ISO14119 (インターロックガード) の紹介

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アジェンダ ISO14119とは? 現在の改定作業の状況 ISO14119:1998 版との対比 ISO/DIS14119の主な要求事項 今後の動向 2

ISO14119 とは? インターロックとは? 安全装置 安全機構の考え方の一つで ある一定の条件が整わないと他の動作ができなくなるような装置 機構のこと インターロック装置とは? ガードが開いていると機械要素の動作を避けるための機械的 電気的などの装置 機械の安全ガードに関連するインターロック装置の設計および選定のための一般要求事項 3

ISO14119 の各国対応 米国 (ANSI B11.19) 欧州 EN 1088 韓国 KS B ISO14119 中国日本 GB/T 18831 JIS B9710 4

機械安全の国際規格体系 ISO12100-2010 ISO14119 ISO13849-1 など 工作機械産業用ロボットなど A 基本安全規格 B グループ安全規格 C 個別安全規格 5

ISO14119:1998 の改定作業 1998 年第 1 版発行 2007 年 AMENDMENT1 発行 2008 年 7 月 15 日 WD 発行 2009 年 9 月 17 日 CD 発行 2011 年 9 月 22 日 DIS 発行 ISO / TC199 / WG07 Interlocking devices にて現在改訂作業中 日本では ( 社 ) 日機連 ISO/TC199 国内部会 14119WG にて審議 6

目次の対比 現行版 (1998 年発行 ) 1 適用範囲 2 引用規格 3 定義 4 ガードに付随するインターロック装置の作動原理及び代表的形式 5 インターロック装置設計の規定条項 6 電気式インタロック装置に対する技術的追加要求事項 7 インターロック装置の選定付属書 A,B,C,D,E,F,G,H,J,K,L,M,N,P DIS 版 (2011 年 9 月 22 日発行 ) 1 適用範囲 2 引用規格 3 項と定義 4 ガードに付随するインターロック装置の作動原理及び代表的形式 5 インターロック装置設計 ( ガードロッキング付き / 無し ) と設置のための要求事項 6 インターロック装置の選定 7 インターロック装置の無効化の可能性を最小にするための設計 8 制御の要求事項 9 使用のための情報付属書 A,B,C,D,E,F,G,H,I,J,ZA 7

適用範囲 機械の安全ガードに関連するインターロック装置の設計と選定の原則 エネルギー源の特性如何にかかわらない インターロック装置を作動させるガードの部品も含まれる 注 : ガードの構造や強度に関する規定 ISO14120 注 : インターロック装置からの信号処理に関する規定 ISO13849-1 8

用語 ( 変更点 ) 定義される用語が大幅増 (9 30 個 ) インターロック装置を TYPE1~4 に分類 アクチュエータのコード化レベルの定義が追加 無効化に関する定義が追加 ガードロッキングの開放手段の定義が追加 9

TYPE1~4 インターロック装置 TYPE1 TYPE2 TYPE3 TYPE4 作動方法カムトング非接触非接触 コード化 No Yes No Yes ドア開 ポジションスイッチ 10

アクチュエータのコード化レベル Low レベルコードパターン =1~9 トング型アクチュエーターなど Medium レベルコードパターン =10~1000 high レベルコードパターン >1000 RFID など 11

無効化の可能性を最小にする設計 Start インターロック装置の実装における原則を実施 無効化の動機 Yes No 動機の除去または最小化が可能 Yes No End 合理的に予見可能な無効化対策の実施 動機を除去または最小化する設計 12

インターロック装置の実装 インターロック装置は位置がずれないよう十分な処置が必要 - 位置決めピン 保護カバーなど TYPE1 または TYPE2 のインターロック装置を単独で用いて停止命令を出す場合は ドア開と連動して機械的に直接電気接点をオープンにする ドア閉 動作可 ドア開 動作不可 13

無効化の動機 ドア閉ドア開ドア開 動作可動作不可動作可 なぜ? 利便性 サイクルアップ コストダウン 耐久故障回避など ケーブルタイによる無効化 14

無効化動機の除去または最小化 セットアップ ツールチェンジ メンテナンスを目的とした特別操作モードの使用が可能 ただし! 機械のタイプや機能に大きく依存するため 安易な使用は危険! C 規格 ( 個別安全規格 ) で定義されるのが一般的 プラスチック射出成形機の米国規格 (ANSI/SPI B151.1) ではキースイッチの使用でガード開時の一部動作が認められている 15

無効化対策 手が届かなくする ガードを付ける 隠す コード化する 簡単に外せない 動作チェックする 16

無効化の可能性を最小にする設計 どの TYPE のインターロック装置をどう使うかによって無効化を最小にする設計が規定されている C 規格での導入を推奨 TYPE1 + ヒンジ 簡単に外せないように特殊ビスなどで止めなければならない 17

ガードロッキング装置 ロック アンロック ばね ( 動力 OFF) 動力 ON 動力 ON ばね ( 動力 OFF) 動力 ON 動力 ON 機械式 動力 ON 動力 OFF 電磁式 ロック状態はモニタリングが必要 18

ガードロッキング装置の保持力 テスト方法ロック状態にて 10±0 25mm/sec のスピードでドア開方向に故障するまで牽引する このときの牽引力を F1max 製品に表示する保持力は Fzh 以下でなければならない Fzh= F1max S S=1.3 19

静的な最大操作力 Annex I ガードを開ける体勢によってインターロック装置のガードロッキング装置に必要となる保持力は変わってくる 使用する装置の保持力 Fzh > 想定される静的な最大操作力 20

ガードロッキングの補助的解除 エスケイプリリースセーフガードの内側から工具無しで手動で解除が可能 エマージェンシーリリース工具無しで手動で解除が可能 解除中は停止コマンド発行 解除のリセットは特別な手段が必要 IDEC 株式会社 HP より アグジュアリーリリース特別な工具でのみ解除が可能 解除中は停止コマンド発行 これらは状況に応じて使い分けることができる 21

インターロック装置の選び方 以下を考慮しなければならない 機械を使用する条件とその用途 機械のハザード 起こりうる負傷の度合い インターロック装置の故障確率 機械の停止性能とアクセスタイム システムの必要とされる安全性能 PL(ISO13849-1) または SIL(IEC62061) 22

使用環境に対する配慮 温度 ダスト 湿気 振動とショック 衛生 電磁妨害 TYPE2 インターロック装置 塗料木材片金属片など TYPE3,4 インターロック装置 TYPE 選定や定期メンテナンス等に関わる 23

制御要求 故障の評価 インターロック装置の故障に伴うリスク評価が必要 インターロック装置が正常に動作しているかどうかを自動監視機能でチェックすることができる 危険源へのアクセス頻度が低ければ定期的な手動チェックも可能である 24

制御要求 共通原因故障の防止 異なる動作モードのインターロック装置の併用で防止できる 25

制御要求 ( その他 ) ガードロッキング装置の解放 障害の除外 インターロック装置の直列接続 電気と環境の条件 ISO13849-1,-2 あるいは IEC60204-1 の制御要求に順ずる 26

使用上の情報 マーキング ガードロッキング装置のモニタリングのシンボル 取り扱い説明書正しい使い方 保持力などの記述が必要 27

ANNEX( 付録 ) の抜粋 TYPE1 インターロック装置の例 1 ガード開 A 可動ガード B アクチュエータ ( カム ) ガード閉 C ポジションスイッチ 1 開方向 利点 ダイレクトメカニカルアクション 容易に無効化できない欠点 カムとスイッチの位置決めが難しい 28

ANNEX( 付録 ) の抜粋 TYPE1 インターロック装置の例 2 1 系統 2 系統 油空圧インターロック装置 29

ANNEX( 付録 ) の抜粋 TYPE2 インターロック装置の例 利点 取り扱いが容易欠点 耐久性 ほこりに弱い 1 ポジションスイッチ 2 アクチュエータ コード化されたアクチュエータを持つトングスイッチ 30

ANNEX( 付録 ) の抜粋 TYPE4 インターロック装置の例 利点 コンパクト ほこり 水に強い ハイレベルのコード化欠点 電磁波の影響 1 開方向 3 コード化 RFID タグアクチュエータ 2 非接触ポジションスイッチ 4 可動ガード 31

ANNEX( 付録 ) の抜粋 ガードロッキング装置の例 ( 電磁式 ) 1 コード化アクチュエータ 3 ガード保持磁石 2 磁力保持板 4 非接触インターロック装置 利点 突起物が無い ほこり 水に強い コンパクト欠点 電源 OFF で開く 保持力の信頼性 32

ANNEX( 付録 ) の抜粋 安全機能の実施 ( カテゴリー 1) ISO13849-1 で定義されているカテゴリー 1~4 の実施例あり 33

今後の予定 DIS の投票期限 2012 年 2 月 22 日までに投票とコメント提出 FDIS の発行と投票 :~2012 年中旬 ISO として正式発行 :~2012 年中 JIS B9710 の改訂作業 :2012 年後半 ~2013 年 34

ご清聴ありがとうございました 完 35