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1 我が国の国家安全保障戦略 DRC 一般研究員橋本英一 目次 まえがき 1 第 1 章策定の趣旨 2 1 国家安全保障戦略の位置づけ 2 2 国家安全保障戦略の構成 6 第 2 章国家安全保障の基本理念 9 1 我が国が掲げる理念 9 2 我が国の国益と国家安全保障の目標 11 第 3 章我が国を取り巻く安全保障環境と国家安全保障上の課題 15 1 グローバルな安全保障環境 15 2 我が国にもたらす安全保障上の課題 19 3 アジア太平洋地域における安全保障環境と課題 20 4 我が国にもたらす安全保障上の課題 21 第 4 章我が国がとるべき国家安全保障上の戦略的アプローチ 21 1 我が国自身の能力 役割の強化 拡大 23 2 日米同盟の強化 28 3 国際社会の平和と安定のためのパートナーとの外交 安全保障協力の強化 32 4 国際社会の平和と安定のための国際的努力への積極的寄与 39 5 地球規模課題解決のための普遍的価値を通じた協力の強化 42 6 国家安全保障を支える国内基盤の強化と内外における理解促進 44 まとめ 48

2 まえがき 政府はこれまでの憲法解釈を変更し 集団的自衛権の行使を容認する閣議決定をおこなった これは 現政府が行ってきた 国家安全保障会議 (NSC) の設置 国家安全保障戦略 (NSS) の閣議決定 防衛大綱及び中期防衛計画の策定 安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会 による安全保障の法的基盤の再構築の検討等 安全保障政策の取組みの一つの結論を示したものといえる この決定は 戦後の防衛政策を 180 度方向転換するものと一般に捉えられている 本稿は 先に策定された 国家安全保障戦略 (NSS) について考察するものである NSS は これまでの 国防の基本方針について に代わるもので 国家安全保障に関する外交政策及び防衛政策に関する基本方針を定め 積極的平和主義の具体的内容を内外に示すものであると説明されている 単純な疑問は それならば何故 国家安全保障政策基本方針 としなかったのかということである 戦略としたのは NSS は 1 我が国が掲げるべき理念を明らかにし 2 国益について検証して 3 国家安全保障の目標を示し 4 安全保障環境の動向を見通して 5 我が国が直面する国家安全保障上の課題を特定した上で 6 課題を克服し 目標を達成するために我が国がとるべき国家安全保障上の戦略的アプローチを示す という典型的な戦略立案プロセスを経て作成したものだと言いたいからであろう リチャード P ルメルトの 良い戦略 悪い戦略 を参考として本 NSS を鳥瞰すると 悪い戦略 に属するといえる その理由は 本 NSS には良い戦略が持つ 驚き がないことと 戦略立案プロセスにおいて 現状分析や課題の特定が不十分で 戦略的アプローチは 今までの外交政策を主とした やることリスト の列挙にとどまっているからである さらにこの やることリスト には 実行の担当 予算やリソースの配分 環境変化の重大性や緊張感 対応の緊急性や優先順位といった行動につながることが一切示されていない これでは 政策の基本方針としても不十分であり 政府一体となって取り組むという姿勢の実現にも疑念を抱かざるをえない NSS では 防衛政策に関して その基軸である日米同盟について多く言及されているものの 我が国自身の防衛力のあり方については 我が国を取り巻く安全保障環境は 一層厳しさを増している という状況認識にもかかわらず 従来の方針を踏襲するものとしている 国家資源が有限のもの故に 軍備は国家百年の計とされてきたものである 我が国周辺の安全保障環境について 脅威が明らかであり 眼前に迫っている と分析したならば 今までと何ら変わることのない考え方や 為にする 無駄な議論に費やす時間や労力はもうない 本稿は 本 NSS が我が国の安全保障にとって 金科玉条ものと認識され 特に防衛政策に対する強力な縛りとなり 安全保障環境の急変に対応できなくなることを杞憂する者として 考察するものである 考察の記述にあたっては 内閣官房発行のパンフレット 国家安全保障戦略のポイント の構成を参考とした 1

3 第 1 章策定の趣旨 要旨 国家安全保障に関する基本方針及び国家安全保障に関連する分野の政策に指針を与えるものとして策定 我が国が 平和国家としての歩みを堅持しつつ 国際社会の主要プレーヤーとして 我が国の安全及び地域の平和と安定を実現し 国際社会の平和と安定そして繁栄の確保に これまで以上に積極的に寄与していくための様々な取組を 包括的 戦略的に示す 我が国の安全保障政策の基本的な考え方をよりよく理解してもらう NSS に基づき 国家安全保障会議 (NSC) の司令塔機能の下 政府全体として 国家安全保障政策を戦略的かつ体系的に実施する 国の他の諸施策の実施に当たっては NSS を踏まえ 安全保障上の観点を十分に考慮するものとする NSS は 概ね 10 年程度の期間を念頭に置いたもの NSC において定期的に評価を行うとともに その時々の安全保障環境を勘案し必要な修正を行う 1 国家安全保障戦略の位置づけ 我が国の国家安全保障政策を巡る 政府の昨今の取組みを表 1-1 に示す 表 1-1 国家安全保障を巡る政府の取組み 1 総理大臣, 官房長官, 外務大臣及び防衛大臣が, 様々な外交 安全保障上の課題を日常的に審議, 政治の強力なリーダーシップを発揮できる 国家安全保障会議 (NSC) の設置 ( ) 2 国家安全保障政策の基本方針として 日本を取り巻く安全保障環境や課題, 積極的平和主義 の立場から日本がとる戦略的アプローチにつき言及した 国家安全保障戦略 (NSS) を閣議決定 ( ) 3 NSS を踏まえ, 日本の防衛政策の基本方針を透明性をもって示すものとして 防衛大綱を中期防衛計画とともに策定 ( ) 4 集団的自衛権や国連の集団安全保障措置等 安全保障の法的基盤の再構築を検討する 安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会 を改めて立ち上げる (2013.2) 5 憲法解釈変更し 集団的自衛権の行使を容認する閣議決定 ( ) 国家安全保障戦略 ( 以下 NSS という ) は これまでの 国防の基本方針について に代わる国家安全保障に関する外交政策及び防衛政策の基本方針として 閣議決定により策定された NSS は 積極的平和主義の具体的内容を内外に示すという役割も果たすものとされている (1) 閣議決定の意義 2

4 NSS は閣議決定事項である 閣議決定は現政権限りにおいて 安全保障政策を巡る意思の統一 発言や行動 政策の立案 決定 執行等に対して拘束力を有するものである 次政権がこれを引き継がない限り NSS は白紙撤回される 現政権において法律として成立させない限り 具体的な安全保障政策として執行されない 我が国では 安全保障政策 特に防衛政策は 憲法問題と絡ませた世論誘導の格好の材料となる そのかじ取りは 政権にとって致命的ともなりかねないリスクを持つ 憲法解釈を変更し 集団的自衛権の行使を容認するという閣議決定は その内容に関わらず相当のリスクを負うものと考えられる ただ NSS は説明にあるように政策の基本方針であり 施策化する場合はこれに基づくということである 施策化しなければリスクはない また 内容そのものも さほどリスクがあるものになっていない 政策立案過程での世論誘導と国会審議如何によっては 国民の政権支持率が低下し 政党内での内部分裂等のリスクが高まる可能性は十分にある このリスクを回避するため安易な妥協がなされ 政策が骨抜きにされ 場合によっては先送りされる可能性がある (2) 安全保障に関する基本方針 NSS は 国防の基本方針 に代わって 政策の基本方針を示すものとされている 何故わざわざ戦略と名づけ 我が国の国家安全保障政策の基本方針 としなかったのだろうか NSS は 典型的な戦略立案プロセスを踏んで策定したものだからか あるいは 安全保障の実現と確保は 政府の最も重要な責務であり 国益を眼先ではなく長期的視点から見定め 我が国の進むべき針路を定め 政府全体として取り組むということを強く示したいためからか それとも 安全保障の最後の担保である防衛において 勝利を実現するという意味で戦略としたのだろうか (3) 他の政策の指針国際社会では 内政 外交を問わず あらゆる国家活動が対立の要因となり得ることから あらゆる政策の立案 執行過程において NSS を指針とし国家安全保障との関わりを充分に考慮して取り組むべきとしている このことは 安全保障は政府の最も重要な責務であり 国家安全保障のための方策に政府全体として取り組む ことと同様に 誰も否定しようのない至極当たり前のことである 安全保障の重要性は誰も否定しないし 政府の責務についても 統治責任者として当然のことであり 他の政策に対する取り組み方となんら変わったことを言っているわけではない こう述べることで何かが変わり もっと良いことが行われることを NSS 立案者が期待し 国民に期待させることができると信じたからであろうか 理想に描く政策を具現化することは本当に難しい 実現を妨げる様々な要因を明らかにして それらの克服を図らなければならない これには非常な労苦と時間の浪費を伴う だからこそ今までやれなかったし やってこなかったのではないか したがって NSS をあらゆる政策の指針であるとするためには そこのところにどう取り組むか どうやって解決を図るかをもっと具体的に示すべきである 政策立案や執行過程において考慮すべき安全保障の判断基準や それを誰が主導しどう調整す 3

5 るか 誰が決定を下すかというようなことを明示すべきである NSS を政策具現化の指針としても 政策立案実務担当レベルで混乱を招くばかりで 結果的には今までより良い施策を実現できるとは考えにくい (4) 平和国家としての歩みを堅持平和国家とは 我が国の何をもっていうのか その歩みとは いかなる行動を指すのだろうか 我が国が戦後とってきた 憲法のもと 専守防衛 軍事大国にならないこと 非核三原則 文民統制の確保 武器輸出三原則 という 防衛政策 と同義のことを示しているのか このことが そして今後もこれを堅持することが 我が国の安全保障や 周辺の安全保障環境にとって 正しいことだとしているが 本当にそうなのか それをどのように検証したのだろうか 我が国を取り巻く安全保障環境は 一層厳しさを増している という NSS の現状認識は 結果的には 平和国家としての歩みには限界があったことを示唆しているのではないか 平和国家としての理想は誰も否定しようがない だが有史以来 平和国家を目指した国家指導者は 皆等しく 国家の存立の最終的な担保となる軍隊の保持を否定することはできなかった 平和国家を目指すために 軍備を強化こそすれ 抑制することはなかった 昔 中国に 最強の軍事力を持ち 力で戦争を封じ込めるという考えを実践した 墨家という優れた技術をもつ集団が存在した 墨家は 当初 徹底的な平和主義を掲げ 非戦を訴えたが この主張に誰も耳を傾けず 戦争は絶えることがなかった 結局 墨家は自らが最強の軍となることで戦争を抑止し 戦争の芽となる軍を討ち破ることで 戦争のない平和を作り上げようとした 平和を目指さない国家はない そして平和国家を目指すことは 防衛力を削ぎ 能力を制限することでもない しかしながら我が国は 防衛政策に対する 消極的 抑制的な取り組みの理由としている それを是として 今後とも平和国家としての歩みを堅持するとしているが 我が国の安全保障を実現し 確保することができるかどうかを含め 有史以来の人類の歩み から検証すべきである (5) 国際社会の主要プレーヤー我が国は国際社会における主要なプレーヤーとして 地域及び世界の平和と安定及び繁栄に貢献しており 今後もこれまで以上に積極的な役割を果たし 国際社会の平和と安定そして繁栄の確保に これまで以上に積極的に寄与していくとしている 我が国は国連活動や開発途上国への経済支援という経済的活動の分野において 主要なプレーヤーの一人として貢献したと認め得るが 国際社会の安全保障の主要プレーヤーとして 世界の平和と安定及び繁栄に貢献してきたとする理由は何処にあるのだろうか 湾岸戦争において我が国は 金だけ出して血も汗も流さない と国際社会から批判を受けその評価は低いものであったが その後 世界から注目されたとする 国連における武器登録制度や 通常兵器軍縮外交での小型武器問題に対する積極的な働きかけたことを貢献としているのだろうか あるいは PKO 等国際平和協力活動への積極的な取組みや 経済援助や技術協力などの復興支援についての取組みが高く評価されていると捉えているからであろうか 国際平和協力活動において 治安維持を他国軍にまかせ 安全圏でのみ活動しているとの批判は現実的なものである 我が国は 紛争や 4

6 戦争に対し積極的に関与し それを回避し和解させるというような主要なプレーヤとしては貢献はしていない さらに言えば わが国が国際社会の平和と安定そして繁栄の確保に 主要プレーヤーとしてこれまで以上に寄与することが 我が国自身の安全保障とどう関わってくるのかが明らかにされていない また我が国には それを実現するためにどのような能力とリソースを有し それをどう配分するかということも明らかではない (6) 具体的内容を内外に示す NSS は基本的な考え方をよりよく理解してもらう手段としての役割があるという 戦略 を公表するものとした場合 公表する目的は何処にあるのだろうか 内外に知らしめ理解されることによって何が期待できるのであろうか 国際社会の理解を得 関連諸国の協力を得て 連携を構築するのに役立つというのだろうか 名指しでなくとも脅威の対象と十分推測できる国家はこれを見てどう反応するのだろうか 国民の理解が予算の獲得につながるからであろうか 基本的な考え方を広く内外に知らしめよりよく理解してもらうという趣旨は NSS が やることリスト の列挙で止まっていることから 特に警戒されることもなく受け入れられると考える ただ一般的には 戦略は公表されていない部分 隠された意図や策略があるとみなされるものである NSS を公表するにあたって 国際社会がどう反応すると読んだのであろうか 国際社会が警戒するのは 我が国がいつか軍事国家へと豹変するかもしれないということである 我が国は軍事大国にならないといいつつ 防衛のための自衛隊を保有している 自衛隊の実力は決して低くないとみなされ 我が国の経済力や科学技術力から 何時でも軍事を増強する能力を持っているとみなされている NSS は 我が国はそうならないことを あらためて示すものであるというが 国際社会が理解を示したとしても おそらく表面的にでしかなく 疑心暗鬼を払拭し警戒を解く根拠とはみなさないであろう 日本だけはそうでないと思っているのは 国際社会では我が国だけである (7) 国家安全保障会議国家安全保障会議 ( 以下 NSC という ) は 外交 安全保障の司令塔として 国家安全保障に関する諸課題につき 内閣総理大臣を中心に 日常的 機動的に審議する場を創設し 政治の強力なリーダーシップを発揮できる環境を整えることを目的とするもの として設置された 司令塔の要件は 迅速に決断し 命令 指示を発することにある そのためには 責任を果たし得る優れた情報処理能力 状況判断力 政策立案能力を有するとともに 必要な権限を持った組織でなければならない 組織は元来 分業とその統合によって成り立っている 分業とは業務を細分化し専門化することであり 統合とは組織の目的を達成するためそれらをとりまとめることである 組織は分業による高い専門化を目指しながら それを効果的に統合することを押し進めなければならない 我が国の官僚組織は典型的なヒエラルキー型組織を形成しており 目的を達成するための専門化と強力な統合化に適しているが その反面 セクショナリズムとマンネリ化に陥りやすいという特徴を持っている 5

7 NSC が司令塔として機能しなければならない主たる分野は 外交と安全保障である 外交とは国家のあらゆる活動や政策に関して 関係国や国際社会と利害調整を図り 諸問題を交渉で処理することである 外交は本質的には 国家の活動や政策を所管する他の省庁との関係において成立するものである 外交は政策所管省庁の協力なしで成り立たないし 所管省庁も外交交渉なしで政策を実現することはできない 政策と外交における目的と手段の関係は 相互に因果関係を持つことは明らかであり 共に高い専門性を持つ この専門性と安全保障の統合を図るという極めて難しい任務を NSC は果たさなければならないのである 安全保障に関わる外交は 日本の国益 すなわち何よりも日本及び日本国民の安全と繁栄を確保することを目標としている 外交政策は その実現を目指す外交交渉を有利に展開できる対外政策でなければならない また 安全保障に関わる外交政策は 我が国の安全保障政策のみならず 日本と国際社会の平和と安定に向けた取組 ODA や地球規模課題への国際協力 経済外交 文化外交等の外交政策とも密接に関連する このように 安全保障に関わる外交政策は 一つの政策に焦点を合わせるだけでは済まされない どのような政策が 安全保障にどう関わるかを適切に判断できなければならない また 個々の政策は他の多くの政策と主従の関係や相互補完の関係を持つことから 一つの政策によって起こる 現実の世界での複雑に絡み合った利害得失や矛盾を見定めることは容易なことではない NSC はこの指令塔となる これらのことから NSC が安全保障の司令塔として任務を果たすためには 極めて高い専門性を持つ多くの有能な人材と これらを適正に統合し指揮監督できる人材を確保することが不可欠である NSC には 我が国の有能な人的資源を優先して 相当数を充当させる必要があり NSC を中心とした新たな人事管理制度を導入する必要もある 2 国家安全保障戦略の構成 要旨 平和国家としての歩みと 我が国が掲げるべき理念を明らかにすること 国益について検証すること 国家安全保障の目標を示すこと 安全保障環境の動向を見通すこと 我が国が直面する国家安全保障上の課題を特定すること 課題を克服し 目標を達成するために我が国がとるべき国家安全保障上の戦略的アプローチを示すこと (1) NSS の構成 NSS は政策の基本方針であるとしながら 戦略としているのは 要旨にあるようにその策定プロセスを 一般的な戦略立案の手順に則っているからかもしれない 戦略とは広辞苑によれば 戦術より広範な作戦計画 各種の戦闘を統合し戦争を全局的に運用する方法 とある 戦争を優位に導き 最終的に勝利を得るための巨視的な策略とか 戦闘力や資源を総合的に運用し 高次元で最大限に利用する術策といった意味を含む 本来は戦争のためのものであ 6

8 ったが 今日では 企業の経営戦略 のように スローガンやビジョンと同義語 として使用されたり 経済戦略 外交戦略のように 政策と同義語 として使用されたり 何か事を有利に運ぶために 戦略的 という形容詞が多用されており 一概に定義づけることは難しくなっている 戦略は をリチャード P ルメルトによれば 特定の目標を達成する決定的な方策を創造するもの でなければならない そして 決定的とは その方策の実行の効果が一気に高まること であり それは 目前の状況に潜む決定的 死活的な要素を見つけ それに狙いを絞り 持てるリソースと行動を集中する ことによって達成できる NSS には 国家安全保障の目標を達成する決定的な方策というものは示されていない 安全保障環境の動向を見通しているが 現状を列挙するにとどまり その情況の分析結果が示されていないからである リスク分析の基本は 脅威の明示 脅威分析 脅威に対する脆弱分析 脅威発生確率 被害影響度分析等にあることはよく知られていることであるが これらに関して一切記述されていない 分析手法はもとより分析結果も秘匿性を要するという理由からであれば 理解できるのであるが (2) 良い戦略 悪い戦略 リチャード P ルメルトは 良い戦略 悪い戦略 で戦略について次のように述べている 戦略の基本構造は 診断 基本方針 行動 の三つの要素から構成されるとし それぞれ表 2-1 のように説明している 戦略とは 前途に立ちはだかる あるいは現実の世界で遭遇し得る重大な問題 困難な課題を認識し 分析し障害物 阻害要素を取り除き 克服するためのもの である 戦略を野心やリーダーシップの表現とはき違えたり ビジョやとプラニングと同一視したり 目標設定と混同してはならない と戒め 直面する難局から目をそらさずそれらを乗り越えるためのアプローチを提示し 状況が困難であるほど 行動の調和と集中を図り 問題解決や競争優位と導くのがよい戦略である と述べている これに対し 厄介な問題を見ないですませ 選択と集中を無視し 相反する要求や利害を力づくでまとめようとするものや 目標 努力 ビジョン 価値観といったあいまいな言葉を使い 明確な方向性を示さないもの 困難な問題を乗り越える道筋や はっきりと何をすべきかを実現可能な形で示さず 単に目標を掲げ 願望や希望的観測を語っているものは 悪い戦略である としている 端的に言えば 戦略とは組織が前に進むためにどうしたらよいかを示すもの であり 戦略を立てるとは 組織にとって良いこと 好ましいことをどうやって実現するかを考えること であるとしている またルメルトは目標について 組織としての理想や価値観や期待を表わす 努力目標 あるいは 最終目標 と 戦略実行や戦略の実現手段として設定される 戦略目標 とを区別することが望ましい としている 例えば 自由 正義 平和 安全 幸福等 はアメリカの最終目標であり それを実行可能な戦略目標 タリバンを倒してインフラを再建する に転換するものが戦略であると定義している 表 2-1 に NSS の策定プロセスとリチャード P ルメルトの戦略立案プロセスを比較する NSS がリチャード P ルメルトが言うように 課題の特定プロセスにおいて 問題や危機の根本原因は 7

9 何か 死活的に重要な要素を見つけ出して診断を下しているかどうかである NSS の課題の特定は 安全保障環境の動向 すなわち何が起こっているかを整理しているものの その根本原因は何かというところまで踏み込んでいない したがって 戦略的アプローチには 具体的な方策や行動が示されず 強化する という言葉が多用された やることリスト を列挙するに止まっている この やることリスト は 今までやってきたことをおさらいしたもののようで 実行の担当 予算やリソースの配分 環境変化の重大性や緊張感 対応の緊急性や優先順位といった 行動につながることは一切示されていない 戦略を策定したというが 具体性を伴わず 表層的なこのような程度の内容であれば 専門家でなくとも誰でも思いつく 広く国民の理解を求めるというが それは 平和国家としての歩みを引き続き堅持する ことと 我が国が掲げる 国際協調主義に基づく積極的平和主義 という理念についてであり 我が国の安全保障環境が極めて厳しい状況にあるということではない これでは 今までと同じやり方が繰り返されることになる そうすることを意図して策定したものならば 期待するものはない 表 2-1 戦略策定プロセスの比較 NSS 策定プロセスリチャード P ルメルトの戦略立案プロセス理念最終目標 努力目標国益 安全保障の目標安全保障環境の動向 課題の特定 戦略的アプローチ 課題を克服し目標を達成する 多様な資源の有効活用 総合的な施策 国内基盤の強化 内外の理解促進 多層的 協調的に取組む 理想 価値観 期待 枠組み等状況の把握 何が起きているのかを洗い出す 診断 何故起こっているのか状況を完全に把握する どう影響を及ぼすか 何が問題か 解決すべきことや危機を見つける 問題や危機の根本原因は何か 根本原因を把握する 状況から死活的に重要な要素を見つける 取り組むべき課題をみきわめる 基本方針 行動 課題にどう取り組むか どう対処するか 大きな方向性と総合的な方針 道標 方向は示すが細かい道順は教えない 資源と行動を集中させる方法を考える 8

10 意思統一を図り リソースを投入し 一貫した行動をとる 基本方針を実行するために設計された一貫性のある一連の行動 全ての行動をコーディネートして方針を実行する 第 2 章国家安全保障の基本理念 1 我が国が掲げる理念 要旨 我が国を取り巻く安全保障環境は 一層厳しさを増している 大量破壊兵器や弾道ミサイルの脅威に加え サイバー攻撃のような新しい脅威も増大 脅威は容易に国境を越え もはやどの国も一国のみでは 自国の平和と安全を守ることはできない 日本の平和を守るためには 国際社会と協力して 地域や世界の平和を確保していくことが不可欠 1 国際協調主義に基づく積極的平和主義 我が国が掲げるべき国家安全保障の基本理念は 我が国は平和国家としての歩みを引き続き堅持し 国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から 我が国の安全 地域及び国際社会の平和と安定及び繁栄の確保に これまで以上に積極的に寄与していく ことである 2 国家安全保障戦略が重視するもの我が国の安全保障において重視することは 海洋国家として 開かれ安定した海洋秩序 の維持 発展 経済大国として 開放的でルールに基づいた国際経済システムの拡大 普遍的価値を共有する米国やアジア太平洋地域の域内外のパートナーとの連携 日本自身の基盤強化 政府を挙げて様々な戦略的アプローチを実施 (1) 国際協調主義に基づく積極的平和主義 NSS は もはやどの国も一国のみでは 自国の平和と安全を守ることはできない ことから 我が国は大規模な防衛力をもっても意味がない だから 日本の平和を守るためには 国際社会と協力して 地域や世界の平和を確保していくことが不可欠 である とういう論理を基調として全体に展開している 我が国を取り巻く安全保障環境は 一層厳しさを増している という状況において 国際協調主義に基づく積極的平和主義 という基本理念が 我が国の安全保障の実現と確保において どう功を奏するのか 国際協調主義 とは 国際社会と協調するということで 主権国家相互の協調に基づいて世界の平和と安定 繁栄を実現しようとする外交政策上の一つの立場である 我が国では国際協調主義が理 9

11 念の基盤であるとするが 米国では 国際機関を通じた取り組みや国際法を尊重することを 弱さの表れ と受け止める人々も多いという 米国は 極端に他国に不干渉という孤立主義の立場をとることもあるが 9.11 以降のブッシュ政権に見られたように 国際協調に頼らない単独行動主義の立場を強行することもある また 中国は 国際協調主義を否定もしくは無視する覇権主義の立場を貫いているとみなされている 国際協調主義の中核をなすのは国連である しかしながら 本 NSS は国連の国際社会全体の統治能力については 強力な指導力が失われつつあると認識している 国連の機能が国際社会の安全保障に必ずしも有効に働くことができないことが明らかな現状において 我が国の安全保障を国際協調主義に依存することに問題はないのだろうか 積極的平和主義 は NSS で新たに示された概念である 平和主義 とは 専守防衛に徹し 他国に脅威を与えるような軍事大国にならないことや非核三原則といった我が国の防衛の基本方針や 核軍縮 不拡散 大量破壊兵器不拡散 国際平和協力活動等を指すものといえる このことから 積極的平和主義 の意味するところは 国際平和協力活動等にその重点を置くが 安全保障の担保である防衛力の構築には 従来どおり抑制的にあるいは非積極的に臨むというように解釈できる (2) 国家安全保障戦略が重視するもの 要旨 四方を海に囲まれた海洋国家として 開かれ安定した海洋秩序 の維持 発展に取り組む 強い経済力と高い技術力を有する経済大国として 開放的でルールに基づいた国際経済システムを拡大し 世界経済の発展や日本の経済の成長 繁栄を確保していく 自由 民主主義 基本的人権の尊重 法の支配といった普遍的価値を共有する米国やアジア太平洋地域の域内外のパートナーと連携し グローバルな課題に取り組んでいく 政策を推進していくために必要となる 日本自身の基盤も強化していく 政府を挙げて様々な戦略的アプローチを実施していく ア海洋国家 経済大国 開かれ安定した海洋秩序 と 開放的でルールに基づいた国際経済システム は 我が国の発展と繁栄に不可欠である したがって自由な交易と競争を通じて 経済発展を実現する自由貿易体制の強化に取り組むことは 我が国の国益に適う しかしこのルール作りの場こそ 各国の国益が最も対立するところである 国際社会の問題は 国内問題と不可分である 協調とは利害のバランスをとることであり 必ず何らかの犠牲を伴う 国際社会で協調するためには この犠牲を巡る国内調整がなされることが不可欠である これをすべての参加国がそれぞれの国内事情で行う 我が国が 国際社会のルール作りの主要なプレーヤーを目指し 積極的に取り組むとするなら 我が国がこうむる痛みを 他国に先立って 国内で調整し克服しておくことが必要となる イ普遍的価値 10

12 我が国のあり方として選択した自由 民主主義 基本的人権の尊重 法の支配といった価値を 我が国は普遍的価値として それを共有する国家と連携しグローバルな課題に取り組んでいくとしている 普遍的とはすべてにあてはまることをいう しかしながら 現実の国際社会には 自由 民主主義 基本的人権の尊重 法の支配といった価値を持たない あるいは否定する国家が存在している このことが国際社会の平和と安全 繁栄を妨げるというグローバルな課題の源泉となっていることから 我が国が主導的な役割を果たして取り組むということである しかしながら 普遍的価値を統治の原則とするかしないかは その国の内政の問題である そうでないことを批判し善処を促すことや 普遍的価値を共有しないということで国際社会において区別 差別することは 重大な内政干渉ととられる そもそも我が国が普遍的価値とするものは 概念的 抽象的なもので それに基づいても 誰もが同じ行動をとるというものではない 概念的 抽象的な価値を共有することは可能であるが それらの国家と連携し 同じ行動をとることはそう簡単なことではない 普遍的価値をよりどころとして グローバルな課題に取り組むことは 本当に的確だといえるのだろうか 2 我が国の国益と国家安全保障の目標 要旨 1 我が国の国益国益とは 国家が国家目標を追求し達成するため 国家意思を決定する際の基準となるもので 国家の要件 を護り 国家のあり方 に適うことをいう 我が国自身の主権 独立を維持し 領域を保全し 我が国国民の生命 身体 財産の安全を確保すること 豊かな文化と伝統を継承しつつ 自由と民主主義を基調とする我が国の平和と安全を維持し その存立を全うすること 経済発展を通じて我が国と我が国国民の更なる繁栄を実現し 我が国の平和と安全をより強固なものとすること 海洋国家として 特にアジア太平洋地域において 自由な交易と競争を通じて経済発展を実現する自由貿易体制を強化し 安定性及び透明性が高く 見通しがつきやすい国際環境を実現していくこと 自由 民主主義 基本的人権の尊重 法の支配といった普遍的価値やルールに基づく国際秩序を維持 擁護すること 2 国家安全保障の目標国益を守り 国際社会において我が国に見合った責任を果たすため 我が国は以下の国家安全保障の目標の達成を図る 我が国に直接脅威が及ぶことを防止 万が一脅威が及ぶ場合には これを排除し 被害を最小化すること 我が国に対する直接的な脅威の発生を予防し削減すること 11

13 平和で安定し 繁栄する国際社会を構築すること 3 目標の実現のために取り組むべきこと 必要な抑止力を強化する 日米同盟の強化 パートナーとの信頼 協力関係の強化 実際的な安全保障協力を推進する 国際秩序の強化 紛争の解決に主導的な役割を果たす (1) 我が国の国益ア国益国益とは 国家が国家目標を追求し達成するため 国家意思を決定する際の基準となるものである NSS では 国益を 1 我が国自身の主権 独立の維持し 領域の保全 我が国国民の生命 身体 財産の安全という 国家の要件 を守ること 2 我が国の文化 伝統 価値観や我が国が選択し実現を目指す 国家のあり方 に適うこと としている 我が国の国益をきちんと認識し それに対する脅威を抑止し 阻止し排除することは 安全保障の目標とするところである しかしながら そもそも国家の対立や紛争は 国益の衝突にある 1 の場合のように 国家の要件に対する国益の侵害は自衛のための戦いとなり得る しかし 2 の場合 武力による解決は憲法が禁止している ある施策が国益に適うかどうか それが安全保障にどう影響するか また どの国益をどのくらい損なえば 我が国は自衛の措置を施すべきか 国際社会による平和的解決手段にどう依存するか等 その時々の世界情勢と様々な事情を考慮に入れ 政府が裁量すべきこととして まさに NSS で取り組むべき事項である イ国家の要件と国家のあり方 国家の要件 は 人民 領域 政府 主権 ( 国家領域に対する排他的統治権 国内を統治する最高権力 ) であると国際社会では広く認識されている 要件とは 必要十分条件であり これ以外の選択があり得ないということを意味する このことから 憲法 は国家の要件ではないことは明らかである 憲法は 国家存立の前提において その 国家のあり方 の基本を規定したものである 例えば 憲法が定める主権在民 言論の自由 戦争放棄 軍隊を持たないこと あるいは三権分立等 憲法記載のすべてのことは 国家としてのあり方を示したもので国家の要件ではない 統治作用の三権は国家の要件であるとみなし得るが 三権分立はそのあり方を示したにすぎず 別の選択もあり得ることから国家の要件とは言えない ウ自衛権主権は国家の要件である したがって主権を他の侵害から守る自衛権は 国家の要件そのものであり 国家としてのあり方の基本を示した憲法で規定されるものでない 軍を持つことは国家の要件ではないが 自衛権は国家の要件である 12

14 このことを砂川事件最高裁大法廷判決は わが国が主権国として持つ固有の自衛権は何ら否定されたものではなく わが憲法の平和主義は決して無防備 無抵抗を定めたものではないのである と明確に示している また この判決に関する裁判官田中耕太郎の補足意見はさらに具体的である およそ国家がその存立のために自衛権をもっていることは 一般に承認されているところである 自衛は国家の最も本源的な任務と機能の一つである しからば自衛の目的を効果的に達成するために 如何なる方策を講ずべきであろうか その方策として国家は自国の防衛力の充実を期する以外に 例えば国際連合のような国際的組織体による安全保障 さらに友好諸国との安全保障のための条約の締結等が考え得られる そして防衛力の規模および充実の程度やいかなる方策を選ぶべきかの判断は これ一つにその時々の世界情勢その他の事情を考慮に入れた 政府の裁量にかかる純然たる政治的性質の問題である 法的に認め得ることは 国家が国民に対する義務として自衛のために何等かの必要適切な措置を講じ得 かつ講じなければならないという大原則だけである 我が国は 国家の要件である自衛権を行使する有効な手段として 国家の要件である政府の裁量により 自衛隊を保有しているのであり 憲法 9 条 1 日本国民は 正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し 国権の発動たる戦争と 武力による威嚇又は武力の行使は 国際紛争を解決する手段としては 永久にこれを放棄する 2 前項の目的を達するため 陸海空軍その他の戦力は これを保持しない の規定とは何ら関わりがない 自衛権を行使するために 自衛隊以外有効な手段を見出すことができれば 当然のこととして自衛隊は不要である 他に代わり得るものがなければ 自衛隊は国家の要件と見なすことができる このように考えると 以下のように論理が展開できる 厚木基地訴訟で横浜地裁は 自衛隊機の深夜から早朝にかけての飛行差し止めを命じたが 自衛隊の任務は 国家の要件であることから これに関して司法権が及ぶものではない 一方 航空機の飛行による周辺住民の日常生活への影響が耐えがたく これは憲法に規定する基本的人権の侵害であり司法権が及ぶ 国家の要件である自衛権を有効ならしめることと 統治の原則として憲法に定めた基本的人権の擁護とは いずれも政府の責務である 司法はその責務を政府がよろしく果たすべきと判断することは当然であるが その具体的なこととして飛行を差し止めるという判決は司法の領域を逸脱している 飛行差し止めという判決は適正ではない 自衛権と憲法に関する基本的な問題を このように 国家の要件と国家のあり方として選択した規定という関係に整理すれば やるべきこととやってはいけないことが より明確に理解できるはずである 自衛権と憲法の関係を曖昧のままにし 憲法解釈という範疇で防衛政策を捉える限り NSS の基盤が堅固なものとは言えないし 国家安全保障を確保できるのかという懸念を拭い去ることはできない (2) 国家安全保障の目標 我が国に直接脅威が及ぶことを防止し 万が一脅威が及ぶ場合には これを排除し 被害を最小化すること は 我が国の平和と安全を維持し その存立を全うする という国家の要件に関わる絶対の目標である 何もしないで 願望するだけで目標を達成することはできない 目標を達成するためには 具体的 13

15 な行動をとらなければならない その具体的な行動は 必ず相手を刺激し それが我が国の平和と安全に影響をおよぼすことになる 人間社会にも作用 反作用の原理は適用できるが 物理学における作用 反作用の原理と異なり 数式によって明快な一つの答えを導き出すことはできない 自衛のための防衛力が 相手国の脅威となる 一方の防衛力の増強が 他方の脅威を増大し防衛力を強化するといった 作用 反作用の原理で 軍備の競争と拡大を繰り返すことになる どこかで誰かがやめない限り 話し合わない限り あるいは経済的 資源的な限界が来ない限りこれは止まらない 我が国は 脅威を特定することなく無関係に自衛のための防衛力を構築した 最初からこの作用 反作用による競争 拡大の外においている NSS でも脅威の明確な特定を行っていないことから 我が国は安全保障環境が如何に厳しくなろうとも 今までのやり方を是とするのであろう 自衛力は脅威に対応するものであることを 意図的に無視した防衛政策で 安全保障の目標を本当に達成できるとは思えない 安全保障の目標で 平和で安定し 繁栄する国際社会を構築すること 取り組むべきこととして 国際秩序の強化 紛争の解決に主導的な役割を果たす とある 安全保障環境を整えることに中心的役割を果たすということであるが 本 NSS は 全体を通してこのことを強調している NSS を起案した所管省庁が外務省だとすれば このことは理解できるが 全く具体性がなく 単なる願望の記述としか言いようがない (3) 目標の実現のために取り組むべきことこの目標を実現するために 強化する ことや 推進する こと 役割を果たす ことが掲げられているが 何故強化するのか どのようにして強化するのか 協力関係をどう構築し 何をすることによって主導的な役割を果たしうるのか といったことが一切示されていない このことが NSS が やることリスト もしくは 願望 を示したに過ぎないという証左である これを基本方針として これをよりどころとして 縦割り行政の枠組みを越えて横断的に実政策に取り組めといわれても 恐らく混乱するばかりで 統制のとれた整合性ある政策を実現することは到底できない 14

16 第 3 章我が国を取り巻く安全保障環境と国家安全保障上の課題 1 グローバルな安全保障環境 (1) パワーバランスの変化及び技術革新の急速な進展 要旨 1 今世紀に入り 国際社会において かつてないほどパワーバランスの変化し 国際政治の力学に大きな影響を与えている 新興国 ( 中国等 ) の台頭により 国際社会の統治構造 ( ガバナンス ) に大きな影響 米国は依然として世界最大の総合的な国力を有する国であるが 相対的影響力が変化 米国は安全保障政策及び経済政策上の重点をアジア太平洋地域にシフトさせる方針 国連を中心とする国際社会全体の統治構造において 強力な指導力が失われつつある 2 グローバル化の進展や技術革新の急速な進展がグローバルな安全保障環境に複雑な影響を与えている 国家間の相互依存を深める 国家と非国家主体との間の相対的影響力の変化を助長 非国家主体によるテロや犯罪が国家の安全保障を脅かす状況が拡大 世界のどこかで発生した脅威が 瞬時に 我が国の安全保障に直接的な影響を及ぼし得る状況 ア国際社会におけるパワーバランスの変化国際社会の現状について 中国等の台頭 米国の相対的影響力の変化 国連の統治能力の限界等を揚げている 言わんとするところは 我が国が安全保障のよりどころとしてきたことに陰りがみられるということか 我が国の安全保障にとって 最大の問題は 中国の台頭と米国の相対的影響力の変化 にある 中国は 自国に有利なパワーバランスの変化が起きている という認識を背景に 中国にとって妥協の余地はほとんどないとする 核心的利益 の自己主張を強め これを 現実の行動で尊重する ことを各国に求めている 軍事力を背景とした根拠のない正当性を強調し 権益擁護の旗印の下 威嚇的な行動をとるなど 国際法を無視しこれに反する動きをあからさまにしている この現状認識が 我が国の安全保障を考える第一歩でなければならない イグローバル化の進展や技術革新の急速な進展グローバル化という現状は 世界のどこかで発生した事態が 瞬時に まわりまわって 我が国の安全保障に直接的な影響を及ぼし得る状況にあると述べている このことは 我が国自身の行動もまた 結果的に何らかの影響を我が国に及ぼしてくることを意味する 何がどう影響するかはケースバイケースであり 複雑すぎることから具体的な例示はない ただ 国際テロと我が国周辺の紛争を除き 世界のどこかで起きた紛争による武力戦闘が 直接的に我が国に飛び火してくる事態はあまり考えられないことから おそらく リーマンショックが金融市場を混乱させ それが国際経済に与えた影響などが念頭にあるのだろう 15

17 どこかで発生した事態が 現実にどう展開するか どう影響し合うかに関わらず 憶測に敏感に反応するのが先物取引市場 金融市場であることは間違いない これにより エネルギー資源の価格高騰が起こり 次いで食糧及び生活関連資材の価格の高騰 そして生活の困窮へと連鎖して行く この連鎖をどこで断ち切るか 答えは 紛争に対しては 国際社会の介入 であり それによる経済的な混乱は 国際協調 によるということであろう このような事態に 我が国が本当に主導的立場で国際社会をリードしていくことができるのだろうか その根拠は何も示されていない (2) 大量破壊兵器等の拡散の脅威 要旨 大量破壊兵器及び弾道ミサイル等の移転 拡散 性能向上が 我が国や国際社会にとって大きな脅威 北朝鮮による核 ミサイル開発問題 イランの核問題 国際テロ組織を始めとする非国家主体による大量破壊兵器等の取得 使用 大量破壊兵器とは生物 化学 核 放射能兵器の総称である これらの兵器については 非人道的兵器として戦争で使用することを禁止し 廃棄するための取組みが以下のようになされている 1 窒息性ガス 毒性ガスまたはこれらに類するガスおよび細菌学的手段の戦争における使用の禁止に関する議定書 ( ジュネーヴ議定書 ) 2 細菌兵器 ( 生物兵器 ) 及び毒素兵器の開発 生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約 ( 生物兵器禁止条約 ) 3 化学兵器の開発 生産 貯蔵及び使用の禁止並びに廃棄に関する条約 ( 化学兵器禁止条約 ) 4 核兵器の不拡散に関する条約 ( 核拡散防止条約 ) 最新の通常兵器及び兵器技術が自由市場に出回る時代にあっても 核兵器を除く大量破壊兵器は 国際テロ組織等の非国家主体や 高度の兵器を開発し生産能力を持たない国にとって 安価で比較的簡単に生産できる兵器である また 使用に際して容易に小型化し隠蔽して携帯することができ その無差別殺傷能力も大きいことから その脅威は極めて現実的なものとなっている 我が国は 国際協調以外これに有効に対処できる手立てを持っていないのが現状である (3) 国際テロの脅威 要旨国際テロ事件は世界各地で発生 国際テロの拡散 多様化が進んでいる 我が国は攻撃対象となっており 国内外において 国際テロの脅威に直面している 国際テロの実行犯及び被害者が多国籍化 国際協力による対処が重要 我が国は国際テロの攻撃対象となっており 国内外において 国際テロの脅威に直面している状況であるが 国内においては現実性を帯びたものとしての認識されていないように思われる 16

18 国際テロ組織等の非主体国家によるテロに対して 我が国の人民と財産が脅かされる事態は 自衛権発動の条件となるのであろうか もしなり得るとすれば 集団的自衛権の範囲も際限なく広がることになる しかしながら 国連憲章に示す集団的自衛権の行使は あくまで国際社会の主体たる国家による武力攻撃に対処する自衛権の行使を前提にしている 国際テロ組織が ある国の内戦において 反政府組織を支援しその主体になり代わるということが現実的となった今日 国際テロ組織を 冷戦時代の代理戦争の主体者として利用する国家が現れないとも限らない いかなる組織も自前でその活動を賄うには限度がある 強力なスポンサーがいてこそ 世界を恐怖に陥れる能力を有することができる ある国家の支援を背景に持つ国際テロ組織に対し 我が国の従前の外交政策や 防衛政策で対応できるのか NSS では何ら言及していない (4) 国際公共財 ( グローバル コモンズ ) に関するリスク 要旨 1 海洋に関するリスクが拡散 深刻化 海洋における衝突 不測の事態に発展する危険性が高まる 開かれ安定した海洋 は 世界の平和と繁栄の基盤 海洋に関する国際法を尊重せず 開かれ安定した海洋 に対して 力による一方的な現状変更を図る動きが増加 資源の確保や自国の安全保障の観点から 海洋における各国の利害が衝突する事例が増加 各国は 自ら又は協力してシーレーンの安定化を図っている 南シナ海においては 領有権をめぐって沿岸国と中国との間で争いが発生 我が国のシーレーンの脆弱性が高まっている 北極海における航路の開通 資源開発等の可能性の広がりが予測されている 2 宇宙空間に関するリスクが拡散 深刻化民生分野のみならず 軍事 安全保障上もその重要性が著しく増大 宇宙空間に適用される規範が未確立 宇宙利用国の増加 宇宙空間の混雑化 スペースデブリの増加 対衛星兵器の開発の動き 3 サイバー空間 ( 情報システムや情報通信ネットワーク等により構成されたグローバルな空間 社会活動 経済活動 軍事活動等のあらゆる活動が依拠する極めて重要な場 ) に関するリスクが拡散 深刻化 サイバー空間に適用される規範が未確立 サイバー攻撃等によるリスク ( 国家の秘密情報の窃取 基幹的な社会インフラシステムの破壊 軍事システムの妨害等 ) が深刻化 我が国の安全保障にとって サイバー空間の防護は不可欠 国際公共財 ( 海洋 宇宙空間 サイバー空間 ) における利害の対立が深刻化し 不測事態発展への危険性が高まっていると認識されている 科学技術の発展とともに 国家の政治 経済 軍事等の活動領域は国内から 陸地 海洋 航空 17

19 宇宙へと拡大し続けている さらに現在では 人工的に創造されたグローバルなサイバー空間は 国家の政治 社会活動 経済活動 軍事活動等のあらゆる活動が依拠する場として その重要性を増々高め続けている 国際公共財へのアクセスとその利用は自由であることを原則として 国際公共財に関し 秩序あるルール作りがなされることは 国際社会にとって不可欠な事項である しかしながら そこは先行国有利 後発国不利となる場であり 既得権益に対する挑戦や侵害が激しくなされる場でもある このような場では 自国に有利な国際秩序の構築やルール作りや 既存のルールを無視し不正を試みるというような 軍事力や技術力に実力を持つ覇権主義国家ならではの典型的な行動パターンがとられることが多い ア海洋海洋は国際公共財といっても 開かれ安定した海洋 の確保は 海洋国家である我が国にとって 国家存立に関わる重要な問題であり シーレーンは我が国の生命線であることから 緊急性をもって特別に取組むべきことであると考える イ宇宙宇宙は果てしなく広大で 未知である 人類の歴史から 未踏の地おける開拓競争と権益の獲得競争は 宇宙にも及ぶことは必然である しかしながら 宇宙に進出できる国家は限られている 打ち上げシステムや衛星技術 衛星の利用や衛星からの情報利用等の宇宙利用は これら先行国のビジネスとして 国際市場での競争の対象となっている 一方 宇宙の軍事利用の拡大も進行している 宇宙の平和的利用も軍事的利用も 利用技術と投資能力を有する国家の一人舞台とならざるを得ないのが現状である ウサイバー空間サイバー空間は人間が創造した仮想空間である 今やこの空間は 社会活動 経済活動 軍事活動等のあらゆる活動が依拠する極めて重要な場となっておりさらに進化 拡大し続けている この空間は 膨大なデータや情報の利用のみならず 現実の世界でのモノや金を取扱い 社会インフラを管理 運用している この空間は 技術によってしか安全保障を確保することはできない 技術によって この空間を密かに窃取し 管理し 現実の世界を自分に有利に展開できるのであれば これに力を注ぐのは誰しも当然と考える これに対抗する有効な技術を持たないで この空間に我々の全てを依存することは 極めて危険なことである (5) 人間の安全保障 に関する課題 要旨貧困 格差 感染症 気候 環境 食料 内戦 災害等が 個人の生存と尊厳を脅かす人間の安全保障上の重要かつ緊急な課題として地球規模の問題となっている 18

20 ミレニアム開発目標は 一部の地域 分野において達成が困難な状況 途上国の人口増大や経済規模の拡大により エネルギー 食料 水資源の需要増大 人間の安全保障 の課題は 本質的には国家の内政問題に帰するもので 国家が表だってこれに介入することはなかなか困難である 民間等の活動機関に対し支援するにとどまっているのが現状である 人間の安全保障 の課題は 国家の安全保障にとって 国境を越えての難民流入問題として関わってくる 国境を海で囲まれた我が国では 従来から 朝鮮半島での動乱による多数の難民流入の可能性が指摘されている この事態に対処する具体的なものが施策化されたとは承知していない (6) リスクを抱えるグローバル経済 要旨経済のグローバル化により 一国の経済危機が世界経済全体に伝播するリスクが増大 金融経済のリスク 国境を越えての分業化やバリューチェーン サプライチェーンが構築 エネルギー分野における技術革新が進展 資源ナショナリズムの高揚 エネルギー 鉱物資源の需要増加とそれに伴う資源獲得競争の激化 気候変動に伴う地球環境問題の深刻化 食料や水の世界的な需給の逼迫や一時的な供給問題が発生 経済問題と国家間の紛争は互いに因果の関係にあることは 昔も今も変わらない しかしながら 一国の経済危機が 世界経済全体に伝播し混乱を招く時代にあっては 紛争を早期に収拾することが最良の利益をもたらすことから 当然国際社会はその方向に動かざるを得ない いかに資源ナショナリズムが高揚しようとも 資源獲得競争が激化しようとも 経済のグローバル化の下でしか繁栄することができないというのが現状である 2 我が国にもたらす安全保障上の課題 NSS が グローバルな安全保障環境における課題としている事項をとりまとめると以下のようになる 1 中国の国際社会におけるパワーポリティックスが巨大化 2 非国家主体によるテロや犯罪 3 北朝鮮による核 ミサイル開発 4 国際テロの脅威に直面 5 シーレーンの脆弱性 6 宇宙空間の軍事利用 7 サイバー攻撃 8 人道上の危機への対処困難 19

21 9 経済危機が世界経済全体に伝播するリスクしかしながら これらのことは国際社会の安全保障環境で 今何が起こっているかという状況の把握の域を出ていない 何故それが起こっているのかという 戦略の基本方針や行動を導き出すために必要な診断が十分になされていない 今何が起こっているかはいわば表面に現れた氷山の一角で それがどうして起こるのかという原因は その下にある複雑に絡み合った問題や状況の中に隠れている 診断とは その中から死活的に重要な問題点を選り分け 根本的な原因を把握することである 3 アジア太平洋地域における安全保障環境と課題 (1) アジア太平洋地域の安全保障環境の特性 要旨 グローバルなパワーバランスの変化は地域の重要性が高まり 協力の機会と問題 緊張を生み出している 核兵器を保有 核開発を継続する等 大規模軍事力を有する国家等が集中 安全保障面の地域協力枠組みは不十分 政治 経済 社会体制の違いにより 各国の安全保障観が多様 ロシア 中国 北朝鮮 ベトナムは 過去あるいは現在 共産主義 社会主義の先鋒国家であったあるいは現にそうである 我が国の政治体制と異なる政治システムを持つ国家が集中する さらに ロシア 中国は核兵器を含む大規模軍事力を有する国家であり 北朝鮮は深刻な経済困難に直面しながらも 大規模な軍事力を有し 核開発を継続し それを背景に朝鮮半島での軍事的挑発行為や 我が国に対する挑発的言動を繰り返す国家である アジア太平洋地域の市場としての価値と グローバル経済におけるサプライチェーンとしての役割の重要性が高まる一方 権益の拡大を目指す対立が顕在化し 緊張を生み出している (2) 北朝鮮の軍事力の増強と挑発行為 要旨 大規模な軍事力を有し 韓国と対峙 深刻な経済困難に直面 人権状況も全く改善しない 軍事面に資源を重点的に配分 大量破壊兵器や弾道ミサイルの能力を増強 朝鮮半島における軍事的挑発行為や我が国に対する挑発的言動 拉致問題は我が国の喫緊の課題 リチャード P ルメルトは ある国の指導者を 第 2 のヒトラー と診断したなら 基本方針として戦争が選ばれるだろう しかし 第 2 のカダフィ と診断したなら 水面下の接触を通じて圧力をかけるという方針がとられるかもしれないと述べている 20

22 北朝鮮の発言や行為の現状は 我が国の安全保障にとって脅威である 我が国の対処方針を決定するには 北朝鮮の軍事的可能行動を分析するとともに 何故 このような発言や行動に出るのか 北朝鮮の実情と国家指導者の意図を分析し その根本的な原因を特定して 北朝鮮という国家を診断しなければならない 北朝鮮は国際社会に歩み寄ることができるのか 国際社会との対話の場に出てくることができるのか 核開発を含む大量破壊兵器や弾道ミサイルの開発を取りやめることができるのか それらを放棄できるのか 軍事的挑発行為や挑発的言動を取りやめることができるのか 武力による朝鮮半島統一の野望を捨てさることはできるのか 統治権力が軍事優先の施策を転換し 国民生活の向上と人権の改善にシフトすることができるのか 北朝鮮は自ら国際社会に受け入れられる国家に変革できるか 変革を妨げているものは何か 北朝鮮はそれを自ら排除することができるのか (3) 中国の急速な台頭と様々な領域への積極的進出 要旨 国際的な規範を共有 遵守することを期待 国際社会の課題に対して積極的かつ協調的な役割を期待 十分な透明性を欠いた中での軍事力の広範かつ急速な強化 東シナ海 南シナ海等の海空域において 国際法秩序とは相容れない独自の主張に基づく 力による現状変更の試み 我が国周辺海空域における活動を急速に拡大 活発化 独自の 防空識別区 を設定 公海上空の飛行の自由を妨げる動き 中国の対外姿勢 軍事動向等は 我が国及び国際社会の懸念事項 台湾海峡では 経済分野を中心とした安定化の動きと 軍事的な不安定性が併存 中国の軍事力と それを背景にした国際法秩序とは相容れない独自の主張に基づく現状変更の試みは 明らかに我が国の安全保障の脅威である 今や中国は経済及び軍事大国である 国際社会は 中国に対し大国としての役割を期待し 国際的な規範を共有し遵守することを期待している しかしながら 中国の発言と行動は必ずしも国際社会の期待に沿うものでなく むしろ対立や緊張を生み出すものとなっている 中国は何故このような対立と緊張を生むような対外政策や軍事政策をとるのであろうか 中国の対外政策や軍事政策を分析するとともに 中国の実情と国家指導者の意図を分析し その根本的な原因を特定して 中国という国家を診断しなければならない 4 我が国にもたらす安全保障上の課題 NSS が アジア太平洋地域における安全保障環境の課題としている事項を とりまとめると以下のようになる 1 中国の軍事力を背景とした現状変更の試み 2 中国の我が国の尖閣諸島領有権主張と付近の領海侵入及び領空侵犯の活発化 21

23 3 北朝鮮の弾道ミサイルの開発や 核兵器の小型化及び弾道ミサイルへの搭載 4 北朝鮮による拉致問題これらのことは 今起こっていることをより具体的に示しているものの グローバルな安全保障環境における場合と同様 必要な診断を十分に行っていない それは 今起こっていることがどの程度深刻なのか もっと深刻な問題が隠れていないかという診断である それは 中国や北朝鮮の考え方や行動を予測することにほかならない 第 4 章我が国がとるべき国家安全保障上の戦略的アプローチ 要旨 1 国家安全保障の確保のための戦略的アプローチ 我が国の経済力 技術 外交 防衛等の能力と それを発揮し得る基盤を強化し 国家安全保障上の我が国の強靭性を高める 状況の変化に応じ 我が国の能力を適応させ 我が国が果たすべき役割を着実に果たす 2 国家安全保障上の課題を克服し 目標を達成するための戦略的アプローチ 国際協調主義に基づく積極的平和主義を理念とする 日米同盟を基軸とする 各国との協力関係を拡大 深化する 我が国が有する多様な資源を有効に活用し 総合的な施策を推進する 3 外交政策及び防衛政策を中心とした戦略的アプローチ我が国は 外交及び防衛政策を中心とした以下の戦略的アプローチに取り組んでいく 我が国自身の能力 役割の強化 拡大 日米同盟の強化 国際社会の平和と安定のためのパートナーとの外交 安全保障協力の強化 国際社会の平和と安定のための国際的努力への積極的寄与 地球規模課題解決のための普遍的価値を通じた協力の強化 国家安全保障を支える国内基盤の強化と内外における理解促進 本章は NSS のまとめとして 戦略的アプローチを示している 戦略的アプローチの内容は 我が国がやるべきことを列挙した やることリスト となっている NSS を KH-CODER によってデータ マイニングすると 強化 協力 取組 図る 推進 もしくはこれらと同義の言葉等が多用されていることがわかる また 日米同盟 積極的平和主義 普遍的価値 平和国家 国際協力 国際協調主義 等が NSS を構成するキーワードとなっている 戦略的アプローチはこれらの言葉を用いて 何のために何をどう強化する あるいは 誰とどう協力する 等 整然と記述されている 日米同盟を除く他のキーワードの意義に疑念を持たなければ 22

24 これらは 至極当然なことであるし 誰も否定しようがないものばかりである 安全保障環境の動向を見定め その中で課題を特定し その課題を克服するものとして得た結果というが 我が国の従来からの外交政策や防衛政策に 新たなキーワードを取り混ぜて 改めておさらいしたもので 何もわざわざそういうプロセスを経ないでも 得られるようなことばかりとなっている NSS はこういうものだとしても この戦略から 我が国の防衛政策が 安全保障環境が厳しくなった現状に対し 真に有効に働きうる政策へ容易に移行するとは 到底考えられない 何故なら リチャード P ルメルトが言うように 課題の特定プロセスにおいて 問題や危機の根本原因は何かを徹底的に追求し その結果の死活的に重要な要素が示されていないからである それはこれから しかるべき手続きで所管省庁を中心に検討 施策化していくことであるとされるのであろう NSS は 国家安全保障上の政策を立案する際は 戦略的アプローチに示すことを基本とする という方針を示しただけにすぎない 1 我が国自身の能力 役割の強化 拡大 要旨 1 安定した国際環境創出のための外交の強化 国家安全保障の要諦は 安定しかつ見通しがつきやすい国際環境を創出し 脅威の出現を未然に防ぐこと 外交的な創造力 交渉力及びソフトパワー等の外交の強化 望ましい国際秩序や安全保障環境を実現 国際機関に積極的に貢献 2 我が国を守り抜く総合的な防衛体制の構築 統合的な防衛力の効率的な整備 統合運用を基本とする柔軟かつ即応性の高い運用 あらゆる事態にシームレスに対応するための総合的な体制の構築 自衛隊の体制整備は 統合的かつ総合的な視点に立って重要となる機能を優先しつつ 各種事態の抑止 対処のための体制を強化 3 領域保全に関する取組の強化 法執行機関の能力強化や海洋監視能力の強化 不測の事態にシームレスに対応できるよう連携を強化 国境離島の保全 管理 振興や防衛施設周辺等における土地利用等の在り方の検討 4 海洋安全保障の確保 開かれ安定した海洋 の維持 発展に向けた主導的な役割を果たす 海洋監視能力の総合的強化 二国間 多国間の共同訓練等の協力の機会の増加と質の向上等 パートナーとの協力関係を強化 5 サイバーセキュリティの強化 組織 分野横断的な取組を推進し サイバー空間の防護及びサイバー攻撃への対応能力を強化 官民連携 国際協力を強化 6 国際テロ対策の強化 23

25 民間企業との危険情報の交換 協力体制を構築 国際テロ情勢に関する分析体制や海外での情報収集能力を強化 7 情報機能の強化 多様な情報源に関する情報収集能力を抜本的に強化 人的基盤の強化等により情報分析 集約 共有機能を高め あらゆる情報手段を活用した総合的な分析を推進 8 防衛装備 技術協力 防衛装備品の海外移転に関し 新たな安全保障環境に適合する明確な原則を定める 9 宇宙空間の安定的利用の確保及び安全保障分野での活用の推進 宇宙開発利用を支える科学技術や産業基盤を維持向上 安全保障上の観点から宇宙空間の活用を推進 10 技術力の強化 デュアル ユース技術を含め 一層の技術の振興を促す 安全保障の視点から 産学官の力を結集させて有効活用 環境関連技術等を外交にも積極的活用 (1) 安定した国際環境創出のための外交の強化安定した国際環境を創出すれば 脅威を未然に防止できるという そのために外交を強化するが 安定した国際環境という状態とはどのような状態を指すのか 望ましい国際秩序とは普遍的価値観を共有することなのか 国際法や国際社会のルールを守ることなのか ここでも具体的なことは何も示されていない 方針に具体性が欠ければ一貫した行動をとることはできない 具体的なことが分からないのに 外交の何を強化するというのか 人 物 金 情報の何が不足なのか 何が欠落しているのか 何が不備なのかがまるで分からない (2) 我が国を守り抜く総合的な防衛体制の構築 防衛力は我が国の安全保障の最終的な担保であり 我が国に直接脅威が及ぶことを未然に防止し 脅威が及ぶ場合にはこれを排除するという我が国の意思と能力を表すものである は 我が国を守り抜くという国家の要件に関わる問題に対処する防衛体制を構築するという決意を表明したものである しかしながら ここでは防衛体制のあるべき望ましい姿を述べているが 格段特別なことはなく 誰が考えてもそうだという当たり前のことを記述しているにすぎない わかりきったことをわざわざ記述する理由は何処にあるのか そのための防衛体制は如何にあるべきか どういう防衛力を整備すべきかについては不明確である 我が国の防衛体制の考え方は 日米同盟を基軸に 全面的対米依存を一方の端点として 自主防衛をもう一方の端点とする線上間にあるといえる これは 防衛力整備の考え方が 基盤的防衛力構想に示す必要最小限の防衛力を端点として 脅威対抗所要防衛力をもう一方の端点とする線上の間にあ 24

26 ることと同等である 従来 我が国の防衛体制 防衛力整備の考え方は 全面的対米依存 基盤的防衛力整備に近いところに置かれている 脅威となる相手の軍事力が増大すれば 当然相対的に米国依存も我が国の防衛力も増大すべき所であるが その増分は米国に依存するという考え方であった 我が国を守り抜く総合的な防衛体制の構築という戦略的アプローチは 我が国の防衛力を脅威対抗所要防衛力の方向に増大し 強化するといっている訳ではないようである (3) 領域保全に関する取組の強化領域保全は海上保安庁が実施する治安の確保と領海警備と 海上自衛隊による警戒監視活動に大きく分けられる ここでは 海上保安庁の領域保全に必要な C4ISR 機能を充実させ 法執行 臨検 監視 抑止 阻止 排除 不測事態対処能力を強化するとしている また 尖閣列島周辺や南シナ海での中国漁船やパトロール船の無法な危険行動が どのような事態を招くか予測つかない緊張を生んでいる現状から 平時有事を問わず 海上保安庁と海自及び米海軍との連携を強化する必要性を示している 国境離島は排他的経済水域という利権の基盤である 中国から 管理されていない無人島であるとか 単なる岩礁との言いがかりを許さず 一切の隙を与えない領土としての保全 管理の在り方を検討し 具体的な施策を講じることを示している 我が国が広大な排他的経済水域を 我が国の資産として断固としてその権益を守るという意志と行動を示すべく 組織 装備 人員を充実すべき施策を実行する必要がある 細々ではなく大大的に実行できる能力を構築すべきである (4) 海洋安全保障の確保 開かれ安定した海洋 の確保 特に石油のシーレーンの安全保障は 我が国の生命線である この長いシーレーンは 様々な対立や紛争地域を経由しており 偶然のみならず意図的に交易が妨害される可能性が高い しかしながら 我が国単独でこの安全と安定使用を確保することは到底できない 多国間連携 あるいは特定国との 2 国間連携を図るか それとも国際機関に依存するかである (5) サイバーセキュリティの強化サイバー空間とは 情報通信ネットワークや情報システムの中に 不特定多数の利用者が参入でき 自由にデータや情報をやり取りし利用することができる仮想の空間のことを指す サイバー空間はコンピュータ及びコンピュータプログラムを用いて情報を取り扱う技術が主役であることから この空間に対する信頼は 本質的に技術によって確保するしかない 人間の過ちや悪意から サイバー空間を護るのは技術でしかない しかしながら技術は人間がつくるものである 人間の過ちや悪意と技術の連鎖が 繰り返されるのがこの空間の特徴でもある サイバー空間は 政治 経済 軍事や広範囲の社会活動になくてはならないものとなっており 拡大し続けている サイバー空間に対する依存度が高まるに従い この空間に対する 不正侵入 デー 25

27 タの窃取 破壊 不正プログラムの実行 DDoS 攻撃などの攻撃が 増大し続けて絶えることがない サイバー攻撃は 攻撃源の特定や抑止が困難といった特性があり その対応は国家の安全保障 危機管理上の重要な課題となっている 技術が主役である サイバー攻撃は 個人のレベルから国家的な組織レベルまで誰でも 何時でも どこからでも 何処へでも 密かに 継続的に実施できるというような特徴を有する これに対応するには攻撃技術以上の技術を有する人材を国家レベルで育成するしかない 実空間における武力による戦いは 平時と有事が明確に区分されるが サイバー空間では常に有事であり 戦いは実戦である サイバー空間では 実戦の場での攻撃とその対処 または反撃を常に且つ迅速にフィードバックループに組み入れることができ より高いレベルの技術を開発し その効用を速やかに密かに確認できる しかもその実力は 実空間での有事に最大の効果をもたらすために秘匿することができ 防御側にとっての対応は極めて困難となる 現実の空間でも サイバー空間でも 攻撃を考えることは 最強の防御を構築することにほかならない サイバー空間という実戦の場で 強力なセキュリティを構築するには 攻撃側に立つことが最も効率的であることは間違いない 公然の秘密として 我が国以外の国家はこれに積極的に取り組んでいる 我が国が サイバー空間においても専守防衛の取り組みしかないのであれば 重要な組織活動や資産をサイバー空間から切り離すことを考えなければならない (6) 国際テロ対策の強化テロは何らかの政治目的を持った暴力行為である テロの主体は 一般に国家権力から差別や迫害を受け それに正面から対抗する手段や力を持たない政治や思想 宗教集団 部族や民族等中の過激な集団とこれに同調する集団である テロもその根本にあるのは利害の対立であるが 国家は自らの暴力行為を決してテロと呼ぶことはない 国際テロが代理戦争的な役割を持つように至った今日 利害の対立にあるそもそもの根本を見定めることなく 軽挙妄動をなしてはならない 国際社会の判断は 必ずしも我が国が主張する普遍的価値や正義に基づくものでもなく 国家の様々な事情とそれぞれの思惑に基づくからである (7) 情報機能の強化国家活動を国際社会で優位に推し進めるためには 情報に優越することが肝要である これはあらゆる意味の戦いの原則である 国家が直面するあらゆる意味の戦いや 様々な挑戦に対して 情報優勢を確保することは これらの戦いを有利に展開するために不可欠である 情報優勢を確保することそのものも戦いであり このために行う 平時 有事を問わない一連の情報活動を情報戦という この情報戦での敗退は 国家の健全な活動と国益 および国民の生命 財産に重大な影響を及ぼす しかしながら 我が国では情報戦の負のイメージに対する根強い抵抗がある 兵は詭道なりというように 情報戦は本質的に 詐術 欺瞞 謀略が横行する世界で ともすれば真実というものが何処へ行ったのかわからなくなってくる世界とのイメージを持っている また 情報戦は 非合法的 非公然の活動と不可分ではない局面をもち 基本的人権 言論や表現の自由を侵害するようなことも否定しない一面も有する このような人権侵害や 自由束縛する権限 26

28 を特定の人間に付与することは その権限行使の歯止めと管理の困難性から どうすればいいのか今もって納得できる解答はない 情報戦における任務遂行は 情報活動に従事する個人の性格や道徳心 宗教心 価値観に反する行為を強制することもある 任務への強い責任感が 人権無視や強圧的な態度をとらせ 違法な行為にも無感覚に陥らせることもある さらに我が国では情報戦について 戦前の特別警察 憲兵等の負のイメージが今も根強くある 情報活動は違法活動で それにより犠牲を被るのは国民で その犠牲は国のためのとの理由で顧みられることはないというように 左翼勢力 報道機関 学界 法曹界等が情報戦のディスオピニオンリーダの役割を果たし 政治や国民世論に大きな影響を及ぼしている NSS は情報機能を強化するとしているが 肝腎なのは 我が国が国際社会での熾烈な情報戦に勝つためには 根本的なものが欠落しているという現状認識を持っているかである やるべきことはわかっているとして それに立ちはだかる障害をいかに排除するか あるいは乗り越えていくかを NSS は言及すべきである (8) 防衛装備 技術協力 我が国の主要な防衛装備及び技術は 米国からの輸入及びライセンス生産と国産による 防衛装備品の市場は 武器輸出三原則により 国内防衛需要に限定され 唯一の顧客が防衛省自衛隊である 防衛装備品の調達をめぐる現状は 防衛関係費の減少が続く厳しい状況の中 装備品の維持経費の増加と装備品の高性能化に伴う取得単価の上昇が重なり 調達数量が減少している このままでは 防衛生産基盤の維持が困難となり 長年にわたって培われてきた防衛技術が喪失されるという懸念と 一旦失われた技術の再生は極めて困難であることから 防衛力発揮に重大な影響を及ぼすという危機感が高まっている 防衛装備品が他国のものに比して優越することは 戦勝の要件である 世界最強のものとするため 装備品には世界最高度の先進技術を駆使することが求められる その先進技術も早々に陳腐化することから 装備品の技術的優位と最強性を保つために 常に最先端技術を追い求めなければならない 国際社会の現状は もはやどの国も一国で 兵器の研究 開発をおこなうことが極めて困難となり 共同開発 共同生産を行うことが当たり前となっている 我が国でも 防衛産業の開放性と従来の共同開発 生産の取組みをより現実的にするために 規制緩和を盛り込んだ新たな防衛装備移転三原則が策定された 国際社会の兵器市場は 我が国の平和の理念に関わらず盛んであり 防衛装備は国家の産業政策と捉える国家は多い 我が国の防衛産業が 兵器の世界市場で注目されるレベルにあるかどうか判断できないが 武器輸出の規制が緩和されたとはいえ 市場性を考えるには程遠い 防衛生産基盤と技術基盤を維持するという問題は解決されず 従来と何ら変わることはない (9) 宇宙空間の安定的利用の確保及び安全保障分野での活用の推進いかなる国家の領域にも属さず 地表の地形的な制約も受けない宇宙を利用することは 人間社会に限りのない恵みを与える可能性を秘めている 一方で 宇宙空間で覇権を握れば国際社会に対して 27

29 優位に立つこともできる 宇宙空間を安定利用するということは 誰もが安定利用できることであり 特定の国家にとってのものではない しかしながら宇宙空を利用するには それを実現する経済的能力と技術力が不可欠である これを兼ね備えた国家は限定されており 宇宙空間に参入する能力がない限り 宇宙空間の安定利用に関与する力とはなりえないことも現実である 宇宙空間では 今後 熾烈な競争により新たな摩擦や対立が生起することは十分に予測できる その状況において 宇宙空間を利用するための経済 技術基盤が備わっている我が国が 優先すべきことは 宇宙空間への進出に積極的に投資することであると考える (10) 技術力の強化科学は技術力の源泉であり 技術力は全ての国家活動の源泉 殖産興業の源泉 国家繁栄の源泉である 技術はモノの生産と不可分であり モノづくりがなければ技術は衰退する そしてモノの生産は市場の需要により決定される 技術力はこのサイクルを繰りかえし その範囲や規模が拡大することによって強化される 技術力を強化するということは 市場の需要を掘り起こし 市場を占有できる製品を開発することと同等と捉えることもできる 公共事業を除き 我が国では 技術力の強化は 主として民間の自由意思による製品開発や生産に任せられてきた 技術力は他に比較して優越することが求められる 先端的な技術を有することは 国際社会でのあらゆる競争に優位に立てる可能性をもたらす 我が国が経済大国として存続するためには 技術立国であることしかない NSS で技術力の強化の必要性を示す理由は 先端技術の開発に産学官の連携は不可欠であるとの認識にもかかわらず その実行を妨げる様々な理由や障害を いまだ整理しきれないからであろう 2 日米同盟の強化 要旨日米同盟は 過去 60 年余にわたり 我が国の平和と安全及びアジア太平洋地域の安定に不可欠な役割を果たすとともに 近年では 国際社会の平和と安定及び繁栄にもより重要な役割を果たしてきた国家安全保障の基軸 米国にとっても 地域諸国との同盟のネットワークにおける中核的要素として アジア太平洋戦略の基盤であり続けてきた 日米安全保障体制の実効性をより高め より多面的な日米同盟を実現していくために 日米同盟を更に強化する必要がある 1 幅広い分野における日米間の安全保障 防衛協力の更なる強化 日米防衛協力のための指針 ( ガイドライン ) の見直し 弾道ミサイル防衛 海洋 宇宙 サイバー等の幅広い力を強化 2 安定的な米軍プレゼンスの確保 在日米軍再編を着実に実施し 米軍の抑止力を維持 向上させつつ 沖縄県を始めとする地元の負担軽減を図る (1) 日米同盟の役割 28

30 NSS で改めて日米同盟の役割について言及する理由は何処にあるのだろうか 日米同盟の役割を否定する立場の人々や その有効性に疑念を持つ人々が少なからずいるためだろうか そうだとしたら 我が国の政治 経済 安全保障の全ての面で日米同盟は極めて重要であり 我が国を取り巻く安全保障環境の改善には 日米同盟をより強化することが不可欠であるということを NSS で検証する必要がある 我が国の安全保障にとって 日米同盟に代わる現実的な他の方策を見いだせない以上 日米同盟を基軸とした政策を展開することは意義がある NSS は 戦後 我が国の政権が日米同盟を基軸としてきたことについて 当然のこととしないで 我が国に及ぼした禍福について丁寧に解説する必要がある 日米同盟が 我が国の戦後の国づくりにおいて やむを得ないものであったとしてはならない このような想いを払拭しない限り 日米同盟に関する様々な課題を克服することは難しいと考える 日米同盟今までにとらわれず 我が国の安全保障環境の現在及び将来に有効に対応できる同盟の構築に専念すべきであり NSS はこのことに言及すべきであると考える (2) 日米同盟の課題広辞苑によれば 同盟とは共同の目的のために同一の行動をとることを約することとある この定義を細分すると 同盟とは以下のようなものになる 1 同盟には共同の目的が必要である共同の目的とすべきことには 同盟の位置づけや同盟が及ぶ範囲 同盟が対象とする分野等が明示される必要がある 2 同一の行動をとるこの意味するところは 行動を共にする 同調する 立場を同じくする 仲良くやること等にある 同一行動をとるとしても 役割分担や経費分担をどうするか 行動の指揮 統制を誰がとるのかといったことは明確にしておかねばならない 3 約する合意に基づく約束であり それぞれの行動を規定し縛るものである ただ同盟の約束には 罰則規定を設けることはない 同盟は約束事でしかなく 共通の価値を有し 相互に利益を得ているからといって 決して盤石なものだとはいえない 歴史上 国際社会での国家の離合集散により 同盟が一方的に破棄され 反故にされた例は数多くある 我が国の安全保障のために 日米同盟が不可欠だとすれば 同盟の強化 すなわち約束事を確実に履行し 履行されるためにどうするか を最重要事項として最優先を以て取り組むべきである 一般に日米同盟の課題といわれることは二つある その一つは 役割分担が一歩的に米国に依存するという非対称性である 大雑把にいって 自衛隊は我が国の領域内において防勢作戦を 米軍は領域外を含む攻勢作戦を担当する 我が国のための戦いであるにもかかわらず 自分の役割を限定するという 甚だ身勝手というか 日本にとって都合がよい約束となっている このことは 同盟が本質的に抱える問題 すなわち いざという時に約束が果たされないのではないかという懸念を 一層高めることになっている 29

31 もう一つは 我が国の自衛と何ら関係のない米国の戦争に 直接的あるいは間接的に巻き込まれ 我が国の安全保障を危うくするのではないかという懸念である (2) 日米同盟を支える基盤日米同盟の強化には 我が国の政治と国内事情 米国の国家安全保障戦略 米国の世界戦略 米国の内政及び国内事情等が大きく関わってくる 特に米国の国益と世界戦略に結びついた場合 日米同盟は堅固なものとなり 米軍の積極的な関与と行動を期待することができる 米国がその価値を見いだせないとしたら 日米同盟は不確かなものとなり 米軍の介入はないかもしれない 日米同盟の強化には 我が国が米国の世界戦略 国家安全保障戦略を十分に理解することが肝要である 米国の国際社会における様々な活動に対し 迅速な支持や支援を行うことは 米国の信頼を勝ち取るために極めて重要である また二国間に横たわる懸案事項を早期に解決し 摩擦や対立を避けることも重要である しかしながら これらのことに 我が国が盲目的に賛同し 追従し 妥協することなど現実的に不可能である 日米同盟を支える基盤は 我が国の防衛が米国の世界戦略に不可欠であるということにつきる (3) 幅広い分野における日米間の安全保障 防衛協力の更なる強化 要旨 1 我が国の安全の確保 我が国自身の防衛力の強化を通じた抑止力の向上 米国による拡大抑止の提供を含む日米同盟の抑止力 2 日米同盟を幅広い分野で適用し 弾道ミサイル防衛 海洋 宇宙空間 サイバー空間 大規模災害対応等の幅広い安全保障分野における日米協力の強化を図る 米国との間で 具体的な防衛協力の在り方や 日米の役割 任務 能力 (RMC) の考え方等についての議論を尽くす NSS を踏まえた各種政策との整合性を図り 日米防衛協力のための指針 を見直す 共同訓練 共同の情報収集 警戒監視 偵察 (ISR) 活動及び米軍 自衛隊の施設 区域の共同使用を進める 事態対処や中長期的な戦略を含め 各種の運用協力及び政策調整を緊密に行う 相互運用性の向上 装備 技術面での協力 人的交流等の多面的な取組を進めていく 日米同盟が安全保障において確実に働くためには 相互理解と信頼に基づく堅固で良好な日米関係が不可欠である NSS が示すように 米国と共同すべき安全保障上の課題は山積している現状にある より幅広い安全保障分野において日米同盟を適用すべく 日米協力のあり方や 日米の役割の考え方 防衛協力の具体的 多面的な取り組み等について双方が議論を尽くし 特に我が国がその具現化をめざす姿勢を示すことは極めて重要である 日本の存亡の危機に 同盟が確実に働くには何をどうすれば良いのか 日本が米国の国益にとって 30

32 なくてはならない存在となり 守らねばならない価値ある VA となるためには 何をしなければならないのか 米軍を日本の防衛のために動かざるを得ないようにするためにどうしたらよいのか 米国は単独で必要な安全保障上の活動をなしうる国家である 大義名分があれば 単独で行動を起こす意思と能力を持つ したがって米国の軍事戦略において 我が国に期待することはほとんどないであろう 現在 米国が我が国に期待することは 経費負担と基地使用である 米軍が日本に駐留する意義は 米国の世界戦略によるものであり 米国の都合によるものである 一方 我が国は自衛のために米軍との共同が不可欠であり 米軍の駐留を望む これは双方の目的に合致している 我が国存亡の危機は 米国の世界戦略にとっても重大事であり このために米国は必然的に参戦することになる これはあくまで 米国のために血を流すことであり 結果的に日本の自衛ために血を流すことになる 米国は 我が国周辺で米国のための戦争を開始する権利を放棄しているわけではない 同盟には危ない時には助けてもらえるが 自国と関係のない戦争に巻き込まれる懸念もある 我が国の自衛権の行使に同盟国と共同することは 同盟国の自衛のために我が国が共同することである 憲法を現状のままとすると 米国の戦略に基づく戦争は 米国が侵略に対処する自衛ためのものでないことから 我が国が直接参戦することはできない しかしながら 米国の作戦のために 我が国が発進基地 後方基地となることは 憲法上許されないことでもない この意味において 我が国が戦争に巻き込まれる可能性が高まるのである 我が国が 米国の世界戦略にとって重要であるということは 米国が日米同盟に意義を見出す所以である そのことが我が国の防衛目的と合致しているという関係は 冷戦時代も現在も何ら変わることはなく 幸いにして我が国が戦争に巻き込まれるという状況になかっただけである 我が国が日米同盟を何故選択しているのか その意義を明らかにすることこそ日米同目の強化につながるのではないだろうか (4) 安定的な在日米軍プレゼンスの確保 要旨 沖縄県は国家安全保障上極めて重要な場所に位置しており ここでの米軍の駐留が日米同盟の抑止力に大きく寄与している 日米安全保障体制を維持 強化するためには 1 アジア太平洋地域における米軍の取組に主体的に協力する 在沖縄米海兵隊のグアム移転の推進 2 在日米軍の円滑かつ効果的な駐留を安定的に支える様々な施策 在日米軍再編を日米合意に従って着実に実施 在日米軍駐留経費負担 3 沖縄を始めとする地元の負担を軽減する 在日米軍専用施設 区域の多くが集中している 普天間飛行場の移設を含む負担軽減のための取組に最大限努力 4 自衛隊及び米軍による施設 区域の共同使用等を推進する 31

33 在日米軍のプレゼンスは アジア太平洋地域と我が国周辺の安定に絶大な貢献を果たしている NSS はこの重要性を大きく強調すべきである 兵器技術が目覚ましく発達した今日 軍隊を敢えてある地域へ駐留 進出させる必要があるかとの議論に対して 軍事的プレゼンスはより一層重要になっていることを示す必要がある 我が国が真に懸念すべきことは 米国の世界戦略での我が国防衛の価値の低下と 我が国に基地を置く必要性が低下するということである そもそも前方展開基地の要件は 攻撃に適し 防御に適することである これは兵器の性能の高度化により 前方展開基地を戦域からより後方へ移し得ることを意味する 我が国はもはや中国の弾道ミサイルや巡航ミサイルの直接攻撃から逃れられない状況にある 自衛隊が人民解放軍と直接対峙することなく 中国本土からあるいは我が国の領域外から航空機 潜水艦 水上艦により攻撃を受ける この状況は 在日米軍も同じであり これらミサイルの先進的誘導制御技術は 米軍の現実的な脅威として認識されるに至っている 米国は米国本土への直接攻撃 米国権益への直接侵害 米軍への直接攻撃に対して 確実に軍を動かすことから 在日米軍への直接攻撃はないと考えることもできる 我が国にとっての在留米軍の価値はより一層高まっており 米軍が現実的に脅威と認識している中国のミサイル射程圏外に基地を移転することは 最も避けなければならない優先事項である 3 国際社会の平和と安定のためのパートナーとの外交 安全保障協力の強化 要旨日米同盟の強化に加え アジア太平洋地域内外のパートナーとの信頼 協力関係を強化し また 安全保障上の対応を行う 1 我が国と普遍的価値と戦略的利益を共有する国との協力関係 韓国 : 未来志向で重層的な関係を構築し 安全保障協力基盤を強化 日米韓三か国協力を強化 オーストラリア : 経済関係の強化に加え 安全保障協力を進め 戦略的パートナーシップを強化 日米豪の三か国協力の枠組み等も活用 ASEAN 諸国 : 伝統的なパートナーシップに基づき あらゆる分野における協力を深化 発展 南シナ海問題についての行動規範策定を支援 インド : 戦略的グローバル パートナーシップに基づき 海洋安全保障を始め幅広い分野で関係を強化 2 中国との安定的な関係の構築 大局的かつ中長期的見地から あらゆる分野において 戦略的互恵関係 を構築 強化 中国が地域の平和と安定 繁栄のために責任ある建設的な役割を果たすよう求める 不測の事態の発生の回避 防止のための枠組みの構築等の取組を推進 東シナ海 南シナ海等の海空域における力による現状変更の試みに対しては 自制を求めつつ 冷静かつ毅然として対応 3 北朝鮮問題への対応 非核化等に向けた具体的行動を求めるとともに 日朝平壌宣言に基づき 拉致 核 ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向けて取り組む 32

34 4 ロシアとの協力の推進 安全保障及びエネルギー分野を始めあらゆる分野で協力を進める 北方領土問題は 北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの一貫した方針の下 精力的に交渉 5 地域協力の枠組み等の積極的活用 取組に当たっては 機能的かつ重層的に構築された地域協力の枠組み等を活用し これらの枠組みの発展に積極的に寄与 将来的には東アジアにおいてより制度的な安全保障の枠組みができるよう寄与 6 アジア太平洋地域の友好諸国と同地域の安定の確保に向けた協力 アジア太平洋地域の友好諸国と協力 太平洋島嶼国とは海洋協力を含む様々な分野で協力を強化 7 国際社会の平和と安定に向けたアジア太平洋地域外の諸国との協力関係の強化 欧州との関係を更に強化 新興国と二国間関係にとどまらず グローバルな課題について協力を推進 中東の諸国と重層的な協力関係を構築 TICAD プロセス等を通じて アフリカの発展と平和の定着に貢献 (1) 普遍的価値と戦略的利益を共有する国との協力関係の強化パートナーとは仲間であり パートナーシップとは協力関係や提携を意味する 戦略的パートナーシップ 伝統的なパートナーシップ 戦略的グローバル パートナーシップと使い分けしている意味が理解出来ないが ここでは要するに普遍的価値と戦略的利益を共有する国々との信頼 協力関係を構築し強化しようということを示している NSS は これらの国には 中国 北朝鮮 ロシアが含んでいないことから 明らかに我が国と普遍的価値を共有しないあるいは戦略的利益を共有しない国家とみなしている 協力関係を構築する所以はこれらの国との対抗を意識したものとみなすことができる (2) 中国との安定的な関係の構築 要旨我が国と中国との安定的な関係は アジア太平洋地域の平和と安定に不可欠 1 我が国の中国への働きかけ 大局的かつ中長期的見地から 政治 経済 金融 安全保障 文化 人的交流等あらゆる分野において 戦略的互恵関係 を構築 強化を求める 中国が地域の平和と安定及び繁栄のために責任ある建設的な役割を果たすよう求める 国際的な行動規範を遵守するよう求める 急速な軍事力の強化に関して 開放性及び透明性を求める 2 我が国の対応 防衛交流の継続 促進 不測の事態の発生の回避 防止のための枠組みの構築等の取組を推進 33

35 東シナ海 南シナ海等の海空域における 独自の主張に基づく力による現状変更の試みに対して自制を求める 事態をエスカレートさせることなく 中国側に対して自制を求める 冷静かつ毅然として対応する 防衛白書は 中国はその軍事能力について一切明らかにしていないが 一国の自衛のために必要な国防力の規模を遙かに超えているとしている また 宇宙の軍事利用能力 核戦力 弾道ミサイル戦力 陸海空軍戦力 サイバー戦能力 心理戦能力等 軍事技術の先進化も急速におしすすめられ アメリカはその軍事力を世界の警察たる役割を担うものとして位置づけているともしている この軍事力を背景として現状の変更を強行しようとする中国の姿勢や行動は 我が国の安全保障の最大の課題であると認識しているにもかかわらず NSS では 中国は我が国の安全保障の脅威であるとは認識していない 中国と安定的な関係の構築に努めることや 中国に自覚と責任を求め 国際的な行動規範の遵守することや 紛争の強力的解決による事態のエスカレートに対する自制を求めること等を積極的に行うとしているが 脅威と認識しそれに対応することについては何も記述されていない ア脅威の認識我が国は中国と安定的な関係を構築することが可能なのか 我が国の安全保障にとって 最大の脅威は中国ではないのか アジア太平洋地域特に南シナ海 東シナ海周辺国の安全保障にとって 最大の脅威は中国ではないのか NSS では 中国を明確に脅威とは認識していない それは行使する意図がない軍事力は脅威でないとする考えによるものなのだろうが 意図はどうとでも変わり得るものである 我が国の安全保障の最後の担保は防衛力であるなら この事態に有効に対処するためには 防衛政策は相手の軍事力を脅威と認識することから始めなければならない 脅威認識においては 相手のあらゆる可能行動を分析し 最悪の事態を想定することにある 現在 我が国にとって最大の懸案事項の一つに 福島第一原発事故による放射能汚染の後始末がある 原発は核反応を完全に制御することで 有効なエネルギーを取り出す 完全に制御できなければ 核反応は暴走し 核爆発に至り そして強烈な破壊と広範囲わたる放射能汚染を引き起こすことになる したがって原発には 核反応を確実に制御し暴走を絶対に阻止できるシステムが不可欠である このシステムは システムの正常な機能を阻害するありとあらゆる要因 すなわちシステムの脅威とシステムの脆弱性 を排除し完全に対処できるものでなければならない しかし今日の事態はシステムがそうでなかったことを示している それには 様々な理由が考えられるが 最も大きなことは この地の歴史的な伝聞や記録等から予測できる巨大地震と巨大津波の大きさを見誤り その発生確率を低く見積もったことにある 何が脅威かを見誤り その発生を根拠のない楽観的期待をもって低く見積もれば 最悪の事態を避けることはできないことは明らかである 34

36 イ国際社会における中国中国は国連安保理常任理事国であり 現在既に米国と肩を並べる軍事大国であり経済大国であるとみられる 中国は 平和で安定した国際環境が必要であるとし, 自らを 世界最大の途上国 と位置づけ, 中国の発展は他国の脅威とはならないとする 平和的発展 を主張する一方 1 国家主権 国家安全 領土保全 国家統一 2 中国憲法に確立される政治的制度と社会の大局安定 3 経済社会の持続可能な発展の基本的保障 を 核心的利益 と位置づけ 断固たる擁護を表明し 各国に尊重するように求めている 世界第 2 位の経済大国が担うべき国際的責任や 平和的発展 と 核心的利益 の主張の矛盾をめぐり 国際社会において種々の摩擦を引き起こしている 国際社会は中国の国際社会における役割の拡大は歓迎するものの 軍事力増強とその不透明性に懸念を持っている 中国は広大な領土と 13 億の人民を有する国家である 世界市場を占有する多種多様の中国製品を供給するとともに 世界の消費市場として大きな魅力を持っている またレアメタル等の資源供給国でもあり 大量のエネルギー等資源消費国でもあることから 国際社会における資源等獲得競争の激化の元凶となっている ウ中国の政治体制 内政共産党一党独裁体制の維持が至上命令 人民解放軍は共産党体制を守る為にある 共産党一党独裁を堅持しながら その下での富強 民主 文明 和諧の社会主義現代化国家を実現するとの目標を掲げ, 経済建設を中心とした改革 開放政策により国家の経済社会発展を継続するとしている 共産党統治の存続が唯一絶対のものであり 国内外を問わず 党へのいかなる批判も挑戦も断固として拒否し 力をもって容赦なく排除することに一切の逡巡を示すことはない 共産党は民主化や自由化は決して容認しないし 基本的人権の否定や無視という人権問題や言論統制 情報操作 情報統制がなくなることはない しかしながら 経済の高成長が継続する一方で 都市と農村の経済格差の拡大, 汚職 腐敗 就職難 失業 三農問題 * エネルギーの確保 環境汚染 破壊 社会保障の拡充 少数民族の暴動等 多くの課題も抱えている この現実から 中国共産党は 中国共産党の政権党としての地位は永遠でも不変でもない との危機意識を高めている 国内統治の危機に対して 国外に敵や悪者を作り上げ そこに国民の不平 不満を向けさせて回避するという試みがなされることがある 今日の軍事力を背景とした中国の様々な行動が 国内統治の危機の回避にあるとは毛頭思わないが 国内統治の危機が我が国の安全保障に大きく影響することを忘れてはならない * 三農問題 : 農 が抱える 3 つの問題 農業 の低生産性 農村 の荒廃 農民 の貧困 エ日中関係日中の関わりは古く長いが 日中双方とも相手に対して良い国民感情を持っていない 中国は中国の歴史に対する誇りと 日本文化の形成や 文明の発展に対して 師匠であったとする 35

37 優越感を持っている そして日清戦争から大東亜戦争終結まで日本から受けた歴史的屈辱感と 今日強力な軍事力と経済的大国となった自信からくる強烈なナショナリズムが明確な反日感情を生み出している 日本は 中国に対する歴史的恩義と 日清戦争から大東亜戦争終結にいたるまでの優越した対中国感情と 中国の戦後の戦争責任問題に絡む一連の対日政策に対する感情が入り乱れている 日中経済関係は 日本にとり中国は最大の貿易相手国であり 日本から中国への投資及び進出企業数もトップを占めている しかしながら 日中間には以下のような多くの懸案事項が存在する 1 大東亜戦争に起因する靖国問題 南京問題 教科書問題等 2 中国による尖閣列島の領有権主張問題 尖閣諸島周辺海域での中国公船による パトロール常態化 の宣言 領海侵入事案の頻発 領空侵犯事案の発生 中国海軍艦艇による南西諸島周辺海域航行 自衛隊護衛艦へのレーダー照射事案 中国航空機による我が国護衛艦に対する近接飛行事案等 3 排他的経済水域の線引き問題中国の周辺海域での海洋活動の活発化 4 わが国のシーレーンの安全確保に関わる問題中国の不透明な軍事力の増強と台湾問題 南沙諸島の領有権問題 オ戦略的互恵関係の構築 強化戦略的互恵関係とは 二国間の安全保障 外交 経済 環境 エネルギーなどさまざまな分野において 懸案事項や対立が存在するものの 双方がその中で共通の利益を見出すよう歩み寄り それを発展 拡大して Win Win の関係構築を目指しながら 関係改善を図り二国間を発展させて行こう とする関係をいう すなわち 日中両国がアジア及び世界に対して厳粛な責任を負うとの認識の下, アジア及び世界に共に貢献する中で, お互い利益を得て共通利益を拡大し, 日中関係を発展させることを目指すというものである 日中はこのような関係を構築するための対話と協力の五つの柱として 以下のことを掲げている 1 政治的相互信頼の増進両国首脳の定期的相互訪問や安全保障分野での対話 交流促進に取り組む 2 人的 文化的交流の促進及び国民の友好感情の増進人的往来 中国における在留邦人 日中間の留学生 日中間の友好姉妹都市締結等を促進する また青少年交流 新日中友好 21 世紀委員会 日中国交正常化 40 周年事業 歴史共同研究等を通じて友好感情の増進を図る 3 互恵的経済関係を構築する 4 アジア太平洋への貢献東シナ海を 平和 協力 友好 の海にするための取組 5 グローバルな課題への貢献しかしながら これら対話と協力は 中国の発言と行動によって あるいは中国の事情や都合によ 36

38 って 一方的に拒絶されたり 取りやめられたりする 戦略的互恵関係構築の取組みにあまり成果が見られないのが現状ではないだろうか そもそも中国との間で 戦略的互恵関係の構築は果たして可能なのか あらゆる独占を目指す覇権主義に互恵という考えはない 中国が互恵という言葉や 日本や国際社会にとって耳触りの良い言葉や政策あるいは関係の構築を提唱する場合 中国の国益の達成に障害となるものや 第三者の関与を排除するためであると認識すべきである 我が国では 社会生活を営む上で 約束を守ることや約束を果たすことはあたりまえのことと認識されている 約束を破ることは平気ではないし 約束を果たせないことに責任を感じる人や 他人はどうあれ 自分はそうだとすることに価値を見出す人は多い 他人がどうであるかに関わらず 付き合わざるを得ないのが世間の現状である 問題は 約束を守ることにも 約束を果たせないことにもあまり価値観や責任を持たない人とどう向き合うか どう付き合うかである 我が国には 中国との関係改善に 戦略的互恵関係を構築するという選択肢しかないが 中国には利益を得 利益を拡大する間のことでしかない 共通の利益といっても それがもたらすものは 其々の事情によって異なる もし 我が国にとってその利益を失うことが耐えられないものになったとしたら 新たな縛りに拘束されることにもなりうる 戦略的互恵関係を構築するということは そもそもそれを受け入れない素地があるという前提でなされるものであることや 利益追求が必ずしも国家関係の改善につながらないということを十分に認識し どう手を打っていくか 本来このことこそ戦略を構築すべき課題である カ中国の目指すところ中国に拮抗する軍事力を有する国は アメリカとロシアである 中国は共産党一党独裁による統治体制を維持し そして目指すところは米国を超越する富国強兵であり アジア太平洋地域あるいは国際社会において覇者となることである そのためには手段を選ばず すべてに貪欲で 邪魔する者は容赦しない 国連安保理常任理事国として 中国は中国の国益のために拒否権を発動しうる立場にある 冷戦期は米ソの拒否権行使が主たる対立であったが 冷戦後は中露連携の拒否権行使が主たる対立となっている 国連はシリアのアサド政権を非難し制裁を警告する決議案を採決したが 中国とロシアの拒否権行使により否決された このことは 国連の安全保障機能の限界をあらためて曝け出すとともに 我が国がよりどころとする国際協調主義は 我が国や国際社会の安全保障の確保に 絶対的な信頼を置くべきものでないことを知らしめた 国際協調主義はもしかして 国際社会において我が国だけが掲げる独善的なものではないかと 中国の軍事力は ロシア製兵器の輸入 ~ 始まり ノックダウン ライセンス生産 そしてリバース エンジニアリング ( いわゆるコピー ) 開発を通じて 自前の生産基盤と 技術基盤を育成し 独自開発 独自生産能力を追い求め 現在 最先端兵器を保有するに至っている これとともに 労働力集約型を武器とした国際社会で担ってきた低コストのサプライチェーンから脱却を目指し とり込んだ外国資本と生産施設 設備をもとに生産基盤 技術基盤を育成し 世界市場で先発国に追いつき 中国製品のシェアを拡大するための努力を行って来た 世界市場が欧米先進諸国からアフリカ等後進諸国にシフトする時代にも恵まれ 中国は目覚ましい経済成長を遂げた 37

39 兵器でも民生品でも 最先端技術を持つ先進国や 市場の先発国に追いつくため 研究開発において リバース エンジニアリングは正当なこととして認められている ただし 契約に基づく守秘義務違反や 知的財産権を侵害しての製品化や商品化は許されていない 中国はこのルールを独自に解釈し 主張し 時にはあからさまに無視する もちろん 製品の物真似やコピーにとどまっていてはそれ以上のことは望めない そこであらゆる機会を捉え あらゆる手段を講じて 不正に先端技術へアクセスしその情報を窃取することを試みることになる その第一線にあるのが 中国が国家として関与していることが明らかなサイバー攻撃である 中国は 国際社会のあらゆる活動が 情報 通信ネットワークからなるサイバー空間を基盤としていることから 中国の活動を優位にするためには このサイバー空間において優位を確保し 必要な情報を収集し 社会混乱を生起させ得るサイバー攻撃能力を保持することを最優先して捉えているようである キ中国は長い歴史と 文化 伝統 慣習を有する 中国には儒教をはじめとして 君主 官僚 軍人 人民に対し大きく影響を与えてきた様々な哲学や思想 宗教党の古典がある それらは ありとあらゆる人間模様人間の本質 ものの考え方 成功や失敗の原因 栄枯盛衰等 余すところなく描いている 中国の指導者は古来等しくこれらの古典を研究し精通してきた 現代の中国の指導者もまた同様であり 特に共産党指導者は 孫 呉等の兵法の思想 学問に精通し 詐術 欺瞞 謀略に長けている その兵法は 如何に相手を錯覚に陥 如何に相手を錯誤に導くかを原則とする 相手を弱いとみれば態度を硬化し威嚇する 強ければ態度を軟化し平和共存や親善友好に変ずる 如何にして相手国の実力を封じ 鋭気を避けるか そしてうんざりしたところにつけこむ 日本を孤立させる 日本を如何にしてアメリカから引き離すか アメリカを如何にして日本から撤退させるか 日米関係を如何に離間させるかが中国の目指すところである ( 安岡正篤 活学としての東洋思想 PHP 文庫 ) ク中国の典型的な主張パターン米国が台湾への武器売却 (F-16A/B 戦闘機の性能を向上させるための部品 ) を発表したことに対する 中国外務省の抗議文 ( 毎日中国経済記事翻訳 : 金慧編集翻訳 : 松尾亜美 ) は 中国の典型的な主張を示すもので それを尖閣諸島問題に当てはめると次のようになる ここは我が国の固有の領土で不可分な一部であることは歴史的に明かであり 我が国の立場は終始一貫して明確だ 領土問題は我が国の主権と領土保全や我が国民の民族的感情に拘わる重大な問題である 日本のこの原則を無視する態度は 二国間のみならず国際社会の平和と安定を損なうものであり 全ての責任は日本にある 日本に対して 我が国の主権と領土保全を尊重し 国際関係の基本準則を遵守するよう求め 二国間で平和的手段により問題を解決するよう努めてきたが 日本は再三にわたる忠告を無視して敵対行動をとるという誤りを犯してきた 我が国と我が民族はこれに憤慨し強く抗議をしてきたが 我が国の正当な権利と我が国民の安全を守る自衛のために やむを得ずの正義の戦いを始めた これは我が国と日本の二国間の問題であり 自衛のための戦いであり これに関 38

40 し他国の関与を拒否し絶対に許すものでない これに干渉する者は我が国の敵と見なす その責任は完全にその国にある 専守防衛に徹し 他国に脅威を与えるような軍事大国とならないとの基本理念は 相手に軍事的脅威を与えない軍事力は保有すると言っているに等しい 我が国は理念を掲げることと 現実的な脅威にどう対処するかということをとり違えてはならない (2) 北朝鮮問題への対応我が国の北朝鮮問題への対応の基本方針は 日朝平壌宣言にのっとり, 拉致, 核, ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し, 不幸な過去を清算し, 日朝国交正常化を実現すること であるとしている 拉致問題の解決なくして国交正常化はあり得ないとしていることから この方針では 北朝鮮が核兵器開発や弾道ミサイルの開発を取りやめない限り また 我が国が統治時代に行ったとする不幸な過去を清算しない限り 国交正常化の実現はあり得ないということを示していることになる 包括的に解決するということも過去を清算するということも 何処から何処まで 何をもってそうしたとするのか という具体的なことを示すことが困難な言葉である いずれにしても 双方が納得できる答えが得られなければ 正常化は実現しない これは問題解決しない方針であるといえる (3) ロシアとの協力の推進ロシアとは 北方領土問題は 北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの一貫した方針の下 精力的に交渉する一方 安全保障及びエネルギー分野を始めあらゆる分野で協力を進めることを基本方針とするとしている これも北方四島の帰属問題の解決が平和条約締結の前提となっている ロシアとの平和条約締結よりも 北方領土が変換されれば あるいはそれよりも エネルギー分野を中心とした良好な経済関係を構築 拡大できれば良しとしているように思える ロシアとの関係は お互い経済的な利益を得るなど 共通利益を拡大しながら 北方領土問題と平和条約締結という問題解決に取り組むという 戦略的互恵の関係にあるといえる これは極めて現実的な外交政策の選択肢といえるが その目標とするところを取り違えてはならない 以下 地域協力の枠組み等の積極的活用 アジア太平洋地域の友好諸国と同地域の安定の確保に向けた協力 国際社会の平和と安定に向けたアジア太平洋地域外の諸国との協力関係の強化 という戦略的アプローチも 我が国が直面する安全保障状の課題を克服する具体的な方策を一切示していない 4 国際社会の平和と安定のための国際的努力への積極的寄与 要旨国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から 国際社会の平和と安定のため 以下のような積 39

41 極的な役割を果たしていく 1 国連外交の強化 国連 PKO 集団安全保障措置等 国連の取組に積極的に寄与 安保理改革の実現を追求 2 法の支配の強化 国際的なルール作りに積極的に参画 海洋 宇宙空間及びサイバー空間について 国際規範形成や信頼醸成措置に向けた動きに積極的に関与 3 軍縮 不拡散に係る国際努力の主導 核兵器のない世界 の実現に向けて積極的に取り組む 北朝鮮 イランの核問題の解決を含む国際的取組を主導 国際輸出管理レジームに積極的に参画 4 国際平和協力の推進 PKO 等に積極的に協力 ODA や能力構築支援の更なる活用や NGO との連携 平和構築人材や各国 PKO 要員の育成 5 国際テロ対策における国際協力の推進 国際的な法的枠組みの強化 開発途上国に対する支援等に取り組む (1) 国連外交の強化我が国は 国際連盟を離脱し 国際社会から孤立し 先の戦争に突入せざるを得なかったという経験を持つ 二国間の関係がギクシャクしても 国連という寄り合いの場では顔を合わす 顔を合わせば対話の機会もある 国連は 安保理の常任理事国の仕組みから 世界各地の紛争や テロ 人道的な問題に対して我が国が望ましいとするように機能して来たとは限らない 国連は国際社会の安全保障に関わる様々な事態に対し 国連憲章に掲げる理想の実現に 必ずしも有効に機能していない 我が国はこの現実を直視した上で 国連の取組みに対し積極的に寄与していこうとしている 安保理の仕組みを改革すること すなわち多数決による決議をもってすべての国がこれに従うという原則の適用は 力のない多数派と力のある少数派の力学を覆すことはできないという根本的な問題を解決できない以上不可能である 安保理の拒否権は多数決による強行を阻止する手段であるとともに 常任理事国である大国の国益を優先するという両刃の権利となっている (2) 法の支配の強化人が法を遵守しないことがあるように 国家もまた法を遵守しないことがある また国際法を拒否し批准しない国家もある 国連においては 多数決のルールによる決議が 拒否権によって行使できないという現実がある 我が国が 国際法を貫き通すといっても 米国との同盟関係において 米国の行動と国際法が矛盾することもあり得る 我が国はどちらを優先すべきなのか 40

42 (3) 軍縮 不拡散に係る国際努力の主導欧州における信頼醸成措置や通常兵器の軍備管理 軍縮問題への取り組みが 我が国において 善き教訓として取り扱われている 安全保障環境は個々の国家によって事情が異なることや 防衛力整備は脅威対処に基づくものであることを考えると 兵力削減や軍縮は本来国家間の取引によるもので 個別に交渉していくものである 本格的な侵略に対処できる自衛力を有していない状況にあって 自ら積極的に人道的と主張される軍縮を主導し 自衛のために必要な力をそぎ取ることに何の意義があるのか 我が国は人道的という立場で 特定通常兵器の禁止のオタワ条約で対人地雷を廃棄した また オスロ条約によりクラスター弾も廃棄した それにより 我が国周辺の安全保障環境が好転したとはいえないし 周辺諸国は我が国に賛同して 同種兵器を廃止したということもない 通常兵器の削減は 軍縮と人道的な意義から欧州を主に積極的に取組まれてきている 欧州では歴史上 戦争が途絶えることはなかった だからこそ信頼醸成措置や軍備管理 軍縮に取り組まざるを得なかったのである 我が国とは環境も歴史も全く異なる 軍事大国である米 ロ 中は オタワ条約 オスロ条約に参加していないし 我が国周辺国はいずれも不参加である そもそも 欧州は我が国の安全保障に何の手助けもできないし関心も薄い 中国は欧州各国にとっては軍事 民生を問わず魅力的な市場である 我が国は世界市場において欧州のライバルである 我が国の安全保障に重大な影響を及ぼしかねない製品や生産設備等の輸出について 利すると思えば躊躇することはない 何ゆえに欧州での教訓を国際努力と褒め称え 盲目的にあてはめ 国際社会で主導をとろうとしているのか (4) 国際平和協力の推進長年にわたる国際平和協力にも関わらず 我が国周辺の安園保障環境は増々厳しくなっているという現状がある このことは 国際社会に貢献することと 我が国の安全保障との間には なんら相関関係がないという証左である 我が国の平和活動が 我が国の有事に際して 我が国に有利に働くといったことか期待できないことを示している (5) 国際テロ対策における国際協力の推進テロの効果は 時と場所を選ばず 無差別殺傷 無差別破壊という恐怖を与えることにある この恐怖は テロ組織が国際化し 標的も国際化し その殺傷 破壊能力も大量破壊兵器の入手により極めて高くなっていることにある テロにはテロに走る理由があるし それに資金を提供し 欲する兵器を提供し 活動を支援する者や国家がある その国家に兵器を供給する国家もある それぞれの国家にはそうする理由がある この連鎖を断ち切らない限りテロはなくならない テロに対し 断固戦うという決意は 我が国においてテロを絶対防止するということであり テロに対し積極的に取り組む国家に理解を示し その活動の正当性を支持するということにつながる 我 41

43 が国はテロに関する情報を独自に取得するという能力に欠けることから 適切に情報を収集するには国際協力によらざるを得ない 国際テロは 国内治安を担当する警察の任務なのか 国家としての安全保障上の戦いとして防衛政策に取組むことなのか いずれにしても 国家として独自の高い情報収集能力を整備する必要がある 5 地球規模課題解決のための普遍的価値を通じた協力の強化 要旨国際社会の平和と安定及び繁栄の基盤を強化するため 普遍的価値の共有 開かれた国際経済システムの強化を図る さらに 国際社会の平和と安定の阻害要因となりかねない開発問題や地球規模問題の解決に向け 以下の取組を進める 1 普遍的価値の共有 民主化支援等に ODA を積極的に活用 人権擁護の潮流の拡大に貢献 女性に関する外交課題に積極的に取り組む 2 開発問題及び地球規模課題への対応と 人間の安全保障 の実現 ODA を活用し ミレニアム開発目標達成に向けた取組を強化 新たな国際開発目標の策定を主導 * 国際社会は, 万人のための教育 (EFA:Education for All) ダカール行動の枠組み 及び, 国連ミレニアム開発目標 (MDGs:Millennium Development Goals) において 2015 年までの初等教育の完全普及などを国際的な目標として設定し, 教育開発への取組を強化している 防災分野での国際協力を主導 3 開発途上国の人材育成に対する協力 幅広い人材を招致し 教育訓練を提供 4 自由貿易体制の維持 強化 TPP 協定等経済連携を推進し 世界経済の成長に寄与 我が国の成長につなげる 多角的貿易体制も促進 5 エネルギー 環境問題への対応 資源の安定的 安価な供給を確保 供給源の多角化等を実施 環境エネルギー技術や 途上国支援等をいかした地球温暖化外交戦略を展開 6 人と人との交流の強化 青少年の交流を拡大 2020 年東京五輪等を活用しつつ スポーツや文化を媒体とした交流を促進 (1) 普遍的価値の共有普遍的価値は 我が国のあり方として選択したものである 当然 国際社会にはそれを受け入れない国家が存在する そのことが 我が国の安全保障にどのような影響を及ぼすかを明確にする必要がある 例えば 基本的人権は 人間は自由かつ平等であるという権利を生まれながらに有しているとの主 42

44 張に基づく しかし 国家によって自由と平等の捉え方が異なることから 基本的人権は国家のあり方属する問題 すなわち内政問題であるといえる 内政干渉は国家の要件に係る問題であることから 基本的人権については他国が関わる問題ではない 人道的見地という言葉は 本来他国が関わる問題ではないことを示唆している 普遍的価値の共有を目指すとして その限界や障害にぶつかった時 我が国はその国をどう扱うつもりなのか このことが戦略のテーマとならなければと考える (2) 開発問題及び地球規模課題への対応と 人間の安全保障 の実現 NSS は 個人の生存と尊厳を脅かす重要かつ緊急な課題として 貧困 格差 感染症 気候 環境 食料 内戦 災害等が地球規模の問題となっているとしている これらの課題は本質的にはその国家の内政問題である 国家の統治機能がうまく働いていない場合 国家が単独でこれに手を差し伸べることは 内政不干渉の原則からしても 経済的な支援能力からしても限界がある 国連を中心とした活動にならざるを得ないが ここにも紛争地域での活動を認めていない我が国は 自ずと限界がある対応しかできない これをどう解決しようとしているのか (3) 開発途上国の人材育成に対する協力開発途上国の人材育成に対する協力は 途上国の発展と我が国との友好関係の醸成に寄与する 我が国は 開発途上国の自主性を尊重し 開発途上国の発展の基礎となる法 制度構築や経済社会基盤の整備の役割を担う様々な人づくりに協力している また 開発途上国からの留学生の受入れや 教員等の人的交流留を積極的に推進している 開発途上国の人材育成に対する協力や投資は 国際社会による善意の協力ということにとどまらず 途上国の発展が 自分の国益につながる見返りとなることを期待することから 積極的に取組まれており 静かな競争を生み出している (4) 自由貿易体制の維持 強化自由貿易体制が 世界経済の成長に寄与することは誰も否定しない しかしながら 国家は自国の存立と繁栄のために 経済産業を保護し 育成 強化するという使命をもつ この問題は 自由貿易体制を尊重するという国際社会への義務と責任を果たすことと 自国の利益をいかに護るかということに帰結する この間の調整役を担うのが関税協定である この協定は 2 国間にとどまらず地域的 包括的なものへと拡大する傾向にあるが これは国際社会が取り決めた一つのルールであり秩序でもある ここでの問題が 安全保障の協力関係に影響を及ぼすことがあってはならない (5) エネルギー 環境問題への対応世界のエネルギーや鉱物資源の需要は 今後急速に増大することが予想されている これらの資源の安定供給は 途上国のみならず 我が国にとって極めて重要な課題である また途上国におけるエネルギー利用や 資源開発に伴う環境問題が地球規模の課題となっており 我が国は これに対する 43

NSS-summary

NSS-summary 国家安全保障戦略 ( 概要 ) Ⅰ 策定の趣旨 我が国の安全保障 ( 以下 国家安全保障 という ) をめぐる環境が一層厳しさを増している中 豊かで平和な社会を引き続き発展させていくためには 我が国の国益を長期的視点から見定めた上で 国際社会の中で我が国の進むべき針路を定め 国家安全保障のための方策に政府全体として取り組むことが必要である グローバル化が進む世界において 国際社会における主要なプレーヤーとしてこれまで以上により積極的な役割を果たしていくべきである

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