<4D F736F F D204C4C DC58F4994C5817A925A939A BB97E18F C E646F63>

Size: px
Start display at page:

Download "<4D F736F F D204C4C DC58F4994C5817A925A939A BB97E18F C E646F63>"

Transcription

1 短答コンプリートマスター重要判例集司法試験 刑法LL12307 短答コンプリートマスター重要判例集刑法 著作権者株式会社東京リーガルマインド (C) 2012 TOKYO LEGAL MIND K.K., Printed in Japan 無断複製 無断転載等を禁じます LL LL12307

2 LEC 短答コンプリートマスター重要判例集 刑法刑法総論最決平 / 百選 Ⅰ 6 不真正不作為犯被告人 Xは シャクティパット と称する独自の治療法を施す特別の能力を持つなどとして信奉者を集めていたところ 自己の信奉者であり 脳内出血で倒れて病院に入院し 意識障害のため痰の除去や水分の点滴等を要する状態にあるAを 退院させることはしばらく無理であるとする主治医の警告や その許可を得てからAを Xのもとに運ぼうとするBら家族の意図を知りながら 事案 Bらに指示して 入院中の病院から運び出させ その生命に具体的な危険を生じさせた Xは 運び込まれたAに対するシャクティパット治療をBらからゆだねられ Aの容態を見て そのままでは死亡する危険があることを認識したが シャクティパット治療をAに施すにとどまり 未必的な殺意を持って Aの生命維持のために必要な医療措置を受けさせないままAを約一日の間放置し Aを死亡させた Xは 自己の責めに帰すべき事由により患者の生命に具体的な危険を生じさせた上 患者が運び込まれたホテルにおいて Xを信奉する患者の親族から 重篤な患者に対する手当てを全面的にゆだねられた立場にあったものと認められる その際 Xは 患者の重篤な状態を認識し これを自らが救命できるとする根拠はなかった決旨のであるから 直ちに患者の生命を維持するために必要な医療措置を受けさせる義務を負っていたものというべきである それにもかかわらず 未必的な殺意をもって 上記医療措置を受けさせないまま放置して患者を死亡させたXには 不作為による殺人罪が成立し 殺意のない患者の親族との間では保護責任者遺棄致死罪の限度で共同正犯となる 1

3 最決平元.12.15/ 百選 Ⅰ 4 不作為犯の因果関係覚せい剤の注射によって錯乱状態となった 13 才の少女をホテルの客室に放置したところ 同女が死亡し 放事案置という不作為と結果との間の因果関係が問題となった事案 直ちに被告人が救急医療を要請していれば 同女が年若く ( 当時 13 年 ) 生命力が旺盛で 特段の疾病がなかったことなどから 十中八九同女の救命が可能であったというのである そうすると 同女の救命は合理的な疑決旨いを超える程度に確実であったと認められるから 被告人がこのような措置をとることなく漫然同女をホテル客室に放置した行為と死亡した結果との間には 刑法上の因果関係があると認めるのが相当である 判例不作為の場合には 因果性判断の公式を 期待された行為がなされたら 結果が発生しなかっただろう といナビうように修正して適用することになります 最決昭 / 百選 Ⅰ 74 間接正犯被告人が 日頃から暴行を加えて畏怖させ自分の意の事案ままに従わせてきた 12 歳の少女に窃盗を命じて行わせた事案 被告人が 自己の日頃の言動に畏怖して抑圧されている同女を利用して右窃盗を行ったと認められるのであ決旨るから たとえ所論のように同女が是非善悪の判断能力を有する者であったとしても 被告人については本件各窃盗の間接正犯が成立する とした 2

4 大阪地判昭 / 百選 Ⅰ 36 原因において自由な行為 ( 間接正犯説 ) 飲酒すると暴力癖があることを知っている被告人が 飲酒の結果病的酩酊に陥って心神喪失状態を招き 凶器事案を持ち出し強盗するためタクシー運転手に凶器を示して暴行 脅迫を加えたことにつき 示凶器暴行 脅迫罪 ( 暴力行為等処罰 1) の故意犯が成立するとされた事案 原因において自由な行為としての故意犯においては 行為者が責任能力のある状態で 自ら招いた精神障害による責任無能力又は限定責任能力の状態を犯罪の実行に利用しようという積極的意思があるから その意思は犯罪実行の時にも作用しているというべきであって 犯罪実行時の行為者は 責任無能力者としての道具又は限定責任能力者としての道具であると同時に 責任能力のある間接正犯たる地位を持つ したがって 故意犯についてはその実行行為時に 責任能力のある間接正犯として判旨の行為の法的定型性の具備 行為と責任の同時存在をともに認めることができる 本件については, 被告人は ( 責任能力ある状態において ) その酒歴 酒癖 粗暴歴ないし犯歴 から特別遵守事項として禁酒を命ぜられたことをすべて自覚していたと認められるので 積極的に右禁酒義務に背き かつ 少くとも限定責任能力の状態において他人に暴行脅迫を加えるかもしれないことを認識予見しながら あえて飲酒を続けたことを優に推断することができるから 暴行脅迫の未必の故意あるものといわざるをえない 3

5 最大判昭 / 百選 Ⅰ 35 過失犯と原因において自由な行為被告人 Aは 飲食店の調理場において女給 Cの左肩に手をかけ被告人の顔をCの顔に近よせたのに すげなく拒絶されたため Cを殴打したところ Bら居合わせた事案者に制止されて憤激し 心神喪失の状態でとっさに傍にあった肉切包丁でBを突刺して出血多量によりその場で死亡させた かかるAについて過失致死罪の成否が問われた事案 本件被告人の如く 多量に飲酒するときは病的酩酊に陥り 因って心神喪失の状態において他人に犯罪の害悪を及ぼす危険のある素質を有する者は居常右心神喪失の原因となる飲酒を抑止又は制限する等前示危険の発生を未然に防止するよう注意する義務あるものといわなけれ判旨ばならない しからば 本件殺人の所為は被告人の心神喪失時の所為であったとしても, 被告人にして既に前示のような己の素質を自覚していたものでありかつ, 本件事前の飲酒につき前示注意義務を怠ったがためであるとするならば 被告人は過失致死の罪責を免れ得ないものといわねばならない 4

6 最決昭 / 百選 Ⅰ 12 第三者の行為の介入と因果関係甲が自動車を運転中 過失によりAをはね飛ばした その結果 Aは甲の自動車の屋根にはね上げられたが 甲はそれに気付かず そのまま運転を続けるうち 同乗事案者が右自動車の屋上からAの身体を引きずり降ろし 舗装道路上に転落させ Aは甲の自動車車体との激突及び舗装道路面との衝突により死亡 ( 因果関係不明 ) した事案 右のように同乗者が進行中の自動車の屋根の上から被害者をさかさまに引きずり降ろし アスファルト舗装道路上に転落させるというがごときことは 経験上 普通 予想しえられるところではなく ことに 本件においては 被害者の死因となった頭部の傷害が最初の被告人の自動車との衝突の際に生じたものか 同乗者が被害判旨者を自動車の屋根から引きずり降ろし路上に転落させた際に生じたものか確定しがたいというのであって このような場合に被告人の前記過失行為から被害者の前記死の結果の発生することが われわれの経験則上当然予想しえられるところであるとは到底いえない として 因果関係を否定した 判例の主流は条件説に立っているとされていました判例が この判例では明らかに相当因果関係説の立場からのナビ表現が用いられています もっとも その後の最高裁の立場は明確でないといわれています 5

7 大阪南港事件 ( 最決平 / 百選 Ⅰ 15 ) 第三者の行為の介入と因果関係甲がAの頭部を洗面器などで数回殴打し, それによる血圧上昇からの脳出血等の障害を生じさせて意識を失わ事案せ, 港の資材置き場に放置したところ 何者かがAの頭部を角材で殴打し翌日未明 Aが脳出血により死亡した事案 甲の暴行により被害者の死因となった傷害が形成された場合には 仮にその後第三者により加えられた暴行に決旨よって死期が早められたとしても 甲の暴行と被害者の死亡との間に因果関係を肯定することができる 最決平 / 百選 Ⅰ 14 第三者の行為の介入と因果関係被告人は 共犯者 2 名と共謀のうえ被害者を普通乗用自動車後部のトランク内に押し込み トランクカバーを閉めて脱出不能にし 同車を車道の幅員が約 7.5m 片側一車線のほぼ直線の見通しのよい道路上に停車させたと事案ころ 数分後に 後方から走行してきた普通乗用自動車の運転手が 前方不注意によりほぼ真後ろから時速約 60km でこれに追突し その結果 トランク内に押し込まれていた被害者は 重傷を負い 間もなく死亡したという事案 判例は 被害者の死亡原因が直接的には追突事故を起こした第三者の甚だしい過失行為にあるとしても 道路上で停車中の普通乗用自動車後部のトランク内に被害決旨者を監禁した本件監禁行為と被害者の死亡との間の因果関係を肯定することができる として 逮捕監禁致死罪の成立を認めた 6

8 最決平 / 百選 Ⅰ 11 被害者の危険な行為が介入した場合の因果関係被告人 4 名が 被害者を公園に誘い出し 深夜 2 時間 10 分にわたり激しい暴行を繰り返し 引き続き マンション居室において 約 45 分間 断続的に同様の暴行を加えた 被害者は 被告人らが玄関の戸を開けて来訪者事案に対応していた際に 上記マンションの居室から靴下履きのまま逃走し 約 10 分後 マンションから約 763mないし約 810m 離れた高速道路に進入し 疾走してきた自動車に衝突され 後続の自動車にれき過されて 死亡したという事案 判例は 以上の事実関係の下においては 被害者が逃走しようとして高速道路に進入したことは それ自体極めて危険な行為であるというほかないが 被害者は 被告人らから長時間激しくかつ執ような暴行を受け 被告人らに対し極度の恐怖感を抱き 必死に逃走を図る過程で とっ決旨さにそのような行動を選択したものと認められ その行動が 被告人らの暴行から逃れる方法として 著しく不自然 不相当であったとはいえない そうすると 被害者が高速道路に進入して死亡したのは 被告人らの暴行に起因するものと評価することができる として 被告人らの暴行と被害者の死亡との間の因果関係を肯定した 本件の類似判例被害者の行為の介入と因果関係が問題となった近時の判例として 最決平 / 平 16 重判 1 があります 同判例の事案は 被告人が割れたビール瓶で被害者の判例後頸部を刺すなどの暴行をし 被害者に傷害を負わせた結ナビ果 被害者は入院し その後死亡したが 被害者が医師の指示に従わず安静に努めなかったため治療の効果が上がらず 死に至った可能性があるというものです 最高裁はこのような介在事情があっても因果関係は認められるとしています 7

9 最判昭 / 百選 Ⅰ 40 具体的事実の錯誤甲が 警察官 Aを殺して拳銃を奪うつもりで びょう打ち銃でAを狙って撃ったところ Aに傷害を負わせ, 事案貫通したびょうがBにも当たりBにも傷害を負わせたという事案 犯罪の故意があるとするには 罪となるべき事実の認識を必要とするものであるが 犯人が認識した罪となるべき事実と現実に発生した事実とが必ずしも具体的に一致することを要するものではなく 両者が法定の範囲内において一致することをもって足りるものと解すべきである から 人を殺す意思のもとに殺害行為に出た以判旨上 犯人の認識しなかった人に対してその結果が発生した場合にも 右の結果について殺人の故意があるものというべきであ り また 被告人のAに対する所為についてはもちろんのこと Bに対する所為についても強盗殺人未遂罪が成立するというべきである として 法定的符合説の数故意説に立っている 最決昭 / 百選 Ⅰ 41 抽象的事実の錯誤軽い麻薬所持罪の故意で, 重い覚せい剤所持罪を犯した事案という事案 被告人は 麻薬所持罪を犯す意思で 覚せい剤所持罪にあたる事実を実現したことになるが 両罪は その目的物が麻薬か覚せい剤かの差異があり 後者につき前者に比し重い刑が定められているだけで その余の犯罪構成要件要素は同一であるところ 麻薬と覚せい剤との類似性にかんがみると この場合 両罪の構成要件は 判旨軽い前者の罪の限度において 実質的に重なり合っているものと解するのが相当である とし 被告人には 所持にかかる薬物が覚せい剤であるという重い罪となるべき事実の認識がないから 覚せい剤所持罪の故意を欠くものとして同罪の成立は認められないが 両罪の構成要件が実質的に重なり合う限度で軽い麻薬所持罪の故意が成立し同罪が成立する とした 判例最決昭 は 構成要件的符合説に立つものと解されています なお 谷口裁判官の補足意見では 不法 ナビ責任符合説が採用されています 8

10 最決平 / 百選 Ⅰ 64 早すぎた構成要件の実現 Xは Yからの依頼を受け Pら3 名にAの殺害の実行を指示した Pらは事前の計画に従って 自分たちの乗った自動車をAの運転する自動車に追突させ 示談交渉を装ってAを自車の助手席に誘い込んだ上 多量のクロロホルムを染み込ませたタオルを鼻口部に押し当てて Aの意識を失わせ ( 第一行為 ) さらに Aを約 2km 事案離れた港まで運んだ その後 合流したXとPらは 計画どおり ぐったりとして動かないAをAが運転していた自動車の運転席に運び入れ 溺死させるべく同車を岸壁から海中に転落させて沈めた ( 第二行為 ) ところが Aは第二行為以前に第一行為により死亡していた可能性があった 他方 X 及びPらは 第一行為によりAが死亡する危険性があるとは認識していなかった 判例は 実行の着手時期について Pらの殺害計画は クロロホルムを吸引させてAを失神させた上 その失神状態を利用して Aを港まで運び自動車ごと海中に転落させてでき死させるというものであって 第一行為は第二行為を確実かつ容易に行うために必要不可欠なものであったといえること 第一行為に成功した場合 それ以降の殺害計画を遂行する上で障害となるような特段の事情が存しなかったと認められることや 第一行為と第二行為との間の時間的場所的近接性などに照らすと 第一行為は第二行為に密接な行為であり Pらが第一行判旨為を開始した時点で既に殺人に至る客観的な危険性が明らかに認められるから その時点において殺人罪の実行の着手があった とした 殺意についても, 上記一連の殺人行為に着手しその目的を遂げたのであるから殺人の故意に欠けるところはないとして殺人既遂罪の成立を認めた 注 : 本判例が第 1 行為の時点で殺意を認めた理由が分かりにくいが, 早すぎた構成要件の実現が問題となりうる判例であるということはおさえておくとよい 9

11 最決昭 / 百選 Ⅰ 22 被害者の承諾 Xは Y 他 3 名と共謀して 保険金を騙取することを企て Xが車を運転して信号のある交差点にさしかかった際 信号待ちのため一時停車していたA 運転の車に過失による交通事故を装って故意に自車を追突させ その結果 Aの車をその前に停車していたY 運転の車に追突事案させ よってA YおよびYの車に同乗していた2 名の者に傷害を負わせ かつ Yらの傷害が軽微で長期間加療の必要がないのにこれが必要なように装って長期間入院加療を受け よって保険金を騙取した 傷害について同意があるYらに対してXに傷害罪が成立するかが問題となった ( 保険金の騙取については 詐欺罪が成立する ) 被害者が身体傷害を承諾した場合に傷害罪が成立するか否かは 単に承諾が存在するという事実だけでなく 右承諾を得た動機 目的 身体傷害の手段 方法 損傷の部位 程度など諸般の事情を照らし合せて決すべきものである とし 保険金を騙取する目的をもって 被決旨害者の承諾を得てその者に故意に自己の運転する自動車を衝突させて傷害を負わせたばあいには 右承諾は 保険金を騙取するという違法な目的に利用するために得られた違法なものであって これによって当該傷害行為の違法性を阻却するものではないと解するのが相当である と判示し Xに傷害罪が成立するとした 10

12 最判平元.11.13/ 百選 Ⅰ 25 防衛行為の相当性駐車をめぐって怒鳴り合いになった際 甲が 年齢も若く体力にも優れたAから お前 殴られたいのか と言って手拳を前に突き出し 足を蹴り上げる動作を示されながら近づかれ さらに後ずさりするのを追いかけ事案られて目前に迫られたため その接近を防ぎ 同人からの危害を免れるため やむなく菜切包丁を手に取ったうえ腰のあたりに携え 切られたいんか などと言った行為について 相当性の要件をみたすかが問題となった事案 甲の右行為は Aからの危害を避けるための防御的な行動に終始していたものであるから その行為をもっ判旨て防衛手段としての相当性の範囲を超えたものということはできない 防衛行為の相当性の判断基準として 武器対等の原則 ( 素手の行為に対してナイフで反撃する行為は いかな判例る場合でも相当でない ) がいわれることがありますが ナビこの見解はあまりに形式的であり 武器対等かどうかを実質的に考える必要があるといわれています この点で 本判例は妥当であるとされています 11

13 最判平 / 平 9 重判 2 過剰防衛被告人 XはAに鉄パイプで頭部を一回殴打され もみ合いの末 Aから鉄パイプを奪い なお向かってきたAの頭部を鉄パイプで一回殴打するなどしたが 再度 Aが鉄パイプを取り戻しXを殴打しようとしたため Xが二階事案から一階に通じる階段に向かって逃げ出したところ X を追ったAは勢い余って手すりの外側に上半身を前のめりに乗り出した姿勢になった XはAの左足を持ち上げてAを4メートル下のコンクリート道路に転落させて 重傷を負わせたという事案 Xの行為が過剰防衛にあたるかにつき Aは Xに対し執ような攻撃に及び その挙げ句に勢い余って手すりの外側に上半身を乗り出してしまったものであり しかも その姿勢でなおも鉄パイプを握り続けていたことに照らすと 同人のXに対する加害の意欲は おう盛かつ強固であり Xがその片足を持ち上げて同人を地上に転落させる行為に及んだ当時も存続していたと認めるのが相当である また Aは 右姿勢のため 直ちに手すりの内側に上半身を戻すことは困難であったものの X の右行為がなければ 間もなく姿勢を立て直した上 X に追い付き 再度の攻撃に及ぶことが可能であったと認判旨められる とし AのXに対する急迫不正の侵害の継続を認めたうえで AのXに対する不正の侵害は 鉄パイプで 引き続き 殴り掛かろうとしたものであり 同人が手すりに上半身を乗り出した時点では その攻撃力はかなり減弱していた 他方 Xの同人に対する暴行のうち その片足を持ち上げて約 4メートル下のコンクリート道路上に転落させた行為は 一歩間違えば同人の死亡の結果すら発生しかねない危険なものであったことに照らすと 鉄パイプで同人の頭部を一回殴打した行為を含むXの一連の暴行は 全体として防衛のためにやむを得ない程度を超えたものであったといわざるを得ない として 過剰防衛の成立を認めた 本判例は 一審 二審が急迫不正の侵害は終了していたとして過剰防衛の成立を否定したのを破棄 自判して 急迫不正の侵害が継続していたとしたものです なお 判例急迫不正の侵害の継続性については 1 攻撃が一応中断ナビするに至った経緯 2 攻撃した者と防衛した者との力関係 3 中断前に行った防衛行為と中断後に行われた防衛行為の侵害の重大性を慎重に考慮して判断する必要があるとされています 12

14 最決平 / 平 20 重判 3 防衛行為の断絶 Xは 以前因縁をつけられ暴行されたことのあるAから話し掛けられ いきなり殴り掛かられるなどの攻撃をされたため 反撃行為をした そしてXは アルミ製灰皿を投げつけた反動で体勢を崩したAの顔面を殴打し Aは頭部から転倒して動かなくなった ( 第 1 暴行 ) しかし Xは憤激のあまり 意識を失ったように動かなくなって倒れているAに対し その状況を十分認識しなが事案ら 俺を甘く見ているな 俺に勝てるつもりでいるのか 等と言い さらに腹部を蹴るなどの暴行を加え A に傷害を負わせた ( 第 2 暴行 ) Aは付近の病院に救急車で搬送されたが 第 1 暴行によって生じた傷害が原因となって 6 時間余り後に クモ膜下出血により死亡した Xの両暴行を全体的に考察して1 個の過剰防衛を認めることができるかが争われた 本件における事実関係の下では 第 1 暴行により転倒した甲が, 被告人に対し更なる侵害行為に出る可能性はなかったのであり 被告人は そのことを認識した上で 専ら攻撃の意思に基づいて第 2 暴行に及んでいるのであるから 第 2 暴行が正当防衛の要件を満たさないことは明らかである そして 両暴行は 時間的 場所的には連続しているものの 甲による侵害の継続性及び被告人の防衛の意思の有無という点で 明らかに性質を異にし 被告人が前記発言をした上で抵抗不能の状態にある甲に対して相当に激しい態様の第 2 暴行に及んでいる決旨ことにもかんがみると その間には断絶があるというべきであって 急迫不正の侵害に対して反撃を継続するうちに その反撃が量的に過剰になったものとは認められない そうすると 両暴行を全体的に考察して 1 個の過剰防衛の成立を認めるのは相当でなく 正当防衛に当たる第 1 暴行については 罪に問うことはできないが 第 2 暴行については 正当防衛はもとより過剰防衛を論ずる余地もないのであって これにより甲に負わせた傷害につき 被告人は傷害罪の責任を負うというべきである と判示し 過剰防衛の成立を否定した 13

15 最決平 / 百選 Ⅰ 73 被害者の行為を利用した間接正犯ホストクラブでホストをしていたXは 客であったA に対し 激しい暴行脅迫を加えて多額の飲食代金の支払を迫っていた そのうち Aに多額の生命保険をかけた上で自殺させ 保険金を取得しようと考えるにいたった 事案そこでXは 自己の言いなりになっていたAに対し 車を運転させ 車ごと海中に飛び込むことを命じた Aは 自殺する気持ちはなかったが 死亡を装ってXから身を隠す可能性にかけて 命じられるままに真冬の深夜の海中に飛び込んだが 思惑通り助かった 判例は 本件犯行当時 XがAを Xの命令に応じて車ごと海中に飛び込む以外の行為を選択することができない精神状態に陥らせていた ことを認定したうえで Xは 以上のような精神状態に陥っていたAに対して 本件当日 漁港の岸壁上から車ごと海中に転落するように命じ Aをして 自らを死亡させる現実的危険性の高い行為に及ばせたものであるから Aに命令して車ごと決旨海に転落させたXの行為は 殺人罪の実行行為に当たる とした また Xの殺人罪の故意につき AにはXの命令に応じて自殺する気持ちはなかったものであって この点はXの予期したところに反していたが Aに対し死亡の現実的危険性の高い行為を強いたこと自体については Xにおいて何ら認識に欠けるところはなかった として Xの殺人罪の故意を認めている 14

16 百円紙幣模造事件 ( 最決昭 / 百選 Ⅰ 46 ) 甲は 飲食店宣伝のため 百円紙幣とほぼ同デザインのサービス券を印刷させ 百円紙幣に紛らわしい外観を有するものを作成した 甲は 作成前に 製版所側からこれではまずいのではないかなどといわれたため 警察署に赴き 相談したところ 紙幣と紛らわしい外観を有事案するサービス券とならないよう助言を受けた しかし 甲は警察官の態度が好意的なことから その助言を重大視せず 作成に及んだ その後 できあがったサービス券を同警察署で配布したが 格別の注意も受けなかったので ますます安心し さらに同種のサービス券を作成した という事案 このような事実関係の下においては 被告人甲が 違法性の意識を欠いていたとしても それにつき相当の理由がある場合には当たらないとした原判決の判断は これを是認することができるから この際 行為の違法決旨性の意識を欠くにつき相当の理由があれば犯罪は成立しないとの見解の採否についての立ち入った検討をまつまでもなく 本件各行為を有罪とした原判決の判断に誤りはない 従来 判例は違法性の意識不要説に立つと解されていました ( 最判昭 / 百選 Ⅰ 47 ) しかし 本決定は 違法性の意識を欠いたことにつき相当の理由判例があれば犯罪の成立が否定されるとしています 違法性の意識を不要とするなら 違法性の意識を欠いたことにナビつき 相当の理由 があるか否かは 犯罪の成立に何ら影響を及ぼさないのですから言及する必要はありません そのため 判例は違法性の意識不要説を放棄したと評価されています 15

17 最判昭 / 百選 Ⅰ 42 事実の錯誤と法律の錯誤被告人は 無鑑札の犬は他人の飼犬であっても無主犬とみなされると信じ この犬を撲殺した かかる場合に事案器物損壊罪 (261) の故意が認められるかが争いになった事案 飼犬取締規則第 1 条には飼犬証票なく且つ飼主分明ならざる犬は無主犬と看做す旨の規定があるが 同規則においても私人が擅に前記無主犬と看做される犬を撲殺することを容認していたものではないが 被告人は鑑札をつけていない犬はたとい他人の飼犬であっても直ちに無主犬と看做されるものと誤信していたというのであるから 被告人は右錯誤の結果判示の犬が他人所有に属する事実について認識を欠いていたものと認むべき場合であったかもしれない されば原判決が被告人の判示の犬が他人の飼犬であることは判っていた旨の供述を判旨もって直ちに被告人は判示の犬が他人の所有に属することを認識しており本件について犯意があったものと断定したことは結局刑法 38 条 1 項の解釈適用を誤った結果犯意を認定するについて審理不尽の違法があるものといわざるを得ない 注 : 一見すると法律の錯誤の問題かのように読めるが, 具体的事情から事実の錯誤の問題であることを示唆している 16

18 チャタレイ事件 ( 最大判昭 / 百選 Ⅰ 45 ) 規範的構成要件要素の故意の程度出版会社社長甲は チャタレイ夫人の恋人 の翻訳出版を企画し その内容に性的描写記述があることを知事案っているにもかかわらず これを出版した かかる甲に わいせつ (175) 性の認識があったかどうか争われた事案 刑法 175 条の罪における犯意の成立については問題となる記載の存在の認識とこれを頒布販売することの認識があれば足り かかる記載のある文書が同条所定の猥褻性を具備するかどうかの認識まで必要としているもの判旨ではない かりに主観的には刑法 175 条の猥褻文書にあたらないものと信じてある文書を販売しても それが客観的に猥褻性を有するならば 法律の錯誤として犯意を阻却しないものといわなければならない 本判例は 一般に わいせつ性の意味の認識を不要と判例解したものと評価されています しかし 前田先生は 本判例は 同条所定の猥褻性 の認識までは不要としたナビにとどまり 規範的意味の認識を不要であると積極的に判示したわけではないとしています 17

19 大阪高判平 / 百選 Ⅰ 26 誤想防衛の一種被告人 XとYは Aを含む7 名余の者から木刀等で殴りかかられた Xは自動車に逃げ込んだが YはAから木刀で襲いかかられた Xは Aと木刀を取り合ってい事案たYを助けるため 運転する自動車をAに向け急後退させて追い払おうとし Aの右手に同車左後部を衝突させたが 同時にYを礫過し死亡させてしまったという事案 判例は Xが本件車両を急後退させる行為が正当防衛であると認められることを前提として 不正の侵害を全く行っていないYに対する侵害を客観的に正当防衛だとするのは妥当でなく また たまたま意外なYに衝突し轢過した行為は客観的に緊急行為性を欠く行為であり しかも避難に向けられたとはいえないから緊急避難だとするのも相当でないが Xが主観的には正当防衛だ判旨と認識して行為している以上 Yに本件車両を衝突させ轢過してしまった行為については 故意非難を向け得る主観的事情は存在しないというべきであるから いわゆる誤想防衛の一種として 過失責任を問い得ることは格別 故意責任を肯定することはできないというべきである と判示して 傷害致死罪が成立するとした原判決を破棄した 山口先生は 事実の錯誤に関し具体的符合説を採用さ判例れているので 本事案のように防衛行為が第三者の法益を侵害した場合には 第三者に対する故意犯が成立するナビ余地はなく 過失犯の成否が問題となるにすぎないとされています 18

20 最判昭 / 百選 Ⅰ 27 過剰防衛甲はAが棒様のものを手にして打ちかかってきたため 自分の身体を防御するため その場にあった斧を斧とは気付かず何か棒状のものと思い これを手にしてA に反撃を加えたが 興奮のため防衛の程度を越し Aを事案死亡させた 原審は 甲の行為は過剰防衛であると判示した これに対し 弁護人は甲は過剰の事実を認識していなかったのであるから 誤想防衛であり無罪であるとして上告した 原審は斧とは気付かず棒様のものと思ったと認定しただけでただの木の棒と思ったと認定したのではない 斧はただの木の棒とは比べものにならない重量のあるものだからいくら昂奮して居たからといってもこれを手に決旨持って殴打する為め振り上げればそれ相応の重量は手に感じる筈である (Aが) 棒を持って打ってかかって来たのに対し斧だけの重量のある棒様のもので 乱打した事実はたとえ斧とは気付かなかったとしてもこれを以て過剰防衛と認めることは違法とはいえない 本判例は 行為者は自分が手にした棒様のものが斧だ判例とは認識していなかったが 斧程度の重量のあるものであることを気づいていたはずだということを理由に過剰ナビ性についての認識はあったといえるとして 過剰防衛であるとの判断をしています 19

21 勘違い騎士道事件 ( 最決昭 / 百選 Ⅰ 28 ) 誤想防衛と過剰防衛空手三段の被告人がA 女がB 男から暴行を受けているものと誤信し A 女を助けようと二人の間に入ったところ B 男が防御のため両こぶしを胸のあたりにあげたの事案を自分に殴りかかってくるものと思い 自分とA 女の身体を防御しようととっさに空手技の回し蹴りをB 男の顔面付近に当て 死亡させた 原判決の認定によれば 空手三段の腕前を有する被告人は 夜間帰宅途中の路上で 酩酊したA 女とこれをなだめていたB 男とが揉み合ううち同女が倉庫の鉄製シャッターにぶつかって尻もちをついたのを目撃して B 男がA 女に暴行を加えているものと誤解し 同女を助けるべく両者の間に割って入った上 同女を助け起こそうとし 次いでB 男の方を振り向き両手を差し出して同人の方に近づいたところ 同人がこれを見て防御するため手を握って胸の前辺りにあげたのをボクシングのファイティングポーズのような姿勢をとり自分に殴りかかってくるものと誤信し 自己及び同女の身体を防衛しようと決旨考え とっさにB 男の顔面付近に当てるべく空手技である回し蹴りをして 左足を同人の右顔面付近に当て 同人を路上に転倒させて頭蓋骨骨折等の傷害を負わせ 八日後に右傷害による脳硬膜外出血及び脳挫滅により死亡させたというのである 右事実関係のもとにおいて 本件回し蹴り行為は 被告人が誤信したB 男による急迫不正の侵害に対する防衛手段として相当性を逸脱していることが明らかであるとし 被告人の所為について傷害致死罪が成立し いわゆる誤想過剰防衛に当たるとして刑法三六条二項により刑を減軽した原判断は 正当である と判示した 20

22 最決平元.3.14/ 百選 Ⅰ 51 過失犯における予見の程度トラック運転手の甲が無謀運転により ハンドル操作を誤って自車トラックを電柱に衝突させて 助手席に乗事案っていたAに重傷を負わせ さらに甲やAの知らないうちに荷台に乗り込んで積み荷の陰に隠れていたBCを死亡させたという事案 被告人において 右のような無謀ともいうべき自動車運転をすれば人の死傷を伴ういかなる事故を惹起するかもしれないことは 当然認識しえたものというべきであるから たとえ被告人が自車の後部荷台に前記両名が決旨乗車している事実を認識していなかったとしても 右両名に関する業務上過失致死罪の成立を妨げない と判示しており 抽象的法定符合説に立ちつつ故意と過失をパラレルに捉えているとみることができる 判例本決定は 個々の具体的な被害者 の死を予見可能ナビ性までを要求していないと読めます 21

23 北大電気メス事件 ( 札幌高判昭 / 百選 Ⅰ 50 ) 予見可能性の対象電気メスを使用した手術の際 ケーブルの接続を間違事案えたところ 患者に心電計が装着されていたため 異常な電気回路が形成され 熱傷が生じたという事案 過失犯が成立するためには その要件である注意義務違反の前提として結果の発生が予見可能であることを要 するが 右にいう ) 結果発生の危険とは 特定の構成要件的結果及びその結果の発生に至る因果関係の基本的部分の予見を意味するものと解すべきである とし ケーブルの誤接続をしたまま電気手術器を作動させるときは電気手術器の作用に変調を生じ 本体からケーブルを経て患者の身体に流入する電流の状態に異常を来たし その結果患者の身体に電流の作用による傷害を判旨被らせるおそれがあることについてであって その内容は 構成要件的結果及び結果発生に至る因果関係の基本的部分のいずれについても特定していると解される もっとも 発生するかもしれない傷害の種類 態様及びケーブルの誤接続が電気手術器本体から患者の身体に流入する電流の状態に異常を生じさせる理化学的原因については予見可能の範囲外であったと考えられるけれども 過失犯成立のため必要とされる結果発生に対する予見内容の特定としては 前記の程度で足りる と判示した 本判決は 危過失犯の予見可能性としては特定の構成判例要件的結果及びその結果の発生に至る因果関係の基本的部分の予見可能性が必要であるとしたうえで 結果につナビいてはある程度抽象的な予見可能性であっても足りるとしたものです 22

24 最判昭 / 百選 Ⅰ 53 信頼の原則第一種原動機付自転車を運転する甲が当時の道路交通法に違反して道路中央付近から右折しようとしたとこ事案ろ その右側から猛スピードで追い越そうとしたAの原動機付自転車と衝突し Aを死亡させたという事案 センターラインの若干左側から 右折の合図をしながら 右折を始めようとする原動機付自転車の運転者としては 後方からくる他の車両の運転者が 交通法規を守り 速度をおとして自車の右折を待って進行する等 安全な速度と方法で進行するであろうことを信頼して運転すれば足り 本件 Aのように あえて交通法規に違反して 高速度で センターラインの右側にはみ出してまで自車を追越そうとする車両のありうることまでも予想して 右後方に対する安全を確認し もって事故の発生を未然に防止すべき業務上の注意義務はないものと解するのが相当である ( なお 本件当時の道路交通法 34 条 3 判旨項によると 第一種原動機付自転車は 右折するときは あらかじめその前からできる限り道路の左側に寄り かつ 交差点の側端に沿って徐行しなければならなかったのにかかわらず 被告人は 第一種原動機付自転車を運転して センターラインの若干左側からそのまま右折を始めたのであるから これが同条項に違反し 同法 条 1 項 5 号の罪を構成するものであることはいうまでもないが このことは 右注意義務の存否とは関係のないことである ) と判示して 行為者に交通法規違反があっても 信頼の原則は適用され得るという立場を明らかにした 判例本判例は 行為者が道路交通法違反行為をしている場ナビ合でも信頼の原則の適用を認めている 23

25 最決昭 / 百選 Ⅰ 63 実行の着手の時期 XとYが A 女を強姦する意思を相通じた上 必死に抵抗する同女をYとともにダンプカーの運転席に引きずり込み 発進して約 5 km 離れた護岸工事現場にいたり 事案運転席内で同女の反抗を抑圧してY Xの順に姦淫したが 同女を引きずり込む際の暴行により全治約 10 日間の傷害を負わせたため 強姦の実行の着手が同女を引きずり込んだ段階で認められるかが争われた事案 かかる事実関係のもとにおいては XがA 女をダンプカーの運転席に引きずり込もうとした段階においてす判旨でに強姦に至る客観的な危険性が明らかに認められるから その時点において強姦行為の着手があったと解するのが相当である 判例 強姦に至る客観的な危険性 を基準とする本件最高ナビ裁決定以降は 実質的客観説が支配的となっています 大判大 / 百選 Ⅰ 65 郵便を利用した間接正犯の実行の着手の時期甲は Aを殺害する目的で毒薬混入の砂糖をAあてに小包郵便で送付したところ 小包はA 方に配達されAが事案これを受領したが Aは毒薬混入の事実に気づきこれを食するに至らなかったという事案 右毒薬混入の砂糖はAか之を受領したる時に於て同人又は其家族の食料し得べき状態の下に置かれたるもの判旨にして既に毒殺行為の著手ありたるものと云うを得へきこと上文説明の趣旨に照し寸毫も疑なき所なりとす と判示し 甲に殺人未遂罪が成立するとした 判例本判例については 間接正犯の実行の着手につき 被利用者標準説に立ったとする見解もありますが これまナビでのところ 判例の立場は明らかになっていません 24

26 福岡高判昭 / 百選 Ⅰ 69 中止犯の任意性未必的殺意をもって頚部をナイフで1 回突き刺したが 被害者の口から大量の血が流れ出るのを見て 驚愕事案すると同時に大変なことをしたと思い 止血等の措置を講じたことに対し 中止犯における任意性が認められるかが争われた事案 外部的事実の表象が中止行為の契機となっている場合であっても 犯人がその表象によって必ずしも中止行為に出るとは限らない場合に敢えて中止行為に出たときには 任意の意思によるものとみるべきである 通常人であれば 本件の如き流血のさまを見ると 被告人判旨の前記中止行為と同様の措置をとるとは限らないというべきであり 以上によると 本件の中止行為は 流血という外部的事情の表象を契機としつつも 犯行に対する反省 悔悟の情などから 任意の意思に基づいてなされたと認めるのが相当である 25

27 LEC 短答コンプリートマスター重要判例集 刑法大阪高判昭 / 百選 Ⅰ 71 中止犯に必要な中止行為の内容未必の殺意を有する甲はAの腹部を包丁で突き刺した しかし Aが腹部の激痛に耐えかね 痛い 痛い と言って泣きながら 病院へ連れて行ってくれ と哀願事案したので 甲は被害者を自己運転の自動車に抱き入れて 近くの病院へ連れていき 医師の手に引き渡したところ被害者は一命を取り止めるに至った かかる甲に中止犯が成立するかどうか争われた事案 裁判所は ( 甲は ) 救助のための万全の行動をとったものとはいいがたく 単に被害者を病院へ運ぶという一応の努力をしたに過ぎないものであって この程度の行動では 未だ以て結果発生防止のため被告人が真摯な努力をしたものと認めるに足りないものといわなければならない と判示して 中止犯の規定の適用を否定した 判旨注 : 犯人が, 病院に到着する前に凶器を川に投棄したり, 病院では自分犯人ではないと説明したりした事情がある 犯人が, 医者に凶器を見せてどのように刺したのかを説明すれば, 医者の治療に役立つだろうから, そこまでしたら中止犯が成立したかもしれない 26

28 空気注射事件 ( 最判昭 / 百選 Ⅰ 66 ) 不能犯甲は 30cc ないし 40cc の空気を静脈に注射してAを殺そうとしたが 致死量 ( 弁護人の主張では 70cc ないし事案 300cc) に達しなかったため 殺害するに至らなかった場合に 甲は不能犯であり無罪であるのではないかが争われた事案 原判決は, 静脈内に注射された空気の量が致死量以下であっても被注射者の身体的条件その他の事情の如何に判旨よっては死の結果発生の危険が絶対にないとはいえないと判示しており 右判断は相当であるとして, 殺人未遂罪の成立を肯定した 都市ガス心中未遂事件 ( 岐阜地判昭 / 百選 Ⅰ 68 ) 不能犯都市ガス ( 天然ガスであって 人体には無害 ) を室内に充満させて子供とともに心中しようとしたという行為事案について 殺人未遂罪 ( ) が成立するのではないかが争われた事案 電気器具などから発生する静電気を引火源としてガス爆発事故が発生する可能性やガスが充満することによって窒息死する可能性があったこと および一般人は都市ガスをそのような態様をもって漏出させることはその判旨室内に寝ている者を死に致すに足りる極めて危険な行為であると認識しているものと認められ したがって社会通念上右のような行為は人を死に致すに足りる危険な行為であると評価されているものと解するのが相当である 判例人体に無害な天然ガスの漏出行為でも, 別の角度から見れば人の死の結果の発生を認めることができ, 殺人未ナビ遂罪の成立を認めた 27

29 死体殺人事件 ( 広島高判昭 / 百選 Ⅰ 67 ) 不能犯ピストルで射殺されていた者 ( ただし 死因につき鑑定結果は分かれていた ) を日本刀で切りつけたという客事案体の不能の事例について 死体損壊罪が成立するにとどまるか否かが争われた事案 丙の生死については専門家の間においても見解が岐れる程医学的にも生死の限界が微妙な案件であるから 単に被告人 が加害当時被害者の生存を信じていたという丈けではなく 一般人も亦当時その死亡を知り得なかったであろうこと 従って又被告人 の 加害行為により ( 被害者が ) 死亡するであろうとの危険を感ずるで判旨あろうことはいづれも極めて当然というべく かかる場合において被告人 の加害行為の寸前に ( 被害者が ) 死亡していたとしても それは意外の障害により予期の結果を生ぜしめ得なかったに止り 行為の性質上結果発生の危険がないとは云えないから 同被告人の行為は不能犯と解すべきではない 判例広島高判昭 は 一般に具体的危険説に立つもナビのと評価されています 28

30 最決昭 / 百選 Ⅰ 91 共犯と錯誤 Aは甲らとともにXに暴行ないし傷害を加える旨を共謀し Xに対して挑戦的な罵声 怒声を浴びせたが それに応答したXの言動に甲が激怒し 殺意をもってXの事案下腹部を小刀で突き刺し Xを死亡させた かかる場合に殺意のないAらにいかなる共犯が成立するかが争われた事案 殺人罪と傷害致死罪とは 殺意の有無という主観的な面に差異があるだけで その余の犯罪構成要件要素はいずれも同一であるから 暴行 傷害を共謀した被告人 Aら七名のうちの甲が Xに対し未必の故意をもって殺人罪を犯した本件については 殺人罪の共同正犯と傷害致死罪の共同正犯の構成要件が重なり合う程度で軽い傷害致死罪の共同正犯が成立するものと解すべきである すなわち 甲が殺人罪を犯したということは Aら決旨六名にとっても暴行 傷害の共謀に起因して客観的には殺人罪の共同正犯にあたる事実が実現されたことになるが そうであるからといって Aら六名には殺人罪という重い罪の共同正犯の意思はなかったのであるから A ら六名に殺人罪の共同正犯が成立するいわれはなく もし犯罪としては重い殺人罪の共同正犯が成立し刑のみを暴行罪ないし傷害罪の結果的加重犯である傷害致死罪の共同正犯の刑で処断するにとどめるとするならば それは誤りといわなければならない 部分的犯罪共同説に立脚しつつ 錯誤論において法定的判例符合説を採用する立場からは 甲を除くAらについて ナビ殺人罪と傷害致死罪の構成要件の重なり合う限度で 軽い傷害致死罪の共同正犯が成立することになります 29

31 LEC 短答コンプリートマスター重要判例集 刑法練馬事件 ( 最大判昭 / 百選 Ⅰ 75 ) 共謀共同正犯甲乙丙は Aに暴行を加えることを共謀し これに基事案づいて丙がAを襲撃し死亡せしめた事案 ( 甲乙は襲撃に参加していない ) 共謀共同正犯が成立するためには 二人以上の者が特定の犯罪を行うため 共同意思の下に一体となって互いに他人の行為を利用し 各自の意思を実行に移すことを内容とする謀議をなし よって犯罪を実行した事実が認められなければならない したがって 右のような関判旨係において 共謀に参加した事実が認められる以上 直接実行行為に関与しない者でも 他人の行為を いわば自己の手段として犯罪を行ったという意味において その間刑責の成立に差異を生ずると解すべき理由はない として 甲乙に傷害致死罪の共同正犯を認めた 30

32 スワット事件 ( 最決平 / 百選 Ⅰ 76 ) 共謀共同正犯 事案 判旨 判例 ナビ X は 広域暴力団山口組の幹部で山健組組長であるが 山健組には X を専属で警護するスワットと呼ばれるボディガードが複数名おり この者たちは 襲撃してきた相手に対抗できるように けん銃等の装備を持ち X が外出して帰宅するまで終始 X と行動を共にし 警護する役割を担っていた X は 本件以前から 時々 遊興のため スワットを含む組員らを引き連れて上京していたが その際 東京側で受入れを担当する暴力団関係者が 5 6 台の自動車で羽田空港に出迎えに行き 隊列を組んで都内を移動するといった行動が繰り返されていた 警察は そのような行動の際 スワットらがけん銃等を所持している旨の情報を得たことから内偵捜査を続け本件当時は あらかじめ X ら一行の自動車等に対する捜索差押許可状の発布を得ておき 都内を移動中の X らの車列に停止をかけ 一斉に捜索を実施したところ 本件拳銃等の所持が発覚したため 現行犯逮捕した Xは スワットらに対して拳銃等を携行して警護するように直接指示を下さなくても スワットらが自発的にXを警護するために本件拳銃等を所持していることを確定的に認識しながら それを当然のこととして受け入れて認容していたものであり そのことをスワットらも承知していた また 前記の事実関係によれば Xとスワットらとの間にけん銃等の所持につき黙示的に意思の連絡があったといえる そして スワットらはXの警護のために本件けん銃等を所持しながら終始 Xの近辺にいてXと行動をともにしていたのであり 彼らを指揮命令する権限を有するXの地位と彼らによって警護を受けるというXの立場をあわせて考えれば 実質的には 正にXがスワットらに本件けん銃等を所持させていたと評価しうる として 捜索による差押えや投棄の直前の時点におけるスワットらのけん銃 5 丁とこれに適合する実包等の所持について Xに共謀共同正犯が成立すると判示した 最決平 は Xとスワットらとの間にけん銃等の所持につき黙示的に意思の連絡があったといえることを理由に 実行行為者であるスワットらに対する具体的な指示行為等がなくても共謀共同正犯が認められるとした判例です なお 本件の補足意見によれば 練馬事件判決は 犯罪の謀議にのみ参加し 実行行為の現場に赴かなかった者の共同正犯性を判示したものであって X を警護するため その身辺で組員がけん銃を所持していた本件とは 事案を異にするとしています 31

33 最判昭 / 百選 Ⅰ 48 結果的加重犯と過失の要否妻 Aと口論し ついに憤慨した夫甲は Aを仰向けに事案引き倒して両手で頚部を圧迫したので それが間接的誘因となってAをショック死させた 傷害罪の成立には暴行と死亡との間に因果関係の存在を必要とするが 致死の結果についての予見を必要としないこと当裁判所の判例とするところであるから 原判旨判示のような因果関係の存する以上被告人において致死の結果をあらかじめ認識することの可能性ある場合でなくても被告人の判示所為が傷害致死罪を構成するこというまでもない として 甲を傷害致死罪とした 最判昭 / 百選 Ⅰ 80 結果的加重犯と共同正犯甲及び乙ら数名は 強盗を共謀し, 某家に侵入し現金を強取後 非常ベルが鳴ったため逃走した 警察官に追事案いつかれ逮捕されそうになった乙は 逮捕を免れるため同警察官に斬りつけ出血死させた 強盗について共謀した共犯者等はその一人が強盗の機会においてなした行為については他の共犯者も責任を判旨負うべきものであること当裁判所の判例とする処である として 全員を強盗致死罪とした 判例判例は結果的加重犯の加重結果について過失 ( 予見可能性 ) を要求しないので より容易に結果的加重犯の共ナビ同正犯が認められると思われます 32

34 大阪高判昭 / 百選 Ⅰ 83 承継的共同正犯甲等がAに対し暴行を加え傷害を生ぜしめた後 乙は事案この事実を認識しながら 自らもこれに共同して加担する意思でAに暴行を加えた事案 承継的共同正犯が成立するのは 後行者において 先行者の行為及びこれによって生じた結果を認識 認容するに止まらず これを自己の犯罪遂行の手段として積極的に利用する意思のもとに 実体法上の一罪を構成する先行者の犯罪に途中から共謀加担し 右行為等を現にそのような手段とした場合に限られると解するのが相当 である 先行者が遂行中の一連の暴行に 後行者がやはり暴判旨行の故意をもって途中から共謀加担したような場合には 一個の暴行行為がもともと一個の犯罪を構成するもので 後行者は一個の暴行そのものに加担するのではないうえに 後行者には 被害者に暴行を加えること以外の目的はないのであるから 後行者が先行者の行為等を認識 認容していても 他に特段の事情のない限り 先行者の暴行を 自己の犯罪遂行の手段として積極的に利用したものと認めることができ ないとして 乙を傷害罪ではなく暴行罪の共同正犯とした 判例の中には 先行者による結果を 後行者が自己の判例犯罪遂行の手段として積極的に利用したと評価される場合に承継を認めるものがあります しかし, 本件の事案ナビは すでに生じていた傷害結果を利用したとはいえないものと考えられるので承継が否定されたのでしょう 33

35 横浜地判昭 / 百選 Ⅰ 84 承継的従犯 A B C Dの4 名は Yから金員を喝取しようと共謀し D 方において Yに対して繰り返し暴行 脅迫を加えて金員を要求し同人を畏怖させていたところ 行為の重要部分は終了していたものの その全部が終了しないうちに 被告人 Xが上記現場に行き合わせた Xは 事案 A Dに金員を取りにいくよう指示されてその事情を知りながらこれを承諾し Yを同行の上 E 銀行の駐車場で YからYの義父 Zを介して5 万円の交付を受けた なお Yは恐喝の手段としての暴行により傷害を負った 検察官は, 被告人 Xを恐喝罪と傷害罪の共同正犯で起訴した 判例は 承継的共同正犯において 事後に反抗に加担した者に それ以前の先行行為者の行為についてまで責任を負担させることができる理由は 先行行為者の行為及び生じさせた結果 状態を単に認識 容認したというにとどまらず これを自己の犯行の手段として積極的に利用すべく自己の犯罪行為の内容に取り入れて 残りの実行行為を他の共犯者と分担して行うことにあ るとし 後行行為者が先行行為者の行為なり 生じさせた結果 状態の拡大に寄与する行為を行うところに介入前後判旨を通じての共同実行の意思とその事実を認めることができる とした そして 本件事案においては Xは被害者 YがAらの先行行為により畏怖状態にあることを認識 認容して金員受領行為に加担しているので これによって恐喝罪の実現に協力したと評価することができるが 傷害の結果を生じさせることやその拡大につながるような暴行等の寄与行為はなんらしていない とし さらに Xの正犯意思を否定して 恐喝幇助犯の限度で承継的共犯の成立を認めた 34

36 最決昭 / 百選 Ⅰ 82 殺人予備罪の共同正犯乙からAを殺害したいので毒薬を入手して欲しいと頼まれた甲が 青酸ソーダを乙に提供した ( なお 乙はこ事案の青酸ソーダを使用することなく 全く別の方法でAを殺害した ) かかる場合に 甲に殺人予備罪の共同正犯が成立するかが争われた事案 被告人の判示所為を殺人予備罪に問擬した原判決の決旨判断は正当と認める と判示して 殺人予備罪の共同正犯の成立を肯定した 本判例の事案は 複数人が共同して殺人を犯す目的でその予備行為を行ったという 単純な予備罪の共同正犯判例の事案ではないことに注意する必要があります 本判例の事案は 自らは基本となる犯罪犯す意思はなナビく ( 他人予備なので予備罪の単独犯は成立しません ) 単に他人の予備行為をその他人と共同して行った場合に予備罪の共同正犯が成立するとされたものです 35

37 フィリピンパブ事件 ( 最決平 4.6.5/ 百選 Ⅰ 89 ) 共同正犯と過剰防衛の成否 XはAに侮辱されたのに憤激し Aが店長をしているフィリピンパブに押しかけることを決意した Xは同行を渋る友人 Yに包丁を携帯させてパブに向かい 実際にはAと面識がないのに Yに対し おれは顔が知られているからお前先に行ってくれ けんかになったらお前を放っておかない などと言い さらに Aを殺害することもやむを得ないとの意思のもとに やられたらナイフを使え と指示するなどして説得した Yは内心ではAに対し自分から進んで暴行を加えるまでの意思はなく Aとは面識がないからいきなり暴力を事案振るわれることもないだろうと考え パブ出入口付近で Xの指示を待っていたところ 予想外にも AにXと取り違えられ いきなり激しい暴行を受けた Yは頼りにしていたXの加勢も得られなかったので 自己の生命身体を防衛する意思で とっさに包丁を取り出し Aを殺害してもやむを得ないと決意し Xとの共謀のもとに 包丁でAを刺したため Aは死亡した そして 共同正犯の一方であるYに過剰防衛が成立した場合に 共同正犯の他方であるXに過剰防衛が成立するかどうか争われた事案 共同正犯が成立する場合における過剰防衛の成否は 共同正犯者の各人につきそれぞれその要件をみたすかどうかを検討して決するべきであって 共同正犯の一人について過剰防衛が成立したとしても その結果当然に他の共同正犯者についても過剰防衛が成立することになるものではない 原判決の認定によると Xは Aの攻撃を予期し 決旨その機会を利用してYをして包丁でAに反撃を加えさせようとしていたもので 積極的な加害の意思で侵害に臨んだものであるから AのYに対する暴行は 積極的な加害の意思がなかったYにとっては急迫不正の侵害であるとしても Xにとっては急迫性を欠くものであって Yについて過剰防衛の成立を認め Xについてこれを認めなかった原判断は 正当 である 本決定は 積極的な加害の意思を有していたXについて侵害の 急迫性 の要件を否定して Yについてのみ判例過剰防衛の成立を認めたものです これについては 急ナビ迫性の要件が 侵害の予見などの行為者の主観的事情によって左右されることは好ましいことではないとの批判があります 36

38 最判平 / 百選 Ⅰ 97 共犯からの離脱ではなく新たな共謀の成立の有無に着目した判例 Xは YZと夜間舗道上で雑談していたところ 酩酊して通りかかったAと言い争いになり AがXの仲間の女性 Sの髪を引っ張る等の乱暴を始めたため制止したが Aは Sの髪をつかんだまま 20 メートル程度 Sを引っ張って行った Xらが追いかけて行き暴行を加え ようやくAは Sの髪から手を放したものの 近くにいたYらに向かって悪態をつき なおも応戦する気勢を示しながら 後ずさって行った そして Xらもほぼ一団となってAを追って行き Yが 事案応戦の態度を崩さないAに手拳で殴りかかり 顔をかすった程度であったため 再度殴りかかろうとしたが 仲間がこれを制止し さらにYがZの制止を振り切ってAの顔面を手拳で殴打し そのためAは転倒してコンクリート床に頭部をぶつけ 入院加療約 7カ月半を要する傷害を負った その際 Xは自ら暴行を加えてはいないが Yの暴行を制止しようとしたわけでもなかった かかる場合に Yの追撃行為について Xも共同正犯として責任を負うかが争われた事案 本件のように相手方の侵害に対し 複数人が共同して防衛行為としての暴行に及び 相手方からの侵害が終了した後に なおも一部の者が暴行を続けた場合において 後の暴行を加えていない者について正当防衛の成否を検討するに当たっては 侵害現在時と侵害終了後とに分けて考察するのが相当であり 侵害現在時における防衛行為としての暴行の共同意思から離脱したかどうかではなく 新たに共謀が成立したかどうかを検討すべきであって 共謀の成立が認められるときに初めて 侵害現在時及び侵害終了後の一連の行為を全体として考察し 防衛行為としての相当性を検討すべきである AがSの髪を放すに至るまでの 反撃行為 とその後の 追撃行為 についてはこれを分けて考察し 反撃行為に判旨ついては 未だ防衛手段としての相当性の範囲を超えたものということはできない から 正当防衛が成立する 追撃行為については XがYの暴行を制止しているわけではないが Aを追いかける際 Xらが ほぼ一団となっていたからといって Xらの間に Aを追撃して暴行を加える意思があったものと即断することはでき ないし Xについては 追撃行為に関し Aに暴行を加える意思を有し Y 及びZとの共謀があったものと認定することはできないというべきである 以上によれば Xに関しては 反撃行為については正当防衛が成立し 追撃行為については新たに暴行の共謀が成立したとは認められないのであるから 反撃行為と追撃行為とを一連一体のものとして総合評価する余地はな いと判示して Xを無罪とした 37

39 判例 ナビ 本件においては X が追撃行為の際 Y らと一団となって A に向かって行ったことから X が Y の追撃行為についても因果性を及ぼしたのでないかが問題となります ただ X は A を追いつめる格好で追って行ったわけではなく また A の悪態についても聞いてはおらず ただ謝罪を期待して A について行っただけとの事実認定がされています とすれば 追撃の際 Y について行ったとしても 新たな因果性の設定は認められないと考えられます 東京高判平 / 百選 Ⅰ 88 幇助犯の因果関係甲は, 乙から拳銃を使った強盗殺人の計画を打ち明けられ 宝石を奪うのでお前の倉庫を使わせてもらいたい といわれたところ, 乙に内緒で, 乙のために倉庫外に拳事案銃の音が漏れないよう目張りをしておいたところ 乙は結局その倉庫を使用せずに別の場所で強盗行為に及んだ事案 被告人の地下室における目張り等の行為が乙の現実の強盗殺人の実行行為との関係では全く役に立たなかった 場合 それにもかかわらず 被告人の地下室における目張り等の行為が乙の現実の強盗殺人の実行行為を幇助したといい得るには 被告人の目張り行為等が それ判旨自体 乙を精神的に力づけ その強盗殺人の意図を維持ないし強化することに役立ったことを要すると解さなければならない として 被告人の目張り行為等が乙に認識された事実すらない場合には 正犯者を精神的に力づけ その実行行為の企図を維持ないし強化することに役立ったことを認めることはできないとした 38

40 最決昭 / 百選 Ⅰ 86 間接幇助の事案被告人甲は乙または乙の得意先の者がそれぞれ不特定多数人に観覧せしめることの情を知りながら 乙に自己所有のわいせつ映画フィルムを貸与した その結果 乙事案は自己の得意先の丙に右フィルムを貸与し 丙はこれを十数人に対し観覧させた かかる場合に 甲にわいせつ図画公然陳列罪の従犯が成立するかが争われた事案 被告人が乙またはその得意先の者において不特定の多数人に観覧せしめるであろうことを知りながら 本件の猥せつ映画フィルムを右乙に貸与し 乙からその得意先である丙に右フィルムをが貸与され 丙においてこれを映写し十数名の者に観覧させて公然陳列するに至ったという本件事案につき 被告人は正犯たる丙の行為を間決旨接に幇助したものとして 従犯の成立を認めた原判決の判断は相当である 注 : 間接幇助の事案であるが, 被告人に 間接幇助 が成立するという表現をせず, 従犯( 幇助犯 ) が成立したとの表現になっている 短答試験ではひっかけ問題に注意 39

41 大阪高判昭 / 百選 Ⅰ 第四版 83 不作為による従犯乙が甲らと被害者 Aを車で連行し 甲が Aを殺害する と言い出したため そのような場合には殺害を制止しようと甲と行動をともにしたが 次第に甲によるA 殺害もやむを得ないと考えるようになり 山林内で自分が事案その場を離れればその隙に甲がAを容易に殺害してしまうであろうことが十分考えられ 他に殺害を阻止し得る者が存在しないにもかかわらず 甲にスコップやつるはしを取ってきてくれと頼まれてその場を離れたところ その間に甲がAを殺害したという事案 右 指摘の事実関係のもとにおいては 乙は 甲からスコップやつるはしの持参を依頼されても これに応ずることなく同席を続け 甲によるA 殺害を阻止すべき義務を有していたと解すべきである しかるに 乙は 前記 記載の ( 自己の不在中甲がA 殺害の挙に出ることを予測 認容したという ) 意図のもとに 約 10 分間その場を離れることにより 甲のA 殺害を容易ならしめたものであるから 不作為による殺人幇助罪の刑責を免れな判旨いというべきである もっとも 乙に課せられる前示のような作為義務の根拠及び性質 並びに乙の意図が前示のようにAの殺害を積極的に意欲したものではなく 単に これを予測し認容していたに止まるものであること等諸般の事情を総合して考察すると 乙の行為を 作為によって人を殺害した場合と等価値なものとは評価し難く これを不作為による殺人罪 ( 正犯 ) に問擬するのは 相当でないというべきである 40

42 東京地判昭 / 百選 Ⅰ 87 片面的幇助甲らから 情を告げられないで拳銃を隠したテーブルの日本への発送を依頼された乙が 拳銃の存在を途中か事案ら未必的に認識したにもかかわらず発送手続を行い 拳銃密輸を容易にした事案 甲等と乙の間に共謀は認められないが 乙は甲等に利用され 本件テーブルの形式的な発送手続を行おうとしたが 右手続中甲等の密輸入行為につき未必的な認識判旨を持つに至ったものの 実兄からの依頼ということもあって これを幇助する意思のもとに そのまま右発送手続を完了させたものと認められる から 幇助犯を認めるのが相当 と判示し 拳銃密輸の片面的従犯とした 最決昭 / 百選 Ⅰ 78 共同正犯と幇助犯の区別 Yから大麻密輸入計画を持ちかけられたXが 自分の事案代わりにZを実行犯として紹介し 大麻の一部をもらい受ける約束のもとに資金の一部を提供した事案 原判決の認定したところによれば Xは タイ国からの大麻密輸入を計画したYから その実行担当者になって欲しい旨頼まれるや 執行猶予中の身であることを理由にこれを断ったものの 自ら大麻を入手したい欲求にかられ 知人のZに対し事情を明かして協力を求め 同決旨人を自己の身代わりとしてYに引き合わせるとともに 密輸入した大麻の一部をもらい受ける約束のもとにその資金の一部 (20 万円 ) をYに提供したというのであるから これらの行為を通じXが右 Y 及びZらと本件大麻密輸入の謀議を遂げたと認めた原判断は 正当であるとして Xに大麻輸入罪の共同正犯が成立するとしている 最決昭 について 関与者の犯罪行為全体にお判例ける実質的役割分担に着目しますと Xは自ら大麻を欲しがって, 大麻の一部をもらい受ける約束のもとに資金ナビの一部を提供していますので Xも共同正犯といえましょう 41

43 福岡地判昭 / 百選 Ⅰ 79 共同正犯と幇助犯の区別被告人 Xは Yほか三名とAを殺害して覚せい剤を強取することを計画した XはYとともに売買の取り次ぎ役を装い 客に見せるからと偽ってAから覚せい剤を受事案け取り そのまま現場から逃走した 他の共犯者がAを殺害しようとしたが未遂に終わったという事案 なお,Xは, 暴力団組長のYらに言われるままに, いやいやながら行動しただけであった およそ共同正犯が成立するためには 各行為者にそれぞれ共同実行の意思が認められることも必要である が 単に実行行為の一部を分担したことの一事のみで 常に共同実行の意思ありと解するのは相当でないと言う判旨べきであって 特段の事情の存する場合においては たとえ当該行為者が形式上実行行為の一部に該当する行為を行った場合であっても 共同実行の意思の存在を否定して 幇助犯の成立を認めるのが相当である 判例福岡地判昭 は 共同実行の意思が認められないとして 強盗殺人 ( 未遂 ) の実行行為を分担した者にナビ幇助の成立を肯定したものです 最判昭 / 百選 Ⅰ 77 共同正犯と幇助犯の区別 XがYほか5 名と共謀の上 A 工業株式会社作業所内から 綿糸 3 梱包を摂取するに際して 道案内及び見張事案り役だったXに窃盗罪の共同正犯が成立するかが争われた事案 判例は 数人が強盗または窃盗の実行を共謀した場合において 共謀者のある者が屋外の見張りをした場合でも 共同正犯は成立する とした上で Xが相被告人決旨鈴木重行外五名と共謀して A 工業株式会社作業場内の綿糸三梱包を窃取した行為につき見張をしたX について 窃盗罪の共同正犯が成立するとした 判例 Xは, 窃盗の見張りをしていただけで, 窃盗の実行行為をしていないが, 共謀共同正犯の要件が満たされればナビ共同正犯の成立が認められるものと考えられます 42

44 最判昭 / 百選 Ⅰ 90 共犯と錯誤甲は乙に対し住居侵入窃盗を教唆したところ 乙は住事案居侵入強盗を行った事案 いやしくも右乙の住居侵入強盗の所為が 被告人甲の教唆に基づいてなされたものであると認められる限り 判旨被告人甲は住居侵入窃盗の範囲において 乙の所為について教唆犯としての責任を負うべきは当然である 松江地判昭 / 百選 Ⅰ 95 共犯からの離脱暴力団の若頭といて組員を統制しうる立場にある甲が首謀者となって, 組員の乙丙等とともにA 殺害を共謀し 事案丙等がA 殺害のために現場に赴き 乙も犯行現場に向かおうとした際 甲が皆を連れて帰るよう乙に指示したが 乙がAを殺害した事案 一般的には犯罪の実行を一旦共謀したものでも その着手前に他の共謀者に対して自己が共謀関係から離脱する旨を表明し 他の共謀者もまたこれを了承して残余のものだけで犯罪を実行した場合 もはや離脱者に対しては他の共謀者の実行した犯罪について責任を問うことはできないが 離脱しようとするものが共謀者団体の頭にして他の共謀者を統制支配しうる立場にあるものであ判旨れば 離脱者において共謀関係がなかった状態に復元させなければ 共謀関係の解消がなされたとはいえない 甲がこの共謀関係から離脱することを欲するのであれば すでに右共謀に基づいて行動を開始していた他の被告人ら に対し A 殺害計画の取止めを周知徹底させ 共謀以前の状態に回復させることが必要 であると判示し 甲の離脱を認めなかった 松江地判昭 は 一般的な共謀者 と 他の共判例謀者を統率しうる立場にある者 とを区別し 後者につナビいては離脱が認められるための要件を加重するものであるといえます 43

45 LEC 短答コンプリートマスター重要判例集 刑法最決平元.6.26/ 百選 Ⅰ 96 共犯からの離脱甲乙は, 共同して木刀などで暴行を加えた その後 乙は甲方を立ち去ったが その際 おれ帰る といっただけで 自分としてはAに対しこれ以上制裁をやめるという趣旨のことを告げず 甲に対しても 以後にAに暴行を加えることを止めるよう求めたりはしなかった そ事案の後も甲はAに対して暴行を加え Aは死亡したが 死の結果が 乙が帰る前に加えた暴行により生じたものか その後の甲の暴行によって生じたものか明らかでない この場合に 乙に傷害致死罪の共同正犯が成立するか否かが争われた事案 乙が帰った時点では 甲においてなお制裁を加えるおそれが消滅していなかったのに 乙において格別これを防止する措置を講ずることなく 成り行きに任せて現場を去ったにすぎないのであるから 甲との間の当初の決旨共犯関係が右の時点で解消したということはできず その後の甲の暴行も右の共謀に基づくものと認めるのが相当である そうすると かりにAの死の結果が乙が帰った後に甲が加えた暴行によって生じていたとしても 乙は傷害致死の責を負う 判例本決定は 実行着手後においては その後に犯罪が遂行されるおそれを消滅させなければ共犯からの離脱は認ナビめられないとするものと考えられます 44

46 最判昭 / 百選 Ⅰ 98 共犯と中止犯 Xは,Y と強盗を共謀して夜間 A 宅の寝室に押し入り YがAに刺身包丁を突き付けて 有り金を皆出せ 1 万や2 万はあるだろう と要求している間 自らもジャックナイフを手にして家人を脅迫したが Aの妻が 自分の家は教員だから金はない と言い学校の公金 7000 円で対応しようとしたところ,Xは そんな金はいらん と受け取らず Aがさらにタンスから 900 円出して渡そう事案としたのに対しても 俺も困って入ったのだからお前の家も金がないのならばそのような金は取らん などと言って受け取りを拒絶し Yに 帰ろう と言って先に家を出た それから3 分ぐらいしてYが出てきて2 人で帰ったが その途中でYから お前は仏心があるからいかん 900 円は俺がもらって来た と知らされたという事案 XがAの妻の差し出した現金 900 円を受取ることを断念して同人方を立ち去った事情が所論の通りであるとしても Xにおいて その共謀者たるYが判示のごとく右決旨金員を強取することを阻止せず放任した以上 所論のように Xのみを中止犯として論ずることはできないのであって Xとしても右 Yによって遂行せられた本件強盗既遂の罪責を免れることを得ない なお 事例は異なりますが 共同正犯者の一部の者が中止行為を行ったために結果が発生しなかった場合にお判例いて 当該中止者に中止犯が認められたとしても そのナビ恩恵的効果は当該中止者に一身専属的なものであり他の中止者に及ばないとするのが判例 ( 大判大 ) であり 学説上も異論がありません 最判昭 / 百選 Ⅰ 92 不真正身分犯の身分麻薬密輸入罪の 営利の目的 に関し 麻薬取締法 64 条 1 項は 同法 12 条 1 項の規定に違反して麻薬を輸入した者に対しても 犯人が営利の目的をもっていたか否かという犯人の特殊な状態の差異によって 各犯人に科すべき刑に軽重の区別をしているものであって 刑法 65 条 2 項にいう 身分ニ因リ特ニ刑ノ軽重アルトキ にあたる と判示している 45

47 最判昭 / 百選 Ⅰ 93 共犯と身分 ~ 業務上横領罪中学校建設資金を占有する者でないS 村の村長 Xと助役 Yが 右資金の業務上占有者である収入役 Zと共謀し事案て右資金を横領したという事案 非占有者が業務上横領罪に加担したときはどのような共犯関係になるのかが問題となる (XYは) かかる業務に従事していたことは認められないから 刑法 65 条 1 項により同法 253 条に該当する業務上横領罪の共同正犯として論ずべきものである しかし 同法 253 条は横領罪の犯人が業務上物を占有する判旨場合において 特に重い刑を科することを規定したものであるから 業務上物の占有者たる身分のない被告人両名に対しては同法 65 条 2 項により同法 252 条 1 項の通常の横領罪の刑を科すべきものである 46

司法試験 基礎知識のインプットとミニ論文演習刑法 ~ 正当防衛, 誤想過剰防衛 0 001221 185132 LU18513 基礎知識のインプットとミニ論文演習 刑法 ~ 正当防衛, 誤想過剰防衛 今回は, 刑法の正当防衛と誤想過剰防衛を中心に学習していきます なお, このレジュメの重要基本知識の確認のところは, 矢島の速修インプット講座 のテキストの情報の一部を抜粋したものになります 本格的に基本知識を学習したり,

More information

satsujinjiken_muki1

satsujinjiken_muki1 まさかりの部屋殺人事件 判例無期懲役判決 (2005/7/21~2012/12/17) 第一審 No. 裁判員 判決 求刑 死者数 罪名 裁判所 日付 2345 裁判員 無期懲役 求刑無期 3 殺人罪 ( 無理心中 ) 大阪地裁 2012/12/17 2343 裁判員 無期懲役 求刑無期 1 強盗殺人などの罪 横浜地裁 2012/12/14 2342 裁判員 無期懲役 求刑無期 1 殺人 強姦致死などの罪

More information

1 A 所有の土地について A が B に B が C に売り渡し A から B へ B から C へそれぞれ所有権移転登記がなされた C が移転登記を受ける際に AB 間の売買契約が B の詐欺に基づくものであることを知らなかった場合で 当該登記の後に A により AB 間の売買契約が取り消された

1 A 所有の土地について A が B に B が C に売り渡し A から B へ B から C へそれぞれ所有権移転登記がなされた C が移転登記を受ける際に AB 間の売買契約が B の詐欺に基づくものであることを知らなかった場合で 当該登記の後に A により AB 間の売買契約が取り消された 1 A 所有の土地について A が B に B が C に売り渡し A から B へ B から C へそれぞれ所有権移転登記がなされた C が移転登記を受ける際に AB 間の売買契約が B の詐欺に基づくものであることを知らなかった場合で 当該登記の後に A により AB 間の売買契約が取り消されたとき C は A に対して土地の所有権の取得を対抗できる (96-51) 2 A が B の欺罔行為によって

More information

〔問 1〕 Aは自己所有の建物をBに賃貸した

〔問 1〕 Aは自己所有の建物をBに賃貸した ( 宅建 ) 要点解説講義 要点確認テスト 4 権利関係 4 問題 制限時間 20 分 問 1 Aは 所有する家屋を囲う塀の設置工事を業者 Bに請け負わせたが Bの工事によりこの塀は瑕疵がある状態となった Aがその後この塀を含む家屋全部をCに賃貸し Cが占有使用しているときに この瑕疵により塀が崩れ 脇に駐車中の D 所有の車を破損させた A B 及びCは この瑕疵があることを過失なく知らない

More information

丙の罪責を論ぜよ Ⅱ. 問題の所在 1. [ 小問 1] において 甲は乙らと A を傷害することを共謀しているが 実際に乙は殺人の結果が発生している この場合 甲は A 殺害の罪責を負うか 共犯の抽象的事実の錯誤が問題となる 2. [ 小問 2] において 丙は Y に対し B 方に侵入するよう教

丙の罪責を論ぜよ Ⅱ. 問題の所在 1. [ 小問 1] において 甲は乙らと A を傷害することを共謀しているが 実際に乙は殺人の結果が発生している この場合 甲は A 殺害の罪責を負うか 共犯の抽象的事実の錯誤が問題となる 2. [ 小問 2] において 丙は Y に対し B 方に侵入するよう教 只木ゼミ夏合宿第 2 問検察レジュメ 文責 :3 班 Ⅰ. 事実の概要 [ 小問 1] 暴力団組長甲 同組員乙ら7 人は 組の資金源の一つとしてスタンド バーにて許可のない風俗営業や暴力的な客引きを行っており 前記組員たちは右のような行為を取り締まる警察官を警戒していた 多摩警察署 X 派出所では 上記のような暴力バーに対する苦情が続出していたため 同署に勤務する A 巡査は甲らが経営するバーの近辺を見回り

More information

A 説 : 形式的三分説 2 法令 契約 事務管理 条理 慣習を作為義務の発生根拠とする説 B 説 : 機能的二分説 3 作為義務の発生根拠を法益保護義務と危険源管理 監督義務に機能的に二分する説 C 説 : 限定説 C1 説 : 先行行為説 4 自己の先行行為によって因果を設定することを作為義務の

A 説 : 形式的三分説 2 法令 契約 事務管理 条理 慣習を作為義務の発生根拠とする説 B 説 : 機能的二分説 3 作為義務の発生根拠を法益保護義務と危険源管理 監督義務に機能的に二分する説 C 説 : 限定説 C1 説 : 先行行為説 4 自己の先行行為によって因果を設定することを作為義務の 只木ゼミ前期第 1 問検察レジュメ I. 事実の概要甲は 3 歳の子どもAと暮らしていたが 平成 18 年 1 月から職場の乙と交際を開始し 甲は乙と甲の家で同棲し始めた 乙が甲の家に通うにつれて A は乙になつき始め 乙が来るのを心待ちにするほどになった しかし 平成 18 年 9 月下旬ころから 甲は A の育児の方法に悩むようになり 医師に育児ノイローゼと診断され 育児を放棄するようになった

More information

只木ゼミ前期第 8 問検察レジュメ 文責 :4 班 I. 事実の概要ある日の夜 X( 男性 ) と Y( 女性 ) は食事をした後 X が Y を駅まで送り 別れた Y が帰りの電車に乗ろうと駅のホームにいると 酒に酔った A 男から執拗にからまれた Y はこれから逃れよ

只木ゼミ前期第 8 問検察レジュメ 文責 :4 班 I. 事実の概要ある日の夜 X( 男性 ) と Y( 女性 ) は食事をした後 X が Y を駅まで送り 別れた Y が帰りの電車に乗ろうと駅のホームにいると 酒に酔った A 男から執拗にからまれた Y はこれから逃れよ 只木ゼミ前期第 8 問検察レジュメ 文責 :4 班 1 2 I. 事実の概要ある日の夜 X( 男性 ) と Y( 女性 ) は食事をした後 X が Y を駅まで送り 別れた Y が帰りの電車に乗ろうと駅のホームにいると 酒に酔った A 男から執拗にからまれた Y はこれから逃れようとホームにいた乗客に助けを求めたが 誰一人これに協力してくれる者はなかった A 男に首のあたりをつかまれた Y は A

More information

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し 平成 25 年 7 月 4 日判決言渡平成 25 年 ( 行コ ) 第 71 号不作為の違法確認請求控 訴事件 主 文 1 本件控訴を棄却する 2 控訴費用は控訴人の負担とする 事実及び理由第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 厚生労働大臣が平成 22 年 4 月 15 日付けで控訴人に対してした被保険者期間を411 月, 年金額を179 万 4500 円とする老齢厚生年金支給処分を取り消す

More information

侵害の継続性と量的過剰

侵害の継続性と量的過剰 侵害の継続性と量的過剰 両事案における判例の刑法的評価の対象となる行為の特定方法を中心に 東北大学大学院法学研究科 法学部教授 成瀬幸典 1 はじめに 2 問題の所在 3 侵害の継続性事案及び量的過剰事案に関する判例 主流としての全体的考察 4 判例における全体的考察の要件 5 判例の立場の理論的検討 1 分析的考察と全体的考察の理論的基礎及び両者の関係 6 判例の立場の理論的検討 2 判例の採用する全体的考察の要件の妥当性

More information

satsujinjiken_murder2

satsujinjiken_murder2 まさかりの部屋殺人事件 判例主たる罪が殺人罪の場合 ( 第一審 ) (2013/1/11~2015/12/22) No. 判決求刑死者数罪名管轄裁判所日付 3216 裁判員懲役 25 年求刑無期 1 殺人などの罪水戸地裁 2015/12/22 3213 裁判員懲役 5 年求刑懲役 8 年 1 殺人罪那覇地裁 2015./12/18 3208 裁判員懲役 9 年求刑懲役 16 年 1 殺人などの罪千葉地裁

More information

求めるなどしている事案である 2 原審の確定した事実関係の概要等は, 次のとおりである (1) 上告人は, 不動産賃貸業等を目的とする株式会社であり, 被上告会社は, 総合コンサルティング業等を目的とする会社である 被上告人 Y 3 は, 平成 19 年当時, パソコンの解体業務の受託等を目的とする

求めるなどしている事案である 2 原審の確定した事実関係の概要等は, 次のとおりである (1) 上告人は, 不動産賃貸業等を目的とする株式会社であり, 被上告会社は, 総合コンサルティング業等を目的とする会社である 被上告人 Y 3 は, 平成 19 年当時, パソコンの解体業務の受託等を目的とする 平成 27 年 ( 受 ) 第 766 号損害賠償請求事件 平成 28 年 9 月 6 日第三小法廷判決 主 文 1 原判決中, 上告人の被上告人ら各自に対する1 億 6 500 万円及びこれに対する平成 20 年 1 月 23 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員の支払請求に関する部分を破棄する 2 前項の部分につき, 本件を東京高等裁判所に差し戻す 3 上告人のその余の上告を却下する 4

More information

<5F D F8CA48B8695F18D C193A182B382F1816A2E696E6464>

<5F D F8CA48B8695F18D C193A182B382F1816A2E696E6464> 裁判例 出典 事件番号 1 大判大 2.4.26 民録 19 輯 281 頁 2 大判大 3.10.29 民録 20 輯 834 頁 3 大判大 8.11.22 民録 25 輯 2068 頁 4 大判大 13.7.24 大民集 3 巻 376 頁 5 大判昭 7.12.23 新聞 3517 号 14 頁 6 大判昭 9.10.15 大民集 13 巻 1874 頁 7 大判昭 10.12.20 大民集

More information

第1章(1-1) 包括的基本権

第1章(1-1) 包括的基本権 1 刑法 の学習をしていきましょう 学生 刑法 って, 殺人をしたら死刑になるかもしれない とかいうことが 定められているんですよね? そうです 刑法 は簡単に言ってしまうと, 罪 ( 犯罪 ) と 罰 ( 刑 罰 ) が定められています 挙げて頂いた殺人罪の例でいうと, 次のよ うな条文があります 刑法 199 条 ( 殺人 ) 人を殺した者は, 死刑又は無期若しくは 5 年以上の懲役に処する 罪

More information

(Microsoft Word - \201iAL\201jAG-Link\227\230\227p\213K\222\350.doc)

(Microsoft Word - \201iAL\201jAG-Link\227\230\227p\213K\222\350.doc) AG-Link 利用規定 第 1 条 ( 定義 ) 本規定において使用する用語を以下の通り定義します 1 弊社東京海上日動あんしん生命保険株式会社をいいます 2AG-Link 弊社が提供し 主として代理店および 募集人が使用する情報システムを利用したサービスの呼称です 3 代理店弊社と募集代理店委託契約を締結し 保険業務に従事するものをいいます 4 管理者代理店におけるAG-Linkの管理者をいいます

More information

〔問 1〕 A所有の土地が,AからB,BからCへと売り渡され,移転登記も完了している

〔問 1〕 A所有の土地が,AからB,BからCへと売り渡され,移転登記も完了している ( 宅建 ) 要点解説講義 要点確認テスト 1 権利関係 1 問題 制限時間 20 分 問 1 意思無能力者又は制限行為能力者に関する次の記述のうち 民法の規定及び判例によれば 正しいものはどれか 1 意思能力を欠いている者が土地を売却する意思表示を行った場合 その者が意思能力を回復した後に その意思表示を取り消すことができる 2 未成年者が土地を売却する意思表示を行った場合 その未成年者が婚姻をしていても

More information

<4D F736F F D2095DB8CEC96BD97DF905C97A78F F918EAE A2E646F63>

<4D F736F F D2095DB8CEC96BD97DF905C97A78F F918EAE A2E646F63> 書式 44 配偶者暴力に関する保護命令申立書 印紙貼付欄 受付印 収入印紙 円 確認印 1000 円 予納郵券 円 備考欄 配偶者暴力に関する保護命令申立書 東京地方裁判所民事第 9 部弁論係御中 平成年月日 申立人 印 当事者の表示別紙 当事者目録 記載のとおり 申立ての趣旨別紙 申立ての趣旨 記載の裁判並びに手続費用負担の裁判を求める なお, 申立人は, 相手方と 生活の本拠を共にする ( 同居

More information

在は法律名が 医薬品, 医療機器等の品質, 有効性及び安全性の確保等に関する法律 と改正されており, 同法において同じ規制がされている )2 条 14 項に規定する薬物に指定された ( 以下 指定薬物 という ) ものである (2) 被告人は, 検察官調書 ( 原審乙 8) において, 任意提出当日

在は法律名が 医薬品, 医療機器等の品質, 有効性及び安全性の確保等に関する法律 と改正されており, 同法において同じ規制がされている )2 条 14 項に規定する薬物に指定された ( 以下 指定薬物 という ) ものである (2) 被告人は, 検察官調書 ( 原審乙 8) において, 任意提出当日 平成 28 年 ( う ) 第 181 号薬事法違反被告事件 平成 28 年 6 月 24 日福岡高等裁判所第 1 刑事部判決 主 文 本件控訴を棄却する 当審における未決勾留日数中 40 日を原判決の刑に算入する 理 由 本件控訴の趣意は, 弁護人堺祥子作成の控訴趣意書に記載されたとおりであるから, これを引用する 1 事実誤認の主張について論旨は, 要するに, 被告人は, 原判示の乾燥植物片 (

More information

社会福祉法人○○会 個人情報保護規程

社会福祉法人○○会 個人情報保護規程 社会福祉法人恩心会個人情報保護規程 ( 目的 ) 第 1 条本規程は 個人の尊厳を最大限に尊重するという基本理念のもと 社会福祉法人恩心会 ( 以下 本会 という ) が保有する個人情報の適正な取り扱いに関して必要な事項を定めることにより 個人情報の保護に関する法律 及びその他の関連法令等を遵守することを目的とする ( 利用目的の特定 ) 第 2 条本会が個人情報を取り扱うに当たっては その利用目的をできる限り特定する

More information

参考資料 別記 個人情報の取扱いに関する特記事項 ( 基本的事項 ) 第 1 条乙は 個人情報の保護の重要性を認識し この契約による事務の実施に当たっては 個人の権利利益を侵害することのないよう 個人情報を適切に取り扱わなければならない また乙は 個人番号を含む個人情報取扱事務を実施する場合には 行政手続における特定の個人を識別する番号の利用等に関する法律 ( 平成 25 年法律第 27 号 以下

More information

平成  年(あ)第  号

平成  年(あ)第  号 平成 25 年 ( あ ) 第 1333 号関税法違反被告事件 平成 26 年 11 月 7 日第二小法廷判決 主 文 原判決を破棄する 本件控訴を棄却する 理 由 検察官の上告趣意のうち, 判例違反をいう点は, 事案を異にする判例を引用するものであって, 本件に適切でなく, その余は単なる法令違反の主張であり, 弁護人山内大将の上告趣意は, 単なる法令違反の主張であって, いずれも刑訴法 405

More information

〔問 1〕 抵当権に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,誤っているものはどれか

〔問 1〕 抵当権に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,誤っているものはどれか ( 宅建 ) 要点解説講義 要点確認テスト 2 権利関係 2 問題 制限時間 20 分 問 1 不動産の物権変動の対抗要件に関する次の記述のうち 民法の規定及び判例によれば 誤っているものはどれか なお この問において 第三者とはいわゆる背信的悪意者を含まないものとする 1 甲不動産につき兄と弟が各自 2 分の1の共有持分で共同相続した後に 兄が弟に断ることなく単独で所有権を相続取得した旨の登記をした場合

More information

民法 ( 債権関係 ) の改正における経過措置に関して 現段階で検討中の基本的な方針 及び経過措置案の骨子は 概ね以下のとおりである ( 定型約款に関するものを除く ) 第 1 民法総則 ( 時効を除く ) の規定の改正に関する経過措置 民法総則 ( 時効を除く ) における改正後の規定 ( 部会資

民法 ( 債権関係 ) の改正における経過措置に関して 現段階で検討中の基本的な方針 及び経過措置案の骨子は 概ね以下のとおりである ( 定型約款に関するものを除く ) 第 1 民法総則 ( 時効を除く ) の規定の改正に関する経過措置 民法総則 ( 時効を除く ) における改正後の規定 ( 部会資 民法 ( 債権関係 ) 部会資料 85 民法 ( 債権関係 ) の改正に関する要綱案の取りまとめに向けた検討 (18) 目次 第 1 民法総則 ( 時効を除く ) の規定の改正に関する経過措置... 1 第 2 時効の規定の改正に関する経過措置... 1 第 3 債権総則の規定の改正に関する経過措置... 2 第 4 契約総則 各則の規定の改正に関する経過措置... 4 i 民法 ( 債権関係 )

More information

<4D F736F F D208B8F91EE89EE8CEC93998C5F96F18F912E646F63>

<4D F736F F D208B8F91EE89EE8CEC93998C5F96F18F912E646F63> 障害福祉サービス ( 居宅介護等 ) 契約書 ( 以下 利用者 といいます ) と ( 以下 事業者 といいます ) は 事業者が利用者に対して行う居宅介護 重度訪問介護 行動援護又は移動 ( 外出 ) 支援 ( 以下 居宅介護等 といいます ) について 次のとおり契約します 第 1 条 ( 契約の目的 ) 事業者は 利用者に対し 障害者自立支援法令の趣旨にしたがって 利用者が可能な限りその居宅において

More information

従業員 Aは, 平成 21 年から平成 22 年にかけて, 発注会社の課長の職にあり, 上記事業場内にある発注会社の事務所等で就労していた (2) 上告人は, 自社とその子会社である発注会社及び勤務先会社等とでグループ会社 ( 以下 本件グループ会社 という ) を構成する株式会社であり, 法令等の

従業員 Aは, 平成 21 年から平成 22 年にかけて, 発注会社の課長の職にあり, 上記事業場内にある発注会社の事務所等で就労していた (2) 上告人は, 自社とその子会社である発注会社及び勤務先会社等とでグループ会社 ( 以下 本件グループ会社 という ) を構成する株式会社であり, 法令等の 平成 28 年 ( 受 ) 第 2076 号損害賠償請求事件 平成 30 年 2 月 15 日第一小法廷判決 主 文 原判決中上告人敗訴部分を破棄する 前項の部分につき, 被上告人の控訴を棄却する 控訴費用及び上告費用は被上告人の負担とする 理 由 上告代理人後藤武夫ほかの上告受理申立て理由 ( ただし, 排除されたものを除く ) について 1 本件は, 上告人の子会社の契約社員として上告人の事業場内で就労していた被上告人が,

More information

平成  年(オ)第  号

平成  年(オ)第  号 平成 25 年 ( 行ヒ ) 第 35 号固定資産税等賦課取消請求事件 平成 26 年 9 月 25 日第一小法廷判決 主 文 原判決を破棄する 被上告人の控訴を棄却する 控訴費用及び上告費用は被上告人の負担とする 理 由 上告代理人岩谷彰, 同水島有美, 同谷川光洋の上告受理申立て理由について 1 本件は, 被上告人が, 坂戸市長から自己の所有する家屋に係る平成 22 年度の固定資産税及び都市計画税

More information

法第 20 条は, 有期契約労働者の労働条件が期間の定めがあることにより無期契約労働者の労働条件と相違する場合, その相違は, 職務の内容 ( 労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度をいう 以下同じ ), 当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して, 有期契約労働者にとって不合

法第 20 条は, 有期契約労働者の労働条件が期間の定めがあることにより無期契約労働者の労働条件と相違する場合, その相違は, 職務の内容 ( 労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度をいう 以下同じ ), 当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して, 有期契約労働者にとって不合 Q45. 有期契約労働者が正社員と同じ待遇を要求する 1 問題の所在有期契約労働者の労働条件は個別労働契約, 就業規則等により決定されるべきものですので, 正社員と同じ待遇を要求することは認められないのが原則です しかし, 有期契約労働者が正社員と同じ仕事に従事し, 同じ責任を負担しているにもかかわらず, 単に有期契約というだけの理由で労働条件が低くなっているような場合には, 期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止

More information

自動車事故に関する現行の法律の整理 交通事故時の法的責任およびその根拠法責任を負う個人 / 法人製品等責任責任根拠 自動車運転死傷行為処罰法刑事責任刑法運転者 - 道路交通法行政処分道路交通法 民法 事業者 運行供用者 - 運行供用者責任自動車損害賠償保障法 使用者 - 使用者責任民法 損害保険会社

自動車事故に関する現行の法律の整理 交通事故時の法的責任およびその根拠法責任を負う個人 / 法人製品等責任責任根拠 自動車運転死傷行為処罰法刑事責任刑法運転者 - 道路交通法行政処分道路交通法 民法 事業者 運行供用者 - 運行供用者責任自動車損害賠償保障法 使用者 - 使用者責任民法 損害保険会社 交通事故時の法的責任およびその根拠法 ( 事故ケース別 ) 類型損害シチュエーション / 対象例責任の種類 ( 根拠法 ) 対人事故 ( 人身事故 ) 歩行者 ( 自転車等を含む ) 対面 背面通行中横断中その他乗員相手車両乗員同乗者運行供用者運転者対物事故 ( 物件事故 ) 車両車両相互車両単独 : 駐車車両衝突工作物等車両相互 : 工作物衝突車両単独 : 工作物衝突その他自動車事故に関する現行の法律民事責任運行供用者責任

More information

H 刑事施設が受刑者の弁護士との信書について検査したことにつき勧告

H 刑事施設が受刑者の弁護士との信書について検査したことにつき勧告 福弁平成 20 年 ( 人権 ) 第 2 号の 1 平成 22 年 5 月 31 日 福島刑務所 所長佐藤洋殿 福島県弁護士会 会長高橋金一 勧告書 当会は, 申立人 氏からの人権救済申立事件について, 当会人権擁護委員会の調査の結果, 貴所に対し, 下記のとおり勧告致します 記第 1 勧告の趣旨申立人が, 当会所属 弁護士に対して, 貴所の申立人に対する措置 処遇に関する相談の信書 ( 平成 20

More information

業務委託基本契約書

業務委託基本契約書 印紙 4,000 円 業務委託基本契約書 契約 ( 以下 甲 といいます ) と ( 選択してください : 株式会社ビーエスピー / 株式会社ビーエスピーソリューションズ )( 以下 乙 といいます ) は 甲が乙に対して各種研修 教育 コンサルティング業務 ( 以下 本件業務 といいます ) を委託することに関し 以下のとおり基本契約 ( 以下 本契約 といいます ) を締結します 第 1 条 (

More information

Microsoft Word 資料1 プロダクト・バイ・プロセスクレームに関する審査基準の改訂についてv16

Microsoft Word 資料1 プロダクト・バイ・プロセスクレームに関する審査基準の改訂についてv16 プロダクト バイ プロセス クレームに関する 審査基準の点検 改訂について 1. 背景 平成 27 年 6 月 5 日 プロダクト バイ プロセス クレームに関する最高裁判決が2 件出された ( プラバスタチンナトリウム事件 最高裁判決( 最判平成 27 年 6 月 5 日 ( 平成 24 年 ( 受 ) 第 1204 号, 同 2658 号 ))) 本事件は 侵害訴訟に関するものであるが 発明の要旨認定の在り方にも触れているため

More information

本章では 衝突被害軽減ブレーキ 車線逸脱警報 装置 等の自動車に備えられている運転支援装置の特性 Ⅻ. 運転支援装置を 備えるトラックの 適切な運転方法 と使い方を理解した運転の重要性について整理しています 指導においては 装置を過信し 事故に至るケースがあることを理解させましょう また 運転支援装

本章では 衝突被害軽減ブレーキ 車線逸脱警報 装置 等の自動車に備えられている運転支援装置の特性 Ⅻ. 運転支援装置を 備えるトラックの 適切な運転方法 と使い方を理解した運転の重要性について整理しています 指導においては 装置を過信し 事故に至るケースがあることを理解させましょう また 運転支援装 本章では 衝突被害軽減ブレーキ 車線逸脱警報 装置 等の自動車に備えられている運転支援装置の特性 Ⅻ. 運転支援装置を 備えるトラックの 適切な運転方法 と使い方を理解した運転の重要性について整理しています 指導においては 装置を過信し 事故に至るケースがあることを理解させましょう また 運転支援装置の限界を心得て正しく使用するために 支援装置の限界とメーカーによる作動等の違いを明確にさせ 支援装置に頼り過ぎた運転にならないように指導しましょう

More information

Webエムアイカード会員規約

Webエムアイカード会員規約 Web エムアイカード会員規約 第 1 条 ( 目的 ) Web エムアイカード会員規約 ( 以下 本規約 といいます ) は 株式会社エムアイカード ( 以下 当社 といいます ) がインターネット上に提供する Web エムアイカード会員サービス ( 以下 本サービス といいます ) を 第 2 条に定める Web エムアイカード会員 ( 以下 Web 会員 といいます ) が利用するための条件を定めたものです

More information

た損害賠償金 2 0 万円及びこれに対する遅延損害金 6 3 万 9 円の合計 3 3 万 9 6 円 ( 以下 本件損害賠償金 J という ) を支払 った エなお, 明和地所は, 平成 2 0 年 5 月 1 6 日, 国立市に対し, 本件損害賠償 金と同額の 3 3 万 9 6 円の寄附 (

た損害賠償金 2 0 万円及びこれに対する遅延損害金 6 3 万 9 円の合計 3 3 万 9 6 円 ( 以下 本件損害賠償金 J という ) を支払 った エなお, 明和地所は, 平成 2 0 年 5 月 1 6 日, 国立市に対し, 本件損害賠償 金と同額の 3 3 万 9 6 円の寄附 ( 平成 2 6 年 9 月 2 5 日午後 1 時 1 5 分判決言渡し ( 3 号法廷 ) 平成 2 3 年 ( ワ ) 第 4 1 号損害賠償請求事件 東京地方裁判所民事第 2 部 増田稔 ( 裁判長 ), 替藤充洋, 不破大輔 判決要旨 当事者 原告国立市 被告上原公子 ( 元国立市長 ) 主文 原告国立市の請求を棄却する 訴訟費用は原告国立市の負担とする 事案の概要 本件訴訟に至る経過 1 (

More information