金 の 目 安 を 示 す 図 表 四 川 省 都 市 部 におけるガス 料 金 単 位 : 元 /m3 都 市 生 活 用 ガス 商 業 用 ガス 工 業 用 ガス 成 都 市 綿 陽 市 宜 賓 市 眉 山 市 徳 陽 市 楽 山 市 ( 出 所 ) 四 川 投 資 服 務 指 南 四 川 省 招 商 引 資 局 3 水 道 2008 年 の 四 川 省 における 水 道 の 普 及 率 は 88.1%で 水 道 を 利 用 する 人 口 は 1,292 万 6,800 人 20

28 給 水 管 の 総 延 長 は 1 万 7,957 キロメートルで 総 給 水 量 は 16 億 545 万 立 方 メートルとなっている なお 省 内 に 41 ヵ 所 の 汚 水 処 理 場 が 設 置 されているが 省 全 体 の 汚 水 処 理 率 は 65.4%にとど まっている 図 表 に 四 川 省 の 主 要 都 市 における 生 活 用 水 商 業 用 水 工 業 用 水 の 区 分 ごとの 料 金 の 目 安 を 示 す 図 表 四 川 省 都 市 部 における 水 道 料 金 単 位 : 元 /m3 都 市 生 活 用 水 商 業 用 水 工 業 用 水 成 都 市 綿 陽 市 宜 賓 市 眉 山 市 徳 陽 市 楽 山 市 ( 出 所 ) 四 川 投 資 服 務 指 南 四 川 省 招 商 引 資 局 (3) 通 信 四 川 省 は 中 国 西 南 地 区 の 通 信 データ 交 換 の 中 枢 地 域 となっており 省 内 の 通 信 ネットワークは よく 整 備 され 通 信 サービスの 水 準 も 高 い 2006 年 末 までに 四 川 省 の 光 ケーブルの 総 延 長 距 離 は 23 万 9,000 キロメートルに 達 している 08 年 の 四 川 省 における 固 定 電 話 利 用 者 数 は 1,690 万 戸 携 帯 電 話 利 用 者 数 は 2,837 万 戸 となっている 成 都 市 は 四 川 省 の 中 で 通 信 網 が 最 も 発 達 しており 世 界 180 余 りの 国 及 び 地 域 と 直 通 電 話 回 線 が 開 通 している 西 南 地 区 のコンピュータ ネットワークの 中 心 であり 成 都 にデータバックア ップセンターを 置 く 中 国 の 金 融 機 関 も 多 い 成 都 市 のブロードバンドネットワークの 伝 送 帯 域 幅 は 2008 年 に 3,200 ギガヘルツとなっており 2010 年 には 主 幹 帯 域 幅 を 8,000 ギガヘルツへ 拡 大 し 国 際 通 信 能 力 を 強 化 する 計 画 である (4) 労 働 力 四 川 統 計 年 鑑 によると 2008 年 の 四 川 省 における 就 業 者 数 は 4,740 万 人 で 産 業 別 の 内 訳 は 第 一 次 産 業 が 2,186 万 人 第 二 次 産 業 が 1,108 万 人 第 三 次 産 業 が 1,446 万 人 である 同 年 末 の 四 川 省 内 の 失 業 者 数 は 37 万 9000 人 で 失 業 率 は 4.6%となっている 図 表 に 中 国 統 計 年 鑑 による 年 間 平 均 賃 金 のデータを 示 す 四 川 省 は 農 林 牧 畜 漁 業 を 除 くすべての 産 業 で 全 国 平 均 を 下 回 り 全 産 業 の 平 均 で 北 京 市 及 び 上 海 市 の 半 分 以 下 の 賃 金 水 準 となっている 21

29 図 表 平 均 賃 金 の 比 較 (2007 年 ) 単 位 : 元 / 年 業 界 四 川 省 北 京 市 上 海 市 全 国 平 均 農 林 牧 畜 漁 業 13,534 22,160 33,796 11,086 製 造 業 18,949 33,380 39,483 20,884 建 築 業 15,012 34,015 52,698 18,758 情 報 IT 36,386 77,262 88,449 49,225 宿 泊 飲 食 業 14,346 25,331 34,304 17,041 リース 金 融 サービス 業 25,165 41,712 46,134 26,965 研 究 技 術 地 質 探 査 業 36,897 66,942 62,951 38,879 文 化 スポーツ 娯 楽 業 24,043 60,167 54,868 30,662 全 産 業 平 均 21,312 46,507 49,310 24,932 ( 出 所 ) 中 国 統 計 年 鑑 2008 中 国 統 計 出 版 社 2008 年 9 月 図 表 に 2008 年 度 の 成 都 市 政 府 による 職 種 別 の 指 導 賃 金 額 を 示 す 全 般 的 に 国 有 企 業 の 賃 金 は 民 間 企 業 に 比 較 して 高 い 水 準 にある 図 表 年 成 都 市 の 指 導 賃 金 額 単 位 : 元 / 年 職 業 類 別 職 位 階 層 国 有 企 業 民 間 企 業 高 位 186, ,254 高 級 管 理 職 中 位 56,405 38,744 低 位 19,144 13,244 高 位 94,716 72,387 専 門 技 術 職 中 位 32,220 23,560 低 位 12,645 10,088 高 位 76,817 48,733 事 務 職 中 位 21,429 16,800 低 位 11,313 8,219 高 位 67,929 44,163 サービス 職 中 位 17,515 13,598 低 位 9,234 7,368 高 位 73,739 37,293 生 産 ワーカー 職 中 位 21,521 15,000 低 位 9,265 7,656 ( 出 所 ) 四 川 投 資 服 務 指 南 四 川 省 招 商 引 資 局 22

30 (5) 物 流 不 動 産 関 連 コスト 1 物 流 コスト 成 都 市 と 主 要 国 際 都 市 間 の 航 空 貨 物 の 輸 送 費 用 及 び 成 都 市 から 国 内 の 主 要 な 輸 出 港 都 市 への 鉄 道 輸 送 費 用 を 図 表 及 び 図 表 にそれぞれ 示 す 東 京 への 国 際 航 空 貨 物 の 運 賃 を 見 ると 成 都 発 と 上 海 発 が 1 キログラム 当 たり 2.1 ドルで 同 等 となっており 香 港 発 よりも 1 ドル 近 く 安 い その 他 ロサンゼルス ニューヨーク フランク フルト 等 の 欧 米 の 都 市 向 けの 貨 物 路 線 も 内 陸 部 に 位 置 する 成 都 と 東 部 沿 海 地 区 にある 上 海 でほ とんどコストの 差 がなく 成 都 の 方 が 若 干 低 くなっている 着 地 発 地 図 表 成 都 と 上 海 香 港 の 航 空 貨 物 運 賃 単 位 :ドル/kg 香 港 ニューヨーク ロサンゼルス フランクフルト 東 京 シンガポール 成 都 上 海 香 港 ( 出 所 ) 成 都 ハイテク 産 業 開 発 区 投 資 指 南 成 都 から 沿 海 部 の 港 湾 都 市 までの 鉄 道 輸 送 は 上 海 向 けと 深 セン 向 けの 輸 送 距 離 は 大 きな 差 が なく 所 要 時 間 はともに 4 日 となっている また 運 賃 面 でも 上 海 向 けと 深 セン 向 けは 同 水 準 と なっている 図 表 成 都 から 上 海 深 センまでの 鉄 道 貨 物 運 賃 区 間 成 都 - 上 海 楊 浦 港 成 都 深 セン 平 湖 南 20 フィートコンテナ 輸 送 運 賃 4,117 元 4,278 元 鉄 道 輸 送 所 要 時 間 4 日 4 日 輸 送 距 離 2,377km 2,602km ( 出 所 ) 成 都 ハイテク 産 業 開 発 区 投 資 指 南 23

31 2 事 務 所 の 開 設 コスト 成 都 市 で 事 務 所 を 借 りる 場 合 の 賃 貸 コストについて 四 川 省 招 商 引 資 局 が 投 資 ガイドで 紹 介 し ている 成 都 市 内 の 主 要 オフィスビル 物 件 の 賃 料 コストの 目 安 を 図 表 に 示 す あくまで 参 考 価 格 であり 需 給 状 況 等 による 相 場 変 動 があるため 個 別 には 物 件 管 理 会 社 へ 確 認 が 必 要 である 図 表 成 都 市 における 事 務 所 賃 貸 料 ( 参 考 ) 単 位 : 元 /m2 事 務 所 名 平 均 月 賃 貸 料 平 均 月 管 理 費 平 均 売 価 威 斯 頓 聯 邦 大 厦 ,000 匯 日 央 拡 国 際 広 場 ,000 城 市 之 心 商 業 大 厦 ,000 時 代 広 場 ,300 冠 城 広 場 ,800 川 信 大 厦 ,000 ( 出 所 ) 四 川 投 資 服 務 指 南 四 川 省 招 商 引 資 局 24

32 第 2 章 四 川 省 の 経 済 概 況 と 外 資 導 入 政 策 1. 地 域 経 済 の 概 況 (1) 全 体 状 況 1978 年 から 2008 年 までの 四 川 省 の GDP と 同 成 長 率 の 推 移 を 図 表 に また 一 人 当 たり GDP の 推 移 を 図 表 に 示 す 四 川 省 の GDP は 90 年 代 後 半 から 急 速 に 増 加 し 始 め 08 年 は 対 前 年 比 で 9.5%の 伸 びを 示 し 1 兆 2,506 億 元 に 達 した これは 78 年 の GDP の 約 68 倍 の 水 準 であ る また 一 人 当 たり GDP も 一 貫 して 増 加 を 続 けており 08 年 は 1 万 5,378 元 に 達 した 図 表 四 川 省 の GDP 及 び GDP 成 長 率 (1978~2008 年 ) 14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 億 元 9.5 GDP GDP 成 長 率 ,443 3,928 7, ,638 10, % , 年 ( 出 所 ) 四 川 統 計 年 鑑 2009 年 版 中 国 統 計 出 版 社 2009 年 8 月 図 表 四 川 省 の 一 人 当 たり GDP(1978~2008 年 ) 18,000 16,000 14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 元 一 人 当 たりGDP 15,378 12,893 10,546 9,060 4,956 3,043 1, 年 ( 出 所 ) 四 川 統 計 年 鑑 2009 年 版 中 国 統 計 出 版 社 2009 年 8 月 25

33 産 業 別 のGDP 構 成 比 の 推 移 を 図 表 2-1-3に 所 有 制 別 のGDP 構 成 比 の 推 移 を 図 表 2-1-4に 示 す 産 業 別 GDP の 構 成 比 は 78 年 には 第 一 次 産 業 (44.5%) 第 二 次 産 業 (35.5%) 第 三 次 産 業 (20.0%) の 順 であったが 2008 年 は 第 二 次 産 業 (46.3%) 第 三 次 産 業 (34.8%) 第 一 次 産 業 (18.9%) の 順 に 変 化 した 第 三 次 産 業 は 2000 年 に 39.4%を 占 め 最 大 となったが その 後 減 尐 に 転 じ 第 二 次 産 業 が 2000 年 以 降 一 貫 して 割 合 が 増 加 している 所 有 制 による GDP 構 成 比 を 見 ると 85 年 までは 公 的 経 済 がほぼ 100%であったが 08 年 には 公 的 経 済 が 全 体 に 占 める 割 合 は 47.9%へ 低 下 し 私 営 経 済 外 商 経 済 三 地 ( 香 港 マカオ 台 湾 ) 経 済 を 合 計 した 民 営 経 済 が 48.6%と 公 的 経 済 を 上 回 っている 図 表 四 川 省 産 業 別 GDP 構 成 状 況 (1978~2008 年 ) 年 第 一 次 産 業 第 二 次 産 業 第 三 次 産 業 % 46.3% 34.8% % 44.2% 36.5% % 43.7% 37.7% % 41.5% 38.4% % 36.5% 39.4% % 40.1% 32.7% % 35.1% 28.8% % 35.2% 23.8% % 35.3% 20.3% % 35.5% 20.0% 0% 20% 40% 60% 80% 100% ( 出 所 ) 四 川 統 計 年 鑑 2009 年 版 中 国 統 計 出 版 社 2009 年 8 月 図 表 四 川 省 所 有 制 別 GDP 構 成 状 況 (1978~2008 年 ) 億 元 14, , 公 的 経 済 私 営 経 済 外 商 経 済 三 地 経 済 10, , , , , 年 ( 出 所 ) 四 川 統 計 年 鑑 2009 年 版 中 国 統 計 出 版 社 2009 年 8 月 26

34 四 川 省 の 住 民 消 費 レベルは 図 表 に 示 す 通 り 80 年 代 後 半 から 増 加 を 示 し 08 年 は 6,072 元 に 達 し 78 年 の 約 38 倍 の 水 準 となった また 都 市 住 民 の 消 費 レベルは 08 年 に 初 めて 1 万 元 を 超 えた 図 表 四 川 省 住 民 消 費 レベル(1978~2008 年 ) 元 / 人 12, , , 住 民 一 人 当 たり 消 費 レベル 農 村 住 民 消 費 レベル 都 市 住 民 消 費 レベル 6, , , 年 ( 出 所 ) 四 川 統 計 年 鑑 2009 年 版 中 国 統 計 出 版 社 2009 年 8 月 (2) 農 業 1980 年 から 2008 年 における 農 林 牧 漁 業 総 生 産 額 は 図 表 に 示 す 通 り 08 年 は 3,903 億 400 万 元 に 達 し 80 年 の 28.5 倍 となった 08 年 における 農 業 林 業 牧 畜 業 漁 業 及 び 同 サービス 業 の 割 合 はそれぞれ 全 体 の 41.2% 2.5% 52.2% 2.7%と 1.5%である 図 表 四 川 省 農 林 牧 漁 業 総 生 産 値 (1980~2008 年 ) 億 元 4, , 農 業 林 業 牧 業 漁 業 農 林 牧 漁 サービス 業 3, , , , , 年 ( 出 所 ) 四 川 統 計 年 鑑 2009 年 版 中 国 統 計 出 版 社 2009 年 8 月 27

35 (3) 工 業 08 年 の 四 川 省 の 国 有 工 業 企 業 及 び 売 上 高 500 万 元 以 上 の 非 国 有 工 業 企 業 の 数 は 1 万 3,725 社 と なっている 総 生 産 額 は 1 兆 4,761 億 8,600 万 元 に 達 しており 各 指 標 も 図 表 に 示 す 通 り 毎 年 着 实 に 増 加 している 図 表 四 川 省 の 工 業 企 業 の 主 要 指 標 (2000~2008 年 ) 年 企 業 数 総 生 産 額 総 資 産 主 要 業 務 収 入 総 利 益 従 業 員 数 ( 社 ) ( 億 元 ) ( 億 元 ) ( 億 元 ) ( 億 元 ) ( 万 人 ) ,394 2, , , ,572 2, , , ,908 2, , , ,448 3, , , ,481 4, , , ,959 6, , , ,995 7, , , ,709 11, , , ,725 14, , , ( 出 所 ) 四 川 統 計 年 鑑 2001~2009 年 版 中 国 統 計 出 版 社 (4) 建 築 業 08 年 の 四 川 省 の 建 築 業 の 企 業 数 は 4,559 社 で 生 産 額 2,624 億 9,600 万 元 従 業 員 数 235 万 7,800 人 竣 工 家 屋 の 建 築 面 積 は 9,797 万 9,800 平 方 メートルで 年 々 増 加 している ( 図 表 2-1-8) 図 表 四 川 省 建 築 業 企 業 数 生 産 額 従 業 員 数 と 建 築 面 積 (2000~2008 年 ) 年 企 業 数 生 産 額 従 業 員 数 竣 工 家 屋 建 築 面 積 ( 社 ) ( 億 元 ) ( 万 人 ) ( 万 m2) , , ,073 1, , ,924 1, , ,887 2, , ,559 2, , ( 出 所 ) 四 川 統 計 年 鑑 2009 年 版 中 国 統 計 出 版 社 2009 年 8 月 28

36 (5) 交 通 運 輸 郵 政 及 び 通 信 2000 年 から 08 年 における 交 通 運 輸 郵 政 と 通 信 の 状 況 を 図 表 に 示 す 高 速 道 路 の 延 長 距 離 が 00 年 の 9 万 1,000 キロメートルから 2008 年 の 22 万 4,000 キロメートルへ 2.46 倍 となり 全 交 通 路 線 の 貨 物 総 運 送 量 は 00 年 の 5 億 4,943 万 トンから 08 年 には 11 億 4,513 万 トンへ 2.08 倍 に 増 加 した 携 帯 電 話 のユーザー 数 は 03 年 に 初 めて 固 定 電 話 ユーザー 数 を 上 回 った 携 帯 電 話 ユーザーは その 後 も 高 い 伸 び 率 で 増 加 を 続 けており 08 年 は 前 年 より 18.2% 増 えて 2,837 万 世 帯 となった 固 定 電 話 ユーザーは 同 年 に 初 めて 減 尐 に 転 じている 図 表 四 川 省 交 通 運 輸 業 と 郵 政 通 信 業 務 の 基 本 状 況 (2000~2008 年 ) 指 標 単 位 運 鉄 道 輸 路 線 長 高 速 道 路 万 km 内 陸 水 路 民 用 航 空 路 線 総 旅 実 数 万 人 143, , , , , , , , ,121 貨 物 総 運 送 量 万 トン 54,943 54, ,200 65,580 70,364 74,200 79, ,513 郵 政 通 信 業 務 総 量 億 元 固 定 電 話 ユーザー 万 世 帯 ,126 1,370 1,577 1,711 1,738 1,690 携 帯 電 話 ユーザー 万 世 帯 ,243 1,515 1,690 1,977 2,400 2,837 農 村 電 話 ユーザー 万 世 帯 郵 便 局 数 カ 所 5,288 5,564 5,600 5,615 5,613 5,692 5,883 5,010 4,909 ( 出 所 ) 四 川 統 計 年 鑑 2002 年 2009 年 版 中 国 統 計 出 版 社 (6) 国 内 貿 易 四 川 省 の 消 費 財 小 売 業 の 総 売 上 高 の 推 移 を 図 表 に 示 す 1990 年 から 年 々 増 加 傾 向 にあり 08 年 は 4,800 億 8,000 万 元 で 90 年 の 約 40 倍 に 達 した 00 年 以 降 対 前 年 10% 以 上 のペースで 増 加 を 続 けており 08 年 は 対 前 年 19.6%の 増 加 となった 29

37 図 表 四 川 省 消 費 財 小 売 業 の 総 売 上 高 (1990~2008 年 ) 6, , 億 元 消 費 財 小 売 業 の 総 売 上 高 4, , , , , 年 ( 出 所 ) 四 川 統 計 年 鑑 2009 年 版 中 国 統 計 出 版 社 2009 年 8 月 (7) 対 外 経 済 貿 易 2000 年 から 08 年 における 四 川 省 の 貿 易 輸 出 入 総 額 の 推 移 は 図 表 に 示 す 通 りであり 輸 出 輸 入 とも 一 貫 して 増 加 を 続 けている 2008 年 は 四 川 大 地 震 があったにも 関 わらず 貿 易 輸 出 入 総 額 は 対 前 年 比 53.2%の 高 い 伸 びであった 図 表 四 川 省 貿 易 輸 出 入 総 額 (2000~2008 年 ) 万 ドル 2,500,000 輸 出 額 輸 入 額 2,203,828 2,000,000 1,500,000 1,000, , , 年 ( 出 所 ) 四 川 統 計 年 鑑 2002 年 2009 年 版 中 国 統 計 出 版 社 30

38 (8) 金 融 保 険 2008 年 の 四 川 省 における 金 融 機 関 の 収 入 と 支 出 の 内 訳 は 図 表 に 示 す 通 りである 図 表 四 川 省 2008 年 金 融 機 関 の 収 入 と 支 出 の 内 訳 税 金 0.86% 為 替 0.34% その 他 13.45% 商 品 販 売 7.41% サービス 業 3.85% 為 替 0.42% その 他 15.74% 賃 金 6.13% 農 副 産 物 購 入 2.38% 政 府 と 企 業 の 管 理 費 4.20% 2008 年 現 金 収 入 28, 億 元 貯 蓄 預 金 74.10% 2008 年 現 金 支 出 28, 億 元 貯 蓄 預 金 71.14% ( 出 所 ) 四 川 統 計 年 鑑 2009 年 版 中 国 統 計 出 版 社 2009 年 8 月 また 四 川 省 の 保 険 業 の 収 入 と 支 出 の 推 移 を 図 表 に 示 す 08 年 の 保 険 料 収 入 は 484 億 2,800 万 元 で 生 命 保 険 と 損 害 保 険 の 割 合 はそれぞれ 77%と 23%であった 保 険 金 の 支 払 支 出 は 123 億 4,800 万 元 で 生 命 保 険 と 損 害 保 険 の 割 合 はそれぞれ 49%と 51%となっている 図 表 四 川 省 保 険 業 務 経 済 指 標 (2003~2008 年 ) 億 元 保 険 料 収 入 全 体 保 険 金 支 払 支 出 全 体 年 ( 出 所 ) 四 川 統 計 年 鑑 2005 年 2009 年 版 中 国 統 計 出 版 社 31

39 2. 産 業 発 展 の 動 向 (1) 四 川 省 有 力 産 業 の 概 況 1 資 源 産 業 四 川 省 は 天 然 ガス バナジウム チタン 等 のレアメタルやレアアース 等 の 地 下 資 源 が 豊 富 であ り これらの 資 源 を 活 かして 高 品 位 鋼 鉄 アルミの 電 解 精 製 や 化 学 肥 料 の 生 産 等 で 全 国 的 に 競 争 力 のある 製 品 生 産 拠 点 を 形 成 している また 水 力 エネルギー 資 源 も 豊 かであり 省 内 には 二 灘 発 電 所 や 瀑 布 溝 発 電 所 等 の 大 型 水 力 発 電 所 が 稼 働 しており さらに 2020 年 までに 金 沙 江 雅 礱 江 大 渡 河 の 3 大 水 系 流 域 で 水 力 発 電 開 発 プロジェクトが 計 画 されている これらが 完 成 すると 総 発 電 容 量 は 5,170 万 キロワットに 達 し 全 国 最 大 の 水 力 発 電 産 業 基 地 となる 2 農 産 品 加 工 業 四 川 省 は 多 様 な 気 候 条 件 を 活 かした 農 業 が 盛 んであり 全 国 の 穀 物 油 お 茶 オレンジ 等 の 果 物 類 をはじめ 多 くの 農 産 物 が 生 産 されている 麦 綿 絹 お 茶 乳 製 品 白 酒 ビール た ばこ 等 を 主 要 な 産 物 として 産 業 集 積 が 形 成 されている また 中 国 の 5 大 牧 畜 区 域 の 一 つであり 豚 牛 羊 肉 の 年 間 生 産 量 は 全 国 首 位 である 3 機 械 設 備 製 造 業 四 川 省 には 東 電 集 団 二 重 集 団 成 飛 集 団 等 の 高 い 技 術 力 を 有 する 機 械 設 備 製 造 企 業 がある 大 型 発 電 設 備 大 型 冶 金 化 学 工 業 設 備 石 油 天 然 ガス 設 備 大 型 環 境 保 護 設 備 航 空 機 制 御 シス テム 設 備 等 の 製 造 分 野 で 全 国 レベルでの 競 争 力 がある 有 力 産 業 が 形 成 されている 4 ハイテク 産 業 四 川 省 は 国 家 の 重 要 電 子 工 業 基 地 の 一 つとなっており 中 国 家 電 大 手 の 長 虹 集 団 の 拠 点 である とともに インテル フェニックス 等 のハイテク 分 野 の 外 資 企 業 が 多 数 進 出 している 研 究 開 発 力 と 生 産 力 の 基 盤 を 備 え デジタル 家 電 製 品 ソフトウェア インターネット 通 信 機 器 設 備 軍 需 電 子 設 備 等 の 分 野 で 高 い 技 術 基 盤 を 保 有 し 競 争 力 のある 有 力 製 品 の 生 産 拠 点 を 形 成 している 中 央 政 府 から 国 家 重 要 情 報 安 全 産 業 基 地 及 び 国 家 ソフトウェア 産 業 化 基 地 の 一 つに 指 定 されて いるとともに 成 都 市 は 2006 年 に 国 家 級 サービスアウトソーシング 基 地 都 市 として 指 定 された なお 四 川 省 は 中 国 特 有 の 動 植 物 資 源 が 豊 富 で 漢 方 薬 の 倉 庫 と 呼 ばれ 国 家 漢 方 医 薬 現 代 化 産 業 基 地 として バイオ 製 薬 技 術 の 研 究 も 盛 んとなっている 四 川 省 は 以 上 のような 特 色 を 活 かした 産 業 基 盤 をもとに 機 械 製 造 業 界 IT 業 界 医 薬 品 業 界 を 外 資 導 入 の 重 点 産 業 として 位 置 づけ 外 商 投 資 企 業 の 誘 致 を 図 っている 32

40 (2) 西 部 大 開 発 10 年 の 新 政 策 動 向 2000 年 に 西 部 大 開 発 の 基 本 戦 略 が 打 ち 出 されてから 中 国 政 府 は 政 策 的 補 助 や 財 政 資 金 の 投 入 各 種 開 発 プロジェクトや 人 材 交 流 等 を 推 進 しながら 西 部 地 域 への 支 援 を 継 続 的 に 实 施 して きた 西 部 大 開 発 政 策 の 10 年 を 経 て 西 部 地 域 の 経 済 は 大 きく 発 展 しつつあり 00 年 から 08 年 ま でに 西 部 地 域 の 総 生 産 額 は 1 兆 6,600 億 元 から 5 兆 8,200 億 元 へ 3.5 倍 に 増 加 し 年 平 均 成 長 率 は 11.7%で 全 国 平 均 を 上 回 った 2009 年 10 月 16 日 から 成 都 市 で 開 催 された 第 10 回 中 国 西 部 国 際 博 覧 会 の 開 会 式 に 出 席 した 温 家 宝 首 相 は 中 国 政 府 として 西 部 大 開 発 を 一 段 と 強 化 する 政 策 基 本 方 針 を 示 し 西 部 地 域 を 新 し い 段 階 の 経 済 開 放 戦 略 の 重 点 にするとの 考 えを 強 調 した 温 家 宝 首 相 はまた 西 部 地 域 の 競 争 力 を 高 めて 先 進 的 産 業 が 集 積 する 重 要 な 地 域 にしていく 政 府 方 針 のもとで 新 たな 西 部 大 開 発 10 ヵ 年 政 策 の 策 定 を 進 めていることを 明 らかにした 00 年 からの 西 部 大 開 発 の 10 年 に 続 く 新 た な 政 策 が 近 く 公 表 されるものと 見 られ 注 視 が 必 要 である (3) 加 工 貿 易 の 段 階 式 移 転 政 策 中 国 では 市 場 開 放 政 策 による 外 資 導 入 が 先 行 した 東 部 沿 海 地 域 と 比 較 して 中 西 部 の 内 陸 地 域 の 成 長 が 遅 れているため 地 域 間 の 所 得 水 準 の 格 差 が 大 きくなった これに 対 して 中 国 政 府 は 2000 年 以 降 調 和 の 取 れた 社 会 ( 和 諧 社 会 ) の 实 現 を 目 指 すべく 西 部 大 開 発 や 中 部 勃 興 等 の 政 策 を 公 表 し 地 域 格 差 の 是 正 に 積 極 的 に 取 り 組 むようになった その 一 環 として 東 部 沿 海 地 域 から 内 陸 部 への 産 業 移 転 の 推 進 がある 中 国 の 経 済 政 策 の 改 革 開 放 への 転 換 以 来 東 部 沿 海 地 域 は 労 働 集 約 型 製 品 の 生 産 と 輸 出 を 梃 子 として 高 成 長 を 遂 げた しかし 近 年 では 人 民 元 レートの 上 昇 や 賃 金 や 土 地 をはじめとした 生 産 コストの 上 昇 により 労 働 集 約 型 産 業 は 以 前 と 比 較 すると 競 争 力 が 低 下 しつつある より 安 い 労 働 力 と 土 地 を 求 めて 外 資 系 企 業 のみならず 中 国 企 業 も 生 産 拠 点 を 移 転 させる 動 きが 出 てきて おり 内 陸 中 西 部 が 投 資 先 として 注 目 されるようになった 産 業 の 移 転 を 支 援 するために 商 務 部 は 2006 年 からの 3 年 間 で 約 1 万 社 の 外 国 企 業 と 東 部 企 業 が 中 国 中 西 部 へ 投 資 することを 促 進 する 万 商 西 進 プロジェクト を 打 ち 出 した 同 プロジェ クトの 具 体 的 な 支 援 措 置 として 中 西 部 地 域 における 経 済 開 発 区 のインフラ 整 備 人 材 の 育 成 中 部 地 域 投 資 貿 易 博 覧 会 の 開 催 や 西 部 横 断 高 速 物 流 ルートの 建 設 等 が 实 施 されている 商 務 部 はまた 2007 年 10 月 と 2008 年 4 月 の 2 回 に 分 けて 中 西 部 地 域 における 加 工 貿 易 業 の 重 点 移 転 先 として 四 川 省 の 成 都 市 と 綿 陽 市 を 含 む 31 の 都 市 を 指 定 した これに 合 わせて 関 連 する 内 陸 部 への 移 転 プロジェクトに 対 して 融 資 等 の 面 での 優 遇 措 置 を 与 えることを 決 め これら の 政 策 を 通 じて 全 国 の 加 工 貿 易 取 引 額 に 占 める 中 西 部 の 割 合 を 5 ポイント 引 き 上 げることを 目 標 としている 33

41 四 川 省 は 2007 年 11 月 2 日 加 工 貿 易 発 展 及 び 産 業 転 換 に 関 する 意 見 ( 四 川 省 弁 公 庁 2007 年 第 71 号 ) を 公 表 した 同 意 見 は 2010 年 までに 同 省 の 加 工 貿 易 輸 出 額 の 全 国 に 対 する 比 率 を 30% 向 上 させ 加 工 貿 易 輸 出 額 を 40 億 ドルに 到 達 させるとともに 2007 年 から 2011 年 までの 加 工 貿 易 輸 出 額 の 年 平 均 成 長 率 を 30%として 2011 年 に 50 億 ドルに 到 達 させる 2 つの 30% の 目 標 实 現 に 努 める 方 針 が 打 ち 出 されている さらに 2009 年 3 月 5 日 の 全 国 人 民 代 表 大 会 での 温 家 宝 総 理 による 政 府 活 動 報 告 においても 中 西 部 地 区 での 産 業 移 転 受 け 入 れに 関 連 する 具 体 策 の 策 定 を 急 ぐことや 輸 出 型 加 工 業 の 中 西 部 への 移 転 を 奨 励 することが 2009 年 度 の 中 央 政 府 の 主 要 任 務 として 取 り 上 げられる 等 加 工 貿 易 の 沿 海 部 から 内 陸 部 への 移 転 を 促 進 する 動 きが 活 発 化 している (4) 四 川 省 7+3 産 業 マスタープラン 2009 年 9 月 27 日 四 川 省 人 民 政 府 は 四 川 省 経 済 委 員 会 が 策 定 した 四 川 省 工 業 7+3 産 業 マスタープラン(2008~2020 年 ) を 公 表 した 同 プランは 四 川 省 の 2020 年 までの 経 済 発 展 の ために 重 要 な 戦 略 産 業 として 以 下 の 7 大 優 勢 産 業 及 び 3 大 潜 在 力 産 業 を 挙 げている 7 大 優 勢 産 業 :1 電 子 情 報 2 機 械 設 備 製 造 3エネルギー 電 力 4 石 油 ガス 化 学 工 業 5バナジウム チタン 鋼 鉄 6 飲 料 食 品 7 現 代 漢 方 薬 3 大 潜 在 力 産 業 :1 航 空 宇 宙 2 自 動 車 製 造 3バイオテクノロジー 新 材 料 同 プランは 2020 年 に 四 川 省 における 上 記 7+3 産 業 の 工 業 付 加 価 値 総 額 を 2 兆 3,800 億 元 に 到 達 させ 全 省 の 工 業 付 加 価 値 総 額 の 90% 以 上 とすることを 目 標 として 掲 げた これらの 産 業 を 重 点 的 に 強 化 することで 中 西 部 経 済 の 中 心 としての 四 川 省 の 地 位 を 確 立 することを 目 指 すと しており 指 定 された 7 大 優 勢 産 業 及 び 3 大 潜 在 力 産 業 における 具 体 的 な 発 展 強 化 の 方 針 につい て 以 下 のとおり 示 されている 7 大 優 勢 産 業 1 電 子 情 報 成 綿 楽 広 遂 電 子 情 報 産 業 ベルト の 形 成 を 急 ぎ デジタル 家 電 集 積 回 路 ソフトウェア イン ターネット 通 信 設 備 の 4 つ 製 品 業 種 の 産 業 チェーン 化 の 形 成 を 図 る 2 機 械 設 備 製 造 成 徳 資 自 宜 瀘 設 備 製 造 産 業 ベルト の 形 成 を 急 ぎ 大 型 動 力 機 械 設 備 水 力 火 力 発 電 ユニッ ト 等 を 中 心 とした 大 型 機 械 設 備 の 技 術 集 積 基 盤 を 強 化 する 3エネルギー 電 力 阿 壩 チベット 族 チャン 族 自 治 州 南 部 の 三 江 郷 を 重 点 地 域 とした 水 力 発 電 基 地 の 建 設 を 進 め 同 地 区 の 河 川 域 に 7 ヵ 所 の 大 中 型 の 水 力 発 電 所 を 集 積 させる また 嘉 陵 江 及 び 岷 江 の 下 流 域 に 2 ヵ 所 の 基 幹 となる 大 型 のグリッド 送 電 施 設 を 建 設 する 34

42 4 石 油 ガス 化 学 工 業 成 都 市 を 中 心 として 石 油 化 学 産 業 拠 点 徳 陽 市 を 重 点 としてチタン 精 製 加 工 基 地 瀘 州 市 に 西 部 化 学 工 業 集 積 自 貢 市 に 塩 化 工 業 を 基 礎 としたシリコン フッ 素 新 材 料 生 産 基 地 宜 賓 市 に 塩 素 加 工 生 産 基 地 楽 山 市 に 塩 リン 化 工 生 産 基 地 川 東 北 地 区 に 天 然 ガス 化 工 生 産 基 地 のそれぞれを 建 設 し 省 内 の 各 化 学 工 業 集 積 の 相 互 補 完 的 発 展 を 促 進 する 5バナジウム チタン 鉄 鋼 攀 西 地 方 のバナジウム チタン 資 源 の 総 合 的 な 開 発 及 び 利 用 の 促 進 を 図 る 特 に 高 品 質 の 鉄 鋼 産 業 の 育 成 に 注 力 し 攀 枝 花 市 を 拠 点 としたバナジウム チタン 産 業 チェーンを 形 成 する 6 飲 料 食 品 四 川 省 の 豊 富 な 農 産 物 資 源 を 活 用 し 高 品 質 の 白 酒 食 肉 製 品 食 用 油 たばこ お 茶 乳 製 品 等 の 生 産 力 を 高 めて 全 国 有 数 のブランドの 育 成 を 強 化 する 7 現 代 漢 方 薬 漢 方 薬 材 料 の 栽 培 技 術 の 開 発 を 進 めるとともに 漢 方 薬 の 成 分 抽 出 技 術 を 高 めて 錠 剤 タブレット 等 の 製 品 化 を 図 り 中 国 漢 方 健 康 食 品 等 の 機 能 性 食 品 を 開 発 し 生 産 する 3 大 潜 在 力 産 業 1 航 空 宇 宙 軍 需 産 業 を 基 盤 とした 航 空 宇 宙 産 業 の 特 殊 技 術 を 応 用 し 民 間 航 空 機 の 設 計 デザイン 開 発 の 強 化 を 図 るとともに 航 空 機 向 けの 装 置 設 備 部 品 の 製 造 業 を 発 展 させる 2 自 動 車 製 造 乗 用 車 及 び SUV 小 型 から 大 型 までの 貨 物 車 バス 自 動 車 エンジン 及 び 部 品 の 生 産 力 の 強 化 に 注 力 する また 天 然 ガスや 電 気 等 の 新 エネルギー 自 動 車 の 独 自 ブランドの 開 発 を 促 進 する 3バイオテクノロジー 新 材 料 バイオ 医 薬 バイオ 工 学 製 品 バイオエネルギー 等 の 分 野 で 成 都 市 に 研 究 開 発 型 産 業 集 積 を 形 成 す ることを 促 進 する 具 体 的 には 中 国 医 薬 イノベーション 産 業 基 地 バイオ 農 業 基 地 バイオエネル ギー 産 業 基 地 伝 統 産 業 バイオ 技 術 改 造 産 業 基 地 の 4 つの 産 業 基 地 を 形 成 し 研 究 開 発 イノベーショ ンセンター 産 業 インキュベーションセンター 創 業 支 援 サービスセンターの 3 つの 産 業 化 支 援 セン ターの 設 置 を 図 る 四 川 省 工 業 7+3 産 業 マスタープラン(2008~2020 年 ) は 12 年 間 にわたる 中 長 期 計 画 の 中 間 目 標 として 図 表 に 示 す 目 標 を 明 記 した 2008 年 の 7+3 産 業 の 工 業 付 加 価 値 総 額 は 3,761 億 元 で 全 省 の 工 業 付 加 価 値 総 額 に 対 する 割 合 は 76%となっている 35

43 図 表 四 川 省 7+3 産 業 マスタープランの 目 標 年 度 7+3 産 業 の 工 業 付 加 価 値 額 全 省 工 業 付 加 価 値 総 額 に 対 する 割 合 2010 年 5,330 億 元 79% 2012 年 7,370 億 元 85% 2015 年 1 兆 1,800 億 元 87% 2020 年 2 兆 3,800 億 元 90% (5) 四 川 省 工 業 8 大 産 業 地 帯 振 興 計 画 四 川 省 7+3 産 業 マスタープラン と 同 時 に 公 表 された 四 川 省 工 業 8 大 産 業 地 帯 の 振 興 行 動 計 画 は 同 省 内 の 地 域 特 性 を 踏 まえた 2020 年 までの 産 業 競 争 力 強 化 のための 産 業 集 積 の 形 成 を 目 指 した 振 興 計 画 である 2020 年 に 中 西 部 で 最 も 競 争 力 のある 先 進 的 な 製 造 業 の 拠 点 地 域 となることを 目 標 として 以 下 の 8 つの 工 業 地 帯 の 形 成 と 各 地 域 の 特 色 ある 産 業 力 の 強 化 を 掲 げ ている 1 電 子 情 報 産 業 地 帯 2 機 械 設 備 製 造 業 地 帯 3 自 動 車 産 業 地 帯 4バナジウム チタン 鋼 鉄 業 地 帯 5シリコン 産 業 地 帯 6 重 化 学 工 業 地 帯 7 天 然 ガス 工 業 地 帯 8 紡 績 アパレル 工 業 地 帯 : 成 都 綿 陽 楽 山 広 元 遂 寧 : 成 都 徳 陽 資 陽 自 貢 宜 賓 瀘 州 : 成 都 徳 陽 綿 陽 南 充 資 陽 : 攀 枝 花 : 成 都 楽 山 眉 山 綿 陽 雅 安 : 川 南 長 江 地 域 : 川 東 北 地 域 : 成 都 遂 寧 南 充 達 州 同 振 興 計 画 では 2008 年 から 2011 年 までの 3 年 間 に 8 大 産 業 の 売 上 高 を 年 平 均 20%のペース で 成 長 させ 1 兆 9,080 億 元 とし 工 業 付 加 価 値 額 を 6,680 億 元 とする 目 標 が 掲 げられた そのた めに 3 年 間 で 4,159 億 元 に 上 る 投 資 総 額 の 重 点 プロジェクト 1,376 件 を 实 施 することが 発 表 され ている 3. 外 資 導 入 政 策 (1) 産 業 目 録 1 外 商 投 資 産 業 指 導 目 録 2004 年 11 月 30 日 に 公 布 された 外 商 投 資 産 業 指 導 目 録 の 2007 年 改 正 版 が 07 年 12 月 1 日 から 施 行 された 同 目 録 は 外 商 投 資 プロジェクトの 奨 励 類 制 限 類 及 び 禁 止 類 に 該 当 するものを 収 録 しており これら 3 種 類 に 属 さず かつ 国 家 の 関 連 法 律 法 規 政 策 の 規 定 に 合 致 する 外 商 投 資 プロジェクトは 許 可 類 として 取 り 扱 われる 36