シェールガス・オイルの採掘技術のトレンド2013

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1 作成日 : 2013/11/11 調査部 : 伊原賢 公開可 シェールガス オイルの採掘技術のトレンド 2013 (JOGMEC 調査部 JOGMEC ヒューストン事務所 世界石油工学者協会 SPE 資料ほか ) シェール開発の技術では 今まで掘削 仕上げ 水圧破砕 初期の生産挙動に焦点が当たったが シェール開発の真の価値を見極めるには 採掘の長期実現に必要な技術を知る必要がある 長期 (~30 年 ) 実現に必要な技術である生産レートの設定 水圧破砕法 人工採油法 地域社会との関係維持に関するトレンドについて言及する 米国において Bakken Eagle Ford Permian Basin の次の大規模なシェールオイル生産地域の一つとして期待されている Anadarko 堆積盆地におけるケーススタディも紹介する 1. はじめに 1950 年代に M. King Hubbert が唱えたピークオイル論は 原油の生産は資源量に制限される ということだったが 正しくなかったことが判明した 長期的には資源は有限だが 短中期的にはそうとも言えないのだ 生産能力の限界に筆者を含む技術者は挑戦しているところである Hubbert が唱えたピークオイル論は米国 48 州ではフィットしていたが 水深 1500メートルより深い 超大水深 ( 例えば ブラジルのサブソルト ) では近年になってからの探鉱成功などが生産能力拡大に寄与している状態を見ると ピークオイル論では説明に無理が生じる テキサス A&M 大のStephen Holditch 名誉教授が提唱した 資源量のトライアングル は 非在来型の油やガスは地下から取り出しにくいが その資源量は豊富なことを示している ( 図 1の下 ) しかし 非在来型の油やガスは その生産予測が難しい 米国発のシェールガス革命も 10 数年前に そのことを予測できる者はほとんどいなかった 近年 石油開発をめぐる環境の変化には 油価の高値変動 イージーオイル ( 在来型油田 ) の減退 新規需要市場の登場 ( 非 OECD 諸国 ) 技術者の人材入れ替え 低炭素化志向 資源ナショナリズムの台頭などが挙げられる このような環境変化の下では 国営石油会社 NOCの支配力と 国際石油会社 IOCの力と技術トレンドとの関係は図 1のようにまとめられると筆者は考えている 1/29

2 1 バレル =159 リットル図 1 在来型の油やガスの支配状況がもたらす非在来型資源へのシフト 2. シェールを見て 手元のシェールのサンプルを見る ( 写真 1) シェールとは 書道で用いる すずり のような黒い岩で 頁岩 ( けつがん ) と呼ぶ 泥岩の一種で 1 億数千万年前のシダや藻など海の植物の死骸が地下に堆積 し それに圧力がかかって温度が高くなると 有機物が炭化水素に変わる 炭化水素のもとになるので 石油根源岩 とも言う 英語で ペトロリウムソースロック (Petroleum Source Rock) と呼び 今 この岩の 中に取り残されている油やガスを取り出せるようになってきた どれくらいの隙間にあるのかというと 10-9 m( ナノメートル ) それを面積に直すと m2 とても小さ な隙間に閉じ込められている炭化水素である メタン C と H の距離が m(1 オングストローム ) であり ちょうど隙間の 10 分の 1 くらいの大きさがメ タン分子の大きさだが そういうものが 10 倍程度のところに収まっていると 動けない状態になる では どうやって動かすかというと 道を大きくしてあげる シェールガスとは m2程度の岩石の隙間にあ る その隙間を 1 万倍 (10-14 m2 ) にすると ガスや油が自然と流れる状態になる つい 20 年ほど前までは 資源にはならないといわれた石油根源岩を割ったり 溶かしたりすれば 油やガスを取り出せる これが 2/29

3 シェール革命の持つインパクトなのだ 米国では近年 シェールガスやシェールオイルが大量に採掘されることで 国内の天然ガス価格が大幅に下落し 電力の燃料コストや化学産業の原料コストの削減 雇用創出 原油輸入の減少など革命的な影響をもたらしつつある ただ 目はどうしてもサンプルに残る アンモナイトの化石 に行ってしまう これは実際に見えるものに反応する人間の性だろうか 写真 1 シェール / 頁岩 / 石油根源岩 出所 : 著者撮影 3. シェールガス シェールオイル採掘の長期 (~30 年 ) 実現に必要な技術 本章を考えるに当たり 不確実性を持つ命題は 5 つ イ ) シェールガスは北米発の資源か世界展開の 資源か? ロ )LNG 価格の油価リンクは終わりを迎えるか? ハ ) 資源ナショナリズムは安定期に入った か? ニ )National Oil Companies (NOCs) の動きはどうなるか? ホ ) 複雑になる市場のマネージメントは 下流分離 M&A? SPE( 世界石油工学者協会 ) に属する技術者は 目先の利益追求のみならず 人材の確保と浸透率の 低い岩石中の資源 ( シェールガス シェールオイルほか ) 重質油 大水深開発といった非在来型の資 源開発に注力すべきであり そのための技術は主力 4 大サービス会社 (Schlumberger, Halliburton, Baker Hughes, Weatherford) を中心に確実に育っており NOCs や International Oil Companies (IOCs) は 技術 を自分たちの資源開発に効果的に適用できる環境に入ってきた 採掘技術では 非在来型資源 の開発に必要な岩石力学の知識を駆使した坑井刺激技術と刺激技 3/29

4 術によって作られた岩石の割れ目のモニタリングや充填剤 ( プロパント ) に関する事例紹介がここ 6 年ほ ど充実している シェール開発の長期実現に必要な技術トレンドを以下 1~15 の順に紹介しよう 1 非在来型資源情報の価値付け 非在来型資源情報の価値付けを定量的なディシジョンアナリシスの手法で行う 在来型資源に比べ 開発当初の情報が少ない時点で意思決定が必要な非在来型資源の開発には この手法が有効なことが多い 情報の価値 (Value Of Information) の構成要素として 問題を定義し 関連事象を判断 事実 不確実性の 3つに分類 判断は 判断基準 過去 現在 未来の判断に分けられる 判断 事実 不確実性に分けられた事象をディシジョンツリーで関連付けて 不確実性を軽減する判断基準の妥当性を定量的に評価する 適用例には 1 水圧破砕前の NMR(Nuclear Magnetic Resonance: 核磁気共鳴 ) 検層の是非 2 シェール層のスイートスポット検知前の 3 次元地震探査の是非 3 坑井間隔についての経済性評価がある 2シェール層の評価スタディ 口頭発表論文 SPE : シェールガス井の生産挙動を理解するために Barnett や Marcellus といった主要シェール層に掘削されたガス井の生産履歴を生産指数 埋蔵量 割れ目の発生度合いといったパラメーターで整理分析 ( 正規対数分布 ) 整理されたパラメーターは今後の坑井掘削の意思決定に求められる生産挙動 坑口位置 シェール層のスイートスポットの予測や選定に有用な情報となりうる Linn Energy と Promethean Technology Group 社の発表 SPE : シェールガスの開発ブームに火をつけたテキサス州の Barnett シェールには多段階の水圧破砕を施した水平坑井が 1 万 3000 坑以上存在し 内 2500 坑は 5 年以上の生産履歴を有する 2500 坑の内 100 坑にてリニアフローの最後が確認され 坑井間隔を決める経済性評価に必要な浸透率 埋蔵量 フラクチャーの半分長を試算できた ConocoPhillips と Dave E. Reese 社の発表 3 坑井に水圧破砕を実施しシェールガスが生産可能になった 今後大事なことは? 米国のシェール開発会社 Apache, ConocoPhillips, XTO Energy テキサス A&M 大 米国の重質 油開発会社 Aera Energy からのパネリストによるディスカッション 4/29

5 マイクロサイスミックは 水圧破砕により岩石に割れ目が形成される時に発生する音を観測し そ の音波の速度差 ( 縦波は速い 横波は遅い ) を利用しての割れ目発生点をを評価し ガスの回収 効率の向上に必要な情報 ( 音の震源 /Microseism のマッピング ) を提供する技術 ( 図 2) 図 2 水圧破砕におけるマイクロサイスミックの観測イメージ 出所 :ICEP 1947 年に水圧破砕が初めて実施されてから プロパント ( フラクチャリングにて出来た割れ目の開度を保つ詰め物 ) の運搬能力に優れ かつ地層にダメージを与えないフラクチャリング流体が数多く開発されてきた 深い高圧シェールには 作業時間短縮を目指して低粘性である水ベースの流体 (slick-water/ スリックウォーター : ポリマーを少量混ぜて坑井内の圧損を低減 ) がシェールの破砕に用いられるようになった (Barnett シェールでは 1997 年より適用 2005 年頃より Fayetteville や Marcellus シェールにも展開 ) 6~9 段階ものフラクチャリングが可能で 使用プロパント量が少ない利点がある シェール開発の技術では 今まで掘削 仕上げ 水圧破砕 初期の生産挙動に焦点が当たったが シェール開発の真の価値を見極めるには 採掘期間の長期実現に必要な技術を知る必要がある 長期 (~30 年 ) 実現に必要な技術 : 生産レート /Inflow Performance Relationship の時刻歴解析 モニタリング ( 水質 圧力 大気 ) 水圧破砕以外の坑井刺激法 人工採油法 ( 図 3) 坑井の健全性 地域社会との関係維持 5/29

6 図 3 4 シェールガスを含む非在来型ガス資源への水圧破砕の最適化 SPE : 水平坑井に多段階 (40 段 ) の水圧破砕を施す作業時間の削減 機器の操作は機器の内径にボールを通すことで実施していた 内径サイズの違うボールを水圧破砕の段階毎に変える作業からたった一つのボールで行えるように機器の内部設計 ( シート部 ) を見直すことで地表ポンプからの吐出圧力の増加を抑え 作業時間を 18% 削減できた Weatherford 社の発表 SPE : コイルド チュービングを用いた作業 ( 機器スリーブの開閉 ) モンタナ州の Bakken シェールにて実施された 19 段階水圧破砕事例の紹介 ボールやプラグを用いないコイルド チュービングを用いたオペレーション 例えば栓の役目をしていたプラグを生産開始前に掘りぬくことが省ける効果あり カナダでの適用事例多数 Baker Hughes 社の発表 5 フラクチャリングによる坑井内の流動性の改善 SPE : 水圧破砕 65 年の歴史を振り返ると 坑井の生産性向上の鍵は 学習したこと の みならず 忘れたこと / 適用に失敗したこと にある 無限の伝導性を持つフラクチャーを仮 6/29

7 定した検討は しばしば水圧破砕の失敗につながった Marcellus と Eagle Ford シェールの生産 データを用いたヒストリーマッチングあり 過去の作業経験から知見を紹介しているが 水圧破砕 のメカニズムに係る学問的知識に若干難あり Carbo Ceramic 社の発表 SPE : 汎用フラクチャーモデルに基づくプロパントの選択 Eagle Ford, Marcellus, Barnett 各シェール及び Permian 堆積盆地での水圧破砕が対象 プロパントの現場への輸送コストも考慮 予想に反し 自然の砂粒から成るプロパントの方が人工プロパント ( セラミック ) よりも良い生産データを示した 現状の水圧破砕設計の欠点についても言及 ヒューストン大の発表 6 フラクチャーのモデリング SPE : マイクロサイスミック ( 図 2) のデータを用い 岩石力学の見地から複雑なフラクチャーの広がり ( せん断変形や膨張変形 ) をモデリングにて検証 フラクチャー内のプロパントの歩留まりを予測 ( 図 4) 破砕された有効体積が油層シミュレーションのインプットとなる Schlumberger 社発表 SRV: Stimulated Reservoir Volume 図 4 フラクチャー内のプロパントの歩留まり予測 出所 :MIicroSeismic 社 SPE : 水圧破砕した坑井からの戻り水 ( フローバック ) の動きを差分法によりモデリング 吸水膨潤による毛管引力も考慮 水圧破砕後しばらく坑井を閉止した方がフローバックは少なく 7/29

8 なる Norwegian University of Science and Technology の発表 7 フラクチャリングのモデリング 誰が 水圧破砕 が 石油 ガス採掘技術の主役となることを想像しただろうか? 水圧破砕 /Hydraulic Fracturing は 60 年以上も前から利用されている坑井仕上げ技術の一つである しかしながら 水圧破砕に反対である大部分の人々が感情と恐れから話していることは 悲しいかな事実である 多くの人々は 私は誰を信じればよいのか? という厳しい状況に置かれている 最終的な破砕規則が必要以上に厳しいと過度に重荷となりコスト高にもつながり 米国にとって油とガスの埋蔵量が少なく終わる場合がある 水圧破砕をもっと知ってもらうには 地域社会への啓蒙活動 ( 写真 2) が大事になる 写真 2 水圧破砕の地域社会への啓蒙事業 出所 : 著者撮影 Bakken シェールの事例 : 多段階の水圧破砕活動の多くは 2008 年以前に掘削された坑井に 経済性がないと判断されたウィリストン堆積盆地の中央部にて行われた ウィリストン堆積盆地の 8/29

9 中央部 (2,500 平方マイル /6472km 2 より大きい ) には およそ 100 基の掘削リグが配置された 横向きに掘られた裸坑にライナーをセメンチングすることなく外側に付けられたパッカーにて固定し 多段階のゾーン隔離が実現された サスカチュワン マニトバ ノースダコタ モンタナ各州に広がる Upper とLower Bakken シェールは 石油システムにとって有力な石油根源岩である ノースダコタで最初の石油生産が始まった 2 年後の 1953 年に Bakken 層からの生産が開始された Slickwater( 高レート低粘性流体 ) や Plug と Perf は かなり大きな表面積が作られ ( 図 5 下の拡大図 ) 高レート大容量が実現できる 従来型のジェル スライディングスリーブを使った水圧破砕ではプロパントの間隔が狭まり ( 図 5 上の拡大図 ) 低レート小容量に終わる 図 5 フラクチャー内のプロパントの分布 出所 :SPE 資料より筆者作成 大多数の現在の掘削が 1,280 エーカー (5.18 km 2 ) の間隔をあけた DSU(Drilling/Spacing Units) を使って行われたため 水平坑井の横穴の平均長さは 2008 年の7,500 フィート (2286m) から 2012 年中頃には 9,500 フィート (2896m) まで伸長した 刺激された貯留層の広がり (SRV) SRVの中の割れ目の接触エリア 割れ目の流動性をモデリングする 質量保存の法則に従えば 10,000 バレル (1590m 2 ) のslickwater の90% が水圧破砕に寄与すると仮定すると SRVの中の接触エリアに 0.1インチ (2.54mm) 幅の微細割れ目が数百万平方フィートできることになる 小さなメッシュ ( 数 100マイクロメートルのオーダー ) の支持材とより強い支持材の使用は 微細割れ目の中に深くこれらの支持材を輸送して 割れ目の流動性が長期に安定して確保される 9/29

10 セラミック支持材 ( セラミック製のプロッパント ) 9,000psi(633kgf/cm 2 ) 250 o F(121 ) の圧力 温度条件下で長期 (50 時間 ) の支持材 - 流動性試験を実施した この試験により 流動性を効果的に維持するためには砂支持材ではなく 高価なセラミック支持材を用いる必要のあることが判明した 割れ目の表面と支持材の入った割れ目をきれいにするために界面活性剤とマイクロエマルジョン添加物が使われる 貯留層の圧力がまだフラクチャリング流体の圧入によって上昇するので 最大生産レートはプラグを掘りぬく段階に現れる slickwater とセラミック支持材を用いた プラグと穿孔 坑井仕上げは 他の坑井仕上げに比べ 90 日間の生産期間では 25% を超える生産量 365 日間の生産期間では 45% を超える生産量を示した 8 マイクロサイスムのモデリング SPE : 水圧破砕は 坑井に沿った脈動 ( マイクロサイスム : 微小地震 ) の非対称を説明するために弾性波 (P 波 S 波 ) の伝達時間を計測する永久設置の埋設地中聴音器でモニターされた 101 の地中聴音器 18 平方マイル (46.6km 2 ) の範囲 5 つの坑井基地 地表面のマイクロサイスムのモニタリングはそのイベント場所を決定するために完全な波形スタッキングを用いる 概念は皿型のマイクに似ている 10% 以上の全有機炭素 (Total Organic Carbon) を含み 高いガンマ線を示す Marcellus シェールのエリアは 50 フィート (15.2m) より大きい層厚で 広がりは 3400 万エーカー (13 万 7600km 2 ) を超える 9 アルゼンチンにおける裸坑 多段階水圧破砕の課題 Neuquen 堆積盆地の中の Voca Muerta シェールアルゼンチンの国営石油会社 YPF は Voca Muerta シェール層の資源量を石油換算で 228 億バレルと報告した (YPF 2012) アルゼンチンには あと 10 年で油とガスの生産を 50% も増やす可能性がある 仮にそうなれば 近年同国を油ガスのネット輸入業者に変えた否定的な傾向を覆すことになる しかし 予備的な予想でも第一歩として 1,000 坑以上の井戸を掘削する必要が有り その目標達成にはあと 40 基の掘削リグが必要となる 北米では 2007 年以降シェールからの油とガスの生産が急増した 裸坑に対する多段階の水圧破砕がシェールガスやシェールオイルの開発に役立った Bakken シェールでは多くの開発 10/29

11 事例が生まれた 2007 年以降 北米で使われた技術と方法のいくつかは Neuquen 堆積盆地でうまく適用された その 1 つが Bakken シェールに掘られた裸坑に対する多段階の水圧破砕だ 裸坑に対するパッカーとボール駆動でシェール破砕水用の穴を開け閉めする機器が使われた 裸坑仕上げでは 横向きに掘られた坑井の水平部分全体にわたって元々ある割れ目と破砕された割れ目の両方からの生産が可能となる 一方 在来型のセメンチングされたケーシング仕上げに穿孔とプラグを施す プラグと穿孔 プロセスでは 穿孔部と直接つながりのない 元々ある割れ目や浸透層 からの生産は期待できない 坑井仕上げの機器と構成からは アルゼンチンにおける坑井仕上げは カナダと米国の主なシェールとタイト層に使われた仕上げと同じである 最初の多段階水圧破砕仕上げからの教訓教訓 1: リーマー アセンブリーで坑底まで拡掘する 坑内は 循環クリーニング と 掘管をケーシングの下端と坑底間で上げ下げすること により掘りクズを坑外に完全に出す 掘管の上げ下げで坑内に径の狭い箇所を検知しなければ 坑内クリーニング用のアセンブリは坑内から引き上げられ 坑井仕上げシステムが坑内に挿入される 教訓 2: アルゼンチンでは Voca Muerta シェールが注目される前に 裸坑に対する多段階の水圧破砕 をすでに実地試験済みだった 教訓 3: シェール構造は大きな収益を期待させる しかし シェールは在来型の油ガス田開発プロジェクトと比較して相当な投資 ( 水平坑井 多段階の水圧破砕など ) を必要とする アルゼンチンのシェール構造はまだ開発に着手したばかりである スムーズな開発にとっての課題として 開発者であるオペレーターは割れ目の支持材不足 水圧破砕用の水不足 開発スペースの不足を認識しているところ アルゼンチンの油ガス生産の将来への道筋 Voca Muerta シェールの最大層厚 (2350 フィート :716m) と北米の他のシェールとの比較 (220 フ ィート ~600 フィート :67m~183m) アルゼンチンのシェール開発業者は 垂直井に 4 段階の 水圧破砕を施した理論とシミュレーション結果は 米国の比較されるシェールに 24 段階の水圧 破砕を施した水平坑井のそれに相当することを確認した Voca Muerta は大きなシェール構造 である可能性が高いのだ 北米の次に大きな非在来型資源の開発対象になりそうである それ を達成する技術は既に存在する 11/29

12 10 自己浮遊支持材 自己浮遊支持材を求めてひとつまみの砂は水に入れられると 大きなポリマー コートによって囲まれ 5 倍の大きさになる この砂は セルフ サスペンデッド プロッパント ( 自己浮遊支持材 ) と呼ばれ その密度と容積が小さいため 長い間水中で浮遊する 自己浮遊 / 懸濁支持材 (SSP) と呼ばれている 各々の粒は水と接触すると ポリマーコーティングによって約 5 倍に拡大する この組合せによって密度が減り 沈殿することが少なくなる 懸濁し続けるか否かはコーティングの拡張サイズによる 現在の方法では非在来型貯留層内の油はその 90% 以上が取残しになるため 割れ目内の流動性を高める方法の探索は大きな動機付けを伴う ポリマー ゲル類を水に入れ フラクチャリング流体の粘性を高めるよりは むしろひとつまみの砂またはセラミックにより素早く水の中で 5 倍に膨張するコーティングを得ることが出来るのだ 自己浮遊支持材 (SSP) が水中にあるとき ポリマーで被覆した支持材の粒は単独の支持材の粒よりもはるかに少ない密度なのに非常に大きな容積を持つように膨張する 坑井内で使われる前に湿気を帯びないように注意が必要だ マラソン オイル社は 2014 年にかけて 個々に被覆された小粒の方が ポリマー ゲル類を水に入れフラクチャリング流体の粘性を高める よりも割れ目により多くの支持材を運び 結果として油やガスの流路を維持できるかどうかを見極めるために 一連の井戸でテストを予定している 誰でも水圧破砕コストの削減を望む 大きい見返りは生産増によって実現できる フラクチャリング流体圧入の可能性現在 割れ目の開度を維持するのに使われる砂やセラミックの量は 2005 年に比べ 15 倍にも増えている ニューメキシコ州北部の掘削基地の限られたスペースは Energen Resources 社に超軽量支持材の使用を決断させた 超軽量支持材は 砂の支持材に比べ掘削基地への輸送量を 15 分の 1 に削減した ベーカー ヒューズ社のロータリー掘削リグカウントによれば 米国では 2011 年 2 月から 2013 年 3 月にかけてガス狙いの掘削リグ数が 911 基から 407 基に急減する一方 油狙いの掘削リグ数は 808 基から 1,414 基まで急増した 油が豊富な Bakken 構造に掘られた 3,000 坑以上の井戸についてのベーカー ヒューズ社の分 12/29

13 析では 破砕において使われる流体と支持材の重要性が強調されている より重い支持材が圧入中に沈殿するのを防ぐために加えられる架橋されたゲル類を含む混合物へとフラクチャリング流体の構成は変わった FracFocus ウェブサイト / データベース ( に詳述されている FracFocus データベースによれば Bakken シェールでの slickwater フラクチャリングの急増を示している (2011 年秋の 1% 2012 年秋の 8%) 但し 55% は在来型のフラクチャリングである 水と摩擦低減剤からなるフラクチャリング流体を使った割れ目の割合は 2011 年前半の 46% から 2012 年の第 3 四半期には 24% に減った ( 在来型 34% ハイブリッドな割れ目 40%) 砂が使われた場合 ハリバートン社は窒素泡を使ったフラクチャリングのポンプ量を 1 分につき 50 バレルから 1 分につき 25 バレルまで減らすことができた 石油開発産業が目指すのは より長い割れ目 ポンプ動力の低下 貯留層へのフラクチャリング流体のリーク制御 フラクチャリング流体の坑井内でのスクリーンアウト ( 支持剤の目詰まり ) により支持材が貯留層内に入り込めないというリスクを減らすことにある 支持材 ( プロッパント ) の割れ目内の歩留まり個々の割れ目の挙動がマチマチな一つの理由に 割れ目ごとにプロッパントの歩留まりが違う点が挙げられる プロッパントは坑内のどこに行ったのか? 理論は色々ある 重い砂とセラミックはテストループの 3 つの開放部の最後に流れ込む傾向があった おそらくその運動量が流体よりも遠くにそれを運んだのだろう 小さな粒は 最初の開放部に流れ込みそうだった 流体の粘性を上げるべくジェルを加えたところ これらプロッパントの開放部への分配は平滑化された 支持材のポリマーコーティングジェルと支持材の組合せはその外層が変形できるので タイトな ( 隙間が小さい ) スペースの中に押し込むことができる 水圧破砕の後に坑内に戻る支持材の量は最小限で済む 設計通り ポリマーコーティングは分解される ポリマーコーティングは坑底温度に達すると その構成要素にまで分解される この分解プロセスはケミカルブレーカーを注入することで促進される 塩分濃度の高い地層水はポリマーを分解するのに役立つ 13/29

14 病んでいる坑井へのプロッパント充填 Enerpol 社は支持材と生分解性ポリマーを組み合わせることで 水圧破砕に必要な水 砂 ポンプ能力を下げ 古い坑井で坑内近傍の障害修復に成功した 砂の高圧注入は 坑内近傍の障害を取り除く クラムシェル ( ハンバーガー容器 ) はゴミ処理場で分解される生分解材料を使っている SqueezeFrac は 多段階プロセスである 支持材のないポリマー ペレットは最初にポンプ注入される 支持材とペレットが続いて注入される それらはケーシングの底部の穿孔部に溜まり ジェルとなる ジェルと砂の混ぜ物は穿孔表面から染み込んでいく スクイーズセメントのような作業である ポリマーは割れ目内で分解し有機酸に変わる 300 馬力のエンジンで行われ コストは典型的な水圧破砕の約 20% で済む 11シェールの反響非在来型プロジェクトへのファームインならびに取得のかなりの件数は 2008 年以降起こった 米国外の石油 ガス会社の投資額は全体の 20% に相当し 270 億米ドルの投資であった 全体の投資額は 1337 億米ドルで 2008 年から 2012 年にかけての米国のタイトオイル シェール 他の非在来型資源が対象となっている 米国のエネルギー情報局 EIA によると 大部分の合弁事業協定では 追加坑井の掘削コストと鉱区取得の代金を含む金額が規定される 米国の原油増産により非 OPEC からの供給が増えるため OPEC は今年の原油需要の予想を引き下げた 過去 10 数年の間の原油市場において OPEC のシェアが最も下がることとなった 北米の原油生産増は 2013 年 OPEC にとって原油の需要予測をおよそ 10 万バレル / 日下げる発言につながったのだ サウジアラビアさえ 自国での非在来型資源の探索を始めている 12 カリフォルニア州の Monterey 層はシェールオイル生産に有望か カリフォルニア州の Monterey( モンテレー ) 層は Bakken や Eagle Ford のようなシェール層に 対抗するだけでなく 可能性では抜きん出ているとも考えられる新しい 液体分豊富なシェー ル資源 として 多くの注目を浴びてきた そこで このニュースがどこから発生したのか 意味 するもの モンテレーの将来はどのように展開するのかを考えてみたい モンテレー層では 中新世 ( およそ 600 万 ~1600 万年前 ) に堆積した二酸化ケイ素 ( シリカ ) の 豊富な岩石が厚く広範囲に広がっている 部分的に頁岩質で化石もいっぱい含むが リズミカ ルな層理と珪質堆積岩が簡単に認識できる 14/29

15 13モンテレーからの油ガス採掘にはどんな技術が有効か? 石油根源岩の抱合されている油の大半はケロジェン中にある ケロジェンは非常に拡散性を持ち ダルシー フローよりも遅い速度で貯留層の浸透性の高い場所に移動する 浸透性の高い層では破砕を施しても生産性にほとんど影響を及ぼさない モンテレーの根源岩はマトリックス多孔質体とケロジェン中に 根源岩から在来型油田に長い時間かけて移動した量よりも多くの炭化水素を抱合する しかし 多くの技術的な課題は残る USGS は 見込みに基づく地質学ベースの方法論を用いモンテレーを評価中である 今日 モンテレー構造は会社によって多くの郵便番号毎のエリアに分けられている 先進技術を使用して そのエリアをつなぐことは難しい 会社間で情報を共有するか交換して モンテレー構造からの油ガス採掘という複雑な問題の対処に資するような研究プログラムをサポートする時が迫っている モンテレーの将来の可能性は 単に非在来型の油を探すことだけではない より深いところに隠された より複雑な在来型の油を見つけ出す可能性も高いと言われる 14Marcellus( マーシェラス ) シェールからの液体生産増 Range Resource 社の先駆的坑井 Renz No.1 は 2004 年 10 月にマーシェラスシェールをターゲットとして再仕上げされた ペンシルバニア州の南西部には液体分の豊富なウインドウが大きく広がる 2012 年の上半期に Range Resource 社はペンシルバニア州ワシントン郡で非在来型のガス コンデンセートを 566,631 バレル生産した その生産量は 2012 年の下半期には倍の 110 万バレルに増えた 米国内のドライガス消費は 2012 年に 25.5 兆立方フィートに達した 学習しながらの作業により 多くの会社がマーシェラスシェールからのドライガス生産を活発に行った 井戸元の採掘価格が 3.5 米ドル / 千立方フィートでも利益をもたらした Range Resource 社はペンシルバニア州の北東部で ドライガス ウインドウを特定した 井戸元採掘価格は 千立方フィート当たり 2008 年の 4.3 米ドルから 2012 年の 3 ドルまで 30% も低減できた Cabot Oil & Gas 社の井戸元採掘価格は千立方フィート換算当たり 2012 年度第 1 四半期の 3.85 米ドルから2012 年度第 1 四半期には 3.29 米ドルと 15% 低減した しかしながら マーシェラスシェールにて採掘事業を展開する多くの会社がドライガスエリアからの撤退を検討している 15/29

16 15 持続と試験 1980 年代から 90 年代にかけては Mitchell Energy & Development 社のジョージ ミッチェルがバーネットシェールに掘削した垂直井に対して水圧破砕のいろいろな組み合わせを試験していた時でもあった 地質学的に最適な坑井配置に加えて水圧破砕に用いる砂 化学物質 水量 ポンプ圧の経済合理的な組合せに行き着くまでに ミッチェル氏の挑戦は 18 年を要した 2001 年 8 月 彼は Devon Energy 社に自分の会社である Mitchell Energy & Development 社を 31 億米ドルで売却するという成功を収めたのだ 売却は 2002 年初めに終了した Devon Energy 社はシェールオイル ガスの採掘において slickwater を用いた水圧破砕と水平坑井を結びつけた洞察力をミッチェル氏から譲り受けたのだ 一方 2008 年 1 月 17 日にペンシルバニア州立大は次のようなプレスリリースを行った Terry Engelder ペンシルバニア州立大教授 ( 地球科学 ) と Gary Lash ニューヨーク州立大学 Fredonia 校教授 ( 地球科学 ) はマーシェラスシェールの資源量を楽観的に見ると 168 兆立方フィートと推定した うち 50 兆立方フィートが技術的に回収可能な量である 4. ケーススタディ (Anadarko 堆積盆地 ) 出所 :JOGMEC ヒューストン事務所米国において Bakken Eagle Ford Permian Basin の次の大規模なシェールオイル生産地域の一つとして期待されている Anadarko Basin の地質 開発 送油送ガスの現状 課題を紹介する 図 6 Anadarko 堆積盆地の位置 出所 :SPE 資料 16/29

17 Anadarko Basin の概要 Anadarko Basin はオクラホマ州西部を中心にテキサス カンサス コロラドに広がる約 20 万 km 2 の広さをもつ 20 世紀初めから開発されている古くからの油ガス田地帯で 2012 年 3 月までの累計生産量は油 54 億バレル 天然ガス 125 兆立方フィートであった しかし米国地質調査所 USGS は 2010 年の評価で 技術的回収可能量は油 495 億バレル ガス 27.5 兆立方フィート 天然ガス液 NGL4.1 億バレルと推定している 油は低硫黄軽質原油 (light sweet oil) で 2012 年 11 月の生産量は 約 35 万バレル / 日 ガスは約 60 億立方フィート / 日 油の生産量は 2016 年末に 45 万バレル / 日に増すとも推定され Bakken Eagle Ford Permian Basin の次の大規模なシェールオイル生産地域の一つとして期待されている 20 数枚の開発対象層があり それが幾つかにグループ分けされて名称がついているが 主なグループは Granite Wash Mississippi Lime Woodford Shale の 3 つである 域内で 2013 年 1 月には 205 基のリグが掘削作業を行った 目的別では油が 27 坑 油 / ガスが 170 坑 ガス 8 坑 現在の主な参入会社は Chesapeake SandRidge Energy Apache Devon Energy Mewbourne Oil Linn Energy Cimarex Energy EOG Resources Midstates Petroleum Samson Lone Star Newfield Palomito Petroleum などである オクラホマ州にある原油の集積地 Cushing に近いのが利点ではあるが Cushing 周辺の輸送手段不足で WTI 価格が低迷している影響を直に受けている Keystone XL パイプラインの新設による輸送量増加が期待される Granite Wash の概要深度 10,000 から 16,000 フィートで Granite Wash Cleveland Tonkawa Narmaton Hogshooter ほかの対象層がある タイトオイルが主な開発目標 2012 年の Chesapeake 社の井戸が 5,400 バレル / 日 ( 初め 8 日間の平均 ) Newfield Energy の井戸が 4,000 バレル / 日 ( 初期 30 日平均 ) Apache の 2 坑井が 2,000 バレル / 日と 千バレル / 日台の報告が相次いだことが Anadarko Basin 自体が期待される理由の一つとなった 平均的な坑井の推定総生産量 EUR(Estimated Ultimate Recovery) は石油換算で 10 万バレル 30 億 ~40 億立方フィートという報告もある Mississippi Lime の概要 深度 3,000 から 6,000 フィートで タイトオイルが主である 初期生産能力は 2,000 バレル / 日 EUR は 石油換算で 50 万バレル Mississippi lime は何年も前から垂直井による開発が行われマージナルながら 既に数千坑の垂直井が掘削されているが 今後水平井による生産性向上が期待されている SandRidge 17/29

18 Energy は 2012 年の第 3 四半期に 3 万バレル / 日で生産 他に Chesapeake Devon などが活動している Woodford Shale の概要深度 6,000 から8,000 フィートで 天然ガスが主な対象 北西部が現在の開発の中心で Cana Woodford と呼ばれる 初期生産能力は 300 万 ~500 万立方フィート / 日 EUR は 20 億 ~50 億立方フィート 現在の開発の中心は Devon であり 既に 2,000 坑井が掘削されている なお南東部は SCOOP と呼ばれ Continental 社が開発の中心である 各論 (1) 油価予測 Raymond James Energy Group は世界の需要は弱まっていると見て 2013 年 3 月の WTI を 83 米ドル 6 月 65 米ドルに下がると予想した これは一般の予測よりも 20~25 米ドルも低い また天然ガス価格は 2014 年に向かって上昇と予想した 世界の原油備蓄はこの 6 か月 ~12 か月が過去最大となった 供給量は 2013 年には 113 万バレル / 日の増加が見込まれる 一方 需要は 2010 年に 250 万バレル / 日分が増加したが 2011 年 90 万バレル / 日 2012 年 70 万バレル / 日と増加の大きさが小さくなっている 先進国で GDP 当たりの原油消費量が減っていること 車の燃費が改善されているなど恒久的に続く要因なので 継続性のある傾向ととれる 2012 年 70 万バレル / 日の増加も日本が福島の原発事故の後に 4.6% 消費を増やしたのが一つの要因であり 今後日本の消費が増えなければ世界の 2013 年の需要増は 40 万バレル / 日に留まる ( 国際エネルギー機関 IEA の予想は 80 万バレル / 日の増加 ) この結果 2013 年原油が供給過剰となる 今後 油価の低下を留まらせる要因があるとすると サウジの生産削減 (Brent が80~90 米ドル / バレルの水準時に実施されると言われる ) 中東の政治情勢悪化 世界の経済情勢が好転する見通しが出てきた場合などだが 備蓄量が減らなければ基本的には下げに向かうと見ている ( 表 1) 表 1 Raymond James Energy Group の油価予測 米ドル / バレル 2013 年第 1 四半期 2013 年第 2 四半期 2013 年第 3 四半期 2013 年第 4 四半期 2013 年平均 WTI Brent バレル =159 リットル 天然ガスは生産も需要も増すが 低いガス価によるガス販売量の伸びが予測される ( 表 2) また石炭 18/29

19 からの天然ガスへの転換が増す 表 2 Raymond James Energy Group のガス価 (HH) 予測 米ドル /MMBtu 第 1 四半期 第 2 四半期 第 3 四半期 第 4 四半期 平均 2012 年 ( 実績 ) 年 年 MMBtu (Million British thermal unit: 百万英国熱量単位 :100 万 Btu)=1055 メガジュール =25.2 万 kcal= メタン 1000 立方フィートの熱量 (2) Anadarko Basin の生産 米国の天然ガス生産は 2011 年 616 億立方フィート / 日 2012 年 637 億立方フィート / 日で一見伸びて いるようだが 2012 年は低ガス価格の影響で年間を通して生産量はほぼ横ばいであった BENTEK Energy LLC によれば 2013 年は 654 億立方フィート / 日と予測するが これはガス輸送のキャパシティ ーがどうなるかで変わる数字となる 一方 Anadarko Basin の場合は天然ガス生産の処理施設のキャパシ ティーが制限となっているので 短期の生産量の急速な拡大は無理であと 2 年ぐらいはかかるだろう た だ Anadarko Basin の天然ガスは液分が豊富なため開発の IRR が大きい ( 表 3) Mississippi Lime 47% Cleveland Tonkawa46% Granite Wash 40% Cana Woodford 26% という報告もあり 開発会社にとっては 魅力である なお Anadarko Basin の NGL の輸送状況は改善しつつある Anadarko Basin では天然ガスの処理施設のキャパシティーは 2009 年 55 億立方フィート / 日 2012 年 60 億立方フィート / 日とあまり伸びていなかったが 2013 年末には Panhandle Eastern Pipe Line 社がカン サス州 Haven に建設中の 14 億立方フィート / 日 (40 x 106 m 3 / 日 ) のプラントが稼働開始を予定 全米でも 2015 年までに天然ガス処理能力は 153 億立方フィート / 日 ( 内 Anadarko Basin は 29 億立方フィート / 日 ) 増強される見込みである Anadarko Basin の掘削の中心地域はこのところ Granite Wash からガスの少ない Mississippi Lime へと 移ってきたが 最近 Hogshooter で生産量が豊富な井戸の報告が増しており 今後掘削が Hogshooter に 向かう可能性もある 表 3 Anadarko Basin の掘削コストと初期生産レート Granite Wash Hogshooter Cleveland/ Tonkou Mississippi Lime Cana Woodford 掘削コスト ( 百万米ドル / 坑 ) 7.0 N/A ガスの初期生産レート ( 百万立方フィート / 日 ) 天然ガス液の初期生産レート ( バレル / 日 ) 油の初期生産レート ( バレル / 日 ) 250 1, /29

20 Anadarko Basin の天然ガスの売り先は可能性として パイプラインのつながっている米国東部 米国北東部 米国南東部があるが 東部向けのパイプラインは容量に余裕なく 米国北東部は需要の伸びの見込みが薄い 一方米国南東部は 発電用天然ガス需要が 2005 年から 2012 年の間に 110 億立方フィート / 日から 160 億立方フィート / 日に増加した 今年もさらに 20 億立方フィート / 日増加する見込みである また米国南西部は需要が伸びる見込みは薄いが メキシコは 2012 年から 2017 年の間に 28,289 メガワット (51 億立方フィート / 日相当 ) の発電量増加を計画しており 天然ガスの売り先の有力な候補である BENTEK Energy LLC によるガス価予想でもそれほどの上昇は期待できない ( 表 4) 表 4 BENTEK Energy LL のガス価予想 ($/ 千立方フィート ) 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 シカゴ AECO, Rocky, Anadarko, HH (3) 掘削 RigData 社によれば 米国の稼働リグ数は 1982 年にピーク 4500 基 1987 年が底で 700 基に減り 現在は 1650 基程度である 全リグに占める非在来向けのリグ数は 72% と非常に大きい また水平井掘削のリグは 2001 年に全体の 6% だったのが 現在は 65% であり 水平坑井が標準になったといえる 油井掘削のリグは 2009 年初めに 20% だったのが 原油と天然ガスの価格を反映して現在は 70% に増加している リグの種別では 1500~1999HP のシェールオイル ガス掘削向けのリグの利用率が高い (85%) ガス井掘削リグ 57% が非在来ガス田 非在来油ガス田での掘削リグの 83% がガス掘削用である ( 表 5) Day Rate は上昇してきたが (2010 年 10% 増 2011 年 2-3% 増と上昇傾向にあったが ) リグ需要が低下していることもあり 2012 年は横ばいであった 表 5 オクラホマ州のリグ数は油狙いへの移動が顕著 年以前 2010 年 2011 年 2012 年 油 ガス /29

21 (4) 水圧破砕 ( 水圧破砕サービス会社から見たシェール開発事業の現状 ) Ely & Associates 社によれば 水圧破砕は従来技術であって 作業対象層がシェール層以外の在来型の場合もよくある (Middle Bakken Fractured Carbonate Stacked sand Shale ほか ) シェールガス開発は従来技術 ( 水圧破砕 ) と新技術 ( 水平坑井 ) の融合による開発と認識される 生産性の向上には水平坑井化が貢献した部分がもちろん大きいが ステージ数の多い水圧破砕を用いる場合では水圧破砕の貢献度も高い 水圧破砕は 多くの生産向上技術の中で最も単純で安価でローテクな技術だが 良好な回収率上昇と利益を生み出した ただ坑井の経済性を担保するためには 大量の水を圧入する必要があるというのが現実の課題である 水圧破砕の技術に関しては 複雑なフラクチャーなるものが形成されているのか 現在の技術でフラクチャリングを解析 計算できるか 高浸透性の場合 大きな水量は必要か プロパントのサイズと濃度 などがよく議論される 水圧破砕の歴史は 65 年にもなるのに何故まだ理論が整理されず幾つもあるのかという話も良く聞くが 現実の作業で良い結果を出しているので まずは問題ない 圧入水は高粘度である必要性の議論があるが Eagle Ford やHaynesville だと割れ目の屈曲 (Tortuosity) が大きいので 水の粘度を高くしないとプロパントをうまく押し込めない しかしそうでない場合は不要で George Mitchell は Barnett で意味なく高粘度のハイブリッドフラックを行うのを にせのハイブリッドシステム と評した 深度が深く Tortuosity が大きくて高い粘度が必要となると ケミカルのコスト 掘削日数の増加 オイルベースマッドの使用などで 掘削 仕上げコストは大分大きくなる 水圧破砕サービス会社の課題の一つは サービス会社及び資器材ともに供給過多になっていること 生産性向上技術の向上の速度が 輸送インフラ整備の速度を上回ってしまったということでもある 残念なことは 従来生産できなかった資源を生産できるようにしたというのに Gasland ( 映画 ) のような批判を受けたりすること 米国の石油天然ガス産業は水圧破砕が無ければ存続できないことを 多くの米国民は理解していない 既に州や地方自治体が規制を行っているとことに さらに国が法規を制定しようとしているのは問題であろう 水圧破砕のサービス業界としては 水のリサイクル率を増して真水 ( フレッシュウォーター ) の使用量を減らしてきている 生産水は水圧破砕に使うのは課題であったが 実際に使い始めて良好な結果を得ている 安全管理が極めて重要で メキシコ湾のマコンドのような大事故が起こしたら 業界は終わりと認識している (5) オクラホマ州の水資源 Oklahoma Water Resource Board によれば オクラホマ州全体の平均降水量はこの百年の間は 483~ 1219 ミリメートル / 年で推移している 10 年毎ぐらいに降水量の多い時期と少ない時期が交代してきた 21/29

22 が 2000 年代は比較的降水量が少なかった また州内では東から西に向かい 1448 ミリメートル / 年から 381 ミリメートル / 年と西に向かって降水量が少ない オクラホマ州内には 34 の主な貯水池に 1,300 万エーカー フィート (160 億 m 3 ) が貯水されている これらを含め水資源保護対象となっている湖沼が 4,300 ある 最大の貯水池は Lake Texoma で貯水量は 260 万エーカー フィート (31 億 m 3 ) 地下水は 23 の主たる水層に 3.2 億エーカー フィート (4,000 億 m 3 ) の水がある 州内の井戸数は約 7 万 (2007 年現在 内 5 万が家庭用 ) 最大の水層は Ogallala 層で貯水量は 8,660 万エーカー フィート (1070 億 m 3 ) あり 井戸が 3,200 坑設置され灌漑に利用されている 米国内の水利権は地域により異なり 水の豊かな東部州では河川湖沼の沿岸の土地所有者が権利を持つが (Riparian rights) 西部の乾燥地域の州では専用権(Appropriation water rights, あるいは Colorado Doctrine) が設定される コロラド州では地表水は公共の水と位置づけられ利用は許可制 ( 家庭用は除外 ) 地下水は土地の所有者の権利で 地下水脈のベースン毎に面積比で割り当てられる 使用量の限度は州が定める 州内の水使用量は年約 200 万エーカー フィート (24 億 m 3 ) ソースの 6 割が地表水 4 割が地下水 利用目的は灌漑 41% 家庭 産業 33% 火力発電 14% 牧畜 5% 産業自家利用 3% 石油天然ガス 2% 住民自家利用 2% 州は水の長期利用と 90 日の短期利用の許可を行っている 石油天然ガス開発業界は 2007 年から 2011 年の間に長期利用許可 760 件 ( 年 82,334 エーカー フィート ) 短期利用許可 9,659 件 (60,921 エーカー フィート ) を発行している 今後オクラホマ州内の水利用は増加し 2060 年頃になると新規の水利用許可が出せなくなる可能性がある (6) パイプライン DCP Midstream は Phillips66 が 50% Spectra Energy が 50% 出資する会社である NGL 生産 ガス処理 パイプライン事業を実施している NGL 生産量 40 万バレル / 日 ( 全米 1 位 ) 2013 年に 25% 増を計画 ガス処理 62 施設 処理量 61 億立方フィート / 日 ( 全米 2 位 1 位は Enterprise Products) 2013 年に 15% 増を計画 またパイプライン 6 万 3 千マイル (10 万 1367km) 保有している Mid-Continental での事業規模は NGL 生産量 10.7 万バレル / 日 ガス処理 13 施設 処理量 20 億立 方フィート / 日 パイプラインはオクラホマ州からテキサス州 Mont Belvieu に向けての送油用に Southern Hills パイプラインを建設中 同パイプラインは延長 800 マイル (1287km) 送油量は 2013 年第 1 四半期 の立ち上げ時点では 15 万バレル / 日 その後 2013 年中に 17.5 万バレル / 日まで増す予定である 建 設費用は約 10 億米ドル また今後の会社が本地域に持つ輸送能力を現在の 10 万バレル / 日から 50 万 バレル / 日へ拡大を目指す 22/29

23 (7) Mississippi Lime の地質 Petro River Oil 社によれば Mississippi Lime は従来垂直井で開発されてきたが これら既存井の生産実績を見ると東側 特に basin を南北に走る Hemaha Ridge の東側が油リッチである ペトロリウムソースロック ( 石油根源岩 ) が Anadarko の Basin 地域の深部にあるが西に向かって深いので ソースは西がガスリッチで 東に油リッチ マイグレーション ( 石油根源岩からの移動 ) 後もこの傾向が維持されていると考えられている Mississippi Lime は断層により西から東に Anadarko Shelf Hemaha Uplift Cherokee Platform に分けられるが 中央の Hemaha Uplift では Mississippi Lime は上部に Chat と呼ばれる孔隙率が高い層が発達して一番生産性が良い 通常の Mississippi Lime の孔隙率は 3~5% だが Chat の孔隙率は 30~40% の孔隙率を持つ Hemaha Uplift は Central North American Rift の南端にあり ここが隆起した際に 浸食や続成作用によって良好な油層が形成された Mississippi Lime の既存垂直の生産挙動をカンサス州とオクラホマ州で比較するとよく似ており 南北の生産性の違いは少ない ( 表 6) 表 6 Mississippi Lime の既存垂直井の生産挙動比較 ( カンサス州とオクラホマ州 ) オクラホマ州 カンサス州 対象坑井数 1439 坑 4032 坑 開発エリアの郡数 3 郡 14 郡 EUR 6 万 6 千バレル 8 万 6 千バレル B factor( 容積係数 ) Final Decline Rate < 5% < 5% (8) Mississippi Lime を対象とした HighMount E&P 社の事業 HighMount E&P 社は Loews Corporation の 100% 子会社 テキサス オクラホマに上流の資産を持つ テキサス Permian Basin に 80 万エーカー (3238 km 2 ) のリースを所有 Sonora Field は天然ガス確認埋蔵量 1.1 兆立方フィート 可採年数 =18 年 5,800 坑 集油ライン 3,000 マイル (4827km) また今後 Wolfcamp shale も開発を期待 またテキサスの Panhandle 地域にも最近参入した オクラホマ Anadarko Basin には 2011 年に参入した 173 セクション 10 万エーカー (405 km 2 ) 掘削予定地は 600 坑分ある 2012 年 3 月に最初の掘削を開始 5 月から生産 現在 5 坑が生産中 リグ 3 基体制で掘削中 Mississippi Lime は Hemaha Ridge の東側で各社が良い結果を出している (Pablo 5 万 7 千バレル /18 ヶ月生産量 Devon 石油換算バレル / 日 30 日 IP(Initial Production 初期生産 ) 23/29

24 PetroQuest 270 石油換算バレル / 日 30 日 IP Spyglass 1,108 石油換算バレル / 日 24 時間 IP) ので 期 待されている HighMount 社の IP データの実績は 120 バレル / 日 131 バレル / 日 286 バレル / 日 386 バレル / 日 Mississippi Lime の一般的な生産性 ( 表 7) と比較して遜色ない結果を得ている 表 7 Mississippi Lime30 日 IP データ実績 IP(30 日 ) バレル / 日 < ~ ~ < 計 カンサス州 坑数 平均 ( バレル / 日 ) , オクラホマ州 坑数 平均 ( バレル / 日 ) , 州 坑数 446 平均 ( バレル / 日 ) 328 掘削仕上げの実績は 掘削に平均 425 フィート / 日 仕上げ ( 水圧破砕の段数 ) が平均 4.1 段 / 日 現在 の操業上の課題は 水 ガス 電力のインフラコスト 仕上げの最適化 生産性の良い場所 ( スイートスポ ット ) の発見 大容量のポンプのオペレーションが挙げられる (9) Granite Wash を対象とした Linn Energy 社の事業 Linn Energy 社は Anadarko Basin で Granite Wash と Missourian Wash に 7 万エーカー (283 km 2 ) の リース権を保有している 生産層は Pennslyvanian Wash 7 層と Missourian Wash (Hogshooter)3 層である 開発状況稼働井 914 坑 ( 内 176 坑が水平坑井 ) 油 :1 万 5 千バレル / 日ガス : 9000 万立方フィート / 日 NGL:1 万 3500 バレル / 日新規坑井掘削 8 リグ体制 操業上の課題への対応状況ガスマーケティングでは地域のガスパイプライン網の圧力が不安定でガス生産井の挙動に影響するのでコンプレッサーを設置している また坑井毎にガス成分が大きく異なり ( 表 8) 坑井の年平均のダウンタイムが 10~30 日あるので 出荷に融通をきかせるため各坑井から幾つかのマーケットに送れるよ 24/29

25 うなギャザリングシステムを採用している 表 8 各層の天然ガスの NGL と熱量 層 NGL バレル / 立方フィート Btu/ 立方フィート Virgilian 175 1,400 Missourian 140 1,360 Upper Moinesian 100 1,290 Lower Moinesian 60 1,190 Atoka Wash 30 1,080 油の生産井は初期の減退率が 94% と大きく 初期のピークレートとのちの生産量に大きな差がある 短期間の生産量が大きい時期だけトラックを多数手配というのは困難な場合がある このため域内に 1 万 6 千バレルのタンクを用意しバッファーとしている フラクチャリング用のタンクに油をためたこともあり また減耗が大きく場合によっては 15% にもなるので Vapor 回収システムを導入 水は大量に必要で水圧破砕時には 160 バレル / 分 あるいは 150 万バレル /14 日必要となる 域内に複数の 300 万バレル規模のピットと リースに 6~16 インチの給水ラインを設置して対応している 場合によっては石油会社間で水を融通しあう 廃水は可能な限りリサイクルして量を削減する 課題はバクテリアの繁殖で量が少なくて効果のある殺菌剤を選ぶこと (10) Cana-Woodford を対象とした Newfield Exploration 社事業 Newfield Exploration 社は Anadarko Basin において 142,000 エーカー ( 内 87,000 エーカーがオクラホ マ州 ) をリース Cana Woodford で 9,300 石油換算バレル / 日 (60% が液分 ) を生産中 今年の掘削井南部 9 生産井 ( 平均の WI [Working Interest] は 75%) 平均 IP 1,215 石油換算バレル / 日平均 30 日レート 901 石油換算バレル / 日平均 90 日レート 792 石油換算バレル / 日北部 1 生産井 (Klade Well 99%WI) 平均 IP 925 石油換算バレル / 日 (93%Oil) 平均 30 日レート 660 石油換算バレル / 日 25/29

26 掘削計画 ( 表 9) 現在 4 リグ体制から 8 リグ体制に拡張を予定 域内に 400~1000 坑分の掘削予定地 水平長 5,000 から 10,000 フィートの坑井 4~8 坑 / 区間を想定 コストは掘削 680 万米ドル 仕上げ 420 万米ドル EUR 190 万石油換算バレル ( 仕上げ長 4,700 フィ ート ) 表 9 坑井間隔のテストを二か所で実施中 テストサイト NFX Faith OSO Spies テスト層 Upper and Lower Woodford Lower Woodford 坑井間隔 130 エーカー (0.53km 2 ) 80 エーカー (0.32km 2 ) 他の測定項目 Micro Seismic & Fluid Tracing Production Interference Test BHP measurement 開始 2012 年 12 月 2012 年 11 月 南部 Cana Woodford(Wright 1H-9 Cana XL) の経済性 液分 500 バレル / 日 (95 米ドル / バレル ) ガス 830 万立方フィート / 日 天然ガス 580 万立方フィート / 日 (3.25 米ドル / 千立方フィート ) + NGL 930 バレル / 日 (35 米ドル / バレル ) 47,500 米ドル + 18,850 米ドル + 32,550 米ドル = 98,900 米ドル / 日 5. まとめ 現在埋蔵量の大半 (70% 弱 ) が産油国の NOC に握られている環境下では IOC や独立系石油会社 ( インデペンデント ) は 新規油田開発よりも既発見油田からの生産促進に軸足を置かざるを得なく 投資機会は縮小している 現在埋蔵量の大半 (70% 弱 ) が産油国の NOC に握られている環境下では IOC や独立系石油会社 ( インデペンデント ) は 新規油田開発よりも既発見油田からの回収率向上や生産効率向上を目指し た技術 (EOR/IOR 水平坑井 多段階フラクチャリング ) の適用や非在来型資源 ( シェールガス オイ ルサンド シェールオイル ) の開発に軸足を移している 一般に油価の高騰下では 技術改良 技術 開発が進む 油価の長期的な動きを十分意識しつつ 開発資材コストの高騰と 改良 開発された技 術の適用の度合いが 当面の可採埋蔵量の積み増しをコントロールすることになる シェール開発の世界への広がりを見てみると 米国やカナダに続き欧州やアジアでシェールガスの 26/29

27 開発の動きが見られる 英国は優遇税制の導入などで開発を支援する構えである インドネシアや オーストラリア 中国では探鉱を進めている シェール革命で潤う米国に対抗して 各国は自前で低 コストの資源開発に乗り出している 日本にも調達先の拡大が見込める利点がある エネルギーの価格を引き下げれば 製造業を再び強化できる ( キャメロン英首相 ) 英国がシェー ルガス開発を加速させるのは 急ピッチで生産を拡大する米国への対抗からだ 自国企業の競争力 を高め 製造業の海外移転を防ぐためには 低コストの資源が必要になると考えられる 地中の頁岩 ( けつがん ) に含まれるシェールガスは水圧破砕という技術などを使って採掘される 英国は 2013 年 からフラッキングを解禁し 企業の開発投資を促すため 優遇税制の導入も明らかにした 英経営者 協会は シェールガス採掘がうまくいけば英国のガス需要の 3 分の 1 を満たすと予想する シェール 革命で米国は豊富なガスや石油を手に入れた 企業の生産コストが下がり 生産拠点を再び米国内 に戻す企業が少なくない 米国の経済効果は年間で約 1200 億ドル ( 約 11 兆 6400 億円 ) 優位に立 つ米企業に対抗するには 自国でシェールガス開発を進めるのが早道である 米エネルギー省が 6 月 10 日発表した報告書によると 採掘可能なシェールガスの埋蔵量は世界全体で約 206 兆立方メ ートル 米国やカナダのほか 欧州やアジア 中南米にも豊富なガスが眠る 欧州では最も早く 2014 年からの生産開始を目指すポーランド 国際石油メジャーの米シェブロンやイタリア炭化水素公社 (ENI) などが探鉱を進めている 天然ガスのロシア依存度を引き下げたいという政治的な思惑から 旧ソ連から独立したバルト 3 国やウクライナなども開発を急ぐ 液化天然ガス (LNG) 輸出国もシェー ルガスの開発に動く インドネシアの国営石油会社プルタミナは 5 月にスマトラ島北部の鉱区開発で 当局と契約を結んだ 30 年間で約 78 億ドルを投資し 20 年の生産開始を目指す インドネシアは LNG 輸出国だが 高成長に伴って石油やガスの国内需要が拡大している シェールガス開発によっ て国内消費を賄うほか 将来の LNG 価格の低下に備える戦略だろう 豪州は最大需要地であるアジ アに近い地理的な優位性を生かして 輸出を狙う 2012 年 10 月に地元大手サントスが初めてのシェ ールガスの商用生産を開始 今年に入ってから シェブロンが中部 2 鉱区で最大 60% の権益を取得 すると発表した 巨大な人口を抱え 資源の 爆食 を続ける中国でもシェールガスへの期待は大きい 埋蔵量も米国 の約 1.7 倍で世界最大である 政府絡みの巨大な開発事業が各地で進んでいるが 米国のような生 産国になるには課題も多い その一つが採算性 中国のシェールガスは山間部が多い南部や中西 部に偏り しかも大部分が地下 4000 メートル以下の深い層にある 比較的平たんで浅い場所 (2000 ~3000 メートル ) のシェールガスを採掘する米国とは違って 開発コストがかかる さらにインフラの 未整備でフラッキングに使う水が足りない 中国のシェールガスは開発が難しく 本格普及は時間が 27/29

28 かかると見るのが定石だろう 欧州で生産のハードルになっているのは環境問題 ポーランドに次い で有望とされるフランスは 水質汚染など環境への配慮から フラッキングを全面禁止している < 参考資料 > 非在来石油 ガスに関する見解 (Eurasia Group/ JOGMEC ワシントン ) 1 月 9 日 Unconventional Oil Symposium(@ カーネギー財団 ) が開催され ジョンソン (Robert Johnson)Eurasia Group グローバル エネルギー 天然資源課長が口頭説明したところ 概要以下の とおり 非在来型の石油 天然ガスを分析する上で注目すべき点は 1 米国エネルギー市場の今後の 変化 2 オイルサンド及びシェールガスの価格動向 中流の製油部門が収益性を回復しつつあり 今後黄金期を迎えるかも知れない 大規模製油 所は特に 各種の原油を処理できる柔軟性を備えているため 有利な競争条件にある 政治的観点から見ると オバマ第 2 期政権のエネルギー政策における課題は 1LNG 輸出及 び 2 石炭輸出 石炭輸出は 欧州市場へのアクセスが可能となるか否かが鍵 非在来型の石油生産が増加していくとしても 米系メジャーの課題は在来型原油が依然として 主であり ベネズエラ ロシア イラクの生産増を地政学的に注目していくべき NOC に関しては 中国 マレーシア インドネシア等の NOC の台頭に要着目 経済成長が期 待される国では 資源輸出が成長のドライバーとなるため 国家による資源管理の傾向が一層 強まる可能性が高い 米系メジャーにとってはあまり有難くないが 政治的暴力とも言える 国有 化 が進展する可能性がある 次に解決するべき課題は 水質汚濁の防止 水質管理 フレアリングの増加をどのようにして抑 制できるか 北米石油市場では 取引原油の値引きが随所で観察されている 今後は オイルサンドやシェ ールガスの生産増及び国内エネルギー需要のガス転換 それに伴う原油輸入の減少 アジア 市場におけるエネルギー需要増が複雑に絡まって原油価格に影響してくる イラン制裁は短期的には 影響がほとんど出ないだろう OPEC 全体の供給力で十分にカバー することが可能だからだ 特に イラクの潜在的増産余力が大きい オイルサンド生産量は 向こう 10 年間で 2 倍になると予測している オイルサンド増産を見込む カナダにとっては Keystone パイプラインは市場アクセスの鍵を握るプロジェクト カナダの国 内生産が増加する一方 米国内の石油需要は低迷し 北米市場が飽和して来るので 出口が 28/29

29 必要である Bakken シェールの今後の開発にとっても パイプラインの相互接続は重要 米国の電力用エネルギー源 (EIA-AEO ) 2040 年までの予想 ( リファレンス ケース ) 2011 年石炭首位 (42% シェア ) 天然ガス (25%) 原子力 (19%) 再生可能エネルギー (13%) 原油 その他 (1%) 2040 年石炭首位 (35% シェア ) 天然ガス (30%) 原子力 (17%) 再生可能エネルギー (16%) 原油 その他 (1%) 天然ガス生産は堅調増 : 産業 電力分野 輸出拡大シェールガス 2011 年全体ガスの 35% 2040 年全体ガスの 50% 天然ガスの利用分野 2011 年 : 発電 (31%) 産業 (33%) 輸送 (3%) 商業 (13%) 住宅 (19%) 天然ガスの利用分野 2040 年 : 発電 (32%) 産業 (33%) GTL(2%) 輸送 (6%) 商業 (12%) 住宅 (14%) 原子力発電 : 堅調天然ガス 石炭の輸出拡大 (2020 年までに正味の輸入 /Net Imports はなくなる 即ち メキシコへの輸出 +カナダへの輸出 +LNG 輸出 > カナダからの輸入 +LNG 輸入 ) 2005 年比で CO2 排出減 5% 以上 ( 省エネ 天然ガス火力 再生可能エネルギー ) 2012 年から 2040 年に電力需要は 28% 増 ( 年 0.9% 増 ):GDP 年 2.4% 前提単位熱量あたり石炭と天然ガスが発電燃料として競合する価格比 1:1.8 以上 29/29

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